JP2023000219A - ソイルセメント用添加剤、地盤改良セメント組成物、地盤改良体及び地盤改良工法 - Google Patents

ソイルセメント用添加剤、地盤改良セメント組成物、地盤改良体及び地盤改良工法 Download PDF

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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
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Abstract

【課題】地盤改良体の強度を維持できるソイルセメント用添加剤及びソイルセメント組成物を提供すること。【解決手段】多価アルコール1モルにアルキレンオキシドが5モル以上付加された構造を有する化合物(A)を含有するソイルセメント用添加剤。アルカノールアミン化合物(B)をさらに含有するソイルセメント用添加剤。流動化剤をさらに含有するソイルセメント用添加剤。また、前記ソイルセメント用添加剤と、水硬性粉体と、土と水とを含有するソイルセメント組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ソイルセメント用添加剤に関する。
ソイルセメントとは、土にセメント系固化材あるいはこれに水を加えて混合したものである。このソイルセメントを利用する工法としては、地盤改良工法、山留め工法、基礎杭工法、埋め戻し工法などがある。これらの工法では通常、セメント系固化材と水とを事前に混合したセメントミルクを土に添加する。上記セメント系固化材としては、普通ポルトランドセメント、高炉セメント、および普通ポルトランドセメントと高炉スラグ、石灰石粉、フライアッシュ、シリカ微粉末、炭酸カルシウム、石膏などを混合して得られる混合セメントなどが用いられる。この固化材および水の添加量は、ソイルセメントの造成対象となる土の物性、例えば、砂・シルト・粘土などの土質や、その含水状態などや、施工形態および施工目的などに応じて決定される。
ソイルセメントを利用する工法は、(1)原地盤、すなわち地中でソイルセメントを造成する工法、と(2)地上でソイルセメントを造成する工法に大別される。(1)の原地盤でソイルセメントを造成する工法としては、地盤改良工法、山留め工法、基礎杭工法が挙げられる。これらの工法では、一般にセメントスラリーと改良対象土を混合したソイルセメントの特性として、なるべく粘性が低く、削孔する際のスライムの排出が容易になるような混合土が望まれる。一方、(2)の地上でソイルセメントを造成する工法としては、ソイルセメント埋め戻し工法が挙げられる。この方法は、建設工事で発生する掘削土を有効に利用する立場から、掘削土にセメントミルクを地上で添加・混合し、埋め戻し材料や構造体材料等に利用するものである。この工法においては、ソイルセメントに対してセルフレベリング性能を持つ極めて高い流動性が要求される。
このように、ソイルセメントは、工法などの違いにより、要求特性、例えば、粘性、流動性などの物性も異なる。そのため、従来、種々の添加剤を用いてソイルセメントの物性を調整することが行われている。
特許文献1には、アクリル酸(塩)を必須構成単量体とするアクリル酸(塩)の重合体(I)と、アルカリ金属水酸化物及び/又はアルカリ金属珪酸塩(B)とからなるソイルセメント用流動化剤が開示されている。特許文献2には、所定の構造の水溶性ビニル共重合体(ポリカルボン酸系重合体)と消泡剤とを含む分散剤組成物とセメントと水とを所定の割合で含有するソイルセメントスラリーが開示されている(特許文献2参照)
特開2006-232600号公報 特開2013-1604号公報
ソイルセメントを調製する際、流動化剤(分散剤)の等の影響を受けて、硬化体の強度が低下するおそれがある。地盤改良の場合、ソイルセメントの硬化体は、地盤改良体とも称されるが、地盤改良体の十分な強度が維持できないという問題がある。
本発明は、地盤改良体の強度を維持できるソイルセメント用添加剤及びソイルセメント組成物を提供する。
本明細書において、範囲を示す「X~Y」は「X以上、Y以下」を意味する。本明細書において、「~酸(塩)」は「~酸および/またはその塩」を意味する。「(メタ)アクリル」は「アクリルおよび/またはメタクリル」を意味する。「(重)炭酸塩」は「炭酸(塩)および/または重炭酸(塩)」を意味する。
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果本発明に達した。すなわち本発明のソイルセメント用添加剤は、多価アルコール1モルにアルキレンオキシドが5モル以上付加された構造を有する化合物(A)を含有する、ソイルセメント用添加剤に関する。
また、本発明は、アルカノールアミン化合物(B)をさらに含有する、ソイルセメント用添加剤に関する。
また、本発明は、流動化剤をさらに含有する、ソイルセメント用添加剤に関する。
また、本発明は、前記ソイルセメント用添加剤と、水硬性粉体と、土と、水とを含有するソイルセメント組成物に関する。
また、本発明は、前記ソイルセメント用添加剤及び水を含有する混錬水と水硬性粉体とを混合してスラリーを得る工程と、該スラリーと土とを混合する工程とを含む、ソイルセント組成物の製造方法に関する。
本発明によれば、分散剤を併用する場合でも、地盤改良体の強度を維持できるソイルセメント用添加剤が提供される。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
本発明の添加剤の対象はソイルセメントである。ソイルセメントは、粘土を含む土壌を含むことができる。また、ソイルセメントは、水硬性粉体を含有することができる。
本発明の添加剤が用いられるソイルセメントは、地盤改良用又は土壌改良用であってよい。
本発明のソイルセメント用添加剤は、多価アルコール1モルにアルキレンオキシドが付加された構造を有する化合物(A)を含むことを特徴とする。また、アルカノールアミン化合物(B)をさらに含むことを特徴とし、流動化剤(C)を実施の形態、使用目的等によりさらに含むことを特徴とする。
<化合物(A)>
化合物(A)は、多価アルコール1モルにアルキレンオキシドが5モル以上付加された構造を有する。
アルキレンオキシドとしては、本発明の効果をより発現し得る点で、好ましくは炭素数2~10のアルキレンオキシドであり、さらに好ましくは炭素数2~8のアルキレンオキシドであり、より好ましくは炭素数2~6のアルキレンオキシドであり、特に好ましくは炭素数2~4のアルキレンオキシドであり、最も好ましくは炭素数2~3のアルキレンオキシド(すなわち、エチレンオキシド、プロピレンオキシド)である。また、アルキレンオキシドは、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
多価アルコール1モルに対するアルキレンオキシドの付加モル数は、下限値として、好ましくは10モル以上であり、より好ましくは20モル以上であり、さらに好ましくは30モル以上であり、さらに好ましくは40モル以上であり、さらに好ましくは50モル以上であり、さらに好ましくは100モル以上であり、特に好ましくは500モル以上であり、最も好ましくは1000モル以上であり、上限値として、好ましくは100000モル以下であり、より好ましくは50000モル以下であり、さらに好ましくは40000モル以下であり、さらに好ましくは30000モル以下であり、さらに好ましくは20000モル以下であり、さらに好ましくは10000モル以下であり、特に好ましくは7000モル以下であり、最も好ましくは5000モル以下である。多価アルコール1モルに対するアルキレンオキシドの付加モル数を上記範囲内に調整することによって、本発明のソイルセメント用添加剤は、地盤改良体の強度をより顕著に向上させ得る。
化合物(A)の重量平均分子量は、下限値として、3000以上であり、好ましくは4000以上であり、より好ましくは5000以上であり、さらに好ましくは10000以上であり、特に好ましくは20000以上であり、最も好ましくは100000以上である。上限値として、好ましくは10000000以下であり、より好ましくは5000000以下であり、さらに好ましくは3000000以下であり、特に好ましくは700000以下であり、最も好ましくは300000以下である。化合物(A)の重量平均分子量を上記範囲内に調整することによって、本発明のソイルセメント用添加剤は、ソイルセメントのスラリー粘度に影響せずに、地盤改良体の強度をより顕著に向上させ得る。なお、化合物(A)の重量平均分子量の測定方法は、実施例記載の分子量の測定方法(1)に従う。
多価アルコールとしては、2個以上のヒドロキシル基を有する化合物であればよく、低分子化合物やポリマーでもよく、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な多価アルコールを採用し得る。このような多価アルコールは、好ましくは2個以上のヒドロキシル基を有するアルコールであり、より好ましくは3個以上のヒドロキシル基を有するアルコールであり、特に好ましくは4個以上のヒドロキシル基を有するアルコールであり、最も好ましくは5個以上のヒドロキシル基を有するアルコールであり、ヒドロキシル基の上限としては、好ましくは500個以下のヒドロキシル基を有するアルコールであり、より好ましくは300個以下のヒドロキシル基を有するアルコールであり、更に好ましくは100個以下のヒドロキシル基を有するアルコールである。このような多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、ブタンジオール、グリセリン、ソルビトールなどが挙げられる。
多価アルコールとしては、水酸基を有するモノマーを重合して得られるものも挙げられる。水酸基を有するモノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、アリルアルコール、メタアリルアルコール、ブテニルアルコール、3-メチル-3-ブテニルアルコール、3-メチル-2-ブテニルアルコール、2-メチル-3-ブテニルアルコールなどが挙げられる。これらは、単独で重合させてもよく、他の重合可能なモノマーと共重合させてもよい。
化合物(A)は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な官能基を有していてもよい。しかしながら、化合物(A)は、本発明の効果を十分に発現し得る点で、カルボキシル基の含有量が少ないことが好ましく、化合物(A)の質量に対して、カルボキシル基として未中和の状態で換算したカルボキシル基の質量が、好ましくは10質量部以下、より好ましくは、5質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、最も好ましくは全く有さないことが好ましい。
化合物(A)を合成する方法としては、公知の方法など、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な方法を採用し得る。このような方法としては、例えば、水酸基を有するモノマーを重合した後、アルキレンオキシドを付加する方法、水酸基を有するモノマーに先にアルキレンオキシドを付加してから、重合する方法、などが挙げられる。
化合物(A)としては、具体的には、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、メタクリル酸のアルキレンオキシド付加体由来の構造単位を有する共重合体、ソルビトールのアルキレンオキシド付加体、ネオペンチルグリコールのアルキレンオキシド付加体、ペンタンジオールのアルキレンオキシド付加体、ブタンジオールのアルキレンオキシドの付加体、ペンタンジオールのアルキレンオキシド付加体、ブタンジオールのアルキレンオキシド付加体、グリセリンのアルキレンオキシド付加体、ヒドロキシエチルビニルエーテルのアルキレンオキシド付加体由来の構造単位を有する共重合体、ヒドロキシプロピルビニルエーテルのアルキレンオキシド付加体由来の構造単位を有する共重合体、ヒドロキシブチルビニルエーテルのアルキレンオキシド付加体由来の構造単位を有する共重合体、アリルアルコールのアルキレンオキシド付加体由来の構造単位を有する共重合体、メタリルアルコールのアルキレンオキシド付加体由来の構造単位を有する共重合体、ブテニルアルコールのアルキレンオキシド付加体由来の構造単位を有する共重合体3-メチル-3-ブテニルアルコールのアルキレンオキシド付加体由来の構造単位を有する共重合体、3-メチル―2-ブテニルアルコールのアルキレンオキシド付加体由来の構造単位を有する共重合体、2-メチル―3-ブテニルアルコールのアルキレンオキシド付加体由来の構造単位を有する共重合体、ポリエチレンイミンのアミノ基に結合している活性水素へのアルキレンオキシド付加体などが挙げられる。ここで、「ポリエチレンイミンのアミノ基に結合している活性水素へのアルキレンオキシド付加体」とは、ポリエチレンイミンが有するアミノ基に結合している活性水素にアルキレンオキシド(エチレンオキシドなど)が任意の適切な付加モル数で付加した付加体をいう。
化合物(A)が3-メチル-3-ブテニルアルコールのアルキレンオキシド付加体由来、メタリルアルコールのアルキレンオキシド付加体由来の構造単位を有する共重合体の場合、本発明の効果をより発現し得る点で、該共重合体がカルボキシル基またはその塩(アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩など)が少ないことが好ましく、化合物(A)の質量に対して、カルボキシル基として未中和の状態で換算したカルボキシル基の質量が、好ましくは10質量部以下、より好ましくは、5質量部以下、更に好ましくは3質量部以下、最も好ましくは全く有さないことが好ましい。
<アルカノールアミン化合物(B)>
アルカノールアミン化合物(B)としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なアルカノールアミン化合物を採用し得る。このようなアルカノールアミン化合物としては、例えば、低分子型のアルカノールアミン化合物、高分子型のアルカノールアミン化合物などが挙げられる。
低分子型のアルカノールアミン化合物としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、メチルエタノールアミン、メチルイソプロパノールアミン、メチルジエタノールアミン、メチルジイソプロパノールアミン、ジエタノールイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールエタノールアミン、テトラヒドロキシエチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、トリス(2-ヒドロキシブチル)アミン、などが挙げられる。これらの中でも、低分子型のアルカノールアミン化合物としては、好ましくは、トリイソプロパノールアミン、N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、ジイソプロパノールエタノールアミンが挙げられる。他の低分子型のアルカノールアミン化合物としては、例えば、トリイソプロパノールアミンの骨格を有するモノマーなども挙げられる。
高分子型のアルカノールアミン化合物としては、例えば、アルカノールアミンの一部がポリマーと結合している構造のアルカノールアミンが挙げられる。このような高分子型のアルカノールアミン化合物としては、例えば、トリイソプロパノールアミンの骨格を有するポリマーが挙げられる。
<流動化剤(C)>
流動化剤(C)は、ソイルセメントに対して良好な流動性を付与する添加剤であって、分散剤とも呼ばれ、有機系分散剤、無機系分散剤が挙げられる。有機系分散剤としては、不飽和カルボン酸重合物、ナフタレン系分散剤が挙げられ、例えば、不飽和カルボン酸重合物又はその塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物又はその塩が挙げられる。不飽和カルボン酸としてはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、などが挙げられる。不飽和カルボン酸が含まれるコポリマーでも良い。また、無機系分散剤としては、リン酸塩類が挙げられ、例えば、ポリリン酸又はその塩、リン酸又はその塩、トリポリリン酸又はその塩が挙げられる。
本発明の流動化剤は、有機系分散剤が好ましく、不飽和カルボン酸(塩)の重合物、つまり不飽和カルボン酸(塩)を必須構造単量体とする重合体がより好ましく、アクリル酸(塩)の重合体、つまりアクリル酸(塩)を必須構成単量体とする重合体が特に好ましい。
不飽和カルボン酸(塩)の重合物の好ましい形態は、アクリル酸塩(塩)の重合体(I)とポリカルボン酸系重合体(II)がある。、本明細書中のポリカルボン酸系重合体(II)は、不飽和カルボン酸(塩)系単量体とポリアルキレングリコール系単量体の共重合体を示す。本発明において、アクリル酸(塩)は、アクリル酸又はアクリル酸塩を意味し、カルボン酸(塩)はカルボン酸又はカルボン酸塩を意味する。
アクリル酸塩としては、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム及びリチウム等)塩、アルカリ土類金属(ベリリウム、マグネシウム及びカルシウム等)塩、アンモニウム塩{アンモニウム塩、アルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミン等)塩、アミン(メチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、メチルエチルアミン及びメチルジエチルアミン等)塩及び第4級アンモニウム(テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム及びジメチルジエチルアンモニウム)塩}等が挙げられる。これらは単独又は混合して用いてもよい。これらのうち、アルカリ金属塩が好ましく、さらに好ましくはカリウム塩及びナトリウム塩、特に好ましくはナトリウム塩である。
<アクリル酸(塩)の重合体(I)>
アクリル酸(塩)の重合体(I)は、アクリル酸(塩)以外に他のビニル単量体(塩)を構成単量体として含むことができる。例えば、水酸基含有アルキル(メタ)アクリレート類、アルキル(メタ)アクリレート類、アミノ基含有アクリレート類、アミド基含有単量体類、ビニルエステル類、アルケン類、芳香族ビニル系単量体類、マレイミド誘導体、ニトリル基含有ビニル系単量体類、ホスホン酸基を有する単量体類、スルホン基を有する単量体類、アルデヒド基含有ビニル系単量体類、アルキルビニルエーテル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルアルコール、ビニルピロリドン等のその他官能基含有単量体類等が挙げられる。
他のビニル単量体を構成単量体として含有する場合、他のビニル単量体単位の含有量(モル%)は、アクリル酸(塩)の重合体(I)の構成単量体の全モル数に基づいて、0.1~50が好ましく、さらに好ましくは0.3~40、特に好ましくは0.5~30である。この範囲であるとソイルセメントの流動性がさらに良好となる。
アクリル酸(塩)の重合体(I)は、既に報告されている公知のビニルモノマーの重合方法、例えば特開2006-347784の記載の方法を用いて得ることができる。
アクリル酸(塩)の重合体(I)の重量平均分子量(Mw)は、1,000~100,000が好ましく、さらに好ましくは2,000~50,000、特に好ましくは2,000~30,000、最も好ましくは、2,000~20,000である。また、分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、1.2~3.0が好ましく、さらに好ましくは1.3~2.5、特に好ましくは1.4~2.0である。この範囲内であるとソイルセメントの流動性がさらに良好となる。なお、アクリル酸塩の重合体(I)の分子量の測定は、実施例記載の分子量の測定方法(2)に従う。
<ポリカルボン酸系共重合体(II)>
本発明のポリカルボン酸系共重合体(II)は、不飽和カルボン酸系単量体(a)とポリアルキレングリコール系単量体(b)の共重合体であり、単に共重具体とも示す。不飽和カルボン酸単量体(a)は、構造式(1)で示され、ポリアルキレングリコール系単量体(b)は構造式(2)で示される。重合方法は特に限定されるものではないが、例えば水溶液重合など、公知の方法によって重合される。

Figure 2023000219000001
(式(1)中、R1、R3は、同一又は異なって、水素原子、メチル基又はエチル基を表す。R2は、水素原子又は-COOX2を表す。X1、X2は、同一又は異なって、水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基又は有機アミン基を表す。-COOX1と-COOX2とは無水物を形成していてもよい。

Figure 2023000219000002
(式(2)中、R4、R5及びR6は、同一又は異なって、水素原子、メチル基又はエチ
ル基を表す。R7は、同一又は異なって、炭素数2~4のアルキレン基を表す。R8は、
水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表す。pは、0~2の数を表す。mは、0又
は1の数を表し、nは、1~300の数を表す。)
上記不飽和カルボン酸系単量体(a)としては、不飽和モノカルボン酸系単量体やその塩、不飽和ジカルボン酸単量体やその塩、無水物を用いることができる。不飽和モノカルボン酸系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸及びこれらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩が好適である。不飽和ジカルボン酸系単量体としては、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、又はこれらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等が挙げられ、更にこれらの無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられる。これらの中でも不飽和カルボン酸系単量体(b)としては、(メタ)アクリル酸及びこれらの塩、マレイン酸及びその塩、並びに、無水マレイン酸からなる群より選ばれる1種以上の単量体を必須とするのが好ましく、アクリル酸及びその塩、マレイン酸及びその塩、並びに、無水マレイン酸からなる群より選ばれる1種以上の単量体を必須とするのがより好ましい。
上記ポリアルキレングリコール系単量体(b)としては、一般式(2)におけるmが1である不飽和(ポリ)アルキレングリコールエステル系単量体と、一般式(2)におけるmが0である不飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系単量体とがある。不飽和(ポリ)アルキレングリコールエステル系単量体としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の炭素数2~4のオキシアルキレン基を有する(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート;メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシプロピル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の末端に炭素数1~20のアルコキシ基を有し、炭素数2~4のオキシアルキレン基を有する(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。不飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系単量体としては、ポリエチレングリコールビニルエーテル、ポリエチレングリコール(メタ)アリルエーテル、ポリエチレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アリルエーテル、メトキシポリエチレングリコール3-メチル-3-ブテニルエーテル等のビニルアルコール、(メタ)アリルアルコール、3-メチル-3-ブテン-1-オール、3-メチル-2-ブテン-1-オール、2-メチル-3-ブテン-1-オール、2-メチル-2-ブテン-1-オール等の炭素数2~10の不飽和アルコールにアルキレンオキサイドを1~4モル付加させた化合物及びこれらの末端に炭素数1~20の炭化水素基が結合した化合物等が挙げられる。
上記一般式(2)において、オキシアルキレン基の数を表すnは、1~300の数である。アルキレンオキシド鎖が長いほうがセメント組成物スラリー中でのセメント粒子の凝集を抑制して分散性を高め、セメント組成物スラリーの粘度を下げる効果が得られるが、スラリー粘度が下がると固形分は分離沈降しやすくなる。逆にアルキレンオキシド鎖が短いと固形分の分離沈降はし難くなるが、セメント組成物スラリーの粘度は高くなる。上記一般式(2)におけるオキシアルキレン基の数が1~300であると、セメント組成物がスラリーの流動性に優れる効果と固形分が分離沈降しにくい効果とをバランス良く発揮することができる。これらをよりバランス良く発揮することを考えると、nの数は、好ましくは、1~100であり、より好ましくは、5~100であり、更に好ましくは5~50であり、特に好ましくは、5~25である。
共重合体(II)は、他のビニル単量体(塩)を構成単量体として含むことができる。例えば、水酸基含有アルキル(メタ)アクリレート類、アルキル(メタ)アクリレート類、アミノ基含有アクリレート類、アミド基含有単量体類、ビニルエステル類、アルケン類、芳香族ビニル系単量体類、マレイミド誘導体、ニトリル基含有ビニル系単量体類、ホスホン酸基を有する単量体類、スルホン基を有する単量体類、アルデヒド基含有ビニル系単量体類、アルキルビニルエーテル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルアルコール、ビニルピロリドン等のその他官能基含有単量体類等が挙げられる。
上記共重合体(II)は、構造単位(a)と構造単位(b)とのモル比(構造単位(a)/構造単位(b))が50/50~99/1であることが好ましい。セメント組成物スラリーを流動性に優れたものとするためには、共重合体がスラリー中の固形分を分散させる効果を充分に発揮することが必要となる。そのためには、共重合体が酸基によってセメントに吸着する効果と、共重合体の側鎖のオキシアルキレン鎖の効果によってセメント粒子の凝集を抑制する効果とがバランスよく発揮されることが重要であり、共重合体における構造単位(a)と構造単位(b)とのモル比が上記のような範囲であると、これらの効果がよりバランスよく発揮されることになる。構造単位(a)/構造単位(b)は、より好ましくは、50/50~95/5であり、更に好ましくは、60/40~95/5であり、特に好ましくは、65/35~95/5である。
他のビニル単量体を構成単量体として含有する場合、他のビニル単量体単位の含有量(モル%)は、共重合体(II)の構成単量体の全モル数に基づいて、0.1~50が好ましく、さらに好ましくは0.3~40、特に好ましくは0.5~30である。この範囲であるとソイルセメントの流動性がさらに良好となる。
上記共重合体(II)は、重量平均分子量が3000~150000であることが好ましい。共重合体がこのような重量平均分子量のものであると、セメント組成物がスラリーの流動性に優れる効果と固形分が分離沈降しにくい効果とをよりバランス良く発揮することができる。共重合体の重量平均分子量は、より好ましくは、3000~100000であり、更に好ましくは、5000~50000であり、特に好ましくは、7000~50000である。上記共重合体の重量平均分子量の測定方法は、実施例記載の分子量の測定方法(1)に従う。
有機系分散剤は多価イオン不溶化剤を併用することができる。特にアクリル酸(塩)の重合体(I)は、多価イオン不溶化剤と併用することで、良好な流動性を得ることができる。 多価イオン不溶化剤としては、無機(重)炭酸塩が挙げられ、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムが挙げられる。好ましくは無機炭酸塩であり、特に炭酸ナトリウム、炭酸カリウムがより好ましく、、価格の点からは炭酸ナトリウムが最も好ましい。併用する場合の比率は有機系分散剤100質量部に対する多価イオン不溶化剤の配合量は、好ましくは0.1質量部以上 より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは、10質量部以上、特に好ましくは30質量部以上、最も好ましくは、50質量部以上そして、好ましくは2000質量部以下、より好ましくは1000質量部以下、特に好ましくは500質量部以下、最も好ましくは300質量部以下である。
流動化剤(C)は、有機系分散剤の時に好ましく配合される多価イオン不溶化剤以外にも、消泡剤、水溶性高分子、高分子エマルジョン、遅延剤、早強剤・促進剤、AE剤、界面活性剤、防水材、防錆剤、ひび割れ低減剤、膨張剤、増粘剤、分離低減剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、セルフレベリング剤等の添加剤を1種又は2種以上含んでいてもよい。
本発明のソイルセメント用添加剤から流動化剤(C)を除く場合、化合物(A)の含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、より好ましくは10量%以上、より好ましくは20量%以上、より好ましくは30量%以上、最も好ましくは50質量%以上である。
本発明のソイルセメント用添加剤から流動化剤(C)を除き、更に、アルカノールアミン(B)を含む添加剤とする場合は、アルカノールアミン(B)の含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、より好ましくは10量%以上、より好ましくは20質量%以上、最も好ましくは33質量%以上であり、上限値として、好ましくは99質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは75質量%以下、最も好ましくは50質量%以下である。
本発明のソイルセメント用添加剤中、(B)成分を含む場合は、(A)成分の含有量と(B)成分の含有量の質量比である(A)/(B)は、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上、より好ましくは0.3以上、より好ましくは0.5以上、最も好ましくは1以上、そして上限値として、好ましくは200以下、より好ましくは100以下、より好ましくは10以下、より好ましくは5以下、最も好ましくは2以下である。
本発明のソイルセメント用添加剤は、アルカノールアミン化合物(B)を併用する場合、化合物(A)とアルカノールアミン化合物(B)との両方を含むことになり、ソイルセメント組成物の硬化物の強度を顕著に向上させ得るという効果を発現する。具体的には、本発明が発現し得るソイルセメント組成物の硬化物の強度向上効果は、化合物(A)のみに起因するセメント組成物の硬化物の強度向上効果とアルカノールアミン化合物(B)のみに起因するセメント組成物の硬化物の長期強度向上効果との和から予想される効果に比べて、顕著に高い相乗効果を示す。
本発明のソイルセメント用添加剤が、流動化剤(C)を含まない場合、化合物(A)とアルカノールアミン化合物(B)以外に、上述した流動化剤(C)において併用できる添加剤を任意で含むことができるが、化合物(A)とアルカノールアミン化合物(B)の合計量の含有割合は、好ましくは50質量%~100質量%であり、より好ましくは70質量%~100質量%であり、さらに好ましくは90質量%~100質量%であり、特に好ましくは95質量%~100質量%であり、最も好ましくは実質的に100質量%である。すなわち、流動化剤(C)を含まない場合は、最も好ましくは、本発明のセメント用添加剤は、化合物(A)とアルカノールアミン化合物(B)とからなる。
本発明中のソイルセメント用添加剤が、流動化剤(C)を含む場合、土壌の種類と、配合する水硬性粉体の種類と量、水の量により流動化剤(C)の必要量が決まるが、化合物(A)とアルカノール化合物(B)と流動化剤(C)の合計100質量部に対して、流動化剤(C)の添加量は、流動性を付与する観点からは、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上、そして、固化後の強度を付与する観点からは、好ましくは99.5質量%以下、より好ましくは99質量%以下、更に好ましくは95質量%以下である。
本発明の地盤改良セメント組成物は、本発明の地盤改良セメント組成物用分散剤とセメントとを含む限り、その他の添加剤を更に含有していてもよい。その他の添加剤としては、流動化剤(C)のほかに、消泡剤や、水溶性高分子物質、高分子エマルジョン、遅延剤、早強剤・促進剤、AE剤、界面活性剤、防水剤、防錆剤、ひび割れ低減剤、膨張材、セメント湿潤剤、増粘剤、分離低減剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、セルフレベリング剤、防錆剤、着色剤、防カビ剤、高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石膏等のセメント添加剤(材)の1種又は2種以上を含んでいてもよい。また、添加剤の使用の形態は特に制限されず、本発明の組成物をその他の添加剤とあらかじめ混合した状態で使用しても良いし、2種類以上の剤を順に使用しても良い。
本発明は、土壌、水硬性粉体、水、及び本発明の添加剤を含有する、ソイルセメントを提供する。すなわち、土壌、水硬性粉体、水、化合物(A)、アルカノールアミン(B)、及び流動化剤(C)を含有する、ソイルセメントを提供する。アルカノールアミン(B)、流動化剤(C)は任意で含まれる。
また、本発明は、土壌、水硬性粉体、水、及び本発明の添加剤を混合する、ソイルセメントの製造方法を提供する。すなわち、土壌、水硬性粉体、水、化合物(A)成分、アルカノールアミン(B)、及び流動化剤(C)を混合する、ソイルセメントの製造方法を提供する。アルカノールアミン(B)、流動化剤(C)は任意で含まれる。
これらにおける化合物(A)、アルカノールアミン(B)、流動化剤(C)には、前記した化合物(A)、アルカノールアミン(B)、流動化剤(C)の態様から選択される1又はそれ以上の態様が適用できる。また、これらのソイルセメント及びそれらの製造方法には、本発明の添加剤で述べた事項を適宜適用できる。
本発明のソイルセメントについて説明する。 本発明のソイルセメントは、例えば、地盤改良工法、山留め工法、基礎杭工法、および埋め戻し工法等で用いられる。
本発明のソイルセメントとしては、化合物(A)、土壌、水硬性粉体、及び水を含有するソイルセメントが挙げられる。アルカノールアミン(B)、流動化剤(C)は任意で含まれる。
水硬性粉体とは、水と混合することで硬化する粉体であり、ポルトランドセメント(普通、早強、超早強、中庸熱、耐硫酸塩及びそれぞれの低アルカリ形);各種混合セメント(高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント);白色ポルトランドセメント;アルミナセメント;超速硬セメント(1クリンカー速硬性セメント、2クリンカー速硬性セメント、リン酸マグネシウムセメント);グラウト用セメント;油井セメント;低発熱セメント(低発熱型高炉セメント、フライアッシュ混合低発熱型高炉セメント、ビーライト高含有セメント);超高強度セメント;セメント系固化材;エコセメント(都市ごみ焼却灰、下水汚泥焼却灰の1種以上を原料として製造されたセメント)等の他、これらに高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石灰石粉末等の微粉体や石膏を添加したもの等が挙げられる。本発明の地盤改良セメント組成物に含まれるセメントは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
土壌としては、砂、シルト、粘土等が挙げられる。これらの土壌は腐植物質に代表される有機物を含んでもよい。これらは施工現場で発生する発生土を用いることができる。また、前記ソイルセメントの土壌以外の成分含む組成物を、地盤改良等の目的で高圧ジェット噴流体として地盤等に注入した際に、地盤中の土を噴流体に巻き込むことによって、ソイルセメントを製造して良い。
本発明の地盤改良セメント組成物は、固化後の強度に優れるため、地盤改良のためのセメント組成物を地盤に形成された孔に注入して地盤改良体を造成する地盤改良工法に好適に用いることができる。このような地盤改良工法、すなわち、地盤に形成された孔に本発明の土壌以外の成分を含む組成物を注入する工程を含む地盤改良工法もまた、本発明の1つである。
本発明の地盤改良工法は、上記工程以外の他の工程を含んでいてもよい。
また、本発明の地盤改良工法は、上記以外の他の工法であってもよい。他の工法としては
、高圧噴射併用機械撹拌工法等がある。
本発明のソイルセメント中、化合物(A)成分の含有量は、水硬性粉体に対して、好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.0005質量%以上、更に好ましくは0.001質量%以上、より更に好ましくは0.005質量%以上、より更に好ましくは0.01質量%以上、最も好ましくは0.02質量%以上、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。本発明の添加剤を用いる場合は、好ましくは、ソイルセメント中の化合物(A)の含有量がこの範囲となるように用いられる。
本発明のソイルセメント中、アルカノールアミン(B)の含有量は、水硬性粉体に対して、好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.0005質量%以上、更に好ましくは0.001質量%以上、より更に好ましくは0.005質量%以上、より更に好ましくは0.01質量%以上、最も好ましくは0.02質量%以上、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。本発明の添加剤を用いる場合は、好ましくは、ソイルセメント中の(B)成分の含有量がこの範囲となるように用いられる。
本発明のソイルセメントは、(B)成分を含む場合は、化合物(A)の含有量とアルカノールアミン(B)の含有量の質量比である(A)/(B)は、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上、より好ましくは0.3以上、より好ましくは0.5以上、最も好ましくは1以上、そして上限値として、好ましくは200以下、より好ましくは100以下、より好ましくは10以下、より好ましくは5以下、最も好ましくは2以下である。
本発明のソイルセメント中、流動化剤(C)成分の含有量は、水硬性粉体に対して、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上、より更に好ましくは0.05質量%以上、より更に好ましくは0.1質量%以上、最も好ましくは0.2質量%以上、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。本発明の添加剤を用いる場合は、好ましくは、ソイルセメント中の流動化剤(C)の含有量がこの範囲となるように用いられる。
本発明のソイルセメント中、土壌の含有量は、水硬性粉体に対して、好ましくは200質量%以上、より好ましくは400質量%以上、そして、好ましくは1500質量%以下、より好ましくは1200質量%以下である。
本発明のソイルセメントは、水/水硬性粉体比が、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、そして、好ましくは500質量%以下、より好ましくは400質量%以下、更に好ましくは300質量%以下である。
本発明は、土壌、水硬性粉体、及び本発明の添加剤を含有する、地盤改良体を提供する。すなわち、土壌、水硬性粉体、化合物(A)、及びアルカノール(B)成分を含有する、地盤改良体を提供する。
本発明は、本発明の添加剤を含有する水硬性組成物を、土壌と混合する、地盤の改良工法を提供する。すなわち、化合物(A)を必須とし、アルカノールアミン(B)、流動化剤(C)を任意成分として含有する水硬性組成物を地盤と混合する、地盤の改良工法を提供する。
これらにおける化合物(A)、アルカノールアミン(B)には、前記した化合物(A)、アルカノールアミン(B)の態様から選択される1又はそれ以上の態様が適用できる。また、これらの地盤改良体や地盤の改良工法には、本発明の添加剤で述べた事項を適宜適用できる。
本発明の地盤の改良工法では、前記水硬性組成物と土壌とを、体積比(前記水硬性組成物)/(土壌)が、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、そして、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.0以下で混合する。
ソイルセメントの製造方法は、例えば、本発明の添加剤及び水を含有する混練水と水硬性粉体とを混合してスラリーを得る工程と、該スラリーと土壌とを混合する工程とを含むものが挙げられる。スラリーを得る工程として、使用されるミキサーは均一に混合されるものであれば特に限定されるものではないが、一般的に機械撹拌翼で撹拌するタイプのものが多く使用されている。このミキサー等に撹拌しながら、本発明の添加剤、水、水硬性粉体を投入し、例えば1分以上15分以下、混練することによりスラリーが得られる。本発明の添加剤は、水と予め混合して混練水として用いるか、セメントミルク製造後にセメントミルクに添加して使用することが好ましい。この製造方法では、化合物(A)、アルカノールアミン(B)成分、土壌、水、水硬性粉体は、本発明のソイルセメントで述べた量的関係を満たすように用いることができる。本発明は、水硬性粉体、水、及び本発明の添加剤を含有する地盤改良用スラリーを提供する。すなわち、水硬性粉体、水、化合物(A)を必須成分として、アルカノールアミン(B)、流動化剤(C)を任意成分として含有する地盤改良用スラリーを提供する。これらにおける化合物(A)、アルカノールアミン(B)流動化剤(C)には、前記した化合物(A)、アルカノールアミン(B)、流動化剤(C)の態様から選択される1又はそれ以上の態様が適用できる。また、これらのスラリーには、本発明の添加剤で述べた事項を適宜適用できる。これらのスラリーは、前記のソイルセメントの製造方法に好適に用いられる。また、以下で述べるスラリーは、本発明の地盤改良用スラリーであってよい。
次いで、スラリーと土壌とを混合する工程として、具体的に撹拌混合メカニズムから分類すると、(1)CDM工法に代表される調製されたスラリーを地中で吐出しながら機械撹拌翼で撹拌する工法、(2)噴射撹拌工法に代表される調製されたスラリーを高圧ジェット噴流体として地中に送り、周囲の土砂を削り取り撹拌する工法、(3)地中連続壁工法における多軸式オーガー、例えばSMW工法などや鉛直撹拌横曳式、例えばTRD工法など、など、調製されたスラリーを吐出して原位置の土壌と撹拌・混合する工法などが挙げられ、これら工法によりソイルセメントが製造される。
ソイルセメントを造成する方法の一例として、本発明の添加剤を含む水硬性組成物、すなわちセメント系固化材をその質量の好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上、そして、好ましくは500%以下、より好ましくは400%以下の混練水に混合してセメントスラリーを調製し、このセメントスラリーを改良すべき地盤中に、改良対象土の容積の0.1倍以上1.5倍以下の容積をもって打設・混合し、硬化させる方法が挙げられる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。なお、特に明記しない限り、部とあるものは質量部を意味し、%とあるものは質量%を意味する。
分子量は、以下の記載の方法のうち、物質に応じて定めた方法で測定を行った。
<分子量の測定方法(1)>
使用カラム:東ソー株式会社製、TSKguardcolumnα+TSKgelα-5000+TSKgelα-4000+TSKgelα-3000を各1本ずつ連結して使用した。
・溶離液:リン酸二水素ナトリウム・2HO:62.4g、リン酸水素二ナトリウム・12HO:143.3gを、イオン交換水:7794.3gに溶解させた溶液に、アセトニトリル:2000gを混合した溶液を用いた。
検出器:VIscotek社製のトリプル検出器「Model302光散乱検出器」、直角光散乱として90°散乱角度、低角度光散乱として7°散乱角度、セル容量として18μL、波長として670nm。
標準試料:東ソー株式会社製、ポリエチレングリコールSE-8(Mw=l07000)を用い、そのdn/dCを0.135ml/g、溶離液の屈折率を1.333として装置定数を決定した。
打ち込み量
標準試料:ポリマー濃度が0.2vol%になるように上記溶離液で溶解させた溶液を100μL注入した。
サンプル:ポリマー濃度が1.0vol%になるように上記溶離液で溶解させた溶液を100μL注入した。
流速:0.8ml/mIn
カラム温度:40℃
<分子量の測定方法(2)>
分子量既知のポリアクリル酸を標準物質として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定した。以下に詳細な条件を記す。
装置:Waters AllIance(e2695)
解析ソフト:Waters社製、Empower2プロフェッショナル+GPCオプション
使用カラム:Shodex社製、GF-310HQ,GF-710-HQ,GF-1G-7B
検出器:示差屈折率計(RI)検出器(Waters 2414)
溶離液:0.1mol/Lの酢酸ナトリウム水溶液
較正曲線作成用標準物質:AmerIcan Polymer Standards社製ポリアクリル酸(ピークトップ分子量(Mp)131000、750000、589700、193800、115000、62900、47500、28000、7500、2925、1250)
較正曲線:上記標準物質のMp値と溶出時間とを基礎にして3次式で作成した。
標準物質試料液注入量:50μL(重合体濃度0.1質量%の溶離液溶液)
重合体試料液注入量:50μL(重合体濃度0.5質量%の溶離液溶液)
流量:0.5mL/分
カラム温度:40℃
測定時間:90分
(化合物(A)の製造)
〔製造例1〕
ジムロート冷却管、テフロン(登録商標)製の撹拌翼と撹拌シール付の撹拌器、窒素導入管、温度センサーを備えたガラス製反応容器にイオン交換水103.7部を仕込み、250rpmで撹拌下、窒素を200mL/分で導入しながら70℃まで加温した。次に、IPN-50(80%水溶液)188部、アクリルアミド9.6部、イオン交換水53.07部からなる混合溶液を4時間かけ滴下し、それと同時に3-メルカプトプロピオン酸0.13部、イオン交換水29.47部からなる混合溶液と過硫酸アンモニウム0.48部とイオン交換水15.55部の混合溶液をそれぞれ5時間かけて滴下した。滴下完了後1時間、70℃に保って重合反応を完結させた。そして、水酸化ナトリウム水溶液で中和して、重量平均分子量130000の共重合体(1)の水溶液を得た。
〔製造例2〕
ジムロート冷却管、テフロン(登録商標)製の撹拌翼と撹拌シール付の撹拌器、窒素導入管、温度センサーを備えたガラス製反応容器にイオン交換水117.3部を仕込み、250rpmで撹拌下、窒素を200mL/分で導入しながら70℃まで加温した。次に、IPN-50(80%水溶液)188部、アクリルアミド9.6部、イオン交換水53.07部からなる混合溶液を4時間かけ滴下し、それと同時に過硫酸アンモニウム0.48部とイオン交換水31.59部の混合溶液を5時間かけて滴下した。滴下完了後1時間、70℃に保って重合反応を完結させた。そして、水酸化ナトリウム水溶液で中和して、重量平均分子量210000の共重合体(2)の水溶液を得た。
〔製造例3〕
ジムロート冷却管、テフロン(登録商標)製の撹拌翼と撹拌シール付の撹拌器、窒素導入管、温度センサーを備えたガラス製反応容器にイオン交換水:103.7部を仕込み、250rpmで撹拌下、窒素を200mL/分で導入しながら70℃まで加温した。次に、IPN-50(80%水溶液)180部、ヒドロキシエチルアクリレート16.0部、イオン交換水44.0部からなる混合溶液を4時間かけて滴下し、それと同時に、3-メルカプトプロピオン酸0.06部とイオン交換水40.2部からなる混合溶液と、過硫酸アンモニウム1.98部とイオン交換水64.05部からなる混合溶液をそれぞれ5時間かけて滴下した。滴下完了後、1時間、70℃に保って重合反応を完結させた。そして、水酸化ナトリウム水溶液で中和して、重量平均分子量350000の共重合体(3)の水溶液を得た。
〔製造例4〕
ジムロート冷却管、テフロン(登録商標)製の撹拌翼と撹拌シール付の撹拌器、窒素導入管、温度センサーを備えたガラス製反応容器にイオン交換水:143.97部を仕込み、250rpmで撹拌下、窒素を200mL/分で導入しながら70℃まで加温した。次に、IPN-50(80%水溶液)180部、ヒドロキシエチルアクリレート16.0部、イオン交換水44.0部からなる混合溶液を4時間かけて滴下し、それと同時に、過硫酸アンモニウム1.98部とイオン交換水64.05部からなる混合溶液を5時間かけて滴下した。滴下完了後、1時間、70℃に保って重合反応を完結させた。そして、水酸化ナトリウム水溶液で中和して、重量平均分子量740000の共重合体(4)の水溶液を得た。
〔製造例5〕
ジムロート冷却管、テフロン(登録商標)製の撹拌翼と撹拌シール付の撹拌器、窒素導入管、温度センサーを備えたガラス製反応容器にイオン交換水80.0部を仕込み、250rpmで撹拌下、窒素を200mL/分で導入しながら70℃まで加温した。次に、メタクリル酸にエチレンオキシドを付加(エチレンオキシドの平均付加モル数8)させたもの(日油株式会社製、PE350)80.0部、イオン交換水88.0部からなる混合溶液を4時間かけて滴下し、それと同時に、3-メルカプトプロピオン酸0.58部とイオン交換水122.0部からなる混合溶液と、過硫酸アンモニウム0.37部とイオン交換水37.09部からなる混合溶液をそれぞれ5時間かけて滴下した。滴下完了後、1時間、70℃に保って重合反応を完結させた。そして、水酸化ナトリウム水溶液で中和して、重量平均分子量130000の重合体(5)の水溶液を得た。
〔製造例6〕
ジムロート冷却管、テフロン(登録商標)製の撹拌翼と撹拌シール付の撹拌器、窒素導入管、温度センサーを備えたガラス製反応容器にイオン交換水80.0部を仕込み、250rpmで撹拌下、窒素を200mL/分で導入しながら70℃まで加温した。次に、メタクリル酸にエチレンオキシドを付加(エチレンオキシドの平均付加モル数8)させたもの(日油株式会社製、PE350)160.0部、3-メルカプトプロピオン酸3.87部、イオン交換水106.7部からなる混合溶液を4時間かけて滴下し、それと同時に、過硫酸アンモニウム0.749部とイオン交換水48.71部からなる混合溶液をそれぞれ5時間かけて滴下した。滴下完了後、1時間、70℃に保って重合反応を完結させた。そして、水酸化ナトリウム水溶液で中和して、重量平均分子量20000の共重合体(6)の水溶液を得た。
(有機系分散剤の製造)
〔製造例7〕
攪拌機、還流冷却器、滴下装置を備えた、容量2.5LのSUS製セパラブルフラスコに、脱イオン水300gを仕込み、攪拌しながら沸点還流状態となるように昇温して重合反応系とした。次いで、攪拌下、沸点還流状態の上記重合反応系中に、35%亜硫酸水素ナトリウム水溶液(以下、35%SBSと記載)205.7gを滴下し、35%SBS滴下開始5分後に、80%アクリル酸水溶液(以下、80%AAと記載)810g、15%ペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液(以下、15%NaPSと記載)390gをそれぞれ別個のノズルから滴下した。なお、上記の各水溶液の滴下時間は、120分間として、各水溶液の滴下速度は一定とし、滴下は連続的に行った。上記15%NaPSの滴下終了後、さらに30分間、上記反応溶液を沸点還流状態に保持(熟成)して重合反応を完結させ、重合体の水溶液を得た。そして、水酸化ナトリウム水溶液で中和して、重量平均分子量5500の分散剤(1)の水溶液を得た。
<ソイルセメントの調整及びフローの測定>
以下で述べる試験条件では、全て20℃の試験温度になるように、試験に使用する材料、ミキサー、測定器具類を上記の試験温度雰囲気下で調温し、混練および物性測定も上記試験温度雰囲気下で行った。
ソイルセメントの調整を行う前に、あらかじめ、ポリ袋に本山木節粘土(A粘土粉末、瀬戸窯業原料株式会社製)5000gと水3000gを投入し、10分間手で混合し、20℃の条件下で一日以上静置して含水比60%の含水木節粘土を調整した。
ポリプロピレン製カップ(品番:ニューディスポカップ1000mL;アズワン製)に、
セメント系固化材(ジオセット200、太平洋セメント製)に対して規定量の質量%の化合物(A)、アルカノールアミン(B)、および、流動化剤(C)としてセメント系固化材に対して2.2%の添加量の分散剤(1)および、多価イオン不溶化剤として、セメント系固化材に対して2.4%の添加量の炭酸ナトリウムを含む水152.2gを入れて撹拌し、添加剤溶液を調整した。
調整した添加剤溶液に、セメント系固化材(ジオセット200、太平洋セメント製)を190g添加して、スリーワンモーターを用いて、300rpmで4分間攪拌し、セメントスラリーを調整した。ホバート型ミキサー(型番N-50;ホバート社製)の釜に、含水比60%の含水木節粘土950.0gと調整したセメントスラリーを投入し、ホバート型ミキサーで攪拌を開始して、ソイルセメントの調整を行った。攪拌開始から2分後に、攪拌を停止し、30秒間、釜の側面についた粘土をかき落とした。その後攪拌を再開し、攪拌開始から10分間経過するまで攪拌を行い、ソイルセメントを作成した。作成したソイルセメントは、円錐台形のフローコーン(下部直径100mm、上部直径70mm、高さ60mm)を用いてフローの測定を行った。フロー値が測定の詳細条件を以下に記す。
なお、化合物(A)および、アルカノールアミン化合物(B)の添加量は、フロー値が200cm~350cmとなる添加量とした。
コーン及び平板の設置:コーンは使用前に汚れ、傷及びへこみがないことを目視によって確認した。コーンの内面及び平板の上面はあらかじめ湿布等で拭き清潔な状態とした。
試料充填方法:コーンは、水平に設置した平板上に置き、 試料はほぼ等しい量の2層に分けて詰めた。その各層は、突き棒でならした後、25回偏りがないように一様に突いた。各層を突く際の突き棒の突き入れ深さは,その前層にほぼ達する程度とした。
<ソイルセメントの供試体の作成>
作成したソイルセメントは、円柱形の型枠(直径50mm×高さ100mm)に充填した。充填方法の詳細としては、試料をほぼ等しい量の3層に分けて詰め、その各層は,突き棒で、25回偏りがないように一様に突き(各層を突く際の突き棒の突き入れ深さは,その前層にほぼ達する程度とした)3層目を詰めた後、表面をならし、PETフィルムで表面を保護して充填を行い、供試体を作成した。
<圧縮強度の測定>
供試体を28日間養生した後、圧縮強度を測定した。
供試体養生:温度約20℃、湿度60%で恒温恒湿空気養生を28日間行った。
供試体研磨:供試体面研磨(供試体研磨仕上げ機使用)
圧縮強度測定:自動圧縮強
<実施例1~51及び比較例1~13>
前述した、ソイルセメントの調整及びフローの測定、ソイルセメントの供試体の作成、圧縮強度の測定に基づいて、表1~3の記載の割合で化合物(A)およびアルカノールアミン化合物(B)を添加し、試験を行った。結果は表1~3に示した。
なお、表1~3における、化合物(A)とアルカノールアミン化合物(B)はセメントの質量に対する割合である。
また、表中の成分は以下の物である。
PEG50万:ポリエチレングリコール、富士フィルム和光純薬製、重量平均分子量=50万
PEG12000:ポリエチレングリコール、アルドリッチ製、重量平均分子量=12000
PEG6000:ポリエチレングリコール、富士フィルム和光純薬製、重量平均分子量=6000
PEG3400:ポリエチレングリコール、富士フィルム和光純薬製、重量平均分子量=3400
ESP:ポリエチレンイミン(重量平均分子量=600)のアミノ基の活性水素1モルに対してエチレンオキシド20モル付加したもの、重量平均分子量=23000
SB300:ソルビトール1モルに対してエチレンオキシドを300モル付加したもの、重量平均分子量=13000
TIPA:トリイソプロパノールアミン、富士フィルム和光純薬製
EDIPA:ヒドロキシエチルジイソプロパノールアミン、アルドリッチ製
THEDA:N,N,N’,N’-テトラキス(2-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、東京化成社製
PEG2000:ポリエチレングリコール、DOW製、重量平均分子量=2000
DEG:ジエチレングリコール、富士フィルム和光純薬製
Figure 2023000219000003
















Figure 2023000219000004






Figure 2023000219000005

共重合体(1)の水溶液とTIPAと水を混合し、あらかじめ一液として調整した溶液を用いて、実施例20に相当する実験を行ったところ、28日圧縮強度は3.68N/mm2であった。この結果から、化合物(A)とアルカノールアミン化合物(B)の併用系においては、これらの剤を別々に添加して使用しても、あらかじめ混合しておいても効果の差異はないことが確認された。
表1、3に示すように、比較例1(化合物(A)およびアルカノールアミン化合物(B)を添加しない条件)の28日圧縮強度を100としたとき、添加剤として化合物(A)を添加した実施例1~19は106~115であり、圧縮強度の増加が見られた。
一方、比較例2、3から分かるように、PEG2000(ポリエチレングリコール、Dow製、重量平均分子量=2000)を用いた場合、および、DEG(ジエチレングリコール、富士フィルム和光純薬製)を単独で用いた場合、圧縮強度はそれぞれ、101、98となり、強度向上効果は確認されなかった。
表1~3に示すように、比較例1の28日圧縮強度を100としたとき、比較例4~13から分かるように、アルカノールアミン化合物(B)の単独の添加では、圧縮強度は103~105であり、大きく向上しないのに対し、実施例20~51に示すように、化合物(A)とアルカノールアミン化合物(B)を併用して使用した場合は、圧縮強度は112~144となり、それぞれ単品を使用したときの強度の足し合わせに比べて有意に増加しており、組み合わせによる強度向上の相乗効果が確認された。

Claims (7)

  1. 重量平均分子量が3000以上であり多価アルコール1モルにアルキレンオキシドが5モル以上付加された構造を有する化合物を含有する、ソイルセメント用添加剤。
  2. 多価アルコール1モルにアルキレンオキシドが5モル以上付加された構造を有する化合物(A)及びアルカノールアミン化合物(B)を含有する、請求項1記載のソイルセメント用添加剤。
  3. さらに、流動化剤(C)を含有する請求項1又は2に記載のソイルセメント用添加剤。
  4. 流動化剤(C)がアクリル酸(塩)を必須構成単量体とする重合体であることを特徴とする請求項3に記載のソイルセメント用添加剤。
  5. さらに無機(重)炭酸塩を含有する請求項3又は4に記載のソイルセメント用添加剤。
  6. 請求項1~5いずれか記載のソイルセメント用添加剤と、水硬性粉体と、土と、水とを含有するソイルセメント組成物。
  7. 請求項3~5いずれか記載のソイルセメント用添加剤及び水を含有する混錬水と水硬性粉体とを混合してスラリーを得る工程と、該スラリーと土とを混合する工程とを含む、ソイルセント組成物の製造方法。
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