JP2022541572A - 創傷治癒のためのyap阻害 - Google Patents

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ヘザー・エリザベス・デジャルダン-パーク
ミミ・ボレッリ
マイケル・フランシス・ダビット
マイケル・ティー・ロンゲーカー
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ザ ボード オブ トラスティス オブ ザ リーランド スタンフォード ジュニア ユニヴァーシティー
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Abstract

患者の皮膚の部位において創傷治癒を促進する方法を提供する。方法のある側面は以下を含むことができる:有効量のYAP阻害剤組成物を傷に投与して、傷におけるEngrailed-1系統陰性線維芽細胞(ENF)の機械的な活性化を調節し、ENFを介した創傷治癒を促進すること。また、以下を提供する:患者における創傷治癒の間、瘢痕を防止する方法、及び、患者に対して発毛及び/又は育毛を促進する方法。方法のある側面は以下を含むことができる:患者の皮膚の部位において傷を形成すること、及び、有効量のYAP阻害剤組成物を傷に投与して、傷におけるEngrailed-1系統陰性線維芽細胞(ENF)の機械的な活性化を調節し、ENFを介した創傷治癒を促進すること。また、以下を提供する:ある量のYAP阻害剤組成物と組織破壊装置とを含むキット。

Description

政府の権利に関する了承
本発明は、国立衛生研究所によって認められた契約GM116892の元で政府のサポートとともになされた。政府は本発明において特定の権利を有する。
関連出願の参照
米国特許法119条(e)に従い、本出願は、米国仮特許出願シリアル番号62/879369(出願日2019年7月26日)の出願日の優先権を主張するものであり、当該出願の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
イントロダクション
身体において、最も大きい器官である皮膚は、複数の層から構成されており、生物学的なホメオスタシスにおいて重要な役割を担う。皮膚は、複数の機能を有しており、以下の機能を含む:温度制御、代謝機能(ビタミンD代謝)、及び免疫機能。哺乳類の皮膚は、2つの層を含み、表皮及び真皮を含む。表皮は皮膚の最も外側の層であり、環境に対するバリアとして寄与する。真皮は表皮の下の皮膚の層であり、そして、皮膚の付属器官のための場所を提供し、例えば、以下が含まれる:毛包、汗腺、皮脂腺、アポクリン腺、リンパ管、血管。真皮は、皮膚に対して強度及び弾力性をもたらし、これは、細胞外マトリクス又は結合組織を通してもたらされ、これらは以下から作られる:構造プロテイン(コラーゲン及びエラスチン)、専用プロテイン(フィブリン、フィブロネクチン及びラミニン)、及び、プロテオグリカン。表皮及び真皮は、基底膜、薄い繊維状の外マトリクスによって隔てられる。
毛は、プロテインフィラメントであり、これは、真皮に存在する毛包から増殖する。 毛は他のクラスの生命体から哺乳類を区別する主要なものである。毛は、寒さ及びUV照射から保護することができ、器官を泥及び汗からシールドし、そして、感覚機能を与えることができる。各毛は2つの分離された構造から作られる(毛幹及び毛包)。 毛幹は、以下を含む:皮膚の外側の可視部分。毛包は、毛が成長することができる元の器官であり、そして、発毛及び/又は育毛を制御し、当該制御は、ホルモン、神経ペプチド及び免疫細胞の間の複雑な相互作用を通して行われる。 毛包の組織学的な配置は、外毛根鞘及び内毛根鞘に分けられる。毛消失は、世界中の数億人の個人に影響する著しく知られた課題である。例えば、男性型脱毛症、又は、男性パターンの毛消失は、見積もりによると、50歳の90%超の男性及び65歳の50%超の女性にインパクトを与える。毛消失は、以下の結果により生じうる:皮膚の瘢痕(例えば、機械的な損傷又はやけどの後で)、又は、自己免疫状態(例えば、円形脱毛症)。
創傷治癒、又は、組織の治癒は、組織の再生を伴う生物学的なプロセスである。治癒のプロセスの間、ダメージを受けた又は破壊された組織は、生きた組織に置き換えられる。皮膚バリアが破壊されると、制御された一連の生物学的なイベントが活性化されダメージが修復される。こうしたプロセスは、様々な生物学的な構成要素によって制御され、例えば、成長因子、サイトカイン、及び、ケモカインを含み、そして、当該プロセスは、幾つかの構成要素を使用し、例えば、可溶性メディエーター、血球、細胞外マトリクス構成要素、及び、実質細胞を含む。創傷治癒は、概して、幾つかのステージを通して進行する。こうしたプロセスは、いくつかのフェーズに分割され、以下を含む:止血、炎症、増殖、及び、リモデリング。 創傷治癒のエンドポイントは以下を含むことができる:傷痕の形成。 皮膚の傷 は、常に、線維の傷痕組織を発生することで治癒を行い、これによって、外観的な毀損、成長制限、及び、永久的な機能消失が生じる可能性がある。様々なタイプの傷痕は、皮膚組織の修復の後で形成することができ、例えば、以下を含むことができる:「ノーマルな(normal)」精密なラインの、及び、アブノーマルな傷痕(以下を含む:広範な傷痕、 萎縮性瘢痕、瘢痕拘縮、肥厚性瘢痕、ケロイド瘢痕)。
概要
今のところ、瘢痕につながる線維的プロセスを防止又は回復させることに成功した戦略は存在しない。 瘢痕を減少させる試みにおいては、しばしば、線維形成的であることが知られている細胞集団の消失を伴うものであり、しかし、こうしたアプローチは、適切な治癒に必要な細胞を非特異的に除外することで、傷の修復を損なう、又は、遅らせる可能性がある。皮膚の再生は、通常の皮膚の3つの特徴が回復することによって定義されるが(1)2次的要素(例えば、皮膚付属器官)、2)ECM構造、及び、3)機械的強度)、これについては未だに達成されていない。
更には、皮膚の育毛・発毛の潜在的な回復のための効果的な治療法は存在しない。具体的には、毛包の再生を誘導することが証明された、標的分子薬剤は存在しない。最も効果的な既存の処理は、通常、脱毛症の影響を受けたエリアにおいて育毛・発毛皮膚を移植することを伴うものであり、こうしたアプローチは、移植可能な組織の入手可能性、ドナーサイトの罹患率及びコストによって制限を受ける。毛消失の影響をうけたエリアにおける新たな内因性の毛包の再生を促すことに成功した治療戦略は存在しない。
患者の皮膚の部位において創傷治癒を促進する方法を提供する。方法のある側面は以下を含むことができる:有効量のYAP阻害剤組成物を傷に投与して、傷におけるEngrailed-1系統陰性線維芽細胞(ENF)の機械的な活性化を調節し、ENFを介した創傷治癒を促進すること。また、以下を提供する:患者における創傷治癒の間、瘢痕を防止する方法、及び、患者に対して発毛及び/又は育毛を促進する方法。方法のある側面は以下を含むことができる:患者の皮膚の部位において傷を形成すること、及び、有効量のYAP阻害剤組成物を傷に投与して、傷におけるEngrailed-1系統陰性線維芽細胞(ENF)の機械的な活性化を調節し、ENFを介した創傷治癒を促進すること。また、以下を提供する:ある量のYAP阻害剤組成物と組織破壊装置とを含むキット。
図1、A-Iは、真皮深部のENFがEngrailed-1を活性化し、生後の瘢痕コラーゲン沈着に寄与することを示している。(A)細胞移植、生着、および創傷実験を示す模式図。(B) 無傷の皮膚(上段)への移植後、又は、切除生検創傷(下段)の前の移植後の、Engrailed-1陽性線維芽細胞(EPF、左列)およびEngrailed-1陰性線維芽細胞(ENF、右列)の蛍光イメージング。(C)移植と創傷を受けたENF(赤)と、移植後の創傷内のENFのEPFへの転換に由来する出生後のEPF(pEPF、緑)の組織像;I型コラーゲン(col-I)の免疫染色は白で示す。上図は合成;下左図はENFとEPF、下右図はcol-I染色。N=3の ENFとEPFを投与したマウス、2個の創傷/マウス。(D) 上部:(C)に示した共焦点イメージングの3D再構成、Imarisソフトウェアを使用して作成(ENF、赤;pEPF、緑;col-I、白)。下:col-I染色と(ENF)またはGFP(pEPF)シグナルの間のシグナルの共焦点化の定量化。点は傷ごとの平均を表す。N = 5-6 傷、*P = 0.0335。(E)創傷治癒中のEn-1活性化の時間的に定義された評価のためのEn1Cre-ERT;Ai6マウスの創傷に続くタモキシフェン誘導を示す模式図。(F) タモキシフェン誘導En1Cre-ERT;Ai6マウスからの未創傷皮膚(上段)および治癒した傷(POD 14;下段)の組織学。ここではGFP+ 細胞(EPF、緑)が、創傷治癒中に活性化したEn-1発現から必然的に生じた(白抜き矢印)。Dlk-1(赤)およびcol-I(白)の免疫染色;DAPI青。N = 4マウス、2個の創傷/マウス。(G)出生後のEn-1活性化機構の提案。真皮(上)に存在するENF(赤)は、創傷特異的なキューにさらされると、pEPF(赤から緑の細胞;中)を生じる。これらのpEPFは胚由来のEPF(eEPF)と共に、瘢痕化した傷の修復を媒介する(下)。(H) 3種類のENFサブタイプの分離と、各サブタイプに対する創傷前の別途移植を示す模式図。(I) 乳頭型(CD26+ 、左)、網状型(Dlk1+ Sca1- 、中)、皮下型(Dlk1+/- Sca1+ 、右)の ENF(白)を mTomato 発現レシピエントマウス(赤)に移植して傷をつけたところ、網状型 ENF のみが pEPF(緑、白 矢印)を発生させることをしめす。DAPI、青。N = 3である各ENF サブタイプを受け取ったマウス、1個の創傷/マウス。
図1、A-Iは、真皮深部のENFがEngrailed-1を活性化し、生後の瘢痕コラーゲン沈着に寄与することを示している。(A)細胞移植、生着、および創傷実験を示す模式図。(B) 無傷の皮膚(上段)への移植後、又は、切除生検創傷(下段)の前の移植後の、Engrailed-1陽性線維芽細胞(EPF、左列)およびEngrailed-1陰性線維芽細胞(ENF、右列)の蛍光イメージング。(C)移植と創傷を受けたENF(赤)と、移植後の創傷内のENFのEPFへの転換に由来する出生後のEPF(pEPF、緑)の組織像;I型コラーゲン(col-I)の免疫染色は白で示す。上図は合成;下左図はENFとEPF、下右図はcol-I染色。N=3の ENFとEPFを投与したマウス、2個の創傷/マウス。(D) 上部:(C)に示した共焦点イメージングの3D再構成、Imarisソフトウェアを使用して作成(ENF、赤;pEPF、緑;col-I、白)。下:col-I染色と(ENF)またはGFP(pEPF)シグナルの間のシグナルの共焦点化の定量化。点は傷ごとの平均を表す。N = 5-6 傷、*P = 0.0335。(E)創傷治癒中のEn-1活性化の時間的に定義された評価のためのEn1Cre-ERT;Ai6マウスの創傷に続くタモキシフェン誘導を示す模式図。(F) タモキシフェン誘導En1Cre-ERT;Ai6マウスからの未創傷皮膚(上段)および治癒した傷(POD 14;下段)の組織学。ここではGFP+ 細胞(EPF、緑)が、創傷治癒中に活性化したEn-1発現から必然的に生じた(白抜き矢印)。Dlk-1(赤)およびcol-I(白)の免疫染色;DAPI青。N = 4マウス、2個の創傷/マウス。(G)出生後のEn-1活性化機構の提案。真皮(上)に存在するENF(赤)は、創傷特異的なキューにさらされると、pEPF(赤から緑の細胞;中)を生じる。これらのpEPFは胚由来のEPF(eEPF)と共に、瘢痕化した傷の修復を媒介する(下)。(H) 3種類のENFサブタイプの分離と、各サブタイプに対する創傷前の別途移植を示す模式図。(I) 乳頭型(CD26+ 、左)、網状型(Dlk1+ Sca1- 、中)、皮下型(Dlk1+/- Sca1+ 、右)の ENF(白)を mTomato 発現レシピエントマウス(赤)に移植して傷をつけたところ、網状型 ENF のみが pEPF(緑、白 矢印)を発生させることをしめす。DAPI、青。N = 3である各ENF サブタイプを受け取ったマウス、1個の創傷/マウス。
図1、A-Iは、真皮深部のENFがEngrailed-1を活性化し、生後の瘢痕コラーゲン沈着に寄与することを示している。(A)細胞移植、生着、および創傷実験を示す模式図。(B) 無傷の皮膚(上段)への移植後、又は、切除生検創傷(下段)の前の移植後の、Engrailed-1陽性線維芽細胞(EPF、左列)およびEngrailed-1陰性線維芽細胞(ENF、右列)の蛍光イメージング。(C)移植と創傷を受けたENF(赤)と、移植後の創傷内のENFのEPFへの転換に由来する出生後のEPF(pEPF、緑)の組織像;I型コラーゲン(col-I)の免疫染色は白で示す。上図は合成;下左図はENFとEPF、下右図はcol-I染色。N=3の ENFとEPFを投与したマウス、2個の創傷/マウス。(D) 上部:(C)に示した共焦点イメージングの3D再構成、Imarisソフトウェアを使用して作成(ENF、赤;pEPF、緑;col-I、白)。下:col-I染色と(ENF)またはGFP(pEPF)シグナルの間のシグナルの共焦点化の定量化。点は傷ごとの平均を表す。N = 5-6 傷、*P = 0.0335。(E)創傷治癒中のEn-1活性化の時間的に定義された評価のためのEn1Cre-ERT;Ai6マウスの創傷に続くタモキシフェン誘導を示す模式図。(F) タモキシフェン誘導En1Cre-ERT;Ai6マウスからの未創傷皮膚(上段)および治癒した傷(POD 14;下段)の組織学。ここではGFP+ 細胞(EPF、緑)が、創傷治癒中に活性化したEn-1発現から必然的に生じた(白抜き矢印)。Dlk-1(赤)およびcol-I(白)の免疫染色;DAPI青。N = 4マウス、2個の創傷/マウス。(G)出生後のEn-1活性化機構の提案。真皮(上)に存在するENF(赤)は、創傷特異的なキューにさらされると、pEPF(赤から緑の細胞;中)を生じる。これらのpEPFは胚由来のEPF(eEPF)と共に、瘢痕化した傷の修復を媒介する(下)。(H) 3種類のENFサブタイプの分離と、各サブタイプに対する創傷前の別途移植を示す模式図。(I) 乳頭型(CD26+ 、左)、網状型(Dlk1+ Sca1- 、中)、皮下型(Dlk1+/- Sca1+ 、右)の ENF(白)を mTomato 発現レシピエントマウス(赤)に移植して傷をつけたところ、網状型 ENF のみが pEPF(緑、白 矢印)を発生させることをしめす。DAPI、青。N = 3である各ENF サブタイプを受け取ったマウス、1個の創傷/マウス。
図1、A-Iは、真皮深部のENFがEngrailed-1を活性化し、生後の瘢痕コラーゲン沈着に寄与することを示している。(A)細胞移植、生着、および創傷実験を示す模式図。(B) 無傷の皮膚(上段)への移植後、又は、切除生検創傷(下段)の前の移植後の、Engrailed-1陽性線維芽細胞(EPF、左列)およびEngrailed-1陰性線維芽細胞(ENF、右列)の蛍光イメージング。(C)移植と創傷を受けたENF(赤)と、移植後の創傷内のENFのEPFへの転換に由来する出生後のEPF(pEPF、緑)の組織像;I型コラーゲン(col-I)の免疫染色は白で示す。上図は合成;下左図はENFとEPF、下右図はcol-I染色。N=3の ENFとEPFを投与したマウス、2個の創傷/マウス。(D) 上部:(C)に示した共焦点イメージングの3D再構成、Imarisソフトウェアを使用して作成(ENF、赤;pEPF、緑;col-I、白)。下:col-I染色と(ENF)またはGFP(pEPF)シグナルの間のシグナルの共焦点化の定量化。点は傷ごとの平均を表す。N = 5-6 傷、*P = 0.0335。(E)創傷治癒中のEn-1活性化の時間的に定義された評価のためのEn1Cre-ERT;Ai6マウスの創傷に続くタモキシフェン誘導を示す模式図。(F) タモキシフェン誘導En1Cre-ERT;Ai6マウスからの未創傷皮膚(上段)および治癒した傷(POD 14;下段)の組織学。ここではGFP+ 細胞(EPF、緑)が、創傷治癒中に活性化したEn-1発現から必然的に生じた(白抜き矢印)。Dlk-1(赤)およびcol-I(白)の免疫染色;DAPI青。N = 4マウス、2個の創傷/マウス。(G)出生後のEn-1活性化機構の提案。真皮(上)に存在するENF(赤)は、創傷特異的なキューにさらされると、pEPF(赤から緑の細胞;中)を生じる。これらのpEPFは胚由来のEPF(eEPF)と共に、瘢痕化した傷の修復を媒介する(下)。(H) 3種類のENFサブタイプの分離と、各サブタイプに対する創傷前の別途移植を示す模式図。(I) 乳頭型(CD26+ 、左)、網状型(Dlk1+ Sca1- 、中)、皮下型(Dlk1+/- Sca1+ 、右)の ENF(白)を mTomato 発現レシピエントマウス(赤)に移植して傷をつけたところ、網状型 ENF のみが pEPF(緑、白 矢印)を発生させることをしめす。DAPI、青。N = 3である各ENF サブタイプを受け取ったマウス、1個の創傷/マウス。
図1、A-Iは、真皮深部のENFがEngrailed-1を活性化し、生後の瘢痕コラーゲン沈着に寄与することを示している。(A)細胞移植、生着、および創傷実験を示す模式図。(B) 無傷の皮膚(上段)への移植後、又は、切除生検創傷(下段)の前の移植後の、Engrailed-1陽性線維芽細胞(EPF、左列)およびEngrailed-1陰性線維芽細胞(ENF、右列)の蛍光イメージング。(C)移植と創傷を受けたENF(赤)と、移植後の創傷内のENFのEPFへの転換に由来する出生後のEPF(pEPF、緑)の組織像;I型コラーゲン(col-I)の免疫染色は白で示す。上図は合成;下左図はENFとEPF、下右図はcol-I染色。N=3の ENFとEPFを投与したマウス、2個の創傷/マウス。(D) 上部:(C)に示した共焦点イメージングの3D再構成、Imarisソフトウェアを使用して作成(ENF、赤;pEPF、緑;col-I、白)。下:col-I染色と(ENF)またはGFP(pEPF)シグナルの間のシグナルの共焦点化の定量化。点は傷ごとの平均を表す。N = 5-6 傷、*P = 0.0335。(E)創傷治癒中のEn-1活性化の時間的に定義された評価のためのEn1Cre-ERT;Ai6マウスの創傷に続くタモキシフェン誘導を示す模式図。(F) タモキシフェン誘導En1Cre-ERT;Ai6マウスからの未創傷皮膚(上段)および治癒した傷(POD 14;下段)の組織学。ここではGFP+ 細胞(EPF、緑)が、創傷治癒中に活性化したEn-1発現から必然的に生じた(白抜き矢印)。Dlk-1(赤)およびcol-I(白)の免疫染色;DAPI青。N = 4マウス、2個の創傷/マウス。(G)出生後のEn-1活性化機構の提案。真皮(上)に存在するENF(赤)は、創傷特異的なキューにさらされると、pEPF(赤から緑の細胞;中)を生じる。これらのpEPFは胚由来のEPF(eEPF)と共に、瘢痕化した傷の修復を媒介する(下)。(H) 3種類のENFサブタイプの分離と、各サブタイプに対する創傷前の別途移植を示す模式図。(I) 乳頭型(CD26+ 、左)、網状型(Dlk1+ Sca1- 、中)、皮下型(Dlk1+/- Sca1+ 、右)の ENF(白)を mTomato 発現レシピエントマウス(赤)に移植して傷をつけたところ、網状型 ENF のみが pEPF(緑、白 矢印)を発生させることをしめす。DAPI、青。N = 3である各ENF サブタイプを受け取ったマウス、1個の創傷/マウス。
図1、A-Iは、真皮深部のENFがEngrailed-1を活性化し、生後の瘢痕コラーゲン沈着に寄与することを示している。(A)細胞移植、生着、および創傷実験を示す模式図。(B) 無傷の皮膚(上段)への移植後、又は、切除生検創傷(下段)の前の移植後の、Engrailed-1陽性線維芽細胞(EPF、左列)およびEngrailed-1陰性線維芽細胞(ENF、右列)の蛍光イメージング。(C)移植と創傷を受けたENF(赤)と、移植後の創傷内のENFのEPFへの転換に由来する出生後のEPF(pEPF、緑)の組織像;I型コラーゲン(col-I)の免疫染色は白で示す。上図は合成;下左図はENFとEPF、下右図はcol-I染色。N=3の ENFとEPFを投与したマウス、2個の創傷/マウス。(D) 上部:(C)に示した共焦点イメージングの3D再構成、Imarisソフトウェアを使用して作成(ENF、赤;pEPF、緑;col-I、白)。下:col-I染色と(ENF)またはGFP(pEPF)シグナルの間のシグナルの共焦点化の定量化。点は傷ごとの平均を表す。N = 5-6 傷、*P = 0.0335。(E)創傷治癒中のEn-1活性化の時間的に定義された評価のためのEn1Cre-ERT;Ai6マウスの創傷に続くタモキシフェン誘導を示す模式図。(F) タモキシフェン誘導En1Cre-ERT;Ai6マウスからの未創傷皮膚(上段)および治癒した傷(POD 14;下段)の組織学。ここではGFP+ 細胞(EPF、緑)が、創傷治癒中に活性化したEn-1発現から必然的に生じた(白抜き矢印)。Dlk-1(赤)およびcol-I(白)の免疫染色;DAPI青。N = 4マウス、2個の創傷/マウス。(G)出生後のEn-1活性化機構の提案。真皮(上)に存在するENF(赤)は、創傷特異的なキューにさらされると、pEPF(赤から緑の細胞;中)を生じる。これらのpEPFは胚由来のEPF(eEPF)と共に、瘢痕化した傷の修復を媒介する(下)。(H) 3種類のENFサブタイプの分離と、各サブタイプに対する創傷前の別途移植を示す模式図。(I) 乳頭型(CD26+ 、左)、網状型(Dlk1+ Sca1- 、中)、皮下型(Dlk1+/- Sca1+ 、右)の ENF(白)を mTomato 発現レシピエントマウス(赤)に移植して傷をつけたところ、網状型 ENF のみが pEPF(緑、白 矢印)を発生させることをしめす。DAPI、青。N = 3である各ENF サブタイプを受け取ったマウス、1個の創傷/マウス。
図2、A-Iは、網状真皮ENFが、in vitroおよびin vivoの基質の力学に応答して、標準的なメカノトランスダクションシグナルを介してEngrailed-1を活性化することを示している。(A)硬いプラスチック(ROCK阻害剤Y-27632を含む、または含まない、上)または柔らかいハイドロゲル(下)という様々な力学的特性を持つ基質上でのENFの単離と培養。(B) 硬い TCPS(左列)、ROCK 阻害剤(Y-27632)を含む TCPS(中列)、または柔らかいハイドロゲル(右列)で 1 日(上段)または 14 日(下段)培養後の ENF は、ENF(赤)から pEPF(緑)への様々な変換が起こっていることを示す。(C) 異なる基質上での培養で、時間とともにEPFに変換されたENFのパーセンテージの定量化。別々の産毛(litters)に由来するP1 ENFを用いたN = 3の反復実験。(D) ROCK阻害剤(Y-27632)添加または無添加の硬い基質(TCPS)上でのENFサブ集団の分画および培養を示す模式図。(E) メカノトランスダクション阻害剤を使用した(下段)、または使用しない(上段)TCPS上での14日間培養後の乳頭状(左列)、網状(中列)、皮下(右列)ENF、TCPS上の網状皮下ENFでのみEn-1活性化(GFP、緑)を示す(上段、中段パネル)。別々の産毛に由来するP1 ENFを用いた、N=3の反復実験。(F) 標準的なメカノトランスダクションシグナル伝達経路の模式図。機械的な力は、FAKとその下流のRhoおよびROCKの活性化を通じてシグナル伝達される。Verteporfinは、この経路の最終転写エフェクターであるYAPを阻害することにより、メカノトランスダクションを阻害する。(G) 左パネル:背部創傷に張力を加える戦略を示す模式図。右側のパネル:コントロールの偽薬(左写真)、張力の増加(中央写真)の適用、張力の増加の適用とVerteporfin処理(右写真)の後に治癒した背側切開創の肉眼写真。(H)En-1Cre-ERT;Ai6マウスのコントロール(左列)、張力処理(中列)、及び張力とVerteporfin処理(右列)の創傷の蛍光組織学は、張力の増加に伴うpEPF(緑色)の増加を示す。α-SMA(赤)およびYAP(白)の免疫蛍光染色;DAPI、青。下段は個々のチャンネル、上段は統合。(I) 20倍高倍率視野(HPF)あたりのGFP+細胞(pEPF;上段)およびYAP+細胞(下段)の定量化。(G-I) N = 4-5マウス/条件。
図2、A-Iは、網状真皮ENFが、in vitroおよびin vivoの基質の力学に応答して、標準的なメカノトランスダクションシグナルを介してEngrailed-1を活性化することを示している。(A)硬いプラスチック(ROCK阻害剤Y-27632を含む、または含まない、上)または柔らかいハイドロゲル(下)という様々な力学的特性を持つ基質上でのENFの単離と培養。(B) 硬い TCPS(左列)、ROCK 阻害剤(Y-27632)を含む TCPS(中列)、または柔らかいハイドロゲル(右列)で 1 日(上段)または 14 日(下段)培養後の ENF は、ENF(赤)から pEPF(緑)への様々な変換が起こっていることを示す。(C) 異なる基質上での培養で、時間とともにEPFに変換されたENFのパーセンテージの定量化。別々の産毛(litters)に由来するP1 ENFを用いたN = 3の反復実験。(D) ROCK阻害剤(Y-27632)添加または無添加の硬い基質(TCPS)上でのENFサブ集団の分画および培養を示す模式図。(E) メカノトランスダクション阻害剤を使用した(下段)、または使用しない(上段)TCPS上での14日間培養後の乳頭状(左列)、網状(中列)、皮下(右列)ENF、TCPS上の網状皮下ENFでのみEn-1活性化(GFP、緑)を示す(上段、中段パネル)。別々の産毛に由来するP1 ENFを用いた、N=3の反復実験。(F) 標準的なメカノトランスダクションシグナル伝達経路の模式図。機械的な力は、FAKとその下流のRhoおよびROCKの活性化を通じてシグナル伝達される。Verteporfinは、この経路の最終転写エフェクターであるYAPを阻害することにより、メカノトランスダクションを阻害する。(G) 左パネル:背部創傷に張力を加える戦略を示す模式図。右側のパネル:コントロールの偽薬(左写真)、張力の増加(中央写真)の適用、張力の増加の適用とVerteporfin処理(右写真)の後に治癒した背側切開創の肉眼写真。(H)En-1Cre-ERT;Ai6マウスのコントロール(左列)、張力処理(中列)、及び張力とVerteporfin処理(右列)の創傷の蛍光組織学は、張力の増加に伴うpEPF(緑色)の増加を示す。α-SMA(赤)およびYAP(白)の免疫蛍光染色;DAPI、青。下段は個々のチャンネル、上段は統合。(I) 20倍高倍率視野(HPF)あたりのGFP+細胞(pEPF;上段)およびYAP+細胞(下段)の定量化。(G-I) N = 4-5マウス/条件。
図2、A-Iは、網状真皮ENFが、in vitroおよびin vivoの基質の力学に応答して、標準的なメカノトランスダクションシグナルを介してEngrailed-1を活性化することを示している。(A)硬いプラスチック(ROCK阻害剤Y-27632を含む、または含まない、上)または柔らかいハイドロゲル(下)という様々な力学的特性を持つ基質上でのENFの単離と培養。(B) 硬い TCPS(左列)、ROCK 阻害剤(Y-27632)を含む TCPS(中列)、または柔らかいハイドロゲル(右列)で 1 日(上段)または 14 日(下段)培養後の ENF は、ENF(赤)から pEPF(緑)への様々な変換が起こっていることを示す。(C) 異なる基質上での培養で、時間とともにEPFに変換されたENFのパーセンテージの定量化。別々の産毛(litters)に由来するP1 ENFを用いたN = 3の反復実験。(D) ROCK阻害剤(Y-27632)添加または無添加の硬い基質(TCPS)上でのENFサブ集団の分画および培養を示す模式図。(E) メカノトランスダクション阻害剤を使用した(下段)、または使用しない(上段)TCPS上での14日間培養後の乳頭状(左列)、網状(中列)、皮下(右列)ENF、TCPS上の網状皮下ENFでのみEn-1活性化(GFP、緑)を示す(上段、中段パネル)。別々の産毛に由来するP1 ENFを用いた、N=3の反復実験。(F) 標準的なメカノトランスダクションシグナル伝達経路の模式図。機械的な力は、FAKとその下流のRhoおよびROCKの活性化を通じてシグナル伝達される。Verteporfinは、この経路の最終転写エフェクターであるYAPを阻害することにより、メカノトランスダクションを阻害する。(G) 左パネル:背部創傷に張力を加える戦略を示す模式図。右側のパネル:コントロールの偽薬(左写真)、張力の増加(中央写真)の適用、張力の増加の適用とVerteporfin処理(右写真)の後に治癒した背側切開創の肉眼写真。(H)En-1Cre-ERT;Ai6マウスのコントロール(左列)、張力処理(中列)、及び張力とVerteporfin処理(右列)の創傷の蛍光組織学は、張力の増加に伴うpEPF(緑色)の増加を示す。α-SMA(赤)およびYAP(白)の免疫蛍光染色;DAPI、青。下段は個々のチャンネル、上段は統合。(I) 20倍高倍率視野(HPF)あたりのGFP+細胞(pEPF;上段)およびYAP+細胞(下段)の定量化。(G-I) N = 4-5マウス/条件。
図2、A-Iは、網状真皮ENFが、in vitroおよびin vivoの基質の力学に応答して、標準的なメカノトランスダクションシグナルを介してEngrailed-1を活性化することを示している。(A)硬いプラスチック(ROCK阻害剤Y-27632を含む、または含まない、上)または柔らかいハイドロゲル(下)という様々な力学的特性を持つ基質上でのENFの単離と培養。(B) 硬い TCPS(左列)、ROCK 阻害剤(Y-27632)を含む TCPS(中列)、または柔らかいハイドロゲル(右列)で 1 日(上段)または 14 日(下段)培養後の ENF は、ENF(赤)から pEPF(緑)への様々な変換が起こっていることを示す。(C) 異なる基質上での培養で、時間とともにEPFに変換されたENFのパーセンテージの定量化。別々の産毛(litters)に由来するP1 ENFを用いたN = 3の反復実験。(D) ROCK阻害剤(Y-27632)添加または無添加の硬い基質(TCPS)上でのENFサブ集団の分画および培養を示す模式図。(E) メカノトランスダクション阻害剤を使用した(下段)、または使用しない(上段)TCPS上での14日間培養後の乳頭状(左列)、網状(中列)、皮下(右列)ENF、TCPS上の網状皮下ENFでのみEn-1活性化(GFP、緑)を示す(上段、中段パネル)。別々の産毛に由来するP1 ENFを用いた、N=3の反復実験。(F) 標準的なメカノトランスダクションシグナル伝達経路の模式図。機械的な力は、FAKとその下流のRhoおよびROCKの活性化を通じてシグナル伝達される。Verteporfinは、この経路の最終転写エフェクターであるYAPを阻害することにより、メカノトランスダクションを阻害する。(G) 左パネル:背部創傷に張力を加える戦略を示す模式図。右側のパネル:コントロールの偽薬(左写真)、張力の増加(中央写真)の適用、張力の増加の適用とVerteporfin処理(右写真)の後に治癒した背側切開創の肉眼写真。(H)En-1Cre-ERT;Ai6マウスのコントロール(左列)、張力処理(中列)、及び張力とVerteporfin処理(右列)の創傷の蛍光組織学は、張力の増加に伴うpEPF(緑色)の増加を示す。α-SMA(赤)およびYAP(白)の免疫蛍光染色;DAPI、青。下段は個々のチャンネル、上段は統合。(I) 20倍高倍率視野(HPF)あたりのGFP+細胞(pEPF;上段)およびYAP+細胞(下段)の定量化。(G-I) N = 4-5マウス/条件。
図2、A-Iは、網状真皮ENFが、in vitroおよびin vivoの基質の力学に応答して、標準的なメカノトランスダクションシグナルを介してEngrailed-1を活性化することを示している。(A)硬いプラスチック(ROCK阻害剤Y-27632を含む、または含まない、上)または柔らかいハイドロゲル(下)という様々な力学的特性を持つ基質上でのENFの単離と培養。(B) 硬い TCPS(左列)、ROCK 阻害剤(Y-27632)を含む TCPS(中列)、または柔らかいハイドロゲル(右列)で 1 日(上段)または 14 日(下段)培養後の ENF は、ENF(赤)から pEPF(緑)への様々な変換が起こっていることを示す。(C) 異なる基質上での培養で、時間とともにEPFに変換されたENFのパーセンテージの定量化。別々の産毛(litters)に由来するP1 ENFを用いたN = 3の反復実験。(D) ROCK阻害剤(Y-27632)添加または無添加の硬い基質(TCPS)上でのENFサブ集団の分画および培養を示す模式図。(E) メカノトランスダクション阻害剤を使用した(下段)、または使用しない(上段)TCPS上での14日間培養後の乳頭状(左列)、網状(中列)、皮下(右列)ENF、TCPS上の網状皮下ENFでのみEn-1活性化(GFP、緑)を示す(上段、中段パネル)。別々の産毛に由来するP1 ENFを用いた、N=3の反復実験。(F) 標準的なメカノトランスダクションシグナル伝達経路の模式図。機械的な力は、FAKとその下流のRhoおよびROCKの活性化を通じてシグナル伝達される。Verteporfinは、この経路の最終転写エフェクターであるYAPを阻害することにより、メカノトランスダクションを阻害する。(G) 左パネル:背部創傷に張力を加える戦略を示す模式図。右側のパネル:コントロールの偽薬(左写真)、張力の増加(中央写真)の適用、張力の増加の適用とVerteporfin処理(右写真)の後に治癒した背側切開創の肉眼写真。(H)En-1Cre-ERT;Ai6マウスのコントロール(左列)、張力処理(中列)、及び張力とVerteporfin処理(右列)の創傷の蛍光組織学は、張力の増加に伴うpEPF(緑色)の増加を示す。α-SMA(赤)およびYAP(白)の免疫蛍光染色;DAPI、青。下段は個々のチャンネル、上段は統合。(I) 20倍高倍率視野(HPF)あたりのGFP+細胞(pEPF;上段)およびYAP+細胞(下段)の定量化。(G-I) N = 4-5マウス/条件。
図2、A-Iは、網状真皮ENFが、in vitroおよびin vivoの基質の力学に応答して、標準的なメカノトランスダクションシグナルを介してEngrailed-1を活性化することを示している。(A)硬いプラスチック(ROCK阻害剤Y-27632を含む、または含まない、上)または柔らかいハイドロゲル(下)という様々な力学的特性を持つ基質上でのENFの単離と培養。(B) 硬い TCPS(左列)、ROCK 阻害剤(Y-27632)を含む TCPS(中列)、または柔らかいハイドロゲル(右列)で 1 日(上段)または 14 日(下段)培養後の ENF は、ENF(赤)から pEPF(緑)への様々な変換が起こっていることを示す。(C) 異なる基質上での培養で、時間とともにEPFに変換されたENFのパーセンテージの定量化。別々の産毛(litters)に由来するP1 ENFを用いたN = 3の反復実験。(D) ROCK阻害剤(Y-27632)添加または無添加の硬い基質(TCPS)上でのENFサブ集団の分画および培養を示す模式図。(E) メカノトランスダクション阻害剤を使用した(下段)、または使用しない(上段)TCPS上での14日間培養後の乳頭状(左列)、網状(中列)、皮下(右列)ENF、TCPS上の網状皮下ENFでのみEn-1活性化(GFP、緑)を示す(上段、中段パネル)。別々の産毛に由来するP1 ENFを用いた、N=3の反復実験。(F) 標準的なメカノトランスダクションシグナル伝達経路の模式図。機械的な力は、FAKとその下流のRhoおよびROCKの活性化を通じてシグナル伝達される。Verteporfinは、この経路の最終転写エフェクターであるYAPを阻害することにより、メカノトランスダクションを阻害する。(G) 左パネル:背部創傷に張力を加える戦略を示す模式図。右側のパネル:コントロールの偽薬(左写真)、張力の増加(中央写真)の適用、張力の増加の適用とVerteporfin処理(右写真)の後に治癒した背側切開創の肉眼写真。(H)En-1Cre-ERT;Ai6マウスのコントロール(左列)、張力処理(中列)、及び張力とVerteporfin処理(右列)の創傷の蛍光組織学は、張力の増加に伴うpEPF(緑色)の増加を示す。α-SMA(赤)およびYAP(白)の免疫蛍光染色;DAPI、青。下段は個々のチャンネル、上段は統合。(I) 20倍高倍率視野(HPF)あたりのGFP+細胞(pEPF;上段)およびYAP+細胞(下段)の定量化。(G-I) N = 4-5マウス/条件。
図3、A-Lは、Dlk1+ ENFの機械的活性化が、線維化転写シグネチャーと関連していることを示している。(A)2、7、または14日間in vitroで培養したバルクENFの概略図。(B)2日目と比較して培養14日目に有意にアップレギュレート(>4倍)またはダウンレギュレート(<1/4倍)された920遺伝子の遺伝子発現ヒートマップと階層的クラスタリング。培養2、7、14日目、またはVerteporfin(Vert)処理(紫のボックス)した培養14日目の値を示す(プロットの下部のラベル)。(C) (B)で示した920の差次的発現遺伝子のボルケーノプロット(14日目 vs. 2日目)。(D)Vert処理あり/なしでの、異なるタイムポイントの培養ENFのRNA-seqデータの主成分分析(PCA)。各タイムポイントおよび条件におけるクラスターを楕円で示す。(E)Vert処理有無による培養14日目のENFについて、(B)で描いた有意にアップレギュレートした遺伝子(上の図)またはダウンレギュレートした遺伝子(下の図)に対するGO項目(term)エンリッチメントを示す。(F)線維化およびECM沈着に以前から関与している選択された遺伝子の相対的発現を示すヒートマップ。Dlk1は、7日目のENFで発現がアップレギュレートされた(赤枠)。線維化促進/マトリックス遺伝子は、14日目に大幅にアップレギュレートされた(緑色のボックス);これらの変化は、Vert処理で緩和された(紫色のボックス)。N = 2生物学的繰り返し/実験グループ(2つの別々の産毛からプールしたENF、各10匹の子供)。(G) RNA-seqのための瘢痕pEPF、瘢痕および無傷の皮膚eEPFおよびENFの分離を示す概略図。(H)傷のない皮膚(uninj)と比較して傷(inj)のENF、eEPF、またはpEPFで有意にアップレギュレートまたはダウンレギュレートされた1,138遺伝子のヒートマップと階層的クラスタリング。(I) (H)で描いた1,138個の差次的発現遺伝子を示すボルケーノプロット。個々のプロットにラベルを付け(右上隅)、各プロットで比較を示した。(J) 傷ついた皮膚と傷ついてない皮膚からのpEPF、eEPF、およびENFについてのRNA-seqデータのPCA。(K) 各細胞タイプにおけるDpp4 (CD26; 左パネル)、Jag1 (中央パネル)、およびDll1 (右パネル) の遺伝子数の比較。(L)ENF(左パネル)またはEPF(右パネル)アイデンティティと関連することが以前に報告された選択された遺伝子の相対的発現を示すヒートマップ。N = 2生物学的繰り返し/実験グループ(6匹のマウスからの24個の瘢痕と6個の無傷の皮膚片をそれぞれ2つのグループにプールした)。緑色のボックスはEPF集団(pEPF、injおよびuninj eEPF)、赤色のボックスはENF(injおよびuninj ENF)。
図3、A-Lは、Dlk1+ ENFの機械的活性化が、線維化転写シグネチャーと関連していることを示している。(A)2、7、または14日間in vitroで培養したバルクENFの概略図。(B)2日目と比較して培養14日目に有意にアップレギュレート(>4倍)またはダウンレギュレート(<1/4倍)された920遺伝子の遺伝子発現ヒートマップと階層的クラスタリング。培養2、7、14日目、またはVerteporfin(Vert)処理(紫のボックス)した培養14日目の値を示す(プロットの下部のラベル)。(C) (B)で示した920の差次的発現遺伝子のボルケーノプロット(14日目 vs. 2日目)。(D)Vert処理あり/なしでの、異なるタイムポイントの培養ENFのRNA-seqデータの主成分分析(PCA)。各タイムポイントおよび条件におけるクラスターを楕円で示す。(E)Vert処理有無による培養14日目のENFについて、(B)で描いた有意にアップレギュレートした遺伝子(上の図)またはダウンレギュレートした遺伝子(下の図)に対するGO項目(term)エンリッチメントを示す。(F)線維化およびECM沈着に以前から関与している選択された遺伝子の相対的発現を示すヒートマップ。Dlk1は、7日目のENFで発現がアップレギュレートされた(赤枠)。線維化促進/マトリックス遺伝子は、14日目に大幅にアップレギュレートされた(緑色のボックス);これらの変化は、Vert処理で緩和された(紫色のボックス)。N = 2生物学的繰り返し/実験グループ(2つの別々の産毛からプールしたENF、各10匹の子供)。(G) RNA-seqのための瘢痕pEPF、瘢痕および無傷の皮膚eEPFおよびENFの分離を示す概略図。(H)傷のない皮膚(uninj)と比較して傷(inj)のENF、eEPF、またはpEPFで有意にアップレギュレートまたはダウンレギュレートされた1,138遺伝子のヒートマップと階層的クラスタリング。(I) (H)で描いた1,138個の差次的発現遺伝子を示すボルケーノプロット。個々のプロットにラベルを付け(右上隅)、各プロットで比較を示した。(J) 傷ついた皮膚と傷ついてない皮膚からのpEPF、eEPF、およびENFについてのRNA-seqデータのPCA。(K) 各細胞タイプにおけるDpp4 (CD26; 左パネル)、Jag1 (中央パネル)、およびDll1 (右パネル) の遺伝子数の比較。(L)ENF(左パネル)またはEPF(右パネル)アイデンティティと関連することが以前に報告された選択された遺伝子の相対的発現を示すヒートマップ。N = 2生物学的繰り返し/実験グループ(6匹のマウスからの24個の瘢痕と6個の無傷の皮膚片をそれぞれ2つのグループにプールした)。緑色のボックスはEPF集団(pEPF、injおよびuninj eEPF)、赤色のボックスはENF(injおよびuninj ENF)。
図3、A-Lは、Dlk1+ ENFの機械的活性化が、線維化転写シグネチャーと関連していることを示している。(A)2、7、または14日間in vitroで培養したバルクENFの概略図。(B)2日目と比較して培養14日目に有意にアップレギュレート(>4倍)またはダウンレギュレート(<1/4倍)された920遺伝子の遺伝子発現ヒートマップと階層的クラスタリング。培養2、7、14日目、またはVerteporfin(Vert)処理(紫のボックス)した培養14日目の値を示す(プロットの下部のラベル)。(C) (B)で示した920の差次的発現遺伝子のボルケーノプロット(14日目 vs. 2日目)。(D)Vert処理あり/なしでの、異なるタイムポイントの培養ENFのRNA-seqデータの主成分分析(PCA)。各タイムポイントおよび条件におけるクラスターを楕円で示す。(E)Vert処理有無による培養14日目のENFについて、(B)で描いた有意にアップレギュレートした遺伝子(上の図)またはダウンレギュレートした遺伝子(下の図)に対するGO項目(term)エンリッチメントを示す。(F)線維化およびECM沈着に以前から関与している選択された遺伝子の相対的発現を示すヒートマップ。Dlk1は、7日目のENFで発現がアップレギュレートされた(赤枠)。線維化促進/マトリックス遺伝子は、14日目に大幅にアップレギュレートされた(緑色のボックス);これらの変化は、Vert処理で緩和された(紫色のボックス)。N = 2生物学的繰り返し/実験グループ(2つの別々の産毛からプールしたENF、各10匹の子供)。(G) RNA-seqのための瘢痕pEPF、瘢痕および無傷の皮膚eEPFおよびENFの分離を示す概略図。(H)傷のない皮膚(uninj)と比較して傷(inj)のENF、eEPF、またはpEPFで有意にアップレギュレートまたはダウンレギュレートされた1,138遺伝子のヒートマップと階層的クラスタリング。(I) (H)で描いた1,138個の差次的発現遺伝子を示すボルケーノプロット。個々のプロットにラベルを付け(右上隅)、各プロットで比較を示した。(J) 傷ついた皮膚と傷ついてない皮膚からのpEPF、eEPF、およびENFについてのRNA-seqデータのPCA。(K) 各細胞タイプにおけるDpp4 (CD26; 左パネル)、Jag1 (中央パネル)、およびDll1 (右パネル) の遺伝子数の比較。(L)ENF(左パネル)またはEPF(右パネル)アイデンティティと関連することが以前に報告された選択された遺伝子の相対的発現を示すヒートマップ。N = 2生物学的繰り返し/実験グループ(6匹のマウスからの24個の瘢痕と6個の無傷の皮膚片をそれぞれ2つのグループにプールした)。緑色のボックスはEPF集団(pEPF、injおよびuninj eEPF)、赤色のボックスはENF(injおよびuninj ENF)。
図3、A-Lは、Dlk1+ ENFの機械的活性化が、線維化転写シグネチャーと関連していることを示している。(A)2、7、または14日間in vitroで培養したバルクENFの概略図。(B)2日目と比較して培養14日目に有意にアップレギュレート(>4倍)またはダウンレギュレート(<1/4倍)された920遺伝子の遺伝子発現ヒートマップと階層的クラスタリング。培養2、7、14日目、またはVerteporfin(Vert)処理(紫のボックス)した培養14日目の値を示す(プロットの下部のラベル)。(C) (B)で示した920の差次的発現遺伝子のボルケーノプロット(14日目 vs. 2日目)。(D)Vert処理あり/なしでの、異なるタイムポイントの培養ENFのRNA-seqデータの主成分分析(PCA)。各タイムポイントおよび条件におけるクラスターを楕円で示す。(E)Vert処理有無による培養14日目のENFについて、(B)で描いた有意にアップレギュレートした遺伝子(上の図)またはダウンレギュレートした遺伝子(下の図)に対するGO項目(term)エンリッチメントを示す。(F)線維化およびECM沈着に以前から関与している選択された遺伝子の相対的発現を示すヒートマップ。Dlk1は、7日目のENFで発現がアップレギュレートされた(赤枠)。線維化促進/マトリックス遺伝子は、14日目に大幅にアップレギュレートされた(緑色のボックス);これらの変化は、Vert処理で緩和された(紫色のボックス)。N = 2生物学的繰り返し/実験グループ(2つの別々の産毛からプールしたENF、各10匹の子供)。(G) RNA-seqのための瘢痕pEPF、瘢痕および無傷の皮膚eEPFおよびENFの分離を示す概略図。(H)傷のない皮膚(uninj)と比較して傷(inj)のENF、eEPF、またはpEPFで有意にアップレギュレートまたはダウンレギュレートされた1,138遺伝子のヒートマップと階層的クラスタリング。(I) (H)で描いた1,138個の差次的発現遺伝子を示すボルケーノプロット。個々のプロットにラベルを付け(右上隅)、各プロットで比較を示した。(J) 傷ついた皮膚と傷ついてない皮膚からのpEPF、eEPF、およびENFについてのRNA-seqデータのPCA。(K) 各細胞タイプにおけるDpp4 (CD26; 左パネル)、Jag1 (中央パネル)、およびDll1 (右パネル) の遺伝子数の比較。(L)ENF(左パネル)またはEPF(右パネル)アイデンティティと関連することが以前に報告された選択された遺伝子の相対的発現を示すヒートマップ。N = 2生物学的繰り返し/実験グループ(6匹のマウスからの24個の瘢痕と6個の無傷の皮膚片をそれぞれ2つのグループにプールした)。緑色のボックスはEPF集団(pEPF、injおよびuninj eEPF)、赤色のボックスはENF(injおよびuninj ENF)。
図3、A-Lは、Dlk1+ ENFの機械的活性化が、線維化転写シグネチャーと関連していることを示している。(A)2、7、または14日間in vitroで培養したバルクENFの概略図。(B)2日目と比較して培養14日目に有意にアップレギュレート(>4倍)またはダウンレギュレート(<1/4倍)された920遺伝子の遺伝子発現ヒートマップと階層的クラスタリング。培養2、7、14日目、またはVerteporfin(Vert)処理(紫のボックス)した培養14日目の値を示す(プロットの下部のラベル)。(C) (B)で示した920の差次的発現遺伝子のボルケーノプロット(14日目 vs. 2日目)。(D)Vert処理あり/なしでの、異なるタイムポイントの培養ENFのRNA-seqデータの主成分分析(PCA)。各タイムポイントおよび条件におけるクラスターを楕円で示す。(E)Vert処理有無による培養14日目のENFについて、(B)で描いた有意にアップレギュレートした遺伝子(上の図)またはダウンレギュレートした遺伝子(下の図)に対するGO項目(term)エンリッチメントを示す。(F)線維化およびECM沈着に以前から関与している選択された遺伝子の相対的発現を示すヒートマップ。Dlk1は、7日目のENFで発現がアップレギュレートされた(赤枠)。線維化促進/マトリックス遺伝子は、14日目に大幅にアップレギュレートされた(緑色のボックス);これらの変化は、Vert処理で緩和された(紫色のボックス)。N = 2生物学的繰り返し/実験グループ(2つの別々の産毛からプールしたENF、各10匹の子供)。(G) RNA-seqのための瘢痕pEPF、瘢痕および無傷の皮膚eEPFおよびENFの分離を示す概略図。(H)傷のない皮膚(uninj)と比較して傷(inj)のENF、eEPF、またはpEPFで有意にアップレギュレートまたはダウンレギュレートされた1,138遺伝子のヒートマップと階層的クラスタリング。(I) (H)で描いた1,138個の差次的発現遺伝子を示すボルケーノプロット。個々のプロットにラベルを付け(右上隅)、各プロットで比較を示した。(J) 傷ついた皮膚と傷ついてない皮膚からのpEPF、eEPF、およびENFについてのRNA-seqデータのPCA。(K) 各細胞タイプにおけるDpp4 (CD26; 左パネル)、Jag1 (中央パネル)、およびDll1 (右パネル) の遺伝子数の比較。(L)ENF(左パネル)またはEPF(右パネル)アイデンティティと関連することが以前に報告された選択された遺伝子の相対的発現を示すヒートマップ。N = 2生物学的繰り返し/実験グループ(6匹のマウスからの24個の瘢痕と6個の無傷の皮膚片をそれぞれ2つのグループにプールした)。緑色のボックスはEPF集団(pEPF、injおよびuninj eEPF)、赤色のボックスはENF(injおよびuninj ENF)。
図3、A-Lは、Dlk1+ ENFの機械的活性化が、線維化転写シグネチャーと関連していることを示している。(A)2、7、または14日間in vitroで培養したバルクENFの概略図。(B)2日目と比較して培養14日目に有意にアップレギュレート(>4倍)またはダウンレギュレート(<1/4倍)された920遺伝子の遺伝子発現ヒートマップと階層的クラスタリング。培養2、7、14日目、またはVerteporfin(Vert)処理(紫のボックス)した培養14日目の値を示す(プロットの下部のラベル)。(C) (B)で示した920の差次的発現遺伝子のボルケーノプロット(14日目 vs. 2日目)。(D)Vert処理あり/なしでの、異なるタイムポイントの培養ENFのRNA-seqデータの主成分分析(PCA)。各タイムポイントおよび条件におけるクラスターを楕円で示す。(E)Vert処理有無による培養14日目のENFについて、(B)で描いた有意にアップレギュレートした遺伝子(上の図)またはダウンレギュレートした遺伝子(下の図)に対するGO項目(term)エンリッチメントを示す。(F)線維化およびECM沈着に以前から関与している選択された遺伝子の相対的発現を示すヒートマップ。Dlk1は、7日目のENFで発現がアップレギュレートされた(赤枠)。線維化促進/マトリックス遺伝子は、14日目に大幅にアップレギュレートされた(緑色のボックス);これらの変化は、Vert処理で緩和された(紫色のボックス)。N = 2生物学的繰り返し/実験グループ(2つの別々の産毛からプールしたENF、各10匹の子供)。(G) RNA-seqのための瘢痕pEPF、瘢痕および無傷の皮膚eEPFおよびENFの分離を示す概略図。(H)傷のない皮膚(uninj)と比較して傷(inj)のENF、eEPF、またはpEPFで有意にアップレギュレートまたはダウンレギュレートされた1,138遺伝子のヒートマップと階層的クラスタリング。(I) (H)で描いた1,138個の差次的発現遺伝子を示すボルケーノプロット。個々のプロットにラベルを付け(右上隅)、各プロットで比較を示した。(J) 傷ついた皮膚と傷ついてない皮膚からのpEPF、eEPF、およびENFについてのRNA-seqデータのPCA。(K) 各細胞タイプにおけるDpp4 (CD26; 左パネル)、Jag1 (中央パネル)、およびDll1 (右パネル) の遺伝子数の比較。(L)ENF(左パネル)またはEPF(右パネル)アイデンティティと関連することが以前に報告された選択された遺伝子の相対的発現を示すヒートマップ。N = 2生物学的繰り返し/実験グループ(6匹のマウスからの24個の瘢痕と6個の無傷の皮膚片をそれぞれ2つのグループにプールした)。緑色のボックスはEPF集団(pEPF、injおよびuninj eEPF)、赤色のボックスはENF(injおよびuninj ENF)。
図3、A-Lは、Dlk1+ ENFの機械的活性化が、線維化転写シグネチャーと関連していることを示している。(A)2、7、または14日間in vitroで培養したバルクENFの概略図。(B)2日目と比較して培養14日目に有意にアップレギュレート(>4倍)またはダウンレギュレート(<1/4倍)された920遺伝子の遺伝子発現ヒートマップと階層的クラスタリング。培養2、7、14日目、またはVerteporfin(Vert)処理(紫のボックス)した培養14日目の値を示す(プロットの下部のラベル)。(C) (B)で示した920の差次的発現遺伝子のボルケーノプロット(14日目 vs. 2日目)。(D)Vert処理あり/なしでの、異なるタイムポイントの培養ENFのRNA-seqデータの主成分分析(PCA)。各タイムポイントおよび条件におけるクラスターを楕円で示す。(E)Vert処理有無による培養14日目のENFについて、(B)で描いた有意にアップレギュレートした遺伝子(上の図)またはダウンレギュレートした遺伝子(下の図)に対するGO項目(term)エンリッチメントを示す。(F)線維化およびECM沈着に以前から関与している選択された遺伝子の相対的発現を示すヒートマップ。Dlk1は、7日目のENFで発現がアップレギュレートされた(赤枠)。線維化促進/マトリックス遺伝子は、14日目に大幅にアップレギュレートされた(緑色のボックス);これらの変化は、Vert処理で緩和された(紫色のボックス)。N = 2生物学的繰り返し/実験グループ(2つの別々の産毛からプールしたENF、各10匹の子供)。(G) RNA-seqのための瘢痕pEPF、瘢痕および無傷の皮膚eEPFおよびENFの分離を示す概略図。(H)傷のない皮膚(uninj)と比較して傷(inj)のENF、eEPF、またはpEPFで有意にアップレギュレートまたはダウンレギュレートされた1,138遺伝子のヒートマップと階層的クラスタリング。(I) (H)で描いた1,138個の差次的発現遺伝子を示すボルケーノプロット。個々のプロットにラベルを付け(右上隅)、各プロットで比較を示した。(J) 傷ついた皮膚と傷ついてない皮膚からのpEPF、eEPF、およびENFについてのRNA-seqデータのPCA。(K) 各細胞タイプにおけるDpp4 (CD26; 左パネル)、Jag1 (中央パネル)、およびDll1 (右パネル) の遺伝子数の比較。(L)ENF(左パネル)またはEPF(右パネル)アイデンティティと関連することが以前に報告された選択された遺伝子の相対的発現を示すヒートマップ。N = 2生物学的繰り返し/実験グループ(6匹のマウスからの24個の瘢痕と6個の無傷の皮膚片をそれぞれ2つのグループにプールした)。緑色のボックスはEPF集団(pEPF、injおよびuninj eEPF)、赤色のボックスはENF(injおよびuninj ENF)。
図3、A-Lは、Dlk1+ ENFの機械的活性化が、線維化転写シグネチャーと関連していることを示している。(A)2、7、または14日間in vitroで培養したバルクENFの概略図。(B)2日目と比較して培養14日目に有意にアップレギュレート(>4倍)またはダウンレギュレート(<1/4倍)された920遺伝子の遺伝子発現ヒートマップと階層的クラスタリング。培養2、7、14日目、またはVerteporfin(Vert)処理(紫のボックス)した培養14日目の値を示す(プロットの下部のラベル)。(C) (B)で示した920の差次的発現遺伝子のボルケーノプロット(14日目 vs. 2日目)。(D)Vert処理あり/なしでの、異なるタイムポイントの培養ENFのRNA-seqデータの主成分分析(PCA)。各タイムポイントおよび条件におけるクラスターを楕円で示す。(E)Vert処理有無による培養14日目のENFについて、(B)で描いた有意にアップレギュレートした遺伝子(上の図)またはダウンレギュレートした遺伝子(下の図)に対するGO項目(term)エンリッチメントを示す。(F)線維化およびECM沈着に以前から関与している選択された遺伝子の相対的発現を示すヒートマップ。Dlk1は、7日目のENFで発現がアップレギュレートされた(赤枠)。線維化促進/マトリックス遺伝子は、14日目に大幅にアップレギュレートされた(緑色のボックス);これらの変化は、Vert処理で緩和された(紫色のボックス)。N = 2生物学的繰り返し/実験グループ(2つの別々の産毛からプールしたENF、各10匹の子供)。(G) RNA-seqのための瘢痕pEPF、瘢痕および無傷の皮膚eEPFおよびENFの分離を示す概略図。(H)傷のない皮膚(uninj)と比較して傷(inj)のENF、eEPF、またはpEPFで有意にアップレギュレートまたはダウンレギュレートされた1,138遺伝子のヒートマップと階層的クラスタリング。(I) (H)で描いた1,138個の差次的発現遺伝子を示すボルケーノプロット。個々のプロットにラベルを付け(右上隅)、各プロットで比較を示した。(J) 傷ついた皮膚と傷ついてない皮膚からのpEPF、eEPF、およびENFについてのRNA-seqデータのPCA。(K) 各細胞タイプにおけるDpp4 (CD26; 左パネル)、Jag1 (中央パネル)、およびDll1 (右パネル) の遺伝子数の比較。(L)ENF(左パネル)またはEPF(右パネル)アイデンティティと関連することが以前に報告された選択された遺伝子の相対的発現を示すヒートマップ。N = 2生物学的繰り返し/実験グループ(6匹のマウスからの24個の瘢痕と6個の無傷の皮膚片をそれぞれ2つのグループにプールした)。緑色のボックスはEPF集団(pEPF、injおよびuninj eEPF)、赤色のボックスはENF(injおよびuninj ENF)。
図3、A-Lは、Dlk1+ ENFの機械的活性化が、線維化転写シグネチャーと関連していることを示している。(A)2、7、または14日間in vitroで培養したバルクENFの概略図。(B)2日目と比較して培養14日目に有意にアップレギュレート(>4倍)またはダウンレギュレート(<1/4倍)された920遺伝子の遺伝子発現ヒートマップと階層的クラスタリング。培養2、7、14日目、またはVerteporfin(Vert)処理(紫のボックス)した培養14日目の値を示す(プロットの下部のラベル)。(C) (B)で示した920の差次的発現遺伝子のボルケーノプロット(14日目 vs. 2日目)。(D)Vert処理あり/なしでの、異なるタイムポイントの培養ENFのRNA-seqデータの主成分分析(PCA)。各タイムポイントおよび条件におけるクラスターを楕円で示す。(E)Vert処理有無による培養14日目のENFについて、(B)で描いた有意にアップレギュレートした遺伝子(上の図)またはダウンレギュレートした遺伝子(下の図)に対するGO項目(term)エンリッチメントを示す。(F)線維化およびECM沈着に以前から関与している選択された遺伝子の相対的発現を示すヒートマップ。Dlk1は、7日目のENFで発現がアップレギュレートされた(赤枠)。線維化促進/マトリックス遺伝子は、14日目に大幅にアップレギュレートされた(緑色のボックス);これらの変化は、Vert処理で緩和された(紫色のボックス)。N = 2生物学的繰り返し/実験グループ(2つの別々の産毛からプールしたENF、各10匹の子供)。(G) RNA-seqのための瘢痕pEPF、瘢痕および無傷の皮膚eEPFおよびENFの分離を示す概略図。(H)傷のない皮膚(uninj)と比較して傷(inj)のENF、eEPF、またはpEPFで有意にアップレギュレートまたはダウンレギュレートされた1,138遺伝子のヒートマップと階層的クラスタリング。(I) (H)で描いた1,138個の差次的発現遺伝子を示すボルケーノプロット。個々のプロットにラベルを付け(右上隅)、各プロットで比較を示した。(J) 傷ついた皮膚と傷ついてない皮膚からのpEPF、eEPF、およびENFについてのRNA-seqデータのPCA。(K) 各細胞タイプにおけるDpp4 (CD26; 左パネル)、Jag1 (中央パネル)、およびDll1 (右パネル) の遺伝子数の比較。(L)ENF(左パネル)またはEPF(右パネル)アイデンティティと関連することが以前に報告された選択された遺伝子の相対的発現を示すヒートマップ。N = 2生物学的繰り返し/実験グループ(6匹のマウスからの24個の瘢痕と6個の無傷の皮膚片をそれぞれ2つのグループにプールした)。緑色のボックスはEPF集団(pEPF、injおよびuninj eEPF)、赤色のボックスはENF(injおよびuninj ENF)。
図3、A-Lは、Dlk1+ ENFの機械的活性化が、線維化転写シグネチャーと関連していることを示している。(A)2、7、または14日間in vitroで培養したバルクENFの概略図。(B)2日目と比較して培養14日目に有意にアップレギュレート(>4倍)またはダウンレギュレート(<1/4倍)された920遺伝子の遺伝子発現ヒートマップと階層的クラスタリング。培養2、7、14日目、またはVerteporfin(Vert)処理(紫のボックス)した培養14日目の値を示す(プロットの下部のラベル)。(C) (B)で示した920の差次的発現遺伝子のボルケーノプロット(14日目 vs. 2日目)。(D)Vert処理あり/なしでの、異なるタイムポイントの培養ENFのRNA-seqデータの主成分分析(PCA)。各タイムポイントおよび条件におけるクラスターを楕円で示す。(E)Vert処理有無による培養14日目のENFについて、(B)で描いた有意にアップレギュレートした遺伝子(上の図)またはダウンレギュレートした遺伝子(下の図)に対するGO項目(term)エンリッチメントを示す。(F)線維化およびECM沈着に以前から関与している選択された遺伝子の相対的発現を示すヒートマップ。Dlk1は、7日目のENFで発現がアップレギュレートされた(赤枠)。線維化促進/マトリックス遺伝子は、14日目に大幅にアップレギュレートされた(緑色のボックス);これらの変化は、Vert処理で緩和された(紫色のボックス)。N = 2生物学的繰り返し/実験グループ(2つの別々の産毛からプールしたENF、各10匹の子供)。(G) RNA-seqのための瘢痕pEPF、瘢痕および無傷の皮膚eEPFおよびENFの分離を示す概略図。(H)傷のない皮膚(uninj)と比較して傷(inj)のENF、eEPF、またはpEPFで有意にアップレギュレートまたはダウンレギュレートされた1,138遺伝子のヒートマップと階層的クラスタリング。(I) (H)で描いた1,138個の差次的発現遺伝子を示すボルケーノプロット。個々のプロットにラベルを付け(右上隅)、各プロットで比較を示した。(J) 傷ついた皮膚と傷ついてない皮膚からのpEPF、eEPF、およびENFについてのRNA-seqデータのPCA。(K) 各細胞タイプにおけるDpp4 (CD26; 左パネル)、Jag1 (中央パネル)、およびDll1 (右パネル) の遺伝子数の比較。(L)ENF(左パネル)またはEPF(右パネル)アイデンティティと関連することが以前に報告された選択された遺伝子の相対的発現を示すヒートマップ。N = 2生物学的繰り返し/実験グループ(6匹のマウスからの24個の瘢痕と6個の無傷の皮膚片をそれぞれ2つのグループにプールした)。緑色のボックスはEPF集団(pEPF、injおよびuninj eEPF)、赤色のボックスはENF(injおよびuninj ENF)。
図3、A-Lは、Dlk1+ ENFの機械的活性化が、線維化転写シグネチャーと関連していることを示している。(A)2、7、または14日間in vitroで培養したバルクENFの概略図。(B)2日目と比較して培養14日目に有意にアップレギュレート(>4倍)またはダウンレギュレート(<1/4倍)された920遺伝子の遺伝子発現ヒートマップと階層的クラスタリング。培養2、7、14日目、またはVerteporfin(Vert)処理(紫のボックス)した培養14日目の値を示す(プロットの下部のラベル)。(C) (B)で示した920の差次的発現遺伝子のボルケーノプロット(14日目 vs. 2日目)。(D)Vert処理あり/なしでの、異なるタイムポイントの培養ENFのRNA-seqデータの主成分分析(PCA)。各タイムポイントおよび条件におけるクラスターを楕円で示す。(E)Vert処理有無による培養14日目のENFについて、(B)で描いた有意にアップレギュレートした遺伝子(上の図)またはダウンレギュレートした遺伝子(下の図)に対するGO項目(term)エンリッチメントを示す。(F)線維化およびECM沈着に以前から関与している選択された遺伝子の相対的発現を示すヒートマップ。Dlk1は、7日目のENFで発現がアップレギュレートされた(赤枠)。線維化促進/マトリックス遺伝子は、14日目に大幅にアップレギュレートされた(緑色のボックス);これらの変化は、Vert処理で緩和された(紫色のボックス)。N = 2生物学的繰り返し/実験グループ(2つの別々の産毛からプールしたENF、各10匹の子供)。(G) RNA-seqのための瘢痕pEPF、瘢痕および無傷の皮膚eEPFおよびENFの分離を示す概略図。(H)傷のない皮膚(uninj)と比較して傷(inj)のENF、eEPF、またはpEPFで有意にアップレギュレートまたはダウンレギュレートされた1,138遺伝子のヒートマップと階層的クラスタリング。(I) (H)で描いた1,138個の差次的発現遺伝子を示すボルケーノプロット。個々のプロットにラベルを付け(右上隅)、各プロットで比較を示した。(J) 傷ついた皮膚と傷ついてない皮膚からのpEPF、eEPF、およびENFについてのRNA-seqデータのPCA。(K) 各細胞タイプにおけるDpp4 (CD26; 左パネル)、Jag1 (中央パネル)、およびDll1 (右パネル) の遺伝子数の比較。(L)ENF(左パネル)またはEPF(右パネル)アイデンティティと関連することが以前に報告された選択された遺伝子の相対的発現を示すヒートマップ。N = 2生物学的繰り返し/実験グループ(6匹のマウスからの24個の瘢痕と6個の無傷の皮膚片をそれぞれ2つのグループにプールした)。緑色のボックスはEPF集団(pEPF、injおよびuninj eEPF)、赤色のボックスはENF(injおよびuninj ENF)。
図3、A-Lは、Dlk1+ ENFの機械的活性化が、線維化転写シグネチャーと関連していることを示している。(A)2、7、または14日間in vitroで培養したバルクENFの概略図。(B)2日目と比較して培養14日目に有意にアップレギュレート(>4倍)またはダウンレギュレート(<1/4倍)された920遺伝子の遺伝子発現ヒートマップと階層的クラスタリング。培養2、7、14日目、またはVerteporfin(Vert)処理(紫のボックス)した培養14日目の値を示す(プロットの下部のラベル)。(C) (B)で示した920の差次的発現遺伝子のボルケーノプロット(14日目 vs. 2日目)。(D)Vert処理あり/なしでの、異なるタイムポイントの培養ENFのRNA-seqデータの主成分分析(PCA)。各タイムポイントおよび条件におけるクラスターを楕円で示す。(E)Vert処理有無による培養14日目のENFについて、(B)で描いた有意にアップレギュレートした遺伝子(上の図)またはダウンレギュレートした遺伝子(下の図)に対するGO項目(term)エンリッチメントを示す。(F)線維化およびECM沈着に以前から関与している選択された遺伝子の相対的発現を示すヒートマップ。Dlk1は、7日目のENFで発現がアップレギュレートされた(赤枠)。線維化促進/マトリックス遺伝子は、14日目に大幅にアップレギュレートされた(緑色のボックス);これらの変化は、Vert処理で緩和された(紫色のボックス)。N = 2生物学的繰り返し/実験グループ(2つの別々の産毛からプールしたENF、各10匹の子供)。(G) RNA-seqのための瘢痕pEPF、瘢痕および無傷の皮膚eEPFおよびENFの分離を示す概略図。(H)傷のない皮膚(uninj)と比較して傷(inj)のENF、eEPF、またはpEPFで有意にアップレギュレートまたはダウンレギュレートされた1,138遺伝子のヒートマップと階層的クラスタリング。(I) (H)で描いた1,138個の差次的発現遺伝子を示すボルケーノプロット。個々のプロットにラベルを付け(右上隅)、各プロットで比較を示した。(J) 傷ついた皮膚と傷ついてない皮膚からのpEPF、eEPF、およびENFについてのRNA-seqデータのPCA。(K) 各細胞タイプにおけるDpp4 (CD26; 左パネル)、Jag1 (中央パネル)、およびDll1 (右パネル) の遺伝子数の比較。(L)ENF(左パネル)またはEPF(右パネル)アイデンティティと関連することが以前に報告された選択された遺伝子の相対的発現を示すヒートマップ。N = 2生物学的繰り返し/実験グループ(6匹のマウスからの24個の瘢痕と6個の無傷の皮膚片をそれぞれ2つのグループにプールした)。緑色のボックスはEPF集団(pEPF、injおよびuninj eEPF)、赤色のボックスはENF(injおよびuninj ENF)。
図3、A-Lは、Dlk1+ ENFの機械的活性化が、線維化転写シグネチャーと関連していることを示している。(A)2、7、または14日間in vitroで培養したバルクENFの概略図。(B)2日目と比較して培養14日目に有意にアップレギュレート(>4倍)またはダウンレギュレート(<1/4倍)された920遺伝子の遺伝子発現ヒートマップと階層的クラスタリング。培養2、7、14日目、またはVerteporfin(Vert)処理(紫のボックス)した培養14日目の値を示す(プロットの下部のラベル)。(C) (B)で示した920の差次的発現遺伝子のボルケーノプロット(14日目 vs. 2日目)。(D)Vert処理あり/なしでの、異なるタイムポイントの培養ENFのRNA-seqデータの主成分分析(PCA)。各タイムポイントおよび条件におけるクラスターを楕円で示す。(E)Vert処理有無による培養14日目のENFについて、(B)で描いた有意にアップレギュレートした遺伝子(上の図)またはダウンレギュレートした遺伝子(下の図)に対するGO項目(term)エンリッチメントを示す。(F)線維化およびECM沈着に以前から関与している選択された遺伝子の相対的発現を示すヒートマップ。Dlk1は、7日目のENFで発現がアップレギュレートされた(赤枠)。線維化促進/マトリックス遺伝子は、14日目に大幅にアップレギュレートされた(緑色のボックス);これらの変化は、Vert処理で緩和された(紫色のボックス)。N = 2生物学的繰り返し/実験グループ(2つの別々の産毛からプールしたENF、各10匹の子供)。(G) RNA-seqのための瘢痕pEPF、瘢痕および無傷の皮膚eEPFおよびENFの分離を示す概略図。(H)傷のない皮膚(uninj)と比較して傷(inj)のENF、eEPF、またはpEPFで有意にアップレギュレートまたはダウンレギュレートされた1,138遺伝子のヒートマップと階層的クラスタリング。(I) (H)で描いた1,138個の差次的発現遺伝子を示すボルケーノプロット。個々のプロットにラベルを付け(右上隅)、各プロットで比較を示した。(J) 傷ついた皮膚と傷ついてない皮膚からのpEPF、eEPF、およびENFについてのRNA-seqデータのPCA。(K) 各細胞タイプにおけるDpp4 (CD26; 左パネル)、Jag1 (中央パネル)、およびDll1 (右パネル) の遺伝子数の比較。(L)ENF(左パネル)またはEPF(右パネル)アイデンティティと関連することが以前に報告された選択された遺伝子の相対的発現を示すヒートマップ。N = 2生物学的繰り返し/実験グループ(6匹のマウスからの24個の瘢痕と6個の無傷の皮膚片をそれぞれ2つのグループにプールした)。緑色のボックスはEPF集団(pEPF、injおよびuninj eEPF)、赤色のボックスはENF(injおよびuninj ENF)。
図3、A-Lは、Dlk1+ ENFの機械的活性化が、線維化転写シグネチャーと関連していることを示している。(A)2、7、または14日間in vitroで培養したバルクENFの概略図。(B)2日目と比較して培養14日目に有意にアップレギュレート(>4倍)またはダウンレギュレート(<1/4倍)された920遺伝子の遺伝子発現ヒートマップと階層的クラスタリング。培養2、7、14日目、またはVerteporfin(Vert)処理(紫のボックス)した培養14日目の値を示す(プロットの下部のラベル)。(C) (B)で示した920の差次的発現遺伝子のボルケーノプロット(14日目 vs. 2日目)。(D)Vert処理あり/なしでの、異なるタイムポイントの培養ENFのRNA-seqデータの主成分分析(PCA)。各タイムポイントおよび条件におけるクラスターを楕円で示す。(E)Vert処理有無による培養14日目のENFについて、(B)で描いた有意にアップレギュレートした遺伝子(上の図)またはダウンレギュレートした遺伝子(下の図)に対するGO項目(term)エンリッチメントを示す。(F)線維化およびECM沈着に以前から関与している選択された遺伝子の相対的発現を示すヒートマップ。Dlk1は、7日目のENFで発現がアップレギュレートされた(赤枠)。線維化促進/マトリックス遺伝子は、14日目に大幅にアップレギュレートされた(緑色のボックス);これらの変化は、Vert処理で緩和された(紫色のボックス)。N = 2生物学的繰り返し/実験グループ(2つの別々の産毛からプールしたENF、各10匹の子供)。(G) RNA-seqのための瘢痕pEPF、瘢痕および無傷の皮膚eEPFおよびENFの分離を示す概略図。(H)傷のない皮膚(uninj)と比較して傷(inj)のENF、eEPF、またはpEPFで有意にアップレギュレートまたはダウンレギュレートされた1,138遺伝子のヒートマップと階層的クラスタリング。(I) (H)で描いた1,138個の差次的発現遺伝子を示すボルケーノプロット。個々のプロットにラベルを付け(右上隅)、各プロットで比較を示した。(J) 傷ついた皮膚と傷ついてない皮膚からのpEPF、eEPF、およびENFについてのRNA-seqデータのPCA。(K) 各細胞タイプにおけるDpp4 (CD26; 左パネル)、Jag1 (中央パネル)、およびDll1 (右パネル) の遺伝子数の比較。(L)ENF(左パネル)またはEPF(右パネル)アイデンティティと関連することが以前に報告された選択された遺伝子の相対的発現を示すヒートマップ。N = 2生物学的繰り返し/実験グループ(6匹のマウスからの24個の瘢痕と6個の無傷の皮膚片をそれぞれ2つのグループにプールした)。緑色のボックスはEPF集団(pEPF、injおよびuninj eEPF)、赤色のボックスはENF(injおよびuninj ENF)。
図4、A-Hは、生体内のメカノトランスダクション阻害が、再生を介した無瘢痕創傷治癒をもたらすことを示している。(A)背部切除創傷の概略図(上段)、POD 0(左列)、14(左中列)、30(右中列)、および90(右列)における、PBS(コントロール;中列)またはVerteporfin(下列)で処理した創傷の各タイムポイントに対応する肉眼写真を添付する。赤い点線の円は、傷の固定に使用したリングの位置を示す。(B) POD 14(左列)、30(中列)、または90(右列)で採取したコントロール(上段)およびVerteporfin処理(下段)の創傷のH&E組織学。白い矢印は、形態学的に真皮付属器官と一致する構造を示す。(C) POD 90のVerteporfin処理創傷で、毛包と他の皮膚付属器官の再成長を示す。肉眼写真(上段)および組織学:中段、毛包/汗腺マーカーCK14(赤)およびCK19(緑)に対する免疫染色(DAPI、青);下段、皮脂腺に対するオイルレッドO染色(赤色)。(D-F)POD14(D)、30(E)、および90(F)におけるコントロール(上段)およびVerteporfin処理(下段)創傷の蛍光組織学であり、ここで、線維芽細胞(EPF、ENF)を示し、およびECMタンパク質(col-I、Fn)および線維芽細胞/メカノトランスダクションマーカー(CD26、Dlk-1、YAP、aSMA)の免疫染色を示す;各パネルにおいてラベルによって示される色を有する。パネル(B-F)では、N = 3マウス/条件/タイムポイント、2創傷/マウス。(F) 右端、PBSおよびVerteporfinで処理した創傷の治癒2週間後、1ヶ月後、3ヶ月後の20x HPFあたりのGFP+細胞(EPF)の定量化。(G)POD14(i)、30(ii)、90(iii)における無傷の皮膚(緑)、PBS(赤)またはVerteporfin処理(青)創傷の26のECM超構造を視覚化したt-SNEプロットで、各グループのクラスターを斜線で強調表示した。N = 3マウス/条件、5-10画像/マウス。点は1枚の画像を表す。(H)傷のない皮膚(緑)、PBS(赤)、およびVerteporfin処理(青)のインストロン機械強度試験で、計算された創傷破壊力(左プロット;傷なし対PBS、*P = 0.0417;傷なし対Verteporfin、P = 0.8057)およびヤング率(右プロット;傷なし対PBS、*P = 0.0048;傷なし対Verteporfin、P = 0.9287)。点は個々のマウスを表す。N = 7マウス(無傷)、5マウス(PBS)、4マウス(Verteporfin)。
図4、A-Hは、生体内のメカノトランスダクション阻害が、再生を介した無瘢痕創傷治癒をもたらすことを示している。(A)背部切除創傷の概略図(上段)、POD 0(左列)、14(左中列)、30(右中列)、および90(右列)における、PBS(コントロール;中列)またはVerteporfin(下列)で処理した創傷の各タイムポイントに対応する肉眼写真を添付する。赤い点線の円は、傷の固定に使用したリングの位置を示す。(B) POD 14(左列)、30(中列)、または90(右列)で採取したコントロール(上段)およびVerteporfin処理(下段)の創傷のH&E組織学。白い矢印は、形態学的に真皮付属器官と一致する構造を示す。(C) POD 90のVerteporfin処理創傷で、毛包と他の皮膚付属器官の再成長を示す。肉眼写真(上段)および組織学:中段、毛包/汗腺マーカーCK14(赤)およびCK19(緑)に対する免疫染色(DAPI、青);下段、皮脂腺に対するオイルレッドO染色(赤色)。(D-F)POD14(D)、30(E)、および90(F)におけるコントロール(上段)およびVerteporfin処理(下段)創傷の蛍光組織学であり、ここで、線維芽細胞(EPF、ENF)を示し、およびECMタンパク質(col-I、Fn)および線維芽細胞/メカノトランスダクションマーカー(CD26、Dlk-1、YAP、aSMA)の免疫染色を示す;各パネルにおいてラベルによって示される色を有する。パネル(B-F)では、N = 3マウス/条件/タイムポイント、2創傷/マウス。(F) 右端、PBSおよびVerteporfinで処理した創傷の治癒2週間後、1ヶ月後、3ヶ月後の20x HPFあたりのGFP+細胞(EPF)の定量化。(G)POD14(i)、30(ii)、90(iii)における無傷の皮膚(緑)、PBS(赤)またはVerteporfin処理(青)創傷の26のECM超構造を視覚化したt-SNEプロットで、各グループのクラスターを斜線で強調表示した。N = 3マウス/条件、5-10画像/マウス。点は1枚の画像を表す。(H)傷のない皮膚(緑)、PBS(赤)、およびVerteporfin処理(青)のインストロン機械強度試験で、計算された創傷破壊力(左プロット;傷なし対PBS、*P = 0.0417;傷なし対Verteporfin、P = 0.8057)およびヤング率(右プロット;傷なし対PBS、*P = 0.0048;傷なし対Verteporfin、P = 0.9287)。点は個々のマウスを表す。N = 7マウス(無傷)、5マウス(PBS)、4マウス(Verteporfin)。
図4、A-Hは、生体内のメカノトランスダクション阻害が、再生を介した無瘢痕創傷治癒をもたらすことを示している。(A)背部切除創傷の概略図(上段)、POD 0(左列)、14(左中列)、30(右中列)、および90(右列)における、PBS(コントロール;中列)またはVerteporfin(下列)で処理した創傷の各タイムポイントに対応する肉眼写真を添付する。赤い点線の円は、傷の固定に使用したリングの位置を示す。(B) POD 14(左列)、30(中列)、または90(右列)で採取したコントロール(上段)およびVerteporfin処理(下段)の創傷のH&E組織学。白い矢印は、形態学的に真皮付属器官と一致する構造を示す。(C) POD 90のVerteporfin処理創傷で、毛包と他の皮膚付属器官の再成長を示す。肉眼写真(上段)および組織学:中段、毛包/汗腺マーカーCK14(赤)およびCK19(緑)に対する免疫染色(DAPI、青);下段、皮脂腺に対するオイルレッドO染色(赤色)。(D-F)POD14(D)、30(E)、および90(F)におけるコントロール(上段)およびVerteporfin処理(下段)創傷の蛍光組織学であり、ここで、線維芽細胞(EPF、ENF)を示し、およびECMタンパク質(col-I、Fn)および線維芽細胞/メカノトランスダクションマーカー(CD26、Dlk-1、YAP、aSMA)の免疫染色を示す;各パネルにおいてラベルによって示される色を有する。パネル(B-F)では、N = 3マウス/条件/タイムポイント、2創傷/マウス。(F) 右端、PBSおよびVerteporfinで処理した創傷の治癒2週間後、1ヶ月後、3ヶ月後の20x HPFあたりのGFP+細胞(EPF)の定量化。(G)POD14(i)、30(ii)、90(iii)における無傷の皮膚(緑)、PBS(赤)またはVerteporfin処理(青)創傷の26のECM超構造を視覚化したt-SNEプロットで、各グループのクラスターを斜線で強調表示した。N = 3マウス/条件、5-10画像/マウス。点は1枚の画像を表す。(H)傷のない皮膚(緑)、PBS(赤)、およびVerteporfin処理(青)のインストロン機械強度試験で、計算された創傷破壊力(左プロット;傷なし対PBS、*P = 0.0417;傷なし対Verteporfin、P = 0.8057)およびヤング率(右プロット;傷なし対PBS、*P = 0.0048;傷なし対Verteporfin、P = 0.9287)。点は個々のマウスを表す。N = 7マウス(無傷)、5マウス(PBS)、4マウス(Verteporfin)。
図4、A-Hは、生体内のメカノトランスダクション阻害が、再生を介した無瘢痕創傷治癒をもたらすことを示している。(A)背部切除創傷の概略図(上段)、POD 0(左列)、14(左中列)、30(右中列)、および90(右列)における、PBS(コントロール;中列)またはVerteporfin(下列)で処理した創傷の各タイムポイントに対応する肉眼写真を添付する。赤い点線の円は、傷の固定に使用したリングの位置を示す。(B) POD 14(左列)、30(中列)、または90(右列)で採取したコントロール(上段)およびVerteporfin処理(下段)の創傷のH&E組織学。白い矢印は、形態学的に真皮付属器官と一致する構造を示す。(C) POD 90のVerteporfin処理創傷で、毛包と他の皮膚付属器官の再成長を示す。肉眼写真(上段)および組織学:中段、毛包/汗腺マーカーCK14(赤)およびCK19(緑)に対する免疫染色(DAPI、青);下段、皮脂腺に対するオイルレッドO染色(赤色)。(D-F)POD14(D)、30(E)、および90(F)におけるコントロール(上段)およびVerteporfin処理(下段)創傷の蛍光組織学であり、ここで、線維芽細胞(EPF、ENF)を示し、およびECMタンパク質(col-I、Fn)および線維芽細胞/メカノトランスダクションマーカー(CD26、Dlk-1、YAP、aSMA)の免疫染色を示す;各パネルにおいてラベルによって示される色を有する。パネル(B-F)では、N = 3マウス/条件/タイムポイント、2創傷/マウス。(F) 右端、PBSおよびVerteporfinで処理した創傷の治癒2週間後、1ヶ月後、3ヶ月後の20x HPFあたりのGFP+細胞(EPF)の定量化。(G)POD14(i)、30(ii)、90(iii)における無傷の皮膚(緑)、PBS(赤)またはVerteporfin処理(青)創傷の26のECM超構造を視覚化したt-SNEプロットで、各グループのクラスターを斜線で強調表示した。N = 3マウス/条件、5-10画像/マウス。点は1枚の画像を表す。(H)傷のない皮膚(緑)、PBS(赤)、およびVerteporfin処理(青)のインストロン機械強度試験で、計算された創傷破壊力(左プロット;傷なし対PBS、*P = 0.0417;傷なし対Verteporfin、P = 0.8057)およびヤング率(右プロット;傷なし対PBS、*P = 0.0048;傷なし対Verteporfin、P = 0.9287)。点は個々のマウスを表す。N = 7マウス(無傷)、5マウス(PBS)、4マウス(Verteporfin)。
図4、A-Hは、生体内のメカノトランスダクション阻害が、再生を介した無瘢痕創傷治癒をもたらすことを示している。(A)背部切除創傷の概略図(上段)、POD 0(左列)、14(左中列)、30(右中列)、および90(右列)における、PBS(コントロール;中列)またはVerteporfin(下列)で処理した創傷の各タイムポイントに対応する肉眼写真を添付する。赤い点線の円は、傷の固定に使用したリングの位置を示す。(B) POD 14(左列)、30(中列)、または90(右列)で採取したコントロール(上段)およびVerteporfin処理(下段)の創傷のH&E組織学。白い矢印は、形態学的に真皮付属器官と一致する構造を示す。(C) POD 90のVerteporfin処理創傷で、毛包と他の皮膚付属器官の再成長を示す。肉眼写真(上段)および組織学:中段、毛包/汗腺マーカーCK14(赤)およびCK19(緑)に対する免疫染色(DAPI、青);下段、皮脂腺に対するオイルレッドO染色(赤色)。(D-F)POD14(D)、30(E)、および90(F)におけるコントロール(上段)およびVerteporfin処理(下段)創傷の蛍光組織学であり、ここで、線維芽細胞(EPF、ENF)を示し、およびECMタンパク質(col-I、Fn)および線維芽細胞/メカノトランスダクションマーカー(CD26、Dlk-1、YAP、aSMA)の免疫染色を示す;各パネルにおいてラベルによって示される色を有する。パネル(B-F)では、N = 3マウス/条件/タイムポイント、2創傷/マウス。(F) 右端、PBSおよびVerteporfinで処理した創傷の治癒2週間後、1ヶ月後、3ヶ月後の20x HPFあたりのGFP+細胞(EPF)の定量化。(G)POD14(i)、30(ii)、90(iii)における無傷の皮膚(緑)、PBS(赤)またはVerteporfin処理(青)創傷の26のECM超構造を視覚化したt-SNEプロットで、各グループのクラスターを斜線で強調表示した。N = 3マウス/条件、5-10画像/マウス。点は1枚の画像を表す。(H)傷のない皮膚(緑)、PBS(赤)、およびVerteporfin処理(青)のインストロン機械強度試験で、計算された創傷破壊力(左プロット;傷なし対PBS、*P = 0.0417;傷なし対Verteporfin、P = 0.8057)およびヤング率(右プロット;傷なし対PBS、*P = 0.0048;傷なし対Verteporfin、P = 0.9287)。点は個々のマウスを表す。N = 7マウス(無傷)、5マウス(PBS)、4マウス(Verteporfin)。
図4、A-Hは、生体内のメカノトランスダクション阻害が、再生を介した無瘢痕創傷治癒をもたらすことを示している。(A)背部切除創傷の概略図(上段)、POD 0(左列)、14(左中列)、30(右中列)、および90(右列)における、PBS(コントロール;中列)またはVerteporfin(下列)で処理した創傷の各タイムポイントに対応する肉眼写真を添付する。赤い点線の円は、傷の固定に使用したリングの位置を示す。(B) POD 14(左列)、30(中列)、または90(右列)で採取したコントロール(上段)およびVerteporfin処理(下段)の創傷のH&E組織学。白い矢印は、形態学的に真皮付属器官と一致する構造を示す。(C) POD 90のVerteporfin処理創傷で、毛包と他の皮膚付属器官の再成長を示す。肉眼写真(上段)および組織学:中段、毛包/汗腺マーカーCK14(赤)およびCK19(緑)に対する免疫染色(DAPI、青);下段、皮脂腺に対するオイルレッドO染色(赤色)。(D-F)POD14(D)、30(E)、および90(F)におけるコントロール(上段)およびVerteporfin処理(下段)創傷の蛍光組織学であり、ここで、線維芽細胞(EPF、ENF)を示し、およびECMタンパク質(col-I、Fn)および線維芽細胞/メカノトランスダクションマーカー(CD26、Dlk-1、YAP、aSMA)の免疫染色を示す;各パネルにおいてラベルによって示される色を有する。パネル(B-F)では、N = 3マウス/条件/タイムポイント、2創傷/マウス。(F) 右端、PBSおよびVerteporfinで処理した創傷の治癒2週間後、1ヶ月後、3ヶ月後の20x HPFあたりのGFP+細胞(EPF)の定量化。(G)POD14(i)、30(ii)、90(iii)における無傷の皮膚(緑)、PBS(赤)またはVerteporfin処理(青)創傷の26のECM超構造を視覚化したt-SNEプロットで、各グループのクラスターを斜線で強調表示した。N = 3マウス/条件、5-10画像/マウス。点は1枚の画像を表す。(H)傷のない皮膚(緑)、PBS(赤)、およびVerteporfin処理(青)のインストロン機械強度試験で、計算された創傷破壊力(左プロット;傷なし対PBS、*P = 0.0417;傷なし対Verteporfin、P = 0.8057)およびヤング率(右プロット;傷なし対PBS、*P = 0.0048;傷なし対Verteporfin、P = 0.9287)。点は個々のマウスを表す。N = 7マウス(無傷)、5マウス(PBS)、4マウス(Verteporfin)。
図4、A-Hは、生体内のメカノトランスダクション阻害が、再生を介した無瘢痕創傷治癒をもたらすことを示している。(A)背部切除創傷の概略図(上段)、POD 0(左列)、14(左中列)、30(右中列)、および90(右列)における、PBS(コントロール;中列)またはVerteporfin(下列)で処理した創傷の各タイムポイントに対応する肉眼写真を添付する。赤い点線の円は、傷の固定に使用したリングの位置を示す。(B) POD 14(左列)、30(中列)、または90(右列)で採取したコントロール(上段)およびVerteporfin処理(下段)の創傷のH&E組織学。白い矢印は、形態学的に真皮付属器官と一致する構造を示す。(C) POD 90のVerteporfin処理創傷で、毛包と他の皮膚付属器官の再成長を示す。肉眼写真(上段)および組織学:中段、毛包/汗腺マーカーCK14(赤)およびCK19(緑)に対する免疫染色(DAPI、青);下段、皮脂腺に対するオイルレッドO染色(赤色)。(D-F)POD14(D)、30(E)、および90(F)におけるコントロール(上段)およびVerteporfin処理(下段)創傷の蛍光組織学であり、ここで、線維芽細胞(EPF、ENF)を示し、およびECMタンパク質(col-I、Fn)および線維芽細胞/メカノトランスダクションマーカー(CD26、Dlk-1、YAP、aSMA)の免疫染色を示す;各パネルにおいてラベルによって示される色を有する。パネル(B-F)では、N = 3マウス/条件/タイムポイント、2創傷/マウス。(F) 右端、PBSおよびVerteporfinで処理した創傷の治癒2週間後、1ヶ月後、3ヶ月後の20x HPFあたりのGFP+細胞(EPF)の定量化。(G)POD14(i)、30(ii)、90(iii)における無傷の皮膚(緑)、PBS(赤)またはVerteporfin処理(青)創傷の26のECM超構造を視覚化したt-SNEプロットで、各グループのクラスターを斜線で強調表示した。N = 3マウス/条件、5-10画像/マウス。点は1枚の画像を表す。(H)傷のない皮膚(緑)、PBS(赤)、およびVerteporfin処理(青)のインストロン機械強度試験で、計算された創傷破壊力(左プロット;傷なし対PBS、*P = 0.0417;傷なし対Verteporfin、P = 0.8057)およびヤング率(右プロット;傷なし対PBS、*P = 0.0048;傷なし対Verteporfin、P = 0.9287)。点は個々のマウスを表す。N = 7マウス(無傷)、5マウス(PBS)、4マウス(Verteporfin)。
図4、A-Hは、生体内のメカノトランスダクション阻害が、再生を介した無瘢痕創傷治癒をもたらすことを示している。(A)背部切除創傷の概略図(上段)、POD 0(左列)、14(左中列)、30(右中列)、および90(右列)における、PBS(コントロール;中列)またはVerteporfin(下列)で処理した創傷の各タイムポイントに対応する肉眼写真を添付する。赤い点線の円は、傷の固定に使用したリングの位置を示す。(B) POD 14(左列)、30(中列)、または90(右列)で採取したコントロール(上段)およびVerteporfin処理(下段)の創傷のH&E組織学。白い矢印は、形態学的に真皮付属器官と一致する構造を示す。(C) POD 90のVerteporfin処理創傷で、毛包と他の皮膚付属器官の再成長を示す。肉眼写真(上段)および組織学:中段、毛包/汗腺マーカーCK14(赤)およびCK19(緑)に対する免疫染色(DAPI、青);下段、皮脂腺に対するオイルレッドO染色(赤色)。(D-F)POD14(D)、30(E)、および90(F)におけるコントロール(上段)およびVerteporfin処理(下段)創傷の蛍光組織学であり、ここで、線維芽細胞(EPF、ENF)を示し、およびECMタンパク質(col-I、Fn)および線維芽細胞/メカノトランスダクションマーカー(CD26、Dlk-1、YAP、aSMA)の免疫染色を示す;各パネルにおいてラベルによって示される色を有する。パネル(B-F)では、N = 3マウス/条件/タイムポイント、2創傷/マウス。(F) 右端、PBSおよびVerteporfinで処理した創傷の治癒2週間後、1ヶ月後、3ヶ月後の20x HPFあたりのGFP+細胞(EPF)の定量化。(G)POD14(i)、30(ii)、90(iii)における無傷の皮膚(緑)、PBS(赤)またはVerteporfin処理(青)創傷の26のECM超構造を視覚化したt-SNEプロットで、各グループのクラスターを斜線で強調表示した。N = 3マウス/条件、5-10画像/マウス。点は1枚の画像を表す。(H)傷のない皮膚(緑)、PBS(赤)、およびVerteporfin処理(青)のインストロン機械強度試験で、計算された創傷破壊力(左プロット;傷なし対PBS、*P = 0.0417;傷なし対Verteporfin、P = 0.8057)およびヤング率(右プロット;傷なし対PBS、*P = 0.0048;傷なし対Verteporfin、P = 0.9287)。点は個々のマウスを表す。N = 7マウス(無傷)、5マウス(PBS)、4マウス(Verteporfin)。
図4、A-Hは、生体内のメカノトランスダクション阻害が、再生を介した無瘢痕創傷治癒をもたらすことを示している。(A)背部切除創傷の概略図(上段)、POD 0(左列)、14(左中列)、30(右中列)、および90(右列)における、PBS(コントロール;中列)またはVerteporfin(下列)で処理した創傷の各タイムポイントに対応する肉眼写真を添付する。赤い点線の円は、傷の固定に使用したリングの位置を示す。(B) POD 14(左列)、30(中列)、または90(右列)で採取したコントロール(上段)およびVerteporfin処理(下段)の創傷のH&E組織学。白い矢印は、形態学的に真皮付属器官と一致する構造を示す。(C) POD 90のVerteporfin処理創傷で、毛包と他の皮膚付属器官の再成長を示す。肉眼写真(上段)および組織学:中段、毛包/汗腺マーカーCK14(赤)およびCK19(緑)に対する免疫染色(DAPI、青);下段、皮脂腺に対するオイルレッドO染色(赤色)。(D-F)POD14(D)、30(E)、および90(F)におけるコントロール(上段)およびVerteporfin処理(下段)創傷の蛍光組織学であり、ここで、線維芽細胞(EPF、ENF)を示し、およびECMタンパク質(col-I、Fn)および線維芽細胞/メカノトランスダクションマーカー(CD26、Dlk-1、YAP、aSMA)の免疫染色を示す;各パネルにおいてラベルによって示される色を有する。パネル(B-F)では、N = 3マウス/条件/タイムポイント、2創傷/マウス。(F) 右端、PBSおよびVerteporfinで処理した創傷の治癒2週間後、1ヶ月後、3ヶ月後の20x HPFあたりのGFP+細胞(EPF)の定量化。(G)POD14(i)、30(ii)、90(iii)における無傷の皮膚(緑)、PBS(赤)またはVerteporfin処理(青)創傷の26のECM超構造を視覚化したt-SNEプロットで、各グループのクラスターを斜線で強調表示した。N = 3マウス/条件、5-10画像/マウス。点は1枚の画像を表す。(H)傷のない皮膚(緑)、PBS(赤)、およびVerteporfin処理(青)のインストロン機械強度試験で、計算された創傷破壊力(左プロット;傷なし対PBS、*P = 0.0417;傷なし対Verteporfin、P = 0.8057)およびヤング率(右プロット;傷なし対PBS、*P = 0.0048;傷なし対Verteporfin、P = 0.9287)。点は個々のマウスを表す。N = 7マウス(無傷)、5マウス(PBS)、4マウス(Verteporfin)。
図5、A-Fは、線維芽細胞サブタイプを単離するためのFACSストラテジーを示している。(A) タモキシフェン誘発 En-1Cre-ERT;Ai6 背部皮膚および切除創傷から ENF (Lin- GFP- CD26- )、eEPF (Lin- GFP- CD26+ )、および pEPF (Lin- GFP+ )を分離するためのストラテジー。(B) (A)で描いた傷のない皮膚(左)および傷(右)の代表的なFACSプロット。*、**は、後続のプロットに引き継がれたゲート細胞集団を示す。(C) 傷のない皮膚と治癒した創傷(POD 14)における、ENF(赤)、eEPF(青)、および pEPF(緑)で表される線維芽細胞(Lin- )の相対比率を定量化したもの。点は生物学的な繰り返しを示し、N = 3である。それぞれは、4匹のマウス (2創傷/マウス)からのプールされた細胞を含む。無傷対創傷:eEPF, *P = 0.0559; pEPF, *P = 0.0204; ENF, P = 0.6433.(D) En-1Cre ;Ai6背部皮膚からの乳頭状、網状、および皮下の線維芽細胞のFACS分離のための模式図(既報の表面マーカーに基づく)。(E) ENF (Lin- GFP- ;赤枠) と EPF (Lin- GFP+ ;緑枠) を分離するためのゲーティングストラテジーと、ENFサブタイプの分画 (乳頭状、青枠;網状、グレー枠;表下、紫枠) を示す代表的な FACS プロット。*, **, ***, および‡ は、後続のプロットで引き継がれるゲート細胞集団を示す。(F) 線維芽細胞をPDGFRa+ 細胞(左パネル)対 Lin- 細胞(右パネル)と定義したときの、各 ENF サブ集団(乳頭、青;網状、灰色;皮下、紫)により表される線維芽細胞の割合。N = 3であり、個々の産毛からプールした細胞を用いて別個に実験した。左:乳頭部対皮下 *P = 0.0135、網状部対皮下*P = 0.0067、右:すべての一対比較P > 0.05。
図5、A-Fは、線維芽細胞サブタイプを単離するためのFACSストラテジーを示している。(A) タモキシフェン誘発 En-1Cre-ERT;Ai6 背部皮膚および切除創傷から ENF (Lin- GFP- CD26- )、eEPF (Lin- GFP- CD26+ )、および pEPF (Lin- GFP+ )を分離するためのストラテジー。(B) (A)で描いた傷のない皮膚(左)および傷(右)の代表的なFACSプロット。*、**は、後続のプロットに引き継がれたゲート細胞集団を示す。(C) 傷のない皮膚と治癒した創傷(POD 14)における、ENF(赤)、eEPF(青)、および pEPF(緑)で表される線維芽細胞(Lin- )の相対比率を定量化したもの。点は生物学的な繰り返しを示し、N = 3である。それぞれは、4匹のマウス (2創傷/マウス)からのプールされた細胞を含む。無傷対創傷:eEPF, *P = 0.0559; pEPF, *P = 0.0204; ENF, P = 0.6433.(D) En-1Cre ;Ai6背部皮膚からの乳頭状、網状、および皮下の線維芽細胞のFACS分離のための模式図(既報の表面マーカーに基づく)。(E) ENF (Lin- GFP- ;赤枠) と EPF (Lin- GFP+ ;緑枠) を分離するためのゲーティングストラテジーと、ENFサブタイプの分画 (乳頭状、青枠;網状、グレー枠;表下、紫枠) を示す代表的な FACS プロット。*, **, ***, および‡ は、後続のプロットで引き継がれるゲート細胞集団を示す。(F) 線維芽細胞をPDGFRa+ 細胞(左パネル)対 Lin- 細胞(右パネル)と定義したときの、各 ENF サブ集団(乳頭、青;網状、灰色;皮下、紫)により表される線維芽細胞の割合。N = 3であり、個々の産毛からプールした細胞を用いて別個に実験した。左:乳頭部対皮下 *P = 0.0135、網状部対皮下*P = 0.0067、右:すべての一対比較P > 0.05。
図5、A-Fは、線維芽細胞サブタイプを単離するためのFACSストラテジーを示している。(A) タモキシフェン誘発 En-1Cre-ERT;Ai6 背部皮膚および切除創傷から ENF (Lin- GFP- CD26- )、eEPF (Lin- GFP- CD26+ )、および pEPF (Lin- GFP+ )を分離するためのストラテジー。(B) (A)で描いた傷のない皮膚(左)および傷(右)の代表的なFACSプロット。*、**は、後続のプロットに引き継がれたゲート細胞集団を示す。(C) 傷のない皮膚と治癒した創傷(POD 14)における、ENF(赤)、eEPF(青)、および pEPF(緑)で表される線維芽細胞(Lin- )の相対比率を定量化したもの。点は生物学的な繰り返しを示し、N = 3である。それぞれは、4匹のマウス (2創傷/マウス)からのプールされた細胞を含む。無傷対創傷:eEPF, *P = 0.0559; pEPF, *P = 0.0204; ENF, P = 0.6433.(D) En-1Cre ;Ai6背部皮膚からの乳頭状、網状、および皮下の線維芽細胞のFACS分離のための模式図(既報の表面マーカーに基づく)。(E) ENF (Lin- GFP- ;赤枠) と EPF (Lin- GFP+ ;緑枠) を分離するためのゲーティングストラテジーと、ENFサブタイプの分画 (乳頭状、青枠;網状、グレー枠;表下、紫枠) を示す代表的な FACS プロット。*, **, ***, および‡ は、後続のプロットで引き継がれるゲート細胞集団を示す。(F) 線維芽細胞をPDGFRa+ 細胞(左パネル)対 Lin- 細胞(右パネル)と定義したときの、各 ENF サブ集団(乳頭、青;網状、灰色;皮下、紫)により表される線維芽細胞の割合。N = 3であり、個々の産毛からプールした細胞を用いて別個に実験した。左:乳頭部対皮下 *P = 0.0135、網状部対皮下*P = 0.0067、右:すべての一対比較P > 0.05。
図5、A-Fは、線維芽細胞サブタイプを単離するためのFACSストラテジーを示している。(A) タモキシフェン誘発 En-1Cre-ERT;Ai6 背部皮膚および切除創傷から ENF (Lin- GFP- CD26- )、eEPF (Lin- GFP- CD26+ )、および pEPF (Lin- GFP+ )を分離するためのストラテジー。(B) (A)で描いた傷のない皮膚(左)および傷(右)の代表的なFACSプロット。*、**は、後続のプロットに引き継がれたゲート細胞集団を示す。(C) 傷のない皮膚と治癒した創傷(POD 14)における、ENF(赤)、eEPF(青)、および pEPF(緑)で表される線維芽細胞(Lin- )の相対比率を定量化したもの。点は生物学的な繰り返しを示し、N = 3である。それぞれは、4匹のマウス (2創傷/マウス)からのプールされた細胞を含む。無傷対創傷:eEPF, *P = 0.0559; pEPF, *P = 0.0204; ENF, P = 0.6433.(D) En-1Cre ;Ai6背部皮膚からの乳頭状、網状、および皮下の線維芽細胞のFACS分離のための模式図(既報の表面マーカーに基づく)。(E) ENF (Lin- GFP- ;赤枠) と EPF (Lin- GFP+ ;緑枠) を分離するためのゲーティングストラテジーと、ENFサブタイプの分画 (乳頭状、青枠;網状、グレー枠;表下、紫枠) を示す代表的な FACS プロット。*, **, ***, および‡ は、後続のプロットで引き継がれるゲート細胞集団を示す。(F) 線維芽細胞をPDGFRa+ 細胞(左パネル)対 Lin- 細胞(右パネル)と定義したときの、各 ENF サブ集団(乳頭、青;網状、灰色;皮下、紫)により表される線維芽細胞の割合。N = 3であり、個々の産毛からプールした細胞を用いて別個に実験した。左:乳頭部対皮下 *P = 0.0135、網状部対皮下*P = 0.0067、右:すべての一対比較P > 0.05。
図5、A-Fは、線維芽細胞サブタイプを単離するためのFACSストラテジーを示している。(A) タモキシフェン誘発 En-1Cre-ERT;Ai6 背部皮膚および切除創傷から ENF (Lin- GFP- CD26- )、eEPF (Lin- GFP- CD26+ )、および pEPF (Lin- GFP+ )を分離するためのストラテジー。(B) (A)で描いた傷のない皮膚(左)および傷(右)の代表的なFACSプロット。*、**は、後続のプロットに引き継がれたゲート細胞集団を示す。(C) 傷のない皮膚と治癒した創傷(POD 14)における、ENF(赤)、eEPF(青)、および pEPF(緑)で表される線維芽細胞(Lin- )の相対比率を定量化したもの。点は生物学的な繰り返しを示し、N = 3である。それぞれは、4匹のマウス (2創傷/マウス)からのプールされた細胞を含む。無傷対創傷:eEPF, *P = 0.0559; pEPF, *P = 0.0204; ENF, P = 0.6433.(D) En-1Cre ;Ai6背部皮膚からの乳頭状、網状、および皮下の線維芽細胞のFACS分離のための模式図(既報の表面マーカーに基づく)。(E) ENF (Lin- GFP- ;赤枠) と EPF (Lin- GFP+ ;緑枠) を分離するためのゲーティングストラテジーと、ENFサブタイプの分画 (乳頭状、青枠;網状、グレー枠;表下、紫枠) を示す代表的な FACS プロット。*, **, ***, および‡ は、後続のプロットで引き継がれるゲート細胞集団を示す。(F) 線維芽細胞をPDGFRa+ 細胞(左パネル)対 Lin- 細胞(右パネル)と定義したときの、各 ENF サブ集団(乳頭、青;網状、灰色;皮下、紫)により表される線維芽細胞の割合。N = 3であり、個々の産毛からプールした細胞を用いて別個に実験した。左:乳頭部対皮下 *P = 0.0135、網状部対皮下*P = 0.0067、右:すべての一対比較P > 0.05。
図5、A-Fは、線維芽細胞サブタイプを単離するためのFACSストラテジーを示している。(A) タモキシフェン誘発 En-1Cre-ERT;Ai6 背部皮膚および切除創傷から ENF (Lin- GFP- CD26- )、eEPF (Lin- GFP- CD26+ )、および pEPF (Lin- GFP+ )を分離するためのストラテジー。(B) (A)で描いた傷のない皮膚(左)および傷(右)の代表的なFACSプロット。*、**は、後続のプロットに引き継がれたゲート細胞集団を示す。(C) 傷のない皮膚と治癒した創傷(POD 14)における、ENF(赤)、eEPF(青)、および pEPF(緑)で表される線維芽細胞(Lin- )の相対比率を定量化したもの。点は生物学的な繰り返しを示し、N = 3である。それぞれは、4匹のマウス (2創傷/マウス)からのプールされた細胞を含む。無傷対創傷:eEPF, *P = 0.0559; pEPF, *P = 0.0204; ENF, P = 0.6433.(D) En-1Cre ;Ai6背部皮膚からの乳頭状、網状、および皮下の線維芽細胞のFACS分離のための模式図(既報の表面マーカーに基づく)。(E) ENF (Lin- GFP- ;赤枠) と EPF (Lin- GFP+ ;緑枠) を分離するためのゲーティングストラテジーと、ENFサブタイプの分画 (乳頭状、青枠;網状、グレー枠;表下、紫枠) を示す代表的な FACS プロット。*, **, ***, および‡ は、後続のプロットで引き継がれるゲート細胞集団を示す。(F) 線維芽細胞をPDGFRa+ 細胞(左パネル)対 Lin- 細胞(右パネル)と定義したときの、各 ENF サブ集団(乳頭、青;網状、灰色;皮下、紫)により表される線維芽細胞の割合。N = 3であり、個々の産毛からプールした細胞を用いて別個に実験した。左:乳頭部対皮下 *P = 0.0135、網状部対皮下*P = 0.0067、右:すべての一対比較P > 0.05。
図5、A-Fは、線維芽細胞サブタイプを単離するためのFACSストラテジーを示している。(A) タモキシフェン誘発 En-1Cre-ERT;Ai6 背部皮膚および切除創傷から ENF (Lin- GFP- CD26- )、eEPF (Lin- GFP- CD26+ )、および pEPF (Lin- GFP+ )を分離するためのストラテジー。(B) (A)で描いた傷のない皮膚(左)および傷(右)の代表的なFACSプロット。*、**は、後続のプロットに引き継がれたゲート細胞集団を示す。(C) 傷のない皮膚と治癒した創傷(POD 14)における、ENF(赤)、eEPF(青)、および pEPF(緑)で表される線維芽細胞(Lin- )の相対比率を定量化したもの。点は生物学的な繰り返しを示し、N = 3である。それぞれは、4匹のマウス (2創傷/マウス)からのプールされた細胞を含む。無傷対創傷:eEPF, *P = 0.0559; pEPF, *P = 0.0204; ENF, P = 0.6433.(D) En-1Cre ;Ai6背部皮膚からの乳頭状、網状、および皮下の線維芽細胞のFACS分離のための模式図(既報の表面マーカーに基づく)。(E) ENF (Lin- GFP- ;赤枠) と EPF (Lin- GFP+ ;緑枠) を分離するためのゲーティングストラテジーと、ENFサブタイプの分画 (乳頭状、青枠;網状、グレー枠;表下、紫枠) を示す代表的な FACS プロット。*, **, ***, および‡ は、後続のプロットで引き継がれるゲート細胞集団を示す。(F) 線維芽細胞をPDGFRa+ 細胞(左パネル)対 Lin- 細胞(右パネル)と定義したときの、各 ENF サブ集団(乳頭、青;網状、灰色;皮下、紫)により表される線維芽細胞の割合。N = 3であり、個々の産毛からプールした細胞を用いて別個に実験した。左:乳頭部対皮下 *P = 0.0135、網状部対皮下*P = 0.0067、右:すべての一対比較P > 0.05。
図5、A-Fは、線維芽細胞サブタイプを単離するためのFACSストラテジーを示している。(A) タモキシフェン誘発 En-1Cre-ERT;Ai6 背部皮膚および切除創傷から ENF (Lin- GFP- CD26- )、eEPF (Lin- GFP- CD26+ )、および pEPF (Lin- GFP+ )を分離するためのストラテジー。(B) (A)で描いた傷のない皮膚(左)および傷(右)の代表的なFACSプロット。*、**は、後続のプロットに引き継がれたゲート細胞集団を示す。(C) 傷のない皮膚と治癒した創傷(POD 14)における、ENF(赤)、eEPF(青)、および pEPF(緑)で表される線維芽細胞(Lin- )の相対比率を定量化したもの。点は生物学的な繰り返しを示し、N = 3である。それぞれは、4匹のマウス (2創傷/マウス)からのプールされた細胞を含む。無傷対創傷:eEPF, *P = 0.0559; pEPF, *P = 0.0204; ENF, P = 0.6433.(D) En-1Cre ;Ai6背部皮膚からの乳頭状、網状、および皮下の線維芽細胞のFACS分離のための模式図(既報の表面マーカーに基づく)。(E) ENF (Lin- GFP- ;赤枠) と EPF (Lin- GFP+ ;緑枠) を分離するためのゲーティングストラテジーと、ENFサブタイプの分画 (乳頭状、青枠;網状、グレー枠;表下、紫枠) を示す代表的な FACS プロット。*, **, ***, および‡ は、後続のプロットで引き継がれるゲート細胞集団を示す。(F) 線維芽細胞をPDGFRa+ 細胞(左パネル)対 Lin- 細胞(右パネル)と定義したときの、各 ENF サブ集団(乳頭、青;網状、灰色;皮下、紫)により表される線維芽細胞の割合。N = 3であり、個々の産毛からプールした細胞を用いて別個に実験した。左:乳頭部対皮下 *P = 0.0135、網状部対皮下*P = 0.0067、右:すべての一対比較P > 0.05。
図5、A-Fは、線維芽細胞サブタイプを単離するためのFACSストラテジーを示している。(A) タモキシフェン誘発 En-1Cre-ERT;Ai6 背部皮膚および切除創傷から ENF (Lin- GFP- CD26- )、eEPF (Lin- GFP- CD26+ )、および pEPF (Lin- GFP+ )を分離するためのストラテジー。(B) (A)で描いた傷のない皮膚(左)および傷(右)の代表的なFACSプロット。*、**は、後続のプロットに引き継がれたゲート細胞集団を示す。(C) 傷のない皮膚と治癒した創傷(POD 14)における、ENF(赤)、eEPF(青)、および pEPF(緑)で表される線維芽細胞(Lin- )の相対比率を定量化したもの。点は生物学的な繰り返しを示し、N = 3である。それぞれは、4匹のマウス (2創傷/マウス)からのプールされた細胞を含む。無傷対創傷:eEPF, *P = 0.0559; pEPF, *P = 0.0204; ENF, P = 0.6433.(D) En-1Cre ;Ai6背部皮膚からの乳頭状、網状、および皮下の線維芽細胞のFACS分離のための模式図(既報の表面マーカーに基づく)。(E) ENF (Lin- GFP- ;赤枠) と EPF (Lin- GFP+ ;緑枠) を分離するためのゲーティングストラテジーと、ENFサブタイプの分画 (乳頭状、青枠;網状、グレー枠;表下、紫枠) を示す代表的な FACS プロット。*, **, ***, および‡ は、後続のプロットで引き継がれるゲート細胞集団を示す。(F) 線維芽細胞をPDGFRa+ 細胞(左パネル)対 Lin- 細胞(右パネル)と定義したときの、各 ENF サブ集団(乳頭、青;網状、灰色;皮下、紫)により表される線維芽細胞の割合。N = 3であり、個々の産毛からプールした細胞を用いて別個に実験した。左:乳頭部対皮下 *P = 0.0135、網状部対皮下*P = 0.0067、右:すべての一対比較P > 0.05。
図6のA-Cは、in vitro ENFおよびpEPFの遺伝子セットエンリッチメント解析を示す。TCPS 上で 2 日間(ENF のまま)または 14 日間(Engrailed-1 を活性化;GFP+ )培養した ENF(mTomato+ )の正規化 RNA-seq カウントを、(A)Gene Ontology Biological Process、(B)Gene Ontology Molecular Function および(C) Hallmark データベースにおけるエンリッチメントについて分析した。Engrailed-1の活性化は、14日目における様々なECM関連項目のエンリッチメントから推測されるように、「筋肉の発達」アイデンティティの喪失と線維化促進アイデンティティの獲得と関連していた。
図6のA-Cは、in vitro ENFおよびpEPFの遺伝子セットエンリッチメント解析を示す。TCPS 上で 2 日間(ENF のまま)または 14 日間(Engrailed-1 を活性化;GFP+ )培養した ENF(mTomato+ )の正規化 RNA-seq カウントを、(A)Gene Ontology Biological Process、(B)Gene Ontology Molecular Function および(C) Hallmark データベースにおけるエンリッチメントについて分析した。Engrailed-1の活性化は、14日目における様々なECM関連項目のエンリッチメントから推測されるように、「筋肉の発達」アイデンティティの喪失と線維化促進アイデンティティの獲得と関連していた。
図6のA-Cは、in vitro ENFおよびpEPFの遺伝子セットエンリッチメント解析を示す。TCPS 上で 2 日間(ENF のまま)または 14 日間(Engrailed-1 を活性化;GFP+ )培養した ENF(mTomato+ )の正規化 RNA-seq カウントを、(A)Gene Ontology Biological Process、(B)Gene Ontology Molecular Function および(C) Hallmark データベースにおけるエンリッチメントについて分析した。Engrailed-1の活性化は、14日目における様々なECM関連項目のエンリッチメントから推測されるように、「筋肉の発達」アイデンティティの喪失と線維化促進アイデンティティの獲得と関連していた。
図6のA-Cは、in vitro ENFおよびpEPFの遺伝子セットエンリッチメント解析を示す。TCPS 上で 2 日間(ENF のまま)または 14 日間(Engrailed-1 を活性化;GFP+ )培養した ENF(mTomato+ )の正規化 RNA-seq カウントを、(A)Gene Ontology Biological Process、(B)Gene Ontology Molecular Function および(C) Hallmark データベースにおけるエンリッチメントについて分析した。Engrailed-1の活性化は、14日目における様々なECM関連項目のエンリッチメントから推測されるように、「筋肉の発達」アイデンティティの喪失と線維化促進アイデンティティの獲得と関連していた。
図6のA-Cは、in vitro ENFおよびpEPFの遺伝子セットエンリッチメント解析を示す。TCPS 上で 2 日間(ENF のまま)または 14 日間(Engrailed-1 を活性化;GFP+ )培養した ENF(mTomato+ )の正規化 RNA-seq カウントを、(A)Gene Ontology Biological Process、(B)Gene Ontology Molecular Function および(C) Hallmark データベースにおけるエンリッチメントについて分析した。Engrailed-1の活性化は、14日目における様々なECM関連項目のエンリッチメントから推測されるように、「筋肉の発達」アイデンティティの喪失と線維化促進アイデンティティの獲得と関連していた。
図6のA-Cは、in vitro ENFおよびpEPFの遺伝子セットエンリッチメント解析を示す。TCPS 上で 2 日間(ENF のまま)または 14 日間(Engrailed-1 を活性化;GFP+ )培養した ENF(mTomato+ )の正規化 RNA-seq カウントを、(A)Gene Ontology Biological Process、(B)Gene Ontology Molecular Function および(C) Hallmark データベースにおけるエンリッチメントについて分析した。Engrailed-1の活性化は、14日目における様々なECM関連項目のエンリッチメントから推測されるように、「筋肉の発達」アイデンティティの喪失と線維化促進アイデンティティの獲得と関連していた。
図6のA-Cは、in vitro ENFおよびpEPFの遺伝子セットエンリッチメント解析を示す。TCPS 上で 2 日間(ENF のまま)または 14 日間(Engrailed-1 を活性化;GFP+ )培養した ENF(mTomato+ )の正規化 RNA-seq カウントを、(A)Gene Ontology Biological Process、(B)Gene Ontology Molecular Function および(C) Hallmark データベースにおけるエンリッチメントについて分析した。Engrailed-1の活性化は、14日目における様々なECM関連項目のエンリッチメントから推測されるように、「筋肉の発達」アイデンティティの喪失と線維化促進アイデンティティの獲得と関連していた。
図6のA-Cは、in vitro ENFおよびpEPFの遺伝子セットエンリッチメント解析を示す。TCPS 上で 2 日間(ENF のまま)または 14 日間(Engrailed-1 を活性化;GFP+ )培養した ENF(mTomato+ )の正規化 RNA-seq カウントを、(A)Gene Ontology Biological Process、(B)Gene Ontology Molecular Function および(C) Hallmark データベースにおけるエンリッチメントについて分析した。Engrailed-1の活性化は、14日目における様々なECM関連項目のエンリッチメントから推測されるように、「筋肉の発達」アイデンティティの喪失と線維化促進アイデンティティの獲得と関連していた。
図6のA-Cは、in vitro ENFおよびpEPFの遺伝子セットエンリッチメント解析を示す。TCPS 上で 2 日間(ENF のまま)または 14 日間(Engrailed-1 を活性化;GFP+ )培養した ENF(mTomato+ )の正規化 RNA-seq カウントを、(A)Gene Ontology Biological Process、(B)Gene Ontology Molecular Function および(C) Hallmark データベースにおけるエンリッチメントについて分析した。Engrailed-1の活性化は、14日目における様々なECM関連項目のエンリッチメントから推測されるように、「筋肉の発達」アイデンティティの喪失と線維化促進アイデンティティの獲得と関連していた。
図6のA-Cは、in vitro ENFおよびpEPFの遺伝子セットエンリッチメント解析を示す。TCPS 上で 2 日間(ENF のまま)または 14 日間(Engrailed-1 を活性化;GFP+ )培養した ENF(mTomato+ )の正規化 RNA-seq カウントを、(A)Gene Ontology Biological Process、(B)Gene Ontology Molecular Function および(C) Hallmark データベースにおけるエンリッチメントについて分析した。Engrailed-1の活性化は、14日目における様々なECM関連項目のエンリッチメントから推測されるように、「筋肉の発達」アイデンティティの喪失と線維化促進アイデンティティの獲得と関連していた。
図7のA-Cは、in vivo ENFおよびpEPFの遺伝子セットエンリッチメント解析を示す。瘢痕ENF(GFP- CD26- )及び出生後EPF(GFP+ )の正規化RNA-seqカウントを、(A)Gene Ontology Biological Process、(B)Gene Ontology Molecular Function及び(C)Hallmarkデータベースにおけるエンリッチメントについて分析した。傷痕ENFは、ECM-adhesionとNotchシグナル関連の項目に富んでおり、機械感受性表現型を裏付けていた。一方、出生後のEPFは、様々なECM関連の項目に富んでおり、機械感受性ENFによる創傷環境でのEngrailed-1の活性化が、線維化促進表現型の獲得に関連していることが確認された。
図7のA-Cは、in vivo ENFおよびpEPFの遺伝子セットエンリッチメント解析を示す。瘢痕ENF(GFP- CD26- )及び出生後EPF(GFP+ )の正規化RNA-seqカウントを、(A)Gene Ontology Biological Process、(B)Gene Ontology Molecular Function及び(C)Hallmarkデータベースにおけるエンリッチメントについて分析した。傷痕ENFは、ECM-adhesionとNotchシグナル関連の項目に富んでおり、機械感受性表現型を裏付けていた。一方、出生後のEPFは、様々なECM関連の項目に富んでおり、機械感受性ENFによる創傷環境でのEngrailed-1の活性化が、線維化促進表現型の獲得に関連していることが確認された。
図7のA-Cは、in vivo ENFおよびpEPFの遺伝子セットエンリッチメント解析を示す。瘢痕ENF(GFP- CD26- )及び出生後EPF(GFP+ )の正規化RNA-seqカウントを、(A)Gene Ontology Biological Process、(B)Gene Ontology Molecular Function及び(C)Hallmarkデータベースにおけるエンリッチメントについて分析した。傷痕ENFは、ECM-adhesionとNotchシグナル関連の項目に富んでおり、機械感受性表現型を裏付けていた。一方、出生後のEPFは、様々なECM関連の項目に富んでおり、機械感受性ENFによる創傷環境でのEngrailed-1の活性化が、線維化促進表現型の獲得に関連していることが確認された。
図7のA-Cは、in vivo ENFおよびpEPFの遺伝子セットエンリッチメント解析を示す。瘢痕ENF(GFP- CD26- )及び出生後EPF(GFP+ )の正規化RNA-seqカウントを、(A)Gene Ontology Biological Process、(B)Gene Ontology Molecular Function及び(C)Hallmarkデータベースにおけるエンリッチメントについて分析した。傷痕ENFは、ECM-adhesionとNotchシグナル関連の項目に富んでおり、機械感受性表現型を裏付けていた。一方、出生後のEPFは、様々なECM関連の項目に富んでおり、機械感受性ENFによる創傷環境でのEngrailed-1の活性化が、線維化促進表現型の獲得に関連していることが確認された。
図7のA-Cは、in vivo ENFおよびpEPFの遺伝子セットエンリッチメント解析を示す。瘢痕ENF(GFP- CD26- )及び出生後EPF(GFP+ )の正規化RNA-seqカウントを、(A)Gene Ontology Biological Process、(B)Gene Ontology Molecular Function及び(C)Hallmarkデータベースにおけるエンリッチメントについて分析した。傷痕ENFは、ECM-adhesionとNotchシグナル関連の項目に富んでおり、機械感受性表現型を裏付けていた。一方、出生後のEPFは、様々なECM関連の項目に富んでおり、機械感受性ENFによる創傷環境でのEngrailed-1の活性化が、線維化促進表現型の獲得に関連していることが確認された。
図7のA-Cは、in vivo ENFおよびpEPFの遺伝子セットエンリッチメント解析を示す。瘢痕ENF(GFP- CD26- )及び出生後EPF(GFP+ )の正規化RNA-seqカウントを、(A)Gene Ontology Biological Process、(B)Gene Ontology Molecular Function及び(C)Hallmarkデータベースにおけるエンリッチメントについて分析した。傷痕ENFは、ECM-adhesionとNotchシグナル関連の項目に富んでおり、機械感受性表現型を裏付けていた。一方、出生後のEPFは、様々なECM関連の項目に富んでおり、機械感受性ENFによる創傷環境でのEngrailed-1の活性化が、線維化促進表現型の獲得に関連していることが確認された。
図7のA-Cは、in vivo ENFおよびpEPFの遺伝子セットエンリッチメント解析を示す。瘢痕ENF(GFP- CD26- )及び出生後EPF(GFP+ )の正規化RNA-seqカウントを、(A)Gene Ontology Biological Process、(B)Gene Ontology Molecular Function及び(C)Hallmarkデータベースにおけるエンリッチメントについて分析した。傷痕ENFは、ECM-adhesionとNotchシグナル関連の項目に富んでおり、機械感受性表現型を裏付けていた。一方、出生後のEPFは、様々なECM関連の項目に富んでおり、機械感受性ENFによる創傷環境でのEngrailed-1の活性化が、線維化促進表現型の獲得に関連していることが確認された。
図7のA-Cは、in vivo ENFおよびpEPFの遺伝子セットエンリッチメント解析を示す。瘢痕ENF(GFP- CD26- )及び出生後EPF(GFP+ )の正規化RNA-seqカウントを、(A)Gene Ontology Biological Process、(B)Gene Ontology Molecular Function及び(C)Hallmarkデータベースにおけるエンリッチメントについて分析した。傷痕ENFは、ECM-adhesionとNotchシグナル関連の項目に富んでおり、機械感受性表現型を裏付けていた。一方、出生後のEPFは、様々なECM関連の項目に富んでおり、機械感受性ENFによる創傷環境でのEngrailed-1の活性化が、線維化促進表現型の獲得に関連していることが確認された。
図7のA-Cは、in vivo ENFおよびpEPFの遺伝子セットエンリッチメント解析を示す。瘢痕ENF(GFP- CD26- )及び出生後EPF(GFP+ )の正規化RNA-seqカウントを、(A)Gene Ontology Biological Process、(B)Gene Ontology Molecular Function及び(C)Hallmarkデータベースにおけるエンリッチメントについて分析した。傷痕ENFは、ECM-adhesionとNotchシグナル関連の項目に富んでおり、機械感受性表現型を裏付けていた。一方、出生後のEPFは、様々なECM関連の項目に富んでおり、機械感受性ENFによる創傷環境でのEngrailed-1の活性化が、線維化促進表現型の獲得に関連していることが確認された。
図7のA-Cは、in vivo ENFおよびpEPFの遺伝子セットエンリッチメント解析を示す。瘢痕ENF(GFP- CD26- )及び出生後EPF(GFP+ )の正規化RNA-seqカウントを、(A)Gene Ontology Biological Process、(B)Gene Ontology Molecular Function及び(C)Hallmarkデータベースにおけるエンリッチメントについて分析した。傷痕ENFは、ECM-adhesionとNotchシグナル関連の項目に富んでおり、機械感受性表現型を裏付けていた。一方、出生後のEPFは、様々なECM関連の項目に富んでおり、機械感受性ENFによる創傷環境でのEngrailed-1の活性化が、線維化促進表現型の獲得に関連していることが確認された。
図7のA-Cは、in vivo ENFおよびpEPFの遺伝子セットエンリッチメント解析を示す。瘢痕ENF(GFP- CD26- )及び出生後EPF(GFP+ )の正規化RNA-seqカウントを、(A)Gene Ontology Biological Process、(B)Gene Ontology Molecular Function及び(C)Hallmarkデータベースにおけるエンリッチメントについて分析した。傷痕ENFは、ECM-adhesionとNotchシグナル関連の項目に富んでおり、機械感受性表現型を裏付けていた。一方、出生後のEPFは、様々なECM関連の項目に富んでおり、機械感受性ENFによる創傷環境でのEngrailed-1の活性化が、線維化促進表現型の獲得に関連していることが確認された。
図7のA-Cは、in vivo ENFおよびpEPFの遺伝子セットエンリッチメント解析を示す。瘢痕ENF(GFP- CD26- )及び出生後EPF(GFP+ )の正規化RNA-seqカウントを、(A)Gene Ontology Biological Process、(B)Gene Ontology Molecular Function及び(C)Hallmarkデータベースにおけるエンリッチメントについて分析した。傷痕ENFは、ECM-adhesionとNotchシグナル関連の項目に富んでおり、機械感受性表現型を裏付けていた。一方、出生後のEPFは、様々なECM関連の項目に富んでおり、機械感受性ENFによる創傷環境でのEngrailed-1の活性化が、線維化促進表現型の獲得に関連していることが確認された。
図7のA-Cは、in vivo ENFおよびpEPFの遺伝子セットエンリッチメント解析を示す。瘢痕ENF(GFP- CD26- )及び出生後EPF(GFP+ )の正規化RNA-seqカウントを、(A)Gene Ontology Biological Process、(B)Gene Ontology Molecular Function及び(C)Hallmarkデータベースにおけるエンリッチメントについて分析した。傷痕ENFは、ECM-adhesionとNotchシグナル関連の項目に富んでおり、機械感受性表現型を裏付けていた。一方、出生後のEPFは、様々なECM関連の項目に富んでおり、機械感受性ENFによる創傷環境でのEngrailed-1の活性化が、線維化促進表現型の獲得に関連していることが確認された。
図8、A-Cは、複数の用量のVerteporfinで処理された創傷の特徴分析を示す。(A)示された間隔で、PBS(赤)対1(青)、2(紫)、または4(水色)の用量のVerteporfinで処置した創傷の閉鎖(再上皮化)速度を示す創傷曲線。N = 少なくとも6創傷/条件。POD 4、2回投与Verteporfin対PBS、*P = 0.0140; POD 8、4回投与Verteporfin対PBS、*P = 0.0140; 他のすべての比較、P > 0.05 (B)POD 0(左列)および30(右列)において、PBS(第1段)、1(第2段)、2(第3段)または4(第4段)の用量のVerteporfinで処理した創傷の特性の代表的な写真である。(C) 治癒2週間後または1ヵ月後の様々な治療群に対するECM超構造の特性のt-SNE可視化(凡例参照)。傷のない皮膚と瘢痕(PBS)のクラスターは斜線で強調されている。
図8、A-Cは、複数の用量のVerteporfinで処理された創傷の特徴分析を示す。(A)示された間隔で、PBS(赤)対1(青)、2(紫)、または4(水色)の用量のVerteporfinで処置した創傷の閉鎖(再上皮化)速度を示す創傷曲線。N = 少なくとも6創傷/条件。POD 4、2回投与Verteporfin対PBS、*P = 0.0140; POD 8、4回投与Verteporfin対PBS、*P = 0.0140; 他のすべての比較、P > 0.05 (B)POD 0(左列)および30(右列)において、PBS(第1段)、1(第2段)、2(第3段)または4(第4段)の用量のVerteporfinで処理した創傷の特性の代表的な写真である。(C) 治癒2週間後または1ヵ月後の様々な治療群に対するECM超構造の特性のt-SNE可視化(凡例参照)。傷のない皮膚と瘢痕(PBS)のクラスターは斜線で強調されている。
図9のA-Bは、創傷後2週間におけるECM繊維パラメータの定量化を示す図である。(A)POD14における、創傷していない皮膚、及びVerteporfin-又はPBS-処理した創傷からの定量化された線維パラメータ。ピクロシリウス染色で評価した成熟(赤)線維と未熟(緑)線維について別々の値を算出した。ドットは、N = 3マウスのそれぞれから得た2つの傷の平均を表す。(B) 傷のない皮膚とPBS(左)またはVerteporfin処理した傷(右)の繊維パラメータ(赤、成熟;緑、未熟)の比較のためのP値。
図9のA-Bは、創傷後2週間におけるECM繊維パラメータの定量化を示す図である。(A)POD14における、創傷していない皮膚、及びVerteporfin-又はPBS-処理した創傷からの定量化された線維パラメータ。ピクロシリウス染色で評価した成熟(赤)線維と未熟(緑)線維について別々の値を算出した。ドットは、N = 3マウスのそれぞれから得た2つの傷の平均を表す。(B) 傷のない皮膚とPBS(左)またはVerteporfin処理した傷(右)の繊維パラメータ(赤、成熟;緑、未熟)の比較のためのP値。
図9のA-Bは、創傷後2週間におけるECM繊維パラメータの定量化を示す図である。(A)POD14における、創傷していない皮膚、及びVerteporfin-又はPBS-処理した創傷からの定量化された線維パラメータ。ピクロシリウス染色で評価した成熟(赤)線維と未熟(緑)線維について別々の値を算出した。ドットは、N = 3マウスのそれぞれから得た2つの傷の平均を表す。(B) 傷のない皮膚とPBS(左)またはVerteporfin処理した傷(右)の繊維パラメータ(赤、成熟;緑、未熟)の比較のためのP値。
図9のA-Bは、創傷後2週間におけるECM繊維パラメータの定量化を示す図である。(A)POD14における、創傷していない皮膚、及びVerteporfin-又はPBS-処理した創傷からの定量化された線維パラメータ。ピクロシリウス染色で評価した成熟(赤)線維と未熟(緑)線維について別々の値を算出した。ドットは、N = 3マウスのそれぞれから得た2つの傷の平均を表す。(B) 傷のない皮膚とPBS(左)またはVerteporfin処理した傷(右)の繊維パラメータ(赤、成熟;緑、未熟)の比較のためのP値。
図10のA-Bは、創傷後1ヶ月におけるECM線維パラメータの定量化を示す図である。(A)POD30における、創傷していない皮膚、及びVerteporfin-又はPBS-処理した創傷からの定量化された線維パラメータである。ピクロシリウス染色で評価した成熟線維(赤)と未熟線維(緑)について、別々の値を算出した。ドットは、N = 3マウスのそれぞれから得た2つの傷の平均を表す。(B) 傷のない皮膚とPBS(左)またはVerteporfin処理した傷(右)の線維パラメータ(赤、成熟;緑、未熟)の比較のためのP値。
図10のA-Bは、創傷後1ヶ月におけるECM線維パラメータの定量化を示す図である。(A)POD30における、創傷していない皮膚、及びVerteporfin-又はPBS-処理した創傷からの定量化された線維パラメータである。ピクロシリウス染色で評価した成熟線維(赤)と未熟線維(緑)について、別々の値を算出した。ドットは、N = 3マウスのそれぞれから得た2つの傷の平均を表す。(B) 傷のない皮膚とPBS(左)またはVerteporfin処理した傷(右)の線維パラメータ(赤、成熟;緑、未熟)の比較のためのP値。
図10のA-Bは、創傷後1ヶ月におけるECM線維パラメータの定量化を示す図である。(A)POD30における、創傷していない皮膚、及びVerteporfin-又はPBS-処理した創傷からの定量化された線維パラメータである。ピクロシリウス染色で評価した成熟線維(赤)と未熟線維(緑)について、別々の値を算出した。ドットは、N = 3マウスのそれぞれから得た2つの傷の平均を表す。(B) 傷のない皮膚とPBS(左)またはVerteporfin処理した傷(右)の線維パラメータ(赤、成熟;緑、未熟)の比較のためのP値。
図10のA-Bは、創傷後1ヶ月におけるECM線維パラメータの定量化を示す図である。(A)POD30における、創傷していない皮膚、及びVerteporfin-又はPBS-処理した創傷からの定量化された線維パラメータである。ピクロシリウス染色で評価した成熟線維(赤)と未熟線維(緑)について、別々の値を算出した。ドットは、N = 3マウスのそれぞれから得た2つの傷の平均を表す。(B) 傷のない皮膚とPBS(左)またはVerteporfin処理した傷(右)の線維パラメータ(赤、成熟;緑、未熟)の比較のためのP値。
図11のA-Bは、創傷後3ヶ月におけるECM線維パラメータの定量化を示す図である。(A)POD90における、創傷していない皮膚、及びVerteporfin-又はPBS-処理した創傷からの定量化された線維パラメータである。ピクロシリウス染色で評価した成熟線維(赤)対未熟線維(緑)について別々の値を算出した。ドットは、N = 3マウスのそれぞれから得た2つの傷の平均を表す。(B) 傷のない皮膚とPBS(左)またはVerteporfin処理した傷(右)の線維パラメータ(赤、成熟;緑、未熟)の比較のためのP値。
図11のA-Bは、創傷後3ヶ月におけるECM線維パラメータの定量化を示す図である。(A)POD90における、創傷していない皮膚、及びVerteporfin-又はPBS-処理した創傷からの定量化された線維パラメータである。ピクロシリウス染色で評価した成熟線維(赤)対未熟線維(緑)について別々の値を算出した。ドットは、N = 3マウスのそれぞれから得た2つの傷の平均を表す。(B) 傷のない皮膚とPBS(左)またはVerteporfin処理した傷(右)の線維パラメータ(赤、成熟;緑、未熟)の比較のためのP値。
図11のA-Bは、創傷後3ヶ月におけるECM線維パラメータの定量化を示す図である。(A)POD90における、創傷していない皮膚、及びVerteporfin-又はPBS-処理した創傷からの定量化された線維パラメータである。ピクロシリウス染色で評価した成熟線維(赤)対未熟線維(緑)について別々の値を算出した。ドットは、N = 3マウスのそれぞれから得た2つの傷の平均を表す。(B) 傷のない皮膚とPBS(左)またはVerteporfin処理した傷(右)の線維パラメータ(赤、成熟;緑、未熟)の比較のためのP値。
図11のA-Bは、創傷後3ヶ月におけるECM線維パラメータの定量化を示す図である。(A)POD90における、創傷していない皮膚、及びVerteporfin-又はPBS-処理した創傷からの定量化された線維パラメータである。ピクロシリウス染色で評価した成熟線維(赤)対未熟線維(緑)について別々の値を算出した。ドットは、N = 3マウスのそれぞれから得た2つの傷の平均を表す。(B) 傷のない皮膚とPBS(左)またはVerteporfin処理した傷(右)の線維パラメータ(赤、成熟;緑、未熟)の比較のためのP値。
図12のA-Bは、治癒1ヶ月後のPBS-およびVerteporfin-処置された創傷のインストロン比較を示す図である。(A)治癒1ヶ月後の未創傷皮膚(緑)、PBS処理創傷(赤)、及びVerteporfin処理創傷(青)についての代表的な力-変位曲線。(B) (A)と同じグループの代表的な応力-歪み曲線。Verteporfin処理により、治癒1ヶ月後の創傷は瘢痕(PBS処理)よりも未創傷の皮膚に近いものが得られた。
図13、A-Cは、Verteporfin処理された創傷における新しい毛包の生成を示す。(A)背面切除創傷の概略図(上段)、POD 0(左列)、14(左中列)、30(右中列)、および90(右列)における、PBS(コントロール;中列)またはVerteporfin(下列)で処理した創傷の各タイムポイントに対応する肉眼写真を有する。赤い点線の円は、傷の固定に使用したリングの位置を示す。(B) POD 14(左列)、30(中列)、または90(右列)で採取したコントロール(上段)およびVerteporfin処理(下段)の創傷のH&E組織学。白い矢印は、形態学的に真皮付属器官と一致する構造を示す。(C) POD 90のVerteporfin処理創傷で、毛包と他の真皮付属器官の再成長を示す。肉眼写真(上段)および組織学:下段、毛包/汗腺マーカーCK14(赤)およびCK19(緑)に対する免疫染色(DAPI、青)。
図13、A-Cは、Verteporfin処理された創傷における新しい毛包の生成を示す。(A)背面切除創傷の概略図(上段)、POD 0(左列)、14(左中列)、30(右中列)、および90(右列)における、PBS(コントロール;中列)またはVerteporfin(下列)で処理した創傷の各タイムポイントに対応する肉眼写真を有する。赤い点線の円は、傷の固定に使用したリングの位置を示す。(B) POD 14(左列)、30(中列)、または90(右列)で採取したコントロール(上段)およびVerteporfin処理(下段)の創傷のH&E組織学。白い矢印は、形態学的に真皮付属器官と一致する構造を示す。(C) POD 90のVerteporfin処理創傷で、毛包と他の真皮付属器官の再成長を示す。肉眼写真(上段)および組織学:下段、毛包/汗腺マーカーCK14(赤)およびCK19(緑)に対する免疫染色(DAPI、青)。
定義
従来の意味で本明細書にて使用されるが、用語「線維芽細胞」は以下を意味する:細胞外マトリクスの合成及び組織化を担う細胞。2種類の線維芽細胞の系統は、以下を含む:Engrailed-1系統陰性線維芽細胞(ENF)、及び、Engrailed-1系統陽性線維芽細胞(EPF)。EPF系統は、以下を含む:Engrailed-1を発生中の任意のポイントで発現する全ての細胞、及び、これらの細胞の全ての子孫。
本明細書で使用するが、用語「調節する」は、以下を意味する:生物学的な細胞、細胞の集団、又は細胞の構成要素(例えば、プロテイン、核酸など)の特性について、増加させる、減少させる、又は、阻害すること。幾つかの場合において、特性は、例えば、シグナル経路の活性化を含む。 幾つかの場合において、特性は、1以上の細胞の量及び/又は活性を含む。幾つかの場合において、特性は、例えば、細胞の構成要素 (例えば、プロテイン、核酸など)の量、活性、又は、発現レベル (DNA又はRNAの発現レベル)を含む。幾つかの場合において、調節(”modulate”、又は、”modulating”、又は、”modulation”)は、適切な、in vitroアッセイ、細胞アッセイ、又は、in vivoアッセイを用いて測定される。 幾つかの場合において、増加又は減少は、参照値に対して10%以上であり、例えば、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、97%以上、98%以上、参照値に対して最大で100%である。例えば、増加又は減少は、以下であってもよい:参照値に対して、2倍以上、3倍以上、4倍以上、5倍以上、6倍以上、7倍以上、8倍以上、9倍以上、10倍以上、50倍以上、又は、100倍以上。
従来の意味で本明細書にて使用される用語「線維症」は、ある部分の損傷又は炎症、又は、血液供給の干渉 の結果、器官又は組織 における過剰な線維状の結合組織の形成又は発生を意味する。これは、傷痕を生じる通常の治癒応答、異常な反応プロセス、又は、未知の又は既知の原因の結果となりえるものである。
従来の意味で本明細書にて使用されるが、用語「瘢痕」は以下を意味する:損傷又は病気によって破壊された正常な組織から、線維状の組織へと置き換わる症状。 用語「瘢痕」は更に以下のうち1以上における異常を意味し:色、輪郭(むくみ/ギザギザ)、凹凸度合い(粗さ/平滑さ)、及び、テクスチャ(柔らかさ/固さ)、これらは皮膚の治癒プロセスの最中に発生する。表現「防止する」(“preventing”又は ”prevent”)は、瘢痕のコンテキストにおいて本明細書で使用されるが、以下を意味する:瘢痕の発生の度合いに対する調整であり、これにより、治癒した皮膚の表面の色、輪郭、凹凸度合い、及び、テクスチャのうち1以上が、通常の外観検査において、患者の通常の皮膚のものに似てくる。表現「減少する」は、(”reducing”又は“reduce”)瘢痕のコンテキストにおいて本明細書で使用されるが、以下を意味する:瘢痕の発生の度合いに対する調整であり、これにより、治癒した皮膚の表面の色、輪郭、凹凸度合い、及び、テクスチャのうち1以上が、測定可能な程度にまで、患者の正常の皮膚に近づく。
従来の意味で本明細書にて使用されるが、用語「傷痕」は以下を意味する:損傷又は病気によって破壊された正常な組織から置き換わった線維状の組織。皮膚の外層に対するダメージは、組織を再構築することによって治癒され、そして、こうした例において、瘢痕は軽度である。しかし、皮膚の下にある組織の厚い層がダメージを受けると、再構築は更に複雑である。身体は、コラーゲン線維(身体で自然に生成されるプロテイン)を出し、そして、通常は、これにより、目立った傷痕を生じさせる。傷が治癒した後、傷痕は、変化し続け、その際に、新たなコラーゲンが形成され、そして、血管は通常に戻り、これにより、ほとんどの傷痕を消失させることを可能にし、損傷から2年間にわたって外観を改善する。しかし、傷の視認可能な痕跡がある程度は存在し、そして、毛包及び汗腺は再生しない。本明細書で使用するが、用語「傷痕エリア」は以下を意味する:損傷又は病気によって破壊され、そして、線維状の組織に置き換わる正常な組織のエリア。
3つのカギとなる意味において、傷痕が正常な皮膚と異なる:(1) 傷痕においては、幾つかの皮膚付属器官 (毛包、汗腺など)がない;(2)傷痕のコラーゲン構造は根本的に異なった物であり、ここで、正常の皮膚なら可撓性と強度をもたらす「バスケット織」パターンというよりは、密集した平行な線維である;そして、(3)傷痕における劣化したマトリクス構造の結果、傷痕は皮膚よりも弱い。
用語「傷痕関連遺伝子」は、本明細書において使用されるが、以下を意味する:瘢痕に応答して、正常な創傷治癒プロセスの一部として、活性化されるプロテインをコードする核酸。 用語「傷痕関連遺伝子産物」は、本明細書において使用されるが、以下を意味する:瘢痕に応答して、正常な創傷治癒プロセスの一部として発現するプロテイン。
傷痕組織は、組織化されていないコラーゲン状の細胞外マトリクスから主になる。これは、筋線維芽細胞によって生成され、当該細胞は、皮膚の線維芽細胞から、創傷に応答して分化し、ここで、トランスフォーミング増殖因子βの局所的な濃度の上昇を引き起こし、これは、分泌型のプロテインであり、少なくとも3種類のアイソフォームが存在し、TGF-βΙ、TGF-P2、及びTGF-P3と呼ばれる(総称してTGF-βと呼ばれる)。 TGF-βは、多くの組織タイプにおいて、線維症に関連する重要なサイトカインである(Beanes, S. et al, ExPErt Reviews in Molecular Medicine, vol. 5, no. 8, pp. 1- 22 (2003))。傷痕の種類は、更に以下において説明されており:例えば、PCT出願番号WO2014/040074、参照により開示内容全体を本明細書に組み込む。
用語「皮膚」は、その従来の意味で本明細書で使用されるが、以下を含む:身体のすべての表面組織、及びこれらにおけるサブの表面構造であって、例えば、粘膜、及び、眼の組織、並びに、通常の皮膚を含む。表現「皮膚」は以下を含むことができる:傷のゾーンそのもの。傷の表面において皮膚が最接近することが、長らく、創傷治癒の重要な部分での完了の主なサインであった。こうした損傷部分が再度閉じることで、皮膚の保護機能が回復し、この保護機能は、バクテリア、毒素、及び、機械的な力からの保護を含み、並びに、バリアを提供して、不可欠な体液を保持する。外皮は、角質をはじめとして複数の層から構成されるが、皮膚の最も外側の層である。最も内側の層は、真皮深層である。
従来の意味で本明細書にて使用されるが、用語「皮膚付属器官」は、以下を含む:毛包、 皮脂腺、及び、汗腺、指の爪、並びに、足の爪。
本明細書で使用するが、用語「皮膚の部位」(“dermal location”)は以下を意味する:任意のサイズ及びエリアを有する患者の皮膚の領域。皮膚の部位は、患者の皮膚の一部を含んでもよい(例えば、頭皮)。 皮膚の部位は以下を含むことができる:1以上の皮膚の層(例えば、表皮及び真皮を含む)。幾つかの場合において、皮膚の部位は、以下を含む:傷。
従来の意味で本明細書にて使用されるが、「光増感剤」又は「光反応剤」又は「光感作性薬剤」は、光によって活性化される薬剤又は化合物である。光増感剤 電磁放射線を吸収する(最もありふれているものは可視光スペクトラムにおいて)物質として定義されてもよく、そして、吸収した物を、別の形態のエネルギーとしてリリースする(最もありふれたものとして、活性酸素種として)、及び/又は、熱エネルギーとしてリリースする。 幾つかの場合において、光感作性薬剤は、光線力学的療法において有用である。こうした薬剤は、電磁放射線を吸収することができるものであってもよく、そして、治療効果を発揮するのに十分なエネルギーを放出できるものであってもよく(例えば、望ましくない細胞又は組織の減損又は破壊)、又は、診断の応用において検出するのに十分なエネルギーを放出できるものであってもよい。例えば、光増感剤は、以下のことを行う任意の化学化合物であってもよい:1以上のタイプの選択された標的組織に集合し、そして、特定の波長の光にさらされると、その光を吸収し、そして、標的組織の減損又は破壊を誘導する。仮想的には、選択された標的へ移動し、そして、光を吸収する任意の化学化合物を使用することができる。 光増感剤は、当該剤を投与される患者にとって非毒性であってもよく、そして、非毒性の組成物において配合されてもよい。また、光増感剤は、当該剤に関して光によって変化した形態においても非毒性であってもよい。幾つかの場合において、光増感剤は、光化学的な効果が無しの状態で、細胞毒性がないことによって特徴づけられ、標的組織以外からは容易に除去される。
従来の意味で本明細書にて使用されるが、用語「傷」は、以下を含む:ヒト又は非ヒトの動物の身体の内部身体表面又は外部身体表面における正常な組織の連続性の任意の崩壊及び/又は消失(例えば、外科手術又は物理的な損傷などの非生理学的なプロセスから生じるもの)。表現「傷」又は「傷環境」は、本明細書にて使用されるが、瘢痕へと潜在的につながる可能性がある治癒プロセスの引き金となり得る皮膚の任意の損害を意味し、そして、当該表現は、以下を含む:損傷によって生成された傷、やけどによって生成された傷、病気によって生成された傷、及び、外科手術処置によって生成された傷。傷は、任意の外部身体表面又は内部身体表面に存在してもよく、そして、浸透性又は非浸透性であってもよい。本明細書に記載の方法は、皮膚表面の問題となる傷の治療において有益となる可能性がある。 本発明の方法に従って治療することができる傷の例は、表面の傷及び非表面の傷の両方を含み、例えば、以下が挙げられる:擦過傷、裂傷、熱損傷から生じる傷(例えば、やけど、及び、任意の冷凍処置から生じるもの)、外科手術から生じる任意の傷。
用語「創傷治癒」は、従来の意味で本明細書にて使用されるが、時間的及び空間的な治癒プログラムの誘導を伴う再生プロセスを意味し、以下を含むが、これらに限定されない:炎症プロセス、顆粒化、血管新生、線維芽細胞、内皮細胞及び上皮細胞の移動、細胞外マトリクスの蓄積、上皮再形成、及び、リモデリング。
用語「毛包形成」又は「毛包形成の誘導」は、従来の意味で本明細書にて使用されるが、以下を意味する:現象として、毛乳頭細胞が表皮の細胞を誘導し、毛包の構造を形成すること。
用語「発毛及び/又は育毛」又は「発毛及び/又は育毛の誘導」は、従来の意味で本明細書にて使用されるが、以下を意味する:現象として、毛包の毛髪マトリックス細胞 が分化及び増殖し、これにより毛幹を形成し、そして、Dermal sheath細胞は、毛髪マトリックス又は外毛根鞘(ORS)に対して作用し、毛幹を身体表面から延ばす。 幾つかの場合において、発毛及び/又は育毛は、以下を含む:1以上の新たな毛包を生成すること。幾つかの場合において、発毛及び/又は育毛は、以下を含む:1以上の新たな毛髪を生成すること。
従来の意味で本明細書にて使用されるが、用語「脱毛症」は以下を意味する:毛髪が消失する病気。原因としていくつか考えられうるところであるが、例えば、男性型脱毛症、トラウマ、放射線治療、化学療法、鉄欠乏 又は、他の栄養失調、自己免疫疾患、及び、真菌感染。脱毛症における毛髪の消失は、単に頭髪に限らず、身体のあらゆる場所で起こり得る。脱毛症は、ヘアカラーが色あせることを伴うことがしばしばある。脱毛症は、毛の質の劣化を伴うことがしばしばあり、例えば、毛が補足なったり、又は、毛が短くなったりする。脱毛症のタイプに関して、以下のものがある:円形脱毛症、男性型脱毛症、閉経後脱毛症、女性型脱毛症、脂漏性脱毛症、粃糠性脱毛症、老人性脱毛症、癌の化学療法としての薬剤によって誘発される脱毛症、放射線被ばくによる脱毛症、抜毛症、産褥性脱毛症など。脱毛症のタイプについては米国特許9808511号において更なる説明があり、本内容全体を参照により本明細書に組み込む。
円形脱毛症は、毛髪が急に抜け落ちる可能性のある自己免疫疾患である。円形脱毛症 は、脱毛症であり、明確なアウトラインを伴ったコインサイズの円形が、パッチの禿頭域に発生し、多くの場合には、自覚症状又は前駆症状などは伴わず、そして、突然に、自発的な回復が起こらない場合には、徐々にエリアを広げ、そして、手に負えない状態になる。円形脱毛症は、頭皮、又は、身体の他の部分において、はげた部分を生じさせる。影響を受ける毛包における発毛及び/又は育毛は、減少するか又は完全に停止する。円形脱毛症は自己免疫疾患と関連していることが知られており、例えば、以下の病気が知られている:橋本病に代表される甲状腺の病気、白斑、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、又は、重症筋無力症又は、アトピー病、例えば、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、又は、アレルギー性鼻炎。
従来の意味で本明細書にて使用されるが、用語「マイクロニードリング」は以下を意味する:身体のあるエリア上でマイクロニードルを使用すること。個々のマイクロニードルは、所定の距離まで皮膚を穿つように設計されており、当該距離は、皮膚の角質層(外皮の外を覆う皮膚の最も外側の層)の通常の厚さよりも大きくてもよい。こうしたマイクロニードルを使用することで、皮膚のバリア特性を乗り越えることができる。同時に、マイクロニードルは、マイクロニードルが外皮を浸透しないように作られている場合、比較的痛みを伴わず、そして、出血も少なく、ここで、外皮は、皮膚の外側表面からおおよそ2.0~2.5mm未満下になる。マイクロニードルは、角質を完全に浸透するのに十分な力を、皮膚に対して直接押し込む動作を必要とする可能性がある。一般的に、マイクロニードル 刺激システムは、様々な症状のスキンケア処置においてマイクロニードルを使用するためによく知られており、例えば、以下のものが挙げられる:しわ、ニキビ跡、ストレッチマーク、美白、顔の若返り。マイクロニードリングの特定の実施形態において、皮膚に穴をあけて、皮膚に薬剤又は化粧品を投与する方法は、皮膚に急速且つ十分に浸透させる方法をもたらす。幾つかの場合において、マイクロニードルを使用することは、通常の治癒プロセスをちょうど開始して、コラーゲン及びエラスチンの産生などを促し、皮膚を治癒するのに十分なほど皮膚を損傷させることになる。これらの方法において、マイクロニードリング装置を用いると、数百から数千の小さな穴又はマイクロコンジットが、皮膚のより深い層に対してダメージを与えることなく、皮膚において形成される。こうした皮膚に対する損傷により、通常のヒーリングプロセスが開始され、これにより、通常の刺激物質及び成長因子sの放出が行われ、これらは、新たな自然のコラーゲン及びエラスチンの形成を、真皮乳頭層において刺激して、新たな健康的な皮膚組織を産生する。また、新たなキャピラリが形成される。このような、創傷治癒プロセスに関連した新血管形成及び新コラーゲン生成により、外見上若返った皮膚の形成、皮膚の病気の減少、及び、傷痕の改善へとつながる。一般的には、経皮のコラーゲン誘導セラピーと呼ばれているが、マイクロニードリングも、光老化の治療に使用されてきた。 更には、医薬物質を、穴が形成された箇所に投与することができ、そして、物質は、小さい穴を通して皮膚を浸透することとなる。マイクロニードリングは、概して、皮膚を除去又は永久的なダメージを及ぼすことなく、以下へ投与される:顔、首、頭皮、及び、特定の条件を保証するような身体上のあらゆる場所の付近。既定の数のニードル が、皮膚へと、所望の深さまで挿入される。 マイナーな損傷に対する反応として、皮膚組織は、通常の傷治癒カスケードを開始する。こうした通常のプロセスにより、新たな健康的な真皮の組織が形成され、これにより、傷痕をスムーズにするのを補助し、 皺を除去し、そして、色素を改善し、そして、より若く、より健康的で、より清潔な外見の皮膚を生み出す。
従来の意味で本明細書にて使用されるが、用語「フラクショナルレーザーリサーフェシング治療」又は「フラクショナルレーザーリサーフェシング」又は「フラクショナルリサーフェシング」は以下を意味する:電磁放射線を使用して、皮膚に熱損傷を誘導し、皮膚の 欠陥を改善し、これにより、皮膚の複雑な創傷治癒応答を生じさせること。これにより、損傷した皮膚の生物学的な修復へとつながる。こうした目的を提供する様々なテクニックが導入されてきた。異なるテクニックが、概して、2つのグループの治療のモダリティへとカテゴライズされることができる:アブレイティブレーザースキンリサーフェシング(「LSR」)、及び、非アブレイティブコラーゲンリモデリング(「NCR」)。最初のグループの治療モダリティ、即ち、LSRは、外皮、及び/又は、真皮に対して熱ダメージを引き起こすことを含み、一方で、第2グループ、即ち、NCRは、外皮の熱ダメージを避けるように設計される。パルスCO2を用いたLSR 、又は、Er:YAGレーザーは、当分野においては、レーザーリサーフェシング、又は、アブレイティブリサーフェシングを意味してもよいが、これらは、以下に対する有効的な治療オプションと考えられている:光老化した皮膚、慢性的に老化した皮膚、傷痕、表在性の色素性病変、ストレッチマーク、及び表在性皮膚病変の兆候。NCRテクニックは、当分野において、以下のように様々なものをさす:非アブレイティブリサーフェシング、非アブレイティブサブサーフェシング、又は、非アブレイティブスキンリモデリング。NCRテクニックは、概して、非アブレイティブ レーザー、フラッシュランプ、又は、無線周波数電流を活用して、真皮の組織へダメージを与えるが、その一方で、表皮の組織へのダメージを抑える。NCRテクニックの背後にあるコンセプトは、真皮の組織にのみ熱ダメージを与えることで、創傷治癒を誘導し、そのことにより、生物学的な修復が生じ、新たな真皮のコラーゲン.が形成されると考えられている。 こうしたタイプの創傷治癒により、光老化に関連した構造的なダメージを結果として減少させることができる。NCRテクニックにおいて表皮のダメージを回避することで、治療に関連する副作用の深刻度及び期間を減少させる。具体的には、表皮のバリア機能の消失が続くことが原因となる処置後のにじみ、痂皮形成、色素変化および感染症の発生は、通常は、NCRテクニックを用いることにより回避できる。フラクショナルレーザーリサーフェシングを実施するための更なる方法及び装置については、例えば、以下で説明がある:PCT出願番号WO2005/007003;米国出願番号20160324578;及び、Beasley et al. (2013) Current Dermatology Reports. 2:135-143。 これらの開示内容は全体として参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用するが、用語「投与すること」 は、以下を含む:in vivoでの投与、並びに、組織への直接の投与s ex vivo。一般的に、投与することは、例えば、以下が挙げられる:経口の、口腔内の、非経口の(例えば、静脈内、動脈内、皮下)、 腹腔内の(即ち、身体の空間内に)、局所的な投与(例えば、吸入又はエアレーションによる)(即ち、口又は鼻を通して)、又は、腸経由での全身投与(即ち、身体全体に作用する)。組成物は、ドーズユニットの配合物で投与されてもよく、当該配合物は、必要に応じて、従来の非毒性の薬学的に許容可能なキャリア、 アジュバンド、及び、ビヒクルを含有してもよい。 用語「局所的に」は以下を含むことができる:注射、挿入、移植、局所的な 適用、又は、非経口の適用。
詳細な説明
患者の皮膚の部位において創傷治癒を促進する方法を提供する。方法のある側面は以下を含むことができる:有効量のYAP阻害剤組成物を傷に投与して、傷におけるEngrailed-1系統陰性線維芽細胞(ENF)の機械的な活性化を調節し、ENFを介した創傷治癒を促進すること、 また、以下を提供する:患者における創傷治癒の間、瘢痕を防止する方法、及び、患者に対して発毛及び/又は育毛を促進する方法。方法のある側面は以下を含むことができる:患者の皮膚の部位において傷を形成すること、及び、有効量のYAP阻害剤組成物を傷に投与して、傷におけるEngrailed-1系統陰性線維芽細胞(ENF)の機械的な活性化を調節し、ENFを介した創傷治癒を促進すること。また、以下を提供する:ある量のYAP阻害剤組成物と組織破壊装置とを含むキット。
本発明について更に詳しく説明する前に、以下の点を理解されたい:本発明は、説明される特定の実施形態に限定されず、したがって、当然のことではあるが変化してもよい。 また、以下の点も理解されたい:本明細書で使用する用語は、特定の実施形態を説明するという目的のみであり、 限定することを意図するものではなく、その理由として、本発明の範囲は、添付した特許請求の範囲によってのみ限定されるからである。
ある範囲の値が提供される場合、以下の点を理解されたい:その範囲の上限から下限の間の各中間の値は(文脈上明示しない限りは、下限の単位の十分の1まで)、任意の他の記述した値又はその記述された範囲における介在する値が、本発明の範囲に含まれる。これらのより小さい範囲の上限及び下限は、独立して、より小さい範囲に含まれてもよく、また、本発明の範囲に含まれ、記述された範囲において具体的に除外された任意の限界値を対象としてもよい。記述された範囲が1つ又は2つの限界値を含む場合、含まれる限界値のいずれか又は両方を除外した範囲も、また、本発明に含まれる。
特定の範囲については、本明細書において、数値の前に用語「約」が伴って提示される。 用語「約」は、直後の正確な数値に関する文字通りのサポートを提供するために使用され、並びに、当該用語の直後の数値に近い又は近似した数値をサポートを提供するために使用される。ある数値が、具体的に記載された数値に近い又は近似しているかどうかを決定する際には、近い又は近似する記述されていない数値は、当該数値が提供されるコンテキストにおいて、具体的に記述された数値の実質的な均等物を提供する数値であってもよい。
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する当業者が通常理解するのと同じ意味を有する。本発明を実施又は試験する際には、本明細書で記載された方法及び材料と類似又は均等の任意の方法及び材料も使用することができるが、代表的な例示的な方法及び材料について以下説明する。
本明細書において引用された刊行物及び特許は、参照により本明細書に組み込まれ、あたかも、個々の刊行物又は特許が、具体的に及び個別に、参照により組み込むべき又は参照により本明細書に組み込まれて、刊行物が引用されるのに関連する方法及び/又は材料が開示及び記載されているかのようになる。任意の刊行物の引用は、出願日より前に開示されたものであり、先の発明によってこうした刊行物に先行する資格が本発明においてあるという自認として解釈すべきものではない。そして、提供される公開日は、実際の公開日と異なる可能性があり、各々独立して確認する必要がある可能性もある。
以下の点を留意されたい:本明細書及び添付した特許請求の範囲において使用されるが、単数形の「a」「an」及び「the」 は、文脈上明示しない限りは、言及された物に関して、複数の場合を含む。さらに以下の点を留意されたい:請求項は、任意のオプション的な要素を除外するように記載されてもよい。したがって、こうした記述は、例えば、請求項の要素の記述に関連して、除外的な用語としての「単に」「のみ」などの使用、又は、「除く」限定の使用のための先行詞として寄与することを意図する。
当業者にとっては明らかであるが、本開示内容を読んでいくにあたり、本明細書に記載し及び例示した個々の実施形態は、それぞれ、は、個々の構成要素及び特徴を有しており、これらは、本発明の範囲又は思想から乖離することなく、容易に分離することができ、又は、他の複数の実施形態のいずれかの特徴と組み合わせてもよい。任意の記載された方法については、記述通りのイベントの順番で実行されてもよく、又は、論理的に可能な任意の他の順番で実行されてもよい。
装置及び方法については、機能的な説明に関して文法的な流動性の目的から説明してきたが、又はこれらか説明するが、明示的に理解されたい点として、米国特許法112条の下で明示的に記載されていない限り、請求項については、「手段」又は「ステップ」の限定解釈の意味で必ず限定されるものと解釈してはならず、法律上の均等論の下で請求項によって提供される定義の意味及び均等物の完全な範囲と一致するものとして解釈すべきであり、そして、請求項が米国特許法112条で明示的に記載されている場合には、米国特許法112条の元での完全に法律的な均等物と一致するように解釈すべきである。
本発明の様々な側面を更に説明するにあたり、まず、方法について更に詳しくレビューし、そのあとは、キットについてレビューする。方法及びキットによって見出して使用される応用についても、更に詳しく後述する。
方法
上記で概説したように、方法のある側面は、以下を含む:患者の皮膚の部位において創傷治癒を促進する方法。特定の実施形態において、治癒することは、ENFを介した治癒である。幾つかの場合において、方法は、以下を防止する:患者における創傷治癒の間の瘢痕。幾つかの場合において、方法は以下を促進する:患者の発毛及び/又は育毛。特定の実施形態において、方法のある側面は、有効量のYAP阻害剤組成物を傷に投与して、創傷治癒を促進することを含む。特定の実施形態において、方法のある側面は以下を含む:有効量のYAP阻害剤組成物を傷に投与して、傷におけるEngrailed-1系統陰性線維芽細胞(ENF)の機械的な活性化を調節し、ENFを介した創傷治癒を促進すること。方法は、本明細書に記載の任意の細胞又は細胞集団に適用することができる。方法は以下を含むことができる:成果をコントロールと比較すること, 例えば、YAP阻害剤組成物で処理していない傷又は治癒した傷、傷痕を含む皮膚の部位、皮膚付属器官が欠如した皮膚の部位、又は、傷痕が欠如した皮膚の部位。
幾つかの場合において、方法は以下を含む:1以上の細胞において(例えば傷環境において)機械的なシグナル経路又はメカノトランスダクション経路を通した機械的なシグナリングを調節すること。1以上の細胞は、本明細書に記載の任意の細胞(例えば、ENF)であってもよい。本明細書で使用するが、用語「機械的な活性化」は以下を意味する:1以上の細胞(例えば、1以上のENF)における機械的なシグナル経路の活性化、ここで、傷環境内の機械的な起因に応答して、1以上の細胞 において、例えば、Engrailed-1(En-1)(Engrailed Homeobox 1) (Uniprotアクセス番号:Q05925)の発現及び/又は活性につながる。機械的な起因は以下を含むことができる:例えば、機械的張力、細胞外マトリックス(ECM)の剛性、ひずみ、ずり応力、または接着領域。幾つかの場合において、1以上の細胞における機械的なシグナル経路の活性化は、傷を負った後の線維症及び瘢痕に寄与する。幾つかの場合において、機械的なシグナル経路 は、機械的な起因(例えば、傷環境において)を転写の変化に変換する(例えば、1以上の細胞における線維化促進遺伝子の発現)。幾つかの場合において、機械的なシグナル経路は、1以上の細胞が当該細胞の環境と相互作用すると活性化され、例えば、細胞の環境の堅さを検出し、当該検出は、インテグリン及び膜貫通受容体を通して行われ、これらは、 細胞接着構造(例えば、フォーカルアドヒージョンキナーゼ (FAK))と共役しており、機械的な起因を、Rho及びRho関連タンパク質キナーゼ(ROCK)シグナリングを通して転写の変化に変換する。機械的なシグナル経路は以下を含むことができる:Yes関連タンパク質 (YAP; Yes関連タンパク質1; YAP1) (Uniprotアクセス番号:P46937)であって、最終的な転写エフェクターとして、例えば、線維化促進遺伝子を活性化する。幾つかの場合において、機械的なシグナル経路は、転写変化につながり、当該転写変化は、傷環境における1以上の細胞でのEn-1の発現及び/又は活性を上昇させることを含む。幾つかの場合において、機械的なシグナル経路は、以下に記載されたシグナル経路のうちいずれか1つを含む:例えば、Keely et al. (2011) JouRNAl Of Cell Science 124:1195-1205。
特定の実施形態において、方法は以下を含む:1以上の細胞(例えば、傷における)の機械的な活性化を調節すること。1以上の細胞は以下を含むことができる:ENF。ENFの機械的な活性化は、ENF(例えば、ENFのサブ集団)からEngrailed-1系統陽性線維芽細胞(EPF)への変化(例えば、傷環境において傷を負った後)を促進することができる。EPFは出生後に生じたEPF (PEPF)であってもよい。幾つかの場合において、方法は、ENFにおけるEn-1の発現又は活性を減少又は阻害することができ、その結果、ENFは、EPFへと変化しない。幾つかの場合において、方法は以下を含む:傷におけるENFからEPFへの変化を減少させること(例えば、YAP阻害剤組成物で処理していない傷と比べて)。幾つかの場合において、方法は以下を含む:傷におけるENFからEPFへの変化を阻害すること。幾つかの場合において、方法は、以下を含む:傷において存在するEPFの量に対するENFの量を維持すること(例えば、EPFに対するENFの比)。これらの実施形態において、1以上のENFは、傷の形成後に傷環境に元々存在しており、ENFであることを維持し、そして、例えば、機械的な活性化を通してEPFへ変化しない。幾つかの場合において、方法は、以下を含む:傷において存在するEPFの量に対するENFの量を、YAP阻害剤組成物で処理していない傷において存在するEPFの量に対するENFの量と比べて、増加させること (即ち、YAP阻害剤組成物で処理した傷において存在するEPFに対するENFの比を、YAP阻害剤組成物で処理していない傷において存在するEPFに対するENFの比と比べて増加させること)。幾つかの場合において、傷におけるEPFに対するENFの比は、2:1~50:1の範囲であってもよく、例えば、以下を含む:2:1~40:1、2:1~30:1、2:1~20:1、2:1~15:1、2:1~10:1、2:1~5:1。幾つかの場合において、方法は、以下を生成する:ENFをもっぱら含む傷又は治癒された傷、ここで、傷又は治癒された傷は、EPFを含まない、又は、実質的にEPFを含まない。方法は以下を含むことができる:傷におけるENF、及び/又は、EPFの量を定量すること。定量することは、任意の便宜上のアッセイによって発生してもよく、例えば、以下を含むことができる:顕微鏡(例えば、蛍光顕微鏡)、フローサイトメトリー、組織学的な分析、免疫蛍光など。
本発明の実施形態における対象となる細胞は以下を含むことができる:皮膚に存在する任意の細胞。幾つかの場合において、1以上の対象となる細胞は、以下を含む:1以上の皮膚の層に存在する細胞、例えば、真皮に存在する細胞、即ち、真皮の細胞。 幾つかの場合において、1以上の細胞は、以下を含む:創傷治癒、及び/又は、瘢痕に参与する細胞。幾つかの場合において、1以上の細胞は、以下を含む:線維芽細胞、例えば、皮膚の線維芽細胞(例えば、皮膚の線維芽細胞の1以上のサブ集団を含む)。幾つかの場合において、1以上の細胞は、以下を含む:線維芽細胞から生じた系統の細胞。 幾つかの場合において、1以上の細胞は、以下を含む:ENF、例えば、真皮のENF。本発明の実施形態における対象となるENFは以下を含むことができる:任意の数のENFのサブ集団、例えば、1以上のENFのサブ集団からの細胞。幾つかの場合において、ENFは以下を含む:真皮乳頭層のENF。幾つかの場合において、ENFは以下を含む:細網真皮のENF。幾つかの場合において、ENFは以下を含む:細網真皮の(Dlk1+)ENF。幾つかの場合において、ENFは以下を含む: 皮下真皮のENF。
上記で概説したように、方法のある側面は以下を含むことができる:有効量のYAP阻害剤組成物を傷に投与すること。投与は傷の治癒を促進することができる。幾つかの場合において、投与は、1以上の細胞(例えば、傷におけるENF)の機械的な活性化を調節する。特定の実施形態において、YAP阻害剤組成物は、以下を含む:1以上のYAP阻害剤。 幾つかの場合において、YAP阻害剤組成物が、実質的に、YAP阻害剤からなる。本明細書で使用するが、「“YAP 阻害剤」は以下を意味する:YAP機能及びシグナリングを阻害することができる分子。幾つかの場合において、YAP阻害剤は細胞の機械的なシグナリングを阻害する。幾つかの場合において、YAP阻害剤は、以下を減少させる又は抑制する: YAP 発現 (DNA又はRNA発現)又は活性(例えば、核移行)。幾つかの場合において、YAP阻害剤は、以下を減少させる又は抑制する: YAP と他のシグナリング分子との相互作用(例えば、線維症及び瘢痕に関与する1以上の細胞 (例えば、ENF)における機械的なシグナル経路にて)。幾つかの場合において、YAP阻害剤は、以下を減少させる又は抑制する:YAPの標的の下流の転写活性化。特定の実施形態において、YAP阻害剤組成物を投与すること は1以上の細胞(例えば、傷におけるENF)の機械的な活性化を減少させ、ここで、例えば、1以上の細胞(例えば、傷におけるENF)の機械的な活性化のレベルが1以上の細胞(例えば、YAP阻害剤組成物で処理していない傷におけるENF)の機械的な活性化のレベルと比べて減少する。いくつかの実施形態において、YAP阻害剤組成物を投与することは1以上の細胞(例えば、傷におけるENF)の機械的な活性化を阻害する。幾つかの場合において、YAP阻害剤組成物を投与することは、以下を減少させる又は抑制する:1以上の細胞(例えば、ENF)におけるEn-1の発現又は活性。幾つかの場合において、YAP阻害剤組成物を投与することは、以下を減少させる又は抑制する:傷におけるENFからEPFへの変化。幾つかの場合において、YAP阻害剤組成物を投与することは、傷において存在するEPFの量に対するENFの量を維持する。幾つかの場合において、YAP阻害剤組成物を投与することは、YAP阻害剤組成物で処理していない傷において存在するEPFの量に対するENFの量と比べて、傷において存在するEPFの量に対するENFの量を増加させる。
本明細書で使用するが、“有効量のYAP阻害剤組成物”は以下を意味する:本明細書に記載の方法のいずれかの実施形態に従って、創傷治癒を促進し、及び/又は、1以上の細胞(例えば、傷におけるENF)の機械的な活性化を調節するのに適したある量のYAP阻害剤組成物。幾つかの場合において、有効量のYAP阻害剤組成物は、以下を含む:YAP阻害剤組成物に関する1以上のユニットドーズ、例えば、2以上のドーズ、3以上のドーズ、4以上のドーズ、5以上のドーズ、6以上のドーズ、7以上のドーズ、8以上のドーズ、9以上のドーズ、又は、10以上のドーズ。 幾つかの場合において、有効量のYAP阻害剤組成物は、以下を含む:シングルドーズ、例えば、YAP阻害剤組成物のシングル注射。YAP阻害剤組成物は以下を含むことができる:任意の適量のYAP 阻害剤、例えば、本明細書に記載の方法のいずれかの実施形態に従った、1以上の細胞(例えば、傷におけるENF)の機械的な活性化を調節するのに適した有効量のYAP阻害剤。 幾つかの場合において、有効量のYAP阻害剤組成物は、傷閉鎖又は傷閉鎖速度を遅らせない。幾つかの場合において、YAP阻害剤組成物は、例えば、以下の範囲の有効量のYAP阻害剤を含む:0.1mg/mL~2mg/mL、0.5mg/mL~2mg/mL、1mg/mL~2mg/mL、0.1mg/mL~1mg/mL、0.5mg/mL~1mg/mL、又は、1mg/mL~5mg/mL。有効量のYAP阻害剤組成物は、例えば、傷が形成された後、任意の適切な期間にわたって、例えば、以下を含む期間にわたって投与されてもよい:1日以上、2日以上、3日以上、4日以上、5日以上、7日以上、8日以上、9日以上、10日以上、11日以上、12日以上、13日以上、14日以上、21日以上、30日以上、60日以上、又は、90日以上。
幾つかの例において、YAP阻害剤は、小分子薬剤であって、所望の活性を発揮する、例えば、YAP 発現及び/又は活性を阻害する薬剤である。対象となる自然発生の又は合成の小分子化合物は、複数の化学クラスを含む(例えば、有機分子、例えば、小有機化合物であって、分子量が50超であり、約2,500ダルトン未満である、小有機化合物)。候補となる薬剤は、プロテインと構造的に相互作用する官能基、具体的には、水素結合を含み、そして、典型的には、少なくとも、アミン、カルボニル、ヒドロシキル、又は、カルボキシル基を含み、好ましくは、少なくとも2つの化学官能基を含む。 候補となる薬剤は以下を含むことができる:上述の官能基のうち1以上で置換された環状炭素又は複素環式構造、及び/又は、芳香族又は多環芳香族構造。候補となる薬剤は、バイオ分子からも見出され、以下を含む:ペプチド、糖類、脂肪酸、ステロイド、プリン、ピリミジン、誘導体、構造的アナログ、又は、これらの組み合わせ。こうした分子は、他の方法のなかで、スクリーニングプロトコルを採用することにより特定されてもよい。
幾つかの場合において、YAP阻害剤が光感作性薬剤である。幾つかの場合において、YAP阻害剤は、ベンゾポルフィリン誘導体(BPD)である。ベンゾポルフィリン誘導体は任意の便宜上のベンゾポルフィリン誘導体であってもよく、例えば、以下が挙げられる:米国特許5,880,145号; 米国特許6,878,253号; 米国特許10,272,261号;及び米国出願番号2009/0304803に記載されている物、これらの開示内容は全体として参照により本明細書に組み込まれる。幾つかの場合において、ベンゾポルフィリン誘導体は光感作性薬剤である。幾つかの場合において、YAP阻害剤は、Verteporfinである(ベンゾポルフィリン誘導体 monoacid ring A、BPD-MA; 商品名: ビスダイン(登録商標))。
幾つかの場合において、YAP阻害剤は、プロテイン、又は、これらの断片、又は、プロテイン複合体である。幾つかの場合において、YAP阻害剤は、抗体結合剤又はこれらの誘導体である。用語「抗体結合剤」は、本明細書で使用されるが、以下を含む:ポリクローナル抗体、又は、モノクローナル抗体、又は、対象となる分析物(例えば、YAP)に結合するのに十分な断片。抗体断片は、例えば、以下であってもよい:単量体のFab断片、単量体のFab’断片、又は、2量体のF(ab)’2断片。また、用語「抗体結合剤」の範囲内で、抗体工学によって生成される分子である:例えば、single-chainの抗体分子(scFv)、又は、ヒト化又はキメラの抗体(キメラの抗体を生成するために重鎖及び軽鎖の定常領域を置換することによってモノクローナル抗体から生成される、又は、ヒト化抗体を生成するために、定常領域と、可変領域のフレームワーク部分との両方を置換することによってモノクローナル抗体から生成される)。 幾つかの場合において、YAP阻害剤は酵素又は酵素複合体である。幾つかの場合において、YAP阻害剤は、以下を含む:リン酸化酵素、例えば、キナーゼ。幾つかの場合において、YAP阻害剤は、複合体であって、ガイドRNAとCRISPRエフェクタープロテインを含む物である(例えば、核酸の標的の切断に使用される)。
幾つかの場合において、YAP阻害剤は核酸である。核酸は以下を含むことができる:DNA又はRNA分子。特定の実施形態において、核酸は、以下を調節、例えば、阻害又は減少させる:遺伝子又はプロテインの活性(例えば、遺伝子の発現を減少させること、又は、ダウンレギュレートさせることによって)。核酸は、1本鎖であってもよく、又は、2本鎖であってもよく、そして、 以下を含むことができる:改変又は非改変のヌクレオチド又は非ヌクレオチド又は様々な混合物及びこれらの組み合わせ。幾つかの場合において、YAP阻害剤は、以下を含む:RNAスプライシングによる細胞内遺伝子サイレンシング分子、及び、遺伝子機能を阻害するのに有用な、アンチセンスオリグヌクレオチド効果、又は、RNA干渉(RNAi)効果を提供する分子。幾つかの場合において、遺伝子サイレンシング分子(例えば、アンチセンスRNA、ショートテンポラリRNA(stRNA)、2本鎖RNA(dsRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、ショートヘアピンRNA(shRNA)、マイクロRNA(miRNA)、tiny non-codingRNA(tNCRNA)、snRNA、snoRNA、及び他のRNAi様小型RNA構築物)は、プロテインコーディング遺伝子、並びに、非プロテインコーディング遺伝子を標的にするのに用いられてもよい。幾つかの場合において、核酸は以下を含む:アプタマー(例えば、シュピーゲルマー(登録商標))。幾つかの場合において、核酸は以下を含む:アンチセンス化合物。幾つかの場合において、核酸は、RNA干渉 (RNAi)に用いることができる分子を含み、例えば、以下の物が挙げられる:2本鎖RNA(低分子干渉RNA(siRNA)を含む)、ロック核酸(LNA)阻害剤、ペプチド核酸(PNA)阻害剤など。
いくつかの実施形態において、YAP阻害剤組成物は、薬学的に許容可能な組成物として投与され、当該組成物において、1以上のYAP阻害剤は、以下と混合されてもよい:1以上のキャリア、増粘剤、希釈剤、バッファ、保存剤、界面活性剤、賦形剤など。医薬組成物は、1以上のYAP阻害剤に加えて、1以上の追加の有効成分 も含むことができる(抗菌剤、抗炎症剤、麻酔薬など)。幾つかの場合において、YAP阻害剤組成物は以下を含む:例えば、YAP阻害剤の誘導体。「誘導体」は、医薬的に許容可能な塩及び化学的に修飾された剤を含む。
本発明の医薬組成物は、医薬組成物を投与するのに通常使用される任意のルートによって投与されてもよい。例えば、投与することは、局所的に(眼を経由, 膣経由, 腸経由, 鼻腔経由を含む)、経口的に(吸入によって)、又は、非経口的に(例えば、点滴、又は、皮下、腹腔内注射、又は、筋肉内注射によって)行われてもよい。
局所的な投与のために配合される医薬組成物は以下を含むことができる:軟膏(ointment)、ローション、クリーム、ゲル、ドロップ、スプレー、リキッド、軟膏(salve)、棒、ソープ、エアロゾル、及び、パウダー。任意の従来の医薬的な賦形剤(例えば、キャリア、水性(aqueous)ベース、パウダーベース、又はオイルベース、増粘剤 など)を使用してもよい。軟膏(ointment)及びクリームは、例えば、適切な増粘剤、及び/又は、ゲル化剤を添加したうえで、水性ベース又はオイルベースとともに配合されてもよい。ローションは、水性ベース又はオイルベースで配合されてもよく、そして、一般的に、以下も含むであろう:1以上のエマルジョン化剤、分散化剤、懸濁剤、増粘化剤、又は、着色剤。パウダーは、任意の適切なパウダーベースを用いて配合されてもよい。ドロップは、水性ベース又は非水性ベースを用いて配合されてもよく、 また、1以上の分散化剤、可溶化剤、又は、懸濁剤を含むことができる。エアロゾルスプレーは、適切な噴射剤を使用して、加圧パックから適宜送達されてもよい。
YAP阻害剤組成物は、任意の適切な温度で保存されてもよい。幾つかの場合において、YAP阻害剤組成物は以下の温度範囲で保存される:1℃~30℃、2℃~27℃、又は、5℃~25℃。YAP阻害剤組成物は、任意の適切な容器に保存されてもよい(これについては後に詳述する)。
YAP阻害剤組成物は患者の皮膚の部位の傷に投与されてもよい。幾つかの場合において、YAP阻害剤組成物は患者の傷の周辺の皮膚の部位に投与されてもよい。投与は任意の適切なルートによってもよく、例えば、以下を含む:局所的な、静脈の、皮下、及び筋肉内。 幾つかの場合において、投与することは以下を含む:患者の局所的な皮膚の部位の下に組成物を注射すること。注射をすることは、任意の適切な装置(例えば、ニードル)を用いて行われてもよい。他の送達手段は以下を含む:コーティングされたマイクロニードル、即ち、マイクロニードル であって、当該ニードル上にYAP阻害剤組成物が付着した物、並びに、マイクロニードルであって、内部貯蔵部を含み、当該貯蔵部はYAP阻害剤組成物を内部に収容する、又は、そこからYAP阻害剤組成物を分散させるように構成されたマイクロニードル。幾つかの場合において、投与することは以下を含む:組成物を局所的な皮膚の部位に送達すること。送達することは任意の適切な装置又は組成物を用いて実行されてもよく、例えば、以下が挙げられる:真皮を通過するパッチ、ゲル、クリーム、軟膏(ointment)、 スプレー、ローション、軟膏(salve)、棒、ソープ、パウダー、ペッサリー、エアロゾル、ドロップ、溶液、及び、任意の他の便宜上の医薬形態。
YAP阻害剤組成物は、任意の適切な時間で投与されてもよい。幾つかの場合において、YAP阻害剤組成物は、患者の傷を形成後すぐに傷に投与される。幾つかの場合において、YAP阻害剤組成物は、傷を形成後任意の適切な時間量が経過した後で傷に投与される(例えば、傷を形成してから、1分、2分、5分、10分、30分、又は、1時間)。
特定の実施形態において、本明細書で提供される方法は、以下を促進する:傷を治癒すること。特定の実施形態において、本明細書で提供される方法は、以下を促進する:ENFを介した傷を治癒すること。 本明細書で使用するが、用語「ENFを介した治癒」は、以下を意味する:傷においてENFの存在、及び/又は、活性に関連する創傷治癒。幾つかの場合において、治癒させること(例えば、ENFを介した治癒)は、以下を含む:1以上の細胞からの再生応答。幾つかの場合において、方法は、傷を治癒すること(例えば、傷閉鎖及び修復)を損なわない。例えば、幾つかの場合において、方法は、傷閉鎖又は傷閉鎖速度を遅らせない。幾つかの場合において、治癒させること(例えば、ENFを介した傷の治癒)が、YAP阻害剤組成物で処理していない場合の創傷治癒に関する時間量と実質的に等しい時間量で完了する。幾つかの場合において、治癒させること(例えば、ENFを介した傷の治癒)は、YAP阻害剤組成物で処理していない場合の創傷治癒に関する時間量よりも少ない時間量で完了し、即ち、治癒させること(例えば、ENFを介した傷の治癒)が、YAP阻害剤組成物で処理していない創傷治癒と比べて、加速される。特定の実施形態において、方法は、以下を減少させる又は防止する:患者における創傷治癒の間の瘢痕(これについては後に詳述する)。幾つかの場合において、治癒させること(例えば、ENFを介した傷の治癒)は、以下を含む:皮膚付属器官の再生。幾つかの場合において、皮膚付属器官は以下を含む:毛包、汗腺、及び、皮脂腺。特定の実施形態において、本明細書で提供される方法は以下を促進する:患者の発毛及び/又は育毛(これについては後に詳述する)。特定の実施形態において、本明細書で提供される方法は、例えば、毛消失したエリアにおいて発毛及び/又は育毛を促進することにより、脱毛症の患者を治療する(これについては後に詳述する)。幾つかの場合において、治癒させること(例えば、ENFを介した傷の治癒) は、治癒した傷を生成し、YAP阻害剤組成物で処理していない治癒した傷におけるコラーゲン高増殖のレベルと比べて、コラーゲン高増殖のレベルが減少している。幾つかの場合において、治癒させること(例えば、ENFを介した傷の治癒)は、治癒される傷を生成し、当該部分は以下を含む:YAP阻害剤組成物で処理していない治癒した傷における結合組織アーキテクチャと比べて改善した結合組織アーキテクチャ。特定の実施形態において、治癒させること(例えば、ENFを介した治癒)は、以下のうち1以上の回復又は再成長を含む:皮膚付属器官, 超構造(ultrastructure)(即ち、マトリクス構造), 及び、機械的強度 (例えば、傷の破壊強度)、これらは、例えば、通常の皮膚又は無傷の皮膚に匹敵する。
特定の実施形態において、方法は、更に以下を含む:患者の皮膚の部位において傷を形成すること。幾つかの場合において、傷は、ある手順(例えば、外科手術的な手順)を実行するために形成される。幾つかの場合において、傷は、以下のために形成される:組織の質の改善。例えば、方法は以下を含むことができる:微視的な損傷を形成して、組織の再生を誘導すること。幾つかの場合において、傷は、以下のために形成される:外側の真皮の層(例えば、角質)を破壊して、1以上の物質又は組成物(例えば、治療組成物)が患者の皮膚を通して浸透又は吸収されるのを増加させること。幾つかの場合において、方法は以下を含む:複数の皮膚の部位において1以上の傷を形成すること。幾つかの場合において、方法は以下を含む:皮膚の部位にわたって1以上の傷を形成すること。傷の性質及びサイズは、変化してもよい。特定の実施形態において、傷は微視的な傷である。微視的な傷は、任意の適切な手段により形成されてもよい(詳しく後述する)(例えば、レーザー、マイクロニードルなど)。特定の実施形態において、傷は部分的に治癒した傷である。
傷は、任意の適切な手段により形成されてもよい(例えば、機械的な、物理的な、又は、化学的な皮膚の損傷)。 幾つかの場合において、傷は非生理学的なプロセスから生じており、例えば、以下が挙げられる:外科手術的な傷、又は、物理的な損傷から生じる傷、擦過傷、裂傷、熱損傷(例えば、やけど、又は、凍結ベースの治療から生じる傷)。幾つかの場合において、傷は、以下の応用の1以上により形成される:例えば、超音波、無線周波数(RF)、レーザー(例えば、fraxel)、紫外線エネルギー、赤外線エネルギー、又は、機械的な破壊。幾つかの場合において、傷は、以下によって形成される:例えば、微小真皮擦過傷(例えば、調整された皮膚調製パッド、サンドペーパーを用いて)、マイクロニードリング、テープをはがすこと、pan-scrubber、角質スクラブ、圧迫(compress rubbing)、低エネルギーデリバリーでの非アブレイティブ レーザー。追加の機械的な処置は、例えば、以下を含む:掻爬又は真皮擦過傷 (例えば、調整サンドペーパー又はマイクロ二―ドリング(又は、微小穿孔))。特定の側面において、傷を与えることは、化学的な処置を用いて行われる(例えば、焼灼剤など)、又は、機械的、又は、電磁的、又は物理的な処置は以下を含むがこれらに限定されない:真皮擦過傷 (DA)、粒子媒介性真皮擦過傷(PMDA)、微小真皮擦過傷、マイクロニードル、レーザー(例えば、以下を送達するレーザー: アブレイティブ、非アブレイティブ、フラクショナル、非フラクショナル、表面の又は深層の処置、及び/又は、CO2ベースの、又は、エルビウムYAGベースの、エルビウム-ガラスベースの(例えば、Sciton レーザー)、ネオジミウム:イットリウムアルミニウムガーネット (Nd:YAG)レーザーなど)、低レベル(低強度)レーザー治療処置(例えば、HairMax(登録商標)レーザー櫛)、レーザー擦過傷、照射、無線周波数(RF)アブレーション、ダーマトームプレーニング(例:ダーマプラニング)、コアリングニードル、穿刺装置、パンチツールまたは他の外科用ツール、吸引ツールまたは器具、電気脱毛、電磁破壊、エレクトロポーレーション、ソノポレーション、低電圧電流、強力なパルス光、または外科的治療(例:皮膚移植、植毛、ストリップハーベスティング、頭皮縮小、毛髪移植、濾胞単位抽出(FUE)、ロボットFUEなど)、または超音波加速生理食塩水。 幾つかの場合において、傷は組織破壊装置によって形成される(これについては後に詳述する)。
本発明の方法の実施形態は、任意の適切な患者に対して実施することができる。本発明の患者は、哺乳類(“mammal”又は“mammalian”)であってもよく、ここで、これらの用語は、哺乳動物のクラス内にある生物を記述するのに広く使用され、以下を含む:食肉目(例えば、犬及び猫)、齧歯目(例えば、マウス、ギニアピッグ、及びラット)、及び霊長類(例えば、ヒト、チンパンジー、及びサル)。幾つかの例において、患者はヒトである。方法は、ヒトの患者に適用されてもよく、両方の性であってもよく、任意の発達ステージであってもよく(即ち、新生児、乳児、若年者、青年期、成人)、ここで、特定の実施形態において、ヒト患者は少年、青年又は成人である。本発明はヒト患者からのサンプルに適用されてもよいが、以下の点を理解されたい:方法は、他の動物の患者(即ち、「非ヒト患者」)におけるサンプル上でも実施されてもよく、例えば、限定されるものではないが、鳥、マウス、ラット、犬、猫、家畜及び馬が挙げられる。
傷痕の減少
特定の実施形態において、本明細書で提供される方法は以下を減少させる、又は、防止する:患者における創傷治癒の間の瘢痕。特定の実施形態において、方法は以下を含む:患者の皮膚の部位において傷を形成すること(例えば、本明細書に記載のいずれかの実施形態に従って)、及び、有効量のYAP阻害剤組成物を傷に投与して、創傷治癒を促進すること(例えば、本明細書に記載のいずれかの実施形態に従って)。特定の実施形態において、方法は以下を含む:患者の皮膚の部位において傷を形成すること(例えば、本明細書に記載のいずれかの実施形態に従って)、及び、有効量のYAP阻害剤組成物を傷に投与して、傷におけるEngrailed-1系統陰性線維芽細胞(ENF)の機械的な活性化を調節し、ENFを介した創傷治癒を促進すること(例えば、本明細書に記載のいずれかの実施形態に従って)。幾つかの場合において、本明細書に記載のいずれかの実施形態に従った、YAP阻害剤組成物の投与は、例えば、ENF(Dlk+ 細網ENF)におけるYAPの発現及び/又は活性をターゲットにすることにより、瘢痕を減少させる、又は、防止する。
瘢痕のレベル又は量は、任意の便宜上のメトリクスに従って評価及び測定されてもよい。 瘢痕のレベル(例えば、YAP阻害剤組成物で処理された治療中の傷、又は、YAP阻害剤組成物で処理された治癒した傷において)は、コントロール(例えば、YAP阻害剤組成物で処理していない傷又は治癒した傷)と比べて評価されてもよい。幾つかの場合において、瘢痕のレベルは以下によって評価される:治癒した傷の物理的な特性(例えば、張力、傷痕エリアなど)を測定すること。幾つかの場合において、瘢痕のレベルは以下によって評価される:1以上の皮膚付属器官(例えば、皮膚の部位における毛包、汗腺、及び、皮脂腺を含む)の存在を検出する、又は、この量を定量すること。幾つかの場合において、瘢痕のレベルは以下によって評価される:皮膚の部位における結合組織又はECMマトリクスの形成について検出すること、及び/又は、特徴分析すること。特定の実施形態において、瘢痕のレベルは以下によって評価される:細胞(例えば、皮膚の部位における細胞のタイプ又はサブ集団)を検出すること、及び/又は、この量を定量すること。幾つかの場合において、瘢痕のレベルは以下によって評価される:ENF及びEPFのうち1以上を、検出すること、及び/又は、この量を定量すること。特定の実施形態において、瘢痕のレベルは以下によって評価される:皮膚の部位におけるEPFの量に対するENFの量を定量すること。幾つかの場合において、瘢痕のレベルは以下によって評価される:1以上の傷痕関連遺伝子、及び/又は、傷痕関連遺伝子産物についての発現及び/又は活性について、測定すること、及び/又は、定量すること。幾つかの場合において、瘢痕のレベルは以下のうち1以上によって評価される: 視覚的な検査、組織学、免疫組織化学分析、免疫蛍光、及び機械学習。幾つかの場合において、瘢痕のレベルは、組織学的な染色に基づく結合組織及び線維症の定量的評価に関する機械学習アルゴリズムを用いて評価される。いくつかの実施形態において、評価メトリクスは、例えば、以下を含む:ECMファイバーの長さと幅、ECMファイバーのグループのパッキングと配置、およびECMファイバーの分岐。様々な傷痕評価のスケールが、例えば、PCT出願番号WO2014/040074において提供されており、参照により開示内容全体を本明細書に組み込む。幾つかの実施形態によれば、方法は、以下によって測定された場合に、コントロールと比べて、瘢痕を減少させる:視覚的アナログスケール(VAS)スコア、カラーマッチング(CM)、マット/シャイニー(M/S)評価、輪郭(C)評価、歪み(D)評価、テクスチャ(T)評価、又は、これらの組み合わせ。瘢痕減少の規模は変化してもよいが、幾つかの例において、規模は、10%~98%の範囲にわたり、例えば、以下の範囲にわたる:10%~95%、20%~95%、30%~95%、40%~95%、50%~95%、60%~95%、70%~95%、80%~95%、又は、90%~95%。
治癒プロセス中の瘢痕の減少レベルは、変化してもよい。特定の実施形態において、方法は、傷痕の発生、深刻度合、又は、その両方を減少させるのに効果的である。幾つかの場合において、方法により、治癒した傷を生成し、YAP阻害剤組成物で処理していない治癒した傷における瘢痕のレベルと比べて瘢痕のレベルが減少している。特定の実施形態において、方法は以下を生成する:傷痕のない治癒した傷。幾つかの場合において、方法は、以下を生成する:YAP阻害剤組成物で処理していない治癒した傷における結合組織アーキテクチャと比べて改善した結合組織アーキテクチャを含む治癒した傷。幾つかの場合において、方法は、以下を生成する:YAP阻害剤組成物で処理していない治癒した傷におけるコラーゲン高増殖のレベルと比べて、コラーゲン高増殖のレベルが減少している治癒した傷。いくつかの実施形態において、方法は、以下を向上させる:傷におけるコラーゲン線維の配置。 いくつかの実施形態において、方法は、以下を減少させる:傷におけるコラーゲン形成。幾つかの場合において、方法は、以下を生成する:皮膚付属器官の増殖が向上した状態の治癒した傷。特定の実施形態において、方法は、以下を減少させる:傷のサイズ。幾つかの場合において、本明細書で提供される方法に従って、治癒したYAP阻害剤組成物で処理された傷を有する皮膚の部位は、通常の皮膚又は無傷の皮膚と外見上区別がつかない(例えば、色素形成、テクスチャ)。幾つかの場合において、本明細書で提供される方法に従って、治癒したYAP阻害剤組成物で処理された傷を有する皮膚の部位は、物理的特性(例えば、張力)において、通常の皮膚又は無傷の皮膚と区別がつかない。幾つかの場合において、本明細書で提供される方法に従って、治癒したYAP阻害剤組成物で処理された傷を有する皮膚の部位は、皮膚付属器官の成長及び生成において、通常の皮膚又は無傷の皮膚特別が付かない。幾つかの場合において、本明細書で提供される方法に従って、治癒したYAP阻害剤組成物で処理された傷を有する皮膚の部位は、結合組織アーキテクチャ(例えば、ECMマトリクス)において、通常の皮膚又は無傷の皮膚と区別が付かない。特定の実施形態において、方法は、コントロールと比べて、通常の創傷治癒を損なわず、又は、傷閉鎖速度 を遅らせることがない。特定の実施形態において、方法は、コントロールと比べて、創傷治癒(例えば、傷閉鎖速度)を増加させる。幾つかの場合において、本明細書に記載の方法によって生み出される効果のうち1以上は、瘢痕の減少、又は、瘢痕の防止を示す。
幾つかの実施形態によれば、方法は、コントロールと比べて、傷痕エリア を減少させる。幾つかの実施形態によれば、方法は、コントロールと比べて以下の度合いで傷痕エリアを減少させる: 1%以上、2%以上、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、10%以上、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、又は、95%以上。幾つかの実施形態によれば、方法は、コントロールと比べて、以下に示す期間投与(例えば、YAP阻害剤組成物)してかて、傷痕エリアを減少させる:1日以上、2日以上、3日以上、4日以上、5日以上、7日以上、8日以上、9日以上、10日以上、11日以上、12日以上、13日以上、14日以上、21日以上、30日以上、60日以上、又は、90日以上。
幾つかの実施形態によれば、方法は、 コントロールと比べて、皮膚の部位で、線維症を減少させる。幾つかの場合において、方法は、コントロールと比べて、皮膚の部位で、線維症を、以下の度合いで減少させる:1%以上、2%以上、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、10%以上、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、又は、95%以上。幾つかの実施形態によれば、方法は、コントロールと比べて、以下に示す期間投与して、以下の範囲で、皮膚の部位で、線維症を減少させる: 1日以上、2日以上、3日以上、4日以上、5日以上、7日以上、 8日以上、9日以上、10日以上、11日以上、12日以上、13日以上、14日以上、21日以上、30日以上、60日以上、又は、90日以上。
幾つかの実施形態によれば、方法は、コントロールと比べて、増加した張力を有する傷又は治癒された傷を生成し、これらは、例えば、傷破壊力及びヤング率によって測定される. 幾つかの実施形態によれば、方法は、コントロールと比べて、以下に示す期間投与して張力を増加させる:1日以上、2日以上、3日以上、4日以上、5日以上、7日以上、8日以上、9日以上、10日以上、11日以上、12日以上、13日以上、14日以上、21日以上、30日以上、60日以上、又は、90日以上。幾つかの実施形態によれば、方法は、コントロールと比べて、以下の度合いで、張力を増加させる:1%以上、2%以上、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、10%以上、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、又は、95%以上。
幾つかの実施形態によれば、方法は、以下を生成する:コントロールと比べて、皮膚の部位で、検出可能なレベルの皮膚付属器官(例えば、毛包、汗腺、及び/又は、皮脂腺、又はこれらの任意の組み合わせ。幾つかの実施形態によれば、方法は、コントロールと比べて、皮膚の部位で、皮膚付属器官(例えば、毛包、汗腺、及び/又は、皮脂腺、又はこれらの任意の組み合わせ)の数を増加させる。幾つかの場合において、方法は コントロールと比べて、 皮膚の部位で、皮膚付属器官(例えば、毛包、汗腺、及び/又は、皮脂腺、又はこれらの任意の組み合わせ)の数を以下の度合いで増加させる:1%以上、2%以上、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、10%以上、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、又は、95%以上。幾つかの実施形態によれば、方法は、以下に示す期間投与して、コントロールと比べて、皮膚の部位で、検出可能なレベルの皮膚付属器官(例えば、毛包、汗腺、及び/又は、皮脂腺、又はこれらの任意の組み合わせ)を生成し、又はこの数を増加させる:1日以上、2日以上、3日以上、4日以上、5日以上、7日以上、 8日以上、9日以上、10日以上、11日以上、12日以上、13日以上、14日以上、21日以上、30日以上、60日以上、又は、90日以上。
幾つかの実施形態によれば、方法は、以下を増加させる: コントロールと比べた、皮膚の部位での毛髪の数。幾つかの場合において、方法は、コントロールと比べた、皮膚の部位での毛髪の数を、以下の度合いで増加させる:1%以上、2%以上、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、10%以上、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、又は、95%以上。幾つかの実施形態によれば、方法は、コントロールと比べた、皮膚の部位での毛髪の数を、以下に示す期間投与して増加させる:1日以上、2日以上、3日以上、4日以上、5日以上、7日以上、8日以上、9日以上、10日以上、11日以上、12日以上、13日以上、14日以上、21日以上、30日以上、60日以上、又は、90日以上。
幾つかの場合において、方法は、以下を調節する:傷において存在する細胞の量及び/又はタイプ。幾つかの場合において、方法は、以下を調節する:傷において存在する細胞の1以上のサブ集団の量及び/又はタイプ。幾つかの場合において、方法は、以下を調節する:コントロールと比べた、傷又は治癒した傷におけるENFの量、又は、EPFの量に対するENFの量。幾つかの場合において、方法は、以下を調節する:コントロールと比べた、傷又は治癒された傷において存在するDLK+細胞の量。幾つかの場合において、方法は、以下を調節する:コントロールと比べた、傷又は治癒された傷におけるYAP+細胞の量。幾つかの場合において、コントロールにおいて存在するEPFの量に対するENFの量と比べた、傷において存在するEPFの量に対するENFの増加量は、瘢痕の減少、又は、瘢痕の防止を示す。幾つかの場合において、コントロールと比べて、傷におけるENFからEPFの変化 の減少は、瘢痕の減少、又は、瘢痕の防止を示す。幾つかの場合において、傷におけるENFからEPFの変化の阻害は、瘢痕の減少、又は、瘢痕の防止を示す。幾つかの場合において、傷において存在するEPFの量に対するENFの量(例えば、EPFに対するENFの比)の維持は、瘢痕の減少、又は、瘢痕の防止を示す。幾つかの場合において、ENFをもっぱら含む傷又は治癒された傷は、瘢痕の減少、又は、瘢痕の防止を示す。幾つかの場合において、コントロールと比べて、減少した量のEPFを含む傷又は治癒された傷は、瘢痕の減少、又は、瘢痕の防止を示す。
幾つかの実施形態によれば、方法は、以下を増加させる:コントロールと比べた、ENFの量、又は、EPFの量に対するENFの量。特定の実施形態において、方法は、ENFの量、又は、EPFの量に対するENFの量を以下に示す程度に増加させる: 1%以上、2%以上、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、10%以上、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、又は、95%以上。幾つかの実施形態によれば、方法は、以下に示す期間投与(例えば、YAP阻害剤組成物)して、コントロールと比べた、ENFの量、又は、EPFの量に対するENFの量を増加させる:1日以上、2日以上、3日以上、4日以上、5日以上、7日以上、8日以上、9日以上、10日以上、11日以上、12日以上、13日以上、14日以上、21日以上、30日以上、60日以上、又は、90日以上。
幾つかの実施形態によれば、方法は、以下を増加させる:コントロールと比べた、傷又は治癒された傷において存在するDLK+細胞の量。特定の実施形態において、方法は、傷又は治癒された傷において存在するDLK+細胞の量を以下に示す程度に増加させる:1%以上、2%以上、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、10%以上、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、又は、95%以上。幾つかの実施形態によれば、方法は、以下に示す期間投与(例えば、YAP阻害剤組成物)して、コントロールと比べた、傷又は治癒された傷において存在するDLK+細胞の量を増加させる:1日以上、2日以上、3日以上、4日以上、5日以上、7日以上、8日以上、9日以上、10日以上、11日以上、12日以上、13日以上、14日以上、21日以上、30日以上、60日以上、又は、90日以上。
幾つかの実施形態によれば、方法は、以下を減少させる:コントロールと比べた、例えば、傷又は治癒した傷におけるYAP+細胞の量。特定の実施形態において、方法は、以下に示す程度に、YAP+細胞の量を減少させる: 1%以上、2%以上、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、10%以上、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、又は、95%以上。幾つかの実施形態によれば、方法は、以下に示す期間投与(例えば、YAP阻害剤組成物)して、コントロールと比べたYAP+細胞の量を減少させる:1日以上、2日以上、3日以上、4日以上、5日以上、7日以上、8日以上、9日以上、10日以上、11日以上、12日以上、13日以上、14日以上、21日以上、30日以上、60日以上、又は、90日以上。
いくつかの実施形態において、方法は以下を調節してもよい:傷痕関連遺伝子の発現及び/又は活性、又は、傷痕関連遺伝子産物の産生。幾つかの場合において、瘢痕のレベルは、傷痕関連遺伝子の発現及び/又は活性を測定することによって評価されてもよい。幾つかの場合において、瘢痕のレベルは、傷痕関連遺伝子産物の量及び/又は活性を測定することで評価されてもよい。別の実施形態によれば、有効量のYAP阻害剤組成物は、傷痕関連遺伝子からのメッセンジャーRNA (mRNA)レベルを調節するのに効果的である。別の実施形態によれば、有効量のYAP阻害剤組成物は、傷痕関連遺伝子から発現した傷痕関連遺伝子産物のレベルを調節するのに効果的である。幾つかの実施形態によれば、傷痕関連遺伝子、及び/又は、産物は、以下のものである:トランスフォーミング増殖因子β1(TGF-β1)、腫瘍壊死因子α(TNF-α)、コラーゲン、インターロイキン-6(IL-6)、ケモカイン(CCモチーフ)リガンド2(CCL2)(又は、単球走化性タンパク質-1(MCP-1))、ケモカイン(CCモチーフ)レセプター2(CCR2)、EGF-like module-containing mucin-like hormone receptor-like 1 (EMR1)、CD26、YAP、フィブロネクチン、又は、1以上のsma/mad関連タンパク質(SMAD)。幾つかの実施形態によれば、方法は、以下を調整する(例えば、減少させる):コントロールと比べた、傷(例えば、傷において存在する細胞)におけるコラーゲン1型、CD26、及び、YAPのうち1以上の発現及び活性。幾つかの実施形態によれば、方法は、以下を調節する(例えば、増加させる):コントロールと比べた、傷(例えば、傷において存在する細胞)において、フィブロネクチンの発現及び活性。幾つかの実施形態によれば、方法は、以下を生成する:コントロールと比べた、皮膚の部位での、 毛包及び汗腺を同定する検出可能なレベルのマーカー(例えば、それぞれ、サイトケラチン14、及び/又は、サイトケラチン19)。幾つかの場合において、方法は、以下を増加させる:コントロールと比べた、皮膚の部位での、毛包及び汗腺を同定するマーカー(例えば、サイトケラチン14、及び/又は、サイトケラチン19)のレベル。
特定の実施形態において、方法は、1以上の傷痕関連遺伝子又は傷痕関連遺伝子産物の発現及び活性を以下に示す程度に減少させる又は増加させる:1%以上、2%以上、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、10%以上、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、又は、95%以上。幾つかの実施形態によれば、方法は、以下に示す期間投与(例えば、YAP阻害剤組成物)して、コントロールと比べて、1以上の傷痕関連遺伝子又は傷痕関連遺伝子産物の発現及び/又は活性を減少させる又は増加させる:1日以上、2日以上、3日以上、4日以上、5日以上、7日以上、8日以上、9日以上、10日以上、11日以上、12日以上、13日以上、14日以上、21日以上、30日以上、60日以上、又は、90日以上。
発毛及び/又は育毛
特定の実施形態において、本明細書で提供される方法は以下を促進する:皮膚の部位における患者の発毛及び/又は育毛。いくつかの実施形態において、患者は脱毛症を有する可能性があり、及び/又は、脱毛症と診断されている。特定の実施形態において、方法は、患者の脱毛症を治療するため(例えば、毛消失の起こった皮膚の部位における発毛及び/又は育毛を促進することによる)の方法である。特定の実施形態において、方法は以下を含む:患者の発毛及び/又は育毛が望まれる皮膚の部位において傷を形成すること(例えば、本明細書に記載のいずれかの実施形態に従って)、及び、有効量のYAP阻害剤組成物を傷に投与して、創傷治癒を促進すること(例えば、本明細書に記載のいずれかの実施形態に従って)。特定の実施形態において、方法は以下を含むことができる:患者の発毛及び/又は育毛が望まれる皮膚の部位において傷を形成すること(例えば、本明細書に記載のいずれかの実施形態に従って)、及び、有効量のYAP阻害剤組成物を傷に投与して、傷におけるEngrailed-1系統陰性線維芽細胞(ENF)の機械的な活性化を調節し、ENFを介した創傷治癒を促進すること(例えば、本明細書に記載のいずれかの実施形態に従って)。幾つかの場合において、本明細書に記載のいずれかの実施形態に従った、YAP阻害剤組成物の投与は、ENFにおけるYAPの発現及び/又は活性(例えば、Dlk+ 細網ENF)を標的とすることによって、発毛及び/又は育毛を促進する。
特定の実施形態において、本明細書で提供される方法は以下を促進する:患者の発毛及び/又は育毛。方法は以下を誘導又は促進することができる:患者の任意の適切な皮膚の部位における発毛及び/又は育毛。特定の実施形態において、方法は、以下を促進又は誘導する:皮膚付属器官(例えば、毛包、汗腺など)が無い皮膚の部位での発毛及び/又は育毛。幾つかの場合において、皮膚の部位はヘアレスである。幾つかの場合において、皮膚の部位は、以下を含む:傷痕。特定の実施形態において、方法は、以下を促進又は誘導する:皮膚付属器官を有する皮膚の部位における発毛及び/又は育毛。幾つかの場合において、皮膚の部位は、以下を含む:毛髪。皮膚の部位は、毛髪が自然に生える身体の任意の部分(例えば、頭皮、顔面、脚、腕など)に位置してもよい。特定の実施形態において、皮膚の部位は、患者の頭皮の毛髪のないエリアに存在する。特定の実施形態において、皮膚の部位は、以下を含む:患者の頭皮の表面全体。
発毛及び/又は育毛のレベルは、任意の便宜上のメトリクスに従って評価及び測定されてもよい。発毛及び/又は育毛のレベルは、コントロールと比べて、評価されてもよい(例えば、毛消失を特徴とする皮膚の部位、皮膚付属器官がない皮膚の部位、YAP阻害剤組成物で処理していない傷、又は、YAP阻害剤組成物で処理していない治癒した傷)。特定の実施形態において、発毛及び/又は育毛は、皮膚の部位において新たに生じた毛髪の存在を検出することによって決定される。この方法において、発毛及び/又は育毛は、新たな毛髪の先端が治療エリアに現れたことを以て確認してもよい。発毛及び/又は育毛は、以下によっても決定されてもよい:毛包形成を検出すること、及び/又は、毛包の長さが増加しているのを測定すること。幾つかの場合において、発毛及び/又は育毛は、以下を含む:1以上の新たな毛包を生成すること。発毛及び/又は育毛は、以下によっても決定されてもよい:ヘアラインの変化を測定すること。幾つかの場合において、ヘアラインの変化は、患者の額のヘアラインの任意のポイントと眉毛のラインとの間の距離の変化を測定することによって決定されてもよい。幾つかの場合において、方法は、以下を減少させる:コントロールと比べた抜け毛の量。幾つかの場合において、方法は、以下を防止する:毛消失の進行。特定の実施形態において、方法を実行した後、永久的に、又は、ある期間、毛消失の再発が起こらず、例えば、当該期間は以下を含む:1ヶ月以上、2ヶ月以上、3ヶ月以上、半年以上、1年以上、2年以上、3年以上、5年以上、10年以上。
幾つかの実施形態によれば、方法は、以下を減少させる:コントロールと比べた毛消失の量。幾つかの場合において、方法は、コントロールと比べて、毛消失の量を以下の程度で減少させる:1%以上、2%以上、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、10%以上、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、又は95%以上。幾つかの実施形態によれば、方法は、以下の期間投与(例えば、YAP阻害剤組成物)して、コントロールと比べて、毛消失の量を減少させる:1日以上、2日以上、3日以上、4日以上、5日以上、7日以上、8日以上、9日以上、10日以上、11日以上、12日以上、13日以上、14日以上、21日以上、30日以上、60日以上、又は90日以上。
幾つかの実施形態によれば、方法は、以下を増加させる:例えば、コントロールと比べて、YAP阻害剤組成物で処理した皮膚の部位での毛包の数。幾つかの場合において、方法はコントロールと比べた皮膚の部位での毛包の数を以下に示す程度に増加させる:1%以上、2%以上、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、10%以上、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、又は95%以上。幾つかの実施形態によれば、方法は、以下に示す期間投与(例えば、YAP阻害剤組成物)して、コントロールと比べた皮膚の部位での毛包の数を増加させる:1日以上、2日以上、3日以上、4日以上、5日以上、7日以上、8日以上、9日以上、10日以上、11日以上、12日以上、13日以上、14日以上、21日以上、30日以上、60日以上、又は90日以上。
幾つかの実施形態によれば、方法は、以下を増加させる:コントロールと比べた、皮膚の部位での毛髪の数。幾つかの場合において、方法は コントロールと比べた、皮膚の部位での毛髪の数を以下に示す程度に増加させる:1%以上、2%以上、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、10%以上、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、又は95%以上。幾つかの実施形態によれば、方法は、以下に示す期間投与(例えば、YAP阻害剤組成物)して、コントロールと比べた、皮膚の部位での毛髪の数を増加させる:1日以上、2日以上、3日以上、4日以上、5日以上、7日以上、8日以上、9日以上、10日以上、11日以上、12日以上、13日以上、14日以上、21日以上、30日以上、60日以上、又は、90日以上。
キット
また、本開示のある側面は、キットを含む。キットは、本明細書に記載の実施形態を実施するのに適している。キットは、例えば、以下を含んでもよい:ある量のYAP阻害剤組成物、及び、組織破壊装置。幾つかの場合において、キットは、発毛及び/又は育毛を促進するための方法の実施形態を実施するのに適している。幾つかの場合において、キットは、脱毛症の患者を治療するための方法の実施形態を実施するのに適している。
YAP阻害剤組成物は、任意の適切な量で存在してもよい。幾つかの場合において、キットは、例えば、上述の実施形態に従って、有効量のYAP阻害剤組成物を含む。YAP阻害剤組成物は、YAP阻害剤組成物に適合する任意の適切な容器に存在してもよい。「適合する」が意味するのは、容器の表面に接触したときに、容器が実質的にYAP阻害剤組成物のリキッド、及び/又は、試薬(複数可)に対して不活性(例えば、有意な反応が起こらない)であることである。対象となる容器は、変化してもよく、そして、以下を含んでもよいが、これらに限定されない:試験管、遠心管、培養チューブ、ファルコン(登録商標)チューブ、マイクロチューブ、エッペンドルフチューブ 、specimen collection容器、specimen transport容器、及び、シリンジ。
YAP阻害剤組成物 を保持するための容器は、任意の適切なボリュームのYAP阻害剤組成物を保持するように構成されてもよい。幾つかの場合において、容器のサイズは、容器に保持されるYAP阻害剤組成物のボリュームに依存してもよい。特定の実施形態において、容器は、以下の範囲の量のYAP阻害剤組成物を保持するように構成されてもよい:0.1mg~1000mg、例えば0.1mg~900mg、例えば0.1mg~800mg、例えば0.1mg~700mg、例えば0.1mg~600mg、例えば0.1mg~500mg、例えば0.1mg~400mg、又は、0.1mg~300mg、又は、0.1mg~200mg、又は、0.1mg~100mg、0.1mg~90mg、又は、0.1mg~80mg、又は、0.1mg~70mg、又は、0.1mg~60mg、又は、0.1mg~50mg、又は、0.1mg~40mg、又は、0.1mg~30mg、又は、0.1mg~25mg、又は、0.1mg~20mg、又は、0.1mg~15mg、 又は、0.1mg~10mg、又は、0.1mg~5mg、又は、0.1mg~1mg、又は、0.1mg~0.5mg。特定の実施形態において、容器は、以下の範囲の量のYAP阻害剤組成物を保持するように設計される:0.1g~10g、0.1g~5g、0.1g~1g、0.1g~0.5g。特定の例において、容器は、以下の範囲のボリューム(例えば、リキッドYAP阻害剤組成物のボリューム)を保持するように構成されてもよい: 0.1mg/mL~200mg/mL。例えば、容器は、以下の範囲のボリューム(例えば、リキッドのボリューム) を保持するように構成されてもよい:0.1mg/mL~1000mg/mL、例えば、0.1mg/mL~900mg/mL、又は、0.1mg/mL~800mg/mL、又は、0.1mg/mL~700mg/mL、又は、0.1mg/mL~600mg/mL、又は、0.1mg/mL~500mg/mL、又は、0.1mg/mL~400mg/mL、又は、0.1mg/mL~300mg/mL、又は、0.1mg/mL~200mg/mL、又は、0.1mg/mL~100mg/mL、又は、0.1mg/mL~50mg/mL、又は、0.1mg/mL~25mg/mL、又は、0.1mg/mL~10mg/mL、又は、0.1mg/mL~5mg/mL、又は、0.1mg/mL~1mg/mL、又は、0.1mg/mL~0.5mg/mL。特定の例において、容器は、以下の範囲のボリューム(例えば、リキッドYAP阻害剤組成物のボリューム)を保持するように構成されてもよい:0.1mg/mL~200mg/mL。
容器の形についても変化してもよい。特定の場合において、容器は、アッセイ、及び/又は、方法、又は、アッセイを実施するのに使用される他の装置に適合するような形で構成されてもよい。例えば、容器は、アッセイを実施するのに使用される典型的な研究室の設備の形、又は、アッセイを実施するのに使用される他の装置に適合する形で構成されてもよい。いくつかの実施形態において、リキッド容器はバイアル又は試験管であってもよい。特定の場合において、リキッド容器はバイアルである。特定の場合において、リキッド容器は試験管である。
上述したように、容器の実施形態については、試薬装置に接触したときにYAP阻害剤組成物と適合できる。容器の適切な材料の例は、以下を含むがこれらに限定されない: ガラス及びプラスチック。 例えば、容器はガラスから構成されてもよく、例えば、限定されるものではないが、以下が挙げられる:ケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸ナトリウムガラス (例えば、PYREX(商標))、溶融石英ガラス、溶融シリカガラスなど。容器の適切な材料の他の例はプラスチックを含み、例えば、限定されるものではないが、以下が挙げられる:ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロエーテル(PFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)など。
いくつかの実施形態において、容器はシールをしてもよい。即ち、容器は以下を含むことができる:容器の内容物が容器からでることを実質的に防止するシール。また、容器のシールは、他の物質が容器に入ることを実質的に防止してもよい。例えば、シールは、リキッドが容器を出入りすることを実質的に防止する液密シールであってもよく、又は、ガスが容器を出入りすることを実質的に防止する気密シールであってもよい。幾つかの例において、シールは除去可能なシール又は破壊可能なシールであり、その結果、容器の内容物は、必要に応じて、周囲環境にさらすことができる(例えば、容器の内容物の一部を除去することが望まれる場合)。幾つかの例において、シールは、容器内にサンプルを保持するためのバリア(例えば、液密、及び/又は、気密シール)を提供する弾性材料から作られてもよい。具体的なタイプのシールは、容器のタイプに依存するが、非限定的には、以下を含む: フィルム(例えば、ポリマーフィルム)、キャップなど。シールに適した材料は、例えば、ゴムシール又はポリマーシールを含み、例えば、限定されるものではないが、以下が挙げられる:シリコーンゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレン-プロピレンコポリマー、ポリクロロプレン、ポリアクリレート、ポリブタジエン、ポリウレタン、スチレンブタジエンなど、及びこれらの組み合わせ。例えば、特定の実施形態において、シールは、下記へ来出会って、シードル、シリンジ、又は、カニューレによって孔をあけることができる。また、シールは、容器内のサンプルへの便宜上のアクセスを提供し、並びに、容器の蓋にかぶせる保護バリアを提供する。幾つかの例において、シールは、破壊可能なシールである(例えば、ねじ型、又は、スナップオン(snap-on)キャップ、又は、容器の蓋に適用できる他の適切なシール要素)。例えば、ねじ型キャップは、容器にサンプルを添加する前後で蓋上をスクリュー回転させることができる。
本明細書で使用するが、「組織破壊装置」は、細胞のダメージ又は損傷を引き起こす装置である。組織破壊装置は、患者の皮膚の部位の傷を形成するように構成されてもよい(例えば、本明細書に記載の方法のいずれかに従って)。幾つかの場合において、装置は、皮膚の部位に対して以下のうち1以上を適用してもよい: 例えば、超音波、無線周波数(RF)、レーザー、紫外線エネルギー、赤外線エネルギー、又は、機械的な破壊。適切な組織破壊装置は、以下を含むがこれらに限定されない:外科手術の器具 (例えば、メス、ランセットなど)、ニードル、マイクロニードル(例えば、Dermaroller(登録商標))、レーザーなど。特定の実施形態において、装置は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個の皮膚浸透性構成要素(複数可)を含み、当該要素は、皮膚に同時に浸透させることができる(例えば、ニードル、ドリル、微小電極、切断歯を含むチューブ、スプーンビット、ワイヤー、ファイバー、ブレード、高圧流体ジェット、クライオプローブ、クライオニードル、超音波ニードル、1以上の化学薬品を含むマルチホールニードル、微小電極、及び/又は、真空装置、又は本明細書に記載の任意の他の構成要素)。幾つかの場合において、組織破壊装置は、有効量のYAP阻害剤組成物を傷(例えば、組織破壊装置によって形成された傷)に投与又は送達するように構成されてもよい。特定の実施形態において、組織破壊装置は、YAP阻害剤組成物を、局所的な皮膚の部位、又は、患者の局所的な皮膚の部位の下へ、投与、例えば、注射を行うように構成される。投与は、上述の実施形態のいずれかに従った、任意の適切なメカニズム又は媒体を用いて実施されてもよい(例えば、ニードル、マイクロニードル、ゲルなど)。幾つかの場合において、組織破壊装置の1以上の部分は、有効量のYAP阻害剤組成物を含む。幾つかの場合において、組織破壊装置は、以下を含む:1以上のマイクロニードル。幾つかの場合において、組織破壊装置 は、以下を含む:マイクロニードルのアレイ。特定の実施形態において、組織破壊装置は、マイクロニードリング装置である(例えば、以下を含むDermaroller(登録商標)又は DermaPEn(登録商標))。幾つかの場合において、組織破壊装置は、レーザーであり、例えば、フラクショナルレーザーリサーフェシングを実施するためのレーザーである。
活用
主題の方法により以下における使用が見出された:創傷治癒を伴う応用(例えば、臨床応用及び研究応用を含む)。特定の実施形態において、方法により以下における使用が見出された:生後の創傷治癒、又は、成人での創傷治癒。方法により以下における使用を見出すことができる傷が意図的に作られる(例えば、外科手術を通して)、又は、意図せず作られる、任意の応用。
特定の実施形態において、主題の方法により以下における使用が見出された:瘢痕を減少又は防止することが望まれる応用。主題の方法は、瘢痕の可能性があるあらゆるタイプの皮膚(傷のゾーン、及び眼を含む)の治療に適用してもよい。特定の実施形態において、方法は、以下から生じるヒトの瘢痕を治療又は防止するために使用されてもよい:やけど、熱傷、かすり傷、擦過傷、切り傷及び他の切開創、外科手術および病的皮膚瘢痕症状、例えばデュプイトレン病、及び、線維性皮膚瘢痕の症状、肥大性瘢痕、ケロイド瘢痕、及び、角膜および他の眼組織の瘢痕。
主題の方法により更に以下における使用が見出された:発毛及び/又は育毛を促進するための応用。主題の方法により以下における使用を見出すことができる:特定の皮膚の部位(例えば、実質的な毛消失の領域)において発毛及び/又は育毛を増加させることが望まれる応用。特定の実施形態において、方法により以下における使用が見出された:毛消失の治療、及び、副作用として毛消失を伴う症状の治療。方法は、様々な症状からの毛消失を治療するために使用することができ、例えば、限定されるものではないが、以下が挙げられる:
妊娠中及び出産中のホルモンの変化、病気(甲状腺機能亢進症および甲状腺機能低下症、ループス、抜毛癖)、投薬、化学療法、食事不足、ストレス、脱毛症、外傷、放射線治療、鉄欠乏、又は、他の栄養失調、自己免疫疾患及び真菌感染症。特定の実施形態において、主題の方法により以下における使用が見出された:脱毛症の患者の治療。
以下の実施例(複数可)は、例示的な意味合いで、提供されるものであり、限定的な意味合いで提供されるものではない。
以下の実施例は、当業者に本発明の製造方法および使用方法の完全な開示および説明を提供するために提示されるものであり、本発明者らが発明とみなす範囲を制限することを意図するものではなく、また以下の実験が、実施されるすべてまたは唯一の実験であることを表すことを意図するものでもない。使用される数値(例えば、量、温度など)に関して正確さを確保するための努力がなされているが、いくつかの実験誤差および偏差を説明する必要がある。 特に断りのない限り、部は重量部、分子量は重量平均分子量、温度は摂氏、圧力は大気圧またはそれに近い状態である。
分子および細胞生物化学の一般的な方法は、Molecular Cloningなどの標準的な教科書に見出すことができる:A Laboratory Manual, 3rd Ed. (Sambrook et al., HaRBor Laboratory Press 2001); Short Protocols in Molecular Biology, 4th Ed. (Ausubel et al. eds., John Wiley & Sons 1999); Protein Methods (Bollag et al., John Wiley & Sons 1996); Nonviral Vectors for Gene Therapy (Wagner et al. eds., Academic Press 1999); Viral Vectors (Kaplift & Loewy eds., Academic Press 1995); Immunology Methods Manual (I. Lefkovits ed., Academic Press 1997); and Cell and Tissue Culture: Laboratory Procedures in Biotechnology (Doyle & Griffiths, John Wiley & Sons 1998),:これらの開示は参照することにより本明細書に組み込まれるものとする。本開示で言及される、または関連する方法のための試薬、クローニングベクター、細胞、およびキットは、BioRad、Agilent Technologies、Thermo Fisher Scientific、Sigma-Aldrich、New England Biolabs(NEB)、Takara Bio USA、Incなどの商業ベンダー、並びに、Addgene, Inc., American Type Culture Collection(ATCC)などのリポジトリから入手することができる。
実施例1:機械感受性線維芽細胞におけるEngrailed-1活性化の阻害は、瘢痕化することなく創傷を再生させる
A. 材料と方法
マウス
トランスジェニックマウス系統:En-1Cre (En1tm2(cre)Wrst /J)、En-1Cre-ERT (En1tm7(cre /ESR1)Alj /J)、R26mTmG (Gt(ROSA)26Sortm4(ACTB-tdTomato,-EGFP)Luo/J)、Ai6 (B6.Cg-Gt(ROSA)26Sortm6(CAG-ZsGreen1)Hze /J) 及びNOD-SCID (NOD.CB17-Prkdcscid /J)
マウスは、スタンフォード大学比較医学パビリオンで、スタンフォード大学APLACガイドライン(APLAC-11048)に従って飼育・管理された。マウスは、ベテリナリーサービスセンター(VSC)の比較医学科の管理のもとで飼育・繁殖された。En1Cre , En1Cre-ERT, Gt(ROSA)26Sortm4(ACTB-tdTomato,-EGFP)Luo (R26mTmG ) および B6.Cg-Gt(ROSA)26Sortm6(CAG-ZsGreen1)Hze (Ai6) マウス系統はJackson Laboratoriesから入手した。En1CreおよびEn1Cre-ERTマウスをAi6およびmT/mGレポーターマウスと交配し、invivoでGFP陽性により定義される全EPFおよび出生後EPFをそれぞれ追跡した。
トランスジェニックマウス系統は、組織採取と個々の動物の遺伝子型決定(genotyping)によって検証された。以下のプライマーを使用した: En-1Cre および En-1Cre-ERT マウスに関して(バンドサイズCre:102 bp、内部陽性コントロール:74 bp) Cre forward 5’-GCG GTC TGG CAG TAA AAA CTA TC-3’, Cre reverse 5’-GTG AAA CAG CAT TGC TGT CAC TT-3’, IPC forward 5’-CAC GTG GGC TCC AGC ATT-3’, IPC reverse 5’-TCA CCA GTC ATT TCT GCC TTT G-3’; R26 mTmGに関して(バンドのサイズ 変異体:140 bp, wt(野生型): 96 bp) 変異体 reverse 5’-GTT ATG TAA CGC GGA ACT CCA-3’, wt reverse 5’-CAG GAC AAC GCC CAC ACA-3’, common forward 5’-CTT CCC TCG TGA TCT GCA AC-3’。PCR条件は以下の通り。94℃10分、94℃30秒、56℃1分30秒、72℃1分半、35サイクル繰り返し、72℃8分であった。Ai6およびR26VT2/GK3マウスは、紫外線照射下での緑色蛍光の可視化により遺伝子型を決定した。
真皮線維芽細胞の採取
CO2 麻酔と頸椎脱臼によりマウスを安楽死させ、背部の毛を切り取り、脱毛クリームを背部に30秒間局所的に塗布した。次に、解剖鋏で筋膜面に沿って剥離し背部皮膚を採取し、皮下脂肪をメスでトリミングし、皮膚をベタジンでリンスし、その後、冷PBSで5回リンスした。細胞懸濁液を得るため、採取した皮膚を鋭利なハサミで細かくミンチし、酵素消化(Liberase DL, 0.5 mg/mL, 1時間)し,40 μmのナイロンメッシュで濾過した。En-1Cre ;R26mTmG マウス (En-1 系統陰性細胞, mTomato+ ; En-1 系統陽性細胞, GFP+ )から、既に報告されたFACSストラテジーによりENFとEPFを単離した。簡単に説明すると、造血系 (CD45, Ter-119), 内皮系 (CD31, Tie2), 上皮系 (CD326, CD324) 細胞マーカー用の系統ゲート (Lin) をネガティブゲートとして、線維芽細胞(Lin- )を分離し、ENF (Tomato+ GFP- Lin- ) とEPF (Tomato- GFP+ Lin- )にソートした。ENFサブ集団を単離するために、上記のように機械的および酵素的消化を経て、P1 En-1Cre ;Ai6 マウスから背部皮膚細胞を採取した(En-1系統陰性細胞、蛍光なし;En-1系統陽性細胞、GFP+ )。次に、乳頭状真皮 (Lin- CD26+ Dlk1- Sca1- )、網状真皮 (Lin- CD26- Dlk1+ Sca1- )、および皮下組織 (Lin- CD26- Dlk1+/- Sca1+ ) の ENF 導出には、CD26、Dlk1、Sca1に加え前述の系列マーカーで細胞を染色した。FACS解析の前に、細胞をFACSバッファー及びDAPIに再懸濁した。
細胞生着
1日齢(P1)のEn-1Cre ;R26mTmG とEn-1Cre ;Ai6 マウスを、生着とin vitro研究の両方でENFとEPFを分離するために使用したが、その理由は以下の3点である。第一に、P1マウスは、高齢のP60マウスと同様の瘢痕化結果で治癒することが知られている。第二に、新生児マウスの皮膚は幼若マウスや成体マウスの皮膚よりも細胞数が多いので、生着成功に必要な高い細胞数を得るために犠牲にするマウスが少なくてすむ。最後に、P1細胞はP60細胞よりも生着後も高い生存率を維持することが観察される。レシピエントマウス(P60 C57BL/6 または R26mTmG )に麻酔をかけ(2% イソフルオラン)、脱毛クリームで背部の毛を除去し、アルコールワイプで皮膚をプレップした。注射部位(肩甲骨の高さ、正中線から約8mm外側のマウス1匹につき2つの6mm円形領域)を皮膚マーカーでマークし、線維芽細胞を各領域の境界の周りに皮内注射した(マウスにつき10万細胞;ENF、ENFサブ集団、またはEPFをそれぞれ受けたn = 3匹のマウス)。細胞を48時間生着させ、その後、生着した細胞が創縁に位置するように、各マーカー注入部位に別々の6mm全厚切除創(下記参照)を作成した。
背面切除創傷
P60 En-1Cre ;R26mTmG , En-1Cre ;Ai6 , 及び、En-1Cre-ERT;Ai6 マウスを、確立されたプロトコルに従って、皮膚創傷治癒実験に使用した。簡単に言うと、マウスを麻酔し(2%イソフルオラン)、脱毛クリームで背部毛を除去し、背部皮膚をアルコールワイプでプレップした。次に、各動物の背部に、耳の下約6mm、正中線から4mm外側の同じ高さに、6mmの全厚の円形創傷を2つ、皮筋層を通してつけた。次に、創傷の周囲を接着剤と8個の単純な中断Ethilon 6-0縫合糸(Ethicon)で固定した直径12mmのシリコンリングによって、創傷を開いた状態で留置した。メカノトランスダクション阻害剤を投与されたマウスについては、30μLのVerteporfin(1mg/mL)が創傷基部に局所的に注入された;ビークルコントロールについては、PBSが創傷に注入された。術後鎮痛は、ブプレノルフィン0.05mg/kgを4時間ごとに3回投与し、その後は指示通りに行った。ドレッシングは麻酔下で1日おきに交換した。すべての創傷は、術後日(POD)14までに完全に再上皮化され、その時点で創傷および周囲の皮膚(未創傷コントロールとして使用)を採取し、組織学用に処理した。En-1Cre-ERT;Ai6マウスの誘導は、創傷の前にタモキシフェン(90%コーン油/エタノールv/v;200mg/kg体重)を5日間連続して腹腔内注射することにより達成された。すべての実験において、各処理群には2つの創傷を持つマウスを最低3匹ずつ使用した。
創傷の機械的負荷
P60のEn-1Cre-ERT;Ai6マウスの背部に20mm長の線状創を作り、縫合糸で閉じた。POD 4に、負荷装置(22 mmの拡張ネジおよびLuhrプレート支持体から構築)を、接着剤および単純な中断縫合で各創傷上に固定した。メカノトランスダクションシグナル伝達阻害剤を投与されるマウスには、30μLのVerteporfin(1mg/mL)をPOD 0およびPOD 4の両方で縫合線に沿って注入した;ビークルコントロールにはPBSを創傷に注入した。装置の張力は、2日ごとに2mmずつ拡張することで増加させ、合計10日間行った。拡張していないデバイスを装着したマウスは、偽手術コントロールとした。POD 14に、創傷を採取し、組織学的に処理して、瘢痕化pEPFに対するENFの活性化について、創傷張力の増加の効果の特徴を分析した。図2、G~Iにおいて、各実験群に最低4匹のマウスを使用した。
組織学と免疫蛍光染色
組織は2%パラホルムアルデヒドで4℃、16時間固定した。サンプルはPBS中30%ショ糖に4℃で1週間浸漬し、包埋の調製をした。その後、試料をスクロース溶液から取り出し、ドライアイス下でTissue Tek O.C.T. (Sakura Finetek)に包埋し、急速凍結を行い、組織ブロックを作製した。凍結ブロックをThermo Scientific CryoStar NX70 cryostatにマウントし、10μm厚の切片をSuperfrost/Plus adhesive slides(Fisher) に移した。ヘマトキシリン・エオジン染色は、標準プロトコルをそのまま使用した。免疫蛍光染色のために、スライドは以下の一次抗体を添加する前にPower Block(Biogenex)で1時間ブロッキングされた。Abcam ab34710(抗コラーゲンI型)、Abcam ab28340(抗CD26)、Invitrogen MA5-15915(抗Dlk1)、Abcam ab51317(抗Sca1)、Abcam ab5694(抗α-SMA)、Santa Cruz Biotechnology sc-101199(抗YAP)、Abcam ab7800(抗CK14)及びAbcam ab52625(抗CK19)。次に、スライドをAlexa Fluor 568またはAlexa Fluor 647コンジュゲート抗ウサギ、抗ラット、または抗マウス抗体(Invitrogen)と共に1時間インキュベートした。最後に、DAPIを含むFluoromount-Gマウント液でスライドをマウントした(Thermo Fisher)。明視野画像はLeica DMI4000B顕微鏡で取得し、蛍光画像はLeica DM6000 SP5正立共焦点顕微鏡で取得した。
イマリスピクセルの共局在化化解析
共焦点ZスタックはImaris 8.1.2 software (Bitplane) を用いて解析した。コラーゲン-I免疫蛍光と移植されたENFまたはpEPFの表面は、最初に3次元で再構成された。次に、コラーゲンIと移植された線維芽細胞との間の表面接触のパーセントを、共焦点モジュールによって決定した。図1のDの各ドットは、1つの傷の免疫蛍光組織学から算出された平均接触度を表す。
バルク RNA シーケンス
Trizol試薬(Invitrogen)で細胞を溶解し、Total RNAを採取した。RNA抽出とライブラリー調製は、スタンフォードのファンクショナルゲノミクス施設により、標準的なQiagenキットとプロトコルを用いて行われた。Directional RNA-Seqライブラリーは、Agilent Bioanalyzerで解析してライブラリー作成が成功したことを確認し、Illumina HiSeq 4000 Systemで配列決定した(2x75 bp、150サイクル)。ペアエンドリードは、STARアライナーを用いてマウスゲノムリファレンス配列mm10にマッピングされた。遺伝子転写の差分解析は、Matlab 2019aで負の二項モデルを用いて実現した。リードの総数と各転写物の長さでリードカウントを正規化し、Reads per kilobase mapped (RPKM) 値を得るのが一般的である。しかし、このような解析では、少数の高発現遺伝子に偏り、全体のレーン数が多くなる可能性がある。そこで、代わりとして、擬似参照サンプル(そのカウントは全サンプルにわたる各遺伝子の幾何平均)のカウントに対する観測カウントの比率の中央値を取ることによって計算されるサイズファクターでカウントを正規化した。遺伝子転写の差の仮説検定のために、リードカウントは負の二項分布に従ってモデル化され、分散はショットノイズ項と平均の局所回帰ノンパラメトリック平滑関数の合計とみなした。その後、P値は、多重検定の問題を考慮してBenjamini-Hochberg統計手法で調整し、in vitro研究では0.00005、in vivo研究では0.01の閾値でカウントを有意差と見なした。RNA-seqの生データは、以下のGithubリポジトリでアクセスできる: https://github.com/shamikmascharak/Mascharak-et-al-ENF.
遺伝子セットエンリッチメント解析
図3, Eの有意に発現量の増加制御または減少制御した遺伝子のGene Ontology (GO) 解析は、g.Profiler (https://biit.cs.ut.ee/gprofiler/gost) を用いて、p値のカットオフを0.05として行った。図6および図7のランク付けされた全ゲノムエンリッチメント解析は、Broad Instituteによって開発されたGSEAソフトウェアを用いて、公称p値および偽発見率(FDR)のカットオフをそれぞれ0.01および0.25として実施された。g.ProfilerとGSEAの結果はすべて以下のGithubリポジトリで公開されている:https://github.com/shamikmascharak/Mascharak-et-al-ENF.
コラーゲン超構造の定量的解析
Picrosirius Redで染色した組織切片を解析するために、3つの生物学的複製から得た瘢痕と周囲の正常皮膚を、それぞれ5~10箇所ずつランダムに撮影し、実験条件ごとに最低20枚の画像を撮影した。次に、Ruifrokらによって以前に記載されたアルゴリズムを使用して、Picrosirius Red画像のカラーデコンボリューションをImageJで実行した(A. C. Ruifrok, D. A. Johnston, Quantification of histochemical staining by color deconvolution. Anal Quant Cytol Histol 23, 291-299 (2001))。ここで、各純粋染色は、3つのRGBチャンネル(色1=[1 0 0]、色2=[0 1 0]、色3=[1 1 1])内の吸光度によって特徴付けられる。組織画像の正射投影法変換により、各色の画像への寄与に対応する個々の画像が生成された。複屈折のPicrosirius Red画像(偏光下で線維束のパッキング状態により緑色から赤色に変化)に適用し、当該技術により、成熟結合組織繊維と未熟結合組織繊維に対応する赤と緑のデコンボリューションされた画像を作成し、これらを独立に分析した。このように、細胞要素を含まない、純粋に細胞外マトリックス線維を用いた解析が行われた。デコンボリューションされた線維のノイズ除去は、Matlab 2019aの適応型Wienerフィルター(wiener2関数)を用いて達成され、これは予め指定された近傍(現在のアプリケーションでは3×3ピクセル)内の局所画像分散に自分自身を調整するものである。このフィルタは、分散の低い領域を優先的に平滑化し、それによって線維のシャープなエッジを保存する。次に、平滑化された画像はim2bwコマンドで2値化され、線形および菱形の構造化要素を持つ侵食および拡張フィルタを通して処理され、線維状のオブジェクトが選択された。最後に、bwmorphコマンドで線維ネットワークを「スケルトン化」し、regionpropsコマンドでデジタル化したマップのさまざまなパラメータ(線維の長さ、幅、持続性、配列など)を測定した。Matlabのデフォルトのtsne(距離メトリックはユークリッド距離として指定)コマンドを用いて、t-distributed stochastic neighbor embedding(t-SNE)による定量化した線維ネットワーク特性の次元削減を行った。線維定量化パイプラインを含む Matlab スクリプトは、以下の Github リポジトリで入手可能である: https://github.com/shamikmascharak/Mascharak-et-al-ENF
引張強度試験
P60 C57BL/6マウスの未創傷皮膚(N = 7)、PBS(N = 5)またはVerteporfin処理(N = 4)創傷の引張強度試験を100 Nロードセルを備えたインストロン5565を用いてPOD30で実施した.背部皮膚を採取し、4mm×15mmのストリップに切断した。次に、組織のストリップを、傷跡が各グリップの端から等距離になるようにカスタムグリップを使用して固定し、組織の長さをデジタルノギスで測定する前に弛みを取り除くために0.02 Nの力に予荷重をかけた;ストリップの幅及び厚さも再度測定して正確な寸法を確認した。最後に、ひずみの増加とともに応力が急激に減少することで定義される破壊までの伸長試験を、1%/sの速度で皮膚に対して行った。傷の破断力又は降伏力は、組織が塑性変形を起こし、最終的に破壊に至る前の最大力で決定された。真のひずみは、長さの変化を元のゲージ長で割ったものとして計算され、真の応力は力を元の断面積で割ったものとして計算された。ヤング率は、応力-ひずみ曲線の線形弾性部分の傾きを最小二乗回帰することで算出した(R2 > 0.99)。
B. 結果
1. 創傷環境においてEngrailed-1を活性化する線維芽細胞サブ集団
生体内の創傷環境に対する定義された線維芽細胞系列の反応を解明するために、En-1Cre ;R26mTmG マウスの皮膚から ENF (Tomato+ ) と EPF (GFP+ ) を単離した。各線維芽細胞サブタイプ(ENF または EPF)を別々の 8 週齢野生型(非蛍光)マウスの背部に皮内移植した後、移植領域内の皮膚に傷をつけた(すなわち、注入領域は傷部分よりも大きく、注入細胞のリングが傷の縁の周りに残るようにした)。その後、傷を治癒させ、完全に治癒した時点(14日)で、治癒した傷(瘢痕)と周囲の傷のない皮膚を採取した(図1、Aの実験模式図)。組織学的解析により、移植された細胞(傷のない皮膚と傷に移動した細胞の両方)の表現型を調べた。
傷のない皮膚では、移植されたすべての線維芽細胞(EPFとENF)は、直線的に伸長した細胞体を持つ静止形態を示した(図1、B上段)。予想通り、EPF を移植した傷のない皮膚には GFP+ 細胞(すなわち EPF、図1、B右上)だけが含まれ、ENF を移植した傷のない皮膚にはTomato+ 細胞(すなわち ENF)のみで GFP+ 細胞はなく、これは En-1 の活性化(mT/mg 蛍光レポーターの Cre 駆動組み換えにつながる;図 1、B 右上)を示している。傷のない皮膚のEPFとは対照的に、瘢痕内の生着したEPFは、複数の拡張した細胞突起を持つ活性化した移動性形態を示し(図1、B左下)、傷EPF表現型の先の報告と一致した(Y. Rinkevich et al., Skin fibrosis. Identification and isolation of a dermal lineage with intrinsic fibrogenic potential. Science 348, aaa2151 (2015))。 驚くべきことに、ENF を移植した創傷には、創傷に移植された EPF と同様の活性化した形態を持つ GFP+ 細胞が多数存在していた(図 1、B右下)。これは、移植した ENF が創傷環境に応答して En-1 発現を活性化して生後 EPF (pEPF) になったことを示している。これらのpEPFの線維性表現型を確認するために、I型コラーゲン(col-I;図1、C)に対する免疫蛍光染色を行った。ピクセル共焦点化分析により、pEPFは創傷移植されたENFよりもcol-Iとの重なりが有意に大きいことが確認され(図1、D)、En-1を活性化した細胞から特異的にコラーゲン産生が増加したことが示された。
これらの生着結果は、ENFが創傷環境下でEn-1を活性化していることを強く示唆するものであった。しかし、選別されたENFの中に少数のEPFが混在しており、それらが創傷内で不均衡に増殖してENF移植創傷で観察されるGFP+ 細胞を生じさせた可能性を排除することが重要であった。出生後のENFが成人の創傷治癒に際してEn-1の発現を活性化することを決定的に確認するために、En-1Cre-ERT;Ai6トランスジェニックマウスを作成した。このモデルでは、タモキシフェンによって誘導された場合にのみ、蛍光性Ai6レポーターのEn-1Cre 駆動型組換え(GFP発現につながる)が起こる。従って、En-1発現の追跡は時間的に制御できる。出生後のENFからEPFへの移行を確実に証明するために、En-1Cre-ERT;Ai6マウスの全身タモキシフェン誘導を創傷前に行い、瘢痕のGFP+ 線維芽細胞は、創傷治癒中にEn-1の活性化により生じたEPFであると必然的に示せるようにした。瘢痕と周囲の未創傷組織は、創傷治癒が完了した時点で採取した(14日目;図1、Eの実験概略図、図5、Aおよび5、BのFACS分離ストラテジー)。タモキシフェン誘導En-1Cre-ERT;Ai6マウスでは、創傷のない皮膚にまれにGFP+ 細胞のみが認められた(図1、F左上)。この所見は、創傷の外ではCre組み換えがあまり起こらないことを示唆し、En-1の発現が創傷環境に特異的に反応して活性化されるという考えを支持するものであった。創傷のない皮膚とは著しく異なり、治癒した創傷では、線維芽細胞の約40%がGFP+ であった(図1、F左下、図5、C)。これらのデータは、創傷移植されたENFにおけるEn-1活性化の所見を裏付け、出生後のENFからEPFへの移行が、かなりの割合の傷跡生成EPFを生み出すことを示唆している(図1、Gの模式図)。
これらのデータは、移植されたENFが創傷環境に応答して出生後にEn-1を活性化する(すなわち、pEPFになる)ことを示したが、この挙動が可能なENFの特定のサブセットを示唆するものではなかった。新しい文献によると、創傷を受けていない皮膚の線維芽細胞は、ユニークな表面マーカーを持つ解剖学的に異なる複数のサブ集団を含むことが示されている。( R. R. Driskell et al., Distinct fibroblast lineages determine dermal architecture in skin development and repair. Nature 504, 277-281 (2013), R. R. Driskell, F. M. Watt, Understanding fibroblast heterogeneity in the skin. Trends Cell Biol 25, 92-99 (2015))。目標としては、これらの異なるサブ集団に対応するENFが創傷の状況下で異なる表現型を示すかどうか、特にEn-1を活性化する能力がいずれかのENFサブ集団に特異的であるかどうかを確認することであった。フローサイトメトリーにより、En-1Cre ;Ai6マウスから背側真皮線維芽細胞を得た。線維芽細胞(Lin- ;詳細は方法の欄を参照)は、まずEn-1系統陽性細胞(GFP+ )とEn-1系統陰性細胞(固有蛍光なし)に選別された。以前に報告された表面マーカーに基づき( R. R. Driskell et al., Distinct fibroblast lineages determine dermal architecture in skin development and repair. Nature 504, 277-281 (2013), R. R. Driskell, F. M. Watt, Understanding fibroblast heterogeneity in the skin. Trends Cell Biol 25, 92-99 (2015))、ENFをその後さらに真皮乳頭部(CD26+ Sca1- )、網状真皮部(Dlk1+ Sca1- )、および表皮下部(Dlk1+/- Sca1+ )のサブフラクションへとソートした(図1、H の実験概略図、図5、Dおよび5、EのFACS分離ストラテジー)。
先の報告と同様。( R. R. Driskell et al., Distinct fibroblast lineages determine dermal architecture in skin development and repair. Nature 504, 277-281 (2013))、PDGFRa+ ENFのうち、乳頭線維芽細胞、網状線維芽細胞、皮下線維芽細胞はそれぞれ19%、12%、52%を占めていた(図5、F左パネル)。代わりに、系統陰性に基づいて比較すると、3集団はより均一に分布していた(図5、F右パネル)。しかし、ENFのかなりの割合がPDGFRaを発現していないことが観察された(図5、E‡)。したがって、このマーカーはソート戦略には含まれなかった。次に、乳頭状、網状、および皮下 ENFサブ集団は、バルク ENF について上述したように、創傷前に R26mTmG (Tomato+ ) マウスに別々に生着させた(図 1、H)。真皮乳頭部または真皮下部 ENF を移植した瘢痕では、GFP+ 細胞は観察されず、これらの ENFサブ集団では En-1 活性がないことが示された(図 1、I 左および右パネル)。しかし、移植された網状真皮ENFを含む瘢痕では、多数のGFP+ 細胞が観察された。(図1、I中段、白抜き矢印)。これらの知見は、網状真皮(Dlk1+ Sca1- )ENFが、創傷に応答して生後En-1を活性化できる主要なENFサブ集団であることを示唆している。
タモキシフェン誘導En-1Cre-ERT;Ai6マウスの皮膚と創傷におけるDlk1の発現を調べたところ、創傷のない皮膚におけるDlk1の発現は真皮深部に限られており、Dlk1が網状(深い)真皮線維芽細胞マーカーとして報告されていることと一致していた(図1、F右上)( R. R. Driskell et al., Distinct fibroblast lineages determine dermal architecture in skin development and repair. Nature 504, 277-281 (2013), R. R. Driskell, F. M. Watt, Understanding fibroblast heterogeneity in the skin. Trends Cell Biol 25, 92-99 (2015))。瘢痕では、Dlk1の発現は真皮の全層で観察された(図1、F下)。特に、Dlk1+ ENFは、pEPFのチェーン(GFP+ )と密接に関連していた(図1、F右下、白抜き矢印)。これらのデータは、Dlk1+ Sca1- 網状ENFが創傷環境に応答してEn-1を活性化し、瘢痕化に寄与するという概念をさらに支持するものであった。
2. 出生後のEngrailed-1の活性化は機械応答性である
線維芽細胞は、インテグリンと呼ばれる細胞表面の受容体を介して環境と相互作用する。これらの膜貫通型受容体はfocal adhesion kinase(FAK)と結合し、RhoおよびRho associated protein kinase(ROCK)シグナルを介して、機械的な合図を転写変化に変換する(P. P. Provenzano, P. J. Keely, Mechanical signaling through the cytoskeleton regulates cell proliferation by coordinated focal adhesion and Rho GTPase signaling. Journal of cell science 124, 1195-1205 (2011))。 このメカニカルシグナル又はメカノトランスダクション経路が、瘢痕化における創傷常在細胞を調節していることが、これまでに報告されている。( L. A. Barnes et al., Mechanical Forces in Cutaneous Wound Healing: Emerging Therapies to Minimize Scar Formation. Adv Wound Care (New Rochelle) 7, 47-56 (2018); S. Aarabi et al., Mechanical load initiates hypertrophic scar formation through decreased cellular apoptosis. FASEB journal : official publication of the Federation of American Societies for Experimental Biology 21, 3250-3261 (2007); V. W. Wong et al., Focal adhesion kinase links mechanical force to skin fibrosis via inflammatory signaling. Nat Med 18, 148-152 (2011))。特に線維芽細胞は、機械的刺激に非常に敏感であることが知られている。創傷部の張力を物理的に増加させると、底に存在する線維芽細胞はコラーゲンやTGF-βなどの線維化促進(pro-fibrotic)化遺伝子の発現を増加させる( S. Aarabi et al., Mechanical load initiates hypertrophic scar formation through decreased cellular apoptosis. FASEB journal : official publication of the Federation of American Societies for Experimental Biology 21, 3250-3261 (2007))、 逆に、創傷の張力を下げると、瘢痕化が確実に抑制される( M. T. Longaker et al., A randomized controlled trial of the embrace advanced scar therapy device to reduce incisional scar formation. Plast Reconstr Surg 134, 536-546 (2014))。瘢痕化と線維芽細胞の表現型に対する基質力学の寄与が確立されていることから、創傷に関連した力学的なキューがENFの線維化pEPFへの活性化を促進するのではないかと推察される。
この仮説を検証するために、En-1Cre ;R26mTmG マウスから分離したENFを、3つの力学的環境のうちの1つでin vitro培養した。(1) コラーゲンコート組織培養プラスチック (TCPS; 高剛性); (2) ROCK阻害剤Y-27632入りTCPS (高剛性、剛性感知はブロック); (3) 3D コラーゲンヒドロゲル (低剛性)(図2、Aに実験略図を掲載)。14 日間の培養後、高剛性(TCPS)上で成長した ENF は、GFP+ EPF への変換によって証明されるように、En-1 発現を大きく活性化した(図 2、B 左列および 2、C、緑の丸印)。一方、低剛性環境(ソフトハイドロゲル)で成長したENFは、大部分がGFP- のままであり、En-1の活性化は最小限であった(図2、B、右列および2、C、青三角印)。ROCK阻害剤を用いて細胞のメカノトランスダクションシグナルを遮断した場合にも、同様にEn-1の活性化は見られなかった(図2、B、中列および2、C、赤色四角)。
機械的張力に対するEn-1活性化が、異なるENFサブ集団間で異なるかどうかを調べるために、移植研究と同様に、En-1Cre ;Ai6マウスからENFを解剖学的に分画した。次に、各集団をROCK阻害剤Y-27632を添加または無添加でTCPS上で培養した(図2, Dの実験概略図)。乳頭状真皮と皮下脂肪のENFは、高剛性上でEn-1の活性化をほとんど示さなかった(図2、E左と右の列)。一方、網状真皮(Dlk1+ )ENFは、14日後にほぼ完全にGFP+ pEPFに転換した(図2、E上中欄)。これは、ENF生着と傷害後のpEPF生成はDlk1+ ENFに特有のものであるという以前の発見(図1、I)と一致する。Dlk1+ ENFにおけるEn-1の活性化は、ROCK阻害剤の添加でブロックされた(図2、E中央下)。これらのデータから、Dlk1+ 網状ENFは機械的なキューに反応してEn-1の発現を活性化し、そのキューはROCKを伴う標準的なメカノトランスダクション経路を介して伝達されると考えられた(図2, F)。
次に、機械的張力がin vivoでも同様にENFからEPFへの変化を促進するかどうかを評価した。この仮説を検証するために、タモキシフェン誘導En-1Cre-ERT;Ai6マウスの背部に切開創を作り、これらの創に、以前に確立したプロトコルに従って機械的荷重をかけた( S. Aarabi et al., Mechanical load initiates hypertrophic scar formation through decreased cellular apoptosis. FASEB journal : official publication of the Federation of American Societies for Experimental Biology 21, 3250-3261 (2007))。牽引(拡張)装置を各創傷に貼り付け、10日間かけて拡張し、治癒の経過を通じて創傷全体の張力を制御しながら増加させた(図2、G左パネルの模式図)。肉眼的には、機械的負荷を受けた瘢痕は、対照のコントロール(牽引装置を貼付したが拡張しなかった)と比較して肥厚し隆起したように見えた(図2、G中央および左の写真)。この肉眼的に肥厚した外観と一致して、機械的負荷のかかった瘢痕の組織学では、YAPとα-SMAの発現が大きく(図2、H中央および左の列)、メカノトランスダクションシグナルの増加と一致していた。重要なことは、創傷の張力が増加すると、創傷内のpEPF(GFP+ )とYAP+細胞の数が有意に増加することも判明した(図2、H中列および図2、I)。
ENFが機械的張力に応答してEn-1を活性化し、線維性表現型をとること、またROCK阻害により生後のEn-1活性化が阻害されることから、生後のENFからEPFへの変化は標準的なメカノトランスダクションシグナル(例えば、FAK、ROCK)に依存していると強く示唆された。機械的刺激に応答して、YAP(メカノトランスダクションの最終転写エフェクター)は核に移動して、増殖および移動関連遺伝子を活性化することが知られている ( T. Panciera, L. Azzolin, M. Cordenonsi, S. Piccolo, Mechanobiology of YAP and TAZ in physiology and disease. Nature reviews. Molecular cell biology 18, 758-770 (2017), F. Liu et al., Mechanosignaling through YAP and TAZ drives fibroblast activation and fibrosis. Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol 308, L344-357 (2015))。最近、YAPが肺線維芽細胞を活性化し、肺線維化を持続させるフィードバックループを形成することが示された( F. Liu et al., Mechanosignaling through YAP and TAZ drives fibroblast activation and fibrosis. Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol 308, L344-357 (2015))。YAPはENFを線維性のpEPF表現型に変化させることにより、同様に皮膚の瘢痕化における線維化を促進するのではないかという仮説が立てられた。
この仮説を検証するため、気を失った背部創傷に、YAPメカノトランスダクションシグナル伝達の化学阻害剤であるVerteporfinを投与した(図2、F)。Verteporfinで処理した創傷は、創傷の張力増加の影響を緩和した。Verteporfinで処理した機械的負荷創傷は、コントロール(機械的負荷なし)創傷と肉眼的に類似し(図2、G右写真)、機械的に負荷した非Verteporfin処理創傷と比較してpEPFの含有量が有意に少なかった(図2、H右列、図2、I上面パネル)。免疫蛍光染色により、未処置創傷と比較してVerteporfin処置創傷ではYAPとα-SMAの発現が減少し(図2、H右欄)、Verteporfin処置創傷ではYAP+細胞が有意に少なかった(図2、I下欄)。まとめると、これらの結果は、機械的な張力が創傷治癒中のin vivoにおけるENFからEPFへの移行を促進することを示している。
3. 出生後由来のEPFは胚由来のEPFシグネチャーを再現する
in vitroでのEn-1活性化が線維化トランスクリプトームプロファイルへの移行を伴うかどうかを確認するために、バルクENFをEn-1Cre ;R26mTmG マウスから単離し、TCPS上で2日間(この時点ではENFは単一細胞のまま)、7日間(ENFがコロニー形成した時)、14日(ENFがEn-1を活性化した時)これらの細胞を培養した(図3、Aの実験図式参照)。培養細胞は、次にバルクRNA-seq解析に供された。
培養14日後に有意に発現量が増加または減少(それぞれ、最初の2日目の時間ポイントと比較して、4倍を超える増加、又は、4倍を超える減少、図3、Bおよび図3、C)した920遺伝子を階層的クラスタリングしたところ、経時的な転写シフトが確認された(図3、Bおよび図3、D)。14日目に発現が増加した遺伝子のGene Ontology(GO)アノテーション(g.Profiler)には、ECM沈着に関連する複数の項目が含まれており(図3、E上段)、剛性活性化されたENFにおける線維化促進の変化が示唆された。一方、筋肉の発達に関連する遺伝子は、初期の時点ではENFでより高発現していたが、培養の時間経過とともに発現が減少した(図3、E下段)。同様に、ランク付けされた全ゲノムのGene Set Enrichment Analysis (GSEA, Broad Institute)では、ECMの生成と沈着、上皮間葉転換、および14日後の「筋肉のアイデンティティ」の喪失に関する項目の表現が増加した(図6)。これらの知見は、ネイティブのENFが筋肉関連遺伝子を発現しているという報告と一致する。( Y. Rinkevich et al., Skin fibrosis. Identification and isolation of a dermal lineage with intrinsic fibrogenic potential. Science 348, aaa2151 (2015)) この表現型は、機械的に活性化されたENFがより線維化した表現型に移行するにつれて失われる可能性がある。興味深いことに、最も高いDlk1発現は7日目(「コロニーステージ」;図3、F、赤枠)に観察された。このことは、Dlk1+ ENFのサブ集団が7日目までに培養で不均衡に拡大したこと(その結果、バルクサンプルにおけるDlk1発現の表現が増加したこと)を示唆している。g.ProfilerおよびGSEAの結果と一致し、En-1の発現活性化に伴い、14日目に複数のECM遺伝子(例えば、コラーゲン、フィブロネクチン)が発現上昇した(図3、F、緑の枠内)。
次に、生後のEn-1活性化がメカノトランスダクションシグナルに依存しているかどうかを 評価するために、TCPS上で培養したENFをVerteporfinの存在下で培養した。14日間の培養後、処理した細胞はRNA-seqに供した。メカノトランスダクションの遮断は、未処理細胞で観察されたトランスクリプトームのシフトを減衰させた(図3、B、紫の枠)。g.ProfilerでのGO項目(term)解析では、ECM関連の項目のエンリッチメントが減少し、筋発達関連の項目が相対的に高くなったことから、これらの細胞はより密接に本来のENFアイデンティティを保持していることが示された(図3, E)。このパターンと一致して、主成分分析(PCA)による全RNA-seqデータの可視化では、14日間Verteporfinで処理したENFは、2日間しか培養していない未処理細胞とよりよく似ていた(図3、D、紫のクラスタ)。Verteporfinで処理したENFは、様々なECM遺伝子の発現も減少しており(図3、F、紫のボックス)、YAP阻害が線維性pEPFの生成をブロックしていることが示唆された。
in vivoでのENFからEPFへの変化時に起こる転写変化を研究するために、タモキシフェン誘導En-1Cre-ERT;Ai6マウスから5つの線維芽細胞集団を分離し、バルクRNA-seqで解析した:創傷皮膚からのpEPF(GFP+ )、無傷および傷皮膚からのeEPF(GFP- CD26+ )、無傷および傷皮膚のENF(GFP- CD26- )(図3、Gの実験模式図)。創傷後に異なって発現した1,138遺伝子の階層的クラスタリング(図3、H)により、pEPFはENFよりもeEPFと密接にクラスタリングすることが明らかになった(図3、I)。同様のパターンは、PCAによるトランスクリプトームプロファイルの比較でも観察された(図3, J)。出生後および胚由来の両方のEPF(それぞれ pEPF および eEPF)は、pEPF が GFP 発現のみに基づいて選別され、CD26 発現について特異的にゲートされていないにもかかわらず、Dpp4(CD26)を含む、傷害に応答した線維化関連遺伝子の発現が増加した(図 3、K 左パネル、図 5、B)。一方、ENFはいくつかのYAPシグナル関連遺伝子(NotchリガンドJag1, Dll1)の発現が増加していることがわかった( A. Totaro, M. Castellan, D. Di Biagio, S. Piccolo, Crosstalk between YAP/TAZ and Notch Signaling. Trends Cell Biol 28, 560-573 (2018))。特に創傷後は、創傷環境に対して機械応答性を示すことが示唆された(図3、K中央、右パネル)。これらの知見を裏付けるように、ランク付けされた全ゲノムのGSEAでは、傷のENFはECM接着とNotchシグナルに関連する項目に富み、生後のEPF(おそらく機械的に活性化したENFから生じる)はECM生成と沈着に関連する項目に富むことが示された(図7)。最後に、ENF(図3、L、左)とeEPF(図3L、右)を区別することが以前に報告された様々な遺伝子の転写活性を比較した( Y. Rinkevich et al., Skin fibrosis. Identification and isolation of a dermal lineage with intrinsic fibrogenic potential. Science 348, aaa2151 (2015))。再び、pEPFはENFから分岐し、よりeEPFに近い遺伝子発現プロファイルを示すことが分かった(図3、L、緑色のボックス)。このように、in vitroとin vivoの両方で、機械感受性ENFにおける出生後のEn-1活性化は、胚由来EPFと同様の線維化促進転写プロファイルの獲得を伴っていた。
4. YAPシグナルを調節することで、ENFを介した再生創傷治癒が促進される
En-1の活性化が線維化促進表現型の採用と関連していること、そしてYAP阻害がin vitroでEn-1の活性化を阻止することから、YAP阻害がin vivoでもEn-1の活性化を阻止してマウス創傷モデルでの瘢痕化を軽減できるかどうかを評価した。成体En-1Cre ;R26mTmG マウスを創傷し、PBS(コントロール)またはVerteporfin(1 mg/mL)を創傷基部へ注入することによって、POD 0創傷を処理した。重要なことは、この投与法でのYAP阻害は、創傷閉鎖速度に有意な影響を与えなかったことである(図8、A、赤丸対青四角)。創傷は、POD 14、30、または90で肉眼および組織学的検査のために採取した。予想通り、コントロールの創傷は典型的な瘢痕様式で治癒した(Fig. 4, A 中段)。90日後でも、創傷部位はむき出しのままであり、淡い瘢痕組織の明確な領域が形成されており、そこでは毛髪の再生は見られなかった(図4、A中列、右画像)。非常に対照的なのは、Verteporfinで治療した傷は、30日後までに治癒した傷の中にかなりの毛髪が生え、90日後には治癒した傷は傷のない皮膚と見分けがつかないほどになっていた(Fig.4, A下段)。成体哺乳類(傷)の創傷治癒の特徴は、二次付属器(例えば、毛包、汗腺)の再生が完全に欠如していることであり、コントロール創傷治癒後に残った裸の領域がその例であるため、これは顕著な結果であった。しかし、肉眼所見では、Verteporfinで処理した創傷は再生治癒を示すことが示唆された。したがって、目標は、治癒したVerteporfin処理創が、瘢痕組織ではなく、健康で傷のない皮膚とどの程度似ているかをさらに調査することであった。それぞれの肉眼的外観と一致して、ヘマトキシリン・エオジン(H&E)染色は、コントロールの創傷が二次的要素を含まず密で平行なコラーゲン束を含むことを示した(図4、B上段)。一方、Verteporfin処理創傷は、2週間までに線維化の減少と細胞の増加を示し、1ヶ月と3ヶ月までに毛包または汗腺に形態的に似た多数の構造を含んだ(図4、B下段、白矢印)。二次要素の真の再生を確認するために、Verteporfin処理した創傷は、サイトケラチン14および19(CK14およびCK19、それぞれ毛包および汗腺を特定するマーカー;図4、C上)に対するこれらの付属物の陽性IF染色およびオイルレッドOによる陽性脂質染色(図4、C下)を示し、機能再生した皮脂腺の存在を示していた。
メカノトランスダクションシグナルを阻害するとin vitroでENFからEPFへの変化が減少するという知見(図2、Bおよび図2、C)と一致して、14日後にコントロール創傷が真皮全体に多数のEPF(GFP+ ; 図4、D左上)を含んでいたのに対し、Verteporfin処理創傷はもっぱらENF(Tomato+ ; 図4、D左下)を含んでいたことが確認された。14日後のコントロール創傷では、col-Iが強く染色され、フィブロネクチン (Fn;図4、D右上)は最小の染色であり、典型的な瘢痕ECMと一致する。しかし、この時点のVerteporfin処理創傷は、col-I染色が大幅に減少し、フィブロネクチン(ENFによって沈着する主要な仮のマトリックスタンパク質であると以前に報告されている(D. Jiang et al., Two succeeding fibroblastic lineages drive dermal development and the transition from regeneration to scarring. Nat Cell Biol 20, 422-431 (2018))(図 4、D 右下))の染色が比較的強かった。これは、YAP の阻害が、創傷に応じた ENF の線維化促進pEPF への変化をブロックしていることを示唆している。30日後、Verteporfinで処理した創傷は、コントロールの創傷と比較して、再びEPFが有意に少なくなり、CD26の染色が減少した(図4、E左)。コントロール創傷のIF染色では、真皮深部に限定されたDlk1発現(図4、E、左上、赤)と、瘢痕に移動するYAP+ 細胞のチェーン(図4、E、右上)が確認された。一方、Verteporfin処理した創傷では、Dlk1+ 細胞は真皮全体に存在し(図4、E、左下)、YAP+ 細胞のチェーンは著しく短くなった(図4、D、右下)。したがって、これらの結果は、メカノトランスダクション阻害により Dlk1+ ENF の pEPF への変換が阻害されたことを示唆し、in vitro の知見を支持した(図 2、E 中央列)。治癒した創傷を治癒3ヶ月後に調べたところ、コントロールの創傷では、多数のYAP+ 細胞とともにGFPの発現(EPFとEPF由来のマトリックスを示す)が広く見られた(図4、F、上段および右端パネル)。これらの線維芽細胞は、α-SMA+ で陽性に染色され、線維化促進筋線維芽細胞の表現型と一致した(図4、F上段)。一方、Verteporfinで処理した創傷では、EPFの数が劇的に減少し続け、まれにYAP+ 細胞が見られ、α-SMA+ 細胞は実質的に見られなかった(図4、F下段および右端のパネル)。全体として、これらのデータは、創傷におけるENFの機械的活性化をブロックすることが、ENF主導の再生修復につながることを強く示している。
肉眼および組織学的評価では、YAP阻害による瘢痕化の抑制が強く示唆されたが、このような標本の視覚的分析は主観的かつ定性的であり、したがってバイアスがかかりやすい ( K. W. Eva, G. R. Norman, Heuristics and biases--a biased perspective on clinical reasoning. Med Educ 39, 870-872 (2005), A. Tversky, D. Kahneman, Judgment under Uncertainty: Heuristics and Biases. Science 185, 1124-1131 (1974))。さらに、Verteporfinで処理した傷は、肉眼的には傷のない皮膚と同様に見えるが(図4、A、下段)、Verteporfinが、単に視覚的に傷跡を見えなくする発毛を引き起こすのではなく、線維化せずに本当に皮膚の再生をもたらすことを確認することが重要であった。これらの課題を克服するため、標準的な組織染色に基づいて結合組織と線維化を定量的に評価するために、最近報告された新しい機械学習アルゴリズムを採用した( S. Mascharak et al., Automated machine learning analysis of connective tissue networks in acute and chronic skin fibroses (manuscript submitted). (2019))。簡単に言うと、Picrosirius Redで染色した組織の画像をカラーデコンボリューションして、細胞体や核からECM線維を分離させた。線維成分はノイズを減らすために画像処理され、次に数千の線維と分岐点のデジタルマップを作成するために二値化された。次に、個々の線維(例:長さ、幅)およびグループ(例:パッキング、配列)の線維特性のパネルを測定し、ECMの特徴を定量的にプロファイリングした。
Verteporfin処理と対照処理した標本をPicrosirius Redで染色し、この分析に供した。複数のメトリクス(線維の長さ、幅、分岐など)にわたって、POD14Verteporfin処理創傷は、コントロール(PBS)創傷とは定量的に異なり、代わりに、無傷の皮膚と同等であった(図9、A及び図9、B)。結合組織パラメータのPCAは、Verteporfin処理創傷と未創傷皮膚とで大きく重複するクラスタによって示されるように、創傷におけるYAP阻害が14日後に未創傷皮膚に類似したECMをもたらすことを確認した(図4、G、パネルi)。治癒30日後および90日後にも同様の解析を行ったところ、30日後にはこれら2つのグループの重複が増加し、90日後には完全に重複した(図4、G、パネルiiおよびiii;図10および11)。これは、創傷時にVerteporfinで処理した組織が、時間とともに再生様式でリモデルし続けたことを示したものである。したがって、定量的な解析により、創傷治癒モデルマウスにおいて、YAP阻害が瘢痕を有意に減少させ、皮膚の再生を促進することが確認された。
Verteporfinは創傷治癒の過程で継続的に効果を発揮すると考えられることから、創傷治癒の過程を通してVerteporfinを複数回投与した場合の効果について評価した。2回のVerteporfin投与(POD 0および4)を受けた創傷は、1回のVerteporfin投与(POD 0)を受けた創傷と同等の創傷閉鎖速度、外見、およびECM特徴を示した(図8、A-C)。しかし、Verteporfinの投与量をさらに増やして4回の処置(POD 0、4、8、および12)を行った場合、創傷閉鎖は遅れ(Fig. 8, A)、発毛は著しく減少し(Fig. 8, B)、ECMの特徴は傷を負っていない皮膚と乖離していた(Fig. 8, C)。したがって、Verteporfinは用量依存的に瘢痕形成に影響を与え、過剰投与により有害な効果が観察された。
特筆すべきは、典型的な傷痕は過剰なコラーゲンによって特徴付けられるにもかかわらず、コラーゲンの組織化が劣っているため、傷のない皮膚よりも著しく弱く、健康な皮膚の強度のせいぜい80%しか回復しないことである( C. D. Marshall et al., Cutaneous Scarring: Basic Science, Current Treatments, and Future Directions. Adv Wound Care (New Rochelle) 7, 29-45 (2018))。ここまでの知見から、Verteporfin治療により、肉眼的にも組織学的にも未創傷の皮膚に類似した治癒創が得られ、重要なことに、ECM超構造が未創傷の皮膚と有意に異ならない特性を有していることが示された。また、このような皮膚アーキテクチャの再生が、正常な皮膚の機械的堅牢性を機能的に回復させるかどうかを決定することが重要であった。Verteporfin処理創傷の物理的特性を明らかにするため、創傷のない皮膚と、治癒30日後のPBSまたはVerteporfin処理創傷に対して引張試験を実施した。瘢痕の構造的完全性の低下と一致して、治癒したコントロール創傷は、創傷破壊力とヤング率で測定すると、未創傷の皮膚と比較して引張強度が著しく低下した(図4、H、緑と赤の比較)。対照的に、Verteporfin処理した創傷の引張強度は、無傷の皮膚と有意な差はなく(図4、H、緑対青)、これらの創傷の再生ECM特徴と一致する正常皮膚強度の回復を強く支持した(図12の代表的な力-変位および応力-歪み曲線)。
C. ディスカッション
線維芽細胞は、異なる役割と挙動を持つ複数のサブ集団からなる、異質な細胞集団である(Y. Rinkevich et al., Skin fibrosis. Identification and isolation of a dermal lineage with intrinsic fibrogenic potential. Science 348, aaa2151 (2015); R. R. Driskell et al., Distinct fibroblast lineages determine dermal architecture in skin development and repair. Nature 504, 277-281 (2013); R. R. Driskell, F. M. Watt, Understanding fibroblast heterogeneity in the skin. Trends Cell Biol 25, 92-99 (2015); D. Jiang et al., Two succeeding fibroblastic lineages drive dermal development and the transition from regeneration to scarring. Nat Cell Biol 20, 422-431 (2018); E. Marsh, D. G. Gonzalez, E. A. Lathrop, J. Boucher, V. Greco, Positional Stability and Membrane Occupancy Define Skin Fibroblast Homeostasis In Vivo. Cell 175, 1620-1633 e1613 (2018); M. C. Salzer et al., Identity Noise and Adipogenic Traits Characterize Dermal Fibroblast Aging. Cell 175, 1575-1590 e1522 (2018); B. A. Shook et al., Myofibroblast proliferation and heterogeneity are supported by macrophages during skin repair. Science 362, (2018); T. Tabib, C. Morse, T. Wang, W. Chen, R. Lafyatis, SFRP2/DPP4 and FMO1/LSP1 Define Major Fibroblast Populations in Human Skin. J Invest Dermatol 138, 802-810 (2018); M. D. Lynch, F. M. Watt, Fibroblast heterogeneity: implications for human disease. The Journal of clinical investigation 128, 26-35 (2018); C. Philippeos et al., Spatial and Single-Cell Transcriptional Profiling Identifies Functionally Distinct Human Dermal Fibroblast Subpopulations. J Invest Dermatol 138, 811-825 (2018); T. Leavitt et al., Prrx1 lineage fibroblasts have fibrogenic potential in the ventral dermis. (manuscript submitted), (2019))。創傷は真皮線維芽細胞のサブセットを活性化し、収縮性特性と過剰なECM産生をし(I. A. Darby, T. D. Hewitson, Fibroblast differentiation in wound healing and fibrosis. Int Rev Cytol 257, 143-179 (2007); I. A. Darby, B. Laverdet, F. Bonte, A. Desmouliere, Fibroblasts and myofibroblasts in wound healing. Clin Cosmet Investig Dermatol 7, 301-311 (2014); B. Hinz, Formation and function of the myofibroblast during tissue repair. J Invest Dermatol 127, 526-537 (2007); B. Hinz et al., The myofibroblast: one function, multiple origins. Am J Pathol 170, 1807-1816 (2007))、線維性瘢痕の形成につながる。胚性En-1発現(eEPF)により定義される真皮線維芽細胞サブ集団が、皮膚背部の線維性瘢痕組織の形成に関与していることは、以前に同定されている(Y. Rinkevich et al., Skin fibrosis. Identification and isolation of a dermal lineage with intrinsic fibrogenic potential. Science 348, aaa2151 (2015))。この発見は、創傷修復における線維芽細胞の不均一性という分野を切り開いた。しかし、生後の創傷治癒におけるEn-1系陰性線維芽細胞(ENF)の役割については、これまで最小限の研究しかされていなかった。ここでは、ENFが創傷環境内の機械的なキューに応答してEn-1を活性化し、生後由来のEPF(pEPF)として瘢痕形成に寄与することを初めて示した。
最近の研究では、成人の無傷のマウス皮膚線維芽細胞を、表面マーカーの発現に基づいて、乳頭状、網状、および皮下サブ集団に分類している( R. R. Driskell et al., Distinct fibroblast lineages determine dermal architecture in skin development and repair. Nature 504, 277-281 (2013), R. R. Driskell, F. M. Watt, Understanding fibroblast heterogeneity in the skin. Trends Cell Biol 25, 92-99 (2015))。 これらのサブ分割は解剖学的位置に基づくものであるが、異なる表現型、特に線維形成能の違いをもたらす可能性もある。解剖学的に分画されたENFのin vitroおよびin vivoでの挙動を研究することにより、Dlk1+ Sca1- 網状ENFは、生後En-1活性化が可能な優勢な機械感受性細胞タイプであることが同定された。他のグループは、En-1系とDlk-1系の両方から生じるα-SMA+ CD26+ 創傷筋線維芽細胞のサブセットを報告している( B. A. Shook et al., Myofibroblast proliferation and heterogeneity are supported by macrophages during skin repair. Science 362, (2018), C. F. Guerrero-Juarez et al., Single-cell analysis reveals fibroblast heterogeneity and myeloid-derived adipocyte progenitors in murine skin wounds. Nature communications 10, 650 (2019))。この発見は、創傷治癒におけるこれらEn-1およびDlk-1線維芽細胞系の重要性を支持し、さらに、機械的な力がこれら2つの系を橋渡しする(すなわち、Dlk-1+ ENFをpEPFに活性化)役割を果たし、したがって生後の傷跡形成に対するこれらの共通の貢献を説明することができることを示唆している。
瘢痕化に対する物理的緊張の寄与は外科医によって長い間認識されており、外科医は古典的に弛緩した皮膚緊張線に沿って切開して創傷の緊張を緩和し、瘢痕を減らして治癒を促進させる。物理的に緊張を取り除くか、化学的に細胞のメカノトランスダクションを阻害する(FAK阻害による)ことで、瘢痕の負担が著しく減少することが示されている( V. W. Wong et al., Focal adhesion kinase links mechanical force to skin fibrosis via inflammatory signaling. Nat Med 18, 148-152 (2011), M. T. Longaker et al., A randomized controlled trial of the embrace advanced scar therapy device to reduce incisional scar formation. Plast Reconstr Surg 134, 536-546 (2014), A. F. Lim et al., The embrace device significantly decreases scarring following scar revision surgery in a randomized controlled trial. Plast Reconstr Surg 133, 398-405 (2014))。 しかし、緊張に対する線維化促進反応に関与する特定の細胞集団や、そのメカノトランスダクションの分子機構はこれまで不明であった。物理的刺激が Dlk1+ En-1-陰性線維芽細胞 (ENF)を活性化して線維化に寄与する仕組みを正確に解明することで、YAP が瘢痕化予防の有望な分子標的として同定された。YAPシグナルを阻害すると、創傷治癒時にENFからEPFへの移行が阻害されるため、ENFを介した創傷修復が促され、線維化の抑制と皮膚の二次的要素(毛包、汗腺、皮脂腺)の再生が可能になることが示された。この知見に基づき、YAP阻害は、瘢痕化した線維芽細胞の特定のサブセットにおける線維化促進経路を標的として調節することにより、治癒を損なうことなく再生創傷治癒を可能にすると仮定している。線維性創傷反応を防ぐことで、数ヶ月あるいはそれ以上の時間をかけて、二次的要素の回復を伴う再生修復が可能になる。
この発見は、傷跡の予防につながる可能性がある。瘢痕を減らす試みには、線維化することが知られている細胞集団を切除することがよくあるが、この方法では、適切な治癒に必要な細胞を非特異的に除去してしまうため、傷の修復を損なったり遅らせたりする可能性がある。このように、皮膚再生の「聖杯」は、正常な皮膚の3つの特徴を回復することで定義され、1) 二次的要素、2) ECM構造、3) 機械的強度は、まだ達成されていない。皮膚創傷では、網状真皮のENFが活性化され、線維化促進のpEPFとなり、瘢痕形成に寄与することが報告されている。さらに、このENFからEPFへの変化は、YAPシグナルに依存した機械的駆動過程であることが分かっている。創傷治癒におけるENFからEPFへの変化を阻害することで、治癒のスピードや効果を損なうことなく、ENFによる生後治癒が達成されるのである。最も顕著なのは、成体マウスの創傷における皮膚再生が、3つの重要な所見によって裏付けられるように実証されたことである。1) 二次皮膚要素の再生、2) 正常なマトリックスアーキテクチャの回復、3) 機械的強靭性の回復。
ENFを介した生後の創傷治癒が、再生創傷治癒の上記3つの基準を満たすという知見は、再生が創傷治癒の「デフォルト」経路であり、後に瘢痕化EPFの出現に取って代わられることを示唆している。
実施例2:脱毛症治療へのverteporfinの使用
A. 材料と方法
成体マウスは、確立されたプロトコルに従って、皮膚創傷治癒実験に使用された。簡単にいうと、マウスを麻酔し(2%イソフルオラン)、脱毛クリームで背部の毛を除去し、背部皮膚をアルコールワイプでプレップした。次に、各動物の背部に、耳の下約6mm、正中線から4mm外側の同じ高さに、6mmの全厚の円形創傷を2つ、皮筋層を通して置いた。次に、創傷の周囲を接着剤と8個の単純な中断Ethilon 6-0縫合糸(Ethicon)で固定した直径12mmのシリコンリングによって、創傷を開いた状態で留置した。メカノトランスダクション阻害剤を投与されたマウスについては、30μLのVerteporfin(1mg/mL)が創傷基部に局所的に注入された;ビークルコントロールについては、PBSが創傷に注入された。術後鎮痛は、ブプレノルフィン0.05mg/kgを4時間ごとに3回投与し、その後は指示通りに行った。ドレッシングは麻酔下で1日おきに交換した。すべての創傷は術後日(POD)14までに完全に再上皮化し、その時点で創傷と周囲の皮膚(未創傷コントロールとして使用)を採取して組織学用に処理した。
B. 結果および考察
上記の創傷治癒のマウスモデル(通常、毛のない瘢痕領域が形成される)において、創傷直後に1回のVerteporfin治療(局所注射)により、毛髪再成長が劇的に増加することが判明した。Verteporfin処理した創傷における新しい毛包の再生は、肉眼(図13、a)、組織学(図13、b)および免疫組織化学分析(図13、c)の両方において観察された。一方、未処置の創傷は裸のままであり、治癒後3ヶ月経過しても毛包の再成長は見られなかった。Verteporfin処理では、創傷の閉鎖を遅らせることはできなかった。
脱毛症の部位の微小損傷後にVerteporfinを注入すること(フラクセル、マイクロニードル、または他の類似のアプローチによる)を含む方法は、その部位における発毛の増加を促進するために使用される可能性がある。この方法では、皮膚の他の領域から活性毛包を移植する必要はなく、代わりに、さもなければ毛のない領域で真のデノボ毛包新生を促進することができる。既存の複数の治療方法と装置は、組織の質を改善するために、低レベルの拡散した組織損傷を引き起こす。例えば、フラクショナルレーザーリサーフェイシング治療(Fraxel)は、皮膚の標的領域全体に微小な損傷を与え、組織再生を促進するために良好な創傷様環境を誘発する。このアプローチは、皮膚の外側の保護層(角質層)を破壊し、局所的に投与される治療薬(例えば、ミノキシジル、又は、フィナステリド、局所的な脱毛治療薬)の浸透と吸収を改善するという利点もある。
添付した特許請求の範囲とは別に、本開示は、以下の説によっても規定される:
1. 患者の皮膚の部位においてENFを介した創傷治癒を促進する方法であって、前記方法は、以下を含む:
有効量のYAP阻害剤組成物を傷に投与して、傷におけるEngrailed-1系統陰性線維芽細胞(ENF)の機械的な活性化を調節し、ENFを介した創傷治癒を促進すること。
2. 節1の方法であって、ここで、前記方法は以下を含む:傷におけるENFからEngrailed-1系統陽性線維芽細胞(EPF)への変化を減少させること。
3. 節1~2のいずれか1項の方法であって、ここで、前記方法は以下を含む:傷において存在するEPFの量に対するENFの量を維持すること。
4. 節3の方法であって、ここで、前記方法は以下を含む:傷において存在するEPFの量に対するENFの量を、YAP阻害剤組成物で処理していない傷において存在するEPFの量に対するENFの量と比べて、増加させること。
5. 節1~4のいずれか1項の方法であって、ここで、ENFを介した創傷治癒が、YAP阻害剤組成物で処理していない場合の創傷治癒に関する時間量と実質的に等しい時間量で完了する。
6. 節1~5のいずれか1項の方法であって、ここで、投与することは以下を含む:患者の局所的な皮膚の部位の下に組成物を注射すること。
7. 節1~6のいずれか1項の方法であって、ここで、YAP阻害剤組成物は以下を含む:YAP阻害剤。
8. 節1~7のいずれか1項の方法であって、ここで、YAP阻害剤組成物が、実質的に、YAP阻害剤からなる。
9. 節7~8のいずれか1項の方法であって、ここで、YAP阻害剤が光感作性薬剤である。
10. 節7~9のいずれか1項の方法であって、ここで、YAP阻害剤は、ベンゾポルフィリン誘導体である。
11. 節7~10のいずれか1項の方法であって、ここで、YAP阻害剤は、Verteporfinである。
12. 節1~11のいずれか1項の方法であって、ここで、ENFは、以下を含む:Dlk1+細網ENF。
13. 節1~12のいずれか1項の方法であって、ここで、患者は成人である。
14. 節1~13のいずれか1項の方法であって、ここで、ENFを介した創傷治癒は以下を含む:皮膚付属器官の再生。
15. 節14の方法であって、ここで、皮膚付属器官は、以下を含む:毛包、汗腺、及び、皮脂腺。
16. 節1~15のいずれか1項の方法であって、ここで、ENFを介した創傷治癒は、治癒した傷を生成し、当該部分は以下を含む:YAP阻害剤組成物で処理していない治癒した傷における結合組織アーキテクチャと比べて改善した結合組織アーキテクチャ。
17. 節1~16のいずれか1項の方法であって、ここで、ENFを介した創傷治癒は、治癒した傷を生成し、YAP阻害剤組成物で処理していない治癒した傷におけるコラーゲン高増殖のレベルと比べて、コラーゲン高増殖のレベルが減少している。
18. 節1~17のいずれか1項の方法であって、ここで、前記方法は更に以下を含む:傷を形成すること。
19. 節1~18のいずれか1項の方法であって、ここで、傷は外科手術的な傷である。
20. 節1~19のいずれか1項の方法であって、ここで、前記方法は、治癒した傷を生成し、YAP阻害剤組成物で処理していない治癒した傷における瘢痕のレベルと比べて瘢痕のレベルが減少している。
21. 節1~20のいずれか1項の方法であって、ここで、前記方法は以下を生成する:傷痕のない治癒した傷。
22. 節1~21のいずれか1項の方法であって、ここで、前記方法は脱毛症の患者を治療するための方法である。
23. 節1~22のいずれか1項の方法であって、ここで、前記方法は以下を促進する:発毛及び/又は育毛。
24. 節23の方法であって、ここで、発毛及び/又は育毛は以下を含む:新たな毛包を生成すること。
25. 節1~24のいずれか1項の方法であって、ここで、皮膚の部位はヘアレスである。
26. 節1~25のいずれか1項の方法であって、ここで、皮膚の部位は以下を含む:傷痕。
27. 節1~26のいずれか1項の方法であって、ここで、皮膚の部位は患者の頭皮上に存在する。
28. 節1~27のいずれか1項の方法であって、ここで、患者は脱毛症である。
29. 節1~28のいずれか1項の方法であって、ここで、傷は微視的な傷である。
30. 節1~29のいずれか1項の方法であって、ここで、傷はマイクロニードル又はレーザーによって形成される。
31. 患者における創傷治癒の間、瘢痕を防止する方法であって、前記方法は、以下を含む:
患者の皮膚の部位において傷を形成すること、及び、
有効量のYAP阻害剤組成物を傷に投与して、傷におけるEngrailed-1系統陰性線維芽細胞(ENF)の機械的な活性化を調節し、ENFを介した創傷治癒を促進すること。
32. 節31の方法であって、ここで、傷は外科手術的な傷である。
33. 節31~32のいずれか1項の方法であって、ここで、前記方法は、治癒した傷を生成し、YAP阻害剤組成物で処理していない治癒した傷における瘢痕のレベルと比べて瘢痕のレベルが減少している。
34. 節31~33のいずれか1項の方法であって、ここで、前記方法は以下を生成する:傷痕のない治癒した傷。
35. 節31~34のいずれか1項の方法であって、ここで、ENFを介した創傷治癒は、治癒した傷を生成し、当該部分は以下を含む:YAP阻害剤で処理していない治癒した傷における結合組織アーキテクチャと比べて改善した結合組織アーキテクチャ。
36. 節31~35のいずれか1項の方法であって、ここで、ENFを介した創傷治癒は、治癒した傷を生成し、YAP阻害剤組成物で処理していない治癒した傷におけるコラーゲン高増殖のレベルと比べて、コラーゲン高増殖のレベルが減少している。
37. 節31~36のいずれか1項の方法であって、ここで、ENFを介した創傷治癒は、YAP阻害剤で処理していない場合の創傷治癒のための時間量 と実質的に等しい時間量で完了する。
38. 節31~37のいずれか1項の方法であって、ここで、投与することは以下を含む:局所的な皮膚の部位の下に組成物を注射すること。
39. 節31~38のいずれか1項の方法であって、ここで、YAP阻害剤組成物は以下を含む:YAP阻害剤。
40. 節31~39のいずれか1項の方法であって、ここで、YAP阻害剤組成物が、実質的に、YAP阻害剤からなる。
41. 節39~40のいずれか1項の方法であって、ここで、YAP阻害剤が光感作性薬剤である。
42. 節39~41のいずれか1項の方法であって、ここで、YAP阻害剤は、ベンゾポルフィリン誘導体である。
43. 節39~42のいずれか1項の方法であって、ここで、YAP阻害剤は、Verteporfinである。
44. 節31~43のいずれか1項の方法であって、ここで、ENFは、以下を含む:Dlk1+細網ENF。
45. 節31~44のいずれか1項の方法であって、ここで、患者は成人である。
46. 節31~45のいずれか1項の方法であって、ここで、ENFを介した創傷治癒は以下を含む:皮膚付属器官の再生。
47. 節46の方法であって、ここで、皮膚付属器官は、以下を含む:毛包、汗腺、及び、皮脂腺。
48. 患者に対して発毛及び/又は育毛を促進する方法であって、前記方法は、以下を含む:
患者の皮膚の部位において傷を形成すること、及び、
有効量のYAP阻害剤組成物を傷に投与して、傷におけるEngrailed-1系統陰性線維芽細胞(ENF)の機械的な活性化を調節し、ENFを介した創傷治癒を促進すること。
49. 節48の方法であって、ここで、発毛及び/又は育毛は以下を含む:新たな毛包を生成すること。
50. 節48~49のいずれか1項の方法であって、ここで、皮膚の部位はヘアレスである。
51. 節48~50のいずれか1項の方法であって、ここで、皮膚の部位は以下を含む:傷痕。
52. 節48~51のいずれか1項の方法であって、ここで、皮膚の部位は患者の頭皮上に存在する。
53. 節48~52のいずれか1項の方法であって、ここで、患者は脱毛症である。
54. 節48~53のいずれか1項の方法であって、ここで、患者は成人である。
55. 節48~54のいずれか1項の方法であって、ここで、傷は微視的な傷である。
56. 節48~55のいずれか1項の方法であって、ここで、傷はマイクロニードル又はレーザーによって形成される。
57. 節48~56のいずれか1項の方法であって、ここで、投与することは以下を含む:局所的な皮膚の部位の下に組成物を注射すること。
58. 節48~57のいずれか1項の方法であって、ここで、YAP阻害剤組成物は以下を含む:YAP阻害剤。
59. 節48~58のいずれか1項の方法であって、ここで、YAP阻害剤組成物が、実質的に、YAP阻害剤からなる。
60. 節58~59のいずれか1項の方法であって、ここで、YAP阻害剤が光感作性薬剤である。
61. 節58~60のいずれか1項の方法であって、ここで、YAP阻害剤は、ベンゾポルフィリン誘導体である。
62. 節58~61のいずれか1項の方法であって、ここで、YAP阻害剤は、Verteporfinである。
63. 節48~62のいずれか1項の方法であって、ここで、ENFは、以下を含む:Dlk1+細網ENF。
64. 節48~63のいずれか1項の方法であって、ここで、患者は成人である。
65. 節48~64のいずれか1項の方法であって、ここで、ENFを介した創傷治癒は以下を含む:皮膚付属器官の再生。
66. 節65の方法であって、ここで、皮膚付属器官は、以下を含む:毛包、汗腺、及び、皮脂腺。
67. 以下を含むキット:
ある量のYAP阻害剤組成物;及び
組織破壊装置。
68. 節67のキットであって、ここで、YAP阻害剤組成物の量は以下を含む:傷におけるEngrailed-1系統陰性線維芽細胞(ENF)の機械的な活性化を調節してENFを介した創傷治癒を促進する目的での有効量のYAP阻害剤組成物。
69. 節67~68のいずれか1項のキットであって、ここで、組織破壊装置は微視的な傷を形成する。
70. 節67~69のいずれか1項のキットであって、ここで、組織破壊装置は、マイクロニードル又はレーザーである。
71. 節67~70のいずれか1項のキットであって、ここで、前記キットは更に以下を含む:局所的な皮膚の部位の下にYAP阻害剤組成物を注射するための装置。
72. 節67~71のいずれか1項の方法であって、ここで、YAP阻害剤組成物は以下を含む:YAP阻害剤。
73. 節67~72のいずれか1項の方法であって、ここで、YAP阻害剤組成物が、実質的に、YAP阻害剤からなる。
74. 節72~73のいずれか1項の方法であって、ここで、YAP阻害剤が光感作性薬剤である。
75. 節72~74のいずれか1項の方法であって、ここで、YAP阻害剤は、ベンゾポルフィリン誘導体である。
76. 節72~75のいずれか1項の方法であって、ここで、YAP阻害剤は、Verteporfinである。
少なくともいくつかの上述の実施形態において、実施形態で使用される1以上の要素は、こうした置換が技術的に不適切ではない限り、別の実施形態において置換可能に使用することができる。 以下の点が当業者にとって理解できるであろうが、主張する主題の範囲から乖離することなく、上述の方法及び構造に対して、様々な他の省略、追加、及び改変を行うことができる。こうしたすべての改変および変更は、付した特許請求の範囲で規定される主題の範囲に入ることが意図される。
当分野の者であれば理解されるであろうが、 一般的に、本明細書で使用される用語、特に、添付した特許請求の範囲(例えば、添付した特許請求の範囲の本体)で使用される用語は、概して、「オープン」な用語であることを意図する(例えば、用語「含む」(inclluding)は、「含むが、これらに限定されない」という意味で解釈され、用語「有する」(having)は「少なくとも有する」といった形で解釈すべきであり、用語「含む」(includes)は、「含むが、これらに限定されない」という意味で解釈されるなど)。更に、以下の点が当業者にとって理解できるであろうが、導入された請求項の記載での特定の数値が意図される場合、このような意図は請求項において明示的に記載されるものであり、そして、このような記載がない場合には、そのような意図はないということである。例えば、理解を助けるために述べると、後述する添付した特許請求の範囲は、請求項上に記載する目的で、「少なくとも1つの」及び「1以上の」といった導入フレーズの使用を含めることができる。しかし、こうしたフレーズの使用は、不定冠詞「a」又は「an」を導入した請求項の記載によって、こうした請求項の記載を導入した記載を含む任意の特定の請求項が、1つのこうした記載のみを含む実施形態に限定されるという形に解釈すべきではない(例えば、同請求項が以下を含んだとしても:導入フレーズ「1以上の」又は「少なくとも1つの」及び不定冠詞(例えば、「a」又は「an」)(例えば「a」、及び/又は、「an」は、「少なくとも1つの」又は「1以上の」という形で解釈すべきである); 請求項の記載に導入される定冠詞の使用に関しても同じことが当てはまる。 更には、たとえ、請求項の記載において特定の数値が明示的に記載されていたとしても、以下の点が当業者にとって理解できるであろうが、こうした記載は、少なくとも記載された番号を意味するものとして解釈すべきである(例えば、他の改変を伴わない「2つの記載」(two recitations)という生の記載は、少なくとも2つの記載又は、又は、2以上の記載を意味する)。更には、「A、B及びCなどのうち少なくとも1つ」に類する従来の記載が使用される例において、概して、こうした構成は、当業者が従来の記載を理解するような意味を意図する(例えば、「A、B及びCなどのうち少なくとも1つを有するシステム」は、以下を有するシステムを含むがこれらに限定されない:Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBを共に、AとCを共に、BとCを共に、及び/又は、AとBとCとを共になど)。「A、B又はCなどのうち少なくとも1つ」に類する従来の記載が使用される例において、概して、こうした構成は、当業者が従来の記載を理解するような意味を意図する(例えば、「A、B又はCなどのうち少なくとも1つを有するシステム」は、以下を有するシステムを含むがこれらに限定されない:Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBを共に、AとCを共に、BとCを共に、及び/又は、AとBとCとを共になど)。更に、以下の点が当業者にとって理解できるであろうが、仮想的な任意の論理和の語、及び/又は、2以上の選択的な用語は、明細書であろうが、請求項であろうが、図面であろうが、項のうち1つ、項のうちいずれか、又は、項のうち全てを含む可能性を企図しているものとして理解すべきである。例えば、「A又はB」というフレーズは、「A」「B」又は「A及びB」を含むものとして理解される。
更には、本開示の特徴又は側面がマーカッシュグループの観点で記載された場合、以下の点が当業者にとって理解できるであろうが、これにより、本開示が、マーカッシュグループの任意の個々のメンバ、又は、メンバのサブグループの観点で記載される。
当業者にとっては理解できるであろうが、任意の及びあらゆる目的(例えば、記述説明を提供する観点)に関して、本明細書で開示される範囲は、当該範囲のサブ範囲及びサブ範囲の組み合わせのうち、任意のもの及びすべての可能なものを包含する。任意のリストされた範囲は、少なくとも等量、半分、3分の1、4分の1、5分の1、十分の1などへ分解されたもと同じ範囲を十分に記載し、及び、可能にするものとして認識することができる。非限定的な例として、本明細書に記載される各範囲は、容易に、三分割したうちの下位、中間、及び、上位へと容易に分解することができる。この点についても当業者が理解できるであろうが、すべての用語、例えば、「最大で」「少なくとも」「より大きい」(「超」(greater than))、「より少なく」(「未満」(less than))などは、記述された数値を含み、そして、上述したように、サブの範囲に分解された範囲についても言及したものとする。最後に、当業者にとっては理解できるであろうが、ある範囲は、個々のメンバをそれぞれ含む。したがって、例えば、1-3個の物(articles)を有するグループは以下を意味する:1個、2個、又は、3個の物を有するグループ。同様に、1-5個の物(articles)を有するグループは以下を意味する:1個、2個、3個、4個、又は、5個の物を有するグループ(以下同様)。
上述の発明について、明確に理解できるように、幾分詳細に、図示及び例示的な意味で説明してきたが、当業者にとって、本発明の教示の観点から容易に明らかであろうが、添付した特許請求の範囲の思想及び範囲から逸脱することとなく、特定の変更及び改変を当該本発明に対して行うことができる。
したがって、上述した内容は、本発明の原理を示したにすぎない。以下の点を理解されたい:当業者は、本明細書において明示的に説明又は示していないものの、本発明の原理を実践し、本発明の思想及び範囲に含まれる様々なアレンジを考案することができる。更には、本明細書に記載の全ての例及び条件的な記載は、原則として、本発明者が当分野に対して更に貢献した本発明の理解及びコンセプトを読者が理解するのを助けることを意図するものであり、こうした具体的に記載された例及び条件に限定されることなく解釈することを意図している。更には、本発明の原理、側面、及び、実施形態、並びに、本発明の具体例を記載した本明細書の全ての記述は、構造的及び機能的な本発明の均等物を包含することを意図する。更には、意図することとして、こうした均等物は、現在既知の均等物及び将来開発される均等物(すなわち、構造にかかわらず同じ機能を実施する開発された任意の要素)の両方を含むものである。本明細書に開示されていないものについては、開示内容が請求項に明示的に記載されているかどうかにかかわらず、公共に寄与されることを意図する。
従って、本発明の範囲は、本明細書において図示及び記載した例示的な実施形態に限定されることを意図しない。むしろ、本発明の範囲及び思想は、添付した特許請求の範囲によって具現化される。請求項において、米国特許法112条(f)及び米国特許法112条(6)が明示的に規定されているが、請求項に関しての限定が発動するのは、「の手段」(means for)又は「のためのステップ」(step for)というたがわない文言が請求項の限定の書き出しに記載されている場合であり、こうしたたがわないフレーズが、請求項の限定において使用されていない場合には、米国特許法112条(f)又は米国特許法112条(6)は、発動されない。

Claims (15)

  1. 患者の皮膚の部位においてENFを介した創傷治癒を促進する方法であって、以下を含む、方法:
    有効量のYAP阻害剤組成物を前記傷に投与して、前記傷におけるEngrailed-1系統陰性線維芽細胞(ENF)の機械的な活性化を調節し、ENFを介した前記創傷治癒を促進すること。
  2. 請求項1の方法であって、以下を含む、方法:前記傷におけるENFからEngrailed-1系統陽性線維芽細胞(EPF)への変化を減少させること。
  3. 請求項1~2のいずれか1項の方法であって、以下を含む、方法:前記傷において存在するEPFの量に対するENFの量を維持すること。
  4. 請求項3の方法であって、以下を含む、方法:傷において存在する前記EPFの量に対する前記ENFの量を、前記YAP阻害剤組成物で処理していない前記傷において存在するEPFの量に対するENFの量と比べて、増加させること。
  5. 請求項1~4のいずれか1項の方法であって、ここで、前記ENFを介した前記創傷治癒が、前記YAP阻害剤組成物で処理していない場合の創傷治癒に関する時間量と実質的に等しい時間量で完了する、方法。
  6. 請求項1~5のいずれか1項の方法であって、ここで、前記投与することは以下を含む、方法:前記患者の局所的な皮膚の部位の下に前記組成物を注射すること。
  7. 請求項1~6のいずれか1項の方法であって、ここで、前記YAP阻害剤組成物 は以下を含む、方法:YAP阻害剤。
  8. 請求項1~7のいずれか1項の方法であって、ここで、前記YAP阻害剤組成物が、実質的に、YAP阻害剤からなる、方法。
  9. 請求項7~8のいずれか1項の方法であって、ここで、前記YAP阻害剤が光感作性薬剤である、方法。
  10. 請求項7~9のいずれか1項の方法であって、ここで、前記YAP阻害剤は、ベンゾポルフィリン誘導体である、方法。
  11. 請求項7~10のいずれか1項の方法であって、ここで、前記YAP阻害剤は、Verteporfinである、方法。
  12. 請求項1~11のいずれか1項の方法であって、ここで、前記ENFを介した前記創傷治癒は以下を含む、方法:皮膚付属器官の再生。
  13. 請求項12の方法であって、ここで、前記皮膚付属器官は、以下を含む、方法:毛包、汗腺、及び、皮脂腺。
  14. 患者に対して発毛及び/又は育毛を促進する方法であって、以下を含む、方法:
    患者の皮膚の部位において傷を形成すること、及び、
    有効量のYAP阻害剤組成物を傷に投与して、前記傷におけるEngrailed-1系統陰性線維芽細胞(ENF)の機械的な活性化を調節し、ENFを介した前記創傷治癒を促進すること。
  15. 以下を含むキット:
    ある量のYAP阻害剤組成物;、及び
    組織破壊装置。
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