JP2022546160A - アンカーチャネル先端 - Google Patents

Abstract

組織アンカーと共に用いるための装置が提供される。当該装置は、被験者の身体に進入させられるような寸法を有するインプラントと、アンカー送達器具とを含む。アンカー送達器具は、直径を有する管腔を画定するような形状を有するアンカー送達チャネルであって、インプラントの管腔内を移動可能な寸法を有するアンカー送達チャネルを含み得る。アンカー送達器具はまた、アンカー送達チャネルの遠位端部に配されたインプラント把持要素を含み得る。インプラント把持要素は、アンカー送達チャネルを介した組織アンカーの埋め込みの間に、インプラントの内壁を可逆的に把持するように構成され得る。他の適用例についても説明する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、あらゆる目的において参照により本明細書に組み込まれている、2019年8月30日に出願された米国仮特許出願第62/894,517号の利益を主張するものである。

アンカーが送達される際に通過する可撓性材料を含む弁輪形成構造体は、弁輪形成構造体の材料をアンカーが通過する結果として、よじれたり歪んだりする傾向がある。したがって、多くの場合、アンカーの配置時における可撓性材料のよじれまたは歪みを最小化または解消しつつ、弁輪形成構造体の可撓性材料を通した組織アンカーの配置を容易にするためのデバイスおよび技法を提供することが有利である。

PCT特許出願IL2016/050433号 米国特許出願第12/437,103号明細書 米国特許出願第12/689,635号明細書 PCT特許出願IL2012/050451号 PCT特許出願IL2013/050860号 PCT特許出願IL2013/050861号 PCT特許出願IL2019/050777号

本概要は、いくつかの例を提示することを意図しており、決して本発明の範囲を限定することを目的とするものではない。例えば、本概要の一例に含まれる任意の特徴は、特許請求の範囲がそれらの特徴を明示的に引用しない限り、特許請求の範囲に必須のものではない。また、説明される特徴は、多様に組み合わされ得る。本開示の他の箇所で説明される様々な特徴および工程が、ここで要約される例に含まれ得る。

被験者の組織に組織アンカーを打ち込むために用いられるアンカードライバを、被験者の組織部位に向かって進行させるために、管状構造体が用いられる。本発明のいくつかの適用例によれば、管状構造体は、弁輪形成構造体の材料(例えば可撓性材料)を一時的に把持するように構成されたインプラント把持要素を備える遠位端部を有する。

本発明のいくつかの適用例において、インプラント把持要素は、被験者の組織に弁輪形成構造体を留め付けるべく、弁輪形成構造体の材料を通して組織アンカーを配置するまたは打ち込む間に、弁輪形成構造体の材料を可逆的に把持する複数の歯を備える。

本発明のいくつかの適用例において、インプラント把持要素は、組織アンカーが変形可能要素に対して通過させられ、変形可能要素と係合することに伴って、その構造的構成を変化させる変形可能要素を備える。これは、管状構造体が、弁輪形成構造体の管腔内を自由に移動でき、組織の所望の箇所に到達してこの箇所で組織アンカーが組織に打ち込まれることが決定されたときにのみ弁輪形成構造体を係合および把持することができるため、有利である。

したがって、本発明の一適用例によれば、組織アンカーと共に用いるためのシステムおよび/または装置が提供され、当該システム/装置は、被験者の身体に進入させられるような寸法を有するインプラントと、アンカー送達器具とを含む。アンカー送達器具は、直径を有する管腔を画定するような形状を有するアンカー送達チャネルであって、インプラントの管腔内を移動可能な寸法を有するアンカー送達チャネルを含み得る。アンカー送達器具はまた、アンカー送達チャネルの遠位端部に配されたインプラント把持要素を含み得る。インプラント把持要素は、アンカー送達チャネルを介した組織アンカーの埋め込みの間に、インプラントの内壁を可逆的に把持するように構成され得る。

一適用例において、インプラント把持要素は、放射線不透過性材料を含む。

一適用例において、インプラントは、可撓性材料を含み、インプラントの可撓性材料は、チャネルの遠位部を収容する。

一適用例において、インプラント把持要素は、インプラントとアンカー送達チャネルとの間の摩擦を増大させる複数の歯を含む。

一適用例において、複数の歯は、アンカー送達チャネルの遠位端部に結合された円筒の遠位部から切り出される。

一適用例において、
複数の歯の各々は、アンカー送達チャネルの遠位端部の長手軸と位置合わせされたそれぞれの細長要素を含み、
インプラントの一部分は、複数の細長要素を取り囲み、
細長要素は、複数の細長要素がインプラントの当該部分を把持するように構成されるように、互いに離隔される。

一適用例において、複数の歯の各々のそれぞれの遠位部は、インプラントを把持するように構成される。

一適用例において、インプラントは、編組布地を含み、複数の歯の遠位部は、編組布地を可逆的に捕らえるように構成される。

一適用例において、当該システム/装置は、組織アンカーをさらに含み、組織アンカーは、
アンカーヘッドと、
アンカーヘッドに結合された組織係合部材であって、アンカーヘッドから遠位方向に組織係合部材の遠位先端まで延伸し、アンカーを組織に留め付けるように構成された組織係合部材と
を含む。

一適用例において、組織係合部材は、螺旋状組織係合部材を含み、インプラント把持要素は、インプラントに対する螺旋状組織係合部材のねじ込みの間に、インプラントを可逆的に把持し、インプラントのよじれを防止するように構成される。

一適用例において、当該システム/装置は、アンカー送達チャネルの管腔を通して摺動可能なアンカードライバをさらに含み、アンカードライバは、
可撓性遠位部および遠位端を有する長手方向シャフトと、
シャフトの遠位端に結合され、アンカーヘッドに可逆的に結合可能な配置要素と
を含む。

一適用例において、インプラント把持要素は、少なくとも1つの変形可能要素であって、変形可能要素に沿った組織アンカーの通過に応じて休止状態から把持状態へと形状を変化させるように構成された少なくとも1つの変形可能要素を含む。

一適用例において、インプラント把持要素は、アンカー送達チャネルの遠位端部に対して周方向に配された複数の変形可能要素を含む。

一適用例において、変形可能要素は、変形可能要素の休止状態において直線部および湾曲部を有する細長タインを画定するような形状を有し、変形可能要素の把持状態において、アンカーは、湾曲部を径方向に押し付けることで、湾曲部を直線状にし、それに伴って変形可能要素を長手方向に長くするように構成される。

一適用例において、把持状態において、変形可能要素の遠位端は、アンカー送達チャネルの遠位端を越えて延伸する。

一適用例において、少なくとも1つの変形可能要素は、複数の細長タインを含み、アンカーは、複数の細長タインのそれぞれの湾曲部を径方向に押し付けるように構成される。

一適用例において、複数の細長タインの遠位端は、変形可能要素の把持状態において、インプラントの内壁との表面積接触を増大させるように構成される。

一適用例において、
変形可能要素は、外側方向に移動可能な外側突起を画定するような形状を有し、
変形可能要素の休止状態において、突起の最外側部が、アンカー送達チャネルの外側面と位置合わせされ、
把持状態において、アンカーは、外側突起を径方向に押し付けることで、アンカー送達チャネルの外側面を越えて突起の最外側部を延伸させるように構成される。

一適用例において、少なくとも1つの変形可能要素は、複数の外側突起を含み、アンカーは、複数の外側突起を径方向に押し付けるように構成される。

一適用例において、複数の外側突起は、変形可能要素の把持状態において、インプラントの内壁との表面積接触を増大させるように構成される。

本発明の一適用例によれば、被験者の心臓弁の弁輪に沿ってインプラントを位置付けるステップを含む方法がさらに提供される。インプラントは、被験者の身体に進入させられるような最適な寸法を有する。当該方法は、インプラントに対してアンカー送達器具を進行させるステップをさらに含み得る。

いくつかの適用例において、アンカー送達器具は、直径を有する管腔を画定するような形状を有するアンカー送達チャネルを含む。チャネルは、インプラントの管腔内を移動可能な寸法を有し得る。

いくつかの適用例において、アンカー送達器具は、アンカー送達チャネルの遠位端部に配されたインプラント把持要素を含み、インプラント把持要素は、アンカー送達チャネルを介した組織アンカーの埋め込みの間に、インプラントの一部分または壁(例えばインプラントの内壁等)を可逆的に把持するように構成される。

当該方法は、インプラント把持要素を用いてインプラントの第1の部分を把持するステップと、第1の部分の把持の間に、アンカー送達チャネルを通して送達可能な組織アンカーを用いて、インプラントの第1の部分を弁輪に留め付けるステップとをさらに含み得る。

一適用例において、当該方法は、
弁輪へのインプラントの第1の部分の留め付けの後に、インプラントの第1の部分からインプラント把持要素を分離するステップと、
アンカー送達チャネルをインプラントの第2の部分に移動させるステップと、
インプラント把持要素を用いてインプラントの第2の部分を把持するステップと、
第2の部分の把持の間に、アンカー送達チャネルを通して送達可能な第2の組織アンカーを用いて、インプラントの第2の部分を弁輪に留め付けるステップと
をさらに含む。

一適用例において、インプラント把持要素は、放射線不透過性材料を含む。

一適用例において、インプラントは、可撓性材料を含み、インプラントの可撓性材料は、チャネルの遠位部を収容する。

一適用例において、インプラント把持要素は、複数の歯を含み、インプラントの第1の部分を把持するステップは、インプラントの第1の部分とアンカー送達チャネルとの間の摩擦を増大させるステップを含む。

一適用例において、複数の歯は、アンカー送達チャネルの遠位端部に結合された円筒の遠位部から切り出され、インプラントの第1の部分を把持するステップは、複数の歯のそれぞれの遠位端と弁輪との間にインプラントの第1の部分を挟むステップを含む。

一適用例において、
複数の歯の各々は、アンカー送達チャネルの遠位端部の長手軸と位置合わせされたそれぞれの細長要素を含み、
インプラントの外側部は、複数の細長要素を取り囲み、
細長要素は、互いに離隔され、
インプラントの第1の部分を把持するステップは、細長要素によってインプラントの外側部を把持するステップを含む。

一適用例において、複数の歯の各々のそれぞれの遠位部は、インプラントを把持するように構成され、インプラントの第1の部分を把持するステップは、複数の歯のそれぞれの遠位端と弁輪との間にインプラントの第1の部分を挟むステップを含む。

一適用例において、インプラントは、編組布地を含み、インプラントの第1の部分を把持するステップは、複数の歯によって編組布地を可逆的に捕らえるステップを含む。

一適用例において、
組織アンカーは、
アンカーヘッドと、
アンカーヘッドに結合された組織係合部材であって、アンカーヘッドから遠位方向に組織係合部材の遠位先端まで延伸し、アンカーを組織に留め付けるように構成された組織係合部材と
を含み、
インプラントの第1の部分を弁輪に留め付けるステップは、アンカーヘッドおよび組織係合部材を含む組織アンカーを用いて第1の部分を留め付けるステップを含む。

一適用例において、
組織係合部材は、螺旋状組織係合部材を含み、
インプラントの第1の部分を留め付けるステップは、インプラントの第1の部分に対して弁輪に螺旋状組織係合部材をねじ込むステップを含み、
インプラントの第1の部分を把持するステップは、インプラントの第1の部分に対する螺旋状組織係合部材のねじ込みの間に、インプラント把持要素を用いて、インプラントの第1の部分を可逆的に把持し、インプラントのよじれを防止するステップを含む。

一適用例において、当該方法は、
可撓性遠位部および遠位端を有する長手方向シャフトと、
シャフトの遠位端に結合され、アンカーヘッドに可逆的に結合可能な配置要素と
を含むアンカードライバを、アンカー送達チャネルの管腔を通して摺動させるステップをさらに含む。

一適用例において、インプラント把持要素は、変形可能要素に沿った組織アンカーの通過に応じて休止状態から把持状態へと形状を変化させるように構成された少なくとも1つの変形可能要素を含み、方法は、変形可能要素に沿って組織アンカーを通過させることにより変形可能要素の形状を変化させるステップをさらに含む。

一適用例において、インプラント把持要素は、アンカー送達チャネルの遠位端部に対して周方向に配された複数の変形可能要素を含む。

一適用例において、変形可能要素は、変形可能要素の休止状態において直線部および湾曲部を有する細長タインを画定するような形状を有し、変形可能要素に沿って組織アンカーを通過させるステップは、アンカーを湾曲部に径方向に押し付け、押し付けにより、変形可能要素が把持状態をとるように、湾曲部を直線状にし、それに伴って変形可能要素を長手方向に長くするステップを含む。

一適用例において、把持状態において、変形可能要素を長手方向に長くするステップは、アンカー送達チャネルの遠位端を越えて変形可能要素の遠位端を延伸させるステップを含む。

一適用例において、少なくとも1つの変形可能要素は、複数の細長タインを含み、アンカーを径方向に押し付けるステップは、複数の細長タインのそれぞれの湾曲部にアンカーを径方向に押し付けるステップを含む。

一適用例において、インプラントの第1の部分を把持するステップは、複数の細長タインの遠位端を用いて、変形可能要素の把持状態においてインプラントの内壁との表面積接触を増大させるステップを含む。

一適用例において、
変形可能要素は、外側方向に移動可能な外側突起を画定するような形状を有し、
変形可能要素の休止状態において、突起の最外側部は、アンカー送達チャネルの外側面と位置合わせされ、
把持状態において、アンカーは、外側突起を径方向に押し付けることで、アンカー送達チャネルの外側面を越えて突起の最外側部を延伸させるように構成され、
変形可能要素に沿って組織アンカーを通過させるステップは、アンカーを外側突起に径方向に押し付け、押し付けにより、アンカー送達チャネルの外側面を越えて突起の最外側部を延伸させるステップを含む。

一適用例において、少なくとも1つの変形可能要素は、複数の外側突起を含み、アンカーを外側突起に押し付けるステップは、アンカーを複数の外側突起に径方向に押し付けるステップを含む。

一適用例において、アンカーを複数の外側突起に径方向に押し付けるステップは、変形可能要素の把持状態において、インプラントの内壁との表面積接触を増大させるステップを含む。

前述の方法および本明細書の他の方法は、生きている動物に対して、または、死体、死体心臓、シミュレータ(例えば身体の部分、組織等がシミュレートされる)等のようなシミュレーションに対して実行され得る。

図面と併せた本発明の適用例についての以下の詳細な説明から、本発明がより完全に理解されるであろう。

複数の歯を備えるインプラント把持要素の一例の模式図である。 変形可能要素を備えるインプラント把持要素の一例の模式図である。 変形可能要素を備えるインプラント把持要素の一例の模式図である。 変形可能要素を備えるインプラント把持要素の一例の模式図である。 別の変形可能要素を備えるインプラント把持要素の一例の模式図である。 別の変形可能要素を備えるインプラント把持要素の一例の模式図である。 別の変形可能要素を備えるインプラント把持要素の一例の模式図である。

ここで、本発明のいくつかの適用例に係る、被験者の心臓にインプラントを送達するように構成された、1つまたは複数の回転制御ステアリングカテーテルを提供するシステム10の模式図である図1を参照する。図1は、可撓性スリーブ26を備える弁輪形成リング構造体222(すなわちインプラント、例えば弁輪形成バンド)を備えるインプラントの遠位部を示す。インプラントは、被験者の身体に進入させられるような寸法を有する。システム10は、インプラント分離チャネル18を備えるアンカー送達器具を備える。以下で説明するように、チャネル18は、組織アンカーをチャネル18を通してスリーブ26の管腔へと送達することを容易にするために用いられる。よって、チャネル18は、アンカー送達チャネルとして機能する。チャネル18は、直径を有する管腔を画定するような形状を有する。スリーブ26は、チャネル18の遠位部を収容する可撓性材料を備える。チャネル18は、インプラントの管腔内を移動可能な寸法を有する。インプラント把持要素40は、チャネル18の遠位端部に配される。インプラント把持要素40は、チャネル18を介した組織アンカー32の埋め込みの間に、インプラントの内壁50を可逆的に把持するように構成される。

スリーブ26は、典型的には、例えばポリエチレンテレフタラート(Dacron(商標)など)を含む編組布地メッシュを含む。スリーブ26は、心臓弁輪の周囲の一部のみに配置され(すなわちC字形状をとり)、定位置に留め付けられたときに弁輪を周方向に締め付けるように収縮するように構成され得る。任意選択的ではあるが、リング構造体はまた、弁輪の周囲の全体に配置されるように構成され得る。

スリーブ26は、(i)スリーブの中心長手軸を取り囲み、(ii)スリーブの管腔を画定する、管状の外側壁253を有する。

弁輪を締め付けるために、弁輪形成リング構造体222は、スリーブ26に沿って延伸する、可撓性の細長収縮部材226を備える。細長収縮部材226は、典型的には可撓性かつ/または超弾性の材料、例えばニチノール、ポリエステル、ステンレス鋼、またはコバルトクロムを含む、ワイヤ、リボン、ロープ、またはバンドを含む。いくつかの適用例において、ワイヤは、放射線不透過性材料を含む。いくつかの適用例において、収縮部材226は、編組ポリエステル縫合糸(例えばTicron)を含む。いくつかの適用例において、収縮部材226は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で被覆される。いくつかの適用例において、収縮部材226は、ロープ構造を形成するように絡み合った複数のワイヤを含む。

いくつかの適用例において、弁輪形成リング構造体222は、WO 16/174669として公開され、参照により本明細書に組み込まれている、IflahらのPCT出願第PCT/IL2016/050433号に関して説明されるような調整機構を備える。調整機構は、弁輪形成リング構造体222の収縮および拡張を容易にすることで、心臓弁の弁輪および弁葉の周囲の調整を容易にする。調整機構は、回転可能な構造体(例えばスプール)を含み得る。

システム10は、インプラント送達器具を画定する、同心配置の管を含み得る。システム10は、被験者の血管系を通して経管的に進行するように構成されたシースを含む第1の外部カテーテル12を含み得る。本発明のいくつかの適用例において、外部カテーテル12は、被験者の心臓の心房中隔に向かって大腿動脈を通して進行するように構成されたシースを含む。外部カテーテル12の遠位端部112は、被験者の心房中隔を通過し、左心房内で所望の空間的方位に向けられるように構成される。システム10は、カテーテル12(すなわちその主管腔)を通過し、外部カテーテルの遠位端の外部に配され、左心房内で所望の空間的方位に向けられるように構成された遠位端部114を含む第2のカテーテル、またはガイドカテーテル14を含む。

外部カテーテル12の遠位端部112は、方向操作可能である。すなわち、遠位端部112は、(例えばシステム10の体外要素を用いることにより)カテーテル12のすぐ近位側の部分に対して曲折可能である。内部カテーテル14の遠位端部114は、方向操作可能である。すなわち、遠位端部114は、(例えばシステム10の体外要素を用いることにより)カテーテル14のすぐ近位側の部分に対して曲折可能である。

ガイドカテーテル14は、被験者の体腔におけるインプラントの進行および埋め込みを容易にするために、所望の空間的方位に方向操作可能である。

システム10が被験者の僧帽弁にインプラントを送達するために用いられる適用例において、多くの場合、外部カテーテル12は、カテーテル12の遠位端が左心房に位置付けられるまでの、被験者の血管系を通した初期的な進行のために構成される。次いで、カテーテル12の方向操作可能な遠位端部は、カテーテル12の遠位端が左心房内で所望の空間的方位に位置付けられるように方向操作される。この方向操作手順は、蛍光透視法、経食道心エコー、および/または心エコー図検査などのイメージングを用いて行うことができる。カテーテル12の遠位端部の方向操作に続いて、(弁輪形成リング構造体222を格納する)ガイドカテーテル14は、僧帽弁の弁輪に沿った構造体222の送達および埋め込みを容易にするために、カテーテル12を通して進行させられる。送達の間、方向操作可能な遠位端部114の少なくとも一部分は、カテーテル12の遠位端から露出し、よって、以下で説明するように、僧帽弁の弁輪に向かって自由に方向操作される。

心臓弁の弁輪にスリーブ26を送達する間、スリーブ26は、カテーテル14の管腔内に配され、カテーテル14の長手軸と長手方向に位置合わせされ得る。

加えて、いくつかの適用例において、システム10は、複数のアンカー32、典型的には、約10個または約16個のアンカーなどの約5個から約20個の間の数のアンカーを備える。各アンカー32は、組織結合要素60(例えば螺旋状の組織結合要素)と、組織結合要素の一端に固定された器具係合ヘッド62(例えば非螺旋形状部分)またはアンカーヘッドとを備える。各組織結合要素60は、それぞれの組織係合部材を画定する。各アンカー32は、アンカー配置マニピュレータ61のアンカードライバ36の配置要素によって対象組織部位に送達可能である。ドライバ36は、(1)可撓性遠位部および遠位端を有する長手方向シャフトと、(2)シャフトの遠位端に結合された配置要素とを備える。ドライバ36の配置要素は、アンカー32の器具係合ヘッド62に可逆的に結合可能である。スリーブ26が心臓弁の弁輪に沿って配されると、配置マニピュレータ61は、スリーブ26の管腔内を進行し、各アンカー32をスリーブ26内からスリーブ26の壁を通して心臓組織に配置し、それにより弁輪の一部分の周囲にスリーブ26を留め付けるように構成される。

必須ではないが、典型的には、アンカー32は、ステンレス鋼316 LVMなどの生体適合性材料を含む。いくつかの適用例において、アンカー32は、ニチノールを含む。いくつかの適用例において、アンカー32は、非導電性材料で完全にまたは部分的に被覆される。

配置マニピュレータ61は、アンカードライバ36および配置要素を備える。いくつかの適用例において、配置マニピュレータ61は、インプラント分離チャネル18を備える。以下で説明するように、チャネル18は、組織アンカーをチャネル18を通してスリーブ26の管腔へと送達することを容易にするために用いられる。よって、チャネル18は、アンカー送達チャネルとして機能する。

スリーブ26は、ガイドカテーテル14の管腔内に配される。インプラント分離チャネル18は、スリーブ26の管腔内を進行可能である。インプラント分離チャネル18の遠位端17は、スリーブ26の内壁に、例えばその遠位端で接するように配置可能である。

いくつかの適用例において、チャネル18は、方向操作可能である。

いくつかの適用例にいて、マニピュレータ61は、チャネル18内を進行する。いくつかの適用例において、システム10は、マニピュレータ61の複数のアンカードライバを備え、各ドライバ36は、それぞれのアンカー32に結合される。各ドライバ36は、アンカー32を組織に進入させて埋め込むために、チャネル18内を進行させられる。アンカー32の埋め込みに続いて、アンカー32は、本明細書で説明するように、ドライバ36から分離され、ドライバ36は、チャネル18内から取り除かれる。次いで、後続のアンカー32が、ドライバ36(例えば新たなドライバ)に結合された状態でチャネル18内を進行させられる。

以下に説明するように、アンカー32のうちの第1のアンカー32は、スリーブ26が弁の弁輪に沿って位置付けられたときに、スリーブ26の端壁または一端を通して心臓組織内へと配置されるように構成される。第1の組織アンカーの配置に続いて、スリーブ26の遠位部が、インプラント分離チャネル18の一部分から外れるように遠位方向に摺動される。スリーブ26をチャネル18の外面の一部分から遠位方向に分離するために、(1)近位方向の力がチャネル18に印加され、一方で(2)(スリーブ26に対して近位に配された)基準力管が、基準力管の遠位端がスリーブ26に基準力を与えるように、定位置に維持され、それによりスリーブ26の後続の部分をチャネル18の周囲から解放することが容易になる。次いで、チャネル18は、スリーブ26の管腔内の後続の箇所に位置付けられ、一方で、基準力管および/またはカテーテル14は、(以下で説明するように)弁の弁輪に沿った後続の箇所に向かって方向操作される。結果として、スリーブ26の後続の部分は、その後続の部分におけるスリーブの壁を通した後続のアンカー32の進行およびアンカーの配置のための解放された管腔を提供する。そのような、スリーブ26の後続の部分の解放により、スリーブ26の管腔内から配置される後続のアンカー間の距離が生じる。

いくつかの適用例において、スリーブ26は、それぞれの長手方向部位においてスリーブに沿って位置付けられる、複数の放射線不透過性マーカーを備える。マーカーは、スリーブに沿ってアンカー32間に所望の距離を設定することを可能とするために、放射線画像(蛍光透視画像など)における、埋め込み手順の間にスリーブのどれだけの部分が任意の所与の点に配置されたかの指示を提供し得る。いくつかの適用例において、マーカーは放射線不透過性インクを含むが、他の構成も可能である。

上記で説明したように、インプラント把持要素40は、チャネル18の遠位端部に配される。いくつかの適用例において、図示のように、要素40は、チャネル18の遠位端部を越えて、かつチャネル18によって画定される管腔の遠位端を越えて延伸する複数の歯44を備える。複数の歯44は、チャネル18の遠位端部の周囲にわたって周方向に配される。本発明のいくつかの適用例において、歯44の各々は、鋸歯状である。複数の歯44は、チャネル18とインプラントとの間の摩擦を増大させるように構成される。まとめると、複数の歯44は、チャネル18とスリーブ26の内壁50との間の表面積接触を増大させる一連の山および谷を形成する。本発明のいくつかの適用例において、歯44は傾斜している。本発明のいくつかの適用例において、歯44は矩形である。いずれの適用例においても、歯44は、チャネル18の遠位端とスリーブ26との間の増大した表面積を生じさせるように構成される。加えて、歯44は、スリーブ26に押し付けることにより、スリーブ26を可逆的に把持するように構成される。

図示のように、歯44の各々は、アンカー送達チャネル18の遠位端部の長手軸と位置合わせされたそれぞれの細長要素42の遠位端にある。細長要素42は、複数の細長要素42がインプラントの当該部分を把持するように構成されるように、互いに離隔される。まとめると、複数の細長要素42は、チャネル18とスリーブ26の内壁50との間の表面積接触を増大させる一連の山および谷を形成する。細長要素42は、チャネル18の外側面とスリーブ26の内壁50との間の表面積を増大させ、一方で歯44は、チャネル18の遠位開口部とスリーブ26の内壁50との間の表面積を増大させる。本発明のいくつかの適用例において、複数の歯44の各々のそれぞれの遠位部は、インプラントを把持するように構成される。すなわち、インプラントは、編組布地を含み、複数の歯44の遠位部は、編組布地を可逆的に捕らえるように構成される。

本発明のいくつかの適用例において、歯44および/または細長要素42は、放射線不透過性材料を含む。

歯44によって可逆的に係合および把持されるスリーブ26の部分は、チャネル18の遠位端(すなわち歯44の遠位端)と組織との間に挟まれたスリーブ26の部分である。本発明のいくつかの適用例において、細長要素42は、チャネル18の遠位端(すなわち歯44の遠位端)と組織との間に挟まれたスリーブ26の部分に対して近位のスリーブ26の外側部を可逆的に把持および係合する。すなわち、細長要素42は、互いに離隔されることで、細長要素42とスリーブ26との間の摩擦を増大させるように表面積を増大させる一連の山および谷を生じさせる。

本発明のいくつかの適用例において、複数の歯44は、アンカー送達チャネル18の遠位端部に結合された円筒の遠位部から切り出される。本発明のいくつかの適用例において、複数の歯44は、アンカー送達チャネル18の遠位部から切り出される。

組織アンカー32が被験者の組織内に送達される前、スリーブ26の一部分は、チャネル18の遠位端(すなわち歯44の遠位端)と組織との間に挟まれる。これは、チャネル18の遠位端がスリーブ26の内壁50と接触するためである。アンカー32は、アンカー配置マニピュレータ61のアンカードライバ36の配置要素により、チャネル18の管腔を通して対象組織部位に向かって通過させられる。スリーブ26の材料を通してその後対象組織に組織アンカーを打ち込む間、インプラント把持要素40は、組織に対するスリーブ26の歪み、移動、変形、よじれ、ねじれ、丸まり、および何らかの他の相対移動を防止または最小化ために、スリーブ26の材料を把持する。アンカー32の組織結合要素60が螺旋状組織結合要素を含む適用例において、インプラント把持要素40は、スリーブ26の材料を通してアンカー32を打ち込む間のスリーブ26のよじれまたはねじれを防止または最小化する。

アンカー32がスリーブ26を通して送達されると、単純に引張力をチャネル18に印加することにより、歯44および細長要素42はスリーブ26から分離される(そしてそれにより把持要素40によるスリーブ26の把持が解除される)。スリーブ26はアンカー32によって弁輪の組織に堅固に留め付けられているので、チャネル18に対するわずかな上方への引張力は、歯44および細長要素42がスリーブ26に対して一時的に及ぼす可逆的な把持に打ち勝つ。

把持要素40の把持および把持解除は、スリーブ26を弁輪の組織に留め付けるプロセスの全体にわたって繰り返し生じ得ることに留意されたい。アンカー送達の度に、把持要素40は、各アンカー32がインプラントの所与の部分を弁輪に留め付けるように配置されることに伴って、スリーブ26を把持し、アンカー32が配置されると、把持要素40は、把持要素40によるスリーブ26の把持を逆転させるために近位方向に引かれる。次いで、チャネル18は、インプラントの異なる部分に移動され、別のアンカーがインプラントの異なる部分を弁輪に留め付けるように配置されることに伴って、把持要素40によるスリーブ26の把持が再び生じる。

ここで、本発明のいくつかの適用例に係る、被験者の心臓にインプラントを送達するように構成された、1つまたは複数の回転制御ステアリングカテーテルを備えるシステム100の模式図である図2A～図2Cを参照する。システム100は、インプラント把持要素40がハウジング120内に配された変形可能要素41を備える点を除き、図1に関して上記で説明したシステム10と同様である。本発明のいくつかの適用例において、ハウジング120は、管状であり、管腔を画定するような形状を有する。ハウジング120は、チャネル18の管の遠位端部に結合される。本発明のいくつかの適用例において、ハウジング120は、チャネル18の遠位端部を画定する。本発明のいくつかの適用例において、ハウジング120の遠位端121は、チャネル18の遠位端を画定する。変形可能要素41は、ハウジング120の内面に対して、すなわちチャネル18の遠位端部に対して周方向に配された複数のタイン123を備える。各タイン123の近位端は、タイン123を共に結合し、タイン123をチャネル18の遠位端部に対して周方向に向けるために、リングに結合される。本発明のいくつかの適用例において、タイン123は、放射線不透過性材料を含む。

変形可能要素41は、(図2Aに示すような)休止状態および(図2Bに示すような)把持状態を有する。各タイン123は、湾曲部126および直線部127ならびに直線部の遠位端のグリッパ128(例えば歯)を備える。変形可能要素41の休止状態において、湾曲部126は、タイン123の全長が短縮されるように、ハウジング120の管腔に向かってその内部へと凸に湾曲する。変形可能要素41の休止状態において、グリッパ128は、ハウジング120内に配され、ハウジング120の遠位端121を越えて延伸していない(すなわち、グリッパ128は、チャネル18の遠位端を越えて延伸していない)。休止状態において、アンカー32は、変形可能要素41の湾曲部126に対して近位に配される。

図2Bは、把持状態における変形可能要素41を示す。把持状態において、アンカー32は、ハウジング120の管腔内に配され、タイン123の湾曲部126を径方向または外側方向に押し付けることで、湾曲部126を直線状にし、それに伴って各タイン123の全長を長手方向に長くし、それにより変形可能要素41を長手方向に長くすることにより、変形可能要素41の構造的構成を変化させる。アンカー32は、ハウジング120の管腔内に配され、変形可能要素41を休止状態から把持状態に移行させるために、湾曲部126を径方向または外側方向に押し付ける。把持状態において、各タイン123のグリッパ128は、ハウジング120の遠位端121に対して遠位に配され、それによりチャネル18の遠位端に対して遠位に配される。この状態において、グリッパ128は、ハウジング120内から露出し、それにより、把持要素40をスリーブ26に対して把持する、押し付ける、捕らえる、または他の方法で可逆的に結合させることが可能となる。複数の細長タイン123は、変形可能要素41の把持状態において、インプラントの内壁50との表面積接触を増大させるように構成される。

図2Aに示すように、変形可能要素41の休止状態において、グリッパは、スリーブ26に対するチャネル18の進行の間にスリーブ26を捕らえないように、ハウジング120内に配される。図2Bに示すように、組織アンカー32がチャネル18の遠位端部およびハウジング120を通過させられたときにのみ、変形可能要素41が係合され、グリッパ128が露出する。

図2Cは、スリーブ26の材料を通して2つのアンカー32を埋め込むのに要する工程を示す。第1の工程において、第1のアンカー32は、図2Bに示すように、部分126が直線状になってタイン123の全長が増大するように、アンカー32がタイン123の湾曲部126を径方向に押し付けるようにして、ハウジング120を通過させられる。この工程において、遠位グリッパ128は、スリーブ26と係合するのに十分だがスリーブ26を貫通しない程度にわずかに遠位方向にスリーブ26を押し付けることにより、スリーブ26と係合する。この遠位方向の押し付けにより、チャネル18とインプラントとの間の摩擦が増大する。グリッパ128によって係合および把持されるスリーブ26の部分は、ハウジング120の遠位端121(すなわちチャネル18の遠位端)と組織との間に挟まれたスリーブ26の部分である。グリッパ128とスリーブ26との間の表面積が増大する。第1の工程に示すように、ハウジング120は、それぞれのタイン123を格納する複数の内溝129を画定する。アンカー32がスリーブ26の管腔内からスリーブ26の布地を通して被験者の組織に打ち込まれることに伴い、アンカー把持要素40の変形可能要素41のグリッパ128は、組織に対するスリーブ26の歪み、移動、変形、よじれ、ねじれ、丸まり、および何らかの他の相対移動を防止または最小化するために、スリーブ26を可逆的に定位置に把持および保持する。アンカー32の組織結合要素60が螺旋状組織結合要素を含む適用例において、インプラント把持要素40は、スリーブ26の材料を通してアンカー32を打ち込む間のスリーブ26のよじれまたはねじれを防止または最小化する。

図2Cの第2の工程において、アンカー32は、組織に完全に打ち込まれている。アンカー32が組織に打ち込まれると、湾曲部126に対する径方向の力がなくなり、湾曲部126が各々、図2Aに示すように湾曲形状の休止状態に戻り、タイン123の全長が減少する。タイン123の長さが減少することにより、グリッパ128が、スリーブ26と接触しなくなるようにハウジング120内へと引っ込む。スリーブ26が弁輪の組織に堅固に留め付けられているので、タイン123のこのわずかな上方への移動は、グリッパ128がスリーブ26に対して一時的に及ぼす可逆的な把持に打ち勝つ。

湾曲部126に対する径方向の力は、アンカー32の組織結合要素60、および/またはアンカーの器具係合ヘッド62、および/またはアンカードライバ36の任意の部分によって与えられてよいことに留意されたい。そのような適用例において、湾曲部126に対する径方向の力は、アンカードライバ36および/またはアンカー32がハウジング120内から取り除かれる(すなわち、図2Cの第3の工程に示すように、ハウジング120が空の状態)までの間のみ、維持されてよい。

図2Cの第3の工程において、変形可能要素41は、さらなるアンカーのハウジング120を通した進行を待機する休止状態にある。休止状態において、グリッパ128は、ハウジング120内に配され、ハウジング120の遠位端121を越えて延伸しておらず、したがってチャネル18の遠位端を越えて延伸していない。グリッパ128が遠位端121を越えて延伸していないので、変形可能要素41は、図2Aに示すような休止状態にあり、インプラント把持要素40はスリーブ26と係合していない。インプラント把持要素40がスリーブ26と係合していないこの段階では、スリーブ26の管腔内からスリーブ26を捕らえるまたは不意に把持もしくは係合することなく、チャネル18がスリーブ26の管腔を通して妨げなしに移動することが可能となる。よって、ハウジング120、および休止状態の変形可能要素41の構造的構成により、スリーブ26の管腔内でのチャネル18のそのような自由な移動が可能となる。これは、チャネル18が、スリーブ26の管腔内を自由に移動でき、組織の所望の箇所に到達してこの箇所で組織アンカー32が組織に打ち込まれることが決定されたときにのみスリーブ26を係合および把持することができるため、有利である。

把持要素40の把持および把持解除は、スリーブ26を弁輪の組織に留め付けるプロセスの全体にわたって繰り返し生じることに留意されたい。アンカー送達の度に、把持要素40は、各アンカー32がインプラントの所与の部分を弁輪に留め付けるように配置されることに伴って、スリーブ26を把持し、アンカー32が配置されると、把持要素40は、把持要素40によるスリーブ26の把持を逆転させるために近位方向に引かれる。次いで、チャネル18は、インプラントの異なる部分に移動され、別のアンカーがインプラントの異なる部分を弁輪に留め付けるように配置されることに伴って、把持要素40によるスリーブ26の把持が再び生じる。

ここで、本発明のいくつかの適用例に係る、被験者の心臓にインプラントを送達するように構成された、1つまたは複数の回転制御ステアリングカテーテルを備えるシステム200の模式図である図3A～図3Cを参照する。システム200は、インプラント把持要素40がハウジング220の変形可能要素41を備える点を除き、図1に関して上記で説明したシステム10と同様である。システム200は、インプラント把持要素40が、外側方向に移動可能な外側突起230を備える変形可能要素41を備える点を除き、図2A～図2Cに関して上記で説明したシステム100と同様である。本発明のいくつかの適用例において、ハウジング220は、管状であり、管腔を画定するような形状を有する。ハウジング220は、チャネル18の管の遠位端部に結合される。本発明のいくつかの適用例において、ハウジング220は、チャネル18の遠位端部を画定する。本発明のいくつかの適用例において、ハウジング220の遠位端221は、チャネル18の遠位端を画定する。変形可能要素41は、ハウジング220に対して周方向に、すなわちチャネル18の遠位端部に対してわずかに近位に配された複数の外側方向に移動可能な外側突起230を備える。本発明のいくつかの適用例において、限定ではなく例示として、突起がハウジング220の中間部に配される。このようにすることで、突起230は、スリーブ26がチャネル18および/またはハウジング220に密着することに伴い、スリーブ26の外側部を把持する。複数の突起230は、変形可能要素41の把持状態において、インプラントの内壁50との表面積接触を増大させるように構成される。

本発明のいくつかの適用例において、突起230は、放射線不透過性材料を含む。

変形可能要素41は、(図3Aに示すような)休止状態および(図3Bに示すような)把持状態を有する。各々の外側方向に移動可能な外側突起230は、最外側部43を備える。変形可能要素41の休止状態において、最外側部43は、ハウジング220の外側面と、すなわちチャネル18の外側面と位置合わせされる。変形可能要素41の休止状態において、部分43は、ハウジング220と位置合わせして配され、ハウジング220の外面を越えて外側方向に延伸していない。本発明のいくつかの適用例において、突起230の内方向き部分は、ハウジング220の管腔内に配される。休止状態において、アンカー32は、変形可能要素41の突起230に対して近位に配される。

図3Bは、把持状態における変形可能要素41を示す。把持状態において、アンカー32は、ハウジング220の管腔内に配され、外側方向に移動可能な外側突起230を径方向または外側方向に押し付けることで、突起230の最外側部43をアンカー送達チャネル18の外側面を越えて延伸させることにより、変形可能要素41の構造的構成を変化させる。上記で説明したように、突起230の内方向き部分は、突起230を外方に押し付けることで変形可能要素41を休止状態から把持状態に移行させるために、アンカー32が突起230のこの内方向き部分を押し付けるように、ハウジング220の管腔内に配される。把持状態において、各突起230の最外側部43は、ハウジング220に対して外側に配される。この状態において、突起230は、ハウジング220から突出し、それにより、把持要素40をスリーブ26に対して把持する、押し付ける、捕らえる、または他の方法で可逆的に結合させることが可能となる。

図3Aに示すように、変形可能要素41の休止状態において、部分43は、スリーブ26に対するチャネル18の進行の間にスリーブ26を捕らえないように、ハウジング220の表面と位置合わせされる。図3Bに示すように、組織アンカー32がチャネル18の遠位端部およびハウジング220を通過させられたときにのみ、変形可能要素41が係合され、突起230がハウジング220の外側面を越えて突出する。

図3Cは、スリーブ26の材料を通して2つのアンカー32を埋め込むのに要する工程を示す。第1の工程において、第1のアンカー32は、図3Bに示すように、最遠位部43がハウジング220の外面から突出するように、アンカー32が突起230を径方向に押し付けるようにして、ハウジング220を通過させられる。この工程において、突起230は、スリーブ26と係合するのに十分だがスリーブ26を貫通しない程度にわずかに外側方向にスリーブ26を押し付けることにより、スリーブ26と係合する。この外側方向の押し付けにより、チャネル18とインプラントとの間の摩擦が増大する。突起230とスリーブ26との間の表面積が増大する。アンカー32がスリーブ26の管腔内からスリーブ26の布地を通して被験者の組織に打ち込まれることに伴い、アンカー把持要素40の変形可能要素41の突起230は、組織に対するスリーブ26の歪み、移動、変形、よじれ、ねじれ、丸まり、および何らかの他の相対移動を防止または最小化するために、スリーブ26を可逆的に定位置に把持および保持する。アンカー32の組織結合要素60が螺旋状組織結合要素を含む適用例において、インプラント把持要素40は、スリーブ26の材料を通してアンカー32を打ち込む間のスリーブ26のよじれまたはねじれを防止または最小化する。

図3Cの第2の工程において、アンカー32は、組織に完全に打ち込まれている。アンカー32が組織に打ち込まれると、突起230に対する径方向の力がなくなり、突起230が各々、図3Aに示すように外側方向に引っ込むことにより休止状態に戻り、最近位部43がハウジング220の外面と位置が合う。突起230が外側方向に引っ込むことにより、最外側部43が、スリーブ26と接触しなくなるように径方向内方に移動する。スリーブ26が弁輪の組織に堅固に留め付けられているので、突起230のこのわずかな径方向内方への移動は、突起230がスリーブ26に対して一時的に及ぼす可逆的な把持に打ち勝つ。

突起230に対する径方向の力は、アンカー32の組織結合要素60、および/またはアンカーの器具係合ヘッド62、および/またはアンカードライバ36の任意の部分によって与えられ得ることに留意されたい。そのような適用例において、突起230に対する径方向の力は、アンカードライバ36および/またはアンカー32がハウジング220内から取り除かれる(すなわち、図3Cの第3の工程に示すように、ハウジング220が空の状態)までの間のみ、維持されてよい。

図3Cの第3の工程において、変形可能要素41は、さらなるアンカーのハウジング220を通した進行を待機する休止状態にある。休止状態において、突起230の最近位部43は、ハウジング220の外面と位置が合い、ハウジング220の外側面を越えて延伸しておらず、したがってチャネル18の外側面を越えて延伸していない。突起230の部分43は、ハウジング220の外側面を越えて延伸しておらず、変形可能要素41は、図3Aに示すような休止状態にあり、インプラント把持要素40はスリーブ26と係合していない。インプラント把持要素40がスリーブ26と係合していないこの段階では、スリーブ26の管腔内からスリーブ26を捕らえるまたは不意に把持もしくは係合することなく、チャネル18がスリーブ26の管腔を通して妨げなしに移動することが可能となる。よって、ハウジング220、および休止状態の変形可能要素41の構造的構成により、スリーブ26の管腔内でのチャネル18のそのような自由な移動が可能となる。これは、チャネル18が、スリーブ26の管腔内を自由に移動でき、組織の所望の箇所に到達してこの箇所で組織アンカー32が組織に打ち込まれることが決定されたときにのみスリーブ26を係合および把持することができるため、有利である。

把持要素40の把持および把持解除は、スリーブ26を弁輪の組織に留め付けるプロセスの全体にわたって繰り返し生じることに留意されたい。アンカー送達の度に、把持要素40は、各アンカー32がインプラントの所与の部分を弁輪に留め付けるように配置されることに伴って、スリーブ26を把持し、アンカー32が配置されると、把持要素40は、把持要素40によるスリーブ26の把持を逆転させるために近位方向に引かれる。次いで、チャネル18は、インプラントの異なる部分に移動され、別のアンカーがインプラントの異なる部分を弁輪に留め付けるように配置されることに伴って、把持要素40によるスリーブ26の把持が再び生じる。

ここで、図1～図3Cを参照する。いくつかの適用例において、システム10、100、および200は、全て参照により本明細書に組み込まれている以下の参考文献のうちの1つまたは複数に記載の1つまたは複数の技法および/またはデバイス、システム等と組み合わせて用いられる。
・US 2010/0286767として公開されている、2009年5月7日に出願されたZiporyらの米国特許出願第12/437,103号。例えば、(1)本出願のシステム10、100、および200は、必要な変更を加えたZiporyらのUS 2010/0286767の図2～図3および/または図6A～図12に関して記載されている技法を容易にするために用いられてよく、(2)本出願のアンカードライバ36は、必要な変更を加えたZiporyらのUS 2010/0286767のアンカードライバ68および/またはアンカー配置マニピュレータ24を備えてよくまたはこれに対応してよく、(3)本出願の組織アンカー32は、必要な変更を加えたZiporyらのUS 2010/0286767のアンカー38を備えてよくまたはこれに対応してよく、かつ/または(4)本出願のインプラントは、必要な変更を加えたZiporyらのUS 2010/0286767の弁輪形成リング22を備えてよくまたはこれに対応してよい。
・US 2010/0280604として公開されている、2010年1月19日に出願されたZiporyらの米国特許出願第12/689,635号。例えば、(1)本出願のシステム10、100、および200は、必要な変更を加えたZiporyらのUS 2010/0280604の図2～図3および/または図11A～図17に関して記載されている技法を容易にするために用いられてよく、(2)本出願のアンカードライバ36は、必要な変更を加えたZiporyらのUS 2010/0280604のアンカードライバ68および/またはアンカー配置マニピュレータ24を備えてよくまたはこれに対応してよく、(3)本出願の組織アンカー32は、必要な変更を加えたZiporyらのUS 2010/0280604のアンカー38を備えてよくまたはこれに対応してよく、かつ/または(4)本出願のインプラントは、必要な変更を加えたZiporyらのUS 2010/0280604の弁輪形成リング22を備えてよくまたはこれに対応してよい。
・WO 2013/069019として公開されている、2013年11月8日に出願されたShepsらのPCT特許出願第IL2012/050451号。例えば、(1)本出願のシステム10、100、および200は、必要な変更を加えたShepsらのWO 2013/069019の図14A～図14Iに関して記載されている技法を容易にするために用いられてよく、(2)本出願のシステム10、100、および200は、必要な変更を加えたShepsらのWO 2013/069019のシステム10を備えてよくまたはこれに対応してよく、(3)本出願のアンカードライバ36は、必要な変更を加えたShepsらのWO 2013/069019のアンカー配置マニピュレータ61および/またはアンカードライバ36を備えてよくまたはこれに対応してよく、かつ/または(4)本出願のインプラントは、必要な変更を加えたShepsらのWO 2013/069019の弁輪形成構造体222および/またはスリーブ26を備えてよくまたはこれに対応してよい。
・WO 2014/064694として公開されている、2013年10月23日に出願された、「Controlled steering functionality for implant-delivery tool」という名称のShepsらのPCT特許出願第IL2013/050860号。例えば、(1)本出願のシステム10、100、および200は、必要な変更を加えた「Controlled steering functionality for implant-delivery tool」という名称のこのPCT出願の図10A～図10I、図12A～図14B、図18A～図18C、図21～図28、図34、および図36に関して記載されている技法を容易にするために用いられてよく、(2)本出願のシステム10、100、および200は、必要な変更を加えた「Controlled steering functionality for implant-delivery tool」という名称のこのPCT出願のシステム10を備えてよくまたはこれに対応してよく、本出願のアンカードライバ36は、必要な変更を加えた「Controlled steering functionality for implant-delivery tool」という名称のこのPCT出願のアンカー配置マニピュレータ61、アンカードライバ36および/または配置要素2338を備えてよくまたはこれに対応してよく、かつ/または(4)本出願のインプラントは、必要な変更を加えた「Controlled steering functionality for implant-delivery tool」という名称のこのPCT出願の弁輪形成構造体222および/またはスリーブ26を備えてよくまたはこれに対応してよい。
・WO 2014/064695として公開されている、2013年10月23日に出願された、「Percutaneous tissue anchor techniques」という名称のHermanらのPCT特許出願第IL2013/050861号。例えば、(1)本出願のシステム10、100、および200は、必要な変更を加えた「Percutaneous tissue anchor techniques」という名称のこのPCT出願の図9A～図9Cおよび/または図13A～図13Dに関して記載されている技法を容易にするために用いられてよく、(2)本出願の組織アンカー32は、必要な変更を加えた「Percutaneous tissue anchor techniques」という名称のこのPCT出願の組織アンカー40を備えてよくまたはこれに対応してよく、かつ/または(3)本出願のアンカードライバ36は、必要な変更を加えた「Percutaneous tissue anchor techniques」という名称のこのPCT出願のアンカードライバ500、アンカードライバ236、配置マニピュレータ261、または器具80を備えてよくまたはこれに対応してよい。
・WO 2020/012481として公開されている、2019年7月11日に出願された「Annuloplasty Systems and Locking Tools Therefor」という名称のBrauonらのPCT特許出願第IL2019/050777号。

本発明が、上記で詳細に示され説明されたものに限定されないことは、当業者には理解されるであろう。むしろ、本発明の範囲は、当業者が前述の説明を読むことで想到するであろう、上記で説明されている様々な特徴の組み合わせおよびサブコンビネーションの両方、ならびに従来技術にないその変形例および変更例を含む。さらに、本明細書において説明または示唆される技法、方法、動作、工程等は、生きている動物に対して、または、死体、死体心臓、シミュレータ(例えば身体の部分、組織等がシミュレートされる)等のような非生物シミュレーションに対して実行され得る。

10 システム
12 外部カテーテル
14 ガイドカテーテル
17 インプラント分離チャネルの遠位端
18 インプラント分離チャネル
26 可撓性スリーブ
32 組織アンカー
36 アンカードライバ
40 インプラント把持要素
41 変形可能要素
42 細長要素
43 最外側部
44 歯
50 内壁
60 組織結合要素
61 配置マニピュレータ
62 器具係合ヘッド
100 システム
112 外部カテーテルの遠位端部
114 内部カテーテルの遠位端部
120 ハウジング
121 ハウジングの遠位端
123 タイン
126 湾曲部
127 直線部
128 グリッパ
129 内溝
200 システム
220 ハウジング
221 ハウジングの遠位端
222 弁輪形成リング構造体
226 収縮部材
230 突起
253 外側壁

Claims (41)

1. 組織アンカーと共に用いるための装置であって、
   被験者の身体に進入させられるような寸法を有するインプラントと、
   アンカー送達器具とを備え、前記アンカー送達器具は、
   直径を有する管腔を画定するような形状を有するアンカー送達チャネルであって、前記インプラントの管腔内を移動可能な寸法を有するアンカー送達チャネルと、
   前記アンカー送達チャネルの遠位端部に配されたインプラント把持要素であって、前記アンカー送達チャネルを介した前記組織アンカーの埋め込みの間に、前記インプラントの内壁を可逆的に把持するように構成されたインプラント把持要素と
   を備える、装置。
2. 前記インプラント把持要素は、放射線不透過性材料を含む、請求項1に記載の装置。
3. 前記インプラントは、可撓性材料を含み、前記インプラントの前記可撓性材料は、前記チャネルの遠位部を収容する、請求項1または2に記載の装置。
4. 前記インプラント把持要素は、前記インプラントと前記アンカー送達チャネルとの間の摩擦を増大させる複数の歯を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
5. 前記複数の歯は、前記アンカー送達チャネルの前記遠位端部に結合された円筒の遠位部から切り出される、請求項4に記載の装置。
6. 前記複数の歯の各々は、前記アンカー送達チャネルの前記遠位端部の長手軸と位置合わせされたそれぞれの細長要素を備え、
   前記インプラントの一部分は、前記複数の細長要素を取り囲み、
   前記細長要素は、前記複数の細長要素が前記インプラントの前記一部分を把持するように構成されるように、互いに離隔される、
   請求項4に記載の装置。
7. 前記複数の歯の各々のそれぞれの遠位部は、前記インプラントを把持するように構成される、請求項4に記載の装置。
8. 前記インプラントは、編組布地を含み、前記複数の歯の前記遠位部は、前記編組布地を可逆的に捕らえるように構成される、請求項7に記載の装置。
9. 前記組織アンカーをさらに備え、前記組織アンカーは、
   アンカーヘッドと、
   前記アンカーヘッドに結合された組織係合部材であって、前記アンカーヘッドから遠位方向に前記組織係合部材の遠位先端まで延伸し、前記アンカーを組織に留め付けるように構成された組織係合部材と
   を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
10. 前記組織係合部材は、螺旋状組織係合部材を備え、前記インプラント把持要素は、前記インプラントに対する前記螺旋状組織係合部材のねじ込みの間に、前記インプラントを可逆的に把持し、前記インプラントのよじれを防止するように構成される、請求項9に記載の装置。
11. 前記アンカー送達チャネルの前記管腔を通して摺動可能なアンカードライバをさらに備え、前記アンカードライバは、
    可撓性遠位部および遠位端を有する長手方向シャフトと、
    前記シャフトの前記遠位端に結合され、前記アンカーヘッドに可逆的に結合可能な配置要素と
    を備える、請求項9に記載の装置。
12. 前記インプラント把持要素は、少なくとも1つの変形可能要素であって、前記変形可能要素に沿った前記組織アンカーの通過に応じて休止状態から把持状態へと形状を変化させるように構成された少なくとも1つの変形可能要素を備える、請求項9に記載の装置。
13. 前記インプラント把持要素は、前記アンカー送達チャネルの前記遠位端部に対して周方向に配された複数の変形可能要素を備える、請求項12に記載の装置。
14. 前記変形可能要素は、前記変形可能要素の前記休止状態において直線部および湾曲部を有する細長タインを画定するような形状を有し、前記変形可能要素の前記把持状態において、前記アンカーは、前記湾曲部を径方向に押し付けることで、前記湾曲部を直線状にし、それに伴って前記変形可能要素を長手方向に長くするように構成される、請求項12に記載の装置。
15. 前記把持状態において、前記変形可能要素の遠位端は、前記アンカー送達チャネルの遠位端を越えて延伸する、請求項14に記載の装置。
16. 前記少なくとも1つの変形可能要素は、複数の細長タインを備え、前記アンカーは、前記複数の細長タインのそれぞれの前記湾曲部を径方向に押し付けるように構成される、請求項15に記載の装置。
17. 前記複数の細長タインの前記遠位端は、前記変形可能要素の前記把持状態において、前記インプラントの前記内壁との表面積接触を増大させるように構成される、請求項16に記載の装置。
18. 前記変形可能要素は、外側方向に移動可能な外側突起を画定するような形状を有し、
    前記変形可能要素の前記休止状態において、前記突起の最外側部が、前記アンカー送達チャネルの外側面と位置合わせされ、
    前記把持状態において、前記アンカーは、前記外側突起を径方向に押し付けることで、前記アンカー送達チャネルの前記外側面を越えて前記突起の前記最外側部を延伸させるように構成される、
    請求項12に記載の装置。
19. 前記少なくとも1つの変形可能要素は、複数の外側突起を備え、前記アンカーは、前記複数の外側突起を径方向に押し付けるように構成される、請求項18に記載の装置。
20. 前記複数の外側突起は、前記変形可能要素の前記把持状態において、前記インプラントの前記内壁との表面積接触を増大させるように構成される、請求項19に記載の装置。
21. 被験者の身体に進入させられることが可能であるような寸法を有するインプラントを、模擬心臓弁の模擬弁輪に沿って位置付けるステップと、
    前記インプラントに対してアンカー送達器具を進行させるステップであって、前記アンカー送達器具は、
    直径を有する管腔を画定するような形状を有するアンカー送達チャネルであって、前記インプラントの管腔内を移動可能な寸法を有するアンカー送達チャネルと、
    前記アンカー送達チャネルの遠位端部に配されたインプラント把持要素であって、前記アンカー送達チャネルを介した組織アンカーの埋め込みの間に、前記インプラントの内壁を可逆的に把持するように構成されたインプラント把持要素と
    を含む、進入させるステップと、
    前記インプラント把持要素を用いて前記インプラントの第1の部分を把持するステップと、
    前記第1の部分の前記把持の間に、前記アンカー送達チャネルを通して送達可能な前記組織アンカーを用いて、前記インプラントの前記第1の部分を前記模擬弁輪に留め付けるステップと
    を含む方法。
22. 前記模擬弁輪への前記インプラントの前記第1の部分の前記留め付けの後に、前記インプラントの前記第1の部分から前記インプラント把持要素を分離するステップと、
    前記アンカー送達チャネルを前記インプラントの第2の部分に移動させるステップと、
    前記インプラント把持要素を用いて前記インプラントの前記第2の部分を把持するステップと、
    前記第2の部分の前記把持の間に、前記アンカー送達チャネルを通して送達可能な第2の組織アンカーを用いて、前記インプラントの前記第2の部分を前記模擬弁輪に留め付けるステップと
    をさらに含む、請求項21に記載の方法。
23. 前記インプラント把持要素は、放射線不透過性材料を含む、請求項21または22に記載の方法。
24. 前記インプラントは、可撓性材料を含み、前記インプラントの前記可撓性材料は、前記チャネルの遠位部を収容する、請求項21から23のいずれか一項に記載の方法。
25. 前記インプラント把持要素は、複数の歯を含み、前記インプラントの前記第1の部分を把持するステップは、前記インプラントの前記第1の部分と前記アンカー送達チャネルとの間の摩擦を増大させるステップを含む、請求項21から24のいずれか一項に記載の方法。
26. 前記複数の歯は、前記アンカー送達チャネルの前記遠位端部に結合された円筒の遠位部から切り出され、前記インプラントの前記第1の部分を把持するステップは、前記複数の歯のそれぞれの遠位端と前記弁輪との間に前記インプラントの前記第1の部分を挟むステップを含む、請求項25に記載の方法。
27. 前記複数の歯の各々は、前記アンカー送達チャネルの前記遠位端部の長手軸と位置合わせされたそれぞれの細長要素を備え、
    前記インプラントの外側部は、前記複数の細長要素を取り囲み、
    前記細長要素は、互いに離隔され、
    前記インプラントの前記第1の部分を把持するステップは、前記細長要素によって前記インプラントの前記外側部を把持するステップを含む、
    請求項25に記載の方法。
28. 前記複数の歯の各々のそれぞれの遠位部は、前記インプラントを把持するように構成され、前記インプラントの前記第1の部分を把持するステップは、前記複数の歯のそれぞれの遠位端と前記弁輪との間に前記インプラントの前記第1の部分を挟むステップを含む、請求項25に記載の方法。
29. 前記インプラントは、編組布地を含み、前記インプラントの前記第1の部分を把持するステップは、前記複数の歯によって前記編組布地を可逆的に捕らえるステップを含む、請求項28に記載の方法。
30. 前記組織アンカーは、
    アンカーヘッドと、
    前記アンカーヘッドに結合された組織係合部材であって、前記アンカーヘッドから遠位方向に前記組織係合部材の遠位先端まで延伸し、前記アンカーを組織に留め付けるように構成された組織係合部材と
    を含み、
    前記インプラントの前記第1の部分を前記模擬弁輪に留め付けるステップは、前記アンカーヘッドおよび前記組織係合部材を含む前記組織アンカーを用いて前記第1の部分を留め付けるステップを含む、
    請求項21から29のいずれか一項に記載の方法。
31. 前記組織係合部材は、螺旋状組織係合部材を含み、
    前記インプラントの前記第1の部分を留め付けるステップは、前記インプラントの前記第1の部分に対して前記模擬弁輪に前記螺旋状組織係合部材をねじ込むステップを含み、
    前記インプラントの前記第1の部分を把持するステップは、前記インプラントの前記第1の部分に対する前記螺旋状組織係合部材の前記ねじ込みの間に、前記インプラント把持要素を用いて、前記インプラントの前記第1の部分を可逆的に把持し、前記インプラントのよじれを防止するステップを含む、
    請求項30に記載の方法。
32. 可撓性遠位部および遠位端を有する長手方向シャフトと、
    前記シャフトの前記遠位端に結合され、前記アンカーヘッドに可逆的に結合可能な配置要素と
    を含むアンカードライバを、前記アンカー送達チャネルの前記管腔を通して摺動させるステップをさらに含む、請求項30に記載の方法。
33. 前記インプラント把持要素は、変形可能要素に沿った前記組織アンカーの通過に応じて休止状態から把持状態へと形状を変化させるように構成された少なくとも1つの変形可能要素を含み、前記方法は、前記変形可能要素に沿って前記組織アンカーを通過させることにより前記変形可能要素の前記形状を変化させるステップをさらに含む、請求項30に記載の方法。
34. 前記インプラント把持要素は、前記アンカー送達チャネルの前記遠位端部に対して周方向に配された複数の変形可能要素を含む、請求項33に記載の方法。
35. 前記変形可能要素は、前記変形可能要素の前記休止状態において直線部および湾曲部を有する細長タインを画定するような形状を有し、前記変形可能要素に沿って前記組織アンカーを通過させるステップは、前記アンカーを前記湾曲部に径方向に押し付け、前記押し付けにより、前記変形可能要素が前記把持状態をとるように、前記湾曲部を直線状にし、それに伴って前記変形可能要素を長手方向に長くするステップを含む、請求項33に記載の方法。
36. 前記把持状態において、前記変形可能要素を長手方向に長くするステップは、前記アンカー送達チャネルの遠位端を越えて前記変形可能要素の遠位端を延伸させるステップを含む、請求項35に記載の方法。
37. 前記少なくとも1つの変形可能要素は、複数の細長タインを備え、前記アンカーを径方向に押し付けるステップは、前記複数の細長タインのそれぞれの前記湾曲部に前記アンカーを径方向に押し付けるステップを含む、請求項36に記載の方法。
38. 前記インプラントの前記第1の部分を把持するステップは、前記複数の細長タインの前記遠位端を用いて、前記変形可能要素の前記把持状態において前記インプラントの前記内壁との表面積接触を増大させるステップを含む、請求項37に記載の方法。
39. 前記変形可能要素は、外側方向に移動可能な外側突起を画定するような形状を有し、
    前記変形可能要素の前記休止状態において、前記突起の最外側部は、前記アンカー送達チャネルの外側面と位置合わせされ、
    前記把持状態において、前記アンカーは、前記外側突起を径方向に押し付けることで、前記アンカー送達チャネルの前記外側面を越えて前記突起の前記最外側部を延伸させるように構成され、
    前記変形可能要素に沿って前記組織アンカーを通過させるステップは、前記アンカーを前記外側突起に径方向に押し付け、前記押し付けにより、前記アンカー送達チャネルの前記外側面を越えて前記突起の前記最外側部を延伸させるステップを含む、
    請求項33に記載の方法。
40. 前記少なくとも1つの変形可能要素は、複数の外側突起を含み、前記アンカーを前記外側突起に押し付けるステップは、前記アンカーを前記複数の外側突起に径方向に押し付けるステップを含む、請求項39に記載の方法。
41. 前記アンカーを前記複数の外側突起に径方向に押し付けるステップは、前記変形可能要素の前記把持状態において、前記インプラントの前記内壁との表面積接触を増大させるステップを含む、請求項40に記載の方法。

Images