JP2023004889A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP2023004889A
JP2023004889A JP2022082021A JP2022082021A JP2023004889A JP 2023004889 A JP2023004889 A JP 2023004889A JP 2022082021 A JP2022082021 A JP 2022082021A JP 2022082021 A JP2022082021 A JP 2022082021A JP 2023004889 A JP2023004889 A JP 2023004889A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drive shaft
housing
inner peripheral
scroll
peripheral surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022082021A
Other languages
English (en)
Inventor
千輝 高間
Chigira Takama
裕展 出口
Hironobu Deguchi
慎介 宮前
Shinsuke Miyamae
利樹 丸山
Toshiki Maruyama
ギタリ イメド
Imed Guitari
俊一郎 本橋
Shunichiro Motohashi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Valeo Japan Co Ltd
Original Assignee
Valeo Japan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Valeo Japan Co Ltd filed Critical Valeo Japan Co Ltd
Priority to EP22178107.3A priority Critical patent/EP4108882A1/en
Priority to CN202210723567.6A priority patent/CN115523139A/zh
Priority to US17/808,738 priority patent/US11939976B2/en
Publication of JP2023004889A publication Critical patent/JP2023004889A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Rotary Pumps (AREA)

Abstract

【課題】ハウジングに対する駆動軸支持部材の、径方向の位置決め精度を高めること。【解決手段】スクロール圧縮機(10)は、ハウジング(20)に収納されたスクロール圧縮機構(60)を駆動する駆動軸(51)と、この駆動軸(51)を支持する駆動軸支持部材(30)とを有する。前記駆動軸支持部材(30)は、前記駆動軸(51)の軸方向に所定の厚さを有する板部(31)を含む。この板部(31)の一方側端面(31a)には、揺動スクロール(80)の摺動運動を支持する摺動支持面(31c)を有する。前記板部(31)の他方側端面(31b)には、軸方向の他方側に向けて突出し、前記ハウジング(20)の内周面(25b)に嵌め合わされる突出部(33)が形成されている。この突出部(33)が前記ハウジング(20)の内周面(25b)に、しまりばめされることにより、前記駆動軸支持部材(30)が前記ハウジング(20)に固定される。【選択図】図2

Description

本発明は、スクロール圧縮機の改良技術に関する。
スクロール圧縮機は、ハウジングに収納されたスクロール圧縮機構と、このスクロール圧縮機構を駆動する駆動軸と、この駆動軸を軸受を介して支持している駆動軸支持部材とを備えている。一般的な技術として、駆動軸支持部材は、ハウジングとは別体で構成され、ハウジング内に挿入される。ハウジングに対する駆動軸支持部材の径方向の位置決めは、位置決めピンとピン孔との嵌め合い構造、つまりピン嵌合構造によって行われる。このピン嵌合構造は、座面に立設された位置決めピンと、この位置決めピンを嵌め込み可能に駆動軸支持部材に開けられたピン孔と、からなる。
ピン嵌合構造による位置決めには、通常2組の位置決めピン及びピン孔が用いられる。それぞれのピン孔の位置には公差があり、ピン孔同士の相対的な位置ずれによる位置決めピンとピン孔の間の干渉を防ぐため、通常、位置決めピンとピン孔とは、両者間に固有のクリアランスを設けた、いわゆる隙間ばめにより組付けられる。
隙間ばめによるピン嵌合構造によりハウジングに位置決めされた駆動軸支持部材は、位置決めピンとピン孔の間のクリアランスの範囲でハウジングの径方向に動くことができる。このため、ハウジングに対する駆動軸支持部材の軸線にズレが生じ得る。このズレは、駆動軸支持部材に設けられている軸受の位置に、影響を及ぼす。そうすると、駆動軸の動バランスや形状精度が十分にとれていたとしても、ハウジングに対する駆動軸の軸線が、理想的な位置からずれてしまう。この結果、駆動軸自体が偏心運動をしてしまい、これがスクロール圧縮機の振動や騒音の発生につながる要因となり得る。
上述のピン嵌合構造の問題を改善するために、駆動軸支持部材をハウジングに機械的に固定することが考えられる。特許文献1で知られているスクロール圧縮機は、ハウジングの内部に、軸線に対して直交した座面が形成されており、この座面に対して、駆動軸支持部材(軸受支持部材)のフランジが重ねられ、さらにボルトによって固定された構成である。
特開2009-293523号公報
特許文献1に記載されるように、ボルトによって、駆動軸支持部材(軸受支持部材)をハウジングに固定する構造の場合、ハウジングの座面にボルトのネジ部が締結されるネジ孔を設け、さらに、フランジにはボルトを挿通する挿通孔を設ける必要がある。このため、駆動軸支持部材の外径が大きくなり、これに伴い、圧縮機の胴径が大きくなる問題がある。
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであって、スクロール圧縮機において、スクロール圧縮機の胴径に影響を与えないで、ハウジングに対する駆動軸支持部材の、径方向の位置決め精度を高めることができる技術を提供することを、課題とする。
以下の説明では、本発明の理解を容易にするために添付図面中の参照符号を括弧書きで付記するが、それによって本発明は図示の形態に限定されるものではない。
本発明によれば、ハウジング(20)と、このハウジング(20)に収納され、固定スクロール(70)と揺動スクロール(80)とが係合することにより冷媒を圧縮するスクロール圧縮機構(60)と、このスクロール圧縮機構(60)を駆動する駆動軸(51)と、この駆動軸(51)を軸受(52)を介して回転可能に支持する駆動軸支持部材(30;30A)と、を有するスクロール圧縮機(10;10A)において、前記駆動軸支持部材(30;30A)は、前記駆動軸(51)の軸方向に所定の厚さを有する板部(31)を含み、この板部(31)の前記駆動軸(51)の軸方向の一方側端面(31a)には、前記揺動スクロール(80)の摺動運動を支持する摺動支持面(31c)を有し、前記板部(31)の前記駆動軸(51)の軸方向の他方側端面(31b)には、軸方向の他方側に向けて突出し、前記ハウジング(20)の内周面(25b)に嵌め合わされる突出部(33;33A)が形成され、前記駆動軸支持部材(30;30A)は、前記突出部(33;33A)が前記ハウジング(20)の内周面(25b)に、しまりばめされることによって、前記ハウジング(20)に固定されていることを特徴とするスクロール圧縮機が提供される。
好ましくは、前記ハウジング(20)の前記内周面(25b)は、前記突出部(33;33A)がしまりばめされる第1内周面(25c)と、前記板部(31)が径方向に隙間(34)を存して嵌合される第2内周面(25d)を有し、前記第1内周面(25c)と前記第2内周面(25d)の間には、前記駆動軸支持部材(30;30A)の前記板部(31)の前記他方側端面(31b)を支持する座面(25e)が設けられている。
好ましくは、前記突出部(33;33A)と前記摺動支持面(31c)との間には、前記突出部(33;33A)から前記摺動支持面(31c)への歪みの伝達を抑制する歪伝達抑制部(35)が形成されている。
好ましくは、前記歪伝達抑制部(35)は、前記突出部(33;33A)と前記板部(31)の間に形成された外周溝(36)である。
本発明では、駆動軸支持部材の板部のなかの、一方側端面に摺動支持面を有し、これとは反対側の他方側端面に突出部を有している。この突出部がハウジングの内周面にしまりばめによって固定されることにより、駆動軸支持部材をハウジングの軸線上に精度良く位置決めされる。突出部のしまりばめによって、ハウジングと駆動軸支持部材とを同軸に精度良く組立てることができる。
しかも、摺動支持面は、板部の両端面のなかの、突出部を有していない方の端面に設けられているので、突出部から軸方向へ離れている。このため、突出部をハウジングにしまりばめすることによって発生する、突出部の歪みは、摺動支持面の平面度に影響を及ぼしにくい。このため、摺動支持面は、揺動スクロールの摺動運動を支持する性能や信頼性を確保することができる。
実施例1によるスクロール圧縮機の断面図である。 図1の2部の拡大図である。 図1の3部の拡大図である。 図2に示されるハウジングとスクロール圧縮機構と駆動軸支持部材の分解図である。 実施例2によるスクロール圧縮機の駆動軸支持部材の斜視図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、添付図に示した形態は本発明の一例であり、本発明は当該形態に限定されない。
図1~図4を参照しつつ、実施例1のスクロール圧縮機10を説明する。
<実施例1>
図1に示されるように、スクロール圧縮機10は、冷媒を作動流体とする冷凍サイクル内で使用するのに適しており、例えば、自動車用空調装置の冷凍サイクル内で用いられる。なお、スクロール圧縮機10は、用途を限定されるものではない。
スクロール圧縮機10は、水平なハウジング20と、このハウジング20の内部に設けられている駆動軸支持部材30と、ハウジング20に収納されている電動機40と、ハウジング20内で水平に延びて電動機40に駆動される駆動軸51(電動機40の出力軸を含む)と、この駆動軸51により駆動されるスクロール圧縮機構60とを有している、いわゆる横置き型の電動式圧縮機である。
ハウジング20は、水平な筒状の第1ハウジング21と、この第1ハウジング21の一方の開口を塞ぐ第2ハウジング22と、を有している。第1ハウジング21の内部は、一体の仕切壁23によって、長手方向に2つに仕切られている。第1ハウジング21のなかの、仕切壁23に対して一方を第1筒部24といい、他方を第2筒部25という。第1筒部24の開口端は、リッド26によって塞がれている。この第1筒部24の内部には、電動機40に駆動電力を供給するインバータ装置(図示せず)が収容されている。前記第2ハウジング22は、第2筒部25の開口端25aを塞ぐように、第1ハウジング21にボルト等の締結部材(図示せず)によって締結されている。
さらに、ハウジング20は、外部からハウジング20内に冷媒を吸入する吸入ポート27と、スクロール圧縮機構60により圧縮された冷媒をハウジング20から吐出する吐出ポート28とを有する。吸入ポート27は、第2筒部25に設けられている。吐出ポート28は、第2ハウジング22に設けられている。
駆動軸支持部材30と電動機40と駆動軸51とスクロール圧縮機構60とは、第2筒部25に収納されている。スクロール圧縮機構60は、第2筒部25内の開口側に位置している。第2筒部25の内部において、仕切壁23とスクロール圧縮機構60との間の空間部29のことを、以下「低圧室29」という。駆動軸支持部材30と電動機40は、低圧室29に位置している。この低圧室29は、電動機40の隙間を介して吸入ポート27に連通している。
第2筒部25の内部において、駆動軸支持部材30は電動機40とスクロール圧縮機構60との間に設けられている。この駆動軸支持部材30は、第2筒部25に対して相対回転と軸方向への相対移動の両方が規制されている。この駆動軸支持部材30の詳細については、後述する。
前記駆動軸51は、低圧室29に位置しており、第2筒部25の長手方向に水平に延びるとともに、スクロール圧縮機構60へ向かって駆動軸支持部材30を貫通している。この駆動軸51は、駆動軸支持部材30に設けられた第1軸受52(主軸受52)と、仕切壁23に設けられた第2軸受53(副軸受53)と、によって回転可能に支持されている。この結果、駆動軸51は、ハウジング20の長手方向に水平に延びるとともに、このハウジング20に回転自在に支持されることになる。各軸受52,53は、転がり軸受によって構成されることが好ましい。
さらに駆動軸51は、駆動軸支持部材30を貫通した一端面に、偏心軸54を有している。この偏心軸54(偏心ピン54)は、駆動軸51の一端面からスクロール圧縮機構60へ向かって延びており、駆動軸51に対し平行である。偏心軸54の中心線CL2は、駆動軸51の中心線CL1に対しオフセットしている。この偏心軸54には、環状のブッシュ55が回転自在に嵌合している。ブッシュ55の一部には、このブッシュ55から径方向へ突出したカウンタウェイト56(バランスウェイト56)が、一体に設けられている。さらに、このブッシュ55の外周面には、第3軸受57の内周面が嵌合している。この第3軸受57は、転がり軸受によって構成されることが好ましい。なお、偏心軸54に嵌合するブッシュ55の内周面と、第3軸受57に嵌合するブッシュ55の外周面は同軸ではなく、これにより、揺動スクロール80の中心線CL3が、偏心軸54の中心線CL2のなす回転軌跡の内側に位置することを許容する、周知の自動調芯機構が構成されている。
電動機40は、駆動軸51に固定されているロータ41と、このロータ41の周囲を包囲しているステータ42とを有する。ステータ42は、第2筒部25の内周面25bに固定されている。駆動軸51は、電動機40の出力軸として機能する。
スクロール圧縮機構60は、固定スクロール70と揺動スクロール80とが係合することにより、冷媒を圧縮するものであって、上述のようにハウジング20に収納されている。
固定スクロール70は、円板状の固定鏡板71と、円筒状の外周壁72と、渦巻き状の固定渦巻体73とを有する。固定鏡板71(固定板71ともいう)は、偏心軸54の中心線CL2に対し直交し、ハウジング20に相対回転不能に支持されている。外周壁72は、固定鏡板71の一方の板面71a(電動機40を向いた面71a)の外縁から、全周にわたって立設した円筒である。固定渦巻体73は、外周壁72の内側に位置するとともに、固定鏡板71の一方の板面71aから立設している。この固定渦巻体73は、例えばインボリュートの曲線形状に構成されている。固定スクロール70の外周壁72には、径外方から内方へ冷媒を吸入するための冷媒吸入口74が形成されている。
揺動スクロール80は、固定スクロール70に組み合わされており、この固定スクロール70に対して公転する。この揺動スクロール80は、固定渦巻体73に対向して位置した円板状の揺動鏡板81と、渦巻き状の揺動渦巻体82と、を有する。
揺動鏡板81は、揺動スクロール80の中心線CL3に対し直交し、固定スクロール70の外周壁72の内側に位置している。揺動鏡板81のなかの、固定鏡板71の一方の板面71aに向かい合う面81aのことを「第1板面81a」といい、この第1板面81aとは反対側の面81bのことを「第2板面81b」という。
揺動渦巻体82は、揺動鏡板81の第1板面81aから固定渦巻体73へ向かって立設し、この固定渦巻体73に組み合わされて複数の圧縮室83を形成している。この揺動渦巻体82は、例えばインボリュートの曲線形状に構成されている。
揺動鏡板81は、駆動軸51に設けられた偏心軸54により、第3軸受57を介して回転可能に支持されている。この結果、揺動スクロール80は、駆動軸51によって駆動される。駆動軸51が回転することにより、揺動スクロール80は駆動軸51の軸心CL2を中心として公転(偏心した回転)をすることができる。
スクロール圧縮機10は、揺動スクロール80の自転を防止する自転防止機構90を有する。この自転防止機構90は、揺動鏡板81に設けられた複数の凹部91と、駆動軸支持部材30に設けられた複数の回り止め用のピン92と、からなるピンアンドリング式自転防止機構である。以下、凹部91のことを「ピン係合凹部91」といい、ピン92のことを「回り止め用ピン92」という。
複数のピン係合凹部91は、揺動鏡板81の第2板面81bに、且つ、揺動鏡板81の中心CL3を基準とした同心円上に、等ピッチに位置している真円状の窪みである。
複数の回り止め用ピン92は、駆動軸51に対して平行な丸棒の構成であって、駆動軸支持部材30から複数のピン係合凹部91の内部へ延び、個別に係合している。このため、揺動スクロール80は、複数の円形状のピン係合凹部91の内周面の範囲だけ、駆動軸支持部材30に対して動くことができる。
駆動軸51の回転に伴って、揺動スクロール80は自転をしようとするが、ピン係合凹部91及び回り止め用ピン92によって、自転を規制される。揺動スクロール80は所定の質量を有するので、揺動スクロール80の公転に伴い径方向の加振力が生じるが、この揺動スクロール80の公転に伴う径方向の加振力は、偏心軸54に嵌合しているブッシュ55に設けたカウンタウェイト56によって釣り合いがとられる。
次に、前記ハウジング20に対する駆動軸支持部材30の固定構造について、詳しく説明する。
図1及び図2に示されるように、ハウジング20の内周面25b、つまり第2筒部25の内周面25bは、電動機40側の第1内周面25cと、スクロール圧縮機構60側の第2内周面25dとを含む。第1内周面25c及び第2内周面25dは、駆動軸51の中心線CL1を基準とした真円状である。第2内周面25dは、第2筒部25の開口端25aに連続している。
図2~図4に示されるように、第2内周面25dの径は、第1内周面25cよりも大径である。このため、第1内周面25cと第2内周面25dの間の境界には、段差面25eを有する。この段差面25eのことを、以下「座面25e」という。この座面25eは、図1に示される駆動軸51の中心線CL1に対して、直交する平坦面である。
駆動軸支持部材30は、駆動軸51の軸方向に予め設定された所定(任意)の厚さを有する円板状の板部31と、この板部31の中央に一体に設けられている支持部32とによって、構成されている。この支持部32は、板部31から電動機40側へ突出して、第1軸受52を支持している部分である。
板部31の、駆動軸51の軸方向の両端面31a,31bについて、スクロール圧縮機構60を向いている端面31aのことを「一方側端面31a(第1端面31a)」といい、電動機40を向いている端面31bのことを「他方側端面31b(第2端面31b)」という。
一方側端面31aは、揺動スクロール80の摺動運動を支持する摺動支持面31cを有する。この摺動支持面31cは、駆動軸51の中心線CL1に対して直交する平坦面であって、一方側端面31aのなかの、少なくとも揺動スクロール80の摺動運動を支持可能な範囲に、設定される。例えば、摺動支持面31cは、一方側端面31aに対して、同一面、揺動スクロール80側へ突出した面(図3参照)、または窪んだ面に構成される。揺動スクロール80の第2板面81bは、摺動支持面31cによって、摺動運動が可能に支持されている。
板部31の摺動支持面31cと揺動スクロール80の第2板面81bとの間には、圧縮反力によるスラスト荷重を受けることが可能なスラスト部材101を、介在していることが好ましい。このスラスト部材101は、例えば薄板状の環状のスラストレースによって構成される。以下、スラスト部材101のことを、適宜「スラストレース101」と言い換える。このスラストレース101は、耐摩耗性に優れる素材からなり、板部31の一方側端面31aと固定スクロール70の円筒状の外周壁72の先端面72aとの間に、挟み込み可能である。揺動スクロール80の第2板面81bは、スラストレース101に対し全周にわたって摺接可能に密接している。
板部31の他方側端面31bには、電動機40側に向けて突出した突出部33が形成されている。この突出部33は、駆動軸51の中心線CL1を基準とした周方向に連続する円環状の構成であって、ハウジング20の内周面25bに嵌め合わされる。
より具体的には、突出部33がハウジング20の内周面25b、つまり第1内周面25cに「しまりばめ」によって嵌め合わされることにより、駆動軸支持部材30はハウジング20に固定されている。しまりばめの方法としては、例えば圧入を挙げることができる。
ハウジング20及び駆動軸支持部材30の材質、第1内周面25cに対する突出部33の嵌め込み長さや嵌め合い公差、突出部33の厚さは、しまりばめによる両者の固定状態の程度、位置決め精度、突出部33が径方向内側へ倒れ込み変形をしようとする歪み量を勘案して設定される。突出部33が第1内周面25cに完全に嵌め込まれた状態で、板部31の他方側端面31bは、座面25eに当接することよって、電動機40側へ支持されている。
板部31の外径は、第1内周面25cの径及び突出部33の外径よりも大きく、且つ第2内周面25dの径よりも小さい。板部31の外周面と第2内周面25dとの間には、径方向に隙間34を有する。板部31は、第2内周面25dに緩く嵌合されている。
突出部33は、円環状の構成であるから、第1内周面25cにしまりばめによって嵌め合わされることにより、径方向内側へ倒れ込み変形をしようとして、歪みを発生し得る。この突出部33を有している駆動軸支持部材30は、揺動スクロール80の第2板面81b(摺動面81b)を支持する機能を有している。このため、駆動軸支持部材30に有している摺動支持面31cには、平面度を維持することが求められる。突出部33の歪みが、摺動支持面31cの平面度に影響を及ぼさない配慮が必要である。
これに対し、実施例1では、摺動支持面31cと突出部33とを、板部31の両端面31a,31bに別々に配置することによって、両者31c,33間を駆動軸51の軸方向へ離している。
しかも、摺動支持面31cと突出部33との間には、突出部33から摺動支持面31cへの歪みの伝達を抑制する歪伝達抑制部35が形成されている。この歪伝達抑制部35は、突出部33と板部31の間に形成された外周溝36によって構成される。この外周溝36は、例えば突出部33の基端に位置するとともに、この突出部33の外周面に全周にわたって形成されている。
なお、ハウジング20の第1ハウジング21に対する駆動軸支持部材30の固定は、第1ハウジング21に電動機40を収納した後に行われる。
板部31は、複数の吸入孔37を有する。これらの吸入孔37は、突出部33よりも径方向外側に且つ周方向に間欠的に位置するとともに、駆動軸51の中心線CL1に沿って貫通している。ハウジング20は、第1内周面25cに複数の吸入通路25fを有する。これらの吸入通路25fは、板部31の各吸入孔37を介して圧縮室83に連通している。
スクロール圧縮機10の作動の概要は、次の通りである。
図1に示されるように、電動機40によって駆動軸51が駆動されることにより、揺動スクロール80は公転をする。この結果、吸入ポート27から吸入された冷媒は、低圧室29内の電動機40の隙間を通り、ハウジング20の吸入通路25f及び駆動軸支持部材30の吸入孔37を経由し、固定スクロール70の冷媒吸入口74を通って、圧縮室83へ入る。揺動スクロール80の公転に伴い、圧縮室83は徐々に内容積を減じながら中心側へ移動してゆき、これにより、圧縮室83内の冷媒が圧縮される。圧縮室83内の圧力が高くなることによって、逆止弁111が開き、圧縮された冷媒は、第2ハウジング22内の吐出室112へ流入し、隣の気液分離室113へ入る。この気液分離室113によってオイルが分離されたガス状の冷媒は、吐出ポート28から外方へ吐出される。
以上に説明した、実施例1のスクロール圧縮機10の説明をまとめると、次の通りである。
図1に示されるように、スクロール圧縮機10は、ハウジング20と、このハウジング20に収納され、固定スクロール70と揺動スクロール80とが係合することにより冷媒を圧縮するスクロール圧縮機構60と、このスクロール圧縮機構60を駆動する駆動軸51と、この駆動軸51を軸受52(第1軸受52)を介して回転可能に支持する駆動軸支持部材30と、を有する。
図1~図4に示されるように、駆動軸支持部材30は、駆動軸51の軸方向に所定の厚さを有する板部31を含む。この板部31の、駆動軸51の軸方向の一方側端面31aには、揺動スクロール80の摺動運動を支持する摺動支持面31cを有する。板部31の駆動軸51の、軸方向の他方側端面31bには、軸方向の他方側(電動機40側)に向けて突出し、ハウジング20の内周面25b(第2筒部25の内周面25b)に嵌め合わされる突出部33が形成されている。駆動軸支持部材30は、突出部33がハウジング20の内周面25bにしまりばめされることによってハウジング20に固定されている。
このように、板部31のなかの、一方側端面31aに摺動支持面31cを有し、これとは反対側の他方側端面31bに突出部33を有している。この突出部33がハウジング20の内周面25bにしまりばめによって固定されることにより、駆動軸支持部材30はハウジング20の軸線CL1(駆動軸51の中心線CL1)上に精度良く位置決めされる。突出部33のしまりばめによって、ハウジング20と駆動軸支持部材30とを同軸に精度良く組立てることができる。
しかも、摺動支持面31cは、板部31の両端面31a,31bのなかの、突出部33を有していない方の端面31bに形成されているので、突出部33から軸方向へ離れている。このため、突出部33をハウジング20にしまりばめすることによって発生する、突出部33の歪みは、摺動支持面31cの平面度に影響を及ぼしにくい。このため、摺動支持面31cは、揺動スクロール80の摺動運動を支持する性能や信頼性を確保することができる。
さらには、ハウジング20の内周面25bは、突出部33がしまりばめされる第1内周面25cと、板部31が径方向に隙間34を存して嵌合される第2内周面25dを有する。第1内周面25cと第2内周面25dの間には、駆動軸支持部材30の板部31の他方側端面31bを支持する座面25eが設けられている。
板部31の他方側端面31bが、座面25eに当接することよって支持されるので、ハウジング20に対する板部31の姿勢は安定する。ここで、第1内周面25cにしまりばめされる突出部33は、座面25eに対して揺動スクロール80の摺動運動を支持する摺動支持面31cの反対側となる。ハウジング20へのしまりばめによって、突出部33に歪みが生じても、板部31の姿勢が座面25eに倣って矯正される。突出部33から摺動支持面31cへ伝わる歪みの影響を、さらに抑えることができる。
しかも、ハウジング20の内周面25bに座面25eを設けるために、第2内周面25dの径を第1内周面25cの径よりも大きく設定している。第2内周面25dの径に合わせて、板部31の外径を大きくすることにより、摺動支持面31cを広くすることができる。この結果、摺動支持面31cと揺動スクロール80の第2板面81bとの関係についての、設計の自由度が高まるとともに、摺動支持面31cによって揺動スクロール80の第2板面81bを支持する安定性が高まる。
さらには、突出部33と摺動支持面31cとの間には、突出部33から摺動支持面31cへの歪みの伝達を抑制する歪伝達抑制部35が形成されている。このため、ハウジング20とのしまりばめによって突出部33に発生する歪みを、歪伝達抑制部35によって、突出部33から摺動支持面31cへ伝達させないように、抑制することができる。
前記歪伝達抑制部35は、突出部33と板部31の間に形成された外周溝36である。この外周溝36によって、突出部33から摺動支持面31cへ軸方向に伝わる歪みを、極力抑制することができる。
なお、上述の例においては、第1ハウジング21に第1内周面25cと第2内周面25dとを設け、その段差面25eを「座面25e」としたが、座面25eは段差面25eによる構成に限定されるものではない。例えば、第1ハウジング21と第2ハウジング22との分断面(合わせ面)の位置を、段差面25eの位置に一致させ、第2内周面25dを第2ハウジング22に形成することによって、第1ハウジング21の、第2ハウジング22側の端面(図1に示す開口端25a)全体を「座面25e」とすることができる。この構成であっても、ハウジング20の内周面25bは、突出部33がしまりばめされる第1内周面25cと、板部31が径方向に隙間34を存して嵌合される第2内周面25dを有し、第1内周面25cと第2内周面25dの間には、駆動軸支持部材30の板部31の他方側端面31bを支持する座面25eが設けられている。
次に、図5を参照しつつ実施例2のスクロール圧縮機10Aを説明する。
<実施例2>
図5は、実施例2によるスクロール圧縮機10Aの駆動軸支持部材30Aを電動機40(図1参照)側から見た構成を示している。
実施例2のスクロール圧縮機10Aは、上記図1~図4に示される実施例1の駆動軸支持部材30を、図5に示される駆動軸支持部材30Aに変更したことを特徴とする。その他の基本的な構成については、上記実施例1によるスクロール圧縮機10と共通する。実施例1によるスクロール圧縮機10と共通する部分については、符号を流用すると共に、詳細な説明を省略する。
上記図1及び図4に示される実施例1の駆動軸支持部材30では、複数の吸入孔37が突出部33よりも径方向外側に位置している。この突出部33の外周面に対して、吸入孔37が径方向に重なることはない。従って、突出部33は、駆動軸51の中心線CL1を基準として周方向に連続した、円環状の構成であった。
これに対し、図5に示される実施例2の駆動軸支持部材30Aでは、複数の吸入孔37Aが、実施例1の吸入孔37よりも径方向内寄りに位置している。このため、突出部33Aの外周面に対して吸入孔37Aの一部が径方向に重なる。これを避けるために、実施例2の突出部33Aは、吸入孔37Aに重なる部分を切欠いた構成としている。
詳しく述べると、実施例2の突出部33Aは、駆動軸51(図1参照)の中心線CL1を基準として周方向に間欠的に位置した構成である。つまり、複数の独立した突出部33Aは、駆動軸51の中心線CL1を基準として、周方向に配列されている、円弧状の部材である。この場合であっても、複数の突出部33A全体の外周面は、中心線CL1を基準とした同心円状に形成されており、図4に示されるハウジング20の内周面25bに嵌め合わされる。より具体的には、複数の突出部33Aが第1内周面25cにしまりばめによって嵌め合わされることにより、駆動軸支持部材30Aはハウジング20に固定されている。
実施例2によるスクロール圧縮機10Aは、上記実施例1と同様の効果を発揮することができる。
なお、本発明によるスクロール圧縮機10;10Aは、本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、実施例に限定されるものではない。
スクロール圧縮機10;10Aは、横置き型の電動式圧縮機に限定されるものではなく、駆動軸51を外部の動力源によって駆動する構成であってもよい。例えば、駆動軸51に設けられたプーリーにエンジン動力をベルトによって伝達させるベルト駆動式のスクロール圧縮機とすることが可能である。
歪伝達抑制部35は、外周溝36の構成に限定されるものではなく、突出部33,33Aから摺動支持面31cへの歪みの伝達を抑制する構成であればよい。例えば、歪伝達抑制部35は、突出部33,33Aの外周面よりも径方向内側(突出部33,33Aの内周面に限定せず)に、溝、凹部、孔などの空所を形成することによって、しまりばめによる突出部33,33Aの歪みを吸収させてもよい。また、突出部33,33Aの径方向の厚さを、歪み吸収可能な程度に薄くすることによって、歪伝達抑制部35を構成してもよい。
本発明のスクロール圧縮機10;10Aは、車両用空調装置の冷凍サイクル内で用いるのに好適である。
10,10A スクロール圧縮機
20 ハウジング
25b ハウジングの内周面
25c 電動機側の第1内周面
25d スクロール圧縮機構側の第2内周面
25e 座面
30,30A 駆動軸支持部材
31 板部
31a 一方側端面
31b 他方側端面
31c 摺動支持面
33,33A 突出部
34 第2内周面と板部との間の隙間
35 歪伝達抑制部
36 外周溝
40 電動機
51 駆動軸
52 軸受(第1軸受)
60 スクロール圧縮機構
70 固定スクロール
80 揺動スクロール

Claims (4)

  1. ハウジング(20)と、
    このハウジング(20)に収納され、固定スクロール(70)と揺動スクロール(80)とが係合することにより冷媒を圧縮するスクロール圧縮機構(60)と、
    このスクロール圧縮機構(60)を駆動する駆動軸(51)と、
    この駆動軸(51)を軸受(52)を介して回転可能に支持する駆動軸支持部材(30;30A)と、
    を有するスクロール圧縮機(10;10A)において、
    前記駆動軸支持部材(30;30A)は、前記駆動軸(51)の軸方向に所定の厚さを有する板部(31)を含み、
    この板部(31)の前記駆動軸(51)の軸方向の一方側端面(31a)には、前記揺動スクロール(80)の摺動運動を支持する摺動支持面(31c)を有し、
    前記板部(31)の前記駆動軸(51)の軸方向の他方側端面(31b)には、軸方向の他方側に向けて突出し、前記ハウジング(20)の内周面(25b)に嵌め合わされる突出部(33;33A)が形成され、
    前記駆動軸支持部材(30;30A)は、前記突出部(33;33A)が前記ハウジング(20)の内周面(25b)に、しまりばめされることによって、前記ハウジング(20)に固定されていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 前記ハウジング(20)の前記内周面(25b)は、前記突出部(33;33A)がしまりばめされる第1内周面(25c)と、前記板部(31)が径方向に隙間(34)を存して嵌合される第2内周面(25d)を有し、
    前記第1内周面(25c)と前記第2内周面(25d)の間には、前記駆動軸支持部材(30;30A)の前記板部(31)の前記他方側端面(31b)を支持する座面(25e)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記突出部(33;33A)と前記摺動支持面(31c)との間には、前記突出部(33;33A)から前記摺動支持面(31c)への歪みの伝達を抑制する歪伝達抑制部(35)が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記歪伝達抑制部(35)は、前記突出部(33;33A)と前記板部(31)の間に形成された外周溝(36)であることを特徴とする請求項3に記載のスクロール圧縮機。
JP2022082021A 2021-06-24 2022-05-19 スクロール圧縮機 Pending JP2023004889A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP22178107.3A EP4108882A1 (en) 2021-06-24 2022-06-09 Scroll compressor
CN202210723567.6A CN115523139A (zh) 2021-06-24 2022-06-23 涡旋式压缩机
US17/808,738 US11939976B2 (en) 2021-06-24 2022-06-24 Scroll compressor

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021104664 2021-06-24
JP2021104664 2021-06-24

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023004889A true JP2023004889A (ja) 2023-01-17

Family

ID=85100970

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022082021A Pending JP2023004889A (ja) 2021-06-24 2022-05-19 スクロール圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023004889A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7717687B2 (en) Scroll compressor with compliant retainer
US8356987B2 (en) Compressor with retaining mechanism
US7878775B2 (en) Scroll compressor with housing shell location
US7604465B2 (en) Fluid machine and scroll compressor having a crankshaft with a large diameter shaft section
US10458409B2 (en) Compressor having a sleeve guide assembly
JP5386219B2 (ja) スクロール圧縮機
KR20020087837A (ko) 올덤 커플링을 위한 클리어런스를 가진 스크롤 압축기
US9920762B2 (en) Scroll compressor with tilting slider block
US9145890B2 (en) Rotary compressor with dual eccentric portion
JP2017078361A (ja) スクロール流体機械
EP4033101A1 (en) Scroll compressor
JP2023004889A (ja) スクロール圧縮機
US11939976B2 (en) Scroll compressor
JP2017078360A (ja) スクロール流体機械
WO2023106116A1 (ja) スクロール型流体機械
WO2024053541A1 (ja) スクロール型圧縮機
WO2024085064A1 (ja) 電動圧縮機
JP4415178B2 (ja) スクロール流体機械及びその組立方法
JP7166177B2 (ja) スクロール型流体機械
JP2011231687A (ja) スクロール圧縮機
WO2024084975A1 (ja) スクロール圧縮機
WO2024042984A1 (ja) スクロール圧縮機
US20240026881A1 (en) Scroll compressor
JP7233935B2 (ja) スクロール型流体機械
JP2013253554A (ja) 二段スクロール圧縮機