JP2022532559A - 汚染防止物質としてのアグリモニー抽出物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、汚染防止物質としてのアグリモニー抽出物の使用およびこの抽出物を含有する組成物に関する。
Description
本発明は、皮膚に対する汚染の悪影響に対抗するために化粧品分野および皮膚科学分野において適用するアグリモニー抽出物およびこの抽出物を含有する組成物に関する。
汚染とは公式な定義によると、「環境中、天然には存在しない物質が空気、水または土壌中に移入されることによる環境破壊」である。主に人間の活動により大気汚染が増大し続ける中、汚染ガスの排出を減少または制御することに焦点を当てた研究を支援するための対策が講じられている。この大気汚染の結果は、温室効果やオゾン層の破壊などの地球規模の影響だけでなく、生物の健康、幸福、皮膚および皮膚付属器に対する局所的なレベルにも影響を及ぼしている。
主な汚染物質の起源として、天然由来のものと人為的なものの両方がある。皮膚に影響を与える主な汚染物質について言及することができる:太陽放射、多環式芳香族炭化水素(PAH)、揮発性有機化合物(VOC)、オゾンO3、窒素および硫黄酸化物NOxおよびSOx、浮遊粒子とも称される粒子状物質、およびタバコの煙。多くの場合、皮膚に対するこれらの汚染因子の影響は、他の汚染物質および/または太陽放射と組み合わされて増幅される。
太陽放射は、汚染と皮膚との相互作用を研究する上で不可欠であるが、それは、太陽放射がそれらと完全に相乗的に働き、またほとんどの科学的研究では、太陽放射および汚染は並列した問題となるためである。紫外線は汚染物質と組み合わされて、遊離ラジカルや脂質過酸化の増大を引き起こす。
太陽から、および照明が蛍光灯またはLEDである特定のデバイス(コンピューター、タブレット、テレビ、スマートフォン)から放出される青色光は、光老化に影響を及ぼす。そのスペクトルは380~500nmで変化するため、その光線は可視放射線の中で最もエネルギーが高い光線である。青色光は、内部の遊離ラジカルおよびメラニン生成の速度を高めることで、色素斑の形成を促進すると考えられている。
PAHは、特に木材や有機物の燃焼、および排気ガスがその起源となる。PAHは、粒子状物質の表面に堆積および/または吸着することができる。PAHはまた、毛包を介してまたは表皮を通って皮膚に入ることができる。それは、活性酸素種を生成する環状化学化合物であるキニンに変換される。それはまた、アクネを促進できる。PAHの1つは、芳香族炭化水素受容体を活性化できる親油性化合物であるハロゲン化芳香族炭化水素の2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ジオキシンであり、これは、酸化カスケードを活性化させる(Drakaki et al., 2014)。
揮発性有機化合物は、塗料、ワニス、ラッカー、燃料、タバコの煙、産業および自動車の排出物に含まれる有機溶媒に由来する。これらの化合物は、アトピー性皮膚炎や乾癬などの炎症性およびアレルギー性反応の発症を促進するサイトカインの増加を誘発することが研究で示されている。揮発性有機化合物、炭化水素、窒素酸化物および太陽光はそれらが組み合わさった作用により、オゾン形成をもたらすことができる(Drakaki et al., 2014)。
オゾンは、土壌や植物によって少量ずつ放出されるため、自然由来のものである可能性がある。しかし、その起源は主に人為的なものである。オゾンは皮膚の完全性を変化させることができる強力な酸化剤である。皮膚において、これは、酸化ストレスおよび脂質過酸化を誘発し、それぞれ抗酸化剤であるビタミンCおよびEの濃度を低下させ、マロンジアルデヒド(MDA)の濃度を増加させる。これは、表皮の角質層の脂質マトリックスを構成する脂質および脂肪酸に優先的に作用し、活性酸素種を形成する。これらのプロセスは上皮のバランスを打ち崩し、MMPの発現を刺激することを介して複数の皮膚障害を引き起こし、真皮のコラーゲンとエラスチン繊維を分解し、皮膚の老化、組織の下垂を加速させ、そして最終的にはしわを深める(Drakaki et al., 2014)。
皮膚変化に関与する酸化物は、主に二酸化窒素、二酸化硫黄および一酸化炭素である。二酸化窒素は、燃焼中に放出されるため、人為的起源である。二酸化硫黄は二酸化窒素と同じ起源であり得るが、森林火災や火山噴火に関連する自然起源でもある。一酸化炭素は不完全燃焼から発生する。ヨーロッパで行われた研究によると、これらの酸化物が高濃度で存在する地域では、子供のアトピー性皮膚炎の増加が観察された(Drakaki et al., 2014)。
浮遊粒子は、空気または水によって運ばれる微細な固体粒子のことである。有害な影響の原因となるのは粒子自体ではなく、これらの粒子に吸着された分子(ベンゾ(a)ピレン、重金属、殺虫剤など)である。それらは皮膚に酸化ストレスを発生させ得て、したがって少なくとも部分的に皮膚老化の原因となる。それらはしわの形成および色素斑の出現を誘発することが疑われている。
これらすべての汚染物質について、リスクおよび結果は、それらの濃度、曝露期間、それらの組み合わせによって異なるが、何よりも対象の素質によって変動する。これらは一緒になって、相乗作用を発揮する。皮膚に対する汚染の影響はさまざまで、皮膚のpHの酸性化、経表皮水分喪失の増加に伴う水分補給の減少、落屑の増加、角膜の柔軟性の低下、組織の弛緩、遊離基の作用による表面脂質の改質、細胞のエネルギー代謝の低下などが観察される。このような衝撃が繰り返されると、炎症性プロセスが始まり、長期的には不耐性反応が起こりやすくなる。
さらに、汚染は、皮脂膜(hydrolipidic film)を改質することによって皮膚の保護バリア機能を低下させる影響がある。それはその後後細胞の再生遅くなる変化につながり、その後皮膚はより艶がなく、より張りがなく現れる。汚染は、細胞を破壊し、コラーゲンおよびエラスチン繊維の破壊を引き起こす遊離基の生成を増加させることにより、皮膚を早期に老化させることも知られている。
拡大しているこの現象に直面して、汚染防止を主張する衛生、ケアおよびヘア製品で明らかな売上高の増加が観察されている。
例えば、特許出願WO06111666は、皮膚に対する汚染の結果に対抗するための、カメリア・シネンシス(Camellia sinensis)の抽出物およびラプサナ・コンムニス(Lapsana communis)の抽出物を含有する組成物を開示している。同様に、特許FR 2838342は、活性酸素種、紫外線放射によって誘発される酸化ストレスの結果に対抗し、汚染の影響に対抗するのに有用な海藻サルガッスム・ムチクム(Sargassum muticum)の抽出物を含有する化粧品組成物に関する。Kostrycoら(World Scientific News 89(2017)90-97)には、アグリモニーの抽出物は抗炎症効能があると記載されている。この論文では、確かにアグリモニー抽出物の抗炎症性質について言及しているが、そのような効果は他の多くの効能の中で引用されている。例えば、Kostrycoらはアグリモニー抽出物の植物療法的性質の目録(93頁ポイント5)を作成し、抗HBV活性、抗インフルエンザ活性、抗細菌活性、創傷治癒活性、特に胃腸粘膜レベルでの抗炎症活性に連結される抗酸化活性、抗下痢活性、抗癌活性を挙げている。この資料では、体の弱さ、心窩部痛、腸の炎症、肝障害、消化器障害、腸障害および胃障害だけでなく、胆嚢炎、鼓腸、静脈瘤、皮膚の損傷、マウスウオッシュ、咽頭炎、呼吸器炎症、喘息、更年期障害、心血管障害からの保護、婦人科学的障害、糖尿病に関する問題および尿路疾患などが挙げられている。このように本資料では、消化器炎症に焦点を当てているものの、皮膚科学的または美容効果については言及していない。
最前線では、皮膚細胞、それらの脂質およびタンパク質だけでなく、それらのDNAも汚染物質の標的であり、酸化および炎症を引き起こす。艶がない乾燥した反応性および/または感受性皮膚、アクネ、早期加速老化は、とりわけ、汚染の結果として特定される。この汚染は、皮膚のバランスを破壊し、老化を加速させる遊離基の過剰生成につながる。したがって、紫外線または喫煙と同様に、汚染も追加の危険因子となる。
皮膚、特に表皮の上層は、化学的、機械的、または感染性の傷害などの外部の傷害、および環境因子(気候、紫外線、汚染物質および/または生体異物)に対するバリアを構成する。バリア機能として知られるこの性質は、主に表皮の最も表面的な層、すなわち角質層によって提供される。
角質層の機能の1つは、表皮から水分を吸収して保持することであり、その構造および/または機能の変化は、皮膚水分補給の変化、特に水分損失の増加につながり得る。過度の乾燥皮膚は、悪循環の中で、皮膚バリア機能の変化、および環境ストレスによる損傷の増加につながり得る。
皮膚バリア障害は、一般に、皮膚、より具体的には表皮、特に角質層が正常なバリア機能を示さない状態として定義することができる。この皮膚の劣化は、単に軽微な美容上の変化および/または皮膚の不快感または乾燥の感覚であることがある。
したがって、現在利用可能ないくつかのオプションにもかかわらず、消費者は、皮膚、皮膚の色調、皮膚のきめおよび堅さ、ならびに毛髪に対する汚染の悪影響に対抗するのに有用な新しい化合物または組成物を必要としている。
驚くべきことに、本発明者らは、アグリモニー、具体的にはその地上部、より具体的には花の先端部分の抽出物が、汚染の悪影響から皮膚および皮膚付属器ならびにケラチン物質を保護することを発見した(実施例2)。
したがって、本発明は、汚染防止化粧剤としてのアグリモニー抽出物の新規な使用、およびこの抽出物を含有する汚染防止化粧品組成物の使用に関する。特に、本発明は、皮膚および/または皮膚付属器への大気汚染物質の影響を予防または処置するための物質としてのアグリモニー抽出物、特にアグリモニーの地上部、より具体的には花の先端部分の抽出物の非治療的な化粧品としての使用を目的とし、該抽出物は、美容的に許容できる賦形剤をさらに含む化粧品組成物に含まれる。
したがって、本発明は、皮膚および/または皮膚付属器に対する大気汚染物質の影響を予防または処置するためのアグリモニー抽出物、特にアグリモニーの地上部、より具体的には花の先端部分の抽出物の有効量の非治療的な化粧品としての使用に関する。
皮膚に対する大気汚染物質の影響は、皮膚下垂、灰色の顔色、毛穴詰まり、輝きの損失から選択され得る。
皮膚に対する大気汚染物質の影響は、皮膚下垂、灰色の顔色、毛穴詰まり、輝きの損失から選択され得る。
皮膚付属器に対する大気汚染物質の影響は、艶がない毛髪、乾いた毛髪、もろい毛髪および油性毛髪から選択され得る。
本発明はまた、皮膚および/または皮膚付属器に対する大気汚染物質の影響を予防または処置するための、化粧品組成物におけるアグリモニー抽出物、特にアグリモニーの地上部、より具体的には花の先端部分の抽出物の使用に関する。
別の態様によれば、本発明は、皮膚および/または皮膚付属器に対する大気汚染物質の影響を予防または処置するのに使用するための、本発明による組成物または抽出物に関する。
また、本発明の一態様によれば、本発明は、皮膚および/または皮膚付属器に対する大気汚染物質の影響を予防または処置する方法であって、本発明による組成物を局所的に適用することを含む方法を目的とする。
また、本発明の一態様によれば、本発明は、皮膚および/または皮膚付属器に対する大気汚染物質の影響を予防または処置する方法であって、本発明による組成物を経口投与することを含む方法を目的とする。
最後に、本発明はまた、皮膚および/または皮膚付属器に対する大気汚染物質の影響を処置または予防することを目的とする美容(cosmetological)組成物または皮膚科学的組成物を製造するための、本発明による抽出物の使用に関する。特定の場合によれば、該美容組成物または皮膚科学的組成物は、局所的な適用に適した組成物である。別の場合によれば、該美容組成物または皮膚科学的組成物は、経口投与に適した組成物である。
特に、皮膚および/または皮膚付属器は、都市環境にさらされた皮膚または皮膚付属器である。実際、都市環境には特に汚染物質が負荷されており、このようにさらされた皮膚または皮膚付属器は、本発明のような処置を必要とする。
したがって、本発明はまた、ヒトの皮膚および/または皮膚付属器、特に顔の皮膚に対する大気汚染物質の影響を予防または処置する化粧方法であって、アグリモニー抽出物、特にアグリモニーの地上部の抽出物を含む化粧品組成物を局所的に適用することを含む方法を目的とする。
特に、化粧品組成物を適用するヒトは、皮膚および/または皮膚付属器、特に顔の皮膚が都市環境にさらされたヒトである。
また、本発明の主題は、ヒトの皮膚バリアへの損傷に対抗するための、本発明によるアグリモニー、特にその空中部、より具体的には花の先端部分の抽出物の使用を提供することである。特に、これは、環境傷害、特に汚染の影響によって引き起こされ得る損傷である。
特に、本発明者は、とりわけ、本発明によるアグリモニー、特にその地上部、より具体的には花の先端部分の抽出物が、いくつかの一般的な大気汚染物質に対抗して、ヒトの皮膚細胞、特にバリア層に対して有意な保護効果を有することを発見した。
発明の文脈において、本発明によるアグリモニー、特にその地上部、より具体的には花の先端部分の抽出物は、気候の不均衡または汚染物質などの環境ストレスの影響を受ける、または影響を受け得て、したがって皮膚の不快感または乾燥を引き起し得る健康な皮膚への適用に使用することができる。
他の特定の場合において、本発明によるアグリモニー、特にその空中部、より具体的には花の先端部分の抽出物は、皮膚バリアの欠陥の臨床的徴候を既に示しているときに皮膚に適用することができる。
本発明の一態様は、環境傷害による、ヒト皮膚バリアに対する損傷に対抗するための、本発明によるアグリモニー、特にその地上部、より具体的には花の先端部分の抽出物の非治療的または化粧品としての使用に関する。
別の態様によれば、本発明は、ヒト皮膚バリア障害および関連する徴候の処置および/または予防に使用するための、本発明によるアグリモニー、特にその地上部、より具体的には花の先端部分の抽出物に関する。
別の態様によれば、本発明は、環境傷害によるヒト皮膚バリアへの損傷に対抗する、および/または皮膚バリア障害および関連する徴候を予防および/または処置することを目的とする組成物の調製のための、本発明によるアグリモニー、特にその地上部、より具体的には花の先端部分の抽出物の使用に関する。
別の態様によれば、本発明は、環境傷害による、ヒト皮膚バリアへの損傷に対抗する方法であって、それを必要とする対象に、本発明によるアグリモニー、特にその地上部、より具体的には花の先端部分の抽出物の有効量を投与することを含む方法に関する。
別の態様によれば、本発明は、ヒト皮膚バリア障害および関連する徴候を処置および/または予防する方法であって、それを必要とする対象に、本発明によるアグリモニー、特に地上部、より具体的には花の先端部分の抽出物の有効量を投与することを含む方法に関する。
本発明の別の態様は、環境傷害による、ヒト皮膚バリアに対する損傷に対抗することを目的とする化粧品または皮膚化粧品(dermocosmetic)組成物であって、本発明によるアグリモニー、特にその地上部、より具体的には花の先端部分の抽出物の有効量および美容的にまたは皮膚美容的に許容できる媒体を含む組成物に関する。
有利には、本発明によるアグリモニー抽出物、特にその地上部、より具体的には花の先端部分は、ヒト皮膚バリア機能に影響し、皮膚乾燥を引き起こし得る環境傷害、特に、太陽か人工光源(UVAおよびUVB線を含む)かに関わらずUVに関連しない環境傷害から保護ことを提供する。
これらの因子は、大気汚染、特に化学的な大気汚染物質(例えば、煙(タバコの煙など)、重金属(ヒ素、カドミウム、クロムなど)、多環式芳香族炭化水素(PAH)、揮発性有機化合物(VOC)、酸化物、粒子状物質(PM)およびオゾン(O3))、および紫外線照射以外の気候条件、例えば浸透圧ショック、低湿度、環境熱的ストレスなどへの曝露を含む。
本発明によるアグリモニー、特にその地上部、より具体的には花の先端部分の抽出物、またはその組成物は、一般的には、ヒト皮膚の一般的な状態を改善すること、特に環境傷害に対抗すること、ならびにヒト皮膚バリアの障害および関連する徴候を予防および/または処置することを目的とする。
特定の実施態様において、本発明によるアグリモニー、特にその地上部、より具体的には花の先端部分の抽出物またはその組成物は、環境傷害、例えば汚染、特にUVに関連しない環境傷害の影響を受けたヒト皮膚の不快感、不快な現象または皮膚乾燥を予防、処置および/または減少させることを目的とする。
別の特定に実施態様において、本発明によるアグリモニー、特にその地上部、より具体的には花の先端部分の抽出物またはその組成物は、乾燥皮膚から選択されるヒト皮膚バリア障害および関連する徴候を予防、処置および/または改善することを目的とする。
ヒト皮膚バリア障害および関連する徴候は、環境傷害、特に、UVに関連しない環境傷害、および皮膚(特に表皮)の脱水症による皮膚外観の全ての変化、例えば、粗雑なおよび鱗状の外観、および柔軟性の低下ならびに皮膚感覚または不快感、例えば掻痒および/または突っ張り(タイトネス)などを含む。
本発明によるアグリモニー、特にその地上部、より具体的には花の先端部分の抽出物またはその組成物は、皮膚乾燥および/または皮膚乾燥の状態に関連する皮膚障害、特に表皮の乾燥、より具体的には角質層の水分補給の不足を予防、処置および/または改善することを目的とし得る。
詳細な説明
さまざまな著者によると、アグリモニア(Agrimonia)属は12~15種で構成されており、中でもエウパトリアル・アグリモニー(eupatorial agrimony)(アグリモニア・エウパトリア L.(Agrimonia eupatoria L.))は、ヨーロッパ全体で一般的なバラ科の好窒素性の根茎性多年生草本植物の一種である。
さまざまな著者によると、アグリモニア(Agrimonia)属は12~15種で構成されており、中でもエウパトリアル・アグリモニー(eupatorial agrimony)(アグリモニア・エウパトリア L.(Agrimonia eupatoria L.))は、ヨーロッパ全体で一般的なバラ科の好窒素性の根茎性多年生草本植物の一種である。
これは、茎が0.30~0.60mで、長くとがった花穂を持ち、小さな黄色い花を咲かせる植物である。その太い株は小枝の多い根を持ち、単純またはわずかに枝分かれした、毛の生えた赤みを帯びた直立した茎に、不等間隔に分かれた大きな葉をつける。交互の葉は、はるかに小さいものと交互になっている大きな楕円形の歯のある小葉で構成されている。葉は下に毛が生えていて灰色がかっており、香腺はない。6月から8月にかけて、黄色の小さな花が多数、長い頭状花序に集まって咲く、それらはそれぞれ筒に10本の溝があり、上部には小さくて柔らかい鉤状の突起が数列ある萼と、楕円形で広がった5枚の花弁を持つ花冠がある。果実は、全長にわたって強い溝があり、鉤状の突起はカールしていない。果実は、喉が完全に閉じている、剛毛で持続性のある萼に囲まれた痩果1つまたは2つで構成されている。それは多年生植物であり、涼しい場所、森、または耕作されていない土地で一般的である。
この種はフランス全土で一般的に見られる高地の山では見られず、スカンジナビア半島の北部および北極圏を除くヨーロッパ全土で見られ、アジアの北部と西部、北アフリカ、カナリア諸島でも見られる。植物は夏の間に収穫し、束ねてラックやロープを使って日陰で乾燥させる。現在、アグリモニーは穏やかな収斂剤として内外で使用されており、咽頭炎、胃腸炎および腸障害に使用されている。伝統医学では、アグリモニーは胆嚢疾患に使用される。花の先端部分は、伝統的には、軽い下痢(経口経路)、静脈不全の主観的症状(足が重い)および痔の症状(経口投与および局所投与)、口腔衛生用洗口液などに使用される。
アグリモニーは、フェノール性化合物、揮発性化合物およびトリテルペン化合物を含有する。葉には縮合型タンニンがあり、茎には少量のエラギタンニンと微量のガロタンニンに伴い、シリカ、フラボノイド(ルテオリン、アピゲニンおよびケンペロール・ヘテロシド)が含まれている。植物は、二量体(B-1、B-3、B-6、B-7)、三量体(C-1、C-2、その他)のプロシアニドールを含有する。
エチルアセテートによる水性抽出物の分画により、いくつかのフェノール性化合物が同定された:
- アグリモニイン(agrimoniin)、
- p-クマル酸、エラグ酸、3,3′-ジ-O-メチルエラグ酸、キナ酸、
- カテキン
- カフェオイルヘキソシド
- アピゲニン8-C-グルコシド(ビテキシン)
- アピゲニン
- アピゲニン6-C-グルコシド(イソビテキシン)
- アピゲニン7-O-グルコシド(アピゲトリン)
- アピゲニン7-O-グルクロニド
- ルテオリン
- ルテオリン7-O-グルコシド(シナロシド)
- ルテオリン7-O-グルクロニド
- ルテオリンアセチルヘキソシド
- ケルセチンO-ガロイル-ヘキソシド
- ケルセチン3-O-グルコシド(イソケルセチン)
- ケルセチンO-マロニルヘキソシド
- ケルセチン3-O-ラムノシド
- ケルセチン7-O-ラムノシド
- ケルセチン-アセチルグルコシド
- ケンペロール
- ケンペロール3-O-グルコシド(アストラガリン)
- ケンペロールO-マロニルヘキソシド
- ケンペロールO-ラムノシド
- ケンペロールO-p-クマロイルグルコシド(チリロシド)
- ケンペロールO-アセチルヘキソシル-O-ラムノシド
- ケンペロール-7-O-アルファ-L-ラムノシド
- ルチン
- アグリモニイン(agrimoniin)、
- p-クマル酸、エラグ酸、3,3′-ジ-O-メチルエラグ酸、キナ酸、
- カテキン
- カフェオイルヘキソシド
- アピゲニン8-C-グルコシド(ビテキシン)
- アピゲニン
- アピゲニン6-C-グルコシド(イソビテキシン)
- アピゲニン7-O-グルコシド(アピゲトリン)
- アピゲニン7-O-グルクロニド
- ルテオリン
- ルテオリン7-O-グルコシド(シナロシド)
- ルテオリン7-O-グルクロニド
- ルテオリンアセチルヘキソシド
- ケルセチンO-ガロイル-ヘキソシド
- ケルセチン3-O-グルコシド(イソケルセチン)
- ケルセチンO-マロニルヘキソシド
- ケルセチン3-O-ラムノシド
- ケルセチン7-O-ラムノシド
- ケルセチン-アセチルグルコシド
- ケンペロール
- ケンペロール3-O-グルコシド(アストラガリン)
- ケンペロールO-マロニルヘキソシド
- ケンペロールO-ラムノシド
- ケンペロールO-p-クマロイルグルコシド(チリロシド)
- ケンペロールO-アセチルヘキソシル-O-ラムノシド
- ケンペロール-7-O-アルファ-L-ラムノシド
- ルチン
根および葉からの水蒸気を巻き込むことにより、この種でいくつかの揮発性化合物が同定されている。ある研究(Feng et al., 2013, JAMC, ID246986, 9 pages)では、87種類の揮発性化合物が分離・同定されており、それらは検出された全成分の87%を占めている。定量的な観点から見ると、代表的な化合物は以下の通りである:
- セドロール
- α-ピネン
- リナロール
- 1-(2-フリル)-1-ヘキサノン
- α-テルピネオール
- ボロニルアセテート
- ユーカリプトール
- カンフェン(camphene)
- α-セドレン
- パチョロール
- セドロール
- α-ピネン
- リナロール
- 1-(2-フリル)-1-ヘキサノン
- α-テルピネオール
- ボロニルアセテート
- ユーカリプトール
- カンフェン(camphene)
- α-セドレン
- パチョロール
最後に、トリテルペン化合物が同定されている:ウルソール酸、19a-ヒドロキシ-ウルソール酸、オレアノール酸、トルミック酸(tormic acid)。
本発明による抽出物
「アグリモニー抽出物」とは、アグリモニア・エウパトリア植物の全部または一部、好ましくはその花の先端部分から抽出した生成物を意味すると理解される。
「抽出生成物」とは、アグリモニア・エウパトリア植物の地上部、特にアグリモニア・エウパトリアの花の先端部分を、抽出溶媒と呼ばれる溶媒で抽出した後に得られる生成物(すなわち、抽出溶媒中の液体溶液)、場合によっては、抽出溶媒の一部または全部を蒸発させた後、濃縮または乾燥した形態の生成物を意味すると理解される。したがって、それは乾燥抽出物であってもよい。
本発明においては、「乾燥抽出物」とは、抽出溶媒を含有しない、または微量しか含有しない抽出物を意味すると理解される。したがって、このような乾燥抽出物は、アグリモニア・エウパトリア、特にその花の先端部分からの材料のみを含有する。それはさらに、微量の抽出溶媒を含み得る。それは、マルトデキストリン、デンプン、シリカなどの乾燥媒体と関連している可能性がある。
本発明の文脈において、アグリモニア・エウパトリア抽出物は、有利には、植物の花の先端部分から得られる。
アグリモニー植物の一部、特にその花の先端部分は、新鮮なもの、凍結または乾燥したもの、全体のもの、切断または粉砕し、そして抽出工程にかけたものであり得る。
本発明による抽出物を調製するためのプロセスは、アグリモニア・エウパトリア、特にその花の先端部分を抽出溶媒で抽出する工程を含む。抽出は、室温(例えば15~30℃、特に20~25℃)で行ってもよく、高温(40~250℃、および/または大気圧または高圧)で行ってもよい。
抽出溶媒は、
- 水
- C1~C5アルコール、例えばエタノール、メタノール、イソプロパノール
- C3~C5グリコール、例えばプロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール
- アセトンおよびメチルエチルアセトンを含むケトン
- ヘキサン、ヘプタン
- エチルアセテート
- CO2、
- これらの混合物
から選択される溶媒であり得る。
- 水
- C1~C5アルコール、例えばエタノール、メタノール、イソプロパノール
- C3~C5グリコール、例えばプロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール
- アセトンおよびメチルエチルアセトンを含むケトン
- ヘキサン、ヘプタン
- エチルアセテート
- CO2、
- これらの混合物
から選択される溶媒であり得る。
有利には、抽出溶媒は水アルコール溶媒、すなわちC1~C5のアルコール/水混合物、例えばエタノール/水混合物である。
特に、溶媒が水アルコール性である場合、それは10/90~90/10、好ましくは20/80~40/60で構成されるアルコール/水の体積比のC1-C5アルコール/水混合物であってもよい。好ましくは、抽出溶媒は、10/90~90/10、より具体的には20/80~40/60のオーダーの体積比のエタノール/水混合物である。より具体的には、抽出溶媒は、体積比が30/70のエタノール/水混合物である。
抽出は、さまざまな技術、特にいわゆる「グリーン」技術、例えば、大気圧(場合によっては、超音波、マイクロ波、リーチング、解離、煎出などの抽出補助手段を使用)または高圧下、CO2などの超臨界または亜臨界状態の抽出溶媒を使用し、エタノールまたは水などの共溶媒を使用または使用せずに、および/または20℃~250℃の温度において、行うことができる。
抽出について、アグリモニー部分に対する溶媒の比率は、質量(g)/体積(mL)で、1/5~1/20、特に1/8~1/12からなり得る。
アグリモニー抽出物、特にその花の先端部分の抽出物は、有利には、フェノール性画分からなる。
「フェノール性画分」とは、フラボノイドおよびタンニンなどの1つまたはそれ以上のフェノール基を有する化合物を含有する抽出物の画分を意味すると理解される。
第一態様によれば、本発明は、汚染防止化粧剤としての、アグリモニーの地上部の抽出物の使用に関する。
「汚染防止化粧剤」とは、皮膚および/または皮膚付属器に対する大気汚染物質の影響を防止または処置する効果を有する化粧品組成物の成分を意味すると理解される。
第二の態様によれば、本発明は、皮膚および/または皮膚付属器に対する大気汚染物質の影響の予防または処置に使用するための、アグリモニーの地上部の抽出物の少なくとも1つおよび皮膚科学的または美容的に許容できる賦形剤の少なくとも1つを含む皮膚科学的または化粧品組成物に関する。
「皮膚付属器」とは、頭または体の毛髪、爪または他のケラチン物質を意味すると理解される。好ましくは、毛髪である。
有利には、皮膚科学的または化粧品組成物に含まれる抽出物は、上記の通りである。
本発明の特定の実施態様によれば、上記のアグリモニーの地上部の抽出物の少なくとも1つ、および皮膚科学的または美容的に許容できる賦形剤の少なくとも1つを含む皮膚科学的または化粧品組成物は、組成物総重量に対する乾燥抽出物の重量で、0.01重量%~10重量%、好ましくは0.05重量%~5重量%、好ましい態様で0.1重量%~3重量%、さらに好ましくは0.5重量%~2重量%のアグリモニーの地上部の抽出物を含む。
本発明は、好ましくは、局所的な適用、特に皮膚、頭皮および/または毛髪に適した形態の、本発明による皮膚科学的または化粧品組成物に関する。
したがって、本発明による化粧品(cosmetice)組成物または皮膚科学的組成物は、局所的な投与のために通常知られている形態、すなわち、特にローション、シャンプー、バーム、フォーム、ゲル、分散剤、エマルジョン、スプレー、セラム、マスクまたはクリームであってもよく、活性成分の性質および利用可能性を改善するために、特に浸透を可能にすることができる賦形剤を含むことができる。
有利には、これは、乳液、クリームまたはバームである。
したがって、本発明は、局所的な適用に適した形態であることを特徴とする、本発明の一実施態様による皮膚科学的または化粧品組成物に関する。
これらの組成物は、一般的には、本発明によるアグリモニー抽出物、特にアグリモニーの地上部の抽出物に加えて、一般的には水または溶媒、例えばアルコール、エーテルまたはグリコールをベースにする生理学的に許容できる媒体、特に1つまたはそれ以上の美容的にまたは皮膚科学的に許容できる賦形剤を含む。このように、これらはさらに、例えば、界面活性剤、複合剤(complexant)、防腐剤、安定化剤、乳化剤、増粘剤、ゲル化剤、湿潤剤、皮膚軟化剤、微量元素、精油、香料、色素、艶消し剤(mattifying agent)、化学的フィルターまたはミネラルフィルター、保湿剤または地熱水、抗UV剤またはサンフィルター(sun filter)を含有し得る。
本発明による化粧品組成物または皮膚科学的組成物は、日焼け止剤、多糖および真珠光沢剤から選択される少なくとも1つの他の汚染防止化合物をさらに含み得る。
代替の実施態様によれば、本発明はまた、経口投与に適した形態の、本明細書に記載のアグリモニーの地上部の抽出物を含む組成物に関する。
したがって、本発明は、経口投与を目的とすることを特徴とする、本発明による汚染防止化粧品組成物の使用に関する。
特に、本発明は、皮膚および/または皮膚付属器に対する大気汚染物質の影響を予防または処置するための、アグリモニーの地上部の抽出物の少なくとも1つおよび薬学的に許容できる賦形剤の少なくとも1つを含む汚染防止化粧品組成物の使用であって、該組成物は経口投与を目的とすることを特徴とする使用に関する。
特に、本明細書に記載のアグリモニーの地上部の抽出物を、従来から経口医薬品形態のガレノス製剤に使用されている充填剤、安定化剤および色素などの通常の薬学的に許容できる賦形剤と組み合わせて含有する硬カプセル、軟カプセル、錠剤または飲用可能な粉末であってもよい。このような経口形態は、組成物の総重量に対して乾燥抽出物の重量で、0.01重量%~10重量%、好ましくは0.05重量%~5重量%、好ましい態様で0.1重量%~3重量%、より好ましくは0.5重量%~2重量%のアグリモニーの地上部の抽出物を含み得る。
本発明による、局所的な適用または経口投与に適した形態の美容組成物または皮膚科学的組成物は、少なくとも1つの他の植物抽出物をさらに含有し得る。
以下の実施例は、その範囲を制限することなく本発明を説明するものである。
実施例1:抽出物の調製
- 粉砕した地上部100gと30%(v/v)エタノール1リットルを反応器に導入し、
- 室温で2時間、振って抽出し(抽出は2回行う)、
- 室温で濾過し、
- 濾液を集め、
- 合わせ、
- 必要に応じて120℃で20分間の滅菌を行い、
- 乾燥させ、
- 得られた溶液は、アグリモニーの地上部の水アルコール抽出物を構成する。
収量は、花の先端部分の12g/100gである。
- 粉砕した地上部100gと30%(v/v)エタノール1リットルを反応器に導入し、
- 室温で2時間、振って抽出し(抽出は2回行う)、
- 室温で濾過し、
- 濾液を集め、
- 合わせ、
- 必要に応じて120℃で20分間の滅菌を行い、
- 乾燥させ、
- 得られた溶液は、アグリモニーの地上部の水アルコール抽出物を構成する。
収量は、花の先端部分の12g/100gである。
実施例2:汚染防止活性
本研究の目的は、再構築ヒト上皮(RHE)においてオゾンに暴露、すなわち皮膚に対する汚染の影響を模擬した後における、アグリモニー抽出物の抗酸化活性、解毒活性およびオゾン保護活性を評価することである。
本研究の目的は、再構築ヒト上皮(RHE)においてオゾンに暴露、すなわち皮膚に対する汚染の影響を模擬した後における、アグリモニー抽出物の抗酸化活性、解毒活性およびオゾン保護活性を評価することである。
遊離脂肪酸、コレステロール、トリグリセリドおよびセラミドなど、上皮バリア機能に関与する脂質は、酸化的脂質損傷が増加するストレス条件下で影響を受け得る。脂質過酸化の直接測定は、ガスクロマトグラフィー技術をマススペクトロメトリーと組み合わせてマロンジアルデヒド(MDA)を測定することによって行うことができる。この化合物は、組織内に天然に存在し、それは、酸化ストレスの兆候を表す。これは、特に多価不飽和脂肪酸に対する活性酸素誘導体の作用によって誘導される。
この研究では、いくつかの条件を実現する:
- 陰性対照:非ストレスRHE;
- 陽性対照:オゾンストレスRHE;
- アグリモニー抽出物を用いた試験:オゾンストレスRHEを抽出物と接触させる(n=3)、この試験は3種類の濃度(1、3、10μg/mL)で行う;
- 参照化合物を用いた試験:オゾンストレスRHEを参照化合物(トロロックス(trolox))と接触させる。
- 陰性対照:非ストレスRHE;
- 陽性対照:オゾンストレスRHE;
- アグリモニー抽出物を用いた試験:オゾンストレスRHEを抽出物と接触させる(n=3)、この試験は3種類の濃度(1、3、10μg/mL)で行う;
- 参照化合物を用いた試験:オゾンストレスRHEを参照化合物(トロロックス(trolox))と接触させる。
3,4-ジヒドロ-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチル-2H-1-ベンゾピラン-2-カルボン酸、またはトロロックスはビタミンEの親水性アナログである。これは、酸化ストレスによる損傷を制限するために使用される抗酸化剤である。これは、酸化ストレスによる損傷を制限するために使用される抗酸化剤である。
アグリモニー抽出物を、水/DMSO(80/20, v/v)に可溶化処理する。
このプロセスは、オゾン分解による脂質の酸化に基づくものである。媒体中、O2およびO3の混合物(99/1%(v/v))によって0.2L/分でオゾンが生成する。このプロセスで生成される1%のオゾン量は、4ppmのオゾン暴露に相当する。オゾン分解反応は、クリーギー転位(the Criegee rearrangement)に従って一次または二次生成物と称されるさまざまな生成物を誘発する。RHEは、腹部皮膚脂肪切除術(dermolipectomy)を受けた対象から得られる正常なヒト初代ケラチン生成細胞から構成される。8日間空気中に曝露した後、媒体を交換し、試験化合物を所望の濃度で添加する。9日目に、RHEを新しい媒体の入ったチャンバーに入れる。反応媒体を5℃に冷却し、気泡空気下に1分間置く。空気の生成量は、約99%のO2および1%のO3(v/v)で0.2L/分である。その後、RHEをプレートに導入し、新しい媒体(活性物質なし)を追加する。10日目に、RHEおよび媒体を回収する。
保護指数は、ストレスおよび対照条件から計算する。
保護指数は、ストレスおよび対照条件から計算する。
PI(%)=(ストレス条件 - (ストレス + 活性物質条件))/(ストレス条件 - 対照条件) * 100。
統計的な評価は、一元配置分散分析とそれに続くボンフェローニの多重比較検定に基づく。
統計的な評価は、一元配置分散分析とそれに続くボンフェローニの多重比較検定に基づく。
この試験は特に安定的で信頼性が高い。対照群におけるMDA濃度の値は比較的均一で、平均値は18.3±0.7ng/mgタンパク質である。
ストレス条件について、オゾンに曝露した場合、MDA生成が強く増加し、この増加は対照群(オゾンなし)と比較して統計的に有意であった(p<0.001)。反応の変動性も低く、平均値は53.6±3.2ng/mgタンパク質に達している。
1mg/mLで試験したトロロックスにより、MDAの生成は有意(p=0.0062)に減少し、この期待される結果は本試験を検証するものである。
アグリモニー抽出物は、濃度依存的に、MDAの生成を有意に減少させる。3μg/mLにおいて、この減少はすでに有意であり(p=0.0022)、10μg/mLでは、保護指数が50%超に達し(p=0.0001)、参照製品で見られる結果(トロロックス:38%)を大きく上回った。
本発明者らは、アグリモニー抽出物がオゾンによる脂質過酸化に対して保護効果を誘導することを示し、汚染防止効果を実証した。
Claims (10)
- 皮膚および/または皮膚付属器に対する大気汚染物質の影響を予防または処置するための汚染防止活性物質としての、アグリモニー アグリモニア・エウパトリアの地上部の抽出物の化粧品としての使用。
- 該抽出物が、アグリモニー植物の花の先端部分から得られることを特徴とする、請求項1に記載のアグリモニーの地上部の抽出物の化粧品としての使用。
- 該抽出物が、親水性であり、好ましくは水アルコール性であることを特徴とする、請求項1または2に記載のアグリモニーの地上部の抽出物の化粧品としての使用。
- 局所的な適用によって行われることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のアグリモニーの地上部の抽出物の化粧品としての使用。
- 皮膚および/または皮膚付属器に対する大気汚染物質の影響を予防または処置するための、アグリモニー アグリモニア・エウパトリアの地上部の抽出物の少なくとも1つ、および美容的に許容できる賦形剤の少なくとも1つを含む汚染防止化粧品組成物の使用であって、該抽出物はアグリモニー植物の花の先端部分から得られることを特徴とする使用。
- 組成物の総重量に対して乾燥抽出物の重量で0.05重量%~5重量%のアグリモニー抽出物を含むことを特徴とする、請求項5に記載の汚染防止化粧品組成物の使用。
- 組成物が、局所的な適用を目的とすることを特徴とする、請求項5または6のいずれか一項に記載の汚染防止化粧品組成物の使用。
- 皮膚および/または皮膚付属器に対する大気汚染物質の影響を予防または処置するための、アグリモニー アグリモニア・エウパトリアの地上部の抽出物の少なくとも1つ、および薬学的に許容できる賦形剤の少なくとも1つを含む汚染防止化粧品組成物の使用であって、該組成物は経口投与を目的とすることを特徴とする使用。
- ヒト皮膚バリア障害および関連する徴候の処置および/または予防方法であって、それを必要とする対象に、請求項1~3のいずれか一項に記載のアグリモニー抽出物の有効量を投与することを含む方法。
- ヒト皮膚バリア障害および関連する徴候が、環境傷害の作用および皮膚の脱水症による皮膚外観の全ての変化、例えば、粗雑なおよび鱗状の外観、柔軟性の低下、皮膚感覚または不快感、例えば、掻痒および/または突っ張りを含む、請求項9に記載の方法。
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