JP2022539870A - 強度及び他の特性を向上させるための、小粒子デンプン及びデンプンベースの材料と合成高分子とのブレンド - Google Patents
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Abstract
本明細書に記載されるのは、デンプン又はデンプンベースの材料と高分子材料とのブレンドであり、デンプン又はデンプンベースの材料は、高分子材料と密接にブレンドされて、高分子材料のマトリックス中のデンプン又はデンプンベースの材料に関して、非常に小さい粒径(例えば、2μm未満又は1μm未満)を示す。そのような非常に小さな粒子の密接な分散は、高分子材料のマトリックス全体により均一に分散されたはるかに多くの粒子を提供し、これは、ブレンドされた複合材料の様々な性能特性を増強することができる。そのような小粒子及び優れた分散を示すそのようなブレンドから物品を製造する方法も開示される。
Description
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年7月10日に出願された米国特許出願第62/872,582号(21132.27)、2019年11月22日に出願された米国特許出願第62/939,460号(21132.27.1)、及び2020年1月17日に出願された米国特許出願第62/962,706号(21132.30)の利益を主張し、それぞれが参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本出願は、2019年7月10日に出願された米国特許出願第62/872,582号(21132.27)、2019年11月22日に出願された米国特許出願第62/939,460号(21132.27.1)、及び2020年1月17日に出願された米国特許出願第62/962,706号(21132.30)の利益を主張し、それぞれが参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
2017年8月30日に出願された米国特許出願第15/691,588号(21132.7)、2015年9月14日に出願された米国特許出願第14/853,725号(21132.8)、2015年6月30日に出願された米国仮特許出願第62/187,231号、2015年9月14日に出願された米国特許出願第14/853,780号(21132.6)、共に2017年4月7日に出願された米国特許出願第15/481,806号(21132.1)及び第15/481,823号(21132.2)、2016年12月29日に出願された米国仮特許出願第62/440,399号(21132.10)、2017年1月4日に出願された米国仮特許出願第62/442,432号(21132.11)、2017年4月7日に出願された米国仮特許出願第62/483,109号(21132.5)、2019年4月23日に出願された米国特許出願第16/391,909号(21132.14.1)、2019年5月29日に出願された米国特許出願第16/425,397号(21132.20.1)、並びに2020年6月2日に出願された米国特許出願第63/033,676(21132.31)のそれぞれも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
従来の石油化学系プラスチックは、丈夫で軽量、そして耐久性があるように配合されている。このため、無数の消費者製品に大量に使用されている。しかし、これらのプラスチックは一般に持続可能な材料から供給されておらず、いくらかの有意な程度までの生分解性ではなく、その結果、何億トンものプラスチックが埋立地又は他の自然環境(海洋、他の水路、土壌等)に消えずに残っている。プラスチック廃棄物の量を減らすために、石油化学系プラスチックを使用して通常製造される一部の物品は、より急速な生分解性の材料を使用して製造されるか、及び/又は再生可能資源から供給される成分の一部を含む。
大量のポリエチレン及びポリプロピレン等のほとんどの石油化学系プラスチック材料、並びに他の多くのプラスチック(ポリエチレンテレフタレートポリエステル、ポリスチレン、ABS、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ナイロン等)は、通常、容易には生分解されない。これは通常、石油化学供給原料ではなく、再生可能供給源(例えば、100年以内に再生可能な植物源)から供給され得る、そのような材料のいわゆる「グリーン」プラスチック(例えば、グリーンPE)の場合にも当てはまる。再生可能供給源からそのような材料のいくつかの成分を調達することが可能である場合でさえ、そのような材料は、利用可能な代替物よりも著しく高価であり、及び/又は劣った物理的特性を提供する傾向がある。プラスチック又は他の材料のグリーン再生可能含有量を確認するための様々な試験が存在し、例えば化石燃料供給材料と比較して、C12に対するC14の比率は、炭素を含む再生可能な材料で上昇する。そのような試験は当業者には明らかであろう。
いくつかの文献は、デンプン又はデンプン誘導体を石油化学又は他のプラスチック材料(例えば、ポリエチレン等のポリオレフィン)のブレンドに組み込む試みを記載しているが、そのような試みは、少なくとも部分的にはより高いコスト及び/又はブレンドの劣った物理的特性をもたらすため、商業的成功はあったとしてもほとんどない。そのような参考文献の1つであるFavisの特許文献1は、いくらかの強度特性の増加を報告しているが、これはデンプンのローディングレベルが非常に低い場合に限られる。Favisの特に重要な欠点の1つは、より高いデンプンローディング値(例えば、15%以上)における強度特性の増加が達成されないことである。例えば、表1でFavisは、デンプンとポリエチレンとのブレンドを報告しており、この場合、落槍又は引裂強度は、未ブレンドの純粋なポリエチレンと比較して、12%の熱可塑性デンプン(TPS)とのブレンドにおいて18%増加した。しかし、TPSが30%の場合、純粋なポリエチレンと比較して、落槍強度は、強度の18%低下を示した。更に、Favisは、TPSローディングが6%及び12%で落槍強度の増加を報告しているが、Favisはまた、全てのデンプンローディング値における引張強さ(TS)の低下、3%(TSの6%低下)、6%(TSの9~10%低下)、及び12%(TSの15~17%低下)を報告している。したがって、Favisは、TPSとブレンドした後、未ブレンドの純粋なポリエチレンの強度の60%を維持することであっても当技術分野における進歩であると考えた。そのような結果は、合成又は化石燃料由来の含有量を減らすために、再生可能なデンプン材料を高分子樹脂とのブレンドに組み込む進行中の試みの難しさを示している、(出願人以外の)文献で最もよく報告されているもののいくつかである。要約すると、デンプン/高分子ブレンドの現在の最先端技術は、一般に、コストの増加における強度の低下をもたらし、これは商業的に実行可能ではない。
広範囲のデンプンローディング値にわたって(例えば、最大15%、20%、25%、30%、又は35%)、同等又は改善された強度及び他の物理的特性を一貫して提供し、安価に調達された再生可能なデンプン成分を安価な方法でそのようなブレンドに導入することができ、この場合ブレンドされた材料は、未ブレンドの純粋なポリエチレン又は他の高分子樹脂と同等なコストを有し得る方法で、デンプン材料をベース高分子樹脂材料とブレンドする能力を提供することは、当技術分野における利点である。
上記の参照により組み込まれるような出願人の同時係属出願は、再生可能なデンプンベースの材料がブレンドされる材料の所望の強度及び他の物理的特性を維持しながら、様々なプラスチック樹脂材料とブレンドすることができるデンプンベースの高分子材料(例えば、熱可塑性デンプン材料)を開示する。多くの場合、このようなブレンドにより、様々な強度特性の向上がもたらされる。NuPlastiQ(登録商標)の商品名で入手可能なそのようなデンプンベースの材料は、デンプンベースの材料とそれとブレンドされるプラスチック樹脂との間の強力な分子間結合を達成すると考えられている。デンプン又はデンプンベースの材料は単に充填剤として機能し、通常、強度を低下させ、他の物理的特性に悪影響を与える、そのようなプラスチック樹脂をデンプン又はデンプンベースの材料とブレンドする多くの初期の試みで達成されたものとは、そのような強力な結合は対照的である。
出願人は、このような強化された分子間結合の少なくともある程度は、より従来のデンプン材料、おそらくそれどころか単純なデンプン粉末によって達成され、この場合、デンプン又はデンプンベースの材料が製造されるか、あるいは他の方法で処理されて、小さな粒径を達成すると考えられることを現在見出した。例えば、本発明による1つの方法は、小粒子デンプンを高分子樹脂材料とブレンドする方法に関し、別の高分子樹脂材料を提供することによって、及びデンプン又はデンプンベースの材料を高分子材料にブレンドすることによって、平均粒径が粒子当たり1.5μm未満(例えば直径)の小粒子デンプン又はデンプンベースの材料を提供して、デンプン又はデンプンベースの材料を他の高分子樹脂材料内に密接に分散させる工程を含む。
そのような小粒子デンプン材料は、例えば、粉末として高分子材料とブレンドされたデンプン粉末を含み得る。いくつかの実施形態では、平均粒径は、1μm(例えば、直径)未満、又は150nm(例えば、直径)未満でさえあり得る。
1.5μm(例えば、直径)より大きい粒径で開始する可能性がある、開始デンプンの粒径の減少は、様々なメカニズムによって達成され得る。一実施形態では、そのような減少は、より大きな粒径の開始デンプンをオゾンで処理することによって達成することができる。例えば、ジャガイモ、トウモロコシ、又はタピオカに由来する多くのデンプンは、5μm超、10μm超、又は20μm超の開始粒径を有する。デンプン粒子又はドメインの大きさを小さくすることにより、それらを高分子樹脂マトリックスにより均一に統合できると考えられ、例えば、小さなデンプンドメインと隣接する高分子樹脂材料との間でより強い分子間結合が生じると理論付けられる。デンプン粒径は、例えば、SEM画像における直径又は他の幅の測定を含むがこれらに限定されない、様々な方法によって決定され得る。
本発明の小粒子デンプン材料をブレンドすることができるマトリックス材料として機能することができる例示的な高分子材料には、ポリエチレン、ポリプロピレン、他のポリオレフィン、ポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン共重合体、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、PBAT、PLA、PHA等)、ABS、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリカーボネート等が含まれるが、これらに限定されない。様々な材料の組合わせを使用することができる。
そのようなプラスチックと小粒子デンプン材料とのブレンドは、押出プラスチック製品、射出成形プラスチック製品、ブロー成形プラスチック製品、インフレーションフィルムプラスチック製品、押出シート若しくはフィルム又はキャストシート若しくはフィルム、熱成形プラスチック製品、発泡プラスチック製品、回転成形プラスチック製品、繊維プラスチック製品、プラスチック産業の標準装備を使用した同様のもの等で使用するために加熱(例えば、溶融)することができる。
NuPlastiQ(登録商標)は、本明細書に記載の利点を提供することができるデンプンベースの材料の例であるが、本発明の範囲は、他の小粒子デンプン、あるいは同じ又は類似の化学構造又は官能基の存在により同様の結果を達成する可能性のある、デンプン以外の出発材料から合成され得る材料にまでも広く及ぶことが理解されるであろう。例えば、NuPlastiQ(登録商標)と類似又は同一の化学構造を有する材料が、非デンプン材料から出発して(例えば、反応器内で)合成された場合、それも本発明の範囲内である。
以前の特許出願に記載された出願人のブレンド及び方法は有意な成功をもたらしたが、残っている1つの困難は、例えばバッチからバッチへの所望の物理的又は他の特性の一貫性を達成することである。出願人は、より最近では、炭水化物ベース(例えば、デンプンベース)の成分が他の高分子樹脂材料(例えば、ポリエチレン等のポリオレフィン、又は任意の他の様々なプラスチック材料)に密接に混合され、良好に分散されて、様々な高分子材料のブレンドマトリックス内で、非常に小さい平均粒径、粒径の密集した分散を一貫して有することが確保される場合、物理的強度及び他の特性において、改善した一貫性が達成され得ることを発見した。「炭水化物ベース」という用語は、本明細書では「デンプンベース」よりも、より一般的な用語として使用することができる。「デンプンベース」の材料は、「炭水化物ベース」の材料の一例である。したがって、本明細書で使用されるように、これらの用語はしばしば交換可能であり得る。
例えば、そのような実施形態は、少なくとも第1のデンプン及び可塑剤から形成され、別の高分子材料とブレンドされた、デンプンベースの高分子材料を含む物品に関し、デンプンベースの高分子材料は、他の高分子材料内に密接に分散して、10μm3未満、5μm3未満、又は1μm3未満の体積の平均粒径を示す。デンプンベースの小粒子を特性決定する別の方法は、2μm未満、又は1μm未満でさえある、平均粒径(例えば、ランダムSEM断面図における可視直径)によるものである。デンプン小粒子を特性決定する更に別の方法は、ブレンド内の非常に小さなデンプン粒子の平均粒子密度(すなわち、濃度)によるものである。例えば、粒径は、デンプンベースの高分子材料成分を含む可能性のある、より従来の既存のブレンドで通常提供されるものよりも大幅に小さいため、任意の所与のデンプンローディングにおける粒子の数は、それらの粒子のより小さい大きさのために大幅に多くなる。例えば、現在企図されているブレンドは、例えば、デンプンベースの高分子材料の特定のローディングにおいて、最小の平均粒子密度を有し得る。例えば、少なくとも1×109粒子/mm3(約15,000粒子/mil3)の平均粒子密度が、例えば、5%~40%(例えば、約20~25%)のデンプンベースの高分子材料ローディングに対して提供され得る。勿論のこと、粒子密度は、デンプンベースの高分子材料の粒径及びローディングに依存する。そのようなブレンドの形成に使用するのに適したデンプンベースの高分子材料は、現在、「NuPlastiQ(登録商標)」という商品名で出願人から市販されている(例えば、特に2019年以降のバッチ又はそのグレード)。
非常に小さい粒径(例えば、直径が2未満、又は更には1μm未満)に加えて、デンプンベース又は他の炭水化物ベースの高分子材料の粒径は、非常に小さい平均粒径を中心として非常に均一に分布している。例えば、平均粒径が約0.5μmの場合、2μmより大きい、又は1.5μmより大きい粒子が存在したとしてもごくわずかである可能性がある。別の言い方をすれば、平均粒径からの標準偏差は非常に小さい可能性がある。例えば、標準偏差は、平均の100%未満、50%未満、40%未満、又は30%未満であり得る。具体的な例として、平均粒径が0.5μmの場合、標準偏差は、したがって、0.5μm未満、.25μm未満、0.2μm未満、又は0.15μm未満であり得る。
任意の非常に小さいデンプンベースの高分子材料粒子と比較して、デンプンベースの高分子材料の非常により大きな粒径の存在を制御することに加えて、同様に密な分布が存在し得る。例えば、平均粒径が0.5μmの場合、0.3~0.4μmの大きさの粒子がかなりの割合で存在し得るが、0.2μm未満、又は更には0.2~0.3μmの大きさの粒子が存在するとしてもごくわずかであり得る。
そのような非常に小さい粒径及び密な分布は、例えば、強度又は他の物理的特性に関して、所与の顧客によって要求される仕様を達成する能力において改善された一貫性を提供することが出願人によって見出された。そのような非常に小さい粒径及び粒径の密集した分布はまた、ブレンドの全体としての生分解性及び/又はブレンドの生分解の全体的な程度を加速するのに役割を果たすと考えられている。様々な他の従来の高分子材料とブレンドされた出願人のNuPlastiQ(登録商標)デンプンベースの高分子材料のブレンドの生分解性は、すでに参照により組み込まれている様々な出願に記載されている。粒径及び粒径分布をより注意深く制御及び監視できる能力により、出願人は、例えばバッチからバッチへの、このような優れた結果を達成する上で、良好な一貫性を達成することができる。
本発明の更なる特徴及び利点は、以下の好ましい実施形態の詳細な説明を考慮して、通常の当業者には明らかになるであろう。
上に列挙され、かつ本発明の他の利点が得られ得る方式に従って、上で簡潔に説明された本発明のより具体的な説明は、添付の図面に示されているその特定の実施形態を参照することによって提供されるであろう。これらの図面は、本発明の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、その範囲を限定するものと見なされるべきではないことを理解されたく、本発明は、添付の図面の使用を通して、追加の特異性及び詳細と共に記載及び説明されるであろう。
上に列挙され、かつ本発明の他の利点が得られ得る方式に従って、上で簡潔に説明された本発明のより具体的な説明は、添付の図面に示されているその特定の実施形態を参照することによって提供されるであろう。これらの図面は、本発明の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、その範囲を限定するものと見なされるべきではないことを理解されたく、本発明は、添付の図面の使用を通して、追加の特異性及び詳細と共に記載及び説明されるであろう。
I.定義
本明細書で引用される刊行物、特許及び特許出願の全ては、上記又は下記を問わず、個々の刊行物、特許又は特許出願のそれぞれが参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示された場合と同程度に、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書で引用される刊行物、特許及び特許出願の全ては、上記又は下記を問わず、個々の刊行物、特許又は特許出願のそれぞれが参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示された場合と同程度に、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
「含む(including、containing)」と同義である「含む(comprising)」又は「によって特性決定される(characterized by)」という用語は、包括的又はオープンエンドであり、追加の、引用されていない要素又は方法の工程を除外しない。
「から本質的になる」という用語は、請求項の範囲を、特定の材料又は工程、及び特許請求される発明の基本的かつ新規の特徴に実質的に影響しないものに限定する。
「からなる」という用語は、本明細書で使用される場合、特許請求の範囲で特定されていない要素、工程、又は成分を除外する。
「からなる」という用語は、本明細書で使用される場合、特許請求の範囲で特定されていない要素、工程、又は成分を除外する。
本発明の特徴を説明する文脈で(特に以下の特許請求の範囲で)使用される用語「a」、「an」、「the」及び同様の指示対象は、本明細書において別段の定めがないか、又は文脈によって明らかに矛盾していない限り、単数形及び複数形の両方を網羅すると解釈されるべきである。したがって、例えば、「デンプン」に対する言及は、1つ、2つ、又はそれを超えるデンプンを含むことができる。
本明細書で使用される「フィルム」は、領域又は体積を分離し、アイテムを保持し、バリアとして機能し、及び/又は印刷可能な表面として使用できる1つ又は複数の高分子材料を含む薄い連続物品を指す。
本明細書で使用される「バッグ」は、商品を収容及び/又は輸送するために使用することができる、比較的薄く、柔軟なフィルムから作製された容器を指す。
本明細書で使用される「ボトル」は、現在開示されているプラスチックから作製できる、典型的には厚さがフィルムよりも厚く、典型的には開口部に隣接する比較的狭いネックを含む、容器を指す。このようなボトルは、多種多様な製品(例えば、飲料、シャンプー、コンディショナ、ローション、石鹸、クリーナ等のパーソナルケア製品)を保持するために使用することができる。
本明細書で使用される「ボトル」は、現在開示されているプラスチックから作製できる、典型的には厚さがフィルムよりも厚く、典型的には開口部に隣接する比較的狭いネックを含む、容器を指す。このようなボトルは、多種多様な製品(例えば、飲料、シャンプー、コンディショナ、ローション、石鹸、クリーナ等のパーソナルケア製品)を保持するために使用することができる。
特に明記しない限り、本明細書で使用及び記載されている全ての百分率、比率、部分、及び量は重量によるものである。特に明記しない限り、分子量の値は重量平均分子量に対するものである。
本明細書に記載される数、百分率、比率、又は他の値は、その値、また通常の当業者によって理解されるであろうような約又はおおよそで記載された値である他の値を含み得る。したがって、記載された値は、所望の機能を実行するか、又は所望の結果を達成するために、記載された値に少なくとも十分に近い値、及び/又は記載された値に切り上げる値を包含するのに十分広く解釈されるべきである。記載されている値には、少なくとも一般的な製造工程で予想される変動が含まれ、記載されている値の25%以内、15%以内、10%以内、5%以内、1%以内等の値が含まれ得る。更に本明細書で使用される「実質的に」、「同様に」、「約」又は「およそ」という用語は、依然として所望の機能を実行するか、又は所望の結果を達成する、記載された量又は状態に近い量又は状態を表す。例えば、「実質的に」、「約」又は「およそ」という用語は、記載された量又は値の25%以内、15%以内、10%以内、5%以内、又は1%以内の量を指し得る。
いくつかの範囲が本明細書に開示されている。特定のパラメータの例示である、本明細書で開示される任意の値の間に追加の範囲を定義することができる。そのような範囲は全て企図され、本開示の範囲内である。更に、本明細書における値の範囲の記載は、範囲内にあるそれぞれの個々の値を個別に参照する簡単な方法として機能することを意図している。本明細書に別段の記載がない限り、個々の値はそれぞれ、本明細書に個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。
本明細書及び特許請求の範囲で使用される構成要素、構成、条件等の量を表す全ての数は、全ての場合において「約」という用語によって修飾されるものとして理解される。本発明の広い範囲を示す数値範囲及びパラメータは近似値であるにもかかわらず、特定の例に示される数値は可能な限り正確に報告される。しかし、数値には本質的に、それぞれの試験測定で見られる標準偏差に起因する特定の誤差を必然的に含む。
本明細書で使用される「含まない」という句又は類似の句は、組成物が記載された成分の0%を含む、すなわち、その成分が組成物に意図的に添加されていないことを意味する。しかし、そのような成分は、適切な状況下で偶発的に形成され得、例えば偶発的な汚染物質等として、別の含まれる成分内に偶発的に存在し得ることが理解されるであろう。
本明細書で使用される「実質的に含まない」という句又は類似の句は、組成物が好ましくは記載された成分の0%を含むことを意味するが、例えば、偶発的な形成、偶発的な汚染、又は意図的な添加であっても、非常に少量の濃度が存在する可能性があることが理解されるであろう。このような成分は、存在する場合でも、1%未満、0.5%未満、0.25%未満、0.1%未満、0.05%未満、0.01%未満、0.005%未満、又は0.001%未満の量で存在し得る。特に、小粒子デンプンが、所与の大きさ(例えば、1.5μm)よりも大きい大きさの粒子を実質的に含まないという状況において、そのような含有量は、上記の割合よりも少ない可能性があるか、あるいはそのような含有量は、ブレンド又は小粒子デンプン内で検出できないほど低い。このような百分率は、重量に基づくものであるか、又は粒子数に基づくもの(例えば、図2に示す)であり得る。
材料に関して本明細書で使用される「非生分解性」という用語は、天然材料(生分解性にするために添加される添加剤を含まない)が、様々なシミュレートされた廃棄条件に曝露された場合(例えば、ASTM D-5338、ASTM D-5511、及び/又はASTM D-6691)、道理にかなった限られた期間で(例えば、1年、3年、又は5年)、例えば二酸化炭素又はメタンに有意な程度まで分解(特に生分解)しないことを意味する。しかし、十分な時間並びに日光、酸素、及び分解微生物の条件に対する曝露を考慮すると、ほとんどの高分子材料(例えば、通常「非生分解性」と見なされるものであっても)は、長期間(例えば、数十年又は数世紀)にわたって、通常ある限られた程度まで、最終的には分解するか、更には生分解さえするであろう。
材料に関して本明細書で使用される「生分解性」という用語は、そのような条件下で(例えば、ASTM D-5338、ASTM D-5511、ASTM D-5526及び/又はASTM D-6691)、本明細書に記載の材料が、道理にかなった限られた時間枠内(例えば、5年、3年、2年、1年等)で、二酸化炭素、メタン及び/又は水等のベース分子に生分解することを意味する。
本明細書で使用される「粒径」という用語は、本ブレンドに含まれるデンプン又はデンプンベースの材料の粒子の長さ、幅、又は直径(一般に球状粒子の場合)を指す。例えば、「粒径」は、所与の粒子の最大の長さ、幅、又は直径の測定を指し得る。そのような測定は、そのような粒径(例えば、可視直径)を測定することができる、SEMで画像化された断面図と併せて行うことができる。例として、測定した粒子の半径(すなわち、直径の半分)を使用して、4/3πr3として、実質的に球状の粒子の体積を算出することができる。他の成形粒子の体積もまた、例えば、他の様々な適切な方法によって決定することができる。
例えば「加工デンプン」等を説明する際に使用される「加工」という用語は、出発デンプン材料のより低い分子量を含むものへの変換を含む、物理的及び/又は化学的修飾を指す。そのような機械的及び/又は化学的修飾には、アミロペクチンデンプン成分のより直線的なアミロース構造への機械的修飾が含まれ得る。前述の説明は単なる例示であり、そのようなデンプン成分に対する多くの修飾が可能であることが理解されるであろう。出願人のNuPlastiQ(登録商標)材料は、加工デンプンベースの材料の一例である。
様々な標準化された試験(例えば、ASTM又は他の試験)に関して、そのような標準に対する言及は、そのような標準の最新のアップデート(存在する場合)を指すことが理解されよう。
II.序章
本開示は、とりわけ、デンプン又はデンプンベースの材料と別の高分子材料とのブレンドに関し、デンプン又は他のデンプンベースの材料は、比較的密集した粒径分布特性を有する、非常に小さい平均粒径を示して、他の高分子材料内に密接かつ均一に分散されている。一実施形態では、高分子材料に分散された小粒子デンプンは、非常に小さい粒径を示すために、例えば、密接に分散されたデンプン粉末を単に含み得る。
本開示は、とりわけ、デンプン又はデンプンベースの材料と別の高分子材料とのブレンドに関し、デンプン又は他のデンプンベースの材料は、比較的密集した粒径分布特性を有する、非常に小さい平均粒径を示して、他の高分子材料内に密接かつ均一に分散されている。一実施形態では、高分子材料に分散された小粒子デンプンは、非常に小さい粒径を示すために、例えば、密接に分散されたデンプン粉末を単に含み得る。
文献は、デンプン又はTPS材料とポリエチレン又は他の高分子樹脂との以前のブレンドを記載しているが、そのようなデンプンベースの成分とそれらとブレンドされる典型的な高分子樹脂との間には重大な非互換性が存在し、相溶化剤の相当な割合を典型的に必要として、ブレンドを達成する(例えば、Broylesに対する多くの参照におけるそのような高価な相溶化剤の少なくとも9%)。そのような相溶化剤が存在する場合でさえ、実際問題として、他の高分子材料内でデンプンベースの材料の密接で均一な分散を達成することは不可能であった。むしろ、発生するのは、(デンプンを含まない、マトリックス材料の実質的に純粋な領域を含む)マトリックス内の比較的大きなデンプン粒子(島)の凝集、あるいは更にマトリックス内の連続的又は実質的に連続的なデンプン相である。いずれの場合でも、粒子の良好な分散を達成することは非常に困難であり得る。
例えば、Favisの米国特許第6,605,657号はブレンドについて説明しているが、デンプン相は実際には連続的又は実質的に連続的である。そのようなブレンド内では、デンプン粒が比較的小さい場合であっても、粒径はほとんど意味がない可能性があり、デンプンが他のデンプン粒に隣接して、デンプンが個別のデンプン又はデンプンベースの粒子として均一又は密接に分散されておらず、各デンプン粒子は一般に他のデンプン粒子から分離されており、高分子マトリックス材料に囲まれている。Favisの米国特許第8,841,362号は、同様のブレンドについて説明しているが、‘657Favis材料は、デンプンがブレンドされる純粋な高分子と比較して、例えば、その強度の40%以上を維持する等、‘657Favisよりも優れた強度特性を示す特性を有する「溶融処理によって再処理さして、材料を提供する」。Favis‘362は、再処理によって、Favis‘657の材料と比較して、より不連続なデンプン相分布が生じるように見えると述べているが、Favisは、デンプンドメインが不連続であり、非生分解性高分子で埋め込まれるため、彼の非連続デンプンドメインは生分解にアクセスすることがほとんどできないことも発見した(Favis‘362の第8欄56~61行)。Favis‘362の表9は、94%PE/6%デンプン、88%PE/12%デンプン、及び70%PE/30%デンプンのデンプン/ポリエチレンブレンドを示しており、平均粒径はそれぞれ0.9μm、0.7μm、及び0.7μmである。特に、Favis‘362ブレンドには、顕著に大きな粒子も存在し、このようなブレンドの粒径の範囲が、それぞれ0.2~2.6μm、0.2~3.0μm、及び0.2~2.5μmと報告されているためである。このようなデンプン粒径は、特に密集して分布しているわけではないが、小さい粒子に加えて、はるかに大きい粒子が含む。したがって、Favisの平均粒径が小さい場合でも、はるかに大きな粒子が多数存在するため、問題がある。対照的に、本発明は、粒径が密集して分布している、及び/又は更により小さな粒径が達成され、Favis及び他の当技術分野の出願人が既知のものに比べて、得られたブレンドの強度及び他の特性を増強する、小粒子デンプンの使用に関する。
例として、ブレンド内のより大きなデンプン粒子の存在(非常に小さな粒子も存在し得る場合であっても)は、特にそのようなフィルムがブロー形成される場合、非常に薄いフィルムを形成する試みに関連して問題を悪化させる。本発明は、非常に小さい「ドメイン」の大きさ、密集した粒径分布(例えば、低い標準偏差)を有し、デンプン材料が対となっている高分子材料にブレンドされた際に、非常に小さい粒径を維持又は想定する、デンプン又はデンプンベースの材料を使用する。
使用されるデンプンによって示される疎水性の程度はまた、高分子マトリックスに分散されるその能力に影響を及ぼして、平均粒子の周りに密集して分布する非常に小さい平均粒径値を示す可能性がある。デンプン材料が単に充填剤として機能するのではなく、デンプンと隣接する高分子材料との間に強力な分子間結合を形成して、相当量のデンプンがブレンドにロードされる場合に(例えば、少なくとも20%、25%、30%、又は35%のデンプン)、高分子の主要な強度及び他の特性を低下させないことが重要であると理論付けられている。
デンプンと非生分解性高分子材料とのブレンドが、生分解性デンプン含有のために、ある程度の生分解性を示すことができることは、当分野でよく知られている。言うまでもなく、そのような従来のブレンドは、典型的な試験期間(例えば、最大1年、3年、更には5年)にわたって生分解されたブレンドの百分率が、ブレンドのデンプン含有量以下である生分解特性を示す。出願人の他の出願では、出願人は、驚くべきことに、それがNuPlastiQ(登録商標)デンプンベースの材料であり、そのような非生分解性高分子とブレンドされた場合、ブレンドのデンプン含有量よりも実際に多いブレンドに対する生分解の百分率を示すことを実証した。これは、出願人のNuPlastiQ(登録商標)製品の大きな利点である。
また、Favis‘362とは異なり、出願人は、そのNuPlastiQ(登録商標)デンプンベースの材料及び様々な高分子(例えば、ポリオレフィンを含む)のブレンドを開発した。このブレンドでは、嫌気性消化槽、好気性消化槽、工業用コンポスト、又は他の廃棄条件(例えば、関連するASTM試験で指示されたもの)をシミュレートする標準化された条件下で、実質的にブレンド全体が比較的短期間(例えば、5年、3年又は更には1年)で生分解される。Favis‘362は、デンプンのみが潜在的に生分解性であるため、マトリックス内のデンプン材料の不連続な分布は、ブレンドの全体的な生分解性を低下させ、デンプンドメインがポリエチレン又は別の非生分解性高分子に埋め込まれている場合、生分解を担う微生物が到達することができない。現在のブレンドでは、生分解性は、Favisとは対照的に、不連続性及び小さなデンプン粒径によって実際に向上させることができる。例えば、本発明のように、デンプンが均一に分布するはるかに多数の非常に小さな粒子として存在する場合、デンプンは、デンプンベースの材料がブレンドされている高分子材料(ポリエチレン等)に著しく増加した生分解性を与えることに関与するメカニズムを助けると考えられている。例えば、理論に縛られることなく、出願人の非常に小さいデンプン粒子の1つを生分解する微生物は、高分子材料との境界に達した後も生分解を続け、次の非常に小さいデンプン粒子が近接しているため、微生物は次のデンプン粒子に遭遇するまで、薄いマトリックス材料を「食べる(eat)」ことができる。これは、高分子マトリックス内の非常に小さなデンプン粒子の非常に密接な分散のために可能であり、微生物が次の非常に小さなデンプン粒子に到達するまで、境界にあるマトリックス高分子材料上で短時間「むしゃむしゃ食べる(munch)」ことを可能にする。このようなプロセスは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の悪名高い非生分解性高分子材料を使用しても、ブレンド全体が実際に実質的に完全に生分解されるまで続く。呼吸測定に基づく生分解試験後、試験した材料のC14/C12分析は、デンプン及び他の非生分解性高分子(例えば、ポリエチレン)の両方が、ブレンド中のそれらの濃度に応じて、実際にほぼ等しい速度で生分解されていることを立証する(すなわち、石油化学的に供給された「化石」又は「古い」炭素と「再生可能な」又は「新しい」炭素の比率は、そのような呼吸測定試験(例えば、ASTM D-5511又はASTM D-5338)の後、有意に変化しない)。言い換えれば、そのような呼吸測定に基づく生分解試験の前に約20%のNuPlastiQ(登録商標)を含むブレンドは、生分解中にブレンドの総炭素原子の50%以上がCO2/CH4に変換された可能性がある場合でも、そのような生分解後も約20%のNuPlastiQ(登録商標)を含んで、ポリエチレン又は他の非生分解性マトリックス材料及びNuPlastiQ(登録商標)の両方が、ブレンド中の初期濃度に応じて、ほぼ等しい速度で生分解する。
生分解性及び増強された強度特性に関する追加の詳細は、出願人の以前の出願に記載されている。本発明の密集した粒径分布で一貫して小さな粒径を達成する能力は、出願の能力を強化して、一貫し増強された強度を提供し、また生分解性を向上させる。
本物品(フィルム又は他のもの)は、小粒子デンプン又はデンプンベースの材料を他の高分子材料(例えば、ポリオレフィン又は他のプラスチック樹脂)と混合し、混合物を加熱し、並びに混合物を成形(例えば、射出成形)するか、混合物を押出成形するか、混合物をブロー成形するか、混合物をブロー成形(例えば、インフレーションフィルムの成形)するか、混合物を熱成形するか、又は同様のもの等によって製造することができる。多種多様な物品の形成に使用するのに適した様々なプラスチック製造プロセスのいずれも、本ブレンドで使用することができる。
本明細書に記載の物品は、ボトル、ボックス、他の容器、シート、フィルム、バッグ等を含むがこれらに限定されない、考えられる任意の構造の形態で製造することができる。バッグや及びフィルムラップ用の薄いフィルム(例えば、製品の周りや上を覆うため)は、インフレーションフィルム装置を使用して作製することができる。
非常に小さな粒径及び密集した粒径分布を一貫して提供するために開発された適切な小粒子デンプンベースの材料の例は、商品名「NuPlastiQ(登録商標)」でBioLogiQから入手可能である。そのような具体的な例には、2019年以降のグレードのNuPlastiQ(登録商標)GP及びNuPlastiQ(登録商標)CGが含まれるが、これらに限定されない。そのようなNuPlastiQ(登録商標)材料の特定の特性は、出願人の米国特許出願第62/872,582号(21132.27)及び62/939,460号(21132.27.1)に詳細に記載されており、これらはすでにその全体が参照により本明細書に組み込まれている。他の小粒子デンプン又は小粒子デンプンベースの材料(例えば、そのような小さい粒径を示すように処理された天然デンプンであっても)もまた、そのような材料が本明細書に記載の非常に小さい粒径特性を提供する限り、使用することができる。
少なくともNuPlastiQ(登録商標)を小粒子デンプンベースの材料として使用する場合、ブレンドの生分解性は増加及び/又は加速される。例えば、ポリエチレン等のこれまで非生分解性と見なされた高分子を含む高分子/NuPlastiQ(登録商標)ブレンドにおいて、ブレンド製品中の炭素原子の実質的部分又は実質的に全ては、微生物によって、はるかにより迅速にCO2及び/又はCH4に変換され得る。言い換えれば、NuPlastiQ(登録商標)は、NuPlastiQ(登録商標)がポリエチレンに密接に分散している均一な混合物において、ポリエチレンとブレンドされると、ポリエチレンを生分解性にすることができる。更に、これまでコンポスト化可能又は生分解性であると考えられていたPBAT等の高分子とブレンドする場合、生分解の速度及び/又は程度は、小粒子NuPlastiQ(登録商標)デンプンベースの材料の添加によって更に増加し得る。同様に、そのようなポリエステル材料(PBAT又はPLA)が特定の状況(例えば、産業用コンポスト条件)で生分解性であり得る場合、NuPlastiQ(登録商標)とブレンドすることにより、ブレンドのポリエステル部分はより強度の低い条件(例えば家庭用コンポスト条件)で生分解性になる可能性がある。小粒子デンプンを使用する場合にも、同様の利点が提供され得ると考えられている。微生物変換の速度は、部分の厚さ、微生物の数、微生物の種類、製品中の小粒子デンプン又は小粒子デンプンベースの材料と他の高分子との比率、ブレンド中のプラスチックの種類、プラスチックの炭素結合の強度等のいくつかの要因に依存する。ブレンド中のデンプン又はデンプンベースの材料の粒径、及びそれらの分布特性は、生分解性に影響を及ぼし得ると考えられている。小粒子特性が部分的にのみ原因となる可能性もあり、例えば、NuPlastiQ(登録商標)材料に含まれる他の特性もまた、本明細書に記載の利点を提供するために小粒子デンプンに存在する必要があり得る。例えば、Favisのブレンド中のポリエチレンは、不連続に分散されたとしても生分解しないため、Favis小粒子デンプンは生分解性の利点を提供しない。実際、埋め込まれた不連続デンプンは、アクセスできないままであるため、Favisでは生分解さえしない(Favis‘362の第8欄54~61行)。明らかに、現在記載されているブレンドの特性は、実質的には完全に(すなわち、デンプン成分だけでなく)生分解するため、異なる。
III.例示的な物品及び方法
本発明のブレンド及びプロセスは、1つ又は複数の従来のプラスチック(例えば、高分子)材料(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、他のポリオレフィン、ポリスチレン、ABS、ポリ塩化ビニル、ナイロン、又はポリカーボネートを含むがこれらに限定されない)を含むことができる。部分的又は全体的に生分解性又はコンポスト化可能であると考えられるもの(PBAT、PHA及び/又はPLA等)を含む他の多くのプラスチック材料も、本明細書に記載の小粒子デンプン又は小粒子デンプンベースの材料とのブレンドにおける使用が企図される。そのようなプラスチック樹脂材料は、石油化学的供給源から、又はいわゆる「グリーン」又は再生可能供給源(例えば、「グリーン」PE、bioPET等)から供給され得る。小粒子デンプン又はデンプンベースの材料及び従来のプラスチック材料は、ペレット、粉末、カードル、スラリー、及び/又は液体等の任意の所望の形態で提供することができる。デンプンは、小粒子特性を示すように処理された天然デンプン粉末であり得る。
本発明のブレンド及びプロセスは、1つ又は複数の従来のプラスチック(例えば、高分子)材料(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、他のポリオレフィン、ポリスチレン、ABS、ポリ塩化ビニル、ナイロン、又はポリカーボネートを含むがこれらに限定されない)を含むことができる。部分的又は全体的に生分解性又はコンポスト化可能であると考えられるもの(PBAT、PHA及び/又はPLA等)を含む他の多くのプラスチック材料も、本明細書に記載の小粒子デンプン又は小粒子デンプンベースの材料とのブレンドにおける使用が企図される。そのようなプラスチック樹脂材料は、石油化学的供給源から、又はいわゆる「グリーン」又は再生可能供給源(例えば、「グリーン」PE、bioPET等)から供給され得る。小粒子デンプン又はデンプンベースの材料及び従来のプラスチック材料は、ペレット、粉末、カードル、スラリー、及び/又は液体等の任意の所望の形態で提供することができる。デンプンは、小粒子特性を示すように処理された天然デンプン粉末であり得る。
そのようなブレンドは、考えられる任意のプロセスを通じて、製造時に所望の物品に形成することができる。そのような一例は、押出成形プロセスである。例えば、従来のプラスチック材料及び小粒子デンプン又はデンプンベースの材料は、押出機に(例えば、その1つ又は複数のホッパーに)供給することができる。異なる材料は、押出機に、同じチャンバに、異なるチャンバに、ほぼ同時に(例えば、同じホッパーを介して)、又は異なる時期に(例えば、異なるホッパーを介して、1つは他のものよりも早くスクリューに沿って押出機に導入される)供給することができる。多くのブレンドの可能性が可能であることは明らかであろう。
本発明のブレンドの重要な特徴は、選択されたデンプン又はデンプンベースの材料が、他の高分子材料に分散される場合に、非常に小さい粒径を有するか、又はそれらを形成することができることである。NuPlastiQ(登録商標)の商品名でBiologiQから最近入手可能なデンプンベースの材料(例えば、NuPlastiQ(登録商標)GP及びNuPlastiQ(登録商標)CG)は、本明細書に記載されるように、様々な他の高分子材料にブレンドされる際に、小さい粒径、密集した粒径分布、実質的に均一な分布特性を一貫して提供できるように、出願人から入手可能なものであっても、以前の同様の材料とは異なる。一実施形態では、ブレンドされるプラスチック樹脂材料の疎水性と一致する疎水性等の他の特性は、デンプン又はデンプンベースの材料によって提供され得る。このような特性の一致は、小粒子デンプン又はデンプンベースの材料をプラスチック樹脂材料に密接にブレンドする能力を更に助けることができる。
出願人は、NuPlastiQ(登録商標)の調製中にデンプン及び他の構成要素(可塑剤等)が維持される条件を制御することが、他の高分子とブレンドされる際、デンプンベースの高分子材料の最終ブレンドにおいて、所望の小さな粒径及び密集した分布を有するデンプンベースの高分子材料の所望の形成に寄与することを見出した。したがって、デンプンベースの高分子材料の反応性押出形成中の材料は、ポリオレフィン等の他の高分子と混合する前に、押出機の最終段階で110℃~160℃、好ましくは120℃~140℃(例えば、約130℃)の温度に維持される。デンプンベースの高分子材料を形成する際の反応性押出成形工程の最終段階におけるこの注意深い温度制御は、そのようなすでに形成されたデンプンベースの高分子材料を、それがブレンドされている他の高分子とブレンドする場合の押出機の温度制御とは異なる。そのような温度は類似している可能性があるが、そのような段階に存在する成分は完全に異なる(例えば、本明細書で説明する段階では、ポリオレフィン又は相溶化剤等の「他の高分子」は通常存在しない)。
場合によっては、ブレンドされる従来の「他の」プラスチック材料は、ポリオレフィンを含むことができる。例えば、そのようなプラスチック材料には、ポリエチレン、ポリプロピレン、他のポリオレフィン、ポリエステル、ポリスチレン、ABS、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリカーボネート等を含むが、これらに限定されない。そのようなプラスチック材料は、石油化学的供給源から、あるいはいわゆる「グリーン」又は再生可能供給源(例えば、「グリーン」PE、bioPET等)から供給され得る。ある程度のコンポスト化能及び/又は生分解性を示し得る様々なポリエステル(例えば、PBAT、PLA、PHA等)、又は他の材料もまた、NuPlastiQ(登録商標)とのブレンドに使用され得る。
デンプン又はデンプンベースの材料は、トウモロコシデンプン、タピオカデンプン、キャッサバデンプン、小麦デンプン、ジャガイモデンプン、米デンプン、モロコシデンプン等の1つ又は複数の植物からの1つ又は複数のデンプンを含むか、又はそれらから形成することができる。いくつかの実施形態では、異なる種類のデンプンの混合物を使用することができ、これは、出願人が、少なくともNuPlastiQ(登録商標)デンプンベースの材料において、相乗的な強度の増加をもたらすことを発見した。デンプンベースの材料の場合、他の材料も存在する可能性がある。例えば、可塑剤は、デンプンベースの材料が形成される成分の混合物内に存在し得る。デンプンベースの材料の形成に水を使用することもできるが、少なくともNuPlastiQ(登録商標)デンプンベースの材料の場合、最終的な小粒子デンプンベース材料には少量からごくわずかな量のみ(例えば2%未満)の水が存在する。
小粒子デンプンベースの材料の場合、そのような材料は主にデンプンから形成することができる。例えば、デンプンベースの材料の少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、又は少なくとも80重量%は、1つ又は複数のデンプンに起因し得る。一実施形態では、最終的なデンプンベースの材料の65重量%~90重量%は、1つ又は複数のデンプンに起因し得る。ごくわずかな水含有以外に、最終的なデンプンベースの材料の残りは、可塑剤(例えば、グリセリン)であり得るか、又は可塑剤に起因し得る。上記の百分率は、デンプンベースの材料が形成される出発材料に対するデンプンの百分率、又は可塑剤に由来するか若しくはそれに起因する最終的なデンプンベースの材料のその割合を表すことができる(例えば、デンプンベースの材料の少なくとも65%は、出発材料としてのデンプンに起因し得る(これらから形成され得る))。デンプンベースの材料を形成するためにいくらかの水が使用され得るが、デンプンベースの材料の残りは、実質的にグリセリン又は別の可塑剤に起因し得る。最終的なデンプンベースの材料には、残留水がごくわずか(例えば、2%未満、1.5%未満、通常は約1%以下)存在する可能性がある。小粒子デンプンはまた、低い残留水含有量を示すように処理され得る。
例として、デンプンベースの材料が形成される材料は、少なくとも12重量%、少なくとも15重量%、少なくとも18重量%、少なくとも20重量%、少なくとも22重量%、35重量%以下、32重量%以下、30重量%以下、28重量%以下、又は25重量%以下の可塑剤を含むことができる。このような百分率は、可塑剤に由来するか、又は可塑剤に起因する最終的なデンプンベースの材料の割合を表し得る(例えば、デンプンベースの材料の少なくとも12%は、出発物質としての可塑剤に起因し得る(から形成される))。
例示的な可塑剤には、グリセリン、ポリエチレングリコール、ソルビトール、多価アルコール可塑剤、ヒドロキシル基を有さない水素結合形成有機化合物、糖アルコールの無水物、動物性タンパク質、植物性タンパク質、脂肪酸、フタル酸エステル、ジメチル及びジエチルスクシナート及び関連するエステル、グリセロールトリアセテート、グリセロールモノ及びジアセテート、グリセロールモノ、ジ、及びトリプロピオネート、ブタノエート、ステアレート、乳酸エステル、クエン酸エステル、アジピン酸エステル、ステアリン酸エステル、オレイン酸エステル、他の酸のエステル、又はそれらの組合わせが含まれるが、これらに限定されない。グリセリンは特に良好に作用する可能性がある。
小粒子デンプン又は最終的なデンプンベースの材料は、5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、1.5重量%以下、1.4重量%以下、1.3重量%以下、1.2重量%以下、1.1重量%以下、又は1重量%以下の水を含み得る。
いくつかの実施形態では、異なるデンプンの混合物は、小粒子デンプンにおいて、又はデンプンベースの材料を形成する際のいずれかに使用され得る。異なるデンプンのそのような混合物(例えば、異なる植物に由来する)の使用は、驚くべきことに、少なくともデンプンベースの材料の場合、物品の強度の相乗的増加と関連していることが見出された。そのようなデンプンの混合物において、デンプンは、複数のデンプンの組み合わせた重量に対して、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも3重量%、少なくとも4重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、60重量%以下、55重量%以下、50重量%以下、又は10重量%~50重量%の量で混合物に存在し得る。いくつかの非限定的な例示的な混合物は、90%の第1のデンプン及び10%の第2のデンプン、又は30%の第1のデンプン及び70%の第2のデンプン、又は50%の第1のデンプン及び50%の第2のデンプンを含み得る。2つを超えるデンプンの混合物(例えば、3つ又は4つの異なるデンプンを使用する)も使用することができる。デンプンの混合物の使用に起因するそのような強度の増加は、2019年2月27日に出願された、出願人の米国特許第10,214,634号及び米国特許出願第16/287,884号に記載されており、これらのそれぞれは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
デンプンベースの材料を形成する際に使用されるデンプン及びグリセリン又は他の可塑剤の割合に関する追加の詳細は、参照により本明細書にすでに組み込まれている出願人の他の特許出願に記載されている。NuPlastiQ(登録商標)GPの物理的特性を以下の表1に示す。密度、メルトフローインデックス、溶融温度、引張強さ、ヤング率、破断点伸び、落槍衝撃、及び水含有量の特性は、他のNuPlastiQ(登録商標)材料の代表であると考えられる。一部の特性は、表1に示されている値とは多少異なる場合がある(例えば、±25%又は±10%)。一部の特性は他の熱可塑性デンプン材料と類似する場合があるが、他の特性は一般的なデンプンベースの材料とは著しく異なる場合がある。例えば、そのような反応的に押し出されたNuPlastiQ(登録商標)材料の密度は、特に高く、例えば、1g/cm3超、少なくとも1.1g/cm3、少なくとも1.2g/cm3、又は少なくとも1.25g/cm3(例えば、表1に示すように、1.4g/cm3)である。
記載されるように、NuPlastiQ(登録商標)材料の水含有量は低い。この材料は湿気を吸収するため、塑性挙動を示し、柔軟性がある。湿気の多い環境から取り出されると、材料は乾燥し、再び硬くなる(例えば、約1%未満の水含有量を示す)。NuPlastiQ(登録商標)に存在する水(例えば、ペレットの形態)は、処理(例えば、押出成形、フィルムブローイング、射出成形、ブロー成形等)中に蒸気の形態で放出され得る。その結果、他のプラスチック材料とブレンドされたNuPlastiQ(登録商標)等のデンプンベースの材料から製造されたフィルム又は他の物品は、他のプラスチック材料が通常水を含まないか、又はわずかな水しか含まず、NuPlastiQ(登録商標)の水は通常、所望の物品の製造中に放出され得るため、更に低い水含有量を示し得る。
デンプンベースの材料の水含有量が少ないこと、及びその親水性ではなく疎水性である特徴は、水含有量(又は親水性)が非常に高いと、デンプンベース材料がブレンドされる他のプラスチック材料(通常は疎水性)との非互換性が生じる可能性があるため、重要であり得る。水含有量は、物品が薄いフィルムの形成を必要とする場合に特に問題である。例えば、水が蒸発すると、フィルム又は他の物品内のボイド、及び他の問題が生じる可能性がある。薄いフィルムを吹き付ける場合、使用されるデンプンベースの材料は、好ましくは、約1%以下の水を含み得る。デンプンベースの材料とそれとブレンドされた高分子材料との間の疎水性を一致させることにより、高分子材料マトリックス内に分散されたデンプン又はデンプンベースの材料に所望の非常に小さい粒径を達成させる一助ともなり得る。
比較的低い水含有量であり得るいくつかの従来のTPS材料で一般的であるような、低い水含有量は、エステル化又はエーテル化によってはNuPlastiQ(登録商標)材料で達成されない。このようなエステル化又は同様の修飾は、費用がかかり、実行が複雑になり得る。更に、本明細書で使用可能な例示的なデンプンベースの材料の例示であるNuPlastiQ(登録商標)材料は、出発デンプン及びグリセリン材料と比較して、機械的、物理的又は化学的に反応及び/又は変更されている。例えば、デンプンベースの材料は、反応性押出成形プロセスの製品であり得る。デンプン及びグリセリンの両方の出発物質は親水性であるが、NuPlastiQ(登録商標)又は別のデンプンベースの材料は疎水性であり得る。言い換えれば、デンプンベースの材料は、天然のデンプン及びグリセリンを含む単純な混合物として認識されない。デンプンベースの材料で達成可能な低水含有量、及び示される疎水性は、少なくとも部分的に、デンプン及び可塑剤材料の疎水性熱可塑性高分子への物理的又は化学的変化に起因し得、これにより、天然デンプン又は他の従来の熱可塑性デンプン材料の場合であり得るように、水を保持しない。
それにもかかわらず、比較的高温で処理すると、蒸発したグリセリンのいくらかの放出が生じ得る(例えば、蒸気として見える)。必要に応じて(例えば、保管されたペレットが追加の水を吸収した可能性がある場合)、ペレットの乾燥は、吸収された水を追い出すのに十分な、例えば60℃で1~4時間、温かい乾燥した空気を単に導入することにより実行できる。ペレットは、特にフィルムを形成する場合は、処理前に水含有量が約1%未満になるまで乾燥させる必要がある。NuPlastiQ(登録商標)ペレットは、吸水を最小限に抑え、望ましくない劣化を防ぐために、熱から離れた乾燥した場所で、乾燥剤の有無にかかわらず密閉容器に簡単に保管することができる。
NuPlastiQ(登録商標)又は他のデンプンベースの材料が熱可塑性であることに加えて、NuPlastiQ(登録商標)はチキソトロピーでもあり、これは材料が周囲温度では固体であるが、熱、圧力、及び/又は摩擦運動が加えられると液体として流動することを意味する。有利なことに、NuPlastiQ(登録商標)のペレットは、標準的なプラスチック製造プロセスで石油化学系のペレット(任意の一般的なプラスチック樹脂ペレット)と同じように使用することができる。NuPlastiQ(登録商標)又は他のデンプンベースの材料並びにそれらから作製された製品は、ガスバリア性を示すことができる。このようなペレットを使用して作製された製品(例えばフィルム)は、酸素ガスバリア性を示す(例えば、参照によりすでに組み込まれている、以前のバージョンのNuPlastiQ(登録商標)に関する出願人以前の出願の例を参照されたい)。NuPlastiQ(登録商標)及び他の小粒子デンプンベースの材料は無毒であり得、全て食用の原材料を使用して作製される。NuPlastiQ(登録商標)及び他のデンプンベースの材料並びにそれらから作製された製品は、耐水性であり、更に疎水性であり得るが、水溶性でもあり得る。例えば、NuPlastiQ(登録商標)は、そのペレット(例えば、3~4mmの大きさ)が5分以内に沸騰水に完全に溶解できない点まで、湿った加熱条件下における膨潤に抵抗するが、ペレットは約35~40℃で約10分以内に水に溶解するであろう。しかし、NuPlastiQ(登録商標)又は別のデンプンベースの材料を含むフィルムは、多くの典型的なポリオレフィン(例えば、ポリエチレン又はポリプロピレン)と同様に、比較的低い(例えば、34mN/m(34ダイン/cm)以下)表面濡れ性を依然として有し得る。
更に、NuPlastiQ(登録商標)又は他のデンプンベースの材料は、比較的高湿度の条件で放置された場合であっても、顕著なレトログラデーションを示さない可能性があるという点で、安定し得る。勿論のこと、NuPlastiQ(登録商標)又は同様の小粒子デンプンベースの材料で作製された製品もそのような特性を示し得る。NuPlastiQ(登録商標)が湿気の多い条件で保管される場合、吸収された余分な水を簡単に蒸発させることができ、水含有量が約1%以下になると、フィルム又は他の物品の形成に使用することができる。
紙と同様に、NuPlastiQ(登録商標)は、ASTM呼吸測定に基づく生分解性試験条件に典型的な他の条件が存在しないため、比較的湿度の高い条件でも、通常、典型的な保管条件下で生分解を受けない。勿論のこと、そのような条件が存在する場合、NuPlastiQ(登録商標)が生分解するだけでなく、それとブレンドされた他の非生分解性プラスチック材料は驚くべきことに生分解することが示されている。増強された生分解は、他の小粒子デンプン又はデンプンベースの材料でも起こり得ると考えられており、特に、それとブレンドされる高分子樹脂材料内のそのような小粒子の密集した粒径分布(例えば、大きな粒子の不存在)及び/又は密接な分散によって特性決定される。
いくつかの実施形態では、小粒子デンプン又はデンプンベースの材料は、デンプン又はデンプンベースの材料、1つ又は複数の他のプラスチック材料、並びに任意選択で相溶化剤を含み得る、マスターバッチ配合物で提供され得る。そのようなマスターバッチは、高濃度のデンプン又はデンプンベースの材料を含んで、例えば、所与の物品が形成され、デンプンベースの材料の濃度を所望の最終値まで効果的に低下させる、更なる処理の際に、マスターバッチにすでに含まれている同じ又は別のプラスチック材料のペレットと混合するように特別に構成され得る(例えば、マスターバッチは約50%のデンプン又はデンプンベースの材料であり得、最終的な物品は20~30%を含み得る)。最終的な物品中のデンプン若しくはデンプンベースの材料及び/又は相溶化剤及び/又は従来のプラスチック材料の所望の百分率に応じて、そのような異なるペレットを混合する際に、任意の考えられる比率を使用することができる。
NuPlastiQ(登録商標)及び他のデンプンベースの材料には、非常に低い含有量の水を含むことができる。例えば、生デンプン(例えば、デンプンベースの材料の形成に使用される)は、典型的には約13重量%の結合水を含み得るが、例示的な最終的なデンプンベースの材料は、約1%未満の水(結合水を含む)を含み得る。
一実施形態では、小粒子デンプン又はデンプンベースの材料は、実質的にアモルファスであり得る。例えば、生デンプン粉末は、通常、約50%の結晶構造を有する。例として、本開示に従ってフィルムを作製する際に使用されるデンプン又はデンプンベースの材料は、約40%未満、約35%未満、約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、9%未満、約8%未満、7%未満、約6%未満、約5%未満、又は約3%の結晶化度を有し得る。結晶化度を決定するための任意の適切な試験メカニズムを使用することができ、例えば、FTIR分析、X線回折法、及び対称反射及び透過技術を含むがこれらに限定されない。当業者には、様々な適切な試験方法が明らかになるであろう。
本明細書に記載されるように、小粒子デンプン又はデンプンベースの材料を、現在非生分解性であると理解されているプラスチック材料とブレンドすると、デンプン又はデンプンベースの材料が急速に生分解されるだけでなく、(他のプラスチック材料単独では、他の方法では有意に生分解性ではない場合であっても)非生分解性プラスチック材料が実際に、有意により急速に生分解性となる。このような結果は、Favisのブレンドを含め、以前に報告されたブレンドでは発生しない。このような結果は、少なくともNuPlastiQ(登録商標)とブレンドした場合に文書化されている。デンプン又はデンプンベースの成分の小粒子特性、及び他の要因が、それを可能にし得ると考えられる。実質的に全体の複合構造(すなわち、フィルム又は他の構造)がより迅速に生分解されることが可能であるため、生分解性のそのような違いは、得られるフィルム及び他の物品に有意な構造的及び/又は化学的相違が存在することを明確に示す。「実質的に全体的に生分解性」とは、少なくとも80%、少なくとも85%、又は少なくとも90%の生分解性、あるいは前述の呼吸測定試験(例えば、ASTM D-5338又はASTM D-5511)で通常使用されるセルロースポジティブコントロールの生分解性と同等又はそれを超える生分解性を指し得る。小粒子の特徴は、強度特徴等の物理的特性を増強することができる。
特定の理論に拘束されることなく、デンプンベースの材料(例えば、NuPlastiQ(登録商標)等)は、ブレンドされた製品の結晶化度を低下させることができ、密接に分散したデンプン又はデンプンベースの材料と共に、水及びバクテリアが、ブレンドの他の非生分解性プラスチック分子の配置及び結合を分解することを可能にする方法で、ポリエチレン又は他の非分解性プラスチック材料の結晶化度及び/又は吸湿性バリア性を妨害すると考えられる。デンプン又はデンプンベースの成分の非常に小さな粒子の密接な分散はまた、粒子が非常に小さく、良好に分散しているため、微生物が他の高分子材料に直ちに遭遇することから、そのようなメカニズムにおいて重要であり得る。そのような分散のために、微生物は、所与のデンプン又はデンプンベースの粒子を消費した後、それらが次の隣接するデンプン又はデンプンベースの粒子(より容易に消化され得る)に遭遇するまで、高分子材料上で「むしゃむしゃ食べること(munching)」をし続ける可能性がある。例えば、理論的には、ポリエチレン又は他の非生分解性プラスチック材料の長い高分子鎖は、現在企図される小粒子デンプン又はデンプンベースの材料と均一にブレンドされる場合、バクテリア又は微生物が豊富な環境に存在する化学的及び機械的力によってより簡単に切断され得る。その後、廃棄環境(例えば、嫌気性消化槽)に天然に存在する微生物は、残りの小さな分子を消費して、天然の成分(CO2、CH4、及びH2O等)に変換され得る。しかし、少なくともNuPlastiQ(登録商標)の場合、NuPlastiQ(登録商標)はマクロフィルム又は他の構造の小さな断片への断片化を促進しないように見えるが、呼吸測定データによって示されるように、並びにフォローアップ土壌接種材料法医学的分析、及びC14/C12分析によって裏付けられるように、フィルムは生分解する傾向がある。この分解効果は、本明細書に記載されるように、デンプン又はデンプンベースの成分が非常に小さい粒径で密接かつ均一に分散されている場合(及びそのような特性を示さない、Favisとは異なる他の特性)に、更に強化され、より一貫して達成されると考えられている。
例えば、真に生分解性のプラスチックは、微生物の同化(例えば、プラスチック分子に対する微生物の酵素作用)を介して、二酸化炭素、メタン、水、無機化合物、又はバイオマス等の天然の基本の元素又は化合物に分解する。プラスチックの生分解は、最初に化学的又は機械的作用のいずれかによって高分子鎖を分解することによって可能になるが、微生物の同化による分子の分解によってのみ完全に達成され得る。
石油化学供給原料から作製された、又は植物供給源に由来するプラスチックは、単量体(例えば、他の小分子と化学的に反応できる単一の小分子)として誕生する。単量体が連結すると、それらは高分子(「多くの部分」)となり、プラスチックとして知られ得る。連結される前に、多くの単量体は容易に生分解されるが、重合によって連結された後、その分子は非常に大きくなり、微生物による微生物の同化がほとんどの場合、道理にかなった時間枠内で実用的ではないような配置及び結合で連結される。しかし、本発明に記載されている小粒子デンプン又はデンプンベースの組成物は、増加した生分解性を与えることができる。
堅牢な形態のポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィンは、結晶化度が高く、単量体分子を(石油由来又はエタノール由来、又はその他の植物供給源に由来する小さなビルディングブロック分子であろうとなかろうと)長鎖高分子に変換することによって作製される。単量体を接続して長い高分子鎖を形成する際に作成される結合は強く、切断することが困難である。そのような高分子材料から形成されたフィルム及び他の物品は、本明細書で定義されるように生分解性ではなく、かなりの強度を有する。所与の物品が従来の非生分解性プラスチック材料及び従来の熱可塑性デンプン「TPS」(Favis及び他の多くの参考文献に記載されている)のブレンドから形成される場合であっても、それは顕著な生分解性特性を獲得しない(微生物がアクセスできる連続相である、時折分解し得る、ブレンドのデンプン部分以外)。更に、そのようなブレンドの強度は、特にデンプンローディングレベルの上昇(例えば、15%以上、20%以上)において、TPS材料の含有の結果として低下する。Favisは、最大12.5%のローディングレベルで強度のわずかな増加(+18%落槍)を示すが、30%のデンプンローディングでは強度が低下する。他の全ての参考出願は、全てのローディングレベルで強度の低下を示すことを認識している。
生分解性に加えて、得られるブレンドは、ブレンドに含まれるポリエチレン又は他のプラスチック材料よりも高い弾性率(剛性又は強度)を有することが多いため、純粋なポリエチレン又は他の純粋な従来のプラスチック材料で作製された同じ物品よりも強いプラスチックフィルム又は他の物品を作製するのに有用である。本明細書に記載されるように粒径が非常に小さいことを確実にすることによって、及び小粒子デンプン又はデンプンベースの材料が材料全体に均一に広がることを確実にすることによって、本明細書に記載されるような利点が提供される。更に、NuPlastiQ(登録商標)等のデンプンベースの材料は、比較的高いヤング率及び/又は引張強さ値を有して、ブレンドを弱める典型的な充填剤ではなく、ブレンド内の材料との強力な分子間結合を形成すると考えられる補強剤として機能することができる。例えば、デンプンベースの材料は、ブレンドされる従来の高分子よりも高いヤング率(例えば、約1.5~2GPa)及び/又は引張強さ値を有し得る。おそらく完全には理解されていないが、本明細書に記載されるような小さな粒径及び密集した分布特性の一貫した達成は、企図されるブレンド内の増加した強度の達成に少なくとも部分的に関与すると考えられる。
多くの場合で、NuPlastiQ(登録商標)を別の高分子とブレンドすると強度が向上するが、すでに非常に高い強度特性を示し得、ブレンドによって強度を向上させることができないか、又は比較して、ブレンドの強度を低下させることさえあり得る様々な特定の高分子と、NuPlastiQ(登録商標)はブレンドされ得ることも理解されるであろう。そのような実施形態は、例えば、本明細書に記載の分散及び小さい粒径特性、並びに他の利点(例えば、再生可能含有量、生分解性等の増加)が提供され、一方で所与の目的のための十分な強度の提供が依然として達成され得る場合に、本開示及び本発明の範囲内に依然としてある。
ブレンドを調製する場合、1つ又は複数の他のプラスチック材料及び1つ又は複数の小粒子デンプン材料又はデンプンベースの材料の混合は、1つ又は複数の混合装置を使用して実施され得る。特定の実装形態では、機械的混合装置を使用して、1つ又は複数の他のプラスチック材料と、1つ又は複数の小粒子デンプン又はデンプンベースの材料とを混合することができる。一実装形態では、材料の混合物の成分の少なくとも一部は、押出機、射出成形機等の装置で組み合わせることができる。他の実施形態では、材料の混合物の成分の少なくとも一部は、装置に供給される前に組み合わせることができる。
1つ又は複数のデンプン又はデンプンベースの材料は、任意の所望の割合で材料の混合物中に存在し得る。例として、デンプン又はデンプンベースの材料は、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも3重量%、少なくとも4重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、99重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、80重量%以下、70重量%以下、60重量%以下、50重量%以下、2重量%~98重量%、20重量%~40重量%、10重量%~40重量%、20重量%~30重量%、20重量%~35重量%、50重量%~80重量%、又は40重量%~60重量%の量の材料の混合物を含み得る。必要に応じて、複数のデンプン若しくはデンプンベースの材料、及び/又は複数のプラスチック材料をブレンドに含めることができる。一実施形態では、非常に小さい粒径特性を有する、少なくともいくらかの閾値量のデンプン又はデンプンベースの材料が含まれるが、物品は、より大きな粒径を含み得る別のデンプン又はデンプンベースの材料を含むことができる(例えば、1.5μm超、又は2μm超)。そのような追加の材料は、異なるデンプン又はデンプンベースの材料、あるいはおそらく同じ材料でさえあり得、単により大きな粒径特性を有する。しかし、一実施形態では、より大きな粒径のデンプン又はデンプンベースの材料が存在し得ない。このようなより大きな粒子を含めることは望ましくない場合があり、特に、結果として得られる特性がFavisで説明されているもの(大きが1.5~3μmの粒子を含む)よりも優れていない場合にそうである。
デンプン又はデンプンベースの材料がブレンドされるプラスチック材料は、材料の混合物中に、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも3重量%、少なくとも4重量%、少なくとも5重量%、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、99重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、75重量%以下、70重量%以下、65重量%以下、又は60重量%以下、2重量%~98重量%、50重量%~90重量%、65重量%~75重量%、20重量%~50重量%、又は40重量%~60重量%の量の材料の混合物で存在し得る。複数のそのようなプラスチック材料(すなわち、そのようなプラスチックの組合わせ)がブレンドに含まれ得る。
相溶化剤は、場合により、材料の混合物中に存在し得る。相溶化剤は、プラスチック樹脂材料、デンプン又はデンプンベースの材料と混合され得るか、両方と混合され得るか、又は別々に提供され得る。多くの場合、相溶化剤は、例えば、マスターバッチ配合物に含まれる、高分子材料の少なくとも1つにより提供され得る。相溶化剤は、変性ポリオレフィン又は他の変性プラスチック、例えば、無水マレイン酸グラフト化ポリプロピレン、無水マレイン酸グラフト化ポリエチレン、無水マレイン酸グラフト化ポリブテン、又はそれらの組合わせであり得る。相溶化剤はまた、アクリレートベースの共重合体を含み得る。例えば、相溶化剤は、エチレンメチルアクリレート共重合体、エチレンブチルアクリレート共重合体、又はエチレンエチルアクリレート共重合体を含むことができる。更に、相溶化剤は、ポリ(酢酸ビニル)ベースの相溶化剤を含むことができる。一実施形態では、相溶化剤は、プラスチック材料のグラフト化バージョン(例えば、プラスチック材料がポリエチレンである場合の無水マレイン酸グラフト化ポリエチレン)又はブロックの1つがプラスチック材料と同じ単量体である共重合体(例えば、ブロック共重合体)(例えば、プラスチック材料がポリスチレン又はABSである場合のスチレン共重合体)であり得る。特定の相溶化剤の選択は、ブレンドに含まれるプラスチック樹脂材料の独自性に依存することが多く、相溶化剤(存在する場合でも)を選択して、デンプン又はデンプンベースの材料と、使用されている特定のいかなるプラスチック材料との間に良好な相溶性の結果を提供することができる。
存在する場合、材料の混合物は、少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、少なくとも3重量%、少なくとも4重量%、少なくとも5重量%、50重量%以下、45重量%以下、40重量%以下、35重量%以下、30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、10重量%以下、9重量%以下、8重量%以下、7重量%以下、6重量%以下、0.5重量%~12重量%、2重量%~7重量%、又は4重量%~6重量%の相溶化剤を含み得る。いくつかの実施形態では、特にデンプン又はデンプンベースの材料が、プラスチック材料内に実質的に均一な分布で非常に小さい粒径で分散する能力を考慮すると、そのような相溶化剤は必要とされないであろう。いくつかの実施形態では、相溶化剤の選択は、そのような分散及び小さな粒径を増強し得る。
相溶化剤の量の増加は、デンプンベースの材料で達成できる粒径に影響を与える可能性がある。例えば、相溶化剤の量を増やすと、より小さな粒径(例えば、0.01μm~0.2μm未満、最大0.15μm、又は最大0.1μm等の0.1μm未満)及びそのような粒子のより細かい分布の達成を可能とすることができる。そのような「ナノ」サイズの粒子は、粒径がデンプン成分の分子の大きさに近づくにつれて、特性に有意な又は更には極端な変化を提供する可能性がある。分子量の選択又は操作は、そのような「ナノ」サイズ特性を達成するのに有用であり得、粒径は、炭水化物ベースの高分子材料(例えば、典型的には、最大では例えば約20nmの分子の大きさを有し得る)所与の分子の50倍未満、40倍未満、30倍未満、20倍未満、又は10倍未満の大きさであり得る。一実施形態では、セルロースナノファイバーが含まれ得る。
小粒子デンプン又はデンプンベースの材料の分子量は、任意の所望の値であり得る。例として、適切な炭水化物ベースの高分子材料は、100,000g/mol超、500,000g/mol超、750,000g/mol超、100万g/mol超、例えば200万超、300万超、400万超、500万超、600万超、700万超、又は800万超、例えば、最大5,000万、最大4,000万、最大3,000万、最大2,500万、又は最大2,000万、例えば1,000万~1,600万の分子量を有し得る(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、2020年6月2日に出願された出願人の出願第63/033,676号(21132.31)を参照されたい)。勿論のこと、より低い分子量の値も使用に適している可能性がある(例えば、100万以下)。分子量の決定は、例えば、絶対的又は相対的GPC技術に基づく技術を含むがこれらに限定されない、任意の適切な技術によるものであり得る。例として、出願人の出願第63/033,676号(21132.31)で得られた値は、当業者に明らかであろう、絶対GPCサイズ排除クロマトグラフィ(SEC)技術によって得られた。このように試験されたNuPlastiQ(登録商標)材料は、1.4~2.0の多分散度値(Mw/Mn)を示した。例えば、適切な材料は、より一般的に、1~5、1~3、又は1.25~2.5の多分散度値を示し得る。
粒径が本明細書に記載の非常に小さい寸法に減少するにつれて、そのような材料は、紙コップのコーティングにおける使用、又は徐放性肥料で使用されるカプセル材料等、以前はデンプン材料が不適切であった用途での使用に適している可能性がある。そのような紙コップは多くの国(例えば日本)で日常的に焼却されており、非常に小さい粒径のデンプン又はデンプンベースの材料の使用は、そのようなコーティングに使用される多くの現在使用されている化石燃料樹脂材料よりも進歩であるだろう。(肥料の徐放性のための)肥料カプセル化におけるそのような材料の使用は、そのようなカプセル材料が最終的に海洋及び他の水域にしばしば漏出される場合に有利であろう。そのような分野で使用するための、現在の材料の持続可能な調達、及び更には潜在的にそのような環境におけるそれらの生分解性は、そのようなカプセル化に現在使用されている化石燃料樹脂材料(例えば、従来のポリオレフィン)よりも有利であろう。非常に小さい粒径が特に有益であり得る使用可能な分野の更なる例には、接着性樹脂材料、及び粒径が非常に大きかったため、デンプン又はデンプンベースの材料のそのような材料への組込みが問題であり得ることが以前証明されたラミネートフィルムのシーラントが含まれるが、これらに限定されない。
例えば、より細かい粒径(例えば、200nm未満、150nm未満(0.15μm)、又は100nm未満(0.1μm))、及び/又は本明細書に記載されるような比較的大きな粒子の不存在(例えば、2μm超、1.5μm超、又は1μm超の大きい粒子の回避)は、本明細書に記載のようにブレンドから形成されたフィルムの透明度が高くなる可能性がある。更に、そのようなより小さな粒径は、本発明のブレンドに含まれる樹脂(例えば、プラスチック)の層状形成をよりよく妨害する可能性があり、その妨害は、ブレンドが作製されるポリオレフィン又は他のプラスチック樹脂の生分解性(速度及び程度)を更に高めることができる。更に、(粒径の減少による)粒子表面積の増加は、表面エネルギーを増加させ、より大きな引張強さ、槍衝撃、又は他の増加した強度特性を提供し得る。そのような増加は、Favisのように非常に低いデンプンローディングにおいてのみ見られる名目上の増加よりも、より重要であり、及び/又はより広いデンプンローディング範囲にわたって達成され得る。例えば、増加は、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、又は少なくとも75%であり得る。このような増加は、15%未満の低いローディング値においてだけでなく、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、更には少なくとも35%のデンプン又はデンプンベースの材料においても観察され得る。
粒径を減少させるための1つの可能なメカニズムは、オゾンによるデンプン粒子の処理を含み得る。「生分解性フィルムを製造するためのキャッサバデンプンのオゾン処理」、International Journal of Biological Macromolecules 141(2019 713-720)は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
プラスチック産業で有用であることが知られている1つ又は複数の追加の「活性」添加剤(例えば、UV及び/又はOXO添加剤)が、混合物の少なくとも0.5重量%、少なくとも1重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3重量%、少なくとも4重量%、10重量%以下、9重量%以下、8重量%以下、7重量%以下、6重量%以下、5重量%以下、0.2重量%~12重量%、1重量%~10重量%、0.5重量%~4重量%、又は2重量%~6重量%の量で材料の混合物に含まれ得る。そのようなUV及び/又はOXO添加剤の追加の詳細は、出願人の米国特許出願第16/391,909号(21132.14.1)に見出され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
充填剤添加剤(例えば、炭酸カルシウム、タルク等の無機物)もまた、材料の混合物に含まれ得る。本発明に含まれるデンプン又はデンプンベースの材料は、ブレンドのベース樹脂材料との強力な分子間結合を達成すると考えられているため、単なる充填剤ではない。そのような充填剤はおそらく任意の量(例えば、0%~90%まで)で含まれ得るが、典型的には、任意のそのような充填剤は、(存在するとしても)材料の混合物の最大30重量%又は最大20重量%の範囲内に存在し得る。そのような充填剤は、組成物に必要なより高価な成分の量を減らすことができる。そのような充填剤の粒径は、平均して、ブレンド中のデンプン又はデンプンベースの成分の平均粒径よりも小さいか、類似しているか、又は大きい可能性がある。
一緒に溶融して所望のブレンドを形成することができる熱可塑性材料の混合物の文脈で主に説明されているが、いくつかの実施形態では、デンプン又はデンプンベースの材料を熱可塑性ではないプラスチック材料(例えば、熱硬化性であり、例えば、シリコーン等)とブレンドすることが可能であり得る。例えば、そのような非熱可塑性プラスチック材料の前駆体である樹脂成分は、デンプン又はデンプンベースの材料とブレンドすることができ、デンプン又はデンプンの存在下で非熱可塑性材料の重合又は他の形成が起こり得、デンプン又はデンプンベースの材料と熱硬化性又は他の非熱可塑性プラスチック材料とのブレンドである最終的物品をもたらし、デンプン又はデンプンベースの材料は、本明細書に記載のように小さな粒径及び優れた分散特性を示す。小粒子デンプン又はデンプンベースの材料をそのような熱硬化性材料とブレンドすると、本明細書で他の材料(例えば、ポリエチレン)について説明されるように、非生分解性熱可塑性プラスチックの生分解性の授与、及び/又は生分解性熱可塑性プラスチックの増強(程度及び/又は速度)がもたらされ得る。
例として、特に材料が熱可塑性である場合、物品を形成するための製造プロセスは、材料の混合物を加熱することを含み得る。一実装形態では、材料の混合物は、少なくとも100℃、少なくとも110℃、少なくとも115℃、少なくとも120℃、少なくとも125℃、少なくとも130℃、少なくとも135℃、少なくとも140℃、250℃以下、190℃以下、180℃以下、175℃以下、170℃以下、165℃以下、160℃以下、155℃以下、150℃以下、95℃~250℃、120℃~180℃、又は125℃~165℃の温度に加熱され得る。例えば参照によりすでに組み込まれた出願人の様々な特許出願に開示されているように、このような材料の加熱は、多段押出機内で行うことができ、押出機の各段階で材料の混合物を所定の温度に加熱し、この場合、進行する段階が、前に起こる段階よりもより高温に加熱される。一実施形態では、ブレンド用のそのような押出機の第1段階の温度は、それが製造された反応性押出プロセスの最終段階におけるデンプンベースの材料(例えば、NuPlastiQ(登録商標))の温度と同じ範囲にあり得る(例えば、120~140℃)。
通常のプラスチック材料及びデンプン又はデンプンベースの材料を含む材料の混合物は、押出機の1つ又は複数のチャンバ内で加熱され得る。場合によっては、押出機の1つ又は複数のチャンバは異なる温度で加熱され得る。押出機の1つ又は複数のスクリューの速度は、任意の所望の速度であり得る。
物品は、材料の混合物を使用して製造される。場合によっては、物品はフィルムを含むことができる。他の場合では、物品はフィルムから形成され得る。他の実施形態では、物品は、型(例えば、射出成形)等の設計に基づく形状を有することができる。プラスチックで形成された任意の考えられる物品、例えば、フィルム、バッグ、ボトル、キャップ、蓋、シート、ボックス、プレート、カップ、家庭用品等を含むがこれらに限定されないものは、混合物から形成され得る。物品がフィルムである場合、フィルムは、材料の加熱された混合物にガスを注入してフィルムを形成することによって(すなわち、フィルムを吹き付けることによって)、ダイを使用して形成され得る。フィルムは、密封及び/又は他の方法で、バッグ又は他の物品の形態になるように改変することができる。
物品がフィルムである場合、フィルムは、単層又は複数の層から構成され得る。フィルム又は任意の個々の層は、少なくとも0.001mm、少なくとも0.002mm、少なくとも0.004mm、少なくとも0.01mm、少なくとも0.02mm、少なくとも0.03mm、少なくとも0.05mm、少なくとも0.07mm、少なくとも0.10mm、2mm以下、1mm以下、0.5mm以下、0.1mm以下、約0.05mm~約0.5mm、又は0.02mm~0.05mmの厚さを有することができる。フィルム及びシート物品の厚さの値にはいくらかの重複があり得るが、勿論のこと、そのようなフィルムの値よりも厚いシート材料が、任意の所望のプラスチック製造プロセスによって製造され、提供され得ることが理解されるであろう。
フィルム又は他の物品は、落槍衝撃試験(ASTM D-1709)、破断点引張強さ試験(ASTM D-882)、破断点引張伸び試験(ASTM D-882)、セカント弾性率試験(ASTM D-882)、及び/又はエルメンドルフ引裂試験(ASTM D-1922)等の試験を通して特性決定される強度特性を有することができる。フィルムは、少なくとも150g、少なくとも175g、少なくとも200g、少なくとも225g、少なくとも250g、少なくとも275g、少なくとも300g、400g以下、375g以下、350g以下、又は325g以下、140g~425g、200g~400g、250g~350g、265g~330gの落槍衝撃試験値を有し得る。一実装形態では、これらの値は、フィルムの厚さにかかわらず、このようにあり得る。別の実装形態では、このような値は、材料の混合物から形成された約25μm(1mil)の厚さのフィルムに対するものであり得る。
物品は、少なくとも24MPa(3.5kpsi)、少なくとも26MPa(3.7kpsi)、少なくとも27MPa(3.9kpsi)、少なくとも28MPa(4.1kpsi)、少なくとも30MPa(4.3kpsi)、又は少なくとも31MPa(4.5kpsi)、38MPa(5.5kpsi)以下、37MPa(5.3kpsi)以下、35MPa(5.1kpsi)以下、34MPa(4.9kpsi)以下、又は32MPa(4.7kpsi)以下、24MPa~38MPa(3.5kpsi~5.5kpsi)、又は28MPa~34MPa(4.1kpsi~4.9kpsi)の縦方向の破断点引張強さ試験値を有し得る。
物品は、少なくとも22MPa(3.2kpsi)、少なくとも23MPa(3.4kpsi)、少なくとも25MPa(3.6kpsi)、少なくとも26MPa(3.8kpsi)、少なくとも28MPa(4.0kpsi)、少なくとも29MPa(4.2kpsi)、39MPa(5.7kpsi)以下、38MPa(5.5kpsi)以下、37MPa(5.3kpsi)以下、35MPa(5.1kpsi)以下、34MPa(4.9kpsi)以下、32MPa(4.7kpsi)以下、31MPa(4.5kpsi)以下、22MPa~39MPa(3.2kpsi~5.7kpsi)、又は25MPa~35MPa(3.6kpsi~5.0kpsi)の横方向の破断点引張強さ試験値を有し得る。
一実施形態では、縦方向の引張強さ(例えば、破断点)は、横方向の引張強さと同様であり得る。言い換えれば、材料は、試験方向に関係なく、実質的に同じ強度を示す可能性がある。例えば、一部のフィルム又は他の物品では、一方向で高い強度が達成され得、他の方向では非常に低い強度のトレードオフがある。このような特性は、負荷がいずれか又は両方の方向に加えられる可能性がある多くの用途(例えば、バッグ、農業用フィルム等)では望ましくない。本物品は、0.75~1.25、0.8~1.2、又は0.9~1.1である、別の方向に対する一方向の強度(例えば、引張強さ)の比(例えば、MD/TD)を提供し得る。言い換えれば、強度値は、他の方向の値の25%以内、20%以内、又は10%以内であり得る。このような特性は、負荷が片方向又は両方向に加えられる可能性のあるバッグ及び他の分野で特に価値がある。落槍は通常、両方向の強度も説明するため、このような特性は、本明細書で説明する比較的高い落槍衝撃値とも相関し得る。
物品は、少なくとも550%、少なくとも560%、少なくとも570%、少なくとも580%、少なくとも590%、少なくとも600%、少なくとも610%、少なくとも620%、725%以下、710%以下、700%以下、680%以下、665%以下、650%以下、635%以下、550%~750%、又は600%~660%の縦方向の破断点引張伸び試験値を有し得る。
物品は、少なくとも575%、少なくとも590%、少なくとも600%、少なくとも615%、少なくとも630%、又は少なくとも645%、770%以下、755%以下、740%以下、725%以下、710%以下、695%以下、680%以下、575%~775%、又は625%~700%の横方向の破断点引張伸び試験値を有し得る。本物品は、0.75~1.25、0.8~1.2、又は0.9~1.1である、別の方向に対する一方向の伸び強度(例えば、破断点引張伸び)の比(例えば、MD/TD)を提供し得る。言い換えれば、引張伸び値は、他の方向の値の25%以内、20%以内、又は10%以内であり得る。
該当する場合、物品は、少なくとも11.0g/μm(280g/mil)、少なくとも11.8g/μm(300g/mil)、少なくとも12.6g/μm(320g/mil)、少なくとも13.4g/μm(340g/mil)、又は少なくとも14.2g/μm(360g/mil)、17.7g/μm(450g/mil)以下、16.9g/μm(430g/mil)以下、16.1g/μm(410g/mil)以下、15.4g/μm(390g/mil)以下、又は14.6g/μm(370g/mil)以下、10.8g/μm~18.7g/μm(275g/mil~475g/mil)、又は12.8g/μm~16.1g/μm(325g/mil~410g/mil)の縦方向のエルメンドルフ引裂力試験値を有し得る。
該当する場合、物品は、少なくとも18.7g/μm(475g/mil)、少なくとも19.3g/μm(490g/mil)、少なくとも19.7g/μm(500g/mil)、少なくとも20.7g/μm(525g/mil)、少なくとも21.3g/μm(540g/mil)、又は少なくとも21.7g/μm(550g/mil)、27.6g/μm(700g/mil)以下、26.8g/μm(680g/mil)以下、25.6g/μm(650g/mil)以下、24.6g/μm(625g/mil)以下、23.6g/μm(600g/mil)以下、22.8g/μm(580g/mil)以下、又は22.4g/μm(570g/mil)以下、18.7g/μm~28.5g/μm(475g/mil~725g/mil)、又は19.3g/μm~25.2g/μm(490g/mil~640g/mil)の横方向のエルメンドルフ引裂力試験値を有し得る。
該当する場合、物品は、少なくとも138MPa(20kpsi)、少なくとも152MPa(22kpsi)、少なくとも165MPa(24kpsi)、少なくとも179MPa(26kpsi)、少なくとも193MPa(28kpsi)、又は少なくとも207MPa(30kpsi)、276MPa(40kpsi)以下、262MPa(38kpsi)以下、248MPa(36kpsi)以下、234MPa(34kpsi)以下、又は221MPa(32kpsi)以下、138MPa~276MPa(20kpsi~40kpsi)、又は172MPa~241MPa(25kpsi~35kpsi)の縦方向のセカント弾性率試験値を有し得る。
該当する場合、物品は、少なくとも138MPa(20kpsi)、少なくとも152MPa(22kpsi)、少なくとも165MPa(24kpsi)、少なくとも179MPa(26kpsi)、少なくとも193MPa(28kpsi)、又は少なくとも207MPa(30kpsi)、276MPa(40kpsi)以下、262MPa(38kpsi)以下、248MPa(36kpsi)以下、234MPa(34kpsi)以下、又は221MPa(32kpsi)以下、138MPa~276MPa(20kpsi~40kpsi)、又は172MPa~241MPa(25kpsi~35kpsi)の横方向のセカント弾性率試験値を有し得る。
場合によっては、2つ以上のデンプンの混合物を含むか、又は2つ以上のデンプンの混合物から形成された、デンプン若しくはデンプンベースの材料を含む物品は、単一のデンプンを含むか、又は単一のデンプンから形成された、デンプン若しくはデンプンベースの材料を含む物品よりも大きい強度特性の値を有する。例えば、2つ以上のデンプンの混合物を含むか、又は2つ以上のデンプンの混合物から形成された、デンプン若しくはデンプンベースの材料を含む物品は、デンプン若しくはデンプンベースの材料が、単一のデンプンを含むか、又は単一のデンプンから形成される物品よりも少なくとも10%大きい落槍衝撃試験値(グラム又はg/ミルの厚さ)を有し得、単一のデンプンを含むか、又は単一のデンプンから形成された、デンプン若しくはデンプンベースの材料を含む同じ物品よりも少なくとも約25%大きい、少なくとも約50%大きい、少なくとも約75%大きい、10%~150%大きい、又は60%~120%大きい、落槍衝撃試験値(グラム又はg/ミルの厚さ)を有し得る。そのような増加した強度の詳細は、米国特許第10,214,634号及び米国特許出願第15/481,806号に見出され、それぞれが参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
生分解試験(例えば、バイオメタンポテンシャル試験(一般にASTM又は他の規格に基づくが、加速条件下で)、又はASTM D-5511、ASTM D-5526、ASTM D-5338又はASTM D-6691等の該当する任意のASTM規格を受けた場合、小粒子デンプン又はデンプンベースの材料を含む本発明の物品は、著しい生分解を示し得る。そのような試験の下で、所与の期間(例えば、30日、60日、90日、180日、365日(1年)、2年、3年、4年、又は5年)内に、物品は、総高分子含有量、及び/又は他のプラスチック含有量(デンプン又はデンプンベースの含有量を除く)の実質的生分解を示し得る。バイオメタンポテンシャル試験(BMP)は、典型的には、30日又は60日にわたって実施されるが、90日にも及ぶこともある。より長期間の試験は、より典型的には上記のASTM規格のいずれかの下で実行される。通常の当業者は、様々なBMP試験条件、並びにより長期のASTM及び他の試験条件に精通しているであろう。本発明の組成物から作製された物品は、そのデンプン又はデンプンベースの材料含有量よりも多い生分解を示し得、これは、プラスチック材料も生分解している(又はバイオメタンポテンシャル試験下で生分解する可能性を示す)ことを示している。このような結果は、出願人に知られている非生分解性プラスチック材料及びデンプン又はデンプンベースの材料を含む全ての従来技術のブレンドが、常にブレンドされた材料のデンプン又はデンプンベースの材料の含有量以下(通常はそれよりも低い)の生分解値を示すという点で新規である。例えば、Favis又はその他の従来のブレンド等の材料は、12.5%未満の生分解を示し、デンプン又はデンプンベースの含有量は12.5%に含まれる。本発明のブレンドが、例えば、25%のデンプン又はデンプンベースの材料を含む場合、それらは、25%を超える生分解の生分解を示し、ブレンドに含まれるプラスチック材料の少なくとも一部の生分解を示す。このような結果は、様々な第三者の試験によって確認されており、土壌接種物の法医学分析(呼吸測定に基づく試験後の土壌接種物のプラスチック断片又は微小片の探索)、及び生分解後のC14/C12分析によって裏付けられる。
特に、埋立地又は他の分解条件(例えば、コンポスト化条件、又は海洋条件)で生分解をシミュレートする試験に物品を180日、200日、365日(1年)、2年、3年、又は5年さらす場合、生分解は、物品内のデンプン又はデンプンベースの材料の重量の百分率よりも大きくなり得る。言い換えれば、記載された小粒子デンプン又はデンプンベースの材料を含めると、他のプラスチック材料(これらの材料単独では有意に生分解できない)の少なくともいくらかの生分解をもたらす可能性がある。
例えば、デンプン又はデンプンベースの材料のブレンドから形成されるフィルム等の物品、及びPEは、フィルム中のデンプン又はデンプンベースの材料の重量の割合よりも、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、又は少なくとも20%である、そのような期間の後の生分解を示し得、これはPEの相当な割合(通常は生分解性ではない)が実際にデンプン又はデンプンベースの材料により生分解されていることを示す。別の言い方をすれば、PE又は他の非生分解性マトリックス材料の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、又は少なくとも20%が生分解性であり得る。このような結果は驚くべきものであり、特に有利である。このような結果は、参照によりすでに組み込まれている様々な出願で詳細に説明されている。そのような特性は、出願人に知られている従来技術の従来のブレンドのいずれかに固有のものではない。
バイオメタンポテンシャル試験は、嫌気性生分解に基づくメタン生成のポテンシャルを、総メタン生成ポテンシャルの百分率として決定する。バイオメタンポテンシャル試験は、所与のASTM規格(例えば、ASTM D-5511又はASTM D-5338)に従って試験サンプルの生分解性を予測するために使用でき、バイオメタンポテンシャル試験は、そのようなASTM規格からの1つ又は複数の条件を使用して実施することができる。例えば、バイオメタンポテンシャル試験は約52℃の温度で行うことができる。更に、バイオメタンポテンシャル試験は、ASTM規格の条件とは異なるいくつかの条件を有して、例えば、通常の30日、60日、又は場合によっては90日以内に完了するように試験を加速することができる。バイオメタンポテンシャル試験は、50重量%~60重量%の水及び40重量%~50重量%の有機固形物を含む接種材料を使用することができる。例えば、バイオメタンポテンシャル試験で使用される接種材料は、55重量%の水及び45重量%の有機固形物を含み得る。バイオメタンポテンシャル試験は、35℃~55℃又は40℃~50℃等の他の温度でも行うことができる。
生分解試験を受ける場合、本明細書に記載のある量のデンプン又はデンプンベースの材料及び他のプラスチック材料を有する本発明の組成物から作製された物品は、優れた生分解を示し得る。例えば、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は更には少なくとも95%の非デンプンベースの材料(例えば、「他の」プラスチック材料)は、関連するASTM規格(例えば、ASTM D-5338、ASTM D-5511、ASTM D-5526、ASTM D-6691)のいずれかによって提供される、嫌気性消化槽、好気性消化槽、コンポスト化(例えば、産業用コンポスト)、及び/又は海洋条件(又はそのようにシミュレートする条件)にさらされる場合、少なくとも約1年、少なくとも約2年、少なくとも約3年、又は少なくとも約5年の期間にわたって生分解し得る。このような生分解は特に顕著で有利である。したがって、デンプン又はデンプンベースの材料だけでなく、他のプラスチック材料も同様に生分解し得る。これは、デンプンベースの材料の分布が不連続である場合であっても、本発明のブレンドで発生することが観察されている。Favis(及びおそらく他の参照)に記載されているように、本明細書に記載されているものとは明らかに異なるこれらの従来技術のブレンドでは特性が著しく異なるために、不連続デンプンドメインの生分解は起こらない。
時間の増加とともに、生分解の量は非常に高くなる可能性があり、その結果、少なくともいくつかの実装形態では、実質的に物品全体が生分解する(例えば、180日、又は200日、又は365日(1年)、2年以内、3年以内、5年以内、又は他の期間内で、少なくとも約85%、少なくとも約90%、又は少なくとも約95%の生分解)。生分解は、物品中の生分解の量が、同じ条件下で同じ期間試験されたセルロースポジティブコントロールで達成された量と少なくとも同程度である場合、完全であると見なすことができる。
デンプン又はデンプンベースのブレンドは、他の多くの従来技術のブレンドよりも著しく疎水性であり、典型的なポリオレフィン材料により良好に一致し得る。例えば、一般的なポリエチレン及びポリプロピレン材料は、疎水性である約29~32mN/m(約29~32ダイン/cm)の範囲の表面濡れ性を有することが多い。小粒子デンプンベースの材料の一例であるNuPlastiQ(登録商標)は、同様に疎水性であり、例えば、40mN/m(40ダイン/cm)未満、38mN/m(38ダイン/cm)未満、36mN/m(36ダイン/cm)未満、又は34mN/m(34ダイン/cm)未満のそのようなダイン試験で使用される場合の濡れ性値を有する。このような表面濡れ性ダイン試験は、例えば、DIN53394/ISO8296に従うものであり得る。任意のデンプン又はデンプンベースの材料とそれとブレンドされる高分子材料との間の一致した疎水性もまた、本明細書に記載の非常に良好な分布及び非常に小さい粒径を達成する能力において役割を果たすことができる。比較として、試験された従来のTPS材料は、34mN/m(34ダイン/cm)未満の濡れ性を有するポリオレフィンとNuPlastiQ(登録商標)GPとの例示的なブレンドと比較して、46mN/m(46ダイン/cm)を超える濡れ性を有していた。
図1A~1Dは、例示的なジャガイモ、トウモロコシ、タピオカ、及びNuPlastiQ(登録商標)GP粒子を示しており、天然デンプンと比較した、例示的なNuPlastiQ(登録商標)デンプンベースの粒子の大きさ、並びに大きさ及び形状の均一性を対比している。図1Aは、5~50μmの大きさを有するジャガイモデンプン粒子を示している。粒径は大きく異なり、形状は概して球形から楕円形まで様々である。図1Bは、5~20μmの大きさを有するトウモロコシデンプン粒子を示している。粒径も比較的大きく異なり、形状は縁に沿って非常に角張っているため、粒子は実質的な球形ではなく、概して多角形である。図1Cは、トウモロコシデンプン粒子と多くの類似点を共有するタピオカデンプン粒子を示している。大きさは5~20μmの範囲であり、形状も多角形で、縁が角張っている。例えば、ジャガイモデンプンの回避は、粒径を小さくするのに役立ち得る。デンプン材料の結晶化度を下げることも、粒径を小さくするのに役立ち得る。
図1Dは、NuPlastiQ(登録商標)GP粒子を示しており、これは、特に2つの間のスケールの違い(30倍以上)を考慮すると、図1A~1Cの粒子とは大幅に異なると思われる。NuPlastiQ(登録商標)デンプンベースの粒子は、大きさが大幅に小さく、形状が実質的に均一である。特に、NuPlastiQ(登録商標)デンプンベースの粒子は、約0.3μm(300nm)の平均径(例えば、直径)を示すだけでなく、形状が均一に実質的に球形であるが、0.7~1.3、又は0.8~1.2のアスペクト比(実質的に球形の形状の幅に対する長さ)(例えば、完全な球形の30%、又は20%以内)であり、示される粒子において、非常により大きな粒子の不存在にも気づくであろう(例えば、1μm超、1.5μm超、又は2μm超の粒子は存在しない)。Favisにおける粒径分布は、このようなより大きな粒径の存在を示す。
図1Dは、NuPlastiQ(登録商標)GPデンプンベースの材料の粒子が、1つの粒子から次の粒子への大きさの変化がほとんどないため、平均粒径の周りの大きさの非常に密集した分布を示すことを表している。図2のグラフは、同様のNuPlastiQ(登録商標)GP材料の例示的な粒径分布を示しており、図1Dと比較してわずかに大きい平均粒径である(0.3μmと比較して0.5μm)が、それ以外は類似している。図2は、0.4~0.5μm付近の密集したベルカーブタイプの粒径分布を示しており、粒子の約90%以上が0.3~0.8μmの間にある。図2に見られる分布の標準偏差は0.14である(すなわち、平均粒子直径は0.5±0.14μmである)。平均アスペクト比は1.2±0.15である。2μm、1.5μm等を超える粒子は存在しない。
したがって、一実施形態では、平均粒径は、2μm未満、1μm未満、0.5μm未満、0.2μm未満、例えば、0.01μm~1μm、0.05μm~1μm、0.1μm~1μm、0.1μm~0.8μm、0.15μm~0.8μm(例えば、0.1μm、0.15μm、0.2μm、0.3μm、0.4μm、0.5μm、0.6μm等)である。一実施形態では、1μm、1.5μm、又は2μmより大きい粒子は完全に存在しない可能性がある。このような小さな粒径、及び比較的均一な形状(実質的に球状)は、10μm3未満、8μm3未満、7μm3未満、6μm3未満、5μm3未満、4μm3未満、3μm3未満、2μm3未満、1μm3未満、0.5μm3未満、0.3μm3未満、0.2μm3未満、0.1μm3未満、0.05μm3未満、0.03μm3未満、例えば0.000001μm3~1μm3、0.00001μm3~1μm3、0.0001μm3~1μm3、0.001μm3~1μm3、0.01μm3~1μm3、0.01μm3~0.1μm3等の平均粒子体積を提供し得る。例として、図2の0.5μm直径の粒子は、粒子当たり4/3πr3の体積を有し、rは、0.25μm3(V=0.065μm3)であり、図1Dの0.3μmの粒子は、粒子当たりの体積V=0.014μm3を有する。0.1μmの直径を有する粒子は、粒子当たりの体積V=0.209μm3を有するが、0.05μmの直径を有する粒子は、粒子当たりの体積V=0.0000654μm3を有する。直径が小さくなると、体積が(3次関数として)非常に急速に減少することが容易に明らかであろう。したがって、直径のわずかな減少でさえ、体積に非常に大きな影響を及ぼす。
粒径が非常に小さいため、このような粒子の粒子密度(例えば、物品の所定の体積当たりの粒子数)は、全てではないにしても多くの従来のブレンドよりも大幅に高くなる。例えば、粒子密度は、少なくとも1×108粒子/mm3、少なくとも1×109粒子/mm3、少なくとも1.5×109粒子/mm3、又は少なくとも2×109粒子/mm3、例えば1.5×109粒子/mm3~100×109粒子/mm3(例えば、増加した強度を示しながら)であり得る。勿論のこと、粒子密度は、平均粒径、比較的大きな粒子の不存在、及びブレンド中のデンプンベースの材料のローディングに依存する。例示的な計算の方法により、0.5μmの粒径に対して、粒子当たりの体積は、0.065μm3であり、そのような粒子の質量は0.09156×10-12gである。20重量%のデンプン又はデンプンベースの材料(例えば、他の高分子材料の80%)を含むブレンドに関して、全体としてのブレンドの0.2g/cm3のデンプン又はデンプンベースの材料に等しくてもよい(例えば、デンプン又はデンプンベースの材料の密度が約1.4g/cm3(少なくともNuPlastiQ(登録商標)の場合)であり、他の高分子材料の密度が約0.9g/cm3である場合)。これは、ブレンドの約2.184×1012粒子/cm3(2.184×109粒子/mm3、又は約35,000粒子/mil3)に等しい。粒径がわずか0.3μmであるが、それ以外は同様の20/80ブレンド(粒子当たり0.014μm3の体積)に関しては、ブレンドの約10.11×1012粒子/cm3(10.11×109粒子/mm3、又は約165,000粒子/mil3)に等しい。更により小さい粒径(例えば、0.15μm、0.1μm、又は0.05μm)に対して追加の計算を実行できる。デンプン又はデンプンベースの材料のローディングが上記の例のわずか10分の1(例えば2%)である場合、粒子密度は上記の10分の1となるであろう。デンプン又はデンプンベースの材料ローディングがそのような例の2倍(例えば40%)である場合、粒子密度は上記の2倍となるであろう。したがって、いずれの場合においても、粒径が極端に小さくなるが、粒子密度ローディングでの広い範囲が可能であり、ブレンド全体に実質的に均一に分布する(例えば、少なくとも1×108粒子/mm3(約1500粒子/mil3)の粒子密度)
別の言い方をすれば、ブレンドは、ブレンドに含まれるデンプン又はデンプンベースの材料のパーセントポイント当たり少なくとも0.5×108粒子/mm3の粒子密度を含み得る。したがって、10%のローディングで、粒子密度は少なくとも0.5×109粒子/mm3であり得、20%ローディングで、粒子密度は少なくとも1×109粒子/mm3等であり得る。上の計算によって示されるように、このようなローディングのための実際の粒子密度の値は、実際の平均粒径及び分布に応じて、より高くなり得る(例えば、20%のローディングで約2×109粒子/mm3、10%のローディングで約1×109粒子/mm3、1%のローディングで約1×108粒子/mm3)。
別の言い方をすれば、ブレンドは、ブレンドに含まれるデンプン又はデンプンベースの材料のパーセントポイント当たり少なくとも0.5×108粒子/mm3の粒子密度を含み得る。したがって、10%のローディングで、粒子密度は少なくとも0.5×109粒子/mm3であり得、20%ローディングで、粒子密度は少なくとも1×109粒子/mm3等であり得る。上の計算によって示されるように、このようなローディングのための実際の粒子密度の値は、実際の平均粒径及び分布に応じて、より高くなり得る(例えば、20%のローディングで約2×109粒子/mm3、10%のローディングで約1×109粒子/mm3、1%のローディングで約1×108粒子/mm3)。
フィルムの場合、フィルムは、デンプン又はデンプンベースの材料の粒子の平均粒径の5~300倍、又は10~100倍の厚さを有し得る。例えば、粒径が非常に小さいため、これは非常に薄いフィルム(例えば、通常、13μm(0.5mil)、7.6μm(0.3mil)、又は2.5μm(0.1mil)等の25μm(1mil)未満)の形成を容易にし得る。より大きな粒径は、大きなデンプン粒子のために、ボイド又は他の欠陥を形成することなくそのような薄いフィルムを形成する能力を妨害するか、又はフィルム材料に大きなデンプン「含有物」を含む結果としてそのようなフィルムの強度特性に悪影響を及ぼすであろう。例えばFavisのように、このような問題は、平均粒径が小さい場合でも発生する可能性があり、これは、1μm以上、1.5μm以上、又は2μm以上の大きさの粒子等、比較的大きな粒子を含む、分布が過度に「包括的」である場合である。このような密集した粒径分布を特性決定する別の方法は、本明細書に記載されているように、標準偏差によるものである。
図3Aは、約20%のNuPlastiQ(登録商標)GPデンプンベースの材料及び約80%のポリエチレンのブレンドから形成され、NuPlastiQ(登録商標)の平均粒径が非常に小さい(例えば、0.3~0.8μm等の1μm未満)例示的フィルムのSEM画像を示す。図3Aに見られる粒子の93%は、1μm未満である。粒子は、大きさ及び形状の両方で実質的な均一性を示す。図3Bは、従来のブレンド(同様に約20%のTPS及び約80%のポリエチレン)のブレンドから形成された比較フィルムのSEM画像を示す。粒子の形状及び大きさは極めて均一ではない。平均粒径は、図3Aの粒径よりも大幅に大きい(例えば、粒子の64%が1μmより大きい)。更に説明すると、平均粒径が0.5μmの場合、平均粒径が3μmの場合よりも体積が200分の1未満の粒子を提供する。これは、粒子の密度(例えば、1mm3当たりの粒子数)、及びそのような粒子に関連する表面積の大きな違いに相当する。
強度の増加(例えば、ブレンドから形成されたフィルムにおける落槍)は、デンプンベース高分子材料の広いローディング範囲に対して達成され得、したがって、例えば、非常に低いローディング値では、純粋な「他の」高分子材料(例えば、ポリエチレン)と比較して強度が低下せず、また広い範囲、例えば、約5%のローディングから最大35%、更には40%のローディングのブレンド中のデンプンベースの高分子材料に対して、強度の増加が起こる。本質的に全ての既知のTPS材料は、2つが添加されたブレンドを弱める傾向がある。比較的少量で添加される場合の非常に特定の条件下はごくわずかであるが(おそらく、FavisのUS8,841,362のみ)、出願人は、広範囲に対する強度の増加を提供する出願人のもの以外のいずれの材料も認識していない。強度に悪影響を与えることなく、比較的高いローディング、例えば、20~35%で再生可能な炭水化物ベースの高分子材料を添加する能力は、本発明の重要な利点である。粒子表面積の増加(粒径の減少による)は、表面エネルギーを増加させることができ、より大きな引張強さ、槍衝撃、又は他の増加した強度特性を提供する。そのような増加は、Favisのように(密集した粒径分布を含まない)非常に低いデンプンローディングにおいてのみ見られる名目上の増加よりも、より重要であり得、及び/又はより広いデンプンローディング範囲に対して達成され得る。例えば、任意の所与の強度パラメータの増加は、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、又は少なくとも75%であり得る。このような増加は、15%未満の低いローディング値においてだけでなく、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、更には少なくとも35%のローディング値のデンプン又はデンプンベースの材料のデンプン含有ローディングにおいても観察され得る。これは、最先端技術に対する明確な利点を表す。
任意の開示された実施形態又は特許請求の範囲の特徴は、制限なしに、互いに組み合わせて使用することができる。本開示の範囲は、他の請求項に従属するように請求項のいずれかを書き換えること、他の請求項の任意の組合わせからの複数の従属を含むこと、及び/又は複数の請求項を一緒に組み合わせることに及ぶことが理解されるであろう。これは、「発明の概要」セクション及び「発明を実施するための形態」セクションで説明されているように、任意の実施形態の任意の個別の特徴又は特徴の組合わせにも及ぶ。本開示の範囲は、別の請求項又は実施形態への挿入、あるいは他の請求項又は実施形態からのそのような特徴の任意の組合わせを含む新しい請求項の起草のために、任意の請求項又は記載された実施形態から任意の特徴又は特徴の組合わせを挿入及び/又は削除することに及ぶ。
特許請求される本発明は、その精神又は本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具体化され得ることも理解されるであろう。記載された実施形態は、全ての点において、単に例示的なものであって、限定的なものではないと見なされる。したがって、本発明の範囲は、前述の説明によってではなく、むしろ添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求に相当する意味及び範囲に入る全ての変更は、その範囲内に含まれるものである。
Claims (50)
- 少なくとも第1の炭水化物及び可塑剤から形成された炭水化物ベースの高分子材料と、
他の高分子材料とを含む物品であって、
前記炭水化物ベースの高分子材料が、前記他の高分子材料内に密接に分散し、粒子当たり1μm未満の平均粒径を示し、このような炭水化物ベースの高分子材料が、1.5μm以上の大きさの粒子を実質的に含まない、物品。 - 平均粒径が0.01μm~1μmである、請求項1に記載の物品。
- 平均粒径が100nm未満である、請求項1に記載の物品。
- 前記炭水化物ベースの高分子材料が、直径が0.01μm~1μmである、概して均一な大きさの規則的な形状の実質的に球形の粒子として存在する、請求項3に記載の物品。
- 前記ブレンド内の前記炭水化物粒子の平均粒子密度が、少なくとも約1×109粒子/mm3である、請求項1に記載の物品。
- 前記ブレンド内の前記炭水化物粒子の平均粒子密度が、少なくとも1.5×109粒子/mm3である、請求項1に記載の物品。
- 前記炭水化物ベースの高分子材料が、前記物品の5重量%~40重量%を構成し、前記他の高分子材料が、前記物品の55重量%~95重量%を構成する、請求項1に記載の物品。
- 前記物品が相溶化剤を更に含む、請求項7に記載の物品。
- 前記炭水化物ベースの高分子材料の前記粒子が実質的に球形であり、形状が実質的に均一である、請求項1に記載の物品。
- 前記物品がフィルムであり、前記フィルムが、前記炭水化物ベースの高分子材料の粒子の平均粒径の5~300倍の厚さを有する、請求項1に記載の物品。
- 前記物品がフィルムであり、前記フィルムが前記炭水化物ベースの高分子材料の粒子の平均粒径の10~100倍の厚さを有する、請求項1に記載の物品。
- 前記物品が紙コップ上のコーティングである、請求項1に記載の物品。
- 前記物品が徐放性肥料のカプセル材料である、請求項1に記載の物品。
- 前記炭水化物ベースの高分子材料が、前記炭水化物ベースの高分子材料と前記他の高分子材料とのブレンドが、そのようなブレンド内の前記炭水化物ベースの高分子材料の約5重量%~35重量%の全範囲に対して、増加した強度を示すようなものである、請求項1に記載の物品。
- 前記炭水化物ベースの高分子材料が前記他の高分子材料内で密接に分散し、粒子あたり1μm未満の平均粒径を示し、粒子当たり1μm未満の平均粒径を有する前記炭水化物ベースの高分子材料が、前記物品の少なくとも1重量%の量で存在し、前記炭水化物ベースの高分子材料が、1.5μm以上の粒径を有する炭水化物ベースの高分子材料粒子を実質的に含まない、請求項1に記載の物品。
- 粒子当たり1μm未満の平均粒径を有する前記炭水化物ベースの高分子材料が、前記物品の少なくとも2重量%、少なくとも5重量%、又は少なくとも10重量%の量で存在する、請求項15に記載の物品。
- 前記物品が、粒子当たり1μmを超える平均粒径を有する、追加の炭水化物ベースの高分子材料を更に含む、請求項15に記載の物品。
- 炭水化物ベースの高分子材料の他の高分子材料への密接なブレンドを一貫して提供するための方法であって、
20%以下の結晶化度を有するように、疎水性及び実質的にアモルファスである、前記炭水化物ベースの高分子材料を提供することと、
前記他の高分子材料を提供することと、
前記炭水化物ベースの高分子材料が2μm未満の平均粒径を有し、前記デンプンベースの高分子材料の前記粒子が前記他の高分子材料全体に実質的に均一に分散されるように、前記炭水化物ベースの高分子材料を前記他の高分子材料に配合することとを含み、そのような炭水化物ベースの高分子材料が、2μm以上の大きさの粒子を実質的に含まない、炭水化物ベースの高分子材料の他の高分子材料への密接なブレンドを一貫して提供するための方法。 - 前記炭水化物ベースの高分子材料粒子が1μm未満の平均径を有する、請求項18に記載の方法。
- 平均粒径が0.01μm~1μm、0.2μm~0.8μm、又は100nm未満である、請求項18に記載の方法。
- 前記炭水化物ベースの高分子材料が、粒子当たり1μm未満の平均粒径を示し、1.5μmを超える粒径を有する炭水化物ベースの高分子材料粒子を実質的に含まない、請求項18に記載の方法。
- 前記方法をモニタリングして、2μm未満の前記平均粒径が一貫して達成されていることを確実にすることを更に含む、請求項18に記載の方法。
- 前記方法をモニタリングして、前記平均粒径の50%未満の標準偏差で、1μm未満の平均粒径が一貫して達成されていることを確実にすることを更に含む、請求項18に記載の方法。
- 少なくとも第1の炭水化物及び可塑剤から形成された炭水化物ベースの高分子材料と、
他の高分子材料とを含み、
前記炭水化物ベースの高分子材料が、前記他の高分子材料内に密接に分散され、粒子当たり5μm3未満の平均粒子体積を示す、物品。 - 前記平均粒子体積が粒子当たり1μm3未満である、請求項24に記載の物品。
- 粒子当たり1.0μm未満の平均粒径を有する小粒子デンプンベースの材料であって、1.5μm以上の大きさの粒子を実質的に含まない、小粒子デンプンベースの材料。
- 前記粒子が実質的に球形であり、平均アスペクト比0.7~1.3、又は1.2±0.15である平均アスペクト比を有する、請求項26に記載の小粒子デンプンベースの材料。
- 小粒子デンプンを高分子樹脂材料とブレンドする方法であって、
1.5μm以上の大きさの粒子を実質的に含まない、粒子当たり1.5μm未満の平均粒径を有する、小粒子デンプン又はデンプンベースの材料を提供することと、
高分子材料を提供することと、
前記デンプン又はデンプンベースの材料を前記高分子材料にブレンドして、前記デンプン又はデンプンベースの材料を前記高分子材料内で密接に分散させることとを含む、小粒子デンプンを高分子樹脂材料とブレンドする方法。 - 前記小粒子デンプンが、粉末として前記高分子材料とブレンドされたデンプン粉末を含む、請求項28に記載の方法。
- 前記平均粒径が1μm未満である、請求項28に記載の方法。
- 前記平均粒径が10nm~1μmである、請求項28に記載の方法。
- 前記平均粒径が150nm未満である、請求項28に記載の方法。
- 前記小粒子デンプン又はデンプンベースの材料が、直径が10nm~1μmである、概して均一な大きさの規則的な形状の実質的に球形の粒子として存在する、請求項32に記載の方法。
- 前記小粒子デンプン又はデンプンベースの材料が、前記ブレンドの少なくとも1重量%、又は少なくとも10重量%の量で存在する、請求項28に記載の方法。
- 前記ブレンドが、粒子当たり1.5μm未満の平均粒径を有する前記小粒子デンプン又はデンプンベースの材料よりも大きい平均粒径を有する、第2のデンプン又はデンプンベースの材料を更に含む、請求項28に記載の方法。
- 前記小粒子デンプン又はデンプンベースの材料よりも大きい平均粒径を有する前記第2のデンプン又はデンプンベースの材料が、前記ブレンド中の少なくとも1重量%、又は少なくとも10重量%の量で存在する、請求項35に記載の方法。
- 前記小粒子デンプンが、例えば、そのようなデンプンをオゾンで処理することによって、開始粒径を有するデンプンの前記粒径を減少させることによって達成される、請求項28に記載の方法。
- 前記開始粒径を有するデンプンが、少なくとも5μmの開始平均粒径を有する、請求項37に記載の方法。
- 前記開始粒径を有するデンプンが、角張った縁を有する多角形のデンプン粒子によって特性決定される、請求項37に記載の方法。
- 前記小粒子デンプンが、概して均一な大きさの規則的な形状の実質的に球形の粒子によって特性決定される、請求項37に記載の方法。
- 前記小粒子デンプンが1%~30%の量で前記ブレンド内に存在し、前記ブレンドの強度が純粋な高分子材料単独の強度よりも大きい、請求項28に記載の方法。
- 前記ブレンドの前記強度が、前記純粋な高分子材料単独の強度よりも少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、又は少なくとも35%大きい、請求項41に記載の方法。
- 前記ブレンドが相溶化剤を更に含む、請求項28に記載の方法。
- 前記ブレンドが、前記ブレンドに含まれる前記高分子材料の生分解性の増強された速度又は程度の形で、増強された生分解を示す、請求項28に記載の方法。
- 粒子当たり2μm未満の平均粒径を有する小粒子デンプン又はデンプンベースの材料と、
高分子材料とを含む、複合高分子ブレンドであって、
前記デンプン又はデンプンベースの材料が前記高分子材料にブレンドされて、前記デンプン又はデンプンベースの材料が前記高分子材料内で密接に分散され、
前記高分子材料が、前記ブレンド中の前記小粒子デンプン又はデンプンベースの材料の含有の結果として、前記ブレンドに含まれる前記高分子材料の生分解性の増強された速度又は程度の形で、増強された生分解を示す、複合高分子ブレンド。 - 前記ブレンドが、1.5μm以上の大きさの小粒子デンプン又はデンプンベースの材料を実質的に含まない、請求項45に記載の複合ブレンド。
- 1.5μm以上の大きさのデンプン粒子を実質的に含まない、粒子当たり1.5μm未満の平均粒径を有する小粒子デンプン又はデンプンベースの材料。
- 前記平均粒径が1μm未満である、請求項47に記載の小粒子デンプン又はデンプンベースの材料。
- 前記平均粒径が150nm未満である、請求項47に記載の小粒子デンプン又はデンプンベースの材料。
- 前記小粒子デンプン又はデンプンベースの材料が、デンプン及び可塑剤の反応生成物である、請求項47に記載の小粒子デンプン又はデンプンベースの材料。
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