JP2022534191A - 内皮糖衣構造を調節するための方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、対象から得られたサンプル(例えば、血液)を糖衣模倣吸着媒体と接触させることによって、それを必要とする対象における障害のある糖衣バリア機能を増強するための方法及び装置を提供する。 吸着媒体は、グリコサミノグリカン構造、及び任意には、プロテオグリカンコアタンパク質を含み、これらは、サンプル中の障害のある糖衣バリア機能を増強及び/又は回復するのに役立つ。 続いて、接触したサンプルを吸着媒体から分離し、対象に注入できる処理済みサンプルを生成する。 糖衣バリア機能不全に関連する疾患に苦しむ患者を治療するための方法及び装置もまた、本明細書で提供される。【選択図】図3
Description
本出願は、2019年5月16日に出願された米国仮出願第62/848,819号の優先権を主張し、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
構造的損傷または枯渇、機能不全、又は他のメカニズムによる糖衣バリアの障害は、炎症性及び凝固性内皮活性化、体液、タンパク質、及び他の物質(例えば、コレステロール)の血管漏出を含む微小血管内皮機能不全、灌流血管密度を適切に調節できないこと、及び他の有害な状態の原因となる可能性がある。前述のすべては、一般的及び特定の負の血管の健康指標につながる。例えば、不健康な内皮糖衣は「漏出性」内皮に関連しており、これは(1)内皮下空間における(又は内での)コレステロール(又は体液、タンパク質などの他の物質)の存在(または「漏出」)、及び(2)遠位毛細血管、筋肉、器官などへの血流又は灌流を減少させ、血圧を上昇させるなどの可能性がある、狭窄した内腔によって証明できる。しかしながら、健康な(厚い及び/又は密な)内皮糖衣は、整形式の内皮及び健康な血管の構造構成に関連付けられている。
Ebongの米国特許第2020/0023001号は、内皮糖衣の再生及び血管疾患の治療のために、ヘパラン硫酸及びスフィンゴシン-1-リン酸を含む組成物を教示している。 外因性ヘパラン硫酸は糖衣に組み込まれている。
従って、内皮糖衣を治療する(例えば、支持及び/又は維持する)ための製品、プロセス、及び方法が必要である。 本開示は、これら及び他の必要性を提供する。
一般的に、本明細書で提供されるのは、それを必要とする対象において障害のある糖衣バリア機能を増強するための方法及び装置である。 言い換えれば、本明細書に記載の方法及び装置は、対象における損傷又は破壊された糖衣バリアの機能を改善又は修復するためのものである。 結果として、糖衣バリア機能不全に関連する疾患に苦しむ患者を治療するための方法及び装置もまた、本明細書で提供される。糖衣バリア機能が損なわれている対象から得られたサンプルを、糖衣模倣吸着媒体と接触させる。 吸着媒体は、障害のある糖衣バリア機能を増強及び/又は回復するのに役立ち、人工糖衣として作用し、損傷を受けていない又は損なわれていない糖衣バリアによって調節されたであろう炎症性メディエーターをサンプルから除去する構造及び材料を含む。続いて、サンプルは吸着媒体から分離され、その結果、障害のある糖衣バリア機能が増強され、そして/又は現在処理されているサンプル中の炎症性メディエーターの量が減少する。 次に、この処理されたサンプル(例えば、血液)は、再注入によって対象に戻される。
1つの側面によれば、本開示は、それを必要とする対象において障害のある糖衣バリア機能を増強するための方法を提供する。本発明は、対象からのサンプルと、糖衣模倣吸着媒体とを接触させ、障害のある糖衣バリア機能を増強し、そして/又は回復し、それによりサンプルを処理し;そして処理されたサンプルを、対象中に注入することを含み、ここで前記糖衣模倣吸着媒体は、吸着剤を有する固体基質であり、前記吸着剤は、ヘパリン、ヘパラン硫酸、又はそれらの混合物を含むグルコサミノグルカンである。吸着剤は固体基質からサンプルに浸出しない。
1つの側面によれば、吸着剤は、約40%~約96%w/wのヘパラン硫酸及び/又はヘパリン、及び任意には、約5%~約30%w/wのコンドロイチン硫酸、約1%~約25%w/wのデルマタン硫酸、約0.01%~約20%w/wのケラタン硫酸、及び/又は約5%~ 約50%w/wヒアルロン酸の追加の吸着剤のうちの1つ又は複数を含むグルコサミノグルカン混合物である。いくつかの実施形態によれば、グリコサミノグリカンは、場合により、シンデカン、グリピカン、パーレカン、バーシカン、デコリン、ビグリカン、及びミメカンから成る群から選択される少なくとも1つのプロテオグリカンコアタンパク質を含む。
いくつかの実施形態によれば、糖衣模倣吸着媒体は、血管透過性、白血球の接着、血小板の接着、剪断応力の媒介、及び炎症器の調節から成る群から選択されるメンバーを助ける。いくつかの実施形態によれば、前記吸着媒体は、糖衣機能を保護し、そして/又は維持するための内皮表面層として機能する。いくつかの実施形態によれば、前記吸着媒体は、毛細血管漏出症候群、浮腫形成、炎症、血小板凝集亢進、凝固亢進、及び血管反応性の喪失から成る群から選択されるメンバーを減少させる。
いくつかの実施形態によれば、前記吸着媒体は、組織の再灌流中の糖衣の脱落を低減する。いくつかの実施形態によれば、前記組織は、冠状動脈バイパス手術中の心臓組織である。いくつかの実施形態によれば、前記組織は、臓器移植中に灌流される。
いくつかの実施形態によれば、前記吸着媒体は、敗血症中の糖衣の脱落を低減する。いくつかの実施形態によれば、前記吸着媒体は、腫瘍壊死因子(TNF)-α及び細菌性リポ多糖(LPS)を除去する。いくつかの実施形態によれば、前記吸着媒体は、臓器不全のリスクを軽減する。
いくつかの実施形態によれば、前記方法は、対象の急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を治療する。
いくつかの実施形態によれば、前記方法は、対象の酸素飽和度を改善する。
いくつかの実施形態によれば、前記方法は、対象の血行力学的安定性を改善する。
いくつかの実施形態によれば、前記方法は、Covid-19を治療する。
いくつかの実施形態によれば、前記吸着媒体は、アテローム性動脈硬化症又は糖尿病に起因する糖衣の脱落を低減する。いくつかの実施形態によれば、前記吸着媒体は、低密度リポタンパク質(LDL)を除去する。
いくつかの実施形態によれば、前記吸着媒体は、ヘパリン結合タンパク質(HBP)を結合する。いくつかの実施形態によれば、前記処理されたサンプルは、処理前のサンプルのHBP含有量と比較して、約10%~約100%減少されたHBP含有量を有する。
いくつかの実施形態によれば、前記吸着媒体は、外毒素、内毒素、超大型フォンウィルブランド因子(ULVWF)、ヒストン、エクソソーム、微小胞、及びサイトカインから成る群から選択されたメンバーを結合する。
いくつかの実施形態によれば、前記サンプルは、全血、血清、血漿から成るメンバーから選択されたメンバーである。いくつかの実施形態によれば、前記サンプルは、全血である。
いくつかの実施形態によれば、前記糖衣模倣吸着媒体は、負に帯電される。
いくつかの実施形態によれば、前記固体基質は、非毒性、非浸出性の材料を含む。いくつかの実施形態によれば、前記固体基質は、複数の硬質ポリマービーズを含む。いくつかの実施形態によれば、前記硬質ポリマービーズは、ポリウレタン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、又はエチレンと他のモノマーのコポリマー、ポリエチレンイミン、ポリプロピレン、及びポリイソブチレンから成る群から選択される。いくつかの実施形態によれば、前記固体基質は、1つ又は複数の中空繊維を含む。
本開示の別の態様は、それを必要とする対象において障害のある糖衣バリア機能を増強するための装置に関する。前記装置は、糖衣模倣吸着媒体がそこに配置された、第1のエンドプレート及び第2のエンドプレートを有するカートリッジを含み、ここで前記糖衣模倣吸着媒体は、吸着剤を有する固体基質であり、前記吸着剤は、ヘパリン、ヘパラン硫酸、又はそれらの混合物を含むグルコサミノグルカンである。いくつかの実施形態によれば、前記装置の吸着剤は、約40%~約96%w/wのヘパラン硫酸及び/又はヘパリン、及び任意には、約5%~約30%w/wのコンドロイチン硫酸、約1%~約25%w/wのデルマタン硫酸、約0.01%~約20%w/wのケラタン硫酸、及び/又は約5%~ 約50%w/wヒアルロン酸の追加の吸着剤のうちの1つ又は複数を含むグルコサミノグルカン混合物であり;装置は、さらにサンプルの装置への流入を可能にするためのサンプル注入ポート;及びサンプルの装置への流出を可能にするためのサンプル流出ポートを含み、ここでサンプルは、第1のエンドプレートを通して、吸着媒体を通して流れ、そして流出ポートから出る。いくつかの実施形態によれば、前記グリコサミノグリカン混合物は、シンデカン、グリピカン、パーレカン、バーシカン、デコリン、ビグリカン、及びミメカンから成る群から選択される少なくとも1つのプロテオグリカンコアタンパク質を含む。
いくつかの実施形態によれば、前記糖衣模倣吸着媒体は、血管透過性、白血球の接着、血小板の接着、剪断応力の媒介、及び炎症器の調節から成る群から選択されるメンバーを助ける。いくつかの実施形態によれば、前記吸着媒体は、糖衣機能を保護し、そして/又は維持するための内皮表面層として機能する。いくつかの実施形態によれば、前記吸着媒体は、毛細血管漏出症候群、浮腫形成、炎症、血小板凝集亢進、凝固亢進、及び血管反応性の喪失から成る群から選択されるメンバーを減少させる。
いくつかの実施形態によれば、前記糖衣模倣吸着媒体は、負に帯電されている。
いくつかの実施形態によれば、前記固体基質は、非毒性、非浸出性の材料を含む。いくつかの実施形態によれば、前記固体基質は、複数の硬質ポリマービーズを含む。いくつかの実施形態によれば、前記硬質ポリマービーズは、ポリウレタン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、又はエチレンと他のモノマーのコポリマー、ポリエチレンイミン、ポリプロピレン、及びポリイソブチレンから成る群から選択される。いくつかの実施形態によれば、前記固体基質は、1つ又は複数の中空繊維を含む。
さらに別の実施形態によれば、本開示は、それを必要とする対象における酸素飽和度を改善するための方法を提供する。前記方法は、前記対象からのサンプルと、糖衣模倣吸着媒体とを接触させ、障害のある糖衣バリア機能を増強し、そして/又は回復し、それによりサンプルを処理し;そして処理されたサンプルを、対象中に注入することを含み、ここで前記糖衣模倣吸着媒体は、吸着剤を有する固体基質であり、前記吸着剤は、ヘパリン、ヘパラン硫酸、又はそれらの混合物を含むグルコサミノグルカンである。
これら及び他の実施形態、側面及び目的は、以下の添付の図と共に詳細な説明とともに読むと、より明らかになるであろう。
本開示は、障害のある(又は破壊された)糖衣バリアの機能を増強、改善、及び/または回復するための方法及び装置に部分的に関連している。
糖衣の破壊及び障害は、敗血症及び浮腫など、血管系の多くの障害や病気の原因である。
この方法は、人工糖衣として作用する糖衣模倣吸着媒体の使用を含み、これは、糖衣バリア機能が損なわれている対象からサンプル中の炎症の多くのメディエーターを除去し、それによってサンプルを治療又は「洗浄」する。
次に、処理又は「洗浄された」サンプルを、連続的又は断続的に対象に再注入することができる。
本明細書に記載の実施形態の技術的利点は、糖衣模倣グリコサミノグリカン吸着剤の使用が、症状を治療するのではなく、炎症性及び血管障害の原因を標的とすることである。 有利なことには、現在の方法は、損傷した糖衣バリアの機能を安全且つ効果的に回復させる。
I.定義
I.定義
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本開示が属する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。 本明細書で使用される場合、以下の用語は以下の意味を有する。
本明細書で使用される場合、「約」及び「ほぼ等しい」という用語は、数値を修正し、そしてその値の周りの定義された範囲を示すために本明細書で使用される。 「X」が値の場合、「約X」又は「ほぼXに等しい」は、通常、0.90X~1.10Xの値を示す。「約X」への言及は、少なくとも値X、0.90X、0.91X、0.92X、0.93X、0.94X、0.95X、0.96X、0.97X、0.98X、0.99X、1.01X、1.02X、1.03X、1.04X、1.05X、1.06X、1.07X、1.08X、1.09X、及び1.10Xを示す。 従って、「約X」は、例えば「0.98X」を開示することを意図している。数値範囲の先頭に「約」を適用すると、範囲の両端に適用されます。 従って、「約6~8.5」は「約6~約8.5」に相当します。 値のセットの最初の値に「約」が適用されると、そのセットのすべての値に適用されます。 従って、「約7、9、又は11%」は、「約7%、約9%、又は約11%」に相当する。
本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」又は「含む(comprises)」という用語は、組成物、装置、及び方法が列挙された要素を含むが、他のものを除外しないことを意味することを意図している。「本質的にから成る」とは、所与の実施形態に必要な要素を指す。 この句は、所与の実施形態の基本的及び新規又は機能的特徴(例えば、組成物、装置、及び方法)に実質的に影響を及ぼさない追加の要素の存在を可能にする。「から成る」とは、本明細書に記載の組成物、装置、方法、及びそれらのそれぞれの構成要素を指し、これらは、実施形態のその説明に記載されていない要素を除く。 これらの遷移項のそれぞれによって定義される実施形態は、本開示の範囲内である。
本明細書で使用される場合、「障害のある糖衣バリア機能の増強」という用語は、破壊、損傷、又は障害された内皮糖衣バリアの機能を増強又は改善することを指す。 一般的な意味で、「増強」とは、2つ以上の成分の組み合わせが、個々の成分の効果又は単独で作用する成分の合計よりも大きな効果を提供する現象を指す。従って、本開示の文脈において、糖衣模倣吸着媒体と、機能障害を伴う損傷した糖衣バリアとの組み合わせは、吸着媒体の存在なしで、障害のある糖衣バリア機能の性能よりも大きい、障害のある糖衣バリア機能の性能の増加及び改善をもたらす。例えば、糖衣バリア機能の障害を患っている対象からのサンプルを、本開示の糖衣模倣吸着媒体と接触させることは、糖衣バリア機能の障害を増強又は改善する。 言い換えれば、吸着媒体と接触することは、障害のある糖衣バリア機能を、障害のない又は回復した糖衣バリア機能に改善及び/又は回復させる。
本明細書で使用される場合、「糖衣バリア」、「内皮糖衣バリア」、及び「糖衣」という用語は、血管内皮の内皮細胞と循環血液との間の界面に位置する炭水化物に富む層ライニングを指すために交換可能に使用される。糖衣は、主にプロテオグリカン及び糖タンパク質を介して内皮に接続されており、可溶性血漿分子が組み込まれ、直接又は可溶性プロテオグリカン及び/又はグリコサミノグリカンを介して互いに結合している。従って、糖衣組成物は、膜結合型プロテオグリカン、糖タンパク質、及びグリコサミノグリカンと、可溶性グリコサミノグリカン及び血漿タンパク質との間の相互作用の動的メッシュである。 内皮機能は、血小板及び白血球の接着、止血、及び血管バリア機能などを媒介するために、主に糖衣を介して調節され、その詳細は本明細書に記載されている。
本明細書で使用される場合、「障害のある糖衣バリア機能」という用語は、血管壁を直接の血流曝露から保護する糖衣バリアの能力の低下を指す。例えば、糖衣バリア機能の障害は、凝固を調節し、血小板の血管壁への接着を防ぎ、白血球の血管壁への接着を防ぎ、内皮細胞への剪断ストレスを調節し、そして炎症過程を調節する能力を失うことによって、糖衣が血管透過性バリアとして機能できないことである可能性がある。本明細書で使用される糖衣の「破壊(Disrupting)」又は「の破壊(disruption of)」は、糖衣が正常に機能しない(すなわち、機能障害)ように糖衣に影響を与える任意のプロセス又は状態を指す。 破壊は、体内の炎症や酸化によって引き起こされる可能性がある。 破壊により、糖衣が薄くなり(酵素的又は剪断によって誘発される脱落)、その構成要素であるプロテオグリカンが失われ、その結果、糖衣の機能が損なわれる可能性がある。以下の参考文献は、糖衣の破壊及びその機能障害を実証するさまざまな臓器組織モデル、動物モデル、臨床研究、及び/又はアッセイについて説明している:Schott, U. et al. Scand J Trauma Resusc Emerg Med. 2016, 24(48), 1-8; Becker, B. F., et al. Cardiovascular Research, 2010, 87, 300-310; Kolarova, H., et al. Mediators of Inflammation, 2014, 1-14; Vlahu, C. A. et al. J. Am. Soc. Nephrol. 2012, 23, 1900-1908; Yeo, T. W., et al. Clinical Infectious Diseases, 2019, ciz038, https://doi.org/10.1093/cid/ciz038; 及びMulivor, A. W., et al. Am J Physiol Heart Circ Physiol. 2004, 286(5), H1672-80。
本明細書で使用される場合、「糖衣模倣吸着媒体」という用語は、正確な一般的な組成及び構造とは異なるが、しかし天然に存在する糖衣バリアと実質的に同様に機能する可能性のある組成物(すなわち、吸着剤)で修飾、官能化、コーティングなどされた表面を有する材料を指す。本開示の文脈において、糖衣模倣吸着媒体は、ヘパリン、ヘパラン硫酸、及びそれらの混合物を含むグリコサミノグリカン混合物である吸着剤を有する固体基質である。特定の側面によれば、グリコサミノグリカン混合物は、ヘパリン、ヘパラン硫酸、及びそれらの混合物、並びに任意には、例えば、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、シアル酸/シアル化グリカン、及び/又はヒアルロン酸などの1つ以上の追加のグリコサミノグリカンを含む。グリコサミノグリカン吸着剤混合物は、任意には、例えば、シンデカン、グリピカン、パーレカン、バーシカン、デコリン、ビグリカン、ミメカン、又はそれらの組み合わせなどの少なくとも1つのプロテオグリカンコアタンパク質をさらに含むことができる。言い換えれば、糖衣模倣吸着媒体は、グリコサミノグリカン吸着剤を含む固体基質であり、サンプル中に存在する分析物/吸着物に結合することができる天然の糖衣バリアとして機能し、その詳細は本明細書に記載されている。糖衣模倣吸着媒体はまた、糖衣模倣吸着媒体と接触する前に機能が損なわれていた糖衣機能を保護及び/又は維持するための内皮表面層として作用する。
本明細書で使用される場合、「吸着剤」という用語は、本明細書に記載の糖衣模倣吸着媒体の固体基質に付着する(例えば、連結、カップリング、又は結合する)グリコサミノグリカン混合物を指す。 特定の例では、吸着剤は固体基質自体です。 従って、「グリコサミノグリカン吸着剤」は、グリコサミノグリカン混合物が付着した固体基質である。例えば、グリコサミノグリカン吸着剤は、グリコサミノグリカン混合物が結合したポリマー樹脂である。 グリコサミノグリカン混合物は、ヘパリン、ヘパラン硫酸、及びそれらの混合物、並びに任意には、例えば、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、シアル酸/シアル化グリカン、及び/又はヒアルロン酸などの1つ以上の追加のグリコサミノグリカンを含む。グリコサミノグリカン混合物は、任意には、例えば、シンデカン、グリピカン、パーレカン、バーシカン、デコリン、ビグリカン、ミメカン、又はそれらの組み合わせなどの少なくとも1つのプロテオグリカンコアタンパク質をさらに含むことができる。
本明細書で使用される場合、「分析物」及び「吸着物」という用語は、糖衣バリア機能を破壊し、吸着剤に親和性を有する任意の分子を指すために交換可能的に使用される。 本開示の文脈において、糖衣バリア機能の障害を患っている対象から得られたサンプルは、吸着物を含むであろう。本開示の糖衣模倣吸着媒体と接触すると、吸着物は吸着媒体の表面に結合し、従ってサンプルから除去される。 糖衣バリア機能を破壊することにより、これらの分析物は、炎症、並びに糖衣バリア機能の障害に関連する他の状態及び疾患を促進又は媒介する。吸着物の非限定的な例には、以下の炎症性メディエーターが含まれるが、これらに限定されない:リンホカイン、インターフェロン、ケモカイン、エキソトキシン、エンドトキシン、超大型フォンウィルブランド因子(ULVWF)、ヒストン、エキソソーム、微小胞、サイトカイン、腫瘍壊死因子(TNF)-α、細菌性リポ多糖(LPS)、低密度リポタンパク質(LDL)、 及びヘパリン結合タンパク質(HBP)。例えば、HPB(すなわち、アズロシジン又はCAP37)は、好中球の分泌小胞及びアズール顆粒に保存され、炎症反応中に好中球の接着及び好中球の血管外遊出時に放出される。細菌産物はHBPの放出を誘導し、内皮細胞に作用することで血管漏出を増加させる。HBPはヘパラン硫酸とコンドロイチン硫酸を介して細胞表面のプロテオグリカンに結合し、それによって糖衣を破壊し、糖衣バリア機能の障害に関連する状態を引き起こす(例えば、敗血症)。例えば、Bentzer, P. et al. Intensive Care Medicine Experimental, 2016, 4(33), 1-16を参照のこと。
本明細書で使用される場合、「炎症」という用語は、損傷物質及び損傷組織を排除又は封鎖し、組織修復を開始するための、損傷又は破壊に対する組織の保護応答を指す。 炎症は、痛み、熱、発赤、腫れ、機能喪失を引き起こす可能性がある。 炎症性メディエーター(リンホカイン、インターフェロン、ケモカイン、外毒素、内毒素、LDL、HBPなど)は、糖衣の脱落を引き起こす可能性がある。 炎症はまた、白血球が糖衣を分解する可能性のある酵素を脱顆粒させる可能性がある。
本明細書で使用される場合、「糖衣バリア機能の障害に関連する状態」という句は、少なくとも部分的に糖衣バリア機能の障害によって引き起こされるか、又は糖衣バリア機能の障害を誘発するヒトの疾患又は状態を指す。 従って、糖衣バリア機能の障害に関連する状態の治療は、状態の治療、糖衣バリア機能の障害の回復、又は炎症、内膜増殖、及び血栓症などの糖衣バリア機能の障害から生じる状態又は症状の予防又は改善を指す。本開示の文脈において、本明細書に記載の糖衣模倣吸着媒体を使用して障害のある糖衣バリア機能を増強することは、障害のある糖衣バリア機能に関連する状態を治療することができる。 糖鎖バリア機能の障害に関連する状態又は疾患の非限定的な例には、毛細血管漏出症候群、浮腫形成、炎症、血小板過凝集、凝固亢進、血管反応性の喪失、敗血症、臓器不全、アテローム性動脈硬化症、及び糖尿病が含まれる。
本明細書で使用される場合、「グリコサミノグリカン」、「GAG」、及び「グリコサミノグリカン鎖」という用語は、内皮糖衣に存在するグリコシル化タンパク質(すなわち、プロテオグリカン)のグリカン成分を指すために交換可能的に使用される。一般的に、プロテオグリカン構造は、可変長の複数の共有結合及び/又は相互作用するGAG鎖を有するコアタンパク質を含む。 糖衣のグリコサミノグリカンは、構造的に多様で、約5~約200,000以上の分岐していない炭水化物ポリマーであり、二糖単位を繰り返し(例えば、約1kDa~約100,000kDa以上)、そして生理学的条件下で負に帯電する。各反復二糖単位(すなわち、「A-B」)は、ヘキソサミン(すなわち、「B」)にグリコシド結合したヘキソース又はヘキソース酸(すなわち、「A」)を含み、ここで、グリコシド結合の形状は、α又はβ配置のいずれかであり得、すべてのA-BユニットのA及びB成分のそれぞれは、独立して改変され得るか、又は改変されない可能性があり、その詳細は以下に提供される。本明細書に記載の実施形態で使用できるGAGの非限定的な例は、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸(CS)、デルマタン、デルマタン硫酸(DS)、ヘパラン硫酸(HS)、ヘパリン、ケラチン、ケラタン硫酸、シアル酸/シアリル化グリカン及びアルロン酸(HA)を含み、これらの詳細は本明細書に記載されている。内皮プロテオグリカンの「コアタンパク質」は、内皮細胞膜に直接結合するか、可溶性血漿成分として糖衣に存在する可能性がある。 内皮プロテオグリカンコアタンパク質は、サイズ(例えば、約20kDa~約500kDa、又はそれ以上)及び付着したGAG鎖の数(例えば、約~約50、またはそれ以上、付着したGAG鎖)が異なる。従って、内皮プロテオグリカンコアタンパク質の非限定的な例は、シンデカン、グリピカン、パーレカン、バーシカン、デコリン、ビグリカン、及びミメカンを含み、これらの詳細は本明細書に記載されている。例えば、 Reitsma, S., et al. Pflugers Archiv: European Journal of Physiology, 2007, 454, 345-359; Kolarova, H., et al. Mediators of Inflammation, 2014, 1-14を参照のこと。
本明細書で使用される場合、「A-B」という用語は、グリコサミノグリカン鎖の単一の二糖単位を指し、「A」はヘキソース又はヘキソロン酸のいずれかを表し、「B」はヘキソサミンを表す。 一般的に、本明細書に記載のGAG鎖の二糖単位は、成分AとしてD-ガラクトース(Gal)、D-グルクロン酸(GlcA)、又はL-イズロン酸(IdoA)、及び成分BとしてD-ガラクトサミン(GalN)又はグルコサミン(GlcN)を含むことができる。 A-BユニットのA成分とB成分との間(及び2つ以上のA-Bユニットの間、例えば-[A-B]1-[A-B]2-[A-B]3-)に形成されるグリコシド結合(すなわち、C-O-C結合)は、隣接する糖のヒドロキシル基から形成される共有結合である。 結合は、以下の間で発生する可能性がある:隣接する糖の1炭素と6炭素との間で(すなわち、1-6結合、1→6、又は1,6)、隣接する糖の1炭素と4炭素との間(すなわち、1-4結合、1→4、又は1,4)、 隣接する糖の1炭素と3炭素との間(すなわち、1-3結合、1→3、又は1,3)、 又は隣接する糖の1炭素と2炭素との間(すなわち、1-2結合、1→2、又は1,2)、 隣接する糖の2炭素と4炭素との間(すなわち、2-4結合、2→4、又は2,4)、 又は隣接する糖の2炭素と3炭素との間(すなわち、2-3結合、2→3、又は2,3)。GAG鎖は、1-、2-、3-、4-、及び6-炭素以外の炭素原子間の結合を含むことができる。
糖成分は、アノマー炭素がα-又はβ-配置になるようにGAG内で結合することができる。 これに関して、A-BユニットのA成分とB成分との間に形成されるグリコシド結合は、Aのアノマー炭素配置に関して、α-連結(又は結合)又はβ-連結のいずれかと呼ぶことができる。GAG鎖の各二糖ユニット間に形成されるグリコシド結合は、α-結合又はβ-結合(例えば、-[AB]1-[AB]2-鎖の二糖[AB] 1と二糖[AB]2との間の結合は、B1のアノマー炭素配置に関して、α-結合又はβ-結合であり得る)とも呼ばれます。例えば、GAG鎖は、A1α(1→3)B1の反復二糖単位を含み得、ここで、A1の1炭素は、α配置にあり、B1の3炭素にグリコシド結合している。二糖配列4A1α(1→3)B1β1は、A1の4-炭素は、配列内の先行する隣接する糖の指定されていない炭素にグリコシド結合し、そしてB1の1-炭素はβ配置にあり、配列内の次の隣接する糖の指定されていない炭素にグリコシド結合することを示している。
A-Bユニットの各A及び/又はB成分は、GAGポリマーに応じて、未修飾にすることも、又はO-硫酸化及び/又はN-硫酸化又はN-アセチル化などの1つ又は複数の修飾を含むこともできる。これに関して、ヘキソース及びヘキスロン酸残基の修飾には、2位、3位、4位、及び6位の1つ又は複数のヒドロキシル基をO-硫酸塩で置換することが含まれ得る。ヘキソサミン残基の修飾は、2位のアミノ基をN-アセチル又はN-硫酸塩のいずれかで置換すること、及び/又は3位、4位、及び6位の1つ又は複数のヒドロキシル基を O-硫酸塩で置換することを含む。
修飾されたA成分(すなわち、ヘキソース/ヘキスロン酸)の例には、以下が含まれるが、これらに限定されない:D-ガラクトース(Gal)の2位にO-硫酸塩を含むGal2S;D-ガラクトース(Gal)の3位にO-硫酸塩を含むGal3S; D-ガラクトース(Gal)の4位にO-硫酸塩を含むGal4S; D-ガラクトース(Gal)の6位にO-硫酸塩を含むGal6S; D-グルクロン酸(GlcA)の2位にO-硫酸塩を含むGlcA2S;D-グルクロン酸(GlcA)の3位にO-硫酸塩を含むGlcA3S; D-グルクロン酸(GlcA)の4位にO-硫酸塩を含むGlcA4S;D-グルクロン酸(GlcA)の6位にO-硫酸塩を含むGlcA6S;L-イズロン酸(IdoA)の2位にO-硫酸塩を含むIdoA2S;L-イズロン酸(IdoA)の3位にO-硫酸塩を含むIdoA3S; L-イズロン酸(IdoA)の4位にO-硫酸塩を含むIdoA4S; 及びL-イズロン酸(IdoA)の6位にO-硫酸塩を含むIdoA6S。
修飾されたB成分(すなわち、ヘキソサミン)、具体的には、D-ガラクトサミン(GalN)への修飾の例は、以下を含むが、これらに限定されない:D-ガラクトサミン(GalN)の3位にO-硫酸塩を含むGalN3S; D-ガラクトサミン(GalN)の4位にO-硫酸塩を含むGalN4S;D-ガラクトサミン(GalN)の6位にO-硫酸塩を含むGalN6S;D-ガラクトサミン(GalN)の3位にO-硫酸塩、及び6位にO-硫酸塩を含むGalN3S6S;D-ガラクトサミン(GalN)の3位にO-硫酸塩、及び4位にO-硫酸塩を含むGalN3S4S; D-ガラクトサミン(GalN)の4位にO-硫酸塩、及び6位にO-硫酸塩を含むGalN4S6S; D-ガラクトサミン(GalN)の2位にN-アセチルを含むGalNAc(D-N-アセチルガラクトサミン); D-N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)の3位にO-硫酸塩を含むGalNAc3S; D-N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)の4位にO-硫酸塩を含むGalNAc4S;D-N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)の6位にO-硫酸塩を含むGalNAc6S; D-N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)の3位にO-硫酸塩、及び6位にO-硫酸塩を含むGalNAc3S6S; D-N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)の3位にO-硫酸塩、及び4位にO-硫酸塩を含むGalNAc3S4S; D-N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)の4位にO-硫酸塩、及び6位にO-硫酸塩を含むGalNAc4S6S; D-ガラクトサミン(GalN)の2位にN-硫酸塩を含むGalNS(D-N-スルホガラクトサミン); D-N-スルホガラクトサミン(GalNS)の3位にO-硫酸塩を含むGalNS3S; D-N-スルホガラクトサミン(GalNS)の4位にO-硫酸塩を含むGalNS4S; D-N-スルホガラクトサミン(GalNS)の6位にO-硫酸塩を含むGalNS6S; D-N-スルホガラクトサミン(GalNS)の3位にO-硫酸塩、及び6位にO-硫酸塩を含むGalNS3S6S; D-N-スルホガラクトサミン(GalNS)の3位にO-硫酸塩、及び4位にO-硫酸塩を含むGalNS3S4S; D-N-スルホガラクトサミン(GalNS)の4位にO-硫酸塩及び6位にO-硫酸塩を含むGalNS4S6S。
修飾されたB成分(すなわち、ヘキソサミン)、具体的には、D-グルコサミン(GlcN)への修飾の例は、以下を含むが、これらに限定されない:D-グルコサミン(GlcN)の3位にO-硫酸塩を含むGlcN3S; D-グルコサミン(GlcN)の4位にO-硫酸塩を含むGlcN4S; D-グルコサミン(GlcN)の6位にO-硫酸塩を含むGlcN6S; D-グルコサミン(GlcN)の3位にO-硫酸塩、及び6位にO-硫酸塩を含むGlcN3S6S; D-グルコサミン(GlcN)の3位にO-硫酸塩、及び4位にO-硫酸塩を含むGlcN3S4S; D-グルコサミン(GlcN)の4位にO-硫酸塩、及び6位にO-硫酸塩を含むGlcN4S6S; D-グルコサミン(GlcN)の2位にN-アセチルを含むGlcNAc(D-N-アセチルグルコサミン); D-N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)の3位にO-硫酸塩を含むGlcNAc3S;D-N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)の4位にO-硫酸塩を含むGlcNAc4S; D-N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)の6位にO-硫酸塩を含むGlcNAc6S; D-N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)の3位にO-硫酸塩、及び6位にO-硫酸塩を含むGlcNAc3S6S; D-N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)の3位にO-硫酸塩、及び4位にO-硫酸塩を含むGlcNAc3S4S; D-N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)の4位にO-硫酸塩、及び6位にO-硫酸塩を含むGlcNAc4S6S; D-グルコサミン(GlcN)の2位にN-硫酸塩を含むGlcNS(D-N-スルホグルコサミン); D-N-スルホグルコサミン(GlcNS)の3位にO-硫酸塩を含むGlcNS3S; D-N-スルホグルコサミン(GlcNS)の4位にO-硫酸塩を含むGlcNS4S;D-N-スルホグルコサミン(GlcNS)の6位にO-硫酸塩を含むGlcNS6S; D-N-スルホグルコサミン(GlcNS)の3位にO-硫酸塩、及び6位にO-硫酸塩を含むGlcNS3S6S; D-N-スルホグルコサミン(GlcNS)の3位にO-硫酸塩、及び4位にO-硫酸塩を含むGlcNS3S4S; 及びD-N-スルホグルコサミン(GlcNS)の4位にO-硫酸塩及び6位にO-硫酸塩を含むGlcNS4S6S。従って、糖衣のGAG鎖には、さまざまな異なる二糖単位が含まれている可能性があり、ここで、全てのヘキソース/ヘキソース酸-ヘキソサミン対(すなわち、二糖単位)の各ヘキソース/ヘキソース酸残基及び各ヘキソサミン残基は、任意には独立して一置換又は多置換(すなわち、非修飾又は修飾)することができる。
本明細書で使用される場合、「ヘパラン硫酸」及び「HS」という用語は、可能なA成分としてGlcA、IdoA、及びIdoA2S残基、及び可能なB成分としてのGlcN、GlcNAc、GlcNAc6S、 GlcNS、GlcNS6S、及びGlcNS3S6S残基を含むことができる、二糖A~B単位を繰り返すグリコサミノグリカンポリマーを指すために交換可能的に使用される。一般的に、ヘパラン硫酸は、約40~70%の非硫酸化二糖配列、約30~65%の様々な一硫酸化二糖配列、及び約1~10%の二硫酸化及び/又は三硫酸化二糖配列を含む。ヘパラン硫酸ポリマーは、100個の二糖当たり約65個のN-硫酸塩、約2:3~約3:4のN-硫酸化対O-硫酸化比、及び各二糖単位当たり平均約0.8~約1.8の硫酸基を有し得る。ヘパラン硫酸で最も一般的な二糖配列は4GlcAβ(1→4)GlcNAcα1であり、HS鎖の最大約50%以上を構成する可能性がある。GlcAはより一般的なヘキスロン酸ですが、 IdoAは、ヘパラン硫酸の約30%~約50%を構成し得、そして非硫酸化ユニット4IdoAα(1→4)GlcNAcα1及び/又は任意の一硫酸化、二硫酸化、及び/又は三硫酸化二糖ユニット、例えば4IdoAα(1→4)GlcNSα1、4IdoAα(1→4)GlcNAc6Sα1、及び4IdoAα(1→4)GlcNS6Sα1として存在し得る。 ヘパラン硫酸ポリマーは、約20~約200、又はそれ以上の反復二糖単位を有することができ、約10kDa~約100kDaの分子量を有することができる。例えば、以下を参照のこと:Shriver, S. et al. Handb. Exp. Pharmacol. 2012, 207, 159-176; Zhang, F. et al. Chapter 3 - Glycosaminoglycans. 2010. In: Richard D. Cummings, J. Michael Pierce, et al., editors. Handbook of Glycomics, Academic Press, 2010, 59-80; Gandhi, N. et al. Chem. Biol. Drug. Des. 2008, 72, 455-482; Lindahl, U, et al. Proteoglycans and Sulfated Glycosaminoglycans. 2017. In: Varki A, Cummings RD, Esko JD, et al., editors. Essentials of Glycobiology [Internet]. 3rd edition. Cold Spring Harbor (NY): Cold Spring Harbor Laboratory Press; 2015-2017. Chapter 17。
本明細書で使用される場合、「ヘパリン」及び「Hep」という用語は、可能なA成分としてGlcA、IdoA、およびIdoA2S残基、及び可能なB成分としてのGlcN、GlcNAc、GlcNAc6S、GlcNS、GlcNS6S及びGlcNS3S6S残基を含むことができる、二糖A~B単位を繰り返すグリコサミノグリカンポリマーを指すために交換可能的に使用される。一般的に、ヘパリンは、約70~90%の三硫酸化二糖配列、約10~30%の様々な非硫酸化、一硫酸化、及び二硫酸化二糖配列、及び二糖単位当たり平均約1.8~約2.8の硫酸基を含む。ヘパリンで最も一般的な二糖配列は4IdoA2Sα(1→4)GlcNS6Sα1であり、これはHep鎖の最大約70%以上を構成する可能性がある。 ヘパリンポリマーは、約15~約60、又はそれ以上の反復二糖単位を有することができ、約10kDa~約35kDaの分子量を有することができる。例えば、以下を参照のこと:Shriver, S. et al. Handb. Exp. Pharmacol. 2012, 207, 159-176; Zhang, F. et al. Chapter 3 - Glycosaminoglycans. 2010. In: Richard D. Cummings, J. Michael Pierce, et al., editors. Handbook of Glycomics, Academic Press, 2010, 59-80; Gandhi, N. et al. Chem. Biol. Drug. Des. 2008, 72, 455-482; Lindahl, U, et al. Proteoglycans and Sulfated Glycosaminoglycans. 2017. In: Varki A, Cummings RD, Esko JD, et al., editors. Essentials of Glycobiology [Internet]. 3rd edition. Cold Spring Harbor (NY): Cold Spring Harbor Laboratory Press; 2015-2017. Chapter 17。
本明細書で使用される場合、「コンドロイチン硫酸」及び「CS」という用語は、可能なA成分としてGlcA、GlcA2S、及びGlcA3S残基、及び可能なB成分としてのGalNAc、GalNAc4S、GalNAc6S、 及びGalNAc4S6S残基を含むことができる反復二糖A~Bユニットのグリコサミノグリカンポリマーを指すために交換可能に使用される。S-A、CS-C、CS-D、及びCS-Dなど、さまざまな種類のコンドロイチン硫酸が存在します。 CS-Bサブタイプはデルマタン硫酸として知られており、本明細書で詳細に説明されている。一般的に、コンドロイチン硫酸タイプAは、4GlcAβ(1→3)GalNAc4Sβ1の反復二糖ユニットを含み、コンドロイチン硫酸タイプCは4GlcAβ(1→3)GalNAc6Sβ1の反復二糖ユニットを含み、コンドロイチン硫酸タイプDは4GlcA2Sβ(1→ 3)GalNAc6Sβ1を含み、そしてコンドロイチン硫酸タイプEには、4GlcAβ(1→3)GalNAc4S6Sβ1の反復二糖単位を含む。コンドロイチン硫酸鎖は、複数のタイプのコンドロイチン二糖ユニットを含むハイブリッド構造であり得る。 言い換えれば、ハイブリッドCSポリマーは、4GlcAβ(1→3)GalNAc4Sβ1(コンドロイチン硫酸A)、4GlcAβ(1→3)GalNAc6Sβ1(コンドロイチン硫酸C)、4GlcA2Sβ(1→3)GalNAc6Sβ1(コンドロイチン硫酸D)、及び/又は4GlcAβ(1→3)GalNAc4S6Sβ1(コンドロイチン硫酸E)の反復二糖配列を任意の量で及びそれらの組み合わせで含むことができる。非限定的な例として、ハイブリッドコンドロイチン硫酸鎖は以下を含む:約40~60%の4GlcAβ(1→3)GalNAc4Sβ1、約40~60%の4GlcAβ(1→3)GalNAc6Sβ1、及び任意には、約1~20%のさまざまな非硫酸化、二硫酸化及び/又は三硫酸化二糖配列、例えば、4GlcAβ(1→3)GalNAcβ1、4GlcA2Sβ(1→3)GalNAc6Sβ1及び/又は4GlcAβ(1→3)GalNAc4S6Sβ1。コンドロイチン硫酸ポリマー(非ハイブリッド又はハイブリッド)は、約4~約155、又はそれ以上の反復二糖単位を有することができ、約2kDa~約70kDa、又はそれ以上の分子量を有することができる。例えば、以下を参照のこと:Zhang, F. et al. Chapter 3 - Glycosaminoglycans. 2010. In: Richard D. Cummings, J. Michael Pierce, et al., editors. Handbook of Glycomics, Academic Press, 2010, 59-80; Gandhi, N. et al. Chem. Biol. Drug. Des. 2008, 72, 455-482; Lindahl, U, et al. Proteoglycans and Sulfated Glycosaminoglycans. 2017. In: Varki A, Cummings RD, Esko JD, et al., editors. Essentials of Glycobiology [Internet]. 3rd edition. Cold Spring Harbor (NY): Cold Spring Harbor Laboratory Press; 2015-2017. Chapter 17。
本明細書で使用される場合、「デルマタン硫酸」及び「DS」という用語は、可能なA成分としてGlcA、IdoA、及びIdoA2S残基、及び可能なB成分としてのGalNAc、GalNAc4S及び GalNAc6S残基を含むことができる反復二糖A~Bユニットのグリコサミノグリカンポリマーを指すために交換可能に使用される。一般的に、デルマタン硫酸は、約70~95%の一硫酸化二糖配列、約5~20%の二硫酸化二糖配列、及び約1~10%の非硫酸化二糖配列を含む。DSポリマーで最も一般的な二糖配列は4IdoAα(1→3)GalNAc4Sβ1であり、これはDS鎖の最大80%以上を構成する可能性がある。デルマタン硫酸ポリマーは、約20~約155、又はそれ以上の反復二糖単位を有することができ、約10kDa~約70kDa、又はそれ以上の分子量を有することができる。例えば、以下を参照のこと:Zhang, F. et al. Chapter 3 - Glycosaminoglycans. 2010. In: Richard D. Cummings, J. Michael Pierce, et al., editors. Handbook of Glycomics, Academic Press, 2010, 59-80; Gandhi, N. et al. Chem. Biol. Drug. Des. 2008, 72, 455-482; Lindahl, U, et al. Proteoglycans and Sulfated Glycosaminoglycans. 2017. In: Varki A, Cummings RD, Esko JD, et al., editors. Essentials of Glycobiology [Internet]. 3rd edition. Cold Spring Harbor (NY): Cold Spring Harbor Laboratory Press; 2015-2017. Chapter 17。
本明細書で使用される場合、「ケラタン硫酸」及び「KS」という用語は、可能なA成分としてGal及びGal6S残基、及び可能なB成分としてGlcNAc及びGlcNAc6S残基を含み得る反復二糖A-Bユニットのグリコサミノグリカンポリマーを指すために交換可能的に使用される。ケラタン硫酸は、ほぼ非硫酸化二糖配列3Galβ(1→4)GlcNAcβ1、一硫酸化二糖配列3Galβ(1→4)GlcNAc6Sβ1、及び二硫酸化二糖配列3Gal6Sβ(1→4)GlcNAc6Sβ1の混合物を含む。ケラタン硫酸の反復領域内の二糖はフコシル化されている可能性があり、N-アセチルノイラミン酸が鎖の末端を覆っている。例えば、以下を参照のこと:Stanley, P. et al. Structures Common to Different Glycans. 2017. In: Varki A, Cummings RD, Esko JD, et al., editors. Essentials of Glycobiology [Internet]. 3rd edition. Cold Spring Harbor (NY): Cold Spring Harbor Laboratory Press; 2015-2017. Chapter 14。 KSポリマーは、約10=約70、又はそれ以上の繰り返し二糖単位を有することができ、そして約5kDa~約30kDa、又はそれ以上の分子量を有することができる。 例えば、以下を参照のこと:Zhang, F. et al. Chapter 3 - Glycosaminoglycans. 2010. In: Richard D. Cummings, J. Michael Pierce, et al., editors. Handbook of Glycomics, Academic Press, 2010, 59-80; Gandhi, N. et al. Chem. Biol. Drug. Des. 2008, 72, 455-482; Lindahl, U, et al. Proteoglycans and Sulfated Glycosaminoglycans. 2017. In: Varki A, Cummings RD, Esko JD, et al., editors. Essentials of Glycobiology [Internet]. 3rd edition. Cold Spring Harbor (NY): Cold Spring Harbor Laboratory Press; 2015-2017. Chapter 17。
本明細書で使用される場合、「ヒアルロン酸」、「ヒアルロン酸」、「HA」、及び「ヒアルロン酸」という用語は、可能なA成分としてGlcA残基、及び可能なB成分としてGlcNAcを含み得る反復二糖A-Bユニットのグリコサミノグリカンポリマーを指すために交換可能的に使用される。HAは唯一の非硫酸化GAGポリマーであり、反復二糖配列4GlcAβ(1→3)GalNAcβ1を含む。 ヒアルロン酸は、動物及び非動物源から精製することができる。 HAポリマーは、約10~約100,000の反復二糖単位を有することができ、約4kDa~約20,000kDaの分子量を有することができる。例えば、以下を参照のこと:Zhang, F. et al. Chapter 3 - Glycosaminoglycans. 2010. In: Richard D. Cummings, J. Michael Pierce, et al., editors. Handbook of Glycomics, Academic Press, 2010, 59-80; Gandhi, N. et al. Chem. Biol. Drug. Des. 2008, 72, 455-482; Lindahl, U, et al. Proteoglycans and Sulfated Glycosaminoglycans. 2017. In: Varki A, Cummings RD, Esko JD, et al., editors. Essentials of Glycobiology [Internet]. 3rd edition. Cold Spring Harbor (NY): Cold Spring Harbor Laboratory Press; 2015-2017. Chapter 17。
本明細書で使用される場合、「シンデカン」という用語は、膜貫通ドメインを介して膜に接続されている、糖衣の膜結合コアタンパク質を指す。 シンデカンコアタンパク質には、約20kDa~約45kDaの範囲の4つのサブタイプがある。シンデカンプロテオグリカンコアタンパク質は、例えば、2~3個のHS鎖又は3~4個のHS及び1~2個のCS鎖の混合物など、約5個以上のHS及びCSグリコサミノグリカン鎖を含むことができる。シンデカンは、細胞接着、遊走及びアクチン細胞骨格組織の調節、及び細胞表面からのリガンドクリアランスの制御という機能を示すことができる。例えば、以下を参照のこと:Lindahl, U, et al. Proteoglycans and Sulfated Glycosaminoglycans. 2017. In: Varki A, Cummings RD, Esko JD, et al., editors. Essentials of Glycobiology [Internet]. 3rd edition. Cold Spring Harbor (NY): Cold Spring Harbor Laboratory Press; 2015-2017. Chapter 17。
本明細書で使用される場合、「グリピカン」という用語は、グリコシルホスファチジルイノシトールアンカーを介して膜に接続されている、糖衣の膜結合コアタンパク質を指す。 グリピカンコアタンパク質には、約55kDa~約70kDaの範囲の6つのサブタイプがある。 グリピカンプロテオグリカンコアタンパク質は、約3つ以上のHSグリコサミノグリカン鎖を含むことができる。グリピカンは、関連する(例えば、チロシンキナーゼ受容体)を介したシグナル伝達を調節する補助受容体として機能することができる。例えば、以下を参照のこと:Lindahl, U, et al. Proteoglycans and Sulfated Glycosaminoglycans. 2017. In: Varki A, Cummings RD, Esko JD, et al., editors. Essentials of Glycobiology [Internet]. 3rd edition. Cold Spring Harbor (NY): Cold Spring Harbor Laboratory Press; 2015-2017. Chapter 17。
本明細書で使用される場合、「パーレカン」という用語は、可溶性血漿成分として糖衣に存在する分泌されたコアタンパク質を指す。パーレカンプロテオグリカンコアタンパク質の平均コア質量は約400kDaであり、そして約3つ以上のHSグリコサミノグリカン鎖、場合によっては1、2、又はそれ以上のCS鎖(例えば、1~4個のHS鎖又は 1-3HS及び0-2CS鎖)を含むことができる。パーレカンは、次の機能を示すことができる:細胞外マトリックス(ECM)アセンブリ、インテグリン相互作用による調節された細胞移動、及び成長因子(FGFなど)の隔離。例えば、以下を参照のこと:Lindahl, U, et al. Proteoglycans and Sulfated Glycosaminoglycans. 2017. In: Varki A, Cummings RD, Esko JD, et al., editors. Essentials of Glycobiology [Internet]. 3rd edition. Cold Spring Harbor (NY): Cold Spring Harbor Laboratory Press; 2015-2017. Chapter 17。
本明細書で使用される場合、「バーシカン」という用語は、可溶性血漿成分として糖衣に存在する分泌コアタンパク質を指す。 バーシカンプロテオグリカンコアタンパク質の平均コア質量は約370kDaであり、そして約10~30個以上のCS及びDSグリコサミノグリカン鎖(例えば、5~15個のCS鎖と10~20個のDS鎖の混合物)を含むことができる。バーシカンは、複数のECM相互作用、炎症の調節、及び細胞接着と遊走に関与している。例えば、以下を参照のこと:Lindahl, U, et al. Proteoglycans and Sulfated Glycosaminoglycans. 2017. In: Varki A, Cummings RD, Esko JD, et al., editors. Essentials of Glycobiology [Internet]. 3rd edition. Cold Spring Harbor (NY): Cold Spring Harbor Laboratory Press; 2015-2017. Chapter 17。
本明細書で使用される場合、「デコリン」という用語は、可溶性血漿成分として糖衣に存在する分泌コアタンパク質を指し、そして小さなロイシンに富むプロテオグリカン(SLRP)ファミリーのメンバーである。 SLRPとして、デコリンには、中央ドメインにシステインが隣接するロイシンに富むリ反復体が含まれている。デコリンプロテオグリカンコアタンパク質の平均コア質量は約35~40 kDaであり、そして少なくとも1つのCS鎖及び/又は少なくとも1つのDS鎖を含むことができる。 デコリンは間質性コラーゲン原線維形成を調節し、TGF-βシグナル伝達の阻害に関与している。例えば、以下を参照のこと:Lindahl, U, et al. Proteoglycans and Sulfated Glycosaminoglycans. 2017. In: Varki A, Cummings RD, Esko JD, et al., editors. Essentials of Glycobiology [Internet]. 3rd edition. Cold Spring Harbor (NY): Cold Spring Harbor Laboratory Press; 2015-2017. Chapter 17。
本明細書で使用される場合、「ビグリカン」という用語は、可溶性血漿成分として糖衣に存在する、SLRPファミリーの分泌されたコアタンパク質を指す。 ビグリカンプロテオグリカンコアタンパク質の平均コア質量は約36~40 kDaで、約2つ以上のCS及びDS鎖を含むことができる。 ビグリカンは、コラーゲンマトリックスの組み立てと自然免疫系の活性化に関与しています。例えば、以下を参照のこと:Lindahl, U, et al. Proteoglycans and Sulfated Glycosaminoglycans. 2017. In: Varki A, Cummings RD, Esko JD, et al., editors. Essentials of Glycobiology [Internet]. 3rd edition. Cold Spring Harbor (NY): Cold Spring Harbor Laboratory Press; 2015-2017. Chapter 17。
本明細書で使用される場合、「ミメカン」という用語は、可溶性血漿成分として糖衣に存在する、SLRPファミリーの分泌されたコアタンパク質を指す。 ミメカンプロテオグリカンコアタンパク質の平均コア質量は約25~35 kDaで、約2つ以上のKS鎖を含むことができる。 ミメカンは、コラーゲンマトリックスの組み立て、骨の形成、角膜の透明性に関与している。例えば、以下を参照のこと:Lindahl, U, et al. Proteoglycans and Sulfated Glycosaminoglycans. 2017. In: Varki A, Cummings RD, Esko JD, et al., editors. Essentials of Glycobiology [Internet]. 3rd edition. Cold Spring Harbor (NY): Cold Spring Harbor Laboratory Press; 2015-2017. Chapter 17。
本明細書で使用される場合、「接触する」という用語は、それらが接触するか、又は直接又は局所的に近接するように、少なくとも2つの異なる種を接触させるプロセスを指す。本開示の文脈において、糖衣バリア機能の障害を患っている対象からのサンプルは、糖衣模倣吸着媒体と接触させられる。そのため、このサンプル内の分析物/吸着物は、糖衣模倣吸着媒体に接触する。 糖衣模倣吸着媒体と接触すると、分析物/吸着物は、糖衣模倣吸着媒体に付着したままであり、それにより、サンプルから分析物/吸着物を除去する。
本明細書で使用される場合、「サンプル」という用語は、糖衣バリア機能の障害に苦しむ対象から得られた分析物/吸着物を含むことができる任意の生物学的サンプルを指す。 通常、サンプルは液体の形であるか、液体の形に変えることができます。 サンプルの非限定的な例には、全血、血清、及び血漿が含まれる。 本開示の文脈において、糖衣模倣吸着媒体と接触されていないサンプルは、「未処理のサンプル」と見なされる。従って、未処理のサンプルには、糖衣バリア機能を破壊する分子(すなわち、分析物/吸着物)が含まれている。 「処理されたサンプル」は、糖衣模倣吸着媒体と接触されたサンプルである。 処理されたサンプルには、分析物/吸着物の量が少なくなるため、「洗浄済み」又は「クリーン」と見なすことができる。
本明細書で使用される場合、「灌流」という用語は、器官上及び/又は器官を通る液体(すなわち、血液)の通過を指し、一方、一方、「再灌流」という用語は、以前は灌流されていなかった臓器(例えば、血液の通過を防ぐために手術中にクランプされた動脈)上及び/又は通過する液体の通過を指す。 別の言い方をすれば、再灌流とは、臓器又は組織(心臓、腎臓など)への血流を回復させる行為を指す。
本明細書で使用される場合、「硬質ポリマービーズ」という用語は、ポリマー樹脂から作製されるビーズ、顆粒、ペレット、球、粒子、マイクロカプセル、球、ミクロスフェア、ナノスフェア、マイクロビーズ、ナノビーズ、マイクロ粒子、ナノ粒子、及びポリマー樹脂又は他の生体適合性基質材料から作られるようなものを指す。
「パーセント重量」という用語は、特にことわらない限り、%を意味するか、又は特定の組成物の総重量当たりの重量で測定された成分のパーセンテージを指す。 重量パーセントは「%」又は「%w / w」で表される。本開示の文脈において、本明細書に記載の糖衣模倣吸着媒体の固体基質に付着されるグリコサミノグリカン吸着剤(例えば、グリコサミノグリカン混合物)は、特定の量のGAG鎖、及び場合によっては、グリコサミノグリカン混合物の総重量に基づく特定量のプロテオグリカンコアタンパク質を含むであろう。従って、吸着媒体中の各GAG鎖(及びオプションの1つ又は複数のコアタンパク質)の%w / wは、固体基質の表面をコーティング又は機能化するために使用されるグリコサミノグリカン混合物の総重量に基づいている。
II.定義及び装置
II.定義及び装置
本明細書に開示されるのは、開示された方法、組成物、及び装置に使用できる、組み合わせて使用できる、調製に使用できる、又はそれらの製品である材料、化合物、組成物、及び成分である。これら及び他の材料は本明細書に開示され、これらの材料の組み合わせ、サブセット、相互作用、グループなどが開示される場合、これらの材料のそれぞれの様々な個々及び集合的な組み合わせ及び順列の特定の参照は明示的に開示されず、それぞれが具体的に企図され、本明細書に記載されている場合があることが理解される。例えば、方法、組成物、又装置が開示され、又は方法、組成物、又は装置のいくつかの構成要素に対して行うことができるいくつかの修正が議論される場合、特に反対の指示がない限り、可能なすべての組み合わせ及び順列が具体的に企図される。
従って、構成要素又は要素A、B、及びCのクラス、並びに構成要素又は要素D、E、及びFのクラスが開示され、方法、組成物、又は装置A-Dの例が開示される場合、たとえ それぞれが個別に引用されているのではなく、それぞれが個別にそして集合的に企図されている。従って、この例では、A-E、A-F、B-D、B-E、B-F、C-D、C-E、及びC-Fの組み合わせのそれぞれが具体的に企図されており、そしてA、B、及びC;D、E、及びF;及び組み合わせ例A-Dの開示から開示されていると見なされるべきである。同様に、これらのサブセット又は組み合わせも具体的に企図され、開示されている。従って、例えば、A-E、B-F、及びC-Eのサブグループは、具体的に企図されており、そしてA、B、及びC;D、E、及びF; 及び組み合わせ例A-Dの開示から開示されていると見なされるべきである。この概念は、開示された組成物及び装置を製造及び使用する方法の工程を含む、本開示のすべての側面に適用されるが、これらに限定されない。従って、実行できる様々な追加の工程がある場合、これらの追加の工程のそれぞれは、開示された方法の任意の特定の側面又は側面の組み合わせで実行でき、そしてそのような各組み合わせは、具体的に企図され、そして開示されていると見なされるべきであることが理解される。
図1A~Cは、糖衣の電子顕微鏡写真を示している。図1A及び挿入図に示されるように、糖衣101は、血管内皮の管腔側に存在する負に帯電した分子の滑りやすいゲル状のネットワークである。血管の内腔は102として示されている。図1Bは拡大図であり、そして負に帯電した糖衣が、様々なグリコサミノグリカンに関連する膜結合糖タンパク質126、131、140及びプロテオグリカン125のウェブからなることを示している。それは、様々な水溶性分子が組み込まれているネットワークを形成する骨格分子(主に前述のプロテオグリカン及び糖タンパク質)のホストによって血管内皮に協調的に接続されている。グリコサミノグリカンは、それ自体の重量の10,000倍まで水に結合することができるため、内皮糖衣の全体積に大きく貢献する。
図1Cは、糖衣110が、骨格プロテオグリカン及び糖タンパク質を介して内皮115に接続された炭水化物に富む層であることを示している。 血漿及び上皮由来の可溶性分子の複雑なネットワークは、糖衣に継続的に組み込まれている。 血液成分と糖衣の間で動的平衡が形成される(C. Biddle, AANA Journal, 81, (6) (2013)を参照のこと)。
本開示は、それを必要とする対象において障害のある糖衣バリア機能を増強するための方法を提供する。この方法は、対象からのサンプルを糖衣模倣吸着媒体と接触させて、障害のある糖衣バリア機能を増強及び/又は回復し、それによってサンプルを処理し;そして 処理されたサンプルを被験者に注入することを含み、 ここで、糖衣模倣吸着媒体は、吸着剤を有する固体基質であり、吸着剤は、少なくとも1つのグリコサミノグリカン(GAG)鎖、及び任意には、1つ以上のプロテオグリカンコアタンパク質を含むグリコサミノグリカン混合物である。
糖衣バリア機能の障害は、糖衣バリアの構造又は組成の変化、破壊、又は損傷の結果である可能性がある。 内腔に並ぶ血管内皮細胞の頂端面に位置する糖衣は、プロテオグリカン、糖タンパク質、糖脂質の負に帯電した動的ネットワークであり、細胞及び分子の接着と輸送を調節するさまざまな酵素とタンパク質が含まれている。血管系における糖衣の主な役割は、血漿と血管壁の恒常性を維持することである。 酵素やタンパク質、その他の分子実体は、血管やその他の病気に対する糖衣バリアを強化する働きをします。 血管内皮内の糖衣の別の機能は、血管透過性バリアとして機能しながら、血流への直接の曝露から血管壁を保護することである。従って、血流によって生成される剪断は、生合成とさまざまな糖衣成分の脱落との間のバランスを調節する。 その保護機能は血管系全体で普遍的であり、その相対的な重要性は血管系内の正確な位置によって異なる。糖衣は、血漿から間質腔への液体の濾過、血球接着からの内皮の保護、内皮細胞による一酸化窒素(NO)産生のシグナルの媒介に関与している。その結果、糖衣は、脳、脊髄、臓器、肺、リンパ系などの重要な血管系の保護バリアとして機能します。 従って、この複雑で動的な糖衣バリア構造の変化又は損傷は、最終的に糖衣バリア機能の障害をもたらし、血管系を損傷及び疾患の影響を受けやすくする。
糖衣バリア機能の障害に苦しんでいる対象は、動物である可能性があります。 いくつかの実施形態によれば、対象は哺乳動物である。 いくつかの実施形態によれば、対象はヒトである。 対象は、性別や年齢を問わない。 いくつかの実施形態によれば、糖衣バリア機能の障害を患っている対象は以下の状態のうちの1つ又は複数を有する:毛細血管漏出症候群、浮腫形成、炎症、血小板過凝集、凝固亢進、血管反応性の喪失、敗血症、臓器不全、アテローム性動脈硬化症、及び糖尿病。
対象からのサンプルは、対象から採取された任意の体液である可能性がある。 いくつかの実施形態によれば、サンプルは全血を含む。 いくつかの実施形態によれば、サンプルは血清を含む。 いくつかの実施形態によれば、サンプルは血漿を含む。 いくつかの実施形態によれば、サンプルは脳脊髄液を含む。 サンプルは、この方法で処理される個別のサンプルの形で対象から採取することができる。 サンプルは、連続または半連続ストリームの形で対象から採取できる。 請求された方法で使用できるサンプルの量は、制限されることを意図しない。それは、サンプルが血液を含み、対象への連続的な再循環が採用される場合、対象の全血液量を含む、1mL未満から1Lを超える範囲に及ぶ可能性がある。 必要に応じて、吸着床を通過する1つ又は複数の「パス」を使用できます。 「吸着床」という用語は、糖衣模倣吸着媒体を保持する容器、チャンバー、カラムなどを指す。 吸着床は、透析又は体外回路の一部であり得る。 他の側面では、それは血液バッグの一部である可能性がある。
いくつかの実施形態によれば、サンプルは、以下の速度で対象から採取される:約5mL /分、約10mL /分、約15mL /分、約20mL /分、約25mL /分、約30mL /分、約35mL /分、約40mL /分、約45 mL /分、約50mL /分、約60mL /分、約70mL /分、約80mL /分、約90mL /分、約100mL /分、約150mL /分、約200mL /分、約250 mL / 分、約300 mL / 分、約350 mL / 分、約400 mL / 分、約450 mL / 分、約500 mL / 分、約550 mL / 分、約600 mL / 分、 約700mL / 分、約800 mL / 分、約900 mL / 分、約1000 mL / 分、さらには約2000~6000 mL / 分。
本開示の糖衣模倣吸着媒体は、機能が損なわれていない天然に存在する糖衣バリアと同様に機能するように設計されている。 このように、糖衣模倣吸着媒体は、損傷した/機能不全の内皮糖衣バリアが適切に機能する能力を増強、強化、改善、及び/又は増強する。言い換えれば、糖衣バリア機能の障害に苦しんでいる対象からのサンプルを糖衣模倣吸着媒体と接触させることは、障害のある糖衣バリア機能を増強する。いくつかの実施形態によれば、糖衣模倣吸着媒体との接触による障害のある糖衣バリア機能の増強は、損傷した糖衣の凝固を調節し、血小板の血管壁への接着を防ぎ、白血球の血管壁への接着を防ぎ、内皮細胞への剪断応力を調節し、そして炎症過程を調節する能力を増強又は回復する。
糖衣バリア機能の障害を患っている対象からのサンプルは、サンプルの糖衣バリア機能の障害を増強、強化、改善、及び/又は回復するのに十分な時間、糖衣模倣吸着媒体と接触させることができる。いくつかの実施形態によれば、サンプルは、1分~12時間、又はそれ以上の期間、糖衣模倣吸着媒体と接触する。いくつかの実施形態によれば、サンプルは、1分、5分、15分、20分、25分、30分、45分、60分、2時間、4時間、6時間、8時間、10時間、又は12時間の持続時間の間、糖衣模倣吸着媒体と接触している。いくつかの実施形態によれば、サンプルは、途切れのない又は連続した流れとして糖衣模倣吸着媒体と接触し、サンプルは、糖衣模倣吸着媒体以上、上、又は中を連続的に流れる。サンプルの連続的な流れは、サンプルが糖衣模倣吸着媒体と接触する設定された速度又は割合を有する一定又は可変の流体の流れを含む。いくつかの実施形態によれば、サンプルは、以下の速度で糖衣模倣吸着媒体と接触している:約5mL /分、約10mL /分、約15mL /分、約20mL /分、約25mL /分、約30mL /分、約35mL /分、約40mL /分、約45 mL /分、約50mL /分、約60mL /分、約70mL /分、約80mL /分、約90mL /分、約100mL /分、約150mL /分、約200mL /分、約250 mL / 分、約300 mL / 分、約350 mL / 分、約400 mL / 分、約450 mL / 分、約500 mL / 分、約550 mL / 分、約600 mL / 分、 約700mL / 分、約800 mL / 分、約900 mL / 分、又は約1000 mL / 分。
糖衣バリア機能の障害を患っている対象からのサンプルを、糖衣模倣吸着媒体と1回以上接触させて、サンプルの糖衣バリア機能の障害を増強、強化、改善、及び/又は回復させることができる。 いくつかの実施形態によれば、サンプルは、糖衣模倣吸着媒体に少なくとも1回接触する。いくつかの実施形態によれば、サンプルは、糖衣模倣吸着媒体に1~20回、又はそれ以上接触する。 いくつかの実施形態によれば、サンプルは、糖衣模倣吸着媒体に1回、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15回接触する。
サンプルの障害のある糖衣バリア機能を増強し、サンプルを処理するための糖衣模倣吸着媒体は、血液適合性にされた活性炭又はサイズ排除クロマトグラフィー樹脂などのミクロポーラス媒体であり得る。いくつかの実施形態によれば、糖衣模倣吸着媒体は、活性炭を含まない。 糖衣模倣吸着媒体は、カラム、カートリッジ、チューブ、遠心分離管、ボトル、可撓性バッグなどのような容器、又は糖衣模倣吸着媒体を乱すことなく処理されたサンプルを除去することができる任意の容器にあり得る。
本開示の方法及び装置において、形状及び組成において、様々な材料を、糖衣模倣吸着媒体の固体基質として使用することができる。 全ての適切な固体基質は、強制対流又は拡散輸送によって(主に)それらを結合する吸着剤部位への吸着物の輸送を促進しながら、高い表面積を提供し、それによって障害のある糖衣バリア機能を増強する。糖衣模倣吸着媒体を作成するための有用な固体基質は、以下を含む:非多孔性の剛性ビーズ、粒子又はパッキング、網状フォーム、剛性モノリシックベッド(例えば、焼結ビーズ又は粒子から形成される)、織布又は不織布が充填されたカラム、 糸又は固体又は中空のメソポーラス又はミクロポーラスモノフィラメント繊維が充填されたカラム、フラットフィルム又は緻密な膜から形成されたスパイラル巻きカートリッジ、又は混合ビーズ/ファブリックカートリッジなどの媒体の組み合わせ。いくつかの実施形態によれば、固体基質は、最初はメソポーラス又はミクロポーラスであるが、吸着サイトの作成前、作成中、又は作成後に表面が処理されると本質的に非多孔になるものである。 いくつかの実施形態によれば、基質は、ポリマー又は硬質ポリマービーズを含む。 基質はまた、金属、セラミック、ガラス、天然鉱物、シリカなどであり得る。 典型的には、基質は、患者の血液に入った場合に臨床的に重大な問題を引き起こす不純物を浸出させない。
いくつかの実施形態によれば、固体基質の総表面積は、0.1~10,000平方メートルの範囲、好ましくは0.5~50平方メートルの範囲、例えば、0.5、1、1、2、2、5、10、25、40、50平方メートル及びそれらの間の数値であることができる。いくつかの実施形態によれば、固体基質の材料は、以下から成る群から選択される:ガラス、シリカ、ラテックス、セルロース、酢酸セルロース、キチン、キトサン、架橋デキストラン、架橋アガロース、架橋アルギン酸塩、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、シリコーン、フルオロポリマー(ポリテトラフルオロエチレンなど)、 ポリウレタン、及びその他の合成ポリマー。医療用途に一般的に使用される他の材料も使用することができる。 いくつかの実施形態によれば、固体基質は、架橋された多糖を含む。 固体基質は、複数の吸着剤単層、フィルター、膜、固体繊維、中空繊維、粒子、又はビーズを含むことができる。 任意には、固体基質は、大きな表面積を提供する他の形態又は形状で存在することができる。
いくつかの実施形態によれば、固体基質は、サンプルが直列又は並列の流れで異なる媒体に接触するように、パフェタイプの配置で固体基質の異なる糖衣模倣吸着媒体を層状にすることによって作成された混合媒体固体基質である。特定の混合媒体の実施形態は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,758,286号に開示されている。異なる媒体の配置は、混合されていない糖衣模倣吸着媒体(すなわち、陰イオン媒体)を固体基質の流体入口及び/又は流体出口領域に配置することであり、任意には、混合領域は、入口と カチオン性媒体などの出口領域との間に介在する他の材料を含む。繊維形態の媒体の場合、混合織布、編物、又は不織布構造は、混合繊維から布を形成するために、繊維産業でよく知られている方法によって調製することができる。いくつかの実施形態によれば、糸は、異なる表面化学を有する2つ以上の繊維から作られたより細いマルチフィラメント糸又はモノフィラメントから調製され、一方の繊維タイプは、接触時に血液凝固を積極的に防止する表面を含む。 次に、この混合繊維糸を使用して、サンプル(血液など)が接触するのに適した布地を調製することができる。
糖衣模倣吸着媒体の固体基質は、吸着剤で修飾、官能化、コーティングなどされ、ここで吸着剤は、少なくとも1つのグリコサミノグリカン(GAG)鎖を含むグリコサミノグリカン混合物である。いくつかの実施形態によれば、糖衣模倣吸着媒体の固体基質は、グリコサミノグリカン吸着剤で修飾、官能化、コーティングなどされ、ここで、吸着剤は、少なくとも1つのグリコサミノグリカン(GAG)鎖、及び任意には、1つ又は複数のプロテオグリカンコアタンパク質を含むグリコサミノグリカン混合物である。いくつかの実施形態によれば、糖鎖模倣吸着媒体の固体基質は、グリコサミノグリカン吸着剤で修飾、官能化、コーティングなどされ、ここで、吸着剤は、ヘパリン、ヘパラン硫酸、及びそれらの混合物を含むグリコサミノグリカン混合物である。いくつかの実施形態によれば、グリコサミノグリカン混合物吸着剤は、任意には、以下の1つ以上をさらに含む:コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、シアル酸/シアル化グリカン、及び/又はヒアルロン酸。 いくつかの実施形態によれば、グリコサミノグリカン混合物は、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、シアル酸、シアル化グリカン、及びヒアルロン酸を含む。いくつかの実施形態によれば、グリコサミノグリカン混合物は、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、シアル酸、及びヒアルロン酸を含む。 いくつかの実施形態によれば、グリコサミノグリカン混合物は、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、シアリル化グリカン、及びヒアルロン酸を含む。いくつかの実施形態によれば、グリコサミノグリカン混合物は、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、及びヒアルロン酸を含む。 いくつかの実施形態によれば、グリコサミノグリカン混合物は、本質的に、ヘパラン硫酸、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、及びヒアルロン酸から成る。いくつかの実施形態によれば、糖衣模倣吸着媒体の固体基質は、吸着剤で修飾、官能化、コーティングなどされここで、吸着剤は、約30%~約98%w / wのヘパラン硫酸及び、任意には、以下の1つ又は複数を含むグリコサミノグリカン混合物である:約0.1%~約50%w / wのコンドロイチン硫酸、約0.1%~約50%w / wのデルマタン硫酸、約0.001%~約40%w / wのケラタン硫酸、及び/又は約0.1%~約60%w / wヒアルロン酸。いくつかの実施形態によれば、グリコサミノグリカン混合物は、約30%~約98%w / wのヘパラン硫酸、約0.1%~約50%w / wのコンドロイチン硫酸、約0.1%~約50%w / wのデルマタン硫酸、約0.001%~約40%w / wの硫酸ケラタン、及び約0.1%~約60%w / wのヒアルロン酸を含む。
いくつかの実施形態によれば、吸着剤は100%ヘパリンである。 特定の側面によれば、吸着剤は100%ヘパラン硫酸である。 特定の側面によれば、吸着剤は、99%~1%のヘパリン及び1%~99%のヘパラン硫酸である。
いくつかの実施形態によれば、約30%~約98%w / wのヘパラン硫酸を含むグリコサミノグリカン吸着剤はまた、ヘパリンを含み得る。 特定の場合、ヘパリンは、その任意のパーセンテージでヘパラン硫酸の代わりに使用又は置換され得る。例えば、グリコサミノグリカン混合物(すなわち、糖衣模倣吸着媒体のグリコサミノグリカン吸着剤)は、50%w / wのヘパラン硫酸を含む場合、任意の量のHS(例えば、約1%~50%、又は 25%~50%、又は50%など)はヘパリンで置換され得る。従って、特定の場合、吸着媒体は、ヘパラン硫酸の代わりに、約30%~約98%w / wのヘパリンを含む。 いくつかの実施形態によれば、吸着媒体は、約30%~約98%w / wのヘパリン-ヘパラン硫酸混合物を含む。いくつかの実施形態によれば、ヘパリンポリマーは、例えば、約16、17、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、44、48、50、52、56、又は約60の反復二糖単位などの約15~約60の反復二糖単位を含む。 いくつかの実施形態によれば、ヘパリンポリマーは、約10kDa~約35kDaの範囲内、例えば、約11kDa、又は約12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、又は約34kDaの平均分子量を有する。
いくつかの実施形態によれば、グリコサミノグリカン吸着剤は、グリコサミノグリカン混合物のGAG鎖が共有結合している1つ又は複数のプロテオグリカンコアタンパク質を含むことができる。 あるいは、またはさらに、グリコサミノグリカン吸着剤は、1つ又は複数のプロテオグリカンコアタンパク質及びグリコサミノグリカン混合物のGAG鎖を含むことができ、ここで、GAG鎖は、1つ又は複数のタンパク質に共有結合していない。1つ又は複数のコアタンパク質は、シンデカン、グリピカン、パーレカン、バーシカン、デコリン、ビグリカン、ミメカン、又はそれらの組み合わせであり得る。 グリコサミノグリカン混合物吸着剤は、約0.001%~約50%w / wの1つ又は複数のコアタンパク質を有することができる。いくつかの実施形態によれば、グリコサミノグリカン混合物に含まれる1つ以上のコアタンパク質の量は、約0.001%~約30%w/w、又は約0.001%~約5%w/w、約0.05%~約10%w/w、約1%~約15%w/w、又は約5%~約20%w/wの範囲である。いくつかの実施形態によれば、グリコサミノグリカン混合物に含まれる1つ以上のコアタンパク質の量は、約0.0015%w / w、又は約0.002%、0.0025%、0.005%、0.0075%、0.01%、0.025%、0.05%、0.075%、0.1%、0.25%、0.5%、0.75%、1.0%、1.25%、1.5%、2.0%、3.0%、4.0%、5.0%、6.0%、7.0%、8.0%、9.0%、10.0%、12.0 %、14.0%、15.0%、18.0%、20.0%、22.0%、24.0%、又は約25.0%w/wである。従って、いくつかの実施形態によれば、糖衣模倣吸着媒体固体基質の吸着剤は、任意には、シンデカン、グリピカン、パーレカン、バーシカン、デコリン、ビグリカン、ミメカン、又はそれらの組み合わせから成る群から選択される1つ以上のコアタンパク質を、約0.001%~約50%w/wの範囲の量で、約30%~約98%w/wのヘパラン硫酸及び以下の1つ又は複数に加えて含む:約0.1%~約50%w/wのコンドロイチン硫酸; 約0.1%~約50%w/wのデルマタン硫酸; 約0.001%~約40%w/wのケラタン硫酸; 及び約0.1%~約60%w/wのヒアルロン酸。いくつかの実施形態によれば、グリコサミノグリカン吸着剤は、1つ以上のコアタンパク質を含まない。
いくつかの実施形態によれば、吸着剤のヘパラン硫酸ポリマーは、約20~約250の反復二糖単位を含む。いくつかの実施形態によれば、ヘパラン硫酸ポリマーは、約20の反復二糖単位、又は約25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、又は約250の反復二糖単位を含む。いくつかの実施形態によれば、グリコサミノグリカン吸着剤のヘパラン硫酸ポリマーは、約22~約240の反復二糖単位を含む。いくつかの実施形態によれば、グリコサミノグリカン吸着剤のヘパラン硫酸ポリマーは、約24の反復二糖単位、約60の反復二糖単位、約80の反復二糖単位、約120の反復二糖単位、又は約240の反復二糖単位を含む。
いくつかの実施形態によれば、吸着剤のヘパラン硫酸ポリマーは、約10kDa~約100kDaの範囲内の平均分子量を有する。 いくつかの実施形態によれば、ヘパラン硫酸ポリマーの平均分子量は、約10kDa、又は約15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、 90、95、又は約100kDaである。いくつかの実施形態によれば、グリコサミノグリカン吸着剤のヘパラン硫酸ポリマーは、約10kDa~約98kDaの平均分子量を有する。 いくつかの実施形態によれば、吸着剤のヘパラン硫酸ポリマーは、約12kDa、約35kDa、約50kDa、又は約85kDaの平均分子量を有する。
いくつかの実施形態によれば、糖衣模倣吸着媒体の吸着剤固体基質に含まれるヘパラン硫酸の量は、約40%~約96%w / wの範囲である。 いくつかの実施形態によれば、吸着剤のヘパラン硫酸の量は、約40%w / w、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、又は約96%w / wである。いくつかの実施形態によれば、吸着剤のヘパラン硫酸の量は、約50%~約90%w / wの範囲である。 いくつかの実施形態によれば、吸着剤のヘパラン硫酸の量は、約55%~約85%w / wの範囲である。
いくつかの実施形態によれば、吸着剤のコンドロイチン硫酸ポリマーは、約4~約155の反復二糖単位を含む。 いくつかの実施形態によれば、コンドロイチン硫酸ポリマーは、約6の反復二糖単位、又は約8、10、12、15、18、20、22、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、又は約155の反復二糖単位を含む。いくつかの実施形態によれば、グリコサミノグリカン吸着剤のコンドロイチン硫酸ポリマーは、約4~約152の反復二糖単位を含む。 いくつかの実施形態によれば、グリコサミノグリカン吸着剤のコンドロイチン硫酸ポリマーは、約4つの反復二糖単位、約50の反復二糖単位、約54の反復二糖単位、約110の反復二糖単位、または約148の反復二糖単位を含む。
いくつかの実施形態によれば、吸着剤のコンドロイチン硫酸ポリマーは、約2kDa~約70kDaの範囲内の平均分子量を有する。 いくつかの実施形態によれば、コンドロイチン硫酸ポリマーの平均分子量は、約4kDa、又は約6、8、10、12、14、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、 65、又は約70kDaである。 いくつかの実施形態によれば、グリコサミノグリカン吸着剤のコンドロイチン硫酸ポリマーは、約2kDa~約68kDaの平均分子量を有する。 いくつかの実施形態によれば、吸着剤のコンドロイチン硫酸ポリマーは、約2kDa、約25kDa、約50kDa、又は約70kDaの平均分子量を有する。
いくつかの実施形態によれば、糖衣模倣吸着媒体の吸着剤固体基質に含まれるコンドロイチン硫酸の量は、約5%~約30%w / wの範囲である。 いくつかの実施形態によれば、吸着剤のコンドロイチン硫酸の量は、約5%w/w、約7%w/w、約10%w/w、約12%w/w、約15%w/w、約18%w/w、約20%w/w、 約22%w/w、約25%w/w、約27%w/w、又は約30%w/wである。いくつかの実施形態によれば、吸着剤のコンドロイチン硫酸の量は、約10%~約24%w/wの範囲である。 いくつかの実施形態によれば、吸着剤のコンドロイチン硫酸の量は、約12%~約22%w/wの範囲である。
いくつかの実施形態によれば、糖衣模倣吸着媒体の吸着剤固体基質のヘパラン硫酸対コンドロイチン硫酸の比は、約10:1~約1:10の範囲であり得る。 いくつかの実施形態によれば、ヘパラン硫酸対コンドロイチン硫酸の比は、約8:1~約1:8、約6:1~約1:6、又は約4:1~約1:4の範囲であり得る。いくつかの実施形態によれば、ヘパラン硫酸とコンドロイチン硫酸との比は、約5:1、5:2、5:3、5:4、5:5、4:5、3:5、2:5、又は約1:5であり得る。いくつかの実施形態によれば、ヘパラン硫酸とコンドロイチン硫酸との比は、約4:1、2:1、4:3、1:1、3:4、1:2、又は約1:4であり得る。 いくつかの実施形態によれば、ヘパラン硫酸とコンドロイチン硫酸との比は、約6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、又は約1:1であり得る。 いくつかの実施形態によれば、ヘパラン硫酸とコンドロイチン硫酸の比は約4:1である。
いくつかの実施形態によれば、吸着剤のデルマタン硫酸ポリマーは、約20~約155の反復二糖単位を含む。 いくつかの実施形態によれば、デルマタン硫酸ポリマーは、約20の反復二糖単位、又は約22、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、又は約155の反復二糖単位を含む。いくつかの実施形態によれば、グリコサミノグリカン吸着剤のデルマタン硫酸ポリマーは、約22~約152の反復二糖単位を含む。 いくつかの実施形態によれば、グリコサミノグリカン吸着剤のデルマタン硫酸ポリマーは、約22の反復二糖単位、約36の反復二糖単位、約60の反復二糖単位、約65の反復二糖単位、約110の反復二糖単位、又は約148の反復二糖単位を含む。
いくつかの実施形態によれば、吸着剤のデルマタン硫酸ポリマーは、約10kDa~約70kDaの範囲内の平均分子量を有する。 いくつかの実施形態によれば、デルマタン硫酸ポリマーの平均分子量は、約10kDa、又は約12、14、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、又は約70kDaである。 。 いくつかの実施形態によれば、グリコサミノグリカン吸着剤のデルマタン硫酸ポリマーは、約10kDa~約68kDaの平均分子量を有する。 いくつかの実施形態によれば、吸着剤のデルマタン硫酸ポリマーは、約10kDa、約30kDa、約52kDa、又は約70kDaの平均分子量を有する。
いくつかの実施形態によれば、糖衣模倣吸着媒体の吸着剤固体基質に含まれるデルマタン硫酸の量は、約1%~約25%w / wの範囲である。 いくつかの実施形態によれば、吸着剤のデルマタン硫酸の量は、約1%、約3%、約5%、約7%、約10%、約12%、約15%、約18%、約20%、約 22%、又は約25%w / wである。 いくつかの実施形態によれば、吸着剤のデルマタン硫酸の量は、約4%~約22%w / wの範囲である。 いくつかの実施形態によれば、吸着剤のデルマタン硫酸の量は、約7%~約18%w / wの範囲である。
いくつかの実施形態によれば、吸着剤のケラタン硫酸ポリマーは、約10~約70の反復二糖単位を含む。 いくつかの実施形態によれば、ケラタン硫酸ポリマーは、約10の反復二糖単位、又は約11、12、13、14、15、18、20、22、25、30、35、40、45、50、55、60、65又は約70の反復二糖単位を含む。 いくつかの実施形態によれば、グリコサミノグリカン吸着剤のケラタン硫酸ポリマーは、約10~約68の反復二糖単位を含む。いくつかの実施形態によれば、グリコサミノグリカン吸着剤のケラタン硫酸ポリマーは、約11の反復二糖単位、約35の反復二糖単位、約40の反復二糖単位、約56の反復二糖単位、又は約67の反復二糖単位を含む。
いくつかの実施形態によれば、吸着剤のケラタン硫酸ポリマーは、約5kDa~約30kDaの範囲内の平均分子量を有する。 いくつかの実施形態によれば、ケラタン硫酸ポリマーの平均分子量は、約5kDa、又は約6、8、10、12、14、15、16、18、20、22、24、25、26、28、又は約 30kDaである。 いくつかの実施形態によれば、グリコサミノグリカン吸着剤のケラタン硫酸ポリマーは、約5kDa~約28kDaの平均分子量を有する。 いくつかの実施形態によれば、吸着剤のケラタン硫酸ポリマーは、約5kDa、約25kDa、約50kDa、又は約70kDaの平均分子量を有する。
いくつかの実施形態によれば、糖衣模倣吸着媒体の吸着剤固体基質に含まれるケラタン硫酸の量は、約0.01%~約20%w / wの範囲である。 いくつかの実施形態によれば、吸着剤のケラタン硫酸の量は、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約5%、約6%、約 8%、約10%、約12%、約14%、約15%、約16%、約18%、又は約20%w/wである。 いくつかの実施形態によれば、吸着剤のケラタン硫酸の量は、約0.5%~約15%w / wの範囲である。 いくつかの実施形態によれば、吸着剤のケラタン硫酸の量は、約1%~約5%w / wの範囲である。
いくつかの実施形態によれば、吸着剤のヒアルロン酸ポリマーは、約10~約100,000の反復二糖単位を含む。 いくつかの実施形態によれば、ヒアルロン酸ポリマーは、約10の反復二糖単位、又は約25、50、75、100、500、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000、8500、9000、10,000、12,000、15,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、55,000、60,000、65,000、70,000、75,000、80,000、85,000、90,000、95,000、又は 約100,000の反復二糖単位を含む。いくつかの実施形態によれば、グリコサミノグリカン吸着剤のヒアルロン酸ポリマーは、約10~約90,000の反復二糖単位、又は約40~約80,000の反復二糖単位、約60~約70,000、約80~約60,000、 100~約50,000、約150~約40,000、約200~約30,000、約250~約20,000、約300~約10,000、約350~約9,000、約400~約8,000、約450~ 約7,000~約500~約6000、約550~約5000、約600~約4000、約650~約3000、約700~約2000、または約750~約1,000の反復二糖単位を含む。いくつかの実施形態によれば、グリコサミノグリカン吸着剤のヒアルロン酸ポリマーは、約11の反復二糖単位、約1200の反復二糖単位、約2200の反復二糖単位、約4100の反復二糖単位、約7900の反復二糖単位、約12,300の反復二糖単位、 21,100の反復二糖単位、約55,400の反復二糖単位、又は約98,700の反復二糖単位を含む。
いくつかの実施形態によれば、吸着剤のヒアルロン酸ポリマーは、約4kDa~約40,000kDaの範囲内の平均分子量を有する。 いくつかの実施形態によれば、ヒアルロン酸ポリマーの平均分子量は、約5kDa、又は約15、20、25、50、75、100、500、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、 5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000、8500、9000、10,000、12,000、15,000、20,000、25,000、30,000、35,000、又は約40,000kDaである。いくつかの実施形態によれば、グリコサミノグリカン吸着剤のヒアルロン酸ポリマーは、約5kDa~約38,000kDa、又は約10~約36,000kDa、約12~約35,000、約18~約32,000、約28~約30,000、約35~約28,000、約42~約25,000、約46~約22,000、約52~約18,000、約64~約14,000、約78~約11,000、 約120~約9500、約180~約8000、約320~約5500、約460~約3500、約570~約2200、約630~約1800、又は約800~約1000kDaの平均分子量を有する。いくつかの実施形態によれば、吸着剤のヒアルロン酸ポリマーは、約4kDa、約890kDa、約1340kDa、約3000kDa、約5900kDa、約8000kDa、約11,900kDa、ま他は約34,000kDaの平均分子量を有する。
いくつかの実施形態によれば、糖衣模倣吸着媒体の吸着剤固体基質に含まれるヒアルロン酸の量は、約5%~約50%w / wの範囲である。 いくつかの実施形態によれば、吸着剤のヒアルロン酸の量は、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、又は 約50%w / wである。 いくつかの実施形態によれば、吸着剤のヒアルロン酸の量は、約8%~約50%w / wの範囲である。 いくつかの実施形態によれば、吸着剤のヒアルロン酸の量は、約10%~約50%w / wの範囲である。
いくつかの実施形態によれば、糖鎖模倣吸着媒体固体基質の吸着剤は、約40%~約96%w / wのヘパラン硫酸、約5%~約30%w / wのコンドロイチン硫酸、約1%~25%w / wのデルマタン硫酸、約0.01%~約20%w / wのケラタン硫酸、及び約5%~約50%w / wのヒアルロン酸を含む。いくつかの実施形態によれば、吸着剤は、約50%~約90%w / wのヘパラン硫酸、約10%~約24%w / wのコンドロイチン硫酸、約4%~約22%w / wのデルマタン硫酸、約0.5%から約15%w / wのケラタン硫酸、及び約8%~約50%w / wのヒアルロン酸を含む。
特定の側面においては、糖衣模倣吸着媒体固体基質の吸着剤は、シンデカン、グリピカン、パーレカン、バーシカン、デコリン、ビグリカン、ミメカン、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される、約0.001%~約30%w / wの範囲の量での1つ以上のコアタンパク質; 約30%~約96%w / wのヘパラン硫酸; 約0.1%~約30%w / wのコンドロイチン硫酸; 約0.1%~約25%w / wのデルマタン硫酸; 約0.001%~約20%w / wのケラタン硫酸; そして約0.1%~約50%w / wのヒアルロン酸を含む。
プロテオグリカンのグリコサミノグリカン/コアタンパク質は、単一の共有結合エンドポイント結合(例えば、HS(及び/又はHep)、CS、DS、KS、及びHA分子の末端残基を介した共有結合)によって吸着媒体の表面に結合することができる。非共有結合又は多点結合と比較して、結合される分子の末端基での単一の共有結合は、それらの表面密度を最大化しながら、固定化された分子の配向のより良い制御を有利に提供する。いくつかの実施形態によれば、これらの長鎖炭水化物のエンドポイント付着は、サンプル接触及び/又は分析物結合に利用可能なGAG鎖上のアクセス可能な位置のより高い濃度をもたらすブラシタイプの分子表面構造を提供する。 いくつかの実施形態によれば、全長GAG鎖は、基質表面をコーティングするためのグリコサミノグリカン吸着剤において使用される。 いくつかの実施形態によれば、断片化されたGAG鎖は、基質表面をコーティングするためのグリコサミノグリカン吸着剤において使用される。
固体基質へのGAG /コアタンパク質の共有結合は、非共有結合と比較して、固定化分子の表面密度や配向などのパラメーターの制御を提供し、固定化分子へのサンプル接触と吸着質結合を提供する。いくつかの実施形態によれば、固体基質上の吸着剤の表面濃度は、0.01~約0.5μg / cm 2の範囲、例えば、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19又は0.2μg/ cm2である。他の実施形態によれば、固体基質上の吸収剤の表面濃度は、0.001~2.0μg / cm 2の範囲である。 別の実施形態によれば、固体基質上の吸収剤の表面濃度は、0.005~0.5μg / cm 2の範囲にある。
いくつかの実施形態によれば、固体基質上の吸着剤の表面濃度は、1μg/cm 2~20μg/cm 2の範囲、例えば、1μg/cm 2、2μg/cm 2、3μg/cm 2、4μg/cm 2、5μg/cm 2、6μg / cm 2、7μg /cm 2、8μg /cm 2、9μg /cm 2、10μg / cm 2、11μg /cm 2、12μg /cm 2、13μg /cm 2、14μg /cm 2 、15μg/cm 2、16μg /cm 2、17μg /cm 2、18μg /cm 2、19μg /cm 2、及び20μg/cm 2である。他の実施形態によれば、固体基質上の吸着剤の表面濃度は、5μg /cm 2~15μg /cm 2の範囲、例えば、5μg /cm 2、6μg /cm 2、7μg /cm 2、8μg /cm 2、9μg /cm 2、10μg /cm 2、11μg /cm 2、12μg /cm 2、13μg /cm 2、14μg /cm 2、及び15μg /cm 2である。
いくつかの実施形態によれば、GAG及び/又はコアタンパク質は、還元的アミノ化によって、アミノ化ビーズなどのアミノ化された基質上の第一級アミンに還元的に結合される。GAG鎖の還元末端のオープンアルデヒド型をビーズにカップリングすると、安定した第二級アミンが得られます。反応性アミンを有するGAG鎖の非還元末端は、アルデヒド官能基を有する中間体を有するビーズに結合することができる。 例えば、吸着剤は、(a)アミノ化された基質をマンノースを含む水溶液と接触させてシッフ塩基中間体を形成し、そして(b)シッフ塩基を還元剤と接触させてGAGを付着させることによって、アミン含有基質に付着される。 GAGは、酸性水溶液などの水溶液に溶解することができる。 GAG水溶液は、アミノ化ビーズなどのアミノ化基質と接触させられる。シッフ塩基が生成される。 その後、シッフ塩基は還元剤で還元される。 還元剤は、例えば、シアノ水素化ホウ素ナトリウム又は水素化ホウ素ナトリウムであり得る。 特定の場合、固体基質は、反応性一級アミンを有するプロテオグリカンのコアタンパク質と反応させることができるアルデヒド活性化ビーズであり得る。
いくつかの実施形態によれば、表面への全長GAG分子の共有結合は、GAG分子のアルデヒド基と吸着媒体の表面に存在する一級アミノ基との反応によって達成することができる。 全ての炭水化物の固有の特性は、それらが還元末端にヘミアセタールを持っていることである。 このアセタールはアルデヒド型と平衡状態にあり、第一級アミンとシッフ塩基を形成する可能性がある。これらのシッフ塩基は、安定した第二級アミンに還元される可能性がある。 いくつかの実施形態によれば、全長GAG分子は、共有結合によって固体基質上に表面固定化される。 他の実施形態によれば、全長GAGは、安定な二級アミノ基を介して前記吸着媒体に共有結合される。
特定の場合、吸着剤で固体基質をコーティングする様々な方法が、米国特許第8,663,148号及び第8,758,286号; 及び米国特許出願公開番号2009 / 0136586、2012 / 0305482、及び米国特許第2014/231357号に開示されており、これらの開示は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態によれば、糖衣模倣吸着媒体の固体基質は、複数の固体ビーズ又は粒子の形態であり得る。 ビーズは、遭遇する流量及び圧力下での変形又は圧縮に抵抗するように十分に剛性である材料で作ることができる。いくつかの実施形態によれば、十分な基質剛性は、典型的な臨床流量で約1時間の水又は生理食塩水の流れの間に吸着床を横切る圧力降下の有意な増加をもたらさない剛性として定義される。例えば、適切な基質剛性は、例えば生理食塩水の同様の流量で測定された場合、初期圧力降下(例えば、流れの最初の1分以内に測定される)と比較して10~50%未満の圧力降下の増加をもたらすであろう。
固体基質のサイズは、処理するサンプルの量やその他のパラメータに応じて選択できる。いくつかの実施形態によれば、複数の剛性ポリマービーズの各ビーズは、約1μm~約1mm、例えば、1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9 μm、10 μm、15 μm、20 μm、25 μm、30 μm、35 μm、45 μm、55 μm、60 μm、65 μm、70 μm、75 μm、80 μm、85 μm、90 μm 、95 μm、100 μm、200 μm、300 μm、400 μm、500 μm、600 μm、700 μm、800 μm、900 μm、又は1mmの平均外径を有する。例えば、平均直径が300μmであるDSM Biomedical(カリフォルニア州バークレー)からのポリエチレンビーズは、本明細書に開示される方法及び装置に適している。他の実施形態によれば、複数の剛性ポリマービーズの各ビーズは、約10μm~約200μm、例えば、10μm、15μm、20μm、25μm、30μm、35μm、45μm、55μm、60 μm、65 μm、70 μm、75 μm、80 μm、85 μm、90 μm、95 μm、100 μm、105 μm、110 μm、115 μm、120 μm、125 μm、130 μm、135 μm、 140 μm、145 μm、150 μm、155 μm、160 μm、165 μm、170 μm、175 μm、180 μm、185 μm、190 μm 、195 μm、200 μm以上の平均直径を有する。 一般的に、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、又は200μmなどの20~200μmの範囲の粒子サイズが有用であるが、高流量のアプリケーションでは、より大きな粒子が必要になる場合がある。特定の場合、120μm以下のサイズの粒子が血漿及び血清とともに使用されることが好ましい。
そのようなビーズを作製するための方法は当技術分野で知られている。 例えば、適切なポリエチレンビーズ及び他のポリオレフィンビーズは、特定の合成工程中に直接製造される。 場合によっては、ビーズは必要なサイズと形状に加工される。 他のポリマーは、粉砕又は噴霧乾燥して分類するか、あるいは処理して、所望のサイズ分布及び形状のビーズを作成する必要がある場合がある。
ビーズは、化学的又は物理的手段のいずれかによってモノリシック多孔質構造に焼結することができる。 ポリエチレンビーズは、カートリッジ内でビーズを溶融温度以上に加熱し、圧力を加えることで焼結できる。 結果として生じる格子間細孔サイズは、同じサイズの非焼結ビーズの充填層の格子間細孔サイズからわずかに減少します。 この減少は経験的に決定することができ、所望の最終的な間質孔サイズを生成するために使用することができます。
固体基質は、1つ又は複数の中空又は固体繊維を含み得る。 固体基質が中空繊維を含む本発明の装置の実施形態によれば、中空繊維は、好ましくは、ポリスルホン、ポリフルオロカーボン、ポリアミド、ポリニトリル、ポリプロピレン、架橋アルギン酸塩、及びセルロースからなる群から選択される材料を含み得る。 医療用途の中空繊維で一般的に使用される他の材料も使用することができる。 中空繊維は、好ましくは、ポリスルホンを含み得る。
固体基質のサイズと多孔性は、装置上で許容可能な圧力降下で装置を通過する適切な血流量を可能にするように、各用途又は治療に対して選択する必要があります。 高い血流量と低い圧力損失を必要とする特定の用途では、より大きな直径の粒子、細孔、中空繊維、又はその他の固体基質が必要である。 高い血流速度及び低い圧力降下を必要としない他の用途では、より小さな直径の粒子、細孔、中空繊維又は他の固体基質を使用することができる。固体基質が中空繊維の形態で存在する本開示の一実施形態によれば、繊維の内径は、1μm~1000μmの範囲、例えば、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900又は1000μmであり得る。 一般に、20~200μmの範囲の内径が有用であるが、特定の用途では、より大きな又はより小さな直径の繊維を使用することができる。
前述のように、本開示の糖衣模倣吸着媒体は、天然に存在する完全に機能する糖衣バリアと同様に機能するように設計されている。 従って、糖衣模倣吸着媒体は、損傷した糖衣バリアの糖衣機能を保護及び/又は維持するための内皮表面層として作用する。言い換えれば、糖衣模倣吸着媒体で障害のある糖衣バリア機能を増強することは、障害のある糖衣バリア機能を増強及び/又は回復するだけでなく、糖衣模倣吸着媒体は、増強及び/又は回復した糖衣バリア機能を保護及び/又は維持する。 糖衣バリア機能を増強、強化、回復、保護、及び/又は維持することに加えて、糖衣模倣吸着媒体は、糖衣バリア機能不全を引き起こす吸着物に結合することができる。 従って、糖衣バリア機能の障害を患っている対象から得られたサンプルは、接触すると糖衣模倣吸着媒体に結合する吸着物を含み、従ってサンプルから除去され、それによって処理されたサンプルを形成する。いくつかの実施形態によれば、糖衣模倣吸着媒体は、サンプルから吸着物を除去し、それによってサンプルを処理し、ここで、前記吸着物は、リンホカイン、インターフェロン、ケモカイン、エキソトキシン、エンドトキシン、超大型フォンウィルブランド因子(ULVWF)、ヒストン、 エクソソーム、マイクロベシクル、サイトカイン、腫瘍壊死因子(TNF)-α、細菌性リポ多糖(LPS)、低密度リポタンパク質(LDL)、及びヘパリン結合タンパク質(HBP)を含む群から選択される。
HBPは臓器機能障害の初期マーカーである。 活性化された好中球から放出されるヘパリン結合タンパク質(HBP)は、血管漏出の強力な誘導因子である。 HBPの血漿レベルは、重症敗血症の早期診断マーカーとして使用できる。 言い換えれば、HBPの高い血漿レベルは、循環虚脱を伴う敗血症を発症する差し迫ったリスクのある患者を特定するのに役立っている。 (Linder、A et al。、ClinInfectDis。2009Oct1; 49(7):1044-50を参照のこと)。
いくつかの実施形態によれば、糖衣模倣吸着媒体は、処理前のサンプルの吸着質含有量(例えば、量、レベルなど)と比較して、少なくとも1つの吸着物の含有量(例えば、量、レベルなど)を約5%~約100%減少させる。いくつかの実施形態によれば、糖衣模倣吸着媒体は、少なくとも1つの吸着質の含有量を、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%減少させる。 少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%>、少なくとも97%>、少なくとも98%>、少なくとも99%>、又はそれ以上 、処理前のサンプルの吸着物含有量と比較して、低める。いくつかの実施形態によれば、糖衣模倣吸着媒体は、処理前のサンプルの吸着物含有量と比較して、少なくとも1つの吸着物の含有量を約10%~約100%減少させる。吸着物のレベルの低下は、吸着質(タンパク質)の活性(例えば、細胞外マトリックス成分の分解)を速定することによって、転写物(例えば、定量的ポリメラーゼ連鎖反応)又は吸着質(タンパク質)を、直接的に(例えば、免疫ブロット、酵素結合免疫測定法)又は間接的に検出するための当技術分野で知られている方法を使用して検出され得る。
いくつかの実施形態によれば、糖衣模倣吸着培地は、リンホカイン、インターフェロン、ケモカイン、エキソトキシン、エンドトキシン、超大型フォンウィルブランド因子(ULVWF)、ヒストン、エキソソーム、微小胞、サイトカイン、腫瘍壊死因子(TNF)-α、細菌性リポ多糖(LPS)、低密度リポタンパク質(LDL)、及びヘパリン結合タンパク質(HBP)を含む群から選択される少なくとも1つの吸着物の含有量を、治療前のサンプルの吸着物含有量と比較して約10%~約100%低める。いくつかの実施形態によれば、糖衣模倣吸着媒体は、超大型フォンウィルブランド因子(ULVWF)、ヒストン、エクソソーム、微小胞、サイトカイン、腫瘍壊死因子(TNF)-α、細菌性リポ多糖(LPS)、低密度リポタンパク質(LDL)、ヘパリン結合タンパク質(HBP)、又はそれらの組み合わせの含有量を、処理前のサンプルの吸着物含有量と比較して、約10%~約100%低める。いくつかの実施形態によれば、糖衣模倣吸着媒体は、腫瘍壊死因子(TNF)-α、細菌性リポ多糖(LPS)、低密度リポタンパク質(LDL)、ヘパリン結合タンパク質(HBP)、又はそれらの組み合わせの含有量を、処理前のサンプルの吸着物含有量と比較して、約10%~約100%低める。いくつかの実施形態によれば、糖衣模倣吸着媒体は、治療前のサンプルの腫瘍壊死因子(TNF)-α含有量と比較して、腫瘍壊死因子(TNF)-アルファの含有量を約10%~約100%低める。いくつかの実施形態によれば、糖衣模倣吸着媒体は、処理前のサンプルの低密度リポタンパク質(LDL)含有量と比較して、低密度リポタンパク質(LDL)の含有量を約10%~約100%低める。いくつかの実施形態によれば、糖衣模倣吸着媒体は、処理前のサンプルのヘパリン結合タンパク質(HBP)含有量と比較して、ヘパリン結合タンパク質(HBP)の含有量を約10%~約100%低める。
また、本明細書では、それを必要とする対象における糖衣バリア機能の障害に関連する状態を治療するための方法が提供され、この方法は、対象からのサンプルを糖衣模倣吸着媒体と接触させて、(a)障害のある糖衣バリア機能を増強及び/又は回復しそして/又は(b)少なくとも1つの吸着物を除去し; 処理されたサンプルを対象に注入し、それにより、糖衣バリア機能の障害に関連する状態を治療ことを含む。いくつかの実施形態によれば、糖衣バリア機能の障害に関連する状態は、毛細血管漏出症候群、浮腫形成、炎症、血小板過凝集、凝固亢進、血管反応性の喪失、敗血症、臓器不全、アテローム性動脈硬化症、及び糖尿病から成る群から選択される。
本明細書に記載の方法に従って治療される状態の1つの特定の例は、敗血症である。 敗血症は、多臓器不全の原因となる微小循環に可逆的又は不可逆的な損傷を引き起こす血管内及び血管外感染に応答する重度の内皮機能障害症候群として定義することができる。 敗血症は、細菌血症(すなわち、血液中の細菌)を含む敗血症(すなわち、生物、それらの代謝最終産物または血流中の毒素)、及び内毒素血症(すなわち、血中の毒素)を含む中毒症(すなわち、血液中の細菌)から生じる可能性がある感染症の潜在的に生命を脅かす合併症である。 敗血症は、内皮細胞と好中球細胞が活性化され、化学物質(すなわち、炎症性メディエーター)が血流に放出されて感染と戦い、全身の炎症反応を引き起こすときに発生する可能性がある。そのような化学物質又は炎症性メディエーター(例えば、リンホカイン、インターフェロン、ケモカイン、エキソトキシン、エンドトキシン、超大型フォンウィルブランド因子(ULVWF)、ヒストン、エキソソーム、微小小胞、サイトカイン、腫瘍壊死因子(TNF)-α、細菌性リポ多糖(LPS)、 低密度リポタンパク質(LDL)及びヘパリン結合タンパク質(HBP))は、体の免疫系が健康な組織を攻撃し、複数の臓器系に損傷を与え、高度に灌流された臓器の多臓器不全につながる一連の変化を誘発する可能性がある。敗血症は敗血症性ショックに進行する可能性があり、そこで血圧が劇的に低下し、死に至る可能性がある。 敗血症性ショックは、毒素が全身の炎症反応を引き起こす可能性がある感染症の合併症として発生する。 敗血症性ショックは、感染後に血圧が危険なほど低いレベルに低下したときに発生する可能性がある。 HBP及びその他の炎症性メディエーターを減少させると、免疫応答が調節され、臓器保存戦略として機能する可能性がある。
フォンウィルブランド因子(VWF)は、血管損傷部位での血小板の接着と凝集を仲介する多量体タンパク質である。 内皮細胞及び血小板のアルファ顆粒内のバイベルパラーデ体に保存されたVWFは、刺激された内皮から高活性超大型VWF多量体(ULVWF)として放出される。 ULVWFは、血小板凝集に有利な血小板に対する親和性が高く、血小板の活性化と微小血管血栓を引き起こす。凝固因子と血小板の同時活性化は、播種性血管内凝固症候群(DIC)を引き起こす可能性があり、臓器機能障害の一因となる可能性もある。 過活性ULVWFは、ADAMTS-13(ディスインテグリン及びトロンボスポンジン1型モチーフを持つメタロプロテアーゼ、メンバー13)として知られる酵素に依存して、その切断を行い、活性の低い形態に変換する。しかしながら、ADAMTS-13活性の低下によるULVWFのタンパク質分解の不足は、血栓性微小血管症(血栓症)及び臓器不全で見られる微小循環に播種性の血小板に富む血栓をもたらす。 ADAMTS-13のレベルの低下は、血栓性血小板減少性紫斑病、肝疾患、悪性腫瘍、全身性エリテマトーデス、播種性血管内凝固症候群、及び重症敗血症で特に見られる。ADAMTS-13欠損症及びULVWFの血漿レベルの上昇は敗血症に関連しており、結果として、糖衣バリアが破壊された内皮細胞の表面に血栓形成性ULVWFが正味蓄積し、病理学的血小板-内皮相互作用が伝播し、他の血栓形成促進性変化と組み合わされる。 敗血症では、微小血管血栓症、血小板消費、播種性血管内凝固症候群、浮腫、及び最終的には多臓器不全の増強に寄与する可能性がある。例えば、Blockmeyer, C.L., et al. Haematologica, 2008, 93, 137-140; Karim, F. et al. BMC Pediatrics, 2013, 13(44), 1-5を参照のこと。従って、患者の血液及び/又は血漿サンプルからULVWF及び他の炎症性メディエーターを除去すると、敗血症、毛細血管漏出症候群、浮腫形成、炎症、血小板過凝集、凝固亢進、血管反応性の喪失、臓器不全、アテローム性動脈硬化症、及び糖尿病などの糖衣バリア機能障害に関連する状態を治療できる。
サンプルを処理した後、処理されたサンプルは、糖衣模倣吸着媒体からサンプルを分離することによって形成することができる。 未処理のサンプルに存在した吸着質は糖衣模倣吸着媒体の一部として残っているため、得られた分離されたサンプルは洗浄された状態になる。 分離は、例えば、糖衣模倣吸着媒体に対するサンプルの移動によって達成することができる。 運動は、例えば、拡散又は強制対流によるものであり得る。いくつかの実施形態によれば、糖衣模倣吸着媒体に対するサンプルの流れは、容積式ポンプ、インパルスポンプ、速度ポンプ、重力ポンプ、又はバルブレスポンプなどのポンプによって駆動される。 いくつかの実施形態によれば、ポンプは遠心ポンプである。 いくつかの実施形態によれば、糖衣模倣吸着媒体に対するサンプルの流れは、対象の心臓活動によって駆動される。
治療上の適応症では、洗浄されたサンプルは、対象への再注入によって戻される。 洗浄されたサンプルは、形成された直後に対象に注入することができる。 洗浄されたサンプルは、対象に注入する前に任意の期間保持することができる。洗浄されたサンプルの形成後及び注入前に、1つ又は複数の成分を添加することができる。 いくつかの実施形態によれば、液体が洗浄されたサンプルに加えられて、その形成後及び注入前にその体積を調整する。注入は、この方法で洗浄された個別の量のサンプルの形で行うことができる。 注入は、連続的又は半連続的な流れの形で行うことができる。 請求された方法で注入することができる洗浄されたサンプルの量は、制限されることを意図されていない。 サンプルが血液を含み、対象への継続的な再循環が採用されている場合、それは1mL未満から1Lを超える範囲であり、患者の全血液量までの範囲である可能性がある。必要に応じて、吸着床を通過する1つ又は複数の「パス」を使用できる。いくつかの実施形態によれば、洗浄されたサンプルは、以下の速度で対象に注入される:約5mL /分、約10mL /分、約15mL /分、約20mL /分、約25mL /分、約30mL /分、約35 mL /分、約40 mL /分、約45 mL /分、約50 mL /分、約60 mL /分、約70 mL /分、約80 mL /分、約90 mL /分、 約100mL /分、約150mL /分、約200mL /分、約250mL /分、約300mL /分、約350mL /分、約400mL /分、約450mL /分、約500 mL /分、約550 mL /分、約600 mL /分、約700 mL /分、約800 mL /分、約900 mL /分、又は約1000 mL /分。
さらに別の実施形態によれば、本開示は、それを必要とする対象における酸素飽和度を改善するための方法を提供する。前記方法は、前記対象からのサンプルと、糖衣模倣吸着媒体とを接触させ、障害のある糖衣バリア機能を増強し、そして/又は回復し、それによりサンプルを処理し;そして処理されたサンプルを、対象中に注入することを含み、ここで前記糖衣模倣吸着媒体は、吸着剤を有する固体基質であり、前記吸着剤は、ヘパリン、ヘパラン硫酸、又はそれらの混合物を含むグルコサミノグルカンである。
通常の動脈血酸素は約75~100ミリメートル水銀(mmHg)です。 60 mmHg未満の値は、通常、酸素補給の必要性を示す。 通常のパルスオキシメータの読み取り値は、通常95~100パーセントの範囲です。 90%未満の値は低いと見なされる。 現在の方法は、低血中酸素レベルを改善して、それらを正常範囲に戻す。 例えば、パルスオキシメータの80~90%の低い範囲は、95~100%に復元される。 同様に、50~60 mmHgの値は75~100 mmHgに復元される。
それを必要とする対象における障害のある糖衣バリア機能を増強するための装置も提供される。 装置は、吸着媒体、サンプルが装置に出入りすることを可能にする流入及び流出ポート、及び実質的にすべての吸着媒体がカートリッジから出るのを防ぐエンドプレートを含むカートリッジによって特徴付けられる。 そのような装置の1つは、2015年9月21日に出願された米国特許出願第14/860,589号に開示されている。
以下の例は、開示を説明するために提供されているが、これに限定されない。
実施例1
実施例1
この実施例は、敗血症の疑いのある個人から血漿サンプル中の超大型VWF(ULVWF)多量体を除去するための、糖衣模倣吸着媒体の使用を示している。
45歳の女性患者が、悪寒、めまい、倦怠感、紅潮、低体温、震えなどの敗血症のような症状の証拠を持って救急科に来院した。 患者の病歴は、膀胱感染症の最近の診断と、ほぼ48時間前にレボフロキサシンを含む経口抗生物質の投与を明らかにしている。検査では、彼女は101.5°Fの温度で熱があり、低血圧(約90mmHgの収縮圧)を持っている。 身体診察では、患者の腎臓の近く、背中の下側の痛み、及び足の発疹が確認されている。細菌性敗血症又は全身性炎症反応症候群の可能性を診断するための敗血症スクリーニングにより、女性患者が実際に敗血症を患っており、ADAMTS-13値が26%(正常の下限である40%未満)であり、ULVWFが存在することが確認されている。 患者の血漿サンプル中の敗血症は、ゲル電気泳動を使用して確認される。例えば、Blockmeyer, C.L., et al. Haematologica, 2008, 93, 137-140を参照のこと。
患者は、最初にカテーテルを介して患者から全血を取得することによって敗血症の治療を受け、本開示のグリコサミノグリカン吸着剤でコーティングされたビーズで構築された治療カートリッジに輸血される。 治療用カートリッジは、グリコサミノグリカン吸着剤でコーティングされたビーズで満たされた密封された300 mLの吸着カラムで構成され、垂直スタンドに固定されている。血漿は、吸着カラム上で反復的に複数回輸血される。 血漿がカラムを通過するたびに、血漿中のULVWF及び他の炎症性メディエーターが吸着媒体に付着し、血漿中のULVWF及び他の炎症性メディエーターの濃度が低下する。 血漿が患者に戻される。 グリコサミノグリカン混合物は、血漿サンプルからULVWFを除去し、敗血症を患っている個人を治療するのに効果的です。
実施例2
実施例2
この実施例は、本開示の方法を使用したヘパリン結合タンパク質(HBP)の除去を示している。
図2A~Bは、ヘパリン化ビーズを使用したHBPの除去を示している。図2A~Bは、HBPのそれぞれ約99.9%(A)及び95%(B)が、ヘパリン化ビーズを使用して除去されたことを示している。 示されるように、負に帯電した対照親水性ビーズ(図2A)は、正に帯電した親水性ビーズ(図2B)よりも多くのHBPを除去した。
実施例3
実施例3
この実施例は、本開示の方法が、様々な病状を有するヒトの酸素飽和度を改善することを示している。
Seraph(登録商標)100Microbind(登録商標)Affinity Blood Filter装置は、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)ビーズが充填された、滅菌済みの使い捨ての使い捨てカラムであり、それらは、非浸出のエンドポイント付着ヘパリンで表面修飾されており、以下の成分及び材料で構成されている:
Seraph(登録商標)100Microbind(登録商標)Affinity Blood Filterの機能メカニズムは次の通りである: Seraph(登録商標)100Microbind(登録商標)Affinity Blood Filter装置は、細菌、ウイルス、毒素、サイトカイン、及び全血からの他の炎症性メディエーターを軽減するように設計された体外の広域スペクトル吸着剤血液灌流装置である。Seraph(登録商標)100Microbind(登録商標)Affinity Blood Filter装置は、血液透析器や血液灌流フィルターなどの他の血液フィルターと非常によく似たフォームファクターを共有するように設計されているため、操作、トレーニング、及びユーティリティを容易にするために業界標準の血液ラインコネクタを使用する血液透析システムと互換性がある。
Seraph(登録商標)100Microbind(登録商標)Affinity Blood Filter装置は、多くの吸着物(病原体、毒素、炎症性メディエーターなど)が表面に結合したヘパリンに対して持つ自然な親和性に依存することにより、意図した性能を実現する。病原体やその他の吸着物を効率的に除去するには、Seraph(登録商標)100Microbind(登録商標)Affinity Blood Filter装置が表面に結合したヘパリンの表面積が大きい必要がある。 これは、ヘパリンでコーティングされた微粒子で装置を充填することによって達成される。
次に、全血がSeraph(登録商標)100Microbind(登録商標)Affinity Blood Filter装置を循環して、病原体と吸着物をヘパリンにさらす。 Seraph 100 Microbind Affinity Blood Filter装置は、親和性吸着を介して病原体や様々な炎症性メディエーターと相互作用する。ヘパリンは、多くの炎症性メディエーター、サイトカイン、及び病原体の化学配列に一致する多くの異なる潜在的な特異的結合部位で構成されている。 細菌、ウイルス、寄生虫などの多くの微生物は、哺乳類細胞の表面にあるヘパラン硫酸受容体(グリコサミノグリカン)に付着する。
以下の研究ではSeraph(登録商標)100Microbind(登録商標)Affinity Blood Filterを使用しているが、表1~8の各製剤(つまり、製剤A~FF)を使用できる。
探索的医療機器の研究では、15人の対象がSeraph(登録商標)100Microbind(登録商標)Affinity Blood Filter(Seraph(登録商標)100)を使用して成功した手順を受けた。 患者の血液がSeraph(登録商標)100Microbind(登録商標)Affinity Blood Filterを流れると、ヘパリンを含むポリエチレン製のマイクロビーズを通過する。対象が研究装置に接続されている間、重篤な有害事象(SAE)は報告されなかった。装置の合併症や予期しない深刻な装置への悪影響は報告されていません。 トレイルの途中で死亡した対象はいなかった。この研究は、平均年齢72.2歳の15人の透析患者で構成された。 治療中、患者はSeraph(登録商標)による治療を約4時間受けた。 治療中のパルスオキシメトリによって測定されるように、酸素飽和度の有意な増加があったことが予想外に観察された。データを図3に示す。データは、患者の血液中の酸素飽和度が正常値に上昇することを明確に示している。
患者の症例1.持続性薬剤耐性S. aureus
70歳の女性患者は、Seraph(登録商標)で5時間治療する前に、少なくとも5日間持続性の薬剤耐性S. aureusに苦しんでいた。 治療中、彼女の血流感染は解消され、彼女の酸素飽和度は96%から100%に増加した。
患者の症例2.重度のS. aureus肺炎
86歳の女性患者は、血液培養が陽性の重度のS. aureus肺炎に苦しんでいた。 彼女はSeraph(登録商標)で6時間治療された。 治療中、装置は最近の血流を取り除き、彼女の酸素飽和度は90%から96%に増加した。
実施例4
70歳の女性患者は、Seraph(登録商標)で5時間治療する前に、少なくとも5日間持続性の薬剤耐性S. aureusに苦しんでいた。 治療中、彼女の血流感染は解消され、彼女の酸素飽和度は96%から100%に増加した。
患者の症例2.重度のS. aureus肺炎
86歳の女性患者は、血液培養が陽性の重度のS. aureus肺炎に苦しんでいた。 彼女はSeraph(登録商標)で6時間治療された。 治療中、装置は最近の血流を取り除き、彼女の酸素飽和度は90%から96%に増加した。
実施例4
この実施例は、本開示の方法が血行力学的安定性を改善することを示している。
COVID-19患者の症例1。
COVID-19患者の症例1。
血行力学的安定性は、安定した血流として説明することができる。 ヒトが血行力学的に安定している場合、それは彼/彼女が安定した心臓ポンプと良好な血液循環を持っていることを意味します。 血行力学的不安定性は、臓器への不十分な動脈血流につながる可能性のある血圧の不安定性として定義される。それは、また、適切な心臓の入出力又は血圧を確保するために、生理学的及び機械的サポートが必要な状態でもある。
COVID-19のほとんどの対象は軽度又は合併症のない病気のみを発症するが、約14%は入院と酸素サポートを必要とする重度の疾患を発症し、5%は集中治療室への入院を必要とする。 重症の場合、COVID-19は、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、敗血症及び敗血症性ショック、急性腎障害及び心臓障害を含む多臓器不全によって複雑化する可能性がある。死亡の危険因子として高齢者と併存疾患が報告されており、高齢者、順次臓器不全評価(Sequential Organ Failure Assessment)(SOFA)スコアが高く、入院時のd-ダイマーが1μg/ Lを超えると死亡率が高くなる。
67歳の患者は、COVID-19関連の急性呼吸窮迫症候群(ARDS)に苦しんでおり、血行力学的ショックを受けていた。 Seraph(登録商標)による治療時、彼のノルエピネフリン投与量は0.3mcg / kg /分で、平均動脈圧を60mmHg以上に維持した。 治療の最初の3時間の間に、彼のノルエピネフリン投与量は0.1 mcg/ kg /分未満に減少し、平均動脈圧(MAPS)は80を超えた。24時間の治療の終わりまでに、ノルエピネフリンは中止され、MAPは安定したままであった。
COVID-19患者の症例2。
COVID-19患者の症例2。
59歳の患者は、COVID-19関連の急性呼吸窮迫症候群(ARDS)に苦しんでおり、昇圧剤とノルエピネフリンの必要量が増加することでショック状態になった。 患者は8時間治療され、ノルエピネフリンの投与量は、MAPが60の場合の0.14mcg/ kg / 分からMAPが80mmHgを超える場合の0.07mcg / kg /分に減少した。 彼の吸気酸素濃度(FiO2)レベルも70%から60%に低下し、肺機能が改善したことを示している。
議論
議論
心筋傷害はCOVID-19患者の死亡率と関連していることがわかっているため、迅速な血行力学的安定化が重要である。 COVID-19患者の治療にSeraph(登録商標)を使用するのはまだ早いため、血行力学的安定化の具体的なメカニズムはまだ調査中である。しかしながら、マイコーディアル細胞の損傷は、ウイルスとの直接的な相互作用、全身性炎症反応、不安定な冠状動脈プラーク、及び悪化した低酸素症によって引き起こされる可能性がある。トロポニンT(TnT)レベルの上昇が結果と相関することが示された。 TnTが上昇すると、C-反応性タンパク質とNT-proBNTも上昇することが分かった。 N-末端プロb-型ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)は炎症マーカーであり、心臓にストレスがかかると生成される。
NT-proBNT又はproBNTレベルは、Seraph(登録商標)で治療された少なくとも2人の患者で監視されている。 データは以下のチャートに要約されている。 全身性ヘパリンがNT-proBNPの分析に干渉しないことを考えると、ヘパリンはNT-proBNPに結合しない可能性がある。 従って、NT-proBNPのメカニズムは不明である。
前述の発明は、理解を明確にする目的で例示及び例としていくらか詳細に説明されてきたが、当業者は、特定の変更及び修正が添付の特許請求の範囲内で実施され得ることを理解するであろう。 さらに、本明細書で提供される各参照は、各参照が参照によって個別に組み込まれた場合と同じ程度に、その全体が参照によって組み込まれる。
Claims (45)
- それを必要とする対象における障害のある糖衣バリア機能を増強するための方法であって、
前記対象からのサンプルと、糖衣模倣吸着媒体とを接触させ、障害のある糖衣バリア機能を増強し、そして/又は回復し、それによりサンプルを処理し;そして
処理されたサンプルを、対象中に注入することを含み、
ここで前記糖衣模倣吸着媒体は、吸着剤を有する固体基質であり、前記吸着剤は、ヘパリン、ヘパラン硫酸、又はそれらの混合物を含むグルコサミノグルカンである、方法。 - 前記吸着剤は、約40%~約96%w/wのヘパラン硫酸及び/又はヘパリン、及び任意には、約5%~約30%w/wのコンドロイチン硫酸、約1%~約25%w/wのデルマタン硫酸、約0.01%~約20%w/wのケラタン硫酸、及び/又は約5%~ 約50%w/wヒアルロン酸の追加の吸着剤のうちの1つ又は複数を含むグルコサミノグルカン混合物である、請求項1に記載の方法。
- 前記糖衣模倣吸着媒体が、血管透過性、白血球の接着、血小板の接着、剪断応力の媒介、及び炎症器の調節から成る群から選択されるメンバーを助ける、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記吸着媒体が、糖衣機能を保護し、そして/又は維持するための内皮表面層として機能する、請求項1~3のいずれか1項記載の方法。
- 前記吸着媒体が、毛細血管漏出症候群、浮腫形成、炎症、血小板凝集亢進、凝固亢進、及び血管反応性の喪失から成る群から選択されるメンバーを減少させる、請求項1~4のいずれか1項記載の方法。
- 前記吸着媒体が、組織の再灌流中の糖衣の脱落を低減する、請求項1~5のいずれか1項記載の方法。
- 前記組織が、冠状動脈バイパス手術中の心臓組織である、請求項6に記載の方法。
- 前記組織が、臓器移植中に灌流される、請求項6に記載の方法。
- 対象の急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を治療する、請求項1~8のいずれか1項記載の方法。
- 対象の酸素飽和度を改善する、請求項1~9のいずれか1項記載の方法。
- 対象の血行力学的安定性を改善する、請求項1~10のいずれか1項記載の方法。
- 前記吸着媒体が、敗血症中の糖衣の脱落を低減する、請求項1~11のいずれか1項記載の方法。
- 前記吸着媒体が、腫瘍壊死因子(TNF)-α及び細菌性リポ多糖(LPS)を除去する、請求項1~12のいずれか1項記載の方法。
- 前記吸着媒体が、臓器不全のリスクを軽減する、請求項1~13のいずれか1項記載の方法。
- 前記吸着媒体が、アテローム性動脈硬化症又は糖尿病に起因する糖衣の脱落を低減する、請求項1~14のいずれか1項記載の方法。
- 前記吸着媒体が、低密度リポタンパク質(LDL)を除去する、請求項1~15のいずれか1項記載の方法。
- 前記吸着媒体が、ヘパリン結合タンパク質(HBP)を結合する、請求項1~16のいずれか1項記載の方法。
- 前記処理されたサンプルが、処理前のサンプルのHBP含有量と比較して、約10%~約100%減少されたHBP含有量を有する、請求項1~17のいずれか1項記載の方法。
- 前記吸着媒体が、外毒素、内毒素、超大型フォンウィルブランド因子(ULVWF)、ヒストン、エクソソーム、微小胞、及びサイトカインから成る群から選択されたメンバーを結合する、請求項1~18のいずれか1項記載の方法。
- 前記サンプルが、全血、血清、血漿から成るメンバーから選択されたメンバーである、請求項1~19のいずれか1項記載の方法。
- 前記サンプルが、全血である、請求項1~20のいずれか1項記載の方法。
- 前記糖衣模倣吸着媒体が、負に帯電される、請求項1~21のいずれか1項記載の方法。
- 前記固体基質が、非毒性、非浸出性の材料を含む、請求項1~22のいずれか1項記載の方法。
- 前記固体基質が、複数の硬質ポリマービーズを含む、請求項1~23のいずれか1項記載の方法。
- 前記硬質ポリマービーズが、ポリウレタン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、又はエチレンと他のモノマーのコポリマー、ポリエチレンイミン、ポリプロピレン、及びポリイソブチレンから成る群から選択される、請求項1~24のいずれか1項記載の方法。
- 前記固体基質が、1つ又は複数の中空繊維を含む、請求項1~25のいずれか1項記載の方法。
- 前記グリコサミノグリカン混合物が、シンデカン、グリピカン、パーレカン、バーシカン、デコリン、ビグリカン、及びミメカンから成る群から選択される少なくとも1つのプロテオグリカンコアタンパク質を含む、請求項1~26のいずれか1項記載の方法。
- それを必要とする対象における障害のある糖衣バリア機能を増強するための装置であって、
糖衣模倣吸着媒体がそこに配置された、第1のエンドプレート及び第2のエンドプレートを有するカートリッジを含み、ここで前記糖衣模倣吸着媒体は、吸着剤を有する固体基質であり、前記吸着剤は、ヘパリン、ヘパラン硫酸、又はそれらの混合物を含むグルコサミノグルカンである、装置。 - 前記吸着剤が、約40%~約96%w/wのヘパラン硫酸及び/又はヘパリン、及び任意には、約5%~約30%w/wのコンドロイチン硫酸、約1%~約25%w/wのデルマタン硫酸、約0.01%~約20%w/wのケラタン硫酸、及び/又は約5%~ 約50%w/wヒアルロン酸の追加の吸着剤のうちの1つ又は複数を含むグルコサミノグルカン混合物であり;
サンプルの装置への流入を可能にするためのサンプル注入ポート;及び
サンプルの装置への流出を可能にするためのサンプル流出ポートを含み、ここでサンプルは、第1のエンドプレートを通して、吸着媒体を通して流れ、そして流出ポートから出る、請求項28に記載の装置。 - 前記糖衣模倣吸着媒体が、血管透過性、白血球の接着、血小板の接着、剪断応力の媒介、及び炎症器の調節から成る群から選択されるメンバーを助ける、請求項28又は29に記載の装置。
- 前記吸着媒体が、糖衣機能を保護し、そして/又は維持するための内皮表面層として機能する、請求項28~30のいずれか1項記載の装置。
- 前記吸着媒体が、毛細血管漏出症候群、浮腫形成、炎症、血小板凝集亢進、凝固亢進、及び血管反応性の喪失から成る群から選択されるメンバーを減少させる、請求項28~31のいずれか1項記載の方法。
- 前記糖衣模倣吸着媒体が、負に帯電されている、請求項28~32のいずれか1項に記載の装置。
- 前記固体基質が、非毒性、非浸出性の材料を含む、請求項28~33のいずれか1項記載の装置。
- 前記固体基質が、複数の硬質ポリマービーズを含む、請求項28~34のいずれか1項記載の装置。
- 前記硬質ポリマービーズが、ポリウレタン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、又はエチレンと他のモノマーのコポリマー、ポリエチレンイミン、ポリプロピレン、及びポリイソブチレンから成る群から選択される、請求項28~35のいずれか1項記載の装置。
- 前記固体基質が、1つ又は複数の中空繊維を含む、請求項28~36のいずれか1項記載の装置。
- 前記グリコサミノグリカン混合物が、シンデカン、グリピカン、パーレカン、バーシカン、デコリン、ビグリカン、及びミメカンから成る群から選択される少なくとも1つのプロテオグリカンコアタンパク質を含む、請求項28~37のいずれか1項記載の装置。
- それを必要とする対象における酸素飽和を改善するための方法であって、
前記対象からのサンプルと、糖衣模倣吸着媒体とを接触させ、障害のある糖衣バリア機能を増強し、そして/又は回復し、それによりサンプルを処理し;そして
処理されたサンプルを、対象中に注入することを含み、
ここで前記糖衣模倣吸着媒体は、吸着剤を有する固体基質であり、前記吸着剤は、ヘパリン、ヘパラン硫酸、又はそれらの混合物を含むグルコサミノグルカンである、方法。 - 前記吸着剤が、約40%~約96%w/wのヘパラン硫酸及び/又はヘパリン、及び任意には、約5%~約30%w/wのコンドロイチン硫酸、約1%~約25%w/wのデルマタン硫酸、約0.01%~約20%w/wのケラタン硫酸、及び/又は約5%~ 約50%w/wヒアルロン酸の追加の吸着剤のうちの1つ又は複数を含むグルコサミノグルカン混合物である、請求項39に記載の方法。
- 前記糖衣模倣吸着媒体が、血管透過性、白血球の接着、血小板の接着、剪断応力の媒介、及び炎症器の調節から成る群から選択されるメンバーを助ける、請求項39又は40に記載の方法。
- 前記吸着媒体が、糖衣機能を保護し、そして/又は維持するための内皮表面層として機能する、請求項39~41のいずれか1項記載の方法。
- 前記吸着媒体が、毛細血管漏出症候群、浮腫形成、炎症、血小板凝集亢進、凝固亢進、及び血管反応性の喪失から成る群から選択されるメンバーを減少させる、請求項39~42のいずれか1項記載の方法。
- 酸素飽和度が正常に戻される、請求項39~43のいずれか1項記載の方法。
- それを必要とする対象におけるCovid-19を治療するための方法であって、
前記対象からのサンプルと、糖衣模倣吸着媒体とを接触させ、障害のある糖衣バリア機能を増強し、そして/又は回復し、それによりサンプルを処理し;そして
処理されたサンプルを、対象中に注入することを含み、
ここで前記糖衣模倣吸着媒体は、吸着剤を有する固体基質であり、前記吸着剤は、ヘパリン、ヘパラン硫酸、又はそれらの混合物を含むグルコサミノグルカンである、方法。
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