JP2023004188A - 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】処理量の増加を抑制しつつ、物体の検出能力を向上させた画像処理装置等を提供する。【解決手段】画像処理装置11において、画像データ取得部160は、車両の周辺の熱画像を撮像する赤外線カメラから熱画像データを取得する。画像処理部170は、複数の第1および第2ローカル領域を熱画像に対して設定する。画像処理装置は、第1および第2ローカル領域の画素値に関する度数分布を演算し、予め設定された閾値を超過する超過データを度数分布に再分配する。画像処理装置は、再分配データを累積加算して第1および第2ローカルトーンカーブを生成する。画像処理装置は、第1ローカルトーンカーブと第2ローカルトーンカーブとを合成して第1ブレンドトーンカーブおよび第2ブレンドトーンカーブを生成し、ローカル領域に対して第1および第2ブレンドトーンカーブを適用することにより遠方用および近傍用変換画像データを生成する。【選択図】図3

Description

本発明は画像処理装置、画像処理方法およびプログラムに関する。
物体の熱を検出する赤外線カメラを利用した物体検出システムが多く開発されている。物体検出システムは、赤外線カメラが撮像した熱画像から、様々な位置や距離の物体を精度良く検出することが期待される。そこで、赤外線カメラが撮像した対象物を認識するための技術として、鮮鋭化、階調補正およびノイズ除去などの様々な画像処理が行われることが知られている。また物体の検出精度の低下を抑制するための技術が併せて開発されている。
例えば、赤外線カメラに生じる迷光によるノイズに関する迷光マップを予め生成し、生成した迷光マップにより、熱画像の較正を行う技術が公開されている(特許文献1)。
また例えば、赤外線センサが生成した熱画像から、高周波域、中間周波域および低周波域それぞれの信号を抽出し、個別に平均化処理をした後にこれらを統合する技術が公開されている(特許文献2)。
米国特許第09979903号明細書 米国特許第08515196号明細書
しかしながら、赤外線カメラにとって比較的に遠方に存在する物体を検出するための画像処理を行うと、比較的に近くに存在する物体の一部分が際立つ効果をもたらし、検出性能が低下する。一方、比較的に近くに存在する物体に最適化した画像処理を行うと、比較的に遠方に存在する物体の画像はぼやけた状態となり、物体の特徴が薄れ、検出性能が低下する。また遠方の物体を検出するのに適した画像と近傍の物体を検出するのに適した画像とをそれぞれ生成すれば検出性能を高めることができるが、画像処理の負荷が倍になるし、中間距離の物体を検出するための画像処理を行うと更に必要な処理量が増えていく。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、処理量の増加を抑制しつつ、物体の検出能力を向上させた画像処理装置等を提供するものである。
本発明にかかる画像処理装置は、画像データ取得部、判断部、画像処理部および画像データ出力部を有している。画像データ取得部は、車両の周辺の熱画像を撮像する赤外線カメラから熱画像データを取得する。画像処理部は、熱画像データから遠方用変換画像データおよび近傍用変換画像データをそれぞれ出力可能に生成する。上記画像処理部は、複数の第1ローカル領域と、第1ローカル領域を含み第1ローカル領域より大きい領域である複数の第2ローカル領域と、を含むローカル領域を熱画像に対して設定する。画像処理装置は、第1ローカル領域および第2ローカル領域を構成する画素の画素値に関する度数分布を演算する。画像処理装置は、度数分布のうち予め設定された閾値を超過する超過データを度数分布に再分配した再分配データを生成する。画像処理装置は、再分配データを低い画素値から高い画素値に向かって累積加算して第1ローカル領域にかかる第1ローカルトーンカーブと第2ローカル領域にかかる第2ローカルトーンカーブとを生成する。画像処理装置は、第1ローカルトーンカーブと第2ローカルトーンカーブとを合成して第1ブレンドトーンカーブおよび第2ブレンドトーンカーブを生成する。画像処理装置は、ローカル領域に対して第1ブレンドトーンカーブを適用することにより遠方用変換画像データを生成するとともに、ローカル領域に対して第2ブレンドトーンカーブを適用することにより近傍用変換画像データを生成する。
本発明にかかる画像処理方法は、コンピュータが以下のステップを実行する。コンピュータは、車両の周辺の熱画像を撮像する赤外線カメラから熱画像データを取得する。コンピュータは、複数の第1ローカル領域と、第1ローカル領域を含み第1ローカル領域より大きい領域である複数の第2ローカル領域と、を含むローカル領域を熱画像に対して設定する。コンピュータは、第1ローカル領域および第2ローカル領域を構成する画素の画素値に関する度数分布を演算する。コンピュータは、度数分布のうち予め設定された閾値を超過する超過データを度数分布に再分配した再分配データを生成する。コンピュータは、再分配データを低い画素値から高い画素値に向かって累積加算して第1ローカル領域にかかる第1ローカルトーンカーブと第2ローカル領域にかかる第2ローカルトーンカーブとを生成する。コンピュータは、第1ローカルトーンカーブと第2ローカルトーンカーブとを合成して第1ブレンドトーンカーブおよび第2ブレンドトーンカーブを生成する。コンピュータは、ローカル領域に対して第1ブレンドトーンカーブを適用することにより遠方用変換画像データを出力可能に生成するとともに、ローカル領域に対して第2ブレンドトーンカーブを適用することにより近傍用変換画像データを出力可能に生成する。
本発明に係るプログラムは、コンピュータに以下の画像処理方法を実行させる。画像処理方法は、コンピュータが以下のステップを実行する。コンピュータは、車両の周辺の熱画像を撮像する赤外線カメラから熱画像データを取得する。コンピュータは、複数の第1ローカル領域と、第1ローカル領域を含み第1ローカル領域より大きい領域である複数の第2ローカル領域と、を含むローカル領域を熱画像に対して設定する。コンピュータは、第1ローカル領域および第2ローカル領域を構成する画素の画素値に関する度数分布を演算する。コンピュータは、度数分布のうち予め設定された閾値を超過する超過データを度数分布に再分配した再分配データを生成する。コンピュータは、再分配データを低い画素値から高い画素値に向かって累積加算して第1ローカル領域にかかる第1ローカルトーンカーブと第2ローカル領域にかかる第2ローカルトーンカーブとを生成する。コンピュータは、第1ローカルトーンカーブと第2ローカルトーンカーブとを合成して第1ブレンドトーンカーブおよび第2ブレンドトーンカーブを生成する。コンピュータは、ローカル領域に対して第1ブレンドトーンカーブを適用することにより遠方用変換画像データを出力可能に生成するとともに、ローカル領域に対して第2ブレンドトーンカーブを適用することにより近傍用変換画像データを出力可能に生成する。
本発明によれば、処理量の増加を抑制しつつ、物体の検出能力を向上させた画像処理装置、画像処理方法およびプログラムを提供することができる。
実施の形態1にかかる画像処理装置を搭載した車両の構成図である。 赤外線カメラの構成図である。 実施の形態1にかかる画像処理装置のブロック図である。 実施の形態1にかかる画像処理部のブロック図である。 実施の形態1にかかる画像処理方法におけるフローチャートである。 画像処理方法における重みづけ設定方法を示す第1のフローチャートである。 画像処理方法における重みづけ設定方法を示す第2のフローチャートである。 実施の形態1にかかるローカル領域の例を示す図である。 ローカルトーンカーブを生成する処理の例を示す図である。 分配比率の第1の例を示す図である。 再分配データおよびローカルトーンカーブを生成する処理の例を示す図である。 ブレンドトーンカーブの例を示す図である。 分配比率の第2の例を示す図である。 実施の形態2にかかる画像処理方法のフローチャートである。 熱画像データの度数分布図である。 単位領域の例を示す図である。 実施の形態2にかかるローカル領域の例を示す図である。 実施の形態2にかかるローカルトーンカーブとブレンドトーンカーブの例を示す図である。 ローカルトーンカーブとブレンドトーンカーブとの関係を示す図である。 実施の形態2の変形例にかかる画像処理方法のフローチャートである。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、特許請求の範囲にかかる発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、実施形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。説明の明確化のため、以下の記載および図面は、適宜、省略、および簡略化がなされている。なお、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
<実施の形態1>
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形態1にかかる画像処理装置を搭載した車両の構成図である。本実施の形態にかかる画像処理装置は、車両に設けられた赤外線カメラから熱画像を受け取り、所定の処理を施したうえで、受け取った熱画像をディスプレイに表示させる。
このとき、画像処理装置11は、熱画像データから変換画像データをディスプレイに出力可能に生成する。変換画像データは、遠方用変換画像データおよび近傍用変換画像データを含む。遠方用変換画像データは、車両90の前方に存在する物体のうち、比較的に遠方に存在する物体の画像の認識率を向上させる目的において生成される。近傍用変換画像データは、車両90の前方に存在する物体のうち、比較的に近傍に存在する物体の画像の認識率を向上させる目的において生成される。
また本実施の形態にかかる画像処理装置は、赤外線カメラから受け取った熱画像から所定の物体を検出する機能も有する。例えば画像処理装置は、車両の前方に存在する動物や人物を検出すると、運転者に対して警告を行う。そのため、画像処理装置は、所定の物体を検出することを目的として、熱画像を処理する。図1に示す車両90は、赤外線カメラ10、画像処理装置11、ディスプレイ12およびECU13を含む。
赤外線カメラ10は、車両90の周辺を撮像するように車両90に設けられている。赤外線カメラ10は例えば車両90の前方に固定され、車両90の前方を撮像する。赤外線カメラ10は画像処理装置11と通信可能に接続し、画像処理装置11から所定の指示信号を受け取り、受け取った指示信号に応じて動作する。また赤外線カメラ10は、画像処理装置11に対して、赤外線カメラ10が撮像した画像(熱画像ともいう)にかかる画像データ(熱画像データともいう)を供給する。
画像処理装置11は、車両90の任意の場所に固定され、赤外線カメラ10およびディスプレイ12のそれぞれと通信可能に接続している。画像処理装置11は、赤外線カメラ10が生成した画像データを取得し、取得した画像データをディスプレイ12に出力して表示させる。また画像処理装置11は、ECU13から所定の情報(車両情報)を受け取り、受け取った車両情報に応じて動作する。例えば画像処理装置11は、ECU13からヘッドライトが点灯したことを示す車両情報を受け取ると、この情報に連動して赤外線カメラ10による撮像を開始する。すなわち、本実施の形態にかかる画像処理装置11は、夜間やトンネル内など、車両90がヘッドライトを点灯させるような暗所において、赤外線カメラ10のシャッタ103を開き、赤外線センサ104から画像データの取得を行う。
ディスプレイ12は、例えば液晶パネルや有機エレクトロルミネッセンスパネルを含む表示装置であって、車両90において運転者が視認可能な位置に設けられている。ディスプレイ12は、画像処理装置11を介して赤外線カメラ10が撮像した画像を表示する。
ECU13(Electronic Control Unit)は、車両の所定の機能に関するデータを有し、この機能を制御する。例えばECU13は、車両90のヘッドライトの点灯および消灯を制御するものである。この場合、ECU13は、ヘッドライドが点灯したことを示す車両情報を、画像処理装置11に供給し得る。なお、ECU13は上述の情報に変えて、例えば車両90が有する照度センサの信号を画像処理装置11に供給してもよい。
またECU13は、車両90のワイパーの動作を制御するものであってもよい。この場合に、ECU13は、赤外線カメラ10が撮像する熱画像のコントラストに紐づく情報として、ワイパーの動作を示す車両情報を画像処理装置11に提供してもよい。ECU13は、熱画像のコントラストに紐づく情報として、車両90が有する湿度センサ、雨滴センサ等が生成する信号や、これらのセンサが検出した雨や霧に関する情報を車両情報として画像処理装置11に提供してもよい。ECU13は、上述の情報の他に、車両90が有する通信装置を介して車両90の外部から取得した所定の情報を、車両情報として画像処理装置11に提供してもよい。
またECU13は、画像処理装置11から所定の情報を受け取ってもよい。また例えばECU13は、画像処理装置11から警告信号を受け取ると、受け取った警告信号に従って、車両90が有するスピーカや表示装置を利用して、運転者に対して警告を行うための音声を発したり、表示を行ったりしてもよい。
上述の構成により、画像処理装置11は、赤外線カメラ10が撮像した画像に対して所定の処理を施し、かかる画像を運転者が視認可能な態様によりディスプレイ12に表示させる。これにより、画像処理装置11は、車両90の周辺の物体を運転者に認識させることができる。
次に、図2を参照して、赤外線カメラ10の構成について説明する。図2は、赤外線カメラの構成図である。図2に示す赤外線カメラ10は主な構成として、筐体101、対物レンズ102、シャッタ103、赤外線センサ104およびカメラ制御回路105を有している。
筐体101は、赤外線カメラ10の各構成を収容し、車両90に固定される。対物レンズ102は、赤外線カメラ10が撮像する範囲から入射する赤外線を受け、赤外線センサ104に投射する。シャッタ103は、遮光性の板材を含み、対物レンズ102と赤外線センサ104との間に開閉可能に介在する。
シャッタ103は、閉じた状態のときに、対物レンズ102から赤外線センサ104へ入射する光を遮る。一方、シャッタ103は、開いた状態のときに、対物レンズ102から赤外線センサ104へ入射する光を遮らない。また、シャッタ103は、赤外線センサ104から見て黒体であり、シャッタ103を閉じた状態で、赤外線センサ104のキャリブレーションを行う。
赤外線センサ104は、アレイ状に配置された感熱素子で構成され、対物レンズ102を介して入射する赤外光を受け、感熱素子の各々の抵抗値変化によって画像データを生成する。赤外線センサ104はカメラ制御回路105と通信可能に接続し、カメラ制御回路105から所定の制御信号を受けて動作する。赤外線センサ104は、画像データを生成すると、生成した画像データをカメラ制御回路105に供給する。
なお、赤外線センサ104は、所定の強さより強い太陽光を所定期間以上受けると、太陽光を受けた範囲の素子の出力が飽和する。また、太陽光を受けた範囲の素子の温度が規定値以上に上昇するため、素子の不可逆な変形や特性の変化などの異常状態が生じる。そのため、赤外線カメラ10は、赤外線センサ104を直射日光から保護するために、シャッタ103を有する。
また、赤外線センサ104のダイナミックレンジは、歩行者等の物体を検出するための分解能が比較的に高くなるように設定されている。そのため、赤外線センサ104は、異常を起こさない温度範囲であっても、検出信号が飽和するように設定されている。
カメラ制御回路105は、MCU(Micro Controller Unit)を含む制御回路であって、シャッタ103および赤外線センサ104を制御する。またカメラ制御回路105は画像処理装置11と通信可能に接続し、画像処理装置11から制御信号を受け取り、受け取った制御信号に応じて、赤外線カメラ10の各構成を制御する。カメラ制御回路105は、赤外線カメラ10が撮像をしない場合にはシャッタ103が閉じた状態を保つよう制御する。カメラ制御回路105は、赤外線カメラ10が撮像をする場合にはシャッタ103が開いた状態となるよう制御する。またこのとき、カメラ制御回路105は、赤外線センサ104が生成した画像データを、画像処理装置11に供給する。
またカメラ制御回路105は、所定の条件下、シャッタ103を一時的に閉じる。所定の条件とは例えば、赤外線センサ104を保護する目的でシャッタ103を一時的に閉じる場合や、キャリブレーションを行う場合である。この場合、例えばカメラ制御回路105は、画像処理装置11からシャッタ103を一時的に閉じる指示を受ける。
次に、図3を参照して、画像処理装置11について説明する。図3は、実施の形態1にかかる画像処理装置のブロック図である。画像処理装置11は主な構成として、通信IF120、ROM130、RAM140、システム制御回路150、画像データ取得部160、画像処理部170、画像認識部180および画像データ出力部190を有している。またこれらの構成は、バス110を介して適宜、通信可能に接続されている。
通信IF120は、赤外線カメラ10を制御するための通信回線のインタフェースである。通信IF120は画像処理装置11が赤外線カメラ10を制御するための制御信号を、赤外線カメラ10に供給する。
また通信IF120は、車両情報取得部121を含む。車両情報取得部121は、ECU13から車両情報を取得するためのインタフェースである。通信IF120が有する車両情報取得部121は、ECU13から車両情報を取得すると、取得した車両情報を、適宜、画像処理装置11の構成に供給する。車両情報取得部121は、赤外線カメラ10が撮像する熱画像のコントラストに紐付く情報として、車両90の周辺の湿度に関連する情報を車両情報として取得し得る。より具体的には、車両情報は、例えば車両90が有する雨滴センサが検出した雨に関する情報や、湿度センサが検出した霧に関する情報であってもよい。また車両情報は、ワイパーの動作に関する情報であってもよい。また車両情報は、フォグランプの点灯を示す信号であってもよい。
また通信IF120が取得する車両情報は、車両動作情報を含みうる。車両動作情報は、車両90の動作に関する情報であって、例えば車両90の走行速度や角速度である。車両情報取得部121は、上述のような車両情報を取得すると、取得した車両情報をシステム制御回路150に供給する。
また通信IF120は、ECU13に対して所定の信号を出力するためのインタフェースであってもよい。例えば通信IF120は、運転者に対して所定の警告を行うための信号をECU13に供給してもよい。
ROM130(ROM(Read Only Memory))は、予め設定された情報またはデータを記憶する不揮発性のメモリである。ROM130は、例えば画像処理装置11が本実施の形態にかかる機能を実現するためのプログラムを予め記憶している。
RAM140(RAM(Random Access Memory))は、画像処理装置11が一時的にデータを展開できる記憶領域を有する揮発性のメモリである。RAM140は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)であってもよいし、システム制御回路150等に付随するレジスタを含んでもよい。RAM140は、ROM130が記憶するプログラムを展開して実行する領域を含む。またRAM140は、例えば赤外線カメラ10から供給された画像データを処理する場合等に利用され得る。
システム制御回路150は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの演算装置を含む。システム制御回路150は、画像処理装置11が本実施の形態にかかる機能を発揮するためのプログラムを実行する。プログラムは、例えばROM130に格納されたソフトウェアとして構成されてもよい。またプログラムは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより構成されてもよい。システム制御回路150は、画像処理装置11が有する各構成から所定の信号を受け取るとともに、受け取った信号に応じて、各構成に対して所定の指示等を出力する。システム制御回路150は機能ブロックとして、判断部151および指示部152を含む。
判断部151は、画像処理装置11から取得した画像データにかかる熱画像に対して所定の判断をする。例えば判断部151は、熱画像に歩行者等の物体が含まれる場合に、警告を発するか否かについての判断をする。また例えば判断部151は、赤外線カメラ10のシャッタ103の開閉についての判断をしてもよい。
また判断部151は、画像処理部170から画像解析データを受け取る。判断部151は受け取った画像解析データに含まれる熱画像のコントラストに紐づく情報を取得し、取得した情報から、熱画像のコントラスト低下を抑制する処理を行うか否かの判断をする。
熱画像のコントラストに紐づく情報は、例えば画像処理部170が演算する熱画像の画素値(輝度値)の差であってもよい。以降の説明において、熱画像の画素値の差をコントラスト値と称する。熱画像のコントラスト値は、熱画像全体の輝度情報から算出されるものであってもよいし、熱画像全体から抽出された一部の領域についての値であってもよい。
コントラスト低下を抑制する処理は、例えば熱画像の鮮鋭化である。コントラスト低下を抑制することにより、画像処理装置11は、熱画像のぼやけたトーンを抑え、物体の検出精度の向上を図ることができる。例えば、車両90が雨天や霧が発生している状況下を走行する場合、赤外線カメラ10が撮像する熱画像は画像全体がぼやけたトーンとなる。このような場合に、画像処理装置11は、熱画像データに対して鮮鋭化する処理を施した変換画像を生成する。
なお判断部151は、熱画像のコントラストに紐づく情報として、車両情報を利用してもよい。例えば判断部151は、車両情報取得部121を介して、車両90のワイパーの動作に関する情報を取得してもよい。また例えば判断部151は、車両情報取得部121から、車両90の周辺の湿度に関する情報を取得し、雨天または霧の発生を示す情報を取得してもよい。また判断部151は、車両情報取得部121から車両90の移動速度または車両90の角速度に関する情報を取得してもよい。判断部151は、これらの情報から行った判断の結果を指示部152に供給する。
指示部152は、画像処理装置11の各構成に対して種々の指示をする。指示部152は、判断部151から判断の結果に関する情報を受け取り、受け取った情報に応じて、各構成に対して指示をする。例えば指示部152は、判断部151から警告を発することを判断する信号を受け取った場合、通信IF120を介してECU13に警告をすることを示す信号を出力してもよい。また指示部152は、通信IF120を介して赤外線カメラ10に対してシャッタ103の開閉に関する指示を出力してもよい。また指示部152は、判断部151がコントラスト低下を抑制する処理を行うことを判断した場合には、画像処理部170に対して所定の画像データを生成するための指示をする信号を供給する。
画像データ取得部160は、赤外線カメラ10から熱画像にかかるデータである熱画像データ(入力熱画像データ)を取得するインタフェースである。画像データ取得部160は例えば赤外線カメラ10から定期的に画像データを取得する。例えば画像データ取得部160は、1フレームの画像を、15分の1秒毎に受け取る。画像データ取得部160は画像データを受け取ると、受け取った画像データを画像処理部170に供給する。
画像処理部170は、例えばGPU(Graphics Processing Unit)を含む画像処理回路である。画像処理部170は、FPGA(field-programmable gate array)やDSP(Digital Signal Processor)を含む処理回路であってもよい。画像処理部170は、RAM140と連携して、熱画像データに対して所定の処理を施し、変換画像データを出力可能に生成する。変換画像データは、遠方用変換画像データおよび近傍用変換画像データを含む。なお、画像処理部170の詳細は、後述する。
画像認識部180は、画像処理部170から画像データを受け取り、受け取った画像データから、車両や人物等の所定の物体にかかる物体画像を検出する。より具体的には例えば、画像認識部180は、所定の物体画像を検出するための認識辞書を有し、認識辞書のデータを参照して、物体画像を検出する。画像認識部180は、所定の物体画像を検出すると、検出した物体画像の位置や大きさに関する情報を生成し、生成した情報をシステム制御回路150に供給する。
画像データ出力部190は、画像処理部170が処理した画像データ(変換画像データ)を、ディスプレイ12に出力するためのインタフェースである。画像データ出力部190が出力する画像データはディスプレイ12の仕様に対応したデータフォーマットにしたがって出力される。このデータフォーマットは、例えばHDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)やDVI(Digital Visual Interface)等である。
なお、画像データ出力部190は、画像処理部170が生成した変換画像データを出力する。画像データ出力部190が出力する変換画像データには、遠方用変換画像データと近傍用変換画像データとを含みうる。この場合、出力する変換画像データは、遠方用変換画像データであってもよいし、近傍用変換画像データであってもよいし、その両方であってもよい。画像データ出力部190は、上述の変換画像データに対してさらにガンマ補正等が施された画像データを出力してもよい。
次に、図4を参照して、画像処理部170について説明する。図4は、実施の形態1にかかる画像処理部170のブロック図である。画像処理部170は主な構成として、欠陥画素補正部171、NUC部172、画像変換処理部173および画像解析部175を有する。
欠陥画素補正部171は、赤外線センサ104の欠陥画素を予め記憶し、記憶した欠陥画素の画素値を、周辺の画素の画素値から補間する処理(補間処理)を施す。欠陥画素補正部171は、画像データ取得部160を介して、赤外線カメラ10から入力熱画像データを受け取り、受け取った画像データに対して、上述の補間処理を施す。欠陥画素補正部171は補間処理を施した画像データを、NUC部172に供給する。
NUC部172は、入力された光に対して出力する画素値のばらつきを抑制するための較正処理であるNUC(Non-Uniformity Correction)を行う。NUC部172は、赤外線センサ104のそれぞれの画素が有する特性に対応したゲインとオフセット値の設定を予め有している。NUC部172は、欠陥画素補正部171から受け取った画像データに対して、予め有しているこの設定にしたがい、画像データのそれぞれの画素値を較正する。
画像変換処理部173は、NUC部172から較正された画像データを受け取り、受け取った画像データに対して所定の処理を施して変換画像データを生成する。変換画像データは、NUC部172から受け取った画像データのコントラストまたは分解能を改善したものである。画像データのコントラストまたは分解能を改善することにより、画像処理装置11は、物体の認識率の低下を抑制できる。画像変換処理部173は、変換画像データを生成すると、生成した変換画像データを、画像認識部180および画像データ出力部190へ供給する。
画像解析部175は、NUC部172から受け取った画像データを解析し、解析結果である画像解析データを出力する。より具体的には、画像解析部175は例えば、受け取った画像データにかかる画像のコントラストを算出し、算出した結果をシステム制御回路150に供給する。
なお、画像処理部170は、上述の各構成間の画像データの受け渡しをする場合、あるいは各構成における画像処理をする際に、RAM140との間で画像データのやり取りをしてもよい。あるいは画像処理部170は、上述の処理の流れに沿った機能を、RAM140に格納した画像データに対して実現してもよい。
次に、図5を参照して、画像処理装置11が実行する変換画像データを生成する処理について説明する。図5は、実施の形態1にかかる画像処理方法の第2のフローチャートである。図5に示すフローチャートは、例えば、画像処理装置11による赤外線カメラ10を用いた撮像が開始されることによって開始される。またこの処理は、赤外線カメラ10を用いた撮像が行われている期間、繰り返し実行される。
まず、画像処理装置11の画像データ取得部160は、赤外線カメラ10から熱画像データを取得する(ステップS10)。画像データ取得部160は、熱画像データを取得すると、取得した熱画像データを画像処理部170に供給する。
次に、画像処理部170は、熱画像データを受け取ると、複数の第1ローカル領域と、前記第1ローカル領域を含み前記第1ローカル領域より大きい領域である複数の第2ローカル領域と、を含むローカル領域を前記熱画像に対して設定する(ステップS11)。
次に、画像処理部170は、第1ローカル領域および前記第2ローカル領域を構成する画素の画素値に関する度数分布(ヒストグラム)を演算する(ステップS12)。
次に、画像処理部170は、熱画像の画素値データから、それぞれの画素値に対する分配比率を設定する(ステップS13)。具体的には例えば画像処理部170は、熱画像データの中心値を演算し、演算した中心値から分配比率を設定する。中心値は例えば、熱画像データの度数分布における中央値である。また中心値は、最小画素値と最大画素値とから算出された平均値であってもよい。また画像処理部170は、コントラストを向上させたい画素値域の分配比率を高く、コントラストを抑えたい画素値域の分配比率を低く設定する。そのため、分配比率は、画像処理装置11において検出対象である人間や動物等の温度に対しての分解能が向上し、空のような低温や自動車のエンジンやマフラーのような高温に対しての分解能が抑えられるように設定される。
次に、画像処理部170は、度数分布のうち予め設定された度数の閾値を超過する超過データを前記度数分布に再分配した再分配データを生成する(ステップS14)。なお、画像処理部170は、第1ローカル領域に適用する第1閾値と、第2ローカル領域に適用する第2閾値とを、それぞれ独立して設定する。すなわち第1閾値と第2閾値とは同じでもよいし、異なっていてもよい。
次に、画像処理部170は、再分配データからローカルトーンカーブを生成する(ステップS15)。具体的には、画像処理部170は、再分配データの度数を、低い画素値から順次高い画素値に向かって累積加算することによりローカルトーンカーブを生成する。
次に、画像処理部170は、第1ブレンドトーンカーブおよび第2ブレンドトーンカーブを生成する(ステップS16)。具体的には、画像処理部170は、第1ローカル領域に対応した第1ローカルトーンカーブおよび第2ローカル領域に対応した第2ローカルトーンカーブに対して2種類の異なる重みづけ係数を用いて2種類のブレンドトーンカーブを合成する。これにより、画像処理部170は、遠方用変換画像データを生成するために用いる第1ブレンドトーンカーブと、近傍用変換画像データを生成するために用いる第2ブレンドトーンカーブと、を生成する。なお、画像処理部170は、生成したブレンドトーンカーブを、熱画像データの画素値の最大値と最小値との幅により正規化する。
上述の処理において、画像処理部170は、例えば次に示す式(1)および式(2)により変換画像データを生成する。
Figure 2023004188000002
Figure 2023004188000003
ここで、iは、ブレンドトーンカーブを適用する画素の最小画素値から最大画素値までの値を取り得る。BT11(i)は、第1ブレンドトーンカーブの値である。LT(i)は、第1ローカル領域におけるローカルトーンカーブ(第1ローカルトーンカーブ)の値である。W11は、第1ブレンドトーンカーブを生成する場合における第1ローカルトーンカーブに対する重みづけ係数である。LTは、第2ローカル領域におけるローカルトーンカーブ(第2ローカルトーンカーブ)の値である。W21は、第1ブレンドトーンカーブを生成する場合における第2ローカルトーンカーブに対する重みづけ係数である。またF11は第1ブレンドトーンカーブを生成する場合におけるオフセット値であって、所定の定数である。
またBT12(i)は、第2ブレンドトーンカーブの値である。W12は、第2ブレンドトーンカーブを生成する場合における第1ローカルトーンカーブに対する重みづけ係数である。W22は、第2ブレンドトーンカーブを生成する場合における第2ローカルトーンカーブに対する重みづけ係数である。またF12は第1ブレンドトーンカーブを生成する場合におけるオフセット値である。
なお、上述の式において、重みづけ係数W11、W12、W21およびW22は、それぞれ一定の値に限られない。重みづけ係数W11、W12、W21、W22は、所定の条件に応じて設定され得る。オフセット値F11およびF12も、所定の条件に応じて設定されてもよい。
なお、遠方用変換画像データは、近傍用変換画像データと比較して、より遠方の物体に対するコントラストが高くなるように設定される。すなわち、上記式(1)の重みづけ係数W11は、式(2)の重みづけ係数W12より大きい値に設定される。なお、重みづけ係数は、負の値に設定されてもよい。例えば第1ローカル領域より大きい第2ローカル領域のトーンカーブの重みづけを負の値にすることにより、画像処理装置11は、比較的に広い範囲に亘り生じる、ぼやけたトーンを低減させることができる。
次に、画像処理部170は、それぞれのローカル領域に対応する画素に対して第1および第2ブレンドトーンカーブを適用する。これにより、画像処理部170は、遠方用変換画像データと近傍用変換画像データとを生成し(ステップS17)、一連の処理を終了する。
なお、画像処理部170は上述の変換画像データを出力可能に生成する。例えば画像処理部170は、生成した変換画像データを、画像認識部180に供給する。また画像処理部170は、変換画像データを、画像データ出力部190に供給してもよい。
以上、画像処理装置11が実行する画像処理方法について説明した。上述の情報を実行することにより、画像処理装置11は、処理量の増加を抑制しつつ、物体の検出能力を向上させることができる。
次に、図6を参照して、ブレンドトーンカーブを生成する際の重みづけ係数を決定する処理について説明する。図6は、画像処理方法における重みづけ設定方法を示す第1のフローチャートである。以下に示すフローチャートは、上述の画像処理方法を実行する際に、システム制御回路150が実行する処理である。
まず、システム制御回路150は、車両情報取得部121を介して湿度情報を取得する(ステップS51)。湿度情報は、車両90の周辺の湿度を検出する湿度センサから取得した湿度に関する情報を含む。
次に、システム制御回路150の判断部151は、取得した情報に含まれる湿度Hmdが、予め設定された閾値湿度Hth以上か否かを判断する(ステップS52)。湿度Hmdが、閾値湿度Hth以上と判断する場合(ステップS52:YES)、システム制御回路150は、第1ローカルトーンカーブの重みづけを、湿度Hmdが閾値湿度Hth未満の場合における第1ローカルトーンカーブの重みづけよりも大きく設定することを判断して(ステップS53)処理を終了する。
一方、湿度Hmdが、閾値湿度Hth以上と判断しない場合(ステップS52:NO)、システム制御回路150は、第1ローカルトーンカーブの重みづけを、湿度Hmdが閾値湿度Hth未満の場合における第1ローカルトーンカーブの重みづけよりも小さく設定することを判断して(ステップS54)処理を終了する。
上述の処理により、画像処理装置11は、車両90の周辺が雨天の場合や、霧が発生している場合に、遠方の物体の認識精度が低下するのを抑制できる。
次に、図7を参照して、ブレンドトーンカーブを生成する際の重みづけ係数を決定する処理の別の例について説明する。図7は、画像処理方法における重みづけ設定方法を示す第2のフローチャートである。
まず、システム制御回路150は、車両情報取得部121を介して車両動作情報を取得する(ステップS61)。車両動作情報は、車両90が搭載するジャイロセンサ等が測定した車両90の直進速度を含む。
次に、システム制御回路150の判断部151は、取得した情報に含まれる直進速度である速度Spdが、予め設定された閾値速度Sth以上か否かを判断する(ステップS62)。速度Spdが、閾値速度Sth以上と判断する場合(ステップS62:YES)、システム制御回路150は、第1ローカルトーンカーブの重みづけを、速度Spdが閾値速度Sth未満の場合における第1ローカルトーンカーブの重みづけよりも大きく設定することを判断して(ステップS63)処理を終了する。
一方、速度Spdが、閾値速度Sth以上と判断しない場合(ステップS62:NO)、システム制御回路150は、第1ローカルトーンカーブの重みづけを、速度Spdが閾値速度Sth未満の場合における第1ローカルトーンカーブの重みづけよりも小さく設定することを判断して(ステップS64)処理を終了する。
上述の処理により、画像処理装置11は、車両90の走行速度が比較的に早い場合に、比較的に遠方の物体の認識精度が低下するのを抑制できる。なお、上述の処理は、速度Spdに代えて、車両90の角速度であってもよい。角速度に応じて第1ローカルトーンカーブの重みづけを設定することにより、画像処理装置11は、比較的に速い角速度により旋回している場合の、比較的に遠方の物体の認識精度が低下するのを抑制できる。
なお、図6および図7に示したフローチャートにおける処理は、排他的なものではない。すなわち、画像処理装置11は、図6の処理および図7の処理を併せて実行してもよい。
また画像処理装置11は、上述の処理の他に、以下の処理を実行してもよい。システム制御回路150は、熱画像データのコントラストに紐づく情報を取得する。次に、システム制御回路150の判断部151は、取得した情報から、コントラストが低下しているか否かを判断する。具体的には、判断部151はコントラスト値と予め設定された閾値とを比較し、コントラスト値が閾値未満の場合にはコントラストが低下していると判断する。この場合、判断部151は、第1ローカルトーンカーブの重みづけを、コントラストが低下していると判断しない場合における第1ローカルトーンカーブの重みづけよりも大きく設定することを判断する。
なお、上述した重みづけ係数を設定する処理において、閾値は1つに限られない。すなわち判断部151は、取得した情報と複数の閾値とを比較し、比較の結果に応じて重みづけ係数を設定してもよい。
次に、図8を参照して、ローカル領域の具体例を説明する。図8は、実施の形態1にかかるローカル領域の例を示す図である。図8には、熱画像D11が示されている。また熱画像D11は、左上を原点として、右側にH方向が設定され、下側にV方向が設定されている。以降の説明において、熱画像D11内のH方向およびV方向の座標を、カッコにより(h,v)のように示す。
画像処理部170は、熱画像D11に対して、複数の第1ローカル領域R1および第2ローカル領域R2を設定している。例えば画像処理部170は、画像D11の座標(0,0)に対応する位置において、第1ローカル領域R1(0,0)を設定している。また画像処理部170が互いに隣接するように、任意の位置(h,v)における第1ローカル領域R1(h,v)を設定している。すなわち図において二点鎖線により示すように、第1ローカル領域R1(h,v)の右側には第1ローカル領域R1(h+1,v)が隣接して設定され、第1ローカル領域R1(h,v)の下側には第1ローカル領域R1(h,v+1)が隣接して設定されている。このようにして、画像処理部170は、熱画像D11の右下における第1ローカル領域R1(m-1,n-1)まで、H方向にm個、V方向にn個の第1ローカル領域R1を設定している。
また画像処理部170は、上述の第1ローカル領域R1のそれぞれに対応した第2ローカル領域R2(h,v)を設定している。座標(h、v)に対応した第2ローカル領域R2(h,v)は、第1ローカル領域R1(h,v)を含み第1ローカル領域R1(h,v)より大きい矩形の領域である。なお、第2ローカル領域R2は、図における座標(0,0)および座標(m,n)において示すように、熱画像D11の外縁部においては、熱画像D11の外側にはみ出る場合がある。この場合、第2ローカル領域R2の大きさは、熱画像D11の大きさに従いカットされる。
画像処理部170は、このように、座標(h,v)に対応したローカル領域として、第1ローカル領域R1(h,v)および第2ローカル領域R2(h,v)を設定する。そして、画像処理部170は、設定したそれぞれのローカル領域におけるローカルトーンカーブおよびブレンドトーンカーブを生成する。
次に、図9を参照して、ローカルトーンカーブの具体例について説明する。図9は、超過データを生成する処理の例を示す図である。図9には、上側にデータD12が示されており、下側にデータD13が示されている。
図9の上側に示されているデータD12は、所定のローカル領域における度数分布である。画像処理装置11において、画像処理部170の画像変換処理部173は、NUC部172から受け取った熱画像データからローカル領域を設定し、設定したローカル領域に対して、データD12に示すような度数分布を演算する。データD12は、横軸が画素値を示し、縦軸が画素値に対応する度数である。データD12に示す度数分布は、中央部に度数のピークを有するカーブにより示されている。
図9の下側に示されているデータD13は、度数分布に対して所定の閾値を超過する超過データD131にハッチングを施して示したものである。画像変換処理部173は、予め設定された閾値を超過する超過データD131を再分配するために、超過データD131を抽出し、超過データD131の度数を度数分布に対して所定の分配比率にしたがって再分配する。
次に、図10を参照して、分配比率について説明する。図10は、分配比率の第1の例を示す図である。図10には、画素値と分配比率との関係を示すグラフE10が示されている。グラフE10は、横軸が画素値を示し、縦軸が分配比率を示している。またグラフE10には、曲線E101がプロットされている。曲線E101は、横軸に示す画素値が中心値の位置をピークとして、左右になだらかに下がる曲線である。このように、分配比率は、中心値をピークとして、中心値から離れる程に分配比率が低下するように設定される。
より具体的には、例えば、図10における第1画素値E121は、中心値との差が第1差E111である。図10における第2画素値E122は、中心値との差が第1差より大きい第2差E112である。このとき、第1画素値E121に対応する第1分配比率E131は、第2画素値E122に対応する第2分配比率E132より高くなるように、設定される。なお、曲線E101の最小値と最大値は、一定の値ではなく、ローカル領域における値により変動する。
このような構成により、画像処理装置11は、中心値およびその近傍における画素値に対して比較的に多くのデータを配分し、中心値およびその近傍における画像の表現をより豊かなものとする。これにより、画像処理装置11は、中心値およびその近傍における画像のコントラストを向上させ、対象物体の検出に対する分解能を向上させる。
次に、図11を参照して、画像処理部170が生成する再分配データとローカルトーンカーブについて説明する。図11は、再分配データおよびローカルトーンカーブを生成する処理の例を示す図である。
図11の上側に示されているデータD14は、再分配データである。画像変換処理部173は、超過データD131に対応する度数を、熱画像データの最小値から最大値までの間の画素値データに対して分配する。図に示す例において、画像変換処理部173は、超過データD131をデータD141のように、中央部分がピークとなる曲線に沿って分配することにより再分配データD142を生成している。
図11の下側に示されているデータD15は、ローカルトーンカーブを示すデータである。データD15は、データD14において生成された再分配データを画素値の最小値から最大値に亘り順次累積させた累積度数分布である。画像変換処理部173は、第1ローカル領域R1(h,v)および第2ローカル領域R2(h,v)におけるローカルトーンカーブを上述の手順により生成する。
次に、図12を参照して、ブレンドトーンカーブについて説明する。図12は、ブレンドトーンカーブの例を示す図である。図12には、第1ローカルトーンカーブD16、第2ローカルトーンカーブD17、第1ブレンドトーンカーブD181および第2ブレンドトーンカーブD182が示されている。
第1ローカルトーンカーブD16は、熱画像データの所定の位置における第1ローカル領域のローカルトーンカーブである。第2ローカルトーンカーブD17は、第1ローカルトーンカーブD16に対応した第2ローカルトーンカーブである。すなわち第2ローカルトーンカーブD17にかかる第2ローカル領域は、第1ローカルトーンカーブD16にかかる第1ローカル領域を含む。
第1ブレンドトーンカーブD181は、上述の式(1)により第1ローカルトーンカーブD16と第2ローカルトーンカーブとを合成して生成されたものである。また、第1ブレンドトーンカーブD181は、第1ローカルトーンカーブD16と第2ローカルトーンカーブD17とを合成したのちに、熱画像データの最大画素値を使って正規化されたものとなっている。すなわち第1ブレンドトーンカーブD181は、横軸が入力画素値であって、縦軸が出力画素値という関係が成立する。これにより、画像変換処理部173は、第1ブレンドトーンカーブD181に対応するそれぞれの画素位置において、遠方用変換画像データを生成する。
同様に、第2ブレンドトーンカーブD182は、上述の式(2)により第1ローカルトーンカーブD16と第2ローカルトーンカーブとを合成して生成されたものである。また、第2ブレンドトーンカーブD182は、第1ローカルトーンカーブD16と第2ローカルトーンカーブD17とを合成したのちに、熱画像データの最大画素値を使って正規化されたものとなっている。これにより、画像変換処理部173は、第2ブレンドトーンカーブD182に対応するそれぞれの画素位置において、近傍用変換画像データを生成する。
次に、図13を参照して、分配比率の別の例について説明する。図13は、分配比率の第2の例を示す図である。図13には、画素値と分配比率との関係を示すグラフE20が示されている。グラフE20は、横軸が画素値を示し、縦軸が分配比率を示している。またグラフE20には、折れ線E201がプロットされている。折れ線E201は、中心値の近傍の画素値をピークとして、左右に折れ曲がりながら下がる折れ線である。このように、分配比率は、中心値をピークとして、中心値から離れる程に分配比率が低下するように設定される。
より具体的には、例えば、図13における第1画素値E221は、中心値との差が第1差E211である。図13における第2画素値E222は、中心値との差が第1差より大きい第2差E212である。このとき、第1画素値E221に対応する第1分配比率E231は、第2画素値E222に対応する第2分配比率E232より高くなるように、設定される。
以上、実施の形態1について説明した。上述の通り、画像処理装置11は、第1ローカル領域と第2ローカル領域とのそれぞれのローカルトーンカーブを生成し、これらの重みづけを設定したうえで遠方用変換画像データと近傍用変換画像データとを合成する。これにより、画像処理装置11は、比較的に遠方に存在する物体を認識するのに好適な画像データと、比較的に近傍に存在する物体を認識するのに好適な画像データとをそれぞれ生成する。また画像処理装置11は、遠方用または近傍用の画像データを生成する際の重みづけ係数を、所定の状況に応じて設定する。これにより、画像処理装置11は、物体の認識率の低下を抑制できる。よって、実施の形態1によれば、処理量の増加を抑制しつつ、物体の検出能力を向上させた画像処理装置、画像処理方法およびプログラムを提供することができる。
なお、上述の画像処理装置11は、第1ローカル領域と第2ローカル領域との2種類のローカル領域を設定したが、ローカル領域の設定はこれに限られない。すなわち画像処理装置11は、複数の大きさが異なるローカル領域を設定する。この際に、画像処理装置11は、3種類以上の大きさの異なるローカル領域を設定し、ブレンドトーンカーブを生成する場合に、これら3種類以上の領域に対応したローカルトーンカーブを合成してもよい。
<実施の形態2>
次に、実施の形態2について説明する。図14は、実施の形態2にかかる画像処理方法のフローチャートである。図14に示すフローチャートは、画像変換処理部173が主に行う処理について示したものである。図14に示すフローチャートは、例えば、赤外線カメラ10から画像処理装置11に入力熱画像データが供給され、且つ、指示部152から重みづけ係数を設定する信号を受け取ると開始される。
まず、画像変換処理部173は、NUC部172から較正された熱画像データを取得する(ステップS101)。
次に、画像変換処理部173は、熱画像データの度数分布を演算する(ステップS102)。ここで、本実施の形態にかかる画像変換処理部173は、熱画像データが有する画素値が例えば16ビット程度であった場合に、下位2ビット~4ビット程度をまとめて1つのビン(階級ともいう)とした度数分布を演算する。これにより画像処理装置11は、実施的な計算精度の低下を抑えつつ、画像変換にかかる処理時間を短縮できる。
次に、画像変換処理部173は、熱画像データのレンジ計算を行う(ステップS103)。レンジ計算において、画像変換処理部173は、度数分布における低温側の最小画素値および高温側の最大画素値を設定する。さらに画像変換処理部173は、中心画素値を設定する。そして画像変換処理部173は、最大画素値と中心画素値との差である第1画素範囲を算出する。同様に画像変換処理部173は、中心画素値と最小画素値との差である第2画素範囲を算出する。そして画像変換処理部173は、第1画素範囲と第2画素範囲とを比較して、大きい方の画素範囲を、小さいほうの画素範囲に適用して画像全体の画素範囲を設定する。
図15を参照して、レンジ計算の例について説明する。図15は、熱画像データの度数分布図である。図15に示すデータD22は、熱画像データの一例について示している。データD22において、画像変換処理部173は、度数の上下数パーセント(例えば1パーセント)を切り捨てた後のビンを最小画素値(MIN)および最大画素値(MAX)にそれぞれ設定している。このような処理をすることにより、画像処理装置11は、エラーなど画像データに大きく外れたデータが存在している場合に、これを排除してデータを処理できる。また画像変換処理部173は、中心値を併せて設定する。中心値は、度数分布の中央値(MEDIAN)や、平均値が選択されうる。データD22に示す例の場合、画像変換処理部173は中央値を中心値として設定している。
データD22に示す画像データは、MAXとMEDIANとの差である第1画素範囲R11の方が、MEDIANとMINとの差である第2画素範囲R12より大きい。そこで画像変換処理部173は、低温側の画素値の範囲を、MEDIANから第1画素範囲R11離れているMIN2に設定する。このように、画素範囲を設定することにより、画像処理装置11は、変換後のコントラストを向上させる。
図14に戻り説明を続ける。画像変換処理部173は、レンジ制限を行う(ステップS104)。レンジ制限において、画像変換処理部173は、設定した最小画素値と最大画素値の範囲の外に存在するデータを、最小画素値または最大画素値のいずれか近い側のビンに設定変更する。図15に示す例の場合、度数分布におけるMIN2を下回るデータが存在する場合、画像変換処理部173は、このデータをMIN2に対応するビンに配置する。同様に、度数分布におけるMAXを上回るデータが存在する場合、画像変換処理部173は、このデータをMAXに対応するビンに配置する。
次に、画像変換処理部173は、単位領域に分割する(ステップS105)。単位領域とは、ローカルトーンカーブを生成するローカル領域を構成するための要素となる領域である。すなわち、画像変換処理部173は、ローカル領域を単位領域の集合としてそれぞれ設定する。熱画像を単位領域に分割しておくことにより、画像処理装置11は異なる大きさの複数のローカル領域に関する処理を効率よく行う。
図16を参照して、画像変換処理部173が生成する単位領域について説明する。図16は、単位領域の例を示す図である。図16には、熱画像D23および単位領域U10が示されている。
熱画像D23は、画像変換処理部173が受け取った入力熱画像データにかかる熱画像である。図16に示す例において、画像変換処理部173は、熱画像D23を横方向に64分割し、縦方向に48分割する。単位領域U10は、熱画像D23が上述のように分割された場合の1つの領域である。図16に示す熱画像D23は左上を原点として水平方向(H軸方向)に64の単位領域U10が設定され、垂直方向(V軸方向)に48の単位領域U10が設定されている。図16において、熱画像D23の左上においてハッチングにより示されているのが、1つの単位領域U10である。
画像変換処理部173は、左上を原点の座標(0,0)とし、右下を座標(63,47)とした場合に、任意の座標(h,v)において単位領域U10(h,v)を設定する。画像変換処理部173は、このように熱画像D23を64×48分割することにより、3072の単位領域U10を設定する。また例えば熱画像D23がQVGA(Quarter Video Graphics Array)であって、320×240ピクセルの画素数構成を有する場合、単位領域は5×5ピクセルである。
図14に戻り説明を続ける。次に、画像変換処理部173は、単位領域の度数分布である単位度数分布を演算する(ステップS106)。すなわち図16に示す例の場合、画像変換処理部173は、3072の単位領域について、それぞれの度数分布を演算する。なお、このとき、画像変換処理部173は、単位度数分布が上述のレンジ制限の範囲になるように演算する。
次に、画像変換処理部173は、第1ローカル領域を設定する(ステップS110)。また画像変換処理部173は、第2ローカル領域を設定する(ステップS120)。さらに画像変換処理部173は、第3ローカル領域を設定する(ステップS130)。
図17を参照して、ローカル領域について説明する。図17は、実施の形態2にかかるローカル領域の例を示す図である。図12には、5×5の単位領域U10およびこれに重畳して、第1ローカル領域U11、第2ローカル領域U12および第3ローカル領域U13が示されている。
第1ローカル領域U11は、1つの単位領域U10により構成される。図に示す第1ローカル領域U11は、5×5に配置されている単位領域U10の中心に位置する座標(h,v)の単位領域U10に対応している。第2ローカル領域U12は、3×3の単位領域U10により構成される。第2ローカル領域U12は、5×5に配置されている単位領域U10の中心部の単位領域U10(h,v)に対応しており、第1ローカル領域U11(h,v)を含む。また第3ローカル領域U13は、5×5の単位領域U10により構成される。第3ローカル領域U13は、中心部に第1ローカル領域U11(h,v)および第2ローカル領域U12(h,v)を含む。すなわち第3ローカル領域U13は座標(h,v)に対応している。
画像変換処理部173は、上述の第1ローカル領域、第2ローカル領域および第3ローカル領域を設定する処理において、ローカル領域のそれぞれにかかる度数分布を演算する。このとき画像変換処理部173は、単位度数分布を利用する。すなわち、ローカル領域のそれぞれにかかる度数分布を算出する場合に、画像変換処理部173は、ローカル領域のそれぞれが有する単位領域における単位度数分布を合算する。これにより、画像変換処理部173はローカル領域ごとの度数分布を効率よく演算できる。
図14に戻り説明を続ける。画像変換処理部173は、それぞれのローカル領域に対して分配比率を設定する(ステップS111、ステップS121およびステップS131)。より具体的には、画像変換処理部173は、ステップS103で設定した中心値を利用して、中心値または中心値を含む画素値領域をピークとして、中心値から離れる程に低下する分配率を設定する。なお、ここで設定される分配率は、ローカル領域ごとに個別に設定される。
次に、画像変換処理部173は、それぞれのローカル領域に対して再分配データを生成する(ステップS112、ステップS122およびステップS132)。なお、再分配データを生成する際に設定する超過データにかかる閾値の値は、それぞれのローカル領域に対して個別に設定され得る。
次に、画像変換処理部173は、第1ローカル領域に対応する第1ローカルトーンカーブを生成する(ステップS113)。また画像変換処理部173は、第2ローカル領域に対応する第2ローカルトーンカーブを生成する(ステップS123)。同様に、画像変換処理部173は、第3ローカル領域に対応する第3ローカルトーンカーブを生成する(ステップS133)。なお、上述の再分配データを生成する処理およびそれぞれのローカル領域に対応するローカルトーンカーブを生成する処理は、並行して行われてもよいし、順次行われてもよい。なお、画像変換処理部173は、生成したローカルトーンカーブのそれぞれを、それぞれの領域における全度数により除算して正規化をする。
次に、画像変換処理部173は、生成したローカルトーンカーブを合成してブレンドトーンカーブを生成する(ステップS140)。画像変換処理部173は、以下の式が成立するように第1ブレンドトーンカーブおよび第2ブレンドトーンカーブを生成する。
Figure 2023004188000004
Figure 2023004188000005
ここで、iは、入力画素値であり、レンジ制限により設定された画素値の最小値から最大値までを取り得る。BT21(i)は第1ブレンドトーンカーブを示し、LTa(i)は第1ローカルトーンカーブを示し、LTb(i)は第2ローカルトーンカーブを示し、LTc(i)は第3ローカルトーンカーブを示す。またWa1は第1ローカルトーンカーブに対する重みづけ係数を示す。Wb1は第2ローカルトーンカーブに対する重みづけ係数を示す。Wc1は第3ローカルトーンカーブに対する重みづけ係数を示す。F21は所定のオフセット値を示す。
式(4)においてBT22(i)は第2ブレンドトーンカーブを示す。Wa1は第1ローカルトーンカーブに対する重みづけ係数を示す。Wb1は第2ローカルトーンカーブに対する重みづけ係数を示す。Wc1は第3ローカルトーンカーブに対する重みづけ係数を示す。F21は所定のオフセット値を示す。
図18を参照して、上記式(3)および式(4)の概念について説明する。図18は、実施の形態2にかかるローカルトーンカーブとブレンドトーンカーブの関係を示す図である。図18は、式(3)および式(4)に対応するそれぞれの項と、演算の流れが示されている。
まず、第1ローカルトーンカーブLTa(i)は、重みづけ係数Wa1と掛け合わされる(ステップS211)。次に、第2ローカルトーンカーブLTb(i)は、重みづけ係数Wb1と掛け合わされる(ステップS212)。さらに、第3ローカルトーンカーブLTc(i)は、重みづけ係数Wc1と掛け合わされる(ステップS213)。そして、これら3項と、オフセット値F21とが合算され(ステップS214)、第1ブレンドトーンカーブBT21(i)が算出される。
次に、第1ローカルトーンカーブLTa(i)は、重みづけ係数Wa2と掛け合わされる(ステップS221)。次に、第2ローカルトーンカーブLTb(i)は、重みづけ係数Wb2と掛け合わされる(ステップS222)。さらに、第3ローカルトーンカーブLTc(i)は、重みづけ係数Wc2と掛け合わされる(ステップS223)。そして、これら3項と、オフセット値F22とが合算され(ステップS224)、第2ブレンドトーンカーブBT22(i)が算出される。
図19に、ローカルトーンカーブとブレンドトーンカーブの例を示す。図19は、実施の形態2にかかるローカルトーンカーブとブレンドトーンカーブの例を示す図である。図19に示すグラフには、第1ローカルトーンカーブ、第2ローカルトーンカーブ、第3ローカルトーンカーブ、第1ブレンドトーンカーブおよび第2ブレンドトーンカーブが重畳されている。図に示すように、それぞれのローカルトーンカーブは、ローカル領域の大きさに応じて、それぞれの傾斜を有している。ブレンドトーンカーブは、画像処理装置11が所望の機能を発揮できるように重みづけ係数およびオフセットが設定されている。
図14に戻り説明を続ける。画像変換処理部173は、生成したブレンドトーンカーブを用いて、熱画像データのトーン変換を行う(ステップS141)。この処理により、画像変換処理部173は、1の熱画像データから、遠方用変換画像データと近傍用変換画像データとを生成する。
なお、上述の通り、画像変換処理部173は、熱画像データの度数分布を演算する際に、下位2ビット~4ビット程度をまとめて1つのビンとした度数分布を演算し、処理を行った。換言すると、画像変換処理部173は、ローカル領域におけるそれぞれの画素が互いに数ビットずつ離間するように指定画素を抽出し、抽出した指定画素に対してブレンドトーンカーブを適用したことと同様の処理を行ったこととなる。そのため、以降の処理において、入力熱画像データにおける全ての画素に対応するための処理を行う。
次に、画像変換処理部173は、遠方用変換画像データおよび近傍用変換画像データのそれぞれに対して画像データ補間処理を行う(ステップS142)。具体的には、画像変換処理部173は、このステップS141において設定した指定画素の間に存在する画素における画素値を、周辺の指定画素における変換後の画素値を利用して補間する。補間の手法は、例えばバイリニア補間である。これにより画像変換処理部173は、熱画像データの全ての画素に対するトーン変換を行う。すなわち画像変換処理部173は入力熱画像データを変換した変換画像データを生成する。
次に、画像変換処理部173は、生成した変換画像データを、出力する(ステップS150)。画像処理部170は画像変換処理部173が出力した変換画像データを例えば画像認識部180に供給する。これにより画像処理装置11は、変換画像データを用いて物体の検出を行う。また画像処理部170は、画像変換処理部173が出力した変換画像データを、ディスプレイ12に表示させるための処理を適宜行う。例えば画像処理部170は、変換画像データに対してガンマ補正を行い、ガンマ補正を行った画像データを、画像データ出力部190を介してディスプレイ12に供給する。画像変換処理部173は、変換画像データを出力すると、一連の処理を終了する。
以上、実施の形態2にかかる画像処理方法について説明した。上述の方法により、画像処理装置11は、簡易な処理により遠方用変換画像データと近傍用変換画像データとを生成し、好適に物体を認識する。なお、ステップS141およびステップS142において説明したように、指定画素を抽出して処理することにより、画像処理装置11は、画像のコントラストを改善するとともに、画像処理の処理速度を向上させることができる。
次に、実施の形態2の変形例について説明する。図20は、実施の形態2の変形例にかかる画像処理方法のフローチャートである。図20に示すフローチャートは、ステップS140とステップS150の間の処理が、図14に示すフローチャートと異なる。
ステップS140において、ブレンドトーンカーブを生成した後に、画像変換処理部173は、トーンカーブ補間を行う(ステップS143)。上述の通り、画像変換処理部173は、熱画像データの度数分布を演算する際に、下位2ビット~4ビット程度をまとめて1つのビンとした度数分布を演算し、処理を行った。そのため、ステップS140におけるブレンドトーンカーブは、熱画像データの全ての画素には対応していない。そこで、画像変換処理部173は、指定画素の間に存在する画素におけるトーンカーブを、周辺の指定画素におけるブレンドトーンカーブから補間することにより生成する。補間の具体的な方法は、例えばバイリニア補間である。トーンカーブ補間を行うことにより、画像変換処理部173は、熱画像データの全ての画素に対応したトーンカーブを生成する。
次に、画像変換処理部173は、生成したトーンカーブを用いて、熱画像データをトーン変換する(ステップS144)。画像変換処理部173は、熱画像データの全ての画素に対して、入力画素値を変換して出力画素値を算出する処理を行う。この処理により、画像変換処理部173は、1の熱画像データから、遠方用変換画像データと近傍用変換画像データとを生成する。
以上、実施の形態2について説明した。実施の形態2によれば、処理量の増加を抑制しつつ、物体の検出能力を向上させた画像処理装置、画像処理方法およびプログラムを提供することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
10 赤外線カメラ
11 画像処理装置
12 ディスプレイ
13 ECU
90 車両
101 筐体
102 対物レンズ
103 シャッタ
104 赤外線センサ
105 カメラ制御回路
110 バス
120 通信IF
121 車両情報取得部
130 ROM
140 RAM
150 システム制御回路
151 判断部
152 指示部
160 画像データ取得部
170 画像処理部
171 欠陥画素補正部
172 NUC部
173 画像変換処理部
175 画像解析部
180 画像認識部
190 画像データ出力部

Claims (5)

  1. 車両の周辺の熱画像を撮像する赤外線カメラから熱画像データを取得する画像データ取得部と、
    前記熱画像データから遠方用変換画像データおよび近傍用変換画像データをそれぞれ出力可能に生成する画像処理部と、を備え、
    前記画像処理部は、
    複数の第1ローカル領域と、前記第1ローカル領域を含み前記第1ローカル領域より大きい領域である複数の第2ローカル領域と、を含むローカル領域を前記熱画像に対して設定し、
    前記第1ローカル領域および前記第2ローカル領域を構成する画素の画素値に関する度数分布を演算し、
    前記度数分布のうち予め設定された閾値を超過する超過データを前記度数分布に再分配した再分配データを生成し、
    前記再分配データを低い画素値から高い画素値に向かって累積加算して前記第1ローカル領域にかかる第1ローカルトーンカーブと前記第2ローカル領域にかかる第2ローカルトーンカーブとを生成し、
    前記第1ローカルトーンカーブと前記第2ローカルトーンカーブとを合成して第1ブレンドトーンカーブおよび第2ブレンドトーンカーブを生成し、
    前記ローカル領域に対して前記第1ブレンドトーンカーブを適用することにより前記遠方用変換画像データを生成するとともに、前記ローカル領域に対して前記第2ブレンドトーンカーブを適用することにより前記近傍用変換画像データを生成する、
    画像処理装置。
  2. 前記車両の周辺の湿度を検出する湿度センサから湿度情報を取得し、前記湿度が予め設定された閾値湿度以上の場合における前記第1ローカルトーンカーブの重みづけを、前記湿度が前記閾値湿度未満の場合における前記第1ローカルトーンカーブの重みづけよりも大きく設定することを判断する判断部をさらに備える、
    請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記車両の直進速度または角速度の少なくともいずれか一方を含む車両動作情報を取得し、前記直進速度または前記角速度が予め設定された閾値速度以上の場合における前記第1ローカルトーンカーブの重みづけを、
    前記直進速度または前記角速度が前記閾値速度未満の場合における前記第1ローカルトーンカーブの重みづけよりも大きく設定することを判断する判断部をさらに備える、
    請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. コンピュータが、
    車両の周辺の熱画像を撮像する赤外線カメラから熱画像データを取得し、
    複数の第1ローカル領域と、前記第1ローカル領域を含み前記第1ローカル領域より大きい領域である複数の第2ローカル領域と、を含むローカル領域を前記熱画像に対して設定し、
    前記第1ローカル領域および前記第2ローカル領域を構成する画素の画素値に関する度数分布を演算し、
    前記度数分布のうち予め設定された度数の閾値を超過する超過データを前記度数分布に再分配した再分配データを生成し、
    前記再分配データを低い画素値から高い画素値に向かって累積加算して前記第1ローカル領域にかかる第1ローカルトーンカーブと前記第2ローカル領域にかかる第2ローカルトーンカーブとを生成し、
    前記第1ローカルトーンカーブと前記第2ローカルトーンカーブとを合成して第1ブレンドトーンカーブおよび第2ブレンドトーンカーブを生成し、
    前記ローカル領域に対して前記第1ブレンドトーンカーブを適用することにより遠方用変換画像データを出力可能に生成するとともに、前記ローカル領域に対して前記第2ブレンドトーンカーブを適用することにより近傍用変換画像データを出力可能に生成する、
    画像処理方法。
  5. 車両の周辺の熱画像を撮像する赤外線カメラから熱画像データを取得し、
    複数の第1ローカル領域と、前記第1ローカル領域を含み前記第1ローカル領域より大きい領域である複数の第2ローカル領域と、を含むローカル領域を前記熱画像に対して設定し、
    前記第1ローカル領域および前記第2ローカル領域を構成する画素の画素値に関する度数分布を演算し、
    前記度数分布のうち予め設定された閾値を超過する超過データを前記度数分布に再分配した再分配データを生成し、
    前記再分配データを低い画素値から高い画素値に向かって累積加算して前記第1ローカル領域にかかる第1ローカルトーンカーブと前記第2ローカル領域にかかる第2ローカルトーンカーブとを生成し、
    前記第1ローカルトーンカーブと前記第2ローカルトーンカーブとを合成して第1ブレンドトーンカーブおよび第2ブレンドトーンカーブを生成し、
    前記ローカル領域に対して前記第1ブレンドトーンカーブを適用することにより遠方用変換画像データを出力可能に生成するとともに、前記ローカル領域に対して前記第2ブレンドトーンカーブを適用することにより近傍用変換画像データを出力可能に生成する、
    画像処理方法を、コンピュータに実行させる
    プログラム。
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CN116823676A (zh) * 2023-08-28 2023-09-29 浙江欣灵智能电气有限公司 基于红外热图的电动汽车防火安全检测方法

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