JP2022546060A - ポリアミド及び対応するポリマー組成物、物品並びに製造及び使用方法 - Google Patents
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Abstract
本明細書では、シクロヘキシル基を含有する脂環式モノマーを組み入れたポリアミド(PA)が記載される。意外にも、シクロヘキシル基を含有する脂環式モノマーを組み入れることによって、結果として生じるポリアミド(PA)は、脂環式モノマーを含まない両類似ポリアミドと比べて並びにイソフタル酸及びアジピン酸のどちらか又は両方と共重合させられた両PA6,T系ポリアミドと比べて、良好な機械的特性を維持しながら、著しく低下した吸水性を有することが発見された。【選択図】なし
Description
関連出願の相互参照
本出願は、2019年8月27日出願の、米国仮特許出願第62/892,042号に対する優先権を主張するものであり、この出願の全内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に援用される。
本出願は、2019年8月27日出願の、米国仮特許出願第62/892,042号に対する優先権を主張するものであり、この出願の全内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に援用される。
本発明は、改善された吸水特性及び良好な機械的特性を有するポリアミドに関する。本発明は更に、これらのポリアミドを含むポリマー組成物に関する。本発明はまた、そのようなポリマー及びポリマー組成物を含む物品に関する。
PA6,Tなどのポリアミドは、一般に、イソフタル酸又はアジピン酸などのコモノマーと重合させられている。そのようなポリアミドは、PA6,Tの傑出した機械的性能及び耐薬品性を有するが、コモノマーの存在のためにより低い温度で加工することができる。しかしながら、PA6へのイソフタル酸又はアジピン酸の組入れは、増加した吸湿性を有するポリアミドをもたらし、そのようなポリマーから形成される物品の寸法安定性を低下させる。したがって、低下した吸湿性を有しながら、PA6,T系コポリアミドの優れた機械的性能及び耐薬品性を有するポリアミドが必要とされている。
一態様において、本発明は、55モル%~75モル%のC4~C8脂肪族ジアミン、25モル%~45モル%のC9~C12脂肪族ジアミン、及び0モル%~10モル%のシクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンを含むジアミン成分(A)であって、モル%が、ジアミン成分(A)中のジアミンの全モル数に対するものであるジアミン成分(A)と、90モル%~100モル%のテレフタル酸、0モル%~10モル%のC6~C18脂肪族ジカルボン酸又はテレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸、及び0モル%~10モル%のシクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸を含むジカルボン酸成分(B)であって、モル%が、ジカルボン酸成分(B)中のジカルボン酸の全モル数に対するものであるジカルボン酸成分(B)と、0モル%~9モル%のシクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸であって、モル%が、ジカルボン酸成分(B)中のジカルボン酸の全モル数に対するものである脂環式アミノ酸とを含み、並びにここで、脂環式ジアミン、脂環式ジカルボン酸、及び脂環式アミノ酸の1つが、0.5モル%超の濃度を有する反応混合物(RM)の重縮合から形成されるポリアミド(PA)を指向する。いくつかの実施形態において、脂環式ジアミン、脂環式ジカルボン酸、及び脂環式アミノ酸の1つのみが0.5モル%超の濃度を有し、反応混合物(RM)は、シクロヘキシル基を含有する他の2つの脂環式モノマーを含まない。それに加えて又はその代わりに、いくつかの実施形態において、反応混合物(RM)は、C6~C18脂肪族ジカルボン酸又はテレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸を含まない。
別の態様において、本発明は、ポリアミド(PA)と、補強剤、強化剤、可塑剤、着色剤、顔料、帯電防止剤、染料、潤滑剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、ハロゲンを含まない難燃剤、核形成剤及び酸化防止剤、好ましくは、少なくともハロゲンを含まない難燃剤からなる群から選択される少なくとも1種の成分とを含む、ポリマー組成物(PC)を指向する。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、ポリマー組成物(PC)の総重量を基準として、10重量%~60重量%のガラス繊維を含む。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、30重量%~70重量%のポリアミド(PA)を含む。
本明細書では、シクロヘキシル基を含有する脂環式モノマーを組み入れたポリアミド(PA)が記載される。意外にも、シクロヘキシル基を含有する脂環式モノマーを組み入れることによって、結果として生じたポリアミド(PA)は、脂環シクモノマーを含まない両類似ポリアミドと比べて、並びにイソフタル酸及びアジピン酸のどちらか又は両方と共重合させられた両PA6,T系ポリアミドと比べて、良好な機械的特性を維持しながら、著しく低下した吸水性を有することが発見された。更に、意外にも、シクロヘキシル基を含有する脂環式モノマーの比較的低い濃度で、ポリアミド(PA)は、脂環式モノマーを含まない類似のポリアミドと比べて、高い溶融温度(「Tm」)及び結晶化温度(「Tc」)を維持しながら、著しく上昇したガラス転移温度(「Tg」)を有することが発見された。
ポリアミド(PA)は、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミン、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸、シクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸からなる群から選択される、シクロヘキシル基を含有する脂環式モノマーを含む、以下で詳細に記載されるような、反応混合物(RM)の重縮合から形成される。もちろん、いくつかの実施形態において、反応混合物(RM)は、シクロヘキシル基を含有する2種以上の異なる脂環式モノマーを含むことができ、ここで、各モノマーは、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミン、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸、シクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸から独立して選択される。
特に具体的に限定しない限り、用語「アルキル」、並びに「アルコキシ」、「アシル」及び「アルキルチオ」などの派生用語は、本明細書で用いるところでは、線状鎖、分岐鎖及び環状部分をそれらの範囲内に含む。アルキル基の例は、メチル、エチル、1-メチルエチル、プロピル、1,1-ジメチルエチル、及びシクロプロピルである。特に具体的に記述しない限り、各アルキル及びアリール基は、非置換であっても又はハロゲン、ヒドロキシ、スルホ、C1~C6アルコキシ、C1~C6アルキルチオ、C1~C6アシル、ホルミル、シアノ、C6~C15アリールオキシ若しくはC6~C15アリールから選択されるがそれらに限定されない1つ以上の置換基で置換されていてもよく、但し、置換基が立体的に適合性であり、且つ、化学結合及び歪みエネルギーの規則が満たされていることを条件とする。用語「ハロゲン」又は「ハロ」には、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が含まれ、フッ素が好ましい。
用語「アリール」は、フェニル、インダニル又はナフチル基を指す。アリール基は、1つ以上のアルキル基を含み得、この場合に「アルキルアリール」と呼ばれることもあり、例えば芳香族基と、2つのC1~C6基(例えばメチル又はエチル)とから構成され得る。アリール基は、また、1つ以上のヘテロ原子、例えばN、O又はSを含み得、この場合に「ヘテロアリール」基と呼ばれることもあり、これらのヘテロ芳香環は、他の芳香族系と縮合し得る。そのようなヘテロ芳香環には、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリダジル、ピリミジル、ピラジニル及びトリアジニル環構造が含まれるが、それらに限定されない。アリール又はヘテロアリール置換基は、非置換であっても又はハロゲン、ヒドロキシ、C1~C6アルコキシ、スルホ、C1~C6アルキルチオ、C1~C6アシル、ホルミル、シアノ、C6~C15アリールオキシ若しくはC6~C15アリールから選択されるがそれらに限定されない1つ以上の置換基で置換されていてもよく、但し、置換基が立体的に適合性であり、且つ、化学結合及びひずみエネルギーの規則が満たされていることを条件とする。
反応混合物
ポリアミド(PA)は、ジアミン成分(A)と、ジカルボン酸成分(B)と、アミノ酸成分(C)とを含む反応混合物(RM)の重縮合から形成される。ジアミン成分(A)は、55モル%~75モル%のC4~C8脂肪族ジアミン、25モル%~45モル%のC9~C12脂肪族ジアミン、及び0モル%~10モル%のシクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンを含み、ここで、モル%は、ジアミン成分(A)中のジアミンの全モル数に対するものである。ジカルボン酸成分(B)は、90モル%~100モル%のテレフタル酸、0モル%~10モル%のC6~C18脂肪族ジカルボン酸又はテレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸、及び0モル%~10モル%のシクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸を含み、ここで、モル%は、ジカルボン酸成分(B)中のジカルボン酸の全モル数に対するものである。アミノ酸成分(C)は、0モル%~9モル%のシクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸を含み、ここで、モル%は、ジカルボン酸成分(B)の全モル数に対するものである。明確にするために、C4~C8脂肪族ジアミン及びC9~C12脂肪族ジアミンは、線状若しくは分岐脂肪族ジアミンであることができる。好ましくは、C4~C8脂肪族ジアミン及びC9~C12脂肪族ジアミンは、両方とも線状脂肪族ジアミンである。同様に、C6~C18脂肪族ジカルボン酸は、線状若しくは分岐脂肪族ジカルボン酸であることができる。反応混合物(RM)において、好ましくは、ジアミン、ジカルボン酸及びアミノ酸の全濃度は、[-NH2]/[-COOH]が、0.9~1.1、好ましくは0.95~1.05であるように選択され、ここで、[-NH2]及び[-COOH]は、反応混合物(RM)中の、それぞれ、-NH2及び-COOH基のモル数である。
ポリアミド(PA)は、ジアミン成分(A)と、ジカルボン酸成分(B)と、アミノ酸成分(C)とを含む反応混合物(RM)の重縮合から形成される。ジアミン成分(A)は、55モル%~75モル%のC4~C8脂肪族ジアミン、25モル%~45モル%のC9~C12脂肪族ジアミン、及び0モル%~10モル%のシクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンを含み、ここで、モル%は、ジアミン成分(A)中のジアミンの全モル数に対するものである。ジカルボン酸成分(B)は、90モル%~100モル%のテレフタル酸、0モル%~10モル%のC6~C18脂肪族ジカルボン酸又はテレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸、及び0モル%~10モル%のシクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸を含み、ここで、モル%は、ジカルボン酸成分(B)中のジカルボン酸の全モル数に対するものである。アミノ酸成分(C)は、0モル%~9モル%のシクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸を含み、ここで、モル%は、ジカルボン酸成分(B)の全モル数に対するものである。明確にするために、C4~C8脂肪族ジアミン及びC9~C12脂肪族ジアミンは、線状若しくは分岐脂肪族ジアミンであることができる。好ましくは、C4~C8脂肪族ジアミン及びC9~C12脂肪族ジアミンは、両方とも線状脂肪族ジアミンである。同様に、C6~C18脂肪族ジカルボン酸は、線状若しくは分岐脂肪族ジカルボン酸であることができる。反応混合物(RM)において、好ましくは、ジアミン、ジカルボン酸及びアミノ酸の全濃度は、[-NH2]/[-COOH]が、0.9~1.1、好ましくは0.95~1.05であるように選択され、ここで、[-NH2]及び[-COOH]は、反応混合物(RM)中の、それぞれ、-NH2及び-COOH基のモル数である。
参照しやすいように、本明細書で以下に用いるところでは、ジアミンの濃度は、特に明記しない限り、ジアミン成分(A)中のジアミンの全モル数に対するその濃度を指す。同様に、本明細書で用いるところでは、ジカルボン酸の濃度は、ジカルボン酸成分(B)中のジカルボン酸の全モル数に対するその濃度を指す。それに加えて、本明細書で用いるところでは、アミノ酸の濃度は、ジカルボン酸成分(B)中の全モル数に対するその濃度を指す。本明細書で用いるところでは、反応混合物(RM)中のモノマーに関して「含まない」は、表示モノマーが、対応する成分中に0.5重量%未満、好ましくは0.1重量%未満の濃度を有することを意味ずる。例えば、反応混合物(RM)が、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンを含まない場合、ジアミン成分(A)中のその濃度は、0.5重量%未満、好ましくは0.1重量%未満である。
重要なことに、上で指摘されたように、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミン、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸、及びシクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸の1つは、0.5モル%超の濃度を有する。もちろん、いくつかの実施形態において、シクロヘキシル基を含有する脂環式モノマーの任意の2つ又は全てが0.5モル%超の濃度を有することができる。いくつかの実施形態において、シクロヘキシル基を含有する3つの脂環式モノマーの1つのみが0.5モル%超の濃度を有し、反応混合物(RM)は、シクロヘキシル基を含有する他の2つの脂環式モノマーのものである。
ジアミン成分(A)は、反応混合物(RM)中のジカルボン酸又はアミノ酸と重縮合してポリアミド(PA)の繰り返し単位を形成する反応混合物(RM)中の全てのジアミンを含む。同様に、ジカルボン酸成分(B)は、反応混合物(RM)中のジアミン又はアミノ酸と重縮合する反応混合物(RM)中のジカルボン酸を全て含む。更に、アミノ酸成分(C)は、反応混合物(RM)中のジアミン、ジカルボン酸、又はアミノ酸と重縮合する反応混合物(RM)中のアミノ酸の全てを含む。
いくつかの実施形態において、ジアミン成分(A)は、0.5モル%超~10モル%、好ましくは1モル%~10モル%のシクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンを含む。1つのそのような実施形態において、反応混合物(RM)は、C6~C18脂肪族ジカルボン酸又はテレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸及びシクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸を含まない。それに加えて又はその代わりに、いくつかの実施形態において、反応混合物(RM)は、追加のジアミン、追加のジカルボン酸及び追加のアミノ酸を含まない。明確にするために、追加のモノマーは、上で定義されたような反応混合物(RM)において明白に列挙されなかったモノマーを指す。
いくつかの実施形態において、ジカルボン酸成分(B)は、0.5モル%超~10モル%、好ましくは1モル%~10モル%のシクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸を含む。1つのそのような実施形態において、反応混合物(RM)は、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミン、C6~C18脂肪族ジカルボン酸又はテレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸、及びシクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸を含まない。それに加えて又はその代わりに、いくつかの実施形態において、反応混合物(RM)は、追加のジアミン、追加のジカルボン酸及び追加のアミノ酸を含まない。
いくつかの実施形態において、アミノ酸成分(C)は、0.5モル%超~10モル%、好ましくは1モル%~10モル%のシクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸を含む。1つのそのような実施形態において、反応混合物(RM)は、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミン、C6~C18脂肪族ジカルボン酸又はテレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸、及びシクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸を含まない。それに加えて又はその代わりに、いくつかの実施形態において、反応混合物(RM)は、追加のジアミン、追加のジカルボン酸及び追加のアミノ酸を含まない。
ジアミン成分(A)
ジアミン成分(A)は、55モル%~75モル%のC4~C8脂肪族ジアミン、25モル%~45モル%のC9~C12脂肪族ジアミン及び0モル%~10モル%のシクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンを含む。
ジアミン成分(A)は、55モル%~75モル%のC4~C8脂肪族ジアミン、25モル%~45モル%のC9~C12脂肪族ジアミン及び0モル%~10モル%のシクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンを含む。
いくつかの実施形態において、C4~C8脂肪族ジアミン及びC9~C12ジアミンは、それぞれ、以下の式:
H2N-R1-NH2、(1)及び
H2N-R2-NH2、(2)
(式中、R1は、C4~C8脂肪族アルキル、好ましくはC6脂肪族アルキル基であり、R2は、C9~C12脂肪族アルキル基、好ましくはC10脂肪族アルキル基である)
で表される。いくつかの実施形態において、C4~C8脂肪族ジアミンは、1,4-ジアミノブタン(「プトレシン」)、1,5-ジアミノペンタン(「カダベリン」)、2-メチル-1,5-ジアミノペンタン、ヘキサメチレンジアミン(「HMDA」)、3-メチルヘキサメチレンジアミン、2,5-ジメチルヘキサメチレンジアミン、1,7-ジアミノヘプタン及び1,8-ジアミノオクタンからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、C9~C12脂肪族ジアミンは、2,2,4-トリメチル-ヘキサメチレンジアミン、2,4,4-トリメチル-ヘキサメチレンジアミン、2-エチル-1,7-ジアミノヘプタン、2-メチル-1,8-ジアミノオクタン、2,2,7,7-テトラメチルオクタメチレンジアミン、1,9-ジアミノノナン、2-メチル-1,8-ジアミノオクタン、5-メチル-1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、及び1,12-ジアミノドデカンからなる群から選択される。好ましくは、C4~C8脂肪族ジアミンはHMDAである。好ましくは、C9~C12脂肪族ジアミンは1,10-ジアミノデカンである。最も好ましくは、C4~C8脂肪族ジアミンはHMDAであり、C9~C12脂肪族ジアミンは1,10ジアミノデカンである。
H2N-R1-NH2、(1)及び
H2N-R2-NH2、(2)
(式中、R1は、C4~C8脂肪族アルキル、好ましくはC6脂肪族アルキル基であり、R2は、C9~C12脂肪族アルキル基、好ましくはC10脂肪族アルキル基である)
で表される。いくつかの実施形態において、C4~C8脂肪族ジアミンは、1,4-ジアミノブタン(「プトレシン」)、1,5-ジアミノペンタン(「カダベリン」)、2-メチル-1,5-ジアミノペンタン、ヘキサメチレンジアミン(「HMDA」)、3-メチルヘキサメチレンジアミン、2,5-ジメチルヘキサメチレンジアミン、1,7-ジアミノヘプタン及び1,8-ジアミノオクタンからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、C9~C12脂肪族ジアミンは、2,2,4-トリメチル-ヘキサメチレンジアミン、2,4,4-トリメチル-ヘキサメチレンジアミン、2-エチル-1,7-ジアミノヘプタン、2-メチル-1,8-ジアミノオクタン、2,2,7,7-テトラメチルオクタメチレンジアミン、1,9-ジアミノノナン、2-メチル-1,8-ジアミノオクタン、5-メチル-1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、及び1,12-ジアミノドデカンからなる群から選択される。好ましくは、C4~C8脂肪族ジアミンはHMDAである。好ましくは、C9~C12脂肪族ジアミンは1,10-ジアミノデカンである。最も好ましくは、C4~C8脂肪族ジアミンはHMDAであり、C9~C12脂肪族ジアミンは1,10ジアミノデカンである。
いくつかの実施形態において、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンは、以下の式:
(式中、R3及びR4は、結合及びC1~C10アルキル基からなる群から独立して選択され、R’は、各位置において、アルキル、アリール、アルカリ若しくはアルカリ土類金属スルホネート、アルキルスルホネート、及び四級アンモニウムからなる群から独立して選択され、各iは、0~10から独立して選択される整数である)
の1つで表される。式(3)において、好ましくは、-R3-NH2及び-R4-NH2基は、メタ位(1,3-)又はパラ位(1,4-)、最も好ましくはメタ位に相対的に配置される。いくつかの実施形態において、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンは、イソホロンジアミン、1,3-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、ビス-p-アミノシクロヘキシルメタン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(「1,3-BAC」)、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(「1,4-BAC」)、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン及びビス(4-アミノシクロヘキシル)メタンからなる群から選択される。好ましくは、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンは、1,3-BAC又は1,4-BACであり、最も好ましくは、1,3-BACである。もちろん、式(3)に従ったシクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミン(例えば1,3-BAC及び1,4-BAC)は、シス又はトランス配座にあることができる。したがって、ジアミン成分(A)は、シス異性体のみ、トランス異性体のみ、又はシス異性体とトランス異性体との混合物を含むことができる。
の1つで表される。式(3)において、好ましくは、-R3-NH2及び-R4-NH2基は、メタ位(1,3-)又はパラ位(1,4-)、最も好ましくはメタ位に相対的に配置される。いくつかの実施形態において、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンは、イソホロンジアミン、1,3-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、ビス-p-アミノシクロヘキシルメタン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(「1,3-BAC」)、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(「1,4-BAC」)、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン及びビス(4-アミノシクロヘキシル)メタンからなる群から選択される。好ましくは、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンは、1,3-BAC又は1,4-BACであり、最も好ましくは、1,3-BACである。もちろん、式(3)に従ったシクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミン(例えば1,3-BAC及び1,4-BAC)は、シス又はトランス配座にあることができる。したがって、ジアミン成分(A)は、シス異性体のみ、トランス異性体のみ、又はシス異性体とトランス異性体との混合物を含むことができる。
いくつかの実施形態において、C4~C8脂肪族ジアミンの濃度は、60モル%~70モル%である。いくつかの実施形態において、C9~C12脂肪族ジアミンの濃度は、30モル%~45モル%、好ましくは25モル%~38モル%、より好ましくは30モル%~38モル%である。いくつかの実施形態において、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンの濃度は、1モル%~10モル%、好ましくは3モル%~10モル%である。いくつかの実施形態において、反応混合物(RM)は、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンを含まない。
いくつかの実施形態において、C4~C8脂肪族ジアミン、C9~C12脂肪族ジアミン及びシクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンの全濃度は、少なくとも90モル%、少なくとも95モル%、少なくとも98モル%、少なくとも99モル%、少なくとも99.5モル%又は少なくとも99.9モル%である。いくつかの実施形態において、ジアミン成分(A)は、それぞれ互いに異なる、並びにC4~C8脂肪族ジアミン、C9~C12脂肪族ジアミン及びシクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンとは異なる追加のジアミンを含むことができる。追加のジアミンを含むいくつかのそのような実施形態において、C4~C8脂肪族ジアミン、C9~C12脂肪族ジアミン、及びシクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンの全濃度は、全て上で与えられた対応する範囲内である。追加のジアミンを含む他のそのような実施形態において、各追加のジアミンの濃度は、C4~C8脂肪族ジアミン、C9~C12脂肪族ジアミン、及びシクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンに関して上で与えられた範囲とは異なる。
ジカルボン酸成分(B)
ジカルボン酸成分(B)は、90モル%~100モル%のテレフタル酸、0モル%~10モル%のC6~C18脂肪族ジカルボン酸又はテレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸、及び0モル%~10モル%のシクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸を含む。
ジカルボン酸成分(B)は、90モル%~100モル%のテレフタル酸、0モル%~10モル%のC6~C18脂肪族ジカルボン酸又はテレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸、及び0モル%~10モル%のシクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸を含む。
いくつかの実施形態において、C6~C18脂肪族ジカルボン酸は、2,2-ジメチル-グルタル酸[HOOC-C(CH3)2-(CH2)2-COOH]、アジピン酸[HOOC-(CH2)4-COOH]、2,4,4-トリメチル-アジピン酸[HOOC-CH(CH3)-CH2-C(CH3)2-CH2-COOH]、ピメリン酸[HOOC-(CH2)5-COOH]、スベリン酸[HOOC-(CH2)6-COOH]、アゼライン酸[HOOC-(CH2)7-COOH]、セバシン酸[HOOC-(CH2)8-COOH]、ウンデカン二酸[HOOC-(CH2)9-COOH]、ドデカン二酸[HOOC-(CH2)10-COOH]、トリデカン二酸[HOOC-(CH2)11-COOH]、テトラデカン二酸[HOOC-(CH2)12-COOH]、ペンタデカン二酸[HOOC-(CH2)13-COOH]、ヘキサデカン二酸[HOOC-(CH2)14-COOH]、及びオクタデカン二酸[HOOC-(CH2)16-COOH]からなる群から選択される。好ましくは、C6~C18脂肪族ジカルボン酸は、アジピン酸又はセバシン酸、最も好ましくはアジピン酸である。
いくつかの実施形態において、テレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸は、イソフタル酸(「IA」)などの、及びテレフタル酸(「TA」)を排除する、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸(例えばナフタレン-2,6-ジカルボン酸)、4,4’-ビ安息香酸、2,5-ピリジンジカルボン酸、2,4-ピリジンジカルボン酸、3,5-ピリジンジカルボン酸、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)ケトン、4,4’-ビス(4-カルボキシフェニル)スルホン、2,2-ビス(3-カルボキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(3-カルボキシフェニル)ケトン、ビス(3-カルボキシフェノキシ)ベンゼンからなる群から選択される。好ましくは、C8~C18芳香族ジカルボン酸は、ナフタレンジカルボン酸又は4,4’-ビ安息香酸である。
いくつかの実施形態において、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸は、以下の式:
(式中、R’’は、各位置において、アルキル、アリール、アルカリ若しくはアルカリ土類金属スルホネート、アルキルスルホネート、及び四級アンモニウムからなる群から独立して選択され、jは、0~10の整数である)
で表される。式(5)において、好ましくは、-C-COOH基は、メタ位(1,3-)又はパラ位(1,4-)、最も好ましくはパラ位に相対的に配置される。いくつかの実施形態において、シクロヘキシル基を含有する脂環式カルボン酸は、シクロヘキサンジカルボン酸(「CHDA」)、好ましくは1,3-CHDA又は1,4-CHDA、最も好ましくは1,4-CHDAである。
で表される。式(5)において、好ましくは、-C-COOH基は、メタ位(1,3-)又はパラ位(1,4-)、最も好ましくはパラ位に相対的に配置される。いくつかの実施形態において、シクロヘキシル基を含有する脂環式カルボン酸は、シクロヘキサンジカルボン酸(「CHDA」)、好ましくは1,3-CHDA又は1,4-CHDA、最も好ましくは1,4-CHDAである。
いくつかの実施形態において、テレフタル酸の濃度は、92モル%~100モル%、好ましくは93モル%~100モル%である。いくつかの実施形態において、C6~C18脂肪族ジカルボン酸又はテレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸の濃度は、0モル%~0.5モル%、好ましくは0モル%~0.1モル%である。いくつかの実施形態において、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸の濃度は、3モル%~9モル%である。いくつかの実施形態において、ジカルボン酸成分(B)は、(i)C6~C18脂肪族線状及び分岐ジカルボン酸又はテレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸並びに(ii)シクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸の1つ又は両方を含まない。
いくつかの実施形態において、テレフタル酸、C6~C18脂肪族ジカルボン酸又はテレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸、及びシクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸の全濃度は、少なくとも90モル%、少なくとも95モル%、少なくとも98モル%、少なくとも99モル%、少なくとも99.5モル%又は少なくとも99.9モル%である。いくつかの実施形態において、ジカルボン酸成分(B)は、それぞれ互いに及びテレフタル酸、C6~C18の脂肪族ジカルボン酸又はテレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸、及びシクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸とは異なる、追加のジカルボン酸を含むことができる。追加のジカルボン酸を含むいくつかのそのような実施形態において、C6~C18脂肪族ジカルボン酸又はテレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸の全濃度及びシクロヘキシル基を含有する全濃度脂環式ジカルボン酸は、上で与えられた対応する範囲内にある。追加のジカルボン酸を含む他のそのような実施形態において、各追加のジカルボン酸の濃度は、C6~C18脂肪族ジカルボン酸又はテレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸及びシクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸に関して上で与えられた範囲とは異なる。
アミノ酸成分(C)
アミノ酸成分(C)には、0モル%~9モル%のシクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸が含まれる。
アミノ酸成分(C)には、0モル%~9モル%のシクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸が含まれる。
いくつかの実施形態において、シクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸は、以下の式:
(式中、R5は、C1~C3アルキル基、好ましくはC1アルキル基である)
で表される。好ましくは、シクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸は、4-アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸(「4-AMCC」)である。もちろん、式(6)に従った脂環式アミノ酸は、シス又はトランス配座にあることができる。したがって、アミノ酸成分(C)は、シス異性体のみ、トランス異性体のみ又はシス異性体とトランス異性体との混合物を含むことができる。
で表される。好ましくは、シクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸は、4-アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸(「4-AMCC」)である。もちろん、式(6)に従った脂環式アミノ酸は、シス又はトランス配座にあることができる。したがって、アミノ酸成分(C)は、シス異性体のみ、トランス異性体のみ又はシス異性体とトランス異性体との混合物を含むことができる。
いくつかの実施形態において、シクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸の濃度は、1モル%~9モル%、好ましくは3モル%~9モル%である。いくつかの実施形態において、反応混合物(RM)は、シクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸を含まない。いくつかのそのような実施形態において、アミノ酸成分(C)は、シクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸とは異なる追加のアミノ酸を含有しても含有しなくてもよい。いくつかの実施形態において、反応混合物(RM)は、アミノ酸を含まない。
いくつかの実施形態において、シクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸の全濃度は、アミノ酸成分(C)中のアミノ酸の総量に対して少なくとも90モル%、少なくとも95モル%、少なくとも98モル%、少なくとも99モル%、少なくとも99.5モル%又は少なくとも99.9モル%である。いくつかの実施形態において、アミノ酸成分(C)は、それぞれ互いに及びC8~C10脂環式アミノ酸とは異なる、追加のアミノ酸を含むことができる。追加のアミノ酸を含むいくつかのそのような実施形態において、シクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸の全濃度は、上で与えられた対応する範囲内にある。追加のアミノ酸を含む他のそのような実施形態において、各追加のC8~C10脂環式アミノ酸の濃度は、シクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸に関して上で与えられた範囲とは異なる。
ポリアミド(PA)合成
本明細書で記載されるポリアミド(PA)は、ポリアミド及びポリフタルアミドの合成に適応した任意の従来法によって調製することができる。好ましくは、ポリアミド(PA)は、60重量%未満、優先的には50重量%未満の水の存在下で、少なくともTm+10℃の温度(Tmは、ポリアミド(PA)の溶融温度である)以下でモノマーを反応させる(加熱する)ことによって調製され、ここで、重量%は、反応混合物(RM)の総重量に対するものである。
本明細書で記載されるポリアミド(PA)は、ポリアミド及びポリフタルアミドの合成に適応した任意の従来法によって調製することができる。好ましくは、ポリアミド(PA)は、60重量%未満、優先的には50重量%未満の水の存在下で、少なくともTm+10℃の温度(Tmは、ポリアミド(PA)の溶融温度である)以下でモノマーを反応させる(加熱する)ことによって調製され、ここで、重量%は、反応混合物(RM)の総重量に対するものである。
本明細書で記載されるポリアミド(PA)は、例えば、モノマー及びコモノマーの水溶液の熱重縮合(重縮合又は縮合とも言われる)によって調製することができる。一実施形態において、ポリアミド(PA)は、反応混合物(RM)中で、ジアミンと、ジカルボン酸とアミノ酸とを反応させることによって形成される。いくつかの実施形態において、ジアミン成分(A)中のジアミンの全モル数は、ジカルボン酸成分(B)中のジカルボン酸の全モル数と実質的に等モルである。本明細書で用いるところでは、実質的に等モルは、示されたモル数の±15%である値を意味する。例えば、反応混合物(RM)のそれぞれのジアミン成分(A)及びジカルボン酸成分(B)中のジアミン及びジカルボン酸の濃度との関連において、ジアミン成分(A)中のジアミンの全モル数は、ジカルボン酸成分(B)中のジカルボン酸の全モル数の±15%である。重要なことに、上で述べられたように、反応混合物(RM)において、ジアミン、ジカルボン酸及びアミノ酸の全濃度は、[-NH2]/[-COOH]が0.9~1.1、好ましくは0.95~1.05であるように選択される。ポリアミド(PA)は、アミン部分又はカルボン酸部分と反応することができる一官能性分子であり、及びポリアミド(PA)の分子量を制御するために使用される、鎖制限剤を含有し得る。例えば、鎖制限剤は、酢酸、プロピオン酸、安息香酸及び/又はベンジルアミンであることができる。触媒も使用することができる。触媒の例は、亜リン酸、オルト-リン酸、メタ-リン酸、次亜リン酸ナトリウムなどのアルカリ金属次亜リン酸塩及びフェニルホスフィン酸である。ホスファイトなどの、安定剤も使用され得る。
ポリアミド(PA)
ポリアミド(PA)は、ジアミン成分(A)中のジアミンと、ジカルボン酸成分(B)中のジカルボン酸と、存在する場合、アミノ酸成分(C)中のアミノ酸との重縮合から形成された、3つの繰り返し単位(RPA1)~(RPA3)を含む。もちろん、ポリアミド(PA)は、繰り返し単位(RPA1)~(RPA3)とは異なる、追加の繰り返し単位を有することができる。
ポリアミド(PA)は、ジアミン成分(A)中のジアミンと、ジカルボン酸成分(B)中のジカルボン酸と、存在する場合、アミノ酸成分(C)中のアミノ酸との重縮合から形成された、3つの繰り返し単位(RPA1)~(RPA3)を含む。もちろん、ポリアミド(PA)は、繰り返し単位(RPA1)~(RPA3)とは異なる、追加の繰り返し単位を有することができる。
いくつかの実施形態において、繰り返し単位(RPA1)及び(RPA2)は、それぞれ、以下の式:
で表され、繰り返し単位RPA3は、以下の式:
(式中、R1、R2及びR5は、上で定義されており、n1~n3は、それぞれ、繰り返し単位(RPA1)~(RPA3)のモル%であり、Tは、以下の式:
のいずれか1つで表され、
ここで、R3、R4、R’及びiは、上で定義されており、「*」は、式(8)における2つの明示窒素原子のうちの1つへの結合を示す)
のいずれか1つで表される。好ましくは、Tは、式(10)で表され、好ましくはここで、-R4-基は、-R3-基に対してメタ(1,3-)位にある。それに加えて又はその代わりに、いくつかの実施形態において、各iはゼロである。一実施形態において、繰り返し単位(RPA1)及び(RPA2)は、HMDA及び1,10-ジアミノデカンとテレフタル酸との重縮合から形成される。1つのそのような実施形態において、繰り返し単位(RPA3)は、1,3-BACか1,4-BACのどちらか、好ましくは1,3-BACと、テレフタル酸との重縮合から形成される。別のそのような実施形態において、繰り返し単位(RPA3)は、4-AMCCの重縮合から形成される。好ましくは、n1+n2+n3は、少なくとも50モル%、少なくとも60モル%、少なくとも70モル%、少なくとも80モル%、少なくとも90モル%、少なくとも95モル%、又は少なくとも99モル%である。本明細書で用いるところでは、繰り返し単位の濃度は、特に明記しない限り、ポリアミド(PA)中の繰り返し単位の総数に対する濃度を指す。例えば、上で記載された繰り返し単位(RPA1)~(RPA3)に関しては、n1+n2+n3≦100モル%である。
ここで、R3、R4、R’及びiは、上で定義されており、「*」は、式(8)における2つの明示窒素原子のうちの1つへの結合を示す)
のいずれか1つで表される。好ましくは、Tは、式(10)で表され、好ましくはここで、-R4-基は、-R3-基に対してメタ(1,3-)位にある。それに加えて又はその代わりに、いくつかの実施形態において、各iはゼロである。一実施形態において、繰り返し単位(RPA1)及び(RPA2)は、HMDA及び1,10-ジアミノデカンとテレフタル酸との重縮合から形成される。1つのそのような実施形態において、繰り返し単位(RPA3)は、1,3-BACか1,4-BACのどちらか、好ましくは1,3-BACと、テレフタル酸との重縮合から形成される。別のそのような実施形態において、繰り返し単位(RPA3)は、4-AMCCの重縮合から形成される。好ましくは、n1+n2+n3は、少なくとも50モル%、少なくとも60モル%、少なくとも70モル%、少なくとも80モル%、少なくとも90モル%、少なくとも95モル%、又は少なくとも99モル%である。本明細書で用いるところでは、繰り返し単位の濃度は、特に明記しない限り、ポリアミド(PA)中の繰り返し単位の総数に対する濃度を指す。例えば、上で記載された繰り返し単位(RPA1)~(RPA3)に関しては、n1+n2+n3≦100モル%である。
いくつかの実施形態において、ポリアミド(PA)は、4つ繰り返し単位:上で与えられたような、繰り返し単位(RPA1)及び(RPA2)、並びに、それぞれ、以下の式:
(式中、R1、R2、R’’、及びjは、上で定義されており、及び式中、n1~n4は、それぞれ、繰り返し単位(RPA1)~(RPA4)のモル%(n1+n2+n3+n4≦100モル%)である)
で表される繰り返し単位(RPA3)及び(RPA4)を含む。好ましくは、式(12)及び(13)のそれぞれにおいて、シクロヘキシル環についての明示-COO-基は、パラ(1,4-)位に相対的に配置されている。それに加えて又はその代わりに、いくつかの実施形態において、jはゼロである。一実施形態において、繰り返し単位(RPA1)及び(RPA2)は、HMDA及び1,10-ジアミノデカンとテレフタル酸との重縮合から形成され、繰り返し単位(RPA3)及び(RPA4)は、HMDA及び1,10-ジアミノデカンと1,4-CHDAとの重縮合から形成される。好ましくは、n1+n2+n3+n4は、少なくとも50モル%、少なくとも60モル%、少なくとも70モル%、少なくとも80モル%、少なくとも90モル%、少なくとも95モル%、又は少なくとも99モル%である。
で表される繰り返し単位(RPA3)及び(RPA4)を含む。好ましくは、式(12)及び(13)のそれぞれにおいて、シクロヘキシル環についての明示-COO-基は、パラ(1,4-)位に相対的に配置されている。それに加えて又はその代わりに、いくつかの実施形態において、jはゼロである。一実施形態において、繰り返し単位(RPA1)及び(RPA2)は、HMDA及び1,10-ジアミノデカンとテレフタル酸との重縮合から形成され、繰り返し単位(RPA3)及び(RPA4)は、HMDA及び1,10-ジアミノデカンと1,4-CHDAとの重縮合から形成される。好ましくは、n1+n2+n3+n4は、少なくとも50モル%、少なくとも60モル%、少なくとも70モル%、少なくとも80モル%、少なくとも90モル%、少なくとも95モル%、又は少なくとも99モル%である。
いくつかの実施形態において、ポリアミド(PA)は、1,000g/モル~40,000g/モル、2,000g/モル~35,000g/モル、4,000~30,000g/モル、又は5,000g/モル~20,000g/モルの数平均分子量Mnを有する。数平均分子量Mnは、ポリスチレン標準物質を使ってASTM D5296を用いるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定することができる。
ポリアミド(PA)は半結晶性である。本明細書で用いるところでは、半結晶性ポリアミドは、20℃/分の加熱速度で1グラム当たり少なくとも5ジュール(J/g)の融解熱(「ΔHf」)を含む。同様に、本明細書で用いるところでは、非晶性ポリアミドは、20C/分の加熱速度で5J/g未満のΔHfを含む。ΔHfは、ASTM D3418に従って測定することができる。いくつかの実施形態において、ΔHfは、少なくとも20J/g、少なくとも30J/g又は少なくとも40J/gである。
いくつかの実施形態において、ポリアミド(PA)は、少なくとも100℃、少なくとも110℃、又は少なくとも115℃のTgを有する。それに加えて又はその代わりに、いくつかの実施形態において、ポリアミド(PA)は、200℃以下、180℃以下、160℃以下、150℃以下、140℃以下、又は135℃以下のTgを有する。いくつかの実施形態において、ポリアミド(PA)は、100℃~150℃、110℃~140℃、又は115℃~135℃のTgを有する。いくつかの実施形態において、ポリアミド(PA)は、100℃~200℃、110℃~180℃、又は115℃~160℃のTgを有する。いくつかの実施形態において、ポリアミド(PA)は、少なくとも290℃、少なくとも300℃、又は少なくとも310℃の溶融温度(「Tm」)を有する。それに加えて又はその代わりに、いくつかの実施形態において、ポリアミド(PA)は、360℃以下、350℃以下、又は340℃以下のTmを有する、いくつかの実施形態においてポリアミド(PA)は、290℃~360℃、300℃~350℃、又は310℃~340℃のTmを有する。Tg及びTmは、ASTM D3418に従って測定することができる。
ポリマー組成物(PC)
ポリマー組成物(PC)は、ポリアミド(PA)を含む。ポリアミド(PA)は、ポリマー組成物(PC)の総重量を基準として、30重量%超、35重量%超、40重量%超又は45重量%超の総量でポリマー組成物(PC)中に存在し得る。ポリアミド(PA)は、ポリマー組成物(PC)の総重量を基準として、99.95重量%未満、99重量%未満、95重量%未満、90重量%未満、80重量%未満、70重量%未満又は60重量%未満の総量で組成物(PC)中に存在し得る。ポリアミド(PA)は、例えば、ポリマー組成物(PC)の総重量を基準として35~60重量%、例えば40~55重量%の範囲の量でポリマー組成物(PC)中に存在し得る。
ポリマー組成物(PC)は、ポリアミド(PA)を含む。ポリアミド(PA)は、ポリマー組成物(PC)の総重量を基準として、30重量%超、35重量%超、40重量%超又は45重量%超の総量でポリマー組成物(PC)中に存在し得る。ポリアミド(PA)は、ポリマー組成物(PC)の総重量を基準として、99.95重量%未満、99重量%未満、95重量%未満、90重量%未満、80重量%未満、70重量%未満又は60重量%未満の総量で組成物(PC)中に存在し得る。ポリアミド(PA)は、例えば、ポリマー組成物(PC)の総重量を基準として35~60重量%、例えば40~55重量%の範囲の量でポリマー組成物(PC)中に存在し得る。
ポリマー組成物(PC)は、また、補強剤、強化剤、可塑剤、着色剤、顔料、帯電防止剤、染料、潤滑剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、ハロゲンを含まない難燃剤、核形成剤及び酸化防止剤からなる群から選択される1種の成分を含み得る。好ましくは、ポリマー組成物(PC)は、少なくともハロゲンを含まない難燃剤、補強剤(例えばガラス繊維)、又は両方を含む。
補強繊維又は充填剤とも呼ばれる、広い選択肢の補強剤が、本発明による組成物に添加され得る。それらは、繊維補強剤及び粒子補強剤から選択することができる。繊維補強充填剤は、本明細書では、平均長さが幅及び厚さの両方よりも著しく大きい、長さ、幅及び厚さを有する材料であると考えられる。一般に、そのような材料は、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20又は少なくとも50の、長さと最大の幅及び厚さとの間の平均比として定義される、アスペクト比を有する。いくつかの実施形態において、補強繊維(例えばガラス繊維又は炭素繊維)は、3mm~50mmの平均長さを有する。いくつかのそのような実施形態において、補強繊維は、3mm~10mm、3mm~8mm、3mm~6mm、又は3mm~5mmの平均長さを有する。代わりの実施形態において、補強繊維は、10mm~50mm、10mm~45mm、10mm~35mm、10mm~30mm、10mm~25mm又は15mm~25mmの平均長さを有する。補強繊維の平均長さは、ポリマー組成物(PC)に組み入れられる前の補強繊維の平均長さとして考えることができるか或いはポリマー組成物(PC)中の補強繊維の平均長さとして考えることができる。
補強充填剤は、鉱物充填剤(タルク、マイカ、カオリン、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの)、ガラス繊維、炭素繊維、合成ポリマー繊維、アラミド繊維、アルミニウム繊維、チタン繊維、マグネシウム繊維、炭化ホウ素繊維、ロックウール繊維、スチール繊維及びウォラストナイトから選択され得る。
繊維充填剤の中で、ガラス繊維が好ましく、それらには、Additives for Plastics Handbook,2nd edition,John Murphyの5.2.3章、43~48頁に記載されているような、チョップドストランドA-、E-、C-、D-、S-及びR-ガラス繊維が含まれる。好ましくは、充填剤は、繊維充填剤から選択される。充填剤は、より好ましくは、高温用途に耐えることができる補強繊維である。
補強剤は、ポリマー組成物(PC)の総重量を基準として、15重量%超、20重量%超、25重量%超又は30重量%超の総量で組成物(PC)中に存在し得る。補強剤は、ポリマー組成物(PC)の総重量を基準として、65重量%未満、60重量%未満、55重量%未満又は50重量%未満の総量でポリマー組成物(PC)中に存在し得る。補強充填剤は、例えば、ポリマー組成物(PC)の総重量を基準として、20~60重量%、例えば30~50重量%の範囲の量でポリマー組成物(PC)中に存在し得る。
ポリマー組成物(PC)は、また、強化剤を含み得る。強化剤は、一般に、例えば室温未満、0℃未満又は更に-25℃未満のTgの、低ガラス転移温度(Tg)ポリマーである。その低いTgの結果として、強化剤は、典型的には、室温でエラストマー性である。強化剤は、官能化されたポリマー主鎖であることができる。強化剤のポリマー主鎖は、ポリエチレン及びそれらのコポリマー、例えばエチレン-ブテン、エチレン-オクテン、ポリプロピレン及びそれらのコポリマー、ポリブテン、ポリイソプレン、エチレン-プロピレン-ゴム(EPR)、エチレン-プロピレン-ジエンモノマーゴム(EPDM)、エチレン-アクリレートゴム、ブタジエン-アクリロニトリルゴム、エチレン-アクリル酸(EAA)、エチレン-酢酸ビニル(EVA)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンゴム(ABS)、ブロックコポリマースチレンエチレンブタジエンスチレン(SEBS)、ブロックコポリマースチレンブタジエンスチレン(SBS)、メタクリレート-ブタジエン-スチレン(MBS)タイプのコア-シェルエラストマー、又は上記の1種以上の混合物を含むエラストメリック主鎖から選択することができる。
強化剤が官能化されている場合、主鎖の官能化は、官能基を含むモノマーの共重合に由来する又はさらなる成分でのポリマー主鎖のグラフト化に由来することができる。官能化された強化剤の具体的な例としては、エチレンと、アクリル酸エステルとグリシジルメタクリレートとのターポリマー、エチレンとブチルエステルアクリレートとのコポリマー、エチレンと、ブチルエステルアクリレートとグリシジルメタクリレートとのコポリマー、エチレン-無水マレイン酸コポリマー、無水マレイン酸でグラフトされたEPR、無水マレイン酸でグラフトされたスチレンコポリマー、無水マレイン酸でグラフトされたSEBSコポリマー、無水マレイン酸でグラフトされたスチレン-アクリロニトリルコポリマー、無水マレイン酸でグラフトされたABSコポリマーが挙げられるが、それらに限定されない。
強化剤は、ポリマー組成物(PC)の総重量を基準として、1重量%超、2重量%超又は3重量%超の総量でポリマー組成物(PC)中に存在し得る。強化剤は、ポリマー組成物(PC)の総重量を基準として、30重量%未満、20重量%未満、15重量%未満又は10重量%未満の総量でポリマー組成物(PC)中に存在し得る。
ポリマー組成物(PC)は、また、可塑剤、着色剤、顔料(例えば、カーボンブラック及びニグロシンなどの黒色顔料)、帯電防止剤、染料、潤滑剤(例えば、線状低密度ポリエチレン、ステアリン酸カルシウム若しくはマグネシウム又はモンタン酸ナトリウム)、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、核形成剤及び酸化防止剤などの、当技術分野において一般に使用される他の従来の添加剤を含み得る。
ポリマー組成物(PC)は、また、1種以上の他のポリマー、好ましくは本発明のポリアミド(PA)とは異なるポリアミドを含み得る。とりわけ、脂肪族ポリアミド、半芳香族ポリアミド、及びより一般的には芳香族若しくは脂肪族飽和二酸と、脂肪族飽和若しくは芳香族第一級ジアミン、ラクタム、アミノ酸又はこれらの異なるモノマーの混合物との間の重縮合によって得られるポリアミドなどの、半結晶性又は非晶性ポリアミドを挙げることができる。
ポリマー組成物(PC)の調製
本発明は、更に、上で詳述されたようなポリマー組成物(PC)の製造方法であって、前記方法が、ポリアミド(PA)と、特定の成分、例えば充填剤、強化剤、安定剤、及び任意の他の任意選択の添加剤とを溶融ブレンドする工程を含む方法に関する。
本発明は、更に、上で詳述されたようなポリマー組成物(PC)の製造方法であって、前記方法が、ポリアミド(PA)と、特定の成分、例えば充填剤、強化剤、安定剤、及び任意の他の任意選択の添加剤とを溶融ブレンドする工程を含む方法に関する。
本発明に関連するポリマー成分と非ポリマー成分とを混合するために任意の溶融ブレンド法が用いられ得る。例えば、ポリマー成分及び非ポリマー成分は、一軸スクリュー押出機若しくは二軸スクリュー押出機、撹拌機、一軸スクリュー若しくは二軸スクリューニーダー、又はバンバリーミキサーなどの、溶融ミキサーへ供給され得、添加ステップは、全ての成分の同時添加又はバッチ式での段階的添加であり得る。ポリマー成分及び非ポリマー成分がバッチ式で徐々に添加される場合、ポリマー成分及び/又は非ポリマー成分の一部が先ず添加され、次いで、十分に混合された組成物が得られるまで、その後に添加される残りのポリマー成分及び非ポリマー成分と溶融混合される。補強剤が長い物理的形状を示す場合(例えば、長いガラス繊維)、延伸押出成形が、補強された組成物を調製するために用いられ得る。
物品及び用途
ポリアミド(PA)及びポリマー組成物(PC)は、望ましくは物品へ組み入れることができる。
ポリアミド(PA)及びポリマー組成物(PC)は、望ましくは物品へ組み入れることができる。
物品は、とりわけ、携帯用エレクトロニクス、LEDパッケージング、石油及びガス構成部品、食品接触構成部品(食品フィルム及びケーシングを含むが、それらに限定されない)、電気及び電子構成部品(コンピューティング、データシステム及びオフィス設備用の電源装置構成部品、並びに表面実装技術相溶性コネクタ及び接点を含むが、これらに限定されない)、医療機器構成部品、建設構成部品(冷却及び加熱システム用のパイプ、コネクタ、マニホールド及びバルブ、ボイラー及びメーターの構成部品、ガスシステムパイプ及び付属品、並びにミニサーキットブレーカー用の電気保護装置、コンタクタ、スイッチ、及びソケットを含むが、これらに限定されない)、産業用構成部品、配管構成部品(パイプ、バルブ、付属品、マニホールド、シャワータップ及びシャワーバルブを含むが、これらに限定されない)、自動車構成部品、並びに航空宇宙用構成部品(インテリアキャビン構成部品を含むが、これらに限定されない)において使用することができる。
物品は、例えば、携帯用電子デバイス構成部品であることができる。本明細書で用いるところでは、「携帯用電子デバイス」は、様々な場所で便利に運ばれる、且つ、使用されることを意図される電子デバイスを指す。携帯用電子デバイスとしては、携帯電話、携帯情報端末(「PDA」)、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ウェアラブルコンピューティングデバイス(例えば、スマートウォッチ、スマートグラス等)、カメラ、携帯オーディオプレーヤー、携帯ラジオ、全地球測位システム受信機、及び携帯ゲームコンソールを挙げることができるが、それらに限定されない。
携帯用電子デバイス構成部品には、例えば、無線アンテナ及び本組成物(C)が含まれ得る。この場合に、無線アンテナは、WiFiアンテナ又はRFIDアンテナであることができる。携帯用電子デバイス構成部品は、また、アンテナハウジングであり得る。
いくつかの実施形態において、携帯用電子デバイス構成部品は、アンテナハウジングである。いくつかのそのような実施形態において、無線アンテナの少なくとも一部は、ポリマー組成物(PC)上に配置される。それに加えて又はその代わりに、無線アンテナの少なくとも一部は、ポリマー組成物(PC)から外すことができる。いくつかの実施形態において、デバイス構成部品は、取付け穴又は他の締結デバイス(それ自体と、回路基板、マイクロホン、スピーカー、ディスプレイ、バッテリー、カバー、ハウジング、電気若しくは電子コネクタ、ヒンジ、無線アンテナ、スイッチ、又はスイッチパッドを含むが、それらに限定されない、携帯用電子デバイスの別の構成部品との間のスナップフィットコネクタを含むが、それらに限定されない)を持った取付け構成部品のものであることができる。いくつかの実施形態において、携帯用電子デバイスは、入力デバイスの少なくとも一部であることができる。
電気及び電子デバイスの例は、コネクタ、コンタクタ及びスイッチである。
ポリアミド(PA)又はポリマー組成物(PC)及びそれらから調製された物品は、単層若しくは多層物品において、包装用途向けのガスバリア材料としても使用され得る。
石油及びガス構成部品の例としては、コンプレッサーリング、ポペット、バックアップシールリング、電気コネクタ、ラビリンスシール、モーターエンドプレート、ベアリング、ブッシング、サックロッドガイド及びダウンホールチュービングが挙げられるが、それらに限定されない。
自動車構成部品の例としては、熱管理システムにおける構成部品(サーモスタットハウジング、水入口/出口バルブ、水ポンプ、水ポンプインペラ、並びにヒーターコア及びエンドキャップを含むが、それらに限定されない)、空気管理システム構成部品(ターボチャージャーアクチュエータ、ターボチャージャーバイパスバルブ、ターボチャージャーホース、EGRバルブ、CACハウジング、排気ガス再循環システム、電子制御スロットルバルブ、及び熱風ダクトを含むが、それらに限定されない)、トランスミッション構成部品及びランチデバイス構成部品(デュアルクラッチトランスミッション、自動化マニュアルトランスミッション、連続可変トランスミッション、自動トランスミッション、トルクコンバーター、デュアルマスフライホイール、パワーテイクオフ、クラッチシリンダー、シールリング、スラストワッシャー、スラストベアリング、ニードルベアリング、及びチェックボールを含むが、それらに限定されない)、自動車用電子部品、自動車用照明部品(モーターエンドキャップ、センサー、ECUハウジング、ボビン及びソレノイド、コネクタ、回路保護/リレー、アクチュエータハウジング、Liイオンバッテリーシステム、並びにヒューズボックスを含むが、それらに限定されない)、トラクションモーター及びパワーエレクトロニック構成部品(バッテリーパックを含むが、それらに限定されない)、燃料及び選択的触媒還元(「SCR」)システム(SCRモジュールハウジング及びコネクタ、SCRモジュールハウジング及びコネクタ、燃料フランジ、ロールオーバーバルブ、クイックコネクト、フィルターハウジング、燃料レール、燃料供給モジュール、燃料ホース、燃料ポンプ、燃料インジェクターOリング、及び燃料ホースを含むが、それらに限定されない)、流体システム構成部品(例えば燃料システム構成部品)(入口及び出口バルブ並びに流体ポンプ構成部品を含むが、それらに限定されない)、インテリア構成部品(例えばダッシュボード構成部品、ディスプレイ構成部品、及び設置構成部品)、並びに構造成分及び軽量化構成部品(例えばギア及びベアリング、サンルーフ、ブラケット及びマウント、電気バッテリーハウジング、熱管理構成部品、ブレーキシステム要素、並びにポンプ及びEGRシステム)が挙げられるが、それらに限定されない。
物品は、ポリアミド(PA)又はポリマー組成物(PC)から、熱可塑性樹脂に適応した任意のプロセス、例えば押出、射出成形、ブロー成形、回転成形又は圧縮成形によって成形することができる。
物品は、ポリアミド(PA)又はポリマー組成物(PC)から、例えばフィラメントの形態にある、材料の押出のステップを含むプロセスによって、又はこの場合には粉末の形態にある、材料のレーザー焼結のステップを含むプロセスによって印刷することができる。
いくつかの実施形態において、ポリアミド(PA)又はポリマー組成物(PC)は、望ましくは3次元印刷アプリケーションへ組み入れることができる。1つのアプリケーションは、付加製造システムを使った3次元(「3D」)物体の製造方法であって、本発明のポリアミド(PA)又はポリマー組成物(PC)を含む部品材料を提供する工程と、部品材料から3次元物体の層を印刷する工程とを含む方法を指向する。
ポリアミド(PA)又はポリマー組成物(PC)は、それ故、3D印刷のプロセス、例えば、熱溶解積層法(「FDM」)としても知られる、溶融フィラメント製造法に使用されるスレッド又はフィラメントの形態にあることができる。
ポリアミド(PA)又はポリマー組成物(PC)は、また、3D印刷のプロセス、例えば選択的レーザー焼結(SLS)に使用される、粉末、例えば実質的に球状粉末の形態にあることができる。
ポリアミド(PA)又はポリマー組成物(PC)は、複合材料へ組み入れることができる。複合材料は、熱可塑性マトリックスに埋め込まれた連続補強繊維を含む。いくつかの実施形態において、連続補強繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、アルミニウム繊維、チタン繊維、マグネシウム繊維、炭化ホウ素繊維、ロックウール繊維、スチール繊維、アラミド繊維、天然繊維(例えばコットン、リネン、及び木材)、並びにそれらの1つ以上の任意の組合せから選択される。好ましくは、連続補強繊維は、ガラス繊維又は炭素繊維である。本明細書で用いるところでは、連続補強繊維は、少なくとも5ミリメートル(「mm」)、少なくとも10mm、少なくとも25mm又は少なくとも50mmの、最長寸法における平均長さを有する補強繊維である。熱可塑性樹脂マトリックスは、ポリアミド(PA)又はポリマー組成物(PC)を含む。複合材料は、一方向複合材料(例えば、テープ)又は多方向複合材料(例えば、織布、マット、若しくは層状布)であることができる。
ポリアミド(PA)、ポリマー組成物(PC)及び物品の使用
いくつかの実施形態において、ポリアミド(PA)、ポリマー組成物(PC)又は物品は、上記のような、携帯用電子デバイス構成部品を製造するために使用することができる。
いくつかの実施形態において、ポリアミド(PA)、ポリマー組成物(PC)又は物品は、上記のような、携帯用電子デバイス構成部品を製造するために使用することができる。
ポリアミド(PA)又はポリマー組成物(PC)は、また、物体を3D印刷するために使用することができる。
以下の実施例は、熱及び吸湿性能本ポリアミド(PA)を実証するものである。本実施例で用いるところでは、「E」は本発明の実施例実施形態を意味し、「CE」は反例を意味する。
原材料
- HMDA:Ascend Performance Materialsから入手(70%)
- 1,10-ジアミノデカン(「DMDA」):Solvay(Novecare)から入手
- 1,3-BAC:三菱ガス化学株式会社から入手
- テレフタル酸(「TA」):Flint Hills Resourcesから入手
- イソフタル酸(「IA」):Flint Hills Resourcesから入手
- アジピン酸(「AA」):Invistaから入手
- 1,4-CHDA:Eastman Chemical Companyから入手
- 4-AMCC:Sigma-Aldrichから入手
- PA 6,T/6,6 65/35:Solvay Specialty Polymers USA,L.L.C.から入手
- PA10,T/10,I:Kingfaから入手(Vicnyl(登録商標)6100)
- PA9,T:クラレから入手(GenestarTMGC 61210)
- 衝撃改質剤:Kraton Corporationから入手(KratonTMFG1901 GT、30%のポリスチレン含量のスチレン及びエチレン/ブチレンをベースとする線状トリブロックコポリマー)
- ガラス繊維::細断E-ガラス繊維(日本電気硝子株式会社製のNEG HP 3610)
- 添加剤パッケージ:離型剤、酸化防止剤及びタルクからなる
- HMDA:Ascend Performance Materialsから入手(70%)
- 1,10-ジアミノデカン(「DMDA」):Solvay(Novecare)から入手
- 1,3-BAC:三菱ガス化学株式会社から入手
- テレフタル酸(「TA」):Flint Hills Resourcesから入手
- イソフタル酸(「IA」):Flint Hills Resourcesから入手
- アジピン酸(「AA」):Invistaから入手
- 1,4-CHDA:Eastman Chemical Companyから入手
- 4-AMCC:Sigma-Aldrichから入手
- PA 6,T/6,6 65/35:Solvay Specialty Polymers USA,L.L.C.から入手
- PA10,T/10,I:Kingfaから入手(Vicnyl(登録商標)6100)
- PA9,T:クラレから入手(GenestarTMGC 61210)
- 衝撃改質剤:Kraton Corporationから入手(KratonTMFG1901 GT、30%のポリスチレン含量のスチレン及びエチレン/ブチレンをベースとする線状トリブロックコポリマー)
- ガラス繊維::細断E-ガラス繊維(日本電気硝子株式会社製のNEG HP 3610)
- 添加剤パッケージ:離型剤、酸化防止剤及びタルクからなる
実施例1-ポリアミド及びポリマー組成物の合成
この実施例は、ポリアミドの合成を実証する。
この実施例は、ポリアミドの合成を実証する。
表1に示されるコポリアミドの全てを、圧力調整弁を装着した留出物ラインを備えた1ガロンのオートクレーブ反応器を用いて以下の類似のプロセスに従って調製した。一例として、コポリアミドE1の調製において、反応器に、283gのDI水、173gのヘキサメチレンジアミン(70%)、116gの1,10-ジアミノデカン、242gのテレフタル酸、22gの1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1.9gの酢酸及び0.16gの亜リン酸を装入した。反応器を密封し、窒素でパージし、260℃に加熱した。内圧を120psigに保つために、発生した水蒸気をゆっくりと放出した。温度を320℃に上げた。反応混合物を320℃に保ち、反応器圧力を大気圧まで低下させた。追加の60分間保持した後、ポリマーを反応器から排出した。
以下のプロセスも用いて、E1の調製のための以下の方法と類似して、より大量のコポリアミドを調製した:撹拌バッチ式容器に、33.7kgの脱イオン水、21.58kgの70%ヘキサメチレンジアミン、14.47kgの1,10-ジアミノデカンからなるジアミン成分と、30.11kgのテレフタル酸及び2.71kgの1,4-シクロヘキサンジカルボン酸からなるジカルボン酸成分とを装入した。反応器に、また、17.03gの亜リン酸及び360.30gの氷酢酸を装入した。上記の混合物を150℃で加熱することによって塩溶液を得た。内容物を、約180psig及び220℃に維持された反応器ゾーンに、次いで300℃に維持された高圧ゾーンに、その後350℃に加熱された100psigでの管状反応器を通して連続的にポンプ送液した。溶融体を、前方真空ベントを備えた二軸スクリュー押出機へ供給した。完成ポリマーを、ストランドダイを通して水浴へ押し出し、細断してペレットにした。
サンプルパラメータを表1に示す。分かりやすくするために、表1の「ポリアミド」列において、数字接頭辞をなくした。例えば、1,3-BACは、表1の「ポリアミド」列においてBACと言われる。
それに加えて、ポリマー組成物を、表1のポリマー、並びに他のポリアミドから形成して機械的性能を実証した。サンプルパラメータを表1Aに示す(全ての値は、重量%単位である)。組成物に使用されたポリアミドE5は、ASTM D5225に従って測定されるように1.15dL/gの固有粘度(IV)を有する。
実施例2-熱的性能
熱的性能を実証するために、Tm、Tg、Tc、溶融のエンタルピ-(「Hm」)及び結晶化のエンタルピー(「Hc」)を測定した。Tm及びTgは、上記のように測定した。Tc、Hm及びHcは、ASTM D3418に従って測定した。ニート樹脂についての吸水率(表2を参照されたい)は、次の通りに測定した:2インチ直径及び1/8インチ厚さのディスクを成形した。このディスクサンプルを、沸騰水中に入れ、それらの重量を、それらが一定になるまで定期的に監視した。パーセント吸水率は、((重量最終-重量初期)×100)/(重量初期)として計算した。表2Aに報告される吸水率は、ASTM D570に従って測定した。
熱的性能を実証するために、Tm、Tg、Tc、溶融のエンタルピ-(「Hm」)及び結晶化のエンタルピー(「Hc」)を測定した。Tm及びTgは、上記のように測定した。Tc、Hm及びHcは、ASTM D3418に従って測定した。ニート樹脂についての吸水率(表2を参照されたい)は、次の通りに測定した:2インチ直径及び1/8インチ厚さのディスクを成形した。このディスクサンプルを、沸騰水中に入れ、それらの重量を、それらが一定になるまで定期的に監視した。パーセント吸水率は、((重量最終-重量初期)×100)/(重量初期)として計算した。表2Aに報告される吸水率は、ASTM D570に従って測定した。
表2に言及すると、比較CE1、CE2及びE1は、意外にも、比較的少量の1,4-CHDA(8モル%)をPA 6T/10Tへ導入すると、高いTm及びTcを維持しながら、Tg(5℃)を著しく上昇させることを実証する。他方で、より大量の1,4-CHDA(20モル%)を導入すると、PA 6T/10Tと比べて、Tg及びTmを両方とも低下させる。更に、比較CE2及びE3は、少量の4-AMCCが、高いTm及びTcを維持しながら、PA 6T/10TコポリマーのTg(7℃)を著しく上昇させることを示す。CE2及びE4の比較は、比較的少量の1,3-BAC(5モル%)が、高いTg及びTcを維持しながらPA 6T/10TコポリマーのTg(7℃)を著しく上昇させることを示す。
シクロヘキシル基を含有する少量の脂環式モノマー含有モノマーを含有する実施例E1、E3、E4とは違って、剛性に優れると通常予期される、イソフタル酸(CE3)などの少量の芳香族含有二酸の添加は、Tg(4℃)及びTmを低下させる。
実施例3:機械的性能
機械的性能を実証するために、引張応力、引張歪み、溶接引張応力及び溶接引張歪みを、ISO 527に従って測定した。機械的特性は、溶接ラインの効果を評価するために、ワンゲート(「標準」)及びツーゲート(「溶接」)で射出成形したサンプルに関して測定した。結果を表3に示す。
機械的性能を実証するために、引張応力、引張歪み、溶接引張応力及び溶接引張歪みを、ISO 527に従って測定した。機械的特性は、溶接ラインの効果を評価するために、ワンゲート(「標準」)及びツーゲート(「溶接」)で射出成形したサンプルに関して測定した。結果を表3に示す。
表3に言及すると、E6及びE7は、概して、例CE8~CE11と比べて、改善された機械的特性を有した。組成物E6に使用された樹脂E5は、組成物CE10及びCE11の樹脂よりも低い含量のフレキシブル長鎖ジアミンからなるが、組成物E6は、組成物CE10及びCE11と比較してより高い強度を有し、且つ、意外にもより高い伸び及び溶接ライン強度を示す。これらの改善された機械的特性は、エラストマーが組成物E7に導入される場合に保たれる。
上記の実施形態は、例示的であり、且つ、限定的でないことが意図される。追加の実施形態は、本発明の概念内である。加えて、本発明は、特定の実施形態に関連して記載されているが、当業者は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく形態及び詳細において変更を加え得ることを認めるであろう。上記の公文書の参照によるいかなる援用も、本明細書での明白な開示に反する主題は援用されないように限定される。
関連出願の相互参照
本出願は、2020年8月25日出願の、国際出願第PCT/EP2020/073751号の国内段階エントリーであり、2019年8月27日出願の、米国仮特許出願第62/892,042号に対する優先権を主張するものであり、その全内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に援用される。
本出願は、2020年8月25日出願の、国際出願第PCT/EP2020/073751号の国内段階エントリーであり、2019年8月27日出願の、米国仮特許出願第62/892,042号に対する優先権を主張するものであり、その全内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に援用される。
改善された吸水特性及び良好な機械的特性を有するポリアミドが提供され、本ポリアミドを含むポリマー組成物、並びにそのようなポリマー及びポリマー組成物を含む物品が同じように提供される。
PA6,Tなどのポリアミドは、一般に、イソフタル酸又はアジピン酸などのコモノマーと重合されている。そのようなポリアミドは、PA6,Tの傑出した機械的性能及び耐薬品性を有するが、コモノマーの存在のためにより低い温度で加工することができる。しかしながら、PA6へのイソフタル酸又はアジピン酸の組入れは、増加した吸湿性を有するポリアミドをもたらし、そのようなポリマーから形成される物品の寸法安定性を低下させる。したがって、低下した吸湿性を有しながら、PA6,T系コポリアミドの優れた機械的性能及び耐薬品性を有するポリアミドが必要とされている。
一態様において、ポリアミド(PA)が提供される。ポリアミド(PA)は、55モル%~75モル%のC4~C8脂肪族ジアミン、25モル%~45モル%のC9~C12脂肪族ジアミン、及び0モル%~10モル%のシクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンを含むジアミン成分(A)であって、モル%が、ジアミン成分(A)中のジアミンの全モル数に対するものであるジアミン成分(A)と、90モル%~100モル%のテレフタル酸、0モル%~10モル%のC6~C18脂肪族ジカルボン酸又はテレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸、及び0モル%~10モル%のシクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸を含むジカルボン酸成分(B)であって、モル%が、ジカルボン酸成分(B)中のジカルボン酸の全モル数に対するものであるジカルボン酸成分(B)と、0モル%~9モル%のシクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸であって、モル%が、ジカルボン酸成分(B)中のジカルボン酸の全モル数に対するものである脂環式アミノ酸とを含み、並びにここで、脂環式ジアミン、脂環式ジカルボン酸、及び脂環式アミノ酸の1つが、0.5モル%超の濃度を有する反応混合物(RM)の重縮合から形成される。いくつかの実施形態において、脂環式ジアミン、脂環式ジカルボン酸、及び脂環式アミノ酸の1つのみが、反応混合物中で0.5モル%超の濃度を有し、反応混合物(RM)は、シクロヘキシル基を含有する他の2つの脂環式モノマーを含まない。それに加えて又はその代わりに、いくつかの実施形態において、反応混合物(RM)は、C6~C18脂肪族ジカルボン酸及び/又はテレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸を含まない。
別の態様において、ポリマー組成物(PC)が提供される。ポリマー組成物(PC)は、ポリアミド(PA)と、補強剤、強化剤、可塑剤、着色剤、顔料、帯電防止剤、染料、潤滑剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤(ハロゲンを含まない難燃剤などの)、核形成剤及び酸化防止剤からなる群から選択される少なくとも1種の成分とを含む、好ましくは、ポリマー組成物(PC)は、少なくともハロゲンを含まない難燃剤を含む。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、ポリマー組成物(PC)の総重量を基準として、10重量%~60重量%のガラス繊維を含む。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、30重量%~99.95重量%のポリアミド(PA)を含む。
本明細書では、シクロヘキシル基を含有する脂環式モノマーを組み入れたポリアミド(PA)が記載される。意外にも、シクロヘキシル基を含有する脂環式モノマーを組み入れることによって、結果として生じたポリアミド(PA)は、脂環シクモノマーを含まない両類似ポリアミド、並びにイソフタル酸及びアジピン酸のどちらか又は両方と共重合されたPA6,T系ポリアミドと比べて、良好な機械的特性を維持しながら、著しく低下した吸水性を有することが発見された。更に、意外にも、シクロヘキシル基を含有する脂環式モノマーの比較的低い濃度で、ポリアミド(PA)は、シクロヘキシル基を含有する脂環式モノマーを含まない類似のポリアミドと比べて、高い溶融温度(「Tm」)及び結晶化温度(「Tc」)を維持しながら、著しく上昇したガラス転移温度(「Tg」)を有することが発見された。
ポリアミド(PA)は、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミン、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸、及びシクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸からなる群から選択される、シクロヘキシル基を含有する脂環式モノマーを含む、以下で詳細に記載されるような、反応混合物(RM)の重縮合から形成される。もちろん、いくつかの実施形態において、反応混合物(RM)は、シクロヘキシル基を含有する2種以上の異なる脂環式モノマーを含むことができ、ここで、各脂環式モノマーは、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミン、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸、及びシクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸から独立して選択される。
特に具体的に限定しない限り、用語「アルキル」、並びに「アルコキシ」、「アシル」及び「アルキルチオ」などの派生用語は、本明細書で用いるところでは、線状鎖、分岐鎖及び環状部分をそれらの範囲内に含む。アルキル基の例は、メチル、エチル、1-メチルエチル、プロピル、1,1-ジメチルエチル、及びシクロプロピルである。特に具体的に記述しない限り、各アルキル及びアリール基は、非置換であっても又はハロゲン、ヒドロキシ、スルホ、C1~C6アルコキシ、C1~C6アルキルチオ、C1~C6アシル、ホルミル、シアノ、C6~C15アリールオキシ若しくはC6~C15アリールから選択されるがそれらに限定されない1つ以上の置換基で置換されていてもよく、但し、置換基が立体的に適合性であり、且つ、化学結合及び歪みエネルギーの規則が満たされていることを条件とする。用語「ハロゲン」又は「ハロ」には、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が含まれ、フッ素が好ましい。
用語「アリール」は、フェニル、インダニル又はナフチル基を指す。アリール基は、1つ以上のアルキル基を含み得、この場合に「アルキルアリール」と言われることもあり;例えば芳香族基と、2つのC1~C6基(例えばメチル又はエチル)とから構成され得る。アリール基は、また、1つ以上のヘテロ原子、例えばN、O又はSを含み得、この場合に「ヘテロアリール」基と言われることもあり;これらのヘテロ芳香環は、他の芳香族系と縮合し得る。そのようなヘテロ芳香環には、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリダジル、ピリミジル、ピラジニル及びトリアジニル環構造が含まれるが、それらに限定されない。アリール又はヘテロアリール置換基は、非置換であっても又はハロゲン、ヒドロキシ、C1~C6アルコキシ、スルホ、C1~C6アルキルチオ、C1~C6アシル、ホルミル、シアノ、C6~C15アリールオキシ若しくはC6~C15アリールから選択されるがそれらに限定されない1つ以上の置換基で置換されていてもよく、但し、置換基が立体的に適合性であり、且つ、化学結合及びひずみエネルギーの規則が満たされていることを条件とする。
反応混合物
ポリアミド(PA)は、ジアミン成分(A)と、ジカルボン酸成分(B)と、アミノ酸成分(C)とを含む反応混合物(RM)の重縮合から形成される。ジアミン成分(A)は、55モル%~75モル%のC4~C8脂肪族ジアミン、25モル%~45モル%のC9~C12脂肪族ジアミン、及び0モル%~10モル%のシクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンを含み、ここで、モル%は、ジアミン成分(A)中のジアミンの全モル数に対するものである。ジカルボン酸成分(B)は、90モル%~100モル%のテレフタル酸、0モル%~10モル%のC6~C18脂肪族ジカルボン酸又はテレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸、及び0モル%~10モル%のシクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸を含み、ここで、モル%は、ジカルボン酸成分(B)中のジカルボン酸の全モル数に対するものである。アミノ酸成分(C)は、0モル%~9モル%のシクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸を含み、ここで、モル%は、ジカルボン酸成分(B)の全モル数に対するものである。明確にするために、C4~C8脂肪族ジアミン及びC9~C12脂肪族ジアミンは、線状若しくは分岐脂肪族ジアミンであることができる。好ましくは、C4~C8脂肪族ジアミン及びC9~C12脂肪族ジアミンは、両方とも線状脂肪族ジアミンである。同様に、C6~C18脂肪族ジカルボン酸は、線状若しくは分岐脂肪族ジカルボン酸であることができる。反応混合物(RM)において、ジアミン、ジカルボン酸、及び任意選択のアミノ酸の各濃度は、[-NH2]/[-COOH]が、0.9~1.1、好ましくは0.95~1.05であるように選択され、ここで、[-NH2]及び[-COOH]は、反応混合物(RM)中の、それぞれ、-NH2及び-COOH基のモル数である。
ポリアミド(PA)は、ジアミン成分(A)と、ジカルボン酸成分(B)と、アミノ酸成分(C)とを含む反応混合物(RM)の重縮合から形成される。ジアミン成分(A)は、55モル%~75モル%のC4~C8脂肪族ジアミン、25モル%~45モル%のC9~C12脂肪族ジアミン、及び0モル%~10モル%のシクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンを含み、ここで、モル%は、ジアミン成分(A)中のジアミンの全モル数に対するものである。ジカルボン酸成分(B)は、90モル%~100モル%のテレフタル酸、0モル%~10モル%のC6~C18脂肪族ジカルボン酸又はテレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸、及び0モル%~10モル%のシクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸を含み、ここで、モル%は、ジカルボン酸成分(B)中のジカルボン酸の全モル数に対するものである。アミノ酸成分(C)は、0モル%~9モル%のシクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸を含み、ここで、モル%は、ジカルボン酸成分(B)の全モル数に対するものである。明確にするために、C4~C8脂肪族ジアミン及びC9~C12脂肪族ジアミンは、線状若しくは分岐脂肪族ジアミンであることができる。好ましくは、C4~C8脂肪族ジアミン及びC9~C12脂肪族ジアミンは、両方とも線状脂肪族ジアミンである。同様に、C6~C18脂肪族ジカルボン酸は、線状若しくは分岐脂肪族ジカルボン酸であることができる。反応混合物(RM)において、ジアミン、ジカルボン酸、及び任意選択のアミノ酸の各濃度は、[-NH2]/[-COOH]が、0.9~1.1、好ましくは0.95~1.05であるように選択され、ここで、[-NH2]及び[-COOH]は、反応混合物(RM)中の、それぞれ、-NH2及び-COOH基のモル数である。
参照しやすいように、本明細書で以下に用いるところでは、ジアミンの濃度は、特に明記しない限り、ジアミン成分(A)中のジアミンの全モル数に対するその濃度を指す。同様に、本明細書で用いるところでは、ジカルボン酸の濃度は、ジカルボン酸成分(B)中のジカルボン酸の全モル数に対するその濃度を指す。それに加えて、本明細書で用いるところでは、アミノ酸の濃度は、ジカルボン酸成分(B)中のジカルボン酸の全モル数に対するその濃度を指す。本明細書で用いるところでは、反応混合物(RM)中のモノマーに関して「含まない」は、表示モノマーが、反応混合物中に0.5モル%未満、好ましくは0.1モル%未満の濃度を有することを意味ずる。例えば、反応混合物(RM)が、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンを含まない場合、反応混合物(RM)中のその濃度は、0.5モル%未満、好ましくは0.1モル%未満である。
重要なことに、上で指摘されたように、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミン、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸、及びシクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸の1つは、反応混合物(RM)中0.5モル%超の濃度を有する。もちろん、いくつかの実施形態において、シクロヘキシル基を含有する脂環式モノマーの任意の2つ又は全てが反応混合物(RM)中0.5モル%超の濃度を有することができる。いくつかの実施形態において、シクロヘキシル基を含有する3つの脂環式モノマーの1つのみが0.5モル%超の濃度を有し、反応混合物(RM)は、シクロヘキシル基を含有する他の2つの脂環式モノマーを含まない。
ジアミン成分(A)は、反応混合物(RM)中の全てのジアミンを含む。同様に、ジカルボン酸成分(B)は、反応混合物(RM)中の全てのジカルボン酸を含み、アミノ酸成分は、反応混合物(RM)中のアミノ酸の全てを含む。
いくつかの実施形態において、ジアミン成分(A)は、0.5モル%~10モル%、好ましくは1モル%~10モル%のシクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンを含む。1つのそのような実施形態において、反応混合物(RM)は、C6~C18脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸及び/又はシクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸を含まない。いくつかのそのような実施形態において、反応混合物(RM)は、追加のジアミン、追加のジカルボン酸及び追加のアミノ酸を含まない。明確にするために、追加のモノマーは、上で定義されたような反応混合物(RM)において明白に列挙されなかったモノマーを指す。
いくつかの実施形態において、ジカルボン酸成分(B)は、0.5モル%~10モル%、好ましくは1モル%~10モル%のシクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸を含む。1つのそのような実施形態において、反応混合物(RM)は、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミン、C6~C18脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸、及び/又はシクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸を含まない。いくつかのそのような実施形態において、反応混合物(RM)は、上で定義されたような反応混合物(RM)に関連して明確に列挙されたもの以外の、追加のジアミン、追加のジカルボン酸及び追加のアミノ酸を含まない。
いくつかの実施形態において、アミノ酸成分(C)は、0.5モル%~10モル%、好ましくは1モル%~10モル%のシクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸を含む。1つのそのような実施形態において、反応混合物(RM)は、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミン、C6~C18脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸、及び/又はシクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸を含まない。いくつかのそのような実施形態において、反応混合物(RM)は、上に定義したような反応混合物(RM)との関連で明示的に述べた追加のジアミン、追加のジカルボン酸及び追加のアミノ酸を含まない。
ジアミン成分(A)
ジアミン成分(A)は、55モル%~75モル%のC4~C8脂肪族ジアミン、25モル%~45モル%のC9~C12脂肪族ジアミン及び0モル%~10モル%のシクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンを含む。
ジアミン成分(A)は、55モル%~75モル%のC4~C8脂肪族ジアミン、25モル%~45モル%のC9~C12脂肪族ジアミン及び0モル%~10モル%のシクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンを含む。
いくつかの実施形態において、C4~C8脂肪族ジアミン及びC9~C12ジアミンは、それぞれ、以下の式(1)及び(2):
H2N-R1-NH2、(1)及び
H2N-R2-NH2、(2)
(式中、R1は、C4~C8脂肪族アルキル、好ましくはC6脂肪族アルキル基であり、R2は、C9~C12脂肪族アルキル基、好ましくはC10脂肪族アルキル基である)
で表される。いくつかの実施形態において、C4~C8脂肪族ジアミンは、1,4-ジアミノブタン(「プトレシン」)、1,5-ジアミノペンタン(「カダベリン」)、2-メチル-1,5-ジアミノペンタン、ヘキサメチレンジアミン(「HMDA」)、3-メチルヘキサメチレンジアミン、2,5-ジメチルヘキサメチレンジアミン、1,7-ジアミノヘプタン及び1,8-ジアミノオクタンからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、C9~C12脂肪族ジアミンは、2,2,4-トリメチル-ヘキサメチレンジアミン、2,4,4-トリメチル-ヘキサメチレンジアミン、2-エチル-1,7-ジアミノヘプタン、2-メチル-1,8-ジアミノオクタン、2,2,7,7-テトラメチルオクタメチレンジアミン、1,9-ジアミノノナン、2-メチル-1,8-ジアミノオクタン、5-メチル-1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、及び1,12-ジアミノドデカンからなる群から選択される。好ましくは、C4~C8脂肪族ジアミンはHMDAである、及び/又は、C9~C12脂肪族ジアミンは1,10-ジアミノデカンである。最も好ましくは、C4~C8脂肪族ジアミンはHMDAであり、C9~C12脂肪族ジアミンは1,10ジアミノデカンである。
H2N-R1-NH2、(1)及び
H2N-R2-NH2、(2)
(式中、R1は、C4~C8脂肪族アルキル、好ましくはC6脂肪族アルキル基であり、R2は、C9~C12脂肪族アルキル基、好ましくはC10脂肪族アルキル基である)
で表される。いくつかの実施形態において、C4~C8脂肪族ジアミンは、1,4-ジアミノブタン(「プトレシン」)、1,5-ジアミノペンタン(「カダベリン」)、2-メチル-1,5-ジアミノペンタン、ヘキサメチレンジアミン(「HMDA」)、3-メチルヘキサメチレンジアミン、2,5-ジメチルヘキサメチレンジアミン、1,7-ジアミノヘプタン及び1,8-ジアミノオクタンからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、C9~C12脂肪族ジアミンは、2,2,4-トリメチル-ヘキサメチレンジアミン、2,4,4-トリメチル-ヘキサメチレンジアミン、2-エチル-1,7-ジアミノヘプタン、2-メチル-1,8-ジアミノオクタン、2,2,7,7-テトラメチルオクタメチレンジアミン、1,9-ジアミノノナン、2-メチル-1,8-ジアミノオクタン、5-メチル-1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、及び1,12-ジアミノドデカンからなる群から選択される。好ましくは、C4~C8脂肪族ジアミンはHMDAである、及び/又は、C9~C12脂肪族ジアミンは1,10-ジアミノデカンである。最も好ましくは、C4~C8脂肪族ジアミンはHMDAであり、C9~C12脂肪族ジアミンは1,10ジアミノデカンである。
いくつかの実施形態において、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンは、以下の式(3)及び(4):
(式中、R3及びR4は、結合及びC1~C10アルキル基からなる群から独立して選択され、R’は、各位置において、アルキル、アリール、アルカリ若しくはアルカリ土類金属スルホネート、アルキルスルホネート、及び四級アンモニウムからなる群から独立して選択され、各iは、0~10から独立して選択される整数である)
の1つで表される。式(3)において、好ましくは、-R3-NH2及び-R4-NH2基は、メタ位(1,3-)又はパラ位(1,4-)、最も好ましくはメタ位に相対的に配置される。いくつかの実施形態において、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンは、イソホロンジアミン、1,3-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、ビス-p-アミノシクロヘキシルメタン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(「1,3-BAC」)、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(「1,4-BAC」)、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン及びビス(4-アミノシクロヘキシル)メタンからなる群から選択される。好ましくは、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンは、1,3-BAC又は1,4-BACであり、最も好ましくは、1,3-BACである。もちろん、式(3)に従ったシクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミン(例えば1,3-BAC及び1,4-BAC)は、シス又はトランス配座にあることができる。したがって、ジアミン成分(A)は、シス異性体のみ、トランス異性体のみ、又はシス異性体とトランス異性体との混合物を含むことができる。
の1つで表される。式(3)において、好ましくは、-R3-NH2及び-R4-NH2基は、メタ位(1,3-)又はパラ位(1,4-)、最も好ましくはメタ位に相対的に配置される。いくつかの実施形態において、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンは、イソホロンジアミン、1,3-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、ビス-p-アミノシクロヘキシルメタン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(「1,3-BAC」)、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(「1,4-BAC」)、ビス(4-アミノ-3-メチルシクロヘキシル)メタン及びビス(4-アミノシクロヘキシル)メタンからなる群から選択される。好ましくは、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンは、1,3-BAC又は1,4-BACであり、最も好ましくは、1,3-BACである。もちろん、式(3)に従ったシクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミン(例えば1,3-BAC及び1,4-BAC)は、シス又はトランス配座にあることができる。したがって、ジアミン成分(A)は、シス異性体のみ、トランス異性体のみ、又はシス異性体とトランス異性体との混合物を含むことができる。
いくつかの実施形態において、C4~C8脂肪族ジアミンの濃度は、60モル%~70モル%である。いくつかの実施形態において、C9~C12脂肪族ジアミンの濃度は、30モル%~45モル%、好ましくは25モル%~38モル%、より好ましくは30モル%~38モル%である。いくつかの実施形態において、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンの濃度は、1モル%~10モル%、好ましくは3モル%~10モル%である。いくつかの実施形態において、反応混合物(RM)は、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンを含まない。
いくつかの実施形態において、C4~C8脂肪族ジアミン、C9~C12脂肪族ジアミン及びシクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンの全濃度は、少なくとも90モル%、少なくとも95モル%、少なくとも98モル%、少なくとも99モル%、少なくとも99.5モル%又は少なくとも99.9モル%である。いくつかの実施形態において、ジアミン成分(A)は、それぞれ互いに異なる、並びにC4~C8脂肪族ジアミン、C9~C12脂肪族ジアミン及びシクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンとは異なる追加のジアミンを含むことができる。追加のジアミンを含むいくつかのそのような実施形態において、C4~C8脂肪族ジアミン、C9~C12脂肪族ジアミン、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンの全濃度は、全て上で与えられた対応する範囲内である。追加のジアミンを含む他のそのような実施形態において、各追加のジアミンの濃度は、C4~C8脂肪族ジアミン、C9~C12脂肪族ジアミン、及びシクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミンに関して上で与えられた範囲とは異なる。
ジカルボン酸成分(B)
ジカルボン酸成分(B)は、90モル%~100モル%のテレフタル酸、0モル%~10モル%のC6~C18脂肪族ジカルボン酸又はテレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸、及び0モル%~10モル%のシクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸を含む。
ジカルボン酸成分(B)は、90モル%~100モル%のテレフタル酸、0モル%~10モル%のC6~C18脂肪族ジカルボン酸又はテレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸、及び0モル%~10モル%のシクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸を含む。
いくつかの実施形態において、C6~C18脂肪族ジカルボン酸は、2,2-ジメチル-グルタル酸[HOOC-C(CH3)2-(CH2)2-COOH]、アジピン酸[HOOC-(CH2)4-COOH]、2,4,4-トリメチル-アジピン酸[HOOC-CH(CH3)-CH2-C(CH3)2-CH2-COOH]、ピメリン酸[HOOC-(CH2)5-COOH]、スベリン酸[HOOC-(CH2)6-COOH]、アゼライン酸[HOOC-(CH2)7-COOH]、セバシン酸[HOOC-(CH2)8-COOH]、ウンデカン二酸[HOOC-(CH2)9-COOH]、ドデカン二酸[HOOC-(CH2)10-COOH]、トリデカン二酸[HOOC-(CH2)11-COOH]、テトラデカン二酸[HOOC-(CH2)12-COOH]、ペンタデカン二酸[HOOC-(CH2)13-COOH]、ヘキサデカン二酸[HOOC-(CH2)14-COOH]、及びオクタデカン二酸[HOOC-(CH2)16-COOH]からなる群から選択される。好ましくは、C6~C18脂肪族ジカルボン酸は、アジピン酸又はセバシン酸、最も好ましくはアジピン酸である。
いくつかの実施形態において、テレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸は、イソフタル酸(「IA」)などの、及びテレフタル酸(「TA」)を排除する、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸(例えばナフタレン-2,6-ジカルボン酸)、4,4’-ビ安息香酸、2,5-ピリジンジカルボン酸、2,4-ピリジンジカルボン酸、3,5-ピリジンジカルボン酸、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)ケトン、4,4’-ビス(4-カルボキシフェニル)スルホン、2,2-ビス(3-カルボキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(3-カルボキシフェニル)ケトン、ビス(3-カルボキシフェノキシ)ベンゼンからなる群から選択される。好ましくは、C8~C18芳香族ジカルボン酸は、ナフタレンジカルボン酸又は4,4’-ビ安息香酸である。
いくつかの実施形態において、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸は、以下の式:
(式中、R’’は、各位置において、アルキル、アリール、アルカリ若しくはアルカリ土類金属スルホネート、アルキルスルホネート、及び四級アンモニウムからなる群から独立して選択され、jは、0~10の整数である)
で表される。式(5)において、好ましくは、-C-COOH基は、メタ位(1,3-)又はパラ位(1,4-)、最も好ましくはパラ位に相対的に配置される。いくつかの実施形態において、シクロヘキシル基を含有する脂環式カルボン酸は、シクロヘキサンジカルボン酸(「CHDA」)、好ましくは1,3-CHDA又は1,4-CHDA、最も好ましくは1,4-CHDAである。
で表される。式(5)において、好ましくは、-C-COOH基は、メタ位(1,3-)又はパラ位(1,4-)、最も好ましくはパラ位に相対的に配置される。いくつかの実施形態において、シクロヘキシル基を含有する脂環式カルボン酸は、シクロヘキサンジカルボン酸(「CHDA」)、好ましくは1,3-CHDA又は1,4-CHDA、最も好ましくは1,4-CHDAである。
いくつかの実施形態において、テレフタル酸の濃度は、92モル%~100モル%、好ましくは93モル%~100モル%である。いくつかの実施形態において、C6~C18脂肪族ジカルボン酸又はテレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸の濃度は、0モル%~0.5モル%、好ましくは0モル%~0.1モル%である。いくつかの実施形態において、シクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸の濃度は、3モル%~9モル%である。いくつかの実施形態において、ジカルボン酸成分(B)は、C
6~C18脂肪族ジカルボン酸又はテレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸、及びシクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸の1つ、2つ又は3つを含まない。
いくつかの実施形態において、テレフタル酸、C6~C18脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸、及びシクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸の全濃度は、少なくとも90モル%、少なくとも95モル%、少なくとも98モル%、少なくとも99モル%、少なくとも99.5モル%又は少なくとも99.9モル%である。いくつかの実施形態において、ジカルボン酸成分(B)は、それぞれ互いに及びテレフタル酸、C6~C18の脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸、及びシクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸とは異なる、追加のジカルボン酸を含むことができる。追加のジカルボン酸を含むいくつかのそのような実施形態において、C6~C18脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸及びシクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸の全濃度は、上で与えられた対応する範囲内にある。追加のジカルボン酸を含む他のそのような実施形態において、各追加のジカルボン酸の濃度は、C6~C18脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸及びシクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸に関して上で与えられた範囲とは異なる。
アミノ酸成分(C)
アミノ酸成分(C)には、0モル%~9モル%のシクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸が含まれ、ここでモル%は、ジカルボン酸成分(B)中のジカルボン酸の総モル数に対するものである。
アミノ酸成分(C)には、0モル%~9モル%のシクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸が含まれ、ここでモル%は、ジカルボン酸成分(B)中のジカルボン酸の総モル数に対するものである。
いくつかの実施形態において、シクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸は、以下の式:
(式中、R5は、C1~C3アルキル基、好ましくはC 1 アルキル基である)
で表される。好ましくは、シクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸は、4-アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸(「4-AMCC」)である。もちろん、式(6)に従った脂環式アミノ酸は、シス又はトランス配座にあることができる。したがって、アミノ酸成分(C)は、シス異性体のみ、トランス異性体のみ又はシス異性体とトランス異性体との混合物を含むことができる。
で表される。好ましくは、シクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸は、4-アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸(「4-AMCC」)である。もちろん、式(6)に従った脂環式アミノ酸は、シス又はトランス配座にあることができる。したがって、アミノ酸成分(C)は、シス異性体のみ、トランス異性体のみ又はシス異性体とトランス異性体との混合物を含むことができる。
いくつかの実施形態において、シクロヘキシル基を含有するC 8 ~C 10 脂環式アミノ酸の濃度は、1モル%~9モル%、好ましくは3モル%~9モル%であり、ここでモル%は、ジカルボン酸成分(B)中のジカルボン酸の総モル数に対するものである。いくつかの実施形態において、反応混合物(RM)は、シクロヘキシル基を含有するC 8 ~C 10 脂環式アミノ酸を含まない。いくつかのそのような実施形態において、アミノ酸成分(C)は、シクロヘキシル基を含有するC 8 ~C 10 脂環式アミノ酸とは異なる追加のアミノ酸を含有しても含有しなくてもよい。いくつかの実施形態において、反応混合物(RM)は、アミノ酸を含まない。
いくつかの実施形態において、シクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸の全濃度は、アミノ酸成分(C)中のアミノ酸の総量に対して少なくとも90モル%、少なくとも95モル%、少なくとも98モル%、少なくとも99モル%、少なくとも99.5モル%又は少なくとも99.9モル%である。いくつかの実施形態において、アミノ酸成分(C)は、それぞれ互いに及びC8~C10脂環式アミノ酸とは異なる、追加のアミノ酸を含むことができる。追加のアミノ酸を含むいくつかのそのような実施形態において、シクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸及び追加のアミノ酸の全濃度は、上で与えられた対応する範囲内にある。追加のアミノ酸を含む他のそのような実施形態において、各追加のアミノ酸の濃度は、シクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸に関して上で与えられた範囲とは異なる。
ポリアミド(PA)合成
本明細書で記載されるポリアミド(PA)は、ポリアミド及びポリフタルアミドの合成に適応した任意の従来法によって調製することができる。好ましくは、ポリアミド(PA)は、60重量%未満、優先的には50重量%未満の水の存在下で、少なくともTm+10℃の温度(Tmは、ポリアミド(PA)の溶融温度である)以下で反応混合物(RM)を反応させる(加熱する)ことによって調製され、ここで、重量%は、反応混合物(RM)の総重量に対するものである。
本明細書で記載されるポリアミド(PA)は、ポリアミド及びポリフタルアミドの合成に適応した任意の従来法によって調製することができる。好ましくは、ポリアミド(PA)は、60重量%未満、優先的には50重量%未満の水の存在下で、少なくともTm+10℃の温度(Tmは、ポリアミド(PA)の溶融温度である)以下で反応混合物(RM)を反応させる(加熱する)ことによって調製され、ここで、重量%は、反応混合物(RM)の総重量に対するものである。
本明細書で記載されるポリアミド(PA)は、例えば、モノマー及びコモノマーの水溶液の熱重縮合(重縮合又は縮合とも言われる)によって調製することができる。一実施形態において、ポリアミド(PA)は、反応混合物(RM)中で、ジアミンと、ジカルボン酸とアミノ酸とを反応させることによって形成される。いくつかの実施形態において、ジアミン成分(A)中のジアミンの全モル数は、ジカルボン酸成分(B)中のジカルボン酸の全モル数と実質的に等モルである。本明細書で用いるところでは、実質的に等モルは、示されたモル数の±15%である値を意味する。例えば、反応混合物(RM)のそれぞれのジアミン成分(A)及びジカルボン酸成分(B)中のジアミン及びジカルボン酸の濃度との関連において、ジアミン成分(A)中のジアミンの全モル数は、ジカルボン酸成分(B)中のジカルボン酸の全モル数の±15%である。重要なことに、上で述べられたように、反応混合物(RM)において、各ジアミン、ジカルボン酸及び任意選択のアミノ酸の濃度は、[-NH2]/[-COOH]が0.9~1.1、好ましくは0.95~1.05であるように選択され、ここで、[-NH
2
]及び[-COOH]は、反応混合物(RM)中の、それぞれ、-NH
2
及び-COOH基の全モル数である。ポリアミド(PA)は、アミン部分又はカルボン酸部分と反応することができる一官能性分子であり、及びポリアミド(PA)の分子量を制御する、鎖制限剤を含有し得る。例えば、鎖制限剤は、酢酸、プロピオン酸、安息香酸及び/又はベンジルアミンであることができる。
触媒も使用することができる。触媒の例は、亜リン酸、オルト-リン酸、メタ-リン酸、次亜リン酸ナトリウムなどのアルカリ金属次亜リン酸塩及びフェニルホスフィン酸である。ホスファイトなどの、安定剤も使用され得る。
ポリアミド(PA)
ポリアミド(PA)は、ジアミン成分(A)中のジアミンと、ジカルボン酸成分(B)中のジカルボン酸と、存在する場合、アミノ酸成分(C)中のアミノ酸との重縮合から形成された、3つの繰り返し単位(RPA1)~(RPA3)を含む。もちろん、ポリアミド(PA)は、繰り返し単位(RPA1)~(RPA3)とは異なる、追加の繰り返し単位を有することができる。
ポリアミド(PA)は、ジアミン成分(A)中のジアミンと、ジカルボン酸成分(B)中のジカルボン酸と、存在する場合、アミノ酸成分(C)中のアミノ酸との重縮合から形成された、3つの繰り返し単位(RPA1)~(RPA3)を含む。もちろん、ポリアミド(PA)は、繰り返し単位(RPA1)~(RPA3)とは異なる、追加の繰り返し単位を有することができる。
いくつかの実施形態において、繰り返し単位(RPA1)及び(RPA2)は、それぞれ、以下の式(7)及び(8):
で表され、繰り返し単位RPA3は、以下の式(9)又は(10):
(式中、R1、R2及びR5は、上で定義されており、n1~n3は、それぞれ、繰り返し単位(RPA1)~(RPA3)のモル%であり、Tは、以下の式(11)又は(12):
のいずれか1つで表され、
ここで、R3、R4、R’及びiは、上で定義されており、「*」は、式(9)における2つの明示窒素原子のうちの1つへの結合を示す)
のいずれか1つで表される。好ましくは、Tは、式(11)で表され、好ましくはここで、-R4-基は、-R3-基に対してメタ(1,3-)位にある。それに加えて又はその代わりに、いくつかの実施形態において、各iはゼロである。一実施形態において、繰り返し単位(RPA1)及び(RPA2)はそれぞれ、HMDA及び1,10-ジアミノデカンとテレフタル酸との重縮合から形成される。1つの実施形態において、繰り返し単位(RPA3)は、1,3-BACか1,4-BACのどちらか、好ましくは1,3-BACと、テレフタル酸との重縮合から形成される。別のそのような実施形態において、繰り返し単位(RPA3)は、4-AMCCの重縮合から形成される。1つの実施形態において、n1+n2+n3 は、少なくとも80モル%、少なくとも90モル%、少なくとも95モル%、又は少なくとも99モル%である。本明細書で用いるところでは、繰り返し単位の濃度は、特に明記しない限り、ポリアミド(PA)中の繰り返し単位の総数に対する濃度を指す。例えば、上で記載された繰り返し単位(RPA1)~(RPA3)に関しては、n1+n2+n3≦100モル%である。
ここで、R3、R4、R’及びiは、上で定義されており、「*」は、式(9)における2つの明示窒素原子のうちの1つへの結合を示す)
のいずれか1つで表される。好ましくは、Tは、式(11)で表され、好ましくはここで、-R4-基は、-R3-基に対してメタ(1,3-)位にある。それに加えて又はその代わりに、いくつかの実施形態において、各iはゼロである。一実施形態において、繰り返し単位(RPA1)及び(RPA2)はそれぞれ、HMDA及び1,10-ジアミノデカンとテレフタル酸との重縮合から形成される。1つの実施形態において、繰り返し単位(RPA3)は、1,3-BACか1,4-BACのどちらか、好ましくは1,3-BACと、テレフタル酸との重縮合から形成される。別のそのような実施形態において、繰り返し単位(RPA3)は、4-AMCCの重縮合から形成される。1つの実施形態において、n1+n2+n3 は、少なくとも80モル%、少なくとも90モル%、少なくとも95モル%、又は少なくとも99モル%である。本明細書で用いるところでは、繰り返し単位の濃度は、特に明記しない限り、ポリアミド(PA)中の繰り返し単位の総数に対する濃度を指す。例えば、上で記載された繰り返し単位(RPA1)~(RPA3)に関しては、n1+n2+n3≦100モル%である。
いくつかの実施形態において、ポリアミド(PA)は、4つの繰り返し単位:上で与えられたような、繰り返し単位(RPA1)及び(RPA2)、並びに、それぞれ、次式(13)及び(14):
(式中、R1、R2、R’’、及びjは、上で定義されており、且つ、式中、n
1、
n
2、
n
4
及びn
5
は、それぞれ、繰り返し単位(R
PA1
)、(R
PA2
)、(R
PA4
)及び(R
PA5
)のモル%である(n
1
+n
2
+n
4
+n
5
≦100モル%))
で表される繰り返し単位(R PA4 )及び(R PA5 )を含む。好ましくは、式(13)及び(14)のそれぞれにおいて、シクロヘキシル環上の明白な-COO-基は、パラ(1,4)位に相対的に配置されている。その上又はその代わりに、いくつかの実施形態において、jはゼロである。一実施形態において、繰り返し単位(RPA1)及び(RPA2)は、それぞれ、HMDA及び1,10-ジアミノデカンとテレフタル酸との重縮合から形成され、繰り返し単位(R PA4 )及び(R PA5 )は、それぞれ、HMDA及び1,10-ジアミノデカンと、1,4-CHDAとの重縮合から形成される。いくつかの実施形態において、n 1 +n 2 +n 4 +n 5 は、少なくとも80モル%、少なくとも90モル%、少なくとも95モル%、又は少なくとも99モル%である。
で表される繰り返し単位(R PA4 )及び(R PA5 )を含む。好ましくは、式(13)及び(14)のそれぞれにおいて、シクロヘキシル環上の明白な-COO-基は、パラ(1,4)位に相対的に配置されている。その上又はその代わりに、いくつかの実施形態において、jはゼロである。一実施形態において、繰り返し単位(RPA1)及び(RPA2)は、それぞれ、HMDA及び1,10-ジアミノデカンとテレフタル酸との重縮合から形成され、繰り返し単位(R PA4 )及び(R PA5 )は、それぞれ、HMDA及び1,10-ジアミノデカンと、1,4-CHDAとの重縮合から形成される。いくつかの実施形態において、n 1 +n 2 +n 4 +n 5 は、少なくとも80モル%、少なくとも90モル%、少なくとも95モル%、又は少なくとも99モル%である。
いくつかの実施形態において、ポリアミド(PA)は、1,000g/モル~40,000g/モル、2,000g/モル~35,000g/モル、4,000g/モル~30,000g/モル、又は5,000g/モル~20,000g/モルの数平均分子量Mnを有する。数平均分子量Mnは、ポリスチレン標準物質を使ってASTM D5296を用いるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定することができる。
ポリアミド(PA)は半結晶性である。本明細書で用いるところでは、半結晶性ポリアミドは、20℃/分の加熱速度で1グラム当たり少なくとも5ジュール(J/g)の融解熱(「ΔHf」)を含む。同様に、本明細書で用いるところでは、非晶性ポリアミドは、20C/分の加熱速度で5J/g未満のΔHfを含む。ΔHfは、ASTM D3418に従って測定することができる。いくつかの実施形態において、ΔHfは、少なくとも20J/g、少なくとも30J/g又は少なくとも40J/gである。
いくつかの実施形態において、ポリアミド(PA)は、少なくとも100℃、少なくとも110℃、又は少なくとも115℃のTgを有する。それに加えて又はその代わりに、いくつかの実施形態において、ポリアミド(PA)は、200℃以下、180℃以下、160℃以下、150℃以下、140℃以下、又は135℃以下のTgを有する。いくつかの実施形態において、ポリアミド(PA)は、100℃~150℃、110℃~140℃、又は115℃~135℃のTgを有する。いくつかの実施形態において、ポリアミド(PA)は、100℃~200℃、110℃~180℃、又は115℃~160℃のTgを有する。いくつかの実施形態において、ポリアミド(PA)は、少なくとも290℃、少なくとも300℃、又は少なくとも310℃のTmを有する。それに加えて又はその代わりに、いくつかの実施形態において、ポリアミド(PA)は、360℃以下、350℃以下、又は340℃以下のTmを有する、いくつかの実施形態においてポリアミド(PA)は、290℃~360℃、300℃~350℃、又は310℃~340℃のTmを有する。Tg及びTmは、ASTM D3418に従って測定することができる。
ポリマー組成物(PC)
ポリマー組成物(PC)は、ポリアミド(PA)を含む。ポリアミド(PA)は、ポリマー組成物(PC)の総重量を基準として、30重量%超、35重量%超、40重量%超又は45重量%超の総量でポリマー組成物(PC)中に存在し得る。ポリアミド(PA)は、ポリマー組成物(PC)の総重量を基準として、99.95重量%未満、99重量%未満、95重量%未満、90重量%未満、80重量%未満、70重量%未満又は60重量%未満の総量で組成物(PC)中に存在し得る。ポリアミド(PA)は、例えば、ポリマー組成物(PC)の総重量を基準として30~70重量%、35~60重量%、又は40~55重量%の範囲の量でポリマー組成物(PC)中に存在し得る。
ポリマー組成物(PC)は、ポリアミド(PA)を含む。ポリアミド(PA)は、ポリマー組成物(PC)の総重量を基準として、30重量%超、35重量%超、40重量%超又は45重量%超の総量でポリマー組成物(PC)中に存在し得る。ポリアミド(PA)は、ポリマー組成物(PC)の総重量を基準として、99.95重量%未満、99重量%未満、95重量%未満、90重量%未満、80重量%未満、70重量%未満又は60重量%未満の総量で組成物(PC)中に存在し得る。ポリアミド(PA)は、例えば、ポリマー組成物(PC)の総重量を基準として30~70重量%、35~60重量%、又は40~55重量%の範囲の量でポリマー組成物(PC)中に存在し得る。
ポリマー組成物(PC)は、また、補強剤、強化剤、可塑剤、着色剤、顔料、帯電防止剤、染料、潤滑剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤(ハロゲンを含まない難燃剤を含む)、核形成剤及び酸化防止剤からなる群から選択される1種の成分を含み得る。好ましくは、ポリマー組成物(PC)は、ハロゲンを含まない難燃剤、補強剤(例えばガラス繊維)、又は両方を含む。
繊維の又は粒子の、広い選択肢の補強剤が、ポリマー組成物(PC)に添加され得る。繊維補強充填剤は、本明細書では、平均長さが幅及び厚さの両方よりも著しく大きい、長さ、幅及び厚さを有する材料であると考えられる。一般に、繊維補強充填剤は、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20又は少なくとも50の、長さと最大の幅及び厚さとの間の平均比として定義される、アスペクト比を有する。いくつかの実施形態において、補強繊維(例えばガラス繊維又は炭素繊維)は、3mm~50mmの平均長さを有する。いくつかのそのような実施形態において、補強繊維は、3mm~10mm、3mm~8mm、3mm~6mm、又は3mm~5mmの平均長さを有する。代わりの実施形態において、補強繊維は、10mm~50mm、10mm~45mm、10mm~35mm、10mm~30mm、10mm~25mm又は15mm~25mmの平均長さを有する。補強繊維の平均長さは、ポリマー組成物(PC)に組み入れられる前の補強繊維の平均長さとして考えることができるか或いはポリマー組成物(PC)に組み入れられた後の補強繊維の平均長さとして考えることができる。
補強充填剤は、鉱物充填剤(タルク、マイカ、カオリン、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの)、ガラス繊維、炭素繊維、合成ポリマー繊維、アラミド繊維、アルミニウム繊維、チタン繊維、マグネシウム繊維、炭化ホウ素繊維、ロックウール繊維、スチール繊維及びウォラストナイトから選択され得る。
繊維充填剤の中で、ガラス繊維が好ましく、それらには、Additives for Plastics Handbook,2nd edition,John Murphyの5.2.3章、43~48頁に記載されているような、チョップドストランドA-、E-、C-、D-、S-及びR-ガラス繊維が含まれる。好ましくは、充填剤は、繊維充填剤から選択される。充填剤は、より好ましくは、高温用途に耐えることができる補強繊維である。
補強剤は、ポリマー組成物(PC)の総重量を基準として、15重量%超、20重量%超、25重量%超又は30重量%超の総量で組成物(PC)中に存在し得る。補強剤は、ポリマー組成物(PC)の総重量を基準として、65重量%未満、60重量%未満、55重量%未満又は50重量%未満の総量でポリマー組成物(PC)中に存在し得る。補強充填剤は、例えば、ポリマー組成物(PC)の総重量を基準として、20~60重量%、例えば30~50重量%の範囲の量でポリマー組成物(PC)中に存在し得る。
ポリマー組成物(PC)は、また、強化剤を含み得る。強化剤は、一般に、例えば室温未満、0℃未満又は更に-25℃未満のTgの、低Tgポリマーである。強化剤は、典型的には、室温でエラストマー性である。強化剤は、官能化されたポリマー主鎖であることができる。強化剤のポリマー主鎖は、ポリエチレン及びそれらのコポリマー、例えばエチレン-ブテン、エチレン-オクテン、ポリプロピレン及びそれらのコポリマー、ポリブテン、ポリイソプレン、エチレン-プロピレン-ゴム(EPR)、エチレン-プロピレン-ジエンモノマーゴム(EPDM)、エチレン-アクリレートゴム、ブタジエン-アクリロニトリルゴム、エチレン-アクリル酸(EAA)、エチレン-酢酸ビニル(EVA)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンゴム(ABS)、ブロックコポリマースチレンエチレンブタジエンスチレン(SEBS)、ブロックコポリマースチレンブタジエンスチレン(SBS)、メタクリレート-ブタジエン-スチレン(MBS)タイプのコア-シェルエラストマー、又は上記の1種以上の混合物を含むエラストメリック主鎖から選択することができる。
強化剤が官能化されている場合、主鎖の官能化は、官能基を含むモノマーの共重合に由来するか又はさらなる官能化成分でのポリマー主鎖のグラフト化に由来することができる。官能化された強化剤の具体的な例としては、エチレンと、アクリル酸エステルとグリシジルメタクリレートとのターポリマー、エチレンとブチルエステルアクリレートとのコポリマー、エチレンと、ブチルエステルアクリレートとグリシジルメタクリレートとのコポリマー、エチレン-無水マレイン酸コポリマー、無水マレイン酸でグラフトされたEPR、無水マレイン酸でグラフトされたスチレンコポリマー、無水マレイン酸でグラフトされたSEBSコポリマー、無水マレイン酸でグラフトされたスチレン-アクリロニトリルコポリマー、無水マレイン酸でグラフトされたABSコポリマーが挙げられるが、それらに限定されない。
強化剤は、ポリマー組成物(PC)の総重量を基準として、1重量%超、2重量%超又は3重量%超の総量でポリマー組成物(PC)中に存在し得る。強化剤は、ポリマー組成物(PC)の総重量を基準として、30重量%未満、20重量%未満、15重量%未満又は10重量%未満の総量でポリマー組成物(PC)中に存在し得る。
ポリマー組成物(PC)は、また、可塑剤、着色剤、顔料(例えば、カーボンブラック及びニグロシンなどの黒色顔料)、帯電防止剤、染料、潤滑剤(例えば、線状低密度ポリエチレン、ステアリン酸カルシウム若しくはマグネシウム又はモンタン酸ナトリウム)、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、核形成剤及び酸化防止剤などの、当技術分野において一般に使用される他の従来の添加剤を含み得る。
ポリマー組成物(PC)は、また、1種以上の他のポリマー、好ましくはポリアミド(PA)とは異なるポリアミドを含み得る。とりわけ、脂肪族ポリアミド、半芳香族ポリアミド、及びより一般的には芳香族若しくは脂肪族飽和二酸と、脂肪族飽和若しくは芳香族第一級ジアミン、ラクタム、アミノ酸又はこれらの異なるモノマーの混合物との間の重縮合によって得られるポリアミドなどの、半結晶性又は非晶性ポリアミドを挙げることができる。
ポリマー組成物(PC)の調製
上で詳述されたようなポリマー組成物(PC)の製造方法もまた提供され、前記方法は、ポリアミド(PA)と、特定の成分、例えば充填剤、強化剤、安定剤、及び任意の他の任意選択の添加剤とを溶融ブレンドする工程を含む。
上で詳述されたようなポリマー組成物(PC)の製造方法もまた提供され、前記方法は、ポリアミド(PA)と、特定の成分、例えば充填剤、強化剤、安定剤、及び任意の他の任意選択の添加剤とを溶融ブレンドする工程を含む。
ポリマー成分と非ポリマー成分とを混合するために任意の溶融ブレンド法が用いられ得る。例えば、ポリマー成分及び非ポリマー成分は、一軸スクリュー押出機若しくは二軸スクリュー押出機、撹拌機、一軸スクリュー若しくは二軸スクリューニーダー、又はバンバリーミキサーなどの、溶融ミキサーへ供給され得、添加ステップは、全ての成分の同時添加又はバッチ式での段階的添加であり得る。ポリマー成分及び非ポリマー成分がバッチ式で徐々に添加される場合、ポリマー成分及び/又は非ポリマー成分の一部が先ず添加され、次いで、十分に混合された組成物が得られるまで、その後に添加される残りのポリマー成分及び非ポリマー成分と溶融混合される。補強剤が長い物理的形状(例えば、長いガラス繊維)を示す場合、延伸が、ポリマー組成物(PC)の調製において用いられ得る。
物品及び用途
ポリアミド(PA)及びポリマー組成物(PC)は、望ましくは物品へ組み入れることができる。
ポリアミド(PA)及びポリマー組成物(PC)は、望ましくは物品へ組み入れることができる。
そのような物品は、携帯用エレクトロニクス、LEDパッケージング、石油及びガス構成部品、食品接触構成部品(食品フィルム及びケーシングを含むが、それらに限定されない)、電気及び電子構成部品(コンピューティング、データシステム及びオフィス設備用の電源装置構成部品、並びに表面実装技術相溶性コネクタ及び接点を含むが、これらに限定されない)、医療機器構成部品、建設構成部品(冷却及び加熱システム用のパイプ、コネクタ、マニホールド及びバルブ、ボイラー及びメーターの構成部品、ガスシステムパイプ及び付属品、並びにミニサーキットブレーカー用の電気保護装置、コンタクタ、スイッチ、及びソケットを含むが、これらに限定されない)、産業用構成部品、配管構成部品(パイプ、バルブ、付属品、マニホールド、シャワータップ及びシャワーバルブを含むが、これらに限定されない)、自動車構成部品、並びに航空宇宙用構成部品(インテリアキャビン構成部品を含むが、これらに限定されない)において使用することができる。
物品は、例えば、携帯用電子デバイス構成部品であることができる。本明細書で用いるところでは、「携帯用電子デバイス」は、様々な場所で便利に運ばれ且つ使用される電子デバイスを指す。携帯用電子デバイスとしては、携帯電話、携帯情報端末(「PDA」)、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ウェアラブルコンピューティングデバイス(例えば、スマートウォッチ、スマートグラス等)、カメラ、携帯オーディオプレーヤー、携帯ラジオ、全地球測位システム受信機、及び携帯ゲームコンソールを挙げることができるが、それらに限定されない。
携帯用電子デバイス構成部品には、例えば、無線アンテナ及びポリマー組成物(PC)が含まれ得る。この場合に、無線アンテナは、WiFiアンテナ又はRFIDアンテナであることができる。携帯用電子デバイス構成部品は、また、アンテナハウジングであり得る。
いくつかの実施形態において、携帯用電子デバイス構成部品は、アンテナハウジングである。いくつかのそのような実施形態において、無線アンテナの少なくとも一部は、ポリマー組成物(PC)上に配置される。それに加えて又はその代わりに、無線アンテナの少なくとも一部は、ポリマー組成物(PC)から外すことができる。いくつかの実施形態において、デバイス構成部品は、取付け穴又は他の締結機構(それ自体と、回路基板、マイクロホン、スピーカー、ディスプレイ、バッテリー、カバー、ハウジング、電気若しくは電子コネクタ、ヒンジ、無線アンテナ、スイッチ、又はスイッチパッドを含むが、それらに限定されない、携帯用電子デバイスの別の構成部品との間のスナップフィットコネクタを含むが、それらに限定されない)を持った取付け構成部品のものであることができる。いくつかの実施形態において、携帯用電子デバイスは、入力デバイスの少なくとも一部であることができる。
電気及び電子デバイスの例は、コネクタ、コンタクタ及びスイッチである。
ポリアミド(PA)又はポリマー組成物(PC)及びそれらから調製された物品は、単層若しくは多層物品において、包装用途向けのガスバリア材料としても使用され得る。
石油及びガス構成部品の例としては、コンプレッサーリング、ポペット、バックアップシールリング、電気コネクタ、ラビリンスシール、モーターエンドプレート、ベアリング、ブッシング、サックロッドガイド及びダウンホールチュービングが挙げられるが、それらに限定されない。
自動車構成部品の例としては、熱管理システムにおける構成部品(サーモスタットハウジング、水入口/出口バルブ、水ポンプ、水ポンプインペラ、並びにヒーターコア及びエンドキャップを含むが、それらに限定されない)、空気管理システム構成部品(ターボチャージャーアクチュエータ、ターボチャージャーバイパスバルブ、ターボチャージャーホース、EGRバルブ、CACハウジング、排気ガス再循環システム、電子制御スロットルバルブ、及び熱風ダクトを含むが、それらに限定されない)、トランスミッション構成部品及びランチデバイス構成部品(デュアルクラッチトランスミッション、自動化マニュアルトランスミッション、連続可変トランスミッション、自動トランスミッション、トルクコンバーター、デュアルマスフライホイール、パワーテイクオフ、クラッチシリンダー、シールリング、スラストワッシャー、スラストベアリング、ニードルベアリング、及びチェックボールを含むが、それらに限定されない)、自動車用電子部品、自動車用照明部品(モーターエンドキャップ、センサー、ECUハウジング、ボビン及びソレノイド、コネクタ、回路保護/リレー、アクチュエータハウジング、Liイオンバッテリーシステム、並びにヒューズボックスを含むが、それらに限定されない)、トラクションモーター及びパワーエレクトロニック構成部品(バッテリーパックを含むが、それらに限定されない)、燃料及び選択的触媒還元(「SCR」)システム(SCRモジュールハウジング及びコネクタ、燃料フランジ、ロールオーバーバルブ、クイックコネクト、フィルターハウジング、燃料レール、燃料供給モジュール、燃料ホース、燃料ポンプ、燃料インジェクターOリング、及び燃料ホースを含むが、それらに限定されない)、流体システム構成部品(例えば、入口及び出口バルブ並びに流体ポンプ構成部品を含むが、それらに限定されない燃料システム構成部品)、インテリア構成部品(例えばダッシュボード構成部品、ディスプレイ構成部品、及び設置構成部品)、並びに構造成分及び軽量構成部品(例えばギア及びベアリング、サンルーフ、ブラケット及びマウント、電気バッテリーハウジング、熱管理構成部品、ブレーキシステム要素、並びにポンプ及びEGRシステム)が挙げられるが、それらに限定されない。
物品は、ポリアミド(PA)又はポリマー組成物(PC)から、熱可塑性樹脂に適応した任意のプロセス、例えば押出、射出成形、ブロー成形、回転成形又は圧縮成形によって成形することができる。
物品は、例えば、溶融フィラメント製造法(Fused Filament Fabrication)又は熱溶解積層法(Fused Deposition Modelling)によるように、フィラメント、及び一緒のフィラメントの融合層の形態にある場合、材料を押し出すことによってポリアミド(PA)又はポリマー組成物(PC)から印刷することができる。或いはまた、ポリアミド(PA)又はポリマー組成物(PC)は、粉末、例えば実質的に球形の粉末の形態にあることができ、選択的レーザー焼結(Selective Laser Sintering)などの、レーザープロセスにおいて使用することができる。
いくつかの実施形態において、ポリアミド(PA)又はポリマー組成物(PC)は、望ましくは3次元印刷アプリケーションへ組み入れることができる。1つのアプリケーションは、付加製造システムを使った3次元(「3D」)物体の製造方法であって、ポリアミド(PA)又はポリマー組成物(PC)を含む部品材料を提供する工程と、部品材料から3次元物体の層を印刷する工程とを含む方法に向けられている。
ポリアミド(PA)又はポリマー組成物(PC)は、複合材料へ組み入れることができる。複合材料は、熱可塑性マトリックスに埋め込まれた連続補強繊維を含む。いくつかの実施形態において、連続補強繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、アルミニウム繊維、チタン繊維、マグネシウム繊維、炭化ホウ素繊維、ロックウール繊維、スチール繊維、アラミド繊維、天然繊維(例えばコットン、リネン、及び木材)、並びにそれらの1つ以上の任意の組合せから選択される。好ましくは、連続補強繊維は、ガラス繊維又は炭素繊維である。本明細書で用いるところでは、連続補強繊維は、少なくとも5ミリメートル(「mm」)、少なくとも10mm、少なくとも25mm又は少なくとも50mmの、最長寸法における平均長さを有する補強繊維である。熱可塑性樹脂マトリックスは、ポリアミド(PA)又はポリマー組成物(PC)を含む。複合材料は、一方向複合材料(例えば、テープ)又は多方向複合材料(例えば、織布、マット、若しくは層状布)であることができる。
ポリアミド(PA)、ポリマー組成物(PC)及び物品の使用
いくつかの実施形態において、ポリアミド(PA)、ポリマー組成物(PC)又は物品は、上記のような、携帯用電子デバイス構成部品などの物品を製造するために使用することができる。
いくつかの実施形態において、ポリアミド(PA)、ポリマー組成物(PC)又は物品は、上記のような、携帯用電子デバイス構成部品などの物品を製造するために使用することができる。
ポリアミド(PA)又はポリマー組成物(PC)は、また、物体を3D印刷するために使用することができる。
以下の実施例は、熱及び吸湿性能本ポリアミド(PA)を実証するものである。本実施例で用いるところでは、「E」は本発明の実施例実施形態を意味し、「CE」は反例を意味する。
原材料
- HMDA:Ascend Performance Materialsから入手(70%)
- 1,10-ジアミノデカン(「DMDA」):Solvay(Novecare)から入手
- 1,3-BAC:三菱ガス化学株式会社から入手
- テレフタル酸(「TA」):Flint Hills Resourcesから入手
- イソフタル酸(「IA」):Flint Hills Resourcesから入手
- アジピン酸(「AA」):Invistaから入手
- 1,4-CHDA:Eastman Chemical Companyから入手
- 4-AMCC:Sigma-Aldrichから入手
- PA 6,T/6,6 65/35:Solvay Specialty Polymers USA,L.L.C.から入手
- PA10,T/10,I:Kingfaから入手(Vicnyl(登録商標)6100)
- PA9,T:クラレから入手(GenestarTMGC 61210)
- 衝撃改質剤:Kraton Corporationから入手(KratonTMFG1901 GT、30%のポリスチレン含量のスチレン及びエチレン/ブチレンをベースとする線状トリブロックコポリマー)
- ガラス繊維::細断E-ガラス繊維(日本電気硝子株式会社製のNEG HP 3610)
- 添加剤パッケージ:離型剤、酸化防止剤及びタルクからなる
- HMDA:Ascend Performance Materialsから入手(70%)
- 1,10-ジアミノデカン(「DMDA」):Solvay(Novecare)から入手
- 1,3-BAC:三菱ガス化学株式会社から入手
- テレフタル酸(「TA」):Flint Hills Resourcesから入手
- イソフタル酸(「IA」):Flint Hills Resourcesから入手
- アジピン酸(「AA」):Invistaから入手
- 1,4-CHDA:Eastman Chemical Companyから入手
- 4-AMCC:Sigma-Aldrichから入手
- PA 6,T/6,6 65/35:Solvay Specialty Polymers USA,L.L.C.から入手
- PA10,T/10,I:Kingfaから入手(Vicnyl(登録商標)6100)
- PA9,T:クラレから入手(GenestarTMGC 61210)
- 衝撃改質剤:Kraton Corporationから入手(KratonTMFG1901 GT、30%のポリスチレン含量のスチレン及びエチレン/ブチレンをベースとする線状トリブロックコポリマー)
- ガラス繊維::細断E-ガラス繊維(日本電気硝子株式会社製のNEG HP 3610)
- 添加剤パッケージ:離型剤、酸化防止剤及びタルクからなる
実施例1-ポリアミド及びポリマー組成物の合成
この実施例は、ポリアミドの合成を実証する。
この実施例は、ポリアミドの合成を実証する。
表1に示されるコポリアミドの全てを、圧力調整弁を装着した留出物ラインを備えた1ガロンのオートクレーブ反応器を用いて以下の類似のプロセスに従って調製した。一例として、コポリアミドE1の調製において、反応器に、283gのDI水、173gのヘキサメチレンジアミン(70%)、116gの1,10-ジアミノデカン、242gのテレフタル酸、22gの1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1.9gの酢酸及び0.16gの亜リン酸を装入した。反応器を密封し、窒素でパージし、260℃に加熱した。内圧を120psigに保つために、発生した水蒸気をゆっくりと放出した。温度を320℃に上げた。反応混合物を320℃に保ち、反応器圧力を大気圧まで低下させた。追加の60分間保持した後、ポリマーを反応器から排出した。
E1の調製のための以下の方法と類似して、より大量のコポリアミドが調製された:撹拌バッチ式容器に、33.7kgの脱イオン水、21.58kgの70%ヘキサメチレンジアミン、14.47kgの1,10-ジアミノデカンからなるジアミン成分と、30.11kgのテレフタル酸及び2.71kgの1,4-シクロヘキサンジカルボン酸からなるジカルボン酸成分とを装入した。反応器に、17.03gの亜リン酸及び360.30gの氷酢酸も装入した。上記の混合物を150℃で加熱することによって塩溶液を得た。内容物を、約180psig及び220℃に維持された反応器ゾーンに、次いで300℃に維持された高圧ゾーンに、その後350℃に加熱された100psigでの管状反応器を通して連続的にポンプ送液した。溶融体を、前方真空ベントを備えた二軸スクリュー押出機へ供給した。完成ポリマーを、ストランドダイを通して水浴へ押し出し、細断してペレットにした。
サンプルパラメータを表1に示す。分かりやすくするために、表1の「ポリアミド」列において、数字接頭辞をなくした。例えば、1,3-BACは、表1の「ポリアミド」列においてBACと言われる。
それに加えて、ポリマー組成物を、表1のポリマー、並びに他のポリアミドから形成して機械的性能を実証した。サンプルパラメータを表1Aに示す(全ての値は、重量%単位である)。組成物に使用されたポリアミドE5は、ASTM D5225に従って測定されるように1.15dL/gの固有粘度(IV)を有する。
実施例2-熱的性能
熱的性能を実証するために、Tm、Tg、Tc、溶融のエンタルピ-(「Hm」)及び結晶化のエンタルピー(「Hc」)を測定した。Tm及びTgは、上記のように測定した。Tc、Hm及びHcは、ASTM D3418に従って測定した。ニート樹脂についての吸水率(表2を参照されたい)は、次の通りに測定した:直径2インチ及び厚さ1/8インチのディスクを成形した。このディスクサンプルを沸騰水中に入れ、それらの重量を一定になるまで定期的に監視した。パーセント吸水率は、((重量最終-重量初期)/(重量初期))×100として計算した。表2Aに報告される吸水率は、ASTM D570に従って測定した。
熱的性能を実証するために、Tm、Tg、Tc、溶融のエンタルピ-(「Hm」)及び結晶化のエンタルピー(「Hc」)を測定した。Tm及びTgは、上記のように測定した。Tc、Hm及びHcは、ASTM D3418に従って測定した。ニート樹脂についての吸水率(表2を参照されたい)は、次の通りに測定した:直径2インチ及び厚さ1/8インチのディスクを成形した。このディスクサンプルを沸騰水中に入れ、それらの重量を一定になるまで定期的に監視した。パーセント吸水率は、((重量最終-重量初期)/(重量初期))×100として計算した。表2Aに報告される吸水率は、ASTM D570に従って測定した。
表2に言及すると、CE1、CE2及びE1の比較は、意外にも、比較的少量の1,4-CHDA(8モル%)をPA 6T/10Tへ導入すると、高いTm及びTcを維持しながら、Tg(5℃)を著しく上昇させることを実証する。他方で、より大量の1,4-CHDA(20モル%、CE1)を導入すると、PA 6T/10Tと比べて、Tg及びTmを両方とも低下させる。更に、比較CE2及びE3は、少量の4-AMCCが、高いTm及びTcを維持しながら、PA 6T/10TコポリマーのTg(7℃)を著しく上昇させることを示す。CE2及びE4の比較は、比較的少量の1,3-BAC(5モル%)が、高いTg及びTcを維持しながらPA 6T/10TコポリマーのTg(7℃)を著しく上昇させることを示す。
シクロヘキシル基を含有する少量の脂環式モノマーを含有する実施例E1、E3、E4とは違って、イソフタル酸(CE3及びCE7)などの少量の芳香族含有二酸の添加は、Tg及びTmを低下させる。
実施例3:機械的性能
機械的性能を実証するために、引張応力、引張歪み、溶接引張応力及び溶接引張歪みを、ISO 527に従って測定した。機械的特性は、溶接ラインの効果を評価するために、ワンゲート(「標準」)及びツーゲート(「溶接」)で射出成形したサンプルに関して測定した。結果を表3に示す。
機械的性能を実証するために、引張応力、引張歪み、溶接引張応力及び溶接引張歪みを、ISO 527に従って測定した。機械的特性は、溶接ラインの効果を評価するために、ワンゲート(「標準」)及びツーゲート(「溶接」)で射出成形したサンプルに関して測定した。結果を表3に示す。
表3に言及すると、E6及びE7は、概して、例CE8~CE11と比べて、改善された機械的特性を有した。組成物E6に使用された樹脂E5は、組成物CE10及びCE11の樹脂よりも低い含量のフレキシブル長鎖ジアミンからなるが、組成物E6は、組成物CE10及びCE11と比較してより高い強度を有し、且つ、意外にもより高い伸び及び溶接ライン強度を示す。これらの改善された機械的特性は、衝撃改質剤が組成物E7に導入される場合に保たれる。
上記の実施形態は、例示的であり、且つ、限定的でないことが意図される。追加の実施形態は、本発明の概念内である。加えて、本発明は、特定の実施形態に関連して記載されているが、当業者は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく形態及び詳細において変更を加え得ることを認めるであろう。上記の公文書の参照によるいかなる援用も、本明細書での明白な開示に反する主題は援用されないように限定される。
Claims (13)
- - 下記:
- 55モル%~75モル%のC4~C8脂肪族ジアミン、
- 25モル%~45モル%のC9~C12脂肪族ジアミン、及び
- 0モル%~10モル%のシクロヘキシル基を含有する脂環式ジアミン
を含むジアミン成分(A)であって、
モル%が、前記ジアミン成分(A)中のジアミンの全モル数に対するものである、ジアミン成分(A)と、
- 下記:
- 90モル%~100モル%のテレフタル酸、
- 0モル%~10モル%のC6~C18脂肪族ジカルボン酸、又はテレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸、及び
- 0モル%~10モル%のシクロヘキシル基を含有する脂環式ジカルボン酸
を含むジカルボン酸成分(B)であって、
モル%が、前記ジカルボン酸成分(B)中のジカルボン酸の全モル数に対するものであるジカルボン酸成分(B)と、
- 下記:
- 0モル%~9モル%のシクロヘキシル基を含有するC8~C10脂環式アミノ酸を含むアミノ酸成分(C)であって、
モル%が、前記ジカルボン酸成分(B)中のジカルボン酸の全モル数に対するものである、脂環式アミノ酸と
を含み、
前記脂環式ジアミン、前記脂環式ジカルボン酸、及び前記脂環式アミノ酸の1つが、0.5モル%超の濃度を有する、
反応混合物(RM)の重縮合から形成される、ポリアミド(PA)。 - 前記C4~C8脂肪族ジアミンが、1,4-ジアミノブタン(「プトレシン」)、1,5-ジアミノペンタン(「カダベリン」)、2-メチル-1,5-ジアミノペンタン、ヘキサメチレンジアミン(「HMDA」)、3-メチルヘキサメチレンジアミン、2,5-ジメチルヘキサメチレンジアミン、1,7-ジアミノヘプタン及び1,8-ジアミノオクタンからなる群から選択され、好ましくは前記C4~C8脂肪族ジアミンが、HMDAである、請求項1に記載のポリアミド(PA)。
- 前記C9~C12脂肪族ジアミンが、2,2,4-トリメチル-ヘキサメチレンジアミン、2,4,4-トリメチル-ヘキサメチレンジアミン、2-エチル-1,7-ジアミノヘプタン、2-メチル-1,8-ジアミノオクタン、2,2,7,7-テトラメチルオクタメチレンジアミン、1,9-ジアミノノナン、2-メチル-1,8-ジアミノオクタン、5-メチル-1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、及び1,12-ジアミノドデカンからなる群から選択され、好ましくは前記C9~C12脂肪族ジアミンが、1,10-ジアミノデカンである、請求項1又は2に記載のポリアミド(PA)。
- 前記C6~C18脂肪族ジカルボン酸が、2,2-ジメチル-グルタル酸、アジピン酸、2,4,4-トリメチル-アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、及びオクタデカン二酸からなる群から選択され、好ましくは、前記C6~C18脂肪族ジカルボン酸が、アジピン酸及びセバシン酸、最も好ましくはアジピン酸から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリアミド(PA)。
- テレフタル酸とは異なる前記C8~C18芳香族ジカルボン酸が、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’-ビ安息香酸、2,5-ピリジンジカルボン酸、2,4-ピリジンジカルボン酸、3,5-ピリジンジカルボン酸、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)ケトン、4,4’-ビス(4-カルボキシフェニル)スルホン、2,2-ビス(3-カルボキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(3-カルボキシフェニル)ケトン、ビス(3-カルボキシフェノキシ)ベンゼンからなる群から選択され、好ましくは前記C8~C18芳香族ジカルボン酸が、ナフタレンジカルボン酸又は4,4’-ビ安息香酸である、請求項1~4のいずれか一項に記載のポリアミド(PA)。
- シクロヘキシル基を含有する前記C8~C10脂環式アミノ酸が、1,4 アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸である、請求項1~7のいずれか一項に記載のポリアミド(PA)。
- 前記脂環式ジアミン、前記脂環式ジカルボン酸、及び前記脂環式アミノ酸の1つのみが、0.5モル%超、好ましくは少なくとも1モル%の濃度を有し、及びここで、前記反応混合物(RM)が、シクロヘキシル基を含有する他の2つの脂環式モノマーを含まない、請求項1~8のいずれか一項に記載のポリアミド(PA)。
- 前記反応混合物(RM)が、前記C6~C18脂肪族ジカルボン酸又はテレフタル酸とは異なるC8~C18芳香族ジカルボン酸を含まない、請求項1~9のいずれか一項に記載のポリアミド(PA)。
- - 請求項1~10のいずれか一項に記載のポリアミド(PA)と、
- 補強剤、強化剤、可塑剤、着色剤、顔料、帯電防止剤、染料、潤滑剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、ハロゲンを含まない難燃剤、核形成剤及び酸化防止剤からなる群から選択される少なくとも1種の成分、好ましくは少なくともハロゲンを含まない難燃剤と
を含む、ポリマー組成物(PC)。 - 前記ポリマー組成物(PC)の総重量を基準として、10重量%~60重量%のガラス繊維を含む、請求項11又は12に記載のポリマー組成物(PC)。
- 30重量%~70重量%の前記ポリアミド(PA)を含む、請求項11~12のいずれか一項に記載のポリマー組成物(PC)。
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