JP2022522715A - キャリッジを備えるスライディングゲートバルブ - Google Patents

キャリッジを備えるスライディングゲートバルブ Download PDF

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Abstract

本発明は、キャリッジを備える冶金容器のスライディングゲートバルブに関するものである。キャリッジは、第1の耐火板を支持するための板枠を備え、板枠は、第1の軸に沿ってスライドするようにキャリッジ支持構造にスライド可能に装着されている。キャリッジは、遮断部材を遮断位置と非遮断位置との間で移動させることにより、第1のストロークΔX1と第2のストロークΔX2とを選択する選択デバイスを備えている。遮断部材が遮断位置にあるとき、板枠が通常終了位置を超えてスライドすると、板枠の第1のバンパ部が遮断部材にぶつかる。遮断部材が非遮断位置に配置されている場合、板枠が通常終了位置を超えてスライドすると、第1のバンパ部が遮断部材にぶつからないので、板枠が通常終了位置を超えてサービス終了位置までスライドすることが可能となっている。【選択図】図4b

Description

本発明は、冶金容器から出る液体金属の流れを制御するスライディングゲートバルブに関するものである。より具体的には、本発明は、キャリッジ支持構造と、耐火板を支持するための板枠とを備えるキャリッジを備え、板枠がキャリッジ支持構造に対してスライド可能に装着されているスライディングゲートバルブに関する。
液体金属鋳造設備では、一般的に冶金容器が液体金属を鋳造型に分配するための分配器に輸送するために使用される。このような冶金容器は、底部の床に出口があり、そこから液体金属を分配器又は任意の他の種類の容器に注ぐことができる。
冶金容器の出口を通る液体金属の流れを制御するため、一般的に、冶金容器の底部の床に配設された調整バルブを使用する。
調整バルブの一種としては、一般的に、複数の耐火板、例えば2枚または3枚の耐火板で構成されている、いわゆるスライディングゲートバルブが挙げられる。実施形態では、例えば、2枚の重ね合わせた耐火板が設けられ、第1の板がスライド式耐火板であり、第2の板が固定式耐火板である。耐火板の各々は、適切な支持構造によって支持される。固定式耐火板は、冶金容器の底部の床に結合された固定式台枠によって支持され、スライド耐火板は、板枠がスライド式耐火板を支持しているキャリッジに位置している。
キャリッジは、固定式台枠に結合されているキャリッジ支持構造に対して、板枠を軸に沿ってスライドさせるように構成されたスライド機構を備えている。一般的に、キャリッジと固定式台枠との間の結合は、キャリッジが旋回ドアのように、固定式台枠から離隔できるようにヒンジ接続を介して行われており、これにより、サービス作業が容易になる。
スライド式耐火板は、開放位置と閉鎖位置の間を移動できる。開放位置、すなわち鋳造位置とも呼ばれるが、固定式耐火板の開口部がスライド式耐火板の開口部と対向して、液体金属が二つの開口部を介して通過して液体金属を容器から分配器に供給できるようになる。一方、スライド式耐火板を支持する板枠が閉鎖位置に移動すると、固定式耐火板とスライド式耐火板の開口部は、液体金属の流れが止まるように定められた所定の距離だけ離隔する。
板枠の開放位置から閉鎖位置への移動を作動させるためには、例えば米国特許第9341271B2号に記載されているような、シリンダとアクチュエータロッドを備えた油圧アクチュエータのような駆動デバイスが使用される。このような駆動デバイスは、通常、板枠の端面に取り付けられる。
耐火物の隙間に液体金属が入るのを防ぐため、通常は耐火板同士をしっかりと押し付け合う。そのため、スライド式耐火板の下面に押す力を加えるために、弾性押圧要素(一般的には多数のばねを備える)が設けられており、スライド式耐火板と固定式耐火板が開放位置と閉鎖位置の間を移動する際にしっかりと接触した状態を保つようになっている。
耐火板は急速に摩耗することが知られており、定期的に板を交換する必要がある。そのためには、キャリッジを固定式台枠から離隔して、耐火板にアクセスできるようにする必要がある。前述のように、ヒンジ式の結合により、キャリッジはドアのように旋回することができる。しかし、押し込みデバイスが耐火板を固定する力を発揮するため、サービスのために旋回ドアを開くことができるようにする前に、板間の圧力を下げる必要がある。圧力は、スライド式耐火板を固定式耐火板からさらに離隔するように、より長いストローク距離で移動させることで低減することができる。そのため、キャリッジは一般的に、板枠が、耐火板間の圧力が十分に低下してドアを開けることができるオーバーストロークゾーンに入ることができるように構成されている。オーバーストロークゾーンは、板枠を通常ストローク距離以上に動かすことで到達する。このようなキャリッジの構成例は、特許文献米国特許第US5836485号に開示されている。
しかし、問題点の1つとして、スライディングゲートバルブの通常運転時、すなわち鋳造時には、上述のようにスライディングフレームを開放位置から閉鎖位置に移動させることができるが、キャリッジが誤ってオーバーストロークゾーンに入ってはならない。何故なら、オーバーストロークゾーンでは、耐火板間の密閉力がなくなり、溶鋼が失われるという危険な状況に陥る可能性があるからである。
この問題の解決策としては、オーバーストロークゾーンで板枠を駆動できないように駆動機構を制限することが知られている。これは一般的に、駆動機構にピンを配置することで行われる。つまり、駆動ロッドのストロークを最小化するのである。しかし、この解決手段では、ピンの位置決めと取り外しをオペレータが手作業で行う必要があり、面倒なだけでなく、メンテナンス活動後にピンを挿入し忘れるリスクがあるという問題がある。さらに、シリンダが正しく設置されていなかったり、ストロークが正しくないシリンダが設置されていたりすると、板枠が誤ってオーバーストロークゾーンに入ってしまうというリスクもある。
本発明の目的は、耐火板間の圧力が緩和されるオーバーストロークゾーンにおけるキャリッジの位置決めを制御するための代替解決策を提供するスライディングゲートバルブを提供することである。より具体的には、キャリッジとそれに付随するスライディングゲートバルブの安全な操作性を向上させることを目的としている。
本発明は、添付の独立請求項で定義される。好ましい実施形態は、従属請求項で定義される。本開示の一態様によれば、冶金容器から出る液体金属の流れを制御するためのスライディングゲートバルブが提供される。スライディングゲートバルブは
・ 冶金容器のスライディングゲートバルブ用キャリッジであって、キャリッジ支持構造と、第1の耐火板を支持するための板枠とを備え、板枠は、第1の軸(X)に沿ってスライドするようにキャリッジ支持構造にスライド可能に装着されている、キャリッジと、
・ 第2の耐火板を固定式台枠に対して固定位置に支持するように構成された固定式台枠であって、固定式台枠を前記冶金容器の底部の床に固定するための固定要素を備える、固定式台枠と、を備える。
キャリッジは、固定式台枠に連結されており、キャリッジ及び固定式台枠は、それぞれの板枠及び固定式台枠に第1および第2の耐火板が支持されているときに、第1の開口部を備える第1の耐火板のスライド面が、第2の開口部を備える第2の耐火板のスライド面に対して、第1のストロークΔX1内でスライドできるように構成されており、これにより、板枠を、それぞれ、開弁位置に対応する前記板枠の初期位置に、かつ、閉弁位置に対応する前記板枠の通常終了位置にスライドさせることによって、第1および第2の開口部を整合させたり外したりすることができるようになる。
本開示によるキャリッジは、キャリッジ支持構造が、板枠の第1のストロークΔX1と第2のストロークΔX2をΔX2>ΔX1で選択するための選択デバイスを備え、選択デバイスが、第1のストロークX1を選択するための遮断位置と第2のストロークΔX2を選択するための非遮断位置との間で可逆的に移動可能な遮断部材を備えることを特徴とする。第1のストロークΔX1および第2のストロークΔX2は、初期位置X0と、それぞれ通常終了位置X1およびサービス終了位置X2との間で測定された板枠の最大スライド距離として定義される。
板枠と選択デバイスは、遮断部材が遮断位置に位置決めされているときに、板枠が通常終了位置を超えてスライドする場合に、板枠の第1のバンパ部が遮断部材にぶつかり、それによって板枠が第1のストロークΔX1内でスライドすることが制限されるように構成されている。遮断部材が非遮断位置に配置されると、板枠が通常終了位置X1を超えてスライドする際に、第1のバンパ部が遮断部材にぶつからず、それにより、板枠が通常終了位置X1を超えてサービス終了位置X2まで第2のストロークΔX2内でスライドすることができるようになる。
キャリッジは、第1および第2の耐火板がそれぞれの板枠および固定式台枠に支持されているときに、
・ 板枠が第1のストロークΔX1内に位置するときに、前記弾性押圧要素が第1の耐火板のスライド面を第2の耐火板のスライド面に押し付けることにより、圧力をかけ、
・ 板枠がサービス終了位置X2に位置しているときに、前記弾性押圧要素によるスライド面への圧力がからない、または減少するように構成された弾性押圧要素を含む。
キャリッジ支持構造の選択デバイスは、遮断部材をキャリッジ支持構造に対して、遮断位置と非遮断位置との間で移動させる移動機構を備えている。選択デバイスの移動機構は、板枠がサービス終了位置X2から初期位置X0に向かって移動しているときに、板枠が第1の終了位置X1を超えてスライドした瞬間に、遮断部材が非遮断位置から遮断位置に自動的に移動するように構成されている。有利なことに、遮断デバイスを係合させるために、例えば、オペレータによる介入が必要ないので、サービス動作の終了後に遮断部材を遮断位置に位置決めすることを忘れることがない。
有利なことに、キャリッジの通常動作時、すなわち鋳造時には、遮断部材が遮断位置に位置決めされていることで、板枠が第1のストロークΔX1内をスライドすることが制限され、それによって板枠がサービス終了位置までスライドすることが防止される。
有利なことに、選択デバイスは、キャリッジ支持構造に組み込まれた機械的なデバイスであり、オペレータがオフにしたままにすることはできない。これは、従来のシステムでは、ストロークを制限するために、オペレータが手動で駆動システムのピンを取り付けたり取り外したりしなければならなかったのとは対照的である。
有利なことに、本発明によるキャリッジでは、板枠の駆動機構の動作とは無関係に、ストロークを機械的に制限することによって、板枠が通常終了位置を超えてスライドすることが防止される。
好ましい実施形態では、移動機構は、遮断位置と非遮断位置との間で、第1の軸に対して横方向、好ましくは垂直方向の第2の軸に沿って遮断部材を並進させるように構成されている。
実施形態では、移動機構は、1つ以上の圧縮ばねを備え、各ばねは、第2の軸と実質的に平行な中心圧縮軸を有し、各ばねは、第1の端部が選択デバイスの第1の枠部材に結合され、第2の端部が遮断部材に結合される。このようにして、1つ以上の圧縮ばねの圧縮および圧縮解除により、遮断部材が第2の軸に沿って並進することになる。
好ましくは、移動機構は、遮断部材を第2の軸に沿って遮断位置から非遮断位置に並進させるために、1つ以上の圧縮ばねの付勢力に対抗する力を行使するように構成された遮断解除ツールを備えている。
実施形態では、遮断解除ツールは、選択デバイスの第2の枠部材と遮断部材との間に位置するカム部材を備える。カム部材は、第1の軸と第2の軸の両方に垂直なカム回転軸の周りに回転可能であり、カム部材を第1のカム位置から第2のカム位置に回転させるときに、第2の枠部材と遮断部材との間の離間距離が大きくなるように構成されている。このようにして、カム部材を第2の位置に回転させることで、1つ以上の圧縮ばねが圧縮され、遮断部材が遮断位置から非遮断位置に並進する。好ましくは、カム部材は、第1のカム位置から第2のカム位置に回転する際に、80°から120°の間の角度で回転する。
実施形態では、カム部材は、カム回転軸と同軸に延びる軸延長部に結合されている。そして、軸延長部は、オペレータが手動で回転させるか、モータを使って自動的に回転させることができる。また、ロボットを使って軸延長部を回転させることもできる。
実施形態では、板枠は、遮断部材が非遮断位置に位置しているときに、第2のバンパ部が、通常終了位置からサービス終了位置へのスライド時にカム部材にぶつかり、カム部材を第2のカム位置から第1のカム位置へと回転させるように構成された第2のバンパ部を備える。第1のバンパ部は、板枠が通常終了位置を超えてサービス終了位置に向かってスライドする際に、遮断部材が第1のバンパ部の表面に載ることで遮断位置への並進が阻止されるように構成されている。
実施形態では、第1のバンパ部は、前記第1の軸に平行な軸に沿って測定された長さLB1を有し、LB1=ΔX2-ΔX1である。
好ましくは、第2のバンパ部は、前記第1の軸に平行な軸に沿って測定された長さLB2を有し、LB2<LB1、好ましくはLB2<0.8×LB1、より好ましくはLB2<0.6×LB1である。
代替的な実施形態では、移動機構は、遮断位置と非遮断位置との間で遮断部材を回転させるように構成されており、好ましくは、移動機構は、第1の軸に実質的に垂直な回転軸を有している。
実施形態では、本開示によるキャリッジは、板枠に結合され、第1のストロークΔX1内および第2のストロークΔX2内で第1の軸に沿って板枠を駆動するように構成された駆動デバイスを備える。
典型的には、キャリッジおよび固定式台枠は、第1および第2の耐火板がそれぞれの板枠および固定式台枠に支持され、板枠を第1のストロークΔX1内でスライドさせる際に、第1の開口部を構成する第1の耐火板のスライド面が、第2の開口部を構成する第2の耐火板のスライド面に対してスライドし、それによって、板枠をそれぞれ初期位置および通常終了位置までスライドさせることによって、第1および第2の開口部を整合させたり外したりすることができるように構成されている。
有利なことに、サービス終了位置には、耐火板を安全に取り外し、交換することができる。
本開示のさらなる態様によれば、上述のスライディングゲートバルブと、ロボットとを備えるシステムが提供される。ロボットは、キャリッジ支持構造の移動機構を遮断位置から遮断解除位置に操作するように構成されている。
本発明のこれらのおよびさらなる態様を、例を挙げて、添付の図面を参照しながら、より詳細に説明する。
図1a~図1cは、板枠が第1の軸Xに沿って3つの異なる位置X0、X1、X2に位置決めされている本開示によるキャリッジの断面図を概略的に示している。 図2a~図2bは、遮断部材が遮断位置と非遮断位置にそれぞれ位置決めされている、本発明の第1の実施形態による選択デバイスを構成するキャリッジを概略的に示す図である。 図3a~図3dは、板枠が初期位置からサービス終了位置までスライドし、初期位置にスライドして戻る様子を概略的に示したものである。 図4a~図4cは、遮断部材が遮断位置にある、本開示によるキャリッジの一実施形態の部品の斜視図を示す。 同上。 同上。 図5a~図5cは、遮断部材が非遮断位置にある、本開示によるキャリッジの一実施形態の部品の斜視図を示す。 同上。 同上。 図6は、本開示によるキャリッジを構成するスライディングゲートバルブを概略的に示しており、スライディングゲートバルブが冶金容器の底部の床に結合されている。 図7a~図7bは、遮断部材が遮断位置と非遮断位置にそれぞれ位置決めされている、本発明の第2の実施形態による選択デバイスを構成するキャリッジを概略的に示す図である。
本開示は、特定の実施形態の観点から説明されるが、これらは本開示を例示するものであり、限定的に解釈されるものではない。本開示は、特に示されたものおよび/または記述されたものによって限定されるものではなく、本開示の全体的な教示に照らして、代替物または変形実施形態が開発され得ることが、当業者には理解されるであろう。記載されている図面は概略的なものであり、非限定的である。
「備える」という動詞やそれぞれの活用を用いることで、記載されている以外の要素の存在を排除するものではない。要素の前に冠詞「a」、「an」または「the」を使用しても、そのような要素が複数存在することを排除するものではない。
さらに、本明細書および特許請求の範囲に記載されている第1の、第2のなどの用語は、類似した要素を区別するために使用されており、必ずしも時間的、空間的、順位的または任意の他の方法で順序を記述するために使用されているわけではない。このように使用される用語は、適切な状況下では置き換え可能であり、本明細書に記載されている本開示の実施形態は、本明細書に記載または図示されている以外の配列でも動作可能であることが理解できよう。
本明細書を通じて「一つの実施形態」または「一実施形態」に言及することは、複数の実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造または特性が、本開示の1つ以上の実施形態に含まれることを意味する。このように、本明細書の様々な場所に出てくる「一つの実施形態で」や「一実施形態で」という表現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、本開示から当業者に明らかになるように、任意の適切な方法で、1つ以上の実施形態で組み合わせることができる。
本開示によるスライディングゲートバルブ用キャリッジの例示的な実施形態を図4a~5cに示す。キャリッジ1は、キャリッジ支持構造30と、第1の耐火板11を支持するための板枠20とを備えている。図1a~図1cに概略的に示されているように、板枠20は、第1の軸Xに沿ってスライドするためにキャリッジ支持構造30にスライド可能に装着されており、第1の軸Xはキャリッジ支持構造30に関連付けられている。
本開示によるキャリッジ支持構造30は、第1のストロークΔX1と、第2のストロークΔX2とをΔX2>ΔX1で選択するための選択デバイス40を備える。図1a~図1bに示すように、第1のストロークΔX1および第2のストロークΔX2は、板枠の初期位置X0と、板枠の通常終了位置X1およびサービス終了位置X2それぞれとの間で測定された板枠の最大スライド距離として定義される。つまり、選択デバイス40は、第1のストロークΔX1内で板枠をスライドさせるための通常モードでキャリッジを動作させるか、あるいは、第1のストロークΔX1よりも大きい第2のストロークΔX2内で板枠をスライドさせるためのサービスモードでキャリッジを動作させるかを選択することができる。
図1aでは、板枠が初期位置X0に位置決めされており、板枠を軸Xに沿ってスライドさせることで、板枠を初期位置からさらに離隔した位置に位置決めすることができる。図1bに示すように、板枠を距離ΔX1にわたってスライドさせた後、通常終了位置X1に到達する。図1cでは、板枠が初期位置X0に対して距離ΔX2>ΔX1にわたってスライドし、サービス終了位置X2に到達している。
図1aに示す例示的な実施形態では、板枠20が第1の耐火板11を支持しているとき、かつ、初期位置にあるとき、第1の耐火板11の第1の開口11aの中心は、第1の軸X上の横軸がX0に等しい。板枠を図1aに示す第1の軸Xの軸方向に移動させると、第1の開口の中心の横軸が増加し、図1bおよび図1cに示すように、通常終了位置およびサービス終了位置に到達すると、第1の開口の中心の横軸がそれぞれX1およびX2に等しくなる。このようにして、キャリッジ支持構造に対する板枠の位置は、第1の開口11aの中心の横軸の値を介して定義することができる。他の実施形態では、キャリッジ支持構造30に対する板枠の位置を定義することは、任意の他の適切な方法で行うことができる。
上述のように、本開示によるキャリッジは、冶金容器から出る液体金属の流れを制御するためのスライディングゲートバルブの一部である。一般的に、第1のストロークΔX1は、液体金属を注ぐための開放位置と、液体金属の流れを止める閉鎖位置との間で第1の耐火板11を移動させるための通常ストロークに対応するように定義される。第2のストロークΔX2>ΔX1は、耐火板の交換などのサービス作業時に使用され、そのストロークの差、すなわちΔX2-ΔX1は、上述のオーバーストロークゾーンに相当する。
図1aおよび図2aに概略的に示されているように、選択デバイス40は、第1のストロークΔX1を選択するための遮断位置と、第2のストロークΔX2を選択するための非遮断位置との間で可逆的に移動可能な遮断部材41を備えている。
遮断部材の遮断位置と非遮断位置の例をそれぞれ図2aと図2bに示す。これらの図に示されているように、板枠20および選択デバイス40は、遮断部材41が遮断位置に位置決めされているときに、板枠20が通常終了位置X1を超えてスライドしようとすると、板枠20の第1のバンパ部21が遮断部材41にぶつかるように構成されている。言い換えれば、遮断部材が遮断位置にあるときは、スライドする板枠の軌道経路を遮断しているので、板枠が通常終了位置を超えてスライドすることを禁止している。このようにして、板枠20は、第1のストロークΔX1の範囲内でスライドすることが機械的に制限される。
一方、遮断部材41が非遮断位置に位置決めされている場合には、板枠20が通常終了位置X1を超えてスライドする際に、第1のバンパ部21が遮断部材41にぶつかることはない。つまり、遮断部材が非遮断位置にあるときには、板枠20の軌道経路は遮断されない。このようにして、板枠20は、通常終了位置X1を超えてサービス終了位置X2までスライドさせられる。
実施形態では、遮断部材41は、例えば、第1の軸Xを横切る方向の前面を少なくとも有する鋼体であり、遮断部材が遮断位置にあるときに、板枠が通常終了位置を超えてスライドしていると、前面が板枠20の第1のバンパ部21の遮断面として作用するように構成されている。
遮断部材41を遮断位置と非遮断位置との間で移動させるために、選択デバイス40は移動機構を備える。遮断部材41を遮断位置と非遮断位置との間で移動させるために、異なるタイプの移動機構を考案することができ、移動機構は、例えば、並進運動、回転運動、またはその両方の組み合わせによって遮断部材を移動させることができる。
一実施形態では、図2aおよび図2bに示すように、移動機構は、遮断部材41を、遮断位置と非遮断位置との間で、第1の軸Xを横切る方向、好ましくは垂直方向の第2の軸Yに沿って並進させるように構成されている。
移動機構が遮断部材41を並進運動で移動させる実施形態では、移動機構は、図2aに概略的に示すように、第2の軸Yと実質的に平行な中心圧縮軸を備える例えば1つ以上の圧縮ばね48から構成される。ばねの第1の端部を遮断部材41に、例えば遮断部材41の第1の側面41aに結合し、ばねの第2の端部を選択デバイス40の第1の枠部材42に結合することにより、1つ以上の圧縮ばねを圧縮および圧縮解除することで、遮断部材41を第2の軸Yに沿って並進させることができる。実施形態では、1つ以上の圧縮ばねは、例えば、らせん状のばねである。
図4a~図5cに図示されている選択デバイス40の第1の枠部材42は、キャリッジ支持構造30のメインフレームの剛性要素として解釈されるものである。キャリッジ支持構造30の詳細な設計に応じて、第1の枠部材42は、キャリッジ支持構造30のメインフレーム構造にボルトまたは溶接される別個の要素であってもよく、あるいはキャリッジ支持構造のメインフレーム構造の一体部分であってもよい。
図4a~図5cに示す実施形態では、移動機構は2つの圧縮ばねを備え、遮断部材に形成された2つの有底孔がばねの一部、例えば、ばねの自由長の50%を受け入れる。これらの実施形態では、ばねの第1の端部は、遮断部材に作られた有底孔の底部に取り付けられ、らせん状のばねの第2の端部は、上述したように、選択デバイスの第1の枠部材42に取り付けられている。図4cおよび図5cは、選択デバイスの断面図であり、遮断位置および非遮断位置それぞれにあるときのばねの位置を示している。遮断部材41の遮断位置と非遮断位置との間の並進運動を容易にし、案内するために、固定ロッド44を各ばねの内部に載置し、ロッドの一端を第1の枠部材42に結合し、ロッドの第2の端部を第2の枠部材43に結合することができる。
図2a、図4a、図4b、図4cに示す実施形態では、板枠20が通常終了位置X1を超えてスライドするのを阻止するために遮断部材41が係合すると、1つ以上の圧縮ばねが圧縮解除される。ばねの圧縮解除状態とは、圧縮ばねがばね自由長、すなわちばねに力が加わっていない状態の長さを有することに相当する。通常ストロークΔX1は、スライディングゲートバルブがほとんどの時間で動作するストロークであるため、圧縮ばねはほとんどの時間で圧縮解除状態となり、ばねの寿命を延ばすことができる。一方、遮断部材41の係合が解除され、板枠20が通常端位置X1を超えてスライドするのが妨げられていない場合、図2b、図5a、図5b、図5cに例示されているように、1つ以上の圧縮ばねが圧縮される。遮断部材41は、例えば、耐火板の交換が必要なときのサービス作業時にのみ係合解除され、したがって、圧縮ばねは、限られた時間内のみ圧縮される。
遮断部材41を係合および離脱させるために、すなわち、遮断部材41をそれぞれ遮断位置および非遮断位置にするために、キャリッジ1は、遮断解除ツールを備えている。遮断解除ツールは、遮断部材41を第2の軸Yに沿って遮断位置から非遮断位置へと並進させるために、1つ以上の圧縮ばねの付勢力に対抗する力を行使するように構成されている。
実施形態では、図2aおよび図2bに概略的に示されているように、遮断解除ツールは、選択デバイス40の第2の枠部材43と遮断部材41との間に位置するカム部材45を備えている。より具体的には、実施形態では、カム部材45は、第2の枠部材43と遮断部材41の第1の側面41aとは反対側の第2の側面41bとの間に位置する。カム部材45は、第1のX軸および第2のY軸の両方に垂直なカム回転軸45aの周りで回転可能である。カム部材45は、有利には、カム回転軸45a上に位置する第1の端部と、遮断部材41を駆動するための第2の端部とを備えている。図2bに概略的に示されているように、第2の枠部材43と遮断部材の第2の側面41bとの間の離間距離Dは、カム部材45を第1のカム位置から第2のカム位置に回転させることにより、遮断部材が遮断位置から非遮断位置に移動するように1つ以上の圧縮ばねを圧縮するときに増加する。カム部材を第1のカム位置から第2のカム位置に回転させて圧縮ばねを圧縮すると、中心圧縮軸に沿って測定された圧縮ばねの長さは、上記で定義した離間距離Dの増加と同等の量だけ減少する。いくつかの実施形態では、図7aおよび図7bに示されているように、カム部材45の第2の端部は、遮断部材41の第2の側面41bと転がり接触するように構成されたカムローラ45bを備えている。
実施形態では、カム部材45は、第1のカム位置から第2のカム位置に回転する際に、典型的には、80°から120°の間の角度にわたって回転する。つまり、カムはX軸に平行な主に水平な位置からY軸に平行な主に垂直な位置へと回転している。
図4a、図5aおよび図5cに示されるような実施形態では、カム部材45は、カム回転軸45aと同軸に延びる軸延長部49に結合されている。オペレータ、モータ、又はロボットによって軸延長部49を回転させることで、カム部材45を第1のカム位置から第2のカム位置に移動させることができる。
好ましい実施形態では、図3a~図3dに概略的に示されているように、移動機構は、板枠20がサービス終了位置X2から初期位置X0に向かって後退する際に、遮断部材41を非遮断位置から遮断位置に自動的に移動させるように構成されている。より正確には、板枠がサービス終了位置X2から初期位置X0の方向に移動しているときに、板枠が第1の終了位置X1を越えた瞬間に、遮断部材41が非遮断位置から遮断位置に移動する。板枠がオーバーストロークゾーンから外れると、遮断部材が自動的に係合するため、フェイルセーフなキャリッジ構成となっている。実際、この方法では、通常運転時、つまり鋳造時に板枠が誤って通常終了位置を超えてスライドしてしまうという危険な状況が回避される。
遮断部材の非遮断位置から遮断位置への自動移動を確立するために、板枠20は、遮断部材41が非遮断位置に位置しているときに、第2のバンパ部が通常終了位置X1からサービス終了位置X2へのスライド時にカム部材45にぶつかり、それによってカム部材45が第2のカム位置から第1のカム位置へ回転するように構成された第2のバンパ部25を備える。図3bおよび図3cに概略的に示されているように、この第2のバンパ部のぶつかりによるカムの回転の間、遮断部材41は、第1のバンパ部21の表面、この例では第1のバンパ部の上面に載ることによって、遮断位置に戻るように並進することが防止されている。
実施形態では、第1のバンパ部は、板枠のメインフレームの一部に取り付けられた別個の部品、例えば鋼体である。第1のバンパ部が別部品の場合は、板枠20のメインフレームにボルトや溶接で固定することができる。代替的な実施形態では、第1のバンパ部は、板枠のメインフレームの一体部分とすることができる。
図2bに示されるように、第1のバンパ部21は、第1の軸Xに平行な軸に沿って測定された長さLB1を有する。実施形態では、第1のバンパ部のこの長さLB1は、第2のストロークと第1のストロークとの差に等しい、すなわちLB1=ΔX2-ΔX1である。
実施形態では、第2のバンパ部25は、例えば板枠のメインフレームにボルト装着または溶接される部品、例えば鋼体である。
第2のバンパ部25は、第1の軸Xに平行な軸に沿って測定された長さLB2を有し、この第2の長さLB2は、一般に、第1のバンパ部の長さLB1よりも小さい。このようにして、板枠を通常終了位置X1を超えてサービス終了位置X2に向かって移動させるとき、第2のバンパ部は終了位置X1を超えて所定の距離をスライドさせた後にカム部材45にぶつかるだけなので、カム部材が回転を開始する前に第1のバンパ部が遮断部材の下でスライドを開始することができる。これにより、図3bおよび図3cに概略的に示すように、上述のように板枠20のスライドが継続され、カム部材45が第2のカム位置から第1のカム位置へと回転を開始したときに、遮断部材41が第1のバンパ部21の上面に載ることができる。好ましくはLB2<0.8×LB1、より好ましくはLB2<0.6×LB1である。
実施形態では、板枠20をキャリッジ支持構造30に対してスライドさせるために、キャリッジ支持構造は、板枠と協働して第1の軸Xに沿った板枠のスライドを容易にするように構成されたローラを備える。
一般的に、板枠のスライドは自動化されている。実施形態では、図1a~図1cに概略的に示すように、キャリッジは、板枠20に結合され、第1のストロークΔX1内および第2のストロークΔX2内で第1の軸Xに沿って板枠20を駆動するように構成された駆動デバイス60を備える。駆動デバイスは、例えば米国特許9341271B2に記載されているような、シリンダとアクチュエータロッドからなる油圧アクチュエータである。このような駆動デバイスは、通常、板枠の端面に取り付けられる。
これまでに説明した実施形態は、第1の軸Xに対して横方向の軸に沿って遮断部材を並進させるように構成された移動機構を有している。代替的な実施形態では、移動機構は、遮断部材41を遮断位置と非遮断位置との間で回転させるように構成されている。このような回転移動機構は、例えば、遮断部材を回転させるための回転軸が、第1の軸Xに対して実質的に垂直である。
上述したように、キャリッジは、冶金容器200からの液体金属の流れを制御するためのスライディングゲートバルブ100の一部である。本開示によるキャリッジを構成するスライディングゲートバルブの一例を図6に概略的に示す。スライディングゲートバルブ100は、支持構造体30と板枠20とでキャリッジを備え、第1の耐火板11を支持している。図6に概略的に示すように、キャリッジは、固定式台枠120に結合されている。スライディングゲートバルブ100の固定式台枠120は、第2の耐火板12を固定式台枠に対して固定位置に支持するように構成されている。固定式台枠120は、固定式台枠を冶金容器200の底部の床に固定するための固定要素を備える。
図6では、スライディングゲートバルブ100の板枠20は、通常終了位置X1に位置決めされており、すなわち、第1のバンパ部21が遮断部材41に隣接している。この通常終了位置は、閉弁位置に対応しており、すなわち、第1の耐火板11および第2の耐火板12の開口部11a、12aは、液体金属の流れが停止するように定義された所定の距離だけ離れている。閉鎖されたバルブ構成では、開口部11a、12aは整合から外れている。この例では、開弁構成と閉弁構成の間の所定の離間距離は、第1のストロークΔX1に相当する。
板枠を図6に示す軸Xの方向と反対方向に駆動することで、板枠を、鋳造位置とも称される開弁位置に対応する初期位置X0に移動させることができる。この開弁位置では、第1の耐火板11および第2の耐火板12の開口部11a、12aは、互いに対向して、液体金属が二つの開口部を介して通過して液体金属を容器から分配器に供給できるようになる。この開弁構成では、開口部11a、12aは整合されている。
当技術分野で知られているように、キャリッジ1は、第1および第2の耐火板がそれぞれの板枠20および固定式台枠120に支持されている場合、板枠20が第1のストロークΔX1内に位置していると、すなわちスライディングゲートバルブの通常運転中には、第1の耐火板11のスライド面を第2の耐火板12のスライド面に押し付ける圧力がかかるように構成された弾性押圧要素を備えている。一方、板枠20がサービス終了位置X2に位置している場合、すなわちスライディングゲートバルブのサービス活動を行う場合には、スライド面に圧力がかからないか、または圧力が低下する。
サービス活動を容易にするために、キャリッジと固定式台枠との間の結合は、図6には示されていないが、一般的にはヒンジ式の結合を介して行われ、キャリッジ1が板枠をサービス終了位置X2に位置決めされた後に、固定式台枠から旋回ドアとして安全に分離できるようになっている。
図6に示すスライディングゲートバルブの実施形態は、固定板とスライド板の2枚の耐火板を備えている例である。しかし、本発明は、スライディングゲートバルブ内に構成される耐火板の数に限定されるものではなく、スライディングゲートバルブ内に3枚の耐火板を構成する実施形態も考えられる。
1 キャリッジ
11 第1の耐火板
11a 第1の開口部
12 第2の耐火板
12a 第2の開口部
20 板枠
21 第1のバンパ部
25 第2のバンパ部
30 キャリッジ支持構造
40 選択デバイス
41 遮断部材
41a 遮断部材の第1の側面
41b 遮断部材の第2の側面
42 第1の枠部材
43 第2の枠部材
44 固定ロッド
45 カム部材
45a カム回転軸
45b カムローラ
48 圧縮ばね
49 軸延長部
60 駆動デバイス
100 スライディングゲートバルブ
120 固定式台枠
200 冶金容器
D 離間距離
LB1 長さ第1のバンパ部
LB2 長さ第2のバンパ部
X 第1の軸
X0 初期位置
X1 通常終了位置
ΔX1 第1のストローク
X2 サービス終了位置
ΔX2 第2のストローク
Y 第2の軸

Claims (13)

  1. 冶金容器(200)から出る液体金属の流れを制御するためのスライディングゲートバルブ(100)であって、
    ・ 冶金容器のスライディングゲートバルブのためのキャリッジ(1)であって、キャリッジ支持構造(30)と、第1の耐火板(11)を支持するための板枠(20)とを備え、前記板枠(20)は、第1の軸(X)に沿ってスライドするように前記キャリッジ支持構造にスライド可能に装着されている、キャリッジ(1)と、
    ・ 固定式台枠(120)であって、第2の耐火板(12)を前記固定式台枠に対して固定位置で支持するように構成され、前記固定式台枠を前記冶金容器(200)の底部の床に固定するための固定要素を備える、固定式台枠(120)とを備え、
    前記キャリッジ(1)が前記固定式台枠(120)に連結されており、前記キャリッジ(1)および前記固定式台枠(120)が、第1の耐火板(11)および第2の耐火板(12)がそれぞれ前記板枠(20)および前記固定式台枠(120)に支持されているときに、第1の開口部(11a)を備える前記第1の耐火板のスライド面が、第2の開口部(12a)を構成する前記第2の耐火板のスライド面に対して、第1のストロークΔX1内でスライドできるように構成されており、これにより、前記板枠(20)を、開弁位置に対応する前記板枠(20)の初期位置(X0)に、かつ、閉弁位置に対応する前記板枠(20)の通常終了位置(X1)に、それぞれスライドさせることによって、前記第1および第2の開口部を整合させたり外したりすることができるようになり、
    前記キャリッジ支持構造(30)が、前記板枠(20)の前記第1のストロークΔX1と第2のストロークΔX2とをΔX2>ΔX1で選択するための選択デバイス(40)を備え、前記第1のストロークΔX1および前記第2のストロークΔX2が、前記初期位置(X0)と、それぞれ前記通常終了位置(X1)およびサービス終了位置(X2)との間で測定された板枠の最大スライド距離として定義され、前記選択デバイス(40)が、前記第1のストロークΔX1を選択するための遮断位置と、前記第2のストロークΔX2を選択するための非遮断位置との間で可逆的に移動可能な遮断部材(41)を備えており、
    前記板枠(20)および前記選択デバイス(40)は、前記遮断部材(41)が前記遮断位置に位置決めされているときに、前記板枠(20)が前記通常終了位置(X1)を超えてスライドしようとすると、前記板枠(20)の第1のバンパ部(21)が前記遮断部材(41)にぶつかり、それによって前記板枠(20)が前記第1のストロークΔX1内でスライドすることを制限するように構成されており、
    前記遮断部材(41)が前記非遮断位置に位置決めされると、前記板枠(20)は、前記第2のストロークΔX2内を自由にスライドし、その結果、前記通常終了位置(X1)を超えて前記サービス終了位置(X2)までスライドすることができ、
    前記キャリッジ(1)は、前記第1および第2の耐火板がそれぞれの前記板枠(20)および前記固定式台枠(120)に支持されているときに、
    ・ 前記板枠(20)が前記第1のストローク(ΔX1)内に位置するときに、前記弾性押圧要素が前記第1の耐火板(11)のスライド面を前記第2の耐火板(12)のスライド面に押し付けることにより、圧力がかかり、
    ・ 前記板枠(20)が前記サービス終了位置(X2)に位置しているとき、前記弾性押圧要素による前記スライド面への圧力はかからないか、または低下するように構成された前記弾性押圧要素を備え、
    前記キャリッジ支持構造(30)の前記選択デバイス(40)が、前記キャリッジ支持構造(30)に対して前記遮断部材(41)を前記遮断位置と前記非遮断位置との間で移動させるための移動機構を備えており、前記選択デバイス(40)の前記移動機構は、前記板枠(20)が前記サービス終了位置(X2)から前記初期位置(X0)に向かって移動しているときに、前記板枠(20)が前記第1の終了位置(X1)を超えてスライドした瞬間に、前記遮断部材(41)が前記非遮断位置から前記遮断位置に自動的に移動するように構成されていることを特徴とする、スライディングゲートバルブ(100)。
  2. 前記移動機構が、前記遮断部材(41)を、前記第1の軸(X)に対して横切る方向、好ましくは垂直方向の第2の軸(Y)に沿って、前記遮断位置と前記非遮断位置との間で並進させるように構成されている、請求項1に記載のスライディングゲートバルブ(100)。
  3. 前記移動機構が、各々が前記第2の軸(Y)と実質的に平行な中心圧縮軸を有する1つ以上の圧縮ばね(48)を備え、各圧縮ばねが、前記選択デバイス(40)の第1の枠部材(42)に結合された第1の端部と、前記1つ以上の圧縮ばね(48)を圧縮および圧縮解除することによって前記遮断部材(41)が前記第2の軸(Y)に沿って並進されるように前記遮断部材(41)に結合された第2の端部とを有する、請求項2に記載のスライディングゲートバルブ(100)。
  4. 前記移動機構は、前記遮断部材(41)を前記第2の軸(Y)に沿って前記遮断位置から前記非遮断位置に並進させるために、前記1つ以上の圧縮ばねの付勢力に対抗する力を行使するように構成された遮断解除ツールを備えている、請求項3に記載のスライディングゲートバルブ(100)。
  5. 前記遮断解除ツールが、前記選択デバイス(40)の第2の枠部材(43)と前記遮断部材(41)との間に位置するカム部材(45)を備え、前記カム部材(45)が、第1および第2の両軸(X、Y)に垂直なカム回転軸(45a)の周りで回転可能であるとともに、前記カム部材(45)を第1のカム位置から第2のカム位置に回転させるときに、前記第2の枠部材(43)と前記遮断部材(41)との間の離間距離(D)が増加し、それによって前記1つ以上の圧縮ばね(48)が圧縮されるように構成されており、好ましくは、前記カム部材(45)は、前記第1のカム位置から前記第2のカム位置に回転させるときに、80°から120°の間の角度にわたって回転せしめられる、請求項4に記載のスライディングゲートバルブ(100)。
  6. 前記カム部材(45)が、前記カム回転軸(45a)と同軸に延びる軸延長部(49)に結合されており、オペレータ、モータ、またはロボットによって駆動される回転によって、前記カム部材(45)を前記第1のカム位置から前記第2のカム位置へと回転させる、請求項5に記載のスライディングゲートバルブ(100)。
  7. 前記カム部材(45)は、前記カム回転軸(45a)上に位置する第1の端部と、前記第1のカム位置から前記第2のカム位置に移動するときに、前記遮断部材(41)を駆動するための第2の端部とを備え、前記第2の端部は、前記遮断部材(41)と転がり接触するように構成されたカムローラ(45b)を含む、請求項5または6のいずれか1項に記載のスライディングゲートバルブ(100)。
  8. 前記板枠(20)が、前記遮断部材(41)が前記非遮断位置に位置するとき、前記第2のバンパ部が前記通常終了位置(X1)から前記サービス終了位置(X2)へのスライド時に前記カム部材(45)にぶつかるように構成された第2のバンパ部(25)を備え、これにより、前記カム部材(45)が前記第2のカム位置から前記第1のカム位置に回転し、前記遮断部材(41)が前記第1のバンパ部(21)の表面に載ることで前記遮断位置への並進が阻止される、請求項5~7のいずれか1項に記載のスライディングゲートバルブ(100)。
  9. 前記第1のバンパ部(21)が、前記第1の軸(X)に平行な軸に沿って測定された長さLB1を有し、LB1=ΔX2-ΔX1である、請求項1~8のいずれか1項に記載のスライディングゲートバルブ(100)。
  10. 前記第1のバンパ部(21)および前記第2のバンパ部(25)が、それぞれ、前記第1の軸(X)に平行な軸に沿って測定された長さLB1および長さLB2を有し、LB2<LB1、好ましくはLB2<0.8×LB1、より好ましくはLB2<0.6×LB1である、請求項8に記載のスライディングゲートバルブ(100)。
  11. 前記板枠(20)に結合され、前記第1のストロークΔX1内および前記第2のストロークΔX2内で前記板枠(20)を前記第1の軸(X)に沿って駆動するように構成された駆動デバイス(60)を備える、請求項1~10のいずれか1項に記載のスライディングゲートバルブ(100)。
  12. ・ 請求項1~11のいずれか一項に記載のスライディングゲートバルブ(100)と、
    ・ 前記キャリッジ支持構造(30)の前記移動機構を、前記遮断位置から前記非遮断位置に操作するように構成されたロボットと、を備えるシステム。
  13. 請求項6にかかる場合、前記ロボットが、前記カム部材(45)を前記第1のカム位置から前記第2のカム位置に回転させるように構成されている、請求項12に記載のシステム。
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