JP2022547193A - ニューラルネットワークを備えた原子力制御システム - Google Patents

ニューラルネットワークを備えた原子力制御システム Download PDF

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Abstract

原子力発電プラントを制御する方法であって、前記方法は、原子力発電プラントの1つ又は複数のセンサからセンサデータを取得することと、前記センサデータ及び所望のプラント応答をニューラルネットワークへ提供することであって、前記ニューラルネットワークはシミュレートされた原子力発電プラントを使用して事前に訓練済みであり、所望のプラント応答を達成するために少なくとも1つの制御システム設定を決定するように構成されているものを提供することと、前記ニューラルネットワークを用いて前記所望のプラント応答を達成するために少なくとも1つの制御システム設定を決定することと、前記原子力発電プラントの制御システムの少なくとも1つの制御システム設定を、前記ニューラルネットワークによって決定された前記少なくとも1つの制御システム設定に設定又は変更することを含む。【選択図】図1

Description

本出願は、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、2019年9月9日に出願された「NUCLEAR CONTROL SYSTEM WITH NEURAL NETWORK」という名称の16/564,387の優先権を主張する。
開示される概念は概して、原子力制御システムに関し、より詳細には、原子力制御システムのための設定を生成するためにニューラルネットワークを利用することに関する。開示された概念はまた、原子力制御システムと共に使用するためのニューラルネットワークを訓練することに関する。
原子力発電プラントには、数多くのコンポーネントやセンサが含まれている。例えば、原子力発電プラントには、炉心内の放射能をいくつかの軸方向高さで直接測定するための炉内センサが含まれている。また、熱電対センサは種々の径方向位置における冷却材出口の温度の直接的測定値を提供するために、冷却材が炉心から出る高さにおいて、炉心周りのいくつかの地点に配置されている。これらのセンサは、炉心内部の出力の径方向及び軸方向分布を直接測定するために使用される。この出力分布の測定情報は、原子炉が原子力分布限度内で稼働しているかどうかを決定するために使用される。この機能を実行するために使用される典型的な炉内センサは、その周囲で発生する原子力分裂の量に比例する電流を生成する自己出力(self-powered)検出器である。この種のセンサは一般に、炉心の周囲の複数の燃料集合体内の計器シンブル内に配置され、電流を発生させるのに外部の電力源を必要とせず、通常、自己出力検出器と呼ばれる。原子力発電プラントは、原子力発電プラントの様々な流量、温度、圧力、弁位置、その他の特性を測定することができる様々なセンサを備えている。
また、原子力発電プラントには、制御可能なバルブやポンプなどの様々なコンポーネントが含まれている。例えば、バルブは、原子炉システムの種々のコンポーネント間の水又は他の流体の流れを許容又は停止するために種々の位置間で移動させてもよい。同様に、ポンプは、原子炉システムの様々なコンポーネント間の水又は他の流体の流量を増加又は減少させるように制御可能であってもよい。原子炉システムはまた、様々な他の制御可能なコンポーネントを含む。
原子力発電プラントはまた、様々な制御可能なコンポーネントを制御するための制御システムを含む。制御システムは、特定の位置に特定のバルブを配置するための設定、特定のポンプを特定のレベルに制御するための設定、又は種々の方法で種々の他のコンポーネントを制御するための設定など、様々な設定事項を有する。種々のコンポーネントを制御することにより、原子炉システムの出力を制御することができる。
図1は、原子力発電プラント10の簡略模式図である。原子力発電プラント10は、制御システム12、センサ14、及びコンポーネント16を含む。制御システム12はセンサ14の出力を受け取り、そしてセンサ14の出力に基づいてコンポーネント16を制御する。
例えば、加圧水型軽水炉(PWR)では、加圧水が炉心で加熱された後、蒸気発生器(SG)に流れ、そこで蒸気が発生してタービンを回し、発電機をスピンさせて発電する。ある特定の関心項目はSGレベルであり、それは、それが多数のプラント事象に影響を及ぼすものであるからである。原子炉システム内のセンサの出力に基づいて、制御システムはSGレベルを調整するために種々のコンポーネントを制御することができる。しかしながら、制御システムは、SGレベルを完全には制御することができない。例えば、ポンプなどの部品の性能の劣化は、ポンプのパフォーマンスがその意図された設定を下回るという結果を招き得る。すなわち、制御システムは特定のレベルで作動するようにポンプを制御してもよいが、ポンプの劣化のために、ポンプは実際にはより低いレベルで作動することとなる。さらに、ポンプがオフラインになる、又は他の事象などの原子炉システムにおける過渡現象は、所望のSGレベルを実現するために制御システム設定を調整することを困難にし得る。
所望の応答を常には提供できないという、制御システム設定に関する懸念のため、制御システムが所望の応答を提供できない場合でも、安全マージン及び安全機能を採用して安全なオペレーションを確保しなければならない。安全マージンはしばしば、原子炉システムが臨界レベルに達するかなり前に、原子炉システムが最大出力以下で作動するか、又はトリップ(tripping)という結果をもたらす。
原子力発電プラントの制御システムには改善の余地がある。
開示された概念は、所望のプラント応答を達成するために少なくとも1つの制御設定を決定するように訓練済みニューラルネットワークを採用することによって、原子力発電プラントを制御する改善された方法を提供する。
一実施形態では、原子力発電プラントを制御する方法は、原子力発電プラントの1つ又は複数のセンサからセンサデータを取得することと、センサデータ及び所望のプラント応答をニューラルネットワークへ提供することであって、ニューラルネットワークはシミュレートされた原子力発電プラントを使用して事前に訓練済みであり、所望のプラント応答を達成するために少なくとも1つの制御システム設定を決定するように構成されているものを提供することと、ニューラルネットワークを用いて所望のプラント応答を達成するために少なくとも1つの制御システム設定を決定することと、原子力発電プラントの制御システムの少なくとも1つの制御システム設定を、ニューラルネットワークによって決定された少なくとも1つの制御システム設定に設定又は変更することを備える。
一実施形態では、原子力発電プラントのための少なくとも1つの制御システム設定を決定するようにニューラルネットワークを訓練する方法は、原子力発電プラントのシミュレーションを提供することと、複数の制御システム設定及び原子力発電所パラメータを原子力発電プラントのシミュレーションに入力し、原子力発電プラントの前記シミュレーションからシミュレートされたセンサデータ及びシミュレートされたプラント応答を得ることによって、訓練及びテストデータを生成することと、訓練及びテストデータを用いて原子力発電プラントのために所望のプラント応答に基づいて、原子力発電プラントのための少なくとも1つの制御システム設定を決定するように訓練された訓練済みニューラルネットワークを生成することを備える。
原子力発電プラントは、センサデータを生成するように構成された複数のセンサと、複数のコンポーネントと、複数の制御システム設定を有し、複数の制御システム設定に基づいて複数のコンポーネントの一部を制御するように構成された制御システムと、センサデータ及び所望のプラント応答を受け取るように構成されたニューラルネットワークとを備え、ニューラルネットワークはシミュレートされた原子力発電プラントを使用して事前に訓練済みであり、所望のプラント応答を達成するために少なくとも1つの制御システム設定を決定するように構成される。
制御システムは複数の制御システム設定のうちの1つ又は複数を、ニューラルネットワークによって決定された少なくとも1つの制御システム設定に設定又は変更するように構成される。
本発明のさらなる理解は添付の図面と併せて読めば、好ましい実施形態の以下の説明から得ることができる。
原子力発電プラント10の簡略化された模式図である。
開示された概念の例示的な実施形態によるニューラルネットワーク訓練システムの概略図である。
開示された概念の例示的な実施形態による、ニューラルネットワークを訓練する方法のフローチャートである。
開示された概念の例示的な実施形態による、ニューラルネットワーク検証システムの模式図である。
開示された概念の例示的な実施形態による、ニューラルネットワークを検証する方法のフローチャートである。
開示された概念の例示的な実施形態による、ニューラルネットワークを使用する原子力発電プラントの模式図である。
開示された概念の例示的な実施形態による、ニューラルネットワークを使用する原子力発電プラントのための少なくとも1つの制御システム設定を決定する方法のフローチャートである。
開示された概念の例示的な実施形態による、ニューラルネットワークを使用する原子力発電プラントの模式図である。
本明細書で使用されるように、「a」、「an」、及び「the」の単数形は文脈が別段の指示をしない限り、複数の参照を含む。
本明細書で使用されるように、2つ以上の部品又はコンポーネントが「結合される」という表現はつながり(link)が生じる限り、部品が直接的又は間接的に、すなわち、1つ以上の中間部品又はコンポーネントを介して、つなげられる、又は一緒に動作することを意味するものとする。
本明細書で使用されるように、「数」という用語は1又は1より大きい整数(すなわち、複数)を意味するものとする。
本明細書で使用される「プロセッサ」という用語はデータを格納し、取り出し、処理することができるプログラマブルアナログ及び/又はデジタルデバイス、コントローラ、制御回路、コンピュータ、ワークステーション、パーソナルコンピュータ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、中央処理装置、メインフレームコンピュータ、ミニコンピュータ、サーバ、ネットワークプロセッサ、又は任意の適切な処理デバイス又は装置を意味するものとする。
開示された概念は主題のイノベーションの完全な理解を提供するために、説明の目的で、いくつかの特定の詳細事項に関連してここに記載される。しかし、開示された概念は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、これらの特定の詳細事項なしに実施できることは明らかであろう。
開示される概念は、ニューラルネットワークを使用する原子力発電プラントの制御システムを改善することに関する。いくつかの例示的な実施形態では、ニューラルネットワークが所望のプラント応答を達成するために、原子力発電プラント制御システムのための少なくとも1つの制御設定を決定するために、シミュレートされたオフライン環境において訓練され、テストされる。ニューラルネットワークはまた、シミュレートされたオフライン環境において検証されてもよい。開示される概念のいくつかの例示的な実施形態では、ニューラルネットワークは、所望のプラント応答を達成するために、原子力発電プラントの制御システムのための少なくとも1つの制御システム設定を決定するため、オンライン環境(すなわち、稼働中の原子力発電プラント)に実装される。
原子力発電プラントは、部分的には、規制のために、ニューラルネットワークのような機械学習技術を使用してこなかった。例えば、原子力発電プラントの制御システムは、決定論的である必要がある。すなわち、プラントオペレータは制御システムが様々な条件に応じてどのように動作するかを知り、理解している必要がある。
開示された概念のいくつかの例示的な実施形態は、原子力発電プラント内の様々な条件に直面したときに所望のプラント応答(例えば、蒸気発生器レベルなど)を提供するために、原子力発電プラントのための少なくとも1つの制御システム設定を決定することができるニューラルネットワークを提供する。いくつかの例示的な実施形態では、所望のプラント応答は、蒸気発生器レベル、加圧器レベル、加圧器圧力、原子炉制御に関連する種々のパラメータ、ロッド制御に関連する種々のパラメータ、蒸気ダンプ制御に関連する種々のパラメータ、及び/又はプラントシステムのバランスに関連する種々の他のパラメータであってもよい。例えば、過渡事象、劣化したコンポーネント、及び他の要因が、原子力発電プラントの応答に影響を及ぼし得る。開示された概念のいくつかの例示的な実施形態では、ニューラルネットワークは、そのような要因に直面しても、所望のプラント応答を依然としてもたらすこととなる少なくとも1つの制御システム設定を提供するように訓練される。原子力発電プラントが所望のプラント応答を達成するために少なくとも1つの制御設定を決定するための、ニューラルネットワークを訓練し、テストし、検証し、実施するいくつかの例示的な実施形態を、本明細書で説明する。
図2は、開示された概念の例示的な実施形態によるニューラルネットワーク訓練システム100の模式図である。ニューラルネットワーク訓練システム100は例えば、コンピュータシステム又はプロセッサとメモリを含む他のそのようなシステムなどの処理システム上に実装されてもよい。プロセッサは例えば、限定するものではないが、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又はメモリと相互作用する他の何らかの適切な処理デバイス又は回路であってもよい。メモリはRAM、ROM、EPROM、EEPROM、FLASH等のような様々な種類の内部及び/又は外部記憶媒体のうちの1つ又は複数であって、コンピュータの内部記憶領域の形式などでのデータ記憶用の記憶レジスタ、即ち機械可読媒体を提供し、揮発性メモリ又は不揮発性メモリとすることができる。メモリは、プロセッサによって実行可能な1つ又は複数のルーチンを記憶してもよい。
ニューラルネットワーク訓練システム100は、原子力プラントシミュレーション102と、ニューラルネットワーク訓練モジュール104と、ニューラルネットワークテストモジュール106とを含む。原子力プラントシミュレーション102は、実際の原子力発電プラントの特性をシミュレートするように構造化された原子力発電プラントのシミュレートされたモデルであってもよい。開示された概念のいくつかの例示的な実施形態では、原子力プラントシミュレーション102がウェスティングハウスエレクトリックカンパニー(Westinghouse Electric Company)によって開発された燃焼工学過渡シミュレーション(CENTS)であってもよい。しかしながら、開示された概念の範囲から逸脱することなく、他の原子力プラントシミュレーションが使用されてもよいことは理解されるであろう。原子力プラントシミュレーション102では、プラント形状やコンポーネントの容量などの様々なプラントパラメータを設定することができる。また、原子力発電プラントの各種制御システム設定を行うことができる。プラントパラメータ及び制御システム設定により、原子力プラントシミュレーション102は、原子力発電プラントの挙動をシミュレートする。原子力プラントシミュレーション102から、原子力発電プラント内のセンサからの各種データなど、原子力発電プラントのシミュレートされた応答を観測することができる。
ニューラルネットワーク訓練システム100において、原子力プラントシミュレーション102は、ニューラルネットワーク訓練モジュール104及びニューラルネットワークテストモジュール104それぞれのためのテスト及び訓練データを生成するために使用される。訓練及びテストデータは、異ならせたプラントパラメータ及び制御システム設定により、原子力プラントシミュレーション102で数多くの(例えば、数千の)シミュレーションを実行することによって生成される。プラントパラメータは、コンポーネントの劣化、ファウリング(汚損)、又は疲労をシミュレートするために変更してもよい。例えば、ポンプ容量又はバルブ流量係数は、原子力発電プラントにおけるポンプ及びバルブの劣化、ファウリング、又は疲労をシミュレートするために、シミュレーションで変更されてもよい。制御システムの設定も変更してもよい。シミュレーションのためのプラントパラメータ及び制御システム設定は例えば、工学的判断に基づいて、公称値についての平均及び標準偏差を有する正規分布に基づいてプラントパラメータ及び制御システム設定をランダムに設定することによって生成してもよい。上限及び下限もまた、各パラメータ又は設定に配置されてもよい。変更されるプラントパラメータ及び制御システム設定は、対象のプラント応答特性に対する影響に基づいて選択されてもよい。例えば、蒸気発生器レベルに対象のプラント応答特性があれば、蒸気発生器レベルにより大きい影響を及ぼすプラントパラメータ及び制御システム設定は、シミュレーションにおいて変更されてもよい。
シミュレーションは例えば、これに限定されないが、流量(flows)、温度、圧力、及びバルブ位置などの原子力発電プラントで利用可能であろうセンサデータを生成する。センサデータは、特定のシミュレーションのためのプラントパラメータと制御システム設定に対応する。また、シミュレーションはシミュレートされたプラント応答(例えば、シミュレーションのためのプラントパラメータ及び制御システム設定に基づく蒸気発生器レベル)を生成してもよい。制御システム設定及びそれらの対応するシミュレートされたセンサデータ及びプラント応答は、ニューラルネットワーク訓練モジュール104のためのテスト及び訓練データとして使用されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、利用可能なシミュレートされたセンサデータ及びプラント応答の全てではなく、選択された一組のシミュレートされたセンサデータ及びプラント応答をテスト及び訓練データに含めてもよい。このようにして、対象のプラント応答をターゲットにしてニューラルネットワークの訓練を改善するために、対象のデータを選択してもよい。原子力プラントシミュレーション102を使用することにより、様々な条件又は過渡現象をシミュレートして、テスト及び訓練データを生成することが可能である。このようなデータは、実際の原子力発電プラントで生成することもできるであろう。しかしながら、テスト及び訓練データを生成するために、原子力発電プラントに条件又は過渡現象のいくつかを課すことは、危険であるか又は賢明ではないことが多い。
原子力プラントシミュレーション102の出力は、訓練データとテストデータとに分割されてもよい。訓練データはニューラルネットワークを訓練するために使用されてもよく、テストデータはニューラルネットワークをテストするために使用されてもよい。
訓練データはニューラルネットワーク訓練モジュール104に提供され、テストデータはニューラルネットワークテストモジュール106に提供される。いくつかの例示的な実施形態では、シミュレートされたセンサデータ、シミュレートされたプラント応答、及び制御システム設定のうちのいくつかは、ニューラルネットワーク訓練のための入力特徴として使用され、制御システム設定のうちの1つ又は複数はニューラルネットワーク訓練のための出力ラベルとして使用される。いくつかの例示的な実施形態では、制御システム設定のうちの1つのみが、ニューラルネットワーク訓練のための出力ラベルとして使用される。ニューラルネットワーク訓練モジュール104は、センサデータ及び他の制御システム設定に基づいて、所望のプラント応答に対応する少なくとも1つの制御システム設定を決定するようにニューラルネットワークを訓練するように構成される。例えば、いくつかの実施形態では、ニューラルネットワーク訓練モジュール104は、現在のセンサデータ及び他の制御システム設定に基づいて所望の蒸気発生器レベルを達成するために少なくとも1つの制御システム設定を決定するようにニューラルネットワークを訓練するように構成される。このようにして、原子力発電プラントに影響を及ぼすコンポーネントの劣化又は他の要因がある場合、ニューラルネットワークは、所望のプラント応答を達成するために少なくとも1つの制御システム設定を決定することができるだろう。コンポーネントの劣化又は他の要因が具体的に認識されているかどうかは問題ではない。ニューラルネットワークは、依然として、所望のプラント応答を達成するための制御設定を決定することができるだろう。
ニューラルネットワーク訓練モジュール104は、ニューラルネットワークを訓練する任意の適切な方法を使用してもよい。当業者であれば、開示された概念の範囲から逸脱することなく、訓練の詳細を選択し、変更してもよいことを理解するのであろう。例えば、対象の特定のプラント応答特性(例えば、蒸気発生器レベル)に対する訓練の詳細は、ルーチンのテスト及び分析によって決定してもよい。同様に、対象の別の特定のプラント応答特性についての訓練の詳細は、ルーチンのテスト及び分析によって決定してもよい。
ニューラルネットワークテストモジュール106は、テストデータを使用してニューラルネットワークをテストするように構成される。ニューラルネットワークテストモジュール106はまた、ニューラルネットワーク訓練モジュール104からニューラルネットワークを受けとる。ニューラルネットワークテストモジュール106は、ニューラルネットワーク訓練モジュール104によって訓練されているニューラルネットワークの精度をテストするように構成されている。例えば、ニューラルネットワークテストモジュール106はシミュレートされたセンサデータ、プラント応答、及び制御システム設定のいくつかを、訓練中のニューラルネットワークに入力し、そのシミュレーションに対応する残りの制御システム設定を出力するかどうかを決定してもよい。このようにして、ニューラルネットワークの精度を決定することができる。例えば、ニューラルネットワークの精度が高いほど、ニューラルネットワークが残りの制御システム設定をより近く、より一貫性をもって予測することができる。いくつかの例示的な実施形態では、ニューラルネットワークが閾値レベルの精度に達したとき、ニューラルネットワークは訓練済みニューラルネットワーク200として出力されてもよい。精度の閾値レベルは、開示される概念の範囲から逸脱することなく、特定の用途に基づいて決定されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、ニューラルネットワークは、精度の変化が変化の閾値レベルを下回ったときに、訓練済みニューラルネットワーク200として出力されてもよい。例えば、ニューラルネットワークの精度は、各訓練エポックの後にテストされてもよい。ニューラルネットワークの精度が次の訓練エポックの後、横ばいになり、閾値レベルを超えて向上しない場合、ニューラルネットワークの最大精度に達したことを示すことができ、ニューラルネットワークは、訓練済みニューラルネットワーク200として出力されてもよい。訓練データ及びテストデータは、開示された概念の範囲から逸脱することなく、任意の適切な割合で分割されてもよい。
図3は、開示された概念の例示的な実施形態による、ニューラルネットワークを訓練する方法のフローチャートである。図3の方法は例えば、図2のニューラルネットワーク訓練システム100で実施されてもよい。この方法は、原子力発電プラントのシミュレーションの提供110から始まる。いくつかの例示的な実施形態では、シミュレーションは、図2に関して説明された原子力プラントシミュレーション102と同じであってもよく、又は類似していてもよい。この方法は112の訓練及びテストデータ112の生成に続く。訓練及びテストデータは、図2に関して説明したのと同じ又は類似の方法で生成してもよい。
114において、ニューラルネットワークは、所望の原子力発電プラント応答を達成するための少なくとも1つの制御システム設定を決定するように訓練される。ニューラルネットワークは、図2に関して説明したのと同じ方法又は類似の方法で訓練されてもよい。116において、ニューラルネットワークがテストされる。ニューラルネットワークは、図2に関して説明したのと同じ方法又は類似した方法でテストされてもよい。いくつかの実施形態では、ニューラルネットワークがしきい値レベルの精度に達すると、118で訓練済みニューラルネットワークが出力されてもよい。いくつかの実施形態では、ニューラルネットワークの精度の変化が閾値レベルを下回ったときに118において訓練済みニューラルネットワークが出力されてもよい。訓練済みニューラルネットワークは、図2に関して説明した訓練済みニューラルネットワーク200と同じ又は類似したものにしてもよい。訓練済みニューラルネットワークは、所望の原子力発電プラント応答を達成するための少なくとも1つの制御システム設定を決定するように訓練される。いくつかの実施形態では訓練済みニューラルネットワークは、センサデータ、いくつかの制御システム設定、及び所望の原子力発電プラント応答(例えば、これに限定されないが、蒸気発生器レベル)を受け取り、残りの1つ又は複数の制御システム設定を出力して所望の原子力発電プラント応答を達成するように構成される。
図4は、開示された概念の例示的な実施形態によるニューラルネットワーク検証システム300の概略図である。ニューラルネットワーク検証システム300は例えば、コンピュータシステムのような処理システム、又はプロセッサとメモリを含む他のそのようなシステム上に実装されてもよい。プロセッサは例えば、限定するものではないが、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又はメモリと相互作用する他の何らかの適切な処理デバイス又は回路であってもよい。メモリはRAM、ROM、EPROM、EEPROM、FLASH(登録商標)等のような様々な種類の内部及び/又は外部記憶媒体のうちの1つ又は複数であって、コンピュータの内部記憶領域の形式などでのデータ記憶用の記憶レジスタ、即ち機械可読媒体を提供し、揮発性メモリ又は不揮発性メモリとすることができる。メモリは、プロセッサによって実行可能な1つ又は複数のルーチンを記憶してもよい。いくつかの例示的な実施形態では、ニューラルネットワーク検証システム300はニューラルネットワーク訓練システム300と同じ処理システムで具現化されてもよい。
ニューラルネットワーク検証システム300は、訓練済みニューラルネットワーク200の追加レベルの検証を提供する。ニューラルネットワーク検証システム300は、訓練済みニューラルネットワーク200と、シミュレートされた原子力発電プラント制御システム302とを含む。シミュレートされたセンサデータ及び所望のプラント応答は、訓練済みニューラルネットワーク200に入力される。いくつかの制御システム設定はまた、訓練済みニューラルネットワーク200に入力されてもよい。訓練済みニューラルネットワーク200は所望のプラント応答を達成するために、少なくとも1つの制御システム設定をシミュレートされた原子力発電プラント制御システム302に出力する。
シミュレートされた原子力発電プラント制御システム302は、原子力発電プラントの制御システムをシミュレートし、それに入力された制御システム設定に基づいて1つ又は複数の制御信号を出力するように構成される。ニューラルネットワーク検証システム300では、シミュレートされた原子力発電プラント制御システム302の制御システム設定は手動で設定されてもよい。訓練済みニューラルネットワーク200から、1つ又は複数の制御システム設定を受け取ってもよい。シミュレートされた原子力発電プラント制御システム302は、その制御システム設定のうちの1つ又は複数を、訓練済みニューラルネットワーク200から受けとったものに設定又は変更してもよい。
シミュレートされた原子力発電プラント制御システム302の制御信号出力は、訓練済みニューラルネットワーク200が許容可能な制御システム設定を提供したことを検証するために観察されてもよい。例えば、シミュレートされた原子力発電プラント制御システム302の制御信号出力を、制御信号が原子力発電プラントにおいて許容可能な条件をもたらすことを検証するために、様々な閾値レベルと比較してもよい。いくつかの例示的な実施形態では、シミュレートされた原子力発電プラント制御システム302の制御信号出力は、図2に関して説明した原子力発電プラントシミュレーション102などの原子力発電プラントシミュレーションに入力されてもよい。原子力発電プラントシミュレーション102の出力は、ニューラルネットワーク200によって出力される制御システム設定が許容可能であることを検証するために、閾値レベルと比較されてもよい。ニューラルネットワーク検証システム300は、訓練済みニューラルネットワーク200が実際の原子力発電プラントで実施することができる制御システム設定を出力することを確実にするために、追加レベルの検証を提供する。
図5は、開示された概念の例示的な実施形態による、ニューラルネットワークを検証する方法のフローチャートである。図5の方法は例えば、図4のニューラルネットワーク検証システム300で実施されてもよい。この方法は、310におけるシミュレートされたセンサデータを訓練済みニューラルネットワークに提供すること、312における訓練済みニューラルネットワークに所望のプラント応答を提供すること、で始まる。いくつかの制御システム設定もまた、訓練済みニューラルネットワークに提供されてもよい。訓練済みニューラルネットワークは、前述の訓練済みニューラルネットワーク200と同じであっても又は類似していてもよい。本方法は、314における訓練済みニューラルネットワークを用いて少なくとも1つの制御システム設定を決定することに続く。少なくとも1つの制御システム設定は、所望のプラント応答を達成するように決定されてもよい。
少なくとも1つの制御システム設定は、316において、シミュレートされた原子力発電プラント制御システムに提供される。シミュレートされた原子力発電プラント制御システムは、図4に関して説明したシミュレートされた原子力発電プラント制御システム302と同じ又は類似のものであってもよい。シミュレートされた原子力発電プラント制御システムは、その制御システム設定に基づいて制御信号を出力するように構成され、その制御システム設定のうちの1つ又は複数を、訓練済みニューラルネットワークから受け取ったものに設定又は修正してもよい。
この方法は、318における訓練済みニューラルネットワークの検証に続く。訓練済みニューラルネットワークは、シミュレートされた原子力発電プラント制御システムの制御信号出力を、図4に関して説明したのと同じか又は類似した閾値レベルと比較することによって検証されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、シミュレートされた原子力発電プラント制御システムの制御信号出力は原子力発電プラントシミュレーションに入力されてもよく、ニューラルネットワークは図4に関して説明したものと同じ又は類似した閾値レベルと、原子力発電プラントシミュレーションの出力を比較することによって検証されてもよい。
図6は、開示された概念の例示的な実施形態による、訓練済みニューラルネットワーク200を使用する原子力発電プラント400の概略図である。原子力発電プラント400は、図2に関して説明したニューラルネットワーク訓練システム100を用いて訓練された訓練済みニューラルネットワーク200を使用してもよい。開示された概念の範囲から逸脱することなく、別のシステムで訓練された訓練済みニューラルネットワークも使用してもよいことが理解されるであろう。訓練済みニューラルネットワーク200は、センサデータ及び制御システム設定のような入力に基づいて所望のプラント応答を達成するために少なくとも1つの制御システム設定を出力するように事前に訓練済みである。
原子力発電プラント400は、原子力発電プラント制御システム402、センサ404、及びコンポーネント406を含む。センサ404は、原子力発電プラントの種々の流量、温度、圧力、バルブ位置、及び他の特性を測定することができる種々のセンサのような原子力発電プラントに一般的に見られるセンサを含んでもよい。コンポーネント406は、制御可能なバルブ及びポンプのような原子力発電プラントに一般的に見られる種々の制御可能なコンポーネントを含んでもよい。原子力発電プラント制御システム402は、制御システム設定に基づいて制御可能コンポーネント406を制御するように構成される。
訓練済みニューラルネットワーク200は例えば、これに限定されないが、ユーザ又は技術者によって手動で入力されてもよい所望のプラント応答(例えば、これに限定されないが、蒸気発生器レベル)を受け取るように構成される。また、訓練済みニューラルネットワーク200は、センサ404からセンサデータを受け取るように構成される。訓練済みニューラルネットワーク200はまた、原子力発電プラント制御システム402から1つ又は複数の制御設定を受け取ってもよい。その入力に基づいて、訓練済みニューラルネットワーク200は、所望のプラント応答を達成するために少なくとも1つの制御システム設定を決定し、その少なくとも1つの制御システム設定を原子力発電プラント制御システム402に提供するように構成される。
原子力発電プラント制御システム402は、その制御システム設定の1つ又は複数をニューラルネットワーク200から受けとった制御システム設定に設定又は変更し、次に、制御システム設定に基づいて制御可能なコンポーネント406を制御するように構成される。ニューラルネットワーク200は所望のプラント応答を達成するために少なくとも1つの制御システム設定を決定するように訓練されているので、ニューラルネットワーク200によって出力された少なくとも1つの制御システム設定に基づいてコンポーネント406を制御することは原子力発電プラント400の応答が所望のプラント応答であるか又はそれに近いことをもたらす。ニューラルネットワーク200は、特定の事象又は過渡現象のうちの1つ又は組合せを特定的に識別することなく、少なくとも1つの制御システム設定を決定することができることとなるから、原子力発電プラント400に影響を及ぼすコンポーネント406のうちの具体的に劣化した1つ又は他の要因などの、いかなる事象又は過渡現象も特定的に識別する必要はない。
図7は、開示された概念の例示的な実施形態による、ニューラルネットワークを使用して原子力発電プラントのための少なくとも1つの制御システム設定を決定する方法のフローチャートである。図7の方法は例えば、図6の原子力発電プラント400において実施されてもよい。この方法は、410でセンサデータを得ることで始まる。センサデータは、図6で説明したものと同じ又は類似したセンサ404から得てもよい。方法は、412でセンサデータ及び所望のプラント応答をニューラルネットワークへ提供することに続く。いくつかの制御システム設定も、ニューラルネットワークに提供されてもよい。ニューラルネットワークは、センサデータ及び制御システム設定などの入力に基づいて所望のプラント応答を達成するために少なくとも1つの制御システム設定を決定するように、事前に訓練されている。ニューラルネットワークは、前述の訓練済みニューラルネットワーク200と同じであっても類似していてもよい。
方法は、414で、所望のプラント応答を達成するためにニューラルネットワークを用いて少なくとも1つの制御システム設定を決定することに続く。416において、少なくとも1つの制御システム設定は、原子力発電プラント制御システムに提供される。
原子力発電プラント制御システムは、図6に関して説明した原子力発電プラント制御システム402と同じであっても類似していてもよい。原子力発電プラント制御システムは、その制御システム設定の1つ又は複数を、ニューラルネットワークによって出力される少なくとも1つの制御システム設定に設定又は変更するように構成されており、418においてそのようにする。420において、原子力発電プラント制御システムは、ニューラルネットワークによって出力されたそれへ設定又は変更された設定を含む、それの制御システム設定に基づいて、原子力発電プラントのコンポーネントを制御する。コンポーネントは、図6に関して説明したコンポーネント406と同じであっても類似していてもよい。ニューラルネットワークは所望のプラント応答を達成するために少なくとも1つの制御システム設定を決定するように訓練されているので、ニューラルネットワークによって出力された少なくとも1つの制御システム設定に基づいてコンポーネントを制御することは、原子力発電プラントの応答が所望のプラント応答であるか、又はそれに近いことをもたらすこととなる。
図8は、開示された概念の例示的な実施形態による、ニューラルネットワーク200を使用する原子力発電プラント400′の模式図である。図8の原子力発電プラント400′は、図6の原子力発電プラント400と類似している。しかしながら、図8の原子力発電プラント400′では、ニューラルネットワーク200は原子力発電プラント制御システム402′に統合済みである。図6に記載された実施形態では、既存の原子力発電プラント制御システム402は原子力発電プラント制御システム402を変更することなくニューラルネットワーク200と共に使用することができ、一方、本実施形態ではニューラルネットワーク200は原子力発電プラント制御システム402′に組み込まれる。したがって、原子力発電プラント制御システム402′は、所望のプラント応答を達成するために、ニューラルネットワーク200を使用して、その制御システム設定のうちの少なくとも1つを更新することができる。
開示された概念は、単一のニューラルネットワークに限定されないことが理解されるであろう。例えば、複数のニューラルネットワークが、異なる所望のプラント応答特性、異なる制御システム設定、又は様々な他の要因に基づいて訓練されてもよい。例えば、1つのニューラルネットワークは所望の蒸気発生器レベルを達成することに基づいて訓練されてもよく、他のニューラルネットワークは別の所望のプラント応答特性を達成することに基づいて訓練されてもよい。同様に、複数のニューラルネットワークが所望のプラント応答を達成するために、特定の制御システム設定を調整するように訓練されてもよい。さらに、複数のニューラルネットワークまた、特定の過渡現象又は事象について訓練されてもよい。例えば、1つのニューラルネットワークは原子炉トリップのような過渡事象又は事象に応答して制御システム設定を決定するために使用してもよく、別のニューラルネットワークは、ポンプトリップに対応するための制御システム設定を決定するのに使用してもよい。開示された概念の範囲から逸脱することなく、原子力発電プラントにおいて1つ又は複数のニューラルネットワークを使用してもよい。例えば、原子力発電プラントは複数のニューラルネットワークを含んでもよく、ユーザ又は技術者は、所望のプラント応答又はどの制御システム設定を変更すべきかに基づいて、1つ又は複数の制御システム設定を決定するためにどのニューラルネットワークを使用すべきか、を選択してもよい。
いくつかの例示的な実施形態では、開示された概念は、原子力発電プラントが所望のプラント応答を達成するために、1つ又は複数の制御システム設定を決定するために実施されてもよい。次いで、原子力発電プラントの制御システムにおいて、1つ又は複数の制御システム設定は、手動で設定又は変更されてもよい。この例示的な実施形態では、本明細書で説明するニューラルネットワーク200などの1つ又は複数の訓練済みニューラルネットワークを生成してもよい。1つ又は複数の訓練済みニューラルネットワークは、原子力発電プラントの制御システムのための1つ又は複数の制御システム設定を決定するために使用されてもよい。次に、制御システム設定は、原子力発電プラントの制御システムにおいて手動で設定又は変更されてもよい。この実施形態は、既存の原子力発電プラントについての解析を効率化し得、最適な制御システム設定を決定するために使用されてもよい。原子力発電プラントの静的制御システム設定を決定するために、1つ又は複数の訓練済みニューラルネットワークを使用してもよい。しかしながら、制御システム設定は定期的に、又は過渡現象又は事象に応答して更新されてもよいことが理解されるであろう。
また、開示された概念の態様は、有形のコンピュータ可読記録媒体上のコンピュータ読取可能コードとして具現化することができることも企図される。コンピュータ読取可能記録媒体は、その後コンピュータシステムによって読み取ることができるデータを記憶することができる任意のデータ記憶装置である。コンピュータ読取可能記録媒体の例には、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、及び光データ記憶装置が含まれる。
本発明の特定の実施例が、詳細に記載されてきたが、当業者にはこれらの詳細に対する様々な修正物及び代替物を、本明細書に開示の全体的な教示に照らして、展開できることが理解されるだろう。従って、本明細書に開示された特定の実施形態は、例示的なものにすぎず、添付の特許請求の範囲並びにその任意の及びすべての均等物が与えられる本発明の範囲を限定するものではないことが意図されている。

Claims (20)

  1. 原子力発電プラントを制御する方法であって、
    前記方法は、
    原子力発電プラントの1つ又は複数のセンサからセンサデータを取得することと、
    前記センサデータ及び所望のプラント応答をニューラルネットワークへ提供することであって、前記ニューラルネットワークが、シミュレートされた原子力発電プラントを使用して事前に訓練済みであり、所望のプラント応答を達成するために少なくとも1つの制御システム設定を決定するように構成されているものを提供することと、
    前記ニューラルネットワークを用いて前記所望のプラント応答を達成するために少なくとも1つの制御システム設定を決定することと、
    前記原子力発電プラントの制御システムの少なくとも1つの制御システム設定を、前記ニューラルネットワークによって決定された前記少なくとも1つの制御システム設定に設定又は変更することと、を備える方法。
  2. 前記1つ又は複数のセンサは、流量、圧力、及びバルブ位置のうち少なくとも1つを測定するように構成されている請求項1に記載の方法。
  3. さらに、前記制御システムの設定または変更済みの前記少なくとも1つの制御システム設定に基づいて、前記原子力発電プラントの1つ又は複数のコンポーネントを制御することを備える請求項1に記載の方法。
  4. 前記コンポーネントは、ポンプ及びバルブのうちの少なくとも1つを含む請求項3に記載の方法。
  5. さらに、複数のニューラルネットワークから前記ニューラルネットワークを選択することであって、前記複数のニューラルネットワークが、異なる過渡現象又は事象に基づいて前記所望のプラント応答を達成するために少なくとも1つの制御システム設定を決定するように、シミュレートされた前記原子力発電プラントを使用して事前に訓練済みであるものを選択することを備える請求項1に記載の方法。
  6. さらに、前記ニューラルネットワークによって決定された前記少なくとも1つの制御システム設定を前記制御システムに出力することであって、前記ニューラルネットワークが、前記制御システムから分離されているものを出力することを備える請求項1に記載の方法。
  7. 前記ニューラルネットワークは、前記制御システムに統合されている請求項1に記載の方法。
  8. 前記ニューラルネットワークは、前記センサデータに基づいて前記所望のプラント応答を達成するために、少なくとも1つの制御システム設定を決定するようにシミュレートされた前記原子力発電プラントを使用して事前に訓練済みである請求項1に記載の方法。
  9. さらに、前記ニューラルネットワークに1つ又は複数の既存の制御システム設定を提供することであって、前記ニューラルネットワークが、前記センサデータ及び前記1つ又は複数の既存の制御システム設定に基づいて、前記所望のプラント応答を達成するために少なくとも1つの制御システム設定を決定するようにシミュレートされた前記原子力発電プラントを使用して事前に訓練済みであるものを提供することを備える請求項1に記載の方法。
  10. 原子力発電プラントのための少なくとも1つの制御システム設定を決定するようにニューラルネットワークを訓練する方法であって、
    前記原子力発電プラントのシミュレーションを提供することと、
    複数の制御システム設定及び原子力発電プラントパラメータを前記原子力発電プラントのシミュレーションに入力し、前記原子力発電プラントの前記シミュレーションからシミュレートされたセンサデータ及びシミュレートされたプラント応答を得ることによって、訓練及びテストデータを生成することと、
    前記訓練及びテストデータを用いて前記原子力発電プラントの所望のプラント応答を達成するために、前記原子力発電プラントのための前記少なくとも1つの制御システム設定を決定するように訓練された訓練済みニューラルネットワークを生成することと、を備える方法。
  11. 前記訓練及びテストデータは、前記複数の制御システム設定のサブセット、前記シミュレートされたセンサデータのサブセット、及び前記シミュレートされたプラント応答を含む請求項10に記載の方法。
  12. 前記訓練済みニューラルネットワークを生成することは、前記複数の制御システム設定の前記サブセットの第1の部分と、前記シミュレートされたセンサデータの前記サブセットと、前記シミュレートされたプラント応答とを入力特徴として、前記複数の制御システム設定の前記サブセットの第2の部分を出力ラベルとして使用して、前記ニューラルネットワークを訓練することを含む請求項11に記載の方法。
  13. さらに、前記訓練及びテストデータを訓練データ及びテストデータに分割することであって、前記訓練済みニューラルネットワークを生成することが、前記訓練データを用いて前記原子力発電プラントの所望のプラント応答に基づいて前記原子力発電プラントのための前記少なくとも1つの制御システム設定を決定するように前記ニューラルネットワークを訓練するステップと、前記テストデータを用いて前記ニューラルネットワークをテストすることを含むものを分割することを備える請求項10に記載の方法。
  14. さらに、シミュレートされた原子力発電プラント制御システムを用いて前記訓練済みニューラルネットワークを検証することを備える請求項10に記載の方法。
  15. 前記訓練済みニューラルネットワークを検証することは、
    前記訓練済みニューラルネットワークへシミュレートされたセンサデータを提供することと、
    前記訓練済みニューラルネットワークに前記所望のプラント応答を提供することと、
    前記訓練済みニューラルネットワークを用いて前記少なくとも1つの制御システム設定を決定することと、
    前記少なくとも1つの制御システム設定を前記シミュレートされた原子力発電プラント制御システムに提供すること、及び前記シミュレートされた原子力発電プラント制御システムの制御信号出力が所定の閾値レベル内であることを検証することと、を含む請求項14に記載の方法。
  16. 前記訓練済みニューラルネットワークは、1つ又は複数の選択された過渡現象又は事象に基づいて、前記原子力発電プラントが前記所望のプラント応答を達成するために前記少なくとも1つの制御システム設定を決定するように訓練される請求項10に記載の方法。
  17. 前記訓練及びテストデータを生成することは、前記複数の制御システム設定及び原子力発電プラントパラメータを、公称値付近の平均を有する正規分布に基づいてランダムに設定することを含む請求項10に記載の方法。
  18. 前記訓練済みニューラルネットワークは、センサデータ及び既存の制御システム設定に基づいて、前記原子力発電プラントが前記所望のプラント応答を達成するために前記少なくとも1つの制御システム設定を決定するように訓練される請求項10に記載の方法。
  19. 前記シミュレートされたセンサデータは、流量、温度、圧力、及びバルブ位置のうちの少なくとも1つを測定するように構成された1つ又は複数のセンサのシミュレートされた出力を含む請求項10に記載の方法。
  20. 原子力発電プラントであって、
    センサデータを生成するように構成された複数のセンサと、
    複数のコンポーネントと、
    複数の制御システム設定を有し、前記複数の制御システム設定に基づいて前記複数のコンポーネントの一部を制御するように構成された制御システムと、
    センサデータ及び所望のプラント応答を受け取るように構成されたニューラルネットワークと、を備え、
    前記ニューラルネットワークはシミュレートされた原子力発電プラントを使用して事前に訓練済みであり、前記所望のプラント応答を達成するために少なくとも1つの制御システム設定を決定するように構成され、
    前記制御システムは、前記複数の制御システム設定のうちの1つ又は複数を、前記ニューラルネットワークによって決定された前記少なくとも1つの制御システム設定に設定又は変更するように構成される原子力発電プラント。
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