JP2022544670A - 黒鉛材料を精製するためのプロセス - Google Patents

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Abstract

本開示は、黒鉛材料を精製するための、特に、>99.9%炭素(C)の高い純度を達成するためのプロセスに関する。このプロセスは、a)黒鉛と2つ以上のアルカリ金属水酸化物を含む共融混合物との混合物を加熱して、黒鉛及び共融混合物を含む溶融塊を生成することと、b)溶融塊を水または水溶液で浸出させて、中の水溶性不純物を溶解することと、c)水浸出後の溶融塊を酸性溶液で浸出させて、中の酸可溶性不純物を溶解し、それにより、高純度黒鉛を生成することとを含む。【選択図】図1

Description

本開示は、黒鉛材料を精製するための、特に、>99.9%炭素(C)の高い純度を達成するためのプロセスに関する。
本発明の背景技術についての以下の記述は、本発明の理解を容易にすることを目的としている。しかし、この記述は、参照される資料のいずれかが本出願の優先日時点で公開されていた、公知であった、または一般知識の一部であったことの認識でも承認でもないことを理解されたい。
黒鉛は、耐火物、製鋼、ブレーキライニング、鋳物用塗型材、及び潤滑剤を含むがこれらに限定されない、多くの産業的用途を有する。過去30年間で、電池電極に使用するための高純度黒鉛(>99.9% C)の需要が高まっている。
天然の(採掘される)黒鉛が必要な純度で地中に存在することは決してないため、黒鉛を産業に応用するのに十分に純粋にするためには、精製プロセスを適用しなければならない。採掘されたままの黒鉛は、さらなる精製に供される前に、黒鉛精鉱を生成するために浮選によって処理される場合がある。
黒鉛精鉱に適用される精製手法は大別して2つある。すなわち、フッ化水素もしくは「酸塩基」法のいずれかを使用した湿式精錬精製、または極めて高い温度(>2700℃)もしくは塩素化焙焼法を使用した高温冶金精製である。
アルカリ金属溶融法としても知られる「酸塩基」法は、最も一般的に使用される方法であり、黒鉛と水酸化ナトリウムの混合物を>300℃の温度で加熱して溶融塊を生成し、その後、溶融塊を水及び酸で連続的に浸出させることを伴う。
既存の精製方法は、フッ化水素及び塩素などの有毒化学物質の使用を含む幾つかの欠点を有し、高いエネルギーの投入(例えば300℃<T<2700℃)を必要とし、及び/または電池グレードの黒鉛の純度規格を満たさない。したがって、黒鉛を精製して>99.9% Cの純度を達成するための代替的でより効率的なプロセスを開発する必要がある。
本発明者らは、黒鉛を精製するためのプロセスの研究及び開発に取り組んだ。特に、本発明者らは、黒鉛と少なくとも1つのアルカリ金属水酸化物を含む共融混合物との混合物の加熱により、黒鉛を含む溶融塊を生成することができ、これをその後に浸出させると、高純度黒鉛が生成され、特に、>99.5% C、特に>99.9% C、またはさらには>99.95% Cの純度を達成できることを特定した。
第1の態様では、黒鉛を精製するためのプロセスであって、
a)黒鉛と少なくとも1つのアルカリ金属水酸化物を含む共融混合物との混合物を加熱して、溶融塊を生成することと、
b)溶融塊を水または水溶液で浸出させて、中の水溶性不純物を溶解することと、
c)水浸出後の溶融塊を酸で浸出させて、中の酸可溶性不純物を溶解し、それにより、高純度黒鉛を生成することと
を含むプロセスが提供される。
いくつかの実施形態または例において、黒鉛を精製するためのプロセスは、
a)黒鉛と2つ以上のアルカリ金属水酸化物を含む共融混合物との混合物を加熱して、黒鉛及び共融混合物を含む溶融塊を生成することと、
b)溶融塊を水または水溶液で浸出させて、中の水溶性不純物を溶解することと、
c)水浸出後の溶融塊を酸で浸出させて、中の酸可溶性不純物を溶解し、それにより、高純度黒鉛を生成することと
を含む。
いくつかの実施形態または例において、溶融塊は、ステップb)において水で浸出され得る。
他の実施形態または例では、溶融塊は、ステップb)において水溶液で浸出され得る。水溶液はアルカリ性溶液であってもよい。いくつかの実施形態または例において、水による溶融塊の浸出は、アルカリ性浸出液を生成し得る。溶融塊を水で浸出させると、溶融塊からアルカリの少なくとも一部が溶解し、それにより、アルカリ性浸出液が生成されることが、当業者には理解されよう。このアルカリ性浸出液は、ステップb)でリサイクルされ、溶融塊を浸出させるために使用され得る。したがって、1つの実施形態または例において、水溶液は、アルカリ性浸出液であり得る。例えば、溶融塊は、ステップb)からリサイクルされたアルカリ性浸出液で浸出され得る。あるいは、水溶液は、ステップc)で生成された高純度黒鉛から酸を洗浄するために使用された洗浄液であってもよい。
1つの実施形態または例において、共融混合物は、少なくとも第1のアルカリ金属水酸化物と、第2のアルカリ金属水酸化物及び/またはアルカリ金属塩から選択される少なくとも1つのアルカリ金属化合物とを含む。
1つの実施形態または例において、共融混合物は、少なくとも第1のアルカリ金属水酸化物及び第2のアルカリ金属水酸化物を含み得る。一例では、共融混合物は、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムなどの2つ以上のアルカリ金属水酸化物を含み得る。別の実施形態において、共融混合物は、例えば水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムから選択される2つのアルカリ金属水酸化物を含むか、またはそれらからなり得る。共融混合物は、約10:1~約1:10、約5:1~約1:5、約3:1~約1:3、約2:1~約1:2、または約1:1のモル比を有する2つのアルカリ金属水酸化物を含み得る。1つの実施形態または例において、共融混合物中の第1のアルカリ金属水酸化物の第2のアルカリ金属水酸化物に対するモル比は、ステップa)の加熱温度以下で融解する共融混合物をもたらすように選択され得る。いくつかの実施形態または例において、ステップa)の加熱温度は、約300℃未満であり得る。
代替的な実施形態では、共融混合物は、少なくとも1つのアルカリ金属水酸化物及び1つまたは複数のアルカリ金属塩を含む。1つの特定の実施形態において、共融混合物は、水酸化ナトリウム、及び硝酸ナトリウムまたは亜硝酸ナトリウムなどのナトリウム塩を含み得る。共融混合物は、約10:1~約1:10、約5:1~約1:5、約3:1~約1:3、約2:1~約1:2、または約1:1のモル比を有するアルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属塩を含み得る。1つの実施形態または例において、共融混合物中のアルカリ金属水酸化物のアルカリ金属塩に対するモル比は、ステップa)の加熱温度以下で融解する共融混合物をもたらすように選択され得る。いくつかの実施形態または例において、ステップa)の加熱温度は、約300℃未満であり得る。
有利なことに、黒鉛と共融混合物との混合物は、黒鉛がアルカリ水酸化物のみと混合される場合よりも著しく低い温度で溶融塊を形成し得る。1つの実施形態において、ステップa)は、300℃未満、250℃未満、さらには200℃未満で実施され得る。いくつかの実施形態または例において、ステップa)の混合物は、融解した共融混合物を生成するのに有効な第1の温度で加熱され、次いで、黒鉛及び共融混合物を含む溶融塊を生成するのに有効な第2の温度に加熱され得る。いくつかの実施形態において、酸は、揮発性酸を含む。いくつかの実施形態または例において、酸は、1atmで300℃未満、例えば約200℃未満の沸点を有する。
酸が揮発性酸を含む1つの実施形態または例において、プロセスは、
d)ステップc)で生成された酸性浸出液の少なくとも一部を蒸留して揮発性酸を回収し、前記酸をステップc)にリサイクルすること
をさらに含み得る。
1つの実施形態において、プロセスは、ステップb)の前に、溶融塊を既定量の水と反応させ、それにより、溶融塊の顕熱及び溶融塊と水との間の反応熱を含む熱エネルギーを回収することをさらに含む。有利なことに、回収された熱エネルギーを利用して、任意選択によりステップa)、b)、c)、またはd)のうちのいずれか1つまたは複数において加熱流として使用するための蒸気を生成することができる。
ここで、添付の図面を参照し、好ましい実施形態を単なる例としてさらに記載し、説明する。
黒鉛を精製するためのプロセスの1つの実施形態の代表的なフローシートである。
本開示は、黒鉛を精製するための、特に、>99.5% C、特に>99.9% C、またはさらには>99.95% Cの純度を達成するためのプロセスに関する。
一般用語
本明細書全体を通じて、特段明記されない限り、または文脈上、特に必要とされていない限り、単一のステップ、物質の組成、ステップの群または物質の組成の群への言及は、これらのステップ、物質の組成、ステップの群、または物質の組成の群の1つ及び複数(すなわち、1つ以上)を包含すると解釈されるものとする。したがって、本明細書で使用される場合、文脈による明確な別段の定めがない限り、単数形「a」、「an」、及び「the」には複数の態様が含まれる。例えば、「a」への言及には、1つのみでなく2つ以上も含み、「an」への言及には、1つのみでなく2つ以上も含み、「the」への言及には、1つのみでなく2つ以上などを含む。
本明細書に記載の本開示のそれぞれの例は、特に明記されていない限り、それぞれの例及び他のすべての例に必要な変更を加えて準用する。本開示は、本明細書に記載の特定の実施例により範囲を限定されないものとし、このような特定の例は、例示目的のみであることが意図される。機能的に同等の製品、組成物、及び方法は、本明細書に記載されるように、明らかに本開示の範囲内である。
「及び/または」という用語、例えば、「X及び/またはY」は、「X及びY」または「XまたはY」のいずれかを意味すると理解され、両方の意味またはいずれかの意味を明示的に含むと解釈されるものとする。
本明細書を通じて、「含む(comprise)」という語、または「含む(comprises)」もしくは「含む(comprising)」などの変形は、既定された要素、詳細もしくはステップ、または要素群、詳細群もしくはステップ群を包含するが、いかなる他の要素、詳細もしくはステップ、または要素群、詳細群もしくはステップ群をも排除することを意味するものではないことが理解されよう。
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術及び科学用語は、本発明が属する当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと同様または同等の方法及び材料が本発明の実践または試験で使用され得るが、好適な方法及び材料を以下に記載する。矛盾する場合は、本明細書が定義を含めて優先する。加えて、材料、方法、及び実施例は例示にすぎず、限定であることは意図されない。
本明細書で使用される「約」という用語は、所与の値または範囲の5%以内、より好ましくは1%以内を意味する。例えば、「約3.7%」は、3.5~3.9%、好ましくは3.66~3.74%を意味する。「約」という用語がある範囲の値に関連付けられている場合、例えば「約X%~Y%」の場合、「約」という用語は、記載されている範囲の下限(X)値及び上限(Y)値の両方を修飾することを目的としている。例えば、「約20%~40%」は「約20%~約40%」と同等である。
特定の用語
本明細書で使用される「黒鉛」という用語は、天然に存在する結晶形態の元素状炭素を指す。したがって、「黒鉛」という用語は、高グレードの黒鉛鉱石及び精鉱、ならびに中~低グレードの鉱石、精鉱、及びそれらのブレンドを包含する。この用語は、様々なグレードの片状黒鉛、及び球形化された天然黒鉛などの処理された形態の天然黒鉛を含め、すべてのタイプの黒鉛を包含する。高純度黒鉛とは、純度が>99.5% C、特に>99.9% C、またはさらには>99.95% Cの黒鉛を指す。
本明細書で使用される「共融混合物」という用語は、通常は反応して新しい化学物質を形成することはないが、互いの結晶化プロセスを阻害し、それにより、個々の成分のいずれよりも低い融解点を有する系をもたらす、2つ以上の成分(例えばイオン性成分)の混合物を指す。本明細書で使用されるこの用語は、最小融解組成物のみを指すわけではないが、とりわけそれを含む。
本明細書で使用される「アルカリ金属」という用語は、特に「水酸化物」または「塩」という用語と併せて使用される場合、周期表のIA(1)族を占めるリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、及びセシウムの一価カチオンを指す。
本明細書で使用される「溶融塊」という用語は、黒鉛及び共融混合物(少なくとも1つのアルカリ水酸化物を含む)を含む混合物であって、前記共融混合物が融解する温度に加熱し(融解系、例えば融解塩系ともいう)、任意選択により、次いで少なくとも部分的に固化させた混合物を指す。溶融塊を形成する黒鉛と共融混合物(融解物として)の混合物を含む融解塩系は、融解塩系ひいては溶融塊が水を実質的に欠いている、すなわち含まない場合があるので、溶液または「水溶液」とは見なされない場合があることは理解されよう。
本明細書で使用される「水溶液」という用語は、溶媒が水であり、溶質が無機塩、酸、または塩基であり得る溶液を指す。水は、蒸留水、脱イオン水、水道水、淡水、脱塩水、生産水、地下水、プロセス水、再生水、逆流水、汽水、ブライン、塩水、または海水であり得る。水は、水源に起因する固有の全溶解固形物(TDS)含有量を有し得る。したがって、溶質を水に溶解することによって生成される水溶液は、水の固有のTDS含有量に加えて溶質を含み得ることが理解されよう。
黒鉛を精製するためのプロセス
採掘されたままの黒鉛は、母岩から黒鉛粒を遊離させるために粉砕によって前処理され得る。粉砕された黒鉛は、約>95% Cを有する黒鉛精鉱を生成するために任意選択の浮選プロセスに供される場合がある。浮選プロセスは、当業者に十分理解されるように、任意の好適な浮選プロセスであり得る。遊離黒鉛の粒径が源岩の鉱物特性に応じて異なることは理解されよう。いくつかの実施形態または例において、プロセスは、共融混合物と共に加熱する前に、黒鉛の超微細粉砕を必要としない場合がある。
添付の図を参照すると、黒鉛を精製するためのプロセス(100)は、黒鉛と少なくとも1つのアルカリ金属水酸化物を含む共融混合物との混合物を加熱(110)して、溶融塊を生成することを含み得る。
アルカリ金属水酸化物は、LiOH、NaOH、KOH、CsOH、またはRbOHを含む群から選択され得る。
共融混合物は、2つ以上のアルカリ金属水酸化物を含み得る。あるいは、共融混合物は、アルカリ金属水酸化物及び1つまたは複数のアルカリ金属塩を含み得る。いくつかの実施形態または例において、共融混合物は、少なくとも第1のアルカリ金属水酸化物と、第2のアルカリ金属水酸化物及び/またはアルカリ金属塩から選択される少なくとも1つのアルカリ金属化合物とを含み得る。1つの実施形態または例において、共融混合物は、少なくとも第1のアルカリ金属水酸化物及び第2のアルカリ金属水酸化物を含む。別の実施形態または例において、共融混合物は、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムなどの2つ以上のアルカリ金属水酸化物を含み得る。例えば、共融混合物は、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムから選択される2つのアルカリ金属水酸化物を含み得る。高純度黒鉛を得るにあたり、2つ以上のアルカリ金属水酸化物を含む共融混合物により、さらなる利点が提供される。
アルカリ金属塩は、アルカリ金属水酸化物と共融混合物を形成することができる任意の好適なアルカリ金属塩であり得る。アルカリ金属塩は、ハロゲン化物、炭酸塩、リン酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、または亜硫酸塩を含む群から選択される無機塩であり得る。あるいは、アルカリ金属塩は、酢酸塩、シュウ酸塩、アスコルビン酸塩、ギ酸塩、クエン酸塩を含む群から選択される有機塩であり得る。
共融混合物中の2つ以上のアルカリ金属水酸化物、またはアルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属塩(複数可)は、共融混合物の融解温度が共融混合物の各成分のいずれか1つの融解温度と比較して実質的に低下し得るように、好適なモル比で組み合わせられ得ることが、当業者には理解されよう。
したがって、共融混合物中の2つのアルカリ金属水酸化物は、約10:1~約1:10、約5:1~約1:5、約3:1~約1:3、約2:1~約1:2、または約1:1のモル比を有し得る。
同様に、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属塩を含む共融混合物のモル比は、約10:1~約1:10、約5:1~約1:5、約3:1~約1:3、約2:1~約1:2、または約1:1であり得る。
次の表は、本明細書に記載されるプロセスで用いることのできる、アルカリ金属水酸化物(MOH)と、異なるアルカリ金属水酸化物(M’OH)またはアルカリ金属塩(MX)のいずれかとを含む共融混合物(EM)の幾つかの好適な例を提示する。

Figure 2022544670000002
黒鉛は、共融混合物と約10:1~約1:10、約2:1~約1:2、または約1:1の重量比で混合され得る。前記重量比は、共融混合物の乾燥固形分重量に対するものである。
黒鉛は、固形物、または水溶液などの溶液として共融混合物と混合され得る。特に、黒鉛と共融混合物との「湿式」混合物は、黒鉛と共融混合物との「乾式」混合物と比較して均質性が高いため、加熱ステップで供給するのに好ましい。好ましくは、「湿式」混合物は、加熱前にペースト状の混合物を形成するのに十分な水を含む。用いられる水の量は、黒鉛と共融混合物とを混合する容易さと、その後に水を揮発させて溶融塊を生成するのに必要な熱エネルギーの量とのバランスをとるように選択されるべきであることが、当業者には理解されよう。言い換えれば、黒鉛が加熱ステップa)前に共融混合物と効果的に混合され得るように、ペースト状の混合物(例えばスラリー)を生成するために「湿式」混合物に加えられる溶液(例えば水溶液)の量のため、黒鉛と共融混合物との「湿式」混合物は、溶液または「水溶液」とは見なされない場合があることが理解されよう。
いくつかの実施形態または例において、ステップa)は、黒鉛及び共融混合物を含む水溶液を加熱することを含む。黒鉛及び共融混合物を含む水性混合物は、上記で定義された「湿式」混合物と呼ばれ得る。いくつかの実施形態または例において、黒鉛及び共融混合物を含む「湿式」混合物を加熱すると、黒鉛と共融混合物との「乾式」混合物と比較して高い均質性などの1つまたは複数の利点がもたらされ得、より高い純度及び/または回収率がもたらされ得る。黒鉛及び共融混合物が「湿式」混合物として用意される場合、溶液中に存在するいかなる水または水性液体も、溶融塊を生成するために加熱ステップa)中に揮発され得ることは理解されよう。
いくつかの実施形態または例において、水溶液は、溶液の総重量に基づいて少なくとも約5、10、15、20、30、40、50、または60%w/wの黒鉛を含み得る。いくつかの実施形態または例において、水溶液は、溶液の総重量に基づいて約60、50、40、30、20、15、10または5%w/w未満の黒鉛を含み得る。これらの%w/w値の組み合わせ、例えば、溶液の総重量に基づいて約5%w/w~約50%w/w、または約10%w/w~約40%w/wの黒鉛も可能である。
いくつかの実施形態または例において、水溶液は、溶液の総重量に基づいて少なくとも約20、30、40、50、60、70、80、または90%w/wの共融混合物を含み得る。いくつかの実施形態または例において、水溶液は、溶液の総重量に基づいて約90、80、70、60、50、40、30、または20%w/w未満の共融混合物を含み得る。これらの%w/w値の組み合わせ、例えば、溶液の総重量に基づいて約20%w/w~約70%w/w、約30%w/w~50%w/wの共融混合物も可能である。
いくつかの実施形態または例において、水溶液は、溶液の総重量に基づいて少なくとも約20、30、40、50、60、70、または80%w/wの水または水性液体を含み得る。いくつかの実施形態または例において、水溶液は、溶液の総重量に基づいて約80、70、60、50、40、30または20%w/w未満の水または水性液体を含み得る。これらの%w/w値の組み合わせ、例えば、溶液の総重量に基づいて約20%w/w~約80%w/w、約30%w/w~60%w/wの水または水性液体も可能である。
いくつかの実施形態または例において、水溶液は、溶液の総重量に基づいて、約5%w/w~約50%w/wの黒鉛、約20%w/w~約70%w/wの共融混合物、及び約20%w/w~約80%w/wの水を含み得る。いくつかの実施形態または例において、水溶液は、溶液の総重量に基づいて、約10%w/w~約40%w/wの黒鉛、約30%w/w~約50%w/wの共融混合物、及び約30%w/w~約60%w/wの水を含み得る。
加熱ステップは、加熱用坩堝、または任意の他の好適な加熱容器内で実施され得る。有利なことに、黒鉛と共融混合物との混合物は、黒鉛が単一のアルカリ金属水酸化物のみと混合される場合よりも著しく低い温度で溶融塊を形成するように加熱され得る。
加熱ステップは、共融混合物を融解する(例えば融解した共融混合物を生成する)のに有効な温度であってよく、溶融塊を生成するのに有効な温度であってよい。1つの実施形態または例において、加熱は、混合物から水を実質的に揮発させ、次いで、共融混合物を融解して黒鉛及び共融混合物を含む溶融塊を生成するのに有効な温度で実施され得る。別の実施形態または例において、加熱は、黒鉛及び共融混合物を含む溶融塊を生成するように、約300℃未満の温度で行われ得る。1つの実施形態において、加熱ステップは、300℃未満、250℃未満、さらには200℃未満で実施され得る。水を「実質的に」揮発させるという言及は、概して、微量の水のみが混合物中に存在し得るように水が揮発性になることを指し、これは例えば、混合物全体における重量%で約5%、4%、3%、2%、1%、0.1%、0.01%、0.001%、または0.0001%未満の量であり得る。
いくつかの実施形態または例において、ステップa)の混合物は、混合物から水を実質的に揮発させるのに有効な第1の温度で加熱され、次いで、共融混合物の融解物を生成するのに有効な第2の温度に加熱され、それにより、黒鉛及び共融混合物を含む、記載される溶融塊が生成され得る。第1の温度及び第2の温度は同じであり得ることが理解されよう。例えば、黒鉛を精製するためのプロセスは、a)(i)黒鉛と2つ以上のアルカリ金属水酸化物を含む共融混合物との混合物を第1の温度に加熱して、混合物から水を実質的に揮発させることと、次いで(ii)前記混合物を第2の温度に加熱して共融混合物を融解し、黒鉛及び共融混合物を含む溶融塊を生成することとを含むか、またはそれらからなり得る。
ステップa)(i)において、温度は約120℃~約250℃の範囲であり得る。ステップa)(i)の温度は、少なくとも約120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、または250℃であり得る。ステップa)(i)の温度は、約250、240、230、220、200、190、180、170、160、150、140、130、または120℃未満であり得る。これらの加熱温度の組み合わせ、例えば約120℃~約250℃、約130℃~約240℃、または約140℃~約200℃で、水を揮発させることも可能である。ステップa)(i)での混合の温度が、水を揮発させるのに有効である限り、他の温度が想定されることは理解されよう。
ステップa)(ii)において、温度は約160℃~約300℃の範囲であり得る。ステップa)(ii)の温度は、少なくとも約160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、または300℃であり得る。ステップa)(ii)の温度は、約300、290、280、270、260、250、240、230、220、200、190、180、170、または160℃未満であり得る。これらの加熱温度の組み合わせ、例えば約160℃~約300℃、約170℃~約280℃、または約180℃~約260℃で、共融混合物を融解し、黒鉛及び共融混合物を含む溶融塊を生成することも可能である。ステップa)(ii)の混合物の温度が、共融混合物を融解し、黒鉛及び共融混合物を含む溶融塊を生成するのに有効である限り、他の温度が想定されることは理解されよう。
少なくとも本明細書に記載のいくつかの実施形態または例によれば、混合物(例えば「湿式」混合物)は、ステップa)(i)の温度で約30分間~約180分間にわたって維持され得る。混合物は、ステップa)(i)の温度で、少なくとも30、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、または180分間にわたって維持され得る。混合物は、ステップa)(i)の温度で、180、170、160、150、140、130、120、110、100、90、80、70、60、または30分間未満にわたって維持され得る。これらの時間の組み合わせ、例えば約60分間~約150分間も可能である。
少なくとも本明細書に記載のいくつかの実施形態または例によれば、混合物(例えば「湿式」混合物)は、ステップa)(ii)の温度で約120分間~約300分間にわたって維持され得る。混合物は、ステップa)(ii)の温度で、少なくとも120、140、160、180、200、220、240、260、280、または300分間にわたって維持され得る。混合物は、ステップa)(ii)の温度で、300、280、260、240、220、200、180、160、140、または120分間未満にわたって維持され得る。これらの時間の組み合わせ、例えば約120分間~約240分間も可能である。
少なくとも本明細書に記載のいくつかの実施形態または例によれば、混合物は、ステップa)(i)の温度に、約2℃/分~約15℃/分、約4℃/分~約12℃/分、または約6℃/分~約10℃/分の速度で予熱され得る。混合物は、ステップa)(i)の温度に、約15℃/分未満、約12℃/分未満、約10℃/分未満、約8℃/分未満、6℃/分未満、または4℃/分未満の速度で予熱され得る。混合物は、ステップa)(i)の温度に、少なくとも約4℃/分、少なくとも約6℃/分、少なくとも約8℃/分、少なくとも約10℃/分、または少なくとも約12℃/分の速度で予熱され得る。混合物は、ステップa)(i)の温度に、これらの前述の上限値及び/または下限値のうちの任意の2つの間の範囲内で設けられ得る速度で予熱されてもよい。
本明細書に記載のいくつかの実施形態または例によれば、混合物は、ステップa)(ii)の温度に、約2℃/分~約15℃/分、約4℃/分~約12℃/分、または約6℃/分~約10℃/分の速度で加熱され得る。混合物は、ステップa)(ii)の温度に、約15℃/分未満、約12℃/分未満、約10℃/分未満、約8℃/分未満、6℃/分未満、または4℃/分未満の速度で加熱され得る。混合物は、ステップa)(ii)の温度に、少なくとも約4℃/分、少なくとも約6℃/分、少なくとも約8℃/分、少なくとも約10℃/分、または少なくとも約12℃/分の速度で加熱され得る。混合物は、ステップa)(ii)の温度に、これらの前述の上限値及び/または下限値のうちの任意の2つの間の範囲内で設けられ得る速度で加熱されてもよい。
次いで、溶融塊を水または水溶液で浸出させて(120)、中の水溶性不純物を溶解することができる。水溶性不純物は、ケイ酸及びアルミン酸の無機物を含むが、これらに限定されない。浸出液は、いくらかの溶解した共融混合物を含み得る。それ故、浸出液は、濃縮及びリサイクルされ、ステップa)の黒鉛と組み合わされ得る。浸出液は、蒸発、逆浸透、真空蒸留、多効蒸発器など、当業者に知られている任意の従来技術によって濃縮することができる。
いくつかの実施形態または例において、ステップa)で形成された溶融塊は、ステップb)で浸出する前に周囲温度に冷却され得る。
代替的な実施形態または例では、ステップa)で形成された溶融塊は、ステップb)で浸出する前に浸出温度に冷却され得る。ステップa)で形成された溶融塊は、約50℃~約120℃の範囲内のステップb)の浸出温度に冷却され得る。ステップb)の浸出温度は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、または120℃であり得る。ステップb)の浸出温度は、約120、100、90、80、70、60、または50℃未満であり得る。これらの浸出温度の組み合わせ、例えば約60℃~約110℃、または約80℃~約100℃も可能である。
ステップb)の浸出は、好適な期間にわたって実施され得る。少なくとも本明細書に記載のいくつかの実施形態または例によれば、溶融塊は、ステップb)の浸出温度で約1時間~約48時間にわたって維持され得る。溶融塊は、ステップb)の浸出温度で、少なくとも約1、2、4、10、12、18、20、24、36、または48時間にわたって維持され得る。溶融塊は、ステップb)の浸出温度で、約48、36、24、20、18、12、10、4、2、または1時間未満にわたって維持され得る。これらの浸出時間の組み合わせ、例えば約1時間~約46時間、または約12時間~約36時間も可能である。
溶融塊を水(120)または水溶液で浸出させる前に、いくつかの実施形態では、加熱ステップ(110)後に溶融塊によって保持された顕熱を回収するようにプロセスを適合してもよい。例えば、溶融塊を既定量の水と反応させて(130)、本プロセスの様々なプロセスステップにおいて、または本プロセスが採用されるプラントにおいて、加熱流として使用するための蒸気を生成することができる。有利なことに、水とアルカリ金属水酸化物との間の反応は発熱性であるため、反応熱を、やはり蒸気として、さらに(同時に)回収することができる。
加熱流を使用して、共融混合物もしくは黒鉛を混合する前にそれらを予熱するか、または黒鉛と共融混合物との混合物をステップa)前に予熱することができる。あるいは、加熱流を使用して、蒸気タービンで電力を生成することができる。
既定量の水または水溶液は、共融混合物の質量の約半分の水または水溶液から、共融混合物の質量の約5倍の水または水溶液、より好ましくは共融混合物とほぼ等しい質量の水または水溶液までの重量比を有する。
水または水溶液の既定量は、溶融塊と比較して比較的小さいことが理解されよう。水または水溶液の量が大きすぎると、蒸気が生成されるのではなく、溶融塊の顕熱及び反応熱が吸収されることになる。このステップでは、共融混合物の小量のアルカリ性溶液が生成され、これがリサイクルされ、ステップa)の黒鉛と組み合わされ得る。あるいは、共融混合物のアルカリ性溶液をリサイクルし、ステップb)で使用して、溶融塊から水溶性不純物を除去してもよい。
溶融塊から水溶性不純物を除去した後、溶融塊を酸で浸出させて(140)、中の酸可溶性不純物を溶解し、高純度黒鉛を生成することができる。酸可溶性不純物は、炭酸塩(例えば、カルサイト及びドロマイト)、酸化鉄、及び卑金属酸化物を含むが、これらに限定されない。
酸は、揮発性酸であり得る。例えば、酸は、HClまたはHNOであり得る。1つの実施形態または例において、酸は、1atm(101.325kPa)の圧力で約200℃未満の沸点を有し得る。1つの実施形態または例において、酸は、硫酸を含まない。
酸は好適な濃度を有し得る。酸は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9または10Mの濃度を有し得る。酸は、約10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1M未満の濃度を有し得る。これらのモル濃度の組み合わせ、例えば約2M~約7Mも可能である。
ステップc)の浸出は、好適な温度で実施され得る。いくつかの実施形態または例において、ステップb)で形成される水浸出後の溶融塊は、高純度黒鉛を生成するために、ステップc)の浸出温度に加熱され得る。ステップb)で形成される水浸出後の溶融塊は、高純度黒鉛を生成するために、約50℃~約120℃の範囲内のステップc)の浸出温度に加熱され得る。ステップc)の浸出は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、または120℃の温度で行われ得る。ステップc)の浸出は、高純度黒鉛を生成するために、約120、100、90、80、70、60、または50℃未満の温度で行われ得る。これらの浸出温度の組み合わせ、例えば約50℃~約120℃、例えば約70℃~約100℃も可能である。
ステップc)の浸出は、好適な期間にわたって実施され得る。少なくとも本明細書に記載のいくつかの実施形態または例によれば、水浸出後の溶融塊は、高純度黒鉛を生成するために、ステップc)の浸出温度で約1時間~約48時間にわたって維持され得る。水浸出後の溶融塊は、高純度黒鉛を生成するために、ステップb)の浸出温度で、少なくとも約1、2、4、10、12、18、20、24、36、または48時間にわたって維持され得る。水浸出後の溶融塊は、ステップb)の浸出温度で、約48、36、24、20、18、12、10、4、2、または1時間未満にわたって維持され得る。これらの浸出時間の組み合わせ、例えば約1時間~約46時間、または約12時間~約36時間で、高純度黒鉛を生成することも可能である。
生じた高純度黒鉛は、酸性浸出液から濾過され得る。酸性浸出液の少なくとも一部を蒸留して(150)、揮発性酸を回収することができ、これを浸出ステップ(140)でリサイクルすることができる。こうすると、回収された揮発性酸は、浸出ステップ(140)中に酸に溶解する酸可溶性不純物を含まない場合がある。上述のように得られる蒸気は、揮発性酸の蒸留に使用され得ることが想定される。
本明細書に記載されるプロセスに幾つかの利点があることは明らかであろう。
・ 少なくとも1つのアルカリ金属水酸化物を含む共融混合物を黒鉛と組み合わせると、水酸化ナトリウムのみを使用する従来のアルカリ焼成よりも著しく低い温度で従来のアルカリ焼成ステップを実施することが可能になり、それにより、低温条件での構成材料を使用することに関連するエネルギー節約及び潜在的な資本的支出の削減がもたらされる。
・ また、溶融塊の顕熱及び共融混合物の水との反応熱を回収することにより、熱が回収/保存され、回収された熱が、例えば酸性浸出液の蒸留、黒鉛の予熱、浸出液の再濃縮のような他のプロセスステップで適用されるという形態で、エネルギー節約がもたらされる。
・ 蒸留による酸の回収及びリサイクルは、試薬消費量の削減、及び運用上の支出の低下につながる。
本発明を以下の実施例によってさらに説明する。実施例は、例示のみを目的として提示される。断じて、本発明の範囲または内容を限定するものとして解釈されてはならない。
実施例1
純度97.8%とアッセイされた黒鉛精鉱(10g)を、KOH(11.2g)及びNaOH(8.0g)と混合し、十分な水を加えて混合可能なペーストを形成した。ペーストを開いた坩堝で250℃に2時間加熱し、250℃で4時間維持した。
冷却後、溶融塊を水に溶解し、固形物を35% HNO(およそ8M)(50mL)に溶解し、還流下で3時間沸騰させた。固形物を濾過し、洗浄し、乾燥させた。濾過後の黒鉛は、純度99.94%とアッセイされた。
実施例2
純度97.8%とアッセイされた黒鉛精鉱(10g)を、NaOH(5g)、KOH(7g)、及び水(10g)と混合した。生じたペーストを200℃に2.5時間加熱し、次いで250℃に加熱し、その温度で2時間維持した。
冷却後、溶融塊を室温で1時間にわたって水(およそ100mL)で浸出させ、次いで濾過した。濾過後の固形物を80℃の20% HNO(およそ5M)(100mL)で24時間浸出させた。
固形物を濾過し、水で洗浄し、乾燥させた。濾過後の黒鉛は、純度99.97%とアッセイされた。
実施例3
純度96.8%とアッセイされた黒鉛精鉱(4.06g)を、NaOH(3.93g)、KOH(5.65g)、及び水(9.8g)と混合した。生じたスラリーを140℃に1時間加熱し、次いで180℃に加熱し、180℃で2時間維持した。
溶融塊を90℃の水(80mL)で20時間浸出させ、次いで濾過した。固形物を水で洗浄し、90℃の16%塩酸(およそ5M)(80mL)で20時間浸出させた。固形物を濾過によって回収し、水で洗浄し、乾燥させた。濾過後の黒鉛は、純度99.94%とアッセイされた。
実施例4
純度96.9%とアッセイされた黒鉛精鉱(4.0g)を、NaOH(4.0g)、KOH(5.6g)、及び水(17g)と混合した。生じたスラリーを約150℃に1時間加熱し、次いで200℃に加熱し、200℃で2時間維持した。
溶融塊を90℃の水(20mL)で24時間浸出させ、次いで濾過した。固形物を水で洗浄し、90℃の4M塩酸(80mL)で24時間浸出させた。固形物を濾過によって回収し、水で洗浄し、乾燥させた。濾過後の黒鉛は、純度99.96%とアッセイされた。
上記の実施例で言及したすべての純度は、XRFによってサンプルを分析し、酸化物として表される不純物の測定濃度を全体から差し引くことによって決定された。
本開示の広い全体的範囲から逸脱することなく、上述の実施形態に多数の変更及び/または修正が行われ得ることが、当業者には理解されよう。従って、本実施形態は、全ての点で例示的であり、限定的ではないと見なされるべきである。

Claims (9)

  1. 黒鉛を精製するためのプロセスであって、
    a)黒鉛と2つ以上のアルカリ金属水酸化物を含む共融混合物との混合物を加熱して、前記黒鉛及び前記共融混合物を含む溶融塊を生成することと、
    b)前記溶融塊を水または水溶液で浸出させて、中の水溶性不純物を溶解することと、
    c)前記水浸出後の溶融塊を酸性溶液で浸出させて、中の酸可溶性不純物を溶解し、それにより、高純度黒鉛を生成することと
    を含む前記プロセス。
  2. 前記共融混合物が、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムから選択される2つのアルカリ金属水酸化物を含む、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記共融混合物が、約10:1~約1:10、または約3:1~約2:1、または約1:1のモル比を有する2つのアルカリ金属水酸化物を含む、請求項1または請求項2に記載のプロセス。
  4. 前記共融混合物が、1つまたは複数のアルカリ金属塩をさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のプロセス。
  5. ステップa)の前記混合物が、前記混合物から水を実質的に揮発させるのに有効な第1の温度に加熱され、次いで、前記共融混合物を融解して前記黒鉛及び前記共融混合物を含む溶融塊を生成するのに有効な第2の温度に加熱される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
  6. ステップc)の前記酸が、揮発性酸を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のプロセス。
  7. d)ステップc)で生成された酸性浸出液の少なくとも一部を蒸留して前記揮発性酸を回収し、前記酸をステップc)にリサイクルすることをさらに含む、請求項6に記載のプロセス。
  8. 前記プロセスが、ステップb)の前に、前記溶融塊を既定量の水と反応させ、それにより、前記溶融塊の顕熱及び前記溶融塊と水との間の反応熱を含む熱エネルギーを回収することをさらに含む、請求項1~7のいずれか1項に記載のプロセス。
  9. 前記回収された熱エネルギーを利用して、ステップa)、b)、c)、またはd)のうちのいずれか1つまたは複数において加熱流として使用するための蒸気を生成する、請求項8に記載のプロセス。
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