JP2022543209A - 凝集を低減するための緩衝剤組成物 - Google Patents
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Abstract
膣疾患、例えば、外陰膣カンジダ症、トリコモナス症および/または細菌性腟症の核酸ベースの検出および特定のための組成物、キットおよび方法が開示されている。組成物、キット、および方法は、妨害物質、例えば、臨床膣スワブサンプル中に存在するゲルに対して堅固な診断試験性能を得るために使用し得る。
Description
関連出願への相互参照
本出願は、2019年7月26日に出願された米国仮特許出願第62/879,310号に対する優先権を主張し、これは参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
本開示は、膣疾患および/または性感染症のための、組成物、キットおよび方法、例えば緩衝剤組成物、それを含むアッセイキット、その使用およびそれによる診断試験の方法に関する。いくつかの実施形態において、組成物、キットおよび方法は、特に妨害物質の存在下において、生体サンプルからの堅固な高性能の診断試験を達成する。いくつかの実施形態は、外陰膣カンジダ症関連カンジダ種、トリコモナス症を引き起こす膣トリコモナス(trichomonas vaginalis)および/または細菌性膣症関連細菌の、膣炎および/または膣症の臨床徴候を示す女性からサンプル採取した臨床膣スワブからの、本明細書に開示する組成物、キットおよび方法を使用した、核酸ベースの検出および特定に関する。いくつかの実施形態において、性感染症、例えばクラミジア感染症、淋病、トリコモナス症は、本明細書に開示する核酸ベースの組成物、キットおよび方法によって診断する。
本出願は、2019年7月26日に出願された米国仮特許出願第62/879,310号に対する優先権を主張し、これは参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
本開示は、膣疾患および/または性感染症のための、組成物、キットおよび方法、例えば緩衝剤組成物、それを含むアッセイキット、その使用およびそれによる診断試験の方法に関する。いくつかの実施形態において、組成物、キットおよび方法は、特に妨害物質の存在下において、生体サンプルからの堅固な高性能の診断試験を達成する。いくつかの実施形態は、外陰膣カンジダ症関連カンジダ種、トリコモナス症を引き起こす膣トリコモナス(trichomonas vaginalis)および/または細菌性膣症関連細菌の、膣炎および/または膣症の臨床徴候を示す女性からサンプル採取した臨床膣スワブからの、本明細書に開示する組成物、キットおよび方法を使用した、核酸ベースの検出および特定に関する。いくつかの実施形態において、性感染症、例えばクラミジア感染症、淋病、トリコモナス症は、本明細書に開示する核酸ベースの組成物、キットおよび方法によって診断する。
カンジダは、酵母の属であり、世界中の真菌感染症の最も一般的な原因である。多くのカンジダ種は、無害な片利共生生物であり、宿主の正常な微生物叢の一部であることが見出されており、ヒトを含む宿主の内部共生であり得る。しかしながら、宿主の不安定または免疫低下の場合において、カンジダは侵襲し、疾患を引き起こすことが知られている。いくつかのカンジダ属、例えばC.クルセイ(C.krusei)およびC.グラブラータ(C.glabrata)は、外陰膣カンジダ症(VVC)に関連していることが知られている。膣トリコモナスは、嫌気性の鞭毛虫原生寄生生物であり、これはトリコモナス症の病原体である。細菌性膣症(BV)は膣における細菌の正常な均衡が変化することによって引き起こされる膣の感染症である。
性感染症(STI)、例えばクラミジア感染症(CT)、淋病(GC)およびトリコモナス症(TV)は、大きな健康保険負担をもたらしており、負担は増大している。これらの感染症の大部分は無症候性であるが、対処されないままの場合、骨盤内炎症性疾患(PID)、子宮外妊娠、不妊症、早期分娩または低出生体重児および男性および女性におけるSTI伝染または感染(HIVを含む)のリスクの上昇等の深刻な結果を有する場合がある。
膣疾患および/または性感染症の正確な診断に基づく標的化処置は、患者のクオリティオブライフを改善し、より良好な臨床結果を達成するために必要である。アッセイプラットフォームおよび方法、例えば核酸抽出のための官能化粒子の流体操作は、VVC、トリコモナス症、BV、CT、GCおよびTVの診断試験および治療介入のために開発されている。いくつかのこのようなアッセイは、試験する生体サンプル中に存在する微量の妨害物質にさえも感度を示す。特に、臨床膣スワブサンプルは、ゲル、例えば患者が使用している市販のパーソナルケアクリーム、およびサンプル採取の前の検査手順において導入される臨床用潤滑剤が混入している可能性がある。妨害ゲルの多くは、核酸抽出用のアッセイにおいて配置されている官能化粒子と相互作用することができる、高分子電解質、例えばカルボマー(ポリアクリル酸)を含む。この妨害ゲルは、アッセイカートリッジに移された場合、流体チャネル内において官能化粒子の凝集、流体チャネルの詰まり、および/または標的核酸のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の阻害を引き起こし得る。したがって、妨害物質の存在下において、多くの核酸ベースのアッセイでは、報告エラー(偽陽性および偽陰性)が増加するだけでなく、報告不可能な結果(内部対照の失敗による未解決の結果、過剰なノイズによる不確定の結果等)も増加する。例えば、粒子凝集は官能性の喪失につながり、それによってアッセイの感度が低下し、かつ未解決の結果の割合が上昇し得る。チャネルの詰まりは不確定の結果の割合を上昇させ、PCR阻害は偽陰性の割合を上昇させ得る。
上述のようなアッセイに使用される標準的な緩衝剤は、典型的には採取後の生体サンプルをその後の診断分析のために保存することを唯一の目的として設計されている。臨床サンプル中に共通して存在する妨害物質に関連する種々の有害事象を考慮すると、臨床効率を維持しながら、オンチップサンプル処理およびそれに伴う膣疾患(例えば、外陰膣カンジダ症、トリコモナス症、細菌性膣症等)の検出についての、より高い干渉堅固性を有する新規の緩衝剤組成物(およびそれを使用する方法)を開発することが切実に必要とされている。前段落で論じたようなマイクロ流体アッセイの場合、粒子凝集、チャネルの詰まり、およびPCR阻害等の発生を防止する、および/またはその結果を軽減することが特に必要とされている。より迅速な診断、より効果的な処置、およびより良い患者の結果につながる、種々の臨床ワークフローに適合することが可能な新規の緩衝剤組成物がさらに必要とされている。
本開示の実施形態は、膣疾患および/または性感染症の、特に妨害物質を含む膣サンプルからの核酸ベースの検出および特定のための組成物、キットおよび方法に関する。開示されている実施形態のいくつかは、表面官能化粒子、例えば核酸抽出および/または精製のためのマイクロ流体PCRデバイスにおいて配置されているものの凝集を防止または低減するための緩衝剤組成物、キットおよび方法に関する。いくつかの実施形態は、膣病原性生物からの核酸の増幅および/または検出の効率を向上し得る。本明細書に記載の組成物、キット、および方法の適用は、特定のサンプルまたは特定の膣疾患に限定されるものではないことは、当業者によって理解されるであろう。
緩衝剤組成物が本明細書に記載されている。いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物は、酸および塩基の共役対、キレート剤または還元剤、非イオン性界面活性剤、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、およびその組合せからなる群から選択される一価または二価の塩、ならびに任意に、1種または複数のイソチアゾロンを含む殺菌性保存剤を含む。いくつかの実施形態において、共役対は、酢酸およびその塩を含む。いくつかの実施形態において、共役対は、約50mM~約150mMの酢酸を含む。いくつかの実施形態において、共役対は、約90mM~約110mMの酢酸を含む。いくつかの実施形態において、共役対は、約350mM~450mMの酢酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態において、共役対は、約400mM~約600mMの範囲の濃度で存在し得る。いくつかの実施形態において、共役対は、酢酸および酢酸ナトリウム、またはトリス-HClを含む。いくつかの実施形態において、酢酸は、200mM以下の濃度で存在し、酢酸ナトリウムは、300mM以上の濃度で存在し得る。いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物は、約4.0~約6.0または約1.0~約3.0のpHであり得る。いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物は約5.0のpHであり得る。いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物は、約2.4のpHであり得る。いくつかの実施形態において、キレート剤は、EDTAを含み得る。いくつかの実施形態において、還元剤はTCEPを含む。いくつかの実施形態において、キレート剤または還元剤は、約1mM~約20mMの範囲の濃度で存在し得る。いくつかの実施形態において、キレート剤は、約10mMの濃度のEDTAである。いくつかの実施形態において、還元剤は、約15mMの濃度のTCEPである。いくつかの実施形態において、非イオン性界面活性剤は、エトキシル化非イオン性界面活性剤、プロキシル化非イオン性界面活性剤、コ-エトキシル化-プロポキシル化非イオン性界面活性剤、およびその組合せからなる群から選択し得る。いくつかの実施形態において、非イオン性界面活性剤は、モノ脂肪酸のエトキシル化ソルビタンエステル、エトキシル化オクチルフェノール、エトキシル化二級C1-C20アルコール、コ-エトキシル化-プロポキシル化種子油アルコールおよびその組合せからなる群から選択し得る。いくつかの実施形態において、非イオン性界面活性剤は、界面活性剤あたり平均1~50のエチレンオキシド単位を含むモノ脂肪酸のエトキシル化ソルビタンエステル、界面活性剤あたり平均1~20のエチレンオキシド単位を含むエトキシル化オクチルフェノール、界面活性剤あたり平均1~20のエチレンオキシド単位を含むエトキシル化二級C1-C20アルコール、界面活性剤あたり平均1~20のプロピレンオキシド単位および1~30のエチレンオキシド単位を含むコ-エトキシル化-プロポキシル化種子油アルコールおよびその組合せからなる群から選択し得る。いくつかの実施形態において、非イオン性界面活性剤は、1種または複数のモノ脂肪酸のエトキシル化ソルビタンエステルを含み得る。いくつかの実施形態において、1種または複数のモノ脂肪酸のエトキシル化ソルビタンエステルは、平均1~50のエチレンオキシド単位を含有し得る。いくつかの実施形態において、非イオン性界面活性剤は、1種または複数のエトキシル化二級C1-C20アルコールを含み得る。いくつかの実施形態において、1種または複数のエトキシル化二級C1-C20アルコールは、平均1~20のエチレンオキシド単位を含み得る。いくつかの実施形態において、非イオン性界面活性剤は、1種または複数のエトキシル化オクチルフェノールを含み得る。いくつかの実施形態において、1種または複数のエトキシル化オクチルフェノールは、平均1~20のエチレンオキシド単位を含み得る。いくつかの実施形態において、非イオン性界面活性剤は、1種または複数のコ-エトキシル化-プロポキシル化種子油アルコールを含み得る。いくつかの実施形態において、1種または複数のコ-エトキシル化-プロポキシル化種子油アルコールは、平均1~20のプロピレンオキシド単位および1~30のエチレンオキシド単位を含み得る。いくつかの実施形態において、非イオン性界面活性剤は、Tergitol(商標)またはTriton(商標)界面活性剤である。いくつかの実施形態において、非イオン性界面活性剤は、Tergitol(商標)15-S-9またはTriton(商標)X-100である。いくつかの実施形態において、非イオン性界面活性剤は、緩衝剤組成物の約0.5質量%~1.5質量%の範囲の濃度で存在し得る。いくつかの実施形態において、非イオン性界面活性剤は、緩衝剤組成物の約1.0質量%の範囲の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、二価の塩はカルシウム塩であり得る。いくつかの実施形態において、二価の塩はCaCl2であり得る。いくつかの実施形態において、一価または二価の塩は、約100mM~約300mMの範囲の濃度で存在し得る。いくつかの実施形態において、一価または二価の塩は、約200mMの濃度で存在し得る。いくつかの実施形態において、殺菌性保存剤は、緩衝剤組成物の約0.03質量%の範囲の濃度で存在し得る。いくつかの実施形態において、殺菌性保存剤は、約1質量%~約5質量%の1種または複数のイソチアゾロンを含み得る。いくつかの実施形態において、殺菌性保存剤は、約2質量%~約4質量%の1種または複数のイソチアゾロンを含み得る。いくつかの実施形態において、殺菌性保存剤は、約1質量%~約3質量%の1種または複数のイソチアゾロンを含み得る。いくつかの実施形態において、1種または複数のイソチアゾロンは、クロロメチルイソチアゾリノンおよびメチルイソチアゾリノンを含む。いくつかの実施形態において、クロロメチルイソチアゾリノンおよびメチルイソチアゾリノンは、約1:1~約5:1の質量比である。いくつかの実施形態において、1種または複数のイソチアゾロンは、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンおよび2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンを約3:1の質量比で含む。いくつかの実施形態において、殺菌性保存剤は、1種または複数の塩非含有の独自のグリコールおよびアルキルカルボキシレート安定化剤を含む。いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物は、殺菌性保存剤を含まない。いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物は、実施例緩衝剤Iまたは実施例緩衝剤II、または実施例緩衝剤IIIである。
本開示はまた、キットを提供する。いくつかの実施形態において、キットは、上述および/または本明細書の他の箇所に記載する緩衝剤組成物を含む。いくつかの実施形態において、キットは、緩衝剤組成物を収容する無菌容器を含む。いくつかの実施形態において、キットは、膣感染症または炎症に関連する症状を診断するためのマニュアルを含む。いくつかの実施形態において、症状は、膣炎もしくは膣症、または性感染症またはその組合せである。いくつかの実施形態において、症状は、外陰膣カンジダ症(VVC)、トリコモナス症または細菌性膣症(BV)またはその組合せである。いくつかの実施形態において、症状は、性感染症、例えば、クラミジア感染症(CT)、淋病(GC)、トリコモナス症(TV)またはその組合せである。
本開示は、表面官能化粒子の凝集を防止または低減する方法であって、サンプルを、上述および/または本明細書の他の箇所に記載する緩衝剤組成物と接触させることを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、サンプルは、複数の表面官能化粒子を含み、緩衝剤組成物の存在下における複数の表面官能化粒子の凝集レベルは、緩衝剤組成物の非存在下における凝集レベルと比較して低減する。いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物の存在下における複数の表面官能化粒子の凝集レベルは、緩衝剤組成物の非存在下における凝集レベルと比較して少なくとも1%低減し得る。いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物の存在下における複数の表面官能化粒子の凝集レベルは、緩衝剤組成物の非存在下における凝集レベルと比較して少なくとも5%低減する。いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物の存在下における複数の表面官能化粒子の凝集レベルは、緩衝剤組成物の非存在下における凝集レベルと比較して少なくとも10%低減する。いくつかの実施形態において、サンプルは臨床サンプルである。いくつかの実施形態において、サンプルは膣サンプルである。いくつかの実施形態において、サンプルは臨床膣スワブである。いくつかの実施形態において、サンプルは膣から採取される。いくつかの実施形態において、サンプルは、膣炎、膣症、性感染症(例えば、クラミジア感染症(CT)、淋病(GC)、トリコモナス症(TV))またはその組合せの臨床徴候を示す対象から採取する。いくつかの実施形態において、サンプルは、膣炎もしくは膣症、または両方の臨床徴候を示す対象から採取する。いくつかの実施形態において、サンプルは、クラミジア感染症(CT)、淋病(GC)、トリコモナス症(TV)またはその組合せの臨床徴候を示す対象から採取する。いくつかの実施形態において、サンプルは、複数の核酸を含み得る。いくつかの実施形態において、複数の核酸は、1種または複数の外陰膣カンジダ症(VVC)関連カンジダ種、トリコモナス症を引き起こす膣トリコモナス、1種または複数の細菌性膣症(BV)関連細菌またはその組合せ由来である。いくつかの実施形態において、1種または複数のVVC関連カンジダ種は、カンジダ・グラブラータ、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、C.デュブリニエンシス(dubliniensis)、C.パラプシローシス(parapsilosis)、カンジダ・クルセイまたはその組合せを含み得る。いくつかの実施形態において、1種または複数のBV関連細菌は、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、ラクトバチルス・ジェンセンイ(Lactobacillus jensenii)、ガルドネラ・ヴァギナリス(Gardnerella vaginalis)、アトポビウム・ヴァギナエ(Atopobium vaginae)、メガスファエラ1型(Megasphaera Type 1)、メガスファエラBVAB2またはその組合せを含み得る。いくつかの実施形態において、方法は、複数の核酸を増幅および/または検出することをさらに含んでいてもよく、緩衝剤組成物の存在下における複数の核酸の増幅および/または検出の効率は、緩衝剤組成物の非存在下における効率と比較して向上している。いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物の存在下における複数の核酸の増幅および/または検出の効率は、緩衝剤組成物の非存在下における効率と比較して少なくとも1%向上している。いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物の存在下における複数の核酸の増幅および/または検出の効率は、緩衝剤組成物の非存在下における効率と比較して少なくとも5%向上している。いくつかの実施形態において、表面官能化粒子は、1mm未満の平均径を含み得る。いくつかの実施形態において、表面官能化粒子は、核酸の抽出、精製、増幅、検出またはその組合せのために構成されている。いくつかの実施形態において、凝集は、サンプル中の妨害物質によって誘導される。いくつかの実施形態において、凝集はマイクロ流体チャネル中で生じ得る。いくつかの実施形態において、妨害物質は、潤滑剤、ゲル、クリームおよびその組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、妨害物質は、1種または複数のカルボマーを含むゲルを含み得る。いくつかの実施形態において、妨害物質は、カルボマーを含まないゲルを含み得る。
本明細書に記載されている代替または追加の実施形態は、上述の記載または本明細書の他の箇所の任意の記載の1つまたは複数の特徴を含む緩衝剤組成物を提供する。
本明細書に記載されている代替または追加の実施形態は、上述の記載または本明細書の他の箇所の任意の記載の1つまたは複数の特徴を含むキットを提供する。
本明細書に記載されている代替または追加の実施形態は、上述の記載または本明細書の他の箇所の任意の記載の1つまたは複数の特徴を含む、表面官能化粒子の凝集を防止または低減する方法を提供する。
本明細書に記載されている代替または追加の実施形態は、上述の記載または本明細書の他の箇所の任意の記載の1つまたは複数の特徴を含むキットを提供する。
本明細書に記載されている代替または追加の実施形態は、上述の記載または本明細書の他の箇所の任意の記載の1つまたは複数の特徴を含む、表面官能化粒子の凝集を防止または低減する方法を提供する。
本明細書において使用されているセクション見出しは、整理を目的としたものであるに過ぎず、記載されている主題をいかなる形においても限定するものと解釈されるべきではない。本出願で引用されている全ての文献および類似資料、例えば非限定的には特許、特許出願、論文、書籍、論説、およびインターネットのウェブページは、そのような文献および類似資料の形式にかかわらず、任意の目的のためにその全体が参照によって明示的に組み込まれる。1つまたは複数の組み込まれた文献および類似資料が、本出願における用語の使用と矛盾するような方法で用語を定義または使用している場合、本出願が優先する。本発明の教示は、種々の実施形態と併せて記載されているが、本発明の教示がそのような実施形態に限定されることは意図されていない。反対に、本発明の教示は、当業者によって理解されるように、種々の代替物、改変物、および等価物を包含する。
本明細書において、膣疾患、例えば、外陰膣カンジダ症(VVC)、トリコモナス症および/または細菌性膣症(BV)の核酸ベースの検出のための緩衝剤組成物、キット、および方法が提供される。例えば、核酸抽出用のマイクロ流体PCRカートリッジに配置されている表面官能化粒子のアッセイ時の凝集を防止または低減し得る緩衝剤組成物は、妨害物質の存在下において臨床膣スワブサンプルから病原性生物を検出するために提供される。いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物は、例えば、VVC関連カンジダ種、トリコモナス症を引き起こす膣トリコモナスおよび/またはBV関連細菌についての核酸ベースの検出の効率を向上または維持し得る。
本明細書で使用される「核酸」は、本開示に鑑みて、その明白および通常の意味を有し、ポリヌクレオチドを形成するために、核酸骨格結合(例えば、ホスホジエステル結合)によって連結された、窒素性複素環塩基または塩基アナログを有するヌクレオシドまたはヌクレオシドアナログを含む高分子化合物を指す。核酸の非限定的な例としては、RNA、DNA、およびそのアナログが挙げられる。核酸骨格は、種々の結合、例えば、糖-ホスホジエステル結合、ペプチド-核酸結合、ホスホロチオエートまたはメチルホスホネート結合の1つまたは複数、または単一のオリゴヌクレオチドにおけるこのような結合の混合物を含み得る。核酸中の糖部分は、リボースもしくはデオキシリボース、または公知の置換を有する類似の化合物である。従来の窒素性塩基(例えば、A、G、C、T、U)、公知の塩基アナログ(例えば、イノシン)、プリンまたはピリミジン塩基の誘導体および「脱塩基」残基(すなわち、1つまたは複数の骨格位置について窒素性塩基がない)は、核酸という用語に含まれる。すなわち、核酸は、RNAおよびDNAに見られる従来の糖、塩基および結合のみを含むか、または従来の構成要素および置換の両方(例えば、メトキシ骨格を介して連結された従来の塩基およびアナログ、またはRNAもしくはDNA骨格を介して連結された従来の塩基および1つまたは複数の塩基アナログ)を含み得る。
本明細書で使用される「共役対」は、本開示に鑑みてその明白および通常の意味を有し、1つのプロトン(H+)において異なる酸(HA)および塩基(A-)を指す。例えば、一塩基性リン酸カリウム(KH2PO4)と二塩基性リン酸カリウム(K2HPO4)は共役対である。他の例としては、酢酸および酢酸ナトリウム(CH3COONa)も共役対である。
本明細書で使用される用語「感度」は、本開示に鑑みてその明白および通常の意味を有し、試験方法の性能に言及する場合、真陽性を真陽性と偽陰性との合計で割ったものである。当業者は、試験方法の性能に言及する場合、用語「リコール」、「ヒット率」、および「真陽性率(TPR)」が、「感度」と同じであることを理解するであろう。
本明細書で使用される用語「特異性」は、本開示に鑑みて、その明白および通常の意味を有しており、試験方法の性能に言及する場合には、真陰性を、真陰性と偽陽性との合計で割ったものである。当業者は、試験方法の性能に言及する場合、用語「選択性」および「真陰性率(TPR)」が、「特異性」と同じであることを理解するであろう。
本明細書で使用される用語「精度」は、本開示に鑑みて、その明白および通常の意味を有し、試験方法の性能に言及する場合、真陽性と真陰性との合計を、真陽性、偽陽性、真陰性、および偽陰性の合計で割ったものである。
本明細書で使用される、「a」および「b」が整数である「Ca-Cb」は、化合物中の炭素原子の数を指す。
本明細書で使用される用語「感度」は、本開示に鑑みてその明白および通常の意味を有し、試験方法の性能に言及する場合、真陽性を真陽性と偽陰性との合計で割ったものである。当業者は、試験方法の性能に言及する場合、用語「リコール」、「ヒット率」、および「真陽性率(TPR)」が、「感度」と同じであることを理解するであろう。
本明細書で使用される用語「特異性」は、本開示に鑑みて、その明白および通常の意味を有しており、試験方法の性能に言及する場合には、真陰性を、真陰性と偽陽性との合計で割ったものである。当業者は、試験方法の性能に言及する場合、用語「選択性」および「真陰性率(TPR)」が、「特異性」と同じであることを理解するであろう。
本明細書で使用される用語「精度」は、本開示に鑑みて、その明白および通常の意味を有し、試験方法の性能に言及する場合、真陽性と真陰性との合計を、真陽性、偽陽性、真陰性、および偽陰性の合計で割ったものである。
本明細書で使用される、「a」および「b」が整数である「Ca-Cb」は、化合物中の炭素原子の数を指す。
緩衝剤組成物
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、緩衝剤組成物を提供する。いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物は、酸および塩基の共役対、キレート剤、非イオン性界面活性剤、一価または二価の塩、ならびに任意に殺菌性保存剤を含む。いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物は、酸および塩基の共役対、キレート剤、非イオン性界面活性剤、一価または二価の塩、ならびに任意に殺菌性保存剤を、以下を含む本明細書に開示されている量または量の範囲のいずれかで含む。
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、緩衝剤組成物を提供する。いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物は、酸および塩基の共役対、キレート剤、非イオン性界面活性剤、一価または二価の塩、ならびに任意に殺菌性保存剤を含む。いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物は、酸および塩基の共役対、キレート剤、非イオン性界面活性剤、一価または二価の塩、ならびに任意に殺菌性保存剤を、以下を含む本明細書に開示されている量または量の範囲のいずれかで含む。
いくつかの実施形態において、共役対の塩基は酸の塩である。いくつかの実施形態において、酸は、酢酸を含む。いくつかの実施形態において、塩基は酢酸の塩を含む。いくつかの実施形態において、共役対は、酢酸およびその塩を含む。いくつかの実施形態において、塩基は酢酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態において、共役対は、酢酸および酢酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態において、緩衝剤はトリス-HClを含む。いくつかの実施形態において、酸(例えば酢酸)の濃度は、次の濃度、またはおよそ次の濃度、または次以下の濃度、またはおよそ次以下の濃度、または次以上の濃度、またはおよそ次以上の濃度:5mM、10mM、15mM、20mM、25mM、30mM、35mM、40mM、45mM、50mM、55mM、60mM、65mM、70mM、75mM、80mM、85mM、90mM、95mM、100mM、105mM、110mM、115mM、120mM、125mM、130mM、135mM、140mM、145mM、150mM、155mM、160mM、165mM、170mM、175mM、180mM、185mM、190mM、195mM、200mM、205mM、210mM、215mM、220mM、225mM、230mM、235mM、240mM、245mM、250mM、255mM、260mM、265mM、270mM、275mM、280mM、285mM、290mM、295mM、300mM、305mM、310mM、315mM、320mM、325mM、330mM、335mM、340mM、345mM、350mM、355mM、360mM、365mM、370mM、375mM、380mM、385mM、390mM、395mM、400mM、405mM、410mM、415mM、420mM、425mM、430mM、435mM、440mM、445mM、450mM、455mM、460mM、465mM、470mM、475mM、480mM、485mM、490mM、495mM、もしくは500mMまたはこれらの値の任意の2つの間の範囲である。いくつかの実施形態において、酸(例えば酢酸)の濃度は、5mM~100mM、5mM~250mM、200~400mM、250mM~500mM、300mM~500mM、または400mM~500mMである。いくつかの実施形態において、塩基(例えば酢酸ナトリウム)の濃度は、次の濃度、またはおよそ次の濃度、または次以下の濃度、またはおよそ次以下の濃度、または次以上の濃度、またはおよそ次以上の濃度:5mM、10mM、15mM、20mM、25mM、30mM、35mM、40mM、45mM、50mM、55mM、60mM、65mM、70mM、75mM、80mM、85mM、90mM、95mM、100mM、105mM、110mM、115mM、120mM、125mM、130mM、135mM、140mM、145mM、150mM、155mM、160mM、165mM、170mM、175mM、180mM、185mM、190mM、195mM、200mM、205mM、210mM、215mM、220mM、225mM、230mM、235mM、240mM、245mM、250mM、255mM、260mM、265mM、 270mM、275mM、280mM、285mM、290mM、295mM、300mM、305mM、310mM、315mM、320mM、325mM、330mM、335mM、340mM、345mM、350mM、355mM、360mM、365mM、370mM、375mM、380mM、385mM、390mM、395mM、400mM、405mM、410mM、415mM、420mM、425mM、430mM、435mM、440mM、445mM、450mM、455mM、460mM、465mM、470mM、475mM、480mM、485mM、490mM、495mMもしくは500mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲である。いくつかの実施形態において、塩基(例えば酢酸ナトリウム)の濃度は、5mM~100mM、5mM~250mM、200~400mM、250mM~500mM、300mM~500mM、または400mM~500mMである。いくつかの実施形態において、共役対は、約350mM~450mMの酢酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態において、共役対は、約50mM~約150mMの酢酸を含む。いくつかの実施形態において、共役対は、約90mM~約110mMの酢酸を含む。いくつかの実施形態において、共役対は、次の濃度、またはおよそ次の濃度、または次以下の濃度、またはおよそ次以下の濃度、または次以上の濃度、またはおよそ次以上の濃度:5mM、10mM、15mM、20mM、25mM、30mM、35mM、40mM、45mM、50mM、55mM、60mM、65mM、70mM、75mM、80mM、85mM、90mM、95mM、100mM、105mM、110mM、115mM、120mM、125mM、130mM、135mM、140mM、145mM、150mM、155mM、160mM、165mM、170mM、175mM、180mM、185mM、190mM、195mM、200mM、205mM、210mM、215mM、220mM、225mM、230mM、235mM、240mM、245mM、250mM、255mM、260mM、265mM、 270mM、275mM、280mM、285mM、290mM、295mM、300mM、305mM、310mM、315mM、320mM、325mM、330mM、335mM、340mM、345mM、350mM、355mM、360mM、365mM、370mM、375mM、380mM、385mM、390mM、395mM、400mM、405mM、410mM、415mM、420mM、425mM、430mM、435mM、440mM、445mM、450mM、455mM、460mM、465mM、470mM、475mM、480mM、485mM、490mM、495mM、500mM、505mM、510mM、515mM、520mM、525mM、530mM、535mM、540mM、545mM、550mM、555mM、560mM、565mM、570mM、575mM、580mM、585mM、590mM、595mM、600mM、605mM、610mM、615mM、620mM、625mM、630mM、635mM、640mM、645mM、650mM、655mM、660mM、665mM、670mM、675mM、680mM、685mM、690mM、695mM、700mM、705mM、710mM、715mM、720mM、725mM、730mM、735mM、740mM、745mM、750mM、755mM、760mM、765mM、770mM、775mM、780mM、785mM、790mM、795mM、800mM、805mM、810mM、815mM、820mM、825mM、830mM、835mM、840mM、845mM、850mM、855mM、860mM、865mM、870mM、875mM、880mM、885mM、890mM、895mMもしくは900mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、共役対(例えば、酢酸および酢酸ナトリウムまたはトリス-HCL)の濃度は、5mM~100mM、5mM~250mM、200~400mM、250mM~500mM、300mM~500mM、400mM~500mM、5mM~1M、300mM~700mM、500mM~900mM、750mM~1Mまたは800mM~1Mである。いくつかの実施形態において、共役対は、約400mM~約600mMの範囲の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、共役対は、酢酸および酢酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態において、酢酸は、200mM以下の濃度において存在し、酢酸ナトリウムは、300mM以上の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、共役対は、10mMの濃度のトリス-HClである。
いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物のpHは、次の値、またはおよそ次の値、または次以下、またはおよそ次以下、または次以上、またはおよそ次以上:1.0、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9もしくは8.0またはこれらの値のいずれかの間の範囲である。いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物は、pHが約4.0~約6.0である。いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物は、pHが約5.0である。
いくつかの実施形態において、キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン、グルタミン酸、およびヒスチジン等のアミノ酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸等の有機二酸、およびこれらの薬学的に許容される塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。いくつかの実施形態において、キレート剤はEDTAを含む。いくつかの実施形態において、キレート剤(例えばEDTA)の濃度は、次の値、またはおよそ次の値、または次以下、またはおよそ次以下、または次以上、またはおよそ次以上:0.2mM、0.5mM、0.8mM、0.9mM、1mM、2mM、3mM、4mM、5mM、6mM、7mM、8mM、9mM、10mM、11mM、12mM、13mM、14mM、15mM、16mM、17mM、18mM、19mMもしくは20mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲である。いくつかの実施形態において、キレート剤は、約1mM~約20mM、0.2mM~2mM、1mM~7mM、16mM~20mM、10mM~20mM、または4mM~8mMの範囲の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、キレート剤(例えば、EDTA)の濃度は、約10mMである。
いくつかの実施形態において、非イオン性界面活性剤は、エトキシル化非イオン性界面活性剤、プロポキシル化非イオン性界面活性剤、コ-エトキシル化-プロポキシル化非イオン性界面活性剤およびその組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、非イオン性界面活性剤は、モノ脂肪酸のエトキシル化ソルビタンエステル、エトキシル化オクチルフェノール、エトキシル化二級C1-C20アルコール、コ-エトキシル化-プロポキシル化種子油アルコール、およびその組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、非イオン性界面活性剤は、界面活性剤あたり平均1~50のエチレンオキシド単位を含むモノ脂肪酸のエトキシル化ソルビタンエステル、界面活性剤あたり平均1~20のエチレンオキシド単位を含むエトキシル化オクチルフェノール、界面活性剤あたり平均1~20のエチレンオキシド単位を含むエトキシル化二級C1-C20アルコール、界面活性剤あたり平均1~20のプロピレンオキシド単位および1~30のエチレンオキシド単位を含むコ-エトキシル化-プロポキシル化種子油アルコールおよびその組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、非イオン性界面活性剤は、モノ脂肪酸の1種または複数のエトキシル化ソルビタンエステルを含む。いくつかの実施形態において、1種または複数のモノ脂肪酸のエトキシル化ソルビタンエステルは、平均1~50のエチレンオキシド単位を含む。いくつかの実施形態において、非イオン性界面活性剤は、Tween界面活性剤を含む。いくつかの実施形態において、非イオン性界面活性剤は、Tween 20界面活性剤、Tween 40界面活性剤、Tween 60界面活性剤、Tween 80界面活性剤またはその組合せを含む。いくつかの実施形態において、界面活性剤は、ECOSURF(商標)界面活性剤(Dow Chemical Co.)、例えばECOSURF(商標)SA-4、SA-7、SA-9またはSA-15界面活性剤である。いくつかの実施形態において、非イオン性界面活性剤は1種または複数のエトキシル化二級C1-C20アルコールを含む。いくつかの実施形態において、1種または複数のエトキシル化二級C1-C20アルコールは、平均1~20のエチレンオキシド単位を含む。いくつかの実施形態において、非イオン性界面活性剤は、Tergitol(商標)界面活性剤(Signma-Aldrich)、例えばTergitol(商標)15-S-9界面活性剤を含む。いくつかの実施形態において、非イオン性界面活性剤は、1種または複数のエトキシル化オクチルフェノールを含む。1種または複数のエトキシル化オクチルフェノールのいくつかは、平均1~20のエチレンオキシド単位を含む。いくつかの実施形態において、非イオン性界面活性剤は、Triton界面活性剤、例えばTriton X-100界面活性剤を含む。いくつかの実施形態において、非イオン性界面活性剤は、1種または複数のコ-エトキシル化-プロポキシル化種子油アルコールを含む。1種または複数のコ-エトキシル化-プロポキシル化種子油アルコールのいくつかは、平均1~20のプロピレンオキシド単位および1~30のエチレンオキシド単位を含む。いくつかの実施形態において、非イオン性界面活性剤は、EcoSurf(商標)界面活性剤を含む。非イオン性界面活性剤は、緩衝剤組成物中に、次の濃度、またはおよそ次の濃度、または次以下の濃度、またはおよそ次以下の濃度、または次以上の濃度、またはおよそ次以上の濃度:0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1.0%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2.0%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%もしくは3.0%、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲で存在する。いくつかの実施形態において、非イオン性界面活性剤は、緩衝剤組成物の、約0.5質量%~1.5質量%、0.1質量%~3.0質量%、0.8質量%~1.9質量%、1.0質量%~2.0質量%、2.5質量%~3質量%または0.7質量%~2.6質量%の範囲の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、非イオン性界面活性剤は、緩衝剤組成物の約1.0質量%の範囲の濃度で存在する。
いくつかの実施形態において、一価または二価の塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩またはその組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、二価の塩はカルシウム塩である。いくつかの実施形態において、二価の塩はCaCl2である。いくつかの実施形態において、一価または二価の塩は、次の濃度、またはおよそ次の濃度、または次以下の濃度、またはおよそ次以下の濃度、または次以上の濃度、またはおよそ次以上の濃度:5mM、10mM、15mM、20mM、25mM、30mM、35mM、40mM、45mM、50mM、55mM、60mM、65mM、70mM、75mM、80mM、85mM、90mM、95mM、100mM、105mM、110mM、115mM、120mM、125mM、130mM、135mM、140mM、145mM、150mM、155mM、160mM、165mM、170mM、175mM、180mM、185mM、190mM、195mM、200mM、205mM、210mM、215mM、220mM、225mM、230mM、235mM、240mM、245mM、250mM、255mM、260mM、265mM、270mM、275mM、280mM、285mM、290mM、295mM、300mM、305mM、310mM、315mM、320mM、325mM、330mM、335mM、340mM、345mM、350mM、355mM、360mM、365mM、370mM、375mM、380mM、385mM、390mM、395mM、400mM、405mM、410mM、415mM、420mM、425mM、430mM、435mM、440mM、445mM、450mM、455mM、460mM、465mM、470mM、475mM、480mM、485mM、490mM、495mMもしくは500mM、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、一価または二価の塩(例えばCaCl2)の濃度は、5mM~100mM、5mM~250mM、200~400mM、250mM~500mM、300mM~500mMまたは400mM~500mMである。いくつかの実施形態において、一価または二価の塩は、約100mM~約300mMの範囲の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、一価または二価の塩は、約200mMの濃度で存在する。
いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物は、任意に殺菌性保存剤を含む。いくつかの実施形態において、殺菌性保存剤は、1種または複数のイソチアゾロンを含む。いくつかの実施形態において、殺菌性保存剤は、次の濃度、またはおよそ次の濃度、または次以下の濃度、またはおよそ次以下の濃度、または次以上の濃度、またはおよそ次以上の濃度:緩衝剤組成物の0.01質量%、0.015質量%、0.02質量%、0.025質量%、0.03質量%、0.035質量%、0.04質量%、0.045質量%、0.05質量%、0.06質量%、0.07質量%、0.08質量%、0.09質量%、または0.1質量%、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、殺菌性保存剤は、緩衝剤組成物の約0.01質量%~0.1質量%、0.01質量%~0.03質量%、0.025質量%~0.045質量%、0.05質量%~0.1質量%、0.07質量%~0.01質量%または0.04質量%~0.08質量%の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、殺菌性保存剤は、緩衝剤組成物の約0.03質量%の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、殺菌性保存剤は、ProClin(商標)300である。いくつかの実施形態において、殺菌性保存剤 ProClin(商標)300は、緩衝剤組成物の約0.03質量%の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、殺菌性保存剤は、次、またはおよそ次、または次以下、またはおよそ次以下、または次以上、またはおよそ次以上:0.1質量%、0.2質量%、0.3質量%、0.4質量%、0.5質量%、0.6質量%、0.7質量%、0.8質量%、0.9質量%、1.0質量%、1.1質量%、1.2質量%、1.3質量%、1.4質量%、1.5質量%、1.6質量%、1.7質量%、1.8質量%、1.9質量%、2.0質量%、2.1質量%、2.2質量%、2.3質量%、2.4質量%、2.5質量%、2.6質量%、2.7質量%、2.8質量%、2.9質量%、3.0質量%、3.1質量%、3.2質量%、3.3質量%、3.4質量%、3.5質量%、3.6質量%、3.7質量%、3.8質量%、3.9質量%、4.0質量%、4.1質量%、4.2質量%、4.3質量%、4.4質量%、4.5質量%、4.6質量%、4.7質量%、4.8質量%、4.9質量%、5.0質量%、5.1質量%、5.2質量%、5.3質量%、5.4質量%、5.5質量%、5.6質量%、5.7質量%、5.8質量%、5.9質量%もしくは6.0質量%またはこれらの値の任意の2つの間の範囲の1種または複数のイソチアゾロンを含む。いくつかの実施形態において、殺菌性保存剤は、緩衝剤組成物の約0.1質量%~6.0質量%、0.1質量%~3.0質量%、1.0質量%~4.0質量%、3質量%~6質量%、5質量%~6質量%または2質量%~5質量%の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、殺菌性保存剤は、約1質量%~約5質量%の1種または複数のイソチアゾロンを含む。いくつかの実施形態において、殺菌性保存剤は、約2質量%~約4質量%の1種または複数のイソチアゾロンを含む。いくつかの実施形態において、殺菌性保存剤は、約1質量%~約3質量%の1種または複数のイソチアゾロンを含む。いくつかの実施形態において、1種または複数のイソチアゾロンは、クロロメチルイソチアゾリノンおよびメチルイソチアゾリノンを含む。いくつかの実施形態において、クロロメチルイソチアゾリノンおよびメチルイソチアゾリノンは、次の質量比、またはおよそ次の質量比、または次以下の質量比、またはおよそ次以下の質量比、または次以上の質量比、またはおよそ次以上の質量比:1:1、1.5:1、2:1、2.5:1 3:1、3:5:1、4:1、4.5:1、5:1、5.5:1、6:1、6.5:1、7:1、7.5:1、8:1、8.5:1、9:1、9.5:1もしくは10:1、またはこれらの値の任意の2つの間の範囲の質量比である。いくつかの実施形態において、クロロメチルイソチアゾリノンおよびメチルイソチアゾリノンは、約1:1~約5:1の質量比である。いくつかの実施形態において、1種または複数のイソチアゾロンは、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンおよび2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンを約3:1の質量比で含む。いくつかの実施形態において、殺菌性保存剤は、1種または複数の塩非含有の独自のグリコールおよびアルキルカルボキシレート安定化剤を含む。いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物は、試験前にサンプルを保存するために使用される。いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物は、殺菌性保存剤を含まない。
いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物は、還元剤を含む。いくつかの実施形態において、還元剤は、ジチオスレイトール(DTT)、β-メルカプトエタノール、およびTCEP(トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン)からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、還元剤はTCEP(トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン)である。いくつかの実施形態において、還元剤(例えばTCEP)の濃度は、次、またはおよそ次、または次以下、またはおよそ次以下、または次以上、およそ次以上:0.2mM、0.5mM、0.8mM、0.9mM、1mM、2mM、3mM、4mM、5mM、6mM、7mM、8mM、9mM、10mM、11mM、12mM、13mM、14mM、15mM、16mM、17mM、18mM、19mM、20mM、25mM、30mM、40mMもしくは50mMまたはこれらの値の任意の2つの間の範囲の濃度である。いくつかの実施形態において、還元剤は、1mM~50mM、1mM~30mM、10mM~20mMの範囲の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、キレート剤(例えばTCEP)の濃度は約15mMである。
例示的な緩衝剤組成物
以下は非限定的な例示的な緩衝剤組成物である。いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物は、緩衝剤#1、#2または#3の構成要素を含む:
以下は非限定的な例示的な緩衝剤組成物である。いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物は、緩衝剤#1、#2または#3の構成要素を含む:
上記緩衝剤#1~3のいくつかの実施形態において、酸-塩基対は、酢酸/酢酸ナトリウムおよびトリス-HClからなる群から選択され、キレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン、グルタミン酸およびヒスチジン等のアミノ酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸等の有機二酸等からなる群から選択され、界面活性剤は、エトキシル化非イオン性界面活性剤、プロポキシル化非イオン性界面活性剤、コ-エトキシル化-プロポキシル化非イオン性界面活性剤、およびその組合せからなる群から選択される。一価または二価の塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、またはその組合せからなる群から選択され、殺菌性保存剤は、1種または複数のイソチアゾロンを含む。上記緩衝剤#1~3のいくつかの実施形態において、酸-塩基対は酢酸/酢酸ナトリウムであり、キレート剤はEDTAであり、界面活性剤はTergitol(商標)15-S-9、Triton X-100(商標)界面活性剤またはEcosurf(商標)界面活性剤であり、二価の塩はCaCl2であり、殺菌性保存剤はクロロメチルイソチアゾリノンとメチルイソチアゾリノンとの組合せである。上記緩衝剤#1~3のいくつかの実施形態において、酸-塩基対は酢酸/酢酸ナトリウムであり、キレート剤はEDTAであり、界面活性剤はTergitol(商標)15-S-9またはTriton X-100(商標)であり、二価の塩はCaCl2であり、殺菌性保存剤はクロロメチルイソチアゾリノンとメチルイソチアゾリノンとの組合せである。上記の緩衝剤#1~3のいくつかの実施形態において、酸-塩基対は酢酸/酢酸ナトリウムであり、キレート剤はEDTAであり、界面活性剤はTergitol(商標)15-S-9またはTriton X-100(商標)であり、二価の塩はCaCl2であり、殺菌性保存剤はProClin(商標)300である。上記緩衝剤#1~3のいくつかの実施形態において、酸-塩基対は酢酸/酢酸ナトリウムであり、キレート剤はEDTAであり、界面活性剤はTergitol(商標)15-S-9またはTriton X-100(商標)であり、二価の塩はCaCl2であり、殺菌性保存剤はProClin(商標)300である。上記緩衝剤#1~3のいくつかの実施形態において、酸-塩基対は酢酸/酢酸ナトリウムであり、キレート剤はEDTAであり、界面活性剤はTergitol(商標)15-S-9であり、二価の塩はCaCl2であり、殺菌性保存剤はProClin(商標)300である。上記緩衝剤#1~3のいくつかの実施形態において、酸-塩基対は酢酸/酢酸ナトリウムであり、キレート剤はEDTAであり、界面活性剤はTriton X-100(商標)であり、二価塩はCaCl2であり、殺菌性保存剤はProClin(商標)300である。上記および本明細書のものを含む緩衝剤#1~3のいくつかの実施形態において、緩衝剤組成物は、殺菌性保存剤を含まない。
上記緩衝剤#4~6のいくつかの実施形態において、酸-塩基対は、酢酸/酢酸ナトリウムおよびトリス-HClからなる群から選択され、界面活性剤は、エトキシル化非イオン性界面活性剤、プロポキシル化非イオン性界面活性剤、コ-エトキシル化-プロポキシル化非イオン性界面活性剤およびその組合せからなる群から選択され、還元剤は、β-メルカプトエタノールおよびTCEP(トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン)から選択され、一価または二価の塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、またはその組合せからなる群から選択される。上記緩衝剤#4~6のいくつかの実施形態において、酸-塩基対は、酢酸トリス-HClであり、界面活性剤はTergitol(商標)15-S-9、Triton X-100(商標)、Tween(商標)界面活性剤またはEcosurf(商標)界面活性剤であり、還元剤はβ-メルカプトエタノールおよびTCEPからなる群から選択され、一価または二価の塩はカルシウム塩である。上記緩衝剤#4~6のいくつかの実施形態において、酸-塩基対はトリス-HClであり、界面活性剤はTergitol(商標)15-S-9またはTriton X-100(商標)であり、還元剤はTCEP(トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン)であり、一価または二価の塩はCaCl2である。上記緩衝剤#4~6のいくつかの実施形態において、酸-塩基対はトリス-HClであり、界面活性剤はTriton X-100(商標)であり、還元剤はTCEPであり、一価または二価の塩はCaCl2である。いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物は、10mMのトリス-HCl緩衝剤、TCEP15mM、1%のTriton-X100、CaCl2 50~150mM、pH2.4±0.2を含む。上記および本明細書のものを含む緩衝剤#4~6のいくつかの実施形態において、緩衝剤は本明細書に開示されるような殺菌性保存剤を含む。いくつかの実施形態において、殺菌性保存剤はProClin(商標)300である。いくつかの実施形態において、殺菌性保存剤は、0.03%の量のProClin(商標)300である。上記および本明細書のものを含む緩衝剤#4-6のいくつかの実施形態において、緩衝剤組成物は、殺菌性保存剤を含まない。
キット
本明細書に開示する実施形態のいくつかは、キットを提供する。いくつかの実施形態において、キットは、上述または本明細書の他の箇所に記載する緩衝剤組成物を含む。いくつかの実施形態において、キットは緩衝剤組成物を収容する無菌容器を含む。いくつかの実施形態において、キットはマイクロ流体カートリッジをさらに含む。いくつかの実施形態において、マイクロ流体カートリッジは、核酸の処理および検出を促進するように構成されている。いくつかの実施形態において、マイクロ流体カートリッジは使い捨てである。いくつかの実施形態において、キットは、膣感染症または炎症に関連する症状を診断するためのマニュアルを含む。いくつかの実施形態において、症状は、膣炎もしくは膣症、またはその組合せである。いくつかの実施形態において、症状は、外陰膣カンジダ症(VVC)、トリコモナス症もしくは細菌性膣症(BV)またはその組合せである。いくつかの実施形態において、症状は、性感染疾患、例えばクラミジア感染症(CT)、淋病(GC)、トリコモナス症(TV)またはその組合せである。
本明細書に開示する実施形態のいくつかは、キットを提供する。いくつかの実施形態において、キットは、上述または本明細書の他の箇所に記載する緩衝剤組成物を含む。いくつかの実施形態において、キットは緩衝剤組成物を収容する無菌容器を含む。いくつかの実施形態において、キットはマイクロ流体カートリッジをさらに含む。いくつかの実施形態において、マイクロ流体カートリッジは、核酸の処理および検出を促進するように構成されている。いくつかの実施形態において、マイクロ流体カートリッジは使い捨てである。いくつかの実施形態において、キットは、膣感染症または炎症に関連する症状を診断するためのマニュアルを含む。いくつかの実施形態において、症状は、膣炎もしくは膣症、またはその組合せである。いくつかの実施形態において、症状は、外陰膣カンジダ症(VVC)、トリコモナス症もしくは細菌性膣症(BV)またはその組合せである。いくつかの実施形態において、症状は、性感染疾患、例えばクラミジア感染症(CT)、淋病(GC)、トリコモナス症(TV)またはその組合せである。
方法
本明細書に開示された実施形態のいくつかは、表面官能化粒子の凝集を防止または低減する方法であって、上述の「緩衝剤組成物」のセクションに記載された、または本明細書の他の箇所に記載された緩衝剤組成物とサンプルを接触させることを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、サンプルは複数の表面官能化粒子を含み、緩衝剤組成物の存在下における複数の表面官能化粒子の凝集レベルは、緩衝剤組成物の非存在下における凝集レベルと比較して低減する。
本明細書に開示された実施形態のいくつかは、表面官能化粒子の凝集を防止または低減する方法であって、上述の「緩衝剤組成物」のセクションに記載された、または本明細書の他の箇所に記載された緩衝剤組成物とサンプルを接触させることを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態において、サンプルは複数の表面官能化粒子を含み、緩衝剤組成物の存在下における複数の表面官能化粒子の凝集レベルは、緩衝剤組成物の非存在下における凝集レベルと比較して低減する。
いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物の存在下における複数の表面官能化粒子の凝集レベルは、緩衝剤組成物の非存在下における凝集レベルと比較して、次、またはおよそ次、または少なくとも次、または少なくともおよそ次、または最大でも次、または最大でもおよそ次:0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%. 80%、85%、90%、95%もしくは100%またはこれらの値の任意の2つの間の範囲で低減する。いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物の存在下における複数の表面官能化粒子の凝集レベルは、緩衝剤組成物の非存在下における凝集レベルと比較して少なくとも1%低減する。いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物の存在下における複数の表面官能化粒子の凝集レベルは、緩衝剤組成物の非存在下における凝集レベルと比較して少なくとも5%低減する。いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物の存在下における複数の表面官能化粒子の凝集レベルは、緩衝剤組成物の非存在下における凝集レベルと比較して少なくとも10%低減する。いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物の存在下における複数の表面官能化粒子の凝集レベルは、緩衝剤組成物の非存在下における凝集レベルと比較して1~5%、1~10%、1~20%、1~30%、1~40%、1~50%、1~60%、1~70%、1~80%、1~90%、5~10%、5~20%、5~30%、5~40%、5~50%、5~60%、5~70%、5~80%、5~90%、10~20%、10~30%、10~40%、10~50%、10~60%、10~70%、10~80%または10~90%低減する。いくつかの実施形態において、粒子凝集レベルは、デジタル画像処理を使用して測定し、粒子凝集のサイズは、画像上の径または2次元面積を測定することによって決定する。
いくつかの実施形態において、サンプルは臨床サンプルである。いくつかの実施形態において、サンプルは膣サンプルである。いくつかの実施形態において、サンプルは臨床膣スワブである。いくつかの実施形態において、サンプルは膣から採取する。いくつかの実施形態において、サンプルは膣炎もしくは膣症または両方の臨床徴候を示す対象から採取する。いくつかの実施形態において、サンプルは複数の核酸を含む。いくつかの実施形態において、サンプルは、1種または複数の外陰膣カンジダ症(VVC)関連カンジダ種、トリコモナス症を引き起こす膣トリコモナス、1種または複数の細菌性膣症(BV)関連細菌またはその組合せ由来の複数の核酸を含む。いくつかの実施形態において、1種または複数のVVC関連カンジダ種は、カンジダ・グラブラータ、カンジダ・アルビカンス、カンジダ・トロピカリス、C.デュブリニエンシス、C.パラプシローシス、カンジダ・クルセイまたはその組合せを含む。いくつかの実施形態において、1種または複数のBV関連細菌は、ラクトバチルス・クリスパタス、ラクトバチルス・ジュンセンイ、ガルドネラ・ヴァギナリス、アトポビウム・ヴァギナエ、メガスファエラ1型、メガスファエラBVAB2またはその組合せを含む。
いくつかの実施形態において、方法は、複数の核酸を増幅および/または検出することをさらに含み、複数の核酸の増幅および/または検出の効率は、緩衝剤組成物の存在下において、緩衝剤組成物の非存在下の効率と比較して向上している。いくつかの実施形態において、複数の核酸の増幅および/または検出の効率は、緩衝剤組成物の非存在下における効率と比較して、次、またはおよそ次、または少なくとも次、または少なくともおよそ次、または最大でも次、または最大でもおよそ次:1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%またはこれらの値の任意の2つの間の範囲で向上する。いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物の存在下における複数の核酸の増幅および/または検出の効率は、緩衝剤組成物の非存在下における効率と比較して、少なくとも1%向上している。いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物の存在下における複数の核酸の増幅および/または検出の効率は、緩衝剤組成物の非存在下における効率と比較して、少なくとも5%向上している。いくつかの実施形態において、緩衝剤組成物の存在下における複数の核酸の増幅および/または検出の効率は、緩衝剤組成物の非存在下における効率と比較して、1~10%、1~20%、1~30%、1~40%、1~50%、1~60%、1~70%、1~80%、または1~90%、5~10%、5~20%、5~30%、5~40%、5~50%、5~60%、5~70%、5~80%、5~90%、10~20%、10~30%、10~40%、10~50%、10~60%、10~70%、10~80%または10~90%向上する。
いくつかの実施形態において、表面官能化粒子は、1mm未満の平均径を含む。いくつかの実施形態において、表面官能化粒子は、核酸の抽出、精製、増幅、検出、またはその組合せのために構成される。いくつかの実施形態において、凝集は、サンプル中の妨害物質によって誘導される。いくつかの実施形態において、凝集はマイクロ流体チャネル内で生じる。
いくつかの実施形態において、妨害物質は、潤滑剤、ゲル、クリーム、およびその組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、妨害物質は、1種または複数のカルボマーを含むゲルを含む。いくつかの実施形態において、妨害物質は、カルボマーを含まないゲルを含む。
いくつかの実施形態において、表面官能化粒子は、1mm未満の平均径を含む。いくつかの実施形態において、表面官能化粒子は、核酸の抽出、精製、増幅、検出、またはその組合せのために構成される。いくつかの実施形態において、凝集は、サンプル中の妨害物質によって誘導される。いくつかの実施形態において、凝集はマイクロ流体チャネル内で生じる。
いくつかの実施形態において、妨害物質は、潤滑剤、ゲル、クリーム、およびその組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、妨害物質は、1種または複数のカルボマーを含むゲルを含む。いくつかの実施形態において、妨害物質は、カルボマーを含まないゲルを含む。
また、本明細書において、妨害物質の存在下においてサンプルの診断試験の性能を維持または向上させる方法を開示する。いくつかの実施形態において、方法は、「緩衝剤組成物」のセクションで上述した、または本明細書の他の箇所で記載する緩衝剤組成物にサンプルを移すことを含む。いくつかの実施形態において、方法は、移送ステップに先立って、対象由来のスワブ上のサンプルを採取することをさらに含む。いくつかの実施形態において、方法は、移送ステップに続いて、生体サンプル中の1つまたは複数の核酸を増幅および検出すること、または生体サンプルから抽出された1つまたは複数の核酸を増幅および検出することをさらに含む。
いくつかの実施形態において、性能は、感度、特異性、リコール、精度、迅速性、堅固性またはその組合せを含む。
いくつかの実施形態において、方法は、報告不可能な結果の発生率を、次、または、およそ次、または少なくとも次、または少なくともおよそ次、または最大でも次、または最大でもおよそ次:1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、もしくは95%、またはこれらの値のいずれか2つの間の範囲で低減する。いくつかの実施形態において、方法は、報告不可能な結果の発生率を、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%低減する。いくつかの実施形態において、報告不可能な結果は、不確定の結果、未解決の結果、不完全な結果またはその組合せを含む。
いくつかの実施形態において、方法は、次、またはおよそ次、または少なくとも次、または少なくともおよそ次、または最大でも次、または最大でもおよそ次:1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%またはこれらの値のいずれか2つの間の範囲の精度率を維持する。いくつかの実施形態において、方法は、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%の精度率を維持する。いくつかの実施形態において、精度率は、陽性結果の一致率、陰性結果の一致率、全体の一致率またはその組合せによって測定される。
いくつかの実施形態において、方法は、報告不可能な結果の発生率を、次、または、およそ次、または少なくとも次、または少なくともおよそ次、または最大でも次、または最大でもおよそ次:1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、もしくは95%、またはこれらの値のいずれか2つの間の範囲で低減する。いくつかの実施形態において、方法は、報告不可能な結果の発生率を、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%低減する。いくつかの実施形態において、報告不可能な結果は、不確定の結果、未解決の結果、不完全な結果またはその組合せを含む。
いくつかの実施形態において、方法は、次、またはおよそ次、または少なくとも次、または少なくともおよそ次、または最大でも次、または最大でもおよそ次:1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%もしくは95%またはこれらの値のいずれか2つの間の範囲の精度率を維持する。いくつかの実施形態において、方法は、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%の精度率を維持する。いくつかの実施形態において、精度率は、陽性結果の一致率、陰性結果の一致率、全体の一致率またはその組合せによって測定される。
以下の実施例は、本技術を適用できる特定の状況および設定を示すために提供されるものであり、本発明の範囲および本開示に含まれる特許請求の範囲を制限することを意図するものではない。
(実施例1)
膣サンプルで実施される診断アッセイ
本セクションに記載の試験は、膣疾患、例えば外陰膣カンジダ症(VVC)、トリコモナス症および細菌性膣症(BV)等を、妨害物質を含み得る臨床膣スワブサンプル中で検出するための、本明細書に開示された緩衝剤組成物を使用することによって達成される診断アッセイの堅固な性能を示している。例えば、アッセイは、BD MAX(商標)システムにおいて、カンジダ属(C.グラブラータ、およびC.クルセイ)、膣トリコモナスおよび/またはBV関連細菌を定性的に検出するための全自動インビトロ診断試験を実施した。アッセイは、マイクロ流体ベースのサンプル処理と核酸ベースの検出方法を組み込んでいる。より具体的には、診断アッセイは、流動性に操作される磁性粒子を用いて核酸を抽出し、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して標的DNAを増幅し、蛍光発色性ハイブリダイゼーションプローブを使用して標的生物を特定した。
実施例2~9および11で後述するような診断アッセイは、実施例緩衝剤IまたはIIのいずれかを用いて行った。また、比較のために、比較緩衝剤を用いて診断アッセイを行った。比較緩衝剤、実施例緩衝剤I、および実施例緩衝剤IIの組成を以下の表1にまとめる。表1の比較緩衝剤は、生体サンプルの調製、および膣疾患または性感染症の診断検出に使用される、一般的な「ゴールドスタンダード」の緩衝剤組成を表す。
膣サンプルで実施される診断アッセイ
本セクションに記載の試験は、膣疾患、例えば外陰膣カンジダ症(VVC)、トリコモナス症および細菌性膣症(BV)等を、妨害物質を含み得る臨床膣スワブサンプル中で検出するための、本明細書に開示された緩衝剤組成物を使用することによって達成される診断アッセイの堅固な性能を示している。例えば、アッセイは、BD MAX(商標)システムにおいて、カンジダ属(C.グラブラータ、およびC.クルセイ)、膣トリコモナスおよび/またはBV関連細菌を定性的に検出するための全自動インビトロ診断試験を実施した。アッセイは、マイクロ流体ベースのサンプル処理と核酸ベースの検出方法を組み込んでいる。より具体的には、診断アッセイは、流動性に操作される磁性粒子を用いて核酸を抽出し、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して標的DNAを増幅し、蛍光発色性ハイブリダイゼーションプローブを使用して標的生物を特定した。
実施例2~9および11で後述するような診断アッセイは、実施例緩衝剤IまたはIIのいずれかを用いて行った。また、比較のために、比較緩衝剤を用いて診断アッセイを行った。比較緩衝剤、実施例緩衝剤I、および実施例緩衝剤IIの組成を以下の表1にまとめる。表1の比較緩衝剤は、生体サンプルの調製、および膣疾患または性感染症の診断検出に使用される、一般的な「ゴールドスタンダード」の緩衝剤組成を表す。
比較緩衝剤中の酸-塩基対としての一塩基性リン酸カリウム(KH2PO4)/二塩基性リン酸カリウム(K2HPO4)の使用は、実施例緩衝剤における酢酸/酢酸ナトリウム(CH3COONa)の使用と比較して、より粒子の凝集が大きいこと、マイクロ流体の詰まりの頻度が高いことと関連していることが見出された。界面活性剤(例えば、Tergitol(商標)15-S-9またはTriton X-100)および塩(例えばCaCl2)を実施例緩衝剤に含めることによって、妨害ゲルに一般的に存在する高分子電解質(例えばカルボマー)と磁性粒子との相互作用を低減することによって、アッセイ性能の堅固性を向上させることが見出された。3種の緩衝剤組成物全てにおいて、キレート剤としてエチレンジアミン四酢酸(EDTA)が存在しすることがサンプルの安定化に不可欠であることが見出された。ProClin(商標)300保存剤(Sigma Aldrich、St.Louis、Mo.)は、サンプル保存の目的で殺菌剤として3種の緩衝剤組成物全てに添加された。
膣炎または/および膣症の臨床徴候を有する合計263名の女性から膣スワブを採取し、BD MAX(試験)システムにおいて試験した。図1は、これらのサンプルドナーの構成を地理的な領域によってまとめたものであり、Biocollection Oaklandから94人(36%)、PPGC Houstonから69人(26%)、Biocollection Miamiから100人(38%)のドナーであった。
本実施例は、診断アッセイの試験的側面を例示しており、その結果は実施例2~9で後述する。特に、本実施例は、本願明細書に開示されている例示的な緩衝剤組成物を示している。
本実施例は、診断アッセイの試験的側面を例示しており、その結果は実施例2~9で後述する。特に、本実施例は、本願明細書に開示されている例示的な緩衝剤組成物を示している。
(実施例2)
試験の反復性
表2は、同一サンプル(「同一スワブ」)の2回の試験(「第1のテイク」および「第2のテイク」)において得られたアッセイ結果の一致率をまとめている。表2(a)のアッセイには比較緩衝剤を、表2(b)のアッセイには実施例緩衝剤Iを使用した。表2(a)~2(b)のそれぞれには、カンジダ属、C.グラブラータ、C.クルセイ、膣トリコモナス、およびBV(上から下へ)について、陽性結果、陰性結果、および全体(左から右へ)の一致率を記載している。
試験の反復性
表2は、同一サンプル(「同一スワブ」)の2回の試験(「第1のテイク」および「第2のテイク」)において得られたアッセイ結果の一致率をまとめている。表2(a)のアッセイには比較緩衝剤を、表2(b)のアッセイには実施例緩衝剤Iを使用した。表2(a)~2(b)のそれぞれには、カンジダ属、C.グラブラータ、C.クルセイ、膣トリコモナス、およびBV(上から下へ)について、陽性結果、陰性結果、および全体(左から右へ)の一致率を記載している。
比較緩衝剤および実施例緩衝剤Iは両方、種々の病原性マーカーの診断検出を行った場合、「同一スワブ」の2つの異なる試験(「第1のテイク」および「第2のテイク」)の間で、少なくとも90.0%の一致を達成した。
したがって、本実施例は、診断アッセイおよび関連する方法の反復性についての代表的なベースラインを提供する。
したがって、本実施例は、診断アッセイおよび関連する方法の反復性についての代表的なベースラインを提供する。
(実施例3)
試験の再現性
表3は、同一の対象(またはサンプルドナー)から採取した2つのサンプル(「スワブ1」および「スワブ2」)のうちの1つの試験(「第1のテイク」)において、それぞれ得られたアッセイ結果の一致率をまとめている。表3(a)のアッセイにおいては比較緩衝剤を、表3(b)のアッセイにおいては実施例緩衝剤Iを使用した。表3(a)~3(b)のそれぞれには、カンジダ属、C.グラブラータ、C.クルセイ、膣トリコモナス、およびBV(上から下へ)について、陽性結果、陰性結果、および全体(左から右へ)の一致率をそれぞれ記載している。
比較緩衝剤および実施例緩衝剤Iは両方、種々の病原性マーカーについて試験した際に、同一の対象から得られた2つの異なるサンプル(「スワブ1」と「スワブ2」)の間で、少なくとも90.0%の一致を達成した。
試験の再現性
表3は、同一の対象(またはサンプルドナー)から採取した2つのサンプル(「スワブ1」および「スワブ2」)のうちの1つの試験(「第1のテイク」)において、それぞれ得られたアッセイ結果の一致率をまとめている。表3(a)のアッセイにおいては比較緩衝剤を、表3(b)のアッセイにおいては実施例緩衝剤Iを使用した。表3(a)~3(b)のそれぞれには、カンジダ属、C.グラブラータ、C.クルセイ、膣トリコモナス、およびBV(上から下へ)について、陽性結果、陰性結果、および全体(左から右へ)の一致率をそれぞれ記載している。
比較緩衝剤および実施例緩衝剤Iは両方、種々の病原性マーカーについて試験した際に、同一の対象から得られた2つの異なるサンプル(「スワブ1」と「スワブ2」)の間で、少なくとも90.0%の一致を達成した。
したがって、本実施例は、診断アッセイおよび関連する方法の再現性に関する代表的なベースラインを示す。
(実施例4)
報告可能な結果に対する緩衝剤のベースライン効果
表4は、代表的なバイオマーカーの5つのセット、カンジダ属(表4(a))、C.グラブラータ(表4(b))、C.クルセイ(表4(c))、膣トリコモナス(表4(d))、および細菌性膣症(BV)(表4(e))についての報告されたアッセイ結果における緩衝剤依存性の分散を示している。
報告可能な結果に対する緩衝剤のベースライン効果
表4は、代表的なバイオマーカーの5つのセット、カンジダ属(表4(a))、C.グラブラータ(表4(b))、C.クルセイ(表4(c))、膣トリコモナス(表4(d))、および細菌性膣症(BV)(表4(e))についての報告されたアッセイ結果における緩衝剤依存性の分散を示している。
例えば、表4(a)に示すように、実施例緩衝剤をアッセイに使用した場合、PCR分析ではカンジダ属の陽性結果が45件、陰性結果が178件報告され、一方、比較例緩衝剤を使用した場合、PCR分析ではカンジダ属について46の陽性結果、および177の陰性結果が報告された。表4(a)において報告された223の結果のうち、比較緩衝剤では陰性と報告された3つのサンプル(右上)が、実施例緩衝剤では病原性陽性と特定され、比較緩衝剤で陽性と報告された4つのサンプル(左下)が、実施例緩衝剤では病原性陰性と特定された。
一例として、表4(b)に示すように、実施例緩衝剤をアッセイに使用した場合、PCR分析によって、C.グラブラータについて11の陽性結果、および212の陰性結果が報告された一方で、比較例緩衝剤を使用した場合、PCR分析では、C.グラブラータについて13の陽性結果、および210の陰性結果が報告された。表4(b)に報告された223の結果のうち、比較緩衝剤では陽性と報告された2つのサンプル(左下)が、実施例緩衝剤では病原性陰性と特定された。
一例として、表4(c)に示すように、実施例緩衝剤をアッセイに使用した場合、PCR分析では、C.クルセイについて0の陽性結果、および223の陰性結果が報告された一方で、比較緩衝剤を使用した場合、PCR分析では、C.クルセイについて0の陽性結果、および223の陰性結果が報告された。
一例として、表4(d)に示すように、実施例緩衝剤をアッセイに使用した場合、PCR分析では、膣トリコモナスについて36の陽性結果、および187の陰性結果が報告された一方で、比較緩衝剤を使用した場合、PCR分析では、膣トリコモナスについて36の陽性結果、および187の陰性結果が報告された。表4(d)に報告された223の結果のうち、比較緩衝剤で陰性と報告された1つのサンプル(右上)が、実施例緩衝剤では病原性陽性と特定され、比較緩衝剤で陽性と報告された1つのサンプル(左下)が、実施例緩衝剤では病原性陰性と特定された。
一例として、表4(e)に示すように、実施例緩衝剤をアッセイに使用した場合、PCR分析では、BVについて129の陽性結果、および104の陰性結果が報告された一方で、比較例緩衝剤を使用した場合、PCR分析ではC.グラブラータについて129の陽性結果、および104の陰性結果が報告された。表4(e)に報告可能な233の結果のうち、比較緩衝剤で陰性と報告された7つのサンプル(右上)が、実施例緩衝剤では病原性陽性と特定され、比較緩衝剤で陽性と報告された7つのサンプル(左下)が、実施例緩衝剤では病原性陰性と特定された。
一例として、表4(d)に示すように、実施例緩衝剤をアッセイに使用した場合、PCR分析では、膣トリコモナスについて36の陽性結果、および187の陰性結果が報告された一方で、比較緩衝剤を使用した場合、PCR分析では、膣トリコモナスについて36の陽性結果、および187の陰性結果が報告された。表4(d)に報告された223の結果のうち、比較緩衝剤で陰性と報告された1つのサンプル(右上)が、実施例緩衝剤では病原性陽性と特定され、比較緩衝剤で陽性と報告された1つのサンプル(左下)が、実施例緩衝剤では病原性陰性と特定された。
一例として、表4(e)に示すように、実施例緩衝剤をアッセイに使用した場合、PCR分析では、BVについて129の陽性結果、および104の陰性結果が報告された一方で、比較例緩衝剤を使用した場合、PCR分析ではC.グラブラータについて129の陽性結果、および104の陰性結果が報告された。表4(e)に報告可能な233の結果のうち、比較緩衝剤で陰性と報告された7つのサンプル(右上)が、実施例緩衝剤では病原性陽性と特定され、比較緩衝剤で陽性と報告された7つのサンプル(左下)が、実施例緩衝剤では病原性陰性と特定された。
表5は、表4に示したアッセイ結果の、実施例緩衝剤と比較例緩衝剤の間の一致率(概して84%超)をまとめたものである。特に、陽性結果、陰性結果、全体(左から右へ)の一致率を、カンジダ属、C.グラブラータ、C.クルセイ、膣トリコモナスおよびBV(上から下へ)について試験した。
本実施例は、診断アッセイおよび関連方法の報告可能な結果に対するアッセイ緩衝剤の効果を評価するための代表的なベースラインを表している。
本実施例は、診断アッセイおよび関連方法の報告可能な結果に対するアッセイ緩衝剤の効果を評価するための代表的なベースラインを表している。
(実施例5)
報告不可能な結果に対する緩衝剤のベースライン効果
表6~7は、膣疾患のアッセイ試験において、比較緩衝剤(表6(a)~6(d)、7(a)~7(f))および実施例緩衝剤I(表6(e)~6(h)、7(g)~7(l))をそれぞれ使用した場合の報告不可能率を示す。表6で試験したサンプルは、妨害ゲルを含まなかったが、表7で試験したサンプルは、種々の妨害ゲル、例えばMcKesson潤滑ゼリー(表7(a)、7(g))、E-Z潤滑ゼリー(表7(b)、7(h))、Surgilube(登録商標)潤滑剤(表7(c)、7(i))、Canesten(登録商標)(クロトリマゾール抗真菌クリーム)(表7(d)、7(j))、Vagisil(登録商標)(ベンゾカイン/レゾルシノール痒み止めクリーム)(表7(e)、7(k))を含んでいた。表6~7で試験した各スワブサンプルは、膣炎および膣症の両方についてアッセイされ、表6~7に記載された報告不可能率は、さらに未解決の結果率および不確定の結果率に分けられた。
報告不可能な結果に対する緩衝剤のベースライン効果
表6~7は、膣疾患のアッセイ試験において、比較緩衝剤(表6(a)~6(d)、7(a)~7(f))および実施例緩衝剤I(表6(e)~6(h)、7(g)~7(l))をそれぞれ使用した場合の報告不可能率を示す。表6で試験したサンプルは、妨害ゲルを含まなかったが、表7で試験したサンプルは、種々の妨害ゲル、例えばMcKesson潤滑ゼリー(表7(a)、7(g))、E-Z潤滑ゼリー(表7(b)、7(h))、Surgilube(登録商標)潤滑剤(表7(c)、7(i))、Canesten(登録商標)(クロトリマゾール抗真菌クリーム)(表7(d)、7(j))、Vagisil(登録商標)(ベンゾカイン/レゾルシノール痒み止めクリーム)(表7(e)、7(k))を含んでいた。表6~7で試験した各スワブサンプルは、膣炎および膣症の両方についてアッセイされ、表6~7に記載された報告不可能率は、さらに未解決の結果率および不確定の結果率に分けられた。
妨害ゲルを含まないスワブサンプルのアッセイ試験に関して、表6(a)および表6(e)は、それぞれ比較緩衝剤および実施例緩衝剤Iを用いて実施したサンプルの最初の試験(「スワブ1、テイク1」)を比較しており、表6(b)および6(f)は、2つの緩衝剤を用いて実施したサンプルの第2の試験(「スワブ1、テイク2」)を比較しており、表6(c)および6(g)は、第2のサンプルの第1の試験(「スワブ2、テイク1」)を比較しており、表6(d)および6(h)は、表6(a)~6(c)および6(e)~6(g)の試験から得られた全体の結果をそれぞれ比較している。
表6に示すように、実施例緩衝剤Iおよび比較例緩衝剤は、アッセイがゲルに妨害されていない場合、同等の報告不可能率をもたらした。
したがって、実施例緩衝剤Iの使用は、妨害ゲルを含まないサンプルについて、報告可能な結果のレベルを維持することが実証された。
したがって、実施例緩衝剤Iの使用は、妨害ゲルを含まないサンプルについて、報告可能な結果のレベルを維持することが実証された。
表7に示すように、実施例緩衝剤Iは、スワブサンプルが妨害物質を含んでいた場合、報告不可能率を有意に低下させた。例えば、McKesson潤滑ゼリーが混入したスワブサンプルについて、実施例緩衝剤Iを使用することによって、サンプルあたりの未解決、不確定、および合計の報告不可能率が、34.8%、34.8%、および69.6%(表7(a))から、8.7%、0.0%、および8.7%(表7(g))に低下した。他の例として、E-Z潤滑ゼリーが混入されたスワブサンプルについて、実施例緩衝剤Iを使用することによって、サンプルあたりの未解決、不確定、および合計の報告不可能率が、23.1%、53.8%、および76.9%(表7(b))から、0.0%、0.0%、0.0%(表7(h))に低下した。
全体として、サンプルあたりの未解決、不確定、合計の報告不可能率は、47.1%、21.8%、および68.9%(表7(f))から12.6%、0.0%、および12.6%(表7(l))に低下した。
したがって、本実施例では、実施例緩衝剤を使用することによって、種々の妨害物質の存在に対する試験の堅固性を向上させることで、報告可能率を妨害物質の非存在レベルに維持しながら、アッセイ性能を大幅に改善させることができることを示している。
全体として、サンプルあたりの未解決、不確定、合計の報告不可能率は、47.1%、21.8%、および68.9%(表7(f))から12.6%、0.0%、および12.6%(表7(l))に低下した。
したがって、本実施例では、実施例緩衝剤を使用することによって、種々の妨害物質の存在に対する試験の堅固性を向上させることで、報告可能率を妨害物質の非存在レベルに維持しながら、アッセイ性能を大幅に改善させることができることを示している。
(実施例6)
妨害に対する比較緩衝剤の堅固性
比較緩衝剤を用いて、119の臨床スワブサンプルについて診断アッセイを実施した。この119サンプルのうち、報告可能な結果が得られたのは37サンプル(約31.1%)のみであった。これら119サンプルのそれぞれについて、妨害ゲルが非存在下で試験(「テイク1」)を実施し、妨害ゲルの存在下で他の試験(「テイク2」)を実施した。
妨害に対する比較緩衝剤の堅固性
比較緩衝剤を用いて、119の臨床スワブサンプルについて診断アッセイを実施した。この119サンプルのうち、報告可能な結果が得られたのは37サンプル(約31.1%)のみであった。これら119サンプルのそれぞれについて、妨害ゲルが非存在下で試験(「テイク1」)を実施し、妨害ゲルの存在下で他の試験(「テイク2」)を実施した。
表8は、カンジダ属(表8(a))、C.グラブラータ(表8(b))、C.クルセイ(表8(c))、膣トリコモナス(表8(d))、および細菌性膣症(BV)(表8(e))を検出するための報告可能なアッセイ結果に対する妨害ゲルの存在の影響を示している。
例えば、表8(e)に示すように、妨害ゲルの存在下において、診断アッセイでは、BVについて34の陽性結果および37の陰性結果が報告された一方、妨害ゲルの非存在下においては、診断アッセイではBVについて38の陽性結果および33の陰性結果が報告された。表8(d)で報告された結果のうち、妨害ゲルの存在下で陽性と報告された2つのサンプル(右上)は、妨害ゲルの非存在下では陰性と同定され、妨害ゲルの存在下で陰性と報告された6つのサンプル(左下)は、妨害ゲルの非存在下では陽性と特定された。
例えば、表8(e)に示すように、妨害ゲルの存在下において、診断アッセイでは、BVについて34の陽性結果および37の陰性結果が報告された一方、妨害ゲルの非存在下においては、診断アッセイではBVについて38の陽性結果および33の陰性結果が報告された。表8(d)で報告された結果のうち、妨害ゲルの存在下で陽性と報告された2つのサンプル(右上)は、妨害ゲルの非存在下では陰性と同定され、妨害ゲルの存在下で陰性と報告された6つのサンプル(左下)は、妨害ゲルの非存在下では陽性と特定された。
表9は、表8に示したアッセイ結果の、妨害ゲルの存在下および非存在下の試験間の一致率(概して84%超)をまとめたものである。特に、陽性結果、陰性結果、および全体(左から右へ)の一致率を、カンジダ属、C.グラブラータ、C.クルセイ、膣トリコモナス、およびBV(上から下へ)について試験した。
本実施例では、比較緩衝剤を使用した場合の限定的なアッセイ性能、特に低い報告可能率が示されている。
(実施例7)
妨害に対する実施例緩衝剤の堅固性
実施例緩衝剤Iを使用して119の臨床スワブサンプルについての診断アッセイを実施した。これら119サンプルのうち、実施例6では約31.1%であったのに対し、104(約87.4%)の報告可能な結果が得られた。したがって、実施例6における比較緩衝剤の使用と比較して、実施例緩衝剤Iを使用することによって、診断アッセイの報告可能率が大幅に上昇した。これら119のサンプルのそれぞれについて、妨害ゲルの非存在下で試験(「テイク1」)を実行し、妨害ゲルの存在下において他の試験(「テイク2」)を実行した。
妨害に対する実施例緩衝剤の堅固性
実施例緩衝剤Iを使用して119の臨床スワブサンプルについての診断アッセイを実施した。これら119サンプルのうち、実施例6では約31.1%であったのに対し、104(約87.4%)の報告可能な結果が得られた。したがって、実施例6における比較緩衝剤の使用と比較して、実施例緩衝剤Iを使用することによって、診断アッセイの報告可能率が大幅に上昇した。これら119のサンプルのそれぞれについて、妨害ゲルの非存在下で試験(「テイク1」)を実行し、妨害ゲルの存在下において他の試験(「テイク2」)を実行した。
実施例6の表8と同様に、表10は、実施例緩衝剤Iを利用した場合のカンジダ属(表10(a))、C.グラブラータ(表10(b))、C.クルセイ(表10(c))、膣トリコモナス(表10(d))、および細菌性膣症(BV)(表10(e))を検出するための報告可能なアッセイ結果に対する妨害ゲルの存在の影響を示す。
例えば、表10(d)に示すように、妨害ゲルの存在下では、診断アッセイはBVについて54の陽性結果および50の陰性結果を報告した一方で、妨害ゲルの非存在下において、診断アッセイでは、BVについて55の陽性結果および49の陰性結果が報告された。表10(d)で報告されたこれらの結果のうち、妨害ゲルの存在下で陽性と報告された1つのサンプル(右上)は、妨害ゲルの非存在下では陰性と特定され、妨害ゲルの存在下で陰性と報告された2つのサンプル(左下)は、妨害ゲルの非存在下では陽性と特定された。
例えば、表10(d)に示すように、妨害ゲルの存在下では、診断アッセイはBVについて54の陽性結果および50の陰性結果を報告した一方で、妨害ゲルの非存在下において、診断アッセイでは、BVについて55の陽性結果および49の陰性結果が報告された。表10(d)で報告されたこれらの結果のうち、妨害ゲルの存在下で陽性と報告された1つのサンプル(右上)は、妨害ゲルの非存在下では陰性と特定され、妨害ゲルの存在下で陰性と報告された2つのサンプル(左下)は、妨害ゲルの非存在下では陽性と特定された。
表11は、表10に示したようなアッセイ結果の、妨害ゲルの存在下および非存在下の試験間の一致率(概ね87%超)をまとめたものである。特に、陽性結果、陰性結果、および全体(左から右へ)の一致率を、カンジダ属、C.グラブラータ、C.クルセイ、膣トリコモナス、およびBV(上から下へ)について試験した。
表11に示すような一致率は、少なくとも表9に示すものと同等である。したがって、実施例緩衝剤I(表10~11)の使用は、比較緩衝剤(表8~9)の使用と同じ精度レベルを維持することが示された。
したがって、本実施例は、実施例緩衝剤の使用が、ノイズ条件下において診断アッセイの再現性に影響を与えることなく、報告可能率を上昇させることを示している。
表11に示すような一致率は、少なくとも表9に示すものと同等である。したがって、実施例緩衝剤I(表10~11)の使用は、比較緩衝剤(表8~9)の使用と同じ精度レベルを維持することが示された。
したがって、本実施例は、実施例緩衝剤の使用が、ノイズ条件下において診断アッセイの再現性に影響を与えることなく、報告可能率を上昇させることを示している。
(実施例8)
実施例緩衝剤は、マイクロ流体の詰まりを防止/減少させる
図2A~2Bは、BD MAX(商標)PCRカートリッジの写真を示しており、それぞれは、妨害ゲルを含まない臨床膣スワブサンプルの診断試験に利用された。実施例緩衝剤Iは、図2Aの試験に利用され、比較緩衝剤が図2Bの試験において利用された。図2Aに赤矢印で示すように、比較緩衝剤を用いて診断アッセイを実施した場合、核酸抽出用カートリッジに配置された磁性粒子が凝集体を形成した。この粒子凝集により、図2Aに示すようなマイクロ流体の詰まりが生じた。図2Aの粒子凝集およびマイクロ流体の詰まりの例示的な領域は、「Ai」、「Aii」、および「Aiii」としてマークされ、下部で拡大されている。比較として、図2Bでは、そのような粒子凝集またはマイクロ流体の詰まりは観察されず、図2Bの例示的な領域は、「Bi」、「Bii」、および「Biii」としてマークされ、下部で拡大されている。
図3A~3Bは、BD MAX(商標)PCRカートリッジの写真を示しており、それぞれが、カルボマーベースの妨害ゲルMcKessonを含む臨床膣スワブサンプルの診断試験に利用されている。図4A~4Bは、10μLで存在する追加の妨害ゲルE-Zブランド(Medline Industries,Inc)(図4A~4B)の試験に利用されたBD MAX(商標)PCRカートリッジの写真の追加の実施形態を示す。
図3Aおよび図4Aに赤矢印で示すように、核酸抽出用カートリッジに配置された磁性粒子は、比較緩衝剤を用いて診断アッセイを行った場合に凝集体を形成した。粒子凝集によって、次いで、図3Aおよび図4Aに示すようにマイクロ流体の詰まりが生じた。図3Aの粒子凝集およびマイクロ流体の詰まりの例示的な領域は、「Ai」、「Aii」、および「Aiii」としてマークされ、下部で拡大されている。図4Aの粒子凝集およびマイクロ流体の詰まりの例示的な領域は、「Ai」、「Aii」、および「Aiii」としてマークされ、下部で拡大されている。比較として、図3B、例えば「Bi」、「Bii」、「Biii」としてマークされ、下部で拡大された領域では、そのような粒子凝集またはマイクロ流体の詰まりは観察されなかった。図4B、例えば、「Bi」、「Bii」としてマークされ、下部で拡大された領域において、粒子凝集もマイクロ流体の詰まりも観察されなかった。
したがって、本実施例は、本願明細書に開示される緩衝剤組成物の使用が、診断アッセイ中のBD MAX(商標)PCRカートリッジにおける粒子凝集およびマイクロ流体の詰まりを防止または低減することを示している。
実施例緩衝剤は、マイクロ流体の詰まりを防止/減少させる
図2A~2Bは、BD MAX(商標)PCRカートリッジの写真を示しており、それぞれは、妨害ゲルを含まない臨床膣スワブサンプルの診断試験に利用された。実施例緩衝剤Iは、図2Aの試験に利用され、比較緩衝剤が図2Bの試験において利用された。図2Aに赤矢印で示すように、比較緩衝剤を用いて診断アッセイを実施した場合、核酸抽出用カートリッジに配置された磁性粒子が凝集体を形成した。この粒子凝集により、図2Aに示すようなマイクロ流体の詰まりが生じた。図2Aの粒子凝集およびマイクロ流体の詰まりの例示的な領域は、「Ai」、「Aii」、および「Aiii」としてマークされ、下部で拡大されている。比較として、図2Bでは、そのような粒子凝集またはマイクロ流体の詰まりは観察されず、図2Bの例示的な領域は、「Bi」、「Bii」、および「Biii」としてマークされ、下部で拡大されている。
図3A~3Bは、BD MAX(商標)PCRカートリッジの写真を示しており、それぞれが、カルボマーベースの妨害ゲルMcKessonを含む臨床膣スワブサンプルの診断試験に利用されている。図4A~4Bは、10μLで存在する追加の妨害ゲルE-Zブランド(Medline Industries,Inc)(図4A~4B)の試験に利用されたBD MAX(商標)PCRカートリッジの写真の追加の実施形態を示す。
図3Aおよび図4Aに赤矢印で示すように、核酸抽出用カートリッジに配置された磁性粒子は、比較緩衝剤を用いて診断アッセイを行った場合に凝集体を形成した。粒子凝集によって、次いで、図3Aおよび図4Aに示すようにマイクロ流体の詰まりが生じた。図3Aの粒子凝集およびマイクロ流体の詰まりの例示的な領域は、「Ai」、「Aii」、および「Aiii」としてマークされ、下部で拡大されている。図4Aの粒子凝集およびマイクロ流体の詰まりの例示的な領域は、「Ai」、「Aii」、および「Aiii」としてマークされ、下部で拡大されている。比較として、図3B、例えば「Bi」、「Bii」、「Biii」としてマークされ、下部で拡大された領域では、そのような粒子凝集またはマイクロ流体の詰まりは観察されなかった。図4B、例えば、「Bi」、「Bii」としてマークされ、下部で拡大された領域において、粒子凝集もマイクロ流体の詰まりも観察されなかった。
したがって、本実施例は、本願明細書に開示される緩衝剤組成物の使用が、診断アッセイ中のBD MAX(商標)PCRカートリッジにおける粒子凝集およびマイクロ流体の詰まりを防止または低減することを示している。
(実施例9)
実施例緩衝剤は診断精度を改善/維持する
妨害ゲルを含むサンプルの代表的な膣症状を検出および診断するためのアッセイを、実施例緩衝剤IIおよび比較緩衝剤を用いてBD MAX(商標)システムで実施した。図5の膣症試験結果は、妨害E-Z潤滑ゼリー(Medline Industries, Inc)を含む膣スワブサンプルから得られたものであり、図6の膣炎試験結果は、カルボマーを含まないゲルである、妨害Surgilube(登録商標)潤滑剤を含む膣スワブサンプルから得られたものである。
通常のワークフローに従って比較緩衝剤を用いた場合(図5A、5D、6A、および6D)、最適化されたワークフローに従って比較緩衝剤を用いた場合(図5B、5E、6B、および6E)、および最適化されたワークフローに従って実施例緩衝剤を用いた場合(図5C、5F、6C、および6F)に、それぞれ得られたPCRデータから散布図を作成した。図5~6のy軸(「Cy5.5 EP」)は終点蛍光を表し、これは、PCR増幅曲線の終点におけるCyanine Dye 5.5(Cy5.5)の蛍光強度を測定したものである。図5A~5Cおよび6A~6Cのx軸(「Cy5.5 Ctスコア」)は、シグナルドリフトを補正した後、増幅産物が確信を持って検出できるようになったPCRサイクル数の閾値を表している。図5D~5Fおよび図6D~6Fのx軸(「Cy5.5 SDPA」)は、アッセイの再現性を評価するための基準として使用された「二次導関数ピーク横軸」を表す。図5および図6の両方に示すように、実施例緩衝剤IIは、比較緩衝剤よりも、CtスコアおよびSDPAの両方において、試験結果の分布が狭くなっていた。
したがって、本実施例は、実施例緩衝剤を使用することで、特に妨害ゲルの存在下のサンプルに対して、ノイズ条件下での診断試験の再現性を少なくとも改善させることによって、アッセイ性能を大幅に改善できることを示している。
実施例緩衝剤は診断精度を改善/維持する
妨害ゲルを含むサンプルの代表的な膣症状を検出および診断するためのアッセイを、実施例緩衝剤IIおよび比較緩衝剤を用いてBD MAX(商標)システムで実施した。図5の膣症試験結果は、妨害E-Z潤滑ゼリー(Medline Industries, Inc)を含む膣スワブサンプルから得られたものであり、図6の膣炎試験結果は、カルボマーを含まないゲルである、妨害Surgilube(登録商標)潤滑剤を含む膣スワブサンプルから得られたものである。
通常のワークフローに従って比較緩衝剤を用いた場合(図5A、5D、6A、および6D)、最適化されたワークフローに従って比較緩衝剤を用いた場合(図5B、5E、6B、および6E)、および最適化されたワークフローに従って実施例緩衝剤を用いた場合(図5C、5F、6C、および6F)に、それぞれ得られたPCRデータから散布図を作成した。図5~6のy軸(「Cy5.5 EP」)は終点蛍光を表し、これは、PCR増幅曲線の終点におけるCyanine Dye 5.5(Cy5.5)の蛍光強度を測定したものである。図5A~5Cおよび6A~6Cのx軸(「Cy5.5 Ctスコア」)は、シグナルドリフトを補正した後、増幅産物が確信を持って検出できるようになったPCRサイクル数の閾値を表している。図5D~5Fおよび図6D~6Fのx軸(「Cy5.5 SDPA」)は、アッセイの再現性を評価するための基準として使用された「二次導関数ピーク横軸」を表す。図5および図6の両方に示すように、実施例緩衝剤IIは、比較緩衝剤よりも、CtスコアおよびSDPAの両方において、試験結果の分布が狭くなっていた。
したがって、本実施例は、実施例緩衝剤を使用することで、特に妨害ゲルの存在下のサンプルに対して、ノイズ条件下での診断試験の再現性を少なくとも改善させることによって、アッセイ性能を大幅に改善できることを示している。
(実施例10)
実施例緩衝剤IIIは、サンプルが妨害物質(潤滑剤)を含む場合に報告不可能率を低下させる
実施例2~9について上述した試験と同様に、第3の実施例緩衝剤を用いて追加の試験を行った。実施例緩衝剤IIIは、以下を含む:
実施例緩衝剤IIIは、サンプルが妨害物質(潤滑剤)を含む場合に報告不可能率を低下させる
実施例2~9について上述した試験と同様に、第3の実施例緩衝剤を用いて追加の試験を行った。実施例緩衝剤IIIは、以下を含む:
(実施例11)
実施例緩衝剤Iと比較緩衝剤の比較
BD MAX(商標)膣パネルおよびBD MAX(商標)CT/GC/TV
以下の実施例は、BD MAX(商標)膣パネルアッセイおよびBD MAX(商標)CT/GC/TVアッセイにおける報告不可能率(NRR)、一致および検出パーセントに対する緩衝剤Iの影響を検討した試験の結果を記載している。緩衝剤Iは、実施例1、表1に記載の比較緩衝剤と比較した。
実験室および臨床手順:サンプルはドナー対象から採取した。各ドナーについて、4つの採取方法を用いた:
1)潤滑剤を使用しない自己膣採取、
2)潤滑剤を使用しない臨床医による膣採取
3)膣鏡+潤滑剤(3つの異なるブランド)を使用した臨床医による膣採取
4)鏡筒+潤滑剤(3種類の異なるブランド)を使用した臨床医による子宮頸管内採取。
潤滑剤は、臨床医が適切と判断した量で膣鏡上に使用し、3つの異なるブランドの潤滑剤、Surgilube(登録商標)外科用潤滑剤、無菌静菌性(HR(登録商標)Pharmaceuticals, Inc., York PA)、McKesson潤滑ゼリー(McKesson Medical-Surgical Inc., Richmond VA)、Aplicare潤滑ゼリー(Aplicare, Inc., Meriden CT)を使用した。サンプルは、メーカーの仕様書に従って、BD MAX(商標)膣パネルアッセイおよびBD MAX(商標)CT/GC/TVアッセイにおいて実行した。試験の結果を以下に示す。
実施例緩衝剤Iと比較緩衝剤の比較
BD MAX(商標)膣パネルおよびBD MAX(商標)CT/GC/TV
以下の実施例は、BD MAX(商標)膣パネルアッセイおよびBD MAX(商標)CT/GC/TVアッセイにおける報告不可能率(NRR)、一致および検出パーセントに対する緩衝剤Iの影響を検討した試験の結果を記載している。緩衝剤Iは、実施例1、表1に記載の比較緩衝剤と比較した。
実験室および臨床手順:サンプルはドナー対象から採取した。各ドナーについて、4つの採取方法を用いた:
1)潤滑剤を使用しない自己膣採取、
2)潤滑剤を使用しない臨床医による膣採取
3)膣鏡+潤滑剤(3つの異なるブランド)を使用した臨床医による膣採取
4)鏡筒+潤滑剤(3種類の異なるブランド)を使用した臨床医による子宮頸管内採取。
潤滑剤は、臨床医が適切と判断した量で膣鏡上に使用し、3つの異なるブランドの潤滑剤、Surgilube(登録商標)外科用潤滑剤、無菌静菌性(HR(登録商標)Pharmaceuticals, Inc., York PA)、McKesson潤滑ゼリー(McKesson Medical-Surgical Inc., Richmond VA)、Aplicare潤滑ゼリー(Aplicare, Inc., Meriden CT)を使用した。サンプルは、メーカーの仕様書に従って、BD MAX(商標)膣パネルアッセイおよびBD MAX(商標)CT/GC/TVアッセイにおいて実行した。試験の結果を以下に示す。
表12は、実施例緩衝剤Iが、BD MAX(商標)膣パネルで実行した際に、潤滑剤を含む膣サンプルのNRR(未解決(UNR)および不確定(IND)結果)を低下させる上で非常に効率的であった(-7.9)が、潤滑剤を使用せずに臨床医が採取した膣サンプルでは、実施例I緩衝剤によってNRRのわずかな上昇(5.5)が観察されたことを示している。自己採取した膣サンプルまたは、臨床医が潤滑剤を使用して採取した子宮頸部サンプルでは、NRRに大きな変化は観察されなかった。
BD MAX(商標)膣パネルと同様に、実施例I緩衝剤は、BD MAX(商標)CT/GC/TVアッセイにおいて実行した際に、潤滑剤を含む膣サンプルのNRRを効率的に低下させた(-13.1)が、BD MAX(商標)膣パネルについては異なっており、潤滑剤を使用せずに臨床医が採取した膣サンプルにおいてUNRの上昇は観察されなかった(表13)。自己採取した膣サンプルまたは潤滑剤を使用して臨床医が採取した子宮頸部内サンプルでは、NRRに大きな変化は観察されなかった。
BD MAX(商標)CT/GC/TVアッセイにおいて、実施例I緩衝剤は、比較緩衝剤を用いた試験結果と良好な一致をもたらした(表15)。
PCR測定値(EndPoint、SDPA、Ctスコア)の分析によると、実施例緩衝剤Iは、BD MAX(商標)膣パネルアッセイにおけるいくつかの標的の増幅にわずかに陰性の影響を与える傾向があり、一方で、BD MAX(商標)CT/GC/TVアッセイにおけるTVの増幅をわずかに改善する傾向があった。
本明細書では種々の局面および実施形態が開示されているが、他の局面および実施形態も当業者には明らかであろう。本明細書に開示された種々の局面および実施形態は、例示を目的としたものであり、限定することを意図したものではなく、真の範囲および精神は以下の特許請求の範囲によって示される。
当業者は、本明細書に開示されたこのプロセスおよび方法ならびに他のプロセスおよび方法について、プロセスおよび方法で実施される機能を異なる順序で実施することができることを理解するであろう。さらに、概説されたステップおよび操作は例として示されているに過ぎず、ステップおよび操作のいくつかは、任意選択的であり、開示された実施形態の本質を損なうことなく、より少ないステップおよび操作に組み合わせるか、または追加のステップおよび操作に拡張することができる。
本明細書における実質的に任意の複数形および/または単数形の用語の使用に関して、当業者は、文脈および/または用途に応じて、複数形から単数形および/または単数形から複数形へと翻訳することができる。種々の単数形/複数形の順列は、明確にするために本明細書で明示的に示すことができる。
一般的に、本明細書、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の請求項本体)で使用される用語は、一般的に「開いた」用語として意図されていることが、当業者には理解されるであろう(例えば、「含む」という用語は、「含むが、これに限定されない」と解釈されるべきであり、「有する」という用語は、「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、「含む」という用語は、「含むが、これに限定されない」と解釈されるべきである等)。導入された特許請求の範囲の記載の特定の数が意図されている場合、そのような意図は特許請求の範囲に明示的に記載され、そのような記載がない場合にはそのような意図は存在しないことが、当業者にはさらに理解されるであろう。例えば、理解を助けるために、以下の添付の特許請求の範囲には、特許請求の記載を導入するための「少なくとも1つ」および「1つまたは複数」という導入句の使用が含まれてよい。しかし、このような句の使用は、同一請求項が導入句「1つまたは複数」または「少なくとも1つ」および「1つ(a)」または「1つ(an)」等の不定冠詞を含む(例えば「1つ(a)」および/または「1つ(an)」が、「少なくとも1つ」または「1つまたは」を意味すると解釈されるべきである)場合であっても、不定冠詞「1つ(a)」または「1つ(an)」による請求項の記載の導入が、そのような導入された請求項の記載を含む特定の請求項を、そのような再述を1つだけ含む実施形態に限定することを意味するように解釈されるべきではなく、これは、請求項の記載を導入するために使用される定冠詞の使用についても同様である。また、導入された請求項の記載の具体的な数が明示的に記載されている場合でも、当業者であれば、そのような記載は少なくとも記載された数を意味すると解釈すべきであると認識するであろう(例えば、他の修飾語を伴わない「2回の再現」というのみの記載は、少なくとも2回の再現、または2回以上の再現を意味する)。さらに、「A、B、およびC等の少なくとも1つ」に類する慣例が使用されている場合、一般的にそのような構成は、当業者が慣例を理解するような意味で意図されている(例えば、「A、B、およびCの少なくとも1つを有するシステム」は、A単独、B単独、C単独、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、および/またはA、B、およびCを共に有するシステムを含むが、これらに限定されない)。「A、B、またはC等の少なくとも1つ」に類する慣例が使用されている場合、一般的に、そのような構成は、当業者が慣例を理解する意味で意図されている(例えば、「A、B、またはCのうち少なくとも1つを有するシステム」は、A単独、B単独、C単独、AとBを共に、AとCを共に、BとCを共に、および/またはA、B、およびCを共に有する等のシステムを含むが、これらに限定されない)。当業者であれば、明細書、特許請求の範囲、図面において、2つ以上の代替用語を提示する実質的に任意の分離語および/または句は、用語のいずれか1つ、用語のいずれか、または両方の用語を含む可能性を企図していると理解するであろう。例えば、「AまたはB」という句は、「A」または「B」、または「AおよびB」の可能性を含むと理解されるであろう。
さらに、本開示の特徴または局面がマーカッシュ群の用語で記載される場合、当業者は、本開示がそれによってマーカッシュ群の任意の個々のメンバーまたはメンバーのサブグループの点においても記載されていることを認識するであろう。
当業者に理解されるように、任意のおよび全ての目的について、例えば書面による説明を提供する点において、本明細書に開示されている全ての範囲は、可能なサブ範囲およびサブ範囲の組合せも全て包含する。記載されている任意の範囲は、同一の範囲が少なくとも等分の半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1等に分解されることを十分に説明し、可能にするものとして容易に認識することができる。非限定的な例として、本明細書に記載されている各範囲は、下位3分の1、中間3分の1、上位3分の1等に容易に分解することができる。また、当業者であれば理解できるように、「まで」、「少なくとも」等の全ての言葉は、記載された数を含み、上述のように後にサブ範囲に分解できる範囲を指す。
本明細書で値の範囲が提供される場合はいずれの場合も、特に明記されない限り、その範囲は、開始値、終了値、各個別の値、またはその間の値の範囲を含むことを意味する。例えば、「0.2~0.5」とは、0.2、0.3、0.4、0.5、0.2~0.3、0.3~0.4、0.2~0.4等のその間の範囲、0.25、0.35、0.225、0.335、0.49等のその間の増分、0.26~0.39等のその間の増分範囲等を意味する。他の例として、1~3個のセルを有する群は、1、2、または3つのセルを有する群を指す。同様に、1~5個のセルを有する群は、1、2、3、4、または5個のセルを有する群等を意味する。
以上のことから、本開示の種々の実施形態は、説明のために本明細書に記載されており、本開示の範囲および精神から逸脱することなく種々の改変を加えることができることは理解されるであろう。したがって、本明細書に開示される種々の実施形態は、限定することを意図したものではなく、真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲によって示される。
Claims (72)
- 酸と塩基の共役対、
キレート剤または還元剤、
非イオン性界面活性剤、
ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、およびその組合せからなる群から選択される、一価または二価の塩、ならびに
任意に、1種または複数のイソチアゾロンを含む、殺菌性保存剤
を含む、緩衝剤組成物。 - 共役対が、酢酸およびその塩を含む、請求項1に記載の緩衝剤組成物。
- 共役対が、約50mM~約150mMの酢酸を含む、請求項1または2に記載の緩衝剤組成物。
- 共役対が、約90mM~約110mMの酢酸を含む、請求項1または2に記載の緩衝剤組成物。
- 共役対が、約350mM~約450mMの酢酸ナトリウムを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の緩衝剤組成物。
- 共役対が、約400mM~約600mMの範囲の濃度で存在する、請求項1または2に記載の緩衝剤組成物。
- 共役対が、酢酸および酢酸ナトリウムまたはトリス-HClを含む、請求項1または2に記載の緩衝剤組成物。
- 酢酸が200mM以下の濃度で存在し、酢酸ナトリウムが300mM以上の濃度で存在する、請求項7に記載の緩衝剤組成物。
- pHが、約4.0~約6.0、または約1.0~約3.0である、請求項1~5のいずれか1項に記載の緩衝剤組成物。
- pHが約5.0である、請求項1~9のいずれか1項に記載の緩衝剤組成物。
- pHが約2.4である、請求項1~9のいずれか1項に記載の緩衝剤組成物。
- キレート剤がEDTAを含むか、または還元剤がTCEPを含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の緩衝剤組成物。
- キレート剤または還元剤が、約1mM~約20mMの範囲の濃度で存在する、請求項1~12のいずれか1項に記載の緩衝剤組成物。
- キレート剤が約10mMの濃度のEDTAである、請求項1~12のいずれか1項に記載の緩衝剤組成物。
- 還元剤が、約15mMの濃度のTCEPである、請求項1~12のいずれか1項に記載の緩衝剤組成物。
- 非イオン性界面活性剤が、エトキシル化非イオン性界面活性剤、プロポキシル化非イオン性界面活性剤、コ-エトキシル化-プロポキシル化非イオン性界面活性剤、およびその組合せからなる群から選択される、請求項1~15のいずれか1項に記載の緩衝剤組成物。
- 非イオン性界面活性剤が、TergitolまたはTriton界面活性剤である、請求項1~15のいずれか1項に記載の緩衝剤組成物。
- 非イオン性界面活性剤が、Tergitol 15-S-9またはTritonX-100である、請求項17に記載の緩衝剤組成物。
- 非イオン性界面活性剤が、モノ脂肪酸のエトキシル化ソルビタンエステル、エトキシル化オクチルフェノール、エトキシル化二級C1-C20アルコール、コ-エトキシル化-プロポキシル化種子油アルコール、およびその組合せからなる群から選択される、請求項1~16のいずれか1項に記載の緩衝剤組成物。
- 非イオン性界面活性剤が、界面活性剤あたり平均1~50のエチレンオキシド単位を含むモノ脂肪酸のエトキシル化ソルビタンエステル、界面活性剤あたり平均1~20のエチレンオキシド単位を含むエトキシル化オクチルフェノール、界面活性剤あたり平均1~20のエチレンオキシド単位を含むエトキシル化二級C1-C20アルコール、界面活性剤あたり平均1~20のプロピレンオキシド単位および1~30のエチレンオキシド単位を含むコ-エトキシル化-プロポキシル化種子油アルコール、およびその組合せからなる群から選択される、請求項19に記載の緩衝剤組成物。
- 非イオン性界面活性剤が、1種または複数の、モノ脂肪酸のエトキシル化ソルビタンエステルを含む、請求項1~19のいずれか1項に記載の緩衝剤組成物。
- 1種または複数の、モノ脂肪酸のエトキシル化ソルビタンエステルの各々が、平均1~50のエチレンオキシド単位を含む、請求項21に記載の緩衝剤組成物。
- 非イオン性界面活性剤が、1種または複数のエトキシル化二級C1-C20アルコールを含む、請求項1~19のいずれか1項に記載の緩衝剤組成物。
- 1種または複数のエトキシル化二級C1-C20アルコールの各々が、平均1~20のエチレンオキシド単位を含む、請求項23に記載の緩衝剤組成物。
- 非イオン性界面活性剤が、1種または複数のエトキシル化オクチルフェノールを含む、請求項1~19のいずれか1項に記載の緩衝剤組成物。
- 1種または複数のエトキシル化オクチルフェノールの各々が、平均1~20のエチレンオキシド単位を含む、請求項25に記載の緩衝剤組成物。
- 非イオン性界面活性剤が、1種または複数のコ-エトキシル化-プロポキシル化種子油アルコールを含む、請求項1~19のいずれか1項に記載の緩衝剤組成物。
- 1種または複数のコ-エトキシル化-プロポキシル化種子油アルコールの各々が、平均1~20のプロピレンオキシド単位および1~30のエチレンオキシド単位を含む、請求項27に記載の緩衝剤組成物。
- 非イオン性界面活性剤が、緩衝剤組成物の約0.5質量%~1.5質量%の範囲の濃度で存在する、請求項1~28のいずれか1項に記載の緩衝剤組成物。
- 非イオン性界面活性剤が、緩衝剤組成物の約1.0質量%の範囲の濃度で存在する、請求項1~29のいずれか1項に記載の緩衝剤組成物。
- 二価の塩がCaCl2である、請求項1~30のいずれか1項に記載の緩衝剤組成物。
- 一価または二価の塩が、約100mM~約300mMの範囲の濃度で存在する、請求項1~31のいずれか1項に記載の緩衝剤組成物。
- 一価または二価の塩が、約200mMの濃度で存在する、請求項1~32のいずれか1項に記載の緩衝剤組成物。
- 殺菌性保存剤が緩衝剤組成物の約0.03質量%の濃度で存在する、請求項1~33のいずれか1項に記載の緩衝剤組成物。
- 殺菌性保存剤が、約1質量%~約5質量%の1種または複数のイソチアゾロンを含む、請求項1~34のいずれか1項に記載の緩衝剤組成物。
- 殺菌性保存剤が、約2質量%~約4質量%の1種または複数のイソチアゾロンを含む、請求項1~34のいずれか1項に記載の緩衝剤組成物。
- 殺菌性保存剤が、約1質量%~約3質量%の1種または複数のイソチアゾロンを含む、請求項1~34のいずれか1項に記載の緩衝剤組成物。
- 1種または複数のイソチアゾロンが、クロロメチルイソチアゾリノンおよびメチルイソチアゾリノンを含む、請求項1~37のいずれか1項に記載の緩衝剤組成物。
- クロロメチルイソチアゾリノンとメチルイソチアゾリノンが、約1:1~約5:1の質量比である、請求項38に記載の緩衝剤組成物。
- 1種または複数のイソチアゾロンが、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンおよび2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンを約3:1の質量比で含む、請求項38または39に記載の緩衝剤組成物。
- 殺菌性保存剤が、塩非含有の独自のグリコールおよびアルキルカルボキシレート安定化剤の1つまたは複数を含む、請求項1~40のいずれか1項に記載の緩衝剤組成物。
- 緩衝剤が、実施例緩衝剤I、IIまたはIIIからなる群から選択される、請求項1~41のいずれか1項に記載の緩衝剤組成物。
- 請求項1~41のいずれか1項に記載の緩衝剤組成物を含む、キット。
- 緩衝剤組成物を収容する無菌容器を含む、請求項43に記載のキット。
- 膣感染症または炎症に関連する症状を診断するためのマニュアルを含む、請求項43または44に記載のキット。
- 症状が、膣炎もしくは膣症、またはその組合せである、請求項45に記載のキット。
- 症状が、外陰膣カンジダ症(VVC)、トリコモナス症、もしくは細菌性膣症(BV)またはその組合せである、請求項45に記載のキット。
- 表面官能化粒子の凝集を防止または低減する方法であって、サンプルを請求項1~41のいずれか1項に記載の緩衝剤組成物と接触させることを含み、サンプルが、複数の表面官能化粒子を含み、緩衝剤組成物の存在下における複数の表面官能化粒子の凝集レベルが、緩衝剤組成物の非存在下における凝集レベルと比較して低減される、方法。
- 緩衝剤組成物の存在下における複数の表面官能化粒子の凝集レベルが、緩衝剤組成物の非存在下における凝集レベルと比較して、少なくとも1%低減される、請求項48に記載の方法。
- 緩衝剤組成物の存在下における複数の表面官能化粒子の凝集レベルが、緩衝剤組成物の非存在下における凝集レベルと比較して、少なくとも5%低減される、請求項48または49に記載の方法。
- 緩衝剤組成物の存在下における複数の表面官能化粒子の凝集レベルが、緩衝剤組成物の非存在下における凝集レベルと比較して、少なくとも10%低減される、請求項48~50のいずれか1項に記載の方法。
- サンプルが臨床サンプルである、請求項48~51のいずれか1項に記載の方法。
- サンプルが膣サンプルである、請求項48~52のいずれか1項に記載の方法。
- サンプルが臨床膣スワブである、請求項48~53のいずれか1項に記載の方法。
- サンプルが膣から採取される、請求項48~54のいずれか1項に記載の方法。
- サンプルが、膣炎、膣症、またはその両方の臨床徴候を示す対象から採取される、請求項48~55のいずれか1項に記載の方法。
- サンプルが複数の核酸を含む、請求項48~56のいずれか1項に記載の方法。
- 複数の核酸が、1種または複数の、外陰膣カンジダ症(VVC)関連カンジダ種、トリコモナス症を引き起こす膣トリコモナス(trichomonas vaginalis)、1種または複数の細菌性膣症(BV)関連細菌、またはその組合せに由来する、請求項57に記載の方法。
- 1種または複数のVVC関連カンジダ種が、カンジダ・グラブラータ(Candida glabrata)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・トロピリカス(Candida tropicalis)、C.デュブリニエンシス(C. dubliniensis)、C.パラプシローシス(C. parapsilosis)、カンジダ・クルセイ(Candida krusei)またはその組合せを含む、請求項58に記載の方法。
- 1種または複数のBV関連細菌が、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)、ラクトバチルス・ジュンセンイ(Lactobacillus jensenii)、ガルドネラ・ヴァギナリス(Gardnerella vaginalis)、アトポビウム・ヴァギナエ(Atopobium vaginae)、メガスファエラ1型(Megasphaera Type 1)、メガスファエラBVAB2またはその組合せを含む、請求項58または59に記載の方法。
- 複数の核酸を増幅することおよび/または検出することをさらに含み、複数の核酸の増幅および/または検出の効率が、緩衝剤組成物の存在下において、緩衝剤組成物の非存在下における効率と比較して向上する、請求項57~60のいずれか1項に記載の方法。
- 複数の核酸の増幅および/または検出の効率が、緩衝剤組成物の存在下において、緩衝剤組成物の非存在下における効率と比較して少なくとも1%向上する、請求項61に記載の方法。
- 複数の核酸の増幅および/または検出の効率が、緩衝剤組成物の存在下において、緩衝剤組成物の非存在下における効率と比較して少なくとも5%向上する、請求項61または62に記載の方法。
- 表面官能化粒子が、1mm未満の平均径を含む、請求項48~63のいずれか1項に記載の方法。
- 表面官能化粒子が、核酸の抽出、精製、増幅、検出、またはその組合せのために構成されている、請求項48~64のいずれか1項に記載の方法。
- 凝集が、サンプル中の妨害物質によって誘導される、請求項48~65のいずれか1項に記載の方法。
- 妨害物質が、潤滑剤、ゲル、クリーム、およびその組合せからなる群から選択される、請求項66に記載の方法。
- 妨害物質が、1種または複数のカルボマーを含むゲルを含む、請求項67に記載の方法。
- 妨害物質が、カルボマーを含まないゲルを含む、請求項67に記載の方法。
- 凝集がマイクロ流体チャネル中で生じる、請求項48~69のいずれか1項に記載の方法。
- 緩衝剤組成物が殺菌性保存剤を含まない、請求項1~70のいずれか1項に記載の組成物、キットまたは方法。
- 緩衝剤組成物が殺菌性保存剤を含む、請求項1~71のいずれか1項に記載の組成物、キット、または方法。
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