JP2022550002A - 移植片を断熱するための医療装置、移植片を冷却するシステム - Google Patents
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Abstract
移植される移植片を断熱するための医療装置は、湾曲したカバー本体を備えている。カバー本体は、使用中に、移植片を収容する空洞を含む。カバー本体は、生体適合性の断熱性材料で構成されている。カバー本体は、移植片の形状に類似した形状を有している。医療装置は、使用中、移植片に対する温虚血性障害を実質的に防止するために、収容された移植片を十分に冷却するように構成されている。
Description
本発明は、一般に、医療装置に関し、特に、移植処置の前及び移植処理の間に移植用の移植片を保護するための断熱医療装置に関する。
末期腎不全では、移植が最善の治療法となる。2009年以降、死亡ドナーの割合は124%を超えて増加している。これにより、移植腎の幅が広がり、死体腎移植後の提供も約40%となっている。
血液供給が回復する前に移植手順中に腎臓が再び温まると、その後の機能が損なわれ(温虚血性障害)、移植片(移植腎)障害、移植片機能の遅延、術後透析の長期化及び移植片の長期転帰不良につながる。1人あたりの年間透析費用は60,000ドルを超えることがある。温虚血性障害の重要性は、移植腎への影響以外にも及ぶ。長時間の温虚血性障害による損傷の見込みから、外科医は処置を迅速に行うことを余儀なくされることが多い。実際、移植後6カ月以内の移植片喪失の最大の原因は、血液供給が血栓化し、腎臓を摘出する必要がある外科的合併症である。
現在、すべての腎臓にこの温虚血性障害のリスクにさらされているが、循環器死の腎臓の50%は、術後の透析期間を必要とする移植機能の遅延を経験している。さらに、この障害は、透析の必要性の増加、追加の生検及び検査、より長い入院期間、並びにより悪い全体的な結果から、患者及び病院の両方にコストをもたらす。
腎臓は、外科的吻合中に27℃以上に再び温まる。ユーロ移植データでは、吻合時間10分ごとに腎障害が起こり、移植片機能の遅延の発生率が上昇し、生検で線維化が証明され、移植片の5年生存率が低下することを示している。この障害は、レシピエントに腎臓の血液供給を再開する前に、腎臓を再び温めることによって生じる直接的な結果である。さらに、手術の技術的合併症による移植片の血栓症が2~4%の間で発生する。
現在、オーストラリア、米国及びヨーロッパでは、年間約45000件の腎移植が行われている。これらのうち、5年で10%、10年で20%の失敗率が予想される。失敗率を5%低下させることができれば、約2000人の患者を移植後の透析から離脱させることができる。年間、患者1人あたり約40000ドルの費用便益が増加する。
さらに、温虚血性障害までの時間を増加させる能力は、外科的訓練の能力の増加及び外科医への時間的圧力の減少をもたらし、より良い結果を提供し、外科的合併症のリスクを最小限にする。
本明細書全体を通して、文脈が別段の要求をしない限り、用語「備える」、「備える」、及び「備える」は、記載されたステップ若しくは要素、又はステップ若しくは要素のグループの包含を意味するが、他のステップ若しくは要素、又はステップ若しくは要素のグループの排除を意味しないことが理解されるであろう。
本明細書で使用される「含む」、「含む」又は「含む」という用語のいずれか1つは、また、その用語に続く少なくとも要素/特徴を含むが、他のものを除外しないオープンな用語である。
明細書全体にわたる背景技術の議論は、決して、そのような背景技術が先行技術であること、又はそのような背景技術が広く知られているか、又はオーストラリア若しくは世界中の分野における技術常識の一部を形成していることを認めるものとはみなされない。
一態様では、移植される移植片を断熱するための医療装置が提供され、医療装置は、使用中に、前記移植片を収容する空洞を画定する内面を含むカバー本体を備える。前記カバー本体は、前記移植片を前記空洞内に収容する開口部を画定する外縁を有する。前記カバー本体は、生体適合性の熱絶縁性材料で作られており、医療装置は、使用中、前記移植片に対する温虚血性障害を実質的に防止するために、収容された前記移植片を十分に冷却するように構成されている。
前記カバー本体の前記内面の形状は、前記移植片の形状に類似していてもよい。
前記移植片は、腎臓、心臓、肝臓、肺、腸及び膵臓を含む群から選択される移植可能な臓器であってもよい。
前記カバー本体は、使用中に、前記移植片の外部表面積のかなりの部分にわたって延在することができる。
前記カバー本体は、使用中に、前記移植片の実質的に全ての外部表面積にわたって延在することができる。
前記カバー本体は、使用中に、前記移植片を密接に覆うように構成することができる。
前記カバー本体は、使用中に、前記移植片の外形に適合するように構成することができる。
前記期間は、約60分であってもよい。
前記カバー本体は、可撓性材料で構成されていてもよい。
前記カバー本体は、シリコーンで構成されていてもよい。
前記カバー本体は、実質的に均一な厚さを有してもよい。
前記カバー本体の厚さは、約2cmとすることができる。
前記カバー本体の厚さは、1.5cm~2.5cmの範囲内とすることができる。
前記カバー本体は、外面を含み、前記外面は、テクスチャード加工されていてもよい。
前記カバー本体は、内面を含み、前記内面は、テクスチャード加工されていてもよい。
テクスチャード加工された前記内面は、使用中に、前記移植片の外面を把持して、前記空洞からの前記移植片の流出を実質的に防止するように構成されていてもよい。
テクスチャード加工された前記外面は、使用中に、前記移植片の外面を冷却するために冷却流体が移動することができる複数のチャネルを備えていてもよい。
テクスチャード加工された前記外面は、相互接続された複数の冷却チャネルを含むパターンを備えていてもよい。
前記冷却流体は、冷却された生理食塩水であってもよい。
医療装置は、更に、カバー本体から延びる把持部を含んでもよく、前記把持部は、使用中に、前記移植片が前記カバー本体内に配置された場合に、ユーザが前記カバー本体を快適に把持及び操作することを可能にする。
医療装置は、更に、前記カバー本体上において前記開口部に隣接して位置する少なくとも1つの留め具を更に備え、
前記留め具は、使用中に、前記空洞からの前記移植片の流出を防止するために、前記空洞の開口を横切るバリアを提供するように構成されていてもよい。
前記留め具は、使用中に、前記空洞からの前記移植片の流出を防止するために、前記空洞の開口を横切るバリアを提供するように構成されていてもよい。
少なくとも1つの前記留め具は、前記外縁の第1の部分に隣接して取り付けられた第1の部分と、前記外縁の第1の部分に対して前記空洞の開口を横切って配置される前記外縁の第2の部分に隣接する第2の部分とを含んでいてもよい。
前記留め具の前記第1の部分は、スロットを含んでもよく、前記留め具の前記第2の部分は、前記スロットと解放可能に係合するT字形突起を含んでもよい。
医療装置は、一体構造であってもよい。
前記移植片は、移植可能な臓器であってもよい。
前記移植片は、腎臓、心臓、肝臓、肺、腸及び膵臓を含む群から選択される移植可能な臓器であってもよい。
前記カバー本体は、使用中に、ユーザに視覚的なガイドを提供するマーキングを更に含んでいてもよい。
請求項1に記載の医療装置は、冷却インサートを受け入れるための冷却ポケットを更に備えることができる。
医療装置は、前記冷却インサートが生理食塩水を含むか、又は前記冷却インサートがポリウレタンを含む冷却インサートを更に含んでもよい。
本発明の別の態様において、移植される移植腎を断熱するための医療装置が提供される。医療装置は、使用中に、前記移植腎を収容して覆うように構成された空洞を画定するUU字状の断面を有する湾曲したカバー本体を備え、
湾曲した前記カバー本体は、生体適合性の熱絶縁材料を含み、使用中に、前記移植腎に対する温虚血性障害を実質的に防止するために前記移植腎を十分に冷却するように構成されている。
湾曲した前記カバー本体は、生体適合性の熱絶縁材料を含み、使用中に、前記移植腎に対する温虚血性障害を実質的に防止するために前記移植腎を十分に冷却するように構成されている。
前記カバー本体は、中心軸を中心として円弧状に湾曲していてもよい。
実質的に前記U字状の断面の前記U字状の両アームは、前記中心軸に垂直な平面に実質的に平行に延びていてもよい。
前記カバー本体は、使用中に、前記移植腎の実質的に全ての外部表面積にわたって延在することができる。
前記カバー本体は、弧状に湾曲しており、それによって、使用中に、ユーザが移植中に腎臓の血管及び尿管に容易にアクセスすることができるように、腎臓の血管及び尿管を配置できる凹部が形成されていてもよい。
前記カバー本体は、使用中に、前記空洞からの前記移植片の流出を防止するために前記空洞の開口を横切るバリアを提供するように構成された少なくとも1つの留め具を備え、
前記留め具は、前記カバー本体において前記空洞の開口に隣接する部分に配置されていてもよい。
前記留め具は、前記カバー本体において前記空洞の開口に隣接する部分に配置されていてもよい。
本発明の別の態様において、移植前に移植片を冷却するためのシステムが提供される。システムは、前記カバー本体及び前記カバー本体に収容された移植片を冷却するように構成された能動冷却装置と、を備える。
前記能動冷却装置は、熱電冷却器を備えることができる。
前記能動冷却装置は、空気ポンプを備えることができる。
前記能動冷却装置は、前記移植片の間の前記カバーの内面に沿って配置された冷却管と、冷却流体を受け入れるための入口と、温まった冷却流体を取り除くための出口と、を備えることができる。
前記冷却管は、前記カバーの外面と接触しており、該カバーに沿って延びていてもよい。
前記冷却管は、前記カバーの内面と接触しており、該カバーに沿って延びていてもよい。
本発明の更に別の態様によれば、移植片を保護するための断熱医療装置が提供される。断熱医療装置は、開口部分と閉鎖部分とを有する湾曲した容器を備え、それによって、その間に空洞を形成する。さらに、湾曲した容器は、開口部を通して空洞内に移植片を受け入れるように構成されている。移植片の形状に基づいて、湾曲した容器の形状が選択される。さらに、湾曲した容器は、シリコーン又は他の生体適合性絶縁材料で作られ、それによって断熱層を提供する。さらに、湾曲した容器は、移植片を所定の温度範囲内に保持し続けるように構成され、それによって、移植片が、温度上昇による移植のために、移植のために保冷庫から取り出されたときの、移植片への損傷を防止する。
容器は、種々の異なる移植片のサイズに適合するように、小、中、大、特大のような複数のサイズで利用可能である。適切な大きさは、それに応じて外科医によって選択される。移植片は、容器への良好な熱接続を確実にするために、容器内にぴったりと嵌っていてもよい。シリコーン又は他の生体適合性絶縁材料は、弾性特性を有することができ、容器内の移植片の密着係合を助けるために伸縮性であることができる。
シリコーン断熱を有する湾曲した容器は、血行再建の前に処置中に生じる温虚血性障害を回避するために、移植前及び移植中に移植片を安全かつ低温に維持するのに役立つので有利である。そのため、可能性のある利益には、短期的及び長期的な機能の増加、患者のQOLの向上、迅速な手術に対する圧力の軽減(ロボット移植手術へのドアを開け、外科的トレーニングの改善)、及び移植後の治療費の削減が含まれる可能性がある。
いくつかの実施形態では、閉鎖部分は、移植片から断熱医療装置を除去するのを助けるための視覚的なガイドを含んでもよい。視覚的なガイドは、実質的に閉鎖部分の中央にあってもよい。閉鎖部分は、移植片から断熱医療装置を除去するのを助けるミシン目を含んでもよい。閉鎖部分は、移植片からの断熱医療装置の除去を補助するためのディボット(divots)を含んでもよい。閉鎖部分は、移植片から断熱医療装置を除去するのを助けるために、切断ラインを含んでもよい。
移植片は、腎臓、心臓、肝臓、肺、腸及び膵臓を含む群から選択される移植可能な臓器であってよい。本明細書に記載されていない他の臓器も選択することができ、本発明の実施形態は、任意の適切な臓器タイプに適合させることができる。
いくつかの実施形態では、断熱医療装置は、湾曲した容器のシリコーン材料と共に、低温生理食塩水インサートをさらに含む。さらに、CSインサートは、空洞内の移植片が保冷庫にある間に冷却されるように構成され、CSインサートは、医療装置が保冷庫から取り出されると、移植片を冷蔵状態に保つように構成される。いくつかの実施形態では、断熱医療装置は、その製造中に装置内に組み込まれる冷食塩水ポケットのような冷却ポケットを含む。これにより、CS又は別の冷却インサートを追加する必要がなくなる。これは、既に装置内に含まれているためである。いくつかの実施形態において、断熱医療装置は、その製造中に装置に組み込まれる吸熱反応流体ポケットを含む。
いくつかの実施形態において、断熱医療装置は、湾曲した容器のシリコーン材料と共にポリウレタンインサートをさらに含むことができる。さらに、PUインサートは、空洞内の移植片が保冷庫にある間に冷却されるように構成されてもよく、PUインサートは、医療装置が保冷庫から取り外されると、移植片を冷やしたままに保つように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、断熱医療装置は、その製造中に装置に組み込まれるポリウレタンポケットを含んでもよい。これにより、CS又は別の冷却インサートを追加する必要がなくなる。これは、既に装置内に含まれているためである。
いくつかの実施形態では、断熱医療装置は、更に、空洞内に移植片を固定し、かつ移植片を湾曲した容器と接触させたままにするように構成された、開口部分の近位にある湾曲した容器に接続されたストラップ及びストラップロックを含む。いくつかの実施形態では、断熱医療装置は、空洞内に移植片を固定し、移植片を湾曲した容器と接触させたままにするための接着剤ストリップを含んでもよい。
いくつかの実施形態では、断熱医療装置は、空洞内に複数の冷却管を更に備えることができ、複数の冷却管は、ポンプと接続され、他端に冷却液の貯蔵部がある。さらに、複数の冷却管は、ポンプを用いて、空洞に連続的に冷たい液体を供給し、移植片を冷却し、移植片と熱交換した後に得られた温かい液体を抽出し、空洞と所定の温度範囲を維持するように構成されてもよい。
いくつかの実施形態では、断熱医療装置は、空洞内に配置された熱電冷却器(TEC)チップを更に含んでもよく、TECチップは電圧源と接続されている。さらに、TECチップは、電圧源からの電圧印加後に熱流束を生成することによってペルチェ効果を用いて移植片から熱を除去するように構成され、それによって、空洞内の移植片を所定の温度範囲内に維持することができる。
本発明の別の態様によれば、移植用の移植片のための断熱医療装置が提供され、前記断熱医療装置は、ベースと、前記ベースから延びる側壁であって、前記移植片を収容するように構成された空洞を画定するための側壁と、前記側壁であって、前記空洞内に前記移植片が収容される開口部分を有する側壁とを備え、前記側壁は、生体適合性の断熱材料を含み、前記空洞内に配置されたときに前記移植片を密閉するように構成されている。
いくつかの実施形態において、断熱医療装置は、側壁及び/又は移植片を冷却するように構成された冷食塩水及び/又はポリウレタン及び/又は吸熱反応流体を含む冷却ポケットを含んでもよい。いくつかの実施態様において、冷却ポケットは、側壁及び/又はベースに含まれてもよい。
いくつかの実施形態では、断熱医療装置は、空洞内に移植片を収容するために開口部を横切って延在する保持ストリップを含んでもよい。
いくつかの実施形態では、ベースは、ベースを側壁から選択的に分離するように構成され、それによって、断熱医療装置を移植片から除去する手段を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ベースを側壁から選択的に分離するように構成された手段は、ミシン目、ディボット、切断に適合した切断ラインのうちの1つ以上を含むことができる。
いくつかの実施形態において、断熱医療装置は、ポンプに接続された冷却パイプ、及び電圧源に接続された熱電冷却器チップのうちの1つ以上を含む能動冷却手段を含んでもよい。
他の態様も開示されている。
本発明の少なくとも1つの例について、添付の図面を参照して説明する。
図1Aは、本発明の一実施形態による、移植用の移植片を保護するための絶縁医療装置を示す。
図1Bは、本発明の別の実施形態による、移植用の移植片を保護するための絶縁医療装置を示す。
図2は、本発明の一実施形態による、図1Aの絶縁医療装置の実施例を示す
図3は、実施後の、先行技術と本発明のいくつかの実施形態との比較の実験データを示す。
図4は、実施後の、先行技術と本発明のいくつかの実施形態との比較の実験データを示す。
図5は、実施後の、先行技術と本発明のいくつかの実施形態との比較の実験データを示す。
図6は、本発明のいくつかの例示的な器官および整合する実施形態を示す概略図である。
図7は、本発明の別の実施形態による、移植用の移植片を保護するための絶縁医療装置を示す。
図8は、図7に示される実施形態による、移植用の移植片を保護するための絶縁医療装置の別の図を示す。
図9は、先行技術と図7に示される実施形態との比較の実験データを示す。
図10は、本発明のさらに別の実施形態による、移植用の移植片を保護するための絶縁医療装置を示す。
図11は、本発明の別の実施形態による、移植用の移植片を保護するための絶縁医療装置を示す。
同一の数字は、図面全体を通じて同一又は類似の要素を表していることに留意すべきである。
本発明は、移植処理の前及び移植処理の最中に移植片(例えば、腎移植片)を断熱することにより、温虚血性障害を減少させ、外科医及び医療スタッフの時間的圧力を減少させ、移植片生存を増加させる断熱医療装置を提供する。断熱医療装置は、血行再建術の前に、術中に発生する温虚血性障害を回避するために、移植中の腎臓を安全かつ低温に保つことにより、上記の目的を達成する。そのため、潜在的な利点には、短期的及び長期的な機能の増加、患者の生活の質の向上、迅速な手術の圧力の軽減(ロボット移植手術へのドアを開き、手術トレーニングの改善)、及び移植後の治療費の削減が含まれる。
この点に関し、以下の発明は、明瞭性のために図面の助けを借りて説明される。しかしながら、当業者であれば、本発明は、以下に説明された特定のタイプの実施に限定されるものではなく、本発明の範囲から逸脱することなく、多くの異なる実施に等しく適用可能であり得ることを理解するであろう。
図1Aは、本発明の一実施形態による、移植用の移植片を保護するための断熱医療装置100を示す。移植片(図示せず)は、腎臓、心臓、肝臓、肺、腸及び膵臓を含む群から選択される移植可能な臓器であってもよいが、これらに限定されない。図1Aに示すように、断熱医療装置100は、湾曲した容器102を備えている。湾曲した容器は、使用するとき、移植片のための断熱カバーを提供する。湾曲した容器102は、開口部分1024及び閉鎖部分1022を有し、それらの間に空洞1026が形成されている。使用中、開口部分は、吻合を可能にするために血管供給に向けられる。湾曲した容器102は、移植片を開口部分1024から空洞1026内に受け入れ、その中で移植片を固定するように構成されている。湾曲した容器102は、移植片の形状に一致しなければならないため、湾曲した容器102の形状は、移植片の形状に基づいて選択される。例えば、図1Aでは、移植片は腎臓インプラントであると想定されており、湾曲した容器102は、腎臓の形状に類似した豆の形状である。別の例では、移植片が肝臓又は心臓インプラントである場合、湾曲した容器102の形状は、肝臓又は心臓の形状に類似し得る。さらに別の例では、容器は湾曲した形状を有さないが、移植片がその中に収容された場合に移植片の形状に十分に一致して、移植片が容器内にぴったりと適合する材料でできていてもよい。例えば、移植片は、片方又は両方の肺、心臓、腎臓、胃、肝臓、膵臓、又は腸の一部であり得る。
湾曲した容器102のサイズは、医療用途に応じて変化し得る。例えば、図1Aに示される断熱医療装置100の長さは、170~18mmの範囲であり得るが、これに限定されない。幅は、85~9mmから変化し得るが、これらに限定されない。同様に、高さは、85~95mmであり得、厚さは2~7mmであり得るが、これらに限定されない。また、図1Aの湾曲した容器102は、接合部のない一体化ユニットとして製造されてもよい。さらに、湾曲した容器102は、シリコーンなどの任意の可撓性、非毒性、及び断熱性材料で作ることができるが、これらに限定されるものではない。他の実施形態では、容器は、ポリウレタン、脂肪族ポリエステル又は他の適切な材料で作ることができる。
これは、湾曲した容器102内に収容された移植片に外部断熱層を提供するとともに、断熱医療装置100を保持する医療従事者への堅固な把持を提供する。好ましくは、容器102は、小型、中型、大型、超大型のような多数の異なるサイズで入手可能であり、移植片が容器内にぴったり収まるように医療スタッフが選択できるようにして、移植片と断熱装置との間の良好な熱接触を確実にすることができる。
図1Bに示される別の実施形態200では、断熱医療装置100は、湾曲した容器102の内壁に挿入され得るシリコーンと共に追加の材料(図示せず)を含む。これは、湾曲した容器102内の静的冷却を可能にするのに役立つ。追加の材料は、湾曲した容器102内のインサートの形態で提供することができる。一実施形態では、追加の材料は、冷食塩水(CS)インサートであってもよく、別の実施形態では、追加の材料は、ポリウレタン(PU)インサート又は吸熱反応流体インサートであってもよい。断熱性材料は、固体、フィルム、発泡、多孔質、繊維状、圧着、液体、気体、多孔質、多相、及び吸熱的に変態する相を含むグループのいずれかであり得るが、これらに限定されない。他の実施形態では、断熱材料の組み合わせを使用することができる。これらの材料は、冷却を維持する能力があるために選択されている。容器の内壁は、インサートが配置されるポケット又はスロットを含み得る。他の実施形態では、CS、PU又は吸熱反応流体は、手順の時にインサートを提供する必要性を防ぐために、製造時に湾曲した容器102に組み込まれる。インサートは、例えば、インサート上にシリコーンをオーバーモールドすることにより、容器102の壁に組み込むことができる。実施形態200の湾曲した容器102は、平らな型を使用して製造され、次いでシリコーンと一緒に接合される。他の実施形態では、湾曲した容器は、単一の型で作製することができ、したがって、単一構造であることができる。湾曲した容器は、他の多くの方法で作成できることが想定されている。
図1Bに示される実施形態では、断熱医療装置200は、開口部2024の近位側の湾曲した容器202と接続されたストラップ270及び各ストラップ270のストラップロック260を更に備えている。ストラップ270及びストラップロック260は、移植片を空洞2026内に固定し、移植片を湾曲した容器202の内壁及びそこに挿入されたPU又はCSインサートと接触させ続けるように構成される。他の実施形態では、容器は、開口部全体に接着ストリップを使用して固定される。他の実施形態では、移植片は、他のタイプの留め具を使用して、レセプタクル内で安全に保たれ得る。
図2は、本発明の一実施形態による、図1Aの断熱医療装置100の実施を示す。図2に示すように、移植片1は、断熱医療装置100内に固定された腎臓インプラントである。使用前に、断熱医療装置100及び移植片1は、保冷庫2に保管されていた。保冷庫2は、限定されるものではないが、任意のアイスボックス、冷蔵庫又は冷凍庫とすることができる。この場合、移植片1の保存温度、すなわち腎移植片の温度は非常に低い(例えば、0~8℃)。したがって、従来技術では、移植片1は、断熱材なしで保冷庫2から取り出されていた。文献は、移植中の、断熱材なしの腎臓インプラント温度が、再潅流が起こるまでに25~30℃に達することを強調している。したがって、本発明は、医療従事者に、断熱医療装置100内に固定された保冷庫2から移植片1を取り出すことができるという利点を提供する。これにより、周囲から移植片1へのかなりの量の熱伝達が妨げられ、そうでなければ、断熱医療装置100なしで行われたであろう。
さらに、湾曲した容器102は、シリコーンの断熱特性を利用して、移植片1(腎臓インプラント)を所定の温度範囲内に保持するように構成される。所定の範囲は、4~25℃であってもよいが、これに限定されるものではない。ただし、本発明は、移植片1を可能な限り長く4~15℃内に維持する。これは、移植片1が、急激な温度上昇のために、移植のために保冷庫2から取り出されたときに、移植片1の損傷を防止するのに役立つ。
湾曲した容器102内にCS及びPUインサートを含む実施形態(図には示されていない実施形態)では、CSインサートは、空洞1026内の移植片が保冷庫2内にある間に冷却されるように構成される。次に、移植片を移植するために医療装置100が保冷庫から取り出されると、CSインサートは、移植片が断熱医療装置100から取り出されるまで、移植片を冷たく保つように構成される。同様に、PUインサートも、空洞1026内の移植片が保冷庫にある間に冷却されるように構成される。そして、移植片を移植するために医療装置100が保冷庫から取り出されると、PUインサートは、移植片を冷蔵状態に保つように構成される。CS、PU及び/又は吸熱反応流体インサート又は内蔵ポケットは、冷却貯蔵能力により、移植片に対して一定期間にわたって静的冷却を提供する。
さらに、別の実施形態(図示せず)では、断熱医療装置100は、統合流体冷却システムと接続される。断熱医療装置100は、空洞1026内に複数の冷却管を備えている。複数の冷却管は、もう一方の端でポンプと冷液貯蔵部とに接続されている。複数の冷却管は、ポンプを使用して移植片を冷却するために空洞1026に連続的に冷却液体を供給するように構成される。その後、冷却液体が移植片に接触し、移植片の熱を交換する。冷却液体は移植片を冷却し、冷却液体は移植片から熱を吸収し、その過程で加熱される。その後、移植片と熱を交換した後に得られた温かい冷却液体を空洞1026から取り出す。このプロセスは、必要な温度範囲を維持するために継続的に続けられる。
別の実施形態(図示せず)では、断熱医療装置は、流体が空気である外部流体冷却システムと接続される。ファン又は他のタイプのエアポンプを使用して、滅菌された空気をカバー本体に向け、移植片をその中に受け入れることができる。
本発明のさらに別の実施形態(図示せず)では、断熱医療装置は、熱電冷却器を含む。一例では、熱電冷却器(TEC)チップが、冷却機構として空洞内に配置される。TECチップは、ある側面から別の側面への電流の流れを可能にするために、電圧源と接続されてもよい。TECチップは、電圧源から電圧を印加し、電流を流した後、熱流束を生成することによって、ペルチェ効果を使用して、移植片から熱を除去するように構成される。これは、空洞内の移植片を所定の温度範囲内に維持するのに役立つ。
別のタイプのヒートシンクモジュール又はモジュールバンクは、空洞を有するポケット内に挿入することができ、又は空洞の内面に取り付けることができる。ヒートシンクは、鉄、鋼銅、若しくは金の多層箔、又はこれらの金属の多層箔で作ることができる。
TECチップ又は他のヒートシンクは、周囲空気に熱エネルギーを放出する熱交換器又は放熱器に接続することができる。密閉されたバッテリ駆動ユニットを使用して、熱電冷却器に電力を供給することができる。クーラーは、使用中の移植片の選択部分又は移植片全体に適用することができる。
断熱医療装置100は、図2に示すように、使用の準備のために冷却される。この場合、移植片である腎臓1は、手順の準備として空洞1026に挿入される。腎臓は、断熱装置100及びそこに含まれ得る任意の冷却ポケットによって冷却される。次に、腎臓1を含む装置100は、腎臓がまだ装置100内にある間に、患者に移植される移植処置のために取られる。使用に際しては、開口部分を患者の血管供給に向けて吻合を可能にする。手順の完了時に、装置100は、断熱装置100を取り外すように、閉鎖部分1022に沿って切断される。穿孔、窪み、切断ライン及び着色ラインの少なくとも1つは、医療スタッフが閉鎖部分1022を容易に切断又は分離するのを助けることができる。いくつかの実施形態では、閉鎖部分は、穿孔を作動させるプルタブを含み、それによって、移植臓器の患者に偶発的な損傷を与える可能性のあるハサミなどを必要とせずに、断熱装置を除去する。
図3~5は、実施後の先行技術と本発明のいくつかの実施形態との比較の実験データを示す。図3は、断熱なしの腎臓インプラント(以下、「Control腎」という。)と、低温生理食塩水(CS)インサートを有する医療機器100における試験用腎インプラント(以下、「CSプロトタイプ」という。)、及びポリウレタンインサート(PU)を有する医療機器100における「試験用」腎インプラント(以下、「PUプロトタイプ」という。)を用いて実施された試験の比較である。
実験方法は、以下の手順を用いて、腎臓インプラントに対して実施される。
1.腎移植が行われるとき、患者の体温を模倣するために水浴を37℃の一定温度に加熱する。
2.「試験用」腎臓は、試験されるCSプロトタイプ及びPUプロトタイプの各々の内側に配置される。
3.今日の腎移植における腎臓の現在の状態である「非断熱腎臓」を模倣するために、「対照」腎が水浴の中に直接配置される。
4.3つの温度感知プローブを腎臓の前側、腎臓の後側及び腎臓の内側に切開によって挿入し、内部の体温変化を調べる。このステップは、「試験用」腎臓及び「Control」腎の両方に対して実行され、合計6つの温度検知プローブに相当する。
5.温度検知プローブは、所定の時間間隔(デフォルトでは20秒)の後に測定を行うコードを実行しているArduino UNOに接続され、これらの測定値をコンピュータ画面に出力する。
6.温度測定値は、約45分間(腎移植を実施するために要する平均時間)取られ、温度対時間のグラフ上にプロットされ、試験中の実施形態の冷却効率を観察する。
図3にみられるように、対照腎の温度は42分後に約36度に達する。CS腎の平均温度は42分後に約24度であるのに対し、PU腎の平均温度は約19度である。これらの温度の一覧表は、添付の表に表示されている。
図3から、両方の断熱方法(CS及びPU)がControl腎よりも良好な断熱性を提供することが明らかである。ポリウレタンの断熱方法は、生理食塩水の断熱よりも性能が良く、42分で約5度の差がある。
同様に、実験のいくつかの反復を、CS及びPUプロトタイプのそれぞれで別々に実施した。図4にCSプロトタイプによる実験結果を示す。図4に示すように、冷たい生理食塩水のプロトタイプはControl腎の温度(黒色)と並んで観察できる。観察することができるように、CSプロトタイプは、図4に特徴的にマークされている全体の平均CSラインに近い温度で、良好に作動したことを観察することができる。
図5にPUプロトタイプによる実験結果を示す。図5から、ポリウレタンのプロトタイプは、Control腎の温度(黒色)と並んで観察することができる。PUプロトタイプが全て良好に作動し、全てが図5に明確にマークされた全体的な平均PUラインに近い状態で観察できることが分かる。図3と視覚的に比較すると、PUプロトタイプの勾配はより平坦であることが観察でき、PUプロトタイプの再加熱速度が低いこと、すなわち断熱率がよいことが分かる。
実験データから、以下のように結論づけることができる。
・図1Bの両方の実施形態(CS及びPUインサートを含む断熱方法)は、非断熱方法よりも良好な断熱を提供する。
・PU及びCS系の断熱医療装置100のうち、PUプロトタイプは、42分後のより効果的な冷却手段である。
・CSプロトタイプは、Control腎よりも低温に達しているが、PUプロトタイプほど効果的ではなく、シリコーン内の生理食塩水が冷えていることを確認するために利用前に凍結する必要があり、そのため、使いやすさとアクセス可能性とを減少させる。
・さらに、低温生理食塩水又はPUインサートなしでシリコーンのみから作られた断熱医療装置100として製造される図1Aの実施形態は、他の実施形態よりも冷却においてより効果的であると予想される。
図7は、断熱医療装置300の別の実施形態を示している。断熱医療装置は、断熱カバー301を含む。断熱カバーは、カバー本体3011を含む。カバー本体は、使用中に移植片が収容される空洞3012を画定する。カバー本体3011は、開口部3013を有し、これを通して移植片を空洞3012内に受け入れることができる。カバー本体3011は、生体適合性の断熱性材料で構成されている。使用時には、カバー本体3011は、移植片が保冷庫から取り外されたときに、移植片の温度が上昇することによる移植片への温虚血性障害を実質的に防止するために、収容された移植片を十分に冷却するように構成されている。
特に、カバー本体3011は、空洞3012の形状を画定する内面3014を有している。空洞3012は、使用中、移植片を密接に覆うように、移植片の形状に類似した形状を有している。この実施形態では、カバー本体3011は、移植片の形状に類似している。カバー本体3011は、また、移植片を横切って均一に断熱を提供するために実質的に均一な厚さを有している。
カバー本体3011は、湾曲している。カバー本体3011は、互いに対向する第1の部分3011A及び第2の部分3011Bを含み、各々の部分は曲率が類似している。各部分は、内面3014A,3014B及び外面3015A,3015Bを有している。内面3014A,3014Bは、使用中において、移植片の外面に接している。
カバー本体3011は、使用中、移植片の外形に適合する可撓性材料で作ることができる。これは、カバー本体3011の内面と移植片の外面との間で周囲空気が循環する可能性を減少させる。これにより、熱拡散を介した移植片への熱伝達が減少する。
上述のように、図6は、いくつかの異なる移植臓器及び各臓器に対応する断熱医療装置の実施形態を示す。例えば、移植片は、肺、心臓、腎臓、胃、肝臓、膵臓、腸の一部若しくは他の臓器、又は臓器の一部であってもよい。この実施形態では、移植片は腎臓である。
カバー本体3011内の空洞3012は、使用中に、移植片の外表面積の実質的な割合又は実質的に全てがカバー本体3011によって覆われ得るように成形され、サイズ決定されている。
カバー本体は、実質的に均一な厚さを有している。カバー本体の厚さは2cmである。他の実施形態では、カバー本体の厚さは、2cm未満又は2cmを超えることができる。他の実施形態では、カバー本体の厚さは、1.5cm~2cmの範囲内であってもよい。
上述のように、カバー本体3011は、開口部3013を有し、これを通して移植片が空洞3012内に受け入れられる。開口部の形状は、カバー本体の外縁3016によって画定されている。開口部3013は、移植片に損傷を与える可能性のある移植片の部分に圧力を不必要に加えることなく、臓器を空洞3012内に受け入れるように成形及びサイズ決定されている。
カバー本体3011は、外縁3016からカバー本体内に延びる湾曲した凹部3017を有している。湾曲した凹部3017は、腎臓の中心付近から外側に延びる血管及び尿管が覆われていないままであることを可能にするように構成されている。したがって、外科医は、移植片がカバー本体の空洞3012内にあり断熱されている間に、移植腎を患者に接続するために移植手術を行うことができる。
本実施形態では、外縁からカバー本体の一方3011Aの湾曲部分に延びる湾曲した凹部3017と、カバー本体の他方3011Bの湾曲部分に延びる第2の矩形の凹部3018とが存在する。第2の凹部3018は、湾曲した凹部3017と直接対向している。
別の実施形態では、第1の凹部と対向する第2の凹部は、第1の凹部と同一であり、湾曲していてもよい。この実施形態では、凹部が中心軸を中心として円弧状に湾曲しているため、カバー本体も同じ中心軸を中心として円弧状に湾曲しており、U字状の断面を有している。U字状の2つのアームは、中心軸に垂直な平面に実質的に平行に延びている。
矩形の第2の凹部3018は、使用中、臓器がカバー本体内にある間、外科医が臓器を見るための窓を提供する。これにより、外科医は、臓器が断熱されたカバー内にある間、手術中に移植腎で起こりうる合併症を評価し、診断することができる。
図7、図8、図10及び図11に例示された実施形態では、カバー本体の内面3014A,3014B及び外面3015A,3015Bがテクスチャード加工されている。これらの実施形態では、パターン3023は、カバーの2つの部分の内面の各々にデボス加工され、同じパターンが、2つの部分の外面の各々にエンボス加工されている。このようにして、2つの部分の外面は、2つの表面の内側部分のネガ(negatives)になっている。
カバー本体3011を形成するために、型は、パターン化された表面のネガを含むことができる。これにより、成形されたカバー本体3011は、カバー本体の2つの部分3011A,3011Bの外面のパターンを有するようになる。他の実施形態では、カバー本体の表面上に様々な種類のパターンを様々な方法で形成することができると考えられる。
有利には、テクスチャード加工された内面3014A,3014Bは、使用中に、移植片が空洞から流出することを防ぐ、移植片の外面への把持面を提供する。
テクスチャード加工された表面3014A,3014B,3015A,3015Bは、冷却チャネルの相互接続されたネットワークを提供し、これにより、冷食塩水などの冷却流体がカバー本体の外部表面に沿って分配され、それにより、カバー本体3011及び移植片が冷却される。外科手術中、外面3015A,3015Bに注入された冷食塩水は、移植片を冷却するためにパターン内のチャネルに沿って移動する。このパターンは、また、プールするために液体を冷却する比較的平坦な領域を含んでもよい。
図7及び図8に示される実施形態は、カバー本体の表面全体に均一に分散された相互接続された六角形3024のネットワークを有している。隣接する六角形の間にはチャネル3025が存在する。六角形3024及びチャネル3025の各々は、表面に凹みを有し、これにより、冷却流体が六角形3024内にプールされて、断熱層を通して移植片を冷却することができる。
図10の実施形態は、複数の正方形4024を含むパターン4023を有している。複数の正方形4024は、外面4015上のチャネル4025の相互接続ネットワークを介して、互いに分離されている。
図11の実施形態は、カバー本体全体に均等に分散された複数の円5024を含むパターン5023を有している。複数の円5024は、外面5015上の冷却流体をプールすることを可能にするために、相互接続された空間5025に囲まれ、カバー内に凹設されている。
有利には、テクスチャード加工された表面は、移植片とカバー本体との間にエアポケットを形成することができ、例えば、表面の一部が表面の他の隣接する部分よりも高く、追加の断熱を提供することにより、移植片の冷却を高めることができる。
テクスチャード加工された表面は、例えば、カバー本体を形成するために使用されるモールドの表面をパターン化することができるように、多くの方法で形成することができると考えられる。
図7及び図8に示される断熱カバーは、また、空洞内に移植片を固定するための2つの留め具3019を含む。固定されると、各留め具は、ユーザがカバー本体を操作又は移動するときに、空洞からの移植片の流出を防止するために、開口部を横切るバリアを提供するように構成されている。各留め具3019は、使用中に凹部から伸びる血管に干渉しないように、凹部の両側に隣接して配置されている。
図7に示す留め具3019は、第1の部分3020と、対応する第2の部分3021とを有している。留め具の第1の部分3020は、カバー本体の第1の部分で外縁3016の一部に隣接して取り付けられる。留め具の第2の部分3021は、カバー本体の第2の部分の外縁3016の一部に隣接して、開口を横切る対応する位置に取り付けられる。
この実施形態では、留め具の第1の部分3020は、矩形の突起内の水平スロットを備え、留め具の第2の部分は、第1の部分3020内のスロットと係合するT字形部材を備えている。T字型部材をスロット内に保持することができる。有利には、カバー本体3011及びそのような留め具3021は、同じ製造プロセスを介して同時に製造することができる。
生体適合性のベルクロ(登録商標)、生体適合性の接着剤、ピン、ボタン及びクリップのような、多くの他のタイプの留め具を使用できることが想定される。
図9は、図7及び図8に示されている断熱カバーの熱性能を、両方を保冷庫から取り出して35度の温度の水浴に置いた場合におけるカバーされていない移植片と比較して示している。移植片の平均温度は、60分間で、カバーされていない移植片の平均温度に対して著しく低い。通常、ほとんどの腎臓移植には45分から60分かかるため、これは有利である。
手術中の使用において、保冷庫から取り出された後、移植片が収容された断熱カバーを、例えば氷床のような冷却媒体と接触させることができる。断熱カバーは、移植片の冷却が維持されるのに役立つ。有利には、断熱カバーは、移植片への熱伝達速度を低くし、これにより、経時的に温虚血性障害を防止するのに役立つ。さらに、例えば、温度をモニターすること及び/又は外部供給源を介して移植片を冷却することによって、手術中に移植片を積極的に冷却する必要性が減少するであろう。したがって、断熱カバーは、覆われていない移植片と比較して、周囲温度において移植片に受動的な冷却効果を提供する。
他の実施形態では、カバー本体3011は、外科用クランプ又は他の外科用ツールで開口部を狭くするかまたは閉じることによって、空洞内に移植片を固定するためのスロット又は他の形態を含むことができる。
断熱カバー300は、カバー本体の第1,第2の部分3011A,3011Bの間に位置する把持突起3022を含んでもよい。把持突起3022は、長方形であり、ユーザが、そこに固定された移植片を含むカバー本体3011を快適に把持及び操作することができるように、十分に幅広であってもよい。
この実施形態では、把持突起3022は、カバー本体3011の開口部の反対側、特に凹部の位置の反対側に位置している。
他の実施形態では、ユーザが手術中に移植片を含むカバー本体3011を把持及び操作するために、カバー本体上に複数の把持突起が配置されてもよい。
カバー本体3011は、また、手術中にユーザのためのガイドを提供するマーキングを有していてもよい。カバー本体は、また、カバー本体の第1,第2の部分3011A,3011Bの間の接合部に沿って配置されたミシン目のラインを備えることができる。使用時には、ミシン目のラインは、上述のように、カバー本体3011の制御された分解を可能にするための切断ガイドとして機能する。
他の実施形態において、マーキングは、移植中の解剖学的構造、配向、識別、及び/又は分析のための視覚的指標であり得る。マーキングは、色を付けたり、テクスチャを付けたり、記号やラベルを付けたりすることができる。指標は、関心のある主要な解剖学的領域、重要な血管および構造を強調し、外科的切断および縫合のためのガイダンスを提供することができる。
別の実施形態では、断熱医療装置は、曝露された臓器組織を一時的に露出させるために使用することができる調節可能なカバーを含むこともできる。手術が実施されると、カバー本体内に位置している又は位置していない可能性のある組織を覆い又は組織を露出させるために、本体の部分を覆う調整可能なカバーを動かし、追加し、又は取り外すことができる。
他の実施形態では、断熱医療装置は、熱放射を反射するために、カバーの外面上に熱伝導材料の外層を含んでもよい。熱伝導性材料は、金属層であってもよい。熱伝導性材料は、他のタイプの物理蒸着を介してスパッタ被覆されてもよい。熱伝導性材料は、化学蒸着によってカバーに適用することもできる。層の厚さは、5~800nmの範囲であり得る。層は、10nmの厚さとすることができる。あるいは、金属層は、カバー本体の外面と一体化された、またはカバー本体の外面に取り外し可能に取り付けられる繊維性シートの形態であってもよい。
断熱医療装置を使用して、手術中に組織を選択的に冷却し、外科領域を囲む組織への熱傷を防止することができる。例えば、断熱医療装置は、手術中に治療されている組織、ペースメーカのような埋め込まれた医療装置、又は隣接組織を刺激する他の医療装置に冷却を提供するために使用することができる。手術は、電磁放射線、電気焼灼、超音波切断、又はレーザー焼灼ツールを用いた切除などの組織に熱を加える電気外科手術の一種であってもよい。
断熱医療装置は、また、操作される組織を取り囲む組織への損傷を制限するために、使用される前に、ドリル、ブレード、リーマのような外科用ツールを冷却するために使用することができる。冷却された金属ツールは、切断面から熱を奪い、組織の周囲の領域で組織が壊死する可能性を防ぐ。また、切削ツールや組織ゾーンを冷却することにより、手術中の失血や、その後のインプラントの緩みや感染のリスクを抑えることができる。
例えば、生体適合性断熱材料は、シリコーン、ポリウレタン又は脂肪族ポリエステルであってもよい。この実施形態では、生体適合性熱絶縁材料はシリコーンである。有利には、シリコーンは、当該技術分野における現在の方法を用いて、滅菌プロセス中に損傷を受けることなく滅菌することができる。
本発明は、多くの利点を提供する。第一に、本発明は、直感的で使いやすいだけでなく、生体適合性である既製の単一用途の滅菌医療装置として提供することができる。移植ユニットを有する病院内では、本発明は、温虚血性障害を防止し、迅速な手術のための圧力を除去し、外科的訓練のための追加の時間を提供するために、全ての臓器移植手順において利用可能な1回限りの使い捨て可能なものとして提供され得る。さらに、本発明は、移植片不全(透析の増加、患者の長期滞在、移植片拒絶など)に関連する健康経済的効果を考慮する際に、有意なコスト削減を提供する。本発明は、臓器移植におけるゴールドスタンダードである通常の静的冷却以外の移植片(臓器インプラント)の前処理を必要としない。さらに、本発明は、容器又は断熱カバーが、ユーザに関心のある重要な血管又は他の解剖学的領域へのアクセスを与えながら、臓器インプラント全体の周囲に適合するように、移植片の形状に従って製造することができる。さらに、図1A、図7、図8、図10及び図11に示される実施形態において、本発明は、その機能のための外部装置を必要としない。
これらの実施形態に対する種々の変更は、当業者には明細書から明らかである。本明細書に記載される種々の実施形態に関連する原理は、他の実施形態に適用することができる。したがって、明細書は、実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示及び/又は示唆される原理および新規かつ発明的特徴と一致する最も広い範囲を提供するものである。したがって、本発明は、本発明の範囲内にある他の全てのそのような選択肢、修正、及びバリエーションに保持されることが予想される。
Claims (43)
- 移植される移植片を断熱するための医療装置であって、
使用中に、前記移植片を収容する空洞を画定する内面を含むカバー本体を備え、
前記カバー本体は、前記移植片を前記空洞内に収容する開口部を画定する外縁を有し、
前記カバー本体は、生体適合性の断熱性材料で作られており;
使用中、前記移植片に対する温虚血性障害を実質的に防止するために、収容された前記移植片を十分に冷却するように構成されている、医療装置。 - 前記カバー本体の前記内面の形状は、前記移植片の形状に類似している、請求項1に記載の医療装置。
- 前記移植片は、腎臓、心臓、肝臓、肺、腸及び膵臓を含む群から選択される移植可能な臓器である、請求項1に記載の医療装置。
- 前記カバー本体は、使用中に、前記移植片の外部表面積のかなりの部分にわたって延在する、請求項1に記載の医療装置。
- 前記カバー本体は、使用中に、前記移植片の実質的に全ての外部表面積にわたって延在する、請求項1に記載の医療装置。
- 前記カバー本体は、使用中に、前記移植片を密接に覆うように構成されている、請求項1に記載の医療装置。
- 前記カバー本体は、使用中に、前記移植片の外形に適合するように構成されている、請求項1に記載の医療装置。
- 前記期間は、約60分である、請求項1に記載の医療装置。
- 前記カバー本体は、可撓性材料で構成されている、請求項1に記載の医療装置。
- 前記カバー本体は、シリコーンで構成されている、請求項1に記載の医療装置。
- 前記カバー本体は、実質的に均一な厚さを有する、請求項1に記載の医療装置。
- 前記カバー本体の厚さは、約2cmである、請求項1に記載の医療装置。
- 前記カバー本体の厚さは、1.5cm~2.5cmの範囲内である、請求項1に記載の医療装置。
- 前記カバー本体は、外面を含み、
前記外面は、テクスチャード加工されている、請求項1に記載の医療装置。 - 前記カバー本体は、内面を含み、
前記内面は、テクスチャード加工されている、請求項1に記載の医療装置。 - テクスチャード加工された前記内面は、使用中に、前記移植片の外面を把持して、前記空洞からの前記移植片の流出を実質的に防止するように構成されている、請求項15に記載の医療装置。
- テクスチャード加工された前記外面は、使用中に、前記移植片の外面を冷却するために冷却流体が移動することができる複数のチャネルを備えている、請求項14に記載の医療装置。
- テクスチャード加工された前記外面は、相互接続された複数の冷却チャネルを含むパターンを備えている、請求項17に記載の医療装置。
- 前記冷却流体は、冷却された生理食塩水である、請求項17に記載の医療装置。
- 前記カバー本体から延びる把持部を更に含み、
前記把持部は、使用中に、前記移植片が前記カバー本体内に配置された場合に、ユーザが前記カバー本体を快適に把持及び操作することを可能にする、請求項1に記載の医療装置。 - 前記カバー本体上において前記開口部に隣接して位置する少なくとも1つの留め具を更に備え、
前記留め具は、使用中に、前記空洞からの前記移植片の流出を防止するために、前記空洞の開口を横切るバリアを提供するように構成されている、請求項1に記載の医療装置。 - 少なくとも1つの前記留め具は、前記外縁の第1の部分に隣接して取り付けられた第1の部分と、前記外縁の第1の部分に対して前記空洞の開口を横切って配置される前記外縁の第2の部分に隣接する第2の部分とを含む、請求項21に記載の医療装置。
- 前記留め具の前記第1の部分は、スロットを含み、
前記留め具の前記第2の部分は、前記スロットと解放可能に係合するT字形突起を含む、請求項22に記載の医療装置。 - 前記医療装置は、一体構造である、請求項1に記載の医療装置。
- 前記移植片は、移植可能な臓器である、請求項1に記載の医療装置。
- 前記移植片は、腎臓、心臓、肝臓、肺、腸及び膵臓を含む群から選択される移植可能な臓器である、請求項1に記載の医療装置。
- 前記カバー本体は、使用中に、ユーザに視覚的なガイドを提供するマーキングを更に含む、請求項1に記載の医療装置。
- 前記マーキングは、使用中に、ユーザが前記カバーを切断して前記移植片から前記カバーを除去することができる直線状のミシン目の配列を備える、請求項1に記載の医療装置。
- 冷却インサートを受け入れるための冷却ポケットを更に備える、請求項1に記載の医療装置。
- 前記冷却インサートが生理食塩水を含む冷却インサートを更に備える、請求項29に記載の医療装置。
- 前記冷却インサートがポリウレタンを含む、請求項29に記載の医療装置。
- 移植される移植腎を断熱するための医療装置において
使用中に、前記移植腎を収容して覆うように構成された空洞を画定するU字状の断面を有する湾曲したカバー本体を備え、
湾曲した前記カバー本体は、生体適合性の断熱性材料を含み、使用中に、前記移植腎に対する温虚血性障害を実質的に防止するために前記移植腎を十分に冷却するように構成されている、医療装置。 - 前記カバー本体は、中心軸の周りに弧状に湾曲している、請求項32に記載の医療装置。
- 実質的に前記U字状の断面の前記U字状の両アームは、中心軸に垂直な平面に実質的に平行に延びている、請求項32に記載の医療装置。
- 前記カバー本体は、使用中に、前記移植腎の実質的に全ての外部表面積にわたって延びている、請求項32に記載の医療装置。
- 前記カバー本体は、弧状に湾曲しており、それによって、使用中に、ユーザが移植中に腎臓の血管及び尿管に容易にアクセスすることができるように、腎臓の血管及び尿管を配置できる凹部が形成されている、請求項32に記載の医療装置。
- 前記カバー本体は、使用中に、前記空洞からの前記移植片の流出を防止するために前記空洞の開口を横切るバリアを提供するように構成された少なくとも1つの留め具を備え、
前記留め具は、前記カバー本体において前記空洞の開口に隣接する部分に配置されている、請求項32に記載の医療装置。 - 請求項1記載の断熱のカバー本体と、
前記カバー本体及び前記カバー本体に収容された移植片を冷却するように構成された能動冷却装置と、
を備える移植前の移植片を冷却するシステム。 - 前記能動冷却装置は、熱電冷却器を備える、請求項38に記載のシステム。
- 前記能動冷却装置は、空気ポンプを備える、請求項38に記載のシステム。
- 前記能動冷却装置は、
前記移植片の間の前記カバーの内面に沿って配置された冷却管と、
冷却流体を受け入れるための入口と、
温まった冷却流体を取り除くための出口と、
を備える、請求項38に記載のシステム。 - 前記冷却管は、前記カバーの外面と接触しており、該カバーに沿って延びている、請求項41に記載のシステム。
- 前記冷却管は、前記カバーの内面と接触しており、該カバーに沿って延びている、請求項41に記載のシステム。
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