JP2022538581A - 分析物を検出するための方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、サンプル中の分析物を検出するための方法であって、(i)サンプルおよびリポーター試薬を含んでなる混合物をデバイスに供給する工程であって、このデバイスは、光学成分を有する基板および前記基板の表面に付着した結合成分を含んでなる、工程;(ii)分析物の濃度に比例した割合のリポーター試薬を、結合成分の手段によって、基板の表面に結合させる工程;(iii)結合したリポーター試薬部分の光増感剤が光学成分と相互作用して光学成分を第1の光学的状態から第2の光学的状態へ変化させ、それによって基板上に、第2の光学的状態を有する光学成分の局部的領域のセットを形成するように、前記リポーター試薬の光増感剤によって吸収させるために、デバイスに電磁放射線を照射する工程;および(iv)基板上の、第2の光学的状態を有する局部的領域のセットを検出する工程を含んでなる、方法。

Description

本発明は、分析物を検出するための方法、特に、サンプル中の分析物の存在による個々の結合事象を検出するための方法に関する。
血液、血漿、血清、組織などのヒトサンプルにおける生物学的に関連するパラメーターの測定のためには、利用可能な多くの技術がある。一般的な方法は、対象とする標的に結合するキャプチャー試薬、および何らかの標識を有するリポーター試薬を使用することである。キャプチャー試薬は、マイクロタイタープレート、ビーズまたは膜などの固相に結合させることができる。サンプルをキャプチャー試薬とともにインキュベートすると、分析物がキャプチャー試薬に結合する。リポーター試薬もまた分析物に結合する。次に、余分なリポーターは除去することができ(洗浄による)、リポーター試薬の量は測定可能であり、従って、サンプル中に存在する分析物の量の測定値が得られる。これらのタイプの結合アッセイがどのようにして行われ得るかについては、多くの異なる変形形態が存在する。例えば、まず分析物をキャプチャー試薬に結合させた後に別の工程でリポーターを添加することもできるし、またはまず分析物をリポーターに結合させた後にキャプチャー薬剤に結合させることもできる。
この種の結合アッセイにおいてキャプチャーおよびリポーターとして使用できるものとしては、核酸、炭水化物、抗原、ペプチド、タンパク質および抗体を含む広範な試薬がある。また、ペプチド、タンパク質、抗体、核酸、細胞、炭水化物、低分子、治療薬、乱用薬物、ステロイド、ホルモン、脂質などを含む広範な標的分析物が存在する。
抗体を使用するアッセイは一般に、イムノアッセイと呼ばれる。イムノアッセイは、いくつかの形式をとり得る。例えば、分析物を捕捉するためにキャプチャー抗体が使用され、測定可能なシグナルを生成するためにリポーター抗体が使用される場合、これは一般にサンドイッチイムノアッセイと呼ばれる。結合剤を固相に結合させ、液相中で標的分析物が、これもまた結合剤に結合する標識された試薬と競合する別の形式も知られている。分析物の不在下では、高いレベルの標識試薬が結合するので、高いシグナルが得られる。分析物が存在すると結合部位の一部がブロックされるので、標識試薬の結合が少なく、シグナルが低下する。これらのアッセイは一般に阻害または競合アッセイとして知られる。いくつかのタイプの競合アッセイが知られている。例えば、抗体を固相に結合させ、標識分析物(または分析物の類似体)を抗体上の結合部位をめぐって競合させることができる。あるいは、分析物の類似体を固定化することができ。標識抗体をこの表面に結合させることができる。サンプル中に分析物が存在すると、これは液相中の抗体に結合して表面への結合を妨げ、シグナルは低下する。
アッセイには多くの形式および使用可能な多くの異なるタイプの標識が存在する。例えば、アッセイは、余分な標識が、測定が行われる前に、例えば洗浄工程の使用によって除去されるという点で多様であり得る。余分な標識の除去はまた、サンプルおよびリポーターをキャプチャー領域に流すことによって達成することができる。このアプローチは、例えば、感染症検査および妊娠検査の迅速検査で使用されるイムノクロマトグラフィーストリップまたはラテラルフローストリップで使用される。あるいは、余分なリポーターが除去されない不均一系アッセイが知られる。不均一系アッセイは、何らかの形態のシグナルを生じるキャプチャーおよびリポーターの近接に頼る傾向にある。不均一系アッセイの一例は凝集アッセイであり、この場合には粒子が液相中で一緒に結合する。凝集した粒子は光の散乱を生じ、これは比濁法またはネフェロメトリーによって測定することができる。粒子を用いる不均一系アッセイのさらなる例は、以下にさらに詳細に記載されるLOCI法(luminescent oxygen channeling immunoassay)である。
不均一系アッセイのもう1つの例は、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)であり、この場合には、キャプチャーおよびリポーター試薬はそれぞれドナーおよびアクセプター蛍光団であり、ドナーの励起がアクセプターへのエネルギー移動とその後の光放出をもたらす。
細胞材料の除去を行わずに全血で機能する1つの不均一系アッセイ形成がパイロオプティカルイムノアッセイである。キャプチャー抗体は焦電性ポリビニリデンPVDFセンサー上にコーティングされ、リポーターとして炭素粒子が使用される。シグナルはサンプルに光を照射することによって生じ、局部的な粒子の加熱が起こる。センサーに結合したものは焦電性センサーにエネルギーを転位し、電気シグナルとして検出される熱応力を生じる。炭素結合が多いほどシグナルが大きくなる。
リポーター結合剤に結合される標識は、色素、金粒子または着色ラテックスミクロスフェアなどの、光を吸収する薬剤であり得る。原則的に、大きな粒子ほど多くの光を吸収し、大きなシグナルを生じる。しかしながら、以下により詳細に記載されるように、粒子標識がアッセイに使用できなくなる大きさの限界がある。蛍光標識、化学発光標識、生物発光標識および電気化学発光標識などの発光標識も知られている。発光標識はまた、ある種のアッセイでは粒子内に封入されている。また、酵素反応または触媒反応を用いることで、シグナルの増幅を行ってもよい。酵素は、基質をロイコ色素から有色形態へ、または蛍光もしくは発光形態へ変換するために使用することができる。余分な酵素が基質を添加する前に洗浄工程を用いて除去されることが一般的であり、従って、シグナルは、分析物に特異的に結合した酵素によってのみ生じる。
シグナル伝達方法として表面プラズモン共鳴を用いるアッセイなど、標識を使用しないイムノアッセイも知られている。しかしながら、標識不含アッセイは、シグナルを増強するために標識を使用するアッセイの感度を低下させる傾向がある。
イムノアッセイ分野のさらなる情報は、“The Immunoassay Handbook: 第4版: Theory and Applications of Ligand Binding, ELISA and Related Techniques”, Ed. D. Wild, Elsevier Science, 2013に見出すことができる。
イムノアッセイを含む総ての結合アッセイには、信頼をもって測定できる分析物最小および最大濃度という点で限界がある。
シグナル最大値は一般に、分析物への結合に利用可能なキャプチャー抗体の総量およびシグナルを生じるためのリポーター抗体の総量などの因子によって限定される。キャプチャー抗体が固相に固定される場合、固相の表面積は検出の上限を限定し得る。さらに、比色定量法などのいくつかのシグナル伝達技術は、光がサンプルを通過するのに必要とする光路長によって飽和に達する傾向がある。発光方法は、検出器のゲインがより高レベルの光放出を取り扱うために減衰可能であるので、飽和に達する傾向が小さい。不均一系アッセイの抗体結合部位の総てが分析物で満たされると、最大シグナルに達し、その系は飽和する。余分な分析物は通常、リポーターが添加される前に洗浄工程で除去される。不均一系アッセイはまた、キャプチャー抗体および/またはリポーター抗体の有効濃度よりも大きい場合に、高用量フックとして知られる効果を受けることもある。この場合、極めて高い濃度では、キャプチャーおよびリポーター上の結合部位が総てブロッキングされることがあり、アッセイシグナルは低下して誤った結果が得られる場合がある。
より低レベルの検出は、いくつかの異なる因子によって支配される。一般に、総てのアッセイが、使用する抗体の質(親和性および特異性)ならびに抗体と関連の分析物との交差反応性などの性質によって影響を受ける。検出の下限は、アッセイの設定およびシステム設計のシグナル/ノイズ比に影響を及ぼす因子にも依存する。例えば、標準的な酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)では、キャプチャー抗体を96ウェルマイクロタイタープレートの表面にコーティングし、その後、それらのウェル中でサンプルをインキュベートし、捕捉された分析物を得る。これらのウェルを洗浄し、その後、捕捉された分析物に結合するリポーターを過剰量で添加する。次いで、余分なリポーターを洗い流し、その酵素と反応し得る基質を加え、活性形態に変換される。例えば、2,2’-アジノ-ビス(3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホン酸)(ABTS)などの無色のロイコ色素は、過酸化水素の存在下でセイヨウワサビペルオキシダーゼによって酸化型の緑色に変化され得る。分析物が極めて少ない量(例えば、1ピコモル未満)で存在する場合、ウェルの表面に結合する酵素は極めて少量しかない。ABTSは酵素と反応して緑色型を生じ、その後、流体のバルクに分散して、バックグラウンドシグナルから識別できないほど希薄な溶液を生じる。基質の自己変換も、測定に干渉する色を生じることがある。同様に、蛍光などの他の検出方法にも、サンプルまたは反応ウェル中で干渉因子および自己蛍光という問題がある。
イムノアッセイのもう1つの交絡因子は、キャプチャー表面へのリポーター試薬の非特異的結合であり得る。例えば、上記のELISAアッセイでは、マイクロタイターウェルはタンパク質層でコーティングされるが、その一部はコーティング過程で変性することがある。リポーターがアッセイ中にキャプチャー表面の領域に結合することは珍しいことではない。このリポーターが基質をターンオーバーさせて全体のシグナルに寄与すれば、特異的に結合したリポーターによるシグナルを非特異的に結合したものから識別することはできない。非特異的結合は、元のサンプル中に存在する多くの成分によって増進されることもあり、これらは最初のインキュベーションの際にキャプチャー表面に結合し、そのキャプチャー層の表面特性を変え、リポーターを結合することができない表面となり得る。リポーターの非特異的結合の最小化は、抗体、界面活性剤、温度およびイオン強度を含む、アッセイ中に使用される総ての試薬および反応条件の注意深い最適化を含む。
一般に、従来のイムノアッセイの検出限界は、アッセイ法によって0.1ピコモル~1ナノモル前後である。従来のアプローチを用いて極めて低い検出限界のアッセイを開発するには、多くの場合、非特異的結合を減らしシグナル/ノイズを最大化するためにストリンジェントな洗浄工程を用い、相当な最適化が必要である。さらに、キャプチャー表面は、シグナルがバックグラウンドに対して十分高いことを保証するようにサンプル容量に対して小さい場合が多い。
シグナル/ノイズに関連する問題を克服し、検出限界を改善するために使用されてきた1つのアプローチは、個々の結合事象を測定し、その測定値が限局的閾値を超える場合に、これらの結合事象を「オン」または「オフ」事象としてカウントすることである。このように、バックグラウンドノイズの多くを消去することができる。音響信号または通信信号のデジタル化も同様である。これらのデジタルアッセイは、従来の類似の方法を用いてはこれまでに達成不可能であった検出限界を達成することが示されている。例えば、低フェモトモル(10-15mol/L)、さらにはアトモル(10-18mol/L)範囲の検出限界が報告されている。例えば、“Evaluation of highly sensitive immunoassay technologies for quantitative measurements of sub-pg/mL levels of cytokines in human serum” ,Yeung et al, Journal of Immunological Methods, 2016, 437, 53および “デジタルDetection of Biomarkers Assisted by Nanoparticles: Application to Diagnostics” ,Cretich et al, Trends in Biotechnology, 2015, 33, 343参照。
アッセイにおいて使用される標識/リポーターの大多数(蛍光団、色素など)は、広視野顕微鏡を用いてはたとえ高倍率下であっても、それらの大きさが可視光の回折限界を下回るので個々に観察できない。従って、これらの標識の存在は、各標識をカウントすることではなく、バルク現象としてのみ測定可能である。これに対し、ラテックス粒子などの粒状標識は、理論上、それらが特定の大きさを超える場合に広視野光学顕微鏡によって可視化可能である。光学的設定によって、顕微鏡の開口数およびタイプに応じて数百ミクロンおよびそれを超える径を有する場合に、粒子の可視化を開始することができる。
しかしながら、この大きさの粒子を、キャプチャー表面の個々の結合事象(抗体-抗原相互作用など)をモニタリングするための標識として用いることは、いくつかの理由で非現実的である。例えば、この大きさの粒子は、他のタイプの標識に比べて極めてゆっくり拡散し、平坦な表面での反応速度を損なう。それらはまた巨視的浮力効果を示し始め、粒子の密度が、それらが含まれている媒体と著しく異なる場合には沈澱または浮遊し、これもまたアッセイ形式に問題を生じ得る。この大きさの粒子は特に表面に非特異的に結合しやすく、高いバックグラウンドを生じ、除去が難しい。最終的に、余分な粒子を除去しなければならず、洗浄工程を必要とする。しかしながら、大きな粒子は流体流動の存在下で剪断効果を受け始め、粒子上の剪断力が抗体-抗原相互作用の強度(およそ60~250pN)の破断より大きくなると、粒子が洗い流されるに至る(“Rapid Femtomolar Bioassays in Complex Matrices Combining Microfluidics and Magnetoelectronics”, Mulvaney et al, Biosensors and Bioelectronics, 2007, 23, 191参照)。
デジタルアッセイの例としては、Quanterix Single Molecular Array(SIMOA)システムおよびSingulex Single Molecular Counting(SMC)システムが挙げられる。
Quanterix SIMOAシステムは、溶液から分析物を捕捉するために抗体コーティング常磁性ビーズを使用する。次に、磁性ビーズを洗浄し、酵素で標識したリポーター抗体を加える。ビーズの量は、ビーズ当たり1つを超える分析物およびリポーターを有する確率を最小とするに十分なものである。ビーズを再び洗浄し、次に、ウェル当たり1個のビーズのみを保持できるマイクロウェルのアレイに添加する。このマイクロウェルの容量はフェムトリットルスケールである。ビーズに酵素が結合されていれば、ウェル中の蛍光基質がターンオーバーする。小さな寸法のウェルが、蛍光生成物が拡散しすぎないようにする。次に、各ウェルを、蛍光が閾値を超える場合に、「オン」または「オフ」事象としてカウントする。
SMCシステムはSingulex Clarity instrumentで、またMerck Millipore社のErennaシステムおよびSMCxPROシステムでも使用される。3つ総てのシステムにおいて、基本測定技術は同じである。サンドイッチアッセイにおいて標的分析物を捕捉するために、キャプチャー抗体がコーティングされた磁性ビーズが使用される。また、蛍光標識されたリポーター抗体も、分析物の存在下でビーズに結合する。これらのビーズを磁石で引き寄せ、余分な蛍光タグ付きリポーターを洗い流す。次に、サンドイッチ複合体の解離を生じる溶出バッファーを加え、その後、これを測定容器に移す。次に、蛍光タグの存在を、蛍光タグの有無を決定するめに小容量のサンプルを連続的にインタロゲイトする共焦点蛍光顕微鏡を用いて測定する。各個の測定のシグナルが閾値を超える場合、これをその測定の「オン」事象としてカウントする。
高感度イムノアッセイのいくつかの独立した学術的総説は、イムノアッセイに対するデジタルアプローチが検出限界の先例のない向上を可能とすることを強調している(上記の参照文献Yeung and Cretichを参照)。
QuanterixシステムおよびSingulexシステムの検出限界は、そのアッセイにおいて使用されるサンプルの容量に依存する。10マイクロリットルの血清または血漿サンプルの場合、理論限界は、1分子に相当する単一の結合事象の検出である。しかしながら、モル濃度に関しては、これはサンプル1リットル当たり100,000分子、または1リットル当たり0.16×10-18モル(0.16アトモル)に相当する。
しかしながら、上記のQuanterixシステムおよびSingulexシステムは複雑かつ厄介で、それぞれ複数回の洗浄および移行工程を必要とする。さらに、これらのアッセイは、細胞材料を含有しないサンプルに対してのみ行うことができ、それらが求める性能を達成するために高価な計装を要する。従って、なお、より簡単でよりコスト効果のよい高感度システムの必要がある。
よって、本発明は、サンプル中の分析物を検出するための方法であって、
(i)サンプルおよびリポーター試薬を含んでなる混合物をデバイスに供給する工程であって、前記デバイスは、光学成分を有する基板および前記基板の表面に付着した結合成分を含んでなる、工程;
(ii)前記分析物の濃度に比例した割合の前記リポーター試薬を、前記結合成分の手段によって、前記基板の表面に結合させる工程;
(iii)結合したリポーター試薬部分の光増感剤が、前記光学成分と相互作用して前記光学成分を第1の光学的状態から第2の光学的状態へ変化させ、それによって前記基板上に、第2の光学的状態を有する光学成分の局部的領域のセットを形成するように、前記リポーター試薬の光増感剤によって吸収させるために、前記デバイスに電磁放射線を照射する工程;および
(iv)前記基板上の、第2の光学的状態を有する局部的領域のセットを検出する工程
を含んでなる方法を提供する。
よって、本発明は、サンプル中の分析物を検出するための方法であって、基板の表面の近位にあるリポーター試薬のみがシグナル(第2の光学的状態にある光学成分の局部的領域)を生じ、これらのシグナル(第2の光学的状態にある光学成分の局部的領域のセット)が検出される方法を提供する。よって、本発明の方法は、分析物のデジタル検出を簡単にする。本発明の方法は、細胞材料を含有するものを含む一定の範囲のサンプルに対する不均一系アッセイを容易にする。
以下、図面を参照して本発明を説明する。
図1は、本発明の方法で使用可能な種々の成分を示す。 図2は、リポーター試薬が基板の表面に結合された、照射前のデバイスを示す。 図3は、照射される図2のデバイスを示す。 図4は、照射後の図3のデバイスを示す。 図5は、全血サンプルおよびリポーター試薬が存在する照射前のデバイスを示す。 図6は、照射後の図5のデバイスを示す。 図7は、本発明の方法において使用されるデバイスを示し、ここで、照射前に、リポーター試薬は前記分析物の濃度に比例して、前記結合成分の手段によって基板の表面に結合される。 図8は、照射後の図7のデバイスを示す。 図9は、検出のための光学的設定を示す。 図10は、本発明の方法のために作出された基板およびウェルを示す。 図11は、図10の基板およびウェルを用いて作出されたサンプルチャンバーを示す。 図12は、実施例5の検出結果を示す。 図13は、実施例6の検出結果を示す。 図14は、実施例7の検出結果を示す。
本発明の方法は、サンプル中の分析物を検出するために使用される(分析物の複合体または誘導体の検出を介するものであり得る)。
図1の成分は、分析物1;光増感剤2;光増感剤3が注入されたストレプトアビジンコーティングラテックス粒子;光増感剤4が注入された抗体コーティングラテックス粒子;抗体5;光増感剤標識抗体6;蛍光状態にある色素7;非経口状態にある色素8;重合ストレプトアビジン9;蛍光状態にあるポリストレプトアビジン色素コンジュゲート10;非経口状態にあるポリストレプトアビジン色素コンジュゲート11;ビオチン-BSAコンジュゲート12;赤血球13;蛍光状態にあるアミノデキストラン-ビオチン-色素コンジュゲート14;および非経口状態にあるアミノデキストラン-ビオチン-色素コンジュゲート15。
本発明の方法の工程(i)は、サンプルおよびリポーター試薬を含んでなる混合物をデバイスに供給することを含み、このデバイスは、光学成分を有する基板17および前記基板17の表面に付着した結合成分を含んでなる。このサンプルおよびリポーター試薬は、混合物をデバイスに添加する前に予め混合してもよいし、またはサンプルおよびリポーター試薬を順次デバイスに添加して混合物を形成してもよい。この混合物はまた付加的試薬を含有してもよいが、好ましくは、この混合物はサンプルおよびリポーター試薬からなる。
本発明の基礎をなす原理の例として、図2は、リポーター試薬が基板の表面に結合される、照射前のデバイスを示す。このデバイスは、基板17および溶解または懸濁された分析物を含有するサンプルを保持するためのサンプルチャンバー16を含む。この基板は、基板上で第2の光学的状態を有する局部的領域のセットの検出を可能とするいずれの基板であってもよい。好ましくは、この基板は透明基板であり、より好ましくは、基板はガラスである。
基板17は、ビオチン-BSAコンジュゲート12および重合ストレプトアビジン9を介して基板17の表面に付着したアミノデキストラン-ビオチン-色素コンジュゲート14を有する。色素は光学成分として働き、ビオチンは結合成分として働く。ビオチン-BSAコンジュゲート12および重合ストレプトアビジン9は、基板17の表面への光学成分および結合成分の付着を容易にする不活性高分子である。光学成分はそれが固定化されるために基板17の表面に係留される必要があるので、このアプローチは、光学成分が水可溶性である場合に使用される。
光学成分および結合成分はこのように示されるが、光学成分および結合成分を基板17の表面の近位に保持するためのいずれの技術も適用可能である。例えば、光学成分および結合成分は別個の試薬であって、結合成分が光学成分に付着されていてもよい。
光学成分はまた、基板17の表面にコーティングされたポリマー層内に封入されていてもよく、結合成分はポリマー層に付着されている。このポリマーは、シリコーン、ポリスチレンもしくはポリイソブチレン、または光学成分を封入するために使用可能な他のいずれの好適なポリマープラスチックであってもよい。このアプローチは、光学成分が水不溶性である場合に使用可能である。
あるいは、ゲル/ヒドロゲル層に、基板17の表面にコーティングされたゲル/ヒドロゲル層およびゲル/ヒドロゲル層に付着された結合成分に光学成分を含浸させてもよい。
本発明の方法の工程(ii)は、分析物の濃度に比例した割合のリポーター試薬を、結合成分の手段によって、基板の表面に結合させることを含む。これは、デバイスを一定の時間、例えば、10分間静置させることによって達成することができる。
図2において、光増感剤3を含浸させたストレプトアビジンコーティングラテックス粒子は、アミノデキストラン-ビオチン-色素コンジュゲート14上のビオチンの手段によって基板17の表面に結合される。光増感剤3を含浸させたストレプトアビジンコーティングラテックス粒子は、リポーター試薬として働く。
リポーター試薬はこのように基板17の表面に結合されて示されるが、分析物が存在すると、リポーター試薬は、分析物の濃度に比例して基板の表面に結合する。例えば、結合成分およびリポーター試薬が抗体であって、分析物が抗原である場合、リポーター試薬は分析物を介して結合成分に結合して、図7および8を参照して後述されるように、いわゆる「サンドイッチ」複合体を形成する。
この時点までのステップアップは総て、光の不在下で行われている。本発明の方法の工程(iii)は、結合したリポーター試薬部分の光増感剤が、光学成分と相互作用して光学成分を第1の光学的状態から第2の光学的状態へ変化させ、それによって基板17上に、第2の光学的状態を有する光学成分の局部的領域のセットを形成するように、リポーター試薬の光増感剤によって吸収させるために、デバイスに電磁放射線を照射することを含む。
図3は、電磁放射線(一般に、「光」と呼ばれる)、好ましくは、可視光が照射される図2のデバイスを示す。光源は例えばLED 18であり得る。この光源はサンプルチャンバー16に適当な波長の光を照射して光増感剤2を励起させる。この波長は光増感剤によって異なるが、好ましい波長は680nmである。このデバイスは一般に少なくとも30秒間照射される。好ましくは、このデバイスは、1秒を超えて、より好ましくは少なくとも2秒、より好ましくは少なくとも5秒、より好ましくは少なくとも20秒、最も好ましくは少なくとも30秒間、電磁放射線源に曝される。これにより、基板表面に不可逆的な光学変換があることが保証され、よって、長命な結合事象と一時的な結合事象の識別が可能となる。
図4は、照射後の図3のデバイスを示す。光増感剤2はアミノデキストラン-ビオチン-色素コンジュゲート14の色素光学成分と相互作用して、色素を蛍光状態から非蛍光状態へ変化させる。蛍光状態にあるアミノデキストラン-ビオチン-色素コンジュゲート14は、非経口状態にあるアミノデキストラン-ビオチン-色素コンジュゲート15となる。光増感剤2に近接している色素のみが第1の光学的状態から第2の光学的状態へ変化する。
色素が蛍光状態から非蛍光状態へ変換することが示されるが、他の光学成分は別の変化を受ける。1つの実施形態では、第1の光学的状態にある場合の光学成分は、1以上の波長の光、好ましくは可視光を吸収し、第2の光学的状態にある場合の光学成分は、1以上の他の波長の光、好ましくは可視光を吸収する。この実施形態において、光学成分は色の変化を受ける。
別の実施形態において、第1および第2の光学的状態の一方にある場合の光学成分は化学発光性であり、第1および第2の光学的状態の他方にある場合の光学成分は非化学発光性である。
別の第1および第2の光学的状態は、光偏光、蛍光寿命、屈折率、光散乱(ラマン散乱を含む)および他の光学的効果に対する変化を含み得る。
図5は、全血サンプルおよびリポーター試薬が存在する、照射前のデバイスを示す。全血サンプルはまた、赤血球13などの付加的成分も含有する。好ましくは、基板17はサンプルチャンバー16の上部を形成し、赤血球13が基板17から沈降することを可能とする。
ある割合のリポーター試薬が、結合成分の手段によって基板17の表面に結合する。よって、このサンプルは、結合したリポーター試薬と溶液中に遊離している結合していないリポーター試薬を含有する。サンプルチャンバー16の深さがリポーター試薬の拡散経路長を最小化し、平衡を容易に達成可能とするように設計される。一般に、サンプルチャンバーの深さは50~200μmである。
次に、デバイスを上記のように照射し、図6は照射後の図5のデバイスを示す。光学成分の近位の光増感剤はいずれも相互作用して、光学成分を第1の光学的状態から第2の光学的状態へ変化させる。このように、結合したリポーター試薬部分の光増感剤は光学成分と相互作用してその光学成分を第1の光学的状態から第2の光学的状態へ変化させ、それによって基板17上に、第2の光学的状態を有する光学成分の局部的領域のセットを形成する。
図7は、本発明の方法において使用されるデバイスを示し、リポーター試薬は、照射前に、結合成分の手段によって、分析物の濃度に比例して基板の表面に結合される。
本発明の方法を用いる典型的なサンドイッチイムノアッセイにおいて、基板17は、ビオチン-BSAコンジュゲート12を介して基板17の表面に付着したポリストレプトアビジン-色素コンジュゲート11およびポリストレプトアビジン-色素コンジュゲート11に付着した抗体5を有する。色素は光学成分として働き、抗体は結合成分として働く。光学成分および結合成分はこのように示されるが、上記のものなど、基板17の表面に近位の光学成分および結合成分を保持するためのいずれの技術も適用可能ある。
本発明の方法において、サンプルチャンバー16に、分析物1を含有するサンプルが満たされる。光増感剤標識抗体6などのリポーター試薬もまたサンプルチャンバー16に添加される。全血サンプルが使用される場合、サンプルはまた、赤血球13などの付加的成分を含有してもよい。
次に、平衡が達成される。光増感剤標識抗体6は、基板17の表面に、抗体5の手段によって、分析物1の濃度に比例して結合される。光増感剤標識抗体6は、リポーター試薬として働く。分析物1の総てがサンドイッチ複合体を形成するように、過剰量の光増感剤標識抗体6が含まれる。よって、分析物1の濃度に比例した割合のリポーター試薬が、結合成分の手段によって基板17の表面に結合する。従って、サンプルは結合したリポーター試薬と溶液中に遊離している結合していないリポーター試薬を含有する。
図8は、照射後の図7のデバイスを示す。光増感剤2は、ポリストレプトアビジン-色素コンジュゲート11の色素光学成分と相互作用して、色素を非蛍光状態から蛍光状態へ変換させる。非経口状態にあるポリストレプトアビジン-色素コンジュゲート11は、蛍光状態にあるポリストレプトアビジン-色素コンジュゲート10となる。光増感剤2に近接している色素のみが第1の光学的状態から第2の光学的状態へ変化する。
第1の光学的状態から第2の光学的状態へ完全な変換を達成するためには、照射の全期間中、基板17の表面にリポーター試薬が恒久的に結合していなければならない。溶液中の結合していないリポーター試薬は、光学成分を第1の光学的状態から第2の光学的状態へ変化させない。
これは、洗浄工程の必要をなくすという点で他のデジタルアッセイ方法に優る著しい利点を提供する。このように、本発明の方法は不均一系アッセイである。従来のアッセイにおいて、結合していないリポーター試薬は結合したリポーター試薬によって生じるシグナルに干渉することから、結合していないリポーター試薬は、測定が行われる前に結合したリポーター試薬から分離しなければならない。しかしながら、本発明によって提供される局部的な表面変化のために、結合したリポーター試薬と結合していないリポーター試薬は識別可能である。実際に、基板17の表面に近位しているリポーター試薬(すなわち、結合している)とバルク溶液中のリポーター試薬(すなわち、結合していない)とを識別できることは、本発明の特定の利点である。好ましくは、工程(i)~(iii)は洗浄工程無しで行われ、すなわち、この方法は、工程(i)、(ii)および(iii)において基板からサンプルを取り出すことなく行われる。
結合したリポーター試薬部分の光増感剤は、光学成分と直接相互作用して変化させ(例えば、光増感剤は励起され、このエネルギーを光学成分に直接転移する)または光学成分と間接的に相互作用して付加的試薬を介して変化させる(例えば、光増感剤は励起され、このエネルギーを付加的成分に転移し、その後、このエネルギーを光学成分に転移する)。
好ましい実施形態において、光増感剤による吸収は、混合物中に存在するプレアクチベーター試薬との相互作用によるアクチベーター試薬の生成を目的としたものであり、アクチベーター試薬は、光学成との相互作用による第1の光学的状態から第2の光学的状態への変化を目的としたものである。
プレアクチベーター試薬はサンプル中に存在してもよいし、またはプレアクチベーター試薬は、サンプルとリポーター試薬の混合物に付加的試薬として加えてもよい。好ましい実施形態において、プレアクチベーター試薬は三重項酸素である。別の好ましい実施形態において、アクチベーター試薬は反応性酸素種(ROS)である。好ましくは、ROSは、 ヒドロキシルラジカル、超酸化物、過酸化物、有機過酸化物、ペルオキシ亜硝酸塩、一重項酸素およびそれらの混合物から選択される。より好ましくは、アクチベーター試薬は一重項酸素である。一重項酸素は、短い半減期および限定された拡散経路長(水性条件下で最大200nm)を有することから、好ましいアクチベーター試薬である。
特定の理論に縛られることを望むものではないが、光増感剤は光を吸収して励起状態を生じ、これはサンプル中に存在し、リポーター試薬の近位にある酸素との項間交差(ISC)を受けて一重項酸素を生じ得ると考えられる。次に、一重項酸素は、後述するように、光学成分と相互作用するようになる。特に好ましい実施形態において、プレアクチベーター試薬は三重項酸素であり、アクチベーター試薬は一重項酸素である。
一重項酸素は、これまでに発光酸素チャネリングイムノアッセイ(LOCI)においてイムノアッセイで使用されてきた。LOCIイムノアッセイは、ドナーおよびアクセプタービーズを用いる均一系非デジタルアッセイである。ドナービーズは680nmでの照射の際に一重項酸素を生じ、アクセプタービーズは、一重項酸素によって活性化された際化学発光シグナルを生じる。ドナーのアクセプタービーズへの結合は、抗体-抗原結合によって促進される。反応混合物は一般に0.5~1.0秒間照射された後、発光シグナルは0.5~1.0秒間測定される。決定的には、測定は、総ての結合していないドナーおよびアクセプタービーズの存在下で行われる。ビーズの空間的分離はバックグラウンドシグナルを最小とするが、LOCIアッセイは、短い測定時間のために、長命な結合事象と一時的な結合事象とを識別することができない。アッセイは、例えば、インターロイキン6(IL-6)または甲状腺刺激ホルモン(TSH)などの、その最も高感度のアッセイに関して1~5pg/mL前後の検出限界を達成することができる。本発明の方法は、シグナルが検出されるためには、「ドナー」粒子、リポーター試薬は、溶液中の粒子にではなく、基板17の表面に近接している必要があり、また、照射期間の持続時間の間もそこに存在していなければならないので、バックグラウンドシグナルをさらにもっと最小化する。よって、本発明の方法は、LOCIアッセイよりも高感度で、低濃度の分析物を検出することができる。
好ましい実施形態において、光学成分は色素である。好ましくは、光学成分は、以下の色素の1つおよびそれらの混合物から選択される。
Figure 2022538581000002
色素(1)~(5)は公知であり、酸化ストレス下で細胞のROS形成をモニタリングするために細胞プローブとして使用される。しかしながら、これらの色素は、標準イムノアッセイまたはデジタルイムノアッセイのいずれにおける使用に関しても知られていない。色素(6)は、一般的な蛍光色素である。アレクサフルオル色素、BODIPY色素、ローダミン色素、テキサスレッド、オレゴングリーン、カスケードイエロー、パシフィックブルーなどを含む、市販され、本発明における使用に好適な他の広範な蛍光色素もある。さらなる例としては、分子プローブハンドブック、Thermo Fisher Scientificを参照。
色素一重項酸素センサーグリーン(SOSG)(1)は、一重項酸素と反応してそれを弱い蛍光形態から高い蛍光形態へ変換する。一重項酸素はアントラセニル基と反応してエンド過酸化物を形成する。好ましい実施形態において、光学成分はSOSGである。
色素ホウ素-ジピロメテン581/591(BODIPY581/591)(2)は一重項酸素およびヒドロキシルラジカルなどの反応性酸素種と反応して、蛍光励起/発光極大に浅色シフトをもたらす。
色素(3)~(5)は同じコア構造を共有し、一重項酸素を含む一般酸化剤と反応してそれらを蛍光形態へ変換する。よって、これらの色素は、ロイコ状態から蛍光状態へ変換され得る。
色素(6)は、一重項酸素と反応しそれを蛍光形態から非蛍光形態へ変換することが判明している。フルオレセインを使用すると、意外にも、光増感剤の近位の蛍光を完全に消失させて蛍光基板に暗い非蛍光領域を作出できることが判明している。よって、好ましい実施形態において、光学成分はフルオレセインである。より好ましくは、光学成分はフルオレセインであり、第1の光学的状態は蛍光であり、第2の光学的状態は非蛍光である。最も好ましくは、光学成分はフルオレセインであり、第1の光学的状態は蛍光であり、第2の光学的状態は非蛍光であり、局部的領域のセットは基板上の暗い非蛍光領域である。
好ましくは、第1および第2の光学的状態の一方にある場合の光学成分は蛍光であり、第1および第2の光学的状態の他方にある光学成分は非蛍光である。1つの実施形態において、第1の光学的状態にある場合の光学成分は非蛍光であり、第2の光学的状態にある場合の光学成分は蛍光である。しかしながらより好ましくは、第1の光学的状態にある場合の光学成分は蛍光であり、第2の光学的状態にある場合の光学成分は非蛍光である。
別の好ましい実施形態において、第1の光学的状態にある場合の光学成分は1以上の波長における蛍光であり、第2の光学的状態にある場合の光学成分は1以上の他の波長における蛍光である。この実施形態において、光学成分は、その蛍光励起/発光極大をシフトする。
好ましくは、第1の光学的状態から第2の光学的状態への変化は不可逆的である。これにより、光学的状態の変化が起こった領域を特定するために、その後の基板の走査が可能となる。
本発明の方法の工程(iv)は、基板上で、第2の光学的状態を有する局部的領域のセットを検出することを含む。
第2の光学的状態を有する光学成分は、基板上で局部的領域のセットを形成する。有利には、第2の光学的状態を有する局部的領域は、個々の結合事象としてカウントすることができる。よって、本発明の方法は、デジタルアッセイの実施に好適である。しかしながら、多数の結合事象が存在し、その結果、光学成分の大部分が第2の光学的状態にある場合には、バルク変化を検出することができる。
好ましい実施形態において、基板上の第2の光学的状態を有する局部的領域のセットは、基板上の第2の光学的状態を有する局部的領域のセットにおいて局部的領域をカウントすることによって、または基板上の第2の光学的状態を有する局部的領域のセットをバルク特性として測定することによって検出することができる。より好ましくは、基板上の第2の光学的状態を有する局部的領域のセットは、基板上の第2の光学的状態を有する局部的領域のセットにおいて局部的領域をカウントすることによって検出される。
第2の光学的状態を有する局部的領域は、第1の光学的状態および第2の光学的状態によって、バックグラウンドシグナルに相当する閾値を超える必要がある場合がある。例えば、サンプルはいくらかのバックグラウンド自己蛍光を有する場合があるが、アッセイのデジタル性のために、これが閾値を超えなければ、シグナルに影響を及ぼさないはずである。バックグラウンド自己化学発光は、生じる傾向はない。
さらに、基板の表面は、光増感剤の照射前に表面の二次元画像を得るために走査し、次に照射後に走査してもよく、表面上のまたはサンプル自体のアーチファクト、混入物および任意の自己蛍光からの干渉を軽減するために、照射後画像から照射前画像をバックグラウンド消去する。よって、好ましい実施形態において、本発明の方法は、さらに、工程(iv)で検出された基板上の第2の光学的状態を有する局部的領域のセットから、デバイスに電磁放射線を照射する前に検出された基板上の第2の光学的状態を有するいずれの成分も消去することを含んでなる。このように、バックグラウンド消去画像は、基板の光学特性に対する変化(例えば、蛍光強度の変化)のみを示す。
基板上の第2の光学的状態を有する局部的領域のセットは一般に、基板上の分散した領域である。しかしながら、それらの形態のために検出から除外される局部的領域もある。個々の結合事象に相当する局部的領域は、均一で円形である傾向があるが、アーチファクトに相当する形状が不規則である局部的領域もある。さらに、粒子が一緒に塊状となった、他よりも大きい局部的領域もある。よって、好ましい実施形態においては、基板上の第2の光学的状態を有する、均一で円形の局部的領域だけが検出される。
基板上の局部的領域のセットは、光学的手段を用いて検出することができる。好ましい実施形態において、基板上の第2の光学的状態を有する局部的領域のセットは、光学顕微鏡を用いて検出される。検出の好適な光学的設定を図9に示す。より好ましくは、基板上の第2の光学的状態を有する局部的領域のセットは広視野顕微鏡を用いて検出される。広視野顕微鏡は、顕微鏡の最も簡単な形態であり、これによって、一度に1つの単一焦点しか照射および記録されない共焦点顕微鏡などのより複雑な技術とは対照的に、サンプル全体が照射されると同時に画像化される。共焦点顕微鏡の利点は、焦点外のぼやけをとることによってコントラストが高まること、およびサンプルの深さまで画像スタックが得られることである。また、光活性化合物局在性顕微鏡法(PALMまたはFPALM)および確率的光学再構築顕微鏡法(STORM)などの超解像顕微鏡技術も知られている。これらの方法は複雑さを増し、簡単な広視野法よりもコストがかかる。
色素(1)および(3)~(5)を用いる場合、蛍光ホットスポット(または多数の結合事象が存在する場合には、蛍光の増強)が、光学成分が第2の光学的状態へ変換されている基板の表面に見られる。この蛍光を検出するために、基板にその色素の励起波長で照射を行い、その基板の表面を光の放出に関して走査することができる。
色素(2)を用いる場合、610nmでの蛍光放出の低下または515nmでの蛍光放出の増加のいずれかを測定することができ、またはその両方の波長をモニタリングすることができる。
色素(6)を用いる場合、暗いスポット(または多数の結合事象が存在する場合には、暗い画像)が、光学成分が第2の光学的状態へ変換されている基板の表面に見られる。これらの暗いスポットまたは画像を検出するために、光源(例えば、LED)および光検出器(例えば、光電子増倍管またはCCDなどのカメラ)を備えた広視野蛍光顕微鏡を、フルオレセインの検出に好適な励起および発光フィルター(例えば、490nmで励起および520nmで発光)を用いて使用することができる。
結合事象が生じた場合、光増感剤は基板の近位にある。すなわち、光増感剤は、デバイスの照射時に、光学成分と相互作用し、それを第1の光学的状態から第2の光学的状態へ変換するために基板の表面に十分に近接している。しかしながら、光増感剤と基板の表面の実際の距離は、光増感剤の大きさおよび性質、結合成分、リポーター試薬および分析物の大きさおよび性質、ならびにサンプル媒体の性質によって異なる。
結合成分は、サンプル中の分析物の濃度に比例してリポーター試薬と結合し得る結合部位を有する。決定される分析物の濃度の意味のある測定のためには、結合が分析物の濃度に依存しなければならないので、この比例性はアッセイの機能に重要である。この結合は、実施されるアッセイの対応によって、分析物の濃度に正比例しても反比例してもよい。非競合アッセイ、例えば、免疫測定アッセイの場合には、結合は分析物の濃度に正比例するが、競合アッセイの場合には、結合は分析物の濃度に反比例する。
分析物の抗体が基板に固定化され、標識された分析物の類似体がサンプル中に導入される、競合アッセイの1つの特定のタイプが提案される。分析物および標識された分析物の類似体は次に、表面上の抗体をめぐって「競合」する。そして、分析物の不在下では、標識された類似体は最大可速度で結合する。しかしながら、分析物の存在下では、基板上の抗体は分析物とともに存在するようになり、類似体の結合速度は低下する。
結合成分は、分析物、または分析物の複合体もしくは誘導体と結合するように適合させることができ、この場合、リポーター試薬は、分析物、または分析物の複合体もしくは誘導体の存在下で結合成分と結合する。この場合、結合成分は、分析物または分析物の複合体もしくは誘導体の存在下でリポーター試薬と結合し得る結合部位を有する。しかしながら、結合はなお分析物の濃度に比例する。
あるいは、結合成分はそれ自体、分析物の類似体であってもよく、リポーター試薬は結合成分に直接結合する(それは共有結合または非共有結合性の相互作用を介して基板の表面に結合されるので、それは類似体である)。この場合、結合成分は、結合していない分析物、または分析物の結合していない複合体もしくは誘導体とリポーター試薬の結合をめぐって競合する。よって、結合成分は、簡単にリポーター試薬に結合し得る。
リポーター試薬の結合成分への結合(直接的または分析物/分析物の複合体または誘導体が介在する)の程度を決定すると、サンプル中の分析物の濃度の測定値が得られる。
アッセイはまた、リポーター試薬の存在も必要とする。リポーター試薬は、光増感剤を含んでなる。光増感剤は、電磁放射線を吸収して光学成分と相互作用し得る。それは、光学成分を第1の光学的状態から第2の光学的状態へ変化させるこの相互作用である。
よって、光増感剤は、電磁放射線とこのように相互作用し得るいずれの材料から構成されてもよい。好適な光増感剤は、光線力学療法(PDT)からPDT試薬として知られている。PDT試薬は癌療法および皮膚科学において照射時に細胞を破壊するために使用される(Shafirstein et al, Cancers, 2017, 9, 12; Wan and Lin, Clinical, Cosmetic and Investigational Dermatology, 2014, 7, 145)。
電磁放射線を照射すると、PDT試薬は励起三重項状態へと促進される。この励起三重項状態は細胞成分と直接相互作用することができ、これは1型プロセスと呼ばれ、または酸素と相互作用することができ、これはII型プロセスと呼ばれる。1型プロセスおよびII型プロセスは両方ともROSの形成をもたらし得る。II型プロセスでは、主生成物は、項間交差機構を通して一重項酸素である。
一重項酸素は、反応性が高い酸素の励起状態である。それは減衰するまで、ディールス・アルダー反応およびエン反応を含む多くの反応を受け得る。それはまた、硫黄および窒素含有化合物による一般的な酸化反応も受ける。この一重項酸素の無差別な反応性は、それが光線力学療法に使用される理由の1つである。
ポルフィリン、クロリン(例えば、ピロフェオフォルバイド-a)、フタロシアニンおよびその他の多環芳香族種を含む、広範な光増感剤化合物が知られている(例えば、Antibody-Directed Phototherapy, Pye et al, Antibodies, 2013, 2, 270参照)。
1つの実施形態では、光増感剤は、ポルフィリン、クロリン、フタロシアニンおよびその他の多環芳香族種から選択される。好ましい実施形態では、光増感剤は、ピロフェオフォルバイド-a(PPa)である。PPaは以下の構造を有する。
Figure 2022538581000003
ROSを生成することなく反応を触媒する他の光増感剤も使用することができる。これらには、還元剤の存在下でジクロロジフェニルトリクロロエタンの還元を触媒するRu(II)-トリス(2,2’-ビピリジル)ジクロリド;スチルベンのシス-トランス異性化を触媒するベンゾフェノン/エオジン;および二酸化炭素と水の反応を触媒して炭水化物を生成するクロロフィルが挙げられる。光増感剤にはまた、基板の光学特性に変化をもたらすこともできる重合反応を触媒し得るものも知られている。例えば、Dyes as Photoinitiators or Photosensitisers of Polymerisation Reactions, Fouassier et al, Materials, 2010, 3, 5130参照。
結合成分およびリポーター試薬の性質は分析物の性質によって異なるが、それらは好ましくは抗体である。本発明の方法は特にイムノアッセイに適用可能性を有する。特に好ましい実施形態において、結合成分は、分析物または分析物の複合体もしくは誘導体に対して生成された抗体であり、リポーター試薬は、分析物または分析物の複合体もしくは誘導体に対して生成された抗体を含んでなる。原理上は各試薬に単一の分子を使用することができるが、実施上、結合成分およびリポーター試薬は分子の集団である。「抗体」という用語には好ましくは、その範囲内にFabフラグメント、一本鎖可変フラグメント(scFv)、および組換え結合フラグメントを含む。
抗体-抗原反応の代替として、結合成分、リポーター試薬および分析物は、第1および第2の核酸が相補的である第1および第2の核酸、またはアビジンもしくはその誘導体を含有する試薬およびビオチンもしくはその誘導体を含有する分析物、またはその逆であってもよい。結合成分およびリポーター試薬はまたアプタマーであってもよい。このシステムはまた生物学的アッセイに限定されず、例えば、水中の重金属の検出に適用してもよい。このシステムはまた液体に限定する必要はなく、例えば、空気中の酵素、細胞およびウイルスなどの検出など、いずれの流体システムも使用可能である。
最大観測可能シグナルは、表面に結合する光増感剤をモニタリングする際に達成可能な最大シグナルである。基板への粒子の結合は、分析物およびリポーター試薬の拡散速度によって支配され、次いで、これらの成分の流体力学的半径およびサンプルの粘度/温度によって大きく支配される。
本発明の方法において使用されるデバイスは、測定の成分における天然の変動、測定されるサンプルにおける変動、および測定中の環境条件における変動を相殺する対照をさらに含んでなり得る。これは、基板の表面の試薬にサンプルを曝すことによって達成することができる。一般に基板の表面の異なる領域には異なる試薬が配置され、これらの領域は異なる試薬でコーティングされる。これらの対照は、陰性対照は分析物の不在下での予想されるシグナルに近似するものとし、陽性対照は分析物がそのシステムを飽和した際に予想されるシグナルに近似するものとするという意味で、「陰性」および「陽性」対照として定義される。
これらの対照で検出を達成するために、本発明のデバイスは好ましくは結合成分、陰性対照試薬および陽性対照試薬を含んでなり、そのそれぞれは上記のように基板の表面に付着される。
結合成分は、上記の通りである。
陰性対照試薬は、アッセイの条件下でリポーター試薬に対して結合成分よりも低い親和性を有する。従って、陰性対照試薬は陰性対照を提供する。親和性はそのアッセイの条件下で考えられることが重要である。これは非競合アッセイの場合、リポーター試薬に対する結合成分の親和性には、分析物、または分析物の複合体もしくは誘導体の存在が介在するからである。よって、分析物、または分析物の複合体もしくは誘導体の不在下では、結合成分も陰性対照試薬もリポーター試薬に対して親和性を持たない。しかしながら、分析物、または分析物の複合体もしくは誘導体の存在下では、陰性対照試薬はリポーター試薬に対して結合成分よりも低い親和性を有する。
さらに、結合成分が分析物、または分析物の複合体もしくは誘導体に結合する実施形態において、陰性対照試薬は好ましくは、分析物または、使用する場合には、分析物の複合体もしくは誘導体に対して結合成分よりも親和性を有する。陰性対照試薬は、好ましくはタンパク質、より好ましくは抗体である。陰性対照試薬は一般に、結合成分と類似の化学特性および物理特性を有するが、そのアッセイの条件下でリポーター試薬に対してほとんどまたは全く親和性を示さない。特に好ましい実施形態において、陰性対照試薬は、そのアッセイの条件下でリポーター試薬に対して実質的に親和性を有さない。好ましくは、陰性対照試薬は、分析物または分析物の複合体もしくは誘導体に対して実質的に親和性を提供しない。すなわち、リポーター試薬、あるいは該当する場合には、分析物または分析物の複合体もしくは誘導体の、陰性対照試薬への結合は非特異的である。このように、陰性対照試薬は、結合成分に対するリポーター試薬の非特異的結合を相殺することができる。
陽性対照試薬はリポーター試薬に結合し、分析物、または使用される場合には、分析物の複合体もしくは誘導体のサンプル中の濃度による影響が結合成分よりも小さいリポーター試薬に対して親和性を有し、ゆえに陽性対照を提供する。好ましくは、陽性対照試薬は、分析物または分析物の複合体もしくは誘導体の濃度に実質的に依存しないリポーター試薬に対して親和性を有する。より好ましくは、陽性対照試薬は、そのアッセイ条件下で、結合成分よりもリポーター試薬に高い親和性を有する。このように、陽性対照試薬は、そのシステムにおける最大予想シグナルを測定するものである。
本発明において実施されるアッセイのダイナミックレンジを増すと同時に精度を改善するためには、基板上の複数の場所に結合成分を有することが好ましい。これらの場所は、各場所で結合成分の濃度を変えることによって異なる感度に調整することができる。各場所はまた、異なるダイナミックレンジの対照として機能するための、その固有の陰性対照および陽性対照試薬を有してもよい。これは特に、システムを構成する個々の成分のそれぞれの濃度に特に感受性のある競合アッセイに適用可能である。
上記の説明は光増感剤を活性化する前にアッセイが平衡に達することを可能とするが、結合事象の動態は、あるタイムコースの不連続の期間に光増感剤を照射し、平衡が達成される前に、反応過程で結合事象が起こった場合にそれらをモニタリングすることによってモニタリング可能とすることもできる。
分析物は高分子または低分子であり得る。高分子は一般に、タンパク質、例えば、タンパク質に基づくホルモンであり、ウイルス、細菌、細胞(例えば、赤血球)またはプリオンなどの大きな粒子の一部であってもよい。低分子は薬物であり得る。
本明細書で使用される用語「低分子」は、技術用語であり、その分子をタンパク質および核酸などの高分子から区別するために使用される。低分子は、イムノアッセイの分野では「ハプテン」と呼ばれることが多く、タンパク質などの大きな担体分子に付着した場合に免疫応答を惹起することができ、およびホルモンおよび合成薬物などの分子を含む低分子である。このタイプの低分子は一般に、2,000以下、多くの場合、1,000以下、さらには500以下の分子量を有する。結合成分は、分析物それ自体に結合するように適合させることができるが、分析物は、結合成分に結合する前に化学反応または初期の複合体形成事象を受け得る。例えば、分析物は、アッセイ条件のpHでプロトン化/脱プロトン化され得る。よって、結合成分に結合された分析物は、分析物それ自体または分析物の誘導体であってよく、両方とも本発明の範囲内に含まれる。
好ましい実施形態では、本発明は、同じサンプル中の複数の分析物を同時に検出する使用してもよい。異なる結合成分は、基板上の、各分析物の測定のための異なる場所に使用することができる。サンドイッチアッセイおよび競合アッセイを並行して行ってもよく、これらのアッセイは、上記のものと同じ陰性対照および陽性対照を用いてもよく、または測定される各分析物に対して別の対照が存在してもよい。
対象とする分析物を含有することが疑われるサンプルは一般に、流体サンプル、例えば、液体サンプル、通常には、体液、例えば、血液、血漿、唾液、血清、眼内液、脳脊髄液または尿などの生物学的サンプルである。サンプルは懸濁粒子を含有してもよく、全血であってもよい。好ましい実施形態では、サンプルは、未処理であり、より好ましくは、未処理流体である。未処理とは、リポーター試薬およびその他のアッセイ成分と混合される前に、サンプル/流体が濾過、希釈または他の任意の前処理工程によって前処理されないことを意味する。本発明の方法の利点は、懸濁粒子を含有するサンプルに対して、アッセイの結果に過度に影響を及ばさずにアッセイが実施され得ることである。
好ましい実施形態では、サンプルは全血である。全血の成分が本発明の検出方法に干渉しないことは驚くべきことである。血液の血漿または血清成分において蛍光を測定するためには、サンプルごとに異なる細胞成分による光の予測できない散乱のために、血液から赤血球を除去するのが通常である。しかしながら、本発明の方法において、蛍光は基板上で測定されるので、また、個々の結合事象が測定可能であるので、全血で測定を行うことができる。
サンプルは一般にマイクロリットル程度である(例えば、1~100μL、好ましくは、1~10μL)。流体サンプルを保持するために、基板は好ましくは1以上の側壁、上面および底面を備えたサンプルチャンバー内に置かれる。よって、本発明の方法において使用されるデバイスは、好ましくは、分析物を含有するサンプルを基板と接触させて保持するためのチャンバーをさらに含んでなる。
潜在的なさらなるバックグラウンド干渉源は、サンプルのリポーター試薬および細胞成分を含む、基板表面への懸濁粒子の沈降である。この干渉源は、基板をバルク溶液の上、例えば、反応チャンバーの上面に配置することによって軽減され得る。よって、沈降が起こっても、それは基板に干渉しない。好ましくは、図に示されるように、基板は上面を形成する。明らかに、光学成分および結合成分は、サンプルとの接触を可能とするためにチャンバーの内面にある。この改変および他の改変は本発明の範囲内に含まれる。
サンプルは、表面張力によって、例えば、キャピラリーチャネル内に簡単に保持することができる。
リポーター試薬および場合によって1以上の付加的試薬が好ましくは、本発明の方法において使用されるデバイスに組み込まれたチャンバーに保存される。
本発明の方法は、臨床現場即時検査(point-of-care (POC) testing)において特に有用である。POC検査は、臨床現場またはその付近での診断検査、すなわち、ベッドサイド検査と定義される。POC検査は便利かつ迅速な検査を可能とし、事故および緊急医療ならびに病床などの病院資源をより良く配分しつつ意志決定およびトリアージの改善を可能とする。これは、サンプルは臨床現場で採取された後に検査のために検査室に送られた従来の検査とは対照的である。このような検査では、結果を得るまでに何時間もまたは何時間もかかる場合が多く、その間は所望の情報なく、医療を続けなければならない。POC検査は、多くの場合、ポータブル器具と組み合わせて検査キットを使用する。
本発明の方法は、通常極めて低い存在量の分析物の濃度または有/無をモニタリングするために特に有用である。潜在的適用として、心疾患(例えば、高感度トロポニン)、感染性疾患(例えば、C型肝炎コア抗原)、加齢/認知症(例えば、アルツハイマー病マーカーアミロイドβおよびタウ)、サイトカインおよび腫瘍学(例えば、循環腫瘍マーカー)におけるバイオマーカーの測定が含まれる。
本発明はまた、サンプル中の分析物を検出するデバイスを提供し、このデバイスは、光学成分を有する基板および前記基板の表面に結合した結合成分を含んでなり、この光学成分は、サンプル中の分析物の濃度に比例して基板の表面に結合したリポーター試薬の、照射された光増感剤との相互作用に応答して第1の光学的状態から第2の光学的状態に変化し、それによって基板上に第2の光学的状態を有する光学成分の局部的領域のセットを形成することができる。
デバイスの特徴は、本発明の方法において使用されるデバイスに関して上記された通りである。
好ましい実施形態において、デバイスは、サンプルとリポーター試薬の混合物を保持するためのチャンバーをさらに含んでなる。
本発明のデバイスは、電磁放射線を生成するように適合された放射線源および第2の光学的状態にある光学成分を検出するように適合された検出器を含んでよく、それによって、基板に対する光増感剤の位置の正確な決定が可能となる。
本発明のデバイスは、別のリーダーとともに使用するようにカートリッジの形態をとってもよい。リーダーに放射線源および検出器を組み込んでもよい。リーダーは好ましくは、ポータブルリーダーである。好ましくは、デバイスはカートリッジを含んでなり、基板はこのカートリッジ内にあり、デバイスは、基板上の第2の光学的状態を有する局部的領域のセットを検出するための検出器をさらに含んでなる。本発明はまた、上記で定義されるような基板および光学成分および結合成分を含んでなるカートリッジも提供する。このカートリッジは好ましくは、使い捨てカートリッジである。
本発明はまた、サンプル中の分析物を検出するためのシステムを提供し、このシステムは、本発明のデバイス;およびサンプルを含んでなる混合物を形成するためのリポーター試薬を含んでなり、このリポーター試薬は光増感剤を含んでなり、光増感剤は、電磁放射線を吸収し、光学成分と相互作用して光学成分を第1の光学的状態から第2の光学的状態へ変化させることができる。
好ましくは、光増感剤は、電磁放射線を吸収し、混合物中に存在するプレアクチベーター試薬と相互作用してアクチベーター試薬を生成することができ、アクチベーター試薬は光学成分と相互作用して光学成分を第1の光学的状態から第2の光学的状態へ変化させることができる。
好ましい実施形態において、本発明のシステムは、上記の特徴から本質的になる。「本質的に」とは、アッセイを実施するために他の特徴は必要とされないことを意味する。
以下、実施例を参照して本発明を説明するが、これらの実施例は限定を意図するものではない。
ビオチン化BSAは、当技術分野で公知の技術に従って調製した。一重項酸素光増感剤が封入されたAlphascreenドナービーズはPerkin Elmerから供給された。
実施例1
70kDアミノデキストラン-ビオチン-フルオレセインコンジュゲート
10mgのアミノデキストラン(70kD)をガラスバイアルに秤量し、100mMリン酸カリウムバッファーで2mg/mLとした。250μLのこの溶液を2mLクリオチューブに分注した。4mg/mLビオチン-N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル溶液をDMSOで作製し、この16.2μLをクリオチューブに加えた。サンプルをローラー上、20℃で30分間混合し、その間に20mg/mLフルオレセイン-NHSエステル溶液をDMSOで作製した。
ビオチン-NHSエステルとの30分の反応の後、8.5μLの20mg/mLフルオレセイン-NHSエステル溶液を加え、それをローラー上、20℃でさらに60分間混合した。次に、反応を、11.3μLの10mg/mLグリシン溶液を加えることで急冷し、ローラー上、20℃で20分間混合した。Sephadex G-25 PD10カラムを用い、50mMリン酸バッファー中でサンプルを脱塩した。Nanodrop2000分光光度計を用い、280nmおよび495nmで吸光度を測定し、濃度およびフルオレセインの組み込みを決定した。次に、Minisart(Sartorius)フィルターを用い、サンプルを0.2μmにフィルタリングした。計算したビオチンおよびフルオレセインの組み込みはそれぞれ1.2および4.3であった。
実施例2
重合ストレプトアビジン(ポリストレプトアビジン)
重合ストレプトアビジンは、当技術分野で公知の技術に従って調製した。簡単に述べると、ストレプトアビジン(1mg/mL)のアリコートを9.7モル当量のSMCC(N-スクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート)で1時間活性化した後、反応をグリシンで急冷し、生成物をPD10サイズ排除カラムで脱塩した。並行して、ストレプトアビジンの別のアリコートを9.7モル当量のSATA(N-スクシンイミジル-s-アセチル-チオアセテート)と1時間反応させた後、ヒドロキシルアミンで脱塩し、PD10サイズ排除カラムで精製した。
SATA-ストレプトアビジンおよびSMCC-ストレプトアビジンを3:2のモル比で30分間合わせた後、NEM(N-エチルマレイミド)を加えて反応を急冷した。次に、生成物をG25 Sephadexカラムで精製して重合ストレプトアビジンを得た。生成物の濃度をUV-vis分光法によって測定し、1.0mg/mLに調整した。さらなる特性決定は行わなかった。
実施例3
基板表面1の作製
直径6mmの孔が切り取られた200μm厚、1cm×1cm画小片の感圧接着剤19を、22mm×22mmカバーガラス20(Brand、カタログ番号4700 55)に接着させて、浅いウェル21を作製した。
次に、30μLのビオチン化BSA(40mMリン酸バッファー中10μg/mL)をこのウェルに入れ、2時間インキュベートした後、洗浄バッファー(40mMリン酸塩、2%スクロース、0.9%NaCl、0.03%BSA)で洗浄した。その後、30μLのポリストレプトアビジン(40mMリン酸バッファー中10μg/mL)をこのウェルに加え、60分間インキュベートした後、洗浄バッファーで3回洗浄した。その後、30μLの70kDアミノデキストラン-ビオチン-フルオレセインコンジュゲート(40mMリン酸バッファー中10μg/mL)を30分間インキュベートした後、洗浄バッファーで3回洗浄し、室温で風乾した。
実施例4
表面へのストレプトアビジンビーズの結合
ストレプトアビジンをコーティングしたAlphascreenドナービーズ(Perkin Elmer カタログ番号6760002S、5mg/mL)を40mMリン酸バッファーに1/1000希釈した後、20μLのこの溶液を実施例3からの基板に加え、2時間インキュベートした後、洗浄バッファーで3回洗浄し、乾燥させた。これは、照明器具に緑色フィルターを付けて低照明条件下で行った。ストレプトアビジンでコーティングしたビーズは、図2に示されるように、アミノデキストラン-ビオチン-フルオレセインコンジュゲート上のフリーのビオチン基に結合する。
実施例5
蛍光層における非蛍光スポットの生成
20μLのHOを基板に加え、赤色LEDを用い、680nmで全表面を照射して、総発光出力を、図3に示されるように、表面における光束およそ0.5mW/mmに相当する15mWとした。5分の照射の後、液体を除去し、表面を乾燥させた。次に、基板を逆転させ、図11に示されるものなどのスライドガラスの上に取り付けた後、CoolLED pE-300照射源およびLeica DFC9000GTデジタルカメラ(2048×2048画素)を備えたLeica DMR広視野蛍光顕微鏡で、100倍油浸レンズおよびフルオレセインセットを用いて画像を得た。図9は光学的設定を示す。
図4は、結合したビーズに近接しているアミノデキストラン上の色素分子が、上記のように680nmで照射した際にビーズ3によって生成された一重項酸素束のために、それらの蛍光形態14からそれらの非蛍光形態15にどのように変換されたかを示す。
図12は、顕微鏡カメラによって撮影された基板表面の一部の画像である。離散したダークスポットがある領域を観察することができ、ここでは、ビーズが結合している。やや長いスポットもあり、ここではビーズがクラスターとなっている。しかしながら、より小さな均一なスポットは、5分の照射期間に表面に近接して保持されているビーズのために、個々の結合事象として明らかに識別可能である。
実施例6
上記の実施例3および4に記載されるように、基板表面を調製し、ビーズを表面に結合させた。次に、20μLのヒト血漿を表面に加え、上記の実施例5に記載されるように、ビーズの励起および撮像を行った。基板表面の一部の顕微鏡カメラ画像を図13に示す。個々に結合したビーズに相当する離散した暗い領域が基板表面に見られ、照射段階において、ヒト血漿の成分は活性色素との一重項酸素の反応を妨害または消光しないことを示す。
実施例7
上記の実施例3および4に記載されるように、基板表面を調製し、ビーズを表面に結合させた。次に、20μLの新鮮なヒト血液を表面に加え、上記の実施例5に記載されるように、ビーズの励起および撮像を行った。基板表面の一部の顕微鏡カメラ画像を図14に示す。個々に結合したビーズに相当する離散した暗い領域が基板表面に見られ、照射段階において、ヒト血液の細胞成分は活性色素との一重項酸素の反応を妨害または消光しないことを示す。
実施例8
ポリストレプトアビジン-一重項酸素センサーグリーン(SOSG)コンジュゲート
6バイアルの一重項酸素センサーグリーン(Thermo Fisher、カタログ番号S36002、100μg/バイアル)を冷凍庫から取り出し、室温で30分間解凍する。次に、これらをメタノールで再構成し、プールして総容量200μLとする。19.1μLのN-ヒドロキシスクシンイミド(25mM MESバッファー中6mg/mL)、次いで、31.9μLの1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(25mM MESバッファー中6mg/mL)を加え、その溶液をローラー上、20℃で15分間混合することによってSOSGを活性化する。1mLの1mg/mLポリストレプトアビジン溶液(100mMリン酸バッファー中)をクリオチューブに分注する。
15分のインキュベーションの後、90.7μLの活性化SOSGを加え、サンプルをローラー上、20℃で約65時間混合する。次に、Sephadex G-25 PD10カラムを用い、50mMリン酸バッファーでサンプルを脱塩する。Nanodrop2000分光光度計を用い、280nmおよび520nmで吸光度を測定して濃度およびSOSGの組み込みを決定する。25μLのProclin 950をサンプルに加え、次に、それを、Minisartフィルターを用いて0.2μmにフィルタリングする。SOSGの組み込みは、ストレプトアビジンモノマー1モル当たり1.8モルと計算される。
実施例11
基板表面2の作製
直径6mmの孔が切り取られた200μm厚、1cm×1cm画小片の感圧接着剤19を、22mm×22mmカバーガラス20(Brand、カタログ番号4700 55)に接着させて、図10に示されるように、浅いウェル21を作製する。
次に、30μLのビオチン化BSA(40mMリン酸バッファー中10μg/mL)をこのウェルに入れ、2時間インキュベートした後、洗浄バッファー(40mMリン酸塩、2%スクロース、0.9%NaCl、0.03%BSA)で洗い流す。次に、30μLのポリストレプトアビジン-SOSGコンジュゲート(40mMリン酸バッファー中10μg/mL)をウェルに加え、60分間インキュベートした後、洗浄バッファーで3回洗浄する。次に、30μLのビオチン化抗TSH抗体5409(TSHのαサブユニットとβサブユニットの間の接合を認識する、解離定数50pM)(40mMリン酸バッファー中2μg/mL)を30分間インキュベートし、その後、洗浄バッファーで3回洗浄し、室温で風乾する。
実施例12
抗TSH抗体5407のピロフェオフォルバイド-aコンジュゲートの調製
抗体5407(TSHのβサブユニットを認識する、解離定数180pM)はMedix Biochemicaから供給され、ピロフェオフォルバイド-a(PPa)はFrontier Scientific(Logan、Utah)から供給される。PPaは、スクシンイミジルエステルに変換され、“Targeted photodynamic therapy with multiply-loaded recombinant antibody fragments, Bhatti et al, Int. J. Cancer, 2008, 122, 1155”に記載されている技術を用いて抗体に結合させる。PPaのモル組み込みは、抗体1モル当たり3.5と計算される。
実施例13
離散蛍光スポットの生成
基板表面17を逆転させ、接着剥離ライナーを除去した後、図11のプロフィールに示されるように、基板ウェルの一方の側に2つの小孔23があるアクリルシート22に基板を取り付ける。
5407-PPa抗体コンジュゲート(10ng/mL)および連続希釈による一定の濃度範囲(1nM、100pM、10pM、1pM、100fM、10fM)のTSHを添加したTSH不含全血を含有する反応混合物を調製する。混合物(およそ6μL)を孔23の1つからピペットで基板に移した後、孔23をグリースで封止する。
チャンバーを暗所で10分間インキュベートした後、赤色LEDを用い、総発光出力15mWとして、680nmで照射する。2分の照射の後、図9に示され、上記した光学的設定を用いて基板表面の画像を得る。全2分の間に基板の表面にPPaが結合した、離散した蛍光領域が見られる。TSHは、推定濃度50フェムトモル(無分析物サンプルにおけるスポットカウントの標準偏差の3倍)においてバックグラウンドシグナルを超える場合に定量することができる。

Claims (15)

  1. サンプル中の分析物を検出するための方法であって、
    (i)サンプルおよびリポーター試薬を含んでなる混合物をデバイスに供給する工程であって、前記デバイスは、光学成分を有する基板および前記基板の表面に付着した結合成分を含んでなる、工程;
    (ii)前記分析物の濃度に比例した割合の前記リポーター試薬を、前記結合成分の手段によって、前記基板の表面に結合させる工程;
    (iii)結合したリポーター試薬部分の光増感剤が、前記光学成分と相互作用して前記光学成分を第1の光学的状態から第2の光学的状態へ変化させ、それによって前記基板上に、第2の光学的状態を有する光学成分の局部的領域のセットを形成するように、前記リポーター試薬の光増感剤によって吸収させるために、前記デバイスに電磁放射線を照射する工程;および
    (iv)前記基板上の、第2の光学的状態を有する局部的領域のセットを検出する工程
    を含んでなる、方法。
  2. 前記光増感剤による吸収が前記混合物中に存在するプレアクチベーター試薬との相互作用のためのものであり、それによってアクチベーター試薬を生成し、このアクチベーター試薬は、前記光学成分と相互作用して第1の光学的状態から第2の光学的状態へ変化させるためのものである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記アクチベーター試薬が反応性酸素種である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記反応性酸素種が一重項酸素である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記基板上の、第2の光学的状態を有する局部的領域のセットが光学顕微鏡を用いて検出される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 第1の光学的状態にある場合の光学成分が1以上の波長で光を吸収し、第2の光学的状態にある場合の光学成分が1以上の他の波長で光を吸収する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 第1および第2の光学的状態の一方にある場合の光学成分が蛍光であり、第1および第2の光学的状態の他方にある場合の光学成分が非蛍光である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  8. 第1および第2の光学的状態の一方にある場合の光学成分が化学発光であり、第1および第2の光学的状態の他方にある場合の光学成分が非化学発光である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  9. 第1の光学的状態から第2の光学的状態への変化が不可逆的である、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 工程(i)~(iii)が洗浄工程無しで行われる、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記サンプルが非処理である、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記デバイスにさらに1秒間電磁放射線が照射される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. サンプル中の分析物を検出するためのデバイスであって、光学成分を有する基板および前記基板の表面に付着した結合成分を含んでなり、前記光学成分は、前記サンプル中の分析物の濃度に比例して前記基板の表面に結合したリポーター試薬の照射された光増感剤との相互作用に応答して第1の光学的状態から第2の光学的状態へ変化し、それによって前記基板上に前記第2の光学的状態を有する光学成分の局部的領域のセットを形成することができる、デバイス。
  14. カートリッジを含んでなり、前記基板は前記カートリッジ内にあり、前記デバイスは、前記基板上の第2の光学的状態を有する局部的領域のセットを検出するための検出器をさらに含んでなる、請求項13に記載のデバイス。
  15. サンプル中の分析物を検出するためのシステムであって、
    請求項13または14に記載のデバイス;および
    サンプルを含んでなる混合物を形成するためのリポーター試薬であって、前記リポーター試薬は前記光増感剤を含んでなり、ここで、前記光増感剤が、電磁放射線を吸収し、前記光学成分と相互作用して前記光学成分を第1の光学的状態から第2の光学的状態へ変化させることができる、リポーター試薬
    を含んでなる、システム。
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