JP2023004862A - インピーダンス測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】測定対象の電池に負荷が並列接続されている状態におけるその電池の内部インピーダンスを測定可能なインピーダンス測定装置を提供する。【解決手段】交流電流Iacを回路網NW1に供給する電流源2と、電池Bat1に流れる交流電流Iacを電流検出信号Siとして検出する電流測定回路3と、電池Bat1の両端に発生する電圧Vbを電圧検出信号Svとして検出する電圧測定回路4と、電流検出信号Siと電圧検出信号Svとに基づいて電池Bat1の内部インピーダンスZbを測定する処理部5とを備え、電流検出回路3は、回路網NW1を流れる交流電流Iacを測定可能な電流計31と、負荷Load1,Load2を流れる交流電流Iacを測定可能なクランプ型の電流計32と、電流計31で測定された電流値から電流計32で測定された電流値を差し引いた差分電流値を電流検出信号Siとして検出する差分電流値検出回路33とを備えている。【選択図】図1
Description
本発明は、測定対象としての電池の内部インピーダンスを測定可能なインピーダンス測定装置に関するものである。
この種のインピーダンス装置として、下記の特許文献に開示されたインピーダンス測定装置が知られている。このインピーダンス測定装置は、電池の内部インピーダンスを測定可能に構成されており、測定用の交流電流を供給する交流電源供給部と、電池の両端に発生する電圧のうちの交流成分を増幅して両端電圧として出力する交流成分増幅部と、電池の内部インピーダンスを演算する演算部とを備えて構成されている。
このインピーダンス測定装置では、交流電源供給部が、測定対象としての電池に測定用の交流電流を供給する。この際には、測定用の交流電流が電池内部を流れることにより、その交流電流の供給に起因する交流電圧と電池の起電圧とを加算した電圧が電池の両端に発生する。そして、交流成分増幅部が、電池の両端に発生する電圧のうちの交流成分だけを増幅して両端電圧としての電圧値信号を演算部に出力する。次いで、演算部が、交流電源供給部から出力される交流電流の電流値としての電流値信号を入力すると共に交流成分増幅部から出力される電圧値信号を入力する。そして、演算部は、電流値信号の振幅に基づいて電池を流れる交流電流の電流値を算出すると共に、電圧値信号の振幅に基づいて電池の両端に発生した交流成分の電圧値を算出する。また、演算部は、電流値信号および電圧値信号の位相差を算出する。その後、演算部は、算出した電流値、電圧値および位相差に基づいて、電池の内部インピーダンスを演算する。このようにして、このインピーダンス測定装置では、電池の内部インピーダンスの測定が可能となっている。
ところが、上記のインピーダンス測定装置には、以下のような課題が存在する。具体的には、例えば、図3に示すように、測定対象としての電池Bat1に、モータなどの負荷が1以上並列接続されて構成された回路網NW1において、電池Bat1の内部インピーダンスZbを測定しようとしも、その測定が困難なことがある。なお、同図では、1以上の負荷として、2つの負荷Load1,Load2が電池Bat1に並列接続されている例を示している。より具体的には、通常、負荷Load1の電源接続の接続導線L1a,L1bには絶縁被覆電線が用いられており、接続導線L1a,L1bの各基端部は、負荷Load1の内部において、負荷Load1の図示しない一対の電源入力部にそれぞれ接続されている。そして、接続導線L1a,L1bの各先端部が電池Bat1の正極としての電極T1および負極としての電極T2にそれぞれ接続される。同様にして、負荷Load2の電源接続の接続導線L2a,L2bにも絶縁被覆電線が用いられており、接続導線L2a,L2bの各基端部は、負荷Load2の内部において、負荷Load2の図示しない一対の電源入力部にそれぞれ接続されている。そして、接続導線L2a,L2bの各先端部が電池Bat1の電極T1および電極T2にそれぞれ接続される。
このような回路網NW1における電池Bat1の内部インピーダンスZbを測定しようとしたときには、電極T1と電極T2の間に測定用の交流信号を供給した際に、電池Bat1だけではなく、負荷Load1,Load2にも測定用の交流信号が流れることになる。このため、電池Bat1だけを流れる電流値が不明となるため、演算部による内部インピーダンスZbの演算を行うことができないという課題が存在する。
この場合、例えば、負荷として1つの負荷Load1だけのときには、負荷Load1の各電源入力部と接続導線L1a,L1bの各基端部とのそれぞれの接続箇所に測定用の交流信号を供給すると共に、その2つの接続箇所間の両端電圧を測定し、かつ接続導線L1a(または接続導線L1b)の先端部端と電極T1(または電極T2)との間を流れる交流電流を測定することで、電池Bat1の内部インピーダンスZbを四端子法で測定することが考えられる。しかしながら、接続導線L1a,L1bの各接続箇所が、負荷Load1の内部に存在しているため、その接続箇所において、測定用の交流信号の供給のためのプローブや、電圧測定のためのプローブを接続(接触)させることができず、やはり演算部による内部インピーダンスZbの演算を行うことができないことになる。
同様にして、図4に示すように、複数(例えば、同図では4つ)の電池Bat1~Bat4の各電極T1同士が金属板で構成されたバスバーBB1で接続されると共に電池Bat1~Bat4の各電極T2同士が同じく金属板で構成されたバスバーBB2で接続されることにより、複数の電池Bat1~Bat4が並列に接続されて全体として梯子形の回路網NW2が構成されていることがある。このような回路網NW2における例えば電池Bat2の内部インピーダンスZbを測定しようとしたときには、バスバーBB1とバスバーBB2との間に測定用の交流信号を供給した際に、すべての電池Bat1~Bat4に測定用の交流信号が流れることになる。このため、電池Bat2だけを流れる電流値が不明となるため、演算部による内部インピーダンスZbの演算を行うことができないという課題が存在する。
この場合、例えば、バスバーBB1とバスバーBB2との間に測定用の交流信号を供給しつつ、バスバーBB1と電池Bat2の電極T1との間だけを流れる交流電流の電流値を測定すると共にバスバーBB1とバスバーBB2との間の電圧を四端子法で測定することで、電池Bat2の内部インピーダンスZbを測定することが考えられる。しかしながら、電池Bat2の電極T1とバスバーBB1とは金属板で強固に接続されているため、電池Bat2の電極T1とバスバーBB1とを物理的に分離することが困難である。このため、電池Bat2だけを流れる測定用の交流信号の電流値を測定することができず、やはり演算部による内部インピーダンスZbの演算を行うことができないことになる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、測定対象の電池に対して負荷や他の電池が並列接続されている状態における測定対象の電池の内部インピーダンスを測定可能なインピーダンス測定装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明に係るインピーダンス測定装置は、測定対象の電池に1以上の非測定対象が並列接続されて構成される回路網の両端間に交流の測定用電流を供給する電流源と、前記測定用電流を供給したときに前記電池に流れる当該測定用電流を検出電流値として検出する電流検出回路と、前記測定用電流を前記回路網に供給したときに前記電池の両端に発生する交流電圧を検出電圧値として検出する電圧検出回路と、前記電流検出回路によって検出された前記検出電流値と前記電圧検出回路によって検出された前記検出電圧値とに基づいて前記電池の内部インピーダンスを測定する処理部とを備えているインピーダンス測定装置であって、前記電流検出回路は、前記回路網の両端間を流れる前記交流電流を測定可能な第1の電流計と、前記電池に並列接続されている前記非測定対象の全てを流れる前記交流電流を測定可能なクランプ型の第2の電流計と、前記第1の電流計で測定された電流値から前記第2の電流計で測定された電流値を差し引いた差分電流値を前記検出電流値として検出する差分電流値検出回路とを備えて構成されている。
また、本発明に係るインピーダンス測定方法は、測定対象の電池に1以上の非測定対象が並列接続されて構成される回路網の両端間に交流の測定用電流を供給し、前記測定用電流を供給したときに前記電池に流れる当該測定用電流を検出電流値として検出し、前記測定用電流を前記回路網に供給したときに前記電池の両端に発生する交流電圧を検出電圧値として検出し、前記電流検出回路によって検出された前記検出電流値と前記電圧検出回路によって検出された前記検出電圧値とに基づいて前記電池の内部インピーダンスを測定するインピーダンス測定方法であって、前記回路網の両端間を流れる前記交流電流を第1の電流計を用いて測定すると共に前記電池に並列接続されている前記非測定対象の全てを流れる前記交流電流をクランプ型の第2の電流計を用いて測定し、前記第1の電流計で測定された前記交流電流の電流値から前記第2の電流計で測定された前記交流電流の電流値を差し引いた差分電流値を前記検出電流値として検出する。
このインピーダンス測定装置およびインピーダンス測定方法によれば、電流測定回路の差分電流値検出回路が、第1の電流計によって測定された電流値から、第2の電流計によって測定された電流値を差し引いた差分電流値を検出電流値として検出することにより、測定対象の電池に対して1以上の非測定対象が並列接続されている状態における電池の内部インピーダンスを確実かつ簡単に測定することができる。
また、本発明に係るインピーダンス測定装置は、前記第1の電流計は、クランプ型の電流計で構成されている。
また、本発明に係るインピーダンス測定方法は、前記第1の電流計としてクランプ型の電流計を用いる。
このインピーダンス測定装置およびインピーダンス測定方法によれば、クランプ型の電流計で構成した第1の電流計を用いることにより、例えば、複数の電池の各電極同士が金属板で構成されたバスバーで接続されることにより、複数の電池が並列に接続されて全体として梯子形の回路網が構成されている場合における測定対象の電池の内部インピーダンスを確実かつ簡単に測定することができる。
また、本発明に係るインピーダンス測定装置は、前記処理部は、前記差分電流値が目標電流値範囲内に含まれるように、前記電流源を制御して前記回路網に供給する交流電流の電流値を調整する。
また、本発明に係るインピーダンス測定方法は、前記差分電流値が目標電流値範囲内に含まれるように、前記回路網に供給する交流電流の電流値を調整する。
このインピーダンス測定装置およびインピーダンス測定方法によれば、差分電流値が目標電流値範囲内に含まれるように、回路網に供給する交流電流の電流値を調整する(電流源を制御)することにより、検出電流値や検出電圧値の雑音レベル(N)に対する信号レベル(S)の比率(S/N)を高めることができるため、精度良く内部インピーダンスを測定することができる。
本発明に係るインピーダンス測定装置およびインピーダンス測定方法によれば、第1の電流計によって測定された電流値から、第2の電流計によって測定された電流値を差し引いた差分電流値を検出電流値として検出することにより、測定対象の電池に対して1以上の非測定対象が並列接続されている状態における電池の内部インピーダンスを確実かつ簡単に測定することができる。
以下、インピーダンス測定装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1に示すインピーダンス測定装置1は、「インピーダンス測定装置」の一例であって、測定対象の電池Bat1に対して1以上の非測定対象である負荷(同図では、一例として2つの負荷Load1,Load2)が並列接続されて構成された回路網NW1における電池Bat1の内部インピーダンスZbを測定可能に構成されている。なお、図1に示す回路網NW1は、上記した図3に示す回路網NW1と同様に構成されているため、同一の構成要素については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
インピーダンス測定装置1は、図1に示すように、一対のプローブP1,P2、一対のプローブP3,P4、電流源2、電流測定回路3、電圧測定回路4、処理部5および出力部6を備えて構成されている。この場合、プローブP1,P2、プローブP3,P4および後述する電流計32を除く他の構成要素は、装置本体100内に収容されている。
プローブP1,P2は、各先端部が電池Bat1の電極T1,T2にそれそれ接続(接触)されて後述する測定用の交流電流Iacを供給するための接触型のプローブであって、プローブP1の基端部が直流通過阻止用のコンデンサC1を介して電流源2の一方の出力部に接続され、プローブP2の基端部が電流源2の他方の出力部に接続されている。プローブP3,P4は、各先端部が電池Bat1の電極T1,T2にそれそれ接続(接触)されて交流電流Iacが供給されたときに電池Bat1の両端(電極T1および電極T2間)に発生する両端電圧としての電圧Vbを測定するための接触型のプローブであって、プローブP3の基端部が直流通過阻止用のコンデンサC2を介して電圧測定回路4の一方の入力部に接続され、プローブP4の基端部が電圧測定回路4の他方の入力部に接続されている。
電流源2は、電池Bat1の内部インピーダンスZbを測定するための正弦波信号である交流信号S1を生成する。また、電流源2は、コンデンサC1を介してプローブP1およびプローブP2間に交流信号S1を出力することにより、測定対象の電池Bat1に1以上の非測定対象(図1では、2つの負荷Load1,Load2)が並列接続されて構成される回路網NW1の両端間(つまり電池Bat1の電極T1,T2間)に交流電流Iacを供給する。また、電流源2は、処理部5から出力される制御信号Scに従い、出力する交流信号S1の信号レベル(交流電流Iacの電流レベルでもある)を調整する。
電流測定回路3は、電池Bat1に交流電流Iacを供給したときに電池Bat1に流れる交流電流Iacを検出電流値として検出する回路であって、第1の電流計31(以下、単に「電流計31」ともいう)、第2の電流計32(以下、単に「電流計32」ともいう)および差分電流値検出回路33を備えて構成されている。この場合、電流計31は、電流源2の他方の出力部と、プローブ2の基端部との間に配置されて、回路網NW1の両端間(つまり、回路網NW1全体)を流れる交流電流Iacを測定すると共にその測定した交流電流Iacを示す電流信号Siaを差分電流値検出回路33に出力する。この場合、この電流計31としては、内部に配設したシャント抵抗を流れる電流を検出して電圧に変換する構成でもよいし、内部に演算回路を有して電流から電圧に変換する構成を採用してもよい。また、電流源2の一方の出力部と、コンデンサC1との間に電流計31を配置してもよい。
電流計32は、接続導線L1,L2(被覆された内部の金属導線)を非接触でクランプ可能なクランプ型の電流計で構成され、電池Bat1に並列接続されている非測定対象の全て(図1では、2つの負荷Load1,Load2)を流れる交流電流Iacを測定すると共にその測定した交流電流Iacを示す電流信号Sibを差分電流値検出回路33に出力する。差分電流値検出回路33は、電流計31で測定された電流値から電流計32で測定された電流値を差し引いた差分電流値を電流検出信号Si(検出電流値)として検出する。
この電流測定回路3では、プローブP1,P3を電池Bat1の電極T1にそれぞれ接続すると共にプローブP2,P4を電池Bat1の電極T2にそれぞれ接続し、かつ接続導線L1a,L2aの両者および接続導線L1b,2bの両者のいずれか一方(図1では、接続導線L1b,2bの両者)を電流計32にクランプさせた測定状態において、電流計31が、回路網NW1全体を流れる交流電流Iacの電流値、すなわち電池Bat1のみを流れる交流電流Iacの電流値(I1)と、負荷Load1のみを流れる交流電流Iacの電流値(I2)と、負荷Load2のみを流れる交流電流Iacの電流値(I3)との合計値(I1+I2+I3)を測定する。また、電流計32が、負荷Load1のみを流れる交流電流Iacの電流値(I2)と、負荷Load2のみを流れる交流電流Iacの電流値(I3)の合計値(I2+I3)を測定する。そして、差分電流値検出回路33が、電流計31で測定された電流値(I1+I2+I3)から電流計32で測定された電流値(I2+I3)を差し引いた差分電流値(I1)を電流検出信号Siとして検出して出力する。
電圧測定回路4は、交流電流Iacを電池Bat1(回路網NW1)に供給したときに電池Bat1の両端(電極T1および電極T2間)に発生する交流の電圧Vbを電圧検出信号Sv(検出電圧値)として検出して出力する。
処理部5は、増幅回路11i,11v、フィルタ回路12i,12v、A/D変換回路13i,13vおよび処理回路14を備えて構成されている。この場合、増幅回路11iは、電流検出信号Siを増幅してフィルタ回路12iに出力する。フィルタ回路12iは、増幅回路11iで増幅された交流信号S1に含まれているノイズを除去してA/D変換回路13iに出力する。A/D変換回路13iは、フィルタ回路12iを通過した電流検出信号SiをA/D変換(アナログ/デジタル変換)して正弦波の電流検出信号Siの電圧値、周波数および位相を示す電流データDiを処理回路14に出力する。増幅回路11vは、電圧検出信号Svを増幅してフィルタ回路12vに出力する。フィルタ回路12vは、増幅回路11vで増幅された交流信号Svに含まれているノイズを除去してA/D変換回路13vに出力する。A/D変換回路13vは、フィルタ回路12vを通過した電圧検出信号SvをA/D変換(アナログ/デジタル変換)して正弦波の電圧検出信号Svの電圧値、周波数および位相を示す電圧データDvを処理回路14に出力する。
処理回路14は、例えば、CPUで構成されて、A/D変換回路13iから出力された電流データDiを入力すると共にA/D変換回路13vから出力された電圧データDvを入力する。また、処理回路14は、入力した電流データDiと電圧データDvとに基づいて電池Bat1の内部インピーダンスZbを算出する。具体的には、処理回路14は、電流データDiに含まれている電流検出信号Siの振幅に基づいて電池Bat1を流れる交流電流Iacの電流値(I)を算出すると共に、電圧データDvに含まれている電圧検出信号Svの振幅に基づいて電池Bat1の両端の電圧Vbを交流信号S1の電圧値(V)として算出する。また、処理回路14は、電流データDiおよび電圧データDvに基づいて、電流検出信号Siおよび電圧検出信号Svの位相差(θ)、すなわち交流電流Iacと、電池Bat1の両端に生じる電圧Vb(交流信号S1)との位相差(θ)を算出する。また、処理回路14は、このようにして算出した交流電流Iacの電流値(I)、交流信号S1の電圧値(V)、および位相差(θ)に基づいて、電池Bat1の内部インピーダンスZb(Z=V/I、R=Z・cosθ、X=Z・sinθ)を算出する。また、処理回路14は、算出した電池Bat1の内部インピーダンスZbを表示させるための表示データDdを出力部6に出力する。また、処理回路14は、算出した交流電流Iacの電流値(I)が電池Bat1の測定に必要な目標電流値範囲内(例えば、1mA±0.1mA)に含まれているか否かを判別し、含まれていないときには、目標電流値範囲内に含まれるように、電流源2に制御信号Scを出力して交流信号S1の信号レベル(交流電流Iacの電流レベル)を調整する。
出力部6は、一例として、液晶パネルや有機ELパネルなどの表示装置(ディスプレイ)で構成されて、処理部5(処理回路14)から出力された表示データDdを入力して電池Bat1の内部インピーダンスZbを画面上に表示する。なお、出力部6は、表示装置に代えて、外部装置とデータ通信を行うインターフェース装置で構成して、この外部装置に内部インピーダンスZbを示すインピーダンスデータを出力する構成を採用することもできる。
次に、インピーダンス測定装置1による測定対象としての電池Bat1の内部インピーダンスZbを測定する測定方法について添付図面を参照して説明する。なお、電池Bat1と負荷Load1,Load2とは接続導線L1a,L1b,L2a,L2bで既に接続されているものとする。
最初に、プローブP1,P3を電池Bat1の電極T1にそれぞれ接続(接触)させると共にプローブP2,P4を電池Bat1の電極T2にそれぞれ接続させる。次いで、接続導線L1a,L2aの両者と、接続導線L1b,2bの両者のいずれか一方を電流計32でクランプする。この場合、接続導線L1b,2bの両者をクランプするものとする。
次いで、図外の測定開始スイッチを操作する。これにより、処理回路14が、制御信号Scを出力して電流源2を制御して交流信号S1を生成させる。この際には、電流源2が、コンデンサC1およびプローブP1,P2を介して交流信号S1を出力することにより、電池Bat1の電極T1,T2間(回路網NW1の両端間)に交流信号S1が印加されて、回路網NW1の両端間に交流電流Iacが流れる。この場合、交流電流Iacが電池Bat1(内部インピーダンスZb)を流れることに起因して、電池Bat1の電極T1,T2間に交流の電圧Vbが発生する。この際に、電圧測定回路4は、プローブP3,P4およびコンデンサC2を介して電圧Vbを入力して、電圧検出信号Svとして処理部5に出力する。
また、電流測定回路3では、電流計31が、回路網NW1全体を流れる交流電流Iacの電流値、すなわち測定対象の電池Bat1のみを流れる電流値(I1)と、非測定対象の負荷Load1のみを流れる交流電流Iacの電流値(I2)と、非測定対象の負荷Load2のみを流れる交流電流Iacの電流値(I3)との合計値(I1+I2+I3)を測定して電流信号Siaとして差分電流値検出回路33に出力する。この場合、回路網NW1全体が本発明における「回路網」を構成する。したがって、電流計31は、「回路網の両端間」を流れる交流電流Iacを測定する。また、電流計32は、測定対象の電池Bat1に並列接続されている非測定対象の全て(2つの負荷Load1,Load2)を流れる交流電流Iacを測定する。具体的には、電流計32は、負荷Load1のみを流れる交流電流Iacの電流値(I2)と、負荷Load2のみを流れる交流電流Iacの電流値(I3)の合計値(I2+I3)を測定して電流信号Sibとして差分電流値検出回路33に出力する。
そして、差分電流値検出回路33が、電流計31で測定された電流値(I1+I2+I3)から電流計32で測定された電流値(I2+I3)を差し引いた測定対象の電池Bat1のみを流れる電流値(I1)である差分電流値(I1)を電流検出信号Siとして検出して処理部5に出力する。
一方、処理部5では、増幅回路11iが、電流検出信号Siを増幅してフィルタ回路12iに出力し、フィルタ回路12iが、増幅回路11iで増幅された交流信号S1に含まれているノイズを除去してA/D変換回路13iに出力する。また、A/D変換回路13iが、フィルタ回路12iを通過した電流検出信号SiをA/D変換して電流データDiを処理回路14に出力する。また、増幅回路11vが、電圧検出信号Svを増幅してフィルタ回路12vに出力し、フィルタ回路12vが、増幅回路11vで増幅された交流信号Svに含まれているノイズを除去してA/D変換回路13vに出力する。また、A/D変換回路13vが、フィルタ回路12vを通過した電圧検出信号SvをA/D変換して電圧データDvを処理回路14に出力する。
また、処理回路14が、電流データDiに基づいて電池Bat1を流れる交流電流Iacの電流値(I)を算出すると共に、電圧データDvに基づいて電池Bat1の両端の電圧Vbを交流信号S1の電圧値(V)として算出する。また、処理回路14は、電流データDiおよび電圧データDvに基づいて、電流検出信号Siおよび電圧検出信号Svの位相差(θ)、すなわち交流電流Iacと、電池Bat1の両端に生じる電圧Vb(交流信号S1)との位相差(θ)を算出する。次いで、処理回路14は、算出した交流電流Iacの電流値(I)、交流信号S1の電圧値(V)、および位相差(θ)に基づいて、電池Bat1の内部インピーダンスZb(Z=V/I、R=Z・cosθ、X=Z・sinθ)を算出する。その後、処理回路14は、表示データDdを出力部6に出力して、算出した内部インピーダンスZbを出力部6の表示装置に表示させる。以上により、四端子法を用いた処理回路14による内部インピーダンスZbの算出処理が修了する。
また、処理回路14は、内部インピーダンスZbの算出処理において、算出した交流電流Iacの電流値(I)が電池Bat1の測定に必要な目標電流値範囲内に含まれているか否かを判別し、含まれていないときには、目標電流値範囲内に含まれるように、電流源2に制御信号Scを出力して交流信号S1の信号レベル(交流電流Iacの電流レベル)を調整する。これにより、電流検出信号Siや電圧検出信号Svの雑音レベル(N)に対する信号レベル(S)の比率(S/N)が高まるため、処理回路14によって行われる内部インピーダンスZbの算出処理において、精度良く内部インピーダンスZbが測定される。
このように、このインピーダンス測定装置1およびインピーダンス測定方法によれば、電流計31(第1の電流計)によって測定された交流電流Iacの電流値から、電流計32(第2の電流計)によって測定された1以上の非測定対象である負荷Load1,Load2の全てを流れる交流電流Iacの電流値を差し引いた差分電流値を電流検出信号Siとして検出することにより、測定対象の電池Bat1に対して1以上の非測定対象である負荷Load1,Load2が並列接続されている状態における電池Bat1の内部インピーダンスZbを確実かつ簡単に測定することができる。
次に、「インピーダンス測定装置」の他の一例であるインピーダンス測定装置1Aについて、図2を参照して説明する。なお、以下、上記したインピーダンス測定装置1における各構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
インピーダンス測定装置1Aは、「インピーダンス測定装置」の一例であって、測定対象の1つの電池に対して1以上の非測定対象である電池が並列接続されて構成された回路網NW2における測定対象の電池の内部インピーダンスを測定可能に構成されている。なお、以下の説明においては、電池Bat2を測定対象とし、他の電池Bat1,Bat3,Bat4を非測定対象の電池とする。また、図2に示す回路網NW2は、上記した図4に示す回路網NW2と同様に構成されているため、同一の構成要素については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
インピーダンス測定装置1Aは、図2に示すように、一対のプローブP1,P2、一対のプローブP3,P4、電流源2、電流測定回路3A、電圧測定回路4、処理部5および出力部6を備えて構成されている。この場合、プローブP1,P2、プローブP3,P4および後述する電流計31,32を除く他の構成要素は、装置本体100A内に収容されている。
このインピーダンス測定装置1Aは、インピーダンス測定装置1の各構成要素とは、以下の点で相違する。まず、インピーダンス測定装置1Aの電流測定回路3Aでは、インピーダンス測定装置1における電流測定回路3の電流計31に代えて、電流測定回路3の電流計32と同じく構成されてバスバーBB1,BB2のいずれかをクランプ可能なクランプ型の電流計34(第1の電流計)で構成されている。また、電流測定回路3Aの差分電流値検出回路33は、電流計34で測定された電流値から電流計32で測定された電流値を差し引いた差分電流値を電流検出信号Siとして検出して処理部5に出力する。また、プローブ2の基端部は電流源2の他方の出力部に直接接続されている。
次に、インピーダンス測定装置1Aによる測定対象としての電池Bat2の内部インピーダンスZbを測定する測定方法について、図2を参照して説明する。なお、電池Bat1~Bat4の各電極T1は金属板のバスバーBB1にそれぞれ接続され、電池Bat1~Bat4の各電極T2は金属板のバスバーBB2にそれぞれ接続されているものとする。
最初に、プローブP1,P3をバスバーBB1の端部(図2の例では、最も左側の端部)にそれぞれ接続(接触)させると共にプローブP2,P4をバスバーBB2の端部(同図の例では、最も左側の端部)にそれぞれ接続させる。次いで、電流計32,33でバスバーBB1,BB2をクランプする。この場合、電流計34については、電流源2の一方の出力部、コンデンサC1、プローブP1、バスバーBB1、測定対象の電池Bat2、バスバーBB2、プローブP2、および電流源2の他方の出力部からなり、バスバーBB1,BB2上のプローブP1,P2の接続(接触)位置(つまり交流電流Iacの供給位置)から最も大きい閉ループのみを形成するバスバーBB1,BB2上のいずれかの箇所(以下、「クランプ箇所」ともいう)をクランプさせる。図2の例では、電流計34について、バスバーBB2における電池Bat1の電極T2の接続箇所と電池Bat2の電極T2の接続箇所の間をクランプさせる。なお、電流計34をバスバーBB1における電池Bat1の電極T1の接続箇所と電池Bat2の電極T1の接続箇所の間をクランプさせてもよい。
一方、電流計32については、上記のクランプ箇所を電流計34でクランプしたときに、電流計34によって測定される交流電流Iacの電流値から、電池Bat2を流れる交流電流Iacの電流値を差し引いた電流値の交流電流Iacが流れる箇所をクランプさせる。具体的には、同図の例では、電流計32については、バスバーBB1における電池Bat2の電極T1の接続箇所と電池Bat3の電極T1の接続箇所との間、およびバスバーBB2における電池Bat2の電極T2の接続箇所と電池Bat3の電極T2の接続箇所との間のいずれか一方の箇所をクランプさせる。なお、同図では、バスバーBB2における電池Bat2の電極T2の接続箇所と電池Bat3の電極T2の接続箇所との間をクランプさせた例を示している。
次いで、図外の測定開始スイッチを操作する。これにより、処理回路14が、制御信号Scを出力して電流源2を制御して交流信号S1を生成させる。この際には、電流源2が、コンデンサC1およびプローブP1,P2を介して交流信号S1を出力することにより、バスバーBB1,BB2間(回路網NW2の両端間)に交流信号S1が印加されて、回路網NW2の両端間に交流電流Iacが流れる。この際に、電池Bat1を電流値(I1)の交流電流Iacが流れ、電池Bat2を電流値(I2)の交流電流Iacが流れ、電池Bat3を電流値(I3)の交流電流Iacが流れ、電池Bat4を電流値(I4)の交流電流Iacが流れるものとする。また、交流電流Iacが電池Bat1~Bat4(電池Bat1~Bat4の各内部インピーダンスZb)を流れることに起因して、バスバーBB1,BB2間(電池Bat2の電極T1および電極T2間)に電圧Vbが発生する。この際に、電圧測定回路4は、プローブP3,P4およびコンデンサC2を介して電圧Vbを入力して、電圧検出信号Svとして処理部5に出力する。
また、電流測定回路3では、電流計34が、回路網NW2の少なくとも測定対象の電池Bat2を流れる交流電流Iacの電流値、すなわち測定対象の電池Bat2のみを流れる電流値(I2)と、非測定対象の電池Bat3のみを流れる交流電流Iacの電流値(I3)と、非測定対象の電池Bat4のみを流れる交流電流Iacの電流値(I4)との合計値(I2+I3+I4)を測定して電流信号Si1として差分電流値検出回路33に出力する。この場合、回路網NW2における非測定対象の電池Bat1を除く、測定対象の電池Bat2、非測定対象の電池Bat3および非測定対象の電池Bat4が並列接続された回路網NW2Aが本発明における「回路網」を構成する。したがって、電流計34は、「回路網の両端間」を流れる交流電流Iacを測定する。また、電流計32は、測定対象の電池Bat2に並列接続されている回路網NW2Aにおける非測定対象の全て(2つの電池Bat3,Bat4)を流れる交流電流Iacを測定する。具体的には、電流計32は、非測定対象の電池Bat3のみを流れる交流電流Iacの電流値(I3)と、非測定対象の電池Bat4のみを流れる交流電流Iacの電流値(I4)の合計値(I3+I4)を測定して電流信号Si2として差分電流値検出回路33に出力する。
そして、差分電流値検出回路33が、電流計34で測定された電流値(I2+I3+I4)から電流計32で測定された電流値(I3+I4)を差し引いた測定対象の電池Bat2のみを流れる電流値(I2)である差分電流値(I2)を電流検出信号Siとして検出して処理部5に出力する。
一方、処理部5では、増幅回路11iが、電流検出信号Siを増幅してフィルタ回路12iに出力し、フィルタ回路12iが、増幅回路11iで増幅された交流信号S1に含まれているノイズを除去してA/D変換回路13iに出力する。また、A/D変換回路13iが、フィルタ回路12iを通過した電流検出信号SiをA/D変換して電流データDiを処理回路14に出力する。また、増幅回路11vが、電圧検出信号Svを増幅してフィルタ回路12vに出力し、フィルタ回路12vが、増幅回路11vで増幅された交流信号Svに含まれているノイズを除去してA/D変換回路13vに出力する。また、A/D変換回路13vが、フィルタ回路12vを通過した電圧検出信号SvをA/D変換して電圧データDvを処理回路14に出力する。
また、処理回路14が、電流データDiに基づいて電池Bat2を流れる交流電流Iacの電流値(I)を算出すると共に、電圧データDvに基づいてバスバーBB1,BB2の両端の電圧Vb(つまり電池Bat2の両端(電極T1および電極T2間)の電圧Vb)を交流信号S1の電圧値(V)として算出する。また、処理回路14は、電流データDiおよび電圧データDvに基づいて、電流検出信号Siおよび電圧検出信号Svの位相差(θ)、すなわち交流電流Iacと、電池Bat2の両端に生じる電圧Vb(交流信号S1)との位相差(θ)を算出する。次いで、処理回路14は、算出した交流電流Iacの電流値(I)、交流信号S1の電圧値(V)、および位相差(θ)に基づいて、電池Bat2の内部インピーダンスZb(Z=V/I、R=Z・cosθ、X=Z・sinθ)を算出する。その後、処理回路14は、表示データDdを出力部6に出力して、算出した内部インピーダンスZbを出力部6の表示装置に表示させる。以上により、四端子法を用いた処理回路14による内部インピーダンスZbの算出処理が修了する。
また、処理回路14は、内部インピーダンスZbの算出処理において、算出した交流電流Iacの電流値(I)が電池Bat2の測定に必要な目標電流値範囲内に含まれているか否かを判別し、含まれていないときには、目標電流値範囲内に含まれるように、電流源2に制御信号Scを出力して交流信号S1の信号レベル(交流電流Iacの電流レベル)を調整する。これにより、電流検出信号Siや電圧検出信号Svの雑音レベル(N)に対する信号レベル(S)の比率(S/N)が高まるため、処理回路14によって行われる内部インピーダンスZbの算出処理において、精度良く内部インピーダンスZbが測定される。
なお、電池Bat1を測定対象とするときには、電池Bat1および非測定対象の電池Bat2,Bat3,Bat4が並列接続された回路網NW2が本発明における「回路網」を構成する。この場合、電流計34については、電流源2の一方の出力部、コンデンサC1、プローブP1、バスバーBB1、測定対象の電池Bat1、バスバーBB2、プローブP2、および電流源2の他方の出力部からなり、バスバーBB1,BB2上のプローブP1,P2の接続(接触)位置(つまり交流電流Iacの供給位置)から最も大きい閉ループのみを形成するバスバーBB1,BB2上のいずれかの箇所(以下、「クランプ箇所」ともいう)をクランプさせる。図2の例では、電流計34について、バスバーBB1の端部(図2の例では、最も左側の端部)と電池Bat1の電極T1およびバスバーBB1の接続箇所との間、およびバスバーBB2の端部(同図の例では、最も左側の端部)と電池Bat1の電極T2およびバスバーBB2の接続箇所との間のいずれか一方をクランプさせる。
また、電流計32については、上記のクランプ箇所を電流計34でクランプしたときに、電流計34によって測定される交流電流Iacの電流値から、電池Bat1を流れる交流電流Iacの電流値を差し引いた電流値の交流電流Iacが流れる箇所をクランプさせる。具体的には、図2の例では、電流計32については、バスバーBB1における電池Bat1の電極T1の接続箇所と電池Bat2の電極T1の接続箇所との間、およびバスバーBB2における電池Bat1の電極T2の接続箇所と電池Bat2の電極T2の接続箇所との間のいずれか一方の箇所をクランプさせる。なお、処理回路14による内部インピーダンスZbの算出処理や交流信号S1の信号レベル(交流電流Iacの電流レベル)の調整処理については、電池Bat2を測定対象とするときと同様のため、以下、重複する説明を省略する。
また、電池Bat3を測定対象とするときには、電池Bat3および非測定対象の電池Bat4が並列接続された回路網NW2Bが本発明における「回路網」を構成する。この場合、電流計34については、電流源2の一方の出力部、コンデンサC1、プローブP1、バスバーBB1、測定対象の電池Bat3、バスバーBB2、プローブP2、および電流源2の他方の出力部からなり、バスバーBB1,BB2上のプローブP1,P2の接続(接触)位置(つまり交流電流Iacの供給位置)から最も大きい閉ループのみを形成するバスバーBB1,BB2上のいずれかの箇所(以下、「クランプ箇所」ともいう)をクランプさせる。図2の例では、電流計34について、バスバーBB1における電池Bat2の電極T1の接続箇所と電池Bat3のT1の接続箇所の間、およびバスバーBB2における電池Bat2の電極T2の接続箇所と電池Bat3の電極T2の接続箇所の間のいずれか一方の箇所をクランプさせる。なお、バスバーBB1における電池Bat1の電極T1の接続箇所と電池Bat2のT1の接続箇所の間、およびバスバーBB2における電池Bat1の電極T2の接続箇所と電池Bat2の電極T2の接続箇所については、バスバーBB1,BB2上のプローブP1,P2の接続(接触)位置から最も大きい閉ループだけでなく、電流源2の一方の出力部、コンデンサC1、プローブP1、バスバーBB1、電池Bat2、バスバーBB2、プローブP2、および電流源2の他方の出力部からなる他の閉ループも形成するため、クランプ箇所には該当しない。
また、電流計32については、上記のクランプ箇所を電流計34でクランプしたときに、電流計34によって測定される交流電流Iacの電流値から、電池Bat3を流れる交流電流Iacの電流値を差し引いた電流値の交流電流Iacが流れる箇所をクランプさせる。具体的には、図2の例では、電流計32については、バスバーBB1における電池Bat3の電極T1の接続箇所と電池Bat4の電極T1の接続箇所との間、およびバスバーBB2における電池Bat3の電極T2の接続箇所と電池Bat4の電極T2の接続箇所との間のいずれか一方の箇所をクランプさせる。
また、電池Bat4を測定対象とするときには、電流計34については、電流源2の一方の出力部、コンデンサC1、プローブP1、バスバーBB1、測定対象の電池Bat4、バスバーBB2、プローブP2、および電流源2の他方の出力部からなり、バスバーBB1,BB2上のプローブP1,P2の接続(接触)位置から最も大きい閉ループのみを形成するバスバーBB1,BB2上のいずれかの箇所(以下、「クランプ箇所」ともいう)をクランプさせる。図2の例では、電流計34について、バスバーBB1における電池Bat3の電極T1の接続箇所と電池Bat4のT1の接続箇所の間、およびバスバーBB2における電池Bat3の電極T2の接続箇所と電池Bat4の電極T2の接続箇所の間のいずれか一方の箇所をクランプさせる。なお、この例では、電流計32を使用することなく、電流計34によって測定される電流値(I4)だけを差分電流値検出回路33に出力させることにより、測定対象の電池Bat4のみを流れる電流値(I4)が電流検出信号Siとして差分電流値検出回路33から処理部5に出力される。
このように、このインピーダンス測定装置1Aおよびインピーダンス測定方法によれば、電流計34(第1の電流計)によって測定された交流電流Iacの電流値から、電流計32(第2の電流計)によって測定された交流電流Iacの電流値を差し引いた差分電流値を電流検出信号Siとして検出することにより、測定対象の電池Bat2に対して1以上の非測定対象である電池(上記の例では、例えば、電池Bat1,Bat3,Bat4)が並列接続されている状態における電池Bat2の内部インピーダンスZbを確実かつ簡単に測定することができる。
また、このインピーダンス測定装置1Aおよびインピーダンス測定方法によれば、クランプ型の電流計で構成した電流計34(第1の電流計)を用いることにより、複数(この例では4つ)の電池Bat1~Bat4の各電極T1同士が金属板で構成されたバスバーBB1で接続されると共に電池Bat1~Bat4の各電極T2同士が同じく金属板で構成されたバスバーBB2で接続されることにより、複数の電池Bat1~Bat4が並列に接続されて全体として梯子形の回路網NW2が構成されている場合における測定対象の電池(上記の例では、電池Bat2など)の内部インピーダンスZbを確実かつ簡単に測定することができる。
また、インピーダンス測定装置1,1Aおよびインピーダンス測定方法によれば、差分電流値である算出した交流電流Iacの電流値(I)が目標電流値範囲内に含まれるように、回路網NW1,NW2(NW2A)に供給する交流電流Iacの電流値を調整する(電流源2を制御)することにより、電流検出信号Si(検出電流値)や電圧検出信号Sv(検出電圧値)の雑音レベル(N)に対する信号レベル(S)の比率(S/N)を高めることができるため、処理回路14によって行われる内部インピーダンスZbの算出処理において、精度良く内部インピーダンスZbを測定することができる。
なお、上記のインピーダンス測定装置1およびインピーダンス測定方法では、非測定対象としての2つの負荷Load1,Load2を測定対象としての電池Bat1に並列接続した回路網NW1における電池Bat1の内部インピーダンスZbを測定する例について説明したが、1つまたは3つ以上の非測定対象としての負荷を電池Bat1に並列接続した回路網における電池Bat1の内部インピーダンスZbを上記の測定方法を適用して測定することもできる。同様にして、インピーダンス測定装置1Aおよびインピーダンス測定方法では、一例として、測定対象の電池Bat2に対して3つの非測定対象としての電池Bat1,Bat3,Bat4を並列接続した回路網NW2における電池Bat12の内部インピーダンスZbを測定する例について説明したが、1つ、2つまたは4つ以上の非測定対象としての電池を電池Bat2に並列接続した回路網における電池Bat2の内部インピーダンスZbを上記の測定方法を適用して測定することもできる。
また、インピーダンス測定装置1,1Aの処理部5において、電池Bat1~Bat4の内部インピーダンスZbのインピーダンス演算をデジタル処理で行う例について説明したが、電流検出信号Siおよび電圧検出信号Svに基づいて、アナログ回路によるアナログ演算で内部インピーダンスZbを求める構成を採用することもできる。
本願発明によれば、測定対象の電池に対して1以上の非測定対象が並列接続されている状態における電池の内部インピーダンスを確実かつ簡単に測定することができる。これにより、本願発明は、このようなインピーダンス測定のインピーダンス測定装置およびインピーダンス測定方法に広く適用することができる。
1,1A インピーダンス測定装置
2 電流源
3 電流測定回路
31 電流計
32 電流計
33 差分電流値検出回路
4 電圧測定回路
5 処理部
Bat1~Bat4 電池
Load1,Load2 負荷
NW1,NW2,NW2A 回路網
Si 電流検出信号
Sv 電圧検出信号
Zb 内部インピーダンス
2 電流源
3 電流測定回路
31 電流計
32 電流計
33 差分電流値検出回路
4 電圧測定回路
5 処理部
Bat1~Bat4 電池
Load1,Load2 負荷
NW1,NW2,NW2A 回路網
Si 電流検出信号
Sv 電圧検出信号
Zb 内部インピーダンス
Claims (6)
- 測定対象の電池に1以上の非測定対象が並列接続されて構成される回路網の両端間に交流の測定用電流を供給する電流源と、
前記測定用電流を供給したときに前記電池に流れる当該測定用電流を検出電流値として検出する電流検出回路と、
前記測定用電流を前記回路網に供給したときに前記電池の両端に発生する交流電圧を検出電圧値として検出する電圧検出回路と、
前記電流検出回路によって検出された前記検出電流値と前記電圧検出回路によって検出された前記検出電圧値とに基づいて前記電池の内部インピーダンスを測定する処理部とを備えているインピーダンス測定装置であって、
前記電流検出回路は、前記回路網の両端間を流れる前記交流電流を測定可能な第1の電流計と、前記電池に並列接続されている前記非測定対象の全てを流れる前記交流電流を測定可能なクランプ型の第2の電流計と、前記第1の電流計で測定された電流値から前記第2の電流計で測定された電流値を差し引いた差分電流値を前記検出電流値として検出する差分電流値検出回路とを備えて構成されているインピーダンス測定装置。 - 前記第1の電流計は、クランプ型の電流計で構成されている請求項1記載のインピーダンス測定装置。
- 前記処理部は、前記差分電流値が目標電流値範囲内に含まれるように、前記電流源を制御して前記回路網に供給する交流電流の電流値を調整する請求項1または2記載のインピーダンス測定装置。
- 測定対象の電池に1以上の非測定対象が並列接続されて構成される回路網の両端間に交流の測定用電流を供給し、
前記測定用電流を供給したときに前記電池に流れる当該測定用電流を検出電流値として検出し、
前記測定用電流を前記回路網に供給したときに前記電池の両端に発生する交流電圧を検出電圧値として検出し、
前記電流検出回路によって検出された前記検出電流値と前記電圧検出回路によって検出された前記検出電圧値とに基づいて前記電池の内部インピーダンスを測定するインピーダンス測定方法であって、
前記回路網の両端間を流れる前記交流電流を第1の電流計を用いて測定すると共に前記電池に並列接続されている前記非測定対象の全てを流れる前記交流電流をクランプ型の第2の電流計を用いて測定し、
前記第1の電流計で測定された前記交流電流の電流値から前記第2の電流計で測定された前記交流電流の電流値を差し引いた差分電流値を前記検出電流値として検出するインピーダンス測定方法。 - 前記第1の電流計としてクランプ型の電流計を用いる請求項4記載のインピーダンス測定方法。
- 前記差分電流値が目標電流値範囲内に含まれるように、前記回路網に供給する交流電流の電流値を調整する請求項4または5記載のインピーダンス測定方法。
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