JP2022521411A - 抗cd39抗体および抗pd-1または抗pd-l1抗体を伴う併用療法 - Google Patents

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Abstract

抗CD39抗体ならびに抗PD-1抗体および/または抗PD-L1抗体を用いる抗体併用療法が提供される。一部の実施形態では、がんは固形がんである。一部の実施形態では、がんは血液がんである。一部の実施形態では、がんは、転移性非小細胞肺がん(NSCLC)、転移性頭頸部扁平細胞癌(HNSCC)、黒色腫、腎細胞癌、転移性皮膚扁平細胞癌、ホジキンリンパ腫、およびDNAミスマッチ修復欠損または高頻度マイクロサテライト不安定性状態を伴う切除不能または転移性固形腫瘍からなる群から選択される。一部の実施形態では、対象は、白金療法後に再発性または進行性である。一部の実施形態では、対象はヒト対象である。

Description

関連出願
本出願は、2019年2月21日に出願された米国仮出願第62/808,714号に対する優先権を主張し、該仮出願は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
分野
CD39に対する結合特異性を有する抗体ならびにPD-1および/またはPD-L1に対する結合特異性を有する抗体を伴う併用療法が本明細書において提供される。
ヒトCD39は、7個の潜在的なN結合型グリコシル化部位、11個のシステイン残基、および2個の膜貫通領域を有する510アミノ酸のタンパク質である。CD39は、ATPをリン酸加水分解してADPおよびAMPをもたらす膜内在性タンパク質である。構造的に、それは、2つの膜貫通ドメイン、小さい細胞質ドメイン、および大きい細胞外疎水性ドメインにより特徴付けられる。CD39は、細胞表面への局在で触媒的に活性となる。
CD39は、脾臓、胸腺、肺、および胎盤において構成的に発現され、これらの組織において、それは主に内皮細胞ならびに免疫細胞集団、例えば、B細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、樹状細胞(DC)、ランゲルハンス細胞、単球、マクロファージ、メサンギウム細胞、好中球、および制御性T細胞(Treg)と関連付けられる。CD8およびCD4 T細胞上でのCD39の発現はまた、活性化でおよび腫瘍微環境内で誘導され得る。CD39は、他の酵素と共に、ATP、ADP、およびAMPをアデノシンに分解することを考慮すれば、CD39は、ATP駆動性炎症促進性免疫細胞活性をアデノシンにより媒介される抗炎症性状態にシフトさせる免疫学的スイッチとして見ることができる。
CD39の発現は多くの固形腫瘍において増加している。例えば、CD39発現は、結腸直腸がん、頭頸部がん、膵臓がん、膀胱がん、脳のがん、乳がん、胃がん、肝細胞癌、肺がん、非小細胞肺がん、慢性リンパ球性白血病、リンパ腫、黒色腫、卵巣がん、および前立腺がんにおいて増加している。CD39発現の増加は、酵素は悪性腫瘍の発生および進行に関与することを示唆する。固形腫瘍中のCD39の発現は、腫瘍上皮上、浸潤性白血球集団上または血管内皮上に見出されることがある。
PD-1は268アミノ酸の膜タンパク質である。PD-1は、細胞外IgVドメイン、膜貫通領域、および細胞内テイルを含む。テイルは、免疫受容体チロシンベース阻害モチーフおよび免疫受容体チロシンベーススイッチモチーフ中に位置する2つのリン酸化部位を含有する。PD-1はT細胞受容体シグナルを負に調節することが示唆されている。
PD-1は、ナイーブT細胞、B細胞、およびNK細胞上に中程度に発現され、リンパ球、単球、および骨髄細胞上でT/B細胞受容体シグナル伝達により上方調節される。PD-1は、免疫系を下方調節することによる免疫系の応答の調節およびT細胞炎症活性を抑制することによる自己寛容の促進において役割を有する。これは自己免疫疾患を防止するが、それはまた、免疫系ががん細胞を殺傷することを防止し得る。
PD-1は、免疫調節および末梢寛容の維持における重要なプレーヤーとして認識されている。PD-1は免疫チェックポイントとして見ることができ、複数の異なる機序を通じて作動する。例えば、PD-1は、リンパ節において抗原特異的T細胞のアポトーシスを促進する。さらに、PD-1は、制御性T細胞(抗炎症性抑制性T細胞)においてアポトーシスを低減させる。
PD-1は2つのリガンド、PD-L1およびPD-L2に結合する。両方のPD-1リガンドは、T細胞機能および他の細胞機能の全てのステージを通じて重要な役割を果たす共シグナル伝達分子のCD28-B7ファミリーのメンバーである。PD-1およびそのリガンドの相互作用はシグナルをT細胞に送信し、本質的にそれをスイッチオフしまたはそれを阻害する。
がん細胞は、PD-L1の高レベルの発現を駆動することによりこのシステムを利用する。これは、がん細胞がPD-1経路の制御を獲得し、PD-1を発現するT細胞をスイッチオフして抗がん免疫応答を抑制することを可能とする。PD-L1は、卵巣、腎臓、結腸直腸、膵臓、肝臓がん、および黒色腫における予後不良と相関している。同様に、腫瘍浸潤性リンパ球上のPD-1発現は、乳がんおよび黒色腫において機能不全T細胞を示し、腎臓がんにおいて予後不良と相関する。
既存の免疫応答を「遮断解除」しまたは免疫応答の開始を遮断解除するPD-1療法は有効であるが、対象の亜群のみが応答することがある。追加的に、応答性集団においてさえ、応答は常に完全または最適なわけではない。CD39のモジュレーターは、これらの種類のがんに対する追加の潜在的な療法を提供する可能性がある。
免疫学的スイッチおよびチェックポイント阻害剤の有効性は、互いと組み合わせて使用された場合に増強され得る。特に、CD39およびPD-1またはPD-L1抗体の有効性は、互いと組み合わせて投与された場合に増強される可能性がある。
治療有効量のCD39に結合する抗体および治療有効量のPD-1またはPD-L1に結合する抗体を含むがんを患う対象の治療のための方法および医薬組成物が本明細書において提供される。
一部の実施形態では、CD39に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHおよび/またはVLは、
a)配列番号1~21または配列番号315~319のいずれか1つに示される配列を有するVHCDR1、
b)配列番号32~50または配列番号321~325のいずれか1つに示される配列を有するVHCDR2、
c)配列番号58~85または配列番号327~331のいずれか1つに示される配列を有するVHCDR3、
d)配列番号93~107または配列番号333~337のいずれか1つに示される配列を有するVLCDR1、
e)配列番号115~130または配列番号339~343のいずれか1つに示される配列を有するVLCDR2、および
f)配列番号138~163または配列番号345~349のいずれか1つに示される配列を有するVLCDR3
のうちの1、2、3、4、5、または6つを含む。一部の実施形態では、CD39に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHは、配列番号171~210、351、355、359、363、または367に示される配列のいずれか1つを有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLは、配列番号218~247、352、356、360、364、または368に示される配列のいずれか1つを有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる。一部の実施形態では、CD39に結合する抗体は、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含みまたはからなり、VHは、配列番号172に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLは、配列番号219に示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる。一部の実施形態では、CD39に結合する抗体は、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含みまたはからなり、VHは、配列番号351に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLは、配列番号352に示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる。
一部の実施形態では、PD-1またはPD-L1に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHおよび/またはVLは、
a)配列番号25~31に示される配列を有するVHCDR1、
b)配列番号51~57に示される配列を有するVHCDR2、
c)配列番号86~92に示される配列を有するVHCDR3、
d)配列番号108~114に示される配列を有するVLCDR1、
e)配列番号131~137に示される配列を有するVLCDR2、および
f)配列番号164~170に示される配列を有するVLCDR3
のうちの1、2、3、4、5、または6つを含む。一部の実施形態では、PD-1またはPD-L1に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHは、配列番号211~217に示される配列の1つを有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLは、配列番号248~254に示される配列の1つを有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHは、配列番号211に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLは、配列番号248に示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる。
一部の実施形態では、CD39に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHは、配列番号172に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLは、配列番号219に示される配列を有するVLを含み、からなり、またはから本質的になり、かつPD-1に結合する抗体は、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含みまたはからなり、VHは、配列番号211に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLは、配列番号248に示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる。
抗体の組合せは、腫瘍モデルにおいて組合せ効果を示す。例えば、抗CD39抗体および抗PD-1抗体の組合せは、抗体の1つのみを用いる単剤療法と比較して完全奏効の数を増加させた。さらに、抗CD-39抗体および抗PD-1抗体の併用療法を用いた対象、例えば、動物は、腫瘍負荷に対して抵抗性であった。
一部の実施形態では、がんは固形がんである。一部の実施形態では、がんは血液がんである。一部の実施形態では、がんは、転移性非小細胞肺がん(NSCLC)、転移性頭頸部扁平細胞癌(HNSCC)、黒色腫、腎細胞癌、転移性皮膚扁平細胞癌、ホジキンリンパ腫、およびDNAミスマッチ修復欠損または高頻度マイクロサテライト不安定性状態を伴う切除不能または転移性固形腫瘍からなる群から選択される。一部の実施形態では、対象は、白金療法後に再発性または進行性である。一部の実施形態では、対象はヒト対象である。
一部の実施形態では、方法は、アッセイにおいて炎症促進性サイトカイン分泌を増強する。一部の実施形態では、サイトカインは、IL-2、IFN-γ、またはTNF-αから選択されるサイトカインの1つまたは複数である。一部の実施形態では、方法は、アッセイにおいてT細胞増殖および/または細胞傷害性を増強する。一部の実施形態では、T細胞はCD4細胞および/またはCD8細胞を含むまたはからなる。一部の実施形態では、アッセイはone-way MLRまたはtwo-way MLRを含む。一部の実施形態では、アッセイはT細胞刺激アッセイを含む。
図1は、抗CD39抗体および抗PD-1抗体の組み合わせた処理は、one-way MLRにおいて(A)CD4 T細胞増殖および(B)CD8 T細胞増殖を増強することを示す。x軸は使用された抗体の種類を描写し、y軸はCD4増殖%またはCD8増殖%をそれぞれ示す。点線は、抗CD39のみを用いて処理された細胞の増殖パーセントを指し示す。エラーバーは標準偏差を描写する。 図2は、(A)抗CD39抗体および抗PD-1抗体の組み合わせた処理は、one-way MLRにおいて炎症促進性サイトカイン分泌を増強することを示す。サイトカインの種類は各図の上に描写される。x軸は使用された抗体の種類を描写し、y軸はサイトカインの量を描写する。点線は、抗CD39のみを用いて処理された細胞の増殖パーセントを指し示す。エラーバーは標準偏差を描写する。(B)。一部の事例では、抗PD-1抗体はペムブロリズマブであり、アッセイは100μMのATPの存在下で実行されてもよい。 図3は、抗CD39抗体および抗PD-L1抗体を用いた組合せ処理は、(A)CD8 T細胞増殖および(B)炎症促進性サイトカイン産生を増強することを示す。点線は、抗CD39のみを用いて処理された細胞の増殖パーセント(A)またはサイトカイン濃度(B)を指し示す。 図4は、(A)抗CD39抗体および抗PD-1抗体の組み合わせた処理は、two-way MLRにおいて炎症促進性サイトカイン分泌を増強することを示す。各パネルは独特のアロ反応性ドナーペアを描写する。x軸は使用された抗体の種類を描写し、y軸はIL-2の量を描写する。エラーバーは標準偏差を描写する。上の点線は抗CD39処理試料からのIL-2分泌を描写し、下の点線はアイソタイプマッチの対照抗体を用いたIL-2分泌を描写する。(B)は、抗CD39抗体および抗PD-1抗体の組み合わせた処理は、抗CD39抗体がSRF360であり、抗PD-1抗体がペムブロリズマブである場合にtwo-way MLRにおいて炎症促進性サイトカイン分泌を増強することを示す。 図5は、抗CD39抗体および抗PD-1抗体の組み合わせた処理は、T細胞増殖およびATPの存在下での刺激されたPBMCからの炎症促進性サイトカイン分泌を増強することを示す。x軸は使用された抗体の種類およびATPの非存在を描写する。左パネルのy軸はCD8増殖%を描写し、右パネルのy軸はTNF-αの量を描写する。エラーバーは標準偏差を描写する。上の点線は無ATP対照を指定し、下の点線はアイソタイプ対照を指定する。 図6は、抗PD-L1療法と組み合わせた抗CD39はMC38同系モデルにおいて抗腫瘍応答を増強することを示す。曲線は平均腫瘍体積を描写し、エラーバーは平均の標準誤差(SEM)を指し示す。鉛直の破線は2回目の無作為化後の投薬日を指し示す。鉛直の破線は、8、12、15、および19日目の薬物組合せ投薬を指し示す。x軸は移植後の日数を示し、y軸は腫瘍体積を示す。 図7は、抗CD39抗体は、CT26同系腫瘍モデルにおいて単剤活性および抗PD-1抗体との組合せ効果を実証することを示す。曲線は平均腫瘍体積を描写し、エラーバーはSEMを指し示す。鉛直の破線は2回目の無作為化後の投薬日を指し示す。鉛直の破線は、8、12、15、および19日目の薬物組合せ投薬を指し示す。x軸は移植後の日数を示し、y軸は腫瘍体積を示す。CR=完全奏効。 図8は、抗CD39抗体を用いた単剤療法ならびに抗CD39抗体および抗PD-1抗体を用いた併用療法後に完全奏効を伴った動物は腫瘍負荷に対して抵抗性であったことを示す。曲線は、5匹の腫瘍ナイーブ動物(49日目に開始)、以前の抗CD39抗体治療を用いたn=3の動物ならびに以前の抗CD39および抗PD-1の併用治療を用いたn=8の動物のみについて再負荷を行った動物についての平均腫瘍体積を描写する。エラーバーはSEMを指し示した。x軸は移植後の日数を示し、y軸は腫瘍体積を示す。
CD39に対する結合特異性を有する抗体ならびにPD-1および/またはPD-L1に対する結合特異性を有する抗体を伴う併用療法が本明細書において提供される。
1.定義
他に定義されなければ、本明細書において使用される全ての技術用語、表記および他の科学用語は、本発明が関連する技術分野の当業者により一般的に理解される意味を有することが意図される。一部の場合には、一般的に理解される意味を有する用語は明確性および/または即時参照のために本明細書において定義され、そのような定義を本明細書に含めることは、当該技術分野において一般に理解されるものに対する差異を表すと必ずしも解釈されるべきではない。本明細書において記載または参照される技術および手順は、一般によく理解されており、当業者により従来の方法論、例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual 2nd ed.(1989)Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NYに記載の広く利用される分子クローニング方法論などを使用して一般的に用いられる。適切な場合、商業的に入手可能なキットおよび試薬の使用を伴う手順は、他に記載されなければ生産者定義のプロトコールおよび/またはパラメーターにしたがって一般に実行される。
本明細書において使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が他に明確に指し示さなければ、複数の指示対象を含む。
「約」という用語は、指し示される値ならびにその値より上および下の範囲を指し示し、包含する。ある特定の実施形態では、「約」という用語は、指定される値±10%、±5%、または±1%を指し示す。ある特定の実施形態では、「約」という用語は、指定される値±その値の1標準偏差を指し示す。
「これらの組合せ」という用語は、該用語が参照する要素のあらゆる可能な組合せを含む。
「CD39」、「CD39抗原」、および「表面抗原分類39」という用語は本明細書において交換可能に使用される。CD39は、エクトヌクレオシド三リン酸ジホスホヒドロラーゼ-1(遺伝子:ENTPD1;タンパク質:NTPDase1、www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/953を参照)としても公知としても公知である。CD39はまたATPDaseおよびSPG64と称されている。上記に示される各用語は交換可能に使用されることがある。他に指定されなければ、該用語は、細胞により天然に発現される、またはCD39遺伝子をトランスフェクトされた細胞により発現されるヒトCD39の任意のバリアント、アイソフォーム、および種ホモログを含む。一部の実施形態では、CD39タンパク質はマウスCD39を含む。一部の実施形態では、CD39タンパク質はカニクイザルCD39を含む。
「PD-1」、「プログラム細胞死タンパク質1」、および「表面抗原分類279」という用語は本明細書において交換可能に使用される。他に指定されなければ、該用語は、細胞により天然に発現される、またはPD-1遺伝子をトランスフェクトされた細胞により発現されるヒトPD-1の任意のバリアント、アイソフォーム、および種ホモログを含む。一部の実施形態では、PD-1タンパク質はマウスPD-1を含む。
「PD-L1」、「プログラム細胞死リガンド1」、「表面抗原分類274」、「B7ホモログ1」、および「B7-H1」という用語は本明細書において交換可能に使用される。他に指定されなければ、該用語は、細胞により天然に発現される、またはPD-L1遺伝子をトランスフェクトされた細胞により発現されるヒトPD-L1の任意のバリアント、アイソフォーム、および種ホモログを含む。一部の実施形態では、PD-L1タンパク質はマウスPD-L1を含む。
「免疫グロブリン」という用語は、ポリペプチド鎖の2つのペア:軽(L)鎖の1つのペアおよび重(H)鎖の1つのペアを一般に含む構造的に関連するタンパク質のクラスを指す。「インタクトな免疫グロブリン」において、これらの鎖の4つ全てはジスルフィド結合により相互接続されている。免疫グロブリンの構造はよく特徴付けられている。例えば、Paul,Fundamental Immunology 7th ed.,Ch.5(2013)Lippincott Williams&Wilkins,Philadelphia,PAを参照。簡潔に述べれば、各重鎖は典型的には重鎖可変領域(V)および重鎖定常領域(C)を含む。重鎖定常領域は、典型的には、3つのドメイン、CH1、CH2、およびCH3を含む。各軽鎖は典型的には軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域を含む。軽鎖定常領域は、典型的には、CLと略記される1つのドメインを含む。
「抗体」という用語は、免疫グロブリン分子の種類を記載し、本明細書においてその最も広い意味において使用される。抗体としては、特に、インタクトな抗体(例えば、インタクトな免疫グロブリン)および抗体断片が挙げられる。抗体は少なくとも1つの抗原結合ドメインを含む。抗原結合ドメインの1つの例は、VH-VL二量体により形成される抗原結合ドメインである。
およびV領域は、より保存された領域を差し挟まれた超可変性の領域(「超可変領域(HVR)」;「相補性決定領域」(CDR)とも呼ばれる)にさらに分けることができる。より保存された領域はフレームワーク領域(FR)と呼ばれる。各VおよびVは、以下の順序(N末端からC末端へ):FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4で並んだ3つのCDRおよび4つのFRを一般に含む。CDRは抗原結合に関与し、抗原特異性および結合親和性を抗体に付与する。Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest 5th ed.(1991)Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD(参照により全体が組み込まれる)を参照。
任意の脊椎動物種からの軽鎖は、定常ドメインの配列に基づいて、カッパおよびラムダと呼ばれる2種類のうちの1つに割り当てることができる。
任意の脊椎動物種からの重鎖は、5つの異なるクラス(またはアイソタイプ):IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMのうちの1つに割り当てることができる。これらのクラスはまた、それぞれα、δ、ε、γ、およびμと呼称される。IgGおよびIgAクラスは、配列および機能における差異に基づいてサブクラスにさらに分けられる。ヒトは、以下のサブクラス:IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2を発現する。
CDRのアミノ酸配列境界は、Kabat et al.,上掲(「Kabat」ナンバリングスキーム);Al-Lazikani et al.,1997,J.Mol.Biol.,273:927-948(「Chothia」ナンバリングスキーム);MacCallum et al.,1996,J.Mol.Biol.262:732-745(「コンタクト」ナンバリングスキーム);Lefranc et al.,Dev.Comp.Immunol.,2003,27:55-77(「IMGT」ナンバリングスキーム);およびHonegge and Plueckthun,J.Mol.Biol.,2001,309:657-70(「AHo」ナンバリングスキーム)(これらのそれぞれは参照により全体が組み込まれる)により記載されたものを含む、多数の公知のナンバリングスキームのいずれかを使用して当業者により決定され得る。
表1は、KabatおよびChothiaスキームにより同定されるようなCDR-L1、CDR-L2、CDR-L3、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3の位置を提供する。CDR-H1について、残基ナンバリングは、KabatおよびChothiaの両方のナンバリングスキームを使用して提供される。
他に指定されなければ、本明細書において特定のCDRの同定のために使用されるナンバリングスキームはKabatナンバリングスキームである。Chothiaナンバリングスキームを用いたバリアントおよび同等の抗体は本発明の範囲内であることが意図される。
表1. KabatおよびChothiaナンバリングスキームによるCDR中の残基
Figure 2022521411000001
*Kabatナンバリング規則を使用してナンバリングされた場合のCDR-H1のC末端は、CDRの長さに依存して、H32およびH34の間で変動する。
「EUナンバリングスキーム」は、(例えば、Kabat et al.,上掲において報告されるように)抗体重鎖定常領域中の残基を参照する場合に一般に使用される。他に記載されなければ、EUナンバリングスキームは、本明細書に記載の抗体重鎖定常領域中の残基を参照するために使用される。
「抗体断片」は、インタクトな抗体の部分、例えば、インタクトな抗体の抗原結合または可変領域を含む。抗体断片としては、例えば、Fv断片、Fab断片、F(ab’)断片、Fab’断片、scFv(sFv)断片、およびscFv-Fc断片が挙げられる。一部の実施形態では、CD39に結合する抗体、PD-1に結合する抗体、および/またはPD-L1に結合する抗体は、CD39に結合する抗体、PD-1に結合する抗体、および/またはPD-L1に結合する抗体のそれぞれの抗体断片を含む。
「Fv」断片は、1つの重鎖可変ドメインおよび1つの軽鎖可変ドメインの非共有結合的に連結した二量体を含む。
「Fab」断片は、重鎖および軽鎖可変ドメインに加えて、軽鎖の定常ドメインおよび重鎖の第1の定常ドメイン(CH1)を含む。Fab断片は、例えば、全長抗体のパパイン消化により、生成されてもよい。
「F(ab’)」断片は、ヒンジ領域の近くでジスルフィド結合により接合された2つのFab’断片を含有する。F(ab’)断片は、例えば、インタクトな抗体のペプシン消化により、生成されてもよい。F(ab’)断片は、例えば、B-メルカプトエタノールを用いる処理により、解離させることができる。
「単鎖Fv」または「sFv」または「scFv」抗体断片は、単一のポリペプチド鎖中にVドメインおよびVドメインを含む。VおよびVは一般にペプチドリンカーにより連結される。Plueckthun A.(1994).Antibodies from Escherichia coli.In Rosenberg M.&Moore G.P.(Eds.),The Pharmacology of Monoclonal Antibodies vol.113(pp.269-315).Springer-Verlag,New York(参照により全体が組み込まれる)を参照。「scFv-Fc」断片は、Fcドメインに取り付けられたscFvを含む。例えば、Fcドメインは、scFvのC末端に取り付けられてもよい。Fcドメインは、scFv中の可変ドメインの方向性に依存してVまたはVに後続してもよい(すなわち、V-VまたはV-V)。当該技術分野において公知のまたは本明細書に記載の任意の好適なFcドメインが使用されてもよい。
「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均質な抗体の集団からの抗体を指す。実質的に均質な抗体の集団は、モノクローナル抗体の製造の間に通常生じ得るバリアントを除いて、実質的に類似した、同じエピトープに結合する抗体を含む。そのようなバリアントは一般に微量でのみ存在する。モノクローナル抗体は、典型的には、複数の抗体からの単一の抗体の選択を含むプロセスにより得られる。例えば、選択プロセスは、複数のクローン、例えば、ハイブリドーマクローン、ファージクローン、酵母クローン、細菌クローン、または他の組換えDNAクローンのプールからの、独特のクローンの選択であり得る。選択された抗体は、例えば、標的に対する親和性を向上させるため(「親和性成熟」)、抗体をヒト化するため、細胞培養におけるその製造を向上させるため、および/または対象におけるその免疫原性を低減させるために、さらに変更することができる。
「キメラ抗体」という用語は、重鎖および/または軽鎖の部分が特定の供給源または種に由来し、重鎖および/または軽鎖の残りの部分が異なる供給源または種に由来する抗体を指す。
「ヒト化」形態の非ヒト抗体は、非ヒト抗体に由来する最小の配列を含有するキメラ抗体である。ヒト化抗体は、一般に、1つまたは複数のCDRからの残基が非ヒト抗体(ドナー抗体)の1つまたは複数のCDRからの残基により置き換えられたヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。ドナー抗体は、所望の特異性、親和性、または生物学的効果を有する任意の好適な非ヒト抗体、例えば、マウス、ラット、ウサギ、ニワトリ、または非ヒト霊長動物抗体であり得る。一部の事例では、レシピエント抗体の選択されたフレームワーク領域残基は、ドナー抗体からの対応するフレームワーク領域残基により置き換えられる。ヒト化抗体はまた、レシピエント抗体にもドナー抗体にも見出されない残基を含んでもよい。そのような改変は、抗体機能をさらに精密化するために行うことができる。さらなる詳細について、Jones et al.,Nature,1986,321:522-525;Riechmann et al.,Nature,1988,332:323-329;およびPresta,Curr.Op.Struct.Biol.,1992,2:593-596(これらのそれぞれは参照により全体が組み込まれる)を参照。
「ヒト抗体」は、ヒトもしくはヒト細胞により産生される、または(例えば、ヒト供給源から得られるもしくはde novoで設計される)ヒト抗体レパートリーもしくはヒト抗体コーディング配列を利用する非ヒト供給源に由来する抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有する抗体である。ヒト抗体はヒト化抗体を特に除外する。
「単離された抗体」は、その天然の環境の成分から分離および/または回収された抗体である。天然の環境の成分は、酵素、ホルモン、および他のタンパク質性または非タンパク質性材料を含んでもよい。一部の実施形態では、単離された抗体は、例えばスピニングカップシークエネーターの使用により、N末端または内部アミノ酸配列の少なくとも15残基を得るために十分な程度まで精製される。一部の実施形態では、単離された抗体は、クマシーブルーまたは銀染色剤による検出を用いて、還元または非還元条件下で、ゲル電気泳動(例えば、SDS-PAGE)により均質まで精製される。単離された抗体としては、抗体の天然の環境の少なくとも1つの成分が存在しないので、組換え細胞内のin situの抗体が挙げられる。一部の実施形態では、単離された抗体は、少なくとも1つの精製ステップにより調製される。
「親和性」は、分子(例えば、抗体)の単一の結合部位およびその結合パートナー(例えば、抗原)の間の非共有結合性相互作用の総計の強さを指す。他に指し示されなければ、本明細書において使用される場合、「結合親和性」は、結合ペアのメンバー(例えば、抗体および抗原)の間の1:1相互作用を反映する内因性の結合親和性を指す。分子XのそのパートナーYに対する親和性は一般に解離定数(K)により表すことができる。親和性は、本明細書に記載のものを含む、当該技術分野において公知の一般的な方法により測定することができる。親和性は、例えば、表面プラズモン共鳴(SPR)技術、例えば、Biacore(登録商標)機器を使用して、決定することができる。
抗体の標的分子に対する結合に関して、特定の抗原(例えば、ポリペプチド標的)または特定の抗原上のエピトープに対する「結合」またはそれに「結合する」という用語は、非選択的な相互作用から測定可能に異なる結合を意味する。結合は、例えば、対照分子の結合と比較して分子の結合を決定することにより、測定することができる。結合はまた、標的に類似した対照分子、例えば、過剰な非標識の標的との競合により決定することができる。その場合、標識された標的のプローブに対する結合が過剰な非標識の標的により競合的に阻害される場合に、結合は指し示される。
「k」(秒-1)という用語は、本明細書において使用される場合、特定の抗体-抗原相互作用の解離速度定数を指す。この値はkoff値とも称される。
「k」(M-1×秒-1)という用語は、本明細書において使用される場合、特定の抗体-抗原相互作用の会合速度定数を指す。この値はkon値とも称される。
「K」(M)という用語は、本明細書において使用される場合、特定の抗体-抗原相互作用の解離平衡定数を指す。K=k/k
「K」(M-1)という用語は、本明細書において使用される場合、特定の抗体-抗原相互作用の会合平衡定数を指す。K=k/k
ポリペプチド配列および参照配列の間の「同一性」パーセントは、配列をアライメントし、必要な場合にはギャップを導入して最大配列同一性パーセントを達成した後の、参照配列中のアミノ酸残基と同一のポリペプチド配列中のアミノ酸残基のパーセンテージとして定義される。アミノ酸配列同一性パーセントを決定する目的のためのアライメントは、当該技術分野の技術範囲内にある様々なやり方で達成することができ、例えば、公開されているコンピュータソフトウェア、例えば、BLAST、BLAST-2、AL1GN、MEGAL1GN(DNASTAR)、CLUSTALW、またはCLUSTAL OMEGAソフトウェアが使用される。当業者は、比較されている配列の全長にかけての最大アライメントを達成するために必要とされる任意のアルゴリズムを含む、配列をアライメントするための適切なパラメーターを決定することができる。
「保存的置換」または「保存的アミノ酸置換」は、1つまたは複数のアミノ酸の、1つまたは複数の化学的または機能的に類似したアミノ酸による置換を指す。類似したアミノ酸を提供する保存的置換表は当該技術分野において周知である。そのような置換を有するポリペプチド配列は、「保存的に改変されたバリアント」として公知である。そのような保存的に改変されたバリアントは、多型バリアント、種間ホモログ、およびアレルに加えて存在し、かつこれらを除外しない。例として、アミノ酸の以下の群は互いに対して保存的置換であると考えられる。
Figure 2022521411000002
Figure 2022521411000003
追加の保存的置換は、例えば、Creighton,Proteins:Structures and Molecular Properties 2nd ed.(1993)W.H.Freeman&Co.,New York,NYにおいて見出すことができる。親抗体中のアミノ酸残基の1つまたは複数の保存的置換を行うことにより生成された抗体は、「保存的に改変されたバリアント」と称される。
「アミノ酸」という用語は、20個の一般的な天然に存在するアミノ酸を指す。天然に存在するアミノ酸としては、アラニン(Ala;A)、アルギニン(Arg;R)、アスパラギン(Asn;N)、アスパラギン酸(Asp;D)、システイン(Cys;C);グルタミン酸(Glu;E)、グルタミン(Gln;Q)、グリシン(Gly;G);ヒスチジン(His;H)、イソロイシン(Ile;I)、ロイシン(Leu;L)、リジン(Lys;K)、メチオニン(Met;M)、フェニルアラニン(Phe;F)、プロリン(Pro;P)、セリン(Ser;S)、スレオニン(Thr;T)、トリプトファン(Trp;W)、チロシン(Tyr;Y)、およびバリン(Val;V)が挙げられる。
任意のがんを「治療すること」またはその「治療」は、ある特定の実施形態では、対象において存在するがんを寛解させることを指す。別の実施形態では、「治療すること」または「治療」は、対象により識別不可能であってもよい少なくとも1つの身体的パラメーターを寛解させることを含む。さらに別の実施形態では、「治療すること」または「治療」は、身体的(例えば、認識可能な症状の安定化)もしくは生理学的(例えば、身体的パラメーターの安定化)のいずれかまたは両方で、がんをモジュレートすることを含む。
本明細書において使用される場合、「治療有効量」または「有効量」という用語は、対象に投与された場合にがんを治療するために有効な抗体または組成物の量を指す。一部の実施形態では、治療有効は各抗体の例示的な用量を含むまたはからなる。一部の実施形態では、治療有効量は、臨床的なエンドポイントにしたがって応答を達成するために使用される量を決定することを含むまたはからなる。一部の実施形態では、臨床的なエンドポイントは、客観的奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)、および/または固形腫瘍における応答評価基準(「RECIST」)を含む。
本明細書において使用される場合、「対象」という用語は哺乳動物またはヒトを意味する。一部の実施形態では、対象としては、サル、イヌ、ネコ、マウス、ラット、ウシ、ウマ、ラクダ、鳥、ヤギ、およびヒツジが挙げられるがこれらに限定されない。
2.抗体の組合せ
がんの治療のための方法および抗体の組合せが本明細書において提供される。抗体の組合せは、CD39に結合する抗体ならびにPD-1および/またはPD-L1に結合する抗体を組み合わせたものである。
第1の態様は、がんを患う対象の治療方法であって、対象に治療有効量のCD39に結合する抗体ならびに治療有効量のPD-1および/またはPD-L1に結合する抗体を投与することを含む、方法を提供する。
一部の実施形態では、CD39に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHおよび/またはVLは、
a)配列番号1~21または配列番号315~319のいずれか1つに示される配列を有するVHCDR1、
b)配列番号32~50または配列番号321~325のいずれか1つに示される配列を有するVHCDR2、
c)配列番号58~85または配列番号327~331のいずれか1つに示される配列を有するVHCDR3、
d)配列番号93~107またはまたは配列番号333~337のいずれか1つに示される配列を有するVLCDR1、
e)配列番号115~130またはまたは配列番号339~343のいずれか1つに示される配列を有するVLCDR2、および
f)配列番号138~163または配列番号345~349のいずれか1つに示される配列を有するVLCDR3
を含む。一部の実施形態では、CD39に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHは、配列番号171~210、351、355、359、363、または367に示される配列のいずれか1つを有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLは、配列番号218~247、352、356、360、364、または368に示される配列のいずれか1つを有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる。一部の実施形態では、CD39に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHは、配列番号172に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLは、配列番号219に示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる。一部の実施形態では、CD39に結合する抗体は、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含みまたはからなり、VHは、配列番号351に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLは、配列番号352に示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる。
一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHおよび/またはVLは、
a)配列番号25に示される配列を有するVHCDR1、
b)配列番号51に示される配列を有するVHCDR2、
c)配列番号86に示される配列を有するVHCDR3、
d)配列番号108に示される配列を有するVLCDR1、
e)配列番号131に示される配列を有するVLCDR2、および
f)配列番号164に示される配列を有するVLCDR3
を含む。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHは、配列番号211に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLは、配列番号248に示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる。
一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHおよび/またはVLは、
a)配列番号26に示される配列を有するVHCDR1、
b)配列番号52に示される配列を有するVHCDR2、
c)配列番号87に示される配列を有するVHCDR3、
d)配列番号109に示される配列を有するVLCDR1、
e)配列番号132に示される配列を有するVLCDR2、および
f)配列番号165に示される配列を有するVLCDR3
を含む。
一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHは、配列番号212に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLは、配列番号249に示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる。
一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHおよび/またはVLは、
a)配列番号27に示される配列を有するVHCDR1、
b)配列番号53に示される配列を有するVHCDR2、
c)配列番号88に示される配列を有するVHCDR3、
d)配列番号110に示される配列を有するVLCDR1、
e)配列番号133に示される配列を有するVLCDR2、および
f)配列番号166に示される配列を有するVLCDR3
を含む。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHは、配列番号213に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLは、配列番号250に示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる。
一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHおよび/またはVLは、
a)配列番号28に示される配列を有するVHCDR1、
b)配列番号54に示される配列を有するVHCDR2、
c)配列番号89に示される配列を有するVHCDR3、
d)配列番号111に示される配列を有するVLCDR1、
e)配列番号134に示される配列を有するVLCDR2、および
f)配列番号167に示される配列を有するVLCDR3
を含む。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHは、配列番号214に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLは、配列番号251に示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる。
一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHおよび/またはVLは、
a)配列番号29に示される配列を有するVHCDR1、
b)配列番号55に示される配列を有するVHCDR2、
c)配列番号90に示される配列を有するVHCDR3、
d)配列番号112に示される配列を有するVLCDR1、
e)配列番号135に示される配列を有するVLCDR2、および
f)配列番号168に示される配列を有するVLCDR3
を含む。一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHは、配列番号215に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLは、配列番号252に示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる。
一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHおよび/またはVLは、
a)配列番号30に示される配列を有するVHCDR1、
b)配列番号56に示される配列を有するVHCDR2、
c)配列番号91に示される配列を有するVHCDR3、
d)配列番号113に示される配列を有するVLCDR1、
e)配列番号136に示される配列を有するVLCDR2、および
f)配列番号169に示される配列を有するVLCDR3
を含む。一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHは、配列番号216に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLは、配列番号253に示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる。
一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHおよび/またはVLは、
a)配列番号31に示される配列を有するVHCDR1、
b)配列番号57に示される配列を有するVHCDR2、
c)配列番号92に示される配列を有するVHCDR3、
d)配列番号114に示される配列を有するVLCDR1、
e)配列番号137に示される配列を有するVLCDR2、および
f)配列番号170に示される配列を有するVLCDR3
を含む。一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHは、配列番号217に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLは、配列番号254に示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる。
一部の実施形態では、CD39に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHは、配列番号172に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLは、配列番号219に示される配列を有するVLを含み、からなり、またはから本質的になり、かつPD-1に結合する抗体は、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含みまたはからなり、VHは、配列番号211に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLは、配列番号248に示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる。
一部の実施形態では、がんは固形がんである。一部の実施形態では、がんは血液がんである。一部の実施形態では、がんは、転移性非小細胞肺がん(NSCLC)、転移性頭頸部扁平細胞癌(HNSCC)、黒色腫、腎細胞癌、転移性皮膚扁平細胞癌、ホジキンリンパ腫、およびDNAミスマッチ修復欠損または高頻度マイクロサテライト不安定性状態を伴う切除不能または転移性固形腫瘍からなる群から選択される。一部の実施形態では、対象は、白金療法後に再発性または進行性である。一部の実施形態では、対象はヒト対象である。
一部の実施形態では、方法は、アッセイにおいて炎症促進性サイトカイン分泌を増強する。一部の実施形態では、サイトカインは、IL-2、IFN-γ、またはTNF-αから選択されるサイトカインの1つまたは複数である。一部の実施形態では、方法は、アッセイにおいてT細胞増殖および/または細胞傷害性を増強する。一部の実施形態では、T細胞はCD4細胞および/またはCD8細胞を含むまたはからなる。一部の実施形態では、アッセイはone-way MLRまたはtwo-way MLRを含む。一部の実施形態では、アッセイはT細胞刺激アッセイを含む。
第2の態様は、治療有効量のCD39に結合する抗体および治療有効量のPD-1またはPD-L1に結合する少なくとも1つの抗体を含む、医薬組成物を提供する。
一部の実施形態では、CD39に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHおよび/またはVLは、
a)配列番号1~21または配列番号315~319のいずれか1つに示される配列を有するVHCDR1、
b)配列番号32~50または配列番号321~325のいずれか1つに示される配列を有するVHCDR2、
c)配列番号58~85または配列番号327~331のいずれか1つに示される配列を有するVHCDR3、
d)配列番号93~107または配列番号333~337のいずれか1つに示される配列を有するVLCDR1、
e)配列番号115~130または配列番号339~343のいずれか1つに示される配列を有するVLCDR2、および
f)配列番号138~163または配列番号345~349のいずれか1つに示される配列を有するVLCDR3
を含む。一部の実施形態では、CD39に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHは、配列番号171~210、351、355、359、363、または367のいずれか1つに示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLは、配列番号218~247、352、356、360、364、または368のいずれか1つに示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる。一部の実施形態では、CD39に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHは、配列番号172に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLは、配列番号219に示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる。一部の実施形態では、CD39に結合する抗体は、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含みまたはからなり、VHは、配列番号351に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLは、配列番号352に示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる。
一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHおよび/またはVLは、
a)配列番号25に示される配列を有するVHCDR1、
b)配列番号51に示される配列を有するVHCDR2、
c)配列番号86に示される配列を有するVHCDR3、
d)配列番号108に示される配列を有するVLCDR1、
e)配列番号131に示される配列を有するVLCDR2、および
f)配列番号164に示される配列を有するVLCDR3
を含む。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHは、配列番号211に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLは、配列番号248に示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる。
一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHおよび/またはVLは、
a)配列番号26に示される配列を有するVHCDR1、
b)配列番号52に示される配列を有するVHCDR2、
c)配列番号87に示される配列を有するVHCDR3、
d)配列番号109に示される配列を有するVLCDR1、
e)配列番号132に示される配列を有するVLCDR2、および
f)配列番号165に示される配列を有するVLCDR3
を含む。
一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHは、配列番号212に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLは、配列番号249に示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる。
一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHおよび/またはVLは、
a)配列番号27に示される配列を有するVHCDR1、
b)配列番号53に示される配列を有するVHCDR2、
c)配列番号88に示される配列を有するVHCDR3、
d)配列番号110に示される配列を有するVLCDR1、
e)配列番号133に示される配列を有するVLCDR2、および
f)配列番号166に示される配列を有するVLCDR3
を含む。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHは、配列番号213に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLは、配列番号250に示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる。
一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHおよび/またはVLは、
a)配列番号28に示される配列を有するVHCDR1、
b)配列番号54に示される配列を有するVHCDR2、
c)配列番号89に示される配列を有するVHCDR3、
d)配列番号111に示される配列を有するVLCDR1、
e)配列番号134に示される配列を有するVLCDR2、および
f)配列番号167に示される配列を有するVLCDR3
を含む。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHは、配列番号214に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLは、配列番号251に示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる。
一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHおよび/またはVLは、
a)配列番号29に示される配列を有するVHCDR1、
b)配列番号55に示される配列を有するVHCDR2、
c)配列番号90に示される配列を有するVHCDR3、
d)配列番号112に示される配列を有するVLCDR1、
e)配列番号135に示される配列を有するVLCDR2、および
f)配列番号168に示される配列を有するVLCDR3
を含む。一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHは、配列番号215に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLは、配列番号252に示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる。
一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHおよび/またはVLは、
a)配列番号30に示される配列を有するVHCDR1、
b)配列番号56に示される配列を有するVHCDR2、
c)配列番号91に示される配列を有するVHCDR3、
d)配列番号113に示される配列を有するVLCDR1、
e)配列番号136に示される配列を有するVLCDR2、および
f)配列番号169に示される配列を有するVLCDR3
を含む。一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHは、配列番号216に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLは、配列番号253に示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる。
一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHおよび/またはVLは、
a)配列番号31に示される配列を有するVHCDR1、
b)配列番号57に示される配列を有するVHCDR2、
c)配列番号92に示される配列を有するVHCDR3、
d)配列番号114に示される配列を有するVLCDR1、
e)配列番号137に示される配列を有するVLCDR2、および
f)配列番号170に示される配列を有するVLCDR3
を含む。一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHは、配列番号217に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLは、配列番号254に示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる。
一部の実施形態では、CD39に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHは、配列番号172に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLは、配列番号219に示される配列を有するVLを含み、からなり、またはから本質的になり、かつPD-1に結合する抗体は、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含みまたはからなり、VHは、配列番号211に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLは、配列番号248に示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる。
一部の実施形態では、方法は、アッセイにおいて炎症促進性サイトカイン分泌を増強する。一部の実施形態では、サイトカインは、IL-2、IFN-γ、またはTNF-αから選択されるサイトカインの1つまたは複数である。一部の実施形態では、方法は、アッセイにおいてT細胞増殖および/または細胞傷害性を増強する。一部の実施形態では、T細胞はCD4細胞および/またはCD8細胞を含むまたはからなる。一部の実施形態では、アッセイはone-way MLRまたはtwo-way MLRを含む。一部の実施形態では、アッセイはT細胞刺激アッセイを含む。
抗体のCDR-H1+CDR-H2+CDR-H3領域
一部の実施形態では、CD39に結合する抗体は、配列番号1~21または配列番号315~319から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-H1配列、配列番号32~50または配列番号321~325から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-H2配列、および配列番号58~85または配列番号327~331から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-H3配列を含むV配列を含む。一部の実施形態では、CDR-H1配列、CDR-H2配列、およびCDR-H3配列の全ては、本開示において提供される単一の実例的なV配列からのものである。例えば、一部の実施形態では、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3の全ては、配列番号171~210、配列番号351、配列番号355、配列番号359、配列番号363、または配列番号367から選択される単一の実例的なV配列からのものである。
一部の実施形態では、CD39に結合する抗体は、配列番号2を含むCDR-H1配列、配列番号33を含むCDR-H2配列、および配列番号59を含むCDR-H3配列を含むV配列を含む。
一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、配列番号25~28から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-H1配列、配列番号51~54から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-H2配列、および配列番号86~89から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-H3配列を含むV配列を含む。一部の実施形態では、CDR-H1配列、CDR-H2配列、およびCDR-H3配列の全ては、本開示において提供される単一の実例的なV配列からのものである。例えば、一部の実施形態では、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3の全ては、配列番号211~214から選択される単一の実例的なV配列からのものである。
一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、配列番号25から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-H1配列、配列番号51から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-H2配列、および配列番号86から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-H3配列を含むV配列を含む。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、配列番号26から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-H1配列、配列番号52から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-H2配列、および配列番号87から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-H3配列を含むV配列を含む。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、配列番号27から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-H1配列、配列番号53から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-H2配列、および配列番号88から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-H3配列を含むV配列を含む。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、配列番号28から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-H1配列、配列番号54から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-H2配列、および配列番号89から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-H3配列を含むV配列を含む。
一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、配列番号29~31から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-H1配列、配列番号55~57から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-H2配列、および配列番号90~92から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-H3配列を含むV配列を含む。一部の実施形態では、CDR-H1配列、CDR-H2配列、およびCDR-H3配列の全ては、本開示において提供される単一の実例的なV配列からのものである。例えば、一部の実施形態では、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3の全ては、配列番号215~217から選択される単一の実例的なV配列からのものである。
一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、配列番号29から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-H1配列、配列番号55から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-H2配列、および配列番号90から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-H3配列を含むV配列を含む。一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、配列番号30から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-H1配列、配列番号56から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-H2配列、および配列番号91から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-H3配列を含むV配列を含む。一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、配列番号31から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-H1配列、配列番号57から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-H2配列、および配列番号92から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-H3配列を含むV配列を含む。
一部の実施形態では、CD39に結合する抗体は、配列番号2を含むCDR-H1配列、配列番号33を含むCDR-H2配列、および配列番号59を含むCDR-H3配列を含むV配列を含み、かつPD-1に結合する抗体は、配列番号25を含むCDR-H1配列、配列番号51を含むCDR-H2配列、および配列番号86を含むCDR-H3配列を含むV配列を含む。
配列
一部の実施形態では、CD39に結合する抗体は、配列番号171~210、配列番号351、配列番号355、配列番号359、配列番号363、または配列番号367から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるV配列を含む。一部の実施形態では、CD39に結合する抗体は、配列番号172を含む、からなる、またはから本質的になるV配列を含む。
一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、配列番号211を含む、からなる、またはから本質的になるV配列を含む。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、配列番号212を含む、からなる、またはから本質的になるV配列を含む。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、配列番号213を含む、からなる、またはから本質的になるV配列を含む。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、配列番号214を含む、からなる、またはから本質的になるV配列を含む。
一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、配列番号215を含む、からなる、またはから本質的になるV配列を含む。一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、配列番号216を含む、からなる、またはから本質的になるV配列を含む。一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、配列番号217を含む、からなる、またはから本質的になるV配列を含む。
一部の実施形態では、CD39に結合する抗体は、配列番号172を含む、からなる、またはから本質的になるV配列を含み、かつPD-1に結合する抗体は、配列番号211を含む、からなる、またはから本質的になるV配列を含む。
抗体のCDR-L1+CDR-L2+CDR-L3領域
一部の実施形態では、CD39に結合する抗体は、配列番号93~107または配列番号333~337から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-L1配列、配列番号115~130または配列番号339~343から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-L2配列、および配列番号138~163または配列番号345~349から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-L3配列を含むV配列を含む。一部の実施形態では、CDR-L1配列、CDR-L2配列、およびCDR-L3配列の全ては、本開示において提供される単一の実例的なV配列からのものである。例えば、一部の実施形態では、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3の全ては、配列番号218~247、配列番号352、配列番号356、配列番号360、配列番号364、または配列番号368から選択される単一の実例的なV配列からのものである。一部の実施形態では、CD39に結合する抗体は、配列番号94を含むCDR-L1配列、配列番号116を含むCDR-L2配列、および配列番号139を含むCDR-L3配列を含むVL配列を含む。
一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、配列番号108~111から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-L1配列、配列番号131~134から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-L2配列、および配列番号164~167から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-L3配列を含むV配列を含む。一部の実施形態では、CDR-L1配列、CDR-L2配列、およびCDR-L3配列の全ては、本開示において提供される単一の実例的なV配列からのものである。例えば、一部の実施形態では、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3の全ては、配列番号248~251から選択される単一の実例的なV配列からのものである。
一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、配列番号108を含むCDR-L1配列、配列番号131を含むCDR-L2配列、およびCDR-L3配列配列番号164を含むVL配列を含む。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、配列番号109を含むCDR-L1配列、配列番号132を含むCDR-L2配列、およびCDR-L3配列配列番号165を含むVL配列を含む。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、配列番号110を含むCDR-L1配列、配列番号133を含むCDR-L2配列、およびCDR-L3配列配列番号166を含むVL配列を含む。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、配列番号111を含むCDR-L1配列、配列番号134を含むCDR-L2配列、およびCDR-L3配列配列番号167を含むVL配列を含む。
一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、配列番号112~114から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-L1配列、配列番号135~137から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-L2配列、および配列番号168~170から選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-L3配列を含むV配列を含む。一部の実施形態では、CDR-L1配列、CDR-L2配列、およびCDR-L3配列の全ては、本開示において提供される単一の実例的なV配列からのものである。例えば、一部の実施形態では、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3の全ては、配列番号252~254から選択される単一の実例的なV配列からのものである。
一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、配列番号112を含むCDR-L1配列、配列番号135を含むCDR-L2配列、およびCDR-L3配列配列番号168を含むVL配列を含む。一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、配列番号113を含むCDR-L1配列、配列番号136を含むCDR-L2配列、およびCDR-L3配列配列番号169を含むVL配列を含む。一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、配列番号114を含むCDR-L1配列、配列番号137を含むCDR-L2配列、およびCDR-L3配列配列番号170を含むVL配列を含む。
一部の実施形態では、CD39に結合する抗体は、配列番号94を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-L1配列、配列番号116を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-L2配列、および配列番号139を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-L3配列を含むV配列を含み、かつPD-1に結合する抗体は、配列番号108を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-L1配列、配列番号131を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-L2配列、および配列番号164を含む、からなる、またはから本質的になるCDR-L3配列を含むV配列を含む。
配列
一部の実施形態では、CD39に結合する抗体は、配列番号218~247、配列番号352、配列番号356、配列番号360、配列番号364、または配列番号368のいずれか1つから選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるV配列を含む。一部の実施形態では、CD39に結合する抗体は、配列番号219を含む、からなる、またはから本質的になるV配列を含む。
一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、配列番号248~251のいずれか1つから選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるV配列を含む。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、配列番号248を含む、からなる、またはから本質的になるV配列を含む。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、配列番号249を含む、からなる、またはから本質的になるV配列を含む。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、配列番号250を含む、からなる、またはから本質的になるV配列を含む。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、配列番号251を含む、からなる、またはから本質的になるV配列を含む。
一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、配列番号218~247のいずれか1つから選択される配列を含む、からなる、またはから本質的になるV配列を含む。一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、配列番号252を含む、からなる、またはから本質的になるV配列を含む。一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、配列番号253を含む、からなる、またはから本質的になるV配列を含む。一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、配列番号254を含む、からなる、またはから本質的になるV配列を含む。
一部の実施形態では、CD39に結合する抗体は、配列番号219を含む、からなる、またはから本質的になるV配列を含み、かつPD-1に結合する抗体は、配列番号248を含む、からなる、またはから本質的になるV配列を含む。
-Vペア
一部の実施形態では、CD39に結合する抗体はV配列およびV配列を含む。一部の実施形態では、V配列は、配列番号171~210、配列番号351、配列番号355、配列番号359、配列番号363、または配列番号367のいずれか1つを含む、からなる、またはから本質的になるV配列であり、かつV配列は、配列番号218~247、配列番号352、配列番号356、配列番号360、配列番号364、または配列番号368のいずれか1つを含む、からなる、またはから本質的になるV配列である。一部の実施形態では、CD39に結合する抗体は、配列番号172を含むV配列および配列番号219を含むV配列を含む。
一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体はV配列およびV配列を含む。一部の実施形態では、V配列は、配列番号211~214のいずれか1つを含む、からなる、またはから本質的になるV配列であり、かつV配列は、配列番号248~251のいずれか1つを含む、からなる、またはから本質的になるV配列である。
一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、配列番号211を含むV配列および配列番号248を含むV配列を含む。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、配列番号212を含むV配列および配列番号249を含むV配列を含む。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、配列番号213を含むV配列および配列番号250を含むV配列を含む。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、配列番号214を含むV配列および配列番号251を含むV配列を含む。
一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体はV配列およびV配列を含む。一部の実施形態では、V配列は、配列番号215~217のいずれか1つを含む、からなる、またはから本質的になるV配列であり、かつV配列は、配列番号252~254のいずれか1つを含む、からなる、またはから本質的になるV配列である。
一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、配列番号215を含むV配列および配列番号252を含むV配列を含む。一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、配列番号216を含むV配列および配列番号253を含むV配列を含む。一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、配列番号217を含むV配列および配列番号254を含むV配列を含む。
一部の実施形態では、CD39に結合する抗体は、配列番号172を含むV配列および配列番号219を含むV配列を含み、かつPD-1に結合する抗体は、配列番号211を含むV配列および配列番号248を含むV配列を含む。
CDR-H1+CDR-H2+CDR-H3+CDR-L1+CDR-L2+CDR-L3
一部の実施形態では、CD39に結合する抗体は、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHおよび/またはVLは、
a)配列番号1~21または配列番号315~319のいずれか1つに示される配列を有するVHCDR1、
b)配列番号32~50または配列番号321~325のいずれか1つに示される配列を有するVHCDR2、
c)配列番号58~85または配列番号327~331のいずれか1つに示される配列を有するVHCDR3、
d)配列番号93~107または配列番号333~337のいずれか1つに示される配列を有するVLCDR1、
e)配列番号115~130または配列番号339~343のいずれか1つに示される配列を有するVLCDR2、および
f)配列番号138~163または配列番号345~349のいずれか1つに示される配列を有するVLCDR3
のうちの1、2、3、4、5、または6つを含む。
一部の実施形態では、CD39に結合する抗体は、配列番号2を含むCDR-H1配列、配列番号33を含むCDR-H2配列、および配列番号59を含むCDR-H3配列を含むV配列、ならびに配列番号94を含むCDR-L1配列、配列番号116を含むCDR-L2配列、およびCDR-L3配列配列番号139を含むVL配列を含む。
一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、配列番号25を含むCDR-H1配列、配列番号51を含むCDR-H2配列、および配列番号86を含むCDR-H3配列を含むV配列、ならびに配列番号108を含むCDR-L1配列、配列番号131を含むCDR-L2配列、およびCDR-L3配列配列番号164を含むVL配列を含む。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、配列番号26を含むCDR-H1配列、配列番号52を含むCDR-H2配列、および配列番号87を含むCDR-H3配列を含むV配列、ならびに配列番号109を含むCDR-L1配列、配列番号132を含むCDR-L2配列、およびCDR-L3配列配列番号165を含むVL配列を含む。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、配列番号27を含むCDR-H1配列、配列番号53を含むCDR-H2配列、および配列番号88を含むCDR-H3配列を含むV配列、ならびに配列番号110を含むCDR-L1配列、配列番号133を含むCDR-L2配列、およびCDR-L3配列配列番号166を含むVL配列を含む。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、配列番号28を含むCDR-H1配列、配列番号54を含むCDR-H2配列、および配列番号89を含むCDR-H3配列を含むV配列、ならびに配列番号111を含むCDR-L1配列、配列番号134を含むCDR-L2配列、およびCDR-L3配列配列番号167を含むVL配列を含む。
一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、配列番号29を含むCDR-H1配列、配列番号55を含むCDR-H2配列、および配列番号90を含むCDR-H3配列を含むV配列、ならびに配列番号112を含むCDR-L1配列、配列番号135を含むCDR-L2配列、およびCDR-L3配列配列番号168を含むVL配列を含む。一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、配列番号30を含むCDR-H1配列、配列番号56を含むCDR-H2配列、および配列番号91を含むCDR-H3配列を含むV配列、ならびに配列番号113を含むCDR-L1配列、配列番号136を含むCDR-L2配列、およびCDR-L3配列配列番号169を含むVL配列を含む。一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、配列番号31を含むCDR-H1配列、配列番号57を含むCDR-H2配列、および配列番号92を含むCDR-H3配列を含むV配列、ならびに配列番号114を含むCDR-L1配列、配列番号137を含むCDR-L2配列、およびCDR-L3配列配列番号170を含むVL配列を含む。
一部の実施形態では、CD39に結合する抗体は、配列番号2を含むCDR-H1配列、配列番号33を含むCDR-H2配列、および配列番号59を含むCDR-H3配列を含むV配列、ならびに配列番号94を含むCDR-L1配列、配列番号116を含むCDR-L2配列、およびCDR-L3配列配列番号139を含むVL配列を含み、かつPD-1に結合する抗体は、配列番号25を含むCDR-H1配列、配列番号51を含むCDR-H2配列、および配列番号86を含むCDR-H3配列を含むV配列、ならびに配列番号108を含むCDR-L1配列、配列番号131を含むCDR-L2配列、およびCDR-L3配列配列番号164を含むVL配列を含む。
HC+LC
一部の実施形態では、CD39、PD-1、またはPD-L1に結合する抗体は、HC配列からなる1つまたは複数の重鎖およびLC配列からなる1つまたは複数の軽鎖を含むまたはからなる。一部の実施形態では、CD39、PD-1、またはPD-L1に結合する抗体は、HC配列からなる2つの同一の重鎖およびLC配列からなる2つの同一の軽鎖を含むまたはからなる。
一部の実施形態では、CD39に結合する抗体のHC配列は、配列番号255、257、259、261、263、265、267、269、271、273、275、277、279、281、283、285、287、289、291、293、295、297、353、357、361、365、または369のいずれか1つを含む、からなる、またはから本質的になるHC配列であり、かつCD39に結合する抗体のLC配列は、配列番号256、258、260、262、264、266、268、270、272、274、276、278、280、282、284、286、288、290、292、294、296、298、354、358、362、366、または370のいずれか1つを含む、からなる、またはから本質的になるLC配列である。一部の実施形態では、CD39に結合する抗体のHC配列は、配列番号255からなるHC配列であり、かつLC配列は、配列番号256からなるLC配列である。一部の実施形態では、CD39に結合する抗体のHC配列は、配列番号353からなるHC配列であり、かつLC配列は、配列番号354からなるLC配列である。
一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体のHC配列は、配列番号299、300、302、304、または306のいずれか1つを含む、からなる、またはから本質的になるHC配列であり、かつPD-1に結合する抗体のLC配列は、配列番号301、303、305、または307のいずれか1つを含む、からなる、またはから本質的になるLC配列である。
一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体のHC配列は、配列番号299からなるHC配列であり、かつLC配列は、配列番号301からなるLC配列である。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体のHC配列は、配列番号300からなるHC配列であり、かつLC配列は、配列番号301からなるLC配列である。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体のHC配列は、配列番号302からなるHC配列であり、かつLC配列は、配列番号303からなるLC配列である。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体のHC配列は、配列番号304からなるHC配列であり、かつLC配列は、配列番号305からなるLC配列である。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体のHC配列は、配列番号306からなるHC配列であり、かつLC配列は、配列番号307からなるLC配列である。
一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体のHC配列は、配列番号308、310、または312のいずれか1つを含む、からなる、またはから本質的になるHC配列であり、かつPD-L1に結合する抗体のLC配列は、配列番号309、311、または313のいずれか1つを含む、からなる、またはから本質的になるLC配列である。
一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体のHC配列は、配列番号308からなるHC配列であり、かつLC配列は、配列番号309からなるLC配列である。一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体のHC配列は、配列番号310からなるHC配列であり、かつLC配列は、配列番号311からなるLC配列である。一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体のHC配列は、配列番号312からなるHC配列であり、かつLC配列は、配列番号313からなるLC配列である。
一部の実施形態では、CD39に結合する抗体のHC配列は、配列番号255を含むまたはからなるHC配列であり、かつLC配列は、配列番号256を含むまたはからなるLC配列であり、かつPD-1に結合する抗体のHC配列は、配列番号299を含むまたはからなるHC配列であり、かつLC配列は、配列番号301を含むまたはからなるLC配列である。一部の実施形態では、CD39に結合する抗体のHC配列は、配列番号255を含むまたはからなるHC配列であり、かつLC配列は、配列番号256を含むまたはからなるLC配列であり、かつPD-1に結合する抗体のHC配列は、配列番号300を含むまたはからなるHC配列であり、かつLC配列は、配列番号301を含むまたはからなるLC配列である。
一部の実施形態では、CD39に結合する抗体のHC配列は、配列番号353を含むまたはからなるHC配列であり、かつLC配列は、配列番号354を含むまたはからなるLC配列であり、かつPD-1に結合する抗体のHC配列は、配列番号299を含むまたはからなるHC配列であり、かつLC配列は、配列番号301を含むまたはからなるLC配列である。一部の実施形態では、CD39に結合する抗体のHC配列は、配列番号353を含むまたはからなるHC配列であり、かつLC配列は、配列番号354を含むまたはからなるLC配列であり、かつPD-1に結合する抗体のHC配列は、配列番号300を含むまたはからなるHC配列であり、かつLC配列は、配列番号301を含むまたはからなるLC配列である。
グリコシル化バリアント
ある特定の実施形態では、本発明の抗体は、それがグリコシル化される程度を増加、減少または排除するように変更されてもよい。ポリペプチドのグリコシル化は、典型的には、「N結合型」または「O結合型」のいずれかである。
「N結合型」グリコシル化は、炭水化物部分の、アスパラギン残基の側鎖への取付けを指す。トリペプチド配列アスパラギン-X-セリンおよびアスパラギン-X-スレオニン(ここで、Xは、プロリンを除く任意のアミノ酸である)は、炭水化物部分のアスパラギン側鎖への酵素取付け用の認識配列である。そのため、ポリペプチド中のこれらのトリペプチド配列のいずれかの存在は潜在的なグリコシル化部位を作り出す。
「O結合型」グリコシル化は、糖N-アセチルガラクトサミン、ガラクトース、またはキシロースの1つの、ヒドロキシアミノ酸、最も一般的にはセリンまたはスレオニンへの取付けを指すが、5-ヒドロキシプロリンまたは5-ヒドロキシリジンもまた使用されてもよい。
抗体に対するN結合型グリコシル化部位の付加または欠失は、上記のトリペプチド配列の1つまたは複数が作出または除去されるようにアミノ酸配列を変更することにより達成されてもよい。O結合型グリコシル化部位の付加または欠失は、抗体の配列中のまたは(場合により)抗体の配列への1つまたは複数のセリンまたはスレオニン残基の付加、欠失、または置換により達成されてもよい。
ある特定の実施形態では、抗体はグリコシル化される。ある特定の実施形態では、抗体は脱グリコシル化される。炭水化物は、標準的な技術により除去されてもよい。ある特定の実施形態では、抗体は、例えば、グリコシル化しない系における発現により、非グリコシル化される。
抗体の調製
抗原の調製
CD39、PD-1、またはPD-L1抗原は、抗体の製造のために使用されてもよいインタクトなCD39またはCD39の断片であってもよい。インタクトなCD39、またはCD39の断片は、単離されたタンパク質の形態であってもよく、または細胞により発現されてもよい。抗体を生成するために有用なCD39の他の形態は当業者に明らかである。
モノクローナル抗体
一部の実施形態では、CD39、PD-1、および/またはPD-L1に結合する抗体はモノクローナル抗体である。モノクローナル抗体は、例えば、Kohler et al.,Nature,1975,256:495-497により最初に記載されたハイブリドーマ法、および/または組換えDNA法(例えば、米国特許第4,816,567号明細書を参照)を使用して、得られてもよい。モノクローナル抗体はまた、例えば、ファージまたは酵母ベースのライブラリーを使用して、得られてもよい。例えば、米国特許第8,258,082号明細書および同第8,691,730号明細書を参照。
ハイブリドーマ法において、免疫化のために使用されるタンパク質に特異的に結合する抗体を産生するまたは産生することができるリンパ球を誘発するためにマウスまたは他の適切な宿主動物が免疫化される。代替的に、リンパ球はin vitroで免疫化されてもよい。リンパ球は次に、好適な融合剤、例えば、ポリエチレングリコールを使用して骨髄腫細胞と融合され、ハイブリドーマ細胞が形成される。Goding J.W.,Monoclonal Antibodies:Principles and Practice 3rd ed.(1986)Academic Press,San Diego,CAを参照。
未融合の親骨髄腫細胞の成長または生存を阻害する1つまたは複数の物質を含有する好適な培養培地中にハイブリドーマ細胞は播種され、生育される。例えば、親骨髄腫細胞が酵素ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRTまたはHPRT)を欠く場合、ハイブリドーマ用の培養培地は、典型的には、ヒポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジンを含み(HAT培地)、これらの物質はHGPRT欠損細胞の成長を防止する。
有用な骨髄腫細胞は、効率的に融合し、選択された抗体産生細胞による抗体の安定な高レベルの産生をサポートし、かつ感受性培地条件、例えば、HAT培地の存在または非存在であるものである。これらの好ましい骨髄腫細胞系の中には、マウス骨髄腫系、例えば、MOP-21およびMC-11マウス腫瘍(Salk Institute Cell Distribution Center、San Diego、CAから入手可能)、ならびにSP-2またはX63-Ag8-653細胞(American Type Culture Collection、Rockville、MDから入手可能)に由来するものがある。ヒト骨髄腫およびマウス-ヒトヘテロ骨髄腫細胞系もまたヒトモノクローナル抗体の製造のために記載されている。Kozbor,J.Immunol.,1984,133:3001を参照。
所望の特異性、親和性、および/または生物学的活性の抗体を産生するハイブリドーマ細胞の同定後に、選択されたクローンは、限界希釈手順によりサブクローニングされ、標準的な方法により生育されてもよい。Goding,上掲を参照。この目的のための好適な培養培地は、例えば、D-MEMまたはRPMI-1640培地を含む。追加的に、ハイブリドーマ細胞は、動物中の腹水腫瘍としてin vivoで生育されてもよい。
モノクローナル抗体をコードするDNAは、従来の手順(例えば、モノクローナル抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを使用することによる)を使用して容易に単離し、シークエンシングすることができる。そのため、ハイブリドーマ細胞は、所望の特性を有する抗体をコードするDNAの有用な供給源として役立ち得る。DNAが単離されたら、それは発現ベクターに入れられてもよく、発現ベクターは次に、宿主細胞、例えば、細菌(例えば、大腸菌(E.coli))、酵母(例えば、サッカロミセス(Saccharomyces)もしくはピキア(Pichia)属菌)、COS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、またはさもなければ抗体を産生しない骨髄腫細胞にトランスフェクトされてモノクローナル抗体が産生される。
ヒト化抗体
ヒト化抗体は、モノクローナル抗体の構造部分のほとんど、または全てを、対応するヒト抗体配列で置き換えることにより生成されてもよい。結果として、抗原特異的な可変、またはCDRのみが非ヒト配列から構成されるハイブリッド分子が生成される。ヒト化抗体を得る方法としては、例えば、Winter and Milstein,Nature,1991,349:293-299;Rader et al.,Proc.Nat.Acad.Sci.U.S.A.,1998,95:8910-8915;Steinberger et al.,J.Biol.Chem.,2000,275:36073-36078;Queen et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,1989,86:10029-10033;ならびに米国特許第5,585,089号明細書、同第5,693,761号明細書、同第5,693,762号明細書、および同第6,180,370号明細書に記載されるものが挙げられる。
一部の実施形態では、CD39に結合する抗体は、クローンB66を含むヒト化抗CD39である。一部の実施形態では、PD-1に結合する抗体は、クローンRMP1-14を含むヒト化抗PD-1である。一部の実施形態では、PD-L1に結合する抗体は、クローン10F.9G2を含むヒト化抗PD-L1である。
ヒト抗体
ヒト抗体は、当該技術分野において公知の様々な技術により、例えば、トランスジェニック動物(例えば、ヒト化マウス)を使用することにより、生成することができる。例えば、Jakobovits et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,1993,90:2551;Jakobovits et al.,Nature,1993,362:255-258;Bruggermann et al.,Year in Immuno.,1993,7:33;ならびに米国特許第5,591,669号明細書、同第5,589,369号明細書および同第5,545,807号明細書を参照。ヒト抗体はまた、ファージ-ディスプレイライブラリーに由来することができる(例えば、Hoogenboom et al.,J.Mol.Biol.,1991,227:381-388;Marks et al.,J.Mol.Biol.,1991,222:581-597;ならびに米国特許第5,565,332号明細書および同第5,573,905号明細書を参照)。ヒト抗体はまた、in vitro活性化B細胞により生成されてもよい(例えば、米国特許第5,567,610号明細書および同第5,229,275号明細書を参照)。ヒト抗体はまた、酵母ベースのライブラリーに由来してもよい(例えば、米国特許第8,691,730号明細書を参照)。
がん
がんに対して、本発明の抗体は、一般に、薬学的に許容される投薬形態でヒトまたは哺乳動物ヒトに投与される。一部の実施形態では、がんは血液がんである。任意の好適ながんが、本明細書において提供される抗体を用いて治療され得る。一部の実施形態では、がんは固形がんである。一部の実施形態では、がんは、転移性非小細胞肺がん(NSCLC)、転移性頭頸部扁平細胞癌(HNSCC)、黒色腫、腎細胞癌、転移性皮膚扁平細胞癌、ホジキンリンパ腫、およびDNAミスマッチ修復欠損または高頻度マイクロサテライト不安定性状態を伴う切除不能または転移性固形腫瘍からなる群から選択される。一部の実施形態では、対象は、白金療法後に再発性または進行性である。
一部の実施形態では、方法は、アッセイにおいて炎症促進性サイトカイン分泌を増強する。一部の実施形態では、サイトカインは、IL-2、IFN-γ、またはTNF-αから選択されるサイトカインの1つまたは複数である。一部の実施形態では、方法は、アッセイにおいてT細胞増殖および/または細胞傷害性を増強する。一部の実施形態では、T細胞はCD4細胞および/またはCD8細胞を含むまたはからなる。一部の実施形態では、アッセイはone-way MLRまたはtwo-way MLRを含む。一部の実施形態では、アッセイはT細胞刺激アッセイを含む。
一部の実施形態では、方法は抗腫瘍応答を増強する。一部の実施形態では、方法は、MC38同系腫瘍モデルまたはCT26同系腫瘍モデルにおいて抗腫瘍応答を増強する。
実施例1:ヒト免疫細胞の単離および精製
Lymphoprep(商標)(Stemcell Technologies)、密度勾配媒体を使用してLeuko pak(StemCell Technologies、Vancouver、Canada)から初代細胞を直接的に単離した。単離後に、細胞を液体窒素中で凍結保存および貯蔵した。
実施例2:one-way混合リンパ球反応
one-way混合リンパ球反応のために、凍結したPBMCを解凍し、EasySep(商標) Human Monocyte Isolation Kit(Stemcell Technologies)を生産者のプロトコールにしたがって使用して単球を単離した。IL-4およびGM-CSF(R&D Systems、Minneapolis、MN)を用いて7日間、単球を樹状細胞(DC)に分化させた。
別々に、EasySep(商標) Human T cell Isolation Kit(Stemcell Technologies)を使用して汎T細胞をアロ反応性ドナーから単離し、Cell Trace Violet(CTV)(ThermoFisher、Waltham、MA)を用いて染色した。DCをT細胞と混合し、50μg/mlの抗CD39抗体(HC配列番号255およびLC配列番号256)ならびに/または抗PD-1抗体(ペムブロリズマブ、Merck、Kenilworth、NJ、HC配列番号304およびLC配列番号305)を用いて処理した。代替的に、処理は、抗CD39抗体ならびに/または抗PD-L1抗体(アテゾリズマブ、Genentech、South San Francisco、CA、HC配列番号308およびLC配列番号309)を含んだ。ATP(Acros Organics、Geel、Belgium)を一部の反応物に100μMの最終濃度で加えた。上清を6日後に回収し、Meso Scale Discovery human cytokine kit(MSD、Rockville、MD)を使用してサイトカインを測定した。蛍光標識された抗CD3、抗CD8および抗CD4抗体(Biolegend、San Diego、CA)を使用して細胞を染色した。CTV色素希釈法を使用してフローサイトメトリーにより世代倍化を追跡することにより分裂を起こしているT細胞のパーセンテージとしてCD4 T細胞およびCD8 T細胞の増殖を測定した。
図1は、抗CD39および抗PD-1の組み合わせた処理は、one-way MLRにおいて(A)CD4 T細胞増殖または(B)CD8 T細胞増殖を増強することを示す。増殖は、分裂を起こしたそれぞれ総CD4 T細胞またはCD8 T細胞のパーセンテージとして描写される。(A)x軸は使用された抗体の種類を描写し、y軸はCD4 T細胞増殖またはCD8+ T細胞増殖%をそれぞれ示す。点線は、抗CD39処理試料の増殖パーセントを指し示す。両側スチューデントT検定を使用して有意性を決定した;*P<0.05。
図2は、抗CD39抗体および(A)抗PD-1抗体の組み合わせた処理は、one-way MLRにおいて炎症促進性サイトカイン分泌を増強することを示す。サイトカインの種類は各図の上に描写される。x軸は、検出されたサイトカインの量を描写する。IL-2(左パネル)、IFN-γ(中央パネル)およびTNF-αの分泌を6日の共培養後に培養上清中で測定した。点線は、6日の共培養後の抗CD39処理のみを用いたサイトカイン濃度を指し示す。両側スチューデントT検定を使用して有意性を決定し、有意性は、抗CD39および抗PD-1の組合せに対する抗PD-1についてのみ試験した;*P<0.05、** P<0.01。一部の事例(B)では、抗PD-1抗体はペムブロリズマブである。IL-2(左パネル)、IFN-γ(中央パネル)およびTNF-αの分泌を100μMのATPの存在下での5日の共培養後に培養上清中で測定した。点線は、5日の共培養後の抗CD39処理のみを用いたサイトカイン濃度を指し示す。両側スチューデントT検定を使用して有意性を決定し、点線は5日の共培養後のサイトカイン濃度を指し示す。両側スチューデントT検定を使用して有意性を決定し、有意性は、抗CD39および抗PD-1の組合せに対する抗PD-1についてのみ試験した;*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001、****P<0.00001。
図2によれば、IL-2、IFN-γ、およびTNF-αのそれぞれは、抗CD39抗体および抗PD-1のいずれか単独とは対照的に抗CD39抗体および抗PD-1抗体の組み合わせた処理を用いて増強される。一例では、抗PD-1抗体はペムブロリズマブである。
図3は、抗CD39抗体および抗PD-L1抗体を用いた組合せ処理は、(A)CD8 T細胞増殖および(B)炎症促進性サイトカイン産生を増強することを示す。CD8 T細胞増殖は、分裂を起こした総CD8 T細胞のパーセンテージとして描写される。100μMのATPの存在下での5日の共培養後に、上清を収集し、IL-2、IFN-γ、およびTNF-αを含むサイトカインを測定した。点線は、抗CD39のみを用いて処理された細胞の増殖パーセント(A)またはサイトカイン濃度(B)を指し示す。両側スチューデントT検定を使用して有意性を決定した;*P<0.05、**P<0.01。
図3によれば、CD8 T細胞増殖ならびにIL-2、IFN-γ、およびTNF-αのそれぞれは、抗CD39抗体および抗PD-1のいずれか単独とは対照的に抗CD39抗体および抗PD-L1抗体の組み合わせた処理を用いて増強される。抗PD-L1抗体はアテゾリズマブであってもよい。
実施例3:two-way混合リンパ球反応
アロ反応性ドナーのペアからの全PBMCを混合し、50μg/mlの抗CD39(HC配列番号255およびLC配列番号256)ならびに/または抗PD-1(ペムブロリズマブ、Merck、Kenilworth、NJ、HC配列番号304およびLC配列番号305)を用いて処理した。代替的に、他に記載されなければ50μMまたは100μMのいずれかの最終濃度で、hG4フォーマットにおいて可変ドメインを有する抗CD39抗体SRF360(HC配列番号353およびLC配列番号354 ATP(Acros Organics、Geel、Belgium))を全ての反応物に加えた。上清を6日後に回収し、Meso Scale Discovery human cytokine kit(MSD、Rockville、MD)を使用してサイトカインを測定した。代替的に、IL-2 Quantikine ELISA(R&D Systems、Minneapolis、MN)を使用してIL-2を定量化した。
図4(A)は、抗CD39抗体および抗PD-1抗体の組み合わせた処理は、two-way MLRにおいて炎症促進性サイトカイン分泌を増強することを示す。各パネルは独特のアロ反応性ドナーペアを描写する。x軸は使用された抗体の種類を描写し、y軸はIL-2の量を描写する。上の点線は抗CD39処理試料からのIL-2分泌を描写し、下の点線はアイソタイプマッチの対照抗体を用いたIL-2分泌を描写する。両側スチューデントT検定を使用して有意性を決定し、有意性は、抗CD39および抗PD-1の組合せに対する抗PD-1についてのみ試験した;** P<0.01。(B)は、抗CD39抗体および抗PD-1抗体の組み合わせた処理は、抗CD39抗体がSRF360であり、抗PD-1抗体がペムブロリズマブである場合にtwo-way MLRにおいて炎症促進性サイトカイン分泌を増強することを示す。x軸は使用された抗体の種類を描写し、y軸はIL-2の量を描写する。点線は、抗CD39処理試料からのIL-2分泌を描写する。両側スチューデントT検定を使用して有意性を決定し、有意性は、抗CD39および抗PD-1の組合せに対する抗PD-1についてのみ試験した;**P<0.01、***P<0.001。
実施例4:T細胞刺激アッセイ
PBMCを生存可能に解凍し、CTV(ThermoFisher)を使用して染色した。CD3およびCD28細胞表面リガンドに結合する可溶性の四量体抗体複合体を含有するImmunocult(StemCell Technologies)を用いてPBMCを活性化させた。活性化した培養物を25μg/mlの抗CD39抗体(HC配列番号255およびLC配列番号256)ならびに/または50μg/mlの抗PD-1抗体(ペムブロリズマブ、Merck、Kenilworth、NJ、HC配列番号304およびLC配列番号305)を用いて処理した。「無ATP」対照において指し示される場合を除いてATP(50μM、Acros Organics)を全ての反応物に加えた。上清を5日後に回収し、Meso Scale Discovery human cytokine kit(MSD、Rockville、MD)を使用してサイトカインを測定した。蛍光標識された抗CD3および抗CD8抗体(Biolegend、San Diego、CA)を使用してCD8 T細胞を識別し、CTV色素希釈法を使用してフローサイトメトリーにより増殖を算出した。
図4は、抗CD39抗体および抗PD-1抗体の組み合わせた処理は、T細胞増殖および刺激されたPBMCからの炎症促進性サイトカイン分泌を増強することを示す。x軸は使用された抗体の種類およびATPの非存在を描写する。左パネルのy軸はCD8増殖%を描写し、右パネルのy軸はTNF-αの量を描写する。上の点線は無ATP対照を指定し、下の点線はアイソタイプ対照を指定する。両側スチューデントT検定を使用して有意性を決定した;**P<0.01。
抗PD-1抗体と組み合わせた抗CD39抗体は、抗PD-1処理単独よりも高く、刺激されたヒトCD8 T細胞の増殖および(B)TNF-αの分泌を有意に増加させる。
実施例5:MC38を伴うIn-Vivo研究
MC38腫瘍研究のために、C57BL/6マウスの脇腹の皮下に0日目に5×10個のMC38細胞を注射した。4日目に、マウスの腹腔内に250μgのアイソタイプ対照(BioXcell、クローンMOPC-21)または抗CD39抗体(クローンB66)のいずれかを与えた。7日目に各群の腹腔内に初期治療の追加投与および250μgの抗PD-L1(BioXcell、クローン10F.9G2)またはアイソタイプ対照(BioXcell、クローンLTF-2)のいずれかを与えた。11、14、および18日目にマウスに同じレジメンを続けた。
図5は、抗PD-L1療法と組み合わせた抗CD39は、MC38同系モデルにおいて抗腫瘍応答を増強することを示す。曲線は平均腫瘍体積を描写し、エラーバーはSEMを指し示した。ダンの多重比較検定を伴う一元配置ANOVAを使用して有意性を決定した;*P<0.05。鉛直の破線は、8、12、15、および19日目の薬物組合せ投薬を指し示す。x軸は移植後の日数を示し、y軸は腫瘍体積を示す。
CT26腫瘍研究のために、BALB/cマウスの皮下に0日目に1×10個のCT26細胞を注射した。5日目に、250μgのアイソタイプ(BioXcell、クローンMOPC-21)または抗CD39(クローンB66)のいずれかを腹腔内に用いてマウスを治療した。8日目に、各群をさらに無作為化し、初期5日目治療および250μgの抗PD-1(BioXcell、クローンRMP1-14)またはアイソタイプ対照(BioXcell、クローン2A3)のいずれかを腹腔内に用いて治療した。その後に、12、15、および19日目に割り当てられた併用療法での研究を全てのマウスで続けた。
図6は、抗CD39抗体は、CT26同系腫瘍モデルにおいて単剤活性および抗PD-1抗体との組合せ効果を実証することを示す。抗CD39および抗PD-1の組合せは、いずれかの単剤療法単独と比較して完全奏効の数を増加させる。(n=10動物/治療群のうちの)見られた完全奏効の数は、各治療について曲線の右までで指し示される。曲線は平均腫瘍体積を描写し、エラーバーはSEMを指し示した。鉛直の破線は、8、12、15、および19日目の薬物組合せ投薬を指し示す。x軸は移植後の日数を示し、y軸は腫瘍体積を示す。
抗CD39治療または抗CD39+抗PD-1併用治療後に完全な退縮を伴う動物に、元々の腫瘍負荷(鉛直の破線により指し示される)後49日目に1×10個のCT26細胞を皮下に用いて再負荷を行った。完全奏効は、無作為化時に触知可能な腫瘍を有したが後に検出不可能となった動物として定義した。腫瘍ナイーブ動物を対照とし、腫瘍進行に起因して対照動物を研究から除去すべき時まで腫瘍成長を測定した。
式TV=0.5×(L×W)(式中、長さ(L)は腫瘍の最長寸法であり、幅(W)は長さに対して垂直な最長寸法である)を使用して腫瘍体積を評価した。Prism V8.0ソフトウェア(GraphPad Software、San Diego、CA)を使用して治療の統計的有意性を評価した。
図7は、抗CD39抗体を用いた単剤療法ならびに抗CD39抗体および抗PD-1抗体を用いた併用療法後に完全奏効を伴った動物は腫瘍負荷に対して抵抗性であったことを示す。曲線は5匹の腫瘍ナイーブ動物(49日目に開始)、以前の抗CD39抗体治療を用いたn=3の動物ならびに以前の抗CD39および抗PD-1の併用治療を用いたn=8の動物のみについて再負荷を行った動物についての平均腫瘍体積を描写する。エラーバーはSEMを指し示した。x軸は移植後の日数を示し、y軸は腫瘍体積を示す。
実施例S:配列
表Sは、本明細書において参照される配列を提供する。
表S 配列
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均等
上記に示される開示は、独立した有用性を有する複数の別個の発明を包含することができる。これらの発明のそれぞれをその好ましい形態において開示したが、本明細書において開示および説明されるようなその特有の実施形態は、限定的な意味で考えられるべきではなく、多数のバリエーションが可能である。本発明の主題は、本明細書に開示される様々な要素、特徴、機能、および/または特性の全ての新規かつ非自明の組合せおよび部分的組合せを含む。以下の請求項は、新規かつ非自明であるとみなされるある特定の組合せおよび部分的組合せを特に指摘する。特徴、機能、要素、および/または特性の他の組合せおよび部分的組合せにおいて具現化された発明は、本出願、本出願からの優先権を主張する出願、または関連出願においてクレームされ得る。そのような請求項もまた、異なる発明または同じ発明のいずれを対象とするものであれ、元々の請求項と比較してより広い、より狭い、等しい、または異なる範囲のいずれであれ、本開示の発明の主題の範囲内に含まれるものとみなされる。

Claims (27)

  1. がんを患う対象の治療方法であって、前記対象に治療有効量のCD39に結合する抗体ならびに治療有効量のPD-1および/またはPD-L1に結合する抗体を投与することを含む、方法。
  2. CD39に結合する前記抗体が、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHおよび/またはVLが、
    a)配列番号1~21または配列番号315~319のいずれか1つに示される配列を有するVHCDR1、
    b)配列番号32~50または配列番号321~325のいずれか1つに示される配列を有するVHCDR2、
    c)配列番号58~85または配列番号327~331のいずれか1つに示される配列を有するVHCDR3、
    d)配列番号93~107または配列番号333~337のいずれか1つに示される配列を有するVLCDR1、
    e)配列番号115~130または配列番号339~343のいずれか1つに示される配列を有するVLCDR2、および
    f)配列番号138~163または配列番号345~349のいずれか1つに示される配列を有するVLCDR3、を含む、請求項1に記載の方法。
  3. CD39に結合する前記抗体が、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHが、配列番号171~210、配列番号351、配列番号355、配列番号359、配列番号363、または配列番号367に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLが、配列番号218~247、配列番号352、配列番号356、配列番号360、配列番号364、または配列番号368に示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. PD-1に結合する前記抗体が、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHおよび/またはVLが、
    a)配列番号25に示される配列を有するVHCDR1、
    b)配列番号51に示される配列を有するVHCDR2、
    c)配列番号86に示される配列を有するVHCDR3、
    d)配列番号108に示される配列を有するVLCDR1、
    e)配列番号131に示される配列を有するVLCDR2、および
    f)配列番号164に示される配列を有するVLCDR3、を含む、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
  5. PD-1に結合する前記抗体が、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHが、配列番号211に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLが、配列番号248に示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる、請求項4に記載の方法。
  6. PD-1に結合する前記抗体が、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHおよび/またはVLが、
    a)配列番号26に示される配列を有するVHCDR1、
    b)配列番号52に示される配列を有するVHCDR2、
    c)配列番号87に示される配列を有するVHCDR3、
    d)配列番号109に示される配列を有するVLCDR1、
    e)配列番号132に示される配列を有するVLCDR2、および
    f)配列番号165に示される配列を有するVLCDR3、を含む、請求項1~4に記載の方法。
  7. PD-1に結合する前記抗体が、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHが、配列番号212に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLが、配列番号249に示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる、請求項6に記載の方法。
  8. PD-1に結合する前記抗体が、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHおよび/またはVLが、
    a)配列番号27に示される配列を有するVHCDR1、
    b)配列番号53に示される配列を有するVHCDR2、
    c)配列番号88に示される配列を有するVHCDR3、
    d)配列番号110に示される配列を有するVLCDR1、
    e)配列番号133に示される配列を有するVLCDR2、および
    f)配列番号166に示される配列を有するVLCDR3、を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  9. PD-1に結合する前記抗体が、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHが、配列番号213に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLが、配列番号250に示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる、請求項8に記載の方法。
  10. PD-1に結合する前記抗体が、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHおよび/またはVLが、
    a)配列番号28に示される配列を有するVHCDR1、
    b)配列番号54に示される配列を有するVHCDR2、
    c)配列番号89に示される配列を有するVHCDR3、
    d)配列番号111に示される配列を有するVLCDR1、
    e)配列番号134に示される配列を有するVLCDR2、および
    f)配列番号167に示される配列を有するVLCDR3、を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  11. PD-1に結合する前記抗体が、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHが、配列番号214に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLが、配列番号251に示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる、請求項10に記載の方法。
  12. PD-L1に結合する前記抗体が、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHおよび/またはVLが、
    a)配列番号29に示される配列を有するVHCDR1、
    b)配列番号55に示される配列を有するVHCDR2、
    c)配列番号90に示される配列を有するVHCDR3、
    d)配列番号112に示される配列を有するVLCDR1、
    e)配列番号135に示される配列を有するVLCDR2、および
    f)配列番号168に示される配列を有するVLCDR3、を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  13. PD-L1に結合する前記抗体が、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHが、配列番号215に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLが、配列番号252に示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる、請求項12に記載の方法。
  14. PD-L1に結合する前記抗体が、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHおよび/またはVLが、
    a)配列番号30に示される配列を有するVHCDR1、
    b)配列番号56に示される配列を有するVHCDR2、
    c)配列番号91に示される配列を有するVHCDR3、
    d)配列番号113に示される配列を有するVLCDR1、
    e)配列番号136に示される配列を有するVLCDR2、および
    f)配列番号169に示される配列を有するVLCDR3、を含む、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
  15. PD-L1に結合する前記抗体が、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHが、配列番号216に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLが、配列番号253に示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる、請求項14に記載の方法。
  16. PD-L1に結合する前記抗体が、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHおよび/またはVLが、
    a)配列番号31に示される配列を有するVHCDR1、
    b)配列番号57に示される配列を有するVHCDR2、
    c)配列番号92に示される配列を有するVHCDR3、
    d)配列番号114に示される配列を有するVLCDR1、
    e)配列番号137に示される配列を有するVLCDR2、および
    f)配列番号170に示される配列を有するVLCDR3、を含む、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
  17. PD-L1に結合する前記抗体が、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHが、配列番号217に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLが、配列番号254に示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる、請求項16に記載の方法。
  18. 前記がんが固形がんである、請求項1~17のいずれかに記載の方法。
  19. 前記がんが、転移性非小細胞肺がん(NSCLC)、転移性頭頸部扁平細胞癌(HNSCC)、黒色腫、腎細胞癌、転移性皮膚扁平細胞癌、ホジキンリンパ腫、およびDNAミスマッチ修復欠損または高頻度マイクロサテライト不安定性状態を伴う切除不能または転移性固形腫瘍からなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
  20. 前記対象が、白金療法後に再発性または進行性である、請求項18または請求項19に記載の方法。
  21. 前記対象がヒト対象である、請求項1~20のいずれかに記載の方法。
  22. 前記方法が炎症促進性サイトカイン分泌を増強する、請求項1~21のいずれかに記載の方法。
  23. 前記サイトカインが、IL-2、IFN-γ、またはTNF-αから選択されるサイトカインの1つまたは複数である、請求項22に記載の方法。
  24. 前記方法がT細胞増殖および/または細胞傷害性を増強する、請求項1~23のいずれかに記載の方法。
  25. 前記方法が、免疫チェックポイントモジュレーターを含みかつ抗CD39抗体を含まない医薬組成物と比較してT細胞増殖および/または細胞傷害性を増強する、請求項24に記載の方法。
  26. 前記T細胞が、CD4細胞および/またはCD8細胞を含むかまたはそれからなる、請求項24または請求項25に記載の方法。
  27. CD39に結合する前記抗体が、重鎖可変領域(VH)および軽鎖可変領域(VL)を含みまたはからなり、VHが、配列番号172に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLが、配列番号219に示される配列を有するVLを含み、からなり、またはから本質的になり、かつPD-1に結合する前記抗体が、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含みまたはからなり、VHが、配列番号211に示される配列を有するVHを含み、からなり、またはから本質的になり、かつVLが、配列番号248に示される配列を有するVLを含む、からなる、またはから本質的になる、請求項3または請求項5に記載の方法。
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