JP2022529218A - 可撓性電界発光デバイス - Google Patents

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Abstract

可撓性電界発光(FEE)デバイスの実施形態が記載される。FEEデバイスは、第1のピーク波長を有する第1の光を生成するように構成された量子ドット(QD)薄膜を有するデバイス積層と、デバイス積層を支持し、第1の光の第1の部分を発するように構成された可撓性基板とを含む。FEEデバイスは、デバイス積層に配置された封緘層と、可撓性基板に配置されるアウトカップリング層とを更に含む。封緘層は、水分又は酸素からの機械的及び環境的保護をFEEデバイスに提供するように構成されることができる。アウトカップリング層は、可撓性基板内の第1の光の第2の部分の全内反射を阻止し、可撓性基板から第2の部分を抽出するように構成されることができる。アウトカップリング層は、FEEデバイスが抽出された第2の部分により照明される表面と実質的に共形配置されることに応答して、アウトカップリング層と上記表面との間の境界面における空気ギャップをなくすように更に構成されることができる。

Description

発明の背景
分野
[0001] 本発明は、可撓性基板上にルミネッセントナノ構造(例えば量子ドット(QD))ベースの発光層を有する電界発光デバイス(例えば発光ダイオード(LED))に関する。
背景
[0002] 電界発光(EL)デバイスは、ディスプレイ(例えば、電話、タブレット、モニタ、テレビジョン、又はデジタルビルボード)及び医療用途(例えば光医学)で光源として使用される。ポータブル及びウェアラブルデバイスの需要の増大に伴い、ELデバイス(例えば、LED及び有機LED(OLED))は、構造的破損及び機能的破損をELデバイスに生じさせずに曲げることができる軽量及び可撓性の基板に作られてきている。
[0003] しかしながら、難問の1つは、例えば光医学用途で光を人間の皮膚に有効に侵入させる、低駆動電圧(例えば、約8ボルト(V)未満の電圧)で高輝度(ルミナンスとも呼ばれる)(例えば、約20,000カンデラ毎平方メートル(cd/m2)超の輝度)を有する光を発する可撓性EL(FEL)デバイスを製造することである。別の難問は、機械的保護及び/又は環境的保護(例えば、水分及び/又は汚染からの保護)を提供して、非可撓性ELデバイスと比較して同様又はより長い動作寿命及び有効性を達成するために、FELデバイスを封緘することである。また、大量生産を容易にするために単純な処理技術を用いて低コストでFELデバイスを製造及び封緘することも難問である。
概要
[0004] 本開示は、ナノ構造(NS)ベースの発光層(EML)と、水分、酸素、及び/又は汚染に対する有効な封緘を用いる安価で高輝度の光生成FELデバイス例を提供する。本開示は、これを作製する安価な方法例も提供する。
[0005] 幾つかの実施形態では、FELデバイスは、可視及び/又は赤外線(IR)スペクトルでの1つ又は複数の一次発光ピーク波長(例えば、約600nmから約1200nmの範囲内の一次発光ピーク波長)において高輝度を有する光を発するように構成されることができる。これらのNSベースのFELデバイスからの光輝度は、OLED等の非NSベースのEMLを有するFELデバイスよりも高いことができ、なぜならば、OLEDの効率は通常、高光輝度レベルで低下するためであり、この効果は効率ロールオフとして知られており、OLEDは高電流密度で大きな効率ロールオフを有する。
[0006] NSベースのFELデバイスの上記構成は、EMLに非カドミウム含有(Cdフリー)NSを用いて達成することができるが、カドミウムNSを使用してもよい。幾つかの実施形態では、CdフリーFELデバイスは、低駆動電圧で約20,000cd/m超(例えば、7Vで約25,000cd/m)の輝度で可視及び/又はIRスペクトル(例えば、約630nm)における1つ又は複数の波長で光を生成することができる。CdフリーFELデバイスは、カドミウムに固有の毒性が人間の健康にとって有害である恐れがあるため、例えば光薬剤での用途に適切であることができる。
[0007] そのようなCdフリーFELデバイスは、人間の皮膚に外部から使用することができ、及び/又は光処置のために人体内部に配置することができる。幾つかの実施形態では、CdフリーFELデバイスは、処置化合物の分子中の電荷状態を励起させることにより、処置部位において処置化合物又は処置化合物中に配合された光阻害剤を活性化することができる。処置部位は、人間の皮膚表面又は人体内部であることができる。
[0008] 幾つかの実施形態では、FELデバイスは、伸張可能及び/又は光医学用途で人間の皮膚等の非均一表面に実質的に共形であるように構成されることができる。非均一表面への一適用例は、光源としてNSベースのFELデバイスを有するLEDバンデージであることができる。LEDバンデージは、処置部位に共形配置することができ、FELデバイスからの光は光処置に使用することができる。幾つかの実施形態では、FELデバイスは、FELデバイスの発光側から離れて熱を放散させるように構成された熱伝導層を有することができる。したがって、例えば、光医学用途で使用されるFELデバイスは、処置部位から熱を有効に放散させることができる。代替的には、熱放散量は、熱ベースの処置に向けて制御することができる。
[0009] 幾つかの実施形態では、発光層(EML)中のルミネッセントNSは、水分及び/又は汚染に対する封緘をEMLに提供するように構成されたバリア被覆を有することができる。したがって、FELデバイスは、複雑及び/又は高価な封緘プロセスを必要とし得る非常に低い水蒸気透過速度(WVTR)(例えば、10-5g/m日未満)を有するバリア材料で封緘される必要がない。FELデバイスは、単純な封緘プロセスを使用して比較的高いWVTR(例えば、10-5g/m日、10-4g/m日、10-3g/m日、10-2g/m日、又は10-1g/m日)を有する安価なバリア材料を用いて封緘することができ、したがって、製造費を下げ、大量生産を容易にする。
[0010] 実施形態によれば、FELデバイスは、第1のピーク波長を有する第1の光を生成するように構成された量子ドット(QD)薄膜を有するデバイス積層と、デバイス積層を支持し、第1の光の第1の部分を発するように構成された可撓性基板とを含む。FELデバイスは、デバイス積層に配置された封緘層と、可撓性基板に配置されるアウトカップリング層とを更に含む。封緘層は、水分又は酸素からの機械的及び環境的保護をFELデバイスに提供するように構成されることができる。アウトカップリング層は、可撓性基板内の第1の光の第2の部分の全内反射を阻止し、可撓性基板から第2の部分を抽出するように構成されることができる。アウトカップリング層は、FELデバイスが抽出された第2の部分により照明される表面と実質的に共形配置されることに応答して、アウトカップリング層と上記表面との間の境界面における空気ギャップをなくすように更に構成されることができる。
[0011] 実施形態によれば、FELデバイスは、可撓性基板と、可撓性基板に配置される第1及び第2のデバイス積層とを含む。第1及び第2のデバイス積層は、第1及び第2のピーク波長をそれぞれ有する第1及び第2の光を同時に発するように構成された、第1及び第2の量子ドット(QD)ベースの発光層(EML)を含む。第1及び第2のピーク波長は互いに異なる。FELデバイスは、第1及び第2のデバイス積層に配置される封緘層と、可撓性基板に配置されるアウトカップリング層とを更に含む。アウトカップリング層は、第1及び第2の光の部分をデバイス積層から同時に抽出するように構成されることができる。
[0012] 実施形態によれば、FELデバイスを作製する方法は、アノードの前堆積層を有する可撓性基板を提供することと、アノードの前堆積層上にQD薄膜を形成することと、QD薄膜上にカソードを形成することと、カソード上に封緘層を形成することと、封緘層上にアウトカップリング層を形成することとを含む。
[0013] 本発明の更なる特徴及び利点並びに本発明の種々の実施形態の構造及び動作について、添付図面を参照して以下に詳述する。なお、本発明は、本明細書に記載の特定の実施形態に限定されない。そのような実施形態は、本明細書では単なる例示を目的として提示されている。本明細書に含まれる教示に基づいて、追加の実施形態が当業者に明らかになるであろう。
図面/図の簡単な説明
[0014] 添付図面は、本明細書に組み込まれて本明細書の一部をなし、本明細書に開示される、実施形態を示し、説明と共に実施形態の原理を説明し、当業者が実施形態を作成し使用できるようにする役割を更に果たす。
[0015]幾つかの実施形態による、封緘層を有する底面発光型可撓性電界発光(FEL)デバイスの断面図の概略である。 [0016]幾つかの実施形態による、封緘層を有する上面発光型FELデバイスの断面図の概略である。 [0017]幾つかの実施形態による、FELデバイスのルミナンス特性対電圧特性を示す。 [0018]幾つかの実施形態によるCdフリーNSベースEMLを有するFELデバイスの電界発光スペクトルを示す。 [0019]幾つかの実施形態による、熱伝導層及び光アウトカップリング層を有するFELデバイスの断面図の概略である。 [0020]幾つかの実施形態による複数のEMLを有するFELデバイスの断面図の概略である。 [0021]幾つかの実施形態による色処理層及び封緘層を有するFELデバイスの断面図の概略である。 [0022]幾つかの実施形態による封緘層を有するFELデバイスを作製する方法の流れ図である。 [0023]幾つかの実施形態によるナノ構造(NS)の断面図の概略である。 [0024]幾つかの実施形態によるNS薄膜の概略である。
[0025] 本発明の特徴及び利点は、同様の参照文字が全体を通して対応する要素を識別する図面と併せて解釈される場合以下に記載の詳細な説明からより明らかになろう。図面中、同様の参照番号は一般に、別記される場合を除き、同一、機能的に同様、及び/又は構造的に構造の要素を示す。要素が最初に出現した図面は、対応する参照番号の左端の桁で示される。別記される場合を除き、本開示全体を通して提供される図面は、一定の縮尺の図面として解釈されるべきではない。
発明の詳細な説明
[0026] 特定の構成及び配置が論考され得るが、これが例示のみを目的として行われることを理解されたい。本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに他の構成及び配置を使用してもよいことを、当業者であれば認識するであろう。この発明が、本明細書で特に言及された用途を超えた多種多様な他の用途でも利用可能なことが、当業者に明らかになるであろう。本明細書に示され説明される特定の実施態様が、例であり、他には本願の範囲の限定を決して意図しないことを理解されたい。
[0027] なお、本明細書での「一実施形態」、「実施形態」、「実施形態例」等の言及は、記載された実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含むが、あらゆる実施形態が必ずしもその特定の特徴、構造、又は特性を含み得るものではないことを示す。更に、そのような句は必ずしも同じ実施形態を指すわけではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性がある実施形態に関連して記載される場合、そのような特徴、構造、又は特性を他の実施形態と併せて行うことは、明確に記載されているか否かに関係なく、当業者の知識内である。
[0028] 材料の量、材料の比率、材料の物理的特性、及び/又は使用を示すこの説明中の全ての数字は、別段のことが明示される場合を除き、「約」という用語で修飾されるものとして理解されたい。
[0029] 実施形態では、「表示デバイス」という用語は、表示画面にデータを可視的に表現できるようにする要素の構成を指す。適切な表示画面は、情報を視覚的にユーザに表示する種々のフラット、湾曲、又は他の形状の画面、フィルム、シート、又は他の構造体を含むことができる。本明細書に記載の表示デバイスは、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、テレビジョン、コンピュータ、モニタ、携帯電話、スマートフォン、個人情報端末(PDA)、ゲームデバイス、電子リーダーデバイス、デジタルカメラ、タブレット、ウェアラブルデバイス、カーナビゲーションシステム、電子看板、拡張現実、仮想現実等を含む表示システムに含まれることができる。
[0030] 「約」という用語は、本明細書で使用されるとき、その値の±10%だけ広がる所与の数量の値を示す。例えば、「約100nm」は90nmから110nm(端数を含む)のサイズの範囲を包含する。
[0031] 「実質的に」という用語は、本明細書で使用されるとき、値の±1%から±5%だけ広がる所与の数量の値を示す。
[0032] 実施形態では、「光学的に結合される」という用語は、構成要素が、光が実質的な干渉なく一方の構成要素から別の構成要素にわたることができるように位置決めされることを意味する。
[0033] 「ナノ構造」という用語は、本明細書で使用されるとき、約500nm未満の寸法の少なくとも1つの領域又は特徴的寸法を有する構造を指す。幾つかの実施形態では、ナノ構造は、約200nm未満、約100nm未満、約50nm未満、約20nm未満、又は約10nm未満の寸法を有する。通常、領域又は特徴的寸法は、構造の最小軸に沿う。そのような構造の例には、ナノワイヤ、ナノロッド、ナノチューブ、分岐ナノ構造、ナノテトラポッド、トリポッド、バイポッド、ナノクリスタル、ナノドット、QD、ナノ粒子等がある。ナノ構造は、例えば、実質的に結晶性、実質的に単結晶、多結晶、非晶質、又はそれらの組合せであることができる。幾つかの実施形態では、ナノ構造の3つの次元のそれぞれは、約500nm未満、約200nm未満、約100nm未満、約50nm未満、約20nm未満、又は約10nm未満の寸法を有する。
[0034] 「QD」又は「ナノ結晶」という用語は、本明細書で使用されるとき、実質的に単結晶であるナノ構造を指す。ナノ結晶は、約500nm未満から約1nm未満のオーダまで下がる寸法を有する、少なくとも1つの領域又は特徴的寸法を有する。「ナノ結晶」、「QD」、「ナノドット」、及び「ドット」という用語は、同様の構造体を表すことが当業者に容易に理解され、本明細書では同義で使用される。本発明は、多結晶又は非晶質ナノ結晶の使用も包含する。
[0035] 「ヘテロ構造体」という用語は、ナノ構造体に関連して用いる場合、少なくとも2つの異なる及び/又は識別可能な材料タイプによって特徴付けられるナノ構造体を指す。通常、ナノ構造体の1つの領域は、第1の材料タイプを含み、ナノ構造体の第2の領域は、第2の材料タイプを含む。いくつかの実施形態では、ナノ構造体は、第1の材料のコアと、第2(又は第3等)の材料の少なくとも1つのシェルとを含み、そこでは、例えば、異なる材料タイプは、ナノワイヤの長軸、分枝ナノワイヤのアームの長軸又はナノ結晶の中心の周りに放射状に分散される。シェルは、必須ではないが、シェルと見なされるように、又はナノ構造体がヘテロ構造と見なされように隣接する材料を完全に覆うことができ、例えば、第2の材料の小さい島で覆われた1つの材料のコアによって特徴付けられるナノ結晶は、ヘテロ構造体である。他の実施形態では、異なる材料タイプは、例えば、ナノワイヤの主(長)軸に沿って又は分枝ナノワイヤのアームの長軸に沿ってナノ構造体内の異なる位置に分散されている。ヘテロ構造体内の異なる領域は、完全に異なる材料を含むことができるか、又は異なる領域は、異なるドーパント又は異なる濃度の同じドーパントを有するベース材料(例えば、ケイ素)を含むことができる。
[0036] 本明細書で用いるとき、ナノ構造体の「直径」という用語は、ナノ構造体の第1の軸に垂直な断面の直径を指し、第1の軸は、第2の軸及び第3の軸(第2の軸及び第3の軸は、長さが互いに最も略等しい2つの軸である)に対して長さの差が最も大きい。第1の軸は、必ずしもナノ構造体の最長軸であるとは限らず、例えば円盤状のナノ構造体の場合、断面は、円盤の短い長手方向軸に垂直な実質的に円形の断面である。断面が円形でない場合、直径は、その断面の長軸と短軸との平均である。ナノワイヤ等の長尺状の又は高アスペクト比のナノ構造体の場合、直径は、ナノワイヤの最長軸に垂直な断面にわたって測定される。球状ナノ構造体の場合、直径は、球の中心を通って一方の側から他方の側まで測定される。
[0037] 「結晶性」又は「実質的に結晶性」という用語は、ナノ構造体に関して用いる場合、ナノ構造体が、典型的には、構造体の1つ又は複数の寸法にわたって長距離秩序を示すという事実を指す。単結晶の秩序が結晶の境界を越えて広がることはできないため、「長距離秩序」という用語は、所定のナノ構造体の絶対的なサイズによって決まることが当業者に理解されるであろう。この場合、「長距離秩序」は、ナノ構造体の寸法の少なくとも大部分にわたる実質的な秩序を意味する。場合により、ナノ構造体は、酸化物若しくは他のコーティングを担持することができるか、又はコア及び少なくとも1つのシェルから構成されることができる。このような場合、酸化物、シェル又は他のコーティングは、必須ではないが、このような秩序を示すことができる(例えば、それは、非晶質、多結晶性又は他のものであり得る)ことが理解されるであろう。このような場合、「結晶性」、「実質的に結晶性」、「実質的に単結晶性」又は「単結晶性」という言い回しは、ナノ構造体の中心コア(コーティング層又はシェルを排除する)を指す。また、本明細書で用いる「結晶性」又は「実質的に結晶性」という用語は、構造体が実質的な長距離秩序(例えば、ナノ構造体又はそのコアの少なくとも1つの軸の長さの少なくとも約80%にわたる秩序)を示す限り、種々の欠陥、積層欠陥、原子置換等を含む構造体も包含することが意図される。更に、コアとナノ構造体の外側との間、又はコアと隣接するシェルとの間、又はシェルと第2の隣接するシェルとの間の界面は、非結晶領域を含むことができ、更に非晶質であり得ることが理解されるであろう。これは、ナノ構造体が本明細書で定義するような結晶性又は実質的に結晶性であることを妨げない。
[0038] 「単結晶性」という用語は、ナノ構造体に関して使用する場合、ナノ構造体が実質的に結晶性であり、実質的に単一の結晶を含むことを示す。コア及び1つ又は複数のシェルを含むナノ構造ヘテロ構造体に関して用いる場合、「単結晶性」は、コアが実質的に結晶性であり、実質的に単一の結晶を含むことを示す。
[0039] 本明細書で用いる「リガンド」という用語は、例えば、ナノ構造体の表面との共有結合、イオン、ファンデルワールス、又は他の分子相互作用を通してナノ構造体の1つ又は複数の面と(弱くても強くても)相互作用することができる分子を指す。
[0040] 本明細書で用いる「量子収率」(QY)という用語は、例えば、ナノ構造体又はナノ構造体の集団によって吸収された光子に対する、放出された光子の比を指す。当技術分野で既知であるように、量子収率は、通常、既知の量子収率値を有する十分に特徴付けられた標準試料を使用する比較方法によって決定される。
[0041] 本明細書で用いる「一次発光ピーク波長」という用語は、発光スペクトルが最高の強度を示す波長を指す。
[0042] 本明細書で用いる「半値全幅」(FWHM)という用語は、スペクトル幅の尺度を指す。発光スペクトルの場合、FWHMは、ピーク強度値の半分の発光スペクトルの幅を指すことができる。
[0043] 本明細書で用いるフェルスター半径という用語は、当技術分野ではフェルスター距離とも呼ばれる。
[0044] 「ナノ構造(NS)薄膜」という用語は、本明細書では、ルミネッセントナノ構造を有する薄膜を指すのに使用される。
[0045] 「可撓性」という用語は、本明細書では、構造的破損及び/又は機能的破損を要素に与えずに曲げる、捻る、折り畳む、管形態に巻く、圧縮する、又は同様に操作することが可能な要素を指すのに使用される。「可撓性」という用語はまた、本明細書では、構造的破損及び/又は機能的破損を要素に与えずに伸張可能な要素を指すのにも使用される。
[0046] 「近赤外線(NIR)波長領域」という用語は、本明細書では、幾つかの実施形態によれば、約750nmから約1200nmの範囲の波長を含むことができるIRスペクトルの波長領域を指すのに使用される。
[0047] 「赤波長領域」という用語は、本明細書では、幾つかの実施形態によれば、約620nmから約750nmの範囲の波長を含むことができる可視スペクトルの波長領域を指すのに使用される。
[0048] 「緑波長領域」という用語は、本明細書では、幾つかの実施形態によれば、約495nmから約570nmの範囲の波長を含むことができる可視スペクトルの波長領域を指すのに使用される。
[0049] 「青波長領域」という用語は、本明細書では、幾つかの実施形態によれば、約435nmから約495nmの範囲の波長を含むことができる可視スペクトルの波長領域を指すのに使用される。
[0050] 本明細書で参照する公開特許、特許出願、ウェブサイト、企業名、及び科学文献は、それぞれが参照により援用されるように具体的に及び個々に示されているのと同程度まで、それらの全体が参照により本明細書に援用される。本明細書で引用する任意の引用文献と本明細書の具体的な教示との間のいかなる矛盾も、後者を選択して解決されるものとする。同様に、用語又は言い回しの技術的に理解される定義と、本明細書において具体的に教示するような用語又は言い回しの定義との間のいかなる矛盾も、後者を選択して解決されるものとする。
[0051] 本明細書で用いる技術用語及び科学用語は、別段の定義がない限り、本明細書が関係する技術分野における、当業者によって一般に理解される意味を有する。本明細書では、当業者に既知である種々の方法及び材料について言及する。
可撓性電界発光デバイスの実施形態例
[0052] 図1は、幾つかの実施形態による底面発光型可撓性電界発光(FEL)デバイス100の断面図の概略を示す。幾つかの実施形態では、FELデバイス100は、可撓性ディスプレイに画像を生成し、可撓性光源を光医学用途での用途(例えば光薬剤)に提供し、及び/又は他のFELデバイスベースの可撓性デバイスを提供するように構成されることができる。「可撓性」という用語は、本明細書では、構造的破損及び/又は機能的破損を要素に与えずに全方向に曲げる、捻る、折り畳む、管形態に巻く、圧縮する、又は同様に操作することが可能な要素を指すのに使用される。「可撓性」という用語は本明細書では、構造的破損及び/又は機能的破損を要素に与えずに両方向に伸張可能な要素を指すのにも使用される。
[0053] 幾つかの実施形態では、FELデバイス100は、可視及び/又は赤外線(IR)スペクトルでの1つ又は複数の一次発光ピーク波長(例えば、約600nmから約1100nmの範囲内の一次発光ピーク波長)において高輝度を有する光を発するように構成されることができる。FELデバイス100からの光輝度はOLEDよりも高い値であることができ、なぜならば、OLEDの効率は通常、高光輝度レベルで低下するためであり、この効果は効率ロールオフとして知られており、OLEDは高電流密度で大きな効率ロールオフを有する。
[0054] 幾つかの実施形態では、FELデバイス100は、基板102と、基板102に配置されるデバイス積層103と、デバイス103に配置される封緘層124とを含むことができる。基板102は、デバイス積層103を支持し、任意選択的にデバイス積層103の動作を制御する制御回路(図示せず)を支持するように構成されることができる。幾つかの実施形態では、基板102は可撓性であることができ、及び/又はFELデバイス100の光医学用途で、人間の皮膚等の非均一表面に実質的に共形とすることができる。幾つかの実施形態では、基板102は光学透過性であることができ、光101を実質的に吸収せずに、デバイス積層103によって生成された光101に基板102を透過させることができる。デバイス積層から発せられた光101は、図1では、Z方向を指す黒色矢印で表されている。
[0055] 幾つかの実施形態では、基板102は、FELデバイス100の伸張中、デバイス積層103の層が張力に直面しないような波形構造を含むことができる。幾つかの実施形態では、基板102は、プラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又は他の適切な可撓性ポリマー材料等のポリマー材料を含むことができる。幾つかの実施形態では、基板102は、超薄銀、銀メッシュ、銀ナノワイヤ、導電性有機ポリマー、又はインジウムスズ酸化物(ITO)を含まない他の適切な導電材料を含むことができる。幾つかの実施形態では、基板102は、約10μmから約150μm(例えば、約10μm、約12μm、約25μm、約75μm、約100μm、約125μm、又は約150μm)の範囲のZ軸に沿った垂直寸法(例えば厚さ)を有することができる。幾つかの実施形態では、基板102の表面102sは、光101を使用して生成される画像を表示する画面として機能することができる。幾つかの実施形態では、基板102は、FELデバイス100に環境保護を提供する封緘層として機能することができる。基板102の材料は、約10-5g/m日から約10g/m日の範囲(例えば、約10-5g/m日、約10-4g/m日、約10-3g/m日、約10-2g/m日、又は約10-1g/m日)の水蒸気透過速度(WVTR)等のバリア性を有するように選択することができる。
[0056] デバイス積層103は、幾つかの実施形態によれば、基板102に配置されるアノード104と、アノード104に配置される正孔注入層(HIL)108と、HIL108上の正孔輸送層(HTL)110と、HTL110に配置される電子遮断層(EBL)112と、EBL112に配置される発光層(EML)114と、EML114に配置される正孔遮断層(HBL)116と、HBL116に配置される電子輸送層(ETL)118と、ETL118に配置される電子注入層(EIL)120と、EIL120に配置されるカソード122とを含むことができる。幾つかの実施形態では、デバイス積層103は、HIL108、EBL112、HBL116、ETL118、又はEIL120なしで、アノード104と、HTL110と、HTL110に配置されるEML114と、EML114に配置されるカソード122とを含むことができる。幾つかの実施形態では、デバイス積層103は、HIL108、HTL110、EBL112、HBL116、ETL118、又はEIL120なしで、アノード104と、アノード104に配置される発光層(EML)114と、EML114に配置されるカソード122とを含むことができる。
[0057] FELデバイス100は、EML114の組成に基づいて可視及びIRスペクトル内の光101(例えば、赤、緑、青、又はIR)を発するように構成されることができる。幾つかの実施形態では、EML114は、1つ又は複数のNSベースの発光層又はNSベースの発光層と有機発光層との組合せを含むことができる。幾つかの実施形態では、NSベースの発光層(例えば、図10を参照して説明するNS薄膜1000)は、QD等のルミネッセントNS(例えば、図9を参照して説明されるNS900)を含むことができる。EML114におけるNSベースの発光層のNSのサイズ及び材料は、基板102を通して発せられる光101の所望の色(例えば、赤、緑、青、又はIR)に基づいて選択することができる。
[0058] 幾つかの実施形態では、EML114におけるNSベースの発光層のNSのサイズ及び材料は、可視スペクトルの赤波長領域(例えば、約620nmから約750nmの範囲の波長)、緑波長領域(例えば、約495nmから約570nmの範囲の波長)、又は青波長領域(例えば、約435nmから約495nmの範囲の波長)に一次発光ピーク波長を有する光101を発するように選択することができる。幾つかの実施形態では、EML114におけるNSベースの発光層のNSのサイズ及び材料は、可視及びIRスペクトル(例えば、約600nmから約1100nmの範囲の波長)に一次発光ピーク波長を有する光101を発するように選択することができる。幾つかの実施形態では、EML114は、赤色光、緑色光、青色光、NIR、及び/又は可視又はIRスペクトルの任意の光を発するように構成されたルミネッセントNSの集団を有することができる。
[0059] 幾つかの実施形態では、EML114の1つ又は複数のNSベースの発光層は非カドミウム含有NSを含むことができる。CdフリーFELデバイス100は、カドミウムの固有の毒性が人間の変更に有害であり得るため、光薬剤での用途に適することができる。そのようなCdフリーFELデバイス100は、人間の皮膚に外部から使用することができ、及び/又は光処置のために人体内部に配置することができる。幾つかの実施形態では、CdフリーFELデバイス100は、処置化合物の分子中の電荷状態を励起させることにより、処置部位において処置化合物又は処置化合物中に配合された光阻害剤を活性化することができる。処置部位は、人間の皮膚表面又は人体内部であることができる。
[0060] 幾つかの実施形態では、EML114はリン化インジウム(InP)ベースのNSを含むことができ、これは、緑波長領域からNIR波長領域まで及ぶ波長領域(例えば、約495nmから約1200nmの範囲の波長)に一次発光ピーク波長を有する光101を発することができる。幾つかの実施形態では、EML114は、硫化鉛(PbS)、リン化カドミウム(Cd)、硫化銀(AgS)、セレン化銀インジウム(AgInSe)、ケイ素(Si)、又はホルムアミジニウムヨウ化鉛(FAPbI)ベースのNSを含むことができ、これらはIR波長範囲(約800nmから約1100nmの範囲の波長)内に一次発光ピーク波長を有する光101を発することができる。幾つかの実施形態では、EML114は、I-III-VI族半導体化合物ベースのNS(例えば、セレン化銅インジウム(CuInSe)又は硫化銅インジウム(CuInS))を含むことができ、これらは60%超の量子収量を示すことができる。
[0061] 可視又はIRスペクトルに一次発光ピーク波長を有する光101は、動作中、電圧がデバイス積層103にわたり印加されるとき、EML114から生成し、FELデバイス100から発することができる。電子及び正孔がEML114において再結合して、可視及び/又はIR波長領域の波長に対応する光子を解放するため、光101は、電圧が印加されたときに生成されることができる。電子及び正孔は、アノード104がカソード122に対して正であるように電圧が印加されたとき、カソード122及びアノード104からそれぞれ注入することができる。幾つかの実施形態では、EML114は、例えば、スピンコーティング、インクジェットプリント、スロットダイコーティング、ノズルプリント、コンタクトプリント、適切な溶液プリント技術、熱蒸着、又は適切な蒸着技術により下層上に形成されることができる。幾つかの実施形態では、EML114は、約3nmから約25nmの範囲(例えば、約5nm、約10nm、又は約15nm)の直径を有し、赤波長領域、緑波長領域、及び/又は赤波長領域と緑波長領域との間の一次発光ピーク波長を発するように構成されたリン化インジウム(InP)ベースQDを含むことができる。
[0062] アノード104は、上述したように、動作中、正バイアスされると、正孔をデバイス積層103に注入するように構成されることができる。アノード104は、幾つかの実施形態によれば、例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)等の導電性及び光学透過性の材料を含むことができる。幾つかの実施形態では、アノード104は、導電性及び光学に透明の材料を基板102に堆積させパターニングすることにより基板102上に形成されることができる。堆積は、例えば、スパッタリング、熱蒸着、又は導電性及び光学的透過性材料を堆積させる適切な方法により実行することができる。パターニングは、堆積中、例えば、リソグラフィプロセス又はマスキングプロセスにより実行することができる。幾つかの実施形態では、アノード104は、約50nmから約150nmの範囲(例えば、約50nm、約80nm、約100nm、約120nm、約125nm、約140nm、又は約150nm)のZ軸に沿った垂直寸法(例えば厚さ)を有することができる。
[0063] 任意選択的に、HIL108はアノード104上に形成されることができる。HIL108は、アノード104からHTL110への正孔の注入を促進するように構成されることができる。幾つかの実施形態では、HIL108は、約3nmから約70nmの範囲(例えば、約3nm、約10nm、約30nm、約40nm、約50nm、約60nm、又は約70nm)のZ軸に沿った垂直寸法(例えば厚さ)を有することができる。幾つかの実施形態では、HIL108は、例えば、金属酸化物(例えば、酸化ニッケル(NiO)、酸化モリブデン(MoO)、酸化バナジウム(V)、酸化タングステン(WO))、ポリアニリン、ポリチオフェン(例えば、ポリ(スチレンスルホナート)(PSS)をドープしたポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT))、トリス[フェニル(m-トリル)アミノ]トリフェニルアミン(mTDATA)、又はヘキサアザトリフェニレン-ヘキサカルボニトリル(HAT-CN)等のp型又はn型の有機又は無機半導体材料を含むことができる。HIL108は、例えば、スピンコーティング、インクジェットプリント、スロットダイコーティング、ノズルプリント、コンタクトプリント、適切な溶液プリント技術、ロールツーロール処理、熱蒸着、又は適切な蒸着技術によりアノード104上に堆積することができる。
[0064] 幾つかの実施形態では、HTL110は、図1に示されるようにHIL108上に形成されてもよく、又はHIL108が任意選択的に含まれない場合、アノード104上に形成されてもよい。HTL110は、HIL108からEML114への正孔の輸送を促進するように構成されることができる。幾つかの実施形態では、HTL110は、HIL108の垂直寸法よりも小さなZ軸に沿った垂直寸法(例えば厚さ)を有することができ、約10nmから約30nm(例えば、約10nm、約20nm、又は約30nm)の範囲であることができる。幾つかの実施形態では、HTL110は、例えば、金属酸化物又は金属酸化物のナノ構造(例えば、酸化ニッケル(NiO)、酸化モリブデン(MoO)、酸化バナジウム(V)、若しくは酸化タングステン(WO))等のp型有機又は無機半導体材料又はポリマー(例えば、ポリ(N-ビニルカルバゾール)、ポリ(トリアリールアミン)、トリフェニルアミン誘導体、若しくはカルバゾール誘導体)、又は小有機分子(例えば、N,N-ジ(1-ナフチル)-N,N-ジフェニル-(1,1-ビフェニル)-4,4-ジアミン(NPB))を含むことができる。幾つかの実施形態では、HTL110及びHIL108は、互いと同様又は異なる材料を含むことができる。幾つかの実施形態では、HTL110は、例えば、スピンコーティング、インクジェットプリント、スロットダイコーティング、ノズルプリント、コンタクトプリント、適切な溶液プリント技術、ロールツーロール処理、熱蒸着、又は適切な蒸着技術によりHIL108上に堆積することができる。
[0065] 任意選択的に、EBL112は、EML114とHTL110との間の介在層としてHTL110上に形成されることができる。EBL112は、HTL110とEML114との間の大きなエネルギーバリアとして作用することにより、電子がEML114から逃げるのをブロックするように構成されることができる。EBL112は、例えば、カルバゾール及びトリフェニレンベースの有機化合物等の浅い伝導帯を有するp型半導体材料を含むことができる。幾つかの実施形態では、EBL112は、例えば、スピンコーティング、インクジェットプリント、スロットダイコーティング、ノズルプリント、コンタクトプリント、適切な溶液プリント技術、熱蒸着、又は適切な蒸着技術によりHTL110上に堆積することができる。
[0066] EBL112と同様に、HBL116は任意選択的に、EML114とETL118との間の介在層としてEML114上に形成されることができる。HBL116は、ETL118とEML114との間の大きなエネルギーバリアとして作用することにより、正孔がEML114から逃げるのをブロックするように構成されることができる。HBL116は、例えば、置換ベンズイミダゾール有機化合物等の深い価電子帯を有するn型半導体材料を含むことができる。幾つかの実施形態では、HBL116は、例えば、スピンコーティング、インクジェットプリント、スロットダイコーティング、ノズルプリント、コンタクトプリント、適切な溶液プリント技術、熱蒸着、又は適切な蒸着技術により形成されることができる。
[0067] 任意選択的に、ETL118は、HBL116上又はHBL116が任意選択的に含まれない場合、EML114上に形成されることができる。ETL118は、EIL120からEML114の電子の輸送を促進するように構成されることができる。HBL116がない場合、ETL118は、正孔がEML114から逃げるのをブロックするように構成されることができる。幾つかの実施形態では、ETL118は、例えば、金属酸化物又は金属酸化物のナノ構造(例えば、酸化亜鉛(ZnO)、亜鉛マグネシウム酸化物(ZnMgO)、若しくは酸化チタン(TiO))又はベンズイミダゾール誘導体等のn型有機又は無機半導体材料を含むことができる。幾つかの実施形態では、ETL118は、例えば、スピンコーティング、インクジェットプリント、スロットダイコーティング、ノズルプリント、コンタクトプリント、適切な溶液プリント技術、熱蒸着、又は適切な蒸着技術により形成されることができる。幾つかの実施形態では、ETL118は、約50nmから約100nmの範囲(例えば、約50nm、約60nm、約80nm、又は約100nm)のZ軸に沿った垂直寸法(例えば厚さ)を有することができる。
[0068] 任意選択的に、EIL120はETL118上に形成されることができ、カソード122とのオーム又は準オーム接触を形成することにより、カソード122からETL118への電子の注入を促進するように構成されることができる。幾つかの実施形態では、EIL120は、n型半導体材料、アルカリ金属塩(例えば、フッ化リチウム(LiF)、若しくは炭酸セシウム(CsCO))、低仕事関数金属(例えば、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、マグネシウム(Mg)、イッテルビウム(Yb)、若しくはセシウム(Cs))、又有機化合物(例えば、ポリフルオレン、エトキシル化ポリエチレンイミン(PEIE)、若しくはリチウム-8-ヒドロキシキノリン(Liq))を含むことができる。幾つかの実施形態では、ETL118及びEIL120は、互いと同様又は異なる材料を含むことができる。EIL120は、例えば、スピンコーティング、インクジェットプリント、スロットダイコーティング、ノズルプリント、コンタクトプリント、適切な溶液プリント技術、熱蒸着、又は適切な蒸着技術によりETL118上に堆積することができる。
[0069] カソード122は、EIL120上に直接又はEIL120、ETL118、及びHBL116が任意選択的に含まれない場合、EML114上に直接形成されることができる。カソード122は、上述したように、負にバイアスされたとき、電子をデバイス積層103に注入するように構成されることができる。幾つかの実施形態では、カソード122は、約100nmから約5μmの範囲(例えば、約250nm、約280nm、約300nm、約500nm、約1μm、又は約5μm)のZ軸に沿った垂直寸法(すなわち厚さ)を有することができる。カソード122は、幾つかの実施形態によれば、例えば、アルミニウム(Al)又は銀(Ag)等の導電性及び光学的に反射性の材料を含むことができる。カソード122の反射性材料は、光を基板102に向けて反射し、光がカソード122を通して発せられるのを防ぐのに役立つことができる。EML114における電子及び正孔の再結合後、光子の解放に起因して生成される光(上述)は、カソード122及び基板102に向かって移動することができる。カソード122の反射性材料は、FELデバイス100から発せられるようにこれらの光子を基板102にリダイレクトするのに役立つことができる。幾つかの実施形態では、カソード122及びアノード104は光学透過性であることができ、光101は基板102及びカソード122の両方を通して発することができる。
[0070] 幾つかの実施形態では、カソード122は、カソード材料をEIL120上に堆積、パターニングすることにより形成されることができる。堆積は、例えば、スパッタリング、熱蒸着、適切な溶液プリント技術、又は導電性及び光学的透過性材料の適切な堆積方法により実行することができる。パターニングは、例えば、インクジェットプリントプロセスにより又は所望のパターンを有するマスクを通してのカソード材料の熱蒸着により実行することができる。
[0071] 封緘層124は、カソード122上及びFELデバイス100の側面(図1に示されず)に直接形成されることができ、機械的保護及び環境保護をFELデバイス100に提供するように構成されることができる。幾つかの実施形態では、封緘層124は結合層124A及びバリア薄膜124Bを含むことができる。結合層124A及びバリア薄膜124Bの材料は、機械的保護及び環境保護を可撓性及び/又は伸張性と共にFELデバイス100に提供するバリア性を有するように選択することができる。幾つかの実施形態では、結合層124A及びバリア薄膜124Bの材料は、約10-5g/m日から約10g/m日の範囲(例えば、約10-5g/m日、約10-4g/m日、約10-3g/m日、約10-2g/m日、又は約10-1g/m日)の水蒸気透過速度(WVTR)等のバリア性を有して、水分からの保護を提供することができる。結合層124A及びバリア薄膜124のWVTRは、互いと同様又は異なることができる。
[0072] 幾つかの実施形態では、結合層124Aは、可撓性感圧接着材料又はバリア薄膜124Bをカソード122に結合するように構成された他の適切な可撓性接着材料を含むことができる。バリア薄膜124Bは、幾つかの実施形態によれば、金属ラミネート、金属フォイル、装飾性有色バッキング、又は他の適切な可撓性バリア材料を含むことができる。結合層124A及びバリア薄膜124Bは、光学透過性、反射性、又は不透明であることができる。
[0073] 幾つかの実施形態では、結合層124Aは、約20μmから約30μmの範囲(例えば、約20μm、約25μm、又は約30μm)のZ軸に沿った垂直寸法(例えば厚さ)を有することができる。幾つかの実施形態では、バリア薄膜124Bは、約10μmから約150μmの範囲(例えば、約10μm、約12μm、約75μm、約100μm、約125μm、又は約150μm)のZ軸に沿った垂直寸法(例えば厚さ)を有することができる。幾つかの実施形態では、Z軸に沿ったバリア薄膜124B及び基板102の垂直寸法は、互いと同様又は異なることができる。
[0074] 結合層124A及びバリア薄膜124Bの垂直寸法は、層又は接点のクラッキング又はバックリングに起因してデバイス故障に繋がる恐れがあるデバイス積層103の伸張又は圧縮を低減するように選択することができる。封緘層124及び基板102の垂直寸法は、FELデバイス100の湾曲中に直面する張力及び/又は圧縮力が封緘層124及び/又は基板102内で実質的に制限することができ、FELデバイス100のデバイス積層103の層に延在しないように選択することができる。したがって、デバイス積層103の層は、FELデバイス100の湾曲中、中立面にあることができる。中立面は、張力又は圧縮力が実質的にない平面として定義することができる。
[0075] 幾つかの実施形態では、バッファー層(図1に示されず)がカソード122と結合層124Aとの間に堆積することができる。バッファー層は、酸化物材料を含むことができ、約10-5g/m日から約10g/m日の範囲(約10-5g/m日、約10-4g/m日、約10-3g/m日、約10-2g/m日、又は約10-1g/m日)のWVTRを有して、追加の環境保護を提供することができる。バッファー層は、結合層124A及び/又はバリア薄膜124Bと同様又は異なるWVTRを有することができる。
[0076] 幾つかの実施形態では、FEL100は、基板102上に封緘層(図示せず)を含むことができる。この基板側の封緘層は封緘層124と同様であることができるが、その結合層及びバリア薄膜は光学透過性であることができ、光101を実質的に吸収せずに光101を基板102に通すことができる。その結合層は、そのバリア薄膜を基板102の表面102sに結合するように構成されることができる。
[0077] 図2は、幾つかの実施形態による上面発光型FELデバイス200の断面図の概略を示す。FELデバイス100の上記論考は、別記されない限り、FELデバイス200に当てはまる。FELデバイス200はFELデバイス100と同様であることができるが、FELデバイス200は、基板202ではなくカソード222を通して光101を発する。したがって、FELデバイス100と異なり、FELデバイス200は、不透明及び/又は反射性基板202と、透明カソード222と、カソード222に配置された透明封緘層224とを含むことができる。
[0078] 基板202の上記論考は基板102に当てはまるが、基板202の材料は不透明及び/又は反射性であることができる。基板202の反射性材料は、光をカソード222に向けて反射し、光が基板202を通して発せられるのを防ぐのに役立つことができる。EML114における電子及び正孔の再結合後、光子の解放に起因して生成される光(上述)は、カソード222及び基板202に向かって移動することができる。基板202の反射性材料は、FELデバイス200から発せられるようにこれらの光子をカソード222にリダイレクトするのに役立つことができる。幾つかの実施形態では、追加又は代替として、アノード104は反射性であり、例えば、アルミニウム(Al)又は銀(Ag)等の導電性及び光学的に反射性の層を含むことができる。
[0079] カソード122の上記論考はカソード222に当てはまるが、カソード222は、例えば、ITOの層、ITO/Ag/ITOの多層積層、又は約10nmの厚さを有するAgの薄い層等の超薄金属薄膜等の伝導性及び光学透過性の層を含むことができる。
[0080] 封緘層124の上記論考は、別記される場合を除き、封緘層224に当てはまる。封緘層224は、機械的保護及び環境保護を可撓性及び/又は伸張性と共にFELデバイス200に提供するように構成された結合層224A及びバリア薄膜224Bを含むことができる。結合224A及びバリア薄膜224Bは、結合層124A及びバリア薄膜124Bとそれぞれ同様であることができるが、結合層224A及びバリア薄膜224Bは光学透過性であることができ、光101を実質的に吸収せずに光101をカソード222に通すことができる。
[0081] 幾つかの実施形態では、FEL200は、基板202上に封緘層(図示せず)を含むことができる。この基板側の封緘層は、図1の封緘層124と同様であることができるが、その結合層は、そのバリア薄膜を基板202の表面202sに結合するように構成されることができる。
[0082] 図3及び図4は、FELデバイス100及び200等のCdフリーNSベースのFELデバイスのデバイス特性例を示す。図3のルミナンス対電圧のプロットは、FELデバイスが低駆動電圧7Vで光輝度約25,000cd/mを達成することができることを示す。そのような輝度は、図4のFELデバイスの電界発光特性により示されるように、FELデバイスにより発せられる約630nmの一次電界発光ピーク波長を有する光で達成することができる。
[0083] 図5は、幾つかの実施形態による底面発光FELデバイス500の断面図の概略を示す。FELデバイス500は、熱伝導層526と、アウトカップリング層528と、機能層530とを有するFELデバイス100を含むことができる。図1の要素と同じ注釈を有する図5の要素については上述してある。
[0084] 熱伝導層526は、バリア薄膜124Aに配置することができ、FELデバイス500の発光面(例えば、表面102s、528s、及び/又は530s)から離れて熱を放散するように構成されることができる。熱は、動作中、FELデバイス100により生成され得る。幾つかの実施形態では、熱伝導層526は、例えば光医学用途で使用される場合、FELデバイス500が標的部位に加熱するのを防ぐのに役立つことができ、この場合、標的部位は人間の皮膚表面の処置部位又は人体内部の処置部位であることができる。幾つかの実施形態では、熱伝導層526は、金属フォイルの層、金属メッシュ構造化層、又は可撓性熱伝導材料の他の適切な層を含むことができる。幾つかの実施形態では、熱伝導層526は、スプレー、ペイント、スピンコーティング、プリント、転写、又は他の適切な熱伝導材料堆積方法を使用して堆積させることができる。幾つかの実施形態では、熱伝導層526は、約10nmから約150nmの範囲(例えば、約20nm、約50nm、又は約150nm)又は約150nm未満のZ軸に沿った垂直寸法(例えば厚さ)を有することができる。
[0085] 幾つかの実施形態では、バリア薄膜124Bの材料が、図1を参照して上述したバリア性に加えて、熱伝導性を有する場合、熱伝導層526はFELデバイス500に含まれない。そのような場合、バリア薄膜124Bは、FELデバイス500の発光面から離れて熱を放散するように構成されることができる。
[0086] アウトカップリング層528は、基板102の表面102sに直接配置することができ、FELデバイス500から光を抽出するように構成されることができる。光抽出は、デバイス103から基板102を通して発光に指向性を提供することと、基板102内の光の全内部反射を防ぐこととを含むことができる。アウトカップリング層528なしの場合、基板102を通り空気中に発せられる光の幾つかの部分は、空気よりも高い基板102の屈折率により、基板102内で全内部反射し得る。屈折率のより高い材料(例えば基板102)中の光が、屈折率のより高い材料から出ていく代わりに、臨界角よりも大きい角度で屈折率のより低い材料(例えば空気)との境界面に直面する場合、光は曲がって屈折率のより高い材料中に戻り得る。これは全内部反射と呼ぶことができる。基板102内の全内部反射を通した発光のそのような損失は、基板102から発せられる光の輝度を下げ得る。したがって、アウトカップリング層528は、FELデバイス500から発せられた光101の輝度を強化するとともに、FELデバイス500からの光抽出を上げるのに役立つことができる。
[0087] 幾つかの実施形態では、アウトカップリング層528は、例えば、サンドブラスト処理を使用して表面102上に形成されるテクスチャ付き表面を含むことができる。幾つかの実施形態では、アウトカップリング層528は、光抽出に加えて、FELデバイス500とFELデバイス500の放射面(例えば、表面528s又は530s)が実質的に共形に適用される表面(例えば、人間の皮膚)との間のいかなる空気ギャップもなくすのに役立つことができる、シリコーンゲル又は他の適切な材料等の弾性又はポリマー材料を含むことができる。FEL500と適用される表面との間の境界面における空気ギャップをなくすことは、空気と比較してアウトカップリング層528の屈折率がより高いため、アウトカップリング層528内で発せられた光の幾つかの部分が全内部反射することを通した、発せられた光の損失を防ぐのに役立つことができる。幾つかの実施形態では、シリコーンゲル等のポリマー材料を有するアウトカップリング層528は、FELデバイス500から光101によって照明された表現(例えば、人間の皮膚)への熱絶縁を提供することができる。熱絶縁は、FELデバイス500によって生成される熱からのものであることができる。幾つかの実施形態では、アウトカップリング層528は、約10μmから約150μmの範囲(例えば、約20μm、約50μm、又は約150μm)のZ軸に沿った垂直寸法(例えば厚さ)を有することができる。
[0088] 任意選択的には、機能層530をFELデバイス500に含むことができる。機能層530は、アウトカップリング層528の表面528s上に配置され、表面530sにわたり実質的に均一に、発せられた光101を拡散するように構成されることができ、したがって、FELデバイス500の適用(例えば、光医学用途)中、実質的に均一の分布の光を表面(例えば、人間の皮膚)に送達させることができる。幾つかの実施形態では、機能層530は織物又は他の同様の材料を含むことができ、これは、光薬剤で適用される場合、予め被覆された局所処置を含むことができる。
[0089] 幾つかの実施形態では、FEL500は、基板102上、機能層530上、又は機能層530が任意選択的に含まれない場合、アウトカップリング層528上に封緘層(図示せず)を含むことができる。この封緘層は封緘層124と同様であることができるが、その結合層及びバリア薄膜は光学透過性であることができ、光101を実質的に吸収せずに光101を機能層530又はアウトカップリング層528を通して発せられるようにする。その結合層はバリア薄膜を、表面530sに、又は機能層530が任意選択的に含まれない場合は表面528sに、結合するように構成されることができる。
[0090] FELデバイス500と同様に、FELデバイス200も、基板202に配置されたアウトカップリング層528と、任意選択的にアウトカップリング層528に配置された機能層530とを含むことができる。また、FELデバイス200は、熱伝導層526と同様に、バリア薄膜224A上に熱伝導層を含むこともできるが、FELデバイス200の熱伝導層は光学透過性であることができ、光101を実質的に吸収せずに光101をカソード222及び封緘層224を通して発せられるようにする。
[0091] 図6は、幾つかの実施形態による底面発光FELデバイス600の断面図の概略を示す。FELデバイス100の上記論考は、別記される場合を除き、FELデバイス600に当てはまる。図1と同じ注釈を有する図6の要素については上述してある。FELデバイス600はFELデバイス100と同様であることができるが、FELデバイス600は、図1に示されるように1つのデバイス積層103の代わりに2つのデバイス積層603A及び603Bを含む。デバイス積層103の上記論考は、別記される場合を除き、デバイス積層603A及び603Bのそれぞれに当てはまる。デバイス積層603A及び603Bはそれぞれ、光601A及び601Bを同時に発するように構成されることができ、一次発光ピーク波長は互いに異なる。波長は可視又はIRスペクトル内である。2つの隣接するデバイス積層603A及び603Bが図6に示されているが、FELデバイス600は、それぞれから異なる一次発光ピーク波長を有する光を同時に発するように構成されることができる、2つ以上の隣接するデバイス積層を有することができる。
[0092] デバイス積層603A及び603BのEMLを除き、デバイス積層603A及び603Bの層は互いと同様であることができる。EML114の上記論考は、別記される場合を除き、各デバイス積層603A及び603BのEMLに当てはまる。デバイス積層603A及び603BのEMLは、光601A及び601Bをそれぞれ同時に発するように構成されることができ、一次発光ピーク波長は互いに異なる。例えば、光601A及び601Bの一次発光ピーク波長はそれぞれ660nm及び860nmにおける波長であることができる。一次発光ピーク波長は可視又はIRスペクトル内であることができる。デバイス積層603A及び603BのEMLのNSのサイズ及び材料はそれぞれ、光601A及び601Bを発するように選択することができる。幾つかの実施形態では、EMLを除き、デバイス積層603A及び603Bは、それらの間にアノード104、HIL108、HTL110、EBL112、HBL116、ETL118、EIL120、及び/又はカソード122を共有することができる。
[0093] 幾つかの実施形態では、FELデバイス200は、デバイス積層103の代わりにデバイス積層603A及び603Bを有することができ、カソード222及び封緘層224を通して光601A及び601Bをそれぞれ同時に発するように構成されることができる。FELデバイス500と同様に、FELデバイス600は、バリア薄膜124B上に熱伝導層526、基板102上にアウトカップリング層528、及び任意選択的にアウトカップリング層528上に機能層530を含むことができる。
[0094] 図7は、幾つかの実施形態による底面発光FELデバイス700の断面図の概略を示す。FELデバイス100の上記論考は、別記される場合を除き、FELデバイス700に当てはまる。図1と同じ注釈を有する図7の要素については上述してある。FELデバイス700はFELデバイス100と同様であることができるが、FELデバイス700は、基板102に配置される色処理層732と、色処理層732に配置される封緘層724とを含む。色処理層732は、光101(図7に示されず、図1に示される)を処理し、処理済み光701を生成するように構成されることができる。処理済み光701の色は、可視及びIRスペクトル内に1つ又は複数の一次発光ピーク波長を含むことができる。光101の一次発光ピーク波長は、光701の一次発光ピーク波長よりも短い波長であることができる。例えば、光101の一次発光ピーク波長が450nm及び/又は600nmである場合、光701の一次発光ピーク波長はそれぞれ600nm及び/又は800nmであることができる。
[0095] 色処理層732は1つ又は複数の蛍光薄膜(例えば、図10を参照して説明されるNS薄膜1000)を含むことができる。1つ又は複数の蛍光薄膜は、QD(例えば、図9を参照して説明されるNS900)等のルミネッセントナノ構造(NS)を有することができる。幾つかの実施形態では、デバイス103のEML114(図7に示されず、図1に示される)は、青色光101を生成することができ、処理済み赤色光又は緑色光701を発するために、1つ又は複数の蛍光薄膜は、青色光101をダウンコンバートすることにより処理済み赤色光又は緑色光701を生成することができる。幾つかの実施形態では、1つ又は複数の蛍光薄膜は、ルミネッセントNSと共に、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、シリコーン、又はそれらの組合せの散乱材料(例えば、約100nmから約500μmの範囲の直径を有する粒子)を含むことができる。
[0096] 幾つかの実施形態では、色処理層732は、例えば、インクジェットプリント、ノズルプリント、コンタクトプリント、又は適切な溶液プリント技術により形成される事前パターニング層であることができ、自己接着性であることができ、又は結合層124Aと同様の結合層を使用して基板102に結合することができる。
[0097] 封緘層724は、結合層124A及びバリア薄膜124Bとそれぞれ同様の結合層724A及びバリア薄膜724Bを含むことができるが、結合層724A及びバリア薄膜724Bは光学透過性であることができ、光701を実質的に吸収せずに光701を発せられるようにする。
[0098] 幾つかの実施形態では、FELデバイス200は、カソード222と封緘層224との間に色処理層732を有することができ、光101を処理し、カソード222及び封緘層224を通して処理済み光701を生成するように構成されることができる。FELデバイス500と同様に、FELデバイス700は、バリア薄膜124B上に熱伝導層526、アウトカップリング層528、及び任意選択的に機能層530を含むことができる。FELデバイス700では、アウトカップリング層528は、基板102と色処理層732との間、色処理層732と封緘層724との間、又はバリア薄膜724B上に介在することができる。機能層530は任意選択的に、バリア薄膜724B上に配置することができる。
[0099] 他の要素上にあるか、又は他の要素を覆っていると本開示で記載された要素は、別記しない限り、他の要素上に直接あってもよく、又は介在層を有してもよい。図1、図2、及び図5~図7の要素の幾つかは、互いに対してX軸、Y軸、及び/又はZ軸に沿って同様の寸法を有するものとして示される場合であっても、これらの要素のそれぞれは、本発明の範囲又は趣旨から逸脱せずに、1つ又は複数の方向において互いと異なる寸法を有してもよいことに留意されたい。
可撓性電界発光デバイスを作製する方法例
[0100] 図8は、幾つかの実施形態による、FELデバイス100、200、500、600、及び/又は700を作製する一例の方法800の流れ図である。ステップは、特定の用途に応じて異なる順序で実行されてもよく、又は実行されてなくてもよい。方法800は完全なFELデバイスを生成しないことがあることに留意されたい。したがって、方法800の前、最中、及び後に追加のプロセスを提供することができ、幾つかの他のプロセスは本明細書では概説のみのことがあることが理解される。
[0101] ステップ805において、アノード層が予め堆積した可撓性基板が提供される。例えば、図1に示されるように、アノード104は基板102に配置することができる。幾つかの実施形態では、基板102は可撓性及び光学的透明であることができ、プラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又は他の適切な可撓性ポリマー材料等のポリマー材料を含むことができる。幾つかの実施形態では、基板102は、超薄銀、銀メッシュ、銀ナノワイヤ、導電性有機ポリマー、又はインジウムスズ酸化物(ITO)を含まない他の適切な導電材料を含むことができる。幾つかの実施形態では、可撓性基板(例えば、図2の基板202)の材料は、FELデバイス(例えば、FELデバイス200)が基板102の代わりにカソード222を通して光101を発するように構成されることができる場合、不透明及び/又は反射性であることができる。アノード104は、幾つかの実施形態によれば、例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)等の導電性及び光学透過性の材料を含むことができる。幾つかの実施形態では、ITO層が予め堆積したPETプラスチック基板は、後続処理ステップにおいてFELデバイス100の他の層を堆積するための開始基板として使用することができる。
[0102] ステップ810において、正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)、及び電子ブロック層(EBL)が形成される。例えば、図1に示されるように、HIL108はアノード104上に配置することができる。HTL110はHIL108上に配置することができ、EBL112はHTL110上に配置することができる。HIL108、HTL110、及びEBL112はそれぞれ、例えば、スピンコーティング、インクジェットプリント、スロットダイコーティング、ノズルプリント、コンタクトプリント、適切な溶液プリント技術、ロールツーロール処理、熱蒸着、又は適切な蒸着技術によりその下層上に堆積することができる。幾つかの実施形態では、HIL108はPSS(ポリ(スチレンスルホナート))がドープされたPEDOT(ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン))を含むことができ、HTL110はTFB(ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレニル-2,7-ジイル)-コ-(4,4’(N-(4-sec-ブチルフェニル)))ジフェニルアミン])を含むことができる。
[0103] ステップ815において、発光層(EML)がEBL上に形成される。例えば、図1に示されるように、EML114はEBL112上に配置することができる。幾つかの実施形態では、EML114は、例えば、スピンコーティング、インクジェットプリント、スロットダイコーティング、ノズルプリント、コンタクトプリント、適切な溶液プリント技術、熱蒸着、又は適切な蒸着技術によりEBL112上に堆積することができる。幾つかの実施形態では、EML114は、直径約20nmを有するリン化インジウム(InP)ベースのQDを含むことができ、赤波長領域の一次発光ピーク波長を発するように構成されることができる。
[0104] 幾つかの実施形態では、ステップ810は任意選択的なステップであることができ、ステップ805の後にステップ815が続くことができ、その場合、EMLはアノード上に形成される。
[0105] ステップ820において、正孔ブロック層(HBL)、電子輸送層(ETL)、及び電子注入層(EIL)が形成される。例えば、図1に示されるように、HBL116はEML114上に配置することができ、ETL118はHBL116上に配置することができ、EIL120はETL118上に配置することができる。HBL116、ETL118、及びEIL120はそれぞれ、例えば、スピンコーティング、インクジェットプリント、スロットダイコーティング、ノズルプリント、コンタクトプリント、適切な溶液プリント技術、熱蒸着、又は適切な蒸着技術によりその下層上に堆積することができる。幾つかの実施形態では、ETL118は亜鉛マグネシウム酸化物(ZnMgO)を含むことができる。
[0106] ステップ825では、カソードがEIL上に形成され、封緘層がカソード上に形成される。例えば、図1に示されるように、カソード122はEIL120に配置することができ、封緘層124はカソード122に配置することができる。カソード122は、幾つかの実施形態によれば、例えばアルミニウム(Al)又は銀(Ag)等の導電性及び光学的に反射性の材料を含むことができる。幾つかの実施形態では、カソード122は、例えば、スパッタリング、熱蒸着、適切な溶液プリント技術、又は導電性及び光学的反射性材料を堆積させる適切な方法によりEIL120にカソード材料を堆積させることにより形成されることができる。幾つかの実施形態では、カソード(例えば、図2のカソード222)の材料は、例えば、ITOの層、ITO/Ag/ITOの多層積層、又はFELデバイス(例えばFELデバイス200)が基板102の代わりにカソード222を通して光101を発するように構成されることができる場合、約10nm厚の薄いAg層等の超薄金属薄膜等の導電性及び光学透過性層を含むことができる。
[0107] 幾つかの実施形態では、ステップ820は任意選択的なステップであることができ、ステップ815の後にステップ825が続くことができ、その場合、カソードはEML上に形成される。
[0108] 封緘層124はカソード122上に直接形成されることができる。幾つかの実施形態では、封緘層124は、結合層124A及びバリア薄膜124Bを含むことができる。結合層124A及びバリア薄膜124Bの材料は、約10-5g/m日から約10g/m日の範囲(例えば、約10-5g/m日、約10-4g/m日、約10-3g/m日、約10-2g/m日、又は約10-1g/m日)の水蒸気透過速度(WVTR)等のバリア性を有するように選択することができる。結合層124A及びバリア薄膜124のWVTRは、互いと同様又は異なることができる。
[0109] 幾つかの実施形態では、結合層124Aは、可撓性感圧接着剤(PSA)又はバリア薄膜124Bをカソード122に結合するように構成された他の適切な可撓性接着材料を含むことができる。結合層124Aはカソード122上に塗布することができ、続けて、結合層124A上にバリア薄膜124Bを塗布することができる。バリア薄膜124Bは、幾つかの実施形態によれば、金属ラミネート、金属フォイル、装飾性有色バッキング、又は他の適切な可撓性バリア材料を含むことができる。結合層124A及びバリア薄膜124Bは、光学透過性、反射性、又は不透明であることができる。
[0110] ステップ830において、熱伝導層が封緘層上に形成される。例えば、図5に示されるように、熱伝導層526はバリア薄膜124A上に配置することができる。幾つかの実施形態では、熱伝導層526は、金属フォイルの層、金属メッシュ構造化層、又は可撓性熱伝導材料の他の適切な層を含むことができる。幾つかの実施形態では、熱伝導層526は、スプレー、ペイント、スピンコーティング、プリント、転写、又は他の適切な熱伝導材料堆積方法を使用して堆積させることができる。幾つかの実施形態では、熱伝導層526は、約10nmから約150nmの範囲(例えば、約20nm、約50nm、又は約150nm)又は約150nm未満のZ軸に沿った垂直寸法(例えば厚さ)を有することができる。
[0111] ステップ835において、色処理層が基板上に形成される。例えば、図7に示されるように、色処理層732は基板102上に配置することができる。幾つかの実施形態では、色処理層732は、例えば、インクジェットプリント、ノズルプリント、コンタクトプリント、又は適切な溶液プリント技術により形成される事前パターニング層であることができ、自己接着性であることができ、又は結合層124Aと同様の結合層を使用して基板102に結合することができる。
[0112] ステップ840において、封緘層が色処理層上に形成される。例えば、図7に示されるように、封緘層724は色処理層732上に配置することができる。封緘層724は、結合層124A及びバリア薄膜124Bとそれぞれ同様の結合層724A及びバリア薄膜724Bを含むことができるが、結合層724A及びバリア薄膜724Bは光学透過性であることができ、光701を実質的に吸収せずに光701を発せられるようにする。
[0113] ステップ845において、アウトカップリング層が基板上に直接又は間接的に形成される。例えば、図5に示されるように、アウトカップリング層528は基板102上に直接配置することができる。幾つかの実施形態では、図7を参照して論考したように、アウトカップリング層528は色処理層732上又はバリア薄膜724B上に配置することができ、したがって、基板上に間接的に配置することができる。
[0114] 幾つかの実施形態では、ステップ830は、ステップ835、840、又は845の前又は後に実行することができる。
バリア層被覆されたナノ構造の実施形態例
[0115] 図9は、幾つかの実施形態によるバリア層被覆されたルミネッセントナノ構造(NS)900の断面構造を示す。幾つかの実施形態では、NS900の集団はEML114の発光層に含まれることができる。バリア層被覆されたNS900は、NS901及びバリア層906を含む。NS901はコア902及びシェル904を含む。コア902は、発光する半導体材料を含む。コア902の半導体材料の例には、リン化インジウム(InP)、セレン化カドミウム(CdSe)、硫化亜鉛(ZnS)、硫化鉛(PbS)、ヒ化インジウム(InAs)、リン化インジウムガリウム(InGaP)、セレン化カドミウム亜鉛(CdZnSe)、セレン化亜鉛(ZnSe)、及びテルル化カドミウム(CdTe)がある。直接バンドギャップを示す任意の他のII-VI族、III-V族、三元化合物、又は四元化合物半導体構造も同様に使用することができる。実施形態では、コア902は、幾つかの例を挙げれば、金属、ハロゲン、及び合金等の1つ又は複数のドーパントを含むこともできる。金属ドーパントの例は、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、クロム(Cr)、タングステン(W)、パラジウム(Pd)、又はそれらの組合せを含むことができるが、これらに限定されない。ハロゲンドーパントの例は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、又はヨウ素(I)を含むことができるが、これらに限定されない。コア902における1つ又は複数のドーパントの存在は、非ドープNSと比較してNS901の構造的、電気的、及び/又は光学的安定性及びQYを改善することができる。
[0116] コア902は、実施形態によれば、20nm未満のサイズの直径を有することができる。別の実施形態では、コア902は、約1nm~約10nmのサイズの直径を有することができる。コア902のサイズ、ひいてはNS901のサイズをナノメートル範囲で調整可能なことにより、光学スペクトル全体の光電子放出カバレッジが可能になる。一般に、大きいNSほど、スペクトルの赤端に向かう光を発し、一方、小さいNSほど、スペクトルの青端に向かう光を発する。この効果は、大きいNSほど、小さいNSよりも密に離間されたエネルギーレベルを有するため、生じる。これにより、NSは、より少ないエネルギーを含む光子、すなわち、スペクトルの赤端により近い光子を吸収することができる。
[0117] シェル904はコア902を囲み、コア902の外面に配置される。シェル904は、硫化カドミウム(CdS)、硫化亜鉛カドミウム(ZnCdS)、セレン化硫化亜鉛(ZnSeS)、及び硫化亜鉛(ZnS)を含むことができるが、これらに限定されない。実施形態では、シェル904は厚さ904t、例えば1つ又は複数の単層を有することができる。他の実施形態では、シェル904は、約1nm~約10nmの厚さ904tを有することができる。シェル904は、コア902との格子不整合を低減し、NS901のQYを改善させるのを促進するのに利用することができる。シェル904はまた、コア902上のダングリングボンド等の表面トラップ状態を不動態化し除去して、NS901のQYを増大させるのに役立つこともできる。表面トラップ状態の存在は、非放射性再結合中心を提供し、NS901の放射効率の低下の一因となり得る。
[0118] 代替の実施形態では、本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに、NS901はシェル904に配置された第2のシェル、又はコア902を囲む3つ以上のシェルを含むことができる。実施形態では、第2のシェルは、1つ又は複数の単層厚であることができ、そうである必要はないが通常、半導体材料でもある。第2のシェルは、保護をコア902に提供することができる。第2のシェルの材料は硫化亜鉛(ZnS)であることができるが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに、他の材料を使用してもよく、同様にドーパントを含んでもよい。
[0119] バリア層906は、NS901に被覆を形成するように構成されることができる。実施形態では、バリア層906は、シェル904の外面904aに配置され、外面904aと実質的に接触する。1つ又は複数のシェルを有するNS901の実施形態では、バリア層906は、NS901の最外シェルに配置され、最外シェルに実質的に接触することができる。実施形態例では、バリア層906は、複数のNSを有する溶液、組成物、及び/又は薄膜において、NS901と1つ又は複数のNSとの間のスペーサとして作用するように構成されることができ、複数のNSはNS901及び/又はバリア層が被覆されたNS900と同様であることができる。そのようなNS溶液、NS組成物、及び/又はNS薄膜では、バリア層906は、隣接するNSとのNS901の凝集を防ぐのに役立つことができる。隣接するNSとのNS901の凝集は、NS901のサイズ増大、ひいてはNS901を含む凝集したNS(図示せず)の光学発光性の低下又は消失に繋がる恐れがある。更なる実施形態では、バリア層906は、例えば、水分、空気、及び/又はNS901の構造性及び光学特性に悪影響を及ぼし得る過酷な環境(例えば、高温及びNSのリソグラフィプロセス中及び/又はNSベースのデバイスの製造プロセス中に使用される化学物質)からの保護をNS901に提供する。
[0120] バリア層906は、非晶質、光学透過性、及び/又は電気的に非活性の1つ又は複数の材料を含むことができる。適切なバリア層は、無機酸化物、ハロゲン化合物、及び/又は窒化物等であるが、これらに限定されない無機材料を含む。バリア層906の材料の例には、種々の実施形態によれば、Al、Ba、Ca、Mg、Ni、Si、Ti、又はZrの酸化物及び/又は窒化物がある。バリア層906は、種々の実施形態では、約0.5nmから約15nmの範囲の厚さ906tを有することができる。
[0121] バリア層が被覆されたNS900は追加又は任意選択的に、NS901にバッファー被覆を形成するように構成されたバッファー層907を含むことができる。実施形態では、バッファー層107はシェル904上に配置され、シェル904の外面904a及びバリア層906の内面906aと実質的に接触する。バッファー層107は、NS901と、例えば、NS901へのバリア層906の形成等のNS901への後続処理中に使用される化学物質との間のバッファーとして作用するように構成されることができる。
[0122] バッファー層907は、NS901への後続処理中に使用される化学物質との反応に起因して、NS901の光学発光性が消失するのを実質的に低減及び/又は阻止するのに役立つことができる。バッファー層907は、非晶質、光学透過性、及び/又は電気的に活性である1つ又は複数の材料を含むことができる。バッファー層907の1つ又は複数の材料は、無機材料又は有機材料を含むことができる。バッファー層907の無機材料の例には、種々の実施形態によれば、金属の酸化物及び/又は窒化物がある。金属酸化物の例には、ZnO、TiO、In、Ga、SnO、Al、又はMgOがある。バッファー層907は、種々の実施形態では、約1nmから約5nmの範囲の厚さ907tを有することができる。
[0123] 図9に示されるように、実施形態によれば、バリア層が被覆されたNS900は追加又は任意選択的に、複数のリガンド又は界面活性剤908を含むことができる。リガンド又は界面活性剤908は、実施形態によれば、バリア層906の外面等のバリア層が被覆されたNS900の外面又はシェル904若しくは第2のシェルの外面に吸着又は結合することができる。複数のリガンド又は界面活性剤908は、親水性又は極性ヘッド908aと、疎水性又は非極性テール908bとを含むことができる。親水性又は極性ヘッド908aはバリア層906に結合することができる。リガンド又は界面活性剤908の存在は、例えば、NSの形成中、溶液、組成物、及び/又は薄膜においてNS900及び/又はNS901を他のNSから分離するのに役立つことができる。NSが、形成中に凝集できる場合、NS900及び/又はNS901等のNSの量子効率は低下し得る。リガンド又は界面活性剤908は、非極性溶媒における混和性を提供するか又は他の化合物が結合するための反応サイト(例えば、逆ミセル系)を提供する疎水性等、バリア層で被覆されたNS900に対して特定の特性を与えるようにも使用することができる。
[0124] リガンド908として使用することができる多様なリガンドが存在する。幾つかの実施形態では、リガンドは、ラウリン酸、カプロン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、及びオレイン酸から選択される脂肪酸である。幾つかの実施形態では、リガンドは、トリオクチルホスフィン酸化物(TOPO)、トリオクチルホスフィン(TOP)、ジフェニルホスフィン(DPP)、トリフェニルフォスフィン酸化物、及びトリブチルホスフィン酸化物から選択される有機ホスフィン又は有機ホスフィン酸化物である。幾つかの実施形態では、リガンドは、ドデシルアミン、オレイルアミン、ヘキサデシルアミン、及びオクタデシルアミンから選択されるアミンである。幾つかの実施形態では、リガンドは、トリオクチルホスフィン(TOP)である。幾つかの実施形態では、リガンドはオレイルアミンである。幾つかの実施形態では、リガンドはチオール、例えばオクタンチオールである。幾つかの実施形態では、リガンドはジフェニルホスフィンである。幾つかの実施形態では、リガンドは、これらの脂肪酸の何れかの中性塩又はこれらのアミン、ホスフィン、若しくはホスフィンオキシドの何れかのカルコゲン化物、例えば、オレイン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、TOP-セレン化物、又はTOP-硫化物である。
[0125] 界面活性剤908として使用することができる、多種多様な界面活性剤が存在する。幾つかの実施形態では、非イオン性界面活性剤を界面活性剤908として使用することができる。非イオン性界面活性剤の幾つかの例には、ポリオキシエチレン(5)ノニルフェニルエーテル(商品名IGEPAL CO-520)、ポリオキシエチレン(9)ノニルフェニルエーテル(IGEPAL CO-630)、オクチルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール(IGEPAL CA-630)、ポリエチレングリコールオレイルエーテル(Brij 93)、ポリエチレングリコールヘキサデシルエーテル(Brij 52)、ポリエチレングリコールオクタデシルエーテル(Brij S10)、ポリオキシエチレン(10)イソオクチルシクロヘキシルエーテル(Triton X-100)、及びポリオキシエチレン分岐ノニルシクロヘキシルエーテル(Triton N-101)がある。
[0126] 幾つかの実施形態では、アニオン界面活性剤を界面活性剤908として使用することができる。アニオン界面活性剤の幾つかの例には、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、リン酸モノドデシルナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、及びミリスチル硫酸ナトリウムがある。
[0127] 幾つかの実施形態では、NS901及び/又は900は、赤色、橙色、及び/又は黄色範囲等の1つ又は複数の種々の色範囲の光を発するように統合することができる。幾つかの実施形態では、NS901及び/又は900は、緑及び/又は黄色範囲の光を発するように統合することができる。幾つかの実施形態では、NS901及び/又は900は、青、藍、紫、及び/又は紫外線範囲の光を発するように統合することができる。幾つかの実施形態では、NS901及び/又は900は、約605nm~約650nm、約510nm~約550nm、又は約300nm~約495nmの一次発光ピーク波長を有するように統合することができる。
[0128] NS901及び/又は900は、高QYを示すように統合することができる。幾つかの実施形態では、NS901及び/又は900は、80%~100%又は85%~90%のQYを示すように統合することができる。
[0129] したがって、種々の実施形態によれば、NS900は、NS901上のバリア層906の存在が、NS901の光学発光性を実質的に変えない又は消失しないように統合することができる。
ナノ構造薄膜の実施形態例
[0130] 図10は、実施形態によるNS薄膜1000の断面図を示す。幾つかの実施形態では、EML114の発光層はNS薄膜1000と同様であることができる。
[0131] NS薄膜1000は、実施形態によれば、複数のバリア層が被覆されたコア-シェルNS900(図9)及びマトリックス材料1010を含むことができる。NS900は、幾つかの実施形態によれば、マトリックス材料1010に埋め込む又は他の方法で配置することができる。本明細書で使用されるとき、「埋め込まれる」という用語は、NSがマトリックス材料1010内に囲まれる又は包まれることを示すのに使用される。実施形態では、NS900がマトリックス材料1010全体にわたり均一に分布することができるが、他の実施形態では、NS900は特定用途に向けた非均一分布関数に従って分布することができることに留意されたい。NS900が同じ直径サイズで示される場合であっても、サイズ分布を有することができることを当業者ならば理解することに留意されたい。
[0132] 実施形態では、NS900は、青可視波長スペクトル、緑可視波長スペクトル、又は赤可視波長スペクトルで発光するサイズを有するNSの同種集団を含むことができる。他の実施形態では、NS900は、青可視波長スペクトルで発光するサイズを有するNSの第1の集団、緑可視波長スペクトルで発光するサイズを有するNSの第2の集団、及び赤可視波長スペクトルで発光するサイズを有するNSの第3の集団を含むことができる。
[0133] マトリックス材料1010は、NS900を収容可能な任意の適切なホストマトリックス材料であることができる。適切なマトリックス材料は、NS900及びNS薄膜1000をデバイスに適用するのに使用される任意の周囲のパッケージ材料又は層と化学的及び光学的に適合することができる。適切なマトリックス材料は、一次光及び二次光の両方を透過し、それにより、一次光及び二次光の両方にマトリックス材料を透過させることができる無黄変光学材料を含むことができる。実施形態では、マトリックス材料1010はNS900のそれぞれを完全に囲むことができる。マトリックス材料1010は、可撓性又は成形性NS薄膜1000が望まれる用途では可撓性であることができる。代替的には、マトリックス材料1010は、高強度非可撓性材料を含むことができる。
[0134] マトリックス材料1010は、ポリマー、他の半導体ナノ粒子、有機酸化物及び無機酸化物、又は他の半導体材料若しくは絶縁材料を含むことができる。マトリックス材料1010で使用されるのに適切なポリマーは、このような目的に使用することができる、当業者に既知の任意のポリマーであり得る。ポリマーは、実質的に半透明であるか又は実質的に透明であり得る。マトリックス材料1010としては、限定されないが、エポキシ、アクリレート、ノルボレン、ポリエチレン、ポリ(ビニルブチラール):ポリ(酢酸ビニル)、ポリ尿素、ポリウレタンと、限定されないが、アミノシリコーン(AMS)、ポリフェニルメチルシロキサン、ポリフェニルアルキルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、ポリジアルキルシロキサン、シルセスキオキサン、フッ素化シリコーン、並びにビニル及び水素化物置換シリコーンを含むシリコーン及びシリコーン誘導体と、限定されないが、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル及びメタクリル酸ラウリルを含むモノマーから形成されたアクリルポリマー及びコポリマーと、ポリスチレン、アミノポリスチレン(APS)、及びポリ(アクリロニトリルエチレンスチレン)(AES)等のスチレン系ポリマーと、ジビニルベンゼン等の二官能性モノマーと架橋されるポリマーと、リガンド材料を架橋するのに適切な架橋剤、エポキシを形成するためにリガンドアミン(例えば、APS又はPEIリガンドアミン)と結合するエポキシド等を挙げることができる。
[0135] 幾つかの実施形態では、マトリックス材料1010は、NS薄膜1000の光変換を改善することができる、TiO2マイクロビーズ、ZnSマイクロビーズ、又はガラスマイクロビーズ等の散乱マイクロビーズを含む。幾つかの実施形態では、マトリックス材料1010は導体又は半導体材料を含むことができる。
[0136] 別の実施形態では、マトリックス材料1010は、低い酸素及び水分透過性を有し、高い光安定性及び化学安定性を示し、有利な屈折率を示し、NS900の外面に付着し、したがってNS900を保護するための気密シールを提供することができる。別の実施形態では、マトリックス材料1010は、ロールツーロール処理を促進するようにUV硬化又は熱硬化法によって硬化可能であり得る。
[0137] 幾つかの実施形態によれば、NS薄膜1000は、ポリマー(例えば、フォトレジスト)にNS900を混合し、基板上にNS-ポリマー混合物を鋳造することにより、NS900をモノマーと混合し、それらを合わせて重合することにより、ゾルゲルにNS900を混合して酸化物を形成することにより又は当業者に既知の他の任意の方法により形成されることができる。
ルミネッセントナノ構造体の実施形態例
[0138] 本明細書では、ルミネッセントナノ構造体(NS)を有する種々の組成物について記載する。ルミネッセントナノ構造体の、それらの吸収特性、発光特性及び屈折率特性を含む種々の特性は、種々の応用に適合させ及び調整することができる。
[0139] NSの材料特性は、実質的に均質であり得るか、又は幾つかの実施形態では不均質であり得る。NSの光学特性は、それらの粒径、化学組成、又は表面組成によって決まり得る。約1nm~約20nmの範囲でルミネッセントNSサイズを適合させ得ることにより、光スペクトル全体における光電子放出カバレッジが演色における大きい汎用性を提供できるようにすることができる。粒子封緘は、化学物質及びUV劣化剤に対する堅牢性を提供することができる。
[0140] 本明細書に記載した実施形態で使用されるルミネッセントNSは、当業者に既知の任意の方法を用いて製造することができる。適切な方法及びナノ結晶例は、米国特許第7,374,807号、2004年3月10日付けで出願された米国特許出願第10/796,832号、米国特許第6,949,206号、及び2004年6月8日付けで出願された米国仮特許出願第60/578,236号に開示されており、それらのそれぞれの開示は、それらの全体が参照により本明細書に援用される。
[0141] 本明細書に記載した実施形態で使用されるルミネッセントNSは、無機材料及びより好適には無機導電性又は半導体材料を含む任意の適切な材料から製造することができる。適切な半導体材料としては、米国特許出願第10/796,832号に開示されているものを挙げることができ、II-VI族、III-V族、IV-VI族、I-III-VI族、及びIV族半導体を含む任意のタイプの半導体を挙げることができる。適切な半導体材料としては、限定されないが、Si、Ge、Sn、Se、Te、B、C(ダイアモンドを含む)、P、BN、BP、BAs、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、HgTe、BeS、BeSe、BeTe、MgS、MgSe、GeS、GeSe、GeTe、SuS、SnSe、SnTe、PbO、PbS、PbSe、PbTe、CuF、CuCl、CuBr、CuI、Si、Ge、Al、(Al、Ga、In)(S、Se、Te)、AlCO、CuInGaS、CuInGaSe、及び2種以上のこのような半導体の適切な組合せを挙げることができる。
[0142] 幾つかの実施形態では、ルミネッセントNSは、p型ドーパント又はn型ドーパントからなる群からのドーパントを有することができる。NSは、II-VI族又はIII-V族半導体も有することができる。II-VI族又はIII-V族半導体NSの例としては、周期表の、Zn、Cd、及びHg等のII族の元素とS、Se、Te、及びPo等のVI族の任意の元素との任意の組合せ並びに周期表の、B、Al、Ga、In、及びTl等のIII族の元素とN、P、As、Sb、及びBi等のV属の任意の元素との任意の組合せを挙げることができる。
[0143] 本明細書に記載したルミネッセントNSは、それらの表面に対して共役、協働、会合、又は付着させたリガンドを更に含むこともできる。適切なリガンドとしては、米国特許第8,283,412号、米国特許出願公開第2008/0237540号、米国特許出願公開第2010/0110728号、米国特許第8,563,133号、米国特許第7,645,397号、米国特許第7,374,807号、米国特許第6,949,206号、米国特許第7,572,393号、及び米国特許第7,267,875号に開示されているものを含む、当業者に既知の任意の群を含むことができ、これらの特許及び特許公開の各々の開示は、参照により本明細書に援用される。このようなリガンドの使用は、ポリマーを含む種々の溶剤及びマトリックス内に混和されるルミネッセントNSの能力を促進することができる。種々の溶剤及びマトリックスにおけるルミネッセントNSの混和性(すなわち分離せずに混合される能力)を向上させることにより、NSが合わせて凝集せず、したがって光を散乱させないように、NSがポリマー組成物全体にわたって分散し得るようにすることができる。このようなリガンドは、本明細書では「混和性増強」リガンドとして述べる。
[0144] 幾つかの実施形態では、マトリックス材料に分散されるか又は埋め込まれるルミネッセントNSを有する組成物を提供する。適切なマトリックス材料は、ポリマー材料、有機酸化物及び無機酸化物を含む、当業者に既知の任意の材料であり得る。本明細書に記載した組成物は、層、封緘材料、コーティング、シート、又は薄膜であり得る。層、ポリマー層、マトリックス、シート又は薄膜について言及する本明細書に記載した実施形態では、これらの用語は同義に使用され、そのように記載した実施形態は、何れか1つのタイプの組成物に限定されず、本明細書に記載したか又は当技術分野で既知の任意のマトリックス材料又は層を包含することが理解されるべきである。
[0145] (例えば、米国特許第7,374,807号に開示されているような)ダウンコンバートNSは、特定の波長の光を吸収し、次いで第2の波長で発光するように適合されるルミネッセントナノ構造体の発光特性を利用し、それによりアクティブソース(例えばLED)の性能及び効率の向上を可能にする。
[0146] ルミネッセントNSを生成するために当業者に既知の任意の方法を使用することができるが、無機ナノ材料蛍光体の制御された成長のための溶液相コロイド法を使用することができる。Alivisatos, A. P.,“Semiconductor clusters, nanocrystals, and quantum dots,”Science 271:933 (1996);X. Peng, M. Schlamp, A. Kadavanich, A. P. Alivisatos,“Epitaxial growth of highly luminescentCdSe/CdS Core/Shell nanocrystals with photostability and electronic accessibility,”J. Am. Chem. Soc. 30:7019-7029 (1997)及びC. B. Murray, D. J. Norris, M. G. Bawendi,“Synthesis and characterization of nearly monodisperse CdE (E = sulfur, selenium, tellurium) semiconductor nanocrystallites,”J Am. Chem. Soc. 115:8706 (1993)を参照されたい。これらの開示は、それらの全体が参照により本明細書でに援用される。
[0147] 実施形態によれば、CdSeは、この材料の合成の相対成熟度に起因して、一例において可視光ダウンコンバージョンのためのNS材料として使用することができる。汎用的な界面化学の使用に起因して、非カドミウム含有NSを置換することも可能であり得る。
[0148] 半導体NSにおいて、光誘導発光がNSのバンド端状態から発生する。ルミネッセントNSからのバンド端発光は、表面電子状態から発生する放射及び非放射減衰チャネルと競合する。X. Peng, et al., J Am. Chem. Soc. 30:7019-7029 (1997)。その結果として、ダングリングボンド等の表面欠陥の存在が無放射再結合中心を提供し、発光効率の低下の一因となる。表面トラップ状態を不動態化して除去するための効率的及び永続的な方法は、NSの表面上で無機シェル材料をエピタキシャル成長させることであり得る。X. Peng, et al., J. Am. Chem. Soc. 30:701 9-7029 (1997)。シェル材料は、電子レベルがコア材料に対してタイプ1になるように選択することができる(例えば、コアに対する電子及び正孔を局所化する電位ステップを提供するためにより大きいバンドギャップを有する)。結果として、無放射再結合の確率を低下させることができる。
[0149] コア-シェル構造体は、コアNSを含有する反応混合物に、シェル材料を含有する有機金属前駆物質を加えることによって得ることができる。この場合、核生成事象及びそれに続く成長ではなく、コアは、核として作用し、シェルは、それらの表面から成長することができる。反応の温度は、シェル材料のナノ結晶の独立核生成を防止する一方、コア表面へのシェル材料モノマーの添加に有利になるように低く維持される。反応混合物における界面活性剤は、シェル材料の制御された成長を誘導し、及び溶解度を確保するために存在する。2つの材料間に低い格子不整合がある場合、均一及びエピタキシャル成長したシェルを得ることができる。
[0150] コア-シェルルミネッセントNSを準備するための材料例としては、限定されないが、Si、Ge、Sn、Se、Te、B、C(ダイアモンドを含む)、P、Co、Au、BN、BP、BAs、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、ZnO、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、HgS、HgSe、HgTc、BeS、BcSe、BcTe、MgS、MgSe、GeS、GeSe、GeTe、SnS、SnSe、SnTe、PbO、PbS、PbSe、PbTe、CuP、CuCl、CuBr、CuI、Si、Ge、Al、(Al、Ga、In)(S、Se、Te)、AlCOを挙げることができ、本発明の実施に使用するシェルルミネッセントNSとしては、限定されないが、(コア/シェルとして表した)CdSe/ZnS、InP/ZnS、InP/ZnSe、PbSe/PbS、CdSe/CdS、CdTe/CdS、CdTe/ZnSと共に他のものが挙げられる。
[0151] 本明細書で記載した実施形態で使用されるルミネッセントNSは、サイズが約100nm未満、及び約1nm未満にまで縮小し、可視光を吸収することができる。本明細書で用いる可視光は、人間の目に可視である約380~約780ナノメートルの波長の電磁放射線である。可視光は、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、藍色及び紫色等、スペクトルの種々の色に分離することができる。青色光は、波長が約435nm~約495nmの光を含むことができ、緑色光は、波長が約495nm~約570nmの光を含むことができ、赤色光は、波長が約620nm~約750nmの光を含むことができる。
[0152] 種々の実施形態によれば、ルミネッセントNSは、それらが紫外、近赤外、及び/又赤外スペクトルにおける光子を吸収するようなサイズ及び組成を有することができる。紫外線スペクトルは、波長が約100nm~約400nmの光を含むことができ、近赤外スペクトルは、波長が約750nm~約100μmの光を含むことができ、赤外スペクトルは、波長が約750nm~約300μmの光を含むことができる。
[0153] 本明細書に記載した種々の実施形態において他の適切な材料のルミネッセントNSを使用することができるが、幾つかの実施形態では、NSは、本明細書に記載した実施形態で使用されるナノ結晶の集団を形成するためにZnSe、ZnTe、ZnS、InAs、InP、CdSe、又はそれらの任意の組合せであり得る。上述したように、更なる実施形態では、ルミネッセントNSは、CdSe/ZnS、InP/ZnSe、CdSe/CdS、又はInP/ZnS等のコア/シェルナノ結晶であり得る。
[0154] 適切なルミネッセントナノ構造体、種々の溶解度増強リガンドの添加を含むルミネッセントナノ構造体を準備する方法は、公開された米国特許出願公開第2012/0113672号に見出すことができ、その開示は、その全体が参照により本明細書に援用される。
[0155] 本明細書において幾つかの実施形態について例示し説明したが、特許請求の範囲は、説明し示した部分の具体的な形態又は配置に限定されるべきではないことが理解されるべきである。本明細書では、例示的な実施形態を開示しており、具体的な用語を採用しているが、それらの用語は、限定を目的とするものではなく、一般的及び説明的な意味でのみ使用されている。上記の教示に鑑みて、実施形態の変更形態及び変形形態が可能である。したがって、実施形態は、具体的に説明されているものと別の方法で実施され得ることが理解されるべきである。

Claims (32)

  1. 可撓性電界発光(FEL)デバイスであって、
    第1のピーク波長を有する第1の光を生成するように構成された量子ドット(QD)薄膜を含むデバイス積層と、
    前記デバイス積層を支持し、前記第1の光の第1の部分を発するように構成された可撓性基板と、
    前記デバイス積層に配置された封緘層であって、前記封緘層は、水分又は酸素からの機械的及び環境的保護を前記FELデバイスに提供するように構成される、封緘層と、
    前記可撓性基板に配置されるアウトカップリング層であって、前記アウトカップリング層は、
    前記可撓性基板内の前記第1の光の第2の部分の全内反射を阻止し、前記可撓性基板から前記第2の部分を抽出するか、又は
    前記FELデバイスが前記抽出された第2の部分により照明される表面と実質的に共形配置されることに応答して、前記アウトカップリング層と前記表面との間の境界面における空気ギャップをなくす
    ように構成される、アウトカップリング層と、
    を含む、FELデバイス。
  2. 前記可撓性基板と前記アウトカップリング層との間に介在する色処理層を更に含み、前記色処理層は、前記第1の光をダウンコンバートして、前記第1のピーク波長と異なる第2のピーク波長を有する第2の光を生成するように構成される、請求項1に記載のFELデバイス。
  3. 前記封緘層に配置される熱伝導層を更に含み、前記熱伝導層は、前記デバイス積層から熱を放散するように構成される、請求項1又は2に記載のFELデバイス。
  4. 前記封緘層は、前記デバイス積層から熱を放散するよう構成される、請求項1又は2に記載のFELデバイス。
  5. 前記アウトカップリング層は、前記デバイス積層により生成された熱から前記表面を熱的に絶縁するように更に構成される、請求項1~4の何れか1項に記載のFELデバイス。
  6. 前記QD薄膜は、赤色光、緑色光、青色光、又は近赤外線光を発するように構成された非カドミウム含有QDの集団を含む、請求項1~5の何れか1項に記載のFELデバイス。
  7. 前記封緘層は結合層及びバリア薄膜を含み、
    前記結合層は、感圧接着層を含み、前記バリア薄膜を前記デバイス積層に取り付けるように構成される、請求項1~6の何れか1項に記載のFELデバイス。
  8. 前記可撓性基板又は前記アウトカップリング層に配置される第2の封緘層を更に含む、請求項1~7の何れか1項に記載のFELデバイス。
  9. 前記アウトカップリング層に配置された機能層を更に含み、前記機能層は、前記第1の光を前記FELデバイスの表面にわたり実質的に均一に拡散するように構成される、請求項1~8の何れか1項に記載のFELデバイス。
  10. 前記可撓性基板は波形構造を含む、請求項1~9の何れか1項に記載のFELデバイス。
  11. 前記熱伝導層は、金属フォイル又は金属メッシュ構造化層を含む、請求項1~10の何れか1項に記載のFELデバイス。
  12. 前記FELデバイスは、駆動電圧約7V及び一次電界発光ピーク波長約630nmにおいて輝度約25,000cd/mを有する前記第1の部分を発するように構成される、請求項1~11の何れか1項に記載のFELデバイス。
  13. 可撓性電界発光(FEL)デバイスであって、
    可撓性基板と、
    前記可撓性基板に配置される第1及び第2のデバイス積層であって、前記第1及び第2のデバイス積層は、第1及び第2のピーク波長をそれぞれ有する第1及び第2の光を同時に発するように構成される、第1及び第2の量子ドット(QD)ベースの発光層(EML)を含み、前記第1及び第2のピーク波長は互いに異なる、第1及び第2のデバイス積層と、
    前記第1及び第2のデバイス積層に配置される封緘層と、
    前記可撓性基板に配置されるアウトカップリング層であって、前記アウトカップリング層は、前記第1及び第2の光の部分を前記デバイス積層から同時に抽出するように構成される、アウトカップリング層と、
    を含むFELデバイス。
  14. 前記アウトカップリング層は、前記FELデバイスが前記抽出された部分により照明される表面と実質的に共形配置されることに応答して、前記アウトカップリング層と前記表面との間の境界面における空気ギャップをなくすように更に構成される、請求項13に記載のFELデバイス。
  15. 前記封緘層に配置される熱伝導層を更に含み、前記熱伝導層は、前記第1及び第2のデバイス積層から熱を放散するように構成される、請求項13又は14に記載のFELデバイス。
  16. 前記アウトカップリング層は、前記第1及び第2のデバイス積層により生成された熱から前記表面を熱的に絶縁するように更に構成される、請求項13~15の何れか1項に記載のFELデバイス。
  17. 前記第1及び第2のEMLはそれぞれ非カドミウム含有QDを含む、請求項13~16の何れか1項に記載のFELデバイス。
  18. 前記第1及び第2のデバイス積層は、前記可撓性基板上に互いに隣接して配置される、請求項13~17の何れか1項に記載のFELデバイス。
  19. 前記第1及び第2のデバイス積層は、共通のアノード及び共通のカソードを有する、請求項13~18の何れか1項に記載のFELデバイス。
  20. 前記第1及び第2のピーク波長は約660nmである、請求項13~19の何れか1項に記載のFELデバイス。
  21. 前記第1又は第2のピーク波長は約860nmである、請求項13~19の何れか1項に記載のFELデバイス。
  22. 可撓性電界発光(FEL)デバイスを作製する方法であって、
    アノード材料層を有する可撓性基板を提供することと、
    前記アノード材料層上に量子ドット(QD)薄膜を形成することと、
    前記QD薄膜上にカソードを形成することと、
    前記カソード上に封緘層を形成することと、
    前記可撓性基板上にアウトカップリング層を形成することと、
    を含む方法。
  23. 前記可撓性基板を提供することは、ポリエチレンテレフタレート(PET)層と、インジウムスズ酸化物(ITO)を有するアノード材料の前堆積層とを有する基板を使用することを含む、請求項22に記載の方法。
  24. 前記可撓性基板を提供することは、波形構造を使用することを含む、請求項22又は23に記載の方法。
  25. 前記封緘層を形成することは、
    前記カソード上に感圧接着(PSA)層を堆積することと、
    前記PSA層上にバリア薄膜を堆積することと、
    を含む、請求項22~24の何れか1項に記載の方法。
  26. 前記PSA層及び前記バリア薄膜を堆積することは、約10-5g/m日~約10g/m日の範囲の水蒸気透過速度(WVTR)を用いて可撓性接着材料及び可撓性バリア材料をそれぞれ堆積することを含む、請求項25に記載の方法。
  27. 前記PSA層及び前記バリア薄膜を堆積することは、可撓性材料を配置することを含む、請求項25の何れか1項に記載の方法。
  28. 前記バリア薄膜を配置することは、前記PSA層上に金属ラミネート又は金属フォイルを配置することを含む、請求項25~27の何れか1項に記載の方法。
  29. 前記バリア薄膜を配置することは、前記PSA層上に光学透過性、反射性、又は不透明材料を配置することを含む、請求項25~27の何れか1項に記載の方法。
  30. 前記封緘層上に熱伝導層を形成することを更に含む、請求項22~29の何れか1項に記載の方法。
  31. 前記可撓性基板上に直接、色処理層を形成することを更に含む、請求項22~30の何れか1項に記載の方法。
  32. 前記色処理層上に第2の封緘層を形成することを更に含む、請求項31に記載の方法。
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