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本出願は、SYSTEMS AND METHODS FOR DETERMINING PROTEIN CONCENTRATIONS OF UNKNOWN PROTEIN SAMPLES BASED ON AUTOMATED MULTI-WAVELENGTH CALIBRATIONという表題の、2019年8月6日に出願された米国特許出願第62/883,320号明細書に対する優先権を主張しており、この明細書は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、全体として、治療用医薬品の自動化及びエンジニアリングに関連する紫外線(UV)ベースの画像化システム及び画像化方法に関し、より具体的には、自動化された多波長校正に基づいて未知のタンパク質サンプルのタンパク質濃度を決定するための、UVベースの画像化システム及び画像化方法に関する。
医療用医薬品の調製及び開発では、プロセスのモニタリング及び製品の品質特性管理が日常的に実施されている。例えば、そのような治療用医薬品の有効性を確保するために、プロセスのモニタリング及び製品の品質特性管理に関する技術が一般的に使用されている。
現在の機器(現在の固定経路長機器及び可変経路長機器(例えば機械式機器)の両方を含む)は、本質的に直線であるランベルト・ベールの法則の式の適用に基づいて設計されており、且つこの式への依存度が制限されている。特に、吸光度の線形範囲は制限されていることから、そのような機器は、吸光度がこの線形範囲外である場合には、サンプルの濃度を正確に測定し得ない。
下記式は、ランベルト・ベールの法則を示す。
A=ε×C×l
上記式中、Aは、吸光度値であり、εは、吸光係数であり、Cは、濃度値であり、lは、サンプルを通る光線の経路長である。吸光度値(A)は、一般的に、サンプルを通過する光線に対する応答係数として測定される。吸光係数(ε)は、所与の波長で物質がどれだけ強く光を吸収するかの尺度である。治療薬の測定に関して、この吸光係数(ε)は、一般的に、タンパク質の固有の性質であり変化することはない。
濃度値(C)は、所与のサンプル(例えば、治療薬又は他のタンパク質ベースの製品のサンプル)の濃度を指す。より一般的には、濃度とは、混合物の総量で除算された構成成分の存在量のことである。濃度は、質量濃度、モル濃度、個数濃度、及び/又は体積濃度等のいくつかの異なるタイプを指し得る。濃度は、一般的に、あらゆるタイプの化学混合物であり得るが、最も一般的には、溶質又は溶媒溶液である。
上記に示したように、ランベルト・ベールの法則の式は、現在のタンパク質測定機器及びタンパク質測定技術がサンプル濃度値、固定の吸光係数、及び静的光路の長さの線形関数に限定されるような線形性を前提とする。ランベルト・ベールの式を適用すると、非線形のサンプルの吸光度に対して濃度を正確に測定し得ず、そのためにプロセスのモニタリング及び製品の品質特性管理の最中にバイアス、偽陽性、及び/又は偽陰性が生じる可能性がある。
ランベルト・ベールの制限に起因して、固定経路長のUV分光計による測定及び製品の品質特性管理のためのサンプルの調製は、典型的には、時間がかかり且つ誤差が起こりやすい。例えば、製品の品質特性の測定には、サンプル濃度がダイナミックレンジに入るまで連続希釈が必要な場合がある。そのような希釈は誤差が容易に生じやすく、特に、いくつかの製品サンプルにわたり値を測定する場合に生じやすく、なぜならば、このプロセス全体を通してサンプル毎に異なる希釈係数が必要とされ得、濃度算出のための希釈係数の使用は誤差が起こりやすい可能性があるからである。いくつかの製品サンプルに適用される希釈プロセスと、典型的にはそのようなプロセスにより導入される誤差とにより、一般的には、関連する製品の品質特性の測定値に差が生じる。そのような誤った測定値は、プロセスのモニタリング及び製品の品質特性管理の最中に、許容できない数の偽陽性及び偽陰性を生じる可能性がある。
可変経路長機器は、(従来の固定経路長UV吸光度測定とは対照的に)可変経路長でのUV吸光度の測定を可能とするために開発されている。そのような機器では、経路長は、光を送るFibretteの先端とサンプル容器の内側の底との間の距離により定義される。経路長は、統合されたハードウェア手段によってサンプル中でFibretteを上下に移動させることにより、動的に制御される。可変経路長機器は、直接測定の濃度範囲の問題に対処する。固定経路長機器では、直接測定範囲は狭く、従って、実際にはサンプル希釈が常に必要とされる。しかしながら、可変経路長機器により、そのような機器は可変経路長を走査し得ることから、希釈を全く必要とすることなく高タンパク質濃度を直接測定し得る。しかしながら、そのような機器は、典型的には入手及び維持に費用がかかり、且つ、基本的には、光を送るFibretteの機械的な移動及び操作に起因する測定誤差も起こりやすい。例えば、Fibretteの日常的な校正若しくはメンテナンスの欠如、及び/又は可変光機器の機械のわずかな変動により、一般的には、機械的な故障、誤校正、又は機械的な変動の程度により測定結果が相殺されるという誤差が生じる。この誤差は、一般的に、サンプル測定値のばらつきを引き起こし、例えば、製品の測定及び品質管理の目的のための、許容限界内での再現性のある結果及び十分な校正を妨げる。
上記の理由のために、自動化された多波長校正に基づいて未知のタンパク質サンプルのタンパク質濃度を決定するための、UVベースの画像化システム及び画像化方法が必要とされている。
本開示は、全体として、治療用医薬品の自動化及び検査(例えば、そのような治療用医薬品に関連する開発、処理、モニタリング、及び/又は製品の品質特性管理)に関する。様々な実施形態では、自動化された多波長校正に基づいて未知のタンパク質サンプルのタンパク質濃度を決定するために、UVベースの画像化システム及び画像化方法が開示されている。決定されたタンパク質濃度は、治療用医薬品又は製品の未知のサンプルの濃度であり得る。そのようなタンパク質濃度の決定を、例えば、治療薬又は他のタンパク質ベースの製品の製造の最中での、プロセスのモニタリング及び製品の品質特性管理で使用し得る。そのようなタンパク質濃度の決定を、製品の品質管理に関連するプロセスのモニタリング及び製品の品質特性管理でも使用し得、並びに/又はそのような製品の規則性順守若しくは他の有効性を保証するためにも使用し得る。
従って、本明細書で説明されているように、様々な実施形態では、UVベースの画像化システムは、自動化された多波長校正に基づいて未知のタンパク質サンプルのタンパク質濃度を決定するように構成され得る。このUVベースの画像化システムは、多波長の光線を投射するように構成されている光源を含み得る。加えて、このUVベースの画像化システムは、この多波長の光線を受け取り、この多波長の光線に基づいて、UVスペクトルの一連の単一波長の光線を投射するように構成されているモノクロメータを含み得る。
このUVベースの画像化システムは、タンパク質サンプルを受け取るように動作可能なサンプルホルダをさらに含み得る。様々な実施形態では、このタンパク質サンプルは、(1)標準タンパク質サンプルのセットから選択される標準タンパク質、又は(2)未知のタンパク質サンプルのセットから選択される未知のタンパク質サンプルのいずれかであり得る。本明細書で説明されているように、この未知のタンパク質サンプルは、タンパク質濃度が未知である。このサンプルホルダは、一般的に、タンパク質サンプルが標準タンパク質タイプであるか未知のタンパク質タイプであるかにかかわらず、一連の単一波長の光線がこのタンパク質サンプルの少なくとも一部を通過することを可能にするように配置されている。
このUVベースの画像化システムは、タンパク質サンプルの少なくとも一部を通過する一連の単一波長の光線を検出するように動作可能な検出器をさらに含み得る。
このUVベースの画像化システムは、プログラム命令を格納しているメモリと、このメモリに通信可能に連結されているプロセッサとをさらに含み得る。このプロセッサは、このプロセッサに、標準タンパク質サンプルのセットの各標準タンパク質サンプルに関して検出器により記録された波長データの標準セットを受け取らせるプログラム命令を実行するように構成され得る。この波長データの標準セットは、各標準タンパク質サンプルに関して、一連の単一波長の光線から選択される第1の範囲の波長にわたる第1の一連の第1の吸光度対波長値の対を含み得る。加えて、各第1の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含み得る。
加えて、このUVベースの画像化システムのプロセッサは、このプロセッサに、波長データの標準セットの第1の一連の第1の吸光度対波長値の対のそれぞれに基づいて多波長校正モデルを生成させるプログラム命令を実行するようにさらに構成され得る。
このUVベースの画像化システムのプロセッサは、このプロセッサに、未知のタンパク質サンプルのセットの各未知のタンパク質サンプルに関して検出器により記録された波長データの未知のセットを受け取らせるプログラム命令を実行するようにさらに構成され得る。この波長データの未知のセットは、各未知のタンパク質サンプルに関して、一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長にわたる第2の一連の第2の吸光度対波長値の対を含み得る。各第2の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含み得る。
加えて、このUVベースの画像化システムのプロセッサは、このプロセッサに、多波長校正モデルにより、未知のタンパク質サンプルのセットの各未知のタンパク質サンプルに関して、複数のタンパク質濃度値を決定させるプログラム命令を実行するようにさらに構成され得る。この複数のタンパク質濃度値の各タンパク質濃度値は、一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長に対応し得る。
本明細書で説明されている追加の実施形態では、自動化された多波長校正に基づいて未知のタンパク質サンプルのタンパク質濃度を決定するための、UVベースの画像化方法が説明されている。このUVベースの画像化方法は、プロセッサで、標準タンパク質サンプルのセットの各標準タンパク質サンプルに関して検出器により記録された波長データの標準セットを受け取ることを含む。この波長データの標準セットは、各標準タンパク質サンプルに関して、UVスペクトルの一連の単一波長の光線から選択される第1の範囲の波長にわたる第1の一連の第1の吸光度対波長値の対を含み得る。各第1の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含み得る。
このUVベースの画像化方法は、プロセッサにより、波長データの標準セットの第1の一連の第1の吸光度値対波長値の対のそれぞれに基づいて、多波長校正モデルを生成することをさらに含み得る。
このUVベースの画像化方法は、プロセッサで、未知のタンパク質サンプルのセットの各未知のタンパク質サンプルに関して検出器により記録された波長データの未知のセットを受け取ることをさらに含み得る。波長データの未知のセットは、各未知のタンパク質サンプルに関して、一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長にわたる第2の一連の第2の吸光度対波長値の対を含み得る。各第2の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含み得る。
このUVベースの画像化方法は、プロセッサにより実装されている多波長校正モデルにより、未知のタンパク質サンプルのセットの各未知のタンパク質サンプルに関して、複数のタンパク質濃度値を決定することをさらに含み得る。複数のタンパク質濃度値の各タンパク質濃度値は、一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長に対応し得る。
本明細書で説明されている追加の実施形態では、自動化された多波長校正に基づいて未知のタンパク質サンプルのタンパク質濃度を決定するための命令を格納する有形の非一時的コンピュータ可読媒体が説明されている。この命令は、1つ又は複数のメモリを含むコンピューティングデバイスの1つ又は複数のプロセッサにより実行された場合に、コンピューティングデバイスに、プロセッサで、標準タンパク質サンプルのセットの各標準タンパク質サンプルに関して検出器により記録された波長データの標準セットを受け取らせる。この波長データの標準セットは、各標準タンパク質サンプルに関して、UVスペクトルの一連の単一波長の光線から選択される第1の範囲の波長にわたる第1の一連の第1の吸光度対波長値の対を含み得る。各第1の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含み得る。
加えて、この命令は、1つ又は複数のプロセッサにより実行された場合に、コンピューティングデバイスに、このプロセッサにより、波長データの標準セットの第1の一連の第1の吸光度対波長値の対のそれぞれに基づいて多波長校正モデルをさらに生成させ得る。
さらに、この命令は、1つ又は複数のプロセッサにより実行された場合に、コンピューティングデバイスに、このプロセッサで、未知のタンパク質サンプルのセットの各未知のタンパク質サンプルに関して検出器により記録された波長データの未知のセットを受け取らせ得る。加えて、波長データの未知のセットは、各未知のタンパク質サンプルに関して、一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長にわたる第2の一連の第2の吸光度対波長値の対を含み得る。各第2の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含み得る。
加えて、この命令は、1つ又は複数のプロセッサにより実行された場合に、コンピューティングデバイスに、このプロセッサに実装されている多波長校正モデルにより、未知のタンパク質サンプルのセットの各未知のタンパク質サンプルに関して、複数のタンパク質濃度値を決定させ得る。複数のタンパク質濃度値の各タンパク質濃度値は、一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長に対応し得る。
本明細書で説明されている追加の実施形態では、自動化された多波長校正に基づいて未知のタンパク質サンプルのタンパク質濃度を決定するための画像化装置が説明されている。この画像化装置は、標準タンパク質サンプルのセットの各標準タンパク質サンプルに関する波長データの標準セットを受け取るための手段を含む。この波長データの標準セットは、各標準タンパク質サンプルに関して、UVスペクトルの一連の単一波長の光線から選択される第1の範囲の波長にわたる第1の一連の第1の吸光度対波長値の対を含む。各第1の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含む。
この画像化装置は、波長データの標準セットの第1の一連の第1の吸光度対波長値の対のそれぞれに基づいて多波長校正モデルを生成するための手段をさらに含む。
この画像化装置は、未知のタンパク質サンプルのセットの各未知のタンパク質サンプルに関する波長データの未知のセットを受け取るための手段をさらに含む。この波長データの未知のセットは、各未知のタンパク質サンプルに関して、一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長にわたる第2の一連の第2の吸光度対波長値の対を含む。各第2の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含む。
この画像化装置は、多波長校正モデルにより、未知のタンパク質サンプルのセットの各未知のタンパク質サンプルに関して、複数のタンパク質濃度値を決定するための手段をさらに含む。この複数のタンパク質濃度値の各タンパク質濃度値は、一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長に対応する。
本開示のUVベースの画像化システム及び画像化方法は、現在知られている機器の制限を改善する。例えば、本明細書で説明されているように、本開示のUVベースの画像化システム及び画像化方法は、医薬品の調製及び開発で使用されるプロセスのモニタリング及び製品の品質特性管理のための自動化されたワークフローを説明する。加えて、この自動化されたワークフローは、単一波長又は二重波長に限定される代わりにUVスペクトルの完全走査を提供することにより、現在知られている方法を強化し、且つ改善する。例えば、典型的な従来の機器のように、サンプルのタンパク質濃度を測定するために単一のUV波長(例えば280nm)に依存する代わりに、本開示のUVベースの画像化システム及び画像化方法は、タンパク質濃度を測定するために、例えば280~315nmのUV範囲を含む広い範囲にわたる走査を可能にする。
加えて、本開示のUVベースの画像化システム及び画像化方法は、固定経路長UV分光計及び多経路長UV分光計の両方に対する制限(例えば、光の波長、吸光度値の測定のダイナミックレンジに関する従来の問題、及びより最近の機器により導入される機械的な課題)を克服する。例えば、現在の機器は、ランベルト・ベールの法則の適用に依存しており、且つランベルト・ベールの法則の適用により制限されている。ランベルト・ベールの法則の線形性の制限を克服するために、本開示のUVベースの画像化システム及び画像化方法は、所与のサンプルに関して測定された各波長に関する吸光度値を検出し、次いで、関連する吸光係数の変化に従って吸光度応答係数を動的に校正するように構成されている。その結果、本開示のUVベースの画像化システム及び画像化方法を適用して、固定経路長UV分光計、及びその関連するデータ出力を改善し得、これにより、広範囲(例えば、1ミリリットル(mL)当たり0.1~126ミリグラム(mg)の範囲)にわたり、タンパク質濃度の正確な測定が提供されるだろう。
加えて、様々な実施形態では、本開示のUVベースの画像化システム及び画像化方法は、一般的に、広範囲のタンパク質濃度測定値にわたり波長値の重複を生じる。そのような実施形態では、平均、中央値、導関数(derivation)、導関数(derivative)、又はその他の方法によるコンパイルをこの範囲の波長に適用して、強化された多サンプル測定値を得ることにより、強化された予測(例えば、濃度測定値の強化された精度)をもたらし得る。例えば、いくつかの実施形態では、シグナルの平均を、重複した濃度測定値に適用し得、精度が強化される。例えば、「強化された」予測は、単一波長に基づく参照予測と比較して高い精度(例えば、より狭い信頼区間、又はより小さい標準誤差)を有し得る。
さらに、機械的光ガイドを使用して様々な経路長で走査し、それにより線形タンパク質濃度範囲を拡大する可変UV経路長機器とは異なり、本UVベースの画像化システム及び画像化方法の自然な吸光係数の調整は、機械的誤差を有さず、あらゆる従来のUV分光計に適用可能である。
加えて、本開示のUVベースの画像化システム及び画像化方法は、コンピュータの機能性を改善し、及び/又は他の科学技術を改善し、なぜならば、少なくとも、このUVベースの画像化システム及び画像化方法は、タンパク質関連製品の情報を測定するコンピューティングデバイス(例えば分光光度計)の正確度及び精度を改善するからである。即ち、本開示は、コンピュータデバイス自体(例えば、分光光度計、又はタンパク質関連製品の測定若しくはモニタリングで使用されるデバイス若しくはシステム)の機能の改善を説明しており、なぜならば、本明細書で説明されているUVベースの画像化技術の適用により、そのような機器、デバイス、又はシステムの正確度及び精度が増加し、それにより、基礎となるシステムだけでなくこのシステムの最終用途(例えば、本明細書で説明されている治療薬等のタンパク質関連製品のタンパク質濃度のモニタリング及び/又は測定)における信頼性が増加するからである。これにより、先行技術よりも改善され、なぜならば、少なくとも、既存の機器(例えば固定経路長機器及び機械的な可変ベースの機器)は、本明細書で説明されているように採用するには制限があり、誤差が起こりやすく、及び/又は高価だからである。対照的に、本開示のUVベースの画像化システム及び画像化方法は、任意の完全走査可能なUV分光計と互換性がある。これにより、分析モニタリング及び/又は試験ネットワーク全体を通した本UVベースの画像化システム及び画像化方法の展開が可能になる。同様の理由で、本開示のシステム及び方法は、設備投資又は大きな設備設置面積を必要とすることなく、既存のシステム及び機器の分析能力を拡張する。
同様に、本開示のUVベースの画像化システム及び画像化方法は、治療用医薬品の自動化及びエンジニアリングの分野における他の科学技術又は技術分野の改善に関しており、なぜならば、少なくとも、このUVベースの画像化システム及び画像化方法は、オフラインでサンプル及びデータの全く取り扱うことなくリアルタイムの測定及びモニタリングを可能にする完全に自動化されたワークフローを提供するからである。そのような自動化されたワークフローにより、サンプルの希釈及び手動でのデータ処理が取り除かれ得るか又は削減され得、そのため、ヒューマンエレーが減少し、プロセス全体の信頼性が増加する。
本明細書で説明されているように、少なくとも一部の実施形態では、本UVベースの画像化システム及び画像化方法は、特定の機械(例えば、分光高度計、及び/又は分光光度計若しくは他のそのようなUV画像化デバイスにより使用される関連コンポーネント)の使用及び適用、又は用途を含む。
加えて、本開示のUVベースの画像化システム及び画像化方法は、特定の物品の様々な状態又は物体への変換又は削減をもたらすことを含み、例えば、多波長の光線の、タンパク質関連製品のタンパク質濃度のモニタリング又は測定に使用され得る複数のタンパク質濃度を予測するための多波長校正モデルへの変換又は削減をもたらすことを含む。そのようなモニタリング及び測定を、タンパク質関連製品の製造中に使用し得、及び/又はこのタンパク質関連製品が、例えば治療薬若しくはその製造のためのタンパク質関連製品と関連する既知の仕様若しくは規制に準拠しているかどうかを決定するために使用し得る。一例として、測定されたタンパク質濃度に基づいて、タンパク質関連製品のタンパク質濃度を増加させるか又は減少させて、指定の範囲のタンパク質濃度に収め得る。一例として、測定されたタンパク質濃度が(それぞれ)指定の範囲内であるかこの範囲外であるかに応じて、タンパク質関連製品のバッチを受け入れ得るか、又は拒否し得る。
加えて、本開示のUVベースの画像化システム及び画像化方法は、この分野での十分に理解されている日常的な従来の活動以外の明確な特徴を含むか、又は請求項を特定の有益な用途に限定する非従来の工程を追加すること(例えば、現在の機器に欠けている予測、強化、及び測定の用途を含むこと)を含む。例えば、従来の機器は、本明細書で説明されているようなランベルト・ベールの法則への依存、機械的機器(例えばガイドライド)、又は操作等により制限されているが、本開示のUVベースの画像化システム及び画像化方法は、これを克服する。
例示として示されており且つ説明されている好ましい実施形態の下記の説明から、当業者にとっては利点がより明らかとなるであろう。理解されるように、これらの実施形態は他の異なる実施形態も可能であり、これらの詳細は、様々な点で改変可能である。従って、図面及び説明は、例示的な性質であって限定的とはみなされないものとする。
下記で説明する図面は、その中で開示されているシステム及び方法の様々な態様を描写する。各図面は本開示のシステム及び方法の特定の態様のある実施形態を描写していること、及び図面の各々はその可能な実施形態と一致することが意図されていることを理解すべきである。さらに、可能なかぎり、下記の説明は、下記の図面に含まれる参照番号に言及しており、複数の図中に描写されている特徴は、一貫した参照番号で示されている。
図中には本明細書で論じられている配置が示されているが、本実施形態は、示されている正確な配置及び手段に限定されないことが理解される。
本明細書で開示されている様々な実施形態による、自動化された多波長校正に基づいて未知のタンパク質サンプルのタンパク質濃度を決定するための例示的なUVベースの画像化方法を示す。
本明細書で開示されている様々な実施形態による、自動化された多波長校正に基づいて未知のタンパク質サンプルのタンパク質濃度を決定するための例示的なUVベースの画像化方法のフローダイアグラムを示す。
本明細書で開示されている様々な実施形態による、自動化された多波長校正に基づいて未知のタンパク質サンプルのタンパク質濃度を決定するための例示的なUVベースの画像化方法のフローダイアグラムを示す。
本明細書で開示されている様々な実施形態による、図2A及び図2BのUVベースの画像化方法を実行するための疑似コードを含む例示的なコンピュータプログラムリストを示す。
本明細書で開示されている様々な実施形態による、図2A及び図2BのUVベースの画像化方法を実行するための疑似コードを含む例示的なコンピュータプログラムリストを示す。
本明細書で開示されている様々な実施形態による、単一波長の光線のUVスペクトルにわたる標準タンパク質サンプルのセットを表すダイアグラムを示す。
本明細書で開示されている様々な実施形態による、UVスペクトルから選択される第1の範囲の波長にわたる様々な一連の第1の吸光度対波長値の対を表すダイアグラムを示す。
本明細書で開示されている様々な実施形態による、単一波長校正モデルで構成されている多波長校正モデルを表すダイアグラムを示す。
本明細書で開示されている様々な実施形態による、図5Aの様々な単一波長校正モデルの傾き及びy切片を表すダイアグラムを示す。
本明細書で開示されている様々な実施形態による、UVスペクトルから選択される第2の範囲の波長にわたる様々な一連の第2の吸光度対波長値の対を表すダイアグラムを示す。
本明細書で開示されている様々な実施形態による、図5Aの多波長校正モデルにより決定されたタンパク質濃度値を表すダイアグラムを示す。
本明細書で開示されている様々な実施形態による、タンパク質関連製品のタンパク質濃度をモニタリングするか又は測定するための図5Aの多波長校正モデルの適用を描写するフローダイアグラムを示す。
図面は、例示のみを目的とする好ましい実施形態を描写する。本明細書で例示されているシステム及び方法の代替的実施形態を、本明細書で説明されている本発明の原理から逸脱することなく採用し得る。
図1は、本明細書で開示されている様々な実施形態による、自動化された多波長校正に基づいて未知のタンパク質サンプルのタンパク質濃度を決定するための例示的なUVベースの画像化システム100を示す。様々な実施形態では、システム100はUV画像化デバイス101を含み得、UV画像化デバイス101は、UV分光光度計又は他のそのような画像化装置であり得る。UV画像化デバイス101は、モノクロメータ106上に多波長の光線104を投射するように構成されている光源102を含む。様々な実施形態では、モノクロメータ106は、多波長の光線を単一波長の光線に分割するためのプリズム、回折デバイス、又は回折格子を実装する任意の他のデバイスであり得る。図1の実施形態では、モノクロメータ106は、多波長の光線104を受け取るように構成されており、且つ供給源として多波長の光線104を使用して、UVスペクトルの一連の単一波長の光線108を投射するか又は他の方法で提供するように構成されている。
様々な実施形態では、一連の単一波長の光線108は、200ナノメートル(nm)~400ナノメートル(nm)のUVスペクトル中の単一波長の光線を含み得る。加えて、単一波長の光線108は、単一波長の光線108の各間隔がUVスペクトル中の波長である多数の波長(例えば、UVスペクトルを小さいスパンで広がる複数の波長)を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、UVスペクトル中の各単一波長の光線108は、シングルナノメートル間隔で分離され得る。しかしながら、シングルナノメートル間隔が単なる一例の実施形態として機能するように、本明細書では、様々な間隔及び間隔サイズが企図されている。
UV画像化デバイス101は、UV画像化デバイス101に対してタンパク質サンプルを受け取るか、保持するか、又は配置するように動作可能なサンプルホルダ110をさらに含み得る。サンプルホルダ110は、タンパク質サンプルを封入するためのフロースルーセル、キュベット、又は他の容器の少なくとも一部を保持するように構成され得る。サンプルホルダ110は、一般的に、UV画像化デバイス101内に配置されているか又はUV画像化デバイス101の一部として配置されており、タンパク質サンプルが標準タンパク質タイプであるか未知のタンパク質タイプであるかにかかわらず、一連の単一波長の光線がタンパク質サンプルの少なくとも一部を通過することを可能にする。このサンプルホルダは、プラスチック、ガラス、溶融石英、又は他のそのような材料であって、光のこの材料及びタンパク質サンプルの透過を可能にする材料で形成され得る。
様々な実施形態では、タンパク質サンプルは、本明細書の様々な実施形態による標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)又は未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)のいずれかであり得る。「未知のタンパク質サンプル」という用語は、本明細書で使用される場合、タンパク質濃度が未知であるタンパク質サンプルを指す。タンパク質サンプルは、液体、半液体、固体、又は測定用の他の状態であり得る。所与のタンパク質サンプルのタンパク質は、治療用医薬品の独自のタンパク質であり得る。
本明細書の様々な実施形態で説明されているように、未知のタンパク質サンプルはタンパク質濃度が未知であり、標準タンパク質サンプルはタンパク質濃度が既知である。未知のタンパク質サンプルは、濃度が未知である少なくとも1種のタンパク質を含むが、当然のことながら複数種のタンパク質が存在し得ることに留意されたい。サンプルは、他の非タンパク質含有成分(例えば、緩衝液、塩類、並びに他の有機分子及び無機分子)を含み得る。標準タンパク質サンプルは、参照標準であり得るか、又は他の既知であるか、予め測定されているか、若しくは予め決定されているサンプルであり得、このサンプルでは、希釈、濃度、又は他の既知のタンパク質ベースの割合若しくは配分が既知であるか、予め測定されているか、又は予め決定されている。
様々な実施形態では、タンパク質サンプルは、(1)標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)のセットから選択される標準タンパク質サンプル、又は(2)未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)のセットから選択される未知のタンパク質サンプルのいずれかであり得る。本明細書で使用される場合、タンパク質サンプル(例えば標準又は未知)のセットは、1つ又は多くのタンパク質サンプルを含む。例えば、一実施形態では、標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)のセットは、それぞれ濃度が既知である複数の標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)を含み得、未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)のセットは、タンパク質濃度が未知である単一のタンパク質サンプルを含み得る。
UV画像化デバイス101は、サンプルホルダ110により維持されているタンパク質サンプルの少なくとも一部を通過する一連の単一波長の光線112を検出するように動作可能な検出器114をさらに含み得る。単一波長の光線112は、単一波長の光線108と同一であるか又は異なる数、タイプ、強度、及び/又は大きさの光を含み得る。単一波長の光線108と多波長の光線112との間の類似性又は差違は、一般的に、サンプルホルダ110内に配置されたタンパク質サンプル(及びその関連するタンパク質濃度)により生じ、そのような類似性又は差違により、検出器114により記録された、(このタンパク質サンプルのタンパク質濃度に基づく)このタンパク質サンプルに特異的な(例えば、標準又は未知のサンプルのいずれかに関する)波長データ118の生成及び/又は出力116が起きる。
検出器114は、光電子増倍管、フォトダイオード、フォトダイオードアレイ、電荷結合素子(CCD)、又は様々な波長の光を収集するように及び/若しくはこれらの光に関するそれぞれの値を記録するように構成されている他の感光素子若しくはアレイであり得るか、又は含み得る。例えば、CCDベースの検出器の場合には、単一波長の光線112は、検出器114のピクセルアレイ上に集束され得、このアレイのピクセルにより、各波長の強度(例えば、可視領域の場合には各色)を測定し得、且つ値として記録し得る。次いで、CCDベースの検出器は、その測定値を波長データ118として出力し得116、この波長データ118は、まとめて、各波長の光の強度のスペクトル又は値を表し得る。より一般的には、波長データ118は、測定されるタンパク質サンプルの吸光度値(例えば、現在サンプルホルダ110に入っているタンパク質サンプルのタンパク質濃度の吸光度)を示す。即ち、サンプルホルダ110を通過する単一波長の光線108の少なくとも一部が、少なくとも部分的に吸収されるか、又はタンパク質サンプルの濃度に従って他の方法で変化し、その結果、単一波長の光線112も同様に変化する。例えば、サンプルホルダ110中に配置されたタンパク質サンプルが、ある特定の波長の光を吸収した場合には、この波長の光は、単一波長の光線112中には存在しないか又は部分的に存在しないだろう。従って、一般的には、検出器114は、単一波長の光線108と単一波長の光線112との間の相違を測定し、応答係数として吸光度又は吸光度値を決定する。
少なくとも一部の実施形態では、UV画像化デバイス101の光源102、モノクロメータ106、サンプルホルダ110、及び検出器118のそれぞれは、分光光度計デバイスの少なくとも一部を形成し得る。例えば、少なくとも一実施形態では、この分光光度計は、THERMO FISHER SCIENTIFIC(商標)EVOLUTION(商標)分光光度計又は他のそのような画像化装置であり得る。
検出器114は、UV画像化デバイス101の様々なコンポーネント121~128に、バス123(即ち電子通信バス)を介して通信可能に連結され得る。例えば、検出器114は、プロセッサ124に通信可能に連結され得る。プロセッサ124は、マイクロプロセッサ又は中央処理装置(CPU)であり得、例えば、INTEL(登録商標)ベースのマイクロプロセッサ、AMD(登録商標)ベースのマイクロプロセッサ、又は他のそのようなマイクロプロセッサであり得る。プロセッサ124は、バス123を介して通信可能に連結されている様々なコンポーネントの制御に関与し得る。例えば、プロセッサ124は、波長データ118としての検出器114の出力116を制御し得、一実施形態では、波長データ118はメモリ121に格納されている。加えて、プロセッサ124は、入力/出力コンポーネント126からのコマンド又は他の命令を受け取り得る。入力/出力コンポーネント126は、様々な入力/出力デバイス(例えば、キーボード、マウス、又は類似のコンポーネント)とインターフェースで接続され得るか、又は他の方法で接続され得る。そのようなコンポーネントを使用して、検出器114の出力116としての(例えばメモリ121中の)波長データ118にアクセスし得るか、又は他の方法で操作し得るか若しくは検索し得る。プロセッサ124はまた、ディスプレイ128にも通信可能に接続され得る。ディスプレイ128は表示スクリーンであり得、プロセッサ124は、ディスプレイ128の表示スクリーン上で波長データ118の表現(例えば、2次元(2D)、3次元(3D)、又は他の表現)をレンダリングするだろう。
プロセッサ124は、さらに、送受信機122にバス123を介して通信可能に接続され得る。プロセッサ124は、送受信機122により、コンピューティングデバイス151に、コンピューティングネットワーク130で通信可能に連結され得る。表示されている実施形態では、コンピューティングデバイス151は、コンピューティングデバイス151のリモートプロセッサ154及びリモート送受信機152により、コンピュータネットワーク130を介してデータ(例えば波長データ118)を送信し得134、且つ受信し得る132。リモートプロセッサ154及びリモート送受信機152は、バス153(例えば電子通信バス)を介し互いに通信可能に連結され得る。コンピューティングデバイス151は、リモート送受信機152を介して受信したデータ(例えば波長データ118)を格納するための、バス153を介して通信可能に連結されているリモートメモリ159をさらに含み得る。コンピューティングデバイス151は、入力/出力操作(例えば、タッチスクリーン、キーボード等を介したコマンドの受け取り)を容易にするための、及びディスプレイ158のスクリーン上でデータ(例えば波長データ118)を表示するための、バス153を介して通信可能に連結されているディスプレイ158、及び入力/出力コンポーネント156をさらに含み得る。このようにして、コンピューティングデバイス151は、UV画像化デバイス101からリモートで波長データ110を格納するために及び/又は処理するために使用され得るリモートプロセッサ154及びリモートメモリ159を含む。
図1の実施形態では、メモリ121及び/又はリモートメモリ159は、プロセッサ124及び/又は154のいずれか一方又は両方に、本明細書の図2A及び図2Bにより説明されているUVベースの画像化方法200を実行するためのプログラム命令を実行させるために、このプログラム命令を格納し得る。このプログラム命令は、プログラミング言語(例えば、Python、Java、C#、又は他のプログラミング言語)でのプログラムコードであり得る。一部の実施形態では、このプログラム命令は、リモートプロセッサ154が、クライアントとして、コンピューティングネットワーク130を介してサーバーとしてのプロセッサ124と通信するクライアント-サーバーベースであり得る。そのような実施形態では、リモートプロセッサ154は、(例えば、メモリ121に格納されていたか又は検出器114により新たに出力された116)データ(例えば波長データ118)を、UV画像化デバイス101からコンピューティングデバイス151へと送信するように要求し得る。波長データ118は、表現状態転送(RESTful)API等のオンラインアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を介して、リモートプロセッサ154により要求され得、この場合には、プロセッサ124は、APIを実装してリモートプロセッサ154からの要求を受け取り、コンピュータネットワーク130を介して波長データ118を提供することにより応答する。他の実施形態では、UV画像化デバイス101は、新たに生成された及び/又は出力された116波長データ118がコンピュータネットワーク130を介してコンピューティングデバイス151に送信されるプッシュベースのインターフェースを実装し得る。さらなる実施形態では、UV画像化デバイス101又はコンピューティングデバイス151のいずれかのユーザーは、入力/出力126又は156により、ディスク又はサムドライブ等の外部記憶装置(図示しない)上の波長データを受け取り得るか、又は抽出し得る。
図2A及び図2Bは、本明細書で開示されている様々な実施形態による、自動化された多波長校正に基づいて未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)のタンパク質濃度を決定するための例示的なUVベースの画像化方法200のフローダイアグラムを示す。UVベースの画像化方法200は、先行技術の制限(例えば、ランベルト・ベールの法則及びその前提への依存、並びに線形性に関する制限)を克服する。図2A及び図2Bは、図3A及び図3Bと併せて示される。図3A及び図3Bは、本明細書で開示されている様々な実施形態による、図2A及び図2BのUVベースの画像化方法200を実行するための疑似コードを含む例示的なコンピュータプログラムリストを示す。図3A及び図3Bに関して示されているように、ランベルト・ベールの法則の線形性の制限を克服するために、プログラムコード(疑似Pythonコードで示されている)は、サンプルフィルタを適用して、各波長の線形吸光度範囲を決定し得、且つ吸光係数の変化に従って吸光度応答係数を動的に校正し得る。その結果、UV画像化デバイス101(例えば、UV画像化デバイス101が固定経路長UV分光計である実施形態)は、広範囲にわたりタンパク質濃度を正確に測定し得、例えば、0.1~126mg/mLの範囲内でタンパク質濃度を正確に測定し得る。
図2Aにより描写されているように、UVベースの画像化方法200はブロック204で始まり(202)、このブロック204では、プロセッサ(例えばプロセッサ125又はリモートプロセッサ154)が、標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)のセットの各標準タンパク質サンプルに関して検出器(例えば検出器114)により記録された波長データ(例えば波長データ118)の標準セットを受け取る。一部の実施形態では、例えば、波長データ(例えば波長データ118)の標準セットは、カンマ区切り値(CSV)データとして受け取られ得る。他の実施形態では、波長データの標準セットは、データベース形式、拡張マークアップ言語(XML)、JavaScript Object Notation(JSON)、又は他のデータ形式若しくはテキスト形式で受け取られ得る。図3A及び図3Bの実施形態のコンピュータプログラムリストでは、例えばコードセクション5で、標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)の波長データが、CSVデータとして、プロセッサ(例えばプロセッサ124又はリモートプロセッサ154)によりメモリ(例えばメモリ121又はリモートメモリ159)に読み込まれ、このCSVデータでは、各タンパク質標準サンプルは、その既知の濃度に割り当てられている。図3A及び図3Bのコンピュータプログラムリストは、疑似Pythonで作成されており、この、疑似Pythonでは、「pd」としてのpandasライブラリを使用して波長データが読み込まれる。このことは、コードセクション1及び5で示されている。コードセクション1はまた、本明細書で説明されている予測モデルの訓練を説明するために使用される実施形態として、線形回帰訓練アルゴリズムを提供する追加ライブラリ「sklearn」のインポートも示す。
波長データ(例えば波長データ118)の標準セットは、各標準タンパク質サンプルに関して、UVスペクトルの一連の単一波長の光線から選択される第1の一連の第1の吸光度対波長値の対を含み得る。各第1の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含み得る。例えば、図4Aは、本明細書で開示されている様々な実施形態による、単一波長の光線404のUVスペクトルにわたって標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)400a~400mのセットを表すダイアグラム400を示す。具体的には、ダイアグラム400は、応答係数測定値として使用される一連の吸光度値を有するUV吸光度軸402(y軸)を含む。一般的に、吸光度値が大きいほど、所与の波長に関して(例えば検出器114により)検出される光は少ない。加えて、本明細書では他の間隔が企図されているが、ダイアグラム400は、ナノメートルの間隔で一連の光波長を有する波長軸404(x軸)を含む。
図4Aの実施形態では、0.1~126mg/mlの範囲でタンパク質標準溶液を有する標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)を、200~400nmのUVスペクトル(1nm間隔)にわたり分光光度計で走査した。この標準タンパク質サンプルは、1cm経路長の石英キュベットに入っていた。このUVスペクトルの波長データを、CSVデータとして保存した。従って、ダイアグラム400は、200nm~400nmの波長範囲で走査したタンパク質校正標準(例えば標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)の生UVスペクトルデータを描写する。
図4Aに示されているように、ダイアグラム400は、13個の標準タンパク質(例えば標準タンパク質140s)400a~400mを表す。各標準タンパク質サンプルに関して、同一のタンパク質(例えばタンパク質分子)のタンパク質濃度を測定する。このタンパク質分子は、分子であり得、例えば、独自のタンパク質、又は治療薬若しくは他のそのような医薬品を開発するために使用される他のタンパク質であり得る。
図4Aに示されているように、各標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル400a及び標準タンパク質サンプル400m)は、ダイアグラム400内の複数の吸光度対波長値の対の対応するプロットにより表される。標準タンパク質サンプル400mに関して、例えば、吸光度値対波長値の対400m305は、吸光度値が約2.5である305の波長値での標準タンパク質サンプル400mの測定値である。従って、吸光度値対波長値の対400m305は、ダイアグラム400内では、対応するUV吸光度軸402(y軸)及び対応する波長軸404(x軸)に配置されている。さらなる例として、標準タンパク質400aに関して、吸光度値対波長値の対400a230は、230の波長値での及び吸光度値が約1.0である標準タンパク質サンプル400aの測定値である。従って、吸光度値対波長値の対400a230は、ダイアグラム400内では、対応するUV吸光度軸402(y軸)及び対応する波長軸404(x軸)に配置されている。それぞれの標準タンパク質サンプルの表現400a~400mの残りの吸光度対波長値の対は、ダイアグラム400内に同様にプロットされており、それぞれ、200ナノメートル(nm)~400ナノメートル(nm)の波長スペクトルでの(波長軸404に沿った)各波長値で走査され且つ測定されたUV吸光度値を(UV吸光度軸402に沿って)表す。
図2AのUVベースの画像化方法200に関して、ブロック206で、プロセッサ(例えばプロセッサ124又はリモートプロセッサ154)は、波長データの標準セットをフィルタリングするかどうかを決定する。この決定を、(例えば検出器114により)検出された一連の波長データに基づいて行ない得、一部のデータセットは、広い波長範囲を含む。フィルタが適用されない場合には、UVベースの画像化方法200は、ブロック210に進む。
しかしながら、ブロック208では、標準波長データフィルタが適用される。この標準波長データフィルタは、UV画像化システム100のメモリ(例えばメモリ121又はリモートメモリ154)に格納されたプログラム命令のセットを含み得る。図3A及び図3Bのコンピュータプログラムリストでは、例えば、疑似Python命令は、本明細書で説明されている校正モデルを訓練するために使用される最適なデータ品質を確保するために、図4Aの元々の単一波長光範囲及び元々のUV吸光度値範囲からデータ点を除去するための標準波長データフィルタの一実施形態(コードセクション6)を示す。図3Aの例では、コードセクション6は、ユーザーにより定義された変数としての(コードセクション4)フィルタリング基準セットを適用して、フィルタリングされる範囲の柔軟な操作を可能にする。例えば、コードセクション4で示されているように、標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)のフィルタリング基準は、280~315nmの波長範囲にわたりUV吸光度値が0.1~1.5であるデータ点を選択するように構成されている。
ブロック208では、プロセッサ(例えばプロセッサ124又はリモートプロセッサ154)は、一連の単一波長の光線に対して標準波長データフィルタを実行して、第1の範囲の波長を選択するか、又は制限する。加えて、このプロセッサは、標準波長データフィルタを実行して、第1のフィルタ範囲のUV吸光度値内のUV吸光度値に基づいて、各第1の一連の第1の吸光度値対波長値の対を選択し得るか、又は制限し得る。例えば、(例えばブロック208での)標準波長データフィルタの適用により、図4Aのダイアグラム400のプロットされた吸光度対波長値の対の(波長及び吸光度値の両方における、即ち、吸光度値対波長値の対における)データ範囲の制限されたか又はフィルタリングされたセットを表す図4Bのダイアグラム450が得られる。
具体的には、図4Bは、本明細書で開示されている様々な実施形態による、UVスペクトルから選択された第1の範囲の波長(例えば波長軸454)にわたる様々な一連の第1の吸光度対波長値の対を表すダイアグラム450を示す。図4Bにより示されているように、標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)のそれぞれの吸光度対波長値の対400a~400mが示されているが、一部の吸光度対波長値の対は、本明細書で説明されているように(例えばブロック208で)標準波長データフィルタによりフィルタリングされている。具体的には、図4Bは、図4Aの単一波長の光線範囲200~400(nm)にわたりプロットされた吸光度対波長値の対に標準波長データフィルタが適用された実施形態を示す。
図4Bにより示されているように、(例えばブロック208での)標準波長データフィルタは、図4Bの第1の範囲の波長280~315(nm)を選択するために、図4Aの単一波長の光線範囲200~400(nm)に適用されている。波長280~315(nm)の第1の範囲の波長範囲は、図4Bの波長軸454にわたり描写されている。そのため、図4Bの波長280~315(nm)の第1の範囲の波長範囲は、図4Aの単一波長の光線範囲200~400(nm)から選択されている。
加えて、図4Bの実施形態では、(例えばブロック208での)標準波長データフィルタは、第1のフィルタ範囲のUV吸光度値(例えばUV吸光度軸452)内のUV吸光度値に基づいて各第1の一連の第1の吸光度対波長値の対を選択するために適用されている。第1のフィルタ範囲のUV吸光度値0.1~1.5は、図4BのUV吸光度軸452にわたり描写されている。そのため、図4Bの第1のフィルタ範囲のUV吸光度値範囲0.1~1.5は、図4AのUV吸光度値範囲0~7から選択されている。従って、図4Bは、全体として、校正標準のフィルタリングされたUVスペクトルを示しており、特に、波長値280~315nm及び吸光度値0.1~1.5という限定された範囲内でのタンパク質校正標準のフィルタリングされたUVスペクトルを示す。図4Aと比較した場合には、フィルタリングされた値(波長値280~315nm及び吸光度値0.1~1.5)は、全体的に、標準タンパク質サンプル(例えば400a及び標準タンパク質サンプル400m)のそれぞれにわたり、ダイアグラム400により示されているように、互いに対して崩れていないか又は互いに重なっている吸光度対波長値の対を含む。
図4A及び図4Bの例では、標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)は、図4Bで示されている0.1~126mg/mgの範囲のタンパク質標準溶液である。これは、コードセクション2での図3A及び図3Bの例示的なコンピュータプログラムリストでさらに説明されており、この例では、標準タンパク質サンプル値が、対応する範囲に設定されている。しかしながら、本明細書では、より広い範囲のそのような標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)/タンパク質標準溶液が企図されており、例えば、標準タンパク質サンプルのセットは、1ミリリットル(ml)当たり0.1~220ミリグラム(mg)の範囲のタンパク質標準溶液であり得る。
図2Aに関して、ブロック210では、UVベースの画像化方法200は、プロセッサ(例えばプロセッサ124又はリモートプロセッサ154)により多波長校正モデルを生成することを含む。この多波長校正モデルは、各標準タンパク質サンプルの波長データとその様々な吸光度値との対の標準セットに基づく。そのようなデータが(例えばブロック208で)フィルタリングされた、ある特定の実施形態では、この多波長校正モデルは、波長データの標準セットの第1の一連の第1の吸光度対波長値の対のそれぞれに基づく。
図5Aは、本明細書で開示されている様々な実施形態による、単一波長校正モデル(即ち「校正曲線」)で構成されている多波長校正モデル501を表すダイアグラム500を示す。図5Aの実施形態では、この多波長校正モデル501は、図4BのUVスペクトルにわたる単一波長校正モデルで構成されている。これは、280nm~315nmの波長のそれぞれに関するモデルを含む。例えば、ダイアグラム500は、単一波長校正モデル501s280(波長280nmに関する単一波長モデルである)、501s294(波長294nmに関する単一波長モデルである)、及び501s300(波長300nmに関する単一波長モデルである)を特定する。各単一波長校正モデルは、特定の波長(例えば、280nm、294nm、及び300nm)に関して、(UV吸光度軸502のUV吸光度値の範囲にわたる)所与のUV吸光度値に関する(タンパク質濃度軸504のタンパク質濃度値の範囲にわたる)タンパク質濃度値を予測するために生成されている。図5AのUV吸光度軸502は、図4BのUV吸光度軸に対応する。そのため、UVスペクトルの所与の波長に関するタンパク質濃度の予測を、UV吸光度値を、対応する単一波長校正モデル又はUVスペクトルのこの波長に関する校正曲線に入力することにより行ない得る。この予測を使用して、本明細書で説明されている未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)の未知のタンパク質濃度を決定し得る。
図5Aの実施形態では、線形回帰モデルを使用して、単一波長校正モデル(例えば、501s280、501s294、及び501s300)のそれぞれを決定した。そのような各モデルは、y切片値及び傾き値を含み、これらを使用してタンパク質濃度を予測する。y切片値及び傾き値は、一般的に、一定値として決定され、提供されるUV吸光度値に傾き値が適用され、その結果、y切片値に加えられて、対応するタンパク質濃度の予測又は値が生成される。図5Aのダイアグラム500は、様々なUV吸光度値が各単一波長校正モデル(例えば、501s280、501s294、及び501s300)のそれぞれに提供されることから、単一波長校正モデルのそれぞれに関する(タンパク質濃度軸504にわたる)タンパク質濃度の様々な予想又は値を示す。このようにして、単一波長校正モデルの全体は、図4A及び図4Bに関して決定されており且つ説明されている各波長及びUV吸光度値に関する吸光度値を許容し得る多波長校正モデルを含む。
図5Bは、本明細書で開示されている様々な実施形態による、図5Aの様々な単一波長校正モデル(例えば単一波長校正モデル501s280、501s294、及び501s300)の傾き560s及びy切片560yを表すダイアグラム550を示す。図5Bは、波長軸554にわたる280nm~315nmの各波長での傾き値560s及びy切片値560yの対のプロットを示す。図5Bは、図5Aと同一範囲のUV吸光度値(例えばUV吸光度軸552)及び同一範囲の波長値(例えば波長軸554)を含む。傾き560s及びy切片値560yの対は、図5Aの単一波長校正モデル(例えば単一波長校正モデル501s280、501s294、及び501s300)に対応する。例えば、図5Bにより示されるように、傾き値562aは、単一波長校正モデル501s280に対応する280nm波長のy切片値562bに対応する。同様に、図5Bにより示されるように、傾き値564aは、単一波長校正モデル501s290に対応する290nm波長のy切片値564bに対応する。y軸(UV吸光度軸552)は、所与の傾き値又はy切片値が単一波長校正モデルの任意の所与の予測に寄与するUV吸光度の量を示す。
従って、少なくとも図5Bの実施形態に関して、図5Aの多波長校正モデル501が生成され得、且つ一連の単一波長の光線(例えば、図4Aに関して説明されている波長200nm~400nm)から選択される第1の範囲の波長(例えば、図4Bに関して説明されている波長280nm~315nm)のそれぞれに関する一連の単一波長校正モデルで構成され得、各単一波長校正モデル(例えば、501s280、501s294、及び501s300)は、特定の単一波長(例えば、それぞれ波長280nm、294nm、及び300nm)のUV吸光度に対応する傾き値560s及びy切片値560yを含む。波長値及びUV吸光度値を入力することにより、多波長校正モデル501を実装するプロセッサ(例えばプロセッサ124及び/又はリモートプロセッサ154)は、対応する単一波長校正モデルを選択して、タンパク質濃度値を正確に(correctly)且つ正確に(accurately)予測し得る。
図3A及び図3Bの例示的なコンピュータプログラムリストは、第1の範囲の波長(例えば、図4Bに関して説明されている波長280nm~315nm)のそれぞれに関する単一波長校正モデルの生成を示す。例えば、コードセクション8では、標準波長データをフィルタリングした後、プロセッサ(例えばプロセッサ124又はリモートプロセッサ154)により、各標準タンパク質サンプルのデータに関して線形回帰アルゴリズム(LinearRegression.fit)を実行し、その結果、特定の波長での単一波長校正モデルに関して係数値(即ち傾き値)及び切片値(即ちy切片値)が生成される。そのため、このようにして各単一波長校正モデル(例えば、501s280、501s294、及び501s300)を生成し得る。これらの単一波長校正モデルは、メモリ(例えばメモリ121又はリモートメモリ159)に格納され得、且つ本明細書で説明されている包括的な多波長校正モデルとして(例えば、ラッパーAPIを介してか又はデータベースを介したデータ構造として)まとめてアクセスされ得る。図3A及び図3Bの実施形態では、各単一波長校正モデルは、ある特定の閾値の品質スコア又はフィットスコアを含む。例えば、コードセクション3では、品質値又はフィット値が最小の0.99である単一波長校正モデルのみを、多波長校正モデルに含め得る。このようにして、多波長校正モデル501は、正確な予測能力を有する予測モデルの高品質セットを維持し、且つ使用する。
図5A及び図5Bの上記の実施形態では、単一波長校正は、線形回帰により生成され、生成された多波長校正モデル501にコンパイルされる。しかしながら、他の予測科学技術又は予測技術が使用され得る。例えば、機械学習モデルを、教師あり又は教師なしの機械学習プログラム又は機械学習アルゴリズムを使用して訓練し得る。機械学習プログラム又は機械学習アルゴリズムは、ニューラルネットワークを採用し得、このニューラルネットワークは、畳み込みニューラルネットワーク、ディープラーニングニューラルネットワーク、又は目的の特定の領域における2種以上の特徴又は特徴データベースにおいて学習する複合学習モデル若しくは複合学習プログラムであり得る。機械学習プログラム又は機械学習アルゴリズムはまた、自然言語処理、意味解析、自動推論、回帰分析、サポートベクターマシン(SVM)分析、決定樹解析、ランダムフォレスト解析、K最近傍分析、ナイーブベイズ解析、クラスタリング、強化学習、並びに/又は他の機械学習アルゴリズム及び/若しくは機械学習技術も含み得る。機械学習は、(本明細書で説明されている未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)の未知の濃度を予測するための)後続のデータに関する予測を容易に行なうために、既存のデータ(例えば、UVスペクトルにわたる標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)のUV吸光度値)におけるパターンを特定して認識することを含み得る。
試験レベル又は生産レベルのデータ又は入力等の新規の入力に関する有効で信頼性のある予測を行なうために、例示的な(例えば「訓練データ」)入力又はデータ(「特徴」及び「ラベル」と称され得る)に基づいて、機械学習モデル(例えば、本明細書の上記で説明されている機械学習モデル)を作成して訓練し得る。教師あり機械学習では、サーバー、コンピューティングデバイス、又はその他のプロセッサで動作する機械学習プログラムは、例示的な入力「例えば「特徴」)及びその関連しているか又は観察された出力(例えば「ラベル」)を提供され得、例えば、様々な特徴カテゴリにわたりモデルに重み又は他のメトリクスを決定する及び/又は割り当てることにより、機械学習プログラム又は機械学習アルゴリズムが、そのような入力(例えば「特徴」)を出力(例えばラベル)にマッピングするルール、関係、又はその他の機械学習「モデル」を決定するか又は発見する。次いで、そのようなルール、関係、又はその他のモデルは、サーバー、コンピューティングデバイス、又はその他のプロセッサで実行されるモデルの後続の入力を提供され、発見されたルール、関係、又はモデルに基づいて、予想された出力を予測する。
教師なし機械学習では、サーバー、コンピューティングデバイス、又はその他のプロセッサは、ラベルが付されていない例示的な入力例の独自の構造を見出すことが要求され得、例えば、満足のいくモデル(例えば、試験レベル又は生産レベルのデータ又は入力が与えられた場合に十分な予測精度を提供するモデル)が生成されるまで、モデルの複数の生成を訓練するために、サーバー、コンピューティングデバイス、又はその他のプロセッサにより、複数の訓練指示が実行される。本明細書の開示は、そのような教師あり又は教師なしの機械学習技術の内の一方又は両方を使用し得る。
従って、多波長校正モデルの単一波長校正モデル、又は多波長校正モデル自体を、標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)の波長データにより訓練し得、波長値及びUV吸光度値(例えば、本明細書で説明されている様々な吸光度対波長値の対)は、特徴データとして入力され、標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)のタンパク質濃度値は、ラベルデータとして使用され得る。次いで、多波長校正モデルの訓練された単一波長校正モデル、又は多波長校正モデルを使用して、本明細書で説明されている濃度が未知のサンプルのタンパク質濃度を予測し得る。
図2Aに関して、UVベースの画像化方法200は、未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)のセットの未知のタンパク質サンプルに関して検出器(例えば検出器114)により記録された波長データ(例えば波長データ118)の未知のセットを(ブロック212で)受け取るプロセッサ(例えばプロセッサ124又はリモートプロセッサ154)を含む。
一部の実施形態では、波長データ(例えば波長データ118)の未知のセットは、カンマ区切り値(CSV)データとして受け取られ得る。他の実施形態では、波長データの標準セットは、本明細書で説明されているデータベース形式、拡張マークアップ言語(XML)、JavaScript Object Notation(JSON)、又は他のデータ形式若しくはテキスト形式で受け取られ得る。図3A及び図3Bの実施形態のコンピュータプログラムリストでは、例えば、コードセクション8及び10で、未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)の波長データは、プロセッサ(例えばプロセッサ124又はリモートプロセッサ154)により、CSVデータとして、メモリ(例えばメモリ121又はリモートメモリ159)に読み込まれ、ユーザーは、このデータを、未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)の波長データを含むファイルとして入力する。
波長データ(例えば波長データ118)の未知のセットは、各未知のタンパク質サンプルに関して、一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長にわたる第2の一連の第2の吸光度対波長値の対を含み得る。各第2の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含み得る。波長データの未知のセットは、本明細書で説明されている図4Aの標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)に関して説明されているのと同一の方法で捕捉され得、及び/又は測定され得る。
UVベースの画像化方法200は、図2A及び図2Bで示されているように継続し(214)、ブロック216で、プロセッサ(例えばプロセッサ124又はリモートプロセッサ154)は、波長データの未知のセットをフィルタリングするかどうかを決定する。この決定を、(例えば検出器114により)検出された一連の波長データに基づいて行ない得、一部のデータセットは、広い波長範囲を含む。フィルタが適用されない場合には、UVベースの画像化方法200は、ブロック220に進む。
しかしながら、ブロック218では、未知の波長データフィルタが適用される。未知の波長データフィルタは、UV画像化システム100のメモリ(例えばメモリ121又はリモートメモリ154)に格納されたプログラム命令のセットを含み得る。図3A及び図3Bのコンピュータプログラムリストでは、例えば、疑似Python命令は、本明細書で説明されている校正モデルを訓練するために使用される最適なデータ品質を確保するために、検出器114により測定された元々の単一波長光範囲及び元々のUV吸光度値範囲からデータ点を除去するための未知の波長データフィルタの一実施形態(コードセクション7)を示す。図3Aの例では、コードセクション7は、ユーザーにより定義された変数としての(コードセクション4)フィルタリング基準セットを適用して、フィルタリングされる範囲の柔軟な操作を可能にする。例えば、コードセクション4で示されているように、未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)のフィルタリング基準は、280~315nmの波長範囲にわたりUV吸光度値が0.2~1.2であるデータ点を選択するように構成されている。
ブロック218では、プロセッサ(例えばプロセッサ124又はリモートプロセッサ154)は、一連の単一波長の光線に対して未知の波長データフィルタを実行して、第2の範囲の波長を選択するか、又は制限する。加えて、このプロセッサは、未知の波長データフィルタを実行して、第2のフィルタ範囲のUV吸光度値内のUV吸光度値に基づいて、各第2の一連の第2の吸光度値対波長値の対を選択し得るか、又は制限し得る。例えば、(例えばブロック218での)未知の波長データフィルタの適用により、ブロック212で検出された及び/又は受け取られた未知のタンパク質サンプルデータの(波長及び吸光度値の両方における、即ち、吸光度値対波長値の対における)データ範囲の制限されたか又はフィルタリングされたセットを表す図6のダイアグラム600が得られる。
具体的には、図6は、本明細書で開示されている様々な実施形態による、UVスペクトルから選択された第2の範囲の波長(例えば波長軸604)にわたる様々な一連の第2の吸光度対波長値の対を表すダイアグラム600を示す。図6は、図4と類似しているが、未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)に関するフィルタリングされたデータを示す。図6により示されているように、13個の個々の未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)の吸光度対波長値の対が、未知のタンパク質サンプル600a~600m(600a、600c、600f、及び600mのそれぞれを含む)に関するプロットより表されている。図6の実施形態では、一部の吸光度対波長値の対は、本明細書で説明されているように(例えばブロック218で)未知の波長データフィルタによりフィルタリングされており、ダイアグラム600では示されていない。具体的には、図6は、未知の波長データ(例えば波長データ118)を検出するために使用されるUVスペクトルにわたりプロットされた吸光度対波長値の対に未知の波長データフィルタが適用された実施形態を示す。
図6により示されているように、(例えばブロック218での)未知の波長データフィルタは、図6の第2の範囲の波長280~315nmを選択するために適用されている。波長280nm~315nmの第2の範囲の波長範囲は、図6の波長軸604にわたり描写されている。様々な実施形態では、図6の第2の範囲の波長範囲の波長280~315(nm)は、図4Aの単一波長の光線範囲200nm~400nmから選択され得る。
加えて、図6の実施形態では、(例えばブロック218での)未知の波長データフィルタは、第2のフィルタ範囲のUV吸光度値(例えばUV吸光度軸602)内のUV吸光度値に基づいて各第2の一連の第2の吸光度対波長値の対を選択するために適用されている。第2のフィルタ範囲のUV吸光度値0.2~1.2は、図6のUV吸光度軸602にわたり描写されている。そのため、図6の第2のフィルタ範囲のUV吸光度値範囲0.2~1.2は、図4AのUV吸光度値範囲0~7から選択されている。従って、図6は、未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)のフィルタリングされたUVスペクトルを示しており、特に、波長値280~315nm及び吸光度値0.2~1.2という限定された範囲内での未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)のフィルタリングされたUVスペクトルを示す。
図6の例では、未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)は、0.1~126mg/mgの範囲のタンパク質溶液である。未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)のタンパク質溶液は、少なくとも図6の実施形態の場合には、図4A及び図4Bに関して上記で説明されているのと同一のタンパク質溶液範囲を使用する。
図2Bに関して、UVベースの画像化方法200のブロック220では、プロセッサ(例えばプロセッサ124又はリモートプロセッサ154)は、未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)のセットの各未知のタンパク質サンプルに関して、多波長校正モデルにより、複数のタンパク質濃度値を決定する。複数のタンパク質濃度値の各タンパク質濃度値は、一連の単一波長の光線(例えば図4Aの範囲200nm~400nm)から選択される第2の範囲の波長(例えば図6の範囲280nm~315nm)に対応し得る。
一部の実施形態では、未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)のセットの少なくとも1つの未知のタンパク質サンプルは、タンパク質治療薬を含み得る。そのような実施形態では、このタンパク質治療薬は、抗体、抗原結合抗体断片、抗体タンパク質生成物、二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))分子、二重特異性抗体、三重特異性抗体、Fc融合タンパク質、組換えタンパク質、及び組換えタンパク質の活性断片の内のいずれか1つであり得る。
図3及び図3Bの例示的なコンピュータプログラムリストでは、プロセッサ(例えばプロセッサ124又はリモートプロセッサ154)は、未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)のセットの各未知のタンパク質サンプルに関して、多波長校正モデルにより、複数のタンパク質濃度値を決定する。具体的には、コードセクション10では、「calc_unk」コード関数が呼び出される。calc_unkコード関数(コードセクション9)は、未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)のセットの各未知のタンパク質サンプルに関して、波長データ(例えば波長データ118)をCSVデータとして読み込む。次いで、「calc_unk」コード関数(コードセクション9)は、多波長校正モデル(即ち、変数「df」でメモリに格納されている)により、「conc」変数で格納される複数のタンパク質濃度値を決定する。図3A及び図3Bの実施形態では、「calc_unk」コード関数(コードセクション9)は、値(例えば、各個々の予測濃度に関する「conc」変数の様々な値)を合計し、第2の範囲の波長(例えば、図6の280nm~315nmの範囲)の全てのタンパク質濃度予測値にわたり平均予測値を生成することにより、強化された予測を生成するように構成されている。
図7は、本明細書で開示されている様々な実施形態による、図5Aの多波長校正モデル501により決定されたタンパク質濃度値を描写するダイアグラム700を示す。図7の実施形態では、ダイアグラム700は、未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)に関してフィルタリングされた第2の範囲の波長(例えば、図6の範囲280~315(nm))への多波長校正モデル501の適用を表す。ダイアグラム700では、適用可能な各波長に関するタンパク質濃度値が描写されている。
図7により示されているように、未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)は、未知のタンパク質サンプル700a~700mとして表されており、且つタンパク質濃度軸702(y軸)に沿ったタンパク質濃度値及び波長軸704(x軸)に沿った波長値としてプロットされている。波長軸704(x軸)は、図6の波長軸604と同一の波長値(即ち、280nm~315nmの範囲)を含む。未知のタンパク質サンプル700a、700c、700f、及び700mのそれぞれは、本明細書で説明されているように、図6の未知のタンパク質サンプル600a、600c、600f、及び600mに対応する。
図7は、700a及び700cを含むいくつかの未知のタンパク質サンプルを拡大スケールで描写する拡大部分710を含む。即ち、拡大部分710は、スケールが異なるだけでダイアグラム700と等価である。具体的には、拡大部分710は、0~5mg/mlの拡大された範囲でタンパク質濃度値を示し、700a、700c、及び700fを含むいくつかの未知のタンパク質サンプルは、タンパク質濃度値がこの範囲内である。拡大部分710により描写されている未知のタンパク質サンプル700a~700fのそれぞれは、ダイアグラム700により描写されている未知のタンパク質サンプル700a~700fに対応する。
所与の未知のタンパク質サンプル(例えば700a~700m)の各点は、所与の波長での所与のサンプルに関するタンパク質濃度値の予測を提供する。例えば、拡大部分710により示されているように、未知のタンパク質サンプル700cは、2点700c1及び700c2を含む。拡大部分710は、点700c1の場合に、未知のタンパク質サンプル700は約290nmの波長値でのタンパク質濃度値予測が約0.5であると多波長校正モデル501が予測したことを表す。同様に、拡大部分710は、点700c2の場合に、未知のタンパク質サンプル700cは約298nmの波長値でのタンパク質濃度値予測が約0.5であると多波長校正モデル501が予測したことを表す。
さらなる例として、拡大部分710により示されているように、未知のタンパク質サンプル700fは、2点700f1及び700f2を含む。拡大部分710は、点700f1の場合に、未知のタンパク質サンプル700fは約300nmの波長値でのタンパク質濃度値予測が約4.0であると多波長校正モデル501が予測したことを表す。同様に、拡大部分710は、点700f2の場合に、未知のタンパク質サンプル700fは約303nmの波長値でのタンパク質濃度値予測が約3.8であると多波長校正モデル501が予測したことを表す。
追加の例として、ダイアグラム700により示されているように、未知のタンパク質サンプル700mは、2点700m1及び700m2を含む。ダイアグラム700は、点700m1の場合に、未知のタンパク質サンプル700mは約312nmの波長値でのタンパク質濃度値予測が約122であると多波長校正モデル501が予測したことを表す。同様に、ダイアグラム700は、点700m2の場合に、未知のタンパク質サンプル700mは約313nmの波長値でのタンパク質濃度値予測が約121であると多波長校正モデル501が予測したことを表す。
このようにして、図7により表されているように、多波長構成モデル(例えば多波長校正モデル501)は、各複数のタンパク質濃度値を予測するために、一連の吸光度対波長値の対(例えば、図6に関して説明されている第2の一連の第2の吸光度対波長値の対)を入力し得る。一部の実施形態では、予測を生成するために、多波長校正モデル501への入力として、吸光度対波長値の対のそれぞれの波長値のみ又は吸光度値のみを提供する必要がある。従って、特定の波長(単一波長モデルに対応する)の波長値及び/又は吸光度値を入力して、この特定の吸光度対及び/又はこの特定の波長に関するタンパク質濃度値を予測し得る。
図2Bに関して、UVベースの画像化方法200のブロック222で、プロセッサ(例えばプロセッサ124又はリモートプロセッサ154)は、多波長校正モデル501により決定された複数のタンパク質濃度値に基づいて強化された予測を生成するかどうかを決定する。強化された予測を生成しない場合には、UVベースの画像化方法200はブロック226に進む。
UVベースの画像化方法200のブロック224で、プロセッサ(例えばプロセッサ124又はリモートプロセッサ154)は、強化された予測を生成すると決定している。そのような決定を、例えば、(例えば、プロセッサにより実行されるプログラム命令中の)閾値予測品質値を設定することにより行ない得、この予測が十分な品質又は適合度であることが求められる。このことは、例えば、図3Aのコードセクション3により示されている。このことはまた、図3Bのコードセクション9でも示されており、各タンパク質濃度値は自動的に平均化され、それにより、ある範囲の波長値(例えば、図6及び図7に関して説明されている第2の範囲の波長)にわたり、精度が強化されている強化された予測が生成される。他の実施形態では、強化された予測が生成されることを示すために、フラグが、プログラム命令若しくはプログラムコードで設定され得るか、又はプログラム命令若しくはプログラムコードに提供され得る。そのため、様々な実施形態では、強化された予測の生成は、第2の範囲の波長に対応する複数のタンパク質濃度値の各タンパク質濃度値を平均化する(又は他の方法により操作する)ことを含み得る。強化された予測は、多波長校正モデル(例えば多波長校正モデル501)により決定されたタンパク質濃度値の平均値、中央値、導関数、又は他の操作を含み得る。
強化された予測は、図7により示されているサンプル(例えば未知のタンパク質サンプル700a~700m)のそれぞれの波長の範囲と予測された濃度値との重複を利用し、重複した濃度測定を提供し、これにより、単一の予測点(例えば点700c1又は700c2)のみと比較して精度が強化される。様々な実施形態では、多波長校正モデル(例えば多波長校正モデル501)は、強化された予測により更新され得るか、又は強化された予測を(図3Bのコードセクション9で示されているように)コンピュータで計算するように及び/若しくは出力するように構成され得る。
図2Bに関して、UVベースの画像化方法200のブロック226で、プロセッサ(例えばプロセッサ124又はリモートプロセッサ154)は、タンパク質関連製品のタンパク質濃度をモニタリングするか又は測定するために、ブロック220で生成されているか又は(例えばブロック224で操作された)強化された予測によりさらに更新されているか若しくは構成されている多波長校正モデルを使用する。様々な実施形態では、このタンパク質関連製品は、治療薬である。
図8は、本明細書で開示されている様々な実施形態による、タンパク質関連製品860のタンパク質濃度をモニタリングするか又は測定するための図5Aの多波長校正モデル501の適用を描写するフローダイアグラム800を示す。ダイアグラム800により示されているように、未知のタンパク質サンプル840uのバッチを、UV画像化デバイス(例えば、本明細書で説明されているUV画像化デバイス101)により走査して、この未知のタンパク質サンプル840uのそれぞれに関する波長データ818uを生成する。この未知のタンパク質サンプル840uは、未知のタンパク質サンプル140uであってもよいし、新規のセットのサンプルであってもよい。波長データ818uは、波長データ118に関して図1、2A、2B等について本明細書で説明されているのと同一のデータであるか又は同一タイプのデータである。波長データ818uは、多波長校正モデル501に入力され得、この多波長校正モデル501は、図2A、2B、3A、3B、4、及び5A等に関して本明細書で説明されているように、標準タンパク質サンプルデータから既に生成されているであろう。
図8の実施形態では、多波長校正モデル501は、プロセス制御デバイス850のメモリ(図示しない)にロードされる。プロセス制御デバイス850は、タンパク質関連製品860のタンパク質濃度をモニタリングするか又は測定するために多波長校正モデル501を実装するためのプロセッサ(図示しない)を含む。一部の実施形態では、プロセス制御デバイス850は、コンピュータネットワーク130を介して(例えば、伝送制御プロトコル及びインターネットプロトコル(TCP/IP)又は他のそのような類似のプロトコルを介したデータパケットの伝送を介して)、UV画像化デバイス101及び/又はコンピューティングデバイス151から多波長校正モデル501を受け取る。
プロセス制御デバイス850は、予測852(強化された予測、又は本明細書で説明されている標準タンパク質サンプルのそれぞれのコンピュータにより計算されたタンパク質濃度値の内の1つ若しくは複数に基づく予測のいずれか)を出力することにより、多波長校正モデル501を適用し得る。次いで、予測852を使用して、タンパク質関連製品860のタンパク質濃度をモニタリングし得るか、又は測定し得る。例えば、一部の実施形態では、予測852、又は予測852に基づいて生成されたシグナル若しくはデータ伝送を、タンパク質関連製品860のタンパク質濃度をモニタリングするか又は測定するために、プロセス制御又は製造システムのサブデバイス(図示しない;例えば、プロセス制御ネットワークを介してプロセス制御デバイス850に通信可能に連結されているフィールドデバイス)に伝送し得るか、又は他の方法により提供し得る。従って、予測852は、プロス制御デバイス850から出力され得、この予測852を使用して、最終用途製品でのタンパク質濃度をモニタリングし得るか、試験し得るか、測定し得るか、又は開発し得る。一実施形態では、例えば、予測852を使用して、タンパク質関連製品865の製造中に、タンパク質関連製品865のタンパク質濃度860をモニタリングし得るか、又は測定し得る。タンパク質関連製品865は、プロス制御デバイス850を備えたプロセス制御プラントにおいて、アセンブリ又は自動化システムにより開発された製品であり得る。一例として、測定されたタンパク質濃度に基づいて、タンパク質関連製品のタンパク質濃度を増加させるか又は減少させて、指定の範囲のタンパク質濃度に収め得る。一例として、測定されたタンパク質濃度が(それぞれ)指定の範囲内であるかこの範囲外であるかに応じて、タンパク質関連製品のバッチを受け入れ得るか、又は拒否し得る。プロセス制御デバイス850に実装されている多波長校正モデル501の頑強性により、タンパク質関連製品865のタンパク質濃度を、本明細書で説明されているUVスペクトルの範囲を含む広範囲のUVスペクトルで測定し得るか、又はモニタリングし得る。
さらなる例では、プロセス制御デバイス850により生成された多波長校正モデル501の予測852を使用して、タンパク質関連製品865の既知の仕様に対してこのタンパク質関連製品のタンパク質濃度860をモニタリングし得るか若しくは測定し得るか、又はこのタンパク質関連製品の既知の仕様と比較し得る。この既知の仕様は、例えば、標準タンパク質サンプル140sにより決定され得る。そのような実施形態では、プロセス制御デバイス850は、予測852をタンパク質関連製品865に適用して、既知の仕様を比較し得、且つ規制要件の順守、有効性若しくは品質の閾値、又は他の規制若しくは品質への懸念事項を評価し得る。
従って、本明細書に記載されているように、本開示のUVベースの画像化システム及び画像化方法は、現在知られている機器及び方法の制限を改善する。本明細書で説明されているUVベースの画像化システム及び画像化方法は、タンパク質サンプル標準のセットにより校正された独自の多波長校正モデル501を代わりに生成して適用することにより、ランベルト・ベールの法則の線形の制限を克服する。加えて、機械的手段により、拡張された線形タンパク質濃度範囲を走査する機械的経路長機器等の他の機器とは異なり、本開示のUVベースの画像化システム及び画像化方法は、機械的誤差の問題を回避する多波長校正モデル(例えば多波長校正モデル501)を生成して使用する。
治療用タンパク質には多くの形態及び型があり、本方法は、治療用タンパク質のタイプに依存しない。治療用タンパク質として抗体の場合には、例えば、抗体の構造は、広い範囲の代替型を作り出すために利用されており、この代替型は、少なくとも約12~150kDaの分子量範囲にわたり、且つ単量体(n=1)~二量体(n=2)、~三量体(n=3)、~四量体(n=4)、及び潜在的にさらに高い結合価(n)範囲を有しており、そのような代替型は、本明細書では「抗体タンパク質生成物」と呼ばれる。抗体タンパク質生成物として、完全な抗体構造に基づくもの、及び完全な抗原結合能を保持する抗体断片を模倣するもの(例えば、scFv、Fab、及びVHH/VH(下記で考察する))が挙げられる。完全な抗原結合性部位を保持する最小の抗原結合性抗体断片は、全体が可変(V)領域からなるFv断片である。可溶性で柔軟なアミノ酸ペプチドリンカーを使用して、V領域をscFv(単鎖断片可変)断片に連結させて分子を安定化させるか、又は定常(C)ドメインをV領域に加えてFab断片[断片、抗原結合性]を生成する。scFv断片及びFab断片の両方を、宿主細胞(例えば原核生物宿主細胞)中で容易に産生させ得る。他の抗体タンパク質生成物として、ジスルフィド結合安定化scFv(ds-scFv)、単鎖Fab(scFab)、並びにオリゴマー化ドメインに連結されたscFvからなる異なる型を含む、ダイアボディ、トリアボディ、及びテトラボディ、又はミニボディ(ミニAb)のような二量体抗体型及び多量体抗体型が挙げられる。最小の断片は、ラクダ類重鎖Ab及び単一ドメインAb(sdAb)のVHH/VHである。新規の抗体型を作製するために最も頻繁に使用される構築ブロックは、約15個のアミノ酸残基のペプチドリンカーにより連結された重鎖及び軽鎖由来のVドメイン(VHドメイン及びVLドメイン)を含む単鎖可変(V)-ドメイン抗体断片(scFv)である。ペプチボディ又はペプチド-Fc融合体は、さらに別の抗体タンパク質生成物である。ペプチボディの構造は、Fcドメイン上に移植された生物学的に活性のあるペプチドからなる。ペプチボディは、当技術分野で十分に説明されている。例えば、Shimamoto et al.,mAbs 4(5):586-591(2012)を参照されたい。
他の抗体タンパク質生成物として、単鎖抗体(SCA)、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、及び二重特異性抗体又は三重特異性抗体、並びに同類のものが挙げられる。二重特異性抗体は、下記の5つの主要なクラスに分類され得る: BsIgG、付加IgG(appended IgG)、BsAb断片、二重特異性融合タンパク質、及びBsAbコンジュゲート。例えば、Spiess et al.,Molecular Immunology 67(2)Part A:97-106(2015)を参照されたい。
例示的な態様では、治療用タンパク質は、これらの抗体タンパク質生成物の内のいずれか1つを含む。例示的な態様では、治療用タンパク質は、scFv、Fab VHH/VH、Fv断片、ds-scFv、scFab、二量体抗体、多量体抗体(例えば、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ)、ミニAb、ラクダ類重鎖抗体のペプチボディVHH/VH、sdAb、ダイアボディ;トリアボディ;テトラボディ;二重特異性又は三重特異性抗体、BsIgG、付加IgG、BsAb断片、二重特異性融合タンパク質、及びBsAbコンジュゲートの内のいずれか1つを含む。
例示的な態様では、治療用タンパク質は、二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))分子である。BiTE(登録商標)分子は、互いに連結された2つの抗体結合ドメイン(又はターゲティング領域)を含む二重特異性抗体構築体又は二重特異性融合タンパク質である。BiTE(登録商標)分子は、柔軟なリンカーによって直列に連結された2つの単鎖可変断片(scFv)で構築されている(scFc-scFc,Huehls et al,2015)。この分子の一方のアームは、細胞傷害性T細胞の表面上で見出されるタンパク質と結合するように操作されており、他方のアームは、主に腫瘍細胞上で見出される特定のタンパク質に結合するように設計されている。BiTE(登録商標)分子は、両方の標的に結合すると、細胞傷害性T細胞と腫瘍細胞との間に架橋を形成し、これによりT細胞に腫瘍細胞を認識させ、有害分子を注入することで腫瘍細胞を撃退し得る。この分子の腫瘍結合アームを、異なるタイプの癌を標的とする異なるBiTE(登録商標)抗体構築体が作られるように改変し得る。BiTE(登録商標)分子に関する「結合ドメイン」という用語は、標的分子(抗原)上の所与の標的エピトープ又は所与の標的部位と(特異的に)結合する/相互作用する/認識するドメインを指す。第1の結合ドメインの構造及び機能(腫瘍細胞抗原の認識)並びに好ましくは同様に第2の結合ドメイン(細胞傷害性T細胞抗原)の構造及び/又は機能は、抗体(例えば、完全長免疫グロブリン分子又は全免疫グロブリン分子)の構造及び/又は機能に基づく。例えば、BiTE(登録商標)分子は、3つの軽鎖CDR(即ち、VL領域のCDR1、CDR2、及びCDR3)、並びに3つの重鎖CDR(即ち、VH領域のCDR1、CDR2及びCDR3)の存在を特徴とする第1の結合ドメインを含む。好ましくは、第2の結合ドメインも、標的結合を可能にする抗体の最小構造要件を含む。より好ましくは、第2の結合ドメインは、少なくとも3つの軽鎖CDR(即ち、VL領域のCDR1、CDR2、及びCDR3)、並びに/又は3つの重鎖CDR(即ち、VH領域のCDR1、CDR2、及びCDR3)を含む。第1及び/又は第2の結合ドメインは、既存の(モノクローナル)抗体由来のCDR配列をスキャフォールドに移植する以外のファージディスプレイ又はライブラリスクリーニング法により作製されるか又は得られることが想定される。結合ドメインは、典型的には、抗体軽鎖可変領域(VL)と抗体重鎖可変領域(VH)とを含み得るが、両方を含む必要はない。Fd断片は、例えば、2つのVH領域を有し、多くの場合には、インタクトな抗原結合ドメインの一部の抗原結合機能を保持する。(改変された)抗原結合抗体断片の例として、(1)VLドメイン、VHドメイン、CLドメイン、及びCH1ドメインを有する一価の断片であるFab断片;(2)ヒンジ領域でジスルフィド架橋により連結された2つのFab断片を有する二価の断片であるF(ab’)2断片;(3)2つのVHドメイン及びCH1ドメインを有するFd断片;(4)抗体の単一アームのVLドメイン及びVHドメインを有するFv断片、(5)VHドメインを有するdAb断片(Ward et al.,(1989)Nature 341:544-546);(6)単離された相補性決定領域(CDR)、並びに(7)単鎖Fv(scFv)が挙げられ、後者が好ましい(例えば、scFVライブラリ由来)。
例示的な態様では、治療用タンパク質は、二重特異性抗体、三重特異性抗体、分子、又はFc融合タンパク質である。一部の態様では、治療用タンパク質は、第1の標的に結合する単鎖可変断片(scFv)を含み、任意選択的に、この治療用タンパク質は、第2の標的(任意選択的に第1の標的と異なる)に結合する第2のscFVを含む。
一部の態様では、この治療用タンパク質は、組換え治療用タンパク質又はその活性断片である。他の態様では、この治療用タンパク質は、細胞又は生物に対して内在性であり、この細胞又は生物から単離されている。
本開示の態様
本開示の下記の態様は例示的にすぎず、本開示の範囲を限定することは意図されていない。
1.自動化された多波長校正に基づいて未知のタンパク質サンプルのタンパク質濃度を決定するように構成されている、紫外線(UV)ベースの画像化システムであって、多波長の光線を投射するように構成されている光源;多波長の光線を受け取り、多波長の光線に基づいて、UVスペクトルの一連の単一波長の光線を投射するように構成されているモノクロメータ;タンパク質サンプルを受け取るように動作可能なサンプルホルダであって、タンパク質サンプルは、(1)標準タンパク質サンプルのセットから選択される標準タンパク質、又は(2)未知のタンパク質サンプルのセットから選択される未知のタンパク質サンプルのいずれかであり、未知のタンパク質サンプルは、タンパク質濃度が未知であり、サンプルホルダは、一連の単一波長の光線がタンパク質サンプルの少なくとも一部を通過することを可能にするように配置されている、サンプルホルダ;タンパク質サンプルの少なくとも一部を通過する一連の単一波長の光線を検出するように動作可能な検出器;プログラム命令を格納しているメモリ;並びにメモリに通信可能に連結されているプロセッサであって、プロセッサに、標準タンパク質サンプルのセットの各標準タンパク質サンプルに関して検出器により記録された波長データの標準セットを受け取らせるプログラム命令で、波長データの標準セットは、各標準タンパク質サンプルに関して、一連の単一波長の光線から選択される第1の範囲の波長にわたる第1の一連の第1の吸光度対波長値の対を含み、各第1の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含む、受け取らせるプログラム命令、波長データの標準セットの第1の一連の第1の吸光度対波長値の対のそれぞれに基づいて多波長校正モデルを生成させるプログラム命令、未知のタンパク質サンプルのセットの各未知のタンパク質サンプルに関して検出器により記録された波長データの未知のセットを受け取らせるプログラム命令で、波長データの未知のセットは、各未知のタンパク質サンプルに関して、一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長にわたる第2の一連の第2の吸光度対波長値の対を含み、各第2の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含む、受け取らせるプログラム命令、及び多波長校正モデルにより、未知のタンパク質サンプルのセットの各未知のタンパク質サンプルに関して、複数のタンパク質濃度値を決定させるプログラム命令で、複数のタンパク質濃度値の各タンパク質濃度値は、一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長に対応する、決定させるプログラム命令を実行するように構成されているプロセッサを含むUVベースの画像化システム。
2.光源、モノクロメータ、サンプルホルダ、及び検出器は、分光光度計デバイスの一部を構成する、態様1に記載のUVベースの画像化システム。
3.プロセッサは、検出器に通信可能に連結されている、態様1又は2に記載のUVベースの画像化システム。
4.メモリ又はプロセッサは、検出器から離れている、態様1~3のいずれか1つに記載のUVベースの画像化システム。
5.標準タンパク質サンプルのセットは、複数の標準タンパク質サンプルを含み、未知のタンパク質サンプルのセットは、タンパク質濃度が未知である単一のタンパク質サンプルを含む、態様1~4のいずれか1つに記載のUVベースの画像化システム。
6.標準タンパク質サンプルのセットは、1ミリリットル(ml)当たり0.1~220ミリグラム(mg)の範囲のタンパク質標準溶液である、態様1~5のいずれか1つに記載のUVベースの画像化システム。
7.一連の単一波長の光線は、200ナノメートル(nm)~400ナノメートル(nm)のUVスペクトルにおける単一波長の光線を含む、態様1~6のいずれか1つに記載のUVベースの画像化システム。
8.UVスペクトルにおける各単一波長の光線は、1ナノメートル間隔で分離されている、態様7に記載のUVベースの画像化システム。
9.多波長校正モデルを生成することは、一連の単一波長の光線から選択された第1の範囲の波長の各々に関する単一波長校正モデルを生成することを含み、各単一波長校正モデルは、特定の単一波長のUV吸光度に対応する傾き値及びy切片値を含む、態様1~8のいずれか1つに記載のUVベースの画像化システム。
10.多波長校正モデルは、機械学習モデルとして訓練される、態様1~9のいずれか1つに記載のUVベースの画像化システム。
11.標準波長データフィルタをさらに含み、プロセッサは、第1の範囲の波長を選択するために一連の単一波長の光線に対する標準波長データフィルタをプロセッサに実装させるプログラム命令を実行するようにさらに構成されている、態様1~10のいずれか1つに記載のUVベースの画像化システム。
12.プロセッサは、UV吸光度値の第1のフィルタ範囲内のUV吸光度値に基づいて各第1の一連の第1の吸光度対波長値の対を制限するために標準波長データフィルタをプロセッサに実装させるプログラム命令を実行するようにさらに構成されている、態様11に記載のUVベースの画像化システム。
13.未知の波長データフィルタをさらに含み、プロセッサは、第2の範囲の波長を選択するために一連の単一波長の光線に対する未知の波長データフィルタをプロセッサに実装させるプログラム命令を実行するようにさらに構成されている、態様1~12のいずれか1つに記載のUVベースの画像化システム。
14.プロセッサは、UV吸光度値の第2のフィルタ範囲内のUV吸光度値に基づいて各第2の一連の第2の吸光度対波長値の対を制限するために未知の波長データフィルタをプロセッサに実装させるプログラム命令を実行するように構成されている、態様13に記載のUVベースの画像化システム。
15.プロセッサは、複数のタンパク質濃度値に基づいて、強化された予測を生成することをさらに含む、態様1~14のいずれか1つに記載のUVベースの画像化システム。
16.強化された予測を生成することは、第2の範囲の波長に対応する複数のタンパク質濃度値の各タンパク質濃度値を平均化することを含む、態様15に記載のUVベースの画像化システム。
17.多波長校正モデルを使用して、タンパク質関連製品のタンパク質濃度をモニタリングするか又は測定する、態様1~16のいずれか1つに記載のUVベースの画像化システム。
18.タンパク質濃度を、タンパク質関連製品の製造中にモニタリングするか又は測定する、態様17に記載のUVベースの画像化システム。
19.タンパク質関連製品のタンパク質濃度を、タンパク質関連製品の既知の仕様と比較する、態様17又は18に記載のUVベースの画像化システム。
20.タンパク質関連製品は、治療薬である、態様17~19のいずれか1つに記載のUVベースの画像化システム。
21.多波長校正モデルは、各複数のタンパク質濃度値を予測するために、第2の一連の第2の吸光度対波長値の対を入力する、態様17~20のいずれか1つに記載のUVベースの画像化システム。
22.自動化された多波長校正に基づいて未知のタンパク質サンプルのタンパク質濃度を決定するための、紫外線(UV)ベースの画像化方法であって、プロセッサで、標準タンパク質サンプルのセットの各標準タンパク質サンプルに関して検出器により記録された波長データの標準セットを受け取ることであって、波長データの標準セットは、各標準タンパク質サンプルに関して、UVスペクトルの一連の単一波長の光線から選択される第1の範囲の波長にわたる第1の一連の第1の吸光度対波長値の対を含み、各第1の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含む、受け取ること;プロセッサにより、波長データの標準セットの第1の一連の第1の吸光度値対波長値の対のそれぞれに基づいて、多波長校正モデルを生成すること;プロセッサで、未知のタンパク質サンプルのセットの各未知のタンパク質サンプルに関して検出器により記録された波長データの未知のセットを受け取ることであって、波長データの未知のセットは、各未知のタンパク質サンプルに関して、一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長にわたる第2の一連の第2の吸光度対波長値の対を含み、各第2の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含む、受け取ること;及びプロセッサに実装されている多波長校正モデルにより、未知のタンパク質サンプルのセットの各未知のタンパク質サンプルに関して、複数のタンパク質濃度値を決定することであって、複数のタンパク質濃度値の各タンパク質濃度値は、前記一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長に対応する、決定することを含むUVベースの画像化方法。
23.検出器は、分光光度計デバイスの一部を構成する、態様22に記載のUVベースの画像化方法。
24.プロセッサは、検出器に通信可能に連結されている、態様22又は23に記載のUVベースの画像化方法。
25.プロセッサは、検出器から離れている、態様22~24のいずれか1つに記載のUVベースの画像化方法。
26.標準タンパク質サンプルのセットは、複数の標準タンパク質サンプルを含み、未知のタンパク質サンプルのセットは、タンパク質濃度が未知である単一のタンパク質サンプルを含む、態様22~25のいずれか1つに記載のUVベースの画像化方法。
27.標準タンパク質サンプルのセットは、1ミリリットル(ml)当たり0.1~220ミリグラム(mg)の範囲のタンパク質標準溶液である、態様22~26のいずれか1つに記載のUVベースの画像化方法。
28.一連の単一波長の光線は、200ナノメートル(nm)~400ナノメートル(nm)のUVスペクトルにおける単一波長の光線を含む、態様22~27のいずれか1つに記載のUVベースの画像化方法。
29.UVスペクトルにおける各単一波長の光線は、1ナノメートル間隔で分離されている、態様28に記載のUVベースの画像化方法。
30.多波長校正モデルを生成することは、一連の単一波長の光線から選択された第1の範囲の波長の各々に関する単一波長校正モデルを生成することを含み、各単一波長校正モデルは、特定の単一波長のUV吸光度に対応する傾き値及びy切片値を含む、態様22~28のいずれか1つに記載のUVベースの画像化方法。
31.多波長校正モデルは、機械学習モデルとして訓練される、態様22~30のいずれか1つに記載のUVベースの画像化方法。
32.標準波長データフィルタをさらに含み、プロセッサは、第1の範囲の波長を選択するために一連の単一波長の光線に対する標準波長データフィルタをプロセッサに実装させるプログラム命令を実行するようにさらに構成されている、態様22~31のいずれか1つに記載のUVベースの画像化方法。
33.プロセッサは、UV吸光度値の第1のフィルタ範囲内のUV吸光度値に基づいて各第1の一連の第1の吸光度対波長値の対を制限するために標準波長データフィルタをプロセッサに実装させるプログラム命令を実行するようにさらに構成されている、態様32に記載のUVベースの画像化方法。
34.未知の波長データフィルタをさらに含み、プロセッサは、第2の範囲の波長を選択するために一連の単一波長の光線に対する未知の波長データフィルタをプロセッサに実装させるプログラム命令を実行するようにさらに構成されている、態様22~33のいずれか1つに記載のUVベースの画像化方法。
35.プロセッサは、UV吸光度値の第2のフィルタ範囲内のUV吸光度値に基づいて各第2の一連の第2の吸光度対波長値の対を制限するために未知の波長データフィルタをプロセッサに実装させるプログラム命令を実行するように構成されている、態様34に記載のUVベースの画像化方法。
36.プロセッサは、複数のタンパク質濃度値に基づいて、強化された予測を生成することをさらに含む、態様22~35のいずれか1つに記載のUVベースの画像化方法。
37.強化された予測を生成することは、第2の範囲の波長に対応する複数のタンパク質濃度値の各タンパク質濃度値を平均化することを含む、態様36に記載のUVベースの画像化方法。
38.多波長校正モデルを使用して、タンパク質関連製品のタンパク質濃度をモニタリングするか又は測定する、態様22~37のいずれか1つに記載のUVベースの画像化方法。
39.タンパク質濃度を、タンパク質関連製品の製造中にモニタリングするか又は測定する、態様38に記載のUVベースの画像化方法。
40.タンパク質関連製品のタンパク質濃度を、タンパク質関連製品の既知の仕様と比較する、態様38又は39に記載のUVベースの画像化方法。
41.タンパク質関連製品は、治療薬である、態様38~40のいずれか1つに記載のUVベースの画像化方法。
42.多波長校正モデルは、各複数のタンパク質濃度値を予測するために、第2の一連の第2の吸光度対波長値の対を入力する、態様22~41のいずれか1つに記載のUVベースの画像化方法。
43.自動化された多波長校正に基づいて未知のタンパク質サンプルのタンパク質濃度を決定するための命令を格納する有形の非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令は、1つ又は複数のメモリを含むコンピューティングデバイスの1つ又は複数のプロセッサにより実行された場合に、コンピューティングデバイスに、プロセッサで、標準タンパク質サンプルのセットの各標準タンパク質サンプルに関して検出器により記録された波長データの標準セットを受け取らせ、波長データの標準セットは、各標準タンパク質サンプルに関して、UVスペクトルの一連の単一波長の光線から選択される第1の範囲の波長にわたる第1の一連の第1の吸光度対波長値の対を含み、各第1の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含み;プロセッサにより、波長データの標準セットの第1の一連の第1の吸光度対波長値の対のそれぞれに基づいて多波長校正モデルを生成させ;プロセッサで、未知のタンパク質サンプルのセットの各未知のタンパク質サンプルに関して検出器により記録された波長データの未知のセットを受け取らせ、波長データの未知のセットは、各未知のタンパク質サンプルに関して、一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長にわたる第2の一連の第2の吸光度対波長値の対を含み、各第2の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含み;及びプロセッサに実装された多波長校正モデルにより、未知のタンパク質サンプルのセットの各未知のタンパク質サンプルに関して、複数のタンパク質濃度値を決定させ、複数のタンパク質濃度値の各タンパク質濃度値は、一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長に対応する、有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
44.自動化された多波長校正に基づいて未知のタンパク質サンプルのタンパク質濃度を決定するための画像化装置であって、標準タンパク質サンプルのセットの各標準タンパク質サンプルに関する波長データの標準セットを受け取るための手段であって、波長データの標準セットは、各標準タンパク質サンプルに関して、UVスペクトルの一連の単一波長の光線から選択される第1の範囲の波長にわたる第1の一連の第1の吸光度対波長値の対を含み、各第1の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含む、受け取るための手段;波長データの標準セットの第1の一連の第1の吸光度対波長値の対のそれぞれに基づいて多波長校正モデルを生成するための手段;未知のタンパク質サンプルのセットの各未知のタンパク質サンプルに関する波長データの未知のセットを受け取るための手段であって、波長データの未知のセットは、各未知のタンパク質サンプルに関して、一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長にわたる第2の一連の第2の吸光度対波長値の対を含み、各第2の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含む、受け取るための手段;及び多波長校正モデルにより、未知のタンパク質サンプルのセットの各未知のタンパク質サンプルに関して、複数のタンパク質濃度値を決定するための手段であって、複数のタンパク質濃度値の各タンパク質濃度値は、一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長に対応する、決定するための手段を含む画像化装置。
45.未知のタンパク質サンプルのセットの少なくとも1つの未知のタンパク質サンプルは、タンパク質治療薬を含む、態様22~41のいずれか1つに記載のUVベースの画像化方法。
46.タンパク質治療薬は、抗体、抗原結合抗体断片、抗体タンパク質生成物、二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))分子、二重特異性抗体、三重特異性抗体、Fc融合タンパク質、組換えタンパク質、及び組換えタンパク質の活性断片からなる群から選択される、態様45に記載のUVベースの画像化方法。
追加の考慮すべき事項
本明細書の開示は、多数の異なる実施形態の詳細な説明を示しているが、この説明の法的範囲は、本特許の末尾に示される特許請求の範囲の文言及びその均等物により定義されることを理解すべきである。この詳細な説明は、例示にすぎないと解釈されるべきであり、全ての可能な施形態を説明することは非現実的であろうことから、全ての可能な実施形態を説明しているわけではない。現在の技術又は本特許の出願日以降に開発される技術のいずれかを使用して、様々な代替的実施形態を実施し得、これらも依然として本特許請求の範囲に含まれる。
下記の追加の考慮すべき事項は、上述の説明にも当てはまる。本明細書全体を通じて、複数のインスタンスが、単一のインスタンスとして説明されている構成要素、動作、又は構造を実装し得る。1つ又は複数の方法の個々の動作が別の動作として図示されており且つ説明されているが、個々の動作の内の1つ又は複数を同時に実施し得、動作を図示された順序で実施することは要求されていない。例示的な構成の中で別々の構成要素として提示されている構造及び機能を、組合せの構造又は構成要素として実装し得る。同様に、単一の構成要素として提示された構造及び機能は、別の構成要素として実装され得る。これら及び他の変更、改良、追加、及び改善は、本明細書の主旨の範囲に含まれる。
加えて、ある特定の実施形態は、本明細書の中で、ロジック又は複数のルーチン、サブルーチン、アプリケーション、又は命令を含むと説明されている。これらは、ソフトウェア(例えば、機械可読媒体上、若しくは伝送信号の中に埋め込まれたコード)又はハードウェアのいずれかを構成し得る。ハードウェアの中で、ルーチン等は、ある特定の動作を実行し得る有形ユニットであり、ある特定の方法で構成され得るか、又は配置され得る。例示的な実施形態では、1つ若しくは複数のコンピュータシステム(例えば、スタンドアロン、クライアント、又はサーバコンピュータシステム)又はあるコンピュータシステムの1つ若しくは複数のハードウェアモジュール(例えば、プロセッサ若しくはプロセッサ群)は、本明細書で説明されているある特定の動作を実施するように動作するハードウェアモジュールとして、ソフトウェア(例えば、アプリーケン又はアプリケーション部分)により構成され得る。
様々な実施形態では、ハードウェアモジュールは、機械的に又は電子的に実装され得る。例えば、ハードウェアモジュールは、ある特定の動作を実施するように恒久的に構成されている専用の回路又はロジック(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は特定用途向け集積回路(ASIC)等の特別な目的用のプロセッサ)を含み得る。ハードウェアモジュールはまた、ある特定の動作を実施するためにソフトウェアにより一時的に構成されているプログラム可能なロジック又は回路(例えば、汎用プロセッサ又は他のプログラム可能なプロセッサ内に含まれているプログラム可能なロジック又は回路)も含み得る。ハードウェアモジュールを機械的に実装するか、専用の恒久的に構成されている回路に実装するか、又は一時期的に構成されている回路(例えば、ソフトウェアにより構成されている回路)に実装するかの決定を、費用及び時間を考慮して行ない得ることが理解されるだろう。
従って、「ハードウェアモジュール」という用語は、ある特定の方法で動作するために又は本明細書で説明されているある特定の動作を実施するために、物理的に構成されている有形の実体、恒久的に構成されている有形の実体(例えばハードワイヤード)、又は一時的に構成されている(例えばプログラムされている)有形の実体を包含すると理解すべきである。ハードウェアモジュールが一時的に構成されている(例えばプログラムされている)実施形態を考慮すると、ハードウェアモジュールのそれぞれは、任意のある時点で構成されているか又はインスタンス化されている必要はない。例えば、ハードウェアモジュールが、ソフトウェアを使用して構成されている汎用プロセッサを含む場合には、この汎用プロセッサは、異なる時間でそれぞれ異なるハードウェアモジュールとして構成され得る。従って、ソフトウェアは、例えば、ある時点で特定のハードウェアモジュールを構成し且つ異なる時点で異なるハードウェアモジュールを構成するようにプロセッサを構成し得る。
ハードウェアモジュールは、他のハードウェアモジュールに情報を提供し得、且つ他のハードウェアモジュールから情報を受け取り得る。従って、説明されているハードウェアモジュールは、通信可能に連結されていると見なされ得る。複数のそのようなハードウェアモジュールが同時に存在する場合には、通信を、これらのハードウェアモジュールを(例えば、適切な回路及びバスを通じて)接続する信号伝送により達成し得る。複数のハードウェアモジュールが様々な時間で構成されているか又はインスタンス化されている実施形態では、そのようなハードウェアモジュール間の通信を、例えば、これら複数のハードウェアモジュールがアクセスルするメモリ構造中の情報の格納及び検索により達成し得る。例えば、あるハードウェアモジュールは、ある動作を実施し得、且つこの動作の出力を、通信可能に連結されているメモリデバイスに格納し得る。次いで、さらなるハードウェアモジュールは、その後、格納された出力を検索して処理するために、このメモリデバイスにアクセスし得る。ハードウェアモジュールはまた、入力デバイス又は出力デバイスとの通信も開始し得、且つリソース(例えば情報の収集物)に対して動作し得る。
本明細書で説明されている例示的な方法の各種の動作を、少なくとも部分的に、関係する動作を実施するように(例えばソフトウェアにより)一時的に構成されているか又は恒久的に構成されている1つ又は複数のプロセッサにより実施し得る。一時的に構成されているか恒久的に構成されているかにかかわらず、そのようなプロセッサは、1つ又は複数の動作又は機能を実施するように動作するプロセッサ実装モジュールを構成し得る。本明細書で言及されるモジュールは、一部の例示的な実施形態では、プロセッサ実装モジュールを含み得る。
同様に、本明細書で説明されている方法又はルーチンは、少なくとも部分的にプロセッサに実装され得る。例えば、ある方法の動作の内の少なくともいくつかを、1つ又は複数のプロセッサ又はプロセッサ実装ハードウェアモジュールにより実施し得る。ある特定の動作の実施を、単一の機械内に存在するだけでなく複数の機械にわたり展開されている1つ又は複数のプロセッサに分散し得る。一部の例示的な実施形態では、1つ又は複数のプロセッサを、1か所に配置し得るが、他の実施形態では、プロセッサを複数の場所に分散し得る。
ある特定の動作の実施を、単一の機械内に存在するだけでなく複数の機械にわたり展開されている1つ又は複数のプロセッサに分散し得る。一部の例示的な実施形態では、1つ又は複数のプロセッサ又はプロセッサ実装モジュールを、1か所の地理的場所(例えば、家庭環境内、オフィス環境内、又はサーバファーム内)に配置し得る。他の実施形態では、1つ又は複数のプロセッサ又はプロセッサ実装モジュールを、複数の地理的場所に分散させ得る。
この詳細な説明は、例示にすぎないと解釈されるべきであり、全ての可能な施形態を説明することは、不可能ではないとしても非現実的であろうことから、全ての可能な実施形態を説明しているわけではない。当業者は、現在の技術又は本出願の出願日以降に開発される技術のいずれかを使用して、多数の代替的実施形態を実行し得る。
当業者は、上述の実施形態に関して、本発明の範囲から逸脱することなく、多種多様な改良、変更、及び組合せを行い得ること、並びにそのような改良、変更、及び組合せは、本発明の概念の範囲に含まれるとみなされるべきであることを認識するだろう。
本特許出願の最後にある特許請求の範囲は、この特許請求の範囲内に明確に列挙されている「~ための手段(means for)」又は「~ための工程(step for)」という文言等の従来のミーンズプラスファンクションの文言が明確に列挙されていない限り、米国特許法第112条(f)の下で解釈されることは意図されていない。本明細書中で説明されているシステム及び方法は、コンピュータの機能性の改善、及び従来のコンピュータの機能を改善させることを対象とする。
関連出願の相互参照
本出願は、SYSTEMS AND METHODS FOR DETERMINING PROTEIN CONCENTRATIONS OF UNKNOWN PROTEIN SAMPLES BASED ON AUTOMATED MULTI-WAVELENGTH CALIBRATIONという表題の、2019年8月6日に出願された米国特許出願第62/883,320号明細書に対する優先権を主張しており、この明細書は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、全体として、治療用医薬品の自動化及びエンジニアリングに関連する紫外線(UV)ベースの画像化システム及び画像化方法に関し、より具体的には、自動化された多波長校正に基づいて未知のタンパク質サンプルのタンパク質濃度を決定するための、UVベースの画像化システム及び画像化方法に関する。
医療用医薬品の調製及び開発では、プロセスのモニタリング及び製品の品質特性管理が日常的に実施されている。例えば、そのような治療用医薬品の有効性を確保するために、プロセスのモニタリング及び製品の品質特性管理に関する技術が一般的に使用されている。
現在の機器(現在の固定経路長機器及び可変経路長機器(例えば機械式機器)の両方を含む)は、本質的に直線であるランベルト・ベールの法則の式の適用に基づいて設計されており、且つこの式への依存度が制限されている。特に、吸光度の線形範囲は制限されていることから、そのような機器は、吸光度がこの線形範囲外である場合には、サンプルの濃度を正確に測定し得ない。
下記式は、ランベルト・ベールの法則を示す。
A=ε×C×l
上記式中、Aは、吸光度値であり、εは、吸光係数であり、Cは、濃度値であり、lは、サンプルを通る光線の経路長である。吸光度値(A)は、一般的に、サンプルを通過する光線に対する応答係数として測定される。吸光係数(ε)は、所与の波長で物質がどれだけ強く光を吸収するかの尺度である。治療薬の測定に関して、この吸光係数(ε)は、一般的に、タンパク質の固有の性質であり変化することはない。
濃度値(C)は、所与のサンプル(例えば、治療薬又は他のタンパク質ベースの製品のサンプル)の濃度を指す。より一般的には、濃度とは、混合物の総量で除算された構成成分の存在量のことである。濃度は、質量濃度、モル濃度、個数濃度、及び/又は体積濃度等のいくつかの異なるタイプを指し得る。濃度は、一般的に、あらゆるタイプの化学混合物であり得るが、最も一般的には、溶質又は溶媒溶液である。
上記に示したように、ランベルト・ベールの法則の式は、現在のタンパク質測定機器及びタンパク質測定技術がサンプル濃度値、固定の吸光係数、及び静的光路の長さの線形関数に限定されるような線形性を前提とする。ランベルト・ベールの式を適用すると、非線形のサンプルの吸光度に対して濃度を正確に測定し得ず、そのためにプロセスのモニタリング及び製品の品質特性管理の最中にバイアス、偽陽性、及び/又は偽陰性が生じる可能性がある。
ランベルト・ベールの制限に起因して、固定経路長のUV分光計による測定及び製品の品質特性管理のためのサンプルの調製は、典型的には、時間がかかり且つ誤差が起こりやすい。例えば、製品の品質特性の測定には、サンプル濃度がダイナミックレンジに入るまで連続希釈が必要な場合がある。そのような希釈は誤差が容易に生じやすく、特に、いくつかの製品サンプルにわたり値を測定する場合に生じやすく、なぜならば、このプロセス全体を通してサンプル毎に異なる希釈係数が必要とされ得、濃度算出のための希釈係数の使用は誤差が起こりやすい可能性があるからである。いくつかの製品サンプルに適用される希釈プロセスと、典型的にはそのようなプロセスにより導入される誤差とにより、一般的には、関連する製品の品質特性の測定値に差が生じる。そのような誤った測定値は、プロセスのモニタリング及び製品の品質特性管理の最中に、許容できない数の偽陽性及び偽陰性を生じる可能性がある。
可変経路長機器は、(従来の固定経路長UV吸光度測定とは対照的に)可変経路長でのUV吸光度の測定を可能とするために開発されている。そのような機器では、経路長は、光を送るFibretteの先端とサンプル容器の内側の底との間の距離により定義される。経路長は、統合されたハードウェア手段によってサンプル中でFibretteを上下に移動させることにより、動的に制御される。可変経路長機器は、直接測定の濃度範囲の問題に対処する。固定経路長機器では、直接測定範囲は狭く、従って、実際にはサンプル希釈が常に必要とされる。しかしながら、可変経路長機器により、そのような機器は可変経路長を走査し得ることから、希釈を全く必要とすることなく高タンパク質濃度を直接測定し得る。しかしながら、そのような機器は、典型的には入手及び維持に費用がかかり、且つ、基本的には、光を送るFibretteの機械的な移動及び操作に起因する測定誤差も起こりやすい。例えば、Fibretteの日常的な校正若しくはメンテナンスの欠如、及び/又は可変光機器の機械のわずかな変動により、一般的には、機械的な故障、誤校正、又は機械的な変動の程度により測定結果が相殺されるという誤差が生じる。この誤差は、一般的に、サンプル測定値のばらつきを引き起こし、例えば、製品の測定及び品質管理の目的のための、許容限界内での再現性のある結果及び十分な校正を妨げる。
上記の理由のために、自動化された多波長校正に基づいて未知のタンパク質サンプルのタンパク質濃度を決定するための、UVベースの画像化システム及び画像化方法が必要とされている。
本開示は、全体として、治療用医薬品の自動化及び検査(例えば、そのような治療用医薬品に関連する開発、処理、モニタリング、及び/又は製品の品質特性管理)に関する。様々な実施形態では、自動化された多波長校正に基づいて未知のタンパク質サンプルのタンパク質濃度を決定するために、UVベースの画像化システム及び画像化方法が開示されている。決定されたタンパク質濃度は、治療用医薬品又は製品の未知のサンプルの濃度であり得る。そのようなタンパク質濃度の決定を、例えば、治療薬又は他のタンパク質ベースの製品の製造の最中での、プロセスのモニタリング及び製品の品質特性管理で使用し得る。そのようなタンパク質濃度の決定を、製品の品質管理に関連するプロセスのモニタリング及び製品の品質特性管理でも使用し得、並びに/又はそのような製品の規則性順守若しくは他の有効性を保証するためにも使用し得る。
従って、本明細書で説明されているように、様々な実施形態では、UVベースの画像化システムは、自動化された多波長校正に基づいて未知のタンパク質サンプルのタンパク質濃度を決定するように構成され得る。このUVベースの画像化システムは、多波長の光線を投射するように構成されている光源を含み得る。加えて、このUVベースの画像化システムは、この多波長の光線を受け取り、この多波長の光線に基づいて、UVスペクトルの一連の単一波長の光線を投射するように構成されているモノクロメータを含み得る。
このUVベースの画像化システムは、タンパク質サンプルを受け取るように動作可能なサンプルホルダをさらに含み得る。様々な実施形態では、このタンパク質サンプルは、(1)標準タンパク質サンプルのセットから選択される標準タンパク質、又は(2)未知のタンパク質サンプルのセットから選択される未知のタンパク質サンプルのいずれかであり得る。本明細書で説明されているように、この未知のタンパク質サンプルは、タンパク質濃度が未知である。このサンプルホルダは、一般的に、タンパク質サンプルが標準タンパク質タイプであるか未知のタンパク質タイプであるかにかかわらず、一連の単一波長の光線がこのタンパク質サンプルの少なくとも一部を通過することを可能にするように配置されている。
このUVベースの画像化システムは、タンパク質サンプルの少なくとも一部を通過する一連の単一波長の光線を検出するように動作可能な検出器をさらに含み得る。
このUVベースの画像化システムは、プログラム命令を格納しているメモリと、このメモリに通信可能に連結されているプロセッサとをさらに含み得る。このプロセッサは、このプロセッサに、標準タンパク質サンプルのセットの各標準タンパク質サンプルに関して検出器により記録された波長データの標準セットを受け取らせるプログラム命令を実行するように構成され得る。この波長データの標準セットは、各標準タンパク質サンプルに関して、一連の単一波長の光線から選択される第1の範囲の波長にわたる第1の一連の第1の吸光度対波長値の対を含み得る。加えて、各第1の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含み得る。
加えて、このUVベースの画像化システムのプロセッサは、このプロセッサに、波長データの標準セットの第1の一連の第1の吸光度対波長値の対のそれぞれに基づいて多波長校正モデルを生成させるプログラム命令を実行するようにさらに構成され得る。
このUVベースの画像化システムのプロセッサは、このプロセッサに、未知のタンパク質サンプルのセットの各未知のタンパク質サンプルに関して検出器により記録された波長データの未知のセットを受け取らせるプログラム命令を実行するようにさらに構成され得る。この波長データの未知のセットは、各未知のタンパク質サンプルに関して、一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長にわたる第2の一連の第2の吸光度対波長値の対を含み得る。各第2の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含み得る。
加えて、このUVベースの画像化システムのプロセッサは、このプロセッサに、多波長校正モデルにより、未知のタンパク質サンプルのセットの各未知のタンパク質サンプルに関して、複数のタンパク質濃度値を決定させるプログラム命令を実行するようにさらに構成され得る。この複数のタンパク質濃度値の各タンパク質濃度値は、一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長に対応し得る。
本明細書で説明されている追加の実施形態では、自動化された多波長校正に基づいて未知のタンパク質サンプルのタンパク質濃度を決定するための、UVベースの画像化方法が説明されている。このUVベースの画像化方法は、プロセッサで、標準タンパク質サンプルのセットの各標準タンパク質サンプルに関して検出器により記録された波長データの標準セットを受け取ることを含む。この波長データの標準セットは、各標準タンパク質サンプルに関して、UVスペクトルの一連の単一波長の光線から選択される第1の範囲の波長にわたる第1の一連の第1の吸光度対波長値の対を含み得る。各第1の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含み得る。
このUVベースの画像化方法は、プロセッサにより、波長データの標準セットの第1の一連の第1の吸光度値対波長値の対のそれぞれに基づいて、多波長校正モデルを生成することをさらに含み得る。
このUVベースの画像化方法は、プロセッサで、未知のタンパク質サンプルのセットの各未知のタンパク質サンプルに関して検出器により記録された波長データの未知のセットを受け取ることをさらに含み得る。波長データの未知のセットは、各未知のタンパク質サンプルに関して、一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長にわたる第2の一連の第2の吸光度対波長値の対を含み得る。各第2の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含み得る。
このUVベースの画像化方法は、プロセッサにより実装されている多波長校正モデルにより、未知のタンパク質サンプルのセットの各未知のタンパク質サンプルに関して、複数のタンパク質濃度値を決定することをさらに含み得る。複数のタンパク質濃度値の各タンパク質濃度値は、一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長に対応し得る。
本明細書で説明されている追加の実施形態では、自動化された多波長校正に基づいて未知のタンパク質サンプルのタンパク質濃度を決定するための命令を格納する有形の非一時的コンピュータ可読媒体が説明されている。この命令は、1つ又は複数のメモリを含むコンピューティングデバイスの1つ又は複数のプロセッサにより実行された場合に、コンピューティングデバイスに、プロセッサで、標準タンパク質サンプルのセットの各標準タンパク質サンプルに関して検出器により記録された波長データの標準セットを受け取らせる。この波長データの標準セットは、各標準タンパク質サンプルに関して、UVスペクトルの一連の単一波長の光線から選択される第1の範囲の波長にわたる第1の一連の第1の吸光度対波長値の対を含み得る。各第1の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含み得る。
加えて、この命令は、1つ又は複数のプロセッサにより実行された場合に、コンピューティングデバイスに、このプロセッサにより、波長データの標準セットの第1の一連の第1の吸光度対波長値の対のそれぞれに基づいて多波長校正モデルをさらに生成させ得る。
さらに、この命令は、1つ又は複数のプロセッサにより実行された場合に、コンピューティングデバイスに、このプロセッサで、未知のタンパク質サンプルのセットの各未知のタンパク質サンプルに関して検出器により記録された波長データの未知のセットを受け取らせ得る。加えて、波長データの未知のセットは、各未知のタンパク質サンプルに関して、一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長にわたる第2の一連の第2の吸光度対波長値の対を含み得る。各第2の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含み得る。
加えて、この命令は、1つ又は複数のプロセッサにより実行された場合に、コンピューティングデバイスに、このプロセッサに実装されている多波長校正モデルにより、未知のタンパク質サンプルのセットの各未知のタンパク質サンプルに関して、複数のタンパク質濃度値を決定させ得る。複数のタンパク質濃度値の各タンパク質濃度値は、一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長に対応し得る。
本明細書で説明されている追加の実施形態では、自動化された多波長校正に基づいて未知のタンパク質サンプルのタンパク質濃度を決定するための画像化装置が説明されている。この画像化装置は、標準タンパク質サンプルのセットの各標準タンパク質サンプルに関する波長データの標準セットを受け取るための手段を含む。この波長データの標準セットは、各標準タンパク質サンプルに関して、UVスペクトルの一連の単一波長の光線から選択される第1の範囲の波長にわたる第1の一連の第1の吸光度対波長値の対を含む。各第1の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含む。
この画像化装置は、波長データの標準セットの第1の一連の第1の吸光度対波長値の対のそれぞれに基づいて多波長校正モデルを生成するための手段をさらに含む。
この画像化装置は、未知のタンパク質サンプルのセットの各未知のタンパク質サンプルに関する波長データの未知のセットを受け取るための手段をさらに含む。この波長データの未知のセットは、各未知のタンパク質サンプルに関して、一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長にわたる第2の一連の第2の吸光度対波長値の対を含む。各第2の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含む。
この画像化装置は、多波長校正モデルにより、未知のタンパク質サンプルのセットの各未知のタンパク質サンプルに関して、複数のタンパク質濃度値を決定するための手段をさらに含む。この複数のタンパク質濃度値の各タンパク質濃度値は、一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長に対応する。
本開示のUVベースの画像化システム及び画像化方法は、現在知られている機器の制限を改善する。例えば、本明細書で説明されているように、本開示のUVベースの画像化システム及び画像化方法は、医薬品の調製及び開発で使用されるプロセスのモニタリング及び製品の品質特性管理のための自動化されたワークフローを説明する。加えて、この自動化されたワークフローは、単一波長又は二重波長に限定される代わりにUVスペクトルの完全走査を提供することにより、現在知られている方法を強化し、且つ改善する。例えば、典型的な従来の機器のように、サンプルのタンパク質濃度を測定するために単一のUV波長(例えば280nm)に依存する代わりに、本開示のUVベースの画像化システム及び画像化方法は、タンパク質濃度を測定するために、例えば280~315nmのUV範囲を含む広い範囲にわたる走査を可能にする。
加えて、本開示のUVベースの画像化システム及び画像化方法は、固定経路長UV分光計及び多経路長UV分光計の両方に対する制限(例えば、光の波長、吸光度値の測定のダイナミックレンジに関する従来の問題、及びより最近の機器により導入される機械的な課題)を克服する。例えば、現在の機器は、ランベルト・ベールの法則の適用に依存しており、且つランベルト・ベールの法則の適用により制限されている。ランベルト・ベールの法則の線形性の制限を克服するために、本開示のUVベースの画像化システム及び画像化方法は、所与のサンプルに関して測定された各波長に関する吸光度値を検出し、次いで、関連する吸光係数の変化に従って吸光度応答係数を動的に校正するように構成されている。その結果、本開示のUVベースの画像化システム及び画像化方法を適用して、固定経路長UV分光計、及びその関連するデータ出力を改善し得、これにより、広範囲(例えば、1ミリリットル(mL)当たり0.1~126ミリグラム(mg)の範囲)にわたり、タンパク質濃度の正確な測定が提供されるだろう。
加えて、様々な実施形態では、本開示のUVベースの画像化システム及び画像化方法は、一般的に、広範囲のタンパク質濃度測定値にわたり波長値の重複を生じる。そのような実施形態では、平均、中央値、導関数(derivation)、導関数(derivative)、又はその他の方法によるコンパイルをこの範囲の波長に適用して、強化された多サンプル測定値を得ることにより、強化された予測(例えば、濃度測定値の強化された精度)をもたらし得る。例えば、いくつかの実施形態では、シグナルの平均を、重複した濃度測定値に適用し得、精度が強化される。例えば、「強化された」予測は、単一波長に基づく参照予測と比較して高い精度(例えば、より狭い信頼区間、又はより小さい標準誤差)を有し得る。
さらに、機械的光ガイドを使用して様々な経路長で走査し、それにより線形タンパク質濃度範囲を拡大する可変UV経路長機器とは異なり、本UVベースの画像化システム及び画像化方法の自然な吸光係数の調整は、機械的誤差を有さず、あらゆる従来のUV分光計に適用可能である。
加えて、本開示のUVベースの画像化システム及び画像化方法は、コンピュータの機能性を改善し、及び/又は他の科学技術を改善し、なぜならば、少なくとも、このUVベースの画像化システム及び画像化方法は、タンパク質関連製品の情報を測定するコンピューティングデバイス(例えば分光光度計)の正確度及び精度を改善するからである。即ち、本開示は、コンピュータデバイス自体(例えば、分光光度計、又はタンパク質関連製品の測定若しくはモニタリングで使用されるデバイス若しくはシステム)の機能の改善を説明しており、なぜならば、本明細書で説明されているUVベースの画像化技術の適用により、そのような機器、デバイス、又はシステムの正確度及び精度が増加し、それにより、基礎となるシステムだけでなくこのシステムの最終用途(例えば、本明細書で説明されている治療薬等のタンパク質関連製品のタンパク質濃度のモニタリング及び/又は測定)における信頼性が増加するからである。これにより、先行技術よりも改善され、なぜならば、少なくとも、既存の機器(例えば固定経路長機器及び機械的な可変ベースの機器)は、本明細書で説明されているように採用するには制限があり、誤差が起こりやすく、及び/又は高価だからである。対照的に、本開示のUVベースの画像化システム及び画像化方法は、任意の完全走査可能なUV分光計と互換性がある。これにより、分析モニタリング及び/又は試験ネットワーク全体を通した本UVベースの画像化システム及び画像化方法の展開が可能になる。同様の理由で、本開示のシステム及び方法は、設備投資又は大きな設備設置面積を必要とすることなく、既存のシステム及び機器の分析能力を拡張する。
同様に、本開示のUVベースの画像化システム及び画像化方法は、治療用医薬品の自動化及びエンジニアリングの分野における他の科学技術又は技術分野の改善に関しており、なぜならば、少なくとも、このUVベースの画像化システム及び画像化方法は、オフラインでサンプル及びデータの全く取り扱うことなくリアルタイムの測定及びモニタリングを可能にする完全に自動化されたワークフローを提供するからである。そのような自動化されたワークフローにより、サンプルの希釈及び手動でのデータ処理が取り除かれ得るか又は削減され得、そのため、ヒューマンエレーが減少し、プロセス全体の信頼性が増加する。
本明細書で説明されているように、少なくとも一部の実施形態では、本UVベースの画像化システム及び画像化方法は、特定の機械(例えば、分光高度計、及び/又は分光光度計若しくは他のそのようなUV画像化デバイスにより使用される関連コンポーネント)の使用及び適用、又は用途を含む。
加えて、本開示のUVベースの画像化システム及び画像化方法は、特定の物品の様々な状態又は物体への変換又は削減をもたらすことを含み、例えば、多波長の光線の、タンパク質関連製品のタンパク質濃度のモニタリング又は測定に使用され得る複数のタンパク質濃度を予測するための多波長校正モデルへの変換又は削減をもたらすことを含む。そのようなモニタリング及び測定を、タンパク質関連製品の製造中に使用し得、及び/又はこのタンパク質関連製品が、例えば治療薬若しくはその製造のためのタンパク質関連製品と関連する既知の仕様若しくは規制に準拠しているかどうかを決定するために使用し得る。一例として、測定されたタンパク質濃度に基づいて、タンパク質関連製品のタンパク質濃度を増加させるか又は減少させて、指定の範囲のタンパク質濃度に収め得る。一例として、測定されたタンパク質濃度が(それぞれ)指定の範囲内であるかこの範囲外であるかに応じて、タンパク質関連製品のバッチを受け入れ得るか、又は拒否し得る。
加えて、本開示のUVベースの画像化システム及び画像化方法は、この分野での十分に理解されている日常的な従来の活動以外の明確な特徴を含むか、又は請求項を特定の有益な用途に限定する非従来の工程を追加すること(例えば、現在の機器に欠けている予測、強化、及び測定の用途を含むこと)を含む。例えば、従来の機器は、本明細書で説明されているようなランベルト・ベールの法則への依存、機械的機器(例えばガイドライド)、又は操作等により制限されているが、本開示のUVベースの画像化システム及び画像化方法は、これを克服する。
例示として示されており且つ説明されている好ましい実施形態の下記の説明から、当業者にとっては利点がより明らかとなるであろう。理解されるように、これらの実施形態は他の異なる実施形態も可能であり、これらの詳細は、様々な点で改変可能である。従って、図面及び説明は、例示的な性質であって限定的とはみなされないものとする。
下記で説明する図面は、その中で開示されているシステム及び方法の様々な態様を描写する。各図面は本開示のシステム及び方法の特定の態様のある実施形態を描写していること、及び図面の各々はその可能な実施形態と一致することが意図されていることを理解すべきである。さらに、可能なかぎり、下記の説明は、下記の図面に含まれる参照番号に言及しており、複数の図中に描写されている特徴は、一貫した参照番号で示されている。
図中には本明細書で論じられている配置が示されているが、本実施形態は、示されている正確な配置及び手段に限定されないことが理解される。
本明細書で開示されている様々な実施形態による、自動化された多波長校正に基づいて未知のタンパク質サンプルのタンパク質濃度を決定するための例示的なUVベースの画像化方法を示す。
本明細書で開示されている様々な実施形態による、自動化された多波長校正に基づいて未知のタンパク質サンプルのタンパク質濃度を決定するための例示的なUVベースの画像化方法のフローダイアグラムを示す。
本明細書で開示されている様々な実施形態による、自動化された多波長校正に基づいて未知のタンパク質サンプルのタンパク質濃度を決定するための例示的なUVベースの画像化方法のフローダイアグラムを示す。
本明細書で開示されている様々な実施形態による、図2A及び図2BのUVベースの画像化方法を実行するための疑似コードを含む例示的なコンピュータプログラムリストを示す。
本明細書で開示されている様々な実施形態による、図2A及び図2BのUVベースの画像化方法を実行するための疑似コードを含む例示的なコンピュータプログラムリストを示す。
本明細書で開示されている様々な実施形態による、単一波長の光線のUVスペクトルにわたる標準タンパク質サンプルのセットを表すダイアグラムを示す。
本明細書で開示されている様々な実施形態による、UVスペクトルから選択される第1の範囲の波長にわたる様々な一連の第1の吸光度対波長値の対を表すダイアグラムを示す。
本明細書で開示されている様々な実施形態による、単一波長校正モデルで構成されている多波長校正モデルを表すダイアグラムを示す。
本明細書で開示されている様々な実施形態による、図5Aの様々な単一波長校正モデルの傾き及びy切片を表すダイアグラムを示す。
本明細書で開示されている様々な実施形態による、UVスペクトルから選択される第2の範囲の波長にわたる様々な一連の第2の吸光度対波長値の対を表すダイアグラムを示す。
本明細書で開示されている様々な実施形態による、図5Aの多波長校正モデルにより決定されたタンパク質濃度値を表すダイアグラムを示す。
本明細書で開示されている様々な実施形態による、タンパク質関連製品のタンパク質濃度をモニタリングするか又は測定するための図5Aの多波長校正モデルの適用を描写するフローダイアグラムを示す。
図面は、例示のみを目的とする好ましい実施形態を描写する。本明細書で例示されているシステム及び方法の代替的実施形態を、本明細書で説明されている本発明の原理から逸脱することなく採用し得る。
図1は、本明細書で開示されている様々な実施形態による、自動化された多波長校正に基づいて未知のタンパク質サンプルのタンパク質濃度を決定するための例示的なUVベースの画像化システム100を示す。様々な実施形態では、システム100はUV画像化デバイス101を含み得、UV画像化デバイス101は、UV分光光度計又は他のそのような画像化装置であり得る。UV画像化デバイス101は、モノクロメータ106上に多波長の光線104を投射するように構成されている光源102を含む。様々な実施形態では、モノクロメータ106は、多波長の光線を単一波長の光線に分割するためのプリズム、回折デバイス、又は回折格子を実装する任意の他のデバイスであり得る。図1の実施形態では、モノクロメータ106は、多波長の光線104を受け取るように構成されており、且つ供給源として多波長の光線104を使用して、UVスペクトルの一連の単一波長の光線108を投射するか又は他の方法で提供するように構成されている。
様々な実施形態では、一連の単一波長の光線108は、200ナノメートル(nm)~400ナノメートル(nm)のUVスペクトル中の単一波長の光線を含み得る。加えて、単一波長の光線108は、単一波長の光線108の各間隔がUVスペクトル中の波長である多数の波長(例えば、UVスペクトルを小さいスパンで広がる複数の波長)を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、UVスペクトル中の各単一波長の光線108は、シングルナノメートル間隔で分離され得る。しかしながら、シングルナノメートル間隔が単なる一例の実施形態として機能するように、本明細書では、様々な間隔及び間隔サイズが企図されている。
UV画像化デバイス101は、UV画像化デバイス101に対してタンパク質サンプルを受け取るか、保持するか、又は配置するように動作可能なサンプルホルダ110をさらに含み得る。サンプルホルダ110は、タンパク質サンプルを封入するためのフロースルーセル、キュベット、又は他の容器の少なくとも一部を保持するように構成され得る。サンプルホルダ110は、一般的に、UV画像化デバイス101内に配置されているか又はUV画像化デバイス101の一部として配置されており、タンパク質サンプルが標準タンパク質タイプであるか未知のタンパク質タイプであるかにかかわらず、一連の単一波長の光線がタンパク質サンプルの少なくとも一部を通過することを可能にする。このサンプルホルダは、プラスチック、ガラス、溶融石英、又は他のそのような材料であって、光のこの材料及びタンパク質サンプルの透過を可能にする材料で形成され得る。
様々な実施形態では、タンパク質サンプルは、本明細書の様々な実施形態による標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)又は未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)のいずれかであり得る。「未知のタンパク質サンプル」という用語は、本明細書で使用される場合、タンパク質濃度が未知であるタンパク質サンプルを指す。タンパク質サンプルは、液体、半液体、固体、又は測定用の他の状態であり得る。所与のタンパク質サンプルのタンパク質は、治療用医薬品の独自のタンパク質であり得る。
本明細書の様々な実施形態で説明されているように、未知のタンパク質サンプルはタンパク質濃度が未知であり、標準タンパク質サンプルはタンパク質濃度が既知である。未知のタンパク質サンプルは、濃度が未知である少なくとも1種のタンパク質を含むが、当然のことながら複数種のタンパク質が存在し得ることに留意されたい。サンプルは、他の非タンパク質含有成分(例えば、緩衝液、塩類、並びに他の有機分子及び無機分子)を含み得る。標準タンパク質サンプルは、参照標準であり得るか、又は他の既知であるか、予め測定されているか、若しくは予め決定されているサンプルであり得、このサンプルでは、希釈、濃度、又は他の既知のタンパク質ベースの割合若しくは配分が既知であるか、予め測定されているか、又は予め決定されている。
様々な実施形態では、タンパク質サンプルは、(1)標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)のセットから選択される標準タンパク質サンプル、又は(2)未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)のセットから選択される未知のタンパク質サンプルのいずれかであり得る。本明細書で使用される場合、タンパク質サンプル(例えば標準又は未知)のセットは、1つ又は多くのタンパク質サンプルを含む。例えば、一実施形態では、標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)のセットは、それぞれ濃度が既知である複数の標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)を含み得、未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)のセットは、タンパク質濃度が未知である単一のタンパク質サンプルを含み得る。
UV画像化デバイス101は、サンプルホルダ110により維持されているタンパク質サンプルの少なくとも一部を通過する一連の単一波長の光線112を検出するように動作可能な検出器114をさらに含み得る。単一波長の光線112は、単一波長の光線108と同一であるか又は異なる数、タイプ、強度、及び/又は大きさの光を含み得る。単一波長の光線108と多波長の光線112との間の類似性又は差違は、一般的に、サンプルホルダ110内に配置されたタンパク質サンプル(及びその関連するタンパク質濃度)により生じ、そのような類似性又は差違により、検出器114により記録された、(このタンパク質サンプルのタンパク質濃度に基づく)このタンパク質サンプルに特異的な(例えば、標準又は未知のサンプルのいずれかに関する)波長データ118の生成及び/又は出力116が起きる。
検出器114は、光電子増倍管、フォトダイオード、フォトダイオードアレイ、電荷結合素子(CCD)、又は様々な波長の光を収集するように及び/若しくはこれらの光に関するそれぞれの値を記録するように構成されている他の感光素子若しくはアレイであり得るか、又は含み得る。例えば、CCDベースの検出器の場合には、単一波長の光線112は、検出器114のピクセルアレイ上に集束され得、このアレイのピクセルにより、各波長の強度(例えば、可視領域の場合には各色)を測定し得、且つ値として記録し得る。次いで、CCDベースの検出器は、その測定値を波長データ118として出力し得116、この波長データ118は、まとめて、各波長の光の強度のスペクトル又は値を表し得る。より一般的には、波長データ118は、測定されるタンパク質サンプルの吸光度値(例えば、現在サンプルホルダ110に入っているタンパク質サンプルのタンパク質濃度の吸光度)を示す。即ち、サンプルホルダ110を通過する単一波長の光線108の少なくとも一部が、少なくとも部分的に吸収されるか、又はタンパク質サンプルの濃度に従って他の方法で変化し、その結果、単一波長の光線112も同様に変化する。例えば、サンプルホルダ110中に配置されたタンパク質サンプルが、ある特定の波長の光を吸収した場合には、この波長の光は、単一波長の光線112中には存在しないか又は部分的に存在しないだろう。従って、一般的には、検出器114は、単一波長の光線108と単一波長の光線112との間の相違を測定し、応答係数として吸光度又は吸光度値を決定する。
少なくとも一部の実施形態では、UV画像化デバイス101の光源102、モノクロメータ106、サンプルホルダ110、及び検出器118のそれぞれは、分光光度計デバイスの少なくとも一部を形成し得る。例えば、少なくとも一実施形態では、この分光光度計は、THERMO FISHER SCIENTIFIC(商標)EVOLUTION(商標)分光光度計又は他のそのような画像化装置であり得る。
検出器114は、UV画像化デバイス101の様々なコンポーネント121~128に、バス123(即ち電子通信バス)を介して通信可能に連結され得る。例えば、検出器114は、プロセッサ124に通信可能に連結され得る。プロセッサ124は、マイクロプロセッサ又は中央処理装置(CPU)であり得、例えば、INTEL(登録商標)ベースのマイクロプロセッサ、AMD(登録商標)ベースのマイクロプロセッサ、又は他のそのようなマイクロプロセッサであり得る。プロセッサ124は、バス123を介して通信可能に連結されている様々なコンポーネントの制御に関与し得る。例えば、プロセッサ124は、波長データ118としての検出器114の出力116を制御し得、一実施形態では、波長データ118はメモリ121に格納されている。加えて、プロセッサ124は、入力/出力コンポーネント126からのコマンド又は他の命令を受け取り得る。入力/出力コンポーネント126は、様々な入力/出力デバイス(例えば、キーボード、マウス、又は類似のコンポーネント)とインターフェースで接続され得るか、又は他の方法で接続され得る。そのようなコンポーネントを使用して、検出器114の出力116としての(例えばメモリ121中の)波長データ118にアクセスし得るか、又は他の方法で操作し得るか若しくは検索し得る。プロセッサ124はまた、ディスプレイ128にも通信可能に接続され得る。ディスプレイ128は表示スクリーンであり得、プロセッサ124は、ディスプレイ128の表示スクリーン上で波長データ118の表現(例えば、2次元(2D)、3次元(3D)、又は他の表現)をレンダリングするだろう。
プロセッサ124は、さらに、送受信機122にバス123を介して通信可能に接続され得る。プロセッサ124は、送受信機122により、コンピューティングデバイス151に、コンピューティングネットワーク130で通信可能に連結され得る。表示されている実施形態では、コンピューティングデバイス151は、コンピューティングデバイス151のリモートプロセッサ154及びリモート送受信機152により、コンピュータネットワーク130を介してデータ(例えば波長データ118)を送信し得134、且つ受信し得る132。リモートプロセッサ154及びリモート送受信機152は、バス153(例えば電子通信バス)を介し互いに通信可能に連結され得る。コンピューティングデバイス151は、リモート送受信機152を介して受信したデータ(例えば波長データ118)を格納するための、バス153を介して通信可能に連結されているリモートメモリ159をさらに含み得る。コンピューティングデバイス151は、入力/出力操作(例えば、タッチスクリーン、キーボード等を介したコマンドの受け取り)を容易にするための、及びディスプレイ158のスクリーン上でデータ(例えば波長データ118)を表示するための、バス153を介して通信可能に連結されているディスプレイ158、及び入力/出力コンポーネント156をさらに含み得る。このようにして、コンピューティングデバイス151は、UV画像化デバイス101からリモートで波長データ110を格納するために及び/又は処理するために使用され得るリモートプロセッサ154及びリモートメモリ159を含む。
図1の実施形態では、メモリ121及び/又はリモートメモリ159は、プロセッサ124及び/又は154のいずれか一方又は両方に、本明細書の図2A及び図2Bにより説明されているUVベースの画像化方法200を実行するためのプログラム命令を実行させるために、このプログラム命令を格納し得る。このプログラム命令は、プログラミング言語(例えば、Python、Java、C#、又は他のプログラミング言語)でのプログラムコードであり得る。一部の実施形態では、このプログラム命令は、リモートプロセッサ154が、クライアントとして、コンピューティングネットワーク130を介してサーバーとしてのプロセッサ124と通信するクライアント-サーバーベースであり得る。そのような実施形態では、リモートプロセッサ154は、(例えば、メモリ121に格納されていたか又は検出器114により新たに出力された116)データ(例えば波長データ118)を、UV画像化デバイス101からコンピューティングデバイス151へと送信するように要求し得る。波長データ118は、表現状態転送(RESTful)API等のオンラインアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を介して、リモートプロセッサ154により要求され得、この場合には、プロセッサ124は、APIを実装してリモートプロセッサ154からの要求を受け取り、コンピュータネットワーク130を介して波長データ118を提供することにより応答する。他の実施形態では、UV画像化デバイス101は、新たに生成された及び/又は出力された116波長データ118がコンピュータネットワーク130を介してコンピューティングデバイス151に送信されるプッシュベースのインターフェースを実装し得る。さらなる実施形態では、UV画像化デバイス101又はコンピューティングデバイス151のいずれかのユーザーは、入力/出力126又は156により、ディスク又はサムドライブ等の外部記憶装置(図示しない)上の波長データを受け取り得るか、又は抽出し得る。
図2A及び図2Bは、本明細書で開示されている様々な実施形態による、自動化された多波長校正に基づいて未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)のタンパク質濃度を決定するための例示的なUVベースの画像化方法200のフローダイアグラムを示す。UVベースの画像化方法200は、先行技術の制限(例えば、ランベルト・ベールの法則及びその前提への依存、並びに線形性に関する制限)を克服する。図2A及び図2Bは、図3A及び図3Bと併せて示される。図3A及び図3Bは、本明細書で開示されている様々な実施形態による、図2A及び図2BのUVベースの画像化方法200を実行するための疑似コードを含む例示的なコンピュータプログラムリストを示す。図3A及び図3Bに関して示されているように、ランベルト・ベールの法則の線形性の制限を克服するために、プログラムコード(疑似Pythonコードで示されている)は、サンプルフィルタを適用して、各波長の線形吸光度範囲を決定し得、且つ吸光係数の変化に従って吸光度応答係数を動的に校正し得る。その結果、UV画像化デバイス101(例えば、UV画像化デバイス101が固定経路長UV分光計である実施形態)は、広範囲にわたりタンパク質濃度を正確に測定し得、例えば、0.1~126mg/mLの範囲内でタンパク質濃度を正確に測定し得る。
図2Aにより描写されているように、UVベースの画像化方法200はブロック204で始まり(202)、このブロック204では、プロセッサ(例えばプロセッサ125又はリモートプロセッサ154)が、標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)のセットの各標準タンパク質サンプルに関して検出器(例えば検出器114)により記録された波長データ(例えば波長データ118)の標準セットを受け取る。一部の実施形態では、例えば、波長データ(例えば波長データ118)の標準セットは、カンマ区切り値(CSV)データとして受け取られ得る。他の実施形態では、波長データの標準セットは、データベース形式、拡張マークアップ言語(XML)、JavaScript Object Notation(JSON)、又は他のデータ形式若しくはテキスト形式で受け取られ得る。図3A及び図3Bの実施形態のコンピュータプログラムリストでは、例えばコードセクション5で、標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)の波長データが、CSVデータとして、プロセッサ(例えばプロセッサ124又はリモートプロセッサ154)によりメモリ(例えばメモリ121又はリモートメモリ159)に読み込まれ、このCSVデータでは、各タンパク質標準サンプルは、その既知の濃度に割り当てられている。図3A及び図3Bのコンピュータプログラムリストは、疑似Pythonで作成されており、この、疑似Pythonでは、「pd」としてのpandasライブラリを使用して波長データが読み込まれる。このことは、コードセクション1及び5で示されている。コードセクション1はまた、本明細書で説明されている予測モデルの訓練を説明するために使用される実施形態として、線形回帰訓練アルゴリズムを提供する追加ライブラリ「sklearn」のインポートも示す。
波長データ(例えば波長データ118)の標準セットは、各標準タンパク質サンプルに関して、UVスペクトルの一連の単一波長の光線から選択される第1の一連の第1の吸光度対波長値の対を含み得る。各第1の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含み得る。例えば、図4Aは、本明細書で開示されている様々な実施形態による、単一波長の光線404のUVスペクトルにわたって標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)400a~400mのセットを表すダイアグラム400を示す。具体的には、ダイアグラム400は、応答係数測定値として使用される一連の吸光度値を有するUV吸光度軸402(y軸)を含む。一般的に、吸光度値が大きいほど、所与の波長に関して(例えば検出器114により)検出される光は少ない。加えて、本明細書では他の間隔が企図されているが、ダイアグラム400は、ナノメートルの間隔で一連の光波長を有する波長軸404(x軸)を含む。
図4Aの実施形態では、0.1~126mg/mlの範囲でタンパク質標準溶液を有する標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)を、200~400nmのUVスペクトル(1nm間隔)にわたり分光光度計で走査した。この標準タンパク質サンプルは、1cm経路長の石英キュベットに入っていた。このUVスペクトルの波長データを、CSVデータとして保存した。従って、ダイアグラム400は、200nm~400nmの波長範囲で走査したタンパク質校正標準(例えば標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)の生UVスペクトルデータを描写する。
図4Aに示されているように、ダイアグラム400は、13個の標準タンパク質(例えば標準タンパク質140s)400a~400mを表す。各標準タンパク質サンプルに関して、同一のタンパク質(例えばタンパク質分子)のタンパク質濃度を測定する。このタンパク質分子は、分子であり得、例えば、独自のタンパク質、又は治療薬若しくは他のそのような医薬品を開発するために使用される他のタンパク質であり得る。
図4Aに示されているように、各標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル400a及び標準タンパク質サンプル400m)は、ダイアグラム400内の複数の吸光度対波長値の対の対応するプロットにより表される。標準タンパク質サンプル400mに関して、例えば、吸光度値対波長値の対400m305は、吸光度値が約2.5である305の波長値での標準タンパク質サンプル400mの測定値である。従って、吸光度値対波長値の対400m305は、ダイアグラム400内では、対応するUV吸光度軸402(y軸)及び対応する波長軸404(x軸)に配置されている。さらなる例として、標準タンパク質400aに関して、吸光度値対波長値の対400a230は、230の波長値での及び吸光度値が約1.0である標準タンパク質サンプル400aの測定値である。従って、吸光度値対波長値の対400a230は、ダイアグラム400内では、対応するUV吸光度軸402(y軸)及び対応する波長軸404(x軸)に配置されている。それぞれの標準タンパク質サンプルの表現400a~400mの残りの吸光度対波長値の対は、ダイアグラム400内に同様にプロットされており、それぞれ、200ナノメートル(nm)~400ナノメートル(nm)の波長スペクトルでの(波長軸404に沿った)各波長値で走査され且つ測定されたUV吸光度値を(UV吸光度軸402に沿って)表す。
図2AのUVベースの画像化方法200に関して、ブロック206で、プロセッサ(例えばプロセッサ124又はリモートプロセッサ154)は、波長データの標準セットをフィルタリングするかどうかを決定する。この決定を、(例えば検出器114により)検出された一連の波長データに基づいて行ない得、一部のデータセットは、広い波長範囲を含む。フィルタが適用されない場合には、UVベースの画像化方法200は、ブロック210に進む。
しかしながら、ブロック208では、標準波長データフィルタが適用される。この標準波長データフィルタは、UV画像化システム100のメモリ(例えばメモリ121又はリモートメモリ154)に格納されたプログラム命令のセットを含み得る。図3A及び図3Bのコンピュータプログラムリストでは、例えば、疑似Python命令は、本明細書で説明されている校正モデルを訓練するために使用される最適なデータ品質を確保するために、図4Aの元々の単一波長光範囲及び元々のUV吸光度値範囲からデータ点を除去するための標準波長データフィルタの一実施形態(コードセクション6)を示す。図3Aの例では、コードセクション6は、ユーザーにより定義された変数としての(コードセクション4)フィルタリング基準セットを適用して、フィルタリングされる範囲の柔軟な操作を可能にする。例えば、コードセクション4で示されているように、標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)のフィルタリング基準は、280~315nmの波長範囲にわたりUV吸光度値が0.1~1.5であるデータ点を選択するように構成されている。
ブロック208では、プロセッサ(例えばプロセッサ124又はリモートプロセッサ154)は、一連の単一波長の光線に対して標準波長データフィルタを実行して、第1の範囲の波長を選択するか、又は制限する。加えて、このプロセッサは、標準波長データフィルタを実行して、第1のフィルタ範囲のUV吸光度値内のUV吸光度値に基づいて、各第1の一連の第1の吸光度値対波長値の対を選択し得るか、又は制限し得る。例えば、(例えばブロック208での)標準波長データフィルタの適用により、図4Aのダイアグラム400のプロットされた吸光度対波長値の対の(波長及び吸光度値の両方における、即ち、吸光度値対波長値の対における)データ範囲の制限されたか又はフィルタリングされたセットを表す図4Bのダイアグラム450が得られる。
具体的には、図4Bは、本明細書で開示されている様々な実施形態による、UVスペクトルから選択された第1の範囲の波長(例えば波長軸454)にわたる様々な一連の第1の吸光度対波長値の対を表すダイアグラム450を示す。図4Bにより示されているように、標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)のそれぞれの吸光度対波長値の対400a~400mが示されているが、一部の吸光度対波長値の対は、本明細書で説明されているように(例えばブロック208で)標準波長データフィルタによりフィルタリングされている。具体的には、図4Bは、図4Aの単一波長の光線範囲200~400(nm)にわたりプロットされた吸光度対波長値の対に標準波長データフィルタが適用された実施形態を示す。
図4Bにより示されているように、(例えばブロック208での)標準波長データフィルタは、図4Bの第1の範囲の波長280~315(nm)を選択するために、図4Aの単一波長の光線範囲200~400(nm)に適用されている。波長280~315(nm)の第1の範囲の波長範囲は、図4Bの波長軸454にわたり描写されている。そのため、図4Bの波長280~315(nm)の第1の範囲の波長範囲は、図4Aの単一波長の光線範囲200~400(nm)から選択されている。
加えて、図4Bの実施形態では、(例えばブロック208での)標準波長データフィルタは、第1のフィルタ範囲のUV吸光度値(例えばUV吸光度軸452)内のUV吸光度値に基づいて各第1の一連の第1の吸光度対波長値の対を選択するために適用されている。第1のフィルタ範囲のUV吸光度値0.1~1.5は、図4BのUV吸光度軸452にわたり描写されている。そのため、図4Bの第1のフィルタ範囲のUV吸光度値範囲0.1~1.5は、図4AのUV吸光度値範囲0~7から選択されている。従って、図4Bは、全体として、校正標準のフィルタリングされたUVスペクトルを示しており、特に、波長値280~315nm及び吸光度値0.1~1.5という限定された範囲内でのタンパク質校正標準のフィルタリングされたUVスペクトルを示す。図4Aと比較した場合には、フィルタリングされた値(波長値280~315nm及び吸光度値0.1~1.5)は、全体的に、標準タンパク質サンプル(例えば400a及び標準タンパク質サンプル400m)のそれぞれにわたり、ダイアグラム400により示されているように、互いに対して崩れていないか又は互いに重なっている吸光度対波長値の対を含む。
図4A及び図4Bの例では、標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)は、図4Bで示されている0.1~126mg/mgの範囲のタンパク質標準溶液である。これは、コードセクション2での図3A及び図3Bの例示的なコンピュータプログラムリストでさらに説明されており、この例では、標準タンパク質サンプル値が、対応する範囲に設定されている。しかしながら、本明細書では、より広い範囲のそのような標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)/タンパク質標準溶液が企図されており、例えば、標準タンパク質サンプルのセットは、1ミリリットル(ml)当たり0.1~220ミリグラム(mg)の範囲のタンパク質標準溶液であり得る。
図2Aに関して、ブロック210では、UVベースの画像化方法200は、プロセッサ(例えばプロセッサ124又はリモートプロセッサ154)により多波長校正モデルを生成することを含む。この多波長校正モデルは、各標準タンパク質サンプルの波長データとその様々な吸光度値との対の標準セットに基づく。そのようなデータが(例えばブロック208で)フィルタリングされた、ある特定の実施形態では、この多波長校正モデルは、波長データの標準セットの第1の一連の第1の吸光度対波長値の対のそれぞれに基づく。
図5Aは、本明細書で開示されている様々な実施形態による、単一波長校正モデル(即ち「校正曲線」)で構成されている多波長校正モデル501を表すダイアグラム500を示す。図5Aの実施形態では、この多波長校正モデル501は、図4BのUVスペクトルにわたる単一波長校正モデルで構成されている。これは、280nm~315nmの波長のそれぞれに関するモデルを含む。例えば、ダイアグラム500は、単一波長校正モデル501s280(波長280nmに関する単一波長モデルである)、501s294(波長294nmに関する単一波長モデルである)、及び501s300(波長300nmに関する単一波長モデルである)を特定する。各単一波長校正モデルは、特定の波長(例えば、280nm、294nm、及び300nm)に関して、(UV吸光度軸502のUV吸光度値の範囲にわたる)所与のUV吸光度値に関する(タンパク質濃度軸504のタンパク質濃度値の範囲にわたる)タンパク質濃度値を予測するために生成されている。図5AのUV吸光度軸502は、図4BのUV吸光度軸に対応する。そのため、UVスペクトルの所与の波長に関するタンパク質濃度の予測を、UV吸光度値を、対応する単一波長校正モデル又はUVスペクトルのこの波長に関する校正曲線に入力することにより行ない得る。この予測を使用して、本明細書で説明されている未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)の未知のタンパク質濃度を決定し得る。
図5Aの実施形態では、線形回帰モデルを使用して、単一波長校正モデル(例えば、501s280、501s294、及び501s300)のそれぞれを決定した。そのような各モデルは、y切片値及び傾き値を含み、これらを使用してタンパク質濃度を予測する。y切片値及び傾き値は、一般的に、一定値として決定され、提供されるUV吸光度値に傾き値が適用され、その結果、y切片値に加えられて、対応するタンパク質濃度の予測又は値が生成される。図5Aのダイアグラム500は、様々なUV吸光度値が各単一波長校正モデル(例えば、501s280、501s294、及び501s300)のそれぞれに提供されることから、単一波長校正モデルのそれぞれに関する(タンパク質濃度軸504にわたる)タンパク質濃度の様々な予想又は値を示す。このようにして、単一波長校正モデルの全体は、図4A及び図4Bに関して決定されており且つ説明されている各波長及びUV吸光度値に関する吸光度値を許容し得る多波長校正モデルを含む。
図5Bは、本明細書で開示されている様々な実施形態による、図5Aの様々な単一波長校正モデル(例えば単一波長校正モデル501s280、501s294、及び501s300)の傾き560s及びy切片560yを表すダイアグラム550を示す。図5Bは、波長軸554にわたる280nm~315nmの各波長での傾き値560s及びy切片値560yの対のプロットを示す。図5Bは、図5Aと同一範囲のUV吸光度値(例えばUV吸光度軸552)及び同一範囲の波長値(例えば波長軸554)を含む。傾き560s及びy切片値560yの対は、図5Aの単一波長校正モデル(例えば単一波長校正モデル501s280、501s294、及び501s300)に対応する。例えば、図5Bにより示されるように、傾き値562aは、単一波長校正モデル501s280に対応する280nm波長のy切片値562bに対応する。同様に、図5Bにより示されるように、傾き値564aは、単一波長校正モデル501s290に対応する290nm波長のy切片値564bに対応する。y軸(UV吸光度軸552)は、所与の傾き値又はy切片値が単一波長校正モデルの任意の所与の予測に寄与するUV吸光度の量を示す。
従って、少なくとも図5Bの実施形態に関して、図5Aの多波長校正モデル501が生成され得、且つ一連の単一波長の光線(例えば、図4Aに関して説明されている波長200nm~400nm)から選択される第1の範囲の波長(例えば、図4Bに関して説明されている波長280nm~315nm)のそれぞれに関する一連の単一波長校正モデルで構成され得、各単一波長校正モデル(例えば、501s280、501s294、及び501s300)は、特定の単一波長(例えば、それぞれ波長280nm、294nm、及び300nm)のUV吸光度に対応する傾き値560s及びy切片値560yを含む。波長値及びUV吸光度値を入力することにより、多波長校正モデル501を実装するプロセッサ(例えばプロセッサ124及び/又はリモートプロセッサ154)は、対応する単一波長校正モデルを選択して、タンパク質濃度値を正確に(correctly)且つ正確に(accurately)予測し得る。
図3A及び図3Bの例示的なコンピュータプログラムリストは、第1の範囲の波長(例えば、図4Bに関して説明されている波長280nm~315nm)のそれぞれに関する単一波長校正モデルの生成を示す。例えば、コードセクション8では、標準波長データをフィルタリングした後、プロセッサ(例えばプロセッサ124又はリモートプロセッサ154)により、各標準タンパク質サンプルのデータに関して線形回帰アルゴリズム(LinearRegression.fit)を実行し、その結果、特定の波長での単一波長校正モデルに関して係数値(即ち傾き値)及び切片値(即ちy切片値)が生成される。そのため、このようにして各単一波長校正モデル(例えば、501s280、501s294、及び501s300)を生成し得る。これらの単一波長校正モデルは、メモリ(例えばメモリ121又はリモートメモリ159)に格納され得、且つ本明細書で説明されている包括的な多波長校正モデルとして(例えば、ラッパーAPIを介してか又はデータベースを介したデータ構造として)まとめてアクセスされ得る。図3A及び図3Bの実施形態では、各単一波長校正モデルは、ある特定の閾値の品質スコア又はフィットスコアを含む。例えば、コードセクション3では、品質値又はフィット値が最小の0.99である単一波長校正モデルのみを、多波長校正モデルに含め得る。このようにして、多波長校正モデル501は、正確な予測能力を有する予測モデルの高品質セットを維持し、且つ使用する。
図5A及び図5Bの上記の実施形態では、単一波長校正は、線形回帰により生成され、生成された多波長校正モデル501にコンパイルされる。しかしながら、他の予測科学技術又は予測技術が使用され得る。例えば、機械学習モデルを、教師あり又は教師なしの機械学習プログラム又は機械学習アルゴリズムを使用して訓練し得る。機械学習プログラム又は機械学習アルゴリズムは、ニューラルネットワークを採用し得、このニューラルネットワークは、畳み込みニューラルネットワーク、ディープラーニングニューラルネットワーク、又は目的の特定の領域における2種以上の特徴又は特徴データベースにおいて学習する複合学習モデル若しくは複合学習プログラムであり得る。機械学習プログラム又は機械学習アルゴリズムはまた、自然言語処理、意味解析、自動推論、回帰分析、サポートベクターマシン(SVM)分析、決定樹解析、ランダムフォレスト解析、K最近傍分析、ナイーブベイズ解析、クラスタリング、強化学習、並びに/又は他の機械学習アルゴリズム及び/若しくは機械学習技術も含み得る。機械学習は、(本明細書で説明されている未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)の未知の濃度を予測するための)後続のデータに関する予測を容易に行なうために、既存のデータ(例えば、UVスペクトルにわたる標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)のUV吸光度値)におけるパターンを特定して認識することを含み得る。
試験レベル又は生産レベルのデータ又は入力等の新規の入力に関する有効で信頼性のある予測を行なうために、例示的な(例えば「訓練データ」)入力又はデータ(「特徴」及び「ラベル」と称され得る)に基づいて、機械学習モデル(例えば、本明細書の上記で説明されている機械学習モデル)を作成して訓練し得る。教師あり機械学習では、サーバー、コンピューティングデバイス、又はその他のプロセッサで動作する機械学習プログラムは、例示的な入力「例えば「特徴」)及びその関連しているか又は観察された出力(例えば「ラベル」)を提供され得、例えば、様々な特徴カテゴリにわたりモデルに重み又は他のメトリクスを決定する及び/又は割り当てることにより、機械学習プログラム又は機械学習アルゴリズムが、そのような入力(例えば「特徴」)を出力(例えばラベル)にマッピングするルール、関係、又はその他の機械学習「モデル」を決定するか又は発見する。次いで、そのようなルール、関係、又はその他のモデルは、サーバー、コンピューティングデバイス、又はその他のプロセッサで実行されるモデルの後続の入力を提供され、発見されたルール、関係、又はモデルに基づいて、予想された出力を予測する。
教師なし機械学習では、サーバー、コンピューティングデバイス、又はその他のプロセッサは、ラベルが付されていない例示的な入力例の独自の構造を見出すことが要求され得、例えば、満足のいくモデル(例えば、試験レベル又は生産レベルのデータ又は入力が与えられた場合に十分な予測精度を提供するモデル)が生成されるまで、モデルの複数の生成を訓練するために、サーバー、コンピューティングデバイス、又はその他のプロセッサにより、複数の訓練指示が実行される。本明細書の開示は、そのような教師あり又は教師なしの機械学習技術の内の一方又は両方を使用し得る。
従って、多波長校正モデルの単一波長校正モデル、又は多波長校正モデル自体を、標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)の波長データにより訓練し得、波長値及びUV吸光度値(例えば、本明細書で説明されている様々な吸光度対波長値の対)は、特徴データとして入力され、標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)のタンパク質濃度値は、ラベルデータとして使用され得る。次いで、多波長校正モデルの訓練された単一波長校正モデル、又は多波長校正モデルを使用して、本明細書で説明されている濃度が未知のサンプルのタンパク質濃度を予測し得る。
図2Aに関して、UVベースの画像化方法200は、未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)のセットの未知のタンパク質サンプルに関して検出器(例えば検出器114)により記録された波長データ(例えば波長データ118)の未知のセットを(ブロック212で)受け取るプロセッサ(例えばプロセッサ124又はリモートプロセッサ154)を含む。
一部の実施形態では、波長データ(例えば波長データ118)の未知のセットは、カンマ区切り値(CSV)データとして受け取られ得る。他の実施形態では、波長データの標準セットは、本明細書で説明されているデータベース形式、拡張マークアップ言語(XML)、JavaScript Object Notation(JSON)、又は他のデータ形式若しくはテキスト形式で受け取られ得る。図3A及び図3Bの実施形態のコンピュータプログラムリストでは、例えば、コードセクション8及び10で、未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)の波長データは、プロセッサ(例えばプロセッサ124又はリモートプロセッサ154)により、CSVデータとして、メモリ(例えばメモリ121又はリモートメモリ159)に読み込まれ、ユーザーは、このデータを、未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)の波長データを含むファイルとして入力する。
波長データ(例えば波長データ118)の未知のセットは、各未知のタンパク質サンプルに関して、一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長にわたる第2の一連の第2の吸光度対波長値の対を含み得る。各第2の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含み得る。波長データの未知のセットは、本明細書で説明されている図4Aの標準タンパク質サンプル(例えば標準タンパク質サンプル140s)に関して説明されているのと同一の方法で捕捉され得、及び/又は測定され得る。
UVベースの画像化方法200は、図2A及び図2Bで示されているように継続し(214)、ブロック216で、プロセッサ(例えばプロセッサ124又はリモートプロセッサ154)は、波長データの未知のセットをフィルタリングするかどうかを決定する。この決定を、(例えば検出器114により)検出された一連の波長データに基づいて行ない得、一部のデータセットは、広い波長範囲を含む。フィルタが適用されない場合には、UVベースの画像化方法200は、ブロック220に進む。
しかしながら、ブロック218では、未知の波長データフィルタが適用される。未知の波長データフィルタは、UV画像化システム100のメモリ(例えばメモリ121又はリモートメモリ154)に格納されたプログラム命令のセットを含み得る。図3A及び図3Bのコンピュータプログラムリストでは、例えば、疑似Python命令は、本明細書で説明されている校正モデルを訓練するために使用される最適なデータ品質を確保するために、検出器114により測定された元々の単一波長光範囲及び元々のUV吸光度値範囲からデータ点を除去するための未知の波長データフィルタの一実施形態(コードセクション7)を示す。図3Aの例では、コードセクション7は、ユーザーにより定義された変数としての(コードセクション4)フィルタリング基準セットを適用して、フィルタリングされる範囲の柔軟な操作を可能にする。例えば、コードセクション4で示されているように、未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)のフィルタリング基準は、280~315nmの波長範囲にわたりUV吸光度値が0.2~1.2であるデータ点を選択するように構成されている。
ブロック218では、プロセッサ(例えばプロセッサ124又はリモートプロセッサ154)は、一連の単一波長の光線に対して未知の波長データフィルタを実行して、第2の範囲の波長を選択するか、又は制限する。加えて、このプロセッサは、未知の波長データフィルタを実行して、第2のフィルタ範囲のUV吸光度値内のUV吸光度値に基づいて、各第2の一連の第2の吸光度値対波長値の対を選択し得るか、又は制限し得る。例えば、(例えばブロック218での)未知の波長データフィルタの適用により、ブロック212で検出された及び/又は受け取られた未知のタンパク質サンプルデータの(波長及び吸光度値の両方における、即ち、吸光度値対波長値の対における)データ範囲の制限されたか又はフィルタリングされたセットを表す図6のダイアグラム600が得られる。
具体的には、図6は、本明細書で開示されている様々な実施形態による、UVスペクトルから選択された第2の範囲の波長(例えば波長軸604)にわたる様々な一連の第2の吸光度対波長値の対を表すダイアグラム600を示す。図6は、図4と類似しているが、未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)に関するフィルタリングされたデータを示す。図6により示されているように、13個の個々の未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)の吸光度対波長値の対が、未知のタンパク質サンプル600a~600m(600a、600c、600f、及び600mのそれぞれを含む)に関するプロットより表されている。図6の実施形態では、一部の吸光度対波長値の対は、本明細書で説明されているように(例えばブロック218で)未知の波長データフィルタによりフィルタリングされており、ダイアグラム600では示されていない。具体的には、図6は、未知の波長データ(例えば波長データ118)を検出するために使用されるUVスペクトルにわたりプロットされた吸光度対波長値の対に未知の波長データフィルタが適用された実施形態を示す。
図6により示されているように、(例えばブロック218での)未知の波長データフィルタは、図6の第2の範囲の波長280~315nmを選択するために適用されている。波長280nm~315nmの第2の範囲の波長範囲は、図6の波長軸604にわたり描写されている。様々な実施形態では、図6の第2の範囲の波長範囲の波長280~315(nm)は、図4Aの単一波長の光線範囲200nm~400nmから選択され得る。
加えて、図6の実施形態では、(例えばブロック218での)未知の波長データフィルタは、第2のフィルタ範囲のUV吸光度値(例えばUV吸光度軸602)内のUV吸光度値に基づいて各第2の一連の第2の吸光度対波長値の対を選択するために適用されている。第2のフィルタ範囲のUV吸光度値0.2~1.2は、図6のUV吸光度軸602にわたり描写されている。そのため、図6の第2のフィルタ範囲のUV吸光度値範囲0.2~1.2は、図4AのUV吸光度値範囲0~7から選択されている。従って、図6は、未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)のフィルタリングされたUVスペクトルを示しており、特に、波長値280~315nm及び吸光度値0.2~1.2という限定された範囲内での未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)のフィルタリングされたUVスペクトルを示す。
図6の例では、未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)は、0.1~126mg/mgの範囲のタンパク質溶液である。未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)のタンパク質溶液は、少なくとも図6の実施形態の場合には、図4A及び図4Bに関して上記で説明されているのと同一のタンパク質溶液範囲を使用する。
図2Bに関して、UVベースの画像化方法200のブロック220では、プロセッサ(例えばプロセッサ124又はリモートプロセッサ154)は、未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)のセットの各未知のタンパク質サンプルに関して、多波長校正モデルにより、複数のタンパク質濃度値を決定する。複数のタンパク質濃度値の各タンパク質濃度値は、一連の単一波長の光線(例えば図4Aの範囲200nm~400nm)から選択される第2の範囲の波長(例えば図6の範囲280nm~315nm)に対応し得る。
一部の実施形態では、未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)のセットの少なくとも1つの未知のタンパク質サンプルは、タンパク質治療薬を含み得る。そのような実施形態では、このタンパク質治療薬は、抗体、抗原結合抗体断片、抗体タンパク質生成物、二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))分子、二重特異性抗体、三重特異性抗体、Fc融合タンパク質、組換えタンパク質、及び組換えタンパク質の活性断片の内のいずれか1つであり得る。
図3及び図3Bの例示的なコンピュータプログラムリストでは、プロセッサ(例えばプロセッサ124又はリモートプロセッサ154)は、未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)のセットの各未知のタンパク質サンプルに関して、多波長校正モデルにより、複数のタンパク質濃度値を決定する。具体的には、コードセクション10では、「calc_unk」コード関数が呼び出される。calc_unkコード関数(コードセクション9)は、未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)のセットの各未知のタンパク質サンプルに関して、波長データ(例えば波長データ118)をCSVデータとして読み込む。次いで、「calc_unk」コード関数(コードセクション9)は、多波長校正モデル(即ち、変数「df」でメモリに格納されている)により、「conc」変数で格納される複数のタンパク質濃度値を決定する。図3A及び図3Bの実施形態では、「calc_unk」コード関数(コードセクション9)は、値(例えば、各個々の予測濃度に関する「conc」変数の様々な値)を合計し、第2の範囲の波長(例えば、図6の280nm~315nmの範囲)の全てのタンパク質濃度予測値にわたり平均予測値を生成することにより、強化された予測を生成するように構成されている。
図7は、本明細書で開示されている様々な実施形態による、図5Aの多波長校正モデル501により決定されたタンパク質濃度値を描写するダイアグラム700を示す。図7の実施形態では、ダイアグラム700は、未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)に関してフィルタリングされた第2の範囲の波長(例えば、図6の範囲280~315(nm))への多波長校正モデル501の適用を表す。ダイアグラム700では、適用可能な各波長に関するタンパク質濃度値が描写されている。
図7により示されているように、未知のタンパク質サンプル(例えば未知のタンパク質サンプル140u)は、未知のタンパク質サンプル700a~700mとして表されており、且つタンパク質濃度軸702(y軸)に沿ったタンパク質濃度値及び波長軸704(x軸)に沿った波長値としてプロットされている。波長軸704(x軸)は、図6の波長軸604と同一の波長値(即ち、280nm~315nmの範囲)を含む。未知のタンパク質サンプル700a、700c、700f、及び700mのそれぞれは、本明細書で説明されているように、図6の未知のタンパク質サンプル600a、600c、600f、及び600mに対応する。
図7は、700a及び700cを含むいくつかの未知のタンパク質サンプルを拡大スケールで描写する拡大部分710を含む。即ち、拡大部分710は、スケールが異なるだけでダイアグラム700と等価である。具体的には、拡大部分710は、0~5mg/mlの拡大された範囲でタンパク質濃度値を示し、700a、700c、及び700fを含むいくつかの未知のタンパク質サンプルは、タンパク質濃度値がこの範囲内である。拡大部分710により描写されている未知のタンパク質サンプル700a~700fのそれぞれは、ダイアグラム700により描写されている未知のタンパク質サンプル700a~700fに対応する。
所与の未知のタンパク質サンプル(例えば700a~700m)の各点は、所与の波長での所与のサンプルに関するタンパク質濃度値の予測を提供する。例えば、拡大部分710により示されているように、未知のタンパク質サンプル700cは、2点700c1及び700c2を含む。拡大部分710は、点700c1の場合に、未知のタンパク質サンプル700は約290nmの波長値でのタンパク質濃度値予測が約0.5であると多波長校正モデル501が予測したことを表す。同様に、拡大部分710は、点700c2の場合に、未知のタンパク質サンプル700cは約298nmの波長値でのタンパク質濃度値予測が約0.5であると多波長校正モデル501が予測したことを表す。
さらなる例として、拡大部分710により示されているように、未知のタンパク質サンプル700fは、2点700f1及び700f2を含む。拡大部分710は、点700f1の場合に、未知のタンパク質サンプル700fは約300nmの波長値でのタンパク質濃度値予測が約4.0であると多波長校正モデル501が予測したことを表す。同様に、拡大部分710は、点700f2の場合に、未知のタンパク質サンプル700fは約303nmの波長値でのタンパク質濃度値予測が約3.8であると多波長校正モデル501が予測したことを表す。
追加の例として、ダイアグラム700により示されているように、未知のタンパク質サンプル700mは、2点700m1及び700m2を含む。ダイアグラム700は、点700m1の場合に、未知のタンパク質サンプル700mは約312nmの波長値でのタンパク質濃度値予測が約122であると多波長校正モデル501が予測したことを表す。同様に、ダイアグラム700は、点700m2の場合に、未知のタンパク質サンプル700mは約313nmの波長値でのタンパク質濃度値予測が約121であると多波長校正モデル501が予測したことを表す。
このようにして、図7により表されているように、多波長構成モデル(例えば多波長校正モデル501)は、各複数のタンパク質濃度値を予測するために、一連の吸光度対波長値の対(例えば、図6に関して説明されている第2の一連の第2の吸光度対波長値の対)を入力し得る。一部の実施形態では、予測を生成するために、多波長校正モデル501への入力として、吸光度対波長値の対のそれぞれの波長値のみ又は吸光度値のみを提供する必要がある。従って、特定の波長(単一波長モデルに対応する)の波長値及び/又は吸光度値を入力して、この特定の吸光度対及び/又はこの特定の波長に関するタンパク質濃度値を予測し得る。
図2Bに関して、UVベースの画像化方法200のブロック222で、プロセッサ(例えばプロセッサ124又はリモートプロセッサ154)は、多波長校正モデル501により決定された複数のタンパク質濃度値に基づいて強化された予測を生成するかどうかを決定する。強化された予測を生成しない場合には、UVベースの画像化方法200はブロック226に進む。
UVベースの画像化方法200のブロック224で、プロセッサ(例えばプロセッサ124又はリモートプロセッサ154)は、強化された予測を生成すると決定している。そのような決定を、例えば、(例えば、プロセッサにより実行されるプログラム命令中の)閾値予測品質値を設定することにより行ない得、この予測が十分な品質又は適合度であることが求められる。このことは、例えば、図3Aのコードセクション3により示されている。このことはまた、図3Bのコードセクション9でも示されており、各タンパク質濃度値は自動的に平均化され、それにより、ある範囲の波長値(例えば、図6及び図7に関して説明されている第2の範囲の波長)にわたり、精度が強化されている強化された予測が生成される。他の実施形態では、強化された予測が生成されることを示すために、フラグが、プログラム命令若しくはプログラムコードで設定され得るか、又はプログラム命令若しくはプログラムコードに提供され得る。そのため、様々な実施形態では、強化された予測の生成は、第2の範囲の波長に対応する複数のタンパク質濃度値の各タンパク質濃度値を平均化する(又は他の方法により操作する)ことを含み得る。強化された予測は、多波長校正モデル(例えば多波長校正モデル501)により決定されたタンパク質濃度値の平均値、中央値、導関数、又は他の操作を含み得る。
強化された予測は、図7により示されているサンプル(例えば未知のタンパク質サンプル700a~700m)のそれぞれの波長の範囲と予測された濃度値との重複を利用し、重複した濃度測定を提供し、これにより、単一の予測点(例えば点700c1又は700c2)のみと比較して精度が強化される。様々な実施形態では、多波長校正モデル(例えば多波長校正モデル501)は、強化された予測により更新され得るか、又は強化された予測を(図3Bのコードセクション9で示されているように)コンピュータで計算するように及び/若しくは出力するように構成され得る。
図2Bに関して、UVベースの画像化方法200のブロック226で、プロセッサ(例えばプロセッサ124又はリモートプロセッサ154)は、タンパク質関連製品のタンパク質濃度をモニタリングするか又は測定するために、ブロック220で生成されているか又は(例えばブロック224で操作された)強化された予測によりさらに更新されているか若しくは構成されている多波長校正モデルを使用する。様々な実施形態では、このタンパク質関連製品は、治療薬である。
図8は、本明細書で開示されている様々な実施形態による、タンパク質関連製品860のタンパク質濃度をモニタリングするか又は測定するための図5Aの多波長校正モデル501の適用を描写するフローダイアグラム800を示す。ダイアグラム800により示されているように、未知のタンパク質サンプル840uのバッチを、UV画像化デバイス(例えば、本明細書で説明されているUV画像化デバイス101)により走査して、この未知のタンパク質サンプル840uのそれぞれに関する波長データ818uを生成する。この未知のタンパク質サンプル840uは、未知のタンパク質サンプル140uであってもよいし、新規のセットのサンプルであってもよい。波長データ818uは、波長データ118に関して図1、2A、2B等について本明細書で説明されているのと同一のデータであるか又は同一タイプのデータである。波長データ818uは、多波長校正モデル501に入力され得、この多波長校正モデル501は、図2A、2B、3A、3B、4、及び5A等に関して本明細書で説明されているように、標準タンパク質サンプルデータから既に生成されているであろう。
図8の実施形態では、多波長校正モデル501は、プロセス制御デバイス850のメモリ(図示しない)にロードされる。プロセス制御デバイス850は、タンパク質関連製品860のタンパク質濃度をモニタリングするか又は測定するために多波長校正モデル501を実装するためのプロセッサ(図示しない)を含む。一部の実施形態では、プロセス制御デバイス850は、コンピュータネットワーク130を介して(例えば、伝送制御プロトコル及びインターネットプロトコル(TCP/IP)又は他のそのような類似のプロトコルを介したデータパケットの伝送を介して)、UV画像化デバイス101及び/又はコンピューティングデバイス151から多波長校正モデル501を受け取る。
プロセス制御デバイス850は、予測852(強化された予測、又は本明細書で説明されている標準タンパク質サンプルのそれぞれのコンピュータにより計算されたタンパク質濃度値の内の1つ若しくは複数に基づく予測のいずれか)を出力することにより、多波長校正モデル501を適用し得る。次いで、予測852を使用して、タンパク質関連製品860のタンパク質濃度をモニタリングし得るか、又は測定し得る。例えば、一部の実施形態では、予測852、又は予測852に基づいて生成されたシグナル若しくはデータ伝送を、タンパク質関連製品860のタンパク質濃度をモニタリングするか又は測定するために、プロセス制御又は製造システムのサブデバイス(図示しない;例えば、プロセス制御ネットワークを介してプロセス制御デバイス850に通信可能に連結されているフィールドデバイス)に伝送し得るか、又は他の方法により提供し得る。従って、予測852は、プロス制御デバイス850から出力され得、この予測852を使用して、最終用途製品でのタンパク質濃度をモニタリングし得るか、試験し得るか、測定し得るか、又は開発し得る。一実施形態では、例えば、予測852を使用して、タンパク質関連製品865の製造中に、タンパク質関連製品865のタンパク質濃度860をモニタリングし得るか、又は測定し得る。タンパク質関連製品865は、プロス制御デバイス850を備えたプロセス制御プラントにおいて、アセンブリ又は自動化システムにより開発された製品であり得る。一例として、測定されたタンパク質濃度に基づいて、タンパク質関連製品のタンパク質濃度を増加させるか又は減少させて、指定の範囲のタンパク質濃度に収め得る。一例として、測定されたタンパク質濃度が(それぞれ)指定の範囲内であるかこの範囲外であるかに応じて、タンパク質関連製品のバッチを受け入れ得るか、又は拒否し得る。プロセス制御デバイス850に実装されている多波長校正モデル501の頑強性により、タンパク質関連製品865のタンパク質濃度を、本明細書で説明されているUVスペクトルの範囲を含む広範囲のUVスペクトルで測定し得るか、又はモニタリングし得る。
さらなる例では、プロセス制御デバイス850により生成された多波長校正モデル501の予測852を使用して、タンパク質関連製品865の既知の仕様に対してこのタンパク質関連製品のタンパク質濃度860をモニタリングし得るか若しくは測定し得るか、又はこのタンパク質関連製品の既知の仕様と比較し得る。この既知の仕様は、例えば、標準タンパク質サンプル140sにより決定され得る。そのような実施形態では、プロセス制御デバイス850は、予測852をタンパク質関連製品865に適用して、既知の仕様を比較し得、且つ規制要件の順守、有効性若しくは品質の閾値、又は他の規制若しくは品質への懸念事項を評価し得る。
従って、本明細書に記載されているように、本開示のUVベースの画像化システム及び画像化方法は、現在知られている機器及び方法の制限を改善する。本明細書で説明されているUVベースの画像化システム及び画像化方法は、タンパク質サンプル標準のセットにより校正された独自の多波長校正モデル501を代わりに生成して適用することにより、ランベルト・ベールの法則の線形の制限を克服する。加えて、機械的手段により、拡張された線形タンパク質濃度範囲を走査する機械的経路長機器等の他の機器とは異なり、本開示のUVベースの画像化システム及び画像化方法は、機械的誤差の問題を回避する多波長校正モデル(例えば多波長校正モデル501)を生成して使用する。
治療用タンパク質には多くの形態及び型があり、本方法は、治療用タンパク質のタイプに依存しない。治療用タンパク質として抗体の場合には、例えば、抗体の構造は、広い範囲の代替型を作り出すために利用されており、この代替型は、少なくとも約12~150kDaの分子量範囲にわたり、且つ単量体(n=1)~二量体(n=2)、~三量体(n=3)、~四量体(n=4)、及び潜在的にさらに高い結合価(n)範囲を有しており、そのような代替型は、本明細書では「抗体タンパク質生成物」と呼ばれる。抗体タンパク質生成物として、完全な抗体構造に基づくもの、及び完全な抗原結合能を保持する抗体断片を模倣するもの(例えば、scFv、Fab、及びVHH/VH(下記で考察する))が挙げられる。完全な抗原結合性部位を保持する最小の抗原結合性抗体断片は、全体が可変(V)領域からなるFv断片である。可溶性で柔軟なアミノ酸ペプチドリンカーを使用して、V領域をscFv(単鎖断片可変)断片に連結させて分子を安定化させるか、又は定常(C)ドメインをV領域に加えてFab断片[断片、抗原結合性]を生成する。scFv断片及びFab断片の両方を、宿主細胞(例えば原核生物宿主細胞)中で容易に産生させ得る。他の抗体タンパク質生成物として、ジスルフィド結合安定化scFv(ds-scFv)、単鎖Fab(scFab)、並びにオリゴマー化ドメインに連結されたscFvからなる異なる型を含む、ダイアボディ、トリアボディ、及びテトラボディ、又はミニボディ(ミニAb)のような二量体抗体型及び多量体抗体型が挙げられる。最小の断片は、ラクダ類重鎖Ab及び単一ドメインAb(sdAb)のVHH/VHである。新規の抗体型を作製するために最も頻繁に使用される構築ブロックは、約15個のアミノ酸残基のペプチドリンカーにより連結された重鎖及び軽鎖由来のVドメイン(VHドメイン及びVLドメイン)を含む単鎖可変(V)-ドメイン抗体断片(scFv)である。ペプチボディ又はペプチド-Fc融合体は、さらに別の抗体タンパク質生成物である。ペプチボディの構造は、Fcドメイン上に移植された生物学的に活性のあるペプチドからなる。ペプチボディは、当技術分野で十分に説明されている。例えば、Shimamoto et al.,mAbs 4(5):586-591(2012)を参照されたい。
他の抗体タンパク質生成物として、単鎖抗体(SCA)、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、及び二重特異性抗体又は三重特異性抗体、並びに同類のものが挙げられる。二重特異性抗体は、下記の5つの主要なクラスに分類され得る: BsIgG、付加IgG(appended IgG)、BsAb断片、二重特異性融合タンパク質、及びBsAbコンジュゲート。例えば、Spiess et al.,Molecular Immunology 67(2)Part A:97-106(2015)を参照されたい。
例示的な態様では、治療用タンパク質は、これらの抗体タンパク質生成物の内のいずれか1つを含む。例示的な態様では、治療用タンパク質は、scFv、Fab VHH/VH、Fv断片、ds-scFv、scFab、二量体抗体、多量体抗体(例えば、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ)、ミニAb、ラクダ類重鎖抗体のペプチボディVHH/VH、sdAb、ダイアボディ;トリアボディ;テトラボディ;二重特異性又は三重特異性抗体、BsIgG、付加IgG、BsAb断片、二重特異性融合タンパク質、及びBsAbコンジュゲートの内のいずれか1つを含む。
例示的な態様では、治療用タンパク質は、二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))分子である。BiTE(登録商標)分子は、互いに連結された2つの抗体結合ドメイン(又はターゲティング領域)を含む二重特異性抗体構築体又は二重特異性融合タンパク質である。BiTE(登録商標)分子は、柔軟なリンカーによって直列に連結された2つの単鎖可変断片(scFv)で構築されている(scFc-scFc,Huehls et al,2015)。この分子の一方のアームは、細胞傷害性T細胞の表面上で見出されるタンパク質と結合するように操作されており、他方のアームは、主に腫瘍細胞上で見出される特定のタンパク質に結合するように設計されている。BiTE(登録商標)分子は、両方の標的に結合すると、細胞傷害性T細胞と腫瘍細胞との間に架橋を形成し、これによりT細胞に腫瘍細胞を認識させ、有害分子を注入することで腫瘍細胞を撃退し得る。この分子の腫瘍結合アームを、異なるタイプの癌を標的とする異なるBiTE(登録商標)抗体構築体が作られるように改変し得る。BiTE(登録商標)分子に関する「結合ドメイン」という用語は、標的分子(抗原)上の所与の標的エピトープ又は所与の標的部位と(特異的に)結合する/相互作用する/認識するドメインを指す。第1の結合ドメインの構造及び機能(腫瘍細胞抗原の認識)並びに好ましくは同様に第2の結合ドメイン(細胞傷害性T細胞抗原)の構造及び/又は機能は、抗体(例えば、完全長免疫グロブリン分子又は全免疫グロブリン分子)の構造及び/又は機能に基づく。例えば、BiTE(登録商標)分子は、3つの軽鎖CDR(即ち、VL領域のCDR1、CDR2、及びCDR3)、並びに3つの重鎖CDR(即ち、VH領域のCDR1、CDR2及びCDR3)の存在を特徴とする第1の結合ドメインを含む。好ましくは、第2の結合ドメインも、標的結合を可能にする抗体の最小構造要件を含む。より好ましくは、第2の結合ドメインは、少なくとも3つの軽鎖CDR(即ち、VL領域のCDR1、CDR2、及びCDR3)、並びに/又は3つの重鎖CDR(即ち、VH領域のCDR1、CDR2、及びCDR3)を含む。第1及び/又は第2の結合ドメインは、既存の(モノクローナル)抗体由来のCDR配列をスキャフォールドに移植する以外のファージディスプレイ又はライブラリスクリーニング法により作製されるか又は得られることが想定される。結合ドメインは、典型的には、抗体軽鎖可変領域(VL)と抗体重鎖可変領域(VH)とを含み得るが、両方を含む必要はない。Fd断片は、例えば、2つのVH領域を有し、多くの場合には、インタクトな抗原結合ドメインの一部の抗原結合機能を保持する。(改変された)抗原結合抗体断片の例として、(1)VLドメイン、VHドメイン、CLドメイン、及びCH1ドメインを有する一価の断片であるFab断片;(2)ヒンジ領域でジスルフィド架橋により連結された2つのFab断片を有する二価の断片であるF(ab’)2断片;(3)2つのVHドメイン及びCH1ドメインを有するFd断片;(4)抗体の単一アームのVLドメイン及びVHドメインを有するFv断片、(5)VHドメインを有するdAb断片(Ward et al.,(1989)Nature 341:544-546);(6)単離された相補性決定領域(CDR)、並びに(7)単鎖Fv(scFv)が挙げられ、後者が好ましい(例えば、scFVライブラリ由来)。
例示的な態様では、治療用タンパク質は、二重特異性抗体、三重特異性抗体、分子、又はFc融合タンパク質である。一部の態様では、治療用タンパク質は、第1の標的に結合する単鎖可変断片(scFv)を含み、任意選択的に、この治療用タンパク質は、第2の標的(任意選択的に第1の標的と異なる)に結合する第2のscFVを含む。
一部の態様では、この治療用タンパク質は、組換え治療用タンパク質又はその活性断片である。他の態様では、この治療用タンパク質は、細胞又は生物に対して内在性であり、この細胞又は生物から単離されている。
本開示の態様
本開示の下記の態様は例示的にすぎず、本開示の範囲を限定することは意図されていない。
1.自動化された多波長校正に基づいて未知のタンパク質サンプルのタンパク質濃度を決定するように構成されている、紫外線(UV)ベースの画像化システムであって、多波長の光線を投射するように構成されている光源;多波長の光線を受け取り、多波長の光線に基づいて、UVスペクトルの一連の単一波長の光線を投射するように構成されているモノクロメータ;タンパク質サンプルを受け取るように動作可能なサンプルホルダであって、タンパク質サンプルは、(1)標準タンパク質サンプルのセットから選択される標準タンパク質、又は(2)未知のタンパク質サンプルのセットから選択される未知のタンパク質サンプルのいずれかであり、未知のタンパク質サンプルは、タンパク質濃度が未知であり、サンプルホルダは、一連の単一波長の光線がタンパク質サンプルの少なくとも一部を通過することを可能にするように配置されている、サンプルホルダ;タンパク質サンプルの少なくとも一部を通過する一連の単一波長の光線を検出するように動作可能な検出器;プログラム命令を格納しているメモリ;並びにメモリに通信可能に連結されているプロセッサであって、プロセッサに、標準タンパク質サンプルのセットの各標準タンパク質サンプルに関して検出器により記録された波長データの標準セットを受け取らせるプログラム命令で、波長データの標準セットは、各標準タンパク質サンプルに関して、一連の単一波長の光線から選択される第1の範囲の波長にわたる第1の一連の第1の吸光度対波長値の対を含み、各第1の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含む、受け取らせるプログラム命令、波長データの標準セットの第1の一連の第1の吸光度対波長値の対のそれぞれに基づいて多波長校正モデルを生成させるプログラム命令、未知のタンパク質サンプルのセットの各未知のタンパク質サンプルに関して検出器により記録された波長データの未知のセットを受け取らせるプログラム命令で、波長データの未知のセットは、各未知のタンパク質サンプルに関して、一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長にわたる第2の一連の第2の吸光度対波長値の対を含み、各第2の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含む、受け取らせるプログラム命令、及び多波長校正モデルにより、未知のタンパク質サンプルのセットの各未知のタンパク質サンプルに関して、複数のタンパク質濃度値を決定させるプログラム命令で、複数のタンパク質濃度値の各タンパク質濃度値は、一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長に対応する、決定させるプログラム命令を実行するように構成されているプロセッサを含むUVベースの画像化システム。
2.光源、モノクロメータ、サンプルホルダ、及び検出器は、分光光度計デバイスの一部を構成する、態様1に記載のUVベースの画像化システム。
3.プロセッサは、検出器に通信可能に連結されている、態様1又は2に記載のUVベースの画像化システム。
4.メモリ又はプロセッサは、検出器から離れている、態様1~3のいずれか1つに記載のUVベースの画像化システム。
5.標準タンパク質サンプルのセットは、複数の標準タンパク質サンプルを含み、未知のタンパク質サンプルのセットは、タンパク質濃度が未知である単一のタンパク質サンプルを含む、態様1~4のいずれか1つに記載のUVベースの画像化システム。
6.標準タンパク質サンプルのセットは、1ミリリットル(ml)当たり0.1~220ミリグラム(mg)の範囲のタンパク質標準溶液である、態様1~5のいずれか1つに記載のUVベースの画像化システム。
7.一連の単一波長の光線は、200ナノメートル(nm)~400ナノメートル(nm)のUVスペクトルにおける単一波長の光線を含む、態様1~6のいずれか1つに記載のUVベースの画像化システム。
8.UVスペクトルにおける各単一波長の光線は、1ナノメートル間隔で分離されている、態様7に記載のUVベースの画像化システム。
9.多波長校正モデルを生成することは、一連の単一波長の光線から選択された第1の範囲の波長の各々に関する単一波長校正モデルを生成することを含み、各単一波長校正モデルは、特定の単一波長のUV吸光度に対応する傾き値及びy切片値を含む、態様1~8のいずれか1つに記載のUVベースの画像化システム。
10.多波長校正モデルは、機械学習モデルとして訓練される、態様1~9のいずれか1つに記載のUVベースの画像化システム。
11.標準波長データフィルタをさらに含み、プロセッサは、第1の範囲の波長を選択するために一連の単一波長の光線に対する標準波長データフィルタをプロセッサに実装させるプログラム命令を実行するようにさらに構成されている、態様1~10のいずれか1つに記載のUVベースの画像化システム。
12.プロセッサは、UV吸光度値の第1のフィルタ範囲内のUV吸光度値に基づいて各第1の一連の第1の吸光度対波長値の対を制限するために標準波長データフィルタをプロセッサに実装させるプログラム命令を実行するようにさらに構成されている、態様11に記載のUVベースの画像化システム。
13.未知の波長データフィルタをさらに含み、プロセッサは、第2の範囲の波長を選択するために一連の単一波長の光線に対する未知の波長データフィルタをプロセッサに実装させるプログラム命令を実行するようにさらに構成されている、態様1~12のいずれか1つに記載のUVベースの画像化システム。
14.プロセッサは、UV吸光度値の第2のフィルタ範囲内のUV吸光度値に基づいて各第2の一連の第2の吸光度対波長値の対を制限するために未知の波長データフィルタをプロセッサに実装させるプログラム命令を実行するように構成されている、態様13に記載のUVベースの画像化システム。
15.プロセッサは、複数のタンパク質濃度値に基づいて、強化された予測を生成するようにさらに構成されている、態様1~14のいずれか1つに記載のUVベースの画像化システム。
16.強化された予測を生成することは、第2の範囲の波長に対応する複数のタンパク質濃度値の各タンパク質濃度値を平均化することを含む、態様15に記載のUVベースの画像化システム。
17.多波長校正モデルを使用して、タンパク質関連製品のタンパク質濃度をモニタリングするか又は測定する、態様1~16のいずれか1つに記載のUVベースの画像化システム。
18.タンパク質濃度を、タンパク質関連製品の製造中にモニタリングするか又は測定する、態様17に記載のUVベースの画像化システム。
19.タンパク質関連製品のタンパク質濃度を、タンパク質関連製品の既知の仕様と比較する、態様17又は18に記載のUVベースの画像化システム。
20.タンパク質関連製品は、治療薬である、態様17~19のいずれか1つに記載のUVベースの画像化システム。
21.多波長校正モデルは、各複数のタンパク質濃度値を予測するために、第2の一連の第2の吸光度対波長値の対を入力する、態様17~20のいずれか1つに記載のUVベースの画像化システム。
22.自動化された多波長校正に基づいて未知のタンパク質サンプルのタンパク質濃度を決定するための、紫外線(UV)ベースの画像化方法であって、プロセッサで、標準タンパク質サンプルのセットの各標準タンパク質サンプルに関して検出器により記録された波長データの標準セットを受け取ることであって、波長データの標準セットは、各標準タンパク質サンプルに関して、UVスペクトルの一連の単一波長の光線から選択される第1の範囲の波長にわたる第1の一連の第1の吸光度対波長値の対を含み、各第1の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含む、受け取ること;プロセッサにより、波長データの標準セットの第1の一連の第1の吸光度値対波長値の対のそれぞれに基づいて、多波長校正モデルを生成すること;プロセッサで、未知のタンパク質サンプルのセットの各未知のタンパク質サンプルに関して検出器により記録された波長データの未知のセットを受け取ることであって、波長データの未知のセットは、各未知のタンパク質サンプルに関して、一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長にわたる第2の一連の第2の吸光度対波長値の対を含み、各第2の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含む、受け取ること;及びプロセッサに実装されている多波長校正モデルにより、未知のタンパク質サンプルのセットの各未知のタンパク質サンプルに関して、複数のタンパク質濃度値を決定することであって、複数のタンパク質濃度値の各タンパク質濃度値は、前記一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長に対応する、決定することを含むUVベースの画像化方法。
23.検出器は、分光光度計デバイスの一部を構成する、態様22に記載のUVベースの画像化方法。
24.プロセッサは、検出器に通信可能に連結されている、態様22又は23に記載のUVベースの画像化方法。
25.プロセッサは、検出器から離れている、態様22~24のいずれか1つに記載のUVベースの画像化方法。
26.標準タンパク質サンプルのセットは、複数の標準タンパク質サンプルを含み、未知のタンパク質サンプルのセットは、タンパク質濃度が未知である単一のタンパク質サンプルを含む、態様22~25のいずれか1つに記載のUVベースの画像化方法。
27.標準タンパク質サンプルのセットは、1ミリリットル(ml)当たり0.1~220ミリグラム(mg)の範囲のタンパク質標準溶液である、態様22~26のいずれか1つに記載のUVベースの画像化方法。
28.一連の単一波長の光線は、200ナノメートル(nm)~400ナノメートル(nm)のUVスペクトルにおける単一波長の光線を含む、態様22~27のいずれか1つに記載のUVベースの画像化方法。
29.UVスペクトルにおける各単一波長の光線は、1ナノメートル間隔で分離されている、態様28に記載のUVベースの画像化方法。
30.多波長校正モデルを生成することは、一連の単一波長の光線から選択された第1の範囲の波長の各々に関する単一波長校正モデルを生成することを含み、各単一波長校正モデルは、特定の単一波長のUV吸光度に対応する傾き値及びy切片値を含む、態様22~28のいずれか1つに記載のUVベースの画像化方法。
31.多波長校正モデルは、機械学習モデルとして訓練される、態様22~30のいずれか1つに記載のUVベースの画像化方法。
32.標準波長データフィルタをさらに含み、プロセッサは、第1の範囲の波長を選択するために一連の単一波長の光線に対する標準波長データフィルタをプロセッサに実装させるプログラム命令を実行するようにさらに構成されている、態様22~31のいずれか1つに記載のUVベースの画像化方法。
33.プロセッサは、UV吸光度値の第1のフィルタ範囲内のUV吸光度値に基づいて各第1の一連の第1の吸光度対波長値の対を制限するために標準波長データフィルタをプロセッサに実装させるプログラム命令を実行するようにさらに構成されている、態様32に記載のUVベースの画像化方法。
34.未知の波長データフィルタをさらに含み、プロセッサは、第2の範囲の波長を選択するために一連の単一波長の光線に対する未知の波長データフィルタをプロセッサに実装させるプログラム命令を実行するようにさらに構成されている、態様22~33のいずれか1つに記載のUVベースの画像化方法。
35.プロセッサは、UV吸光度値の第2のフィルタ範囲内のUV吸光度値に基づいて各第2の一連の第2の吸光度対波長値の対を制限するために未知の波長データフィルタをプロセッサに実装させるプログラム命令を実行するように構成されている、態様34に記載のUVベースの画像化方法。
36.プロセッサは、複数のタンパク質濃度値に基づいて、強化された予測を生成するようにさらに構成されている、態様22~35のいずれか1つに記載のUVベースの画像化方法。
37.強化された予測を生成することは、第2の範囲の波長に対応する複数のタンパク質濃度値の各タンパク質濃度値を平均化することを含む、態様36に記載のUVベースの画像化方法。
38.多波長校正モデルを使用して、タンパク質関連製品のタンパク質濃度をモニタリングするか又は測定する、態様22~37のいずれか1つに記載のUVベースの画像化方法。
39.タンパク質濃度を、タンパク質関連製品の製造中にモニタリングするか又は測定する、態様38に記載のUVベースの画像化方法。
40.タンパク質関連製品のタンパク質濃度を、タンパク質関連製品の既知の仕様と比較する、態様38又は39に記載のUVベースの画像化方法。
41.タンパク質関連製品は、治療薬である、態様38~40のいずれか1つに記載のUVベースの画像化方法。
42.多波長校正モデルは、各複数のタンパク質濃度値を予測するために、第2の一連の第2の吸光度対波長値の対を入力する、態様22~41のいずれか1つに記載のUVベースの画像化方法。
43.自動化された多波長校正に基づいて未知のタンパク質サンプルのタンパク質濃度を決定するための命令を格納する有形の非一時的コンピュータ可読媒体であって、命令は、コンピューティングデバイスの1つ又は複数のプロセッサにより実行された場合に、コンピューティングデバイスに、プロセッサで、標準タンパク質サンプルのセットの各標準タンパク質サンプルに関して検出器により記録された波長データの標準セットを受け取らせ、波長データの標準セットは、各標準タンパク質サンプルに関して、UVスペクトルの一連の単一波長の光線から選択される第1の範囲の波長にわたる第1の一連の第1の吸光度対波長値の対を含み、各第1の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含み;プロセッサにより、波長データの標準セットの第1の一連の第1の吸光度対波長値の対のそれぞれに基づいて多波長校正モデルを生成させ;プロセッサで、未知のタンパク質サンプルのセットの各未知のタンパク質サンプルに関して検出器により記録された波長データの未知のセットを受け取らせ、波長データの未知のセットは、各未知のタンパク質サンプルに関して、一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長にわたる第2の一連の第2の吸光度対波長値の対を含み、各第2の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含み;及びプロセッサに実装された多波長校正モデルにより、未知のタンパク質サンプルのセットの各未知のタンパク質サンプルに関して、複数のタンパク質濃度値を決定させ、複数のタンパク質濃度値の各タンパク質濃度値は、一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長に対応する、有形の非一時的コンピュータ可読媒体。
44.自動化された多波長校正に基づいて未知のタンパク質サンプルのタンパク質濃度を決定するための画像化装置であって、標準タンパク質サンプルのセットの各標準タンパク質サンプルに関する波長データの標準セットを受け取るための手段であって、波長データの標準セットは、各標準タンパク質サンプルに関して、UVスペクトルの一連の単一波長の光線から選択される第1の範囲の波長にわたる第1の一連の第1の吸光度対波長値の対を含み、各第1の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含む、受け取るための手段;波長データの標準セットの第1の一連の第1の吸光度対波長値の対のそれぞれに基づいて多波長校正モデルを生成するための手段;未知のタンパク質サンプルのセットの各未知のタンパク質サンプルに関する波長データの未知のセットを受け取るための手段であって、波長データの未知のセットは、各未知のタンパク質サンプルに関して、一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長にわたる第2の一連の第2の吸光度対波長値の対を含み、各第2の吸光度対波長値の対は、UV吸光度値と波長値とを含む、受け取るための手段;及び多波長校正モデルにより、未知のタンパク質サンプルのセットの各未知のタンパク質サンプルに関して、複数のタンパク質濃度値を決定するための手段であって、複数のタンパク質濃度値の各タンパク質濃度値は、一連の単一波長の光線から選択される第2の範囲の波長に対応する、決定するための手段を含む画像化装置。
45.未知のタンパク質サンプルのセットの少なくとも1つの未知のタンパク質サンプルは、タンパク質治療薬を含む、態様22~41のいずれか1つに記載のUVベースの画像化方法。
46.タンパク質治療薬は、抗体、抗原結合抗体断片、抗体タンパク質生成物、二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))分子、二重特異性抗体、三重特異性抗体、Fc融合タンパク質、組換えタンパク質、及び組換えタンパク質の活性断片からなる群から選択される、態様45に記載のUVベースの画像化方法。
追加の考慮すべき事項
本明細書の開示は、多数の異なる実施形態の詳細な説明を示しているが、この説明の法的範囲は、本特許の末尾に示される特許請求の範囲の文言及びその均等物により定義されることを理解すべきである。この詳細な説明は、例示にすぎないと解釈されるべきであり、全ての可能な施形態を説明することは非現実的であろうことから、全ての可能な実施形態を説明しているわけではない。現在の技術又は本特許の出願日以降に開発される技術のいずれかを使用して、様々な代替的実施形態を実施し得、これらも依然として本特許請求の範囲に含まれる。
下記の追加の考慮すべき事項は、上述の説明にも当てはまる。本明細書全体を通じて、複数のインスタンスが、単一のインスタンスとして説明されている構成要素、動作、又は構造を実装し得る。1つ又は複数の方法の個々の動作が別の動作として図示されており且つ説明されているが、個々の動作の内の1つ又は複数を同時に実施し得、動作を図示された順序で実施することは要求されていない。例示的な構成の中で別々の構成要素として提示されている構造及び機能を、組合せの構造又は構成要素として実装し得る。同様に、単一の構成要素として提示された構造及び機能は、別の構成要素として実装され得る。これら及び他の変更、改良、追加、及び改善は、本明細書の主旨の範囲に含まれる。
加えて、ある特定の実施形態は、本明細書の中で、ロジック又は複数のルーチン、サブルーチン、アプリケーション、又は命令を含むと説明されている。これらは、ソフトウェア(例えば、機械可読媒体上、若しくは伝送信号の中に埋め込まれたコード)又はハードウェアのいずれかを構成し得る。ハードウェアの中で、ルーチン等は、ある特定の動作を実行し得る有形ユニットであり、ある特定の方法で構成され得るか、又は配置され得る。例示的な実施形態では、1つ若しくは複数のコンピュータシステム(例えば、スタンドアロン、クライアント、又はサーバコンピュータシステム)又はあるコンピュータシステムの1つ若しくは複数のハードウェアモジュール(例えば、プロセッサ若しくはプロセッサ群)は、本明細書で説明されているある特定の動作を実施するように動作するハードウェアモジュールとして、ソフトウェア(例えば、アプリーケン又はアプリケーション部分)により構成され得る。
様々な実施形態では、ハードウェアモジュールは、機械的に又は電子的に実装され得る。例えば、ハードウェアモジュールは、ある特定の動作を実施するように恒久的に構成されている専用の回路又はロジック(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は特定用途向け集積回路(ASIC)等の特別な目的用のプロセッサ)を含み得る。ハードウェアモジュールはまた、ある特定の動作を実施するためにソフトウェアにより一時的に構成されているプログラム可能なロジック又は回路(例えば、汎用プロセッサ又は他のプログラム可能なプロセッサ内に含まれているプログラム可能なロジック又は回路)も含み得る。ハードウェアモジュールを機械的に実装するか、専用の恒久的に構成されている回路に実装するか、又は一時期的に構成されている回路(例えば、ソフトウェアにより構成されている回路)に実装するかの決定を、費用及び時間を考慮して行ない得ることが理解されるだろう。
従って、「ハードウェアモジュール」という用語は、ある特定の方法で動作するために又は本明細書で説明されているある特定の動作を実施するために、物理的に構成されている有形の実体、恒久的に構成されている有形の実体(例えばハードワイヤード)、又は一時的に構成されている(例えばプログラムされている)有形の実体を包含すると理解すべきである。ハードウェアモジュールが一時的に構成されている(例えばプログラムされている)実施形態を考慮すると、ハードウェアモジュールのそれぞれは、任意のある時点で構成されているか又はインスタンス化されている必要はない。例えば、ハードウェアモジュールが、ソフトウェアを使用して構成されている汎用プロセッサを含む場合には、この汎用プロセッサは、異なる時間でそれぞれ異なるハードウェアモジュールとして構成され得る。従って、ソフトウェアは、例えば、ある時点で特定のハードウェアモジュールを構成し且つ異なる時点で異なるハードウェアモジュールを構成するようにプロセッサを構成し得る。
ハードウェアモジュールは、他のハードウェアモジュールに情報を提供し得、且つ他のハードウェアモジュールから情報を受け取り得る。従って、説明されているハードウェアモジュールは、通信可能に連結されていると見なされ得る。複数のそのようなハードウェアモジュールが同時に存在する場合には、通信を、これらのハードウェアモジュールを(例えば、適切な回路及びバスを通じて)接続する信号伝送により達成し得る。複数のハードウェアモジュールが様々な時間で構成されているか又はインスタンス化されている実施形態では、そのようなハードウェアモジュール間の通信を、例えば、これら複数のハードウェアモジュールがアクセスルするメモリ構造中の情報の格納及び検索により達成し得る。例えば、あるハードウェアモジュールは、ある動作を実施し得、且つこの動作の出力を、通信可能に連結されているメモリデバイスに格納し得る。次いで、さらなるハードウェアモジュールは、その後、格納された出力を検索して処理するために、このメモリデバイスにアクセスし得る。ハードウェアモジュールはまた、入力デバイス又は出力デバイスとの通信も開始し得、且つリソース(例えば情報の収集物)に対して動作し得る。
本明細書で説明されている例示的な方法の各種の動作を、少なくとも部分的に、関係する動作を実施するように(例えばソフトウェアにより)一時的に構成されているか又は恒久的に構成されている1つ又は複数のプロセッサにより実施し得る。一時的に構成されているか恒久的に構成されているかにかかわらず、そのようなプロセッサは、1つ又は複数の動作又は機能を実施するように動作するプロセッサ実装モジュールを構成し得る。本明細書で言及されるモジュールは、一部の例示的な実施形態では、プロセッサ実装モジュールを含み得る。
同様に、本明細書で説明されている方法又はルーチンは、少なくとも部分的にプロセッサに実装され得る。例えば、ある方法の動作の内の少なくともいくつかを、1つ又は複数のプロセッサ又はプロセッサ実装ハードウェアモジュールにより実施し得る。ある特定の動作の実施を、単一の機械内に存在するだけでなく複数の機械にわたり展開されている1つ又は複数のプロセッサに分散し得る。一部の例示的な実施形態では、1つ又は複数のプロセッサを、1か所に配置し得るが、他の実施形態では、プロセッサを複数の場所に分散し得る。
ある特定の動作の実施を、単一の機械内に存在するだけでなく複数の機械にわたり展開されている1つ又は複数のプロセッサに分散し得る。一部の例示的な実施形態では、1つ又は複数のプロセッサ又はプロセッサ実装モジュールを、1か所の地理的場所(例えば、家庭環境内、オフィス環境内、又はサーバファーム内)に配置し得る。他の実施形態では、1つ又は複数のプロセッサ又はプロセッサ実装モジュールを、複数の地理的場所に分散させ得る。
この詳細な説明は、例示にすぎないと解釈されるべきであり、全ての可能な施形態を説明することは、不可能ではないとしても非現実的であろうことから、全ての可能な実施形態を説明しているわけではない。当業者は、現在の技術又は本出願の出願日以降に開発される技術のいずれかを使用して、多数の代替的実施形態を実行し得る。
当業者は、上述の実施形態に関して、本発明の範囲から逸脱することなく、多種多様な改良、変更、及び組合せを行い得ること、並びにそのような改良、変更、及び組合せは、本発明の概念の範囲に含まれるとみなされるべきであることを認識するだろう。
本特許出願の最後にある特許請求の範囲は、この特許請求の範囲内に明確に列挙されている「~ための手段(means for)」又は「~ための工程(step for)」という文言等の従来のミーンズプラスファンクションの文言が明確に列挙されていない限り、米国特許法第112条(f)の下で解釈されることは意図されていない。本明細書中で説明されているシステム及び方法は、コンピュータの機能性の改善、及び従来のコンピュータの機能を改善させることを対象とする。