JP2022545022A - ダイヤフラムポンプ - Google Patents

Abstract

バイオプロセスシステム用のダイヤフラムポンプがポンプヘッド(1、101、201、301)を備え、このポンプヘッドは、共通入口(3)と、共通出口(5)と、少なくとも一対の協働する一方向弁をそれぞれが含む複数のポンプキャビティ(7)であって、少なくとも一対の一方向弁は、入口弁(9)および出口弁(11)を含み、それぞれの入口弁(9)は共通入口(3)と流体連通し、それぞれの出口弁(11)は共通出口(5)と流体連通し、各ポンプキャビティの出口弁(11)の中心は、ダイヤフラムポンプが閉じ込めガスを抑止する使用状態の向きになっているときに同じポンプキャビティ用の入口弁(9)の中心の上に配置可能である、複数のポンプキャビティ(7)と、ポンプキャビティの容積を変化させるために前記ポンプキャビティ(7)のそれぞれにそれぞれ設けられた複数の可動ダイヤフラム(13)とを含む。システムはさらに、ポンプキャビティ(7)の容積を前記変化させることの結果としてポンプヘッド(1、101、201、301)の共通入口(3)から共通出口(5)への流体変位を達成するために、ポンプヘッド(1、101、201)のダイヤフラム(13)まで運動を伝達するように構成されているポンプ駆動装置(31)を備える。

Description

本発明は、ダイヤフラムポンプ、ダイヤフラムポンプのポンプヘッド、バイオプロセスシステム用の単回使用流路アセンブリ、ダイヤフラムポンプで使用されるように構成された一方向弁、ダイヤフラムポンプで使用されるように構成された可動ダイヤフラム(13)、ダイヤフラムポンプで使用されるように構成されたクイック連結ファスナ、およびバイオプロセスシステムに関する。

細胞培養、分離、精製、充填、サンプリングおよび分析の際に流体を移送および処理するための器具およびシステムによってたとえば達成されるバイオプロセスの流体移送では、広範囲の流量が容積測定精度および流体圧力の正確な制御と共に必要とされる。多くの適用例および処理ステップでも、流量および/または圧力の変動が最小限であることが必要とされる。容積式ポンプは一般に、バイオプロセスに必要な流量範囲を実現するが、その出力には圧力脈動が伴う。回転体ポンプは一般に、安定した圧力を実現するが、その流量範囲は限られており、高い圧力は、複数のポンプステージがなければ達成するのが困難であり、また、原体に悪影響を及ぼすおそれがある。連動して圧力パルスを均等にする複数のポンプが知られているが、低コスト化およびプロセス内の滞留量の最小化のためには単一のポンプが望ましい。また、単一のポンプは、特に衛生的な、無菌の、または滅菌した処理のために清浄性を管理、維持、および保持しやすいはずでもある。単一のポンプはまた、単回使用の処理機器にも好ましく、液体に接触した構成要素は使用後に交換されて、機器洗浄の必要性およびリスクがなくなる。

ダイヤフラムポンプには、生物学的処理の分野で使用する場合の利点がいくつかあり、たとえば、圧送液に高いせん断力を加えないので、たとえば、細胞、タンパク質、ウイルスなどを含む液体を圧送するのに好ましい。このようなポンプはまた、妥当な範囲の流速および圧力を有する。複数のキャビティダイヤフラムポンプが提案されており、たとえば、平行なキャビティがスワッシュプレートによって駆動されるものがクアトロフロー（Quattroflow）(商標)というブランドで市販されている。一部のポンプでは、問題の1つが空気の閉じ込めであり得る。

特許文献１には多キャビティダイヤフラムポンプが記載されており、通気および排水についての問題が論じられ、解決が試みられている。このデバイスでは、出口弁の出口開口部が、入口弁の入口開口部を取り囲んでいるか、またはその逆になっている。たとえば、いくつかの出口開口部が、通気を助けるためにチャンバーの高い位置に設けられ、別の出口開口部が、排水を助けるために低い位置に設けられている。しかし、これらの出口開口部はすべて、1つの同じ逆止め弁で覆われている。そのため、通気用と排水用の別々の出口開口部の開閉を別個に制御することができない。特に低流速時に、弁の上部が確実に開かれているようにすることができない。低流量時には弁の一部しか開かず、また、開くのが弁の下部であれば空気が適切に逃げないことになる。そのため、ポンプの通気を確保するには高い流速が必要になり得る。

米国特許出願公開第２０１８／０１４２６８４号

本発明の目的は、改善されたダイヤフラムポンプを提供することである。

本発明のさらなる目的は、空気を閉じ込める傾向が緩和されたダイヤフラムポンプを提供することである。

本発明のさらなる目的は、脈動が少ないポンプを提供することである。

この目的は、独立請求項に記載のダイヤフラムポンプ、ポンプヘッド、バイオプロセスシステム用の単回使用流路アセンブリ、およびバイオプロセスシステムによって達成される。

本発明の1つの態様によれば、ダイヤフラムポンプであって、
ポンプヘッドであり、
共通入口、
共通出口、
少なくとも一対の協働する一方向弁をそれぞれが含む複数のポンプキャビティであり、少なくとも一対の一方向弁が入口弁および出口弁を含み、それぞれの入口弁が共通入口と流体連通し、それぞれの出口弁が共通出口と流体連通し、各ポンプキャビティの出口弁の中心は、ダイヤフラムポンプが閉じ込めガスを抑止する使用状態の向きになっているときに同じポンプキャビティ用の入口弁の中心の上に配置可能である、複数のポンプキャビティ、ならびに
ポンプキャビティの容積を変化させるために前記ポンプキャビティに設けられた複数の可動ダイヤフラム
を含む、ポンプヘッドと、
ポンプ駆動装置であり、ポンプキャビティの容積を前記変化させることの結果としてポンプヘッドの共通入口から共通出口への流体変位を達成するために、ポンプヘッドのダイヤフラムまで運動を伝達するように構成されている、ポンプ駆動装置と
を備える、ダイヤフラムポンプが提供される。

本発明の別の態様によれば、ダイヤフラムポンプのポンプ駆動装置に連結して使用されるように構成されたポンプヘッドであって、
共通入口と、
共通出口と、
少なくとも一対の協働する一方向弁をそれぞれが含む複数のポンプキャビティであり、少なくとも一対の一方向弁が入口弁および出口弁を含み、それぞれの入口弁が共通入口と流体連通し、それぞれの出口弁が共通出口と流体連通し、各ポンプキャビティの出口弁の中心は、ダイヤフラムポンプが閉じ込めガスを抑止する使用状態の向きになっているときに同じポンプキャビティ用の入口弁の中心の上に配置可能である、複数のポンプキャビティと、
ポンプキャビティの容積を変化させるために前記ポンプキャビティに設けられた複数の可動ダイヤフラムと
を備える、ポンプヘッドが提供される。

本発明の別の態様によれば、バイオプロセスシステム用の単回使用流路アセンブリが提供され、前記単回使用流路アセンブリは、単回使用流路に連結された上述のポンプヘッドを備える。

本発明の別の態様によれば、上述のダイヤフラムポンプを備えるバイオプロセスシステムが提供される。

これによって、高い精度および直線性を有し、低流速でも完全にパージ可能なダイヤフラムポンプが提供される。各ポンプキャビティの入口弁の上方に出口弁を設けることによって、空気がポンプ内部に閉じ込められることにならない。これによって、低流速および低背圧を使用する場合でもポンプキャビティ内のすべての内面が完全に濡れるので、衛生化が大きく改善される。

さらに、単回使用の用途に適しているダイヤフラムポンプが提供される。さらに、コスト効率が高く適応性のあるダイヤフラムポンプが実現される。

本発明の1つの実施形態では、入口弁および出口弁は可撓性弁ディスクを含み、各ディスクは、弁ディスクを所定の位置に保持するための概ね中心にある保持ステムを含む。

本発明の1つの実施形態では、ポンプヘッドはさらに、ダイヤフラム係合プレートの中心に旋回点を得るためにポンプヘッドのダイヤフラム係合プレートの中心に設けられた旋回デバイスを備える。これによって、ポンプヘッドのダイヤフラムに係合しているダイヤフラム係合プレートが、常にその中心のまわりを旋回し、それによってダイヤフラムが効果的に押されたりも引き戻されたりもし、それによって、高いモータ周波数でも、また流体の入口圧力が低いときでも、たとえば流体源がポンプに対して低い位置に置かれているときでも、ポンプキャビティの完全な充填を実現できることが保証される。

本発明の1つの実施形態では、ポンプヘッドはさらに、少なくとも1つのリークコレクタを含むことができ、このリークコレクタは、ポンプキャビティおよびダイヤフラムを取り囲む可撓性のベローであり、ポンプキャビティからのあり得るリークを集めるように構成されている。

さらなる実施形態は、発明を実施するための形態および従属請求項に記載されている。

しかし、本発明は、そのような組み合わせが本明細書に明示的に記載または特許請求されているかどうかにかかわらず、本明細書に開示された特徴の任意の組み合わせにも適用される。さらに、2つ以上の特徴が組み合わされて本明細書に記載されている場合、そのような特徴は、本発明の範囲を拡張しなくても別々に特許請求できるものである。

本発明は多数の方法で実施することができ、その例示的な実施形態について図面を参照して以下で説明する。

本発明の1つの実施形態によるポンプヘッドの斜視図である。 本発明の別の実施形態による、3つではなく5つのキャビティを備えるポンプヘッドの図である。 本発明の1つの実施形態によるポンプヘッドの分解組立図である。 図1に示すポンプヘッドの分解組立図である。 本発明の1つの実施形態によるリークコレクタを示す図である。 本発明の別の実施形態によるポンプヘッドの分解組立図である。 本発明の1つの実施形態によるポンプヘッドの一平面における上面断面図である。 本発明の1つの実施形態によるポンプヘッドの別の平面における上面断面図である。 本発明の1つの実施形態によるポンプヘッドの一部の、ポンプヘッド内の流れを示す側面断面図である。 本発明の1つの実施形態によるポンプヘッドの一部の側面断面図である。 本発明の1つの実施形態によるポンプヘッドの側面断面図である。 本発明の1つの実施形態によるポンプヘッドの断面図である。 本発明の1つの実施形態によるポンプヘッドの断面図である。 ポンプ駆動装置の斜視図である。 ポンプ駆動装置の断面図である。 出口流の図である。 ポンプ駆動補償の図である。 本発明の1つの実施形態によるポンプヘッドの斜視図である。 図１２ａはポンプヘッドの入口弁または出口弁の例示的な実施形態を示す側面図である。図１２ｂは図１２ａの入口弁または出口弁を示す部分断面側面図である。 ポンプキャビティの入口弁または出口弁の領域を示す上面図である。 入口チャネルまたは出口チャネルの封止領域の拡大断面図である。 ポンプヘッドの入口弁または出口弁の例示的な代替実施形態を示す断面図である。 ポンプヘッドの入口弁または出口弁のさらなる例示的な代替実施形態を示す図である。 ポンプヘッドをポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第1の例示的な実施形態を示す図である。 ポンプヘッドをポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第1の例示的な実施形態を示す図である。 ポンプヘッドをポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第1の例示的な実施形態を示す図である。 ポンプヘッドをポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第1の例示的な実施形態を示す図である。 ポンプヘッドをポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第2の例示的な実施形態を示す図である。 ポンプヘッドをポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第2の例示的な実施形態を示す図である。 ポンプヘッドをポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第2の例示的な実施形態を示す図である。 ポンプヘッドをポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第2の例示的な実施形態を示す図である。 ポンプヘッドをポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第2の例示的な実施形態を示す図である。 ポンプヘッドをポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第2の例示的な実施形態を示す図である。 ポンプヘッドをポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第3の例示的な実施形態を示す図である。 ポンプヘッドをポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第3の例示的な実施形態を示す図である。 ポンプヘッドをポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第3の例示的な実施形態を示す図である。 ポンプヘッドをポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第3の例示的な実施形態を示す図である。 ポンプヘッドをポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第3の例示的な実施形態を示す図である。 ポンプヘッドをポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第3の例示的な実施形態を示す図である。 ポンプヘッドをポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第3の例示的な実施形態を示す図である。 ポンプヘッドをポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第3の例示的な実施形態を示す図である。 ポンプヘッドをポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第4の例示的な実施形態を示す図である。 ポンプヘッドをポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第4の例示的な実施形態を示す図である。 ポンプヘッドをポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第4の例示的な実施形態を示す図である。 ポンプヘッドをポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第4の例示的な実施形態を示す図である。 ポンプヘッドをポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第4の例示的な実施形態を示す図である。 ポンプヘッドをポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第4の例示的な実施形態を示す図である。 ポンプヘッドをポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第4の例示的な実施形態を示す図である。 ポンプヘッドをポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第4の例示的な実施形態を示す図である。 ポンプヘッドをポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第5の例示的な実施形態を示す図である。 ポンプヘッドをポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第5の例示的な実施形態を示す図である。 ポンプヘッドをポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第5の例示的な実施形態を示す図である。 ポンプヘッドをポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第5の例示的な実施形態を示す図である。 ポンプヘッドをポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第5の例示的な実施形態を示す図である。 ポンプヘッドをポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第5の例示的な実施形態を示す図である。 ポンプヘッドをポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第5の例示的な実施形態を示す図である。

本発明は、以下の説明を添付の図面と併せて参照することによって、その目的およびその利点と共によりよく理解することができる。

図面には本発明のいくつかの異なる実施形態が示されているが、対応する構成要素には名称および番号が同様に付けられている。たとえば、図2、図3aおよび図4は、本発明によるポンプヘッド1、101、201の別々の実施形態を示しているが、対応する別個の部品には同じ番号が付与され、また、他の図面に示された細部の一部は、別々の実施形態のうちの複数のものに対して有効であり得る。

図2、図3a、図4は、ポンプヘッド1、101、201の分解組立図である。図2および図3aのポンプヘッド1、101は、適切な拡散接合などの溶接方法によって組み立てられるように構成されており、すなわち部品は、適切なプラスチックから作られ、圧縮および加熱されて互いに接着する。拡散接合の製造方法では、ネジおよび封止材の使用を回避する。しかし、他の溶接方法も同様に使用することができ、別法として部品をリベット接合することもできる。図4には、ポンプヘッド201の別の実施形態が示されている。このポンプヘッドは、ねじで組み立てられるように構成されている。しかし、ほとんどの部品は、図2および図3aに示すポンプヘッド1、101の部品と同じであるか、それに相当する。

図1aは、図3aに示されているポンプヘッド101が組み立てられたときの斜視図である。図1bは、3つではなく5つのキャビティ7を備えるポンプヘッド301である。図5aおよび図5bは、図1および図3aに示すポンプヘッド101の別々の平面における上面断面図であるが、この図の設計は、図2、図3aおよび図4に示すすべての実施形態と類似している。図6は、図4に示されるポンプヘッド201の一部の側面断面図であるが、その設計は、図2および3aに示すポンプヘッドにも非常に類似している。図7aおよび図7bは、図3aに示したものと類似のポンプヘッド101'、101''の側面断面図であるが、入口と出口を連結するための追加の外部部品161、161'が付いている。図8aおよび図8bは、本発明のすべての実施形態において設けることができるピボットポイントの細部を示す。

図9は、本発明の1つの実施形態によるポンプ駆動装置31を示す。次に、本発明についてすべての図面を参照して説明する。

本発明は、ポンプヘッド1、101、201、およびポンプ駆動装置31を備えるダイヤフラムポンプに関する。本発明はさらに、ダイヤフラムポンプのポンプ駆動装置31に連結して使用されるように構成されたポンプヘッド1、101、201に関する。ポンプヘッドは、共通入口3、共通出口5、および複数のポンプキャビティ7を備える。各ポンプキャビティ7は、一方向弁のうちの少なくとも1つの協働する対を備えており、この一方向弁のうちの少なくとも1つの対は、入口弁9および出口弁11から成る。それぞれの入口弁9は共通入口3と流体連通しており、それぞれの出口弁11は共通出口5と流体連通している。本発明によれば、各ポンプキャビティ7の出口弁11の中心は、ダイヤフラムポンプが、閉じ込めガスを抑止する使用状態の向きになっているときに、同じポンプキャビティ7用の入口弁9の中心の上方に配置可能である。出口弁11が各キャビティ7の入口弁9の上方に設けられている場合には、空気は、閉じ込められるのではなく、ポンプヘッドから効果的に搬送されることになる。キャビティごとに1つの入口弁9および1つの出口弁11を設け、またこれらの弁を、キャビティごとに出口弁11の中心が、同じキャビティに設けられている入口弁9の中心の上方に設けられ得るように所定の位置に設けることによって、空気を効果的に除去することができ、閉じ込められた空気の問題が回避される。各キャビティ内の入口弁に対する出口弁の位置付けは、弁の設計および動作によっていくらか異なり得る。その位置付けは、必ずしもすべての場合において、入口弁の中心の上方に配置されている出口弁の中心でなくてもよい。位置付けはむしろ、出口弁の流れの中心の上方に位置付けられるべき、出口弁の流れの中心になる。

ポンプヘッド1、101、201はさらに、ポンプキャビティの容積を変化させるために前記ポンプキャビティ7に設けられた可動ダイヤフラム13を備える。ダイヤフラムポンプの駆動装置31は、ポンプキャビティ7の容積を前記変化させることの結果としてポンプヘッド1、101、201の共通入口3から共通出口5への流体変位を達成するために、ポンプヘッド1、101、201のダイヤフラム13まで運動を伝達するように構成されている。

入口弁9および出口弁11は、可撓性弁ディスク9a、11aを含むことができ、各ディスクは、弁ディスク9a、11aを所定の位置に保持するための、概ね中心にある保持ステム9b、11bを含む。可撓性弁ディスク9a、11aは、断面が三日月形であってもよく、あるいは別法として平坦にすることもできる。このような弁はアンブレラ弁と呼ぶことができ、対称形であり、かつスペースを最適に節約するようにして使用できるので、好適である。これらの弁はまた、異なる圧力および封止の要件に対して容易に最適化することもできる。可能な弁の材料としては、たとえばTPE、シリコーン、EPDMなどがある。ダック弁が、使用できる別のタイプの弁の一例である。これらの弁の材料、ならびに弁の寸法および設計は、弁の開閉圧力ができるだけ小さくなるように選択されなければならない。図12aは、入口弁9または出口弁11の例示的な一実施形態を側面図として示す。前記入口弁9または出口弁11は、中心保持ステム9b、11b、可撓性弁ディスク9a、11a、外側封止領域9c、11c、および弁ステム封止領域9d、11dを備える。図13は、ポンプキャビティの入口弁または出口弁の領域90を上面図として示す。ポンプキャビティの入口弁または出口弁の領域90は、入口中心保持ステム9bまたは出口中心保持ステム11bを保持および案内するための中心孔66を備える。中心孔66は、流体を通過させるようには構成されていない。前記ポンプキャビティの入口弁または出口弁の領域90はさらに、8つの入口チャネル61aまたは出口チャネル61b、弁座90c、および弁封止面90dを備える。図13では8つの入口チャネルまたは出口チャネルが使用されているが、様々な例示的実施形態では、チャネルの個数はもっと多くても少なくてもよく、たとえば、2、4、5、6、10、12または15個であってもよい。複数の入口チャネル61aまたは出口チャネル61bは、直径が同じであっても異なっていてもよい。

前記入口弁9または出口弁11の外側封止領域9c、11cは、前記弁座90cに当てて封止をするように構成される。弁ステム封止領域9d、11dは、前記弁封止面90dに当てて封止をするように構成される。閉弁位置では、前記入口弁または出口弁の前記外側封止領域9c、11cは、前記弁座90cと接触している。閉弁位置では、前記弁ステム封止領域9d、11dは、前記弁封止面90dと接触している。図14は、入口チャネル61aまたは出口チャネル61bの一方の封止領域の拡大断面図である。図14では、弁9、11はその閉位置にある。すなわち、前記入口弁9または出口弁11の前記外側封止領域9c、11cは前記弁座90cに接触し、前記弁ステム封止領域9d、11dは前記弁封止面90dと接触している。

閉弁位置では、所定の力を前記中心保持ステム9b、11bに加えて、液密の閉弁位置を確保することができる。入口弁9の開弁位置では、前記可撓性弁ディスク9aは、ダイヤフラム13の吸引力と、入口チャネル61aからの液体の流れとによって変形する。前記出口弁11の開弁位置では、前記可撓性弁ディスク11aは、出口チャネル61bからの液体の流れによって変形する。開弁位置では、前記入口弁または出口弁の前記外側封止領域9c、11cは、少なくとも一部分だけは前記弁座90cと接触していない。開弁位置では、前記弁ステム封止領域9d、11dは、液体が中心孔66を通過しないことを確実にするために、前記弁封止面90dと接触したままである。入口弁9または出口弁11の開放は、前記弁座90cとの封止が破られるように前記外側封止領域9c、11cを変形させることによって行われる。

様々な例示的実施形態では、前記入口弁9または出口弁11は、1つの均質な単一の可撓性材料で作られる。様々な例示的実施形態では、前記入口弁9または出口弁11の少なくとも外側封止領域9c、11cが第1の材料で作られているのに対して、前記弁のコアは第2の材料で作られていてもよい。前記外側封止領域9c、11cの前記第1の材料は、前記弁9、11の前記コアの前記第2の材料よりも可撓性にすることができる。

図12bは、第1の材料で作られたコア9'、11'と、第2の材料で作られた外層9''、11''とを有する入口弁9または出口弁11の例示的な一実施形態を部分断面側面図として示している。第2の材料は、前記第1の材料よりも可撓性/軟質である。外層9''、11''は、前記ポンプヘッド1、101、201、301内の対応する弁座90cの少なくとも一部分に当てて封止をするように構成された、前記可撓性弁ディスク9a、11aの前記外側封止領域9c、11cを含む。前記第2の材料が適切な可撓性であることにより、従来技術の解決策と比較して、封止特性の改善と寿命の改善の両方が実現される。

様々な例示的実施形態では、前記入口弁9および出口弁11はまた、前記ポンプヘッド1、101、201、301の対応する弁封止面90dの少なくとも一部分に当てて封止をするように構成された弁ステム封止領域9d、11dにおいて、前記第1の軟質材料を含み得る。様々な例示的実施形態では、前記弁封止面90dおよび/または前記弁座90cもまた、前記第2の材料で作られていてよい。

様々な例示的実施形態では、前記可撓性弁ディスク9a、11aの前記外側封止領域9c、11c、および/または前記弁9、11の前記弁ステム封止領域9d、11dにおける前記軟質材料は、前記第2の材料を有する前記コア9'、11'の上に、所定の厚さを有する前記層9''、11''として利用することができる。図15は、前記第1の材料で作られた前記コア9'、11'と、前記第2の材料で作られた前記外層9''、11''とを有する入口弁9または出口弁11の断面図を示す。前記コアは、前記可撓性ディスク9a、11aおよび前記中心保持ステム9b、11bの一部を形成することができる。前記中心保持ステム9b、11bの少なくとも一部分は、円錐台形状を有し得る。前記中心保持ステム9b、11bが円錐台形状であることにより、前記中心保持ステム9b、11bが前記ポンプキャビティの前記中心孔66内で摺動するときに弁の摩耗および摩擦を低減することができるので、弁9、11の寿命を向上させることができる。

図16は、前記第1および第2の材料で作られた入口弁9または出口弁11の例示的な一代替実施形態を示す。図16で、前記中心保持ステム9b、11bは前記第1の材料で作られており、前記可撓性弁ディスク9a、11aは前記第2の材料で作られている。図16では、前記第1の材料で作られた前記コア9'、11'は、一部分だけ前記外層9''、11''によって覆われている。図16では、前記可撓性弁ディスク9a、11aの外側封止領域9c、11cが前記第2の材料で作られているのに対し、前記弁ステム封止領域9d、11dは前記第1の材料で作られている。

図1a、および図2から図8に示される実施形態では、3つのポンプキャビティ7がすべて、それぞれのポンプキャビティ入口126を介して、共通入口3と流体連通して設けられている。図1bに示される実施形態では、5つのポンプキャビティ7を備えているが、その他では他の実施形態と類似しており、これ以上は詳細に説明しない。各ポンプキャビティ入口126は、流体の流れがポンプキャビティ7に入ることはできるが出ることはできないようにする一方向入口弁9を含む。各ポンプキャビティ7はさらに、ポンプキャビティ出口130を介して、共通出口5と流体連通している。各ポンプキャビティ出口130は、流体がポンプキャビティ7から出ることはできるが入ることはできないようにする一方向出口弁11を含む。別の実施形態では、複数の一方向入口弁および/または複数の一方向出口弁が設けられる。

各ポンプキャビティ7はさらに、駆動手段35(ウォブルプレートである1つの例が図9に示されている)によって矢印Rの方向(図6および図7に図示)に往復運動として動くことが可能な、可撓性材料ダイヤフラム13を備える。この駆動手段は、たとえば、機械的インターフェースに連結された機械的手段によるものとすることができる。他のタイプの駆動手段の例としては、空気圧変動、油圧変動、またはモータもしくは電気ソレノイドなどから得られる機械的動作が挙げられる。

各ポンプキャビティ入口126は、本実施形態では、円を囲むように設けられている複数の入口チャネル61aを含む。また、ポンプキャビティ出口130は、この実施形態では、円を囲むように設けられている複数の出口チャネル61bを含む。このことは、図5aおよび図5bで分かる。キャビティ7のそれぞれの複数の入口チャネル61aはすべて、この場合には単純なエラストマーのカップの形の、対応する一方向入口弁9によって閉じられており、このカップは、流体がキャビティ7に入ることができるように曲がるが、流体圧力によって入口チャネル61aの上に押し付けられて流路が閉じられ、流体が入口チャネル61aを経由して逃げることを防止する。出口弁11は、構造が入口弁9と類似しており、流体がキャビティ7から出ることはできるが中に戻ることはできないようにする。可撓性ダイヤフラム13は、この実施形態では、エラストマー材料から形成されたディスク状の成形品から成る。図6は、複数の入口チャネル61a(入口弁保持ステム9bを保持するための中心孔であり、流体が通過するためのものではない)と、やはり出口弁保持ステム11b用の中心孔を備える複数の流体出口チャネル61bとを有するキャビティ7のうちの1つを示している。

ポンプヘッド1、101、201、301はさらに、ダイヤフラム係合プレート27がそのまわりで傾斜することができる中心旋回点をダイヤフラム係合プレート27に得るために、ポンプヘッド1、101、201、301のダイヤフラム係合プレート27の中心Cに設けられた旋回デバイス25を備えることができる。このことは、図8aおよび図8bで最もよく分かる。これにより、ポンプヘッド1、101、201のダイヤフラム13に係合しているダイヤフラム係合プレート27が、常にその中心Cのまわりを旋回し、それによってダイヤフラム13が効果的に押されたりも引き戻されたりもし、それによって、高いモータ周波数でも、また流体の入口圧力が低いときでも、たとえば流体源がポンプに対して低い位置に置かれているときでも、ポンプキャビティ7の完全な充填を実現できることが保証される。旋回デバイス25は、たとえば、ダイヤフラム係合プレート27の開口部26に押し込むことができるゴム要素とすることができる。凹部28aがダイヤフラム保持プレート28に設けられており、それによって、前記凹部28aは、ダイヤフラム係合プレート27から突出している旋回デバイス25の第1の端部25aを受け入れ、それによって、前記旋回デバイス25は、前記ダイヤフラム係合プレート27と前記ダイヤフラム保持プレート28の間に間隔が置かれるように設計されている。旋回デバイス25の代替物が、ウォブルプレート35とダイヤフラム係合プレート27を、たとえば、クランプなどの機械的固定によって、バヨネットによって、または磁気によって連結する。前記機械的または磁気による固定を達成するために、たとえば電動式もしくは電磁式ロック、および/または反転ポンプ駆動回転の利用などの、自動機能が設けられてもよい。

ポンプヘッド1、101、201はさらに、リークコレクタ21、121を含むことができ、このリークコレクタは、ポンプキャビティ7およびダイヤフラム13を取り囲む可撓性のベローであり、ポンプキャビティ7からのあり得るリークを集めるように構成されている。リークコレクタ21、121は、図3aおよび図3bに示されている。2つ以上のリークコレクタで個々のポンプキャビティおよびダイヤフラムを取り囲むことができるが、コストおよび簡略化の理由から、好ましくは1つの単一リークコレクタ21、121が、すべてのポンプキャビティ7からのあり得るリークを集めるために使用される。リークコレクタ21は、可撓性が高いエラストマーから作られた弾性ベローとすることができる。図3aで分かるように、リークコレクタ21は、ポンプヘッドのダイヤフラム係合プレート27とダイヤフラム保持プレート28の間に設けることができる。このようなリークコレクタ21は、図4に示す、拡散接合ではなくネジで組み立てられる本発明の実施形態においても同様に設けることができる。リークコレクタ21、121は、ダイヤフラム係合プレート27とダイヤフラム保持プレート28の両方に当てて封止をしなければならない。リークを検出するために、リークセンサ(たとえば、食器洗い機またはロードセルにおけるような光学的検出のための導電センサまた全反射プリズム)をリークコレクタ21、121の下端に付けることができる。あるいは、所与のポンプ速度でのポンプ流量の変化を1つのポンプチャンバの故障として読み取ることができる。本発明によるリークコレクタ21、121を使用する場合、ダイヤフラム13は、たとえば、リークを予防するのに一部の従来技術の製品のようにダイヤフラムに二次層を追加することによって妥協するのではなく、大きい範囲にわたってポンプタスクを達成するように最適な硬度に完全に最適化することができる。リークコレクタ21、121はまた、清潔であり、事前に滅菌することもでき、したがって、リークコレクタ21、121によって集められた任意のプロセス流体を汚染することなく回収することができる。さらに、本発明によるリークコレクタ21、121を使用することにより、流体がシステムの閉鎖プロセスラインの外部に露出することがなく、したがって、オペレータがウイルスのような有害な物質にさらされるリスクがない。あり得るリークが単回使用の流路(ポンプ)内に閉じ込められている場合には、室の汚染除去が必要とされない。たとえば、ダイヤフラム保持プレート28に排液通路を設け、そこにセンサを設けることができる。

図3bに、本発明の別の実施形態によるリークコレクタ121が示されている。このようなリークコレクタ121は、本発明に応じて説明したすべての異なるポンプヘッド1、101、201、301に使用することができる。この実施形態では、リークコレクタ121は、無菌コネクタを任意選択で備えることができる下部排出ポート123を備える。下部排出ポート123は、ポンプチャンバからリークコレクタの中への流体リークがもしも発生した場合に、貴重な、あるいは危険なプロセス流体を排出および回収するために使用することができる。リークコレクタ121は、ポンプヘッドの残りの部分と同じ方法で洗浄および滅菌され、これによって、あり得る流体リークがもしあれば回収することができる。また、第2のポート125をリークコレクタ121に設けることもでき、この第2のポート125は、リークコレクタ121に通気孔を付けるための通気ポートとすることができる。第2のポートは、ポンプヘッドがポンプ駆動装置に取り付けられる場合に、リークコレクタ121の上部位置に適切に配置することができる。第2のポート125は、排出ポート123が配置されている場所と比べて、リークコレクタ121の反対側に配置することができる。第2のポート125は、場合によって事前取り付け無菌コネクタに連結される滅菌エアフィルタを備えることができる。

本発明の1つの実施形態によるポンプ駆動装置31が図9aおよび図9bに示されている。ポンプ駆動装置31は、回転駆動軸33と、軸受37を介して駆動軸33に傾斜して連結されたウォブルプレート35とを備えることができる。ウォブルプレート35は、回転駆動軸33からの動きをダイヤフラム13に伝達するために、ポンプヘッド1、101、201に連結するように構成されている。駆動軸33がその長手方向軸のまわりに回転する結果として、また、たとえばロール軸受である軸受を介した傾斜連結により、ウォブルプレート35は、駆動軸33と共回転することなく周方向のウォブリング運動を行うことができる。この周方向のウォブリング運動がダイヤフラム13の運動に伝達され、これによってポンプ作用が得られる。駆動軸33に対するウォブルプレート35の傾斜角度は変化させることができ、この変化によりポンプの最大流速および最小流速が変化する。傾斜角度はまた、部品を取り外したり交換したりしなくても、また、別々の処理動作およびプロセスステップの中の、またはその間のポンプの動作中であっても、角度、したがってポンプストロークを調整できるように、動的な方法で調整することもできる。

本発明のいくつかの実施形態では、ポンプ駆動装置31は、ポンプの脈動を補償するために駆動軸33の回転に対してポンプ速度のアクティブ変調を適用するように構成することができる。3つのポンプキャビティがポンプヘッド1、101、201の中心Cのまわりに放射状に分布している場合、駆動軸はその速度を、駆動軸が駆動軸の特定の角度位置にわたって掃引しているときに120度ごとにたとえば約15%だけ増加させるように制御して、2つの排出動作の間の流速の一時的な低下を補償することができる。図10aは、駆動軸のA2角位置の関数としての流量、すなわち、本発明による、3つのキャビティ7および3つのダイヤフラム13を備えるダイヤフラムポンプからの非補償出口流量(すなわち、駆動軸の一定角速度A2)を示す。図10aでは、各キャビティからの流量をそれぞれF1、F2、F3と表し、流量の合計をF1+F2+F3と示している。この流量は、A2角速度をA2角位置の関数として調整することによって補償することができる。速度変調は1/(F1+F2+F3)であり、図10bに示す。図10bは、角位置の関数としてモータ速度変調を示す図である。脈動の影響が最も大きい低角速度だけで補償することが有益であり得る。本発明のいくつかの実施形態では、ポンプ速度のアクティブ変調はまた、圧力センサを使用して動的に行うこともでき、固定変調に加えて平均モータ速度を制御することもできる。この実施形態では、ステッピングモータなどの位置制御のあるモータが、ポンプヘッドに対する駆動軸の角位置を位置合わせできるように適切に使用され得る。

本発明によるポンプヘッド1、101、201は、ポンプヘッド1、101、201の中心Cのまわりに放射状に分布する3つまたは5つのポンプキャビティ7を適切に備えることができる。これによって、排出動作において正弦曲線が有利に加算されることにより、脈動が、たとえば4キャビティ設計と比較して著しく低減される。脈動が少ないことは、低流速、低回転数に対して特に有利である。このように脈動が少ないことにより、ポンプは広い動作範囲にわたって使用することが可能になる。脈動がない動作により、より好適で、より安定かつ堅牢なプロセス制御が低流速において可能になる。また、上述のアクティブ変調が使用される場合には、脈動はさらに減少する。

ポンプヘッド1、101、201のダイヤフラム係合プレート27とポンプ駆動装置31のウォブルプレート35とは、ウォブルプレート35とダイヤフラム係合プレート27の間のいかなる回転および摩擦も回避するために設けられている協働連結機能41a、41bを備え得る。これによって、摩擦による構成要素の摩耗を回避することができる。

単回使用のポンプヘッドでは、ポンプヘッドを機器に取り付けるのに余分なツールを何も使用する必要がないことが好ましい。これによって、ポンプヘッドをポンプ駆動装置に簡単に取り付けることが可能になり、このことは単回使用のポンプヘッドには特に有利である。ポンプヘッドとポンプ駆動装置の間の連結にはさらに、モータ、空気圧または磁気によって駆動できる係合レバーおよび/または自動化ソリューションが含まれ得る。円形のロック機構もまた、ポンプヘッドとポンプ駆動装置の間に設けることができる。

ポンプヘッドをポンプ駆動装置に頻繁に着脱することが流路および消耗品の組み立ておよび取り外しのために必要とされる単回使用のポンプヘッドでは特に、安全で、効率的で、かつユーザフレンドリな取り付け手順が、バイオプロセス動作の効率、品質および堅牢性にとって極めて重要である。

ポンプヘッドの取り付け手順では、ポンプヘッドと機器との位置決め、位置合わせおよび/または取り付けが伴う場合があり、かつ/またはポンプ駆動装置は、部品を互いに移動または回転させ、構成要素をクランプまたはロックするための、制御された動作を必要とすることがある。これらの動作は、オペレータによって手動で達成することができ、あるいは部分的または完全に自動化することができる。手順は複数のステップを伴うことがあり、いくつかのステップは手動で達成することができ、他のステップは自動化によって達成することができる。手動のステップおよび/または自動化されたステップは、たとえば、モータ、(電)磁石、または空気圧で補助することができる。対応する機能もまた、ポンプヘッドを駆動装置から取り外し除去するのを補助することができる。

いくつかの実施形態では、ポンプヘッドの取り付けおよび/または取り外しに伴うステップは、ステータス情報をユーザに示すセンサおよび/またはインジケータによって監視され容易にされ得る。たとえば、センサは、1つまたは複数の前記ステップの間中にポンプヘッドが正しい位置にあるかどうかを検出することができる。センサはまた、バイオプロセスシステムの動作前、動作中、および/または動作後に、ポンプヘッドが正しい位置にあることを監視および確認することもできる。1つの実施形態では、たとえば回転数やポンプストローク数をカウントすることによってポンプヘッドの使用状況を追跡するカウンタが設けられる。前記カウンタは、ポンプヘッドに配置された機能によって機械的または電子的に実現することができるが、情報もまた、たとえばポンプヘッドのRFIDタグを書き換え、それによって、ポンプヘッド、その状態、使用状態および/または使用履歴に関する最新の情報を得ることができるように、制御システムおよび機器によって提供される。

本発明の別の実施形態では、ポンプヘッドは、ポンプのステータス情報を表示するインジケータ、たとえば、ポンプの稼働状態、正しい動作、アイドル状態、流速情報または圧力情報、空気の捕捉に関する情報などを示すインジケータを備える。前記情報は、たとえば、LEDやディスプレイなどの光の色、強度、点滅頻度の変化によって定性的に表示することができる。別の実施形態では、ポンプ動作、ポンプもしくはシステムの動作パラメータまたはその他のパラメータに依存して、光強度および/または照明の色が変化し、かつ/または照明増強の特性もしくは頻度が変化する。

あるいは、情報は、たとえば現在の流速や圧力を数字で表示するディスプレイ面に数値を表示することによって、定量的に表示することができる。このような表示面は、たとえば、ユーザに面するポンプヘッドプレート上に適切に配置することができる。ディスプレイ102を備えるポンプヘッド101'が図11に示されているが、この例では、ディスプレイ102がポンプヘッド101'の側面に設けられている。

1つの実施形態では、LCDなどで作られたディスプレイが設けられる。別の実施形態では、ディスプレイに電力が供給されていなくても情報をディスプレイ上に保持できるようにするeINK(電子インク)ディスプレイが設けられ、これによって、ユニットが使用されていないとき、組み立てられていないとき、または電源に連結されていないときに、ポンプおよび/またはポンプヘッドについての最新および関連の情報を表示することが可能になる。これによって、単回使用のポンプヘッド消耗品もまた、ユーザが消耗品の状態を容易に確認できるように、保管中、輸送中、使用前または使用後の最新の情報を表示することができる。カラー表示機能を備えたeINKディスプレイが、保管、組み立て、分解、廃棄、リサイクルなどにおける処理と前後の処理との両方の間中に前述の情報に対応するために設けられてもよい。

1つの実施形態では、ディスプレイおよび/またはeINKディスプレイは、ポンプヘッド、その状態、使用前後の使用状態および/または使用履歴、ならびに機器およびシステムへの設置についての最新情報を示すことができる。情報ディスプレイはまた、アイコン、矢印、グラフなどの図形情報を表示することもできる。表示された情報は、設置および組み立てのプロセス中にユーザを案内することができ、この目的のためにディスプレイは、内蔵バッテリーまたは環境発電デバイスによって駆動することができる。情報は、ポンプヘッドディスプレイまたは他のローカル表示手段、たとえば前述の状態光インジケータまで、無線で送信することができる。

別の実施形態では、ポンプおよび/またはポンプヘッドは、状態、機能、履歴、損耗、サービス対話などの情報を送信および/または表示することによって資産パフォーマンス管理(APM)をサポートして、たとえば、監視、分析の改善、ならびにワークフローの予測、計画および改善が可能になる。センサは、資産パフォーマンス管理範囲をサポートするために設けられてもよい。

本発明の別の実施形態では、ポンプヘッドは、たとえば圧力、導電率、pH、浸透圧モル濃度、粘度、温度などの処理流体の特性を監視するためのセンサを備える。センサは、1つまたは複数のポンプチャンバの上流、下流、または内部に設けることができる。1つの実施形態では、吸引ヘッドを監視して、たとえば使用中の適切な動作状態を検出するために、圧力センサがポンプヘッドの入口流路に設けられている。このセンサはまた、セットアップの際のエラー、または、たとえば、長すぎる、直径が小さすぎる、閉塞している、または挟み込まれているチューブによる絞めつけなどの、入口流路の中断および閉塞を検出するために使用することもできる。センサの情報は、ポンプおよび/またはフローキットの設置手順および/または設置テストに使用することができる。前記センサは、ポンプおよび/またはポンプヘッドのディスプレイに連結すること、またはシステムおよびその制御システムに連結することができる。前記流体センサからの情報はまた、先述の資産パフォーマンス管理の範囲に対して利用することもできる。本発明の様々な例示的実施形態では、ポンプ圧力を監視するために、少なくとも1つの圧力センサをポンプヘッドの出口流路に設けることができる。この圧力センサはまた、セットアップの際のエラー、または、たとえば、長すぎる、直径が小さすぎる、閉塞している、または挟み込まれているチューブによる絞めつけなどの、出口流路の中断および閉塞を検出するために使用することもできる。センサの情報は、ポンプおよび/またはフローキットの設置手順および/または設置テストに使用することができる。前記センサは、ポンプおよび/またはポンプヘッドのディスプレイに連結すること、またはシステムおよびその制御システムに連結することができる。様々な例示的実施形態では、少なくとも1つの圧力センサが入口流路に設けられ、少なくとも1つの圧力センサがポンプヘッドの出口流路に付けられる。ポンプヘッドの入口流路および出口流路の両方にある圧力センサは、ポンプヘッドのポンプ効率を監視するために使用することができる。

1つの実施形態では、ポンプヘッドおよび/またはポンプ駆動装置には、情報記憶のためのタグ付け手段が備えられ、この手段は、構成要素の識別のために、または、たとえば製造日もしくは滅菌日、較正データ、QC情報などの特定の構成要素詳細の読み出しのために配置することができる。情報は、RFIDタグ、バーコード、二次元バーコードなどによって保存され、情報を読み出すための対応するリーダは、ポンプ駆動装置または機器およびシステムに設けることができる。携帯用リーダもまた、ポンプ構成要素をシステムと共に使用する前、使用中、使用後に情報を読み出すために使用することができる。構成要素についての前記情報は、バッチ記録文書化のために、ならびに、ポンプヘッドの取り付け、取り外し、および廃棄を含む処理の間中の(電子)ワークフロー命令を制御するために使用することができる。再利用可能なポンプヘッドに適用される場合、洗浄、サービス、および/または保管の情報は、識別子もしくは関連する別個のタグ、ディスプレイ、またはメモリ構成要素について(再)書き込みおよび更新することができる。本発明の1つの実施形態では、情報は数値フォーマットまたはバーコードタグフォーマットでeINKディスプレイに保存される。

本発明の別の実施形態では、ポンプヘッドは、ポンプチャンバ内部の目視検査を可能にする透明または不透明な材料から作られる。適切な材料としては、たとえば、アクリル、ポリカーボネート、COC(環状オレフィン、たとえばTOPAS)があり得る。目視検査によってユーザは、ポンプダイヤフラムの動き、逆止め弁の動作、液体および/または空気の存在、動きもしくは変位、ならびに/あるいはポンプ動作自体の速度について目視で確認すること、またはフィードバックを得ることができる。1つの実施形態では、ポンプチャンバが光源によって照らされて視認性が増す。別の実施形態では、ポンプ動作、ポンプもしくはシステムの動作パラメータ、または他のパラメータに依存して、光強度および/または照明の色が変化し、かつ/または照明増強の特性もしくは頻度が変化する。1つの実施形態では、ポンプチャンバ内の増光強度は、ダイヤフラムが排出位置などの特定の位置にあるときに阻止される光路によって、ポンプストローク全体にわたってダイヤフラムの位置と共に変わる。

ポリプロピレン、ポリエチレン、ピーク、Topasなどのポリマーが、剛性のポンプヘッドハウジング構成要素に使用されてよい。ダイヤフラム13および/または一方向弁は、たとえばSantoprene、Medipreneのような一般に熱可塑性エラストマー(TPE)であるエラストマーで作ることができる。エラストマー部品は、最適な性能が滅菌およびガンマ線照射によって/その後で、それぞれ得られるように選択することができる。

本発明の別の実施形態では、ウォブルプレート35の動作は、1つの個別のアキシャルピストンの軸方向の動きにダイヤフラムごとに変換することができる。各ダイヤフラムを軸方向に駆動すると、ダイヤフラム係合プレート27を用いた場合の角度係合と比較して、性能が向上しダイヤフラム寿命が伸びることになり得る。

本発明のいくつかの実施形態では、ポンプヘッド1、101、201は、単回使用のポンプヘッドであり、ポンプ駆動装置31は再使用可能である。ポンプヘッドは、たとえばガンマ線照射によって適切に事前滅菌することができる。ポンプヘッドは、無菌コネクタを備えることができる。ポンプ駆動装置はまた、本発明による単回使用流路アセンブリを形成する単回使用流路に連結することもできる。使い捨てとも呼ばれる単回使用の構成要素は、多くのシステムにおいて無菌条件または滅菌条件に関する要件があるので、多くのバイオプロセスシステムに適している。単回使用技術(SUT)の流体処理機器を使用する利点は、主に、SUT機器が単一の製剤だけに使用される場合に、製造バッチとキャンペーンの間の交差汚染が低減または完全に除去されることである。SUT機器は使用後に廃棄されるが、この廃棄は1回の操業、バッチ、または複数回の操業およびバッチを含むキャンペーンの後とすることができる。事前滅菌または生体負荷管理されたSUT機器を提供する場合には、初期の洗浄および消毒(たとえば水酸化ナトリウム溶液を流路に接触させることによる)または滅菌を回避することができる。SUTを1回の操業またはバッチだけに使用する場合には、使用後の洗浄さえも省略することができる。これらの特徴により、SUT機器は、効率、安全性および利便性の向上をもたらす。

ポンプヘッド1、101、201は、たとえば拡散接合などの溶接方法によって連結されたいくつかのプラスチック層から製造された、封止部がない閉鎖コンパートメントとすることができる。このような製造方法により、少なくとも20バールまでの圧力に対応できるポンプヘッド1、101、201を得ることができる。これによって、ポンプヘッドにバッキングプレートを設ける必要がなくなる。さらに、拡散接合製造方法では、ねじおよび封止材を使用することが回避される。ポンプ本体は、層ごとに形成することによって、たとえば、いわゆる3Dプリンティングまたは付加製造によって、一体化したものとして製造することができる。したがって、プラスチック製構造物を作ることができ、あるいは、金属化形成物を作り、後処理をして連結金属製ポンプ本体を作ることができる。

本発明によれば、たとえば分離システム、精製システム、クロマトグラフィーシステム、濾過システム、バイオリアクタ、または個別化医療システムのモジュールなどの、バイオプロセスシステム用の単回使用流路アセンブリがさらに提供される。単回使用流路アセンブリは、単回使用流路に連結される上述のポンプヘッド1、101、201を含む。前記単回使用流路アセンブリは、事前滅菌することができる。

上述のダイヤフラムポンプを含む、たとえば分離システム、精製システム、クロマトグラフィーシステム、バイオリアクタ、または個別医療システムのモジュールなどの、バイオプロセスシステムもまた本発明により提供される。

本発明のいくつかの実施形態では、入口および出口は、外部部品161、161'および別個のチャネル162、162'を介して連結することもできる。これは、図7aおよび図7bで見ることができる。前記外部部品161、161'は、図7bにだけ見える圧力調整弁163を含む。図7bには、膜の形の圧力調整弁163が示されている。外部部品161'の内部に液体が滞留しないようにするために、複数の膜を設けることもできる。この外部部品161、161'および別個のチャネル162、162'により、ポンプの最大限として送出できる特定の圧力に設定することができるポンプが可能になる。より高い圧力が供給された場合には、液体は前方に押し出されるのではなく、ポンプ内を循環することになる。本発明の様々な例示的実施形態では、前記ダイヤフラムポンプの入口および/または出口は、無菌流体連結部とすることができる。無菌流体連結部は、ポンプが前記ダイヤフラムポンプの上流および/または下流でバイオプロセス流体経路に事前に組み込まれていないバイオプロセスシステムでは有利であり得る。

空気を使用する完全性試験の方法もまた、本発明によって提供することができる。本発明によるポンプは、空気を圧送するときの逆止め弁の気密性に関して性能および能力が向上している。このポンプは、大きい吸引ヘッドにおける堅牢な自吸を可能にするだけでなく、確実で正確な空気の圧送および圧縮もまた可能にする。したがって、本発明者らは、液体を導入しない流路および構成要素の試験が望ましいはずである単回使用の用途においてこのポンプを使用する、新しい方法を提案している。従来技術のシステムでは、性能試験および設置検証試験を実施するには液体を利用することに依拠する。

本発明によるダイヤフラムポンプ、および/または本発明によるダイヤフラムポンプを含む流路アセンブリの完全性を試験および検証するための方法が提案されており、この方法は、空気を圧送し、前記空気をポンプの下流で圧縮することに依拠する。空気を圧送し圧縮する方法の1つの実施形態では、圧力減衰法が適用され、この場合、第1のステップで、ポンプを使用して空気が、ポンプ下流の閉じた流体経路に対して一定の圧力に達するまで圧縮され、第2のステップで、経時的な圧力損失が、加圧流体経路に配置された圧力センサを使用して監視される。その結果、流体経路の気密性を定量化することができ、その結果をたとえば、事前に規定された許容基準と比較することができる。別の実施形態では、定流速圧力法が適用され、この場合、ポンプを使用して目標の空気圧または圧力が、漸増的または連続的に空気を圧送することによって誤差範囲内に維持され、また、前記圧力を維持するために必要なポンプ速度またはポンプストローク数を評価して、流体経路のリーク定量化が導出される。ここでも、決定された圧送動作は、事前に規定された許容基準と比較することができる。1つの実施形態では、前記空気の圧送および圧縮から得られた情報を使用して、流路アセンブリのポンプまたは構成要素が適格化、検証または較正される。別の実施形態では、前記空気圧送および圧縮を使用して、流路構成要素の正しい形状、たとえば正しい流路のサイズおよび長さが、あるいは流路またはシステムの構成要素、たとえば弁、センサおよびポンプの正しい動作が、決定および/または検証される。

上で論じたように、ポンプヘッドは、本発明のいくつかの実施形態では拡散接合によって組み立てられる。これによって、入口弁9および出口弁11、ならびにダイヤフラム13などのエラストマー機能構成要素が接着設計に統合され、これによって、他の製造方法では必要とされるいくつかの封止を回避することができる。このことは、材料が少ない閉鎖設計が実現されるので、また、気密性、耐圧性が向上した、かつ他の方法で組み立てられたデバイスと比較して洗浄が容易なデバイスが実現されるので、好都合である。エラストマー構成要素は、接着プロセスで加えられる熱によって破壊されたり変性したりしないように選択する必要がある。本発明の様々な例示的実施形態では、前記ダイヤフラム13は、エラストマー層および補強層を含み得る。前記補強層は、前記エラストマー層に埋め込むことができる。本発明の様々な例示的実施形態では、前記ダイヤフラム13は、少なくとも1つのエラストマー層と少なくとも1つの補強層との層構造体を含む。様々な例示的実施形態では、補強層は、エラストマー層と比較して弾性が低い布またはエラストマー材料で作られたウェブ構造体とすることができる。ダイヤフラムの層構造体では、前記補強層は、液体または生体材料の接触面の反対側に設けることができ、すなわち、ポンプヘッドの非液体または非生体材料の接触面に付けることができる。

図17a～図17dは、前記ポンプヘッド1を前記ポンプ駆動装置31に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第1の例示的な実施形態を様々な図で示す。図17a～図17dには、前記ポンプ駆動装置31の上部分31'のみが示されている。前記上部分31'は、互いに間隔を空けて配置された、かつ前記ポンプヘッド1を受け入れるように構成された第1の支持構造体170および第2の支持構造体171を備える。前記第1および第2の支持構造体170、171は、少なくとも1つの横方向において前記ポンプヘッドの横方向の動きを制限するように構成されている。前記第2の支持構造体171は、前記ポンプヘッド1が前記ポンプ駆動装置31にロックされるロック位置と、前記ポンプヘッド1が前記ポンプ駆動装置31から解放可能および取り外し可能であるロック解除位置との間で動作可能な、弾性部材175を備える。図17aでは、ポンプヘッド1は、ポンプ駆動装置31に取り付けられロックされている。前記ポンプヘッド1は、前記支持構造体170、171にそれぞれ設けられた突起174'、173の形の対応するロック手段を受け入れるように構成された、少なくとも1つの凹部180、182の形のロック手段を備え得る。前記ポンプヘッド1の第1の凹部182および第2の凹部180は、固定することができる。前記第1の要素170に設けられた第1の突起173もまた、固定することができる。第2の突起174'は、前記弾性部材175内に設けられている。前記弾性部材は、前記第2の要素171の開口部176内で移動するように構成された案内要素174を含む。前記弾性部材175の上部に設けられたフランジ172は、前記弾性部材を開位置で操作するのに使用することができる。少なくとも1つのばね190は、弾性部材175を閉位置で付勢する。前記案内要素174の第1の端部に設けられた第1の止めフランジ177は、前記ポンプ駆動装置31にポンプヘッド1が配置されていないときに、前記閉位置における弾性部材175の移動を制限するために使用することができる。第1の止めフランジ177は、前記第2の要素171の凹部178内を移動するように構成されている。この凹部は、前記開口部176よりも大きく、前記第1の止めフランジ177は、前記開口部176よりも大きい。前記案内要素174の第2の端部に設けられた第2の止めフランジ179は、前記開位置における前記弾性部材175の移動を制限するために使用することができる。第2の止めフランジ179は、前記第2の要素171に全開位置で接触し、前記第2の止めフランジ179は、前記ポンプヘッド1に全閉位置で接触することができる。第1の止めフランジ177は、前記案内要素174から取り外し可能とすることができる。前記止めフランジ177は、少なくとも1つのねじ177'で前記案内要素に取り付けることができる。

図17bは、前記ポンプ駆動装置31にロックされたポンプヘッド1の断面斜視図を示す。図17cは、前記ポンプ駆動装置31から解放された前記ポンプヘッド1の断面斜視図を示す。図17cでは、第1の突起173および第2の突起174'は、対応する第1の凹部182および第2の凹部180から解放されている。少なくとも1つのばね190を前記第2の要素171と補助弾性部材175の間に設けることができる。前記少なくとも1つのばねは、ばね突起194によって前記弾性部材175の上に横方向に固定し、ばね凹部192によって前記第2の要素の上に横方向に固定することができる。ばね凹部192は、前記ばねおよび前記ばね突起194を受け入れるように構成される。

図18a～図18fは、前記ポンプヘッド1を前記ポンプ駆動装置31に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第2の例示的な実施形態を様々な図で示す。この実施形態では、ポンプヘッド1は、ポンプ駆動装置31の上部分31'に配置されたフレーム200の形の支持構造体に固定されるものである。弾性部材280が前記フレーム200に取り付けられている。前記弾性部材280は、その上端部分に止め部材204を有する。前記止め部材204は、回転カム部材202が開位置にあるときに、前記フレームの中心から外向きに横方向に移動するように構成されている。前記回転カム部材202は、図18では、開位置とロック位置の間で回転可能であるとして示されている。開位置では、前記回転カム部材202と前記止め部材204が接触していなく、前記回転カム部材202の平坦な表面部分208が前記止め部材204の後端240の方に向いている。ロック位置では、前記回転カム部材202と前記止め部材204が接触しており、カム部分206が前記止め部材204の後端240の方に向いている。ロック位置では、前記回転カム部材202のカム部分206は、前記止め部材204が前記ポンプヘッドから離れないようにする。すなわち、前記止め部材204の下向き傾斜面224が、前記ポンプヘッド1の対応する上向き傾斜面210に付けられる。図18a～図18fでは、前記ポンプヘッド1の前記上向き傾斜面210は、前記ポンプヘッドの上面の周辺に凹部として設けられている。様々な例示的実施形態では、前記上面の全部の周辺が傾斜していてもよい。この傾斜面は、前記回転カム部材202が開位置にあるときに、前記ポンプヘッド1を前記ポンプ駆動装置31から取り外しやすくするために使用される。同様に、前記ポンプヘッド1を前記ポンプ駆動装置31に組み込みやすくするために、前記ポンプヘッド1の底面220の傾斜周辺部は、前記止め部材204の上向き傾斜面222に当たって摺動するように構成されている。前記ポンプヘッド1を前記ポンプ駆動装置31に連結したり分離したりすることは、前記ロック部材がその開位置にあって、前記止め部材204が前記弾性部材280によってその位置から動くことができる場合にのみ行うことができる。回転カム部材202は、前記回転カム部材202を前記ロック位置と開位置の間で手動で回転させるためのハンドル270を有し得る。前記回転カム部材202は、前記フレーム200に設けられた対応するウェル内で回転可動に構成されている回転軸272を有し得る。様々な例示的実施形態では、前記回転カム部材202の前記動きは、少なくとも1つの電気モータによって達成することができる。様々な例示的実施形態では、前記止め部材は、図示の回転カム部材202以外の他の手段によってロックおよびロック解除することができ、その手段は、ロック位置において前記止め部材204の後端240に接触して設けられ、開位置において前記後端240から取り外される摺動バーでもよい。このロック手段は、回転カム部材202、止め部材204および上向き傾斜面210を含む。

図19a～図19hは、前記ポンプヘッド1を前記ポンプ駆動装置31に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第3の例示的な実施形態を様々な図で示す。図18の実施形態と同様に、ポンプ駆動装置31の上部分31'は、ポンプヘッド1を受け入れるように構成されたフレーム300の形の支持構造体を備える。回転可能リング302は、前記ポンプヘッド1を前記ポンプ駆動装置31に対してロックおよびロック解除するように構成されている。回転可能リング302は、第1の内径を有する第1の内側部分320a、320b、320c、320dと、第2の内径を有する第2の内側部分360a、360b、360c、360dとを有する。第1の内径は、前記第2の内径よりも小さい。第2の内側部分360a、360b、360c、360dは、前記リング302のまわりに均等に分布し得る。図19a、図19c、図19eおよび図19gでは、前記第2の内側部分360a、360b、360c、360dは、前記フレーム300の角部の対応する凹部340a、340b、340c、340dと並んでいて、前記ポンプヘッド1が前記ポンプ駆動装置31に取り付けられるようになっている。前記リング302が前記開位置からロック位置へ回転すると、内径が小さい第1の内側部分320a、320b、320c、320dが動いて、前記ポンプヘッド1の角部に設けられた対応するロック凹部310a、310b、310c、310dに滑り込む。前記リング302は、前記リングに対して接線方向の力をハンドル304に加えることによって、手動で回転させることができる。様々な代替実施形態では、前記リング302は、少なくとも1つの電気モータによって回転させることができる。ロック手段は、前記第1の内側部分320a、320b、320c、320dと、前記ロック凹部310a、310b、310c、310dとを含む。

図20a～図20hは、前記ポンプヘッド1を前記ポンプ駆動装置31に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第4の例示的な実施形態を様々な図で示す。前記ポンプ駆動装置31の上部分31'は、横方向に間隔を空けて配置された、かつ前記ポンプヘッド1を受け入れるように構成された、第1の支持構造体400および第2の支持構造体400'を備える。前記第1の要素400および第2の要素400'は、前記ポンプヘッド1が第1の対向する方向に移動することを制限するように構成されている。前記上部分31'はさらに、横方向に間隔を空けて配置された、かつ前記ポンプヘッド1を受け入れるように構成された、第3の支持構造体402および第4の支持構造体402'を備える。前記第3の支持構造体402および第4の支持構造体402'は、前記ポンプヘッド1が第2の対向する方向に移動することを制限するように構成されており、この第2の方向は、前記第1の方向に対して垂直である。前記第1の支持構造体400および第2の支持構造体400'のうちの少なくとも一方は、前記ポンプヘッド1上に配置された対応する垂直突起500a、500b、500cを受け入れるように構成された少なくとも1つの垂直凹部404a、404b、404cを備える。図20cでは、ポンプヘッド1は、前記ポンプ駆動装置31に取り付けられているが、ロック解除位置にある。ロック解除位置では、前記ポンプヘッド1の前面510が前記第3の支持構造体402に接触していることがある。前記ポンプヘッド1を前記第4の支持構造体402'に向けて摺動させることにより、前記ポンプヘッドはロック位置にあることになる。前記ロック位置では、前記ポンプヘッド1の後端530が前記第4の支持構造体402'に接触していることがある。前記ポンプヘッド1の前記後端530が前記第4の支持構造に接触しているとき、前記第1の支持構造体400および第2の支持構造体400'それぞれの少なくとも1つの凹部404a、404b、404cは、前記ポンプヘッド1上の突起500a、500b、500cと並んでいないので、前記ポンプ駆動装置31からの前記ポンプヘッド1の取り外しが不可能になる。前記ポンプヘッド1を前記ポンプ駆動装置31から取り外すことは、前記ポンプヘッド1の前記前面510が前記第3の支持構造体402に接触するように前記ポンプヘッド1を前記第3の支持構造体402に向けて摺動させることによって行われる。前記ポンプヘッド1の前記前面510が前記第3の支持構造体402に接触しているとき、前記突起500a、500b、500cは、前記第1の支持構造体400の対応する凹部404a、404b、404cと並んでいる。前記第1の支持構造体400の第1の摺動凹部406は、前記突起500a、500b、500cを受け入れるように、かつ、前記ポンプヘッド1が前記第3の支持構造体および前記第4の支持構造体402'から前後に移動できるように構成されている。同様に、前記第2の支持構造体400'の第2の摺動凹部406'は、前記突起500a'、500b'、500c'(図示せず)を受け入れるように、かつ、前記ポンプヘッド1が前記第3の支持構造体402および前記第4の支持構造体402'から前後に移動できるように構成されている。ロック手段は、前記突起500a、500b、500c、500a'、500b'、500c'、前記凹部404、404b、404c、404a'、404b'、404c'、および前記摺動凹部406、406'を含む。

図21a～図21gは、前記ポンプヘッド1を前記ポンプ駆動装置31に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナの第5の例示的な実施形態を様々な図で示す。図18に示された第2の実施形態と同様に、ポンプヘッド1は、ポンプ駆動装置31の上部分31'に配置されたフレーム620の形の支持構造体に固定されるものである。

弾性部材280が前記フレーム620に取り付けられている。前記弾性部材280は、その上端部分に止め部材204を有する。前記止め部材204は、押し下げ可能部材600が開位置にあるときに、前記フレーム620の中心から外向きに横方向に移動するように構成されている。図21で前記押し下げ可能部材600は、開位置とロック位置の間で押し下げ可能であるものとして示されている。開位置では、前記押し下げ可能部材が押し下げられるときに、前記押し下げ可能部材600と前記止め部材204が接触していない。開位置では、阻止面240は、前記止め部材204の対応する阻止面290から横方向に間隔が空けられている。ロック位置では、前記押し下げ可能部材600の前記阻止面240と前記止め部材204の前記阻止面290とが接触している。このロック位置では、ポンプヘッド1は、前記ポンプ駆動装置31から離れないようになっている。すなわち、前記止め部材204の下向き傾斜面224が、前記ポンプヘッド1の対応する上向き傾斜面210に付いている。

図21d～図21gでは、前記ポンプヘッド1の前記上向き傾斜面210は、前記ポンプヘッドの上面の周辺に凹部として設けられている。様々な例示的実施形態では、前記上面の周辺全部が傾斜していてもよい。この傾斜面は、前記押し下げ可能部材600が開位置にあるときに、前記ポンプヘッド1を前記ポンプ駆動装置31から取り外しやすくするために使用される。同様に、前記ポンプヘッド1を前記ポンプ駆動装置31に組み込みやすくするために、前記ポンプヘッド1の底面(図示せず)の傾斜周辺部は、前記止め部材204の上向き傾斜面222に当たって摺動するように構成されている。前記ポンプヘッド1を前記ポンプ駆動装置31に連結したり分離したりすることは、前記押し下げ可能部材600がその開位置にあって、前記止め部材204が前記弾性部材280によってその位置から動くことができる場合にのみ行うことができる。押し下げ可能部材600は、前記フレーム620に設けられた対応するウェル606内で移動可能であるように構成されている軸604を有し得る。ばね602が、フレーム620と前記押し下げ可能部材600の間に配置されている。様々な例示的実施形態では、前記押し下げ可能部材600の前記動きは、少なくとも1つの電気モータによって達成することができる。ロック手段は、前記押し下げ可能部材600、前記止め部材204、および前記上向き傾斜面210を含む。

図で示した改善された構成体は、従来技術に付随する様々な問題に対処しており、特に、改善された構成体は、よりコンパクトであり、空気を捕捉する可能性が少なく、そのため清浄性が改善し、また、比較的広い流量および圧力の範囲にわたって脈動が少ない流れを実現する。

当業者には、上述の実施形態に対する追加、省略および変更が、特許請求された本発明の範囲から逸脱することなく可能であることが明らかであろう。

1 ポンプヘッド
3 共通入口
5 共通出口
7 ポンプキャビティ
9 入口弁
9' コア
9'' 外層
9a 可撓性弁ディスク
9b 中心保持ステム
9c 外側封止領域
9d 弁ステム封止領域
11 出口弁
11' コア
11'' 外層
11a 可撓性弁ディスク
11b 中心保持ステム
11c 外側封止領域
11d 弁ステム封止領域
13 可動ダイヤフラム
21 リークコレクタ
25 旋回デバイス
25a 第1の端部
26 開口部
27 ダイヤフラム係合プレート
28 ダイヤフラム保持プレート
28a 凹部
31 ポンプ駆動装置
31' 上部分
33 回転駆動軸、駆動軸
35 ウォブルプレート
37 軸受
41a 協働連結機能
41b 協働連結機能
61a 入口チャネル
61b 出口チャネル
66 中心孔
90 入口弁領域または出口弁領域
90c 弁座
90d 弁封止面
101 ポンプヘッド
101' ポンプヘッド
101'' ポンプヘッド
102 ディスプレイ
121 リークコレクタ
123 下部排出ポート
125 第2のポート
126 ポンプキャビティ入口
130 ポンプキャビティ出口
161 外部部品
161' 外部部品
162 別個のチャネル
162' 別個のチャネル
163 圧力調整弁
170 第1の支持構造体、第1の要素
171 第2の支持構造体、第2の要素
172 フランジ
173 第1の突起
174 案内要素
174' 第2の突起
175 補助弾性部材
176 開口部
177 第1の止めフランジ
177' ねじ
178 凹部
179 第2の止めフランジ
180 第2の凹部
182 第1の凹部
190 ばね
192 ばね凹部
194 ばね突起
200 フレーム
201 ポンプヘッド
202 回転カム部材
204 止め部材
206 カム部分
208 平坦な表面部分
210 上向き傾斜面
220 ポンプヘッドの底面
222 上向き傾斜面
224 下向き傾斜面
240 後端
270 ハンドル
272 回転軸
280 弾性部材
290 阻止面
300 支持構造体
301 ポンプヘッド
302 回転可能リング
304 ハンドル
310a ロック凹部
310b ロック凹部
310c ロック凹部
310d ロック凹部
320a 第1の内側部分
320b 第1の内側部分
320c 第1の内側部分
320d 第1の内側部分
340a 凹部
340b 凹部
340c 凹部
340d 凹部
360a 第2の内側部分
360b 第2の内側部分
360c 第2の内側部分
360d 第2の内側部分
400 第1の支持構造体、第1の要素
400' 第2の支持構造体、第2の要素
402 第3の支持構造体
402' 第4の支持構造体
404 凹部
404a 垂直凹部、凹部
404a' 凹部
404b 垂直凹部、凹部
404b' 凹部
404c 垂直凹部、凹部
404c' 凹部
406 摺動凹部
406' 摺動凹部
500a 垂直突起、突起
500b 垂直突起、突起
500c 垂直突起、突起
500a' 垂直突起、突起
500b' 垂直突起、突起
500c' 垂直突起、突起
510 前面
530 後端
600 押し下げ可能部材
602 ばね
604 軸
606 ウェル
620 フレーム
C 中心

Claims (46)

1. バイオプロセスシステム用のダイヤフラムポンプであって、
   ポンプヘッド（１、１０１、２０１、３０１）であり、
   共通入口（３）、
   共通出口（５）、
   少なくとも一対の協働する一方向弁をそれぞれが含む複数のポンプキャビティ（７）であり、前記少なくとも一対の一方向弁が入口弁（９）および出口弁（１１）を含み、それぞれの前記入口弁（９）が前記共通入口（３）と流体連通し、それぞれの前記出口弁（１１）が前記共通出口（５）と流体連通し、各ポンプキャビティの前記出口弁（１１）の中心は、前記ダイヤフラムポンプが閉じ込めガスを抑止する使用状態の向きになっているときに同じポンプキャビティ用の前記入口弁（９）の中心の上に配置可能である、複数のポンプキャビティ（７）、ならびに
   前記ポンプキャビティの容積を変化させるために前記ポンプキャビティ（７）のそれぞれにそれぞれ設けられた複数の可動ダイヤフラム（１３）
   を含む、ポンプヘッド（１、１０１、２０１、３０１）と、
   ポンプ駆動装置（３１）であり、前記ポンプキャビティ（７）の容積を変化させることの結果として前記ポンプヘッド（１、１０１、２０１、３０１）の前記共通入口（３）から前記共通出口（５）への流体変位を達成するために、前記ポンプヘッド（１、１０１、２０１）のダイヤフラム（１３）まで運動を伝達するように構成されている、ポンプ駆動装置（３１）と、
   を備える、ダイヤフラムポンプ。
2. 前記入口弁および出口弁（９、１１）が可撓性弁ディスク（９ａ、１１ａ）を含み、各ディスクが、弁ディスクを所定の位置に保持するための概ね中心にある保持ステム（９ｂ、１１ｂ）を含む、請求項１に記載のダイヤフラムポンプ。
3. 前記入口弁および出口弁（９、１１）が、前記ポンプヘッド（１、１０１、２０１、３０１）内の対応する弁座（９０ｃ）の少なくとも一部分に当てて封止をするように構成された前記可撓性弁ディスク（９ａ、１１ａ）の外側封止領域（９ｃ、１１ｃ）を含み、前記外側封止領域（９ｃ、１１ｃ）が、前記入口弁および出口弁（９、１１）の残りの部分の第２の材料よりも軟質である第１の材料で作られている、請求項２に記載のダイヤフラムポンプ。
4. 前記入口弁および出口弁（９、１１）が、前記ポンプヘッド（１、１０１、２０１、３０１）の対応する弁封止面（９０ｄ）の少なくとも一部分に当てて封止をするように構成された弁ステム封止領域（９ｄ、１１ｄ）において、第１のより軟質の材料をさらに含む、請求項３に記載のダイヤフラムポンプ。
5. 前記可撓性弁ディスク（９ａ、１１ａ）の外側封止領域（９ｃ、１１ｃ）および／または前記可撓性弁ディスク（９ａ、１１ａ）の弁ステム封止領域（９ｄ、１１ｄ）におけるより軟質の材料が、前記第２の材料を含むコア（９´、１１´）の少なくとも一部分の上に、所定の厚さを有する層（９´´、１１´´）として用いられる、請求項３または４に記載のダイヤフラムポンプ。
6. 弁ステム（９ｂ、１１ｂ）の少なくとも一部分が円錐台形状を有する、請求項２から５のいずれか一項に記載のダイヤフラムポンプ。
7. 前記可動ダイヤフラム（１３）が補強層およびエラストマー層を含む、請求項１から６のいずれか一項に記載のダイヤフラムポンプ。
8. 前記補強層が前記エラストマー層に埋め込まれている、請求項７に記載のダイヤフラムポンプ。
9. 前記補強層が、前記エラストマー層と比較して弾性が低い布またはエラストマー材料で作られたウェブ構造体を含む、請求項７または８に記載のダイヤフラムポンプ。
10. 前記エラストマー層が、前記ダイヤフラムポンプの液体含有部分に接触する向きになっている、請求項８または９に記載のダイヤフラムポンプ。
11. 前記ポンプヘッド（１、１０１、２０１）が、ダイヤフラム係合プレート（２７）の中心（Ｃ）に旋回点を得るために前記ポンプヘッドの前記ダイヤフラム係合プレート（２７）の中心（Ｃ）に設けられた旋回デバイス（２５）をさらに備える、請求項１から１０のいずれか一項に記載のダイヤフラムポンプ。
12. 前記ポンプヘッド（１、１０１、２０１）は、少なくとも１つのリークコレクタ（２１、１２１）をさらに備え、前記少なくとも１つのリークコレクタ（２１、１２１）は、前記ポンプキャビティ（７）および前記ダイヤフラム（１３）を取り囲む可撓性のベローを含みかつ前記ポンプキャビティ（７）からのあり得るリークを集めるように構成されている、請求項１から１１のいずれか一項に記載のダイヤフラムポンプ。
13. 前記ポンプ駆動装置（３１）が、回転駆動軸（３３）と、軸受（３７）を介して、ある傾斜角で前記回転駆動軸（３３）に連結されたウォブルプレート（３５）とを備え、前記ウォブルプレート（３５）が、動きを前記回転駆動軸（３３）から前記ダイヤフラム（１３）へ伝達するために、前記ポンプヘッド（１、１０１、２０１、３０１）と連結するように構成されている、請求項１から１２のいずれか一項に記載のダイヤフラムポンプ。
14. 前記ポンプ駆動装置（３１）が、ポンプの脈動を補償するために前記回転駆動軸（３３）の回転に対してポンプ速度のアクティブ変調を加えるように構成されている、請求項１３に記載のダイヤフラムポンプ。
15. 前記ポンプヘッド（１、１０１、２０１）が、前記ポンプヘッド（１、１０１、２０１、３０１）の中心（Ｃ）のまわりに放射状に分布する３つまたは５つのポンプキャビティ（７）を備える、請求項１から１４のいずれか一項に記載のダイヤフラムポンプ。
16. 前記ポンプヘッド（１、１０１、２０１、３０１）のダイヤフラム係合プレート（２７）と前記ポンプ駆動装置（３１）のウォブルプレート（３５）とが、前記ダイヤフラム係合プレートと前記ウォブルプレートの間の回転摩擦力を回避するために設けられた協働連結機能（４１ａ、４１ｂ）を備える、請求項１から１５のいずれか一項に記載のダイヤフラムポンプ。
17. 前記ポンプヘッド（１、１０１、２０１）が単回使用のポンプヘッドであり、前記ポンプ駆動装置（３１）が再使用可能である、請求項１から１６のいずれか一項に記載のダイヤフラムポンプ。
18. 前記ポンプヘッド（１、１０１、３０１）が、封止部がない閉鎖コンパートメントを形成し、拡散接合によって連結された複数のプラスチック層から製造され、前記閉鎖コンパートメントが、一体化エラストマー機能構成要素として少なくとも前記入口弁および出口弁（９、１１）ならびに前記ダイヤフラム（１３）を含む、請求項１から１７のいずれか一項に記載のダイヤフラムポンプ。
19. 前記ポンプヘッド（１、１０１、３０１）を前記ポンプ駆動装置（３１）に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナをさらに備える、請求項１から１８のいずれか一項に記載のダイヤフラムポンプ。
20. 前記クイック連結ファスナは、前記ポンプヘッド（１、１０１、３０１）が前記ポンプ駆動装置（３１）にロックされるロック位置と、前記ポンプヘッド（１、１０１、３０１）が前記ポンプ駆動装置（３１）から解放可能および取り外し可能であるロック解除位置との間で動作可能である、請求項１９に記載のダイヤフラムポンプ。
21. 前記ポンプ駆動装置（１、１０１、３０１）は、前記ポンプヘッド（１）が前記ポンプ駆動装置（３１）に取り付けられているときに少なくとも１つの方向に移動することを制限するための少なくとも１つの支持構造体（１７０、１７１、２００、３００、４００、４００´、４０２、４０２´、６２０）を備える、請求項１から２０のいずれか一項に記載のダイヤフラムポンプ。
22. 少なくとも１つのロック手段が前記ポンプ駆動装置（３１）に可動に取り付けられている、請求項１９から２１のいずれか一項に記載のダイヤフラムポンプ。
23. バイオプロセスシステム用のダイヤフラムポンプのポンプ駆動装置（３１）に連結して使用されるように構成されたポンプヘッド（１、１０１、２０１、３０１）であって、
    共通入口（３）と、
    共通出口（５）と、
    少なくとも一対の協働する一方向弁をそれぞれが含む複数のポンプキャビティ（７）であり、前記少なくとも一対の一方向弁が入口弁（９）および出口弁（１１）を含み、それぞれの前記入口弁（９）が前記共通入口（３）と流体連通し、それぞれの前記出口弁（１１）が前記共通出口（５）と流体連通し、各ポンプキャビティの出口弁（１１）の中心は、前記ダイヤフラムポンプが閉じ込めガスを抑止する使用状態の向きになっているときに同じポンプキャビティ用の前記入口弁（９）の中心の上に配置可能である、複数のポンプキャビティ（７）と、
    前記ポンプキャビティの容積を変化させるために前記ポンプキャビティ（７）に設けられたそれぞれの可動ダイヤフラム（１３）と、
    を備える、ポンプヘッド（１、１０１、２０１、３０１）。
24. 前記入口弁および出口弁（７、９）が可撓性弁ディスクを含み、各ディスクが、弁ディスクを所定の位置に保持するための概ね中心にある保持ステムを含む、請求項２３に記載のポンプヘッド（１、１０１、２０１、３０１）。
25. 前記ポンプヘッド（１、１０１、２０１、３０１）が、ダイヤフラム係合プレート（２７）の中心（Ｃ）に旋回点を得るために前記ポンプヘッドの前記ダイヤフラム係合プレート（２７）の中心（Ｃ）に設けられた旋回デバイス（２５）をさらに備える、請求項２３または２４に記載のポンプヘッド（１、１０１、２０１、３０１）。
26. 前記ポンプヘッド（１、１０１、２０１、３０１）は、少なくとも１つのリークコレクタ（２１、１２１）をさらに備え、前記少なくとも１つのリークコレクタ（２１、１２１）は、前記ポンプキャビティ（７）および前記可動ダイヤフラム（１３）を取り囲む可撓性のベローを含みかつ前記ポンプキャビティ（７）からのあり得るリークを集めるように構成されている、請求項２３から２５のいずれか一項に記載のポンプヘッド（１、１０１、２０１、３０１）。
27. 前記ポンプヘッド（１、１０１、２０１）が、前記ポンプヘッド（１、１０１、２０１）の中心（Ｃ）のまわりに放射状に分布する３つまたは５つのポンプキャビティ（７）を備える、請求項２３から２６のいずれか一項に記載のポンプヘッド（１、１０１、２０１、３０１）。
28. 前記ポンプヘッド（１、１０１、２０１）が単回使用のポンプヘッドである、請求項２３から２７のいずれか一項に記載のポンプヘッド（１、１０１、２０１、３０１）。
29. 前記ポンプヘッド（１、１０１、２０１）が、封止部がない閉鎖コンパートメントを形成し、拡散接合によって連結された複数のプラスチック層から製造され、前記閉鎖コンパートメントが、その一体化エラストマー機能構成要素として少なくとも前記入口弁および出口弁（９、１１）ならびに前記可動ダイヤフラム（１３）を含む、請求項２３から２８のいずれか一項に記載のポンプヘッド（１、１０１、２０１、３０１）。
30. 前記ポンプヘッドを前記ポンプ駆動装置に取り外し可能に固定するためのクイック連結ファスナをさらに備える、請求項２３から２９のいずれか一項に記載のポンプヘッド（１、１０１、２０１、３０１）。
31. 前記クイック連結ファスナは、前記ポンプヘッドが前記ポンプ駆動装置（３１）にロックされるロック位置と、前記ポンプヘッドが前記ポンプ駆動装置（３１）から解放可能および取り外し可能であるロック解除位置との間で動作可能である、請求項３０に記載のポンプヘッド（１、１０１、２０１、３０１）。
32. 単回使用流路に連結された、請求項２９から３８のいずれか一項に記載のポンプヘッド（１、１０１、２０１、３０１）を備える、バイオプロセスシステム用の単回使用流路アセンブリ。
33. 流路アセンブリが事前滅菌される、請求項３２に記載の単回使用流路アセンブリ。
34. 請求項１から２２のいずれか一項に記載のダイヤフラムポンプを備えるバイオプロセスシステム。
35. 請求項１から２２のいずれか一項に記載のダイヤフラムポンプに使用されるように構成された一方向弁であって、前記ダイヤフラムポンプのポンプヘッド（１、１０１、２０１、３０１）内の対応する弁座（９０ｃ）の少なくとも一部分に当てて封止をするように構成された可撓性弁ディスク（９ａ、１１ａ）の外側封止領域（９ｃ、１１ｃ）を含み、前記外側封止領域（９ｃ、１１ｃ）が、前記一方向弁の残りの部分の第２の材料よりも軟質である第１の材料で作られている、一方向弁。
36. 前記一方向弁がまた、前記ポンプヘッド（１、１０１、２０１、３０１）の対応する弁封止面（９０ｄ）の少なくとも一部分に当てて封止をするように構成された弁ステム封止領域（９ｄ、１１ｄ）において、第１のより軟質の材料を含む、請求項３５に記載の一方向弁。
37. 前記可撓性弁ディスク（９ａ、１１ａ）の外側封止領域（９ｃ、１１ｃ）および／または前記可撓性弁ディスク（９ａ、１１ａ）の弁ステム封止領域（９ｄ、１１ｄ）におけるより軟質の材料が、前記第２の材料を有するコア（９´、１１´）の少なくとも一部分の上に、所定の厚さを有する層（９´´、１１´´）として設けられる、請求項３５または３６に記載の一方向弁。
38. 前記一方向弁の弁ステム（９ｂ、１１ｂ）の少なくとも一部分が円錐台形状を有する、請求項３５から３７のいずれか一項に記載の一方向弁。
39. 請求項１から２２のいずれか一項に記載のダイヤフラムポンプに使用されるように構成された可動ダイヤフラム（１３）であって、補強層およびエラストマー層を備える可動ダイヤフラム（１３）。
40. 前記補強層が前記エラストマー層に埋め込まれている、請求項３９に記載の可動ダイヤフラム（１３）。
41. 前記補強層が、前記エラストマー層と比較して弾性が低い布またはエラストマー材料で作られたウェブ構造体を含む、請求項３９または４０に記載の可動ダイヤフラム（１３）。
42. 前記エラストマー層が、前記ダイヤフラムポンプ内の液体と接触するように構成されている、請求項３９から４１のいずれか一項に記載の可動ダイヤフラム（１３）。
43. 前記ポンプヘッド（１、１０１、２０１、３０１）を前記ポンプ駆動装置（３１）に取り外し可能に固定するために、請求項１から２２のいずれか一項に記載のダイヤフラムポンプに使用されるように構成されたクイック連結ファスナであって、前記ポンプ駆動装置に配置された少なくとも１つのロック手段が、前記ポンプヘッドを前記ポンプ駆動装置にロックするために前記ポンプ駆動装置に対して可動である、クイック連結ファスナ。
44. 少なくとも１つのロック手段が回転可能である、請求項４３に記載のクイック連結ファスナ。
45. 少なくとも１つのロック手段が弾性である、請求項４３または４４に記載のクイック連結ファスナ。
46. 前記弾性のロック手段の動きを制限するための少なくとも１つの手段をさらに備える、請求項４５に記載のクイック連結ファスナ。

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