JP2022540682A - 中空コアファイバの製造方法および中空コアファイバ用プリフォームの製造方法 - Google Patents

中空コアファイバの製造方法および中空コアファイバ用プリフォームの製造方法 Download PDF

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Abstract

ファイバの長手方向軸に沿って延びる中空コアと、複数の反共振要素を含み、かつ中空コアを取り囲む内部のクラッド領域とを有する反共振中空コアファイバの製造方法が公知である。公知の方法には、被覆管内部ボアと被覆管長手方向軸とを有し、内側と外側により画定されている被覆管壁が被覆管長手方向軸に沿って延びている被覆管を提供する工程と、複数の反共振要素プリフォームを提供する工程と、反共振要素プリフォームを被覆管壁の内側の目標位置に配置して、中空のコア領域とクラッド領域とを有する中空コアファイバの一次プリフォームを形成する工程と、一次プリフォームを延伸して中空コアファイバを形成する工程、または一次プリフォームのさらなる加工によって二次プリフォームを形成する工程とが含まれている。ここから出発して、高い精密性と反共振要素の正確な位置決めを十分に安定的で再現可能な仕方で達成するため、外径が90~250mmの範囲にあり、長さが少なくとも1mの被覆管が準備され、さらに管状の構造要素が準備され、そのうちの少なくとも一部は0.2~2mmの範囲の壁厚と少なくとも1mの長さを有し、被覆管内部ボア内の構造要素の配置は、被覆管長手方向軸を垂直に方向づけて行われ、構造要素がそれぞれ上部の端面で目標位置に位置決めされていることが提案される。

Description

背景技術
本発明は、ファイバの長手方向軸に沿って延びる中空コアと、複数の反共振要素を含み、かつ中空コアを取り囲むクラッド領域とを有する反共振中空コアファイバの製造方法に関し、この製造方法は、
(a) 被覆管内部ボアと被覆管長手方向軸とを有し、内側と外側により画定されている被覆管壁が被覆管長手方向軸に沿って延びている被覆管を提供する工程と、
(b) ARE外管と、その中に挿入されているARE内管とを含み、互いに入れ子になった複数の管状構造要素から構成された複数の反共振要素プリフォームを提供する工程であって、この構造要素は構造要素長手方向軸を有している、工程と、
(c) 反共振要素プリフォームを被覆管壁の内側の目標位置に配置して、中空のコア領域と内部クラッド領域とを有する中空コアファイバのための一次プリフォームを形成する工程と、
(d) 一次プリフォームを中空コアファイバに延伸する工程、または一次プリフォームを、中空コアファイバが線引きされる二次プリフォームにさらに加工する工程と、
を備え、
さらに加工する工程では、
(i) 延伸、
(ii) コラップス、
(iii) コラップスおよび同時延伸、
(iv) 追加のクラッド材料のコラップス、
(v) 追加のクラッド材料のコラップスとそれに続く延伸、
(vi) 追加のクラッド材料のコラップスおよび同時延伸、
のうち1つ以上の熱成形プロセスが一回または反復して実行される、製造方法において、
さらに本発明は、ファイバの長手方向軸に沿って延びる中空コアと、複数の反共振要素を含む、中空コアを取り囲むクラッド領域とを有する反共振中空コアファイバのプリフォームの製造方法に関し、この製造方法は、
(a) 被覆管内部ボアと被覆管長手方向軸とを有し、内側と外側により画定されている被覆管壁が被覆管長手方向軸に沿って延びている被覆管を提供する工程と、
(b) ARE外管と、その中に挿入されているARE内管とを含み、互いに入れ子になった複数の管状構造要素から構成された複数の反共振要素プリフォームを提供する工程であって、この構造要素は構造要素長手方向軸を有している、工程と、
(c) 反共振要素プリフォームを被覆管壁の内側の目標位置に配置して、中空のコア領域と内部クラッド領域とを有する中空コアファイバのための一次プリフォームを形成する工程と、
(d) 一次プリフォームを中空コアファイバのための二次プリフォームに任意でさらに加工する工程と、
を備え、
さらなる加工する工程では、
(i) 延伸、
(ii) コラップス、
(iii) コラップスおよび同時延伸、
(iv) 追加のクラッド材料のコラップス、
(v) 追加のクラッド材料のコラップスとそれに続く延伸、
(vi) 追加のクラッド材料のコラップスおよび同時延伸、
のうち1つ以上の熱成形プロセスが一回または反復して実行される。
中実材料から作製される従来のシングルモード光ファイバは、低屈折率のガラスからなるクラッド領域により取り囲まれたガラス製のコア領域を有している。このとき、光の伝搬は、コア領域とクラッド領域間の全反射に基づいている。しかし、導波光と中実材料の相互作用は、データ伝送時の遅延時間の増大や、エネルギー放射線に対する損傷のしきい値の相対的低下に結びついている。
これらの欠点は、コアがガスまたは液体を充填した真空の空洞部からなる「中空コアファイバ」によって回避されるか、もしくは軽減される。中空コアファイバでは、光とガラスの相互作用が中実コアファイバの場合よりも減少する。コアの屈折率はクラッドの屈折率よりも小さいため、全反射による光の伝搬は不可能であり、通常光はコアからクラッドに漏れ出ると考えられる。光の伝搬の物理的メカニズムに応じて、中空コアファイバは、「フォトニックバンドギャップファイバ」と「反共振反射ファイバ」に区別される。
「フォトニックバンドギャップファイバ」では、中空コア領域が、小さな中空チャネルを周期的に配置したクラッドによって取り囲まれている。クラッド内の中空チャネルの周期的構造には、半導体技術に依る「フォトニックバンドギャップ」と呼ばれる効果があり、これにより、クラッド構造に散乱する特定の波長領域の光はブラッグ反射に基づいて中心の空洞部で構造的に干渉するため、クラッド内で横方向に広がることはできない。
「反共振中空コアファイバ」(「antiresonant hollow-core fibers」;ARHCF)と呼ばれる中空コアファイバの実施形態では、中空のコア領域が内部のクラッド領域によって取り囲まれており、いわゆる「反共振性要素」(または「反共振要素」;略号:「AREs」)の中に配置されている。中空コア周辺に均等に分散された反共振要素の壁は、反共振に作動されるファブリ・ペロー空洞として機能し、この空洞は入射光を反射し、ファイバコアに通すことができる。
このファイバ技術により、光減衰を軽減することができ、透過スペクトルが非常に広くなり(紫外線または赤外線の波長帯域でも)、データ伝送時の遅延時間も小さくなる。
中空コアファイバの潜在的用途は、データ伝送、材料加工などに用いる高性能ビーム制御、モーダルフィルタリング、特に超紫外線波長帯域から赤外線波長帯域までのスーパーコンティニウムを発生させる非線形光学の分野にある。
背景技術
反共振中空コアファイバの欠点は、高次モードが自動的に抑制されないため、長い伝達距離にわたって純粋なシングルモードにならないことが多く、出力光線の品質が悪化することにある。
Francesco Poletti「Nested antiresonant nodeless hollow core fiber」;Optics Express,Vol.22,No.20(2014);DOI:10.1364/OE 22.023807の文献では、反共振要素が単純な単一構造要素として形成されているのではなく、互いに入れ子になった(英語:nested)複数の構造要素から構成されたファイバ設計が提案されている。入れ子になった反共振要素は、高次コアモードがクラッドモードに位相整合されて抑制されるが、基本コアモードは抑制されないように設計されている。これにより、基本コアモードの伝搬が常に保証され、限定された波長帯域にわたって中空コアファイバを効率的にシングルモードにすることができる。
効率的なモード抑制は、伝搬光の中心波長の他に、中空コアの半径および反共振要素内で入れ子になっているリング構造の直径差といったファイバ設計の構造パラメータにも左右される。
EP3136143A1から、コアが基本モード以外に別のモードも伝搬することができる反共振中空コアファイバ(「バンドギャップのない中空コアファイバ」と呼ばれる)が公知である。この目的のため、コアは、反共振モードと高次モードの位相整合を提供する「非共振要素」を有する内部クラッドによって取り囲まれている。中空コアファイバの製造は、いわゆる「スタック&ドロー法」によって行われ、そこでは出発要素を軸平行の集合体になるように並べ、固定することによってプリフォームを形成し、続いてそのプリフォームを延伸する。ここでは、内側断面が六角形の被覆管が使用され、被覆管の内縁部には、いわゆる「AREプリフォーム」(反共振要素プリフォーム)が6個固定される。このプリフォームを2段階に分けて線引きすることによって中空コアファイバを形成する。
国際特許出願2018/169487A1から、反共振中空コアファイバのプリフォーム製造方法が公知であり、ここでは第1のクラッド領域が多数のロッドから構成され、第2のクラッド領域は、外側の被覆管によって取り囲まれている多数の管から構成されている。ロッド、管、被覆管は「スタック&ドロー」法によって接合され、プリフォームが形成される。プリフォームを延伸する前に、プリフォーム端部に封止材を塗布して封止が行われる。封止材としては、例えばUV接着剤が使用される。
発明が解決しようとする課題
反共振中空コアファイバや、特に入れ子になっている構造要素を持つそのようなファイバは複雑な内部形状を有するため、これを正確かつ再現可能に製造することは困難である。さらに、共振条件または反共振条件を満たすには伝搬させる光の動作波長の大きさに僅かな寸法許容差があっても許されないため、このことは一層困難なものとなる。目標形状からの逸脱は、ファイバプリフォームの構成時にその原因が作られるおそれがあるが、ファイバ線引きプロセス時にも縮尺に沿わない不適切な変形によって生じる可能性がある。
公知の「スタック&ドロー」法では、多数の要素が正確な位置に接合されなければならない。例えば、冒頭に述べた文献から公知の「NANF」設計の中空コアファイバを製造するには、それぞれが反共振要素外管(略号:ARE外管)からなる6つの反共振要素プリフォームと、ARE外管の内側クラッド面の片側に溶接されている反共振要素内管(略号:ARE内管)とを被覆管の内側に取り付けなければならない。
小さい減衰値と広範な伝播範囲を実現するためには、反共振要素の壁の均等な壁厚の他に、被覆管内部における反共振要素の方位角位置も重要である。このことは、「スタック&ドロー」法では簡単に実現できない。本発明の目的は、従来の製造方法の制限を回避して、反共振中空コアファイバを低コストで実現する製造方法を提供することである。
特に本発明の目的は、反共振中空コアファイバと反共振中空コアファイバのプリフォームの製造方法を提供することであり、本方法によって、構造要素の高い精密性とファイバ内での反共振要素の正確な位置決めを、十分に安定的で再現可能な仕方で達成することが可能となる。
さらに、必要な構造精度、特に反共振要素の均等な壁厚および規定の方位角位置への正確な位置決めが容易に達成できない従来の「スタック&ドロー」法の欠点をできる限り回避しなければならない。
発明の概要
反共振中空コアファイバの製造方法に関して、この課題は、冒頭に述べた方法から出発して、本発明に基づき、外径が90~250mmの範囲にあり、長さが少なくとも1mの被覆管を提供し、さらに管状の構造要素を提供し、そのうちの少なくとも一部は0.2~2mmの範囲の壁厚と少なくとも1mの長さを有し、工程(c)による被覆管内部ボア内の構造要素の配置は、被覆管長手方向軸を垂直に配向して行われ、構造要素がそれぞれ端面側の上端部で目標位置に位置決めされていることによって解決される。
反共振中空コアファイバ製造の出発点は、この場合も、「一次プリフォーム」と呼ばれるプリフォームである。このプリフォームは被覆管を含み、そこには中空コアファイバ内に反共振要素を形成するための前段階またはプリフォーム(ここでは短く「反共振要素」と呼ぶ)が含まれている。一次プリフォームを延伸することによって中空コアファイバを形成することができるが、通常は、この一次プリフォームをさらに加工して、ここでは「二次プリフォーム」と呼ばれるプリフォームを作製する。必要に応じて、この二次プリフォームを延伸することにより中空コアファイバが作られる。代替として、一次プリフォームまたは二次プリフォームを、構成部品の同軸集合体を形成しながら、1つまたは複数の外層シリンダにより取り囲み、この同軸集合体を直接延伸して中空コアファイバを形成する。この場合、一般的な「プリフォーム」という用語は、中空コアファイバが最終的に線引きされる構成部品または構成部品の同軸集合体の名称と理解される。
クラッド材料の付加は、例えば一次プリフォーム上に外層シリンダをコラップスすることによって行われる。一次プリフォームと外層シリンダからなる同軸配置体は、外層シリンダのコラップス時に延伸されるか、または延伸されない。このとき、反共振要素プリフォームは、その形状または配置が変化するか、またはその形状または配置は変化しない。
被覆管におけるプリフォームの位置決め精度は、管状の構造要素を提供し、そのうちの少なくとも一部は0.2~2mmの範囲の壁厚を有し、好ましくは0.25~1mmの範囲の壁厚を有することによってさらに改善される。このとき、被覆管は外径が90~250mmの範囲のもの、好ましくは外径が120~200mmの範囲のものが提供される。このとき、これらの構成部品は、それぞれ少なくとも1mの長さを有している。
ここでは、反共振要素を形成するために比較的容積の大きな構造要素が取り扱われる。これにより、取扱いが容易になる。さらに、被覆管と構造要素が垂直に配置されており、構造要素がそれぞれ端面側の上端部で目標位置に位置決めされ、固定されている場合は、構造要素長手方向軸の平行性と垂直方向への整列が重力によって支援される。
位置決めと固定は、例えば被覆管内側の構造化によって、および/または位置決めテンプレートを使用して、および/または例えばSiO粒子を含有する封止材または接合材などの接着剤を使用して行われる。
工程(d)による中空コアファイバの線引き前に、反共振要素プリフォームの少なくとも1つの端面側の端部が封止される場合は有利であることが判明した。
ファイバ線引きプロセスのための本発明で使用されるプリフォームは、大きな外径を特徴とする。プリフォームの外径が増大するにつれファイバ線引き時に既存の絶対的な幾何形状誤差が大きく減少するため、基本的に中空コアファイバのより精密な製造が可能となる。
しかしながら、プリフォーム外径を任意に拡大してもより精密な中空コアファイバが自動的に出来上がるわけはなく、3.5%の最大相対幾何形状誤差を維持するには、中空コアファイバの壁厚において以下の措置が有効であることが判明した。
すべての反共振要素プリフォームまたは少なくとも一部は中空チャネルを形成し、通常は両側が開放されている。中空チャネルの自由内径は小さく、プリフォーム内で典型的に数ミリメートルの範囲にある。熱成形プロセスではプリフォームが外側から加熱されるため、プリフォーム容積部に半径方向の温度勾配が生じる。さらに同じプロセス条件下では、プリフォームの厚みが増せば増すほど、この温度勾配はより大きくなる。表面張力の影響により、また局所的な温度に応じて、中空チャネルが異なって収縮する危険が生じる。この危険性は、半径方向の温度勾配が大きくなるほど、またプリフォームの厚みが増すほど増大する。これに対して、中央の中空コアには温度勾配は大きな影響を与えない。本発明に基づき、比較的厚みのあるプリフォームでこの作用に対処するため、長手方向軸を垂直に配向して行うファイバ線引きプロセスにおいて、コア領域(中空コア)は開放されたままであるが、反共振要素プリフォームの少なくとも一部において、通常は開放されている上端部が閉じられる。
上端部の封止により、各中空チャネルは初期のガス容量を有している。ファイバ線引きプロセス時にガスが加熱され、中空チャネル内の圧力が上昇するため、中空チャネルは下から上に向かって拡張する。狭い中空チャネル内ではガス交換は僅かでしかなく、高温のガスは上方へ逃げられないため、膨張の度合いは、主にプリフォームの下端部と上端部の温度差によって決まり、元の中空チャネルの直径とは実質的に無関係である。しかし、この温度差は、中空チャネルの半径方向の位置とは無関係にすべての中空チャネルでほぼ同じ大きさであるため、すべての中空チャネルはほぼ同じ度合いで拡張する。これにより、厚いプリフォームにおける中空チャネルの大きさの元の配分が最終的な中空コアファイバでも維持される。
このコンセプトは、産業規模における再現可能で精密な反共振中空コアファイバの製造方法にも適している。特に、互いに大きく異なる内径を有する入れ子構造の反共振要素を備える反共振中空コアファイバの精密な製造に適している。
被覆管内部クラッド面へのプリフォームの位置決め精度は、被覆管内側および/または被覆管外側および/またはARE外管内側および/またはARE外管外側が切削加工によって、特に穴あけ加工、フライス加工、切削加工、ホーニング加工および/またはポリッシング加工によって製造されることによってさらに改善される。
これらの加工技術は、熱や圧力を使用するその他の周知の変形技術と比べ、より正確で極めて微細な構造を提供し、ノズル、プレスまたは鋳造型などの成形工具による表面の汚れを回避することができる。
この切削加工には、好ましくは反共振要素プリフォームの目標位置の領域における被覆管内側の構造化も含まれ、これにより反共振要素プリフォームに被覆管長手方向軸に向かって延びる長手方向構造を設けることができる。この長手方向構造には、例えば、被覆管長手方向軸に対して平行に延在する長手方向スロットおよび/または長手方向溝が含まれ、これらは、穴あけ加工、鋸加工、フライス加工、切断加工または研削加工によって作製されるのが好ましい。
被覆管長手方向軸の方向に延びる長手方向構造は、反共振要素プリフォームの位置決め補助として用いられる。これにより、反共振要素プリフォームが被覆管の内側の規定位置に配置されやすくなる。
好適な方法の変形例では、構造要素の端面側の上端部が位置決めテンプレートによって目標位置に位置決めされる。
このとき、位置決めテンプレートは、好適には一方の被覆管端面の領域、好ましくは両方の被覆管端面の領域に使用される。
位置決めテンプレートは、例えば、被覆管内部ボアに突き出す軸を有しており、この軸には半径方向に外側を向く複数の保持アームの形で保持要素が設けられている。
構造的に設定された保持要素の星形の配置により、反共振要素プリフォームをそれぞれの目標位置へ正確に位置決めし、固定することが容易になる。
さらに、工程(d)による中空コアファイバの線引き時に、シリカガラス製プリフォームの複数の構成部品が一緒に加熱および軟化され、このとき少なくともいくつかのプリフォーム構成部品のシリカガラスは、シリカガラスの粘性を低下させる少なくとも1つのドーパントを含んでいる方法は有利であることが実証された。
プリフォームの構成部品は、被覆管およびその中に配置されている反共振要素プリフォームの他にも、追加のクラッド材料を含んでおり、このクラッド材料は、例えば1つの外層シリンダまたは複数の外層シリンダの形で提供され、一次プリフォーム上にコラップスされる。シリカガラスの粘性を下げるドーパントとして、好ましくはフッ素、塩素および/またはヒドロキシ基が使用される。
ドーピングにより、隣接するプリフォーム構成部品の熱膨張率を適合させることが可能になるため、応力を回避または軽減することができる。ドーピングは、隣接する構成部品の安定性を優先して、1つの構成部品の熱安定性を低下させるためにも使用することができる。
例えば、測定温度が1250℃の場合に、被覆管のシリカガラスが、追加で取り付けられたクラッド材料のシリカガラスよりも少なくとも0.5dPa・sだけ高い粘性を有し、好ましくは少なくとも0.6dPa・sだけ高い粘性を有している場合は有利であることが判明した(粘性を対数値dPa・sで表示した場合)。
被覆管の内部クラッド面へのプリフォームの幾何的位置決め精度は、一次プリフォームの提供が、被覆管壁の内側の目標位置への反共振要素プリフォームの配置を含み、反共振要素プリフォームの配置および/または工程(d)による中空コアファイバの線引きが、非晶質SiO粒子を含有する封止材または接合材を使用しての固定措置および/または封止措置を含む場合は、さらに改善される。
封止または固定に使用される封止材または接合材には、例えば分散液に取り込まれた非晶質SiO粒子が含まれている。この材料は、接合すべき面または封止すべき面の間に塗布され、使用時は通常ペースト状である。低温で乾燥させると、分散液が部分的または完全に取り除かれ、材料が硬化する。封止材または接合材、および特に乾燥後に得られる硬化したSiO含有封止材または接合材は、固定および圧縮の要件を満たしている。乾燥に必要な温度は300℃以下であり、これによりプリフォームの寸法安定性の維持が促進され、熱による悪影響が回避される。例えばプリフォームを中空コアファイバに延伸する際に、800℃周辺の高温まで加熱すると、封止材または接合材のさらなる熱凝固が生じるため、曇りガラスや透明ガラスの形成にも適している。このことは焼結やガラス化によって生じるが、この場合、曇りガラスへの焼結は、完全に透明になるまでガラス化するよりも比較的低い温度および/または短い加熱時間で済む。従って、封止材または接合材は加熱によって完全に圧縮することができ、熱成形プロセスでの加熱によってガラス化が可能である。このとき、封止材または接合材はシリカガラスのような状態であり、粘性を持ち、変形可能となる。
熱成形プロセスでは封止材または接合材は分解されず、不純物をほとんど放出しない。従って、これは熱成形プロセス時の温度安定性と純度によって特徴付けられ、異なる熱膨張率による変形を回避する。
中空コアファイバ用プリフォームの製造方法に関して、上述した技術的課題は、冒頭に述べた方法から出発して、本発明に基づき、外径が90~250mmの範囲にあり、長さが少なくとも1mの被覆管が提供され、さらに管状構造要素が提供され、そのうちの少なくとも一部は0.2~2mmの範囲の壁厚と少なくとも1mの長さを有し、工程(c)による被覆管内部ボア内の構造要素の配置は、被覆管長手方向軸を垂直に配向して行われ、構造要素がそれぞれ端面側の上端部で目標位置に位置決めされていることによって解決される。
プリフォームは反共振中空コアファイバ製造に対する出発点である。反共振中空コアファイバは、一次プリフォームを直接延伸することで線引きできるが、最初に一次プリフォームをさらに加工して、別の半製品(「二次プリフォーム」とも呼ぶ)を作製し、そこから反共振中空コアファイバを線引きすることもできる。
いずれの場合も、プリフォームの製造には反共振要素プリフォームと被覆管の取付けおよび接続が含まれている。プリフォームの位置決め精度は、被覆管と反共振要素プリフォームの両方が比較的容積の大きな長い構成部品であり、これらは、長手方向軸を垂直に配向して接合されるため、取扱いが容易であること、また構造要素のそれぞれの端面側の上端部が目標位置に位置決めされ、固定されているため、重力が正確な位置決めと構造要素長手方向軸の水平垂直な整列を支援することによって改善される。
定義
これまでに述べた明細書の個々の工程と用語について、以下に補足的に定義する。これらの定義は本発明の明細書の構成要素である。以下の定義のいずれかと残りの明細書との間で実質的な矛盾がある場合、残りの明細書の中で言及していることが優先される。
反共振要素
反共振要素は、中空コアファイバの単純な構造要素または入れ子構造要素であってよい。これは、中空コアの方向から見て負の曲率(凸部)を持つか、曲率を持たない(平面、直線)少なくとも2つの壁を有している。通常、反共振要素は動作光に対して透明な材料、例えばガラス(特にドープしたSiOまたはドープしないSiO)、プラスチック(特にポリマー)、複合材料または結晶材料からなる。
反共振要素プリフォーム/反共振要素前段階
反共振要素プリフォームとは、主にファイバ線引きプロセスにおける単純な線引きによって中空コアファイバ内で反共振要素になる構成部品またはプリフォームの構成部品である。反共振要素前段階とは、変形によって初めて反共振要素プリフォームまたは直接的に反共振要素になる構成部品またはプリフォームの構成部品である。反共振要素プリフォームは、単純な構成部品または入れ子になっている構成部品であってよく、これに追加的に位置決め補助を固定することができる。反共振要素プリフォームは、もともと一次プリフォームの中に存在する。
入れ子の反共振要素プリフォームは、中空コアファイバの中で入れ子になっている反共振要素を形成する。これは、1本の外管と、外管の内部ボア内に配置されている少なくとも1つのさらなる構造要素とから構成されている。さらなる構造要素は、外管の内側クラッド面に接しているさらなる管であってよい。外管は「反共振要素外管」または略して「ARE外管」と呼ばれ、さらなる管は「反共振要素内管」または略して「ARE内管」または「入れ子になっているARE内管」とも呼ばれる。
入れ子になっているARE内管の内部ボアの中には、反共振要素プリフォームが何重にも入れ子になっている場合、少なくとも1つのさらなる構造要素、例えば入れ子になっているARE内管の内部クラッド面に接する第3の管を配置してもよい。
反共振要素プリフォームが何重にも入れ子になっている場合は、ARE外管の中に配置されている複数の管を区別するため、必要に応じて「入れ子になっている外側のARE内管」と「入れ子になっている内側のARE内管」とが区別される。
シリンダ形の反共振要素プリフォームおよびそれらのシリンダ形構造要素に関連する「断面」という用語は、常に、それぞれのシリンダ長手方向軸に対して垂直の断面を示し、特に指定がない限り、管状構成部品における外部輪郭の断面を示すものである(内部輪郭の断面ではない)。
一次プリフォームのさらなる加工により、とりわけ熱成形処理により、元の反共振要素プリフォームが初期形状に対して変化した形状で存在する中間製品を作ることができる。ここでは、変化した形状も同様に反共振要素プリフォームまたは反共振要素前段階と呼ぶ。
プリフォーム/一次プリフォーム/二次プリフォーム/コアプリフォーム(ケーン)
プリフォームは、反共振中空コアファイバが線引きされる構成部品である。これには、一次プリフォームまたは一次プリフォームのさらなる加工によって作製される二次プリフォームがある。一次プリフォームは、少なくとも1本の被覆管と、その中に緩くまたは堅固に固定された状態で収納されている、反共振要素のためのプリフォームまたは前段階とからなる集合体であってよい。一次プリフォームを、中空コアファイバが線引きされる二次プリフォームにさらに加工することは、
(i) 延伸、
(ii) コラップス、
(iii) コラップスおよび同時延伸、
(iv) 追加のクラッド材料のコラップス、
(v) 追加のクラッド材料のコラップスとそれに続く延伸、
(vi) 追加のクラッド材料のコラップスおよび同時延伸、
のうち1つ以上の熱成形プロセスが一回または反復して実行されることを含む。
文献においてコアプリフォーム(英語:ケーン、Cane)とは、一次プリフォームのコラップスおよび/または延伸によって得られるプリフォームである。通常、コアプリフォームは、中空コアファイバの線引き前または線引き時に追加のクラッド材料により覆われる。
延伸/コラップス
延伸では、一次プリフォームが長く伸ばされる。この延伸は、同時コラップスなしで行ってよい。延伸は一定の縮尺に従って行うことができるため、例えば一次プリフォームの構成部品の形状および配置は延伸した最終製品に反映されている。しかし、延伸では、一次プリフォームが寸法どおりに線引きされず、幾何形状が変化する可能性もある。
コラップスでは内部ボアを狭くしたり、管状構成部品間の環状の隙間を塞いだり、狭くしたりする。このコラップスは、通常、延伸と平行して行われる。
中空コア/内部クラッド領域/外部クラッド領域
少なくとも1つの被覆管と、その中に緩くまたは堅固に固定された状態で収納されている反共振要素のプリフォームまたは前段階とからなる集合体を、ここでは「一次プリフォーム」とも呼ぶ。この一次プリフォームは、中空コアとクラッド領域から構成される。このクラッド領域は、例えば集合体へのコラップスによって形成された「外部クラッド領域」が存在しており、これらのクラッド領域を区別する必要がある場合は、「内部クラッド領域」とも呼ばれる。「内部クラッド領域」と「外部クラッド領域」という名称は、中空コアファイバや一次プリフォームのさらなる加工によって得られる中間製品の該当する領域に対しても使用される。
「管内側」という名称は「管の内部クラッド面」の同義語としても用いられ、「管外側」という名称は「管の外部クラッド面」の同義語としても用いられる。管に関連した用語「内部ボア」は、内部ボアが穴あけ作業によって形成されたことを意味するものではない。
切削加工
加工物を分離加工するための機械的製造方式であり、特に旋盤加工、切断加工、穴あけ加工、鋸加工、フライス加工または研磨加工を意味する。この加工により、被覆管長手方向軸の方向に延びる長手方向構造が得られ、これは反共振要素プリフォームの位置決め補助として用いられる。長手方向構造は被覆管内側からアクセスできるようになっており、被覆管壁全体を通って外側まで延びていてもよい。
粒度および粒度分布
SiO粒子の粒度および粒度分布は、D50値に基づき特徴付けられる。この値は、SiO粒子の累積量を粒度に応じて示す粒度分布曲線から読み取られる。粒度分布は、それぞれのD10値、D50値、D90値に基づき特徴付けられることが多い。このとき、D10値はSiO粒子の累積量の10%に達しない粒度を示し、対応して、D50値およびD90はSiO粒子の累積量の50%または90%に達しない粒度を示す。粒度分布は、ISO13320に準拠した散乱光およびレーザー回折分光法によって検出される。
実施例
以下に、実施例に基づき、図を用いて本発明を詳しく説明する。詳細は図に示されている。
長手方向溝を備える機械加工された、本発明に基づく方法で使用する被覆管の断面図である。 図1の長手方向構造と反共振要素の一部を拡大した図である。 反共振要素の別の実施形態による、図2に対応する部分の図である。
壁に内部クラッド面の領域で長手方向溝が設けられているか、または壁が長手方向スロットを有している被覆管が使用される。長手方向溝または長手方向スロットは、例えば奇数対称または偶数対称にそれぞれの被覆管の内周に均等に分散されており、シリカガラス被覆管の目標位置に反共振要素プリフォームを精密に位置決めするために用いられる。
図1は、壁の厚いシリカガラス被覆管1の断面図であり、内部クラッド面に長手方向溝3を備えている。被覆管1の内壁は、穴あけ加工、切削加工、ホーニング加工によって機械的に規定の最終寸法に加工される。その後で長手方向溝3が、規定の方位角位置に均等な間隔で内部クラッド面にフライス加工される。長手方向溝3の数は、位置決めする反共振要素プリフォーム5の数に対応し、本実施例のプリフォーム5は6個である。長手方向溝3は、一方の被覆管端部から他方の被覆管端部まで達しており、端面を打ち抜いている。続いて、切断縁部(3a;3b)がガラス化される。
長手方向溝3の切断幅と切断深さは統一されており、それぞれ2mmである。その上に位置決めされる反共振要素プリフォーム5は、直径が例えば7.4mmの実質的に円形の外側断面を有している。これらは長手方向溝3の両方の切断縁部3a;3bに載っており、被覆管内部ボア6の中に突き出している。固定するため、反共振要素プリフォーム5の両端部は、被覆管正面の領域でSiO含有の封止材および接合材を使用して接着される。続いて行われるこの集合体の延伸により、反共振要素プリフォーム5はその長さ全体にわたって被覆管1の内部で切断縁部3a;3bに接続される。被覆管1の内部ボア6に圧力を加えることにより、長手方向溝3が完全に反共振要素プリフォーム5によって塞がれているかどうか確認することができる。従って、長手方向溝3は、それぞれの反共振要素プリフォーム5を精密に位置決めし、固定できる正確な位置決め補助として用いられる。
壁の厚い被覆管1の代わりに、より薄い壁厚を備える被覆管に反共振要素プリフォーム5を装着し、そのように作製された一次プリフォームの上に、特に機械加工によって最終寸法に加工された外層シリンダをかぶせることにより、追加のクラッド材料を取り付けることもできる。
中空コアファイバまたは中空コアファイバの別の中間生成物を形成するためにこの一次プリフォーム8を延伸する際、長手方向溝3および溶融された反共振要素プリフォーム5の中に形成された中空チャネル内にガスを送り込んだり、抜き取ったりすることで、中空チャネル内に正圧または負圧を作り出すことができる。
従って、必要または希望に応じて、図2に図示されているように、被覆管内部ボア6の中で反共振要素プリフォーム5の半径方向の位置を変更し、修正することができる。このとき、スケッチ(a)には、ARE外管5aと、入れ子になっているARE内管5bとを備える反共振要素プリフォーム5が、初期位置で示されている。スケッチ(b)には、圧力と熱によって変形して部分的に内側へ陥入した外管壁と、初期位置に対して半径方向の位置が変化している、陥入部に固定されたARE内管5bが示されている。このようにして、従来の「スタック&ドロー」法とは異なり、非六角形対称および特に非整数対称を有するファイバ設計を実現することもできる。
中空チャネル内に圧力を加えることにより、反共振要素プリフォーム5の壁部分を反共振要素プリフォームの内側に「折り返す」ことも可能である。図3(a)には、初期位置にある単純な外管5a(入れ子になっている追加のARE内管を持たない)を備える反共振要素プリフォーム5が示されている。熱と圧力の作用により、両方の接触線の間にある壁部分が内側へ膨張する。図3(b)に示されているように、外管5aの内部には負の(凸形)湾曲面を持つ別のガラス膜5cが形成され、これは入れ子になった内部要素(ARE内管5bのような;「nested element」)を代替することができる。
反共振要素プリフォーム5の個々の構造要素5a、5bの壁厚は、0.2~2mmの範囲にあり、クラッド1の外径は90~250mmの範囲にある。構成部品の長さは同じで、1mである。
被覆管の質量と、比較的容積の大きな、管状の長い構造要素とにより、長手方向軸を垂直に配向した共振要素プリフォームの位置決めによって支援される形で、構造要素の長手方向軸の偏位を小さくすることが可能になる。測定された最大角度偏位は0.3度であった。
表1には、反共振中空コアファイバのためのこれらの構成部品の寸法が表示されており、最終的なファイバにおける反共振要素の構造要素の壁厚(WT)は0.55μmである。「ファイバ」の列には、製造される中空コアファイバのその他の寸法が表示されている。
Figure 2022540682000002
記号の意味:
OD 外径
ID 内径
ARE: 反共振要素プリフォームのARE外管5a
NE 反共振要素プリフォームのARE内管5b
コアD 中空コアの内径
d 壁厚
表2には、反共振中空コアファイバの寸法が表示されており、最終的なファイバにおける構造要素の壁厚(WT)は1.10μmである。「ファイバ」の列には、製造される中空コアファイバの寸法が表示されている。略号は、表1において使用および説明されているものを使用している。
Figure 2022540682000003

Claims (11)

  1. ファイバの長手方向軸に沿って延びる中空コアと、複数の反共振要素を含み、かつ前記中空コアを取り囲む内部クラッド領域とを有する反共振中空コアファイバの製造方法であって、
    (a) 被覆管内部ボア(6)と被覆管長手方向軸とを有し、内側と外側により画定されている被覆管壁が前記被覆管長手方向軸に沿って延びている被覆管(1)を提供する工程と、
    (b) ARE外管(5a)と、その中に挿入されているARE内管(5b)とを含み、互いに入れ子になった複数の管状構造要素から構成された複数の反共振要素プリフォーム(5)を提供する工程であって、前記構造要素は構造要素長手方向軸を有している、工程と、
    (c) 前記反共振要素プリフォーム(5)を前記被覆管壁の内側の目標位置に配置して、中空のコア領域と内部クラッド領域とを有する前記中空コアファイバのための一次プリフォーム(8)を形成する工程と、
    (d) 前記一次プリフォーム(8)を前記中空コアファイバに延伸する工程、または前記一次プリフォーム(8)を、前記中空コアファイバが線引きされる二次プリフォームにさらに加工する工程と、
    を備え、
    前記さらに加工する工程では、
    (i) 延伸、
    (ii) コラップス、
    (iii) コラップスおよび同時延伸、
    (iv) 追加のクラッド材料のコラップス、
    (v) 追加のクラッド材料のコラップスとそれに続く延伸、
    (vi) 追加のクラッド材料のコラップスおよび同時延伸、
    のうち1つ以上の熱成形プロセスが一回または反復して実行される、製造方法において、
    外径が90~250mmの範囲にあり、長さが少なくとも1mの前記被覆管(1)を提供し、さらに管状の構造要素(5a;5b)を提供し、該管状の構造要素(5a;5b)のうち少なくとも一部は0.2~2mmの範囲の壁厚と少なくとも1mの長さを有し、工程(c)による前記被覆管内部ボア(6)内の前記構造要素(5a;5b)の配置は、前記被覆管長手方向軸を垂直に配向して行われ、前記構造要素(5a;5b)がそれぞれ端面側の上端部で前記目標位置に位置決めされていることを特徴とする方法。
  2. 外径が120~200mmの範囲にある前記被覆管(1)を提供し、さらに前記管状の構造要素(5a;5b)を提供し、該管状の構造要素(5a;5b)のうち少なくとも一部は0.25~1mmの範囲の壁厚を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(d)による前記中空コアファイバの線引き前に、前記反共振要素プリフォーム(5)の少なくとも1つの端面側の端部が封止されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記被覆管(1)内側および/または前記被覆管(1)外側および/または前記ARE外管(5a)内側および/または前記ARE外管(5a)外側は、切削加工によって、特に穴あけ加工、フライス加工、切削加工、ホーニング加工および/またはポリッシング加工によって作製されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記被覆管(1)内側には、切削加工によって前記目標位置の領域で前記被覆管長手方向軸の方向に延びる長手方向構造(3)が設けられることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記構造要素(5a;5b)の前記端面側の上端部は、位置決めテンプレートによって前記目標位置に位置決めされることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記位置決めテンプレートは、一方の被覆管端面の領域、好ましくは両方の前記被覆管端面の領域に使用されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 工程(d)による前記中空コアファイバの線引き時に、シリカガラス製の前記プリフォーム(8)の複数の構成部品が一緒に加熱および軟化され、少なくともいくつかの前記プリフォーム構成部品の前記シリカガラスは、該シリカガラスの粘性を低下させる少なくとも1つのドーパントを含んでいることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 工程(d)により追加のクラッド材料がコラップスされ、測定温度が1250℃の場合に、前記被覆管(1)の前記シリカガラスは、追加で取り付けられた前記クラッド材料の前記シリカガラスよりも少なくとも0.5dPa・sだけ高い粘性を有し、好ましくは少なくとも0.6dPa・sだけ高い粘性を有している(粘性を対数値dPa・sで表示した場合)ことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. 前記一次プリフォーム(8)の提供は、前記被覆管壁の内側の目標位置への前記反共振要素プリフォーム(5)の配置を含み、前記反共振要素プリフォーム(5)の前記配置および/または工程(d)による前記中空コアファイバの線引きは、非晶質SiO粒子を含有する封止材または接合材を使用しての固定措置および/または封止措置を含むことを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. ファイバの長手方向軸に沿って延びる中空コアと、複数の反共振要素を含み、かつ中空コアを取り囲む内部クラッド領域とを有する反共振中空コアファイバのプリフォームの製造方法であって、
    (a) 被覆管内部ボアと被覆管長手方向軸とを有し、内側と外側により画定されている被覆管壁が前記被覆管長手方向軸に沿って延びている被覆管(1)を提供する工程と、
    (b) ARE外管(5a)と、その中に挿入されているARE内管(5b)とを含み、互いに入れ子になった多数の管状構造要素から構成された複数の反共振要素プリフォーム(5)を準備する工程であって、前記構造要素は構造要素長手方向軸を有している、工程と、
    (c) 前記反共振要素プリフォーム(5)を前記被覆管壁の内側の目標位置に配置して、中空のコア領域と内部クラッド領域とを有する前記中空コアファイバの一次プリフォーム(8)を形成する工程と、
    (d) 前記一次プリフォーム(8)を前記中空コアファイバのための二次プリフォームに任意でさらに加工する工程と、
    を備え、
    前記さらに加工する工程では、
    (i) 延伸、
    (ii) コラップス、
    (iii) コラップスおよび同時延伸、
    (iv) 追加のクラッド材料のコラップス、
    (v) 追加のクラッド材料のコラップスとそれに続く延伸、
    (vi) 追加のクラッド材料のコラップスおよび同時延伸、
    のうち1つ以上の熱成形プロセスが一回または反復して実行される、製造方法において、
    外径が90~250mmの範囲にあり、長さが少なくとも1mの被覆管(1)を提供し、さらに管状の構造要素(5a;5b)を提供し、該管状の構造要素(5a;5b)のうち少なくとも一部は0.2~2mmの範囲の壁厚と少なくとも1mの長さを有し、工程(c)による前記被覆管内部ボア内の前記構造要素(5a;5b)の配置は、前記被覆管長手方向軸を垂直に配向して行われ、前記構造要素(5a;5b)がそれぞれ端面側の上端部で前記目標位置に位置決めされていることを特徴とする方法。
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