JP2023003088A - 発光装置、発光装置の製造方法、光反射材料及び照射装置 - Google Patents

発光装置、発光装置の製造方法、光反射材料及び照射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光反射性の樹脂体の劣化を抑制し長期信頼性を向上することが可能な光反射材料、発光装置及びそれらの製造方法を提供する。【解決手段】本発明の発光装置は、基板と、前記基板上に配された発光素子と、前記発光素子の周囲に配された透光性の熱硬化性樹脂材と、を含み、前記樹脂材は、各々が樹脂体を保持する複数の閉空間を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、発光装置、発光装置の製造方法、光反射材料及び照射装置に関する。
発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)等の発光素子を光源として用いた小型の発光装置として、搭載基板と、当該搭載基板上に配された発光素子と、当該発光素子の側面を覆うように配された光反射性の樹脂体からなる発光装置が知られている。
例えば、特許文献1には、支持体と、支持体上に配されたオプトエレクトロニクス半導体チップと、オプトエレクトロニクス半導体チップの放射主面に取り付けられたカバーボディと、オプトエレクトロニクス半導体チップ及びカバーボディの側面を覆う反射性の注型材料と、を有するオプトエレクトロニクス半導体モジュールが開示されている。
特表2013-535111号公報
特許文献1に開示されたオプトエレクトロニクス半導体モジュールにおいては、酸化チタンからなる反射性の粒子が埋め込まれた透過性のシリコーン材料を注型材料として用いている。しかしながら、注型材料に含まれる酸化チタンが有する光触媒作用によって、樹脂の分解が生ずることが知られている。注型材料中の酸化チタンは、オプトエレクトロニクス半導体チップ又はカバーボディからの光により光触媒作用を発揮し、シリコーン材料等の樹脂の劣化を促進させ、シリコーン材料の黄変、クラック及び解重合による樹脂減り等を発生させる可能性がある。これにより、オプトエレクトロニクス半導体モジュールにおける光学特性の長期信頼性が損なわれる可能性がある。
また、注型材料の反射特性を向上させるために、シリコーン材中の金属粒子等の反射粒子の濃度を高めると、硬化後のシリコーン材料の弾性率が低下し、シリコーン材料のクラック及び支持体等との剥離等が発生し、オプトエレクトロニクス半導体モジュールの長期信頼性が損なわれる可能性がある。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、光反射性の樹脂体の劣化を抑制し長期信頼性を向上することが可能な発光装置、発光装置の製造方法、光反射材料及び照射装置を提供することを目的としている。
本発明に係る発光装置は、基板と、前記基板上に配された発光素子と、前記発光素子の周囲に配された透光性の熱硬化性樹脂からなる樹脂材と、を含み、前記樹脂材は、各々が樹脂体を保持する複数の閉空間を有することを特徴としている。
また、本発明に係る発光装置の製造方法は、基板と、前記基板上に配された発光素子と、前記発光素子の上面上に配された波長変換体と、を備えた発光装置の製造方法であって、高級アルコールを含む被膜を有する樹脂体を透光性の熱硬化性樹脂からなる樹脂材に分散する分散工程と、前記樹脂材を前記基板上の前記発光素子の周囲に配置する樹脂材配置工程と、前記樹脂材を加熱硬化させると共に、前記高級アルコールを気化させて前記樹脂材内に閉空間を形成する加熱処理工程と、を含むことを特徴としている。
また、本発明に係る発光装置の製造方法は、基板と、前記基板上に配された発光素子と、を備えた発光装置の製造方法であって、熱膨張性粒子を透光性の熱硬化性樹脂からなる樹脂材に分散する分散工程と、前記樹脂材を前記基板上の前記発光素子の周囲に配置する樹脂材配置工程と、前記樹脂材を加熱硬化させると共に、前記熱膨張性粒子を膨張させて前記樹脂材内に閉空間を形成する加熱処理工程と、を含むことを特徴としている。
また、本発明に係る光反射材料は、各々が樹脂体を保持する複数の閉空間を有する透光性の熱硬化性樹脂からなることを特徴としている。
また、本発明に係る照射装置は、光源と、前記光源から出射する光が入射する位置に設けられた光反射材料と、を含み、前記光反射材料は、各々が樹脂体を保持する複数の閉空間を有する透光性の熱硬化性樹脂からなることを特徴としている。
本発明の実施例1に係る発光装置の上面図である。 本発明の実施例1に係る発光装置の断面図である。 本発明の実施例1に係る発光装置の樹脂材及び複数の閉空間の一部を拡大した断面拡大図である。 本発明の実施例1に係る発光装置の製造フローを示す図である。 本発明の実施例1に係る発光装置の空孔の形成方法を示す図である。 本発明の実施例1に係る発光装置の空孔の形成方法を示す図である。 本発明の実施例2に係る発光装置の樹脂材及び複数の閉空間の一部を拡大した断面拡大図である。 本発明の実施例2に係る発光装置の空孔の形成方法を示す図である。 本発明の実施例2に係る発光装置の空孔の形成方法を示す図である。 本発明の実施例2に係る発光装置の空孔の形成方法を示す図である。 本発明の光反射材料を用いた照射装置の一例である車両用灯具の断面図を示す図である。
以下に本発明の実施例について詳細に説明する。なお、以下の説明及び添付図面においては、実質的に同一又は等価な部分には同一の参照符号を付している。
図1~図3を参照しつつ、実施例1に係る発光装置100の構成について説明する。
図1は、実施例1に係る発光装置100の上面図である。また、図2は、図1に示した発光装置100の2-2線に沿った断面図である。
発光装置100は、上面に凹状のキャビティを有しかつ当該キャビティ底面に形成された第1の配線15及び第2の配線17を有する基板10と、第1の配線15上に配された発光素子20と、発光素子20の上面上に配された波長変換体40と、を有する。また、発光装置100は、キャビティ内を充填する樹脂材60を有する。
基板10は、例えば、高い熱伝導性を有する窒化アルミニウム(AlN)、窒化珪素(SiN)、アルミナ(Al)等のセラミックからなる基板である。また、基板10は、例えば、平板状の平板部11及び平板部11の上面と同様の外周形状を有しかつ内縁部に上面から下面まで貫通した開口部を有する枠体部13からなる。すなわち、基板10は、平板部11の上面を底部とし、当該平板部11の上面と枠体部13の内側面とからなる凹状のキャビティを有する。
本実施例1においては、平板部11及び枠体部13が一体的に形成されている。すなわち、基板10は1の基材に加工を施して形成された基板である。なお、基板10は、平板部11及び枠体部13が別個に形成されかつ、平板部11と枠体部13とが接着剤等を介して接合されていてもよい。また、その場合、平板部11と枠体部13とが別々の部材からなっていてもよい。
第1の配線15及び第2の配線17は、基板10に互いに離間して形成されている。第1の配線15及び第2の配線17は、平板部11の上面、すなわち、基板10のキャビティの底面に形成された第1及び第2の内部配線15I及び17Iと、平板部11の上面から下面まで貫通するように形成された第1及び第2の貫通配線15H及び17Hと、平板部11の下面に形成された第1及び第2の外部配線15O及び17Oと、からなる。第1及び第2の内部配線15I及び17Iと第1及び第2の外部配線15O及び17Oとは、第1及び第2の貫通配線15H及び17Hによって電気的に接続されている。
第1の配線15及び第2の配線17は、例えば、銀合金、銅(Cu)等の金属からなる金属配線である。また、第1の配線15及び第2の配線17は、表面にニッケル/金(Ni/Au)の金属膜が形成されている。
また、第1の内部配線15Iは、その上面上に発光素子20が載置される素子載置部として機能する。また、第1及び第2の外部配線15O及び17Oの各々は、実装基板に実装される際の実装電極として機能する。すなわち、基板10は、第1及び第2の内部配線15I及び17Iが形成されているキャビティの底面が発光装置100の素子載置面として機能し、基板10の下面が発光装置100の実装基板への実装面として機能する。また、基板10の上面であるキャビティ形成面が発光装置100の光放射面として機能する。
発光素子20は、基板10の第1の配線15上に載置された、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)素子等の発光素子である。言い換えれば、発光装置100は、基板10上に配された発光素子20を含む。
発光素子20は、例えば、シリコン等の導電性の半導体を主材料とする支持基板上に、p型半導体層と、活性層と、n型半導体層からなる図示しない半導体層と、複数の金属層からなる反射電極とを貼り合わせた構造からなる。半導体層は、例えば、支持基板の上面上から導電性の接合部材を介して反射電極、p型半導体層、活性層、n型半導体層の順に積層されている。本実施例1においては、p型半導体層、発光層及びn型半導体層は、例えば、窒化ガリウム(GaN)等を主材料とする窒化物半導体であり、多重量子井戸構造を有する発光層から青色の光を放射する青色LEDである。また、n型半導体層の上面は、半導体層の上面であり、発光素子20における光放射面として機能する。
また、半導体層のn型半導体層は、発光素子20の支持基板と電気的に接続されており、発光素子20の下面がカソード電極として機能する。発光素子20の下面であるカソード電極は、導電性の素子接合層30を介して第1の内部配線15Iと電気的に接続されている。
また、発光素子20の上面上には、半導体層と離間して形成された電極パッド25が形成されている。電極パッド25は、半導体層のp型半導体層と電気的に接続されており、発光素子20のアノード電極として機能する。また、電極パッド25は、例えば、金(Au)からなる導電性のボンディングワイヤBWを介して第2の内部配線17Iと電気的に接続されている。すなわち、発光装置100は、第1の外部配線15Oが発光装置100のカソード電極として機能し、第2の外部配線17Oが発光装置100のアノード電極として機能する。
素子接合層30は、例えば、導電性の接着剤である。素子接合層30は、例えば、金-錫(Au-Sn)の合金粒子が混合されたペーストを原材料とする。第1の内部配線15Iにペーストが塗布され、当該ペーストの上面上に発光素子20のカソード電極が接するように載置され加熱処理される。
この加熱処理により、ペーストに含まれるAu-Sn粒子が溶融し、第1の内部配線15Iの表面のAu層と共晶反応を起こし、発光素子20と第1の内部配線15Iとが共晶接合される。なお、素子接合層30の材料は、Au-Snペーストに限らず、はんだペーストや銀ペースト等の材料を用いてもよい。
波長変換体40は、発光素子20上に接着層50を介して配されている。波長変換体40は、発光素子20からの発光の一部又は全部を波長変換する蛍光体粒子を含む。波長変換体40は、例えば、セリウム(Ce)をドープしたイットリウムアルミニウムガーネット(YAG:Ce、YAl12:Ce)を主材料とする蛍光体粒子と、発光素子20の放射光及び蛍光体粒子の放射光を透光するアルミナ(Al)等のセラミックのバインダと、を含む焼結体である。本実施例1においては、波長変換体40は、発光素子20が放射する青色の光の一部を蛍光体粒子が波長変換し、白色の光を放射する波長変換体である。
接着層50は、発光素子20から放射される光及び波長変換体40から放射される光を透過する透光性の樹脂材料からなる接着剤である。接着層50は、例えば、シリコーン樹脂等の熱硬化性の樹脂である。
発光素子20から放射された光は、接着層50を介して波長変換体40の下面から波長変換体40の内部に入光し、波長変換体40の内部で波長変換されて波長変換体40の上面から発光装置100の外部へ出光する。すなわち、波長変換体40は、その下面が発光素子20から放射された光を接着層50を介して受光する受光面として機能し、その上面が発光装置100の光放射面として機能する。
樹脂材60は、平板部11と枠体部13とで形成されたキャビティ内部に、発光素子20を封止しかつ波長変換体40の側面を覆うように充填されている。樹脂材60は、例えば、シリコーン樹脂等の透光性の熱硬化性樹脂である。本実施例1においては、樹脂材60が熱硬化性のシリコーン樹脂である場合について説明する。
また、樹脂材60の内部には、図2に示すように、複数の閉空間70が分散して形成されている。
図3は、実施例1に係る発光装置100の樹脂材60及び複数の閉空間70の一部を拡大した断面拡大図である。
複数の閉空間70の各々は、200nm以上200μm以下の平均径を有することが好ましく、さらに200nm以上50μm以下の平均径を有することが好ましい。200nm未満となると、分子間力が強く粒子の凝集が強く、200μmを超えると樹脂注入のコントロールが難しくなるためである。本実施例においては、複数の閉空間70の各々が、例えば、約200nm~300nmの平均径を有し、かつ各々が略球状の形状で形成されている。各閉空間70の中には、樹脂体73が含まれ、樹脂体73との間に気体状態からなる空間が形成されている。また、複数の閉空間70の内部は、高級アルコールを含む有機物を含んでいる。この有機物は、樹脂体73表面へ付着、樹脂材60の閉空間70の内壁表面へ付着するなどして存在し得る。また、複数の閉空間70の内部に含まれる高級アルコールは、樹脂材60の熱硬化温度よりも低い温度で気化する有機物である。具体的には、複数の閉空間70の内部に含まれる高級アルコールは、樹脂材60として用いたシリコーン樹脂の粘度が低下する加熱温度で気化するものであることが好ましい。言い換えれば、複数の閉空間70は、内部に有機物を含む。また、複数の閉空間70の内部に含まれる有機物は、高級アルコールである。また、複数の閉空間70の内部に含まれる有機物は、樹脂材60の熱硬化温度よりも低い温度で気化する有機物である。また、複数の閉空間70の各々は、例えば、径の平均値が200nm~300nmである。
また、複数の閉空間70の各々の内部には、各々の閉空間70の形よりも小さい外形を有する樹脂体73が内在している。樹脂体73は、例えば、略球状に形成されたシリコーン樹脂である。言い換えれば、発光装置100は、発光素子20及び波長変換体40の周囲に配された樹脂材60を含む。また、樹脂材60は、各々が樹脂体73を保持する複数の閉空間70を有する。また、樹脂体73は、シリコーン樹脂である。
樹脂材60及び複数の閉空間70は、発光素子20から放射される光及び波長変換体40から放射される光を反射する光反射体として機能する。
なお、複数の閉空間70は、後述の製造方法において、樹脂材60の加熱硬化時に形成される。具体的には、樹脂材60の前駆体である未硬化の樹脂に樹脂体73が分散するように混合される。この時、樹脂体73は、高級アルコールを含む分散材によって覆われている。その後、樹脂材60の前駆体の加熱硬化時において、分散材に含まれる高級アルコールは、樹脂材60の前駆体が硬化する温度より低い温度にて気化する。気化した高級アルコールは、樹脂体73の周囲の樹脂材60を押し広げ、樹脂体73の周囲に閉空間70を形成する。また、樹脂材60の前駆体が閉空間70が形成された状態のままさらに加熱されて硬化することにより、加熱硬化後の樹脂材60の内部に当該閉空間70が残留する。
なお、分散材に含まれる高級アルコールは、樹脂材60又は樹脂材60の前駆体に溶けない有機物であることが好ましい。具体的には、分散材は、樹脂材60及び樹脂体73であるシリコーン樹脂の双方に分散材が有するアルキル基又は水酸基等の官能基が配向する有機物であることが好ましい。
例えば、樹脂材60及び樹脂体73が双方共に疎水性の性質を有する場合、分散材は、低級アルコール及び高級アルコールを含む構成とすることが好ましい。これにより、樹脂体73と樹脂材60の前駆体の間において、分散材は、低級アルコールを介して高級アルコールのアルキル基が樹脂体73及び樹脂材60の前駆体の各々の表面に配向する。具体的には、分散材は、樹脂体73の側から順に、樹脂体73にアルキル基が配向しかつ外側に水酸基が配向した高級アルコール、当該高級アルコールの水酸基に配向した低級アルコール、当該低級アルコールに水酸基が配向しかつ樹脂材60の前駆体にアルキル基が配向した高級アルコールの順に配向される。すなわち、分散材は、高級アルコール、低級アルコール、高級アルコールの順に層状となった膜状の分散材を構成することが可能となり、樹脂材60の前駆体に溶け込むことを抑制することが可能となる。また、気化した高級アルコールにおいても、樹脂体73及び樹脂材60の前駆体の表面にアルキル基が配向するため、気体状態の高級アルコールが樹脂材60の前駆体に溶け込むことが抑制され、閉空間70の収縮等による径のバラつきを抑制することが可能となる。
また、例えば、樹脂材60及び樹脂体73が双方共に親水性の性質を有する場合、分散材は、低分子量炭化水素及び高級アルコールを含む構成とすることが好ましい。この場合においても、樹脂体73と樹脂材60の前駆体の間において、分散材は、低分子量炭化水素を介して高級アルコールの水酸基の各々が樹脂体73及び樹脂材60の前駆体の各々の表面に配向する。よって、分散材は、上記の樹脂材60及び樹脂体73が双方共に疎水性の性質を有する場合と同様に、高級アルコール、低分子量炭化水素、高級アルコールの順に層状となった膜状の分散材を構成することが可能となる。
なお、上述の理由により、樹脂材60及び樹脂体73は、共に疎水性又は親水性の同じ極性を有する樹脂材料からなることが好ましい。
以下に、樹脂材60及び複数の閉空間70の光反射体としての機能を説明する。
上述の通り、樹脂材60は、熱硬化性のシリコーン樹脂である。すなわち、樹脂材60は、屈折率n=約1.4~1.55である。また、上述の通り、複数の閉空間70の各々の内部は、気体状態である。すなわち、複数の閉空間70の各々の内部は、屈折率n=約1.0である。すなわち、複数の閉空間70の各々は、樹脂材60よりも小さい屈折率を有する。
例えば、図3に示すように、発光素子20又は波長変換体40から樹脂材60に入光しかつ、樹脂材60から複数の閉空間70の各々の界面に対して低い角度で入射する放射光LM1は、樹脂材60と複数の閉空間70との屈折率差によって全反射される。全反射された放射光LM1は、再び波長変換体40の方向へ戻される。
また、発光素子20又は波長変換体40から樹脂材60に入光しかつ、樹脂材60から複数の閉空間70の各々の界面に対して高い角度で入射する放射光LM2は、複数の閉空間70によって散乱される。
具体的には、上述の通り、発光素子20は、窒化物半導体から青色光の放射する青色LEDである。すなわち、発光素子20は、波長λ=約460~500nmの波長の青色光を放射する発光素子である。また、波長変換体40は、YAG:Ceの蛍光体を含む波長変換体である。すなわち、波長変換体40は、発光素子20から放射する光を吸光し、波長λ=約500~700nmの波長の光を傾向として放射する波長変換体である。また、複数の閉空間70の各々は、例えば、約200nm~300nmの平均径を有する。すなわち、放射光LM2は、複数の閉空間70によってミー散乱され、その散乱光は再び波長変換体40の方向へ戻される。
従って、樹脂材60及び複数の閉空間70は、上述の通り、樹脂材60と複数の閉空間70の各々との界面における全反射及び複数の閉空間70によるミー散乱によって、光反射体として機能する。
このように、本実施例1においては、樹脂の内部に酸化チタン等の光触媒効果を有する反射粒子を用いない光反射体として複数の閉空間70を有する樹脂材60を選択することが可能である。これにより、発光装置100を長期的に駆動した際の樹脂材60の黄変、クラック及び解重合による樹脂減り等の劣化を抑制することができる。
また、本実施例1においては、樹脂の内部に金属粒子等の反射粒子を用いない光反射体として複数の閉空間70を有する樹脂材60を選択することが可能である。これにより、樹脂材60の加熱硬化後の弾性率の低下を抑制することができ、樹脂材60のクラック及び基板10、発光素子20又は波長変換体40との剥離等の発生を抑制することができる。
よって、発光装置100は、光反射性の樹脂材の劣化を抑制し長期信頼性を向上することが可能となる。
次に、図4~図6を用いて、発光装置100の製造手順の一例について説明する。
図4は、本発明の実施例1に係る発光装置100の製造フローを示す図である。また、図5及び図6は、図4に示す製造手順における樹脂材60内の樹脂体73の拡大図を示す。
まず、図1及び図2に示すように、基板10に発光素子20を接合する(ステップS11:素子接合工程)。本ステップにおいては、平板部11及び枠体部13からなるキャビティを有し、かつ第1の配線15及び第2の配線17が形成された基板10を用意する。また、第1の内部配線15Iの上面上に、AuSnペーストを充填したディスペンサを用いてAuSnペーストを塗布する。また、発光素子20を、発光素子20の下面に設けられたカソード電極(図示せず)とAuSnペーストとが接するように第1の内部配線15Iの上面上に載置する。
この状態の基板10を、例えば、窒素雰囲気中で300℃まで過熱しAuSnペースト内のAuSn合金粒子を溶融させた後冷却する。これにより、発光素子20と第1の内部配線15Iとが固着される。また、発光素子20と第1の内部配線15Iとは、AuSn合金により共晶接合され且つ、電気的に接続される。
なお、発光素子20の固定される位置及び配向は、溶融したAuSn合金の表面張力によってセルフアライメントがなされる。具体的には、加熱溶融したAuSn合金と発光素子20との間において、溶融したAuSn合金の界面エネルギーが最小となる表面張力によって発光素子20がセルフアライメントされる。
なお、発光素子20の接合は、これに限定されず、フラックスを含まないAuSnバンプ、AuSnシート又は各々の素子の下面に予め形成されたAuSn蒸着層を原料とした導電性の接着剤を用いてもよい。また、銀ペースト又ははんだ等の導電性の接着剤を用いてもよい。
次に、図1及び図2に示すように、発光素子20の電極パッド25と第2の内部配線17Iとを接続するようにボンディングワイヤBWをボンディングする(ステップS12:ワイヤボンディング工程)。本ステップにおいては、発光素子20が接合された基板10をワイヤボンディング装置セットし、Auワイヤ等のボンディングワイヤBWを発光素子20の電極パッド25と第2の内部配線17Iとに亘ってボンディングする。これにより、ボンディングワイヤBWを介して、発光素子20のアノード電極と第2の配線17とを電気的に接続する。
次に、図1及び図2に示すように、発光素子20の半導体層上に接着層50を介して波長変換体40を接合する(ステップS13:波長変換体接合工程)。本ステップにおいては、発光素子20の半導体層上に接着層50の原料となるペーストを充填したディスペンサを用いて当該ペーストを塗布する。その後、波長変換体40を当該ペーストと波長変換体40の下面とが接するように半導体層上に載置する。なお、波長変換体40を半導体層を覆うような位置に位置合わせして載置する。この状態の基板10を加熱して接着層50の原料を硬化させ、発光素子20と波長変換体40とを接合する。
次に、樹脂材60の前駆体60Mに樹脂体73を分散させる分散工程を行う(ステップS14:分散工程)。言い換えれば、発光装置100の製造方法は、高級アルコールを含む分散材を有する樹脂体73を透光性の熱硬化性樹脂からなる樹脂材60の前駆体60Mに分散する分散工程を含む。
本ステップにおいては、まず、熱硬化性のシリコーン樹脂からなる樹脂材60の原料樹脂としての前駆体60M及び前駆体60Mの熱硬化温度よりも低い温度で気化する高級アルコールを含む被膜としての分散材で覆われた樹脂体73を用意する。前駆体60M及び分散材で覆われた樹脂体73を、例えば、混錬機を用いて混合し、前駆体60Mに分散材で覆われた樹脂体73を分散させる。なお、本ステップの順序はこれに限定されず、ステップS13以前になされていてもよいし、並行してなされていてもよい。
次に、図2に示すように、分散材で覆われた樹脂体73が分散された前駆体60Mを基板10のキャビティ内に充填する樹脂材配置工程を行う(ステップS15:樹脂充填工程)。本ステップでは、当該前駆体60Mを充填したディスペンサを用いて平板部11及び枠体部13からなるキャビティ内に注入し、発光素子20及び波長変換体40の側面を覆うように充填する。言い換えれば、発光装置100の製造方法は、樹脂材60の前駆体60Mを基板10上の発光素子20の周囲に配置する樹脂材配置工程を含む。
次に、キャビティに前駆体60Mが充填された基板10を加熱し、前駆体60Mを加熱硬化させて樹脂材60を形成すると共に複数の閉空間70を形成する加熱処理工程を行う(ステップS16:樹脂硬化工程)。言い換えれば、発光装置100の製造方法は、樹脂材60の前駆体60Mを加熱硬化させると共に、分散材73Dに含まれる高級アルコールを気化させて樹脂材60内に閉空間70を形成する加熱処理工程を含む。
図5及び図6を用いて、樹脂材60内に複数の閉空間70を形成する手法を詳細に説明する。
図5は、ステップS15の前駆体60Mを基板10のキャビティ内に充填した時点における樹脂体73の拡大断面図である。また、図6は、ステップS16の前駆体60Mを加熱硬化する最中の樹脂体73の拡大断面図である。
図5に示すように、樹脂体73を樹脂材60の前駆体60Mに分散した時点において、樹脂体73は、高級アルコールを含む分散材73Dに覆われている。ステップS15において、この状態の前駆体60Mが基板10のキャビティ内に充填される。
次に、ステップS16において、樹脂材60、樹脂体73及び分散材73Dが加熱される。上述の通り、分散材73Dに含まれる高級アルコールは、前駆体60Mの熱硬化温度よりも低い温度で気化する。これにより、図6に示すように、分散材73Dに含まれる高級アルコールが気化し、その気化した際に増大した圧力によって前駆体60Mが押し広げられ、気体状態の高級アルコールを含む空間である複数の閉空間70が形成される。また、複数の閉空間70が形成された前駆体60Mは、この状態のままさらに加熱されて熱硬化し、複数の閉空間70が形成されたまま樹脂材60となる。
なお、分散材73Dは、ステップS16の処理後、すなわち樹脂材60が冷却された際に一部液体状態に戻って複数の閉空間70の各々の内部に残留されていてもよい。
以上のステップS11~S16の工程を処理することにより、発光装置100を製造する。
本実施例1によれば、高級アルコールを含む分散材73Dに覆われた樹脂体73を樹脂材60の前駆体60Mに分散させてこれを加熱することにより、複数の閉空間70を有する樹脂材60からなる光反射体を形成することが可能となる。
このように、本実施例1においては、樹脂の内部に酸化チタン等の光触媒効果を有する反射粒子を用いない光反射体として複数の閉空間70を有する樹脂材60を選択することが可能である。これにより、発光装置100を長期的に駆動した際の樹脂材60の黄変、クラック及び解重合による樹脂減り等の劣化を抑制することができる。
また、本実施例1においては、樹脂の内部に金属粒子等の反射粒子を用いない光反射体として複数の閉空間70を有する樹脂材60を選択することが可能である。これにより、樹脂材60の加熱硬化後の弾性率の低下を抑制することができ、樹脂材60のクラック及び支持体等との剥離等の発生を抑制することができる。
よって、発光装置100は、光反射性の樹脂材の劣化を抑制し長期信頼性を向上することが可能となる。
実施例1においては、樹脂体73の分散材に含まれる高級アルコールを気化させることによって複数の閉空間70を形成する場合について説明した。しかし、複数の閉空間70の形成方法はこれに限定されない。
図7は、実施例2に係る発光装置100Aの樹脂材60及び複数の閉空間80の一部を拡大した断面拡大図である。
発光装置100Aは、実施例1の発光装置100と基本的に同様の構成である。発光装置100Aは、複数の閉空間80に内在する樹脂体83が熱膨張性粒子とする点について発光装置100と異なる。言い換えれば、樹脂体83は、熱膨張性粒子である。
樹脂材60の内部には、複数の閉空間80が分散して形成されている。また、複数の閉空間80の各々の内部には、閉空間80の各々の径よりも小さい外形を有する樹脂体83が内在している。
樹脂体83は、例えば、樹脂材60の前駆体60Mが熱硬化する温度よりも低い沸点を有する低分子量炭化水素を含むコア材83C及び当該コア材83Cを覆うシェル材としての樹脂体83からなる熱膨張性マイクロカプセルを材料としている。また、各々の閉空間80の各々の内部及び樹脂体83の各々の内部は、前駆体60Mを熱硬化させた際に気化したコア材83Cである気体状態の低分子量炭化水素等の有機物を含んでいる。すなわち、樹脂体83は、中空状の熱膨張性マイクロカプセルのシェル材である。
コア材83Cは、例えば、n-ペンタン及びイソペンタン等の樹脂材60の前駆体60Mが熱硬化する温度よりも低い沸点を有する低分子量炭化水素を含む。また、樹脂体83は、コア材83Cを覆うように形成されたアクロニトリル・メタクリロニトリル系共重合体からなるシェル材である。
熱膨張性マイクロカプセルは、例えば、加熱されることによって、コア材83Cに含まれる低分子量炭化水素が気化する。低分子量炭化水素が気化することにより、樹脂体83の内圧が上昇する。さらに加熱することにより、樹脂体83のアクロニトリル・メタクリロニトリル系共重合体が軟化し、樹脂体83はバルーン状に膨張する。その後、樹脂体83内の気体状態の低分子量炭化水素は、膨張して厚みが薄くなった樹脂体83を透過し、樹脂体83の外部へ放出される。樹脂体83は、低分子量炭化水素の放出に伴って収縮する。
以下に、図8~図10を用いて、熱膨張性マイクロカプセルを用いて各々の閉空間80を形成する方法について、図4に示した製造方法の説明を踏襲して説明する。なお、発光装置100Aの製造方法は、実施例1の発光装置100と基本的に同様である。
図8は、ステップS14の分散工程及びステップS15の充填工程における熱膨張性マイクロカプセルの拡大断面図である。また、図9及び図10は、ステップS16の前駆体60Mを加熱硬化する最中の熱膨張性マイクロカプセルの拡大断面図である。
ステップS14の分散工程において、熱膨張性マイクロカプセルを樹脂材60の前駆体60Mに分散させる(ステップS14:分散工程)。言い換えれば、発光装置100Aの製造方法は、熱膨張性粒子としての熱膨張性マイクロカプセルを透光性の熱硬化性樹脂からなる樹脂材60の前駆体60Mに分散する分散工程を含む。
次に、ステップS15において、熱膨張性マイクロカプセルを分散させた前駆体60Mを基板10のキャビティ内に充填する(ステップS15:充填工程)。
図8に示すように、ステップS14の熱膨張性マイクロカプセルを樹脂材60の前駆体60Mに分散した時点において、熱膨張性マイクロカプセルの樹脂体83は、その内部に液体状の低分子量炭化水素からなるコア材83Cを含んでいる。
次に、キャビティに前駆体60Mが充填された基板10を加熱し、前駆体60Mを加熱硬化させて樹脂材60を形成すると共に複数の閉空間80を形成する加熱処理工程を行う(ステップS16:樹脂硬化工程)。言い換えれば、発光装置100Aの製造方法は、樹脂材60の前駆体60Mを加熱硬化させると共に、熱膨張性粒子としての熱膨張性マイクロカプセルを膨張させて樹脂材60内に複数の閉空間80を形成する加熱処理工程を含む。
本ステップにおいて、樹脂材60、樹脂体83及びコア材83Cを加熱する。上述の通り、コア材83Cに含まれる低分子量炭化水素は、前駆体60Mの熱硬化温度よりも低い温度で気化する。これにより、図9に示すように、コア材83Cに含まれる低分子量炭化水素が気化し、その気化した際に増大した圧力によって樹脂体83が膨張し前駆体60Mを押し広げる。その後、気化したコア材83Cが膨張して厚みが薄くなった樹脂体83を透過し、樹脂体83は収縮する。すなわち、図10に示すように、前駆体60Mの内部には、各々の閉空間80が形成される。当該各々の閉空間80の各々の内部は、収縮した樹脂体83を含みかつ、気体状態のコア材83Cを含む。また、各々の閉空間80が形成された前駆体60Mは、この状態のままさらに加熱されて熱硬化し、各々の閉空間80が形成されたまま樹脂材60となる。
なお、コア材83Cは、ステップS16の処理後、すなわち樹脂材60が冷却された際に一部液体状態に戻って各々の閉空間80及び樹脂体83の各々の内部に残留されていてもよい。
本実施例2によれば、熱膨張性マイクロカプセルを樹脂材60の前駆体60Mに分散させてこれを加熱することにより、複数の閉空間80を有する樹脂材60からなる光反射体を形成することが可能となる。
このように、本実施例2においては、樹脂の内部に酸化チタン等の光触媒効果を有する反射粒子を用いない光反射体として複数の閉空間80を有する樹脂材60を選択することが可能である。これにより、発光装置100Aを長期的に駆動した際の樹脂材60の黄変、クラック及び解重合による樹脂減り等の劣化を抑制することができる。
また、本実施例2においては、樹脂の内部に金属粒子等の反射粒子を用いない光反射体として複数の閉空間80を有する樹脂材60を選択することが可能である。これにより、樹脂材60の加熱硬化後の弾性率の低下を抑制することができ、樹脂材60のクラック及び基板10、発光素子20又は波長変換体40との剥離等の発生を抑制することができる。
よって、発光装置100Aは、光反射性の樹脂材の劣化を抑制し長期信頼性を向上することが可能となる。
なお、本実施例においては、熱膨張性粒子の一例として、熱膨張性マイクロカプセルを用いる場合について説明した。しかし、閉空間80を形成する熱膨張性粒子は、熱膨張性マイクロカプセルに限定されず、膨張した後に収縮して閉空間80を形成する熱膨張性粒子であればよい。例えば、前駆体60Mの熱硬化温度よりも低い温度で膨張し、前駆体60Mの熱硬化後の冷却時に収縮する熱膨張性粒子であればよい。その場合、発光装置100Aの製造方法においては、ステップS16の樹脂硬化工程完了後の冷却時に熱膨張性粒子が収縮し、閉空間80が形成される。また、その場合、閉空間80の内部は減圧された気体状態であってもよい。閉空間80の内部が減圧された気体状態であっても、閉空間80の内部は屈折率n=約1.0であるため、光反射体としての機能は実施例1及び2と同様である。
実施例1及び実施例2においては、発光装置100が発光素子20上に設けられた接着層50及び波長変換体40を有する場合について説明した。しかし、本発明において、波長変換体40及び接着層50は、任意に設けることができる。例えば、発光素子20から放射される光を波長変換せずに用いる場合等において、波長変換体40及び接着層50は発光装置100に設けられなくてもよい。
また、実施例1及び実施例2において、樹脂材60は、発光素子20の側面を覆うように配置されている場合について説明した。しかし、本発明の発光装置100において、樹脂材60は、発光素子20の側面に接する位置又は側方の位置にも限定されず、発光素子20の周囲であって発光素子20が放射する光を受光するいずれかの位置に設けられていればよい。つまり、樹脂材60は、発光装置100において、発光素子20が放射する光を反射させる所望の位置に適宜設けるようにしてもよい。例えば、樹脂材60を発光素子20の側面の一部及び上面を覆うように配置して、側面発光型の発光装置100を構成することもできる。
また、本発明の発光装置100において、樹脂材60は、発光素子20に密着して配置されていることに限られない。例えば、樹脂材60は、他の透光性の封止材にて覆われた発光素子20の周囲(外側)に配置することもできる。
[応用例]
実施例1に示した複数の閉空間70を有する樹脂材60、及び実施例2に示した閉空間80を有する樹脂材60は、発光装置100及び100Aの光反射体に限定されず、他の分野の光反射材料としても適用可能である。
図11は、上記樹脂材60に用いたのと同様の材料を光反射材料として用いた照射装置の一例である車両用灯具200の断面図を示す図である。
照射装置としての車両用灯具200は、光源部300と、導光体400と、リフレクタ500と、を有する。
光源部300は、例えば、LED等の発光装置を備えた光源ユニットである。光源部300は、例えば、図中X方向に直線的に配列されている。また、本応用例において、光源部300は、下方方向(-Z方向)に光を放射する光源ユニットである。
導光体400は、例えば、アクリル等の透光性の樹脂材料からなり、光源部300から放射された光を導光する導光体である。導光体400は、例えば、光源部300から射出した光が導光体400の内部に入射する入射面410と及び当該導光体400の内部に入射する光を出射する出射面420を有する。また、導光体400は、例えば、略L字状の断面形状を有しており、当該略L字状の屈曲部に光反射面430が形成されている。光源部300から射出された光は、導光体400の入射面410から導光体400の内部に入射し、光反射面430で全反射されて出射面420の方向へ導光される。また、出射面420の方向へ導光された光は、導光体400の出射面420から車両用灯具200の主配向LL1として車両用灯具200の外部(-Y方向)に出射される。
また、導光体400は、光反射面430と出射面420との間の領域に拡散反射面440を有する。光反射面430で全反射された光の一部は、拡散反射面440に入射して拡散反射され、導光体400の下面である拡散光出射面450からリフレクタ500の方向へ出射される。
リフレクタ500は、支持体510及び光反射材料520からなる光反射体である。本応用例では、リフレクタ500の光反射材料520に上記実施例1及び2において用いられた閉空間を有する樹脂材60と同様の材料を用いている。
支持体510は、例えば、樹脂等の材料からなり、導光体400の拡散光出射面450に対向する面に、放射面型、楕円面型又は球面型の凹状の凹面を有する。また、支持体510の凹面上には、熱硬化性のシリコーン樹脂及び当該シリコーン樹脂に複数の閉空間が分散されて形成された光反射材料520が塗布されている。
光反射材料520は、実施例1に示した樹脂材60、複数の閉空間70並びに樹脂体73からなる光反射材料及び実施例2に示した樹脂材60、複数の閉空間80並びに樹脂体83からなる光反射材料である。言い換えれば、光反射材料520は、各々が樹脂体73又は83を保持する複数の閉空間70又は80を有する透光性の熱硬化性樹脂である樹脂材60からなる。
導光体400の拡散光出射面450から出射した光は、支持体510の凹面に塗布された光反射材料520によって主配向LL1と平行な向きに反射され、副配向LL2として車両用灯具200の外部(-Y方向)に出射される。
これにより、車両用灯具200は、主配向LL1及び副配向LL2を含む光を所望の向きに向けて出射することが可能となる。
なお、光反射材料520の形成方法は、実施例1及び2にて説明した方法と同様である。具体的には、高級アルコールを含む分散材73Dに覆われた樹脂体73又は液体状の低分子量炭化水素からなるコア材83Cを内包する樹脂体83からなる熱膨張性マイクロカプセルを分散させた樹脂材60の前駆体60Mをスプレー塗装等の手法を用いて支持体510に塗布する。その後、この状態の支持体510を加熱することにより、前駆体60Mを熱硬化させると共に複数の閉空間70又は複数の閉空間80を形成する。
実施例1に示した樹脂材60、複数の閉空間70並びに樹脂体73からなる光反射材料及び実施例2に示した樹脂材60、複数の閉空間80並びに樹脂体83からなる光反射材料の各々は、車両用灯具の光反射材料として適用可能である。
通常、車両用灯具のリフレクタに用いられる光反射材料は、例えば、銀(Ag)又はアルミニウム(Al)等を支持体510に蒸着させた金属蒸着膜である。本応用例のように樹脂材及び複数の閉空間からなる光反射材料を用いることにより、車両用灯具の製造コストを低減させることが可能となる。
また、リフレクタ500の光反射材料に樹脂材、複数の閉空間並びに樹脂体からなる光反射材料を用いることにより、車両用灯具200を長期的に駆動した際の樹脂材の黄変、クラック及び解重合による樹脂減り等の劣化を抑制することができる。加えて、同じく樹脂材料からなる支持体510の黄変、クラック及び解重合による樹脂減り等の劣化も抑制することができる。また、光反射材料の樹脂材の加熱硬化後の弾性率の低下を抑制することができ、樹脂材のクラック及び支持体等との剥離等の発生を抑制することができる。
よって、光反射材料520は、光反射性の樹脂材の劣化を抑制し、照射装置としての車両用灯具200の長期信頼性を向上することが可能となる。
なお、実施例1に示した樹脂材60、複数の閉空間70並びに樹脂体73からなる光反射材料及び実施例2に示した樹脂材60、複数の閉空間80並びに樹脂体83からなる光反射材料の各々は、車両用灯具の応用に限定されず、さらに他の分野の光反射材料として適用可能である。具体的には、光反射材料の樹脂体に熱硬化性樹脂を用いることができ、かつ光を反射させることを必要とする分野においていずれも適用可能である。
100 発光装置
10 基板
11 平板部
13 枠体部
15 第1の配線
17 第2の配線
20 発光素子
25 電極パッド
30 素子接合層
40 波長変換体
50 接着層
60 樹脂材
70、80 閉空間
73、83 樹脂体
200 車両用灯具
300 光源部
400 導光体
410 入射面
420 出射面
430 光反射面
440 拡散反射面
500 リフレクタ
510 支持体
520 光反射材料

Claims (11)

  1. 基板と、
    前記基板上に配された発光素子と、
    前記発光素子の周囲に配された透光性の熱硬化性樹脂からなる樹脂材と、を含み、
    前記樹脂材は、各々が樹脂体を保持する複数の閉空間を有することを特徴とする発光装置。
  2. 前記複数の閉空間は、内部に有機物を含むことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記有機物は、高級アルコールであることを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
  4. 前記有機物は、前記樹脂材の熱硬化温度よりも低い温度で気化する有機物であることを特徴とする請求項2又は3に記載の発光装置。
  5. 前記樹脂体は、シリコーン樹脂であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の発光装置。
  6. 前記樹脂体は、熱膨張性粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の発光装置。
  7. 前記複数の閉空間の各々は、径の平均値が200nm~300nmであることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の発光装置。
  8. 基板と、前記基板上に配された発光素子と、前記発光素子の上面上に配された波長変換体と、を備えた発光装置の製造方法であって、
    高級アルコールを含む被膜を有する樹脂体を透光性の熱硬化性樹脂からなる樹脂材に分散する分散工程と、
    前記樹脂材を前記基板上の前記発光素子の周囲に配置する樹脂材配置工程と、
    前記樹脂材を加熱硬化させると共に、前記高級アルコールを気化させて前記樹脂材内に閉空間を形成する加熱処理工程と、を含むことを特徴とする発光装置の製造方法。
  9. 基板と、前記基板上に配された発光素子と、を備えた発光装置の製造方法であって、
    熱膨張性粒子を透光性の熱硬化性樹脂からなる樹脂材に分散する分散工程と、
    前記樹脂材を前記基板上の前記発光素子の周囲に配置する樹脂材配置工程と、
    前記樹脂材を加熱硬化させると共に、前記熱膨張性粒子を膨張させて前記樹脂材内に閉空間を形成する加熱処理工程と、を含むことを特徴とする発光装置の製造方法。
  10. 各々が樹脂体を保持する複数の閉空間を有する透光性の熱硬化性樹脂からなることを特徴とする光反射材料。
  11. 光源と、
    前記光源から出射する光が入射する位置に設けられた光反射材料と、を含み、
    前記光反射材料は、各々が樹脂体を保持する複数の閉空間を有する透光性の熱硬化性樹脂からなることを特徴とする照射装置。
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