JP2023004578A - アルカリ二次電池及びアルカリ二次電池の製造方法 - Google Patents

アルカリ二次電池及びアルカリ二次電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アルカリ二次電池において効果的にNi2O3Hの生成を抑制すること。【解決手段】多孔性のNi若しくはNi合金からなる正極基材21と正極基材21充填されたNi(OH)2を主体とする正極活物質の粒子22aを含む正極合材層とからなる正極板2と、アルカリ電解液24とを備えたニッケル水素蓄電池において、正極基材21から正極活物質の粒子表面22bにNiOのデンドライトを連続して樹枝状に存在させ、その表面22bにおいて、0.245≦NiO/Ni(OH)2≦1.77とした。【選択図】図3

Description

本発明は、アルカリ二次電池及びアルカリ二次電池の製造方法に係り、詳細には、NiHの生成に起因する容量の低下を抑制するアルカリ二次電池及びアルカリ二次電池の製造方法に関する。
従来より、たとえば特許文献1に記載されているように、アルカリ蓄電池に用いられるニッケル正極板の多くは、ニッケル粉末を還元雰囲気下で焼結した多孔性のニッケル焼結基板にニッケル塩を主成分とする酸性溶液を含浸する。濃縮後、熱アルカリ溶液に浸漬して、ニッケル基板の孔中に水酸化ニッケルを主成分とする正極活物質を充填するという方法によって作製されている。
ニッケル酸化物の層を形成していないニッケル焼結基板を用い、化学含浸法によって活物質を充填した場合、酸性の含浸液によってニッケル焼結体が腐食されて、極板の機械的強度が低下する。そこで特許文献1に記載された発明では、ニッケル焼結体の表面にニッケル酸化物の層を形成させることで、ニッケル焼結体の腐食を防ぐことが開示されている。
また、正極に水酸化ニッケルを用いたアルカリ蓄電池ではある繰り返し充放電条件で充放電を行う事で、電気化学的に不活性なNiH(ニッケル酸化物)が生成する事により、電池抵抗の上昇や電池容量の低下を引き起こすという問題があった。そのため、特許文献2に記載の発明では、電流密度100A/mでSOC20~80%の範囲内で総電気量10kAhの充放電を実施した際に、NiHが規定量以下になるような電池が提案されている。
特開1987-211860号公報 特開2011-233423号公報
しかしながら、特許文献2に記載された発明では、指定容量(Ah)で継続使用された際は、NiHは微小であっても生成してしまう。一旦NiHが生成されてしまうと、実質的にΔSOCが拡大して電池の容量が不可逆的に減少し、更なるNiHの生成を招いてしまう。
その結果、急激な容量低下を招くため根本的にNiHを抑制させる対策が不可欠となる。
本発明のアルカリ二次電池及びアルカリ二次電池の製造方法が解決しようとする課題は、効果的にNiHの生成を抑制することである。
上記課題を解決するため、本発明のアルカリ二次電池では、多孔性のNi若しくはNi合金からなる正極基材と当該正極基材に充填されたNi(OH)を主体とする正極活物質の粒子を含む正極合材層とからなる正極板と、アルカリ電解液とを備えたアルカリ二次電池において、前記正極活物質の粒子の表面にNiOを存在させたことを特徴とする。
前記正極活物質の粒子の表面の構成が、0.245≦NiO/Ni(OH)≦1.77を満たすことが望ましい。
前記アルカリ二次電池が、ニッケル水素蓄電池である場合に好適に実施できる。
また、本発明のアルカリ二次電池の製造方法では、多孔性のNi若しくはNi合金からなる正極基材と当該正極基材に充填されたNi(OH)を主体とする正極活物質の粒子を含む正極合材層とからなる正極板と、アルカリ電解液とを備えたアルカリ二次電池の製造方法において、前記正極基材にNi(OH)を充填した状態において、空気による酸化により前記正極基材から生じるNiOの成長を促進させ、孔部内部の前記正極活物質の粒子表面まで届くように温度T[°C]、湿度M[%]、時間t[h]を制御することを特徴とする。
この場合温度T≦35[°C]、湿度M≦90[%]とすることが望ましい。
また、前記正極活物質の粒子の表面にNiOが存在しないアルカリ二次電池の正極容量寿命[%]を100[%]とした場合に、当該正極容量寿命[%]が設定した閾値内となるように、NiO/Ni(OH)の値を調整することも望ましい。この場合、前記正極活物質の粒子の表面の組成を、0.245≦NiO/Ni(OH)に調整することができる。
また、前記正極活物質の粒子の表面にNiOが存在しないアルカリ二次電池の内部抵抗[%]を100[%]とした場合に、内部抵抗[%]が設定した閾値内となるように、NiO/Ni(OH)の値を調整することも望ましい。この場合、前記正極活物質の粒子の表面の組成を、NiO/Ni(OH)≦1.77に調整することができる。
また、多孔性のNi若しくはNi合金からなる正極基材と当該正極基材に充填されたNi(OH)を主体とする正極活物質の粒子を含む正極合材層とからなる正極板と、アルカリ電解液とを備え、前記正極基材にNi(OH)を充填した状態において、空気による酸化により前記正極基材から生じるNiOの成長を促進させ、孔部内部の前記正極活物質の粒子表面まで届くように構成したアルカリ二次電池の正極板において、前記正極板に、前記アルカリ電解液をa[g]滴下したときに、前記正極板に浸透したが、吸収されてしまった液をb[g]とし、前記正極板を浸透し、さらに下部に流出した液をc[g]としたときに、浸透率[%]=c[g]/a[g]とし、当該浸透率[%]≧40[%]となるように前記正極活物質の粒子の表面のNiO/Ni(OH)を調整することも望ましい。
本発明のアルカリ二次電池及びアルカリ二次電池の製造方法によれば、効果的にNiHの生成を抑制することができる。
(a)は、ニッケル水素蓄電池の正極活物質の粒子表面の充電時の反応を示す模式図である。(b)は、放電時の正常な正極の主反応と、酸素が発生し、局所的な液枯れを起こした場合の副反応を示す反応式である。 ニッケル水素蓄電池の正極活物質の粒子表面に成長したNiOが形成された場合の正極活物質の粒子表面の充電時の反応を示す模式図である。 正極基板と、ここからニッケル水素蓄電池の正極活物質の粒子表面に成長したNiOを示す模式図である。 本実施形態のニッケル水素蓄電池の電池モジュール90の一部の断面図である。 温度と湿度の条件を変えたときのNiO/Ni(OH)の変化を示すグラフである。 NiO/Ni(OH)の変化と内部抵抗[%]及び正極容量寿命[%]との関係を示すグラフである。 浸透率の算出方法を示す模式図である。 NiO/Ni(OH)の変化と浸透率[%]の関係を示すグラフである。 ニッケル水素蓄電池の正極活物質の粒子表面をXPSの分析ピークにより測定したグラフである。 従来技術と本実施形態のニッケル水素蓄電池の寿命を比較するグラフである。
本発明のアルカリ二次電池及びアルカリ二次電池の製造方法を、ニッケル水素蓄電池及びその製造方法の一実施形態により図1~10を参照して説明する。
<本実施形態の原理>
本実施形態のニッケル水素蓄電池及びその製造方法は、効果的にNiHの生成を抑制することを目的としている。そのためにまず、NiHの生成の機序について説明する。
<正極活物質の粒子の表面>
図1(a)は、ニッケル水素蓄電池の正極活物質の粒子表面の充電時の反応における酸素を示す模式図である。
図1(b)は、放電時の正常な正極の主反応と、酸素が発生し局所的な「液枯れ」を起こした場合の異常な副反応を示す反応式である。
<放電時の正極における主反応>
正極活物質の粒子22aは、充放電によりNi(OH)とβ-NiOOHとの間で変化する。なお、説明の便宜上正極活物質をNi(OH)として説明する場合がある。ニッケル水素蓄電池の放電時の正常な主反応は、以下の式(1)のように、HOの存在を前提に、β-NiOOHから、Ni(OH)とOHが生成される。この場合、電解液のHOは消費されて減少することになる。OHは、アルカリ電解液24のアルカリイオンとして働く。この場合は、イオンと電子の遣り取りで、酸素Oや水素Hの気体が発生することはない。
β-NiOOH+HO+e→Ni(OH)+OH……(1)
<副反応による酸素の発生及び「液枯れ」の発生>
正極の電位が高くなることがある。そしてHOの電気分解の電位に達すると、副反応としてHOの電気分解が生じる。HOの電気分解では、正極では、以下の式(2)のような反応によりOが発生する。
4OH→O+2HO+4e……(2)
図1(a)に示すように、正極活物質であるNi(OH)/β-NiOOHの正極活物質の粒子表面22bが充電により高い電位になると、上述した式(2)に示すような副反応を生じて、Oの気泡Aが正極活物質の粒子表面22bに発生する。充電時の正極でOが発生すると、正極活物質の粒子表面22bにOの気泡Aが付着する。このOの気泡Aは、時間が経過すると、正極活物質の粒子表面22bから離脱する。そうすると気泡Aが離脱した場所は、アルカリ電解液24と接触し、HOやOHが供給される。
ところが、その条件によっては、正極活物質の粒子表面22bに発生したOが気泡Bのように、正極活物質の粒子表面22bから離脱するのに時間がかかる場合がある。このように正極活物質の粒子表面に付着した気泡BのようなOの気泡はアルカリ電解液を遮断する。その結果、正極活物質の表面のHOやOHを物理的に排除することとなり、その部分は、局所的な「液枯れ」となる。ここにはHOもOHも、物理的に存在しない。
<「液枯れ」によるNiHの生成>
そうすると正常な反応では、図1(b)の式(1)に示すように反応にHOが必要であるが、HOが供給されない「液枯れ」の場合、ニッケル水素蓄電池の放電時の異常な副反応が生じ、以下の式(3)のような反応となる。
16β-NiOOH+4e→8NiH+2HO+O+4OH……(3)
つまり、HOを使わずに反応し、逆にHOを生成する。そしてそのときの生成物として、NiHと、Oと、OHとを生成する。このうち、Oは、時間が経過すると以下に示す式(4)のようにセパレータを介し、負極にてスムーズに吸収され(リコンビネーション反応)、密閉系を保っている。OHはアルカリ電解液に戻る。
4MH+O→4M+2HO……(4)
ここで、NiHについては、電気化学的に不活性な生成物であり、NiHが発生すると、不可逆的に蓄積され、電池抵抗の上昇や電池容量の低下を引き起こすことが問題とされている。そのため、NiHの発生は好ましくないとして通常では抑制される。
<ニッケル水素蓄電池のメモリ効果>
ニッケル水素蓄電池では、低SOCで繰り返し充放電されることでメモリ効果が発生することが知られている。メモリ効果が生じた電池系では、電圧が貴側へシフトするため、すなわち同じSOCでも電圧が高くなり特にOが発生しやすくなる。その結果、正極活物質の粒子表面22bで酸素が発生した場所で、瞬間的に局所的に液枯れが発生するため、上記式(3)に示すように不足したHOを生成しようとする反応と同時にNiHが生成される。NiHが生成されると急激な容量低下を招く。
<本実施形態の構成>
これらの現象を抑制するには、局所的な液枯れを抑制する必要がある。本発明者らは、局所的な液枯れを抑制するためには、アルカリ電解液24の正極板2の表面における拡散性を向上させることが必要と考えた。これによって、Oが発生することで生じる正極活物質の粒子表面22bで発生する局所的な液枯れに対して速やかにアルカリ電解液24を供給することができる。そうすれば、液枯れを生じた場所に直ちにアルカリ電解液24中のOHやHOを補填し、NiHの生成を効果的に抑制することができる。
そこで、本発明者らは、具体的な技術的解決手段として、正極活物質の粒子表面22bにNiOを十分に存在させることで正極活物質の粒子表面22bの表面張力を増加させた。正極活物質の粒子表面22bの表面張力が増加すると、アルカリ電解液24に対する濡れ性が低くなり、アルカリ電解液24の拡散性を向上できることを発見した。
このように構成することで、Oが発生することで生じる正極活物質の粒子表面22bで発生する局所的な液枯れに対して速やかにアルカリ電解液24を供給することができる。そうすれば、液枯れを生じた場所に直ちに電解液中のOHやHOを補填し、NiHの生成を抑制することができる。
<本実施形態の充電時の反応>
図2は、ニッケル水素蓄電池の正極活物質の粒子表面22bに成長したNiOが形成された場合の正極活物質の粒子表面22bの充電時の反応を示す模式図である。
図2に示すように、充電時にメモリ効果などで正極電位が上昇すると、HOの電気分解の電位に達し、副反応としてHOの電気分解が生じる。HOの電気分解では、正極では、副反応によりOが発生する。
この場合、図1(a)に示す従来のニッケル水素蓄電池では、発生した酸素が正極活物質の粒子表面22bの表面に付着して、気泡Bのように「液枯れ」が生じ、図1(b)の式(3)のようにNiHが生成される場合があった。
一方、本実施形態のニッケル水素蓄電池では、図2に示すように正極活物質の粒子表面22bにNiO22dを十分に存在させることで正極活物質の粒子表面22bの表面張力を増加させている。正極活物質の粒子表面22bの表面張力が増加させると、アルカリ電解液24に対する濡れ性が低くなり、アルカリ電解液24の拡散性が向上する。そうすると、気泡C、気泡Dは、正極活物質の粒子表面22bから離脱し易くなるとともに、速やかにアルカリ電解液が接触し、その部分にHOやOHを供給し、図1(b)の式(1)のような正常な反応となり、NiHの生成を有効に抑制するものである。
<従来技術との比較>
特許文献1に開示された従来の方法では、正極板の正極基材に酸化ニッケル(NiO)の被膜を形成している。この目的は、ニッケル酸化物の層を形成していないニッケル焼結基板を用い、化学含浸法によって活物質を充填した場合、酸性の含浸液によってニッケル焼結体が腐食されて、極板の機械的強度が低下する。そこで特許文献1に記載された発明では、ニッケル焼結体の表面にニッケル酸化物の層を形成させることで、ニッケル焼結体の腐食を防ぐものである。そのため、NiOは、正極基材21の表面のみを覆っている。
このNiO22dは、比較的抵抗値が大きいため、正極基材21を覆うことは、内部抵抗を高めるという点でデメリットがある。さらに、正極基材21に充填されたNi(OH)を主体とする正極活物質の粒子22aをNiOで覆うことは、内部抵抗を高めるリスクが大きい。したがって、従来は、腐食に対してやむを得ず正極基材をNiOにより保護することはあっても、正極活物質の粒子22aをNiO22dで覆うことは技術常識に反するものであった。
<本実施形態の作用・効果の概略>
本実施形態では、正極活物質の粒子表面22bにおけるNiO22dは、その表面を覆いつくすものではなく、正極基材21から発生したNiO22dをデンドライト状に結晶を発達させている。その結果、正極活物質の粒子表面22bにおけるNiO22dを樹枝状にすることで隙間を形成し、正極活物質の粒子22aとアルカリ電解液24の直接的な接触を確保して内部抵抗の上昇を抑制している。
その一方で、正極活物質の粒子表面22bにおけるNiO22dを十分な面積で、正極活物質に粒子表面22bの表面張力を増加させ、アルカリ電解液24に対する濡れ性を低くしている。その結果十分なアルカリ電解液の拡散性を確保している。
そのため、本実施形態では、正極活物質の粒子表面22bにおけるNiO22dとNi(OH)22cの比率のバランスを適正に調整している。
そのことで、内部抵抗の上昇を抑制しつつ、アルカリ電解液24の拡散性を高めることでNiHの生成を抑制し、ニッケル水素蓄電池の容量寿命を長寿命化することができたものである。
(本実施形態の具体的構成)
図3は、正極基材21と、ここからニッケル水素蓄電池の正極活物質の粒子表面22bのNi(OH)22cの上に成長したNiO22dを示す模式図である。
図3に示すように、正極板2の正極基材21は、3次元の網目状の骨部21aを備える。骨部21aの間には空間である孔部21bが形成されている。この孔部21bには、正極活物質の粒子22aの凝集体22eを含む合材が充填されている。また、この孔部21bには、HOにOHを含んだアルカリ電解液24が、浸透している。
正極活物質の粒子22aの凝集体22eは、正極基材21の骨部21aに接触した状態で保持されている。正極基材21は、多孔性金属であるNi若しくはNi合金からなり、酸化によりその表面にNiO22dが生成される。本実施形態では、温度T[°C]、湿度M[%]、時間t[h]を適切に制御することで、正極基材のNiO22dを正極活物質の粒子表面まで届くように、その結晶を成長させる。このため、デンドライト状(樹枝状)の結晶が、正極活物質の粒子表面22bに届き、樹枝状のNiO22dが正極活物質の粒子表面22bを覆うように広がる。そのため、正極活物質の粒子表面22bには、基材のNi(OH)22cが露出した部分と、樹枝状のNiO22dに覆われた部分とが形成される。本実施形態では、本実施形態では、温度T[°C]、湿度M[%]、時間t[h]を適切に制御することで、正極活物質の粒子表面22bの構成が、0.245≦NiO/Ni(OH)≦1.77を満たすように構成されている。
以下、本実施形態の前提となるニッケル水素蓄電池及びその製造方法の一例について簡単に説明する。
<ニッケル水素蓄電池>
図4は、本実施形態のニッケル水素蓄電池の電池モジュール90の一部の断面図を示す。図4に示すように、ニッケル水素蓄電池は、密閉型電池であり、電気自動車やハイブリッド自動車等の車両の電源として用いられる電池である。車両に搭載されるニッケル水素蓄電池としては、所要の電力容量を得るべく、複数の単電池110を電気的に直列接続して構成された電池モジュール90からなる角形密閉式の二次電池が知られている。
電池モジュール90は、複数の単電池110を収容可能な一体電槽100と、この一体電槽100を封止する蓋体200とによって構成される直方体状の角形ケース300を有している。なお、この角形ケース300は、樹脂製のものを用いることができる。
角形ケース300を構成する一体電槽100は、アルカリ性の電解液に対して耐性を有する合成樹脂材料、例えばポリプロピレンやポリエチレン等により構成されている。そしてこの一体電槽100の内部には、複数の単電池110を区画する隔壁120が形成されており、この隔壁120によって区画された部分が、単電池110毎の電槽130となる。一体電槽100は、例えば、6つの電槽130を有しており、図4には、その一部の4つが示されている。
こうして区画された電槽130内には、極板群140と、その両側に接合された正極の集電板150及び負極の集電板160とが電解液とともに収容されている。
極板群140は、矩形状の正極板2及び負極板142がセパレータ143を介して積層して構成されている。このとき、正極板2、負極板142及びセパレータ143が積層された方向(紙面に鉛直な方向)が、積層方向である。極板群140の正極板141及び負極板142は、板面の方向(紙面に沿う方向)であって互いに反対側の側部に突出されることで正極板141のリード部141a及び負極板142のリード部142aが構成されている。これらリード部141a,142aの側端縁にそれぞれ集電板150,160が接合されている。
また、隔壁120の上部には各電槽130の接続に用いられる貫通孔170が形成されている。貫通孔170は、集電板150の上部に突設されている接続突部151、及び集電板160の上部に突設されている接続突部161の2つの接続突部151,161同士が該貫通孔170を介して溶接接続される。このことで、各々隣接する電槽130の極板群140を電気的に直列接続させる。貫通孔170のうち、両端の電槽130の各々外側に位置する貫通孔170には、一体電槽100の端側壁上方で正極の接続端子152又は負極の接続端子(図示略)が装着される。正極の接続端子152は、集電板150の接続突部151と溶接接続される。負極の接続端子153は、集電板160の接続突部161と溶接接続される。こうして直列接続された極板群140、すなわち複数の単電池110の総出力が正極の接続端子152及び負極の接続端子153から取り出される。
一方、角形ケース300を構成する蓋体200には、角形ケース300の内部圧力を開弁圧以下にする排気弁210と、極板群140の温度を検出するためのセンサを装着するセンサ装着穴220が設けられている。センサ装着穴220は、極板群140の近傍まで電槽130内を延びる穴によって、極板群140の温度を測定可能にしている。
排気弁210は、一体電槽100内の内部圧力を許容されうる閾値以下に維持するためのものであり、内部圧力の値が許容される閾値を超えた開弁圧以上になった場合には、開弁されることで一体電槽100内部に発生したガスを排出する。一体電槽100の内部圧力は、隔壁120に形成された図示しない連通孔で全ての電槽130で均一化されている。これにより、一体電槽100は、全ての電槽130で均一化された内部圧力が開弁圧未満になるまでガスを排出して、その内部圧力が許容されうる開弁圧未満に維持されるようになる。
<極板群140の構成>
<正極板2>
正極板2は、基材となる正極基材21として、多孔性金属であるNi若しくはNi合金からなる発泡ニッケル三次元多孔体が用いられる。正極基材21は、立体的な網状の構造を有した骨部21aと、この骨部21aに囲まれた孔部21bを有する。正極基材21は、例えば発泡ウレタンのウレタン骨格表面にニッケルメッキを施した後、発泡ウレタンを焼失させて製造される。正極板2は、Ni(OH)及びCoを活物質として含有している正極合材層22を備えている。詳しくは、粒状の水酸化ニッケルに、水酸化コバルトや金属コバルト粉末などの導電剤、そして必要に応じてカルボキシメチルセルロースなどの増粘剤やポリテトラフルオロエチレンなどの結着剤を適量加えてまずはペースト状に加工する。その後、こうしてペースト状になった加工物を、正極基材21の網目状の孔部21bに充填して正極合材層22を形成する。その後、これを乾燥、圧延、切断することによって板状の正極板2を形成する。
なお、正極板2におけるNiOの構成については、のちに詳述する。
<負極板142>
負極板142は、例えば、ランタン、セリウム、及びネオジム等の希土類元素の混合物であるミッシュメタル、ニッケル、アルミニウム、コバルトおよびマンガンを構成要素とする水素吸蔵合金を活物質として構成されている。これも詳しくは、この水素吸蔵合金にカーボンブラックなどの導電剤、そして必要に応じてカルボキシメチルセルロースなどの増粘剤や、スチレン-ブタジエン共重合体などの結着剤を添加してまずはペースト状に加工する。その後、こうしてペースト状に加工された水素吸蔵合金を、パンチングメタル(活物質支持体)などの芯材に塗布あるいは充填した後、これを乾燥、圧延、切断することによって同じく板状の負極板142を形成する。
<セパレータ143>
セパレータ143としては、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の不織布、もしくは必要に応じてこれにスルフォン化などの親水処理を施したものを用いることができる。
本実施形態のニッケル水素蓄電池の電池モジュール90は以上のような構成を備えている。
<正極板2の正極活物質の粒子22aのNiOの形成>
ここで、本実施形態の特徴である、正極板2の正極活物質の粒子22aのNiOの形成について、詳しく説明する。
本実施形態では、正極基材21に充填した正極活物質の粒子22aの表面に、正極基材21において発生させたNiOの結晶を樹枝状に連続して延在させたことを特徴としている。
<正極板2の製造方法>
具体的な正極板2の製造方法は、まず多孔性のNi若しくはNi合金からなる正極基材21と、ここに充填されたNi(OH)を主体とする正極活物質の粒子22aを含む正極合材層22とからなる正極板2を作成する。
この正極板2の正極基材21にNi(OH)を充填した状態において、空気による酸化により正極基材21から生じるNiOの成長を促進させ、孔部内部の正極活物質の粒子表面22bまで届くようにデンドライトとして連続したNiOの樹枝状結晶を成長させる。
<NiOの成長の制御>
本実施形態のニッケル水素蓄電池の製造方法では、正極基材21で生じたNiOを、正極活物質の粒子22aにまで樹枝状の結晶として連続して成長させる必要がある。従来では、たとえ正極基材21でNiOが発生することがあっても、これが正極活物質の粒子表面22bにまでデンドライト状の結晶として成長することはなかった。むしろ、内部抵抗を上昇させるNiOを成長させることもなかった。そこで、本実施形態では、温度T[°C]、湿度M[%]、時間t[h]を制御することで、NiOの結晶の成長を制御している。
図5は、温度と湿度の条件を変えたときのNiO/Ni(OH)の変化を示すグラフである。正極基材21の孔部21bに正極活物質の粒子22aを含む合材を充填し、大気において酸化させた試験の結果を示している。
白丸で示す従来のグラフL1に示すとおり、特にNiOの発生を求めていない場合は、特に環境は管理されず放置される。例えば、乾燥工程などで温度Tが35[°C]で、湿度Mが90[%]というような状態である。その場合は、NiO/Ni(OH)の比率が0.2から、3週間経っても、0.4程度までしか増加していない。
一方、グラフL2の黒丸で示す本実施形態では、条件として、温度T=10℃、湿度M[%]=10%として環境を管理した。その結果、NiO/Ni(OH)の比率が0.2から、3週間経つと、0.8程度まで増加した。低温、低湿度化で空気酸化させることでNi(OH)の面積を小さくし、NiOの面積の比率を増加させることが可能であることを確認した。
なお、3週間(およそ500h)結晶を成長させることで、正極基材21から発生したNiO22dのデンドライトが、正極基材21の孔部21bに配置された正極活物質の粒子22aの凝集体22eの内部まで成長する。そして凝集体22eの内部の正極活物質の粒子表面22bまで樹枝状の結晶のNiO22dが延びるように成長することを確認した。
本発明者らは、NiOの結晶を短時間に成長させるためには、温度T≦35[°C]、湿度M≦90[%]とすることが望ましいことを確認した。
<正極容量寿命[%]に基づくNiO/Ni(OH)の値の調整>
図6は、正極活物質の粒子の表面の組成のNiO/Ni(OH)の値の変化と、正極容量寿命[%]との関係を示すグラフである。図6に示すグラフのうち、右上がりの点線で示すグラフL4は、NiO/Ni(OH)の値と、正極容量寿命[%]の関係を示すグラフである。上述のとおり、本発明者らは、NiOが正極活物質の粒子表面22bを覆う面積が増加すると、NiHの生成を抑制することができることを見出した。NiOの値がゼロの場合の正極容量寿命を100%とした場合に、NiO/Ni(OH)の値の変化による正極寿命の変化を示すグラフである。NiO/Ni(OH)の値が、0.245のときに正極容量寿命が概ね106%となり、有意に効果を発揮した。その後、NiO/Ni(OH)の値が1.75では130%近傍まで伸びていることをNiO/Ni(OH)の値が、0.5のときに正極容量寿命が概ね116%となった。NiO/Ni(OH)の値が、1.12のときに正極容量寿命が概ね124%となった。そして、NiO/Ni(OH)の値が、1.75のときには正極容量寿命が概ね128%以上まで伸びたことを確認した。このことから、正極容量寿命の観点からいえば、NiO/Ni(OH)の値は大きければ大きいほどよい。そして、少なくともNiO/Ni(OH)の値が0.245以上であれば、有意に正極寿命延長の効果を発揮することが分かった。
<内部抵抗[%]に基づくNiO/Ni(OH)の値の調整>>
また、図6は、NiO/Ni(OH)の変化と内部抵抗[%]との関係を示すグラフでもある。図6に示すグラフのうち右下がりの実線で示すグラフL5は、NiO/Ni(OH)の値と、内部抵抗[%]の関係を示すグラフである。上述のとおり、本発明者らは、NiOが正極活物質の粒子表面22bを覆う面積が増加すると、NiHの生成を抑制することができるものの、内部抵抗[%]が上昇することがわかっている。
ここで内部抵抗[%]は、NiOの値がゼロの場合の内部抵抗を100%としたときの値である。この内部抵抗[%]は、定電圧での電流値により、流れやすさを示す値で、100%からNiOによる抵抗が大きくなると、値が低下する。すなわち、抵抗値が上がると、その数値は低下する。NiO/Ni(OH)の値が、概ね0.09のときに内部抵抗が略100%である。NiO/Ni(OH)の値が、概ね0.84のときに内部抵抗が99.8%であった。NiO/Ni(OH)の値が、概ね1.14のときに内部抵抗が99.4%であった。そして、NiO/Ni(OH)の値が、概ね1.77のときに内部抵抗が98.7%となり、内部抵抗が大きくなった。さらに、NiO/Ni(OH)の値が1.77を上回ると、急激に内部抵抗[%]が大きくなることが確認できた。このことから、内部抵抗の見地からいえば、NiO/Ni(OH)の値は小さいほどよい。しかしながら、NiO/Ni(OH)の値が1.77でも、内部抵抗が98.7%と製品として十分な抵抗値を得られることが実証できた。したがって、少なくともNiO/Ni(OH)の値を、1.77以下にすれば、製品として十分な抵抗値を得られることが分かった。
<浸透率[%]によるNiO/Ni(OH)の調整>
図7は、浸透率[%]の算出方法を示す模式図である。
ここで、本実施形態で浸透率[%]とは、発泡Niからなる正極板2に、アルカリ電解液24をa[g]滴下したときに、正極板2に浸透したが、吸収されてしまった液をb[g]とする。また、正極板2を浸透し、さらに下部に流出したアルカリ電解液をc[g]とする。このときに、浸透率[%]=c[g]/a[g]で求めた数値である。すなわち、正極板2に浸透して、さらに正極板2を通過して排出され下部に流出したアルカリ電解液をc[g]は、正極板内部に付着して保持されなかったものである。つまり、表面張力が大きく濡れ性が低いNiOがアルカリ電解液を弾いているので、アルカリ電解液は、正極板2中にとどまることができなかったものであり、拡散性が高いといえる。一方、正極板2に浸透したが、吸収されてしまった液をb[g]は、NiOがなく表面張力が小さく濡れ性が高いため、アルカリ電解液を吸収して保持しているので、アルカリ電解液は、正極板2中にとどまっているものであり、拡散性が低いといえる。
また、浸透率[%]が大きい場合は、表面張力が大きく濡れ性が低いNiOがアルカリ電解液を弾いているということになる。そうすると、正極活物質の粒子表面22bで発生するOが、アルカリ電解液中で気泡Cや気泡Dを生じさせるが、正極活物質の粒子表面22bのアルカリ電解液は気泡Cや気泡Dとともに、弾かれてしまう。このため、気泡C、Dを構成しているアルカリ電解液は、正極活物質の粒子表面22bに長く留まることはできず、短時間で分離する。気泡C、Dが正極活物質の粒子表面22bから短時間で分離するため、Oが正極活物質の粒子表面22bに付着することで発生する局所的な液枯れに対して速やかにアルカリ電解液24を供給することができる。
発泡Niからなる正極板2は、図3に示すように多数の孔部21bを有する多孔質の部材であり、この孔部21bに正極活物質の粒子22aが充填されている。このような正極板2で、NiOが存在せず、濡れ性の高い正極活物質の粒子表面22bがアルカリ電解液24に付着させて固定すると、アルカリ電解液24は、孔部21bに充填された正極活物質の粒子22a間を自由に移動することができない。つまり、アルカリ電解液24に拡散性が低い。
一方、NiOが存在し、濡れ性の低い正極活物質の粒子表面22bがアルカリ電解液24を弾くと、アルカリ電解液24は、孔部21bに充填された正極活物質の粒子22a間を自由に移動することができる。つまり、アルカリ電解液24に拡散性が高い。アルカリ電解液24の拡散性が高い場合、多孔質の正極板2にアルカリ電解液24が浸透すれば、孔部21bに充填された正極化活物質の粒子表面22bに到達しやすいため、液枯れを生じにくい。
図8は、NiO/Ni(OH)の変化と浸透率[%]の関係を示すグラフである。図8に示すグラフL3は、NiO/Ni(OH)の値が0.61、0.72では、浸透率[%]は、概ね40%と、アルカリ電解液24は40[%]程度が正極板2の内部に拡散し、自由に移動することができる。また、NiO/Ni(OH)の値が0.79になると、浸透率[%]は、概ね60%と上昇し、アルカリ電解液24の60[%]程度が正極板2の内部に拡散する。
さらに、NiO/Ni(OH)の値が1.83では、浸透率[%]は、概ね100%となり、ほとんど滴下したアルカリ電解液24は正極板2の内部に拡散する。このため、正極板2内部を自由に移動することができるアルカリ電解液24は孔部21bに充填された正極化活物質の粒子表面22bに到達しやすいため、液枯れを生じにくい。
以上説明したように、グラフL3から導き出せる結論は、高い浸透率[%]を得るためには、NiO/Ni(OH)の値がより高ければ、より高い浸透率[%]が得られることが分かった。また、少なくも、NiO/Ni(OH)の値が0.61以上であれば、浸透率[%]が40%以上で、アルカリ電解液24の拡散性が十分高いことが分かった。したがって、浸透率[%]が少なくとも40%以上とするため、NiO/Ni(OH)の値が0.61以上とすることが望ましい。
<ニッケル水素蓄電池の組み立て>
こうして製造した正極板2、負極板142、及びセパレータ143は、正極板2と負極板142とを互いに反対側に突出する態様でセパレータ143を介して交互に積層することで直方体状の極板群140を構成する。そして、一方に突出して積層された各正極板2のリード部141aの外縁と集電板150とがスポット溶接等により接合されるとともに、他方に突出して積層された各負極板142のリード部142aの外縁と集電板160とがスポット溶接等により接合される。
集電板150及び160の溶接された極板群140は、角形ケース300内の各電槽130に収容される。隣接する極板群140の正極の集電板150と負極の集電板160とがそれらの上部に突設された接続突部151及び161同士のスポット溶接等により接続される。そのため、互いに隣接する極板群140が電気的に直列接続される。
各電槽130内には、水酸化カリウムを主成分とするアルカリ水溶液(電解液)が所定量注入された状態で、蓋体200で一体電槽100の開口が封止される。このことで、複数の単電池110(ニッケル水素蓄電池)からなる例えば定格容量「6.5Ah」の電池モジュール90が構成されている。このような電池モジュール90がさらに組み合わされて、樹脂ケースに収納され、制御装置や各種センサなどが装着されて車載用の電池パック(図1参照)として車両の駆動用電池として搭載される。
(本実施形態の作用)
<ニッケル水素蓄電池の正極活物質の粒子表面の構成>
図9は、ニッケル水素蓄電池の正極活物質の粒子表面をXPS(X線光電子分光・X-ray Photoelectron Spectroscopy)の分析ピークにより測定したグラフである。縦軸は、放出光電子強度(Intensity・[cps])であり、横軸は測定電子の原子核に対する結合エネルギー値[eV]を示す。Ni(OH)は、およそ531[eV]近傍でピークを示し、NiOは、およそ529[eV]近傍でピークを示すことがわかっている。図9に示すように、一番表層のグラフG1では、Ni(OH)と、NiOについてピークを示す。すなわち、ニッケル水素蓄電池の正極活物質の粒子表面22bには、Ni(OH)と、NiOとが、概ね同等の量が存在することがわかる。つまり、NiO/Ni(OH)の値は、NiO/Ni(OH)≒1であることがわかる。
さらにX線強度を上げて、内部の分析を行うと、グラフG2やグラフG3では、NiOもNi(OH)も、いずれもピークがなく、530[eV]近傍のピークのみとなる。このことから、Ni(OH)と、NiOとは、ニッケル水素蓄電池の正極活物質の粒子表面のみに存在することがわかる。言い換えると、もともとNi(OH)からなる正極活物質の粒子表面22bを、NiO22dが、部分的に覆っていることがわかる。これは、もともとNiOは、発泡Niからなる正極基材のNiが酸化したものであり、正極基材のNiに由来するからである。一方、Ni(OH)からNiOが発生することはない。つまり、正極基材のNiが酸化してNiOが生成され、このNiOがデンドライト(dendrite・フラクタル状に複数に枝分かれした樹枝状の結晶)を生成し、正極基材から正極活物質の粒子表面に育ってできたものであるからである。
また、発泡Ni製の正極基材の表面解析を行ったところ、NiHの回折ピークが出現することはないことも明らかになった。
<ニッケル水素蓄電池の寿命>
図10は、従来技術と本実施形態のニッケル水素蓄電池の寿命を比較するグラフである。グラフL6は、従来のニッケル水素蓄電池の寿命を示すグラフである。グラフL6に示すように、正極活物質の粒子表面22bにNiOが存在しない従来技術のニッケル水素蓄電池では、総放電電力量[Ah]が増加していくと、急速に電池容量[Ah]が低下していく。すなわち、電池寿命が比較的短い。
グラフL7は、本実施形態のニッケル水素蓄電池の寿命を示すグラフである。これに対して、正極基材21から正極活物質の粒子表面22bにNiOを延在させた本実施形態のニッケル水素蓄電池は、総放電電力量[Ah]が増加しても、電池容量[Ah]の低下が少ない。すなわち、電池寿命が比較的長い。
従来から、当業者では導電性を悪化させるという観点から、NiOの生成を極力抑制する必要性があるというのが技術常識であった。しかしながら、本発明者らは本実施形態のニッケル水素蓄電池のように、正極基材21から正極活物質の粒子表面22bにNiOを延在させても、内部抵抗は若干犠牲となる。しかしながらその損失はわずかであり、これを補うに余りある大幅な長寿命化が可能となっている。
(実施形態の効果)
本実施形態のニッケル水素蓄電池及びその製造方法では、上記のような構成を備えるため、以下のような効果を奏する。
(1)従来のニッケル水素蓄電池と比較して、NiHの生成を効果的に抑制して大幅な長寿命化を達成することができた。
(2)正極基材21から正極活物質の粒子表面22bに電気抵抗値の大きいNiOを延在させても、正極活物質の粒子表面22bには、NiOは、樹枝状の結晶で隙間が十分にある。そのため、Ni(OH)も直接電解液に接触するように露出されるので、内部抵抗の上昇を抑制している。
(3)一方、正極基材21から正極活物質の粒子表面22bに表面張力の大きく濡れ性の低いNiOを延在させることで、浸透したアルカリ電解液24の正極基材21及び正極活物質の粒子表面22bにおける拡散性を向上させる。
(4)また、正極基材21から正極活物質の粒子表面22bに表面張力の大きく濡れ性の低いNiOを延在させることで、正極活物質の粒子表面22bに発生した気泡C、気泡Dが離脱する時間を短くする。それによって正極活物質の粒子表面22bにHOやOHが欠乏する「液枯れ」の状態を速やかに解消する。その結果、副反応によるNiHの発生を効果的に抑制することができる。
(5)正極基材21にNi(OH)を充填した状態において、空気による酸化により正極基材21から生じるNiOの成長を促進させる。この場合、孔部内部の正極活物質の粒子表面22bまで届くように温度T[°C]、湿度M[%]、時間t[h]を制御する。そうすることで、短時間に正極基材21から正極活物質の粒子表面22bに延在するNiOの樹枝状の結晶の成長を促すことができる。特に、温度T≦35[°C]、湿度M≦90[%]とすることで、NiOの形成を短時間に行うことができる。
(6)NiOの結晶は、デンドライトとして樹枝状に伸びていくので、正極合材層22の奥に含まれる正極活物質の粒子表面22bにも、満遍なく形成することができる。
(7)ニッケル水素蓄電池の電池寿命と内部抵抗は、NiO/Ni(OH)の値のコントロールにより、任意に行うことができる。
例えば、電池寿命のみを考えれば、0.245≦NiO/Ni(OH)に調整する。一方、内部抵抗のみを考えれば、NiO/Ni(OH)≦1.77に調整する。
(8)ニッケル水素蓄電池の電池寿命と内部抵抗のバランスを考えれば、0.245≦NiO/Ni(OH)≦1.77の範囲内で、電池寿命を重視すれば大きい値に、内部抵抗を重視すればNiO/Ni(OH)の値を小さい値に設定する。
(9)また、NiOが、想定するアルカリ電解液の拡散性を有するか確認する場合には、浸透性の試験をおこない、浸透率[%]を調整することで、電池寿命と内部抵抗を制御することができる。
(10)本実施形態では、従来のニッケル水素蓄電池の製造工程において、正極基材21にNi(OH)を充填した状態において、空気による酸化により正極基材21から生じるNiOの樹枝状の結晶の成長を促進させる。そして、樹枝状の結晶が孔部21bの内部の正極活物質の粒子表面22bまで届くように温度T[°C]、湿度M[%]、時間t[h]を制御するだけで実施することができる。このため、新たな設備などを必要とせず、製造コストが上昇することもない。
(11)本実施形態は、従来からのニッケル水素蓄電池に構成の改変なしで適用できるので、広く適用することができる。
(12)本実施形態では、多孔性のNi若しくはNi合金からなる正極基材21を備える。この正極基材21に充填されたNi(OH)を主体とする正極活物質の粒子22aを含む正極合材層22とからなる正極板2を備える。しかしながらアルカリ電解液24を備えたアルカリ二次電池であれば、ニッケル水素蓄電池に限定せず実施することができる。
(変形例)
上記実施形態は、以下のようにしても実施することができる。
○本実施形態では、特にメモリ効果を生じた車載用のニッケル水素蓄電池を例示しているが、メモリ効果を生じていない電池にも適用できることは言うまでもない。
○また、車載用に限定されず、船舶。航空機のほか、例えば、家庭や工場の蓄電池としても活用することができる。
〇電池の形状も板状の直方体の電池モジュールに限定されず、円柱形のものなどその形状に限定されない。
○また、アルカリ二次電池の例示としてニッケル水素蓄電池を例示した。しかし、多孔性のNi若しくはNi合金からなる正極基材と当該正極基材に充填されたNi(OH)を主体とする正極活物質の粒子を含む正極合材層とからなる正極板と、アルカリ電解液とを備えた電池に広く適用することができる。
〇本実施形態の正極板2は、発泡ウレタンのウレタン骨格表面にニッケルメッキを施した後、発泡ウレタンを焼失させて製造された発泡Niを例示したが、これに限定されない。従来技術のようにニッケル粉末を還元雰囲気下で焼結した多孔性のニッケル焼結基板でもよく、多孔性のNi若しくはNi合金からなる正極基材であれば限定されない。
○アルカリ電解液24は、水酸化カリウムを主成分とするアルカリ水溶液(電解液)を例示したがこれに限定されるものではない。
○本実施形態で例示した数値範囲は、本実施形態の構成に合わせて好適な例を示すものである。よって、電池の構成などにより当業者が適宜最適化ができることはもちろんである。
〇本実施形態で示した製造工程は一例であり、当業者であればそれらの手順の順序を変えたり、手順を追加したり、省略して実施することができる。
○また、当業者であれば、特許請求の範囲を逸脱しない限り、構成を付加し、削除し、変更して実施できることは言うまでもない。
2…正極板
21…正極基材
21a…骨部
21b…孔部
22…正極合材層
22a…(正極活物質の)粒子
22b…(正極活物質の)粒子表面
22c…Ni(OH)
22d…NiO
24…アルカリ電解液
90…電池モジュール
100…一体電槽
110…単電池
120…隔壁
130…電槽
140…極板群
141a…リード部
142…負極板
142a…リード部
143…セパレータ
150…集電板
151…接続突部
152…接続端子
153…接続端子
160…集電板
161…接続突部
170…貫通孔
200…蓋体
210…排気弁
220…センサ装着穴
300…角形ケース
A、B、C、D…気泡

Claims (10)

  1. 多孔性のNi若しくはNi合金からなる正極基材と当該正極基材に充填されたNi(OH)を主体とする正極活物質の粒子を含む正極合材層とからなる正極板と、
    アルカリ電解液とを備えたアルカリ二次電池において、
    前記正極活物質の粒子の表面にNiOを存在させたことを特徴とするアルカリ二次電池。
  2. 前記正極活物質の粒子の表面の構成が、
    0.245≦NiO/Ni(OH)≦1.77を満たすことを特徴とする請求項1に記載のアルカリ二次電池。
  3. 前記アルカリ二次電池が、ニッケル水素蓄電池であることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ二次電池。
  4. 多孔性のNi若しくはNi合金からなる正極基材と当該正極基材に充填されたNi(OH)を主体とする正極活物質の粒子を含む正極合材層とからなる正極板と、
    アルカリ電解液とを備えたアルカリ二次電池の製造方法において、
    前記正極基材にNi(OH)を充填した状態において、空気による酸化により前記正極基材から生じるNiOの成長を促進させ、孔部内部の前記正極活物質の粒子表面まで届くように温度T[°C]、湿度M[%]、時間t[h]を制御することを特徴とするアルカリ二次電池の製造方法。
  5. 温度T≦35[°C]、湿度M≦90[%]としたことを特徴とする請求項4に記載のアルカリ二次電池の製造方法。
  6. 前記正極活物質の粒子の表面にNiOが存在しないアルカリ二次電池の正極容量寿命[%]を100[%]とした場合に、当該正極容量寿命[%]が設定した閾値内となるように、NiO/Ni(OH)の値を調整することを特徴とする請求項4又は5に記載のアルカリ二次電池の製造方法。
  7. 前記正極活物質の粒子の表面の組成を、0.245≦NiO/Ni(OH)に調整することを特徴とする請求項6に記載のアルカリ二次電池の製造方法。
  8. 前記正極活物質の粒子の表面にNiOが存在しないアルカリ二次電池の内部抵抗[%]を100[%]とした場合に、内部抵抗[%]が設定した閾値内となるように、NiO/Ni(OH)の値を調整することを特徴とする請求項4に記載のアルカリ二次電池の製造方法。
  9. 前記正極活物質の粒子の表面の組成を、NiO/Ni(OH)≦1.77に調整することを特徴とする請求項8に記載のアルカリ二次電池の製造方法。
  10. 多孔性のNi若しくはNi合金からなる正極基材と当該正極基材に充填されたNi(OH)を主体とする正極活物質の粒子を含む正極合材層とからなる正極板と、
    アルカリ電解液とを備え、
    前記正極基材にNi(OH)を充填した状態において、空気による酸化により前記正極基材から生じるNiOの成長を促進させ、孔部内部の前記正極活物質の粒子表面まで届くように構成したアルカリ二次電池の正極板において、
    前記正極板に、前記アルカリ電解液をa[g]滴下したときに、前記正極板に浸透したが、吸収されてしまった液をb[g]とし、前記正極板を浸透し、さらに下部に流出した液をc[g]としたときに、浸透率[%]=c[g]/a[g]とし、
    当該浸透率[%]≧40[%]となるように前記正極活物質の粒子の表面のNiO/Ni(OH)を調整することを特徴とする請求項4に記載のアルカリ二次電池の製造方法。
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