JP2022545230A - Hla-a0201拘束性kif15の特異的抗腫瘍ctl優性エピトープペプチド及び応用 - Google Patents

Hla-a0201拘束性kif15の特異的抗腫瘍ctl優性エピトープペプチド及び応用 Download PDF

Info

Publication number
JP2022545230A
JP2022545230A JP2022511011A JP2022511011A JP2022545230A JP 2022545230 A JP2022545230 A JP 2022545230A JP 2022511011 A JP2022511011 A JP 2022511011A JP 2022511011 A JP2022511011 A JP 2022511011A JP 2022545230 A JP2022545230 A JP 2022545230A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hla
tumor
epitope peptide
ctl
restricted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022511011A
Other languages
English (en)
Inventor
魏敏杰
Original Assignee
▲遼▼▲寧▼中健医▲薬▼科技有限公司
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ▲遼▼▲寧▼中健医▲薬▼科技有限公司 filed Critical ▲遼▼▲寧▼中健医▲薬▼科技有限公司
Publication of JP2022545230A publication Critical patent/JP2022545230A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K39/00Medicinal preparations containing antigens or antibodies
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K7/00Peptides having 5 to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K7/04Linear peptides containing only normal peptide links
    • C07K7/06Linear peptides containing only normal peptide links having 5 to 11 amino acids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/04Peptides having up to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • A61K38/08Peptides having 5 to 11 amino acids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/46Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates
    • C07K14/47Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

HLA-A0201拘束性KIF15の特異的抗腫瘍CTL優性エピトープペプチドは、HLA-A2拘束性抗腫瘍CTLエピトープペプチドであり、ヒトHLA-A2分子の結合部位と結合することができるノナペプチドであり、その配列は、Leu-Leu-Asp-Ser-Ala-Ser-Ala-Gly-Leuである。前記優性エピトープペプチドは、CTLを特異的に誘導することができ、リガンドミクス、コンピュータシミュレーションソフトウェア及び薬理学実験を組み合わせた方法を用いてスクリーニングして得られるものであり、該短ペプチドは体外で容易に合成でき、顕著な抗腫瘍免疫反応を誘導して産生することができるので、開発応用の価値を有し、腫瘍免疫治療技術分野に応用される。

Description

本発明は、腫瘍免疫治療技術分野のポリペプチド技術分野に属し、具体的にはMHCクラスI拘束性抗腫瘍CTL優性エピトープペプチド及びその抗腫瘍薬の製造における応用に関する。
近年では、免疫応答分子メカニズムに対する研究が深まるにつれて、生命体の免疫細胞は、様々な病原体または天然抗原に対応する分子全体ではなく、様々な抗原分子に対する抗原エピトープであることが深く意識されるようになった。現在、腫瘍抑制における細胞傷害性Tリンパ細胞(Cytotoxic T lymphocyte、CTL)の役割が非常に重視されており、CD8+T細胞が識別した抗原は、まず抗原提示細胞によって処理され、その後、「抗原ペプチド-MHCクラスI分子」複合物の形式で抗原提示細胞または標的細胞の表面に提示され、それに対応するMHCクラスI分子と結合する抗原ペプチドが、即ちCTLエピトープペプチドである。エピトープペプチドは、特異的CTL細胞を活性化させ、生成を誘導することができ、ヒト白血球抗原HLAマッチングに成功した腫瘍に対して一定の殺傷効果を有している。そのため、抗腫瘍CTL優性エピトープペプチドの研究開発は、現在、解決が急がれる新たな課題となっている。
本発明の目的は、CTLが媒介する特異的細胞免疫応答を有効に刺激し、抗腫瘍効果を発揮するCTL優性エピトープペプチドを見つけ出すことにある。該発明は、リガンドミクス法を利用して得られたポリペプチドを利用して予測、スクリーニング及び鑑定を行い、ヒトHLA-A2分子の結合部位と結合し、特異的な細胞傷害性Tリンパ細胞(CTL)を活性化できるエピトープペプチドを精確にスクリーニングして取得することにより、腫瘍細胞を有効に殺傷し、腫瘍を治療する目的を果たすことができ、また前記エピトープペプチドは、臨床治療及び腫瘍性疾患を検出するワクチンとしての用途に用いられる。
本発明の実現方法は次の通りである。本発明では、腫瘍関連抗原由来のMHCクラスI拘束性CTLエピトープを提供しており、該エピトープは高い親和力によってMHCクラスI分子と結合することができ、形成される複合物は安定しており、ペプチド特異的CTL免疫応答を誘導することができ、ペプチド特異的CTLを刺激して高水準のIFN-γを分泌し、かつ腫瘍細胞に対して特異的殺傷効果を産生することができる。
該腫瘍関連抗原優性エピトープペプチドはノナペプチドであり、そのアミノ酸配列はLeu-Leu-Asp-Ser-Ala-Ser-Ala-Gly-Leuである。
前記MHCクラスI拘束性標的抗腫瘍CTL優性エピトープペプチドは、手動固相合成または、原核細胞や真核細胞の発現により精製し、得ることができる。
前記抗腫瘍CTL優性エピトープペプチドは、エピトープペプチドとヒトHLA-A2分子の相互作用メカニズムに基づき、かつそれがHLA-A2分子と有効に結合し、特異的Tリンパ細胞を活性化できるという特性に基づいて、有効なエピトープペプチドとして鑑定されており、該エピトープペプチドの長さはアミノ酸配列のわずか9個分であり、体外で容易に合成でき、臨床応用に便利である。
本発明の要点は、ヒトHLA-A2クラス分子の結合部位と結合し、特異的な細胞傷害性Tリンパ細胞(CTL)を活性化できるエピトープペプチドを提供することにある。その基本的な原理は次の通りである。リガンドミクスの精密スクリーニングで示差ペプチド領域を取得し、生物情報学の原理でエピトープペプチドとヒトHLA-A2分子の理論結合能力を検証し、かつコンピュータシミュレーションとT2親和力実験を結び付けて、エピトープペプチドとHLA-A2分子の結合力をさらに検証する。その後、Fmoc固相合成法によりエピトープペプチドを合成し、HPLCにより精製するとともに、HPLC-MSによりその純度と分子量を分析する。最後に、DCを利用してエピトープペプチドに負荷をかけ、CTL細胞を誘導し、かつMHCクラスI分子表現型の腫瘍標的細胞と混合培養して、CTL細胞が標的細胞のHLA-A2分子を免疫殺傷する限定性を観察する。
本発明の有益な効果は次の通りである。本発明では腫瘍関連抗原に由来する天然CTL優性エピトープペプチドを開示しており、該CTL優性エピトープはペプチド特異的なCTL免疫応答を誘導することができ、ペプチド特異的CTLを刺激して高水準のIFN-γを分泌し、かつ該エピトープペプチド由来の蛋白陽性腫瘍細胞に対して特異的な殺傷効果をもたらすので、腫瘍免疫治療分野において良好な応用の見通しを有している。
以下では、図面と実施例を結び付けて、本発明について詳細に説明する。
該エピトープペプチドの空間構造模式図である。 該エピトープペプチドとヒトHLA-A2分子が結合した空間構造模式図である。 該エピトープペプチドとヒトHLA-A2分子が結合した空間電子雲密度図である。 該エピトープペプチドの質量分析図である。 該エピトープペプチドの高速液体クロマトグラフィー法分析図である。 該エピトープペプチドが誘導する効果細胞の、乳がんMDA-MB-231細胞及び乳腺上皮細胞に対する殺傷作用である。
以下の実施例は、本発明の理解を助けるものであるが、これらの実施例は、本発明を説明するためのものにすぎず、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
該腫瘍関連抗原優性CTL優性エピトープペプチドは、ヒトHLA-A2分子の結合部位と結合し、特異的な細胞傷害性Tリンパ細胞を活性化することができ、該エピトープペプチドは、Leu-Leu-Asp-Ser-Ala-Ser-Ala-Gly-Leuというアミノ酸配列を有している。
前記ヒトHLA-A2拘束性標的抗腫瘍CTL優性エピトープペプチドは、人工合成や、原核細胞または真核細胞の発現により精製し、得ることができる。
前記抗腫瘍CTL優性エピトープペプチドは、エピトープペプチドとヒトHLA-A2分子の相互作用メカニズムに基づき、かつそれがHLA-A2分子と有効に結合し、特異的Tリンパ細胞を活性化できるという特性に基づいて、有効なエピトープペプチドとして鑑定されており、該エピトープペプチドの長さはアミノ酸配列でわずか9個分であり、体外で容易に合成でき、臨床応用に便利である。
以下の実施例は、本発明の理解を助けるものであるが、これらの実施例は本発明を説明するためのものにすぎず、本発明がこれらの内容に限定されることはない。
実施例1
リガンドミクスを利用して、該CTL優性エピトープペプチドをスクリーニングした。
親和性クロマトグラフィーを利用してHLA-A2と親和するエピトープペプチドを取得し、LC/MSによってその構造を確認し、かつNCBI Blastを利用してその由来蛋白を確認し、スクリーニングして、KIF15由来の優性CTLエピトープペプチドを取得した。
エピトープペプチドとヒトMHCクラスI分子との親和力を検証した。
スーパーモチーフ法によって、本発明で設計されたポリペプチド配列とMHCクラスI分子の結合特性を検証した。
1.スーパーモチーフ法は、同じヒト白血球抗原(HLA)ファミリー、場合によっては異なるファミリーのHLAアロタイプ分子が受容する抗原ペプチドが、同じ、または類似のアンカー残基から成るペプチドモチーフを有することに基づいており、スーパーモチーフが主に作用するアンカー残基は、ペプチド鎖2位(P2)に位置するアミノ酸残基及びカルボキシル末端9位(P9)のアミノ酸残基である。P2、P9の残基がA、I、L、M、V、Tであり、かつ第2位が芳香族アミノ酸、第9位が疎水性アミノ酸である場合は、HLA-A2分子との親和力が高い。これらのアミノ酸の特定モチーフは、ポリペプチド分子とMHCクラスI分子が結合した活性部位、または主アミノ酸であり、MHCクラスI分子と結合するポリペプチドの活性特徴を決定している。
スーパーモチーフ法によるCTLエピトープの予測は、従来の簡易モチーフ法で生じやすかった偽陰性結果については克服したものの、この予測法にはモチーフ法と同じ弱点があり、つまり、予測において2位と9位の残基の影響しか考慮せず、他の部位の残基結合情況を無視しているため、偽陽性結果が出現しやすいので、定量化モチーフ法と組み合わせてCTLエピトープ予測の正確性を高めなければならない(表1)。表1に示すように、スーパーモチーフ法では、エピトープペプチドとHLA-A2分子が優れた結合能を有することを明らかにしている。表2は20種類のアミノ酸の略号表である。
Figure 2022545230000002

2.国際的に公認されているエピトープペプチド予測サイトhttp://tools.iedb.org/mhci/が提供している分析ソフトウェアを使用して、KIF15優性エピトープペプチドに対してHLA-A2拘束性分析を行ったところ、そのpercentile rank<2、かつIC50<50nMで、高い親和力を有していた(表2)。
IEDBは、免疫エピトープの識別に関連する公開済み実験データを科学界に提供するために用いられており、伝染病、アレルギー、自己免疫及び移植を背景に、人類、人類以外の霊長類動物及びその他の動物の種で研究された抗体及びT細胞エピトープの実験データが記録されている。IEDBは、エピトープの予測や分析を助けるツールも提供している。IEDBは、オープンで信頼性のある実験データベースとして、免疫エピトープに対する獲得免疫受容体の識別を検出するために用いることができる。
IEBDで提供されているMHCクラスIの分子結合予測分析ソフトウェアを利用することで、ポリペプチドのアミノ酸配列に対する分析を完成させることができる(http://tools.IEDB.org/mhci/)。
IEDB予測では、エピトープペプチドとHLA-A0201分子が優れた結合能を有することを明らかにしている。表3は20種類のアミノ酸の略号表である。
Figure 2022545230000003


表3 アミノ酸略号表
HLA-A0201拘束性KIF15の特異的抗腫瘍CTL優性エピトープペプチド及び応用
コンピュータでエピトープペプチドとヒトMHCクラスI分子との結合をシミュレーションした。
上で得られたエピトープペプチドについて、ChemOfficeソフトウェアパッケージ中のChemDraw Ultra、ChemDraw 3D Ultraを用いてそれぞれエピトープペプチドの二次元及び三次元構造を構築した。MOEソフトウェアを用いて、エピトープペプチドとHA-A2.1のエネルギー及び構造を修飾し、両者の結合の三次元構造をシミュレーションし、分子動力学結合シミュレーションと生理活性及び運用価値の評価を行った。主に次の方法が含まれている。(1)エピトープペプチド分子モデルの構築。ChemOfficeソフトウェアパッケージ中のChemDraw Ultraを用いてエピトープペプチド分子の二次元構造を構築し、続いてエピトープペプチドの二次元構造をChemDraw 3D Ultraにインポートして三次元モデルを取得し、Mol2フォーマットで保存し、ドッキングシミュレーションの段階で三次元構造をMOEソフトウェアにインポートし、プルダウンメニューでCompute-Minimize-Moleculeをこの順で選択すると、Minimizeダイアログボックスが現れ、ポリペプチド分子のエネルギーレベルの最適化が行われ、エネルギーレベルを、HLA-A2.1の複合物と分子ドッキングを行う最小かつ最も適したエネルギー及び構造の状態に到達させ、その後、最適化したエピトープペプチドをMOL2フォーマットとしてエクスポートし、HLA-A2.1の結合溝凹溝との三次元ドッキングに備える。(2)HLA-A2.1の複合物の分子動力学シミュレーションにおける事前準備。HLA-A2.1の初期座標の出典はタンパク質立体構造専門サイトhttp://www.rcsb.org/pdb/であり、取得したHLA-A2.1の構造データをMOEソフトウェアにインポートし、プルダウンメニューのApplications-Docking Suite-Docking Ligandsをこの順に選択すると、Dockingダイアログボックスが現れ、Filename欄の右辺でDefineを選択して、HLA-A2.1の構造に対してドッキング前の構造修飾(側鎖の修復、脱水、水素添加)を行い、構造修飾の完成後、取得したHLA-A2.1の結合槽凹溝の3次元情報を分析して、エピトープペプチドとのドッキングに備えて保存する。(3)ドッキングモデルの構築。MOEソフトでApplications-Docking Suite-Docking Ligandsをこの順に開くと、Dockingダイアログボックスが現れ、Docking Model及びFilename欄において、取得したHLA-A2.1の結合槽凹溝の三次元情報を選択し、Ligand Source欄でMole2 Fileを選択し、かつMOL2フォーマットの、それぞれがすでに最適化され、エネルギーレベルが最も低いエピトープペプチドのデータを選択して、それぞれドッキングを行い、かつ最終的にドッキングシミュレーションのスコアを取得し、ドッキングシミュレーションのスコア値によってエピトープペプチド分子とHLA-A2.1の結合力を評価する。抗原ペプチドとHLA-A2分子との間では、主に疎水作用、H結合、塩結合などの弱い相互作用によって分子間の識別を行っており、これらのサブレベルの結合作用が強いほど、結合は緊密になる。コンピュータシミュレーションの結果から、該CTLエピトープペプチドとHLA-A2.1には良好な結合があることがわかる(図2)。
実施例2
エピトープペプチドの合成、精製及び分子量測定。
標準Fmoc法を採用し、米国PE社が生産したABI43IA型ポリペプチド合成機を応用してポリペプチドの合成を行った。以下に簡単に述べる。ポリペプチド配列に基づいてペプチド鎖をカルボキシ末端からアミノ基末端へ延伸させ、合成した後、TFA/DCMを選択して切断し、エピトープペプチド収集液を常温下で1~2mLまで減圧乾燥させ、その後、少なくとも50mLの予冷したエチルエーテルを用いて沈澱させ、抽出濾過してポリペプチド粗製品を得た。得られたエピトープペプチド粗製品を少量のDMS0で溶解させた後、水で所要の体積まで稀釈し、濃度を10mg/mLにし、0.22umの繊維膜で濾過した後、米国Waters社製Delta600型HPLC上で精製し、純度分析を行った。流動相は、0.1%TFAを含む水溶液及び0.1%TFAを含むアセトニトリル溶液を選択した。各ペプチドの精製には、C18分取カラム(米国Waters社、7.0um、100A、7.8mm×150mm)を選択し、各ペプチドの純度分析にはC18分析カラム(米国Waters社、5.0um、100A、3.9mm×150mm)を選択した。精製した各ポリペプチドの相対分子量の測定は、API2000型(米国Waters社)の質量分析計で通常の方法により行った。質量分析図は図4、HPLC分析図は図5の通りであり、該CTL優性エピトープペプチドの分子量理論値はいずれも実測値に近く、しかも許容誤差範囲内であり、純度はいずれも95%以上であることがわかり、これは合成効果が高く、次の実験に用いることができることを意味している。上記のポリペプチドは、凍結乾燥処理した後、-70℃で保存し、備えておいた。
実施例3
T2親和力実験によるエピトープペプチドとMHCクラスI分子の結合の測定。
本実施例では、T2細胞系の特徴を利用して、エピトープペプチドとヒトMHCクラスI分子との親和力を測定した。T2細胞は、MHCクラスI分子を発現可能であるが、その内因性抗原提示経路に必要な抗原ポリペプチドトランスポーター(TAP)に欠陥があるため、内因性抗原を搬送できず、空のHLA-A2分子しか細胞表面に提示できず、空のHLA-A2分子は細胞表面では不安定で、すぐに分解されたり細胞内部に戻されたりする。しかし、外因的に投与された抗原ポリペプチドがHLA-A2分子と結合して複合物になると、細胞表面のHLA-A2分子の安定性を強化し、細胞表面に留めることができる。抗原ペプチドとHLA-A2の結合力が強いほど、T2細胞表面のHLA-A2分子の発現量は高くなる。そのため、抗原ポリペプチドが処理したT2細胞表面のHLA-A2分子発現量の増加を測定することで、外来抗原ポリペプチドとHLA-A2分子の結合力及び結合の安定性を直観的に反映することができ、本発明のポリペプチドの有効性をさらに証明することができる。
実施例では、T2細胞をPBSで2回洗浄し、無血清IMDM培地で再懸濁した後、6穴の培養板に1×106/孔の密度で植え、抗原ポリペプチドはジメチルスルホキシド(DMSO)で溶解させた後、50ug/mLの濃度でT2細胞の培養液に加え、かつブランク対照群及び陽性対照群を設置し、陽性対照群には30ug/mLのインフルエンザウイルス基質蛋白ポリペプチドを加えた。各穴にそれぞれ3ug/mLのヒトβ2ミクログロブリンを加えた。T2細胞を、37℃、5%CO2、飽和湿度条件下で24時間培養した。培養の終了後、T2細胞を1000rpmで5分遠心し、沈殿細胞を氷PBSで3回洗浄し、その後、100u1の氷PBSで再懸濁し、5ulのマウス抗ヒトHLA-A2.1-FITCモノクローナル抗体を加え、4℃で15分培養し、遠心して上澄みを除いた後、300u1の氷PBSで再懸濁し、フローサイトメトリ計で平均蛍光強度(MFI)を測定した。表3は、エピトープペプチドとMHC分子の親和力の実験結果を示している。
結果は蛍光係数(FI)を評価指標としている。計算式は、蛍光係数(FI)=(ポリペプチド平均蛍光強度-β2ミクログロブリン平均蛍光強度)/β2ミクログロブリン平均蛍光強度、判断基準としては、FI>1.5であればポリペプチドとHLA-A2.1の結合力が高く、1.0<FI<1.5であれば中程度の結合力、FI>0.5であれば結合力は低い。
Figure 2022545230000004

実験結果から、該CTL優性エピトープペプチドはMHCクラスI分子と高い結合力があることがわかる。
実施例4
カルセイン(Calcein-AM)による実験的エピトープペプチドの放出の、腫瘍細胞標的に対する免疫殺傷効果。
1.効果細胞の作製
成熟したヒトDCを誘導し、PBSで洗浄した後、無血清IMDM培地で再懸濁し、50ug/mLのエピトープペプチドを加え、37℃で一晩培養した。DCをPBSで洗浄し、計数し、30ug/mLの濃度でマイトマイシンCを加え、37℃で30分培養した。
DCを氷PBSで洗浄し、計数した後、増殖期のT細胞と1:20の割合で共培養し、IL-2を50U/mL加えてT細胞を刺激した。1週間に1回、計3回刺激して、T細胞を細胞傷害性T細胞(CTL)、すなわち効果細胞に誘導した。
2.標的細胞の作製。
再発乳がん細胞MDA-MB-231と上皮細胞MCF-10Aを正常に培養し、継代した。いずれもHLA-A2.1陽性である。
3.カルセイン放出実験。
10mM濃度のCalcein-AMで標的細胞を標識し、洗浄、再懸濁する。効果細胞と標識後の腫瘍細胞を、10:1、20:1、40:1のET比に基づき、37℃で4時間共培養した。その後、培養液を収集し、1000rpmで5分遠心し、100ulの上澄み液を取り、平均蛍光強度を測定し、単純標的細胞を自発的放出量とし、単純標的細胞に洗浄剤を加えたものを最大放出量とした。
効果細胞の標的細胞に対する殺傷率は、細胞分裂率によって表される。細胞分裂率=(実験放出量-自発放出量)/(最大放出量-自然放出量)。図6は、エピトープペプチドが誘導した効果細胞の腫瘍細胞に対する標的殺傷結果である。
注:殺傷作用は殺傷率(%を省略)で表される。
実験結果から、該エピトープペプチドは特異的な腫瘍細胞殺傷効果を有することがわかった。

Claims (5)

  1. 腫瘍関連抗原KIF15由来の抗腫瘍優性CTLエピトープペプチドにおいて、前記抗腫瘍優性エピトープペプチドは、ヒトHLA-A2分子の特異的結合を有し、特異的細胞傷害性Tリンパ細胞を活性化し、その配列がLeu-Leu-Asp-Ser-Ala-Ser-Ala-Gly-Leuであることを特徴とする、腫瘍関連抗原KIF15由来の抗腫瘍優性CTLエピトープペプチド。
  2. ここに請求項2を入力する。前記HLA-A2拘束性KIF15の特異的CTLエピトープペプチドが、1つまたは複数のアミノ酸を添加、欠失、または置換することによって請求項1に示すアミノ酸配列から派生するアミノ酸配列により構成される突然変異ペプチドであることを特徴とする、請求項1に記載のHLA-A2拘束性KIF15の特異的CTLエピトープペプチド。
  3. 前記HLA-A2拘束性KIF15の特異的CTLエピトープペプチドが、請求項1及び請求項2のアミノ酸配列を有する遊離ポリペプチド、融合ポリペプチド及びキメラポリペプチド、並びに前記ポリペプチドの1つがモノマーである各種形式のポリマーであることを特徴とする、請求項1及び請求項2に記載のHLA-A2拘束性ECM1の特異的CTLエピトープペプチド。
  4. 前記抗腫瘍CTL優性エピトープペプチドは、固相合成法を用いて人工合成することができ、または、原核細胞または真核細胞の発現により精製し、得ることができることを特徴とする、請求項1及び請求項2及び請求項3に記載の抗腫瘍CTL優性エピトープペプチドの取得方法。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の抗腫瘍CTL優性エピトープペプチドの、腫瘍治療薬の調製における応用。
JP2022511011A 2019-08-19 2019-12-30 Hla-a0201拘束性kif15の特異的抗腫瘍ctl優性エピトープペプチド及び応用 Pending JP2022545230A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN201910768103.5 2019-08-19
CN201910768103.5A CN112409449B (zh) 2019-08-19 2019-08-19 Hla-a0201限定性kif15特异性抗肿瘤ctl优势表位肽及应用
PCT/CN2019/129835 WO2021031501A1 (zh) 2019-08-19 2019-12-30 Hla-a0201限定性kif15特异性抗肿瘤ctl优势表位肽及应用

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022545230A true JP2022545230A (ja) 2022-10-26

Family

ID=74660098

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022511011A Pending JP2022545230A (ja) 2019-08-19 2019-12-30 Hla-a0201拘束性kif15の特異的抗腫瘍ctl優性エピトープペプチド及び応用

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP2022545230A (ja)
CN (1) CN112409449B (ja)
WO (1) WO2021031501A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023115459A1 (zh) * 2021-12-23 2023-06-29 青岛华赛伯曼医学细胞生物有限公司 一种肿瘤抗原/mhc-i复合物及其制备方法和用途

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018521641A (ja) * 2015-07-01 2018-08-09 イマティクス バイオテクノロジーズ ゲーエムベーハー 卵巣がんおよびその他のがんに対する免疫療法において使用するための新規ペプチドおよびペプチドの組み合わせ

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB201408255D0 (en) * 2014-05-09 2014-06-25 Immatics Biotechnologies Gmbh Novel immunotherapy against several tumours of the blood, such as acute myeloid leukemia (AML)
EP3919507A3 (en) * 2015-07-01 2022-01-12 Immatics Biotechnologies GmbH Novel peptides and combination of peptides for use in immunotherapy against ovarian cancer and other cancers
CN106589105B (zh) * 2017-01-23 2020-09-15 中国医科大学 Hla-a2限制性ecm1特异性的ctl表位肽及其应用

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018521641A (ja) * 2015-07-01 2018-08-09 イマティクス バイオテクノロジーズ ゲーエムベーハー 卵巣がんおよびその他のがんに対する免疫療法において使用するための新規ペプチドおよびペプチドの組み合わせ

Also Published As

Publication number Publication date
CN112409449A (zh) 2021-02-26
CN112409449B (zh) 2023-12-15
WO2021031501A1 (zh) 2021-02-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Moynihan et al. Enhancement of peptide vaccine immunogenicity by increasing lymphatic drainage and boosting serum stability
Gouttefangeas et al. Personalized cancer vaccines: adjuvants are important, too
JP2016166223A (ja) 癌ワクチン組成物
BRPI0708125A2 (pt) peptìdio restrito á hla-a*3303 da wt1 e composição farmacêutica compreendendo o mesmo
CN110809580A (zh) 用于靶向癌症中包含非典型hla-i和新抗原的复合体的方法和组合物
CN106589105B (zh) Hla-a2限制性ecm1特异性的ctl表位肽及其应用
CN111138521B (zh) 源自于afp抗原的短肽
Arribillaga et al. Bivalent therapeutic vaccine against HPV16/18 genotypes consisting of a fusion protein between the extra domain A from human fibronectin and HPV16/18 E7 viral antigens
JP2022545230A (ja) Hla-a0201拘束性kif15の特異的抗腫瘍ctl優性エピトープペプチド及び応用
CN107936109B (zh) 衍生自sage1的肿瘤抗原短肽
CN103626877A (zh) 含ny-eso-1的融合蛋白、制备方法及应用
CN105504015A (zh) 一种mhc-i类限制性抗肿瘤ctl表位肽
DeVette et al. A pipeline for identification and validation of tumor-specific antigens in a mouse model of metastatic breast cancer
CN106478797B (zh) 源自于sage1的肿瘤抗原短肽
Katsara et al. Immune responses of linear and cyclic PLP139-151 mutant peptides in SJL/J mice: Peptides in their free state versus mannan conjugation
CN108218977B (zh) 源自于肿瘤抗原sage1的短肽
CA3177673A1 (en) Peptides and combinations of peptides for use in immunotherapy against hematologic neoplasms and other cancers
CN112409448B (zh) Hla-a1101限制性ecm1特异性ctl表位肽及其制备方法与用途
CN108250289B (zh) 源自于mage b6的肿瘤抗原短肽
Weidanz et al. Expanding the targets available to therapeutic antibodies via novel disease-specific markers
CN108250286B (zh) 源自于pasd1的肿瘤抗原短肽
CN108203460B (zh) 衍生自肿瘤抗原prame的短肽
CN108218976B (zh) 衍生自lmp1的肿瘤抗原短肽
CN107266552B (zh) 源自于prame的肿瘤抗原短肽
CN113105527B (zh) 一条hla-a2限制性肿瘤相关抗原e蛋白的抗肿瘤优势ctl表位肽及应用

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220414

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230329

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230329

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20231024