JP2022535027A - 泡立てて冷凍した食品製品 - Google Patents

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Abstract

冷凍食品発泡体製品を製造するためのガスハイドレートの使用であって、ガスは、空気、及び/又は、二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素、アルゴン、及び酸素のうちの1つ以上を含み、ガスは、好ましくは、二酸化炭素、及び/又は、窒素を含む、ガスハイドレートの使用。【選択図】 図1

Description

発明の詳細な説明
[技術分野]
本発明は、液体~ペースト様の状態のフードマトリックス内に投与されたガスハイドレート又はガスハイドレートスラリーで泡立てることにより生成された食品製品分散体に関連する。本発明は更に、ガスハイドレート又はガスハイドレートスラリーで泡立てることにより生成された、例えば、アイスクリーム等の泡立てられた冷凍食品製品に関連する。
[背景技術]
高粘性フードマトリックス(ca.5Pas超)の泡立てには、エネルギー消散、溶解、固体推進剤/発泡剤が食品グレードではなく且つガス放出能が低いことから課題がある。
泡立てに関する技術状況は、主として、ホイッピングを用い純ガスで食品製品を泡立てることと、酸化したフェルラ酸処理した(ferulyated)ポリマーで冷凍製品泡立てることと、ノズルからガス/製品ミックスを吐出することと、安定化のための高圧ホモジナイザーを使用すること、並びにホイッピング剤及び/又は安定化剤、増粘剤、タンパク質を使用すること、に重点を置いている(US7297359B2、EP1000723A3、US6497913B1)。
冷凍食品製品(例えば、アイスクリーム)、高固形分押出物、及び低DEグルコースシロップペースト他、40~70重量%の乾燥固形分で5Pasを上回る粘度を有する粘性フードマトリックスは、多相系である。これらは、ポンプ送液、搬送、分配、及び全般的な加工に克服すべき課題がある。気泡の破裂に伴う臨界キャピラリー数が高いことから、周囲の流体に対して気泡の粘度比が低いこのような媒体にガス又は空気を分散させることは困難である。
粘性の液体~ペースト様の発泡性多相食材に微小な気泡を生成するより良好な手法を見出すことが明らかに必要とされている。
[発明の概要]
本発明者らは、驚くべきことに、様々なタイプの液体~ペースト様のフードマトリックス流体と、水性又は非水性の連続液相を備えた分散物とを泡立てるために、ガスハイドレート又は混合物、懸濁物、又はこれらのスラリーが使用され得ることを発見した。ガスハイドレートスラリーは、高圧クラスレートハイドレートスラリー生成器(CLAG)において、水を含む溶液からの形成が成功しているため、様々な食品グレードガス、及び/又は、ガス混合物(希ガス、CO、N、O、NO、空気)及び純水、又は、水画分を含有する溶液(分散体、エマルジョン、懸濁物)から、フレキシブルに形成することができる。
本発明は、ガスハイドレートを共存させる熱力学的に十分安定な状態の範囲内の温度及び圧力条件下での、粘性フードマトリックス内へのガスハイドレートの分散を含む、低分率の濃縮水に適用される。その後、ガスハイドレートの分散体は、粘性の液体~ペースト様の食品分散体と混合される。ガスハイドレートスラリーの物性により、均質な混合が大いに促進される。通常は、その粘性及び密度は、粘性食品分散体の粘性及び密度と類似している。混合したガスハイドレートスラリー/粘性食品分散体の組成物は、その後、圧力降下、及び/又は、温度上昇によって分離され、ガスハイドレート構造に閉じ込められていたガスを解放する。ガスハイドレート結晶体積の150倍まで展開可能であり、粘性の液体~ペースト様のフードマトリックスは均等に泡立てられる。
したがって、本発明の一態様によると、食品発泡体又は食品発泡体製品、好ましくは、冷凍食品発泡体製品を製造するためのガスハイドレート又はガスハイドレートスラリーの使用を提供する。食品発泡体製品は、ムースであってもよい。冷凍食品発泡体製品は、好ましくは、例えば、アイスクリームやシャーベット等の冷凍デザートである。ガスは空気を含んでもよく、及び/又は、二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素、アルゴン、及び酸素のうちの1種以上を含んでもよく、ガスは、好ましくは、二酸化炭素、及び/又は、窒素を含む。
他の態様によると、本発明は、フードマトリックス流体、好ましくは、液体~半液体のフードマトリックス流体を気化するためのガスハイドレートの使用を提供する。好ましくは、フードマトリックス流体は、0.001Pas~1000Pasの範囲の粘度を有する。0.001Pasの粘度は、液体であると記載することができ、1000Pasの粘度は、ペースト様であると記載することができる。粘度範囲はまた、0.001Pasの下限と、200Pas、400Pas、600Pas、又は800Pasのうちのいずれか1つの上限との間であってもよい。粘度範囲はまた、0.001Pas、0.01Pas、0.1Pas、1Pas、10Pas、100Pasのうちのいずれか1つの下限と、1000Pasの上限との間であってもよい。ガスは空気を含んでもよく、及び/又は、二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素、アルゴン、及び酸素のうちの1種以上を含んでもよく、ガスは、好ましくは、二酸化炭素、及び/又は、窒素を含む。
他の態様によると、ガスハイドレートスラリーは、ガスハイドレートの臨界的な分離条件下で、通常は、十分に低い温度と十分に高い静圧で、形成及び保存することができる。その後、略同一の温度及び圧力条件下で、ガスハイドレートスラリー、通常は、濃縮ガスハイドレート結晶水懸濁物を、フードマトリックス流体、好ましくは、粘性フードマトリックス流体(FMF)に添加することができる。ガスハイドレートスラリーをフードマトリックスに混合して、フードマトリックス/スラリーミックスを用意した後、安定圧力及び温度条件の臨界を超えると、ガスハイドレートの分離を通じて体積膨張(又は泡立ち)が制御される。
いくつかの実施形態では、水溶液、好ましくは、糖溶液ベースの水溶液が選択され、好ましくは、粘性の糖溶液ベースの水溶液が選択される。通常、粘度は、例えば、糖溶液のデキストロース等量をDE6~DE40の間で変更して、好ましくは、凝固点降下を生じさせることにより、好ましくは、顕著な、又は、著しく異なる凝固点降下を生じることにより、糖混合物の糖濃度又は分子量を増加させて、調整される。
いくつかの実施形態では、糖溶液は、スクロース(二糖)を含む。いくつかの実施形態では、糖溶液は、DE6~DE40の間のデキストロース等量(DE)を有する。DEは、グルコースとして計算された乾燥物中の還元糖の重量パーセンテージをいう。したがって、DEの値が小さいほど、オリゴ糖鎖長が長いことを表す。これは、酵素分解をあまり受けていないでん粉が、グルコース単位へと変化していくことを意味する。
このような糖溶液は、通常、追加の分散成分を含有するか否かを問わず、水を含む。通常、このような分散成分は、ガスハイドレートの形成及び成長にとって熱学的な阻害因子として作用するため、存在するガスハイドレートスラリーにおける制御された均質なフローパターンを可能にする。代表的な糖溶液ベースの水溶液には、追加の物質を添加することができる。通常、追加の物質は、界面活性剤、タンパク質、不凍タンパク質、バイオポリマー、アミノ酸、及び/又は、オイルのうちの1種以上である。好ましくは、これらの追加の物質によりエマルジョンが形成される。
別の態様によると、本発明は、ガスハイドレート、好ましくは、糖溶液ベースのガスハイドレートスラリーを含む、連続相スラリーの生成方法であって、
(a)水と、任意で、凝固点を降下させる他の可溶性成分とを含む糖溶液を用意するステップと、
(b)水を含む溶液を冷却するステップと、
(c)水を含む溶液をガスで加圧して、ガスハイドレートを含むスラリーを用意するステップと、を含み、ガスは、空気であり、及び/又は、二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素、アルゴン、及び酸素のうちの1種以上を含み、好ましくは、ガスは、二酸化炭素、又は、二酸化炭素及び窒素を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、糖溶液ベースのガスハイドレートスラリーを生成する方法であって、
(a)水と、任意で、凝固点を降下させる他の可溶性成分とを含む糖溶液を用意するステップと、
(b)水を含む糖溶液を、-10℃~10℃の間、又は、-5℃~5℃の間、又は、-7℃以上に冷却するステップと、及び/又は、
(c)水を含む溶液をガスで、10~300バール、又は15~100バール、又は15~50バール、又は15~35バールの圧力に加圧するステップと、を含む、方法を提供する。
いくつかの実施形態では、この方法は、ステップ(b)において、糖溶液を0~8℃の間、又は約5℃に冷却するステップと、ステップ(c)において、好ましくは、二酸化炭素により、好ましくは、15~35バールに加圧するステップと、を含む。
いくつかの実施形態では、この方法は、ステップ(b)において、糖溶液を0~5℃の間、又は約2℃に冷却するステップと、溶液をNにより、約30~285バール、又は約35~50バール、又は約35バールに加圧するのに先立って、溶液をCOにより、約15~25バール、又は約20バールに加圧するステップと、を含む。
いくつかの実施形態では、この方法は、糖溶液ベースのガスハイドレートスラリー内でガスハイドレートを分散させるステップを更に含む。通常、このステップは、回転構造を備えた装置を使用して達成される。好適な装置としては、ピンミキサー、表面かきとり熱交換器、又はその他、又は静的ミキサー、又は、遠心、ギア、若しくは容積式のポンプ等の運搬装置、又は任意の流体薄層生成装置が挙げられる。
別の態様によると、本発明は、糖溶液ベースのガスハイドレートスラリーであり、以下、3Sスラリーと称するものであって、ガスは、空気であり、及び/又は、二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素、アルゴン、及び酸素のうちの1種以上、好ましくは、二酸化炭素、及び/又は、窒素を含む、3Sスラリーを提供する。3Sスラリーは、上述の方法で得てもよい。
いくつかの実施形態では、3Sスラリーは、10-2~10Pasの間、又は20mPas~1Pasの間、又は30mPas~500Pasの間、又は約30mPas以上、及び/又は、約100mPas以下の粘度を有しており、好ましくは、3Sスラリーの粘度は、糖溶液の粘度より8倍まで高い。
いくつかの実施形態では、3Sスラリーは、0.01~7.5mol/L、0.1~7.5mol/L、1~5mol/L、1~3mol/L、又は約1~2mol/Lのガスを含む。いくつかの好ましい実施形態では、3Sスラリーは、二酸化炭素を含み、好ましくは、0.5~5mol/L、1~5mol/L、1~2mol/L、又は約1.4mol/Lの二酸化炭素を含む。いくつかの実施形態では、3Sスラリーの、ハイドレート画分中のガスの液体画分中のガスに対する比率(H:L)は、体積によるハイドレート画分が10~35体積%であると5:1であり、ハイドレートが約10体積%であるとH:Lは約1.2:1であり、又は、好ましくは、ガスハイドレート画分が約17体積%であると約2:1である。
いくつかの実施形態では、3Sスラリーは、10重量%~65重量%、20重量%~55重量%、35重量%~55重量%、45重量%~55重量%、又は50重量%の固形分を含む。いくつかの実施形態では、3Sスラリーは、10重量%~65重量%、10重量%~50重量%、20重量%~40重量%、15重量%~35重量%、又は約25重量%の固形分を含む。
いくつかの実施形態では、スラリーは、10-2~10Pasの間、又は20mPas~1Pasの間、又は30mPas~500mPasの間、又は30mPas~40mPasの間の粘度を有する。通常、この粘度は、水を含む溶液の組成及び温度と相互依存する。
別の態様によると、本発明は、冷凍発泡食品製品、好ましくは、アイスクリームを製造する方法であって、
(A)糖溶液ベースのガスハイドレートスラリーとフードマトリックス流体とを混合して、糖溶液ベースのガスハイドレートスラリー/フードマトリックス流体混合物を用意するステップと、
(B)糖溶液ベースのガスハイドレートスラリー/フードマトリックス流体混合物の圧力解放、及び/又は、温度上昇を行い、泡立てた糖溶液ベースのガスハイドレート/フードマトリックス混合流体混合物を用意するステップと、
(c)好ましくは、-25℃~-5℃で冷凍することにより、泡立てた糖溶液ベースのガスハイドレートスラリー/フードマトリックス流体混合物を固化して、冷凍発泡食品製品、好ましくは、アイスクリームを用意するステップと、を含む方法を提供する。
糖溶液ベースのガスハイドレートスラリー/フードマトリックス流体混合物を、以下、3SFMF流体系と称する。泡立てた糖溶液ベースのガスハイドレートスラリー/フードマトリックス流体混合物を、以下、発泡3SFMF系と称する。
いくつかの実施形態では、FMFは溶液又は分散体である。いくつかの実施形態では、FMFは、10重量%~75重量%、30重量%~75重量%、50重量%~75重量%、50重量%~70重量%、又は60重量%~65重量%の固形分を、可溶又は非可溶の状態で含む。いくつかの実施形態では、FMFは、約40重量%の固形分を、可溶又は非可溶の状態で含む。好ましくは、FMF溶液又は分散体は、ガスハイドレートを含まない。
いくつかの実施形態では、3SFMF流体系中のガスハイドレートは、例えば、ピンミキサー、表面かきとり熱交換器、又は静的ミキサー等の回転構造を備えた装置、押し出し機、又は遠心、ギア、若しくは、容積式のポンプ等の運搬装置を使用することにより、混合時に実質的に分散される。
いくつかの実施形態では、3Sスラリーは、略等圧等温の条件下でFMF流体と混合され、好ましくは、略等圧等温の条件は、-10℃~10℃の間、又は-5℃~5℃の間、又は約-7℃以上の温度、及び/又は、10~300バール、又は15~100バール、又は15~50バール、又は15~30バールのガス圧力である。用いる温度及び圧力は、通常、凝固点降下と、3Sスラリーの生成に使用される水溶液の組成とに応じて異なる。いくつかの実施形態では、3Sスラリーは、3SFMF流体系が、50~500%、又は100~500%、又は100~150%、又は50%~100%、好ましくは、約100%のオーバーランに達するまで、FMF流体に添加される。オーバーランは、ここでは、非発泡流体体積と比較した体積増加と規定される。
いくつかの実施形態では、3SFMF流体系の圧力解放、及び/又は、温度上昇を行うステップ中、圧力は、周辺の周囲圧力まで解放されるのに先立って、好ましくは、1バール~100バールの間、又は5バール~50バールの間に段階的に解放され、及び/又は、3SFMF流体系の温度は、-5℃~15℃の間、又は約0℃超、又は約10℃に上昇される。
別の態様によると、本発明は、好ましくは、本発明の方法によって製造された、発泡食品製品、好ましくは、冷凍発泡食品製品を提供する。通常、気泡サイズは、5~60μmである。通常、氷結晶サイズは5~60μmである。
発泡食品製品は、通常、ムースである。冷凍発泡食品製品は、通常、例えば、アイスクリーム又はシャーベット、好ましくは、アイスクリーム等の冷凍デザートである。
本発明の方法の図式表現 投入する材料(水、ガス、及びFMFフードマトリックス流体を含む溶液)の個々の段階及びこれらの処理形態、ガスハイドレート及び3SFMF糖溶液ベースのガスハイドレートスラリー/フードマトリックス流体混合物を含む糖溶液ベースのガスハイドレートスラリー(3Sスラリー)、発泡3SFMF、並びに安定化した冷凍発泡3SFMFを表す図である。 25重量%の糖溶液-COと、50重量%の糖溶液-CO系の位相図である。 SSは、スクロース溶液を表す。(A)は、開発した熱力学モデルで評価した、スクロース濃度の異なるCOハイドレート糖(スクロース)溶液系の位相図である。(B)は、CO/N水系の位相図である。 25重量%の糖溶液及び純水について、図2(A)で使用した熱力学モデルの評価 この評価は、高圧攪拌反応器中で、定積Tサイクル(温度サイクル)の加熱冷却法で実施した。分離温度を、ハイドレート-液体-蒸気安定ライン上の平衡点と見做した。10、20、30、及び50バールについて、高圧示差走査熱量計(HP-DSC)で、更なる評価を実験的に行った。SSは、糖溶液を表す。 高圧CLAG反応器における、25重量%及び50重量%の糖溶液ベースのガスハイドレートスラリー(3Sスラリー)の形成状況の例 圧力(P)、温度(T)、粘度(η)、及び密度(ρ)、糖溶液ベースのガスハイドレートスラリー(3S)の経時的な形成及び成長 サイドストリームからメインストリームへの3Sスラリー(FMF)の移中の、CLAG反応器(サイドストリーム)及びEGLI(メインストリーム)上の処理状況の例 Eは、EGLI(メインストリームライン)を表し、Lは、CLAGループ反応器(サイドストリーム)を表し、ループ上の温度及び圧力が示され、メインストリームEGLIライン上の入口温度及び圧力と比較される。移行は、等温等圧条件付近で発生する。 糖(スクロース)溶液の特性、凝固点降下、所与の温度におけるスクロースの水への最大可溶性、密度、及び粘度が示されている。[発明を実施するための形態]
ガスハイドレート
「ガスハイドレート」は、クラスレートハイドレート又はウォータークラスレートとしても既知である。ガスハイドレートは、氷に物理的に類似した結晶性水ベース固形物であり、ガスが、水素の結合した水分子の「ケージ」内に捕捉されている。
、H、N、NO、CO、CH、HS、Ar、Kr、Ne、He、Xe、炭化水素(メタン、エタン、プロパン、イソブテン、ペンタン)、硫化水素を含む、低分子量ガスの多くが、好適な温度及び圧力でハイドレートを形成する。ガスハイドレートは、好適なガスを用意することと、好適な溶液(例えば、25重量%の糖溶液)の温度低下、及び/又は、ガス圧力上昇を行うこととにより、形成され得る。
フードマトリックス流体材料を生成するのに好適、又は、産業用食品加工での使用に好適な任意のガスを使用してもよい。例えば、ガスは、空気であってもよく、及び/又は、二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素、酸素、及びアルゴンのうちの1種以上を含んでもよい。好ましい実施形態では、ガスは、二酸化炭素、及び/又は、窒素を含む。いくつかの実施形態では、ガスハイドレートは、略同一のガスを含む。いくつかの実施形態では、ガスは、純ガス(例えば、99%以上、又は99.9%以上、又は100%の単一ガス)である。好ましい実施形態では、ガスハイドレートは、CO及び/又はNのハイドレートである。
好適な温度及びガス圧力は、ガスハイドレートスラリーの形成に使用されるガスと、水溶液の組成及び凝固点降下に応じて異なる。例えば、COハイドレートは、約5~7℃及び約26~35バールで25重量%の糖溶液、又は約2.5℃及び約30~35バールで50重量%の糖溶液中で形成されてもよい。溶液がより低温であれば、要求されるガス圧力はより低くなり、逆も同様に、溶液がより高温であれば、要求されるガス圧力はより高くなる。例えば、COハイドレートは、約6℃及び約30バール、又は約-3.5℃及び約10バールで、25重量%の糖溶液中で形成されてもよい。これらには、任意で、水の氷を形成する条件、及び/又は、ガスが凝結して液体気体位相を形成する条件が含まれる。例えば、-2.04℃が、25重量%の糖溶液のおおよその凝固点降下であり、用途によっては、このような25重量%の糖溶液中でガスハイドレートを形成するのに、より低い温度は使用できない、又は、使用すべきでない。例えば、25重量%の糖溶液-CO系では、第2の四重点(液体、ハイドレート、蒸気、及び凝縮ガスの位相がぶつかるポイント)は、約8.5℃及び43.4バールである。したがって、COは、より低い温度、及び/又は、より高い圧力で液体になる。
温度及びガス圧力は、3S糖溶液ベースのスラリーの所望の粘度、及び/又は、所望のガス濃度に応じて異なり得る。ガスハイドレートの形成に必要な温度及び圧力は、相互依存しており、ガス及び溶液(例えば、糖溶液中の固形分の重量%)に応じて異なる。25重量%の糖溶液中にCOハイドレートを形成するための例としての条件範囲は、1~7℃及び20~40バール、又は約20バール以上である。30重量%の糖溶液中にNハイドレートを形成するための例としての条件範囲は、-2.5℃~5.5℃及び140~285バールである。25重量%の糖溶液中にNOハイドレートを形成するための例としての条件範囲は、12~38バールで約0~9℃である。より低い圧力でハイドレートを形成するには、より低い温度が使用されなければならない。
いくつかの実施形態では、ガスハイドレートは、1種以上の追加ガスの導入に先立って、第1のガスによって形成される。したがって、最終ガスハイドレートは、2種以上のガスを含んでもよく、すなわち、混合ガスハイドレートである。例えば、混合CO/Nハイドレート中、少量のハイドレートケージを未占有にしておくことで、より低い圧力で、COによりNが組み込まれるようにする。まず、COハイドレートが、より低い圧力で準備されてもよく、その後、Nが、より高い圧力で添加されてもよい。好適なガスの任意の組み合わせに、同様の方法を使用してもよい。好ましい実施形態では、ガスハイドレートは、混合CO/Nハイドレートである。CO/Nハイドレート中に捕捉されたCOのモル分率は、0.1~0.99、又は0.5~0.99、又は0.8~0.99,又は0.9~0.99、又は0.95~0.99,又は約0.98であってもよい。他の実施形態では、ガスハイドレートは、NO/Nハイドレート(Yang,Yら,2017.Environmental science & technology,51(6),pp.3550-3557))、又はNO/COハイドレート、又はNO/CO/Nハイドレートである。
好ましい実施形態では、COハイドレート(或いは、NO又はCO/NOハイドレート)が、窒素ガスの導入に先立って形成される。例えば、COハイドレートは、10~50バール、15~25バール、又は20バール、及び0~5℃、又は約2℃(例えば、1~2℃及び約20バール以上、又は20~30バール)で導入された二酸化炭素で形成されてもよい。少量のCOハイドレートが形成された時点で(圧力降下及び温度プロファイル上の発熱ピークによって示されるとおり)、窒素が導入され、全体のガス圧力を上昇させてもよい。導入される窒素の量(すなわち、CO-Nの比率)と求められる圧力とは、ガスハイドレート中のCO/Nの所望の比率に応じて異なる。全体のガス圧力は、-5℃~5℃、0~5℃、又は約2℃で、10~300バール超、20~50バール、30~40バール、又は約35バールに上昇されてもよい。混合CO/Nハイドレートを形成するためのCOの(最終ガス混合物中の)モル分率は、0.1~0.9、又は0.2~0.8、又は0.4~0.6、又は0.47~0.54,又は約0.54であってもよい。(最終ガス混合物中の)COの画分は、COが凝結しないようにしなければならない。例えば、COは、25重量%の糖では、約8.5℃及び43.4バール、又はより低い温度及び/又はより高い圧力で凝結する。
上述のとおり、ガスハイドレートの形成に必要な温度及び圧力は、相互依存し、ガスハイドレートを含むガスハイドレートスラリーの形成に使用されるガス及び水溶液の組成(例えば、糖溶液中の固形分の重量%)と、水を含む溶液の束一的特性(例えば、凝固点降下)とに応じて異なる。
ガスハイドレート/フードマトリックスミックスに存在するガスハイドレートを分離させるために、圧力は降下されなければならず、及び/又は、温度は上昇されなければならず、所与のガス(又はガス混合物)ハイドレートの位相図の安定領域外に系を移動する。その結果、安定化及び冷凍に先立って、泡立てた糖溶液ベースハイドレートスラリー/フードマトリックス流体(3SFMF流体系)にはガスハイドレートが存在しなくてもよい。3SFMF流体系は、液相から分離ガス画分のガス又はガス混合物の残余物を含んでもよい。
ガスハイドレートを含む糖溶液ベースのスラリー(3Sスラリー)
本発明に係る「糖溶液」は、可溶性糖成分を含む溶液である。3Sは、他の溶液又は分散体から形成された追加のガスハイドレートスラリーのためのモデル溶液であって、糖溶液の代わりに使用可能である。より複雑な溶液では、分散体中に、非可溶性成分、及び/又は、このような成分(懸濁液又はエマルジョン)も含んでよい。
本発明で使用される糖溶液ベースのスラリー(3S)を形成するのに使用される例示的及び代表的な糖溶液は、異なる糖素材に由来してもよい。同時に、糖溶液ベースのガスハイドレートスラリーの形成に使用される糖溶液は、代表的に、様々な可溶性成分が含まれ得る連続流体系を含む任意の溶液ベース水を表すため、それらの濃度と、それら互いの間、及び、水及びガスとの間で起こり得る相互作用とに応じて、分子はガスハイドレートを生成可能な温度/圧力範囲に影響し得る。更に、スラリーを含むガスハイドレートの形成のために、30~40体積%以上の十分な水画分を含む溶液を、糖溶液の代わりに使用することができる。そのため、連続位相は、非水性(例えば、オイルエマルジョンとして水を生成するオイル)でもあり得る。
本発明は、ガスハイドレートを含む代表的な糖溶液ベースのスラリー(3S)を生成する方法を提供する。本方法は、
(a)糖溶液を用意するステップを含み、
(b)かかる代表的な糖溶液は、-10℃~10℃の間、又は-5℃~5℃の間、又は約-7℃以上に冷却され、
(c)及び/又は、ガス圧力は、10~300バール、又は15~100バール、又は15~30バールに調整されて、ガスハイドレートを含む3S糖溶液ベースのスラリーが用意され、ガスは、空気を含み、及び/又は、二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素、アルゴン、及び酸素のうちの1種以上、好ましくは、二酸化炭素、及び/又は、窒素を含む。
この方法は、糖スラリー内でガスハイドレートを分散させるステップを更に含んでもよい。ガスハイドレートは、形成中、及び/又は、形成後に分散されてもよい。好ましくは、ガスハイドレートは、効果的な混合のために、例えば、動的又は静的なミキサー装置を使用して、3S糖スラリーを混合することにより、分散される。ガスハイドレートは、かきとり表面熱交換機(SSHE)、及び/又は、ピンミキサー、及び/又は、押し出し型のミキサー中で、及び/又は、ポンプ送達動作を通じて、混合されてもよい。
好ましくは、糖溶液は、10重量%~65重量%、10重量%~50重量%、20重量%~40重量%、15重量%~35重量%、又は約25重量%の固形分を含む。好ましくは、糖溶液は、10-2及び10Pas、又は20mPas~1Pasの間、又は30mPas~500mPasの間、又は約30mPas以上、及び/又は、約100mPas以下、又は1~10mPasの間、又は約5mPas以上、及び/又は、約100mPas以下の粘度を有する。粘度は、通常、固形分の重量%と相互依存し、すなわち、重量%が高いほど、結果として、粘度が高くなる(図6参照)。例えば、50重量%の糖溶液は、(0~10℃で)約25~44mPasの粘度と、100s-1のせん断速度を有してもよく、25重量%の糖溶液は、30バール、0~10℃、及び100s-1のせん断速度で約3~5mPasの粘度を有してもよい。粘度は、例えば、レオメータ又はコリオリ流量計等、当業者に既知の任意の方法で判定されてもよい。25重量%の糖溶液からのガスハイドレートを含む3Sは、0℃で約35~40mPasの粘度を有することができ、50重量%の糖溶液から作成されたガスハイドレートを含む3Sは、(-1~3℃で)約62~390mPasの粘度を有することができる。
ガスハイドレートの形成に必要な温度及び圧力は、通常、相互依存し、ガス及び溶液(例えば、糖溶液中の固形分の重量%、凝固点降下、及びその他の束一的特性で、図6も参照のこと。)に応じて異なる。例えば、図2は、25、30、40、及び50重量%の糖溶液中のCOハイドレートの形成のための位相図を提供する。氷が形成する状況、及び/又は、ガスが凝結する状況を回避する必要がある場合もある。例えば、25重量%の糖溶液は、約-2.04℃の凝固点を有し、50重量%の糖溶液は、-7.61℃で凝固点を有する。
例えば、ガスハイドレートが生成されるべき糖溶液は、ガス、溶液中の糖濃度、及びガス圧力に応じて、-10℃~8℃の間、又は-8℃~7℃の間、又は-5℃~5℃の間、又は約-7.5℃以上、-5℃以上、又は-2℃以上、又は-1℃以上に冷却されてもよい。ガスハイドレート形成のためのガス圧力は、ガス、糖溶液、及び温度に応じて、10~300バール、10~100バール、10~50バール、又は15~40バール、又は15~35バール、又は15~30バールであってもよい。好ましくは、COハイドレートが望ましいとき、25重量%の糖溶液は、3~5℃に冷却され、COで約20~30バール、又は20バール以上に加圧される。好ましくは、Nハイドレートが望ましいとき、25重量%の糖溶液は、-2.5℃~5.5℃に冷却され、Nで135~285バールに加圧される。より低い圧力でハイドレートを形成するには、より低い温度が使用されなければならない。好ましくは、CO/N混合ハイドレートが望ましいとき、溶液は、約2℃に冷却され、Nで約35バールに加圧するのに先立って、COで約20バールに加圧される(そして、COのモル分率は約0.54である)。或いは、Nの量が多いCO/N混合ハイドレートが望ましいとき、溶液は、約2℃に冷却され、Nで約100~285バール、又は約100~200バールに加圧するのに先立って、COで約20バールに加圧される(そして、COのモル分率は、約0.1以下である)。
本発明に係るガスハイドレートを含む3S糖スラリーは、10重量%~65重量%、10重量%~50重量%、20重量%~40重量%、25重量%~35重量%、30重量%~35重量%、又は約25重量%の固形分を含む糖溶液から作成されてもよい。
ガスハイドレートを含む3S糖スラリーは、10-2~10Pasの間、又は20mPas~1Pasの間、又は30mPas~500mPasの間、又は約30~40mPas、及び/又は、約300mPa以上の粘度を有してもよい。
糖溶液の粘度は、ガスハイドレートの形成によって増加されてもよい。したがって、ガスハイドレートの形成は、3S糖スラリーの粘度を測定することによってモニタリングされてもよい。好ましくは、3S糖スラリーの粘度は、ガスハイドレートを含まない溶液に比べて、例えば2倍、4倍、6倍、又は8倍高い。粘度は、例えば、レオメータ又は粘度計等、当業者に既知の任意の方法によって決定されてもよい。
3S糖スラリーは、二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素及びアルゴン、酸素のうちの1つ以上を含んでもよく、好ましくは、二酸化炭素、及び/又は、窒素を含んでもよい。糖スラリーは、0.01~7.5mol/L、0.1~7.5mol/L、1~5mol/L、1~3mol/L、又は約1~2mol/Lのガスを含んでもよい。いくつかの好ましい実施形態では、3Sスラリーは、二酸化炭素を、好ましくは、0.5~5mol/L、1~5mol/L、1~2mol/L、又は約1.4mol/L含む。他のいくつかの好ましい実施形態では、3Sスラリーは、好ましくは、0.5~5mol/L、0.5~2mol/L、又は約1mol/Lの二酸化炭素と、好ましくは、0.01~0.5mol/L、0.02~0.1mol/L、又は約0.05mol/Lの窒素とを含む。ガスの量は、3S糖スラリー、すなわち、ハイドレート画分及び液体画分の双方に含まれるガスの総量をいう。ガスの量は、例えば、クロマトグラフィ、FBRP、光学法、圧電センサー、インピーダンス、又は伝導率の測定等、当業者に既知の任意の方法で測定されてもよい。
3S糖スラリーの、ハイドレート画分中のガスの液体画分中のガスに対する比率(H:L)は、体積によるハイドレート画分が10~35体積%であると5:1であり、又は体積によるハイドレート画分が12~14体積%であると3:2~であり、又はハイドレートが10体積%であると1.2:1であり、好ましくは、ガスハイドレート画分が17体積%であると2:1であってもよい。H:Lの比率は、高圧クロマトグラフィ、散乱、又は分光法、又は熱力学モデリング等、当業者に既知の任意の方法で測定されてもよい。好ましくは、ガスの大部分がガスハイドレート中に捕捉される。
冷凍発泡糖溶液ベースフードマトリックス流体(冷凍発泡3SFMF)又は冷凍発泡食品製品の製造方法
本発明は、冷凍発泡食品製品の製造方法であって、
(a)ガスハイドレート(3Sスラリー)を含む糖溶液ベースのスラリーと他の液体とを半液体フードマトリックス流体(FMF、溶液、又は分散体)に混合して、混合3SFMF流体系を用意するステップと、
(b)3SMF流体系の圧力解放、及び/又は、温度上昇を行い、発泡3SFMFを用意するステップと、
(c)好ましくは、-25℃~-5℃で冷凍することにより、発泡3SFMFを固化し、冷凍発泡食品製品を用意するステップと、を含む方法を提供する。
好都合なことに、ガスをその固体形状で(例えば、3Sスラリー等のガスハイドレートスラリーのガスハイドレートとして)添加することで、糖溶液中のガスの混合を促進し、及び/又は、溶液の気化に必要な時間を短縮し、及び/又は、溶液の気化に必要なエネルギーを低減する。3Sスラリーは、サイドストリームで生成されてもよい。このような初期の糖溶液は、ガスハイドレートを含まない。初期の糖溶液は、10重量%~65重量%、10重量%~50重量%、20重量%~40重量%、15重量%~35重量%、又は約25重量%の固形分を含んでもよい。好ましくは、このような初期の糖溶液は、30バール、0~10℃、100s-1のせん断速度で約3~5mPasの粘度を有する約25重量%の糖固形物を含んでもよい。したがって、これにより3S糖溶液ベースのスラリーを形成するガスハイドレートの生成時にガスハイドレートが結晶分散位相を形成するため、粘度が上昇する。混合される2つの流体の粘度が等しいと混合効率が向上されるため、3S流体は、好ましくは、発泡体生成のために混合されるフードマトリックス流体(FMF)の粘度に近付くように調整される。各粘度レベルは、30mPas~10Pasの間、又は約30mPas以上、及び/又は、約300mPas以上、又は1~10mPas、又は約5mPas以上、及び/又は、約300mPas以上、又は約500mPasの範囲である。フードマトリックス流体(FMF)の粘度は、そのベース流体粘度と、溶解及び/又は分散された成分の濃度とに応じて決まり、温度と、付与される機械的力にも応じて決まる。3Sスラリーの粘度は、糖溶液の重量%に相互依存し、すなわち、重量%が高いほど、結果として、粘度が高くなり、生成されるガスハイドレート画分が低くなる。
本発明の実施形態の特殊な場合では、3Sスラリー及びフードマトリックス流体(FMF)は、同様の性質のものとなる(例えば、糖溶液をベースとする)。このような場合、FMFは、例えば、60重量%の溶解糖を含有してもよく、3Sスラリーは、10~20体積%のとき、ガスハイドレート結晶画分の形成が、ガスハイドレートを含まないFMF流体に匹敵する粘度に達することができ、引いては、3SとMFとの混合を促進し、引いては、均質な3SFMF流体システムに効果的に達し、温度上昇、及び/又は、静的な圧力解放下での泡立ての準備が整っている。
粘度は、例えば、レオメータ等、当業者に既知の任意の方法で判定されてもよい。好ましくは、粘度は、ガスハイドレートを含む3Sスラリーと3SFMF流体系とでは、500s-1のせん断速度と、1℃の温度で判定され、ガスハイドレートを含まない初期の糖溶液とFMFとでは、100s-1のせん断速度と、7~10℃の温度とで決定される。
3Sスラリー(サイドストリーム)及びFMF流体(メインストリーム)は、3SスラリーをFMF流体に添加することにより、すなわち、3SサイドストリームをFMFメインストリームに投与することにより、混合されてもよい。3SサイドサイドストリームをMFメインストリームに混合して、3SFMF流体系を生成する。好ましくは、3SFMF流体系は、混合終了時、メインストリームに残る。いくつかの実施形態では、3Sスラリーサイドストリームの速度は、5~200ml/分、又は10~100ml/分、又は約15~60ml/分、又は約30ml/分であり、FMFメインストリームの速度は、100~500ml/分、又は100~200ml/分、又は約170ml/分である。例えば、3SスラリーがCOハイドレートを含むとき、3Sサイドストリームは、10~30ml/分の速度で、150~300ml/分のMFメインストリームに添加されてもよい。いくつかの実施形態では、サイドストリーム速度:メインストリーム速度の比率は、1未満、又は0.01~0.5、又は0.05~0.1、又は約0.08である。
いくつかの実施形態では、3Sスラリーは、投与により(すなわち、特定量(体積)の3Sスラリーを具体的な時間間隔で添加することにより)、FMFに添加される。いくつかの実施形態では、添加される3Sスラリーの量(体積)は、1~1000cm、1~100cm、1~50cm、10~50cm、又は5~20cm、又は約15cmである。いくつかの実施形態では、このような3S投与は、1~1000秒毎、又は5~200秒毎、又は60~100秒毎に添加される。いくつかの実施形態では、10~50cmは、60~100秒毎に添加される。
いくつかの実施形態では、添加される3Sの量(体積)及び/又は速度は、0.001~1mol/分又は0.02~1mol/分のガスをFMFに供給するのに十分な量及び速度である。例えば、3SがCOハイドレートを含むとき、FMFに添加されるスラリーの体積及び速度は、0.02~0.1mol/分のCOが供給されるような体積及び速度であり、3SがCO/Nハイドレートを含むとき、添加されるスラリーの体積と速度は、0.02~0.1mol/分のCOと0.001~0.005mol/分のNが供給されるような体積と速度である。
いくつかの実施形態では、等圧等温条件付近(すなわち、略等圧等温)で、好ましくは等圧等温条件で、3S(サイドストリーム)及びFMF(メインストリーム)が混合され、及び/又は、サイドストリームがメインストリームに添加される。本発明に係る「等圧等温条件」は、混合が一定温度及び一定静的圧力で行われるという条件である。好ましくは、等圧等温条件は、混合前の3S(サイドストリーム)の条件と同一であり、すなわち、等圧等温条件とは、3SサイドストリームがFMFメインストリームに入る入口の圧力及び温度をいう。略等圧等温の条件とは、等圧等温条件の±2℃及び±5バール以内であってもよい。好ましくは、温度及びガス圧力は、上述のとおり、ガスハイドレートの形成及び/又は保持に好適な温度及びガス圧力である。したがって、温度は、ガス、糖溶液組成、及び温度に応じて、-10℃~10℃の間、又は-5℃~5℃の間、又は約-7℃以上であってもよい。ガスハイドレートの形成及び/又は保持に必要な温度及び圧力は、相互依存し、ガス、溶液組成(例えば、糖溶液中の固形分の重量%)、及び糖溶液の束一的特性に応じて異なる。好ましい実施形態では、3S及びFMFストリームは、約20~35バール、又は約20バール以上の圧力、及び/又は、4~7℃で混合される(ここで3Sは、COハイドレートを含む)。他の実施形態では、3S及びFMFは、約135~285バールの圧力、及び/又は、約-2.5℃~5.5℃で混合される(ここで3Sは、Nハイドレートを含む)。好ましい実施形態では、3S及びFMFは、約35バールのCO/N合計ガス圧力、及び/又は、1~5℃、又は約3℃で混合される(ここで3Sは、CO/N混合ハイドレートを含む)。いくつかの実施形態では、3S(サイドストリーム)及びFMF(メインストリーム)は、ガスハイドレートを含む3Sの生成に使用したのと同一の温度及び/又は圧力下で混合される。
本発明によると、3SFMFは、好ましくは、3Sスラリー及びFMF流体を混合し、それを広げた後の発泡溶液又は分散体(エマルジョン又は懸濁液)である。好ましくは、混合は、泡立てた3SFMF(すなわち、泡立てた糖含有溶液/分散体)が50~500%、又は100~500%、又は100~150%、又は50%~100%、好ましくは100%のオーバーランに達するまで、継続する。いくつかの実施形態では、所望のオーバーラン(例えば、50~500%、又は100~500%、又は100~150%、又は50%~100%、好ましくは100%)に達した後、3Sサイドストリーム(糖溶液ベースのスラリー)が、一定の投与速度でメインストリームFMFに連続添加され、例えば、0.001~1mol/分、又は0.02~0.1mol/分のガスをメインストリームのFMFに供給するのに十分な投与速度で、所望のオーバーランを維持する。いくつかの実施形態では、混合は、3SFMF流体系が0.01~7.5mol/分、0.1~7.5mol/分、1~5mol/分、1~3mol/分、又は約1~2mol/分のガスを含むまで継続する。いくつかの好ましい実施形態では、3Sスラリーは、好ましくは、0.5~5mol/L、1~5mol/L、1~2mol/L、又は約1.4mol/Lの二酸化炭素を含む。他のいくつかの好ましい実施形態では、3Sスラリーは、好ましくは、0.5~5mol/L、0.5~2mol/L、又は約1mol/Lの二酸化炭素と、好ましくは、0.01~0.5mol/L、0.02~0.1mol/L、又は約0.05mol/Lの窒素とを含む。
いくつかの実施形態では、この方法は、3SFMF流体系の圧力解放、及び/又は、温度上昇を行い、泡立てた液体製品ストリームを用意する追加ステップを含む。好ましくは、このステップでは、ガスハイドレートを分解し、ガスを3SFMF流体系内に解放する。ガスハイドレートの分解に必要な温度及び圧力は、相互依存し、ガスと、溶液組成(例えば、FMF中の固形分の重量%)と、溶液の束一的特性とに応じて異なる。ガス圧力及び温度は、したがって、ガスハイドレートの同一性に応じて異なる。ガス圧力は、解放されてもよい。いくつかの実施形態では、ガス圧力は、それを最終的に周辺/周囲に解放するのに先立って、1バール~100バールの間、又は5バール~50バールの間まで、好ましくは段階的に低下されてもよく、及び/又は、3SFMF流体系の温度は、-5℃~15℃の間、又は0℃超、又は約10℃に上昇される。好ましくは、ガス圧力が解放される(すなわち、温度は上昇されない)。例えば、25重量%の糖溶液中のCO(又は混合CO)ハイドレートについては、ガス圧力が、1~2℃の温度で、約20バールを下回る(例えば、1~15バール、1~10バール、又は1~5バール)ように低下されてもよい。例えば、25重量%の糖溶液中のNハイドレートについては、ガス圧力が、-2.5℃~5.5℃の温度で、約135バールを下回る(例えば、1~100バール、1~50バール、1~20バール)ように低下されてもよい。
いくつかの実施形態では、この方法は、固化/安定化ステップを含み、泡立てた3SFMFは、周囲圧力で、-25~-5℃、又は-25~-18℃で、冷凍庫条件にて安定化される。泡立てた3SFMFを冷凍又は安定化するステップは、任意の方法で実施可能である。
本明細書において使用する発泡3SFMFの「オーバーラン」は、未発泡の3SFMF流体系と比較した、発泡3SFMFの体積増加である。オーバーランは、当業者に既知の任意の方法で測定可能である。
本明細書において言及する「アイスクリーム」は、通常、スナック又はデザートとして食べられる、通常、甘い冷凍食品である。アイスクリームは、牛乳又はクリーム、又は豆乳、カシューミルク、ココナッツミルク、又はアーモンドミルクから製造されてもよく、甘味料、砂糖又はその代替物、及びココア又はバニラ等の任意のスパイスでフレーバー付けされる。安定化剤に加え、着色料が大抵添加される。
本明細書において言及するシャーベットは、通常、香味料(通常、フルーツジュース又はフルーツピューレ、ワイン、リキュール、又は非常に稀にハチミツ)で甘くした水から作られる。
本明細書において言及するムース、特に、甘いムースは、通常、ホイップした卵白、ホイップクリーム、又はその両方で作られ、チョコレート、コーヒー、キャラメル、ピューレフルーツ、又はミント又はバニラ等の様々なハーブ及びスパイスでフレーバー付けされる。いくつかのチョコレートムースでは、多くの場合、溶かしたチョコレートに卵黄が混ぜ込まれて、最終製品によりリッチな食感を与える。ムースはまた、通常、提供される前に冷やされて、より密なテクスチャを与える。甘くしたムースは、デザートとして提供される、又は、空気感のあるケーキのフィリングとして使用される。
本明細書で使用する場合、用語「含む(comprising)」、「含む(comprises)」、及び「から構成される(comprised of)」は、「含む(including)」又は「含む(includes)」又は「含有する(containing)」又は「含有する(contains)」と同義であり、他を包含し得るもの、すなわちオープンエンドであり、かつ追加の、列挙されていない構成、要素、又は工程を除外しない。用語「含む(comprising)」、「含む(comprises)」、及び「から構成される(comprised of)」はまた、用語「を含む(consisting of)」を含む。
本明細書で使用される用語「約」は、略、~の領域、大体、又はおおよそという意味である。「約」という用語が数値又は範囲とともに使用されるとき、記載の数値の上下に境界を延長して、その値又は範囲を修正するものである。一般的に、「約」という用語は、本明細書中、言及した値の上下10%に数値を修正するのに使用される。
実施例
実施例1-例示的な糖溶液におけるガスハイドレート形成の評価
糖溶液中のガスの可溶性
水又は糖溶液中のガスCOの可溶性を説明するために、モデリングアプローチを使用した。モデルは、Grosらによる1999年のBiotechnol.Prog.、「マイクロバイアル培地におけるO及びCOの可溶性の推定」と、Catteらによる1995年の流体位相平衡、「ヘンリー定数推定のための糖水溶液の物理化学UNIFACモデル」に基づく、官能基活量係数UNIAC法を用い、実際の系に対するKrichevsky-Kasarnovskyガス方程式に基づいた。高圧攪拌反応器中での実験研究を後に実施し、5℃及び10℃で、10、20、及び30バールで25重量%の糖溶液のモデルを評価した。反応器がクローズドシステムであると仮定して、容器の頭部スペースから流体内へのガス消費は、加圧後、及び、平衡時の時点での圧縮率の計算に使用した状態の三次方程式で評価した。実験の結果を表1に示す。実験データは、モデルより僅かに下方推定された(10%)。モデルにスクロースを使用すると、適用例において産業用糖は以下を生じ得る。
Figure 2022535027000002
ガス-糖溶液位相図
ハイドレート-液体-蒸気のガスハイドレート境界ゾーンを規定する糖溶液-CO2系の位相図は、Klauda及びSandlerによる2000年の産業技術化学研究、「ガスハイドレート位相平衡のための逃散能モデル」、Bhawangirkarらによる2017年の科学熱力学学術誌、「異なる状態方程式のよるCH4、CO2、C2H6、N2、及びC3H8により形成されたクラスレートハイドレートの位相平衡の熱力学モデリング」の資料に基づく、厳格な熱力学モデルに由来するものであった。このモデルは、氷と凝集CO位相を除外する三元系を構成する。図2(A)は、糖濃度の上昇に併せて、ハイドレート-液体-蒸気のガスハイドレート安定性ゾーンを増加させる25、30、40、及び50重量%の糖溶液-CO系の結果として得られる境界を示している。このモデルは、方法の欄で説明したTサイクル(モデルから15%のずれ)法とHP-DSC(モデルから5.6%のずれ)で評価した。図3も参照のこと。この方法では、結果として、所与の系の分離圧力-温度条件が得られ、平衡線上に点で示した。
更に、CO2、N2-水系のためのCO2:N2混合ガスハイドレートの位相境界を示す位相図が示されている。
糖溶液及び糖溶液を含むガスハイドレートのレオロジー
25重量%及び50重量%の糖溶液中、糖溶液及び糖溶液ベースCOハイドレートスラリーの粘度を、レオメータで評価した。更に、ガスハイドレートを含まない55重量%及び60重量%の糖溶液を評価した。糖溶液は、より高い糖濃度でより高い粘度を示すニュートン流体として説明された。糖溶液ベースのガスハイドレートスラリーは、降伏応力を伴う、非ニュートンずり流動化挙動を示した。降伏応力の正確な判定は不可能であった。ガスハイドレートスラリーの見かけ粘度は、0℃未満の温度で10Pasに達した。一般的に、翼構造によるガスハイドレートスラリーを説明するには、高いせん断速度(500s-1)が必要であった。25重量%の糖溶液で得られた粘度値は、5℃で5mPasであり、25重量%の糖溶液ベースのガスハイドレートスラリーでは、0℃で35~40mPasであった。50重量%の糖溶液では、粘度値は、0℃及び500s-1で約30mPasであり、50重量%の糖溶液ベースのガスハイドレートスラリーでは、-1℃~3℃の温度で約60~390であった。55重量%及び60重量%の糖溶液は、各々、0~5℃で、約74~90mPas及び170~250mPasの粘度を有した。
実施例2-ガスハイドレートを含む糖溶液ベースのスラリー(3S)の生成
CLAG反応器(サイドストリームとも称する)中に3Sスラリーを生成するために、組み込んだ表面かきとり熱交換器で800rpmのシャフト速度で0.9ms-1超のスクレーパー速度を、均質なフローパターンと高速形成動力学(分の範囲)で高ガスハイドレート画分スラリーを形成する最良の条件として評価した。形成実験のための処理変数(温度、圧力、密度、及び粘度)の例を図4に示す。30~35バールの圧力では、25重量%の糖溶液には、主に、4~7の温度を使用し、50重量%の糖溶液には、2~3を使用した。10~34.1体積%のガスハイドレート画分を達成した。約5℃の処理温度で、連続位相中、64重量%の最大糖含有量を達成した。
実施例3-泡立てた糖溶液ベースのスラリー/フードマトリックス流体混合物の生成(3SFMF流体系)
次いで、サイドストリームCLAGループ生成器において形成したガスハイドレートスラリーを、もともとマーガリン加工のために設計されており調整されたミニパイロットプラントメインストリーム装置からなるメインストリームラインに移した。ここで、モデルアイスクリームミックスを冷凍し、表面かきとり熱交換器を使用して、糖溶液ベースのガスハイドレートスラリーと混合した。次いで、このミックスを広げて泡立てた。-5℃の平均出口温度の最終製品は、ソフトアイスクリームに類似していた。熱力学モデルによると、0.13~0.17のハイドレート体積測定画分を備えた糖溶液COスラリーは、ガスハイドレートを含まない飽和糖溶液に比べて、平均66%多くのガスを保有可能であった。図5は、等温等圧移行に近いことを示す、サイドストリーム(L)及びメインストリーム(E)上の条件の例を示している。
糖溶液ベースのガスハイドレートスラリー/アイスクリームミックスを広げた後、-5℃の出口温度で、サンプルのオーバーランを解析し、-25℃で直ちに安定化及び保存した。オーバーラン値は、500%を最大値として、65~350%の範囲であった。
実施例4-方法
示差走査熱量計(DSC)
高圧示差走査熱量計を使用して、ガスハイドレート平衡に使用される熱力学モデルを評価した。約100μgのサンプルを測定るつぼに投入して封止した。測定全体を通じて10、20、30、又は50バールの圧力下でのガスを供給した。表2の温度プロファイルは、3回適用及びサイクルした。第4のセグメント内の各反復で、吸熱ピークは、ガスハイドレート位相の分離を示した。分離点は、吸熱分解ピークの開始温度と見做した。次いで、これらの点をモデルと比較した。図3も参照のこと。
Figure 2022535027000003
Tサイクル(温度サイクル)
この等積加熱冷却温度サイクル法は、高圧攪拌反応器で実施され、ガスハイドレート平衡とガスハイドレートスラリーのモル組成評価に使用した熱力学モデルの評価に使用した。攪拌反応器には、100mlの25重量%又は50重量%の糖溶液を入れ、部分真空(34ミリバール)下に設置した。その後、容器をCOで、25、30、35、40、又は45バールの圧力に加圧した。系が平衡に達したとき、ミキサーを500rpmまでオンにし、冷却ランプを2.5℃.h-1で適用した。その後、ハイドレート形成に続いて、圧力降下(ガス消費を示す)及び温度曲線上の発熱信号が生じた。平衡に達した後、ハイドレートが分離するまで(加熱曲線上によじれとして示される)、0.5℃.h-1のより低い加熱ランプを適用した。この温度及び圧力条件は、ガスハイドレート系のハイドレート-液体-蒸気ラインの平衡点と見做され、熱力学モデルと比較した。図3も参照のこと。
クライオ走査電子顕微鏡(cryo-SEM)
Cryo-SEM画像の取得は、-25℃で2週間超保存した後に引き出された冷凍アイスクリーム製品に対して行った。サンプルは、1.16mmの内径と、0.13mmの壁厚と、20mmの長さのアルミニウム管で打ち抜いた。次いで、この管を液体窒素中で安定化し、解析を行うETHチューリッヒのScopeMセンターに移送した。サンプルを液体窒素下で切り開き、切りたての表面を得て、BAF060 cryo-SEM調製ステーションに移送し、サンプルを短くエッチングした後、1.95kVで、eビームガンにより、真空下で6nmの層厚となるまで、炭素金属ミックスで被覆した。サンプルの管を最終的にGatan cryo真空ホルダーに入れ、SEM(日立S-900)に移送し、様々な倍率でサンプルを可視化した。

Claims (17)

  1. 冷凍食品発泡体製品を製造するためのガスハイドレートの使用であって、前記ガスが、空気、及び/又は、二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素、アルゴン、及び酸素のうちの1種以上を含み、前記ガスが、好ましくは、二酸化炭素、及び/又は、窒素を含む、ガスハイドレートの使用。
  2. 糖溶液ベースのガスハイドレートスラリーを生成する方法であって、
    (a)水と、任意で、凝固点を降下させる他の可溶性成分と、を含む糖溶液を用意するステップと、
    (b)水を含む前記溶液を冷却するステップと、
    (c)水を含む前記溶液をガスで加圧して、ガスハイドレートを含むスラリーを用意するステップと、を含み、
    前記ガスが、空気であり、及び/又は、二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素、アルゴン、及び酸素のうちの1種以上を含み、
    前記ガスが、好ましくは、二酸化炭素、及び/又は、窒素を含み、
    前記ステップ(b)において、前記糖溶液が、-10℃~10℃の間に冷却され、及び/又は、水を含む前記糖溶液が、ガスにより、10~300バールの圧力に加圧される、方法。
  3. 前記ステップ(b)において、前記糖溶液は、0℃~5℃の間に冷却され、前記糖溶液をNで30~285バールに加圧するのに先立って、COで15~25バールに加圧される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記方法が、前記糖溶液ベースのガスハイドレートスラリー内で前記ガスハイドレートを分散させるステップを更に含む、請求項2又は3のいずれか一項に記載の方法。
  5. ガスハイドレートを含む糖溶液ベースのスラリーであって、
    前記ガスが、空気であり、及び/又は、二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素、アルゴン、及び酸素のうちの1種以上を含む、糖溶液ベースのスラリー。
  6. 前記スラリーが、0.01~7.5mol/Lの二酸化炭素、及び/又は、0.01~0.5mol/Lの窒素を含む、請求項2~4に記載の方法、又は請求項5に記載の糖溶液ベースのガスハイドレートスラリー。
  7. 前記スラリーの、ハイドレート画分のガスの液体画分に対する比率(H:L)が、体積によるハイドレート画分が10~35体積%ガスハイドレート画分であると約5:1であり、体積によるハイドレート画分が12~14体積%であると3:2~であり、約10体積%のハイドレートでは約1.2:1であり、又は約17体積%のガスハイドレート画分では約2:1である、請求項2~4及び6に記載の方法、又は請求項5に記載の糖溶液ベースのガスハイドレートスラリー。
  8. 前記スラリーが、10重量%~65重量%の固形分を含む、請求項2~4、6、及び7に記載の方法、又は請求項5に記載の糖溶液ベースのスラリー。
  9. 前記スラリーが、10-2~10Pasの間の粘度を有する、請求項2~4、6、及び8に記載の方法、又は請求項5に記載の糖溶液ベースのスラリー。
  10. アイスクリームの製造方法であって、
    (a)糖溶液ベースのガスハイドレートスラリーとフードマトリックス流体とを混合して、糖溶液ベースのガスハイドレートスラリー/フードマトリックス流体混合物を用意するステップと、
    (b)前記糖溶液ベースのガスハイドレートスラリー/フードマトリックス流体混合物の圧力解放、及び/又は、温度上昇を行い、泡立てた糖溶液ベースのガスハイドレートスラリー/フードマトリックス混合流体混合物を用意するステップと、
    (c)-25℃~-5℃で冷凍することにより、前記泡立てた糖溶液ベースのガスハイドレートスラリー/フードマトリックス流体混合物を固化して、アイスクリームを用意するステップと、を含み、
    前記糖溶液ベースのガスハイドレートスラリーが、請求項2~4、7、9のいずれか一項に記載の方法によって生成される、又は、請求項5に記載の糖溶液ベースのガスハイドレートスラリーである、方法。
  11. 前記フードマトリックス流体が、ガスハイドレートを含まない、請求項10に記載の方法。
  12. フードマトリックス流体系が、10重量%~70重量%の固形分を含む、請求項10又は11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記糖溶液ベースのガスハイドレートスラリーが、略等圧等温の条件下で、前記フードマトリックス流体と混合され、前記略等圧等温の条件が、好ましくは、-10℃~10℃の間の温度、及び/又は、10~300バールのガス圧力である、請求項10~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記糖溶液ベースのガスハイドレートスラリーが、前記糖溶液ベースのガスハイドレートスラリー/フードマトリックス流体混合物が50~500%のオーバーランに達するまで前記フードマトリックス流体に添加される、請求項10~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記糖溶液ベースのガスハイドレートスラリー/フードマトリックス流体混合物の前記圧力解放、及び/又は、前記温度上昇を行うステップにおいて、前記圧力が、最終的に周辺の周囲圧力まで解放するのに先立ち、1バール~100バールの間に解放され、及び/又は、前記流体系の前記温度が、-5℃~15℃の間に上昇される、請求項10~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記泡立てた糖溶液ベースのガスハイドレートスラリー/フードマトリックス流体混合物が、-15℃~-5℃の間の温度で押し出される、請求項10~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 請求項10~16の方法で製造されたアイスクリームであって、前記冷凍発泡食品製品が、5~60μmの気泡サイズを有する、アイスクリーム。

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