JP2022546233A - Memsベースの光音響セル - Google Patents

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ハーン - シッカート - ゲゼルシャフト フュア アンゲバンテ フォルシュング エー.ファウ.
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Abstract

第1の態様では、本発明は、互いに対して横方向に隣接して配置され、センサ・チャネルによって接続されたガス充填可能な検出チャンバと参照チャンバとを有する光音響ガス・センサに関する。センサ・チャネルに、又はその中に配置されたセンサによって光音響信号の測定が可能になる。両方のチャンバは、好ましくは、同じく備えられたIR放出器の放出されるIR放射に垂直な平面に配置される。ガス・センサはまた、多層基板から形成される。さらなる態様では、本発明はまた、ガス・センサを製造する方法、及びガス・センサを用いてガスを分析する方法に関する。

Description

第1の態様(aspect)では、本発明は、互いに対して横方向に隣接して配置され、センサ・チャネルによって接続されたガス充填可能な検出チャンバと参照チャンバとを有する光音響ガス・センサに関する。センサ・チャネルに、又はその中に配置されたセンサによって光音響信号の測定が可能になる。両方のチャンバは、好ましくは、同じく備えられたIR放出器の放出されるIR放射に垂直な平面に配置される。ガス・センサはまた、多層基板から形成される。
さらなる態様では、本発明は、ガス・センサを製造する方法、及びガス・センサを用いてガスを分析する方法に関する。
光音響分光法(PAS:photoacoustic spectroscopy)は、非常に希薄な濃度の気体の検出を可能にし、様々な用途を有するものである。一例はCOの検出であり、これは、研究及び空調技術において一つの役割を果たしている。例えば、空気中の排気ガスの濃度もこの方法で測定することができる。軍事的な用途にも関連しており、最低限の濃度の有毒ガスでも検出することができる。
光音響分光法は、気体内で検出される分子の吸収スペクトル内の周波数を有する強度変調赤外線放射を利用する。この分子がビーム経路内に存在する場合、変調吸収が起こり、その時間尺度が放射の変調周波数を反映する加熱及び冷却過程をもたらす。この加熱及び冷却過程は、気体の膨張及び収縮をもたらし、変調周波数における音波を引き起こす。次いで、これらの音波は、マイクロフォンなどの音響検出器、又は流量センサによって測定することができる。
光音響ガス・センサは、放出器、検出器、及びセルの構成要素からなる。セルは複数の場合もある。セルは、通常、メゾスコピックに作られた円筒の形態の鋼製であり、例えば、非特許文献1、及び米国特許出願公開第2018/0059066(A1)号を参照のこと。これはさらなる小型化を妨げる。
小型化のための試みも従来技術から知られている。例えば、独国実用新案第202015002315号では、IR放出器の放射方向に2つ以上のセルを垂直に積み重ねた垂直集積型MEMSシステムが提案されている。しかしながら、このような垂直配置は様々な欠点を有する。例えば、検出器及び第2のセルも放射方向に配置されているので、IR放射によって影響されることがある。これは特にIR放射に関することであり、第1のセルの媒体に吸収することができず、したがって、第2のセル(通常、参照チャンバ)に侵入し、そこで望ましくない信号を生成する。また、検出器/センサ自体が放射から熱を吸収し、したがって歪むことがある。
これらの不利な点がなく、完全にMEMS技術で製造される光音響ガス・センサは今のところ知られていない。
米国特許出願公開第2018/0059066(A1)号 独国実用新案第202015002315号
von Huber、J.:Miniaturisierter photoakustischer Gassensor fuer den Nachweis von Kohlendioxid[Miniaturized photoacoustic gas sensor for the detection of carbon dioxide]、Der Andere Verlag、2016 Sattler、Robert;Physikalisch basierte Mixed-Level Modellierung von gedaempften elektromechanischen Mikrosystemen[Physically based mixed-level modeling of attenuated electromechanical microsystems];Dissertation;Technical University of Munich、2007
本発明の目的は、光音響分光器の形態のガス・センサ、並びに従来技術の欠点のないガス測定方法及びガス・センサの製造方法を提供することである。特に、本発明の1つの目的は、簡潔に、しっかりと、高い感度と精度でガス濃度を測定することができ、同時に、すべての構成要素を数工程だけで製造することができ、直接組み込むことができる、簡素、低コスト、大量生産プロセスによって特徴付けられる、光音響分光器に基づく、改良されたガス・センサを提供することであった。
この目的は、独立請求項の構成によって解決される。本発明の好ましい実施例は従属請求項で説明される。
第1の態様では、本発明は、好ましくは、
- 変調可能な赤外線放出器と、
- ガスを充填することができる検出チャンバと、
- 参照チャンバ(reference chamber)と、
- 検出チャンバを参照チャンバに接続するセンサ・チャネルと、
- センサ・チャネル内、又はセンサ・チャネルの近傍に配置されたセンサと
を有する光音響ガス・センサに関し、検出チャンバは、赤外線放出器のビーム経路内に配置され、その結果、赤外線放出器は、変調可能に放出可能な赤外線放射によって検出チャンバ内のガスを励起して、センサによってセンサ・チャネルにおいて検出可能な音圧波を形成することができ、検出チャンバ、センサ・チャネル、参照チャンバ、及びセンサは、IR放出器からの放射方向に対して実質的に垂直に延在する横方向平面に配置される。センサは、好ましくは、センサ要素(sensor element)とも称されてもよい。センサ又はセンサ要素は、好ましくは、検出器チャンバから参照チャンバ内へセンサ・チャネルを通る音圧の均一化を検出するように配置される。センサ又はセンサ要素によるセンサ・チャネル内の音圧波の検出は、好ましくは、この意味で理解される。
好ましい実施例では、検出チャンバ、センサ・チャネル、参照チャンバ、及びセンサは多層基板に配置される。
このガス・センサでは、検出チャンバ及び参照チャンバは、好ましくは、互いに隣接し、IR放出器からの放射方向に対して垂直な平面に配置され、多層基板に形成される。この配置、及びチャンバ間に配置されたセンサ・チャネル内でのセンサの使用により、簡単な製造方法及び高さの低いコンパクトな設計を達成することができる。
検出チャンバ及び参照チャンバは互いに横方向に隣接して配置され、IR放出器の放射はこの配置の平面に対して実質的に垂直に向けられるので、特に、ビームを同時に検出チャンバに集光することによって、参照チャンバではなく、検出チャンバのみに照射することを達成することができる。次いで、ガス成分の存在により検出チャンバ内で変調された吸収が起きると、好ましくは、照射されていない参照チャンバへの圧力均一化がセンサ・チャネルを通じて確立され、これをセンサ・チャネル内のセンサによって測定することができる。これによって、干渉が回避され、感度が向上する。
センサを有する多層基板のコンパクトな設計により、ガス・センサの主要な構成要素を有する一体型設計を達成することができる。これはまた、非常に小型化も可能である。多層基板の実現によって、製造プロセスが簡略化される。有利には、半導体及び/又はMEMS生産のための標準化された製造プロセスが使用可能である。このセンサによって、特にセンサ・チャネルの寸法を、ガス・センサの他の構成要素の大きさとは関係なく選択することができ、特定の要件、例えば、検出チャンバの圧力変化に対するセンサの所望の感度に適合させることができる。
光音響ガス・センサは、その基本的な特徴又は本質的な構成要素において当業者には知られている。変調可能な放出器は、赤外波長域の電磁放射を生成し、好ましくは、赤外線放出器によって放出された赤外線放射が、検出チャンバ内のガスに本質的に、又は少なくとも部分的に入射するように配置及び構成される。
ガス混合物中に存在するガス成分の分子の吸収スペクトルに対応する赤外波長で変調照射が行われた場合、変調吸収が生じ、その時間尺度が放射の変調周波数を反映する加熱及び冷却過程を引き起こす。光音響効果によれば、加熱及び冷却過程はガス成分の膨張及び収縮を引き起こし、それによって、実質的に変調周波数を有する音圧波を形成する。音圧波はPAS信号とも称され、センサ、例えば音響検出器又は流量センサによって測定することができる。音波のパワーは、好ましくは、吸収ガス成分の濃度に正比例する。
ガス成分という用語は、好ましくは、ガス混合物中の化学的に(及び分光学的に)同一のガス分子(例えば、CO、メタン、窒素など)の部分を意味し、一方、ガス混合物は、複数の(好ましくは異なる)ガス成分(例えば、天然ガス、空気など)の全体又は混合物を意味するように理解される。
前述の用途のための放射源としては、様々な赤外線(IR:infrared)放出器が好ましい。例えば、赤外域の狭帯域レーザ源が使用可能である。有利には、これらは、高い放射強度の使用を可能にし、好ましくは高い周波数において光音響分光法用の標準的な構成要素を用いて変調することができる。しかしながら、レーザの狭帯域スペクトルにより、対応する吸収スペクトルを有する分子しか検出することができない。したがって、異なる分子を検出しようとする場合は、いくつかのレーザが好ましく使用される。
IR放出器は、好ましくは、検出チャンバに対して直線配置に配置される。これは、好ましくは、IR放出器が、検出チャンバと参照チャンバとの間の接続線上の点から、接続線に対して直角に配置されることを意味する。好ましくは、IR放出器は、検出チャンバ及び/又は参照チャンバにすぐ隣接して、照射することができる。しかしながら、IR放出器と検出チャンバ及び/又は参照チャンバとの間に、IRビームが自由ビーム経路を通る自由領域が配置されることが好ましいこともある。
好ましくは、熱広帯域放出器も使用することができる。有利には、これらの放出器は、例えば(調整可能な)フィルタを使用することによって、さらに選択可能な広帯域スペクトルを有する。熱時定数により、直接変調の変調周波数は、好ましくは、数Hzから約100Hzの範囲である。
変調可能な赤外線放出器は、好ましくは、赤外(IR)の範囲、特に約700ナノメートル(nm)と1ミリメートル(mm)との間の波長の範囲の電磁放射を放出する装置を指す。対応する放出放射線の周波数は、約300ギガヘルツ(GHz)から400テラヘルツ(THz)までの間の範囲にすることができる。スペクトルは、好ましいように、分光学の分野で一般的であるように、波数m-1又はcm-1によって表されることがある。当業者であれば、これらの単位の間の変換方法を知っている。
特に、スペクトルは、本放出器の好ましい適用分野、すなわち赤外分光、特に光音響分光に対応するように選択される。特に、ガス分子に依存する好ましいスペクトル範囲に対応する、分光及び/又は検出されるガス分子の振動励起が好ましい。例えば、CO分子の励起には、約4.2マイクロメートル(μm)のスペクトル範囲が適する。特に好ましい赤外線放射の波長範囲は、700nm~10μmであり、好ましくは1μm~10μm、特に好ましくは2μm~10μmである。
赤外線放射を生成するためには、熱エネルギーは、好ましくは、加熱要素の形態で提供される。(マイクロ)加熱要素が特に好ましい。マイクロ加熱要素は、好ましくは、マイクロメートル(μm)のオーダーの寸法を有する加熱要素を意味する。ここで、加熱要素は、電流が流れるとジュール熱を生成する導電性材料から作られた加熱可能な層を有する。生成される熱は、好ましくは、電流源が使用されるか、電圧源が使用されるかに応じて、要素のオーム抵抗と電流の2乗、又は印加電圧の2乗とオーム抵抗の逆数への依存性を示す。赤外線放射の熱源は、1つの光源だけで広範な気体原子又は分子を励起することができる広帯域放出など、PASにとって有利な性質を有する。同時に、熱IR放出器は、特に安価で、製造が容易で、耐久性がある。
平衡状態では、生成された熱は、熱伝導、対流、及び電流が流れる加熱可能な層の外側境界面において放出される熱放射(同義語:熱放射、赤外線放射)による熱損失に等しい。当業者には知られているように、生成される熱は、とりわけ、熱放射、特に粒子の熱運動による熱放射を引き起こし、その結果、特に、電荷担体及び/又は振動双極子モーメントの加速が生じる。したがって、赤外線放射は、具体的には、電流を通す加熱可能な層によって生成可能である。加熱可能な層は、好ましくは、金属、例えば、タングステン、モリブデン、又は白金から作られる。適切な電圧を印加することによって、その結果生じる電流は、ジュール熱を生成し、したがって、最終的に赤外線放射を生成する。
加熱された物体の放射線スペクトルは、好ましくは、プランクの放射法則によってほぼ記述することができ、それによって、当業者には、実際の加熱可能な層と黒体との間の差、例えば、放射率、又は黒体の熱平衡からの実際の逸脱が認識される。これらの逸脱にもかかわらず、生成されるスペクトル及びその強度は、プランクの放射法則に従って、温度及び放射面積によって実質的に記述される。
したがって、当業者は、(マイクロ)加熱要素の特定の設計によって、好ましい強度分布を有する好ましいスペクトルを達成することができる。この目的のために、加熱要素の材料及び幾何学的設計に加えて、利用可能な電気エネルギー、及び熱放射に加えて加熱要素からの熱損失の大きさが、好ましくは、決定的なものになる。これらの熱損失の大きさは、例えば、加熱要素と、隣接する材料及び/又は流体との間の熱伝導率、並びにそれらの熱容量及び境界面の大きさによって決定される。
加熱要素の形態の赤外線放出器は、特に費用対効果が高く堅牢であり、同時に、放出のスペクトル幅によりPASで多数のガス分子を検出することができる。好ましくは調整可能なバンドパス・フィルタによって、必要に応じて、広い放出スペクトルから、より狭いスペクトルを選択することができる。
赤外線放射はまた、好ましくは、所望の赤外スペクトル領域で放出する発光ダイオード(LED:light-emitting diode)及び/又はレーザによって生成することができる。特に、レーザは、好ましくは、狭い放出スペクトルを有し、その結果、好ましくは、このスペクトルに正確に一致する気体原子又は分子の吸収線だけを励起、したがって検出することができる。したがって、特定の気体分子の存在に関する検出の情報価値が特に高い場合、他の分子はレーザの狭いスペクトルによって励起されないので、レーザは、これらの特定の気体分子だけを検出しようとする場合に有利である。
IR放出器の放出は、好ましくはビームとして行われ、このビームは直線の形態で好ましい方向に向けられる。以下、ビームという用語は、放出器によって放出される放出器の好ましいビーム方向に沿った放射の好ましくはバンドル化された部分を記述するものとし、特にこの方向に沿った最大の強度の領域がビームを規定する。強度は、好ましくは、面積パワー密度として定義され、好ましくは、1平方メートル当たりのワット数又は略してW/mの単位を有する。
レンズなどの追加の構成要素は、ビームのバンドル化又はコリメーションを可能にするために、放出器に組み込むか又は外部に取り付けることができる。所望のビーム・プロファイル及び所望のビーム方向になるように、IR放出器を設計することによって、並びに、追加の構成要素を使用することによって、放射源の放出プロファイルを形成する方法は、当業者には知られている。好ましくは、変調可能なIR放出器は、追加のレンズなしに行うことができる、又は、放射源と、ビームをコリメートするための少なくとも1つのレンズとを有するシステムとすることができる。
放出器は変調可能であり、これは、放出される放射線の強度、好ましくはビームの強度を、経時的に制御可能に変化させることができることを意味する。変調は、好ましくは、測定可能な変数として強度の時間的変化を引き起こすものとする。これは、例えば、測定期間内に測定された最も弱い強度と、同じ期間内に測定された最も強い強度との間に、強度を測定又は決定するために放射線スペクトル及びアプリケーションに典型的に使用される機器の感度よりも大きい経時的な強度の差が存在することを意味する。好ましくは、その差は、最も強い調整可能な強度と最も弱い調整可能な強度との間の係数が2倍、より好ましくは、4倍、6倍、又は8倍よりもかなり大きい。特に好ましくは、変調されたビームの強度は、1つ又は複数の所定の共振波長に対して変調される。
好ましくは、直接変調は、電流供給を変化させることによって行うことができる。熱放出器の場合、このような変調は、通常、熱時定数により、変調スペクトルの特定の範囲、例えば、100Hzのオーダーまでの範囲に制限される。レーザ又はLEDの場合、例えば、好ましくは、それよりずっと高い変調速度、例えば、kHZ以上の範囲の変調速度が可能である。
赤外線放出器の変調はまた、好ましくは、外部変調によって、例えば、回転チョッパ・ホイール及び/又は電気光学変調器を使用することによって達成することができる。
特に、IR放出器は、ガス・センサの構造体に(好ましくはモノリシックに)組み込まれたMEMS放出器とすることができる。
検出チャンバは、好ましくは、ガスを充填することができる。ここで、検出チャンバは、好ましくは、ガス・センサ内の空洞である。これは、好ましくは、この容積部が少なくとも部分的に閉鎖されていても、又は閉鎖可能であっても、好ましくは、充填のための閉鎖可能な開口が存在することを意味することができる。PASの測定方法に応じて、開口は、好ましくは、再密閉可能であるように設計可能であり、それによってガスは交換可能とすることができる。しかしながら、例えば製造時にチャンバにガスを一度充填し、その後は交換又は再充填しないことが同様に好ましいことがある。好ましくは、ガス流はまた、例えば、少なくとも第1の開口を有する検出チャンバによって実現することができる。
好ましくは、チャンバ内への連続的なガス流又は不連続的なガス流のいずれかは、例えば、入口としての第1の開口、及び出口としての第2の開口を通じて実現することができ、その場合、例えば、検出チャンバのガスの充填又は交換は、充填又はガス交換段階で実行することができる。測定段階では、例えば、ガス流は、中断することができる。好ましくは、異なるガスを異なる時点で分析することができ、好ましくは、いかなるガス残留物の量も洗浄するために、分析される2つのガスの間で洗浄ガスを供給することができる。
検出チャンバは、好ましくは、検出器チャンバとも称される。
検出チャンバが、例えば、所望の寸法の開口によって、少なくとも部分的に周囲環境に対して開放されている場合、周囲環境との恒久的なガス交換が有利にも行われ、これによって、検出チャンバの充填は、周囲環境のガス雰囲気との相互作用によって行われる。
検出チャンバの高さは、好ましくは、IR放出方向の検出チャンバの最大拡がりに対応する。しかしながら、好ましくは、検出チャンバの幅は、検出チャンバと参照チャンバが互いに隣接して配置される、放射方向に対して垂直な横方向平面の方向の最大拡がりに対応する。
好ましくは、高さ及び幅に対して好ましくは垂直である深さも定義される。深さは、好ましくは、長さとも称される。
検出チャンバの寸法は、特にこれら3つの空間方向と一般の形状に関して、寸法、感度、及び/又は性能を記述する他のパラメータに関するガス・センサの適用分野及び/又は要件に従って有利に適合させられる。それによって、放出器のビーム寸法を適合させることが可能であり、又は音響共鳴を促進するように寸法を選択することが可能である。検出チャンバは、好ましくは、実質的に立方体の外形を有することができる。
好ましくは、検出チャンバと同様の寸法及び幾何学的設計にすることができ、その寸法が、検出チャンバと同様の態様で高さ、幅、及び/又は深さ/長さとして選定される参照チャンバも構成される。
光音響分光法によるガス分析では、検出チャンバと一緒に参照チャンバを使用することが好ましい測定構成である。好ましくは、参照チャンバは、検出チャンバと同じガス、又は既知の特性を有する参照ガスを含むことができる。最初のケースでは、実質的に検出チャンバのみがIR放射で照射されることが好ましく、その結果、この放射の吸収から生じる音圧波は、好ましくは、実質的にそこで生成され、したがって、好ましくは2つのチャンバ間に配置された検出器又はセンサによって測定することができる。外部で生成された音圧波などの外部の影響による局所的な圧力変動は、好ましくは両方のチャンバに影響を与え、有利には、特にセンサが両方のチャンバ間の圧力差を実質的に測定するので、測定されない。
同様に、参照ガスが参照チャンバに存在する2番目のケースでは、両方のチャンバが変調された赤外線放射で照射されることが好ましく、この場合、好ましくは、検出チャンバの異なる吸収挙動に基づいて、その組成、特に参照ガスと異なる組成及び/又は濃度について結論を引き出すことができる。特に、参照チャンバが真空であることが好ましいことがある。当業者であれば、真空とは実際には絶対的なものではなく、通常の条件下での大気圧と比較してかなり低い圧力によって特徴付けられることを知っている。
好ましくは、参照チャンバには、それ自体の開口、好ましくは閉鎖可能な開口を通じてガスを充填することができる。製造中に充填することも考えられる。参照チャンバがそれ自体の開口を持たず、センサ・チャネルを通して検出チャンバからのガスを充填されることも同様に好ましいことがある。
検出チャンバを参照チャンバと接続するセンサ・チャネルは、好ましくは、検出チャンバと参照チャンバとの間に配置される。これは、好ましくは、2つのチャンバの寸法と比較して、かなり小さな断面を有する。特に、センサは、このセンサ・チャネル内に配置され、これによって、チャンバ間の音圧波又は音圧の均一化は、センサ・チャネル内で検出することができる。
センサは、好ましくは、検出チャンバ及び/又は参照チャンバからセンサ・チャネルに到達する音圧波を検出するように配置される。センサ・チャネルは、特に、チャンバ間の接続チューブ又は接続パイプの形態で設計することができ、その中にセンサを挿入することができる。しかしながら、センサ・チャネルは、検出チャンバと参照チャンバとの間の仕切りのアパーチャ又は開口によって形成されることも好ましいことがあり、この場合、センサ又はセンサ要素は、好ましくは、少なくとも部分的に仕切りに設置され、アパーチャを通るガス流を測定するように配置される。
センサをセンサ・チャネルに組み込む場合、センサは、好ましくは、センサ・チャネルの断面積全体を実質的に又は部分的に覆うことができる。この場合、センサは、好ましくは、特にアパーチャと呼ばれる開口を有する。センサは、好ましくは、チャネルを閉鎖してもよい、又は、2つのチャンバ間のチャネルにセンサによって覆われない開口があってもよい。それは、好ましくは、チャンバ内にあるガスに対して、実質的若しくは部分的に、材料的に密閉されてもよい、又は実質的若しくは部分的に透過性があってもよい。透過性の場合、圧力均一化が2つのチャンバ間で生じることができるが、音圧波を効果的に検出するために、圧力均一化が、検出される音圧波に対して十分に遅れるような透過性であることが特に好ましい。当業者であれば、前述の目的を達成するために、チャンバ及び/若しくはチャネルの配置、寸法、使用されるセンサ、検出されるガス、並びに/又は他の影響変数に応じて、開口をどのように配置、設計、及び/若しくは寸法にすべきかを知っている。
好ましくは、ガス・センサは、IR放出器に面する均一な表面を有し、この表面は、検出チャンバ、センサ・チャネル、及び参照チャンバを有する横方向構成体全体にわたって延在する。好ましくは、センサ・チャネルは、センサ・チャネルに配置されたセンサに対する望ましくない直接IR照射を最小限にするために、チャンバを構成する内部容積部に対してIR放出器からわずかに後方に配置される。
好ましくは、検出チャンバは、赤外線放出器のビーム経路内に配置される。好ましくは、これは、ビームの強度が、放出器に面する検出チャンバの側面に実質的に又は少なくとも部分的に入射することを意味する。部分的とは、好ましくは、少なくとも40%を意味し、好ましくは、少なくとも50%、60%、又はそれより多くを意味する。特に、これは、ビームの最大強度の領域が検出チャンバに衝突することを意味する。好ましくは、これは、ビームが集束及び/又はコリメートされて、強度の実質的な部分が放出器に面する側面に衝突することを意味する。好ましい実例は、特に、ガウス曲線に従う横方向のプロファイルを有するガウシアン・ビームである。ビームに沿って、最大強度を有する線は、好ましくは、z軸として定められる。ビームの「高さ」zにおけるビーム半径wは、好ましくは、強度が1/e(好ましくは約13.5%)に下がったz軸までの距離として定義される。この定義に従うと、「検出チャンバが赤外線放出器の経路内に配置される」とは、ビーム半径の実質的にすべてが放出器に面する検出チャンバの側面に入射することを意味することが好ましい。
ビームの強度は、検出チャンバと参照チャンバとの間で実質的に等しく分割されることが好ましいことがある。しかし、好ましくは、上記の定義は、検出チャンバと参照チャンバを等分に照射するビームに対して類似的に適用される。
特に、含まれるガスの流れ/圧力が2つのチャンバの間で時間的に変調された態様で生成されるように、少なくとも1つのチャンバがIR放射で照射される。
好ましくは、放出器に面する検出チャンバの側面は、放出されるIR放射に対して透明であり、その結果、放射線は、本質的には、ガス充填可能なチャンバの内部に到達する。好ましくは、特に赤外線放出器に面する検出チャンバの側面は照射面とも称される。
これは、好ましくは、参照チャンバに類似的に適用することができる。
検出チャンバが赤外線放出器のビーム経路内にあるという事実は、特に、検出チャンバが少なくとも部分的に(好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、特に少なくとも60%)照射され、特に、赤外線放射の実質的な部分がガス充填可能な検出チャンバ内の容積部に到達するので、特に、赤外線放出器が、変調可能に放出可能な赤外線放射によって検出チャンバ内のガスを励起して音圧波を形成することができることを意味する。実質的な部分とは、特に少なくとも80%、より好ましくは90%、特に95%を意味する。
実質的に、ほぼ、約などのような用語は、好ましくは、±20%未満、好ましくは±10%未満、さらにより好ましくは±5%未満、特に±1%未満の許容範囲を表す。実質的に、ほぼ、約などの表示は、常に、言及された正確な値も表し、且つ含む。
音圧波は、好ましくは、センサ・チャンネル内のセンサによって検出可能である。これは、MEMSセンサの配置及び実現が、好ましくは、音圧波の検出、又はチャンバ間の音圧の均一化に適していることを意味する。センサは、例えば、膜の形態のマイクロフォンの形態で設計可能であり、音圧波によってこれに振動を生じさせることができ、それによって、振動は、好ましくは、対応する電気的、磁気的、及び/又は電子的構成及び/又は制御によって読出し可能である。
このセンサは、好ましくは、マイクロシステム(微小電子機械システム、Micro-Electro-Mechanical System、略称MEMS)の形態のセンサを指し、したがって、好ましい実施例では、MEMSセンサとも称されてもよい。マイクロシステムは、特に、小型化された装置、組立体、及び/又は構成要素であり、これら構成要素は、約1マイクロメートル(μm)以下程度の大きさの寸法を有し、システムとして相互作用する。MEMSセンサは、例えば、MEMSマイクロフォンである。
特に、光音響ガス・センサ全体をMEMSとして実現することは可能である。有利には、センサは、MEMSに直接実装又は組込み可能である。この意味では、MEMSセンサは、好ましくは、MEMSに実装された光音響ガス・センサ内のセンサ又はセンサ要素を指す。
検出チャンバ、センサ・チャンネル、参照チャンバ、及びMEMSセンサは、特に多層基板に形成される。基板とは、特に、それぞれの構成要素を製造するための基材を指す。特に、この用語は、回路が基板から製造される半導体産業向けの用語である。この環境では、半導体産業及び/又はMEMS生産から知られている材料及び/又は生産技術が使用され、それらは、その効率、単純さ、低生産コスト、及び適合性により、大量生産に適している。
この環境では、基板は、エッチング・プロセス及び/又は物理的加工技術、特に個々の基板の領域及び/又は層厚みを切除及び/又は除去することによって、望むように一体品に加工及び成形することができる。特に、複数、好ましくは、個々の薄い基板の2、3、4、5、6、7、8、9、又は10層以上を備えた多層基板は、個別に機械加工され、次いで、組み立てられて、特に、前述の構成要素を有するガス・センサを形成することができる。
特に、前述の構成要素が横方向平面に互いに隣接して配置されることにより、それぞれの基板層における構成要素のそれぞれの層を非常に容易に且つ/又は実質的に同時に作製することができる。高さが低く、電子回路などの他の半導体要素との互換性が高くて、製造が容易なガス・センサが製造可能である。ほんのわずかな数の基板層が使用される。有利には、これは、使用される構成要素の数をさらに減らすことができる。特に、検出器を組み込んだモノリシック・チャンバが基板層の適切な接合によって実現可能である。モノリシックとは、好ましくは、非常に小さな構成要素から連続して且つ/又は継ぎ目なしに若しくは分離せずに組み立てられた一体的に構成されていることを意味する。
このガス・センサはコンパクトで互換性があるため、特に広範な用途で使用することができる。例えば、スマートフォン、又はエンド・ユーザが使用することができる他の装置に搭載することが考えられる。ガス・センサはまた、例えば、排ガス監視に使用することができ、その寸法により非常に容易に後付けすることができる。また、鉄道駅、空港、列車などの要注意の公共領域において、テロ攻撃の危険を回避するために後付けすることも考えられる。
本発明の好ましい実施例では、参照チャンバ、及びセンサを有するセンサ・チャネルは、赤外線放出器のビーム経路内には存在しない。これは、特に、検出チャンバ、センサ・チャネル、及び参照チャンバを、照射方向に対して垂直な平面に互いに横方向に配置することによって達成することができる。これは、ガス・センサを適切な寸法にすること、特に、検出チャンバの照射領域及び/又は検出チャンバに向けられたIRビームを適切な寸法にすることよって達成することができる。有利には、それによって、PASによって変調された音圧波が実質的に検出チャンバ内のみで生成されるという構成を達成することができる。したがって、測定精度及び感度が改善可能である。加えて、センサの測定精度を妨げるいかなる熱的影響も、好ましく最小にすることができる。
本発明の別の好ましい実施例では、多層基板は、単結晶シリコン、ポリシリコン、二酸化ケイ素、炭化ケイ素、シリコン・ゲルマニウム、窒化ケイ素、窒化物、ゲルマニウム、炭素、ガリウムヒ素、窒化ガリウム、リン化インジウム、及びガラスからなる群から選択された少なくとも2つの基板層を有する。
これらの材料は、半導体及び/又はマイクロシステムの製造において、特に容易且つ安価に加工され、また、大量生産によく適している。同様に、これらの材料は、特定の領域において、所望の電気的特性、熱的特性、及び/又は光学的特性を達成するために、ドーピング及び/又はコーティングに特に適している。例えば、システム・ウエハは、IR透過性を高くするためにできるだけ薄くドーピングすることができる。好ましくはMEMS要素を有する多層基板からガス・センサを製作することに対しては特に、前述の材料は、標準化された製作技術を使用することができることによる複数の利点を提供し、それはまた、電子回路などのさらなる構成要素の組込みに特に適している。特に、少なくとも1つの基板層にガラスを使用することは、検出チャンバ及び/又は参照チャンバの照射面の実現によく適している。
本発明の別の好ましい実施例では、多層基板は、少なくとも2枚のウエハを接合することによって形成される。
ウエハ接合は、好ましくは、例えば、シリコン、石英、ガラス、及び/又は前述の材料の2枚のウエハ又はスライスを互いに接合する、半導体及びマイクロシステム技術におけるプロセス・ステップを表す。
好ましくは、以下の様々なプロセスを接合のために使用できる。
- 特にシリコン・ウエハの直接接合では、ウエハの親水性表面と疎水性表面は、好ましくは、高温下で接触させられる。好ましくは、一方のウエハは他方のウエハに対して中央で押し付けられ、有利には、第1の接触点を生成する。接触領域でのこの機械的接続は、好ましくは、水素結合及び/又はファン・デル・ワールス相互作用に基づく。このよう接続された接触領域は、好ましくは、初めにこれらの表面間にあったスペーサを順次取り除くことによって、残りのウエハ表面に拡張される。プロセス温度は、好ましくは1000℃~1200℃であり、10メガパスカル(MPa)~25MPa程度、特に約18MPaの圧力がウエハにかけられる。直接接合は、好ましくは、2枚のシリコン及び/又は二酸化ケイ素のウエハを接合するために使用することができる。
- 陽極接合では、高いNa+イオン濃度(好ましくは正電荷のナトリウム・イオン)を有するガラスが使用され、これを、好ましくは、シリコン・ウエハと接触させる。電圧がかけられ、それは、特に、ガラスに負の極性を生成するように構成される。したがって、好ましくは且つ特に、高いプロセス温度の助けを借りて、ナトリウムイオン(Na+)は電極に拡散し、それによって、空乏領域が、好ましくは、界面に形成され、それが電界の増大を引き起こし、Si-O-Si結合を生成する。これらの結合は、好ましくは、ガラスとシリコンとの間の相互接続領域全体に連続的に延在する。このようにして、特にガラスとシリコンのウエハは互いに接合することができる。このプロセスを適切に適合させることで、2つのシリコン層及び/又はシリコン金属層をガラスに接合することも可能である。陽極接合は、好ましくは、約400℃の温度で行うことができ、それは、同じく好ましくは、約180℃の「低温」で行うことができ、好ましくは、接合される材料をスペア化(sparing)する。好ましくは、前述の様々な材料もまた接合することができる。
- 好ましくは、いわゆる共晶接合など、接合されるウエハ間にいわゆる中間層を用いる接合プロセスを使用することができ、これはまた、好ましくは、中間層として共晶合金、例えば、Si-Au(シリコン金)又はGe-Al(ゲルマニウム・アルミニウム)を介した接合に基づく。共晶合金は、好ましくは、特定の温度で合金全体が液体又は固体になるような比率で成分が互いに混合された合金である。共晶接合は、例えば、2枚のシリコン・ウエハを接合するために使用することができる。しかしながら、好ましくは、前述の材料のうちの他の材料も接合することができる。
- ガラス・フリット接合も、好ましくは、接合されるウエハ間に中間層を用いることに基づき、接合形成は特にガラスはんだ/ガラス・フリットを溶融することによって行われる。ガラスはんだは、好ましくは、低い軟化温度、例えば約400℃の軟化温度のガラスを有することが好ましい。ガラス・フリットは、好ましくは、表面溶融ガラス粉末を有し、そのガラス粒は、好ましくは、少なくとも部分的に一緒に焼成又は焼結される。このタイプの接合は、好ましくは、シリコン及び/又は二酸化ケイ素ウエハを互いに接合することができるが、好ましくは、他の前述の材料も接合することができる。
- 接着接合は、好ましくは、接着剤を有する中間層による接合形成を表す。接着接合は、好ましくは、前述の様々な材料を接着することができる。
好ましくは、選択的な接合は、フォトリソグラフィー、エッチング、及び/又はリフト・オフ・プロセスによって実施することができる。
予め加工された個々の基板のいくつかの層を接合することによって、ガス・センサの複雑な構成要素、及び、特に、すべて組み込まれた完全なガス・センサを容易に製造することができる。
予め加工された基板からの構造体を接合することによって、多大な労力をかけて単一のウエハ及び/又は基板からしか製造することができなかった複雑な構造体を簡単に製作することができる。多層基板の接合は、例えば、ガス・センサの空洞又はチャンバを、原材料の内部から複雑に切り出す必要なしに、簡単且つ効率的に製造するために使用することができる。
ウエハの接合から生じる装置は、好ましくは、ウエハ・スタックとも称される。
本発明の別の好ましい実施例では、下部システム・ウエハは、センサ及び少なくとも2つの下部空洞を有し、上部キャップ・ウエハは、下部空洞に相補的な上部空洞を有し、その結果、参照チャンバ及び検出チャンバは、下部システム・ウエハと上部キャップ・ウエハを接合することによって形成される。
接合される2つのウエハのそれぞれの空洞は、特に、一方の側が閉鎖された空洞であり、特に他のウエハに面する側が開放されており、接合されると、すべての側で実質的に閉鎖された空洞になり、ガス交換及び/又はセンサ・チャネルのための任意の開口が、好ましくは存在することができる。特に、それぞれのウエハ空洞は、他方のウエハに接合されるウエハの側に、ウエハの少なくとも2つの凹部を有する。この場合、両方のウエハの空洞は、接合後に互いに一致するように、各場合で配置され、一方のウエハと他方のウエハのそれぞれの1つの空洞が、複合構造体内で互いに共通の空洞を形成する。
センサは、好ましくは、下部システム・ウエハの空洞間に収容される。これは、好ましくは、空洞の形成を有する共通構造化プロセスにおいて形成することができる。
好ましくは、検出チャンバ及び参照チャンバは、両方のウエハを接合した後、各ウエハの2つの空洞によって形成される。好ましくは、少なくともウエハのうちの一方には、2つの空洞の間に接続空洞が配置され、これは、接合後にセンサ・チャネルを形成する。特に好ましくは、両方のウエハは互いに対応する空洞を有し、組立後にセンサ・チャネルを同様に形成する。この少なくとも1つの空洞は、好ましくは、幾何学的寸法に関して、特にウエハの凹部の深さに関して、他の2つの空洞よりも小さな拡がりを有する。
好ましくは、センサは、システム・ウエハのセンサ・チャネル用の空洞又はそれに相当する空洞に取り付けられて、それは接合後にセンサ・チャネルに存在する。
しかしながら、仕切り又は分離膜が、構造化プロセス中にシステム・ウエハに形成され、それが、システム・ウエハの下部空洞をカバー・ウエハの上部空洞から分離することが好ましい場合もある。分離膜は、好ましくは、接合後に得られるチャンバ間のガス流を可能にする1つ又は複数のアパーチャを有する(図22参照)。センサの構成要素、例えば加熱要素又は温度センサは、好ましくは、分離膜自体に施され、以下に詳細に説明するように、好ましくは、アパーチャを通るガス流を測定するために構築される。
好ましくは、センサを読み取るための任意の電子機器のための(例えば横方向に得られた)接続パッド及び/又は線も含まれてもよい。同様に、調整可能なIRフィルタを任意選択的にシステム・ウエハに設けることができる。
好ましくは、キャップ・ウエハは、シリコン、好ましくは、IR放射に対して透明なシリコン、ガラス、又は、金属でも作ることができる。
キャップ・ウエハは、好ましくは、特に導体トレースを有するプリント回路基板(PCB:printed circuit board)及び/又はセラミック下部構造を有することができる。このようにして、例えば、ガス・センサ、特にセンサ又はセンサ自体の電子的相互接続を、特に容易且つコスト削減の態様で実施することができる。
PCBは、好ましくは、プリント回路基板である。これは、好ましくは、電子構成要素、特に表面実装装置(SMD:surface mounted device)及び/若しくは集積回路のための担体であり、又はそれ自体が集積回路の構成要素になることができる。
PCBは、例えば、特に銅から作られた導電接続部(導体トラック)が接着された電気絶縁材料を有してもよい。絶縁材料は、例えば、繊維強化プラスチック、硬質紙、テフロン(登録商標)、酸化アルミニウム、及び/又はセラミックを含んでもよい。
セラミック下部構造は、特に、機能性に関連する導電トレースなどのさらなる構成要素を構造化及び/又は装備することによって設計されたセラミック担体材料を有する。セラミック又はセラミック材料は、特に、ケイ酸塩、酸化アルミニウム、酸化ベリリウム、酸化ジルコニウム(IV)、酸化チタン(IV)、炭化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、二ケイ化モリブデン、及び/又は炭化タングステンを含む。
このようにして、ガス・センサは、特に簡単な、大部分が組み込まれた態様で、できるだけ少なく簡単なプロセス・ステップを用いて製造することができる。まず、システム・ウエハとキャップ・ウエハは、有利には、個別に製造され、次いで、本質的には、接合によってガス・センサを形成するように互いに接合されるだけでよい。
本発明の別の好ましい実施例では、下部システム・ウエハは、センサ及び少なくとも2つの下部空洞を有し、参照チャンバ及び検出チャンバは、下部システム・ウエハと上部キャップ・ウエハを接合することによって形成される。
この好ましい実施例では、チャンバは、特にシステム・ウエハの空洞によって形成され、キャップ・ウエハを接合することによって実質的に上方から閉鎖される。
この実施例は、特に製造が簡単で安価である。
本発明の別の好ましい実施例では、下部システム・ウエハは、センサ及び下部空洞を有し、上部キャップ・ウエハは、下部空洞に相補的な2つの上部空洞を有し、その結果、下部システム・ウエハと上部キャップ・ウエハとの接合が、参照チャンバ、検出チャンバ、及びセンサ・チャネルを形成する。
本発明の別の好ましい実施例では、検出器チャンバ及び/又は参照チャンバは、10μm~2mm、好ましくは50μm~1mm、より好ましくは100μm~500μmの高さを有する。
したがって、平べったくコンパクトな設計、特に全高の低いガス・センサを達成することができる。特に、横方向に配置されたチャンバの設計により、全高は測定の品質及び/又は感度を左右するものではない。ビーム方向に配置されたチャンバ(一方が他方の上にある)の場合、参照チャンバ及び/又はセンサへのIR放射のいかなる望ましくない影響も最小限にするために、特定の最低構造高さを達成することが有利である。有利には、このことは横方向設計では必要ではない。
本発明の別の好ましい実施例では、検出器チャンバ及び/又は参照チャンバは、100μm~5mm、好ましくは200μm~3mm、より好ましくは500μm~2mmの長さ又は幅を有する。
したがって、同時に、コンパクトな設計とともに、PASによって検出可能な音波を励起するための十分な容積が形成される。
本発明の別の好ましい実施例では、センサ・チャネルは、1μm~500μm、好ましくは10μm~200μm、より好ましくは10μm~100μmの長さを有する。
本発明の別の好ましい実施例では、センサ・チャネルは、1μm(例えば1×1μm)~250000μm(例えば500×500μm)、好ましくは100μm(例えば10×10μm)~25000μm(例えば50×50μm)の断面を有する。
したがって、検出チャンバと参照チャンバとの間に配置されたセンサ・チャネルは、コンパクトな設計を維持しながら、2つのチャンバを横方向に十分分離することができる。同時に、センサ・チャネルにセンサを配置することは特に容易である。
本発明の別の好ましい実施例では、センサは音圧検出器であり、音圧検出器は、好ましくは、圧電型、ピエゾ抵抗型、及び/若しくは磁気型片持ち梁、並びに/又は、静電容量型、圧電型、ピエゾ抵抗型、及び/若しくは光学型マイクロフォンを含む。
PASによって生成される音圧波は、好ましくは、様々な方法で検出することができる。音圧検出器が特に適切な手段である。音圧検出器は、特に、圧電型片持ち梁とすることができる。
圧電型片持ち梁は、好ましくは、特に曲げ片持ち梁の形態の振動構造体であり、それは、例えば、アクチュエータの形態の圧電材料を有する。
曲げ片持ち梁は受動的であることが好ましいことがある。受動的とは、好ましくは、音圧波によって振動させられることを意味する。音圧波は、圧電材料の変形の結果として電圧を発生させ、これは圧電効果に基づく。(直接)圧電効果は、好ましくは、対応する材料で作られた固体が弾性的に変形させられたときに、その個体に電圧及び/又はインピーダンスの変化が生じることを表す。電圧は、例えば、適切に接触することによって取り出されて、対応する電子回路によって読み出すことができる。
曲げ片持ち梁が能動的であることが好ましいこともある。能動的とは、特に、逆圧電効果により振動させられることを意味する。圧電効果は、好ましくは、電圧及び/又は電界がかけられたときの材料の変形を表し、それによって、特に、材料が力をかけることができる。音圧波は、好ましくは、振動片持ち梁の減衰の変化を引き起こすことができ、これは、例えば、振動片持ち梁の共振周波数の変化によって測定することができる。
音圧波により受動的に振動する片持ち梁はまた、好ましくは、例えば静電容量法、磁気法、及び/又はピエゾ抵抗法によって読み取ることもできる。その考え方はまた、好ましくは、例えば、共振する磁石を通る磁束の変化に基づいて、振動する電極と固定電極との間の静電容量の変化によって、且つ/又は、ピエゾ抵抗材料の電気抵抗の変化によって電気的に読取り可能な変化は、その振動によって生成されるというものである。
マイクロフォンは、好ましくは、音圧波によって振動するように励起される振動可能に取り付けられた膜を有し、その振動を上記の片持ち梁と同様に電気的に読み取ることができる。振動設計の静電容量型、圧電型、及び/又はピエゾ抵抗型の測定方法もまた使用することができる。
好ましくは、光学マイクロフォンも使用することができ、それによって、これらの振動を、好ましくは、例えば、膜でのレーザ・ビームの反射によって光信号に変換することができ、それは、例えば干渉計構成体で読み出される。
本発明の別の好ましい実施例では、センサ、好ましくはMEMSセンサは、電極及び対向電極としてMEMS膜を有する静電容量型マイクロフォンであり、MEMS膜は、好ましくは、少なくとも1方向に100μm~1500μm、特に200~1000μmの最大拡がりを有する。この実施例は、センサのコンパクトさと感度の理想的な組合せを表す。
好ましくは、マイクロフォンの膜、特にMEMS膜は、好ましくはアパーチャと呼ばれる小さな開口を有する。特に、(MEMS)膜がセンサ・チャネルの全断面を含み、したがって、特に気密である検出チャンバと参照チャンバとの間のセンサ・チャネルの分離要素を代表する場合、好ましくは、圧力均一化のためにアパーチャ又は換気孔を含むことができる。したがって、とりわけ、膜の寿命は長くなることができる。
本発明の別の好ましい実施例では、センサは、流量センサであり、好ましくは、熱流センサ、熱線風速計、熱電風速計、及び/又は抵抗風速計である。
音圧検出器の代わりに、圧力差によって引き起こされるセンサ・チャネル内のガス流もまた、流量センサによって検出することができる。流量センサは、好ましくは、チャネル、パイプ、及び/又はチューブを通る気体の流れを測定することができるセンサである。これは、好ましくは、センサ・チャネルである。この実施例では、センサ・チャネルに測定可能な流れがあるように、検出チャンバと参照チャンバとの間にアパーチャがあることが特に好ましい。
熱流センサは、好ましくは、熱が、気体の流速の関数として、加熱された要素、例えば加熱線から取り出されるという原理に基づく。当業者であれば、このように、測定可能な流速から、PASにおいて生成される音圧変動を推測し、最終的には、ガス濃度を推測する方法を知っている。
風速計は、好ましくは、流体の流れ場の速度を局所的に測定するための装置と言われている。
熱線風速計は、好ましくは、電流が流れるセンサ面及び/又は線をプローブとして使用し、それを電気的に加熱する。使用される材料は、好ましくは、温度に依存した抵抗を有し、その抵抗は、特に、温度の上昇とともに増加する。電気的に供給された熱パワーは、熱損失パワーとしてその速度の関数として流体の流れによって部分的に運び去られる。好ましくは、加熱電流を一定に保って、抵抗器両端間の電圧降下を測定することができる。次いで、測定される電圧は、好ましくは、プローブの温度に比例し、それによって、流速が増加すると、プローブの温度がさらに低下し、測定される電圧は好ましくは低下する。
また、好ましくは、温度を一定に保ち、流れるガスによる冷却に応じて加熱用の電流を変化させることも可能である。
熱電風速計及び/又は抵抗風速計もまた、好ましく使用することができる。超音波風速計も適していることがある。この場合、超音波は、それが伝播する気体によって運ばれ、その結果、一定の長さの測定経路を信号が通過する時間は、測定経路を通る流れに依存する。好ましくは、センサ・チャネルの長さは、超音波送信機と超音波センサとの間の測定経路に対応し、その結果、検出チャンバと参照チャンバとの間の流れは正確に測定可能である。
好ましくは、サーモパイルも使用することができる。これは、好ましくは、熱エネルギーを電気エネルギーに変換することができる電気構成要素である。サーモパイルは、例えば、一定の温度に保たれる熱線風速計を使用するときに使用することができる。
機械的な構成要素がないことが好ましいことにより、この実施例のセンサは特に簡単でコンパクトな態様で製造することができ、また非常に堅牢である。
本発明の別の好ましい実施例では、流量センサは、センサ・チャネル内に存在し、好ましくは、少なくとも1方向に100μm~1500μm、特に200~1000μmの最大拡がりを有するアパーチャを形成する。
アパーチャ又は通気孔の大きさは、有利には、ガス・センサの感度及び/又はダイナミクスを調節するために使用することができる。これは、好ましくは、アパーチャの絶対的な大きさに依存する。いくつかの場合には、これはまた、好ましくは、センサ・チャネルの寸法、特にセンサ・チャネルの断面と比較した相対的な大きさに依存する。アパーチャの前述の大きさは、特に本明細書で言及する寸法に対して特に有利であることがわかっている。
それにより、アパーチャは、好ましくは、センサの構成要素、例えば、加熱要素及びサーモパイルを、例えば、アパーチャの端部領域に、及び/又は、それらの外形寸法によってアパーチャを形成する要素として有する。
別の好ましい実施例では、検出チャンバと参照チャンバは、センサ・チャネルを形成する少なくとも1つのアパーチャを有する仕切りによって少なくとも部分的に分離され、センサは、仕切りに少なくとも部分的に配置され、少なくとも1つのアパーチャを通る検出チャンバと参照チャンバとの間のガス流を測定するように構成される。
好ましくは、仕切りは膜である。好ましくは、検出チャンバと参照チャンバとの間のガス流は、仕切り内の少なくとも1つのアパーチャによってのみ可能となる。一方、仕切りの残りの領域は、好ましくは、気密である。
好ましい実施例では、仕切り又は分離膜のアパーチャは、したがって、好ましくは、検出チャンバと参照サンバとを接続する、本発明の意味におけるセンサ・チャネルを形成する。アパーチャを通るガス流を測定する目的のために、センサは、好ましくは、アパーチャに、又は少なくとも部分的に仕切りに設置されたセンサ・チャネルに隣接して、又はその近傍に配置される。
隣接又は近傍とは、好ましくは、センサの少なくとも1つの要素のアパーチャの縁までの距離が20μm未満、好ましくは10μm未満、5μm未満を意味する。センサがアパーチャに局所的に近接していることによって、好ましくは、アパーチャを通るガス流によって変化する、センサによる少なくとも1つの物理的パラメータの測定が可能になる。
好ましい実施例では、センサの測定原理は、アパーチャを囲む仕切りの領域における温度及び/又は熱流の変調に基づく。
好ましい実施例では、センサは、少なくとも1つの加熱要素及び少なくとも1つの温度センサを有し、少なくとも1つの加熱要素及び少なくとも1つの温度センサは、少なくとも1つのアパーチャが、加熱要素と少なくとも1つの温度センサとの間に配置されるように仕切りに設置され、その結果、検出チャンバと参照チャンバとの間のガス流は、加熱要素と少なくとも1つの温度センサとの間の熱流の変調に基づいて少なくとも1つのアパーチャを通して測定することができる。
加熱要素は、例えば、電気エネルギーを熱に変換する加熱抵抗器とすることができる。加熱要素は、好ましくは、周囲温度よりも高い温度に制御される。熱は、仕切りとアパーチャの両方を経由して温度センサに運ばれる。
有利には、熱輸送はガス流によって直接的に変調される。したがって、温度降下は、ガスがアパーチャを通って流れる速度に強く依存する。この効果は、一方向のガス流が生じるか、行ったり来たりするガス流が生じるかには関係ない。いずれにせよ、ガス流は熱輸送を事実上減少させ、その結果、大きな温度降下が測定可能になる(図18参照)。
仕切り又はアパーチャに沿った熱流の変調は、例えば、アパーチャのすぐ近傍の温度Tと、アパーチャからより離れた位置での参照温度Tとの温度差として測定することができる。温度測定は、熱的と熱電的の両方で、様々な方法で行うことができ、ガス流による熱輸送の変調を直接的に反映する。
特に好ましい温度センサはサーモパイルである。サーモパイルは、好ましくは、いくつかの連続(直列)又は並列の熱電対を有する。
サーモパイルは、好ましくは、熱電効果の原理に基づく。これに従って、サーモパイルの異種金属(熱電対)が温度差にさらされると、電圧が生成される。
熱電対は、好ましくは、その接点から熱電対の出力電圧が測定される点までの温度差を測定する。閉回路が異なる金属を含み、接点と一方の金属から他方の金属へ移る点との間に温度差があるとすぐに、高温接点と低温接点との間の電位差に相当する電流が生成される。
熱電対は、熱電対の対として直列に接続することができ、それは、電圧出力の大きさを増大する。したがって、サーモパイルは、好ましくは、絶対温度(周囲温度)には反応しないが、局所的な温度差又は温度勾配に比例し、したがってそれに非常に敏感な出力電圧を生成する。
サーモパイルを実装する場合、サーモパイルは、好ましくは、高温接点がアパーチャを向く側に、一方、低温接点がアパーチャから離れる方を向く側になるように設置される。
サーモパイルの出力信号は、有利には、これらの2点間の温度差に対して極めて敏感である。したがって、加熱要素から、好ましくはサーモパイルの熱接点への熱輸送の変調は、迅速且つ確実に測定することができる。
さらなる好ましい実施例では、センサは、少なくとも1つの加熱要素を有し、少なくとも1つの加熱要素は、少なくとも1つのアパーチャに対応する少なくとも1つの開口を有して、仕切りに設置され、少なくとも1つのアパーチャ及び対応する加熱要素の開口を通る検出チャンバと参照チャンバとの間のガス流は、加熱要素の冷却に基づいて測定可能である。
加熱要素は、例えば、平べったい加熱抵抗器(パッド)として設計することができ、下にある仕切りのアパーチャに対応する複数の開口を有する。対応するとは、好ましくは、開口とアパーチャが互いにぴったりと合う(好ましくは、合致し、中心が合う)ように配置され、その結果、1つの開口とアパーチャがそれぞれ1つの(センサ)チャンネルを形成することを意味する。
アパーチャを通るガス流は、直接、加熱要素自体の冷却を引き起こし、これは、例えば、温度センサ(例えば、熱又は熱電)によって測定することができる。
好ましい実施例では、光音響ガス・センサの仕切り又は分離膜は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれより多くのアパーチャを有する。
上で説明した、加熱要素の冷却に基づいてアパーチャを通るガス流を測定する場合、複数のアパーチャを設けることは、有利には、冷却効果を高め、信号対雑音比をさらに改善することができる。
また、ガス流による熱流束の変調を検出することに基づく測定原理では、様々なアパーチャを設けることは、より正確な測定結果をもたらすことができる。
図22に示すように、例えば、両側に複数のアパーチャが設けられた分離膜上に中央加熱要素を設置することが好ましい場合がある。各アパーチャを、PAS信号の場合に、加熱要素から温度センサへの熱流の変調を検出する温度センサ、好ましくはサーモパイルと関係付けることができる。
検出可能な出力信号は、有利には、多数の熱電対又はサーモパイルに基づき、それがさらにより高感度な測定を可能にする。
アパーチャの数に加えて、アパーチャの寸法もまた最適化されて、検出品質を改善することができる。
好ましい実施例では、少なくとも1つのアパーチャは、1μmと10000μmとの間、好ましくは5μmと1000μmとの間、特に好ましくは10μmと100μmとの間の断面積を有する。
有利には、アパーチャの好ましい断面積を選択することによって、非常に低いPAS信号であっても、アパーチャを通る流速は、確実に、信頼性高く検出されるのに十分高い速度になる。一方、アパーチャは、音響抵抗を非常に大きくして、センサの動的分解能を低下させるほど小さいことはない。
したがって、MEMS技術において光音響ガス・センサを製造する範囲内で前述のアパーチャの可能な実装は、高感度とさらなる小型化の両方を可能にする。
膜の熱抵抗、又は温度センサの熱接点の熱容量がさらに最適化されて、PAS信号の検出に対する信号対雑音比を確実に特に高くすることができる。
本発明の別の好ましい実施例では、検出器チャンバ、センサ・チャネル、及び参照チャンバは、参照ガスを充填した閉鎖系を形成し、分析されるガスは、赤外線放出器と検出チャンバとの間の光路内に存在し、その結果、分析されるガス内の参照ガスの割合は、検出チャンバ内の音圧波の形成に基づいて測定可能である。
検出チャンバは、好ましくは、検出チャンバに侵入する変調されたIR放射がその中のガスの助けを借りてPASを可能にするようにIR放出器に合された参照ガスを含む。赤外線放出器と検出チャンバとの間の測定経路にも、IR放射を吸収するガス(特に参照ガス)があって、PASが行われる場合には、検出チャンバにおける吸収の強さは低減する。その低減の大きさによって、測定部におけるガスの濃度を推測することが可能である。好ましくは、検出チャンバにおける音圧波の形成が小さいほど、検出チャンバの外側のビーム経路に参照ガスが多く存在する。というのは、特にそこで吸収及び励起がすでに行われているからである。好ましくは、この場合には、可能であれば、参照ガスのみを励起することができるように、狭帯域のIR放出器が使用される。
例えば、検出器チャンバ及び参照チャンバが閉鎖されて、そこに参照ガス(混合物)、例えばCOを含むNを充填することができる。周囲の空気中のCO含有量を測定しようとする場合、好ましくは広帯域光を放出するIR放出器が、横方向のセルから間隔を空けて配置される。この距離で、変調されたIR光は周囲の空気(測定経路又は「検査下のガス」)を通過して、そのときだけ検出器チャンバに入る。空気中のCO濃度に応じて、COの波長で放射は吸収され、残留するIR放射が検出器チャンバに入るときには、このエネルギーは失われている。そこでは、残りのIR放射は参照ガス(混合物)に吸収されて音圧事象をもたらし、これは、説明したように、参照チャンバへのセンサ・チャネルによって均一化され、そこで、センサはPAS信号として圧力均一化を測定することができる。
この測定方法は、前もって決められたガスの比率の測定に対して特に感度が高い。この場合、IR放出器と検出チャンバとの間には、小さな自由空間で十分な場合がある。したがって、ガス・センサの周囲にある特定のガスの濃度を測定することができるコンパクトなガス・センサを非常に容易に提供することができる。
本発明の別の好ましい実施例では、検出チャンバは、分析されるガスが、検出チャンバ内に流れる又は拡散することができるように、1つ又は複数の開口を有する開放系を表す。
例えば、検出器チャンバ及び参照チャンバは、開口を通じて、分析されるガス混合物(例えば、空気)と連通する。開口は、好ましくは、換気の音響周波数が測定周波数よりも低くなることを確実にするのに十分小さくすることができる。これに代えて、開口は、好ましくは、バルブで閉鎖可能で、分析するガス混合物を入れるために選択的に開放され、測定のために閉鎖されてもよい。好ましくは、IR放出器は、変調され波長選択的な態様で、参照チャンバに放射する。例えば、このガス混合物で、あるガス成分(例えば、CO濃度)を測定しようとする場合、好ましくは、ガス成分(例えば、CO)に対する特定の波長で励起される。その結果、ガス混合物中のこのガス成分の濃度に比例した音響パルス又は音圧波が生じる。音圧は、センサ・チャネル又はアパーチャを通って参照チャンバに入り降下する。センサ・チャネル内、又はセンサ・チャネルに隣接して配置されたセンサ又はセンサ要素によって、圧力バランスは、説明したように測定可能である。
開口は、好ましくは、拡散のための適切な流れ抵抗を有し、且つ/又は検出チャンバ内での音圧波の発達を妨げないのに十分な大きさである。製造上の理由で、エッチング・プロセスによって生じる断面が好ましい。湿式化学エッチング(例えば、水酸化カリウム、KOHを用いる)では、好ましくは結晶方向への依存性があり、乾式エッチングでは、実質的に正方形の断面が好ましい場合がある。
本発明の別の好ましい実施例では、検出チャンバは、少なくとも1方向に1nm~500μmの最大拡がりを有する2つ以上のアパーチャを有する。
これらの大きさは、コンパクトなガス・センサに特に適することがわかっている。
本発明の別の好ましい実施例では、赤外線放出器は波長選択放射を可能にする、且つ/又は、波長選択フィルタ、例えばファブリ・ペロー・フィルタが、赤外線放出器と検出チャンバとの間の光路内に存在する。
波長選択フィルタは、好ましくは調整可能である。したがって、本ガス・センサを使用して、異なる波長でPASするように励起することができる異なるガスの存在及び/又は濃度を決定することができる。
例えば、波長に敏感な赤外線放出器は、調整可能なレーザであってもよく、且つ/又は、異なる波長の複数のレーザを含んでもよい。
調整可能なフィルタを使用すると、特に、LED及び/又は熱放出器などの広帯域スペクトルのIR放出器を使用することができる。
さらなる態様では、本発明は、以下のステップを含む先行請求項のいずれか一項に記載の光音響ガス・センサの製作方法に関する。
- 少なくとも2枚の基板層を用意するステップ
- 第1の基板層上に導電性材料の少なくとも1つの層を堆積させ、且つ/又は、第1の基板層上の導電性材料を構造化してMEMSセンサを形成するステップ
- 第1及び/又は第2の基板層に空洞をエッチングするステップ
- 第1の基板層を第2の基板層に接合して、検出チャンバ、参照チャンバ、及びセンサ・チャネルを形成するステップであって、センサ・チャネルは検出チャンバを参照チャンバに接続し、センサはセンサ・チャネルに組み込まれる、又はセンサ・チャネルに隣接する、ステップ
当業者であれば、本発明による光音響ガス・センサの好ましい実施例の技術的特徴、定義、及び利点はまた、本発明による製造プロセスに適用されることを認識するであろう。
導電性材料の少なくとも1つの層の施工は、好ましくは、1つの層の施工に加えて、複数の層の施工、特に、層システムの施工を含む。層システムは、計画された態様で互いに施工された少なくとも2つの層を有する。
層又は層システムの施工は、好ましくは、第1の基板層にセンサを画定するのに役立つ。
例えば、ポリシリコンから作られる基板の場合、施工は堆積を含む。
空洞のエッチングは、好ましくは、一方の基板層で実行することができ、それらの空洞は、他の層、特にキャップ・ウエハによってのみチャンバに対して実質的に閉鎖される。これは、簡単で費用対効果の高い製造のために特に有利である。特に、導電性トレースを有するPCB又はセラミックは、第2の層又はキャップ・ウエハとして使用することができる。
本発明の好ましい実施例では、
- エッチング及び/又は構造化は、乾式エッチング、湿式化学エッチング、及び/若しくはプラズマ・エッチング、特に反応性イオン・エッチング、反応性イオン深掘りエッチング(ボッシュ・プロセス)を含む群から選択され、
- 堆積は、物理蒸着(PVD:physical vapor deposition)、特に熱蒸着、レーザ蒸着、アーク蒸着、分子線エピタキシー、スパッタリング、化学蒸着(CVD:chemical vapor deposition)、及び/若しくは原子層堆積(ALD:atomic layer deposition)を含む群から選択され、並びに/又は、
- 基板層の接合は、ウエハ接合、直接接合、表面活性化接合、プラズマ活性化接合、陽極接合、共晶接合、溶接接合、ガラス・フリット接合、及び/若しくは接着接合を含む群から選択される。
表面活性化接合及び/又はプラズマ活性化接合は、特に、ウエハ表面の前処理及び/又はプラズマ前処理などの適切な処理による接合プロセスの活性化を指す。短い接合時間及び/又は高い機械的強度を達成することができる。
さらなる態様では、本発明は、
a.先行請求項のいずれか一項に記載の、ガスを分析するための光音響ガス・センサを用意するステップと、
b.分析されるガスを赤外線放出器と検出チャンバとの間のビーム経路内に、又は検出チャンバ内に供給するステップと、
c.音圧波を生成するために、変調周波数で変調された赤外線放射で、分析されるガス及び検出チャンバに照射するステップと、
d.生成された音圧波をセンサによって測定するステップと、
e.分析されるガスを測定結果に基づいて特徴付けるステップと
を含むガスを分析するための方法に関する。
当業者であれば、本発明による光音響ガス・センサの好ましい実施例の技術的特徴、定義、及び利点はまた、本発明によるガス分析方法に適用されることを認識するであろう。
以下、本発明を実例によってより詳細に説明するが、本発明はこれらの実例に限定されるものではない。
ガス・センサの概略図である。 自由ビーム測定部を有するガス・センサの図である。 検出チャンバに開口を有するガス・センサの図である。 流量センサを有するガス・センサの図である。 静電容量型マイクロフォンを有するガス・センサの図である。 接合された2枚のウエハ層から製作されたガス・センサの図である。 2枚のウエハ層からガス・センサを製造するステップの図である。 2枚のウエハ層からガス・センサを製造するステップの図である。 2枚のウエハ層からガス・センサを製造するステップの図である。 2枚のウエハ層からガス・センサを製造するステップの図である。 2枚のウエハ層からガス・センサを製造するステップの図である。 2枚のウエハ層からガス・センサを製造するステップの図である。 2枚のウエハ層からガス・センサを製造するステップの図である。 2枚のウエハ層からガス・センサを製造するステップの図である。 2枚のウエハ層からガス・センサを製造するステップの図である。 2枚のウエハ層からガス・センサを製造するステップの図である。 2枚のウエハ層からガス・センサを製造するステップの図である。 仕切りのアパーチャを通る検出チャンバと参照チャンバとの間のガス流に基づくPAS信号を測定するためのセンサの好ましい実施例の図である。 仕切りのアパーチャを通る検出チャンバと参照チャンバとの間のガス流に基づくPAS信号を測定するためのセンサの好ましい実施例の図である。 仕切りのアパーチャを通る検出チャンバと参照チャンバとの間のガス流に基づくPAS信号を測定するためのセンサの好ましい実施例の図である。 仕切りのアパーチャを通る検出チャンバと参照チャンバとの間のガス流に基づくPAS信号を測定するためのセンサの好ましい実施例の図である。 仕切りのアパーチャを通る検出チャンバと参照チャンバとの間のガス流に基づくPAS信号を測定するためのセンサの好ましい実施例の図である。 説明されるセンサの検出品質を最適化するための好ましいモデリング手法の概略図である。
図1は、検出チャンバ3、参照チャンバ5、及び両チャンバを接続するセンサ・チャネル7を有するガス・センサ1を示す。IR放出器9は、検出チャンバ3の前方に配置される。検出チャンバ3及び参照チャンバ5は、IR放出器9の放射11に垂直な(横方向)平面に互いに横方向に配置される。検出チャンバ3と参照チャンバ5は、好ましくは横方向平面内を延びるセンサ・チャネル7によって接続される。それによって、IR放出器9の放射11は検出器チャンバ3に侵入し、対応するガスが存在する場合には、PASによってそこで音圧の変調を生成することができる。そうでなければ同じ圧力条件が参照チャンバ5と検出チャンバ3との間に存在するので、PASによって生じる音圧波はセンサ・チャネル7によって均一化され、その検出のためにセンサ(図示せず)がそこに存在する。
図2は、IR放出器9と検出チャンバ3との間の自由ビーム測定経路13を示す。検出チャンバ3は、好ましくは、検出チャンバ3に侵入する変調されたIR放射11がそこにあるガスの助けを借りてPASを可能にするようにIR放出器9に合わされた参照ガスを含む。このとき、測定経路13にも、IR放射11を吸収するガス(特に参照ガス)があって、PASが行われる場合には、検出チャンバ3における吸収の強さは低減する。この減少の大きさは、測定経路13内のガスの濃度を推測するために使用することができる。好ましくは、この場合には、可能であれば、参照ガスのみを励起することができるように、狭帯域のIR放出器9が使用される。
図3は、ガス・センサの周囲のガスが検出器チャンバ3に入り、その中でPASの一部として励起可能なように開口15を有する検出器チャンバ3を示す。これによって、そのガスの存在を検出することができる。これは、特に、それぞれのガスは、少なくとも1つの特定の波長でのみ吸収可能であり、したがって励起可能であるという事実に基づく。好ましくは、広帯域IR放出器9は、IR放射11のそれぞれの波長が既知であり、したがって、センサによって検出される励起を特定のガスに割り当てることができるように、例えばフィルタ16によって調整される。
図4は、特に、センサ・チャネル7内に存在する流量センサ17(熱線風速計)の形態のセンサを示す。センサの周りにはアパーチャ18があり、その結果、ガスはセンサ・チャネル7を通って流れることができる。PASが行われると、流れの速度は、好ましくは、変化させられ、したがって検出することができる。
図5は、MEMS膜20を有する静電容量型マイクロフォン19の形態のセンサを示す。MEMS膜は、圧力均一化用のアパーチャ18を有する。したがって、膜の寿命を長くすることができる。膜20はまた、好ましくは、電極として機能し、その結果、音圧波によって引き起こされる膜の振動を、(MEMS)対向電極22の助けを借りて測定可能にすることができる。
図6は、接合された2枚のウエハ層から製作されたガス・センサ1を示す。下部システム・ウエハ21(灰色)は、空洞及び検知要素を含む。また、センサを読み取るための任意の電子機器のための横方向に作られた接続パッド、及び、任意選択の調整可能なIRフィルタが下側に存在することがある。ウエハは、高い赤外線透過性を得るために、できるだけ薄く添加される。キャップ・ウエハ23(緑色)は、ガス・センサの周囲雰囲気との間のあり得るガス交換のために、キャップ(底)において、相補的な空洞、及び任意選択の開口を含む。両方のウエハは、好ましくは、ウエハ接合技術を用いて(必要ならば密閉して)互いに接合される。
図7~図17は、2つのウエハ層からガス・センサを製作する様々なステップを示す。図7は、システム・ウエハ25の出発基板を示し、これは、SOI(シリコン・オン・インシュレータ:silicon-on-insulator)ウエハ/基板又は酸化物ウエハ/基板上のポリシリコンより構成することができる。
図8は、例えば乾式エッチングによる基板表面の最初の構造化を示す。
図9は、薄い酸化物層27によってウエハを覆っていることを示す。
図10では、湿式エッチング・プロセス用にハード・マスクが準備されている。所望の構造を実現するために、特定の設計規則が認められる。例えば、薄いポリシリコン層29を用いてエッチング・プロセスに影響を与えることができる。
図11は、その結果生じた、空洞31と、センサのための中心構造とを有する構造体を示す。
図12は、電気及び電子部品、並びに/又は導体トレース用の施工されたスルーホールめっき33を示す。これらは、例えば、金属及び/又はSOI又はポリシリコンを含むことができる。
図13は、酸化物層によって囲まれたキャップ・ウエハ35用の基板を示す。
図14では、このキャップ・ウエハはまた、いくつかの領域で酸化物層を選択的に除去することによって、湿式化学エッチング用に予め構造化される。
図15は、2つの空洞31を有するエッチングされたキャップ・ウエハを示し、これは、1つの下部空洞と一緒になって検出チャンバ及び参照チャンバを形成することができる。これは、下部システム・ウエハが、センサ及び下部空洞を有し、上部キャップ・ウエハが、下部空洞に相補的な2つの上部空洞を有し、その結果、下部システム・ウエハと上部キャップ・ウエハを接合することによって参照チャンバ、検出チャンバ、及びセンサ・チャネルが形成される好ましい実施例に対応する。
図16は、組み立てられたウエハを示し、このとき、システム・ウエハは異なるように構造化をされ、キャップ・ウエハの空洞に対応する2つの空洞を有する。風速計36用の加熱線がセンサ・チャネルに組み込まれる。
一方、図17は、センサとして組み込まれた圧電曲げ片持梁37を示す。
図7から図17は、このように、従来のMEMS又は半導体製造技術を使用して実行される、簡単な構造化方法を示す。
図18a、図18bは、仕切り44のアパーチャ18を通る検出チャンバ3と参照チャンバ5との間のガス流に基づくPAS信号を測定するためのセンサの好ましい実施例を示す。
好ましくは、検出チャンバ3と参照チャンバ5との間のガス流は、仕切り44内の少なくとも1つのアパーチャ18によってのみ可能である。一方、仕切り44の残りの領域は、検出チャンバ3及び参照チャンバ5のガス容積部を互いから気密にシールする。仕切り44は好ましくは膜である。
好ましい実施例では、仕切り44のアパーチャ18は、このように、検出チャンバ3と参照チャンバ5とを接続するセンサ・チャネル7を形成する。センサは、少なくとも1つのアパーチャ18を通る検出チャンバ3と参照チャンバ5との間のガス流を測定するように設計され、この目的のために、アパーチャ18及び/又はセンサ・チャネルに隣接して仕切り44に少なくとも部分的に設置される。
センサは、加熱要素40、例えば加熱抵抗体と、例えば、複数の熱電対を直列又は並列に接続したサーモパイルとして設計することができる温度センサ42とを有する。
加熱要素40を、周囲温度に比べて高い温度Tに制御することができる。熱は、仕切り44及びアパーチャ18の両方を経由して温度センサ42に運ばれる。
図18bは、温度曲線の概略図である。仕切り38又は膜に沿って、温度は、アパーチャ18及び温度センサ42の領域にわたって降下する。
有利には、温度降下は、アパーチャ18を通過するガス流に強く依存する。図に示すように、ガス流は、両方の方向18に同じように生じることができる。特に、チャンバのうちの1つのチャンバでのガス分子の光音響励起の場合、アパーチャ18を通る換気ガス流はPAS信号の期間にわたって生じる。光音響効果は、熱輸送の変調によって直接示すことができる。図18bに示すように、熱輸送はガス流(V>0)によって減少し、ガス流がない場合(V=0)よりもアパーチャの領域で強い温度降下が生じる。
仕切り38に沿った熱流の変調は、例えば、アパーチャのすぐそばの温度Tと、アパーチャからより離れた位置にある参照温度Tとの温度差として測定することができる。温度測定は、熱的と熱電的の両方で、様々な方法で行うことができ、ガス流による熱輸送の変調を直接的に反映する。
有利には、熱輸送の変調は極めて速く、センサの動的分解能に関して制限要因を示さない。膜の熱抵抗、アパーチャの大きさ、又は温度センサの熱接点の熱容量は、PAS信号の検出のための特に高い信号対雑音比を確実にするためにさらに最適化することができる。
図18~図20は、仕切り38のアパーチャ18を通るガス流44に基づいてPAS信号を測定するためのセンサの他の好ましい実施例を示す。
図18に示すように、2つのチャンバ(例えば、検出チャンバ3及び参照チャンバ5)は、ガス流44が1つ又は複数のはっきりと画定されたアパーチャ18だけを通って可能になるように、仕切り38によって互いから分離されていることが好ましい。
したがって、例えば、チャンバのうちの一方のチャンバのガス分子の光音響励起による、第1のチャンバ(V、P)と第2のチャンバ(V、P)との間の圧力均一化は、(換気)ガス流の形態でアパーチャを通じて意図的に行われる。MEMSセンサによって、ガス流は、例えば、アパーチャを通る熱流の変調として、又は加熱要素の冷却効果に基づいて、迅速且つ正確に決定することができる。
有利には、特に小さなアパーチャの断面積を選択することによってもまた、非常に低いPAS信号の場合であっても、アパーチャを通る十分に高い流速を生じさせて、PAS信号を信頼性高く検出することができることが確実になる。したがって、MEMSに基づく製作という環境で小さなアパーチャを実現することができることによって、光音響ガス・センサの高感度化及びさらなる小型化の両方が可能になる。
図19及び図20は、測定精度を高めるために複数のアパーチャが仕切り又は膜38に導入されている好ましい実施例を示す。
図20に示す実施例では、センサは加熱要素40を有し、加熱要素40は、好ましくは、平べったいパッドとして構成され、仕切り38に設置される。加熱要素40は、仕切りのアパーチャ18に対応する複数の開口を有する。アパーチャ18を通るガスの流れは、加熱要素40の冷却を生じさせ、これは、例えば、温度センサ(図示せず)によって測定することができる。仕切り又は膜38に複数のアパーチャを設けることによって、ガス流の冷却効果を高め、信号対雑音比を改善することができる。
図21は、センサが、平べったいパッドとして構成された加熱要素40と、好ましくはサーモパイルとして構成された複数の温度センサ42とを有する実施例を示す。加熱要素40及び温度センサ42は、アパーチャ18が、加熱要素40と複数の温度センサ42との間に配置されるように、仕切り又は膜38に設置される。
上で説明したように、中央加熱要素40から温度センサ42への熱流は、アパーチャ18を通るガス流44に敏感である。ガス流44による熱流の変調は、好ましくは、アパーチャ18のすぐ近傍の接触点(熱接点)と、加熱要素40から離れる方向を向くサーモパイルの端部との間の温度差を正確に決定するサーモパイルによって決定することができる。
図22は、説明したセンサが中に組み込まれた、接合された2枚のウエハ層から作られたガス・センサ1を示す。下部システム・ウエハ21(灰色)は、空洞及びセンサ要素を含む。センサを読み取るための任意の電子機器用の横方向に作られた接続パッド、及び下側に、任意選択の調整可能なIRフィルタが存在することもある。キャップ・ウエハ23(緑)は相補的な空洞を含む。両方のウエハは、好ましくは、ウエハ接合技術を用いて(必要ならば密閉して)互いに接合される。2枚のウエハ層から作られるガス・センサに対する図7~図17に示した製造ステップは同様に適用することができる。
生産されたガス・センサ1では、検出チャンバ3(容積部1)と参照チャンバ5(容積部2)は分離膜38によって互いに気密にシールされる。分離膜38の内部には、少なくとも1つのアパーチャ18があり、このアパーチャ18を通ってチャンバ間のガス流が可能となる。変調周波数で変調されたIR放射11は、好ましくは、検出チャンバ(容積部1)に衝突する。
ガス混合物中に存在するガス成分の分子の吸収スペクトルに対応する赤外波長で変調照射が行われると、変調吸収が起こり、それは、その時間尺度が放射の変調周波数に反映する加熱及び冷却過程を引き起こす。光音響効果に従って、加熱及び冷却過程はガス成分の膨張及び収縮を引き起こし、それによって、ガス成分は実質的に変調周波数を有する音圧波を形成する。音圧波は、センサによって、アパーチャ18を通るガス流44として測定することができる。
センサは、加熱要素40、及び、例えばサーモパイルとして構成することができる温度センサ42を有し、これらは、アパーチャ18がこれらの間に配置されるように分離膜38に配置される。
上で説明したように、PAS信号の場合、アパーチャ18を通るガス流44が、加熱要素40と温度センサ42との間の熱輸送に変調を引き起こし、それが高速で信頼性の高い検出を可能にする。
ガス流44による熱輸送の変調は、有利には、PAS信号の決定のための特に感度の高い測定を表し、それは、特にアパーチャ18の寸法、仕切り又は膜38の熱抵抗、及びサーモパイル42の熱電対の熱容量を最適化することによってさらに最適化することができる。
図23は、仕切りのアパーチャを通るガス流に基づく(音)圧波又はPAS信号の生成を測定することができる、説明したセンサの信号対雑音比を最適化するためのモデリング手法を概略的に示す。
このようなセンサの音響ダイナミクスは、好ましくは、アパーチャの音響抵抗
Figure 2022546233000002

に依存する。ここで、ηはガスの動粘度、rはアパーチャの半径、複数のn個のアパーチャの場合、全抵抗はRtotal=Raperture/nとして与えられる。
一方、ダイナミクスは、音響容量
Figure 2022546233000003

によって特徴付けられる。ここで、Vはそれぞれのチャンバの容積、ρはガスの密度、cは音速を示す(Sattler、Robert;Physikalisch basierte Mixed-Level Modellierung von gedaempften elektromechanischen Mikrosystemen[Physically based mixed-level modeling of attenuated electromechanical microsystems];Dissertation;Technical University of Munich、2007を参照のこと)。
センサによって第1の容積部の時間依存の(音)圧変化p(t)を決定するための特性時定数τは、第2の容積部の音響抵抗Rtotalと静電容量Cの積として、以下のように表すことができる。
Figure 2022546233000004
半径r=5μmを有するn=20のアパーチャ、1mmの参照チャンバの容積の実例では、空気のような気体(η=1.8E-5kg/m/s、ρ=1.23kg/m、c=340m/s)に対して、0.15msの特性時定数τを得ることができる。
したがって、数百Hzの周波数の音圧変化を容易に分析することができる。したがって、説明したセンサの原理は、典型的には、数Hzから100Hzの励起IR放出器の変調周波数を使用する光音響分光法に非常に適している。高周波数変調も信頼性高く検出される。
有利には、より広い周波数範囲での信号対雑音が、十分な測定精度のためには適する。雑音の要因には、アパーチャの音響抵抗、加熱要素、又はセンサが含まれる。さらなる雑音要因は、ジョンソン雑音
Figure 2022546233000005

又はアパーチャを通る熱輸送に関連する追加の雑音シグネチャに関する。
好ましい実施例では、雑音要因は、支配的な雑音要因の最小化に基づいて、光音響ガス・センサの追加的に改善された分解能を達成するようにモデル化される。
1 ガス・センサ
3 検出チャンバ
5 参照チャンバ
7 センサ・チャネル
9 IR放出器
11 IR放射
13 測定経路
15 検出チャンバへの開口
16 調整可能なフィルタ
17 流量センサ
18 アパーチャ
19 静電容量型マイクロフォン
20 MEMS膜/電極
21 システム・ウエハ
22 対向電極
23 キャップ・ウエハ
25 システム・ウエハ用基板/ウエハ
27 酸化物層
29 ポリシリコン層
31 エッチングされた空洞
33 スルーホールめっき/導体路
35 キャップ・ウエハ用基板/ウエハ
36 風速計用加熱線
37 圧電曲げ片持梁
38 仕切り、好ましくは膜
40 加熱要素
42 温度センサ、例えばサーモパイル
44 ガス流
46 任意選択のIR窓又は入口/出口ポートを有する基板
48 ハウジング

Claims (25)

  1. 変調可能な赤外線放出器(9)と、
    ガス充填可能な検出チャンバ(3)と、
    参照チャンバ(5)と、
    前記検出チャンバ(3)を前記参照チャンバ(5)に接続するセンサ・チャネル(7)と、
    前記センサ・チャネル(7)内に配置される、又は前記センサ・チャネル(7)に隣接するセンサと
    を有し、
    前記検出チャンバ(3)が、前記赤外線放出器(9)のビーム経路内に存在し、それにより前記赤外線放出器(9)は、変調可能に放出可能な赤外線放射(11)によって前記検出チャンバ(3)内のガスを励起して音圧を生成することができ、また前記参照チャンバ内へと前記センサ・チャネル(7)を通る前記音圧の均一化が、前記センサによって検出され得る、光音響ガス・センサ(1)であって、
    前記検出チャンバ(3)、前記センサ・チャネル(7)、前記参照チャンバ(5)、及び前記センサは、前記IR放出器(9)の放射方向に対して実質的に垂直な横方向平面内に配置されていることを特徴とする、光音響ガス・センサ(1)。
  2. 前記参照チャンバ(3)、及び前記センサを備えた前記センサ・チャネル(7)は、前記赤外線放出器(9)の前記ビーム経路内に配置されていないことを特徴とする、請求項1に記載の光音響ガス・センサ(1)。
  3. 前記検出チャンバ(3)、前記センサ・チャネル(7)、前記参照チャンバ(5)、及び前記センサ要素は、多層基板内に形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光音響ガス・センサ(1)。
  4. 前記多層基板は、単結晶シリコン、ポリシリコン、二酸化ケイ素、炭化ケイ素、シリコン・ゲルマニウム、窒化ケイ素、窒化物、ゲルマニウム、炭素、ガリウムヒ素、窒化ガリウム、リン化インジウム、及びガラスからなる群から選択された少なくとも2つの基板層を有することを特徴とする、請求項3に記載の光音響ガス・センサ(1)。
  5. 前記多層基板は少なくとも2枚のウエハを接合することによって形成され、好ましくは前記少なくとも2枚のウエハは、前記センサを有し且つ少なくとも2つの下部空洞(31)を有する下部システム・ウエハ(21)と、前記下部空洞(31)に相補的な上部空洞(31)を有する上部キャップ・ウエハ(23)とを有し、それにより前記参照チャンバ(5)及び前記検出チャンバ(3)が、前記下部システム・ウエハ(21)と前記上部キャップ・ウエハ(21)とを接合することによって形成されることを特徴とする、請求項3に記載の光音響ガス・センサ(1)。
  6. 前記検出器チャンバ(3)及び/又は前記参照チャンバ(5)が、10μm~2mm、好ましくは50μm~1mm、特に好ましくは100μm~500μmの高さを有することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか一項に記載の光音響ガス・センサ(1)。
  7. 前記検出器チャンバ(3)及び/又は前記参照チャンバ(5)が、100μm~5mm、好ましくは200μm~3mm、特に好ましくは500μm~2mmの長さ又は幅を有することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか一項に記載の光音響ガス・センサ(1)。
  8. 前記センサ・チャネル(7)が、1μm~500μm、好ましくは10μm~200μm、より好ましくは10μm~100μmの長さを有することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか一項に記載の光音響ガス・センサ(1)。
  9. 前記センサ・チャネル(7)が、1μm~250000μm、好ましくは100μm~25000μmの断面を有することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか一項に記載の光音響ガス・センサ(1)。
  10. 前記センサが音圧検出器であり、好ましくは前記音圧検出器は、静電容量的に又は光学的に読取り可能な圧電型、ピエゾ抵抗型、及び/又は磁気型片持ち梁、並びに/或いは、静電容量型(19)、圧電型、ピエゾ抵抗型、及び/又は光学型マイクロフォンを有することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか一項に記載の光音響ガス・センサ(1)。
  11. 前記センサは、電極としてのMEMS膜(20)と、対向電極(22)とを有する静電容量型マイクロフォン(19)であり、好ましくは前記MEMS膜(20)は、少なくとも1方向に100μm~1500μm、特に200~1000μmの最大拡がりを有することを特徴とする、請求項1から10までのいずれか一項に記載の光音響ガス・センサ(1)。
  12. 前記センサが流量センサ(17)であり、好ましくは、熱流センサ、熱線風速計、熱電風速計、抵抗風速計及び/又は超音波風速計を有する流量センサ(17)であることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか一項に記載の光音響ガス・センサ(1)。
  13. 前記流量センサ(17)は前記センサ・チャネル(7)内に配置され、好ましくは、少なくとも1方向に100μm~1500μm、特に200~1000μmの最大拡がりを有するアパーチャ(18)を形成することを特徴とする、請求項12に記載の光音響ガス・センサ(1)。
  14. 前記検出チャンバ(3)と前記参照チャンバ(5)とは、前記センサ・チャネル(7)を形成する少なくとも1つのアパーチャ(18)を有する仕切り(38)によって、好ましくは分離膜(38)によって少なくとも部分的に分離され、また前記センサは、少なくとも部分的に前記仕切り(38)上に配置され、且つ前記少なくとも1つのアパーチャ(18)を通る前記検出チャンバ(3)と前記参照チャンバ(5)との間のガス流(44)を測定するように適合されていることを特徴とする、請求項1から13までのいずれか一項に記載の光音響ガス・センサ(1)。
  15. 前記センサは、少なくとも1つの加熱要素(40)及び少なくとも1つの温度センサ(42)を有し、前記少なくとも1つの加熱要素(40)及び前記少なくとも1つの温度センサ(42)は、前記少なくとも1つのアパーチャ(18)が、前記加熱要素(40)と前記少なくとも1つの温度センサ(42)との間に配置されるように前記仕切り(38)上に設置され、それにより前記検出チャンバ(3)と前記参照チャンバ(5)との間のガス流(44)が、前記加熱要素(40)と前記少なくとも1つの温度センサ(42)との間の熱流の変調に基づいて前記少なくとも1つのアパーチャ(18)を通して測定可能であることを特徴とする、請求項13に記載の光音響ガス・センサ(1)。
  16. 前記センサは少なくとも1つの加熱要素(40)を有し、前記少なくとも1つの加熱要素(40)は、前記少なくとも1つのアパーチャ(18)に対応する開口を有し、且つ前記仕切り(38)上に設置され、また前記少なくとも1つのアパーチャ(18)及び対応する前記加熱要素(40)の前記開口を通る前記検出チャンバ(3)と前記参照チャンバ(5)との間のガス流が、前記加熱要素(40)の冷却によって測定可能であることを特徴とする、請求項13に記載の光音響ガス・センサ(1)。
  17. 前記仕切り(38)は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10個、又はそれより多くのアパーチャ(18)を有することを特徴とする、請求項13から15までのいずれか一項に記載の光音響ガス・センサ(1)。
  18. 前記少なくとも1つのアパーチャ(18)は、1μmと10000μmとの間、好ましくは5μmと1000μmとの間、より好ましくは10μmと100μmとの間の断面積を有することを特徴とする、請求項13から15までのいずれか一項に記載の光音響ガス・センサ(1)。
  19. 前記検出器チャンバ(3)、前記センサ・チャネル(7)、及び前記参照チャンバ(5)は、参照ガスが充填された閉鎖系を形成し、分析されるガスが、前記赤外線放出器(9)と前記検出チャンバ(3)との間の前記ビーム経路内に存在し、それにより、分析される前記ガス内の前記参照ガスの割合が、前記検出チャンバ(3)内の音圧波の形成に基づいて測定可能であることを特徴とする、請求項1から18までのいずれか一項に記載の光音響ガス・センサ(1)。
  20. 前記検出チャンバ(3)は、分析されるガスが前記検出チャンバ(3)内に流れること又は拡散することができるように、1つ又は複数の開口(15)を有する開放系であることを特徴とする、請求項1から19までのいずれか一項に記載の光音響ガス・センサ(1)。
  21. 前記検出チャンバ(3)は、少なくとも1方向に1nm~500μmの最大拡がりを有する2つ以上の開口(15)を有することを特徴とする、請求項20に記載の光音響ガス・センサ(1)。
  22. 前記赤外線放出器(9)が波長選択放射を可能にすること、及び/又は、波長選択フィルタ(16)、例えばファブリ・ペロー・フィルタが、前記赤外線放出器と前記検出チャンバとの間の前記ビーム経路内に配置されていることを特徴とする、請求項1から21までのいずれか一項に記載の光音響ガス・センサ(1)。
  23. 請求項1から22までのいずれか一項に記載の光音響ガス・センサ(1)を製造する方法であって、
    少なくとも2枚の基板層を提供するステップと、
    第1の基板層上に少なくとも1つの導電性材料の層を堆積させ、且つ/又は、前記第1の基板層上の導電性材料を構造化してMEMSセンサを形成するステップと、
    前記第1及び/又は第2の基板層に空洞(31)をエッチングするステップと、
    前記第1の基板層を前記第2の基板層に接合して、前記検出チャンバ(3)、前記参照チャンバ(5)、及び前記センサ・チャネル(7)を形成するステップであって、前記センサ・チャネル(7)が前記検出チャンバ(3)を前記参照チャンバ(5)に接続し、また前記センサが前記センサ・チャネル(7)に一体化され、又は前記センサ・チャネル(7)に隣接している、ステップと
    を含む、方法。
  24. エッチング及び/又は構造化が、乾式エッチング、湿式化学エッチング、及び/又はプラズマ・エッチング、特に反応性イオン・エッチング、反応性イオン深掘りエッチング(ボッシュ・プロセス)を含む群から選択され、
    堆積が、物理蒸着(PVD)、特に熱蒸着、レーザ・ビーム蒸着、アーク蒸着、分子線エピタキシー、スパッタリング、化学蒸着(CVD)、及び/若しくは原子層堆積(ALD)を含む群から選択され、且つ/又は、
    前記基板層の接合が、ウエハ接合、直接接合、表面活性化接合、プラズマ活性化接合、陽極接合、共晶接合、溶接接合、ガラス・フリット接合、及び/又は接着接合を含む群から選択される
    ことを特徴とする、請求項23に記載の製造プロセス。
  25. a.請求項1から22までのいずれか一項に記載の、ガスを分析するための光音響ガス・センサ(1)を提供するステップと、
    b.分析されるガスを前記赤外線放出器(9)と前記検出チャンバ(3)との間の前記ビーム経路内に、又は前記検出チャンバ(3)内に提供するステップと、
    c.音圧波を生成するために、変調周波数で変調された赤外放射線(11)で、分析される前記ガス及び前記検出チャンバ(3)を照射するステップと、
    d.前記生成された音圧波を前記センサによって測定するステップと、
    e.分析される前記ガスを前記測定結果に基づいて特徴付けるステップと
    を含む、ガスを分析する方法。
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