JP2023003538A - 減速機付き電動機ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】自由な姿勢で設置することができ自走式車両の設計の自由度を大きくすることができる減速機付き電動機ユニットを提供する。【解決手段】減速機付き電動機ユニット100は、電動機101のハウジング104の内部に冷却流路106を備えているとともに外表面上に減速機収容空間125および気体収容室130をそれぞれ備えている。冷却流路106は、ハウジング104を構成する筒状の胴体105に冷却水を流通させる管路として形成されている。減速機収容空間125は、電動機101の回転速度を減速する減速機120を収容しており、気体収容室130に隣接して形成されている。気体収容室130は、冷却流路106によって冷却される空気を収容しており、冷却流路106に隣接して形成されている。【選択図】 図2
Description
本発明は、電動機に減速機が一体的に組み付けられた減速機付き電動機ユニットに関する。
従来から、電動機に減速機が一体的に組み付けられた減速機付き電動機ユニットが知られている。例えば、下記特許文献1には、モータがキャッチタンクに掻き上げたオイルをモータ内および減速機内でそれぞれ循環させることでモータと減速機とをそれぞれ冷却する冷却構造を有した減速機付き電動機ユニットとしての動力伝達装置が開示されている。
しかしながら、上記特許文献1に記載された動力伝達装置においては、キャッチタンクに掻き上げられたオイルを用いて冷却する構造であるため、動力伝達装置の設置の姿勢が自ずと限定されるという問題がある。すなわち、上記特許文献1に記載された動力伝達装置においては、キャッチタンクが上方に開口する姿勢以外では設置できず動力伝達装置を備える自走式車両の設計の自由度が小さいという問題がある。
本発明は上記問題に対処するためなされたもので、その目的は、自由な姿勢で設置することができ自走式車両の設計の自由度を大きくすることができる減速機付き電動機ユニットを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、電動機と、電動機のハウジングに形成されて電動機の内部空間を冷却するための冷却流体を流通させる冷却流路と、電動機の外側を第1ケースで部分的に覆った減速機収容空間内に設けられて電動機の回転速度を変速して出力する減速機と、電動機の外側を第2ケースで部分的に覆って気体を収容する気体収容室とを備え、気体収容室は、冷却流路にハウジングを介して隣接して形成されており、減速機収容空間は、気体収容室に隣接して形成されていることにある。
このように構成した本発明の特徴によれば、減速機付き電動機ユニットは、電動機を冷却する冷却流路と減速機を収容する減速機収容空間との間に双方にそれぞれ隣接させて気体収容室を設けることで気体収容室内の気体を介して減速機収容空間の温度上昇を抑えることができる。つまり、本発明に係る減速機付き電動機ユニットは、冷却流路内の流体と気体収容室内の気体とによって電動機および減速機収容空間の各温度上昇を抑えているため減速機付き電動機ユニットを自由な姿勢で設置することができ自走式車両の設計の自由度を大きくすることができる。
また、本発明の他の特徴は、前記減速機付き電動機ユニットにおいて、第2ケースは、ハウジングに対して着脱自在に設けられていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、減速機付き電動機ユニットは、第2ケースがハウジングに対して着脱自在に設けられているため、気体収容室による減速機収容空間の冷却が不要な場合には第2ケースをハウジングから取り外すことで気体収容室を省略することができる。これにより、減速機付き電動機ユニットは、狭小空間の設置または自由な姿勢での設置ができる。また、本発明に係る減速機付き電動機ユニットは、第2ケースがハウジングに対して着脱自在に設けられていることで気体収容室内のメンテナンスを容易にすることができる。
また、本発明の他の特徴は、減速機付き電動機ユニットにおいて、気体収容室は、ハウジングの内部を冷却流路に向かって延びて形成された流路接近部を有していることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、減速機付き電動機ユニットは、気体収容室がハウジングの内部を冷却流路に向かって延びる流路接近部を有しているため、気体収容室内の気体の温度上昇を効率的に抑えることができる。
また、本発明の他の特徴は、前記減速機付き電動機ユニットにおいて、気体収容室は、減速機付き電動機ユニットの作動に用いられる部品または機器を収容していることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、減速機付き電動機ユニットは、気体収容室が減速機付き電動機ユニットの作動に用いられる他の部品または機器などの各種収容物を収容しているため、気体収容室の内部空間を有効利用できるとともに収容物を利用して気体収容室内の温度上昇を抑えることもできる。また、減速機付き電動機ユニットは、気体収容室内に収容物として作動時に発熱する発熱機器を収容することで発熱機器の温度上昇も抑えることができる。ここで、気体収容室に収容される収容物としては、減速機付き電動機ユニットのメンテナンス部品、ファンまたはヒートシンクほか、発熱機器としては電動機の作動を制御する制御基板またはインバータ基板などがある。
また、本発明の他の特徴は、前記減速機付き電動機ユニットにおいて、気体収容室は、外気と連通する通気部を備えていることにある。
このように構成した本発明の他の特徴によれば、減速機付き電動機ユニットは、気体収容室が外気と連通する通気部を備えているため、気体収容室内の温度の上昇または低下による気体の体積変化に追従して圧力を一定にすることで気体収容室の損傷を抑えることができるとともに気体収容室の剛性の確保負担を抑えて構成を簡単化することができる。
以下、本発明に係る減速機付き電動機ユニットの一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る減速機付き電動機ユニット100の全体構成の概略を示す斜視図である。また、図2は、図1に示す減速機付き電動機ユニット100の内部構成の概略を示す縦断面図である。また、図3は、図2に示す3-3線から見た減速機付き電動機ユニット100の内部構成の概略を示す横断面図である。この減速機付き電動機ユニット100は、二輪、三輪、四輪または無限軌道で走行する車両(カートまたはバギーを含む)などの自走式車両の駆動源である。
(減速機付き電動機ユニット100の構成)
減速機付き電動機ユニット100は、電動機101を備えている。電動機101は、自走式車両の駆動輪を回転駆動するための回転駆動力を発生させる駆動源である。本実施形態においては、電動機101は、自走式二輪車を駆動させる同期モータで構成されている。
減速機付き電動機ユニット100は、電動機101を備えている。電動機101は、自走式車両の駆動輪を回転駆動するための回転駆動力を発生させる駆動源である。本実施形態においては、電動機101は、自走式二輪車を駆動させる同期モータで構成されている。
電動機101は、主として、ステータ102、ロータ103およびハウジング104をそれぞれ備えて構成されている。ステータ102は、三相交流によって回転磁界を生じさせるための部品であり、鉄心の外周部に巻線が設けられて筒状に形成されている。このステータ102は、ハウジング104を構成する胴体105内に固定的に取り付けられている。
ロータ103は、ステータ102が発生させる回転磁界によって回転する部品であり、棒状に延びるシャフトの外周部に永久磁石が取り付けられて構成されている。このロータ103は、ステータ102を貫通した状態で胴部内に配置されている。この場合、ロータ103における一方の端部側は、出力側蓋体110を貫通した状態で回転自在に支持されている。この場合、ロータ103における出力側蓋体110を貫通して露出した部分が電動機101の出力軸となる。また、ロータ103における他方側の端部が後部側蓋体112に回転自在な状態で支持されている。なお、図3においては、ステータ102およびロータ103の図示をそれぞれ省略している。
ハウジング104は、ステータ102およびロータ103を収容する部品であり、主として、胴体105、出力側蓋体110および後部側蓋体112をそれぞれ備えて構成されている。胴体105は、ステータ102およびロータ103の各主要部を収容する部品であり、アルミニウムなどの非鉄系金属または樹脂材料などの非磁性材料を筒状に形成して構成されている。この胴体105は、円筒状に形成された内部空間においてステータ102を支持しているとともに、出力側蓋体110および後部側蓋体112によって回転自在に支持されたロータ103が貫通した状態で配置されている。また、胴体105は、内部空間を形成する筒状部分の内部に冷却流路106が形成されている。
冷却流路106は、ハウジング104の内部空間および気体収容室130をそれぞれ冷却するための冷却流体を液密的かつ気密的に流通させるための管路であり、前記筒状部分の長手方向および周方向にそれぞれ延びて形成されている。この冷却流路106は、ハウジング104の内部空間を外側覆うように形成されている。すなわち、冷却流路106は、前記筒状部分の全体に略均等に形成されている。
この冷却流路106は、胴体105の外周面に冷却流体の導入または排出するための管状の導入部106aおよび排出部106bがそれぞれ繋がっている。この場合、導入部106aおよび排出部106bは、冷却流体を冷却流路106内で循環させるための送液ポンプ(図示せず)に接続されている。また、冷却流路106は、胴体105を軸線方向に貫通しており、出力側蓋体110および後部側蓋体112の各壁面が面している。なお、冷却流路106は、胴体105を軸線方向に貫通しないように形成することも可能である。
冷却流体は、ハウジング104の内部空間および気体収容室130との間で前記筒状部分を介してそれぞれ熱交換するための物質であり、液体によって構成されている。この場合、冷却流体は、水または油などの流体で構成することができる。本実施形態においては、冷却流体は、水で構成されている。
また、胴体105の外表面の一部には、図4および図5にそれぞれ示すように、第1熱交換部107が形成されている。第1熱交換部107は、気体収容室130の一部を形成するとともに、前記冷却流路106と気体収容室130との間で熱交換する部分であり、冷却流路106に隣接する位置に同冷却流路106に対向して形成されている。本実施形態においては、第1熱交換部107は、胴体105の軸線方向に延びる平面視で長方形状の平坦面で構成されている。この場合、第1熱交換部107は、胴体105の軸線方向に直交する幅方向の中央部が冷却流路106に最も接近するように肉厚が最も薄く形成されている。この第1熱交換部107は、胴体105の軸線方向に直交する幅方向の両端部に流路接近部108a,108bがそれぞれ形成されている。
流路接近部108a,108bは、冷却流路106との間で効率的な熱交換を行うための部分であり、第1熱交換部107から冷却流路106に向かって有底の溝状に延びて形成されている。この場合、流路接近部108a,108bの底部は、平坦面に形成することもできるが、本実施形態においては冷却流路106に沿って隣接して延びるように溝幅を徐々に狭くした尖った形状に形成されている。
出力側蓋体110は、筒状に形成された胴体105の一方の端部に取り付けられる部品であり、アルミニウムなどの非鉄系金属または樹脂材料などの非磁性材料を周縁部が起立した板状体に形成して構成されている。この出力側蓋体110は、筒状に形成された胴体105の一方の端部を塞ぐとともにロータ103における一方の端部を回転自在に支持する。この場合、出力側蓋体110は、前記冷却流路106も塞いでいる。また、出力側蓋体110は、減速機120の出力軸123の一方の端部を回転自在な状態で支持している。また、出力側蓋体110は、気体収容室130に面して同気体収容室130の一部を形成する板状の第2熱交換部111を有している。この出力側蓋体110は、胴体105に対してボルト(図示せず)によって取り付けられている。
後部側蓋体112は、筒状に形成された胴体105の他方の端部に取り付けられる部品であり、アルミニウムなどの非鉄系金属または樹脂材料などの非磁性材料を板状に形成して構成されている。この後部側蓋体112は、筒状に形成された胴体105の他方の端部を塞ぐとともにロータ103における他方の端部を回転自在に支持する。この場合、後部側蓋体112は、前記冷却流路106も塞いでいる。この後部側蓋体112は、胴体105に対してボルト(図示せず)によって取り付けられている。また、後部側蓋体112の外側面は、空間を介して後部側カバー113で覆われており、この空間内にはロータ103の回転角度を検出する検出装置(図示せず)が設けられている。
減速機120は、電動機101の回転速度を減速して出力する機械装置であり、主として、第1歯車121、第2歯車122および第1ケース124をそれぞれ備えて構成されている。第1歯車121は、第2歯車122と噛み合って電動機101のロータ103の回動速度を減速、換言すれば、ロータ103のトルクを増大させるための部品であり、ロータ103と一体的に回動する平歯車で構成されている。この場合、第1歯車121は、第2歯車122に対して外形が小さくかつ歯数が少なく形成されている。
第2歯車122は、前記第1歯車121と噛み合って電動機101のロータ103の回動速度を減速、換言すれば、ロータ103のトルクを増大させるための部品であり、丸棒に延びる出力軸123と一体的に回転する平歯車で構成されている。この場合、第2歯車122は、前記第1歯車121に対して外形が大きくかつ歯数が多く形成されている。また、出力軸123は、回転駆動力を出力する軸状の部分であり、先端部に出力先に連結するためのスプライン(図示せず)が形成されている。
第1ケース124は、出力側蓋体110とともに第1歯車121および第2歯車122をそれぞれ収容する減速機収容空間125を形成するための部品であり、アルミニウムなどの非鉄系金属または樹脂材料などの非磁性材料を周縁部が起立した板状体に形成して構成されている。この第1ケース124は、第1歯車121および第2歯車122をそれぞれ覆った状態で出力側蓋体110にボルトを介して取り付けられることで内部空間に減速機収容空間125を形成する。すなわち、第1ケース124は、電動機101の外表面を部分的に覆うことで減速機収容空間125を形成している。この場合、第1ケース124は、出力軸123を貫通させた状態で回転自在に支持している。
減速機収容空間125は、第1歯車121および第2歯車122をそれぞれ収容する空間である。この場合、減速機収容空間125は、気体収容室130に少なくとも一部が隣接するように形成されている。
気体収容室130は、冷却流路106内の冷却流体によって冷却される気体を収容する部分であり、冷却流路106に隣接して形成されている。また、この気体収容室130は、減速機収容空間125内の温度上昇を抑制するための部分でもあり、減速機収容空間125に隣接して形成されている。この気体収容室130は、第1熱交換部107および第2熱交換部111が第2ケース131でそれぞれ覆われることで形成されている。また、気体収容室130は、前記流路接近部108a,108bが一体的に繋がって形成されている。
ここで、気体収容室130内に収容される気体は、冷却流体および減速機収容空間125内の空気との間でそれぞれ熱交換可能な気体であり、空気または不活性ガス(窒素、ヘリウムまたはアルゴンなど)などの気体で構成されている。本実施形態においては、気体収容室130内に収容される気体は、空気によって構成されている。この場合、空気は、湿度が50%以下、好ましくは20%以下に調整されているとよい。
第2ケース131は、気体収容室130を形成するための部品であり、炭素鋼などの鉄系金属またはアルミニウムなどの非鉄系金属などの金属板を胴体105の軸線方向に延びる半円のドーム状に形成して構成されている。この第2ケース131は、ボルトを介して第1熱交換部107上に着脱自在に取り付けられている。これにより、気体収容室130は、気密的に形成さている。すなわち、第2ケース131は、電動機101の外表面を部分的に覆うことで気体収容室130を形成している。
(減速機付き電動機ユニット100の作動)
次に、このように構成した減速機付き電動機ユニット100の作動について説明する。この減速機付き電動機ユニット100は、自走式車両の駆動輪を駆動させる駆動源として自走式車両内に搭載される。この場合、減速機付き電動機ユニット100は、自走式車両内において、気体収容室130が電動機101および/または減速機収容空間125に対して上方、下方または側方に位置するように配置することができる。そして、この減速機付き電動機ユニット100は、自走式車両の作動を総合的に制御する制御装置によって作動が制御される。
次に、このように構成した減速機付き電動機ユニット100の作動について説明する。この減速機付き電動機ユニット100は、自走式車両の駆動輪を駆動させる駆動源として自走式車両内に搭載される。この場合、減速機付き電動機ユニット100は、自走式車両内において、気体収容室130が電動機101および/または減速機収容空間125に対して上方、下方または側方に位置するように配置することができる。そして、この減速機付き電動機ユニット100は、自走式車両の作動を総合的に制御する制御装置によって作動が制御される。
ここで、制御装置は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータによって構成されるとともに、電動機101の作動を直接制御するためのインバータ、昇圧コンバータおよびDCDCコンバータなどからなるパワーコントールユニット(PCU)などを備えて構成されている。また、制御装置は、電動機101内に冷却流体を循環させる送液ポンプ(ウォータポンプ)の作動も制御する。
制御装置は、自走式車両の運転者による起動操作によって電動機101を駆動させる。この場合、制御装置は、送液ポンプを起動させることで電動機101の冷却流路106内に冷却流体を流動させる。これにより、電動機101は、ハウジング104の内部の空気が冷却されてハウジング104内の温度上昇が抑制される。また、気体収容室130は、第1熱交換部107を介して冷却流路106と隣接しているため、気体収容室130内の空気が冷却されて温度上昇が抑制される。
一方、減速機収容空間125内においては、減速機120の作動によって減速機120が発熱する。この場合、減速機収容空間125は、温度上昇が抑制された気体収容室130に第2熱交換部111を介して隣接しているため温度上昇が抑制される。また、減速機収容空間125は、仮に温度が上昇した場合であっても気体収容室130に隣接しているため上昇した温度を速やかに低下させることができる。
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、減速機付き電動機ユニット100は、電動機101を冷却する冷却流路106と減速機120を収容する減速機収容空間125との間に双方にそれぞれ隣接させて気体収容室130を設けることで気体収容室130内の気体を介して減速機収容空間125の温度上昇を抑えることができる。つまり、本発明に係る減速機付き電動機ユニット100は、冷却流路106内の流体と気体収容室130内の気体とによって電動機101および減速機収容空間125の各温度上昇を抑えているため減速機付き電動機ユニット100を自由な姿勢で設置することができ自走式車両の設計の自由度を大きくすることができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。なお、下記に示す各変形例においては、上記実施形態における減速機付き電動機ユニット100と同様の構成部分には同じ符号を付して、その説明は省略する。
例えば、上記実施形態においては、減速機付き電動機ユニット100は、減速機120を電動機101の回転速度を減速するように構成した。しかし、減速機120は、電動機101の回転速度を変化させる機械装置であればよい。したがって、減速機120は、電動機101の回転速度を互いに変速比の異なる複数の変速段を切り替えながら変速する変速機のほか、電動機101の回転速度を増速する増速機で構成することもできる。すなわち、本願における減速機には、変速機および増速機を含むものである。
また、上記実施形態においては、減速機120は、第1歯車121および第2歯車122を用いて減速機構を構成した。しかし、減速機120は、他の構造例えば、遊星ギアを用いた構造によって減速機構をそれぞれ構成してもよいことは当然である。
また、上記実施形態においては、電動機101は、同期モータで構成した。しかし、電動機101は、同期モータ以外のモータ、例えば、誘導モータなどの他のACモータのほか、各種DCモータで構成することもできる。
また、上記実施形態においては、減速機付き電動機ユニット100は、気体収容室130内に何も設置しない空洞で構成した。しかし、減速機付き電動機ユニット100は、気体収容室130内に有体物からなる各種収容物を設置することができる。この場合、気体収容室130内に収容する収容物としては、減速機付き電動機ユニット100の作動に用いられる他の部品または機器であり、例えば、減速機付き電動機ユニット100のメンテナンス部品、ファンまたはヒートシンクがある。また、この収容物としては、電動機101の作動を制御する制御基板またはインバータ基板のように作動時に発熱する発熱機器がある。
これらによれば、減速機付き電動機ユニット100は、気体収容室130の内部空間を有効利用できるとともに収容物を利用して気体収容室130内の温度上昇を抑えることもできる。また、減速機付き電動機ユニット100は、気体収容室130内に収容物として作動時に発熱する発熱機器を収容することで発熱機器の温度上昇も抑えることができる。
図6は、気体収容室130内に上記実施形態における制御装置を構成する制御基板140を収容した減速機付き電動機ユニット100を示している。この場合、制御基板140は、4つの棒状の支柱141(図6においては2つの図示)によって第1熱交換部107に対して隙間を介して支持されている。また、制御基板140は、第2ケース131を貫通した状態で制御対象に対して電気的に接続するためのインターフェース端子142が露出している。
このように構成した減速機付き電動機ユニット100によれば、気体収容室130の内部空間を有効利用できるとともに制御基板140の温度上昇も抑えることができる。なお、気体収容室130内には、制御基板140とともに電動機101に三相交流の電力を供給するための電源回路を配置することもできる。
また、上記実施形態においては、第1熱交換部107は、胴体105の軸線方向に直交する幅方向の中央部が冷却流路106に最も接近するように肉厚が最も薄く形成されている。しかし、第1熱交換部107は、胴体105の軸線方向および/または同軸線方向に直交する幅方向において冷却流路106に対して等間隔で形成することもできる。
また、上記実施形態においては、減速機付き電動機ユニット100は、第2ケース131をハウジング104に対して着脱自在に構成した。これにより、減速機付き電動機ユニット100は、気体収容室130による減速機収容空間125の冷却が不要な場合には第2ケース131をハウジング104から取り外すことで気体収容室130を省略することができる。これにより、減速機付き電動機ユニット100は、狭小空間の設置または自由な姿勢での設置ができる。また、減速機付き電動機ユニット100は、第2ケース131がハウジング104に対して着脱自在に設けられていることで気体収容室130内のメンテナンスを容易にすることができる。しかし、減速機付き電動機ユニット100は、第2ケース131をハウジング104に対して固定的に取り付けることもできる。この場合、第2ケース131は、ハウジング104と一体的に形成することもできる。
また、上記実施形態においては、気体収容室130は、流路接近部108a,108bを備えて構成した。これにより、減速機付き電動機ユニット100は、気体収容室130内の気体の温度上昇を効率的に抑えることができる。しかし、気体収容室130は、流路接近部108a,108bを省略して構成することもできる。
また、上記実施形態においては、冷却流路106は、筒状の胴体105の全周に亘って形成した。しかし、冷却流路106は、ハウジング104を構成する胴体105、出力側蓋体110および後部側蓋体112のうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に形成されていればよい。また、冷却流路106は、必ずしも冷却流体が循環する必要はなく閉鎖領域として構成して単に貯留していてもよい。
また、上記実施形態においては、気体収容室130は、気密的に構成した。しかし、気体収容室130は、外気と連通する通気部を備えて構成することもできる。この場合、通気部は、第2ケース131に設けた貫通孔で構成してもよいし、第2ケース131と第1熱交換部107および/または第2熱交換部111との間の隙間で構成することもできる。これによれば、減速機付き電動機ユニット100は、気体収容室130が外気と連通する通気部を備えているため、気体収容室130内の温度の上昇または低下による気体の体積変化に追従して圧力を一定にすることで気体収容室130の損傷を抑えることができるとともに気体収容室130の剛性の確保負担を抑えて構成を簡単化することができる。
100…減速機付き電動機ユニット、101…電動機、102…ステータ、103…ロータ、104…ハウジング、105…胴体、106…冷却流路、106a…導入部、106b…排出部、107…第1熱交換部、108a,108b…流路接近部、
110…出力側蓋体、111…第2熱交換部、112…後部側蓋体、113…後部側カバー、
120…減速機、121…第1歯車、122…第2歯車、123…出力軸、124…第1ケース、125…減速機収容空間、
130…気体収容室、131…第2ケース、
140…制御基板、141…支柱、142…インターフェース端子。
110…出力側蓋体、111…第2熱交換部、112…後部側蓋体、113…後部側カバー、
120…減速機、121…第1歯車、122…第2歯車、123…出力軸、124…第1ケース、125…減速機収容空間、
130…気体収容室、131…第2ケース、
140…制御基板、141…支柱、142…インターフェース端子。
Claims (5)
- 電動機と、
前記電動機のハウジングに形成されて前記電動機の内部空間を冷却するための冷却流体を流通させる冷却流路と、
前記電動機の外側を第1ケースで部分的に覆った減速機収容空間内に設けられて前記電動機の回転速度を変速して出力する減速機と、
前記電動機の外側を第2ケースで部分的に覆って気体を収容する気体収容室とを備え、
前記気体収容室は、
前記冷却流路に前記ハウジングを介して隣接して形成されており、
前記減速機収容空間は、
前記気体収容室に隣接して形成されていることを特徴とする減速機付き電動機ユニット。 - 請求項1に記載した減速機付き電動機ユニットにおいて、
前記第2ケースは、
前記ハウジングに対して着脱自在に設けられていることを特徴とする減速機付き電動機ユニット。 - 請求項1または請求項2に記載した減速機付き電動機ユニットにおいて、
前記気体収容室は、
前記ハウジングの内部を前記冷却流路に向かって延びて形成された流路接近部を有していることを特徴とする減速機付き電動機ユニット。 - 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載した減速機付き電動機ユニットにおいて、
前記気体収容室は、
前記減速機付き電動機ユニットの作動に用いられる部品または機器を収容していることを特徴とする減速機付き電動機ユニット。 - 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載した減速機付き電動機ユニットにおいて、
前記気体収容室は、
外気と連通する通気部を備えていることを特徴とする減速機付き電動機ユニット。
Priority Applications (2)
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---|---|---|---|
JP2021104669A JP2023003538A (ja) | 2021-06-24 | 2021-06-24 | 減速機付き電動機ユニット |
CN202210520294.5A CN115523282A (zh) | 2021-06-24 | 2022-05-12 | 附减速机的电动机单元 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021104669A JP2023003538A (ja) | 2021-06-24 | 2021-06-24 | 減速機付き電動機ユニット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2023003538A true JP2023003538A (ja) | 2023-01-17 |
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ID=84696096
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2021104669A Pending JP2023003538A (ja) | 2021-06-24 | 2021-06-24 | 減速機付き電動機ユニット |
Country Status (2)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023003538A (ja) |
CN (1) | CN115523282A (ja) |
-
2021
- 2021-06-24 JP JP2021104669A patent/JP2023003538A/ja active Pending
-
2022
- 2022-05-12 CN CN202210520294.5A patent/CN115523282A/zh active Pending
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN115523282A (zh) | 2022-12-27 |
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