従来のテクノロジーにおける前述の技術的な問題を解決するために、本出願は、電子デバイス上のバッテリーが過充電されるのを防止すること、充電の安全上の問題を低減すること、およびバッテリーの寿命に対する充電の悪影響を低減することを行うための電子デバイス、充電方法、および充電システムを提供する。
本出願の第1の態様は、第1のバッテリーと、第2のバッテリーと、充電集積回路と、コントローラとを含む電子デバイスを提供する。
充電集積回路の入力端が、電力アダプタに接続されており、充電集積回路の出力端が、第1のバッテリーの正極に接続されており、第1のバッテリーの負極が、第2のバッテリーの正極に接続されており、第2のバッテリーの負極が接地されている。
コントローラは、プリセット周期性における第1のバッテリーおよび第2のバッテリーのそれぞれの電圧のうちの小さい方の電圧値Vminを取得し、プリセット定格電圧Vfullと小さい方の電圧値Vminとの合計をターゲット電圧Vtargetとして使用するように構成されている。ターゲット電圧Vtargetの式は、下記のとおりである。
Vtarget=Vfull+Vmin
コントローラはさらに、それぞれのプリセット期間に対応するターゲット電圧Vtargetを充電集積回路へ送るように構成されており、それによって充電集積回路は、ターゲット電圧Vtargetに基づいて、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーを充電するための充電モードを制御する。
本出願のこの実施形態においては、充電集積回路は特に、コントローラによって提供されるターゲット電圧Vtargetに基づいて、直列に接続されている2つのバッテリーを充電するための充電モードを制御する。特に、充電集積回路は、直列に接続されている2つのバッテリーを充電するための定電流モードを制御し得るか、または直列に接続されている2つのバッテリーを充電するための定電圧モードを制御し得る。ターゲット電圧Vtargetは、プリセット期間における2つのバッテリーの実際の最小電圧値Vminに基づいて設定される。そのため、充電集積回路は、別々のプリセット期間におけるターゲット電圧Vtargetに基づいてリアルタイムで充電モードを動的にかつ柔軟に制御することが可能である。これは、充電モードの不適切な制御によって引き起こされるバッテリーの過充電を防止する。本出願のこの実施形態において提供される充電デバイスは、バッテリーの過充電を効果的に回避し、バッテリーを充電することの信頼性を改善し、充電の安全上の問題を低減し、バッテリーの寿命に対する充電の悪影響を低減することが可能であるということが知られることが可能である。
任意選択で、前述の技術的な解決策においては、電子デバイスの充電集積回路は、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーが直列に接続された後に生成された端子電圧を取得すること、ならびに端子電圧がターゲット電圧Vtargetに達した場合には、定電流充電から定電圧充電へ切り替えるように充電モードを制御することが可能である。言い換えれば、端子電圧がターゲット電圧Vtargetに達していない場合には、2つのバッテリーは、定電流モードで充電される。端子電圧がターゲット電圧Vtargetに達した場合には、定電流モードは、2つのバッテリーを充電するための定電圧モードへ切り替えられ始める。
バッテリーの電圧サンプリングポイントと、そのバッテリーの電気化学セルとの間にインピーダンスが存在し、直列に接続されているバッテリーどうしのそれぞれの電気化学セルの間における接続ラインにインピーダンスが存在する。結果として、充電電流がより大きくなった場合には、バッテリーどうしが直列に接続された後に、端子電圧がより劇的に変動する。そのため、充電ICが、充電モードをタイムリーに制御して定電圧モードへ切り替える。これは、充電スピードを遅くする。本出願のこの実施形態においては、ターゲット電圧Vtargetは、下記の様式で補正されて、充電スピードに対する変動する端子電圧の影響を低減し得る。
任意選択で、前述の技術的な解決策においては、電子デバイスのコントローラはさらに、ターゲット電圧Vtargetと補正電圧との合計を、補正されたターゲット電圧Vtarget_rとして使用するように構成されており、プリセット期間において、補正されたターゲット電圧Vtarget_rを充電集積回路へ送る。補正電圧は、充電ラインインピーダンスと、プリセット期間において収集された充電電流との積である。充電ラインインピーダンスは、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーが直列に接続された後に生成された端子電圧のサンプリングポイントと、第1のバッテリーの電気化学セルとの間におけるインピーダンスRa、ならびに第1のバッテリーの電気化学セルと、第2のバッテリーの電気化学セルとの間におけるインピーダンス(Rb+Rc)を含む。
補正されたターゲット電圧Vtarget_rの式は、下記のとおりである。
Vtarget_r=Vtarget+(Ra+Rb+Rc)×I
(Ra+Rb+Rc)×Iは、補正電圧である。Raは、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーが直列に接続された後に生成された端子電圧のサンプリングポイントと、第1のバッテリーの電気化学セルとの間におけるインピーダンスである。(Rb+Rc)は、第1のバッテリーの電気化学セルと、第2のバッテリーの電気化学セルとの間におけるインピーダンスである。Iは充電電流である。
補正されたターゲット電圧Vtarget_rは、補正されていないターゲット電圧Vtargetよりも大きく、それによって、ターゲット電圧に対して補償が実施される。そのため、コントローラが、補正されたターゲット電圧Vtarget_rを充電集積回路へ送った後に、充電集積回路は、補正されたターゲット電圧Vtarget_rに基づいて充電モードを切り替える。この方法においては、モード切り替え時間が遅延され、定電圧充電が時期尚早に開始するのが防止される。
任意選択で、前述の技術的な解決策においては、電子デバイスはさらに、第1のスイッチおよび第2のスイッチを含む。第1のスイッチおよび抵抗器が、第1のバッテリーの両端に最初は直列に接続され、次いで並列に接続される。第2のスイッチおよび抵抗器は、第2のバッテリーの両端に最初は直列に接続され、次いで並列に接続される。
電子デバイスのコントローラはさらに、第1のバッテリーの電圧および第2のバッテリーの電圧のうちの大きい方の電圧値Vmaxが第1のプリセット電圧Vtriggerよりも大きく、第1のバッテリーと第2のバッテリーとの間における電圧差が第2のプリセット電圧Vdeltaよりも大きい場合には、大きい方の電圧値Vmaxに対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチを繰り返し閉じられたり開かれたりするように制御し、スイッチが開かれるたびに、第1のバッテリーと第2のバッテリーとの間における電圧差が第3のプリセット電圧Vdoneよりも小さくなるまで、第1のバッテリーの電圧および第2のバッテリーの電圧を収集するように構成されている。第1のプリセット電圧Vtriggerは、プリセット定格電圧Vfullよりも小さく、第1のプリセット電圧Vtriggerは、第2のプリセット電圧Vdeltaよりも大きく、第2のプリセット電圧Vdeltaは、第3のプリセット電圧Vdoneよりも大きいということに留意されたい。
大きい方の電圧値Vmaxが第1のプリセット電圧Vtriggerよりも大きい場合には、そのことが示しているのは、大きい方の電圧値Vmaxに対応するバッテリーがフル充電されつつあるということである。第1のバッテリーと第2のバッテリーとの間における電圧差が第2のプリセット電圧Vdeltaよりも大きい場合には、そのことが示しているのは、2つのバッテリーの間における電圧差が過度に大きく、平衡充電が実行される必要があるということである。そのため、前述の技術的な解決策においては、第1のスイッチおよび第2のスイッチにおける大きい方の電圧値Vmaxに対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチは、繰り返し閉じられたり開かれたりするように制御され、それによって、2つのバッテリーを通って流れる電流は等しくならずに、平衡充電を実施する。平衡充電を通じて、直列に接続されている2つのバッテリーは、可能な限り同期してフル充電されることが可能である。この方法においては、2つのバッテリーの全体的な充電持続時間が短縮される。
任意選択で、前述の技術的な解決策においては、電子デバイスの充電集積回路はさらに、第3のスイッチを含み得る。第3のスイッチは、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーの充電経路に直列に接続されている。言い換えれば、充電集積回路における第3のスイッチが閉じられた場合には、充電集積回路は、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーを充電する。第3のスイッチが開かれた場合には、充電集積回路は、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーを充電するのを停止する。
電子デバイスにおいて、コントローラはさらに、第1のバッテリーと第2のバッテリーとの間における電圧差が第2のプリセット電圧Vdeltaよりも大きく、充電電流が第1のプリセット電流Iterm1よりも小さいと決定した場合には、切断制御信号を充電集積回路へ送るように構成されており、それによって充電集積回路は、第3のスイッチを開かれるように制御し、コントローラはさらに、大きい方の電圧値Vmaxに対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチが閉じられた場合には、接続制御信号を充電集積回路へ送るように構成されており、それによって充電集積回路は、第3のスイッチを閉じられるように制御し、第3のスイッチのその後のオン/オフ状態が、大きい方の電圧値に対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチのオン/オフ状態と整合する。
充電電流が第1のプリセット電流Iterm1よりも小さい場合には、充電プロセスは、ほぼ終了されている。このケースにおいては、比較的高い電圧を有するバッテリーは、フル充電されつつある。しかしながら、2つのバッテリーの間における電圧差は依然として第2のプリセット電圧Vdeltaよりも大きいので、平衡充電がさらに実行される必要がある。この実装においては、平衡が実行されている間、大きい方の電圧値Vmaxに対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチ、および第3のスイッチは、同じオン/オフ状態で動作しているように保たれる。第3のスイッチが開かれるたびに、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーを通って流れる充電電流はなく、コントローラはさらに、電圧収集デバイス(たとえば、アナログ/デジタルコンバータ)を使用することによって第1のバッテリーの電圧および第2のバッテリーの電圧を収集するように構成されている。このケースにおいては、第3のスイッチが開かれるので、2つのバッテリーの収集される電圧はより正確であり、正確さは、充電電流の干渉によって影響されない。さらに、コントローラは、より正確な電圧値に基づいてターゲット電圧Vtargetを設定し、ターゲット電圧Vtargetを充電集積回路へ送って、充電モードを制御し得る。
充電電流が第2のプリセット電流Idoneよりも小さい場合には、そのことが示しているのは、2つのバッテリーがほぼフル充電されているということである。任意選択で、前述の技術的な解決策においては、電子デバイスのコントローラはさらに、充電電流が第2のプリセット電流Idoneよりも小さいと決定した場合には、充電集積回路を制御して、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーを充電するのを停止するように構成されている。これは、継続的な充電によって引き起こされる加速されるバッテリーの経年劣化または過充電のリスクを回避する。
本出願の実施形態はさらに、過充電を回避することの実装を提供する。電子デバイスのコントローラはさらに、ターゲット電圧Vtargetがプリセット定格電圧Vfullの2倍よりも大きいと決定した場合には、プリセット定格電圧Vfullの2倍をターゲット電圧Vtargetとして使用するように構成されている。これは、充電集積回路が充電モードの切り替えを制御する電圧切り替えポイントを変更する。加えて、それぞれのバッテリーのプリセット定格電圧はVfullであるので、ターゲット電圧を2×Vfullに設定することは、バッテリーのさらなる過充電をもたらさない。
任意選択で、前述の技術的な解決策においては、電子デバイスはさらに、第1のアナログ/デジタルコンバータおよび第2のアナログ/デジタルコンバータを含む。
第1のアナログ/デジタルコンバータは、第1のバッテリーの電圧を収集し、第1のバッテリーの電圧を第1のデジタル信号へと変換し、第1のデジタル信号をコントローラへ送るように構成されている。第2のアナログ/デジタルコンバータは、第2のバッテリーの電圧を収集し、第2のバッテリーの電圧を第2のデジタル信号へと変換し、第2のデジタル信号をコントローラへ送るように構成されている。
本出願の第2の態様は、直列に接続されている第1のバッテリーおよび第2のバッテリーを充電する際に適用される充電方法を提供する。この方法は、
プリセット期間における第1のバッテリーの電圧および第2のバッテリーの電圧のうちの小さい方の電圧値Vminを取得するステップと、
プリセット定格電圧Vfullと小さい方の電圧値Vminとの合計をターゲット電圧Vtargetとして使用し、それぞれのプリセット期間に対応するターゲット電圧Vtargetを電子デバイスの充電集積回路へ送り、それによって充電集積回路が、ターゲット電圧Vtargetに基づいて、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーを充電するための充電モードを制御する、ステップとを含む。
ターゲット電圧Vtargetの式は、下記のとおりである。
Vtarget=Vfull+Vmin
本出願のこの実施形態においては、充電集積回路は特に、コントローラによって提供されるターゲット電圧Vtargetに基づいて、直列に接続されている2つのバッテリーを充電するための充電モードを制御する。特に、充電集積回路は、直列に接続されている2つのバッテリーを充電するための定電流モードを制御し得るか、または直列に接続されている2つのバッテリーを充電するための定電圧モードを制御し得る。ターゲット電圧Vtargetは、プリセット期間における2つのバッテリーの実際の最小電圧値Vminに基づいて設定される。そのため、充電集積回路は、別々のプリセット期間におけるターゲット電圧Vtargetに基づいてリアルタイムで充電モードを動的にかつ柔軟に制御することが可能である。これは、充電モードの不適切な制御によって引き起こされるバッテリーの過充電を防止する。本出願のこの実施形態において提供される充電方法は、バッテリーの過充電を効果的に回避し、バッテリーを充電することの信頼性を改善し、充電の安全上の問題を低減し、バッテリーの寿命に対する充電の悪影響を低減することが可能であるということが知られることが可能である。
任意選択で、ターゲット電圧Vtargetを充電集積回路へ送るステップの前に、この方法はさらに、
プリセット期間において、ターゲット電圧Vtargetと補正電圧との合計を、補正されたターゲット電圧Vtarget_rとして使用するステップを含み、補正電圧は、充電ラインインピーダンスと、プリセット期間において収集された充電電流との積であり、充電ラインインピーダンスは、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーが直列に接続された後に生成された端子電圧のサンプリングポイントと、第1のバッテリーの電気化学セルとの間におけるインピーダンス、ならびに第1のバッテリーの電気化学セルと、第2のバッテリーの電気化学セルとの間におけるインピーダンスを含む。
補正されたターゲット電圧Vtarget_rの式は、下記のとおりである。
Vtarget_r=Vtarget+(Ra+Rb+Rc)×I
(Ra+Rb+Rc)×Iは、補正電圧である。Raは、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーが直列に接続された後に生成された端子電圧のサンプリングポイントと、第1のバッテリーの電気化学セルとの間におけるインピーダンスである。(Rb+Rc)は、第1のバッテリーの電気化学セルと、第2のバッテリーの電気化学セルとの間におけるインピーダンスである。Iは充電電流である。
任意選択で、本出願において提供される充電方法はさらに、
第1のバッテリーの電圧および第2のバッテリーの電圧のうちの大きい方の電圧値Vmaxが第1のプリセット電圧Vtriggerよりも大きく、第1のバッテリーと第2のバッテリーとの間における電圧差が第2のプリセット電圧Vdeltaよりも大きい場合には、大きい方の電圧値Vmaxに対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチを繰り返し閉じられたり開かれたりするように制御し、スイッチが開かれるたびに、第1のバッテリーと第2のバッテリーとの間における電圧差が第3のプリセット電圧Vdoneよりも小さくなるまで、第1のバッテリーの電圧および第2のバッテリーの電圧を収集するステップを含む。
第1のプリセット電圧Vtriggerは、プリセット定格電圧Vfullよりも小さく、第1のプリセット電圧Vtriggerは、第2のプリセット電圧Vdeltaよりも大きく、第2のプリセット電圧Vdeltaは、第3のプリセット電圧Vdoneよりも大きい。
任意選択で、充電集積回路は、第3のスイッチを含み、第3のスイッチは、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーの充電経路に直列に接続されている。この方法はさらに、
第1のバッテリーと第2のバッテリーとの間における電圧差が第2のプリセット電圧Vdeltaよりも大きく、充電電流が第1のプリセット電流Iterm1よりも小さいと決定した場合には、切断制御信号を充電集積回路へ送り、それによって充電集積回路が、第3のスイッチを開かれるように制御し、大きい方の電圧値Vmaxに対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチが閉じられた場合には、接続制御信号を充電集積回路へ送り、それによって充電集積回路が、第3のスイッチを閉じられるように制御するステップであって、第3のスイッチのその後のオン/オフ状態が、大きい方の電圧値に対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチのオン/オフ状態と整合する、ステップを含む。
加えて、第3のスイッチが開かれるたびに、電流収集デバイス(たとえば、アナログ/デジタルコンバータ)によって収集される第1のバッテリーおよび第2のバッテリーのそれぞれの電圧がさらに取得される。電圧は、第3のスイッチが開かれた場合に取得され、このケースにおいては、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーを通って流れる充電電流はないので、電圧値は、いかなる充電電流によっても影響されず、より正確である。このケースにおいて収集された電圧値は、ターゲット電圧Vtargetを設定するための基礎として使用され、設定されたターゲット電圧Vtargetは、より信頼できる。
任意選択で、この方法はさらに、充電電流が第2のプリセット電流Idoneよりも小さいと決定した場合には、充電集積回路を制御して、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーを充電するのを停止するステップを含む。これは、継続的な充電によって引き起こされる加速されるバッテリーの経年劣化または過充電のリスクを回避する。
本出願の第3の態様は、直列に接続されている第1のバッテリーおよび第2のバッテリーを充電する際に適用される充電システムを提供する。この充電システムは、充電集積回路およびコントローラを含む。
充電集積回路の入力端が、電力アダプタに接続されるように構成されており、充電集積回路の出力端が、第1のバッテリーの正極に接続されるように構成されており、第1のバッテリーの負極が、第2のバッテリーの正極に接続されており、第2のバッテリーの負極が接地されている。
コントローラは、プリセット期間における第1のバッテリーの電圧および第2のバッテリーの電圧のうちの小さい方の電圧値Vminを取得し、プリセット定格電圧Vfullと小さい方の電圧値Vminとの合計をターゲット電圧Vtargetとして使用し、それぞれのプリセット期間に対応するターゲット電圧Vtargetを充電集積回路へ送るように構成されており、それによって充電集積回路は、ターゲット電圧Vtargetに基づいて、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーを充電するための充電モードを制御する。
ターゲット電圧Vtargetの式は、下記のとおりである。
Vtarget=Vfull+Vmin
本出願のこの実施形態においては、このシステムの充電集積回路は特に、コントローラによって提供されるターゲット電圧Vtargetに基づいて、直列に接続されている2つのバッテリーを充電するための充電モードを制御する。特に、充電集積回路は、直列に接続されている2つのバッテリーを充電するための定電流モードを制御し得るか、または直列に接続されている2つのバッテリーを充電するための定電圧モードを制御し得る。ターゲット電圧Vtargetは、プリセット期間における2つのバッテリーの実際の最小電圧値Vminに基づいて設定される。そのため、充電集積回路は、別々のプリセット期間におけるターゲット電圧Vtargetに基づいてリアルタイムで充電モードを動的にかつ柔軟に制御することが可能である。これは、充電モードの不適切な制御によって引き起こされるバッテリーの過充電を防止する。本出願のこの実施形態において提供されるシステムは、バッテリーの過充電を効果的に回避し、バッテリーを充電することの信頼性を改善し、充電の安全上の問題を低減し、バッテリーの寿命に対する充電の悪影響を低減することが可能であるということが知られることが可能である。
任意選択で、前述の技術的な解決策においては、この充電システムのコントローラはさらに、ターゲット電圧Vtargetと補正電圧との合計を、補正されたターゲット電圧Vtarget_rとして使用し、プリセット期間において、補正されたターゲット電圧Vtarget_rを充電集積回路へ送るように構成されており、補正電圧は、充電ラインインピーダンスと、プリセット期間において収集された充電電流との積であり、充電ラインインピーダンスは、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーが直列に接続された後に生成された端子電圧のサンプリングポイントと、第1のバッテリーの電気化学セルとの間におけるインピーダンス、ならびに第1のバッテリーの電気化学セルと、第2のバッテリーの電気化学セルとの間におけるインピーダンスを含む。
補正されたターゲット電圧Vtarget_rの式は、下記のとおりである。
Vtarget_r=Vtarget+(Ra+Rb+Rc)×I
(Ra+Rb+Rc)×Iは、補正電圧である。Raは、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーが直列に接続された後に生成された端子電圧のサンプリングポイントと、第1のバッテリーの電気化学セルとの間におけるインピーダンスである。(Rb+Rc)は、第1のバッテリーの電気化学セルと、第2のバッテリーの電気化学セルとの間におけるインピーダンスである。Iは充電電流である。
ターゲット電圧は、充電電流が大きい場合に充電速度に対する変動する端子電圧の影響を低減するように補正される。特に、補正されたターゲット電圧Vtarget_rがVtargetよりも大きい場合には、充電集積回路によって充電モードを切り替えるための時間が遅延されることが可能であり、定電圧充電が時期尚早に実行されるのが防止されることが可能である。
任意選択で、本出願のこの実施形態において提供されるシステムはさらに、第1のスイッチおよび第2のスイッチを含む。第1のスイッチおよび抵抗器が、第1のバッテリーの両端に最初は直列に接続され、次いで並列に接続される。第2のスイッチおよび抵抗器は、第2のバッテリーの両端に最初は直列に接続され、次いで並列に接続される。
コントローラはさらに、第1のバッテリーの電圧および第2のバッテリーの電圧のうちの大きい方の電圧値Vmaxが第1のプリセット電圧Vtriggerよりも大きく、第1のバッテリーと第2のバッテリーとの間における電圧差が第2のプリセット電圧Vdeltaよりも大きい場合には、大きい方の電圧値Vmaxに対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチを繰り返し閉じられたり開かれたりするように制御し、スイッチが開かれるたびに、第1のバッテリーと第2のバッテリーとの間における電圧差が第3のプリセット電圧Vdoneよりも小さくなるまで、第1のバッテリーの電圧および第2のバッテリーの電圧を収集するように構成されており、第1のプリセット電圧Vtriggerは、プリセット定格電圧Vfullよりも小さく、第1のプリセット電圧Vtriggerは、第2のプリセット電圧Vdeltaよりも大きく、第2のプリセット電圧Vdeltaは、第3のプリセット電圧Vdoneよりも大きい。
前述の実装においては、大きい方の電圧値Vmaxに対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチ(第1のスイッチまたは第2のスイッチ)が、繰り返し閉じられ、それによって、2つのバッテリーを通って流れる電流は等しくならない。この方法においては、2つのバッテリーの間における電圧差が、可能な限り早く低減され、より小さい電圧を有するバッテリーが、可能な限り早く充電される。
任意選択で、このシステムにおける充電集積回路は、第3のスイッチを含む。
第3のスイッチは、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーの充電経路に直列に接続されている。
コントローラはさらに、第1のバッテリーと第2のバッテリーとの間における電圧差が第2のプリセット電圧Vdeltaよりも大きく、充電電流が第1のプリセット電流Iterm1よりも小さいと決定した場合には、切断制御信号を充電集積回路へ送るように構成されており、それによって充電集積回路は、第3のスイッチを開かれるように制御し、コントローラはさらに、大きい方の電圧値Vmaxに対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチが閉じられた場合には、接続制御信号を充電集積回路へ送るように構成されており、それによって充電集積回路は、第3のスイッチを閉じられるように制御し、第3のスイッチのその後のオン/オフ状態が、大きい方の電圧値に対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチのオン/オフ状態と整合する。
第3のスイッチのオン/オフ状態は、大きい方の電圧値Vmaxに対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチ(第1のスイッチまたは第2のスイッチ)のオン/オフ状態と整合する。そのため、大きい方の電圧値Vmaxに対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチが開かれている場合には、第3のスイッチも開かれる。このケースにおいては、平衡が実行されるだけでなく、2つのバッテリーを通って流れる充電電流がないことも確実にされる。このケースにおいては、2つのバッテリーの電圧が収集され、取得された電圧値は、より正確であり、充電電流によって影響されない。任意選択で、このシステムにおけるコントローラはさらに、ターゲット電圧Vtargetがプリセット定格電圧Vfullの2倍よりも大きいと決定した場合には、プリセット定格電圧Vfullの2倍をターゲット電圧Vtargetとして使用するように構成されている。これは、充電集積回路が充電モードの切り替えを制御する電圧切り替えポイントを変更する。加えて、それぞれのバッテリーのプリセット定格電圧はVfullであるので、ターゲット電圧を2×Vfullに設定することは、バッテリーのさらなる過充電をもたらさない。
任意選択で、このシステムはさらに、第1のアナログ/デジタルコンバータおよび第2のアナログ/デジタルコンバータを含む。
第1のアナログ/デジタルコンバータは、第1のバッテリーの電圧を収集し、第1のバッテリーの電圧を第1のデジタル信号へと変換し、第1のデジタル信号をコントローラへ送るように構成されている。第2のアナログ/デジタルコンバータは、第2のバッテリーの電圧を収集し、第2のバッテリーの電圧を第2のデジタル信号へと変換し、第2のデジタル信号をコントローラへ送るように構成されている。
本出願の第4の態様は、直列に接続されている第1のバッテリーおよび第2のバッテリーを充電する際に適用される充電方法を提供する。この方法は、
それぞれ第1の充電段階、第2の充電段階、および第3の充電段階において、第1のバッテリーの電圧および第2のバッテリーの電圧のうちの小さい方の電圧値Vminを周期的に取得し、プリセット定格電圧Vfullと小さい方の電圧値Vminとの合計を電流充電段階の現在の期間のターゲット電圧Vtargetとして使用し、ターゲット電圧Vtargetを電子デバイスの充電集積回路へ送り、それによって充電集積回路が、ターゲット電圧Vtargetに基づいて、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーを充電するための充電モードを制御する、ステップと、
第1の充電段階において、第1のバッテリーの電圧および第2のバッテリーの電圧のうちの大きい方の電圧値Vmaxが第1のプリセット電圧Vtriggerよりも大きく、第1のバッテリーと第2のバッテリーとの間における電圧差が第2のプリセット電圧Vdeltaよりも大きい場合には、大きい方の電圧値Vmaxに対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチを繰り返し閉じられたり開かれたりするように制御し、スイッチが開かれるたびに、第1のバッテリーと第2のバッテリーとの間における電圧差が第3のプリセット電圧Vdoneよりも小さくなるまで、第1のバッテリーの電圧および第2のバッテリーの電圧を収集し、充電電流が第1のプリセット電流Iterm1よりも小さい場合には、電圧差が第2のプリセット電圧Vdeltaよりも大きいかどうかを決定し、電圧差が第2のプリセット電圧Vdeltaよりも大きい場合には、第2の充電段階に入り、または電圧差が第2のプリセット電圧Vdeltaよりも大きくない場合には、第3の充電段階に入るステップと、
第2の充電段階において、大きい方の電圧値Vmaxに対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチを繰り返し閉じられたり開かれたりするように制御し、充電集積回路を使用することによって、第3のスイッチを繰り返し閉じられたり開かれたりするように制御し、大きい方の電圧値Vmaxに対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチのオン/オフ状態が、第3のスイッチのオン/オフ状態と整合し、大きい方の電圧値Vmaxに対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチ、および第3のスイッチが開かれるたびに、第1のバッテリーと第2のバッテリーとの間における電圧差が第3のプリセット電圧Vdoneよりも小さくなるまで、第1のバッテリーの電圧および第2のバッテリーの電圧を収集し、第3の充電段階に入り、第3のスイッチが、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーの充電経路に直列に接続される、ステップと、
第3の充電段階において、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーを継続的に充電し、充電電流が第2のプリセット電流Idoneよりも小さいと決定した場合には、充電集積回路を制御して、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーを充電するのを停止するステップとを含む。
2つのバッテリーの平衡充電は、第1の充電段階、または第1の充電段階および第2の充電段階を使用することによって実施される。2つのバッテリーは、可能な限り同時にフル充電されることが可能である。それによって、2つのバッテリーの全体的な充電時間が短縮される。加えて、平衡充電プロセスにおいては、2つのバッテリーのそれぞれの電圧は、継続的に収集され、ターゲット電圧を設定するための重要な基礎として使用される。そのため、平衡プロセスにおいてバッテリーの過充電が回避されることも可能である。充電のセキュリティーおよび信頼性が改善される。
従来のテクノロジーと比較されると、本出願は、少なくとも下記の利点を有する。
本出願のこの実施形態において提供される電子デバイスは、直列に接続されている2つのバッテリーと、充電集積回路と、コントローラとを含む。コントローラは、プリセット期間における2つのバッテリーの電圧のうちの小さい方の電圧値を取得し、プリセット定格電圧と小さい方の電圧値との合計をターゲット電圧として使用し、それぞれのプリセット期間に対応するターゲット電圧を充電集積回路へ送る。さらに、充電集積回路は、それぞれのプリセット期間に対応するターゲット電圧に基づいて、2つのバッテリーを充電するための充電モードを制御する。充電プロセスが延長されるにつれて、2つのバッテリーの電圧は徐々に増加し、取得されるターゲット電圧は、それぞれの期間に伴って変化する。充電集積回路が定電圧充電モードまたは定電流充電モードでバッテリーを充電する場合には、定電流充電モードから定電圧充電モードへの切り替えの転換点が、ターゲット電圧に基づいて決定され、ターゲット電圧は、それぞれのプリセット期間に対応する2つのバッテリーの最小電圧値に関連している。そのため、直列に接続されている2つのバッテリーを充電する場合には、充電集積回路は、固定されたターゲット電圧に基づいて充電モードを切り替えるのではなく、それぞれのプリセット期間に対応するターゲット電圧に基づいて充電モードを調整する。これは、バッテリーの過充電の可能性を効果的に低減することが可能である。この技術的な解決策は、バッテリーの過充電を効果的に回避し、バッテリーを充電することの信頼性を改善し、充電の安全上の問題を低減し、バッテリーを損傷から保護することが可能であるということが知られることが可能である。
本出願の実施形態において提供される技術的な解決策を当業者によりよく理解させるために、以降では、添付の図面を参照しながら技術的な解決策について記述する。
電子デバイスにおけるマルチバッテリー構造に基づいて、バッテリーの過充電が、下記の様式で回避されることが可能である。
以降では、図1を参照しながら、バッテリーの過充電を回避することの実装について記述する。
図1は、複数のバッテリーを充電するための回路接続の概略図である。
図1において示されているように、電子デバイスの複数のバッテリーが、バッテリーa、バッテリーb、およびバッテリーcを含む。バッテリーa、バッテリーb、バッテリーcは、直列に接続されており、バッテリーaの負極が、バッテリーbの正極に接続されており、バッテリーbの負極が、バッテリーcの正極に接続されており、バッテリーaの正極が、電力アダプタに直接または間接的に接続されるように構成されており、バッテリーcの負極が接地されている。
図1において、それぞれのバッテリーは、それに対応してバイパススイッチを有しており、バイパス抵抗器が、それぞれのバッテリーバイパスに直列に接続されている。バッテリーaに対応するバイパススイッチが、スイッチAであり、バイパス抵抗器が、それに対応してRbal1である。バッテリーbに対応するバイパススイッチが、スイッチBであり、バイパス抵抗器が、それに対応してRbal2である。バッテリーcに対応するバイパススイッチが、スイッチCであり、バイパス抵抗器が、それに対応してRbal3である。バイパス抵抗器Rbal1、Rbal2、およびRbal3の抵抗値は、同じであってもよく、または異なっていてもよい。実際の適用においては、同じ抵抗値を有するバイパス抵抗器どうしが使用され得、すなわち、Rbal1=Rbal2=Rbal3である。3つのアナログ/デジタルコンバータ(Analog-to-Digital Converter、ADC)は、バッテリーの電圧を収集するようにそれぞれ構成されている。アナログ/デジタルコンバータADC 01、ADC 02、およびADC 03は、バッテリーa、バッテリーb、およびバッテリーcの電圧を収集し、変換を通じて取得された電圧値Va、Vb、およびVcをコントローラ(図1においては示されていない)へそれぞれ送信するようにそれぞれ構成されている。
特定の実装においては、電子デバイスのコントローラは、アナログ/デジタルコンバータADCから取得された電圧値Va、Vb、およびVcに基づいてリアルタイムでそれぞれのバッテリーの電圧値をモニタする。いずれかのバッテリーの電圧がプリセット電圧しきい値よりも高いと決定した場合には、コントローラは、バッテリーのバイパススイッチを閉じられるように制御して分路を実行する。たとえば、Vaがプリセット電圧しきい値よりも大きいと決定した場合には、コントローラは、バッテリーaのバイパススイッチAを閉じられるように制御し、それによって充電経路上の電流の一部がバイパス抵抗器Rbalを通って流れ、バッテリーaを通って流れる電流を低減することによって、バッテリーaの充電スピードが低減される。他のバッテリーの電圧が上昇してVaに近づいた場合には、スイッチAは開かれる。それぞれのバイパススイッチのオン/オフ状態が、前述の様式で制御され、バッテリーの充電プロセスが、バイパス電流を通じて制御されて、バッテリーが過充電されるのを防止する。
前述の実装においては、バイパス電流が小さすぎる場合には、分路効果が明らかではなく、バッテリーの過充電を抑制する効果が明らかではない。バイパス電流が大きすぎる場合には、電子デバイスは容易に熱くなり得る。これは、モバイル電話およびスマートイヤリングなどの小型の電子デバイスにとって許容できない。加えて、バイパス電流が大きすぎる場合には、バッテリーどうしの間における電流の差が、それに応じて大きくなりすぎることがある。このケースにおいては、バッテリーの内部抵抗によって影響されて、サンプリングによって取得されたバッテリー電圧値が著しく変動し、このことは、バッテリーの過充電を防止するために電圧を正確に調節する際の困難を大幅に高める。
以降では、図1を参照しながら、バッテリーの過充電を回避することの別の実装について記述する。
実際の適用においては、バッテリーの充電および放電を交互に行うことによって、バッテリーの過充電が回避され得る。図1において示されているバッテリー構造は、例として使用されており、コントローラ(図1においては示されていない)は、アナログ/デジタルコンバータADCを使用することによって、それぞれのバッテリーの電圧を周期的にサンプリングし、バッテリー(たとえば、バッテリーa)の電圧が高すぎるということに気づいた場合には、電子デバイスのバッテリーを充電するのを停止し、スイッチAを閉じてバッテリーaを放電する。バッテリーaの電圧値が別のバッテリーの電圧値に等しくなるかまたはその電圧値に近くなるまでバッテリーaが放電された場合には、電子デバイスのそれぞれのバッテリーに関して充電が再開される。バッテリーが過充電されない程度に充電プロセス全体が繰り返される。
前述の実装においては、充電プロセスにおいて放電が実行されることがさらに必要である。そのため、バッテリーの充電速度が影響され、ユーザ経験がさらに影響される。加えて、前述の実装においては、バッテリーの充電プロセス全体において過充電を防止することの正確な制御を実施することも困難である。
前述の2つの実装においてバッテリーの過充電を防止することにおける欠陥を考慮して、本出願はさらに、電子デバイス、充電方法、および充電システムを提供する。それぞれのプリセット期間において、電子デバイス上で直列に接続されている2つのバッテリーの収集された電圧値に基づいてターゲット電圧が設定され、そのターゲット電圧に基づいてバッテリーの充電モードが最終的に制御されて、充電プロセスを正確かつ動的に制御してバッテリーの過充電を防止する。
電子デバイスは、モバイル電話もしくはタブレットコンピュータのようなポータブル電子デバイスであり得るか、スマートウォッチのようなインテリジェントなウェアラブル電子デバイスであり得るか、またはディスプレイ機能を主に提供する電子デバイス、たとえば、地下鉄の通路における広告掲示板であり得る。電子デバイスのタイプおよび機能は、本明細書においては限定されない。
図2aは、本出願の実施形態による電子デバイスの回路接続の概略図である。
図2aにおいて示されているように、この実施形態において提供される電子デバイスは、
第1のバッテリーBat1、第2のバッテリーBat2、充電集積回路(integrated circuit、IC)、およびコントローラAPを含む。
第1のバッテリーBat1および第2のバッテリーBat2が、直列に接続されており、第1のバッテリーBat1の負極が、第2のバッテリーBat2の正極に接続されており、第2のバッテリーBat2の負極が接地されている。電子デバイスにおいては、充電ICの入力端が、電力アダプタに接続されるように構成されており、充電ICの出力端が、第1のバッテリーBat1の正極に接続されるように構成されている。
コントローラAPは、電子デバイスの中央処理装置(central processing unit、CPU)のコントローラであり得る。コントローラAPは、電子デバイスの回路に統合され得、または電子デバイス自体から切り離され得る。コントローラAPの実装形式は、本明細書においては限定されない。
コントローラAPは、プリセット期間における第1のバッテリーBat1の電圧および第2のバッテリーBat2の電圧のうちの小さい方の電圧値Vminを取得し、プリセット定格電圧Vfullと小さい方の電圧値Vminとの合計をターゲット電圧Vtargetとして使用し、それぞれのプリセット期間に対応するターゲット電圧Vtargetを充電ICへ送るように構成されており、それによって充電ICは、ターゲット電圧Vtargetに基づいて、第1のバッテリーBat1および第2のバッテリーBat2を充電するための充電モードを制御する。本明細書においては、第1のバッテリーBat1の電圧は、第1のバッテリーBat2の正極と負極との間における電圧である。第2のバッテリーBat2の電圧は、第2のバッテリーBat2の正極と負極との間における電圧である。プリセット期間は、電子デバイスが納品される前に設定されることが可能である。より短い期間は、より正確な制御を示す。たとえば、プリセット期間は、5秒、15秒、30秒などであり得る。
この実施形態においては、第1のバッテリーBat1および第2のバッテリーBat2は、同じ工場仕様を有するバッテリーであり得、同じ定格電圧Vfullを有し得る。第1のバッテリーBat1の電圧が定格電圧Vfullを超えた場合には、第1のバッテリーBat1は過充電されているとみなされる。第2のバッテリーBat2の電圧が定格電圧Vfullを超えた場合には、第2のバッテリーBat2は過充電されているとみなされる。コントローラAPに関しては、Vfullは、ターゲット電圧を取得するために使用されるプリセット電圧値として使用される。そのため、Vfullはさらに、本出願においてはプリセット定格電圧と呼ばれる。
図2aにおいて示されているように、電子デバイスはさらに、第1のアナログ/デジタルコンバータADC1および第2のアナログ/デジタルコンバータADC2を含み得る。第1のアナログ/デジタルコンバータADC1は、第1のバッテリーBat1の電圧を収集し、第1のバッテリーBat1の電圧を第1のデジタル信号Vaへと変換し、第1のデジタル信号Vaをコントローラへ送信するように構成されている。第2のアナログ/デジタルコンバータADC2は、第2のバッテリーBat2の電圧を収集し、第2のバッテリーBat2の電圧を第2のデジタル信号Vbへと変換し、第2のデジタル信号Vbをコントローラへ送信するように構成されている。Vaは、第1のバッテリーの両端の間における電圧を指し、Vbは、第1のバッテリーの両端の間における電圧を指す。
小さい方の電圧値Vminの式に関しては、下記の公式(1)を参照されたく、大きい方の電圧値Vmaxの式に関しては、下記の公式(2)を参照されたい。
Vmin=min{Va,Vb} 公式(1)
Vmax=max{Va,Vb} 公式(2)
VaがVbよりも大きい場合には、Vmin=VbおよびVmax=Vaであり、VaがVbよりも小さい場合には、Vmin=VaおよびVmax=Vbであり、VaがVbに等しい場合には、Vmin=Vmax=Va=Vbであるということが、前述の公式(1)および(2)から知られることが可能である。
コントローラAPは、下記の公式(3)に従ってターゲット電圧Vtargetを設定する。
Vtarget=Vfull+Vmin 公式(3)
実際の適用においては、充電ICが、直列に接続されている第1のバッテリーBat1および第2のバッテリーBat2を充電することを開始した後に、それらの2つのバッテリーの電圧のうちの大きい方の電圧値Vmaxは通常、プリセット定格電圧Vfullを超えない。公式(3)に従って設定されたターゲット電圧Vtargetは、第1のバッテリーBat1および第2のバッテリーBat2の端子電圧Vout以上である。
充電ICは、充電モードの切り替えを制御するコンポーネントであり、充電電流の大きさを制御することが可能である。この実施形態においては、充電ICは、第1のバッテリーBat1および第2のバッテリーBat2が配置されている充電経路上に配置されており、第1のバッテリーBat1および第2のバッテリーBat2を充電するための充電モードを制御するように構成されている。充電ICの機能を理解することを容易にするために、以降では、例示的な図を参照しながら充電ICについて記述する。
図2bは、充電集積回路が充電モードを制御する概略図である。図2bにおいては、横座標は充電時間を表しており、縦座標は電流および電圧を表している。
図2bにおいて、実線によって描かれている曲線s1は、充電ICの制御下で充電時間に伴って充電電流の大きさが変化していることを示す曲線である。一点鎖線によって描かれている曲線s2は、充電ICの制御下で充電時間に伴って端子電圧が変化していることを示す曲線である。端子電圧とは、充電されるバッテリーの組合せ(単一のバッテリーまたは複数バッテリーの組合せ)のサンプリングポイントの電圧であって、かつ充電ICによってサンプリングされる電圧を指す。破線は充電時間t0を表している。t0の前では、充電モードは定電流充電モードであり、定電流充電モードでは、充電電流は一定のままであり、その一方で端子電圧は増加し続けている。t0の後では、充電モードは定電圧充電モードであり、定電圧充電モードでは、端子電圧は一定のままであり、その一方で充電電流は減少し続けている。
図2bにおいて、充電時間t0に対応する端子電圧は、V0である。V0は、充電モードを切り替えるための電圧切り替えポイントと呼ばれる。言い換えれば、端子電圧がV0に達しない場合には、充電ICは、バッテリーを充電するための定電流モードを制御し、端子電圧がV0に達した場合には、充電ICは、バッテリーを充電するための定電圧モードを制御する。言い換えれば、バッテリーが充電された場合には、充電モードは、定電流モードから定電圧モードへ切り替えられる。図2bは、充電ICが充電モードの切り替えを制御するプロセスについて説明および記述する概略図にすぎない。図における曲線s1およびs2は、本出願のこの実施形態の実施を限定することを意図されているものではない。
図2bを参照すると、充電ICは、バッテリーを充電するための定電流モードまたは定電圧モードを制御する機能を有する。この実施形態においては、公式(3)に従ってターゲット電圧Vtargetを設定した後に、コントローラAPは、ターゲット電圧Vtargetを充電ICへ直接送り得る。充電ICは、充電モードの切り替えを制御する電圧切り替えポイントとしてターゲット電圧Vtargetを使用する。加えて、充電ICはまた、リアルタイムで第1のバッテリーBat1および第2のバッテリーBat2の端子電圧Voutを自動的に収集し得る。さらに、充電ICは、ターゲット電圧Vtargetおよび端子電圧Voutに基づいてバッテリーの充電モードを制御し得る。例として、充電ICのモデルは、テキサスインスツルメンツTIのBQ25882の充電集積回路であってよく、またはもちろん充電集積回路の別のモデルであってもよい。充電ICの製造業者および具体的なモデルは、本明細書においては限定されない。
特定の実装においては、端子電圧Voutがターゲット電圧Vtargetに達した場合には、充電ICは、定電流充電から定電圧充電へ切り替えるように充電モードを制御する。言い換えれば、端子電圧Voutがターゲット電圧Vtargetよりも小さい場合には、2つのバッテリーは、定電流モードで充電される。端子電圧Voutがターゲット電圧Vtargetに達した場合には、2つのバッテリーは、定電圧モードで充電される。この実施形態の実際の適用において、第1のバッテリーBat1および第2のバッテリーBat2を充電するための定電圧モードを制御することは、充電電圧が絶対に変化しないということを保証することではなく、比較的安定した電圧でバッテリーを充電することを意味するということに留意されたい。たとえば、定電圧モードでの充電電圧の変動振幅は、プリセット電圧差よりも大きくない。たとえば、プリセット電圧差は80mVである。プリセット電圧差は、電子デバイスにおけるそれぞれのコンポーネントの実際の要件およびパラメータに基づいて設定され得るということが理解され得る。プリセット電圧差は、本明細書においては特に限定されない。
バッテリーの両端の間における電圧は、基本的には、バッテリーの電気化学セルの電圧Voと、バッテリーの内部抵抗の電圧との合計である。バッテリーBat1が例として使用され、第1のバッテリーBat1の端子電圧は、Va=Vo+I*Rという公式を使用することによって表される。充電モードが定電流モードから定電圧モードへ切り替えられた場合には、充電電流は減少する。Iが減少した場合には、バッテリーの内部抵抗の電圧I×Rが減少するということが図2bから理解されることも可能である。このケースにおいては、Voは増加するが、Vaは変化しないままである可能性があり、増加する可能性があり、または減少する可能性がある。
実際の適用においては、充電ICは、直列に接続されている第1のバッテリーBat1および第2のバッテリーBat2を定電流モードで充電し始め、定電圧モードへ切り替える前の期間において、充電されている2つのバッテリーの電圧が継続的に増加しているということが理解され得る。それに対応して、Vminも増加し続けることになる。ターゲット電圧Vtargetが設定されているので、たとえバッテリーが最初にプリセット定格電圧まで充電されても、充電ICは、端子電圧Voutがターゲット電圧Vtargetに達した後に現在のプリセット期間内に端子電圧Voutをターゲット電圧Vtargetで安定化されるようにタイムリーに制御して、端子電圧Voutの継続的な上昇に起因して2つのバッテリーのいずれかが過充電されるのを防止する。
前記は、本出願のこの実施形態において提供される電子デバイスについて記述している。この電子デバイスは、直列に接続されている2つのバッテリーBat1およびBat2と、充電ICと、コントローラAPとを含む。コントローラAPは、プリセット期間における2つのバッテリーの電圧のうちの小さい方の電圧値Vminを取得し、プリセット定格電圧Vfullと小さい方の電圧値Vminとの合計をターゲット電圧Vtargetとして設定し、それぞれのプリセット期間に対応するターゲット電圧Vtargetを充電ICへ送る。さらに、充電ICは、それぞれのプリセット期間に対応するターゲット電圧Vtargetに基づいて、2つのバッテリーを充電するための充電モードを制御する。充電ICは、バッテリーを充電する際に一定の電流または一定の電圧を制御する機能を有する。充電ICは、それぞれのプリセット期間における対応するターゲット電圧Vtargetに基づいて充電モードを制御するので、ターゲット電圧Vtargetは、プリセット期間における2つのバッテリーの実際の最小電圧値Vminに基づいて設定される。そのため、充電ICは、別々のプリセット期間におけるターゲット電圧Vtargetに基づいてリアルタイムで充電モードを動的にかつ柔軟に制御して、充電モードの不適切な制御によって引き起こされるバッテリーの過充電を防止することが可能である。本出願の技術的な解決策においては、バッテリーの過充電が効果的に回避されることが可能であり、バッテリーを充電することの信頼性が改善されることが可能であり、充電の安全上の問題が低減されることが可能であり、バッテリーの寿命に対する充電の悪影響が低減されることが可能であるということが知られることが可能である。
加えて、この電子デバイスは、バイパスによる迂回または繰り返される充電および放電という様式でバッテリーの過充電を抑制しない。そのため、過度に大きいバイパス電流によって引き起こされる加熱の問題および充電の安全性の問題が回避されることが可能であり、バッテリーの充電スピードが影響されない。このようにして、ユーザ経験が改善される。
それぞれのプリセット期間のターゲット電圧Vtargetは、2つのバッテリーの最小電圧値Vminと、プリセット定格電圧Vfullとの合計に基づいてコントローラAPによって設定され、充電後のそれぞれのプリセット期間のターゲット電圧Vtargetは、充電ICが充電モードの切り替えを制御するための重要な基礎として使用される。バッテリーの固定電圧値または定格電圧の代わりに、可変最小電圧値Vminが、ターゲット電圧Vtargetを設定するための基礎として使用され、それによってターゲット電圧Vtargetは、良好なフォルトトレランス能力を有する。たとえば、実際の適用においては、2つのバッテリーの電圧に高低変換(たとえば、Va>VbがVb>Vaへ変化する)が起こり得る。このケースにおいては、2つのバッテリーの電圧に高低変換が起こった後に起こり得るバッテリーの過充電が、ターゲット電圧Vtargetを使用して充電モードの切り替えを制御することによって十分に抑制されることが可能である。
バッテリーの電圧サンプリングポイントと、そのバッテリーの電気化学セルとの間にインピーダンスが存在し、直列に接続されているバッテリーどうしのそれぞれの電気化学セルの間における接続ラインにインピーダンスが存在する。結果として、充電電流がより大きくなった場合には、バッテリーどうしが直列に接続された後に、端子電圧がより劇的に変動する。そのため、充電ICが、充電モードをタイムリーに制御して定電圧モードへ切り替える。これは、充電スピードを遅くする。
これに基づいて、この実施形態において提供される電子デバイスはさらに、ターゲット電圧を補正して、バッテリーどうしが直列に接続された後に変動する端子電圧によって充電スピードが影響されるという問題を解決し得る。
図3は、本出願の実施形態による別の電子デバイスの回路接続の概略図である。
図3において示されているように、充電ラインインピーダンスは、第1のバッテリーBat1の正電圧サンプリングポイントと、第1のバッテリーBat1の電気化学セルとの間における第1のインピーダンスRa、第2のバッテリーBat2の正電圧サンプリングポイントと、第2のバッテリーBat2の電気化学セルとの間における第2のインピーダンスRb、ならびに第1のバッテリーBat1と第2のバッテリーBat2との間の接続ラインにおける第3のインピーダンスRcを含む。第3のインピーダンスRcは、第1のバッテリーBat1の負電圧サンプリングポイントと、第2のバッテリーBat2の正電圧サンプリングポイントとの間に配置されている。第1のバッテリーBatの正電圧サンプリングポイントは、第1のバッテリーBat1および第2のバッテリーBat2が直列に接続された後に取得される端子電圧Voutのサンプリングポイントでもある。
この実施形態においては、第1のインピーダンスRa、第2のインピーダンスRb、および第3のインピーダンスRcは、下記の様式でさらに分類され得る。
充電ラインインピーダンスは、第1のバッテリーの電気化学セルと、第1のバッテリーBat1および第2のバッテリーBat2が直列に接続された後に取得される端子電圧Voutのサンプリングポイントとの間におけるインピーダンス、すなわち、第1のインピーダンスRa、ならびに、第1のバッテリーBat1の電気化学セルと、第2のバッテリーBat2の電気化学セルとの間におけるインピーダンス(特に第2の抵抗器Rbおよび第3の抵抗器Rcを含む)を含む。
電子デバイスのコントローラAP(図3においては示されていない)が、充電電流Iを周期的に取得し得る。可能な実装においては、充電ICが、充電電流Iを収集する機能を有している場合には、コントローラAPは、充電ICを使用することによって、プリセット期間に基づいて充電電流Iを取得する。別の可能な実装においては、充電ICが、充電電流Iを収集する機能を有していない場合には、コントローラAPは、クーロブメータまたはアナログ/デジタルコンバータADCなど、電子デバイスにおける別のコンポーネントを使用することによって、バッテリーの充電電流を取得し得る。
この実施形態においては、コントローラAPはさらに、充電ラインインピーダンスと、プリセット期間において収集された充電電流Iとの積を補正電圧として使用し、ターゲット電圧Vtargetと補正電圧との合計を、補正されたターゲット電圧Vtarget_rとして使用し、プリセット期間において、補正されたターゲット電圧Vtarget_rを充電ICへ送るように構成されており、それによって充電ICは、補正されたターゲット電圧Vtarget_rに基づいて、第1のバッテリーBat1および第2のバッテリーBat2を充電するための充電モードを制御する。ターゲット電圧Vtargetを補正するための式は、下記のとおりである。
Vtarget_r=Vtarget+(Ra+Rb+Rc)×I 公式(5)
公式(5)において、Vtargetはターゲット電圧であり、ターゲット電圧の式に関しては、公式(3)または公式(4)を参照されたい。Raは第1のインピーダンスであり、Rbは第2のインピーダンスであり、Rcは第3のインピーダンスであり、Iは充電電流である。
補正されたターゲット電圧Vtarget_rは、補正されていないターゲット電圧Vtargetよりも大きく、それによって、ターゲット電圧に対して補償が実施される。充電ICにとっては、モード切り替え時間が遅延されることは明らかである。たとえば、充電時間t1において、端子電圧VoutがVtargetに達する。このケースにおいては、充電ICは、定電流モードから定電圧モードへ切り替えるように充電モードを制御しない。充電時間t2(t2はt1よりも大きい)において、端子電圧Voutが、補正されたターゲット電圧Vtarget_rに達した場合には、充電ICは、定電流モードから定電圧モードへ切り替えるように充電モードを制御する。そのため、充電ICが定電流モードでバッテリーを充電する時間期間が延長され、すなわち、その時間期間はt2-t1だけ増加される。t1からt2までの時間間隔においては、充電ICは、依然として定電流モードでバッテリーを充電する。通常、定電流モードでの充電速度は、定電圧モードでの充電速度よりも速い。そのため、バッテリーの充電速度が増加され、それによってバッテリーは、より迅速にフル充電されることが可能であり、ユーザ経験が改善される。
実際の適用においては、充電ICが、直列に接続されている複数のバッテリーを充電する同期速度を制御することは、通常は困難であり、直列に接続されているバッテリーのうちの1つが最初にフル充電される可能性が高い。このケースにおいては、電子デバイス上で直列に接続されている複数のバッテリーが可能な限り同期してフル充電されることを可能にし、全体的なバッテリー充電持続時間を短縮するために、本出願はさらに、バッテリーの平衡充電のための下記の実装を提供する。
図4aは、本出願の実施形態によるさらに別の電子デバイスの回路接続の概略図である。
図4aにおいて示されているように、この実施形態において提供される電子デバイスは、第1のバッテリーBat1、第2のバッテリーBat2、充電IC、コントローラAP、第1のスイッチKA、第2のスイッチKB、第1のアナログ/デジタルコンバータADC1、第2のアナログ/デジタルコンバータADC2、および抵抗器Rbalを含む。
第1のスイッチKAおよび抵抗器Rbalは、第1のバッテリーBat1の両端に最初は直列に接続され、次いで並列に接続される。第2のスイッチKBおよび抵抗器Rbalは、第2のバッテリーBat2の両端に最初は直列に接続され、次いで並列に接続される。
この実施形態においては、複数の電圧値がプリセットされている。第1のプリセット電圧Vtriggerは、プリセット定格電圧Vfullよりも小さく、第1のプリセット電圧Vtriggerは、第2のプリセット電圧Vdeltaよりも大きく、第2のプリセット電圧Vdeltaは、第3のプリセット電圧Vdoneよりも大きい。
たとえば、第1のバッテリーBat1および第2のバッテリーBat2のうちのそれぞれのプリセット定格電圧Vfullは4.4Vであり、第1のプリセット電圧は、プリセット定格電圧に近くてプリセット定格電圧よりも小さい値である。たとえば、第1のプリセット電圧Vtriggerは4.1Vである。
第1のバッテリーBat1の電圧Vaおよび第2のバッテリーBat2の電圧Vbのうちの大きい方の電圧値Vmaxが第1のプリセット電圧Vtriggerよりも大きい、すなわち、max{Va,Vb}>Vtriggerである場合には、それらの2つのバッテリーのうちの少なくとも1つがフル充電されつつある。
第1のバッテリーBat1と第2のバッテリーBat2との間における電圧差は、|Va-Vb|として表され得る。第1のバッテリーBat1の電圧Vaおよび第2のバッテリーBat2の電圧Vbのうちの大きい方の電圧値Vmaxが第1のプリセット電圧Vtriggerよりも大きい、すなわち、max{Va,Vb}>Vtriggerであり、第1のバッテリーBat1と第2のバッテリーBat2との電圧差|Va-Vb|が第2のプリセット電圧Vdeltaよりも大きい、すなわち、|Va-Vb|>Vdeltaである場合には、そのことが示しているのは、1つのバッテリーがフル充電されつつあるが、2つのバッテリーの間における電圧差が大きく、平衡充電を有効にすることが必要であり、それによって充電ICは、より小さな電圧で時間内にバッテリーを再充電することが可能であるということである。たとえば、第2のプリセット電圧Vdeltaは10mVである。
平衡充電が有効にされた後には、2つのバッテリーの電圧は徐々に近づき、第1のバッテリーBat1と第2のバッテリーBat2との間における電圧差|Va-Vb|は小さくなる。電圧差|Va-Vb|が第3のプリセット電圧Vdoneよりも小さい、すなわち、|Va-Vb|<Vdoneである場合には、2つのバッテリーの間における電圧差は十分に小さく、バッテリーレベルどうしは、平衡を終了するのに十分なほど近いと決定されることが可能である。たとえば、第3のプリセット電圧Vdoneは5mVである。
理解を容易にするために、以降では、平衡充電の具体的なプロセスについて記述する。
特定の実装においては、電子デバイスのコントローラAPはさらに、第1のバッテリーBat1の電圧Vaおよび第2のバッテリーBat2の電圧Vbのうちの大きい方の電圧値Vmaxが第1のプリセット電圧Vtriggerよりも大きく、第1のバッテリーBat1と第2のバッテリーBat2との間における電圧差が第2のプリセット電圧Vdeltaよりも大きい場合には、大きい方の電圧値Vmaxに対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチを繰り返し閉じられたり開かれたりするように制御し、スイッチが開かれるたびに、第1のバッテリーBat1と第2のバッテリーBat2との間における電圧差が第3のプリセット電圧Vdoneよりも小さくなるまで、第1のバッテリーBat1の電圧Vaおよび第2のバッテリーBat2の電圧Vbを収集するように構成されている。
例として、Vmax=Vaであり、Vmax>Vtriggerであり、|Va-Vb|がVdeltaよりも大きい、たとえば、Va=4.4V、Vb=4.35V、Vdelta=10mVであって、かつ|Va-Vb|=50mV>10mVであることが明らかである場合には、コントローラAPは、第1のスイッチKAを閉じられるように、および第2のスイッチKBを開いているように制御し、それによって、第1のバッテリーBat1を通って流れる電流が、第2のバッテリーBat2を通って流れる電流に等しくなくなる。Bat1を通って流れる電流が、Bat2を通って流れる電流よりも小さいということは明らかである。そのため、2つのバッテリーBat1およびBat2の間における電圧差が低減される。時間の期間Tbalの後に、コントローラAPは、第1のスイッチKAを開かれるように制御する。第1のスイッチKAの繰り返される開閉プロセスにおいては、第2のスイッチKBは常に開かれている。
KAが閉じられている場合には、第1のバッテリーBat1は放電され得るということが理解され得る。これはさらに、2つのバッテリーの電流を等しくないようにして、2つのバッテリーの間における電圧差を可能な限り早く短縮する。
第1のスイッチKAが開かれている場合には、VaおよびVbを収集することは、2つのバッテリーの電圧収集環境が整合していることを確実にすることが可能である。これは、収集エラーおよび計算エラーを低減し、平衡プロセスにおける充電制御の精度を改善する。VaおよびVbを収集することの安定性および精度を改善するために、VaおよびVbは、第1のスイッチKAが時間の期間Trelaxにわたって開かれた後にさらに収集され得る。
別の例においては、Vmax=Vbであり、Vmax>Vtriggerであり、|Va-Vb|がVdeltaよりも大きい場合には、コントローラAPは、第2のスイッチKBを閉じられるように制御する。第1のバッテリーBat1を通って流れる電流は、第2のバッテリーBat2を通って流れる電流に等しくない。第2のバッテリーBat2を通って流れる電流と比較されると、第1のバッテリーBat1を通って流れる電流は、第1のバッテリーBat1を充電するために、および可能な限り早く電力の平衡を促進するために、より大きい。時間の期間Tbalの後に、コントローラAPは、第2のスイッチKBを開かれるように制御する。第2のスイッチKBの繰り返される開閉プロセスにおいては、第1のスイッチKAは常に開かれている。第2のスイッチKBが開かれている場合には、VaおよびVbを収集することは、2つのバッテリーの電圧収集環境が整合していることを確実にすることが可能である。これは、収集エラーおよび計算エラーを低減し、平衡プロセスにおける充電制御の精度を改善する。VaおよびVbを収集することの安定性および精度を改善するために、VaおよびVbは、第2のスイッチKBが時間の期間Trelaxにわたって開かれた後にさらに収集され得る。
平衡プロセスにおいては、大きい方の電圧値Vmaxに対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチが開かれた後にVaおよびVbが収集される後たびに、電圧差|Va-Vb|が第3のプリセット電圧Vdoneと比較され得る。電圧差|Va-Vb|が第3のプリセット電圧Vdoneよりも小さい場合には、そのことが示しているのは、2つのバッテリーの間における電圧差が十分に小さいということであり、このケースにおいては、平衡が停止され得る。しかしながら、電圧差|Va-Vb|が第3のプリセット電圧Vdone以上である場合には、そのことが示しているのは、2つのバッテリーの間における電圧差がまだ十分に小さくなく、2つのバッテリーの電力レベルの間には依然として大きな差があるということである。このケースにおいては、大きい方の電圧値Vmaxに対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチ(第1のスイッチKAまたは第2のスイッチKB)の前述の繰り返される開閉操作がさらに繰り返されて、バッテリー上での平衡充電を継続的に実行する必要がある。
2つのバッテリーの電圧が収集された場合には、充電ICは、2つのバッテリーを引き続き充電する。結果として、充電電流は、依然として2つのバッテリーを通って流れる。このことは、依然としてバッテリー電圧収集の正確さに影響を与え得る。さらにサンプリングの正確さを改善し、収集されるVaおよびVbの精度を改善するために、本出願のこの実施形態において提供される電子デバイスはさらに、第3のスイッチKCを含み得る。
図4aにおいて示されているように、第3のスイッチKCは、充電ICに配置されており、第3のスイッチKCは、第1のバッテリーBat1および第2のバッテリーBat2の充電経路に直列に接続されている。充電ICは、電圧変換回路を含み、電圧変換回路は、コントローラAPに接続されており、また第3のスイッチKCに接続されている。充電ICが2つのバッテリーを充電する際には、第3のスイッチKCは、デフォルトで閉じられる。
コントローラAPはさらに、第1のバッテリーBat1と第2のバッテリーBat2との間における電圧差|Va-Vb|が第2のプリセット電圧Vdeltaよりも大きく、充電電流Iが第1のプリセット電流Iterm1よりも小さいと決定した場合には、切断制御信号を充電ICへ送るように構成されており、それによって充電ICは、第3のスイッチKCを開いているように制御し、コントローラAPはさらに、大きい方の電圧値Vmaxに対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチが閉じられた場合には、接続制御信号を充電ICへ送るように構成されており、それによって充電ICは、第3のスイッチを閉じられるように制御する。
充電電流Iが第1のプリセット電流Iterm1よりも小さい場合には、充電は、ほぼ終了されている。そのことが示しているのは、比較的高い電圧を有するバッテリーがフル充電されつつあるということである。しかしながら、電圧差|Va-Vb|は依然として第2のプリセット電圧Vdeltaよりも大きいので、平衡がさらに実行される必要がある。平衡のこの段階においては、大きい方の電圧値Vmaxに対応するバッテリーと並列に接続されているスイッチ(第1のスイッチKAまたは第2のスイッチKB)の繰り返される開閉操作が、繰り返し制御される。コントローラAPは、スイッチを閉じられたり開かれたりするように制御しながら充電ICへ信号を送り、それによって充電ICにおける第3のスイッチKCは、繰り返し閉じられたり開かれたりする。第3のスイッチKCを繰り返し開閉するプロセスにおいて、充電ICは、第3のスイッチKCが閉じられている期間においてのみ、第1のバッテリーBat1および第2のバッテリーBat2を充電する。言い換えれば、充電ICは、パルス電流を使用することによって2つのバッテリーを充電する。
平衡プロセスにおいては、大きい方の電圧値Vmaxに対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチ(第1のスイッチKAまたは第2のスイッチKB)は、閉じられるように制御され、それによって、第1のバッテリーBat1を通って流れる電流は、第2のバッテリーBat2を通って流れる電流に等しくならない。このようにして、2つのバッテリーの間における電圧差が低減され、電圧の平衡が達成される。
言い換えれば、第1のバッテリーBat1の電圧がより大きい場合には、第1のスイッチKAを閉じられるように制御する際に、コントローラAPはさらに、制御信号を送ることによって、充電ICを制御して第3のスイッチKCを閉じられるように制御し、または第1のスイッチKAを開いているように制御する際に、コントローラAPはさらに、制御信号を送ることによって、充電ICを制御して第3のスイッチKCを開かれるように制御する。第2のバッテリーBat2の電圧がより大きい場合には、第2のスイッチKBを閉じられるように制御する際に、コントローラAPはさらに、制御信号を送ることによって、充電ICを制御して第3のスイッチKCを閉じられるように制御し、または第2のスイッチKBを開いているように制御する際に、コントローラAPはさらに、制御信号を送ることによって、充電ICを制御して第3のスイッチKCを開かれるように制御する。
上述されているように、平衡プロセスにおいては、VaおよびVbは、大きい方の電圧値Vmaxに対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチが開かれていることを前提として収集される。そのスイッチが開かれている場合には、充電ICは、第3のスイッチKCも開かれるように制御する。そのため、2つのバッテリーを通って流れる充電電流はない。このケースにおいては、2つのバッテリーは充電も放電もされず、第1のアナログ/デジタルコンバータADC1によってコントローラAPへ送られる第1のデジタル信号Vaおよび第2のアナログ/デジタルコンバータADC2によってコントローラAPへ送られる第2のデジタル信号Vbの正確さが改善される。VaおよびVbの正確さが改善され、平衡充電制御および充電モード(定電流または定電圧)制御の両方がVaおよびVbに依存するので、平衡充電制御および充電モード制御の精度が改善されるということが理解され得る。そのため、この実施形態において提供される電子デバイスは、バッテリーの過充電を防止する比較的良好な効果、および平衡充電の比較的良好な効果を有し、バッテリーおよび電子デバイス全体は、使用される上でさらに安全になる。
この実施形態におけるコントローラAPはさらに、VaおよびVbを収集しながら充電電流Iを収集し、充電電流Iおよび第2のプリセット電流Idoneの値を決定し、充電電流Iが第2のプリセット電流Idoneよりも小さい場合には、充電ICを制御して、第1のバッテリーBat1および第2のバッテリーBat2を充電するのを停止するように構成されている。第2のプリセット電流Idoneは、第1のプリセット電流Iterm1よりも小さい。充電電流Iが第2のプリセット電流Idoneよりも小さい場合には、2つのバッテリーのそれぞれが、最終的に定格電圧Vfullまで充電される。
前述の実施形態において提供されている電子デバイスは、安全で十分に充電されていないケースにおいて少なくとも1つのバッテリーを迅速にフル充電することが可能である。電子デバイスと電源(またはアダプタ)との間における充電ケーブルをユーザが抜かない場合には、複数のバッテリーのうちでより低い電圧を有するバッテリーが連続してフル充電され得る。この電子デバイスは、バッテリーの過充電を回避することが可能であり、そのため、バッテリーの充電の安全性が改善される。加えて、複数のバッテリーが均等に充電され、それによってバッテリーは、強固なバッテリー寿命を有し、ユーザ経験が改善される。
以降では、記述のために平衡充電プロセスを3つの段階へと分ける。
以降で記述されている第1の充電段階、第2の充電段階、および第3の充電段階においては、コントローラAPは、第1のバッテリーBat1の電圧Vaおよび第2のバッテリーBat2の電圧Vbのうちの小さい方の電圧値Vminを周期的に取得し、プリセット定格電圧Vfullと小さい方の電圧値Vminとの合計を電流充電段階の現在の期間のターゲット電圧Vtargetとして使用し、ターゲット電圧Vtargetを充電ICへ送り、それによって充電ICは、ターゲット電圧Vtargetに基づいて、第1のバッテリーBat1および第2のバッテリーBat2を充電するための充電モードを制御するということに留意されたい。言い換えれば、充電ICは、平衡プロセス全体においてコントローラAPによって設定されたターゲット電圧Vtargetに基づいて充電モードの切り替えを制御する。
理解を容易にするために、バッテリー上で平衡充電を実行するプロセスにおける時間に伴う充電電流および充電電圧の変化が、以降で図4bを参照しながら記述される。
図4bは、本出願の実施形態に従ってバッテリー上で平衡充電を実行する充電曲線の概略図である。図4bにおいては、横座標は充電時間を表しており、縦座標は電流および電圧を表している。
図4bにおいて、実線によって描かれている曲線s3は、充電ICの制御下で充電時間に伴って充電電流の大きさが変化していることを示す曲線である。一点鎖線によって描かれている曲線s4は、充電ICの制御下で充電時間に伴って端子電圧が変化していることを示す曲線である。
第1の充電段階において、第1のバッテリーBat1の電圧および第2のバッテリーBat2の電圧のうちの大きい方の電圧値Vmaxが第1のプリセット電圧Vtriggerよりも大きく、第1のバッテリーBat1と第2のバッテリーBat2との間における電圧差|Va-Vb|が第2のプリセット電圧Vdeltaよりも大きい場合には、大きい方の電圧値Vmaxに対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチが、繰り返し閉じられたり開かれたりするように制御され、スイッチが開かれるたびに、第1のバッテリーBat1と第2のバッテリーBat2との間における電圧差|Va-Vb|が第3のプリセット電圧Vdeltaよりも小さくなるまで、第1のバッテリーBat1の電圧Vaおよび第2のバッテリーBat2の電圧Vbが収集され、充電電流が第1のプリセット電流Iterm1よりも小さい場合には、電圧差|Va-Vb|が第2のプリセット電圧Vdeltaよりも大きいかどうかが決定され、電圧差|Va-Vb|が第2のプリセット電圧Vdeltaよりも大きい場合には、第2の充電段階が開始し、または電圧差|Va-Vb|が第2のプリセット電圧Vdeltaよりも大きくない場合には、第3の充電段階が開始する。
実際の適用においては、2つのバッテリーの端子電圧Voutが第1の充電段階(t3より前)で初めてターゲット電圧Vtargetに達し得る場合には、充電ICは、充電モードを制御して充電のための定電圧モードへ切り替える。図4bにおいて示されているVtargetは、定電圧モードへの切り替えのポイントにすぎない。t3の後のプリセット期間においては、充電が続くにつれて、ターゲット電圧Vtargetは増加し得る。
第2の充電段階(パルス充電段階)において、コントローラAPは、大きい方の電圧値Vmaxに対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチを繰り返し閉じられたり開かれたりするように制御し、充電ICを使用することによって、第3のスイッチKCを繰り返し閉じられたり開かれたりするように制御し、大きい方の電圧値Vmaxに対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチのオン/オフ状態が、第3のスイッチKCのオン/オフ状態と整合し、コントローラAPは、大きい方の電圧値Vmaxに対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチおよび第3のスイッチKCが開かれるたびに、第1のバッテリーBat1と第2のバッテリーBat2との間における電圧差が第3のプリセット電圧Vdoneよりも小さくなるまで、第1のバッテリーBat1の電圧Vaおよび第2のバッテリーBat2の電圧Vbを制御し、第3の充電段階に入る。
図4bにおいて、t3からt4までの充電時間間隔は、第2の充電段階に対応し、充電電流は間隔パルスの形態であり、これは、第3のスイッチKCを繰り返し開閉することによってバッテリー上で平衡が実行されるということを示している。
第3の充電段階において、第1のバッテリーBat1および第2のバッテリーBat2は、継続的に充電され、充電電流が第2のプリセット電流Idoneよりも小さいと決定した場合には、充電ICは、第1のバッテリーBat1および第2のバッテリーBat2を充電するのを停止するように制御される。
図4bにおいて、充電時間t4の後の間隔は、第3の充電段階に対応し、充電電流は徐々に減少し、これは、第1のバッテリーBat1および第2のバッテリーBat2が平衡のその後の段階で徐々にフル充電されるということを示している。
充電モードは、定電圧モードへ切り替えられているが、端子電圧は、第1の充電モード切り替えポイントV1から、プリセット定格電圧の2倍、すなわち2×Vfullへ依然としてわずかに増加しているということが図4bから知られることが可能である。電圧が2×Vfullに達した場合には、両方のバッテリーがフル充電される。たとえば、図4bにおいて示されている第1の充電モード切り替えポイントV1は、8.65Vであり、2×Vfullは、8.8Vである。
実際の適用においては、バッテリー環境が変化した場合には、プリセット定格電圧は、環境変化に伴って更新され、たとえば、プリセット定格電圧は小さくなる。結果として、2つのバッテリーの電圧は、プリセット定格電圧を超える。このケースにおいては、過充電のさらなる影響を回避するために、抑制措置が直ちに取られる必要がある。これは、ターゲット電圧Vtargetが公式(3)に従って引き続き設定される場合には、充電モードが時間内に切り替えられないことがあるからである。これは、継続的な過充電につながる。
この問題を解決するために、本出願のこの実施形態において提供される電子デバイスにおいては、コントローラAPはさらに、ターゲット電圧Vtargetがプリセット定格電圧の2倍よりも大きいと決定した場合には、プリセット定格電圧の2倍をターゲット電圧として使用するように構成され得る。
言い換えれば、(Vfull+Vmin)>2×Vfullである場合には、ターゲット電圧Vtargetは、下記の公式(4)に従って再設定される。
Vtarget=2×Vfull 公式(4)
コントローラAPは、公式(4)に従ってターゲット電圧Vtargetを設定し、ターゲット電圧Vtargetを充電ICへ送り、それによって充電ICは、プリセット期間における充電モードの切り替えを制御するための切り替えポイントとしてターゲット電圧Vtargetを使用して、定電圧モードへのタイムリーでない切り替えによって引き起こされるバッテリーの過充電を防止することが可能である。
前述の実施形態において提供されている電子デバイスに基づいて、それに対応して、本出願はさらに充電システムを提供する。この充電システムは、直列に接続されている複数のバッテリーを充電するように構成されている。以降では、実施形態および添付の図面を参照しながら、充電システムの特定の実装について記述する。
図5は、本出願の実施形態による充電システムの構造の概略図である。
図5において示されているように、この実施形態において提供される充電システムは、充電集積回路501(略して充電IC)およびコントローラAPを含む。
充電集積回路501は、電子デバイスに配置され、電子デバイス内に特別に統合され得るか、または電子デバイスに取り外し可能に設置され得る。コントローラAPは、電子デバイスのCPUのコントローラであり得るか、または電子デバイスから独立したコントローラであり得る。
この充電システムは、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーを充電するように構成されており、それらの2つのバッテリーは、直列に接続されている。充電集積回路501の入力端が、電力アダプタに接続されるように構成されており、充電集積回路501の出力端が、第1のバッテリーの正極に接続されるように構成されており、第1のバッテリーの負極が、第2のバッテリーの正極に接続されており、第2のバッテリーの負極が接地されている。この実施形態において提供される充電システムにおける充電集積回路501と充電される2つのバッテリーとの間における接続関係に関しては、前述の実施形態において記述されている電子デバイスに関連した回路接続の概略図を参照されたい。詳細に関しては、図2aから図4aを参照されたい。
コントローラAPは、プリセット期間における第1のバッテリーの電圧および第2のバッテリーの電圧のうちの小さい方の電圧値を取得し、プリセット定格電圧と小さい方の電圧値との合計をターゲット電圧として使用し、それぞれのプリセット期間に対応するターゲット電圧を充電集積回路501へ送るように構成されており、それによって充電集積回路501は、ターゲット電圧に基づいて、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーを充電するための充電モードを制御する。
充電集積回路501は、バッテリーを充電する際に一定の電流または一定の電圧を制御する機能を有する。充電集積回路501は、それぞれのプリセット期間における対応するターゲット電圧に基づいて充電モードを制御し、ターゲット電圧は、プリセット期間における2つのバッテリーの実際の最小電圧値に基づいて設定されるので、充電集積回路501は、別々のプリセット期間におけるターゲット電圧に基づいてリアルタイムで充電モードを動的にかつ柔軟に制御して、充電モードの不適切な制御によって引き起こされるバッテリーの過充電を防止することが可能である。本出願のこの実施形態において提供される充電システムは、バッテリーの過充電を効果的に回避し、バッテリーを充電することの信頼性を改善し、充電の安全上の問題を低減し、バッテリーの寿命に対する充電の悪影響を低減することが可能であるということが知られることが可能である。
加えて、この充電システムにおいては、バッテリーの過充電は、バイパスによる迂回または繰り返される充電および放電という様式で防止されることはない。そのため、過度に大きいバイパス電流によって引き起こされる加熱の問題および充電の安全性の問題が回避されることが可能であり、バッテリーの充電スピードが影響されない。このようにして、ユーザ経験が改善される。
それぞれのプリセット期間のターゲット電圧は、2つのバッテリーの最小電圧値と、プリセット定格電圧とに基づいてコントローラAPによって設定され、充電後のそれぞれのプリセット期間のターゲット電圧は、充電集積回路501によって充電モードの切り替えを制御するための重要な基礎として使用される。バッテリーの固定電圧値または定格電圧の代わりに、可変最小電圧値が、ターゲット電圧を設定するための基礎として使用され、それによってターゲット電圧は、良好なフォルトトレランス能力を有する。たとえば、実際の適用においては、2つのバッテリーの電圧に高低変換が起こり得る。このケースにおいては、2つのバッテリーの電圧に高低変換が起こった後に起こり得るバッテリーの過充電が、ターゲット電圧を使用して充電モードの切り替えを制御することによって十分に抑制されることが可能である。
バッテリーの電圧サンプリングポイントと、そのバッテリーの電気化学セルとの間にインピーダンスが存在し、直列に接続されているバッテリーどうしのそれぞれの電気化学セルの間における接続ラインにインピーダンスが存在する。結果として、充電電流がより大きくなった場合には、バッテリーどうしが直列に接続された後に、端子電圧がより劇的に変動する。そのため、充電集積回路501は、充電モードをタイムリーに制御して定電圧モードへ切り替える。これは、充電スピードを遅くする。
これに基づいて、この実施形態において提供される充電システムはさらに、ターゲット電圧を補正して、バッテリーどうしが直列に接続された後に変動する端子電圧によって充電スピードが影響されるという問題を解決し得る。
このシステムにおいては、コントローラAPはさらに、ターゲット電圧と補正電圧との合計を、補正されたターゲット電圧として使用し、プリセット期間において、補正されたターゲット電圧を充電集積回路501へ送るように構成されている。補正電圧は、充電ラインインピーダンスと、プリセット期間において収集された充電電流との積である。充電ラインインピーダンスは、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーが直列に接続された後に生成された端子電圧のサンプリングポイントと、第1のバッテリーの電気化学セルとの間におけるインピーダンス、ならびに第1のバッテリーの電気化学セルと、第2のバッテリーの電気化学セルとの間におけるインピーダンスを含む。
補正されたターゲット電圧は、ターゲット電圧に対して補償を実施するために、補正されていないターゲット電圧に比べて増加する。充電集積回路501にとっては、バッテリーどうしが直列に接続された後に生成される端子電圧が、補正されたターゲット電圧に達するスピードが減速されること、すなわち、充電モードが切り替えられる時点が、それに対応して遅延されることは明らかである。このようにして、充電集積回路501は、定電圧充電の前に、一定の電流でバッテリーを充電するためのさらに多くの時間を有し得る。これは、バッテリーの充電スピードを改善し、それによってバッテリーは、より迅速にフル充電されることが可能であり、ユーザ経験が改善される。
実際の適用においては、充電集積回路501が、直列に接続されている複数のバッテリーを充電する同期速度を制御することは、通常は困難であり、直列に接続されているバッテリーのうちの1つが最初にフル充電される可能性が高い。このケースにおいては、直列に接続されている複数のバッテリーが可能な限り同期してフル充電されることを可能にし、全体的なバッテリー充電持続時間を短縮するために、本出願はさらに、バッテリーの平衡充電のための下記の実装を提供する。
図6は、本出願の実施形態による別の充電システムの構造の概略図である。
図6において示されているように、この充電システムは、充電集積回路501およびコントローラAPを含み、さらに第1のスイッチKAおよび第2のスイッチKBを含む。
第1のスイッチおよび抵抗器が、第1のバッテリーの両端に最初は直列に接続され、次いで並列に接続される。第2のスイッチおよび抵抗器は、第2のバッテリーの両端に最初は直列に接続され、次いで並列に接続される。
コントローラAPはさらに、第1のバッテリーの電圧および第2のバッテリーの電圧のうちの大きい方の電圧値が第1のプリセット電圧よりも大きく、第1のバッテリーと第2のバッテリーとの間における電圧差が第2のプリセット電圧よりも大きい場合には、大きい方の電圧値に対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチを繰り返し閉じられたり開かれたりするように制御し、スイッチが開かれるたびに、第1のバッテリーと第2のバッテリーとの間における電圧差が第3のプリセット電圧よりも小さくなるまで、第1のバッテリーの電圧および第2のバッテリーの電圧を収集するように構成されている。
第1のプリセット電圧は、プリセット定格電圧よりも小さく、第1のプリセット電圧は、第2のプリセット電圧よりも大きく、第2のプリセット電圧は、第3のプリセット電圧よりも大きい。
前述の様式においては、直列に接続されている2つのバッテリーは均等に充電され、それによって、比較的低い電圧を有するバッテリーが迅速に充電されることが可能である。このことは、2つのバッテリーの全体的なバッテリー寿命を改善する。
2つのバッテリーの電圧が収集された場合には、充電ICは、2つのバッテリーを引き続き充電する。結果として、充電電流は、依然として2つのバッテリーを通って流れる。このことは、依然としてバッテリー電圧収集の正確さに影響を与え得る。さらにサンプリングの正確さを改善し、収集されるVaおよびVbの精度を改善するために、本出願の実施形態はさらに、さらに別の充電システムを提供する。
図7は、本出願の実施形態によるさらに別の充電システムの構造の概略図である。
図7において示されているように、図6において示されている充電システムと比較されると、この充電システムはさらに、充電集積回路501という基礎の上に第3のスイッチKCを含む。
第3のスイッチKCは、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーの充電経路に直列に接続されている。回路における第3のスイッチと別のコンポーネントとの間における接続関係に関しては、図4aを参照されたい。
コントローラAPはさらに、第1のバッテリーと第2のバッテリーとの間における電圧差が第2のプリセット電圧よりも大きく、充電電流が第1のプリセット電流よりも小さいと決定した場合には、切断制御信号を充電集積回路へ送るように構成されており、それによって充電集積回路は、第3のスイッチを開かれるように制御し、コントローラAPはさらに、大きい方の電圧値に対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチが閉じられた場合には、接続制御信号を充電集積回路へ送るように構成されており、それによって充電集積回路は、第3のスイッチを閉じられるように制御する。
上述されているように、平衡プロセスにおいては、VaおよびVbは、大きい方の電圧値に対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチが開かれていることを前提として収集される。そのスイッチが開かれている場合には、充電集積回路501は、第3のスイッチKCも開かれるように制御し、それによって、2つのバッテリーを通って流れる充電電流はなくなる。この方法においては、2つのバッテリーの取得される電圧VaおよびVbは、より正確である。VaおよびVbの正確さが改善され、平衡充電制御および充電モード(定電流または定電圧)制御の両方がVaおよびVbに依存するので、平衡充電制御および充電モード制御の精度が改善されるということが理解され得る。そのため、この実施形態において提供される充電システムは、バッテリーの過充電を防止する比較的良好な効果、および平衡充電の比較的良好な効果を有し、バッテリーおよび充電システムは、使用される上でさらに安全になる。
図8は、本出願の実施形態によるまたさらに別の充電システムの構造の概略図である。
図8において示されているように、この充電システムはさらに、第1のアナログ/デジタルコンバータADC1および第2のアナログ/デジタルコンバータADC2を含む。
第1のアナログ/デジタルコンバータADC1は、第1のバッテリーの電圧を収集し、第1のバッテリーの電圧を第1のデジタル信号へと変換し、第1のデジタル信号をコントローラAPへ送るように構成されている。
第2のアナログ/デジタルコンバータADC2は、第2のバッテリーの電圧を収集し、第2のバッテリーの電圧を第2のデジタル信号へと変換し、第2のデジタル信号をコントローラAPへ送るように構成されている。
第1のアナログ/デジタルコンバータADC1または第2のアナログ/デジタルコンバータADC2はさらに、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーが配置されている充電経路の充電電流を収集するように構成され得る。加えて、このシステムはさらに、充電電流を収集するように構成されているクーロブメータを含み得る。
コントローラAPはさらに、充電電流が第2のプリセット電流よりも小さいと決定した場合には、充電集積回路501を制御して、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーを充電するのを停止するように構成されている。
実際の適用においては、2つのバッテリーの電圧が何らかの理由のためにプリセット定格電圧を超えた場合には、過充電のさらなる影響を回避するために、抑制措置が直ちに取られる必要がある。
この実施形態において提供される充電システムにおいては、コントローラAPはさらに、ターゲット電圧がプリセット定格電圧の2倍よりも大きいと決定した場合には、プリセット定格電圧の2倍をターゲット電圧として使用するように構成されている。
コントローラAPは、前述の様式でターゲット電圧を設定し、ターゲット電圧を充電集積回路501へ送り、それによって充電集積回路501は、充電モードの切り替えを制御するための切り替えポイントとして、このプリセット期間のターゲット電圧(すなわち、プリセット定格電圧の2倍)を使用して、定電圧モードへのタイムリーでない切り替えによって引き起こされるバッテリーの過充電を防止することが可能である。
前述の実施形態において提供されている電子デバイスおよび充電システムに基づいて、それに対応して、本出願はさらに充電方法を提供する。以降では、実施形態および添付の図面を参照しながら、充電方法について記述する。
図9は、本出願の実施形態による充電方法のフローチャートである。この方法は、前述の実施形態において提供されている電子デバイス上で直列に接続されている複数のバッテリーを充電するために使用される。
図9において示されているように、この充電方法は、下記のステップを含む。
ステップ901: プリセット期間における第1のバッテリーの電圧および第2のバッテリーの電圧のうちの小さい方の電圧値を取得する。
第1のバッテリーおよび第2のバッテリーは、電子デバイス上で直列に接続されている2つのバッテリーである。
ステップ902: プリセット定格電圧と小さい方の電圧値との合計をターゲット電圧として使用し、それぞれのプリセット期間に対応するターゲット電圧を電子デバイスの充電集積回路へ送り、それによって充電集積回路は、ターゲット電圧に基づいて、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーを充電するための充電モードを制御する。
プリセット定格電圧は、それぞれ第1のバッテリーおよび第2のバッテリーのそれぞれの定格電圧である。
充電集積回路は、バッテリーを充電する際に一定の電流または一定の電圧を制御する機能を有する。充電集積回路は、それぞれのプリセット期間における対応するターゲット電圧に基づいて充電モードを制御し、ターゲット電圧は、プリセット期間における2つのバッテリーの実際の最小電圧値に基づいて設定されるので、ターゲット電圧が充電集積回路へ送られた後に、充電集積回路は、別々のプリセット期間におけるターゲット電圧に基づいてリアルタイムで充電モードを動的にかつ柔軟に制御して、充電モードの不適切な制御によって引き起こされるバッテリーの過充電を防止することが可能である。本出願のこの実施形態において提供される充電方法は、バッテリーの過充電を効果的に回避し、バッテリーを充電することの信頼性を改善し、充電の安全上の問題を低減し、バッテリーの寿命に対する充電の悪影響を低減することが可能であるということが知られることが可能である。
加えて、この充電方法によれば、バッテリーの過充電は、バイパスによる迂回または繰り返される充電および放電という様式で防止されることはない。そのため、過度に大きいバイパス電流によって引き起こされる加熱の問題および充電の安全性の問題が回避されることが可能であり、バッテリーの充電スピードが影響されない。このようにして、ユーザ経験が改善される。
それぞれのプリセット期間のターゲット電圧は、2つのバッテリーの最小電圧値と、プリセット定格電圧とに基づいてコントローラによって設定され、充電後のそれぞれのプリセット期間のターゲット電圧は、充電集積回路によって充電モードの切り替えを制御するための重要な基礎として使用される。バッテリーの固定電圧値または定格電圧の代わりに、可変最小電圧値が、ターゲット電圧を設定するための基礎として使用され、それによってターゲット電圧は、良好なフォルトトレランス能力を有する。たとえば、実際の適用においては、2つのバッテリーの電圧に高低変換が起こり得る。このケースにおいては、2つのバッテリーの電圧に高低変換が起こった後に起こり得るバッテリーの過充電が、ターゲット電圧を使用して充電モードの切り替えを制御することによって十分に抑制されることが可能である。
実際の適用においては、2つのバッテリーの電圧が何らかの理由のためにプリセット定格電圧を超えた場合には、過充電のさらなる影響を回避するために、抑制措置が直ちに取られる必要がある。
図10は、実施形態による別の充電方法のフローチャートである。
図10において示されているように、この充電方法は、下記のステップを含む。
ステップ1001は、前述の実施形態におけるステップ901と同じである。詳細が再びここで記述されることはない。
ステップ1002: プリセット定格電圧と小さい方の電圧値との合計をターゲット電圧として使用する。
ステップ1003: ターゲット電圧がプリセット定格電圧の2倍よりも大きいかどうかを決定する。ターゲット電圧がプリセット定格電圧の2倍よりも大きい場合には、ステップ1004が実行される。ターゲット電圧がプリセット定格電圧の2倍よりも大きくない場合には、ステップ1005が実行される。
ステップ1004: ターゲット電圧がプリセット定格電圧の2倍よりも大きい場合には、プリセット定格電圧の2倍をターゲット電圧として使用する。次いでステップ1005が実行される。
ステップ1005: ターゲット電圧を充電集積回路へ送り、それによって充電集積回路は、ターゲット電圧に基づいて、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーを充電するための充電モードを制御する。
この方法においては、ターゲット電圧が再設定され、再設定されたターゲット電圧は、充電集積回路へ送られ、それによって充電集積回路は、プリセット期間において、充電モードの切り替えを制御するための切り替えポイントとしてプリセット定格電圧の2倍を使用して、定電圧モードへのタイムリーでない切り替えによって引き起こされるバッテリーの過充電を防止することが可能である。
バッテリーの電圧サンプリングポイントと、そのバッテリーの電気化学セルとの間にインピーダンスが存在し、直列に接続されているバッテリーどうしのそれぞれの電気化学セルの間における接続ラインにインピーダンスが存在する。結果として、充電電流がより大きくなった場合には、バッテリーどうしが直列に接続された後に、端子電圧がより劇的に変動する。そのため、充電集積回路は、充電モードをタイムリーに制御して定電圧モードへ切り替える。これは、充電スピードを遅くする。
これに基づいて、この実施形態において提供される充電システムはさらに、ターゲット電圧を補正して、バッテリーどうしが直列に接続された後に変動する端子電圧によって充電スピードが影響されるという問題を解決し得る。
図11は、実施形態によるさらに別の充電方法のフローチャートである。
図11において示されているように、この充電方法は、下記のステップを含む。
ステップ1101は、前述の実施形態におけるステップ901と同じである。詳細が再びここで記述されることはない。
ステップ1102: プリセット定格電圧と小さい方の電圧値との合計をターゲット電圧として使用する。
ステップ1103: プリセット期間において、ターゲット電圧と補正電圧との合計を、補正されたターゲット電圧として使用する。
補正電圧は、充電ラインインピーダンスと、プリセット期間において収集された充電電流との積であり、充電ラインインピーダンスは、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーが直列に接続された後に生成された端子電圧のサンプリングポイントと、第1のバッテリーの電気化学セルとの間におけるインピーダンス、ならびに第1のバッテリーの電気化学セルと、第2のバッテリーの電気化学セルとの間におけるインピーダンスを含む。
ステップ1104: 補正されたターゲット電圧を充電集積回路へ送り、それによって充電集積回路は、補正されたターゲット電圧に基づいて、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーを充電するための充電モードを制御する。
補正されたターゲット電圧は、ターゲット電圧に対して補償を実施するために、補正されていないターゲット電圧に比べて増加する。充電集積回路にとっては、バッテリーどうしが直列に接続された後に生成される端子電圧が、補正されたターゲット電圧に達するスピードが減速されること、すなわち、充電モードが切り替えられる時点が、それに対応して遅延されることは明らかである。このようにして、充電集積回路は、定電圧充電の前に、一定の電流でバッテリーを充電するためのさらに多くの時間を有し得る。これは、バッテリーの充電スピードを改善し、それによってバッテリーは、より迅速にフル充電されることが可能であり、ユーザ経験が改善される。
実際の適用においては、充電集積回路が、直列に接続されている複数のバッテリーを充電する同期速度を制御することは、通常は困難であり、直列に接続されているバッテリーのうちの1つが最初にフル充電される可能性が高い。このケースにおいては、直列に接続されている複数のバッテリーが可能な限り同期してフル充電されることを可能にし、全体的なバッテリー充電持続時間を短縮するために、本出願はさらに、バッテリーの平衡充電のための下記の実装を提供する。
図4aにおいて示されている電子デバイスに関して、前述の実施形態において提供されている充電方法に基づいて、この実施形態において提供される充電方法はさらに、
第1のバッテリーの電圧および第2のバッテリーの電圧のうちの大きい方の電圧値が第1のプリセット電圧よりも大きく、第1のバッテリーと第2のバッテリーとの間における電圧差が第2のプリセット電圧よりも大きい場合には、大きい方の電圧値に対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチを繰り返し閉じられたり開かれたりするように制御し、スイッチが開かれるたびに、第1のバッテリーと第2のバッテリーとの間における電圧差が第3のプリセット電圧よりも小さくなるまで、第1のバッテリーの電圧および第2のバッテリーの電圧を収集するステップを含む。
第1のプリセット電圧は、プリセット定格電圧よりも小さく、第1のプリセット電圧は、第2のプリセット電圧よりも大きく、第2のプリセット電圧は、第3のプリセット電圧よりも大きい。
平衡プロセスにおいては、大きい方の電圧値に対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチが開かれるたびに、および2つのバッテリーの電圧が収集された後に、電圧差が第3のプリセット電圧と比較され得る。電圧差|Va-Vb|が第3のプリセット電圧よりも小さい場合には、そのことが示しているのは、2つのバッテリーの間における電圧差が十分に小さいということであり、このケースにおいては、平衡が停止され得る。しかしながら、電圧差が第3のプリセット電圧以上である場合には、そのことが示しているのは、2つのバッテリーの間における電圧差がまだ十分に小さくなく、2つのバッテリーの電力レベルの間には依然として大きな差があるということである。このケースにおいては、大きい方の電圧値Vmaxに対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチ(第1のスイッチKAまたは第2のスイッチKB)の前述の繰り返される開閉操作がさらに繰り返されて、バッテリー上での平衡充電を継続的に実行する必要がある。
2つのバッテリーの電圧が収集された場合には、充電ICは、2つのバッテリーを引き続き充電する。結果として、充電電流は、依然として2つのバッテリーを通って流れる。このことは、依然としてバッテリー電圧収集の正確さに影響を与え得る。この問題を解決するために、図4aにおいて示されている電子デバイスに関して、この実施形態において提供される充電方法はさらに、
第1のバッテリーと第2のバッテリーとの間における電圧差が第2のプリセット電圧よりも大きく、充電電流が第1のプリセット電流よりも小さいと決定した場合には、切断制御信号を充電集積回路へ送り、それによって充電集積回路が、第3のスイッチを開かれるように制御し、大きい方の電圧値に対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチが閉じられた場合には、接続制御信号を充電集積回路へ送り、それによって充電集積回路が、第3のスイッチを閉じられるように制御するステップを含み得る。
充電電流が第1のプリセット電流よりも小さい場合には、そのことが示しているのは、比較的高い電圧を有するバッテリーがフル充電されつつあるということである。しかしながら、電圧差は依然として第2のプリセット電圧よりも大きいので、平衡がさらに実行される必要がある。平衡のこの段階においては、大きい方の電圧値に対応するバッテリーと並列に接続されているスイッチ(第1のスイッチまたは第2のスイッチ)の繰り返される開閉操作が、繰り返し制御される。コントローラは、スイッチを閉じられたり開かれたりするように制御しながら充電集積回路へ信号を送り、それによって充電集積回路における第3のスイッチは、繰り返し閉じられたり開かれたりする。
第3のスイッチが開かれている場合には、2つのバッテリーを通って流れる充電電流はない。このケースにおいては、2つのバッテリーは充電も放電もされず、それぞれ2つのバッテリーの収集される電圧の正確さが改善される。平衡充電制御および充電モード(定電流または定電圧)制御の両方がバッテリーの電圧に依存し、それによって平衡充電制御および充電モード制御の両方の正確さが改善される。そのため、この実施形態において提供される充電方法は、バッテリーの過充電を防止する比較的良好な効果、および平衡充電の比較的良好な効果を有し、バッテリーおよび電子デバイス全体は、使用される上でさらに安全になる。
任意選択で、この実施形態において提供される充電方法はさらに、
充電電流が第2のプリセット電流よりも小さいと決定した場合には、充電集積回路を制御して、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーを充電するのを停止するステップを含む。
複数のバッテリーの平衡充電のプロセスの理解を容易にするために、さらに別の充電方法の特定の実装が、図12Aおよび図12Bを参照しながら、この実施形態において記述される。この方法は、電子デバイス上で直列に接続されている第1のバッテリーおよび第2のバッテリーを充電する際に適用される。
図12Aおよび図12Bは、本出願の実施形態によるまたさらに別の充電方法のフローチャートである。
図12において示されているように、この実施形態において提供されるまたさらに別の充電方法は、下記のステップを含む。
ステップ1201: 第1のバッテリーおよび第2のバッテリーを充電することを開始する。
ステップ1202: 第1のバッテリーの電圧および第2のバッテリーの電圧を取得する。
ステップ1203: 第1のバッテリーの電圧および第2のバッテリーの電圧のうちの大きい方の電圧値が第1のプリセット電圧よりも大きいかどうか、ならびに第1のバッテリーと第2のバッテリーとの間における電圧差が第2のプリセット電圧よりも大きいかどうかを決定する。第1のバッテリーの電圧および第2のバッテリーの電圧のうちの大きい方の電圧値が第1のプリセット電圧よりも大きく、第1のバッテリーと第2のバッテリーとの間における電圧差が第2のプリセット電圧よりも大きい場合には、第1の充電段階が開始する。
第1の充電段階は、主にステップ1204から1206を参照しながら記述される。
ステップ1204: 大きい方の電圧値に対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチを繰り返し閉じられたり開かれたりするように制御し、スイッチが開かれるたびに、第1のバッテリーの電圧および第2のバッテリーの電圧を収集する。
ステップ1205: 第1のバッテリーと第2のバッテリーとの間における電圧差が第3のプリセット電圧よりも小さいかどうかを決定する。第1のバッテリーと第2のバッテリーとの間における電圧差が第3のプリセット電圧よりも小さい場合には、ステップ1206が実行される。第1のバッテリーと第2のバッテリーとの間における電圧差が第3のプリセット電圧よりも小さくない場合には、ステップ1204が実行される。
ステップ1206: 充電電流が第1のプリセット電流よりも小さいかどうかを決定する。充電電流が第1のプリセット電流よりも小さい場合には、第1の充電段階における平衡は終了され、ステップ1207が実行される。
ステップ1207: 第1のバッテリーと第2のバッテリーとの間における電圧差が第2のプリセット電圧よりも大きいかどうかを決定する。第1のバッテリーと第2のバッテリーとの間における電圧差が第2のプリセット電圧よりも大きい場合には、第2の充電段階が開始する。第1のバッテリーと第2のバッテリーとの間における電圧差が第2のプリセット電圧よりも大きくない場合には、第3の充電段階が開始する。
第2の充電段階は、主にステップ1208および1209を参照しながら記述される。第2の充電段階においては、低電圧バッテリーが再充電されて、そのバッテリーの電圧を増加させ、それによって、そのバッテリーの電圧は徐々に他方のバッテリーの電圧に近づく。第2の充電段階においては、第3のスイッチが、大きい方の電圧値に対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチとともに同期して閉じられたり開かれたりするように制御されて、電圧収集の正確さを改善する。
ステップ1208: 大きい方の電圧値に対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチを繰り返し閉じられたり開かれたりするように制御し、充電集積回路を使用することによって、第3のスイッチを繰り返し閉じられたり開かれたりするように制御し、大きい方の電圧値に対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチのオン/オフ状態が、第3のスイッチのオン/オフ状態と整合し、大きい方の電圧値に対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチ、および第3のスイッチが開かれるたびに、第1のバッテリーの電圧および第2のバッテリーの電圧を収集する。
ステップ1209: 第1のバッテリーと第2のバッテリーとの間における電圧差が第3のプリセット電圧よりも小さいかどうかを決定する。第1のバッテリーと第2のバッテリーとの間における電圧差が第3のプリセット電圧よりも小さい場合には、第2の充電段階における平衡は終了され、第3の充電段階が開始する。第1のバッテリーと第2のバッテリーとの間における電圧差が第3のプリセット電圧よりも小さくない場合には、ステップ1208が実行される。
第3の充電段階は、主にステップ1210および1211を参照しながら記述される。
ステップ1210: 第1のバッテリーおよび第2のバッテリーを引き続き充電し、充電電流が第2のプリセット電流よりも小さいかどうかを決定する。充電電流が第2のプリセット電流よりも小さい場合には、ステップ1211が実行される。
ステップ1211: 充電集積回路を制御して、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーを充電するのを停止し、充電は終了する。
この実施形態において提供される充電方法においては、第1の充電段階、第2の充電段階、および第3の充電段階において、第1のバッテリーの電圧および第2のバッテリーの電圧のうちの小さい方の電圧値が、それぞれ周期的に取得されるということに留意されたい。プリセット定格電圧と小さい方の電圧値との合計が、電流充電段階の現在の期間のターゲット電圧として使用され、ターゲット電圧は、電子デバイスの充電集積回路へ送られ、それによって充電集積回路は、ターゲット電圧に基づいて、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーを充電するための充電モードを制御する。
上述されているように、平衡プロセスにおいては、直列に接続されている2つのバッテリーの電圧は、大きい方の電圧値に対応するバッテリーに並列に接続されているスイッチが開かれていることを前提として収集される。そのスイッチが開かれている場合には、充電集積回路は、第3のスイッチも開かれるように制御するので、それによって、2つのバッテリーを通って流れる充電電流はない。この方法においては、2つのバッテリーの収集される電圧は、より正確である。取得される電圧の正確さが改善され、平衡充電制御および充電モード(定電流または定電圧)制御の両方がバッテリーの電圧に依存するので、平衡充電制御および充電モード制御の両方の正確さが改善されるということが理解され得る。そのため、この実施形態において提供される充電システムは、バッテリーの過充電を防止する比較的良好な効果、および平衡充電の比較的良好な効果を有し、バッテリーおよび充電システムは、使用される上でさらに安全になる。
本出願においては、「少なくとも1つ」は、1つまたは複数を意味し、「複数の」は、2つ以上を意味するということを理解されたい。「および/または」という用語は、関連付けられている対象どうしの間における関連付け関係を記述するために使用され、3つの関係が存在し得るということを表す。たとえば、「Aおよび/またはB」は、「Aのみが存在する」、「Bのみが存在する」、ならびに「AおよびBの両方が存在する」という3つのケースを表し得、AおよびBは、単数または複数であり得る。「/」という文字は通常、関連付けられている対象どうしの間における「または」の関係を示す。「次の項目(個片)のうちの少なくとも1つ」またはその類似の表現は、単一の項目(個片)、または複数の項目(個片)の任意の組合せを含む、これらの項目の任意の組合せを示す。たとえば、a、b、またはcのうちの少なくとも1つ(一片)は、a、b、c、「aおよびb」、「aおよびc」、「bおよびc」、または「a、b、およびc」を表し得、a、b、およびcは、単数または複数であり得る。
前述の記述は、本出願の好ましい実施形態にすぎず、本出願を限定することを意図されているものではない。本出願の好ましい実施形態が上で開示されているが、それらの実施形態は、本出願を限定することを意図されているものではない。上で開示されている方法および技術的な内容を使用することによって、当技術分野における普通のスキルを有するいずれの者も、本出願の技術的な解決策の保護範囲から逸脱することなく、本出願の技術的な解決策に対して複数の可能な変更および修正を行うこと、またはその技術的な解決策を、同等の変形を通じて等しい効果を有する実施形態になるように改変することが可能である。そのため、本出願の技術的な解決策の内容から逸脱することなく、本出願の技術的な本質に従って上記の実施形態に対して行われるいずれの単純な改変、同等の変形、および修正も、本出願の技術的な解決策の保護範囲内に収まるものとする。
コントローラAPは、プリセット期間における第1のバッテリーBat1の電圧および第2のバッテリーBat2の電圧のうちの小さい方の電圧値Vminを取得し、プリセット定格電圧Vfullと小さい方の電圧値Vminとの合計をターゲット電圧Vtargetとして使用し、それぞれのプリセット期間に対応するターゲット電圧Vtargetを充電ICへ送るように構成されており、それによって充電ICは、ターゲット電圧Vtargetに基づいて、第1のバッテリーBat1および第2のバッテリーBat2を充電するための充電モードを制御する。本明細書においては、第1のバッテリーBat1の電圧は、第1のバッテリーBat1の正極と負極との間における電圧である。第2のバッテリーBat2の電圧は、第2のバッテリーBat2の正極と負極との間における電圧である。プリセット期間は、電子デバイスが納品される前に設定されることが可能である。より短い期間は、より正確な制御を示す。たとえば、プリセット期間は、5秒、15秒、30秒などであり得る。
前記は、本出願のこの実施形態において提供される電子デバイスについて記述している。この電子デバイスは、直列に接続されている2つのバッテリーBat1およびBat2と、充電ICと、コントローラAPとを含む。コントローラAPは、プリセット期間における2つのバッテリーの電圧のうちの小さい方の電圧値Vminを取得し、プリセット定格電圧Vfullと小さい方の電圧値Vminとの合計をターゲット電圧Vtargetとして設定し、それぞれのプリセット期間に対応するターゲット電圧Vtargetを充電ICへ送る。さらに、充電ICは、それぞれのプリセット期間に対応するターゲット電圧Vtargetに基づいて、2つのバッテリーを充電するための充電モードを制御する。充電ICは、バッテリーを充電する際に一定の電流または一定の電圧を制御する機能を有する。充電ICは、それぞれのプリセット期間における対応するターゲット電圧Vtargetに基づいて充電モードを制御し、ターゲット電圧Vtargetは、プリセット期間における2つのバッテリーの実際の最小電圧値Vminに基づいて設定される。そのため、充電ICは、別々のプリセット期間におけるターゲット電圧Vtargetに基づいてリアルタイムで充電モードを動的にかつ柔軟に制御して、充電モードの不適切な制御によって引き起こされるバッテリーの過充電を防止することが可能である。本出願の技術的な解決策においては、バッテリーの過充電が効果的に回避されることが可能であり、バッテリーを充電することの信頼性が改善されることが可能であり、充電の安全上の問題が低減されることが可能であり、バッテリーの寿命に対する充電の悪影響が低減されることが可能であるということが知られることが可能である。
図3において示されているように、充電ラインインピーダンスは、第1のバッテリーBat1の正電圧サンプリングポイントと、第1のバッテリーBat1の電気化学セルとの間における第1のインピーダンスRa、第2のバッテリーBat2の正電圧サンプリングポイントと、第2のバッテリーBat2の電気化学セルとの間における第2のインピーダンスRb、ならびに第1のバッテリーBat1と第2のバッテリーBat2との間の接続ラインにおける第3のインピーダンスRcを含む。第3のインピーダンスRcは、第1のバッテリーBat1の負電圧サンプリングポイントと、第2のバッテリーBat2の正電圧サンプリングポイントとの間に配置されている。第1のバッテリーBat1の正電圧サンプリングポイントは、第1のバッテリーBat1および第2のバッテリーBat2が直列に接続された後に取得される端子電圧Voutのサンプリングポイントでもある。
電子デバイスのコントローラAP(図3においては示されていない)が、充電電流Iを周期的に取得し得る。可能な実装においては、充電ICが、充電電流Iを収集する機能を有している場合には、コントローラAPは、充電ICを使用することによって、プリセット期間に基づいて充電電流Iを取得する。別の可能な実装においては、充電ICが、充電電流Iを収集する機能を有していない場合には、コントローラAPは、クーロメータまたはアナログ/デジタルコンバータADCなど、電子デバイスにおける別のコンポーネントを使用することによって、バッテリーの充電電流を取得し得る。
第1のアナログ/デジタルコンバータADC1または第2のアナログ/デジタルコンバータADC2はさらに、第1のバッテリーおよび第2のバッテリーが配置されている充電経路の充電電流を収集するように構成され得る。加えて、このシステムはさらに、充電電流を収集するように構成されているクーロメータを含み得る。