JP2022549272A - Egfr阻害剤とcdk4/6阻害剤の組み合わせを用いたegfr変異に関連する癌の治療 - Google Patents

Egfr阻害剤とcdk4/6阻害剤の組み合わせを用いたegfr変異に関連する癌の治療 Download PDF

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Abstract

式(I)のEGFR阻害剤と式(II)のCDK4/6阻害剤の組み合わせにより、EGFR変異に関連する癌を治療する方法、および、EGFR変異に関連する癌の治療のための医薬の製造におけるこれらの化合物の組み合わせの使用、が開示される。TIFF2022549272000041.tif52140

Description

関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法(35U.S.C.)第119条(e)の下、2019年9月23日に出願された米国仮出願第62/904,567号の優先権を主張し、その開示は、参照によりその全体が、本明細書に組み込まれる。
本発明の技術分野
本発明は、上皮成長因子受容体(EGFR)変異に関連する癌の治療の分野に関する。
上皮成長因子受容体(EGFR、Her1、ErbB1)は、4つの構造的に関連する細胞表面の受容体のErbBファミリーの主要メンバーであり、他のメンバーは、Her2(Neu、ErbB2)、Her3(ErbB3)、Her4(ErbB4)である。EGFRは、その固有の触媒的チロシンプロテインキナーゼ活性を介して、その主要な細胞の機能を発揮する。受容体は、上皮成長因子(EGF)や形質転換成長因子-α(TGF-α)などの成長因子リガンドと結合することによって活性化され、触媒的に不活性なEGFRモノマーを、触媒的に活性なホモダイマーおよびヘテロダイマーに変換する。次いで、これらの触媒的に活性なダイマーが、細胞内チロシンキナーゼ活性を開始させ、これが特定のEGFRチロシン残基の自己リン酸化を引き起こし、シグナル伝達タンパク質の下流の活性化を誘発する。続いて、シグナル伝達タンパク質は、複数のシグナル伝達カスケード(MAPK、Akt、およびJNK)を開始させ、最終的に、細胞の成長、増殖、運動性、および生存の、重要な生物学的プロセスを媒介する。
EGFRは、多くの種類の癌細胞の表面に異常に高いレベルで見られ、EGFRのレベルの増加は、進行した疾患、癌の広がり、および臨床的予後不良と関連している。EGFRの変異は、受容体の過剰発現、永続的な活性化、または持続的な活動亢進を引き起こし、制御されない細胞増殖、すなわち癌をもたらす可能性がある。その結果、EGFR変異は、転移性の肺、頭頸部、膀胱、乳房、頸部、子宮、卵巣、扁平上皮細胞、神経膠腫、神経膠芽腫、結腸直腸、胃食道、甲状腺、および膵臓の癌を含む、いくつかの種類の悪性腫瘍で確認されている。ヒト非小細胞肺癌(NSCLC)では、変異は、主に、キナーゼドメインのアデノシン三リン酸(ATP)結合ポケットをコードする、エクソン18~21で発生する。最も臨床的に関連する薬物感受性EGFR変異は、共通アミノ酸モチーフ(LREA)を排除するエクソン19の欠失、および、858位(L858R)のロイシンをアルギニンに置換するエクソン21の点変異である。合わせて、これらの2つの活性化変異は、肺癌で観察されるEGFR変異の85%近くを占めている。両方の変異は、永続的なチロシンキナーゼ活性を有し、その結果、それらは、発癌性である。
現在の治療に最初に反応する患者の少なくとも50%において、疾患の進行は、二次変異、EGFRのエクソン20のT790M(ゲートキーパー変異と称されることもある)の進行に関連している。残念ながら、EGFRの阻害剤は、特に高用量で、さまざまな望ましくない毒性を引き起こすことが知られている。さらに、既存のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤に対する後天的な耐性は、特にNSCLCにとって、依然として大きな課題である。
サイクリン依存性キナーゼは、細胞分裂と増殖を調節するプロテインキナーゼのファミリーである。細胞周期の進行は、サイクリンおよびそれに関連するサイクリン依存性キナーゼ、例えば、CDK1~CDK4およびCDK6など、によって制御されるが、CDK7~CDK9などの他のCDKは、転写に重要である。サイクリンに結合するCDKは、セリンおよびスレオニン残基の基質をリン酸化する、ヘテロダイマー複合体を形成し、次いで、これが、細胞周期の転写および進行に必要なイベントを開始させる(Malumbres et al. Trends Biochem. Sci. 2005, 30, 630-641)。制御されない細胞増殖は、癌の特徴であり、ほとんどの癌細胞は、CDKの制限解除を示すため、CDKの阻害は、さまざまな癌の潜在的な治療法として浮上している。CDKに対する選択性の程度が異なる阻害剤が、報告されている。CDK4およびCDK6に選択的な阻害剤は、細胞増殖の調節における重要な役割と、他のCDKの阻害に関連する毒性作用の増加のため、有望なクラスの潜在的な抗癌剤である。
EGFR阻害剤の副作用は、それらの用量レベルを最小限にすることによって、例えば、選択的サイクリン依存性キナーゼ阻害剤との併用投与を通じて、耐性型を含む肺癌細胞の感受性を高めることによって、ある程度、軽減できることが報告されている((Liu, M., et al., Oncotarget 2016, 7(51), 84951)。しかしながら、特に耐性型に対して改善された有効性をもたらし、副作用を少なくする、さまざまなEGFR変異に関連する癌に対する、新しい低用量治療レジメンの開発は、依然として高い要求がある。
本発明は、上記の要求を満たすものであり、活性化変異に加えてT790M二重変異体のキナーゼドメインを効果的に阻害する、第3世代の不可逆的なEGFRチロシンキナーゼ阻害剤である(WO2016094821A2を参照)、化合物1を、MCF7ヒト乳癌細胞株において強力なインビトロ活性を示す選択的CDK4/6阻害剤である(WO2016014904A1を参照)、化合物2と組み合わせて、好ましくは、相乗的に有効な量で用いて、ヒト非小細胞肺癌を治療するために、使用することができるという驚くべき発見に基づいている。
Figure 2022549272000002
化合物1は、現在使用されている第1世代および第2世代の可逆的EGFRチロシンキナーゼ阻害剤で観察される耐性を克服するため、新しい併用療法は、EGFR変異に関連する癌、例えば、肺癌(特に非小細胞肺癌)、乳癌、膀胱癌、膠芽腫、頭頸部癌、子宮頸癌、子宮癌、結腸直腸癌、胃食道癌、前立腺癌、卵巣癌、膵臓癌、腎細胞癌、扁平上皮癌、および/または甲状腺癌、の治療に、幅広く適用されることが見出される。特に、これらの化合物の優れた血液脳関門(BBB)透過性のために、それらの組み合わせは、転移性の脳腫瘍、特にEGFR変異関連の癌、特に非小細胞肺癌に由来するものの治療に大きな可能性を有している。
したがって、一態様において、本発明は、対象における上皮成長因子受容体(EGFR)の変異に関連する癌を治療する方法であって、治療有効量の式(I)のEGFR阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグを、好ましくは相乗的に有効な量の、式(II)のサイクリン依存性キナーゼ(CDK)阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグと組み合わせて、対象に投与することを含む、方法を提供する。
Figure 2022549272000003
[式(I)中、
Gは、置換または非置換の1H-インドール-3-イル、置換または非置換の1H-インダゾール-3-イル、置換または非置換の2H-インダゾール-3-イル、および置換または非置換のピラゾロ[1,5-a]-ピリジン-3-イル、および置換または非置換の4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル、から選択され;
Xは、酸素、硫黄、およびメチレンから選択され;
は、水素、ハロゲン、メチル、トリフルオロメチル、およびシアノから選択され;
、R、およびRは、同じかまたは異なり、独立して、水素、ハロゲン、およびトリフルオロメチルから選択され;
は、低級アルキル、任意に置換されていてもよい3~6員のヘテロシクリル、RN-(低級アルキル)、およびRN-(シクロアルキルアルキル)から選択され、ここで、RおよびRは、同じかまたは異なり、独立して、水素、および低級アルキルから選択され;および
は、低級アルコキシ、および低級アルキルから選択される。
式(II)中、
は、水素、C-Cアルキル、C-Cシクロアルキル、または生理学的条件下で除去されて対応する非置換化合物を形成することが可能な代謝性基であり;
およびRは、それぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cシクロアルキル、またはC-Cシクロアルキルメチルであり;
は、水素、ハロゲン、C-Cアルキル、またはC-Cシクロアルキルであり;および、
は、水素、またはハロゲンである。]
一実施形態において、本発明は、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤N-[2-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]-4-メトキシ-5-[[4-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)-2-ピリミジニル]アミノ]フェニル]-2-プロペンアミド(1)と、選択的CDK4/6阻害剤N-[5-[(4-エチル-1-ピペラジニル)メチル]-2-ピリジニル]-5-フルオロ-4-[2-メチル-3-(1-メチルエチル)-2H-インダゾール-5-イル]-2-ピリミジンアミン(2)との組み合わせを用いた、NSCLCの治療方法に関する。1と2の組み合わせ療法は、驚くべきことに、相乗効果をもたらし、それにより、各化合物の用量を最小限に抑え、有害な副作用を軽減する可能性を提供する。
一実施形態において、本発明は、有効量の式1のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を、相乗的に有効な量の式2のCDK4/6阻害剤またはその薬学的に許容される塩と組み合わせて、投与するステップを含む、EGFR変異を有した非小細胞肺癌を有するヒト対象を治療する方法、に関する。非小細胞肺癌は、EGFR T790M耐性変異を有し得る。式1の阻害剤の塩の形態は、メタンスルホン酸塩であり得、そして式2の阻害剤の塩の形態は、塩酸塩であり得る。
別の実施形態において、本発明は、有効量の式1のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を、相乗的に有効な量の式2のCDK4/6阻害剤またはその薬学的に許容される塩と組み合わせて、ヒト対象に投与するステップを含む、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)治療に対する後天的な耐性を発達させた、EGFR変異の癌を有するヒト対象を治療する方法、に関する。EGFR変異の癌は、乳癌であり得る。乳癌は、エストロゲン受容体陽性乳癌、プロゲステロン受容体陽性乳癌、またはHER2陽性乳癌であり得る。EGFR変異の癌は、膀胱癌、膠芽腫、頭頸部癌、子宮頸癌、子宮癌、結腸直腸癌、胃食道癌、前立腺癌、卵巣癌、膵臓癌、腎細胞癌、扁平上皮癌、または甲状腺癌であり得る。
別の実施形態において、本発明は、有効量の式1のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を、相乗的に有効な量の式2のCDK4/6阻害剤またはその薬学的に許容される塩とともに、ヒト対象に投与するステップを含む、EGFR変異の癌を有するヒト対象を治療する方法であって、対象が、EGFR-TKI治療未経験である方法、に関する。
別の態様において、本発明は、本明細書に開示されるような、EGFR変異に関連する癌を治療するための医薬の製造における、好ましくは相乗的に有効な量での、式(I)の化合物および式(II)の化合物の組み合わせの使用、に関する。
本発明の他の態様および利点は、以下の詳細な説明、図面、および特許請求の範囲を参照して、さらによく理解されるであろう。
図1は、HCC827マウス異種移植片腫瘍モデル(平均±SD、n=8)における、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤1、CDK4/6阻害剤2、およびそれらの組み合わせの、抗腫瘍効果のグラフを示す。 図2は、NCI-H1975-Lucマウス異種移植片腫瘍モデル(平均±SD、n=10)における、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤1、CDK4/6阻害剤2、およびそれらの組み合わせの、抗腫瘍効果のグラフを示す。
一態様において、本発明は、対象における上皮成長因子受容体(EGFR)の変異に関連する癌を治療する方法であって、治療有効量の式(I)のEGFR阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、またはそのプロドラッグを、式(II)のサイクリン依存性キナーゼ(CDK)阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグと組み合わせて、好ましくは相乗的に有効な量で用いて、対象に投与することを含む、方法、を提供する。
Figure 2022549272000004
[式(I)中、
Gは、置換または非置換の1H-インドール-3-イル、置換または非置換の1H-インダゾール-3-イル、置換または非置換の2H-インダゾール-3-イル、置換または非置換のピラゾロ[1,5-a]-ピリジン-3-イル、および置換または非置換の4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル、から選択され;
Xは、酸素、硫黄、およびメチレンから選択され;
は、水素、ハロゲン、メチル、トリフルオロメチル、およびシアノから選択され;
、R、およびRは、同じかまたは異なり、独立して、水素、ハロゲン、およびトリフルオロメチルから選択され;
は、低級アルキル、任意に置換されていてもよい3~6員のヘテロシクリル、RN-(低級アルキル)、およびRN-(シクロアルキルアルキル)から選択され、ここで、RおよびRは、同じかまたは異なり、独立して、水素、および低級アルキルから選択され;および、
は、低級アルコキシ、および低級アルキルから選択される。
式(II)中、
は、水素、C-Cアルキル、またはC-Cシクロアルキル、または生理学的条件下で除去されて対応する非置換化合物を形成することが可能な代謝性基であり;
およびRは、それぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cシクロアルキル、またはC-Cシクロアルキルメチルであり;
は、水素、ハロゲン、C-Cアルキル、またはC-Cシクロアルキルであり;および、
は、水素、またはハロゲンである。]
一実施形態において、場合により好ましくは、式(II)において、Rは、水素である。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(II)において、Rは、C-Cアルキルである。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(II)において、Rは、メチル、エチル、プロピル、またはイソプロピルである。
本明細書において、「生理学的条件下で除去されて対応する非置換化合物を形成することが可能な代謝性基」との用語は、生理学的条件下で加水分解可能である基を意味する。いくつかの実施形態において、代謝性基は、RC(O)-であり、ここで、Rとしては、これに限定されるものではないが、H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルなど、好ましくは、メチルまたはエチル、より好ましくは、メチルが挙げられる。いくつかの実施形態において、代謝性基は、ROC(O)-であり、ここで、Rとしては、これに限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピルなど、好ましくは、メチルまたはエチル、より好ましくは、メチルが挙げられる。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(II)において、Rは、C-Cアルキル、C-Cシクロアルキル、またはC-Cシクロアルキルメチルである。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(II)において、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロプロピルメチル、またはシクロペンチルメチルである。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(II)において、Rは、C-Cアルキル、またはC-Cシクロアルキルである。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(II)において、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、またはシクロプロピルである。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(II)において、Rは、式IIa:
Figure 2022549272000005
によって特徴付けられた、インダゾール環の7位に位置する。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(II)において、Rは、水素またはハロゲンである。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(II)において、Rは、水素またはフルオロである。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(II)において、Rは、メチルまたはエチルであり;Rは、イソプロピル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、またはシクロペンチルであり;Rは、メチルまたはエチルであり;Rは、水素またはフルオロであり;および、Rは、水素またはフルオロである。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(II)において、式(II)の化合物は、下記:
Figure 2022549272000006
からなる群から選択される。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(II)の化合物は、表1のリストから選択される。
表1 化合物の選択例
Figure 2022549272000007
Figure 2022549272000008
Figure 2022549272000009
Figure 2022549272000010
Figure 2022549272000011
Figure 2022549272000012
本発明で用いられ得る式(II)のCDK4/6阻害剤の他の例として、WO2019/148161に開示されているものが挙げられ、これは、出願の全文が本明細書に記載されているのと同じように、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(I)において、
Gは、1H-インドール-3-イル、1-メチル-1H-インドール-3-イル、1-(2-フルオロエチル)-1H-インドール-3-イル、1,2-ジメチル-1H-インドール-3-イル、ピラゾロ[1,5-a]-ピリジン-3-イル、4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル、1-メチル-1H-インダゾール-3-イル、および、2-メチル-2H-インダゾール-3-イル、からなる群から選択される。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(I)において、
は、C-Cアルキル、置換または非置換のアゼチジニル、置換または非置換のピロリジニル、置換または非置換のピペリジニル、RN-(CH-(ここでn=1~5)、RN-(C-Cシクロアルキル)-(CH-(ここでm=1~3)から選択され、ここで、RおよびRは、同じかまたは異なり、独立して、水素および低級アルキルから選択される。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(I)において、
は、メチル、1-(ジメチルアミノ)-シクロプロピルメチル、3-(ジメチルアミノ)シクロブチル、1-メチルアゼチジン-3-イル、(R)-1-メチルピロリジン-3-イル、(S)-1-メチルピロリジン-3-イル、1-メチルピペリジン-4-イル、および、2-ジメチルアミノ-エチルから選択される。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(I)において、Rは、水素、ハロゲン、またはメチルである。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(I)において、Rは、水素である。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(I)において、Rは、水素、またはハロゲンである。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(I)において、Rは、水素である。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(I)において、
は、水素、F、またはClであり;
は、水素、F、Cl、または-CFであり、および、
は、水素である。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(I)において、Xは、酸素である。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(I)において、Xは、硫黄である。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(I)において、Xは、-CH-である。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(I)の化合物は、式(Ia):
Figure 2022549272000013
[式中、
Xは、O、S、またはCHであり;
Qは、C-R10、またはNであり;
は、CH、またはCHCHFであり;および、
10は、H、またはCHである。]
で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグである。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(Ia)において、Qは、C-R10である。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(Ia)において、Rは、CHである。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(Ia)において、Xは、Oである。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(Ia)の化合物は、下記:
Figure 2022549272000014
の構造を有するものである。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(Ia)の化合物は、下記:
Figure 2022549272000015
の構造を有するものである。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(Ia)において、Xは、Sである。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(Ia)の化合物は、下記:
Figure 2022549272000016
の構造を有するものである。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(Ia)において、Xは、CHである。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(Ia)の化合物は、下記:
Figure 2022549272000017
の構造を有するものである。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(Ia)において、Rは、CHCHFである。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(Ia)の化合物は、下記:
Figure 2022549272000018
の構造を有するものである。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(Ia)において、Qは、Nである。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(Ia)の化合物は、下記:
Figure 2022549272000019
の構造を有するものである。
一実施形態において、場合により好ましくは、式(Ia)の化合物は、下記の構造を有するものである。
Figure 2022549272000020
[式中、Xは、O、S、またはCHであり、場合により好ましくは、XはOである。]
一実施形態において、場合により好ましくは、式(I)の化合物は、下記からなる群から選択されるもの、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグである。
Figure 2022549272000021
Figure 2022549272000022
Figure 2022549272000023
Figure 2022549272000024
Figure 2022549272000025
Figure 2022549272000026
一実施形態において、場合により好ましくは、式(I)の化合物は、下記からなる群から選択されるものである。
Figure 2022549272000027
当業者が理解するように、本開示に記載される式(I)または(II)の化合物は、それらが化学結合の原理に違反することなく、安定した化合物を形成する限り、本明細書に記載されるそれぞれの実施形態の任意の適宜の組み合わせを包含する。
一実施形態において、場合により好ましくは、本発明は、有効量の式1:
Figure 2022549272000028
で示されるEGFRチロシンキナーゼ阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、またはそのプロドラッグを、相乗的に有効な量の式2:
Figure 2022549272000029
で示されるCDK4/6阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、またはそのプロドラッグと組み合わせて、投与するステップを含む、EGFR変異を有した非小細胞肺癌を有するヒト対象を治療する方法、を提供する。
一実施形態において、場合により好ましくは、本発明は、有効量の式1:
Figure 2022549272000030
で示されるEGFRチロシンキナーゼ阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグを、相乗的に有効な量の式II-32:
Figure 2022549272000031
で示されるCDK4/6阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグと組み合わせて、投与するステップを含む、EGFR変異を有した非小細胞肺癌を有するヒト対象を治療する方法、を提供する。
一実施形態において、場合により好ましくは、非小細胞肺癌は、EGFR T790M耐性変異を有している。
一実施形態において、場合により好ましくは、式1の阻害剤の塩の形態は、メタンスルホン酸塩であり、式2の阻害剤の塩の形態は、塩酸塩である。
別の実施形態において、場合により好ましくは、本発明は、有効量の式1のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグを、相乗的に有効な量の式2のCDK4/6阻害剤、または薬学的に許容される塩、溶媒和物、またはそのプロドラッグと組み合わせて、ヒト対象に投与するステップを含む、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)の治療に対する後天的な耐性を発達させた、EGFR変異の癌を有するヒト対象を治療する方法、を提供する。
特に好ましい実施形態において、EGFR変異の癌は、乳癌である。
特に好ましい実施形態において、乳癌は、エストロゲン受容体陽性乳癌、プロゲステロン受容体陽性乳癌、またはHER2陽性乳癌である。
別の実施形態において、場合により好ましくは、EGFR変異の癌は、膀胱癌、膠芽腫、頭頸部癌、子宮頸癌、子宮癌、結腸直腸癌、胃食道癌、前立腺癌、卵巣癌、膵臓癌、腎細胞癌、扁平上皮細胞癌、または甲状腺癌である。
別の実施形態において、場合により好ましくは、本発明は、有効量の式1のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグを、相乗的に有効な量の式2のCDK4/6阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグとともに、ヒト対象に投与するステップを含む、EGFR変異の癌を有するヒト対象を治療する方法であって、対象が、EGFR-TKI治療未経験である、方法、を提供する。
別の態様において、本発明は、対象における上皮成長因子受容体(EGFR)の変異に関連する癌を治療するための医薬の製造における、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグと、相乗的に有効な量の式2のCDK4/6阻害剤、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、またはプロドラッグとの、組み合わせの使用、を提供する。
いくつかの実施形態において、癌は、肺癌、乳癌、脳腫瘍、膀胱癌、膠芽腫、頭頸部癌、子宮頸癌、子宮癌、結腸直腸癌、胃食道癌、前立腺癌、卵巣癌、膵臓癌、腎細胞癌、扁平上皮癌、または甲状腺癌からなる群から選択される。
いくつかの好ましい実施形態において、癌は、肺癌であり、場合により好ましくは、非小細胞肺癌である。
いくつかの好ましい実施形態において、癌は、乳癌であり、場合により好ましくは、エストロゲン受容体陽性乳癌、プロゲステロン受容体陽性乳癌、またはHER2陽性乳癌である。
いくつかの好ましい実施形態において、癌は、脳腫瘍であり、場合により好ましくは、転移性脳腫瘍であり、特に、EGFR変異に関連する非小細胞肺癌に由来する転移性腫瘍である。
いくつかの実施形態において、EGFR阻害剤およびCDK4/6阻害剤は、対象の治療に相乗効果を引き起こす適切な割合の併用治療剤の製造において、一緒に組み合わされ得る。例えば、医薬組成物は、治療有効量のEGFR阻害剤(第1の化合物)、治療有効量のCD4/6阻害剤(第2の化合物)、および薬学的に許容される担体、を含み得る。
いくつかの実施形態において、EGFR阻害剤およびCDK4/6阻害剤は、同時の別個のレジメンとして、別々に投与され得る。
いくつかの実施形態において、EGFR阻害剤は、CDK4/6阻害剤の投与前の時間に、投与され得る。
いくつかの他の実施形態において、EGFR阻害剤は、CDK4/6阻害剤の投与より後の時間に、投与され得る。
特定の一実施形態において、本発明は、有効量の式1のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤、またはその薬学的に許容される塩を、式2のCDK4/6阻害剤、またはその薬学的に許容される塩と組み合わせて、好ましくは相乗的に有効な量で用いて、投与するステップを含む、EGFR変異を有した非小細胞肺癌を有するヒト対象を治療する方法、を提供する。投与は、同時に、または順次に、行うことができる。この方法における非小細胞肺癌は、EGFR T790M耐性変異をさらに有し得る。好ましい実施形態において、式1の阻害剤の塩の形態は、メタンスルホン酸塩であり、場合により好ましくは、モノメタンスルホン酸塩であり、そして、式2の阻害剤の塩の形態は、塩酸塩である。
特定の一実施形態において、本発明は、有効量の式1のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を、相乗的に有効な量の式2のCDK4/6阻害剤またはその薬学的に許容される塩と組み合わせて、ヒト対象に投与するステップを含む、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)の治療に対する後天的な耐性を発達させた、EGFR変異の癌を有するヒト対象を治療する方法、を提供する。投与は、同時に、または順次に、行うことができる。EGFR変異の癌は、膀胱癌、膠芽腫、頭頸部癌、子宮頸癌、子宮癌、結腸直腸癌、胃食道癌、前立腺癌、卵巣癌、膵臓癌、腎細胞癌、扁平上皮癌、および甲状腺癌からなる群から選択される。好ましい実施形態において、EGFR変異の癌は、乳癌である。乳癌は、エストロゲン受容体陽性乳癌、プロゲステロン受容体陽性乳癌、またはHER2陽性乳癌であり得る。好ましい実施形態において、式1の阻害剤の塩の形態は、メタンスルホン酸塩であり、場合により好ましくは、モノメタンスルホン酸塩であり、そして、式2の阻害剤の塩の形態は、塩酸塩である。
特定の一実施形態において、本発明は、有効量の式1のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を、式2のCDK4/6阻害剤またはその薬学的に許容される塩とともに、好ましくは相乗的に有効な量を用いて、ヒト対象に投与するステップを含む、EGFR変異の癌を有するヒト対象を治療する方法であって、対象が、EGFR-TKI治療未経験である、方法、を提供する。投与は、同時に、または順次に、行うことができる。EGFR変異の癌は、膀胱癌、膠芽腫、頭頸部癌、子宮頸癌、子宮癌、結腸直腸癌、胃食道癌、前立腺癌、卵巣癌、膵臓癌、腎細胞癌、扁平上皮癌、および甲状腺癌からなる群から選択される。好ましい実施形態において、EGFR変異の癌は、乳癌である。乳癌は、エストロゲン受容体陽性乳癌、プロゲステロン受容体陽性乳癌、またはHER2陽性乳癌であり得る。好ましい実施形態において、式1の阻害剤の塩の形態は、メタンスルホン酸塩であり、場合により好ましくは、モノメタンスルホン酸塩であり、そして、式2の阻害剤の塩の形態は、塩酸塩である。
当業者が理解するように、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグと、式(II)の化合物、または薬学的に許容される塩、溶媒和物、またはそのプロドラッグとの、任意の実施可能な組み合わせは、本明細書に開示される任意の実施形態において、そのような組み合わせが、治療を必要とする対象に対する治療において何らかの相乗効果を生じさせることができる限り、本発明に含まれる。
化合物が本発明で用いられる場合、化合物は、これに限定されるものではないが、異性体、互変異性体、塩、溶媒和物、多形体、プロドラッグなどを含む、任意のその薬学的に許容される形態を含む。「化合物」との用語は、明示的に記載されているかどうかにかかわらず、そのような形態のいずれかまたはすべてを含むことが理解されるが、「塩」および「プロドラッグ」などの特定の用語のみが明示的に記載されている場合もある。
特に断りのない限り、本明細書で使用されるすべての用語は、当業者が解釈または理解するような、それらの通常の意味を有する。
本明細書において、「a」、「an」または「the」との用語は、単数形および複数形の両方を表す。一般に、名詞の単数形または複数形のいずれかが使用される場合、それは、名詞の単数形と複数形の両方を意味する。
「約」との用語がパラメータに適用される場合、パラメータが下限から上限までの任意の数を含めて、±10%、好ましくは±5%以内で変動し得ることを示す。「約」との用語が範囲に適用される場合、それは、範囲の下限と上限の両方に適用される。当業者によって理解されるように、パラメータが重要でない場合、数値は、しばしば、限定ではなく、説明の目的でのみで与えられる。
「アルコキシ」は、本明細書で定義されるように、Rがアルキルである-ORの基を意味する。代表的な例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシなどが挙げられる。
「アルキル」は、飽和炭素の1つから水素を除去することによって得る、直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素に由来する基を意味する。アルキル基は、好ましくは、1~8個の炭素原子、場合により好ましくは、1~6個の炭素原子、場合によりさらにより好ましくは、1~4個の炭素原子、を含む。アルキル基の代表的な例としては、これに限定されるものではないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられる。「低級アルキル」、「低級アルコキシ」、または「低級ハロアルキル」は、1~4個の、場合により好ましくは、1~3個のまたは1~2個の炭素原子を有する、アルキル基またはアルキル部分を意味する。
本明細書において、「シアノ」との用語は、-CNを意味する。
本明細書において、「シクロアルキル」との用語は、飽和炭素環から水素原子を除去することによって得る、好ましくは、3~8個、より好ましくは、3~6個の炭素原子を有する、単環式飽和炭素環に由来する基を意味する。シクロアルキル基の代表的な例としては、これに限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルが挙げられる。
本明細書において、「ハロ」および「ハロゲン」との用語は、F、Cl、Br、またはIを意味する。
本明細書において、「ハロアルキル」との用語は、少なくとも1つのハロゲン原子によって置換されたアルキル基を意味する。ハロアルキル基は、すべての水素原子がハロゲンによって置換されたアルキル基であり得る。ハロアルキルの代表的な例としては、これに限定されるものではないが、トリフルオロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、ブロモメチル、1-クロロエチル、パークロロエチル、2-フルオロエチルなどが挙げられる。
本明細書において、「ヘテロシクリル」との用語は、非芳香族環中に1個以上、好ましくは1~3個の、窒素(N)、酸素、硫黄(S、S(O)またはS(O))から独立して選択されるヘテロ原子を含む、3~10員の単環式または二環式の非芳香族基を意味する。本開示のヘテロシクリル基は、基中の炭素原子または窒素原子を介して親分子部分に結合することができる。ヘテロシリル基は、飽和または不飽和であり得、例えば、環中に1つ以上の二重結合を含み得る。特に断りのない限り、基の原子価は、原子価の規則で許容する、基内の任意の環の任意の原子に配置できる。例えば、これに限定されるものではないが、アゼチジニル、ピロリジニル、2-オキソピロリジニル、2,5-ジヒドロ-1H-ピロリル、ピペリジニル、4-ピペリドニル、モルホリニル、ピペラジニル、2-オキソピペラジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、2-オキソピペリジニル、チオモルホリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニルなどが挙げられる。
任意の基、例えば、「シクロアルキル」または「ヘテロシクリル」が、「置換または非置換の」、あるいは、「任意に置換されていてもよい」と述べられた場合、特に定義がされない限り、その基が、置換されていないか、あるいは、1~5個の、場合により好ましくは1~3個または1~2個の、独立して、ハロゲン、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、C-Cハロアルキル、およびシアノなどから選択される置換基で置換されていることを意味する。
本明細書において、「溶媒和物」との用語は、本発明の化合物と、有機または無機のどちらからの、1つ以上、好ましくは、1~3個の溶媒分子との物理的会合体を意味する。この物理的結合には、水素結合が含まれる。特定の例において、溶媒和物は、例えば、1つ以上、好ましくは、1~3個の溶媒分子が結晶性固体の結晶格子に組み込まれる場合に、単離することができるものとなる。溶媒和物としては、これに限定されるものではないが、例えば、水和物、エタノレート、メタノレート、およびイソプロパノレートが挙げられる。溶媒和の方法は、当技術分野で一般的に知られている。
「プロドラッグ」は、血液中での加水分解などの生理学的条件下で、インビボで変換されて活性な親化合物を生成することができる、化合物を意味する。一般的な例としては、これに限定されるものではないが、カルボン酸部分を有する活性形態を有する化合物のエステルおよびアミドの形態が挙げられる。本発明の化合物のアミドおよびエステルは、従来の方法に従って、製造することができる。特に、本発明において、プロドラッグは、また、ヘテロシクリル環構造におけるアミノ基または窒素原子のアシル化によって形成されてもよく、このアシル基は、インビボで加水分解され得る。そのようなアシル基としては、これに限定されるものではないが、C-Cアシル、好ましくは、C-Cアシル、より好ましくは、C-C(ホルミルまたはアセチル)基、またはベンゾイルが挙げられる。プロドラッグの全体的な議論は、T. Higuchi and V. Stella,“Pro drugs as Novel Delivery Systems,”Vol 14 of the A.C.S. Symposium Series、および、Bioreversible Carriers in Drug Design, ed. Edward B. Roche, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987、に提供されており、これらはどちらも、あらゆる目的のために、参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書において、「対象」との用語は、ヒト、または、サル、イヌ、ネコ、ウマなどの他の哺乳動物、を意味する。この用語は、「患者」を包含することが意図され、場合により、「患者」と交換可能である。
本明細書において、「投与する」または「投与」との用語は、治療または予防される疾患または病気に罹患しているかまたはそのリスクがある対象に、化合物または医薬組成物を提供することを意味する。
任意の投与経路が本発明に適している可能性がある。一実施形態において、本発明の化合物は、錠剤、カプセルなどの固体剤形で、対象に投与することができる。一実施形態において、本発明の化合物は、静脈内注射を介して、対象に投与することができる。別の実施形態において、本発明の化合物は、任意の他の適切な全身送達、例えば、経口、非経口、鼻腔内、舌下、直腸、または経皮投与、を介して、対象に投与することができる。
本明細書において、「治療有効量」との用語は、医師、獣医、または研究者によって求められる、所望されたまたは意図された対象の生物学的または医学的応答を導き出す、化合物または組成物の量を意味する。特定の薬学的に許容される担体および化合物の治療に有効な量は、例えば、対象の年齢、体重、性別、投与様式、および、治療される疾患または病気に応じて、変化するものとなる。
「薬学的に許容される」との用語は、化合物、塩、プロドラッグ、組成物、または担体の前に使用される場合、そのような化合物、塩、プロドラッグ、組成物、または担体が、必要な治療の観点から、対象に許容されない副作用を引き起こすことなく、治療のために対象に投与するのに適していることを意味する。
本明細書において、「薬学的に許容される担体」との用語は、本発明で用いられる化合物と適合性があり、本発明の方法で化合物を投与する目的に有用であり、好ましくは、無毒であるか、あるいは不活性で薬学的に許容される、材料を意味する。薬学的に許容される担体は、固体、液体、または気体の材料であり得、あらゆる乾燥粉末、溶媒、分散媒体、コーティング剤、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤、吸収遅延剤などが含まれる。このような担体としては、例えば、コーンオイルなどのオイル、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)などの緩衝液、生理食塩水、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリプロピレングリコール、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミドなどのアミド、アルブミンなどのタンパク質、Tween80などの界面活性剤、グルコース、ラクトース、シクロデキストリンなどの単糖およびオリゴ多糖、デンプンなどが挙げられる。
本明細書に記載されるように、本発明の化合物の特定の実施形態は、アミノまたはアルキルアミノなどの塩基性官能基を含んでいてもよく、したがって、薬学的に許容される酸によって、薬学的に許容される塩を形成することが可能である。この点における「薬学的に許容される塩」との用語は、本発明の化合物の比較的非毒性の無機および有機の酸付加塩を意味する。これらの塩は、投与ビヒクルまたは剤形製造プロセスにおいて、その場で、あるいは、精製された遊離塩基形態の本発明の化合物を適切な有機または無機の酸と別に反応させ、それに続く精製中にそうして形成された塩を単離することによって、調製することができる。代表的な塩としては、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩、およびラウリルスルホン酸塩などが挙げられる。S. M. Berge, et al.,“Pharmaceutical Salts,”J. Pharm. Sci. 1977, 66, 1-19を参照されたい。
本発明で用いられる製剤は、また、安定剤、保存剤、緩衝剤、抗酸化剤、または当業者に知られている他の添加剤を含み得る。薬学的に活性な物質のためのそのような媒体および剤の使用は、当技術分野でよく知られている。
本明細書において、「相乗的」などの用語は、個別に使用される2つ以上の薬剤の相加効果よりも大きい、2つ以上の薬剤の組み合わせによって引き起こされる効果、を意味する。併用療法のそのような相乗効果には、より高い有効性、より低い副作用、またはその両方が含まれる。いくつかの実施形態において、相乗効果は、集合的な治療効果がほぼ同じに保たれるかまたはレベルが向上するとともに、両方の投与量の低下による両方の治療阻害剤の副作用が実質的に低下することを含む。いくつかの実施形態において、相乗効果は、両方の薬剤によって引き起こされる副作用がほぼ同じに保たれるかまたはよりレベルが低くなるとともに、癌細胞の増殖の阻害における効力が実質的に向上することを含む。相乗効果により、より低用量の個々の薬剤を使用して疾患の効果的な治療が可能になる。全体として、2つ以上の薬剤の相乗的な組み合わせは、単一の治療法と比較して、疾患の治療の改善をもたらし得る。
組み合わせ治療は、いずれかの治療剤が単独で使用される場合に通常必要とされるものよりも、第1の治療剤、例えば、EGFR阻害剤、または第2の治療剤、例えば、CD4/6阻害剤、をより低い用量で、または、両方の治療剤をより低い用量で、使用することを可能にし得る。本発明は、そのような「相乗的」な効果のすべてを包含する。
医薬組成物は、本発明の方法において用いられるEGFR阻害剤およびCDK4/6阻害剤を、組成物総量の0.01重量%~99重量%、好ましくは、組成物総量の0.1重量%~80重量%、より好ましくは、組成物総量の0.1重量%~50重量%の総量で、含み得る。EGFR阻害剤とCDK4/6阻害剤との重量比は、1:20~20:1、場合により好ましくは、1:15~15:1、および、場合によりさらに好ましくは、1:10~10:1の範囲であり得る。
全身投与の場合、成人の治療に使用されるEGFR阻害剤の1日の投与量は、約0.01mg/kg~約150mg/kg、好ましくは、約0.05mg/kg~約100mg/kg、場合によりさらに好ましくは、約0.1mg/kg~約50mg/kg、の範囲である。
材料
N-[2-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]-4-メトキシ-5-[[4-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)-2-ピリミジニル]アミノ]フェニル]-2-プロペンアミドメタンスルホン酸塩(1・CHSOH)
一般に式(I)の化合物、特に化合物1の製造は、WO2016/094821A2に記載されており、対応するモノメタンスルホン酸塩、特に化合物1のモノメタンスルホン酸塩の製造は、WO2018/232235A1に記載されており、これらは、両方とも、本明細書に完全に記載されているのと同様に、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
N-[5-[(4-エチル-1-ピペラジニル)メチル]-2-ピリジニル]-5-フルオロ-4-[2-メチル-3-(1-メチルエチル)-2H-インダゾール-5-イル]-2-ピリミジンアミン塩酸塩(2・HCl)
一般に式(II)の化合物、特に化合物2の製造は、WO2016/014904A1に記載されており、これは、本明細書に完全に記載されているのと同様に、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。WO2016/014904A1に従って製造した化合物2(500mg、1.02mmol)を、20mLのメタノールに溶解し、1当量のHCl(1.02mmol)で処理した。得られた懸濁液を、室温で24時間撹拌し、10,000rpmで5分間、遠心分離した。固体を単離し、真空下、40℃で24時間、乾燥することにより、淡黄色の粉末として、2のHCl塩(37mg)を得た。
実施例1.HCC827マウス異種移植モデルにおける、1および2ならびにそれらの組み合わせの抗腫瘍活性
細胞培養および移植
HCC827細胞を、改変RPMI(Hyclone、Cat:SH30809.01);10%ウシ胎児血清(Gibco、Cat:10099-141);100U/mlペニシリンおよび100μg/mlストレプトマイシン(Hyclone、Cat:SV30010)を含む培地中、COインキュベーターで、培養した。細胞を、0.25%トリプシン(Hyclone、Cat:SH30042.01)で処理し、4日ごとに継代培養した。必要な細胞が対数増殖期にあるとき、細胞数を収集し、腫瘍を、Balb/cヌードマウス(メス)(14~19g)について、1×10/0.2mL/マウス(50%Matrigel、CORNING、Cat:354234)で、各マウスの右背部に、皮下移植(インプラント)した。移植の8日後、腫瘍体積が132~289mmの56匹のマウスを選択し、腫瘍体積および体重に従って、ランダムに7つの群に分けた。
試験サンプル製剤の製剤化および投与
メタンスルホン酸塩としての1のストック溶液は、通常の生理食塩水中で0.3mg/mLで調製した。塩酸塩としての2のストック溶液は、滅菌水中で2.0mg/mLで調製した。ビヒクル対照は、滅菌水中に0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウムを含む溶液であった。すべてのストック溶液は、2~8℃で保存され、毎週新しく調製した。ストック溶液を、図1および表2に示される塩の投与量で、1日1回、14日間、個々にまたは組み合わせで、経口投与した。体重が15%以上減少した場合、投与を中断した。
腫瘍体積の決定およびデータ分析
腫瘍体積を、週に2回、ノギスで各腫瘍の長さと幅を測定し、腫瘍体積を算出することにより、決定した。35日目にすべての腫瘍を採取し、重量を測定した。腫瘍重量抑制率(IRTW%)を、次の式で計算した。IRTW%=(1-(TW(処置)/TW(対照)))×100%、ここで、TWは、腫瘍重量として定義される。ヒストグラムを、PrismGraphPad(平均±S.E.M.)を使用して生成し、統計分析にT分析を使用した。0.05未満のp値は、群間の有意差を表し、0.01未満のp値は、群間の高い有意差を表す。
実施例2.NCI-H1975-Lucマウス異種移植モデルにおける、1および2ならびにそれらの組み合わせの抗腫瘍活性
細胞培養および移植
NCI-H1975-Luc細胞(ATCC)を、改変RPMI1640培地、1mMピルビン酸ナトリウム、10mMのHEPES、2.8mLの45%グルコース(1.25g)、2mMのL-グルタミン、5μg/mlのブラストサイジン、10%の非加熱不活化ウシ胎児血清(FBS)、および1Xペニシリン/ストレプトマイシン/L-グルタミン(PSG)を含む培地で、培養した。細胞を、0.25%トリプシンおよび2.21mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を含むハンクス平衡塩類溶液(HBSS)で、処理した。腫瘍を、無血清RPMI1640培地による5×10のトリパン排除の細胞で、6~7週齢のHsd:Athymic Nude-Foxn1nuマウス(メス)(20.7~22.7g)について、0.200μL/マウス(50%Matrigel)で、各マウスの右上腋窩に、皮下移植(インプラント)した。すべてのマウスは、キャリパー(ノギス)推定の腫瘍量に基づいて試験群に分類した。すべての群の平均腫瘍量が、試験集団の全体の平均腫瘍量の10%以内になるように、マウスを分配した。
試験サンプル製剤の製剤化および投与
メタンスルホン酸塩としての1の白濁色のストック懸濁液は、0.5%メチルセルロースを含む滅菌水中で、0.5mg遊離塩基/mLで調製した。塩酸塩としての2の無色透明のストック溶液は、滅菌水中で、2.0mg遊離塩基/mLで調製した。1のためのビヒクル対照は、滅菌水中に0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウムを含む溶液であり、2のためのビヒクル対照は、滅菌水であった。ストック溶液を、毎日新しく調製し、図2に示される遊離塩基の投与量で、1日1回、14日間、個々にまたは組み合わせて、経口投与した。
腫瘍増殖および腫瘍体積の決定
処置初日の実験におけるすべての群の平均推定腫瘍量は、172mmであり、実験のすべての群は、よく一致していた(群平均の範囲,168~175mm)。処置開始時の体重は、すべての動物で少なくとも17.9gであった。最初の処置時の群の平均体重もよく一致していた(群平均の範囲,20.7~22.7g)。無増悪期間による有効性の評価のために、1000mmの腫瘍量を選択した。対照群では、無増悪期間の中央値は、12.5日であり、腫瘍体積倍加時間の中央値は、4.0日であった。対照の動物は、処置レジメン中に、1.4g(6.4%)の平均体重増加を示した。対照群には、自発的な退行はなかった。腫瘍体積は、4、6、7、10、12、14、17、19、21および24日目に、キャリパーで各腫瘍を測定し、腫瘍体積を計算することにより、決定した。
無増悪期間(Time to Progression)(TP)
無増悪期間は、生存期間または試験期間の代わりとなる。これは、過剰な腫瘍負荷のためにIACUCが動物の安楽死を義務付けている研究に使用される(動物が正常に見える場合であっても)。無増悪期間のデータは、従来の生存期間のデータと同様に、カプラン・マイヤー法によって分析される。個々の動物の無増悪期間(TP)は、処置の開始からその動物の死亡または必要な安楽死までの日数である。最初の処置の日は、試験全体の最初の処置の日であり、問題となる群に特有のものではない。安楽死が過剰な腫瘍負荷(>1000mm)によって促された場合、安楽死の日は、実際の安楽死の日からではなく、腫瘍負荷限界の各側にある隣接するデータポイント間の対数線形補間から計算される。計画されたサンプリング、または疾患の進行または処置に関係のない他の原因のために安楽死させた動物は、この計算から除外される。群の無増悪期間の中央値は、無増悪期間のパーセント増加率(%ITP)を計算するために使用される。無増悪期間の%増加率(%ITP)は、次の式で計算される。
Figure 2022549272000032
図1および2のそれぞれに示すように、HCC827およびNCI-H1975ヒト非小細胞肺癌マウス異種移植モデルにおいて、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤1に対する肺癌細胞の感受性は、選択的CDK4/6阻害剤2を同時投与することによって、増強している。HCC827腫瘍には、delE746-A750活性化変異があり、一方、NCI-H1975腫瘍には、L858R活性化変異とT790M耐性変異の両方がある。
HCC827マウス異種移植モデル(実施例1)では、化合物1(メタンスルホン酸塩として)は、3mg/kgの用量で、単独で、および、5、10または20mg/kgの化合物2(塩酸塩として)と組み合わせて、1日1回、21日間、投与された。腫瘍増殖曲線(図1)に示されるように、このモデルにおいて3mg/kg用量の1の有効性は、2の量を増加した同時投与によって、用量依存的に増加する。類似の有効性の増加は、腫瘍重量抑制率でも観察された(表2)。3mg/kg用量の1の腫瘍重量抑制率は、2の量を増加して同時投与(5~20mg/kg)する場合、用量依存的に、83.1%から95.6%に向上した。
図2に示すように、NCI-H1975-Lucヒト非小細胞肺癌マウス異種移植モデル(実施例2)において、化合物1および2の組み合わせによって、相乗的な抗腫瘍効果が観察された。化合物1は、5mg/kgで、単独で、および、6.25、25、50、または100mg/kgの2と組み合わせて、1日1回、14日間、投与された。図2の腫瘍増殖曲線に示されるように、このモデルにおいて5mg/kg用量の1の有効性は、2の量を増加して同時投与すると、用量依存的に明らかに増加しており、100mg/kgの用量で最も効果がある。1と2の併用処置は、無増悪期間(%ITP)が90~257%の範囲でパーセント増加した。
表2 HCC827マウス異種移植モデルの腫瘍重量に対する1および2の効果
Figure 2022549272000033
a:化合物1および2は、それぞれ、1.0メタンスルホン酸塩および1.0塩酸塩として投与した。b:すべての群で21日間QDを経口投与し、35日目に腫瘍を採取した。c:平均±標準偏差(n=8)。d:腫瘍重量抑制率:(IRTW%)=(1-(TW(処置)/TW(対照)))×100%。e:0.5%CMC Naとは、滅菌水中の0.5%のカルボキシメチルセルロースナトリウムである。f:p<0.01であり、対照と比較して統計的に非常に有意であることを示す。
HCC827およびNCI-H1975-Lucの異種移植研究の両方の結果は、CDK4/6阻害剤2との併用療法によって、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤1の有効量を減少させることができることを示している。投与する1と2の量を減少させることの実際の効果により、有害な副作用を低減する可能性がある。
本明細書で引用されたすべての特許または非特許刊行物は、参照により本明細書に組み込まれる。本発明の精神から逸脱することなく、本発明の化合物、組成物、および/または方法に対して、多数の様々な改変を行うことができることが、当業者によって理解されるものである。したがって、本明細書に記載されている本発明の様々な実施形態は、例示にすぎず、いかなる方法でも本発明の範囲を限定することを意図するものではない。本明細書に記載の本発明の特定の実施形態と均等のものが多く存在することができ、すべて本発明に含まれるものと意図される。

Claims (20)

  1. 対象における上皮成長因子受容体(EGFR)の変異に関連する癌を治療する方法であって、治療有効量の式(I)のEGFR阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、またはそのプロドラッグを、式(II)のサイクリン依存性キナーゼ(CDK)阻害剤、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグと組み合わせて、対象に投与することを含む、方法。
    Figure 2022549272000034
    [式(I)中、
    Gは、置換または非置換の1H-インドール-3-イル、置換または非置換の1H-インダゾール-3-イル、置換または非置換の2H-インダゾール-3-イル、置換または非置換のピラゾロ[1,5-a]-ピリジン-3-イル、および置換または非置換の4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル、からなる群から選択され;
    Xは、酸素、硫黄、またはメチレンであり;
    は、水素、ハロゲン、メチル、トリフルオロメチル、またはシアノであり、
    、R、およびRは、同じかまたは異なり、独立して、水素、ハロゲン、およびトリフルオロメチルからなる群から選択され;
    は、低級アルキル、任意に置換されていてもよい3~6員のヘテロシクリル、RN-(低級アルキル)、および、RN-(シクロアルキルアルキル)からなる群から選択され、ここで、RおよびRは、同じかまたは異なり、独立して、水素、および低級アルキルから選択され;および、
    は、低級アルコキシ、または低級アルキルである。
    式(II)中、
    は、水素、C-Cアルキル、またはC-Cシクロアルキルであり;
    およびRは、それぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cシクロアルキル、およびC-Cシクロアルキルメチルからなる群から選択され;
    は、水素、ハロゲン、C-Cアルキル、またはC-Cシクロアルキルであり;および、
    は、水素、またはハロゲンである。]
  2. が、C-Cアルキルであり;Rが、C-Cアルキル、C-Cシクロアルキル、またはC-Cシクロアルキルメチルであり;および、Rが、C-Cアルキル、またはC-Cシクロアルキルである、請求項1に記載の方法。
  3. が、メチル、エチル、プロピル、またはイソプロピルであり;Rが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロプロピルメチル、またはシクロペンチルメチルであり;および、Rが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、またはシクロプロピルである、請求項1に記載の方法。
  4. が、式Ia:
    Figure 2022549272000035
    によって特徴付けられた、インダゾール環の7位に位置する、水素またはハロゲンであり、および、Rが、水素またはフルオロである、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. が、メチルまたはエチルであり;Rが、イソプロピル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、またはシクロペンチルであり;Rが、メチルまたはエチルであり;Rが、水素またはフルオロであり;および、Rが、水素またはフルオロである、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 式(II)の化合物が、下記:
    Figure 2022549272000036
    からなる群から選択される、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 式(II)の化合物が、表1の化合物II-1からII-34のリストから選択されるものまたはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の方法。
  8. Gが、1H-インドール-3-イル、1-メチル-1H-インドール-3-イル、1-(2-フルオロエチル)-1H-インドール-3-イル、1,2-ジメチル-1H-インドール-3-イル、ピラゾロ[1,5-a]-ピリジン-3-イル、4,5,6,7-テトラヒドロピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3-イル、1-メチル-1H-インダゾール-3-イル、および、2-メチル-2H-インダゾール-3-イル、からなる群から選択され;Rが、水素、ハロゲン、またはメチルであり;Rが、水素、F、またはClであり;Rが、水素、F、Cl、または-CFであり;Rが、水素またはハロゲンであり;および、Rが、C-Cアルキル、置換または非置換のアゼチジニル、置換または非置換のピロリジニル、置換または非置換のピペリジニル、RN-(CH-(ここでn=1~5)、またはRN-(C-Cシクロアルキル)-(CH-(ここでm=1~3)であり、ここで、RおよびRは、同じかまたは異なり、独立して、水素および低級アルキルから選択される、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
  9. からRが、それぞれ水素であり;Rが、メチル、1-(ジメチルアミノ)-シクロプロピルメチル、3-(ジメチルアミノ)シクロブチル、1-メチルアゼチジン-3-イル、(R)-1-メチルピロリジン-3-イル、(S)-1-メチルピロリジン-3-イル、1-メチルピペリジン-4-イル、および、2-ジメチルアミノ-エチルから選択される、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 式(I)の化合物が、式(Ia):
    Figure 2022549272000037
    [式中、
    Xは、O、S、またはCHであり;
    Qは、C-R10、またはNであり;
    は、CH、またはCHCHFであり;および、
    10は、H、またはCHである。]
    で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグである、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 式(I)の化合物が、化合物I-1~I-66からなる群から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、またはプロドラッグである、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 式(I)の化合物が、下記:
    Figure 2022549272000038
    からなる群から選択されるものである、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 有効量の式1:
    Figure 2022549272000039
    で示されるEGFRチロシンキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を、式2:
    Figure 2022549272000040
    で示されるCDK4/6阻害剤またはその薬学的に許容される塩と組み合わせて、投与するステップを含む、EGFR変異を有した非小細胞肺癌を有するヒト対象を治療する方法。
  14. 非小細胞肺癌が、EGFR T790M耐性変異を有する、請求項13に記載の方法。
  15. 式1の阻害剤の塩の形態が、メタンスルホン酸塩であり、式2の阻害剤の塩の形態が、塩酸塩である、請求項13または14に記載の方法。
  16. 有効量の式1のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を、式2のCDK4/6阻害剤またはその薬学的に許容される塩と組み合わせて、ヒト対象に投与するステップを含む、上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)の治療に対する後天的な耐性を発達させた、EGFR変異の癌を有するヒト対象を治療する方法。
  17. EGFR変異の癌が、乳癌である、請求項16に記載の方法。
  18. 乳癌が、エストロゲン受容体陽性乳癌、プロゲステロン受容体陽性乳癌、またはHER2陽性乳癌である、請求項17に記載の方法。
  19. EGFR変異の癌が、膀胱癌、膠芽腫、頭頸部癌、子宮頸癌、子宮癌、結腸直腸癌、胃食道癌、前立腺癌、卵巣癌、膵臓癌、腎細胞癌、扁平上皮癌、または甲状腺癌である、請求項16に記載の方法。
  20. 有効量の式1のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤またはその薬学的に許容される塩を、式2のCDK4/6阻害剤またはその薬学的に許容される塩とともに、ヒト対象に投与するステップを含む、EGFR変異の癌を有するヒト対象を治療する方法であって、対象が、EGFR-TKI治療未経験である、方法。
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