JP2022536088A - 抗il23特異的抗体で乾癬性関節炎を治療する安全かつ有効な方法 - Google Patents

抗il23特異的抗体で乾癬性関節炎を治療する安全かつ有効な方法 Download PDF

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Abstract

IL-23特異的抗体、例えばグセルクマブを、臨床的に証明された安全かつ臨床的に証明された有効量で投与することにより、患者の乾癬性関節炎を治療する方法であり、患者は、初期治療の16週後及び24週後に測定されると、ACR20/50/70、IGA、HAQ-DI、CRP、SF-36 PCS/MCS、MDA、VLDA、腱付着部炎、指炎、及びLEI/指炎などの臨床エンドポイントにおいて、有意な改善を達成する。

Description

(配列表)
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出済みである、その全体が参照により本明細書に組み込まれる配列表を含む。当該ASCIIのコピーは、2020年5月27日に作成され、JBI6102WOPCT1SEQLIST.txtという名称であり、サイズは12,288バイトである。
(発明の分野)
本発明は、ヒトIL-23タンパク質に結合する抗体で乾癬性関節炎を治療するための方法に関する。具体的には、本発明は、乾癬性関節炎を罹患している患者にとって安全かつ有効である、抗IL-23特異性抗体、例えば、グセルクマブを投与する方法に関する。
インターロイキン(Interleukin、IL)-12は、2つのジスルフィド結合グリコシル化タンパク質サブユニット(それらのおおよその分子量のためにp35及びp40と表記される)から構成される、分泌されるヘテロ二量体サイトカインである。IL-12は主に抗原提示細胞によって産生され、T細胞又はナチュラルキラー(natural killer、NK)細胞の表面上に発現される2鎖受容体複合体に結合することによって細胞性免疫を促進する。IL-12受容体β-1(IL-12Rβ1)鎖は、IL-12のp40サブユニットに結合し、IL-12とその受容体との間の一次相互作用をもたらす。しかしながら、細胞内シグナル伝達(例えば、STAT4リン酸化)及び受容体保有細胞の活性化を付与するのは、第2のレセプター鎖IL-12Rβ2のIL-12p35ライゲーションである。抗原提示と並行するIL-12シグナル伝達は、インターフェロンγ(IFNγ)産生を特徴とするTヘルパー1(Th1)表現型に向けてT細胞分化を引き起こすと考えられる。Th1細胞は、いくつかの細胞内病原体に対する免疫を促進し、補結抗体アイソタイプを生成し、腫瘍免疫監視に寄与すると考えられる。これにより、IL-12は、宿主防御免疫機構にとって重要な構成要素であると考えられる。
IL-12のp40タンパク質サブユニットはまた、p19と表記される別個のタンパク質サブユニットと会合して、新たなサイトカインIL-23を形成し得ることが発見された。IL-23も2鎖受容体複合体を通してシグナル伝達する。p40サブユニットは、IL-12とIL-23との間で共有されるため、IL-12Rβ1鎖はIL-12とIL-23との間でも共有されることになる。しかしながら、IL-23特異的細胞内シグナル伝達(例えば、STAT3リン酸化)及びその後のT細胞によるIL-17産生を付与するのは、IL-23受容体複合体IL-23Rの第2の構成要素のIL-23p19ライゲーションである。最近の研究は、IL-23の生物学的機能とIL-12の生物学的機能は、これら2つのサイトカイン間の構造的類似性にもかかわらず、異なることを示した。
抗体によるIL-12の中和が、乾癬、多発性硬化症(multiple sclerosis、MS)、関節リウマチ、炎症性腸疾患、インスリン依存性(1型)真性糖尿病、及びブドウ膜炎の動物モデルの処置において有効であるため、IL-12及びTh1細胞集団の異常な制御は、多くの免疫媒介性疾患に関連付けられている。しかしながら、これらの研究は共有p40サブユニットを標的としたため、IL-12及びIL-23の両方が生体内で中和された。したがって、IL-12又はIL-23が疾患を媒介していたかどうか、あるいは疾患の抑制を達成するために両サイトカインが阻害される必要があるかは明らかではない。研究は、IL-23阻害が抗IL-12p40戦略と同等の利益を提供し得ることを、IL-23p19欠損マウス又はIL-23の特異的抗体中和により確認した。したがって、免疫介在性疾患におけるIL-23の特異的な役割に関する証拠が増加している。IL-12経路を阻害することなくIL-23を中和することは、重要な宿主防御免疫機構に対する影響が限定的である、免疫媒介疾患の有効な治療を提供することができる。これは、現在の治療選択肢に対して有意な改善を表すであろう。
乾癬は、乾癬性関節炎(psoriatic arthritis、PsA)、抑うつ、心血管疾患、高血圧、肥満、糖尿病、代謝症候群、及びクローン病などの重大な共存症を伴う一般的な慢性免疫媒介性皮膚疾患である。尋常性(プラーク)乾癬は、この疾患の最も一般的な形態であり、白銀色の鱗屑で覆われた境界が明確な紅斑性病変を示す。斑は、掻痒性、有痛であり、外観を損ないかつ不具にすることが多く、かなりの割合の乾癬患者が手/爪、顔、足、及び生殖器上に斑を有する。したがって、乾癬は、健康関連の生活の質(HRQoL)にかなりの程度まで悪影響を及ぼす。その悪影響の例としては、身体的な皮膚症状を越え、日常活動にさえ干渉する、物理的及び心理社会的負担を強いることが挙げられる。例えば、乾癬は、家族との関係、配偶者との関係、社会的関係、及び仕事上の関係に悪影響を及ぼし、高い抑うつの発生率及び自殺傾向の増加に関連があるとされている。
乾癬性関節炎(PsA)は、指炎、腱付着部炎、仙腸骨炎、及び/又は関節変形を含む様々な臨床的及び放射線学的症状を有する関節炎及び乾癬を特徴とする多系統疾患である。コントロール不良のPsAに関連する、機能障害、生活の質の低下、及び健康管理資源利用の増加は、経済的負担が顕著である。生物製剤(例えば、腫瘍壊死因子[tumor-necrosis-factor、TNF]α阻害剤、ウステキヌマブ、セクキヌマブ)、及び他の薬剤(例えば、アプレミラスト)の利用にもかかわらず、異質性疾患成分を治療する際に高レベルの有効性及び安全性を提供することができる新たなPsA治療のためのまだ対処されていない大きなニーズが存在する。
乾癬病変の組織学的特徴付けにより、異常なケラチノサイト増殖及び分化に起因する表皮の肥厚、並びにCD3+Tリンパ球及び樹状細胞の皮膚浸潤及び共局在化が明らかにされている。乾癬の病因は十分に明らかにされたとは言い難いが、遺伝子及びタンパク質分析によって、IL-12、IL-23、及びそれらの下流分子が乾癬病変において過剰発現され、一部は乾癬疾患の重症度と相関し得ることが示されている。乾癬の治療に使用されるいくつかの治療は、それらの有効性に寄与すると推測されるIL-12及びIL-23のレベルを調節するものである。Th1及びTh17細胞は、血管拡張因子、化学誘因物質の産生、及び内皮細胞上の接着分子の発現を誘導するエフェクタサイトカインを産生することができ、これらは、順に、単球及び好中球の動員、T細胞浸潤、血管新生、並びにケラチノサイトの活性化及び過形成を促進する。活性化ケラチノサイトは、好中球、単球、T細胞、及び樹状細胞輸送を促進する化学誘引物質因子を産生することができ、したがって、炎症及びケラチノサイト過剰増殖の周期が確立される。
乾癬の病因の解明は、腫瘍壊死因子-α(TNF-α)、インターロイキン(IL)-12及びIL-23の両方、並びに直近ではIL-17及びIL-23単独を標的とする、有効な生物学的治療をもたらした(グセルクマブを使用する第1相及び第2相臨床試験を含む)。グセルクマブ(CNTO1959としても知られ、TREMFYA(登録商標)として販売)は、IL-23のp19サブユニットに結合し、Tヘルパ(Th)17細胞の末端分化に必要とされるIL-23の細胞内及び下流シグナル伝達を阻害する、完全ヒトIgG1ラムダモノクローナル抗体である。グセルクマブは、中程度から重度までの尋常性乾癬の治療について、米国、欧州連合、及び他の国で現在承認されている。更に、グセルクマブは、汎発性膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、掌蹠膿疱症、化膿性汗腺炎、乾癬性関節炎(PsA)、及びクローン病をはじめとする、いくつかの他の免疫媒介性疾患において評価されている。
本発明は、乾癬性関節炎(PsA)の治療に関する。具体的には、本発明は、対象に抗IL-23特異性抗体を投与することにより、PsAを治療する臨床的に証明された安全かつ有効な方法に関する。
1つの全般的な態様では、本発明は、治療を必要とする対象における乾癬性関節炎(PsA)を治療する方法であって、グセルクマブなどの抗IL-23抗体(IL-23p19抗体とも呼ばれる)の有効量を対象に皮下投与することを含み、抗IL-23抗体が4週間に1回(q4w)投与される、方法に関する。好ましくは、対象は、臨床的に明らかな有害事象を有することなく、治療後に米国リウマチ学会コアセット疾患指数(ACR20)において少なくとも20%の改善を達成する。
特定の実施形態では、抗IL-23抗体は、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域は、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(CDRH1)アミノ酸配列、配列番号2のCDRH2アミノ酸配列、及び配列番号3のCDRH3アミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域は、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1(CDRL1)アミノ酸配列、配列番号5のCDRL2アミノ酸配列、及び配列番号6のCDRL3アミノ酸配列を含む。
特定の実施形態では、抗IL-23抗体は、配列番号7のアミノ酸配列の重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域と、を含む。
特定の実施形態では、抗IL-23抗体は、配列番号9の重鎖アミノ酸配列と、配列番号10の軽鎖アミノ酸配列と、を含む。
特定の実施形態では、抗IL-23抗体は、投与当たり、25mg~200mg、好ましくは約50mg~約150mg、より好ましくは約100mgの総用量で投与される。
特定の実施形態では、対象は、抗IL-23抗体による治療に対する応答者であり、疾患活動性の統計的に有意な改善を有するものとして識別され、疾患活動性は、以下のグループから選択される1つ以上の基準によって決定される。米国リウマチ学会コアセット疾患指数の20%の改善(ACR20)、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の50%の改善(ACR50)、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の70%の改善(ACR70)、健康評価質問票障害指数(HAQ-DI)、治験責任者によるグローバル評価(IGA)、疾病活動性スコア28(DAS28)C反応性タンパク質(CRP)、腱付着部炎の解消、指炎の解消、リーズ腱付着部炎指数(LEI)、指炎評価スコア、精神的及び身体的コンポーネントサマリー(MCS及びPCS)におけるショートフォーム健康調査(SF-36)、最小疾患活動性(MDDA)の達成、合計修正VDH-SスコアのベースラインからのLS平均変化及び非常に低い疾患活動性(VLDA)の達成。
特定の実施形態では、対象は治療の24週目までに、グセルクマブ対プラセボでACR20応答の有意な改善を達成する(62.9%対32.9%)。
別の全般的態様では、本発明は、治療を必要とする対象における乾癬性関節炎を治療する方法であって、抗IL-23抗体を対象に皮下投与することを含み、抗IL-23抗体が初期用量、4週間後の用量、及びその後8週間毎に1回(q8w)の投与間隔で投与され、対象は、治療前に、直径≧2cmの少なくとも1つの乾癬性プラーク、又は乾癬と一致する爪の変化、又はプラーク乾癬の文書化された病歴を有する、方法に関する。好ましくは、対象は、臨床的に明らかな有害事象を有することなく、治療後に米国リウマチ学会コアセット疾患指数(ACR20)の少なくとも20%の改善を達成する。
特定の実施形態では、抗IL-23抗体は、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域は、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(CDRH1)アミノ酸配列、配列番号2のCDRH2アミノ酸配列、及び配列番号3のCDRH3アミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域は、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1(CDRL1)アミノ酸配列、配列番号5のCDRL2アミノ酸配列、及び配列番号6のCDRL3アミノ酸配列を含む。
特定の実施形態では、抗IL-23抗体は、配列番号7のアミノ酸配列の重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域とを含み、又は抗IL-23抗体は、配列番号9の重鎖アミノ酸配列と、配列番号10の軽鎖アミノ酸配列と、を含む。
特定の実施形態では、抗IL-23抗体は、投与当たり、25mg~200mg、好ましくは約50mg~約150mg、より好ましくは約100mgの総用量で投与される。
特定の実施形態では、対象は、PsAの標準的治療に対して不十分な応答を有していた。任意選択的に、対象は、本発明の実施形態による治療中に標準的治療も行われる。
本発明の1つ以上の実施形態の詳細は、下記の説明に述べられている。他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明、図面、及び添付の特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
本出願の実施形態による臨床試験の概略を示す。 試験CNTO1959PSA3002の24週目までの血清グセルクマブ濃度(μg/mL)の中央値とIQ範囲を示す。 試験CNTO1959PSA3002の24週目までの血清グセルクマブ濃度(μg/mL)の中央値とIQ範囲を示す。 試験CNTO1959PSA3002の複合推定値に基づいて、24週目までの訪問による、ACR20応答を達成した対象数の折れ線グラフを示す。 試験CNTO1959PSA3002の複合推定値に基づいて、24週目までの訪問による、ACR50応答を達成した対象数の折れ線グラフを示す。 試験CNTO1959PSA3002の複合推定値に基づいて、24週目までの訪問による、ACR70応答を達成した対象数の折れ線グラフを示す。 試験CNTO1959PSA3002の20週目のトラフ血清グセルクマブ(複合)濃度(四分位数)により、24週目にACR 20応答(複合推定値)を達成した対象の割合を示す。 試験CNTO1959PSA3002の20週目のトラフ血清グセルクマブ(複合)濃度(四分位数)により、24週目にACR 50応答(複合推定値)を達成した対象の割合を示す。 20週目のトラフ血清グセルクマブ(複合)濃度(四分位数)により、24週目にIGA応答(複合推定値)を達成した対象の割合を示す;PK分析は、ベースラインで体表面積(BSA)の≧3%の乾癬性病変を有しでIGAスコアが≧2(軽度)の対象に設定された(試験CNTO1959PSA3002)。 本発明の実施形態による別の臨床試験の概略を示す。 試験CNTO1959PSA3001の24週目までの血清グセルクマブ濃度(μg/mL)の中央値とIQ範囲を示す。 試験CNTO1959PSA3001の24週目までの血清グセルクマブ濃度(μg/mL)の中央値とIQ範囲を示す。 試験CNTO1959PSA3001の複合推定値に基づいて、24週目までの訪問による、ACR20応答を達成した対象数の折れ線グラフを示す。 試験CNTO1959PSA3001の複合推定値に基づいて、24週目までの訪問による、ACR50応答を達成した対象数の折れ線グラフを示す。 試験CNTO1959PSA3001の複合推定値に基づいて、24週目までの訪問による、ACR70応答を達成した対象数の折れ線グラフを示す。 試験CNTO1959PSA3001の20週目のトラフ血清グセルクマブ(複合)濃度(四分位数)により、24週目にACR 20応答(複合推定値)を達成した対象の割合を示す。 試験CNTO1959PSA3001の20週目のトラフ血清グセルクマブ(複合)濃度(四分位数)により、24週目にACR 50応答(複合推定値)を達成した対象の割合を示す。 20週目のトラフ血清グセルクマブ(複合)濃度(四分位数)により、24週目にIGA応答(複合推定値)を達成した対象の割合を示す;PK分析は、ベースラインで体表面積(BSA)の≧3%の乾癬性病変を有しIGAスコアが2(軽度)以上の対象に設定された(試験CNTO1959PSA3001)。 ベースライン(破線)及び第24週(実線)における平均PROMIS-29 Tスコアを示す。 24週目のPROMIS-29 Tスコアの臨床的に意味のある改善(≧5点)を示す。 Discover 1(A)及びDiscover 2(B)の試験において、乾癬性関節炎患者のFACIT-倦怠感のベースラインから24週目の変化を示す。 Discover 1(A)及びDiscover 2(B)の試験において、乾癬性関節炎患者のFACIT-倦怠感のベースラインから24週目の変化を示す。 52週目までの(A)NRI及び(B)観察ACR20応答を示す。PBOにランダム化された患者は、25週目にGUSq4wにクロスオーバーした。 52週目までの(A)NRI及び(B)観察ACR20応答を示す。PBOにランダム化された患者は、25週目にGUSq4wにクロスオーバーした。 52週目までの(A)NRI及び(B)観察ACR50応答を示す。PBOにランダム化された患者は、25週目にGUSq4wにクロスオーバーした。 52週目までの(A)NRI及び(B)観察ACR50応答を示す。PBOにランダム化された患者は、25週目にGUSq4wにクロスオーバーした。 52週目までの(A)NRI及び(B)観察ACR70応答を示す。PBOにランダム化された患者は、25週目にGUSq4wにクロスオーバーした。 52週目までの(A)NRI及び(B)観察ACR70応答を示す。PBOにランダム化された患者は、25週目にGUSq4wにクロスオーバーした。 (A)以前のTNFi使用及び(B)TNFiナイーブ患者による24週目~52週目の観察ACR20応答率を示す。 (A)以前のTNFi使用及び(B)TNFiナイーブ患者による24週目~52週目の観察ACR20応答率を示す。 (A)以前のTNFi使用及び(B)TNFiナイーブ患者による24週目~52週目の観察ACR50応答率を示す。 (A)以前のTNFi使用及び(B)TNFiナイーブ患者による24週目~52週目の観察ACR50応答率を示す。 (A)以前のTNFi使用及び(B)TNFiナイーブ患者による24週目~52週目の観察ACR70応答率を示す。 (A)以前のTNFi使用及び(B)TNFiナイーブ患者による24週目~52週目の観察ACR70応答率を示す。 観察されたデータに基づいて、24週目~52週目までの訪問による、治験責任者によるグローバル評価(IGA)応答を達成した対象の数を示す。 観察されたデータに基づいて、24週目~52週目までの訪問による、PASI90応答を達成した対象の数を示す。 観察されたデータに基づいて、24週目~52週目までの訪問によるHAQ-DIスコアのベースラインからの変化の要約を示す。 観察されたデータに基づいて、24週目~52週目の訪問による、指炎の解消を達成した対象の数を示す。 観察されたデータに基づいて、24週目~52週目の訪問による、腱付着部炎の解消を達成した対象の数を示す。 観察されたデータに基づいて、24週目~52週目までの訪問によるSF-36 PCSスコアのベースラインからの変化の要約を示す。 観察されたデータに基づいて、24週目~52週目までの訪問によるSF-36 MCSスコアのベースラインからの変化の要約を示す。
本明細書で使用するとき、乾癬性関節炎の治療方法は、単離された、組換え及び/又は合成抗IL-23特異的ヒト抗体並びに診断用組成物及び治療用組成物の投与と、方法と、その装置とを含む。
本明細書で使用するとき、「抗IL-23特異的抗体」、「抗IL-23抗体」、「抗体部分」、又は「抗体断片」及び/若しくは「抗体変異体」等は、本発明の抗体の中に組み込むことができる、重鎖若しくは軽鎖の少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)若しくはそのリガンド結合部分、重鎖若しくは軽鎖可変領域、重鎖若しくは軽鎖定常領域、フレームワーク領域、又はこれらの任意の部分、あるいはIL-23受容体又は結合タンパク質の少なくとも一部分などであるがこれらに限定されない、免疫グロブリン分子の少なくとも一部を含む、任意のタンパク質又はペプチド含有分子を含む。このような抗体は任意選択的に、更に特異的なリガンドに影響を及ぼし、限定するものではないが、例えばこのような抗体は、生体外で、その場所で、及び/又は生体内で、少なくとも1つのIL-23活性若しくは結合、又はIL-23受容体活性若しくは結合を、調節、低減、増大、拮抗、促進、軽減、緩和、遮断、阻害、無効化及び/又は干渉する。非限定的な例として、本発明の好適な抗IL-23抗体、特定された部分又は変異体は、少なくとも1つのIL-23分子又はその特定された部分、変異体、若しくはドメインに結合することができる。好適な抗IL-23抗体、特定された部分、又は変異体はまた、任意選択的に、少なくとも1つのIL-23活性又は機能にも影響を及ぼすことができるが、そのような活性又は機能としては、RNA、DNA、若しくはタンパク質の合成、IL-23の放出、IL-23受容体のシグナル伝達、薄膜IL-23の切断、IL-23の活性、IL-23の産生、及び/又は合成などが挙げられるが、それらに限定されない。
用語「抗体」は、抗体模倣薬を含む、あるいは単鎖抗体及びその断片などといった抗体の構造及び/若しくは機能を模倣する抗体の部分又はその特定された断片若しくは一部分を含む、抗体、その消化断片、特定された部分、及び変異体を包含することを更に意図する。機能断片として、哺乳類のIL-23に結合する抗原結合断片が挙げられる。例えば、Fab(例えば、パパイン消化による)、Fab’(例えば、ペプシン消化及び部分的還元による)、及びF(ab’)(例えば、ペプシン消化による)、facb(例えば、プラスミン消化による)、pFc’(例えば、ペプシン又はプラスミン消化による)、Fd(例えば、ペプシン消化、部分的還元、及び再集合による)、Fv又はscFv(例えば、分子生物学的技術による)断片が挙げられるがこれらに限定されない、IL-23又はその部分に結合できる抗体断片が、本発明に包含される(例えば、上記のColligan,Immunologyを参照されたい)。
かかる断片は、当該技術分野において既知であるような、及び/又は本明細書に記載のような、酵素による切断、合成又は組換え技術により生成することができる。抗体は、1つ以上の終止コドンが天然の終止部位の上流に導入されている抗体遺伝子を使用して、様々な切断型で生成することもできる。例えば、F(ab’)重鎖部分をコードする遺伝子の組み合わせは、重鎖のC1ドメイン及び/又はヒンジ領域をコードするDNA配列を含むよう設計することができる。抗体の様々な部分を従来の技術により化学的に結合でき、又は遺伝子工学技術を用いて隣接タンパク質(contiguous protein)として調製できる。
本明細書で使用するとき、用語「ヒト抗体」は、実質的にタンパク質の全ての部分(例えば、CDR、フレームワーク、C、Cドメイン(例えば、C1、C2、C3)、ヒンジ(V、V))が軽微な配列の変化又は変異だけでヒトにおいて実質的に非免疫原性である抗体を指す。「ヒト抗体」はまた、ヒト生殖細胞系列型免疫グロブリン配列に由来する抗体でも、又はそれに厳密に一致する抗体であってもよい。ヒト抗体は、生殖細胞系列型免疫グロブリン配列にコードされていないアミノ酸残基(例えば、インビトロにおけるランダムな若しくは部位特異的な変異の導入により、又はインビボにおける体細胞突然変異により導入された変異)を含んでもよい。多くの場合、これは、ヒト抗体がヒトにおいて実質的に非免疫原性であることを意味する。ヒト抗体は、それらのアミノ酸配列の類似性に基づいたグループに分類されている。したがって、配列類似性検索を使用して、類似の直鎖配列を有する抗体を、ヒト抗体を作り出すためのテンプレートとして選択することができる。同様に、名称に霊長類(サル、ヒヒ、チンパンジー等)、げっ歯類(マウス、ラット、ウサギ、モルモット、ハムスター等)及び他の哺乳類を含む抗体は、かかる種、亜属、属、亜科、及び科の特異的抗体を指定する。更に、キメラ抗体は、上記の任意の組み合わせを含み得る。かかる変化又は変異は、任意選択的に、よりかつ好ましくは、改変していない抗体に比べて、ヒト又は他の種における免疫原性を保持するか又は低減させる。したがって、ヒト抗体は、キメラ抗体又はヒト化抗体とは異なる。
ヒト抗体は、機能的に再構成されたヒト免疫グロブリン(例えば、重鎖及び/又は軽鎖)遺伝子を発現することができる、ヒト以外の動物、又は原核若しくは真核細胞により産生され得ることが指摘される。その上、ヒト抗体が単鎖抗体である場合、天然のヒト抗体では見られないリンカーペプチドを含み得る。例えば、Fvは、重鎖の可変領域と軽鎖の可変領域とを接続する2~約8個のグリシン又は他のアミノ酸残基などのリンカーペプチドを含み得る。かかるリンカーペプチドはヒト由来のものと見なされる。
また、少なくとも2つの異なる抗原に対して結合特異性を有するモノクローナルの、好ましくはヒト抗体又はヒト化抗体である、二重特異的抗体、異種特異的抗体、異種結合性抗体、又は類似の抗体を使用してもよい。この場合、結合特異性のうち一方は少なくとも1つのIL-23タンパク質に対するものであり、他方は任意の他の抗原に対するものである。二重特異的抗体の製造方法は、当該技術分野において既知である。従来、二重特異的抗体の組換え体生成は、2種の免疫グロブリン重鎖-軽鎖対の共発現に基づくが、ここで2本の重鎖は異なる特異性を有する(Milstein and Cuello、Nature、305:537(1983))。免疫グロブリン重鎖及び軽鎖のランダムな組み合わせのために、これらのハイブリドーマ(クアドローマ)は10種の異なる抗体分子の可能な混合物を産生し、これらのうち1種のみが正しい二重特異的構造を有する。正確な分子の精製(通常アフィニティクロマトグラフィー工程により行われる)はかなり面倒であり、生成物の収率は低い。類似する手順が、例えば、国際公開第93/08829号、米国特許第6,210,668号、同第6,193,967号、同第6,132,992号、同第6,106,833号、同第6,060,285号、同第6,037,453号、同第6,010,902号、同第5,989,530号、同第5,959,084号、同第5,959,083号、同第5,932,448号、同第5,833,985号、同第5,821,333号、同第5,807,706号、同第5,643,759号、同第5,601,819号、同第5,582,996号、同第5,496,549号、同第4,676,980号、国際公開第91/00360号、国際公開第92/00373号、欧州特許第03089号、Traunecker et al.,EMBO J.10:3655(1991)、Suresh et al.,Methods in Enzymology 121:210(1986)に開示されており、これらの各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
本発明の方法及び組成物において有用である抗IL-23特異的抗体(IL-23特異的抗体とも称される)(又はIL-23に対する抗体)は、IL-23への高親和性結合、並びに任意選択的にかつ好ましくは、低毒性を有することを、任意選択的に特徴とし得る。具体的には、可変領域、定常領域、及びフレームワークなどの個々の構成要素が、個々に及び/又は集合的に、任意選択的にかつ好ましくは、低い免疫原性を有する、本発明の抗体、その特定された断片、又は変異体が本発明において有用である。本発明で使用することができる抗体は、症状の測定可能な緩和並びに低い及び/又は許容できる毒性を備えて、長期間患者を治療する能力をもとに、任意選択的に特徴とし得る。低い若しくは許容できる免疫原性、及び/又は高い親和性、並びに他の好適な特性が、得られる治療結果に寄与することができる。「低い免疫原性」は、本明細書では、治療される患者の約75%未満、若しくは好ましくは約50%未満で有意にHAHA、HACA若しくはHAMA応答が増加する、及び/又は治療される患者において低い力価(二重抗原酵素イムノアッセイで測定したとき約300未満、好ましくは約100未満)が増加することとして定義される(Elliott et al.,Lancet 344:1125-1127(1994)、参照により全体が本明細書に組み込まれる)。「低い免疫原性」は、治療期間中の推奨治療経過の間、推奨用量で治療される患者の25%未満、好ましくは治療される患者の10%未満で発生するとき、抗IL-23抗体で治療される患者における抗IL-23抗体に対する漸増可能なレベルの抗体の発生率としても定義することができる。
用語「臨床的に証明された有効性」及び「臨床的に証明された有効な」とは、用量、投与レジメン、治療又は方法の文脈において本明細書で使用するとき、特定の用量、投与、又は治療レジメンの臨床的に証明された有効性を意味する。有効性は、実施される臨床試験、例えば、第3相及びそれ以前の臨床試験に基づいて、本発明の薬剤に応答した、疾患の経過中の変化に基づいて測定され得る。例えば、本発明の抗IL-23抗体(例えば、抗IL-23抗体グセルクマブ)は、治療される障害の重症度を反映する少なくとも1つの指標において改善、好ましくは持続的な改善を引き起こすのに十分な量及び時間で、患者に対して投与される。その治療の量及び時間が十分であるかどうかを判定するために、対象の病気、疾患又は病状の程度を反映する様々な指標が評価され得る。かかる指標には例えば、疾患重症度、症状、又は対象となっている障害の発現についての、臨床的に認識されている指標が含まれる。改善度は全体的に医師により決定され、医師はこの決定を、兆候、症状、生検、又は他の検査結果に基づいて行うことができ、また対象に対して行う質問票、例えば所与の疾患に関して開発された生活の質に関する質問票などを採用することもできる。例えば、本発明の抗IL-23抗体は、乾癬性関節炎に関連する患者の状態の改善を達成するために投与され得る。この改善は、疾患活動性指数の改善、臨床症状の寛解、又は疾患活動性の任意の他の測定によって示すことができる。
一実施形態では、対象における乾癬性関節炎の治療の有効性は、関節リウマチの改善について米国リウマチ学会(ACR)の予備的基準を使用して決定することができる。ACR基準は、圧痛又は腫脹関節数の改善と、次の5つのパラメーターのうちの3つの改善を測定する:急性期反応物(沈降速度など);患者の評価;医師の評価;痛みの尺度;及び障害/機能に関する質問票。ACR基準は、ACR 20(圧痛又は膨脹関節数の20パーセントの改善、及び他の5つの基準のうちの3つの20パーセントの改善)、ACR 50(圧痛又は膨脹関節数の50パーセントの改善、及び他の5つの基準のうちの3つの50パーセントの改善)、及びACR 70(圧痛又は膨脹関節数の70パーセントの改善、及び他の5つの基準のうちの3つの70パーセントの改善)として示される(Felson D T,et al.Arthritis Rheum 1995;38:727-35参照)。
別の実施形態では、対象における乾癬性関節炎の治療の有効性は、皮膚疾患の重症度/程度を評価するために使用される疾患の指数である乾癬の面積及び重症度指数(PASI)によって決定され、例えば、PASI75=75%の改善、PASI90=90%の改善、PASI100=プラークが実質的に除去されている。有効性の尺度には、健康評価質問票障害指数(HAQ-DI)、ベースライン腱付着部炎/指炎患者の腱付着部炎/指炎の改善、SF-36の精神的及び身体的コンポーネントサマリー(MCS及びPCS)スコアの変化、及び最小疾患活動性(MDA)基準スコアの達成の1つ以上も含まれ得る。
別の実施形態では、対象における乾癬性関節炎の治療の効率は、vdH-Sスコアによって決定される。
用語「臨床的に証明された安全」は、本発明の抗IL-23抗体(例えば、抗IL-23抗体グセルクマブ)による用量、投与レジメン、治療又は方法に関するとき、標準的治療又は別の比較基準と比較して、例えば、実施される臨床試験、例えば、第2相臨床試験、及びそれ以前の臨床試験からの、治療中に発生した有害事象(AE又はTEAEと称される)の比較的低い若しくは低減された頻度及び/又は低い若しくは低減された重症度を指す。有害事象は、医薬品を投与された患者における好ましくない医療上の出来事である。特に、本発明の抗IL-23抗体による用量、投与レジメン又は治療に関連するとき、臨床的に証明された安全は、原因が抗IL-23抗体の使用による可能性がある、確率が高い、又は非常に可能性が高いと考えられる場合、抗体の投与に関連する有害事象の比較的低い若しくは低減された頻度及び/又は低い若しくは低減された重症度を指す。
本明細書で使用するとき、特に断りがない限り、用語「臨床的に証明された」(独立して、又は用語「安全(性)」及び/又は「有効(性)」を修飾するために使用される)は、米国食品医薬品局、EMEA、又は対応する国家規制機関の承認基準を満たしている臨床試験によって証明されていることを意味するものとする。例えば、臨床試験は、薬剤の効果を臨床的に証明するために使用される、適切なサイズのランダム化二重盲検試験であってもよい。
有用性
本発明の単離された核酸は、少なくとも1つの抗IL-23抗体又はその特定された変異体の産生に使用することができ、これは、乾癬の症状を、診断、監視、調節、治療、緩和、その発生の予防の支援、又は低減のために、細胞、組織、器官又は動物(哺乳動物及びヒトを含む)で測定するために又はそれらに作用するために使用することができる。
かかる方法は、症状のかかる調節、治療、緩和、予防、若しくは低減、又は作用若しくは機序を必要としている細胞、組織、器官、動物又は患者に、少なくとも1つの抗IL-23抗体を含む組成物又は医薬組成物を有効量で投与することを含み得る。有効量は、本明細書に記載のように、又は関連分野で既知のように、既知の方法を使用して行い決定するとき、単回(例えば、ボーラス)、複数回、若しくは持続投与当たり約0.001~500mg/kgの量、又は単回、複数回、若しくは持続投与当たり0.01~5000μg/mLの血清中濃度を達成する量、又はこの中の任意の有効範囲若しくは値を含んでもよい。
引用文献
本明細書で引用する全ての刊行物又は特許は、具体的な指定の有無にかかわらず、参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、本発明の時点での先行技術を示し、かつ/又は本発明の説明及び実施可能性を提供する。刊行物とは、電子形式若しくは印刷形式で記録されたものを全て含む任意のメディア形式で利用可能な、任意の科学刊行物若しくは特許公報又は任意の他の情報を指す。以下の文献は、参照により全体が本明細書に組み込まれる:Ausubel,et al.,ed.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley&Sons,Inc.,NY,NY(1987-2001)、Sambrook,et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Edition,Cold Spring Harbor,NY(1989)、Harlow and Lane,antibodies,a Laboratory Manual,Cold Spring Harbor,NY(1989)、Colligan,et al.,eds.,Current Protocols in Immunology,John Wiley&Sons,Inc.,NY(1994-2001)、Colligan et al.,Current Protocols in Protein Science,John Wiley&Sons,NY,NY,(1997-2001)。
本発明に有用な抗体-産生及び生成
本発明の方法に使用される少なくとも1つの抗IL-23は、任意選択的に、当該技術分野において周知の細胞株、混合細胞株、不死化細胞、又は不死化細胞のクローン集団によって産生することができる。例えば、Ausubel,et al.,ed.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley&Sons,Inc.,NY,NY(1987-2001)、Sambrook,et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Edition,Cold Spring Harbor,NY(1989)、Harlow and Lane,antibodies,a Laboratory Manual,Cold Spring Harbor,NY(1989)、Colligan,et al.,eds.,Current Protocols in Immunology,John Wiley&Sons,Inc.,NY(1994-2001)、Colligan et al.,Current Protocols in Protein Science,John Wiley&Sons,NY,NY,(1997-2001)を参照されたく、各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
ヒトIL-23タンパク質又はその断片に特異的なヒト抗体は、単離されたIL-23タンパク質及び/又はそれらの一部(合成ペプチドなどの合成分子を含む)などの適切な免疫原性抗原に対して生じ得る。他の特異的な又は全般的な哺乳動物の抗体も同様に生じ得る。免疫原性をもつ抗原の調製及びモノクローナル抗体の生成は、任意の好適な技術を使用して行うことができる。
1つのアプローチでは、適切な不死細胞株(例えば、限定されないが、Sp2/0、Sp2/0-AG14、NSO、NS1、NS2、AE-1、L.5、L243、P3X63Ag8.653、Sp2 SA3、Sp2 MAI、Sp2 SS1、Sp2 SA5、U937、MLA 144、ACT IV、MOLT4、DA-1、JURKAT、WEHI、K-562、COS、RAJI、NIH 3T3、HL-60、MLA 144、NAMALWA、NEURO 2Aなどの骨髄腫細胞株、又はヘテロミローマス、その融合産物、又はそれに由来する任意の細胞若しくは融合細胞、又は当該技術分野において既知の任意の他の好適な細胞株)(例えば、www.atcc.org、www.lifetech.comなどを参照されたい)を、限定されないが、単離された又はクローン化された脾臓、末梢血、リンパ、扁桃腺、又は他の免疫若しくはB細胞含有細胞などの抗体産生細胞、あるいは内因性又は異種核酸として、組換え若しくは内因性、ウイルス、細菌、藻、原核生物、両生類、昆虫、爬虫類、魚、哺乳類、げっ歯類、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ヒツジ、霊長類、真核生物、ゲノムDNA、cDNA、rDNA、ミトコンドリアDNA若しくはRNA、葉緑体DNA若しくはRNA、hnRNA、mRNA、tRNA、単一、二重若しくは三重鎖、ハイブリダイズなど、又はそれらの任意の組み合わせとしてのいずれかで、重鎖又は軽鎖の定常若しくは可変、又はフレームワーク若しくはCDR配列を発現する任意の他の細胞と融合することによりハイブリドーマを産生する。例えば、上記のAusubel、及び上記のColligan,Immunologyの第2章を参照されたい。なお両文献は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
抗体産生細胞はまた、目的の抗原で免疫化されたヒト又は他の好適な動物の末梢血、又は好ましくは脾臓若しくはリンパ節から得ることもできる。任意の他の好適な宿主細胞を使用して、本発明の抗体、特定された断片又はその変異体をコードする異種核酸若しくは内在核酸を発現させることもできる。融合細胞(ハイブリドーマ)又は組換え細胞は、選択的培養条件又は他の好適な既知の方法を使用して単離し、限界希釈若しくは細胞選別又は他の既知の方法によってクローニングすることができる。所望の特異性を有する抗体を産生する細胞は、好適なアッセイ(例えばELISA)によって選択することができる。
ペプチド又はタンパク質ライブラリから組換え抗体を選択する方法が挙げられるがこれらに限定されない、必要とされる特異性を有する抗体を産生又は単離するのに好適なその他の方法を使用することができる(例えば、バクテリオファージ、リボソーム、オリゴヌクレオチド、RNA、cDNAなどのディスプレイライブラリであるがこれらに限定されず、例えば、Cambridge antibody Technologies,Cambridgeshire,UK、MorphoSys,Martinsreid/Planegg,DE、Biovation,Aberdeen,Scotland,UK、BioInvent,Lund,Sweden、Dyax Corp.,Enzon,Affymax/Biosite、Xoma,Berkeley,CA、Ixsys.から入手可能である)。例えば、欧州特許第368,684号、国際出願PCT/GB91/01134号、国際出願PCT/GB92/01755号、国際出願PCT/GB92/002240号、国際出願PCT/GB92/00883号、国際出願PCT/GB93/00605号、米国特許出願第08/350260号(5/12/94)、国際出願PCT/GB94/01422号、国際出願PCT/GB94/02662号、国際出願PCT/GB97/01835号、(CAT/MRC)、国際公開第90/14443号、国際公開第90/14424号、国際公開第90/14430号、国際出願PCT/US94/1234号、国際公開第92/18619号国際公開第96/07754号(Scripps)、国際公開第96/13583号、国際公開第97/08320号(MorphoSys)、国際公開第95/16027号(BioInvent)、国際公開第88/06630号国際公開第90/3809号(Dyax)、米国特許第4,704,692号(Enzon)、国際出願PCT/US91/02989号(Affymax)、国際公開第89/06283号、欧州特許第371998号、欧州特許第550400号、(Xoma)、欧州特許第229046号、国際出願PCT/US91/07149号(Ixsys)、又は確率論的に生成されるペプチド若しくはタンパク質-米国特許第5723323号、同第5763192号、同第5814476号、同第5817483号、同第5824514号、同第5976862号、国際公開第86/05803号、欧州特許第590 689号(Ixsys、適用された分子進化(Applied Molecular Evolution)(AME)前身、各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる)か、又は当該技術分野において既知であり、かつ/又は本明細書に記載される、ヒト抗体のレパートリーを産生することができるトランスジェニック動物の免疫化に依存する(例えば、SCIDマウス、Nguyen et al.,Microbiol.Immunol.41:901-907(1997)、Sandhu et al.,Crit.Rev.Biotechnol.16:95-118(1996)、Eren et al.,Immunol.93:154-161(1998)(各々は、参照により全体が組み込まれる)。かかる技術には、リボソームディスプレイ(Hanes et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,94:4937-4942(May 1997)、Hanes et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,95:14130-14135(Nov.1998))、単一細胞抗体産生技術(例えば、選択リンパ球抗体方法(「SLAM」)(米国特許第5,627,052号、Wen et al.,J.Immunol.17:887-892(1987)、Babcook et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:7843-7848(1996))、ゲルマイクロドロップレット及びフローサイトメトリー(Powell et al.,Biotechnol.8:333-337(1990)、One Cell Systems,Cambridge,MA、Gray et al.,J.Imm.Meth.182:155-163(1995)、Kenny et al.,Bio/Technol.13:787-790(1995)、B細胞選択物(Steenbakkers et al.,Molec.Biol.Reports 19:125-134(1994)、Jonak et al.,Progress Biotech,Vol.5,In Vitro Immunization in Hybridoma Technology,Borrebaeck,ed.,Elsevier Science Publishers B.V.,Amsterdam,Netherlands(1988))が挙げられるが、これらに限定されない。
ヒト以外の抗体又はヒト抗体を工学的処理又はヒト化する方法も同様に使用でき、当該技術分野において周知である。全般的に、ヒト化抗体又は改変抗体は、ヒト以外、例えば、限定されないが、マウス、ラット、ウサギ、ヒト以外の霊長類、又は他の哺乳動物の供給源からの1つ以上のアミノ酸残基を有する。これらのヒト以外のアミノ酸残基は、しばしば「インポート」残基と呼ばれる残基により置き換えられる。かかる「インポート」残基は、典型的には既知のヒト配列の「インポート」可変ドメイン、定常ドメイン、又は他のドメインから得られる。
かかるインポートされた配列は、免疫原性を低減させるため、あるいは、当該技術分野において既知のように、結合、親和性、結合速度定数、解離速度定数、結合活性、特異性、半減期、又は任意の他の好適な特性を低減、増強又は改変するために使用することができる。概して、CDR残基は、抗原結合に直接的にかつほとんど実質的に影響する。したがって、ヒト以外のCDR配列又はヒトCDR配列の一部又は全てを維持しつつ、可変領域及び定常領域のヒト以外の配列を、ヒトのアミノ酸又は他のアミノ酸に置き換えることもできる。
抗体は、任意選択的に、ヒト化されてもよく、又はヒト抗体は、抗原に対する高い親和性及び他の有利な生物学的特性を保持させたまま改変され得る。この目的を達成するためには、任意選択的に、親配列及びヒト化配列の3次元モデルを使用して親配列及び様々な理論上のヒト化産物を解析するプロセスによって、ヒト化(又はヒト)抗体を調製することができる。3次元の免疫グロブリンモデルが一般的に利用可能であり、当業者によく知られている。選択された免疫グロブリン配列候補について可能性の高い3次元立体構造を図示及び表示するコンピュータプログラムを利用可能である。これらの表示を調べることにより、免疫グロブリン配列候補の機能において残基が示す可能性の高い働きの解析、すなわち免疫グロブリン候補の抗原結合能に影響する残基の解析が可能となる。このようにして、標的抗原(複数可)に対する親和性の増強などといった望ましい抗体特性が達成されるように、コンセンサス配列及びインポート配列からフレームワーク(FR)残基を選択し組み合わせることができる。
加えて、本発明の方法に使用されるヒトIL-23特異的抗体は、ヒト生殖系列軽鎖フレームワークを含み得る。特定の実施形態では、軽鎖生殖系列配列は、A1、A10、A11、A14、A17、A18、A19、A2、A20、A23、A26、A27、A3、A30、A5、A7、B2、B3、L1、L10、L11、L12、L14、L15、L16、L18、L19、L2、L20、L22、L23、L24、L25、L4/18a、L5、L6、L8、L9、O1、O11、O12、O14、O18、O2、O4、及びO8を含むが、これらに限定されない、ヒトVK配列から選択される。ある特定の実施形態では、軽鎖ヒト生殖系列フレームワークは、V1-11、V1-13、V1-16、V1-17、V1-18、V1-19、V1-2、V1-20、V1-22、V1-3、V1-4、V1-5、V1-7、V1-9、V2-1、V2-11、V2-13、V2-14、V2-15、V2-17、V2-19、V2-6、V2-7、V2-8、V3-2、V3-3、V3-4、V4-1、V4-2、V4-3、V4-4、V4-6、V5-1、V5-2、V5-4、及びV5-6から選択される。
他の実施形態では、本発明の方法に使用されるヒトIL-23特異的抗体は、ヒト生殖細胞系列重鎖フレームワークを含み得る。特定の実施形態では、この重鎖ヒト生殖系列フレームワークは、VH1-18、VH1-2、VH1-24、VH1-3、VH1-45、VH1-46、VH1-58、VH1-69、VH1-8、VH2-26、VH2-5、VH2-70、VH3-11、VH3-13、VH3-15、VH3-16、VH3-20、VH3-21、VH3-23、VH3-30、VH3-33、VH3-35、VH3-38、VH3-43、VH3-48、VH3-49、VH3-53、VH3-64、VH3-66、VH3-7、VH3-72、VH3-73、VH3-74、VH3-9、VH4-28、VH4-31、VH4-34、VH4-39、VH4-4、VH4-59、VH4-61、VH5-51、VH6-1、及びVH7-81から選択される。
特定の実施形態では、軽鎖可変領域及び/又は重鎖可変領域は、フレームワーク領域、又はフレームワーク領域の少なくとも一部分(例えば、FR2及びFR3などの2又は3つの小領域を含む)を含む。ある特定の実施形態では、少なくともFRL1、FRL2、FRL3、又はFRL4は、完全ヒトである。他の実施形態では、少なくともFRH1、FRH2、FRH3、又はFRH4は、完全ヒトである。いくつかの実施形態では、少なくともFRL1、FRL2、FRL3、又はFRL4は、生殖系列配列(例えば、ヒト生殖系列)であるか、又は特定のフレームワークのためのヒトコンセンサス配列(上述の既知のヒトIg配列の供給源で容易に入手可能である)を含む。他の実施形態では、少なくともFRH1、FRH2、FRH3、又はFRH4は、生殖系列配列(例えば、ヒト生殖系列)であるか、又は特定のフレームワークのためのヒトコンセンサス配列を含む。好ましい実施形態では、フレームワーク領域は、完全なヒトフレームワーク領域である。
本発明の抗体のヒト化又は工学的処理は、Winter(Jones et al.,Nature 321:522(1986)、Riechmann et al.,Nature 332:323(1988)、Verhoeyen et al.,Science 239:1534(1988))、Sims et al.,J.Immunol.151:2296(1993)、Chothia and Lesk,J.Mol.Biol.196:901(1987)、Carter et al.,Proc.Natl.Acad.SCi.U.S.A.89:4285(1992)、Presta et al.,J.Immunol.151:2623(1993)、米国特許第5723323号、同第5976862号、同第5824514号、同第5817483号、同第5814476号、同第5763192号、同第5723323号、同第5,766886号、同第5714352号、同第6204023号、同第6180370号、同第5693762号、同第5530101号、同第5585089号、同第5225539号、同第4816567号、国際出願PCT/:US98/16280号、US96/18978号、US91/09630号、US91/05939号、US94/01234号、GB89/01334号、GB91/01134号、GB92/01755号、国際公開第90/14443号、同第90/14424号、同第90/14430号、欧州特許第229246号(各々、参照により全体が明細書に組み込まれ、その中に引用される文献を含む)に記載されるものなどであるがこれらに限定されない、任意の既知の方法を使用して行うことができる。
所定の実施形態において、抗体は、変更された(例えば、変異を導入された)Fc領域を含む。例えば、いくつかの実施形態において、Fc領域は、抗体のエフェクタ機能を低減又は増強するために変更されている。いくつかの実施形態において、Fc領域は、IgM、IgA、IgG、IgE、又は他のアイソタイプから選択されるアイソタイプである。あるいは、又は加えて、アミノ酸修飾と、IL-23結合分子のFc領域のC1q結合及び/又は補体依存性細胞傷害性機能を変更する1つ以上の更なるアミノ酸修飾とを組み合わせることが有用であり得る。特に注目の出発ポリペプチドは、C1qに結合するものであってもよく、補体依存性細胞毒性(CDC)を示すものである。既存のC1q結合活性を有し、任意選択的に、CDCを介在する能力を更に有するポリペプチドは、これらの活性のうちの1つ又は両方が増進するように、修飾されてもよい。C1qを変更する、かつ/又はその補体依存性細胞傷害機能を修飾するアミノ酸修飾は、例えば、国際公開第0042072号に記載され、参照により本明細書に組み入れる。
上記に開示されるように、例えば、C1q結合及び/又はFcγR結合を修飾し、それにより、補体依存性細胞毒性(CDC)活性及び/又は抗体依存性細胞媒介性細胞毒性(antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity、ADCC)活性を変化させることによって、変更されたエフェクタ機能を有する本発明のヒトIL-23特異的抗体のFc領域を設計することができる。「エフェクタ機能」は、(例えば、対象における)生物活性を活性化又は低減させる役割を果たす。エフェクタ機能の例として、これらに限定されるものではないが、C1q結合、CDC、Fc受容体結合、ADCC、貪食作用、細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体、BCR)のダウンレギュレーションなどが挙げられる。かかるエフェクタ機能は、Fc領域が、結合ドメイン(例えば、抗体可変ドメイン)と結合することを必要とする場合があり、多種多用な試験法(例えば、Fc結合アッセイ、ADCCアッセイ、CDCアッセイなど)を使用して評価することができる。
例えば、改善されたC1q結合及び改善されたFcγRIII結合を有する(例えば、改善されたADCC活性及び改善されたCDC活性の両方を有する)ヒトIL-23(又は抗IL-23)抗体の変異体Fc領域を生成することができる。あるいは、エフェクタ機能を低減又は除去することが所望される場合、変異体Fc領域は、CDC活性を低減させるよう及び/又はADCC活性を低減させるよう改変することができる。他の実施形態において、これらの活性の1つだけが増強されてもよく、任意選択的に、同時に他の活性が低減されてもよい(例えば、改善されたADCC活性と低減されたCDC活性を有するFc領域変異体、及びこの逆のFc領域変異体を生成するため)。
Fc変異は、胎児性Fc受容体(FcRn)との相互作用を変更し、それらの薬物動態特性を改善するように遺伝子を操作して、導入することもできる。FcRnへの結合を改善したヒトFc変異体の収集は、説明されている(Shields et al.,(2001).High resolution mapping of the binding site on human IgG1 for FcγRI,FcγRII,FcγRIII,and FcRn and design of IgG1 variants with improved binding to the FcγR,J.Biol.Chem.276:6591-6604)。
別のタイプのアミノ酸置換は、ヒトIL-23特異的抗体のFc領域のグリコシル化パターンを改変するように働く。Fc領域のグリコシル化は、典型的に、N結合型又はO結合型のいずれかである。N結合型とは、アスパラギン残基の側鎖への炭水化物部分の付加を指す。O結合型グリコシル化は、5-ヒドロキシプロリン又は5-ヒドロキシリジンも使用される可能性があるが、ヒドロキシアミノ酸、最も一般的にはセリン又はスレオニンへの糖類、N-アセチルガラクトサミン、ガラクトース、又はキシロースのうちの1つの付着を指す。アスパラギン側鎖ペプチド配列への炭水化物部分の酵素的付加のための認識配列は、アスパラギン-X-セリン及びアスパラギン-X-スレオニンであり、Xは、プロリン以外の任意のアミノ酸である。このため、ポリペプチド中にこれらのいずれかのペプチド配列が存在すると、潜在的なグリコシル化部位がもたらされる。
グリコシル化パターンは、例えば、ポリペプチドに見出される1つ以上のグリコシル化部位(複数可)を欠失させること、及び/又はポリペプチド中に存在しない1つ以上のグリコシル化部位を付加することによって変更され得る。ヒトIL-23特異的抗体のFc領域へのグリコシル化部位の付加は、上記のトリペプチド配列の1つ以上を含むようにアミノ酸配列を変更することによって首尾よく達成される(N結合型グリコシル化部位の場合)。例示的なグリコシル化変異体は、重鎖の残基Asn297のアミノ酸置換を有する。この変更は、元のポリペプチド配列への1つ以上のセリン又はスレオニン残基の付加、又はこれらによる置換によって行われてもよい(O結合型グリコシル化部位の場合)。加えて、Asn 297をAlaに変更すると、グリコシル化部位の1つを除去することができる。
特定の実施形態において、本発明のヒトIL-23特異的抗体は、GnT IIIがG1cNAcをヒトIL-23抗体に付加するように、ベータ(1,4)-N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII(GnT III)を発現する細胞において発現される。かかる様式で抗体を産生するための方法は、国際公開第9954342号、同第03011878号、特許公開第20030003097(A1)号、及びUmana et al.,Nature Biotechnology,17:176-180,Feb.1999に提供されており、これらの全ては、参照によりその全体が本明細書に具体的に組み込まれる。
抗IL-23抗体はまた、任意選択的に、本明細書に記載及び/又は当該技術分野において既知であるように、ヒト抗体のレパートリーを生成することができるトランスジェニック動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、非ヒト霊長類など)の免疫化により生じる場合もある。ヒト抗IL-23抗体を産生する細胞は、本明細書に記載の方法のような好適な方法を使用して、かかる動物から単離し、不死化してもよい。
ヒト抗原に結合するヒト抗体のレパートリーを産生することができるトランスジェニックマウスは、既知の方法によって作成することができる(例えば、これらに限定されないが、Lonbergらに発行された米国特許第5,770,428号、同第5,569,825号、同第5,545,806号、同第5,625,126号、同第5,625,825号、同第5,633,425号、同第5,661,016号、及び同第5,789,650号、Jakobovitsらの国際公開第98/50433号、Jakobovitsらの国際公開第98/24893号、Lonbergらの国際公開第98/24884号、Lonbergらの国際公開第97/13852号、Lonbergらの国際公開第94/25585号、Kucherlapateらの国際公開第96/34096号、Kucherlapateらの欧州特許第0463151(B1)号、Kucherlapateらの欧州特許第0710719(A1)号、Suraniらの米国特許第5,545,807号、Bruggemannらの国際公開第90/04036号、Bruggemannらの欧州特許第0438474(B1)号、Lonbergらの欧州特許第0814259(A2)号、Lonbergらのイギリス特許第2272440(A)号、Lonberg et al.Nature 368:856-859(1994)、Taylor et al.,Int.Immunol.6(4)579-591 (1994),Green et al,Nature Genetics 7:13-21(1994),Mendez et al.,Nature Genetics 15:146-156(1997),Taylor et al.,Nucleic Acids Research 20(23):6287-6295(1992)、Tuaillon et al.,Proc Natl Acad Sci USA 90(8)3720-3724(1993)、Lonberg et al.,Int Rev Immunol 13(1):65-93(1995)、及びFishwald et al.,Nat Biotechnol 14(7):845-851(1996)、これらは、参照により各全体が本明細書に組み込まれる)。概して、これらのマウスは、機能的に再構成された、又は機能的な再構成を受けることができる少なくとも1つのヒト免疫グロブリン遺伝子座に由来するDNAを含む、少なくとも1つの導入遺伝子を含む。かかるマウスの内因性免疫グロブリン遺伝子座を破壊又は欠失させて、当該マウスの、内因性遺伝子によりコードされている抗体の産生能を除去することができる。
類似のタンパク質又は断片への特異的結合についての抗体のスクリーニングは、ペプチドディスプレイライブラリを使用して首尾よく達成することができる。この方法は、望ましい機能又は構造をもつ個々のメンバーについてペプチドの大規模コレクションをスクリーニングすることを含む。ペプチドディスプレイライブラリの抗体スクリーニングは当該技術分野において周知である。ディスプレイされたペプチド配列の長さは、3~5000個以上のアミノ酸であり、多くの場合には5~100個のアミノ酸長、多くは約8~25個のアミノ酸長であり得る。ペプチドライブラリを作成する直接化学合成法に加えて、いくつかの組換えDNA方法も記述されている。1つのタイプには、バクテリオファージ又は細胞の表面上でのペプチド配列のディスプレイを含む。各バクテリオファージ又は細胞は、特定のディスプレイされたペプチド配列をコードするヌクレオチド配列を含有する。かかる方法は、国際公開第91/17271号、同第91/18980号、同第91/19818号、及び同第93/08278号に記載されている。
ペプチドライブラリを作成するための他のシステムは、インビトロでの化学合成法及び組換え法の両方の態様を有する。国際公開第92/05258号、同第92/14843号、及び同第96/19256号を参照されたい。また、米国特許第5,658,754号及び同第5,643,768号も参照されたい。ペプチドディスプレイライブラリ、ベクター、及びスクリーニングキットは、Invitrogen(Carlsbad,CA)及びCambridge antibody Technologies(Cambridgeshire,UK)のような供給元から市販されている。例えば、Enzonに譲渡された米国特許第4704692号、同第4939666号、同第4946778号、同第5260203号、同第5455030号、同第5518889号、同第5534621号、同第5656730号、同第5763733号、同第5767260号、同第5856456号、Dyaxに譲渡された米国特許第5223409号、同第5403484号、同第5571698号、同第5837500号、Affymaxに譲渡された米国特許第5427908号、同第5580717号、Cambridge antibody Technologiesに譲渡された米国特許第5885793号、Genentechに譲渡された米国特許第5750373号、Xomaに譲渡された米国特許第5618920号、同第5595898号、同第5576195号、同第5698435号、同第5693493号、同第5698417号、上記のColligan、上記のAusubel、又は上記のSambrookを参照されたい。なお、上記特許及び刊行物の各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
本発明の方法に使用される抗体はまた、かかる抗体を乳中に産生するヤギ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ウサギなどのトランスジェニック動物又は哺乳動物を提供するために、核酸をコードする少なくとも1つの抗IL-23抗体を使用して調製することもできる。かかる動物は、既知の方法を使用して準備することができる。例えば、これらに限定されないが、米国特許第5,827,690号、同第5,849,992号、同第4,873,316号、同第5,849,992号、同第5,994,616号、同第5,565,362号、同第5,304,489号などを参照されたい(それらの各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる)。
本発明の方法に使用される抗体は、植物部分又はそれから培養された細胞において、かかる抗体、特定された部分、又は変異体を産生するトランスジェニック植物及び培養された植物細胞(例えば、タバコ及びトウモロコシであるが、これらに限定されない)を提供するために、少なくとも1つの抗IL-23抗体をコードする核酸を使用して更に調製することができる。非限定的な例として、例えば、誘導プロモーターを用い、組換えタンパク質を発現するトランスジェニックタバコ葉をうまく使用して大量の組換えタンパク質が提供されてきた。例えば、Cramer et al.,Curr.Top.Microbol.Immunol.240:95-118(1999)及びその中で引用される文献を参照されたい。また、トランスジェニックトウモロコシは、他の組換え系において生成されるタンパク質又は天然資源から精製されるタンパク質に等しい生物学的活性を有する哺乳動物タンパク質を、商業生成レベルで発現するために使用されてきた。例えば、Hood et al.,Adv.Exp.Med.Biol.464:127-147(1999)及びその中で引用される文献を参照されたい。抗体は、単鎖抗体(scFv)などの抗体断片を含む、タバコ種子及びポテト塊茎などといったトランスジェニック植物の種子からも大量に産生されてきた。例えば、Conradr,Plant Mol.Biol.38:101-109(1998)及びその中で引用される文献を参照されたい。したがって、本発明の抗体はまた、既知の方法に従って、トランスジェニック植物を使用して産生することもできる。例えば、Fischer et al.,Biotechnol.Appl.Biochem.30:99-108(Oct.,1999),Ma et al.,Trends Biotechnol.13:522-7(1995)、Ma et al.,Plant Physiol.109:341-6(1995)、Whitelam et al.,Biochem.Soc.Trans.22:940-944(1994)、及びこれらの中で引用される文献も参照されたい。上記文献の各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明の方法に使用される抗体は、広範囲にわたる親和性(K)でヒトIL-23に結合することができる。好ましい実施形態では、ヒトmAbは、任意選択的に、高い親和性でヒトIL-23に結合することができる。例えば、ヒトmAbは、ヒトIL-23に約10-7M以下、例えば0.1~9.9(又はその中の任意の範囲若しくは値)X10-7、10-8、10-9、10-10、10-11、10-12、10-13又はその中の任意の範囲若しくは値など(但しこれらに限定されない)のKで結合することができる。
抗原に対する抗体の親和性又は結合活性は、任意の好適な方法を用いて実験により求めることができる。(例えば、Berzofsky,et al.,「Antibody-Antigen Interactions,」In Fundamental Immunology,Paul,W.E.,Ed.,Raven Press:New York,NY(1984)、Kuby,Janis Immunology,W.H.Freeman and Company:New York,NY(1992)、及び本明細書に記載される方法を参照されたい)。特定の抗体抗原相互作用について測定される親和性は、異なる条件(例えば、塩濃度、pH)下で測定された場合に異なり得る。したがって、親和性及び他の抗原結合パラメータ(例えば、KD、、K)の測定は、好ましくは、抗体及び抗原の標準溶液、並びに本明細書で記載される緩衝剤などの標準緩衝剤を用いて行われる。
核酸分子
本明細書に開示される他の配列の中でも、例えば、本明細書に記載される軽鎖若しくは重鎖可変又はCDR領域のうちの少なくとも1つの隣接アミノ酸の少なくとも70~100%をコードするヌクレオチド配列、特定された断片、変異体若しくはそれらのコンセンサス配列、又はこれらの配列のうちの少なくとも1つを含む寄託ベクターなどの本明細書に提供される情報を使用して、少なくとも1つの抗IL-23抗体をコードする本発明の核酸分子は、本明細書に記載されるか、又は当該技術において既知の方法を使用して得ることができる。
本発明の核酸分子は、mRNA、hnRNA、tRNA若しくは任意の他の形態のようなRNAの形態、又はクローニングにより得られる若しくは合成的に産生されるcDNA及びゲノムDNAが挙げられるがこれらに限定されないDNAの形態、又はこれらの任意の組み合わせであってもよい。DNAは、3本鎖、2本鎖若しくは1本鎖、又はこれらの任意の組み合わせであってもよい。DNA又はRNAの少なくとも1本の鎖の任意の部分は、センス鎖としても知られるコード鎖であってもよいし、又はアンチセンス鎖と呼ばれる、非コード鎖であってもよい。
本発明の方法に使用される単離された核酸分子は、任意選択的に1つ以上のイントロンを有するオープンリーディングフレーム(open reading frame、ORF)、例えば、限定されないが、少なくとも1つの重鎖若しくは軽鎖のCDR1、CDR2、及び/又はCDR3などの、少なくとも1つのCDRの少なくとも1つの特定された部分を含む核酸分子、抗IL-23抗体又は可変領域のコード配列を含む核酸分子、並びに上述の核酸分子とは実質的に異なるが、遺伝子コードの縮重により、本明細書に記載されかつ/又は当該技術分野において既知である少なくとも1つの抗IL-23抗体をなおコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を含み得る。当然のことながら、遺伝子コードは、当該技術分野において周知である。したがって、当業者には、本発明の方法に使用される特異的な抗IL-23抗体をコードする、このような変性核酸変異体を生成することは、日常的であるだろう。例えば、上記のAusubelらを参照されたく、かかる核酸変異体は、本発明に含まれる。単離された核酸分子の非限定的な例としては、それぞれ、HC CDR1、HC CDR2、HC CDR3、LC CDR1、LC CDR2、及びLC CDR3をコードする核酸が挙げられる。
本明細書に記載されるように、抗IL-23抗体をコードする核酸を含む核酸分子としては、それ自体で抗体断片のアミノ酸配列をコードするもの、抗体の全長若しくは抗体の一部をコードする配列、抗体、断片若しくは部分のコード配列、並びに追加の配列、例えば、少なくとも1つのイントロンなど、前述の追加のコード配列を伴って、又は伴わずに、非コード5’及び3’配列、例えば、スプライシング及びポリアデニル化シグナル(例えば、mRNAのリボソーム結合及び安定性)を含む、転写、mRNAプロセシングにおいて役割を果たす転写された非翻訳配列を含むがこれに限定されない、追加の非コード配列と共に、少なくとも1つのシグナルリーダー若しくは融合ペプチドのコード配列、追加のアミノ酸、例えば、追加の機能を提供するアミノ酸をコードする追加のコード配列を挙げることができるが、これらに限定されない。したがって、抗体をコードする配列はマーカー配列に融合させることができ、例えば、当該マーカー配列は、これを融合させた抗体断片又は部分を含む抗体の精製を促進するペプチドをコードする配列である。
本明細書に記載のポリヌクレオチドに選択的にハイブリダイズするポリヌクレオチド
本発明の方法は、本明細書に開示されるポリヌクレオチドに対して、選択的なハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする単離された核酸を使用する。したがって、本実施形態のポリヌクレオチドは、かかるポリヌクレオチドを含む核酸を単離、検出、及び/又は定量するために使用することができる。例えば、本発明のポリヌクレオチドを使用して、寄託されたライブラリにおける部分長又は完全長クローンを同定、単離、又は増幅することができる。いくつかの実施形態においては、ポリヌクレオチドは、単離された、又はそうでなければヒト若しくは哺乳動物の核酸ライブラリのcDNAに相補的な、ゲノム配列又はcDNA配列である。
好ましくは、cDNAライブラリは完全長配列の少なくとも80%、好ましくは完全長配列の少なくとも85%又は90%、より好ましくは完全長配列の少なくとも95%を含む。このcDNAライブラリは、稀な配列の発現量を増大させるよう正規化することができる。相補配列に対する配列同一性が低い配列を使用する、低又は中ストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件が典型的なものであるが、これに限定されない。同一性がより高い配列には、任意選択的に、中及び高ストリンジェンシーの条件を使用することができる。低ストリンジェンシー条件は、約70%の配列同一性をもつ配列の選択的ハイブリダイゼーションを可能にし、オーソロガス又はパラロガス配列を同定するために利用できる。
任意選択的に、ポリヌクレオチドは、抗体の少なくとも一部分をコードする。ポリヌクレオチドは、本発明の抗体をコードするポリヌクレオチドに対する選択的ハイブリダイゼーションに利用することができる核酸配列を包含する。例えば、上記のAusubel、上記のColliganを参照されたい。各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
核酸の構築
単離された核酸は、当該技術分野において周知のように、(a)組換え方法、(b)合成技術、(c)精製技術、及び/又は(d)これらの組み合わせを使用して作製することができる。
核酸には、本発明のポリヌクレオチドに加えて、都合よく配列を含ませることができる。例えば、1つ以上のエンドヌクレアーゼ制限部位を含むマルチクローニングサイトを核酸に挿入して、ポリヌクレオチドの単離に役立てることができる。また、翻訳可能な配列を挿入して、本発明の翻訳されたポリヌクレオチドの単離に役立てることができる。例えば、ヘキサヒスチジンマーカー配列は、本発明のタンパク質を精製するのに便利な手段を提供する。本発明の核酸(コード配列を除く)は、任意選択的に、本発明のポリヌクレオチドのクローニング及び/又は発現のためのベクター、アダプター、又はリンカーである。
かかるクローニング配列及び/又は発現配列に追加の配列を付加して、クローニング及び/又は発現におけるそれらの機能を最適化すること、ポリヌクレオチドの単離に役立てること、又は細胞へのポリヌクレオチドの導入を改善することができる。クローン化ベクター、発現ベクター、アダプター、及びリンカーの使用は、当該技術分野において周知である。(例えば、上記のAusubel、又は上記のSambrookを参照されたい。)
核酸を構築するための組換え方法
RNA、cDNA、ゲノムDNA、又はこれらの任意の組み合わせなどの単離された核酸組成物は、当業者に既知の任意の数のクローニング方法を用いて生物源から得ることができる。いくつかの実施形態において、本発明のポリヌクレオチドに対してストリンジェントな条件下で選択的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブが、cDNA又はゲノムDNAライブラリ内の望ましい配列の同定に使用される。RNAの単離、並びにcDNA及びゲノムライブラリの構築は、当業者には周知である。(例えば、上記のAusubel、又は上記のSambrookを参照されたい。)
核酸のスクリーニング及び単離方法
本明細書に開示されているものなど、本発明の方法に使用されるポリヌクレオチドの配列に基づいたプローブを使用して、cDNA又はゲノムライブラリをスクリーニングすることができる。プローブを使用して、ゲノムDNA又はcDNA配列にハイブリダイズさせて、同じ又は異なる生体の相同遺伝子を単離することができる。当業者であれば、アッセイに様々な度合のハイブリダイゼーションストリンジェンシーを用いることができ、ハイブリダイゼーション又は洗浄媒質のいずれかをストリンジェントなものにできることは明らかであろう。ハイブリダイゼーション条件がストリンジェントになるほど、二重鎖の形成が生じる際のプローブと標的との間の相補性の度合が大きくなるはずである。ストリンジェンシーの程度は、温度、イオン強度、pH、及びホルムアミドのような部分的に変性する溶媒の存在のうちの1つ以上によって制御され得る。例えば、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーは、例えば、0%~50%の範囲内でのホルムアミド濃度の操作により反応溶液の極性を変えることにより首尾よく変更される。検出可能な結合に必要とされる相補性(配列同一性)の程度は、ハイブリダイゼーション媒質及び/又は洗浄媒質のストリンジェンシーによって異なる。相補性の程度は、最適には100%、又は70~100%、又はその中の任意の範囲若しくは値である。しかしながら、プローブ及びプライマー中の配列のわずかな違いは、ハイブリダイゼーション及び/又は洗浄媒質のストリンジェンシーを低減させることで埋め合わせることができることを理解すべきである。
RNA又はDNAの増幅方法は当該技術分野において周知であり、本明細書で紹介する教示及び指針に基づいて、過度の実験なしに、本発明に従って使用可能である。
DNA又はRNA増幅の既知の方法としては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)及び関連する増幅プロセス(例えば、Mullisらの米国特許第4,683,195号、同第4,683,202号、同第4,800,159号、同第4,965,188号、Taborらの米国特許第4,795,699号及び同第4,921,794号、Innisの米国特許第5,142,033号、Wilsonらの米国特許第5,122,464号、Innisの米国特許第5,091,310号、Gyllenstenらの米国特許第5,066,584号、Gelfandらの米国特許第4,889,818号、Silverらの米国特許第4,994,370号、Biswasの米国特許第4,766,067号、Ringoldの同第4,656,134号を参照されたい)、及び二本鎖DNA合成のためのテンプレートとして標的配列に対してアンチセンスRNAを使用するRNA媒介増幅(Malekらの米国特許第5,130,238号、商標名NASBA)が挙げられるが、これらに限定されない(これらの文献の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる)。(例えば、上記のAusubel、又は上記のSambrookを参照されたい。)
例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術を使用して、ゲノムDNA又はcDNAライブラリから直接、本発明の方法に使用されるポリヌクレオチド及び関連する遺伝子の配列を増幅することができる。PCR及び他のインビトロ増幅方法はまた、例えば、発現すべきタンパク質をコードする核酸配列をクローニングすること、サンプル中の所望のmRNAの存在を検出するため、核酸の配列決定のため、又は他の目的のためのプローブとして用いる核酸を作製することに関し有用であり得る。インビトロでの増幅方法によって当業者を導くのに十分な技術の例は、上記のBerger、上記のSambrook、及び上記のAusubel、並びにMullisらの米国特許第4,683,202号(1987)、及びInnis,et al.,PCR Protocols A Guide to Methods and Applications,Eds.,Academic Press Inc,San Diego,CA(1990)に見られる。ゲノムPCR増幅用の市販キットは当該技術分野において既知である。例えば、Advantage-GC Genomic PCR Kit(Clontech)を参照されたい。加えて、例えば、T4遺伝子32タンパク質(Boehringer Mannheim)を用いて、長いPCR産物の収率を改善することができる。
核酸を構築するための合成方法
本発明の方法に使用される単離された核酸はまた、既知の方法による直接化学合成によっても調製可能である(例えば、上記のAusubelらを参照されたい)。化学合成は、概して、相補的配列とのハイブリダイゼーションによって、又は1本鎖をテンプレートとして使用するDNAポリメラーゼとの重合によって、2本鎖DNAに変換可能な1本鎖オリゴヌクレオチドを産生する。当業者であれば、DNAの化学合成は約100以上の塩基の配列に限定され得るものの、より長い配列は、より短い配列のライゲーションによって得ることができることを認識するであろう。
組換え発現カセット
本発明は核酸を含む組換え発現カセットを使用する。核酸配列、例えば本発明の方法に使用される抗体をコードするcDNA又はゲノム配列を使用して、少なくとも1つの所望の宿主細胞に導入することができる組換え発現カセットを構築することができる。組換え発現カセットは、典型的には、意図される宿主細胞においてポリヌクレオチドの転写を導く、転写開始調節配列に操作可能に連結される、ポリヌクレオチドを含む。異種及び非異種(すなわち、内因性)プロモーターの両方を利用して、核酸の発現を導くことができる。
いくつかの実施形態では、プロモーター、エンハンサー、又は他の要素として機能する単離された核酸を、ポリヌクレオチドの発現を上方又は下方調節するために、本発明のポリヌクレオチドの非異種形の適切な位置(上流、下流、又はイントロン内)に導入することができる。例えば、インビボ又はインビトロで、突然変異、欠失及び/又は置換により、内因性プロモーターを変えることができる。
ベクター及び宿主細胞
本発明は、単離された核酸分子を含むベクター、組換えベクターで遺伝子工学処理される宿主細胞、及び当該技術分野において周知である組換え技術による少なくとも1つの抗IL-23抗体の産生にも関する。例えば、上記のSambrookら、上記のAusubelらを参照されたく、各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
ポリヌクレオチドは、任意選択的に、宿主の増殖についての選択マーカーを含有するベクターに結合することができる。概して、プラスミドベクターは、リン酸カルシウム沈殿物のような沈殿物内、又は荷電脂質との複合体内に導入される。ベクターがウイルスである場合は、適切な包装細胞株を用いてインビトロでこれを包装し、その後、宿主細胞内に形質導入することができる。
DNA挿入物は、適切なプロモーターに機能的に連結されるべきである。発現コンストラクトは、転写開始部位、転写終結部位、及び転写された領域内では翻訳のためのリボソーム結合部位を更に含む。構築により発現する成熟した転写産物のコード部分は、好ましくは、翻訳されるべきmRNAの最後に適切に位置する開始及び終止コドン(例えば、UAA、UGA、又はUAG)で始まる翻訳を含み、哺乳類又は真核生物細胞の発現ではUAA及びUAGが好ましい。
発現ベクターは、好ましくは少なくとも1つの選択マーカーを含むが、これは任意選択的である。かかるマーカーは、例えば、真核細胞培養のためのメトトレキサート(methotrexate、MTX)、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(dihydrofolate reductase、DHFR、米国特許同第4,399,216号、同第4,634,665号、同第4,656,134号、同第4,956,288号、同第5,149,636号、同第5,179,017号、アンピシリン、ネオマイシン(G418)、マイコフェノール酸又はグルタミンシンセターゼ(GS、米国特許同第5,122,464号、同第5,770,359号、同第5,827,739号)抵抗性遺伝子、並びに大腸菌及び他の細菌又は原核生物における培養のためのテトラサイクリン又はアンピシリン抵抗性遺伝子を含むが、これらに限定されない(上記特許は、参照により全体が本明細書に組み込まれる)。上記の宿主細胞に対して適切な培養培地及び条件は、当該技術分野において既知である。好適なベクターは、当事者にとって容易に明白となるであろう。宿主細胞へのベクターコンストラクトの導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE-デキストランを介在させたトランスフェクション、カチオン性脂質を介在させたトランスフェクション、エレクトロポレーション、形質導入、感染又は他の既知の方法により達成され得る。かかる方法については、上記のSambrook、第1~4章及び第16~18章、上記のAusubel、第1、9、13、15、16章など、当該技術分野において記載されている。
本発明の方法に使用される少なくとも1つの抗体は、融合タンパク質などの修飾された形態で発現され得、分泌シグナルだけでなく、追加の異種機能領域も含み得る。例えば、追加アミノ酸の領域、特に荷電アミノ酸を抗体のN末端に追加して、精製中又は後続の処理及び保存中に、宿主細胞における安定性及び持続性を改善することができる。また、ペプチド部分を本発明の抗体に追加して、精製を促進することもできる。抗体又は少なくとも1つのその断片の最終調製前に、かかる領域を除去することができる。かかる方法は、上記のSambrook、第17.29~17.42章及び第18.1~18.74章、上記のAusubel、第16、17及び18章など、多くの標準的な実験室マニュアルに記載されている。
当業者であれば、本発明の方法に使用されるタンパク質をコードする核酸の発現に利用可能な多数の発現系について精通している。あるいは、核酸は、抗体をコードする内因性DNAを含有する宿主細胞内で、(操作により)オン切換えすることにより、宿主細胞中で発現させることができる。かかる方法は、米国特許第5,580,734号、同第5,641,670号、同第5,733,746号、及び同第5,733,761号に記載されているように、当該技術分野において周知であり、これらは参照により全体が本明細書に組み込まれる。
抗体、その特定された部分又は変異体の産生に有用な細胞培養物の一例は、哺乳動物細胞である。哺乳動物細胞系は、しばしば細胞からなる単層形態を取るが、哺乳動物細胞の懸濁液又はバイオリアクターも使用可能である。無傷なグリコシル化タンパク質を発現可能ないくつかの好適な宿主細胞株が当該技術分野において開発されており、これにはCOS-1(例えばATCC CRL 1650)、COS-7(例えばATCC CRL-1651)、HEK293、BHK21(例えばATCC CRL-10)、CHO(例えばATCC CRL1610)及びBSC-1(例えばATCC CRL-26)細胞株、Cos-7細胞、CHO細胞、hep G2細胞、P3X63Ag8.653、SP2/0-Ag14、293細胞、HeLa細胞などが挙げられ、これらは例えば、American Type Culture Collection,Manassas,Va(www.atcc.org)から容易に入手できる。好ましい宿主細胞としては、骨髄腫及びリンパ腫細胞などのリンパ系に由来する細胞が挙げられる。特に好ましい宿主細胞は、P3X63Ag8.653細胞(ATCC登録番号CRL-1580)及びSP2/0-Ag14細胞(ATCC登録番号CRL-1851)である。特に好ましい実施形態では、組換え細胞は、P3X63Ab8.653又はSP2/0-Ag14細胞である。
これらの細胞の発現ベクターは、複製起点、プロモーター(例えば、後期又は初期SV40プロモーター、CMVプロモーター(米国特許同第5,168,062号、同第5,385,839号)、HSV tkプロモーター、pgk(ホスホグリセレートキナーゼ)プロモーター、EF-1αプロモーター(米国特許第5,266,491号)、少なくとも1つのヒト免疫グロブリンプロモーター、エンハンサー、及び/又はリボソーム結合部位、RNAスプライス部位、ポリアデニル化部位(例えば、SV40ラージT Agポリ付加部位)、並びに転写終結配列などのプロセシング情報部位などであるがこれらに限定されない、発現制御配列のうちの1つ以上を含み得る。例えば、上記のAusubelら、上記のSambrookらを参照されたい。本発明の核酸又はタンパク質の生成に有用なその他の細胞は既知であり、並びに/あるいは例えば、American Type Culture Collectionの細胞株及びハイブリドーマのカタログ(www.atcc.org)又はその他の既知の若しくは商業的供給源から入手可能である。
真核宿主細胞が利用されるとき、典型的には、ベクター内にポリアデニル化又は転写終結配列が組み込まれる。終結配列の一例は、ウシ成長ホルモン遺伝子からのポリアデニル化配列である。転写の正確なスプライシングのための配列も、同様に含むことができる。スプライシング配列の一例は、SV40由来のVP1イントロンである(Sprague,et al.,J.Virol.45:773-781(1983))。加えて、当該技術分野において既知であるように、宿主細胞内の複製を制御するための遺伝子配列をベクター内に組み込むことができる。
抗体の精製
抗IL-23抗体は、プロテインA精製、硫酸アンモニウム又はエタノール沈殿、酸抽出、アニオン又はカチオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー及びレクチンクロマトグラフィーが挙げられるがこれらに限定されない、周知の方法により、組換え細胞培養物から回収し、精製することができる。高速液体クロマトグラフィー(「high performance liquid chromatography、HPLC」)を精製に利用することもできる。例えば、Colligan、Current Protocols in Immunology又はCurrent Protocols in Protein Science,John Wiley & Sons,NY,NY(1997-2001)の、例えば、第1、4、6、8、9、10章を参照されたく、各々は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
本発明の方法に使用される抗体には、天然に精製された産物、化学合成による手法の産物、並びに例えば、酵母、高等植物、昆虫、及び哺乳動物細胞を含む、真核宿主から組換え法により産生された産物が含まれる。組換え産物の手順に利用される宿主に応じて、抗体は、グリコシル化されてもグリコシル化されなくてもよいが、グリコシル化されるのが好ましい。かかる方法は、上記のSambrook、セクション17.37-17.42、上記のAusubel、第10、12、13、16、18、及び20章、上記のColligan,Protein Science、第12~14章などの多くの標準的な実験室マニュアルに記載されており、全て参照により全体が本明細書に組み込まれる。
抗IL-23抗体
本発明の実施形態による方法に有用な、本明細書で「抗IL-23特異的抗体」とも呼ばれる抗IL-23抗体は、抗体に組み込むことができる、免疫グロブリン分子の少なくとも一部分、例えば、限定されないが、少なくとも1つのリガンド結合部分(ligand binding portion、LBP)、例えば、限定されないが、重鎖若しくは軽鎖の相補性決定領域(CDR)又はそのリガンド結合部分、重鎖又は軽鎖可変領域、フレームワーク領域(例えば、FR1、FR2、FR3、FR4、又はそれらの断片、更に任意選択的に、少なくとも1つの置換、挿入、又は欠失を含む)、重鎖又は軽鎖定常領域(例えば、少なくとも1のC1、ヒンジ1、ヒンジ2、ヒンジ3、ヒンジ4、C2、若しくはC3、又はそれらの断片を含み、更に任意選択的に、少なくとも1つの置換、挿入、又は欠失を含む)、又はそれらの任意の部分を含む、任意のタンパク質又はペプチド含有分子を含む。抗体は、ヒト、マウス、ウサギ、ラット、げっ歯類、霊長類、又はこれらの任意の組み合わせなどであるがこれらに限定されない、任意の哺乳動物を含むか、又はそれに由来し得る。
本発明の方法に使用される単離された抗体は、任意の好適なポリヌクレオチドによってコードされた、本明細書に開示される抗体のアミノ酸配列、又は任意の単離又は調製された抗体を含む。好ましくは、ヒト抗体又は抗原結合断片は、ヒトIL-23に結合し、それにより、タンパク質の少なくとも1つの生物学的活性を部分的又は実質的に中和する。少なくとも1つのIL-23タンパク質又は断片の少なくとも1つの生物学的活性を部分的に又は好ましくは実質的に中和する、抗体、又はその特定された部分若しくは変異体は、タンパク質又は断片に結合し、それによりIL-23受容体へのIL-23の結合を介して、又は他のIL-23依存性若しくは媒介型機序を介して、媒介される活性を阻害することができる。本明細書で使用するとき、「中和抗体」という用語は、アッセイに応じて、約20~120%、好ましくは少なくとも約10、20、30、40、50、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100%又はそれ以上、IL-23依存性活性を阻害できる抗体を指す。IL-23依存性活性を阻害する抗IL-23抗体の能力は、好ましくは、本明細書に記載され、かつ/又は当該技術分野において既知の、少なくとも1つの好適なIL-23タンパク質又は受容体アッセイによって評価される。ヒト抗体は、任意のクラス(IgG、IgA、IgM、IgE、IgD等)又はアイソタイプのものであってもよく、カッパ又はラムダ軽鎖を含み得る。一実施形態では、ヒト抗体は、IgG重鎖又は規定された断片、例えば、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4(例えば、γ1、 γ2、γ3、γ4)のうちの少なくとも1つのアイソタイプを含む。このタイプの抗体は、本明細書に記載されかつ/又は当該技術分野において既知の、少なくとも1つのヒト軽鎖(例えば、IgG、IgA、及びIgM)導入遺伝子を含む、トランスジェニックマウス又は他のヒト以外のトランスジェニック哺乳動物を利用することによって調製することができる。別の実施形態において、抗IL-23ヒト抗体は、IgG1重鎖と、IgG1軽鎖とを含む。
抗体は、少なくとも1つのIL-23タンパク質、サブユニット、断片、部分、又はそれらの任意の組み合わせに特異的な少なくとも1つの特定されたエピトープに結合する。この少なくとも1つのエピトープは、タンパク質の少なくとも一部分を含む少なくとも1つの抗体結合領域を含むことが可能であり、このエピトープは好ましくは、タンパク質の少なくとも1つの細胞外部分、可溶性部分、親水性部分、外側部分、又は細胞質部分から構成されている。
概して、ヒト抗体又は抗原結合断片は、少なくとも1つのヒト相補性決定領域(CDR1、CDR2、及びCDR3)又は少なくとも1つの重鎖可変領域の変異体、及び少なくとも1つのヒト相補性決定領域(CDR1、CDR2、及びCDR3)又は少なくとも1つの軽鎖可変領域の変異体を含む抗原結合領域を含む。CDR配列は、ヒト生殖細胞系列型配列に由来するものでも、生殖細胞系列型配列に厳密に一致するものでもよい。例えば、元のヒト以外のCDRに由来する合成ライブラリからのCDRを使用することができる。これらのCDRは、元のヒト以外の配列に由来する保存的置換の組込みによって形成され得る。別の特定の実施形態では、抗体又は抗原結合部分又は変異体は、対応するCDR1、2及び/又は3のアミノ酸配列を有する少なくとも1つの軽鎖CDR(すなわち、CDR1、CDR2、及び/又はCDR3)の少なくとも一部分を含む抗原結合領域を有することができる。
かかる抗体は、組換えDNA技術に関する従来技術を使用して抗体をコードする(すなわち、1つ以上の)核酸分子を調製して発現させることによって、又は任意の他の好適な方法を使用することによって、従来技術を使用して抗体の様々な部分(例えば、CDR、フレームワーク)を一緒に化学的に結合させることにより調製できる。
一実施形態では、本発明に有用な抗IL-23抗体は、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域は、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(CDRH1)アミノ酸配列、配列番号2のCDRH2、及び配列番号3のCDRH3を含み、軽鎖可変領域は、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1(CDRL1)アミノ酸配列、配列番号5のCDRL2、及び配列番号6のCDRL3を含む。
本発明に有用な好ましい抗IL-23抗体は、配列番号7のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域と、を含む。
本発明に有用なより好ましい抗IL-23抗体は、グセルクマブ(CNTO1959とも呼ばれ、TREMFYAとして販売されている)である。
本発明に有用な他の抗IL-23抗体としては、米国特許第7,935,344号に記載されている配列を有するものが挙げられるが、これらに限定されず、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
更なる治療活性成分を含む抗体組成物
本発明の方法に使用される抗体組成物は、任意選択的に更に、抗感染症薬、心血管(cardiovascular、CV)系作用薬、中枢神経系(central nervous system、CNS)薬、自律神経系(autonomic nervous system、ANS)薬、呼吸器薬、消化(gastrointestinal、GI)管作用薬、ホルモン薬、体液又は電解質平衡薬、血液作用薬、抗腫瘍薬、免疫調節薬、眼、耳又は鼻用薬、局所作用薬、栄養薬などのうち、少なくとも1つから選択される、少なくとも1つの化合物又はタンパク質を有効量含むことができる。かかる薬剤は、本明細書に示されるそれぞれの製剤、適応症、用量、及び投与を含めて、当該技術分野では周知である(例えば、Nursing 2001 Handbook of Drugs,21st edition,Springhouse Corp.,Springhouse,PA,2001、Health Professional’s Drug Guide 2001,ed.,Shannon,Wilson,Stang,Prentice-Hall,Inc,Upper Saddle River,NJ、Pharmcotherapy Handbook,Wells et al.,Appleton&Lange,Stamford,CTを参照されたく、各々は、参照により本明細書に組み込まれる)。
本発明の方法の抗体と組み合わせることができる薬剤の例として、抗感染薬は、殺アメーバ薬又は少なくとも1種の抗原虫薬、駆虫薬、抗真菌薬、抗マラリア薬、抗結核薬又は少なくとも1種の抗らい菌薬、アミノグリコシド、ペニシリン、セファロスポリン、テトラサイクリン、スルホンアミド、フルオロキノロン、抗ウイルス薬、マクロライド抗感染薬、及び種々の抗感染薬から選択される少なくとも1種であり得る。ホルモン薬は、コルチコステロイド、アンドロゲン、又は少なくとも1種のアナボリックステロイド、エストロゲン、又は少なくとも1種のプロゲスチン、ゴナドトロピン、抗糖尿病薬、又は少なくとも1種のグルカゴン、甲状腺ホルモン、甲状腺ホルモン拮抗薬、下垂体ホルモン、及び副甲状腺様薬から選択される少なくとも1種であり得る。少なくとも1種のセファロスポリンは、セファクロル、セファドロキシル、セファゾリンナトリウム、セフジニル、塩酸セフェピム、セフィキシム、セフメタゾールナトリウム、セフォニシドナトリウム、セフォペラゾンナトリウム、セフォタキシムナトリウム、セフォテタン二ナトリウム、セフォキシチンナトリウム、セフポドキシムプロキセチル、セフプロジル、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシムナトリウム、セフトリアキソンナトリウム、セフロキシムアキセチル、セフロキシムナトリウム、塩酸セファレキシン、セファレキシン一水和物、セフラジン、及びロラカルベフから選択される少なくとも1種であり得る。
少なくとも1種のコルチコステロイド(coricosteroid)は、ベタメタゾン、酢酸ベタメタゾン又はリン酸ベタメタゾンナトリウム、リン酸ベタメタゾンナトリウム、酢酸コルチゾン、デキサメサゾン、酢酸デキサメサゾン、リン酸デキサメサゾンナトリウム、酢酸フルドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、シピオン酸ヒドロコルチゾン、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、メチルプレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン、コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム、プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、テブト酸プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニド、及び二酢酸トリアムシノロンから選択される少なくとも1種であり得る。少なくとも1種のアンドロゲン又はタンパク質同化ステロイドは、ダナゾール、フルオキシメステロン、メチルテストステロン、デカン酸ナンドロロン、フェンプロピオン酸ナンドロロン、テストステロン、シピオン酸テストステロン、エナント酸テストステロン、プロピオン酸テストステロン、及びテストステロン経皮系から選択される少なくとも1種であり得る。
少なくとも1種の免疫抑制剤は、アザチオプリン、バシリキシマブ、シクロスポリン、ダクリズマブ、リンパ球免疫グロブリン、ムロモナブ-CD3、ミコフェノール酸モフェチル、塩酸ミコフェノール酸モフェチル、シロリムス、及びタクロリムスから選択される少なくとも1種であり得る。
少なくとも1種の局所抗感染薬は、アシクロビル、アンホテリシンB、アゼライン酸クリーム、バシトラシン、硝酸ブトコナゾール、リン酸クリンダマイシン、クロトリマゾール、硝酸エコナゾール、エリスロマイシン、硫酸ゲンタマイシン、ケトコナゾール、酢酸マフェニド、メトロニダゾール(局所)、硝酸ミコナゾール、ムピロシン、塩酸ナフチフィン、硫酸ネオマイシン、ニトロフラゾン、ナイスタチン、スルファジアジン銀、塩酸テルビナフィン、テルコナゾール、塩酸テトラサイクリン、チオコナゾール、及びトルナフテートから選択される少なくとも1種であり得る。少なくとも1種の疥癬殺虫剤若しくは殺シラミ薬は、クロタミトン、リンデン、ペルメトリン、及びピレトリンから選択される少なくとも1種であり得る。少なくとも1種の局所コルチコステロイドは、ジプロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、プロピオン酸クロベタゾール、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメサゾン、リン酸デキサメサゾンナトリウム、二酢酸ジフロラゾン、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルランドレノリド、プロピオン酸フルチカゾン、ハルシノニド(halcionide)、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、吉草酸ヒドロコルチゾン、フロ酸モメタゾン、及びトリアムシノロンアセトニドから選択される少なくとも1種であり得る。(例えば、Nursing 2001 Drug Handbookの1098~1136頁を参照されたい。)
抗IL-23抗体組成物は、かかる調節、処置、又は治療を必要とする細胞、組織、器官、動物、又は患者に接触されるか又は投与される少なくとも1つの抗IL-23抗体を含み、任意選択的に更に、少なくとも1つのTNF拮抗薬(例えば、限定されないが、TNF化学若しくはタンパク質拮抗薬、TNFモノクローナル若しくはポリクローナル抗体又は断片、可溶性TNF受容体(例えば、p55、p70、又はp85)又は断片、その融合ポリペプチド、又は小分子TNF拮抗薬、例えば、TNF結合タンパク質I若しくはII(TBP-1又はTBP-II)、ネレリモンマブ(nerelimonmab)、インフリキシマブ、エタネルセプト(eternacept)、CDP-571、CDP-870、アフェリモマブ、レネルセピトなど)、抗リウマチ薬(例えば、メトトレキサート、オーラノフィン、アウロチオグルコース、アザチオプリン、エタネルセプト、金チオリンゴ酸ナトリウム、ヒドロキシクロロキン硫酸塩、レフルノミド、スルファサラジン)、免疫付与剤、免疫グロブリン、免疫抑制剤(例えば、バシリキシマブ、シクロスポリン、ダクリズマブ)、サイトカイン又はサイトカイン拮抗薬から選択される少なくとも1種を含む、任意の好適かつ有効量の組成物又は医薬組成物のうちの少なくとも1種を更に含むことができる。かかるサイトカインの非制限的な例としては、IL-1~IL-23など(例えば、IL-1、IL-2等)のいずれかが挙げられるが、これらに限定されない。好適な投与量は、当該技術分野において周知である。例えば、Wells et al.,eds.,Pharmacotherapy Handbook,2nd Edition,Appleton and Lange,Stamford,CT(2000)、PDR Pharmacopoeia,Tarascon Pocket Pharmacopoeia 2000,Deluxe Edition,Tarascon Publishing,Loma Linda,CA(2000)を参照されたく、これらの各々は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
本発明の方法に使用される抗IL-23抗体化合物、組成物、又は混合物は更に、希釈剤、結合剤、安定剤、緩衝剤、塩、親油性溶媒、保存剤、アジュバントなどであるがこれらに限定されない、任意の好適な助剤のうちの少なくとも1つを含み得る。薬学的に許容される助剤が好ましい。かかる滅菌溶液を調製する非限定的な例及びその方法は、当該技術分野において周知であり、例えば、Gennaro,Ed.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Edition,Mack Publishing Co.(Easton,PA),1990などであるが、これに限定されない。当該技術分野において周知である、又は本明細書に記載されるように、抗IL-23抗体、断片、又は変異体組成物の投与方式、溶解度、及び/又は安定性に好適な薬学的に許容される担体は、日常的に選択することができる。
本組成物において有用な薬学的賦形剤及び添加剤は、これらに限定されないが、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、脂質及び炭水化物(例えば、単糖類、二糖、三糖、四糖、及びオリゴ糖を含む糖類、アルジトール、アルドン酸、エステル化糖などの誘導体化糖、並びに多糖類又は糖ポリマー)を含み、これらは、単独で又は組み合わせて存在してもよく、単独で又は組み合わせて1~99.99重量%又は容量%含まれる。例示的なタンパク質賦形剤には、ヒト血清アルブミン(human serum albumin、HSA)などの血清アルブミン、組換えヒトアルブミン(recombinant human albumin、rHA)、ゼラチン、カゼインなどが挙げられる。緩衝能においても機能し得る代表的なアミノ酸/抗体構成要素には、アラニン、グリシン、アルギニン、ベタイン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システイン、リシン、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、アスパルテームなどが挙げられる。好ましいアミノ酸の1つはグリシンである。
本発明で使用するのに好適な炭水化物賦形剤としては、例えば、フルクトース、マルトース、ガラクトース、グルコース、D-マンノース、ソルボースなどの単糖類、ラクトース、スクロース、トレハロース、セロビオースなどの二糖類、ラフィノース、メレジトース、マルトデキストリン、デキストラン、デンプン類などの多糖類、マンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトールソルビトール(グルシトール)、ミオイノシトールなどのアルジトールが挙げられる。本発明で使用するのに好ましい炭水化物添加物は、マンニトール、トレハロース、及びラフィノースである。
抗IL-23抗体組成物はまた、緩衝剤又はpH調整剤を含むこともでき、典型的には、緩衝剤は、有機酸又は塩基から調製される塩である。代表的な緩衝剤としては、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、炭酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、又はフタル酸の塩などの有機酸塩、トリス、トロメタミン塩酸塩、又はリン酸緩衝剤が挙げられる。本組成物で使用するのに好ましい緩衝剤は、クエン酸などの有機酸塩である。
更に、抗IL-23抗体組成物は、ポリビニルピロリドン、フィコール(ポリマー糖)、デキストレート(例えば、2-ヒドロキシプロピル--β-シクロデキストリンなどのシクロデキストリン)、ポリエチレングリコール、着香剤、抗菌剤、甘味料、抗酸化剤、帯電防止剤、界面活性剤(例えば、「TWEEN20」及び「TWEEN80」などのポリソルベート)、脂質(例えば、リン脂質、脂肪酸)、ステロイド(例えば、コレステロール)、及びキレート剤(例えば、EDTA)などのポリマー賦形剤/添加剤を含み得る。
本発明による抗IL-23抗体、部分又は変異体組成物における使用に適したこれら及び追加の既知の薬学的賦形剤及び/又は添加剤は、当該技術分野において既知であり、例えば、「Remington:The Science&Practice of Pharmacy」、19th ed.,Williams&Williams,(1995)、及び「Physician’s Desk Reference」、52nd ed,Medical Economics,Montvale,NJ(1998)に列挙されており、これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。好ましい担体又は添加物材料は、炭水化物(例えば単糖類及びアルジトール)及び緩衝剤(例えばクエン酸)又はポリマー剤である。例示的な担体分子はムコ多糖、ヒアルロン酸であり、これらは関節内送達に有用であり得る。
製剤
上述した通り、本発明は、好ましくは、生理食塩水又は選択された塩を含むリン酸塩緩衝剤である安定した製剤、並びに保存剤を含有する保存溶液及び製剤、並びに薬学的に許容される製剤中に少なくとも1つの抗IL23抗体を含む薬学的又は獣医学的用途に好適な多用途保存製剤を提供する。保存製剤は、水性希釈剤中に、少なくとも1つの既知の、すなわち少なくとも1つのフェノール、m-クレゾール、p-クレゾール、o-クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、硝酸フェニル水銀、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド、クロロブタノール、塩化マグネシウム(例えば、六水和物)、アルキルパラベン(メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、及びチメロサール、又はそれらの混合物からなる群から任意選択的に選択される保存剤を含有する。当該技術分野において既知であるように、0.001~5%、又は0.001、0.003、0.005、0.009、0.01、0.02、0.03、0.05、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.3、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、又はその中の任意の範囲若しくは値などであるがこれらに限定されない、その中の任意の範囲若しくは値の、任意の好適な濃度又は混合物が使用され得る。非限定的な例としては、保存剤無添加、0.1~2%m-クレゾール(例えば、0.2、0.3.0.4、0.5、0.9、1.0%)、0.1~3%のベンジルアルコール(例えば、0.5、0.9、1.1、1.5、1.9、2.0、2.5%)、0.001~0.5%のチメロサール(例えば、0.005、0.01)、0.001~2.0%のフェノール(例えば、0.05、0.25、0.28、0.5、0.9、1.0%)、0.0005~1.0%のアルキルパラベン(複数可)(例えば、0.00075、0.0009、0.001、0.002、0.005、0.0075、0.009、0.01、0.02、0.05、0.075、0.09、0.1、0.2、0.3、0.5、0.75、0.9、1.0%)などが挙げられる。
上述の通り、本発明の方法は、包装材と、任意選択的に水性希釈剤中に処方された緩衝剤及び/又は保存剤を伴う少なくとも1つの抗IL-23特異的抗体の溶液を含む少なくとも1つのバイアルと、を含む製品を使用し、この包装材は、かかる溶液を1、2、3、4、5、6、9、12、18、20、24、30、36、40、48、54、60、66、72時間以上にわたり保持することができることを記したラベルを含む。本発明は、包装材と、凍結乾燥された抗IL-23特異的抗体を含む第1のバイアルと、処方された緩衝剤又は保存剤の水性希釈剤を含む第2のバイアルと、を含む製品を更に使用し、この包装材は、抗IL-23特異的抗体を水性希釈剤でもどして、24時間以上にわたって保持することができる溶液を形成するように患者に指示するラベルを含む。
本発明により使用される抗IL-23特異的抗体は、本明細書に記載されるか又は当該技術分野において既知の、哺乳類細胞又はトランスジェニック調製物から産生することを含む組換え手段により産生され得るか、又は他の生物源から精製され得る。
抗IL-23特異的抗体の範囲は、湿式/乾式系の場合、もどすときに約1.0μg/mL~約1000mg/mLの濃度が得られる量で含まれるが、より低い濃度及び高い濃度でも作業可能であり、意図される送達ビヒクルに依存し、例えば溶液製剤では、経皮パッチ、肺、経粘膜、又は浸透圧性若しくはマイクロポンプ方法とは異なる。
好ましくは、水性希釈剤は任意選択的に、薬学的に許容される保存剤を更に含む。好ましい保存剤には、フェノール、m-クレゾール、p-クレゾール、o-クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、アルキルパラベン(メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウム及びチメロサール又はこれらの混合物からなる群から選択されるものが含まれる。製剤中で使用される保存剤の濃度は、抗菌効果を生み出すのに十分な濃度である。かかる濃度は選択された保存剤によって異なり、当業者により容易に決定される。
他の賦形剤、例えば、等張剤、緩衝剤、抗酸化剤、及び保存剤エンハンサーは、任意選択的にかつ好ましくは希釈剤に添加することができる。グリセリンなどの等張剤が、既知の濃度で一般に使用される。好ましくは、生理学的に耐性の緩衝剤を添加して、改善されたpH制御を提供する。製剤は、約pH4~約pH10、及び好ましくは約pH5~約pH9の範囲、及び最も好ましくは約6.0~約8.0の範囲などの、広範囲のpH範囲を対象にすることができる。好ましくは、本発明の製剤は、約6.8~約7.8のpHを有する。好適な緩衝剤には、リン酸緩衝剤、最も好ましくは、リン酸ナトリウム、特にリン酸緩衝生理食塩水(phosphate buffered saline、PBS)が含まれる。
他の添加剤、例えばTween20(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート)、Tween40(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート)、Tween80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)、Pluronic F68(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー)、及びPEG(ポリエチレングリコール)のような薬学的に許容される可溶化剤、又はポリソルベート20若しくは80又はポロキサマー184若しくは188、Pluronic(登録商標)polylsなどの非イオン性界面活性剤、他のブロックコポリマー、並びにEDTA及びEGTAなどのキレート剤を製剤又は組成物に任意選択的に添加することで、凝集を低減させることができる。これらの添加物は、製剤を投与するためにポンプ又はプラスチック容器が使用される場合に特に有用である。薬学的に許容される界面活性剤の存在により、タンパク質が凝集する傾向が軽減される。
製剤は、少なくとも1つの抗IL-23特異的抗体と、フェノール、m-クレゾール、p-クレゾール、o-クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、アルキルパラベン(メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、及びチメロサール又はこれらの混合物からなる群から選択される保存剤と、を水性希釈剤中で混合することを含むプロセスにより、調製することができる。少なくとも1つの抗IL-23特異的抗体と保存剤との水性希釈剤中での混合は、従来の溶解及び混合手順を使用して実施される。好適な製剤を調製するために、例えば、緩衝溶液中の一定量の少なくとも1つの抗IL-23特異的抗体を、所望の濃度のタンパク質及び保存剤を提供するために十分な量の緩衝溶液中で所望の保存剤と組み合わせる。このプロセスの変化形態は、当業者によって認識されるであろう。例えば、構成成分の添加順序、追加の添加剤の使用の有無、製剤調製時の温度及びpHは全て、使用する投与濃度及び投与手段に関して最適化することのできる因子である。
製剤は、透明な溶液として、又は水、保存剤及び/若しくは賦形剤、好ましくはリン酸塩緩衝剤及び/若しくは生理食塩水、並びに選択された塩を水性希釈剤中に含有する第2のバイアルでもどされる、凍結乾燥された抗IL-23特異的抗体のバイアルを含む併用バイアル(dual vial)として、患者に提供することができる。単一溶液バイアル又は再構成を必要とするデュアルバイアルはいずれも複数回再利用することができ、単一又は複数の患者治療サイクルを満たすことができ、したがって、現在使用できるよりも便利な治療レジメンを提供することができる。
本製品は、即時から24時間以上の範囲の期間にわたる投与に有用である。したがって、本発明により特許請求される製品は、患者に大きな利益を提供する。本発明の製剤は、約2℃~約40℃の温度で任意選択的に安全に保管し、タンパク質の生物学的活性を長期間保持することができ、したがって包装ラベルは、溶液が6、12、18、24、36、48、72、又は96時間以上の期間にわたって保持及び/又は使用できることを示すことを可能にする。保存されている希釈剤を使用する場合には、かかるラベルに最高1~12ヶ月、半年、1年半及び/又は2年までの使用を含むことができる。
抗IL-23特異的抗体の溶液は、少なくとも1つの抗体を水性希釈剤中で混合することを含むプロセスにより調製することができる。混合は、従来の溶解及び混合手順を使用して実施される。好適な希釈剤を調製するために、例えば、水又は緩衝剤中の一定量の少なくとも1つの抗体を、所望の濃度のタンパク質、及び任意選択的に保存剤又は緩衝剤を提供するのに十分な量で組み合わせる。このプロセスの変化形態は、当業者によって認識されるであろう。例えば、構成成分の添加順序、追加の添加剤の使用の有無、製剤調製時の温度及びpHは全て、使用する投与濃度及び投与手段に関して最適化することのできる因子である。
特許請求される製品は、透明な溶液として、又は水性希釈剤を含有する第2のバイアルでもどされる、凍結乾燥された少なくとも1つの抗IL-23特異的抗体のバイアルを含む併用バイアルとして、患者に提供することができる。単一溶液バイアル又は再構成を必要とするデュアルバイアルはいずれも複数回再利用することができ、単一又は複数の患者治療サイクルを満たすことができ、したがって、現在使用できるよりも便利な治療レジメンを提供する。
特許請求される製品は、透明な溶液、又は水性希釈剤を含有する第2のバイアルでもどされる、凍結乾燥された少なくとも1つの抗IL-23特異的抗体のバイアルを含む併用バイアルを、薬局、診療所、又はその他のかかる機関及び施設に提供することによって、患者に対し間接的に提供することができる。この場合の透明溶液は最高1リットル又は更にはそれ以上の容量であってもよく、この大きな容器からより少量の少なくとも1つの抗体溶液を1回又は複数回取り出してより小さなバイアルに移し、かつ薬局又は診療所により顧客及び/又は患者に提供できる。
単一バイアル系を含む承認済みデバイスとしては、BD Pens、BD Autojector(登録商標),Humaject(登録商標),NovoPen(登録商標),B-D(登録商標)Pen,AutoPen(登録商標),and OptiPen(登録商標),GenotropinPen(登録商標),Genotronorm Pen(登録商標),Humatro Pen(登録商標),Reco-Pen(登録商標),Roferon Pen(登録商標),Biojector(登録商標),Iject(登録商標),J-tip Needle-Free Injector(登録商標),Intraject(登録商標),Medi-Ject(登録商標),Smartject(登録商標)などの溶液送達用のペン型インジェクタデバイス(例えば、Becton Dickensen(Franklin Lakes、NJ、www.bectondickenson.com)、Disetronic(Burgdorf、Switzerland、www.disetronic.com)、Bioject,Portland,Oregon(www.bioject.com)、National Medical Products,Weston Medical(Peterborough,UK,www.weston-medical.com)、Medi-Ject Corp(Minneapolis,MN,www.mediject.com)によって製造又は開発されている)、及び類似の好適なデバイスが挙げられる。デュアルバイアル系を含む承認済みデバイスとしては、HumatroPen(登録商標)などの、再構成した溶液を送達するためのカートリッジ内で凍結乾燥された薬剤を再構成するためのペン型インジェクタシステムが挙げられる。好適な他のデバイスの例としては、予め充填された注射器、自動注射器、針なし注射器、及び針なしIV注入セットが挙げられる。
製品は、包装材を含み得る。包装材は、規制当局によって必要とされる情報に加えて、製品を使用することができる条件を提供する。本発明の包装材は、該当する場合、少なくとも1つの抗IL-23抗体を水性希釈剤でもどして溶液を形成し、2~24時間以上の期間にわたって、この溶液を湿式/乾式の2つのバイアル製品に使用する、という指示を患者に提供する。単一バイアルの溶液製品、予め充填された注射器、又は自動注射器の場合、ラベルは、かかる溶液が2~24時間以上の期間にわたって使用することができることを示す。製品は、ヒト用医薬製品用途に有用である。
本発明の方法に使用される製剤は、抗IL-23抗体及び選択された緩衝剤、好ましくは生理食塩水又は選択された塩を含有するリン酸緩衝剤を混合することを含むプロセスにより、調製することができる。抗IL-23抗体と緩衝剤との水性希釈剤中での混合は、従来の溶解及び混合手順を使用して実施される。好適な製剤を調製するために、例えば、水又は緩衝剤中の一定量の少なくとも1つの抗体を、所望の濃度のタンパク質及び緩衝剤を提供するのに十分な量の水中で所望の緩衝剤と組み合わせる。このプロセスの変化形態は、当業者によって認識されるであろう。例えば、構成成分の添加順序、追加の添加剤の使用の有無、製剤調製時の温度及びpHは全て、使用する投与濃度及び投与手段に関して最適化することのできる因子である。
本発明の方法は、ヒト又は動物患者に投与するのに有用かつ許容できる様々な製剤を含む医薬組成物を提供する。かかる医薬組成物は、希釈剤として「標準状態」の水、及び当業者に周知の日常的な方法を使用して調製される。例えば、ヒスチジン及びヒスチジン一塩酸塩水和物などの緩衝構成要素が最初に提供され、続いて適切な非最終容量の「標準状態」の水希釈剤、スクロース、及びポリソルベート80が添加され得る。次いで、単離された抗体を添加することができる。最後に、水を希釈剤として使用する「標準状態」条件の下で、医薬組成物の容量を所望の最終容量に調整する。当業者は、医薬組成物の調製に好適ないくつかの他の方法を認識する。
医薬組成物は、水の容量単位当たりの示される質量の各構成成分を含むか、又は「標準状態」の示されるpHを有する水溶液又は懸濁液であってもよい。本明細書で使用するとき、「標準状態」という用語は、25℃±2℃の温度及び1気圧の圧力を意味する。「標準状態」という用語は、当該技術分野では、当該技術分野が認識する、単一の温度又は圧力のセットを指すように使用されないが、代わりに参照「標準状態」条件下の特定の組成を含む溶液又は懸濁液を説明するために使用される温度及び圧力を特定する参照状態である。これは、溶液の容量が一部温度及び圧力の関数であるためである。当業者は、本明細書に開示されるものと同等の医薬組成物が他の温度及び圧力で製造され得ることを認識するであろう。かかる医薬組成物が本明細書に開示されるものと同等であるかは、上記に定義された「標準状態」条件下(例えば、25℃±2℃及び1気圧の圧力)で決定されるべきである。
重要なことに、かかる医薬組成物は、医薬組成物の単位容積当たり「およそ(約)」ある特定の値(例えば、「約0.53mgのL-ヒスチジン」)の構成要素質量を含有するか、又は約特定値のpH値を有し得る。医薬組成物中に存在する構成要素質量又はpH値は、単離された抗体が医薬組成物に存在するか、又は単離された抗体が医薬組成物から除去された後(例えば、希釈により)に、医薬組成物中に存在する単離された抗体がペプチド鎖に結合することができる場合の、「約」所与の数値である。つまり、構成要素の質量値又はpH値などの値は、単離された抗体を医薬組成物中に入れた後に単離された抗体の結合活性が維持され、検出可能であるときの、「約」所与の数値である。
競合結合分析を行って、IL-23特異的mAbが類似の若しくは異なるエピトープに結合し、かつ/又は互いに競合するかを決定する。ELISAプレート上にAbを個々にコーティングする。競合するmAbを添加し、続いてビオチン化hrIL-23を添加する。陽性対照には、コーティングに同じmAbを競合mAb(「自己競合」)として使用してもよい。IL-23結合は、ストレプトアビジンを使用して検出される。これらの結果は、mAbがIL-23上の類似の又は部分的に重複するエピトープを認識するかどうかを示す。
本発明の方法の一態様は、医薬組成物を患者に投与する。
医薬組成物の一実施形態では、単離された抗体濃度は、1mLの医薬組成物当たり約77~約104mgである。医薬組成物の別の実施形態では、pHは約5.5~約6.5である。
安定又は保存製剤は、透明溶液として、又は水性希釈剤中に保存剤若しくは緩衝剤及び賦形剤を含有する第2のバイアルで再構成される、凍結乾燥された少なくとも1つの抗IL-23抗体のバイアルを含むデュアルバイアルとして、患者に提供することができる。単一溶液バイアル又は再構成を必要とするデュアルバイアルはいずれも複数回再利用することができ、単一又は複数の患者治療サイクルを満たすことができ、したがって、現在使用できるよりも便利な治療レジメンを提供する。
抗IL-23抗体を安定化するその他の処方又は方法は、抗体を含む凍結乾燥粉末の透明溶液以外のものであってよい。非透明溶液としては微粒子懸濁液を含む処方があり、このような微粒子は、ミクロスフェア、微小粒子、ナノ粒子、ナノスフェア、又はリポソームとして様々に知られる種々の大きさの構造内に、抗IL-23抗体を含有する組成物である。活性薬剤を含有するかかる比較的均質な本質的に球状の微粒子製剤は、米国特許第4,589,330号に教示される通り、活性薬剤及びポリマーを含有する水相と非水相とを接触させ、次いで非水相を蒸発させて水相からの粒子の合体を引き起こすことにより形成することができる。多孔性微小粒子は、米国特許第4,818,542号に教示される通り、連続溶媒中に分散された活性薬剤とポリマーとを含有する第1相を使用し、凍結乾燥又は希釈-抽出-沈殿により懸濁液からこの溶媒を除去することで調製することができる。こうした調製に好ましいポリマーは、ゼラチン寒天、デンプン、アラビノガラクタン、アルブミン、コラーゲン、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、グリコリド-L(-)ラクチドポリ(エプシロン-カプロラクトン、ポリ(エプシロン-カプロラクトン-CO-乳酸)、ポリ(エプシロン-カプロラクトン-CO-グリコール酸)、ポリ(β-ヒドロキシ酪酸)、ポリエチレンオキシド、ポリエチレン、ポリ(アルキル-2-シアノアクリレート)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリアミド、ポリ(アミノ酸)、ポリ(2-ヒドロキシエチルDL-アスパルトアミド)、ポリ(エステル尿素)、ポリ(L-フェニルアラニン/エチレングリコール/1,6-ジイソシアナトヘキサン)及びポリ(メチルメタクリレート)からなる群から選択される、天然又は合成のコポリマー又はポリマーである。特に好ましいポリマーは、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、グリコリド-L(-)ラクチドポリ(エプシロン-カプロラクトン)、ポリ(エプシロン-カプロラクトン-CO-乳酸)、及びポリ(エプシロン-カプロラクトン-CO-グリコール酸)などのポリエステルである。ポリマー及び/又は活性物質を溶解させるのに有用な溶媒としては、水、ヘキサフルオロイソプロパノール、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、ヘキサン、ベンゼン、又はヘキサフルオロアセトンセスキ水和物が挙げられる。活性物質含有相を第2相に分散させるプロセスは、ノズル内のオリフィスに当該第1相を圧力で強制的に通して液滴形成に作用させることを含むことができる。
乾燥粉末製剤は、例えば、噴霧乾燥法、又は蒸発による溶媒抽出法、若しくは水性若しくは非水性溶媒を除去するための1つ以上の工程が後続する結晶性組成物の沈殿による溶媒抽出法などの、凍結乾燥以外のプロセスの結果として得てもよい。噴霧乾燥抗体製剤の調製は、米国特許第6,019,968号に教示されている。抗体ベースの乾燥粉末組成物は、抗体の溶液又はスラリーを、及び任意選択的に、呼吸用乾燥粉末を提供するための条件下で溶媒中の、賦形剤を、噴霧乾燥させることによって生産できる。溶媒としては、容易に乾燥可能な、例えば水及びエタノールなどの極性化合物が挙げられる。抗体の安定性は、酸素不在下、例えば窒素ブランケット下において噴霧乾燥手順を実施すること、又は乾燥用気体として窒素を使用することにより増強させることができる。別の比較的乾燥した製剤は、国際公開第9916419号に教示されているような、典型的にヒドロフルオロアルカン噴射剤を含む懸濁培地中に分散した、複数の有孔微細構造の分散物である。安定化された分散物は、定量吸入器を用いて患者の肺に投与できる。噴霧乾燥された薬物の商業的製造において有用な機器は、Buchi Ltd.又はNiro Corp.により製造されている。
本明細書に記載される安定若しくは保存製剤又は溶液のいずれかの抗IL-23抗体は、当該技術分野において周知のように、SC若しくはIM注射、経皮、経肺、経粘膜、埋め込み、浸透圧ポンプ、カートリッジ、マイクロポンプ又は当該技術分野において周知であり当業者により理解される他の手段などの様々な送達方法を介して、本発明により対象に投与することができる。
治療適用
全般的一態様では、本出願はまた、当該技術分野において既知又は本明細書に記載のように、少なくとも1つの本発明のIL-23抗体を用いて、例えば、細胞、組織、器官、動物、又は患者に、治療有効量のIL-23特異的抗体を投与又は接触させて、細胞、組織、器官、動物、又は患者における乾癬性関節炎を調整又は治療するための方法をも提供する。
本発明のいずれの方法も、かかる調節、治療、又は治療を必要としている細胞、組織、臓器、動物、又は患者に、抗IL-23抗体を含む組成物又は医薬組成物を有効量で投与することを含み得る。かかる方法は、任意選択的に、かかる疾患又は障害の治療のための同時投与又は併用療法を更に含むことができ、ここで、この少なくとも1つの抗IL-23抗体、その特定された部分、又は変異体を投与することは、少なくとも1つのTNF拮抗薬(例えば、限定されないが、化学物質性若しくはタンパク質性TNF拮抗薬、TNFモノクローナル若しくはポリクローナル抗体若しくは断片、可溶性TNF受容体(例えば、p55、p70、又はp85)若しくは断片、その融合ポリペプチド、又は低分子TNF拮抗薬、例えば、TNF結合タンパク質I又はII(TBP-1又はTBP-II)、ネレリモンマブ、インフリキシマブ、エタネルセプト(eternacept)(Enbrel(商標))、アダリムマブ(Humira(商標))、CDP-571、CDP-870、アフェリモマブ、レネルセピトなど)、抗リウマチ薬(例えば、メトトレキサート、オーラノフィン、アウロチオグルコース、アザチオプリン、金チオリンゴ酸ナトリウム、硫酸ヒドロキシクロロキン、レフルノミド、スルファサラジン)、筋弛緩薬、麻薬、非ステロイド性抗炎症薬(non-steroid anti-inflammatory drug、NSAID)、鎮痛薬、麻酔薬、鎮静薬、局所麻酔薬、神経筋遮断薬、抗菌薬(例えば、アミノグリコシド、抗真菌薬、抗寄生虫薬、抗ウイルス薬、カルバペナム、セファロスポリン、フルオロキノロン、マクロライド、ペニシリン、スルホンアミド、テトラサイクリン、その他抗菌薬)、乾癬治療薬、コルチコステロイド、アナボリックステロイド、糖尿病関連薬、ミネラル、栄養薬、甲状腺剤、ビタミン、カルシウム関連ホルモン、止瀉薬、鎮咳薬、制吐剤、抗腫瘍薬、緩下剤、抗凝固薬、エリスロポエチン(例えば、エポエチンアルファ)、フィルグラスチム(例えば、G-CSF、Neupogen)、サルグラモスチム(GM-CSF、Leukine)、免疫付与剤、免疫グロブリン、免疫抑制剤(例えば、バシリキシマブ、シクロスポリン、ダクリズマブ)、成長ホルモン、ホルモン補充薬、エストロゲン受容体調節薬、散瞳剤、毛様体筋麻痺薬、アルキル化剤、代謝拮抗薬、分裂阻害剤、放射性医薬品、抗うつ薬、抗躁薬、抗精神病薬、抗不安薬、睡眠薬、交感神経刺激薬、刺激薬、ドネペジル、タクリン、ぜんそく治療薬、ベータ作用薬、吸入ステロイド、ロイコトリエン阻害剤、メチルキサンチン、クロモリン、エピネフリン若しくは類似体、ドルナーゼアルファ(Pulmozyme)、サイトカイン若しくはサイトカイン拮抗薬から選択される少なくとも1つを、前に、同時に、及び/又は後に投与することを更に含む。好適な投与量は、当該技術分野において周知である。例えば、Wells et al.,eds.,Pharmacotherapy Handbook,2nd Edition,Appleton and Lange,Stamford,CT(2000)、PDR Pharmacopoeia,Tarascon Pocket Pharmacopoeia 2000,Deluxe Edition,Tarascon Publishing,Loma Linda,CA(2000)、Nursing 2001 Handbook of Drugs,21st edition,Springhouse Corp.,Springhouse,PA,2001、Health Professional’s Drug Guide 2001,ed.,Shannon,Wilson,Stang,Prentice-Hall,Inc,Upper Saddle River,NJ,を参照されたく、これらの参考文献の各々は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
治療処置
典型的には、乾癬性関節炎の治療は、組成物中に含有される活性剤の比活性に応じ、平均して、合計、1回の投与当たり患者の体重1kg当たり少なくとも約0.01~500ミリグラムの範囲の抗IL-23抗体、好ましくは、単回又は複数回投与当たり患者の体重1kg当たり少なくとも約0.1~100ミリグラムの範囲の抗体の、抗IL-23抗体組成物の有効量又は投与量を投与することにより達成される。あるいは、有効な血清濃度は、単回又は複数回投与あたり0.1~5000μg/mLの血清濃度を含み得る。好適な投与量は、医療実践者には既知であり、当然のことながら、具体的な疾患状態、投与される組成物の比活性、及び処置を受けている具体的な患者に依存する。場合によっては、望ましい治療量を得るために、反復投与、すなわち、特定の監視された量又は定量の反復個別投与を提供することが必要となる場合があり、この場合、個別投与は、望ましい日用量又は作用が得られるまで繰り返される。
好ましい用量は、任意選択的に、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99及び/若しくは100~500μg/kg/投与、又はその任意の範囲、値若しくは分率を含むか、あるいは単回若しくは複数回投与あたり0.1、0.5、0.9、1.0、1.1、1.2、1.5、1.9、2.0、2.5、2.9、3.0、3.5、3.9、4.0、4.5、4.9、5.0、5.5、5.9、6.0、6.5、6.9、7.0、7.5、7.9、8.0、8.5、8.9、9.0、9.5、9.9、10、10.5、10.9、11、11.5、11.9、20、12.5、12.9、13.0、13.5、13.9、14.0、14.5、4.9、5.0、5.5、5.9、6.0、6.5、6.9、7.0、7.5、7.9、8.0、8.5、8.9、9.0、9.5、9.9、10、10.5、10.9、11、11.5、11.9、12、12.5、12.9、13.0、13.5、13.9、14、14.5、15、15.5、15.9、16、16.5、16.9、17、17.5、17.9、18、18.5、18.9、19、19.5、19.9、20、20.5、20.9、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、96、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、及び/若しくは5000μg/mLの血清中濃度、又はその任意の範囲、値若しくは分率を得るように含み得る。
あるいは、投与される用量は、特定の薬剤の薬力学的特徴並びにその投与方法及び経路、レシピエントの年齢、健康状態及び体重、症状の性質及び程度、同時処置の種類、処置頻度、並びに所望の作用などの既知の因子により異なり得る。活性成分の投与量は、通常、体重1キログラム当たり約0.1~100ミリグラムであり得る。通常、0.1~50、好ましくは0.1~10ミリグラム/キログラム/投与、又は徐放性形態が、望ましい結果を得るために有効である。
非限定的な例として、ヒト又は動物の処置は、単回、注入又は反復投与を使用して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39若しくは40日目のうちの少なくとも1日に、あるいは又は追加的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51若しくは52週目のうちの少なくとも1週に、あるいは又は追加的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19若しくは20年目のうちの少なくとも1年に、又はこれらの任意の組み合わせで、1日当たり0.1~100mg/kg、例えば、0.5、0.9、1.0、1.1、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、40、45、50、60、70、80、90、又は100mg/kgの、本発明の少なくとも1つの抗体の1回又は周期的な投与量として提供され得る。
体内投与に好適な剤形(組成物)は、概して、ユニット又は容器当たり約0.001ミリグラム~約500ミリグラムの活性成分を含む。これらの医薬組成物において、活性成分は、組成物の総重量に基づいて、通常、約0.5~99.999重量%の量で存在する。
非経口投与には、抗体は、薬学的に許容される非経口ビヒクルと合わせて、又は別個に提供される、溶液、懸濁液、エマルション、粒子、粉末、若しくは凍結乾燥粉末として、製剤化され得る。かかるビヒクルの例は、水、生理食塩水、リンゲル液、デキストロース溶液、及び1~10%ヒト血清アルブミンである。リポソーム及び不揮発性油などの非水性ビヒクルを使用することもできる。ビヒクル又は凍結乾燥粉末は、等張性及び化学安定性を維持する添加剤(例えば、等張性に関しては塩化ナトリウム、マンニトール;化学安定性に関しては緩衝剤及び保存剤)を含有することができる。製剤は、既知の又は好適な技術によって滅菌される。
好適な薬学的担体は、この分野での標準的参考テキストであるRemington’s Pharmaceutical Sciences,A.Osolの最新版の中で記載されている。
代替的投与
抗IL-23抗体の薬学的有効量を投与するために、本発明に従って、多くの既知の及び開発された方式を使用することができる。以下の記述では経肺投与が使用されているが、本発明に従って他の投与方式を使用して、好適な結果を得てもよい。本発明のIL-23特異的抗体は、担体中で、溶液、エマルション、コロイド若しくは懸濁液として、又は乾燥粉末として、吸入によるか、又は本明細書に記載される若しくは当該技術分野において既知である他の方法による投与に適した様々なデバイス及び方法のいずれかを使用して、送達することができる。
非経口製剤及び投与
非経口投与用製剤は、一般的な賦形剤として滅菌水又は生理食塩水、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール、植物性油、水素化ナフタレンなどを含有してもよい。注射用の水性又は油性懸濁液は、既知の方法に従って、適切な乳化剤又は加湿剤及び懸濁剤を使用することによって調製可能である。注射剤は、例えば水溶液、無菌注射液又は溶媒中懸濁液などの非毒性の非経口投与可能な希釈剤であってもよい。使用可能なビヒクル又は溶媒としては、水、リンゲル液、等張生理食塩水などが可能であり、通常の溶媒又は懸濁溶媒としては、無菌の不揮発性油を使用することができる。これらの目的では、天然又は合成若しくは半合成の、脂肪油又は脂肪酸、天然又は合成若しくは半合成の、モノグリセリド又はジグリセリド又はトリグリセリドを含む、あらゆる種類の不揮発性油及び脂肪酸を使用することができる。非経口投与は当該技術分野において既知であり、従来の注射手段、米国特許第5,851,198号に記載されているようなガス加圧式無針注射デバイス、及び米国特許第5,839,446号に記載されているようなレーザー穿孔機デバイスが挙げられるが、これらに限定されず、これらは参照によって全体が本明細書に組み込まれる。
代替的送達
本発明は更に、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、関節内、気管支内、腹内、包内、軟骨内、洞内、腔内、小脳内、脳室内、結腸内、頚管内、胃内、肝内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内、胸膜内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、網膜内、脊髄内、滑液嚢内、胸郭内、子宮内、膀胱内、病巣内、ボーラス、膣内、直腸、口腔内、舌下、鼻腔内、又は経皮手段による抗IL-23抗体の投与に関する。抗IL-23抗体組成物は、非経口(皮下、筋肉内又は静脈内)又は任意のその他の投与、特に、液体溶液若しくは懸濁液の形態で使用するために、特に、クリーム及び座薬などであるがこれらに限定されない半固体形態で、膣若しくは直腸の投与における使用のために、錠剤若しくはカプセルなどであるがこれらに限定されない形態で、口腔若しくは舌下投与用に、あるいは粉末、点鼻薬若しくはエアロゾル、又はある特定の薬剤などであるがこれらに限定されない形態で、鼻腔内に、あるいは皮膚構造を改変するか、又は経皮パッチ中の薬剤濃度を増加させるかのいずれかのために、ジメチルスルホキシドなどの化学的促進剤を用いて(Jungingerら、In「Drug Permeation Enhancement」;Hsieh,D.S.,Eds.,pp.59-90(Marcel Dekker,Inc.New York 1994、参照により全体が本明細書に組み込まれる)、又はタンパク質及びペプチドを含有する製剤の皮膚への適用(国際公開第98/53847号)、又はエレクトロポレーションなどの一過性の輸送経路を作り出すための、若しくはイオントフォレシスなどの皮膚を通して荷電薬剤の移動度を増加させるための電界の適用、又は超音波導入などの超音波の適用(米国特許第4,309,989号及び同第4,767,402号)を可能にする酸化剤を用いて、ゲル、軟膏、ローション、懸濁液若しくはパッチ送達系などであるが、これらに限定されない形態で、経皮的に、調製することができる(上記の刊行物及び特許は、参照により全体が本明細書に組み込まれる)。
本発明を全般的に記述してきたが、上記と同様のことは、実例として提供されるが制限することを意図していない以下の実施例を参照することにより、より容易に理解されるであろう。更に、本発明の詳細は、以下の非限定的実施例によって例示される。本明細書の全ての引用の開示は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
実施形態
実施形態1は、それを必要とする対象において、乾癬性関節炎(PsA)を治療する方法であって、対象に安全かつ有効な量の抗IL-23抗体及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を皮下投与することを含み、医薬組成物が4 4週間(4w)毎に1回投与される、方法である。
実施形態1aは、実施形態1の方法であり、抗-IL-23抗体が重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域は、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(CDRH1)アミノ酸配列、配列番号2のCDRH2アミノ酸配列、及び配列番号3のCDRH3アミノ酸配列を含み、軽鎖可変領域は、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1(CDRL1)アミノ酸配列、配列番号5のCDRL2アミノ酸配列、及び配列番号6のCDRL3アミノ酸配列を含む。
実施形態1bは、実施形態1に記載の方法であり、抗体は、配列番号7のアミノ酸配列の重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域と、を含む。
実施形態1cは、実施形態1に記載の方法であり、抗体は、配列番号9のアミノ酸配列を有する重鎖と、配列番号10のアミノ酸配列を有する軽鎖と、を含む。
実施形態1dは、実施形態1に記載の方法であり、抗体は、4 4週間(4w)毎に1回投与される。
実施形態2は、実施形態1~1bのいずれか1つに記載の方法であり、抗体は、投与当たり25mg~200mg、例えば、25mg、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、及び200mgの総投与量、又はその間の任意の投与量で投与される。
実施形態2aは、実施形態2に記載の方法であり、総投与量は、投与当たり約50~約150mgである。
実施形態2bは、実施形態2に記載の方法であり、総投与量は、投与当たり約100mgである。
実施形態3は、実施形態1~2bのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、PsAの標準的治療に対して不十分な応答を有する。
実施形態3aは、実施形態3に記載の方法であり、標準的治療は、非生物学的疾患修飾抗リウマチ薬(DMARD)、経口コルチコステロイド、アプレミラスト、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)からなる群から選択される少なくとも1つである。
実施形態3bは、実施形態3に記載の方法であり、標準的治療は、対象に≦25mg/週で投与されるメトトレキサート(MTX)、対象に≦3g/日で投与されるスルファサラジン(SSZ)、対象に≦400mg/日で投与されるヒドロキシクロロキン(HCQ)、又は対象に≦20mg/日で投与されるレフルノミド(LEF)からなる群から選択されるDMARDである。
実施形態3cは、実施形態3に記載の方法であり、標準的治療は、≦10mg/日のプレドニゾンに相当する量で対象に投与される経口コルチコステロイドである。
実施形態3dは、実施形態3に記載の方法であり、標準的治療は、規制当局によって承認された販売用量で対象に投与されるNSAID又は他の鎮痛剤である。
実施形態3eは、実施形態3に記載の方法であり、標準的治療は、規制当局によって承認された販売用量で対象に投与されるアプレミラストである。
実施形態3fは、実施形態3~3eのいずれか1つに記載の方法であり、対象は生物学的治療ナイーブである。
実施形態3gは、実施形態3~3eのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、PsAに対する少なくとも1つの生物学的治療を以前に受けている。
実施形態3hは、実施形態3gに記載の方法であり、対象は、少なくとも1つの生物学的治療に対して不十分な応答を有する。
実施形態3iは、実施形態3g又は3hに記載の方法であり、生物学的治療は、グセルクマブ、ウステキヌマブ、セクキヌマブ(AIN457)、抗腫瘍壊死因子α(TNFα)剤(例えば、アダリムマブ、エタネルセプト、インフリキシマブ。ゴリムマブ皮下[SC]又は静脈内[IV]、セルトリズマブペゴル、又はそれらのそれぞれのバイオシミラー)、チルドラキズマブ(MK3222)、イクセキズマブ(LY2439821)、ブロダルマブ(AMG827)、リサンキズマブ(BI-655066)、又はPsA若しくは乾癬のための他の治験生物学的治療である。
実施形態3jは、実施形態3iに記載の方法であり、対象は、抗腫瘍壊死因子α(TNFα)治療に対する非応答者である。
実施形態3kは、実施形態1~3jのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、治療前に少なくとも3%の体表面積(BSA)のプラーク乾癬を有している。
実施形態3lは、実施形態1~3jのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、治療前に、直径≧2cmの少なくとも1つの乾癬性プラーク、又は乾癬と一致する爪の変化、又は乾癬の文書化された病歴を有する。
実施形態3mは、実施形態1~3lのいずれか1つに記載の方法であり、任意選択的に、対象にPsAの標準的治療を投与することを更に含む。
実施形態3nは、実施形態1~3lのいずれか1つに記載の方法であり、任意選択的に、対象にPsAのための生物学的治療を投与することを更に含む。
実施形態4は、実施形態1~3nのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別され、疾患活動性は、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の20%改善(ACR20)、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の50%改善(ACR50)、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の70%改善(ACR70)、健康評価質問票障害指数(HAQ-DI)、治験責任者によるグローバル評価(IGA)、疾患活動性スコア28(DAS28)C反応性タンパク質(CRP)、腱付着部炎の解消、指炎の解消、リーズ腱付着部炎指数(LEI)、指炎評価スコア、精神的及び身体的コンポーネントサマリー(MCS及びPCS)におけるショートフォーム健康調査(SF-36)、最小疾患活動性の達成(MDA)、修正vdH-Sスコア合計のベースラインからのLS平均変化、及び非常に低い疾患活動性の達成(VLDA)からなる群から選択される1つ以上の基準によって決定される。
実施形態4aは、実施形態4に記載の方法であり、改善は、初期治療の16、20、24又は28週後に測定される。
実施形態4bは、実施形態4~4aのいずれか1つに記載の方法であり、改善は初期治療の16週後に測定される。
実施形態4cは、実施形態4~4aのいずれか1つに記載の方法であり、改善は初期治療の24週間後に測定される。
実施形態5は、実施形態4~4cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに、米国リウマチ学会コアセット疾患指数(ACR20)の20%の改善によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態5aは、実施形態4~4cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の16週目までに、米国リウマチ学会コアセット疾患指数(ACR20)の20%の改善によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態5bは、実施形態4~4cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに米国リウマチ学会コアセット疾患指数(ACR50)の50%の改善によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態5cは、実施形態4~4cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の16週目までに米国リウマチ学会コアセット疾患指数(ACR50)の50%改善によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態5dは、実施形態4~4cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに米国リウマチ学会コアセット疾患指数(ACR70)の70%の改善によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態5eは、実施形態4~4cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに、健康評価質問票障害指数(HAQ-DI)によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態5fは、実施形態4~4cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに、疾患活動性スコア28(DAS28)C反応性タンパク質(CRP)によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態5gは、実施形態4~4cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに、治験責任者によるグローバル評価(IGA)が0(クリア)若しくは1(最小)及び/又はIGAのベースラインからの≧2のグレード低下を達成したと識別され、対象は、ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性病変及び≧2のIGAスコアを有する。
実施形態5hは、実施形態4~4cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに、関節炎の解消によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態5iは、実施形態4~4cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに指炎の解消によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態5jは、実施形態4~4cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までにリーズ腱付着部炎指数(LEI)によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有するものとして識別される。
実施形態5kは、実施形態4~4cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに、0~3((0=なし、1=軽度、2=中程度、3=重度)の指炎評価スコアによって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態5lは、実施形態4~4cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体を用いた治療の24週目までにショートフォーム36(SF-36)健康調査によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態5mは、実施形態4~4cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに、精神的及び身体的コンポーネントサマリー(MCS及びPCS)スコアによって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態5nは、実施形態4~4cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は抗体による治療に対する応答者であり、抗体を用いた治療の24週目までに最小疾患活動性(MDA)基準によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態5oは、実施形態4~4cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、非常に低い疾患活動性(VLDA)の達成によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態5pは、実施形態4~4cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体を用いた治療に対する応答者であり、合計修正vdH-SスコアのベースラインからのLS平均変化によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態6は、実施形態4~5oのいずれか1つに記載の方法であり、改善は、少なくとも12週間、24週間、36週間、48週間、60週間、72週間、若しくは84週間、又はその間の任意の時間維持される。
実施形態7は、実施形態1~6のいずれか1つに記載の方法であり、抗IL-23抗体はグセルクマブである。
実施形態8は、実施形態1~7のいずれか1つに記載の方法であり、対象に乾癬性関節炎の治療に使用される1つ以上の追加の薬剤を投与することを更に含む。
実施形態8aは、実施形態8に記載の方法であり、追加の薬剤は、免疫抑制剤、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、メトトレキサート(MTX)、抗B細胞表面マーカー抗体、抗CD20抗体、リツキシマブ、TNF-阻害剤、コルチコステロイド、及び共刺激修飾剤からなる群から選択される。
実施形態9は、対象における乾癬性関節炎(PsA)を治療する方法であり、安全かつ有効な量の抗IL-23抗体及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を対象に皮下投与することを含み、医薬組成物は、初回投与、4週間後の投与、及びその後8週間毎に1回(q8w)の投与間隔で投与され、対象は、治療前に少なくとも1つの直径≧2cmの乾癬性プラーク、又は乾癬と一致する爪の変化、又はプラーク乾癬の文書化された病歴を有する。
実施形態9aは、実施形態9に記載の方法であり、抗IL-23抗体は、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域は、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(CDRH1)アミノ酸配列、配列番号2のCDRH2、及び配列番号3のCDRH3を含み、軽鎖可変領域は、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1(CDRL1)アミノ酸配列、配列番号5のCDRL2、及び配列番号6のCDRL3を含む。
実施形態9bは、実施形態9に記載の方法であり、抗体は、配列番号7のアミノ酸配列の重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域とを含む。
実施形態9cは、実施形態9に記載の方法であり、抗IL-23抗体は、配列番号9の重鎖アミノ酸配列と、配列番号10の軽鎖アミノ酸配列と、を含む。
実施形態10は、実施形態9~9cのいずれか1つに記載の方法であり、抗体は、投与当たり25mg~200mgの総投与量、例えば、投与あたり25mg、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、及び200mg、又はその間の任意の投与量で投与される。
実施形態10aは、実施形10に記載の方法であり、総投与量は投与当たり約50~約150mgである。
実施形態10bは、実施形態10に記載の方法であり、総投与量は投与当たり約100mgである。
実施形態11は、実施形態9~10bのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、PsAに対する標準的治療に対して不十分な応答を有する。
実施形態11aは、実施形態11に記載の方法であり、標準的治療は、非生物学的疾患修飾抗リウマチ薬(DMARDs)、経口コルチコステロイド、アプレミラスト、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)からなる群から選択される少なくとも1つである。
実施形態11bは、実施形態11に記載の方法であり、標準的治療は、対象に≦25mg/週で投与されるメトトレキサート(MTX)、対象に≦3g/日で投与されるスルファサラジン(SSZ)、対象に≦400mg/日で投与されるヒドロキシクロロキン(HCQ)、又は対象に≦20mg/日で投与されるレフルノミド(LEF)からなる群から選択されるDMARDである。
実施形態11cは、実施形態11に記載の方法であり、標準的治療は、≦10mg/日のプレドニゾンに相当する量で対象に投与される経口コルチコステロイドである。
実施形態11dは、実施形態11に記載の方法であり、標準的治療は、規制当局によって承認された販売用量で対象に投与されるNSAID又は他の鎮痛剤である。
実施形態11eは、実施形態11に記載の方法であり、標準的治療は、規制当局によって承認された販売用量で対象に投与されるアプレミラストである。
実施形態11fは、実施形態11~11eのいずれか1つに記載の方法であり、対象は生物学的治療ナイーブである。
実施形態11gは、実施形態11~11eのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、PsAに対する少なくとも1つの生物学的治療を以前に受けている。
実施形態11hは、実施形態11gに記載の方法であり、対象は、少なくとも1つの生物学的治療に対して不十分な応答を有する。
実施形態11iは、実施形態11g又は11hに記載の方法であり、生物学的治療は、グセルクマブ、ウステキヌマブ、セクキヌマブ(AIN457)、抗腫瘍壊死因子α(TNFα)剤(例えば、アダリムマブ、エタネルセプト、インフリキシマブ、ゴリムマブ皮下[SC]又は静脈内[IV]、セルトリズマブペゴル、又はそれらのそれぞれのバイオシミラー)、チルドラキズマブ(MK3222)、イクセキズマブ(LY2439821)、ブロダルマブ(AMG827)、リサンキズマブ(BI-655066)、又はPsA若しくは乾癬のための他の治験的生物学的治療である。
実施形態11jは、実施形態11iに記載の方法であり、対象は、抗腫瘍壊死因子α(TNFα)治療に対して非応答者である。
実施形態11kは、実施形態9~11jのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、治療前に少なくとも3%の体表面積(BSA)のプラーク乾癬を有する。
実施形態11lは、実施形態9~11jのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、治療前に、直径≧2cmの少なくとも1つの乾癬性プラーク、又は乾癬と一致する爪の変化、又はプラーク乾癬の文書化された病歴を有する。
実施形態11mは、実施形態9~11lのいずれか1つに記載の方法であり、任意選択的に、対象にPsAの標準的治療を投与することを更に含む。
実施形態11nは、実施形態9~11lのいずれか1つに記載の方法であり、任意選択的に、対象にPsAのための生物学的治療を投与することを更に含む。
実施形態12は、実施形態9~11nのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、疾患活動性の統計的に有意な改善を有するものとして識別され、疾患活動性は、米国リウマチ会コアセット疾患指数の20%改善(ACR20)、米国リウマチ会コアセット疾患指数の50%改善(ACR50)、米国リウマチ会コアセット疾患指数の70%改善(ACR70)、健康評価質問票障害指数(HAQ-DI)、治験責任者によるグローバル評価(IGA)、疾患活動性スコア28(DAS28)C反応性タンパク質(CRP)、腱付着部炎の解消、指炎の解消、リーズ腱付着部炎指数(LEI)、指炎評価スコア、精神的及び身体的コンポーネントサマリー(MCS及びPCS)におけるショートフォーム健康調査(SF-36)、最小疾患活動性の達成(MDA)、及び非常に低い疾患活動性の達成(VLDA)からなる群から選択される1つ以上の基準によって決定される。
実施形態12aは、実施形態12に記載の方法であり、改善は、初期治療の16、20、24又は28週間後に測定される。
実施形態12bは、実施形態12~12aのいずれか1つに記載の方法であり、改善は初期治療の16週後に測定される。
実施形態12cは、実施形態12、12aのいずれか1つに記載の方法であり、改善は初期治療の24週後に測定される。
実施形態13は、実施形態12~12cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体を用いた治療の24週目までに、米国リウマチ学会コアセット疾患指数(ACR20)の20%の改善によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態13aは、実施形態12~12cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体を用いた治療の16週目までに、米国リウマチ学会コアセット疾患指数(ACR20)の20%の改善によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態13bは、実施形態12~12cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに、米国リウマチ学会130%改善基準(ACR130)によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態13cは、実施形態12~12cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の16週目までに、米国リウマチ学会130%改善基準(ACR130)によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有するものとして識別される。
実施形態13dは、実施形態12~12cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに、米国リウマチ学会コアセット疾患指数(ACR70)の70%改善によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態13eは、実施形態12~12cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体を用いた治療に対する応答者であり、抗体を用いた治療の24週目までに健康評価質問票障害指数(HAQ-DI)によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態13fは、実施形態12~12cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに、疾患活動性スコア28(DAS28)C反応性タンパク質(CRP)によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態13gは、実施形態12~12cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに、治験責任者によるグローバル評価(IGA)が0(クリア)若しくは1(最小)及び/又はIGAのベースラインからの≧2のグレード低下を達成したと識別され、対象は、ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性病変及び≧2のIGAスコアを有する。
実施形態13hは、実施形態12~12cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに骨膜炎の解消によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態13iは、実施形態12~12cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までにダクティル炎の解消によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態13jは、実施形態12~12cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までにリーズ腱付着部炎指数(LEI)によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有するものとして識別される。
実施形態13kは、実施形態12~12cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに、0~3((0=なし、1=軽度、2=中程度、3=重度)の指炎評価スコアによって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態13lは、実施形態12~12cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体を用いた治療に対する応答者であり、抗体を用いた治療の24週目までにショートフォーム36(SF-36)健康調査によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態13mは、実施形態12~12cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに、精神的及び身体的コンポーネントサマリー(MCS及びPCS)スコアによって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態13nは、実施形態12~12cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は抗体による治療に対する応答者であり、抗体を用いた治療の24週目までに最小疾患活動性(MDA)基準によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態13oは、実施形態12~12cのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、非常に低い疾患活動性(VLDA)の達成によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態14は、実施形態12~13oのいずれか1つに記載の方法であり、改善は、少なくとも12週間、24週間、36週間、48週間、60週間、72週間、若しくは84週間、又はその間の任意の時間維持される。
実施形態15は、実施形態9~14のいずれか1つに記載の方法であり、抗IL-23抗体はグセルクマブである。
実施形態16は、実施形態9~15のいずれか1つに記載の方法であり、乾癬性関節炎の治療に使用される1つ以上の追加の薬剤を対象に投与することを更に含む。
実施形態16aは、実施形態16に記載の方法であり、追加の薬剤は、免疫抑制剤、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、メトトレキサート(MTX)、抗B細胞表面マーカー抗体、抗CD20抗体、リツキシマブ、TNF-阻害剤、コルチコステロイド、及び共刺激修飾剤からなる群から選択される。
実施形態17は、治療を必要とする対象における乾癬性関節炎(PsA)の治療のための医薬の製造における抗IL-23抗体の使用であり、抗体は、安全かつ有効な量の抗IL-23抗体及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物で対象に皮下投与される。
実施形態17aは、実施形態17に記載の使用であり、抗IL-23抗体は、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域は、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(CDRH1)アミノ酸配列、配列番号2のCDRH2、及び配列番号3のCDRH3を含み、軽鎖可変領域は、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1(CDRL1)アミノ酸配列、配列番号5のCDRL2、及び配列番号6のCDRL3を含む。
実施形態17bは、実施形態17に記載の使用であり、抗体は、配列番号7のアミノ酸配列の重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域とを含む。
実施形態17cは、実施形態17に記載の使用であり、抗体は、配列番号9のアミノ酸配列の重鎖と、配列番号10のアミノ酸配列の軽鎖と、を含む。
実施形態17dは、実施形態1に記載の使用であり、抗体は、4 4週間(4w)毎に1回投与される。
実施形態18は、実施形態17~17dのいずれか1つに記載の使用であり、抗体は、投与当たり25mg~200mgの総投与量、例えば、投与当たり25mg、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、及び200mgの総投与量、又はその間の任意の投与量で投与される。
実施形態18aは、実施形態18に記載の使用であり、総投与量は投与当たり約50~約150mgである。
実施形態18bは、実施形態18に記載の使用であり、総投与量は投与当たり約100mgである。
実施形態19は、実施形態17~18bのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、PsAに対する標準的治療に対して不十分な応答を有する。
実施形態19aは、実施形態19に記載の使用であり、標準的治療は、非生物学的疾患修飾抗リウマチ薬(DMARDs)、経口コルチコステロイド、アプレミラスト、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)からなる群から選択される少なくとも1つである。
実施形態19bは、実施形態19に記載の使用であり、標準的治療は、対象に≦25mg/週で投与されるメトトレキサート(MTX)、対象に≦3g/日で投与されるスルファサラジン(SSZ)、対象に≦400mg/日で投与されるヒドロキシクロロキン(HCQ)、又は対象に≦20mg/日で投与されるレフルノミド(LEF)からなる群から選択されるDMARDである。
実施形態19cは、実施形態19に記載の使用であり、標準的治療は、≦10mg/日のプレドニゾンに相当する量で対象に投与される経口コルチコステロイドである。
実施形態19dは、実施形態19に記載の使用であり、標準的治療は、規制当局によって承認された販売用量で対象に投与されるNSAID又は他の鎮痛剤である。
実施形態19eは、実施形態19に記載の使用であり、標準的治療は、規制当局によって承認された販売用量で対象に投与されるアプレミラストである。
実施形態19fは、実施形態19~19eのいずれか1つに記載の使用であり、対象は生物学的治療ナイーブである。
実施形態19gは、実施形態19~19eのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、PsAに対する少なくとも1つの生物学的治療を以前に受けている。
実施形態19hは、実施形態19gに記載の使用であり、対象は、少なくとも1つの生物学的治療に対して不十分な応答を有する。
実施形態19iは、実施形態19g又は19hに記載の使用であり、生物学的治療は、グセルクマブ、ウステキヌマブ、セクキヌマブ(AIN457)、抗腫瘍壊死因子α(TNFα)剤(例えば、アダリムマブ、エタネルセプト、インフリキシマブ、ゴリムマブ皮下[SC]又は静脈内[IV]、セルトリズマブペゴル、又はそれらのそれぞれのバイオシミラー)、チルドラキズマブ(MK3222)、イクセキズマブ(LY2439821)、ブロダルマブ(AMG827)、リサンキズマブ(BI-655066)、又はPsA若しくは乾癬のための他の治験生物学的治療である。
実施形態19jは、実施形態19iに記載の使用であり、対象は、抗腫瘍壊死因子α(TNFα)治療に対する非応答者である。
実施形態19kは、実施形態17~19jのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、治療前に少なくとも3%の体表面積(BSA)のプラーク乾癬を有する。
実施形態19lは、実施形態17~19jのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、治療前に、直径≧2cmの少なくとも1つの乾癬性プラーク、又は乾癬と一致する爪の変化、又はプラーク乾癬の文書化された病歴を有する。
実施形態19mは、実施形態17~19lのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、PsAの標準的治療を任意選択的に投与される。
実施形態19nは、実施形態17~19lのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、PsAのための生物学的治療を任意選択的に投与される。
実施形態20は、実施形態17~19nのいずれか1つに記載の方法であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別され、疾患活動性は、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の20%改善(ACR20)、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の50%改善(ACR50)、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の70%改善(ACR70)、健康評価質問票障害指数(HAQ-DI)、治験責任者によるグローバル評価(IGA)、疾患活動性スコア28(DAS28)C反応性タンパク質(CRP)、腱付着部炎の解消、指炎の解消、リーズ腱付着部炎指数(LEI)、指炎評価スコア、精神的及び身体的コンポーネントサマリー(MCS及びPCS)におけるショートフォーム健康調査(SF-36)、最小疾患活動性の達成(MDA)、合計修正vdH-SスコアのベースラインからのLS平均変化、及び非常に低い疾患活動性の達成(VLDA)からなる群から選択される1つ以上の基準によって決定される。
実施形態20aは、実施形態20に記載の使用であり、改善は初期治療の16、20、24又は28週後に測定される。
実施形態20bは、実施形態20~20aのいずれか一つに記載の使用であり、改善は初期治療の16週後に測定される。
実施形態20cは、実施形態20~20aのいずれか1つに記載の使用であり、改善は初期治療の24週間後に測定される。
実施形態21は、実施形態20~20cのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに、米国リウマチ学会コアセット疾患指数(ACR20)の20%の改善によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態21aは、実施形態20~20cのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、抗体を用いた治療に対する応答者であり、抗体を用いた治療の16週目までに米国リウマチ学会アセット疾患指数(ACR20)の20%の改善によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態21bは、実施形態20~20cのいずれか1つに記載の使用であり、対象は抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに米国リウマチ学会コアセット疾患指数(ACR50)の50%の改善によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態21cは、実施形態20~20cのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の16週目までに米国リウマチ学会コアセット疾患指数(ACR50)の50%の改善によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態21dは、実施形態20~20cのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに米国リウマチ学会コアセット疾患指数(ACR70)の70%の改善によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態21eは、実施形態20~20cのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに健康評価質問票障害指数(HAQ-DI)によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態21fは、実施形態20~20cのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに、疾患活動性スコア28(DAS28)C反応性タンパク質(CRP)によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態21gは、実施形態20~20cのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに、治験責任者によるグローバル評価指数(IGA)の0(クリア)若しくは1(最小)及び/又はIGAのベースラインからの≧2のグレード低下を達成したと識別され、対象は、ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性病変及び≧2のIGAスコアを有する。
実施形態21hは、実施形態20~20cのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに、腱付着部炎の解消によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態21iは、実施形態20~20cのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに指炎の解消によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態21jは、実施形態20~20cのいずれか1つに記載の使用であり、対象は抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに、リーズ腱付着部炎指数(LEI)によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態21kは、実施形態20~20cのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに、0~3((0=なし、1=軽度、2=中程度、3=重度)の指炎評価スコアによって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態21lは、実施形態20~20cのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までにショートフォーム36(SF-36)健康調査によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態21mは、実施形態20~20cのいずれか1つに記載の使用であり、対象は抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに、精神的配列番号身体的コンポーネントサマリー(MCS配列番号PCS)スコアによって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態21nは、実施形態20~20cのいずれか1つに記載の使用であり、対象は抗体による治療に対する応答者であり、抗体を用いた治療の24週目までに最小疾患活動性(MDA)基準によって決定される疾患活動性が統計的に有意に改善されたと識別される。
実施形態21oは、実施形態20~20cのいずれか1つに記載の使用であり、対象は抗体による治療に対する応答者であり、非常に低い疾患活動性(VLDA)の達成によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有するものとして識別される。
実施形態21pは、実施形態20~20cのいずれか1つに記載の使用であり、対象は抗体による治療に対する応答者であり、合計修正vdH-SスコアのベースラインからのLS平均変化によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態22は、実施形態20~21oのいずれか1つに記載の使用であり、改善は、少なくとも12週間、24週間、36週間、48週間、60週間、72週間、若しくは84週間、又はその間の任意の時間維持される。
実施形態23は、実施形態17~22のいずれか一つに記載の使用であり、抗IL-23抗体はグセルクマブである。
実施形態24は、実施形態17~23のいずれか1つに記載の使用であり、対象は、乾癬性関節炎の治療に使用される1つ以上の追加の薬剤を投与される。
実施形態24aは、実施形態24に記載の使用であり、追加の薬剤は、免疫抑制剤、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、メトトレキサート(MTX)、抗B細胞表面マーカー抗体、抗CD20抗体、リツキシマブ、TNF-阻害剤、コルチコステロイド、及び共刺激修飾剤からなる群から選択される。
実施形態25は、対象における乾癬性関節炎(PsA)を治療するための医薬の製造における抗IL-23抗体の使用であり、対象は、安全かつ有効な量の抗IL-23抗体及び薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を皮下投与され、医薬組成物は、初回投与、4週間後の投与、その後8週間毎に1回(q8w)の投与間隔で投与され、対象は、治療前に少なくとも1つの直径≧2cmの乾癬性プラーク、又は乾癬と一致する爪の変化、又はプラーク乾癬の文書化された病歴を有する。
実施形態25aは、実施形態25に記載の使用であり、抗IL-23抗体は、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域は、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(CDRH1)アミノ酸配列、配列番号2のCDRH2、及び配列番号3のCDRH3を含み、軽鎖可変領域は、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1(CDRL1)アミノ酸配列、配列番号5のCDRL2、及び配列番号6のCDRL3を含む。
実施形態25bは、実施形態25に記載の使用であり、抗体は、配列番号7のアミノ酸配列の重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域とを含む。
実施形態25cは、実施形態25に記載の使用であり、抗IL-23抗体は、配列番号9の重鎖アミノ酸配列と、配列番号10の軽鎖アミノ酸配列と、を含む。
実施形態26は、実施形態25~25cのいずれか1つに記載の使用であり、抗体は、投与当たり25mg~200mgの総投与量、例えば、投与当たり25mg、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、及び200mgの総投与量、又はその間の任意の投与量で投与される。
実施形態26aは、実施形態26に記載の使用であり、総投与量は投与当たり約50~約150mgである。
実施形態26bは、実施形態26に記載の使用であり、総投与量は投与当たり約100mgである。
実施形態27は、実施形態25~26bのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、PsAに対する標準的治療に対して不十分な応答を有する。
実施形態27aは、実施形態27に記載の使用であり、標準的治療は、非生物学的疾患修飾抗リウマチ薬(DMARDs)、経口コルチコステロイド、アプレミラスト、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)からなる群から選択される少なくとも1つである。
実施形態27bは、実施形態27に記載の使用であり、標準的治療は、対象に≦25mg/週で投与されるメトトレキサート(MTX)、対象に≦3g/日で投与されるスルファサラジン(SSZ)、対象に≦400mg/日で投与されるヒドロキシクロロキン(HCQ)、又は対象に≦20mg/日で投与されるレフルノミド(LEF)からなる群から選択されるDMARDである。
実施形態27cは、実施形態27に記載の使用であり、標準的治療は、≦10mg/日のプレドニゾンに相当する量で対象に投与される経口コルチコステロイドである。
実施形態27dは、実施形態27に記載の使用であり、標準的治療は、規制当局によって承認された販売用量で対象に投与されるNSAID又は他の鎮痛剤である。
実施形態27eは、実施形態27に記載の使用であり、標準的治療は、規制当局によって承認された販売用量で対象に投与されるアプレミラストである。
実施形態27fは、実施形態27から27eのいずれか1つに記載の使用であり、対象は生物学的治療ナイーブである。
実施形態27gは、実施形態27から27eのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、PsAに対する少なくとも1つの生物学的治療を以前に受けている。
実施形態27hは、実施形態27gに記載の使用であり、対象は、少なくとも1つの生物学的治療に対して不十分な応答を有する。
実施形態27iは、実施形態27g又は27hに記載の使用であり、生物学的治療は、グセルクマブ、ウステキヌマブ、セクキヌマブ(AIN457)、抗腫瘍壊死因子α(TNFα)剤(例えば、アダリムマブ、エタネルセプト、インフリキシマブ。ゴリムマブ皮下[SC]又は静脈内[IV]、セルトリズマブペゴル、又はそれらのそれぞれのバイオシミラー)、チルドラキズマブ(MK3222)、イクセキズマブ(LY2439821)、ブロダルマブ(AMG827)、リサンキズマブ(BI-655066)、又はPsA若しくは乾癬のための他の治験生物学的治療である。
実施形態27jは、実施形態27iに記載の使用であり、対象は、抗腫瘍壊死因子α(TNFα)治療に対する非応答者である。
実施形態27kは、実施形態25~27jのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、治療前に少なくとも3%の体表面積(BSA)のプラーク乾癬を有する。
実施形態27lは、実施形態25~27jのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、治療前に、直径≧2cmの少なくとも1つの乾癬性プラーク、又は乾癬と一致する爪の変化、又はプラーク乾癬の文書化された病歴を有する。
実施形態27mは、実施形態25~27lのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、PsAの標準的治療を任意選択的に投与される。
実施形態27nは、実施形態25~27lのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、PsAのための生物学的治療を任意選択的に投与される。
実施形態28は、実施形態25~27nのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、疾患活動性の統計的に有意な改善を有するものとして識別され、疾患活動性は、米国リウマチ会コアセット疾患指数の20%改善(ACR20)、米国リウマチ会コアセット疾患指数の50%改善(ACR50)、米国リウマチ会コアセット疾患指数の70%改善(ACR70)、健康評価質問票障害指数(HAQ-DI)、治験責任者によるグローバル評価(IGA)、疾患活動性スコア28(DAS28)C反応性タンパク質(CRP)、腱付着部炎の解消、指炎の解消、リーズ腱付着部炎指数(LEI)、指炎評価スコア、精神的及び身体的コンポーネントサマリー(MCS及びPCS)におけるショートフォーム健康調査(SF-36)(MCS及びPCS)、最小疾患活動性の達成(MDA)、及び非常に低い疾患活動性の達成(VLDA)からなる群から選択される1つ以上の基準によって決定される。
実施形態28aは、実施形態28に記載の使用であり、改善は初期治療の16、20、24又は28週間後に測定される。
実施形態28bは、実施形態28~28aのいずれか1つに記載の使用であり、改善は初期治療の16週後に測定される。
実施形態28cは、実施形態28~28aのいずれか1つに記載の使用であり、改善は初期治療の24週間後に測定される。
実施形態29は、実施形態28~28cのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体を用いた治療の24週目までに、米国リウマチ学会コアセット疾患指数(ACR20)の20%の改善によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態29aは、実施形態28~28cのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の16週目までに米国リウマチ学会コアセット疾患指数(ACR20)の20%の改善によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態29bは、実施形態28~28cのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体を用いた治療の24週目までに、米国リウマチ学会130%改善基準(ACR130)によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態29cは、実施形態28~28cのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の16週目までに、米国リウマチ学会130%改善基準(ACR130)によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有するものとして識別される。
実施形態29dは、実施形態28~28cのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに、米国リウマチ学会コアセット疾患指数(ACR70)の70%の改善によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有するものとして識別される。
実施形態29eは、実施形態28~28cのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体を用いた治療の24週目までに、健康評価質問票障害指数(HAQ-DI)によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態29fは、実施形態28~28cのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに、疾患活動性スコア28(DAS28)C反応性タンパク質(CRP)によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態29gは、実施形態28~28cのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに、治験責任者によるグローバル評価(IGA)の0(クリア)又は1(最小)配列番号/又はベースラインからの≧2のグレード低下を達成したと識別され、対象は、ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性病変及び≧2のIGAスコアを有する。
実施形態29hは、実施形態28~28cのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに腱付着部炎の解消によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態29iは、実施形態28~28cのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体を用いた治療の24週目までに指炎の解消によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態29jは、実施形態28~28cのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに、リーズ腱付着部炎指数(LEI)によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態29kは、実施形態28~28cのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに、0~3((0=なし、1=軽度、2=中程度、3=重度)の指炎評価スコアによって決定される、疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態29lは、実施形態28~28cのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までにショートフォーム36(SF-36)健康調査によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態29mは、実施形態28~28cのいずれか1つに記載の使用であり、対象は、抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに、精神的及び身体的コンポーネントサマリー(MCS及びPCS)スコアによって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態29nは、実施形態28~28cのいずれか1つに記載の使用であり、対象は抗体による治療に対する応答者であり、抗体による治療の24週目までに最小疾患活動性(MDA)基準によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有すると識別される。
実施形態29oは、実施形態28~28cのいずれか1つに記載の使用であり、対象は抗体による治療に対する応答者であり、非常に低い疾患活動性(VLDA)の達成によって決定される疾患活動性の統計的に有意な改善を有するものとして識別される。
実施形態30は、実施形態28~29oのいずれか1つに記載の使用であり、改善は、少なくとも12週間、24週間、36週間、48週間、60週間、72週間、若しくは84週間、又はその間の任意の時間維持される。
実施形態31は、実施形態25~30のいずれか1つに記載の使用であり、抗IL-23抗体はグセルクマブである。
実施形態32は、実施形態25~31のいずれか1つに記載の使用であり、対象は、乾癬性関節炎の治療に使用される1つ以上の追加の薬剤を投与される。
実施形態32aは、実施形態32に記載の使用であり、追加の薬剤が、免疫抑制剤、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、メトトレキサート(MTX)、抗B細胞表面マーカー抗体、抗CD20抗体、リツキシマブ、TNF-阻害剤、コルチコステロイド、共刺激修飾剤からなる群から選択される。
略語及び頭字語
ACR 米国リウマチ学会
AMDF 満足度関数の算術平均
AE 有害事象
ALT アラニンアミノトランスフェラーゼ
ANOVA 分散分析
ARC 予測事象審査委員会
AST アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ
BASDAI バス強直性脊椎炎疾患活動性指数
BCG カルメットゲラン桿菌
BQL アッセイの定量可能な最低検体濃度未満
BSA 体表面積
CASPAR 乾癬性関節炎の分類基準
CRF 症例報告書(本試験に適した紙又は電子形態)
CRP C反応性タンパク質
DAS28 疾患活動性スコア28
DBL データベースロック
DLQI 皮膚のライフクォリティ指数
DMARD 疾患修飾抗リウマチ薬
DMC データ監視委員会
DNA デオキシリボ核酸
ECG 心電図
eC-SSRS 電子的コロンビア-自殺重症度評価尺度
eDC 電子データ収集
EDTA エチレンジアミン四酢酸
EQ-5D EuroQol 5次元質問票
FACIT 慢性疾患治療の機能評価
FAS 完全分析セット
FSH 卵胞刺激ホルモン
GCP 良好な臨床実践
GRACE GRAPPA複合スコア
GRAppa 乾癬及び乾癬性関節炎の研究及び評価のためのグループ
HAQ 健康評価質問票
HAQ-DI 健康評価質問票の障害指数
HBV B型肝炎ウイルス
HCP 健康管理専門家
HCQ ヒドロキシクロロキン
HCV C型肝炎ウイルス
HIV ヒト免疫不全ウイルス
ICF インフォームドコンセントフォーム
ICH 医薬品規制調和国際会議
IEC 独立倫理委員会
IGA 治験責任者によるグローバル評価
IJA 独立関節評価者
IL インターロイキン
IRB 治験審査委員会
IV 静脈内
IWRS 相互作用ウェブ応答システム
JAK ヤヌスキナーゼ
JSN 関節腔狭窄
LEF レフルノミド
LEI リーズ腱付着部炎指数
mAb モノクローナル抗体
MCP 中手指節関節
mCPDAI 修正複合乾癬疾患活動性指数
MCS 精神的コンポーネントサマリー
MDA 最小疾患活動性
MI 多重代入法
MRI 磁気共鳴撮像
MTX メトトレキサート
NAb 中和抗体
NSAID 非ステロイド性抗炎症薬
PASDAS 乾癬性関節炎疾患活動性スコア
PASI 乾癬の面積及び重症度指数
PCS 身体的コンポーネントサマリー
PD 薬力学
PFS プレフィルドシリンジ
PFS-U UltraSafe PLUSTM Passiveニードルガード付きプレフィルドシリンジ
PGA 医師によるグローバル評価
PIP 近位指節間関節
PK 薬物動態
PQC 製品品質に対する苦情
PRO 患者報告アウトカム(本試験には適宜紙又は電子形式)
PROMIS-29 患者報告アウトカム測定情報システム-29
PsA 乾癬性関節炎
PsARC 乾癬性関節炎の応答基準
q4w 4週毎
q8w 8週毎
RA 関節リウマチ
RNA リボ核酸
SAE 重度の有害事象
SAP 統計分析計画
SC 皮下
SD 標準偏差
SDC 最小検出可能変化
SF-36 36項目ショートフォーム健康調査
SSZ スルファサラジン
SUSAR 予期せぬ重度の有害反応の疑い
TB 結核
Th17 Tヘルパー17
TNFα 腫瘍壊死因子α
UV 紫外線
VAS ビジュアルアナログスケール
vdH-S ファンデルハイデ-シャープ(スコア)
WPAI 作業の生産性と活動の障害に関する質問票
実施例1:活性の乾癬性関節炎を有する対象における皮下投与されたグセルクマブの有効性及び安全性を評価する第3相多施設ランダム化二重盲検プラセボ対照試験(CNTO1959PSA3002)
(CNTO1959PSA3002)は、生物学的ナイーブであり、標準的治療(例えば、非生物学的DMARD、アプレミラスト、NSAID)に対して不十分な応答を有した活性PsA患者における、グセルクマブの第3相ランダム化二重盲検プラセボ対照多施設3アーム試験である。本試験は、最長6週間のスクリーニング期間、0週目~24週目のプラセボ対照期間及び24週目~100週目の実薬処置期間を含む約2年間(すなわち100週間)の盲検治療期間、並びに試験薬の最終投与後12週間の安全性追跡期間から構成される。本試験では、約684名の対象を登録した。NSAID、経口コルチコステロイド、及び選択された非生物学的DMARD(MTX、SSZ、ヒドロキシクロロキン(HCQ)、LEFに限定)の安定した用量の併用は許可されたが、必須ではなかった。
この第3相試験の目的は、症状の軽減、身体機能の改善、構造的損傷の進行抑制におけるグセルクマブの臨床有効性を特定すること、並びにPsA治療におけるグセルクマブの安全性プロファイルを評価することであった。
方法
試験計画
図1に、試験計画の図表示を示す。0週目に、全ての組み入れ基準と除外基準を満たした約684名の対象を、ベースラインでの非生物学的DMARDの使用状況(あり、なし)と、ランダム化前の直近の入手可能なCRP値(<2.0mg/dL対≧2.0mg/dL)で層別化した順列ブロックランダム化法により、1:1:1の比で以下の3つの治療グループの1つにランダムに割り付けた。
・グループI(n=228):グセルクバブ100mg SCを4週毎に(q4w)、0週目から100週目まで投与。
・グループII(n=228):0週目と4週目にグセルクマブ100mgSCを投与した後、q8w(12週目、20週目、28週目、36週目、44週目、52週目、60週目、68週目、76週目、84週目、92週目、100週目)で投与し、他の訪問時(8週目、16週目、24週目、32週目、40週目、48週目、56週目、64週目、72週目、80週目、88週目、96週目)にプラセボ注射を行い、盲検化を維持した。
・グループIII(n=228):0週目~20週目にプラセボSC q4wを投与し、24週目でクロスオーバーして、24週目~100週目にグセルクマブ100mg SC q4wを投与する。
16週目に、圧痛及び腫脹関節数がベースラインから5%未満の改善を示したグループI、II、IIIにおける全ての対象は、早期離脱(EE)基準を満たしていると見なされた。これらの対象は、0週目にランダム化された投与計画を継続したが、許容される付随医薬の1つの投与量を、24週目の訪問によって完了される薬剤の安定投与量への漸増により、プロトコルに規定される最大許容投与量まで開始又は増加させた。
有効性評価には、関節評価(腫脹及び圧痛関節数)、患者の疼痛評価、患者による疾病活動性のグローバル評価(関節炎及び乾癬)、患者による疾病活動性のグローバル評価(関節炎)、病気活動性の医師によるグローバル評価、健康評価の質問票障害指数(HAQ DI)、CRP、患者の皮膚疾患活動性の評価、乾癬の体表面積(BSA)、乾癬の面積及び重症度指数(PASI)、乾癬の治験責任者によるグローバル評価(IGA)、皮膚のライフクォリティ指数(DLPI)、腱付着部炎評価、バス強直性脊椎炎疾患活動性指数(BASDAI;末梢関節炎を伴う脊椎炎の主要なPsAサブタイプを有する対象では、撮像評価(ファンデルハイデシャープ[VDH-S]スコア)、米国リウマチ学会(ACR)応答、最小疾患活動性(MDA)及び超低疾患活動性(VLDA)、乾癬性関節炎疾患活動性スコア(PASDAS)、乾癬及び乾癬性関節炎のグループ試験及び評価(GRAPPA)複合スコア(GRACE)指数、疾患活動性指数スコア28(DAS28)CRP、修正複合乾癬疾患活動性指数(mCPDAI)、乾癬性関節炎の疾患活動性指数(DAPSA)、修正乾癬性関節炎応答者基準(PsARC)、36項目ショートフォーム健康調査(SF-36)、EuroQol5次元質問票を使用(EQ 5D質問票)、及び慢性疾患治療(FACIT)倦怠感の機能的評価が含まれる。
試験母集団
標的集団は、生物学的ナイーブであった活性PsAを有する、標準的治療に対する不十分な応答を有した(例えば、非生物学的DMARD、アプレミラスト、及び/又はNSAID)成人男性又は女性から構成された。更に、X線撮影進行のために集団を豊富にし、X線エンドポイントでの治療効果の検出力を高めるために、CRP≧0.6mg/dLを有する生物学的ナイーブ集団が必要とされた。
組み入れ基準
この試験に適格であるには,対象は、インフォームドコンセントの時点で18歳以上であり、試験薬の初回投与前少なくとも6カ月間にPsAと診断され、スクリーニング時に乾癬性関節炎のClA分類基準(CASPAR)48を満たしている必要があった。対象は、スクリーニング時及びベースラインの両方において、5以上の圧痛及び5以上の膨脹関節によって定義される活性なPsA、及びスクリーニング時にCRP ≧0.6mg/dLを有する必要があった。対象は、非生物学的DMARDs(≧3ヶ月)、アプレミラスト(≧4ヶ月)、及び/又はNSAID(≧ 4週間)を含む標準的なPsA治療に対する不十分な応答又は不耐性の文書化された証拠を有する必要があった。
対象は、以下のPsAのサブセットのうち、少なくとも1つを有する必要があった:遠位指節間(DIP)関節病変、リウマチ性結節のない多関節性関節炎、破壊性関節炎、非対称性末梢関節炎、末梢関節炎を伴う脊椎炎。更に、対象は、少なくとも1つの直径≧2cmの乾癬性プラーク、又は乾癬に一致する爪の変化、又は文書化されたプラーク乾癬の病歴を有する、活性プラーク乾癬を罹患している必要があった。
対象は、試験中に、安定投与量の非生物学的DMARD(MTX[≦25mg/週]、SSZ[≦3g/日]、HCQ[≦400mg/日]、又はLEF[≦20mg/日]に限定される)、低用量経口コルチコステロイド(1日当たり≦10mgのプレドニゾン又は均等物)、又はNSAID及び他の鎮痛剤治療を継続させることが許可された。対象がベースラインでこれらの薬剤を使用していなかった場合、試験薬の初回投与の≧4週間(MTX、SSZ、HCQの場合)、≧12週間(LEFの場合)、又は≧2週間(NSAID及びその他の鎮痛剤、経口コルチコステロイドの場合)、これらの薬剤を中止する必要があった。更に、対象は、試験室試験結果及びTB履歴及び試験結果をスクリーニングするための基準を満たし、適切な出生制御手段を使用することに同意し、長期間の日光曝露を回避し、試験中の日焼けブース又は他の紫外線源の使用を回避する必要があった。
用量及び投与
全ての試験薬剤(グセルクマブ及びプラセボ)をSC注射により投与した。PsAを有する対象におけるグセルクマブの臨床有効性、安全性、PKデータ、及び第2相試験(CNTO1959PSA2001)のデータを用いた曝露応答モデル分析に基づき、グセルクマブの第3相PsAプログラムで評価するために2つの用量レジメンを選択し、適格な対象をランダムに割り付け、0週目に以下の3つの治療の1つを投与した:
・グセルクマブ100mg q4w:0週目~100週目のグセルクマブ100mg SCq4w。
・0週目及び4週目にグセルクマブ100mg、次いでq8w(以下、グセルクマブ100mg q8wグループと呼ぶ):グセルクマブ100mg SC(0週目及び4週目)、次いでq8w(12、20、28、36、44、52、60、68、76、84、92週目及び100週目)、及び他の訪問(8、16、24、32、40、48、56、64、72、80、88週目及び96週目)でのプラセボ注射により、盲検化を維持。
・プラセボ:0週目~20週目のプラセボSC q4w、及び24週目でクロスオーバーして24週目~100週目にグセルクマブ100mg SC q4w。
0週目と4週目に、次いで8週毎にグセルクマブ100mgの用量レジメンの根拠
・この用量レジメンを、PsAの第2相試験(CNTO1959PSA2001)及び乾癬の3つのグローバル第3相試験において評価した。CNTO1959PSA2001試験では、活性のPsAを有し、体表面積の≧3%の乾癬の面積の患者において、関節の兆候及び症状、身体機能、乾癬、腱付着部炎、指炎、生活の質など、PsAの全ての重要な領域において、この用量レジメンで、強固な有効性及び臨床的に意味のある改善が観察された。更に、第3相乾癬試験では、中等度から重度の乾癬患者のプラーク乾癬に対しても、この用量レジメンで有意な利益が観察された。
・更なる用量を第4週目に含めて、トラフグセルクマブレベルが定常状態レベルで得られたものよりも低下しないことを確実にした。4週目の追加投与により、最初の12週間のCmax及びCtroughが定常状態での値(それぞれ、約21%及び約18%)よりもわずかに高くなり、その結果、応答がより早く発現する可能性がある。しかしながら、この用量レジメンは、維持中のq8w投与、すなわち、24週目以降からのq8w投与によって達成されるよりも、第24週において実質的に高いレベルの有効性をもたらすとは予想されない。
・この用量レジメンの安全性は、大規模な乾癬開発プログラムで確立されている。更に、PsA及びRAを有する患者における第2相試験における安全性プロファイルは、乾癬プログラムにおいて見られるものと一致する。
4週毎のグセルクマブ100mgの用量レジメンの根拠
・100mg q4wの用量レジメンを含めて、より高頻度の投与が、構造的損傷の阻害などPsAにおいてより高い有効性を達成し得るかどうかを判定した。
・CNTO1959PSA2001からのデータに基づくモデル分析は、より高い又はより高頻度の用量レジメンが、PsAにおいてより良好な有効性を達成し得ることを示唆している。
・100mgのq4w用量レジメンによる治療は、第3相乾癬プログラムにおける曝露安全性分析に基づいて許容可能な安全性をもたらすことが予想された。
・グセルクマブは、第2相関節リウマチ試験(200mg q8w)で試験された、より高い用量レジメンを含む、複数の患者集団において許容可能な安全プロフィールを有することが示されている。
全体として、本試験のために選択されたグセルクマブ(100mg q4w及び100mg q8w)の2回用量レジメンは、PsA中のグセルクマブの最適な利益/リスクプロファイルの適切な評価を提供することが予想された。
試験薬剤は、第0週及び第4週に健康管理専門家(HCP)によって、施設で投与された。8週目に開始して、治験責任者及び対象の裁量において、及び適切かつ文書化されたトレーニングの後、対象は、HCPの監督下の治験施設での自己投与試験薬剤の選択肢を有し、又はHCPによって行われる試験薬剤注射を継続した。
施設における24週目の試験薬剤投与は、予定された試験薬剤投与日から±4日に行うこととした。試験薬剤投与は、少なくとも14日間離すこととした。
有効性の評価
一次エンドポイント
一次エンドポイントは、24週目にACR 20応答を達成する対象の割合である。
主要な二次エンドポイント
1. 24週目のHAQ-DIスコアのベースラインからの変化。
2. 24週目にACR 50応答を達成する対象の割合。
3. ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性病変及び≧2(軽度)のIGAスコアを有する対象のうち、24週目のIGA(すなわち、ベースラインから0[クリア]又は1[最小]及び≧2のグレード低下)の乾癬応答を有する対象の割合。
4. 16週目にACR 20応答を達成する対象の割合。
5. 24週目の修正vdH-Sスコアのベースラインからの変化。
6. ベースラインにおける腱付着部炎を有する対象のうち、24週目に腱付着部炎の解消を有する対象の割合。
7. ベースラインにおいて腱付着部炎を有する対象のうち、24週目に指炎の解消を有する対象の割合。
8. ベースラインにおいて腱付着部炎を有する対象における、24週目の腱付着部炎スコア(LEIに基づく)のベースラインからの変化。
9. ベースラインにおいて指炎を有する対象における、24週目の指炎スコアのベースラインからの変化。
10. 24週目のSF-36 PCSのベースラインからの変化。
11. 24週目のDAS28 MCSのベースラインからの変化。
12. 24週目のSF-36 MCSのベースラインからの変化。
13. 16週目にACR 50応答を達成する患者の割合。
14. 24週目にACR 70応答を達成する患者の割合。
他の二次エンドポイント
兆候及び症状の低減並びに身体機能に関連したエンドポイント
1. 24週目までの経時的な訪問による、ACR 20、ACR 50、及びACR 70応答を達成した対象の割合。
2. 24週目までの経時的な訪問による、ACRコンポーネント中のベースラインからの変化百分率。
3. 24週目までの経時的な訪問による、HAQ-DIスコアのベースラインからの変化。
4. ベースラインでHAQ-DIスコアが≧0.35の対象のうち、24週目までの経時的な訪問による、HAQ-DIスコアの臨床的に意味のある改善(ベースラインから≧0.35の改善)を達成した対象の割合。
5. 24週目までの経時的な訪問によるDAS28(CRP)応答を達成した対象の割合。
6. 24週目までの経時的な訪問によるDAS28(CRP)寛解を達成した対象の割合。
7. 24週目までの経時的な訪問によるDAS28(CRP)のベースラインからの変化。
8. 24週目までの経時的な訪問による、修正PsARCに基づいて応答を達成した対象の割合。
9. ベースラインで腱付着部炎を有する対象の中で、24週目までの訪問による、腱付着部炎の解消を有する対象の割合。
10. ベースラインで指炎を有する対象のうち、24週目までの経時的な訪問による、指炎の解消を有する対象の割合。
11. ベースラインで腱付着部炎を有する対象における、24週目までの経時的な訪問による腱付着部炎スコア(LEIに基づく)のベースラインからの変化。
12. ベースラインで指炎を有する対象における、24週目までの経時的な訪問による指炎スコアのベースラインからの変化。
13. 24週目までの経時的な訪問によるPASDASのベースラインからの変化。
14. 24週目までの経時的な訪問によるGRACE指数のベースラインからの変化。
15. 24週目までの経時的な訪問によるWPAIスコアのベースラインからの変化。
16. 24週目までの経時的な訪問によるmCPDAIスコアのベースラインからの変化。
17. 24週目までの経時的な訪問によるDAPSAスコアのベースラインからの変化。
18. 24週目までの経時的な訪問による、MDAを達成した対象の割合。
19. PsAの主要な関節炎の症状として脊椎炎及び末梢関節病変を有する対象の中で、24週目までの経時的な訪問による、BASDAIスコアでベースラインから≧20%、≧50%、≧70%、及び≧90%の改善を達成した対象の割合。
皮膚疾患に関連したエンドポイント
1. ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性病変及び≧2(軽度)のIGAスコアを有する対象のうち、24週目までの経時的訪問による、PASIスコアがベースラインから≧75%、≧90%、及び100%改善を達成した対象の割合。
2. ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性病変及び≧2(軽度)のIGAスコアを有する対象のうち、24週目までの経時的訪問による、0(クリア)のIGAスコアを有する対象の割合。
3. ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性病変及び≧2(軽度)のIGAスコアを有する対象における、24週目までの経時的訪問によるPASIスコアのベースラインからの変化。
4. ベースラインで>1のベースラインDLQIスコアを有し、BSAの≧3%の乾癬性病変及び≧2(軽度)のIGAスコアを有する対象のうち、24週目までの経時的訪問による、0又は1のDLQIスコアを達成した対象の割合。
5. ベースラインで≧5のベースラインDLQIスコアを有し、BSAの≧3%の乾癬性病変及び≧2(軽度)のIGAスコアを有する対象のうち、24週目までの経時的訪問による、≧5ポイントのDLQIスコアの改善を達成した対象の割合。
6. ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性病変及び≧2(軽度)のIGAスコアを有する対象における、24週目までの経時的訪問によるDLQIスコアのベースラインからの変化。
7. ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性病変及び≧2(軽度)のIGAスコアを有する対象のうち、24週目までの経時的訪問による、PASI 75応答及びACR 20応答の両方を達成した対象の割合。
8. ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性病変及び≧2(軽度)のIGAスコアを有する対象のうち、24週目までの経時的訪問による、PASI 75応答及びPsARC応答の両方を達成した対象の割合。
関節構造損傷に関連するエンドポイント
1. 24週目の修正vdH-Sスコアのベースラインからの変化。
2. 24週目の修正vdH-Sびらんスコアのベースラインからの変化。
3. 24週目の修正vdH-S JSNスコアのベースラインからの変化。
4. 第24週目の領域及び損傷(すなわち、手びらん、手JSN、足びらん、足JSNサブスコア)のタイプによる修正vdH-Sスコアのベースラインからの変化。
5. 24週目の修正vdH-Sスコアの、ベースラインから≦0の変化を有する対象の割合、及びベースラインから≦0.5の変化を有する対象の割合。
6. 24週目の修正vdH-Sびらんスコアの、ベースラインから≦0の変化を有する対象の割合、及びベースラインから≦0.5の変化を有する対象の割合。
7. 24週目の修正vdH-S JSNスコアの、ベースラインから≦0の変化を有する対象の割合、及びベースラインから≦0.5の変化を有する対象の割合。
8. 24週目のベースラインからのX線写真の進行(SDCに基づく)のある対象の割合。
9. 24週目のベースラインからのX線写真の関節のびらんの進行(SDCに基づく)のある対象の割合。
10. 24週目のベースラインからのX線写真のJSNのびらんの進行(SDCに基づく)のある対象の割合。
11. 24週目にペンシルインカップ(pencil in cup)変形又は全体的骨溶解変形のある対象の割合。
健康関連の生活の質に関連したエンドポイント
1. 24週目までの経時的訪問によるSF-36のPCSスコアのベースラインからの変化。
2. 24週目までの経時的訪問によるSF-36のMCSスコアのベースラインからの変化。
3. 24週目までの経時的訪問によるSF-36のドメインスコアのベースラインからの変化。
4. 24週目までの経時的訪問による、SF-36 MCSスコアにおいてベースラインから≧5ポイントの改善を達成した対象の割合。
5. 24週目までの経時的訪問による、SF-36 PCSスコアにおいてベースラインから≧5ポイントの改善を達成した対象の割合。
6. 24週目までの経時的訪問によるFACIT倦怠感のベースラインからの変化。
7. 24週目までの経時的訪問による、FACIT倦怠感スコアの改善においてベースラインから≧4ポイントの改善を達成した対象の割合。
8. 24週目までの経時的訪問によるEQ-5 D VAS及びEQ-5D指数スコアのベースラインからの変化。
測定値のACRコアセットに対するPsAのベースライン疾患特性
アウトカム測定のACRコアセットからのPsAのベースライン臨床特性は、中程度~重度の活性PsAを有する対象を示し、治療グループにわたって同等であったことを示した。しかしながら、メジアンCRPは、グセルクマブ100mg q8wグループ(1.310mg/dL)では、グセルクマブ100mg q4wグループ(1.160mg/dL)及びプラセボグループ(1.155mg/dL;表1)と比較してわずかに高かった;)。
Figure 2022536088000002
Figure 2022536088000003
結果
薬物動態、免疫原性、薬力学、及び薬理学的結果
少なくとも1回のグセルクマブ投与を受け、グセルクマブ投与後に採取された少なくとも1つの有効検体を有する、全492人の対象を、PK評価に含めた。プラセボのみを受けた対象は、PK評価から除外された。
図2には、グセルクマブ治療グループ及び24週目までの訪問によるトラフ血清グセルクマブ濃度の中央値及びIQ値の範囲がグラフで示されている。グセルクマブのSC投与後、トラフ血清グセルクマブ濃度は、グセルクマブ100mg q8wグループでは20週目までに、グセルクマブ100mg q4wグループでは12週目までに、概ね定常状態に達した(図2)。グセルクマブ100mg q8wグループでは、20週目の定常状態トラフ血清グセルクマブ濃度の中央値は1.05μg/mLであった。グセルクマブ100mg q4wグループでは、12週目の血清グセルクマブの定常状態トラフ血清グセルクマブ濃度の中央値は3.35μg/mLであり、24週目まで維持された(3.98μg/mL)。グセルクマブ100mg q4wグループの定常状態トラフ血清グセルクマブ濃度は、グセルクマブ100mg q8wグループに比べて約3~4倍高かった(図2)。
グセルクマブ100mg q8wグループでは、EE基準を満たした対象と満たさなかった対象の20週目の定常状態トラフグセルクマブ濃度の中央値は、それぞれ0.58及び1.06μg/mLであった。グセルクマブ100mg q4wグループでは、EE基準を満たした対象と満たさなかった対象の12週目の定常状態トラフグセルクマブ濃度の中央値は、それぞれ2.86及び3.43μg/mLであった。12週目の定常状態トラフグセルクマブ濃度(中央値)は、EE基準を満たした対象の方が低かったようであった。しかし、EE基準を満たした対象の数は各治療グループとも少なかった(n≦13)ことに留意されたい。
グセルクマブに対する抗体の発生率
グセルクマブに対する抗体評価には、グセルクマブの投与を少なくとも1回以上受け、グセルクマブに対する抗体を検出するための適切な検体を有する対象490名が含まれた。
24週目までのグセルクマブに対する抗体の全体的な発生率は、PsA患者において低かった(2.0%、10/490)(表2)。グセルクマブ100mg q8wグループでは,24週目までのグセルクマブに対する抗体の発生率は2.0%(5/247)であった。グセルクマブ100mg q4wグループでは、24週目までのグセルクマブに対する抗体の発生率は2.1%(5/243)であった。グセルクマブ100mg q4wグループで観察されたグセルクマブに対する抗体の最高力価は1:640であった。
ベースラインにおいてMTXを使用した場合と使用しない場合のグセルクマブに対する抗体の発生率は、それぞれ1.4%(4/284例)、2.9%(6/206例)であった。ベースラインでDMARDを使用した場合としなかった場合のグセルクマブに対する抗体の発生率は、それぞれ1.8%(6/337)と2.6%(4/153)であった。全体として、MTX又はDMARDを併用している対象は、MTX又はDMARDを併用していない対象と比較して、24週目までのグセルクマブに対する抗体の発生率は低いようであった。しかし、グセルクマブに対する抗体が陽性となった対象の数は少なく、MTXやDMARDの併用にかかわらず、グセルクマブに対する抗体の発生率は低かったことに留意されたい。
Figure 2022536088000004
グセルクマブに対する抗体及び薬物動態
グセルクマブで治療を受けた対象の24週目までの血清グセルクマブ濃度を治療グループ及びグセルクマブに対する抗体の状態によりまとめた。24週目までの血清グセルクマブ濃度の中央値及びIQ範囲を、24週目までのグセルクマブに対する抗体の状態により、図3にグラフで示した。グセルクマブに対する抗体が陽性であった対象の24週目までの個々の血清グセルクマブ濃度も記載した。
血清グセルクマブ濃度の中央値は、グセルクマブ100mg q8wグループにおいて、グセルクマブに対する抗体が陽性の対象は、グセルクマブに対する抗体が陰性の対象に比べて低いようであった(図3)。しかし、グセルクマブに対する抗体が陽性であった対象の数は非常に少なく(n=10)、グセルクマブのPKに対する免疫原性の影響についての明確な結論には限界があることに留意されたい。
有効性の結果
一次有効性エンドポイント
24週目におけるACR 20応答
グローバル(米国外)及び米国固有の多重度試験手順(グローバル及び米国固有の調整後p<0.001の両方)に基づくと、24週目にACR 20応答が得られた対象の割合は、グセルクマブ100mg q4w及びグセルクマブ100mg q8wの両グループ(それぞれ63.7%及び64.1%)で、プラセボグループ(32.9%)と比較して有意に高かった(表3)。
Figure 2022536088000005
主要二次エンドポイント分析
24週目までのHAQ-DIスコアのベースラインからの変化。
24週目には、HAQ-DIスコアのベースラインからの低下が、複合推定値に基づき、グセルクマブ100mg q4w及びグセルクマブ100mg q8wの両グループで、プラセボグループに比べて有意に大きいことが確認された(グローバル及び米国固有の調整後p<0.001の両方;表4)。
Figure 2022536088000006
24週目の乾癬IGA応答
BSAの≧3%の乾癬性病変及び≧2のIGAスコアを有する対象543名(73.5%)のうち、グセルクマブ100mg q4w及びグセルクマブ100mg q8wの両グループでは、複合推定値に基づき、プラセボグループと比較して、24週目に乾癬IGAスコアが0(クリア)又は1(最小)となり、ベースラインから2グレード以上低下した対象の割合が有意に高かった(グローバル及び米国固有の調整後p<0.001の両方;表5))。
Figure 2022536088000007
24週目の修正vdH-Sスコアのベースラインからの変化
24週目には、治療方針推定値に基づき、プラセボグループと比較して、グセルクマブ100mg q4wグループとグセルクマブ100mg q8wグループのいずれにおいても、修正vdH-Sスコアのベースラインからの変化が数値的に小さい(進行が少ない)ことが確認された(表6)。
Figure 2022536088000008
24週目のSF-36 PCSのベースラインからの変化
24週目には、SF-36 PCSスコアのベースラインからの改善が、複合推定値に基づいて、グセルクマブ100mg q4wとグセルクマブ100mg q8wの両グループで、プラセボグループに比べて数値的に大きいことが確認された(表7)。
Figure 2022536088000009
24週目のSF-36 MCSのベースラインからの変化
24週目には、SF-36 MCSスコアのベースラインからの改善が、複合推定値に基づいて、グセルクマブ100mg q4wとグセルクマブ100mg q8wの両グループで、プラセボグループに比べて数値的に大きいことが確認された(表8)。
Figure 2022536088000010
第24週目の腱付着部炎の解消
ベースラインで腱付着部炎を有した506名(68.5%)のうち、24週目に腱付着部炎が解消した対象の割合は、プラセボグループ(30.3%、それぞれ、名目p=0.017、p<0.001、表9)に比べて、グセルクマブ100mg q4wとグセルクマブ100mg q8wの両グループ(それぞれ、43.5%、53.8%)で高かった。CNTO1959PSA3001のデータのみに基づくと、ベースラインでLEIに基づく腱付着部炎を発症した222名(58.3%)のうち、24週目に腱付着部炎が解消した対象の割合は、プラセボグループ(27.3%、名目p=0.013及びp=0.094、表9)に比べて、グセルクマブ100mg q4wグループ(47.9%)及びグセルクマブ100mg q8wグループ(40.3%)で数値的に多かった。両方の試験で、治療効果はプラセボグループに比べてグセルクマブグループで数値的に大きく、このエンドポイントについては両方の用量でプール分析を行うことができた。
Figure 2022536088000011
24週目の指炎の解消
CNTO1959PSA3002のデータのみに基づくと、ベースラインで指炎を有していた対象331名(44.8%)のうち、24週目に指炎が解消した対象の割合は、プラセボグループ(38.4%、名目p<0.001とp=0.007、それぞれ表10と11)と比較して、グセルクマブ100mg q4wグループとグセルクマブ100mg q8wグループ(それぞれ、63.6%と56.8%)で高かった。CNTO1959PSA3001のデータのみに基づくと、ベースライン時に指炎を有していた142名(37.3%)のうち、24週目に指炎が解消した対象の割合は、プラセボグループ(49.1%、名目p=0.212とp=0.088、それぞれ表10と11)と比較して、グセルクマブ100mg q4wグループ(63.2%)及びグセルクマブ100mg q8wグループ(65.3%)で数値的に高かった。両方の試験で、治療効果はプラセボグループに比べてグセルクマブグループで数値的に大きく、このエンドポイントについては両方の用量でプール分析を行うことができた。
Figure 2022536088000012
Figure 2022536088000013
主要な二次エンドポイントは、グローバル(米国外)の試験手順では多重性が制御され、米国固有の試験手順では条件付きで制御された
24週目におけるDAS28(CRP)のベースラインからの変化
24週目のDAS28(CRP)スコアのベースラインからの低下は、複合推定値に基づいて、グセルクマブ100mg q4w及びグセルクマブ100mg q8wの両グループで、プラセボグループと比較して有意に大きいことが確認された(いずれもグローバル調整後p<0.001;)(表12)。
Figure 2022536088000014
Figure 2022536088000015
16週目におけるACR 20応答
16週目にACR 20応答を達成した対象の割合は、複合推定値に基づき、プラセボグループと比較して、グセルクマブ100mg q4wとグセルクマブ100mg q8wの両グループで数値的に高かった(表13)。
Figure 2022536088000016
24週目におけるACR 50応答
24週目にACR 50応答を達成した対象の割合は、複合推定値に基づき、プラセボグループと比較して、グセルクマブ100mg q4wとグセルクマブ100mg q8wの両グループで数値的に高かった(表14)。
Figure 2022536088000017
16週目におけるACR 50応答
16週目にACR 50応答を達成した対象の割合は、複合推定値に基づき、プラセボグループと比較して、グセルクマブ100mg q4wとグセルクマブ100mg q8wの両グループで数値的に高かった(表15)。
Figure 2022536088000018
24週目におけるACR 70応答
第24週でACR 70応答を達成した対象の割合は、複合推定値に基づいてプラセボグループと比較して、グセルクマブ100mg q4w及びグセルクマブ100mg q8wグループの両方において、数値的に高かった(表16)。
Figure 2022536088000019
主要な二次エンドポイントは、米国特定の試験手順のみで条件的に制御される。
24週目での腱付着部炎スコアのベースラインからの変化。
CNTO1959PSA3002データのみに基づいて、ベースラインにおける506(68.5%)対象のうち、ベースラインでの506(68.5%)対象のうち、プラセボグループと比較して、グセルクマブ100mg q4w及びグセルクマブ100mg q8wグループの両方において、Week 24におけるLEIスコアのベースラインからの数値的により大きな低下が観察された(名目P=0.002及びp<0.001)。表17)。CNTO1959PSA3001データのみに基づいて、ベースラインにおける222(58.3%)対象のうち、ベースラインでの222(58.3%)対象の中で、プラセボグループと比較して、グセルクマブ100mg q4w及びグセルクマブ100mg q8wグループの両方において、Week 24におけるLEIスコアのベースラインからの数値より大きな低下が観察された(名目P=0.004及びp=0.185)。表17)。両方の試験では、治療効果は、プラセボグループと比較してガラクmabグループの両方において数値的に大きく、このエンドポイントの両方の用量に対してプール分析を行うことができた。
Figure 2022536088000020
Figure 2022536088000021
24週目での指炎スコアのベースラインからの変化
CNTO1959PSA3002のデータのみに基づくと、ベースラインで指炎を有した対象331名(44.8%)のうち、24週目の指炎スコアのベースラインからの低下は、グセルクマブ100mg q4wグループ及びグセルクマブ100mg q8wグループの両方で、プラセボグループに比べて数値的に大きいことが確認された(いずれも名目p=0.002、表18)。CNTO1959PSA3001のデータのみに基づくと、ベースライン時に指炎を有した142名(37.3%)のうち、24週目における指炎スコアのベースラインからの低下は、プラセボグループに比べてグセルクマブ100mg q4wグループ及びグセルクマブ100mg q8wグループの両方でより大きく見られた(それぞれ、名目p=0.225及びp=0.121、表18)。両方の試験で、治療効果はプラセボグループに比べてグセルクマブグループで数値的に大きく、このエンドポイントについて両方の用量でプール分析を行うことができた。
Figure 2022536088000022
Figure 2022536088000023
関節の兆候と症状の軽減に関連する他の有効性エンドポイント
24週目までのACR20、ACR50、ACR70の応答
24週目には、ACR 20、ACR 50、ACR 70の応答を有する対象の割合が、プラセボグループに比べてグセルクマブ治療の両方のグループで数値的に増加した(いずれも名目p<0.001)(図4、図5、図6)。
24週目までのACRコンポーネント測定
ACR応答の7つのコンポーネントとは、腫脹及び圧痛関節数、患者による疼痛評価(VAS)、患者と医師による疾患活動性のグローバル評価(VAS)、HAQ DI、並びにCRPである。腫脹関節数を除いて、ACRの全ての項目で、プラセボグループに比べてグセルクマブ両グループで数値的に大きな改善が4週目に早くも見られ、8週目にはプラセボグループに比べてグセルクマブ両グループで数値的に大きな改善が見られた。ACRの各項目の改善は、プラセボグループと比較して、グセルクマブ両グループで24週目まで継続して増加した。
24週目において、プラセボグループと比較したグセルクマブ100mg q4wグループ及びグセルクマブ100mg q8wグループのACRコンポーネントのベースラインからの変化百分率(中央値)は以下の通りであった:
・ 腫脹関節数:それぞれ、-65.5%,と比較して、-81.5%と-85.7%
・ 圧痛関節数:それぞれ、-33.3%と比較して-66.7%と-60.0%
・ 患者による疼痛評価:それぞれ、-11.59%と比較した-38.45%と-37.21%
・ 患者による疾患活動性のグローバル評価:それぞれ、-13.33%,と比較して-37.09%と-34.04%
・ 医師による疾患活動性のグローバル評価:それぞれ、-34.57%,と比較して-63.86%と-62.87%
・ HAQ-DI:それぞれ、-8.3333%,と比較して-33.3333%と-27.2727%
・ CRP:それぞれ、-17.494%,と比較して-48.218%と-53.175%
24週目までのPASI 50, PASI 75, PASI 90,及びPASI 100応答
24週目に、グセルクマブ100mg q4w及びグセルクマブ100mg q8wグループでPASI 50、PASI 75、PASI 90、PASI 100の応答を有した対象の割合は、プラセボグループと比較して以下の通りであったた(いずれも名目p<0.001):
・ PASI 50:それぞれ、37.7%,と比較して90.2%と92.6%
・ PASI 75:それぞれ23.0%,と比較して78.3%と79.0%
・ PASI 90:それぞれ、9.8%,と比較して60.9%と68.8%
・ PASI 100:それぞれ2.7%,と比較して44.6%及び45.5%
24週目までのPASI 75及びACR 20応答
ベースライン時にBSAの≧3%の乾癬性皮膚病変及び≧2のIGAスコアを有する543名(73.5%)のうち、PASI 75応答とACR 20応答の両方を達成した対象の割合は、プラセボグループと比較して、16週目と24週目にグセルクマブグループの両方で数値的に増加した(全ての名目p<0.001、表19)。PASI応答及びACR応答と経時的に一致し、PASI 75及びACR 20の両方が16週目から24週目まで増加し、グセルクマブ100mg q4wグループとグセルクマブ100mg q8wグループとの間で概ね類似していた。
24週目には、複合推定値に基づき、PASI 75及びACR 20応答を達成した対象の割合は、プラセボグループに比べてグセルクマブの両グループで数値的に高くなった(いずれも名目p<0.001)。
Figure 2022536088000024
24週目までのPASI 75及び修正PsARC応答
ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性皮膚病変及び≧2のIGAスコアを有した対象543名(73.5%)のうち、PASI 75応答と修正PsARC応答の両方を達成した対象の割合は、16週目及び24週目において、両グセルクマブ治療グループでプラセボ投与グループに比べて数値的に大きかった(いずれも名目p<0.001)。その割合は,16週目から24週目にかけて増加し,グセルクマブ100mg q4wグループとグセルクマブ100mg q8wグループで概ね同様であった。
24週目に、PASI 75及び修正PsARC応答を達成した対象の割合は、グセルクマブ100mg q4wとグセルクマブ100mg q8wグループでそれぞれ60.9%と65.3%であったのに対し、プラセボグループでは15.3%であった(いずれも名目p<0.001)。
24週目までの乾癬IGA応答
ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性皮膚病変及び≧2のIGAスコアを有した対象543名(73.5%)のうち、16週目及び24週目に、グセルクマブ投与グループでは、プラセボ投与グループと比較して、乾癬のIGA応答が0(クリア)又は1(最小)となり、ベースラインからグレードが≧2低下した対象の割合が増加した。
16週目に、グセルクマブ100mgq4wグループとグセルクマブ100mg q8wグループの両方で数値的に高い割合の対象(それぞれ65.8%と62.5%)が、プラセボグループと比較して乾癬IGA応答を達成した(15.3%;両方の名目p<0.001)。その割合は,16週目~24週目に増加し,グセルクマブ100mg q4wグループとグセルクマブ100mg q8wグループで概ね同様であった。
24週目までの乾癬IGAスコア0(クリア)
ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性皮膚病変及び≧2のIGAスコアを有した対象543名(73.5%)のうち、プラセボグループと比較して、数値的に大きい割合の対象が、16週目と24週目に両方のグセルクマブグループでIGAスコア0(クリア)を達成した(表20)。割合は16週から24週に増加し、グセルクマブ100mg q4wグループとグセルクマブ100mg q8wグループの間で同様であった。
24週目には、IGAスコア0(クリア)を達成した対象の割合は、プラセボグループの7.7%と比較して、グセルクマブ100mg q4wグループとグセルクマブ100mg q8wグループでそれぞれ50.5%と50.0%であった(両方とも名目p<0.001)。
Figure 2022536088000025
腱付着部炎に関連する他の有効性エンドポイント
24週目までの経時的な腱付着部炎の解消
16週目には、複合推定値に基づいて腱付着部炎の解消を達成した対象は、プラセボグループの30.9%に対し、グセルクマブ100mg q4wグループでは40.6%、グセルクマブ100mg q8wグループでは47.5%であった(それぞれ、名目p=0.070、p=0.002)。応答率は、両グループとも16週目~24週目に上昇した。応答率は、8週目~24週目において、グセルクマブ100mg q8wグループがグセルクマブ100mg q4wグループに比べて数値的に高かった。
16週目には、CNTO1959PSA3001のデータのみに基づいて、ベースラインで腱付着部炎を有していた対象222名(58.3%)のうち、腱付着部炎が解消した対象の割合は、プラセボグループと比較してグセルクマブq8wグループで数値的に小さかった。したがって、これらの試験の16週目のデータをプールすることは、グセルクマブ100mg q8wグループには正当化されなかった。しかし、両試験とも治療効果はプラセボグループに比べてグセルクマブ100mg q4wグループで数値的に大きく、このエンドポイントについてはグセルクマブ100mg q4wグループでプール分析を行うことができた。
CNTO1959PSA3001及びCNTO1959PSA3002のプールデータに基づくベースライン時に腱付着部炎を有した対象728名(65.0%)のうち、複合推定値に基づき、16週目に腱付着部炎が解消した対象の割合は、プラセボグループと比較して、グセルクマブ100mg q4wグループで42.0%と高かった。
エンドポイントに対して収集された全ての観察データを使用し、治療失敗ルールを適用しなかったプールデータに基づく16週目の治療方針推定値に基づく分析は、主要分析の結果を裏付けるものであった。
経時的腱付着部炎スコアのベースラインからの変化
経時的に腱付着部炎の解消を達成した対象の割合に関するデータと一致して、CNTO1959PSA3002のみのデータに基づいて、24週目まで腱付着部炎を評価すると、各訪問時にプラセボグループと比較して、両グセルクマブグループでLEIスコアのベースラインからの数値的に大きな低下が観察された。
16週目には、LEIスコアのベースラインからの低下が、複合推定値に基づいて、プラセボグループに比べてグセルクマブ両グループで数値的に大きくなった。LEIスコアの低下は、両グセルクマブグループとも16週目から24週目まで増加し続けた。その効果は、グセルクマブ100mg q4wグループがグセルクマブ100mg q8wグループと比較して概して大きかった。
16週目の、CNTO1959PSA3001のデータのみに基づくと、ベースラインで腱付着部炎を有した222名(58.3%)の対象において、LEIスコアのベースラインからの変化の低下は、複合推定値に基づいて、プラセボグループと比較してグセルクマブグループの両方で数値的に大きかった。両試験ともに、治療効果はプラセボグループに比べて両グセルクマブグループの方が数値的に大きく、このエンドポイントについては両用量でプール分析を行うことができた。
CNTO1959PSA3001とCNTO1959PSA3002のプールデータに基づくベースライン時に腱付着部炎を有した対象728名(65.0%)において、16週目のLEIスコアのベースラインからの低下は、プラセボグループ(-0.93;それぞれ名目p<0.001とp=0.038)と比較して、グセルクマブ100mg q4wグループ(-1.42)及びグセルクマブ100mg q8wグループ(-1.23)の両方で、複合推定値に基づいて数値的に大きく観察された。
指炎に関連した他の有効性エンドポイント
24週目までの経時的な指炎の解消
CNTO1959PSA3002データのみに基づくと、ベースラインで指炎を有した331人(44.8%)の対象のうち、指炎の解消を達成した対象の数は、2週目~24週目の各訪問で、プラセボグループと比較して両グセルクマブグループで数値的に多かった。
16週目には、複合推定値に基づいて指炎の解消を達成した対象は、プラセボグループの36.4%に対し、グセルクマブ100mg q4wグループでは52.1%、グセルクマブ100mg q8wグループでは45.0%であった(それぞれ、名目p=0.024、p=0.192)。応答率は、両グループとも16週目~24週目に上昇した。応答率は、4週目~24週目において、グセルクマブ100mg q4wグループがグセルクマブ100mg q8wグループに比べて数値的に高かった。
16週目において、CNTO1959PSA3001のデータのみに基づくと、ベースラインで指炎を有した142名(37.3%)の対象のうち、プラセボグループ(43.6%)と比較して、グセルクマブ100mg q4wとグセルクマブ100mg q8wの両グループ(それぞれ57.9%と59.2%)では、複合推定値に基づき、16週目に指炎が解消された対象の割合が数値的に高かった(それぞれ、名目p=0.169とp=0.124)。両試験ともに、治療効果はプラセボグループに比べて両グセルクマブグループの方が数値的に大きく、このエンドポイントについては両用量でプール分析を行うことができた。
CNTO1959PSA3001及びCNTO1959PSA3002のプールデータに基づいてベースライン時に指炎を有した対象473名(42.2%)のうち、プラセボグループ(39.0%;それぞれ、名目p=0.008とp=0.053)と比較して、グセルクマブ100mg q4wグループとグセルクマブ100mg q8wグループ(それぞれ53.5%及び49.4%)の両方で、複合推定値に基づいて16週目に指炎が解消した対象の割合が高かった。
24週目までの指炎スコアのベースラインからの変化
経時的に指炎の解消を達成した対象の割合に関するデータと一致して、CNTO1959PSA3002のみのデータに基づいて、指炎を第2週目~24週目に評価すると、各訪問時のプラセボグループと比較して、両グセルクマブグループで指炎スコアのベースラインからの数値的に大きな低下が観察された。効果は、16週目と24週目でグセルクマブ100mgq8wグループと比較してグセルクマブ100mgq4wグループで大きかった。
BASDAIに関連した他の有効性エンドポイント
PsAの主要な関節症状として末梢性関節炎を伴う脊椎炎の対象のみがBASDAIを完了した。ベースラインで脊椎炎と末梢関節炎を有する対象には、グセルクマブ100mg q4w、グセルクマブ100mg q8w、及びプラセボに、86人、73人、及び99人を含めた。ベースラインで脊椎炎と末梢性関節炎を有し、ベースラインでBASDAIスコア>0の対象は、グセルクマブ100mg q4w、グセルクマブ100mg q8w、及びプラセボグループで、それぞれ、83人、67人、及び92人であった。
ベースラインで脊椎炎と末梢関節炎を有していた対象258名(34.9%)のうち、8週目~24週目のBASDAIを評価した各訪問において、BASDAIのベースラインからの低下は、プラセボグループと比較してグセルクマブ両グループで数値的に大きいことが確認された(表21)。BASDAIスコアの低下は、グセルクマブ治療グループ間で概ね同様であった。
24週目には、複合推定値に基づき、BASDAIのベースラインからの低下は、グセルクマブ100mg q4wグループとグセルクマブ100mg q8wグループの両方で、プラセボグループと比較して数値的に大きいことが確認された(いずれも名目p<0.001)。
Figure 2022536088000026
Figure 2022536088000027
24週目までのSF 36 MCSスコアのベースラインからの5ポイント改善を達成した対象
SF-36 MCSスコアのベースラインからの臨床的に意味のある≧5ポイント改善を達成した対象の割合は、8週目~24週のプラセボグループと比較して、両グセルクマブグループにおいて数値的に大きかった。この割合は、グセルクマブ100mg q4wグループにおいて、24週目まで経時的に増加した。ベースラインからの≧5ポピントの改善を達成した対象の割合は、グセルクマブ100mg q8wグループ(42.3%)について16週目で最も高かった。応答率は、グセルクマブ100mg q8wグループでは、8週目~24週目にグセルクマブ100mgのq4wグループと比較して、数値的に高かった。
24週目に、SF-36 MCSスコアがベースラインから≧5ポイント改善した対象の割合は、複合推定値に基づき、グセルクマブ100mg q4wとグセルクマブ100mg q8wグループでそれぞれ34.3%と37.5%であったのに対し、プラセボグループでは30.9%であった(それぞれ名目p=0.424とp=0.124)。
評価された各SF-36スケールについて、規範スコアのベースラインからの数値的に大きな増加が、8週目から24週目までのプラセボグループと比較して、両グセルクマブグループにおいて観察された。規範スコアのベースラインからの増加は、グセルクマブ100mg q8wグループにおいて、グセルクマブ100mg q4wグループと比較して、概して高かった。
24週目において、グセルクマブ100mg q4wグループ及び100mg q8wグループのプラセボグループと比較した、規範SF-36サブスケールのベースラインからの変化の推定LS平均は以下の通りであった:
・ 身体的機能:それぞれ、3.254と比較して6.624と6.703
・ 身体的役割:それぞれ、3.365と比較して6.241と6.549
・ 身体疼痛:それぞれ、それぞれ、3.482と比較して7.739と7.811
・ 全般的な健康:それぞれ、2.290と比較して5.269と5.794
・ 活力:それぞれ、3.835と比較して7.009と7.373
・ 社会的機能:それぞれ、2.978と比較して5.922と5.806
・ 感情的役割:それぞれ、1.813と比較して4.255と4.382
・ 精神的健康:それぞれ、2.335と比較して4.767と4.490
FACIT-倦怠感スコア
24週目までのFACIT-倦怠感スコアのベースラインからの変化
FACITー倦怠感スコアのベースラインからの数値的により大きな増加(改善)が、FACIT倦怠感を評価した各訪問においてプラセボグループと比較して、両グセルクマブグループで観察された(8週目、16週目、及び24週目;全ての名目p<0.001;表22)。スコアは、24週目まで経時的に、グセルクマブグループで上昇を続け、各訪問において、グセルクマブ100mg q8wグループはグセルクマブ100mg q4wグループに比べて数値が高かった。
Figure 2022536088000028
Figure 2022536088000029
EQ-5D-5L質問票
24週目には、プラセボグループ(LS平均:0.053、いずれも名目p<0.001)に比べ、グセルクマブ100mg q4wグループ(LS平均:0.116)及びグセルクマブ100mg q8wグループ(LS平均:0.115)の両方において、EQ-5D指数スコアのベースラインからの数値的に大きな増加が観察された。
24週目には、プラセボグループ(LS平均:6.796、いずれも名目p<0.001)と比較して、グセルクマブ100mg q4wグループ(LS平均:18.089)とグセルクマブ100mg q8wグループ(LS平均:18.371)の両グループで、EQ-5D健康状態VASスコアのベースラインからの数値的に大きな増加が観察された。
24週目までのPASDASのベースラインからの変化
PASDASスコアのベースラインからの数値的に大きな低下(改善)が、PASDASが評価された各訪問(8週目、16週目、及び24週目;全ての名目p<0.001;)でプラセボグループと比較して両方のグセルクマブグループで観察された。
24週目には、PASDASスコアのベースラインからの数値的に大きな低下が、プラセボグループ(LS平均:-1.336;いずれも名目p<0.001)と比較して、グセルクマブ100mg q4wグループ(LS平均:-2.399)とグセルクマブ100mg q8wグループ(LS平均:-2.403)の両方で、複合推定値に基づいて観察された。
24週目までのGRACE指数のベースラインからの変化。
GRACE指数が評価された各訪問(16週目及び24週目;全ての名目p<0.001)でプラセボグループと比較して、両方のグセルクマブグループでGRACE指数のベースラインからの数値的に大きな低下(改善)が観察された。GRACE指数の低下は、各訪問時のグセルクマブ間で類似していた。
24週目には、GRACE指数のベースラインからの数値的に大きな低下が、プラセボグループ(LS平均:-1.197;いずれも名目p<0.001)と比較して、グセルクマブ100mg q4wグループ(LS平均:-2.589)とグセルクマブ100mg q8wグループ(LS平均:-2.592)の両方で、複合推定値に基づいて観察された。
24週目までのmCPDAIのベースラインからの変化
mCPDAIスコアが評価された各訪問(16週目及び24週目、いずれも名目p<0.001)において、両グセルクマブ投与グループでプラセボ投与グループと比較して、ベースラインからの低下(改善)が数値的に大きく観察された。mCPDAIスコアの低下は、両方の訪問においてグセルクマブ100mg q8wグループと比較して、グセルクマブ100mg q4wグループにおいてわずかに高かった。
24週目には、mCPDAIスコアのベースラインからの数値的に大きな低下が、プラセボグループ(LS平均:-1.30;いずれも名目p<0.001)と比較して、グセルクマブ100mg q4wグループ(LS平均:-3.09)とグセルクマブ100mg q8wグループ(LS平均:-2.94)の両方で、複合推定値に基づいて観察された。
24週目までのmCPDAIに基づく低い疾患活動性
ベースラインで、mCPDAI指数に基づく疾患活動性が低い対象の割合は、グセルクマブ100mg q4wグループ、グセルクマブ100mg q8wグループ、プラセボグループでそれぞれ1.6%、6.5%、1.6%であった。
経時的なmCPDAIスコアのベースラインからの変化と一致して、mCPDAIスコアに基づいて低い疾患活動性を達成した対象の割合は、16週目でプラセボグループと比較して、グセルクマブ100mgq4wグループとグセルクマブ100mg q8wグループで高かった(それぞれ34.4%と34.7%)(12.6%;両方の名目p<0.001)。割合は、16週目~24週目にグセルクマブグループで増加し、グセルクマブ100mg q4グループに比べてグセルクマブ100mg q8wグループで数値が高かった。
24週目に、mCPDAIスコアに基づいて低疾患活動性を達成した対象の割合は、複合推定値に基づいて、プラセボグループの14.2%に対し、グセルクマブ100mg q4wグループで41.2%、グセルクマブ100mg q8wグループで46.4%であった(いずれも名目p<0.001)。
24週目までのMDA基準
ベースラインにおいて、グセルクマブ100mg q4wグループにおける1名(0.4%)の対象がMDA基準を満たした(表23)。
16週目及び24週目にMDA基準を満たした対象の割合は、プラセボグループ(全ての名目p<0.001)と比較して、両グセルクマブグループにおいて数値的に大きかった。MDA基準を満たした者の割合は、両方の訪問においてグセルクマブ100mg q4wグループと比較して、グセルクマブ100mg q8wグループにおいて、数値的に高かった。
Figure 2022536088000030
24週目までのVLDA基準
ベースラインでは、グセルクマブグループ又はプラセボグループの対象は、VLDA基準を満たさなかった。16週目及び24週目にVLDA基準を満たした対象の割合は低いが、プラセボグループと比較して両グセルクマブグループにおいて数値的に大きかった。両方の訪問において、グセルクマブ100mg q8wグループと比較して、グセルクマブ100mg q4wグループでは、割合がわずかに高かった。
24週目に、複合値に基づいて、VLDA基準を満たした対象の割合は、グセルクマブ100mg q4wグループとグセルクマブ100mg q8wグループでそれぞれ4.9%と4.4%であったのに対し、プラセボグループでは1.2%であった(それぞれ名目p=0.018とp=0.032、)。
有効性及び薬物動態
選択された有効性エンドポイントとトラフ血清グセルクマブ濃度との間の関係をPK分析セットに基づいて評価した。以下の分析では、欠落データの代入がない臨床有効性データ(複合推定値)とそれぞれのトラフ血清グセルクマブ濃度を使用した:
・ 12週目の定常トラフ血清グセルクマブ濃度による、12週目のACR 20若しくはACR 50の応答、又はDAS28(CRP)のベースラインからの変化。
・ 20週目の血清グセルクマブの定常状態トラフ血清グセルクマブ濃度による、20週目又は24週目のACR 20若しくはACR 50の応答、又はDAS28(CRP)のベースラインからの変化。
・ 20週目の定常状態トラフ血清グセルクマブ濃度による24週目のIGA応答(ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性病変及び≧2のIGAスコアを有する対象)。
ACR 20及びACR 50応答並びにトラフ血清グセルクマブ濃度
12週目のトラフグセルクマブ濃度四分位数による12週目のACR20及びACR50応答率については、明らかな曝露-応答関係は見られなかった。
20週目のトラフグセルクマブ濃度四分位数による20週目又は24週目のACR 20応答率については、一貫した曝露-応答関係は見られなかった(図7)。20週目のトラフグセルクマブ濃度四分位数による20週目又は24週目のACR50応答率については、暴露-応答関係が弱いようであった(図8)。
トラフ血清グセルクマブ濃度によるDAS28(CRP)のベースラインからの変化
12週目のトラフグセルクマブ濃度四分位数による12週目のDAS28(CRP)のベースラインからの平均変化については、明らかな曝露応答関係は見られなかった(20週目のトラフグセルクマブ濃度四分位数による20週目又は24週目のDAS28(CRP)のベースラインからの平均変化についても明らかな曝露応答関係は見られなかった。
IGA応答とトラフ血清グセルクマブ濃度
ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性病変及び≧2のIGAスコアを有する対象において、20週目のトラフグセルクマブ濃度四分位数による24週目のIGA応答には、明らかな曝露応答関係は見られなかった(図9)。
有効性の要約
一次エンドポイント
・ 24週目にACR 20応答を得た対象の割合は、グセルクマブ100mg q4wとグセルクマブ100mg q8wの両グループでそれぞれ63.7%と64.1%であり、プラセボグループの32.9%に比べて有意に高かった(いずれも調整後p<0.001)。
主要な二次エンドポイント
グローバル(米国外)及び米国固有の試験手順の両方で多重度が制御される主要な二次エンドポイント
・ 24週目のHAQ-DIスコアは、グセルクマブ100mg q4wグループ(LS平均:-0.4004)とグセルクマブ100mg q8wグループ(LS平均:-0.3672)のいずれも、プラセボグループ(LS平均:-0.1300、グローバル及び米国内で調整後p<0.001)と比較して、ベースラインからの有意な低下が観察された。
・ ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性病変及び≧2のIGAスコアを有する543人(73.5%)の対象のうち、プラセボグループ(19.1%)と比較して、グセルクマブ100mg q4wとグセルクマブ100mg q8wの両グループ(それぞれ68.5%と70.5%)では、24週目に乾癬IGAスコアが0(クリア)又は1(最小)となり、ベースラインから≧2グレード低下した(グローバル及び米国固有の調整後p<0.001)。
・ 24週目の修正vdH-Sスコアのベースラインからの変化は、プラセボグループ(LS平均:0.95)に比べて、グセルクマブ100mg q4wグループ(LS平均:0.29)とグセルクマブ100mg q8wグループ(LS平均:0.52)の両方で、数値的に小さい(進行が少ない)ことが観察された。グローバル(米国外)及び米国固有の多重度試験の手順に基づき、LS平均の差は、プラセボグループと比較してグセルクマブ100mg q4wグループでは統計的に有意であったが(調整後グローバルp=0.006、調整後米国固有p=0.011、それぞれ)、グセルクマブ100mg q8wグループでは有意ではなかった(それぞれ、調整後グローバルp=0.068と調整後米国固有p=0.072)。24週目の修正vdH-Sスコアのベースラインからの変化がこのグループでは有意ではなかったため、残りの主要な二次エンドポイントについて、グセルクマブ100mg q8wグループのグローバル(米国外)固有試験手順では、統計的有意性は正式には検定しなかった(調整後p=0.068)。
・ 24週目のSF-36 PCSスコアは、プラセボグループ(LS平均:3.42)に比べ、グセルクマブ100mg q4wグループ(LS平均:7.04)とグセルクマブ100mg q8wグループ(LS平均:7.39)の両グループで、ベースラインからの数値的に大きな改善が見られた。グローバル(米国外)固有の多重度試験の手順に基づき、プラセボグループと比較してグセルクマブ100mg q4wグループで平均値の変化が統計的に有意であり(調整後p=0.006)、グセルクマブ100mg q8wグループでは正式には検定しなかった。米国固有の試験手順に基づくと、プラセボグループと比較して、グセルクマブ100mg q4wグループ及びグセルクマブ100mg q8wグループのいずれにおいても、平均変化は統計的に有意であった(いずれも調整後p=0.011)。
・ 24週目のSF-36 MCSスコアは、プラセボグループ(LS平均:2.14)と比較して、グセルクマブ100mg q4wグループ(LS平均:4.22)及びグセルクマブ100mg q8wグループ(LS平均:4.17)のいずれにおいても、ベースラインからの数値的に大きな改善が見られた。グローバル(米国外)固有の多重度試験の手順に基づき、プラセボグループと比較してグセルクマブ100mg q4wグループで平均値の変化が統計的に有意であり(調整後p=0.006)、グセルクマブ100mg q8wグループでは正式には検定しなかった。米国固有の多重度試験の手順に基づき、プラセボグループと比較して、グセルクマブ100mg q4wグループ又はグセルクマブ100mg q8wグループでは、平均変化は統計的に有意ではなかった(いずれも調整後p=0.072)。
・ CNTO1959PSA3001及びCNTO1959PSA3002のプールデータに基づくベースライン時に腱付着部炎を有した対象728名(65.0%)のうち、24週目に腱付着部炎が解消した対象の割合は、プラセボグループ(29.4%)と比較して、グセルクマブ100mg q4wグループとグセルクマブ100mg q8wグループ(それぞれ44.9%と49.6%)で数値的に高かった。グローバル(米国外)固有の多重度試験の手順に基づき、プラセボグループと比較して、グセルクマブ100mg q4wグループでは腱付着部炎が解消した対象の割合が有意に高く(調整後p=0.006)、グセルクマブ100mg q8wグループでは正式な検定しなかった。米国固有の多重度試験の手順に基づき、プラセボグループと比較して、グセルクマブ100mg q4wグループとグセルクマブ100mg q8wグループのいずれにおいても、腱付着部炎が解消した対象の割合が有意に多かった(いずれも調整後p=0.030)。
・ CNTO1959PSA3001及びCNTO1959PSA3002のプールデータに基づくベースラインで指炎を有していた473人(42.2%)のうち、24週目に指炎が解消した対象の割合は、プラセボグループ(42.2%)と比較して、グセルクマブ100mg q4wとびグセルクマブ100mg q8wの両グループ(それぞれ63.5%と59.4%)で数値的に大きかった。グローバル(米国外)固有の多重度試験手順に基づき、指炎が解消した対象の割合は、グセルクマブ100mg q4wグループがプラセボグループと比較して有意に高く(調整後p=0.006)、グセルクマブ100mg q8wグループでは正式には検定しなかった。米国固有の多重度試験手順に基づき、指炎が解消した対象の割合は、プラセボグループと比較して、グセルクマブ100mg q4wグループとグセルクマブ100mg q8wグループの両方で有意に高かった(それぞれ調整後p=0.011とp=0.030)。
・ グローバル(米国外)試験手順において多重度に対して制御され、US固有の試験手順において条件付きで制御された主要な二次エンドポイント
・ 以下の主要な二次エンドポイントでは、グローバル(米国外)試験手順において多重度に対して制御された。更に、これらのエンドポイントは一次エンドポイントとの相関性が高く、24週目のACR 20応答について、プラセボグループと比較して、グセルクマブ100mg q4wグループ及びグセルクマブ100mg q8wグループの両方で統計学的有意性が得られたことから、米国固有の試験手順に基づき、グセルクマブの両用量についても試験を実施した(全ての名目p<0.001)。
・ 24週目のDAS28(CRP)スコアのベースラインからの低下は、プラセボグループ(LS平均:-0.97、いずれもグローバル調整後p<0.001)に比べ、グセルクマブ100mg q4wグループ(LS平均:-1.62)とグセルクマブ100mg q8wグループ(LS平均:-1.59)の両方で有意に大きかった。
・ 以下の主要な二次エンドポイントについては、グローバル(米国外)多重度試験手順に基づいて、グセルクマブ100mg q4wグループがプラセボグループと比較して統計的有意性を示した(調整後p=0.006。グセルクマブ100mg q8wグループでは、24週目の修正vdH-Sスコアのベースラインからの変化のエンドポイントが有意ではなかったため、プラセボグループと比較してグセルクマブ100mg q8wグループwの統計的有意性を評価できなかった。
・ 16週目にACR 20応答を有した対象の割合は、プラセボグループ(33.7%)と比較して、グセルクマブ100mg q4wとグセルクマブ100mg q8wの両グループで数値的に高かった(それぞれ55.9%と55.2%;名目p<0.001)。
・ 24週目にACR 50応答を有した対象の割合は,プラセボグループ(14.2%;名目p<0.001)と比較して,グセルクマブ100mg q4w及びグセルクマブ100mg q8wグループ(それぞれ33.1%及び31.5%)で数値的に高かった。
・ 16週目にACR 50応答を有した対象の割合は,プラセボグループ(9.3%; 名目p<0.001)に比べて,グセルクマブ100mg q4wとグセルクマブ100mg q8wグループ(それぞれ20.8%と28.6%)で数値的に高かった。
・ 24週目にACR 70応答を有した対象の割合は,プラセボグループ(4.1%;名目p<0.001)に比べて,グセルクマブ100mg q4wとグセルクマブ100mg q8wグループ(それぞれ13.1%と18.5%)で数値的に高かった。
・ 米国固有の試験手順でのみ条件付きで制御される主要な二次エンドポイント
・ グセルクマブ100mg q4w及びグセルクマブ100mg q8wの両グループにおいて、プラセボグループと比較して、24週目の腱付着部炎及び24週目の指炎の解消がそれぞれ統計的有意性を達成したため、CNTO1959PSA3001及びCNTO1959PSA3002のプールデータに基づいて、グセルクマブの両用量について、24週目の腱付着部炎スコアのベースラインからの変化及び24週目の指炎スコアのベースラインからの変化が、米国固有の試験手順で正式に検定した。
・ CNTO1959PSA3001及びCNTO1959PSA3002のプールデータに基づくベースラインで腱付着部炎を有していた対象728人(65.0%)のうち、24週目のLEIスコアのベースラインからの低下は、プラセボグループ(LS平均:-1.02、いずれも名目p<0.001)に比べて、グセルクマブ100mg q4wグループ(LS平均:-1.59)とグセルクマブ100mg q8wグループ(LS平均:-1.52)の両方で数値的に大きく観察された。
・ CNTO1959PSA3001及びCNTO1959PSA3002のプールデータに基づくベースラインで指炎を有していた473人(42.2%)において、グセルクマブ100mg q4wグループ(LS平均:-5.97)とグセルクマブ100mg q8wグループ(LS平均:-6.10)のいずれにおいても、プラセボグループ(LS平均:-4.21、それぞれ名目p=0.002とp<0.001)と比較して、24週目の指炎スコアのベースラインからの数値的により大きな低下が観察された。
・ 他の二次有効性分析
・ 関節の兆候及び症状の低減に関連した他の有効性エンドポイント
・ 2週目の腫脹関節数を除き、2週目~24週目の各ACRコンポーネントについて、両グセルクマブグループはプラセボグループと比較して、ベースラインからの中央値改善百分率が数値的に大きかった。
・ 24週目に、修正PsARC応答を達成した対象の割合は、グセルクマブ100mg q4wとグセルクマブ100mg q8wグループでそれぞれ68.6%と72.6%であったのに対し、プラセボグループでは44.7%であった(いずれも名目p<0.001)。
・ 24週目に、DAPSA指数に基づく低疾患活動性又は寛解を達成した対象の割合は、プラセボグループの18.3%に対して、グセルクマブ100mg q4wとグセルクマブ100mg q8wグループでそれぞれ35.5%と38.7%であった(いずれも名目p<0.001)。
身体的機能に関連したの他の有効性エンドポイント
・ 24週目のHAQ-DI応答率(ベースライン時にHAQ-DIスコアが≧0.35であった対象のうち、ベースラインから≧0.35改善したものと定義)は、プラセボグループの31.4%に対し、グセルクマブ100mg q4wグループで56.1%、グセルクマブ100mg q8wグループで50.0%であった(いずれも名目p<0.001)。
・ 皮膚疾患に関連した他の有効性エンドポイント
・ ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性病変及びIGAスコア≧2(軽度)を有した543人(73.5%)の対象のうち:
・ 両グセルクマブグループ共に、16週目及び24週目に、PASI 50、PASI 75、PASI 90、及びPASI 100の応答を有した対象の割合は、プラセボグループと比較して数値的に高かった(いずれも名目p<0.001)。
・ 24週目に、PASI 75及びACR 20の両方の応答を有した対象の割合は、グセルクマブ100mg q4wとグセルクマブ100mg q8wグループでそれぞれ 57.1%と56.8%であったのに対し、プラセボグループでは11.5%であった(いずれも名目p<0.001)。
・ 24週目に、PASI 75及び修正PsARC応答の両方を達成した対象の割合は、グセルクマブ100mg q4wとグセルクマブ100mg q8wグループでそれぞれ60.9%と65.3%であったのに対し,プラセボグループでは15.3%であった(いずれも名目p<0.001)。
・ 24週目にI、GAスコア0(クリア)を達成した対象の割合は、グセルクマブ100mg q4wグループとグセルクマブ100mg q8wグループでそれぞれ50.5%と50.0%であったのに対し、プラセボグループでは7.7%であった(いずれも名目p<0.001)。
・ 24週目に、DLQIスコアでは、プラセボグループ(37.8%)に比べ、グセルクマブ100mg q4wグループ(86.8%)とグセルクマブ100mg q8wグループ(83.3%)で、臨床的に意味のあるベースラインからの≧5ポイントの改善を達成した対象の割合が数値的に高かった(いずれも名目p<0.001)。
・ 腱付着部炎及び指炎に関連した他の有効性エンドポイント
・ CNTO1959PSA3002のデータのみに基づくベースラインで腱付着部炎を有していた506人(68.5%)のうち、2週目~24週目の各訪問において、腱付着部炎が解消された対象の数は、プラセボ投与グループに比べて両グセルクマブ投与グループで数値的に多かった。
・ CNTO1959PSA3002のデータのみに基づくベースラインで指炎を有していた331人(44.8%)のうち、2週目~24週目の各訪問において、プラセボグループと比較して両グセルクマブグループで指炎の解消を達成した対象数が数値的に多かった。
・ BASDAIに関連した他の有効性エンドポイント
・ ベースラインで脊椎炎と末梢関節炎を有した対象258人(34.9%)のうち、BASDAIが8週目~24週目に評価された各訪問において、プラセボグループと比較して両グセルクマブグループでベースラインからの数値的に大きな低下が観察された。
・ ≧20%、≧50%、及び≧70%改善した対象の割合は、8週目~24週目において、プラセボグループと比較して両グセルクマブグループで数値的に大きかった。
関節の構造的損傷に関連した他の有効性エンドポイント
・ 修正vdH-Sスコアのベースラインからの変化が≦0であった対象の割合は、プラセボグループの64.7%に対して、グセルクマブ100mg q4wグループで67.3%、グセルクマブ100mg q8wグループで63.4%であった(それぞれ名目p=0.555とp=0.751)。
・ 修正vdH-Sびらんスコアがベースラインから≦0変化した対象の割合は、プラセボグループの66.8%に対し、グセルクマブ100mg q4wグループで71.4%、グセルクマブ100mg q8wグループで66.3%であった(それぞれ名目p=0.268とp=0.867)。
・ 24週目に修正vdH-S JSNスコアがベースラインから≦0に変化した対象の割合は、プラセボグループの78.6%に対し、グセルクマブ100mg q4wグループで 80.2%、グセルクマブ100mg q8wグループで78.8%であった(それぞれ名目p=0.669とp=0.903)。
健康関連の生活の質及び他の患者報告アウトカムに関連した他の有効性エンドポイント
・ 24週目に、SF-36 PCSスコアがベースラインから臨床的に意味のある≧5ポイントの改善を達成した対象の割合は、プラセボグループの40.2%に対し、グセルクマブ100mg 4wとグセルクマブ100mg q8wグループでそれぞれ55.9%と60.1%であった(いずれも名目p<0.001)。
・ 24週目に,SF-36 MCSスコアがベースラインから臨床的に意味のある≧5ポイント以上の改善を達成した対象の割合は,プラセボグループの30.9%に対して,グセルクマブ100mg q4wとグセルクマブ100mg q8wグループではそれぞれ34.3%と37.5%であった(それぞれ名目p=0.424とp=0.124)。
・ 24週目に、FACIT-倦怠感スコアがベースラインから≧4ポイント改善した対象の割合は、プラセボグループの45.5%に対し、グセルクマブ100mg q4wグループで59.6%、グセルクマブ100mg q8wグループで60.5%であった(それぞれ、名目p=0.002とp<0.001)。
・ 24週目に、グセルクマブ100mg q4wグループ(LS平均:0.116)とグセルクマブ100mg q8wグループ(LS平均:0.115)の両グループにおいて、プラセボグループ(LS平均:0.053、いずれも名目p<0.001)と比較して、EQ-5D指数スコアのベースラインからの数値的に大きな増加が観察された。
・ 24週目には、プラセボグループ(LS平均:6.796、いずれも名目p<0.001)と比較して、グセルクマブ100mg q4wグループ(LS平均:18.089)及びグセルクマブ100mg q8wグループ(LS平均:18.371)の両方で、EQ-5D健康状態VASスコアのベースラインからの数値的に大きな増加が観察された。
複合疾患活動性スコアの改善
・ 24週目にMDA基準を満たした対象の割合は、プラセボグループの6.1%に対し、グセルクマブ100mg q4wグループでは18.8%、グセルクマブ100mg q8wグループでは25.0%であった(いずれも名目p<0.001)。PASDAS、GRACE指数、mCPDAIスコアを含む他のPsA複合疾患活動性スコアについても、24週目にプラセボグループと比較して両グループで大きな改善が観察された(いずれも名目p<0.001)。
有効性及び薬物動態
・ 20週目の定常状態トラフグセルクマブ濃度四分位数による24週目のACR50応答率の暴露応答関係は弱いようであったが、24週目のACR20応答率の一貫した暴露応答関係は観察されなかった。
・ 20週目の定常状態トラフグセルクマブ濃度四分位数による20週目又は24週目のDAS28(CRP)のベースラインからの平均変化について、明らかな曝露応答関係はなかった。
・ ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性病変及びIGAスコア≧2(軽度)を有した対象の20週目の定常状態のトラフグセルクマブ濃度四分位数による24週目のIGA応答について、明らかな曝露-応答関係はなかった。
有効性及びグセルクマブに対する抗体
・ 24週目までにグセルクマブに対する抗体が陽性であった対象では、グセルクマブに対する抗体の存在はACR応答を排除しなかった。しかし、グセルクマブに対する抗体が陽性であった対象の数が少なく(n=10)、グセルクマブに対する抗体が臨床有効性に与える影響についての明確な結論には限界がある。
安全性の結果
有害事象
24週目までに報告されたAEの全体概要を表24に提供する。試験薬剤投与の平均数は、治療グループにわたって一貫していた。
Figure 2022536088000031
24週目に1つ以上のAEを経験した対象の割合は、プラセボグループと比較して、グセルクマブ治療グループにおいてわずかに高かった:グセルクマブ100mg q4wグループの46.1%、グセルクマブ100mg q8wグループ中の46.0%、及びプラセボグループの40.7%。
報告されたAEの最も高頻度のSOCは感染症と寄生虫症であり、このSOCの事象の全体的な頻度は、治療グループ間で同等であった(グセルクマブ100mg q4wグループの17.6%、グセルクマブ100mg q8wグループの15.7%、及びプラセボグループの17.1%)。2番目に多かったSOCは治験であり、このうち、グセルクマブ治療グループはプラセボグループよりもAEの発生頻度が高かった(グセルクマブ100mg q4w投与グループの14.3%、グセルクマブ100mg q8w投与グループの14.5%、及びプラセボ投与グループの7.7%)。
24週目までの重度のAEを除く任意の治療グループにおける頻度≧5%を有する最も一般的なPTを表25に示す。最も一般的な報告されたPTはALT増加(グセルクマブ100mg q4wグループの10.2%、グセルクマブ100mg q8wグループの6.0%、及びプラセボグループの4.5%)であり、次いでAST増加(グセルクマブ100mg q4wグループの4.5%、グセルクマブ100mg q8wグループの5.6%、及びプラセボグループの2.4%)であった。ALTのAESは、プラセボグループと比較して、グセルクマブ治療グループにおいてより高頻度で報告され、グセルクマブ100mg q4wグループではグセルクマブ100mg q8wグループと比較してより高かった。
Figure 2022536088000032
ベースライン年齢グループによる24週目までの有害事象
年齢を以下のグループに分けた:<45歳(n=340)、≧45歳~<65歳(n=366)、≧65歳(n=33)、及び≧75歳(n=1)。グセルクマブ治療グループでAEを報告した対象の割合は、プラセボグループと比較して、<45歳の年齢層で高く、≧45歳~<65歳の年齢層では同程度であった。≧65歳の年齢層では,AEを報告した対象の割合は,グセルクマブ100mg q4wグループがグセルクマブ100mg q8wグループ及びプラセボグループよりも高かった;しかし、この年齢層の対象数は少なかった:
・ <45歳(n=340):グセルクマブ100mg q4w、グセルクマブ100mg q8w、及びプラセボグループでそれぞれ47.2%、47.7%、及び33.7%。
・ ≧45歳~<65歳(n=366):グセルクマブ100mg q4w、グセルクマブ100mg q8w、及びプラセボグループでそれぞれ44.4%、45.9%、及び46.6%。
・ ≧65年(n=33):グセルクマブ100mg q4w、グセルクマブ100mg q8w、及びプラセボグループでそれぞれ54.5%、27.3%、及び36.4%。
非生物学的DMARDのベースライン使用による24週目までの有害事象
対象を以下のグループに分けた:なし(n=227)、MTX(n=443)、任意の非MTX DMARDs(n=69)、SSZ(n=31)、HCQ(n=3)、LEF(n=35)、及び任意のDMARD(n=512)。
24週目までに報告されたAEを有する対象の割合は、各サブグループのプラセボグループと比較して、グセルクマブ治療グループにおいてわずかに高かった。全体的に、ベースラインで何もなかったサブグループと比較して、MTX及び任意のDMARDsのサブグループでAEを報告した対象の割合が概して高かった:
・ なし(n=227):グセルクマブ100mg q4w、グセルクマブ100mg q8w、及びプラセボグループでそれぞれ46.7%、34.6%、及び29.7%。
・ メトトレキサート(n=443):グセルクマブ100mg q4w、グセルクマブ100mg q8w、及びプラセボグループでそれぞれ46.6%、52.5%、45.5%。
・ 任意のDMARD(n=512):グセルクマブ100mg q4w、グセルクマブ100mg q8w、及びプラセボグループでそれぞれ45.9%、51.2%、45.3%。
残りのサブグループの対象の数は非常に少なかった。これらの対象におけるAEプロファイルは、全般的に全体集団と一致し、これらの対象において特定のパターンが特定されなかった。
全体集団と一致して、報告されたAEの最も高頻度のSOCは、治験が最も高頻度であった非生物学的DMARDサブグループが無効であるのを除いて、全てのサブグループでの感染症と寄生虫症であった。
重度の強度の有害事象
重度の強度の1つ以上のAEを報告した対象の割合は低く、グセルクマブ100mg q4wグループで0.8%、グセルクマブ100mg q8wグループで0.4%、及びプラセボグループでる0.8%であった。全ての事象は単発的に発生した。
免疫関連有害事象
24週目までに、少なくとも1つの妥当に関連するAEを経験した対象の割合は、治療グループにわたって類似していた(グセルクマブ100mg q4wグループで16.3%、グセルクマブ100mg q8wグループで16.9%、及びプラセボグループで14.2%)。
死亡
24週目まで、この試験において、死亡は報告されなかった。
重度の有害事象
24週目に1つ以上のSAEを経験した対象の割合は、グセルクマブ100mg q4wグループで3.3%、グセルクマブ100mg q8wグループで1.2%、及びプラセボグループで2.8%であった(表26)。全ての事象は、発生が単発的であり、特定のパターンのSAEは識別されなかった。
Figure 2022536088000033
Figure 2022536088000034
ベースライン年齢グループによる24週目までの重度の有害事象
ベースラインでのSAEと年齢との間に特定の関連パターンは存在しなかった。
・ <45歳(n=340):グセルクマブ100mg q4w、グセルクマブ100mg q8w、及びプラセボグループでそれぞれ4.6%、0%、及び1.0%。
・ ≧45~<65歳(n=366):グセルクマブ100mg q4w、グセルクマブ100mg q8w、及びプラセボグループでそれぞれ2.4%、2.8%、及び4.6%。
・ ≧65年(n=33):事象は報告されなかった。
非生物学的DMARDのベースライン使用による24週目までの重度の有害事象
SAEを有する対象の割合は、SAEが報告された各サブグループの治療グループにわたって概ね同等であった。
・ なし(n=227):グセルクマブ100mg q4w、グセルクマブ100mg q8、及びプラセボグループにおいて、それぞれ4.0%、0、及び2.7%。
・ メトトレキサート(n=443):グセルクマブ100mg q4w、グセルクマブ100mg q8、及びプラセボグループにおいて、それぞれプ3.4%, 2.1%,及び3.2%。
・ 任意のDMARD(n=512):グセルクマブ100mg q4w、グセルクマブ100mg q8、及びプラセボグループにおいて、それぞれ2.9%、1.8%、及び2.9%。
残りのサブグループでは,SAEは報告されなかった。
妥当に関連する重度の有害事象
24週目までに、少なくとも1つの妥当に関連するSAEを経験した対象の割合は低かった(グセルクマブ100mg q4wグループの0.4%、グセルクマブ100mg q8wグループの0.4%、及びプラセボグループの1.2%)。
実施例2:生物学的抗-TNFα薬剤の前治療歴のある対象を含む、活性乾癬性関節炎を有する対象に、グセルクマブの皮下投与の有効性及び安全性を評価する第3相多施設ランダム化二重盲検プラセボ対照試験(CNTO1959PSA3001)
試験(CNTO1959PSA3001)は、標準的治療(例:非生物学的DMARD、アプレミラスト、NSAID)の応答が不十分な活性PsAを有する対象における、グセルクマブの第3相多施設ランダム化二重盲検プラセボ対照3アーム試験である。更に、対象(約30%)は、最大2つの抗TNFα薬剤で以前に治療されていてもよい。この試験は、6週間までのスクリーニング期、約1年(すなわち、52週)の盲検治療期から構成され、第0週から第24週までのプラセボ制御期間及び第24週から第52週までの実薬処置期間、及び第52.週後8週間の安全性追跡期間を含む。試験は、約360人の対象を登録することとした。試験は、活性乾癬性関節炎(PsA)を有する対象におけるグセルクマブの臨床有効性、安全性、及び薬物動態(PK)を評価するために実施した。二次的目的は、以下のグセルクマブ治療について評価することであった:
・ 乾癬皮膚病変の改善における有効性
・ 身体的機能の改善
方法
試験計画の概要
図10に、試験計画の図表を示す。
0週目に、全ての組み入れ及び排除基準を満たした約360人の対象を、ベースライン非生物学的DMARD使用(あり、なし)、及び以前の抗TNFα薬剤への曝露(あり、なし)によって層別化された順列ブロックランダム化を使用して、1:1:1の比で以下の3つの治療グループの1つにランダムに割り付けた。
・ グループI(n=120):グセルクマブSC 100mgを4週毎(q4w)に、0週目~48週目に投与。
・ グループII(n=120):グセルクマブSC 100mgを0週目と4週目に投与し、次いでq8w(12週目、20週目、28週目、36週目、44週目)、及び他の訪問(8週目、16週目、24週目、32週目、40週目、48週目)でプラセボ注射を行って、盲検化を維持した。
・ グループIII(n=120):0週目~20週目にプラセボSC q4wを投与し、24週目にクロスオーバーして48週目までグセルクマブ100mg q4wを投与した。
16週目に、腫脹関節数及び圧痛関節数の両方のベースラインからの<5%の改善を有するグループI、II、及びIIにおける全ての対象が、早期離脱(early escape、EE)基準を満たしているとみなされた。これらの対象は、用量レジメン上に留まり、0週目にランダム化したが、許容される同時服薬のうちの1つの投与量を、プロトコルで規定された最大許容投与量まで開始又は増加することを許可し、24週目の訪問によって完了される安定投与量まで漸増した。
有効性評価には、関節評価(膨脹関節数及び圧痛関節数)、患者による疼痛評価、患者による疾病活動性のグローバル評価(関節炎及び乾癬)、患者による疾病活動性のグローバル評価(関節炎)、疾患活動性の医師によるグローバル評価、健康評価質問票-障害指数CRP)、患者による皮膚疾患活動性の評価、乾癬の体表面積(BSA)、乾癬の面積及び重症度指数(PASI)、治験責任者による感染のグローバル評価(IGA)、指炎評価、リーズ腱付着部炎指数に基づく腱付着部炎評価、及びカナダ脊椎関節炎研究コンソーシアム(SPARCC)基準、バス強直性脊椎炎疾患活動性指数(BASDAI;末梢関節炎を伴う脊椎炎の主要なPsAサブタイプを有する対象の場合、最小限の疾患活動性(MDA)及び非常に低い疾患活動性(VLDA)、乾癬性関節炎の疾患活動性スコア(PASDAS)、乾癬及び乾癬性関節炎(GRAPPA)複合スコア(GRACE)指数のグループ研究及び評価、CRPを使用した疾患活動性スコア28(DAS28)、乾癬性関節炎の疾患活動性指数(DAPSA)、及び乾癬性関節炎応答基準(PsARC)、36項目ショートフォーム健康調査(SF-36)、慢性疾患治療の機能評価(FACIT)-倦怠感、患者報告アウトカム測定情報システム(PROMIS)-29。
安全性評価には、有害事象(AE)、重度の有害事象(SAE)、注射部位反応及びアレルギー反応、臨床検査項目(血液、化学、尿妊娠検査)、電子的コロンビア自殺重症度評価尺度(eC-SSRS)、身体検査、バイタルサイン、心電図(ECG、第0週のみ)、結核(TB)の早期発見が含まれた。
薬力学バイオマーカーの分析のための検体を全ての対象から採取した。
試験集団
標的集団は、標準的治療(非生物学的DMARDs、アプレミラスト、NSAIDsなど)の応答が不十分な、活性PsAを有する成人男性又は女性から構成された。更に、試験集団の約30%は、最大2つの抗TNFα薬剤を以前に投与された可能性がある。
この試験に適格であるためには,対象は、インフォームドコンセントの時点で18歳以上であり、試験薬の初回投与前少なくとも6カ月間にPsAと診断され、スクリーニング時に乾癬性関節炎の分類基準(CASPAR)42を満たしている必要があった。対象は、スクリーニング時及びベースラインの両方において、3以上の圧痛及び3以上の膨脹関節によって定義される活性なPsA、並びにスクリーニング時にCRP ≧0.3mg/dLを有する必要があった。対象は、非生物学的DMARD(≧3ヶ月)、アプレミラスト(≧4ヶ月)、及び/又はNSAID(≧4週間)を含む標準的なPsA治療に対する不十分な応答又は不耐性の文書化された証拠を有する必要があった。最大で2つの抗TNFα薬剤への以前の曝露を有する対象は許容されたが、試験集団の約30%に限定された。
対象は、以下のPsAのサブセットのうち、少なくとも1つを有する必要があった:遠位指節間(DIP)関節病変、リウマチ性結節のない多関節性関節炎、破壊性関節炎、非対称性末梢関節炎、末梢関節炎を伴う脊椎炎。更に、対象は、少なくとも1つの直径≧2cmの乾癬性プラーク、又は乾癬に一致する爪の変化、又は文書化されたプラーク乾癬の病歴を有する、活性プラーク乾癬を有している必要があった。
対象は、試験中に、安定投与量の非生物学的DMARD(MTX[≦25mg/週]、SSZ[≦3g/日]、HCQ[≦400mg/日]、又はLEF[≦20mg/日]に限定される)、低用量経口コルチコステロイド(1日当たり≦10mgのプレドニゾン又は均等物)、又はNSAID及び他の鎮痛剤治療を継続させることが可能であった。ベースラインでこれらの薬剤を使用していなかった対象は、試験薬の初回投与の≧4週間(MTX、SSZ、HCQの場合)、≧12週間(LEFの場合)、又は≧2週間(NSAID及びその他の鎮痛剤、経口コルチコステロイドの場合)前にこれらの薬剤を中止する必要があった。更に、対象は、試験室試験結果及びTB履歴及び試験結果をスクリーニングするための基準を満たし、適切な出生制御手段を使用することに同意し、長期間の日光曝露を回避し、試験中の日焼けブース又は他の紫外線源の使用を回避する必要があった。
投与量及び投与
全ての試験薬剤(グセルクマブ及びプラセボ)をSC注射により投与した。PsAを有する対象におけるグセルクマブの臨床有効性、安全性、PKデータ、及び第2相試験(CNTO1959PSA2001)のデータを用いた曝露応答モデル分析に基づき、グセルクマブの第3相PsAプログラムで評価するために2つの用量レジメンを選択し、適格な対象をランダムに割り付け、0週目に以下の3つの治療の1つを投与した:
・ グセルクマブ100mg q4w:0週目~48週目にSCグセルクマブ100mg q4wを受けた。
・ 0週目及び4週目にグセルクマブ100mg、次いでq8w(以下、グセルクマブ100mg q8wグループと呼ぶ):対象は、0週目及び4週目でSCグセルクマブ100mgを、次いでq8w(12、20、28、36、44週目)、及び他の訪問(8、16、24、32、40、48週目)でのプラセボ注射を受けて、盲検化を維持した。
・ プラセボ:0週目~20週目のSCプラセボq4w、及び24週目でクロスオーバーして24週目~48週目にSCグセルクマブ100mgq4wを受けた。
0週目と4週目に、次いで8週毎にグセルクマブ100mgの用量レジメンの根拠
・ この用量レジメンを、PsAの第2相試験(CNTO1959PSA2001)及び乾癬の3つのグローバル第3相試験において評価した。CNTO1959PSA2001試験では、関節の兆候及び症状、身体的機能、乾癬、腱付着部炎、指炎、並びに活性PsA及びBSAの≧3%の乾癬患者における生活の質を含むPsAの全ての重要なドメインにおいて、この用量レジメンにより、強固な有効性及び臨床的に意味のある改善が観察された。更に、第3相乾癬試験では、中等度から重度の乾癬患者のプラーク乾癬に対しても、この用量レジメンで有意な利益が観察された。
・ 更なる用量を4週目に含めて、トラフグセルクマブレベルが定常状態レベルで得られたものよりも低下しないことを確実にした。4週目の追加投与により、最初の12週間のCmax及びCtroughが定常状態での値(それぞれ、約21%及び約18%)よりもわずかに高くなり、その結果、応答がより早く発現する可能性がある。しかしながら、この用量レジメンは、維持中のq8w投与、すなわち、24週目以降からのq8w投与によって達成されるよりも、第24週において実質的に高いレベルの有効性をもたらすとは予想されない。
・ この用量レジメンの安全性は、大規模な乾癬開発プログラムで確立されている。更に、PsA及びRAを有する患者における第2相試験における安全性プロファイルは、乾癬プログラムにおいて見られるものと一致する。
4週毎のグセルクマブ100mgの用量レジメンの根拠
・ 100mg q4wの用量レジメンを含めて、より高頻度の投与がPsAにおいてより高い有効性を達成し得るかどうかを判定した。
・ CNTO1959PSA2001からのデータに基づくモデル分析は、より高い又はより高頻度の用量レジメンが、PsAにおいてより良好な有効性を達成し得ることを示唆した。
・ 抗TNFα又は他の生物学的治療に対する不十分な応答を有する患者は、治療することがより困難であり、より高い投与量25から利益を得ることができる。
・ 100mgのq4w用量レジメンによる治療は、第3相乾癬プログラムにおける曝露安全性分析に基づいて許容可能な安全性をもたらすことが予想された。
・ グセルクマブは、第2相RA試験(200mg q8w)で試験された、より高い用量レジメンを含む、複数の患者集団において許容可能な安全性プロフィールを有することが示されている。
全体として、本試験のために選択されたグセルクマブ(100mg q4w及び100mg q8w)の2回用量レジメンは、PsAにおけるグセルクマブの最適な利益/リスクプロファイルの適切な評価を提供することが予想された。
試験薬剤は、第0週及び第4週で健康管理専門家(HCP)によって、施設で投与された。8週目で始めて、治験責任者及び対象の裁量において、及び適切かつ文書化されたトレーニングの後、対象は、HCPの監督下の治験施設での自己投与試験薬剤の選択肢を有し、又はHCPによって行われる試験薬剤注射を継続した。
施設における24週目までの試験薬剤投与は、予定された試験薬剤投与日から±4日に行うこととした。試験薬剤投与は、少なくとも14日間離すこととした。
有効性評価-エンドポイント
一次エンドポイント
一次エンドポイントは、24週目にACR 20応答を達成する対象の割合である。
主要な二次エンドポイント
1. ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性病変及び≧2(軽度)のIGAスコアを有する対象のうち、24週目でIGA(すなわち、ベースラインから0[クリア]又は1[最小]及び≧2のグレード低下)の乾癬応答を有する対象の割合。
2. 24週目のHAQ DIスコアのベースラインからの変化。
3. 24週目のSF-36 PCSのベースラインからの変化。
4. 24週目のDAS28 MCSのベースラインからの変化。
5. 16週目にACR 20応答を達成する対象の割合。
6. 24週目にACR 50応答を達成するr対象の割合。
7. 24週目にACR 70応答を達成する患者の割合。
8. 16週目にACR 50応答を達成する患者の割合。
9. ベースラインにおける腱付着部炎を有する対象の中の24週目に腱付着部炎の解消を有する対象の割合。
10. ベースラインにおいて腱付着部炎を有する対象における、24週目の(LEIに基づく)腱付着部炎スコアのベースラインからの変化。
11. ベースラインにおいて指炎を有する対象の中の24週目に指炎の解消を有する対象の割合。
12. ベースラインにおいて指炎を有する対象における、24週目の指炎スコアのベースラインからの変化。
13. 24週目のSF-36 MCSのベースラインからの変化。
他の二次エンドポイント
兆候及び症状の低減並びに身体機能に関連したエンドポイント
1. 24週目までの経時的な訪問による、ACR 20、ACR 50、及びACR 70応答を達成した対象の割合。
2. 24週目までの訪問によるACRコンポーエント。
3. 24週目までの経時的な訪問によるACRコンポーネント中のベースラインからの変化百分率。
4. 24週目までの経時的な訪問によるHAQ-DIスコアのベースラインからの変化。
5. ベースラインでHAQ-DIスコアが≧0.35の対象のうち、24週目までの経時的な訪問によってHAQ-DIスコアの臨床的に意味のある改善(ベースラインから≧0.35の改善)を達成した対象の割合。
6. 24週目までの経時的な訪問による、DAS28(CRP)応答を達成した対象の割合。
7. 24週目までの経時的な訪問による、DAS28(CRP)寛解を達成した対象の割合。
8. 24週目までの経時的な訪問によるDAS28(CRP)のベースラインからの変化。
9. 24週目までの経時的な訪問による、修正PsARCに基づいて応答を達成した対象の割合。
10. ベースラインで建腱付着部炎を有する対象の中で、24週目までの経時的な訪問による、腱付着部炎の解消を有する対象の割合。
11. ベースラインで腱付着部炎を有する対象における、24週目までの経時的な訪問による腱付着部炎スコアのベースラインからの変化。
12. ベースラインで指炎を有する対象のうち、24週目までの経時的な訪問による、指炎の解消を有する対象の割合。
13. ベースラインで指炎を有する対象における、24週目までの経時的な訪問による指炎スコアのベースラインからの変化。
14. 24週目までの経時的な訪問スコアによるPASDASのベースラインからの変化。
15. 24週目までの経時的な訪問によるGRACE指数のベースラインからの変化。
16. 24週目までの経時的な訪問によるDAPSAスコアのベースラインからの変化。
17. 24週目までの経時的な訪問による、MDAを達成した対象の割合。
18. ベースラインでのPsA及びBASDAIスコア>0の主要な関節炎の症状として、脊椎炎及び末梢関節病変のある対象のうち、24週目までの経時的な訪問による、BASDAIスコアでベースラインから≧20%、≧50%、≧70%、及び≧90%の改善を達成した対象の割合。
19. ベースラインで脊椎炎及びPsAの末梢関節炎の症状を示しBASDAIが>0の対象における、24週目までの経時的訪問によるBASDAIスコアのベースラインからの変化。
20. 24週目までの経時的な訪問による、PASDASに基づく疾患活動性が低い又は非常に低い対象の割合。
21. 24週までの経時的な訪問による、GRACEスコアに基づく疾患活動性が低い又は非常に低い対象の割合。
22. 24週目までの経時的な訪問による、DAPSAに基づく低い疾患活動性又は寛解を有する対象の割合。
23. 24週目までの経時的な訪問による、疾患活動性が非常に低い対象の割合。
皮膚疾患に関連したエンドポイント
1. ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性病変及び≧2(軽度)のIGAスコアを有する対象のうち、24週目までの経時的訪問による、PASIスコアがベースラインから≧75%、≧90%、及び100%改善を達成した対象の割合。
2. ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性病変及び≧2(軽度)のIGAスコアを有する対象のうち、24週目までの経時的訪問による、PASI 75応答及びACR 20応答の両方を達成した対象の割合。
3. ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性病変及び≧2(軽度)のIGAスコアを有する対象のうち、24週目までの経時的訪問による、PASI 75応答及びPsARC応答の両方を達成した対象の割合。
4. ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性病変及び≧2(軽度)のIGAスコアを有する対象のうち、24週目までの経時的訪問による、0(クリア)のIGAスコアを有する対象の割合。
5. ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性病変及び≧2(軽度)のIGAスコアを有する対象における、24週目までの経時的訪問によるPASIスコアのベースラインからの変化。
健康関連の生活の質に関連したエンドポイント
1. 24週目までの経時的な訪問によるSF-36PCSスコアのベースラインからの変化。
2. 24週目までの経時的な訪問によるSF-36 MCSスコアのベースラインからの変化。
3. 24週目までの経時的訪問によるSF-36のドメインスケールスコアのベースラインからの変化。
4. 24週目までの経時的訪問による、SF-36 MCSスコアのベースラインからの≧5点改善を達成した対象の割合。
5. 24週目までの経時的訪問による、SF-36 PCSスコアのベースラインからの≧5点改善を達成した対象の割合。
6. 24週目までの経時的訪問によるFACIT倦怠感のベースラインからの変化。
7. 24週目までの経時的訪問による、FACIT倦怠感スコアの改善においてベースラインから≧4点改善を達成した対象の割合。
8. 24週目までの経時的な訪問によるPROMIS 29スコアのベースラインからの変化。
9. 24週目のACR 20応答(一次エンドポイント)による24週目のFACIT-倦怠感スコアのベースラインからの変化。
10. 24週目のACR 20応答(一次エンドポイント)による、24週目にFACIT-倦怠感スコアのベースラインから≧4ポイントの改善を達成した対象の割合。
11. 24週目までの訪問による、PROMIS-29ドメインスコアの≧3ポイントの改善を達成した対象の割合。
12. 24週目までの訪問による、PROMIS-29ドメインスコアの≧5ポイントの改善を達成した対象の割合。
結果
薬物動態、免疫原性、薬力学、及び薬理学的結果
少なくとも1回のグセルクマブ投与を受け、グセルクマブ投与後に採取された少なくとも1つの有効検体を有する全254人の対象を、PK評価に含めた。プラセボのみを受けた対象は、PK評価から除外された。
経時的血清グセルクマブ濃度
24週目までのグセルクマブ治療グループ及び受診別のトラフ血清グセルクマブ濃度の中央値及びIQ値の範囲を図11にグラフで示した。
グセルクマブのSC投与後、トラフ血清グセルクマブ濃度は、グセルクマブ100mg q4wグループでは12週目までに、100mg q8wグループでは20週目までに、概ね定常状態に達した(図11)。グセルクマブ100mg q4wグループでは、12週目の定常状態トラフ血清グセルクマブ濃度の中央値は3.90μg/mLであり、24週目まで維持された(4.34μg/mL)。グセルクマブ100mg q8wグループでは、20週目の定常状態トラフ血清グセルクマブ濃度の中央値は0.95μg/mLであった。グセルクマブ100mg q4wグループの定常状態トラフ血清グセルクマブ濃度の中央値は、グセルクマブ100mg q8wグループに比べて約4~5倍高かった(図11)。
グセルクマブ100mg q4wグループでは、EE基準を満たした対象と満たさなかった対象の12週目の定常状態トラフ血清グセルクマブ濃度の中央値は、それぞれ1.41及び3.99μg/mLであった。グセルクマブ100mg q8wグループでは、EE基準を満たした対象と満たさなかった対象の20週目の定常状態トラフ血清グセルクマブ濃度の中央値は、それぞれ0.89及び0.96μg/mLであった。EE基準を満たした対象では、中央値定常状態トラフグセルクマブ濃度が低くなっているようであった。しかし、EE基準を満たした対象の数は各治療グループで少なかった(n≦4)ことに留意されたい。
グセルクマブに対する抗体の発生率
グセルクマブに対する抗体評価には、グセルクマブの投与を少なくとも1回以上受け、グセルクマブに対する抗体を検出するための適切な検体を有する対象合計254名が含まれた。
24週目までのグセルクマブに対する抗体の全体的な発生率は、PsAを有する対象において低かった(2.0%、5/254)(表27)。グセルクマブ100mg q4wグループでは、24週目までのグセルクマブに対する抗体の発生率は3.1%(4/128)であった。グセルクマブ100mg q8wグループでは,24週目までのグセルクマブに対する抗体の発生率は0.8%(1/126)であった。グセルクマブ100mg q4wグループで、観察されたグセルクマブに対する抗体の最高力価は1:5120であった。
グセルクマブ状況に対する抗体が陽性の状態であった5名の対象のうち、グセルクマブ100mg q4wグループの1名(20%)の対象は、グセルクマブに対するNAbsが陽性であった。
ベースラインにおいてMTXを使用した場合と使用しない場合のグセルクマブに対する抗体の発生率は、それぞれ1.4%(2/139)、2.6%(3/115)であった。ベースラインでDMARDを使用した場合としなかった場合のグセルクマブに対する抗体の発生率は、それぞれ1.2%(2/164)と3.3%(3/90)であった。全体として、MTX又はDMARDを併用している対象では、DMARDのMTXを併用していない対象と比較して、24週目までのグセルクマブに対する抗体の発生率は低いようであった。しかし、グセルクマブに対する抗体が陽性の状態となった対象の数は少なく、MTXやDMARDの併用にかかわらず、グセルクマブ状況に対する抗体の発生率は低かったことに留意されたい。
更に、以前の抗TNFαの使用は、グセルクマブに対する抗体の発生率に明らかな影響を及ぼさなかった。以前の抗TNFαの使用がある場合とない場合のグセルクマブに対する抗体の派生率は、それぞれ2.5%(2/79)、1.7%(3/175)であった。
Figure 2022536088000035
グセルクマブに対する抗体及び薬物動態
グセルクマブで治療を受けた対象の24週目までの血清グセルクマブ濃度を、治療グループ及びグセルクマブに対する抗体の状態によりまとめた。24週目までの血清グセルクマブ濃度の中央値及びIQ範囲を、24週目までのグセルクマブに対する抗体の状態により、図12にグラフで示した。グセルクマブに対する抗体が陽性であった対象の24週目までの個々の血清グセルクマブ濃度も記載した。
グセルクマブ100mg q4wグループでは、グセルクマブに対する抗体が陽性の状態であった4名の対象において、血清グセルクマブ濃度の中央値が、グセルクマブに対する抗体が陰性であった対象と比較して低くなっていた。グセルクマブ100mg q8wグループでは、グセルクマブに対する抗体が陽性であった対象は1名のみであり、この対象は12週目までのみ血清濃度を測定した。グセルクマブに対する抗体が陽性であった対象の数は非常に少なく(n=5)、グセルクマブのPKに対する免疫原性の影響に対する明確な結論には限界があることに留意されたい(図12)。
有効性の結果
一次有効性エンドポイント分析
第24週におけるACR 20応答
24週目には、グローバル(米国外)及び米国固有の多重度試験手順の両方に基づき、ACR 20応答を達成した対象の割合が、プラセボグループ(22.2%)と比較して、グセルクマブ100mg q4wグループ(59.4%)及びグセルクマブ100mg q8wグループ(52.0%)ともに有意に高かった(いずれも調整後p<0.001、表28))。ACR 20応答率は、グセルクマブ100mg q4wグループがグセルクマブ100mg q8wグループと比較してわずかに高かった。
Figure 2022536088000036
24週目のACR 20応答については、グセルクマブの両用量グループにおいて、全ての人口統計学的サブグループでプラセボに対する改善が一貫して観察された。性別、人種、年齢、体重又はBMI、及び参加国によって定義されたサブグループの大部分において、プラセボと比較した各グセルクマブ治療グループのオッズ比の95%CIの下限は1を超え、ACR 20応答者の割合の差の95%CIの下限は0を超え、グセルクマブ投与グループに有利であった。
プラセボに対する改善は、以前の非生物学的DMARD若しくは抗TNFα薬剤の使用、又はNSAID、経口コルチコステロイド、若しくは非生物学的DMARDのベースライン使用によって定義されたサブグループの大部分の2つのグセルクマブ用量グループの各々で24週目のACR20応答で一貫して観察された。これらのサブグループの大部分において、プラセボと比較した各グセルクマブ投与グループのオッズ比の95%CIの下限は1を超え、ACR 20応答者の割合の差の95%CIの下限は0を超え、グセルクマブ投与グループが有利であった。非生物学的DMARD又は抗TNFα薬剤への応答が不十分であった対象においても、プラセボに対する改善が観察された。
主要二次有効性エンドポイント分析
グローバル(米国外)及び米国固有の試験手順の両方で多重度が制御された主要な二次エンドポイント
24週目における乾癬IGA応答
ベースラインで、グセルクマブ100mg q4wグループ89人、グセルクマブ100mg q8wグループ82人、プラセボグループ78人の対象は、BSAの≧3%の乾癬性病変、≧2のIGAスコアを有した。これらの対象のうち、両グセルクマブグループで、プラセボグループと比較して、24週目にIGAスコアが0(クリア)又は1(最小)となり、ベースラインから≧2グレード低下した対象の割合が有意に高かった(グローバル及び米国固有の調整後p<0.001、表29)。
Figure 2022536088000037
24週目までのHAQ-DIスコアのベースラインからの変化
HAQ-DIにより身体的機能を評価した。24週目には、HAQ-DIスコアのベースラインからの低下が、複合推定値に基づき、グセルクマブ100mg q4w及びグセルクマブ100mg q8wの両グループで、プラセボグループに比べて有意に大きいことが確認された(グローバル及び米国固有の調整後p<0.001の両方;表30)
Figure 2022536088000038
Figure 2022536088000039
24週目のSF-36 PCSのベースラインからの変化。
健康関連の生活の質を、SF-36を使用して評価した。24週目には、SF-36 PCSスコアのベースラインからの改善が、複合推定値に基づいて、グセルクマブ100mg q4w及びグセルクマブ100mg q8wの両グループで、プラセボグループに比べて有意に大きいことが確認された(グローバル及び米国固有の調整済みp<0.001の両方;表31)。
Figure 2022536088000040
24週目のDAS28 (CRP)のベースラインからの変化
24週目には、DAS28 (CRP)スコアのベースラインからの低下が、グセルクマブの両グループで、プラセボに比べて有意に大きいことが確認された(グローバル及び米国固有の調整後p<0.001の両方;表32)。
Figure 2022536088000041
Figure 2022536088000042
第16週におけるACR 20応答
16週目に、両方のグセルクマブグループの対象の有意に高い割合がプラセボグループの対象と比較してACR 20応答を達成した(両方ともグローバル調整後p<0.001;表33)。
Figure 2022536088000043
第24週におけるACR 50応答
24週目に、両方のグセルクマブグループの対象の有意に高い割合がプラセボグループの対象と比較してACR 50応答を達成した(両方ともグローバル調整後p<0.001;表34)。
Figure 2022536088000044
24週目におけるACR 70応答
グセルクマブ100mg q4w用量レジメン。24週目に、グセルクマブ100mg q4wグループの対象の有意に高い割合がプラセボグループの対象と比較してACR 70応答を達成した(グローバル調整後p<0.001;表35)。
グセルクマブ100mg q8w用量レジメン。プラセボグループの対象と比較して、グセルクマブ100mgのq8wグループにおける数値的に大きな割合の対象が、第24週目のACR 70応答を達成した。しかしながら、統計的有意性は達成されなかった(グローバル調整後p=0.086;表35)。
Figure 2022536088000045
第16週におけるACR 50応答
グセルクマブ100mg q4w用量レジメン。16週目に、グセルクマブ100mg q4wグループの対象の有意に高い割合がプラセボグループの対象と比較してACR 50応答を達成した(両方ともグローバル調整後p=0.006;表36)。
グセルクマブ100mg q8w用量レジメン。プラセボグループの対象と比較して、グセルクマブ100mgのq8wグループにおいて数値的に大きな割合の対象が、第16週目のACR 50応答を達成した。しかしながら、統計的有意性は達成されなかった(グローバル調整後p=0.086;表36)。
Figure 2022536088000046
多重度が制御されていない主要な二次エンドポイント
LEIを使用して評価された腱付着部炎
腱付着部炎に関連するエンドポイントは、ベースラインでLEIによって評価された腱付着部炎の対象で評価された:グセルクマブ100mg q4wグループの73人の対象、グセルクマブ100mg q8wグループの72人の対象、及びプラセボグループの77人の対象。
グセルクマブの腱付着部炎への影響を、2つのアプローチを使用して評価した:24週目に腱付着部炎(LEI)の解消を達成した対象の数と、複合推定値に基づく24週目の腱付着部炎スコア(LEI)のベースラインからの変化。腱付着部炎の解消が見られない場合、非応答者の代入が使用され、LEIのベースラインからの変化が欠落している場合はMIが使用された。
24週目の腱付着部炎の解消
24週目には、ベースライン時に腱付着部炎を有していた222名(58.3%)の対象のうち、グセルクマブ100mg q4wグループの47.9%及びグセルクマブ100mg q8wグループの40.3%が腱付着部炎の解消を達成したのに対し、プラセボグループでは27.3%であった(それぞれ名目p=0.013、p=0.094)。
24週目における腱付着部炎スコアのベースラインからの変化
24週目には、ベースライン時に腱付着部炎を有していた222名(58.3%)の対象のうち、LEIスコアのベースラインからのLS平均変化は、プラセボグループの-1.01に対して、グセルクマブ100mg q4wグループで-1.75、グセルクマブ100mg q8wグループで-1.35であった(それぞれ名目p=0.004、名目p=0.185)。
指炎
指炎に関連するエンドポイントは、ベースラインで指炎を有していた対象:グセルクマブ100mg q4wグループの38人の対象、グセルクマブ100mg q8wグループの49人の対象、及びプラセボグループの55人の対象において評価した。
グセルクマブの指炎への影響を、2つのアプローチを使用して評価した:24週目に指炎の解消を達成した対象の数と、複合推定値に基づく24週目の指炎スコアのベースラインからの変化。指炎の解消が欠落している場合は非応答者の代入が使用され、指炎のベースラインからの変化が欠落している場合はMIが使用された。
24週目の指炎の解消
24週目には、ベースライン時に指炎を有していた142名(37.3%)のうち、グセルクマブ100mg q4wグループ(63.2%、名目p=0.212)及びグセルクマブ100mg q8wグループ(65.3%、名目p=0.088)では、プラセボグループ(49.1%)と比較して、指炎が解消された対象の割合が数値的に増加した。
24週目における指炎スコアのベースラインからの変化
24週目には、ベースラインで指炎を有していた142名(37.3%)のうち、グセルクマブ100mg q4wグループ(ベースラインからのLS平均変化:-5.82、名目p=0.225)及びグセルクマブ100mg q8wグループ(ベースラインからのLS平均変化:-6.11、名目p=0.121)では、プラセボグループ(ベースラインからのLS平均変化:-4.30)と比較して、指炎スコアのベースラインからの低下が数値的に大きかった。
24週目におけるSF-36 MCSのベースラインからの変化
24週目には、プラセボグループ(LS平均:2.37)に比べ、グセルクマブ100mg q4wグループ(LS平均:3.60、名目p=0.214)及びグセルクマブ100mg q8wグループ(LS平均:3.20、名目p=0.398)で、SF-36 MCSスコアのベースラインからの改善が数値的に大きく観察された。
関節の兆候及び症状の低減に関連した他の有効性エンドポイント
24週目までのACR 20、ACR 50、ACR 70応答
24週目までのACR 20、ACR 50、ACR 70応答は、グセルクマブの2グループで、プラセボグループに比べて一貫して高かった。
グセルクマブ100mg q4wグループでは、ACR 20、ACR 50、ACR 70の応答率がプラセボグループから分離したのは、それぞれ4週目、12週目、20週目に初めて観察された(名目p≦0.05と定義)。グセルクマブ100mg q8wグループでは、ACR 20及びACR 50の応答率のプラセボからの分離は、それぞれ8週目及び12週目に初めて観察された。ACR20の最大の応答は、グセルクマブ100mg q4wでは20週目、グセルクマブ100mg q8wでは16週目に観察された。
ACR20、ACR50、ACR70の応答率は、24週目まで経時的に、グセルクマブ100mg q4wグループの方がグセルクマブ100mg q8wグループよりも数値的に高く、24週目のACR70の応答率で最大の差が観察された(図13、図14、図15)。
ACRコンポーネント
ACR応答の7つのコンポーネントは、膨脹関節数と圧痛関節数、患者による疼痛の評価(VAS)、患者と医師による疾患活動性のグローバル評価(VAS)、HAQ-DI、CRPである。
ACRの各コンポーネントのベースラインからの低下百分率の中央値は、24週目まではグセルクマブ治療の両グループで概ね増加した。HAQ-DIを除くほとんどのACRコンポーネントでは、両グセルクマブ治療グループとも4週目からプラセボと比較してベースラインからの低下百分率が数値的に大きくなった。HAQ-DIについては、グセルクマブ100mg q4wグループでは4週目から、グセルクマブ100mg q8wグループでは8週目からプラセボとの数値差が観察された。
24週目に、プラセボグループと比較したグセルクマブ100mg q4wグループ及び100mg q8wグループのACRコンポーネントのベースラインからの変化百分率(中央値)は以下の通りであった。
・ 膨脹関節数:それぞれ、-60.0%と比較して、-87.5%と83.3%
・ 圧痛関節数:それぞれ、-37.8%比較して、66.7%と66.7%
・ 患者による疼痛評価:それぞれ、-8.20%と比較して、-39.33%と37.50%
・ 患者による疾患活動性のグローバル評価:それぞれ、-10.23%比較して、-44.00%と42.86%
・ 医師による疾患活動性のグローバル評価:それぞれ、-32.43%比較して、-70.21%と58.31%
・ HAQ-DIスコアHAQ-DIスコア:それぞれ-6.9048%比較して、-33.3333%と25.0000%
・ CRP:それぞれ、-21.185%比較して、-37.423%と-24.423%
24週目までのACRコンポーネントに観察された、グセルクマブ治療2グループ間に一貫した差はなかった。
DAS28(CRP)
早くも4週目における第1の評価で、DAS28(CRP)スコアのベースラインからの変化におけるプラセボからの分離が、両方のグセルクマブ治療グループにおいて観察された。治療効果は、プラセボと比較して、グセルクマブ100mg q4w及びq8wグループの両方について、24週目まで経時的に増加した(両方の名目P<0.001;表32)。治療効果は,グセルクマブ100mg q4wグループがグセルクマブ100mg q8wグループに比べて数値的に大きく、特に16週目~24週目に最も顕著であった。
16週目のDAS28(CRP)スコアのベースラインからの変化について、治療方針推定値に基づく転換点分析を、データ欠落に対するMIを用いて行った。
24週目までのDAS28(CRP)応答
DAS28(CRP)が良好又は中等度の応答を達成した対象の割合は、両グセルクマブ治療グループともに時間の経過とともに増加し、12週目にピークに達した(プラセボからの分離は、グセルクマブ100mg q4w投与グループでは4週目から、グセルクマブ100mg q8w投与グループでは8週目から観察された)。
24週目にDAS28(CRP)の良好又は中等度の応答を達成した対象の割合は、プラセボグループの44.4%(いずれも名目p<0.001)に対し、グセルクマブ100mg q4wグループでは76.6%、グセルクマブ100mg q8wグループでは70.9%であった。
効果の大きさは,4週目及び12週目~24週目において,グセルクマブ100mg q8wグループよりもグセルクマブ100mg q4wグループのほうが数値的に大きかった。
24週目までにDAS28(CRP)寛解(<2.6)を達成した対象の割合は、2つのグセルクマブグループでプラセボグループと比較して一貫して高かった。プラセボからの分離は、グセルクマブ100mg q4wグループでは12週目~24目、グセルクマブ100mg q8wグループでは12週目、16週目、24週目に観察されたが、20週では観察されなかった(プラセボの応答が高かったため)。ピーク応答は、両方のグセルクマブ治療グループで20週目に観察され、治療効果は、16週目から24週目までに、グセルクマブ100mgq8wグループよりもグセルクマブ100mgq4wグループで数値的に大きかった。
24週目に、DAS28(CRP)の寛解は、プラセボグループ(12.7%、それぞれ名目p<0.001、名目p=0.025)と比較して、グセルクマブ100mg q4wグループとグセルクマブ100mg q8wグループで高い割合で達成された(それぞれ35.9%、23.6%)。
24週目までの修正PsARCに基づく応答
グセルクマブ治療グループの両方において修正PsARC応答を達成した対象の割合は、4週目~24週目に経時的に増加した。プラセボからの分離は、グセルクマブ100mg q4wグループでは4週目から、グセルクマブ100mg q8wグループでは8週目から観察された。ピーク応答は、グセルクマブ治療グループの両方についての20週目で観察され、治療効果は、4週目及び12週目から24週目まで、グセルクマブ100mg q8wグループにおける治療効果よりもグセルクマブ100mg q4wグループにおける治療効果の方が数値的に大きかった。
24週目に、修正PsARC応答を達成した対象の割合は、プラセボグループの31.0%に対し、グセルクマブ100mg q4wグループで72.7%、グセルクマブ100mg q8wグループで59.8%であった(いずれも名目p<0.001)。
DAPSA指数
24週目までのDAPSAのベースラインからの変化。グセルクマブ100mgq4wグループ及び100mg q8wグループでは、プラセボグループと比較して、4週目~24週目の経時的なDAPSA指数のベースラインからの変化の大きな改善が観察された(全ての名目p<0.05)。両方のグセルクマブ治療グループで16週目~24週目にピーク効果が観察され、効果の大きさは4週目~24週目の2つのグセルクマブ治療グループ間で同等であった。
24週目に、DAPSA指数のベースラインからの低下は、プラセボグループ(ベースラインからのLS平均変化:-10.749;両方の名目p<0.001)と比較して、グセルクマブ100mg q4wグループ(ベースラインからのLS平均変化:-20.621)及びグセルクマブ100mg q8wグループ(ベースラインからのLS平均変化:-21.332)で数値的に大きかった。
DAPSAに基づく低疾患活動性又は寛解
低い疾患活動性:24週目まで、DAPSA指数に基づく低疾患活動性を達成した対象の割合は、プラセボグループと比較して、2つのグセルクマブグループで一貫して高かった。プラセボからの分離は、グセルクマブ100mg q4wグループでは8週目~24週目に、グセルクマブ100mg q8wグループでは16週目~24週目に観察された。24週目に、DAPSA指数に基づいて低い疾患活動性を達成した対象の割合は、プラセボグループの16.7%と比較して、グセルクマブ100mg q4wグループで49.2%、グセルクマブ100mg q8wグループで40.9%であった(両方の名目p<0.001)。
寛解:24週目まで、DAPSA指数に基づいて寛解を達成したs対象の割合は、プラセボグループと比較して2つのグセルクマブグループで数値的に高かった。プラセボからの分離は、グセルクマブ100mg q4wグループでは20週目と24週目に観察され、グセルクマブ100mgq8wグループでは24週目まで観察されなかった。24週目に、DAPSA指数に基づいて寛解を達成した対象の割合は、プラセボグループの4.8%と比較してグセルクマブ100mg q4wグループ(名目p=0.017)で14.1%、グセルクマブ100mg q8wグループ(名目p=0.785)で6.3%であった。
身体的機能に関連した他の有効性エンドポイント
24週目までのHAQ-DIスコアのベースラインからの変化
24週目までに、プラセボと比較して、HAQ-DIのベースラインからの数値的により大きな低下が、2つのグセルクマブグループで経時的に一貫して観察された。プラセボからの分離は、グセルクマブ100mg q4wグループでは4週目~24週目に、グセルクマブ100mg q8wグループでは12週目~24週目に観察され、グセルクマブ100mgq4wグループでは24週目に、グセルクマブ100mgq8wグループでは20週目に最大の効果が観察された。効果の大きさは,4週目から24週目まで,グセルクマブ100mg q8wグループよりもグセルクマブ100mg q4wグループで数値的に大きかった。
16週目のHAQ-DIスコアのベースラインでの変化について、MI及びANCOVAを使用した治療方針推定値に基づく転換点分析を行った。治療方針推定値に基づく結果は、主な分析のものと一致した。グセルクマブ100mg q4wグループ、グセルクマブ100mg q8wグループ、及びプラセボグループにおいて、1、3、及び4人の対象が存在した;転換点分析では、グセルクマブにペナルティを課し、及び/又はプラセボを有利にする非現実的な仮定の下でのみ結果が転換することが示され、結果の堅牢性が示された。
24週目までのHAQ DI応答
ベースラインでは、グセルクマブ100mg q4wグループの110人の対象、グセルクマブ100mg q8wグループの112人の対象、及びプラセボグループの110人の対象のHAQ-DIスコアは、≧0.35であった。24週目まで、2つのグセルクマブグループで、プラセボと比較して、より高いHAQ-DI応答率(ベースラインから≧0.35の改善として定義)が経時的に一貫して観察された。プラセボからの分離は、両方のグセルクマブ治療グループで8週目~24週目に観察された。ピーク効果は、グセルクマブ100mg q4wグループでは16週目に、グセルクマブ100mgq8wグループでは20週目に観察された。効果の大きさは、12週目~24週目においては、グセルクマブ100mgq8wグループよりもグセルクマブq4wグループの方が数値的に大きかった。24週目に、ベースラインでHAQが≧0.35であった対象のうち、HAQ-DI応答を達成した対象の割合は、グセルクマブ100mg q4wグループで57.3%(名目p<0.001)、グセルクマブ100mg q8wグループで50.9%(名目p=0.001)であったのに対し、プラセボグループでは29.1%であった。
皮膚疾患に関連した他の有効性エンドポイント
皮膚疾患に関連するエンドポイントは、ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性病変及び≧2(軽度)のIGAスコアを有する対象で評価された:グセルクマブ100mg q4wグループで89人の対象、グセルクマブ100mgq8wグループで82人の対象、及びプラセボグループで78人の対象。0、16、及び24週目にIGA及びPASIの評価を収集した。
IGA
24週目までの乾癬IGA応答
ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性病変及び≧2のIGAスコアを有する対象249人(65.4%)のうち、16週目に乾癬応答(IGAが0[クリア]又は1[ミニマム]、ベースラインからのグレード低下が≧2)を達成した対象の割合は、プラセボグループ(16.7%、名目p<0.001)と比較して、グセルクマブ100mg q4wグループ(64.0%)及び100mg q8w(62.2%)グループで高かった。24週目に、IGA応答を達成した対象の割合は、グセルクマブ100mg q4wグループでさらに増加し、プラセボグループと比較してグセルクマブ100mg q8wグループで高いままであった(両方とも名目p<0.001;表29)。効果の大きさは、16週目の2つのグセルクマブ治療グループ間で同等であり、24週目のq8wグループと比較してグセルクマブ100mgq4wグループで数値的に高かった。
MIを使用した治療方針推定値に基づく転換点分析を、IGAスコアが0(クリア)又は1(最小)で、16週目にベースラインから≧2グレード低下した対象の数について実施した。
24週目まで0(クリア)のIGAスコア
ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性皮膚病変及び≧2のIGAスコアを有する249(65.4%)人の対象の中で、16週目にIGAスコア0(クリア)を達成した対象の割合は、プラセボグループに比べてグセルクマブ100mg q4wグループ及び100mg q8wグループで高かった(いずれも名目p<0.001;表37)。24週目に、0(クリア)のIGAスコアを達成した対象の割合は、プラセボグループの7.7%(名目p<0.001)と比較して、グセルクマブ100mg q4wグループとグセルクマブ100mg q8wグループにおいて、それぞれ53.9%と38.3%に更に増加した。効果の大きさは、16週目にはグセルクマブ100mg q4wグループがグセルクマブ100mg q8wグループに比べて数値的に大きくなり、24週目には2つのグセルクマブ治療グループ間の差が更に増加した。
BSAの≧3%の乾癬性病変を有する対象のうち、治療方針推定値に基づいて、24週目までに評価可能な対象でIGAスコア0(クリア)を達成した対象の数
Figure 2022536088000047
PASI
24週目までのPASI応答
ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性病変及び≧2(軽度)のIGAスコアを有する249人(65.4%)の対象の中で、24週目までにPASI 50、PASI 75、PASI 90、及びPASI 100応答を達成した対象の数を、表38及び表39に提供する。
これらの対象のうち、16週目にPASI 50、PASI 75、PASI 90、PASI 100応答を有した対象の割合は、プラセボグループと比較して、グセルクマブ治療グループの両方で高かった(全ての名目P≦0.006)。応答率は、グセルクマブ治療グループの両方で、24週目に増加した。
24週目に、PASI 100応答を達成した対象の割合は、プラセボグループの6.4%に対し、グセルクマブ100mg q4wグループで44.9%、グセルクマブ100mg q8wグループで25.6%であった(いずれも名目p<0.001)。
効果の大きさは、16週目にはグセルクマブ100mg q4wグループがグセルクマブ100mg q8wグループに比べて数値的に大きくなり、24週目には2つのグセルクマブ治療グループ間の差が更に増加した。
Figure 2022536088000048
Figure 2022536088000049
24週目までのPASIのベースラインからの変化。
経時的なPASI応答を達成した対象の割合に関するデータと一致して、16週目及び第24週目においてプラセボグループと比較して、両グセルクマブ治療グループで、ベースラインからのPASIスコアのより大きな低下が観察された(全ての名目P<0.001)。
24週目では、PASIスコアのベースラインからの低下は、グセルクマブ100mg q4wグループ(ベースラインからのLS平均の変化:-10.915)及びグセルクマブ100mg q8wグループ(ベースラインからのLS平均の変化:-9.974)で、プラセボグループ(ベースラインからのLS平均の変化:-2.317、いずれも名目p<0.001)に比べて大きかった。注目すべきは、16週目の効果の大きさはグセルクマブの2つの用量間で数値的に同等であり、24週目の効果の大きさはグセルクマブ100mg q4wグループがグセルクマブ100mg q8wグループに比べてわずかに大きかったことである。
24週目までのPASI 75及びACR 20応答
16週目に、ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性皮膚病変及び≧2のIGAスコアを有する≧249人の対象(65.4%)のうち、グセルクマブ治療グループでは、プラセボ投与グループと比較して、PASI 75及びACR 20の両方の応答を達成した対象の割合が高かった(いずれも名目p<0.001;表40)。PASI 75及びACR 20応答の両方を達成した対象の割合は、プラセボと比較して、グセルクマブの両グループで24週目に増加した(いずれも名目p<0.001)。効果の大きさは、16週目と24週目の両方で、グセルクマブ100mgq8wグループと比較してグセルクマブ100mgq4wグループで数値的に大きかった。
Figure 2022536088000050
24週目までのPASI 75及び修正PsARC応答
ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性病変及び≧2のIGAスコアを有する249人(65.4%)の対象の中で、グセルクマブ100mg q4wグループ(55.1%)と100mg q8wグループ(48.8%)の両グループにおいて、16週目にPASI 75応答及び修正PsARC応答の両方を達成した対象の割合は、プラセボグループ(9.0%;いずれも名目p<0.001)と比較して高かった。PASI 75とPsARCの両方の応答を達成した対象の割合は、24週目にはグセルクマブ100mg q4wグループ(62.9%)で増加し、グセルクマブ100mg q8wグループ(50.0%)ではプラセボグループ(5.1%)と比較して高い数値のままであった(いずれも名目p<0.001)。効果の大きさは、16週目と24週目の両方で、グセルクマブ100mgq8wグループと比較してグセルクマブ100mgq4wグループで数値的に大きかった。
腱付着部炎に関連した他の有効性エンドポイント
リーズ腱付着部炎指数
LEI(0-6)は、次の腱付着部の圧痛を評価する:左右の上腕骨外側上顆、左右の大腿骨内側顆、及び左右のアキレス腱付着部。0、4、8、16、及び24週目にLEIを収集した。ベースラインでは、グセルクマブ100mg q4wグループの73人の対象、グセルクマブ100mg q8wグループの72人の対象、及びプラセボグループの77人の対象が、>0のLEIを有した(表41)。
ベースラインで腱付着部炎を有した222人(58.3%)の対象の中で:
・ 4週目から24週目までプラセボグループと比較して、腱付着部炎の解消を達成した対象の数は、グセルクマブ100mg q4wグループにおいて数値的に大きかったが、プラセボからの分離は、24週目でのみ観察された。
・ 8週目及び24週目にプラセボグループと比較して、腱付着部炎の解消を達成した対象の数は、グセルクマブ100mg q8wグループにおいて数値的に多かった。
Figure 2022536088000051
Figure 2022536088000052
腱付着部炎LEIスコアのベースラインからの経時変化
16週目のグセルクマブ100mg q8wを除いて、ベースラインで腱付着部炎(LEI>0)の222人(58.3%)の対象のうち、LEIスコアのベースラインからの数値的に大きな低下が4週目~24週目の両方のグセルクマブ治療グループで観測され、最大の効果は24週目に観察された。プラセボからの分離は、4週目及び24週目に、グセルクマブ100mg q4wグループで観察されたが、グセルクマブ100mg q8wグループでは観察されなかった。
SPARCC腱付着部炎指数
SPARCC腱付着部炎指数を0、4、8、16及び24週目に収集した。ベースラインにおいて、グセルクマブ100mg q4wグループの84人の対象、グセルクマブ100mg q8wグループの86人の対象、及びプラセボグループの84人の対象は、>0のSPARCC腱付着部炎指数スコアを有した。このサブ集団において、SPARCC腱付着部炎指数に基づいて、腱付着部炎の解消及びベースラインからの変化を評価した。
24週目までのSPARCC腱付着部炎指数に基づく腱付着部炎の解消。ベースラインで>0のSPARCC腱付着部炎指数スコアを有する254人(66.7%)の対象の中で、腱付着部炎の解消を達成した対象の数は、8週目~24週目のプラセボグループと比較して、グセルクマブ治療グループの両方において数値的に多かった。24週目で、腱付着部炎の解消を達成した対象の割合は、プラセボグループの25.0%と比較して、グセルクマブ100mg q4wグループで42.9%、グセルクマブ100mg q8wグループで37.2%であった(それぞれ名目p=0.019及びp=0.106)。
24週目までのSPARCC腱付着部炎指数に基づく腱付着部炎のベースラインからの変化。ベースラインで>0のSPARCC腱付着部炎指数スコアを有する254人(66.7%)の対象の中で、腱付着部炎指数のベースラインからの数値的に大きな低下が、4週目から24週目までの両方のグセルクマブ治療グループにおいて観察され、24週目で最大低下が観察された。プラセボからの分離は、グセルクマブ100mg q4wグループでは8週目と24週目に、グセルクマブ100mgq8wグループでは24週目に観察された。24週目では、グセルクマブ100mg q4wグループのSPARCC腱付着部炎指数のベースラインからの変化の推定LS平均は、プラセボグループの-1.66と比較して、グセルクマブ100mg q8wグループでは-2.94と-2.61であった(それぞれ名目p=0.008とp=0.048)。
指炎に関連した他の有効性エンドポイント
0、4、8、16、及び24週目に指炎を評価した。ベースラインでは、グセルクマブ100mg q4wグループの38人の対象、グセルクマブ100mg q8wグループの49人の対象、及びプラセボグループの55人の対象が、指炎を有した。
指炎が存在する場合には、圧痛も評価した。ベースラインでは、グセルクマブ100mg q4wグループの36人の対象、グセルクマブ100mg q8wグループの49人の対象、及びプラセボグループの49人の対象は、圧痛指炎を有していた。
24週目までの指炎の解消
ベースラインでの142(37.3%)対象のうち、指炎の解消を達成した対象の割合は、16週目及び24週目でプラセボと比較して、グセルクマブ治療グループの両方で数値的に大きく、効果の大きさは、2つのグセルクマブ用量グループ間で同等であった。
治療方針推定値に基づく結果は、24週目に観察された高プラセボ応答を除いて、複合推定値に基づく結果と概ね一致した。
24週目までの指炎スコアのベースラインからの変化
ベースラインで指炎を有する142人(37.3%)の対象の中で、8週目~24週目でプラセボグループと比較して、指炎スコアのベースラインからの数値的により大きな低下が、両方のグセルクマブ治療グループにおいて観察され、効果の大きさは、2つのグセルクマブ用量グループ間で同等であった。
治療方針推定値に基づく結果は、複合推定値に基づくものと一致した。
圧痛性指炎
ベースライン時に圧痛性指炎を有した134人(35.2%)のうち、圧痛性指炎を有していなかった対象の割合は、プラセボ治療グループと比較してグセルクマブ100mg q4wと100mg q8w治療グループのいずれも、16週目(それぞれ52.2%と比較して65.7%と、70.8%、)及び24週目(それぞれ69.8%と比較して74.3%と75.5%)において数値的に大きかった。
24週目までの圧痛性指炎のベースラインからの変化
ベースラインで圧痛性指炎を有していた134人(35.2%)のうち、プラセボグループと比較して、グセルクマブ100mg q4wグループでは16週目から、グセルクマブ100mg q8wグループでは8週目~24週目において、圧痛性指炎スコアのベースラインからの数値的に大きな低下が観察された。
24週目では、グセルクマブ100mg q4wグループの圧痛性指炎スコアのベースラインからの変化の推定LS平均は、プラセボグループの-2.1と比較して、グセルクマブ100mg q8wグループでは-3.2と-3.1であった(それぞれ名目p=0.078とp=0.080)。
BASDAIに関連した他の有効性エンドポイント
末梢性関節炎を主な関節症状として伴う脊椎炎の対象において、0、8、16、及び24週目にBASDAIスコアを収集した。ベースラインでは、グセルクマブ100mg q4wグループで20人、グセルクマブ100mg q8wグループで24人、プラセボグループで23人の対象が、ベースラインでBASDAIスコアを有し、末梢性関節炎を伴う脊椎炎有した(表42)。これらの対象の全てのベースラインBASDAIスコアは>0であった。
これらの対象のうち、グセルクマブ100mg q4wで16人、グセルクマブ100mg q8wで22人、プラセボグループで21人も、過去の脊椎炎の画像確認があった。
24週目までのBASDAIのベースラインからの変化
ベースラインで脊椎炎及び末梢性関節炎を有し、BASDAIスコアが>0であった対象67人(17.6%)において、24週目のBASDAIのベースラインからのLS平均変化は、プラセボグループの-0.919に対して、グセルクマブ100mg q4wグループで-2.074、グセルクマブ100mg q8wグループで-2.665であった(100mg q4wと100mg q8wにおいて、それぞれ名目p=0.067とp=0.004;表42)。
Figure 2022536088000053
Figure 2022536088000054
Figure 2022536088000055
過去の脊椎炎の画像が確認された対象
24週目までのBASDAIのベースラインからの≧20%、≧50%、≧70%、及び≧90%の改善を達成した対象
ベースラインにおいて末梢関節炎を伴う脊椎炎を有し、BASDAIスコア>0を有する67(17.6%)対象のうち、≧20%又は≧50% BASDAI改善を達成した対象の割合は、第8週から第24.週目までにプラセボグループと比較して、グセルクマブ治療グループの両方において数値的に大きかった。24週目に、プラセボグループと比較して、グセルクマブ100mg q4w及びグセルクマブ100mg q8wグループにおけるBASDAI≧20%又は≧50%を達成した対象の割合は、以下の通りであった:
・ ≧20%改善:26.1%と比較した65.0%及び70.8%(それぞれ、名目p=0.044及びp=0.007)
・ ≧50%改善:13.0%と比較した35.0%及び41.7%(それぞれ、名目p=0.148及びp=0.082)
24週目までに≧70%のBASDAIの改善を達成した対象はほとんどなく、そのうち大部分はグセルクマブ100mg q8wグループ(7人[29.2%])であったのに対し、グセルクマブ100mg q4wグループでは1人[5.0]、プラセボグループでは2人(8.7%)であった。24週目までに≧90%のBASDAIの改善を達成した対象4人全員がグセルクマブ100mg q8wグループ(16.7%)であった。
24週目までのBASDAIコンポーネントのベースラインからの変化。
24週目まで、プラセボを超える経時的な数値的に大きな改善が、両方のグセルクマブ治療グループの倦怠感と脊椎痛についてのみ一貫して観察された。
24週目に、プラセボグループと比較したグセルクマブ100mg q4wグループ及び100mg q8wグループのBASDAIコンポーネントのベースラインからの変化の中央値は以下の通りであった:
・ 腱付着部炎:それぞれ、-1.350と比較して-1.700と-2.250
・ 倦怠感:それぞれ、-0.650と比較して-1.250と-3.250
・ 関節痛:それぞれ-1.300,と比較した-1.250及び-2.000
・ 定性的な朝のこわばり:それぞれ、-1.200と比較して-1.450と-1.700
・ 定量的な朝のこわばり:それぞれ、-0.100と比較して-0.700と-1.800
・ 脊椎痛:それぞれ、-0.750と比較して-1.750と-2.550
健康関連の生活の質及び他の患者報告アウトカムに関連した他の有効性エンドポイント
SF-36スコア
SF-36バージョン2を使用して、健康関連の生活の質を評価した。SF-36を、0、8、16、目及び24週目に収集した。SF-36 PCS、MCS、及び8つの規範サブスケールスコアの結果を以下に説明する。
SF-36 PCSコア
24週目までのSF-36 PCSスコアのベースラインからの変化
SF-36 PCSスコアのベースラインからの改善は、8週目~24週目に、プラセボグループと比較して、グセルクマブの両治療グループで数値的に大きいことが観察され、グセルクマブ100mg q4wグループでは8週目から、グセルクマブ100mg q8wグループでは16週目から、名目p≦0.05でプラセボからの分離が観察された。最大の効果は、グセルクマブ100mg q4w及び100mg q8wの両グループで24週目に観察され、効果の大きさはグセルクマブ100mg q4wグループがグセルクマブ100mg q8wグループよりも数値的に大きかった。治療方針推定値とMIに基づいて、16週目のSF-36 PCSスコアのベースラインからの変化について転換点分析を行った。
24週目までのSF-36 PCSのベースラインからの5ポイントの改善
プラセボグループと比較して、グセルクマブ100mg q4wグループでは8週目~24週目において(名目p=0.013)、グセルクマブ100mg q8wグループでは16週目から(名目p=0.002)、SF-36 PCSスコアがベースラインから≧5ポイント改善した対象の割合が数値的に多かった。24週目には、グセルクマブ100mg q4w(53.9%)及びq8w(51.2%)の両グループで、プラセボ(28.6%、いずれも名目p<0.001)と比較して最大の効果が観察され、16週目とび24週目の2つのグセルクマブの用量間で効果の大きさは同等であった。
SF-36 MCSスコア
24週目までのSF-36 MCSスコアのベースラインからの変化
プラセボグループと比較して、ベースラインからのSF-36 MCSスコアの数値的に大きな改善が、8週目~24週目のグセルクマブ治療グループの両方において観察された。グセルクマブ100mg q4w及び100mg q8wグループの両方について、Week 24で最大効果が観察され、効果の大きさはグセルクマブ用量間で同等であった。
24週目までのSF-36 MCSのベースラインからの5ポイントの改善
プラセボグループと比較して、グセルクマブ100mg q4wグループでは8週目~24週目において、グセルクマブ100mg q8wグループでは8週目~24週目においてに、SF-36 MCSスコアがベースラインから≧5ポイント改善した対象の割合が数値的に多かった。最大の効果は、プラセボ(25.4%;それぞれ名目p=0.003とp=0.036)と比較して、24週目にグセルクマブ100mg q4w(43.0%)及び100mg q8w(37.8%)の両グループで観察され、16週目及び24週目の効果の大きさは、グセルクマブ100mg q8wグループよりもグセルクマブ100mg q4wグループの方が数値的に大きかった。
SF-36スケールの規範スコアのベースラインからの変化
わずかな例外を除いて、規範SF-36サブスケールスコアの改善は、プラセボグループと比較して、8週目~24週目において、全般的にグセルクマブ治療グループの方が数値的に大きく、24週目には各サブスケールで最大の効果が得られた。
グセルクマブ100mg q4wグループでは、身体的機能、身体的役割、身体的疼痛、活力において、8週目からプラセボグループからの分離が観察され、全般的な健康と社会的機能については16週目から、精神的健康については24週目から、プラセボからの分離が観察され;プラセボ(名目p=0.147及びp=0.187)と比較して、第16週及び第24週目に、役割情動の数値的により大きな改善が観察された。
グセルクマブ100mg q8wグループでは、身体機能、身体的役割、身体的疼痛、全般的な健康については16週目から、活力及び社会的機能については24週目からプラセボからの分離が観察された;プラセボと比較して、16週目には役割-情緒的健康及び精神的健康(それぞれ名目p=0.487、p=0.212)、24週目には精神的健康(名目p=0.074)で、数値的に大きな改善が観察された。
24週目において、グセルクマブ100mg q4wグループ及び100mg q8wグループでの、プラセボグループと比較した、規範SF-36サブスケールのベースラインからの変化の推定LS平均は以下の通りであった:
・ 身体的機能:それぞれ、1.636、名目p<0.001と比較して6.952と5.776
・ 身体的役割:それぞれ、2.319、名目p<0.001とp=0.004と比較して、5.442と4.878は
・ 身体疼痛:それぞれ、2.854、名目p<0.001と比較して、7.490と6.840
・ 全般的な健康:それぞれ、1.690、名目p<0.001とp=0.001と比較して、5.174と4.349
・ 活力:それぞれ2.311,の名目p<0.001とp=0.001と比較して6.426と5.596
・ 社会的機能:それぞれ、2.582、と名目p=0.005及びp=0.002と比較して、5.227と5.426
・ 情動的役割:それぞれ、2.201、名目p=0.187とびp=0.832と比較して、3.531と2.415
・ 精神的健康:それぞれ2.062、名目p=0.020とp=0.074と比較して、4.356及び3.818
FACIT-倦怠感Score
0、8、16、及び24週目にFACIT-倦怠感スケールを使用して倦怠感を評価した。
24週目までのFACIT-倦怠感スコアのベースラインからの変化
第8週~第24週にプラセボと比較して、FACIT倦怠感スコアのベースラインからの数値的に大きな改善が、グセルクマブグループの両方において観察された(表43)。グセルクマブ治療グループの両方について、プラセボからの分離が、16週目から観察され(両方とも名目p<0.001)、最大効果は、24週目で観察され、効果の大きさは、2つのグセルクマブ用量間で同等であった。
Figure 2022536088000056
Figure 2022536088000057
ACR20応答者では、ベースラインからの改善の中央値は、グセルクマブ100mg q4w、q8w、プラセボグループでそれぞれ7.0、8.0、5.5であった。ACR20非応答者では、ベースラインからの改善の中央値は、グセルクマブ100mg q4w、q8w、プラセボグループでそれぞれ2.0、1.0、0であった。
24週目までのFACIT-倦怠感のベースラインからの改善≧4
FACIT倦怠感スコアがベースラインから4ポイント以上改善した対象の割合は、8週目~24週目において、グセルクマブ100mg q4wグループ、100mg q8wの両グループで、プラセボグループに比べて数値的に大きく、16週目からはプラセボからの分離が観察され、24週目に最大の効果が見られた(それぞれ、34.9%、名目p<0.001とp=0.003と比較して、63.3%と53.5%)。8週目及び16週目の効果の大きさは2つの用量間で同等であったが、24週目にはFACIT倦怠感スコアがベースラインから≧4ポイント改善した対象の割合は、グセルクマブ100mg q4wグループがグセルクマブ100mg q8wグループよりも数値的に高かった。
24週目の累積分布関数曲線による追加分析では、≧2ポイント~10ポイントのカットオフ値の範囲で、グセルクマブ100mg q4w及び100mg q8wの両グループがプラセボグループから分離することが観察された。確率密度プロットによる24週目のFACIT-倦怠感の変化の分布では、グセルクマブ100mg q4w及び100mg q8wの両グループでプラセボからの分離が示された。24週目の項目レベル分析では、FACIT-倦怠感手段の13の項目にわたって、一貫して同様の改善が見られた。
全ての治療グループにおいて、24週目にFACIT-倦怠感スコアが≧4ポイント改善した対象の割合は、ACR20応答者の方が非応答者よりもはるかに高かった。
ACR 20応答者のうち、24週目にFACIT-倦怠感スコアで≧4ポイントの改善を達成した対象の割合は、グセルクマブ100mg q4wグループ、グセルクマブ100mg q8wグループ、及びグループプラセボグループでそれぞれ73.7%、68.2%、67.9%であった。
ACR 20非応答者のうち,24週目にFACIT-倦怠感スコアが≧4ポイント改善した対象の割合は、グセルクマブ100mg q4wグループ、グセルクマブ100mg q8wグループ、及びグループプラセボグループで、それぞれ、48.1%、37.7%、及び25.5%であった。
FACIT-倦怠感に対する媒介及び傾向スコアの分析
24週目の倦怠感スコアのベースラインからの変化に対するグセルクマブの効果に対するACR20応答の媒介役割を調べるために、媒介分析を行った。その結果、FACIT-倦怠感に対する治療効果の28.9%と83.4%が、グセルクマブ100mg q4wとq8wグループにおいて、ACR20応答(自然間接効果)を介して媒介されることが示された(それぞれ名目p=0.032とp<0.001)。自然直接効果の割合は、グセルクマブ100mg q4wグループとq8wグループでそれぞれ71.1%(2.70/3.80、名目p=0.005)と16.8%(0.52/3.10、名目p=0.619)であった。
傾向スコア加重分析を用いたACR 20応答者と非応答者によるサブグループ解析では、年齢、性別、BMI、ベースラインの倦怠感スコア、CRP(mg/dL)、PsA期間(年)、医師のグローバル評価、患者のグローバル評価、HAQ-DIスコア、疼痛の評価、膨脹関節数と圧痛関節数などの人口統計学的及びベースラインの臨床的特性を、傾向スコアの統計モデルの共変量として調整した。これらのベースラインパラメータの治療グループ間の加重標準化差は、これらのベースラインパラメータとの不均衡がほぼ調整されたことを示していた(大部分≦0.02又は0.02に近づく)。結果から、FACIT-倦怠感に対するグセルクマブ100mg q4wの独立した治療効果は、ACR20非応答者では示されたが(名目p=0.002)、ACR20応答者では示されなかった。24週目のACR20応答に無関係に、FACIT-倦怠感に対するグセルクマブ100mg q8wの独立した治療効果は観察されなかった。
PROMIS-29スコア
24週目までのPROMIS-29スコアのベースラインからの変化
PROMIS-29の各領域のベースラインからの改善は、24週目まで経時的に、プラセボグループと比較して両グセルクマブ治療グループで数値的に大きいことが観察された。社会的役割及び活動への参加による満足度と疼痛の強さについては8週目から、抑うつ、倦怠感、身体的機能については16週目から、両グセルクマブ治療グループでプラセボからの分離が観察された。不安については、24週目にグセルクマブ100mg q8wグループでプラセボからの分離が観察されたが、グセルクマブ100mg q4wグループでは観察されなかった。疼痛障害では、プラセボからの分離は、グセルクマブ100mg q4wグループでは16週目から、グセルクマブ100mg q8wグループでは24週目から観察された。睡眠障害については、グセルクマブ100mg q4wグループでは16週目にプラセボからの分離が観察されたが24週目には観察されず、グセルクマブ100mg q8wグループでは16週目と24週目に観察された。
24週目までのPROMIS-29ドメインスコアの改善≧3及び≧5
24週目までに、PROMIS-29で評価された8つのドメイン(不安、抑うつ、倦怠感、疼痛障害、身体的機能、睡眠障害、社会的役割及び活動への参加による満足度と、疼痛の強さ)のそれぞれについて、ベースラインから≧3ポイントの改善を達成した対象の割合は、プラセボグループに比べてグセルクマブ治療グループの両方で数値的に多かった。24週目には、グセルクマブ100mg q4w及び100mg q8wグループの対象のより多くは、疼痛障害、疼痛の強さ、倦怠感、身体的機能、社会的役割及び活動への参加能力など、PsAの症状又は影響に関するドメインのスコアが、プラセボグループと比較して≧3ポイント及び≧5ポイント改善した。更に、プラセボグループと比較して、グセルクマブ100mg q4w及び100mg q8wグループでは、24週目にPROMIS-29の不安、抑うつ、又は睡眠障害で≧3ポイント又は≧5ポイントの改善を達成した対象の割合が高かった。
複合疾患活動性スコアの改善
PASDAS、GRACE指数、及びMDA/VLDAを含む複数のPsA複合疾患活動性スコアに対するグセルクマブの効果を評価した。
PASDAS
PASDASは、0、8、16、及び24週目に評価され、関節炎/乾癬、腱付着部炎、指炎、身体的コンポーネントの生活の質の評価で構成される。疾患活動性のカットオフ値:非常に低い(≦1.9)、低い(≦3.2)、中程度(>3.2及び<5.4)、高い(≧5.4)。
24週目までのPASDASのベースラインからの変化
PASDASスコアのベースラインからの低下は、8週目~24週目において、グセルクマブの両グループでプラセボグループと比較してより大きく観察され(いずれも名目p<0.001)、24週目に最大の効果が見られ、その効果の大きさはグセルクマブ100mg q4wグループがグセルクマブ100mg q8wグループよりも数値的に大きかった。
24週目のPASDASスコアのベースラインからの変化の推定LS平均は、プラセボグループの-0.959に対し、グセルクマブ100mg q4wグループでは-2.407、グセルクマブ100mg q8wグループでは-2.124であった(いずれも名目p<0.001)。
24週目までのPASDASに基づく低又は非常に低い疾患活動性
低い疾患活動性:8週目~24週目において、PASDASに基づく低疾患活動性を達成した対象の割合は、両グセルクマブ治療グループで数値的に高かった。プラセボからの分離は、グセルクマブ100mg q4wグループでは8週目から、グセルクマブ100mg q8wグループでは16週目から観察された。24週目にPASDASに基づく低疾患活動性を達成した対象の割合は、プラセボグループの11.1%に対し、グセルクマブ100mg q4wグループでは36.7%、グセルクマブ100mg q8wグループでは30.7%であった(いずれも名目p<0.001)。
非常に低い疾患活動性:プラセボグループと比較して、グセルクマブ治療グループでは、24週目まで経時的にPASDASによるVLDAを達成した対象が多かった。24週目にPASDASに基づいてVLDAを達成した対象の割合は、プラセボグループの1.6%に対し、グセルクマブ100mg q4wグループで10.2%(名目p=0.006)、グセルクマブ100mg q8wグループで5.5%(名目p=0.172)であった。
GRACE指数
GRACE指数は、0、16、及び24週目に評価され、関節炎、乾癬、身体機能、PsAの生活の質の評価から構成される。疾患活動性のカットオフ値:低(≦2.3)、中(>2.3及び<4.7)、高(≧4.7)。
24週目までのGRACE指数のベースラインからの変化
GRACE指数のベースラインからの低下は、16週目及び24週目のいずれにおいても、プラセボグループと比較してグセルクマブの両グループでより大きく観察され(いずれも名目p<0.001)、24週目に最大の効果が見られ、効果の大きさはグセルクマブ100mg q4wグループがグセルクマブ100mg q8wグループよりも数値的に大きかった。24週目のGRACE指数のベースラインからの変化の推定LS平均は、プラセボグループの-0.854に対して、グセルクマブ100mg q4wグループで-2.735、グセルクマブ100mg q8wグループで-2.368であった(いずれも名目p<0.001)。
GRACE指数に基づく低疾患活動性
GRACE指数に基づく低疾患活動性を達成した対象の割合は、16週目及び24週目において、プラセボグループ(それぞれ10.3%、11.9%)に比べ、グセルクマブ100mg q4wグループ(それぞれ28.9%、42.2%、いずれも名目p<0.001)及びグセルクマブ100mg q8wグループ(それぞれ22.0%、30.7%、いずれも名目p=0.016、p<0.001)で高かった。
MDA及びVLDA
次の7つ基準のうち5つが満たされた場合には、最小疾患活動性(MDA)が達成されたとみなした:圧痛関節数≦1;腫脹関節数1以下;PASI ≦1;≦15の患者の疼痛VASスコア;≦20の患者のグローバル疾患活動性VAS(関節炎及び乾癬)スコア;HAQ≦0.5;及びLEI ≦1。
全ての7つの基準が満たされた場合、非常に低い疾病活動性(VLDA)達成されたとみなした。
MDA及びVLDAの両方を、0、16、及び24週目に評価した。
24週目までのMDA基準
MDAを達成した対象の割合は、プラセボグループ(それぞれ7.1%と11.1%;表44)に比べ、グセルクマブ100mg q4wグループ(それぞれ18.0%と30.5%、名目p=0.010とp<0.001)及びグセルクマブ100mg q8wグループ(それぞれ15.7%と22.8%、名目p=0.034とp=0.012)で、16週目及び24週目の両方で高かった。
Figure 2022536088000058
24週目までのVLDA基準
16週目にVLDA基準を満たした対象の割合は、全ての治療グループ間で低く同等であった。24週目にVLDAを達成した対象は、プラセボグループの2人(1.6%)に対し、グセルクマブ100mg q4wグループでは12人(9.4%)、グセルクマブ100mg q8wグループでは5人(3.9%)であった(それぞれ名目p=0.007とp=0.447)。
有効性及び薬物動態
選択された有効性エンドポイントとトラフ血清グセルクマブ濃度との間の関係をPK分析セットに基づいて評価した。以下の分析では、欠落データの代入がない臨床有効性データ(複合推定値)とそれぞれのトラフ血清グセルクマブ濃度を使用した:
・ 12週目の定常トラフ血清グセルクマブ濃度による、12週目のACR 20/50応答、又はDAS28(CRP)のベースラインからの変化
・ 20週目の定常状態トラフ血清グセルクマブ濃度による、ACR 20/50応答、又は20/24週目のDAS28(CRP)のベースラインからの変化
・ 20週目の定常状態トラフ血清グセルクマブ濃度による24週目のIGA応答(ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性病変及び≧2のIGAスコアを有する対象において)
ACR 20/50応答及びトラフ血清グセルクマブ濃度
それぞれ12週目及び20週目のトラフグセルクマブ濃度四分位数による、12週目及び20週目のACR 20応答率については、弱い曝露-応答関係があるように見えた。20週目のトラフグセルクマブ濃度の四分位数による24週目のACR 20応答率についても、曝露-応答関係は観察されなかった(図16)。20週目のトラフグセルクマブ濃度の四分位数による24週目のACR50応答率についても、弱い曝露-応答関係があるように見えた(図17)。しかし、第12週又は第20週のトラフグセルクマブ濃度の四分位数による、第12週又は第20週のACR 50応答率については、一貫した曝露-応答関係の傾向は観察されなかった。
トラフ血清グセルクマブ濃度によるDAS28(CRP)のベースラインからの変化
12週目のトラフグセルクマブ濃度四分位数による12週目のDAS28(CRP)のベースラインからの変化の平均値について、明らかな曝露応答関係は観察されなかった。20週目のトラフグセルクマブ濃度四分位数による20週目及び24週目のDAS28(CRP)のベースラインからの変化の平均値についても、明らかな曝露応答関係は観察されなかった。
IGA応答及びトラフ血清グセルクマブ濃度
BSAの≧3%の乾癬性病変が≧3%でベースラインのIGAスコアが≧2であった対象において、20週目のトラフグセルクマブ濃度四分位数による24週目のIGA応答率は、明らかな曝露-応答関係があった(図18)。
有効性の要約
この第3相試験において、グセルクマブ100mg q4w及び100mg q8wの両用量レジメンは、グローバル(米国外)及び米国固有の多重度調整手順に基づき、以下のエンドポイントでプラセボと比較して統計的に有意な優位性を示した:24週目にACR 20応答を達成した対象の割合、24週目に乾癬IGA応答を達成した対象の割合(ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性病変及び≧2(軽度)のIGAスコアの対象のうち)、24週目のHAQ-DIスコアのベースラインからの変化、及び24週目のSF-36 PCSスコアのベースラインからの変化。
更に、グローバル(米国外)多重度調整手順に基づき、グセルクマブ100mg q4w及び100mg q8wの両用量レジメンは、以下のエンドポイントについてもプラセボと比較して統計的に有意な改善を示した:24週目のDAS 28(CRP)スコアのベースラインからの変化、16週目にACR 20応答を示した対象の割合、及び24週目にACR 50応答を示した対象の割合。
グセルクマブ100mg q4wは、グローバル(米国外)試験手順に基づいて、16週目のACR 50及び24週目のACR 70においても、プラセボと比較して統計的に有意な改善を示した。これらのエンドポイントの改善は、プラセボと比較してグセルクマブ100mg q8wグループで数値的に高かったが、その差は統計的に有意ではなかった。
一次エンドポイント
24週目にACR 20応答が得られた対象の割合は、グセルクマブ100mg q4w及びグセルクマブ100mg q8wの両グループでそれぞれ59.4%及び52.0%となり、プラセボグループの22.2%と比較して有意に高かった(いずれも調整後p<0.001)。
主要な二次エンドポイント
グローバル(米国外)及び米国固有の試験手順の両方で多重度が制御された主要な二次エンドポイント
・ ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性病変及び≧2(軽度)のIGAスコアを有する249(65.4%)対象のうち、プラセボグループ(15.4%;グローバル及びUS固有の調整済みp<0.001)と比較して、グセルクマブ100mg q4w及びグセルクマブ100mg q8wグループの両方の対象の有意に大きな割合(それぞれ、75.3%と57.3%)が、24週目に乾癬IGAスコアが0(クリア)又は1(最小)の応答及びベースラインから≧2のグレード低下を達成した。
・ 24週目に、HAQ-DI指数のベースラインからの低下は、プラセボグループ(ベースラインからのLS平均変化:-0.0743;グローバル及びUS固有の両方の調整済みp<0.001)と比較して、グセルクマブ100mg q4wグループ(ベースラインからのLS平均変化:-0.3968)及びグセルクマブ100mg q8wグループ(ベースラインからのLS平均変化:-0.3225)でいずれも有意に大きかった。
・ 24週目のSF-36 PCSスコアでは、グセルクマブ100mg q4w(LS平均:6.87)及びグセルクマブ100mg q8w(LS平均:6.10)の両グループで、プラセボグループ(LS平均:1.96;グローバル及び米国固有の両方とも調整後p<0.001)と比較して、ベースラインからの有意に大きな改善が観察された。
グローバル(米国外)試験手順で多重性を制御した主要な二次エンドポイント
・ 24週目のDAS28(CRP)スコアのベースラインからの低下は、プラセボグループ(ベースラインからのLS平均変化:-0.70;両方ともグローバル調整後p<0.001)と比較して、グセルクマブ100mg q4wグループ(ベースラインからのLS平均変化:-1.61)及びグセルクマブ100mg q8wグループ(ベースラインからのLS平均変化:-1.43)の両グループで有意に大きかった。
・ 16週目にACR 20応答が得られた対象の割合は、プラセボグループ(25.4%)に比べ,グセルクマブ100mg q4w及びグセルクマブ100mg q8wの両グループ(それぞれ60.2%及び52.0%)で有意に高かった(いずれもグローバル調整後p<0.001)。
・ 24週目にACR 50応答が得られた対象の割合は、プラセボグループ(8.7%)に比べて、グセルクマブ100mg q4w及びグセルクマブ100mg q8wグループ(それぞれ35.9%と29.9%)で有意に多かった(いずれもグローバル調整後p<0.001)。
・ 16週目にACR50応答が得られた対象の割合は、グセルクマブ100mg q4wグループ(26.6%)がプラセボグループ(12.7%、グローバル調整後p=0.006)に比べて有意に多かった。16週目にACR50応答が得られた対象の割合は、グセルクマブ100mg q8wグループ(22.8%)がプラセボグループ(12.7%)に比べて数値的に大きかったが、多重度調整後も統計的有意差に達しなかった(グローバル調整後p=0.086)。
・ 24週目にACR70応答が得られた対象の割合は、グセルクマブ100mg q4wグループ(20.3%)がプラセボグループ(5.6%、グローバル調整後p<0.001)に比べて有意に多かった。24週目にACR70応答が得られた対象の割合は、グセルクマブ100mg q8wグループ(11.8%)がプラセボグループ(5.6%)に比べて数値的に大きかったが、統計的有意差に達しなかった(グローバル調整後p=0.069)。
多重度が制御されていない主要な二次エンドポイント
・ ベースラインで腱付着部炎を有した222人(58.3%)の対象のうち:
□ 24週目に、グセルクマブ100mg q4wグループの47.9%及びグセルクマブ100mg q8wグループの40.3%の対象が、プラセボグループの27.3%の対象と比較して、腱付着炎の解消を達成した(それぞれ、名目p=0.013とp=0.094)。
□ 24週目のLEIスコアのベースラインからのLS平均変化は、プラセボグループの-1.01に対して、グセルクマブ100mg q4wグループは-1.75、グセルクマブ100mg q8wグループは-1.35であった(それぞれ名目p=0.004とp=0.185)。
・ ベースラインで指炎を有していた142人(37.3%)の対象のうち:
□ プラセボグループ(49.1%、名目p=0.212、p=0.088)と比較して、グセルクマブ100mg q4wグループ及びグセルクマブ100mg q8wグループ(それぞれ63.2%、65.3%)では、24週目に指炎が解消した対象の割合が数値的に高かった。
□ 24週目の指炎スコアのベースラインからの低下は、プラセボグループ(ベースラインからのLS平均変化:-4.30;それぞれ名目p=0.225とp=0.121)と比較して、グセルクマブ100mg q4wグループ(ベースラインからのLS平均変化:-5.82)及びグセルクマブ100mg q8wグループ(ベースラインからのLS平均変化:-6.11)の両方で数値的に大きく観察されった。
・ 24週目のSF-36 MCSスコアも、プラセボグループ(LS平均値:2.37;それぞれ名目p=0.214とp=0.398)に比べ、グセルクマブ100mg q4wグループ(LS平均:3.60)及びグセルクマブ100mg q8wグループ(LS平均:3.20)の両方で、ベースラインからの数値的に大きな改善が観察された。
他の二次有効性分析
関節の兆候及び症状の低減に関連した他の有効性エンドポイント
・ 24週目までのACR 20、ACR 50、ACR 70応答は、2つのグセルクマブグループがプラセボグループと比較して一貫して高かった。
・ 24週目までの各ACRコンポーネントについても、グセルクマブ治療の両治療グループではプラセボグループと比較して一貫して数値的に大きな改善が観察された。
・ DAS28(CRP)のベースラインからの改善、DAS28(CRP)応答率、DAS28(CRP)寛解率は、グセルクマブ2グループがプラセボグループと比較して経時的に一貫して高かった。24週目にDAS28(CRP)寛解を達成した対象の割合は、プラセボグループ(12.7%、それぞれ名目p<0.001、名目p=0.025)に比べ、グセルクマブ100mg q4wグループでは35.9%、グセルクマブ100mg q8wグループでは23.6%であった。
・ 24週目までに、修正PsARC応答を達成した対象の割合は、プラセボと比較して、グセルクマブの両治療グループで一貫して高かった。24週目に、修正PsARC応答を達成した対象の割合は、プラセボグループの31.0%に対し、グセルクマブ100mg q4wグループでは72.7%、グセルクマブ100mg q8wグループでは59.8%であった(いずれも名目p<0.001)。
・ ベースラインからのDAPSA変化の改善、及びDAPSA指数に基づく低疾患活動性又は寛解を達成した対象の割合は、経時的にグセルクマブの2グループでプラセボグループよりも一貫して高かった。24週目で、DAPSA指数に基づいて低疾患活動性を達成した対象の割合は、プラセボグループの16.7%に対し、グセルクマブ100mg q4wグループでは49.2%、グセルクマブ100mg q8wグループでは40.9%であった(いずれも名目p<0.001)。
身体的機能に関連した他の有効性エンドポイント
・ プラセボと比較してHAQ-DIのベースラインからのより大きな低下及びより高いHAQ-DI応答率(ベースラインから0.35以上の改善と定義)が、2つのグセルクマブグループで24週目まで一貫して観察された。24週目では、ベースラインでHAQ-DIスコアが0.35以上であった対象のHAQ-DI応答率は、プラセボの29.1%に対し、グセルクマブ100mg q4wで57.3%、グセルクマブ100mg q8wで50.9%であった(それぞれ名目p<0.001とp=0.001)。
皮膚疾患に関連した他の有効性エンドポイント
ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性病変及びI≧2(軽度)のGAスコアを有する249人(65.4%)の対象のうち:
・ 24週目までに、2グセルクマブ治療グループにおいて、プラセボに比べて、IGAスコア0(クリア)又は1(最小)を達成し、ベースラインから≧2グレード低下した対象、又はIGAスコア0(クリア)を達成した対象は、一貫して多かった。24週目にIGAスコア0(クリア)を達成した対象の割合は、プラセボの7.7%に対し、グセルクマブ100mg q4wで53.9%、グセルクマブ100mg q8wでは38.3%であった(いずれも名目p<0.001)。
・ 24週目までのPASI 50、PASI 75、PASI 90、PASI 100の応答率は、プラセボと比較して、両グセルクマブ治療グループで一貫して高かった。24週目にPASI 75、PASI 90、PASI 100の応答率は、プラセボの20.0%、12.9%、7.1%に対し、グセルクマブ100mg q4wは87.6%、64.0%、44.9%、グセルクマブ100mg q8wは76.5%、50.6%、25.9%であった(いずれも名目p<0.001)。
腱付着部炎及び指炎に関連した他の有効性エンドポイント
・ ベースラインで腱付着部炎を有していた222人(58.3%)のうち、24週目までに腱付着部炎が解消された対象の割合は、プラセボグループに比べて両グセルクマブ治療グループの方が高く、24週目までのLEIスコアのベースラインからの低下もグセルクマブ治療グループの方が一貫して数値的に大きかった。同様の結果が、SPARCC腱付着部炎指数を用いて観察された。
・ ベースラインで指炎を有する142名(37.3%)のうち、24週目までに指炎が解消された対象の割合は、プラセボグループに比べて両グセルクマブ治療グループの方が高く、24週目までの指炎スコアのベースラインからの低下も両グセルクマブ治療グループの方が一貫して数値的に大きいことが観察された。圧痛性指炎について同様の結果が得られた。
BASDAIに関連した他の有効性エンドポイント
ベースラインで脊椎炎及び末梢関節炎を有し、BASDAIスコアが>0であった67人(17.6%)の対象のうち:
・ 24週目のBASDAIのLS平均のベースラインからの変化は、プラセボグループの-0.919に対し、グセルクマブ100mg q4wグループで-2.074、グセルクマブ100mg q8wグループで-2.665であった(それぞれ名目p=0.067とp=0.004)。
・ 24週目には、BASDAIが≧50%改善した対象は、プラセボグループの13.0%に対し、グセルクマブ100mg q4wグループでは35.0%、グセルクマブ100mg q8wグループでは41.7%であった(それぞれ、名目p=0.148とp=0.082)。
・ 投与24週目までに、BASDAIコンポーネントのうちプラセボを超えて数値的に大きな改善が一貫して観察されたのは、グセルクマブの両治療グループにおいて、倦怠感と脊椎痛についてのみであった。
健康関連の生活の質及び他の患者報告アウトカムに関するの他の有効性エンドポイント
・ 24週目まで、プラセボグループと比較して、両グセルクマブ治療グループでは、SF-36 PCSスコアの数値的に大きな改善と、大きな割合のSF-36 PCSの≧5ポイントの改善を達成した対象が観察された。24週目には、SF-36 PCSスコアのベースラインから≧5ポイントの改善を達成した対象の割合は、プラセボグループの28.6%に対し、グセルクマブ100mg q4wグループで53.9%、グセルクマブ100mg q8wグループで51.2%となった(いずれも名目p<0.001)。
・ 24週目まで,プラセボグループと比較して、両グセルクマブ治療グループではSF-36 MCSスコアの改善が数値的に大きく、SF-36 MCSが≧5ポイント改善した対象の割合が高く観察された。24週目の時点で、SF-36 MCSスコアがベースラインか≧5ポイント改善した対象の割合は、プラセボグループの25.4%に対し、グセルクマブ100mg q4wグループで43.0%、グセルクマブ100mg q8wグループで37.8%であった(それぞれ名目p=0.003、p=0.036)。
・ FACIT-倦怠感スコアのベースラインからの改善は、24週目までプラセボと比較してグセルクマブの両グループで数値的に大きいことが観察された。24週目のFACIT-倦怠感スコアのベースラインからの変化の推定LS平均は、プラセボグループの2.206に対して、グセルクマブ100mg q4wグループは5.841、グセルクマブ100mg q8wグループは5.609(いずれも名目p<0.001)であり、FACIT-倦怠感スコアがベースラインから≧4ポイント改善したのは、プラセボグループの34.9%に対しそれぞれ比較して、グセルクマブ100mg q4wグループで63.3%、グセルクマブ100mg q8wグループで53.5%であった(それぞれ名目p<0.001、p=0.003)。
・ 24週目までに、PROMIS 29の7つのドメインTスコアのそれぞれにおいて、ベースラインからの改善は、プラセボグループと比較して、グセルクマブの両治療グループで数値的に大きいことが観察された。24週目に、疼痛障害、疼痛の強度、倦怠感、身体機能、社会的役割及び活動への参加能力など、PsAの症状や影響に直接関連するPROMIS-29ドメインのスコアにおいて、ベースラインから3ポイント以上又は5ポイント以上の改善を達成した対象の割合は、プラセボグループと比較して両グセルクマブ治療グループで数値的に増加した。
複合疾患活動性スコアの改善
・ 24週目までに、プラセボと比較して、2つのグセルクマブ治療グループでより多くの対象がMDAを達成した。24週目にMDAを達成した対象の割合は、プラセボグループの11.1%に対しそれぞれ比較して、グセルクマブ100mg q4wグループでは30.5%、グセルクマブ100mg q8wグループでは22.8%であった(それぞれ名目p<0.001とp=0.012)。24週目にプラセボグループに比べてPASDAS及びGRACE指数のより大きな改善も、グセルクマブの両治療グループで観察された(いずれも名目p<0.001)。
有効性及び薬物動態
・ 20週目の定常状態トラフグセルクマブ濃度四分位数による24週目のACR50応答率の暴露応答関係は弱いようであったが、24週目のACR20応答率の明らかな暴露応答関係は観察されなかった。
・ 20週目の定常状態トラフグセルクマブ濃度四分位数による20週目及び24週目のDAS28(CRP)のベースラインからの平均変化について、明らかな曝露-応答関係は観察されなかった。
・ ベースラインでBSAの≧3%の乾癬性病変及び≧2(軽度)のIGAスコアを有する対象において、20週目の定常状態トラフグセルクマブ濃度四分位数による24週目のIGA応答率については、明らかな曝露-応答関係が観察された。
有効性とグセルクマブに対する抗体
・ 24週目までグセルクマブに対する抗体が陽性であった対象では、グセルクマブに対する抗体の存在はACR20応答を妨げるものではないと考えられた(5人中3人が24週目にACR20応答者になった)。しかし、グセルクマブに対する抗体が陽性であった対象の数が少なく(n=5)、グセルクマブに対する抗体が臨床有効性に及ぼす影響についての明確な結論には限界がある。
安全性の結果
24週目までに報告されたAEから得られた安全性に関する主要な知見の全体的な要約を表45に示す。追跡の平均継続時間及び試験薬剤投与回数は、治療グループにわたって同等であった。
Figure 2022536088000059
第24週目にAEを経験した対象の割合は、治療グループにわたって概ね同等であった:グセルクマブ100mg q4wグループで55.5%、グセルクマブ100mg q8wグループで53.5%、及びプラセボグループで59.5%。
報告されたAEのSOCで最も頻度が高かったのは、感染症及び寄生虫症(グセルクマブ100mg q4wグループ22.7%、グセルクマブ100mg q8wグループ26.8%、及びプラセボグループ25.4%)であり、次いで筋骨格及び結合組織障害(グセルクマブ100mg q4wグループ17.2%、グセルクマブ100mg q8wグループ14.2%、及びプラセボグループ19.0%)であった。
24週目までにいずれかの治療グループで頻度が≧5%であった最も一般的なPTを表46に示す。最も一般的に報告されたAEは、鼻咽頭炎(グセルクマブ100mg q4wグループ5.5%、グセルクマブ100mg q8wグループ12.6%、及びプラセボグループ6.3%)であり、次いで上気道感染症(グセルクマブ100mg q4wグループ8.6%、グセルクマブ100mg q8wグループ5.5%、及びプラセボグループ6.3%)であった。全体として、グセルクマブ治療対象ではプラセボ治療対象に比べてトランスアミナーゼの上昇がより高頻度でAEとして報告されたが、これらのAEで用量に関連した傾向は観察されなかった。
Figure 2022536088000060
実施例3.グセルクマブは、生物学的にナイーブな乾癬性関節炎の患者及び以前に生物学的抗TNFα薬剤で治療された患者において、PROMIS-29の改善及び臨床応答の調整後の倦怠感に対する独立した治療効果(ACR20)を示した。
患者報告アウトカム測定情報システム-29-PROMIS-29(PROMIS-29)
乾癬性関節炎(PsA)を有する24:人の患者におけるPROMIS-29は、疼痛、倦怠感、抑うつ、睡眠障害、貧弱な身体的機能、及び社会的参加の低下を含む広範な全身症状を経験する。PROMIS-29(患者報告アウトカム測定情報システム-29)は、PsA.患者の症状に対するGUSの治療効果を確認するために使用される検証された全般的な健康についての手段である。PROMIS-29は、7つのドメイン(抑うつ、不安、身体的機能、疼痛障害、倦怠感、睡眠障害、社会参加)と、疼痛の強さを表す0~10の数値評価スケール(NRS)で構成される。各ドメインの生のスコアは、平均値を50(全般集団の平均値)、標準偏差(SD)を10とする標準化されたTスコアに変換される。PROMISスコアが高いほど、測定対象となる概念をより多く表す。≧5ポイントの改善(Tスコアの1/2SD)が、臨床的に意味があると定義される。ベースラインでは、身体的機能、社会参加、睡眠障害、疼痛、倦怠感に関するPROMIS-29のTスコアの平均値は、米国の全般集団よりも悪かった。24週目で、GUS q8Wを投与された患者は、PROMIS-29の全てのドメインでベースラインからの改善がPBOに比べて大きかった(p<0.05)(表47及び図19)。結果は、不安及び睡眠障害を除いて、GUS q4Wグループにおいて一貫していた。GUSを投与された多くの患者は、GUS q4Wグループでは抑うつと不安を除いてPBOに対して臨床的に意味のある改善を達成し、数値的に改善された(図6)。p値は、csDMARDsのベースライン使用(あり、なし)及び抗TNFα薬剤への曝露歴(あり、なし)により層別化したCochran-Mantel-Hanszel検定に基づいている。GUSを投与された活性PsA患者は、24週目で、PBOと比較して、臨床的に意味のある症状の軽減、身体的機能及び社会参加の改善を達成した(図20)。
Figure 2022536088000061
FACIT-倦怠感
臨床試験における内容妥当性及び強力な心理測定特性を示した患者が報告したアウトカム(PRO)FACIT-倦怠感を使用して、上記の試験で使用された患者におけるGUSの倦怠感に対する効果を評価した。
方法。DISC1及びDISC2は、1-2 TNFiを受容したDISC1の患者の約30%を除いて、主に生物学的ナイーブであった、非生物学的DMARDS及び/又はNSAIDSにもかかわらず有効なPsAを有する患者を登録した。患者を盲検様式でランダム化し(1:1)、W0及びW4で皮下GUS 100mgをした後、(q)8 Wごとに、GUS 100mg q4Wまでにし、又はPBOと一致させた。選択された非生物学的DMARDS、経口コルチコステロイド、及びNSAIDによる併用治療を許可した。FACIT-倦怠感は、倦怠感並びに過去7日間にわたる日常活動及び機能に対するその影響を評価する13項目PROの手段であり、合計スコアは0~52、高いスコアでは倦怠感が少ない。4点以上の変化は、臨床的に意味があると識別される(Cella et al.Journal of Patient-Reported Outcomes.2019;3:30)。FACIT-倦怠感のベースラインからの変化を、MMRMを使用して分析した(図19)。ACR20に対する効果からのFACIT-倦怠感に対する治療効果の独立性を、媒介分析(Valeri et al.Psychologic Meth.2013;18:137)(表48)を使用して評価して、ACR20応答によって媒介される自然直接効果(NDE)及び自然間接効果(NIE)を推定した。
結果。DISC1及び2のベースラインにおいて、平均FACIT倦怠感スコア(SD)は、それぞれ30.4(10.4)及び29.7(9.7)であり、中等度から重度の倦怠感を示した。両方のDISCOVER1及び2試験では、GUSによる治療は、PBOと比較して、W8と比較して、FACIT-倦怠感スコアの有意な改善をもたらした(図21A~B)。PBO患者の35%~46%と比較してGUS患者の54%~63%が、FACIT-倦怠感(P≦0.003)において臨床的に意味のある改善(4ポイント以上)を達成した。媒介分析により、ACR20応答の調整後の倦怠感に対する独立した治療効果(Natural Direct Effect[NDE]、表26)は、q8W GUS投与グループにおいて12~36%であり、q4W GUSグループにおいて69% ~70%であったことが明らかになった(図21A、21B)。
Figure 2022536088000062
結論:第2相~第3相の試験では、活性PsAを有する患者のGUSによる治療は、特にq4W投与グループに対するACR 20に対する効果と独立したFACIT倦怠感に対する実質的な効果を含む、倦怠感におけるPBOと比較して有意な改善をもたらした。
実施例4.活性の乾癬性関節炎に対するグセルクマブによるIL-23の特異的阻害。生物学的ナイーブ又はTNFα阻害剤経験のある患者の第3相ランダム化二重盲検プラセボ対照試験の1年の結果。
24週目の分析では、治療グループ間の比較(グスレクマブとプラセボの比較)を目的としていたが、52週目の試験では、関節及び皮膚の兆候、症状、身体的機能、健康関連の生活の質の改善について、24週目から52週目(有効性データの最終評価予定)まで有効性が維持されていることを示すデータを提示している。本試験では、0週目に試験薬を初めて投与してから60週目(試験終了時)までの累積的な安全性に関する知見もまとめている。52週目の分析集団には、24週目時点で更に試験に参加している全てのランダム化患者が含まれる。
24週目にプラセボ投与された全ての患者がQ4w治療に移行(クロスオーバー)したため、52週目の分析は、プラセボ制御でも実薬制御でもない。そのため、非制御期間(24週目~52週目)については、正式な統計的検定を行うことができず、記述的統計のみを示した。本データは「観察された際の」集団に基づくものであり、正式な統計的検定は行われず、記述的なものである。
方法
この試験には、治療の48週間にわたって、TNF経験患者(31%)を含む381人の患者が関与した。活性なPsAを有する成人(≧3の膨脹+≧3の圧痛関節;標準的治療が適格であったにもかかわらずCRP ≧0.3mg/dLであった。患者の約30%は、以前に≦2のTNFiを受けた可能性がある。患者は、W0のDMARD(Y/N)及びTNF(Y/N)の以前の使用によって層別化され、GUS 100mg Q4W、GUS 100mgを0週目、4週目、及びQ8W、又はPBOに、1:1:1でランダム化された。24週目では、PBO患者はGUS 100mg Q4W(PBO→Q4W)に移行した。48週目が試験薬剤の最終投与となった。欠落データに対する非応答者代入法(NRI)に基づき、24週目で試験薬をなお投与されていた患者で観察された52週目でのACR応答率を示す。追加エンドポイントの観察データを示す。60週目までのAEを報告する。
結果
ランダム化された患者381人中362人(95%)がW24時点で試験薬を継続し(Q4W 125人、Q8W 123人、PBO→Q4W 114人)、381人中347人(91%)が治療を完了し、381人中343人(90%)が試験を完了した。NRIのACR20応答率は52週目で維持された(Q4W 73%、Q8W 60%;図22A、図22B)。より厳格なACR50/70基準で、同様の応答パターンが見られた(図23A、図23B、図24A、図24B)。観察されたACR応答、すなわち全体的なACR応答(図25A-B、図26A-B、図27A-B)、及びTNF使用歴のある患者(図25A、図26A、図27A)とない患者(図25B、図26B、図27B)でのACR応答は、52週目においても維持された。他の臨床アウトカムの改善も52週目で維持され(図28~図34)、24週目でPBO→Q4Wに移行した患者の応答は、52週目までに他のGUS治療を受けた患者と概ね一致した(表49)。24週目までに重度のAEが発生したのは、GUS投与グループでは4人(2%)、PBO投与グループでは5人(4%)であった。重度の感染症はGUS投与患者にはなく、PBO投与患者では2人(2%)であった。60週目までのGUS治療患者全369人のうち、重度のAEは4%、重度の感染症は1%にそれぞれ発生した。GUS治療グループでは、死亡も、IBD、日和見感染症/活性結核、アナフィラキシー/血清病様応答の発生もなかった。
Figure 2022536088000063
上に示されるように、両方の用量のグセルクマブ(Q4w及びQ8w)の用量は、24週目~52週目を超えて全ての臨床エンドポイントを維持するか、又はその数値的改善を示した。データは、両方の用量のグセルクマブが、52週目までに」安全かつ十分に忍容されたことも示した。この乾癬性関節炎患者集団における52週目までのグセルクマブの安全性プロファイルは、乾癬の適応症で示されたものと概ね一致していた。24週目の一次分析結果と同様に、52週目の分析で、Q8w投与グループとQ4w投与グループの間で、有効性のドメイン(関節、腱付着部炎、指炎、身体的機能、QOL)における全体的な用量応答は観察されなかった。皮膚応答を示した対象の割合は、Q4w投与グループとQ8w投与グループで数値的な差が見られた(すなわち、IGA応答はQ4w投与グループで83%、Q8w投与グループで69%。この差は、第24週の分析で見られたもの(q8wにおけるq4w及び57.3%におけるIGA応答75.3%)よりも小さい。
結論
このデータは、52週目までの生物学的ナイーブ及び抗TNF経験患者において維持され更に改善された、兆候及び症状に対する顕著な影響を示し、24週目に見られた堅牢かつ持続的な有効性及び安全性を確認するものである。
第52週目の結果は、以前に報告された第24週目の結果から継続的な改善を示し、応答の持続性がIL-23阻害治療の重要な特徴であるという更なる証拠を提供した。両方の用量レジメンは、TNF経験患者である患者を含む、1年の曝露による、関節及び皮膚乾癬の兆候及び症状、身体的機能、腱付着部炎、指炎、並びに健康関連の生活の質の非常に臨床的に意味のある改善を示した。グセルクマブ100mg Q4W及びQ8W用量レジメンの両方は、52週目まで安全であり忍容性が十分であった。
第24週目から第52週目までの安全性
GUS 100mg q4w及びq8w用量レジメンの両方は、安全であり十分に忍容性が十分であった(表50,表51)。試験終了までの乾癬性関節炎患者のこの集団におけるGUSの安全性プロファイルは、乾癬適応症において実証されたものと概ね一致していた。
Figure 2022536088000064
Figure 2022536088000065
実施例5.X線画像の読み取り
DISCOVER-2では、手(後前)と足(前後)のX線画像を3つの読み取りセッションで評価した:1)患者当たり2枚のX線画像(Week0及びWeek24[又はWeek24以前の中止])を含む、24週目のデータベースロック前に完了したもの;2)患者当たり3枚のX線画像(第0週、第24週、第52週[又は第24週から第52週の間に中止])を含む、第52週のデータベースロック前に完了したもの;3)患者当たり4枚のX線画像(第0週、第24週、第52週、第100週[又は第52週以降に中止])を含む、最終データベースロック前に完了したもの。
各読み取りセッションにおいて、指定されたX線画像は、2つのプライマリリーダ(主読み取り者)によって独立して評価された。リーダ1はプライマリリーダとして最初と2番目の両方の読み取りセッションに参加し、最初のセッションのリーダ2は2番目のセッションの調整者であり、最初のセッションの調整者は2番目のセッションのプライマリリーダであった(リーダ2として指定))。ベースライン後のいずれかの訪問時に、乾癬性関節炎(PsA)修正ファンデルハイデシャープ(vdH-S)スコアの合計のベースラインからの変化のリーダ間差が10を超えた場合(事前に規定)、その患者の読み取りセッションの同じX線画像セットを第3のリーダ(調整者)が読み取った。
0週目、24週目、52週目に撮影されたX線写真について、クラス内相関係数は、リーダ」の信頼性が良好(絶対スコアは0.92~0.93)、中程度(変化スコアは0.58~0.76)であることを示した。PsA修正vdH-Sの合計スコア、びらんスコア、及びJSNスコアの最も小さい検出可能な変化はそれぞれ、0~24週目で1.85、1.72、0.85であり、24~52週目では1.91、1.69、0.82であり、0~52週目では2.39、2.22、1.02であった(表52)。
グセルクマブQ4Wグループでは、PSA修正vdH-Sの総スコアの観察された平均変化は、0~24週目と24~52週目でそれぞれ0.46と0.62であった。グセルクマブQ8Wグループでのそれぞれの変化は、0.73と0.23であった。24週目にプラセボからグセルクマブQ4Wに移行した患者では、vdH-Sスコア合計の平均変化は、0~24週目で1.00、24~52週目で0.25であった(表52)。
Figure 2022536088000066
Figure 2022536088000067

Claims (26)

  1. 治療を必要とする対象における乾癬性関節炎を治療する方法であって、前記対象に約50mg~約150mgの抗IL-23抗体を皮下投与することを含み、前記抗体が重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、前記重鎖可変領域が、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(CDRH1)アミノ酸配列、配列番号2のCDRH2、及び配列番号3のCDRH3を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1(CDRL1)アミノ酸配列、配列番号5のCDRL2、及び配列番号6のCDRL3を含み、前記対象が前記治療後に米国リウマチ学会コアセット疾患指数の少なくとも20%の改善(ACR20)を達成する、方法。
  2. 前記抗体が、配列番号7のアミノ酸配列の重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域と、を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記抗体が、配列番号9の重鎖アミノ酸配列と、配列番号10の軽鎖アミノ酸配列と、を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記抗体が投与当たり約100mgの用量で投与される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記抗体が、4週間毎に1回投与される(q4w)、請求項4に記載の方法。
  6. ACR20が約24週間の治療期間の後に達成される、請求項1に記載の方法。
  7. ACR20が約52週間の治療期間の後に達成される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記治療後、前記対象が、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の50%の改善(ACR50)、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の70%の改善(ACR70)、健康評価質問票障害指数(HAQ-DI)、治験責任者によるグローバル評価(IGA)、疾病活動性スコア28(DAS28)C反応性タンパク質(CRP)、腱付着部炎の解消、指炎の解消、リーズ腱付着部炎指数(LEI)、甲状腺炎評価スコア、精神的及び身体的コンポーネントサマリー(MCS及びPCS)におけるショートフォーム健康調査(SF-36)、最小疾患活動性(MDA)の達成、非常に低い疾患活動性(VLDA)、バス強直性脊椎炎活動性指数(BASDAI)、GRAppa複合スコア(GRACE)、乾癬性関節炎疾患活動性スコア(PASDAS)、修正複合乾癬疾患活動性指数(mCPDAI)、乾癬の面積及び重症度指数(PASI)、皮膚のライフクォリティ指数(DLQI)、慢性疾患治療の機能評価(FACIT)、患者報告アウトカム測定情報システム-29(PROMIS-29)、及びvdH-Sスコアからなる群から選択される少なくとも1つの基準によって決定される疾患活動性の改善を更に達成する、請求項1に記載の方法。
  9. 前記対象が、前記治療後に、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の少なくとも50%の改善(ACR50)を更に達成する、請求項8に記載の方法。
  10. 前記対象が、少なくとも約24週間の治療期間の後に、健康評価質問票障害指数(HAQ-DI)の改善を更に達成する、請求項8に記載の方法。
  11. 前記対象が、少なくとも約24週間の治療期間後に、疾患活動性スコア28(DAS28)C反応性タンパク質(CRP)の改善を更に達成する、請求項8に記載の方法。
  12. 前記対象が、少なくとも約24週間の治療期間後に、治験責任者によるグローバル評価(IGA)の0(クリア)若しくは1(最小)、又は2以上のグレード低下を前記IGAにおいて更に達成し、前記対象が、3%以上の体表面積 (BSA)の乾癬性病変を有し、前記治療前のベースラインで2以上のIGAスコアを示す、請求項8に記載の方法。
  13. 前記対象が、前記PsAの標準的治療に対して不十分な応答を有し、任意選択的に、前記対象が、前記治療中に前記標準的治療も受ける、請求項1に記載の方法。
  14. 治療を必要とする対象における乾癬性関節炎を治療する方法であって、0週目に1回、4週目に1回、及びその後8週毎に1回(q8w)、前記対象に約50mg~150mgの抗IL-23抗体を皮下投与することを含み、前記抗体が重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を含み、前記重鎖可変領域が、配列番号1の相補性決定領域重鎖1(CDRH1)アミノ酸配列、配列番号2のCDRH2、及び配列番号3のCDRH3を含み、前記軽鎖可変領域が、配列番号4の相補性決定領域軽鎖1(CDRL1)アミノ酸配列、配列番号5のCDRL2、及び配列番号6のCDRL3を含み、前記対象が、前記治療前に、直径≧2cmの少なくとも1つの乾癬性プラーク、又は乾癬と一致する爪の変化、又はプラーク乾癬の文書化された病歴を有し、前記対象が、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の少なくとも20%の改善(ACR20)を達成する、方法。
  15. 前記抗体が、配列番号7のアミノ酸配列の重鎖可変領域と、配列番号8のアミノ酸配列の軽鎖可変領域と、を含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記抗体が、配列番号9の重鎖アミノ酸配列と、配列番号10の軽鎖アミノ酸配列と、を含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記抗体が投与当たり約100mgの用量で投与される、請求項14に記載の方法。
  18. ACR20が約24週間の治療期間の後に達成される、請求項17に記載の方法。
  19. ACR20が約52週間の治療期間の後に達成される、請求項18に記載の方法。
  20. 前記治療後、前記対象が、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の50%の改善(ACR50)、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の70%の改善(ACR70)、健康評価質問票障害指数(HAQ-DI)、治験責任者によるグローバル評価(IGA)、疾病活動性スコア28(DAS28)C反応性タンパク質(CRP)、腱付着部炎の解消、指炎の解消、リーズ腱付着部炎指数(LEI)、指炎評価スコア、精神的及び身体的コンポーネントサマリー(MCS及びPCS)におけるショートフォーム健康調査(SF-36)、最小疾患活動性(MDA)の達成、非常に低い疾患活動性(VLDA)、バス強直性脊椎炎活動性指数(BASDAI)、GRAppa複合スコア(GRACE)、乾癬性関節炎疾患活動性スコア(PASDAS)、修正複合乾癬疾患活動性指数(mCPDAI)、乾癬の面積及び重症度指数(PASI)、皮膚のライフクォリティ指数(DLQI)、慢性疾患治療の機能評価(FACIT)、患者報告アウトカム測定情報システム-29(PROMIS-29)、及びvdH-Sスコアからなる群から選択される少なくとも1つの基準によって決定される疾患活動性の改善を更に達成する、請求項19に記載の方法。
  21. 前記対象が、前記治療後に、米国リウマチ学会コアセット疾患指数の少なくとも50%の改善(ACR50)を更に達成する、請求項20に記載の方法。
  22. 前記対象が、少なくとも約24週間の治療期間の後に、健康評価質問票障害指数(HAQ-DI)の改善を更に達成する、請求項20に記載の方法。
  23. 前記対象が、少なくとも約24週間の治療期間後に、疾患活動性スコア28(DAS28)C反応性タンパク質(CRP)の改善を更に達成する、請求項20に記載の方法。
  24. 前記対象が、少なくとも約24週間の治療期間後に、治験責任者によるグローバル評価(IGA)の0(クリア)若しくは1(最小)、又は2以上のグレード低下を前記IGAにおいて更に達成し、前記対象が、3%以上の体表面積(BSA)の乾癬性病変を有し、前記治療前のベースラインで2以上のIGAスコアを示す、請求項20に記載の方法。
  25. 前記対象が、前記PsAの標準的治療に対して不十分な応答を示した、請求項1に記載の方法。
  26. 前記対象が、前記治療中に前記標準的治療も行われる、請求項25に記載の方法。
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