JP2023001947A - ガス濃度測定装置およびガス濃度測定方法 - Google Patents

ガス濃度測定装置およびガス濃度測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構成で、測定領域において輝炎が生じても背景光による影響を抑制することができるガス濃度測定装置およびガス濃度計測方法を提供する。【解決手段】ガス濃度測定装置は、発光器と、受光器と、演算器と、を備えている。発光器は、照射光を照射する光源と、照射光を測定領域に照射する照射状態と照射光を測定領域に照射しない非照射状態との間の切り替えを行う切替機構と、を含む。演算器は、照射状態における光強度データおよび非照射状態における光強度データをそれぞれ取得し、照射状態における光強度データから非照射状態における光強度データを差分した差分光強度データを用いて、測定対象ガスによる照射光の吸収率を算出する。【選択図】図1

Description

本開示は、ガス濃度測定装置およびガス濃度測定方法に関する。
ごみ焼却施設、溶融施設、ボイラ、ガスタービン、ディーゼル機関、ガソリン機関等に設けられる燃焼炉または燃焼室等の燃焼場における燃焼ガスの濃度を計測することは、燃焼場における燃焼状況の把握のために有効である。燃焼場におけるガス濃度の計測方法としては、例えば、燃焼場のガス流通方向下流側に設けられた排ガス処理装置またはガスダクトにおいて、冷却後の燃焼ガスを吸引することにより、ガス濃度を計測する態様が知られている。
さらに、近年、ガス流通方向のより上流側でガス濃度を計測するための方法として、レーザ等の光源からガス流通部に光を照射し、その透過光を受光して、ガス流通部における測定対象ガスに固有の吸収波長における光吸収率を得ることで、測定対象ガスのガス濃度を計測する光透過式ガス濃度計測方法が用いられてきている。
しかし、一般的な光透過式ガス濃度計測方法では、燃焼場での計測は行えない。すなわち、これらの施設における燃焼場では、炭素粒子からの黒体輻射により輝炎を生じるため、透過光を受光する際に輝炎による光(背景光)の影響を受けてしまう。また、ごみ焼却施設等では火炎中に様々な物質が存在し得るため、炎色反応を引き起こす物質が存在する場合、物質に対応した特定波長に高い輝度の発光を生じる。このように、多様な物質が存在する環境において燃焼が過渡的に進行しているガス中のガス濃度を測定することは困難を伴う。
このような背景光の影響を除去するために、下記特許文献1および2のような方法が提案されている。本方法においては、レーザ光を照射する光源部に対して2つの受光部を設け、一方の受光部では、レーザ光および背景光を受光し、他方の受光部では、背景光のみを受光するように、2つの受光部を配置する。その上で、レーザ光および背景光による光強度から背景光のみによる光強度を差し引くことにより、レーザ光のみによる光強度を得ている。
特開平10-142148号公報 特開2001-74653号公報
しかし、上記の方法には、以下のような問題がある。すなわち、受光部を2か所設ける必要があるため、火炉室がメンブレン壁で構成されたボイラ等、受光部の設置場所が限られる場合(例えば狭小箇所に設置する場合)には用いることができない。また、2つの受光部の間隔を短くすると、何れの受光部においてもレーザ光を受光してしまい、正しい計測を行うことができない。言い換えると、背景光のみを受光する受光部においてレーザ光を受光することがないようにするためには、2つの受光部の間隔を長く取る必要があり、広い設置スペースが必要となる。
さらに、2つの受光部のそれぞれが捉える光は、互いに異なる場所からの光であるため、2つの光強度を差し引いた際に背景光のみを除去することができない。特に、一方の受光部がレーザ光を受光しないように、2つの受光部の間隔を長く取ると2つの受光部が捉える光の差が大きくなるため、背景光のみを受光する受光部においてレーザ光の影響を抑制しつつ、背景光を精度よく除去することが困難である。
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、設置自由度が高く、測定領域において輝炎が生じても背景光による影響を抑制することができるガス濃度測定装置およびガス濃度計測方法を提供することを目的としている。
本開示の一態様に係るガス濃度測定装置は、測定対象ガスの吸収波長を含む所定の波長範囲の照射光を測定領域に照射する発光器と、前記測定領域を介して前記発光器に対向して配置され、前記発光器からの照射光を受光する受光器と、前記受光器で得られた光強度データを演算処理する演算器と、を備え、前記発光器は、前記照射光を照射する光源と、前記照射光を前記測定領域に照射する照射状態と前記照射光を前記測定領域に照射しない非照射状態との間の切り替えを行う切替機構と、を含み、前記演算器は、前記照射状態における光強度データおよび前記非照射状態における光強度データをそれぞれ取得し、前記照射状態における光強度データから前記非照射状態における光強度データを差分した差分光強度データを用いて、前記測定対象ガスによる前記照射光の吸収率を算出するものである。
本開示の他の態様に係るガス濃度計測方法は、測定領域における測定対象ガスの濃度を測定するためのガス濃度測定方法であって、発光器を用いて測定対象ガスの吸収波長を含む所定の波長範囲の照射光を前記測定領域に照射することにより、前記測定領域を介して前記発光器に対向して配置された受光器において受光した照射状態における光強度データを取得し、前記発光器からの照射光を前記測定領域に照射しない状態で前記受光器において受光した非照射状態における光強度データを取得し、前記照射状態における光強度データから前記非照射状態における光強度データを差分した差分光強度データを用いて、前記測定対象ガスによる前記照射光の吸収率を算出する。
上記ガス濃度測定装置または上記ガス濃度測定方法によれば、発光器により生じる照射光を測定領域に照射する状態と、その照射光を測定領域に照射しない状態とを切り替えることにより、1つの受光器で照射状態における光強度データと非照射状態における光強度データとが取得可能となる。これにより、これらの光強度データには、測定領域における互いに同じ場所での背景光成分が含まれることになるため、照射状態における光強度データから非照射状態における光強度データを差し引くことにより、背景光成分を相殺または抑制し、発光器からの照射光による透過光の計測において、背景光による影響を抑制することができる。しかも、受光器を2つ配置する必要がなくなるため、受光器の設置自由度を高くすることができる。
本開示によれば、設置自由度が高く、測定領域において輝炎が生じても背景光による影響を抑制することができる。
図1は、一実施の形態におけるガス濃度測定装置の概略構成を示す図である。 図2は、本実施の形態において得られる光強度データをグラフ化した際のイメージ図である。 図3は、本実施の形態におけるガス濃度測定装置が適用される焼却プラントの内部構造を示す概略断面図である。 図4は、本実施の形態の変形例におけるガス濃度測定装置の概略構成を示す図である。 図5は、本実施の形態の他の変形例におけるガス濃度測定装置の概略構成を示す図である。 図6は、本実施の形態の他の変形例におけるガス濃度測定装置の概略構成を示す図である。
以下、本開示の実施の形態におけるガス濃度測定装置について図面を参照して説明する。
図1は、一実施の形態におけるガス濃度測定装置の概略構成を示す図である。図1に示すように、本実施の形態におけるガス濃度測定装置1は、発光器2、受光器3および処理装置4を備えている。発光器2は、測定領域Aに照射光を照射する。受光器3は、発光器2からの照射光を受光する。このために、受光器3は、測定領域Aを介して発光器2に対向して配置される。処理装置4は、受光器3で得られた光強度データを演算処理する。
測定領域Aは、例えば焼却施設等の燃焼室10である。発光器2および受光器3は、燃焼室10を区画する壁11の外側に配設される。燃焼室10の壁11には、互いに対向する箇所に光が透過可能な一対の窓12a,12bが設けられている。発光器2は、照射光を、窓12aを通じて燃焼室10内の測定領域Aに照射する。このために、発光器2は、光源21およびこれを駆動するための駆動回路23を備えている。受光器3は、測定領域Aからの光を、窓12bを通じて受光する。
測定対象となるガス(例えば、O、CO、CO、NO等)は、ガスに応じて固有の波長の光を吸収する性質を有している。なお、測定対象ガスに固有の吸収波長は、測定領域Aにおける温度に応じて変化し得る。したがって、発光器2は、測定対象ガスの吸収波長を含む所定の波長範囲の照射光を照射するように構成される。例えば、測定対象ガスが酸素(O)の場合、760nm付近に吸収波長を有し、測定領域Aの温度に応じてこの吸収波長が前後するため、発光器2は、760nmを含む所定の波長範囲の照射光を照射する。
発光器2は、このような所定の波長範囲の照射光を照射可能な構成であれば、特に限定されない。例えば、発光器2は、光源21として所定の波長範囲を含む連続スペクトルを照射可能なランプ光源を有していてもよい。例えば、ランプ光源は、白熱電球やLED等を含み得る。あるいは、発光器2は、光源21として所定の波長範囲で波長変調可能なレーザ光源を有していてもよい。この場合、駆動回路23は、レーザ光源を所定の波長範囲で周期的に変調する変調回路を含む。光源21の明るさは、測定領域Aにおいて想定される輝炎の明るさと同等以上の明るさを有していることが好ましい。また、光源21の明るさを調整可能としてもよい。
光源21としてレーザ光源を用いることにより、より正確なガス濃度測定を行うことができる。一方、光源21としてランプ光源を用いることにより、発光器2を安価に構成することができる。ランプ光源を用いた場合でも、ごみ焼却施設等において測定対象ガス(酸素等)の濃度の傾向を把握する等、高精度なガス濃度の計測を必要としない場合に有用である。
測定領域Aに測定対象ガスが存在する場合、受光器3が受光する照射光は、測定対象ガスの吸収波長における光強度が測定対象ガスの濃度に応じて減じられた光強度分布を有する。このため、受光器3は、測定領域Aからの光を受光し、所定の分光処理を行うことにより、所定の波長範囲における光強度データ(スペクトルデータ)を生成する。
受光器3は、検出した光から光強度データを生成可能な構成であれば特に限定されない。例えば、受光器3は、分光器により構成される。分光器は、例えばプリズム、回折格子、光学フィルタ等の分光素子と、検出器と、を含む。例えば、発光器2がランプ光源の場合、受光器3は分光器が好適に用いられる。
分光器における分光素子として光学フィルタを用いる場合、例えば、2つの光学フィルタ(第1光学フィルタおよび第2光学フィルタ)が用いられる。第1光学フィルタは、測定対象ガスの吸収波長を含む所定の第1帯域を通過させる。第2光学フィルタは、第1帯域とは異なる(第1帯域からはある程度離れた)第2帯域を通過させる。受光器3に入ってきた光をハーフミラー等で2つに分け、2つの光学フィルタのそれぞれに入射させる。第2光学フィルタを通過した光の強度に対する第1光学フィルタを通過した光の強度の比率に応じて測定対象ガスによる光の吸収量が検出される。
あるいは、受光器3は、位相敏感検波器を備えてもよい。発光器2の光源21がレーザ光源の場合、受光器3は位相敏感検波器が好適に用いられる。発光器2の光源21がランプ光源の場合には分光器が好適に用いられる。ただし、発光器2と受光器3との組み合わせはこれらの組み合わせに限られない。
ここで、測定領域Aである燃焼室10内では、炭素粒子からの黒体輻射により輝炎が生じる。このため、受光器3で受光する光には、発光器2の照射光に基づく透過光だけでなく、輝炎による光が含まれる。本実施の形態においては、光強度データに対する測定領域Aにおける輝炎による光(背景光)の影響を抑制するために、受光器3が、発光器2から測定領域Aに照射光を照射したときの光強度データ(照射状態における光強度データ)と、発光器2から測定領域Aに照射光を照射しないときの光強度データ(非照射状態における光強度データ)とを、それぞれ取得できるように、ガス濃度測定装置1が構成されている。
より具体的には、発光器2は、照射光を測定領域Aに照射する照射状態と照射光を測定領域Aに照射しない非照射状態との間の切り替えを行う切替機構22を含んでいる。本実施の形態において、切替機構22は、光源21からの照射光の経路(照射経路)L1を遮蔽可能な遮蔽板22aを有している。遮蔽板22aは、照射経路L1を遮蔽する遮蔽位置(図1において破線で示す位置)と、照射経路L1から退避した退避位置(図1において実線で示す位置)との間で往復動可能に構成されている。これにより、切替機構22は、照射光を遮蔽する遮蔽板22aを照射経路L1に位置させるか否かにより、非照射状態と照射状態とを切り替える。すなわち、発光器2は、光源21において点灯状態を維持したまま、遮蔽板22aが遮蔽位置にあるときに非照射状態となり、遮蔽板22aが退避位置にあるときに照射状態となる。
なお、これに代えて、切替機構22は、照射経路L1に平行な回転軸と、回転軸に固定され、回転軸に直交する平面を有する回転板(回転軸回りに回転する遮蔽板)とを備えてもよい。この回転板には、切り欠きが設けられ、回転板が回転軸回りに回転することにより、照射経路L1が回転板によって遮蔽される状態(非照射状態)と、照射経路L1が切り欠きを通じて通り抜ける状態(照射状態)とが切り替えられる。なお、この回転板は、少なくとも1つの遮蔽片を有し、回転板が回転軸回りに回転することにより、遮蔽片が照射経路L1上に位置する状態(非照射状態)と、遮蔽片が照射経路L1上に位置しない状態(照射状態)とが切り替えられると言い換えることもできる。
例えば、切替機構22は、受光器3がミリ秒単位で受光可能な能力を有する場合、1秒以下の所定の切り替え周期で切り替える。非照射状態の期間は、光源21の種類によらず、照射状態の期間と同じでもよいし、異なっていてもよい。ここで、光源21がレーザ光源である場合、切替機構22は、所定の波長範囲における波長変調周期に基づいて照射状態と非照射状態との間の切り替えを行う。この場合、切替機構22における照射状態の期間は、所定の波長範囲に変調するための変調周期に応じた期間に定められる。すなわち、切替機構22における照射状態の期間は、変調周期の所定の周期分(一周期以上)である。
切替機構22により、受光器3は、発光器2が照射光を測定領域Aに照射したとき(照射状態)の光強度データと、照射光を測定領域Aに照射しないとき(非照射状態)の光強度データとを取得し得る。そのため、処理装置4は、受光器3が取得した光強度データが照射状態における光強度データであるか、非照射状態における光強度データであるかを判定する判定器41として機能する(判定回路を有する)。
処理装置4は、各種データを記憶する記憶部を備えたコンピュータによって構成される。例えば、処理装置4は、CPU、メインメモリ(RAM)、ストレージ、通信インターフェイス等を備えている。
なお、本明細書で開示する要素の機能は、開示された機能を実行するよう構成またはプログラムされた汎用プロセッサ、専用プロセッサ、集積回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、従来の回路、および/または、それらの組み合わせを含む回路または処理回路を使用して実行できる。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含むため、処理回路または回路と見なされる。本明細書において、回路、ユニット、または手段(…部)は、列挙された機能を実行するハードウェアであるか、または、列挙された機能を実行するようにプログラムされたハードウェアである。ハードウェアは、本明細書に開示されているハードウェアであってもよいし、あるいは、列挙された機能を実行するようにプログラムまたは構成されているその他の既知のハードウェアであってもよい。ハードウェアが回路の一種と考えられるプロセッサである場合、回路、ユニット、または手段はハードウェアとソフトウェアとの組み合わせであり、ソフトウェアはハードウェアおよび/またはプロセッサの構成に使用される。
本実施の形態においては、判定器41において照射状態か否かの判定を行うために、ガス濃度測定装置1は、発光器2から照射光が照射されているか否かを検知する照射光検知器5を備えている。照射光検知器5は、ハーフミラー51および検出器52を備えている。ハーフミラー51は、光源21の照射経路L1の切替機構22より下流側に配置される。検出器52は、照射経路からハーフミラー51で分岐した分岐経路L2の下流側に設けられる。検出器52は、照射経路L1から分岐した照射光の一部を受光する。
検出器52は、受光した光の強度に応じた検知信号を処理装置4(判定器41)に送信する。これに代えて、検出器52は、受光した光の強度が所定の基準値以上であるか否かについての2値信号を検知信号として出力してもよい。また、処理装置4は、受光器3が取得した光強度データを受信する。
判定器41は、照射光検知器5からの検知信号に基づいて、受信した光強度データが非照射状態における光強度データであるか照射状態における光強度データであるかを判定する。より詳しくは、判定器41は、検知信号が照射光を検知している期間に受信した光強度データを照射状態における光強度データであると判定し、検知信号が照射光を検知していない期間に受信した光強度データを非照射状態における光強度データであると判定する。
判定器41は、上記判定処理に基づいて、光強度データを、照射状態における光強度データであることを示すラベルまたは非照射状態における光強度データであることを示すラベルとともに(対応付けて)処理装置4のメモリに記憶する。
処理装置4は、受光器3で得られた光強度データを演算処理する演算器42としても機能する(演算回路を有する)。演算器42は、照射状態における光強度データから非照射状態における光強度データを差分した差分光強度データを用いて、測定対象ガスによる照射光の吸収率を算出する。
図2は、本実施の形態において得られる光強度データをグラフ化した際のイメージ図である。図2におけるグラフ(A)は、照射状態における光強度データのグラフを示し、グラフ(B)は、非照射状態における光強度データのグラフを示し、グラフ(C)は、差分光強度データのグラフを示す。図2に示すグラフにおいては、照射状態および非照射状態の何れにおいても測定領域Aに同等の輝炎が生じていることが想定されている。
図2のグラフ(B)に示すように、発光器2の非照射状態においても、受光器3は輝炎による光を受光するため、広い周波数範囲にわたって光強度を有するスペクトルが得られる。このため、発光器2の照射状態において、受光器3が受光する光は、図2のグラフ(A)に示すように、発光器2の照射光が測定領域Aを透過した光に、輝炎による光が加えられたものとなる。
測定対象ガスにより、照射光は測定対象ガスに固有の吸収波長(λ)において吸収されるが、受光器3が受光する光は、上記のように輝炎による光が加えられたものとなるため、その吸収量が分かり難くなる。輝炎から発せられる光は燃焼ガス中に存在する成分に由来する炎色反応による光の影響や、減光の影響も含まれ、測定されたスペクトルの形状に影響を及ぼす。すなわち、図2のグラフ(A)では、吸収波長(λ)の近傍領域がその近傍領域を含むより広い領域において広がっているスペクトル分布(輝炎によるスペクトル分布)の途中にあるため、測定対象ガスが存在しないときの吸収波長(λ)近傍における光強度(吸収量を計測する際の光強度の基準値)が分かり難い。
そのため、演算器42は、照射状態における光強度データから非照射状態における光強度データを差し引くことにより、測定領域Aにおける輝炎による光の成分を相殺または抑制する。この結果、得られる差分光強度データは、発光器2から照射された照射光のうちの測定領域Aを透過した光のスペクトルを主な成分として有するものとなる。図2のグラフ(C)に示すように、吸収波長(λ)の近傍領域を除いて比較的平坦なスペクトル分布を得ることができる。吸収波長(λ)の近傍領域においては測定対象ガスにおける光の吸収が生じ、他の波長における領域における光強度Iから光の吸収が生じる(光吸収量(ΔI))。したがって、演算器42は、差分光強度データに基づいて、測定対象ガスの吸収効果の影響がない波長における光強度として定められる基準光強度Iに対する測定対象ガスの吸収波長における光強度Iの比率を、測定対象ガスによる照射光の吸収率として求めることにより、測定対象ガスの濃度を容易かつ高精度に算出することができる。なお、測定対象ガスによる照射光の吸収率を求める際の基準光強度Iは、吸収波長(λ)の近傍領域に近接する波長領域において計測されてもよいし、所定波長以上離れた波長領域において計測されてもよい。
演算器42は、算出された測定対象ガスによる照射光の吸収率から測定領域A(燃焼室10内)における測定対象ガスの濃度を求める。例えば、処理装置4のストレージには測定対象ガスごとに対応する吸収波長における吸収率とそのときの測定対象ガスの濃度の対応関係データが記憶されている。対応関係データは、例えば相関関数であってもよいし、1対1対応のデータテーブルであってもよい。対応関係データは、例えば別途サンプリングによる濃度測定等を行うことにより得られた濃度値と、そのときの本実施の形態における計測によって得られた吸収率との関係から事前に生成されたものでもよい。
演算器42は、ストレージから対応関係データを読み出し、算出された吸収率に対応する測定対象ガスの濃度を決定する。決定された測定対象ガスの濃度は、日時等の付帯データとともにストレージに記憶される。また、処理装置4が表示装置を備える場合には、その表示装置に結果を表示してもよい。また、処理装置4は、測定対象ガスの濃度データを、焼却施設の制御装置等の外部装置に出力してもよい。
本実施の形態におけるガス濃度測定装置1によれば、発光器2により生じる照射光を測定領域Aに照射する状態と、その照射光を測定領域Aに照射しない状態とを切り替えることにより、1つの受光器3で照射状態における光強度データと非照射状態における光強度データとが取得可能となる。これにより、これらの光強度データには、測定領域Aにおける互いに同じ場所での背景光成分が含まれることになるため、照射状態における光強度データから非照射状態における光強度データを差し引くことにより、背景光成分を相殺または抑制することができる。このため、簡単な構成で、発光器2からの照射光による透過光の計測において、背景光による影響を抑制することができる。
しかも、受光器3を2つ配置する必要がなくなるため、省スペースかつ安価な構成とすることができる。また、受光器3の設置自由度を高くすることができる。例えば、窓12a,12bが設けられる燃焼室10の壁11がボイラメンブレンにより構成される場合であっても、受光器3を取り付ける座の位置の制約や受光器3の寸法上の制約を受け難くなる。
さらに、発光器2の光源21としてレーザ光ほど指向性が高くない光源(例えばランプ光源等)を用いた場合、特許文献1,2のように、複数の受光器のうちの一方の受光器で光源から照射光を受光しつつ他方の受光器で背景光のみを受光しようとすると、複数の受光器間の間隔を大きくする必要が生じる。一方、本実施の形態の構成によれば、発光器2の非照射状態において、測定領域Aには、光源21からの照射光は照射されていないため、受光器において照射光が誤って入射されることによる影響(測定精度の悪化)を考慮する必要がなくなる。このため、発光器2における光源21の選択自由度も高くすることができる。
また、本実施の形態においては、切替機構22が、照射光を遮蔽する遮蔽板22aを照射経路L1に位置させるか否かにより、発光器2の非照射状態と照射状態との間の切り替えが行われる。このため、光源21の特性(点灯性等)によらず、瞬間的な切り替えが可能となる。これにより、点灯開始から所定の光強度に達するまでの時間が比較的長い、および/または、消灯開始から光強度が所定値未満になるまでの時間が比較的長い光源(例えばランプ光源等)を用いる場合であっても、瞬間的な切り替えを実現できる。
また、本実施の形態においては、照射光検知器5により発光器2が非照射状態であるか照射状態であるかを検知する。このため、発光器2に対する切替制御とは独立してガス濃度の計測が可能である。例えば、上記のように遮蔽板22aの往復動を一定時間間隔で行う場合または回転板を一定速度で回転させる場合には、発光器2に対する特段の制御を不要とすることができる。
また、本実施の形態においては、判定器41により、光強度データを、照射状態における光強度データであるか、非照射状態における光強度データであるかを判定する。このため、受光器3に対して制御信号を送信することなく照射状態における光強度データおよび非照射状態における光強度データをそれぞれ区別して取得することができる。
(焼却プラントへの適用例)
以下、本実施の形態におけるガス濃度測定装置1が適用される施設としてボイラを備えた焼却プラントを例示する。図3は、本実施の形態におけるガス濃度測定装置が適用される焼却プラントの内部構造を示す概略断面図である。
図3に示す焼却プラント100は、酸素含有ガスを用いて廃棄物を焼却するための火炉室103を有する焼却炉102と、焼却炉102から排出される燃焼排ガスから排熱を水蒸気として回収する蒸気回収装置であるボイラ104と、を含む。焼却炉102のボイラ104とは反対側、すなわち、上流側には、ホッパ105およびシュート106が配置されており、ボイラ104から下流側には、燃焼排ガスの排気経路107が煙突108まで延びている。例えば、排気経路107には、上流側から順に、エコノマイザー、減温塔、集塵機およびブロワが設けられ得る。
焼却炉102は、火炉室103の下方に設けられたストーカを有している。ストーカは、廃棄物の搬送手段として機能する。ストーカは、シュート106に近い側から順に乾燥ストーカ111、燃焼ストーカ112および後燃焼ストーカ113を有する。すなわち、これらのストーカ111~113は、廃棄物の移動方向に配列されている。乾燥、燃焼および後燃焼ストーカ111~113の下方には、風箱114~116がそれぞれ設けられている。
さらに、焼却炉102は、火炉室103とボイラ104との間に火炉室103と連続する再燃焼室117を有する。なお、燃焼ストーカ112は、図例では1段であるが、2段以上設けられていてもよい。各ストーカ111~113は、例えば、互いに異なるインターバルで間欠的に作動する。
火炉室103では、廃棄物の熱分解および部分酸化反応により燃焼ガスが生成され、この燃焼ガスが廃棄物と共に燃焼される。再燃焼室117は、火炉室103から流出する燃焼ガスを完全燃焼させるためのものである。廃棄物の燃焼後の灰は、後燃焼ストーカ113に隣接して設けられた排出口118から排出される。
ボイラ104では、焼却炉102から排出される燃焼排ガス(廃熱)によって蒸気が生成される。より詳しくは、図3に示すように、ボイラ104は、燃焼排ガスが通過する排ガス通路109を備えている。排ガス通路109は、再燃焼室117の上方に配置された放射室119と、放射室119と上部同士が連通する第1煙道120と、第1煙道120と下部同士が連通する第2煙道121と、を含む。
放射室119および第1煙道120および第2煙道121を規定する壁の各々には、複数の水管123が設けられている。複数の水管123は、例えば炭素鋼(例えば、STB340)で形成される。ボイラ104は、複数の水管123に接続されたボイラドラム124を備えている。複数の水管123には、ボイラドラム124から送られてくる水が流れる。複数の水管123内の水は、放射室119および第1煙道120の廃熱を回収して、その一部が蒸発して汽水となりボイラドラム124へと戻される。ボイラドラム124に戻った汽水は、一部が気化して蒸気となっている。
第2煙道121には、過熱器125が設けられている。過熱器125は、ボイラドラム124内の蒸気を燃焼熱または燃焼排ガスの熱で過熱するための過熱器管126を備えている。過熱器125により過熱されて高温高圧となった過熱蒸気は、発電機127と連結されたタービン128に送られて発電に利用される。ボイラ104を通過した燃焼排ガスの大部分は、排気経路107を流れた後に、煙突108から大気中へ放出される。
図3に示す焼却プラント100において、火炉室103および再燃焼室117では、廃棄物の燃焼による輝炎が生じ得る。この輝炎からの光は炭素粒子の黒体輻射によるものの他、炎色反応による発光を含み得る。そのため、従来では、光照射によるガス濃度計測の際には、輝炎の影響を避けるため、輝炎が生じない排ガス通路109(放射室119~第2煙道121)に発光器2および受光器3を設置する必要があった。例えば、図3には、照射光および透過光が通過する窓12a,12bが設けられる従来の配置位置として、放射室119の側壁における位置P5が示されている。
本実施の形態におけるガス濃度測定装置1の測定領域Aは、例えば火炉室103または再燃焼室117に設定され得る。例えば、図3に示す位置P1~P4の少なくとも何れか1箇所に、発光器2および受光器3(照射光および透過光が通過する窓12a,12b)を設置し得る。位置P1は、火炉室103の入口付近の位置である。位置P2は、火炉室103の中央部(燃焼ストーカ112の上方)の位置である。位置P3は、火炉室103の出口付近(再燃焼室117との接続部分)の位置である。位置P4は、再燃焼室117の位置である。なお、位置P1~P4はあくまで例示であり、発光器2および受光器3を設置する位置は、これらの位置に限られず、種々の条件に応じて設定され得る。
位置P1~P4の何れの位置で計測しても、従来の位置P5に比べて測定対象ガスを含む燃焼ガスの流れのより上流側でガス濃度を測定することができる。このため、焼却プラント100の燃焼場(火炉室103および/または再燃焼室117)での測定対象ガスの濃度変化をより早いタイミングで検知することができる。また、火炉室103内の位置P1~P3の何れかで計測することにより、一次燃焼の状況(ガス濃度)をより直接的に把握することができる。したがって、火炉室103に供給する空気量の制御または燃料となる廃棄物の供給速度の制御等を行うための指標として好適に用いることができる。
さらに、位置P1~P4のうちの複数の位置に発光器2および受光器3を設置してもよい。例えば、火炉室103内の3つの位置P1~P3のうちの少なくとも2つの位置に発光器2および受光器3を設置することにより、火炉室103内において測定対象ガスが偏在しているか否かを監視することができる。したがって、火炉室103内の燃焼状況をより詳しく把握することができる。また、位置P1~P4の少なくとも何れか1箇所の位置に加えて、位置P5にも発光器2および受光器3を設置してもよい。
なお、本開示のガス濃度測定装置1が適用される施設は、上記のような焼却プラントに限られない。例えば、ストーカ方式以外のごみ焼却施設、溶融施設、ボイラ、ガスタービン、ディーゼル機関、ガソリン機関等に設けられる燃焼炉または燃焼室等の燃焼場に好適に適用可能である。このような燃焼場におけるガス濃度を計測することにより、空気比制御、空気供給方法の調整または制御に応用することができる。また、ボイラ設備を伴う施設においては、ボイラの発生蒸気量を安定化させるための燃焼状況把握のための検出装置としてガス濃度測定装置1を利用することができる。
(変形例)
以上、本開示の実施の形態について説明したが、本開示は上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
例えば、上記実施の形態においては、照射光検知器5により発光器2が非照射状態であるか照射状態であるかを検知する構成を例示した。これに代えて、遮蔽板22aの動作位置(遮蔽位置であるか退避位置であるか)を検知することにより、発光器2が非照射状態であるか照射状態であるかを検知してもよい。
また、例えば、発光器2を制御する制御器から発光器2に対して出力される制御指令信号(後述する切替信号)に基づいて判定器41が判定を行うようにしてもよい。
図4は、本実施の形態の変形例におけるガス濃度測定装置の概略構成を示す図である。図4において、図1に示す構成と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。図4の変形例におけるガス濃度測定装置1Bは、発光器2に対して照射状態と非照射状態との間の切り替えを行うための切替信号を送信する制御器43(制御回路)を備えている。本変形例において、判定器41および演算器42として機能する処理装置4Bが、制御器43としても機能する。図4の変形例において、切替信号は、切替機構22の遮蔽板22aの位置切替信号である。なお、本変形例において、ガス濃度測定装置1Bは、照射光検知器5を備えていない。
切替信号は、制御器43から発光器2(切替機構22)に送信されるとともに、判定器41にも送信される。すなわち、判定器41は、制御器43が送信する切替信号に基づいて発光器2が照射状態であるのか非照射状態であるのかを検知する。これにより、判定器41は、切替信号に基づいて受光器3から受信した光強度データが非照射状態における光強度データであるか照射状態における光強度データであるかを判定する。より具体的には、判定器41は、切替信号が非照射状態を示す期間において受光器3から受信した光強度データを非照射状態における光強度データであると判定し、切替信号が照射状態を示す期間において受光器3から受信した光強度データを照射状態における光強度データであると判定する。
本変形例によれば、発光器2を制御する制御信号(上記切替信号)を利用して、得られた光強度データが照射状態における光強度データであるか非照射状態における光強度データであるかが判定される。このため、発光器2の状態検知を行うための構成を別途設ける必要がなくなり、構成部品の数の増大を抑制することができる。
なお、本変形例では、制御器43から発光器2への切替信号(制御指令信号)を用いて判定器41が判定を行う態様を例示したが、これに代えて、切替信号に基づく発光器2の状態を制御器43にフィードバックする状態信号が発光器2から制御器43に送信される場合、この状態信号を用いて判定器41が判定を行ってもよい。
また、上記実施の形態および上記変形例においては、切替機構22が、照射光を遮蔽する遮蔽板22aを照射経路L1に位置させるか否かにより、発光器2の非照射状態と照射状態とが切り替えられる態様を例示した。しかし、発光器2の非照射状態と照射状態とを切り替える態様はこれに限られない。
図5は、本実施の形態の他の変形例におけるガス濃度測定装置の概略構成を示す図である。図5において、図4に示す構成と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。図5の変形例におけるガス濃度測定装置1Cは、光源21への電力供給のオンオフを切り替えることにより、照射状態と非照射状態との間の切り替えを行う切替機構22Cを備えている。本変形例において、駆動回路23は、切替機構22Cを備え、切替機構22Cは、制御器43Cからの切替信号に基づいて駆動回路23に接続される電源から光源21への電力供給のオンオフを切り替える切替回路として構成される。処理装置4Cの制御器43Cは、切替機構22Cを切り替える切替信号を送信する。
本変形例によっても、発光器2を制御する制御信号(上記切替信号)を利用して、得られた光強度データが照射状態における光強度データであるか非照射状態における光強度データであるかが判定される。このため、発光器2の状態検知を行うための構成を別途設ける必要がなくなり、構成部品の数の増大を抑制することができる。さらに、本変形例によれば、別途、光源21からの照射光を遮蔽する遮蔽板22aを用いる必要がなくなるため、この点でも構成部品の数の増大を抑制することができる。
また、本変形例では、点灯性が良好な光源21を用いる場合に好適に適用される。すなわち、光源21としてレーザ光源等、点灯開始から所定の光強度に達するまでの時間が比較的短く、消灯開始から光強度が所定値未満になるまでの時間が比較的短い光源を用いる場合に好適に適用される。
なお、上記実施の形態(図1の構成)において、遮蔽板22aを用いた切替機構22の代わりに、図5に示す切替機構22Cを適用してもよい。すなわち、光源21への電力供給のオンオフを切り替えることにより、照射状態と非照射状態との間の切り替えを行う構成と、照射光検知器5を用いて照射光が照射状態であるか非照射状態であるかの判定を行う構成とを組み合わせてもよい。これに加えてまたはこれに代えて、処理装置4Cは、検出器52の検出状態に基づいて、光源21からの光の照射が正常に行われているかどうか、照射光の光量が適正かどうかを判定してもよい。
また、上記実施の形態および変形例では、受光器3は、発光器2が照射状態であるか非照射状態であるかにかかわらず、処理装置4に光強度データを送信可能な態様としている。これに代えて、制御器43からの制御信号に基づいて受光器3が処理装置4に光強度データを送信するようにしてもよい。
図6は、本実施の形態の他の変形例におけるガス濃度測定装置の概略構成を示す図である。図6において、図4に示す構成と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。図6の変形例におけるガス濃度測定装置1Dは、演算器42および制御器43Dを含む処理装置4Dを備えている。制御器43Dは、発光器2および受光器3を制御する。
制御器43Dは、図4の変形例における制御器43と同様に、発光器2に対して照射状態と非照射状態との間の切り替えを行うための切替信号を送信する。さらに、制御器43Dは、発光器2が照射状態である間に、受光器3に対して照射状態における光強度データを取得するための第1取得信号を送信する。また、制御器43Dは、発光器2が非照射状態である間に、受光器3に対して非照射状態における光強度データを取得するための第2取得信号を送信する。
受光器3に対する第1取得信号および第2取得信号は、発光器2に対する切替信号と共通化してもよい。すなわち、制御器43Dは、発光器2に対する非照射状態から照射状態への切替信号を第1取得信号として受光器3に送信し、発光器2に対する照射状態から非照射状態への切替信号を第2取得信号として受光器3に送信してもよい。さらに、制御器43Dは、第1取得信号および第2取得信号、または切替信号を演算器42に送信する。
受光器3は、第1取得信号を受信した場合に、測定領域Aにおける光を受光し、受光した光の光強度データを、照射状態における光強度データとして演算器42に送信する。また、受光器3は、第2取得信号を受信した場合に、測定領域Aにおける光を受光し、受光した光の光強度データを、非照射状態における光強度データとして演算器42に送信する。
演算器42は、制御器43Dから第1取得信号を受信している場合に、受光器3から受信した光強度データを照射状態における光強度データとして識別する。また、演算器42は、制御器43Dから第2取得信号を受信している場合に、受光器3から受信した光強度データを非照射状態における光強度データとして識別する。
あるいは、受光器3から光強度データを送信する際に、当該光強度データに、第1取得信号に基づく光強度データであるか第2取得信号に基づく光強度データであるかを識別可能な識別データを付加してもよい。この場合、制御器43Dから演算器42へ第1取得信号および第2取得信号または切替信号を送信しなくてもよい。
あるいは、制御器43Dは、第1取得信号を送信した場合に第1フラグを立て、第2取得信号を送信した場合に第1フラグに代えて第2フラグを立てるようにしてもよい。この場合、演算器42は、受光器3から光強度データを受信した場合に、制御器43Dが立てたフラグを読み出す。読み出したフラグが第1フラグの場合、受信した光強度データを照射状態における光強度データとして識別する。また、読み出したフラグが第2フラグの場合、受信した光強度データを非照射状態における光強度データとして識別する。この場合も、制御器43Dから演算器42へ第1取得信号および第2取得信号または切替信号を送信しなくてもよい。
本変形例によれば、発光器2の照射状態または非照射状態に基づいて受光器3を制御することにより、照射状態の光強度データおよび非照射状態の光強度データのそれぞれを取得することができる。このため、演算器42が受信した光強度データが何れの状態における光強度データかを判定する必要がなくなり、判定器41を不要とすることができる。
なお、上記図5の変形例において、判定器41を用いる代わりに、図6に示す制御器43Dを適用してもよい。すなわち、光源21への電力供給のオンオフを切り替えることにより、照射状態と非照射状態との間の切り替えを行う構成と、受光器3に対して第1および第2取得信号を送信することにより、受光器3が照射状態における光強度データおよび非照射状態における光強度データをそれぞれ取得する構成とを組み合わせてもよい。
また、上記実施の形態および変形例において、一の処理装置4が、判定器41、演算器42または制御器43として機能する態様を例示したが、判定器41、演算器42または制御器43のうちの少なくとも何れか1つは、他の構成とは異なる装置または回路により構成されてもよい。また、受光器3が判定器41として機能してもよい。例えば、図4の変形例において、制御器43は、切替信号を発光器2の切替機構22に送信するとともに、受光器3に送信してもよい。この場合、受光器3(判定器41)は、制御器43からの切替信号に応じて取得した光強度データが照射状態における光強度データであるか非照射状態における光強度データであるかを判定してもよい。
また、取得する光強度データは、照射状態および非照射状態のそれぞれ1回ずつの測定により得られたデータとしてもよいが、照射状態および非照射状態のうちの少なくとも何れか一方については、複数回の測定により得られたデータとしてもよい。例えば、照射状態から非照射状態への切り替えを含む照射状態である第1期間から非照射状態である第2期間までの期間(第1期間+第2期間)を1セットとして、複数セット(複数回数)の計測および光強度データの取得を行ってもよい。演算器42は、複数回の計測で得られた照射状態における光強度データの平均を取ることにより、照射状態における平均光強度データを算出するとともに、複数回の計測で得られた非照射状態における光強度データの平均を取ることにより、非照射状態における平均光強度データを算出してもよい。さらに、演算器42は、照射状態における平均光強度データから非照射状態における平均光強度データを差し引くことにより、平均差分光強度データを求め、平均差分光強度データを用いて、測定対象ガスによる照射光の吸収率の平均値を算出してもよい。
本開示は、ガス濃度の計測に際し、設置自由度が高く、測定領域において輝炎が生じても背景光による影響を抑制するために有用である。
1,1B,1C,1D ガス濃度測定装置
2 発光器
3 受光器
5 照射光検知器
21 光源
22,22C 切替機構
22a 遮蔽板
41 判定器
42 演算器
43,43C,43D 制御器

Claims (10)

  1. 測定対象ガスの吸収波長を含む所定の波長範囲の照射光を測定領域に照射する発光器と、
    前記測定領域を介して前記発光器に対向して配置され、前記発光器からの照射光を受光する受光器と、
    前記受光器で得られた光強度データを演算処理する演算器と、
    を備え、
    前記発光器は、前記照射光を照射する光源と、前記照射光を前記測定領域に照射する照射状態と前記照射光を前記測定領域に照射しない非照射状態との間の切り替えを行う切替機構と、を含み、
    前記演算器は、前記照射状態における光強度データおよび前記非照射状態における光強度データをそれぞれ取得し、前記照射状態における光強度データから前記非照射状態における光強度データを差分した差分光強度データを用いて、前記測定対象ガスによる前記照射光の吸収率を算出する、ガス濃度測定装置。
  2. 前記光源は、前記所定の波長範囲を含む連続スペクトルを照射可能なランプ光源を含む、請求項1に記載のガス濃度測定装置。
  3. 前記光源は、前記所定の波長範囲で波長変調可能なレーザ光源を含み、
    前記切替機構は、前記所定の波長範囲における波長変調周期に基づいて前記照射状態と前記非照射状態との間の切り替えを行う、請求項1に記載のガス濃度測定装置。
  4. 前記切替機構は、前記光源への電力供給のオンオフを切り替えることにより、前記照射状態と前記非照射状態との間の切り替えを行う、請求項1から3の何れかに記載のガス濃度測定装置。
  5. 前記切替機構は、前記照射光を遮蔽する遮蔽板を照射経路に位置させるか否かにより、前記非照射状態と前記照射状態との間の切り替えを行う、請求項1から3の何れかに記載のガス濃度測定装置。
  6. 前記光強度データを、前記照射状態における光強度データであるか、前記非照射状態における光強度データであるかを判定する判定器を備えた、請求項1から5の何れかに記載のガス濃度測定装置。
  7. 前記発光器から前記照射光が照射されているか否かを検知する照射光検知器を備え、
    前記判定器は、前記照射光検知器からの検知信号に基づいて前記光強度データが前記非照射状態における光強度データであるか前記照射状態における光強度データであるかを判定する、請求項6に記載のガス濃度測定装置。
  8. 前記発光器に対して前記照射状態と前記非照射状態との間の切り替えを行うための切替信号を送信する制御器を備え、
    前記判定器は、前記制御器が送信する前記切替信号に基づいて前記光強度データが前記非照射状態における光強度データであるか前記照射状態における光強度データであるかを判定する、請求項6に記載のガス濃度測定装置。
  9. 前記発光器および前記受光器を制御する制御器を備え、
    前記制御器は、前記発光器に対して前記照射状態と前記非照射状態との間の切り替えを行うための切替信号を送信し、
    前記制御器は、前記発光器が前記照射状態である間に、前記受光器に対して前記照射状態における光強度データを取得するための第1取得信号を送信し、前記発光器が前記非照射状態である間に、前記受光器に対して前記非照射状態における光強度データを取得するための第2取得信号を送信する、請求項1から5の何れかに記載のガス濃度測定装置。
  10. 測定領域における測定対象ガスの濃度を測定するためのガス濃度測定方法であって、
    発光器を用いて測定対象ガスの吸収波長を含む所定の波長範囲の照射光を前記測定領域に照射することにより、前記測定領域を介して前記発光器に対向して配置された受光器において受光した照射状態における光強度データを取得し、
    前記発光器からの照射光を前記測定領域に照射しない状態で前記受光器において受光した非照射状態における光強度データを取得し、
    前記照射状態における光強度データから前記非照射状態における光強度データを差分した差分光強度データを用いて、前記測定対象ガスによる前記照射光の吸収率を算出する、ガス濃度測定方法。
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