JP2022541610A - エストロゲン受容体調節化合物 - Google Patents

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Abstract

エストロゲン受容体調節因子である化合物が本明細書に記載される。本明細書に記載される化合物を含む医薬組成物および医薬、ならびにかかるエストロゲン受容体調節因子を単独でおよび他の化合物と組み合わせて、エストロゲン受容体に媒介されるまたはそれに依存する疾患または状態を治療するために使用する方法も記載される。

Description

関連出願についての他所参照
本願は、2019年7月22日に出願された米国仮出願第62/876,963号に対する35 U.S.C. §119(e)下の優先権を主張し、該出願はその全体において参照により本明細書に援用される。
技術分野
化合物、例えばその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、代謝産物、プロドラッグ、かかる化合物を作製する方法、かかる化合物を含む医薬組成物、およびエストロゲン感受性、エストロゲン受容体依存的またはエストロゲン受容体媒介性の疾患または状態を治療、予防または診断するためにかかる化合物を使用する方法が本明細書に記載される。
背景
エストロゲン受容体(「ER」)は、内因性エストロゲンとのその相互作用を介して種々の生物学的効果の誘導を媒介する、リガンドにより活性化される転写制御タンパク質である。内因性エストロゲンとしては、17β-エストラジオールおよびエストロンが挙げられる。エストロゲン受容体は、2つのアイソフォームER-α(ESR1)およびER-β(ESR2)を有することが見出されている。エストロゲンおよびエストロゲン受容体は、乳癌、肺癌、卵巣癌、結腸癌、前立腺癌、子宮内膜癌、子宮癌などのいくつかの疾患また状態、および不妊、骨粗鬆症、膣萎縮症(vaginal atrophy)、性交疼痛症、避妊、男性の性腺機能低下症、女性化乳房、乳房の疼痛などの他の疾患または状態に関連し、したがって、エストロゲン受容体の調節に少なくとも部分的に起因し得るこれらおよび他の状態および疾患の治療における用途が見出される。
選択的エストロゲン受容体調節因子(SERM)は、エストロゲン受容体に作用するある種の薬物である。これらはエストロゲン受容体の競合リガンドとなる傾向がある。これらの物質と、純粋なERアゴニストおよびアンタゴニスト(すなわち、完全アゴニストおよびサイレントアンタゴニスト)を区別する特徴は、それらの作用が種々の組織において異なることであり、それにより種々の組織においてエストロゲン様作用を選択的に阻害または刺激する可能性が付与される。例えば、ER-αは典型的に、女性の生殖管および乳腺において優勢な形態として見られ、ER-βは血管内皮細胞、骨および男性の前立腺組織においてより高レベルで見られる。異なる組織は内因性エストロゲンに対して異なる程度の感受性および内因性エストロゲンの活性を有するので、SERMは、問題とされる特定の組織に応じてエストロゲン性または抗エストロゲン性効果、およびSERMの固有の活性(IA)の割合を生じる。さらに、種々の組織におけるそれらのレベルは、身体的発生、加齢または疾患状態に応答して変化し得る。ERでの拮抗は競合的阻害を介して起こり得、ここで1つのリガンドは、よりアゴニスト性のリガンド(例えば17β-エストラジオール)を置き換え、アゴニストリガンドに比べてより低い程度または全くない程度にまでシグナル伝達する。ER-アゴニストシグナル伝達を阻害する第2の形態があり、これはERへのリガンドの結合およびプロテアソームにおけるERの分解を誘発するコンホメーション(1つまたは複数)の誘導を含む。しばしば、分解は、分解誘発化合物の結合事象の後のERのユビキチン化(ubiquination)および/またはパルモイル化(palmoylation)により誘発される。ERに結合し、その分解を促進する化合物はしばしば、選択的エストロゲン受容体分解因子(「SERD」)と称される。化合物をSERMまたはSERDと称することは、その薬理学の局面に焦点を当てる一般的な方法である。結局のところ、いくつかの(全てではないが)ER発現組織において少なくともいくつかのアゴニスト活性を有することを意味する、SERMとして機能する多くの化合物も、少なくともいくつかの受容体分解を誘発し得る。したがって、本発明の態様に該当する多くのもしくはほとんどの化合物がある範囲のSERM/SERD活性を示すことが理解されるべきである。SERM、SERDおよびSERM/SERDであろうとなかろうと、本開示の化合物は、本明細書に開示される方法を達成し得る。
発明の概要
一局面において、ERを介して作用するおよび/またはER分解を誘発する内因性エストロゲンの効果を改変し、そのためにエストロゲンおよび/またはエストロゲン受容体の作用が疾患もしくは状態の病因もしくは病理学に関連するかまたは該疾患もしくは状態の少なくとも1つの症状に寄与する疾患または状態の治療または予防のための薬剤として有用である式I~VI、D-105~D-110の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物もしくはプロドラッグが本明細書に提示され、ここでエストロゲンおよび/またはエストロゲン受容体のかかる作用は望ましくない。いくつかの態様において、本明細書に開示される化合物は、選択的エストロゲン受容体分解剤化合物である。
一局面において、式I~VI、D-105~D-110の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物もしくはプロドラッグは、転移性癌を含む乳癌、肺癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、前立腺癌、卵巣および子宮癌などの癌に関連するER-α機能不全を含むが限定されないER関連疾患または状態の治療に有用である。
一局面において、式I~VI、D-105~D-110の化合物、ならびにその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物、代謝産物およびプロドラッグが本明細書に記載される。本明細書に記載される化合物は、エストロゲン受容体調節因子である。いくつかの態様において、式I~VI、D-105~D-110の化合物は、エストロゲン受容体アンタゴニストである。いくつかの態様において、式I~VI、D-105~D-110の化合物は最小のエストロゲン受容体アゴニスト活性を示す。いくつかの態様において、癌の治療の文脈において、式I~VI、D-105~D-110の化合物は、完全もしくはより長く続く腫瘍退縮、治療に対する抵抗の発生のより低い発生率もしくは速度および/または腫瘍侵襲の低減を特徴とする向上された治療活性を提供し得る。
いくつかの態様において、本明細書に開示される化合物は、エストロゲン受容体について高い特異性を有し、望ましい組織選択的薬理学的活性を有する。望ましい組織選択的薬理学的活性としては、限定されないが、乳房細胞におけるERアンタゴニスト活性、および子宮細胞におけるERアゴニスト活性がないことが挙げられる。いくつかの態様において、本明細書に開示される化合物は、無視できるかまたは最小のエストロゲン受容体アゴニスト活性を有する完全なエストロゲン受容体アンタゴニスト活性を示すエストロゲン受容体分解剤である。
いくつかの態様において、本明細書に開示される化合物はエストロゲン受容体分解剤である。いくつかの態様において、本明細書に開示される化合物は、エストロゲン受容体アンタゴニストである。いくつかの態様において、本明細書に開示される化合物は、最少または無視できるエストロゲン受容体アゴニスト活性を有する。
いくつかの態様において、式I~VI、D-105~D-110の化合物の活性代謝産物、互変異性体、薬学的に許容され得る溶媒和物、薬学的に許容され得る塩およびプロドラッグからなる群より選択される化合物が本明細書に提示される。
ある態様において、本発明は、式I:
Figure 2022541610000002
(式中:
Xは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
Rは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
各Raは独立して:H、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、OH、OC1-3アルキル、CN、フッ素、塩素、またはフッ素、塩素、C1-C3アルキル、CN、OC1-C3アルキルおよびOHから選択される1~3個の基で任意に置換されるフェニルから選択され;
各Rbは独立して:H、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、OH、OC1-3アルキル、CN、フッ素、塩素、またはフッ素、塩素、C1-C3アルキル、CN、OC1-C3アルキルおよびOHから選択される1~3個の基で任意に置換されるフェニルから選択され;
YおよびZはそれぞれ独立して、CRbまたはNから選択され;
UおよびVはそれぞれ独立して、CRaまたはNから選択され;
Wは、-CHR'-CHR'-NH-C1-C4アルキル、-CHR'-CHR'-NH-C1-C4フルオロアルキル、-CHR'-CHR'-NH-C3-C6シクロアルキル、-CHR'-CHR'-NH-C1-C4アルキル-C3-C6シクロアルキル、
Figure 2022541610000003
であり;
ここで各R'は、独立してHまたはC1-C3アルキルである)
の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を記載する。
式Iのいくつかの態様において、Wは、-CH2-CH2-NH-CH2-CH2-CH3;-CH2-CH2-NH-CH2-CH2-CH2F;
Figure 2022541610000004
である。
式Iのいくつかの態様において、YおよびZはそれぞれCRbであり、UおよびVはそれぞれCRaである。
いくつかの態様において、式Iは、式II:
Figure 2022541610000005
(式中:
Xは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
Rは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
各Raは独立して:H、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、OH、OC1-3アルキル、CN、フッ素、塩素、またはフッ素、塩素、C1-C3アルキル、CN、OC1-C3アルキルおよびOHから選択される1~3個の基で任意に置換されるフェニルから選択され;
各Rbは独立して:H、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、OH、OC1-3アルキル、CN、フッ素、塩素、またはフッ素、塩素、C1-C3アルキル、CN、OC1-C3アルキルおよびOHから選択される1~3個の基で任意に置換されるフェニルから選択され;
YおよびZはそれぞれ独立して、CRbまたはNから選択され;
UおよびVはそれぞれ独立して、CRaまたはNから選択される)
の構造またはその薬学的に許容され得る塩を有し得る。
式IIのいくつかの態様において、Xは水素、メチル、フッ素、塩素もしくは臭素であり;Rは水素、メチル、フッ素、塩素もしくは臭素であり;YおよびZはそれぞれCRbであり;UおよびVはそれぞれCRaであり;各Raは独立して、H、フッ素もしくは塩素から選択され;各Rbは独立して、H、フッ素もしくは塩素から選択され;またはその薬学的に許容され得る塩である。
いくつかの態様において、式Iおよび/または式IIは、式III:
Figure 2022541610000006
(式中:
Xは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
Rは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
各Raは独立して:H、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、OH、OC1-3アルキル、CN、フッ素、塩素、またはフッ素、塩素、C1-C3アルキル、CN、OC1-C3アルキルおよびOHから選択される1~3個の基で任意に置換されるフェニルから選択され;
各Rbは独立して:H、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、OH、OC1-3アルキル、CN、フッ素、塩素、またはフッ素、塩素、C1-C3アルキル、CN、OC1-C3アルキルおよびOHから選択される1~3個の基で任意に置換されるフェニルから選択され;
UおよびVはそれぞれ独立して、CRaまたはNから選択される)
の構造またはその薬学的に許容され得る塩を有し得る。
式IIIのいくつかの態様において、Xは水素、メチル、フッ素、塩素または臭素であり;Rは水素、メチル、フッ素、塩素または臭素であり;UおよびVはそれぞれCRaであり;各Raは独立して、H、フッ素または塩素から選択され;各Rbは独立して、H、フッ素または塩素から選択される。
式IIIのいくつかの態様において、Xはフッ素であり、Rはフッ素または塩素である。
いくつかの態様において、式I、式IIおよび/または式IIIは、式IV:
Figure 2022541610000007
(式中:
Xは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
Rは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
各Rbは独立して:H、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、OH、OC1-3アルキル、CN、フッ素、塩素、またはフッ素、塩素、C1-C3アルキル、CN、OC1-C3アルキルおよびOHから選択される1~3個の基で任意に置換されるフェニルから選択される)
の構造またはその薬学的に許容され得る塩を有し得る。
式IVのいくつかの態様において、Xは水素またはフッ素であり、Rは水素、フッ素または塩素であり、各Rbは独立して、水素、フッ素または塩素である。
いくつかの態様において、式I、式II、式IIIおよび/または式IVは、式V:
Figure 2022541610000008
(式中:
Xは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
Rは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
Rbは:H、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、OH、OC1-3アルキル、CN、フッ素、塩素、またはフッ素、塩素、C1-C3アルキル、CN、OC1-C3アルキルおよびOHから選択される1~3個の基で任意に置換されるフェニルから選択される)
の構造またはその薬学的に許容され得る塩を有し得る。
式Vのいくつかの態様において、Xは水素またはフッ素であり;Rは水素、フッ素または塩素であり;Rbは水素、フッ素または塩素である。
いくつかの態様において、式I、式IIおよび/または式IIIは、式VI:
Figure 2022541610000009
(式中:
Xは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
Rは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
Raは:H、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、OH、OC1-3アルキル、CN、フッ素、塩素、またはフッ素、塩素、C1-C3アルキル、CN、OC1-C3アルキルおよびOHから選択される1~3個の基で任意に置換されるフェニルから選択され;
Rbは:H、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、OH、OC1-3アルキル、CN、フッ素、塩素、またはフッ素、塩素、C1-C3アルキル、CN、OC1-C3アルキルおよびOHから選択される1~3個の基で任意に置換されるフェニルから選択される)
の構造またはその薬学的に許容され得る塩を有し得る。
式VIのいくつかの態様において、Xは水素またはフッ素であり;Rは水素、フッ素または塩素であり;RaはC1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、塩素または臭素であり;Rbは水素、フッ素または塩素である。
いくつかの態様において、式Iは:
Figure 2022541610000010
からなる群より選択される構造またはその薬学的に許容され得る塩を有し得る。
ある態様において、式I~VI、D-105~D-110および本明細書に記載される全ての構造的態様からなる群より選択される化合物ならびに少なくとも1つの薬学的に許容され得る賦形剤を含む医薬組成物が本明細書において提供される。
ある態様において、細胞への化合物の投与を含む、細胞においてエストロゲン受容体を調節する方法が本明細書において提供され、ここで該化合物は、式I~VI、D-105~D-110および本明細書に記載される全ての構造的態様またはその薬学的に許容され得る塩からなる群より選択される。
ある態様において、エストロゲン受容体を発現する細胞と、式Iの化合物を接触させる工程および細胞に対する化合物の効果をモニタリングする工程を含む、エストロゲン受容体を調節し得る化合物を同定する方法が本明細書において提供される。
式I~VI、D-105~D-110および本明細書に記載される全ての構造的態様からなる群より選択される化合物のプロドラッグも本明細書において記載される。式I~VI、D-105~D-110および本明細書に記載される全ての構造的態様からなる群より選択される化合物のプロドラッグの薬学的に許容され得る塩も本明細書において記載される。いくつかの態様において、式I~VI、D-105~D-110の化合物のプロドラッグの薬学的に許容され得る塩は、塩酸塩である。
いくつかの態様において、式I~VI、D-105~D-110および本明細書に記載される全ての構造的態様からなる群より選択される化合物、または式I~VI、D-105~D-110および本明細書に記載される全ての構造的態様からなる群より選択される化合物の薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含む医薬組成物が本明細書に記載される。いくつかの態様において、該医薬組成物は、静脈内注射、皮下注射、経口投与または局所投与のために製剤化される。いくつかの態様において、医薬組成物は、錠剤、丸薬、カプセル剤、液剤、懸濁剤、ゲル、分散剤、溶液、エマルジョン、軟膏またはローション剤である。
本発明はまた、不十分または過剰なエストロゲンレベルに関連する疾患、症候群、疾病または症状の治療を必要とする哺乳動物において、不十分または過剰なエストロゲンレベルに関連する疾患、症候群、疾病または症状を治療(例えば、それらの予防、またはそれらに関連する症状の改善、またはそれらの発生率の低減、それらの病因の低減、それらの回復の促進、またはそれらの開始の遅延)する方法を提供し、ここで該方法は、該哺乳動物への、式I~VI、D-105~D-110および本明細書に記載される全ての構造的態様からなる群より選択される化合物もしくはその薬学的に許容され得る塩、または式I~VI、D-105~D-110の化合物もしくは本明細書に記載される構造的態様の1つもしくはその薬学的に許容され得る塩および薬学的に許容され得る賦形剤を含む医薬組成物の有効量の投与を含む。特定の態様において、哺乳動物はヒトである。
ある局面において、本発明は、前立腺癌、乳癌、子宮内膜癌、肺癌、肝細胞癌、リンパ腫、多発性内分泌腫瘍、膣癌、腎臓癌、甲状腺癌、精巣癌、白血病および卵巣癌の治療を必要とする哺乳動物において、前立腺癌、乳癌、子宮内膜癌、肺癌、肝細胞癌、リンパ腫、多発性内分泌腫瘍、膣癌、腎臓癌、甲状腺癌、精巣癌、白血病および卵巣癌を治療(例えば、それらの予防、またはそれらに関連する症状の改善、またはそれらの発生率の低減、それらの病因の低減、それらの回復の促進、またはそれらの開始の遅延)する方法であって、該哺乳動物への、式I~VI、D-105~D-110および本明細書に記載される全ての構造的態様からなる群より選択される化合物もしくはその薬学的に許容され得る塩、または式I~VI、D-105~D-110および本明細書に記載される全ての構造的態様からなる群より選択される化合物、例えばその薬学的に許容され得る塩および薬学的に許容され得る賦形剤を含む医薬組成物の投与を含む方法を記載する。いくつかの態様において、哺乳動物はヒトである。いくつかの態様において、癌は、ESR1の発現について陽性である。ある態様において、癌は、以前の選択の治療(例えば以前の内分泌学的治療)に対して抵抗性である。ある態様において、癌は、タモキシフェン、トレミフェン、レトロゾール、アロマシン、アナストラゾールおよびフェソロデックス(faslodex)からなる群より選択される1つ以上の薬剤への暴露後に進行する。いくつかの態様において、治療はアジュバント設定であり、いくつかの態様において、治療は転移性設定である。ある態様において、本明細書に開示されるSERDおよび/またはSERMS化合物は、CDK4/6阻害剤、PI3k阻害剤、mTOR阻害剤、タキサン、HER2阻害剤、PARP阻害剤、BCL-2阻害剤およびMCL-1阻害剤などの他の活性化合物と合わされる。
発明の詳細な説明
上述および本開示を通して使用される場合、以下の用語は、そうではないと示されない限り、以下の意味を有することが理解されるものとする。
そうではないと示されない限り、明細書および特許請求の範囲を含む本願で使用される以下の用語は、以下に示される定義を有する。明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈がそうではないと明確に示さない限り、複数の指示対象を含むことに注意しなければならない。そうではないと示されない限り、質量分析、NMR、HPLC、タンパク質化学、生化学、組換えDNA技術および薬理学の従来の方法が使用される。本願において、「または」または「および」の使用は、そうではないと示されない限り、「および/または」を意味する。さらに、用語「含む(including)」ならびに「含む(include)」、「含む(includes)」および「含む(included)」などの他の形態の使用は限定ではない。本明細書において使用されるセクションの見出しは、構成目的のみのものであり、記載される主題を限定すると解釈されない。2つ以上の項目のリストにおいて使用される場合、用語「および/または」は、列挙される項目のいずれか1つが単独で使用され得るかまたは列挙される項目の2つ以上のいずれかの組合せが使用され得ることを意味する。例えば組成物が構成成分A、Bおよび/またはCを含むように記載される場合、該組成物は、A単独;B単独;C単独;AおよびBを組合せて;AおよびCを組合せて;BおよびCを組合せて;またはA、BおよびCを組合せて含み得る。
用語「結合」または「単結合」は、2つの原子、または結合により連結される原子がより大きな下位構造(substructure)の一部であるとみなされる場合には2つの部分の間の化学的結合をいう。一局面において、本明細書に記載される基が結合である場合、参照される基は非存在であり、それにより残りの同定された基の間で結合が形成される。
用語「部分」は、分子の特定の区分または官能基をいう。化学部分はしばしば、分子に植え込まれるかまたは付けられる化学実体として認識される。
いくつかの状況において、化合物は、互変異性体として存在し得る。全ての互変異性体は、本明細書に提示される化合物の範囲に含まれる。
用語「調節する(modulate)」は、本明細書で使用する場合、例示のみとして、標的の活性を高める、標的の活性を阻害する、標的の活性を制限する、または標的の活性を拡大するなど、標的の活性を改変するように直接的または間接的のいずれかで標的と相互作用することを意味する。
用語「調節因子(modulator)」は、本明細書で使用する場合、直接的または間接的のいずれかで標的と相互作用する分子をいう。該相互作用としては、限定されないが、アゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニスト、アンタゴニスト、分解剤またはそれらの組合せの相互作用が挙げられる。いくつかの態様において、調節因子はアンタゴニストである。いくつかの態様において、調節因子は分解剤である。
「選択的エストロゲン受容体調節因子」または「SERM」は、本明細書で使用する場合、異なる組織においてエストロゲン受容体の活性を区別して調節する分子をいう。例えば、いくつかの態様において、SERMは、いくつかの組織においてERアンタゴニスト活性および他の組織においてERアゴニスト活性を示す。いくつかの態様において、SERMは、いくつかの組織においてERアンタゴニスト活性および他の組織において最少のERアゴニスト活性もしくはERアゴニスト活性がないことを示す。いくつかの態様において、SERMは、乳房組織、卵巣組織、子宮内膜組織および/または子宮頸組織においてERアンタゴニスト活性を示す。
用語「アンタゴニスト」は、本明細書で使用する場合、核ホルモン受容体に結合してその後、アゴニストに誘導される核ホルモン受容体の転写活性を減少させる小分子剤をいう。
用語「アゴニスト」は、本明細書で使用する場合、核ホルモン受容体に結合してその後、公知のアゴニストの非存在下で核ホルモン受容体転写活性を増加する小分子剤をいう。
用語「逆アゴニスト(agonism)」は、本明細書で使用する場合、核ホルモン受容体に結合してその後、公知のアゴニストの非存在下で存在する核ホルモン受容体転写活性の基礎レベルを減少する小分子剤をいう。
用語「分解剤(degrader)」は、本明細書で使用する場合、核ホルモン受容体に結合してその後、該受容体の定常状態タンパク質レベルを低下する小分子剤をいう。いくつかの態様において、本明細書に記載されるような分解剤は、定常状態エストロゲン受容体レベルを、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%または少なくとも95%低下させる。いくつかの態様において、本明細書に記載されるような分解剤は、定常状態エストロゲン受容体レベルを少なくとも65%低下させる。いくつかの態様において、本明細書に記載されるような分解剤は、定常状態エストロゲン受容体レベルを少なくとも85%低下させる。
用語「選択的エストロゲン受容体分解剤」または「SERD」は、本明細書で使用する場合、他の受容体に対して優先的にエストロゲン受容体に結合してその後、定常状態エストロゲン受容体レベルを低下させる小分子剤をいう。また、SERDは、1つの細胞または組織型において別のものよりも多く分解して、そのために細胞または組織の情況に区別して応じて分解をもたらしながらSERM型活性を発現する可能性のある化合物を意味し得る。
用語「エストロゲン受容体依存性」は、本明細書で使用する場合、エストロゲン受容体の非存在下で生じないかまたは同程度には生じない疾患または状態をいう。
用語「エストロゲン受容体媒介性」は、本明細書で使用する場合、それらの状態についてエストロゲンシグナル伝達に少なくとも部分的に依存する疾患または状態をいう。
用語「エストロゲン受容体感受性」は、本明細書で使用する場合、エストロゲンの非存在下で、生じないかまたは同程度には生じない疾患または状態をいう。エストロゲン受容体感受性はまた、エストロゲン受容体アゴニスト、アンタゴニスト、SERMおよび/またはSERDの存在に応答する細胞または組織に関連する。
用語「癌」は、本明細書で使用する場合、制御されない様式で増殖し、いくつかの場合において転移(拡散)する傾向がある細胞の異常な成長をいう。癌の種類としては、限定されないが、転移を有するかまたは有さない疾患の任意の病期での、固形腫瘍(例えば膀胱、腸、脳、乳房、子宮内膜、心臓、腎臓、肺、子宮、リンパ組織(リンパ腫)、卵巣、膵臓または他の内分泌器官(甲状腺)、前立腺、または皮膚(黒色腫または基底細胞癌)のもの)または血液の腫瘍(例えば白血病およびリンパ腫)が挙げられる。
用語「共投与」等は、本明細書で使用する場合、単一の患者への選択された治療剤の投与を包含することを意味し、薬剤が同じもしくは異なる投与経路または同じもしくは異なる時間で投与される治療計画を含むことが意図される。
用語「有効量」または「治療有効量」は、本明細書で使用する場合、治療されている疾患または状態の症状の1つ以上をある程度まで軽減する、投与されている薬剤または化合物の十分な量をいう。結果は、疾患の徴候、症状もしくは原因の低減および/または緩和、または生物学的系の任意の他の望ましい変化であり得る。例えば、治療的使用のための「有効量」は、疾患症状の臨床的に有意な減少をもたらすのに必要な、本明細書に開示されるような化合物を含む組成物の量である。任意の個々の場合における適切な「有効」量は、用量増加試験(dose escalation study)などの技術を使用して決定され得る。
用語「増大する(enhance)」または「増大性(enhancing)」は、本明細書で使用する場合、所望の効果の潜在力または持続時間のいずれかを増加または延長することを意味する。したがって、治療剤の効果を増大することに関して、用語「高めること(enhancing)」は、系における他の治療剤の効果の有効性または持続時間のいずれかを増加または延長する能力をいう。「増大性有効量」は、本明細書で使用する場合、所望の系における別の治療剤の効果を増大するのに適切な量をいう。
用語「医薬組合せ」は、本明細書で使用する場合、1つより多くの有効成分の混合または併用により生じ、該有効成分の固定されるおよび固定されない組合せの両方を含む生成物を意味する。用語「固定される組合せ」は、有効成分、例えば式I~VIおよびD-105~D-110の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩および共薬剤(co-agent)の両方が、単一実体または単一用量の形態で同時に患者に投与されることを意味する。用語「固定されない組合せ」は、有効成分、例えば式I~VI、D-105~D-110の化合物またはその薬学的に許容され得る塩および共薬剤が、別々の実体として患者に、特定の介在時間の制限なく同時(simultaneously)、同時(concurrently)または連続のいずれかで投与されることを意味し、ここでかかる投与は、患者の身体において2つの化合物の有効レベルを提供する。後者はまた、混合(cocktail)療法、例えば3つ以上の有効成分の投与に適用される。
用語「キット」および「製造物品」は同義語として使用される。
用語「被験体」または「患者」は、哺乳動物を包含する。哺乳動物の例としては、限定されないが、哺乳綱:ヒト、非ヒト霊長類、例えばチンパンジー、ならびに他の類人猿およびサル種;農耕動物、例えばウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタ;家庭動物、例えばウサギ、イヌおよびネコ;げっ歯類を含む実験動物、例えばラット、マウスおよびモルモット等の任意のメンバーが挙げられる。いくつかの態様において、哺乳動物はヒトである。
用語「治療する(treat)」、「治療すること(treating)」または「治療(treatment)」は、本明細書で使用する場合、予防的および/または治療的にのいずれかで、疾患または状態の少なくとも1つの症状を緩和、除去または改善すること、さらなる症状を予防すること、疾患または状態を阻害すること、例えば疾患または状態の発症を阻止すること、疾患または状態を軽減すること、疾患または状態の後退を引き起こすこと、疾患または状態により引き起こされた状態を軽減すること、あるいは疾患または状態の症状を停止することを含む。
この開示の文脈において、句「式I~VI(I through VI)」、「式I~VI(I to VI)」または「式I~VI(I-VI)」は、それぞれの例において、例えば式I、II、IIa、IIb、IIc、IId、IIe、IIf、IIg、IIh、IIj、III、IIIa、IIIb、IIIc、IIId、IIIe、IIIf、IV、IVa、IVb、IVc、IVd、IVe、IVf、IVg、IVh、IVj、V、Va、Vb、Vc、Vd、Ve、Vf、Vg、Vh、VI、VIa、VIb、VIc、VId、VIe、VIf、VIg、VIhの化合物を含むことを意味する。同じ事情は、含まれる化合物に関して句「D-105~D-110(D-105 to D-110)」、「D-105~D-110(D-105 through D-110)」または「D-105~D-110(D-105 - D-110)」に適用されるべきである。また、句「式I~VI(I through VI)」、「式I~VI(I to VI)」または「式I~VI(I-VI)」は、本明細書で使用する場合、「式I、式II、式III、式IVおよび/または式V」と解釈され得る。句「D-105~D-110(D-105 to D-110)」、「D-105~D-110(D-105 through D-110)」または「D-105~D-110(D-105 - D-110)」は、本明細書で使用する場合、「D-105、D-106、D-107、D-108、D-109および/またはD-110」と解釈され得る。
用語「アルキル」は、本明細書で使用する場合、特定の範囲に含まれる炭素原子数を有する直鎖および分岐鎖の両方の炭化水素ラジカルをいう。例えば、C1-4アルキルは、1~4のいずれにも炭素原子を含み得、残りの原子価が水素原子で埋められる炭化水素ラジカルが結合されることを意味する。該定義はまた、別々に列挙されたかのように、別々にそれぞれの入れ替えを含む。したがって、C1-2アルキルは、メチルおよびエチルを含む。用語C1-3アルキルは、メチル、エチル、プロピルおよび2-プロピルを含む。用語C1-4アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、2-プロピル、n-ブチル、2-ブチル、イソ-ブチルおよびtert-ブチルを含む。用語C1-5アルキルは、メチル、エチル、2-プロピル、n-ブチル、2-メチルブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、ペンタン-2-イル、ペンタン-3-イルおよびtert-ペンチル、イソ-ペンチルを含む。
用語「ハロゲン」は本明細書で使用する場合、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素のラジカルをいう。
用語「ハロアルキル」は、アルキルラジカルが、アルキル鎖に結合される1~5個のハロゲン原子をさらに有すること以外は、該アルキルラジカルが、用語「アルキル」について定義されるものと同じであるアルキルラジカルをいう。用語「フルオロアルキル」および「クロロアルキル」は、例えば単一の特定の型のハロゲン、例えばフッ素または塩素のそれぞれを有するハロアルキルをいう。いくつかの態様において、ハロアルキルはまた、他のハロゲンと組み合わせて使用される特定の参照されるハロゲン(例えばフルオロアルキル中のフッ素)を含み得る。例えば、C1ハロアルキルとしては、--CH2F、--CHF2、--CF3等、C1-2ハロアルキルとしては、--CH2F、CHF2、CF3、--CH2CH2F、--CH2CHF2、--CH2CF3、--CF2CHF2、--CF2CF3等が挙げられる。C1-3ハロアルキルは、--CH2F、--CHF2、--CF3、--CH2CF3、--CHFCF3、--CF2CF3、--CHClCH3、--CH2CH2Cl、-CH2CH2CH2F、--CH2CH2CF3等を含むように定義される。C1-4ハロアルキルは、--CH2F、--CHF2、--CF3、--CH2CF3、--CHFCF3、--CF2CF3、--CHClCH3、--CH2CH2Cl、--CH2CH2CF3、--CH2CH2CH2CF3、CHClCF2CH2CH3、CF2CH2CH2CHF2、CH2CH2CH2CH2F、CH2CH2CH2CH2Cl等を含むように定義される。用語「フルオロアルキル」は、「C1-C4フルオロアルキル」と同様に、直鎖または分岐の1~4個のフッ素原子を有するC1、C2、C3およびC4アルキル鎖、例えば--CH2CH2F、--CH2CHF2、--CH2CF3、--CF2CHF2、--CH2F、--CHF2、--CF3、--CH2CF3、--CHFCF3、--CF2CF3、--CH2CH2CF3、CH2CH2CH2F、--CH2CH2CH2CF3、CF2CH2CH2CHF2、CH2CH2CH2CH2F、CH(CH3)CH2F、CH2(CH)(CH3)CH2F、CH2(CH)(CH2F)(CH2F)を含む。
用語「アリール」は、一価の6~14員、単環または二環式炭素環を意味し、ここで単環式環は芳香族であり、二環式環の少なくとも1つの環は芳香族である。そうではないと示されない限り、基の原子価は、原子価則(valency rule)が許容する、ラジカル内の任意の環の任意の原子上に配置され得る。代表的な例としては、フェニル、ナフチルおよびインダニル等が挙げられる。
用語「アシル」は、一般式-(CO)-アルキルを有する基をいい、ここで該アルキルラジカルは、用語「アルキル」について定義されるものと同じであり、アシル基のアルキル部分は、特定の範囲に含まれる炭素原子数を有する。
用語「アシルオキシ」は、一般式-O(CO)-アルキルを有する基をいい、ここで該アルキルラジカルは、用語「アルキル」について定義されるものと同じであり、アシルオキシ基のアルキル部分は、特定の範囲に含まれる炭素原子数を有する。
本発明の化合物は、少なくとも1つの立体中心(stereocenter)を含み得、そのため種々の立体異性体形態で存在する。立体異性体は、その空間的配置のみが異なる化合物である。エナンチオマーは、最も一般的にはキラル中心として作用する非対称的に置換された炭素原子を含むために、その鏡像が重ならない立体異性体の対である。「エナンチオマー」は、互いの鏡像であり、重なり合わない分子の対の1つを意味する。ジアステレオマーは、最も一般的には2つ以上の非対称的に置換された炭素原子を含むために、鏡像として関連しない立体異性体である。「R」および「S」は、1つ以上のキラル炭素原子の周囲の置換基の立体配置を示す。したがって、「R」および「S」は、1つ以上のキラル炭素原子の周囲の置換基の相対的な立体配置を示す。開示される化合物の立体化学が構造により命名または示される場合、命名されるかまたは示される立体異性体は、他の立体異性体に対して少なくとも50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、95重量%、98重量%、99重量%または99.9重量%純粋である。1つのエナンチオマーが構造により命名または示される場合、示されるかまたは命名されるエナンチオマーは、少なくとも50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、95重量%、98重量%、99重量%または99.9重量%光学的に純粋である。重量パーセント光学純度は、エナンチオマーの重量+その光学異性体の重量に対するエナンチオマーの重量の比である。
本発明の化合物は、特定の異性体、異性体特異的合成、ジアステレオマーの分離または異性体混合物からの分割を組み込むかまたはそれらにより開始させることにより個々の異性体として調製され得る。従来の分割技術は、光学的に活性な酸を使用して異性体対のそれぞれの異性体の遊離塩基の塩を形成すること(その後、遊離塩基の分別結晶化および再生(regeneration))、光学的に活性なアミンを使用して異性体対のそれぞれの異性体の酸形態の塩を形成すること(その後、遊離酸の分別結晶化および再生)、光学的に純粋な酸、アミンもしくはアルコールを使用して異性体対の異性体のそれぞれのエステルもしくはアミドを形成すること(その後、キラル補助剤のクロマトグラフィー分離および除去)、または種々の周知のクロマトグラフィー法を使用して開始材料もしくは最終生成物のいずれかの異性体混合物を分割することを含む。
化合物が少なくとも1つの立体異(stereomeric)中心を含み得る、式I~VIもしくはD-105~D-110の化合物または式I~VIもしくはD-105~D-110の化合物を含む組成物の使用についての参照は、限定されないが光学的に純粋な化合物を含む、組成物中の式I~VIもしくはD-105~D-110の化合物のラセミ化合物または任意の光学純度に言及する。
いくつかの態様において、立体異性中心を有する式I~VIまたはD-105~D-110の化合物のエナンチオマー比は90:10より大きい。いくつかの態様において、式I~VIまたはD-105~D-110の化合物のエナンチオマー比は95:5より大きい。いくつかの態様において、式I~VIまたはD-105~D-110の化合物のエナンチオマー比は99:1より大きい。いくつかの態様において、式I~VIまたはD-105~D-110の化合物は光学的に純粋である。
式I~VIおよびD-105~D-110の化合物がアミンなどの1つ以上の塩基性部位を含む場合、酸付加塩が作製され得、本発明はかかる酸付加塩を含む。いくつかの代表的な(非限定的)酸付加塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、メシル酸塩、ベシル酸塩、安息香酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、吉草酸塩、ラウリン酸塩、カプリル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、リン酸塩、サリチル酸塩、ナプシル酸塩(napsylate)、硝酸塩、タンニン酸塩、レゾルシン酸塩(resorcinate)等、例えば多塩基塩ならびに酸付加塩の混合物が挙げられる。アミンが存在する場合、本発明はまた、これらのアミンの第4級アンモニウム塩を含む。同様に、本発明の化合物が例えばカルボン酸、フェノールなどの1つ以上の酸部位を含む場合、塩基付加塩が作製され得、本発明はかかる塩基付加塩を含む。例えば、いくつかの代表的な(非限定的)本発明の酸性化合物は、それらのリチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、トリアルキルアンモニウム(trialkyammonium)、カルシウム、マグネシウム、バリウム等として存在し得る。
本発明の化合物は溶媒和物としても存在し得、かかる溶媒和物は、明示的に記載されなかったとしても本発明の範囲に含まれる。かかる溶媒和物は、好ましくは水和物であるが、好ましくは溶媒が無毒性であるかまたは哺乳動物、好ましくはヒトへの投与に少なくとも許容され得ると考えられる他の溶媒で構成される溶媒和物であり得る。該溶媒和物は、化学量論的または非化学量論的の単一物または組合せであり得る。いくつかの例示的な溶媒和物としては、水、エタノール、酢酸等が挙げられる。
本発明の化合物は、治療剤として使用される場合、当業者に公知の任意の方法、例えば経口、頬内、静脈内、皮下、筋内、経皮、皮内、血管内、鼻腔内、舌下、頭蓋内、直腸、腫瘍内、膣内、腹腔内、肺系、眼内および腫瘍内により投与され得る。
投与される場合、本発明の化合物および組成物は、1日1回または複数の日用量、例えば1日2回、1日3回および1日4回で提供、投与および/または与えられ得る。
本発明のいくつかの態様において、化合物が固形用量投与または液体用量投与のために製剤化され得る場合、化合物は経口投与される。固形用量投与は、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、丸薬、ペレット剤、散剤等の形態であり得る。液体用量製剤としては、シロップ剤、溶液、ゲル、懸濁液、エリキシル剤、エマルジョン、コロイド、油状物等が挙げられる。
いくつかの態様において、粒径を使用して固体化合物が規定され得る場合は本発明の化合物は固体を含み得る。本発明の化合物が特に水溶性でない場合、時々特定の粒径を有する化合物を投与することが好ましい。いくつかの態様において、式I~VIおよびD-105~D110の化合物を含む固体は、100ミクロン未満、または75ミクロン未満、または50ミクロン未満、または35ミクロン未満、または10ミクロン未満または5ミクロン未満の平均中位粒子サイズ径を有し得る。
固形用量製剤は、少なくとも1つの本発明の化合物と共に1つ以上の医薬賦形剤を含む。
本発明の固形剤型はまたカプセルを含み、ここで薬物は、任意の賦形剤と共に散剤として、または薬物と共に1つ以上の賦形剤を通常含む顆粒剤としてのいずれかでカプセル内に封入され、次いで顆粒剤は、例えば腸溶性または非腸溶性に任意にコーティングされ得る。
本発明の化合物は、単独で、または他の治療剤と組合せて使用され得る。非限定的な例として、本発明の化合物は、cdk4/6阻害剤、PI3K阻害剤、mTOR阻害剤およびタキサンの1つ以上と組合せて使用され得る。本発明のいくつかの態様において、本発明の化合物は、シロリムス、テムシロリムス(temsirolimus)、エベロリムスおよびリダファロリムス(ridafarolimus)からなる群より選択されるm-TOR阻害剤;アベマシクリブ、リボシクリブおよびパルボシクリブからなる群より選択されるCDK4/6阻害剤;PI3k阻害剤;PARP阻害剤;BCL-2阻害剤;MCL-1阻害剤;ならびにそれらの任意の組合せと組み合わせて使用され得る。
本発明の化合物は、異なる投与スケジュールに従って投与され得、投与は、被験体により、または好ましくは医学の資格を有する実務者による診察を受ける被験体により必要であると考えられた場合に調整され得る。本発明の化合物の投与は、複数の経路でなされ得、結果的に、投与スケジュールおよび投与量は、特定の被験体の体重、性別、年齢、企図される治療等だけでなく、選択される薬物の経路にも依存する。
非限定的な例により、本発明の化合物は、最適な効率および/または安全性を目的とする経口経路による投与が考慮され得る。
1日に投与される化合物の量は、毎日、1日おき、2日毎、3日毎、4日毎、5日毎等で投与され得ることが理解される。例えば、1日おきの投与により、1日当たり5mgの用量で月曜日に開始され得、第1の続く1日当たり5mgの用量で水曜日に投与され得、第2に続く1日当たり5mgの用量で金曜日に投与され得る、等である。いくつかの態様において、化合物は7日毎に1回投与される。
本発明はまた、不十分または過剰なエストロゲンレベルに関連する疾患、症候群、疾病または症状の治療を必要とする哺乳動物において、不十分または過剰なエストロゲンレベルに関連する疾患、症候群、疾病または症状を治療(例えば、それらの予防、またはそれらに関連する症状の改善、またはそれらの発生率の低減、それらの病因の低減、それらの回復の促進、またはそれらの開始の遅延)する方法を提供し、ここで該方法は、該哺乳動物への、式I~VI、D-105~D-110および本明細書に記載される全ての構造的態様からなる群より選択される化合物もしくはその薬学的に許容され得る塩、または式I~VI、D-105~D-110の化合物もしくは本明細書に記載される構造的態様の1つもしくはその薬学的に許容され得る塩および薬学的に許容され得る賦形剤を含む医薬組成物の有効量の投与を含む。特定の態様において、哺乳動物はヒトである。
ある局面において、本発明は、前立腺癌、乳癌、子宮内膜癌、肺癌、肝細胞癌、リンパ腫、多発性内分泌腫瘍、膣癌、腎臓癌、甲状腺癌、精巣癌、白血病および卵巣癌の治療を必要とする哺乳動物において、前立腺癌、乳癌、子宮内膜癌、肺癌、肝細胞癌、リンパ腫、多発性内分泌腫瘍、膣癌、腎臓癌、甲状腺癌、精巣癌、白血病および卵巣癌を治療(例えば、それらの予防、またはそれらに関連する症状の改善、またはそれらの発生率の低減、それらの病因の低減、それらの回復の促進、またはそれらの開始の遅延)する方法であって、該哺乳動物への、式I~VI、D-105~D-110および本明細書に記載される全ての構造的態様からなる群より選択される化合物もしくはその薬学的に許容され得る塩、またはその薬学的に許容され得る塩を含む式I~VI、D-105~D-110および本明細書に記載される全ての構造的態様からなる群より選択される化合物および薬学的に許容され得る賦形剤を含む医薬組成物の投与を含む方法を記載する。態様において、哺乳動物はヒトである。いくつかの態様において、癌は、ESR1の発現について陽性である。ある態様において、癌は、以前のラインの治療(例えば以前の内分泌療法)に対して抵抗性である。ある態様において、癌は、タモキシフェン、トレミフェン、レトロゾール、アロマシン、アナストラゾールおよびフェソロデックスからなる群より選択される1つ以上の薬剤への暴露後に進行する。いくつかの態様において、治療はアジュバント設定であり、いくつかの態様において、治療は転移性の設定である。ある態様において、本明細書に開示されるSERDおよび/またはSERM化合物は、CDK4/6阻害剤、PI3k阻害剤、mTOR阻害剤、タキサン、HER2阻害剤、PARP阻害剤、BCL-2阻害剤およびMCL-1阻害剤などの他の活性化合物と合わされる。
エストロゲン受容体α陽性癌を有する被験体において腫瘍成長を阻害するまたは腫瘍退縮を生じさせる方法であって、該被験体に、式I~VIまたはD-105~D-110の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの治療有効量を投与する工程を含む方法も本明細書において提供される。いくつかの態様において、エストロゲン受容体α陽性癌は薬物耐性エストロゲン受容体α陽性癌である。いくつかの態様において、癌は、乳癌、子宮癌、卵巣癌および下垂体癌から選択される。いくつかの態様において、癌は乳癌である。いくつかの態様において、癌は転移性である。いくつかの態様において、癌は、Y537X1 (式中X1はS、NまたはCである)、L536X2 (式中X2はRまたはQである)、P535H、V534E、S463P、V392I、E380Q、D538Gおよびそれらの組合せからなる群より選択される1つ以上の変異を含む変異体エストロゲン受容体αについて陽性である。いくつかの態様において、変異はY537Sである。いくつかの態様において、被験体は、骨粗鬆症または骨粗鬆症の高いリスクを有する。いくつかの態様において、被験体は閉経前の女性である。いくつかの態様において、被験体は、SERM、CDK阻害剤および/またはAIによる以前の治療後に再発または進行した閉経後の女性である。いくつかの態様において、腫瘍は、抗エストロゲン(例えばタモキシフェンまたはフルベストラント)、アロマターゼ阻害剤(例えばアロマシン)、CDK阻害剤(例えばアベマシクリブ、リボシクリブまたはパルボシクリブ)およびそれらの組合せからなる群より選択される薬物に対して抵抗性である。いくつかの態様において、式I~VIもしくはD-105~D-110の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの治療有効量は、抗エストロゲン、アロマターゼ阻害剤、CDK阻害剤、PI3K阻害剤、mTOR阻害剤、タキサン、PARP阻害剤、BCL-2阻害剤およびMCL-1阻害剤の1つ以上と併用される。
変異体エストロゲン受容体α陽性癌を有する被験体において、腫瘍成長を阻害するまたは腫瘍退縮を生じさせる方法であって、該被験体に、式I~VIまたはD-105~D-110の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの治療有効量を投与する工程を含む方法も本明細書において提供される。いくつかの態様において、癌は、乳癌、子宮癌、卵巣癌および下垂体癌から選択される。いくつかの態様において、癌は乳癌である。いくつかの態様において、癌は転移性である。いくつかの態様において、癌は、Y537X1 (式中X1はS、NまたはCである)、L536X2 (式中X2はRまたはQである)、P535H、V534E、S463P、V392I、E380Q、D538Gおよびそれらの組合せからなる群より選択される1つ以上の変異を含む変異体エストロゲン受容体αについて陽性である。いくつかの態様において、変異はY537Sである。いくつかの態様において、被験体は骨粗鬆症または骨粗鬆症の高いリスクを有する。いくつかの態様において、被験体は閉経前の女性である。いくつかの態様において、被験体は、SERM、CDK阻害剤および/またはAIによる以前の治療後に再発または進行を有した閉経後の女性である。いくつかの態様において、腫瘍は、抗エストロゲン(例えばタモキシフェンまたはフルベストラント)、アロマターゼ阻害剤(例えばアロマシン)、CDK阻害剤(例えばアベマシクリブ、リボシクリブまたはパルボシクリブ)およびそれらの組合せからなる群より選択される薬物に抵抗性である。いくつかの態様において、式I~VIまたはD-105~D-110の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの治療有効量は、抗エストロゲン、アロマターゼ阻害剤、CDK阻害剤、PI3K阻害剤、mTOR阻害剤、タキサン、PARP阻害剤、BCL-2阻害剤およびMCL-1阻害剤の1つ以上と併用される。
薬物耐性エストロゲン受容体α陽性癌を有する被験体において乳癌を治療する方法であって、該被験体に、式I~VIまたはD-105~D-110の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの治療有効量を投与する工程を含む方法も本明細書において提供される。いくつかの態様において、薬物耐性乳癌は、1つ以上の抗エストロゲン(例えばタモキシフェン、トレミフェン、フルベストラント)、CDK阻害剤(例えばアベマシクリブ、リボシクリブまたはパルボシクリブ)および/またはアロマターゼ阻害剤(例えばアロマシン、レトロゾール、アナストロゾール)に対して抵抗性である。いくつかの態様において、式I~VIまたはD-105~D-110の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、溶媒和物もしくはプロドラッグの治療有効量は、抗エストロゲン、アロマターゼ阻害剤、CDK阻害剤、PI3K阻害剤、mTOR阻害剤、タキサン、PARP阻害剤、BCL-2阻害剤およびMCL-1阻害剤の1つ以上と併用される。いくつかの態様において、被験体は、D538G、Y537S、Y537N、Y537C、E380Q、S463P、L536R、L536Q、P535H、V392IおよびV534Eから選択される少なくとも1つの変異体エストロゲン受容体αを発現する。いくつかの態様において、変異体エストロゲン受容体αは、Y537S、Y537N、Y537C、D538G、L536R、S463PおよびE380Qから選択される。いくつかの態様において、変異体受容体αはY537Sである。いくつかの態様において、被験体は閉経後の女性である。いくつかの態様において、被験体は、ABL1、AKT1、AKT2、ALK、APC、AR、ARID1A、ASXL1、ATM、AURKA、BAP、BAP1、BCL2L11、BCR、BRAF、BRCA1、BRCA2、CCND1、CCND2、CCND3、CCNE1、CDH1、CDK4、CDK6、CDK8、CDKN1A、CDKN1B、CDKN2A、CDKN2B、CEBPA、CTNNB1、DDR2、DNMT3A、E2F3、EGFR、EML4、EPHB2、ERBB2、ERBB3、ESR1、EWSR1、FBXW7、FGF4、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FLT3、FRS2、HIF1A、HRAS、IDH1、IDH2、IGF1R、JAK2、KDM6A、KDR、KIF5B、KIT、KRAS、LRP1B、MAP2K1、MAP2K4、MCL1、MDM2、MDM4、MET、MGMT、MLL、MPL、MSH6、MTOR、MYC、NF1、NF2、NKX2-1、NOTCH1、NPM、NRAS、PDGFRA、PIK3CA、PIK3R1、PML、PTEN、PTPRD、RARA、RB1、RET、RICTOR、ROS1、RPTOR、RUNX1、SMAD4、SMARCA4、SOX2、STK11、TET2、TP53、TSC1、TSC2およびVHLから選択される1つ以上の遺伝子の発現の増加についての測定により、治療について最初に同定される。いくつかの態様において、1つ以上の遺伝子は、AKT1、AKT2、BRAF、CDK4、CDK6、PIK3CA、PIK3R1およびMTORから選択される。
本発明の化合物は、当業者に公知の種々の合成経路および技術により調製され得る。本明細書に開示されるプロセスは、いかなる方法においても実施例または本発明の範囲の限定と解釈されるべきではなく、本発明の化合物を調製し得るまたは調製した例示的な方法のほんのいくつかとして提供される。
いくつかの場合において、本発明の化合物の合成において保護基を使用し、有機合成に使用され得る多様な保護基および戦略が存在し(その全体において参照により本明細書に援用されるT. W. Green and P. G. M. Wuts (2006) Greene's Protective Groups in Organic Synthesis)、保護基が一般的に言及される場合に、任意の適切な保護基が考慮されるべきであることが理解されるべきである。
いくつかの例において、本発明の化合物の合成において脱離基が使用される。特定の脱離基が言及される場合、他の脱離基も使用され得ることが理解されるべきである。脱離基は典型的に、アニオンを安定化し得る基を含む。求核性の芳香族置換の場合において、脱離基は、アニオンまたは中性に荷電した基であり得る。いくつかの場合において、求核性芳香族置換についての脱離基は、典型的に安定化されたアニオン(例えばフッ化物または水素化物)とみなされない基であり得る。理論または実施例に拘束されることを意図しないが、いくつかの典型的な求核性脱離基としては、ハロゲン、スルホン酸塩、(O-メシル酸塩、O-トシル酸塩等)、水素化物、第4級アミン、ニトロ等が挙げられる。さらなる考察および例は、例えばその全体において参照により本明細書に援用されるMarch's Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure, 5版を含む有機化学の主要な教本に見られ得る。
任意の構成要素または任意の式において任意の変数が1回より多く出現する場合、それぞれの出現におけるその定義は、他の全ての出現にその定義とは独立する。置換基および/または変数の組合せは、かかる組合せが安定な化合物を生じる場合にのみ許容される。
したがって、いくつかの態様において、本発明は、式I:
Figure 2022541610000011
(式中:
Xは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
Rは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
各Raは独立して:H、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、OH、OC1-3アルキル、CN、フッ素、塩素、またはフッ素、塩素、C1-C3アルキル、CN、OC1-C3アルキルおよびOHから選択される1~3個の基で任意に置換されるフェニルから選択され;
各Rbは独立して:H、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、OH、OC1-3アルキル、CN、フッ素、塩素、またはフッ素、塩素、C1-C3アルキル、CN、OC1-C3アルキルおよびOHから選択される1~3個の基で任意に置換されるフェニルから選択され;
YおよびZはそれぞれ独立して、CRbまたはNから選択され;
UおよびVはそれぞれ独立して、CRaまたはNから選択され;
Wは、-CHR'-CHR'-NH-C1-C4アルキル、-CHR'-CHR'-NH-C1-C4フルオロアルキル、-CHR'-CHR'-NH-C3-C6シクロアルキル、-CHR'-CHR'-NH-C1-C4アルキル-C3-C6シクロアルキル、
Figure 2022541610000012
であり;ここで各R'は独立して、HまたはC1-C3アルキルである)
の新規の薬学的に活性な化合物またはその薬学的な塩、またはその薬学的に許容され得る塩を提供する。
ある態様において、式Iの化合物は化合物である。他の態様において、該化合物はその薬学的に許容され得る塩である。
ある態様において、式Iの化合物は、その薬学的に許容され得る塩、溶媒和物またはプロドラッグである。
ある態様において、式Iの化合物の薬学的に許容され得る塩は酸付加塩である。
ある態様において、式Iの化合物はプロドラッグである。なお他の態様において、式Iの化合物はプロドラッグの薬学的に許容され得る塩である。いくつかの局面において、式Iの化合物のプロドラッグの薬学的に許容され得る塩は塩酸塩である。
ある態様において、式Iの化合物または式Iの化合物の薬学的に許容され得る塩もしくはプロドラッグを含む医薬組成物が記載される。他の態様において、医薬組成物は、静脈内注射、皮下注射、経口投与または局所投与のために製剤化される。ある態様において、医薬組成物は、錠剤、丸薬、カプセル剤、液体、懸濁液、ゲル、分散剤、溶液、エマルジョン、軟膏またはローション剤である。
式Iのある態様において、Wは、-CH2-CH2-NH-CH2-CH2-CH3;-CH2-CH2-NH-CH2-CH2-CH2F;
Figure 2022541610000013
である。
式Iのある態様において、YおよびZはそれぞれCRbである。
式Iのある態様において、UおよびVはそれぞれCRaである。
いくつかの態様において、本発明は、式II:
Figure 2022541610000014
(式中:
Xは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
Rは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
各Raは独立して:H、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、OH、OC1-3アルキル、CN、フッ素、塩素、またはフッ素、塩素、C1-C3アルキル、CN、OC1-C3アルキルおよびOHから選択される1~3個の基で任意に置換されるフェニルから選択され;
各Rbは独立して:H、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、OH、OC1-3アルキル、CN、フッ素、塩素、またはフッ素、塩素、C1-C3アルキル、CN、OC1-C3アルキルおよびOHから選択される1~3個の基で任意に置換されるフェニルから選択され;
YおよびZはそれぞれ独立して、CRbまたはNから選択され;
UおよびVはそれぞれ独立して、CRaまたはNから選択される)
の構造またはその薬学的に許容され得る塩を有する、式Iの化合物またはその薬学的な塩を記載する。
式IIのある態様において、Xは水素、メチル、フッ素、塩素または臭素である。
式IIのある態様において、Rは水素、メチル、フッ素、塩素または臭素である。
式IIのある態様において、YおよびZはそれぞれCRbであり、ここで各Rbは独立して、H、フッ素または塩素から選択される。
式IIのある態様において、UおよびVはそれぞれCRaであり、ここで各Raは独立してH、フッ素または塩素から選択される。
いくつかの態様において、本発明は、式III:
Figure 2022541610000015
(式中:
Xは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
Rは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
各Raは独立して:H、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、OH、OC1-3アルキル、CN、フッ素、塩素、またはフッ素、塩素、C1-C3アルキル、CN、OC1-C3アルキルおよびOHから選択される1~3個の基で任意に置換されるフェニルから選択され;
各Rbは独立して:H、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、OH、OC1-3アルキル、CN、フッ素、塩素、またはフッ素、塩素、C1-C3アルキル、CN、OC1-C3アルキルおよびOHから選択される1~3個の基で任意に置換されるフェニルから選択され;
UおよびVはそれぞれ独立して、CRaまたはNから選択される)
の構造またはその薬学的に許容され得る塩を有する、式Iの化合物またはその薬学的な塩を記載する。
式IIIのいくつかの態様において、Xは、水素、メチル、フッ素、塩素または臭素であり;Rは、水素、メチル、フッ素、塩素または臭素であり;UおよびVはそれぞれCRaであり;各Raは独立して、H、フッ素または塩素から選択され;各Rbは独立して、H、フッ素または塩素から選択される。
式IIIのいくつかの態様において、Xはフッ素であり、および/またはRはフッ素または塩素である。
いくつかの態様において、本発明は、式IV:
Figure 2022541610000016
(式中:
Xは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
Rは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
各Rbは独立して:H、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、OH、OC1-3アルキル、CN、フッ素、塩素、またはフッ素、塩素、C1-C3アルキル、CN、OC1-C3アルキルおよびOHから選択される1~3個の基で任意に置換されるフェニルから選択される)
の構造またはその薬学的に許容され得る塩を有する、式Iの化合物またはその薬学的な塩を記載する。
式IVのいくつかの態様において、Xは水素またはフッ素であり、Rは水素、フッ素または塩素であり、および/または各Rbは独立して、水素、フッ素または塩素から選択される。
いくつかの態様において、本発明は、式V:
Figure 2022541610000017
(式中:
Xは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
Rは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
Rbは:H、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、OH、OC1-3アルキル、CN、フッ素、塩素、またはフッ素、塩素、C1-C3アルキル、CN、OC1-C3アルキルおよびOHから選択される1~3個の基で任意に置換されるフェニルから選択される)
の構造またはその薬学的に許容され得る塩を有する、式Iの化合物またはその薬学的な塩を記載する。
式Vのいくつかの態様において、Xは水素またはフッ素であり;Rは水素、フッ素または塩素であり;および/またはRbは水素、フッ素または塩素である。
いくつかの態様において、本発明は、式VI:
Figure 2022541610000018
(式中:
Xは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
Rは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
Raは:H、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、OH、OC1-3アルキル、CN、フッ素、塩素、またはフッ素、塩素、C1-C3アルキル、CN、OC1-C3アルキルおよびOHから選択される1~3個の基で任意に置換されるフェニルから選択され;
Rbは:H、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、OH、OC1-3アルキル、CN、フッ素、塩素、またはフッ素、塩素、C1-C3アルキル、CN、OC1-C3アルキルおよびOHから選択される1~3個の基で任意に置換されるフェニルから選択される)
の構造またはその薬学的に許容され得る塩を有する、式Iの化合物またはその薬学的な塩を記載する。
式VIのいくつかの態様において、Rは塩素であり、Rbはフッ素である。
式VIのいくつかの態様において、RおよびRbはフッ素である。
式VIのいくつかの態様において、Raはメチル、CF3または塩素である。
式VIのいくつかの態様において、Xは水素またはフッ素であり;Rは水素、フッ素または塩素であり;Ra=C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、塩素または臭素であり;および/またはRbは水素、フッ素または塩素である。
いくつかの態様において、本発明は:
Figure 2022541610000019
Figure 2022541610000020
からなる群より選択される構造またはその薬学的に許容され得る塩を有する、式Iの化合物またはその薬学的な塩を記載する。
いくつかの態様において、本発明は、N-(4-((8-クロロ-7-(o-トリル)ピロロ[3,2-e]インダゾール-6(3H)-イル)メチル)フェネチル)-3-フルオロプロパン-1-アミン;3-フルオロ-N-(3-フルオロ-4-((1-フルオロ-7-(o-トリル)ピロロ[3,2-e]インダゾール-6(3H)-イル)メチル)フェネチル)プロパン-1-アミン;N-(4-((1,8-ジフルオロ-7-(o-トリル)ピロロ[3,2-e]インダゾール-6(3H)-イル)メチル)フェネチル)-3-フルオロプロパン-1-アミン;N-(3,5-ジフルオロ-4-((8-フルオロ-7-(o-トリル)ピロロ[3,2-e]インダゾール-6(3H)-イル)メチル)フェネチル)-3-フルオロプロパン-1-アミン;3-フルオロ-N-(3-フルオロ-4-((8-フルオロ-7-(o-トリル)ピロロ[3,2-e]インダゾール-6(3H)-イル)メチル)フェネチル)プロパン-1-アミン;およびN-(4-((8-クロロ-7-(o-トリル)ピロロ[3,2-e]インダゾール-6(3H)-イル)メチル)-3-フルオロフェネチル)-3-フルオロプロパン-1-アミンからなる群より選択され得る式Iの化合物またはその薬学的な塩を記載する。
ある態様において、式I~VI、D-105~D-110および本明細書に記載される全ての構造的態様からなる群より選択される化合物ならびに少なくとも1つの薬学的に許容され得る賦形剤を含む医薬組成物が本発明において提供される。
式I~VIおよびD-105~D-110の化合物のいくつかの態様において、化合物のエナンチオマー比は95:5より高い。いくつかの態様において、化合物のエナンチオマー比は99:1より高い。
パッケージ材料;該パッケージング材料内の式I~VI、D-105~D-110の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、活性代謝産物、プロドラッグもしくは薬学的に許容され得る溶媒和物あるいはその組成物;および化合物、またはその薬学的に許容され得る塩、活性代謝産物、プロドラッグもしくは薬学的に許容され得る溶媒和物あるいはその組成物もしくはその組成物がエストロゲン受容体の効果を低減、減少もしくは排除するため、またはエストロゲン受容体活性の低減もしくは排除により利益を得る疾患もしくは状態の1つ以上の症状の治療、予防もしくは改善のために使用されることを示す表示を含む製造物品が提供される。
本明細書に記載される化合物、方法および組成物の他の目的、特徴および利点は、以下の詳細な説明から明らかとなる。しかしながら、本開示の精神および範囲内の種々の変化および変更は、この詳細な説明から当業者に明らかとなるので、詳細な説明および特定の実施例は、特定の態様を示すが、例示のみにより示されることが理解されるべきである。
本明細書に記載される化合物は、標準的な合成技術を使用して、または本明細書に記載される方法と組合せて当該技術分野で公知の方法を使用して合成される。また、本明細書に示される溶媒、温度および他の反応条件は変化し得る。
本明細書に記載される化合物の合成に使用される開始材料は、合成されるかまたは市販の供給原料、例えば限定されないがSigma-Aldrich、Fluka、Acros Organics、Alfa Aesar等から入手されるかのいずれかである。本明細書に記載される化合物および異なる置換基を有する他の関連のある化合物は、本明細書に記載されるかまたはそうでなければ公知である技術および材料、例えばMarch, ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY 4版, (Wiley 1992);Carey and Sundberg, ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY 4版, Vols. A and B (Plenum 2000, 2001)およびGreen and Wuts, PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS 3版, (Wiley 1999)に見られるものを使用して合成される。化合物の調製のための一般的な方法は、本明細書に提供されるような式において見られる種々の部分の導入のための適切な試薬および条件の使用により改変され得る。
いくつかの態様において、本明細書に記載される化合物は以下のスキームに概略されるように調製される。
Figure 2022541610000021
スキームIを参照すると、化合物85-7は、側鎖105-5(示されるように調製される)によりアルキル化され、105-6および105-7の混合物を生じた。主要な生成物である化合物105-7を、HClで処理して、2級アミンを脱保護してD-105を得た。
Figure 2022541610000022
中間体85-7を106-10(スキームIIにおいて調製される)によりアルキル化して106-11を生じ、続いて2級アミンをTFAにより脱保護して106-12を生じ、これを水性メタノール中の塩基で処理してD-106を生じた。
Figure 2022541610000023
側鎖107-3は、スキームIIIに示されるように調製し、NaHの存在下で二フッ化骨格107-10(示されるように調製)と反応させて、脱保護された中間体107-11を生じ、これを続いてTFAにより脱保護して107-12を生じ、次いで塩基加水分解/メタノリシスに供して、所望の生成物D-107を生じた。
Figure 2022541610000024
ここでスキームIVを参照して、骨格107-9を側鎖105-5でアルキル化して、中間体108-1を生じ、これを続いて脱保護し、最初に塩基メタノリシスにより脱保護されたインダゾール108-2を生じ、さらにTFAで脱保護して、所望の生成物D-108を生じた。
Figure 2022541610000025
ここでスキームVを参照して、骨格85-6を、3位でNCSにより塩素化して3-Clインドール骨格109-1を生じ、これを続いて側鎖107-3でアルキル化し、これを続いてTFAで脱保護して中間体109-3を生じ、その後塩基によりD-109を生じた。
Figure 2022541610000026
骨格109-1は、105-5によりアルキル化され得、スキームVIに示されるように110-1を生じ、これを続いてTFA(N-Boc基を除去する)および水性塩基性メタノール(フェニルスルホニル基を除去する)により脱保護し得、D-110を生じ得る。
Figure 2022541610000027
ここでスキームVIIを参照して、骨格109-1および85-7は、115-5によりアルキル化され得、111-1および112-1(それぞれ)を生じ得、これを続いてTFA(N-Boc基(1つまたは複数)を除去する)および水性塩基性メタノール(フェニルスルホニル基(1つまたは複数)を除去する)により脱保護し得、D-111/D112を生じ得る。側鎖115-5は、スキームの下部分に示されるように調製され得る。
実施例
材料:全ての化学物質は試薬等級であり、さらに精製することなく使用した。クロマトグラフィー溶出溶媒系は体積:体積比で報告される。LC-MSデータは、以下に記載されるようにポジティブモードまたはネガティブモードのいずれかでLC Thermo Finnigan Surveyor-MS Thermo Finnigan AQAを使用して得た:
LCMS-条件01: 方法:- LCMS_X-選択(蟻酸)
カラム: X-選択CSH C18 (4.6*50)mm 2.5u、移動相: A. 水中0.1%蟻酸、Bアセトニトリル中0.1% 蟻酸、Inj体積: 5.0μL、流速: 1.0.mL/分、勾配プログラム: 2.8分で2% B~98% B、4.8分まで保持、5.0分でのB concは7.0分まで2%。
LCMS-条件02: 方法:- LCMS_X-架橋(NH3)
カラム: X-架橋C18 (3.0*50)mm 2.5μ; 移動相: A. 水中0.05% NH3;B. アセトニトリル中0.05% NH3、Inj 体積: .2μL、流速: 1.0mL/分; 勾配プログラム: 1.5分で1% B~90% B、2.8分で100% B、2.5 分まで保持、3.0分でのB concは4.0分まで1%。
LCMS-条件03: 方法:- LCMS_X-選択(重炭酸アンモニウム)
カラム: X-選択CSH C18 (3.0*50)mm 2.5u; 移動相: A: 水中5mM重炭酸アンモニウム);B: アセトニトリル;Inj体積: 2μL、流速: 1.2mL/分; カラムオーブンtemp. 50 C; 勾配プログラム: 2.0 分で0% B~98% B、3.0分まで保持、3.2分でのB concは4.0分まで0%。
実施例1: 3-フルオロ-N-(3-フルオロ-4-((8-フルオロ-7-(o-トリル)ピロロ[3,2-e]インダゾール-6(3H)-イル)メチル)フェネチル)プロパン-1-アミン(D-105)の合成
工程1
THF(60mL)中の2-(3-フルオロ-4-メチルフェニル)アセトニトリル105-1(5.00g、33.55mmol)に、0℃、アルゴン雰囲気下でBH3.DMS (7.65g、100.67mmol)を添加した。反応混合物を70℃までさらに5h加熱した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物を0℃に冷却し、1N HCl (10mL)およびメタノール(10mL)混合物で液滴によりクエンチし、70℃に1h加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮して、粗製化合物を得た。粗製化合物を、ジエチルエーテルを用いた粉砕により精製し、濾過して乾燥させ、5.00g(78.7%収率)の105-2 (HCl)を白色固体として得た。
LCMS-条件-1: [M+H]+ = 154.50; Rt = 0.792分
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 8.15 (br. s, 3H), 7.23 (t, J = 7.82 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 10.27 Hz, 1H), 6.99 (d, J = 7.34 Hz, 1H), 6.53 (br. s, 1H), 3.00 (br. s, 2H), 2.84 - 2.90 (m, 2H), 2.20 (s, 3H).
工程2
THF (80mL)中の2-(3-フルオロ-4-メチルフェニル)エタン-1-アミン塩酸塩105-2 (5.00g、26.36mmol)に、トリエチルアミン(15.3mL、110.62mmol)を添加して10分間撹拌し、次いで室温、アルゴン雰囲気下で1-フルオロ-3-ヨードプロパン3 (7.48g、39.82mmol)を添加した。反応混合物をさらに70℃に加熱して、6h撹拌した。105-2および1-ヨード-3-フルオロプロパンの消費後(TLCによりモニタリング)、3-フルオロ-N-(3-フルオロ-4-メチルフェネチル)プロパン-1-アミン105-3の形成が示された。得られた溶液に、室温でBoc無水物(14.5g、66.37mmol)を添加し、18h撹拌した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物を水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(2x100mL)で抽出した。合わせた有機層を水(2x40mL)、ブライン(40mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。得られた粗製化合物を、n-ヘキサン中0~30%の酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、2.14g(31%収率)の105-4を無色油状物として得た。
LCMS-条件-1: [M-tBu]+ = 258.30; Rt = 2.216分
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.08 (t, J = 7.83 Hz, 1H), 6.79 - 6.88 (m, 2H), 4.35 - 4.54 (m, 2H), 3.35 - 3.41 (m, 2H), 3.19 - 3.31 (m, 2H), 2.73 - 2.84 (m, 2H), 2.23 (s, 3H), 1.79 - 1.99 (m, 2H), 1.44 (br. s, 9H).
工程3
CCl4 (30mL)中のtert-ブチル(3-フルオロ-4-メチルフェネチル)(3-フルオロプロピル)カルバメート105-4(2.10g、6.709mmol)に、室温、アルゴン雰囲気下でNBS (1.55g、8.722mmol)および過酸化ベンゾイル(0.081g、0.335mmol)を添加した。反応混合物をさらに70℃で1.5h加熱した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物を0℃に冷却し、水で希釈した。分離された水層をCH2Cl2 (2x50mL)で抽出した。合わせた有機層を水(40mL)およびブライン(30mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮して、粗製化合物を褐色固体として得た。粗製化合物を、n-ヘキサン中0~15%の酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、0.675g(26%収率)の105-5を濃い無色油状物として得た。
LCMS-条件-1: [M-18]+ = 375.00; Rt = 2.241分
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.11 (d, J = 7.34 Hz, 1H), 7.48 (t, J = 7.83 Hz, 1H), 7.27 - 7.34 (m, 1H), 4.50 (s, 2H), 3.36 - 3.44 (m, 2H), 3.26 (d, J = 14.18 Hz, 2H), 2.74 - 2.88 (m, 2H), 2.19 - 2.31 (m, 1H), 1.79 - 1.99 (m, 3H), 1.44 (br. s, 9H).
工程4
DMF (10mL)中の8-フルオロ-3-(フェニルスルホニル)-7-(o-トリル)-3,6-ジヒドロピロロ[3,2-e]インダゾール85-7(1.02g、2.518mmol)に0℃で水素化ナトリウム(油中60%分散、0.252g、6.295mmol)を部分ごとに添加した。反応混合物を10分間室温に到達させた。得られた溶液を0℃に冷却し、そこにtert-ブチル(4-(ブロモメチル)-3-フルオロフェネチル)(3-フルオロプロピル)カルバメート(1.18g、3.010mmol)を添加した。反応混合物を室温に到達させ、2h撹拌した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物を0℃に冷却し、水(100mL)で希釈した。水層を分離して、酢酸エチル(2x100mL)で抽出した。合わせた有機層を水(2x40mL)およびブライン(40mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮して、粗製化合物を褐色固体として得た。得られた粗製化合物を、DCM中0~2%のメタノールで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、表題の化合物105-6、0.121g(12%収率)および105-7、0.520g(37%収率)を明黄色固体として得た。
105-6
LCMS-条件-1: [M+Na]+ = 739.75; Rt = 2.503分
105-7
LCMS-条件-1: [M-tBu]+ = 521.60; Rt = 2.301分
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 13.22 (br. s, 1H), 8.17 (s, 1H), 7.52 (br. s, 1H), 7.26 - 7.42 (m, 5H), 6.93 (d, J = 10.76 Hz, 1H), 6.78 (d, J = 7.34 Hz, 1H), 6.30 (t, J = 7.83 Hz, 1H), 5.22 - 5.41 (m, 2H), 4.43 (d, J = 5.38 Hz, 1H), 4.31 (t, J = 4.89 Hz, 1H), 3.23 - 3.29 (m, 2H), 3.13 (br. s, 2H), 2.63 - 2.69 (m, 2H), 2.11 (br. s, 3H), 1.69 - 1.81 (m, 2H), 1.32 (br. s, 4H), 1.24 (br. s, 5H).
工程5
ジエチルエーテル(5mL)中のtert-ブチル(3-フルオロ-4-((8-フルオロ-7-(o-トリル)ピロロ[3,2-e]インダゾール-6(3H)-イル)メチル)フェネチル)(3-フルオロプロピル)カルバメート105-7(0.250g、0.434mmol)に0℃でHCl溶液(2mL)中の4Mジオキサンを添加した。反応混合物を室温に到達させ、18h撹拌した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物を減圧下で濃縮して、粗製化合物をHCl塩として得て、これをn-ヘキサンで洗浄し、濾過して乾燥させた。粗製化合物を調製用HPLCで精製して、0.080g(39%収率)のD-108を灰白色固体として得た。
LCMS-条件-1: [M+H]+ = 477.55; Rt = 1.456分
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 13.22 (br. s, 1H), 8.17 (br. s, 1H), 7.56 (d, J = 9.29 Hz, 1H), 7.26 - 7.44 (m, 5H), 6.94 (d, J = 11.25 Hz, 1H), 6.79 (d, J = 7.83 Hz, 1H), 6.29 (t, J = 7.82 Hz, 1H), 5.20 - 5.41 (m, 2H), 4.50 (t, J = 5.62 Hz, 1H), 4.38 (t, J = 5.62 Hz, 1H), 2.53 - 2.66 (m, 7H), 2.09 (s, 3H), 1.66 - 1.75 (m, 2H).
実施例2: N-(3,5-ジフルオロ-4-((8-フルオロ-7-(o-トリル)ピロロ[3,2-e]インダゾール-6(3H)-イル)メチル)フェネチル)-3-フルオロプロパン-1-アミン(D-106)の合成
工程1
DMA (220mL)中の4-ブロモ-2,6-ジフルオロベンズアルデヒド(15.0g、67.84mmol)に、メチルアクリレート(9.20mL、8.74g、101.52mmol)、トリフェニルホスフィン(1.77g、6.756mmol)およびトリエチルアミン(18.8mL、135.14mmol)を室温で添加して、窒素により10分間脱気した。得られた溶液にPd(OAc)2 (0.759g、3.388mmol)を添加して、室温でさらに窒素により10分間脱気した。反応混合物を80℃にさらに加熱し、6h撹拌した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物を水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(2x100mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。得られた粗製化合物を、n-ヘキサン中0~4%の酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、15.0g(98.0%収率)の106-1を黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 10.19 (s, 1H), 7.73 (d, J=10.27 Hz, 2H), 7.67 (d, J=16.14 Hz, 1H), 6.95 (d, J=16.14 Hz, 1H), 3.75 (s, 3H).
工程2
メタノール(120mL)および酢酸エチル(2mL)中のメチル(E)-3-(3,5-ジフルオロ-4-ホルミルフェニル)アクリレート106-1(6.00g、26.43mmol)に10% PtO2 (0.600g、2.643mmol)を、室温、窒素雰囲気下で添加した。反応混合物をさらに、水素袋(hydrogen bladder)を使用して水素雰囲気下、室温で16h撹拌した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物をセライトのパッドを通して濾過し、メタノール(200mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮して、粗製化合物を得た。粗製化合物を、n-ヘキサン中0~30%の酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、6.00g(99.6%収率)の106-2を無色油状物として得た。
LCMS-条件-1: [M+ACN]+ = 269.90; Rt = 1.995分
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 10.16 (s, 1H), 7.18 (d, J=10.27 Hz, 2H), 3.59 (s, 3H), 2.90-2.96 (m, 2H), 2.69-2.75 (m, 2H).
工程3
メタノール(70mL)中のメチル3-(3,5-ジフルオロ-4-ホルミルフェニル)プロパノエート106-2 (6.00g、26.29mmol)に、0℃で水素化ホウ素ナトリウム(0.500g、13.20mmol)を添加した。反応混合物を室温に到達させ、1h撹拌した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物を水(50mL)で希釈して、DCM(3x50mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮して、2.80g(46.3%収率)の106-3を無色油状物として得た。
LCMS-条件-1: [M-H2O]+ = 212.70; Rt = 1.768分
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 6.83-6.87 (m, 2H), 5.06 (t, J=5.62 Hz, 1H), 4.33 (d, J=5.87 Hz, 2H), 3.47 (s, 3H), 2.69-2.77 (m, 2H), 2.50-2.59 (m, 2H).
工程4
DMF (50mL)中のメチル3-(3,5-ジフルオロ-4-(ヒドロキシメチル)フェニル)プロパノエート106-3(4.50g、19.54mmol)の溶液に、0℃で水素化ナトリウム(油中60%分散、1.17g、29.32mmol)を部分ごとに添加して、20分撹拌した。得られた溶液に0℃で臭化ベンジル(3.48mL、29.32mmol)をそれに添加した。反応混合物を室温に到達させ、4h撹拌した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物を水(100mL)で希釈して、酢酸エチル(2x50mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮して、粗製化合物を褐色固体として得た。得られた粗製化合物を、n-ヘキサン中0~3%の酢酸エチルで溶出する100~200メッシュサイズのシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、6.00g(95.8%収率)の106-4を無色油状物として得た。
LCMS-条件-1: [M+Na]+ = 343.90; Rt = 2.326分
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 7.27-7.38 (m, 5H), 7.03 (d, J=8.31 Hz, 2H), 4.51 (s, 4H), 3.58 (s, 3H), 2.86 (d, J=7.83 Hz, 2H), 2.63-2.70 (m, 2H).
工程5
THFまたはメタノール(40mL)中のメチル3-(4-((ベンジルオキシ)メチル)-3,5-ジフルオロフェニル)プロパノエート106-4 (5.50g、17.16mmol)に、水(20mL)中の水酸化リチウム(7.48g、39.82mmol)の溶液を室温で添加して、1h撹拌した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物を減圧下で濃縮し、水(50mL)で希釈して、酢酸エチル(3x50mL)で抽出した。クエン酸を使用して水層をpH=2まで酸性化して、酢酸エチル(3x50mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮して、5.00g(95.2%収率)の表題の化合物106-5を無色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 12.13 (br. s, 1H), 7.25-7.38 (m, 5H), 7.02 (d, J=8.31 Hz, 2H), 4.51 (s, 4H), 2.79-2.87 (m, 2H), 2.57 (t, J=7.58 Hz, 2H).
工程6
DCM(50mL)中の3-(4-((ベンジルオキシ)メチル)-3,5-ジフルオロフェニル)プロパン酸106-5 (5.00g、16.32mmol)に塩化チオニル(11.8mL、163.23mmol)を室温、窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を75℃で4h、かん流までさらに加熱した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物を、窒素雰囲気下で乾燥まで減圧下で濃縮した。106-5(5.00g、15.39mmol)の得られた対応する酸塩化物に乾燥アセトン(50mL)、次いでアジ化ナトリウム(2.00g、30.76mmol)を室温、窒素雰囲気下で添加して、3h撹拌した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物を、窒素雰囲気下、乾燥まで減圧下で濃縮した。106-5(4.50g、14.83mmol)の得られたアジ化物中間体にtert-ブタノール(40mL)を室温、窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を85℃で18hかん流までさらに加熱した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物を、乾燥まで減圧下で濃縮して、粗製のBoc保護106-6化合物を得た。粗製化合物を、n-ヘキサン中0~10%の酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、3gのBoc保護106-6を無色油状物として得た。Boc保護106-6をDCM(25mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(5mL)を室温で滴下して、3h撹拌した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物を乾燥まで減圧下で濃縮して、2.20g(48.5%収率)の106-6を無色油状物として得た。
LCMS-条件-1: [M+H]+ = 277.90; Rt = 1.467分
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 7.25-7.38 (m, 5H), 6.98 (d, J=8.37 Hz, 2H), 4.51 (s, 4H), 2.76-2.83 (m, 2H), 2.64-2.70 (m, 2H).
工程7
THF(20mL)中の2-(4-((ベンジルオキシ)メチル)-3,5-ジフルオロフェニル)エタン-1-アミン106-6 (2.20g、7.933mmol)に、トリエチルアミン(3.29mL、23.72mmol)、次いでTHF (10mL)中の1-フルオロ-3-ヨードプロパン(1.49g、7.933mmol)の溶液を、室温、アルゴン雰囲気下で添加した。反応混合物を、密封チューブ中さらに80℃まで加熱し、18h撹拌した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物を減圧下で濃縮して、粗製化合物を得た。粗製化合物を、DCM中0~5%のメタノールで溶出する100~200メッシュサイズのシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、1.60g(59.9%収率)の106-7を濃い褐色油状物として得た。
LCMS-条件-1: [M+H]+ = 338.10; Rt = 1.612分
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 7.25-7.39 (m, 5H), 7.01 (d, J=7.88 Hz, 2H), 4.53-4.55 (m, 1H), 4.51 (s, 4H), 4.37-4.46 (m, 1H), 2.75 (dd, J=4.92, 10.83 Hz, 4H), 2.63 (t, J=6.64 Hz, 2H), 1.66-1.87 (m, 2H).
工程8
DCM (30mL)中のN-(4-((ベンジルオキシ)メチル)-3,5-ジフルオロフェネチル)-3-フルオロプロパン-1-アミン106-7(1.60g、4.742mmol)の撹拌溶液に、0℃でトリエチルアミン(1.96mL、14.13mmol)を添加して、10分間撹拌した。得られた溶液にBoc無水物(1.55g、7.110mmol)を同じ温度で添加した。反応混合物を室温に到達させ、3h撹拌した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物を水(100mL)で希釈して、DCM(2x100mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。得られた粗製化合物を、n-ヘキサン中0~20%の酢酸エチルで溶出する100~200メッシュサイズのシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、1.80g(86.9%収率)の106-8を黄色油状物として得た。
LCMS-条件-1: [M-Boc]+ = 337.90; Rt = 2.490分
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 7.24-7.38 (m, 5H), 6.98 (d, J=7.88 Hz, 2H), 4.46-4.56 (m, 4H), 4.36 (t, J=5.91 Hz, 1H), 3.38 (t, J=6.89 Hz, 2H), 3.22 (br. s, 2H), 2.79 (t, J=6.89 Hz, 2H), 1.75-1.90 (m, 2H), 1.35 (br. s, 4H), 1.30 (br. s, 5H), 1.17 (t, J=7.14 Hz, 1H).
工程9
メタノール:酢酸エチル(1:1;100mL)中のtert-ブチル(4-((ベンジルオキシ)メチル)-3,5-ジフルオロフェネチル)(3-フルオロプロピル)カルバメート106-8 (1.80g、4.114mmol)に10% Pd/C (50%湿度;0.800g)を室温、窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を水素雰囲気下、室温で8hさらに撹拌した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物をセライトのパッドを通して濾過し、メタノール(200mL)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮して、1.40g(98.6%収率)の106-9を無色の粘着性液体として得た。
LCMS-条件-1: [M-Boc]+ = 248.00; Rt = 2.168分
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 6.92 (d, J=7.88 Hz, 2H), 5.17 (br. s, 1H), 4.43-4.51 (m, 3H), 4.36 (t, J=5.91 Hz, 1H), 3.36 (t, J=7.14 Hz, 2H), 3.22 (t, J=6.64 Hz, 2H), 2.77 (t, J=7.14 Hz, 2H), 1.74-1.90 (m, 2H), 1.33 (br. s, 9H).
工程10
DCM (50mL)中のtert-ブチル(3,5-ジフルオロ-4-(ヒドロキシメチル)フェネチル)(3-フルオロプロピル)カルバメート106-9 (1.40g、4.030mmol)に、0℃でトリフェニルホスフィン(1.58g、6.055mmol)および四臭化炭素(2.00g、6.048mmol)を部分ごとに添加した。反応混合物を室温に到達させ、5h撹拌した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物を水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(3x100mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮した。得られた粗製化合物を、n-ヘキサン中0~40%の酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、1.20g(72.7%収率)の106-10を灰白色固体として得た。
LCMS-条件-1: [M+ACN+Na]+ = 474.30; Rt = 1.640分
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 7.02 (d, J=8.37 Hz, 2H), 4.62 (s, 2H), 4.48 (t, J=5.91 Hz, 1H), 4.36 (t, J=5.66 Hz, 1H), 3.39 (t, J=6.64 Hz, 2H), 3.23 (br. s, 2H), 2.79 (t, J=6.89 Hz, 2H), 1.75-1.90 (m, 2H), 1.35 (br. s, 4H), 1.29 (br. s, 5H)
工程11
DMF (10mL)中の8-フルオロ-3-(フェニルスルホニル)-7-(o-トリル)-3,6-ジヒドロピロロ[3,2-e]インダゾール(0.700g、1.726mmol)85-7に、0℃で水素化ナトリウム(油中60%分散、0.138g、3.452mmol)を部分ごとに添加した。反応混合物を室温に到達させ、15分間撹拌した。得られた溶液を0℃に冷却し、tert-ブチル(4-(ブロモメチル)-3,5-ジフルオロフェネチル)(3-フルオロプロピル)カルバメート106-10(0.921g、2.245mmol)をそこに添加した。反応混合物を室温に到達させ、2h撹拌した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物を0℃に冷却し、水(100mL)で希釈した。水層を分離して、酢酸エチル(2x50mL)で抽出した。合わせた有機層を水(40mL)、次いでブライン(30mL)で洗浄して、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮して、粗製化合物を褐色固体として得た。得られた粗製化合物を、n-ヘキサン中0~30%の酢酸エチルで溶出する100~200メッシュサイズのシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、1.20g(95%収率)の106-11を濃い褐色油状物として得た。
LCMS-条件-1: [M-tBu]+ = 679.20; Rt = 1.850分
工程12
DCM(15mL)中のtert-ブチル(3,5-ジフルオロ-4-((8-フルオロ-3-(フェニルスルホニル)-7-(o-トリル)ピロロ[3,2-e]インダゾール-6(3H)-イル)メチル)フェネチル)(3-フルオロプロピル)カルバメート106-11 (1.20g、1.633mmol)に、0℃でトリフルオロ酢酸(5mL)を部分ごとに添加した。反応混合物を室温に到達させ、2h撹拌した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物を減圧下で濃縮して、粗製の残渣を得た。粗製の残渣をDCM(50mL)で希釈して、飽和NaHCO3溶液(2x25mL)で洗浄した。有機層を分離して、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮して、粗製化合物を得た。得られた粗製化合物を、DCM中0~8%のメタノールで溶出する100~200メッシュサイズのシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、0.700g(67.9%収率)の106-12を粘着性褐色油状物として得た。
LCMS-条件-1: [M-H2O]+ = 617.20; Rt = 1.715分
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 8.56 (s, 1H), 7.92 (s, 1H), 7.85 (d, J=6.85 Hz, 2H), 7.78-7.83 (m, 1H), 7.58-7.63 (m, 1H), 7.49 (t, J=7.83 Hz, 2H), 7.25-7.31 (m, 1H), 7.11-7.21 (m, 3H), 6.64 (d, J=8.80 Hz, 2H), 5.65 (d, J=0.98 Hz, 1H), 5.21-5.41 (m, 2H), 4.40 (t, J=5.62 Hz, 1H), 4.28 (t, J=5.62 Hz, 1H), 2.42-2.57 (m, 6H), 1.77 (s, 2H), 1.54-1.68 (m, 3H).
工程13
メタノール(25mL)中のN-(3,5-ジフルオロ-4-((8-フルオロ-3-(フェニルスルホニル)-7-(o-トリル)ピロロ[3,2-e]インダゾール-6(3H)-イル)メチル)フェネチル)-3-フルオロプロパン-1-アミン106-12(0.700g、1.102mmol)に、炭酸カリウム(0.305g、2.208mmol)の水溶液を室温で添加して、1h撹拌した。反応混合物をさらに45℃で1h加熱した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物を減圧下で濃縮し、水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(3x20mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮して、粗製化合物を得た。粗製化合物を、DCM中0~10%のメタノールで溶出するCombiフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、0.010g(11.0%収率)のD-106を灰白色固体として得た。
LCMS-条件-1: [M+H]+ = 495.15; Rt = 1.492分
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 13.18 (br. s, 1H), 8.12 (br. s, 1H), 7.63 (d, J=9.29 Hz, 1H), 7.26-7.41 (m, 5H), 6.75 (d, J=9.29 Hz, 2H), 5.30-5.42 (m, 2H), 4.50 (t, J=5.87 Hz, 1H), 4.38 (t, J=6.11 Hz, 1H), 2.53-2.66 (m, 6H), 1.97 (s, 3H), 1.63-1.78 (m, 3H).
実施例3:N-(4-((1,8-ジフルオロ-7-(o-トリル)ピロロ[3,2-e]インダゾール-6(3H)-イル)メチル)フェネチル)-3-フルオロプロパン-1-アミン(D-107)の合成
工程1
THF (300mL)中の2-(p-トリル)エタン-1-アミン(20.0g、147.91mmol)に、トリエチルアミン(61.6mL、444.35mmol)および1-フルオロ-3-ヨードプロパン2(27.8g、147.91mmol)を、室温、アルゴン雰囲気下で添加した。反応混合物をさらに80℃に加熱して、18h撹拌した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物を減圧下で濃縮して、粗製化合物を生じた。粗製化合物を、DCM中0~2%のメタノールで溶出する100~200メッシュサイズのシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、12.0g(45.4%収率)の107-1を無色の濃い油状物として得た。
LCMS-条件-1: [M+H]+ = 195.90; Rt = 1.042分
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 7.04-7.13 (m, 4H), 4.54 (t, J=5.87 Hz, 1H), 4.42 (t, J=5.87 Hz, 1H), 3.07 (br. s, 1H), 2.70-2.75 (m, 2H), 2.61-2.68 (m, 4H), 2.25 (s, 3H), 1.70-1.84 (m, 2H).
工程2
DCMまたはTHF (250mL)中の3-フルオロ-N-(4-メチルフェネチル)プロパン-1-アミン107-1(12.0g、61.45mmol)に0℃でトリエチルアミン(25.6mL、184.35mmol)、次いでBoc無水物(20.1g、92.20mmol)を添加して、同じ温度で10分間撹拌した。反応混合物を室温に到達させ、6h撹拌した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物を水(100mL)で希釈し、DCM(3x100mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮した。得られた粗製化合物を、n-ヘキサン中0~10%の酢酸エチルで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、12.0g(66.2%収率)の107-2を黄色油状物として得た。
LCMS-条件-1: [M+Na]+ = 318.15; Rt = 2.294分
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 7.04-7.13 (m, 4H), 4.47 (t, J=5.87 Hz, 1H), 4.35 (t, J=5.87 Hz, 1H), 3.29 (d, J=7.83 Hz, 2H), 3.19 (t, J=6.36 Hz, 2H), 2.71 (t, J=7.58 Hz, 2H), 2.26 (s, 3H), 1.72-1.89 (m, 2H), 1.35 (br. s, 9H).
工程3
CCl4 (170mL)中のtert-ブチル(3-フルオロプロピル)(4-メチルフェネチル)カルバメート107-2(17.0g、57.54mmol)に、NBS (15.4g、86.41mmol)および過酸化ベンゾイル(1.39g、5.738mmol)を室温、アルゴン雰囲気下で添加した。反応混合物をさらに70℃で2h加熱した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物をセライトのパッドを通して濾過し、得られた濾液を減圧下で濃縮して、粗製化合物を生じた。粗製化合物を、n-ヘキサン中0~20%の酢酸エチルで溶出する100~200メッシュサイズのシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、7.00g(32.5%収率)の107-3を黄色油状物として得た。
LCMS-条件-1: [M+Na]+ = 398.05; Rt = 2.262分
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 7.37 (d, J=7.83 Hz, 2H), 7.19 (d, J=6.85 Hz, 2H), 4.68 (s, 2H), 4.47 (t, J=5.87 Hz, 1H), 4.35 (t, J=5.87 Hz, 1H), 3.17-3.24 (m, 3H), 2.76 (t, J=7.34 Hz, 2H), 1.74-1.88 (m, 3H), 1.33 (br. s, 9H).
工程4
アセトニトリル:酢酸(1:1;100mL)中の5-ニトロ-1H-インダゾール(10.0g、61.34mmol)にSelectfluor (43.4g、122.67mmol)を室温で添加した。反応混合物をさらに130 0Cで24h加熱した。反応の完了後、反応混合物を氷冷水でクエンチして、沈殿した固体を濾過して乾燥させ、粗製化合物を生じた。粗製化合物を、n-ヘキサン中0~10%の酢酸エチルで溶出する100~200メッシュサイズのシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、5.00g(45%収率)の107-4を淡黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 13.30 (br. s, 1H), 8.76 (d, J=1.96 Hz, 1H), 8.25 (dd, J=1.96, 9.29 Hz, 1H), 7.70 (dd, J=1.96, 9.29 Hz, 1H)
工程5
THF (100mL)中の3-フルオロ-5-ニトロ-1H-インダゾール107-4 (10g、55.25mmol)に、水酸化ナトリウム(5.52g、138.12mmol)、n-テトラブチルアンモニウムスルフェート(0.281g、0.827mmol)を室温で添加し、1h撹拌した。得られた溶液にベンゼンスルホニルクロライド(10.7g、60.58mmol)を滴下し、さらに1h撹拌した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物を水(100mL)でクエンチし、沈殿した固体を濾過して乾燥させ、14.0g(78.8%収率)の107-5を白色固体として得た。
LCMS-条件-1: [M-18]+ = 304.00; Rt = 1.992分
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.59-8.63 (m, 1H), 8.51 (dd, J=1.97, 9.35 Hz, 1H), 8.35 (d, J=8.37 Hz, 1H), 8.02 (d, J=8.37 Hz, 2H), 7.62-7.70 (m, 1H), 7.54 (t, J=7.88 Hz, 2H).
工程6
メタノール(140mL)および水(60mL)中の3-フルオロ-5-ニトロ-1-(フェニルスルホニル)-1H-インダゾール107-5(14.0g、43.57mmol)に鉄粉末(0.407g、7.288mmol)および塩化アンモニウム(23.27g、435.03mmol)を室温で添加した。反応混合物をさらに80℃で16h加熱した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物をセライトのパッドを通して濾過し、メタノール(25mL)およびTHF (25mL)で洗浄した。濾液を減圧下で乾燥まで濃縮して、12.0g(粗製)の107-6を褐色固体として得て、これをさらに精製することなく次の工程にそのまま使用した。
LCMS-条件-1: [M+Na]+ = 314.90; Rt = 1.735分
工程7
アセトニトリル(150mL)中の3-フルオロ-1-(フェニルスルホニル)-1H-インダゾール-5-アミン107-6(12.0g、41.19mmol)にNIS (12.06g、53.60mmol)を室温で滴下して、2h撹拌した。反応の完了後、反応混合物を水(50mL)で希釈して、酢酸エチル(3x50mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。得られた粗製化合物を、n-ヘキサン中10~15%の酢酸エチルで溶出する100~200メッシュサイズのシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、6.00g(34.8%収率)の107-7を黄色固体として得た。
LCMS-条件-1: [M+H]+ = 417.95; Rt = 2.090分
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 7.88 (d, J=8.80 Hz, 1H), 7.83 (d, J=8.31 Hz, 2H), 7.69-7.75 (m, 1H), 7.56-7.63 (m, 2H), 7.17 (d, J=9.29 Hz, 1H), 5.66 (br. s, 2H).
工程8
CH2Cl2 (100mL)中の3-フルオロ-4-ヨード-1-(フェニルスルホニル)-1H-インダゾール-5-アミン107-7(8.00g、19.17mmol)に、0℃でトリエチルアミン(10.6mL、76.70mmol)およびTFAA(5.40mL、8.05g、38.35mmol)を添加した。反応混合物を室温に到達させ、2h撹拌した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物を水(50mL)で希釈して、CH2Cl2(3x50mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。得られた粗製化合物を、n-ヘキサン中10~20%の酢酸エチルで溶出する100~200メッシュサイズのシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、9.50g(96.5%収率)の107-8を黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 8.08 (d, J=8.86 Hz, 1H), 7.92 (d, J=7.88 Hz, 2H), 7.72-7.79 (m, 2H), 7.58-7.65 (m, 2H).
工程9
DMF (150mL)中の2,2,2-トリフルオロ-N-(3-フルオロ-4-ヨード-1-(フェニルスルホニル)-1H-インダゾール-5-イル)アセトアミド107-8 (9.50g、18.51mmol)の溶液に、ヨウ化銅(0.353g、1.853mmol)、トリエチルアミン(12.8mL、92.31mmol)を室温で添加して、アルゴンで30分間脱気した。得られた溶液に、触媒ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II) (1.29g、1.837mmol)および1-エチニル-2-メチルベンゼン(2.58g、22.20mmol)を添加して、さらに30分間脱気した。反応混合物を130℃までさらに加熱して、18h撹拌した。反応の完了後、反応混合物をセライトのパッドを通して濾過し、濾液を水(50mL)で希釈して、酢酸エチル(3x50mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。得られた粗製化合物を、n-ヘキサン中10~20%の酢酸エチルで溶出する100~200メッシュサイズのシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、4.00g(53.3%収率)の107-9を黄色固体として得た。
LCMS-条件-1: [M+H]+ = 405.90; Rt = 2.151および2.275分
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 12.12 (br. s, 1H), 7.83-7.95 (m, 3H), 7.63-7.75 (m, 2H), 7.53-7.61 (m, 3H), 7.33 (d, J=3.91 Hz, 3H), 6.81 (s, 1H), 2.47 (br. s, 1H), 2.45 (s, 2H).
工程10
アセトニトリル:DMSO (1:1;20mL)中の1-フルオロ-3-(フェニルスルホニル)-7-(o-トリル)-3,6-ジヒドロピロロ[3,2-e]インダゾール107-9(1g、2.466mmol)に-10℃でSelectfluor (3.14g、8.863mmol)を、1時間かけて窒素雰囲気下で滴下した。反応混合物を室温に到達させ、6h撹拌した。反応の完了後、反応混合物を減圧下で乾燥まで濃縮して、酢酸エチル(100mL)で希釈した。有機層を分離して、水(30mL)およびブライン(30mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。得られた粗製化合物を、n-ヘキサン中0~10%の酢酸エチルで溶出する100~200メッシュサイズのシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、0.450g(43%収率)の107-10を褐色固体として得た。
LCMS-条件-1: [M+Na]+ = 445.95; Rt = 2.296分
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 12.04 (br. s, 1H), 7.94-7.99 (m, 1H), 7.90 (d, J=7.98 Hz, 2H), 7.78-7.83 (m, 1H), 7.69-7.75 (m, 1H), 7.56-7.63 (m, 2H), 7.45 (d, J=6.98 Hz, 1H), 7.38-7.42 (m, 2H), 7.31-7.37 (m, 1H), 2.34 (s, 3H).
工程11
DMF (10mL)中の1,8-ジフルオロ-3-(フェニルスルホニル)-7-(o-トリル)-3,6-ジヒドロピロロ[3,2-e]インダゾール107-10(0.300g、0.708mmol)に、0℃で水素化ナトリウム(油中60%分散、0.056g、1.416mmol)を部分ごとに添加した。反応混合物を室温に到達させ、15分間撹拌した。得られた溶液を0℃に冷却し、107-3 (0.344g、0.919mmol)をそこに添加した。反応混合物を室温に到達させ、2h撹拌した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物を0℃に冷却し、水(100mL)で希釈した。水層を分離して、酢酸エチル(2x50mL)で抽出した。合わせた有機層を水(40mL)、次いでブライン(30mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮して、粗製化合物を褐色固体として得た。得られた粗製化合物を、n-ヘキサン中0~30%の酢酸エチルで溶出する100~200メッシュサイズのシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、0.300g(59.1%収率)の107-11を濃い褐色油状物として得た。
LCMS-条件-1: [M-Boc]+ = 617.20; Rt = 2.579分
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 7.84-7.92 (m, 1H), 7.74-7.83 (m, 3H), 7.55-7.62 (m, 1H), 7.46 (t, J=7.63 Hz, 2H), 7.12-7.34 (m, 4H), 6.86 (d, J=7.38 Hz, 2H), 6.55 (d, J=5.91 Hz, 2H), 5.09-5.25 (m, 2H), 4.28 (t, J=5.17 Hz, 1H), 4.16 (t, J=5.17 Hz, 1H), 3.88 (q, J=7.38 Hz, 1H), 3.09 (t, J=7.14 Hz, 1H), 2.97 (br. s, 2H), 2.50 (t, J=7.14 Hz, 2H),1.91 (s, 3H), 1.49-1.68 (m, 2H), 1.18 (br. s, 4H), 1.07 (br. s, 5H).
工程12
DCM (5mL)中のtert-ブチル(4-((1,8-ジフルオロ-3-(フェニルスルホニル)-7-(o-トリル)ピロロ[3,2-e]インダゾール-6(3H)-イル)メチル)フェネチル)(3-フルオロプロピル)カルバメート107-11(0.250g、0.348mmol)に、0℃でトリフルオロ酢酸(3mL)を部分ごとに添加した。反応混合物を室温に到達させ、2h撹拌した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物を減圧下で濃縮して、粗製残渣を得た。粗製残渣をDCM(50mL)で希釈して、飽和NaHCO3溶液(2x25mL)で洗浄した。有機層を分離して、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮して、粗製化合物を得た。得られた粗製化合物を、DCM中0~8%のメタノールで溶出する100~200メッシュサイズのシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、0.150g(69.7%収率)の107-12を粘着性の褐色油状物として得た。
LCMS-条件-1: [M+H]+ = 617.00; Rt = 1.984分
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 8.03-8.08 (m, 1H), 7.88-7.99 (m, 3H), 7.69-7.77 (m, 1H), 7.61 (t, J=7.58 Hz, 2H), 7.39-7.47 (m, 2H), 7.29-7.38 (m, 3H), 7.02 (d, J=7.82 Hz, 2H), 6.68 (d, J=7.82 Hz, 2H), 5.25-5.38 (m, 2H), 4.51 (t, J=6.11 Hz, 1H), 4.39 (t, J=5.62 Hz, 1H), 2.66 (d, J=6.85 Hz, 2H), 2.61 (d, J=5.87 Hz, 4H), 2.03 (s, 3H), 1.67-1.82 (m, 2H).
工程13
メタノール(6mL)中のN-(4-((1,8-ジフルオロ-3-(フェニルスルホニル)-7-(o-トリル)ピロロ[3,2-e]インダゾール-6(3H)-イル)メチル)フェネチル)-3-フルオロプロパン-1-アミン107-12(0.150g、0.243mmol)に、炭酸カリウムの水溶液(0.050g、0.362mmol)を室温で添加して、1h撹拌した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物を減圧下で濃縮し、水(20mL)で濃縮して、酢酸エチル(3x20mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮して、粗製化合物を得た。粗製化合物を、DCM中0~10%のメタノールで溶出するCombiフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、0.010g(8.6%収率)のD-107を灰白色固体として得た。
LCMS-条件-1: [M+H]+ = 477.15; Rt = 1.539分
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 12.63 (br. s, 1H), 7.63 (dd, J=1.47, 9.29 Hz, 1H), 7.29-7.44 (m, 4H), 7.25 (dd, J=1.96, 9.29 Hz, 1H), 7.02 (d, J=7.83 Hz, 2H), 6.68 (d, J=7.83 Hz, 2H), 5.18-5.34 (m, 2H), 4.50 (t, J=5.87 Hz, 1H), 4.39 (t, J=6.11 Hz, 1H), 2.57-2.71 (m, 6H), 2.10 (s, 3H), 1.66-1.82 (m, 3H).
実施例4:3-フルオロ-N-(3-フルオロ-4-((1-フルオロ-7-(o-トリル)ピロロ[3,2-e]インダゾール-6(3H)-イル)メチル)フェネチル)プロパン-1-アミン(D-108)の合成
工程1
DMF (15mL)中の1-フルオロ-3-(フェニルスルホニル)-7-(o-トリル)-3,6-ジヒドロピロロ[3,2-e]インダゾール(1.00g、2.466mmol)107-9に、0℃で水素化ナトリウム(油中60%の分散液、0.197g、4.932mmol)を部分ごとに添加した。反応混合物を15分間で室温に到達させた。得られた溶液を0℃に冷却し、tert-ブチル(4-(ブロモメチル)-3-フルオロフェネチル)(3-フルオロプロピル)カルバメート105-5(1.25g、3.187mmol)をそこに添加した。反応混合物を室温に到達させ、2h撹拌した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物を0℃に冷却し、水(100mL)で希釈した。水層を分離して、酢酸エチル(2x50mL)で抽出した。合わせた有機層を水(40mL)およびブライン(30mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮して、粗製化合物を褐色固体として得た。得られた粗製化合物を、n-ヘキサン中0~30%の酢酸エチルで溶出する100~200メッシュサイズのシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、1.00g(56.8%収率)の108-1を濃い褐色油状物として得た。
LCMS-条件-1: [M+Na]+ = 739.10; Rt = 2.520分
工程2
メタノール(15mL)中のtert-ブチル(3-フルオロ-4-((1-フルオロ-3-(フェニルスルホニル)-7-(o-トリル)ピロロ[3,2-e]インダゾール-6(3H)-イル)メチル)フェネチル)(3-フルオロプロピル)カルバメート108-1(1.00g、1.395mmol)に炭酸カリウム(0.385g、2.789mmol)を室温で添加した。反応混合物をさらに50℃で2h加熱した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物を減圧下で濃縮し、水(100mL)で希釈して、酢酸エチル(2x100mL)で抽出した。合わせた有機層を水(2x40mL)およびブライン(40mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮して、粗製化合物を得た。得られた粗製化合物を、DCM中0~5%のメタノールで溶出する100~200メッシュサイズのシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、0.700g(87.0%収率)の108-2を褐色半固体として得た。
LCMS-条件-1: [M+Na]+ = 599.10; Rt = 2.426分
工程3
DCM(15mL)中の3-フルオロ-N-(3-フルオロ-4-((1-フルオロ-3-(フェニルスルホニル)-7-(o-トリル)ピロロ[3,2-e]インダゾール(indazl)-6(3H)-イル)メチル)フェネチル)プロパン-1-アミン108-2(0.700g、1.213mmol)に0℃でトリフルオロ酢酸(5mL)を部分ごとに添加した。反応混合物を室温に到達させ、2h撹拌した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物を減圧下で濃縮して、粗製残渣を得た。粗製残渣をDCM(mL)で希釈して、飽和NaHCO3溶液で抽出した。有機層を分離して、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮して、粗製化合物を褐色固体として得た。得られた粗製化合物を、DCM中0~8%のメタノールで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、次いで調製用HPLCを使用して再度精製し、0.105g(18.1%収率)のD-108を淡黄色固体として得た。
LCMS-条件-1: [M+H]+ = 477.10; Rt = 1.581分
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 8.34 (br. s, 1H), 7.53 (d, J=8.98 Hz, 1H), 7.32 (br. s, 2H), 7.15-7.26 (m, 3H), 6.97 (d, J=10.97 Hz, 1H), 6.81 (d, J=7.98 Hz, 1H), 6.66 (s, 1H), 6.28 (t, J=7.73 Hz, 1H), 5.28 (br. s, 2H), 4.51 (t, J=5.24 Hz, 1H), 4.39 (t, J=5.24 Hz, 1H), 2.88-2.95 (m, 2H), 2.84 (t, J=6.98 Hz, 2H), 2.68-2.77 (m, 2H), 2.06 (s, 3H), 1.78-1.93 (m, 3H).
実施例5:N-(4-((8-クロロ-7-(o-トリル)ピロロ[3,2-e]インダゾール-6(3H)-イル)メチル)フェネチル)-3-フルオロプロパン-1-アミン(D-109)の合成
工程1
DCM(15mL)中の3-(フェニルスルホニル)-7-(o-トリル)-3,6-ジヒドロピロロ[3,2-e]インダゾール85-6(1.00g、2.582mmol)の溶液に、0℃でNCS(0.689g、5.159mmol)を部分ごとに添加した。反応混合物を室温に到達させ、16h撹拌した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、沈殿した固体を濾過してDCM(10mL)で洗浄して乾燥させ、0.900g(83.3%収率)の109-1を灰白色固体として得た。
LCMS-条件-1: [M+H]+ = 421.90; Rt = 2.634分
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 12.25 (s, 1H), 8.80 (s, 1H), 8.01 (d, J=8.80 Hz, 1H), 7.90 (d, J=7.82 Hz, 2H), 7.66-7.75 (m, 2H), 7.58 (t, J=7.58 Hz, 2H), 7.31-7.45 (m, 4H), 2.26 (s, 3H).
工程2
DMF(20mL)中の8-クロロ-3-(フェニルスルホニル)-7-(o-トリル)-3,6-ジヒドロピロロ[3,2-e]インダゾール109-1(0.900g、2.133mmol)の溶液に、0℃で水素化ナトリウム(油中60%分散、0.170g、4.266mmol)を部分ごとに添加した。反応混合物を室温に到達させ、15分間撹拌した。得られた溶液を0℃に冷却し、tert-ブチル(4-(ブロモメチル)フェネチル)(3-フルオロプロピル)カルバメート107-3(1.03g、2.775mmol)をそこに添加した。反応混合物を室温に到達させ、2h撹拌した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物を0℃に冷却し、水(100mL)で希釈した。水層を分離して、酢酸エチル(2x50mL)で抽出した。合わせた有機層を水(40mL)次いでブライン(30mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮した。得られた粗製化合物を、n-ヘキサン中0~30%の酢酸エチルで溶出する100~200メッシュサイズのシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、1.30g(85.5%収率)の表題の化合物109-2を濃い褐色油状物として得た。
LCMS-条件-1: [M-Boc]+ = 615.20; Rt = 2.581分
工程3
DCM(20mL)中のtert-ブチル(4-((8-クロロ-3-(フェニルスルホニル)-7-(o-トリル)ピロロ[3,2-e]インダゾール-6(3H)-イル)メチル)フェネチル)(3-フルオロプロピル)カルバメート109-2(1.30g、1.817mmol)に、0℃でトリフルオロ酢酸(5mL)を部分ごとに添加した。反応混合物を室温に到達させ、2h撹拌した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物を減圧下で濃縮して、粗製残渣を得た。粗製残渣をDCM(50mL)で希釈し、飽和NaHCO3溶液(2x25mL)で洗浄した。有機層を分離して、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮して、粗製化合物を得た。得られた粗製化合物を、DCM中0~8%のメタノールで溶出する100~200メッシュサイズのシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、0.700g(63.0%収率)の表題の化合物109-3を褐色の粘着性油状物として得た。
LCMS-条件-1: [M+H]+ = 615.10; Rt = 1.200分
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 8.82 (s, 1H), 7.99-8.04 (m, 1H), 7.90-7.94 (m, 2H), 7.68-7.74 (m, 1H), 7.59 (t, J=7.67 Hz, 2H), 7.28-7.47 (m, 5H), 7.04 (d, J=7.89 Hz, 2H), 6.71 (d, J=7.89 Hz, 2H), 5.21-5.37 (m, 3H), 4.52 (t, J=5.70 Hz, 1H), 4.40 (t, J=5.48 Hz, 1H), 2.74-2.79 (m, 1H), 2.65 (d, J=6.58 Hz, 4H), 1.96 (s, 3H), 1.68-1.86 (m, 3H).
工程4
メタノール(25mL)中のN-(4-((8-クロロ-3-(フェニルスルホニル)-7-(o-トリル)ピロロ[3,2-e]インダゾール-6(3H)-イル)メチル)フェネチル)-3-フルオロプロパン-1-アミン109-3(0.700g、1.137mmol)に炭酸カリウムの水溶液(0.314g、2.275mmol)を室温で添加して、1h撹拌した。反応混合物をさらに45℃で1h加熱した。反応の完了後(TLCによりモニタリング)、反応混合物を減圧下で濃縮し、水(20mL)で希釈して、酢酸エチル(3x20mL)で抽出した。合わせた有機層を水(2x25mL)次いでブライン(25mL)で洗浄して、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過して減圧下で濃縮して、粗製化合物を得た。粗製化合物を、調製用HPLC精製で精製して、0.015g(3.3%収率)のD-109を灰白色固体として得た。
LCMS-条件-1: [M+H]+ = 475.15; Rt = 1.587分
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 13.08 (br. s, 1H), 8.17 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.41 (d, J=8.98 Hz, 1H), 7.21-7.31 (m, 3H), 7.18 (d, J=3.49 Hz, 2H), 6.90 (d, J=6.98 Hz, 2H), 6.58 (d, J=7.98 Hz, 2H), 4.99-5.20 (m, 2H), 4.37 (t, J=5.73 Hz, 1H), 4.25 (t, J=5.73 Hz, 1H), 2.53-2.62 (m, 2H), 2.44-2.53 (m, 4H), 1.88 (s, 3H), 1.54-1.70 (m, 2H).
活性および生物学的データ
本発明の化合物の有用性を示すために、エストロゲン受容体結合アッセイを行って、ここで本発明の化合物の多くがエストロゲン受容体に対して有意な親和性を示すことが示された。選択された化合物例は、エストラジオール(E2)誘導性増殖およびシグナル伝達を阻害するそれらの能力ならびに乳癌細胞中でエストロゲン受容体(ER)を分解するそれらの能力について評価した。さらに、未成熟ラットにおいて子宮重量のE2誘導性増加を阻害する選択された化合物の能力は、経口投与により評価した。選択された化合物は、乳癌のインビボ異種移植片モデル中、MCF-7において評価し得た。
MCF-7およびT47D細胞における増殖アッセイ
MCF-7およびT47D細胞は、10%木炭処理(charcoal-stripped)ウシ胎仔血清(CS-FBS)および1%ペニシリン/ストレプトマイシン(P/S)を含むフェノールレッド非含有RPMI1640培地中で3日間剥がした(stripped)。細胞(90μl/ウェルの体積)は、MCF-7細胞について2500細胞/ウェルおよびT47D細胞について1500細胞/ウェルの密度で96ウェルプレートに播種した。翌日に、プレートを、E2の2つの用量(10pMおよび1nM)の非存在下および存在下の両方で、試験化合物(培地中10X濃度、10μl/ウェルの体積添加)により処理した。細胞を、試験化合物と共に7日間インキュベートした。製造業者の指示書に従ってCellTiterGlo (Promega、カタログ番号G7573)を使用して、細胞の生存能力を評価した。GraphPadPrism 6.0ソフトウェアを使用して増殖阻害曲線およびIC50値を計算した。表1に示すデータの値は10pM用量のE2を使用して得た。
MCF-7細胞におけるERシグナル伝達を評価するための定量的PCR(qPCR)
MCF-7細胞は、10%木炭処理ウシ胎仔血清(CS-FBS)および1%ペニシリン/ストレプトマイシン(P/S)を含むフェノールレッド非含有RPMI1640培地中で3日間剥がした。細胞(90μl/ウェルの体積)は、20000細胞/ウェルの密度で96ウェルプレートに播種した。翌日に、プレートを、E2(1nM)の非存在下および存在下の両方で試験化合物(培地中10X濃度、10μl/ウェルの体積添加)により処理した。細胞を、試験化合物と共に24時間インキュベートした。細胞溶解物は、製造業者の指示書に従ってCells-to-CTキット(ThermoFisherScientific、カタログ番号A25603)を使用して調製した。マスターミックス、プロゲステロン受容体(PR)およびグリセルアルデヒド-3-ホスフェート脱水素酵素(GAPDH)内因性対照についてのプライマー(ThermoFisherScientific、PR: カタログ番号Hs01556702_m1およびGAPDH: 4326317E)、RNアーゼ非含有水(ThermoFisherScientific、カタログ番号AM9938)を含むPCRミックスを調製して、8μlのこのミックスを、MicroAmp Optical 384ウェルプレートの各ウェルに添加した。次いで、細胞溶解物(2μl)をそれぞれのウェルに添加して、キットに提供される高速サイクリング条件を使用して、QuantStudio6機械を使用して試料を分析した。PR誘導の阻害を分析し、GraphPadPrism 6.0ソフトウェアを使用してIC50値を計算した。一般的に、このアッセイの活性は、表1に示されるMCF-7阻害データと同様に、追跡した。本発明の化合物の多くは、1nMのE2により刺激された場合に強力にPR誘導を抑制した。
MCF-7細胞におけるER分解アッセイ
MCF-7細胞は、10%木炭処理ウシ胎仔血清(CS-FBS)および1%ペニシリン/ストレプトマイシン(P/S)を含むフェノールレッド非含有RPMI1640培地中で3日間剥がした。細胞は、4X10 5細胞/ウェル(2mL/ウェルの体積)の密度で6ウェルプレートに播種した。翌日に、プレートを、試験化合物(培地中3X濃度、1ml/ウェルの体積添加)により処理した。細胞を、試験化合物と共に48時間インキュベートした。細胞を洗浄して、プロテアーゼおよびホスファターゼ阻害剤を含む70μl/ウェルのCelLyticM(Sigma、カタログ番号C2978)溶解バッファを使用して、室温で15分間溶解した。溶解物を、15000rpm、15分間遠心分離して、上清を回収し、ビシンコニン酸アッセイ(BCA)を使用して濃度を分析した。タンパク質(25μg)を負荷して、4~15%ポリアクリルアミドゲルで分離した。次いでタンパク質をPVDF膜に転写して、その後膜をERα一次抗体(Cell Signaling、カタログ番号13258; 1:1000)およびビンクリン一次抗体(Sigma、カタログ番号V9131, 1:1000)とインキュベートした。膜をそれぞれの二次抗体とインキュベートして、化学発光物質(ThermoFisherScientific, Dura (ERα): カタログ番号34075およびPico (ビンクリン): カタログ番号34080)を用いて探査し、Azure Biosystems c600機械を使用して画像を取った。AzureSpotソフトウェアを使用して画像を解析した。いくつかの試験された本明細書に開示される化合物は、ERの発現を減少させた。
未成熟ラット子宮アッセイ
Sprague-Dawleyラットの子供を19日齢で離乳させ、群(n=6)に無作為化して、ビヒクル(H2O中水性20%HPBCD、10% PEG400)、E2(0.01mg/kg)、E2(0.01mg/kg)と組合せた試験化合物(0.1mg/kg~3mg/kg)を、1日1回を3連続日で、皮下注射または胃管栄養法のいずれかにより投与した。最後の投与の24時間後、全ての動物を二酸化炭素吸入により殺した。体重および湿潤子宮重量をそれぞれの動物について記録した。GraphPadPrism 6.0ソフトウェアを使用してデータを分析した。例えば、化合物D-105は、3mg/kgの経口用量によるベースラインまで湿潤子宮重量を抑制した。
MCF-7異種移植片モデル
腫瘍異種移植片試験には雌無胸腺ヌードマウス[Crl:NU(NCr)-Foxn1nu]を使用する。腫瘍細胞移植の3日前、エストロゲンペレット(0.36mg E2、60日放出;Innovative Research of America, Sarasota, Florida, USA)を、滅菌トロカールを用いて試験動物の肩甲骨の間の皮下に埋め込む。MCF-7ヒト乳腺癌細胞を、10%ウシ胎仔血清、100U/mlペニシリンG、100μg/ml硫酸ストレプトマイシン、2mmol/lグルタミン、10mmol/l HEPES、0.075%重炭酸ナトリウムおよび25μg/mlゲンタマイシンを含むRPMI-1640培地中、対数中期期まで培養する。腫瘍細胞の移植日に、細胞をトリプシン処理し、ペレット化し、5×107細胞/mlの濃度でPBSに再懸濁する。それぞれの試験マウスは、右脇腹の皮下に埋め込まれた1×107 MCF-7細胞を受け、腫瘍増殖をモニタリングする。以下の式:腫瘍体積(mm3)=l×w2/2(式中、MCF-7腫瘍のmmでのw=幅およびl=長さ)を使用して体積を計算する。必要な場合、1mm3の腫瘍体積が1mgの腫瘍湿潤重量と等しくなるという仮定に基づいて腫瘍重量を推定する。腫瘍細胞埋め込みの14日後(試験の1日目として示す)、マウスは9週齢であり、体重は21.4~32.5gの範囲であり、個々の腫瘍体積は75~144mm3の範囲であり、群の平均腫瘍体積(MTV)は108mm3である。マウスを各9~15匹の動物の群に無作為化して、ビヒクル、対照SERM、例えばタモキシフェン(1mg/動物、1日おき)および試験化合物(毎日0.3、1、3、10、30、60、90および120mg/kg)で処置する。1週間に2回腫瘍体積を評価する。腫瘍終点は、対照群中1500mm3のMTVとして規定する。動物は、部分退縮(PR)および完全退縮の応答についてもモニタリングする。処理許容可能性は、体重測定および処置関連有害作用の臨床的な徴候の頻繁な観察により評価する。1回の測定について30%を超える、または3回の測定について25%を超える重量低下を有する動物は人道的に屠殺して、それらの死は処置関連死として分類する。許容可能な毒性は、試験の間の20%未満の群平均体重低下および10処置動物中1以下の処置関連死または10%として規定される。試験の終わりに、イソフルラン麻酔下での最終心臓穿刺により動物を屠殺する。
Figure 2022541610000028

Claims (32)

  1. 式I:
    Figure 2022541610000029
    (式中、
    Xは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
    Rは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
    各Raは独立して:H、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、OH、OC1-3アルキル、CN、フッ素、塩素、またはフッ素、塩素、C1-C3アルキル、CN、OC1-C3アルキルおよびOHから選択される1~3個の基で任意に置換されるフェニルから選択され;
    各Rbは独立して:H、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、OH、OC1-3アルキル、CN、フッ素、塩素、またはフッ素、塩素、C1-C3アルキル、CN、OC1-C3アルキルおよびOHから選択される1~3個の基で任意に置換されるフェニルから選択され;
    YおよびZはそれぞれ独立して、CRbまたはNから選択され;
    UおよびVはそれぞれ独立して、CRaまたはNから選択され;
    Wは、-CHR'-CHR'-NH-C1-C4アルキル、-CHR'-CHR'-NH-C1-C4フルオロアルキル、-CHR'-CHR'-NH-C3-C6シクロアルキル、-CHR'-CHR'-NH-C1-C4アルキル-C3-C6シクロアルキル、
    Figure 2022541610000030
    であり;
    ここで各R'は独立して、HまたはC1-C3アルキルである)
    の化合物、またはその薬学的に許容され得る塩。
  2. Wが、-CH2-CH2-NH-CH2-CH2-CH3;-CH2-CH2-NH-CH2-CH2-CH2F;
    Figure 2022541610000031
    である、請求項1記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
  3. YおよびZがそれぞれCRbであり、UおよびVがそれぞれCRaである、請求項1記載の化合物。
  4. 式II:
    Figure 2022541610000032
    (式中:
    Xは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
    Rは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
    各Raは独立して:H、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、OH、OC1-3アルキル、CN、フッ素、塩素、またはフッ素、塩素、C1-C3アルキル、CN、OC1-C3アルキルおよびOHから選択される1~3個の基で任意に置換されるフェニルから選択され;
    各Rbは独立して:H、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、OH、OC1-3アルキル、CN、フッ素、塩素、またはフッ素、塩素、C1-C3アルキル、CN、OC1-C3アルキルおよびOHから選択される1~3個の基で任意に置換されるフェニルから選択され;
    YおよびZはそれぞれ独立して、CRbまたはNから選択され;
    UおよびVはそれぞれ独立して、CRaまたはNから選択される)
    の構造を有する、請求項1記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
  5. Xが水素、メチル、フッ素、塩素または臭素であり;Rが水素、メチル、フッ素、塩素または臭素であり;YおよびZがそれぞれCRbであり;UおよびVがそれぞれCRaであり;各Raが独立してH、フッ素または塩素から選択され;各Rbが独立してH、フッ素または塩素から選択される、請求項4記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
  6. 式III:
    Figure 2022541610000033
    (式中:
    Xは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
    Rは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
    各Raは独立して:H、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、OH、OC1-3アルキル、CN、フッ素、塩素、またはフッ素、塩素、C1-C3アルキル、CN、OC1-C3アルキルおよびOHから選択される1~3個の基で任意に置換されるフェニルから選択され;
    各Rbは独立して:H、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、OH、OC1-3アルキル、CN、フッ素、塩素、またはフッ素、塩素、C1-C3アルキル、CN、OC1-C3アルキルおよびOHから選択される1~3個の基で任意に置換されるフェニルから選択され;
    UおよびVはそれぞれ独立して、CRaまたはNから選択される)
    の構造を有する、請求項1記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
  7. Xが水素、メチル、フッ素、塩素または臭素であり;Rが水素、メチル、フッ素、塩素または臭素であり;UおよびVがそれぞれCRaであり;各Raが独立してH、フッ素または塩素から選択され;各Rbが独立してH、フッ素または塩素から選択される、請求項6記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
  8. Xがフッ素である、請求項7記載の化合物。
  9. Rがフッ素または塩素である、請求項8記載の化合物。
  10. 式IV:
    Figure 2022541610000034
    (式中:
    Xは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
    Rは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
    各Rbは独立して:H、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、OH、OC1-3アルキル、CN、フッ素、塩素、またはフッ素、塩素、C1-C3アルキル、CN、OC1-C3アルキルおよびOHから選択される1~3個の基で任意に置換されるフェニルから選択される)
    の構造を有する、請求項1記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
  11. Xが水素またはフッ素である、請求項10記載の化合物。
  12. Rが水素、フッ素または塩素である、請求項11記載の化合物。
  13. 各Rbが水素、フッ素または塩素である、請求項12記載の化合物。
  14. 式V:
    Figure 2022541610000035
    (式中:
    Xは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
    Rは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
    Rbは:H、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、OH、OC1-3アルキル、CN、フッ素、塩素、またはフッ素、塩素、C1-C3アルキル、CN、OC1-C3アルキルおよびOHから選択される1~3個の基で任意に置換されるフェニルから選択される)
    の構造を有する、請求項1記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
  15. Xが水素またはフッ素である、請求項14記載の化合物。
  16. Rが水素、フッ素または塩素である、請求項15記載の化合物。
  17. 各Rbが水素、フッ素または塩素である、請求項16記載の化合物。
  18. 式VI:
    Figure 2022541610000036
    (式中:
    Xは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
    Rは、水素、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、CN、フッ素、塩素または臭素であり;
    Raは:H、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、OH、OC1-3アルキル、CN、フッ素、塩素、またはフッ素、塩素、C1-C3アルキル、CN、OC1-C3アルキルおよびOHから選択される1~3個の基で任意に置換されるフェニルから選択され;
    Rbは:H、C1-C3アルキル、C1-C3フルオロアルキル、OH、OC1-3アルキル、CN、フッ素、塩素、またはフッ素、塩素、C1-C3アルキル、CN、OC1-C3アルキルおよびOHから選択される1~3個の基で任意に置換されるフェニルから選択される)
    の構造を有する、請求項1記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
  19. Xが水素またはフッ素である、請求項18記載の化合物。
  20. Rが水素、フッ素または塩素である、請求項19記載の化合物。
  21. 各Rbが水素、フッ素または塩素である、請求項20記載の化合物。
  22. Figure 2022541610000037
    Figure 2022541610000038
    からなる群より選択される構造を有する、請求項1記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
  23. 式D-105:
    Figure 2022541610000039
    の構造を有する、請求項1記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
  24. 式D-106:
    Figure 2022541610000040
    の構造を有する、請求項1記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
  25. 式D-107:
    Figure 2022541610000041
    の構造を有する、請求項1記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
  26. 式D-108:
    Figure 2022541610000042
    の構造を有する、請求項1記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
  27. 式D-109:
    Figure 2022541610000043
    の構造を有する、請求項1記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
  28. 式D-110:
    Figure 2022541610000044
    の構造を有する、請求項1記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩。
  29. N-(4-((8-クロロ-7-(o-トリル)ピロロ[3,2-e]インダゾール-6(3H)-イル)メチル)フェネチル)-3-フルオロプロパン-1-アミン;
    3-フルオロ-N-(3-フルオロ-4-((1-フルオロ-7-(o-トリル)ピロロ[3,2-e]インダゾール-6(3H)-イル)メチル)フェネチル)プロパン-1-アミン;
    N-(4-((1,8-ジフルオロ-7-(o-トリル)ピロロ[3,2-e]インダゾール-6(3H)-イル)メチル)フェネチル)-3-フルオロプロパン-1-アミン;
    N-(3,5-ジフルオロ-4-((8-フルオロ-7-(o-トリル)ピロロ[3,2-e]インダゾール-6(3H)-イル)メチル)フェネチル)-3-フルオロプロパン-1-アミン;
    3-フルオロ-N-(3-フルオロ-4-((8-フルオロ-7-(o-トリル)ピロロ[3,2-e]インダゾール-6(3H)-イル)メチル)フェネチル)プロパン-1-アミン;および
    N-(4-((8-クロロ-7-(o-トリル)ピロロ[3,2-e]インダゾール-6(3H)-イル)メチル)-3-フルオロフェネチル)-3-フルオロプロパン-1-アミン
    からなる群より選択される化合物。
  30. 請求項1~29いずれか記載の化合物および薬学的に許容され得る賦形剤を含む医薬組成物。
  31. 不十分または過剰なエストロゲンレベルに関連する疾患、症候群、疾病または症状の治療を必要とする哺乳動物に、請求項1~29いずれか記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩の有効量を投与する工程を含む、該哺乳動物において不十分または過剰なエストロゲンレベルに関連する疾患、症候群、疾病または症状を治療する方法。
  32. 前立腺癌、乳癌、子宮内膜癌、肺癌、肝細胞癌、リンパ腫、多発性内分泌腫瘍、膣癌、腎臓癌、甲状腺癌、精巣癌、白血病および卵巣癌からなる群より選択される癌の治療を必要とする哺乳動物に、請求項1~29いずれか記載の化合物またはその薬学的に許容され得る塩の有効量を投与する工程を含む、該哺乳動物において、前立腺癌、乳癌、子宮内膜癌、肺癌、肝細胞癌、リンパ腫、多発性内分泌腫瘍、膣癌、腎臓癌、甲状腺癌、精巣癌、白血病および卵巣癌からなる群より選択される癌を治療する方法。
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