JP2022543266A - 回帰モデルを使用する化学生成物の生成方法 - Google Patents

回帰モデルを使用する化学生成物の生成方法 Download PDF

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Abstract

少なくとも2つの成分を含有する反応混合物から化学生成物を生成する方法は、I)複数の生成インスタンスを含むデータセットを提供するステップであって、各生成インスタンスが、(a)反応混合物の組成及び/又はプロセス条件、(b)生成物の生成場所における少なくとも1つの気候パラメータ、及び、(c)生成物の少なくとも1つの目標物理特性に関するデータを含む、ステップと、II)データセットを使用して生成物のそれぞれの目標物理特性ごとに回帰モデルを生成するステップであって、回帰モデルでは、それぞれの目標物理特性が従属変数であり、任意の残りの目標物理特性を除いて、データセット内の他のデータの少なくとも一部が独立変数である、ステップと、III)各回帰モデルを変換して変換回帰モデルを得るステップであって、a)反応混合物の組成及び/又はb)反応のプロセス条件が、生成物の生成場所における少なくとも1つの気候パラメータに依存し、各目標物理特性に所望の値が割り当てられる、ステップと、IV)変換回帰モデルを結合して、結合回帰モデルを得るステップとを含む。【選択図】図2

Description

本発明は、反応混合物から化学生成物を生成する方法に関する。この方法では、結合変換回帰モデルが使用される。これにより、湿度、温度、又は、気圧などの局所的な気候パラメータに応じて化学パラメータ又はプロセスパラメータを調整することが可能になる。また、本発明は、化学生成物を生成するように構成されるシステム及び化学生成物を生成するように構成されるコンピューティングプラットフォームに関する。
外的なポリウレタンフォームの生成において、気候因子は、例えば生密度及び圧縮撓みに関して、最終生成物の特性の変化をもたらし得る。気象条件が変化し得るより長い期間にわたってプロセスが実行される場合には、仕様外の材料を処分する以外の選択肢は殆どないことが多い。
回帰モデルの出現前には、店舗職員の経験に基づいてヒューリスティック規則が使用されていた。しかしながら、そのような個々の経験は、多くの同時に変化する気候因子と反応混合物配合及びプロセスパラメータに対する気候因子の影響とを考慮するにはあまりにも不正確すぎることが判明し得る。
R.Schiffauer及びC.den Heijerによる刊行物「可撓性ポリウレタンスラブストックフォーム:フォーム特性に対する配合、気候条件及び保管条件の影響」、Journal of Cellular Plastics Jan/Feb 1983、61-64は、以下を報告している。
「以下の気候変数は、フォーム特性、すなわち、生成中の大気圧及び生成中の絶対湿度に有意な影響を及ぼすことが判明した。保管中の絶対湿度もおそらく有意な影響を及ぼすが、生成中の絶対湿度との高い相互相関に起因して、この影響を別々に推定することはできなかった。圧縮永久歪み、細胞数、及び、空気流に関しては、気候変数の有意な影響は見られなかった。
残りのフォーム特性に対する2つの主要な気候変数の影響は以下の通りであった。すなわち、より高い(より低い)大気圧がより高い(より低い)密度をもたらした;高硬度(低硬度);破断時のより低い(より高い)伸び;より低い(より高い)引張強度。
より高い(より低い)絶対湿度は密度の変化をもたらさなかった;より低い(より高い)硬度;破断時のより高い(より低い)伸び;より高い(より低い)引張強度。
異なるグレードに関する係数の類似性は、配合及び気候変数の両方を使用した結合モデルの構築を立証した。したがって、最も重要なフォーム特性は、以下によって計算することができる。
ln(特性)=C+C ln(水)+C ln(ブロー)+C ln(TDI指数)+C ln(大気圧)+C ln(絶対湿度)」。
R.Schiffauerによる刊行物「可撓性ポリウレタンフォームに関する数学的特性予測モデル-従来のスラブストック、高弾性スラブストック、及び、高弾性成形フォームの間の比較」、Journal of Cellular Plastics 1996,32,pages 318-354は、配合パラメータの範囲を変えることによって調製されたフォームのセットについて以下を報告している。
「元の変数の様々な変換を使用して、多重線形回帰技術によってデータを数学的に分析し、その結果、予測変数と特性を相関させる方程式を得た。第1の手法として、全てのデータが元の線形形式で回帰された。しかしながら、殆どの場合、予測変数又は結果として生じる特性のいずれか或いは両方を線形形式から対数形式に変換することによって、より良好な適合を得ることができる。幾つかの予測特性間の相互作用項を使用することによって、結果として得られた方程式の更なる改善を実現することができる。実験データ及び生成データを一緒に分析した場合、様々な特性に対するスケールアップの効果を計算するために、いわゆる「ダミー変数」が割り当てられた(実験データに関してはゼロ、生成結果に関しては1)。」
会議議事録におけるHubert Ehbing、Karl-Heinz Dorner、Hans-Friedrich Walter、Bolko Raffel及びR.Nascherによる刊行物「Innovative Produktionsoptimierung fur die Blockschaum-Fertigung」(可撓性フォーム生成のための革新的な生成最適化)PUR 2002-Automobil-Comfort-Struktur-Kuhlen-Bauen、2002年10月、pages 192-144は、可撓性フォームの生成におけるいわゆる夏/冬の影響に対処するための回帰モデルを論じている。回帰モデルは、
Figure 2022543266000002
ここで、y=圧縮硬度;x=NCO指数;x=水;x=絶対湿度;x=T65含有量;x=ノズル圧力;x=ブロック高さ;x=ベルト速度。
上記の刊行物は、4つの点に対処することができない。すなわち、第1に、回帰モデルを適用する前にデータクリーニング手順及び前処理がなく、第2に、回帰モデルにおける高次リグレッサの関与が欠如しており又は欠落しており、第3に、回帰モデルから気候条件によって影響されるそれぞれのレシピコンポーネントごとに式を生成するために自動的且つ記号的に解く可能性が欠如しており又は欠落しており、第4に、これらの式をユーザインタフェースに展開すること又は生成プラントのFPGAに組み込むことが欠如している又は欠落している。
最初の2つの点がなければ、気候条件の影響は、生成プラントにおける配合補正に悪影響を及ぼす可能性がある。最後の2つの点は、プラント技術者に配合を修正する提案を与える又は自動的に修正を実行するために有益である。
R.Schiffauer及びC.den Heijerによる刊行物「可撓性ポリウレタンスラブストックフォーム:フォーム特性に対する配合、気候条件及び保管条件の影響」、Journal of Cellular Plastics Jan/Feb 1983、61-64 R.Schiffauerによる刊行物「可撓性ポリウレタンフォームに関する数学的特性予測モデル-従来のスラブストック、高弾性スラブストック、及び、高弾性成形フォームの間の比較」、Journal of Cellular Plastics 1996,32,pages 318-354 会議議事録におけるHubert Ehbing、Karl-Heinz Dorner、Hans-Friedrich Walter、Bolko Raffel及びR.Nascherによる刊行物「Innovative Produktionsoptimierung fur die Blockschaum-Fertigung」(可撓性フォーム生成のための革新的な生成最適化)PUR 2002-Automobil-Comfort-Struktur-Kuhlen-Bauen、2002年10月、pages 192-144
本発明は、当該技術分野における欠点を少なくとも部分的に克服するという目的を有する。特に、本発明は、反応混合物の組成を単純化された方法で変更することによって最終生成物に対する大気パラメータの影響を補償することができる反応混合物からの化学生成物の生成を提供するという目的を有する。
この目的は、請求項1に記載の方法、請求項13に記載のシステム、及び、請求項14に記載のコンピューティングプラットフォームによって達成される。有利な実施形態が従属請求項の主題である。これらの実施形態は、文脈が別段明確に示唆しなければ、自由に組み合わせることができる。方法に関連して記載される、特に従属方法の特許請求の範囲に記載される実施形態の主題が本発明に係るシステム及びコンピューティングプラットフォームにも適用され得ることも本発明の範囲内である。これは、実施形態の組み合わせにも及ぶ。
したがって、少なくとも2つの成分を含有する反応混合物から化学生成物を生成する方法は、
I)複数の生成インスタンスを含むデータセットを提供するステップであって、各生成インスタンスが、(a)反応混合物の組成及び/又はプロセス条件、(b)生成物の生成場所における少なくとも1つの気候パラメータ、及び、(c)生成物の少なくとも1つの目標物理特性に関するデータを含む、ステップと、
II)データセットを使用して生成物のそれぞれの目標物理特性ごとに回帰モデルを生成するステップであって、回帰モデルでは、それぞれの目標物理特性が従属変数であり、任意の残りの目標物理特性を除いて、データセット内の他のデータの少なくとも一部が独立変数である、ステップと、
III)各回帰モデルを変換して変換回帰モデルを得るステップであって、a)反応混合物の組成及び/又はb)反応のプロセス条件が、生成物の生成場所における少なくとも1つの気候パラメータに依存し、各目標物理特性に所望の値が割り当てられる、ステップと、
IV)変換回帰モデルを結合して、結合回帰モデルを得るステップと、
V)生成場所において、結合回帰モデルで使用される少なくとも1つの気候パラメータを測定するステップと、
VI)結合回帰モデル及び少なくとも1つの測定された気候パラメータを使用して、a)反応混合物の組成及び/又はb)反応のためのプロセス条件を計算するステップと、
VII)計算にしたがって反応混合物及び/又はプロセス条件を組成するステップと、
VIII)反応混合物を反応させて化学生成物を得るステップと、
を含む。
本発明に係る方法は、少なくとも部分的に、コンピュータ実装方法であってもよい。好ましくは、ステップI~VIIがコンピュータ実装ステップである。
方法のステップI)におけるデータセットは、複数の生成インスタンスを含み(に相当し)、ルーチンプロセス及び生成物監視として収集されるデータから得られてもよい。生成インスタンスは、化学生成物の生成における単一のバッチ又は単一のキャンペーンであってもよい。連続生成プロセスの場合、生成インスタンスは、連続プロセスにおける時間帯と見なすことができる。一般に、データセットの品質は、生成インスタンスに関してより詳細に改善される。
それぞれの生成工程に適用可能な反応混合物の組成及び/又はプロセス条件に関するデータに加えて、生成インスタンスは、それぞれの生成工程中の生成物の生成場所における少なくとも1つ(好ましくは2つ以上)の気候パラメータに関するデータを含む。この気候データは、生成インスタンスに起因するため、個々のインスタンスにおける生成物の生成中に記録された空気圧などのそれぞれの気候パラメータとして表わされてもよい。記録された(1又は複数の)気候パラメータを考慮すると、化学生成物の生成は、好ましくは、反応混合物又は反応混合物の成分の1つ以上が大気と少なくとも部分的に接触するプロセスである。
最後に、生成インスタンスは、それぞれの生成工程の生成物の少なくとも1つ(好ましくは2つ以上)の目標物理特性に関するデータを含む。生成インスタンスにおける、したがってデータセットにおけるそのような目標物理特性は、データセットをポピュレートするための測定によって決定された生成物の仕様の一部であり且つ化学生成物の将来の生成において達成するべき目標である特性と見なすことができる。
ステップII)では、データセットを使用して、生成物のそれぞれの目標物理特性ごとに回帰モデルが生成される。したがって、目標物理特性は出力であり、データセット内の他のデータは入力である。データセット内に他の目標物理特性がある場合、それらは無視される。回帰モデルの例は、最小二乗和及び最尤度を含む。
ステップIII)において、ステップII)で得られた各回帰モデルは、生成物の生成場所における少なくとも1つの気候パラメータが入力であるモデルにそれぞれ変換される。この少なくとも1つの気候パラメータもステップI)で説明したようにデータセットに含まれていたことは言うまでもない。更に、各目標物理特性に値が割り当てられ、それにより、化学反応の所望の結果が反映される。また、ステップI)で説明したように、1つ又は複数の目標物理特性がデータセットに含まれていたことも言うまでもない。各変換モデルの出力は、目標物理特性を達成するために必要な反応混合物の組成及び/又は反応のプロセス条件である。要約すると、ステップIII)は、n個の回帰モデルをn個の変換回帰モデルに変換する。
更に、相互作用に高次リグレッサを関与させることにより、回帰モデルの適合を改善することもできる。そのような回帰モデルは、以下の形式を有することができる。
Figure 2022543266000003
それぞれの特性y=f(x)ごとに適合した回帰モデルを用いて、配合パラメータx及びxを補正するための式を受けるために記号ソルバーを適用することができる。
データクリーニング及び前処理技術を使用して、履歴データのデータ品質を向上させ、(1又は複数の)回帰モデルの適合を改善することが有利である。データクリーニング技術は、好ましくは、異常値を見つけてそれらをデフォルト値で又は対応するパラメータの平均及び中央値などの統計的記述子のいずれかで帰属させるように焦点が合わされる。
したがって、一実施形態において、データセットは、異常値を除去するために統計的方法を使用してステップI)の前に処理される。適切な統計的方法の例としては、分散分析、相互情報及びZスコアが挙げられる。異常値は、中央値又は前述の方法から導出された期待値などの値に基づいて除去することができる。レシピの詳細、大気条件、プロセスの詳細、及び、最終生成物の特性によって作成される特徴空間の寸法も、本質的な特徴に縮小することができる。また、統計分析は、例えば散布図又は主成分法を使用することによって、データ内の共通の特徴又はクラスタを識別できるようにする。
他の実施形態において、ステップII)は、
データセットを訓練データセットと試験データセットとに分割するステップと、
訓練データセットを使用して各回帰モデルを生成するステップと、
試験データセットに対して回帰モデルを検証するステップと、
を含む。
試験データセットに対して検証される回帰モデルの候補は、決定係数R、平均絶対誤差MAE、又は、二乗平均平方根誤差RMSEなどの基準にしたがって交差検証されてもよい。次いで、最も高いR及び最も低いMAE及びRMSEの値を有する各目標物理特性における回帰モデルを選択することができる。
他の実施形態では、データセットがクラスタにグループ化され、各クラスタは、回帰モデルを生成するための訓練データセット及び試験データセットに分割される。
他の実施形態において、ステップI)~VI)の少なくとも1つは、グラフィカルユーザインタフェースを介してユーザとの対話を行なうことを含む。例えば、配合パラメータにおける計算式は、プラント技術者がその標準配合を挿入するユーザインタフェースに組み込まれ得る。同時に、気候条件は、生成プラント及びフォーム保管エリアに実装されたセンサによって測定される。プラント技術者の標準配合を伴う測定情報は、式によって費やされ、その結果、気候補正配合が計算される。気候補正配合は、プラント技術者が設定点を手動で補正することができるユーザインタフェースにおいて視覚化される。
他のシナリオでは、計算式が機械の設定点を制御するFPGAに実装される。プラント技術者は、その標準配合をユーザインタフェースに挿入する。前述のセンサの測定された気候情報を伴う挿入された配合は、FPGAによって費やされる。FPGAは、プラント技術者との対話を伴うことなく機械の設定点を変更することができる。
他の実施形態では、ステップV)~VIII)が60秒以下で行なわれる。
他の実施形態では、少なくとも2つの目標物理特性が考慮される。
他の実施形態では、少なくとも2つの気候パラメータが考慮される。
他の実施形態において、生成場所における少なくとも1つの気候パラメータは、空気圧、気温、空気の相対湿度、又は、それらの組み合わせである。
他の実施形態において、少なくとも1つの目標物理特性は、DIN EN ISO 845にしたがった生密度及び/又はEN ISO 3386にしたがった40%圧縮時の圧縮荷重撓みである。
他の実施形態において、化学生成物はポリウレタンフォームであり、反応混合物は、ポリイソシアネート、ポリイソシアネート反応性化合物及び発泡剤を含む。適切なポリイソシアネートの例としては、TDI、MDI、H12-MDI、XDI、HDI、IPDI及びそれらの誘導体、例えばオリゴマー、NCO末端プレポリマー、ビウレット、ウレトジオン、アロファネート及びイソシアヌレートが挙げられる。適切なポリオールの例としては、ポリエステルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルエステルポリオール及びポリエステルカーボネートポリオールが挙げられる。発泡剤は、シクロペンタンなどの物理的発泡剤又は水もしくはギ酸などの化学的発泡剤であり得る。
他の実施形態では、ステップVII)において反応混合物を組成することは、所定の標準的な反応混合物組成から始めて、
(a)イソシアネート反応性基に対するイソシアネート基のモル比を増減すること、
(b)発泡剤量を増減すること、
(c)物理的及び化学的発泡剤の互いに対する相対量を増減すること、
(d)これらの組み合わせ
を含む。
他の実施形態において、方法は、
IX)ステップVIIIが始まった後に生成場所で結合回帰モデルで使用される少なくとも1つの気候パラメータを測定するステップと、
X)ステップIXにおいて結合回帰モデル及び少なくとも1つの測定された気候パラメータを使用して反応混合物の組成又は反応のプロセス条件を計算するステップと、
XI)ステップXにおける計算にしたがって反応混合物又はプロセス条件を、調整する、又は、調整しないことを決定する、ステップと、
XII)ステップXIにおいて、反応混合物又はプロセス条件を調整した後、又は、調整しないことを決定した後に、反応混合物を反応させて化学生成物を得るステップと、
を更に含む。
ステップIX~XIIは、少なくとも60秒ごとに1回、少なくとも30秒ごとに1回、又は、連続的に繰り返されることが好ましい。
他の実施形態において、方法は、
IX’)ステップVIIIが始まった後に生成場所で結合回帰モデルで使用される少なくとも1つの気候パラメータを測定するステップと、
X’)ステップIX’における測定値が少なくとも1つの気候パラメータの以前の測定値と異なるかどうかを決定するステップと、
XI’)測定値が異なると決定された場合に、ステップIX’において、結合回帰モデル及び少なくとも1つの測定された気候パラメータを使用して、反応混合物の組成又は反応のプロセス条件を計算するステップと、
XII’)そのような計算が行なわれる場合に、ステップXI’における計算にしたがって反応混合物又はプロセス条件を調整するステップと、
XIII’)ステップXIで計算が行なわれる場合に、ステップXII’において反応混合物又はプロセス条件の調整を行なった後、反応混合物を反応させて化学生成物を得るステップと、
を更に含む。
ステップIX’~XI’は、少なくとも60秒ごとに1回、少なくとも30秒ごとに1回、又は、連続的に繰り返されることが好ましい。
少なくとも2つの気候パラメータがステップV及びIX’で測定されることも好ましい。
本発明は、更に、少なくとも2つの成分を含有する反応混合物から化学生成物を生成するように構成されるシステムであって、
複数の生成インスタンスを含むデータセットを提供し、各生成インスタンスが、反応混合物の組成、生成物の生成場所における少なくとも1つの気候パラメータ、及び、生成物の少なくとも1つの目標物理特性に関するデータを含み、
データセットを使用して生成物のそれぞれの目標物理特性ごとに回帰モデルを生成し、回帰モデルでは、それぞれの目標物理特性が従属変数であり、データセット内の他のデータが独立変数であり、
各回帰モデルを変換して変換回帰モデルを取得し、反応混合物の組成及び/又は反応のプロセス条件が、生成物の生成場所における少なくとも1つの気候パラメータに依存し、各目標物理特性に所望の値が割り当てられ、
変換回帰モデルを結合して、結合回帰モデルを取得し、
生成場所において、結合回帰モデルで使用される少なくとも1つの気候パラメータを測定し、
結合回帰モデル及び少なくとも1つの測定された気候パラメータを使用して、反応混合物の組成及び/又は反応のためのプロセス条件を計算し、
計算にしたがって反応混合物及び/又はプロセス条件を組成する、
ための機械可読命令によって構成される1つ以上のハードウェアプロセッサと、
反応混合物を反応させて化学生成物を得るための反応器と、
を備える、システムに関する。
本発明の他の態様は、少なくとも2つの成分を含有する反応混合物から化学生成物を生成するように構成されるコンピューティングプラットフォームであって、
実行可能命令が具現化されて成る持続性コンピュータ可読記憶媒体と、
複数の生成インスタンスを含むデータセットを提供し、各生成インスタンスが、反応混合物の組成、生成物の生成場所における少なくとも1つの気候パラメータ、及び、生成物の少なくとも1つの目標物理特性に関するデータを含み、
データセットを使用して生成物のそれぞれの目標物理特性ごとに回帰モデルを生成し、回帰モデルでは、それぞれの目標物理特性が従属変数であり、データセット内の他のデータが独立変数であり、
各回帰モデルを変換して変換回帰モデルを取得し、反応混合物の組成及び/又は反応のプロセス条件が、生成物の生成場所における少なくとも1つの気候パラメータに依存し、各目標物理特性に所望の値が割り当てられ、
変換回帰モデルを結合して、結合回帰モデルを取得し、
生成場所において、結合回帰モデルで使用される少なくとも1つの気候パラメータを測定し、
結合回帰モデル及び少なくとも1つの測定された気候パラメータを使用して、反応混合物の組成及び/又は反応のためのプロセス条件を計算し、
計算にしたがって反応混合物及び/又はプロセス条件を組成する、
ための命令を実行するよう構成される1つ以上のハードウェアプロセッサと、
を備える、コンピューティングプラットフォームである。
好ましくは、コンピューティングプラットフォームは、反応混合物を反応させて化学生成物を得るための反応器とデータ通信する。
以下の図面を参照して、それらによって限定されることを望むことなく、本発明を更に説明する。
1つ以上の実施に係る、少なくとも2つの成分を含有する反応混合物から化学生成物を生成するように構成されるシステムを示す。 1つ以上の実施に係る、少なくとも2つの成分を含有する反応混合物から化学生成物を生成するための方法を示す。
図1は、1つ以上の実施に係る、少なくとも2つの成分を含有する反応混合物から化学生成物を生成するように構成されるシステム100を示す。幾つかの実施では、システム100が1つ以上のサーバ102を含む。(1又は複数の)サーバ102は、クライアント/サーバアーキテクチャ及び/又は他のアーキテクチャにしたがって1つ以上のクライアントコンピューティングプラットフォーム104と通信するように構成される。(1又は複数の)クライアントコンピューティングプラットフォーム104は、(1又は複数の)サーバ102を介して及び/又はピアツーピアアーキテクチャ及び/又は他のアーキテクチャにしたがって他のクライアントコンピューティングプラットフォームと通信するように構成される。ユーザは、クライアントコンピューティングプラットフォーム104を介してシステム100にアクセスすることができる。
(1又は複数の)サーバ102は機械可読命令106によって構成される。機械可読命令106は1つ以上の命令モジュールを含む。命令モジュールはコンピュータプログラムモジュールを含む。命令モジュールは、データ提供モジュール108、回帰モデル生成モジュール110、回帰モデル変換モジュール112、回帰モデル結合モジュール114、組成計算モジュール118、反応混合物組成モジュール120、反応混合物反応モジュール122、気候パラメータ測定モジュール124、反応混合物プロセス条件調整モジュール126、反応混合物プロセス条件調整モジュール128、測定決定モジュール130、及び/又は、他の命令モジュールのうちの1つ以上を含む。
データ提供モジュール108は、複数の生成インスタンスを含むデータセットを提供するように構成される。非限定的な例として、各生成インスタンスは、反応混合物の組成、生成物の生成場所における少なくとも1つの気候パラメータ、及び、生成物の少なくとも1つの目標物理特性に関するデータを含む。データセットは、異常値を除去するために統計的方法を使用してデータセットを提供する前に処理される。少なくとも1つの目標物理特性は、DIN EN ISO 845にしたがった生密度及び/又はEN ISO 3386にしたがった40%圧縮時の圧縮荷重撓みである。
回帰モデル生成モジュール110は、データセットを使用して生成物のそれぞれの目標物理特性ごとに回帰モデルを生成するように構成される。回帰モデルを生成することは、データセットを訓練データセットと試験データセットとに分割することを含む。回帰モデルを生成することは、訓練データセットを使用して各回帰モデルを生成することを含む。回帰モデルを生成することは、回帰モデルを試験データセットに対して検証することを含む。データセットがクラスタにグループ化され、また、各クラスタは、回帰モデルを生成するための訓練データセット及び試験データセットに分割される。
回帰モデルでは、それぞれの目標物理特性が従属変数であり、データセット内の他のデータが独立変数である。
回帰モデル変換モジュール112は、各回帰モデルを変換して、反応混合物の組成及び/又は反応のプロセス条件が生成物の生成場所における少なくとも1つの気候パラメータに依存するとともに各目標物理特性に所望の値が割り当てられる、変換回帰モデルを得るように構成される。非限定的な例として、生成場所における少なくとも1つの気候パラメータは、空気圧及び/又は気温である。
回帰モデル結合モジュール114は、変換回帰モデルを結合して、結合回帰モデルを得るように構成される。
組成計算モジュール118は、結合回帰モデル及び少なくとも1つの測定された気候パラメータを使用して反応混合物の組成及び/又は反応のためのプロセス条件を計算するように構成される。
或いは、組成計算モジュール118は、測定値が異なると決定された場合に、少なくとも1つの気候を測定する際の少なくとも1つの測定された気候パラメータ及び結合回帰モデルを使用して反応混合物の組成又は反応のプロセス条件を計算するように構成される。
反応混合物組成モジュール120は、計算にしたがって反応混合物及び/又はプロセス条件を組成するように構成される。
反応混合物反応モジュール122は、調整を行なった後に反応混合物を反応させて化学生成物を得るように構成される。反応混合物又はプロセス条件は、反応を調整する際に計算が行なわれる場合、反応混合物を調整することができる。
気候パラメータ測定モジュール124は、反応混合物を反応させ始める前、反応混合物を反応させ始める最中、及び/又は、反応混合物を反応させ始めた後に、生成場所で、結合回帰モデルで使用される少なくとも1つの気候パラメータを測定するように構成される。
反応混合物プロセス条件調整モジュール126は、組成を計算する際の計算にしたがって反応混合物又はプロセス条件を調整するように構成される。
測定決定モジュール130は、少なくとも1つの気候を測定する際の測定値が少なくとも1つの気候パラメータの以前の測定値と異なるかどうかを決定するように構成される。
幾つかの実施では、少なくとも2つの目標物理特性が考慮される。幾つかの実施では、少なくとも2つの気候パラメータが考慮される。幾つかの実施では、空気の温度、圧力又は相対湿度、或いは、それらの組み合わせが考慮される。幾つかの実施では、非限定的な例として、化学生成物はポリウレタンフォームであり、反応混合物は、ポリイソシアネート、ポリイソシアネート反応性化合物及び発泡剤を含む。幾つかの実施において、反応混合物を組成することは、イソシアネート反応性基に対するイソシアネート基のモル比を増加又は減少させる所定の標準的な反応混合物組成から始めることを含む。
幾つかの実施において、反応混合物を組成することは、発泡剤の量を増加又は減少させる所定の標準的な反応混合物組成から始めることを含む。幾つかの実施において、反応混合物を組成することは、互いに対して物理的及び化学的発泡剤の相対量を増加又は減少させる所定の標準的な反応混合物組成から始めることを含む。
幾つかの実施において、(1又は複数の)サーバ102、(1又は複数の)クライアントコンピューティングプラットフォーム104、及び/又は、外部リソース132は、1つ以上の電子通信リンクを介して動作可能にリンクされる。例えば、そのような電子通信リンクは、少なくとも部分的に、インターネット及び/又は他のネットワークなどのネットワークを介して確立される。これは限定を意図するものではなく、この開示の範囲は、(1又は複数の)サーバ102、(1又は複数の)クライアントコンピューティングプラットフォーム104、及び/又は、外部リソース132が幾つかの他の通信媒体を介して動作可能にリンクされる実施を含むことが分かる。
所定のクライアントコンピューティングプラットフォーム104は、コンピュータプログラムモジュールを実行するように構成された1つ以上のプロセッサを含む。コンピュータプログラムモジュールは、所定のクライアントコンピューティングプラットフォーム104に関連する専門家又はユーザがシステム100及び/又は外部リソース132とインタフェースをとることができるようにする及び/又は(1又は複数の)クライアントコンピューティングプラットフォーム104に起因する本明細書中の他の機能を与えることができるようにするべく構成される。非限定的な例として、所定のクライアントコンピューティングプラットフォーム104は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、タブレットコンピューティングプラットフォーム、NetBook、スマートフォン、ゲームコンソール、及び/又は、他のコンピューティングプラットフォームのうちの1つ以上を含む。
外部リソース132は、システム100の外部の情報源、システム100に関与する外部エンティティ、及び/又は、他のリソースを含む。幾つかの実施において、外部リソース132に起因する本明細書中の機能の一部又は全部は、システム100に含まれるリソースによって与えられる。
(1又は複数の)サーバ102は、電子記憶装置134、1つ以上のプロセッサ136、及び/又は、他の構成要素を含む。(1又は複数の)サーバ102は、ネットワーク及び/又は他のコンピューティングプラットフォームとの情報の交換を可能にするための通信回線又はポートを含む。図1における(1又は複数の)サーバ102の例示は、限定を意図するものではない。(1又は複数の)サーバ102は、(1又は複数の)サーバ102に起因する本明細書中の機能を与えるために共に動作する複数のハードウェア、ソフトウェア、及び/又は、ファームウェア構成要素を含む。例えば、(1又は複数の)サーバ102は、(1又は複数の)サーバ102として共に動作するコンピューティングプラットフォームのクラウドによって実装される。
電子記憶装置134は、情報を電子的に記憶する持続性記憶媒体を備えてもよい。電子記憶装置134の電子記憶媒体は、(1又は複数の)サーバ102と一体的に(すなわち、実質的に取り外し不能である)設けられるシステム記憶装置及び/又は例えばポート(例えば、USBポート、ファイヤワイヤポートなど)又はドライブ(例えば、ディスクドライブなど)を介して(1又は複数の)サーバ102に取り外し可能に接続できる取り外し可能記憶装置の一方又は両方を含む。電子記憶装置134は、光学的に読み取り可能な記憶媒体(例えば、光ディスクなど)、磁気的に読み取り可能な記憶媒体(例えば、磁気テープ、磁気ハードドライブ、フロッピードライブなど)、電荷ベースの記憶媒体(例えば、EEPROM、RAMなど)、固体記憶媒体(例えば、フラッシュドライブなど)、及び/又は、他の電子的に読み取り可能な記憶媒体のうちの1つ以上を含む。電子記憶装置134は、1つ以上の仮想記憶リソース(例えば、クラウド記憶装置、仮想プライベートネットワーク、及び/又は、他の仮想記憶リソース)を含む。電子記憶装置134は、ソフトウェアアルゴリズム、(1又は複数の)プロセッサ136によって決定される情報、(1又は複数の)サーバ102から受信される情報、(1又は複数の)クライアントコンピューティングプラットフォーム104から受信される情報、及び/又は、(1又は複数の)サーバ102が本明細書中に記載されるように機能できるようにする他の情報を記憶することができる。
(1又は複数の)プロセッサ136は、(1又は複数の)サーバ102において情報処理能力を与えるように構成される。したがって、(1又は複数の)プロセッサ136は、デジタルプロセッサ、アナログプロセッサ、情報を処理するように設計されるデジタル回路、情報を処理するように設計されるアナログ回路、状態機械、及び/又は、情報を電子的に処理するための他の機構のうちの1つ以上を含む。(1又は複数の)プロセッサ136は単一のエンティティとして図1に示されるが、これは例示のみを目的としている。幾つかの実施では、(1又は複数の)プロセッサ136が複数の処理ユニットを含む。これらの処理ユニットは、同じデバイス内に物理的に位置され、或いは、(1又は複数の)プロセッサ136は、協調して動作する複数のデバイスの処理機能に相当することができる。(1又は複数の)プロセッサ136は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア;ソフトウェア、ハードウェア、及び/又は、ファームウェアの何らかの組み合わせ、及び/又は、(1又は複数の)プロセッサ136上で処理能力を構成するための他の機構によって、モジュール108,110,112,114,118,120,124,126及び/又は130、及び/又は、他のモジュールを実行するように構成される。本明細書中で使用される「モジュール」という用語は、モジュールに起因する機能を果たす任意の構成要素又は構成要素のセットを指すことができる。これは、プロセッサ可読命令、プロセッサ可読命令、回路、ハードウェア、記憶媒体、又は、任意の他の構成要素の実行中の1つ以上の物理プロセッサを含む。
モジュール108,110,112,114,118,120,124,126及び/又は130は、単一の処理ユニット内に実装されるものとして図1に示されるが、(1又は複数の)プロセッサ136が複数の処理ユニットを含む実施では、モジュール108,110,112,114,118,120,124,126及び/又は130のうちの1つ以上が他のモジュールから遠隔的に実装されることが理解されるべきである。以下に記載される異なるモジュール108,110,112,114,118,120,124,126及び/又は130によって与えられる機能の説明は、例示を目的としており、モジュール108,110,112,114,118,120,124,126及び/又は130のいずれかが記載されるよりも多い又は少ない機能を与えることができるため、限定することを意図するものではない。例えば、モジュール108,110,112,114,118,120,124,126及び/又は130のうちの1つ以上が排除され、その機能の一部又は全部がモジュール108,110,112,114,118,120,124,126及び/又は130のうちの他のものによって与えられる。他の例として、(1又は複数の)プロセッサ136は、モジュール108,110,112,114,118,120,124,126及び/又は130のうちの1つに起因する以下の機能の一部又は全部を果たすことができる1つ以上の更なるモジュールを実行するように構成される。
図2は、1つ以上の実施に係る、少なくとも2つの成分を含有する反応混合物から化学生成物を生成するための方法200を示す。以下に提示される方法200の工程は、例示を意図している。幾つかの実施において、方法200は、説明されていない1つ以上の更なる工程によって及び/又は説明された工程のうちの1つ以上を伴うことなく達成される。
幾つかの実施において、方法200は、1つ以上の処理デバイス(例えば、デジタルプロセッサ、アナログプロセッサ、情報を処理するように設計されるデジタル回路、情報を処理するように設計されるアナログ回路、状態機械、及び/又は、情報を電子的に処理するための他の機構)で実施される。1つ以上の処理デバイスは、電子記憶媒体に電子的に記憶される命令に応じて方法200の工程の一部又は全部を実行する1つ以上のデバイスを含む。1つ以上の処理デバイスは、方法200の工程のうちの1つ以上を実行するように特別に設計されるハードウェア、ファームウェア、及び/又は、ソフトウェアを介して構成される1つ以上のデバイスを含む。
工程202は、複数の生成インスタンスを含むデータセットを提供することを含む。各生成インスタンスは、反応混合物の組成、生成物の生成場所における少なくとも1つの気候パラメータ、及び、生成物の少なくとも1つの目標物理特性に関するデータを含む。工程202は、1つ以上の実施に係る、データ提供モジュール108と同じ又は類似のモジュールを含む機械可読命令によって構成される1つ以上のハードウェアプロセッサによって実行される。
工程204は、データセットを使用して生成物のそれぞれの目標物理特性ごとに回帰モデルを生成することを含む。回帰モデルでは、それぞれの目標物理特性が従属変数であり、データセット内の他のデータが独立変数である。工程204は、1つ以上の実施に係る、回帰モデル生成モジュール110と同じ又は同様のモジュールを含む機械可読命令によって構成される1つ以上のハードウェアプロセッサによって実行される。
工程206は、各回帰モデルを変換して、反応混合物の組成及び/又は反応のプロセス条件が生成物の生成場所における少なくとも1つの気候パラメータに依存するとともに各目標物理特性に所望の値が割り当てられる、変換回帰モデルを得ることを含む。工程206は、1つ以上の実施に係る、回帰モデル変換モジュール112と同じ又は同様のモジュールを含む機械可読命令によって構成される1つ以上のハードウェアプロセッサによって実行される。
工程208は、変換回帰モデルを結合して結合回帰モデルを得ることを含む。工程208は、1つ以上の実施に係る、回帰モデル結合モジュール114と同じ又は同様のモジュールを含む機械可読命令によって構成される1つ以上のハードウェアプロセッサによって実行される。
工程210は、生成場所で、結合回帰モデルで使用される少なくとも1つの気候パラメータを測定することを含む。工程210は、1つ以上の実施に係る、測定モジュール116と同じ又は類似のモジュールを含む機械可読命令によって構成される1つ以上のハードウェアプロセッサによって実行される。
工程212は、結合回帰モデル及び少なくとも1つの測定された気候パラメータを使用して反応混合物の組成及び/又は反応のためのプロセス条件を計算することを含む。工程212は、1つ以上の実施に係る、組成計算モジュール118と同じ又は類似のモジュールを含む機械可読命令によって構成される1つ以上のハードウェアプロセッサによって実行される。
工程214は、計算にしたがって反応混合物及び/又はプロセス条件を組成することを含む。工程214は、1つ以上の実施に係る、反応混合物組成モジュール120と同じ又は同様のモジュールを含む機械可読命令によって構成される1つ以上のハードウェアプロセッサによって実行される。
工程216は、反応混合物を反応させて化学生成物を得ることを含む。工程216は、1つ以上の実施に係る、反応混合物反応モジュール122と同じ又は同様のモジュールを含む機械可読命令によって構成される1つ以上のハードウェアプロセッサによって実行される。
本発明は、以下の節で概説される手順によって限定されることを望むことなく、以下の節で更に説明される。以下で与えられる構造を有するデータセットが使用されてもよい。各行は、ポリウレタンフォームの1つの生成インスタンスに関するデータを表わす。フォームは、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応させることにより生成することができる。データは、標準スコア(z=(x-μ)/σ)として正規化することができる。
水:化学発泡剤としてポリオール成分に添加される水の量[g];ISO:反応混合物のNCO指数;AbsHum_Mean:生成場所における絶対空気湿度[g/m]の平均値;p:生成場所における気圧[kPa];RD:ポリウレタンフォームの生密度[kg/m];CH40:40%圧縮時のポリウレタンフォームの圧縮荷重撓み[kPa]。
Figure 2022543266000004
本発明に係る方法と一致して、表の各行は生成インスタンスを表わす。反応混合物の組成は、本発明に係る方法に関連するため、「ISO」及び「Water」の列に文書化されている。同様に、気候パラメータは「AbsHum_Mean」及び「p」であり、目標物理特性は「RD」及び「CH40」である。
生密度「RD」については、以下の回帰モデルを生成することができる。
RD=constant_01
+constant_02・X1
+constant_03・X2
+constant_04・X4
本発明に係る方法によれば、生密度は従属変数であり、他のデータ(ISO、水及び空気圧)の一部は独立変数である。絶対湿度は考慮されていない。更に、本発明に係る方法によっても、他の目標物理特性としての圧縮荷重撓みが除外されている。
圧縮硬度「CH40」について、以下の回帰モデルを生成した。
CH40=constant_05
+constant_06・X1
+constant_07・X2
+constant_08・X3
+constant_09・X4
+constant_10・X1
+constant_11・X2
+constant_12・X1・X2
本発明に係る方法によれば、圧縮荷重撓みが従属変数であり、他のデータ(ISO、水、絶対湿度及び空気圧)が独立変数である。更に、本発明に係る方法によっても、他の目標物理特性としての生密度が除外されている。
回帰モデルは以下のように変換された。下付き文字「_nr」は、「新たなレシピ」を示し、すなわち、気候補正(絶対湿度及び空気圧)を考慮に入れた後のポリウレタンフォームにおけるレシピに関連する。定数constant_01~constant_33は、正又は負であってもよく、通常は-2~2の小さい値を有する。
RD-RD_nr=0;拡張形態では:
(constant_01
+constant_02・X1
+constant_03・X2
+constant_04・X4)
-(constant_01
+constant_02・X1_nr
+constant_03・X2_nr
+constant_04・X4_nr)
=0
ここで、RD_nrは、新たな気候補正成分X1_nr、X2_nr、及びX4_nrを有する。
CH40-CH40_nr=0;拡張形態では:
(constant_05
+constant_06・X1
+constant_07・X2
+constant_08・X3
+constant_09・X4
+constant_10・X1
+constant_11・X2
+constant_12・X1・X2)
-(constant_05
+constant_06・X1_nr
+constant_07・X2_nr
+constant_08・X3_nr
+constant_09・X4_nr
+constant_10・X1_nr
+constant_11・X2_nr
+constant_12・X1_nr・X2_nr)
=0
ここで、CH40_nrは、新たな気候補正成分X1_nr、X2_nr、及びX4_nrも有する。
変換回帰モデルが以下のように組み合わされた(sqrt:quare root):
X1_nr=constant_13
+constant_14・X2
+constant_14・X4_nr
+constant_15・X1
-constant_14・X4
+constant_16・sqrt(
constant_17
+constant_18・X4_nr
+constant_19・X2
+constant_20・X3_nr
-constant_18・X4
-constant_21・X1
-constant_20・X3
+constant_22・X2・X4_nr
+constant_23・X1・X4_nr
-constant_22・X2・X4
-constant_23・X1・X4
-constant_24・X4・X4_nr
-constant_25・X1・X2
+constant_26・X1
+constant_27・X4
+constant_27・X4_nr
+constant_28・X2
X2_nr=-constant_29
+constant_30・X2
+constant_31・X1
+constant_32・X4_nr
-constant_32・X4
-constant_33・sqrt(
constant_17
+constant_18・X4_nr
+constant_19・X2
+constant_20・X3_nr
-constant_18・X4
-constant_21・X1
-constant_20・X3
+constant_22・X2・X4_nr
+constant_23・X1・X4_nr
-constant_22・X2・X4
-constant_23・X1・X4
-constant_24・X4・X4_nr
-constant_25・X1・X2
+constant_26・X1
+constant_27・X4
+constant_27・X4_nr
+constant_28・X2
X3_nr及びX4_nrは、新たに測定された絶対湿度及び空気圧の値である。X3及びX4は、標準的な実験室気候条件である。

Claims (15)

  1. 少なくとも2つの成分を含有する反応混合物から化学生成物を生成する方法であって、
    I)複数の生成インスタンスを含むデータセットを提供するステップであって、各生成インスタンスが、(a)前記反応混合物の組成及び/又はプロセス条件、(b)前記生成物の生成場所における少なくとも1つの気候パラメータ、及び、(c)前記生成物の少なくとも1つの目標物理特性に関するデータを含む、ステップと、
    II)前記データセットを使用して前記生成物のそれぞれの目標物理特性ごとに回帰モデルを生成するステップであって、前記回帰モデルでは、それぞれの目標物理特性が従属変数であり、任意の残りの目標物理特性を除いて、前記データセット内の他のデータの少なくとも一部が独立変数である、ステップと、
    III)各回帰モデルを変換して変換回帰モデルを得るステップであって、a)前記反応混合物の前記組成及び/又はb)反応の前記プロセス条件が、前記生成物の前記生成場所における少なくとも1つの気候パラメータに依存し、各目標物理特性に所望の値が割り当てられる、ステップと、
    IV)前記変換回帰モデルを結合して、結合回帰モデルを得るステップと、
    V)前記生成場所において、前記結合回帰モデルで使用される前記少なくとも1つの気候パラメータを測定するステップと、
    VI)前記結合回帰モデル及び前記少なくとも1つの測定された気候パラメータを使用して、a)前記反応混合物の前記組成及び/又はb)前記反応のための前記プロセス条件を計算するステップと、
    VII)前記計算にしたがって前記反応混合物及び/又はプロセス条件を組成するステップと、
    VIII)前記反応混合物を反応させて前記化学生成物を得るステップと、
    を含む、方法。
  2. 前記データセットは、異常値を除去するために統計的方法を使用してステップI)の前に処理される、請求項1に記載の方法。
  3. ステップII)は、
    前記データセットを訓練データセットと試験データセットとに分割するステップと、
    前記訓練データセットを使用して各回帰モデルを生成するステップと、
    前記試験データセットに対して前記回帰モデルを検証するステップと、
    を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記データセットがクラスタにグループ化され、各クラスタは、前記回帰モデルを生成するために訓練データセット及び試験データセットに分割される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記生成場所における前記少なくとも1つの気候パラメータは、空気圧、気温、空気の相対湿度、又は、それらの組み合わせである、請求項1に記載の方法。
  6. 前記少なくとも1つの目標物理特性は、DIN EN ISO 845にしたがった生密度及び/又はEN ISO 3386にしたがった40%圧縮時の圧縮荷重撓みである、請求項1に記載の方法。
  7. 前記化学生成物がポリウレタンフォームであり、前記反応混合物は、ポリイソシアネート、ポリイソシアネート反応性化合物、及び、発泡剤を含む、請求項1に記載の方法。
  8. ステップVII)において前記反応混合物を組成することは、所定の標準的な反応混合物組成から始めて、
    (a)イソシアネート反応性基に対するイソシアネート基のモル比を増減すること、
    (b)発泡剤量を増減すること、
    (c)物理的及び化学的発泡剤の互いに対する相対量を増減すること、
    (d)これらの組み合わせ
    を含む、請求項1に記載の方法。
  9. IX)ステップVIIIが始まった後に前記生成場所で前記結合回帰モデルで使用される前記少なくとも1つの気候パラメータを測定するステップと、
    X)ステップIXにおいて前記結合回帰モデル及び前記少なくとも1つの測定された気候パラメータを使用して前記反応混合物の組成又は前記反応のプロセス条件を計算するステップと、
    XI)ステップXにおける計算にしたがって前記反応混合物又はプロセス条件を、調整する、又は、調整しないことを決定する、ステップと、
    XII)ステップXIにおいて、前記反応混合物又はプロセス条件を調整した後、又は、前記調整しないことを決定した後に、前記反応混合物を反応させて前記化学生成物を得るステップと、
    を更に含む、請求項1に記載の方法。
  10. ステップIX~XIIは、少なくとも60秒ごとに1回、少なくとも30秒ごとに1回、又は、連続的に繰り返される、請求項9に記載の方法。
  11. IX’)ステップVIIIが始まった後に前記生成場所で前記結合回帰モデルで使用される前記少なくとも1つの気候パラメータを測定するステップと、
    X’)ステップIX’における測定値が前記少なくとも1つの気候パラメータの以前の測定値と異なるかどうかを決定するステップと、
    XI’)前記測定値が異なると決定された場合に、ステップIX’において、前記結合回帰モデル及び前記少なくとも1つの測定された気候パラメータを使用して、前記反応混合物の組成又は前記反応のプロセス条件を計算するステップと、
    XII’)そのような計算が行なわれる場合に、ステップXI’における計算にしたがって前記反応混合物又はプロセス条件を調整するステップと、
    XIII’)ステップXIで計算が行なわれる場合に、ステップXII’において前記反応混合物又はプロセス条件の調整を行なった後、前記反応混合物を反応させて前記化学生成物を得るステップと、
    を更に含む、請求項1に記載の方法。
  12. ステップIX’~XI’は、少なくとも60秒ごとに1回、少なくとも30秒ごとに1回、又は、連続的に繰り返される、請求項11に記載の方法。
  13. 少なくとも2つの成分を含有する反応混合物から化学生成物を生成するように構成されるシステムであって、
    複数の生成インスタンスを含むデータセットを提供し、各生成インスタンスが、前記反応混合物の組成、前記生成物の生成場所における少なくとも1つの気候パラメータ、及び、前記生成物の少なくとも1つの目標物理特性に関するデータを含み、
    前記データセットを使用して前記生成物のそれぞれの目標物理特性ごとに回帰モデルを生成し、前記回帰モデルでは、それぞれの目標物理特性が従属変数であり、前記データセット内の他のデータが独立変数であり、
    各回帰モデルを変換して変換回帰モデルを取得し、前記反応混合物の前記組成及び/又は反応の前記プロセス条件が、前記生成物の前記生成場所における少なくとも1つの気候パラメータに依存し、各目標物理特性に所望の値が割り当てられ、
    前記変換回帰モデルを結合して、結合回帰モデルを取得し、
    前記生成場所において、前記結合回帰モデルで使用される前記少なくとも1つの気候パラメータを測定し、
    前記結合回帰モデル及び前記少なくとも1つの測定された気候パラメータを使用して、前記反応混合物の前記組成及び/又は前記反応のための前記プロセス条件を計算し、
    前記計算にしたがって前記反応混合物及び/又はプロセス条件を組成する、
    ための機械可読命令によって構成される1つ以上のハードウェアプロセッサと、
    前記反応混合物を反応させて前記化学生成物を得るための反応器と、
    を備える、システム。
  14. 少なくとも2つの成分を含有する反応混合物から化学生成物を生成するように構成されるコンピューティングプラットフォームであって、
    実行可能命令が具現化されて成る持続性コンピュータ可読記憶媒体と、
    複数の生成インスタンスを含むデータセットを提供し、各生成インスタンスが、前記反応混合物の組成、前記生成物の生成場所における少なくとも1つの気候パラメータ、及び、前記生成物の少なくとも1つの目標物理特性に関するデータを含み、
    前記データセットを使用して前記生成物のそれぞれの目標物理特性ごとに回帰モデルを生成し、前記回帰モデルでは、それぞれの目標物理特性が従属変数であり、前記データセット内の他のデータが独立変数であり、
    各回帰モデルを変換して変換回帰モデルを取得し、前記反応混合物の前記組成及び/又は反応の前記プロセス条件が、前記生成物の前記生成場所における少なくとも1つの気候パラメータに依存し、各目標物理特性に所望の値が割り当てられ、
    前記変換回帰モデルを結合して、結合回帰モデルを取得し、
    前記生成場所において、前記結合回帰モデルで使用される前記少なくとも1つの気候パラメータを測定し、
    前記結合回帰モデル及び前記少なくとも1つの測定された気候パラメータを使用して、前記反応混合物の前記組成及び/又は前記反応のための前記プロセス条件を計算し、
    前記計算にしたがって前記反応混合物及び/又はプロセス条件を組成する、
    ための命令を実行するよう構成される1つ以上のハードウェアプロセッサと、
    を備える、コンピューティングプラットフォーム。
  15. 前記プラットフォームは、前記反応混合物を反応させて前記化学生成物を得るための反応器とデータ通信する、請求項14に記載のプラットフォーム。
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