JP2023004364A - 使い捨て尿器 - Google Patents

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建朗 藤江
Tatsuro FUJIE
正徳 丸野
Masanori Maruno
美香 高木
Mika Takagi
昭夫 東
Akio Azuma
基則 細田
Motonori Hosoda
純子 岡本
Junko Okamoto
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Miyanomori College Of Medical Arts & Science
Takagi Hoso Co Ltd
Nihon Denshi Seiki Co Ltd
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Miyanomori College Of Medical Arts & Science
Takagi Hoso Co Ltd
Nihon Denshi Seiki Co Ltd
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Abstract

【課題】簡単に採尿可能形態にでき、操作性、装着感が良好で、採尿時の形態を保持でき、寝た姿勢で採尿しても尿が性器挿入開口部から漏れ出す虞なく、製造コストを低減し、未使用時の保管スペースを極小化可能な使い捨て尿器の提供。【解決手段】折り畳み及び展開可能に構成され、性器に適合した形態の受け口部を備えた紙器10を有してなる使い捨て尿器であって、受け口部に挿入した状態の性器から放出される尿の逆流防止機構を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、一般的な医療現場における患者等、特に、寝たきり状態の男性の採尿に好適に使用できる、使い捨て可能な尿器に関する。
従来、一般的な医療現場における患者等に用いられている尿器としては、例えば、図7に示すような、樹脂を用いて成型された、使用後に洗浄して再使用される尿瓶がある。
しかし、この種の尿瓶は、使用のたびに洗浄・乾燥、密封して保管する必要がある。洗浄後、完全に乾燥させないと菌が繁殖する虞があり、また、衛生上、ビニール袋に密封して保管する必要がある。
また、この種の尿瓶は、使用後に細菌やウィルスが付着し、洗浄してもこれらの細菌等が完全に除去されずに残り易く、再使用による感染リスクが大きくなり易い。
尿瓶に内在する上記問題を解決しうる尿器としては、例えば、次の特許文献1~3、非特許文献1に記載のものがある。
特許文献1に記載の尿器は、図8に示すように、尿瓶本体61、採尿受け部62、これらの接続筒63を有し、尿瓶本体61の内部に収容する使い捨て尿袋64の開口端部64aを接続筒63の上部で折り返して外周部に被せ、折り返された尿袋64の開口端部64aを接続筒63の上部と採尿受け部62とで挟んで使用し、使用後は、採尿受け部62を接続筒63から外し、接続筒63及び尿瓶本体61から尿袋64を抜き取って、尿袋64を廃棄し、不使用時には、尿瓶本体61を保管するとともに、尿瓶本体61から外した接続筒63を受け皿(不図示)に載置し、接続筒63の上部に採尿受け部62を接続し、その上にキャップ65を被せて保管するようにした、洗浄が不要の尿器として構成されている。
特許文献2に記載の尿器は、図9に示すように、液体を吸収する素材を入れたビニール袋71の口の外周をゴム(不図示)で男性性器に密着させるようにし、その上に固定用テープ72で固定して使用し、使用後は固定用テープ72で口を締めて廃棄するようにした、使い捨て尿瓶として構成されている。
特許文献3に記載の尿器は、図10に示すように、上部に開口部81を備え、内部に吸水部材82を備えた、液密性を有する袋体83と、袋体83とは別体に形成され、袋体開口部81の内周側に配された筒状の口部材84と、袋体83の開口部81に巻かれる環状で伸縮性のある紐部材85と、を備え、口部材84は内側に筒状の主要部84a、外側に吸水性を有する筒状の芯部材84bを備え、袋体83は開口部81の外側に折り返された延設部86に袋体83を閉鎖する閉鎖部87を備え、採尿後は、口部材84を袋体83の内部へ落した後、延設部86の折り返しを戻し、閉鎖部87により袋体83を巾着状に閉じて廃棄するようにした、使い捨て携帯用採尿袋として構成されている。
非特許文献1に記載の尿器は、図11に示すように、新聞紙を原料としたパルプを尿瓶形状に成形した使い捨て尿器として構成されている。
特開2014-100447号公報 実開平01-107321号公報 特開2006-296780号公報
インターネット掲載記事、男性用尿器(900ml)、[online]、https://global.vernacare.com/jp/製品カタログ/尿器システム/男性用尿器-(900ml)、(2021年5月25日)
特許文献1に記載の尿器によれば、尿瓶本体61に尿が接触し難くなるため、採尿後の尿瓶本体61の洗浄・乾燥が不要となり、図7に示した従来の一般的な樹脂製尿瓶に比べて尿瓶本体の再使用による感染リスクを低く抑えることができる。
しかし、特許文献1に記載の尿器には、使用の度に、尿袋64の装着、取り出しが煩雑であり、また、採尿受け部62に尿が付着して菌が繁殖する虞があり、さらに、尿瓶本体61と、接続筒63及び採尿受け部62とを分離した状態で保管する必要があるため、保管が面倒になる。
特許文献2に記載の尿器によれば、採尿後の尿瓶本体の洗浄・乾燥が不要となり、図7に示した従来の樹脂製尿瓶に比べて尿瓶本体の再使用による感染リスクが低くなることに加えて、尿瓶本体への袋の装着、取り出しや、採尿後の尿瓶本体の保管が不要で、再使用しないため、図8に示した特許文献1に記載の尿器に比べて再使用による感染リスクをより低く抑えることができる。
しかし、特許文献2に記載の尿器には、採尿時に男性性器への位置合わせや固定テープでの固定が難しく、外れて尿が漏れ出す虞や、採尿後に、男性性器から取り外す際にビニール袋の口から尿が出て付着する虞、また、寝たきりの人間に対しては介助者が男性性器へ着脱をする必要が生じ、現在のコロナ禍においては感染の危険度が高く、さらに、ビニール袋の口の位置が男性性器に依存するため、寝た姿勢で採尿しようとすると、尿が袋から逆流して口から漏れ出す虞がある。
特許文献3に記載の尿器によれば、特許文献2に記載の尿器による上記効果に加えて、図9に示した特許文献2に記載の尿器と比べて男性性器への固定がし易く、また、男性性器から取り外す際に袋体開口部から尿が出て付着する虞を低減できる。
しかし、特許文献3に記載の尿器には、袋体の開口部の位置が男性性器に依存するため、寝た姿勢で採尿しようとすると、尿が袋から逆流して開口部から漏れ出す虞がある。
非特許文献1に記載の尿器によれば、特許文献2に記載の尿器による上記効果に加えて、図9、図10に示した特許文献2、3に記載の尿器とは異なり、開口部の位置が男性性器に依存しないため、寝た姿勢で採尿しても、尿が袋から逆流して開口部から漏れ出す虞を少なくすることができる。
しかし、非特許文献1に記載の尿器には、尿瓶形状を有しているため、未使用時の保管スペースが増大し、また、パルプを用いて尿器形状に成形するためのコストが高くなる。
本件発明者らは、このような問題を解決すべく、使い捨て尿器として、段ボール等の板紙で尿器を組み立てることを着想し、考察及び試行錯誤を重ねた。その結果、板紙製の尿器には、操作感や、装着性、採尿時の形態の保持等に課題があることが判明した。
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、感染リスクが極めて低く、採尿後の処分が簡単で、採尿時には簡単に採尿可能な形態にすることができ、操作性、装着感が良好で、採尿時の形態を保持でき、寝た姿勢で採尿しても、尿が逆流して性器挿入開口部から漏れ出す虞がなく、しかも、製造コストを低減でき、未使用時の保管スペースを極小化可能な使い捨て尿器を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明による使い捨て尿器は、折り畳み及び展開可能に構成され、性器に適合した形態の受け口部を備えた紙器を有してなる使い捨て尿器であって、前記受け口部に挿入した状態の性器から放出される尿の逆流防止機構を備えたことを特徴としている。
また、本発明の使い捨て尿器においては、前記紙器は、尿器本体部と、前記受け口部を有し、前記逆流防止機構は、前記使い捨て尿器の底面側を“へ”の字状に変形させるように傾斜可能に構成された前記受け口部と、前記受け口部の上面に対し、91~179度の範囲内の所定角度で斜めに交差する向きに当接して、該受け口部の傾斜した状態を固定する、前記尿器本体部に設けられた傾斜固定手段とからなるのが好ましい。
また、本発明の使い捨て尿器においては、前記尿器本体部の底面は、前記受け口部の底面側に、該受け口部の傾斜した状態に合わせて折り曲げ可能な突部を有し、前記受け口部の底面は、横方向の中央位置近傍領域の幅が狭くなっているのが好ましい。
また、本発明の使い捨て尿器においては、前記受け口部の底面は、横方向の中央位置に向かうにしたがって幅が狭くなっているのが好ましい。
また、本発明の使い捨て尿器においては、前記尿器本体部の底面の突部は、台形形状を有するのが好ましい。
また、本発明の使い捨て尿器においては、前記傾斜固定手段は、前記尿器本体部に備わる、フラップ部と、フラップ押さえ部と、前記フラップ押さえ部と繋がった差し込み片と、前記フラップ部の内部に形成された差し込み部を有してなり、前記フラップ部を折り曲げるとともに前記フラップ押さえ部を折り曲げ、さらに前記差し込み片を折り曲げて前記差し込み部に差し込んだときに、前記フラップ部の一辺縁が前記受け口部の上面に対し、前記所定角度で斜めに交差する向きに当接するように構成され、前記尿器本体部の上面は、前記一方の側とは反対側に傾斜辺を有し、前記尿器本体部の第1の側面と前記フラップ押さえ部との境界線上に位置する部位は、前記フラップ部における前記尿器本体部の上面側の辺が前記傾斜辺に当接するように折り曲げられたときに、前記フラップ部における前記尿器本体部の第2の側面との境界線とは反対側の辺縁全体と内側で接触するように形成されているのが好ましい。
本発明によれば、感染リスクが極めて低く、採尿後の処分が簡単で、採尿時には簡単に採尿可能な形態にすることができ、操作性、装着感が良好で、採尿時の形態を保持でき、寝た姿勢で採尿しても、尿が逆流して性器挿入開口部から漏れ出す虞がなく、しかも、製造コストを低減でき、未使用時の保管スペースを極小化可能な使い捨て尿器が得られる。
本発明の一実施形態に係る使い捨て尿器の初期状態の外観を示す説明図で、(a)は右側から見た図、(b)は左側から見た図である。 本実施形態の使い捨て尿器における尿器組立用板紙部に備わる尿器本体部、受け口隣接部、受け口部を夫々構成する、一枚の板紙に形成される各部を示す展開図である。 本実施形態の使い捨て尿器の尿器組立用板紙部における尿器本体部、受け口隣接部及び受け口部の初期状態の外観を示す説明図で、(a)は右側から見た図、(b)は左側から見た図である。 本実施形態の使い捨て尿器の尿器組立用板紙部における初期状態から、尿器本体部、受け口隣接部及び受け口部を展開したときの状態(第1の状態)を示す説明図で、(a)は右側から見た図、(b)は左側から見た図、(c)は正面側から見た図、(d)は背面側から見た図、(e)は正面を上向きにして左側から見た斜視図である。 本実施形態の使い捨て尿器の尿器組立用板紙部における第1の状態から、受け口部の底面を内側へ押し曲げながら受け口隣接部側へ押し込んだときの状態(第2の状態)を示す説明図で、正面を上向きにして左側から見た斜視図である。 本実施形態の使い捨て尿器の尿器組立用板紙部における第2の状態から、フラップ部を折り曲げるとともにフラップ押さえ部を折り曲げ、さらに差し込み片を折り曲げて差し込み部に差し込んだときの状態を示す説明図で、(a)は正面を上向きにして左上方から見た斜視図、(b)は底面を下向きにして右側から見た図、(c)は底面を下向きにして左側から見た斜視図、(d)は底面を下向きにして正面から見た斜視図である。 一般的な医療現場における患者等に用いられている樹脂製尿瓶の一例を示す説明図である。 特許文献1に記載の尿器の構成を示す説明図である。 特許文献2に記載の尿器の構成を示す説明図である。 特許文献3に記載の尿器の構成を示す説明図である。 非特許文献1に記載の尿器の構成を示す説明図である。
実施形態の説明に先立ち、本発明が導出されるに至った経緯及び本発明の作用効果について説明する。
1.本発明が導出されるに至った経緯
上述のとおり、従来、感染リスクが極めて低く、採尿後の処分が簡単で、寝た姿勢で採尿しても、尿が逆流して性器挿入開口部から漏れ出す虞がなく、製造コストを低減でき、未使用時の保管スペースを極小化可能といった条件の全てを満たす尿器は、存在しなかった。
しかるに、本件発明者らは、使い捨て尿器として、段ボール等の板紙で尿器を組み立てることを着想し、試行錯誤を重ねた。なお、使い捨て尿器については、尿器本体を段ボールで構成するとともに、ビニール袋や吸収パッドを組み合わせることを検討した。
しかし。段ボールを用いた尿器本体の組み立て工程が複雑であると、患者等の尿器利用者にとって操作感が悪くなることが懸念された。また、段ボールで尿器本体を組み立てた場合、男性性器を尿器本体の受け口に挿入したときに、受け口の角度が付き過ぎて装着感が悪くなることが判明した。
本件発明者らは、さらに考察及び試行錯誤を重ね、一枚の板紙で折り畳み及び展開可能な尿器本体部、受け口部を形成できるようにすることで操作感が向上するとともに、コストを低減でき、折り畳みにより保管スペースが極小化できる構成を着想した。
また、その際、受け口部の角度を緩やかにするために、組み立ての際に受け口部を傾斜可能にする構成も着想した。
しかし、受け口部を傾斜可能にすると受け口部が動いてしまい易く、採尿時に尿が漏れ出す虞のあることが判明した。
また、段ボールで組み立てた尿器の底面が平坦であると、寝た姿勢で採尿した場合、尿が逆流して受け口部から漏れ出てしまうことも判明した。
そこで、本件発明者らは、このような問題点を解決すべく、さらに考察及び試行錯誤を重ね、感染リスクが極めて低く、採尿後の処分が簡単で、採尿時には簡単に採尿可能な形態にすることができ、操作性、装着感が良好で、採尿時の形態を保持でき、寝た姿勢で採尿しても、尿が逆流して性器挿入開口部から漏れ出す虞がなく、しかも、製造コストを低減でき、未使用時の保管スペースを極小化可能な本発明の使い捨て尿器を導出するに至った。
2.本発明の構成及び作用効果
本発明の使い捨て尿器は、折り畳み及び展開可能に構成され、性器に適合した形態の受け口部を備えた紙器を有してなる使い捨て尿器であって、受け口部に挿入した状態の性器から放出される尿の逆流防止機構を備えて構成されている。
本発明の使い捨て尿器のように、受け口部に挿入した状態の性器から放出される尿の逆流防止機構を備えれば、採尿時に尿が逆流して性器挿入開口部から漏れ出す虞がなくなる。
また、本発明のように、紙器を有してなる使い捨て尿器として構成すれば、再使用しないため、感染リスクが極めて低くなる。
また、紙器における受け口部を性器に適合する形態に構成すれば、装着感を良好なものとすることができる。
また、本発明の使い捨て尿器のように、折り畳み及び展開可能に構成された紙器を有して構成すれば、紙器が折り畳まれて、尿器全体が略平坦となるようにすることで、未使用時の保管スペースを極力小さく抑えることができる。
また、本発明の使い捨て尿器のように、紙器を折り畳み及び展開可能に構成すれば、未使用時の状態から簡単に採尿に使用可能な状態にし易くなる。
また、本発明の使い捨て尿器において、折り畳み及び展開可能に構成され、性器に適合した受け部を備えた紙器を、一つの板紙を用いて形成された構成とすれば、製造効率が高く、製造コストも最小限に低減できる。
また、本発明の使い捨て尿器においては、好ましくは、紙器は、尿器本体部と、受け口部を有し、逆流防止機構は、使い捨て尿器の底面側を“へ”の字状に変形させるように傾斜可能に構成された受け口部と、受け口部の上面に対し、91~179度の範囲内の所定角度で斜めに交差する向きに当接して、受け口部の傾斜した状態を固定する、尿器本体部に設けられた傾斜固定手段とからなる。
本発明の使い捨て尿器のように、逆流防止機構において、受け口部を、使い捨て尿器の底面側を“へ”の字状に変形させるように傾斜可能に構成すれば、受け口部の底面が一方の側とは反対側から一方の側に向かって上向きに傾斜し、相対的に、受け口部の底面に隣接する部位の底面が一方の側とは反対側から一方の側に向かって下向きに傾斜した状態をつくることができる。このため、受け口部から男性性器を挿入したとき男性性器の先端部は、受け口部に隣接する部位の底面に沿って下向きとなり、男性性器から尿が放出されたとき、放出された尿が受け口に隣接する部位の底面に沿って下向きに流れる。その結果、寝た姿勢で採尿しても、尿が逆流して受け口部から漏れ出す虞がなくなる。また、受け口部が上記のように傾斜した状態をつくることができると、尿器における受け口部の角度を緩やかにして装着感を良好にすることができる。
また、本発明の使い捨て尿器のように、逆流防止機構において、受け口部の上面に対し、91~179度の範囲内の所定角度で斜めに交差する向きに当接して、受け口部の傾斜した状態を固定する尿器本体部に設けられた傾斜固定手段を備えた構成にすれば、傾斜固定手段の押圧力が受け口部の上面における縦横方向に及び、受け口部の傾斜方向への動きを完全に止めることができ、採尿時の受け口部の傾斜状態を保持することができる。
また、本発明の使い捨て尿器の逆流防止機構において、傾斜固定手段を、受け口部の上面に対し、該上面の輪郭形状の対角線方向に沿って斜めに交差する向きに当接する構成にすることで、傾斜固定手段の押圧力が、受け口部の上面における縦横方向に最大に及び、当接する面積を大きく持つことができ、受け口部の傾斜状態をより強固に保持することができる。
また、本発明の使い捨て尿器においては、好ましくは、尿器本体部の底面は、受け口部の底面側に、受け口部の傾斜した状態に合わせて折り曲げ可能な突部を有し、受け口部の底面は、横方向の中央位置近傍領域の幅が狭くなっている。
本件発明者らが上述の考察及び試行錯誤を繰り返した過程において、底面側が“へ”の字状に変形する使い捨て尿器における、一方の側とは反対側から一方の側に向かって上向きに傾斜する受け口部の底面の一方の側に向かう長さが長くなると、受け口部から男性性器を挿入したときに男性性器の先端部が下向きになり難くなることや、使い捨て尿器の底面側を“へ”の字状に大きく変形させて、受け口部に隣接する部位の底面が下向きに傾斜する角度を大きくすることが難しくなること、さらには男性性器を挿入したときの装着感が悪くなることが判明した。
受け口部から男性性器を挿入したときの男性性器の先端部が下向きにならない場合や、使い捨て尿器の底面側における“へ”の字状の変形度合いが小さく、受け口部に隣接する部位の底面が下向きに傾斜する角度が小さい場合、男性性器から尿が放出されたとき、放出された尿が受け口部に隣接する部位の底面に沿って下向きに流れ難くなり、寝た姿勢で採尿しても、尿が逆流して受け口部から漏れ出す虞がある。
また、使い捨て尿器の底面側を“へ”の字状に変形させるためには、受け口部の底面を内側へ押し曲げながら受け口部に隣接する部位側へ押し込むとともに、受け口部の底面に横方向の中央位置を通る仮想線上に谷折部を設けておいて谷折に折り曲げることが望まれる。しかし、受け口部の底面が谷折に折れ曲がることによって受け口部の底面の内側が山折に折れ曲がる。本発明の使い捨て尿器における紙器を構成するための板紙はある程度の硬度があるため、受け口部から男性性器を挿入したとき、山折の稜線部が男性性器に当たり、装着感が悪くなる。
装着感を良好なものにするためには、受け口部の底面を内側へ押し曲げながら受け口部に隣接する部位側へ押し込んだ後に、谷折に折れ曲がることによって内側が山折に折れ曲がった受け口部の底面を平らな状態に戻す必要がある。しかし、受け口部の底面の一方の側に向かう長さが長いと、受け口部の底面を平らな状態に戻し難くなる。
しかるに、尿器本体部の底面が、受け口部の底面側に、受け口部の傾斜した状態に合わせて折り曲げ可能な突部を有し、受け口部の底面が、横方向の中央位置近傍領域の幅が狭くなるようにすれば、底面側が“へ”の字状に変形する使い捨て尿器における、一方の側とは反対側から一方の側に向かって上向きに傾斜する受け口部の底面の一方の側に向かう長さは短くなり、受け口部から男性性器を挿入したとき男性性器の先端部を、受け口部に隣接する部位の底面に沿って下向きにし易くなるとともに、使い捨て尿器の底面側を“へ”の字状に大きく変形させて、受け口部に隣接する部位の底面が下向きに傾斜する角度を大きくし易くなる。
その結果、男性性器から尿が放出されたとき、放出された尿が受け口部に隣接する部位の底面に沿って下向きに流れ易くなり、寝た姿勢で採尿しても、尿が逆流して受け口部から漏れ出す虞をより一層なくすことができる。
また、受け口部の底面を、横方向の中央位置近傍領域の幅が狭くなるように形成すれば、受け口部の底面を内側へ押し曲げながら受け口部に隣接する部位側へ押し込んだ後に、谷折に折れ曲がることによって内側が山折に折れ曲がった受け口部の底面を平らな状態に戻し易くなり、受け口部から男性性器を挿入したときの装着感を良好なものにすることができる。
また、突部を受け口部の傾斜した状態に合わせて折り曲げ可能に構成すれば、受け口部を傾斜した状態にし易くなり、使い捨て尿器の底面側を“へ”の字状に変形させ易くなる。
また、本発明の使い捨て尿器においては、好ましくは、受け口部の底面は、横方向の中央位置に向かうにしたがって幅が狭くなっている。
このようにすれば、受け口部の底面を内側へ押し曲げ易くなり、受け口部に隣接する部位側へ押し込んで、受け口部の一部が受け口部に隣接する部位の内側に入り込むとともに、受け口部が傾斜した状態にし易くなる。
また、受け口部の底面を内側へ押し曲げながら受け口部に隣接する部位側へ押し込んだ後に、谷折に折れ曲がることによって内側が山折に折れ曲がった受け口部の底面を平らな状態に一層戻し易くなり、受け口部から男性性器を挿入したときの装着感を良好なものにし易くなる。
特に、尿器組立用板紙部の形成に用いる板紙が曲げ難く硬い段ボール製である場合に効果が大きくなる。
また、本発明の使い捨て尿器においては、好ましくは、尿器本体部の底面の突部は、台形形状を有し、受け口部の底面と尿器本体部の底面との間に略三角形状の開口が形成されている。
このようにすれば、受け口部の底面を内側へ押し曲げながら受け口部に隣接する部位側へ押し込んだ後に、谷折に折れ曲がることによって内側が山折に折れ曲がった受け口部の底面を平らな状態に一層戻し易くなり、受け口部から男性性器を挿入したときの装着感を良好なものにし易くなる使い捨て尿器を具現化できる。
また、本発明の使い捨て尿器においては、好ましくは、傾斜固定手段は、尿器本体部に備わる、フラップ部と、フラップ押さえ部と、フラップ押さえ部と繋がった差し込み片と、フラップ部の内部に形成された差し込み部を有してなり、フラップ部を折り曲げるとともにフラップ押さえ部を折り曲げ、さらに差し込み片を折り曲げて差し込み部に差し込んだときに、フラップ部の一辺縁が受け口部の上面に対し、所定角度で斜めに交差する向きに当接するように構成され、尿器本体部の上面は、一方の側とは反対側に傾斜辺を有し、尿器本体部の第1の側面とフラップ押さえ部との境界線上に位置する部位は、フラップ部における尿器本体部の上面側の辺が傾斜辺に当接するように折り曲げられたときに、フラップ部における尿器本体部の第2の側面との境界線とは反対側の辺縁全体と内側で接触するように形成されている。
このようにすれば、フラップ部の一辺縁が受け口部の上面に対し斜めに交差する向きに当接して、受け口部の傾斜した状態を固定する構成を具現化できる。
また、本発明の使い捨て尿器においては、好ましくは、尿器本体部の第1の側面における一方の側の下方近傍から尿器本体部の底面における一方の側にかけて形成された尿吸収パッド差し込み部を有し、尿吸収パッドの一端が尿吸収パッド差し込み部に差し込まれている。
このようにすれば、テープ等の接着部材を用いることなく、尿吸収パッドを尿器本体部に固定することができる。
また、本発明の使い捨て尿器においては、好ましくは、尿器本体部の第1の側面と第2の側面には、指を差し込んで尿器本体部を把持することを可能にする把持穴が設けられている。
このようにすれば、尿器本体部を片手で簡単に把持することができる。その結果、採尿者が簡単に男性性器を受け口部へ挿入する操作がし易くなり、また、採尿時に尿器本体部を安定した状態に保持することができる。さらに、尿器本体部を片手で簡単に把持できることから、尿器を所望の向きで使用することができ、寝た姿勢ではない、例えば、起き上がった姿勢でも容易に使用することができる。
このため、本発明によれば、感染リスクが極めて低く、採尿後の処分が簡単で、採尿時には簡単に採尿可能な形態にすることができ、操作性、装着感が良好で、採尿時の形態を保持でき、寝た姿勢で採尿しても、尿が逆流して性器挿入開口部から漏れ出す虞がなく、しかも、製造コストを低減でき、未使用時の保管スペースを極小化可能な使い捨て尿器が得られる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の説明を行う。
図1は本発明の一実施形態に係る使い捨て尿器の初期状態の外観を示す説明図で、(a)は右側から見た図、(b)は左側から見た図である。図2は本実施形態の使い捨て尿器における尿器組立用板紙部に備わる尿器本体部、受け口隣接部、受け口部を夫々構成する、一枚の板紙に形成される各部を示す展開図である。図3は本実施形態の使い捨て尿器の尿器組立用板紙部における尿器本体部、受け口隣接部及び受け口部の初期状態の外観を示す説明図で、(a)は右側から見た図、(b)は左側から見た図である。図4は本実施形態の使い捨て尿器の尿器組立用板紙部における初期状態から、尿器本体部、受け口隣接部及び受け口部を展開したときの状態(第1の状態)を示す説明図で、(a)は右側から見た図、(b)は左側から見た図、(c)は正面側から見た図、(d)は背面側から見た図、(e)は正面を上向きにして左側から見た斜視図である。図5は本実施形態の使い捨て尿器の尿器組立用板紙部における第1の状態から、受け口部の底面を内側へ押し曲げながら受け口隣接部側へ押し込んだときの状態(第2の状態)を示す説明図で、正面を上向きにして左側から見た斜視図である。図6は本実施形態の使い捨て尿器の尿器組立用板紙部における第2の状態から、フラップ部を折り曲げるとともにフラップ押さえ部を折り曲げ、さらに差し込み片を折り曲げて差し込み部に差し込んだときの状態を示す説明図で、(a)は正面を上向きにして左上方から見た斜視図、(b)は底面を下向きにして右側から見た図、(c)は底面を下向きにして左側から見た斜視図、(d)は底面を下向きにして正面から見た斜視図である。
本実施形態の使い捨て尿器は、図1に示すように、尿器組立用板紙部10と、尿器組立用板紙部10に取り付けられた尿吸収パッド40と、尿器組立用板紙部10の一方の側の周囲を覆うビニール製尿保持袋50とを有している。
尿器組立用板紙部10は、図2に示すように、一つの板紙を用いた切断加工により形成された、第1側面部11と、上面部12と、第2側面部13と、底面部14と、内部側面部15と、内部上面部16と、第1糊代部17と、受け口形成用第1側面部18と、受け口形成用底面部19と、受け口形成用第2側面部20と、受け口形成用上面部21と、第2糊代部22と、フラップ部23と、フラップ押さえ部24と、差し込み片25と、差し込み部26と、を有している。
受け口形成用上面部21は、内部上面部16と繋がっている、
受け口形成用第1側面部18、受け口形成用底面部19、及び受け口形成用第2側面部20は、第1側面部11、底面部14、及び内部側面部15から分離している。
第2糊代部22は、第1糊代部17から分離している。
また、尿器組立用板紙部10は、山折部L1~L5、L7~L9、L11~L13、L15と、谷折部L6、L10、L14、L16を有している。
山折部L1は、第1側面部11と上面部12との境界線上に形成されている。
山折部L2は、上面部12と第2側面部13との境界線上に形成されている。
山折部L3は、第1側面部11と底面部14との境界線上に形成されている。
山折部L4は、底面部14と内部側面部15との境界線上に形成されている。
山折部L5は、内部側面部15と内部上面部16との境界線上に形成されている。
山折部L7は、受け口形成用第1側面部18と受け口形成用底面部19との境界線上に形成されている。
山折部L8は、受け口形成用底面部19と受け口形成用第2側面部20との境界線上に形成されている。
山折部L9は、受け口形成用第2側面部20と受け口形成用上面部21との境界線上に形成されている。
山折部L11は、第2側面部13とフラップ部23との境界線上に形成されている。
山折部L12は、第1側面部11とフラップ押さえ部24との境界線上に形成されている。
山折部L13は、フラップ押さえ部24と差し込み片25との境界線上に形成されている。
山折部L15は、内部上面部16と受け口形成用上面部21との境界線上に形成されている。
谷折部L6は、内部上面部16と第1糊代部17との境界線上に形成されている。
谷折部L10は、受け口形成用上面部21と第2糊代部22との境界線上に形成されている。
谷折部L14は、受け口形成用底面部19における横方向の中央位置を通る仮想線上に形成されている。
谷折部L16は、後述する底面部14の突部14aを形成する台形形状の底辺に沿って形成されている。
第1糊代部17の内側面は、第1側面部11の内側面に接着されている。
また、第2糊代部22の内側面は、受け口形成用第1側面部18の内側面に接着されている。
また、内部側面部15の外側面は、第2側面部13の内側面に接着されている。
これらにより、尿器組立用板紙部10は、第1側面部11と底面部14と第2側面部13と上面部12とを有して形成される尿器本体部と、第1側面部11と底面部14と内部側面部15と内部上面部16とを有して形成される受け口隣接部と、受け口形成用第1側面部18と受け口形成用底面部19と受け口形成用第2側面部20と受け口形成用上面部21とを有して形成される受け口部とを、夫々が連動して折り畳み及び展開可能となるように備えている。
また、底面部14が、尿器本体部の底面と受け口隣接部の底面を兼ねるとともに、第1側面部11の一部が、尿器本体部の第1の側面の一部と受け口隣接部における内部側面部15とは反対側の側面を兼ねている。
また、底面部14は、受け口形成用底面部19側に、受け口部の傾斜した状態に合わせて谷折部L16に沿って折り曲げ可能な突部14aを有している。
受け口形成用底面部19は、底面部14側の辺19aが略V字の凹形状を有している。
底面部14の突部14aは、台形形状を有している。
そして、後述する初期状態において、受け口形成用底面部19と底面部14との間に略三角形状の開口が形成されている。
なお、受け口形成用底面部19は、横方向の中央位置に向かって幅が狭くなっていれば、略V字以外の凹形状(例えば、半円弧の凹形状)に形成されていてもよい。
あるいは、受け口形成用底面部19は、横方向の中央位置近傍領域の幅が狭くなっているその他の形状(例えば、台形における上辺と斜辺とで形成される凹形状)に形成されていてもよい。
また、上面部12は、一方の側とは反対側に傾斜辺12aを有している。
山折れ状に折れ曲がる第1側面部11とフラップ押さえ部24との境界線上に位置する部位は、フラップ部23における上面部12側の辺23aが傾斜辺12aに当接するように折り曲げられたときに、フラップ部23における第2側面部13との境界線とは反対側の辺縁23b全体と内側で接触するように形成されている。
また、差し込み部26は、フラップ部23に形成された所定形状の切込線によって形成されている。
その他、本実施形態の使い捨て尿器は、第1側面部11における一方の側の下方近傍から底面部14における一方の側にかけて形成された尿吸収パッド差し込み部27を有し、尿吸収パッド40の一端が尿吸収パッド差し込み部27に差し込まれている。尿吸収パッド差し込み部27は、所定形状の切込線によって形成されている。
また、第1側面部11と第2側面部13には、指を差し込んで尿器本体部を把持することを可能にする把持穴28、29が設けられている。
そして、本実施形態の使い捨て尿器は、次に示すように、形状を変化させることができるようになっている。なお、ここでは、便宜上、尿器組立用板紙部の形状の変化について説明することとする。
初期状態では、図3(a)、図3(b)に示すように、山折部L1を境界とした第1側面部11と上面部12、山折部L4を境界とした底面部14と内部側面部15、及び山折部L8を境界とした受け口形成用底面部19と受け口形成用第2側面部20が夫々山折りに折れ重なることで、尿器本体部、受け口隣接部及び受け口部が折り畳まれて、尿器組立用板紙部全体が略平坦となる。
また、初期状態から、図4(a)~図4(e)に示すように、山折部L1、山折部L4、及び山折部L8を境界として第1側面部11と上面部12、底面部14と内部側面部15、及び受け口形成用底面部19と受け口形成用第2側面部20が夫々直角になるようにして尿器本体部、受け口隣接部及び受け口部を展開したときに、夫々が両端の開口した断面が四角形の筒状に形成された第1の状態となる。第1の状態においては、受け口部(の受け口形成用第2側面部20)とフラップ部23とが一部で重なる。
また、第1の状態から、図5に示すように、受け口形成用底面部19を、谷折部L14を境界として内側へ押し曲げながら底面部14側へ押し込んだときに、受け口部の一部が受け口隣接部の内側に入り込むとともに、山折部L15を境界として受け口形成用上面部21が内部上面部16に対して折れ曲がり、底面部14の突部14aが受け口部の傾斜した状態に合わせて谷折部L16に沿って折れ曲がることで受け口部が傾斜した第2の状態となる。第2の状態においては、受け口部(の受け口形成用第2側面部20)とフラップ部23との重なりが解消される。なお、受け口部の底面(受け口形成用底面部19)を内側へ押し曲げながら受け口隣接部側へ押し込んだ後に、谷折部L14を境界として谷折に折れ曲がることによって内側が山折に折れ曲がった受け口部の底面(受け口形成用底面部19)を平らな状態に戻しておく。
また、第2の状態から、図6(a)に示すように、フラップ部23を、山折部L11を境界として折り曲げるとともにフラップ押さえ部24を、山折部L12を境界として折り曲げ、さらに、差し込み片25を、山折部L13を境界として折り曲げて差し込み部26に差し込んだときに、尿器本体部、受け口隣接部及び受け口部の展開した状態を固定すると同時に、フラップ部23の一辺縁23cが受け口部形成用上面部21に対し、受け口部形成用上面部21の輪郭形状(ここでは四角形)の対角線方向に沿って斜めに交差する向きに当接して、受け口部の傾斜した状態を固定する。なお、フラップ部23の一辺縁23cが受け口部形成用上面部21に対して当接する向きは、受け口部形成用上面部21の輪郭形状(ここでは四角形)の対角線方向に沿って斜めに交差する向きに限定されるものではなく、受け口部形成用上面部21に対し、91~179度の範囲内の所定角度で斜めに交差する向きであればよい。
このようにすることで、採尿が可能となる。
採尿時には、把持穴28、29に指を差し込んで、尿器本体部を把持しながら、図6(b)~図6(d)に示すように、受け口部の底面、尿器本体部及び受け口隣接部の底面(底面部14、受け口形成用底面部19)を下向きにして、男性性器を受け口部から挿入する。
採尿後は、尿器本体部を把持しながら、尿器組立用板紙部を受け口部側が上向きとなるようにし、次いで、尿器組立用板紙部をビニール製尿保持袋の内部に収納し、次いで、ビニール製尿保持袋の口を紐等で結び、廃棄する。
本実施形態によれば、尿器組立用板紙部10と、尿吸収パッド40と、ビニール製尿保持袋50とを有してなる使い捨て尿器として構成したので、再使用しないため、感染リスクが極めて低くなる。
また、本実施形態の使い捨て尿器によれば、ビニール製尿保持袋50が尿器組立用板紙部10の一方の側を覆う構成にしたので、ビニール製尿保持袋50の内部に尿器組立用板紙部10と尿吸収パッド40を収納して廃棄することができ、採尿後の処分を簡単に行うことができる。
また、本実施形態の使い捨て尿器によれば、尿器本体部と、受け口隣接部と、受け口部とを、折り畳み可能に備え、初期状態では、尿器本体部、受け口隣接部及び受け口部が折り畳まれて、尿器組立用板紙部全体が略平坦となる構成にしたので、未使用時の保管スペースを極力小さく抑えることができる。
また、本実施形態の使い捨て尿器によれば、尿器本体部と、受け口隣接部と、受け口部とを、夫々が連動して折り畳み及び展開可能となるように備えたので、採尿に使用する際に、未使用時の折り畳まれた状態から一つの操作で簡単に展開状態にすることができる。
また、本実施形態の使い捨て尿器によれば、尿器本体部と、受け口隣接部と、受け口部とが、一つの板紙を用いて形成された構成としたので、製造効率が高く、製造コストも最小限に低減できる。
また、本実施形態の使い捨て尿器によれば、受け口部が、受け口隣接部(の内部上面部16)と繋がった上面(受け口形成用上面部21)と、尿器本体部及び受け口隣接部から分離した底面及び両側面(受け口形成用底面部19、受け口形成用第1側面部18、受け口形成用第2側面部20)を有した構成としたので、受け口部の底面(受け口形成用底面部19)を内側へ押し曲げながら受け口隣接部側へ押し込むことができるようになる。そして、受け口部の底面(受け口形成用底面部19)を受け口隣接部側へ押し込むことにより、図6(b)、図6(c)に示すように、使い捨て尿器の底面側が“へ”の字状に変形し、受け口部の底面(受け口形成用底面部19)が一方の側とは反対側から一方の側に向かって上向きに傾斜し、相対的に、受け口部の底面(受け口形成用底面部19)に隣接する受け口隣接部の底面(底面部14)が一方の側とは反対側から一方の側に向かって下向きに傾斜した状態をつくることができる。このため、受け口部から男性性器を挿入したとき男性性器の先端部は、受け口隣接部の底面(底面部14)に沿って下向きとなり、男性性器から尿が放出されたとき、放出された尿が受け口隣接部の底面(底面部14)に沿って下向きに流れる。その結果、寝た姿勢で採尿しても、尿が逆流して受け口部から漏れ出す虞がなくなる。また、受け口部が上記のように傾斜した状態をつくることができる結果、尿器における受け口部の角度は緩やかになり装着感が良好になる。
また、本実施形態の使い捨て尿器によれば、フラップ部23を折り曲げるとともにフラップ押さえ部24を折り曲げ、さらに差し込み片25を折り曲げて差し込み部(26)に差し込んだときに、尿器本体部、受け口隣接部及び受け口部の展開した状態を固定すると同時に、フラップ部23の一辺縁23cが受け口部の上面に対し、91~179度の範囲内の所定角度で斜めに交差する向きに当接して、受け口部の傾斜した状態を固定する構成にしたので、フラップ部23の一辺縁23cからの押圧力が受け口部の上面における縦横方向に及び、受け口部の傾斜方向への動きを完全に止めることができ、尿器本体部、受け口部、受け口隣接部の展開状態が安定するとともに採尿時の受け口部の傾斜状態を保持することができる。
また、本実施形態の使い捨て尿器によれば、フラップ部の一辺縁23cが受け口部の上面(受け口形成用上面部21)に対し、受け口部の上面(受け口形成用上面部21)の輪郭形状の対角線方向に沿って斜めに交差する向きに当接して、受け口部の傾斜した状態を固定する構成にしたので、フラップ部23の一辺縁23cからの押圧力が、受け口部の上面(受け口形成用上面部21)における縦横方向に最大に及び、当接する面積を大きく持つことができ、受け口部の傾斜状態をより強固に保持することができる。
また、本実施形態の使い捨て尿器によれば、尿器本体部の底面(底面部14)が、受け口部の底面(受け口形成用底面部19)側に、受け口部の傾斜した状態に合わせて谷折部L16に沿って折り曲げ可能な突部14aを有し、受け口部の底面(受け口形成用底面部19)が、横方向の中央位置近傍領域の幅が狭くなっている構成にしたので、底面側が“へ”の字状に変形する使い捨て尿器における、一方の側とは反対側から一方の側に向かって上向きに傾斜する受け口部の底面受け口形成用底面部19)の一方の側に向かう長さが短くなり、受け口部から男性性器を挿入したとき男性性器の先端部を、受け口隣接部の底面(底面部14)に沿って下向きにし易くなるとともに、使い捨て尿器の底面側を“へ”の字状に大きく変形させて、受け口隣接部の底面が下向きに傾斜する角度を大きくし易くなる。その結果、男性性器から尿が放出されたとき、放出された尿が受け口隣接部の底面(底面部14)に沿って下向きに流れ易くなり、寝た姿勢で採尿しても、尿が逆流して受け口部から漏れ出す虞をより一層なくすことができる。
また、受け口部の底面(受け口形成用底面部19)が、横方向の中央位置近傍領域の幅が狭くなるように形成したので、受け口部の底面(受け口形成用底面部19)を内側へ押し曲げながら受け口隣接部側へ押し込んだ後に、谷折部L14を境界として谷折に折れ曲がることによって内側が山折に折れ曲がった受け口部の底面(受け口形成用底面部19)を平らな状態に戻し易くなり、受け口部から男性性器を挿入したときの装着感を良好なものにすることができる。
また、本実施形態の使い捨て尿器によれば、突部14aを受け口部の傾斜した状態に合わせて折り曲げ可能に構成したので、受け口部を傾斜した状態にし易くなり、使い捨て尿器の底面側を“へ”の字状に変形させ易くなる。
また、本実施形態の使い捨て尿器によれば、受け口部の底面(受け口形成用底面部19)が、横方向の中央位置に向かうにしたがって幅が狭くなっている構成にしたので、第1の状態から、受け口部の底面(受け口形成用底面部19)を内側へ押し曲げ易くなり、受け口隣接部側へ押し込んで、受け口部の一部が受け口隣接部の内側に入り込むとともに、受け口部が傾斜した第2の状態にし易くなる。
また、受け口部の底面(受け口形成用底面部19)を内側へ押し曲げながら受け口隣接部側へ押し込んだ後に、谷折部L14を境界として谷折に折れ曲がることによって内側が山折に折れ曲がった受け口部の底面(受け口形成用底面部19)を平らな状態に戻し易くなり、受け口部から男性性器を挿入したときの装着感を良好なものにし易くなる。
特に、板紙が曲げ難く硬い段ボール製である場合に有効である。
また、本実施形態の使い捨て尿器によれば、受け口部の底面(受け口形成用底面部19)が、尿器本体部の底面(底面部14)側の辺19aが略V字の凹形状を有し、尿器本体部の底面(底面部14)の突部14aが、台形形状を有し、初期状態において、受け口部の底面(受け口形成用底面部19)と尿器本体部の底面(底面部14)との間に略三角形状の開口が形成される構成にしたので、第1の状態から、受け口部の底面(受け口形成用底面部19)を内側へ押し曲げ易くなり、受け口隣接部側へ押し込んで、受け口部の一部が受け口隣接部の内側に入り込むとともに、受け口部が傾斜した第2の状態にし易くなり、また、受け口部の底面(受け口形成用底面部19)を内側へ押し曲げながら受け口隣接部側へ押し込んだ後に、谷折部L14を境界として谷折に折れ曲がることによって内側が山折に折れ曲がった受け口部の底面を平らな状態に一層戻し易くなり、受け口部から男性性器を挿入したときの装着感を良好なものにし易くなる使い捨て尿器を具現化できる。
また、本実施形態の使い捨て尿器によれば、尿器本体部の上面(上面部12)が、一方の側とは反対側に傾斜辺12aを有し、山折れ状に折れ曲がる尿器本体部の第1の側面(第1側面部11)とフラップ押さえ部24との境界線上に位置する部位が、フラップ部23における尿器本体部の上面(上面部12)側の辺23aが傾斜辺12aに当接するように折り曲げられたときに、フラップ部23における尿器本体部の第2の側面(第2側面部13)との境界線とは反対側の辺縁23b全体と内側で接触するように形成されている構成にしたので、フラップ部23の一辺縁23cが受け口部の上面(受け口形成用上面部21)に対し斜めに交差する向きに当接して、受け口部の傾斜した状態を固定する構成を具現化できる。
また、本実施形態の使い捨て尿器によれば、尿器本体部の第1の側面(第1側面部11)における一方の側の下方近傍から尿器本体部の底面(底面部14)における一方の側にかけて形成された尿吸収パッド差し込み部27を有し、尿吸収パッド40の一端が尿吸収パッド差し込み部27に差し込まれている構成にしたので、テープ等の接着部材を用いることなく、尿吸収パッド40を尿器本体部に固定することができる。
また、本実施形態の使い捨て尿器によれば、尿器本体部の第1の側面(第1側面部11)と第2の側面(第2側面部13)には、指を差し込んで尿器本体部を把持することを可能にする把持穴28、29が設けられている構成にしたので、尿器本体部を片手で簡単に把持することができる。その結果、採尿者が簡単に男性性器を受け口部へ挿入する操作がし易く、また、採尿時に尿器本体部を安定した状態に保持することができる。さらに、尿器本体部を片手で簡単に把持することができることから、尿器を所望の向きで使用することができ、寝た姿勢ではない、例えば、起き上がった姿勢でも容易に使用することができる。
このため、本実施形態によれば、感染リスクが極めて低く、採尿後の処分が簡単で、採尿時には簡単に採尿可能な形態にすることができ、操作性、装着感が良好で、採尿時の形態を保持でき、寝た姿勢で採尿しても、尿が逆流して性器挿入開口部から漏れ出す虞がなく、しかも、製造コストを低減でき、未使用時の保管スペースを極小化可能な使い捨て尿器が得られる。
以上、本発明の使い捨て尿器の実施形態について説明したが、本発明の使い捨て尿器は実施形態に示した構成に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
本発明の使い捨て尿器は、トイレに行くことの難しい患者用の尿器が必要とされる分野に有用である。
10 尿器組立用板紙部
11 第1側面部
12 上面部
12a 傾斜辺
13 第2側面部
14 底面部
14a 突部
15 内部側面部
16 内部上面部
17 第1糊代部
18 受け口形成用第1側面部
19 受け口形成用底面部
19a 底面部14側の辺
20 受け口形成用第2側面部
21 受け口形成用上面部
22 第2糊代部
23 フラップ部
23a 上面部12側の辺
23b 第2側面部13との境界線とは反対側の辺縁
23c (受け口部形成用上面部21と当接する)辺縁
24 フラップ押さえ部
25 差し込み片
26 差し込み部
27 尿吸収パッド差し込み部
28、29 把持穴
40 尿吸収パッド
50 ビニール製尿保持袋
61 尿瓶本体
62 採尿受け部
63 接続筒
64 尿袋
64a 開口端部
65 キャップ
71 ビニール袋
72 固定用テープ
81 開口部
82 吸水部材
83 袋体
84 口部材
84a 主要部
84b 芯部材
85 紐部材
86 延設部
87 閉鎖部
L1、L2、L3、L4、L5、L7、L8、L9、L11、L12、L13、L15
山折部
L6、L10、L14、L16 谷折部

Claims (6)

  1. 折り畳み及び展開可能に構成され、性器に適合した形態の受け口部を備えた紙器を有してなる使い捨て尿器であって、
    前記受け口部に挿入した状態の性器から放出される尿の逆流防止機構を備えたことを特徴とする、使い捨て尿器。
  2. 前記紙器は、尿器本体部と、前記受け口部を有し、
    前記逆流防止機構は、前記使い捨て尿器の底面側を“へ”の字状に変形させるように傾斜可能に構成された前記受け口部と、前記受け口部の上面に対し、91~179度の範囲内の所定角度で斜めに交差する向きに当接して、該受け口部の傾斜した状態を固定する、前記尿器本体部に設けられた傾斜固定手段とからなることを特徴とする請求項1に記載の使い捨て尿器。
  3. 前記尿器本体部の底面は、前記受け口部の底面側に、該受け口部の傾斜した状態に合わせて折り曲げ可能な突部を有し、
    前記受け口部の底面は、横方向の中央位置近傍領域の幅が狭くなっていることを特徴とする請求項2に記載の使い捨て尿器。
  4. 前記受け口部の底面は、横方向の中央位置に向かうにしたがって幅が狭くなっていることを特徴とする請求項3に記載の使い捨て尿器。
  5. 前記尿器本体部の底面の突部は、台形形状を有することを特徴とする請求項4に記載の使い捨て尿器。
  6. 前記傾斜固定手段は、前記尿器本体部に備わる、フラップ部と、フラップ押さえ部と、前記フラップ押さえ部と繋がった差し込み片と、前記フラップ部の内部に形成された差し込み部を有してなり、前記フラップ部を折り曲げるとともに前記フラップ押さえ部を折り曲げ、さらに前記差し込み片を折り曲げて前記差し込み部に差し込んだときに、前記フラップ部の一辺縁が前記受け口部の上面に対し、前記所定角度で斜めに交差する向きに当接するように構成され、
    前記尿器本体部の上面は、前記一方の側とは反対側に傾斜辺を有し、
    前記尿器本体部の第1の側面と前記フラップ押さえ部との境界線上に位置する部位は、前記フラップ部における前記尿器本体部の上面側の辺が前記傾斜辺に当接するように折り曲げられたときに、前記フラップ部における前記尿器本体部の第2の側面との境界線とは反対側の辺縁全体と内側で接触するように形成されていることを特徴とする請求項2~5のいずれかに記載の使い捨て尿器。
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