JP2022536076A - シリルヒドリドとα-β不飽和エステルとの熱開始酸触媒反応 - Google Patents
シリルヒドリドとα-β不飽和エステルとの熱開始酸触媒反応 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 組成物は、シリルヒドリド、α-β不飽和エステル、ルイス酸触媒、及び以下の式:R1R2R3N[式中、窒素は、N=C-N結合の員ではなく、R1、R2、及びR3の各々は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、及び共役部分からなる群から選択される]を有するアミンの混合物を含有し、R1、R2、及びR3の少なくとも1つは、共役炭素によって窒素に接続している共役部分である。【選択図】なし
Description
発明の分野
本発明は、シリルヒドリド、α-β不飽和エステル、ルイス酸触媒、及びルイス酸触媒のためのアミン遮断剤を含む組成物に関する。組成物を加熱することにより、アミン遮断剤からルイス酸触媒が放出され、それがシリルヒドリドとα-β不飽和エステルとの反応を誘発することができる。
本発明は、シリルヒドリド、α-β不飽和エステル、ルイス酸触媒、及びルイス酸触媒のためのアミン遮断剤を含む組成物に関する。組成物を加熱することにより、アミン遮断剤からルイス酸触媒が放出され、それがシリルヒドリドとα-β不飽和エステルとの反応を誘発することができる。
序論
強ルイス酸は、多数の反応のための既知の触媒である。例えば、シリルヒドリドとシリルエーテルとのPiers-Rubinsztajn(PR)反応は、強ルイス酸、特にトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(「BCF」)によって触媒される周知の反応である。同様のルイス酸触媒反応としては、シリルヒドリドとポリシロキサンとの転位反応、及びシリルヒドリドとシラノールとの転位反応が挙げられる。例えば、Chem.Eur.J.2018,24,8458-8469を参照されたい。
強ルイス酸は、多数の反応のための既知の触媒である。例えば、シリルヒドリドとシリルエーテルとのPiers-Rubinsztajn(PR)反応は、強ルイス酸、特にトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(「BCF」)によって触媒される周知の反応である。同様のルイス酸触媒反応としては、シリルヒドリドとポリシロキサンとの転位反応、及びシリルヒドリドとシラノールとの転位反応が挙げられる。例えば、Chem.Eur.J.2018,24,8458-8469を参照されたい。
PR反応などのルイス酸触媒反応は、摂氏23度(℃)でさえも急速反応する傾向がある。これらの反応系は反応性が高いため、それらの用途は制限される。この反応は、コーティング及び接着剤などの用途において望ましい場合があるが、反応系は、適用前に反応を排除するために、多元系内で保管されなければならない。それでも、成分が組み合わされるとすぐに反応が非常に急速に起こり得るため、反応系を適用する時間がほとんどない。ルイス酸触媒反応を制御する方法を特定し、理想的には、バッチ調製、貯蔵、使用を可能にするために23℃で貯蔵安定性であるが、所望に応じて反応するように誘発され得る形態で、反応物及びルイス酸触媒を含む1液型反応系(one-part reactive systems)としてそれらを提供することが望ましい。
紫外線(UV)感光性遮断剤は、UV光に曝露するとルイス酸を放出する遮断されたルイス酸を形成するために、ルイス酸と組み合わされる。UV光に曝露すると、遮断剤はルイス酸から解離し、ルイス酸を遊離して反応を触媒する。これらの遮断されたルイス酸を含む系による課題は、安定性を維持するために暗所に保持する必要があることである。更に、反応を開始するためにUV光に曝露する必要があり、厚い組成物では、組成物全体を通して急速に硬化を開始するためにUV光透過を得ることが困難であり得る。
特に、アミンは、PR反応型の系ではルイス酸との組み合わせにおいて注目されている。しかしながら、アミンは、反応を完全に抑制することが報告されている。例えば、Chem.Comm.2010,46,4988-4990 at 4988を参照されたい。ほとんどのアミンは、ルイス酸触媒と本質的に不可逆的に錯体化(complex)するが、トリアリールアミンは例外であることが分かり、PR反応を触媒する際にルイス酸を損なうことがないと後に特定された。Chem.Eur.J.2018,24,8458-8469 at 8461及び8463を参照されたい。
UV光に曝露しても23℃で貯蔵安定性であるが、所望に応じて、好ましくは100℃未満の温度で反応するように誘発され得る、ルイス酸触媒反応のための1液型反応系を調製する方法を特定することが望ましい。
本発明は、UV光に曝露しても23℃で貯蔵安定性であるが、所望に応じて反応するように誘発され得る、ルイス酸触媒反応のための1液型反応系を調製する方法を特定する問題に対する解決策を提供する。特に、本発明は、シリルヒドリドとα-β不飽和エステルとの反応におけるこのような問題に対する解決策を提供する。更に、本発明は、加熱すると反応するように誘発されるこのような溶液を提供する。本発明の組成物は、同時に、23℃で8時間以上、好ましくは10時間以上ゲル化することを避けるが、同時に90℃で10分以内、好ましくは5分以内、より好ましくは1分以内にゲル化(又は硬化)する。このような組成物は、23℃でのゲル化に対する安定性が、より長期間1液型反応系を形成及び貯蔵することを可能にするため、より大きなバッチを一度に作製することができることを意味するために望ましい。90℃での急速なゲル化/硬化時間は、長期間の高温(例えば、100℃以上)への曝露が望ましくない用途、例えば、組成物を適用する基材が高温で劣化する可能性がある剥離コーティング用途などにおいて重要である。
ヒドロシリル化反応は、硬化反応において、シリルヒドリド及び不飽和結合を反応させる1つの方法である。ヒドロシリル化は、典型的には、反応生成物中に望ましくないまま残存する傾向がある遷移金属触媒の存在を必要とする。しかしながら、シリルヒドリド及びα-β不飽和エステルは、遷移金属触媒を必要とすることなくルイス酸触媒の存在下で還元的硬化反応を受けることが発見された。シリルヒドリドとα-β不飽和エステルとの還元的硬化反応は、α-β不飽和エステルのカルボニル酸素にケイ素を添加して、新しいシリルエーテル結合を生成するか、又はα-β不飽和エステルのα-炭素にケイ素を添加して、新たなケイ素-炭素結合を形成するいずれかの付加反応である。反応は、新たな付加生成物以外のいかなる副生成物、特にガス状物質を生成することなく、これらの付加生成物を生成する。また、高価な白金触媒を必要とせず、白金触媒ヒドロシリル化よりも穏やかかつ速い付加反応を提供するという利点もある。
シリルヒドリド及びα-β不飽和エステルのルイス酸触媒による還元的硬化は、コーティング、接着剤、及びシーラント用途においてシロキサンを硬化するために望ましい場合がある。しかしながら、還元的硬化反応は急速である傾向があるため、反応が所望されるまで触媒がSi-H及び/又はα-β不飽和エステルから離して保持される2液型系(two-part systems)として反応系を供給及び貯蔵する必要がある。1液型反応系は、2液型系と比べて取り扱いが容易であり、かつ望ましいため、貯蔵のための貯蔵安定性を提供するが、系を硬化させることが望ましい場合、還元的硬化反応を誘発する方法を有するような方法で、反応成分を1液型反応系に一緒に貯蔵できることが望ましい。
本発明は、23℃でルイス酸触媒と錯体化し、ルイス酸触媒の活性を遮断するが、加熱するとルイス酸触媒を放出する特定のアミンを驚くことにかつ予想外に発見した結果である。結果として、特定のアミンは、23℃でルイス酸触媒を遮断するが、ルイス酸触媒を放出し、90℃以上などの高温で反応を触媒するルイス酸触媒のための熱により誘発され得る遮断剤である。これは、当該技術分野における以前の理解を考慮すると驚くべきことである。上述したように、現在の理解は、ルイス酸触媒と不可逆的に錯体化するか、又はルイス酸触媒反応においてルイス酸触媒を損なうことができないかのいずれかである。Chem.Comm.2010,46,4988-4990 at 4988並びにChem.Eur.J.2018,24,8458-8469 at 8461及び8463を参照されたい。
ルイス酸触媒のための熱により誘発される遮断剤として働くアミンの本発見により、アミン遮断剤に加えて、ルイス酸触媒、シリルヒドリド、及びα-β不飽和エステルを含む1液型反応系として機能する本発明の組成物を利用可能にする。
第1の態様では、本発明は、シリルヒドリド、α-β不飽和エステル、ルイス酸触媒、及び以下の式:R1R2R3N[式中、R1、R2、及びR3の各々は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、及び共役部分からなる群から選択される]を有するアミンの混合物を含む組成物であって、R1、R2、及びR3の少なくとも1つは、共役炭素によって窒素に接続している共役部分である。
第2の態様では、本発明は、(a)第1の態様の組成物を提供するステップと、(b)組成物を、アミンからルイス酸触媒を解離するのに十分な温度に加熱するステップと、を含むプロセスである。
本発明の組成物は、例えば、コーティング、封入剤、及び接着剤のための1液型反応系として適している。
試験方法は、日付が試験方法番号と共に示されていない場合、本文書の優先日現在での直近の試験方法を指す。試験方法への言及は、試験の協会及び試験方法番号への参照の両方を含む。本明細書では、以下の試験方法の略語及び識別子が適用される。ASTMは、ASTMインターナショナル(ASTM International)を指し、ENは欧州規格(European Norm)を指し、DINは、ドイツ規格協会(Deutsches Institut fuer Normung)を指し、ISOは国際標準化機構(International Organization for Standardization)を指す。
「複数の」とは、2つ以上を意味する。「及び/又は」とは、「及び、又は代替として」を意味する。全ての範囲は、特に指示がない限り、端点を含む。商品名で識別される製品は、本明細書に別途記載のない限り、本文書の優先日において、それらの商品名でサプライヤーから入手可能な組成物を指す。
「シロキサン」は、少なくとも1つのシロキサン(Si-O-Si)結合を含有する分子を指す。望ましくは、本発明のシロキサンは、複数のSi-O-Si結合を含有する分子を指す「ポリシロキサン」である。ポリシロキサンは、典型的には、M、D、T、又はQ単位と呼ばれるシロキサン単位を含む。標準M単位は、式(CH3)3SiO1/2を有する。標準D単位は、式(CH3)2SiO2/2を有する。標準T単位は、式(CH3)SiO3/2を有する。標準Q単位は、式SiO4/2を有する。M型、D型、及びT型単位は、水素、又はいくつかの他の部分で置き換えられる1つ以上のメチル基を有する。
「シリルヒドリド」は、ケイ素-水素(Si-H)結合を含有する分子であり、複数のSi-H結合を含有することができる。
「α-β不飽和エステル」は、エステル基及び鎖中のα炭素とβ炭素との間の二重結合を含有する分子を指し、炭素原子はエステルのカルボニル基への近接性に基づいて命名される。アクリレート及びメタクリレートは、α-β不飽和エステルの例である。α-β不飽和エステルとしては、ケイ素、例えば、α-β不飽和エステルを含有するポリシロキサンなどが挙げられてもよい。
「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及び/又はメタクリレート官能基を含有するケイ素含有分子を含む、メタクリレート及びアクリレートからなる基を指す。
「アルキル」は、水素原子を除去することによってアルカンから誘導される炭化水素基である。「置換アルキル」は、少なくとも1つの炭素又は水素の代わりに炭素及び水素以外の原子、又は化学的部分を有するアルキルである。
「アリール」は、水素原子を除去することによって芳香族炭化水素から誘導される基である。「置換アリール」は、少なくとも1つの炭素又は水素の代わりに炭素及び水素以外の原子、又は化学的部分を有するアリールである。
「共役」は、1セットの交互に連なる炭素-炭素の単結合及び二重結合及び/又は三重結合を指し、そのp-軌道は、炭素結合間で非局在化電子を可能にするように接続されている。「共役炭素」は、共役される1セットの交互に連なる炭素-炭素の単結合及び二重結合の炭素を指す。「非共役」は、共役系の一部ではない炭素を指す。「芳香族」は、環状平面共役分子を指す。
「遮断剤」は、いくつかの方法で第2の成分の活性を防止するために、第2の成分に結合する成分である。例えば、触媒上の遮断剤は、触媒を触媒活性から排除し、遮断剤と錯体化する。
ルイス酸は、一般に以下に示されるように、シリルヒドリドとα-β不飽和エステルとの反応を触媒し、
式中、2つの任意選択反応生成物を示す。この反応は、新たなシロキサン結合を形成し、架橋ポリシロキサン系を形成するのに有用である。
この転位反応は、新しいシロキサン結合を形成し、架橋ポリシロキサン系を形成するのに有用である。Piers-Rubinsztajn(PR)反応などの他のルイス酸触媒反応に勝るこの反応の特に望ましい特性は、この反応が典型的に、反応を使用してシロキサンポリマーを硬化させるときに気泡を生成する可能性のある揮発性の副生成物を生成しないことである。したがって、反応は、透明な硬化組成物及びフィルムを作製するのに理想的である。
本発明は、シリルヒドリド、α-β不飽和エステル、ルイス酸触媒、及び特定のアミンの混合物を含む組成物を含む。本発明の特定のアミンは、23℃でルイス酸触媒のための遮断剤として作用するが、高温(例えば、80℃以上、又は90℃以上)でルイス酸触媒を放出することが発見された。本発明の組成物は、23℃で貯蔵安定性であるが、高温で10分以内、好ましくは5分以内、より好ましくは1分以内にゲル化するようにルイス酸触媒反応を受ける1液型ルイス酸触媒反応系である。このような組成物は、ルイス酸触媒反応のための「貯蔵安定性」である1液型系を提供するという本発明の目的を達成する。「貯蔵安定性」とは、反応系が、23℃で、8時間以下、更により好ましくは10時間以下、その上より好ましくは12時間以下、かつその上更により好ましくは24時間以下でゲル化しないことを意味する。以下の実施例セクションにおける「23℃貯蔵寿命」を使用して貯蔵安定性を評価する。本発明の組成物は更に、23℃で貯蔵安定性であるが、所望に応じて加熱によって誘発されるルイス酸触媒反応のための1液型反応系を提供する。特に、本発明の組成物は、90℃で10分以下、より好ましくは5分以下、かつ更により好ましくは1分以下でゲル化する。以下の実施例セクションにおける「90℃での硬化速度」試験を使用して、90℃での硬化速度を決定する。
α-β不飽和エステル
α-β不飽和エステルは、分子中の1つ又は2つ以上の位置において、以下の組成構造(α-β不飽和エステル基)を有し、
式中、Rは、示される酸素に結合している炭素を含有し、任意の他の原子を含有してもよい。例として、Rは、アルキル、置換アルキル、ベンジル、又は酸素に接続している炭素を有するポリマー基であってもよい。
α-β不飽和エステルは、分子中の1つ又は2つ以上の位置において、以下の組成構造(α-β不飽和エステル基)を有し、
望ましくは、α-β不飽和エステル基は、ポリマーの一部であってもよい。このようなポリマーは、1つ又は2つ以上のα-β不飽和エステル基を含有してもよい。α-β不飽和エステルは、(メタ)アクリレート、すなわち、以下に示すようなアクリレート及び/又はメタクリレート基を有する化合物から選択されることが望ましく、(メタ)アクリレート基は、単結合を有する酸素を介してポリマーに結合している。
α-β不飽和エステル基は、ケイ素原子に接続してもよく、ケイ素原子は、典型的にはシロキサン基(Si-O-Si)又はポリシラン基(Si-Si)の一部であり、ケイ素原子自体は、典型的にはポリシロキサン鎖の一部である。α-β不飽和エステル基がケイ素原子に接続するとき、酸素とケイ素との間の接続は、α-β不飽和エステル基中の単結合酸素原子を介して、1個又は複数個(一般に2個以上、3個以上であるが、同時に6個以下、5個以下、更には4個以下)の炭素原子を介している。
好適なα-β不飽和エステルの例としては、式MDxDMA
yMを有するものなどのメタクリレート-ペンダントポリシロキサンが挙げられ、式中、DMAは、D型シロキサン単位であり、標準的なDシロキサン単位のメチル基のうちの1つがメタクリルオキシプロピルで置き換えられ、
式中、下付き文字xは、1分子当たりのD単位の平均数であり、10以上、20以上、30以上、40以上、50以上、60以上、70以上、80以上、90以上、100以上、110以上、120以上、130以上、140以上、150以上、160以上、170以上、180以上、190以上、及び更に200以上であるが、同時に、一般に1000以下、800以下、600以下、400以下、又は更に200以下の値であり、下付き文字yは、1分子当たりのDMAシロキサン単位の平均数であり、1以上、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、10以上、12以上、14以上、16以上、18以上又は更に20以上であり、同時に、一般に50以下、40以下、30以下、20以下、又は更に10以下の値である。29Si核磁気共鳴分光法によって下付き文字値を決定する。
メタクリルオキシプロピル末端ポリジメチルシロキサンである好適なα-β不飽和エステルの例としては、商品名DMS-R11(125~250cSt)、DMS-R18(50~90cSt)、DMS-R11(8~14cSt)、及びDMS-R31(1,000cSt)でGelestから入手可能なもの、並びにSIVATE(商標)A200の名称でGelestから入手可能なアクリレート官能性シランが挙げられる。
典型的には、組成物中のα-β不飽和エステルの濃度は、シリルヒドリド、α-β不飽和エステル、ルイス酸触媒、及びアミンの総合重量に基づいて、70重量パーセント(重量%)以上、75重量%以上、80重量%以上、85重量%以上、更には90重量%以上であるが、同時に、典型的には90重量%以下、85重量%以下、80重量%以下、又は更には75重量%以下である。
シリルヒドリド
シリルヒドリドは、1つ、好ましくは2つ以上のSi-H結合を含有する。Si-H結合は、典型的には、ポリシラン(複数のSi-H結合を含有する分子)又はポリシロキサンの一部である。複数のSi-H結合を含有するシリルヒドリドは、複数のシロキサン結合と反応可能であるため、本発明の組成物中の架橋剤として望ましい。
シリルヒドリドは、1つ、好ましくは2つ以上のSi-H結合を含有する。Si-H結合は、典型的には、ポリシラン(複数のSi-H結合を含有する分子)又はポリシロキサンの一部である。複数のSi-H結合を含有するシリルヒドリドは、複数のシロキサン結合と反応可能であるため、本発明の組成物中の架橋剤として望ましい。
本発明のシリルヒドリドは、ポリマーであってもよい。シリルヒドリドは、直鎖状、分枝状であってもよく、又は直鎖状及び分枝状シリルヒドリドの組み合わせを含有してもよい。シリルヒドリドは、ポリシラン、ポリシロキサン、又はポリシランとポリシロキサンとの組み合わせであってもよい。
望ましくは、シリルヒドリドは、1つのSi-H結合又は2つ以上のSi-H結合を有するポリシロキサン分子である。シリルヒドリドがポリシロキサンである場合、Si-H結合は、M型又はD型シロキサン単位のケイ素原子上にある。ポリシロキサンは、直鎖状であってもよく、M型及びD型単位のみを含んでもよい。あるいは、ポリシロキサンは、分枝状であってもよく、T型及び/又はQ単位を含有してもよい。
好適なシリルヒドリドの例としては、商品名DMS-H03、DMS-H25、DMS-H31、及びDMS-H41でGelestから入手可能なものなどの、ペンタメチルジシロキサン、ビス(トリメチルシロキシ)メチル-シラン、テトラメチルジシロキサン、DH含有ポリ(ジメチルシロキサン)(例えば、MDH
65M)、テトラメチルシクロテトラシロキサン、及びヒドリド末端ポリ(ジメチルシロキサン)が挙げられる。
シリルヒドリドの濃度は、典型的には、0.2以上、0.5以上、0.7以上、0.8以上、0.9以上、1.0以上、1.2以上、1.4以上、1.6以上、1.8以上、2.0以上、2.2以上、更には2.5以上であるが、同時に、典型的には5.0以下、4.5以下、4.0以下、3.5以下、3.0以下、2.8以下、2.5以下、2.3以下、2.0以下、1.8以下、1.6以下、1.4以下、1.2以下、又は更には1.0以下である、Si-H基のα-β不飽和エステル基の組み合わせに対するモル比を提供するのに十分である。
α-β不飽和エステル又はシリルヒドリドのいずれか(又はその両方)は、反応において架橋剤として機能することができる。架橋剤は、1分子中に少なくとも2つの反応性基を有し、これらの反応性基を介して2つの異なる分子と反応して、それらの分子を一緒に架橋する。架橋剤中の反応性基間の直鎖の長さを増加させることは、得られた架橋物の可撓性を増加させる傾向がある。対照的に、架橋剤中の反応性基間の直鎖の長さを短くすることは、得られた架橋物の可撓性を低減させる傾向がある。一般に、より高い可撓性の架橋物を得るためには、直鎖状架橋剤が所望され、反応性部位間の長さは、所望の可撓性を得るように選択される。より低い可撓性の架橋物を得るためには、架橋分子間の可撓性を低減させるのにより短い直鎖状架橋剤又は更には分枝状架橋剤が所望される。
シリルヒドリドは、α-β不飽和エステルと同じ分子であってもよく、すなわち、α-β不飽和エステル及びシリルヒドリド官能基の両方を含有する単一分子は、シリルヒドリド及びα-β不飽和エステルの両方として機能してもよい。あるいは、シリルヒドリドは、α-β不飽和エステルとは異なる分子であってもよい。シリルヒドリドは、α-β不飽和エステル基を含まなくてもよい。α-β不飽和エステルは、シリルヒドリド基を含まなくてもよい。
本発明の組成物(及び反応プロセス)は、2つ以上のシリルヒドリド、2つ以上のα-β不飽和エステル、並びに/又はシリルヒドリド及びα-β不飽和エステルの両方として機能する2つ以上の成分を含んでもよい。
典型的には、組成物中のシリルヒドリドの濃度は、シリルヒドリド、α-β不飽和エステル、ルイス酸触媒、及びアミンの総合重量に基づいて、5重量%以上、10重量%以上、15重量%以上、20重量%以上、更には25重量%以上であるが、同時に、典型的には30重量%以下、25重量%以下、20重量%以下、15重量%以下、又は更には5重量%以下である。
ルイス酸触媒
ルイス酸触媒は、望ましくはアルミニウムアルキル、アルミニウムアリール、アリールボラン、トリアリールボランを含むアリールボラン(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランなどの置換アリール及びトリアリールボランを含む)、ハロゲン化ホウ素、ハロゲン化アルミニウム、ガリウムアルキル、ガリウムアリール、ハロゲン化ガリウム、シリウムカチオン、及びホスホニウムカチオンからなる群から選択される。好適なアルミニウムアルキルの例としては、トリメチルアルミニウム及びトリエチルアルミニウムが挙げられる。好適なアルミニウムアリールの例としては、トリフェニルアルミニウム及びトリス-ペンタフルオロフェニルアルミニウムが挙げられる。トリアリールボランの例としては、以下の式:
(式中、Rは、各出現において独立して、H、F、Cl、及びCF3から選択される)を有するものが挙げられる。好適なハロゲン化ホウ素の例としては、(CH3CH2)2BCl及びボロントリフルオリドが挙げられる。好適なハロゲン化アルミニウムの例としては、三塩化アルミニウムが挙げられる。好適なガリウムアルキルの例としては、トリメチルガリウムが挙げられる。好適なガリウムアリールの例としては、トリフェニルガリウムが挙げられる。好適なハロゲン化ガリウムの例としては、トリクロロガリウムが挙げられる。好適なシリウムカチオンの例としては、(CH3CH2)3Si+X-及びPh3Si+X-が挙げられる。好適なホスホニウムカチオンの例としては、F-P(C6F5)3
+X-が挙げられる。
ルイス酸触媒は、望ましくはアルミニウムアルキル、アルミニウムアリール、アリールボラン、トリアリールボランを含むアリールボラン(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランなどの置換アリール及びトリアリールボランを含む)、ハロゲン化ホウ素、ハロゲン化アルミニウム、ガリウムアルキル、ガリウムアリール、ハロゲン化ガリウム、シリウムカチオン、及びホスホニウムカチオンからなる群から選択される。好適なアルミニウムアルキルの例としては、トリメチルアルミニウム及びトリエチルアルミニウムが挙げられる。好適なアルミニウムアリールの例としては、トリフェニルアルミニウム及びトリス-ペンタフルオロフェニルアルミニウムが挙げられる。トリアリールボランの例としては、以下の式:
ルイス酸は、典型的には、シリルヒドリド及びα-β不飽和エステルの総合重量に基づいて、10重量百万分率(ppm)以上、50ppm以上、150ppm以上、200ppm以上、250ppm以上、300ppm以上、350ppm以上400ppm以上、450ppm以上、500ppm以上、550ppm以上、600ppm以上、70ppm以上750ppm以上、1000ppm以上1500ppm以上、2000ppm以上、4000ppm以上、5000ppm以上、更に7500ppm以上であるが、同時に、典型的には10,000以下、7500ppm以下、5000ppm以下、1500ppm以下、1000ppm以下、又は750ppm以下の濃度で組成物中に存在する。
アミン
アミンの選択は、23℃でルイス酸と錯体化し、その温度で反応組成物中のルイス酸の触媒活性を阻害しなければならず、更に、反応組成物を90℃で急速に(10分以内、好ましくは5分以内、より好ましくは1分以内)ゲル化するような高温でルイス酸を放出しなければならないため重要である。反応組成物を23℃及び90℃で監視して、ゲル時間を決定することができる(以下の実施例セクションを参照)。あるいは、又は追加的に、示差走査熱量測定によって、硬化反応発熱が起こる温度を特徴付けることができる(Tpeak、手順については以下の実施例セクションを参照)。組成物のTpeak値は、適切なアミンが存在する場合、同一のアミンを含まない組成物のTpeakに対して増加すべきであるが、望ましくは、90℃で急速に硬化するのに十分な解離を反映するように、130℃未満、好ましくは120℃未満、より好ましくは110℃未満のままである。
アミンの選択は、23℃でルイス酸と錯体化し、その温度で反応組成物中のルイス酸の触媒活性を阻害しなければならず、更に、反応組成物を90℃で急速に(10分以内、好ましくは5分以内、より好ましくは1分以内)ゲル化するような高温でルイス酸を放出しなければならないため重要である。反応組成物を23℃及び90℃で監視して、ゲル時間を決定することができる(以下の実施例セクションを参照)。あるいは、又は追加的に、示差走査熱量測定によって、硬化反応発熱が起こる温度を特徴付けることができる(Tpeak、手順については以下の実施例セクションを参照)。組成物のTpeak値は、適切なアミンが存在する場合、同一のアミンを含まない組成物のTpeakに対して増加すべきであるが、望ましくは、90℃で急速に硬化するのに十分な解離を反映するように、130℃未満、好ましくは120℃未満、より好ましくは110℃未満のままである。
アミンは、ルイス酸触媒を損なわないことが報告されているトリアリールアミンを除いて、ルイス酸触媒と不可逆的に錯体化すると報告されている。理論に束縛されるものではないが、本発明は、部分的には、共役炭素を介してアミンの窒素に結合している1つ以上の共役部分を有することによって、共役部分がアミンの自由電子を非局在化させ、ルイス塩基として弱めるのを助けることを発見した結果であるように思われる。結果として、共役炭素を介してアミンの窒素に結合している少なくとも1つの共役部分を有するアミンは、23℃で4時間以下、好ましくは8時間以下、より好ましくは10時間以下、更により好ましくは12時間未満に反応組成物のゲル化を損なうように、23℃でルイス酸触媒と錯体化し、遮断するが、同時に90℃で加熱するとルイス酸触媒を放出し、10分以下、好ましくは5分以下、より好ましくは1分以下に組成物をゲル化するのに十分な弱さで錯体化することが発見された。
十分に弱いルイス塩基であるため、本発明のアミンは、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つの共役部分を有し、窒素上の自由電子対が共役部分と解離し、ルイス塩基としてアミンを弱めることができるように、共役炭素を介してアミンの窒素に結合している3つの共役部分を有してもよい。好ましくは、共役部分は、芳香族部分である。
トリアリールアミンは、各々共役炭素を介してアミン窒素に結合している3つの芳香族共役部分を有する。結果として、トリアリールアミンは、窒素自由電子を最適に非局在化して弱ルイス塩基を生成するアミンの例である。これは、トリアリールアミンがルイス酸触媒を損なわないことを報告している先行技術と一致する。それにもかかわらず、トリアリールアミンは、驚くべきことに、23℃でルイス酸触媒に対する遮断効果を有し、23℃でルイス酸触媒反応を阻害することが発見されており、本発明での使用に適したアミンの最も広い範囲の範囲内である。望ましくは、本発明のアミンは、23℃でより大きな遮断効果(したがって、より長い貯蔵安定性)を達成するために、トリアリールアミンよりも強ルイス塩基である。その点に関して、本発明のアミンは、共役炭素を介してアミンの窒素に結合している1つ、2つ、又は3つの共役部分を有してもよいが、アミンはトリアリールアミン以外であることが望ましい。本発明の組成物は、トリアリールアミンを含まなくてもよい。
ルイス塩基としてのアミンの強度を弱める共役部分の機能は、共役部分に結合することができる置換基で更に調整可能である。共役部分上の電子求引基(ハロゲンなど)を含むことにより、窒素電子が非局在化共役系に更に引き込まれ、ルイス塩基としてアミンの強度を弱める。共役部分上の電子供与基を含むことにより、逆の効果を有し、電子供与基を有さない共役部分を持つ同じアミンと比較して、得られるアミン強度をルイス塩基として増加させる。
アミンは、貯蔵安定性を達成するために、23℃でルイス酸触媒に結合し、遮断するのに十分な強さである必要がある。アミンは、強ルイス塩基である場合よりも弱ルイス塩基である場合、より低い温度で酸を放出する。したがって、アミンの窒素に結合している部分の選択は、所望の温度で、貯蔵安定性及び反応性を達成するように選択されてもよい。
好適なアミンは、アミジン、グアニジン、及びN-メチルイミダゾールなどのN=C-N結合の員ではないアミン窒素を有さなければならないことが更に発見された。望ましくは、組成物は、N=C-N結合を有するアミンを含まない。例えば、組成物は、アミジン及びグアニジンを含まなくてもよい。
一般に、アミンは、以下の式:R1R2R3Nを有し、式中、窒素は、N=C-N結合の員ではなく、R1、R2、及びR3の各々は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、及び共役部分からなる群から選択され、R1、R2、及びR3の少なくとも1つは、共役炭素によって窒素に接続している共役部分である。R1、R2、及びR3のうちの1つ、2つ、又は3つは、共役炭素によって窒素に接続している共役部分であってもよい。望ましくは、共役部分は、芳香族部分である。
本発明での使用に好適なアミンの例としては、アニリン、4-メチルアニリン、4-フルオロアニリン、2-クロロ-4-フルオロアニリン、ジフェニルアミン、ジフェニルメチルアミン、トリフェニルアミン、1-ナフチルアミン、2-ナフチルアミン、1-アミノアントラセン、2-アミノアントラセン、9-アミノアントラセン、β-アミノスチレン、1,3,5-ヘキサトリエン-1-アミン、N,N-ジメチル-1,3,5-ヘキサトリエン-1-アミン、3-アミノ-2-プロペナール、及び4-アミノ-3-ブテン-2-オンからなる群から選択される任意の1つのアミン又は2つ以上のアミンの任意の組み合わせが挙げられる。
組成物中のアミンの濃度は、23℃で全てのルイス酸触媒と錯体化し、遮断することができるように、ルイス酸触媒の濃度と少なくともモル当量である。アミンの濃度は、ルイス酸触媒のモル濃度を超えてもよいが、好ましくは、ルイス酸触媒の総モルに対して、110モルパーセント(mol%)以下、105mol%以下を好み、より好ましくは103mol%以下、かつ最も好ましくは101mol%以下の濃度で存在するが、100mol%以上でも存在する。
アミン及びルイス酸は、組成物中に錯体を形成し、他の組成物成分との反応を触媒することをルイス酸が十分に遮断して、23℃で貯蔵安定性となる。加熱すると、アミンはルイス酸を放出して、ルイス酸が反応を触媒することができる。
任意選択成分
本発明の組成物は、シリルヒドリド、α-β不飽和エステル、ルイス酸触媒、及びアミンからなることができる。あるいは、本発明の組成物は、1つの任意選択成分又は2つ以上の任意選択成分の組み合わせを更に含むことができる。任意選択成分は、組成物の重量に基づいて、望ましくは50重量%以下、40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、又は更には1重量%以下の濃度で存在する。
本発明の組成物は、シリルヒドリド、α-β不飽和エステル、ルイス酸触媒、及びアミンからなることができる。あるいは、本発明の組成物は、1つの任意選択成分又は2つ以上の任意選択成分の組み合わせを更に含むことができる。任意選択成分は、組成物の重量に基づいて、望ましくは50重量%以下、40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、又は更には1重量%以下の濃度で存在する。
可能な任意選択成分の例としては、ヒドロカルビル溶媒(典型的には、組成物重量に基づいて10重量%以下、5重量%以下、更には1重量%以下の濃度で)、カーボンブラック又は二酸化チタンなどの顔料、SiO2を含む金属酸化物などの充填剤(典型的には、組成物重量に基づいて50重量%以下の濃度で)、水分捕捉剤(moisture scavengers)、蛍光増白剤、安定剤(酸化防止剤及び紫外線安定剤など)、及び腐食防止剤からなる群から選択される1つの成分又は2つ以上の成分の組み合わせが挙げられる。本発明の組成物はまた、このような追加成分を1つ又は2つ以上の組み合わせを含まなくてもよい。
特に、本発明の組成物は、組成物重量に対して1重量%以下、0.5重量%以下の水を含有することができる。望ましくは、組成物は、水を含まない。
反応プロセス
本発明は、(a)本発明の組成物を提供するステップと、(b)組成物を、アミンからルイス酸触媒を解離するのに十分な温度に加熱するステップと、を含む化学反応プロセスを含む。
本発明は、(a)本発明の組成物を提供するステップと、(b)組成物を、アミンからルイス酸触媒を解離するのに十分な温度に加熱するステップと、を含む化学反応プロセスを含む。
ステップ(a)は、アミン、ルイス酸触媒、シリルヒドリド、及びα-β不飽和エステルを一緒に混合することを含んでもよい。しかしながら、ルイス酸触媒及びアミンは、シリルヒドリド及びα-β不飽和エステルの両方と組み合わせる前に、アミンがルイス酸の触媒活性と錯体化し、遮断することができるように組み合わせる。ルイス酸が一方の反応物との反応を触媒しなければ、反応物のうちの1つ(すなわち、シリルヒドリド又はα-β不飽和エステル)の存在下でルイス酸/アミン錯体を調製することが可能である。アミン及びルイス酸は、トルエンなどの溶媒中で組み合わせて、遮断されたルイス酸錯体を形成してもよく、次いでその錯体をシリルヒドリド及びα-β不飽和エステルと組み合わせてもよい。
ステップ(b)は、一般に、組成物を80℃以上、好ましくは90℃以上の温度に加熱することを必要とするが、同時に、一般に300℃以下、250℃以下、200℃以下、150℃以下の温度に加熱することによって達成してもよく、100℃以下であってもよい。
本発明の組成物は、コーティング又は封入剤として特に有用である。組成物はまた、成形物品を形成する有用な形態であり得る。このような用途において、本発明のプロセスは、ステップ(a)の後、及びステップ(b)の前又はステップ(b)中に、組成物を基材に適用することを更に含むことができる。
MDH
65M シリルヒドリド.三ツ口フラスコにメカニカルスターラーを取り付け、40グラム(g)の脱イオン水、10gのヘプタン、及び0.05gのトシル酸を添加する。200gのメチルジクロロシラン及び10gのトリメチルクロロシランの混合物を30分かけて撹拌しながらこれに滴下する。23℃で更に60分間撹拌する。反応溶液を毎回50ミリリットル(mL)の脱イオン水で3回洗浄する。溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、活性炭で濾過する。ロータリーエバポレータ(Rotovap)によって揮発物を除去して、MDH
65M シリルヒドリドを得る。
MD166DMA
14M α-β不飽和エステル.四ツ口の1リットルフラスコに、熱電対(thermal couple)、メカニカルスターラー、水冷コンデンサに適合したディーンスタークトラップ及び窒素バブラーを備えつける。フラスコに、558.9グラム(g)のシラノール末端ポリジメチルシロキサン(Dow Chemical Companyから入手可能なXIAMETER(商標)PMX-0930)、18.5gの3-メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、6.1gのDow Corning200 Fluid(0.65cSt)、及び121gのヘプタンを添加する。激しく撹拌しながら、0.35mLのトリフルオロメタンスルホン酸を添加する。熱を加えて温度を73℃に上げる。ディーンスタークトラップ内の水、メタノール、及びヘプタンを収集する。還流温度は、約1時間後に、徐々に90℃に上がる。11.0gの水をフラスコに添加し、共沸蒸留を続ける。還流温度は、約2時間後に、96℃に上がる。熱源を除去し、22.8gの炭酸カルシウム及び50gの硫酸ナトリウムをフラスコに添加する。フラスコ内容物を23℃に冷却する。3時間撹拌した後、内容物を0.45マイクロメートルのフィルター膜を通して濾過する。濾液を80℃及び1トル未満の圧力で1時間ロータリーエバポレータして、586.9gのMD166DMA
14M α-β不飽和エステルを無色透明の液体生成物として得る。MD166DMA
14M α-β不飽和エステルは、以下の構造を有する。
(CH3)3SiO1/2((CH3)2SiO2/2)166((CH3)(CH2CH2CH2OC(O)C(CH2)CH3)SiO2/2)14O1/2Si(CH3)3
(CH3)3SiO1/2((CH3)2SiO2/2)166((CH3)(CH2CH2CH2OC(O)C(CH2)CH3)SiO2/2)14O1/2Si(CH3)3
MD50DMA
2.6M α-β不飽和エステル.四ツ口の1リットルフラスコに、熱電対、メカニカルスターラー、水冷コンデンサに適合したディーンスタークトラップ及び窒素バブラーを備えつける。フラスコに、466.6gのシラノール末端ポリジメチルシロキサン(Dow Chemical Companyから入手可能なXIAMETER(商標)PMX-0930)、75.8gのメタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、21.4gのDow Corning200 Fluid(0.65cSt)、及び124gのヘプタンを添加する。激しく撹拌しながら、0.40mLのトリフルオロメタンスルホン酸を添加する。熱を加えて温度を76℃に上げる。ディーンスタークトラップ内の水、メタノール、及びヘプタンを収集する。還流温度は、約4時間後に、徐々に117℃に上がる。熱源を除去し、内容物を101℃に冷却したら、15.6gの炭酸カルシウム及び32gの硫酸ナトリウムをフラスコに添加する。フラスコ内容物を23℃に冷却する。2時間撹拌した後、内容物を0.45マイクロメートルのフィルター膜を通して濾過する。濾液を80℃及び1トル未満の圧力で30分間ロータリーエバポレータして、456.7gのMD50DMA
2.6M α-β不飽和エステルを無色透明の液体生成物として得る。
MD182DMA
3M α-β不飽和エステル.四ツ口の1リットルフラスコに、熱電対、メカニカルスターラー、水冷コンデンサに適合したディーンスタークトラップ及び窒素バブラーを備えつける。フラスコに、616.6gのシラノール末端ポリジメチルシロキサン(Dow Chemical Companyから入手可能なXIAMETER(商標)PMX-0930)、29.5gのメタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、6.1gのDow Corning200 Fluid(0.65cSt)、及び75gのヘプタンを添加する。激しく撹拌しながら、0.35mLのトリフルオロメタンスルホン酸を添加する。熱を加えて温度を85℃に上げる。ディーンスタークトラップ内の水、メタノール、及びヘプタンを収集する。還流温度は、約1時間後に、徐々に90℃に上がる。8.8gの水をフラスコに添加し、共沸蒸留を続ける。還流温度は、約2時間後に、99℃に上がる。熱源を除去し、20gの炭酸カルシウム及び50.8gの硫酸ナトリウムをフラスコに添加する。フラスコ内容物を23℃に冷却する。3時間撹拌した後、内容物を0.45マイクロメートルのフィルター膜を通して濾過する。濾液を80℃及び1トル未満の圧力で1時間ロータリーエバポレータして、583.6gのMD182DMA
3M α-β不飽和エステルを無色透明の液体生成物として得る。
MViD78MVi.この物質は、GelestからDMS-V21として市販されている。
触媒溶液.当モル量のBCF及びアミン(1:1モル比)並びに約12グラムの最終溶液を提供するのに十分な量で、トルエン中の5重量%のBCFをトルエン中の5重量%の特定アミン(表1を参照)と組み合わせることによって触媒溶液を調製する。最終溶液を30秒間超音波処理し、23℃で12時間静置する。0.5~1.0グラムのテトラヒドロフランを最終溶液に添加して、BCF-アミン錯体の溶解を補助し、実施例の組成物に使用するために触媒溶液を形成する。
23℃貯蔵寿命.バイアル瓶に組成物を調製し、次いで、バイアル瓶を封止して、23℃で保管する。バイアルを反転させ、内容物が流動しているかどうかを決定するために内容物を注視することによって、バイアル瓶の内容物の流動性を確認する。1時間間隔で8時間、及び24時間の間隔後に流動性を確認する。バイアル内容物が反転すると1~2秒で流動しなくなることで証明されるように、ゲル化が起こる時間を記録する。ゲル化が起こる時間は、「23℃貯蔵寿命」である。
90℃での硬化速度.90℃での硬化速度は、90℃で表面に粘着性のないゲル又は硬化フィルムを形成するのにかかる時間である。グラシン紙基材上に組成物の125マイクロメートルのフィルムをコーティングする。フィルムを90℃のオーブンに入れる。30秒毎にフィルムの粘着性を確認する。不粘着性フィルムを達成するのに必要な時間が、90℃での硬化速度である。
Tpeak.Tpeakは、反応系中に最大反応発熱が存在する温度である。サンプル組成物の示差走査熱量測定(DSC)によってTpeakを決定する。組成物の10ミリグラムのサンプルをDSCパンに充填し、10℃~250℃の温度ランプを使用して、毎分10℃の速度でDSCを実施することによってDSCによる特徴付けをする。Tpeakは、最大発熱がDSC曲線において明らかである温度である
比較例(Comp Ex)A:遮断剤のないルイス酸
10gの歯科用カップ中で2グラムのMD166DMA 14M、0.348グラムのMDH 65Mシリルヒドリド、及び最小量のトルエンに溶解した500ppmのBCFの溶液を組み合わせる。SiH官能基の、α-β不飽和エステル基に対するモル比は、3:1である。23℃貯蔵寿命は4時間であり、90℃硬化速度は5分である。結果は表1に示されている。比較例(Comp Ex)Aは、阻害されていない硬化のための基準として役立つ。注記:このサンプル及び以下の他のサンプルにおけるBCFの濃度は、サンプル(組成物)の総重量に対するものである。
10gの歯科用カップ中で2グラムのMD166DMA 14M、0.348グラムのMDH 65Mシリルヒドリド、及び最小量のトルエンに溶解した500ppmのBCFの溶液を組み合わせる。SiH官能基の、α-β不飽和エステル基に対するモル比は、3:1である。23℃貯蔵寿命は4時間であり、90℃硬化速度は5分である。結果は表1に示されている。比較例(Comp Ex)Aは、阻害されていない硬化のための基準として役立つ。注記:このサンプル及び以下の他のサンプルにおけるBCFの濃度は、サンプル(組成物)の総重量に対するものである。
比較例B~D:アミン窒素に結合した芳香族炭素のないアミン遮断剤を有するルイス酸
同モル量のアミン阻害剤と錯体化した500ppmのBCFを含有する触媒溶液を使用する以外は、比較例Aと同様の方法で比較例B~Dを調製する(表1を参照)。アミン阻害剤は、アミン窒素を結合した共役炭素を欠いている。23℃貯蔵寿命及び90℃硬化速度を特徴付ける。結果は表1に示されている。
同モル量のアミン阻害剤と錯体化した500ppmのBCFを含有する触媒溶液を使用する以外は、比較例Aと同様の方法で比較例B~Dを調製する(表1を参照)。アミン阻害剤は、アミン窒素を結合した共役炭素を欠いている。23℃貯蔵寿命及び90℃硬化速度を特徴付ける。結果は表1に示されている。
実施例1~3:アミン窒素に結合した芳香族炭素を有するアミン遮断剤を有するルイス酸
表1で特定されたα-β不飽和エステル及び同モル量のアミン阻害剤と錯体化した500ppmのBCFを含有する触媒溶液を使用する以外は、比較例Aと同様の方法で実施例1~3を調製する(表1を参照)。アミン阻害剤は、アミン窒素を結合した共役炭素を含有する。23℃貯蔵寿命及び90℃硬化速度を特徴付ける。結果は表1に示されている。
表1で特定されたα-β不飽和エステル及び同モル量のアミン阻害剤と錯体化した500ppmのBCFを含有する触媒溶液を使用する以外は、比較例Aと同様の方法で実施例1~3を調製する(表1を参照)。アミン阻害剤は、アミン窒素を結合した共役炭素を含有する。23℃貯蔵寿命及び90℃硬化速度を特徴付ける。結果は表1に示されている。
比較例E:アミン窒素に結合した芳香族炭素を有するアミン遮断剤を有するルイス酸、α-β不飽和エステル以外のビニル反応物
MD166DMA 14Mの代わりにMViD78MViを使用する以外は、実施例1と同様の方法で比較例Eを調製する。比較例Eはα-β不飽和エステル反応物を含有しないが、末端の最終官能化シロキサンを含有して、α-β不飽和エステルのように反応するかどうかを確認する。アミン阻害剤は、アミン窒素を結合した共役炭素を含有する。23℃貯蔵寿命及び90℃硬化速度を特徴付ける。結果は表1に示されている。
MD166DMA 14Mの代わりにMViD78MViを使用する以外は、実施例1と同様の方法で比較例Eを調製する。比較例Eはα-β不飽和エステル反応物を含有しないが、末端の最終官能化シロキサンを含有して、α-β不飽和エステルのように反応するかどうかを確認する。アミン阻害剤は、アミン窒素を結合した共役炭素を含有する。23℃貯蔵寿命及び90℃硬化速度を特徴付ける。結果は表1に示されている。
比較例F:アミン窒素に結合した芳香族炭素を有するアミン遮断剤を有するルイス酸、シリルヒドリドのないα-β不飽和エステル
MDH 65Mシリルヒドリドを含まずに使用する以外は、比較例Aと同様の方法で比較例Fを調製する。この比較例は、シリルヒドリドを含む必要性を探索する。23℃貯蔵寿命及び90℃硬化速度を特徴付ける。結果は表1に示されている。
MDH 65Mシリルヒドリドを含まずに使用する以外は、比較例Aと同様の方法で比較例Fを調製する。この比較例は、シリルヒドリドを含む必要性を探索する。23℃貯蔵寿命及び90℃硬化速度を特徴付ける。結果は表1に示されている。
比較例Aは、遮断されていないルイス酸の存在下で、シリルヒドリド及びα-β不飽和エステルの組成物が、貯蔵安定性を満たすには不十分な23℃貯蔵寿命を有することを明らかにする(「貯蔵安定性」を満たすには少なくとも8時間の23℃貯蔵寿命が必要である)。
比較例B~Dは、アミン窒素に結合した共役炭素を欠いている、かつ/又はN=C-N結合を有するアミンでルイス酸を遮断すると、遮断が強すぎるために、10分未満の所望の90℃硬化速度を有することができないことを明らかにする。
実施例1~3は、アミン窒素に結合した共役炭素を有するアミンでルイス酸を遮断すると、貯蔵安定性であり、10分以下の要件を大きく下回る90℃硬化速度を有する組成物を提供することを明らかにする。
比較例Eは、α-β不飽和エステルがこの組成物の必須成分であり、α-β不飽和エステルの代わりに末端ビニル官能基のみを有するだけでは、結果として組成物の安定性が高すぎるために、10分以下の所望の90℃硬化速度を達成することができないことを明らかにする。
比較例Fは、シリルヒドリドも組成物の必須成分であり、たとえルイス酸上に阻害剤を含まなくても、α-β不飽和エステルを有するだけでは、安定性が高すぎるために、10分以下の所望の90℃硬化速度を達成することができないことを明らかにする。
Claims (10)
- シリルヒドリド、α-β不飽和エステル、ルイス酸触媒、及び以下の式:R1R2R3N[式中、窒素が、N=C-N結合の員ではなく、R1、R2、及びR3の各々が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、及び共役部分からなる群から選択される]を有するアミンの混合物を含む組成物であって、R1、R2、及びR3の少なくとも1つが、共役炭素によって前記窒素に接続している共役部分である、組成物。
- 前記共役部分が、芳香族部分である、請求項1に記載の組成物。
- R1、R2、及びR3の少なくとも2つが、共役炭素によってNに結合している共役部分である、請求項1又は2に記載の組成物。
- 前記ルイス酸触媒が、アルミニウムアルキル、アルミニウムアリール、アリールボラン、フッ素化アリールボラン、ハロゲン化ホウ素、ハロゲン化アルミニウム、ガリウムアルキル、ガリウムアリール、ハロゲン化ガリウム、シリウムカチオン、及びホスホニウムカチオンからなる群から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記ルイス酸触媒が、フッ素化アリールボランである、請求項4に記載の組成物。
- 前記シリルヒドリド及び前記α-β不飽和エステルが、同じ分子である、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記組成物が、前記ルイス酸触媒のためのUV感光性遮断剤を含まない、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
- (a)請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物を提供するステップと、
(b)前記組成物を、前記アミンから前記ルイス酸触媒を解離するのに十分な温度に加熱するステップと、を含む、プロセス。 - ステップ(a)が、アミン、ルイス酸触媒、シリルヒドリド、及びα-β不飽和エステルを一緒に混合することを含み、ただし、前記ルイス酸触媒及びアミンが、シリルヒドリド及びα-β不飽和エステルの両方と組み合わせる前に、前記アミンがルイス酸の触媒活性と錯体化し、遮断することができるように組み合わせる、請求項8に記載のプロセス。
- 前記プロセスが、ステップ(a)の後、及びステップ(b)の前又はステップ(b)中に、前記組成物を基材に適用するステップ、又は前記組成物を成形型に配置するステップを更に含む、請求項8又は請求項9に記載のプロセス。
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