JP2022551188A - 官能基を有するリグニンのフラグメントの製造 - Google Patents

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Abstract

本発明は、官能基を有するリグニンのフラグメントの製造方法に関する。

Description

本発明は、官能基を有するリグニンのフラグメントの製造方法に関する。
(発明の背景)
リグニンは、セルロースに次いで地球上で2番目に豊富な天然高分子であると報告されており、リグノセルロース系バイオマスの15~30重量%、そして生物圏に存在する有機炭素の約30%を占めている。リグノセルロース系バイオマスの他の2つの主成分であるセルロースやヘミセルロースとは異なり、リグニンは糖のポリマーである多糖ではない。むしろ、リグニンはいくつかの異なる芳香族サブユニットの複雑なポリマーである。この構造は、リグニンにセルロース系ポリマーよりも30%大きいエネルギー密度を与え、これを芳香族分子の数少ない天然資源の1つにしている。これらの特性のために、リグニンモノマーは、再生可能な芳香族化学物質及びドロップイン燃料(drop-in fuel)の製造に不可欠な前駆体としての認識が増している。
WO2017/178513は、親バイオマスの多糖画分の品質を改善するためのプロセスと統合できる実用的な高収率リグニン脱重合法の欠如に対処している。特に、前記文書は、リグノセルロース含有組成物を酸性条件下で、特にホルムアルデヒドなどのアルデヒドと共に加熱し、得られた混合物から生じたリグニンのフラグメントを分離し、前記フラグメントを還元してモノマーに変換する工程を含むプロセスを記載している。
米国特許第2,760,861号は、セルロース繊維及びリグニンの製造プロセスを開示している。そのプロセス中、酸性分解生成物は有機化合物によって中和される。
さらに、Luterbacherグループは、リグニン抽出操作中にリグニン構造のベンジルアルコールを隣接する芳香族リグニンサブユニットで縮合し、こうしてリグノセルロースバイオマスを3つの構成生体高分子に分画することを可能にする方策を報告した(Luterbacher et al. “Formaldehyde Stabilization Facilitates Lignin Monomer Production during Biomass Depolymerisation”, Science 80, 2016, 354 (6310), pages 329-333)。アルデヒドは、リグニン側鎖の遊離ジオールを用いるアセタールの形成を通じてリグニンを安定化し、ベンジルアルコールを水として脱離し、ベンジルカチオン又はアルケンを形成するのを防いでいる。
リグニンの抽出中にホルムアルデヒドを使用してアセタールを形成することの予想外の結果は、これがリグニンの電子リッチなアリール分子種もヒドロキシメチル化することである。これにより、リグニンの構造が根本的に変化し、水素化分解で予測できるモノマーの数が2倍になる。
さらに、上記のプロセスでは、多量の望ましくない副産物が発生することが報告されており、プロセスの効率と収率が低下している。
モノマーの製造のための水素による示された還元は別として、前記プロセスによって得られるリグニンのフラグメントは、さらなる化学反応に使用される可能性は低い。従って、リグニンのこれらのフラグメントは、ほとんどの場合、脱重合されて対応するモノマーが得られるだけであり、これらの価値のある化合物の他の可能な応用は妨げられている。
従って、容易にアクセス可能であり、単純な化学変換に供されて利用可能な機能を相互変換し、溶解度を変更し、又は特定の構造モチーフを導入することができるリグニンのフラグメントを製造する方法が必要である。先行技術のすべてのリグニンでは、そのような変換は実行できないか不可能であった。
従って、本発明の目的は上記プロセスの欠点を克服することであった。
特に本発明の目的は、所望の使用/応用に従って、すでに活性化学基(官能基)を有するか、又は前記活性化学基(官能基)が所望の目的のためにさらに誘導体化され得るリグニンのフラグメントの製造方法を提供することであった。
さらに、過酷な反応条件を回避でき、一般的なバイオ精製プロセスと互換性がある、高収率のリグニンのフラグメントを与える方法を提供しなければならない。さらに、望ましくない副産物の生成を減らすか、完全に排除しなければならない。
本発明によれば、上記目的はリグニンのフラグメントを製造するための本明細書に記載の特定の方法によって達成される。
(要約)
本発明は、リグニンのフラグメントを製造するための新しい方法を提供することによって、上記目的を予想外に解決した。特に、予想外に、官能基を有するリグニン化合物をもたらし、これらの化合物を高収率で得られるように望ましくない副産物の減少をもたらす、特定のアルデヒドの添加を含む方法が提供された。
すなわち本発明の主題は、リグニンから脱重合を介してモノマーを製造するための方法であり、これは以下の工程を含む:
a)リグノセルロース含有組成物を提供する工程;
b)工程a)の組成物を酸性条件下で、式1のアルデヒド
Figure 2022551188000001
(ここで、Lは存在しないか又は結合基であり、そして
ここで、Rは官能基であり、xは1~5である)
と共に加熱する工程;
c)工程bの混合物から1つ以上の官能基を有するリグニンのフラグメントを分離する工程;及び
d)任意選択的に、工程c)の生成物の1つ以上の官能基をさらに反応させて、1つ以上の官能基R'を有するリグニンのフラグメントを得る工程。
本発明のさらなる主題は、本発明の方法によって得られる1つ以上の官能基R又はR'を有するリグニンのフラグメントである。
本発明の別の態様は、上記リグニンのフラグメントを含む組成物であり、これらのフラグメントは、好ましくは式2~4の1つ以上によって表される:
Figure 2022551188000002
Figure 2022551188000003
Figure 2022551188000004
最後に、本発明のさらなる主題は、樹脂、接着剤、ポリマー、炭素繊維、コンクリート添加物、断熱剤、電気絶縁剤、塗料、界面活性剤、フォトレジスト、写真フィルム、抗菌フィルム、抗真菌フィルム、防食コーティング、防水材、潤滑剤、ポリマー用UV吸収添加剤、活性炭、顔料、染料、防食添加剤、難燃剤、触媒、バッテリーアノード、バッテリーカソード、イオノマー、イオン交換樹脂、イオン交換膜、超吸収性ポリマー、ガス透過性膜、UV吸収クリーム(日焼け止めサンブロック(sunblock)又はサンスクリーン(sunscreen))、薬物送達基材、香料送達基材、フレーバー送達基材、食品添加物(抗酸化剤)、食品サプリメント(抗酸化剤)、化粧品添加剤、コンクリートキルン用燃料、発電用燃料、製鋼所用燃料、爆発物、固体ロケット燃料、火薬、無煙火薬、花火、アブレイティブ装甲(ablative armour)、反応性装甲(reactive armour)、殺虫剤、殺菌剤(fungicide)、抗真菌剤、抗ウイルス剤、日焼けクリーム、及び/又は抗生物質の製造のための、本発明のリグニンのフラグメント又は本発明の組成物の使用である。
DMSO-d6中のクロロアセトアルデヒド(E.1)とp-クロロベンズアルデヒド(E.2)で安定化されたリグニンのHSQC-NMR DMSO-d6中のグリオキシル酸(E.3)とp-ホルミル安息香酸(E.4)で安定化されたリグニンのHSQC-NMR DMSO-d6中の4-ヒドロキシベンズアルデヒド(E.5)と3-ヒドロキシベンズアルデヒド(E.6)で安定化されたリグニンのHSQC-NMR DMSO-d6中の2-ヒドロキシベンズアルデヒド(E.7)とバニリン(E.8)で安定化されたリグニンのHSQC-NMR DMSO-d6中のグリコアルデヒド(E.9)で安定化されたリグニンのHSQC-NMR
発明の詳細な説明
本発明の好適な実施態様において、本方法は以下の工程を含む:
a)リグノセルロース含有組成物を提供する工程:
b)工程a)の組成物を、式1のアルデヒド
Figure 2022551188000005
(式中、Lは存在しないか又は結合基であり、そして
Rは官能基であり、xは1~5であるが、
ただし、Rは水素ではなく、又は1~20個の炭素原子を有する線状、分枝状、又は環状の有機残基でもない)
と共に酸性条件下で加熱する工程;
c)工程bの混合物から1つ以上の官能基を有するリグニンのフラグメントを分離する工程;及び
d)任意選択的に、工程c)の生成物の1つ以上の官能基をさらに反応させて、1つ以上の官能基R'を有するリグニンのフラグメントを得る工程。
本発明の方法の工程a)は、リグノセルロース含有組成物の提供である。
リグノセルロース(バイオマス)は、地球上で最も豊富に入手可能な再生可能な原材料の1つと考えられている。リグノセルロース系バイオマスは、未使用のバイオマス、廃棄物バイオマス、エネルギー作物に分類することができる。未使用のリグノセルロース系バイオマスには、樹木、低木、草などの自然界に存在するすべての陸生植物が含まれる。廃棄リグノセルロース系バイオマスは、農業(トウモロコシ茎葉、サトウキビバガス、わらなど)や林業(製材所や製紙工場の廃棄物)などのさまざまな産業部門の低価値の副産物として生産されている。
リグノセルロースは、ヘミセルロース、セルロース、リグニンを含む。ヘミセルロースとセルロースはどちらも炭水化物ポリマーと考えることができる。炭水化物ポリマーは、5つ及び6つの炭素糖モノマーを含み、リグニンに結合している。
リグニンは芳香族ポリマーと考えることができる。前記芳香族ポリマーは、p-ヒドロキシフェニル、グアヤシル(guaiacyl)、及びシリンギルサブユニットなどのフェノール-プロパンサブユニットを含む。
キシランはヘミセルロースに属する多糖類であり、キシランの主なモノマー単位はD-キシロースである。セルロースは多糖と考えることができ、主なモノマー単位はβ-1-4結合を介して結合しているD-グルコースである。
本発明の好適な実施態様において、リグノセルロース含有組成物は、リグノセルロース系バイオマス、好ましくは未使用のリグノセルロース系バイオマス、例えば樹木や草である。リグノセルロース系バイオマスは、好ましくは樹木、例えば樺、ブナ、ポプラ、スギ、ダグラスファー(Douglas fir)、糸杉、モミ、セイヨウネズ、カウリマツ、カラマツ、マツ、ツガ、セコイア、トウヒ、及びイチイなどに由来する。最も好ましいのは、樹皮を剥がした硬材(hardwood)又は軟材(softwood)、例えばリグノセルロース含有組成物としての樺及び/若しくはブナ(硬材)又はマツ及び/若しくはトウヒ(軟材)などである。
本発明の代替の好適な実施態様において、リグノセルロース含有組成物はエネルギー作物に由来する。エネルギー作物は、リグノセルロース系バイオマスの収量が高い作物である。さらに、エネルギー作物は急速に成長しているため、リグノセルロース系バイオマスは短期間で、例えば数か月後に容易に入手できる。エネルギー作物の例としては、ダンチク(giant reed)、ビッグブルーステム(big bluestem)、ナンキンハゼ、アマナズナ、ウキクサ、タイワンアプラギリ、クロヨナ、スイッチグラス、及びエレファントグラス(elephant grass)が含まれる。
リグノセルロース含有組成物は23℃の温度で固体であることが好ましい。好適な実施態様において、リグノセルロース含有組成物は、100℃未満、好ましくは65℃未満の温度で風乾される。例えばリグノセルロース含有組成物は、過剰な水を除去するための貯蔵用に周囲温度で風乾される。風乾されたリグノセルロース含有組成物は、好ましくは50重量%未満、より好ましくは30重量%未満、特に0~20重量%の水を含む。
さらに、リグノセルロース含有組成物は、リグノセルロース含有組成物の総重量に基づいて、好ましくは1重量%~50重量%、より好ましくは10重量%~40重量%、さらにより好ましくは13重量%~35重量%、特に好ましくは15重量%~30重量%のリグニン含有組成物を有し、ここでリグニンはクラーソンリグニン(Klason lignin)として測定される。
クラーソンリグニンの測定には、クラーソンリグニン試験が適用される。この試験では、木質粒子(0.25~0.50g)を50mLビーカーに入れ、7.5mLの72重量%HSO溶液を添加した。混合物を室温で2時間放置し、10分毎にガラス棒で撹拌した。次に、スラリーを丸底フラスコに移し、290mLの水を加えてHSO濃度を3重量%にした。ガラス瓶をスクリューキャップで密閉し、オートクレーブ内で120℃で1時間滅菌した。得られた溶液を濾過し、沈殿物を水で洗浄し、105℃で乾燥させ、秤量してクラーソンリグニンを測定した。
クラーソンリグニンの含有量は、次の式で求めることができる:
クラーソンリグニンの含有量[%]=(KL×100)/LCC、ここで
KLはクラーソンリグニン[g]であり、
LCCはリグノセルロース含有組成物[g]である。
さらに、工程a)は、好ましくは、チップ、フレーク、ペレット、ビーズ、裂片(splint)、顆粒、破片(shiver)、細粉(dust)、及びフラグメントなどの粒子の形態のリグノセルロース含有組成物の提供を含む。例えば、木を切って挽いてこれらの粒子を得ることができる。
好適な実施態様において、工程a)はリグノセルロース含有組成物を有機溶媒に懸濁することを含む。
有機溶媒は、好ましくは23℃で液体状態である炭素ベースの化合物と考えることができる。有機溶媒は、単一の有機溶媒又は有機溶媒の混合物を含むことができる。
有機溶媒は、沸点が、好ましくは1013mbarにおいて、60℃~250℃であることがさらに好ましい。さらに、例えば有機溶媒の混合物が使用される場合、沸点は、単一の温度に関係するのではなく、温度間隔を指すことがある。沸点は、好ましくはPharm. Eur. 6.0, Chapter 2.2.12に従って決定される。
好適な実施態様において、有機溶媒の水溶性は25℃で50重量%を超え、好ましくは70重量%を超え、特に90重量%を超える。水溶性の上限は、90重量%又は好ましくは100重量%であり得る。水溶性は目視検査によって測定でき、すなわち、水に対する有機溶媒の割合は、沈殿するまで、又は水と有機溶媒の間に懸濁又は相分離が現れるまで測定される。
本発明の好適な実施態様において、第2の溶媒のlogKow値は、-3.0~0.8、好ましくは-2.5~0.7、より好ましくは-1.8~0.6、特に-1.2~0.5である。
ow値(P値とも呼ばれる)は、オクタノール/水(疎水性/親水性)混合物の2つの相における化合物の濃度の比率を示す分布係数(分配係数)である。Kow値は、次の式に従って決定される:
Figure 2022551188000006
ここで
Figure 2022551188000007
は、オクタノール相中の化合物の分子種iの濃度であり、そして
Figure 2022551188000008
は、水相中の化合物の分子種iの濃度である。
ow値(P値)は通常、logKow(logP)として10の対数の形式
Figure 2022551188000009
で使用される。
有機溶媒の例は、1~6個の炭素原子を有するアルコール類、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、及びポリエチレングリコール;エーテル類、例えばジメチルエーテル、ジエチルエーテル、及びメチル-tert-ブチルエーテル;環状エーテル類、例えばテトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、3-メチルテトラヒドロフラン、及びジオキサン;ニトリル類、例えばアセトニトリル;カルボン酸類、例えばギ酸、乳酸、ピルビン酸、プロピオン酸、及び酢酸;カルボキサミド類、例えばジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミド;ラクトン類、例えばγ-バレロラクトン;ラクタム類、例えばN-メチル-2-ピロリドン;スルホキシド類、例えばジメチルスルホキシド;及びスルホン類、例えばスルホランである。
上記のlogKow値が-3.0~0.8、好ましくは-2.5~0.7、より好ましくは-1.8~0.6、特に-1.2~0.5の非プロトン性溶媒が好ましい。例としては、エーテル類、例えばジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチル-tert-ブチルエーテル;環状エーテル類、例えばテトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、3-メチルテトラヒドロフラン、及びジオキサン;ニトリル類、例えばアセトニトリル;カルボキサミド類、例えばジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミド;ラクトン類、例えばγ-バレロラクトン;ラクタム類、例えばN-メチル-2-ピロリドン;スルホキシド類、例えばジメチルスルホキシド;及びスルホン類、例えばスルホランがある。特に好ましいのは、エーテル類及び環状エーテル類、特に環状エーテル類、例えばジオキサン、3-メチルテトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、及びテトラヒドロフラン、特にジオキサン(1,4-ジオキサン)がある。
好適な実施態様において、有機溶媒は水を含むことができる。有機溶媒は、50容量パーセント未満の水、好ましくは30容量パーセント未満の水、特に0~10容量パーセントの水を含むことが好ましい。
好適な実施態様において、工程a)は、リグノセルロース含有懸濁物を、上記のlogKow値が-3.0~0.8の非プロトン性有機溶媒に懸濁することを含み、ここで非プロトン性有機溶媒は、50容量パーセント未満の水、好ましくは30容量パーセント未満の水、特に0~10容量パーセントの水を含む。
懸濁物は、リグノセルロース含有組成物1グラムあたり、2~15ml、好ましくは3~10ml、特に4~6mlの有機溶媒を含み得ることが好ましい。
本発明の方法の工程b)は、工程a)の組成物を酸性条件下で、式1:
Figure 2022551188000010
(ここで、Lは存在しないか又は結合基であり、そして
ここで、Rは官能基であり、xは1~5の整数である)
のアルデヒドと共に加熱することを含む。
工程a)からの組成物を加熱することは、工程a)で提供される組成物に熱を加えて、工程a)で提供される組成物の温度を開始温度からより高い最終温度に上げることと考えられる。本発明の好適な実施態様において、工程a)の組成物は15℃~25℃の温度で提供され、これは開始温度であると考えられる。好適な実施態様において、工程b)において最終温度であると考えられる35~140℃、好ましくは40~130℃、特に50~120℃の温度が適用され得る。特に、60~100℃、特に約85℃の温度が適用されることが特に好ましい。
好適な実施態様において、工程b)は、0.1~72時間、好ましくは0.5~12時間、より好ましくは0.75~10時間、さらにより好ましくは1~8時間、特に1.5~5.5時間実施することができる。
好適な実施態様において、工程b)において50~120℃の温度が0.1~72時間適用される。
さらに、工程b)において、反応混合物は、好ましくは攪拌などの機械的運動に供することができる。
酸性条件を達成するために、1つ以上の酸性化合物が工程a)の組成物に添加される。酸性化合物は、水に加えるとpH値が7未満になる化合物と考えることができる。酸性化合物の例は、酢酸などの有機カルボン酸、メタンスルホン酸などのスルホン酸、及び鉱酸であり、ここで、鉱酸が好ましい。鉱酸は、炭素原子を含まない酸と考えられる。鉱酸の例は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、及びケイ酸である。好ましいのは塩酸、メタンスルホン酸、硫酸、及びリン酸であり、より好ましいのは塩酸、メタンスルホン酸及び硫酸、特に塩酸である。
好適な実施態様において、リグノセルロース含有組成物1グラムあたり0.5~20mmol、好ましくは1~9mmol、特に1.5~3mmolの酸性化合物を使用して、酸性条件を達成することができる。
さらに工程b)において、式1のアルデヒドは、リグノセルロース含有組成物と共に、酸性条件下で、好ましくは60℃~100℃の温度で、加熱される。
式1のアルデヒドは、以下の化学構造:
Figure 2022551188000011
(ここで、Lは存在しないか又は結合基であり、そして
ここで、Rは官能基であり、xは1~5の整数である)
で表される有機化合物である。
式1の上記の化合物の左側はアルデヒド基であり、炭素原子が水素及び二重結合を介して酸素に結合していることを特徴とする。
官能基は、化合物中の1つ以上の原子の特徴的な基と考えることができ、これは、前記化合物の特性及び反応挙動に寄与する。官能基は、特徴的な基の上記の1つ以上の原子によって分類することができる。
官能基は、好ましくは、飽和又は不飽和、線状又は分枝状、環状又は芳香族炭化水素基と考えることができ、ここで、少なくとも1つの水素原子は置換基で置換され、及び/又は、これはその炭素骨格にN、O、Sなどの1つ以上のヘテロ原子が含み、及び/又は、炭化水素基は、少なくとも1つの二重結合又は三重結合を含む。好ましい置換基には、F、Cl、Br、I、CF、OH、OR、SH、SR、NH、NHR、NR、SiR、CN、=O、又は=Sが含まれる。アルケン類、アルキン類、及び芳香族系もまた、それらが非置換であり、ヘテロ原子を含まない場合でも、前記定義に含まれる。
官能基R、又は複数の官能基Rが存在する場合は、各官能基を独立して選択することができる。
好適な実施態様において、各Rは、アルケン、アルキン、アルデヒド、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸アミド、アミノ酸、ケテン、ケトン、ジアゾケトン、イミン、オキシム、アミン、アセタール、ケタール、ヘミアセタール、ヘミケタール、フルミネート(fulminate)、シアネート、イソシアネート、イソチオシアネート、ニトリル、エーテル、チオエーテル、ヒドロキシル、チオール、ニトロ、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、アジド、トリフレート(triflate)、ボロン酸、ボロン酸エステル、ボレート、ホウ酸塩、ボラン、シラン、シリルエーテル、シロキサン、シラノール、スルホンアミド、スルホン酸、スルホネート、スルホキシド、スルホン、ジチアン、ホスフェート、リン酸エステル、ホスホネート、ホスホン酸、ホスホネートエステル、ホスホニウム塩、ホスフィン、ホスファイト、ホスファイトエステル、及びホスファイト塩から、又は
アジリジン、2H-アジリン、オキシラン、チイラン、アゼチジン、2,3-ジヒドロアゼト、アゼト、1,3-ジアゼチジン、オキセタン、2H-オキセト(oxete)、チエタン、2H-チエト(thiete)、アゼチジン-2-オン、ピロリジン、3-ピロリン、2-ピロリン、2H-ピロール、1H-ピロール、ピラゾリジン、イミダゾリジン、2-ピラゾリン、2-イミダゾリン、ピラゾール、イミダゾール、1,2,4-トリアゾール、1,2,3-トリアゾール、テトラゾール、テトラヒドロフラン、フラン、1,3-ジオゾラン、テトラヒドロチオフェン、チオフェン、オキサゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、チアゾール、1,2-オキサチオラン、1,3-オキサチオラン、1,2,5-オキサジアゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,3,4-チアジアゾール、1,2,5-チアジアゾール、スルホラン、2,4-チアゾリジンジオン、スクシンイミド、2-オキサゾリドン、ヒダントイン、ピペリジン、ピリジン、ピペラジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,2,4-トリアジン、1,3,5-トリアジン、テトラヒドロピラン、2H-ピラン、4H-ピラン、ピリリウム、1,4-ジオキサン、1,4-ジオキシン、チアン、2H-チオピラン、4H-チオピラン、1,3-ジチアン、1,4-ジチアン、1,3,5-トリチアン、モルホリン、2H-1,2-オキサジン、4H-1,2-オキサジン、6H-1,2-オキサジン、2H-1,3-オキサジン、4H-1,3-オキサジン、6H-1,3-オキサジン、4H-1,4-オキサジン、2H-1,4-オキサジン、チオモルホリン、4H-1,4-チアジン、2H-1,2-チアジン、6H-1,2-チアジン、2H-1,4-チアジン、シトシン、チミン、ウラシル、二酸化チオモルホリン、ヘキサヒドロ-1H-ピロリジン、1,4,5,6-テトラヒドロシクロペンタール[b]ピロール、1,3a,4,6a-テトラヒドロピロロ[3,2-b]ピロール、1,4-ジヒドロピロロ[3,2-b]ピロール、1,6-ジヒドロピロロ[2,3-b]ピロール、6H-フロ[2,3-b]ピロール、4H-フロ[3,2-b]ピロール、4H-チエノ[3,2-b]ピロール、6H-チエノ[2,3-b]ピロール、2,3-ジヒドロ-1H-インデン、インデン、インドリン、3H-インドール、1H-インドール、2H-イソインドール、インドリジン、1H-インダゾール、ベンズイミダゾール、4-アザインドール、5-アザインドール、6-アザインドール、7-アザインドール、7-アザインダゾール、ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、プリン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾ[c]チオフェン、ベンゾ[b]チオフェン、1,2-ベンズイソキサゾール、2,1-ベンズイソキサゾール、1,2-ベンズイソチアゾール、2,1-ベンズイソチアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンゾ[c][1,2,5]チアジアゾール、1,2-ベンズイソチアゾール-3(2H)-オン、アデニン、グアニン、デカヒドロイソキノリン、デカヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、1,2-ヒドロキノリン、1,2-ジヒドロイソキノリン、キノリン、イソキノリン、4H-キノリジン、キノキサリン、フタラジン、キナゾリン、シンノリン、1,8-ナフチリジン、ピリド[3,2-d]ピリミジン、ピリド[4,3-d]ピリミジン、ピリド[3,4-d]ピラジン、ピリド[2,3-b]ピラジン、プテリジン、2H-クロメン、1H-イソクロメン、3H-イソクロメン、2H-クロメン-2-オン、2H-ベンゾ[e][1,2]オキサジン、2H-ベンゾ[e][1,3]オキサジン、2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン、キノリン-2(1H)-オン、イソキノリン-1(2H)-オン、イソキノリン-1(2H)-オン、フルオレン、カルバゾール、ジベンゾフラン、アクリジン、フェナジン、フェノキサジン、フェノチアジン、フェノキサチイン、キヌクリジン、1-アザアダマンタン、2-アザアダマンタン、2,3-ジヒドロアゼピン、2,5-ジヒドロアゼピン、4,5-ジヒドロアゼピン、アゼピン、2H-アゼピン、3H-アゼピン、4H-アゼピン、1,2-ジアゼピン、1,3-ジアゼピン、1,4-ジアゼピン、オキセパン、チエピン、1,4-チアゼピン、アゾカン、アゾシン、チオカン、アゾナン、及びアゼシンから選択される複素環から、独立して選択される官能基である。
より好適な実施態様において、各Rは、アルケン、アルキン、アルデヒド、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸アミド、アミノ酸、ケトン、ジアゾケトン、イミン、オキシム、アミン、アセタール、ケタール、ヘミアセタール、ヘミケタール、ニトリル、エーテル、チオエーテル、ヒドロキシル、チオール、ニトロ、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、アジド、トリフレート、ボロン酸、ボロン酸エステル、ボレート、ホウ酸塩、ボラン、シラン、シリルエーテル、シロキサン、シラノール、スルホンアミド、スルホン酸、スルホネート、スルホキシド、スルホン、ジチアン、ホスフェート、リン酸エステル、ホスホネート、ホスホン酸、ホスホン酸エステル、ホスホニウム塩、ホスフィンから独立して選択される官能基であり、より好ましくは、各Rは、アルケン、アルキン、アルデヒド、カルボン酸、カルボン酸アミド、アミノ酸、ケトン、アセタール、ケタール、ニトリル、エーテル、チオエーテル、ヒドロキシル、チオール、ニトロ、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、アジド、トリフレート、ボロン酸、ボロン酸エステル、シラン、シリルエーテル、シロキサン、シラノール、スルホン酸、スルホキシド、スルホン、ホスホン酸から独立して選択される官能基である。
より好適な実施態様において、各Rは、アルデヒド、無水物、塩化アシル、カルボン酸エステル、カルボン酸アミド、イソシアネート、エーテル、アルキン、アルケン、アミン、カルボン酸、ニトリル、エーテル、チオエーテル、ヒドロキシル、チオール、ニトロ、塩化物、臭化物、ヨウ化物、アジド、及びトリフレートから独立して選択される官能基である。
より好適な実施態様において、各Rは、カルボン酸、無水物、塩化アシル、カルボン酸エステル、カルボン酸アミド、イソシアネート、エーテル、アルキン、アルケン、アルデヒド、塩化物、臭化物、ヨウ化物、トリフレート、ヒドロキシル、チオール、アミン、及びアジドから独立して選択される官能基である。
より好適な実施態様において、各Rは、カルボン酸、カルボン酸アミド、エーテル、アルキン、アルケン、アルデヒド、塩化物、ヒドロキシル、及びアジドから独立して選択される官能基である。
さらにより好適な実施態様において、各Rは、カルボン酸、カルボン酸アミド、エーテル、アルデヒド、塩化物、及びヒドロキシルから独立して選択される官能基である。
特に好適な実施態様において、各Rは、アルデヒド、カルボン酸、ニトリル、エーテル、チオエーテル、ヒドロキシル、チオール、ニトロ、塩化物、臭化物、ヨウ化物、アジド、及びトリフレートから独立して選択される官能基である。
式1のアルデヒドにおいて、Lは存在しないか又は結合基であり得る。
1つの実施態様において、Lは存在しなくてもよい。Lが存在しない場合、官能基はアルデヒド基の炭素原子に直接結合している。Lが存在しない式1のアルデヒドは、例えばエタンジアール(グリオキサール又はオキサルアルデヒドとしても知られている)及びオキソエタン酸(2-オキソ酢酸又はグリオキシル酸としても知られている)、並びにオキソエタン酸のエステル及びアミドである。
別の実施態様において、Lは結合基であり、好ましくは例えば1~15の炭素原子を有する有機残基である。
「有機残基」という用語は一般に、有機化学で知られている残基を指す。好ましくは有機残基の骨格は、主に炭素原子、窒素原子、及び/又は酸素、より好ましくは炭素原子のみを含む。
本発明の好適な実施態様において、Lは芳香族残基又は脂肪族残基であり得る。
芳香族残基は、主に炭素、窒素、硫黄、又は酸素原子を含む少なくとも1つの環系を含み、前記環系は、ヒュッケル則によれば、共役二重結合、自由電子対、又は占有されていないp軌道のいくつかの4n+2(n=0、1、2、・・・)個の非局在化電子を含む。
好適な実施態様において、芳香族残基は芳香族骨格構造を有する残基を指し、ここで芳香族骨格構造の環原子は炭素原子である。芳香族残基は、上記のように1つ以上の官能基に結合することができる。
芳香族残基に結合する適切な官能基は、好ましくはアルデヒド、カルボン酸、ニトリル、エーテル、チオエーテル、ヒドロキシル、チオール、ニトロ、塩化物、臭化物、ヨウ化物、アジド、及びトリフレート、特にカルボン酸、ヒドロキシ、ニトロ、塩化物、臭化物、及びヨウ化物から選択される官能基の1つ以上から独立に選択され得る。
脂肪族残基は、主に炭素原子及び水素原子を含む非芳香族炭化水素化合物であり、ここで炭素原子のいくつかは、例えば酸素、硫黄、及び窒素原子によっても置換され得る。脂肪族残基は、上記のように1つ以上の官能基に結合することができる。
脂肪族残基に結合する適切な官能基は、好ましくはアルデヒド、カルボン酸、ニトリル、ヒドロキシ、ニトロ、塩化物、臭化物、ヨウ化物、アジド、及びトリフレートから、特にアルデヒド、カルボン酸、ヒドロキシ、塩化物、臭化物、及びヨウ化物から、選択される官能基の1つ以上から独立して選択され得る。
本発明の好適な実施態様において、Lは、1~6個の炭素原子を有する脂肪族結合基、又は4~15個の炭素原子を有する芳香族結合基である。
1~6個の炭素原子を有する脂肪族結合基の例は、-CH-、-CH(CH)-、-C(CH-、CH(CHCH)-、-C(CH)(C)-、-C(C-、-C(C)(C)-、1,1-シクロプロピレン、1,1-シクロブチレン、及び1,1-シクロヘキシレンである。好ましいのはメチレンである。
4~15個の炭素原子を有する芳香族結合基の例は、フェニレン、2メチルフェニレン、4-メチルフェニレン、2-メトキシフェニレン、3-メトキシフェニレン、4-メトキシフェニレン、3,5ジメトキシフェニレン、及びナフチレンである。好ましいものは、フェニレン、2-メチルフェニレン、4-メチルフェニレン、3-メトキシフェニレン、3,5-ジメトキシフェニレンであり、より好ましいフェニレンは、3-メトキシフェニレン、3,5-ジメトキシフェニレン、特にフェニレンである。
本発明の好適な実施態様において、式1のアルデヒドは、2-ヒドロキシアセトアルデヒド、2-クロロアセトアルデヒド、2-ブロモアセトアルデヒド、2-ヨードアセトアルデヒド、エタンジアール(グリオキサール又はオキサルアルデヒドとしても知られている)、オキソエタン酸、(2-オキソ-酢酸又はグリオキシル酸としても知られている)、2,2,2-トリクロロアセトアルデヒド、4-ヒドロキシ-3,4-ジメトキシベンズアルデヒド(シリングアルデヒド)、4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド(バニリン)、2-ヒドロキシベンズアルデヒド(サリチルアルデヒド)、2-クロロベンズアルデヒド、2-ブロモベンズアルデヒド、2-ヨードベンズアルデヒド、3-ヒドロキシベンズアルデヒド、3-クロロベンズアルデヒド、3-ブロモベンズアルデヒド、3-ヨードベンズアルデヒド、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-クロロベンズアルデヒド、4-ブロモベンズアルデヒド、4-ヨードベンズアルデヒド、2,4-ジクロロベンズアルデヒド、2,4-ジブロモベンズアルデヒド、2,4-ジヨードベンズアルデヒド、2-ニトロベンズアルデヒド、4-ニトロベンズアルデヒド、2,4-ジニトロベンズアルデヒド、2,4,6-トリニトロベンズアルデヒド、2-ホルミル安息香酸、4-ホルミル安息香酸、及びテレフタルアルデヒドからなる群から選択される。
本発明の好適な実施態様において、リグノセルロース含有組成物及び式1のアルデヒドは、25:1~1:1、好ましくは20:1~1.25:1、より好ましくは15:1~1.5:1、特に10:1~2:1の重量比で存在し、ここで式1のアルデヒドの重量は、ホルムアルデヒドの重量に基づく。
「ホルムアルデヒドの重量に基づく」とは、以下のことを意味する。ホルムアルデヒドの分子量は30g/molである。ホルムアルデヒドとは異なるアルデヒドの分子量はxg/molである。例えばオキソエタン酸(2-オキソ酢酸又はグリオキシル酸としても知られている)の分子量は74g/molである。従って、同量の反応性アルデヒド基を含むためには、ホルムアルデヒドとは異なる式1のアルデヒドは、ホルムアルデヒドの重量のx/30倍の重量で存在しなければならない。
例えば、25gのリグノセルロース含有組成物と1gのホルムアルデヒドが提供される場合、リグノセルロース含有組成物とホルムアルデヒドは、25:1の重量比で存在する。
アルデヒドがオキソエタン酸である場合、25gのリグノセルロース含有組成物と2.47gのオキソエタン酸が提供されるなら、リグノセルロース含有組成物と分子量74g/molのオキソエタン酸は25:1の重量比で存在する。2.47は、アセトアルデヒドの分子量とホルムアルデヒドの分子量の比率に対応する。
従って、リグノセルロース含有組成物とアセトアルデヒドが12.5:1(25:2に対応する)の重量比で存在する場合、25gのリグノセルロース含有組成物と4.94gのオキソエタン酸が提供される。
別の好適な実施態様において、リグノセルロース含有組成物1グラムあたり、1~100mmol、好ましくは1.5~70mmol、より好ましくは2~50mmol、特に2.5~20mmolのアルデヒドを使用することができる。
工程b)を適用することにより、リグノセルロース含有組成物中のリグニン画分とセルロース又はヘミセルロース画分との結合が切断される。さらに、リグニン内の結合もまた、「リグニンのフラグメント」が得られるように切断され、これは代替的に、いわゆる「リグニンのオリゴマー」と考えることができる。
好適な実施態様において、工程b)においてリグノセルロース含有組成物と式1のアルデヒドは反応して、式R-L-CH(OR)(OR)のアセタールが生成され、ここで、Rは上記のように定義され、RとRはリグノセルロース含有組成物に含まれるリグニンポリマーの連続部分である。リグニンポリマーのそのような連続部分は当業者に知られている。好適な実施態様において、RとRはリグニンポリマーの異なる連続部分である。あるいはRとRは、リグニンポリマーの同一の部分であり得る。
好適な実施態様において、工程b)においてリグノセルロース含有組成物と式1のアルデヒドが反応して、好ましくは式2~4の1つ以上のアセタールが生成される:
Figure 2022551188000012
Figure 2022551188000013
Figure 2022551188000014
本発明の方法の工程c)において、1つ以上の官能基を有する得られたリグニンのフラグメントは、工程b)の残留混合物から分離される。
工程c)は、好ましくは、以下のサブ工程を含むことができる:
c1)リグニンのフラグメント含有相と残留物を分割する工程、
c2)リグニンのフラグメント含有相から溶媒を除去する工程、
c3)工程c2)の生成物を溶媒で処理する工程、及び
c4)1つ以上の官能基を有するリグニンのフラグメントを分離する工程。
工程c1)は、好ましくは工程b)からの反応混合物を冷却することを含み得る。工程b)からの組成物の冷却は、温度を開始温度から下限温度に下げることと考えられる。本発明の好適な実施態様において、工程b)からの反応混合物は、0~35℃、好ましくは10~30℃、特に約23℃の温度に冷却される。
工程c1)は、好ましくは混合物を濾過することを含み得る。混合物は、好ましくは濾液側に真空を適用することによって濾過することができる。さらに、好ましくはフィルターケーキを洗浄することができる。適切な洗浄液は、例えばテトラヒドロフラン、酢酸エチル、又はジオキサン、好ましくはジオキサンであり得る。一般にフィルターケーキは、セルロース又はヘミセルロース、並びにリグノセルロース含有組成物に含まれる不溶性物質を含むことができる。濾液はリグニンのフラグメント含有相と考えられる。
あるいは、工程c1)は、好ましくは工程b)の混合物を遠心分離し、残留物からリグニンのフラグメント含有相をデカントすることを含み得る。
工程c2)は好ましくは、アルカリ性化合物、好ましくはアルカリ性無機化合物の添加により、工程c1)からのリグニンのフラグメント含有相(濾液)を中和することを含み得る。アルカリ性無機化合物は、例えばアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、リン酸水素塩、及び硫酸塩であり得る。好適な実施態様において、水酸化カルシウム及び/又は炭酸カルシウムがアルカリ性無機化合物として使用される。より好ましいのは、アルカリ金属の炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム、特に炭酸ナトリウムである。中和後、得られたリグニンのフラグメント含有相から溶媒を除去することができる。
あるいは、溶媒は、中和せずに、工程c1)からのリグニンのフラグメント含有相から除去することができる。
本出願の工程c2)に沿って、溶媒を除去することは、溶媒の大部分を除去することと考えることができ、すなわち、溶媒を除去した後でも、得られた生成物は、最大15重量%の残留溶媒を依然として含み得る。
好適な実施態様において、溶媒の除去は、高温で、好ましくは35~60℃、特に約45℃で、及び/又は減圧下、例えば1~100mbarで、好ましくは約50mbarで実施することができる。
工程c3)において、工程c2)からの生成物は溶媒で処理することができるが、溶媒は、1つ以上の官能基Rに依存することがある。適切な溶媒の例には、水、メタノール、テトラヒドロフラン、及び酢酸エチルが含まれる。工程c2)からの生成物を溶媒で処理することは、好ましくは攪拌などの機械的運動下で実施することができる。さらに、溶媒による処理は、好ましくは20℃~25℃の温度で実施することができる。
1つの実施態様において、工程c2)からの生成物の溶媒による処理は沈殿物の生成をもたらし得る。工程c2)からの生成物の溶媒による処理は、好ましくは攪拌下で実施することができる。
1つの実施態様において、工程c2)からの生成物を溶媒で処理する場合、工程c2)からの生成物は、前記溶媒に溶解することができ、好ましくは前記溶媒に完全に溶解することができる。工程c2)からの生成物を溶媒に溶解することができる場合、対応する溶液は、好ましくは沈殿物が生成されるように第2の溶媒に加えることができる。第2の溶媒への溶液の添加は、好ましくは攪拌下で実施することができる。適切な第2の溶媒の例は、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、シクロペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、及びトルエン、又はそれらの混合物である。
工程c4)は、好ましくはc3)の混合物を濾過すること、すなわち上清溶液から沈殿物を濾過することを含み得る。混合物は、好ましくは濾液側に真空を適用することによって濾過して、1つ以上の官能基を有するリグニンのフラグメントを得ることができる。生成物は、好ましくは高温、好ましくは40℃~60℃で、及び/又は減圧下、例えば0.01~50mbar、好ましくは約0.05mbarで乾燥させることができる。濾液にはいくつかの副産物が含まれている可能性があり、廃棄される場合がある。
あるいは、工程c4)は、好ましくは工程c3)の混合物を遠心分離し、1つ以上の官能基を有するリグニンのフラグメントから上清溶液をデカントすることを含み得る。生成物は、好ましくは高温、好ましくは40~60℃で、及び/又は減圧下、例えば0.01~50mbar、好ましくは約0.05mbarで乾燥させることができる。
好適な実施態様において、この方法は、工程c)から得られた生成物の漂白(工程c5)を含むことができる。工程c4)の生成物が望ましくない色を示す場合、漂白工程を適用することができる。漂白工程は、好ましくは工程c)から得られた生成物に、溶媒中の酸化剤とアルカリ性化合物、好ましくは無機アルカリ性化合物との混合物を、好ましくは40~80℃で10~180分間接触させることを含む。酸化剤は当技術分野で知られており、過酸化水素が好ましい。アルカリ性化合物、好ましくは無機アルカリ性化合物に関しては、上記と同じことが当てはまる。好ましいのは水酸化ナトリウムである。適切な溶媒は、例えば水、ベンゼン、トルエン、及び酢酸エチル、特に酢酸エチルである。さらに、前記工程は、有機相を水又は食塩水で洗浄し、有機相を乾燥し、乾燥剤を有機相から分離し、溶媒を除去して、より着色の少ない、好ましくはオフホワイトの生成物を得ることを含み得る。
さらなる実施態様において、本発明の方法は、任意選択的に工程c)の生成物の1つ以上の官能基をさらに反応させて、1つ以上の官能基R'を有するリグニンのフラグメントを得る工程d)を含む。
好適な実施態様において、R'は、アルケン、アルキン、アルデヒド、無水物、カルボン酸、カルボン酸エステル、塩化アシル、臭化アシル、ヨウ化アシル、フッ化アシル、塩化スルホニル、ヨウ化スルホニル、臭化スルホニル、フッ化スルホニル、ケテン、ヒドロキシ、ケトン、アセタール、ケタール、ヘミアセタール、ヘミケタール、エーテル、カルボン酸アミド、ジアゾケトン、イミン、オキシム、アミン、フルミネート、シアネート、アジド、ニトロ、ニトリル、イソシアネート、アミノ酸、ボロン酸、ボロン酸エステル、ボレート、ホウ酸塩、ボラン、オルガノシラン、シリルエーテル、シロキサン、シラノール、イソチオシアネート、チオール、スルホンアミド、スルホネート、スルホン酸、サルフェート、スルホン、ペルサルフェート(persulfate)、過酸化物、スルホキシド、チオエーテル、ジチアン、ホスフェート、リン酸エステル、ホスホネート、ホスホン酸、ホスホン酸エステル、ホスホニウム塩、ホスフィン、ホスファイト、ホスファイトエステル、ホスファイト塩、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、トリフレート、有機マグネシウム(グリニャール)、有機リチウム、ジアルキルリチウムクプラート(dialkyllithium cuprate)、有機亜鉛、及びアセチリドから選択される官能基、
又は
アジリジン、2H-アジリン、オキシラン、チイラン、アゼチジン、2,3-ジヒドロアゼト、アゼト、1,3-ジアゼチジン、オキセタン、2H-オキセト、チエタン、2H-チエト、アゼチジン-2-オン、ピロリジン、3-ピロリン、2-ピロリン、2H-ピロール、1H-ピロール、ピラゾリジン、イミダゾリジン、2-ピラゾリン、2-イミダゾリン、ピラゾール、イミダゾール、1,2,4-トリアゾール、1,2,3-トリアゾール、テトラゾール、テトラヒドロフラン、フラン、1,3-ジオゾラン、テトラヒドロチオフェン、チオフェン、オキサゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、チアゾール、1,2-オキサチオラン、1,3-オキサチオラン、1,2,5-オキサジアゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,3,4-チアジアゾール、1,2,5-チアジアゾール、スルホラン、2,4-チアゾリジンジオン、スクシンイミド、2-オキサゾリドン、ヒダントイン、ピペリジン、ピリジン、ピペラジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,2,4-トリアジン、1,3,5-トリアジン、テトラヒドロピラン、2H-ピラン、4H-ピラン、ピリリウム、1,4-ジオキサン、1,4-ジオキシン、チアン、2H-チオピラン、4H-チオピラン、1,3-ジチアン、1,4-ジチアン、1,3,5-トリチアン、モルホリン、2H-1,2-オキサジン、4H-1,2-オキサジン、6H-1,2-オキサジン、2H-1,3-オキサジン、4H-1,3-オキサジン、6H-1,3-オキサジン、4H-1,4-オキサジン、2H-1,4-オキサジン、チオモルホリン、4H-1,4-チアジン、2H-1,2-チアジン、6H-1,2-チアジン、2H-1,4-チアジン、シトシン、チミン、ウラシル、二酸化チオモルホリン、ヘキサヒドロ-1H-ピロリジン、1,4,5,6-テトラヒドロシクロペンタル[b]ピロール、1,3a,4,6a-テトラヒドロピロロ[3,2-b]ピロール、1,4-ジヒドロピロロ[3,2-b]ピロール、1,6-ジヒドロピロロ[2,3-b]ピロール、6H-フロ[2,3-b]ピロール、4H-フロ[3,2-b]ピロール、4H-チエノ[3,2-b]ピロール、6H-チエノ[2,3-b]ピロール、2,3-ジヒドロ-1H-インデン、インデン、インドリン、3H-インドール、1H-インドール、2H-イソインドール、インドリジン、1H-インダゾール、ベンズイミダゾール、4-アザインドール、5-アザインドール、6-アザインドール、7-アザインドール、7-アザインダゾール、ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、プリン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾ[c]チオフェン、ベンゾ[b]チオフェン、1,2-ベンズイソキサゾール、2,1-ベンズイソキサゾール、1,2-ベンズイソチアゾール、2,1-ベンズイソチアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンズチアゾール、ベンゾ[c][1,2,5]チアジアゾール、1,2-ベンズイソチアゾール-3(2H)-オン、アデニン、グアニン、デカヒドロイソキノリン、デカヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、1,2-ヒドロキノリン、1,2-ジヒドロイソキノリン、キノリン、イソキノリン、4H-キノリジン、キノキサリン、フタラジン、キナゾリン、シンノリン、1,8-ナフチリジン、ピリド[3,2-d]ピリミジン、ピリド[4,3-d]ピリミジン、ピリド[3,4-d]ピラジン、ピリド[2,3-b]ピラジン、プテリジン、2H-クロメン、1H-イソクロメン、3H-イソクロメン、2H-クロメン-2-オン、2H-ベンゾ[e][1,2]オキサジン、2H-ベンゾ[e][1,3]オキサジン、2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン、キノリン-2(1H)-オン、イソキノリン-1(2H)-オン、イソキノリン-1(2H)-オン、フルオレン、カルバゾール、ジベンゾフラン、アクリジン、フェナジン、フェノキサジン、フェノチアジン、フェノキサチイン、キヌクリジン、1-アザアダマンタン、2-アザアダマンタン、2,3-ジヒドロアゼピン、2,5-ジヒドロアゼピン、4,5-ジヒドロアゼピン、アゼピン、2H-アゼピン、3H-アゼピン、4H-アゼピン、1,2-ジアゼピン、1,3-ジアゼピン、1,4-ジアゼピン、オキセパン、チエピン、1,4-チアゼピン、アゾカン、アゾシン、チオカン、アゾナン、又はアゼシンから選択される複素環である。
より好適な実施態様において、R'は、アルケン、アルキン、アルデヒド、無水物、カルボン酸、カルボン酸エステル、塩化アシル、塩化スルホニル、ヒドロキシ、ケトン、アセタール、ケタール、エーテル、カルボン酸アミド、ジアゾケトン、イミン、オキシム、アミン、アジド、ニトロ、ニトリル、イソシアネート、ボロン酸、ボロン酸エステル、ボレート、ホウ酸塩、ボラン、オルガノシラン、シリルエーテル、シロキサン、シラノール、チオール、スルホンアミド、スルホネート、スルホン酸、チオエーテル、リン酸エステル、ホスホネート、ホスホン酸エステル、ホスホニウム塩、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、トリフレート、有機マグネシウム(グリニャール)、有機リチウム、ジアルキルリチウムクプラート、有機亜鉛、及びアセチリドから選択される官能基であり、さらにより好ましくはR'は、アルケン、アルキン、アルデヒド、無水物、カルボン酸、カルボン酸エステル、塩化アシル、塩化スルホニル、ヒドロキシ、ケトン、エーテル、カルボン酸アミド、ジアゾケトン、アミン、アジド、ニトロ、ニトリル、イソシアネート、ボロン酸、ボロン酸エステル、ボレート、ホウ酸塩、オルガノシラン、チオール、スルホンアミド、スルホネート、スルホン酸、ホスホニウム塩、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、トリフラート、有機マグネシウム(グリニャール)、有機リチウム、有機亜鉛、及びアセチリドから選択される官能基である。。
特に好適な実施態様において、R'は、カルボン酸、無水物、塩化アシル、カルボン酸エステル、カルボン酸アミド、イソシアネート、エーテル、アルキン、アルケン、アルデヒド、塩化物、臭化物、ヨウ化物、トリフレート、ヒドロキシ、チオール、アミン、及びアジドから選択される官能基である。
工程c)の生成物の1つ以上の官能基を反応させて1つ以上の官能基R'を有するリグニンのフラグメントを得ることは、求核置換、酸化、及びグリニャール反応などの当技術分野で知られている反応によって実施することができる。。
本発明のさらなる主題は、本発明の方法によって得られる1つ以上の官能基R及び/又はR'を有するリグニンのフラグメントである。これらのリグニンのフラグメントは、対応する用途又は使用に合わせて製造される官能基を備えた化合物と考えることができる。
本発明の別の主題は、本発明によるリグニンのフラグメントを含む組成物である。好適な実施態様において、フラグメントは、式2~4の1つ以上によって表される:
Figure 2022551188000015
Figure 2022551188000016
Figure 2022551188000017
好適な実施態様において、組成物はさらに、医薬賦形剤、溶媒、染料、着色剤、強化剤、界面活性剤、分散剤、酸、塩基、殺虫剤、ポリマー、樹脂、導電性金属、触媒金属、反応性金属、触媒、セルロース繊維、ガラス繊維、糖、フミン、ビチューメン、コンクリート、超吸着ポリマー、ホルムアルデヒド、グリオキシル酸、活性炭、タンパク質、アミノ酸、化粧品添加剤、ビタミン、抗酸化剤、ビタミン、樹脂、シリコーン、乾燥剤、抗真菌剤、抗菌剤、剥離剤(exfoliant)、カフェイン、粘土、エッセンシャルオイル、脂肪酸、鉱油、金属酸化物、洗剤、乾燥剤、及び架橋剤から選択される1つ以上の添加物を含み得る。
本発明のさらなる主題は、樹脂、接着剤、ポリマー、炭素繊維、コンクリート添加物、断熱材、電気絶縁材、塗料、界面活性剤、フォトレジスト、写真フィルム、抗菌フィルム、抗真菌フィルム、防食コーティング、防水材、潤滑剤、ポリマー用UV吸収添加剤、活性炭、顔料、染料、防食添加剤、難燃剤、触媒、バッテリーアノード、バッテリーカソード、イオノマー、イオン交換樹脂、イオン交換膜、超吸収性ポリマー、ガス透過性膜、UV吸収クリーム(日焼け止めサンブロック(sunblock)又はサンスクリーン(sunscreen))、薬物送達基材、香料送達基材、フレーバー送達基材、食品添加物(抗酸化剤)、食品サプリメント(抗酸化剤)、化粧品添加剤、コンクリートキルン用燃料、発電用燃料、製鋼所用燃料、爆発物、固体ロケット燃料、火薬、無煙火薬、花火、アブレイティブ装甲、反応性装甲、殺虫剤、殺菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、日焼けクリーム、及び/又は抗生物質の製造のための、本発明のリグニンのフラグメント又は本発明の組成物の使用である。
次に、本発明を以下の実施例を参照して説明する。
実験セクション:
I. 材料
I.1 生物学的材料
樺の木材を、ベルン応用科学大学(Bern University of Applied Sciences)のMichael Studer博士から調達した。樺の木(Betula pendula、樹齢約40年)は、2018年5月にスイスのソロトゥルン(Solothurn)で収穫された。樹皮を剥がし、茎(幹)を木材チップに変え、これを40℃で24時間風乾した。次に、この木材チップを集めてEPFLに輸送し、そこでふるいにかけ選別して、残っている樹皮や葉を取り除いた。次に、6mmのスクリーンを使用して木材チップを粉砕し、次に0.45mmのメッシュで機械ふるいにかけて微粉を除去した。
I.2 化学薬品
すべての化学物質は市販されており、さらに精製することなく使用した。1,4-ジオキサン(合成用99.5%以上)、2-ヒドロキシベンズアルデヒド(サリチルアルデヒド;合成用99%以上)、3-ヒドロキシベンズアルデヒド(合成用99%以上)、4-ヒドロキシベンズアルデヒド(合成用99%以上)、及びバニリン(生化学用99%)を、Carl Roth AGから購入した。酢酸エチル、ヘキサン、メタノール、及びトルエンはThommen-Furler AGから購入した。クロロアセトアルデヒド(HO中50重量%)、グリコアルデヒドダイマー(立体異性体の混合物)、及び4-クロロベンズアルデヒドはSigma Aldrichから購入した。過酸化水素(30重量/重量%)と水酸化ナトリウム(錠剤)はReacto Lab SAから購入した。ジエチルエーテル(99.5%以上、BHTで安定化)はCarlo Erba Reagentsから購入した。ジ-n-ブチルエーテル(99%)はABCRから購入した。グリオキシル酸一水和物(97%)と4-ホルミル安息香酸(99%)はFluorochemから購入した。塩酸(分析用37重量/重量%、発煙)はMerckから購入し、ジメチルスルホキシド-d(99.9 d-atom%)はCambridge Isotope Laboratoriesから購入した。
II. 実施例
II.1 1つ以上の官能基を有するリグニンのフラグメントの調製
一般的なバイオマス抽出操作
バイオマス(5.0000g)を100mL試薬瓶に集めた。次に、瓶に1,4-ジオキサン(25mL)、対応するアルデヒド(66mmol、6.6当量)、塩酸(37重量/重量%、0.83mL、10mmol、1.0当量)、及びPTFEコーティングされた攪拌棒を加えた。次に、瓶をGL45キャップで密封し、攪拌しながら85℃に加熱した。3時間後(アルデヒドがクロロアセトアルデヒドである場合は5時間)、反応混合物を室温(約25℃)に冷却し、ガラスフィルター漏斗(多孔性グレード3)を通して濾過し、ジオキサン(25mL)で洗浄して、セルロースが豊富な固形物を取り除いた。次に、濾液を29/32、250mL丸底フラスコに移し、ロータリーエバポレーターで浴温45℃及び到達圧力10mbarで濃縮した。次に、反応で使用した対応するアルデヒドに従って、リグニンを沈殿させた(下記参照)。
E.1 アルデヒドとしてのクロロアセトアルデヒド
上記の一般的なバイオマス抽出操作から得られた濃縮された粗反応混合物をジオキサン(50mL)で希釈し、次に楕円形のPTFEコーティングされた攪拌棒により500RPMで撹拌されているジ-n-ブチルエーテル(250mL)を含む500mL丸底フラスコに、ガラスピペットを使用して滴加した。。濾過して粗リグニンを集め、これを100mLソックスレー抽出器、500mL丸底フラスコ、PTFEコーティング攪拌棒、45/50オスから29/32メスアダプター、還流冷却器、及びオイルバブラーで構成されるソックスレー抽出装置ソックに入れた。500mLの丸底フラスコに250mLのジエチルエーテルを入れ、次に装置を一晩90℃に加熱してリグニンを洗浄した。翌日、リグニンを風袋重量を量った100mLの丸底フラスコに移し、真空乾燥して、生成物をピンク色の粉末(1.0170g、20.2重量/重量%)として得た。
E.2 アルデヒドとしてのp-クロロベンズアルデヒド
上記の一般的なバイオマス抽出操作から得られた濃縮された粗反応混合物をジオキサン(10mL)で希釈し、次に楕円形のPTFEコーティングされた攪拌棒により500RPMで撹拌されているジ-n-ブチルエーテル(250mL)を含む500mL丸底フラスコに、ガラスピペットを使用して滴加した。。濾過して粗リグニンを集め、これを100mLソックスレー抽出器、500mL丸底フラスコ、PTFEコーティング攪拌棒、45/50オスから29/32メスアダプター、還流冷却器、及びオイルバブラーで構成されるソックスレー抽出装置ソックに入れた。500mLの丸底フラスコに250mLのジエチルエーテルを入れ、次に装置を一晩90℃に加熱してリグニンを洗浄した。翌日、リグニンを風袋重量を差し引いた100mLの丸底フラスコに移し、真空乾燥して、生成物をピンク色の粉末(0.7515g、14.8重量/重量%)として得た。
E.3 アルデヒドとしてのグリオキシル酸一水和物
上記の一般的なバイオマス抽出操作から得られた濃縮されたリグニン溶液に、脱イオン水(100mL)を加え、続いて楕円形のPTFEコーティングされた攪拌棒を加えた。混合物を500RPMで30分間撹拌して、大きな凝集物を破壊した。次に、攪拌棒を取り外した。濾過及び乾燥により、ベージュ色の粉末(1.0731g、21.3重量%)が得られた。
E.4 アルデヒドとしての4-ホルミル安息香酸
上記の一般的なバイオマス抽出操作から得られた濃縮された粗反応混合物をジオキサン(10mL)で希釈し、次に楕円形のPTFEコーティングされた攪拌棒により500RPMで撹拌されているジ-n-ブチルエーテル(250mL)を含む500mL丸底フラスコに、ガラスピペットを使用して滴加した。。濾過して粗リグニンを集め、これを、100mLソックスレー抽出器、500mL丸底フラスコ、PTFEコーティング攪拌棒、45/50オスから29/32メスアダプター、還流冷却器、及びオイルバブラーで構成されるソックスレー抽出装置ソックに入れた。500mLの丸底フラスコに250mLのジエチルエーテルを入れ、次に装置を一晩90℃に加熱してリグニンを洗浄した。翌日、リグニンを風袋重量を差し引いた100mLの丸底フラスコに移し、真空乾燥して、生成物を紫褐色の粉末(0.7924g、15.6重量/重量%)として得た。
E.5 アルデヒドとしての4-ヒドロキシベンズアルデヒド
上記の一般的なバイオマス抽出操作から得られた濃縮された粗反応混合物をジオキサン(10mL)で希釈し、次に楕円形のPTFEコーティングされた攪拌棒により500RPMで撹拌されているジ-n-ブチルエーテル(250mL)を含む500mL丸底フラスコに、ガラスピペットを使用して滴加した。。濾過して粗リグニンを集め、これを、100mLソックスレー抽出器、500mL丸底フラスコ、PTFEコーティング攪拌棒、45/50オスから29/32メスアダプター、還流冷却器、及びオイルバブラーで構成されるソックスレー抽出装置ソックに入れた。500mLの丸底フラスコに250mLのジエチルエーテルを入れ、次に装置を一晩90℃に加熱してリグニンを洗浄した。翌日、リグニンを風袋重量を差し引いた100mLの丸底フラスコに移し、真空乾燥して、生成物を暗褐色の粉末(0.9851g、19.5重量/重量%)として得た。
E.6 アルデヒドとしての3-ヒドロキシベンズアルデヒド
上記の一般的なバイオマス抽出操作から得られた濃縮された粗反応混合物をジオキサン(10mL)で希釈し、次に楕円形のPTFEコーティングされた攪拌棒により500RPMで撹拌されているジ-n-ブチルエーテル(250mL)を含む500mL丸底フラスコに、ガラスピペットを使用して滴加した。。濾過して粗リグニンを集め、これを、100mLソックスレー抽出器、500mL丸底フラスコ、PTFEコーティング攪拌棒、45/50オスから29/32メスアダプター、還流冷却器、及びオイルバブラーで構成されるソックスレー抽出装置ソックに入れた。500mLの丸底フラスコに250mLのジエチルエーテルを入れ、次に装置を一晩90℃に加熱してリグニンを洗浄した。翌日、リグニンを風袋重量を差し引いた100mLの丸底フラスコに移し、真空乾燥して、生成物を暗褐色の粉末(0.9765g、19.5重量/重量%)として得た。
E.7 アルデヒドとしての2-ヒドロキシベンズアルデヒド(サリチルアルデヒド)
上記の一般的なバイオマス抽出操作から得られた濃縮された粗反応混合物をジオキサン(10mL)で希釈し、次に楕円形のPTFEコーティングされた攪拌棒により500RPMで撹拌されているジ-n-ブチルエーテル(250mL)を含む500mL丸底フラスコに、ガラスピペットを使用して滴加した。。濾過して粗リグニンを集め、これを、100mLソックスレー抽出器、500mL丸底フラスコ、PTFEコーティング攪拌棒、45/50オスから29/32メスアダプター、還流冷却器、及びオイルバブラーで構成されるソックスレー抽出装置ソックに入れた。500mLの丸底フラスコに250mLのジエチルエーテルを入れ、次に装置を一晩90℃に加熱してリグニンを洗浄した。翌日、リグニンを風袋重量を差し引いた100mLの丸底フラスコに移し、真空乾燥して、生成物を暗褐色の粉末(0.8169g、16.2重量/重量%)として得た。
E.8 アルデヒドとしての4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド(バニリン)
上記の一般的なバイオマス抽出操作から得られた濃縮された粗反応混合物をジオキサン(10mL)で希釈し、次に楕円形のPTFEコーティングされた攪拌棒により500RPMで撹拌されているジ-n-ブチルエーテル(250mL)を含む500mL丸底フラスコに、ガラスピペットを使用して滴加した。。濾過して粗リグニンを集め、これを、100mLソックスレー抽出器、500mL丸底フラスコ、PTFEコーティング攪拌棒、45/50オスから29/32メスアダプター、還流冷却器、及びオイルバブラーで構成されるソックスレー抽出装置ソックに入れた。500mLの丸底フラスコに250mLのジエチルエーテルを入れ、次に装置を一晩90℃に加熱してリグニンを洗浄した。翌日、リグニンを風袋重量を差し引いた100mLの丸底フラスコに移し、真空乾燥して、生成物を暗褐色の粉末(1.0694g、21.2重量/重量%)として得た。
E.9 アルデヒドとしての2-ヒドロキシアルデヒド(グリコールアルデヒド)
上記の一般的なバイオマス抽出操作から得られた濃縮された粗反応混合物をジオキサン(10mL)で希釈し、次に楕円形のPTFEコーティングされた攪拌棒により500RPMで撹拌されているジ-n-ブチルエーテル(250mL)を含む500mL丸底フラスコに、ガラスピペットを使用して滴加した。。濾過して粗リグニンを集め、これを、100mLソックスレー抽出器、500mL丸底フラスコ、PTFEコーティング攪拌棒、45/50オスから29/32メスアダプター、還流冷却器、及びオイルバブラーで構成されるソックスレー抽出装置ソックに入れた。500mLの丸底フラスコに250mLのジエチルエーテルを入れ、次に装置を一晩90℃に加熱してリグニンを洗浄した。翌日、リグニンを風袋重量を差し引いた100mLの丸底フラスコに移し、真空乾燥して、生成物を褐色の粉末(1.5464g、30.9重量/重量%)として得た。
E.1~E.9で得られた生成物は、1つ以上の官能基を有するリグニンのフラグメントと考えることができる。
II.2 1つ以上の官能基を有するリグニンのフラグメントの漂白
一般的な漂白手順:
1つ以上の官能基を有するリグニンのフラグメント(1g)を、29/32、50mLの丸底フラスコに集めた。フラスコに、PTFEコーティングされた攪拌棒、酢酸エチル(10mL)、2M水酸化ナトリウム(5mL、10mmol、1.0当量)、及び過酸化水素(30重量%、1.4mL、13.7mmol、13.7当量)を加えた。次にフラスコをキャップを外して60℃に加熱し、30分間又はすべての泡立ちが止まるまで撹拌した。次に、反応物を室温(約23~30℃)に冷却し、酢酸エチルを用いて100mLの分液漏斗に定量的に移した。飽和塩化ナトリウム溶液(15mL)及び酢酸エチル(10mL)を加えた。分液漏斗を回転させたが、振とうせず(エマルジョンの形成を防ぐため)、層を分離した。有機層を酢酸エチルを使用して分液漏斗に戻して定量的移動を行い、続いてより飽和した塩化ナトリウム溶液(15mL)を加えた。再度、分液漏斗を回転させ、層を分離した。この洗浄サイクルをもう一度繰り返した。次に、無水硫酸マグネシウム(約1~2g)とPTFEコーティングされた攪拌棒を有機層に加えた。溶液を30分間撹拌し、次にガラスフィルター漏斗(多孔度グレード3)を通して濾過し、酢酸エチルによって定量的移動を行なった。次に、濾液を250mLの丸底フラスコに移し、ロータリーエバポレーターで真空濃縮した。得られた油性固体を風袋重量を差し引いた100mL丸底フラスコに移し、再度濃縮し、ヘキサン(20mL)で希釈し、最後にもう一度濃縮して、1つ以上の官能基を有する酸化されたリグニンのフラグメントをオフホワイトの粉末として得た。
E.9 E.3の製品の漂白
上記の一般的な漂白手順を適用したが、より多くの水酸化ナトリウムを使用し(6mL、12mmol、1.0当量)、酢酸エチルを使用しなかった。反応物を後処理するために、これを最初に室温(約23~30℃)に冷却し、次に塩酸(37重量%、1.1mL、13.2mmol、1.1当量)で酸性化した。得られたオフホワイトの沈殿物を濾過して集め、乾燥させて、漂白されたグリオキシル酸安定化リグニンをオフホワイトの粉末(0.7216g、70%)として得た。

Claims (15)

  1. 以下の工程を含む、1つ以上の官能基を有するリグニンのフラグメントを製造する方法:
    a)リグノセルロース含有組成物を提供する工程:
    b)工程a)の組成物を、式1のアルデヒド
    Figure 2022551188000018
    (式中、Lは存在しないか又は結合基であり、そして
    Rは官能基であり、xは1~5の整数である)
    と共に酸性条件下で加熱する工程;
    c)工程bの混合物から1つ以上の官能基を有するリグニンのフラグメントを分離する工程;及び
    d)任意選択的に、工程c)の生成物の1つ以上の官能基をさらに反応させて、1つ以上の官能基R'を有するリグニンのフラグメントを得る工程。
  2. リグノセルロース含有組成物が1~50重量%のリグニン含有量を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 工程a)がリグノセルロース含有組成物を有機溶媒に懸濁することを含み、ここで、好ましくは有機溶媒が50%v/v未満の水を含む極性非プロトン性溶媒である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 工程b)において、50~120℃の温度が0.1~72時間適用される、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 酸性添加が、リグノセルロース含有組成物1グラムあたり0.5~20mmolの酸性化合物を添加することにより達成される、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の方法であって、式中、各Rは、アルデヒド、無水物、塩化アシル、カルボン酸エステル、カルボン酸アミド、イソシアネート、エーテル、アルキン、アルケン、アミン、カルボン酸、ニトリル、エーテル、チオエーテル、ヒドロキシル、チオール、ニトロ、塩化物、臭化物、ヨウ化物、アジド、及びトリフレートから独立して選択される官能基であり;
    好ましくは、式中、各Rは、カルボン酸、無水物、塩化アシル、カルボン酸エステル、カルボン酸アミド、イソシアネート、エーテル、アルキン、アルケン、アルデヒド、塩化物、臭化物、ヨウ化物、トリフレート、ヒドロキシル、チオール、アミン、及びアジドから独立して選択される官能基であり;
    より好ましくは、式中、各Rは、カルボン酸、カルボン酸アミド、エーテル、アルキン、アルケン、アルデヒド、塩化物、ヒドロキシル、及びアジドから独立して選択される官能基であり;そして
    最も好ましくは、式中、Rは、カルボン酸、カルボン酸アミド、エーテル、アルデヒド、塩化物、及びヒドロキシルから独立して選択される官能基である、上記方法。
  7. Lが、1~6個の炭素原子を有する脂肪族結合基、又は4~15個の炭素原子を有する芳香族結合基である、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載の方法であって、式(1)のアルデヒドが、2-ヒドロキシアセトアルデヒド、2-ブロモアセトアルデヒド、2-ヨードアセトアルデヒド、2-ヒドロキシアセトアルデヒド、エタンジアール(グリオキサール又はオキサルアルデヒドとしても知られている)、オキソエタン酸(2-オキソ酢酸又はグリオキシル酸としても知られている)、2,2,2-トリクロロアセトアルデヒド、4-ヒドロキシ-3,4-ジメトキシベンズアルデヒド(シリングアルデヒド)、4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド(バニリン)、2-ヒドロキシベンズアルデヒド(サリチルアルデヒド)、2-クロロベンズアルデヒド、2-ブロモベンズアルデヒド、2-ヨードベンズアルデヒド、3-ヒドロキシベンズアルデヒド、3-クロロベンズアルデヒド、3-ブロモベンズアルデヒド、3-ヨードベンズアルデヒド、4-ヒドロキシベンズアルデヒド、4-クロロベンズアルデヒド、4-ブロモベンズアルデヒド、4-ヨードベンズアルデヒド、2,4-ジクロロベンズアルデヒド、2,4-ジブロモベンズアルデヒド、2,4-ジヨードベンズアルデヒド、2-ニトロベンズアルデヒド、4-ニトロベンズアルデヒド、2,4-ジニトロベンズアルデヒド、2,4,6-トリニトロベンズアルデヒド、2-ホルミル安息香酸、4-ホルミル安息香酸、及びテレフタルアルデヒドからなる群から選択される、上記方法。
  9. リグノセルロース含有組成物と式1のアルデヒドが25:1~1:1の重量比で存在し、ここで前記アルデヒドがホルムアルデヒドの重量に基づく、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 請求項1~9のいずれか1項に記載の方法であって、ここで工程b)において、リグノセルロース含有組成物と式1のアルデヒドが反応して、式R-L-CH(OR)(OR)のアセタールが生成され、ここでRとRは、リグノセルロース含有組成物に含まれるリグニンポリマーの連続部分であり、リグノセルロース含有組成物と式1のアルデヒドが反応して、好ましくは式2~4の1つ以上のアセタールが生成される、上記方法:
    Figure 2022551188000019
    Figure 2022551188000020
    Figure 2022551188000021
  11. 工程c)が以下のサブ工程を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法:
    c1)リグニンのフラグメント含有相と残留物を分割する工程、
    c2)リグニンのフラグメント含有相から溶媒を除去する工程、
    c3)工程c2)の残留物を溶媒で処理する工程、
    c4)リグニンのフラグメントを分離する工程。
  12. 請求項1~11のいずれか1項に記載の方法であって、R'が、アルケン、アルキン、アルデヒド、無水物、カルボン酸、カルボン酸エステル、塩化アシル、塩化スルホニル、ヒドロキシ、ケトン、エーテル、カルボン酸アミド、ジアゾケトン、アミン、アジド、ニトロ、ニトリル、イソシアネート、ボロン酸、ボロン酸エステル、ボレート、ホウ酸塩、オルガノシラン、チオール、スルホンアミド、スルホネート、スルホン酸、ホスホニウム塩、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、トリフレート、有機マグネシウム(グリニャール)、有機リチウム、有機亜鉛、及びアセチリドから選択される官能基である、上記方法。
  13. 請求項1~12のいずれか1項に記載の方法によって得ることができる、1つ以上の官能基R及び/又はR'を有するリグニンのフラグメント。
  14. 請求項13に記載のリグニンのフラグメントを含む組成物であって、前記フラグメントが、好ましくは式2~4の1つ以上によって表される、組成物:
    Figure 2022551188000022
    Figure 2022551188000023
    Figure 2022551188000024
  15. 請求項13に記載のリグニンのフラグメント又は請求項14に記載の組成物の使用であって、樹脂、接着剤、ポリマー、炭素繊維、コンクリート添加物、断熱材、電気絶縁材、塗料、界面活性剤、フォトレジスト、写真フィルム、抗菌フィルム、抗真菌フィルム、防食コーティング、防水材、潤滑剤、ポリマー用UV吸収添加剤、活性炭、顔料、染料、防食添加剤、難燃剤、触媒、バッテリーアノード、バッテリーカソード、イオノマー、イオン交換樹脂、イオン交換膜、超吸収性ポリマー、ガス透過性膜、UV吸収クリーム(日焼け止めサンブロック又はサンスクリーン)、薬物送達基材、香料送達基材、フレーバー送達基材、食品添加物(抗酸化剤)、食品サプリメント(抗酸化剤)、化粧品添加剤、コンクリートキルン用燃料、発電用燃料、製鋼所用燃料、爆発物、固体ロケット燃料、火薬、無煙火薬、花火、アブレイティブ装甲、反応装甲、殺虫剤、殺菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、日焼けクリーム、及び/又は抗生物質の製造のための、上記使用。
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