JP2022553547A - 形状分析装置 - Google Patents

形状分析装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2022553547A
JP2022553547A JP2022523950A JP2022523950A JP2022553547A JP 2022553547 A JP2022553547 A JP 2022553547A JP 2022523950 A JP2022523950 A JP 2022523950A JP 2022523950 A JP2022523950 A JP 2022523950A JP 2022553547 A JP2022553547 A JP 2022553547A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particle
particles
particle sensor
pulse
microfluidic channel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022523950A
Other languages
English (en)
Inventor
プラット,マーク
アンドリュー ポラード,マーカス
リー ハンシッカー,ユージニー
モージ,ルシャブ
ダグラス レイ クリスティー,スティーブン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Loughborough University
Original Assignee
Loughborough University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Loughborough University filed Critical Loughborough University
Publication of JP2022553547A publication Critical patent/JP2022553547A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N15/00Investigating characteristics of particles; Investigating permeability, pore-volume or surface-area of porous materials
    • G01N15/10Investigating individual particles
    • G01N15/1031Investigating individual particles by measuring electrical or magnetic effects
    • G01N15/12Investigating individual particles by measuring electrical or magnetic effects by observing changes in resistance or impedance across apertures when traversed by individual particles, e.g. by using the Coulter principle
    • G01N15/134Devices using two or more apertures
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N15/00Investigating characteristics of particles; Investigating permeability, pore-volume or surface-area of porous materials
    • G01N15/10Investigating individual particles
    • G01N15/1031Investigating individual particles by measuring electrical or magnetic effects
    • G01N15/12Investigating individual particles by measuring electrical or magnetic effects by observing changes in resistance or impedance across apertures when traversed by individual particles, e.g. by using the Coulter principle
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N15/00Investigating characteristics of particles; Investigating permeability, pore-volume or surface-area of porous materials
    • G01N15/10Investigating individual particles
    • G01N15/1023Microstructural devices for non-optical measurement
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N15/00Investigating characteristics of particles; Investigating permeability, pore-volume or surface-area of porous materials
    • G01N15/10Investigating individual particles
    • G01N15/1031Investigating individual particles by measuring electrical or magnetic effects
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N15/00Investigating characteristics of particles; Investigating permeability, pore-volume or surface-area of porous materials
    • G01N15/10Investigating individual particles
    • G01N15/1031Investigating individual particles by measuring electrical or magnetic effects
    • G01N15/12Investigating individual particles by measuring electrical or magnetic effects by observing changes in resistance or impedance across apertures when traversed by individual particles, e.g. by using the Coulter principle
    • G01N15/131Details
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N15/00Investigating characteristics of particles; Investigating permeability, pore-volume or surface-area of porous materials
    • G01N2015/0038Investigating nanoparticles
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N15/00Investigating characteristics of particles; Investigating permeability, pore-volume or surface-area of porous materials
    • G01N15/10Investigating individual particles
    • G01N2015/103Particle shape

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)

Abstract

本発明によれば、第1の粒子センサ、第2の粒子センサ、及び、流体サンプル中の1つ又は複数の粒子の特性評価のための装置が提供され、該装置は、第1の粒子センサ及び/又は少なくとも1つの第2の粒子センサを備えている。また、流体サンプル中の1つ又は複数の粒子を特性評価するための方法が開示される。

Description

本発明は、流体サンプル中の1つまたは複数の粒子の特性評価のための装置に関する。
新しい材料の発見および開発には、それらの材料の詳細な特性評価が必要である。環境(エネルギー、農業)、ヘルスケア(ナノ医薬品、治療薬)、または食品産業(食品、包装)向けの新しい材料の場合、サイズ、形状、電荷、濃度などの詳細が不可欠である。ナノマテリアルなどの材料の特性とその用途は、材料の化学的特性だけでなく、材料の物理的および機械的特性にも依存するという証拠が増えている。製造業内の迅速なオンサイト分析またはインライン分析は限られている。現在の最先端技術では、(電子または光学)顕微鏡が使用されている。これは、コストが高く、スループットが低く、自然環境内の材料に関する情報が限られている。ソリューションベースの技術には、流れによって複雑化され得る光散乱が含まれる。さらに、多様なサンプルセットや混濁のソリューションを扱うのは難しい場合がある。高スループットな方法でナノオブジェクトの形状特性を定量化するために利用できる技術も不足している。
DNAなどの生物学的サンプルにとってより一般的な立場となっている過去20年間の新しい技術は、抵抗性パルスセンサ(RPS)である。 RPS内の研究および商業活動のほとんどは、DNAシーケンシング/分析に焦点を合わせている。ナノマテリアルに対するRPSの理論と応用は急速に発展し、成長しており、新たなナノマテリアルの製造に活用して適用する準備ができている。
材料を分析するための従来のルートは、反応/合成を実行し、生成物を抽出して分析することである。これらのワークフローは、しばしばバッチリアクターと呼ばれる。バッチ合成の連続フロープラットフォームへの変換は、過去10年間で研究が増加した分野を表している。それらは、より低い製造コストを提供するだけでなく、バッチ間の製品のばらつきを低減する。ただし、流体反応器内の反応のサンプリング/モニタリングの頻度が低いと、フロープロセスの利点が制限される。したがって、マイクロリアクターシステム内の改善は、チップ上に完全な実験室を製造することにある。これらの「ラボオンチップ」装置は、高スループット処理のための化学製品の統合された連続インラインモニタリングにより、均一な混合と流体挙動を保証する。
さまざまな粒子のサイズ、電荷、および濃度を決定できるように、サンプル混合物が個別の粒子選別および分析を行うことが望ましい。現在の技術は、1つのタイプの材料のみを測定するように固定された範囲を有する。ナノ粒子からマイクロ粒子を処理できる、単一粒子分解能のナノ材料用の高スループットインラインセンサが必要である。
マイクロ流体システムの新しい製造プロセスは、積層造形(AM)または3Dプリントである。これは、主に、中間ステップなしでSTL(標準テッセレーション言語)ファイルから3Dデザインを構築できるため、好ましい代替手段であり、人件費、時間、コストを最小限に抑えることができる。AMを使用すると、分析プラットフォーム用に特注のフローチャネルを設計およびインターフェースできる。
以下の添付図面を参照して、例としてのみ本発明が説明される。
本発明の一実施形態に係る装置の斜視図である。 本発明の一実施形態に係る装置を上から示している。 本発明の一実施形態に係る装置を下から示している。 本発明の一実施形態に係る装置を蓋のない状態で示している。 蓋が取り外されたときの電極、Oリング溝、および入口/出口を示している。 本発明の一実施形態の蓋の斜視図を示す。 本発明の一実施形態の蓋の平面図を示す。 本発明の一実施形態に係る装置における蓋の第2の構成を示している。 本発明の一実施形態に係る第2の粒子センサを示す。 装置と粒子との間の相互作用のメカニズムを示している。 図11(a)は、本発明の一実施形態に係るRPSの配置の概略図を示し、図11(b)は転移イベントからの信号を示している。 第1の粒子センサの一実施形態における電極配置の平面図を示す。 一次突起部を有する本発明の一実施形態に係る蓋のCAD図面を示す。 一次突起部から延びる二次突起部を有する本発明に係る蓋のCAD図面を示す。 0.25mMのKClバッファーにおいて1ボルトで記録された突起部高さの測定値に対する電流を比較したグラフを示している。 150ミクロンのマイクロ流体チャネル内の80ミクロンの粒子から測定されたパルスを示している。 本発明の一実施形態に係る装置の分解図を示す。 固体状ナノ細孔ホルダのCAD図面を示している。 第1および第2の粒子センサを備えた装置の動作、ならびに対応するパルスを概略的に示している。 複数の第2の粒子センサを備えた装置の図である。 ホルダを有する第2の粒子センサの一実施形態の図である。 第2の粒子センサに関連する流体の流れを示す概略図である。 第2の粒子センサのさまざまな流れの設定を示している。 装置の使用法を描いたワークフローを示している。 図22(a)は、RPSの配置と信号の概略図を示している。ナノ粒子は細孔を通過し、時間-電流信号を生成する。該信号は、その大きさ、Δi、例えば半値全幅(FWHM)等のパルス全体の幅、又はその形状に基づいて特性評価され得る。図22(bi)は、カルボキシルコーティングされた酸化鉄ナノロッドのTEM画像である。図22(bii)は、CPC200ポリスチレン粒子のSEM画像である。スケールバーは1μmである。 図23(a)は、ナノロッドとナノスフェアの予測される正規化されたパルス形状を示している。図23(b)は、ナノスフェア(231)とナノロッド(230)について記録された平均正規化抵抗性パルスを示している。図23(c)は、アスペクト比5(232)、2.8(233)、1.8(234)のナノロッド、およびナノスフェア(235)について記録された平均正規化パルスを示している。 記録されたパルスデータを示している。301個のデータポイントを含む各パルスが分離されている。パルスの分析は、次の5つのモデルのうちの1つによって行われた。(A)パルスの大きさ、(B)パルスの高さの0.75、0.5、0.25の割合での遮断幅、(C)正規化されていないスプラインフィッティング、および(D-E)正規化されたパルスの大きさでのスプラインフィッティング。 ボンフェローニ補正を使用した複数回のt検定によって決定された粒子形状を識別する主要なスプラインセグメントの視覚化を示している。 データモデルDを使用した、スフェア(球)に対するロッドの予測比率と既知の比率のプロットを示している。 図27(a)は、アセテートフィルム、平らな蓋、および、突起部のある蓋を使用した場合のセンシングゾーンの概略図であり、図27(b)は、粒子がセンシングゾーンを通過するときに予想される抵抗性パルスの概略図である。 異なる蓋の設計を備えた第1の粒子センサの概略図を示し、蓋の表面にポリマー層を設けること、および、蓋に圧力を加えることによって、マイクロ流体チャネルの寸法をどのように調整できるかを示している。 平らなPDMS蓋、電圧=5.64V、0.25mMのKClの測定電流-流量のプロットである。 図29(b)は、流れがない場合の電流-電圧プロットであり、図29(c)は、液体に100mbarの圧力が加えられた場合の電流-電圧プロットであり、図29(d)は、100、50、および0.25mMのKCl(左から右)で100mbarの流れ圧力、電圧= 0.5V(100mM)、0.6V(50mM)、8.5V(0.25mM)での装置のベースライン電流である。 図30(a)は、突起部のある蓋の設計からの電流トレースの一例であり、粒子の直径が20×10-6mで、8.5Vである。図30(b)は、粒子数と圧力とを示し、粒子の直径は20×10-6mで、8.5Vである。図30(c)は、粒子の直径が20×10-6mで、8.5Vでの粒子数と濃度とを示す。図30(d)は、同じ装置とPDMSガスケットが分解された前後において、粒子の直径が30×10-6m、5.64Vでのパルスの大きさの分布を示す。図30(e)は、3つの異なるPDMSガスケットを使用した場合の、直径が20×10-6m、電圧= 7.5Vでのパルスの大きさの分布を示す。図30(f)は、図30(e)の各ガスケットの平均パルス形状を示し、60個を超える粒子の平均である。すべての例は0.25mMのKClで実行された。 図31(a)は、2つの異なる(低-左、高-右)ねじの張力を使用した場合の、電圧=5.64V、0.25mMのKClでの、直径30×10-6mの粒子の遮断分布を示している。図31(b)は、コントロールとして、アセテートテープ(Gen-1)を使用して装置をシールした場合の、粒子の直径が30×10-6mの粒子で、電圧=5.64V、0.25mMのKClでの分布である。ねじの張力を上げると、RPSは小さな粒子を測定できる。図31(c)は、粒子の直径が20×10-6mで、電圧=8.5V、0.25mMのKClでの分布であり、図31(d)は、粒子の直径が10×10-6mで、電圧=0.6V、100mMのKClでの分布である。図31(e)は、粒子の直径が2×10-6mで、電圧=1V、100mMKClでの分布である。 図32(a)は、50mMのKCl、電圧0.4Vでのマイクロプラスチック粒子の流れから得られる信号を示し、図32(b)は、0.25mMのKCl、7.5Vでのマイクロプラスチック粒子の流れから得られる信号を示し、図32(c)は、50mMのKCl、0.7Vでの藻類粒子の流れから得られる信号を示し、図32(d)は、0.25mMのKCl、7Vでの藻類粒子の流れから得られる信号を示す。すべての画像で、スケールバーはx=10秒であり、y=0.5nAである。 図33(a)は、球形藻類(300)からロッド状藻類(305)までの平均パルス形状を示し、図33(b)は、50mbar(310)、100mbar(312)、125mbar(312)、及び150mbar(316)の圧力でのロッド状藻類の平均パルス形状を示している。 本発明の一実施形態に係る方法を示している。 本発明の一実施形態に係る方法を示している。 本発明の一実施形態に係る分類子を使用する方法を示している。 本発明の一実施形態に係るシステムを示している。
本発明によれば、第1の粒子センサが提供され、該第1の粒子センサは、マイクロ流体チャネルを有するベースを備え、前記マイクロ流体チャネルは、前記マイクロ流体チャネルに沿って配置された第1の電極および第2の電極を有し、前記第1の粒子センサは、少なくとも1つの粒子を含む流体サンプルが前記第1の電極および前記第2の電極を横切って前記マイクロ流体チャネルを通過するときに前記少なくとも1つの粒子のそれぞれがパルス(例えば、抵抗性パルスまたは伝導性パルス)として記録されるように構成されている。
本発明の別の態様によれば、第2の粒子センサが提供され、該第2の粒子センサは、膜と電極を収容するホルダを備え、前記膜は少なくとも1つの穴を有し、前記第2の粒子センサは、少なくとも1つの粒子を含む流体サンプルが前記膜の前記少なくとも1つの穴を通過するときに前記電極が前記流体サンプル中の少なくとも1つの粒子を検出してパルス(例えば、抵抗性パルスまたは伝導性パルス)を記録するように構成されている。
本発明のさらなる態様によれば、流体サンプル中の1つまたは複数の粒子の特性評価のための装置が提供され、該装置は、(i)本明細書に記載の第1の粒子センサ、及び/又は、(ii)本明細書に記載の少なくとも1つの第2の粒子センサを備え、前記装置は、前記第1の粒子センサによって接続された流体入口および流体出口をさらに備え、使用中において、前記流体サンプルは、前記流体入口から前記第1の粒子センサの前記マイクロ流体チャネルに流入し、前記第1の電極および前記第2の電極を横切って前記マイクロ流体チャネルに沿って流れて、前記流体出口を通って出て、前記少なくとも1つの粒子のそれぞれは、パルス(例えば、抵抗性パルスまたは伝導性パルス)として記録される。
本発明のさらなる態様によれば、流体サンプル中の1つまたは複数の粒子の特性評価のための装置が提供され、該装置は、
マイクロ流体チャネルを有するベースを備えた第1の粒子センサであって、前記マイクロ流体チャネルは、該マイクロ流体チャネルに沿って配置された第1の電極および第2の電極と、該第1および第2の電極間の検出領域とを有している第1の粒子センサと、
入口と、
出口とを備え、
使用中において、少なくとも1つの粒子を含む流体サンプルは、前記入口から前記第1の粒子センサの前記マイクロ流体チャネルに流入し、前記マイクロ流体チャネルに沿って流れて前記第1および第2の電極を横切り、前記出口を通って出るように構成され、前記検出領域における前記少なくとも1つの粒子の通過がパルス(例えば、抵抗性パルス)として記録される。
本発明のさらなる態様によれば、流体サンプル中の1つまたは複数の粒子の特性評価のための装置が提供され、該装置は、
入口と、
出口と、
前記入口および前記出口間に延びるマイクロ流体チャネルであって、該マイクロ流体チャネルに沿って流れる流体のための軸方向流路を提供するマイクロ流体チャネルと、
前記軸方向流路に沿って移動する粒子の通過を検出するための第1の粒子センサと、
前記マイクロ流体チャネルに沿って配置された第1の電極および第2の電極とを備え、
使用中において、前記マイクロ流体チャネルに沿って流れる1つまたは複数の粒子は、前記第1の粒子センサによって検出され、前記1つまたは複数の粒子の通過は、パルス(例えば、抵抗性パルス)として記録される。
前記第1の粒子センサは、前記軸方向流路に平行に配置されてもよいし、前記軸方向流路に対して鈍角、鋭角、または直角に延びてもよい。
本発明のさらに別の態様では、流体サンプル中の1つまたは複数の粒子の特性評価のための装置が提供され、該装置は、
入口と、
出口と、
前記入口と前記出口との間に延在するマイクロ流体チャネルであって、該マイクロ流体チャネルに沿って流れる流体のための軸方向流路を提供するマイクロ流体チャネルと、
前記軸方向流路に沿って移動する粒子の通過を検出するための粒子センサであって、前記マイクロ流体チャネルに対して角度をつけて延びる粒子センサと
第1および第2の電極とを備え、
使用中において、前記マイクロ流体チャネルに沿って流れる1つまたは複数の粒子が前記粒子センサによって検出され、前記1つまたは複数の粒子の通過がパルス(例えば、抵抗性パルス)として記録される。
前記粒子センサは、粒子のための流路を有してもよい。前記粒子センサまたは前記流路は、前記軸方向流路に対して鈍角、鋭角、または直角に延びてもよい。一実施形態において、前記粒子センサは、前記マイクロ流体チャネルに対して直角に延びる。
前記装置の前記マイクロ流体チャネルを通る流体の流れは、(例えば、ポンプによって)前記流体に加えられる圧力によって、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電位差を加えることによって、又は、前記圧力と前記電位差との組み合わせによって、駆動されてもよい。いくつかの実施形態において、流体の流れは、主として、前記流体に加えられる圧力によって駆動され、より少ない程度で、前記第1の電極と前記第2の電極との間の電位差によって駆動されるが、その逆であってもよい。
いくつかの実施形態(例えば、使用中)において、前記マイクロ流体チャネルは、電解質溶液で満たされている。
前記第1の粒子センサは、前記第1の電極と前記第2の電極との間における、前記マイクロ流体チャネルの長手方向軸および/または前記軸方向流路に沿った1点に検出領域を備える。前記検出領域は、前記マイクロ流体チャネル内に狭窄部またはナノ細孔を備えてもよい。前記検出領域における前記流体サンプル中の粒子の通過は、パルスとして記録されてもよい。
いくつかの実施形態では、第2の粒子センサが設けられてもよい。前記第1の粒子センサの前記ベースは、例えば第2の粒子センサなどの更なるセンサを受けるための少なくとも1つのポートを備える。いくつかの実施形態では、複数の第2のセンサが設けられてもよい。
いくつかの実施形態において、前記第1の粒子センサは、1μmから100μm、5μmから100μm、10μmから80μm、または、20μmから50μmの大きさの粒子を検出するように構成される。いくつかの実施形態では、前記第1の粒子センサは、5μmから50μmの粒子を検出するように構成される。したがって、1μm未満の粒子は、前記第1の粒子センサによって検出されないであろう。
前記マイクロ流体チャネルの断面積、又は、前記検出領域の断面積は、検出される粒子のサイズに従って選択され得ることが理解されよう。したがって、いくつかの実施形態では、前記マイクロ流体チャネル、又は前記検出領域は、10μm未満の断面積を有する。
したがって、前記第1の粒子センサは、以下の生物学的粒子を検出、特性評価、および/またはカウントすることができる可能性がある。ここでいう生物学的粒子としては、例えば、細胞(例えば、細菌細胞、真菌細胞、藻類哺乳動物細胞、ヒト細胞、血液細胞、癌細胞、幹細胞)、エキソソーム、小胞、タンパク質、タンパク質--タンパク質複合体、タンパク質-核酸複合体、核酸、抗体、コロイド、ポリマー粒子および薬物粒子などの有機粒子、並びに、金属粒子、気泡、及びエマルジョンなどの無機粒子などが挙げられる。
随意的に、前記装置は、ナノ細孔を有する少なくとも1つの第2の粒子センサを備える。
前記第2の粒子センサは、少なくとも1つの電極をさらに備えてもよい。前記 第2の粒子センサは、少なくとも1つの粒子を含む流体サンプルがナノ細孔を通過するときに前記電極が前記流体サンプル中の少なくとも1つの粒子を検出してパルス(例えば、抵抗性パルスまたは伝導性パルス)を記録するように構成されてもよい。
いくつかの実施形態において、前記第2の粒子センサの前記ナノ細孔は、固体状のナノ細孔である。当業者に知られているように、固体状のナノ細孔は、典型的には、膜に形成された穴(例えば、1nmから1000nmの直径)を有する。前記膜は、任意の適切な材料から形成され得る。いくつかの実施形態において、前記膜は、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、ガラス、グラフェン、プラスチック(例えば、ポリウレタンまたはポリエステル)からなる群から選択される材料から形成される。
いくつかの実施形態において、ナノ細孔は、ナノピペットに設けられている。当業者に知られているように、ナノピペットは、溶液中の単一分子の検出および分析に使用され得るナノ細孔のクラスである。ナノピペットは、高度に制御された細孔サイズで簡単に製造できるため、従来の固体状のナノ細孔に代わる費用効果の高い手段になり得る。ナノピペットを使用した単一分子の検出と分析は、抵抗性パルスセンシングに依存する。これのために、ナノピペットは充填され、チップは電解質に浸され、ナノピペットの内側の電極と外側の電極との間に電圧が印加されて、チップに電界が発生される。この電界により、ナノピペットの細孔を通るように対象の分子が駆動され、検出可能なパルスがもたらされる。
前記ナノピペットは、金属、ポリマー、ガラス、石英、有機材料(例えば、グラフェン)、または無機材料(例えば、窒化ホウ素)などの任意の適切な材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、前記ナノピペットは、ガラスまたは石英から作られる。
ナノピペットは、当業者に知られている方法を使用して製造され得る。通常、ナノピペットは、機械式ピペットプラーを使用してキャピラリー(例えば、石英)から引き出される。
前記第2の粒子センサの前記ナノ細孔の直径は、検出される粒子のサイズに従って選択され得ることが理解されよう。いくつかの実施形態では、前記第2の粒子センサは、1nmから100μmまで、5nmから50μmまで、10nmから20μmまで、20nmから10μmまで、30nmから10μmまで、40nmから5μmまで、50nmから2μmまで、又は100nmから1μmまでの大きさの粒子を検出するように構成される。
したがって、いくつかの実施形態では、前記ナノ細孔は、1nmから100μmまで、5nmから50μmまで、10nmから20μmまで、20nmから10μmまで、30nmから10μmまで、40nmから5μmまで、50nmから2μmまで、又は100nmから1μmまでの大きさの直径を有する。前記ナノ細孔は必ずしも円形ではないことが理解されよう。したがって、この文脈における前記ナノ細孔の「直径」は、細孔の平均寸法を意味する。さらに、前記ナノ細孔の直径への言及は、内径を指すことが理解されよう。
したがって、前記第2の粒子センサは、微生物(例えば、細菌細胞、真菌細胞、藻類)、ウイルス、核酸(例えば、DNA、RNA)、ペプチド、タンパク質、ポリマー粒子、無機粒子、金属粒子、気泡、およびエマルジョンなどの粒子を検出、特性評価、および/またはカウントすることができるようにしてもよい。
好都合なことに、前記第2の粒子センサは、前記第1のセンサが検出するように構成された粒子とは大きさが異なる粒子を検出するように構成されてもよい。前記第2の粒子センサは、前記第1の粒子センサが検出するように構成されている粒子サイズの範囲とは異なる粒子サイズの範囲を検出するように構成されてもよい。前記第2の粒子センサは、前記第1のセンサが検出するように構成されている粒子よりも小さい粒子を検出するように構成されてもよい。したがって、前記第2の粒子センサは、前記第1の粒子センサの狭窄部またはナノ細孔の直径(または最大寸法)よりも小さい直径を有するナノ細孔を有してもよい。したがって、前記第2の粒子センサは、前記第1の粒子センサによって測定されない粒子を測定することができる可能性がある。前記第1の粒子センサおよび前記第2の粒子センサによってそれぞれ検出可能な粒子サイズの範囲は、重複する場合と重複しない場合がある。例えば、前記第1の粒子センサは、2μmから100μmの範囲内にある粒子を検出するように構成されてもよく、前記第2の粒子センサは、1nmから2μmの範囲内にある粒子を検出するように構成されてもよい。例えば、前記装置を通って流れるか、または前記マイクロ流体チャネルに沿って流れる粒子の集団は、多分散であってもよく、且つ/又は、サイズの広い分布を有してもよい。前記第1の粒子センサは、粒子サイズの前記広い分布内における第1のサブセットの粒子サイズを検出するように構成されてもよく、前記第2の粒子センサは、粒子サイズの前記広い分布内における別個の第2のサブセットの粒子サイズを検出するように構成されてもよい。最適には、前記第1の粒子センサは、比較的大きい第1のサブセットの粒子サイズを検出してもよく、前記第2の粒子センサは、比較的小さい第2のサブセットの粒子サイズを検出してもよい。前記第1のサブセットの粒子サイズと、前記第2のサブセットの粒子サイズとは、重複してもよいし、重複しなくてもよい。
本明細書で使用される粒子サイズへの言及は、所定の粒子の最大の横方向寸法を指すことが理解されよう。本発明のセンサおよび装置によって検出可能な粒子は、必ずしも球形である必要はなく、細長い形状または不規則な形状であってもよい。本発明は、特定の粒子の体積の決定を可能にすることが理解されよう。
有利なことに、異なるサイズの粒子を検出するように構成された第1および第2の粒子センサの使用は、装置全体が、例えばナノサイズからマイクロサイズの分析物まで、非常に広い範囲のサイズにわたる粒子を検出することを可能にする。前記第1および第2のセンサは、所望のサイズ範囲内の粒子を検出するように独立して構成され得ることが理解されよう。各センサの調整可能性は、前記装置が、例えば分析される流体の種類など、所定の用途に合わせて調整され得ることを意味する。
いくつかの実施形態において、前記装置は、2つ以上の第2の粒子センサを備える。例えば、前記装置は、3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれ以上の第2の粒子センサを備えてもよい。
いくつかの実施形態では、前記第2の粒子センサの1つは、他の第2の粒子センサの1つまたは複数によって検出可能な粒子サイズ(または粒子サイズ範囲)とは異なるサイズ(すなわち、異なるサイズ範囲内)の粒子を検出するように構成される。いくつかの実施形態では、各第2の粒子センサは、異なるサイズまたは異なる粒子サイズ範囲の粒子を検出するように構成される。いくつかの実施形態では、前記第2の粒子センサの1つは、残りの第2の粒子センサのうちいずれか1つのセンサ内のナノ細孔の直径とは異なる直径を有するナノ細孔を有する。いくつかの実施形態では、第2の粒子センサのそれぞれは、他の第2の粒子センサ内のナノ細孔のそれぞれに対して異なる直径を有するナノ細孔を有する。
前記第2の粒子センサの前記ナノ細孔は、前記マイクロ流体チャネルの長手方向軸に対して軸外に配置されてもよい。「軸外」の配置によって、前記第2の粒子センサは、前記マイクロ流体チャネル内の流体の流れの主方向からオフセットされていることが理解されるであろう。例えば、前記第2の粒子センサは、前記マイクロ流体チャネルに対して角度をつけて延びてもよい。一実施形態では、前記第2の粒子センサは、粒子のための流路を提供し得る。該流路は、前記マイクロ流体チャネルまたは前記軸方向流路に対して鈍角、鋭角、または直角に延びてもよい。
前記ナノ細孔は、前記(メインの)マイクロ流体チャネルから延びる第2のチャネル内に位置づけられてもよい。 したがって、前記第2のチャネルは、追加の流路を提供し、該追加の流路に沿って、前記第2の粒子センサの前記ナノ細孔を通るように、流体が流れることができる。前記ナノ細孔は、前記マイクロ流体チャネル内の流体の流れから離間(すなわち、後退)して配置されてもよい。
前記第2のチャネルは、前記マイクロ流体チャネルから垂直に(すなわち、90°の角度で)延びてもよい。そのような実施形態では、前記ナノ細孔は、前記マイクロ流体チャネルの長手方向軸に平行に(すなわち、流体の流れの主方向に平行に)配置されてもよい。前記 第2のチャネル(または、複数の第2の粒子センサが設けられる実施形態では、各第2のチャネル)がメインの前記マイクロ流体チャネルから垂直に延びる構成により、製造の容易化が可能になる。
あるいは、前記第2のチャネルは、非垂直角度で、すなわち、90°よりも大きいまたはより小さい角度で、前記マイクロ流体チャネルから延びてもよい。さらなる実施形態において、前記第2のチャネルは、前記マイクロ流体チャネルから延びるように曲がってもよい。そのような実施形態では、前記ナノ細孔は、前記マイクロ流体チャネルの長手方向軸に対して平行ではなく、角度を付けられてもよいことが理解されるであろう。
前記第2の粒子センサは、前記第1の粒子センサの前記検出領域の上流側(すなわち、前記入口と前記検出領域との間)、又は、前記検出領域の下流側(すなわち、前記検出領域と前記出口との間)に配置されてもよい。前記第2の粒子センサが配置され得る(または提供し得る)第2のチャネルが、前記第1の粒子センサの前記検出領域の上流側または下流側の1点で前記マイクロ流体チャネルに結合してもよい。前記装置が2つ以上の第2の粒子センサを含む実施形態では、前記第2の粒子センサの1つまたはいくつかは、前記検出領域の上流側に配置されてもよく、残りの第2の粒子センサは、下流側に配置されてもよい。あるいは、前記第2の粒子センサのすべてが前記検出領域の上流側に配置されてもよく、または、前記第2の粒子センサのすべてが前記検出領域の下流側に配置されてもよい。
いくつかの実施形態では、前記第2の粒子センサは、前記ナノ細孔(すなわち、膜を有する固体状のナノ細孔、またはナノピペット)と、電極とを収容するホルダを備える。
前記ホルダは、その中に第2のチャネルを有してもよく、前記ナノ細孔は、前記第2のチャネルの内側に位置する。前記第2の粒子センサが前記第1の粒子センサの前記ベースに接続されているとき、前記第2のチャネルは、前記マイクロ流体チャネルに結合する(すなわち、前記マイクロ流体チャネルとともに流路を形成する)。例えば、前記ホルダは、前記第1の粒子センサの前記ベースに解放可能に挿入され、それによって前記マイクロ流体チャネルと前記第2のチャネルとの間に流体接続を形成するように構成されるプラグまたはねじの形態であってもよい。したがって、流体は、前記ナノ細孔を通過するように、メインの前記マイクロ流体チャネルから前記第2のチャネルに流れることができる。
いくつかの実施形態では、前記ナノ細孔(例えば、前記ナノピペット、または固体状のナノ細孔膜)は、流体が前記ナノ細孔を通るのではなく通過できるように、第2のチャネルの全幅にわたって延びていない。前記第2のチャネルは、前記ホルダを通って該ホルダの表面まで延びて、開放端を有してもよく、これにより、前記ナノ細孔を通って流れ、および/または、前記ナノ細孔の周りを流れた流体のための出口を提供し得る。
いくつかの実施形態では、前記第2の粒子センサは、チューブをさらに備える。前記チューブは、前記第2のチャネルと流体連絡してもよい。前記チューブの少なくとも一部は、前記ホルダ内に収容されてもよい。いくつかの実施形態では、前記チューブの一部が前記ホルダから延びる。いくつかの実施形態では、前記チューブは、前記装置のさらなる流体出口を提供する。前記ナノピペットを通過して(および/または、通って)流れる流体は、前記チューブに流入し、前記装置から流出してもよい。前記チューブの存在により、前記装置内の流体の流が支援され、気泡の除去が可能になることによって前記装置のセットアップが容易になることがわかる。
好都合なことに、前記第2の粒子センサは、前記第1の粒子センサの前記ベースに可逆的に接続されてもよい。これにより、前記第2の粒子センサ(または、前記第2の粒子センサの一部またはすべて)が交換可能な装置が提供され得る。したがって、小さな粒子の検出に最も適切なナノ細孔サイズを有する第2の粒子センサを選択することができる。このようにして、装置の感度は、必要な用途、または分析される流体の性質に合わせて調整できる。第2の粒子センサが存在する場合、該センサは、ナノ細孔と電極との間(例えば、膜と電極との間)において電解質溶液で満たされ得る。
いくつかの実施形態では、第2の粒子センサは、流量レギュレータ(例えば、ポンプ)を有してもよいし、流量レギュレータに接続されてもよい。前記流量レギュレータは、前記第2の粒子センサを通る流体の流れを制御するために使用されてもよい。第2の粒子センサが流量レギュレータを有さないか、または流量レギュレータに接続されていない実施形態では、第2の粒子センサを通る流体の流れは、主にまたは排他的に、第2の粒子センサの作用電極と接地電極との間の電位差によって駆動される。
上記のように、前記第1の粒子センサは、第1の電極(接地電極)および第2の電極(作用電極)を有する。第1の粒子センサと第2の粒子センサとの間に電位差を与えることにより、第1の粒子センサによる粒子の検出が可能になり、マイクロ流体チャネルを通る流体の流れの駆動にも寄与し得る。したがって、前記第1の電極および前記第2の電極は、第1の電極セットを形成する。
前記第2の粒子センサは、少なくとも1つの電極を有してもよい。いくつかの実施形態では、前記第2の粒子センサは、作用電極である単一の電極を有する。前記第1の粒子センサの前記第1の電極(接地電極)はまた、前記第2の粒子センサの接地電極として機能し得る。したがって、いくつかの実施形態では、第2の電極セットは、前記第1の粒子センサの前記第1の電極(前記接地電極)と、前記第2の粒子センサの前記作用電極とによって形成される。例えば、前記装置が2つのセンサ、第1の粒子センサおよび第2の粒子センサを備える実施形態において、前記装置は、共通の接地電極および各粒子センサのための作用電極を含む3つの電極を備えてもよい。
複数の第2の粒子センサが設けられる実施形態において、各第2の粒子センサは作用電極を有してもよく、第1および第2の粒子センサのそれぞれは、共通の接地電極(第1の電極)を共有しもよい。
あるいは、第2の粒子センサは、作用電極に加えて、それ自体の接地電極を備えていてもよい。したがって、第2の粒子センサは、電極セットを備えてもよい。
いくつかの実施形態において、前記装置は、1つまたは複数の第3のセンサを備える。第3のセンサは、酸素含有量、pH、イオン強度、温度、または粘度などの流体のパラメータを測定するために構成され得る。したがって、第3のセンサは、pHプローブ、粘度プローブ、酸素プローブ、およびイオン強度プローブなどの所望のパラメータを測定するためのプローブ、または温度計を備えてもよい。いくつかの実施形態において、前記装置は、複数の第3のセンサを備えてもよい。第3のセンサのそれぞれは、流体の異なるパラメータを検出するように構成され得る。
いくつかの実施形態において、第3のセンサは、プローブを収容するホルダを備える。第2の粒子センサのホルダと同様に、第3のセンサのホルダは、マイクロ流体チャネルを通って流れる流体にプローブが接触できるように、第1の粒子センサのベースのポートに挿入され得るプラグまたはねじの形態をとることができる。
したがって、さらなる態様において、本発明は、流体サンプル中の1つまたは複数の粒子の特性評価のためのキットを提供し、該キットは、本明細書に記載の第1の粒子センサを有する装置と、第1の粒子センサ(たとえば、第1の粒子センサのベース)に接続するための少なくとも1つの追加のセンサとを備えている。前記追加のセンサは、本明細書に記載されるように、第2の粒子センサおよび/または第3のセンサであってもよい。
好都合なことに、前記追加のセンサは、第1の粒子センサのベースに解放可能に接続可能であってもよい。いくつかの実施形態において、第1の粒子センサのベースは、追加のセンサを受けるための少なくとも1つのポートを備える。
いくつかの実施形態において、第2の粒子センサは、ナノ細孔および電極を収容するホルダを含み、ホルダは、ナノ細孔が配置される第2のチャネルを有し、ホルダは、第1の粒子センサのベースにおけるポートに解放可能に挿入され得る。
いくつかの実施形態において、前記キットは、少なくとも1つの第2の粒子センサ、および少なくとも1つの第3のセンサを備える。
いくつかの実施形態において、前記キットは、2つ以上の第2の粒子センサを備え、第2の粒子センサの1つは、残り第2の粒子センサのうちのいずれか1つの内部のナノ細孔の直径とは異なる直径を有するナノ細孔を有する。
例えば、第2の粒子センサの1つは、第1の直径を有する第1のナノ細孔を有してもよく、第2の粒子センサの別の1つは、第1の直径とは異なる第2の直径を有する第2のナノ細孔を有してもよい。
いくつかの実施形態において、前記キットは、複数の第2の粒子センサ、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれ以上の第2の粒子センサを備える。いくつかの実施形態において、第2の粒子センサのそれぞれは、他の第2の粒子センサのそれぞれのナノ細孔の直径とは異なる直径を有するナノ細孔を有する。
前記キットは、第1の粒子センサに接続するための(例えば、第1の粒子センサのベースに接続するための)少なくとも1つの第3のセンサを有してもよい。いくつかの実施形態において、前記キットは、2つ以上の第3のセンサ(例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の第3のセンサ)を有する。
したがって、本発明は、マイクロ流体チャネルを有する第1の粒子センサに、異なるセンサを交換可能に接続することができるモジュラーシステムを都合よく提供する。
前記装置は、該装置のマイクロ流体チャネルを密封するように構成された蓋をさらに備えてもよい。
いくつかの実施形態において、蓋はまた、第1の粒子センサの感度を調整するために、マイクロ流体チャネル内に狭窄部を作成してもよい。
前記蓋は、マイクロ流体チャネルに適合し、それを密封するように構成される一次突起部を有してもよい。いくつかの実施形態では、蓋は、蓋がベース上に配置されたときにマイクロ流体チャネル内に受け入れられるように構成された一次突起部を含み、それによってチャネルの容積を減少させる。一次突起部は、マイクロ流体チャネルのよりも浅い深さを有する可能性がある。一次突起部は、マイクロ流体チャネルの長さと実質的に同じ長さ(長さは、ベース/マイクロ流体チャネルの長手方向軸と平行に測定される寸法である)を有し得る。一次突起部は、マイクロ流体チャネルの幅と実質的に同じ幅を有することができる。
随意的に、一次突起部は、一次突起部から延びる二次突起部をさらに備える。二次突起部は、マイクロ流体チャネルの一部内、またはチャネル内の特定の点に狭窄部を作り出すように機能し得る。二次突起部は、一次突起部の幅と実質的に同じ幅を有し得る。
随意的に、二次突起部は、蓋がマイクロ流体チャネルを密封しているときに、流体サンプルが二次突起部を通って流れることを可能にする導管を備える。いくつかの実施形態では、一次突起部および二次突起部は、蓋がベース上に配置されているときに、一緒にマイクロ流体チャネルの高さおよび幅に亘る。そのような実施形態では、二次突起部は、蓋がマイクロ流体チャネルを密封しているときに流体が二次突起部を通って流れることを可能にする導管を有する。
いくつかの実施形態では、蓋は、蓋がベース上に配置されたときにベースと接触する蓋の表面上に、マイクロ流体チャネルを密封するための層(例えば、ポリマー層)を有する。したがって、該層(例えば、ポリマー層)はガスケットとして機能する。
前記層(例えば、ポリマー層)は、実質的に表面全体、または表面の一部を覆い得る。例えば、蓋が一次突起部、および任意選択で二次突起部を含む実施形態では、前記層(例えば、ポリマー層)は、一次および/または二次突起部を覆わなくてもよい。
前記層(すなわちガスケット)は、任意の適切な変形可能(例えば、圧縮性)材料から形成することができる。適切な材料には、合成または天然ゴム、シリコーン、コルク、セルロース、フォーム、ニトリル、および繊維が含まれる。いくつかの実施形態では、前記層はポリマー層である。ポリマー層は、力を加えるとポリマー層の形状を変えることができるように、変形可能なポリマーから形成され得る。適切なポリマーには、ポリジメチルシロキサン(PDMS)が含まれる。
いくつかの実施形態において、蓋は、1つまたは複数のねじで前記ベースに取り付けられている。蓋は、複数のねじ、例えば2本、3本、4本、5本、6本、またはそれ以上のねじによって前記ベースに取り付けられ得る。
蓋がポリマー層を含むいくつかの実施形態では、蓋をベースに取り付けるねじを締めつけると、ポリマー層が変形してマイクロ流体チャネルに押し込まれ、これによって、マイクロ流体チャネルの容積が減少し得る。
したがって、(i)一次突起部の提供および随意的には二次突起部の提供を介した蓋の構造、および/または、(ii)マイクロ流体チャネル内に押し込まれ得る変形可能なポリマー層の提供によって、マイクロ流体チャネルの内部容積(すなわち、形状および/または寸法)、ひいては、第1の粒子センサの感度が便利に制御され得ることが理解されよう。
随意的に、装置は、蓋とベースとの間にポリマー層を備え、該ポリマー層は、装置を密封するように構成され、好ましくは、ポリマー層は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)である。随意的に、ポリマー層は、装置の感度を調整するように構成され得る。
いくつかの実施形態では、装置の1つまたは複数の構成要素が3Dプリントされる。例えば、第2のセンサのベース、蓋、および/またはホルダは、3Dプリントされ得る。いくつかの実施形態では、装置の各構成要素は3Dプリントされる。
ベースは、Oリングを有する溝をさらに備えてもよく、Oリングは、マイクロ流体チャネルを取り囲み、マイクロ流体チャネルからの漏れを防ぐように構成されている。
随意的に、前記装置はチップ上に構成され、好ましくは、チップはインライン処理用である。
本発明によれば、本明細書に記載の装置の1つまたは複数を備え、流体サンプル中の1つまたは複数の粒子を特性評価する方法が提供され、該方法は、少なくとも1つの粒子を含む流体サンプルを、流体入口に通し、マイクロ流体チャネルに沿って第1および第2の電極を横切るように通し、流体出口から出るように通すステップを備え、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電位差を印加することにより、前記流体サンプル中に存在する前記少なくとも1つの粒子のそれぞれが抵抗性パルスとして記録される。
好ましくは、前記方法は、予測ロジスティック回帰モデルを使用して抵抗性パルスを特性評価して、粒子のサイズ、形状、および流量に関する情報を決定するステップをさらに備える。
前記方法は、
(i)体液中の細胞、
(ii)有機化合物、タンパク質、ペプチド、細胞、細菌、真菌、藻類、ウイルス、核酸(例えばDNA)、エキソソーム、コロイド、ポリマー粒子(例えばマイクロプラスチック)、及びナノ医薬品、並びに、
(iii)金属粒子などの無機材料、
のうちの1つ又は複数の特性評価のために使用され得る。
本発明の方法は、高スループット処理のための1つまたは複数の流体サンプルのインラインセンシングに使用され得る。
前記装置の前記ベースは、ポリマーおよび/または樹脂で構成されてもよく、3D形状を作成することができる金型/製造技術を使用して製造されてもよい。本発明に使用され得る3Dプリント技術は、当業者によく知られているであろう。あるいは、成形又はマイクロインジェクションなど、あらゆる他の便利な製造プロセスを使用して前記装置を作成してもよい。
抵抗性パルスセンサ(RPS)は、個々の粒子に基づいて、小分子からナノ材料までの材料の詳細な特性評価を提供する。抵抗性パルスセンサ(RPS)は、粒子のサイズ、形状、濃度、および電荷に関する情報を提供し、粒子の形状についてのいくつかの情報を利用可能にもなる。重要なのは、RPSの低コストと高スループット(1秒あたり数十から数百の粒子)により、RPSが製造ワークフロー内で適用可能になることである。また、オブジェクトの変形の高スループット特性評価にこの技術を適用するための最近の進歩もある。したがって、RPSは、ナノマテリアルの多面的な非破壊的特性評価を提供する。
RPS実験内の信号は、材料の形状に関する情報を明らかにすることができる。抵抗性パルスセンシングは、RPS-LRMと呼ばれる予測ロジスティック回帰モデルと組み合わせて、ロッドとスフェア(球)の混合物が同じ溶液に存在する場合のナノマテリアルのサイズ、アスペクト比、形状、および濃度を迅速に特性評価することもできる。 RPS-LRMは、広いサイズ範囲とさまざまなアスペクト比にわたるナノ粒子の特性評価に適用でき、2つ以上のアスペクト比を持つナノスフェア上のナノロッドを区別できる。RPS-LRMは、相対的なサイズや比率に関係なく、混合物内の溶液中のナノスフェアとナノロッドの比率を迅速に測定できる。つまり、多くの大きな球状粒子は、小さなナノロッドの特性評価に干渉しない。
高アスペクトのナノ細孔は、溶液中の個々のナノ粒子の形状を識別するために本明細書で使用される。スフェア(球)とロッドによって記録された信号は、個別に分類できるように十分に異なる。分析は迅速で、数百の粒子を数秒で分析する。さらに、ロッドとスフェアのパルス形状の間で実験的に観察された違いは、予測されたパルス形状の計算モデルに対応し、統計的手法と組み合わせた大孔径RPSを使用してナノ粒子形状の特性評価をより広く可能にする。ナノ細孔法の応答を較正すると、プロセスが数ナノ細孔と数日にわたって再現可能になり、溶液中のスフェアとロッドの比率を正確に測定できるようになる。
RPS手順中、粒子はイオンを伝導するチャネルまたは細孔を通過し、時間に対するイオン電流の変化が監視される。「パルス」としても知られる、各転座中の電流の変化は、粒子とチャネルの寸法の比率に依存する。粒子サイズ、濃度、速度に関する情報は、高速で流れる濁った溶液でも測定できる。
RPSは、グラフェン、ポリマー、窒化ケイ素、ガラスなどの材料から作ることができる。それらの感度は、チャネルの寸法を変更することによって変えることができる。細孔またはチャネルを通る輸送は、電位差、細孔壁の電荷、分析物の電気泳動移動度を調整し、電解質濃度および誘導対流をサポートすることによって制御することができる。パルス周波数は細孔径に直接関係するため、高カウント率を維持しながら感度を維持することは、これまでの課題であった。
本願発明者は、付加的に製造されたフローチャネルを使用することにより、異なる用途に合わせて異なるセンサを含め、設計し、調整することができることを見出した。付加的に製造された部品と精密にイオン穿孔されたナノ細孔を組み合わせることにより、同じフローチャネル内に複数のセンサを含めることができる。好ましくは、フローチャネルは2つ以上のセンサを有する。より好ましくは、2つ以上のセンサが存在する。ただし、センサの数は、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上にすることができる。場合により、センサの数は10を超えることができる。好ましくは、センサはナノ細孔センサである。センサの数とフローチャネルのサイズは、装置の所望の用途と検出される粒子に合わせて調整できる。
フローを使用すると、粒子をすばやくカウントし、低粒子濃度(たとえば、1×10-3粒子/ml)で1秒あたりのイベントで観察できる。サンプルは、流体入口からセンサに流入/注入される。サンプルがマイクロ流体チャネルを通過するとき、サンプルは狭い狭窄部を通過し、粒子は1つまたは複数のセンサによって特性評価される。
これらのマイクロ流体チャネルを介したナノ粒子または分析物の移動は、イオン電流を測定することによって監視できる。各転移イベント(Each translocation event)は、分析物の物理的特性に関連する抵抗パルスとして知られるチャネルのコンダクタンスに変化を引き起こす。したがって、抵抗性パルスセンサは、単一粒子/分析物の分解能を持つ非常に魅力的なセンシングプラットフォームである。分析物のサイズ、濃度、および電荷の情報は、迅速、確実、高レベルの感度で測定できる。
マイクロ流体チャネルの寸法は、チャネルを流れる粒子のサイズに合わせて作成できる。
マイクロ流体チャネルは、3Dプリントを使用することによって形成することができ、1ミクロンから100ミクロン、好ましくは5から50ミクロン、および任意選択で10から25ミクロンのサイズを有する粒子を検出することができる。ただし、任意のチャネルサイズを作成できる。マイクロ流体チャネルは、流体サンプル中に存在する1つまたは複数の粒子のサイズ、形状、および濃度の特徴付けを可能にするために、複数のセンサを有し得る。
特性評価される粒子は、流体サンプル中に存在する。流体サンプルとは、これは溶液中の粒子を意味する。流体サンプルは、任意の導電性液体を有してもよく、該液体は、血液、尿、緩衝液、または海水などの塩含有溶液などの流体を含むが、これらに限定されない。1つまたは複数の粒子は、有機化合物、タンパク質、DNA、細胞、細菌、ウイルス、エクソーム、コロイド、およびナノメディシンから選択することができるが、これらに限定されない。
本発明の装置の感知範囲を調整するために、異なるサイズの狭窄部を製造する必要はなく、標準的な流れのマイクロ流体チャネルが保持され、装置は、装置を密封する(そして洗浄のための容易なアクセスを可能にする)蓋をさらに備える。ただし、チャネルに突起部を挿入し、狭窄部のサイズを変更して感度を調整することにより、装置の感度を調整する。同じ流路を維持し、蓋を変更することで、センサの感度を調整できる。蓋からの流れに挿入される突起部の形状、サイズ、および数は、粒子のサイズおよび形状の測定に役立つ可能性があり、それに応じて変更することができる。
蓋は再利用可能なシールを提供し、簡単な組み立て/分解およびクリーニングを可能にする。蓋は、装置の感度を改善するために調整可能なインサートであり得る一次突起部を含み得る。蓋は、任意の適切なサイズまたは形状であり得る。一次突起部は、1つまたは複数の突起部であり得る。一次突起部は、マイクロ流体チャネルの寸法に対応するように製造することができる。一次突起部は、そこから延びる二次突起部をさらに含み得る。二次突起部は任意のサイズであり得るが、好ましくは一次突起部よりも寸法が小さく、液体が蓋の突起部を通過することを可能にする導管をさらに含み得る。
本発明の好ましい態様によれば、マイクロ流体チャネルを含むベースを含む第1の粒子センサが提供され、マイクロ流体チャネルは、マイクロ流体チャネルに沿って配置された第1の電極および第2の電極を含み、第1の粒子センサは、少なくとも1つの粒子を含む流体サンプルがマイクロ流体チャネルに沿って第1および第2の電極上を通過するとき、第1および第2の電極間の電位差の印加下で、少なくとも1つの粒子のそれぞれが抵抗性パルスとして記録される。
本発明はまた、膜および電極を収容するホルダを含む第2の粒子センサを有してもよく、膜は少なくとも1つの穴を含み、第2の粒子センサは、少なくとも1つの粒子を含む流体サンプルが膜の少なくとも1つの穴を通過するときに電極が流体サンプル中の少なくとも1つの粒子を検出して抵抗性パルスを記録するように構成される。
図1は、組み立てられた装置(1)の好ましい実施形態を、蓋(2)と装置のベース(3)の主要構成要素とともに示している。組み立てられた装置は、第2の粒子センサ(5)および電極(6)を装置(1)にねじ込むことを可能にするねじ穴(4)をさらに備える。蓋(2)とベース(3)は、ねじ(7)とナット(8)で固定されている。組み立てられた装置の上面図を図2に示す。組み立てられた装置の底面図を図3に示す。図1および図3では、外側のねじ穴(4Aおよび4B)にそれぞれ流体の入口(13)と出口(13)がある。
図4は、装置(1)の一実施形態を蓋(2)のない状態で示している。この実施形態は、液体が入口(4A)に流入してマイクロ流体チャネル(12)に沿って流れ、装置(1)の出口(4B)から流れ出るようなメインのマイクロ流体チャネル(12)を示している。図4では、マイクロ流体チャネル(12)と流体の流れは、入口(4A)からベースユニットの表面まで流れ、次に上面に沿って流れる。流体の流れは、この経路をたどり、各電極(6)を横切って出口(4B)から出る。
装置(1)から、蓋(2)とベースユニット(3)の間で液体が漏れないようにするために、Oリングが溝(10)に収納されている(図4参照)。これは、蓋の第1構成を表す。溝(10)およびOリングは、ベースユニットの表面に沿ったマイクロ流体チャネル(12)の経路を取り囲む。
第2の蓋構成では、シールとしてOリングの代わりにポリマー層を使用することができる。ポリマーは、任意の適切なポリマーであってもよい。好ましくは、ポリマーはポリジメチルシロキサンPDMS(16)であり、該層は、装置のベース(3)と蓋(2)との間に配置および挟まれ、ねじ(7)およびナット(8)によって所定の位置に保持される。
図5は、蓋(2)を取り外したときのマイクロ流体チャネル(12)、電極(6)、Oリング溝(10)、および入口/出口(13)の上面図である。
図6は、その第1の構成にあるときの蓋(2)の好ましい実施形態を示している。それは、マイクロ流体チャネルの全長を走る突起(一次突起部)(14)を有する。一次突起部(14)の深さは、図1に示すように、装置(1)が密閉されているときにチャネル(12)を満たすために必要な液体の総量を決定する。図7は、蓋(2)の上面図および底面図を示す。
一次突起部に沿って二次突起部(15)がある。二次突起部(15)は、任意の長さであってもよいが、好ましくはチャネル(14)の幅であり、装置が密封されたときのチャネル(14)の高さである。二次突起部内には、装置がこの構成の蓋で密閉されているときに流体が装置を通って流れることを可能にする導管(11)が存在する。
第1の粒子センサ(11)の寸法によって、センサの感度が決まる。チャネル(12)、センサ(11)および2つの電極(6)は、第1の粒子センサからのデータを記録する。粒子が電解質で満たされたセンサチャネル(12)を通過すると、2つの電極(6)の間に電位差が適用され、各粒子が抵抗性パルスとして記録される。パルスのサイズと形状はチャネルと細孔の寸法に依存し、パルスは粒子のサイズ、形状、および流量に関する情報を明らかにする。
第1の粒子センサ(11)は独立して使用することができ、第2の粒子センサ(5)の存在を必要としない。溶液中のすべての粒子は、第1の粒子センサ(11)を流れる。
図8は、第2の構成における蓋(2)の好ましい実施形態を示している。PDMS層(16)などのポリマー層が蓋(2)とベースユニット(3)の間に挿入される。蓋は平らにすることも、前と同じように一次突起部(14)と二次突起部(15)を付けることもできる。PDMS層(16)には2つの機能がある。1つは、漏れのないシールを提供することである。第二に、チャネルの容積と第1の粒子センサ(11)の感度は、PDMS層(16)によって変更することができる。ねじを締めることによって生じる圧力が加えられ、蓋によってPDMSに力が加えられると、PDMSポリマーをマイクロ流体チャネルに押し込むことができる。マイクロ流体チャネル(12)内の液体の量は、ねじ(7)の圧力を上げる(締める)ことによって減少する。チャネルの容積が減少すると、第1の粒子センサ(11)の感度が増加する。ねじ(7)を締めると、第1の粒子センサ(11)の感度に影響する。ねじを締めても、第2の粒子センサ(5)には影響しない。
第2の粒子センサ(5)は、マイクロ流体チャネル(12)の底部に接続され得る別個のハウジング内にあってもよい。流体サンプルは、第2の粒子センサ(5)の上部の上方を流れ、該センサを通らない。
図9は、膜(9)内に小さな穴を備えた第2の粒子センサ(5)を示している。膜は、窒化ケイ素、ポリウレタン、またはポリエステル膜から構成され得る。膜は、3Dプリントされたねじ(5)を使用して所定の位置に保持できる。このねじには、ねじ穴(4)に電極も含まれている。電極(6)と膜の間には電解液がある。マイクロ流体チャネル(12)の流れは、センサ(5)の上部を通過する。2つの電極(6)の間に電界が印加される。マイクロ流体チャネル(12)内の荷電粒子は、電気泳動と慣例のプロセスを介して電場勾配に沿って移動するが、中性粒子は慣例により移動する。粒子は、マイクロ流体チャネル(12)から、第2の粒子センサ(5)に収容された膜(9)を通過する。粒子が膜の穴を通過すると、電極(6)は抵抗性パルスを記録し、粒子の形状、サイズ、および電荷を特性評価する。
第2の粒子センサ(5)の位置は、マイクロ流体チャネル(12)に沿った任意の場所であり得るが、第2の突起部(15)の下であってはならない。複数の第2の粒子センサ(5)が存在してもよい。
第2の粒子センサ(5)は独立して使用することができ、第1の粒子センサ(11)の存在を必要としない。 第2の粒子センサ(5)は流れる溶液を必要としないため、マイクロ流体チャネル(12)にサンプルを充填し、流れをオフにすることができる。第2の粒子センサ(5)は、電気泳動によって膜(9)の穴を通って移動する粒子をさらに特性評価し得る。このようにして、第2の粒子センサ(5)は、流れがある場合と流れがない場合の両方で使用できる。第1の粒子センサ(11)は、流れがある場合にのみ機能する。図10は、流体の流れと1つまたは複数のセンサ間の相互作用を示している。
図11(a)および図12を参照すると、矢印で示されているように、流体は第1の粒子センサ内のマイクロ流体チャネルに沿って移動する。第1の粒子センサは、検出ゾーンを提供する狭窄部120を備える。狭窄部120は、電極セットを形成する第1の電極122と第2の電極124との間に配置される。図11(b)に示すように、検出ゾーンを通過する粒子は電流パルスとして検出される。
図13は、本発明に係る蓋(2)の一例の画像を示し、蓋(2)は、マイクロ流体チャネル(12)の長さに亘って延びる寸法1×2mm(H×W)の一次突起部(14)を含む。マイクロ流体チャネル(12)および対応する蓋(2)は、もちろん、任意の適切な寸法に製造され得る。好ましくは、蓋(2)はシールを提供する。蓋(2)に突起部がある場合、これによりセンサの感度を調整できる。さらに、突起部は、コアフロー構成要素を変更することなく、異なるセンサ間の互換性を可能にするように製造することができる。
図14は、一次突起部(14)の延長である追加の二次突起部(15)を含む蓋(2)を示している。突起部のサイズを大きくすることにより、センサのサイズが小さくなり、より小さな粒子の特性を明らかにすることができる(図14参照)。図15の結果は、粒子がマイクロ流体チャネル内で検出できることを示している(150ミクロンチャネル内の80ミクロン粒子からのパルスを示している)。
パルス周波数は細孔径に直接関係するため、高いカウント率を維持しながら感度を維持することは困難な課題である。したがって、溶液中のより小さな粒子を測定できるようにするために、チャネル直径を小さくしてもよい。
第2の粒子センサ(5)は、イオン穿孔された窒化ケイ素膜(9)から製造された第2のナノ細孔であり得る。第2の粒子センサ(5)は、流れと平行に、第1の粒子センサの後に配置することができる。装置の例(図1)では、流体は第1の粒子センサ(11)を通り、第2の粒子センサ(5)を通る。これにより、第1の粒子センサ(11)で測定された大きな粒子が、第2の粒子センサ(5)をブロックするのを防ぐ。 第2の粒子センサ(5)は流体と平行に配置されているため、RPSは、詰まりの心配なしに、任意のサイズの粒子を特性評価することができる。第2の粒子センサ(5)(および任意の数の更なるセンサ)は、ユーザーのサンプル/用途に合わせて、ねじ込まれ、変更され、選択され得る。
センサを追加するために、ベースに沿って3Dプリントされたねじを追加できる(図17参照)。装置はまた、より小さな細孔(9)を収容する追加の固体状のナノ細孔ホルダを備えてもよく、これにより、装置(1)の分析範囲が拡大する。
第2の粒子センサ(5)はまた、下部流体セルおよび作用電極(6)を保持することができる。ホルダは、フロー装置の下部にあるねじを使用して取り付けることができ、Oリングのセットを使用してシールを提供することができる。ホルダのCAD画像を図17に示す。
さまざまなサイズの粒子を同時に特性評価できるようにするために、第2の粒子センサ(5)は、1nmまでの粒子の検出と特性評価を可能にするか、DNAのシーケンスに適合される。
高流量反応器内で高濃度の粒子を生成する製造プロセスで装置(1)を使用する場合、装置(1)を支援するために、2つの同一の装置(図1または図18に示す2つの同一の装置など)を同時に使用できる。主要な流れ/サンプルは、第2の装置を通過する容積と流量が最初の装置と異なるように迂回される。これにより、各装置は同じサンプル中の異なる特性/粒子を特性評価することができる。
図19に、装置の動作を概略的に示す。図19Aでは、1nmから2μmの寸法の小さな粒子がマイクロ流体チャネルに入る。小さな粒子は、大きな粒子を検出するように構成された第1の粒子センサでは検出されない。小さな粒子は、第2の粒子センサのナノ細孔を通って流れ、信号を生成する。図19Bでは、2~100μmの寸法の大きな粒子がマイクロ流体チャネルに入る。大きな粒子は第1の粒子センサによって検出され、信号が生成される。図19Cでは、大きな粒子と小さな粒子の両方を含む流体がマイクロ流体チャネルに流れ込む。大きな粒子は第1の粒子センサによって検出され、小さな粒子は第2の粒子センサによって検出される。
図20aは、第1の粒子センサ(センサ1)および複数の第2の粒子センサ(センサ2、・・・センサn)を含む装置30を示している。複数の第2の粒子センサは、第3、第4、第5の粒子センサなどと呼ばれることがある。第1の粒子センサは、入口34、出口36、および検出ゾーン38を提供する狭窄部を有するマイクロ流体チャネル32を備える。装置30は、第1の接地電極40および第2の作用電極42をさらに含み、これらの電極は、第1の粒子センサの第1の電極セット44を一緒に形成している。
装置30は、第2の粒子センサ46をさらに備える。第2の粒子センサ46は、接地電極および作用電極を有する第2の電極セットを備える。いくつかの実施形態では、第2の電極セット47の接地電極は、第1の作用電極セットと共有され得る。すなわち、粒子センサの個数をnとした場合、複数の粒子センサは、n+1個の電極を含んでもよく、共有の接地電極が使用される。他の実施形態では、粒子センサの少なくともいくつかは、接地電極と作用電極の両方を含む電極のワーキングセットを含み得る。図示の実施形態では、第2の粒子センサ46は、第1の接地電極40と第2の電極セット50を形成する作用電極48を備える。作用電極54を備えたさらなる第2の粒子センサ52が提供される。作用電極54は、第1の接地電極40と共に第3の電極セット56を形成する。第2の粒子センサ46、52のそれぞれは、流量レギュレータ55、56を備えている。
各作用電極セットによって出力される電気信号は、それぞれの粒子センサに関連するパルスデータのチャネルを提供するチャネルと呼ばれることがある。パルスデータは、電極セットの電極間の電流の流れを示している。電流は、粒子がそれぞれの粒子センサを通過することによって発生する。したがって、電流の各パルスは、粒子が粒子センサを通過することを示す。各センサは独立しているので、複数のチャネルのパルスデータを少なくとも部分的に同時にセンサから出力することができる。すなわち、電流の流れを示すパルスは、少なくとも部分的に、複数のチャネル間で同時であり得る。したがって、本発明の実施形態に係る粒子センサと共に使用される装置は、後続の分析のためにパルスデータを格納することができ、またはパルスデータを同時に受信および分析するための複数の手段を含むことができる。
図20bは、本発明のさらなる実施形態に係る第2の粒子センサ(60)を示している。第2の粒子センサ(60)は、第2の粒子センサ(60)を装置のベースに接続するための、外ねじ(64)を有する本体(62)を備える。本体には、ナノピペット(68)が配置された内部チャネル(66)がある。第2の粒子センサ(60)が装置のベースに接続されると、内部チャネル(66)が第1の粒子センサのメインのマイクロ流体チャネルに結合され、それによってそれらの間に流路を形成する。また、本体(62)と共に収容され、内部チャネル(66)と流体連絡しているのは、チューブ(70)である。チューブ(70)の一部は、本体(62)の外に延びる。チューブ(70)は、装置の主な流体出口として機能することができる。
例えば、いくつかの実施形態では、マイクロ流体チャネルの主な流体出口を通る流量と、随意的に、一連の第2の粒子センサに存在する各チューブとは、独立して制御または停止され得る。したがって、すべてのサンプルがチューブ(70)などの単一の出口から流出できるようにシステムを構成することが可能である。
図20cは、装置を通る流体の通過を示している。大きい粒子(80)と小さい粒子(82)を含む流体サンプルは、矢印Aで示されている第1の粒子センサのマイクロ流体チャネルを通過する。流体の一部は第2の粒子センサ(84)に入る。第2の粒子センサ(84)は、ハウジング(88)内にナノピペット(86)を含む。ナノピペット(86)は、小さな粒子(82)のみが細孔(90)を通過して検出できるようなサイズの細孔(90)を持っている。大きな粒子(80)は、矢印Bで示されている外側の流れの中でナノピペットの周りを移動し、廃棄物として装置を出る。
ナノピペット(86)を通る流体の流量(「内部の流れ」)がナノピペットを通過する流量(「外部の流れ」)よりも低くなるように、より大きな粒子が第2の粒子センサのナノ細孔(90)に入るのは禁止されている。このように、第2の粒子センサのナノ細孔(90)は、より大きな粒子をナノ細孔から押しのける液体の流れによって絶えず洗浄されており、それによってナノ細孔の閉塞を防止している。ナノピペットを通る液体の流量も感度を高めることができる。ナノピペット(86)を通る流量を増やすと、より多くの粒子が検出される可能性がある。同様に、ナノピペット(86)を通る流量が停止した場合、第2の粒子センサは、フローが再びオンになるまで非アクティブのままになる。
図20d-gは、第2の粒子センサを通る流体の流れをどのように調整できるかを示している。図20dでは、メインのマイクロ流体チャネルからの流体が第2のセンサに流れ込み、矢印F1で示される流量でナノピペットを通過する。ナノ細孔を通過しない流体は、矢印W1で示されているように、ナノピペットの周りを流れる。
図20eは、矢印F2で示されているように、流量レギュレータ(図示せず)を使用してナノピペットを通る流量をどのように増加させることができるかを示している。この場合、矢印W2で示されているように、ナノピペットを通過するのではなく、ナノピペットの周りを移動する流体の流れが減少する。
図20fでは、ナノピペット内を通る流体の流れが逆になり(矢印F3)、それによってナノ細孔を通る粒子の移動が停止する。 図20gでは、流体がナノピペットの中または周囲を移動しないように、第2の粒子センサを通るすべての流れが停止している。
ワークフローは図21に概略的に示されている。装置(1)は、流れがない場合にも使用できる。たとえば、ユーザーが分析のために、例えば血液、牛乳、またはナノマテリアル/ナノメディシンなどのサンプル/材料をセンサに注入したい場合などである。測定は、材料の物理的特性を特性評価するために使用され得る。すなわち、測定は、材料の特性がサンプルマトリックスに関連し、粒子の物理的特性が診断/分析信号として機能する場合に使用され得る。
以下に説明する分析パッケージは、プロセッサ上で実行されるときに、上記のステップの1つまたは複数を実行するように構成されたコンピュータプログラムとして実装され得る。一般に、そのようなコンピュータプログラムは、コンピュータプロセッサによって実行されるとき、少なくとも以下を実行するように構成され得る。受信したデータを、既知の形状とサイズの粒子を表す事前に保存された特徴的な形状とサイズのデータと比較する。比較に基づいて、少なくとも1つの粒子の形状およびサイズのうちの1つまたは複数を決定する。そして、決定された1つまたは複数の粒子の形状およびサイズを出力する。本明細書に開示されるコンピュータプログラムの例は、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせの形で実現され得ることが理解されよう。そのようなソフトウェアは、例えば、消去可能または書き換え可能であるかどうかにかかわらず、例えばROMのような記憶装置などの揮発性または不揮発性ストレージの形態で、例えばRAM、メモリチップ、デバイス、集積回路などのメモリの形態で、あるいは、例えばCD、DVD、磁気ディスク、磁気テープなどの光学的または磁気的に読み取り可能な媒体に記憶され得る。記憶装置および記憶媒体は、実行されたときに本開示の実施形態を実施する1つまたは複数のプログラムを記憶するのに適した非一時的な機械可読記憶の実施形態であることが理解されよう。したがって、本明細書に開示される例は、本明細書に開示される任意の方法を実施するためのコードと、そのようなプログラムを格納する機械可読記憶媒体とを含むプログラムを提供することができる。さらに、本明細書に開示される例は、有線または無線接続を介して運ばれる通信信号などの任意の媒体を介して電子的に伝達することができ、例はこれを適切に包含する。
本発明のさらなる態様では、以下のコンピュータを実装した方法が提供される。該方法は、粒子に対応する電流パルスを表すパルスデータを入力として受信するステップと、該受信したパルスデータを、既知の形状の粒子を表す事前に保存された特徴的な形状データと比較するステップと、該比較に基づいて、少なくとも1つの粒子の形状を決定するステップと、該決定された粒子の形状の指標を出力するステップとを備える。
いくつかの実施形態では、電流パルスは、本明細書で定義される粒子センサ、または本明細書で定義される装置から得ることができる。しかしながら、他の実施形態では、パルスデータは、他のタイプの抵抗性パルスセンサ(RPS)から取得され得る。
いくつかの実施形態では、事前に保存された特徴的な形状データは、既知の形状の粒子を表す1つまたは複数のスプライン係数を含む。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のスプライン係数は、既知の形状の粒子を表すbスプラインの1つまたは複数のスプライン係数である。
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のスプライン係数は、既知の形状の粒子を表すスプライン係数の所定のセットである。
事前に保存された特徴的な形状データは、正規化された粒子サイズのものであってもよく、コンピュータプログラムは、受信されたデータを正規化するように構成される。
いくつかの実施形態では、事前に保存された特徴的な形状データは、抵抗性パルスの幅の表示を含む。
いくつかの実施形態では、事前に保存された特徴的な形状データは、抵抗性パルスの最大深度の表示を含む。
粒子に対応する抵抗性パルスを表すデータは、センサを通過する粒子に対応するデータを含み得る。いくつかの実施形態では、粒子に対応する抵抗性パルスを表すデータは、ナノ細孔を横断する粒子に対応するデータを含む。
さらなる態様では、以下のコンピュータを実装した方法が提供される。該方法は、既知の形状の粒子に対応する電流パルスを表すパルスデータを入力として受信するステップと、既知の形状の粒子を示す前記受信データに基づいてモデルを決定するステップとを備える。
いくつかの実施形態では、電流パルスは、本明細書で定義される粒子センサ、または本明細書で定義される装置から得ることができる。 しかしながら、他の実施形態では、パルスデータは、他のタイプの抵抗性パルスセンサ(RPS)から取得され得る。
さらなる態様では、本発明は、ナノ粒子を特性評価するコンピュータを実装した以下の方法を提供する。該方法は、ナノ粒子がマイクロ流体チャネルを通過する間に、マイクロ流体チャネルに関連する第1の電極と第2の電極との間のイオン電流の流れを示すパルスデータを受信するステップと、パルス形状モデルを使用して、前記パルスデータを複数の所定のタイプのナノ粒子の1つに対応するものとして分類するステップとを備える。
図34は、本発明の実施形態に係る方法3400を示している。方法3400は、本発明の実施形態に係るパルスデータを処理する方法である。パルスデータは、本発明の実施形態に係る粒子センサから受信することができる。方法3400は、パルスデータを前処理するために使用され得る。前処理されたパルスデータは、図35を参照して以下に説明されるような、本発明の他の実施形態に係る方法で使用され得る。
ブロック3410において、パルスデータは、少なくとも図20aを参照して説明されたものなどの粒子センサから受信される。パルスデータは、粒子センサの第1および第2の粒子センサなどの1つまたは複数の粒子センサのそれぞれから受信することができる。いくつかの実施形態では、パルスデータは、粒子センサから複数のチャネルで受信される。パルスデータは、パルスデータを受信するコンピュータなどの装置のメモリに格納することができる。パルスデータは、図24の上部に示すように、未加工の信号パルスデータの形式である場合がある。パルスデータは、それぞれの時点での一連のデータサンプルの形式である場合がある。
ブロック3420において、パルスはパルスデータから抽出される。ブロック3420では、1つまたは複数の個々のパルスが生のパルスデータから抽出される。各パルスは、未加工のパルスデータのベースラインからの有意な偏差に依存して識別され得る。各パルスは、所定の数のデータポイントまたはデータサンプルを含み得る。
ブロック3430において、各パルスは、所定の数のデータサンプルを含むように整列される。すなわち、パルスの所定の数のデータサンプルは、所定の数のデータサンプルをキャプチャするように整列される。一実施形態では、各パルスは、310個のデータサンプルを含むが、他の数のデータサンプルを使用できることが理解されよう。特に、不均一な個数のデータサンプルが使用されてもよく、その結果、中間データサンプルの両側において、データサンプルの個数は同じであってもよい。すなわち、データサンプル151を中間データサンプルとして選択することができ、パルス150は、どちらの側にもデータサンプルを含む。データサンプルの個数を図24に示す。
ブロック3440において、パルスデータはトレンド除去される。トレンド除去とは、未加工のパルスデータの大きさの増加または減少などのトレンドが、各パルスのサンプリングされたパルスデータから削除されることを意味する。
いくつかの実施形態において、方法3400は、各パルスの大きさを正規化することを含む。大きさを正規化することは、各パルスが、1の正規化された大きさまたは深度などの所定の大きさを有すると決定されることを意味する。このようにして、各パルスのサイズがパルスデータから削除される。正規化されたパルスデータにより、パルスの形状情報をサイズ情報から分離することができる。正規化されたパルスデータを使用することにより、各パルスおよび対応する粒子は、説明されるように、その形状に従って分類され得る。
ブロック3460において、パルスデータが出力される。パルスデータは、方法3400を実行する装置のメモリなどのデータ記憶媒体に記憶されることによって出力することができる。
本発明の実施形態は、粒子を分類するための分類子を作成する方法を含む。パルスデータは、本発明の実施形態に係る粒子センサから受信することができる。ただし、この方法は、他のセンサから取得したパルスデータで使用できる。方法3500の実施形態を図35に示す。
この方法は、パルスデータを受信するブロック3510を含む。パルスデータは、図34に示されているような方法から、前処理されたパルスデータの形で受信することができる。パルスデータは、この方法を実施するコンピュータシステムなどのメモリから受信することができる。
ブロック3520において、パルスデータが定量化される。定量化とは、各パルスの1つまたは複数の量または測定値が決定されることを意味する。パルスデータは、各パルスの1つまたは複数の統計を決定することによって定量化することができる。図24に示すように、量または統計は、各パルスp1、p2、・・・pnのパルスの大きさΔiの表示、各パルスの幅の表示、及び、各パルスの形状の1つまたは複数の測定値のうちの1つまたは複数で構成される。
各パルスの幅、すなわち遮断幅の表示は、図24に示すように、パルス高さの0.75、0.5、0.25など、各パルス高さの1つ以上の部分で決定できる。各パルスの形状は、パルスデータへのフィッティングスプラインを含み得る。いくつかの実施形態では、パルスデータは、スプラインを適合させる前に正規化される。スプラインは二次スプラインであってもよい。いくつかの実施形態では、スプラインは、25個の固定ノットおよび3個の固定点(24個の係数)を有する二次スプラインである。スプライン係数は、ノイズ除去されたパルスの形状の数学的記述を提供する。スプラインがパルスデータを正規化するために適合されている場合、スプラインは各パルスの形状のみを示す。
いくつかの実施形態において、方法3500は、データの整合性をチェックするブロック3530を含む。正しい動作を検証するために、既知のサイズ、形状、および組成の所定の粒子のパルスデータが取得される。ブロック3530において、所定の粒子に対応するパルスの統計が、期待値に対してチェックされる。統計が所定の粒子の1つまたは複数の閾値の外にある場合、方法3500は停止してもよい。それ以外の場合、方法はブロック3540を処理する。
ブロック3540では、異なる特性を有する粒子を区別するために分類子が構築される。例えば、分類子は、スフェア(球)およびロッドなどの異なる形状の粒子を区別するように構築され得るが、他のクラスの粒子形状が想定され得る。他の例では、異なるサイズおよび/または材料の粒子を区別するために分類子を構築することができる。分類子を構築するために、粒子のセットに対応するパルスについてパルスデータが取得される。ここで、パルスデータの粒子のセットは、較正パルスデータとして区別することが望まれる粒子のセットに対応するものである。例えば、パルスデータの第1のセットは、球状粒子について取得され得、パルスデータの第2のセットは、ロッド状粒子について取得され得る。パルスデータのセットが与えられると、回帰法を使用して予測分類モデルが構築される。回帰法は、ペナルティ付き回帰法であってもよい。一実施形態では、モデルはパルスの最大深度を使用し、別の実施形態では、モデルはパルス幅を使用し、別の実施形態では、方法は、パルスデータのスプライン係数を使用し、これはまた、パルスの最大深度を含み得る。別の実施形態では、モデルは正規化されたパルスデータにスプライン係数を使用し、スプライン係数はbスプラインのスプライン係数であり得、別の実施形態では、モデルは正規化されたパルスデータからのスプライン係数の固定セットを使用する。係数の固定セットは、他の係数を使用できることが理解されるが、特に効果的であることが見出された係数9、10、16、17、18および19であってもよい。このようにして、分類子は、本発明の実施形態に係る、粒子センサから出力されるそれらのパルスデータに基づいて、異なる形状の粒子などの異なるクラスの粒子を区別できるように構築される。
ブロック3550において、構築された分類子は、方法3500を実行するコンピュータシステムのメモリに格納されるなどによって出力される。分類子は、対応するパルスデータに従って粒子を分類するために後で使用するために格納される。
図36は、本発明の実施形態に係る分類子を使用する方法を示している。分類子は、図35の方法3500によって生成されたものであり得る。方法3600は、受信されたパルスデータに依存して粒子を特性評価する方法である。方法3600は、図37を参照して以下に記載されるような装置によって実施され得る。
方法3600は、粒子センサからパルス形状データを受信するブロック3610を含む。粒子センサは、上記の本発明の実施形態に係る粒子センサであり得る。パルス形状データは、方法3600を実行する装置のインターフェースで受信される電気信号として伝達され得る。パルス形状データは、図20aを参照して上記のように複数のデータチャネルのうちの1つで受信され得る。パルス形状データは、上記のような301個のデータポイントなど、電極セットの電極間の電流の流れを示すそれぞれの時点での複数のデータポイントを含み得る。
方法3600は、粒子形状を決定するブロック3620を含む。ブロック3620は、装置のメモリに記憶されている方法3500によって提供されるパルス形状分類子を使用して、複数の所定のタイプのナノ粒子のうちの1つに対応するものとして受信パルスデータ3625を分類することを含み得る。いくつかの実施形態では、ブロック3620は、受信されたパルスデータ3625を、既知の形状の粒子を表す事前に保存された特徴的な形状データと比較することを含む。さらに、いくつかの実施形態では、ブロック3620は、比較に基づいて、受信されたパルス形状データに対応する少なくとも1つの粒子の形状を決定することを含む。分類子は、所定の形状または所定の形状および/またはサイズを有する粒子などの、所定の数のクラスの粒子のうちの1つに対応するパルスデータの表示を出力することができる。
ブロック3630において、決定粒子形状の表示が出力される。ブロック3630は、方法を実行する装置のメモリに表示を格納することを含み得る。
図37は、本発明の実施形態に係るシステム3705を示している。システム3705は、制御ユニット3710および粒子センサ3720を備える。粒子センサ3720は、上記のような本発明の実施形態に係るものであり得る。特に、粒子センサ3720は、第1および第2の粒子センサなどの複数の粒子センサを含み得る。各粒子センサは、2つのデータチャネルを含む図37に示されるように、それぞれのデータチャネル3725、3726にデータを出力することができる。
制御ユニット3710は、粒子がマイクロ流体チャネルを通過する間に、マイクロ流体チャネルに関連する作用電極セットの第1の電極と第2の電極との間の電流の流れを示すパルスデータ3725、2726を受信するように構成される。
制御ユニット3710は、処理装置3730およびメモリ3740を備える。処理装置3730は、メモリ3740に格納され得るコンピュータ可読命令を実行するように構成される。処理装置3730は、コンピュータ可読命令によって定義される本発明の一実施形態に係る方法を実行するように構成される。メモリ3740は、方法で使用するためのデータを格納するように構成することができる。受信したパルスデータは、メモリ3740に格納することができる。特に、メモリ3740は、粒子センサ3720から受信したパルスデータ3725を格納することができる。メモリ3740は、方法で使用するための1つまたは複数のモデル3750または分類子をさらに格納することができる。 1つまたは複数の分類子3750は、パルスデータ3725を複数の所定のタイプの粒子のうちの1つに対応するものとして分類するための上記のような1つまたは複数のパルス形状分類子3750であり得る。制御ユニット3710は、図36に示されるように、本発明の実施形態に係る方法3600を実行するように構成され得る。
分析物の存在は、溶液への粒子の放出をもたらす。放出される粒子の個数は、分析物の濃度に関連している。各分析物は、特定の形状またはサイズのナノ粒子の放出を引き起こす。溶液中に放出された粒子は、センサによって識別およびカウントされ、迅速な定量化を提供する。
例えばガラススライド、セルロース膜などの材料の表面は、DNA分子で機能化されている。DNA2は、粒子に固定化されたDNA1と相補的である。粒子は、DNA1とDNA2の間の二本鎖DNAの形成を介して表面に保持される。溶液中に分析物1が存在すると、DNA1とDNA2の間の相互作用が破壊される(DNA1またはDNA2は分析物1に対するアプタマーであり得る)。分析物1とDNA1/2の間の相互作用により、粒子が溶液中に放出される。溶液中の粒子の個数は、RPSセンサを介してカウントされる。
表面に多くの異なるサイズまたは形状の粒子をロードできるため、複数の分析物を同時に定量化できる。各粒子は、dsDNAの形成を介して表面に保持される。ここで、DNA1とDNA2は相補的であり、DNA3とDNA4の間に相互作用はない。同様にDNA3とDNA4は相補的であり、粒子2は、DNA3とDNA4の相互作用を介して表面に保持される。図1に示されるように、分析物1とDNA1 /DNA2との間に特定の相互作用があり、粒子1が溶液中に放出される。分析物2の存在下では、分析物2とDNA3またはDNA4の間に特定の相互作用があり、粒子2が溶液に放出される。本発明のRPSセンサは、異なる粒子の数を測定および識別することができる。
流れの存在、および広範囲の粒子サイズを特性評価する能力は、診断アプリケーションを強化し、診断チップとRPSセンサのユニークな組み合わせである。
本明細書に開示されるすべての特徴(付随する特許請求の範囲、要約および図面を含む)、および/またはそのように開示される任意の方法またはプロセスのすべてのステップは、上記のような特徴および/またはステップの少なくともいくつかが相互に排他的である場合の組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせることができる。
本明細書に開示されている各特徴(付随する特許請求の範囲、要約および図面を含む)は、特に明記しない限り、同じ、同等または類似の目的を果たす代替の特徴に置き換えることができる。したがって、特に明記されていない限り、開示されている各機能は、同等または類似の機能の一般的なシリーズの一例にすぎない。
本発明は、前述の実施形態の詳細に限定されない。本発明は、本明細書に開示された特徴の任意の新規の組み合わせ、または任意の新規の組み合わせ(付随する特許請求の範囲、要約および図面を含む)、または、そのように開示された任意の方法またはプロセスのステップの任意の新規の組み合わせ、または、任意の新規の組み合わせに及ぶ。請求項は、前述の実施形態だけでなく、請求項の範囲内にある任意の実施形態も網羅すると解釈されるべきではない。
本明細書の説明および特許請求の範囲を通じて、「備える」および「有する」という単語およびそれらの変形は、「含むがこれらに限定されない」を意味し、他の部分、添加剤、成分、整数、またはステップを除外することを意図しない(および除外しない)。本明細書の説明および特許請求の範囲全体を通して、文脈上別段の必要がない限り、単数形は複数形を包含する。特に、不定冠詞が使用される場合、文脈上別段の必要がない限り、仕様は単数性だけでなく複数性も考慮していると理解されるべきである。
本明細書に開示されるすべての特徴(付随する特許請求の範囲、要約および図面を含む)、および/またはそのように開示される任意の方法またはプロセスのすべてのステップは、相互に排他的である上記のような特徴および/またはステップの少なくともいくつかの組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせることができる。本発明は、前述の実施形態の詳細に限定されない。本発明は、本明細書に開示された特徴の任意の新規の組み合わせ、または任意の新規の組み合わせ(付随する特許請求の範囲、要約および図面を含む)、または、そのように開示された任意の方法またはプロセスのステップの任意の新規の組み合わせ、または任意の新規の組み合わせに及ぶ。
実施例1:形状分析
材料および方法
材料:
この研究では、3種類のナノ粒子が使用された。具体的には、カルボキシル化ポリスチレン粒子(直径200nm、ニュージーランド、クライストチャーチのIzon Sciencseから購入されたCPC200)、カルボキシル化ポリスチレン粒子(直径158nm、米国、インディアナのBangs Laboratories社から購入されたPS150)、CMD社から購入されたナノロッドである。英国、カーディフのCMD社から酸化鉄ナノロッドが供給された。
粒子の調製:
酸化鉄ナノロッドにカルボキシル基を添加した。これには、英国のSigmaAldrichから購入した、PEIおよびPAAMA(ポリ(エチレンイミン)(PEI)、Mw750,000gmol-1 、分析標準、50%wt.、P3143、ポリ(アクリル酸-co-マレイン酸)(PAAMA)、Mw~3000gmol-1、50%wt.、416053が用いられた。試薬は18.2MΩcmの抵抗を持つ精製水中で調製した。粒子はストック(50μL)から採取し、PEI(1mL、HO中5%)に懸濁した。溶液をロータリーホイールに30分間置き、10,000rpmで5分間遠心分離し、PEI溶液を粒子から除去して、水と交換した。粒子が完全に分散するまでサンプルをボルテックスし、超音波処理した。この洗浄ステップを2回繰り返して、余分なPEIがすべて除去されたことを確認した。PEIコーティングされた粒子をPAAMA(50mM、NaCl中5%)に30分間懸濁し、余分なPEIを除去するための同じプロセスが使用された。その後、粒子は水中に2~4°Cで保管された。米国のBangs Laboratoriesのカルボキシルポリスチレン粒子(158nm)とニュージーランドのIzon SciencseのCPC200(200nm)を変更せずに使用した。粒子は、50mM塩化カリウム溶液(KCl>99%、英国のFisher Scientificから購入されたP/4240/60)を使用して希釈した。
方法の検証:
モデルを開発するために、同等の体積の粒子、つまりPS150とカルボキシルコーティングされたナノロッドを使用した。混合物については、純粋なナノロッドと(小さい、PS150)ナノスフェアのサンプルを使用してモデルを較正した。次に、溶液にナノロッドと(大きなCPC200)ナノスフェアの混合物が含まれる500を超えるイベントを記録した。混合物を作成するために、最初にナノロッドとナノスフェアの粒子溶液を希釈して、各サンプルが同等の粒子カウント率、つまり単位時間あたりのパルス数を持つようにした。したがって、等量で混合した場合、ナノロッドとナノスフェアの信号比は1に等しくなる。ここでは、ナノロッドとナノスフェアの濃度が等しいとは仮定せず、各タイプの粒子からの転移の数が同等であると仮定する。異なる量のこれらのストック溶液を混合すると、既知のパルス比が得られる。
RPSセットアップ:
すべての測定は、qNano(Izon Science、ニュージーランド)とデータキャプチャおよび分析ソフトウェアであるIzon Control Suite v.3.1を組み合わせた調整可能なナノ細孔(NP150)を使用して実施された。下部の流体セルには電解質(75μL)が含まれている。粒子は同じ電解質に懸濁され、上部流体セル(40μL)に配置される。分析の前に、すべてのサンプルをボルテックスし、30秒間超音波処理した。各サンプルの実行後、40μLの電解質を上部の流体セルに数回入れ、さまざまな圧力を加えてシステムを洗浄し、残留粒子が残っていないこと、ひいてはサンプル間の相互汚染がないことを確認した。一連の実験を通じて複数の細孔が必要だったため、可能な場合は、それらが同等の細孔寸法を持っていることを確認した。これを行うために、製造元から提供されたものと同じ寸法の細孔を使用した。ポリウレタン素材と製造工程により、サイズに多少のばらつきが予想される。これを補うために、110nAの5%以内でベースライン電流を一致させ、コントロールサンプル、ブランク、およびキャリブレーションビーズを実行して、データセット間の比較を可能にした。PU細孔の正確な寸法に関する情報がない場合、ナノ細孔の応答は、既知のサイズと体積の粒子を使用して較正できる。ここでは、平均直径235nmのポリスチレン粒子を使用した。
RPS遮断の大きさΔi信号は粒子体積と線形関係にあるため、1点キャリブレーションで十分である。
PUセットアップには、2つの主要なトランスポートモードがある。1つ目は電気泳動である。すべての粒子はカルボキシル表面の化学的性質を持っているため、サンプルの反対側の膜側のアノードに向かって移動する。2つ目は、重力の影響下での流体の流れによって引き起こされる対流である。ここでは、細孔は垂直方向にあり、サンプルは膜の上部に配置される。
電子顕微鏡のセットアップ:
ポリスチレンナノスフェリカルナノ粒子と酸化鉄ナノロッドをDI-水で希釈し、5μlのサンプルを銅板に滴下して室温で蒸発させた。
数学的モデル手法:
分析全体の抵抗データと遮断出力ファイルの両方を含む、機器ソフトウェアから取得したデータを、RStudioインターフェースを使用してR3.4.1で分析した。最初に、各パルスを再現性よく抽出する方法が開発された。これには、検出された遮断イベントを含む1001の時点を抽出し、遮断の最小値を特定し、ポイント151でパルスの最小値を持つ301の時点を抽出することが含まれる。これにより、パルスの大きさの前後に150のデータポイントが生じた。ベースラインドリフトとノイズの変動を考慮して、各パルスは最初の50と最後の50の時点を使用してトレンド除去された。
抽出されたすべてのパルスで構成されるファイルと、深度1に正規化された抽出パルスのファイルが作成された。最後に、抽出されたパルスと正規化された抽出パルスは、それぞれ、(Rパッケージコブを使用した)固定ノットと、2つの追加データセットに保存された係数とを備えた2次bスプラインによって近似された。
モデルは、Rベースパッケージ(glm)とパッケージglmnet(ラッソペナルティ回帰用)の両方で構築された。ナノスフェアまたはナノロッドのいずれかの溶液のみを使用してモデルをトレーニングするために、2回のキャリブレーション実行が使用された。キャリブレーションデータに続いて、2つのテストソリューションが実行された。ここでも、ナノロッドのみまたはナノスフェアのみが含まれている。このプロセスを各ナノ細孔に対して繰り返し、合計5つのPUナノ細孔をテストし、RパッケージpROCを使用して実行中に記録された各ナノ粒子の形状を予測する能力に関してテストした。
シミュレーション法:
有限要素法(FEM)を使用して、軸上の軌道上で円錐形の細孔を横断するナノスフェアとナノロッドによって引き起こされるパルス形状を予測した。商用ソフトウェアのComsoMultiphysics5.2を使用して、ラプラス方程式Δφ=0によって支配される、根本的な静電問題を解決した。チャネル壁と粒子の境界条件は絶縁性であると想定された。境界は表面で消える必要がある。細孔は、細孔長250μm、大きな細孔開口部の直径52μm、小さな開口部666nmの円錐形であると想定された。細孔長と大きな細孔開口部の値はSEMデータから抽出され、小さな細孔開口部は他の場所で説明されているモデルを使用してベースライン電流(印加電圧1.46V、溶液の導電率0.667S/m)から計算された。ナノロッドの長さと幅はそれぞれ450nmと90nmで、どちらもSEMデータから抽出された。158nmのナノスフェアは、ナノロッドの体積と一致するように選択された。ナノロッドとナノスフェアの両方のシミュレーションを、粒子の中心位置の関数としての電流を抽出できるように、細孔軸に沿った十分な数のポイントに対して繰り返した。実験で使用されたパラメータの主な輸送メカニズムは、加えられた圧力ヘッドから生じる流体力学的流れであり、粒子は流体の流れに追随すると想定できるため、位置と電流の関係を時間と電流の関係に直接スケーリングできる。
結果と考察
ナノ粒子の分析方法を開発した。これにより、個々の粒子を形状別に分類し、溶液中のさまざまな形状の粒子の比率を決定することができる。抵抗性パルスセンシングロジスティック回帰モデルRPS-LRMと呼ばれるこの方法は、抵抗性パルスデータを信号処理および形状予測統計アルゴリズムにリンクして、個々の粒子が細孔を通過するときに形状ごとに分類する。2セットの実験が行われた。
3.1 粒子の形状を特定するためのRPS信号の使用
最初の実験では、ナノロッド(図22bi)とナノスフェア(図22bii)の2種類のナノ粒子を使用した。この方法を開発するために、ほぼ等しい体積の材料を選択した。ナノロッドとナノスフェアの正確な体積を一致させるための努力がなされたが、それらは等しくないことに注意する必要がある。RPSデータとS/TEMデータの間の優れた一致に注目するのは興味深いことである。ナノロッド分析に関する以前のRPS研究では、小さいナノロッドのタンブリング速度が遮断の大きさに影響を及ぼし、ナノロッドのサイズが過大評価される可能性があることが示されているため、この単純な観察は重要である。ここでは、ナノロッドが溶液中で転倒する能力を排除していないが、ナノ細孔の検出ゾーンを通過するときに計算された回転数は、パルスあたり0.5回転未満であると計算された。したがって、それらが細孔に近づく方向は、それらが感知ゾーンを出るときと同じ方向である可能性が高い。
計算モデルは、細孔内の粒子位置の関数としてナノスフェアとナノロッドの理論的なパルス形状を決定するために構築された。図23aは、ナノロッドとナノスフェアがナノ細孔を移動する際の、シミュレートされた正規化されたパルス形状を示している。粒子が左側の検知ゾーンに近づくと、ナノロッドとナノスフェアの電流と位置の関係に明らかな違いが見られる。粒子が右側の検知ゾーンに存在するため、わずかな違いが予測される。ナノ細孔の軸に整列したナノロッドをモデル化したが(実験のセクションを参照)、ナノロッドが開口部に近づくにつれて優先配向を示すことを予測する方法はないことに留意すべきである。比較のために、図23bは、500を超えるナノスフェア粒子とナノロッド粒子の平均測定パルス形状を示している。予測されたパルスと観測されたパルスのパルスシャープネスの違いは、水平軸とデータポイントの数の違いによるものであることに留意すべきである。ただし、2つの粒子のパルスを比較すると、平均測定パルスはシミュレーションと同様の傾向を示しており、パルス形状に関する情報を使用して、どのタイプの粒子が検出されたかを判断できるはずである。この手法の感度をさらに説明するために、さまざまなアスペクト比のナノロッドをセットアップに通した。図23cは、アスペクト比を変化させた場合の500を超える粒子の平均測定パルス形状を示している。現在の設定では、アスペクト比が2未満のナノロッドはナノスフェアと区別できない。
3.2 混合溶液中のナノロッドの割合の測定
ただし、RPSは、サイズと濃度の分析が可能な単粒子分析技術であり、これはナノロッドにも当てはまる。各ナノ粒子は、第1の粒子センサまたは第2の粒子センサを通過するときに信号を記録する。したがって、形状分類を可能にするために平均数百のパルスを取ることは誤解を招く可能性がある。サンプルにナノスフェアとナノロッドの両方の形状の粒子が含まれている場合、ナノロッドとナノスフィアの比率によっては、平均信号によって材料の誤分類や誤検知が発生する可能性がある。PU細孔がナノロッドとナノスフェア間の平均差を検出できることを示したので、次のステップは、ナノ細孔内を移動する各パルスと粒子に分析と分類のプロセスを適用することであった。各実験では、各タイプのナノマテリアルを2回実行した。以下に説明する分析パッケージを使用して、最小パルスを中心とする301時点の個々のパルスが未加工データファイルから抽出される(図24を参照)。次に、各パルスが整列され、トレンド除去される。301の時点の選択は、信号のトレンド除去と整列のためにパルスの両端で安定したベースラインを持ちたいという願望の間でバランスを取ることであるが、ほとんどの場合、同じ期間に2つのパルスをキャプチャすることは避ける。次に、サイズ情報を形状情報から分離するために、パルスが深度1に正規化される。これは、将来のアプリケーションで任意のサイズ/体積の粒子を形状分類できるため、この手法の多様性を説明するのに役立った。
正規化されたパルスのスプライン係数の形式の形状データは、25個の固定ノットと3個の固定点(24個の係数)を持つ2次スプラインを使用して取得される。スプライン係数は、ノイズ除去されたパルスの形状の数学的記述を提供する。パルス長はノイズ振動と同じ長さスケールであるため、この設定では標準的なフーリエノイズ除去方法は適切ではないことに留意すべきである。これの概略図を図24に示すが、ノットは表されているように等間隔ではないことに留意すべきである。流れの急激な変化の領域に沿って、端のほとんど安定した領域よりも多くの結び目が使用される。
図24は、記録されたパルスデータを示している。301個のデータポイントを含む各パルスが分離される。パルスの分析は、5つのモデルのうちの1つによって行われた。A)パルスの大きさ、B)パルスの高さの0.75、0.5、0.25の割合での遮断幅、C)正規化されていないスプラインフィッティング、および、D-E)正規化されたパルスの大きさでのスプラインフィッティング。
図25は、ボンフェローニ補正を使用した複数のt検定によって決定された粒子形状を識別する主要なスプラインセグメントの視覚化を示している。
図26(a)は、データモデルDを使用した、スフェア(球)に対するロッドの予測比率と既知の比率のプロットを示している。
5つの異なるタイプのロジスティック回帰モデルを1つの純粋なロッドランと1つの純粋なスフェアランからのデータ(トレーニングデータ)に適合させることができる。分析の開発における各モデルのパフォーマンスを判断するために、5つの細孔からのデータに基づいて各モデルを構築し、各細孔からの2番目のペアの実行からのデータ(テストデータ)で粒子分類をテストした。第1のモデルAは、パルスの最大深度のみを使用する。
これは、粒子の体積にほぼ比例することが示されている。第2のモデルBは、他の場所で説明されている遮断データのベクトル(パルス幅)を使用する。3番目のモデルCは、抽出された信号にスプライン係数を使用する。これには、モデルAのサイズデータも含まれる。4番目のモデルDは、すべてが深度1になるように正規化された後、抽出された信号に適合するbスプラインのスプライン係数を使用する。サイズ(深度)データは削除された。モデルB、C、およびDは、ラッソペナルティ付き回帰(Rのglmnetパッケージ)を使用して、トレーニングデータの各細孔に適合する。これは、これらのモデルに対して選択された(つまり、ゼロ以外の係数を持つ)変数は、細孔ごとに異なることを意味する。最後のモデルEは、複数のt検定の結果(係数9、10、16、17、18、および19)に基づいて、正規化された信号データからのスプライン係数の固定セットを使用し、標準ロジスティック回帰を使用してモデルを近似する。信号処理とモデリングの方法を図24に示す。
モデルのパフォーマンスは、各モデルのテストデータのROC曲線に沿った感度、及び、特異度の最大値を使用して比較された。ここで、感度は正しく分類されたナノスフェアのパーセントであり、特異性は正しく分類されたナノロッドのパーセントであるため、完全なスコアは200になる。データセットごとに(各粒子タイプの2回の実行)、4つの選択肢があった(2つの選択肢トレーニングおよびテストデータのナノスフェア実行およびナノロッド実行の2つ)。これらの4つの異なる方法で構築およびテストされたモデルを再現(レプリケート)と呼ぶ。5つのナノ細孔にわたるこれら4つの複製のモデルスコアを表1に記録している。すべてのモデルで、粒子の形状を特性評価する前に各細孔をキャリブレーションする必要があることに留意すべきである。つまり、純粋なナノロッドまたはナノスフェアのサンプルを最初に各細孔に通した。また、ある細孔でのキャリブレーションでは、データが示されていない別の細孔での粒子形状は予測されないことにも留意すべきである。これは、細孔構造と製造プロセスの再現性の違い、および実験中の安定性に起因すると考えられる。
正規化されたスプラインモデルのどの部分が粒子形状を特定する上で重要であるかを確認するために、各細孔(細孔あたり4ペア)で取得されたロッドとスフェア(球)のデータのすべてのペアについて、各スプライン係数に対してボンフェローニ補正を使用して複数のt検定を実行した。図25は、主要なスプラインセグメント、つまり、スフェアとロッドの間に大きな違いを示す形状の曲線の部分を視覚化したものである。すべての細孔について、電流の低下、つまり粒子が細孔に入るとき、粒子の形状(緑色のセグメント)に重要な特徴を示すスプラインがある。場合によっては、細孔2、3、および4、つまりパルスの2番目の部分、つまり細孔を通過するときに記録される部分も、粒子の形状を測定する重要な能力を示す。また、異なる形状の細孔は、粒子の形状を区別するために円錐形の細孔よりも全体的に優れた能力を持っている可能性があることも示唆している。
非正規化信号のスプライン係数を含むモデルCは、RPSの深度とパルス幅から従来抽出されたデータを含むモデルよりもパフォーマンスが優れていることを示した。特に、モデルA(深度データのみ)の場合、5つの細孔にわたるトレーニングデータとテストデータの各組み合わせの全体的な平均スコアは144±15で、標準偏差は15で、球形粒子の約74%がスフェア(球)として識別された。ロッド粒子の70%がロッドとして識別される。モデルBの平均スコアは129±20であった。興味深いことに、これは深度のみを使用したモデルよりも平均してパフォーマンスが悪く、パルス幅データは形状データをキャプチャする効果的な方法ではなく、余分な幅データが、実際には、予測パフォーマンスの向上ではなく、モデルの過剰適合につながる可能性があることを示している。これは、標準偏差が高いことによっても示される。これは、機器が収集した幅データが形状の信頼できる尺度ではないことを示している。
表1:テストされた各モデルとナノ細孔についての感度と特異性の値の組み合わせ
Figure 2022553547000002
対照的に、最適な分類ポイントでのモデルCの平均スコアは149±13であった。
したがって、平均して、パルス形状を含めると、深度extractみの場合よりもナノマテリアルの形状の分類モデルがいくらか良くなり、わずかに標準偏差が低く、モデル構築の信頼性の高い方法を示している。モデルCには、材料分析のために粒子サイズを事前に知る必要がないという強力な利点もある。
パルス正規化によってサイズ情報が削除されても、形状情報が保持されることは注目に値する。特に、モデルEの平均スコアは141±14で、これは約75%の感度(正しいスフェアの分類)と66%の特異性(正しいロッドの分類)に対応する。一般に、特異性はすべての場合で合計の最大値で感度を下回った。これは、ロッドの向きの変化の影響により、可能なパルス形状の範囲が広がり、スフェアよりも二分モデルで特性評価することが困難であるためである。
純粋なサンプルの粒子形状の識別は強力であるが、RPS-LRMの能力の最後のデモンストレーションは、スフェア(球)とロッドのさまざまな比率を混合し、混合物中のスフェアに対するロッドの比率を予測するようにモデルに依頼することであった。パフォーマンスはやや劣るが(平均133±13)、モデルEの代わりにモデルDを使用した。これは、主要なスプラインベクトルの知識がなくても、ユーザーがここでRコードをダウンロードしてRPS実験に適用できることを示している。この実験では、2つの理由からさまざまなサイズの粒子を選択した。まず、これにより、サイズを使用して、与えられた各パルスがロッドまたはスフェアに対応するかどうかを判断できるようになり、粒子の形状に関するグラウンドトゥルースにアクセスできるようになった。モデルDは、深度正規化パルスからの形状データのみを使用することを思い出されたい。したがって、溶液中の粒子の形状検出に関するこのモデルのパフォーマンスを、サイズで示されるグラウンドトゥルースと比較できる。したがって、サイズを使用した粒子の予測比率とモデルD分類比率は同等である必要がある。2番目の理由は、あるサイズのスフェアを使用したモデルフィットを使用して、異なるサイズのスフェアの形状を決定できることを示し、サイズに関係なく形状を調査できることをさらに示すことであった。
これらのサンプルを分析した。モデルDは線形応答を示した。つまり、ロッドの比率が増加すると、モデルは印象的な線形関係(Rの2乗値0.9264)で増加を識別した。以前に報告された不完全な特異性と感度のため、ここでの勾配は1より大きくなっている。溶液中の両方の粒子の存在は、粒子の形状を予測するモデルの能力に影響を与えないことに注意することが重要である。このデータは、テストセットとトレーニングセットのすべての粒子の実行条件が同じである場合に、この現在の実験セットアップで可能な最適な感度と特異性を推定するためにも使用できる。テストされた特定の細孔に関するこの特定のデータについて、モデルDを使用して、72%の感度と91%の特異性を持つモデルが得られたことに留意すべきである。つまり、球形(大きい)粒子の91%は、形状データだけでスフェアとして識別され、ロッド状(小さい)粒子の72%は、形状データだけでロッド状として識別された(図26b)。
実施例2:調整可能な3Dプリントされたマイクロ流体の抵抗性パルスセンサ
材料および方法
化学物質および試薬:CPC2000、2ミクロンのカルボキシル化ポリスチレンキャリブレーション粒子はIzon Science社から入手し、CP10MおよびCP20Mと表示される10ミクロンおよび20ミクロンのカルボキシル化ポリスチレンキャリブレーション粒子はIzon Science社から入手した。30ミクロンのカルボキシル化ポリスチレン粒子、カタログ番号84135は、Sigma-Aldrichから入手し、塩化カリウムは、英国のFisher Scientificから入手し、>99% カタログ番号:P/4240/60、Acc Silicones QSil216はRS componentsから入手し、カタログ番号:458-765、部品番号:QSil216、藻類サンプルは、Roscoff Culture Collection、Aurantiochytrium Mangrovei(球状)、カタログ番号:RCC893と、Navicula ramosissima(ロッド)、カタログ番号:RCC5374、イソプロパノールとは、VWRから入手した。
データ分析:
データ分析は、Izon control suiteのデータ分析モジュール内で実行され、パルス形状抽出は、分子装置クランプフィットバージョン10.7を使用して実行され、パルス形状分析はカスタムRコードを使用して実行された。
装置の組み立て:
装置を組み立てるために、各コーナーにある6本の小ねじと、装置の中央にある2本のねじを使用して蓋をベースに固定した。ねじを締め、ナットを使用して所定の位置に固定した。ポンプ、電極、および出口からの入口を収容するために、ねじのそれぞれに、HPLCフィッティングが取り付けられた。完全に組み立てられたら、装置をカスタムメイドのファラデーケージに入れ、電解液を装置に注入した。
装置のプリント:
装置の蓋とベースの両方が、FORMlabs透明樹脂を使用してAsiga PicoHD27UVにプリントされた。ファイルはCADソフトウェアであるSiemensNX11からSTLに変換され、AsigaComposerソフトウェアを使用してプリントできるように準備された。プリントしたら、部品を洗浄し、UVライトボックスを使用して後硬化させた。
PDMSガスケット:
PDMSガスケットは、QSil216のパーツAとBを10:1の比率で混合することによって形成された。蓋をペトリ皿に入れ、突起部を下に向けた。未硬化のPDMSを蓋の端に注ぎ、蓋全体が突起部を覆い、大きなエアポケットが残っていないことを確認した。次に、PDMSを70°Cで1時間、または硬化するまで硬化させた。
SEM/EDSおよび光学イメージング:
SEMイメージングの前に、Quorum Q150T ESゴールドスパッタコーターを使用して、サンプルをAu/Pdで90秒間スパッタコーティングした。SEM画像はZeiss1530VPFEGSEMでキャプチャされた。EDSデータは、Oxford Instrumentsの X-mas 80mm2検出器を使用してキャプチャされ、Oxford InstrumentsのAztec EDS微量分析ソフトウェアを使用して処理された。顕微鏡画像はNixon Optiphot 2光学顕微鏡を使用してキャプチャされ、画像はDS-L1カメラコントロールユニットを備えたDS5Mカメラを使用してキャプチャされた。
電極の製造:
電極は、Advent Researchの材料カタログ番号:AG5485から入手した直径0.25mm、純度99.99%の銀線の一部をピペットチップに挿入することによって製造された。ワイヤーの小さな部分をピペットの狭い方の端に通し、Araldite(登録商標)のRapidエポキシ樹脂を使用してワイヤーを所定の位置に接着する。次に、電極を乾燥させた。
サンプル実行:
サンプルは、フロー制御センターソフトウェアを介して制御されるドロマイトミトスpポンプにロードされた。必要な圧力がソフトウェアに入力されると、ポンプがサンプルを装置に送り込む。信号が検出されると、記録ソフトウェアがアクティブになり、各サンプルが必要な時間、または必要な数の粒子が検出されるまで記録される。流量は、蓋を必要なベースラインと圧力に設定することによって決定された。次に、事前に計量されたエッペンドルフを1分間出口に配置し、次に取り外して再計量し、その期間に装置を通過する液体の質量と体積を測定した。
茶のサンプルの準備:
茶のサンプルは、バッグに切り込みを入れ、中身を捨てることによって準備された。次に、バッグを脱イオン水で洗浄し、乾燥させた。最後に、脱イオン水のガラスバイアルを95°Cに加熱し、乾燥したティーバッグをバイアルに5分間入れた。5分後、溶液を別のバイアルにデカントし、放冷した。次に、サンプルを電解液で必要な濃度に希釈した。
茶サンプル電子顕微鏡の準備:
サンプルは、ANODISK 47mmろ過膜、0.02ミクロンを使用してデカントされた溶液を真空ろ過することによって準備された。次に、膜を脱イオン水、15MΩで5回洗浄し、乾燥させてから、カーボン接着タブを使用してアルミニウムSEMスタブに取り付けた。
パルス形状分析:
パルスは、以前に報告されたカスタムRコードによって分析された。パルスが抽出され、トレンド除去され、整列されてから、bスプラインを使用して(COBSパッケージを使用して)近似された。形状/実行識別のロジスティックモデルは、(glmnetパッケージを使用したラッソペナルティ回帰の下で)形状分類の最大の予測力を示す3つのスプライン係数を使用してトレーニングデータに基づいて構築された。次に、独立したテストデータで分類力を評価した。
結果
図27aは、ベースユニット、蓋、検知ゾーン、および電極の画像を示している。蓋はいくつかのデザインを持つことができる。1つ目は、アセテートフィルムを模倣した平らな表面である。2番目の設計には、表面から1mm外側に延び、マイクロ流体チャネル内に延びるように位置合わせされた突起部がある。3つ目は、チャネルとセンシング領域の形状を変更できる複数の突起部を備えている。この装置はフローシステムに統合されるように設計されているため、ポンプを接続するためのねじがプリントされている。
PDMS層は、構成要素をシールし、漏れを防ぐガスケットとして機能する。ねじで固定され、チャンネルの形状や寸法(内容積)は2つのメカニズムで制御できる。1つ目は、蓋の形状と構造を変更することである。蓋は平らな面で作ることも、ベースユニットのメインチャンネル内に収まるように設計された突起を含むこともできる。2番目のオプションは、ねじを介して力を加えるとチャネルに圧縮されるPDMS層を使用することである。図28に、このプロセスの概略図を示す。平らな蓋の場合、PDMSは下面全体を覆い、ねじの張力が増加すると、柔軟なPDMSガスケットがチャネルに押し込まれ、チャネルの内部容積が減少する。2番目の蓋の設計では、突起部自体に延びていないPDMS層とは対照的に、突起部はねじを締めたときにチャネルの容積に最大の変化を引き起こす。
チャネルが導電性液体で満たされ、2つの電極間に電位差が印加されると、チャネルのサイズはベースライン電流Iを介してリアルタイムで監視できる。これは、抵抗が検出できるボリュームに比例するためである。次に、オームの法則を介して電流に関連付ける。R=L/σhw(ここで、Rは抵抗、Lはチャネル長、σは溶液の導電率、hとwはそれぞれチャネルの高さと幅である。)
図29aは、一定のポンプ圧力が適用された場合の平らな蓋の装置の流量とベースライン電流の関係を示している。ベースライン電流は、ねじを介して蓋の圧力を変えることによって制御された。より高い力は、PDMS層または突起部をチャネル内にさらに圧縮し、ベースライン電流を小さくした。図29aのデータは、ベースライン電流とねじの張力との関係を示しており、チャネルの寸法を調整するための圧縮性PDMS層の使用を示している。図28に示すように、流れの中に延びる突起部を蓋に追加することにより、検出領域の形状とその内部容積がさらに減少する。ねじとPDMS圧縮層により、チャネル容積をさらに調整できる。これの極端なバージョンでは、突起部がチャネルを完全に密閉し、3Dプリントされたバルブのように機能する。
図29は、対流がある場合とない場合の突起部の蓋の印加電圧と電流の関係も示している。電流-電圧と流体の流れが存在する場合の電流の一貫性との間の線形関係は、優先的な電流の流れ/整流または電極間の抵抗の問題を示していない。蓋の材料が電流に与える影響をテストするために、ベースユニットを酢酸フィルムで密封してgen-1を模倣した。図29dには、さまざまなイオン強度の対流中のベースライン電流トレースとノイズの例も示されている。チャネルがPDMSガスケットと蓋で密閉された後、装置は抵抗性パルスセンサとして使用された。20μmの粒子をサンプルリザーバーに追加し、さまざまな流量を使用して装置に押し込んだ。
図30aは、電流と時間のトレースの例、およびパルス周波数と流量の関係を示している(図30b)。パルス周波数Jは、式J=CsΔPによって予測されるように、流量ΔPおよび濃度Csと線形関係にある(図30b、図30c)。ここで、電気泳動および電気浸透からの寄与は、高流量を考えると無視できる。流量は信号の大きさを変更しないが、転移時間を変更する。
漏れが観察される前に、同じPDMSガスケットを3回再利用できた。そのたびに、構成要素を一緒に配置し、ねじの張力をベースライン電流に一致するように調整できた。これは、同様の寸法のチャネルを生成すると解釈された。同じ装置とPDMSガスケットを分解して再シールしたデータセットの例を図30dに示す。信号の品質を低下させることなく、装置を4日間密閉したままにすることができるが、信号にドリフトがあるため、分析物を定量化するために毎日キャリブレーションを実行する必要があることに留意すべきである。セットアップの再現性の例も図30eに示されている。これは、異なるPDMSガスケットを備えた同じベースと蓋ユニットを使用した20μm粒子の閉塞分布を示している。3つの異なるアセンブリの平均パルス形状は図30fに示されている。ここで、パルスの形状はセンシングゾーンの内部形状を反映していることに注意することが重要である。信号は、変換イベント中にフラットで一貫した電流を持つ矩形パルスである必要があると仮定したが、パルス形状は異なる関係を示している。前の例でも同様の効果が見られ、信号の現在と動作をモデル化するには、今後の作業が必要である。また、各PDMSガスケットの厚さは異なる場合があるが、ベースライン電流に一致するようにねじを締めることにより、毎回一貫した検出ゾーンを生成できることに留意すべきである。パルス形状は、チャネル内の時間に影響を与えるため、流量にも依存する。
検知ゾーンの音量を変更すると、RPSの感度を変更できる。この例を図31aに示す。ここでは、ねじを締めると、同じサイズの粒子の閉塞の大きさがねじの張力の増加とともに増加する。この機能を使用すると、100μmの初期チャネル寸法でプリントされた同じ装置で、2~30μmの粒子を測定できる(図31b~図31e)。このシンプルな構成により、再利用可能な構成要素の単一セットでダイナミックレンジを拡張できる。
この装置は、環境サンプルと食品サンプルの汚染をスクリーニングするように設計されている。地球環境に対する新たな脅威はマイクロプラスチックの脅威であるため、最初のテストは最近の出版物に触発された。Hernandez とその同僚は、特定のティーバッグが使用中に数十億のプラスチック微粒子を放出することを発見した。公開されているプロトコル(Environ.Sci.Technol.、2019、53、12300-12310)に従い、バッグを5分間お湯に入れ、溶液をセンサに通した。数秒以内に、粒子が装置を移動するのを観察できた(図32a)。既知のサイズと濃度の粒子を使用して、6.52×10粒子/mLで平均サイズを21.9μmと計算した。以前の研究とは異なり、粒子サイズの範囲全体をカウントすることはできず、ナノプラスチックの数はこの値に含まれていないことを認識している。いくつかのメーカーのティーバッグがテストされ、1つのティーバッグから放出される粒子の総数は6.52×10と高かった。粒子の存在はいくつかの茶メーカーで一貫しており、SEMによる分析により粒子が炭素ベースであることが確認された。液体のイオン強度を変化させると、興味深い効果が得られた(図32b)。より低いイオン強度では、パルス方向が反転し、導電性パルスが顕著に記録される。パルスの反転は2つの要因によって引き起こされる可能性がある。1つは、ポリマーがより高濃度のイオンを含み、周囲の液体に対して「導電性」になる可能性があることである。同様の効果がヒドロゲルでも見られた。あるいは、SEMに見られる高い表面積は、低いイオン強度と大きな二重層と組み合わさって、各粒子の周りに高密度のイオン雲をもたらし、各移動中の液体の導電率を高める可能性がある。滑らかな表面で購入した同じポリマーを装置に配置すると、低イオン強度でも抵抗性パルスのみが記録された。練り歯磨きに含まれる多孔質シリカ粒子も、より低いイオン強度で主に導電性パルスを生成した。導電性パルスは物理的特性の変化を示すが、キャリブラントが不足しているか適切であるため、導電性パルスを使用して粒子のサイズを決定することが困難になる。完全に自動化されたスクリーニング装置の場合、粒子の化学的性質を確認するには、チャネルに埋め込まれた追加のセンサが必要になる場合があり、これは将来の作業の範囲である。ただし、パルス方向は、人工粒子の早期の兆候を与える可能性がある。
海洋内では、生物学的粒子の存在下でプラスチックを数えることは困難である。ただし、図32の結果は、表面がかなり滑らかなバクテリアや藻類の粒子も抵抗性パルスを与えるはずであることを示している。これは、図32cおよび図32dに示されているデータ内で確認されている。ここでは、さまざまなイオン強度にわたる藻類粒子について収集された一連のデータが示されている。図32は、藻類が常にすべてのイオン強度にわたって抵抗性パルスを生成することを示している。この興味深い観察により、科学者はプラスチックの存在についてサンプルを迅速にスクリーニングできる可能性がある。
珪藻や藻類は、菌株によってさまざまな形をしていることが知られている。したがって、粒子の形状の説明は、識別に役立つ場合がある。ここでは、ロッド状の藻類(Navicula ramosissima)といくつかの球形の藻類(Aurantiochytrium Mangrovei)を装置に配置した。粒子の形状は、粒子が生成するパルスの形状からどのように推測できるかを以前に示した。図33は、2つの藻類株の平均深度正規化パルス形状とそれに対応するキャリブレーションビーズの実行を示している。藻類とキャリブラントから生じるパルスの違いを定量化するために、パルスをスプラインで近似し、スプライン係数を上記のモデリング方法を使用して比較した。これらのモデルでは、藻類とキャリブラントの間に最大の違いを示したため、パルス最小値の直前、および各パルスの2番目のピーク付近のスプラインが使用された。藻類の種類ごとに、モデルと装置は、同じアセンブリの下で実行されるスフェア(球)に対して較正された。キャリブラントを藻類と比較すると、モデルは藻類のスフェアの87%と藻類のロッドの86%を正しく識別することができた。これは、ほとんどの藻類が球形のキャリブラントに対して識別できることを意味する。比較のために、キャリブレーション球の2つの実行が同じアセンブリの下で実行された場合、モデルはスフェアの66%のみの実行を正しく識別した。これは、2つの実行からのパルスが同一である場合に予想されるランダムな50%の正しい分類に近いものである。データセットの驚くべき結果は、球状の藻類を識別する能力であった。それらの一般的な形状はキャリブラントに類似している必要があるが、藻類は流体システム内で変形する可能性のある柔軟な表面を持っている。生物学的粒子の変形は細胞とエキソソームについて調査されており、ここでは同じ機能が生物学的粒子を人工のものと区別するのに役立つ可能性がある。これにより、装置を形状分析に使用できることが確立され、最適化された実行方法とモデルによって改善される可能性がある。分析からの2番目の予期しない好ましい結果は、毎回校正されている限り、装置が、例えば日数およびアセンブリなど、複数の用途にわたる形状分析が可能であったことであった。これは、モデルが最初に開発された現在の商用システムとは対照的である。このシステムは、はるかに短い使用期間の後に形状を永続的に検出する機能を失った。藻類のカウントに使用される流量も、パルス形状情報の品質に影響する。図33bに示すように、2つのひずみからのパルスの形状は、より高い流量で収束する。
本発明は、以下の条項によって定義され得る。
[第1条項]
第1の粒子センサであって、
マイクロ流体チャネルを有するベースを備え、前記マイクロ流体チャネルは、前記マイクロ流体チャネルに沿って配置された第1の電極および第2の電極を有し、前記第1の粒子センサは、少なくとも1つの粒子を含む流体サンプルが前記マイクロ流体チャネルに沿って前記第1および第2の電極を横切るように通過するとき、前記第1および第2の電極間に電位差を印加することにより前記少なくとも1つの粒子のそれぞれが抵抗性パルスとして記録されるように構成されている、第1の粒子センサ。
[第2条項]
第2の粒子センサであって、
膜と電極とを収容するホルダを備え、前記膜は少なくとも1つの穴を含み、前記第2の粒子センサは、少なくとも1つの粒子を含む流体サンプルが前記膜の前記少なくとも1つの穴を通過するときに前記電極が前記流体サンプル中の少なくとも1つの粒子を検出して抵抗性パルスを記録するように構成されている、第2の粒子センサ。
[第3条項]
流体サンプル中の1つ又は複数の粒子の特性評価のための装置であって、
(iii)第1条項に記載の第1の粒子センサ、及び/又は、
(iv)少なくとも1つの第2条項に記載の第2の粒子センサを備え、
前記装置は、第1条項の第1の粒子センサによって接続された流体入口および流体出口をさらに含み、使用中において、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電位差が印加された状態で、前記流体サンプルは、前記流体入口から流入し、前記第1の粒子センサのマイクロ流体チャネルに沿って前記第1の電極および前記第2の電極を横切って流れ、前記流体出口を通って出て、前記少なくとも1つの粒子のそれぞれが抵抗性パルスとして記録される、装置。
[第4条項]
第3条項に記載の装置であって、前記マイクロ流体チャネル内に配置された、少なくとも1つの第2条項に記載の第2の粒子センサを備える、装置。
[第5条項]
第3条項または第4条項に記載の装置であって、前記装置の構成要素のそれぞれ3Dプリントされている、装置。
[第6条項]
第3条項から第5条項のいずれか1項に記載の装置であって、蓋をさらに備え、前記蓋は、前記装置の前記マイクロ流体チャネルを密封し、前記第1の粒子センサの感度を調整するような狭窄部を前記マイクロ流体チャネル内に作成するように構成されている、装置。
[第7条項]
第6条項に記載の装置であって、前記蓋は、一次突起部を備え、前記一次突起部は、前記マイクロ流体チャネル内にフィットし、前記マイクロ流体チャネルを密封するように構成されている、装置。
[第8条項]
第7条項に記載の装置であって、前記一次突起部は、前記一次突起部から延びる二次突起部をさらに備え、前記二次突起部は、前記蓋が前記マイクロ流体チャネルを密封しているときに前記流体サンプルが前記二次突起部を通って流れることを許容する導管を有する、装置。
[第9条項]
第3条項から第8条項のいずれか1項に記載の装置であって、前記ベースは、Oリングを有する溝をさらに備え、前記Oリングは、前記マイクロ流体チャネルを取り囲み、前記マイクロ流体チャネルからの漏れを防止するように構成されている、装置。
[第10条項]
第3条項から第9条項のいずれか1項に記載の装置であって、前記蓋と前記ベースとの間にポリマー層を備え、前記ポリマー層は、前記装置を密封するように構成され、好ましくは、前記ポリマー層はポリジメチルシロキサン(PDMS)である、装置。PDMSの厚さもチャネルを調整する。
[第11条項]
第3条項から第10条項のいずれか1項に記載の装置であって、前記マイクロ流体チャネルが電解質溶液で満たされている、装置。
[第12条項]
第3条項から第11条項のいずれか1項に記載の装置であって、前記第2の粒子センサは、前記膜と前記電極との間において電解質溶液で満たされている、装置。
[第13条項]
第3条項から第12条項のいずれか1項に記載の装置であって、前記第2の粒子センサの膜(9)は、窒化ケイ素、ポリウレタン、およびポリエステルからなる群から選択される、装置。
[第14条項]
第1条項から第13条項のいずれか1項に記載の装置であって、前記第1の粒子センサは、5μmから100μmのサイズの粒子を検出するように構成されている、装置。
[第15条項]
第2条項から第13条項のいずれか1項に記載の装置であって、前記第2の粒子センサは、1μmから100μmのサイズの粒子を検出するように構成されている、装置。
[第16条項]
第3条項から第15条項のいずれか1項に記載の装置であって、チップ上に構成されている、装置。
[第17条項]
第3条項から第16条項のいずれか1項に記載の装置を用いて、流体サンプル中の1つまたは複数の粒子を特性評価する方法であって、少なくとも1つの粒子を含む流体サンプルを、流体入口からマイクロ流体チャネルに沿って通し、第1および第2の電極を横切って流体出口から出るように通すステップを備え、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電位差を印加することにより、前記流体サンプル中に存在する前記少なくとも1つの粒子のそれぞれが抵抗性パルスとして記録される、方法。
[第18条項]
第17条項に記載の方法であって、前記第1の粒子センサは、5μmから100μmのサイズの粒子を検出可能である、方法。
[第19条項]
第17条項または第18条項に記載の方法であって、前記第2の粒子センサは、1nmから100μmのサイズの粒子を検出可能である、方法。
[第20条項]
第17条項から第19条項のいずれか1項に記載の方法であって、抵抗性パルスを特性評価するために予測ロジスティック回帰モデルを使用するステップをさらに備える、方法。
[第21条項]
第17条項から第19条項のいずれか1項に記載の方法であって、前記モデルは、
(i)体液中の細胞、並びに、
(ii)有機化合物、タンパク質、細胞、細菌、ウイルス、DNA、エキソソーム、コロイド、およびナノ医薬品
のうちの1つ又は複数の特性評価のためのものである、方法。
[第22条項]
第17条項から第21条項のいずれか1項に記載の方法であって、高スループット処理のための1つまたは複数の流体サンプルのインラインセンシングに使用される、方法。
[第23条項]
コンピュータ可読記憶媒体に記録されたコンピュータプログラムであって、
コンピュータプロセッサによって実行されるときに、
第1条項から第3条項のいずれか1項に記載の粒子センサによって得られる、粒子に対応する抵抗性パルスを表すデータを入力として受信するステップと、
前記受信したデータを、既知の形状とサイズの粒子を表す予め保存された特徴的な形状とサイズのデータと比較するステップと、
前記比較に基づいて、少なくとも1つの粒子の形状およびサイズのうちの1つまたは複数を決定するステップと、
前記決定された1つまたは複数の粒子の形状とサイズを出力するステップと、
を少なくとも実行するように構成されている、コンピュータプログラム。

Claims (54)

  1. 流体サンプル中の1つ又は複数の粒子の特性評価のための装置であって、
    入口と、
    出口と、
    前記入口と前記出口との間で延びて、流体が流れるための軸方向流路を提供するマイクロ流体チャネルと、
    前記軸方向流路に沿って移動する粒子の通過を検出するための粒子センサと、
    前記マイクロ流体チャネルに沿って配置された第1の電極及び第2の電極とを備え、
    使用中に、前記マイクロ流体チャネルに沿って流れる1つ又は複数の粒子が前記第1の粒子センサによって検出され、前記1つ又は複数の粒子の通過がパルス(例えば、抵抗性パルス)として記録される、装置。
  2. 前記粒子センサは、前記マイクロ流体チャネル内に位置付けられているか、又は、角度をつけて前記マイクロ流体チャネルまで延びている、請求項1に記載の装置。
  3. 流体サンプル中の1つ又は複数の粒子の特性評価のための装置であって、
    マイクロ流体チャネルを有するベースを備えた第1の粒子センサであって、前記マイクロ流体チャネルは、前記マイクロ流体チャネルに沿って配置された第1の電極及び第2の電極と、前記第1の電極及び前記第2の電極の間の検出領域とを有する第1の粒子センサと、
    入口と、
    出口とを備え、
    使用中に、少なくとも1つの粒子を有する流体サンプルが、前記入口から流入し、前記第1の粒子センサの前記マイクロ流体チャネルに沿って前記第1の電極及び前記第2の電極を通るように流れて、前記出口から出るものであり、
    前記検出領域における前記少なくとも1つの粒子の通過がパルス(例えば、抵抗性パルス)として記録される、装置。
  4. 前記第1の粒子センサは、1μmから100μmまでの大きさの粒子を検出するように構成されている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の装置。
  5. 少なくとも1つの第2の粒子センサを更に備える、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の装置。
  6. 前記第2の粒子センサは、角度をつけて前記マイクロ流体チャネルまで延びている、請求項5に記載の装置。
  7. 前記第2の粒子センサは、粒子のための流路を提供する、請求項5または請求項6に記載の装置。
  8. 前記第2の粒子センサまたは前記流路は、鈍角、鋭角、又は直角の角度をつけて前記マイクロ流体チャネルまたは前記軸方向流路まで延びている、請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の装置。
  9. 前記第2の粒子センサは、例えば1nmから1μmまでの大きさの粒子など、前記第1の粒子センサとは異なるサイズ範囲内の粒子を検出するように構成されている、請求項5から請求項8のいずれか1項に記載の装置。
  10. 前記第2の粒子センサは、前記第1の粒子センサの前記検出領域の下流側に位置付けられている、請求項5から請求項9のいずれか1項に記載の装置。
  11. 前記第2の粒子センサは、ナノ細孔を備えている、請求項5から請求項10のいずれか1項に記載の装置。
  12. 前記第2の粒子センサの前記ナノ細孔は、前記第1の粒子センサの前記マイクロ流体チャネルから延びる第2のチャネル内に位置付けられ、随意的に、前記第2のチャネルは、前記マイクロ流体チャネルから垂直に延びている、請求項11に記載の装置。
  13. 前記第2の粒子センサの前記ナノ細孔は、膜に形成された穴を有する固体状の細孔である、請求項11または請求項12に記載の装置。
  14. 前記膜は、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、ポリウレタン、及びポリエステルからなる群から選択された材料から形成されている、請求項13に記載の装置。
  15. 前記ナノ細孔は、ナノピペットに設けられている、請求項11から請求項14のいずれか1項に記載の装置。
  16. 前記第2の粒子センサは、電極を備えている、請求項5から請求項15のいずれか1項に記載の装置。
  17. 前記第2の粒子センサは、前記ナノ細孔と電極とを収容するホルダを備え、前記ホルダは、前記ナノ細孔が位置付けられる第2のチャネルを前記ホルダ内に有する、請求項11から請求項16のいずれか1項に記載の装置。
  18. 前記ホルダは、前記マイクロ流体チャネルと前記第2のチャネルとの間で流体接続が形成されるように前記第1の粒子センサの前記ベースにおけるポートに解放可能に挿入されるプラグ状またはねじ状のものである、請求項17に記載の装置。
  19. 前記第2の粒子センサは、前記第2のチャネルに流体接続されるチューブを備え、前記チューブは、更なる流体出口を提供する、請求項5から請求項18のいずれか1項に記載の装置。
  20. 複数の第2の粒子センサを備えている、請求項5から請求項19のいずれか1項に記載の装置。
  21. 前記複数の第2の粒子センサのそれぞれは、異なるサイズ範囲の粒子を検出するように構成されている、請求項20に記載の装置。
  22. 前記第2の粒子センサは、流量レギュレータを備えているか、又は流量レギュレータに接続されている、請求項5から請求項21のいずれか1項に記載の装置。
  23. 前記流体のパラメータを測定するように構成された第3のセンサを備え、随意的に、前記パラメータは、温度、pH、酸素含有量、イオン強度、及び粘度から選択される、請求項1から請求項22のいずれか1項に記載の装置。
  24. 3Dプリントされた1つまたは複数の構成要素を備え、随意的に、前記ベース及び/又は前記ホルダは3Dプリントされたものである、請求項1から請求項23のいずれか1項に記載の装置。
  25. 前記マイクロ流体チャネルをシールするように構成された蓋を更に備えている請求項1から請求項24のいずれか1項に記載の装置。
  26. 前記蓋は、前記マイクロ流体チャネル内に受けられて前記マイクロ流体チャネルの容積を低減するように構成された一次突起部を備えている、請求項25に記載の装置。
  27. 前記一次突起部は、前記マイクロ流体チャネル内に狭窄部を作り出すように前記一次突起部から延びる二次突起部を更に備えている、請求項25に記載の装置。
  28. 前記一次突起部および前記二次突起部は、前記マイクロ流体チャネルの高さ及び幅に亘って設けられ、前記二次突起部は、前記蓋が前記マイクロ流体チャネルをシールしているときに前記二次突起部を通って流体が流れるのを許容する導管を備えている、請求項27に記載の装置。
  29. 前記蓋は、前記マイクロ流体チャネルをシールするように前記ベースに合わされる面上にポリマー層を備えている、請求項25から請求項28のいずれか1項に記載の装置。
  30. 前記ポリマー層は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)である、請求項29に記載の装置。
  31. 前記蓋は、1つ又は複数のねじを用いてベース又は前記ベースに取り付けられている、請求項25から請求項30のいずれか1項に記載の装置。
  32. 前記ポリマー層は、前記ねじの締め付け時に前記マイクロ流体チャネル内に押し込まれて前記マイクロ流体チャネルの容積を低減可能に構成されている、請求項29または請求項28を引用する請求項31に記載の装置。
  33. 前記ベースは、前記マイクロ流体チャネルを囲んで前記マイクロ流体チャネルからの漏れを抑制するように構成されたOリングを有する溝を更に備えている、請求項1から請求項32のいずれか1項に記載の装置。
  34. チップ上に構成されている、請求項1から請求項33のいずれか1項に記載の装置。
  35. 流体サンプル中の1つ又は複数の粒子の特性評価のためのキットであって、
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の第1の粒子センサを備えた装置と、
    例えば請求項5から請求項16のいずれか1項に記載の第2の粒子センサなど、前記第1の粒子センサの前記ベースに接続するための少なくとも1つの第2の粒子センサとを備えている、キット。
  36. 前記第2の粒子センサは、ナノ細孔と電極とを収容するホルダを備え、前記ホルダは、前記ナノ細孔が位置づけられる第2のチャネルを前記ホルダ内に有し、前記ホルダは、前記第1の粒子センサの前記ベースにおけるポートに解放可能に挿入されるように構成されている、請求項35に記載のキット。
  37. 複数の前記第2の粒子センサを備え、前記複数の第2の粒子センサのそれぞれは、残りの第2の粒子センサのナノ細孔の直径とは異なる直径を有するナノ細孔を備えている、請求項35または請求項36に記載のキット。
  38. 複数の前記第2の粒子センサを備え、前記複数の第2の粒子センサのそれぞれは、残りの第2の粒子センサのナノ細孔の直径とは異なる直径を有するナノ細孔を備えている、請求項35から請求項37のいずれか1項に記載のキット。
  39. コンピュータを実装した方法であって、
    第1の電極および第2の電極を有する粒子センサからの入力として、粒子に対応する電流パルスを表すパルスデータを受信するステップと、
    前記受信したデータを、公知形状の粒子を表し予め保存された特徴形状データと比較するステップと、
    前記比較に基づいて、前記少なくとも1つの粒子の形状を決定するステップと、
    前記粒子の前記決定した形状の表示を出力するステップと、を備えている、方法。
  40. 前記予め保存された特徴形状データは、公知形状の前記粒子を表す1つ又は複数のスプライン係数を含む、請求項39に記載の方法。
  41. 前記1つ又は複数のスプライン係数は、公知形状の前記粒子を表すBスプラインのための1つ又は複数のスプライン係数である、請求項39に記載の方法。
  42. 前記1つ又は複数のスプライン係数は、公知形状の前記粒子を表す予め決められた一連のスプライン係数である、請求項39に記載の方法。
  43. 前記予め保存された特徴形状データは、正規化された粒子サイズのためのものであり、
    前記方法は、前記受信したパルスデータを正規化するステップを備えている、請求項39から請求項42のいずれか1項に記載の方法。
  44. 前記予め保存された特徴形状データは、前記電流パルスの幅の表示を含む、請求項39に記載の方法。
  45. 前記予め保存された特徴形状データは、前記電流パルスの最大深度の表示を含む、請求項39に記載の方法。
  46. 前記粒子に対応する前記電流パルスを表す前記データは、前記センサを横切る前記粒子に対応するパルスデータを含む、請求項39から請求項45のいずれか1項に記載の方法。
  47. 前記粒子に対応する前記電流パルスを表す前記パルスデータは、ナノ細孔を横切る前記粒子に対応するパルスデータを含む、請求項46に記載の方法。
  48. 請求項1から請求項34のいずれか1項に記載の装置によって、前記抵抗性パルスが得られる、請求項39から請求項47のいずれか1項に記載の方法。
  49. コンピュータを実装した方法であって、
    第1の電極および第2の電極を有する粒子センサからの入力として、公知形状の粒子に対応する電流パルスを表すパルスデータを受信するステップと、
    公知形状の前記粒子を示す前記受信したデータに依存したモデルを決定するステップとを備えている、方法。
  50. 前記モデルは、粒子形状の所定数のクラスのうちの1つとして前記粒子に対応する前記パルスデータを分類するための分類子である、請求項49に記載の方法。
  51. 複数の粒子に対応する複数のパルスを含む未加工パルスデータから前記パルスデータを抽出するステップを備えている、請求項49または請求項50に記載の方法。
  52. 前記パルスデータを所定の大きさに正規化するステップを備えている、請求項49から請求項51のいずれか1項に記載の方法。
  53. 公知形状の前記粒子を示す前記受信したデータに依存した前記モデルを決定する前記ステップは、ロジスティック回帰法を用いて前記パルスデータに前記モデルをフィットさせるステップを含む、請求項49から請求項52のいずれか1項に記載の方法。
  54. ナノ粒子を特性評価するコンピュータを実装した方法であって、
    前記ナノ粒子がマイクロ流体チャネルを通過しているときに、前記マイクロ流体チャネルに関連付けられた第1の電極と第2の電極との間の電流を示すパルスデータを受信するステップと、
    パルス波形モデルを用いて所定の複数種類のナノ粒子のうちの1つに対応させるように前記パルスデータを分類するステップとを備えている、方法。
JP2022523950A 2019-10-23 2020-10-23 形状分析装置 Pending JP2022553547A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB1915345.1 2019-10-23
GB1915345.1A GB2588422A (en) 2019-10-23 2019-10-23 Shape analysis device
PCT/GB2020/052699 WO2021079153A1 (en) 2019-10-23 2020-10-23 Shape analysis device

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022553547A true JP2022553547A (ja) 2022-12-23

Family

ID=68728388

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022523950A Pending JP2022553547A (ja) 2019-10-23 2020-10-23 形状分析装置

Country Status (7)

Country Link
US (1) US20220390347A1 (ja)
EP (1) EP4049002A1 (ja)
JP (1) JP2022553547A (ja)
CN (1) CN114746737A (ja)
CA (1) CA3158306A1 (ja)
GB (1) GB2588422A (ja)
WO (1) WO2021079153A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11994484B2 (en) * 2021-03-25 2024-05-28 The Regents Of The University Of California Apparatus and method for single cell discrimination

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7397232B2 (en) * 2005-10-21 2008-07-08 The University Of Akron Coulter counter having a plurality of channels
WO2010073432A1 (ja) * 2008-12-24 2010-07-01 株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント 画像処理装置および画像処理方法
EP2211164A1 (en) * 2009-01-27 2010-07-28 Koninklijke Philips Electronics N.V. Fingered electrodes for microfluidic single particle analysis
US8188438B2 (en) * 2009-10-20 2012-05-29 Diagnostics Chips, LLC Electrokinetic microfluidic flow cytometer apparatuses with differential resistive particle counting and optical sorting
TWI475214B (zh) * 2012-06-22 2015-03-01 Wistron Corp 生物檢體檢測裝置及生物檢體檢測方法
WO2015116083A1 (en) * 2014-01-30 2015-08-06 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Microfluidic sensing device
WO2016139809A1 (ja) * 2015-03-05 2016-09-09 株式会社日立製作所 粒子分析装置及び粒子分析方法
WO2017070602A1 (en) * 2015-10-22 2017-04-27 Georgia Tech Research Corporation Electronic sensors for multiplexed detection of particles on microfluidic chips and uses thereof
WO2018211503A1 (en) * 2017-05-15 2018-11-22 Technion Research & Development Foundation Limited Devices and methods for improved single-molecule detection
EP3435059A1 (en) * 2017-07-27 2019-01-30 Nederlandse Organisatie voor toegepast- natuurwetenschappelijk onderzoek TNO A particle detection device and a method for detecting airborne particles
WO2020081745A1 (en) * 2018-10-16 2020-04-23 Georgia Tech Research Corporation Massively parallel microfluidic cell analyzer for high throughput mechanophenotyping

Also Published As

Publication number Publication date
CN114746737A (zh) 2022-07-12
CA3158306A1 (en) 2021-04-29
EP4049002A1 (en) 2022-08-31
GB201915345D0 (en) 2019-12-04
US20220390347A1 (en) 2022-12-08
WO2021079153A1 (en) 2021-04-29
GB2588422A (en) 2021-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Kozak et al. Advances in resistive pulse sensors: devices bridging the void between molecular and microscopic detection
Lan et al. Pressure-driven nanoparticle transport across glass membranes containing a conical-shaped nanopore
López-Sanz et al. Analytical metrology for nanomaterials: Present achievements and future challenges
Yang et al. Quantification of virus particles using nanopore-based resistive-pulse sensing techniques
Gigault et al. Rational strategy for characterization of nanoscale particles by asymmetric-flow field flow fractionation: a tutorial
Venta et al. Gold nanorod translocations and charge measurement through solid-state nanopores
Maugi et al. A methodology for characterising nanoparticle size and shape using nanopores
Errico et al. Mitigating positional dependence in coplanar electrode Coulter-type microfluidic devices
Vaclavek et al. Resistive pulse sensing as particle counting and sizing method in microfluidic systems: Designs and applications review
Willmott Tunable resistive pulse sensing: better size and charge measurements for submicrometer colloids
CN103282126B (zh) 改进的编码的微载体、使用它们的测定系统以及用于进行测定的方法
WO2010079844A1 (ja) 流路デバイス、複素誘電率測定装置及び誘電サイトメトリー装置
Willmott et al. Resistive pulse sensing of magnetic beads and supraparticle structures using tunable pores
Pollard et al. A tunable three-dimensional printed microfluidic resistive pulse sensor for the characterization of algae and microplastics
Tang et al. Asymmetric serpentine microchannel based impedance cytometer enabling consistent transit and accurate characterization of tumor cells and blood cells
US20160061826A1 (en) Devices for detecting a particle in a sample and methods for use thereof
Jagtiani et al. A label-free high throughput resistive-pulse sensor for simultaneous differentiation and measurement of multiple particle-laden analytes
Sohi et al. DNA capture by nanopore sensors under flow
CN105705934B (zh) 用于确定测量颗粒的电荷的方法和设备
Goyal et al. Low aspect ratio micropores for single‐particle and single‐cell analysis
Chen et al. Microfluidic methods for cell separation and subsequent analysis
JP2022553547A (ja) 形状分析装置
Lee et al. Characterization of colloidal nanoparticles in mixtures with polydisperse and multimodal size distributions using a particle tracking analysis and electrospray-scanning mobility particle sizer
Pei et al. Tunable resistive pulse sensing (TRPS)
Farooq et al. Biochip with multi-planar electrodes geometry for differentiation of non-spherical bioparticles in a microchannel

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231006

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240614

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240702

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20240927