JP2023003130A - インフルエンザウイルスの増殖方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワクチンの材料となるインフルエンザウイルスを、宿主中で効率よく増殖させる方法を提供する。【解決手段】宿主においてインフルエンザウイルスを増殖する方法であって、前記宿主に[(3aR*,4S*,7R*,7aS)-1,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1,3-ジオキソ-4,7-メタノ-2H-イソインドール-2-イル]-N-8-キノリニルベンズアミド及び4-[4-(4-メトキシフェニル)-5-[[[3-(4-メチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル]メチル]チオ]-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]-ピリジンから選ばれる1種以上のタンキラーゼ阻害剤を添加する工程を含む、方法。【選択図】なし

Description

本発明は宿主におけるインフルエンザウイルスの増殖方法に関する。
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる感染症であり、飛沫感染や接触感染等により感染し、高熱、頭痛、筋肉痛、関節痛等の強い全身症状を伴う呼吸器感染症である。インフルエンザワクチンの接種はインフルエンザの重症化の防御に最良の手段となっている。
インフルエンザワクチンは、ワクチン製造用のインフルエンザウイルスを発育鶏卵の尿膜腔内に接種して培養増殖させ、漿尿液から遠心にて濃縮精製し、ウイルス粒子を界面活性剤等で処理し、ホルマリンで不活化した全粒子ワクチン又はウイルス粒子をエーテルや界面活性剤で破砕後更に精製を行ったスプリットワクチン又はサブユニットワクチンである。しかしながらインフルエンザワクチンを、宿主として胚を有する鶏卵を用いて製造する場合、時間、労働及び費用を要し、急な大量生産ができないという供給安定性の面で問題がある。
これに替わるウイルス生産方法として、インフルエンザウイルスの宿主として培養細胞を用いて複製する手法が研究され、MDCK細胞がインフルエンザウイルスのin vitroでの複製のための適切な細胞であることが報告されている(非特許文献1)。また、特許文献1には、MDCK細胞の培養液中に分泌されるトリプシンインヒビターを除去又は低減した後に、細胞にインフルエンザウイルスを接種して、インフルエンザウイルス接種細胞を培養することによりウイルス生産量を増加できることが開示されている。
一方、Wntシグナル伝達機構は、1)Wnt/β-カテニン経路、2)Wnt-PCP(planar cell polarity)経路、3)Wnt/Ca2+経路の3種類の経路から構成され、これらが細胞内でネットワークを構成して、細胞の初期発生/遊走運動/増殖等の機能制御を担っている。
従来、Wntシグナル伝達機構と宿主におけるウイルス感染との関係については、β―カテニンのノックダウン細胞において、インフルエンザウイルスの増殖性が亢進すること(非特許文献2)、Wnt/β-カテニンシグナルを阻害する化合物が、インフルエンザウイルスの細胞への感染率を抑制すること(特許文献2、特許文献3)等が報告されている。すなわち、Wnt/β-カテニンシグナルを阻害することにより、ウイルスの細胞における増殖性が促進するという報告と、抑制されると云う報告が存在する。
国際公開第2007/132763号 国際公開第2017/083971号 国際公開第2015/134525号
Tobita K et al. Med Microbiol Immunol. 1975;162(1):9-14. Hillesheim A et al. Cell Commun Signal. 2014;12:29.
本発明はワクチンの材料となるインフルエンザウイルスを、宿主中でより効率よく増殖させる方法を提供することに関する。
本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、特定のタンキラーゼ阻害剤をインフルエンザウイルスを感染させる宿主に添加した場合に、ウイルスの増殖性が向上し、ウイルスの産生量が増加することを見出した。
すなわち、本発明は、以下の1)~4)に係るものである。
1)宿主においてインフルエンザウイルスを増殖する方法であって、前記宿主に[(3aR,4S,7R,7aS)-1,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1,3-ジオキソ-4,7-メタノ-2H-イソインドール-2-イル]-N-8-キノリニルベンズアミド及び4-[4-(4-メトキシフェニル)-5-[[[3-(4-メチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル]メチル]チオ]-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]-ピリジンから選ばれる1種以上のタンキラーゼ阻害剤を添加する工程を含む、方法。
2)1)の方法によってインフルエンザウイルスを増殖させ、宿主からウイルス粒子を回収する、インフルエンザウイルス粒子の調製方法。
3)2)の方法によって調製されたインフルエンザウイルス粒子を用いてワクチンを製造する、インフルエンザワクチンの製造方法。
4)[(3aR,4S,7R,7aS)-1,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1,3-ジオキソ-4,7-メタノ-2H-イソインドール-2-イル]-N-8-キノリニルベンズアミド及び4-[4-(4-メトキシフェニル)-5-[[[3-(4-メチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル]メチル]チオ]-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]-ピリジンから選ばれる1種以上のタンキラーゼ阻害剤を有効成分とするインフルエンザウイルス増殖促進剤。
本発明の方法によれば、インフルエンザウイルスを効率よく増殖でき、ワクチン調製のためのインフルエンザウイルスを大量生産することができる。
Wntシグナル伝達機構。 Endo-IWR1(化合物1)の添加によるインフルエンザウイルス増殖性亢進効果。
本発明において、インフルエンザウイルスとしては、A型、B型、C型、及びD型のいずれでも良いが、A型及びB型を好適に例示することができる。
また、インフルエンザウイルスのヘマグルチニン(赤血球凝集素 HA:haemagglutinin)の型(HA型)とノイラミニダーゼの型(NA型)も特に制限されない。例えば、H1N1株、H2N2株、H3N2株、H4N2株、H4N6株、H5N1株、H5N2株、H7N7株、H7N9株、H9N2株等の現在知られている亜型の他、将来単離・同定される亜型も包含される。
また対象となるウイルスは、ヒトに感染できるものであればよく、他にブタやトリ、ウマ、ウシへの感染能力を有するウイルスでもよい。
また、本発明のインフルエンザウイルスは、感染動物や患者等の感染個体から単離された株であってもよく、遺伝子工学的に培養細胞で樹立された組換えウイルスであってもよい。
本発明において、タンキラーゼ阻害剤とは、アキシン分解酵素の一つであるタンキラーゼの活性を阻害する化合物である。タンキラーゼ阻害剤は、アキシンを安定化することによりβ-カテニンの分解を促進し、Wntシグナル伝達経路下流の受容体の活性化を阻害する化合物として知られている(Palazzo et al. Biochem Soc Trans. 2018;46(6):1681-1695.)。
「β-カテニン」は、細胞接着と遺伝子の転写調節や調整に関与しているタンパク質を指し、細胞の初期発生/遊走運動/増殖等の機能制御を担うWntシグナル経路の一つであるWnt/β-カテニン経路において、細胞内シグナル伝達因子としての機能を有する。β-カテニンは、β-カテニン破壊複合体(β-catenin destruction complex)によってその調節と分解が行われている(図1参照)。「β-カテニン破壊複合体」は、β-カテニンを効率的に分解する複合体であり、アキシンを足場蛋白質として、APC(Adenoma polyposis coli)、GSK-3β(Glycogen synthase kinase-3β)、CK-1(casein kinase 1α)及びβ-カテニンから成る。β-カテニンは、CK-1及びGSK-3βによって順にリン酸化され、リン酸化されたβ-カテニンはユビキチン化を受け、最終的にはプロテアソームで分解される。
Wntシグナル経路において、Wnt蛋白質は、細胞膜上のFrizzled(Fz)やLRP(low-density lipoprotein receptorrelated protein)5/6受容体を介して、あるいは、細胞質タンパク質Dishevelled(Dvl)と直接結合することで、細胞内にシグナルを伝達し、多様な細胞機能を制御すると考えられている(図1参照)。
Wnt/β-カテニン経路では、Wnt非存在下では、細胞質内のβ-カテニンのタンパク質量は低く保たれている。これは、β-カテニンが上述したβ-カテニン破壊複合体の中でリン酸化され、最終的にはプロテアソームで分解されるためである。一方、Wntが細胞外に分泌され、標的細胞膜上のFrizzled及びLRP5/6に結合すると、Wntシグナルが細胞内へと伝達され、DvlはGSK-3β依存性のβ-カテニンのリン酸化を抑制し、β-カテニンはプロテアソームによる分解から免れるため、細胞質内に蓄積する。その後、核内に移行したβ-カテニンは、転写因子Tcf/Lefと複合体を形成して標的遺伝子の発現を促進することで、種々の細胞機能を制御する(図1参照)。このように、Wnt/β-カテニン経路では、細胞質内のβ-カテニンのタンパク質量を調節することによって、Tcf/Lefを介する遺伝子発現が制御されている。
本発明のタンキラーゼ阻害剤は、β-カテニン破壊複合体の安定性に寄与する足場タンパク質であるアキシン(アキシン1、アキシン2)のタンパク質量を増加させるβ-カテニン破壊複合体安定化化合物である。
タンキラーゼ阻害剤は、タンキラーゼへの結合部位によってAdenosine subsiteに結合する化合物(タイプAとする)、Nicotinamide subsiteに結合する化合物(タイプBとする)、Dual-binding subsiteに結合する化合物(タイプCとする)の3つに分類されるが、このうち、インフルエンザウイルス増殖効果を発揮するのは、Adenosine subsiteに結合する化合物であって、以下に示す構造を有する、[(3aR,4S,7R,7aS)-1,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1,3-ジオキソ-4,7-メタノ-2H-イソインドール-2-イル]-N-8-キノリニルベンズアミド(化合物1;Endo-IWR1)及び4-[4-(4-メトキシフェニル)-5-[[[3-(4-メチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル]メチル]チオ]-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]-ピリジン(化合物2;JW74)である。
Figure 2023003130000001
後述する実施例に示すとおり、宿主にタンキラーゼ阻害剤である化合物1(endo-IWR1)又は化合物2(JW74)を添加することにより、インフルエンザウイルスを効率よく増殖できる。一方、タンキラーゼ阻害剤であってもインフルエンザウイルス増殖作用を示さない化合物があることも確認された。
したがって、宿主細胞に[(3aR,4S,7R,7aS)-1,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1,3-ジオキソ-4,7-メタノ-2H-イソインドール-2-イル]-N-8-キノリニルベンズアミド(化合物1)及び4-[4-(4-メトキシフェニル)-5-[[[3-(4-メチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル]メチル]チオ]-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]-ピリジン(化合物2)から選ばれる1種以上のタンキラーゼ阻害剤を添加することにより、宿主におけるインフルエンザウイルスを増殖させることが可能であり、当該タンキラーゼ阻害剤は、宿主の培養によってインフルエンザウイルスを増殖させるためのインフルエンザウイルス増殖促進剤であると云え、宿主の培養によってインフルエンザウイルスを増殖させるために使用できる。また、[(3aR,4S,7R,7aS)-1,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1,3-ジオキソ-4,7-メタノ-2H-イソインドール-2-イル]-N-8-キノリニルベンズアミド(化合物1)及び4-[4-(4-メトキシフェニル)-5-[[[3-(4-メチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル]メチル]チオ]-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]-ピリジン(化合物2)から選ばれる1種以上のタンキラーゼ阻害剤は、インフルエンザウイルス増殖促進剤を製造するために使用することができるとも云える。
本発明のタンキラーゼ阻害剤は、インフルエンザウイルス(A型、B型、C型、D型)を増殖させるための宿主に対して、濃度0.01μM以上、好ましくは0.1μM以上、より好ましくは1μM以上で、且つ100μM以下、好ましくは50μM以下、より好ましくは20μM以下、また、0.01~100μM、好ましくは0.1~50μM、より好ましくは1~20μMで使用される。
インフルエンザウイルスの増殖は、具体的には、宿主中にインフルエンザウイルスを感染させる工程、及び当該感染宿主をウイルスが複製可能な条件下で培養する工程により行われるが、本発明においては、タンキラーゼ阻害剤を宿主に添加する工程は、例えばウイルス感染前、ウイルス感染後、又はウイルス感染と同時に行われる。好適には、タンキラーゼ阻害剤を、ウイルス感染後3時間以内に宿主に添加することが挙げられる。
インフルエンザウイルスの増殖に用いられる宿主としては、培養細胞又は発育鶏卵の何れでもよいが、供給安定性の面から培養細胞を用いるのが好ましい。
培養細胞としては、インフルエンザウイルスに感受性であれば如何なる細胞も使用できる。このような細胞として、例えば、MDCK細胞(イヌ腎臓由来の株化細胞)、Vero細胞(アフリカミドリザル腎臓由来の株化細胞)、PER.C6(ヒト網膜細胞由来の株化細胞)、SK-NEP-1細胞(ヒト腎臓由来の株化細胞)、A549(ヒト肺胞基底上皮腺癌細胞)、Duck embryo細胞(アヒル胚細胞)が挙げられる。これらの細胞は、ATCC(American Type Culture Collection)に、それぞれCCL-34、CCL-81、CCL-107、HTB-48、CCL-185、CCL-141等として登録されており、また、市販で購入することができる。また、インフルエンザウイルスに感受性を示すニワトリ由来の細胞として、CEF細胞(Chicken embryonic fibroblast cell: ニワトリ胚由来線維芽細胞)が使用できる。なお、CEF細胞には単離された細胞以外に発育鶏卵中に存在する細胞も含まれる。この他、インフルエンザウイルスの増殖には、インフルエンザウイルスを効率的に増殖させるために開発された細胞株を用いることもできる。斯かる細胞株としては、例えばEB66(登録商標)、DuckCelt-T17(登録商標)、EBx(登録商標)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
宿主として培養細胞を用いる場合、細胞を培養するための培地としては、通常細胞培養に用いられる培地、例えば、ウシ胎児血清(FBS)含有MEM培地(Wako社製)、無血清培地(Serum-Free Medium)(ThermoFisher社製)等が挙げられるが何れを使用しても良い。
当該培地には、細胞の増殖効率を上げるために、非必須アミノ酸やL-グルタミンを添加することができる。また、インフルエンザウイルスの培養においては、ヘマグルチニンの開裂を促す目的でトリプシンやアセチル化トリプシン等のプロテアーゼを添加することができる。また、微生物のコンタミネーションを避けるために、ペニシリンやストレプトマイシン、ゲンタマイシン等の細胞培養に一般的に使用される抗生物質を添加してもよい。培地のpHは、適当な緩衝液(例えば、炭酸水素ナトリウム、HEPES)で動物細胞の増殖に適した6.5~8、好ましくは、6.8~7.3に調整される。
細胞培養の方法としては、培養器の底に細胞を付着させた静止培養、細胞を培地中に浮遊させて培養する浮遊培養が挙げられるが、工業生産レベルで行なうときは、浮遊培養が好ましい。浮遊培養の方法としては、マイクロキャリアなどの担体に細胞を付着させてこれを浮遊させて培養する方法又は担体を用いずに細胞を浮遊させて培養する方法等が挙げられるが、何れの方法を用いても良い。
細胞培養物(培養した細胞と培地の混液)は、そのままインフルエンザウイルスの接種に使用することできるが、インフルエンザウイルスの接種に際しては、新鮮な培地又は適当な緩衝液、例えば、PBS、トリス緩衝液により細胞の洗浄が行なわれることが好ましい。
具体的には、スピナ-フラスコ等で培養増殖した細胞を低速遠心又は膜ろ過し、細胞と培養上清に分離し、遠心沈渣又は膜ろ過濃縮液の細胞に新鮮培地を加え、細胞を懸濁することにより培地交換が行われる。
斯くして得られる細胞培養物に、インフルエンザウイルス液が添加され、一定条件下で培養が行なわれる。ウイルス培養開始時の初期細胞密度は0.001~100×10cells/mLを用いることができるが、好ましくは0.01~10×10cells/mL、より好ましくは0.1~10×10cells/mLである。なお、細胞密度の測定は、血球計算盤等による一般的な方法に従って行えばよい。細胞培養物に添加されるインフルエンザウイルス液は、感染価MOI(Multiplicity of infection)が0.00001~10となるように添加できるが、好ましくは0.0001~0.1、より好ましくは0.0001~0.01で添加することができる。
また、宿主として発育鶏卵を用いる場合、33℃~38℃、好ましくは35~37℃、湿度条件は40~60%、好ましくは45~55%の条件で孵卵し、1日に1~24回、好ましくは4~12回の転卵を行うことで発育させた鶏卵を用いることができる。発育8~13日目の鶏卵を用いインフルエンザウイルスを感染させることができるが、好ましくは10~12日目の鶏卵に感染させることができる。感染させるウイルス量は、50%鶏卵感染用量(50%Egg Infection Dose; EID50)で1~1×10 EID50/Eggを感染させることができるが、好ましくは1×10~1×10EID50/Egg、より好ましくは1×10~1×10 EID50/Eggを感染させることができる。感染部位は鶏卵の漿尿膜内(尿膜腔液中)が望まれるが、羊膜内(羊水中)であっても良く、鶏卵中でインフルエンザウイルスが増殖する部位であれば限定されない。本発明のタンキラーゼ阻害剤の添加部位はウイルス感染部位と一致させることが望まれるが、漿尿膜内(尿膜腔液中)、羊膜内(羊水中)及び鶏卵中でインフルエンザウイルスが増殖する部位であれば限定されない。なお、前述のとおり、本発明のタンキラーゼ阻害剤の添加はウイルス感染前、ウイルス感染後、又はウイルス感染と同時に宿主に添加することができるが、好適にはウイルス感染と同時にウイルスと混合した状態で使用することが望ましい。
培養条件は、宿主内でインフルエンザウイルスが増殖可能な条件であればいかなる条件であってもよい。細胞の種類、ウイルス接種量及び培養スケール・方法等の組み合わせにより適切に調節される。例えば、宿主として培養細胞を用いる場合、培養温度は、33℃~39℃、好ましくは34~38℃、培養期間は、1~10日間、好ましくは3~7日間、炭酸ガス濃度は3~8%、好ましくは4~5%、酸素濃度は、17~25%、好ましくは20~22%が使用される。
また、宿主として発育鶏卵を用いる場合、感染後は33℃~38℃、好ましくは34~36℃、培養期間は1~5日間、好ましくは2~4日間、湿度条件は40~60%、好ましくは45~55%の条件で培養されが、ウイルス株によって増殖性が最も高まる条件は異なるため、培養期間、培養温度、湿度等は適切に組み合わせることができる。
本発明の方法によれば、インフルエンザウイルスを効率的に増殖させることができる。なお、宿主中のウイルス含量は、モルモット等の赤血球を用いた赤血球凝集法(希釈倍数)やヘマグルチニンに対する抗体を用いたELISA法(μg/mL)、ウイルス感染価を測定するプラークアッセイやTCID50、ウイルスRNA量を測定できるリアルタイムPCR等により測定することができる。
インフルエンザウイルスは、宿主が発育鶏卵の場合は尿膜腔液(漿尿液)または羊水中に含まれており、宿主が培養細胞の場合は培養上清に含まれる。培養終了後、宿主中のウイルス浮遊液からウイルス粒子が回収され、濃縮、精製及び不活化することにより、不活化全粒ワクチンや不活化スプリットワクチン用のウイルス粒子を調製することができる。生ワクチンや弱毒化生ワクチンとして用いる場合は、濃縮及び精製後にインフルエンザワクチン用のウイルス粒子として調製することができる。
ウイルス粒子の回収は、ウイルス浮遊液を清澄化すること、具体的には遠心分離又は濾過することにより行われ、次いで、濃縮のために、限外濾過が行われる。ウイルスの精製は、ショ糖密度勾配遠心分離等の超遠心分離やサイズ排除クロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー等の手段を用いて行うことができる。精製ウイルス液は、不活化全粒ワクチンや不活化スプリットワクチンの場合、ホルマリン処理、紫外線照射、ベータプロピオラクトン、バイナリーエチレンイミン等により、不活化処理される。生ワクチンや弱毒化生ワクチンとして用いる場合は、上記精製ウイルス液をインフルエンザワクチン用のウイルス粒子として調製される。
斯かるインフルエンザウイルス粒子に、適宜医薬として許容され得る担体(緩衝剤、乳化剤、保存剤(例えば、チメロサール)、等張化剤、pH調整剤、アジュバント(例えば、水酸化アルミニウムゲル)等を添加し、各種剤型のワクチンを製造することができる。
上述した実施形態に関し、本発明においてはさらに以下の態様が開示される。
<1>宿主においてインフルエンザウイルスを増殖する方法であって、前記宿主に[(3aR,4S,7R,7aS)-1,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1,3-ジオキソ-4,7-メタノ-2H-イソインドール-2-イル]-N-8-キノリニルベンズアミド及び4-[4-(4-メトキシフェニル)-5-[[[3-(4-メチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル]メチル]チオ]-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]-ピリジンから選ばれる1種以上のタンキラーゼ阻害剤を添加する工程を含む、方法。
<2>宿主が培養細胞又は発育鶏卵である、<1>の方法。
<3>細胞がMDCK細胞(イヌ腎臓由来の株化細胞)、Vero細胞(アフリカミドリザル腎臓由来の株化細胞)、PER.C6(ヒト網膜細胞由来の株化細胞)、SK-NEP-1細胞(ヒト腎臓由来の株化細胞)、A549(ヒト肺胞基底上皮腺癌細胞)、Duck embryo細胞(アヒル胚細胞)、ニワトリ胚由来線維芽細胞、EB66(登録商標)、DuckCelt-T17(登録商標)、又はEBx(登録商標)である、<2>の方法。
<4>タンキラーゼ阻害剤を、インフルエンザウイルス(A型、B型、C型、D型)を増殖させるための宿主に対して、濃度0.01μM以上、好ましくは0.1μM以上、より好ましくは1μM以上で、且つ100μM以下、好ましくは50μM以下、より好ましくは20μM以下、また、0.01~100μM、好ましくは0.1~50μM、より好ましくは1~20μMで使用する、<1>~<3>のいずれかの方法。
<5><1>~<4>のいずれかの方法によってインフルエンザウイルスを増殖させ、宿主からウイルス粒子を回収する、インフルエンザウイルス粒子の調製方法。
<6>前記ウイルス粒子が、インフルエンザワクチン製造に用いられる、<5>の方法。
<7><5>又は<6>の方法によって調製されたインフルエンザウイルス粒子を用いてワクチンを製造する、インフルエンザワクチンの製造方法。
<8>[(3aR,4S,7R,7aS)-1,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1,3-ジオキソ-4,7-メタノ-2H-イソインドール-2-イル]-N-8-キノリニルベンズアミド及び4-[4-(4-メトキシフェニル)-5-[[[3-(4-メチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル]メチル]チオ]-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]-ピリジンから選ばれる1種以上のタンキラーゼ阻害剤を有効成分とするインフルエンザウイルス増殖促進剤。
実施例1 イヌ腎臓尿細管上皮細胞由来細胞株(MDCK細胞)を用いたウイルスの増殖性評価試験
(1)MDCK細胞(イヌ腎臓尿細管上皮細胞由来細胞株、DSファーマバイオケミカル社より入手)を5%ウシ胎児血清(FBS)含有MEM培地(Wako社製)にて37℃、5%CO存在下で培養した。
上記MDCK細胞を24ウェルプレートに播種し、コンフルエントの状態で試験に用いた。
上述の24ウェルプレートに播種したMDCK細胞をPBSで洗浄後、Serum free medium(SFM;Gibco社製)を400μL/ウェルで添加し、1時間馴化させた。
(2)上記細胞にA型インフルエンザウイルスであるH1N1インフルエンザウイルス株(A/Puerto Rico/8/34)を感染価MOI(Multiplicity of infection)=0.001、H1N1pdm(A/California/07/2009)、H3N2(A/Wisconsin/15/2009)、及びB型インフルエンザウイルス(B/Lee/1940)をMOI=0.05となるように感染させ、1時間インキュベートした。
その後、SFMによる洗浄操作を行い、2.0μg/mL-アセチル化トリプシン(Sigma社製)含有SFM培養培地に、表2-1及び表2-2に示す、化合物1(0-12.5μM濃度)、化合物2(12.5μM濃度)、及び化合物3~7(各12.5μM濃度)をそれぞれ添加し、500μL/ウェル量加え、H1N1インフルエンザウイルスを23時間、H1N1pdm、H3N2、及びB型インフルエンザウイルスを45時間培養した。
感染24時間後に培養上清を回収し、以下のフォーカスアッセイ及びHAアッセイにより、インフルエンザウイルスを定量した。
Figure 2023003130000002
Figure 2023003130000003
(3)HAアッセイ
U底96ウェルプレートを用い、インフルエンザウイルス培養上清50μLを2-1024倍まで2倍ずつ、希釈系列を作製した。そこへ、0.7%モルモット赤血球含有PBS 50μLを加え、4℃で2時間静置した。その後、赤血球の凝集を確認し、凝集が認められない希釈濃度をHA価とした(表3)。
(4)表3に示すように、化合物1の添加によりH1N1、H1N1pdm、H3N2、及びB型インフルエンザウイルス、化合物2の添加によりH1N1インフルエンザウイルスのHA価を増加させることが明らかとなった。
Figure 2023003130000004
(5)フォーカスアッセイ
12ウェルプレートにMDCK細胞をコンフルエントとなるように培養し、PBSで洗浄後、SFMに1時間馴化させた。
感染後24時間で回収したインフルエンザウイルス培養上清を10-10倍に希釈し、上記12ウェルプレートにて培養しているMDCK細胞に1mL/ウェルで添加し1時間インキュベートすることで、インフルエンザウイルスを感染させた。本試験は三重測定にて行った。感染後、SFMによる洗浄操作を行い、1.2%-セオラス(旭化成ケミカルズ,RC591)及び2.0μg/mL-アセチル化トリプシン(Sigma社製)含有SFMを2.0mL/ウェルとなるように加え、21時間培養した。
培養後、ウェルを4℃に冷やしたPBSで3回洗浄後、-20℃に冷やした100%メタノール(FUJIFILM Wako Pure Chemical社製)を加え、細胞を固定化した。固定化細胞は一次抗体:Mouse monoclonal anti-influenza NP antibody(Invitrogen社製)及び二次抗体:HRP linked goat Anti-mouse IgG抗体(FUJIFILM Wako Pure Chemical社製)にて反応させ、DEPDA反応を用いHRPと反応させ、染色されたフォーカス数をカウントした。
フォーカスアッセイは独立した三重測定で行い、統計学的な解析は一元配置分散分析およびDunnettによる検定を用い、危険率5%を有意水準とした。
(6)図2に示すように、化合物1を3.13μMまたは12.5μM添加したことで、H1N1インフルエンザウイルスは統計学的に有意に高いウイルス増殖性を示した(***;P<0.001(対.対照群))。

Claims (6)

  1. 宿主においてインフルエンザウイルスを増殖する方法であって、前記宿主に[(3aR,4S,7R,7aS)-1,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1,3-ジオキソ-4,7-メタノ-2H-イソインドール-2-イル]-N-8-キノリニルベンズアミド及び4-[4-(4-メトキシフェニル)-5-[[[3-(4-メチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル]メチル]チオ]-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]-ピリジンから選ばれる1種以上のタンキラーゼ阻害剤を添加する工程を含む、方法。
  2. 宿主が培養細胞又は発育鶏卵である、請求項1記載の方法。
  3. 請求項1又は2記載の方法によってインフルエンザウイルスを増殖させ、宿主からウイルス粒子を回収する、インフルエンザウイルス粒子の調製方法。
  4. 前記ウイルス粒子が、インフルエンザワクチン製造に用いられる、請求項3記載の方法。
  5. 請求項3又は4記載の方法によって調製されたインフルエンザウイルス粒子を用いてワクチンを製造する、インフルエンザワクチンの製造方法。
  6. [(3aR,4S,7R,7aS)-1,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1,3-ジオキソ-4,7-メタノ-2H-イソインドール-2-イル]-N-8-キノリニルベンズアミド及び4-[4-(4-メトキシフェニル)-5-[[[3-(4-メチルフェニル)-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル]メチル]チオ]-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]-ピリジンから選ばれる1種以上のタンキラーゼ阻害剤を有効成分とするインフルエンザウイルス増殖促進剤。
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