JP2022526730A - フィールドビーンタンパク質組成物 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】 本発明は、植物タンパク質の単離物、特にフィールドビーンタンパク質の単離物及びそのような単離物に関し、その溶解度は、最低pH7で25%未満である。本発明はまた、その製造方法及びその産業用途にも関する。【選択図】なし

Description

本発明は、植物タンパク質の単離物に関し、特にフィールドビーンタンパク質の単離物に関する。
フィールドビーン、又はソラマメは、ソラマメ種の一年生植物である。これらは、マメ科、マメ亜科、マメ連のマメ科植物である。
これは、古くからヒトの消費に用いられている植物のブロードビーンと同じ種である。したがって、マメという言葉は、種子と植物の両方を指す。
フィールドビーンの種子からタンパク質単離物を製造するいくつかの製造方法が背景技術分野において既知である。
「Potential of Fava Bean as future protein supply to partially replace meat intake in the human diet」(Multariら,Comprehensive Reviews in Food Science and Food Safety Vol.14,2015)は、この主題についての現在の知見の優れたレビューを提供している。
従来の方法は、粉を得るためフィールドビーンを粉砕することから始まる。次いで、フィールドビーンタンパク質を可溶化することを目的としたアルカリ抽出が行うため、この粉を水で希釈する。その後、粗タンパク質溶液とデンプン及び繊維が豊富な固体画分とを得るため、溶液の固/液分離を行う。タンパク質を、タンパク質の等電点pHで沈殿させて抽出し、それらを水溶液から分離して乾燥させる。
このようにして得られたタンパク質単離物は少なくとも80%のタンパク質含有量を有する(総乾燥物の全窒素に係数6.25を乗じたものとして表され、計算方法は以下のアドレスから入手可能な文書に開示されている:http:/www.faw-afsca.fgov.be/laboratories/methods/fasfc/_documents/METLFSAL003Proteinebrutev10.pdf)。この単離物は、特にヒト及び動物の栄養において、長い間産業上の関心が持たれていたことが知られている。実際、その栄養的及び機能的特性から多くのレシピ及び配合物に含まれている。
しかしながら、当業者が依然として現在でも直面しなければならない2つの主要な技術的問題が残っている。
第一に、得られたタンパク質単離物が、系統として濃い灰色、又は更には黒色という色によって特徴付けられることである。これは主に、このタンパク質単離物の製造方法の間にタンパク質と共に抽出される外側繊維の中に存在するタンニン及びポリフェノールに起因する。
細心の注意を払っても、外側繊維を脱皮する従来の方法ではタンニン及びポリフェノールを十分に除去することができず、明らかな暗色によって使用できる用途は制限される。
最適化された方法が開発されてきた。例えば、「Technological-scale duhulling process to improve the nutritional value of faba beans」(Meijerら,Animal Feed Science and Technology,46,1994)に開示されている方法は、2つの粉砕工程、2つの濾過工程、及びターボ分離(上昇空気流を用いたそれらの密度による粒子の分別)を含む。これらの技術的改良は複雑であり、したがってコストがかかる。
第二に、背景技術によるフィールドビーンタンパク質単離物が、特に7を超えるpH値で優れた水溶性を有することである。特定の用途では必須であるこの特性は、例えばベーカリー/ペストリーなどの他の用途では欠点となる。
Singhalは2015年の彼の論文「THE EFFECT OF GENOTYPE AND ENVIRONMENT ON THE PHYSICOCHEMICAL AND FUNCTIONAL ATTRIBUTES OF FABA BEAN PROTEIN ISOLATE」で、この優れた溶解性を非常に正確に示している。その方法は、フィールドビーンタンパク質単離物の製造における従来法であり、アルカリ抽出と等電点沈殿を組み合わせている。次に、著者は、その溶解度を含む、この単離物の機能的特性に焦点を当てている。「Emulsifying properties of chickpea,faba bean,lenti and pea protein produced by isoelectric precipitation and salt extraction」(Food Research International,44,2011,p2472~2750)で用いられた方法に従ってpH7で測定されたそれは、明らかに60%を超えている。
解決策として、欧州特許第2,911,524号の特許申請で以前に示されたものを含めていくつかがある。この解決策は、主にpH調整剤として石灰を使用することからなる。2つの正電荷を有するカルシウムイオンが架橋剤として機能し、架橋剤は別々のタンパク質鎖を一つに結合させて、石灰で処理されていない同じ構造と較べて溶解度が低下した構造を形成する。
しかしながら、この解決策では産業環境での実施が依然として困難な化合物である石灰を使用しなければならない。実際に、それは非常に不溶性であり、したがって乳白色の懸濁液の形態で取り扱われる。産業設備は沈積によって頻繁に詰まり、停止や洗浄を必要とする。したがって、可能な限り最も明るい色を有し、7を超えるpH値での溶解度が低下したフィールドビーン単離物を得ることができる簡単で効果的な方法を知ることは技術的に興味深い。
本出願人はそのような方法及びそのような単離物を見出したことを報告する。本発明を以下の章に開示する。
本発明によると、フィールドビーンタンパク質組成物を提供し、その色はLb測定において70を超える成分Lによって特徴付けられ、7を超えるpH値での溶解度は25%未満である。7以上のpH値での好ましい溶解度は25%未満である。更により好ましくは、pH3での溶解度もまた25%未満である。
別の態様によると、本発明のフィールドビーンタンパク質組成物の製造方法を提供し、それは以下の工程を含むことを特徴とする:1)フィールドビーンの種子を使用する工程;2)フィールドビーンの種子をストーンミルによって粉砕し、続いて、得られた粉砕物を上昇空気流によって軽質及び重質と呼ばれる2つの画分に分離し、その後、ナイフミルで重質画分の2回目の粉砕を行う工程;3)ローラーミルによって重質画分を最後に粉砕して粉を得る工程;4)pHが6~8、好ましくは7である水性溶媒中に粉を懸濁させる工程;5)遠心分離によって懸濁液から乾燥物画分を除去して、液体画分を得る工程;6)液体画分に含有されるフィールドビーンタンパク質の等電点pHで加熱して沈殿させて単離する工程;7)先で得られたフィールドビーンタンパク質を乾燥物重量で15~20%に希釈して、5.5~6.5、好ましくは6.5のpHに中和して、フィールドビーンタンパク質組成物を得る工程;8)フィールドビーンタンパク質組成物を乾燥させる工程。
最後の態様によると、産業上、具体的には、ヒト又は動物の栄養、化粧品、調剤における本発明のフィールドビーンタンパク質単離物の使用を提供する。
本発明及びその変形によって、典型的に、その色がLb測定において70を超える成分Lによって特徴付けられ、7を超えるpH値での溶解度が25%未満であるフィールドビーンタンパク質単離物を得るという業界のニーズを満たすための実用的で効率的な解決策、その製造方法及びその理想的な産業的使用を提供することができる。
本発明は、以下の章に示される説明によってより良く理解される。
本発明の他の特徴、詳細、及び利点は、以下の詳細な説明を読むことによって、また、添付の図面を分析することによって明白である。
フィールドビーンの外側繊維と子葉とを分離する従来の方法を示す。
フィールドビーンの種子の外側繊維と子葉とを分離する本発明の方法を示す。
上述したように、本発明によると、フィールドビーンタンパク質組成物を提供し、その色はLb測定において70を超える、好ましくは75を超える、更により好ましくは80を超える成分Lによって特徴付けられ、7を超えるpH値での試験Aによる溶解度は25%未満である。
好ましくは、7以上のpH値での試験Aで、本発明のフィールドビーンタンパク質組成物の溶解度は総重量の25%未満である。
更により好ましくは、7以上かつ8以下のpH値での試験Aで、本発明のフィールドビーンタンパク質組成物の溶解度は総重量の25%未満である。
別の特定の実施形態によると、pH3での試験Aによる、本発明のフィールドビーンタンパク質組成物の溶解度は総重量の25%未満である。
「フィールドビーン」とは、マメ科、マメ亜科、マメ連のマメ科植物の群に属するソラマメ種の一年生植物の群を意味することを意図している。マイナー品種及びメジャー品種の区別がされている。本発明において、野生型品種及び遺伝子工学又は品種選抜によって得られたものは全て優れた供給源である。
「タンパク質組成物」とは、植物から抽出し、必要に応じて精製して得られた全てのタンパク質に富む組成物を意味すると理解される。乾燥物に対するタンパク質の重量%として表される濃度が50%超である濃縮物と、乾燥物に対するタンパク質の重量%として表される濃度が80%超である単離物とは区別される。
「Lb測定」とは、刊行物「Colorimetry(色度測定)」(no.15,2nd edition,page36,1986)に示されているCIE(国際照明委員会)の色空間の方法論に従った適切な分光光度計による色空間色度の評価を意味すると理解され、それは3つのパラメータに変換されて、明度Lは0(黒)と100(基準白色)との間の値をとり、パラメータaは緑色→赤色軸上の値を表し、パラメータbは青色→黄色軸上の値を表す。この色空間色度の測定は、好ましくは、分光光度計であるDATACOLORのDATA FLASH100又はコニカミノルタのCM5を用いて、それらのユーザーマニュアルに従って行われる。
「溶解度」とは、粉末を蒸留水中に希釈して、得られた懸濁液を遠心分離し、以下の試験Aによって測定可能な上澄み中の可溶化した物質の量を分析することによって、粉末中の水溶性物質の割合を定量化することを意味すると理解される。
150gの蒸留水を磁気撹拌棒で撹拌しながら20℃+/-2℃で400mLのビーカーに入れて、試験するマメ科植物のタンパク質試料を正確に5g添加する。必要に応じて、pHを0.1N NaOHで所望の値に調整する。ビーカーの内容物に、水が200gになるように水を添加する。混合を1000rpmで30分間行って、3000gで15分間遠心分離する。25gの上澄みを回収し、予め乾燥させて風袋を計量した結晶皿に入れる。結晶皿を103℃+/-2℃のオーブンに1時間置く。次いで、結晶皿を乾燥器(乾燥剤を含む)内に置いて、周囲温度に冷却し、秤量する。
溶解度は、可溶性乾燥物の含有量に相当し、試料の重量に対する重量%として表される。溶解度は、以下の式で計算される:
[計算1]
Figure 2022526730000001
[式中、
P=試料の重量(g)=5g
m1=乾燥後の結晶皿の重量(g)
m2=空の結晶皿の重量(g)
P1=収集した試料の重量(g)=25g]
好ましくは、本発明の単離物は、乾燥物に対するタンパク質の割合として表して、そのタンパク質含有量が70重量%超、好ましくは80重量%超、更により好ましくは90重量%であることを特徴とする。
好ましくは、本発明のタンパク質組成物は、80重量%超、好ましくは85重量%超、更により好ましくは90重量%超の乾燥物含有量を有する。含水量を測定するための任意の方法を使用してこの乾燥物を定量することができ、乾燥による水の損失を評価する重量測定法が好ましい。それは、既知の重量の試料の既知の量を加熱することによって蒸発した水の量を測定することで構成される。
- 最初に試料を秤量して、質量m1をグラム単位で測定する。
- 水が完全に蒸発して試料の質量が安定するまで、試料を加熱チャンバ内に置いて水を蒸発させる。好ましくは、温度は、大気圧で105℃である。
- 最終試料を秤量して、質量m2をグラム単位で測定する。
- 固形分含有量=(m2/m1)100である。
本発明の第2の態様は、以下の工程を含むことを特徴とする本発明のフィールドビーンタンパク質組成物の製造方法からなる。1)フィールドビーンの種子を使用する工程;2)フィールドビーンの種子をストーンミルによって粉砕し、続いて、得られた粉砕物を上昇空気流によって軽質及び重質と呼ばれる2つの画分に分離し、その後、ナイフミルで重質画分の2回目の粉砕を行う工程;3)ローラーミルによって重質画分を最後に粉砕して粉を得る工程;4)pHが6~8、好ましくは7である水性溶媒中に粉を懸濁させる工程;5)遠心分離によって懸濁液から乾燥物画分を除去して、液体画分を得る工程;6)液体画分に含有されるフィールドビーンタンパク質の等電点pHで加熱して沈殿させて単離する工程;7)先に得られたフィールドビーンタンパク質を乾燥物の重量で15~20%に希釈して、pHを5.5~6.5、好ましくは6.5に中和して、フィールドビーンタンパク質組成物を得る工程;8)フィールドビーンタンパク質組成物を乾燥させる工程。
「ストーンミル」とは、種子の大きさに等しい空間を残した2つの重ねられたストーンシリンダで構成されたシステムを意味すると理解される。シリンダのうちの1つは静止し、他方は回転する。種子をこれらの2つのシリンダの間に入れて、それらの相対運動によってこれらの種子に物理的な圧力を加える。
「ナイフミル」とは、種子を入れるための上部入口を備えたチャンバと、チャンバ内でそれらを回転させるように意図されたシャフト上に配置されたいくつかのナイフと、所望の粒径を有する種子のみを排出するようにふるいを備えた下部出口とからなるシステムを意味すると理解されるべきである。
第1の工程は、フィールドビーンの種子を使用することからなる。これらの種子はまだ、外皮とも呼ばれるそれらを保護する外側繊維を含む。次いで、種子を前処理し、前処理は洗浄、ふるい分け(例えば、種子を石から分離するため)、浸漬、漂白、炙りの工程を含んでもよい。好ましくは、漂白を行う場合、熱処理の程度は80℃で3分である。品種の非限定的な例としては、Tiffany、FFS、又はYYYが挙げられる。好ましくは、例えばOrgandi品種のような天然でタンニン及び/又はポリフェノール含有量の低いフィールドビーンの種子を使用する。このような品種は既知であり、品種間交雑及び/又は遺伝子改変によって得ることができる。
第2の工程は、外側繊維と子葉との最も効果的な可能な分離に関する。それは、ストーンミルを用いたフィールドビーンの種子の1回目の粉砕から始まる。そのようなストーンミルの具体的な特に適切な例は、例えばAlma(登録商標)社から販売されている。先に開示したように、そのうちの1つが回転する2つのストーンディスクによって形成された空間内に種子を入れる。本出願人は、この技術が種子の外側繊維と子葉とを非常に効果的に分離することから、この技術が特に興味深いことに気付いた。好ましくは、ディスク間の空間を0.4~0.6mmに調整する。
次いで、得られた粉砕物を向流の上昇空気流で処理する。様々な固体粒子がそれらの密度に従って分別される。一般的に、平衡させた後、主に外側繊維又は外皮を含有する軽質画分と、主に子葉を含有する「重質」画分との2つの画分を得る。適切な装置の具体的な特に適切な例としては、例えばHosokawa-alpine(登録商標)社から販売されているMZMZ1-40がある。
次に、子葉に富む重質画分をナイフミルを用いて粉砕する。このようなナイフミルの具体的な特に適切な例としては、例えば、Retsch(登録商標)社から販売されているSM300が挙げられる。
第2の工程で先に挙げた一連の3つの操作は、外側繊維と子葉とを非常に精密に分離して、これら2つの部分の損傷、及びそれらの混合を回避することを目的としている。背景技術の方法は、あまりにも単純であって外側繊維の効果的な分離を制御できないか、又は複雑であり、したがって産業的な観点から操作が困難である。例えば、「Technological-scale dehulling process to improve the nutritional value of faba beans」(Meijerら,Animal Feed Science and Technology,46,1994)に開示されている方法は、2つの粉砕工程と、2つの濾過工程と、(上昇空気流による)1つのターボ分離を含んでいる。この方法により、子葉中に依然として含有される外側繊維が1.2%である子葉画分を得ることができる。本発明によって、方法を簡略化し(2つの粉砕工程の間のターボ分離を含む異なる技術のミルのタイプを使用する2つの粉砕工程)、外側繊維の含有量を1%以下の値に低減することができる。
第3の工程は、ローラーミルを用いてそれを粉砕することにより、子葉に富む重質画分の粒径を小さくすることを目的とする。このようなローラーミルの具体的な特に適切な例としては、例えば、Buhler(登録商標)社から販売されているMLU202がある。本明細書では、それを使用して全体の粉の粒径を小さくし、均一で十分に微細な粉末を得て、後続の工程4を容易にするために使用される。好ましい粒径は、200~400ミクロンであり、好ましくは300ミクロンである。この粒径の測定には、レーザー式粒径分析装置の使用が好ましいが、ふるい分けなどの任意の方法であってもよい。
あるいは、子葉に富む重質画分の粒径を小さくする工程は、水性溶媒、好ましくは水の存在下で行ってもよい。この場合、下の第4の工程は第3の工程と統合され、したがって同時に行われる。
第4の工程は、水性溶媒の懸濁液中で、先の第3の工程で得られた粉末を水性溶媒、好ましくは水の中に入れることを目的とする。ここでの目的は、特定の成分、主にタンパク質、及び塩と糖の選択的抽出をそれらを可溶化することによって行うことである。溶液のpHは、有利には、タンニン及びポリフェノールの可溶化を可能な限り制限するために中性pHに向かって調整される。このpHの調整は、水性溶媒中に粉末を懸濁させる前及び/又は後に行うことができる。
水性溶媒は、好ましくは水である。しかしながら、後者には、例えば可溶化を促進することができる化合物を含む添加剤を含有させてもよい。水性溶媒のpHは6~8の間、好ましくは7に調整する。ソーダ、石灰、クエン酸、又は塩酸などの任意の酸性又は塩基性試薬が可能であるが、炭酸カリウム及びアスコルビン酸が好ましい。温度は2℃~30℃、好ましくは10℃~30℃、好ましくは15℃~25℃、更により好ましくは20℃に調整する。この温度を抽出反応全体にわたって制御する。
得られた粉末を希釈して5%~25%、好ましくは5%~15%、好ましくは7%~13%、更により好ましくは9%~11%、最も好ましくは10%の懸濁液にし、ここで、パーセントは水/粉末懸濁液の総重量に対する粉末の重量として表される。懸濁液を、当業者に公知の任意の装置、例えば、撹拌機を備えたバット、ブレード、船用プロペラ、又は効果的な撹拌が可能な任意の装置を備えたバットを用いて撹拌する。好ましくは撹拌しながらの抽出時間は、5~25分、好ましくは10~20分、更により好ましくは15分である。
第5の工程は、第4の工程中に得られた可溶性画分と固体画分を遠心分離によって分離することを目的とする。好ましい産業的な原理は、参照により本明細書に組み込まれる欧州特許第1400537号に見ることができる。この方法の原理は、最初にハイドロサイクロンを用いてデンプンに富む画分を抽出し、次いで、水平デカンタを用いて内部繊維に富む画分を抽出することである。しかしながら、デンプン及び内部繊維に富む画分を抽出する工業用遠心分離器を使用してもよい。いずれの場合も、固体画分とタンパク質の大部分が濃縮された液体画分が得られる。
第6の工程は、フィールドビーンタンパク質の等電点pH、約4.5に酸性化し、次いで、溶液を加熱してグロブリンと呼ばれるタンパク質を凝固させ、それを遠心分離により分離することを目的とする。
酸性化ではpH4~5、好ましくは4.5にする。これは好ましくは、約7重量%の塩酸で行われるが、クエン酸などの鉱酸又は有機酸の全ての種類の酸を使用することができる。更により好ましくは、純粋なアスコルビン酸又は他の鉱酸あるいは有機酸と組み合わせたアスコルビン酸も使用することができる。酸性化におけるアスコルビン酸の使用は、最終的な着色の改善に役立つ。その後、例えば、二重シェル及び/若しくはコイルを備えた撹拌バット、又はインラインの蒸気注入加熱器(「ジェットクッカー」)による任意の加熱手段を使用することができる。加熱温度は、有利には45℃~75℃、好ましくは50℃~70℃、更により好ましくは55℃~65℃、最も好ましくは60℃である。加熱時間は、好ましくは5分~25分、好ましくは10~20分、最も好ましくは10分である。
大部分がグロブリンであるタンパク質組成物は、溶液中で凝固し沈殿する。それを、例えばフロットウェグ(登録商標)のセディカンタなどの任意の遠心分離技術によって分離する。得られた残留溶液には、糖、塩、及びアルブミンが濃縮され、それはフィールドビーン可溶物と呼ばれる。それは、好ましくは蒸発及び/又は乾燥させて、別に処理される。
フィールドビーンタンパク質抽出の背景技術では、専ら加熱しない等電点沈殿を教示していることに留意する。本発明の2つの工程の組み合わせによって本発明の単離物を得ることができるが、また、温度に安定なフィールドビーン可溶物(沈殿及び遠心分離後に得られる上澄み液の名前)も得ることができる。実際、等電点沈殿によって得られたフィールドビーン可溶物は、高温下、例えばエバポレーター中で沈殿する。この沈殿は、産業設備の汚れにつながるため、主な欠点となる。
逆に言うと、本発明で提案する制御加熱と等電点沈殿の組み合わせにより、
- 本出願で請求される生成物の必要な処理の後に得られる凝固タンパク質のフロックと、
- とりわけ可溶性タンパク質(アルブミン)、塩及び糖を含有する残留可溶物を得ることができる。
第2の画分は、典型的に、発酵及び/又は動物栄養産業において再利用することができる。この目的のためには、細菌学的に安定化させるためにそれを濃縮しなければならない。この目的のために、減圧下での蒸発による濃縮操作は従来どおりであり、フロックを凝固させるものとは異なる第2の加熱工程によって行われる。この操作の間、及びフロック/可溶物の分離中の単純な等電点沈殿の場合、凝固したタンパク質の沈積物がエバポレーター内に堆積する。
第7の工程では、次いで、タンパク質組成物を乾燥物重量で約15~20%に希釈し、任意の塩基性剤、好ましくは20重量%の炭酸カリウムによって、5.5~6.5、好ましくは6.5のpHに中和する。
次いで、タンパク質組成物を、ノズルを介した直接蒸気注入によって好ましくは135℃の温度で熱処理し、フラッシュ真空冷却によって65℃にする。
得られたタンパク質組成物は、例えば、プロテアーゼによって加水分解するか、又は押出機によってテクスチャ加工することによって直接使用することができる。
第8の工程では、本発明のタンパク質組成物を乾燥させる。好ましい乾燥モードは、特に多機能アトマイザーを使用した霧化である。典型的なパラメータとしては、入口温度が200℃及び蒸気温度が85~90℃である。
最後の態様では、産業上の、具体的には、ヒト又は動物の栄養、化粧品、調剤における本発明のフィールドビーンタンパク質単離物の使用を提供する。本発明のタンパク質組成物は、特にベーカリー/ペストリー用途におけるタンパク質の豊富化に容易に使用することができる。高タンパク質含有量及びそのアミノ酸プロファイルによって消費者にとって有益に栄養を強化することができ、その低い溶解度により水との相互作用が限定され、したがって生地又は生地片の中を不均一にすることができる。
ヒト用食品の用途では、本発明のタンパク質組成物は乳製品用途に特に好適である。
より具体的かつ好ましくは、本発明は、以下のような栄養配合物におけるフィールドビーン単離物の用途に関する:
- 飲料、特に具体的には食餌性栄養摂取(スポーツ、痩身)のための粉末混合物から再構成される飲料、食事又は臨床の栄養摂取のためのレディ・トゥ・ドリンク飲料、臨床の栄養摂取のための液体(経腸飲料又は輸液)、植物性飲料、
- ヨーグルト(ブレンドヨーグルト、ギリシャヨーグルト、飲むヨーグルトなど)などの発酵乳、
- 植物クリーム(コーヒークリーマー又はホワイトナーなど)、デザートクリーム、冷凍デザート、又はシャーベット、
- ビスケット、マフィン、パンケーキ、栄養バー(痩身又はアスリート用の特定の栄養摂取を目的とした)、パン、特に高タンパク質グルテンフリーのパン、押出し調理によって得られる高タンパク質シリアル(朝食シリアル、スナックを含む「クリスプ」)、
- チーズ、
- 代替肉、代替魚、ソース、特にマヨネーズ。
本発明の栄養配合物は、製品の化学的、物理的、官能的、又は加工特性を改善することができ、あるいは特定の目的の人々に使用される場合に医薬的又は栄養補助成分として機能し得る他の成分を更に含んでもよい。これらの任意の成分の多くは、他の食品製品での使用において既知であるか、そうでなければ好適であり、また、これらの任意の成分が経口摂取で安全かつ有効であり、また選択された製品の他の必須成分と適合性があることを条件として、本発明の栄養配合物に使用される。このような任意の成分の非限定的な例としては、防腐剤、抗酸化剤、乳化剤、緩衝剤、医薬活性剤、追加の栄養素、着色剤、香味料、増粘剤、及び安定剤などが含まれる。粉末又は液体栄養配合物は、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、チアミン、リボフラビン、ピリドキシン、ビタミンB12,カロチノイド、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ビタミンC、コリン、イノシトール、それらの塩及び誘導体、並びにそれらの組み合わせなどのビタミン又は栄養素を更に含んでもよい。粉末又は液体栄養配合物は、リン、マグネシウム、鉄、亜鉛、マンガン、銅、ナトリウム、カリウム、モリブデン、クロム、セレン、塩化物、及びそれらの組み合わせなどのミネラルを更に含んでもよい。粉末又は液体栄養配合物はまた、例えば再構成粉末中の苦味などを低減するための1つ以上のマスキング剤を含んでもよい。好適なマスキング剤としては、天然及び人工の甘味料、塩化ナトリウムなどのナトリウム源、及びグアーガム、キサンタンガム、カラギーナンなどの親水コロイド、並びにそれらの組み合わせが含まれる。粉末栄養配合物中のマスキング剤の量は、選択された特定のマスキング剤、配合物中の他の成分、及び他の配合物又は目的製品の変種に応じて変化する。
本発明は、特に以下の実施例を読むことによってよりよく理解される。
実施例1:外側繊維を脱皮するための伝統的及び従来の方法の比較:
Tiffany品種のフィールドビーンの種子の単一バッチを処理して、外側繊維と子葉を分離する。これを行うために、2つの方法を使用する。
背景技術の方法:先ず、700rpmの回転速度のナイフミル(SM300、Retsch(登録商標))を用いて種子を処理する。次いで、いわゆる「ジグザグ」システム(MZM1-40、Hosokawa-alpine(登録商標))を用いて、ターボ分離によって粉砕物を処理する。空気の速度は4.0m・s-1(23m・h-1)である。最後に、外側繊維を含有する軽質画分と子葉を含有する重質画分を得る。次いで、ローラーミル(MLU202、Buhler(登録商標))を用いて重質画分を粉砕する。最終的に、粒径が300μm未満の粉を得る。この方法を図1に概略的に示す。
本発明の改良された方法:最初に、種子をストーンミル(Alma(登録商標))を用いて処理する。次いで、いわゆる「ジグザグ」システム(MZM1-40、Hosokawa-alpine(登録商標))を用いて、ターボ分離によって粉砕物を処理する。空気の速度は、4.0m・s-1(23m・h-1)である。最後に、外側繊維を含有する軽質画分と子葉を含有する重質画分を得る。次いで、重質画分を、出口に6mmのスクリーンが取り付けられたナイフミル(SM300、Retsch(登録商標))を用いて700rpmの回転速度で処理する。次いで、ローラーミル(MLU202、Buhler(登録商標))を用いて重質画分を粉砕する。最終的に、粒径が300μm未満の粉を得る。この方法を図2に概略的に示す。
背景技術の2つの方法及び先に開示した本発明に従って得られた重質画分中の残留外側繊維(又は外皮)を手作業で分離する。これは、画分から200gの試料を取って、依然として存在する外側繊維を手で分離することからなる。次いで、これらを秤量する(重量=m)。残留外側繊維の割合は、以下の計算によって得られる:(m/200)100。
背景技術の方法では、割合は1.7%である。本発明の方法では、この割合が0.9%に低減される。
実施例2:本発明のタンパク質組成物の製造
上記段落0063に開示した本発明の改良された方法を使用して、75kgのフィールドビーン粉を調製する。この粉を、20℃の飲用水中に乾燥物重量で10%として懸濁液に入れた。炭酸カリウムを添加してpHを7に調整する。20℃かつ15分間均質化させる。次いで、溶液をフロットウェグのセディカンタのデカンタ(ボウル速度:60%又は4657rpm(約3500g)、60%のスクリュー速度でVr=18.8、140mmの上澄み(オーバーフロー)用ピペット、1m/hの供給量)に送り、タンパク質を含有する上澄み液を回収する。
この上澄みに約7重量%の塩酸を添加してpH4.5に酸性化する。バットの二重シェルに蒸気を注入して60℃に加熱し、15分間均質化させる。再びフロットウェグのセディカンタ(60%又は4657rpm(約3,500g)のボウル速度、Vr=3.5となる10%のスクリュー速度からVr=12.6となる40%のスクリュー速度、開始時140mmから137mmまでのオーバーフロー用ピペット、700l/hの供給量)を使用して、この回は凝固したタンパク質を含有する沈殿物を回収する。
沈殿物を乾燥物重量で約15~20%に希釈し、20%の炭酸カリウムを添加してpH6.5に中和する。ノズルによって135℃で加熱処理し、フラッシュ真空冷却によって65℃にする。最終的に、生成物を霧化する(200℃の入力温度及び85~90℃の蒸気温度)。
粉からのタンパク質抽出収率は72.5%である。得られたタンパク質を、「本発明のタンパク質組成物」と命名する。
実施例3:背景技術によるタンパク質組成物の製造
この例では、論文「THE EFFECT OF GENOTYPE AND THE ENVIRONMENT ON THE PHYSICOCHEMICAL AND FUNCTIONAL ATTRIBUTES OF FABA BEAN PROTEIN ISOLATES」(Shingha、2015)に引用された「Textual properties of legume protein isolate and polysaccharide gels」(Makriら,Journal of the Science of Food and Agriculture,86,1855~1862)の教示を使用する。簡潔に述べると、350~400gの粉を蒸留水(1:10w/v)中に分散させて、1MのNaOHでpH9.5に調整し、21~23℃で40分間撹拌(500rpm)した後、遠心分離(1,600×g、20分、4℃)した。上澄みを取って蒸留水(1:5w/v)で希釈し、撹拌して、遠心分離(1,600×g、20分、4℃)する。1MのHClで上澄みのpHを4.5に調整し、遠心分離(1,600×g、20分、4℃)する。上澄みを脱イオン水中に再希釈し、1MのNaOHでpH7.0に調整して、凍結乾燥する。
粉からのタンパク質抽出収率は81.2%である。得られたタンパク質を、「背景技術のタンパク質組成物」と命名する。
実施例4:機能性及び分析の比較
実施例2及び3によって得られた様々な組成物を、分析(乾燥物及びタンパク質の含有量)及び機能(試験Aによる溶解度)の点から比較する。市販のフィールドビーンタンパク質組成物であるYANTAI T.FULL BIOTECH CO LTD製のFAVA BEAN PROTEIN ISOLATE 85%(バッチDFC021606181/C1377)も入手し、それを市場で入手可能なフィールドビーン単離物の代表とする。下の表1にこれらの分析結果をまとめる。
Figure 2022526730000002
[表1]
表は、7を超えるpHのレベルでの、本発明のタンパク質組成物の非常に低い溶解度を示しており、背景技術のタンパク質組成物が35%を超えるのに対して、25%未満である。
様々な単離物のゲル化能力もまた、下のプロトコルを使用して定量化する。
1.水と単離物を混合して水性懸濁液を調製して、最終的にpH7での乾燥物の懸濁濃度を15%とする;
2.同軸シリンダモデルDHR2(ティー・エイ・インスツルメント)を備えた応力が加えられたレオメーターに懸濁液を入れる;
3.以下の温度プロファイルを適用して、弾性率G’及び粘性弾性率G”を測定する:
a.フェーズ1:20℃の温度から80℃の温度に10分間で加熱
b.フェーズ2:80℃の温度で110分間安定化
c.フェーズ3:80℃から20℃の温度に30分間で冷却。
結果は以下のとおりである。
Figure 2022526730000003
ゲル化能力が背景技術の単離物よりも5~6倍高いことが分かる。
実施例5:ベジタリアンソーセージ
本発明のマメ単離物と市販のエンドウマメ単離物をヴィーガンレシピで比較する。レシピは以下のとおりである。
Figure 2022526730000004
ソーセージを製造する手順は以下のとおりである。
- 水と砕いた氷を混合する。
- Kenwood Electronic(英国)のKM231を使用して、60%の水/氷混合物の中にメチルセルロースを分散させる。最大速度で5分間。
- 試験するタンパク質を加えて、Kenwood Electronic(英国)のKM231で混合する。最大速度で10分間。
- 最大の撹拌を行いながら、油を加えて、混合物を更に10分間均質化させる。
- 残りの粉末成分及び残りの40%の水/氷混合物を加える。最大速度で5分間最終撹拌する。
- 2メートルの人工の剥離可能なセルロース系ケーシングであるViscofan(DATSchaub社(ティエ、フランス))に充填する。
-業務用オーブン(Bourgeois oven S2ON1、シリアル番号S2476057)中、湿度をレベル4に制御して100℃で1時間加熱する。
- ソーセージをオーブンから取り出し、室温で安定化させる。
- 人工の剥離可能なセルロース系ケーシングを手で取り除く。
- 分析の前に、ソーセージを塩を加えずに沸騰した飲用水中で5分間加熱し、室温に30分間置く。
得られたソーセージをレオメーターTAXT2i(Stable MIcro Systems製、Texture Analyzer Model XT2i、英国)及びそのソフトウェアバージョン2.64で比較する。
必要な力を測定しながらテクスチャーアナライザを用いて、ソーセージを2つの部分に切断する操作を行うことからなる「スライシング」又は「カッティング」と呼ばれる試験を行って、ソーセージを特徴付ける。この試験は、ソーセージへの25mmの切り込み量、また最小検出限界0.06NでWarner Bratzler製せん断力値測定機を使用して行った。切断点における最大力を用いて特性を評価する。
得られた値は以下のとおりである。
Figure 2022526730000005
ソーセージ3をスライスするために必要な力は、市販のエンドウマメ単離物から得られたソーセージをスライスするために必要な力よりもはるかに大きいことが分かる。この結果から本発明のフィールドビーン単離物で得られたソーセージがより堅いという結論が得られる。
実施例6:レギュラーマヨネーズ及びライトマヨネーズ
レギュラーマヨネーズ(「高脂肪」と呼ばれる)及びライトマヨネーズ(「低脂肪」と呼ばれる)の製造における本発明の単離物の優れた結果を下に示す。
マヨネーズのレシピを作成するために必要な成分は以下のとおりである。
Figure 2022526730000006
試験する単離物は、ROQUETTE社のNutralys(登録商標)F85F、本発明のフィールドビーン単離物及びアクアファバ(Vor社から入手した「Aquafaba Powder」)である。
製造プロトコルは以下のとおりである。
- HOTMIX Pro Gastro(製造業者:MATFER FLO、モデル:212502)中、速度3で1分間、フェーズ1の成分を混合する。
- 第2フェーズ及び第3フェーズの成分を低脂肪の場合は速度4及び7で1:30分で加え、高脂肪の場合は第2フェーズの成分を速度3で2分で加える。
- 高脂肪の場合は速度3で1分で第3フェーズの成分を加える。
- 高脂肪の場合は速度3で1分で第4フェーズの成分を加える。
- 低脂肪の場合は速度8で、高脂肪の場合は速度3でエマルションを1分間仕上げる。
得られた異なるマヨネーズを、堅さ、粘性、及び粘着力のパラメータを測定することができるTA.HDplusテクスチャーアナライザ(添付1に示す)を用いて比較する。堅さ(g)は、幾何学的形状(以下に記載する「後方押出リング後方」キットを参照)が製品に貫入するように加えられる力に対応し、粘性(g.秒)は、堅さの曲線下の面積に従って計算されるデータ項目であり、粘着力(g)は、幾何学的形状をマヨネーズから引き出すように加えられる力に対応する。
テクスチャーアナライザは、装置にねじ込まれたディスク、及びマヨネーズが充填された3つのプレキシガラス容器から作られた「後方押出リング」キットを備える。データの取得は、マヨネーズを分析するように設計されたプログラムを備えたExponentソフトウェアを使用して行う。幾何学的形状を、容器の底に達するまで3mm/sで下げ、5mm/sで引き上げる。ソフトウェアによって時間に基づいた曲線が自動的に描かれ、それによりそれらのパラメータを導くことができる。
全ての実施は取扱説明書に明確に説明されている。
「低脂肪」マヨネーズの結果は以下のとおりである。
Figure 2022526730000007
「高脂肪」マヨネーズの結果は以下のとおりである。
Figure 2022526730000008
得られた結果は、本発明のフィールドビーン単離物で得られたマヨネーズが、低脂肪マヨネーズとして優れたテクスチャ値によって特徴付けられ、エンドウマメ単離物又はアクアファバよりも優れていることを示している。
実施例7:植物性ミルク又は「ミルク代替物」
本出願の本発明の単離物の性能を評価するために植物性ミルクを製造する。
レシピは以下のとおりである。
Figure 2022526730000009
プロトコルは以下のとおりである。
- 水を70℃に加熱し、2,000rpmのSylversonで15分間タンパク質単離物を水和させる
- 油以外の他の成分を加えて10分間混合する
- 油を65℃に加熱し、6,000rpmで撹拌しながら加える
- 142℃で5秒間UHT滅菌する
- 75℃で2段階(270バール及び30バール)で均質化する
- 4℃まで冷却する
乳化した油の小球の粒径分布の分析をMastersizer粒径分析装置を用いて行う。粒径のパラメータは以下のとおりである。D10=0.21ミクロン、D50=0.45ミクロン、及びD90=1.42ミクロン。
これらの結果は優れたものであり、明らかにミルクのような脂質小球の優れた乳化を示している。

Claims (13)

  1. 色がLb測定において70を超える、好ましくは75を超える、更により好ましくは80を超える成分Lによって特徴付けられ、最低pH7での試験Aによる溶解度が総重量の25%未満である、フィールドビーンタンパク質組成物。
  2. 最低pH7、最高pH8での試験Aによる溶解度が、総重量の25%未満であることを特徴とする、請求項1に記載のタンパク質組成物。
  3. pH3での試験Aによる溶解度が、総重量の25%未満であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のタンパク質組成物。
  4. タンパク質含有量が、乾燥物に対するタンパク質の重量パーセントとして表して70重量%超、好ましくは80重量%超、更により好ましくは90重量%超であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のタンパク質組成物。
  5. 乾燥物含有量が、80重量%超、好ましくは85重量%超、更により好ましくは90重量%超であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のタンパク質組成物。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載のタンパク質組成物の製造方法であって、
    1)フィールドビーンの種子を使用する工程;
    2)前記フィールドビーンの種子をストーンミルによって粉砕し、続いて、得られた前記粉砕物を上昇空気流によって軽質及び重質と呼ばれる2つの画分に分離し、その後、ナイフミルで前記重質画分の2回目の粉砕を行う工程;
    3)ローラーミルによって前記重質画分を最後に粉砕して粉を得る工程;
    4)pHが6~8、好ましくは7である水性溶媒中に前記粉を懸濁する工程;
    5)遠心分離により前記懸濁液から前記固体画分を除去して、液体画分を得る工程;
    6)前記液体画分中に含まれる前記フィールドビーンタンパク質の等電点pHで加熱して沈殿させて単離する工程;
    7)先に得られた前記フィールドビーンタンパク質を乾燥物重量で15~20%に希釈して、5.5~6.5のpH、好ましくは6.5に中和して、フィールドビーンタンパク質組成物を得る工程;
    8)前記フィールドビーンタンパク質組成物を乾燥させる工程、を含むことを特徴とする、方法。
  7. 工程3で得られた前記粉の平均粒径が、200~400ミクロン、好ましくは300ミクロンであることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 工程4の前記水性溶媒の温度が、2℃~30℃、好ましくは10℃~30℃、好ましくは15℃~25℃、更により好ましくは20℃に調整されることを特徴とする、請求項6又は7に記載の方法。
  9. 工程6中の前記液体画分の酸性化が、4~5、好ましくは4.5のpHで行われることを特徴とする、請求項6~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 工程6中の前記液体画分のpHが、アスコルビン酸によって調整されることを特徴とする、請求項6~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 工程6の前記加熱温度が、45℃~75℃、好ましくは50℃~70℃、更により好ましくは55℃~65℃、最も好ましくは60℃であり、工程6の前記加熱時間が、5分~25分、好ましくは10~20分、最も好ましくは10分であることを特徴とする、請求項6~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 工程7がまた、好ましくは135℃の温度でのノズルを介した直接蒸気注入による熱処理、及び65℃へのフラッシュ真空冷却を含むことを特徴とする、請求項6~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 請求項1~5のいずれか一項に記載の、又は請求項6~12のいずれか一項に記載の方法によって得られるフィールドビーンタンパク質組成物の、特にヒト及び動物の栄養、化粧品、調剤における産業的使用。
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