JP2022529953A - 官能化ヒアルロン酸の架橋ポリマーと、炎症状態の治療におけるその使用 - Google Patents

官能化ヒアルロン酸の架橋ポリマーと、炎症状態の治療におけるその使用 Download PDF

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Abstract

官能化ヒアルロン酸又はその誘導体の架橋ポリマーが開示されており、またその調製方法、並びに、生体材料としての使用、及び医薬組成物の成分としての使用も開示されている。また、ガレクチンの発現変化に起因する疾患の治療における当該架橋ポリマーの使用も開示されている。

Description

本発明は、官能化ヒアルロン酸又はその誘導体の架橋ポリマー、並びにそれらの調製方法、生体材料及び医薬組成物の成分としての使用に関する。
受容体CD44は、高度にグリコシル化された膜貫通タンパク質であり、その機能は細胞外マトリックスのヒアルロン酸や他の糖タンパク質と結合することである。CD44とヒアルロン酸の結合は、単に固定に役立つだけではなく、細胞内でのシグナル変換を可能にする。もう一つの重要な受容体ファミリーは、ガレクチンのファミリーである。ガレクチンは、β-ガラクトシド糖(同様に、N-アセチルラクトサミン)に対する結合特異性によって定義されるタンパク質であり、N-グリコシル化又はO-グリコシル化によってタンパク質に結合することができる。
最新の証拠は、ガレクチンが急性及び慢性の炎症反応、並びに様々な病理学的プロセスにおいて重要な役割を果たしていることを示す。最近の研究では、CD44とガレクチンの間の相互作用が、どのように細胞メカニズムの制御に積極的役割を果たすかが示されている(非特許文献1)。ガレクチンの制御不良、例えば過剰発現は、典型的には炎症性疾患で直面する。したがって、これらの受容体の正しい制御は、炎症性カスケードの著しい減少を実行することができる。
研究段階におけるガレクチンの阻害剤/調節剤に関連する最大の問題点としては、標的部位の認識能力や持続性の低下が挙げられる。
Immunity 2014,41(2),270-282;The Journal of Immunology 2007,179(2),1225-1235
したがって、本発明の目的は、ガレクチン受容体と受容体CD44との同時作用により、ガレクチンの発現変化に起因する疾患を治療することが可能であり、医学的及び薬学的観点からの高い受容性と、標的部位での持続時間の改善を同時に示す製品を提供することである。
前記目的は、請求項1に記載された、官能化ヒアルロン酸又はその誘導体が少なくとも部分的に架橋された架橋ポリマーによって達成された。
さらなる態様では、本発明は、前記架橋ポリマーの調製方法に関する。
さらに別の態様では、本発明は、ガレクチンの発現変化に起因する疾患の治療における架橋ポリマーの使用に関する。これらの受容体の過大/過小制御が関係する疾患の非限定的な例は、非アルコール性脂肪性肝炎、尋常性乾癬、関節リウマチ、変形性関節症、腫瘍、癒着、並びに皮膚、肺、腎臓、及び心血管の線維化プロセスである。
さらに別の態様では、本発明は、細胞成長のための生体材料又は足場としてのこの架橋ポリマーの使用、好ましくは整形外科疾患の治療における本架橋ポリマーの使用に関する。
さらに別の態様では、本発明は、形成外科/美容外科、血液透析、心臓病学、脈管学、眼科、耳鼻咽喉科、歯科、婦人科、泌尿器科、皮膚科、腫瘍学及び組織修復における細胞成長のための生体材料又は足場としての本架橋ポリマーの使用に関する。
さらなる態様では、本発明は、少なくとも1つの架橋ポリマーと、少なくとも1つの薬理活性物質及び/又は任意に生物学的機能を有する少なくとも1つの物質を含む医薬組成物に関する。
さらに別の態様では、本発明は、ガレクチンの発現変化に起因する疾患の治療における本医薬組成物の使用に関する。これらの受容体の過大/過小制御が関係する疾患の非限定的な例は、非アルコール性脂肪性肝炎、尋常性乾癬、関節リウマチ、変形性関節症、腫瘍、癒着、並びに皮膚、肺、腎臓、及び心血管の線維化プロセスである。
さらに別の態様では、本発明は、リウマチ学、整形外科、腫瘍学、形成外科/美容外科、血液透析、心臓病学、脈管学、眼科、耳鼻咽喉科、歯科、婦人科、泌尿器科、皮膚科、腫瘍学及び組織修復における本医薬組成物の使用に関する。
本発明の特徴と利点は、以下の詳細な説明と、非限定的な例示として提供される実施形態で明らかになるであろう。
[発明の詳細な説明]
したがって、本発明は、式(I)の繰り返し単位を10~90%含む官能化ヒアルロン酸又はその誘導体を含む架橋ポリマーを対象とする:
Figure 2022529953000001
式中、
、R、R、Rは、互いに独立して、H、SO 、脂肪族系、芳香族系、アリール脂肪族系、シクロ脂肪族系、複素環系のカルボン酸に由来するアシル基、-CO-(CH-COOY(式中、Yは負電荷又はH)であり、そして、
Rは、Z(1)又はZ(2)であり、Rは、-CO-CH、H、SO 、脂肪族系、芳香族系、アリール脂肪族系、シクロ脂肪族系、複素環系のカルボン酸に由来するアシル基、ヒアルロン酸のアシル基である。
ここで、Z(1)は式(1)部分であるか、又はZ(2)は式(2)部分である:
Figure 2022529953000002
式中、
は-NRCH-であり、RはH、又は置換もしくは非置換の脂肪族基、芳香族基、アリール脂肪族基、シクロ脂肪族基、複素環基であり、
は、-OH、又は-NHCOCHであり、
は、H、単糖類、二糖類、又はオリゴ糖類である。
Figure 2022529953000003
式中、
は-NRCH-であり、RはH又は置換もしくは非置換の脂肪族基、芳香族基、アリール脂肪族基、シクロ脂肪族基、複素環基であり、
及びZは、互いに独立して、H、単糖類、二糖類、又はオリゴ糖類である。
あるいは、
は、Z(3)又はZ(4)であり、Rは、NR、又は脂肪族系、芳香族系、アリール脂肪族系、シクロ脂肪族系、複素環系のアルコール基、OH、O,ヒアルロン酸のアルコール基、ヒアルロン酸のアミノ基であり、R、Rは、互いに独立して、H、又は置換もしくは非置換の脂肪族基、芳香族基、アリール脂肪族基、シクロ脂肪族基、複素環基である。
ここで、Z(3)は、式(3)部分である。
Figure 2022529953000004
式中、
は、-CH-又は-CO-であり、
は、-OH又は-NHCOCHであり、
は、H、単糖類、二糖類、又はオリゴ糖類である。
又は、Z(4)は、式(4)部分である。
Figure 2022529953000005
式中、
は、-CH-であり、
及びZは、互いに独立して、H、単糖類、二糖類、又はオリゴ糖類である。
あるいは、
Rは、Z(1)又はZ(2)であり、Rは、Z(3)又はZ(4)である。
前記官能化ヒアルロン酸又はその誘導体は、官能化ヒアルロン酸又はその誘導体の同じ鎖内のカルボキシル基とヒドロキシル基の間、及び/又は異なる鎖間のカルボキシル基とヒドロキシル基の間のエステル結合又はラクトン結合によって、少なくとも部分的に直接架橋しているか、又は、カルボキシル基とのエステル結合、及び/又はヒドロキシル基とのエーテル結合、及び/又はカルボキシル基とのアミド結合を形成するスペーサー部分によって少なくとも部分的に間接的に架橋しており、前記スペーサー部分は、ビスカルボジイミド部分;又はビスビニルスルホン部分;又はC2-C20脂肪族エポキシド、それらのハロゲンヒドロン、エピハロゲンヒドリン及びハロゲン化物から選択される二官能性又は多官能性エポキシドに由来するエポキシ部分;又はそれらの組み合わせである。
上記の架橋ポリマーは、ガレクチン受容体と受容体CD44の同時相互作用によるガレクチンの発現変化を原因とする疾患の治療に特に適していることが判明している。
さらに、機械的特性や物理化学的特性の向上に加え、酵素分解に対する耐性が向上しているため、医学及び薬学の観点から、また標的部位での永続時間の改善という点でも、高いレベルで受け入れられている。
好ましくは、本発明の架橋ポリマーにおいて、前記官能化ヒアルロン酸又はその誘導体は、式(I)の繰返し単位を10~60%含む。
架橋に関与しない官能化ヒアルロン酸又はその誘導体のカルボキシル基及びヒドロキシル基は、任意に、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム又はそれらの混合物のカチオンで塩化することができる。
いくつかの実施形態では、本発明の架橋ポリマーにおいて、架橋に関与していない官能化ヒアルロン酸又はその誘導体のカルボキシル基及びヒドロキシル基の20~70%が塩化されている。
好ましくは、スペーサー部分と官能化ヒアルロン酸、又はその誘導体との間の結合の5~40%がエステル結合であり、より好ましくは10~30%である。
第1の実施形態では、架橋ポリマー中に存在する式(I)の繰り返し単位の20~60%において、RはZ(1)又はZ(2)であり、より好ましくは30~50%である。好ましくは、これらの第1の実施形態において、Rは-COCHである。
第2の実施形態では、架橋ポリマー中に存在する式(I)の繰返し単位の5~30%において、RはZ(3)又はZ(4)であり、より好ましくは10~20%である。好ましくは、これらの第2の実施形態では、Rの10~20%がZ(3)であり、Rの90~80%が-COCHであり、RはO-である。
さらなる実施形態では、本発明の架橋ポリマーは、前記第1の実施形態の式(I)の繰返し単位と、前記第2の実施形態の式(I)の繰返し単位の両方を含む。
上述の通り、本発明のポリマーの架橋は、直接、すなわち官能化ヒアルロン酸もしくはその誘導体の遊離のカルボキシル官能基及び/又はヒドロキシル官能基の間の分子内反応及び/又は分子間反応によって、あるいは間接的に、すなわち、官能化ヒアルロン酸もしくはその誘導体の遊離のカルボキシル官能基及び/又はヒドロキシル官能基の間のスペーサー部分による分子内反応及び/又は分子間反応によって行うことができる。
したがって、本発明の架橋ポリマーは、以下の種類の直接架橋を含むことができる(式中、官能化ヒアルロン酸又はその誘導体を、便宜的に「HYD」と呼ぶ):
Figure 2022529953000006
Figure 2022529953000007
Figure 2022529953000008
あるいは、スペーサー部分による間接架橋(便宜的に「SPC」と呼ぶ)を含むことができる:
Figure 2022529953000009
Figure 2022529953000010
いくつかの実施形態では、前記スペーサー部分は、エピクロロヒドリン、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,2-エチレンジオールジグリシジルエーテル、1-(2,3-エポキシプロピル)-2,3-エポキシシクロヘキサン、N,N-ジグリシジルアニリン、エポキシ置換ペンタエリスリトール、及びそれらの混合物から選択される二官能性又は多官能性のエポキシに由来する。
好ましくは、前記スペーサー部分は、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテルに由来する。この場合、本発明の架橋ポリマーは、以下の種類の架橋の1つ以上を含むことができる:
Figure 2022529953000011
別の実施形態では、前記スペーサー部分は、ジビニルスルホンに由来する。この場合、本発明の架橋ポリマーは、以下の種類の架橋を含むことができる:
Figure 2022529953000012
別の実施形態では、前記スペーサー部分は、式Y-N=C=N-Y-N=C=N-Yのビスカルボジイミドに由来する。式中、Y及びYは、互いに独立して、水素、直鎖又は分岐の脂肪族基C1-C10、アルコキシ基C1-C10、シクロ脂肪族基C1-C10、アリールC1-C10、ヘテロアリールC1-C10、アラルキルC1-C10、ヘテロアラルキルC1-C10であり、Yは直鎖又は分岐の脂肪族基C1-C10、アルコキシ基C1-C10、シクロ脂肪族基C1-C10、アリールC1-C10、ヘテロアリールC1-C10、アラルキルC1-C10、ヘテロアラルキルC1-C10に由来する二官能性部分である。
この場合、本発明の架橋ポリマーは、以下の種類の架橋を含むことができる:
Figure 2022529953000013
同様に、スペーサー部分のイミド官能基上の架橋の鏡面型は、置換基Yを含む。
好ましくは、前記ビスカルボジイミドは、1,6-ヘキサメチレンビス(エチルカルボジイミド)、1,8-オクタメチレンビス(エチルカルボジイミド)、1,10-デカメチレンビス(エチルカルボジイミド)、1,12-ドデカメチレンビス(エチルカルボジイミド)、PEG-ビス(プロピル(エチルカルボジイミド))、2,2’-ジチオエチルビス(エチルカルボジイミド)、1,1’-ジチオ-p-フェニレンビス(エチルカルボジイミド)、パラ-フェニレン-ビス(エチルカルボジイミド)、1,1’-ジチオ-m-フェニレンビス(エチルカルボジイミド)及びそれらの混合物から選択される。
より好ましくは、前記ビスカルボジイミドは、パラ-フェニレン-ビス(エチルカルボジイミド)である。
さらなる態様では、また本発明は、式(I)の繰り返し単位を10~90%含む、官能化ヒアルロン酸又はその誘導体に関する:
Figure 2022529953000014
式中、
、R、R、Rは、互いに独立して、H;SO ;脂肪族系、芳香族系、アリール脂肪族系、シクロ脂肪族系、複素環系のカルボン酸に由来するアシル基;-CO-(CH-COOY(式中、Yは負電荷、又はHである)であり、
Rは、Z(1)又はZ(2)であり、Rは-CO-CH;H;SO ;脂肪族系、芳香族系、アリール脂肪族系、シクロ脂肪族系、複素環系のカルボン酸に由来するアシル基;ヒアルロン酸のアシル基である。
ここで、Z(1)は、式(1)部分であり:
Figure 2022529953000015
式中、
は-NRCH-であり、RはH又は置換もしくは非置換の脂肪族基、芳香族基、アリール脂肪族基、シクロ脂肪族基、複素環基であり、
は、-OH、又は-NHCOCHであり、
は、H、単糖類、二糖類、又はオリゴ糖類である。
又は、Z(2)は、式(2)部分であり:
Figure 2022529953000016
式中、
は-NRCH-であり、RはH又は置換もしくは非置換の脂肪族基、芳香族基、アリール脂肪族基、シクロ脂肪族基、複素環基であり、
及びZは、互いに独立して、H、単糖類、二糖類、又はオリゴ糖類であるか、又は、
は、Z(3)又はZ(4)であり、Rは、NR、又は脂肪族系、芳香族系、アリール脂肪族系、シクロ脂肪族系、複素環系のアルコール基;OH;O-;ヒアルロン酸のアルコール基;ヒアルロン酸のアミノ基であり、R、Rは、互いに独立して、H又は置換もしくは非置換の脂肪族基、芳香族基、アリール脂肪族基、シクロ脂肪族基、複素環基である。
ここで、Z(3)は、式(3)部分であり:
Figure 2022529953000017
式中、
は、-CH-又は-CO-であり、
は、-OH、又は-NHCOCHであり、
は、H、単糖類、二糖類、又はオリゴ糖類である。
又は、Z(4)は、式(4)部分であり:
Figure 2022529953000018
式中、
は-CH-であり、
及びZは、互いに独立して、H、単糖類、二糖類、又はオリゴ糖類である。
あるいは、RはZ(1)又はZ(2)であり、RはZ(3)又はZ(4)である。
好ましくは、前記官能化ヒアルロン酸又はその誘導体は、式(I)の繰返し単位を10~60%含む。
用語「脂肪族、芳香族、アリール脂肪族、シクロ脂肪族、複素環」は、好ましくは、直鎖、分岐、又は環状の、飽和又は不飽和の、脂肪族又は芳香族の、アルキルC1~C10、置換されたアルキルC1~C10、アルケニルC2~C10、置換されたアルケニルC2~C10、ジエニルC4~C10、置換されたジエニルC4~C10、アルキニルC2~C10、置換されたアルキニルC2~C10、フェニル、置換されたフェニル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、アルキルチオC1~C10、置換されたアルキルチオC1~C10、フェニルチオ、置換されたフェニルチオ、アリールチオ、置換されたアリールチオ、カルボニル、置換されたカルボニルC1~C6、カルボキシル、置換されたカルボキシルC1~C6、アミノ、置換されたアミノC1~C6、アミド、置換されたアミドC1~C6、スルホニル、置換されたスルホニルC1~C6、スルホン酸、ホスホニル、置換されたホスホニルC1~C6、ポリアリル、置換されたポリアリル、シクロアルキルC3~C20、置換されたシクロアルキルC3~C20、ヘテロシクロアルキルC3~C20、置換されたヘテロシクロアルキルC3~C20、シクロアルケニルC2~C10、置換されたシクロアルケニルC2~C10、シクロジエニルC4~C10、置換されたシクロジエニルC4~C10、又はアミノ酸から選択される部分を意味する。「置換された」という用語は、少なくとも1つのハロゲン、ヒドロキシル、アルキルC1-C4、カルボキシル、又はそれらの組み合わせに連結していることを意味する。
好ましくは、Z、Z及びZは、互いに独立して、H;グルコース、ガラクトース、アラビノース、キシロース、マンノース、ラクトース、トレハロース、ゲンチオビオース、セロビオース、セロトリオース、マルトース、マルトトリオース、キトビオース、キトトリオース、マンノビオース、メリビオース、フルクトース、N-アセチルグルコサミン、N-アセチルガラクトサミンの部分;又はそれらの組み合わせである。
より好ましくは、ZはH;グルコース、ガラクトース、マンノース、N-アセチルグルコサミン、N-アセチルガラクトサミンの部分;又はそれらの組み合わせである。
特に好ましい実施形態では、式Z部分は、ラクトース又はガラクトースの部分であり、Zは、Z(1)、Z(2)、Z(3)及びZ(4)のいずれか1つである。
第1の実施形態では、架橋ポリマー中に存在する式(I)の繰り返し単位の20~60%、より好ましくは30~50%において、RはZ(1)又はZ(2)である。好ましくは、これらの第1の実施形態において、Rは-COCHである。
第2の実施形態では、架橋ポリマー中に存在する式(I)の繰返し単位の5~30%、より好ましくは10~20%において、RはZ(3)又はZ(4)である。好ましくは、これらの第2の実施形態において、Rの10~20%がZ(3)であり、Rの90~80%が-COCHであり、RはO-である。
さらなる実施形態では、本発明の架橋ポリマーは、前記第1の実施形態の式(I)の繰返し単位と、前記第2の実施形態の式(I)の繰返し単位の両方を含む。
上に示した構造式からわかるように、ヒアルロン酸又はその誘導体は、式Z部分(後者はZ(1)、Z(2)、Z(3)、又はZ(4)である)との共役により、以下によって官能化される:
1)ヒアルロン酸又はその誘導体のカルボキシル基とアミンの間の、第一級アミン又はアンモニア源を用いたZの前駆体の還元的アミノ化を介したアミド結合;
2)予め脱アセチル化されたヒアルロン酸又はその誘導体のアミン基とZ部分の間の、還元的アミノ化を介したアミン結合;
3)予め脱アセチル化されたヒアルロン酸又はその誘導体のアミン基と、Z部分の前駆体のカルボキシル基の間のアミド結合。
したがって、さらなる態様において、本発明は、官能化ヒアルロン酸又はその誘導体の調製方法に関し、前記方法は、以下の工程を含む:
i)部分的に又は完全に脱アセチル化されたヒアルロン酸又はその誘導体を提供する工程;
ii)還元的アミノ化反応により、単糖類、二糖類、オリゴ糖類のアミン誘導体を提供する工程;
iii)以下を放置して反応させる工程:
a)カルボジイミド存在下及び/又はカルボキシル基活性化剤存在下における、工程i)による前記ヒアルロン酸と、工程ii)によるアミン誘導体;
又は、
b)アミノボラン存在下における、工程i)による前記部分的に又は完全に脱アセチル化された誘導体と、単糖類、二糖類、オリゴ糖類;
又は、
c)カルボジイミド存在下及び/又はカルボキシル基活性化剤存在下における、工程i)による前記部分的に又は完全に脱アセチル化された誘導体と、単糖類、二糖類、オリゴ糖類のカルボキシル基を持つ誘導体;
又は、
d)カルボジイミド存在下及び/又はカルボキシル基活性化剤存在下における、工程iii-b)による誘導体と、工程ii)によるアミン誘導体;
又は、
e)カルボジイミド存在下及び/又はカルボキシル基活性化剤存在下における、工程iii-c)で得られた誘導体と、工程ii)によるアミン誘導体;
及び、
iv)こうして得られた官能化ヒアルロン酸又はその誘導体を、有機溶媒を用いて沈殿させる工程。
驚くべきことに、アミノボランはカルボニル基と比較してイミン基の還元に顕著な選択性を持ち、水性環境に適合しているため、一級アミン、アンモニア源、多糖類のアミド残基の存在下で、還元糖の効果的なアミン還元を可能とすることが観察された。同時に、カルボジイミド及び/又はカルボキシル基活性化剤の存在は、ヒアルロン酸のアミド誘導体の生成を、エステル誘導体の生成に比べて優れた選択性で効果的に促進する。したがって、この方法は全体として、化学的スペーサーを加えることを頼ることなく、ヒアルロン酸の主鎖に単糖類、二糖類及びオリゴ糖類を結合させる可能性を有利に提供する。
本発明の官能化誘導体の調製に採用することができるヒアルロン酸の誘導体は、好ましくは以下のものである:
- ヒアルロン酸塩、例えば、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸カリウム、ヒアルロン酸カルシウム、ヒアルロン酸マグネシウム、ヒアルロン酸亜鉛、ヒアルロン酸コバルト、ヒアルロン酸アンモニウム、ヒアルロン酸テトラブチルアンモニウム、及びそれらの混合物;
- EP0216453B1にも記載された、カルボキシル基の一部又は全部が、脂肪族系、芳香族系、アリール脂肪族系、シクロ脂肪族系、又は複素環系のアルコールでエステル化されたヒアルロン酸エステル;
- EP0341745B1にも記載された、カルボキシル基の一部又は全部が、同じ多糖類鎖又は別の鎖のアルコール基でエステル化された自動架橋型ヒアルロン酸エステル;
- EP0265116B1にも記載された、カルボキシル基の一部又は全部が脂肪族系、芳香族系、アリール脂肪族系、シクロ脂肪族系、又は複素環系の多価アルコールでエステル化され、スペーサー鎖を介して架橋結合を生成する架橋ヒアルロン酸化合物;
- WO96/357207にも記載された、ヒアルロン酸又は部分的もしくは全体的なヒアルロン酸エステルと、コハク酸の半エステル又はコハク酸の重金属塩;
- WO95/25751にも記載された、O-硫酸化誘導体、又はWO1998/045335にも記載されたN-硫酸化誘導体。
前記単糖類、二糖類、又はオリゴ糖は、前記Z部分について上に定義したものに相当する。
前記アミノボランは、好ましくは、2-メチルピリジンボラン、5-エチル-2-メチルピリジンボラン、ピリジンボラン、トリメチルアミンボラン、トリエチルアミンボラン、ジメチルアミンボラン、tert-ブチルアミンボラン、又はそれらの混合物である。より好ましくは、前記アミノボランは、2-メチルピリジンボラン、5-エチル-2-メチルピリジンボラン、又はそれらの混合物である。
アミノボランは、自然の状態でも、アルコール等の水混和性の有機溶媒に予め可溶化又は分散された状態でも採用できる。これらの中で最も好ましいのは、メタノール、エタノール、2-プロパノール、又はそれらの混合物である。
用語「有機溶媒」は、水性反応溶液の誘電率を下げることができる水混和性の有機溶媒を意味する。適切な有機溶媒は、アセトン、メタノール、エタノール、2-プロパノール、又はそれらの混合物であり、好ましくは、有機溶媒は、エタノール又は2-プロパノール、又はそれらの混合物である。
用語「カルボキシル基活性化剤」は、前記基の水酸基を修飾し,置換反応におけるその脱離を促進する試薬を意味する。カルボキシル基活性化剤は、ヒドロキシベンゾトリアゾール、1,1’-カルボジイミダゾール、p-ニトロフェノール、N-ヒドロキシスルホスクシンイミドのナトリウム塩、N-ヒドロキシスクシンイミド、及びそれらの混合物を含む。
適切なカルボジイミドは、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド、及びそれらの混合物を含む。
任意に、工程iv)において分離した沈殿物を、水と有機溶媒の混合物で洗浄する。水の割合は30%まで、より好ましくは10%までである。
好ましくは、工程iii)による単糖類、二糖類、オリゴ糖類と、ヒアルロン酸又はその誘導体の間のモル比は、0.5~30、より好ましくは1~20、さらに好ましくは1~10である。
さらに別の態様では、本発明は、架橋ポリマーの調製のための、上記の官能化ヒアルロン酸、又はその誘導体の使用に関する。
この場合、さらなる態様では、本発明は上記架橋ポリマーの調製方法に関し、以下の工程を含む:
a)上述の通り、官能化ヒアルロン酸又はその誘導体を提供する工程;
b)後者を放置して、塩基の存在下で、ビスカルボジイミド、又はジビニルスルホン、又は脂肪族エポキシC2-C20、それらのハロヒドリン、エピハロヒドリン、及びハロゲン化物から選択されるエポキシ化合物、又はメチルピリジニウムのハロゲン化物から選択される架橋剤、又はそれらの組み合わせと反応させる工程;及び、
c)架橋されたポリマーゲルを得る工程。
さらなる態様では、本発明は、ガレクチンの発現変化に起因する疾患の治療における本架橋ポリマーの使用に関する。これらの受容体の過大/過小制御が関係する疾患の非限定的な例は、非アルコール性脂肪肝炎、尋常性乾癬、関節リウマチ、変形性関節症、腫瘍、癒着、並びに皮膚、肺、腎臓、及び心血管の線維化プロセスである。
腫瘍や線維化プロセスの例としては、急性リンパ芽球性白血病、特発性肺線維症、肝線維症、心筋線維症、腎線維症、並びに、卵巣癌、前立腺癌、肺癌、胃癌、皮膚癌、甲状腺癌、膵臓癌がある。
さらに別の態様では、本発明は、細胞成長のための生体材料又は足場としての、好ましくは整形外科疾患の治療における、本架橋ポリマーの使用に関する。
またさらに別の態様では、本発明は、細胞成長のための生体材料又は足場としての、形成外科/美容外科、血液透析、心臓病学、脈管学、眼科、耳鼻咽喉科、歯科、婦人科、泌尿器科、皮膚科、腫瘍学、及び組織修復における、本架橋ポリマーの使用に関する。
また、この架橋ポリマーは、医療分野やその他の産業分野で使用される対象物をコーティングするための生体材料としても使用でき、使用する対象物の表面に新たな生物学的特性を与えることができる。
コーティング可能な対象物としては、例えば、カテーテル、カニューレ、プローブ、心臓弁、軟部組織人工器官、動物由来の人工器官、人工腱、骨及び心臓血管用人工器官、コンタクトレンズ、血液、腎臓、心臓、膵臓、肝臓用の人工酸素供給器、血液バッグ、シリンジ、手術器具、濾過システム、実験器具、培養用及び細胞・組織再生用の容器、並びに、ペプチド、タンパク質、及び抗体用の培地を挙げることができる。
架橋されたポリマーは、化粧品や皮膚科でも使用できる。
さらなる態様では、本発明は、少なくとも1つの架橋ポリマーと、少なくとも1つの薬理活性物質及び/又は任意に生物学的機能を有する少なくとも1つの物質を含む医薬組成物に関する。
適切な薬理活性物質は、抗生物質、抗感染症薬、抗菌薬、抗ウイルス薬、細胞増殖抑制剤、細胞毒性薬、抗腫瘍薬、抗炎症薬、瘢痕形成薬、麻酔薬、鎮痛薬、血管収縮薬、コリンもしくはアドレナリン作動薬及び拮抗薬、抗血栓薬、抗凝固薬、止血薬、線維素溶解薬、血栓溶解剤、タンパク質及びその断片、ペプチド、ポリヌクレオチド、成長因子、酵素、ワクチン、又はそれらの組み合わせである。
好ましくは、任意に生物学的機能を有する前記物質は、コラーゲン、フィブリノーゲン、フィブリン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸マグネシウム、セルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸、ラミニン、フィブロネクチン、エラスチン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)、ポリカプロラクトン、ゼラチン、アルブミン、ポリ(グリコリド-コ-カプロラクトン)、ポリ(炭酸グリコリド-コ-トリメチレン)、ハイドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、リン酸二カルシウム、脱灰骨基質、及びそれらの混合物から選択される。
好ましくは、前記少なくとも1つの架橋ポリマーと、任意に生物学的機能を有する前記少なくとも1つの物質は、100:1~1:150の重量比である。
さらに別の態様では、本発明は、ガレクチンの発現変化に起因する疾患の治療における本医薬組成物の使用に関する。これらの受容体の過大/過小制御が関係する疾患の非限定的な例は、非アルコール性脂肪肝炎、尋常性乾癬、関節リウマチ、変形性関節症、腫瘍、癒着、並びに皮膚、肺、腎臓、及び心血管の線維化プロセスである。
またさらに別の態様では、本発明は、リウマチ学、整形外科、腫瘍学、形成外科/美容外科、血液透析、心臓病学、脈管学、眼科、耳鼻咽喉科、歯科、婦人科、泌尿器科、皮膚科、腫瘍学、及び組織修復における、本医薬組成物の使用に関する。
好ましくは、本発明の医薬組成物は、医薬組成物の重量を基準にして、前記少なくとも1つの架橋ポリマーを最大10wt%含み、より好ましくは、前記少なくとも1つの架橋ポリマーを最大5wt%含む。特に好ましいのは、前記少なくとも1つの架橋ポリマーの量が、組成物の重量を基準にして0.1~5wt%の医薬組成物である。
特に好ましい実施形態では、本発明は、上述の少なくとも1つの架橋ポリマーと、ハイドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム又はそれらの混合物を含む医薬組成物に関する。これらの組成物は、骨格組織に関する整形外科用途に有利に使用される。
前記医薬組成物は、吸入、経口、又は筋肉内、静脈内、関節内、経皮、皮下、又は外部もしくは内部の局所的手段で、例えば外科的に投与することができる。
好ましくは、前記医薬組成物は、関節内、皮下、経皮又は局所的な手段で投与される。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、臓器、脂肪、粘膜、歯肉、軟骨、及び骨組織などの身体の硬組織又は軟組織に、好ましくは皮内、皮下、筋肉内、関節内、又は眼内の手段で注入可能な形態である。
別の実施形態では、医薬組成物は、組織修復又は再構築、好ましくは、生体組織の創出もしくは置換、又は生体組織の充填、例えば、皮膚の充填及び窪みの充填、軟骨組織もしくは関節の充填に使用される。
さらなる実施形態では、医薬組成物は、皮膚科学製品もしくは化粧品における使用のためのものであり、又は医薬として、好ましくは生体吸収性インプラントとしての使用のためのものである。
この医薬組成物は、許容できる医薬賦形剤をさらに含むことができる。
適切な医薬品賦形剤は、例えば、pH調整剤、アイソトン調整剤、溶媒、安定剤、キレート剤、希釈剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、滑剤、着色剤、懸濁剤、界面活性剤、凍結保護剤、保存剤、酸化防止剤である。
さらに本発明は、上述の架橋ポリマーを単独で、又は上述の薬理活性物質及び/又は生物活性物質の少なくとも1つと組み合わせて含む生体材料に関する。前記生体材料は、ミクロスフェア、ナノスフェア、膜、スポンジ、ワイヤ、フィルム、ガーゼ、ガイドウェイ、パッド、ゲル、ヒドロゲル、織物、不織布、カニューレ、又はそれらの組み合わせの形態とすることができる。
架橋ポリマーについて好ましく有利であると確認された全ての態様は、上記に報告した官能化ヒアルロン酸又はその誘導体、調製方法、組成物、生体材料及び使用についても同様に好ましく有利であると見なされるべきと理解されるべきである。
さらに、上に開示された架橋ポリマー、官能化ヒアルロン酸又はその誘導体、調製方法、組成物、生体材料、及び使用の好ましい態様の全ての可能な組み合わせも同様に好ましいと理解されるべきである。
以下に、例示の目的で提供される本発明の実施例を示す。
実施例1.還元糖のベンジルアミン誘導体の合成
水とメタノール(3:1)中のラクトース(3%w/v)、ベンジルアミン(5%w/v)及び5-エチル-2-メチルピリジンボラン(6%w/v)の溶液を、55℃の温度で撹拌下に置き、20時間放置して反応させた。次に混合物を冷却し、ジクロロメタンで抽出し、最後に水相を低圧で蒸発させて白色固体の結晶を得た。これをジエチルエーテルで洗浄し、最後にデカンテーションで回収し、減圧で乾燥した。この生成物をIR及びH-NMR分光法で特性評価した。反応収率:90%。
実施例2.還元糖の一級アミン誘導体の合成
メタノールと水(1:1)中の実施例2に従って得られた誘導体の溶液(4%w/v)を、室温で磁気撹拌下に置いた。次に、炭素媒体にPdを加え(金属媒体に0.4%w/v10%)、こうして生成した系を水素で加圧した。48時間後、系を減圧し、等容量の水、デカンテーションした固体、及びセライトフィルターした溶液を加えた。こうして得られた溶液を減圧下で乾燥させて、白色固体を得た。こうして得られた生成物をIR及びH-NMR分光法で特性評価した。反応収率:96%。
実施例3.ラクトビオン酸のイミダゾールアミドに基づくアシル化溶液の合成
ラクトビオン酸のジメチルスルホキシド溶液(10%w/v)に、1,1-カルボジミダゾール(1eq.)を混合し、温度で2時間撹拌した。こうして生成した溶液は、その後、さらに精製することなく使用した。
実施例4.部分的に脱アセチル化されたヒアルロン酸ナトリウムの合成(48時間)
ヒアルロン酸ナトリウム(2%w/v)を、ヒドラジン一水和物中の硫酸ヒドラジン溶液(1%w/v)に加え、こうして生成した系を55℃に加熱し、48時間撹拌下に放置して反応させた。次に、未処理の反応生成物を冷却し、生成物をエタノールで沈殿させて分離し、エタノールで洗浄した後、減圧下で24時間乾燥させた。その後、酢酸の水溶液(5%V/V)に、得られた生成物(5%w/v)を溶解し、溶液を4℃に冷却し、HIOの水溶液(0.5M、60%V/V)を滴下して加えた。
この混合物を同じ条件で1時間放置して反応させた後、ヨウ化水素酸の溶液(57%w/v、溶液の11%V/V)を添加し、系をさらに15分間放置して反応させた。その後、溶液をジエチルエーテルで完全に脱色するまで抽出し、NaOH(1N、0.1N)を用いて、水相のpHを7~7.5に調整し、最後に生成物をエタノールで沈殿させ、エタノールで洗浄し、乾燥した。生成物はH-NMRとIR分光法を用いて特性評価した。反応収率:83%、脱アセチル化度:11%。
実施例5.部分的に脱アセチル化されたヒアルロン酸ナトリウムの合成(72時間)
ヒドラジン水和物中のヒアルロン酸ナトリウム(2%w/v)と硫酸ヒドラジン(1%w/v)の溶液を、温度55℃で72時間、磁気撹拌下に置いた。反応時間の終わりに、エタノールを加えてポリマーを沈殿させ、得られた固体をさらにエタノールで洗浄し、窒素気流下で乾燥させた。生成物を酢酸水溶液(6%w/v、5%酢酸)に再溶解し、0~5℃で恒温維持し、ヨウ素酸水溶液(7.5%w/v)を一定量(0.8eq.量)添加した。
こうして生成した系を1時間撹拌下に置き、次にヨウ化水素酸(57%)の水溶液を一定量(0.11eq.量)加えて、さらに15分間放置して反応させた。次に、1MのNaOH水溶液を加えてpHを9にし、ジエチルエーテルで完全に脱色するまで抽出した。その後、生成物をエタノールで沈殿させ、エタノールで洗浄した後、減圧下で乾燥させ、IR及びH-NMR分光法で特性評価した。反応収率:86%、脱アセチル化度:20%。
実施例6.部分的に脱アセチル化されたヒアルロン酸ナトリウムの合成(96時間)
ヒアルロン酸ナトリウム(2%w/v)を、ヒドラジン一水和物中の硫酸ヒドラジン溶液(1%w/v)に加え、こうして生成した系を55℃に加熱し、撹拌下で96時間放置して反応させた。次に、未処理の反応生成物を冷却し、生成物をエタノールで沈殿させて分離し、エタノールで洗浄し、そして減圧下で24時間乾燥させた。その後、得られた生成物(5%w/v)を酢酸の水溶液(5%V/V)に溶解し、溶液を4℃に冷却し、HIOの水溶液(0.5M、60%V/V)を滴下して加えた。
この混合物を同じ条件で1時間反応させた後、ヨウ化水素酸の溶液(57%w/v、溶液の11%V/V)を添加し、系をさらに15分間放置して反応させた。その後、溶液を完全に脱色するまでジエチルエーテルで抽出し、水相のpHをNaOH(1N、0.1N)で7~7.5に調整し、最後に、エタノールで生成物を沈殿させ、エタノールで洗浄し、乾燥させた。この生成物を、IR及びH-NMR分光法で特性評価した。反応収率:86%、脱アセチル化度:21%。
実施例7.部分的に脱アセチル化されたヒアルロン酸ナトリウムの合成(120時間)
ヒアルロン酸ナトリウム(2%w/v)を、ヒドラジン一水和物中の硫酸ヒドラジン溶液(1%w/v)に加え、こうして生成した系を55℃に加熱し、撹拌下で120時間放置して反応させた。次に、未処理の反応生成物を冷却し、生成物をエタノールで沈殿させて分離し、エタノールで洗浄した後、減圧で24時間乾燥させた。その後、得られた生成物(5%w/v)を酢酸の水溶液(5%V/V)に溶解し、溶液を4℃に冷却し、HIOの水溶液(0.5M、60%V/V)を滴下して加えた。
この混合物を同じ条件で1時間反応させた後、ヨウ化水素酸の溶液(57%w/v、溶液の11%V/V)を添加し、系をさらに15分間放置して反応させた。その後、溶液を完全に脱色するまでジエチルエーテルで抽出し、水相のpHをNaOH(1N、0.1N)で7~7.5に調整し、最後に生成物をエタノールで沈殿させ、エタノールで洗浄して乾燥させた。この生成物を、IR及びH-NMR分光法で特性評価した。反応収率:89%、脱アセチル化度:26%。
実施例8.部分的に脱アセチル化されたヒアルロン酸ナトリウムの合成(24時間)
ヒドラジン水和物中のヒアルロン酸ナトリウム(2%w/v)とヨウ化アンモニウム(0.7%w/v)の溶液を、温度60℃で24時間、磁気撹拌下に置いた。反応時間終了後、エタノールを加えてポリマーを沈殿させ、得られた固体をエタノールで洗浄し、窒素気流下で乾燥させた。生成物を酢酸水溶液(6%w/v、5%酢酸)に再溶解し、0~5℃で恒温維持し、ヨウ素酸の水溶液(7.5%w/v)を一定量(0.8eq.量)添加した。
こうして生成した系を1時間撹拌下に置き、次に、一定量(0.11eq.量)のヨウ化水素酸(57%)の水溶液を加えてさらに15分間放置して反応させた。次に、1MのNaOH水溶液を加えてpHを9にし、ジエチルエーテルで完全に脱色するまでその溶液を抽出した。その後、生成物をエタノールで沈殿させ、エタノールで洗浄し、減圧下で乾燥させた。こうして得られた固体を、IR及びH-NMR分光法で特性評価した。反応収率:88%、脱アセチル化度15%.
実施例9.ヒアルロン酸又はその誘導体のテトラブチルアンモニウム塩の調製
ヒアルロン酸ナトリウム又はその誘導体の水溶液(1.6%w/v)を、テトラブチルアンモニウム(40%w/v)の溶液で予め活性化したテトラブチルアンモニウム塩(溶液の50%V/V)の形態のスルホン樹脂を充填したカラムで濾過した。その後、溶出した溶液を凍結乾燥した。
実施例10.ヒアルロン酸のアミド誘導体(還元糖のアミン誘導体によるアミド化)
ヒアルロン酸ナトリウム(0.3%w/v)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.4%w/v)、N-エチル-N-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.6%w/v)、及び実施例2に従って得られたラクトースのアミン誘導体(2%w/v)を含む水溶液を、NaOH 0.1M又はHCl 0.1Mの水溶液を加えてpHを6.8に維持しながら22時間撹拌下に置いた。次にNaCl(5g/100ml)を加えて、生成物をメタノールで沈殿させた。
こうして得られた固体をデカンテーションで回収し、メタノールと水(4:1)、及び純粋なメタノールで洗浄し、最後に減圧で乾燥させた。生成物は、IR及びH-NMR分光法で特性評価した。反応収率:86%、還元糖のアミン誘導体によるアミド化:50%。
実施例11.ヒアルロン酸のアミド誘導体(還元糖のアミン誘導体によるアミド化)
ヒアルロン酸ナトリウム(0.5%w/v)、N-ヒドロキシスクシンイミド(1.3%w/v)、N-エチル-N-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(1.0%w/v)、及び実施例2で得られたラクトースのアミン誘導体(2.1%w/v)を含む、水とジオキサン(1:1)の溶液を、室温で12時間撹拌下に置いた。反応時間の終わりに、炭酸水素ナトリウムを加えてpHを約9~10にし、溶液をさらに3時間撹拌下に置いた。
酢酸(50%、V/V)を加えて混合物のpHを最大7に調整し、次に塩化ナトリウム(5g/100ml)を加え、生成物をエタノールで沈殿させ、エタノールとエーテルで洗浄し、最後に減圧で乾燥させた。生成物を、IR及びH-NMR分光法で特性評価した。反応収率:85%、還元糖のアミン誘導体によるアミド化:21%。
実施例12.有機媒体上のヒアルロン酸のアミド誘導体(還元糖のアミン誘導体によるアミド化)
ジメチルスルホキシド中のヒアルロン酸のテトラブチルアンモニウム塩の溶液(2%w/v)を塩酸水溶液で最大pH3に処理し、次に1,1-カルボニルジイミダゾール(1.5eq.)を添加し、12時間放置して反応させた。次に、この溶液をグーチるつぼで濾過して固体部分を除去し、実施例2で得られたアミン誘導体(2eq.)を加え、こうして生成した混合物を48時間放置して反応させた。
その後、塩化ナトリウムの飽和溶液を、塩化ナトリウムの最終滴定濃度(titre)が5%w/vになるように十分な量を加え、混合物を1時間撹拌下に置き、最後にアセトンを加えて生成物を沈殿させ、得られた固体を分離し、乾燥した。生成物を、IR及びH-NMR分光法で特性評価した。反応収率:80%、還元糖のアミン誘導体によるアミド化:10%。
実施例13.有機媒体上のヒアルロン酸のアミド誘導体(還元糖のアミン誘導体によるアミド化)
ジメチルホルムアミド中のヒアルロン酸ナトリウム(2%w/v)の溶液に、1,1-カルボニルジイミダゾール(1eq.)を加えた。こうして生成した溶液を6時間放置して反応させた後、実施例2で得られたアミン誘導体(5eq.)を加え、系をさらに36時間放置して反応させた。次に、生成物をアセトンで沈殿させた後、分離し、アセトンで洗浄し、減圧で乾燥させた。この生成物を、IR及びH-NMR分光法で特性評価した。反応収率:80%、還元糖のアミン誘導体によるアミド化:57%。
実施例14.部分的に脱アセチル化されたヒアルロン酸のアミン誘導体(還元糖による還元的アミノ化)
実施例6に従って得られた部分的に脱アセチル化されたヒアルロン酸ナトリウムの水溶液(1.5%w/v)に、ラクトース(10eq.)を混合し、酢酸(100%)を用いてpHを5.5付近になるように調整した。こうして生成した系を60℃に加熱した後、メタノール中の2-メチルピリジンボラン(10eq.、10%w/v)の溶液を添加し、同じ条件で2時間放置して反応させた。
次に、塩酸水溶液(4N)で、溶液のpHを値が2~3付近になるまで調整し、系を同条件で15分間維持した後、系を冷却し、NaOH(1N)でpHを7~7.5に調整し、得られた溶液を水に対して繰り返し透析した(カットオフ12~14000)。最後に、この溶液に塩化ナトリウムを、その滴定濃度が5%w/vになるまで混合し、目的生成物をエタノールで沈殿させ、乾燥させ、IR及びH-NMR分光法で特性評価した。反応収率:80%、還元糖によるアミノ化:21%。
実施例15.部分的に脱アセチル化されたヒアルロン酸のアミン誘導体(還元糖による還元的アミノ化)
実施例6に従って得られた部分的に脱アセチル化されたヒアルロン酸ナトリウムの水溶液(1.5%w/v)に、ラクトース(10eq.)を混合し、酢酸(100%)でpHを値が5.5付近になるように調整した。こうして生成した系を60℃に加熱した後、メタノール中の2-メチルピリジンボラン(10eq.、10%w/v)の溶液を添加し、同じ条件で2時間放置して反応させた。
次に、塩酸水溶液(4N)で、溶液のpHを値が2~3付近になるまで調整し、系を同条件で15分間維持した。その後、系を冷却し、その滴定濃度が5%w/vになるまでNaOH(1N)と塩化ナトリウムでpHを7~7.5に調整した。そして、目的生成物をエタノールで沈殿させ、乾燥させた後、IR及びH-NMR分光法で特性評価した。反応収率:84%、還元糖によるアミノ化:21%。
実施例16.部分的に脱アセチル化されたヒアルロン酸のアミン誘導体(還元糖による還元的アミノ化)
実施例4に従って得られた部分的に脱アセチル化されたヒアルロン酸ナトリウムの水溶液(1.5%w/v)にラクトース(10eq.)を混合し、酢酸(100%)でpHを値が5.5付近になるように調整した。こうして生成した系を60℃に加熱した後、メタノール中の2-メチルピリジンボラン(10eq.、10%w/v)の溶液を添加し、同じ条件で2時間放置して反応させた。
次に、塩酸水溶液(4N)で、溶液のpHを値が2~3付近になるまで調整し、系を同じ条件で15分間保持した。その後、系を冷却し、NaOH(1N)でpHを7~7.5に調整し、得られた溶液を水に対して繰り返し透析した(カットオフ12~14000)。最後に、この溶液に塩化ナトリウムを、その滴定濃度が5%w/vになるまで混合し、目的生成物をエタノールで沈殿させ、乾燥させ、そしてIR及びH-NMR分光法で特性評価した。反応収率:78%、還元糖によるアミノ化:11%。
実施例17.部分的に脱アセチル化されたヒアルロン酸のアミン誘導体(還元糖による還元的アミノ化)
実施例5に従って得られた部分的に脱アセチル化されたヒアルロン酸ナトリウムの水溶液(2%w/v)にラクトース(3eq.)を混合し、そして酢酸(100%)でpHを5.5付近の値になるように調整した。こうして生成した系を60℃に加熱し、イソプロパノール中の2-メチルピリジンボラン(1eq.、10%w/v)の溶液を添加し、同じ条件で3時間放置して反応させた。
次に、塩酸水溶液(4N)を用いて反応物のpHを2~3付近の値になるまで調整し、系を同じ条件で15分間維持した。その後、系を冷却し、イソプロパノールを加えて生成物を沈殿させ、イソプロパノールと水(80:20及び90:10)で洗浄し、減圧で乾燥させた。生成物は、IR及びH-NMR分光法で特性評価した。反応収率:95%、還元糖によるアミノ化:20%。
実施例18.部分的に脱アセチル化されたヒアルロン酸のアミン誘導体(還元糖による還元的アミノ化)
実施例8に従って得られた部分的に脱アセチル化されたヒアルロン酸ナトリウムの水溶液(2%w/v)にラクトース(3eq.)を混合し、酢酸(100%)でpHを5.5付近の値になるように調整した。こうして生成した系を60℃に加熱し、そしてイソプロパノール中の2-メチルピリジンボラン(1eq.、10%w/v)の溶液を添加し、同じ条件で3時間放置し、反応させた。
次に、塩酸水溶液(4N)を用いて反応物のpHを2~3付近の値になるまで調整し、系を同じ条件で15分間維持した。その後、系を冷却し、イソプロパノールを加えて生成物を沈殿させ、イソプロパノールと水(80:20及び90:10)で洗浄し、減圧で乾燥させた。この生成物を、IR及びH-NMR分光法で特性評価した。反応収率:95%、還元糖によるアミノ化:15%。
実施例19.実施例14~18に従って得られた化合物のアミド誘導体(還元糖によるヒアルロン酸の還元的アミノ化によって得られた誘導体のアミド化)
実施例17に従って得られたヒアルロン酸のアミン誘導体の水溶液(0.25%w/v)を、実施例1で得られたアミン誘導体(30eq.)と混合し、得られた溶液を水酸化ナトリウム(1N、0.1N)又は塩酸(1N、0.1N)の適切な添加によってpH6.8にした。
次に、予め、水:ジメチルスルホキシド(1.1:1)に可溶化した(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩(5eq.、11%w/v)及びヒドロキシベンゾトリアゾール(3.5eq.、6%w/v)の溶液を滴下して加えた。水酸化ナトリウム(1N、0.1N)を適切に加えることにより、溶液のpHを6.8に調整し、こうして生成した原料製品を室温で16時間放置して反応させた。
次に、水酸化ナトリウム/塩酸(0.1N)で、適切にpHを7にし、得られた溶液を水に対して繰り返し透析した(カットオフ12~14000)。その後、その滴定濃度が5%w/vになるまで、塩化ナトリウムを溶液に混合し、目的生成物をエタノールで沈殿させ、乾燥させて、IR及びH-NMR分光法で特性評価した。反応収率:90%、還元糖のアミン誘導体によるアミド化:90%。
実施例20.部分的に脱アセチル化されたヒアルロン酸のアミド誘導体(還元糖のカルボキシル誘導体によるアシル化)
実施例6に従って得られた脱アセチル化ヒアルロン酸ナトリウムの水溶液(0.30%w/v)にラクトビオン酸(30eq.)を混合し、得られた溶液に水酸化ナトリウム(1N、0.1N)又は塩酸(1N、0.1N)を適切に加えてpH6.8にした。次に、予め、水:ジメチルスルホキシド(1.1:1)に可溶化した(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩(5eq.、11%w/v)とヒドロキシベンゾトリアゾール(3.5eq.、6%w/v)の溶液を滴下して加えた。水酸化ナトリウム(1N、0.1N)を適切に加えて溶液のpHを6.8に調整し、こうして生成した原料製品を室温で16時間放置して反応させた。
次に、水酸化ナトリウム/塩酸(0.1N)で、適切にpHを7にし、得られた溶液を水に対して繰り返し透析した(カットオフ12~14000)。その後、この溶液に、塩化ナトリウムをその滴定濃度が5%w/vになるまで混合し、目的生成物をエタノールで沈殿させ、乾燥させ、IR及びH-NMR分光法で特性評価した。反応収率:79%、ラクトビオン酸によるアシル化:5%。
実施例21.部分的に脱アセチル化されたヒアルロン酸のアミド誘導体(還元糖のカルボキシル誘導体によるアシル化)
実施例3に従って調製したラクトビオン酸の溶液を、実施例6に従って得られた脱アセチル化ヒアルロン酸ナトリウムの水溶液(0.5eq、0.30%w/v)に加え、こうして生成した原料製品を室温で16時間放置して反応させた。次に、水酸化ナトリウム/塩酸(0.1N)を用いて、適切にpHを7とし、得られた溶液を水に対して繰り返し透析した(カットオフ12-14000)。その後、この溶液に、塩化ナトリウムを、その滴定濃度が5%w/vになるまで混合し、目的生成物をエタノールで沈殿させ、乾燥させ、IR及びH-NMR分光法で特性評価した。反応収率:87%、ラクトビオン酸によるアシル化:16%。
実施例22.部分的に脱アセチル化されたヒアルロン酸のアミド誘導体(還元糖のカルボキシル誘導体によるアシル化)
実施例3に従って調製したラクトビオン酸の溶液を、実施例6に従って得られた脱アセチル化ヒアルロン酸ナトリウムの水溶液(0.5eq、30%w/v)に加え、こうして生成した原料製品を室温で16時間放置して反応させた。次に、塩化ナトリウムの飽和溶液を、塩化ナトリウムの最終滴定濃度が5%w/vになるように十分な量で加え、混合物を1時間撹拌下に置き、最後にアセトンを加えて生成物を沈殿させた。得られた固体を分離し、乾燥させた。生成物を、IR及びH-NMR分光法で特性評価した。反応収率:85%、ラクトビオン酸によるアシル化:16%。
実施例23.有機媒体上の部分的に脱アセチル化されたヒアルロン酸のアミド誘導体(還元糖のカルボキシル誘導体によるアシル化)
実施例3に従って調製したラクトビオン酸の溶液を、実施例9に従って得られた脱アセチル化テトラブチルアンモニウムヒアルロン酸のジメチルスルホキシド中の溶液(0.5eq.、2%w/v)に加え、こうして生成した原料製品を室温で16時間放置して反応させた。次に、塩化ナトリウムの飽和溶液を、塩化ナトリウムの最終滴定濃度が5%w/vになるように十分な量を加え、混合物を1時間撹拌下に置き、最後にアセトンを加えて生成物を沈殿させた。得られた固体を分離し、乾燥させた。この生成物を、IR及びH-NMR分光法で特性評価した。反応収率:80%、ラクトビオン酸によるアシル化:10%。
実施例24.有機媒体上の部分的に脱アセチル化されたヒアルロン酸のアミド誘導体(還元糖のカルボキシル誘導体によるアシル化)
実施例3に従って調製したラクトビオン酸の溶液を、実施例6に従って得られた脱アセチル化ヒアルロン酸ナトリウムのジメチルホルムアミド中の溶液(0.5eq.、2%w/v)に加え、こうして生成した原料製品を、室温で16時間放置して反応させた。次に、塩化ナトリウムの飽和溶液を、塩化ナトリウムの最終滴定濃度が5%w/vになるように十分な量で加え、混合物を1時間撹拌下に置き、最後にアセトンを加えて生成物を沈殿させ、得られた固体を分離し、乾燥させた。生成物を、IR及びH-NMR分光法で特性評価した。反応収率:88%、ラクトビオン酸によるアシル化:19%。
実施例25.実施例20~24に従って得られた化合物のアミド誘導体(還元糖のアミン誘導体によるヒアルロン酸のアシル化により得られた誘導体のアミド化)
実施例24に従って得られたヒアルロン酸のアミド誘導体の水溶液(0.25%w/v)に、実施例1で得られたアミン誘導体(30eq.)を混合し、得られた溶液に、水酸化ナトリウム(1N、0.1N)又は塩酸(1N、0.1N)を適切に加えてpH6.8にした。次に、予め、水:ジメチルスルホキシド(1.1:1)に可溶化した(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩(5eq.、11%w/v)及びヒドロキシベンゾトリアゾール(3.5eq.、6%w/v)の溶液を滴下して加えた。水酸化ナトリウム(1N、0.1N)を適切に加えて溶液のpHを6.8に調整し、こうして生成した原料製品を室温で16時間放置して反応させた。
次に、水酸化ナトリウム/塩酸(0.1N)で、適切にpHを7にし、得られた溶液を水に対して繰り返し透析した(カットオフ12~14000)。その後、塩化ナトリウムを、その滴定濃度が5%w/vになるまで溶液に混合し、エタノールで目的生成物を沈殿させ、乾燥し、そしてIR及びH-NMR分光法で特性評価した。反応収率:84%、還元糖のアミン誘導体によるアミド化:93%。
実施例26.ヒアルロン酸のアミド誘導体の架橋生成物
トリエチルアミン(ヒアルロン酸のアミド誘導体の4%)を、ジメチルスルホキシド中の実施例10及び9に従って得られたヒアルロン酸のアミド誘導体の溶液(2.5%、w/v)に、25℃、撹拌下で加え、生成した溶液をさらに30分間撹拌した。次に、ジメチルスルホキシド中の2-クロロ-1-メチルピリジニウムヨージド(ヒアルロン酸のアミド誘導体の10.2%)の溶液(1%w/v)を20分かけて滴下して加え、こうして生成した混合物を30℃でさらに15時間撹拌した。
次に、塩化ナトリウムの溶液(2.5%w/v)を全体積の30%になるように未処理の反応生成物に徐々に加え、生成した混合物を、達する体積の約200%になるように、一定量のアセトンに徐々に移した。そして、生成した沈殿物を分離し、アセトン:水(5:1)の混合液で3回、アセトンのみで1回洗浄した。その後、生成物を減圧下で、30℃で24時間乾燥させた後、4℃で保存した。
[アミド50%、エステル25%、ナトリウム25%]
実施例27.ヒアルロン酸のアミド誘導体の架橋生成物
トリエチルアミン(ヒアルロン酸のアミド誘導体の1.6%)を、ジメチルスルホキシド中の実施例10及び9に従って得られたヒアルロン酸のアミド誘導体の溶液(2.5%、w/v)に、25℃、撹拌下で加え、生成した溶液をさらに30分間撹拌した。次に、ジメチルスルホキシド中の2-クロロ-1-メチルピリジニウムヨージド(ヒアルロン酸のアミド誘導体の4.1%)の溶液(1%w/v)を20分かけて滴下して加え、こうして生成した混合物を30℃でさらに15時間撹拌した。
次に、未処理の反応生成物に、塩化ナトリウムの溶液(2.5%w/v)を全体積の30%になるように徐々に加え、生成した混合物を、達する体積の約200%になるように一定量のアセトンに徐々に移した。そして、生成した沈殿物を分離し、アセトン:水(5:1)の混合液で3回、アセトンのみで1回洗浄した。その後、生成物を減圧下で、30℃で24時間乾燥させ、4℃で保存した。
[アミド50%、エステル10%、ナトリウム40%]
実施例28.ヒアルロン酸のアミン誘導体の架橋生成物
トリエチルアミン(ヒアルロン酸のアミド誘導体の4%)を、ジメチルスルホキシド中の実施例15及び9に従って得られたヒアルロン酸のアミン誘導体の溶液(2.5%w/v)に、25℃、撹拌下で加え、生成した溶液をさらに30分間撹拌した。次いで、ジメチルスルホキシド中の2-クロロ-1-メチルピリジニウムヨージド(ヒアルロン酸のアミド誘導体の10.2%)の溶液(1%w/v)を20分かけて滴下して加え、こうして生成した混合物を30℃でさらに15時間撹拌した。
次に、未処理の反応生成物に、塩化ナトリウムの溶液(2.5%w/v)を全体積の30%になるように徐々に加え、生成した混合物を、達する体積の約200%になるように一定量のアセトンに徐々に移した。そして、生成した沈殿物を分離し、アセトン:水(5:1)の混合液で3回、アセトンのみで1回洗浄した。その後、生成物を減圧下で、30℃で24時間乾燥させ、4℃で保存した。
[エステル30%、ナトリウム70%]
実施例29.ヒアルロン酸のアミド誘導体の架橋生成物
トリエチルアミン(ヒアルロン酸のアミド誘導体の4%)を、ジメチルスルホキシド中の実施例21及び9に従って得られたヒアルロン酸のアミン誘導体の溶液(2.5%w/v)に、25℃、撹拌下で加え、生成した溶液をさらに30分間撹拌した。次に、ジメチルスルホキシド中の2-クロロ-1-メチルピリジニウムヨージド(ヒアルロン酸のアミド誘導体の10.2%)の溶液(1%w/v)を20分かけて滴下して加え、こうして生成した混合物を30℃でさらに15時間撹拌した。
次に、未処理の反応生成物に、塩化ナトリウムの溶液(2.5%w/v)を全体積の30%になるように徐々に加え、生成した混合物を、達する体積の約200%になるように一定量のアセトンに徐々に移した。そして、生成した沈殿物を分離し、アセトン:水(5:1)の混合液で3回、アセトンのみで1回洗浄した。その後、生成物を減圧下で、30℃で24時間乾燥させ、4℃で保存した。
[エステル30%、ナトリウム70%]
実施例30.ヒアルロン酸のアミド誘導体の架橋生成物
実施例10に従って得られたヒアルロン酸のアミド誘導体の水溶液(12%w/v)を、NaOH水溶液(5N)の添加によりpH12~13にした。RTで15分間撹拌した後、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDE、ヒアルロン酸のアミド誘導体の18%)を加え、系をRTで2時間撹拌下に置いた。次に、HCl水溶液(2N)でpHを7にし、系を同じ条件で15時間、放置した。
次に、こうして得られたゲルを小断片に分割し、脱イオン水で洗浄し、リン酸生理食塩水(1x)で8時間還流させた後、乾燥した。最後に、得られた化合物を小断片に分割し、8℃で保存した。
実施例31.ヒアルロン酸のアミド誘導体の架橋生成物
実施例10に従って得られたヒアルロン酸のアミド誘導体の水溶液(12%w/v)を、HCl水溶液(2N)の添加によりpH3にした。RTで15分間撹拌した後、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDE、ヒアルロン酸のアミド誘導体の18%)を加え、系をRTで2時間撹拌下に置いた。
次に、NaOH水溶液(5N)でpHを7にして、同じ条件で15時間放置した。次に、こうして得られたゲルを小断片に分割し、脱イオン水で洗浄し、リン酸生理食塩水(1x)で8時間還流させた後、乾燥した。最後に、得られた化合物を小断片に分割し、8℃で保存した。
実施例32.ヒアルロン酸のアミン誘導体の架橋生成物
実施例15に従って得られたヒアルロン酸のアミン誘導体の水溶液(12%w/v)を、HCl水溶液(2N)の添加によってpH3にした。RTで15分間撹拌した後、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDE、ヒアルロン酸のアミド誘導体の18%)を加え、系をRTで2時間撹拌下に置いた。次に、NaOH水溶液(5N)でpHを7にし、系を同じ条件で15時間放置した。
次に、こうして得られたゲルを小断片に分割し、脱イオン水で洗浄し、リン酸生理食塩水(1x)で8時間還流させた後、乾燥した。最後に、得られた化合物を小断片に分割し、8℃で保存した。
実施例33.ヒアルロン酸のアミド誘導体の架橋生成物
実施例21に従って得られたヒアルロン酸のアミド誘導体の水溶液(12%w/v)を、HCl水溶液(2N)の添加によりpH3にした。RTで15分間撹拌した後、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDE、ヒアルロン酸のアミド誘導体の18%)を加え、系をRTで2時間撹拌下に置いた。
次に、NaOH水溶液(5N)でpHを7にし、同じ条件で15時間放置した。次に、こうして得られたゲルを小断片に分割し、脱イオン水で洗浄し、リン酸生理食塩水(1x)で8時間還流させた後、乾燥した。最後に、得られた化合物を小断片に分割し、8℃で保存した。
実施例34.ヒアルロン酸のアミド誘導体の架橋生成物
実施例10に従って得られたヒアルロン酸のアミド誘導体の水溶液(4%w/v)に、NaOH水溶液(5N)を加えてpH12~13にし、室温で30分間撹拌した。次に、ジビニルスルホン(DVS、ヒアルロン酸のアミド誘導体の20%)をこの溶液に徐々に加え、約15分でゲルの生成に至った。
生成したゲルを同じ条件でさらに1時間放置し、次に開始時の100倍の体積になるように一定量の水に移した。その後、ゲルを15時間放置して膨張させた後、粉砕し、水で繰り返し洗浄し、透明な粒子の形で分離した。
実施例35.ヒアルロン酸のアミン誘導体の架橋生成物
実施例15に従って得られたヒアルロン酸のアミン誘導体の水溶液(4%w/v)に、NaOH水溶液(5N)を加えてpH12~13にし、室温で30分間撹拌した。次に、この溶液にジビニルスルホン(DVS、ヒアルロン酸のアミド誘導体の20%)を徐々に加え、約15分でゲルの生成に至った。生成したゲルをさらに1時間同じ条件で放置し、次に開始時の100倍の体積になるように一定量の水に移した。その後、ゲルを15時間放置して膨張させた後、粉砕し、水で繰り返し洗浄し、透明な粒子の形で分離した。
実施例36.ヒアルロン酸のアミド誘導体の架橋生成物
実施例21に従って得られたヒアルロン酸のアミド誘導体の水溶液(4%w/v)に、NaOH水溶液(5N)を加えてpH12~13にし、室温で30分間撹拌した。次に、この溶液にジビニルスルホン(DVS、ヒアルロン酸のアミド誘導体の20%)を徐々に加え、約15分でゲルの生成に至った。生成したゲルをさらに1時間同じ条件で放置し、次に開始時の100倍の体積になるように一定量の水に移した。その後、ゲルを15時間放置して膨張させた後、粉砕し、水で繰り返し洗浄し、透明な粒子の形で分離した。
実施例37.ヒアルロン酸のアミド誘導体の架橋生成物
MES緩衝液(pH5.5の2-[N-モルホリノ]エタンスルホン酸の水溶液(1.5%w/v))中の実施例10に従って得られたヒアルロン酸のアミド誘導体の溶液(1.5%w/v)を、p-フェニレン-ビス(エチルカルボジイミド)(1.5%w/vのアセトン溶液中の20%のヒアルロン酸のアミド誘導体)と混合した。こうして生成した反応混合物を撹拌し、さらに72時間室温で放置した。
次に、塩化ナトリウム(ヒアルロン酸のアミド誘導体の325%)を加え、ゲルを室温でさらに1時間放置した。その後、激しい撹拌下で、エタノールを加えて架橋生成物を沈殿させ(MES緩衝液の900%v/v)、分離し、減圧乾燥した後、8℃で保存した。
実施例38.ヒアルロン酸のアミン誘導体の架橋生成物
MES緩衝液(pH5.5の2-[N-モルホリノ]エタンスルホン酸の水溶液1.5%w/v)中の実施例15に従って得られたヒアルロン酸のアミン誘導体の溶液(1.5%w/v)を、p-フェニレン-ビス(エチルカルボジイミド)(1.5%w/vのアセトン溶液中の20%のヒアルロン酸のアミド誘導体)と混合した。こうして生成した反応混合物を撹拌し、さらに72時間室温で放置した。
次に、塩化ナトリウム(ヒアルロン酸のアミド誘導体の325%)を加え、ゲルをさらに1時間室温で放置した。その後、激しい撹拌下で、エタノールを加えて架橋生成物を沈殿させ(MES緩衝液の900%v/v)、分離し、減圧乾燥した後、8℃で保存した。
実施例39.ヒアルロン酸のアミド誘導体の架橋生成物
MES緩衝液(pH5.5の2-[N-モルホリノ]エタンスルホン酸の水溶液1.5%w/v)中の実施例21に従って得られたヒアルロン酸のアミド誘導体の溶液(1.5%w/v)を、p-フェニレン-ビス(エチルカルボジイミド)(1.5%w/vのアセトン溶液中の20%のヒアルロン酸のアミド誘導体)と混合した。こうして生成した反応混合物を撹拌し、さらに72時間室温で放置した。
次に、塩化ナトリウム(ヒアルロン酸のアミド誘導体の325%)を加え、ゲルを室温でさらに1時間放置した。その後、激しい撹拌下で、エタノールを加えて架橋生成物を沈殿させ(MES緩衝液の900%v/v)、分離し、減圧乾燥した後、8℃で保存した。

Claims (19)

  1. 式(I)の繰り返し単位を10~90%含む官能化ヒアルロン酸又はその誘導体を含む架橋ポリマーであって:
    Figure 2022529953000019

    [式中、
    、R、R、Rは、互いに独立して、H、SO 、脂肪族系、芳香族系、アリール脂肪族系、シクロ脂肪族系、複素環系のカルボン酸に由来するアシル基、-CO-(CH-COOY(式中、Yは負電荷又はH)であり、そして、
    Rは、Z(1)又はZ(2)であり、Rは、-CO-CH、H、SO 、脂肪族系、芳香族系、アリール脂肪族系、シクロ脂肪族系、複素環系のカルボン酸に由来するアシル基、ヒアルロン酸のアシル基である。
    ここで、Z(1)は式(1)部分であるか、又はZ(2)は式(2)部分である:
    Figure 2022529953000020

    (式中、
    は-NRCH-であり、RはH、又は置換もしくは非置換の脂肪族基、芳香族基、アリール脂肪族基、シクロ脂肪族基、複素環基であり、
    は、-OH、又は-NHCOCHであり、
    は、H、単糖類、二糖類、又はオリゴ糖類である。)
    Figure 2022529953000021

    (式中、
    は-NRCH-であり、RはH又は置換もしくは非置換の脂肪族基、芳香族基、アリール脂肪族基、シクロ脂肪族基、複素環基であり、
    及びZは、互いに独立して、H、単糖類、二糖類、又はオリゴ糖類である。)
    あるいは、
    は、Z(3)又はZ(4)であり、Rは、NR、又は脂肪族系、芳香族系、アリール脂肪族系、シクロ脂肪族系、複素環系のアルコール基、OH、O,ヒアルロン酸のアルコール基、ヒアルロン酸のアミノ基であり、R、Rは、互いに独立して、H、又は置換もしくは非置換の脂肪族基、芳香族基、アリール脂肪族基、シクロ脂肪族基、複素環基である。
    ここで、Z(3)は、式(3)部分である。
    Figure 2022529953000022

    (式中、
    は、-CH-又は-CO-であり、
    は、-OH又は-NHCOCHであり、
    は、H、単糖類、二糖類、又はオリゴ糖類である。)
    又は、Z(4)は、式(4)部分である。
    Figure 2022529953000023

    (式中、
    は、-CH-であり、
    及びZは、互いに独立して、H、単糖類、二糖類、又はオリゴ糖類である。)
    あるいは、
    Rは、Z(1)又はZ(2)であり、
    は、Z(3)又はZ(4)である。]
    前記官能化ヒアルロン酸又はその誘導体が、官能化ヒアルロン酸又はその誘導体の同じ鎖内のカルボキシル基とヒドロキシル基の間、及び/又は異なる鎖間のカルボキシル基とヒドロキシル基の間のエステル結合又はラクトン結合によって、少なくとも部分的に直接架橋しているか、又は、カルボキシル基とのエステル結合、及び/又はヒドロキシル基とのエーテル結合、及び/又はカルボキシル基とのアミド結合を形成するスペーサー部分によって少なくとも部分的に間接的に架橋しており、前記スペーサー部分は、ビスカルボジイミド部分;又はビスビニルスルホン部分;又はC2-C20脂肪族エポキシド、それらのハロゲンヒドロン、エピハロゲンヒドリン及びハロゲン化物から選択される二官能性又は多官能性エポキシドに由来するエポキシ部分;又はそれらの組み合わせである、架橋ポリマー。
  2. 前記官能化ヒアルロン酸又はその誘導体が、式(I)の繰返し単位を10~60%含む、請求項1に記載の架橋ポリマー。
  3. 前記二官能性又は多官能性のエポキシドが、エピクロロヒドリン、ジビニルスルホン、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,2-エチレンジオールジグリシジルエーテル、1-(2,3-エポキシプロピル)-2,3-エポキシシクロヘキサン、N,N-ジグリシジルアニリン、エポキシ置換ペンタエリスリトール、及びそれらの混合物から選択される、請求項1又は2に記載の架橋ポリマー。
  4. 前記ビスカルボジイミド部分が、式Y-N=C=N-Y-N=C=N-Y(式中、Y及びYは、互いに独立して、水素、直鎖又は分岐のC1-C10脂肪族基、C1-C10アルコキシ基、C1-C10シクロ脂肪族基、C1-C10アリール、C1-C10ヘテロアリール、C1-C10アラルキル、C1-C10ヘテロアラルキルであり、Yは、直鎖又は分岐のC1-C10脂肪族基、C1-C10アルコキシ基、C1-C10シクロ脂肪族基、C1-C10アリール、C1-C10ヘテロアリール、C1-C10アラルキル、C1-C10ヘテロアラルキルに由来する二官能性部分である。)のビスカルボジイミドに由来する、請求項1又は2に記載の架橋ポリマー。
  5. 前記ビスカルボジイミド部分が、1,6-ヘキサメチレンビス(エチルカルボジイミド)、1,8-オクタメチレンビス(エチルカルボジイミド)、1,10-デカメチレンビス(エチルカルボジイミド)、1,12-ドデカメチレンビス(エチルカルボジイミド)、PEG-ビス(プロピル(エチルカルボジイミド))、2,2’-ジチオエチルビス(エチルカルボジイミド)、1,1’-ジチオ-p-フェニレンビス(エチルカルボジイミド)、パラ-フェニレン-ビス(エチルカルボジイミド)、1,1’-ジチオ-m-フェニレンビス(エチルカルボジイミド)及びそれらの混合物から選択されるビスカルボジイミドに由来する、請求項4に記載の架橋ポリマー。
  6. 式(I)の繰り返し単位を10~90%含む官能化ヒアルロン酸又はその誘導体:
    Figure 2022529953000024

    [式中、
    、R、R、Rは、互いに独立して、H、SO 、脂肪族系、芳香族系、アリール脂肪族系、シクロ脂肪族系、複素環系のカルボン酸に由来するアシル基、-CO-(CH-COOY(式中、Yは負電荷又はH)であり、そして、
    Rは、Z(1)又はZ(2)であり、Rは、-CO-CH、H、SO 、脂肪族系、芳香族系、アリール脂肪族系、シクロ脂肪族系、複素環系のカルボン酸に由来するアシル基、ヒアルロン酸のアシル基である。
    ここで、Z(1)は式(1)部分であるか、又はZ(2)は式(2)部分である:
    Figure 2022529953000025

    (式中、
    は-NRCH-であり、RはH、又は置換もしくは非置換の脂肪族基、芳香族基、アリール脂肪族基、シクロ脂肪族基、複素環基であり、
    は、-OH、又は-NHCOCHであり、
    は、H、単糖類、二糖類、又はオリゴ糖類である。)
    Figure 2022529953000026

    (式中、
    は-NRCH-であり、RはH又は置換もしくは非置換の脂肪族基、芳香族基、アリール脂肪族基、シクロ脂肪族基、複素環基であり、
    及びZは、互いに独立して、H、単糖類、二糖類、又はオリゴ糖類である。)
    あるいは、
    は、Z(3)又はZ(4)であり、Rは、NR、又は脂肪族系、芳香族系、アリール脂肪族系、シクロ脂肪族系、複素環系のアルコール基、OH、O,ヒアルロン酸のアルコール基、ヒアルロン酸のアミノ基であり、R、Rは、互いに独立して、H、又は置換もしくは非置換の脂肪族基、芳香族基、アリール脂肪族基、シクロ脂肪族基、複素環基である。
    ここで、Z(3)は、式(3)部分である。
    Figure 2022529953000027

    (式中、
    は、-CH-又は-CO-であり、
    は、-OH又は-NHCOCHであり、
    は、H、単糖類、二糖類、又はオリゴ糖類である。)
    又は、Z(4)は、式(4)部分である。
    Figure 2022529953000028

    (式中、
    は、-CH-であり、
    及びZは、互いに独立して、H、単糖類、二糖類、又はオリゴ糖類である。)
    あるいは、
    Rは、Z(1)又はZ(2)であり、Rは、Z(3)又はZ(4)である。]
  7. 、Z及びZが、互いに独立して、H;グルコース、ガラクトース、アラビノース、キシロース、マンノース、ラクトース、トレハロース、ゲンチオビオース、セロビオース、セロトリオース、マルトース、マルトトリオース、キトビオース、キトトリオース、マンノビオース、メリビオース、フルクトース、N-アセチルグルコサミン、N-アセチルガラクトサミンの部分;又はそれらの組み合わせである、請求項6に記載の官能化ヒアルロン酸又はその誘導体。
  8. が、H;グルコース、ガラクトース、マンノース、N-アセチルグルコサミン、N-アセチルガラクトサミンの部分;又はそれらの組み合わせである、請求項6又は7に記載の官能化ヒアルロン酸又はその誘導体。
  9. Zが、ラクトース又はガラクトースの部分であり、Zが、Z(1)、Z(2)、Z(3)及びZ(4)のいずれか1つである、請求項6~8のいずれか一項に記載の官能化ヒアルロン酸又はその誘導体。
  10. 請求項1に記載の架橋ポリマーの調製のための、請求項6~8のいずれか一項に記載の官能化ヒアルロン酸又はその誘導体の使用。
  11. 請求項1に記載の架橋ポリマーの調製方法であって、以下の工程を含む方法:
    a)請求項6~9のいずれか一項に記載の官能化ヒアルロン酸又はその誘導体を提供する工程;
    b)塩基の存在下で、ビスカルボジイミド、又はジビニルスルホン、又はC2-C20脂肪族エポキシド、それらのハロゲンヒドロン、エピロゲンヒドリン、及びハロゲン化物から選択されるエポキシ化合物、又はメチルピリジニウムのハロゲン化物から選択される架橋剤、又はそれらの組み合わせと反応させる工程;及び、
    c)架橋されたポリマーゲルを得る工程。
  12. ガレクチンの発現変化に起因する病態の治療における使用のための請求項1に記載の架橋ポリマーであって、
    前記病態が、非アルコール性脂肪性肝炎、尋常性乾癬、関節リウマチ、変形性関節症、腫瘍、癒着、並びに皮膚、肺、腎臓、及び心血管の線維化プロセスを含む、架橋ポリマー。
  13. 細胞成長のための生体材料又は足場としての使用のための、請求項1に記載の架橋ポリマー。
  14. 少なくとも1つの請求項1に記載の架橋ポリマー、少なくとも1つの薬理活性物質、及び/又は任意に生物学的機能を有する少なくとも1つの物質を含む医薬組成物であって:
    前記薬理活性物質が、抗生物質、抗感染症薬、抗菌薬、抗ウイルス薬、細胞増殖抑制剤、細胞毒性薬、抗腫瘍薬、抗炎症薬、瘢痕形成薬、麻酔薬、鎮痛薬、血管収縮薬、コリンもしくはアドレナリン作動薬及び拮抗薬、抗血栓薬、抗凝固薬、止血薬、線維素溶解薬、血栓溶解剤、タンパク質及びその断片、ペプチド、ポリヌクレオチド、成長因子、酵素、ワクチン、並びにそれらの組み合わせから選択され、そして、
    任意に生物学的機能を有する前記物質が、コラーゲン、フィブリノーゲン、フィブリン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸マグネシウム、セルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸、ラミニン、フィブロネクチン、エラスチン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ(乳酸-コ-グリコール酸)、ポリカプロラクトン、ゼラチン、アルブミン、ポリ(グリコリド-コ-カプロラクトン)、ポリ(炭酸グリコリド-コ-トリメチレン)、ハイドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム、リン酸二カルシウム、脱灰骨基質、及びそれらの混合物から選択される、医薬組成物。
  15. ガレクチンの発現変化に起因する病態の治療における使用のための請求項14に記載の医薬組成物であって、
    前記病態が、非アルコール性脂肪性肝炎、尋常性乾癬、関節リウマチ、変形性関節症、腫瘍、癒着、並びに皮膚、肺、腎臓、及び心血管の線維化プロセスを含む、医薬組成物。
  16. 臓器、脂肪組織、粘膜、歯肉、軟骨、及び骨などの身体の硬組織又は軟組織に適した注射製剤の形態で、好ましくは、皮内、皮下、筋肉内、関節内、又は眼内の経路で投与される、請求項14又は15に記載の医薬組成物。
  17. 組織修復又は再構築、好ましくは、生体組織の創出もしくは置換、又は生体組織の充填、例えば、皮膚、窪み、軟骨もしくは関節の充填における使用のための、請求項14又は15に記載の医薬組成物。
  18. 皮膚科学製品もしくは化粧品における使用、又は医療機器として、好ましくは生体吸収性インプラントとしての使用のための、請求項14又は15に記載の医薬組成物。
  19. リウマチ学、整形外科、腫瘍学、形成美容外科、血液透析、心臓病学、脈管学、眼科、耳鼻咽喉科、歯科、婦人科、泌尿器科、皮膚科、腫瘍学及び組織修復における使用のための、請求項14又は15に記載の医薬組成物。
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