JP2022523035A - 1,2,3-トリアゾロ[1,5-a]ピラジン誘導体の結晶形および結晶形の調製方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、1,2,3-トリアゾロ[1,5-a]ピラジン誘導体の結晶形およびその調製方法を提供する。具体的には、本発明は、化合物(S)-N5-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-メチル-N3-((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-3,5(4H)-ジメチルホルムアミドの結晶形およびその調製方法を提供する。調製した結晶形は、良好な安定性および臨床応用価値を有する。
Description
本出願は、2019年1月25日に出願された中国特許出願CN201910072048.6の優先権を主張するものであり、その内容は全体として本明細書に組み込まれている。
本開示は、化合物(S)-N5-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-メチル-N3-((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-3,5(4H)-ジカルボンアミドの結晶形および前記結晶形の調製方法を提供する。
国際出願番号PCT/CN2018/097170(2018年7月26日出願)には、化合物(S)-N5-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-メチル-N3-((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-3,5(4H)-ジカルボンアミドが記載されている。薬力学的実験により、この化合物は、HBVカプシドタンパク質の通常の集合に対する明らかな阻害作用を有し、薬物動態学的に吸収が良く、生物学的利用能が高いことが示された。同時に、この新規化合物は、インビトロでのHepG2細胞の増殖抑制に全くあるいはほとんど影響を及ぼさず、良好な安全性を示した。
多形体とは、固体物質に2つ以上の異なる空間的配置が存在し、それらが、異なる物理的・化学的特性を有するという現象である。同じクラスの薬物でも、異なる結晶形の異なる配置のために、生物学的利用能が異なる場合がある。一方、臨床治療における固体薬物の結晶形とその安定性の重要性の観点から、工業生産に適し、良好な生物活性を有する薬物の開発のために高純度で安定した化学的性質を有する結晶形を得ることを目的として、化合物(S)-N5-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-メチル-N3-((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-3,5(4H)-ジカルボナミドの多形体を研究することは、非常に重要である。
本開示は、化合物(S)-N5-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-メチル-N3-((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-3,5(4H)-ジカルボンアミドの結晶形Aを提供し、回折角2θで表される前記X線粉末回折パターンは、13.197、14.239、15.839、17.680、19.080、19.780、22.539に特徴的なピークを有している。
別の実施形態では、前記結晶形Aは、回折角2θで表される前記X線粉末回折パターンが、13.197、14.239、15.320、15.839、17.680、19.080、19.780、22.539、25.519に特徴的なピークを有することを特徴とする。
いくつかの実施形態では、前記結晶形Aは、回折角2θで表される前記X線粉末回折パターンが、11.022、13.197、14.239、15.320、15.839、17.680、19.080、19.780、20.879、22.539、25.519、26.041に特徴的なピークを有することを特徴とする。
いくつかの他の実施形態において、前記結晶形Aは、回折角2θによって表されるX線粉末回折パターンが図2に示されているとおりであることを特徴とする。
本開示はさらに、化合物(S)-N5-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-メチル-N3-((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-3,5(4H)-ジカルボンアミドの結晶形Aを調製する方法であって、以下のステップ:
(a)化合物(S)-N5-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-メチル-N3-((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-3,5(4H)-ジカルボンアミドを溶媒(I)中に添加し、撹拌または加熱することにより溶解させるステップであって、前記溶媒(I)が、酢酸エチル、ジクロロメタン、イソプロパノールおよびイソプロピルエーテル、好ましくはイソプロパノール/イソプロピルエーテル、酢酸エチル/n-ヘキサンまたはジクロロメタン/イソプロピルエーテルのうちの少なくとも1つから選択される、ステップ;
(b)撹拌して前記結晶を析出させるステップ、を含む方法を提供する。
(a)化合物(S)-N5-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-メチル-N3-((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-3,5(4H)-ジカルボンアミドを溶媒(I)中に添加し、撹拌または加熱することにより溶解させるステップであって、前記溶媒(I)が、酢酸エチル、ジクロロメタン、イソプロパノールおよびイソプロピルエーテル、好ましくはイソプロパノール/イソプロピルエーテル、酢酸エチル/n-ヘキサンまたはジクロロメタン/イソプロピルエーテルのうちの少なくとも1つから選択される、ステップ;
(b)撹拌して前記結晶を析出させるステップ、を含む方法を提供する。
いくつかの実施形態では、この方法で使用される前記溶媒(I)は、イソプロパノール/イソプロピルエーテルの混合溶媒から選択される。イソプロピルエーテルに対するイソプロパノールの体積比は、2:1~1:10であり、これは、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、および任意の2つの値の間の任意の比、好ましくは1:3、1:4または1:5であり得る。
いくつかの実施形態では、この方法で使用される前記溶媒(I)は、酢酸エチル/n-ヘキサンの混合溶媒から選択される。n-ヘキサンに対する酢酸エチルの体積比は、2:1~1:10であり、これは、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、および任意の2つの値の間の任意の比であり、好ましくは1:3、1:4または1:5であり得る。
いくつかの他の実施形態では、この方法で使用される前記溶媒(I)は、ジクロロメタン/イソプロピルエーテルの混合溶媒から選択される。イソプロピルエーテルに対するジクロロメタンの体積比は、1:5~1:30であり、これは、21:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:22、1:23、1:24、1:25、1:26、1:27、1:28、1:29、1:30、および任意の2つの値の間の任意の比率、好ましくは1:20、1:22または1:25であり得る。
いくつかの実施形態では、この方法で使用される前記溶媒(I)の体積(ml)は、この化合物の重量(g)の1~20倍であり、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20倍であり、任意の2つの値の間の任意の値であり得る。
別の態様では、本開示はさらに、化合物(S)-N5-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-メチル-N3-((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-3,5(4H)-ジカルボンアミドの結晶形Bを提供し、回折角2θで表されるX線粉末回折パターンは、6.273、12.680、14.178、15.475、17.685、19.045および22.450に特徴的なピークを有する。
別の実施形態では、前記結晶形Bは、回折角2θで表される前記X線粉末回折パターンが、6.273、11.687、12.680、14.178、15.475、17.198、17.685、19.045および22.450に特徴的なピークを有することを特徴とする。
他の実施形態では、前記結晶形Bは、回折角2θで表される前記X線粉末回折パターンが図5で示されるとおりであることを特徴とする。
本開示は、さらに、化合物(S)-N5-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-メチル-N3-((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-3,5(4H)-ジカルボンアミドの結晶形Cを提供し、回折角2θで表される前記X線粉末回折パターンが、6.326、10.317、11.833、12.826、13.805、20.529、23.773に特徴的なピークを有する。
別の実施形態では、前記結晶形Cは、回折角2θで表される前記X線粉末回折パターンが、6.326、10.317、11.833、12.826、13.805、15.499、16.875、18.546、20.529および23.773に特徴的なピークを有することを特徴とする。
他のいくつかの実施形態では、前記結晶形Cは、回折角2θで表される前記X線粉末回折パターンが図6に示されているとおりであることを特徴とする。
また、本開示は、回折角2θで表される前記X線粉末回折パターンが、10.296、12.415、15.542、18.521、19.298、23.004および25.956に特徴的なピークを有する、化合物(S)-N5-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-メチル-N3-((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-3,5(4H)-ジカルボンアミドの結晶形Dを提供する。
別の実施形態では、前記結晶形Dは、回折角2θで表される前記X線粉末回折パターンが、10.296、12.415、15.542、16.660、18.521、19.298、20.058、23.004、25.956に特徴的なピークを有することを特徴とする。
好ましくは、前記結晶形Dは、回折角2θで表される前記X線粉末回折パターンが、10.296、12.415、15.542、16.660、18.521、19.298、20.058、21.214、22.039、23.004、および25.956に特徴的なピークを有することを特徴とする。
他のいくつかの実施形態では、前記結晶形Dは、回折角2θで表される前記X線粉末回折パターンが図7に示されているとおりであることを特徴とする。
本開示はさらに、上記の結晶形のいずれか1つから調製される医薬組成物を提供する。さらに、前記医薬組成物はまた、薬学的に許容される担体と、希釈剤または賦形剤とを含む。
本開示はさらに、上記化合物の結晶形と、薬学的に許容される担体と、希釈剤または賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。
本開示はさらに、ウイルス性感染症の予防および/または治療のための薬物の調製における、前記化合物の上記結晶形または前記医薬組成物の使用を提供し、ここで、前記ウイルスは、B型肝炎ウイルス、インフルエンザウイルス、ヘルペスウイルスおよびエイズウイルスのうちの1つまたは複数であり得、また、前記疾患は、B型肝炎、インフルエンザ、ヘルペスおよびエイズのうちの1つまたは複数であり得る。
本開示はさらに、カプシドタンパク質阻害剤のための薬物の調製における、上記結晶形の化合物または前記医薬組成物の使用を提供する。
本開示は、ウイルス感染症を予防および/または治療する方法をさらに提供し、この方法は、治療有効量の上記結晶形の化合物を、それを必要とする患者に投与することを含み、前記ウイルスは、B型肝炎ウイルス、インフルエンザウイルス、ヘルペスウイルスおよびエイズウイルスのうちの1つまたは複数であり得、前記疾患は、B型肝炎、インフルエンザ、ヘルペスおよびエイズのうちの1つまたは複数であり得る。
中国薬局方第4巻(2015年版)の「9103薬物の吸湿性に関する指導原則」における吸湿性特性および吸湿性重量増加の定義によると、
潮解する:十分な水分が吸収されて液体を形成する。
極めて吸湿性が高い:吸湿性重量増加が15%以上である。
吸湿性がある:吸湿性重量増加が15%未満であるが、2%未満ではない。
わずかに吸湿性がある:吸湿性重量増加が2%未満であるが、0.2%未満ではない。
吸湿性がないか、あるいはほとんどない:吸湿性重量増加が、0.2%未満である。
本開示による前記(S)-N5-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-メチル-N3-((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-3,5(4H)-ジカルボンアミドの結晶形Aは、70%RHの条件下では吸湿重量増加率が0.1%であり、これは0.2%未満であり、吸湿性がないか、あるいはほとんどないことが示される。
さらに、本開示による結晶形Aは、90%RHの条件下で0.21%の吸湿重量増加を有しわずかな吸湿性を示すか、または吸湿性がない/ほとんどないことが示される。
本開示に記載の「X線粉末回折パターン」は、Cu-Kα放射線測定を用いて得られる。
本開示に記載の結晶体の調製方法は、濾過するステップ、洗浄するステップまたは乾燥するステップなどのステップも含む。
本開示に記載される「X線粉末回折パターンまたはXRPD」は、X線が結晶の原子面または結晶サンプルの一部にグレージング角θ(入射角の残差(residual)角。ブラッグ角としても知られている)で、d格子面間隔で入射したときに満たされる、ブラッグの式2d sinθ=nλ(式中、λはX線の波長、λ=1.54060Å、回折次数nは任意の正の整数であり、一般に第1の回折ピーク(n=1)が採用される。)に基づいて測定される。
本開示で説明される「2θまたは2θ度」は、回折角を指し、ここで、θは、°または度でのブラッグ角である。各特性ピークの角度2θの誤差範囲は、±0.20で、これは、-0.20、-0.19、-0.18、-0.17、-0.16、-0.15、-0.14、-0.13、-0.12、-0.11、-0.10、-0.09、-0.08、-0.07、-0.06、-0.05、-0.04、-0.03、-0.02、-0.01、0.00、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.20であり得る。
本開示に記載の「結晶面間隔または結晶面間隔(d値)」とは、非平行で、隣接する2つの格子点を結ぶ3つの単位ベクトルa、b、cで分割された空間格子における、平行六面体単位のことである。前記空間格子は、決定された平行六面体単位に応じて一組の直線格子に分割され、これは空間格子または格子と呼ばれる。前記格子および結晶格子は、それぞれ幾何学的な点および線で結晶構造の周期性を反映し、異なる格子面の面間隔(つまり、隣り合う平行な2つの面の間の距離)は異なり、その単位はÅまたはオングストロームである。
本開示に記載されている「示差走査熱量測定またはDSC」は、試料の加熱プロセスまたはサーモスタットプロセス中に、試料と基準との間の温度差および熱流束差を測定することにより、熱効果に関連するすべての物理的および化学的変化を特徴づけ、前記試料の相変化情報を得ること指す。
本開示における乾燥温度は、一般的に20℃~100℃、好ましくは25℃~70℃であり、この乾燥は、常圧下または減圧下(真空乾燥)で行われ得る。好ましくは、前記乾燥は減圧下で行われる。
本開示で用いられる化学試薬および生物学的試薬は、市販のものが用いられ得る。本開示における化合物Bは、PCT/CN2018/097170(2018年7月26日に出願)の方法を参照しており、その薬理効果および動物インビボ研究に関する内容は、説明のために本開示に導入される。
実施例における反応プロセスは、薄層クロマトグラフィー(TLC)によってモニターされ、反応に使用される展開剤、化合物を精製するためのカラムクロマトグラフィーに使用される溶離系、および薄層クロマトグラフィーに使用される展開剤系には、A:ジクロロメタン/メタノール系、B:n-ヘキサン/酢酸エチル系、C:石油エーテル/酢酸エチル系が含まれ、前記溶媒の体積比は、化合物の極性に応じて、またはトリエチルアミンおよび酢酸などの塩基性試薬または酸性試薬を少量添加することにより調整され得る。本開示で実験に用いた機器の試験条件は、以下の通りである。
XRPDは、X線粉末回折検出を示す:測定は、BRUKER D8 X線回折計で行われ、特定の情報が収集される。Cuアノード(40kV、40mA)、Cu-Kα1線(λ=1.54060Å)、Kα2線(λ=1.54439Å)、Kβ線(λ=1.39222Å)、走査範囲(2q範囲):3~64°、走査ステップ長:0.02、スリット幅(コリメーター):1.0mmである。走査ステップ数:3、1ステップあたりの走査範囲:19°、開始度:5°、終了度:48、1ステップあたりの時間:75秒の条件で、ステップバイステップ走査法を実施する。
DSCは、示差走査熱量計を示す:測定は、METTLER TOLEDO DSC 3+示差走査熱量計を用いて、加熱速度10℃/分、対応するマップを参照する特定の温度範囲(25-300または25-350℃)、窒素パージ速度50ml/分で実施される。
TGAは、熱重量測定を示す:測定は、METTLER TOLEDO TGAタイプ2熱重量測定装置により、加熱速度10℃/分、対応するマップを参照する特定の温度範囲(25~300℃)、窒素パージ速度20ml/分で実施される。
DVSは、動的蒸気収着を示す:測定は、SMS DVS Advantageを用いて、25℃で湿度を50%-95%-0%-95%-50%に変化させ、10%のステップ(最後のステップは5%)で行い(湿度の特定範囲は対応するスペクトルに従うが、ここに挙げた方法はほとんどの場合に用いられる方法である)、dm/dtが0.02%以下であることを判定基準とする。
HPLCは、Agilent 1200 DAD高圧液体クロマトグラフィー装置(Sunfire C18、カラム:150×6mm)およびWaters 2695-2996高圧液体クロマトグラフィー装置(gimini C18、カラム:150×6mm)で行う。
化合物の構造は、核磁気共鳴(NMR)または/および質量分析(MS)によって測定される。NMRのシフト(δ)は、10-6(ppm)の単位で示される。NMRによる測定は、Bruker AVANCE-400核磁気装置を用いて、溶媒としてDMSO-d6、CDCl3およびCD3ODを使用し、内部標準はTMSである;MSによる測定は、Finnigan lcqad(ESI)質量分析計(メーカー:Thermo社、モデル:Finnigan LCQ advantage MAX)を用いて実施される。
本開示は、実施例または実験例と組み合わせて詳細に説明される。本開示における実施例または実験例は、本開示における技術的解決策を説明するために単に使用され、本開示の本質および範囲を限定するものではない。
実施例1:(S)-N5-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-メチル-N3-((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-3,5(4H)-ジカルボンアミド(化合物B)の調製。
ステップ1
(S)-4-((1-ヒドロキシプロピル-2-イル)(4-メトキシベンジル)アミノ))ブチル-2-イン-1-イルアセテート1c
化合物1a(3.00g、15.00mmol、周知の方法「Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters、2015、25(5)、1086-1091」により調製)を60mlのジオキサンに溶解し、次いで4-クロロブチル-2-イン-1-イルアセテート1b(5.73g,39.00mmol、周知の方法「Journal of Medicine Chemistry,2014,57(9),3687-3706」で調製した)を加え、続いてトリエチルアミン(4.7g、46.00mmol)を加え、反応物を60℃で12時間撹拌した。反応液を濾過して濾液を得た後、これを減圧下で濃縮し、得られた残渣を、溶離系Aを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物1c(2.20g、収率:42.2%)を得た。
MS m/z(ESI):306.2[M+1]。
ステップ2
(S)-4-((1-クロロプロピル-2-イル)(4-メトキシベンジル)アミノ)ブチル-2-イン-1-イルアセテート1d
化合物1c(2.20g、7.20mmol)およびピリジン(854mg、10.08mmol)を30mLのジクロロメタンに溶解し、これに氷浴下で塩化スルホキシド(1.50g、12.60mmol)をゆっくりと加え、ゆっくりと室温に上げて2時間撹拌した。反応液に100mLのジクロロメタンを加え、水(50mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた後、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して表題化合物1d(2.20g)を得て、精製せずにそのまま次の反応に用いた。
ステップ3
(S)-(5-(4-メトキシベンジル)-6-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-3-イル)酢酸メチル1e
粗化合物1d(2.20g、6.79mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド20mLに溶解し、アジ化ナトリウム(574mg、8.83mmol)を加え、80℃で12時間反応させた。反応液を室温まで冷却した後、酢酸エチル50mLを加え、水(20mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた後濾過し、濾液を減圧下で濃縮して残渣を得、これを、溶離系Aを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物1e(1.30g、収率:57.9%)を得た。
MS m/z(ESI):331.1[M+1]。
ステップ4
(S)-(6-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピペラジン-3-イル)酢酸メチルトリフルオロアセテート1f
化合物1e(1.30g、2.33mmol)をトリフルオロ酢酸5mlに溶解し、マイクロ波で100℃に加熱し、5分間反応させた。反応液を室温まで冷却し、減圧下で濃縮して粗表題化合物1f(1.28g)を得て、これを精製せずにそのまま次の反応に用いた。
ステップ5
(S)-(5-((3,4-ジフルオロフェニル)カルバモイル)-6-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-3-イル)酢酸メチル1h
粗化合物1f(200mg、0.62mmol)、化合物1g(228mg、1.90mmol)、トリエチルアミン(290mg、2.86mmol)を、10mlのテトラヒドロフランに溶解し、氷水浴下でビス(トリクロロメチル)カーボネート(87mg、0.3mmol)を加え、3時間攪拌下で反応させた。反応液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を、溶離液系Cを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物1h(90mg、収率:40.1%)を得た。
MS m/z(ESI):366.1[M+1]。
ステップ6
(S)-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-3-(ヒドロキシメチル)-6-メチル-6,7-ジヒドロ-[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-5(4H)-ホルムアミド1i
化合物1h(442mg、1.21mmol)をメタノールと水の混合溶媒(V:V=5:1)6mLに溶解し、水酸化リチウム(253.86mg、6.05mmol)を加えて1.5時間撹拌した。反応液を減圧下で濃縮し、得られた残渣に酢酸エチル30mLを加え、水(2mL×2)で洗浄した。有機相を減圧下で濃縮して粗化合物1i(391mg)を得、これを精製せずにそのまま次の反応に用いた。
MS m/z(ESI):324.1[M+1]。
ステップ7
(S)-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-3-ホルモキシル-6-メチル-6,7-ジヒドロ-[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-5(4H)-ホルムアミド1j
粗化合物1i(350mg、1.1mmol)を12mLのジクロロメタンに溶解し、クロロクロム酸ピリジニウム(583.41mg、2.71mmol)およびシリカゲル(550mg、100メッシュ)を加えて2時間撹拌した。反応生成物を濾過し、減圧下で濃縮して残渣を得た後、展開剤系Aを用いた薄層クロマトグラフィーで精製し、化合物1j(60mg、収率:17%)を得た。
MS m/z(ESI):322.1[M+1]。
ステップ8
(S)-((3,4-ジフルオロフェニル)アミノカルボニル)-6-メチル-4,5,6,7-ジヒドロ-[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-3‐ギ酸1k
化合物1J(60mg、0.19mmol)を、アセトニトリルと水との混合溶媒(V:V=3:2)5mLに溶解し、アミノスルホン酸(36.26mg、0.37mmol)を加えた後、亜塩素酸ナトリウム(33.78mg、0.37mmol)を水2mLに溶解した溶液を、反応系に加え、室温で3時間撹拌した。反応生成物に飽和亜硫酸ナトリウム水溶液1mLを加え、1N塩酸でpH2に調整した後、酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、減圧下で濃縮して粗化合物1k(30mg)を得、精製せずにそのまま次の反応に使用した。
MS m/z(ESI):338.4[M+1]。
ステップ9
(S)-N5-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-メチル-N3-((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン(trifluoropropropropyl)-2-イル)-6,7-ジヒドロ-[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-3,5(4H)-ジカルボナミド1
粗化合物1k(50mg、148.2μmol)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N′,N′-テトラメチル尿素ヘキサフルオロホスフェート(52.32mg、222.4μmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(76.64mg、593μmol)を3mlのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解し、10分間反応させた。化合物1l(33.25mg、222.4μmol、特許出願「CN102875270A」に開示された方法によって調製された)を加え、撹拌しながら2時間反応させた。反応液を減圧濃縮し、得られた残留物を高速液体クロマトグラフィー(分離条件:クロマトグラフィーカラム:Gilson gx-281、移動相:A-水(10mmol酢酸アンモニア)、B-アセトニトリル、流速18ml/分)で精製して粗生成物20mgを得て、これをキラル調製(分離条件:キラル分取カラム。島津製作所のキラル分取カラム。LC-20AP,CHIRALPAK-AY Lux LC Column 250*21.2mm、5um;移動相:A-n-ヘキサン。B-エタノール(0.1%DEA)=85:15、流速:20ml/分)により処理した。対応するフラクションを回収し、減圧下で濃縮して、生成物1(5mg)を得た。
MS m/z(ESI):433.1[M+1];
キラルHPLC分析:保持時間:8.647分、キラル純度:99.8%(クロマトグラフィーカラム:AY Phenomenex Lux Amylose-2 150*4.6mm、5μm;移動相:n-ヘキサン/エタノール(0.1%DEA)=85/15(V/V))。
X線粉末回折の結果、この結晶形はアモルファスであり、図1にXRPDスペクトルを示した。
MS m/z(ESI):439.0[M+1]。
1H NMR(400MHz,CD3OD):7.50-7.48(m,1H),7.18-7.16(m,2H),5.43(d,1H),5.08-5.06(m,1H),4.89-4.87(m,1H),4.74(d,1H),4.60(d,1H),4.49-4.46(m,1H),1.49(d,3H),1.21(d,3H)。
試験例1:インビトロ抗HBV活性試験(細胞内HBV DNAの定量分析)
1.実験材料および器具
(1)QIAamp 96 DNA QIAcube HT Kit(Qiagen)
(2)QIAcube HT plasticware(Qiagen)
(3)B型肝炎ウイルス核酸定量的検出キット(Tepp biology)
(4)DNA抽出装置(QIAcube)(Qiagen)
(5)QuantStudio 6 Fiex(ABI、ThermFisher)
(6)マイクロプレートリーダー(BMG)
(7)HepG2.2.15細胞(Shanghai RuiLu Biotechnology Co.、Ltd)
2.実験ステップ
HepG2.2.15細胞は、HBVゲノムを組み込んだ安定発現細胞株であり、HBV DNAの複製、転写、翻訳、ウイルス粒子へのパッケージングを経て、細胞外に分泌され得る。本研究では、定量的PCR法を用いて、HepG2.2.15のインビトロでの増殖により産生されたHBV DNAを定量的に解析することで、HBVカプシドタンパク質の集合を阻害することでHBV DNAの複製を阻害する本開示の化合物の活性を測定した。
HepG2.2.15細胞を、DMEM/高グルコース培地(10%FBS、400μg/ml G418)で培養し、3日ごとに継代した。実験当日、新鮮な細胞培養液を用いて細胞懸濁液を調製し、これを96ウェルプレート(Corning、#3599)に40,000細胞数/ウェルで入れ、5%二酸化炭素下、37℃で培養した。2日目、まず化合物を純粋なDMSOに溶解して20mMの濃度とした後、DMSOで1回目の濃度2mMを調製し、続いて順に4倍希釈して8つの濃度とした。対照ウェルには、DMSOを90μL加え、これをDMEM/高グルコース含有培地で200倍に希釈した。1日目に接種した細胞培養プレートを取り出し、負圧吸引装置を用いてウェルプレート内の培地を吸引した。各ウェルに、各濃度の化合物を含む調製した培地をそれぞれ添加し、200μl/ウェルにて37℃で72時間培養した。5日目に、同じ化合物を含む新鮮な培地を用いて、2日目と同様の方法で古い培地と交換し、その新鮮な培地を37℃で72時間培養した。8日目に、細胞培養プレートを取り出し、300gで3分間遠心分離した後、上清を回収し、200mlμL/ウェルで培養した。細胞培養上清からのHBV DNAの抽出は、Qiagen自動DNA抽出装置を用いて、試薬および機器の説明書に具体的に記載されている方法で行った。最後に、抽出されたDNAを、100μL/ウェルでDNA溶出バッファーにより溶出した。抽出されたDNAは、Tepp biology社のB型肝炎ウイルス核酸定量検出キットを用いて、キットの説明書に具体的に記載されている方法で、HBV DNA定量PCRにより分析を行った。定量的な標準曲線は、本キットの標準試料を用いる並行実験にて測定した。各サンプルは、標準曲線に基づいて定量的に換算された。最後に、Graphpad Prismソフトウェアを用いて、化合物の濃度および対応するDNA値に基づいて、化合物のEC50値を算出した。Emaxは、HBVのDNA複製に対する化合物の最大阻害効果値である。
本開示の化合物Bは、上記の試験により、HBVカプシドタンパク質の集合を阻害することにより、HBV DNA複製のインビトロ活性を阻害できると決定され、結果は、EC50=19nM、およびEmax=100%であり、HBVDNA複製の明らかな阻害が示された。
試験例2:インビトロでのHepG2細胞の増殖に対する効果
1.実験材料および器具
(1)HepG2細胞(ATCC)
(2)CellTiter-GloTMCell proliferation Kit(Promega)
(3)自動分注ワークステーション(Bravo):Agilent Technologies Corperation
(4)マイクロプレートリーダー(VICTOR 3):PerkinElmer Corperation
(5)CO2インキュベーター(Fisher Scientific)
(6)遠心分離機(Fisher Scientific)
2.実験ステップ
対数増殖期に採取されたHepG2細胞をトリプシンで消化して細胞懸濁液を調製し、次いでその懸濁液を96ウェルプレート(96-well White/Clear Flat Bottom plate)に6,000細胞数/ウェルで入れ、5%二酸化炭素下、37℃で16~20時間培養した。2日目に、化合物を純粋なDMSOに20mMの濃度で溶解した後、Automatic pipetting workstation(Bravo)を用いて、各化合物に8つの濃度点が存在する希釈回数3で化合物の勾配希釈を行い、対照ウェルをDMSOとした。次に、DMSOで処理した各濃度の化合物をEMEM(10%FBS含有)培地を用いて200倍に希釈した。初日に接種した細胞培養プレートを取り出した後、負圧吸引装置を用いてウェルプレート内の培地を吸引した。各ウェルに、各濃度の化合物を含む調製培地をそれぞれ加え、100μl/ウェルにて37℃で72時間培養した。5日目に96ウェルセルプレートを取り出し、新たに調製したCellTiter Gloを各ウェルに100μl/ウェルずつ添加し、5~10分間放置し、96ウェルプレートの底面を白色バックカバーフィルム(PerkinElmer)で密封し、マイクロプレートリーダーに入れ、リーダーで発光シグナルを測定した。化合物のCC50値は、化合物の濃度およびそれに対応する増殖阻害シグナルの値に基づいてGraphpad Prismソフトウェアにより算出した結果、CC50>100μMであり、インビトロでのHepG2細胞の増殖阻害に全く、あるいはほとんど影響しないことを示し、高い安全性が示された。
実施例2
化合物B(200mg、0.46mmol)を、イソプロパノールとイソプロピルエーテル(V:V=1:4)との混合溶媒に加え、加熱攪拌下で溶解させ、攪拌により沈殿させた後、濾過し、乾燥させて生成物を得た(122mg、収率:61%)。X線粉末回折試験によると、XRPDスペクトルは図2に示され、結晶形Aとして定義された。
実施例3
化合物B(200mg、0.46mmol)を、酢酸エチルとn-ヘキサン(V:V=1:4)との混合溶媒6mlに加え、加熱撹拌下で溶解させ、撹拌して沈殿させた後、濾過し、ケーキを回収して真空乾燥させ、生成物を得た(116mg、収率:58%)。
結晶形は、X線粉末回折により結晶形Aと判断された。
実施例4:
化合物B(100mg、0.23mmol)を、ジクロロメタンとイソプロピルエーテル(V:V=1:20)との混合溶液21mLに加え、加熱撹拌下で溶解させ、室温までゆっくりと冷却し、ゆっくりと揮発させて固体を析出させた後、ケーキを濾過により回収し、乾燥させて生成物を得た(15mg、収率:15%)。
結晶形は、XRPD試験により結晶形Aと判断された。
実施例5:
化合物Bの結晶形A(38g、87.9mmol)をエーテル(80mL)に加え、室温で16時間撹拌しながらスラリー化し、濾過し、次いでケーキをエーテル(30mL×2)で洗浄した後、乾燥させて生成物(36.3g、収率:95.5%)を得た。
結晶形は、X線粉末回折により結晶形Aと判断され、そのXRPDパターンは図3に示され、特徴的なピークの位置は以下の表1に示されている。DSCスペクトルでは149.39℃と184.81℃に吸熱ピークがあり、熱重量分析(TGA)では40℃から175℃の間で0.85%の重量減少が見られた。
DVS試験では、試料に、通常の保存条件下(25℃および60%RH)で約0.07%の吸湿重量増加、加速試験条件下(即ち70%RH)で約0.10%の吸湿重量増加、極端な条件下(90%RH)で約0.21%の吸湿重量増加が認められた。また、0%RHから95%RHへの湿度変化時には、試料に、吸着過程と一致した脱着過程が見られた。また、図4に示すように、DVC検出後も結晶形は変化していなかった(AはDVS検出後のXRPDパターンであり、BはDVS検出前のXRPDパターンである)。
実施例6:
化合物Bの結晶体A(40g、92.5mmol)を、エタノールと水(V:V=2:3)との混合溶液0.5mLに加え、室温で216時間撹拌しながらスラリー化し、濾過した後、ケーキを回収し、真空乾燥して生成物を得た(26g、収率:65%)。
結晶形は、XRPD試験により結晶形Aと判断された。
実施例7:
化合物Bの結晶形A(40g、92.5mmol)を0.5mLのシクロヘキサンに加え、室温で216時間撹拌しながらスラリー化し、濾過した後、ケーキを回収し、続いて真空乾燥して生成物を得た(35g、収率:87.5%)。
結晶形は、XRPD試験により結晶形Aと判断された。
実施例8:
化合物Bの結晶形A(40g、92.5mmol)をアセトンとn-ヘプタン(V:V=1:5)との混合溶液0.6mLに加え、室温で216時間撹拌しながらスラリー化し、濾過した後、ケーキを回収し、真空乾燥して生成物を得た(33g、収率:82.5%)。
結晶形は、XRPD試験により結晶形Aと判断された。
実施例9:
実験例1:影響因子の調査
注:NAは検出されず
表2の影響因子の実験結果は、結晶形Aが、30日間の保存中に、照明、40℃の高温、60℃の高温、75%の高湿度、90%の高湿度の条件下で、物理的、化学的に良好な安定性を有することを示した。
実験例2:長期/加速安定性
長期/加速安定性試験の結果は、化合物Bの結晶形Aが、長期(25℃、60%RH)および加速(40℃、75%RH)の条件下で6ヶ月間保存した場合に、優れた物理的および化学的安定性を有することを示した。
実施例10:
化合物Bの結晶形A(9.4mg)を40μLのアセトニトリル溶液に加え、室温で揮発させて生成物を得た。
実施例11:
化合物Bの結晶形A(9.4mg)を40μLのニトロメタン溶液に加え、室温で揮発させて生成物を得た。
実施例12:
化合物Bの結晶体A(13.6mg)を150μLの1,2-ジクロロエタン溶液に加え、室温で揮発させて生成物を得た。
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、これらは単なる例示であり、本発明の原理および本質から逸脱することなく、これらの実施形態に対して様々な変更または修正を加えることができることを、当業者は理解すべきである。したがって、本発明の保護の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
Claims (10)
- 化合物(S)-N5-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-メチル-N3-((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-3,5(4H)-ジカルボンアミドの結晶形Aであって、回折角2θで表されるX線粉末回折パターンが、13.197、14.239、15.839、17.680、19.080、19.780、及び22.539に特徴的なピークを有する、結晶形A。
- 回折角2θで表される前記X線粉末回折パターンが、13.197、14.239、15.320、15.839、17.680、19.080、19.780、22.539、及び25.519に特徴的なピークを有する、請求項1に記載の結晶形A。
- 回折角2θで表される前記X線粉末回折パターンが、11.022、13.197、14.239、15.320、15.839、17.680、19.080、19.780、20.879、22.539、25.519、および26.041に特徴的なピークを有する、請求項1または2に記載の結晶形A。
- 回折角2θによって表される前記X線粉末回折パターンが、図2に示されているとおりである、請求項1~3のいずれか一項に記載の結晶形A。
- 請求項1~4のいずれか一項に記載の結晶形Aを調製する方法であって、
(a)化合物(S)-N5-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-メチル-N3-((R)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル)-6,7-ジヒドロ-[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-3,5(4H)-ジカルボンアミドを溶媒(I)中に添加し、撹拌または加熱することにより溶解させるステップであって、ここで、前記溶媒(I)が、酢酸エチル、ジクロロメタン、イソプロパノールおよびイソプロピルエーテル、好ましくはイソプロパノール/イソプロピルエーテル、酢酸エチル/n-ヘキサンまたはジクロロメタン/イソプロピルエーテルのうちの少なくとも1つから選択される、ステップ;
(b)撹拌して前記結晶を析出させるステップ、を含む、方法。 - 20.0%RH~80%RHで、吸湿性がないか、あるいはほとんどない、請求項1~4のいずれか一項に記載の結晶形A。
- 前記角2θが、±0.20の誤差範囲を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の結晶形A。
- 請求項1~4のいずれか一項で定義される結晶形Aと、任意に薬学的に許容される担体と、希釈剤または賦形剤とを含む、医薬組成物。
- 請求項1~4のいずれか一項で定義される結晶形Aと、任意に薬学的に許容される担体と、希釈剤または賦形剤とにより調製される、医薬組成物。
- ウイルス性感染症の予防および/または治療のための薬剤の調製における、請求項1~4のいずれか一項で定義される結晶形A、または請求項8または9で定義される組成物の使用であって、前記ウイルスが、好ましくは、B型肝炎ウイルス、インフルエンザウイルス、ヘルペスウイルスおよびエイズウイルスのうちの1つまたは複数である、使用。
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