JP2022543565A - ヘッドスペースリサイクリングによるオリゴマー化方法 - Google Patents

ヘッドスペースリサイクリングによるオリゴマー化方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、ガス状ヘッドスペースのリサイクルループを含んでいる気/液反応器において行われるオリゴマー化方法に関する。特に、本方法は、エチレンの線状アルファーオレフィン、例えば、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンまたは線状アルファ-オレフィンの混合物へのオリゴマー化に関する。

Description

本発明は、ヘッドスペースリサイクルループを含んでいる気/液反応器において実施されるオリゴマー化方法に関する。本方法は、より詳細には、エチレンの線状のアルファ-オレフィン、例えば、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンまたは線状のアルファ-オレフィンの混合物へのオリゴマー化に関する。
本発明は、気泡塔とも呼ばれる、気/液反応器を採用するオリゴマー化方法の分野に関する。オリゴマー化反応の発熱的な性質のため、気泡塔も同様に再流通ループを含み、それによって液体フラクションが抜き出され、冷却され、反応チャンバに再導入される。前記再流通ループにより、再流通ループに付随する高い熱伝達能力のために、反応体積全体にわたって濃度の高い均一性および温度の制御が可能となる。
このタイプの塔を使用するときにオリゴマー化方法において遭遇する1つの不利益は、ヘッドスペースとしても知られる気相の管理である。その理由は、前記ヘッドスペースが、液相中に低溶解性のガス状の成分、液体に部分的に溶解性ではあるが不活性な化合物、および前記液体に溶解しないガス状のエチレンを含んでいることにある。液相から気相(またはヘッドスペース)の方へのガス状のエチレンの通過は、ブレイクスルーと呼ばれる現象である。ヘッドスペースは、前記ガス状の化合物を除去するためにパージされる。ヘッドスペース中に存在するガス状のエチレンの量が相当ある場合、ヘッドスペースをパージすることはエチレンの著しい損失をもたらし、それは生産性およびオリゴマー化方法のコストに有害である。
したがって、生産性およびコストの点でオリゴマー化方法の効率を改善するために、所望の線状のアルファ-オレフィンに対する高い選択性を保持しながら、ヘッドスペース中に含有される未反応エチレンの損失を制限して、前記方法におけるその転化を改善することは重要である。
再流通ループを採用する従来技術の方法は、図1に示されているように、ガス状のエチレンの損失を制限することを可能にせず、ヘッドスペースをパージすることは、反応器からのガス状のエチレンの出口をもたらし、これは、方法の収率およびコストにとって有害である。
特許出願(特許文献1および2)において、出願人は、分散手段または渦によって、液体フラクションの上部とヘッドスペースとの間の接触表面積の増加を可能にして、ヘッドスペース中に含有されるエチレンの液/気界面への通過を促進する方法を記載している。しかしながら、これらの方法は、高レベルのブレイクスルーのためにヘッドスペース中のエチレン量が相当な場合には不十分である。
さらに、研究の過程で、本出願人は、ガス状のエチレンの一定の注入速度で作動する反応器において、溶解したエチレンの量、したがって、ブレイクスルーのレベルは、本方法を実施する反応器の寸法、とりわけ液相の高さに依存することを発見した。実際に、高さがより低いほど、ガス状のエチレンが溶解のために液相に達する時間がより短くなり、ブレイクスルーのレベルがより高くなる。
本出願人は、驚くべきことに、ヘッドスペースを液相の下部にリサイクルする工程を採用する新しい方法であって、結果としてエチレンを失うということなく、採用された反応器の寸法に拘わらず、本方法に導入されたガス状のエチレンの溶解の最適化、および反応器内の圧力のレギュレーションが可能となる、方法を見出した。より詳細には、本方法により、線状のアルファ-オレフィン、例えば、1-ブテン、1-ヘキセンおよび1-オクテンの選択的生成が可能となる。
本発明によるリサイクル工程の別の利点は、反応器の寸法にかかわらず、オリゴマー化の方法においてガス状のエチレンのヘッドスペースへのブレイクスルーの現象の簡単でかつ経済的な埋め合わせを可能にすることにある。
国際公開第2019/011806号 国際公開第2019/011609号
(発明の簡単な説明)
本発明は、気/液反応器において0.1~10.0MPaの圧力、30~200℃の温度で実施されるオリゴマー化方法であって、以下の工程:
a) 金属触媒と活性剤とを含んでいるオリゴマー化触媒系を、下部帯域における液相と、上部帯域における気相とを含んでいる反応チャンバに導入する工程、
b) 前記エチレンを反応チャンバの下部帯域に導入することにより前記触媒系をガス状のエチレンと接触させる工程、
c) 液体フラクションを抜き出す工程、
d) 工程c)において抜き出されたフラクションを熱交換器に通すことによって前記フラクションを冷却する工程、
e) 工程d)において冷却されたフラクションを反応チャンバの下部帯域の上部に導入する工程、
f) 反応チャンバの上部帯域から抜き出されかつ反応チャンバの下部に導入されるガスフラクションを液体フラクションにリサイクルする工程
を含む、方法に関する。
好ましくは、反応チャンバの下部帯域における液相は、溶解済みエチレン中の飽和度70.0%超を有する。
好ましくは、工程f)において抜き出された気相は、工程b)において導入されたガス状のエチレンとの混合物として導入される。
好ましくは、工程f)におけるガス状フラクション抜き出し率は、工程b)において導入されたガス状エチレンの流量の0.1~100%である。
好ましくは、工程f)において抜き出されたガス状フラクションは、反応チャンバの側方下部に導入される。
好ましくは、工程f)におけるガス状フラクションの抜き出し率は、反応チャンバ内の圧力に依存する。
好ましくは、第2のガス状パージ流は、気相から抜き出される。
好ましくは、第2のガス流の流量は、工程b)において導入されたエチレンの流量の0.005~1.00%である。
好ましくは、ガス状の水素の流れは、工程b)において、反応チャンバに、入来エチレンの流量の0.2~1.0質量%を示す流量で導入される。
好ましくは、触媒系における触媒の濃度は、反応質量に相対する原子金属の質量で0.1~50.0ppmである。
好ましくは、触媒オリゴマー化反応は、連続的に実施される。
好ましくは、得られた線状オレフィンは、4~20個の炭素原子を含む。
本発明は、上述のエチレンオリゴマー化方法を実施するためのデバイスであって、
- 垂直軸に沿う長尺形状の反応チャンバi)であって、
下部帯域に配置され、反応生成物、ガス状かつ溶解したエチレン、触媒系および場合による溶媒を含んでおり、好ましくは、これらからなる液相、および
下部帯域より上方の上部帯域に配置され、ガス状エチレンおよびまた非凝縮性のガス(とりわけメタン)を含んでいる気相
を含んでいる、手段、
- ガス状のエチレンを導入するための手段ii)であって、前記反応チャンバの側方下部に配置され、反応チャンバの前記液相内にガス状エチレンを分配するための手段を採用する、手段、
- 触媒系を導入するための手段iii)であって、該触媒系は、1種の金属触媒と、少なくとも1種の活性化物質と、少なくとも1種の添加物質とを含んでおり、該手段は、反応チャンバの下部に配置される、手段、
- 液体フラクションを前記液の冷却を可能にする熱交換器の方へ抜き出すための反応チャンバの基部のところ(好ましくは底部のところ)の抜き出し手段と、前記冷却済み液体を導入するための手段とを含んでいる再流通ループiv)であって、反応チャンバの下部帯域の上部における液相への前記導入が行われる、手段、
- 液相の下部帯域へのヘッドスペースのためのリサイクルループv)であって、反応チャンバの気相のところのガス状のフラクションを抜き出すための手段と、前記抜き出し済みのガス状のフラクションを反応チャンバの下部帯域における液相に導入するための手段とを含んでいる、リサイクルループ
を含むデバイスにも関する。
好ましくは、前記デバイスにおいて、抜き出されたガス状のフラクションは、ガス状のエチレンを導入するための手段ii)によって導入される。
好ましくは、前記デバイスにおいて、リサイクルループv)において抜き出されたガス状のフラクションは、気体整流板経由で導入される。
(定義および略語)
本説明を通して、下記の用語または略語は、以下の意味を有している:
オリゴマー化は、第1のオレフィンの第2のオレフィンとの付加反応を意味するように理解される。第2のオレフィンは、第1のオレフィンと同一であるかまたは異なっている。このようにして得られたオレフィンは、実験式C2nを有し、ここでnは4以上である。
アルファ-オレフィンは、二重結合がアルキル鎖の末端位置に位置するオレフィンを意味するように理解される。
触媒系は、場合による少なくとも1種の添加物質の存在中および場合による少なくとも1種の溶媒の存在中の、少なくとも1種の金属触媒および少なくとも1種の活性化物質の混合物を意味するように理解される。
液相は、反応チャンバの温度および圧力の条件下に液体状の物理的状態にある化合物の全ての混合物を意味するように理解される。
気相は、ヘッドスペースとも呼ばれ、これは、反応チャンバの温度および圧力の条件下でガス状の物理的状態にある化合物の全ての混合物を意味するように理解される:液体中に存在する気泡の形態、およびまた反応器の頂部(反応器のヘッドスペース)に存在する気泡の形態。
反応チャンバの下部帯域は、液相、ガス状エチレン、反応の生成物、例えば、所望の線状アルファ-オレフィン(すなわち、ブタ-1-エン、ヘキサ-1-エン、オクト-1-エン)、および触媒系を含むチャンバの部分を意味するように理解される。
反応チャンバの上部帯域は、チャンバの頂点、換言すると、下部帯域の真上に置かれかつヘッドスペースからなるチャンバの部分を意味するように理解される。
反応チャンバの側方下部は、底部中および側部上に置かれる反応器のシェルの一部を意味するように理解される。
非凝縮性のガスは、反応チャンバの温度および圧力の条件で液体中に部分的にのみ溶解し、所定の条件下に反応器のヘッドスペース中に蓄積することができるガス状の物理的形態にある物体(例えば、エタン)を意味するように理解される。
t/hによって理解されるのは、トン/時で表される速度の値であり、kg/sによって理解されるのは、キログラム/秒で表される流量の値である。
用語「反応器」または「デバイス」は、本発明によるオリゴマー化方法の実施を可能にする手段の全て、例えば特に反応チャンバおよび再流通ループを意味する。
下部は、好ましくは、反応チャンバの下方の四半分を意味する。
フレッシュなガス状エチレンは、工程b)において本発明による方法の手段ii)を介して導入される方法に対して外部にあるエチレンを意味するように理解される。
(発明の詳細な説明)
本明細書を通して、表現「・・・と・・・との間;・・・~・・・(between … and …)」は、言及される制限を包含するものとして理解されるべきであることが明示される。
本発明の意味内で、提示される種々の実施形態は、単独でまたは互いの組み合わせで何等の制限なく用いられ得る。
本発明は、気/液反応器において0.1~10.0MPaの圧力、30~200℃の温度で実施されるオリゴマー化方法であって、以下の工程:
a) 金属触媒と活性剤とを含んでいるオリゴマー化触媒系を、下部帯域における液相と、上部帯域における気相とを含んでいる反応チャンバに導入する工程、
b) 前記エチレンを反応チャンバの下部帯域に導入することにより前記触媒系をガス状のエチレンと接触させる工程、
c) 液体フラクションを抜き出す工程、
d) 工程c)において抜き出されたフラクションを熱交換器に通すことによって前記フラクションを冷却する工程、
e) 工程d)において冷却されたフラクションを反応チャンバの下部帯域の上部に導入する工程、
f) 反応チャンバの上部帯域から抜き出されかつ反応チャンバの下部に導入されるガス状フラクションを液体フラクションにリサイクルする工程
を含む、方法に関する。
好ましくは、気/液反応器において、工程b)において導入されるガス状エチレンの流量は、反応チャンバ中の圧力に依存する。したがって、反応器中の圧力における増大の場合には、気相へのエチレンによるブレイクスルーの高いレベルのために、工程b)において導入されるガス状エチレンの流量は落ち、液相中に溶解するエチレンの量、それ故にエチレン飽和における減少につながる。この減少はエチレンの転化に有害であり、反応器の生産性の低下、およびおそらくその選択性の低下を伴う。
本発明による方法は、有利には、液相中に溶解したエチレンの飽和度70.0%以上、好ましくは70.0~100%、好ましくは80.0~100%、優先的には80.0~99.0%、好ましくは85.0~99.0%、よりなおさら好ましくは90.0~98.0%を有する。
溶解エチレンの飽和度は、当業者に知られているあらゆる方法、例えば、反応チャンバから抜き出された液相のフラクションのガスクロマトグラフィー(一般にGCと呼ばれる)分析によって測定されてよい。
本発明によるリサイクル工程の別の利点は、反応器の寸法にかかわらず、オリゴマー化方法におけるガス状エチレンのヘッドスペースへのブレイクスルーの現象に対する簡単でかつ経済的な埋め合わせをそれが可能にすることにある。
(オリゴマー化方法)
本発明によるオリゴマー化方法により、エチレンおよび触媒系を、場合により溶媒の存在中で接触させることによって、線状アルファ-オレフィン類を得ることが可能となる。
当業者に知られており、かつ、本発明によるダイマー化、トリマー化またはテトラマー化の方法、より一般的にはオリゴマー化の方法において採用され得るあらゆる触媒系は、本発明の分野内に入る。前記触媒系およびまたその実施は、特に、特許出願FR 2 984 311、FR 2 552 079、FR 3 019 064、FR 3 023 183、FR 3 042 989に、または他に出願FR 3 045 414に記載されている。
好ましくは、触媒系は、以下のものを含み、好ましくは、それらからなる:
- 金属前駆体、好ましくはニッケル、チタンまたはクロムをベースとするもの、
- 活性化剤、
- 場合による、添加物質、および
- 場合による、溶媒。
(金属前駆体)
触媒系において用いられる金属前駆体は、ニッケル、チタンまたはクロムをベースとする化合物から選ばれる。
1種の実施形態において、金属前駆体は、ニッケルをベースとし、好ましくは、(+II)の酸化状態を有するニッケルを含む。好ましくは、ニッケル前駆体は、ニッケル(II)カルボキシラート、例えば、ニッケル(II)2-エチルヘキサナート、ニッケル(II)フェナート、ニッケル(II)ナフテナート、ニッケル(II)アセタート、ニッケル(II)トリフルオロアセタート、ニッケル(II)トリフラート、ニッケル(II)アセチルアセトナート、ニッケル(II)ヘキサフルオロアセチルアセトナート、π-アリルニッケル(II)クロリド、π-アリルニッケル(II)ブロミド、メタアリルニッケル(II)クロリドダイマー、η-アリルニッケル(II)ヘキサフルオロホスファート、η-メタアリルニッケル(II)ヘキサフルオロホスファートおよびニッケル(II)1,5-シクロオクタジエニルから、それらの水和または非水和の形態で選ばれ、単独でまたは混合物として利用される。
第2の実施形態において、金属前駆体は、チタンをベースとし、好ましくはチタンのアリールオキシまたはアルコキシの化合物を含む。
チタンアルコキシ化合物は、有利には、一般式[Ti(OR)]に対応し、ここで、Rは、直鎖または分枝のアルキル基である。好適なアルコキシ基の中で、非限定的な例として、テトラエトキシ、テトライソプロポキシ、テトラ(n-ブトキシ)およびテトラ(2-エチルヘキシルオキシ)の言及がなされてよい。
チタンアリールオキシ化合物は、有利には、一般式[Ti(OR’)]に対応し、ここで、R’は、アルキルまたはアリールの基による置換または無置換のアリール基である。R’基は、ヘテロ原子ベースの置換基を含むことができる。好ましいアリールオキシ基は、フェノキシ、2-メチルフェノキシ、2,6-ジメチルフェノキシ、2,4,6-トリメチルフェノキシ、4-メチルフェノキシ、2-フェニルフェノキシ、2,6-ジフェニルフェノキシ、2,4,6-トリフェニルフェノキシ、4-フェニルフェノキシ、2-(tert-ブチル)-6-フェニルフェノキシ、2,4-ジ(tert-ブチル)フェノキシ、2,6-ジイソプロピルフェノキシ、2,6-ジ(tert-ブチル)フェノキシ、4-メチル-2,6-ジ(tert-ブチル)フェノキシ、2,6-ジクロロ-4-(tert-ブチル)フェノキシおよび2,6-ジブロモ-4-(tert-ブチル)フェノキシ、ビフェニル基、ビナフトキシまたは1,8-ナフタレンジオキシから選ばれる。
第3の実施形態によれば、金属前駆体は、クロムをベースとし、好ましくは、クロム(II)塩、クロム(III)塩または異なる酸化状態を有する塩であって、1つ以上の同一または異なるアニオン、例えば、ハリド、カルボキシラート、アセチルアセトナートまたはアルコキシまたはアリールオキシのアニオンを含むことができるものを含む。好ましくは、クロムベースの前駆体は、CrCl、CrCl(テトラヒドロフラン)、Cr(アセチルアセトナート)、Cr(ナフテナート)、Cr(2-エチルヘキサノアート)またはCr(アセタート)から選ばれる。
ニッケル、チタンまたはクロムの濃度は、反応質量に対して、原子金属の重量で0.01~300.0ppm、好ましくは0.02~100.0ppm、優先的には0.03~50.0ppm、より優先的には0.5~20.0ppm、よりなおさら優先的には、反応質量に対して、原子金属の重量で2.0~50.0ppmである。
(活性化剤)
金属前駆体が何であれ、触媒系は、アルミニウムベースの化合物、例えば、メチルアルミニウムジクロリド(MeAl)、ジクロロエチルアルミニウム(EtAl)、エチルアルミニウムセスキクロリド(EtAlCl)、クロロジエチルアルミニウム(EtAlCl)、クロロジイソブチルアルミニウム(i-BuAlCl)、トリエチルアルミニウム(AlEt)、トリプロピルアルミニウム(Al(n-Pr))、トリイソブチルアルミニウム(Al(i-Bu))、ジエチルエトキシアルミニウム(EtAlOEt)、メチルアルミノキサン(MAO)、エチルアルミノキサンおよび改変されたメチルアルミノキサン(MMAO)から選ばれる1種または複数種の活性剤をさらに含む。
(添加物質)
場合によっては、触媒系は、1種または複数種の添加物質を含む。
触媒系がニッケルをベースとする場合、添加物質は、以下から選ばれる:
- 窒素性タイプの化合物、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピロール、2,5-ジメチルピロール、ピリジン、2-メチルピリジン、3-メチルピリジン、4-メチルピリジン、2-メトキシピリジン、3-メトキシピリジン、4-メトキシピリジン、2-フルオロピリジン、3-フルオロピリジン、3-トリフルオロメチルピリジン、2-フェニルピリジン、3-フェニルピリジン、2-ベンジルピリジン、3,5-ジメチルピリジン、2,6-ジ(tert-ブチル)ピリジンおよび2,6-ジフェニルピリジン、キノリン、1,10-フェナントロリン、N-メチルピロール、N-ブチルピロール、N-メチルイミダゾール、N-ブチルイミダゾール、2,2’-ビピリジン、N,N’-ジメチルエタン-1,2-ジイミン、N,N’-ジ(t-ブチル)エタン-1,2-ジイミン、N,N’-ジ(t-ブチル)ブタン-2,3-ジイミン、N,N’-ジフェニルエタン-1,2-ジイミン、N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)エタン-1,2-ジイミン、N,N’-ジフェニルブタン-2,3-ジイミン、N,N’-ビス(2,6-ジメチルフェニル)ブタン-2,3-ジイミンまたはN,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)ブタン-2,3-ジイミン、または
- 以下から独立して選ばれるホスフィンタイプの化合物:トリブチルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(o-トリル)ホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、トリオクチルホスフィンオキシド、トリフェニルホスフィンオキシドまたはトリフェニルホスフィト、
- 一般式(I)に対応する化合物または前記化合物の互変異生体の一つ:
Figure 2022543565000002
式中:
- AおよびA’は、同一または異なってそれぞれ、酸素またはリン原子と炭素原子との間の単結合である;
- R1aおよびR1b基は、独立して、以下から選ばれる:メチル、トリフルオロメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、シクロヘキシルまたはアダマンチル基(これらは、置換型または無置換型であり、ヘテロ元素を含有するかまたは含有しない);フェニル、o-トリル、m-トリル、p-トリル、メシチル、3,5-ジメチルフェニル、4-(n-ブチル)フェニル、2-メチルフェニル、4-メトキシフェニル、2-メトキシフェニル、3-メトキシフェニル、4-メトキシフェニル、2-イソプロポキシフェニル、4-メトキシ-3,5-ジメチルフェニル、3,5-ジ(tert-ブチル)-4-メトキシフェニル、4-クロロフェニル、3,5-ジ(トリフルオロメチル)フェニル、ベンジル、ナフチル、ビスナフチル、ピリジル、ビスフェニル、フラニルまたはチオフェニル基、
- Rは、独立して、以下から選ばれる:メチル、トリフルオロメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、シクロヘキシルまたはアダマンチル基(これらは、置換型または無置換型であり、ヘテロ元素を含有しているかまたは含有していない);フェニル、o-トリル、m-トリル、p-トリル、メシチル、3,5-ジメチルフェニル、4-(n-ブチル)フェニル、4-メトキシフェニル、2-メトキシフェニル、3-メトキシフェニル、4-メトキシフェニル、2-イソプロポキシフェニル、4-メトキシ-3,5-ジメチルフェニル、3,5-ジ(tert-ブチル)-4-メトキシフェニル、4-クロロフェニル、3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル、ベンジル、ナフチル、ビスナフチル、ピリジル、ビスフェニル、フラニルまたはチオフェニルの基。
触媒系がチタンをベースとする場合、添加物質は、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジフェニルエーテル、2-メトキシ-2-メチルプロパン、2-メトキシ-2-メチルブタン、2,2-ジメトキシプロパン、2,2-ジ(2-エチルヘキシルオキシ)プロパン、2,5-ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、2-メトキシテトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、3-メチルテロラヒドロフラン、2,3-ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、1,3-ジオキソラン、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン、ジ(2-メトキシエチル)エーテル、ベンゾフラン、グライムおよびジグライムから選ばれ、これらは、単独でまたは混合物として利用される。
触媒系がクロムをベースとする場合、添加物質は、以下から選ばれる:
- 窒素性タイプの化合物、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピロール、2,5-ジメチルピロール、ピリジン、2-メチルピリジン、3-メチルピリジン、4-メチルピリジン、2-メトキシピリジン、3-メトキシピリジン、4-メトキシピリジン、2-フルオロピリジン、3-フルオロピリジン、3-トリフルオロメチルピリジン、2-フェニルピリジン、3-フェニルピリジン、2-ベンジルピリジン、3,5-ジメチルピリジン、2,6-ジ(tert-ブチル)ピリジンおよび2,6-ジフェニルピリジン、キノリン、1,10-フェナントロリン、N-メチルピロール、N-ブチルピロール、N-メチルイミダゾール、N-ブチルイミダゾール、2,2’-ビピリジン、N,N’-ジメチルエタン-1,2-ジイミン、N,N’-ジ(t-ブチル)エタン-1,2-ジイミン、N,N’-ジ(t-ブチル)ブタン-2,3-ジイミン、N,N’-ジフェニルエタン-1,2-ジイミン、N,N’-ビス(2,6-ジメチルフェニル)エタン-1,2-ジイミン、N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)エタン-1,2-ジイミン、N,N’-ジフェニルブタン-2,3-ジイミン、N,N’-ビス(2,6-ジメチルフェニル)ブタン-2,3-ジイミンまたはN,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)ブタン-2,3-ジイミン、または
- 一般式[M(RO)2-nのアリールオキシ化合物、式中:
・ Mは、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよびバリウム、好ましくはマグネシウムから選ばれる、
・ Rは、6~30個の炭素原子を含有しているアリール基であり、Xは、ハロゲンまたは1~20個の炭素原子を含有しているアルキル基である、
・ nは、0または1の値をとることができる整数である、
・ yは1~10の整数である;好ましくは、yは、1、2、3または4に等しい。
好ましくは、アリールオキシ基ROは、4-フェニルフェノキシ、2-フェニルフェノキシ、2,6-ジフェニルフェノキシ、2,4,6-トリフェニルフェノキシ、2,3,5,6-テトラフェニルフェノキシ、2-(tert-ブチル)-6-フェニルフェノキシ、2,4-ジ(tert-ブチル)-6-フェニルフェノキシ、2,6-ジイソプロピルフェノキシ、2,6-ジメチルフェノキシ、2,6-ジ(tert-ブチル)フェノキシ、4-メチル-2,6-ジ(tert-ブチル)フェノキシ、2,6-ジクロロ-4-(tert-ブチル)フェノキシおよび2,6-ジブロモ-4-(tert-ブチル)フェノキシから選ばれる。2つのアリールオキシ基が、一つの同じ分子によって所持され得、例えば、ビフェノキシ基、ビナフトキシまたは1,8-ナフタレンジオキシである。好ましくは、アリールオキシ基ROは、2,6-ジフェニルフェノキシ、2-(tert-ブチル)-6-フェニルフェノキシまたは2,4-ジ(tert-ブチル)-6-フェニルフェノキシである。
(溶媒)
本発明による別の実施形態において、触媒系は、場合によっては、1種または複数種の溶媒を含む。
溶媒は、脂肪族および脂環式の炭化水素、例えばヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ブタンまたはイソブタンによって形成される群から選ばれる。
好ましくは、用いられる溶媒は、シクロヘキサンである。
1種の実施形態において、溶媒または溶媒の混合物が、オリゴマー化反応の間に用いられてよい。前記溶媒は、有利には、脂肪族および脂環式の炭化水素、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ブタンまたはイソブタンによって形成される群から独立して選ばれる。
好ましくは、得られる線状アルファ-オレフィンは、4~20個の炭素原子、好ましくは4~18個の炭素原子、好ましくは4~10個の炭素原子、好ましくは4~8個の炭素原子を含む。好ましくは、オレフィンは、ブタ-1-エン、ヘキサ-1-エンまたはオクタ-1-エンから選ばれる線状アルファ-オレフィンである。
有利には、オリゴマー化方法は、0.1~10.0MPa、好ましくは0.2~9.0MPa、優先的には0.3~8.0MPaの圧力、30~200℃、好ましくは35~150℃、優先的には45~140℃の温度で実施される。
触媒系中の触媒の濃度は、反応質量に相対する原子金属の質量で好ましくは0.1~50.0ppm、反応質量に相対する原子金属の質量で好ましくは0.4~30.0ppm、反応質量に相対する原子金属の質量で好ましくは0.6~20.0ppm、反応質量に相対する原子金属の質量で好ましくは0.8~10.0ppm、反応質量に相対する原子金属の質量で好ましくは1.0~6.0ppmである。
1種の実施形態によると、オリゴマー化方法は、バッチ式で実施される。上記のように構成された触媒系は、通常の撹拌、加熱および冷却のデバイスを備えた反応器に導入され、次いで、エチレンによる加圧が所望の圧力まで行われ、温度は、所望の値に調節される。オリゴマー化デバイスは、生じた液体の全容積が、例えば、予め導入された触媒溶液の容積の2~50倍になるまで、ガス状エチレンを導入することによって一定の圧力に維持される。次いで、触媒は、当業者に知られているあらゆる通常の手段によって破壊され、次いで、反応の生成物および溶媒が抜き出され、分離される。
別の実施形態によると、オリゴマー化方法は、連続的に実施される。上述のように構成された触媒系は、エチレンと同時に、当業者に知られている従来の機械的手段または外部再流通によって撹拌された反応器内に注入され、所望の温度に維持される。触媒系の成分はまた、別々に反応媒体に注入され得る。ガス状エチレンは、圧力に応じて吸気弁により導入され、これにより、反応器中で圧力は一定に維持される。反応混合物は、液体レベルに応じてバルブによって抜き出され、反応混合物を一定に保たれる。触媒は、当業者に知られているあらゆる通常の手段によって連続的に破壊され、次いで、反応に由来する生成物、およびまた溶媒が、例えば蒸留によって分離される。転化されていないエチレンは、反応器中にリサイクルされ得る。重質フラクション中に包含される触媒残渣は、焼却され得る。
(触媒系を導入する工程a))
本発明による方法は、金属触媒と活性化剤とを含む触媒系を、場合によっては、溶媒または溶媒の混合物を、下部帯域における液相と上部帯域における気相とを含んでいる反応チャンバに導入する工程a)を含む。
好ましくは、触媒系は、反応チャンバの下部における液相、好ましくは反応チャンバの底部に導入される。
好ましくは、反応チャンバへの導入のための圧力は、0.1~10.0MPa、好ましくは0.2~9.0MPa、優先的には0.3~8.0MPaである。
好ましくは、反応チャンバへの導入のための温度は、30~200℃、好ましくは35℃~150℃、優先的には45℃~140℃である。
(ガス状エチレンと接触させる工程b))
本発明による方法は、工程a)において導入された触媒系をガス状エチレンと接触させる工程b)を含む。前記ガス状エチレンは、反応チャンバの下部のところで、好ましくは反応チャンバの側方下部上に液相に導入される。導入されたガス状エチレンは、フレッシュなガス状エチレンを含み、好ましくは、前記フレッシュなガス状エチレンは、オリゴマー化方法の後の分離工程においてリサイクルされたガス状エチレンと組み合わされる。
本発明による方法の実施において、ガス状エチレンを導入する工程の後に、液相は、未溶解のガス状エチレンを含み、したがって、反応チャンバの帯域によると、液相は、特に、液相とガス状エチレンとの間の気-液混合物に対応する。好ましくは、ガス状エチレンが導入されるレベルの下の反応チャンバの底部における帯域は、ガス状エチレンのない液相を含む。
好ましくは、ガス状エチレンは、反応チャンバの下部の液相へのその導入の間の分散によって、反応器の断面の全体にわたって均質に前記分散を行うことができる手段によって分配される。好ましくは、分散手段は、反応器の断面全体にわたるエチレン注入ポイントの均一な分配を有する分配板ネットワークから選ばれる。
好ましくは、オリフィスの出口におけるガス状エチレンの速度は、1.0~30.0m/sである。その表面速度(体積ガス速度を反応チャンバの断面で割ったもの)は、0.5~10.0cm/s、好ましくは1.0~8.0cm/sである。
好ましくは、ガス状エチレンは、1~250t/h、好ましくは3~200t/h、好ましくは5~150t/h、好ましくは10~100t/hの流量で導入される。
好ましくは、工程b)において導入されるガス状エチレンの流量は、反応チャンバ中の圧力に依存する。
本発明の特定の実施形態によると、ガス状水素の流れも、反応チャンバに導入され得、流量は、入来エチレンの流量の0.2重量%~1.0重量%を示す。好ましくは、ガス状水素の流れは、ガス状エチレンの導入のために採用されるパイプによって導入される。
(液相のフラクションを抜き出す工程c))
本発明による方法は、液相のフラクションを、好ましくは反応チャンバの下部において抜き出す工程c)を含む。抜き出しは、抜き出しを行うことができるあらゆる手段によって、好ましくはポンプによって行われる。
工程c)において実施される抜き出しは、好ましくは、反応チャンバの下部において、好ましくは、ガス状エチレンの注入のレベルの下で、好ましくはチャンバの底部において行われる。抜き出しは、抜き出しを行うことができるあらゆる手段、好ましくは、ポンプによって行われる
好ましくは、抜き出しの流量は、500~10000t/h、好ましくは800~7000t/hである。
1種の実施形態において、第2の流れが液相から引き出される。前記第2の流れは、オリゴマー化方法の終わりに得られた流出液に対応し、本発明による方法において採用されたデバイスの下流に置かれた分離セクションに送られ得る。
好ましい実施形態によると、液相から抜き出された液体フラクションは、2つの流れに分割される。第1の主たる流れは、冷却工程d)に送られ、第2の流れは、流出物に対応し、下流の分離セクションに送られる。
有利には、前記第2の流れの流量は、反応器中で一定の液体レベルを維持するようにレギュレートされる。好ましくは、前記第2の流れの流量は、冷却工程に送られる液体流量よりも5~200倍低い。好ましくは、前記流出物の流量は、5~150倍低く、好ましくは10~120倍低く、優先的には20~100倍低い。
(液体フラクションを冷却する工程d))
本発明による方法は、工程c)において抜き出された液体フラクションを冷却する工程d)を含む。
好ましくは、冷却工程は、工程c)において抜き出された主要な液体流れを、反応チャンバの内側または外側、好ましくは外側に置かれた1基または複数基の熱交換器中に流通させることによって行われる。
熱交換器により、1.0~30.0℃、好ましくは2.0~20℃、好ましくは2.0~15.0℃、好ましくは2.5~10.0℃、好ましくは3.0~9.0℃、好ましくは4.0~8.0℃の液相の温度低下が可能となる。有利には、液体フラクションの冷却により、所望の温度範囲内の反応媒体の温度を維持することが可能となる。
有利には、再流通ループを介して液体を冷却する工程を行うことによって、反応媒体の撹拌を行い、それ故に、反応チャンバの液体容積全体にわたって反応性物質の濃度を均質化することも可能となる。
(冷却済み液体フラクションを導入する工程e))
本発明による方法は、工程d)において冷却された液体フラクションを導入する工程e)を含む。
工程d)に由来する冷却済み液体フラクションの導入は、反応チャンバのガス状の部分において、好ましくは、前記チャンバの頂部のところで、当業者に知られているあらゆる手段によって行われる。
好ましくは、冷却済み液体フラクションの導入のための流量は、500~10,000t/h、好ましくは800~7000t/hである。
ここで、工程c)~e)は、再流通ループを構成する。有利には、再流通ループにより、反応媒体の撹拌が可能となり、それ故に、反応物質の濃度の均質化が、反応チャンバの液体容積の全体にわたって可能となる。
(気相から抜き出されたガス状フラクションをリサイクルする工程f))
本発明による方法は、反応チャンバ中の気相から抜き出され、反応チャンバの下部のところに導入されるガス状フラクションを、液相に、好ましくは、反応チャンバの側方下部に、好ましくは、反応チャンバの底部のところにリサイクルする工程f)を含む。下部は、反応チャンバの下方四半分を意味する。
ガス状フラクションをリサイクルする工程f)は、リサイクルループとも呼ばれる。工程f)において実施されるガス状フラクションの抜き出しは、抜き出しを行うのに適したあらゆる手段によって、好ましくは圧縮機によって行われる。
本発明によるリサイクル工程の一つの利点は、ヘッドスペースへのエチレンのブレイクスルーの現象を埋め合わせることにある。ブレイクスルーの現象は、溶解することなく、ヘッドスペースに通る液相を交差するガス状エチレンに対応する。注入されるガス状エチレンの流量およびヘッドスペースの容積が所与の値に固定される場合、ブレイクスルーが、反応チャンバ中の圧力における増大につながる。好ましい方法により採用される気/液反応器において、工程b)におけるエチレンの導入の流量は、反応チャンバ中の圧力に依存する。したがって、エチレンの気相へのブレイクスルーの高いレベルのための反応器中の圧力における増大の場合に、工程b)において導入されるガス状エチレンの流量は減り、したがって、液相中に溶解したエチレンの量における減少、それ故に、飽和における減少が生じる。飽和における減少は、エチレンの転化に有害であり、反応器の生産性の低下を伴う。したがって、本発明によるガス状フラクションをリサイクルする工程により、溶解エチレンの飽和を最適化し、それ故に、方法の体積生産性を改善することが可能となる。
工程f)において抜き出された気相は、単独で、または工程b)において導入されたガス状エチレンとの混合物として、反応チャンバに導入されてよい。好ましくは、気相は、工程)bにおいて導入されたガス状エチレンとの混合物として導入される。
1種の特定の実施形態において、工程f)において抜き出された気相は、反応器の断面全体にわたって前記分散を均質に行うことができる手段によって反応チャンバの下部液相に分散されることによって反応チャンバに導入される。好ましくは、分散手段は、反応器の断面全体にわたって、工程f)において抜き出された気相の注入のポイントの均一な分配を有する分配板ネットワークから選ばれる。
好ましくは、オリフィスの出口のところで抜き出されたガスフラクションの速度は、1.0~30.0m/sである。その表面速度(体積ガス速度を反応チャンバの断面で除算したもの)は、0.5~10.0cm/s、好ましくは1.0~8.0cm/sである。
好ましくは、フラクションの抜き出し率は、工程b)において導入されたガス状エチレンの流量の0.1~100%、好ましくは0.5~90.0%、好ましくは1.0~80.0%、好ましくは2.0~70.0%、好ましくは4.0~60.0%、好ましくは5.0~50.0%、好ましくは10.0~40.0%、優先的には15.0~30.0%である。
有利には、工程f)におけるガスフラクションの抜き出し率は、反応チャンバ中の圧力に依存するので、圧力を所望の値または範囲に維持することが可能となり、ガス状エチレンのヘッドスペースへのブレイクスルーの現象を埋め合わせることができる。
1種の特定の実施形態において、工程f)において抜き出されたガスフラクションは、2つの流れ:反応チャンバに直接的にリサイクルされる第1の主たるガス流れ、および第2のガス流れに分割される。
1種の好ましい実施形態において、前記第2のガス流れは、ヘッドスペースのパージに対応し、非凝縮性ガスの一部を除去することを可能にする。
好ましくは、第2のガス流れの流量は、工程b)において導入されたエチレンの流量の0.005~1.00%、好ましくは0.01~0.50%である。
(オリゴマー化反応デバイス)
液相および気相を採用する多数の反応器は、ガス状エチレンを含んでいる下部帯域における液相と、上部帯域における気相とを含んでいる反応チャンバと、液体フラクションを熱交換器に再流通させるためのループとからなり、熱交換器により、液体フラクションが主チャンバに再注入される前にそれを冷却することが可能となる。再流通ループ中の流量により、反応チャンバ中の濃度の有効な均質化および液相中の温度の制御が可能となる。
本発明による方法によって採用される反応デバイスは、気/液反応器、例えば気泡塔の分野に属する。より詳細には、本発明による反応デバイスは、以下の要素を含む:
- 垂直軸に沿う長尺形状の反応チャンバi)であって、
下部帯域に置かれ、反応の生成物、溶解したガス状のエチレン、触媒系および場合による溶媒を含んでおり、好ましくは、これらからなる液相、および
下部帯域より上方の上部帯域に置かれ、ガス状エチレンおよびまた非凝縮性のガス(とりわけエタン)を含んでいる気相
を含んでいる、反応チャンバi)、
- ガス状のエチレンを導入するための手段ii)であって、前記反応チャンバの側方下部に置かれ、反応チャンバの前記液相内にガス状エチレンを分配するための手段を採用する、手段、
- 触媒系を導入するための手段iii)であって、該触媒系は、1種の金属触媒と、少なくとも1種の活性化物質と、少なくとも1種の添加物質とを含んでおり、該手段は、反応チャンバの下部に置かれる、手段、
- 液体フラクションを前記液体の冷却を可能にする熱交換器の方へ抜き出すための反応チャンバの基部のところ(好ましくは底部のところ)の抜き出し手段と、前記冷却済み液体を導入するための手段とを含んでいる再流通ループiv)であって、反応チャンバの下部帯域の上部における液相への前記導入が行われる、手段、
- 液相の下部帯域への気相のためのリサイクルループv)であって、反応チャンバの気相のところのガス状のフラクションを抜き出すための手段と、前記抜き出し済みのガス状のフラクションを反応チャンバの下部帯域における液相に導入するための手段とを含んでいる、リサイクルループ。
(i) 反応チャンバ)
本発明によると、当業者に知られており、かつ、本発明による方法を行うことができるあらゆる反応チャンバが想定され得る。好ましくは、反応チャンバは、形態において円筒状であり、高さ対幅の比(H/Wで示される)1~17、好ましくは1~8、好ましくは2~7、優先的には2~4を有している。
好ましくは、反応チャンバは、気相中の非凝縮性ガスをパージするための手段を含む。
好ましくは、反応チャンバは、圧力センサも含み、これにより、反応チャンバ内の圧力を制御し、好ましくは一定に保つことが可能となる。好ましくは、圧力における低下の場合に、前記圧力は、反応チャンバへのガス状エチレンの導入によって一定に保たれる。
本発明によると、気相へのエチレンのブレイクスルーの現象の場合に、前記圧力は、後述するリサイクルループv)の実施により、一定に保たれる。
したがって、ヘッドスペースリサイクルループにより、有利には、エチレンブレークスルーの場合に、下部帯域の液相中に溶解したエチレンの飽和を所与の値に維持することが可能となる。
好ましくは、反応チャンバは、液体レベルセンサも含む;前記レベルは、工程c)において抜き出された流出物の流量を調節することによって一定に保たれる。好ましくは、レベルセンサは、液相とヘッドスペースとの間の界面のところに置かれる。
(ii) エチレンを導入するための手段)
本発明によると、反応チャンバi)は、前記チャンバの下部、より詳細には側方下部に置かれたガス状エチレンの導入のための手段を含む。
好ましくは、エチレンの導入のための手段ii)は、パイプ、パイプのネットワーク、多管状分配板、有孔板または当業者に知られている任意の他の手段から選ばれる。
特定の実施形態において、エチレンの導入のための手段は、再流通ループiv)に置かれる。
好ましくは、ガス分配板が反応チャンバi)内の導入手段ii)の端部に配置される。このガス分配板は、気相を液体断面全体にわたって均質に分散させることを可能にするデバイスである。前記デバイスは、有孔パイプのネットワークを含む。有孔パイプのオリフィスの径は、液体中にミリメートルサイズのエチレン気泡を形成するように、1.0~12.0mm、好ましくは3.0~10.0mmである。
(iii) 触媒系を導入するための手段)
本発明によると、反応チャンバi)は、触媒系を導入するための手段iii)を含む。
好ましくは、導入手段iii)は、反応チャンバの下部上、好ましくは前記チャンバの底部のところに置かれる。
代替の実施形態によると、触媒系は、再流通ループに導入される。
触媒系を導入するための手段iii)は、当業者に知られているあらゆる手段から選ばれ、好ましくはパイプである。
触媒系が溶媒または溶媒の混合物の存在中で採用される実施形態において、前記溶媒は、反応チャンバの下部、好ましくは反応チャンバの底部のところ、または他に再流通ループに置かれた導入手段によって導入される。
(iv) 再流通ループ)
本発明によると、再流通ループの使用によって液相は均一にされ、反応チャンバ内の温度もレギュレートされる。再流通ループは、反応チャンバの下部上、好ましくは底部のところの、液体フラクションを1基または複数基の熱交換器の方へ抜き出し、これにより、前記液体の冷却を可能とするための手段と、前記冷却済みの液体を反応チャンバの上部中の液相に導入するための手段とを含んでいる。
再流通ループは、有利には、当業者に知られているあらゆる必要な手段、例えば、液体フラクションの抜き出しのためのポンプ、抜き出された液体フラクションの流量をレギュレートすることができる手段、または他に液体フラクションの少なくとも一部をパージするためのパイプによって実施され得る。
好ましくは、反応チャンバから液体フラクションを抜き出すための手段は、パイプである。
液体フラクションを冷却することができる熱交換器(1基または複数基)は、当業者に知られているあらゆる手段から選ばれる。
再流通ループにより、濃度の有効な均質化が可能となり、反応チャンバ内の液相中の温度を制御することが可能となる。
(v) ヘッドスペースリサイクルループ)
本発明によると、デバイスは、気相を液相の下部にリサイクルするためのループを含む。前記ループは、反応チャンバの気相中のガス状フラクションを抜き出すための手段と、前記抜き出されたガス状フラクションを反応チャンバの下部における液相に導入するための手段とを含む。
リサイクルループにより、有利には、所望のレベルに液相中に溶解したエチレンの飽和を維持しながら、ブレイクスルーの現象を埋め合わせることおよび、反応チャンバ中の圧力が増加するのを防ぐことが可能となる。
リサイクルループの別の利点は、デバイスの体積生産性を改善し、したがってコストを低減させることにある。1種の好ましい実施形態において、リサイクルループは、コンプレッサをさらに含む。
1種の実施形態において、抜き出されたガス状フラクションは、ガス状エチレンを導入するための手段ii)によって導入される。
別の実施形態おいて、抜き出されたガス状フラクションは、ガス分配板経由で導入される。このガス分配板は、液体断面全体にわたって気相を均質に分散させることを可能にし、反応チャンバi)内の導入手段の端部に配置されるデバイスである。前記デバイスは、有孔板のネットワークを含む。この有孔板のオリフィスの径は、液体中にミリメートルサイズのエチレン気泡を形成するように、1.0~12.0mm、好ましくは3.0~10.0mmである。
好ましくは、抜き出されたガス状フラクションを導入するための手段は、パイプ、パイプのネットワーク、多管状分配板、有孔板または当業者に知られている任意の他の手段から選ばれる。
(図面の説明)
[図1]図1は、従来技術による反応デバイスを示す。このデバイスは、液相Aを含んでいる下部帯域と、気相Bを含んでいる上部帯域とを含んでいる反応チャンバ(1)と、ガス分配板(3)経由で液相Aにガス状エチレンを導入するための手段(2)とからなる。気相Bは、ポンプ汲み上げ手段(4)を含む。反応チャンバ(1)の底部に、液体フラクション(5)を抜き出すために置かれたパイプがある。前記フラクション(5)は、2つの流れ:第1の主たる流れ(7)と第2の流れ(6)とに分割され、第1の主たる流れ(7)は、熱交換器(8)に送られ、次いで、パイプ(9)を経由して液相Aに導入され、第2の流れ(6)は、後の工程に送られる流出物に対応する。反応チャンバの底部におけるパイプ(10)により、触媒系の導入が可能となる。
[図2]図2は、本発明による方法の実施を可能にするデバイスを示す。前記デバイスは、気相Bのガスフラクションがコンプレッサ(11)に送られ、ガス状エチレンを液相Aを含んでいる帯域Aの下部に導入するための手段(2)に接続されたパイプ(12)を介してリサイクルされる点で図1のデバイスとは異なっている。
図2は、本発明の主題の1種の特定の実施形態の概略図を提供するが、本発明の範囲を限定するものではない。
(実施例)
下記の実施例は、本発明を例証するが、本発明の範囲を限定するものではない。
(実施例1:図1に対応する比較例)
エチレンオリゴマー化方法を、気泡塔反応器において実施する。反応器を、圧力5.0MPa、温度120℃で操作する。反応体積は、1とある図面により、2つの帯域AおよびB、径2.97m、液高6.0mの塔、および全容積5.0mの再流通ループからなる。
塔は、塔の底部から1.0mのところに位置するガス状エチレンを注入するためのデバイスを備えている。
反応チャンバに導入される触媒系は、クロムベースの触媒系であり、この触媒系が有しているクロム含有率は4.37ppmであり、特許FR 3 019 064に記載されているように、溶媒としてのシクロヘキサン存在中にある。
パージ流量は、0.0045kg/sである。
この反応器の容積測定の生産性は、時間当たりかつ反応容積(m)当たり生成ヘキサ-1-エン0.134トンである。
この反応器の性能レベルにより、溶解エチレンの飽和度62.0%が可能となる。
ヘキサ-1-エンの生産は、6.25トン/時であり、ヘキサ-1-エンについての選択性は、81.2重量%であり、反応器中の滞留時間は、溶媒の質量による割合1.0について76分である。前記溶媒の割合は、注入される溶媒の流量対注入されるガス状エチレンの流量の質量による比として計算される。
(実施例2:図2に対応する発明に合致する)
本発明に合致するオリゴマー化方法を、実施例1において採用されたデバイスと同一の寸法を有しており、本発明に従い、図2において記載されたようなヘッドスペースを液相にリサイクルするためのループをさらに含んでいるデバイスにおいて実施する。エチレンオリゴマー化方法を、気泡塔反応器において実施する。反応器を、5.0MPaの圧力および120℃の温度で操作する。
反応チャンバに導入される触媒系は、クロムベースの触媒系であり、特許FR 3 019 064に記載されるように、溶媒としてのシクロヘキサンの存在中でクロム含有率4.38ppmを有している。
この反応器の容積測定生産性は、時間当たりかつ反応体積(m)当たりの生成ヘキサ-1-エン0.194トンである。
本発明によるオリゴマー化方法の性能レベルにより、溶解エチレンの飽和度90.0%が可能となる。
ヘキサ-1-エンの生産は、9.06トン/時であり、ヘキサ-1-エンについての選択性は、83.3重量%であり、反応器中の滞留時間は、溶媒の質量による割合1.0について52.5分である。前記溶媒の割合は、注入される溶媒の流量対注入されるガス状エチレンの流量の質量による比として計算される。
したがって、本発明による方法は、液相中のエチレン飽和度の増大を明らかに可能にし、このために、オリゴマー化方法の生産性の改善が、より短い滞留時間およびヘキサ-1-エンについてのより良好な選択性により可能となる。
従来技術による反応デバイスを示す。 本発明による方法の実施を可能にするデバイスを示す。

Claims (15)

  1. 気/液反応器において圧力0.1~10.0MPa、温度30~200℃で実施するオリゴマー化方法であって、以下の工程:
    a) 金属触媒と活性剤とを含んでいるオリゴマー化触媒系を、下部帯域における液相と、上部帯域における気相とを含んでいる反応チャンバに導入する工程、
    b) 前記エチレンを反応チャンバの下部帯域に導入することにより前記触媒系をガス状のエチレンと接触させる工程、
    c) 液体フラクションを抜き出す工程、
    d) 工程c)において抜き出された液体フラクションを熱交換器に通すことによって前記フラクションを冷却する工程、
    e) 工程d)において冷却されたフラクションを反応チャンバの下部帯域の上部に導入する工程、
    f) 反応チャンバの上部帯域から抜き出されかつ反応チャンバの下部に導入されたガスフラクションを液体フラクションにリサイクルする工程
    を含む、方法。
  2. 反応チャンバの下部帯域における液相は、溶解済みエチレン中の飽和度70.0%超を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 工程f)において抜き出された気相を、工程b)において導入されたガス状のエチレンとの混合物として導入する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 工程f)におけるガス状フラクション抜き出し率は、工程b)において導入されたガス状エチレンの流量の0.1~100%である、請求項1~3のいずれか1つに記載の方法。
  5. 工程f)において抜き出されたガス状フラクションを、反応チャンバの側方下部に導入する、請求項1~4のいずれか1つに記載の方法。
  6. 工程f)におけるガス状フラクションの抜き出し率は、反応チャンバ内の圧力に依存する、請求項1~5のいずれか1つに記載の方法。
  7. 第2のガス状パージ流を、気相から抜き出す、請求項1~6のいずれか1つに記載の方法。
  8. 第2のガス流の流量は、工程b)において導入されたエチレンの流量の0.005~1.00%である、請求項1~7のいずれか1つに記載の方法。
  9. ガス状の水素の流れを、工程b)において、反応チャンバに、入来エチレンの流量の0.2~1.0質量%を示す流量で導入する、請求項1~8のいずれか1つに記載の方法。
  10. 触媒系における触媒の濃度は、反応質量に相対する原子金属の質量で0.1~50.0ppmである、請求項1~9のいずれか1つに記載の方法。
  11. 触媒オリゴマー化反応を連続的に実施する、請求項1~10のいずれか1つに記載の方法。
  12. 得られた線状オレフィンは、4~20個の炭素原子を含む、請求項1~11のいずれか1つに記載の方法。
  13. 請求項1~12のいずれか1つに記載の方法を実施するための反応デバイスであって、
    - 垂直軸に沿う長尺形状の反応チャンバi)であって、
    下部帯域に置かれ、反応生成物、ガス状かつ溶解したエチレン、触媒系および場合による溶媒を含んでおり、好ましくは、これらからなる液相、および
    下部帯域より上方の上部帯域に置かれ、ガス状エチレンおよびまた非凝縮ガス(とりわけエタン)を含んでいる気相
    を含んでいる、反応チャンバi)、
    - ガス状のエチレンを導入するための手段ii)であって、前記反応チャンバの側方下部に置かれ、反応チャンバの前記液相内にガス状エチレンを分配するための手段を採用する、手段、
    - 触媒系を導入するための手段iii)であって、該触媒系は、1種の金属触媒と、少なくとも1種の活性化物質と、少なくとも1種の添加物質とを含んでおり、該手段は、反応チャンバの下部に置かれる、手段、
    - 液体フラクションを前記液体の冷却を可能にする熱交換器の方へ抜き出すための反応チャンバの基部のところ(好ましくは底部のところ)の抜き出し手段と、前記冷却済み液体を導入するための手段とを含んでいる再流通ループiv)であって、反応チャンバの下部帯域の上部における液相への前記導入が行われる、再流通ループiv)、
    - 液相の下部帯域への気相のためのリサイクルループv)であって、反応チャンバの気相のところのガス状のフラクションを抜き出すための手段と、前記抜き出し済みのガス状のフラクションを反応チャンバの下部帯域における液相に導入するための手段とを含んでいる、リサイクルループ
    を含む、反応デバイス。
  14. 抜き出し済みガス状フラクションは、ガス状エチレンを導入するための手段ii)を経由して導入される、請求項13に記載のデバイス。
  15. リサイクルループにおいて抜き出されたガス状フラクションは、ガス分配板を経由して導入される、請求項13または14に記載のデバイス。
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