JP2022535035A - 蒸発による排水処理および洗浄粒子を用いる汚れ防止 - Google Patents

蒸発による排水処理および洗浄粒子を用いる汚れ防止 Download PDF

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Abstract

本発明は、無機物と有機物との混合物を含む排水流を蒸発させるためのプロセスを対象とし、前記プロセスは、排水流が流れる熱交換器の内表面におけるスケーリングを軽減するために、排水流を洗浄粒子と共に強制循環型蒸発器のシェルアンドチューブ型熱交換器に通すステップを含む。別の態様では、本発明は、先の請求項のうちいずれか一項に記載のプロセスを実行するのに適切な流動床熱交換器を備える強制循環型蒸発器に関し、前記蒸発器は、無機物と有機物との混合物を含む排水を生成する化学プロセスプラントの後に、好ましくは染料製造プラントの後に配置される。

Description

本発明はプロセス排水処理の分野のものである。詳細には、本発明は、たとえば染料生産プロセスに由来する排水といった無機物と有機物との混合物を含む排水流を蒸発させるためのプロセスおよび装置を対象とする。
様々な化学生産プロセスにおいて、有機物と無機物との混合物を含む排水流が得られる。排水流は、抽出および洗浄または反応液を中和するための酸性溶液もしくは塩基性溶液の付加などの上流プロセス、あるいはたとえば有機金属化合物を含む反応液に由来し得る。また、様々な排水流を、水の蒸発による濃縮などの合流させたさらなる処理、および最終的には、たとえば後処理ステップ後の乾燥物質の堆積のために、混ぜ合わせる場合がある。
水性排水流を処理するために、特に液体によって伝熱面が汚れることが分かっているときには、強制循環型蒸発器が広く使用されている。強制循環蒸発は、熱交換器チューブの中で沸騰が生じると汚れが増すので、これを回避するために、熱交換器の後のフラッシングによって蒸気を除去するように、水を循環させながら1つまたは複数の熱交換器と1つまたは複数のフラッシュ分離ユニットとの両方を使用することを含む。そのような熱交換器は、一般的にはシェルアンドチューブ型であり、チューブの束が通っているシェルを備え、シェルには、一般的にはチューブのシェル側の水蒸気を凝縮するように入口および出口が備わっており、チューブは、チューブの内表面を介して凝縮熱を受け取るために、再循環する処理液を通すように配置されている。
図1には、多重効用式蒸発(multi-effect evaporation)を含む一般的な廃棄物処理方式が示されている。前処理プラントにおける排水の前処理の後に、排水流を噴霧乾燥器プラントのような後処理ステップで最終的に乾燥させ得るように、水流は多重効用式蒸発器プラントにおいて濃縮される。
一般に、シェルアンドチューブ型熱交換器を適用する強制循環型のものもそうであるが、蒸発器には、排水流が流れる熱交換器の内表面が汚れるという短所がある。汚れは、一般的には排水流の中の成分の沈殿または結晶化などの堆積によって生じる。汚染層が形成されると、強制循環型蒸発器の運転効率に悪影響がある。たとえば、染料生産プロセスからの排水流を処理するように運転される多重効用式強制循環型蒸発器(MEE)プラントは、通常は12日~15日の期間にわたって運転され、次いで、一般的には高圧水噴出洗浄によって洗浄するために5日~7日間停止される必要がある。ほとんどの場合、洗浄は非常に困難であり、依然としていくらかの層が残る。洗浄後のプラントの能力は初日で80%しかなく、次の洗浄の前には50%まで低下してしまう。各企業は、結晶化を低減するための化学薬品の付加、化学洗浄、高圧水噴出洗浄、および汚れに対処するための設備の二重化など、様々な解決策を用いる。しかしながら、これらの解決策は、設備の使用不能時間や、CAPEXおよびOPEXの点から追加費用の原因となる。
無機物と有機物との混合物を含む排水流を処理する蒸発器では、そのような流れによって、接着性が強く、硬いことが周知の汚染層が形成されるので、強制循環型蒸発器の中の汚れが特に問題になる。このような場合の汚染層は、一般に水に不溶であり、10重量%の塩酸溶液にも不溶である。この汚染層の硬さおよび接着性は、少なくとも部分的には汚染層の化学組成により、特に有機物の存在およびその性質によってもたらされると考えられる。有機物、特に染料生産プロセス由来の有機物は、熱反応化合物であり得、そのため、加熱されると特性が変化して、より強い接着性および硬さの増加をもたらし得る。特にこの分野における解決策が、長期にわたって必要とされているにもかかわらず、汚れ問題に十分に対処する満足な方法は提供されていない。
米国特許第8075740号明細書 国際公開第02/25201号
Vallespinら、「Heat Exchanger Fouling and Cleaning」、(2017)、293~298頁 Klarenら、「Self-Cleaning Fluidized Bed Heat Exchangers for Severely Fouling Liquids and their Impact on Process Design、Heat Exchangers-Basic Design Applications」、Mitrovic,J.編
本発明者らは、驚くべきことに、排水流が流れる熱交換器の内表面における無機物および有機物の汚れ堆積は、前記排水流を洗浄粒子と共に熱交換器に通すことによって軽減され得ることを見出した。有利には、本発明は、自己洗浄原理を提供することにより、個別の洗浄を実行するためのプロセスの停止を不要にするものである。
それゆえに、本発明は、無機物と有機物との混合物を含む排水流を蒸発させるためのプロセスを対象とし、前記プロセスは、排水流が流れる熱交換器の内表面における汚れ堆積を軽減するために、排水流を洗浄粒子と共に強制循環型蒸発器のシェルアンドチューブ型熱交換器に通すステップを含む。
洗浄粒子を用いる汚れの軽減は、石油およびガスの抽出プロセスからの海水や塩水を使用する凝縮器において以前に実行され、炭酸カルシウムなどの無機物のスケーリングが観測されている(たとえば、全体が本明細書に組み込まれている、非特許文献1および特許文献1を参照されたい)。しかしながら、これらの汚染層は、無機物と有機物との混合物の汚染層ほど硬くなく、接着性も強くないことが知られており、そのため、厚さ3mm以上の層が形成されていた場合でさえ、表面から汚染層を洗浄するのに、洗浄粒子の軽度の削り落とし効果で十分である。
しかしながら、本発明者らは、驚くべきことに、本発明による排水処理では、初期段階で、すなわち厚い汚染層が形成される前に、汚れ堆積の削り落としを実行すれば、汚れ堆積が特に効果的に軽減され得ることを見出した。したがって、硬い接着性の汚れ堆積を除去するのに、粒子の軽度の削り落とし効果では不十分な場合でさえ、前記汚れは、予防的洗浄または初期洗浄によって予想外に軽減され得る。それゆえに、本発明の好ましい実施形態では、汚れ堆積の層厚さが3mm超に成長する前に、好ましくは1mm超に成長する前に、より好ましくは0.5mm超に成長する前に、排水流が粒子と共に熱交換器に通される。特に、チューブの表面における汚れを最初から除去するために、すなわち汚れが蓄積し始めるときにこれを除去するために、プロセスの開始から、排水流が粒子と共に熱交換器に通される。
理論に束縛されることなく、無機物および有機物を含む排水流に由来するスケーリングの特定の硬さおよび接着性は、熱交換器の表面における有機物の高温でのさらなる反応によって少なくとも部分的にもたらされると考えられる。シェル側、すなわち熱交換器のチューブの外部で蒸気が凝縮する側における熱交換器の一般的な動作温度は110℃~130℃である。これらの温度において汚染層が形成されることにより、有機物が、たとえば重合といった反応によって、硬い接着性物質を形成し得る。無機物を含有するかまたは組み込むと、スケーリングがさらに硬化すると考えられる。本発明に基づき、初期段階で洗浄粒子を用いて表面を洗浄することにより、有機物の反応を制限し得、さらには防止することもできると考えられる。
本発明は、染料製造プロセスに由来する排水流の処理に特に適することが分かる。反応染料、分散染料、酸性染料、バット染料、塩基性染料、硫化染料および直接染料などの染料は、一般的には熱反応有機化合物、特に芳香族化合物および/または反応基を伴う化合物を含有している。排水流には、これらの染料またはその分子部分が存在して、スケーリングをもたらす可能性がある。無機物は、一般的にはアンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩およびカルシウム塩から成るグループから、好ましくは炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、塩化ナトリウム、スルホン酸ナトリウム、スルホン酸マグネシウムおよび炭酸マグネシウムから成るグループから選択された1つまたは複数の塩を含む。したがって、熱反応有機物と無機物との組合せは、高温のスケーリングで形成した有機反応生成物の中に無機物を含有することにより、特に硬い接着性のスケーリングをもたらすと考えられる。化合物の熱反応性は、本発明による動作状態において、したがって、たとえば排水流を加熱する蒸気温度において評価するべきである。
本発明、特に初期段階で洗浄してスケーリングを軽減することには、このプロセスが様々な排水流組成に適するという利点がある。一般的な化学生産設備では、排水の組成は、プラントにおいて実行される化学プロセスの変化や排水流の中間処理ステップの変化によって大いに変化し得る。本発明は、ある特定のタイプのみのスケーリング用の特定の化学製品は使用しないので、頑健で信頼できる方法である。加えて、非常に硬い接着性のスケーリングさえ軽減され得る。本発明は、10重量%の塩酸にも溶けないスケーリングを軽減するのに特に適する。
本発明は、化学的酸素要求量(COD)および/または生物学的酸素要求量(BOD)が大きい排水の蒸発にも適する。それゆえに、本発明の特定の実施形態では、排水流は1,000mg/LまでのCODを有するが、このプロセスで可能なCOD値は、10,000mg/Lまで、さらには100,000mg/Lまで、またはさらにそれ以上などの大きなものになり得る。COD値の下限値は不要であるが、排水流が有機物を含有しているので、CODは常に0mg/Lよりも大きい。化学プラント(たとえば染料プラント)に由来する排水の供給は、25,000mg/L~30,000mg/LのCODを有し得る。排水流の一般的なCODは、約5,000mg/L~約100,000mg/Lである。特に有機物が熱反応有機物を含む場合には、CODレベルが高いほど、時間が経つにつれて汚染層の硬さおよび接着性が増し得ると考えられる。
たとえば熱交換器の下部の入口に維持された流動床といった粒子の流動床から、洗浄粒子がチューブに供給され得る。洗浄粒子が流動床を出て、排水流と共にチューブを通って流れ、後に流動床に戻されるように、流動床は準定常状態に維持され得る。洗浄粒子は、たとえば、熱交換器の上部の出口に接続された重力分離装置を使用して排水流から分離され、重力を利用して、下降管を通って下部の入口に戻されることにより、排水流から別個に再循環され得る。次いで、洗浄粒子を含まない排水流がフラッシュ室を通過し、排水流の液状部分が熱交換器に戻され得る。
本発明に適する洗浄粒子の一般的な寸法は1mm~5mmであり、セラミックスについては約3mm、ステンレス鋼については2mmなど、好ましくは2mm~4mmである。洗浄粒子は、金属やセラミックスなどの様々な材料に基づき得る。コスト効果についてはセラミック洗浄粒子が好ましい。しかしながら、本発明者らは、様々な粒子材料の詳細な評価の後、驚くべきことに、前記洗浄粒子がステンレス鋼粒子(すなわちステンレス鋼に基づく粒子、ステンレス鋼を含む粒子、または基本的にステンレス鋼から成る粒子)を含む場合、とりわけ粒子の低侵食性という点で特に優れた結果が得られることを見出した。ステンレス鋼粒子は、一般的にはセラミック粒子ほど経済的に魅力的ではないが、本発明による硬い接着性のスケーリングの軽減のために、ステンレス鋼粒子の侵食に対するより優れた耐性が、ステンレス鋼粒子に全体的な選好をもたらすことが判明した。
洗浄粒子は、一般的には、熱交換器を通過する流れの中に、洗浄粒子を含む排水流の全体積に基づいて2vol%~10vol%存在する。当技術では、排水が流れる熱交換器のチューブの容積当たりの流体の体積分率は、一般的には排水流の間隙率と呼ばれる。この容積の残りは粒子が占める。したがって、本発明の排水流は、一般的には90%~98%、好ましくは約94%など92%~96%の間隙率を有する。この間隙率は、効果的なスケーリング軽減とトータルシステムにわたる圧力損失との間の優れたバランスであることが判明した。
効果的なスケーリング軽減と設備の侵食の防止または制限との間のバランスであると判明した別のプロセスパラメータには、熱交換器を通る排水流の流速がある。非常に高い流速は不要であるが、流速が低いと、一般的にはスケーリングを軽減するのにあまり効果的ではないことが判明した。それゆえに、約0.5m/s~約0.7m/sの流速が好ましい。
チューブを通り抜ける排水流の中の洗浄粒子は、研磨動作を適用することにより、チューブの内部に汚れ堆積物が蓄積するのを防止する。熱交換器の第1の効用缶のシェル側において使用される水蒸気は、従来は110℃~130℃の温度であり得る。この洗浄は非常に効果的であって、第1の効用缶に供給される水蒸気の温度は、汚染層の蓄積のない従来技術におけるものよりもかなり高く、たとえば130℃~160℃であり得ることが判明した。このより高い温度によって、必要な伝熱面積を大幅に縮小することができ、したがってMEEプラントがよりコンパクトになる。したがって、本発明による蒸気温度は、約110℃~約160℃、好ましくは130℃~約160℃であり得る。
上記で説明された流速におけるこの温度の水蒸気により、排水の温度が、一般的には2℃~4℃高くなる。このように、温度上昇が比較的小さいので、たとえば粒子分離器およびフラッシュ室を伴う機構によって存在する水柱圧力によって、熱交換器チューブにおける排水の沸騰が抑制される。したがって、蒸発器は、約25重量%~40重量%の排水の濃縮をもたらすことができる。
本発明の別の態様は、無機物と有機物との混合物を含む排水を生成する化学プロセスプラントの後に配置される強制循環型蒸発器を対象とするものである。強制循環型蒸発器は、プラントを出るそのような排水を直接処理することができるように、かつ/または前処理後の排水もしくは中間処理後の排水を処理することができるように、配置され得る。好ましい実施形態では、強制循環型蒸発器は染料製造プラントの後に配置される。化学プロセスプラントの後の、特に染料製造プラントの後のそのような配置は、前処理なしでもよいが、有利には、たとえば加圧フィルタなどの沈降および濾過のデバイスといった前処理装置を含む。
多重効用式蒸発(multi-effect evaporation)を含む一般的な廃棄物処理方式が示される。 本発明による強制循環型蒸発器の一般的な構成が概略的に示される。 本発明の好ましい実施形態における蒸発器(100)が示される。 粒子分離器におけるセラミックス製の直径3mmの球状の洗浄粒子を伴う加熱排水液体の流量分布および速度に関する計算流体力学(CFD)解析結果が示される。 本発明によるMEEが概略的に示される。 元の構成のプラントの蒸発能力と、第1の効用缶の自己洗浄流動床熱交換器への改造後のプラントの蒸発能力とが、運転時間の関数として示される。 プラントをさらに運転したときの蒸発能力の変化が示される。
本発明の実施形態が示されている添付図面を参照しながら、本発明を、以下でより完全に説明する。図面において、システム、構成要素、層、および領域の絶対サイズおよび相対サイズは、明瞭さのために誇張されることがある。実施形態は、本発明の理想化されている場合がある実施形態や中間構造の概略図および/または断面図を参照しながら説明され得る。説明および図面を通して、類似の番号は類似の要素を指す。相対語ならびにそれらの派生語は、そのとき説明されている配向、または論考中の図面において示されている配向に言及するものとして解釈されたい。これらの相対語は、説明の便宜のためのものであり、特に明記しない限り、システムが特定の配向において構成されることや動作することを求めるものではない。
図2には、本発明による強制循環型蒸発器の一般的な構成が概略的に示されている。シェルアンドチューブ型熱交換器(1)は、直立して配置され、特に垂直に設置され(水柱圧力による、初期の水沸騰の抑制を可能にし)、洗浄粒子の均一な流動床を維持するように適合された入口隔室(11)を下部に備え、その結果、流動床の粒子の一部が、流動床を出て、熱交換器の上部の出口(12)に向かって、熱交換器チューブを通って上方へ流れることができる。次いで、チューブを通り抜ける排水流の中の洗浄粒子が、研磨動作を適用することにより、チューブの内部に汚れ堆積物が蓄積するのを防止し得る。熱交換器は、排水流(WW)の流入を可能にするための入口(13)をさらに備える。熱交換器は、水蒸気の入口(14)および出口(15)をさらに備える。この例では、入口(14)における水蒸気の温度は130℃~約160℃であり得る。したがって、シェルアンドチューブ型熱交換器は、好ましくは流動床熱交換器を備える。本発明に適する流動床熱交換器の例は、特許文献2と、非特許文献1と、非特許文献2と、に説明されており、これらは全体が本明細書に組み込まれる。
図2において、出口12は、たとえば重力分離装置(下記参照)である固液分離装置(2)に接続されており、固液分離装置(2)は、固液分離装置の入口(21)を通って入る加熱排水(HW)から少なくともほとんどの洗浄粒子を分離するように構成されている。固液分離装置の粒子出口(22)および液体出口(23)により、それぞれ濃縮された洗浄粒子の流れ(CP)および加熱排水液体(HL)が固液分離装置を出ることが可能になる。濃縮された洗浄粒子の流れは、重力下で、主液体回路の小部分である制御流れ(4’)によって、下降管を通って隔室11に戻される。粒子の再循環流れは、入口において流動床を補充し、流動床を準定常状態に保つ。固液分離装置の液体出口(23)は、フラッシュ室入口(31)を介してフラッシュ室(3)に接続されている。フラッシュ室は、蒸気出口(32)および液体出口(33)をさらに備える。蒸気出口32により、フラッシュ室から放出蒸気(DV)が放出され得、液体出口33により、濃縮排水流(CW)がフラッシュ室を出て液体回路(4)へと流入し得、液体回路(4)には、強制循環型蒸発器からの濃縮排水液体(DL)の流出を可能にする排水液体出口(41)と、強制循環型蒸発器への新規の排水(FW)の流入を可能にする排水液体入口(42)と、が接続されている。液体回路(4)には、濃縮排水流(WW)を熱交換器の入口13までポンピングするように構成された循環ポンプデバイス(5)が接続されている。さらに、濃縮された粒子の流れ(CP)が熱交換器の中へ再循環され得るように、粒子出口(22)は、粒子入口(16)を介して、流動粒子を分配するための隔室(11)に接続されている。
強制循環型蒸発器の一般的な実施形態では、洗浄粒子を加熱排水から分離して、熱交換器への洗浄粒子の個別の再循環を可能にするために、流動床熱交換器は固液分離装置に接続されている。この目的を達成するために、様々な固液分離装置が適切に採用され得る。たとえば、網目プレート、液体サイクロンおよび重力分離装置が適切である。しかしながら、本発明者らは、本発明については、網目プレートには汚損によるシーブ詰まりの問題があり得るので、一般的にはあまり好ましくないことを見出した。たとえば石油およびガスの抽出プロセスからの塩水を処理するために使用される従来の蒸発器システムでは網目プレートが成功裡に使用されているので、これは驚くべきことである。本発明には、重力分離装置が特に適切に採用され得ることが判明した。液体サイクロンは、寸法が小さいので一般的には好ましいであろうが、本発明に使用するのは、侵食の理由で実際にはあまり好ましくない。本発明の固液分離装置は、一般的には、液体から約20kg/s~30kg/sの固体粒子を分離する必要がある。この目的を達成するためには、重力分離装置が最適であることが判明した。
それゆえに、本発明の蒸発器(100)は、図3に示される好ましい実施形態において、
- 粒子を含む排水流(LW)を受け取り、排水流を洗浄粒子と共に加熱して、前記洗浄粒子を含有している加熱排水の流れ(HW)を形成するように構成された流動床熱交換器(1)と、
- 前記洗浄粒子を含有している加熱排水の流れ(HW)を受け取って、加熱排水液体(HL)から、濃縮された洗浄粒子の流れ(CP)を分離するように構成された固液分離装置(2)と、
- 加熱排水液体(HL)を受け取って、液体回路(4)へと水蒸気(DV)と濃縮排水の流れ(CW)とを放出するように構成されたフラッシュ室(3)と、
- 液体回路(4)であって、濃縮排水(CW)を放出するように構成された排水液体出口(41)と、新規の排水(FW)を液体回路(4)へと導いて排水流(WW)を形成するように構成された排水液体入口(42)と、に接続された液体回路(4)と、
を備え、
- 前記固液分離装置は重力分離装置を備える。
図4には、粒子分離器におけるセラミックス製の直径3mmの球状の洗浄粒子を伴う加熱排水液体の流量分布および速度に関する計算流体力学(CFD)解析結果が示されている。入口の上では、流速はセラミック洗浄粒子の沈降速度以下であり、フラッシュ室に対するいかなる粒子キャリオーバも基本的に回避され得ることが、この結果から明白である。
熱力学的効率または優れた水蒸気経済性のために、強制再循環蒸発器において生成された蒸気は再利用され得る。特に、示されていない一実施形態では、フラッシュ室において生成された蒸気は、蒸気出口(32)を出て、たとえば、機械的蒸気圧縮(MVC)または機械的蒸気再圧縮(MVR)の技術を使用する単一の効用式強制循環型蒸発器において(再)圧縮され、水蒸気入口(14)においてシェルの水蒸気側に供給され得る。フラッシュ室において生成された蒸気は、生成された蒸気をより効率的に利用するために、後続のステージで動作する一連の強制循環型蒸発器を含む多重効用式蒸発器(MEE)プラントのさらなるステージにおいても再利用され得る。特に、フラッシュ室において生成された蒸気は、蒸気出口(32)を出て、さらなるシェルアンドチューブ型熱交換器のシェル側の水蒸気入口(14)に供給され得る。
したがって、本明細書において上記で説明された強制循環型蒸発器は、MEEプラントの適切な一部分になり得る。本発明者らは、驚くべきことに、MEEプラントにおいて、本発明による強制循環型蒸発器およびそれによるプロセスを使用すると、排水流を、洗浄粒子と共に、第1の効用缶(すなわちMEEプラントにおける第1の強制循環型蒸発器)の中のシェルアンドチューブ型熱交換器のみに通せば十分であり得ることを見出した。驚くべきことに、第1の効用缶の中のスケーリングを積極的に軽減すると、後続の効用缶が従来の熱交換器に基づくものであって流動床熱交換器を備えていなくても、これらの汚れも軽減するかまたは強く低減する。そのため、本発明の別の態様はMEEプラントであって、少なくとも1つの効用缶のみ、好ましくは第1の効用缶のみが、本明細書で説明される流動床熱交換器を備え、後続の効用缶は、洗浄粒子を用いない従来の熱交換器を備えてよい。
一般に、汚れの軽減のみが必要とされるのであれば、MEEプラントを装備すること、または本明細書で説明されるような洗浄粒子の流動床を用いる多重効用式蒸発プロセスを実行することは有利であろう。言い換えれば、汚れが生じないので、これらの効用缶の中の汚れを軽減するためにMEEプラントのある特定の効用缶を装備することや洗浄粒子の流動床を用いる多重効用式蒸発プロセスを実行することが必要とされなければ、これらの効用缶から洗浄粒子の流動床を省略するのが好ましい。これにより、投資コストが低減する。実際には、第1の効用缶の中のスケーリングを積極的に軽減すれば、MEEプラントの後続の効用缶の中の汚れも軽減するという前述の驚くべき発見は、必ずしも第1の効用缶および後続の効用缶のみに限定されるわけではない。これの理由の1つには、最も汚れが生じ得るのは必ずしも第1の効用缶ではないということがある。たとえば、前送りを適用するMEEプロセスでは、有機物および無機物を含む混合物の濃度が最高になる(しかし温度は最低である)のは最後の効用缶であり得、これは、場合により汚れが支配的になるような状況である。したがって、一般に、本発明による洗浄粒子の流動床の適用は、すべての効用缶ではなく1つの効用缶が洗浄粒子を装備する点で有利になり得ることが理解され得る。
それゆえに、本発明の一態様は、無機物と有機物との混合物を含む排水流を蒸発させるための多重効用式蒸発プロセスを対象とし、前記プロセスは、複数の強制循環型蒸発効用缶を直列に備え、これらのうち、すべてではない複数の効用缶が、排水流が流れる熱交換器の内表面における汚れを軽減するために、続いて、排水流を洗浄粒子と共に強制循環型蒸発器のシェルアンドチューブ型熱交換器に通すステップを含む。
本発明の別の態様は、前述のMEEプロセスに一致する、複数の強制循環型蒸発効用缶を直列に備える多重効用式蒸発器(MEE)プラントであり、これらの効用缶のうち、すべてではない1つまたは複数が、排水流と共にチューブを通り抜けるように構成された洗浄粒子の流動床を有するシェルアンドチューブ型熱交換器を備える。
一般的には、効用缶の中で洗浄粒子が使用される場合には、洗浄粒子は再循環されるが、濃縮排水流は次の効用缶へと続けられる。洗浄粒子と加熱排水流または濃縮排水流との分離は、たとえば本明細書で説明される固液分離装置で実行され得る。
ある特定のMEEプロセスでは、汚れは、処理されなければ、最も極端な運転温度の効用缶の中で主に生じ得る。したがって、特定の実施形態では、多重効用式蒸発プロセスのすべての効用缶に関して最も極端な運転温度を有するそれらの効用缶(たとえば1つ、2つ、3つ、または4つ以上の効用缶)は、排水流を洗浄粒子と共に強制循環型蒸発器のシェルアンドチューブ型熱交換器に通す前記ステップを含むのが好ましい。最も極端な運転温度とは、本明細書では、それぞれの排水流が熱交換器を通り抜けるとき加熱される最高または最低の温度を意味する。
同様に、ある特定のMEEプロセスでは、汚れは、処理されなければ、無機物と有機物との混合物の濃度がより高い効用缶の中で主に生じ得る。それゆえに、このパラメータは、どの効用缶を装備するかを決定するためのものであると見なすことも好ましいであろう。代わりに、またはそれに加えて、運転温度を、前節に従うものと見なす。そのため、一実施形態では、多重効用式蒸発プロセスのすべての効用缶に関して排水流における前記混合物の濃度が最高であるそれらの効用缶(たとえば1つ、2つ、3つ、または4つ以上の効用缶)は、排水流を洗浄粒子と共に強制循環型蒸発器のシェルアンドチューブ型熱交換器に通す前記ステップを含むのが好ましいであろう。
図5には、本発明によるMEEが概略的に示されている。図5には4つの効用缶(100、200、300、400)が含まれているが、本発明は、必ずしも効用缶のこの数に制約されるわけではない。第1の効用缶(100)は、図3に示された流動洗浄粒子を含む強制循環型蒸発器を備える。明瞭さのために、参照番号および流れラベルは省略されている。図5におけるさらなる効用缶、すなわち第2の効用缶(200)、第3の効用缶(300)および第4の効用缶(400)は、従来の強制循環型蒸発器である。図5に示されるように、すべての熱交換器から凝縮液流がもたらされる。この凝縮液流は、任意選択で、入ってくる排水供給を予熱するために使用され得、または次の効用缶の熱交換器のシェルへと供給され得、そこで急速に蒸発して追加の熱入力を与える。これは凝縮液フラッシングと呼ばれることがあり、エネルギー効率を向上するために使用され得る。最後の効用缶、すなわち第4の効用缶(400)において生成された蒸気は、凝縮器において凝縮される。凝縮器における蒸気の一部を追加予熱のために利用することも可能である。
図5には任意選択の熱圧縮機(TVR)も含まれており、これは、効率をさらに向上することを主な目的とするものである。TVRは、比較的高い圧力の新規の水蒸気を使用し、より低い圧力の蒸気を吸引して、第1の効用缶に由来する蒸気より圧力も温度も高い蒸気混合をもたらすことができる熱圧縮機であり、熱交換器のシェルにおける熱源として使用することを可能にする。TVRを使用すると、水蒸気経済性において、MEEに効用缶を1つ加えるのと(ほぼ)同一の効果がある。
本発明によるMEEはTVRと共に使用され得、TVRなしでも使用され得る。また、本発明による単一効用式蒸発器の場合には、TVRは使用されても使用されなくてもよい。TVRを使用しない場合には、新規の水蒸気は第1の効用缶の熱交換器に直接供給される。TVRを使用しないときには、汚れ傾向を弱めるために、熱交換器の壁温度を制限しておくように、大抵の場合、水蒸気は圧力も温度も低下される。有利には、本発明による技術を用いれば、より高い汚れ傾向が洗浄粒子によって軽減されるので、より高い蒸気温度を用いることができる。蒸気温度がより高ければ、よりコンパクトなプラントを構築することができる。
本発明によれば、強制循環型蒸発器における従来の熱交換器は、流動床熱交換器を用いて改造され得る。これによって、大きなコストをかけることなく現存システムを容易に適合させることができる。
本明細書で使用される「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」といった単数形は、文脈によってそうでないことが明瞭に示された場合を除けば、複数形も含むように意図されている。「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のうち1つまたは複数の、いずれかの組合せおよびすべての組合せを含む。「備える」および/または「備わっている」という用語は、明示された特徴の存在を規定するが、1つまたは複数の他の特徴の存在または追加を排除するわけではないことが理解されよう。
本明細書では、明瞭さおよび簡潔な説明のために、各特徴が同一の実施形態または個別の実施形態の一部として説明されるが、本発明の範囲は、説明された特徴のすべてまたはいくつかの組合せを有する実施形態を含み得ることが理解されよう。
本発明が以下の実施例を用いて例証され得る。
染料製造会社からの排水を処理するための既存の在来型の実物大蒸発器を、本発明による流動床機構を用いて改造した。改造は、粒子分配用の入口チャネルおよび循環流体から粒子を分離するための重力分離装置のような、流動床の動作のためのいくつかの特定の構成要素を付加することを含むものであった。多重効用式蒸発器(MEE)プラントの第1の効用缶として、図2に示すような構成が得られた。第1の効用缶への蒸気温度は平均115℃であった。このプラントを用いて到達した最大の蒸発容量は、ほぼ4.8m/hであった。
インフィードにおける排水の組成は、たとえば、以下の組成を有し得る。
少なくとも20,000mg/LのCODレベル、
少なくとも9,000mg/LのBODレベル、
少なくとも40,000mg/LのTDSレベル、
およびすべてが1,000mg/L超のK、Na、CaCO(硬さ)、Cl、SOの成分。
一般的な排水は以下の組成を有することが判明した。
Figure 2022535035000002
プラント性能は、入力された供給、収集された凝縮液、およびMEEから得られた生成物の日計表によって監視された。日々の平均蒸発速度は、日計表からm/hで計算される。図6は、元の構成のプラントの蒸発能力と、第1の効用缶の自己洗浄流動床熱交換器への改造後のプラントの蒸発能力とを、運転時間の関数として示すものである。以下に示すデータはプラントの運転チームから受け取ったものである。
流動床を用いると、最初の400時間の運転中、蒸発能力は、従来の熱交換器を用いる運転と比較して増加する勾配を有する。熱交換器チューブは、改造前に、高圧水噴出洗浄を使用して洗浄したが、すべてのチューブが100%清浄になるわけではなかった。したがって、この400時間にわたって、既存の汚染層の恐らくいくらかの部分は、流動床の研磨動作によって除去された。チューブが100%清浄ではなかったというこの仮説は、後の検査中に、いくらかの汚染層を有するチューブが発見されて確認された。緩んだ汚染層の一部によっていくつかのチューブが詰まり、後に粒子で満たされたので、この既存の汚染層は悪影響も及ぼした。
検査中に他の効用缶も検査した。効用缶2、3および4のチューブは、第1の効用缶の改造前よりも清浄であることが判明した。改造されていない他の効用缶の中の汚れの低減も観測されたことに対する可能な説明は、流動床を適用したことで、粒子運動による研削効果のために、システム内の固体のサイズが縮小したということであろう。固体サイズが縮小したことが、MEEプラントの他の効用缶の中の微粒子の汚れを低減する助けになった。
検査中の観測を考慮に入れて、熱交換器チューブは古い層を除去するためにもう一度洗浄し、チューブに詰まった粒子は除去した。検査およびチューブの洗浄の後に、熱交換器を再起動した。図7は、プラントをさらに運転したときの蒸発能力の変化を示す。
図7は、長期にわたって運転してもこのプラントの蒸発能力が安定していることを確証するものである。曲線当てはめは、チューブを洗浄してから400時間以降の運転に対してのみ示され、この曲線により、蒸発が一定であることが立証される。
1 シェルアンドチューブ型熱交換器、流動床熱交換器
2 固液分離装置
3 フラッシュ室
4 液体回路
4’ 制御流れ
5 循環ポンプデバイス
11 入口隔室
12 出口
13 入口
14 水蒸気入口
15 水蒸気出口
16 粒子入口
21 入口
22 粒子出口
23 液体出口
31 フラッシュ室入口
32 蒸気出口
33 液体出口
41 排水液体出口
42 排水液体入口
100 蒸発器、効用缶
200 効用缶
300 効用缶
400 効用缶

Claims (25)

  1. 無機物と有機物との混合物を含む排水流を蒸発させるための多重効用式蒸発プロセスであって、複数の強制循環型蒸発効用缶を直列に備え、これらの効用缶のうちすべてではない1つまたは複数の効用缶が、前記排水流が流れる熱交換器の内表面における汚れを軽減するために、排水流を洗浄粒子と共に強制循環型蒸発器のシェルアンドチューブ型熱交換器に通すステップを含む、多重効用式蒸発プロセス。
  2. 前記多重効用式蒸発プロセスのすべての効用缶に関して最も極端な運転温度を有する前記すべてではない1つまたは複数の効用缶が、前記排水流を前記洗浄粒子と共に前記強制循環型蒸発器の前記シェルアンドチューブ型熱交換器に通す前記ステップを含む、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記多重効用式蒸発プロセスのすべての効用缶に関して前記排水流における前記混合物の濃度が最高である前記すべてではない1つまたは複数の効用缶が、前記排水流を前記洗浄粒子と共に前記強制循環型蒸発器の前記シェルアンドチューブ型熱交換器に通す前記ステップを含む、請求項1または2に記載のプロセス。
  4. 1つの効用缶のみ、好ましくは前記多重効用式蒸発プロセスの第1の効用缶が、前記排水流を前記洗浄粒子と共に前記強制循環型蒸発器の前記シェルアンドチューブ型熱交換器に通す前記ステップを含む、請求項1に記載のプロセス。
  5. 無機物と有機物との混合物を含む排水流を蒸発させるためのプロセスであって、前記排水流が流れる熱交換器の内表面における汚れを軽減するために、前記無機物と有機物との混合物を含む前記排水流を洗浄粒子と共に強制循環型蒸発器のシェルアンドチューブ型熱交換器に通すステップを含む、プロセス。
  6. チューブの表面において汚れが蓄積し始めるときにこれを除去するために、前記プロセスの開始から、前記排水流が前記洗浄粒子と共に前記熱交換器に通される、請求項1から5のいずれか一項に記載のプロセス。
  7. 前記有機物が、熱反応有機化合物、特に芳香族化合物を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のプロセス。
  8. 前記プロセスの開始において前記排水流が5,000mg/L~100,000mg/Lの化学的酸素要求量(COD)を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載のプロセス。
  9. 前記無機物が、アンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩およびカルシウム塩から成るグループから、好ましくは炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、塩化ナトリウム、スルホン酸ナトリウム、スルホン酸マグネシウムおよび炭酸マグネシウムから成るグループから選択された1つまたは複数の塩を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のプロセス。
  10. 前記排水が、染料生産プロセスからの排水、特に反応染料、分散染料、酸性染料、バット染料、塩基性染料、硫化染料および/または直接染料を調製するための染料生産プロセスからの排水を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のプロセス。
  11. 前記洗浄粒子が、好ましくは1mm~5mm、好ましくは約2mmなど1.5mm~2.5mmのサイズのステンレス鋼粒子を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のプロセス。
  12. 前記熱交換器を出た前記排水が、固液分離装置、好ましくは重力分離装置へと導かれて、加熱排水液体および濃縮された洗浄粒子の流れをもたらす、請求項1から11のいずれか一項に記載のプロセス。
  13. 前記熱交換器を出た加熱排水流が、固液分離装置へと導かれて加熱液体流および濃縮された粒子の流れをもたらし、前記加熱液体流が、フラッシュ室へと導かれて蒸気放出流および液体放出流を生成し、前記蒸気放出流および/または液体放出流の少なくとも一部が、多重効用式蒸発プロセスの一部としてのさらなる強制循環型蒸発器のステップへと導かれ、好ましくは、前記多重効用式蒸発プロセスの前記さらなるステップは流動床熱交換器なしで実行される、請求項1から12のいずれか一項に記載のプロセス。
  14. 前記排水流が、前記熱交換器を通って約0.5m/s~約0.7m/sの流速で流れる、請求項1から13のいずれか一項に記載のプロセス。
  15. 粒子を伴う前記排水流が、90%~98%、好ましくは約94%など92%~96%の間隙率を有し、間隙率は、粒子を伴う前記排水が流れる前記熱交換器のチューブの容積当たりの流体の体積分率として定義される、請求項1から14のいずれか一項に記載のプロセス。
  16. 前記熱交換器が、約110℃~約160℃、好ましくは130℃~約160℃の温度を有する水蒸気を供給することによって加熱される、請求項1から15のいずれか一項に記載のプロセス。
  17. 請求項1から16のいずれか一項に記載のプロセスを実行するのに適する多重効用式蒸発器(MEE)プラントであって、複数の強制循環型蒸発効用缶を直列に備え、これらの効用缶のうち、すべてではない1つまたは複数の効用缶が、排水流と共にチューブを通り抜けるように構成された洗浄粒子の流動床を有するシェルアンドチューブ型熱交換器を備える、多重効用式蒸発器(MEE)プラント。
  18. 前記多重効用式蒸発器プラントのすべての効用缶に関して最も極端な運転温度を有する、前記プロセスを実行するように適合された前記すべてではない1つまたは複数の効用缶が、前記洗浄粒子の流動床を備える、請求項17に記載の多重効用式蒸発器(MEE)プラント。
  19. 前記多重効用式蒸発器プラントのすべての効用缶に関して前記排水流における最高の濃度の無機物と有機物との混合物を受け取るように適合された、前記すべてではない1つまたは複数の効用缶が、前記洗浄粒子の流動床を備える、請求項17または18に記載の多重効用式蒸発器(MEE)プラント。
  20. 1つの効用缶のみ、好ましくは前記多重効用式蒸発器プラントの第1の効用缶が、前記洗浄粒子の流動床を備える、請求項17から19のいずれか一項に記載の多重効用式蒸発器(MEE)プラント。
  21. 請求項1から20のいずれか一項に記載のプロセスを実行するのに適する交換器を備える、特に、排水流と共に前記チューブを通り抜けるように構成された洗浄粒子の流動床を有するシェルアンドチューブ型熱交換器を含む、強制循環型蒸発器であって、無機物と有機物との混合物を含む排水を生成する化学プロセスプラントの後に、好ましくは染料製造プラントの後に配置されている、強制循環型蒸発器。
  22. 1つまたは複数の前記蒸発器が、
    - 排水流(WW)を洗浄粒子と共に加熱して、前記洗浄粒子を含有している加熱排水の流れ(HW)を形成するように構成された前記流動床熱交換器(1)と、
    - 前記洗浄粒子を含有している前記加熱排水の流れ(HW)を受け取って、加熱排水液体(HL)から、濃縮された洗浄粒子の流れ(CP)を分離するように構成された固液分離装置(2)と、
    - 前記加熱排水液体(HL)を受け取って、液体回路(4)へと水蒸気(DV)と濃縮排水の流れ(CW)とを放出するように構成されたフラッシュ室(3)と、
    - 前記液体回路(4)であって、濃縮排水(CW)を放出し、新規の排水(FW)を前記液体回路(4)へと導いて排水流(WW)を形成するように構成された液体回路(4)と、
    を備え、
    前記固液分離装置が重力分離装置を備える、
    請求項17から21のいずれか一項に記載の多重効用式蒸発器(MEE)プラントまたは強制循環型蒸発器。
  23. 好ましくは第1の効用缶として、請求項21または22に記載の強制循環型蒸発器を備える多重効用式蒸発器(MEE)プラントであって、より好ましくは、後続の効用缶が、洗浄粒子なしの従来の熱交換器を備える、多重効用式蒸発器(MEE)プラント。
  24. 請求項21または22に記載の単一の強制循環型蒸発器を備える蒸発器プラントであって、前記フラッシュ室の蒸気出口(32)と前記流動床熱交換器(1)の水蒸気入口(14)との間に蒸気圧縮機をさらに備える、蒸発器プラント。
  25. 汚れを軽減するための、好ましくは先制して熱交換器の内表面における汚れを軽減するための、特に染料生産プロセスに由来する排水流を蒸発させるための、無機物と有機物との混合物を含む排水流の蒸発における粒子の使用。
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