JP2023523853A - 高温における改良された機械的性質を有するポリマー組成物及び対応する物品 - Google Patents

高温における改良された機械的性質を有するポリマー組成物及び対応する物品 Download PDF

Info

Publication number
JP2023523853A
JP2023523853A JP2022567062A JP2022567062A JP2023523853A JP 2023523853 A JP2023523853 A JP 2023523853A JP 2022567062 A JP2022567062 A JP 2022567062A JP 2022567062 A JP2022567062 A JP 2022567062A JP 2023523853 A JP2023523853 A JP 2023523853A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer composition
mol
bis
aminoalkyl
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022567062A
Other languages
English (en)
Inventor
デーヴィッド マキロイ,
マシュー アール. ビンセント,
リー カーベル,
リンダ エム. ノーフォーク,
Original Assignee
ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ ユーエスエー, エルエルシー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ ユーエスエー, エルエルシー filed Critical ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ ユーエスエー, エルエルシー
Publication of JP2023523853A publication Critical patent/JP2023523853A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G69/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carboxylic amide link in the main chain of the macromolecule
    • C08G69/02Polyamides derived from amino-carboxylic acids or from polyamines and polycarboxylic acids
    • C08G69/26Polyamides derived from amino-carboxylic acids or from polyamines and polycarboxylic acids derived from polyamines and polycarboxylic acids
    • C08G69/265Polyamides derived from amino-carboxylic acids or from polyamines and polycarboxylic acids derived from polyamines and polycarboxylic acids from at least two different diamines or at least two different dicarboxylic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G69/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carboxylic amide link in the main chain of the macromolecule
    • C08G69/02Polyamides derived from amino-carboxylic acids or from polyamines and polycarboxylic acids
    • C08G69/26Polyamides derived from amino-carboxylic acids or from polyamines and polycarboxylic acids derived from polyamines and polycarboxylic acids
    • C08G69/28Preparatory processes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K7/00Use of ingredients characterised by shape
    • C08K7/02Fibres or whiskers
    • C08K7/04Fibres or whiskers inorganic
    • C08K7/06Elements
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K7/00Use of ingredients characterised by shape
    • C08K7/02Fibres or whiskers
    • C08K7/04Fibres or whiskers inorganic
    • C08K7/14Glass
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L77/00Compositions of polyamides obtained by reactions forming a carboxylic amide link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L77/06Polyamides derived from polyamines and polycarboxylic acids

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polyamides (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

ポリアミドと炭素繊維とを含むポリマー組成物(PC)が本明細書に記載される。以下に詳細に説明されるように、ポリアミド(PA)は、脂肪族ジアミン、テレフタル酸、及びビス(アミノアルキル)シクロヘキサン又はシクロヘキサンジカルボン酸の重縮合により誘導される半芳香族ポリアミドである。ビス(アミノアルキル)シクロヘキサン及びシクロヘキサンジカルボン酸を含まない類似したポリアミドに対して、脂環式ジアミンビス(アミノアルキル)シクロヘキサン又は脂環式ジアミンビス(アミノアルキル)シクロヘキサンと脂環式ジカルボン酸シクロヘキサンジカルボン酸との特定の組合せをポリアミドに導入することによって高温における著しく改良された機械的性質(例えば引張弾性率及び強度)、並びに熱エージング後の著しく改良された機械的性質の保持率を有する炭素繊維充填ポリマー組成物(PC)がもたらされることが驚くべきことに発見された。少なくとも一つには改良された高温における機械的性質、並びにそれらの熱エージング保持率のために、使用中に高温に暴露される構造物品にポリアミド(PA)を望ましくは導入することができる。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年5月7日に出願された米国仮特許出願第Nr63/021,109号及び2020年7月14日に出願された欧州特許出願第20185589.7号に基づく優先権を主張するものであり、これら各々の全内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、ポリアミドと炭素繊維とを含有し、高温におけるすぐれた機械的性質及び熱エージング後のすぐれた機械的性質の保持率を有するポリマー組成物に関する。また、本発明は、炭素繊維とガラス繊維とのブレンドを含有するこのようなポリマー組成物に関する。本発明は更にまた、ポリマー組成物を導入する物品に関する。
従来より、半芳香族ポリアミドは、それらの比較的高い機械的性質(例えば引張弾性率及び引張強さ)及び耐薬品性のため、自動車部品の製造に使用される。しかしながら、自動車部品が高温(例えば125℃以上)に暴露される用途状況において、半芳香族ポリアミドは比較的高い可撓性(比較的低い引張弾性率)及び比較的低い強度を有し、このため、このような材料はこのような用途状況において自動車構造部品に最適ではない。更に、このようなポリアミドの機械的性質は、高温に長期暴露後に望ましくないレベルまで損なわれる。一般的には、その場合、従来の半芳香族ポリアミドは、それらの所期の使用環境において高温に暴露される構造部品において限られた用途を有する。
第1の態様では、本発明は、ポリアミド(PA)と炭素繊維とを含むポリマー組成物(PC)に関する。ポリアミド(PA)は、20モル%~95モル%のC~C12脂肪族ジアミンと5モル%~80モル%のビス(アミノアルキル)シクロヘキサンとを含み、これらのモル%がジアミン成分中の各ジアミンの総モル数に対するものであるジアミン成分(A);並びに30モル%~100モル%のテレフタル酸と0モル%~70モル%のシクロヘキサンジカルボン酸とを含み、これらのモル%がジカルボン酸成分中の各ジカルボン酸の総モル数に対するものであるジカルボン酸成分(B);を含む反応混合物中のモノマーの重縮合により誘導される。いくつかの実施形態において、ビス(アミノアルキル)シクロヘキサンは、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン又は1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンである。いくつかの実施形態において、ジカルボン酸成分(B)は、ジカルボン酸成分中の各ジカルボン酸の総モル数に対して1モル%~70モル%のシクロヘキサンジカルボン酸、好ましくは1,4-シクロヘキサンジカルボン酸を含む。いくつかの実施形態において、ビス(アミノアルキル)シクロヘキサンは1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンであり、シクロヘキサンジカルボン酸は1,4-シクロヘキサンジカルボン酸である。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)はガラス繊維を含む。いくつかのこのような実施形態において、炭素繊維対ガラス繊維の重量比は0.05~4、好ましくは0.15~4である。
いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、少なくとも20GPaの125℃における引張弾性率及び少なくとも12GPaの150℃における引張弾性率を有する。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、少なくとも140MPaの125℃における引張強さ及び少なくとも100MPaの150℃における引張弾性率を有する。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、少なくとも80%の引張強さ保持率を有する。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、少なくとも80%の熱エージング後の引張強さを含み、熱エージングは、ポリマー組成物(PC)を200℃で500時間の間加熱することを含む。
別の態様において、本発明は、自動車部品又は航空宇宙用部品である、ポリマー組成物を含む物品を目的としている。
ポリアミドと炭素繊維とを含有するポリマー組成物(PC)が本明細書に記載される。以下に詳細に説明されるように、ポリアミド(PA)は、脂肪族ジアミン、テレフタル酸、及びビス(アミノアルキル)シクロヘキサン又はシクロヘキサンジカルボン酸の重縮合により誘導される半芳香族ポリアミドである。ビス(アミノアルキル)シクロヘキサン及びシクロヘキサンジカルボン酸を含まない類似したポリアミドに対して、脂環式ジアミンビス(アミノアルキル)シクロヘキサン又は脂環式ジアミンビス(アミノアルキル)シクロヘキサンと脂環式ジカルボン酸シクロヘキサンジカルボン酸との特定の組合せをポリアミドに導入することによって高温における著しく改良された機械的性質(例えば引張弾性率及び強度)、並びに熱エージング後の著しく改良された機械的性質の保持率を有する炭素繊維充填ポリマー組成物(PC)がもたらされることが驚くべきことに発見された。少なくとも一つには改良された高温における機械的性質、並びにそれらの熱エージング保持率のために、使用中に高温に暴露される構造物品にポリアミド(PA)を望ましくは導入することができる。
本出願において、任意の説明は、特定の実施形態に関連して記載されているとしても、本開示の他の実施形態に適用可能であり、またそれらと交換可能である。要素又は成分が、列挙された要素又は成分のリストに含まれ、且つ/又はそのリストから選択されるとされる場合、本出願で明確に企図される関連実施形態では、要素又は成分は、個別の列挙された要素若しくは成分のいずれか1つでもあり得るか、又は明確に列挙された要素若しくは成分の任意の2つ以上からなる群からも選択され得;要素又は成分のリストに列挙されたいかなる要素又は成分も、そのようなリストから省略され得;終点による数値範囲の本明細書におけるあらゆる列挙は、列挙された範囲内に含まれる全ての数値、並びに範囲の終点及び同等のものが含まれることが理解されるべきである。
特に具体的に限定しない限り、用語「アルキル」並びに「アルコキシ」、「アシル」及び「アルキルチオ」などの派生用語は、本明細書で用いる場合、それらの範囲内に直鎖、分岐鎖、及び環状部分を含む。アルキル基の例は、メチル、エチル、1-メチルエチル、プロピル、1,1-ジメチルエチル、及びシクロプロピルである。特に具体的に記述しない限り、各アルキル及びアリール基は、無置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシ、スルホ、C~Cアルコキシ、C~Cアルキルチオ、C~Cアシル、ホルミル、シアノ、C~C15アリールオキシ若しくはC~C15アリールから選択されるが、それらに限定されない1つ以上の置換基で置換され得、ただし、置換基が立体的に適合性であり、化学結合及び歪みエネルギーの規則が満たされていることを条件とする。用語「ハロゲン」又は「ハロ」には、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が含まれ、フッ素が好ましい。
用語「アリール」は、フェニル、インダニル、又はナフチル基を意味する。アリール基は、1つ以上のアルキル基を含み得、この場合、「アルキルアリール」と呼ばれることもあり、例えばシクロ芳香族基及び2つのC~C基(例えば、メチル又はエチル)から構成され得る。アリール基は、1つ以上のヘテロ原子、例えばN、O又はSも含み得、この場合、「ヘテロアリール」と呼ばれることもあり;これらのヘテロ芳香環は、他の芳香族系に縮合され得る。そのようなヘテロ芳香環には、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリダジル、ピリミジル、ピラジニル及びトリアジニル環構造が含まれるが、それらに限定されない。アリール又はヘテロアリール置換基は、無置換であるか、又はハロゲン、ヒドロキシ、C~Cアルコキシ、スルホ、C~Cアルキルチオ、C~Cアシル、ホルミル、シアノ、C~C15アリールオキシ若しくはC~C15アリールから選択されるが、それらに限定されない1つ以上の置換基で置換され得、ただし、置換基が立体的に適合性を有し、化学結合及び歪みエネルギーの規則が満たされていることを条件とする。
脂環式ジアミンビス(アミノアルキル)シクロヘキサン又は脂環式ジカルボン酸シクロヘキサンジカルボン酸をポリアミドに導入することによって、脂肪族ジアミン及びテレフタル酸から誘導されるがビス(アミノアルキル)シクロヘキサン及びシクロヘキサンジカルボン酸を含まない類似したポリアミドに対して、高温における著しく改良された機械的性質(例えば引張弾性率及び強度)、並びに熱エージング後の著しく改良された機械的性質の保持率を有するポリマー組成物(PC)が提供されることが驚くべきことに発見された。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、少なくとも15GPa、少なくとも17GPa、少なくとも20GPa又は少なくとも25GPaの125℃における引張弾性率を有する。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、35GPa以下、30GPa以下、25GPa以下又は23GPa以下の125℃における引張弾性率を有する。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、20GPa~35GPa、25GPa~35GPa、25GPa~30GPa、15GPa~30GPa、17GPa~27GPA、20GPa~25GPa又は20GPa~23GPaの125℃における引張弾性率を有する。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、少なくとも10GPa、少なくとも13GPa少なくとも15GPa又は少なくとも20GPaの140℃における引張弾性率を有する。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、30GPa以下、25GPa以下、20GPa以下又は18GPa以下の140℃における引張弾性率を有する。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、15GPa~30GPa、20GPa~30GPa、15GPa~25GPa、20GPa~25GPa、10GPa~25GPa、13GPa~20GPa、15GPa~20GPa又は15GPa~18GPaの140℃における引張弾性率を有する。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、少なくとも8GPa、少なくとも10GPa、少なくとも12GPa又は少なくとも16GPaの150℃における引張弾性率を有する。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、25GPa以下、20GPa以下、18GPa以下又は15GPa以下の150℃における引張弾性率を有する。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、12GPa~25GPa、16GPa~25GPa、12GPa~20GPa、16GPa~20GPa、8GPa~20GPa、10GPa~18GPa、12GPa~18GPa又は12GPa~15GPaの150℃における引張弾性率を有する。引張弾性率は、実施例の欄で説明するように測定することができる。
いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、少なくとも120MPa、少なくとも130MPa、少なくとも140MPa、少なくとも160MPa、少なくとも170MPa又は少なくとも180MPaの125℃における引張強さを有する。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、195MPa以下、190MPa以下、185MPa以下、170MPa以下、160MPa以下又は150MPa以下の125℃における引張強さを有する。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、160MPa~195MPa、170MPa~195MPa、180MPa~195MPa、180MPa~190MPa、180MPa~185MPa、120MPa~170MPa、130MPa~160MPa又は140MPa~150MPaの125℃における引張強さを有する。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、少なくとも110MPa、少なくとも115MPa、少なくとも120MPa、少なくとも140MPa、少なくとも150MPa又は少なくとも160MPaの140℃における引張強さを有する。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、180MPa以下、170MPa以下、165MPa以下、140MPa以下、135MPa以下又は130MPa以下の140℃における引張強さを有する。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、140MPa~180MPa、150MPa~180MPa、160MPa~180MPa、160MPa~170MPa、160MPa~165MPa、110Mpa~140MPa、115MPa~135MPa又は120MPa~130MPaの140℃における引張強さを有する。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、少なくとも90MPa、少なくとも95MPa、少なくとも100MPa、少なくとも120MPa、少なくとも125MPa又は少なくとも130MPaの150℃における引張強さを有する。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、150MPa以下、140MPa以下、135MPa以下、115MPa以下、110MPa以下又は105MPa以下の150℃における引張強さを有する。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、120MPa~150MPa、125MPa~150MPa、130MPa~150MPa、130MPa~140MPa、130MPa~135MPaの150℃における引張強さを有する。引張強さは、実施例の欄で説明するように測定することができる。
上記の通り、ポリマー組成物はまた、改良された引張強さ保持率を有する。引張強さ保持率は以下の式:100*TS/TSによって与えられ、ここでTSは熱エージング後の引張強さであり、TSは熱エージング前の引張強さであり、熱エージングは、ポリマー組成物(PC)を200℃の温度で500時間の間加熱することからなる。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、少なくとも215MPa、少なくとも220MPa又は少なくとも225MPaの熱エージング後の引張強さを有する。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、240MPa以下、235MPa以下又は230MPa以下の熱エージング後の引張強さを有する。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、215MPa~240MPa、220MPa~240MPa、225MPa~240MPa、225MPa~235MPa、225MPa~230MPaの熱エージング後の引張強さを有する。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、少なくとも70%、少なくとも75%又は少なくとも80%の熱エージング後の引張強さ保持率を有する。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、95%以下、90%以下又は85%以下の引張強さ保持率を有する。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、70%~95%75%~95%、80%~95%、80%~90%、80%~85%の熱エージング後の引張強さ保持率を有する。
ポリアミド(PA)
ポリマー組成物(PC)はポリアミド(PA)を含有する。ポリアミド(PA)は、(1)20モル%~95モル%のCtoC12脂肪族ジアミンと、5モル%~80モル%のビス(アミノアルキル)シクロヘキサンと、を含有し、これらのモル%がジアミン成分中の各ジアミンモノマーの総モル数に対するものであるジアミン成分(A);並びに(2)30モル%~100モル%のテレフタル酸と、0モル%~70モル%、好ましくは1モル%~70モル%のシクロヘキサンジカルボン酸とを含有し、これらのモル%がジカルボン酸成分中の各ジカルボン酸モノマーの総モル数に対するものであるジカルボン酸成分(B)を含有する反応混合物中のモノマーの重縮合により得られる。ビス(アミノアルキル)シクロヘキサン、又はビス(アミノアルキル)シクロヘキサンとシクロヘキサンジカルボン酸との特定の組合せを半芳香族ポリアミドに導入することによって、高温における機械的性質を有する炭素繊維充填ポリマー組成物(PC)がもたらされることが驚くべきことに発見された。本明細書で説明されるポリアミドは、少なくとも145℃のガラス転移温度(「Tg」)、少なくとも295℃の融解温度(「Tm」)、及び少なくとも30J/gの融解熱(「ΔH」)を有する。
ジアミン成分(A)
ジアミン成分(A)は、20モル%~95モル%のC~C12脂肪族ジアミン及び5モル%~80モル%のビス(アミノアルキル)シクロヘキサンを含む、反応混合物中の全てのジアミンを含む。ジアミン成分(A)中のモノマーの濃度に言及する場合、濃度は、別段の明記がない限り、ジアミン成分(A)中の全てのジアミンの総モル数に対するものであることが理解される。
いくつかの実施形態では、C~C12脂肪族ジアミンは、下記式で表される:
N-R-NH,(1)
(式中、R’は、C~C12アルキル基、好ましくはC~C10アルキル基である)。いくつかの実施形態では、C~C12脂肪族ジアミンは、1,4-ジアミノブタン(プトレシン)、1,5-ジアミノペンタン(カダベリン)、2-メチル-1,5-ジアミノペンタン、ヘキサメチレンジアミン(又は1,6-ジアミノヘキサン)、3-メチルヘキサメチレンジアミン、2,5-ジメチルヘキサメチレンジアミン、2,2,4-トリメチル-ヘキサメチレンジアミン、2,4,4-トリメチル-ヘキサメチレンジアミン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、2,2,7,7-テトラメチルオクタメチレンジアミン、1,9-ジアミノノナン、2-メチル-1,8-ジアミノオクタン、5-メチル-1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、及び1,12-ジアミノドデカンからなる群から選択される。好ましくは、C~C12脂肪族ジアミンは、1,6-ジアミノヘキサン、3-メチルヘキサメチレンジアミン、2,2,4-トリメチル-ヘキサメチレンジアミン、2,4,4-トリメチル-ヘキサメチレンジアミン、1,9-ジアミノノナン、2-メチル-1,8-ジアミノオクタン、5-メチル-1,9-ジアミノノナン、及び1,10-ジアミノデカンからなる群から選択される。好ましくは、C~C12脂肪族ジアミンは、C~C10脂肪族ジアミン又はC~C脂肪族ジアミンである。最も好ましくは、C~C12脂肪族ジアミンは1,6-ジアミノヘキサンである。
いくつかの実施形態では、C~C12脂肪族ジアミンの濃度は、25モル%~95モル%、30モル%~95モル%、35モル%~95モル%、40モル%~95モル%、45モル%~95モル%、又は50モル%~95モル%である。いくつかの実施形態では、C~C12脂肪族ジアミンの濃度は、20モル%~90モル%、25モル%~90モル%、30モル%~90モル%、35モル%~90モル%、40モル%~90モル%、45モル%~90モル%、又は50モル%~90モル%である。
ビス(アミノアルキル)シクロヘキサンは、下記式で表される:
Figure 2023523853000001
(式中、R及びRはC~C10アルキルから独立して選択され;Rは、各位置において、アルキル、アリール、アルカリ又はアルカリ土類金属スルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、及び四級アンモニウムからなる群から選択され;iは0~10の整数である)。-R-NH基は、メタ位(1,3-)又はパラ位(1,4-)に相対的に配置される。好ましくは、iは0であり、R及びRは共に-CH-である。最も好ましくは、ビス(アミノアルキル)シクロヘキサンは、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(「1,3-BAC」)及び1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(「1,4-BAC」)から選択される。当然、ビス(アミノアルキル)シクロヘキサンはシス配座であってもトランス配座であってもよい。したがって、ジアミン成分(A)は、シス-ビス(アミノアルキル)シクロヘキサンのみ、トランス-ビス(アミノアルキル)シクロヘキサンのみ、又はシス-とトランス-のビス(アミノアルキル)シクロヘキサンの混合物を含むことができる。
いくつかの実施形態では、ビス(アミノアルキル)シクロヘキサンの濃度は、5モル%~75モル%、5モル%~70モル%、5モル%~65モル%、5モル%~60モル%、5モル%~55モル%、又は5モル%~50モル%である。いくつかの実施形態では、ビス(アミノアルキル)シクロヘキサンの濃度は、10モル%~75モル%、10モル%~70モル%、10モル%~65モル%、10モル%~60モル%、10モル%~55モル%、又は10モル%~50モル%、又は20モル%~40モル%である。
上で述べたように、いくつかの実施形態において、ジアミン成分(A)は、1種以上の追加のジアミンを含む。追加のジアミンは、C~C12脂肪族ジアミンとは異なり、且つビス(アミノアルキル)シクロヘキサンとは異なる。いくつかの実施形態では、1種、複数種、又は全ての追加のジアミンは、式(1)によって表され、それぞれ互いに異なり、且つC~C12脂肪族ジアミンとは異なる。いくつかの実施形態では、それぞれの追加のジアミンは、1,2ジアミノエタン、1,2-ジアミノプロパン、プロピレン-1,3-ジアミン、1,3ジアミノブタン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、2-メチル-1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、3-メチルヘキサメチレンジアミン、2,5ジメチルヘキサメチレンジアミン、2,2,4-トリメチル-ヘキサメチレンジアミン、2,4,4-トリメチル-ヘキサメチレンジアミン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、2,2,7,7テトラメチルオクタメチレンジアミン、1,9-ジアミノノナン、2-メチル-1,8-ジアミノオクタン、5-メチル-1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、1,13-ジアミノトリデカン、2,5-ビス(アミノメチル)テトラヒドロフラン、及びN,N-ビス(3-アミノプロピル)メチルアミンからなる群から選択される。このカテゴリーには、イソホロンジアミン、1,3-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、ビス-p-アミノシクロヘキシルメタンなどの脂環式ジアミンも含まれる。いくつかの実施形態では、ジアミン成分は、ビス(アミノアルキル)シクロヘキサン以外の脂環式ジアミンを含まない。本明細書において、モノマー(例えばビス(アミノアルキル)シクロヘキサン)を含まないということは、対応する成分(例えばジアミン成分(A))中のモノマーの濃度が1モル%未満、好ましくは0.5モル%未満、より好ましくは0.1モル%未満、更に好ましくは0.05モル%未満、最も好ましくは0.01モル%未満であることを意味する。
ジカルボン酸成分(B)
ジカルボン酸成分(B)には、30モル%~100モル%のテレフタル酸と0モル%~70モル%、好ましくは1モル%~70モル%のシクロヘキサンジカルボン酸とを含む、反応混合物中の全てのジカルボン酸が含まれる。ジカルボン酸成分(B)中のモノマーの濃度に言及される場合、濃度は、別段の明記がない限り、ジカルボン酸成分(A)中の全てのジカルボン酸のモル数に対するものであることが理解されるであろう。
いくつかの実施形態において、テレフタル酸の濃度は35モル%~100モル%、35モル%~100モル%、40モル%~100モル%、45モル%~100モル%、又は50モル%~100モル%である。いくつかの実施形態において、テレフタル酸の濃度は30モル%~99モル%、35モル%~99モル%、40モル%~99モル%、45モル%~99モル%又は50モル%~99モル%である。いくつかの実施形態において、テレフタル酸の濃度は30モル%~95モル%、35モル%~97モル%、40モル%~97モル%、45モル%~97モル%又は50モル%~97モル%である。
シクロヘキサンジカルボン酸は、下記式で表される:
Figure 2023523853000002
(式中、Rは、アルキル、アリール、アルカリ又はアルカリ土類金属スルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、及び四級アンモニウムからなる群から選択され;jは0~10の整数である)。明示的な-COOH基は、メタ位(1,3-)又はパラ位(1,4-)、好ましくはパラ位に相対的に配置される。好ましくは、シクロヘキサンジカルボン酸は、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸(「CHDA」)(jは0である)である。当然、シクロヘキサンジカルボン酸は、シス配座であってもトランス配座であってもよい。したがって、ジカルボン酸成分(B)は、シス-シクロヘキサンジカルボン酸のみ、トランス-シクロヘキサンジカルボン酸のみ、又はシス-とトランス-のシクロヘキサンジカルボン酸の混合物を含むことができる。
いくつかの実施形態では、シクロヘキサンジカルボン酸の濃度は、1モル%~70モル%、1モル%~65モル%、1モル%~60モル%、1モル%~55モル%、又は1モル%~50モル%である。
上で述べたように、いくつかの実施形態において、ジカルボン酸成分(B)は、1種以上の追加のジカルボン酸を含む。それぞれの追加のジカルボン酸は互いに異なり、テレフタル酸及びシクロヘキサンジカルボン酸とは異なる。いくつかの実施形態では、1種、複数種、又は全ての追加のジカルボン酸が式(3)で表され、それぞれ互いに異なり、シクロヘキサンジカルボン酸とは異なる。
いくつかの実施形態では、1以上の追加のジカルボン酸は、C~C12の脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、及び脂環式ジカルボン酸からなる群から独立して選択される。望ましいC~C10脂肪族ジカルボン酸の例としては、限定するものではないが、コハク酸[HOOC-(CH-COOH]、グルタル酸[HOOC-(CH-COOH]、2,2-ジメチル-グルタル酸[HOOC-C(CH-(CH-COOH]、アジピン酸[HOOC-(CH-COOH]、2,4,4-トリメチル-アジピン酸[HOOC-CH(CH)-CH-C(CH-CH-COOH]、ピメリン酸[HOOC-(CH-COOH]、スベリン酸[HOOC-(CH-COOH]、アゼライン酸[HOOC-(CH-COOH]、セバシン酸[HOOC-(CH-COOH]、1,12-ドデカン二酸[HOOC-(CH10-COOH]が挙げられる。
望ましい芳香族ジカルボン酸の例としては、限定するものではないが、イソフタル酸(IA)などのフタル酸、ナフタレンジカルボン酸(例えばナフタレン-2,6-ジカルボン酸)、4,4’ビ安息香酸、2,5-ピリジンジカルボン酸、2,4-ピリジンジカルボン酸、3,5-ピリジンジカルボン酸、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(4-カルボキシフェニル)ケトン、4,4’-ビス(4-カルボキシフェニル)スルホン、2,2-ビス(3-カルボキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-カルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(3-カルボキシフェニル)ケトン、ビス(3-カルボキシフェノキシ)ベンゼンが挙げられる。
望ましい脂環式ジカルボン酸の例としては、限定するものではないが、シクロプロパン-1,2-ジカルボン酸、1-メチルシクロプロパン-1,2-ジカルボン酸、シクロブタン-1,2-ジカルボン酸、テトラヒドロフラン-2,5-ジカルボン酸、1,3-アダマンタンジカルボン酸が挙げられる。
ポリアミド(PA)が1種以上の追加のジカルボン酸を含むいくつかの実施形態では、1種以上の追加のジカルボン酸の総濃度は20モル%以下である。
ポリアミド(PA)の繰り返し単位
上述したジアミン成分及びジカルボン酸成分の中のモノマーの重縮合から形成されるポリアミド(PA)は、それぞれ以下の式で表される繰り返し単位RPA1及びRPA2
Figure 2023523853000003
を含み、更に、シクロヘキサンジカルボン酸がジカルボン酸成分(B)中に存在しているとき、繰り返し単位RPA3及びRPA4はそれぞれ、以下の式:
Figure 2023523853000004
(式中、R~R、R、R、i及びjは上で定義される)によって表される。当業者であれば、繰り返し単位RPA1がC~C12脂肪族ジアミンとテレフタル酸との重縮合から形成され、繰り返し単位RPA3がC~C12脂肪族ジアミンとシクロヘキサンジカルボン酸との重縮合から形成され、繰り返し単位RPA2がビス(アミノアルキル)シクロヘキサンとテレフタル酸との重縮合から形成され、繰り返し単位RPA4がビス(アミノアルキル)シクロヘキサンとシクロヘキサンジカルボン酸との重縮合から形成されることを認識するであろう。いくつかの実施形態では、Rは-(CH)-であり、式中のmは5~10、好ましくは5~9、最も好ましくは6である。加えて、又は代わりに、いくつかの実施形態では、R及びRは共に-CH-であり、i及びjは共にゼロである。いくつかの実施形態において、ビス(アミンアルキル)シクロヘキサンは1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンであり、シクロヘキサンジカルボン酸は1,4-シクロヘキサンジカルボン酸である。
いくつかの実施形態において、繰り返し単位RPA1及びRPA2の全濃度は、少なくとも50モル%、少なくとも60モル%、少なくとも70モル%、少なくとも80モル%、少なくとも90モル%、少なくとも95モル%、少なくとも97モル%、少なくとも98モル%、少なくとも99モル%又は少なくとも99.5モル%である。任意選択のシクロヘキサンジカルボン酸がジカルボン酸成分(B)中に存在しているいくつかの実施形態において、繰り返し単位RPA1~RPA4の全濃度は少なくとも50モル%、少なくとも60モル%、少なくとも70モル%、少なくとも80モル%、少なくとも90モル%、少なくとも95モル%、少なくとも97モル%、少なくとも98モル%、少なくとも99モル%又は少なくとも99.5モル%である。繰り返し単位のモル%に言及される場合、濃度は、別段の明記がない限り、示されたポリマー中の繰り返し単位の総数に対するものであることが理解されるであろう。
ポリアミド(PA)は半結晶性のポリアミドである。本明細書において、半結晶性ポリアミドは、少なくとも5ジュール毎グラム(「J/g」)の融解熱(「ΔH」)を有するポリアミドである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のポリアミド(PA)は、少なくとも30J/g、又は少なくとも35J/gのΔHを有する。追加的又は代わりに、いくつかの実施形態では、ポリアミド(PA)は、60J/g以下又は55J/g以下のΔHを有する。いくつかの実施形態では、ポリアミド(PA)は、30J/g~60J/g又は35J/g~60J/g、30J/g~55J/g、又は35J/g~55J/gのΔHを有する。ΔHは、20℃/分の加熱速度を使用してASTM D3418に従って測定することができる。
ポリアミド(PA)は、少なくとも145℃、好ましくは少なくとも150℃のTgを有する。いくつかの実施形態では、ポリアミド(PA)は、190℃以下、180℃以下、又は170℃以下のTgを有する。いくつかの実施形態では、ポリアミド(PA)は、145℃~190℃、145℃~180℃、145℃~170℃、150℃~190℃、150℃~180℃、又は150℃~170℃のTgを有する。Tgは、ASTM D3418に従って測定することができる。
ポリアミド(PA)は、少なくとも295℃、好ましくは少なくとも300℃のTmを有する。いくつかの実施形態では、ポリアミド(PA)は、360℃以下、350℃以下、又は340℃以下のTmを有する。いくつかの実施形態では、ポリアミド(PA)は、295℃~360℃、295℃~350℃、295℃~340℃、300℃~360℃、300℃~350℃、又は300℃~340℃のTmを有する。Tmは、ASTM D3418に従って測定することができる。
いくつかの実施形態において、ポリアミド(PA)は、1,000g/モル~40,000g/モル、例えば2,000g/モル~35,000g/モル、4,000~30,000g/モル、又は5,000g/モル~20,000g/モルの範囲の数平均分子量(「Mn」)を有し得る。数平均分子量Mnは、ポリスチレン標準物質を用いて、ASTM D5296を使用してゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定することができる。
本明細書で説明されるポリアミド(PA)は、ポリアミド及びポリフタルアミドの合成に合わせられた任意の従来の方法によって調製することができる。好ましくは、ポリアミド(PA)は、60重量%未満、好ましくは50重量%未満の水の存在下で、少なくともTm+10℃の温度(Tmはポリアミド(PA)の融解温度である)までモノマーを反応させることによって(加熱することによって)調製され、ここでの重量%は反応混合物の総重量に対するものである。
本明細書で説明されるポリアミド(PA)は、例えばモノマー及びコモノマーの水溶液の熱重縮合(重縮合又は縮合とも呼ばれる)によって調製することができる。一実施形態では、ポリアミド(PA)は、反応混合物中で、少なくともC~C12脂肪族ジアミンと、ビス(アミノアルキル)シクロヘキサンと、テレフタル酸と、ジカルボン酸成分(B)中に存在すれば、シクロヘキサンジカルボン酸とを反応させることによって形成される。いくつかの実施形態では、反応混合物中のジアミンの総モル数は、反応混合物中のジカルボン酸の総モル数と実質的に等モルである。本明細書において、実質的に等モルとは、示されたモル数の±15%である値を意味する。例えば、反応混合物中のジアミン及びジカルボン酸の濃度との関係において、反応混合物中のジアミンの総モル数は、反応混合物中のジカルボン酸の総モル数の±15%である。ポリアミド(PA)は、鎖制限剤を含んでいてもよく、これはアミン部位又はカルボン酸部位と反応することができる一官能性分子であり、ポリアミド(PA)の分子量を制御するために使用される。例えば、鎖制限剤は、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、及び/又はベンジルアミンであってもよい。触媒も使用することができる。触媒の例は、亜リン酸、オルト-リン酸、メタ-リン酸、次亜リン酸ナトリウムなどのアルカリ金属次亜リン酸塩、及びフェニルホスフィン酸である。ホスファイトなどの、安定剤も使用され得る。
ポリマー組成物(PC)
ポリマー組成物(PC)は、ポリアミド(PA)、炭素繊維の他、補強剤及び添加剤からなる群から選択される1つ以上の任意選択の成分を含有する。添加剤には、限定するものではないが、強化剤、可塑剤、着色剤、顔料(例えばカーボンブラック及びニグロシンなどの黒色顔料)、帯電防止剤、染料、潤滑剤(例えば直鎖低密度ポリエチレン、ステアリン酸カルシウム若しくはマグネシウム又はモンタン酸ナトリウム)、熱安定剤、光安定剤、難燃剤(ハロゲンを含有しない難燃剤及びハロゲン含有難燃剤の両方)、核形成剤、酸掃去剤、酸化防止剤、表面接着増強剤、シランカップリング剤、及びその他の加工助剤が挙げられる。
いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)中のポリアミド(PA)の濃度は少なくとも20重量%、少なくとも30重量%、又は少なくとも40重量%である。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)中のポリアミド(PA)の濃度は85%以下、80重量%以下又は70重量%以下である。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)中のポリアミド(PA)の濃度は20重量%~85重量%、30重量%~80重量%又は40重量%~70重量%である。本明細書中で用いられるとき、特に明記されない限り、重量%はポリマー組成物の総重量に対するものである。
ポリマー組成物は炭素繊維も含有する。いくつかの実施形態において、炭素繊維は、ポリアクリロニトリル(「PAN」)系炭素繊維又はピッチ(芳香族炭化水素から構成される粘弾性材料)系炭素繊維である。実施例において実証されるように、PAN系炭素繊維ですぐれた結果が得られた。いくつかの実施形態において、炭素繊維は標準弾性率炭素繊維又は中間弾性率炭素繊維である。標準弾性率炭素繊維は、227GPa~235GPaの引張弾性率を有する。中間弾性率炭素繊維は、282GPA~289GPaの引張弾性率を有する。炭素繊維は未使用炭素繊維又は再生(使用済み又はポスト工業)炭素繊維(熱分解されるか又は過大の)であり得る。いくつかの実施形態において、炭素繊維は、少なくとも1mm、少なくとも3mm、少なくとも4mm、少なくとも5mm又は少なくとも6mmの平均長さを有する。いくつかの実施形態において、ガラス繊維は、10mm以下の平均長さを有する。いくつかの実施形態において、炭素繊維は、1mm~10mm、3mm~10mm、4mm~10mm、5mm~10mm又は更に6mm~10mmの平均長さを有する。
いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)中の炭素繊維濃度は少なくとも少なくとも10重量%、少なくとも15重量%又は少なくとも20重量%である。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)中の炭素繊維濃度は70重量%以下、60重量%以下又は50重量%以下である。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)中の炭素繊維濃度は10重量%~70重量%である、15重量%~70重量%20重量%~70重量%、10重量%~60重量%、15重量%~60重量%、20重量%~60重量%、10重量%~50重量%、15重量%~50重量%又は20重量%~50重量%である。
いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、炭素繊維の他に補強剤を含有する。強化用繊維又は充填剤とも呼ばれる、幅広く選択した補強剤をポリマー組成物(PC)に添加することができる。いくつかの実施形態において、補強剤は、無機充填剤(限定するものではないが、タルク、マイカ、カオリン、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウムが挙げられる)、ガラス繊維、追加の炭素繊維、合成ポリマー繊維、アラミド繊維、アルミニウム繊維、チタン繊維、マグネシウム繊維、炭化ホウ素繊維、ロックウール繊維、鋼繊維及びウォラストナイトから選択される。
一般的には、補強剤は繊維補強剤又は粒状補強剤である。繊維補強剤は、平均長さが幅及び厚さの両方よりも著しく大きい長さ、幅及び厚さを有する材料を指す。一般に、そのような材料は、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20、又は少なくとも50の、長さと、最大の幅及び厚さとの間の平均比として定義されるアスペクト比を有する。いくつかの実施形態では、繊維補強剤(例えばガラス繊維又は炭素繊維)は3mm~50mmの平均長さを有する。いくつかのそのような実施形態では、繊維補強剤は、3mm~10mm、3mm~8mm、3mm~6mm、又は3mm~5mmの平均長さを有する。代替の実施形態では、繊維補強剤は、10mm~50mm、10mm~45mm、10mm~35mm、10mm~30mm、10mm~25mm、又は15mm~25mmの平均長さを有する。繊維補強剤の平均長さは、ポリマー組成物(PC)に組み込まれる前の繊維補強剤の平均長さとして理解することができ、或いはポリマー組成物(PC)中の繊維補強剤の平均長さとして理解することができる。
ガラス繊維に対して、それらは、異なったタイプのガラスを生成するように調整され得るいくつかの金属酸化物を含有するシリカ系ガラス化合物である。主な酸化物は珪砂の形態のシリカであり、カルシウム、ナトリウム及びアルミニウムなどの他の酸化物を導入して融解温度を低下させ、結晶化を妨げる。ガラス繊維をエンドレスファイバーとして又はチョップトグラスファイバーとして添加することができる。ガラス繊維は一般的に、5~20好ましくは5~15μm及びより好ましくは5~10μmの相当直径を有する。A、C、D、E、M、S、R、Tガラス繊維などの全てのガラス繊維のタイプ(Additives for Plastics Handbook,2nd ed,John Murphyの5.2.3章、43~48ページに説明されている)、又はそれらの任意の混合物又はそれらの混合物を用いることができる。
E、R、S及びTガラス繊維は本技術分野に公知である。それらはとりわけ、Fiberglass and Glass Technology,Wallenberger,Frederick T.;Bingham,Paul A.(Eds.),2010,XIV、5章、197~225ページに説明されている。R、S及びTガラス繊維は、ケイ素、アルミニウム及びマグネシウムの酸化物から本質的に構成されている。特に、それらのガラス繊維は典型的に62~75重量%のSiO2、16~28重量%のAl2O3及び5~14重量%のMgOを含む。他方、R、S及びTガラス繊維は10重量%未満のCaOを含む。
いくつかの実施形態において、ガラス繊維は高弾性率ガラス繊維である。高弾性率ガラス繊維は、ASTM D2343に従って測定される、少なくとも76、好ましくは少なくとも78、より好ましくは少なくとも80、最も好ましくは少なくとも82GPaの弾性率を有する。高弾性率ガラス繊維の例には、限定するものではないが、S、R、及びTガラス繊維が挙げられる。高弾性率ガラス繊維の商業的に入手可能な供給源はそれぞれTaishan及びAGY製のS-1及びS-2ガラス繊維である。
ガラス繊維のモルフォロジーは特に限定されない。上記の通り、ガラス繊維は、円形断面(「円形ガラス繊維」)又は非円形断面(「へん平ガラス繊維」)を有することができる。適したへん平ガラス繊維の例には、限定するものではないが、卵形、楕円及び矩形断面を有するガラス繊維が挙げられる。ポリマー組成物がへん平ガラス繊維を含有するいくつかの実施形態において、へん平ガラス繊維は、少なくとも15μm、好ましくは少なくとも20μm、より好ましくは少なくとも22μm、より一層好ましくは少なくとも25μmの断面最長径を有する。更に又は代わりに、いくつかの実施形態において、へん平ガラス繊維は、最大で40μm、好ましくは最大で35μm、より好ましくは最大で32μm、より一層好ましくは最大で30μmの断面最長径を有する。いくつかの実施形態において、へん平ガラス繊維は、15~35μm、好ましくは20~30μm及びより好ましくは25~29μmの範囲の断面の直径を有する。いくつかの実施形態において、へん平ガラス繊維は、少なくとも4μm、好ましくは少なくとも5μm、より好ましくは少なくとも6μm、より一層好ましくは少なくとも7μmの断面最短径を有する。更に又は代わりに、いくつかの実施形態において、へん平ガラス繊維は、最大で25μm、好ましくは最大で20μm、より好ましくは最大で17μm、より一層好ましくは最大で15μmの断面最短径を有する。いくつかの実施形態において、へん平ガラス繊維は、5~20好ましくは5~15μm及びより好ましくは7~11μmの範囲の断面最短径を有する。
いくつかの実施形態において、へん平ガラス繊維は、少なくとも2、好ましくは少なくとも2.2、より好ましくは少なくとも2.4、より一層好ましくは少なくとも3のアスペクト比を有する。アスペクト比は、ガラス繊維の断面最長径対同じ断面最短径の比として定義される。更に又は代わりに、いくつかの実施形態において、へん平ガラス繊維は、最大で8、好ましくは最大で6、より好ましくは最大で4のアスペクト比を有する。いくつかの実施形態において、へん平ガラス繊維は、2~6、好ましくは、2.2~4のアスペクト比を有する。ガラス繊維が円形ガラス繊維であるいくつかの実施形態において、ガラス繊維は、2未満、好ましくは1.5未満、より好ましくは1.2未満、更により好ましくは1.1未満、最も好ましくは、1.05未満のアスペクト比を有する。もちろん、本技術分野の当業者は、ガラス繊維のモルフォロジー(例えば円形又はへん平)に関係なく、アスペクト比は、定義によって1未満であり得ないことを理解するであろう。
いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)中の補強剤(例えばガラス又は炭素繊維)の濃度は少なくとも少なくとも10重量%、少なくとも15重量%又は少なくとも20重量%である。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)中の補強剤の濃度は70重量%以下、60重量%以下又は50重量%以下である。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)中の補強剤の濃度は10重量%~70重量%である、15重量%~70重量%20重量%~70重量%、10重量%~60重量%、15重量%~60重量%、20重量%~60重量%、10重量%~50重量%、15重量%~50重量%又は20重量%~50重量%である。ポリマー組成物(PC)が炭素繊維及びガラス繊維を含有するいくつかの実施形態において、炭素繊維及びガラス繊維の全濃度は、前述の範囲内である。代替のこのような実施形態において、炭素繊維濃度及びガラス繊維濃度は各々、独立に上記の範囲内である。
ポリマー組成物(PC)が炭素繊維及びガラス繊維を含有するいくつかの実施形態において、炭素繊維対ガラス繊維の重量比(ポリマー組成物(PC)中の炭素繊維の重量/ポリマー組成物(PC)中のガラス繊維の重量)は少なくとも0.05、少なくとも0.15、少なくとも0.2、少なくとも0.5、少なくとも0.75、又は少なくとも1である。ポリマー組成物(PC)が炭素繊維及びガラス繊維を含有するいくつかの実施形態において、炭素繊維対ガラス繊維の重量比は、4以下、3以下、2以下又は1以下である。ポリマー組成物(PC)が炭素繊維及びガラス繊維を含有するいくつかの実施形態において、炭素繊維対ガラス繊維の重量比は0.05~4、0.05~3、0.05~2、0.05~1、0.15~4、0.15~3、0.15~2、0.15~1、0.2~5、0.2~4、0.2~3、0.2~1、0.5~4、0.5~3、0.5~2、0.5~1、1~4、1~3又は1~2である。
いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は強化剤を含有する。強化剤は、一般に低Tgのポリマーであり、例えば室温未満、0℃未満又は更に-25℃未満のTgを有する。その低いTgの結果として、強化剤は、典型的には、室温でエラストマー性である。強化剤は、官能化されたポリマー主鎖であり得る。
強化剤のポリマー主鎖は、ポリエチレン及びそれらのコポリマー、例えばエチレン-ブテン;エチレン-オクテン;ポリプロピレン及びそれらのコポリマー;ポリブテン;ポリイソプレン;エチレン-プロピレン-ゴム(EPR);エチレン-プロピレン-ジエンモノマーゴム(EPDM);エチレン-アクリレートゴム;ブタジエン-アクリロニトリルゴム、エチレン-アクリル酸(EAA)、エチレン-酢酸ビニル(EVA);アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンゴム(ABS)、ブロックコポリマースチレンエチレンブタジエンスチレン(SEBS);ブロックコポリマースチレンブタジエンスチレン(SBS);メタクリレート-ブタジエン-スチレン(MBS)タイプのコア-シェルエラストマー、又は上記の1つ以上の混合物を含むエラストマー主鎖から選択することができる。
強化剤が官能化されている場合、主鎖の官能化は、官能基を含むモノマーの共重合又は更なる成分を用いたポリマー主鎖のグラフト化に由来することができる。
官能化された強化剤の具体的な例は、とりわけ、エチレンと、アクリル酸エステルとグリシジルメタクリレートとのターポリマー、エチレンとブチルエステルアクリレートとのコポリマー;エチレンと、ブチルエステルアクリレートとグリシジルメタクリレートとのコポリマー;エチレン-無水マレイン酸コポリマー;無水マレイン酸でグラフトされたEPR;無水マレイン酸でグラフトされたスチレンコポリマー;無水マレイン酸でグラフトされたSEBSコポリマー;無水マレイン酸でグラフトされたスチレン-アクリロニトリルコポリマー;無水マレイン酸でグラフトされたABSコポリマーである。
いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)中の強化剤の濃度は少なくとも1重量%、少なくとも2重量%又は少なくとも3重量%である。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)中の強化剤の濃度は20重量%以下、15重量%以下又は10重量%以下である。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)中の強化剤の濃度は1重量%~20重量%、2重量%~15重量%又は3重量%~10重量%である。
上記の通り、ポリマー組成物(PC)は、それらの所期の使用環境において(例えば、エンジンベイ内、又はこれに十分に近接して)高温に暴露される電気物品及び電子物品に望ましくは導入される。したがって、いくつかの実施形態において、過電圧又は他の燃焼源(例えば自動車又は航空宇宙エンジンベイ用途状況における)の場合、難燃剤がポリマー組成物(PC)に望ましくは導入される。更にまた、同様な理由のために、難燃剤は好ましくは、ハロゲンを含有しない難燃剤である。
いくつかの実施形態において、ハロゲンを含有しない難燃剤は、ホスフィン酸塩(ホスフィナート)、ジホスフィン酸塩(ジホスフィナート)及びその縮合物からなる群から選択される有機リン化合物である。好ましくは、有機リン化合物は、式(I)のホスフィン酸塩(ホスフィナート)、式(II)のジホスフィン酸塩(ジホスフィナート)及びその縮合物:
Figure 2023523853000005
(式中、R、Rは同じか又は異なっており、R及びRの各々は水素又は直鎖若しくは分岐C~Cアルキル基であるか又はアリール基であり;Rは直鎖若しくは分岐C~C10アルキレン基、C~C10アリーレン基、アルキル-アリーレン基、又はアリール-アルキレン基であり;Mはカルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン、亜鉛イオン、チタンイオン、及びそれらの組合せから選択され;mは2又は3の整数であり;nは1又は3の整数であり;及びxは1又は2の整数である)からなる群から選択される。
好ましくは、R及びRは独立に、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、及びフェニルから選択され;R3はメチレン、エチレン、n-プロピレン、イソプロピレン、n-ブチレン、tert-ブチレン、nペンチレン、n-オクチレン、n-ドデシレン、フェニレン、ナフチレン、メチルフェニレン、エチルフェニレン、tert-ブチルフェニレン、メチルナフチレン、エチルナフチレン、tert-ブチルナフチレン、フェニルメチレン、フェニルエチレン、フェニルプロピレン、及びフェニルブチレンから選択され;及びMはアルミニウム及び亜鉛イオンから選択される。
ホスフィナートは、有機リン化合物として好ましい。適したホスフィナートは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,365,071号明細書に説明されている。特に好ましいホスフィナートは、ホスフィン酸アルミニウム、ホスフィン酸カルシウム、及びホスフィン酸亜鉛である。ホスフィン酸アルミニウムによってすぐれた結果が得られた。ホスフィン酸アルミニウムのなかで、エチルメチルホスフィン酸アルミニウム及びジエチルホスフィン酸アルミニウム及びそれらの組合せが好ましい。ジエチルホスフィン酸アルミニウムが使用される場合、すぐれた結果が特に得られた。
いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)中のハロゲンを含有しない難燃剤の濃度は少なくとも5重量%又は少なくとも7重量%である。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)中のハロゲンを含有しない難燃剤の濃度は20重量%以下又は15重量%以下である。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)中のハロゲンを含有しない難燃剤の濃度は5重量%~20重量%、7重量%~20重量%、5重量%~15重量%又は7重量%~15重量%である。
いくつかの実施形態において、最も望ましくは、ハロゲンを含有しない難燃剤を導入する実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、酸掃去剤を更に含有する。酸掃去剤には、限定するものではないが、シリコーン;シリカ;ベーマイト;酸化アルミニウム、酸化カルシウム酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化ニッケル、酸化銅及び酸化タングステンなどの金属酸化物;アルミニウム、鉄、チタン、マンガン、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、スズ、アンチモン、ニッケル、銅及びタングステンなどの金属粉末;及びメタ硼酸バリウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、及び炭酸バリウムなどの金属塩が挙げられる。ポリマー組成物(PC)が酸掃去剤を含有するいくつかの実施形態において、酸掃去剤の濃度は0.01重量%~5重量%、0.05重量%~4重量%、0.08重量%~3重量%、0.1重量%~2重量%、0.1重量%~1重量%、0.1重量%~0.5重量%又は0.1重量%~0.3重量%である。
いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)中の全添加剤の濃度は少なくとも0.1重量%、少なくとも0.2重量%又は少なくとも0.3重量%である。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)中の全添加剤の濃度は20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、7重量%以下又は5重量%以下である。いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)中の全添加剤の濃度は0.1重量%~20重量%、0.1重量%~15重量%、0.1重量%~10重量%、0.2重量%~7重量%又は0.3重量%~5重量%である。
いくつかの実施形態において、ポリマー組成物(PC)は、1つ以上の追加のポリマーを更に含有する。いくつかのこのような実施形態において、追加のポリマーの少なくとも1つは、脂肪族ポリアミド、半芳香族ポリアミド、より一般的には芳香族若しくは脂肪族飽和二酸と、脂肪族飽和若しくは芳香族第一級ジアミン、ラクタム、アミノ酸又はこれらの異なるモノマーの混合物との間の重縮合により得られるポリアミドなど、半結晶性又はアモルファスポリアミドである。
ポリマー組成物(PC)の調製
本発明は更に、ポリマー組成物(PC)を製造する方法に関する。方法は、ポリアミド(PA)と1つ以上の任意選択の成分(補強剤及び添加剤)とを溶融ブレンドすることを必要とする。
任意の溶融ブレンディング方法が、本発明との関連でポリマー成分と非ポリマー成分とを混合するために用いられ得る。例えば、ポリマー成分及び非ポリマー成分は、一軸スクリュー押出機若しくは二軸スクリュー押出機、撹拌機、一軸スクリュー若しくは二軸スクリューニーダー、又はバンバリーミキサー等の溶融ミキサーに供給することができ、添加するステップは、全ての成分の同時添加又はバッチ式の段階的添加であり得る。ポリマー成分及び非ポリマー成分がバッチ式で徐々に添加される場合、ポリマー成分及び/又は非ポリマー成分の一部がまず添加され、次いで十分に混合された組成物が得られるまで、その後に添加される残りのポリマー成分及び非ポリマー成分と溶融混合される。補強剤が長い物理的形状(例えば、長いガラス繊維及び連続繊維)を示す場合、補強された組成物を調製するために延伸押出成形又は引抜成形が用いられ得る。
物品及び用途
また、本発明は、ポリマー組成物を含む物品(PC)に関する。少なくとも一つには高温における改良された機械的性能及び熱エージング後の改良された機械的保持のために、それらの所期の使用中に高温及びポリオール水溶液に暴露される(例えば少なくとも30分、1時間又は10時間の間125℃、140℃又は150℃の温度に暴露される)任意の物品にポリマー組成物(PC)を望ましくは導入する。
いくつかの実施形態において、物品は、自動車部品(モーターサイクル構成部品、全地形型車両構成部品及び船舶部品など)及び航空宇宙用部品(飛行機構成部品、ヘリコプター構成部品、無人航空機構成部品、ミサイル構成部品、ロケット構成部品及び衛星部品など)からなる群から選択される。自動車部品の例としては、限定するものではないが、熱管理システムの構成要素(限定するものではないが、サーモスタットハウジング、水入口/出口バルブ、水ポンプ、水ポンプインペラ、並びにヒーターコア及びエンドキャップなど)、空気管理システム構成要素(限定するものではないが、ターボチャージャーアクチュエータ、ターボチャージャーバイパスバルブ、ターボチャージャーホース、EGRバルブ、CACハウジング、排気ガス再循環システム、電子制御スロットルバルブ、及び熱風ダクトなど)、トランスミッション構成要素及びローンチ装置構成要素(限定するものではないが、デュアルクラッチトランスミッション、自動マニュアルトランスミッション、連続可変トランスミッション、自動トランスミッション、トルクコンバーター、デュアルマスフライホイール、パワーテイクオフ、クラッチシリンダー、シールリング、スラストワッシャー、スラストベアリング、ニードルベアリング、及びチェックボールなど)、自動車用電子部品、自動車用照明部品(限定するものではないが、モーターエンドキャップ、センサー、ECUハウジング、ボビン及びソレノイド、コネクタ、回路保護/リレー、アクチュエータハウジング、Liイオンバッテリーシステム、並びにヒューズボックスなど)、トラクションモーターとパワーエレクトロニクス構成要素(限定するものではないが、バッテリーパックなど)、燃料及び選択的触媒還元(「SCR」)システム(限定するものではないが、SCRモジュールのハウジング及びコネクタ、SCRモジュールのハウジング及びコネクタ、燃料フランジ、ロールオーバーバルブ、クイックコネクト、フィルターハウジング、燃料レール、燃料供給モジュール、燃料ホース、燃料ポンプ、燃料インジェクターOリング、及び燃料ホースなど)、流体システム構成要素(例えば燃料システム構成要素)(限定するものではないが、入口及び出口バルブ、並びに流体ポンプ構成要素など)、内部構成要素(例えばダッシュボード構成要素、ディスプレイ構成要素、及びシート構成要素など)、並びに構造及び軽量化構成要素(例えばギア及びベアリング、サンルーフ、ブラケット及びマウント、電気式バッテリーハウジング、熱管理構成要素、ブレーキシステム要素、並びにポンプ及びEGRシステム)が挙げられる。ポリマー組成物は更に、それらが高温に暴露される(例えばエンジンベイ内の)前述の物品に望ましくは導入される。
いくつかの実施形態において、物品は、熱可塑性樹脂に適合した任意のプロセス、例えば押出、射出成形、ブロー成形、回転成形又は圧縮成形によってポリマー組成物(PC)から成形される。また、ポリマー組成物(C)は、予備成形された形状をオーバーモールドして複合構造物を作るのに使用することができる。
いくつかの実施形態において、物品は、例えばフィラメントの形態であるポリマー組成物(PC)の押出の工程を含むプロセスによって、又はポリマー組成物(PC)(この場合は粉末形態である)のレーザー焼結の工程を含むプロセスによって、ポリマー組成物(PC)から印刷することができる。
本発明は、付加製造システムにより3次元(3D)物体を製造する方法であって、ポリマー組成物(C)を含む部品材料を提供する工程と、この部品材料から3次元物体の層を印刷する工程とを含む方法にも関する。
ポリマー組成物(PC)は、それ故、3D印刷のプロセス、例えば、熱溶解積層法(「FDM」)としても知られる、溶融フィラメント製造法に使用されるスレッド又はフィラメントの形態にあることもできる。
ポリマー組成物(PC)は、また、3D印刷のプロセス、例えば選択的レーザー焼結法(「SLS」)に使用される、粉末、例えば実質的に球形の粉末の形態にあることができる。
ポリマー組成物(PC)の使用及び物品
本発明は、ポリマー組成物(PC)の使用又は上記のような、自動車部品又は航空宇宙用部品を製造するための物品に関する。また、本発明は、物体を3D印刷するためのポリマー組成物(PC)の使用に関する。
本実施例は、ポリアミドの合成、熱性能、及び機械的性能を実証する。
サンプルを形成するために使用した原材料は以下に示す通りである:
- ポリアミド1(「PA1」):PA6,T/1,3-BAC,T/6,CHDA/1,3-BAC,CHDA(Tg=165℃及びTm=330℃))、合成された形態
- ヘキサメチレンジアミン(70重量%、Ascend Performance Materialsより)
- 1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン(Mitsubishi Gas Chemical Companyより)
- テレフタル酸(Flint Hills Resourcesより)
- 1,4-シクロヘキサンジカルボン酸(Eastman Chemical Companyより)
- ポリアミド2(「PA2」):PA6T/6I(70/30)(Solvay Specialty Polymersより)
- ポリアミド3(「PA3」):PA6T/6I(70/30)(Solvay Specialty Polymersより)
- ポリアミド4(「PA4」):PA6T/66(65/35)(Solvay Specialty Polymersより
- ポリアミド5(「PA5」):PA6T/66(65/35)(Solvay Specialty Polymersより)
- ポリアミド6(「PA6」):PA6T/66(55/45)(Solvay Specialty Polymersより)
- ポリアミド7(「PA7」):PA6T/6I/66(65/25/10)(Solvay Specialty Polymersより
- 強化剤:無水マレイン酸グラフト化SEBSコポリマー(KRATONTM FG 1901 GT、Kraton Corporationより)
- 熱安定剤1(「HS1」):CuI/KI/ステアリン酸マグネシウム(HS Triblend、Ajay North Americaより)
- 熱安定剤2(「HS2」):4-(1-メチ-1-フェニルエチル)N-[4-(1-メチル-1-フェニルエチル)フェニル]アニリン(NAUGARD(登録商標)445、Addivantより)
- 添加剤パッケージ1:熱安定剤、滑剤及び顔料を含有する添加剤パッケージ
- 添加剤パッケージ2:酸化防止剤、熱安定剤、滑剤及び顔料を含有する添加剤パッケージ
- 核形成剤:タルク(Mistron Vapor、Imerysより)
- 補強剤1(「CF」):炭素繊維(CF.OS.U1-6mm、Apply Carbon S.A./Procotex S.A.Corporationより)
- 補強剤2(「GF」):Eガラス繊維(ChopVantage(登録商標) HP 3610、日本電気硝子より)
実施例1-PA1の合成
この実施例はポリアミド1の合成を実証する。
PA1は、圧力調整弁を装着した留出物ラインを備えたオートクレーブ反応器において調製した。反応器に、498gの70%ヘキサメチレンジアミン、165gの1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、635gのテレフタル酸、20gの1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、355gの脱イオン水、7.2gの氷酢酸、及び0.32gのリン酸を入れた。反応器を密閉し、窒素でパージし、260℃に加熱した。内圧を120psigに維持するために、発生した蒸気をゆっくりと放出した。温度を3350℃に上げた。反応混合物を60分間335℃に保持しながら、反応圧力を大気圧まで低下させた。ポリマーを反応器から排出し、化合物調合物の調製において使用する。
実施例2-炭素繊維充填系の機械的性能
この実施例は、炭素繊維を含有するポリマー組成物の機械的性能を実証する。
機械的性能を実証するために、ポリマー樹脂(PPA1、PPA2又はPPA3のいずれか)を様々な成分と押出機内で溶融ブレンドすることによってポリマー組成物を形成した。次に、ポリマー組成物を試験試料に成形した。以下の呼称寸法:170mmの全長、75mmのゲージ長、80mmの平行部の長さ、10mmの平行部の幅、20mmのグリップ部の幅、及び4mmの厚さを有するダンベル形のISOタイプ1A引張試験片でISO527-2に従って引張弾性率及び引張強さを測定した。引張弾性率及び引張強さを23℃~150℃の試験温度で測定した。表1及び2は、それぞれ試料パラメーター及び引張特性を示す。表において、「E」は、実施例を意味し、「CE」は反例を意味する。表1(及び表3)の全ての値は重量%で記録される。
Figure 2023523853000006
Figure 2023523853000007
表2を参照して、PA1から形成される試料は予想外に、PA2、PA4、PA6及びPA7から形成される試料に対して著しく改良された引張弾性率及び高温における強度を有した。例えば、引張弾性率に関して、E1は、125℃、140℃及び150℃においてCE1~CE4の引張弾性率に対して著しくより硬質(より高い引張弾性率)であった。同様な結果が引張強さについて得られた。とりわけ、E1とCE2~CE4との比較は、直鎖脂肪族ジカルボン酸、アジピン酸の導入に対して、脂環式ジアミンビス(アミノアルキル)シクロヘキサン及び脂環式ジカルボン酸シクロヘキサンジカルボン酸の導入によって改良された引張弾性率及び高温における強度を実証した。CE1とCE2との比較は、芳香族ジカルボン酸イソフタル酸の導入に対して同様な改良を実証する。室温(23℃)において、E1の引張弾性率及び強度がCE1~CE4の引張弾性率及び強度と同じか又はより低いので、表2に示される結果は特に驚くべきである。結果は、E1が高温においてすぐれた機械的性能を有し、それらの所期の用途状況において(例えばエンジンベイにおいて)高温に暴露される構造物品によく適していることを実証する。
機械的性能の保持率も実証された。機械的性能の保持率を実証するために、試験試料は、それらを炉(空気雰囲気)内に置き、200℃で500時間の間加熱することによって熱エージングされた。引張強さを上記のように測定したが、しかし室温(23℃)において、熱エージングの前(「成形しただけ」)及び後に測定した。表3は熱エージング試験の結果を示す。
Figure 2023523853000008
表3を参照して、PA1から形成される試料は驚くべきことに、PA2、PA4、PA6及びPA7から形成される試料に対して改良された熱エージング後の引張強さ、並びに引張強さ保持率を有した。また、高温における機械的性能に関して上記の通り、E1とCE2~CE4との比較は、直鎖脂肪族ジカルボン酸アジピン酸の導入に対して、脂環式ジアミンビス(アミノアルキル)シクロヘキサン又は脂環式ジカルボン酸シクロヘキサンジカルボン酸の導入によって改良された引張弾性率及び強度を実証した。CE1とCE2との比較は、芳香族ジカルボン酸イソフタル酸の導入に対して同様な改良を実証する。
実施例3-炭素繊維及びガラス繊維充填系の機械的性能
この実施例は、炭素繊維とガラス繊維との組合せを含有するポリマー組成物の機械的性能を実証する。
機械的性能を実証するために、ポリマー樹脂(PA1、PA3、PA5、PA6、又はPA7のどれか)と様々な成分とを押出機内で溶融ブレンドすることによってポリマー組成物を形成した。次に、ポリマー組成物を試験試料に成形した。引張弾性率及び引張強さを23℃~150℃の試験バー温度で上記のように測定した。表4及び5はそれぞれ、試料パラメーター及び引張特性を示す。表4の値は重量%で記録される。
Figure 2023523853000009
Figure 2023523853000010
表5を参照して、PA1から形成される試料は予想外に、PA3、PA5、PA6及びPA7から形成される試料に対して著しく改良された引張弾性率及び高温における強度を有した。例えば、引張弾性率に関して、E2は、CE6~CE8の引張弾性率に対して、125℃、140℃及び150℃で著しくより硬質(より高い引張弾性率)であった。同様な結果が引張強さについて得られた。とりわけ、E2とCE6~CE8との比較は、直鎖脂肪族ジカルボン酸アジピン酸の導入に対して、脂環式ジアミンビス(アミノアルキル)シクロヘキサン又は脂環式ジカルボン酸シクロヘキサンジカルボン酸の導入によって改良された引張弾性率及び強度を実証した。E2とCE5との比較は、芳香族ジカルボン酸イソフタル酸の導入に対して同様な結果を実証する。室温(23℃)においてE2の引張弾性率及び強度はCE5~CE8の引張弾性率及び強度よりもわずかに高いか又は低いので、表5に示される結果は特に驚くべきである。結果は、E2が高温においてすぐれた機械的性能を有し、それらの所期の用途状況において(例えばエンジンベイにおいて)高温に暴露される構造物品によく適していることを実証する。
上記の実施形態は、例示的であり、限定的でないことが意図される。更なる実施形態は、本発明の概念内である。加えて、本発明は特定の実施形態に関連して記載されているが、当業者は、変更が本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく形式上及び詳細になされ得ることを認める。上記の文書の参照によるいかなる援用も、本明細書での明確な開示に反している主題はまったく援用されないように限定される。

Claims (15)

  1. - ポリアミド(PA)と、
    - 炭素繊維と
    を含むポリマー組成物(PC)であって、
    - 前記ポリアミド(PA)が、
    - 20モル%~95モル%のC~C12脂肪族ジアミンと、
    - 5モル%~80モル%のビス(アミノアルキル)シクロヘキサンと
    を含み、これらのモル%がジアミン成分中の各ジアミンの総モル数に対するものであるジアミン成分(A);並びに
    - 30モル%~100モル%のテレフタル酸と、
    - 0モル%~70モル%のシクロヘキサンジカルボン酸と
    を含み、これらのモル%がジカルボン酸成分中の各ジカルボン酸の総モル数に対するものであるジカルボン酸成分(B)
    を含む反応混合物中のモノマーの重縮合により誘導される、ポリマー組成物(PC)。
  2. 前記C~C12脂肪族ジアミンが、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、2-メチル-1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、3-メチルヘキサメチレンジアミン、2,5-ジメチルヘキサメチレンジアミン、2,2,4-トリメチル-ヘキサメチレンジアミン、2,4,4-トリメチル-ヘキサメチレンジアミン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、2,2,7,7-テトラメチルオクタメチレンジアミン、1,9-ジアミノノナン、2-メチル-1,8-ジアミノオクタン、5-メチル-1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、及び1,12-ジアミノドデカンからなる群から選択され;好ましくはC~C12脂肪族ジアミンが1,6-ジアミノヘキサンである、請求項1に記載のポリマー組成物(PC)。
  3. 前記ビス(アミノアルキル)シクロヘキサンが、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン又は1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンである、請求項1又は2に記載のポリマー組成物(PC)。
  4. 前記ジカルボン酸成分(B)が、前記ジカルボン酸成分中の各ジカルボン酸の総モル数に対して1モル%~70モル%のシクロヘキサンジカルボン酸、好ましくは1,4-シクロヘキサンジカルボン酸を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリマー組成物(PC)。
  5. 前記ビス(アミノアルキル)シクロヘキサンが1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンであり、及び前記シクロヘキサンジカルボン酸が1,4-シクロヘキサンジカルボン酸である、請求項1~4のいずれか一項に記載のポリマー組成物(PC)。
  6. ポリアミド(PA)濃度が、前記ポリマー組成物(PC)の総重量を基準として20重量%~85重量%である、請求項1~5のいずれか一項に記載のポリマー組成物。
  7. 炭素繊維濃度が、前記ポリマー組成物の総重量を基準として10重量%~70重量%である、請求項1~6のいずれか一項に記載のポリマー組成物(PC)。
  8. ガラス繊維を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のポリマー組成物(PC)。
  9. ガラス繊維濃度が10重量%~70重量%である、請求項8に記載のポリマー組成物(PC)。
  10. 前記炭素繊維対前記ガラス繊維の重量比が0.05~4、好ましくは0.15~4である、請求項8又は9に記載のポリマー組成物(PC)。
  11. 少なくとも20GPaの125℃における引張弾性率及び少なくとも12GPaの150℃における引張弾性率を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載のポリマー組成物(PC)。
  12. 少なくとも140MPaの125℃における引張強さ及び少なくとも100MPaの150℃における引張弾性率を有する、請求項1~11のいずれか一項に記載のポリマー組成物(PC)。
  13. 少なくとも80%の引張強さ保持率を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載のポリマー組成物(PC)。
  14. 少なくとも80%の熱エージング後の引張強さを有する請求項1~13のいずれか一項に記載のポリマー組成物(PC)であって、熱エージングが、前記ポリマー組成物(PC)を200℃で500時間加熱することを含む、ポリマー組成物(PC)。
  15. 自動車部品又は航空宇宙用部品である、請求項1~14のいずれか一項に記載のポリマー組成物(PC)を含む物品。
JP2022567062A 2020-05-07 2021-05-05 高温における改良された機械的性質を有するポリマー組成物及び対応する物品 Pending JP2023523853A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202063021109P 2020-05-07 2020-05-07
US63/021,109 2020-05-07
EP20185589 2020-07-14
EP20185589.7 2020-07-14
PCT/EP2021/061907 WO2021224350A1 (en) 2020-05-07 2021-05-05 Polymer compositions having improved mechanical properties at elevated temperatures and corresponding articles

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023523853A true JP2023523853A (ja) 2023-06-07

Family

ID=75746650

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022567062A Pending JP2023523853A (ja) 2020-05-07 2021-05-05 高温における改良された機械的性質を有するポリマー組成物及び対応する物品

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20230174716A1 (ja)
EP (1) EP4146720A1 (ja)
JP (1) JP2023523853A (ja)
CN (1) CN115551920A (ja)
WO (1) WO2021224350A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022196711A1 (ja) * 2021-03-16 2022-09-22 三井化学株式会社 ポリアミド樹脂組成物およびポリアミド成形体

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19614424A1 (de) 1996-04-12 1997-10-16 Hoechst Ag Synergistische Flammschutzmittel-Kombination für Polymere
EP2727951A1 (en) * 2012-11-06 2014-05-07 Solvay Specialty Polymers USA, LLC. Mobile electronic devices made of amorphous polyamides
EP2957598A1 (de) * 2014-06-20 2015-12-23 Ems-Patent Ag Komposit enthaltend ein matrixmaterial aus einem amorphen polyamid und dessen verwendung
CN109843977A (zh) * 2016-10-19 2019-06-04 帝斯曼知识产权资产管理有限公司 半结晶半芳族聚酰胺和包含其的组合物
FR3064271B1 (fr) * 2017-03-24 2021-04-30 Arkema France Composition de polyamide semi-cristallin de haute temperature de transition vitreuse et haute temperature de fusion pour materiau thermoplastique, son procede de fabrication et ses utilisations
EP3392290B8 (de) * 2017-04-18 2020-11-11 Ems-Chemie Ag Polyamidformmasse und daraus hergestellter formkörper

Also Published As

Publication number Publication date
CN115551920A (zh) 2022-12-30
US20230174716A1 (en) 2023-06-08
WO2021224350A1 (en) 2021-11-11
EP4146720A1 (en) 2023-03-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3342826B1 (en) Thermoplastic resin composition and molded article produced therefrom
JPWO2010113736A1 (ja) ポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂組成物およびこれらからなる成形品
WO2014200082A1 (ja) ポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形品
JP2022546060A (ja) ポリアミド及び対応するポリマー組成物、物品並びに製造及び使用方法
JP2023524730A (ja) 耐衝撃性が改良されたポリアミド組成物
JP5776368B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物およびその製造方法
JP7141017B2 (ja) ポリアミド組成物
KR101894643B1 (ko) 폴리아미드 수지 조성물 및 이로부터 제조된 성형품
JP2023523853A (ja) 高温における改良された機械的性質を有するポリマー組成物及び対応する物品
JP2017155150A (ja) ポリアミド組成物、ポリアミド組成物成形品およびポリアミド組成物の製造方法
KR20220109390A (ko) 폴리아미드 수지 조성물 및 그 성형체
JP2023524559A (ja) ポリアミドとポリ(アリーレンスルフィド)とを含むポリマー組成物及び対応する物品
JP2023524284A (ja) ポリアミド組成物を含む電気及び電子物品
US11898035B2 (en) Polyamide composition, and molded article including same
TWI820190B (zh) 聚醯胺組成物及由該聚醯胺組成物所構成之成形品
WO2016031257A1 (ja) ポリアミド、ポリアミドの製造方法、ポリアミド組成物、ポリアミド組成物成形品及びその製造方法
EP4380999A1 (en) Thermally resistant polyamide
KR20240050404A (ko) 난연성 부분 방향족 폴리아미드
JP2022532708A (ja) ポリアミド並びに対応するポリマー組成物及び物品
JPWO2020229318A5 (ja)
JPWO2016031257A1 (ja) ポリアミド、ポリアミドの製造方法、ポリアミド組成物、ポリアミド組成物成形品及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240404