ここで、本開示の実施形態を示す添付図面を参照しながら、本明細書で開示する装置及び方法について、以下でより十分に説明する。しかしながら、本明細書で開示する装置及び方法は、多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書で記載される実施形態に限定されるものと解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的且つ完全なものとなり、また当業者に本発明の範囲を十分に伝えるように提供されるものがある。
特徴及び/又は機能のセットは、独立型の兵器照準器、フロントマウント又はリアマウントのクリップ式兵器照準器、及び現場で配備された光学兵器照準器の他の置き換えの関連において容易に適合させることができることは、当業者には理解されよう。更に、あらゆる種類の既存の固定式又は可変式の兵器照準器を後付けするために、特徴及び機能の様々な組み合わせをアドオンモジュールに組み込むことができることは、当業者には理解されるであろう。
1つの要素又は層が別の要素又は層「の上にある」、「に接続される」又は「に結合される」と言及される場合、この1つの要素又は層が他方の要素又は層の直接上にある、或いは直接接続又は結合できることは理解されるであろう。或いは、介在する要素又は層が存在してもよい。対照的に、1つの要素が別の要素又は層の「直接上にある」、「直接接続される」又は「直接結合される」と言及される場合、介在する要素又は層は存在しない。
全体を通して同じ符号は同じ要素を指す。本明細書で使用する場合、用語「及び/又は」は、関連して列挙された項目の1又は2以上の項目の何れか及び全ての組み合わせを含む。
本明細書において、様々な要素、構成部品、領域、及び/又はセクションを記述するために、第1、第2などの用語を用いる場合があるが、これらの要素、構成部品、領域、及び/又はセクションはこれらの用語によって限定されるものではない点は理解されるであろう。これらの用語は、1つの要素、構成部品、領域、又はセクションを別の要素、構成部品、領域、又はセクションと区別するためにのみ使用される。従って、以下で論じる第1の要素、構成部品、領域、又はセクションは、本開示から逸脱することなく、第2の要素、構成部品、領域、又はセクションと称することができる。
本明細書では、図に示すような別の要素(複数可)又は特徴(複数可)との1つの要素又は特徴の関係を説明するために、説明を容易にするために「の下に」、「の下方に」、「下部の」、「の上方に」、「上部の」などの空間的に相対的な用語を用いる場合がある。空間的に相対的な用語は、図に描かれた向きに加えて、使用中又は操作中のデバイスの様々な配向を包含するように意図されていることは理解されるであろう。例えば、図中のデバイスを反転させた場合には、他の要素又は特徴の「下方に」又は「下に」あると記載される要素は、他の要素又は特徴の「上方」を向くことになる。従って、例示的な用語「下方に」は、上方と下方の両方の向きを包含することができる。デバイスは、他の向き(90°回転又は他の向き)にすることができ、本明細書で使用する空間的に相対的な記述子は、相応に解釈することができる。
I. 定義
本開示における数値範囲は近似的なものであり、従って、別途指示のない限り、範囲外の値を含んでもよい。数値範囲は、何れかの下限値と何れかの上限値との間に少なくとも2つの単位の離隔があることを条件として、1単位の増分で、下限値と上限値を含めて下限値から上限値までの全ての値を含む。一例として、例えば分子量、粘度などといった組成特性、物理的特性又は他の特性が、100から1000までの場合、100、101、102などといった全ての個々の値、並びに100から144まで、155から170まで、197から200までなどといった部分範囲が明示的に列挙されるものとする。1より小さい値を含む範囲、又は1よりも大きい小数(例えば、1.1、1.5など)を含む範囲については、1単位は、必要に応じて、0.0001、0.001、0.01、又は0.1と見なされる。10未満の1桁の数字を含む範囲(例えば、1から5まで)では、1単位は通常0.1と見なされる。これらは、具体的に意図するものの実施例に過ぎず、列挙する最低値と最高値の間の数値の可能な全ての組み合わせが、本開示に明示的に記載されていると見なされるものとする。本開示内でとりわけ、デバイスのユーザから標的までの距離に対する数値範囲が提供される。
本明細書において「A及び/又はB」などの表現で使用される用語「及び/又は」は、AとBの両方;A又はB;A(単独);及びB(単独)を含むものとする。同様に、「A、B、及び/又はC」などの表現で使用される用語「及び/又は」は、以下:A、B、及びC;A、B、又はC;A又はC;A又はB;B又はC;A及びC;A及びB;B及びC;A(単独);B(単独);及びC(単独)の実施形態の各々を含むものとする。
本明細書で使用する場合、「アクティブディスプレイ」は、画像生成ピクセル変調を含む。一実施形態では、アクティブディスプレイは、発光型アクティブディスプレイである。限定ではないが、有機発光ダイオード(OLED)及び発光ダイオード(LED)を含む発光型アクティブディスプレイは、単一デバイス内の画像及び光源を備えることを特徴とし、従って外部光源は必要とされない。これは、優れたコントラストと色空間を提供しながら、システムサイズと消費電力を最小限に抑える。OLEDは極薄の有機半導体層から作られ、電圧に接続された時に点灯する(電荷キャリアが注入され、輝度は主に順方向電流に比例する)。主層は、複数の有機材料を順に備え(例えば、電荷輸送層、ブロッキング層、及び発光層、各々が数ナノメートルの厚さを有する)、これらはアノードとカソードの間に挿入される。用語「アクティブディスプレイ」、「デジタルディスプレイ」及び「マイクロディスプレイ」は互換的に使用される。
本明細書で使用される場合、「弾薬ステータス」は、以下のこと:弾倉内の弾丸数、弾丸がチャンバー内にあるかどうか、及び弾丸が弾倉内にあるがチャンバー内にないかどうか、の内の全て又は1又は2以上を指すことができる。
本明細書で使用される用語「ブルパップ」は、その動作及び弾倉がトリガーの背後にある銃器である。これにより、同じサイズの銃身を有するライフルと比較して、より短い兵器が作成される。これは、兵器の全体的なサイズ及び重量を軽減しながら、銃口速度及び精度などの長い銃身の利点が維持されることを意味する。
本明細書で使用する場合、「正立スリーブ」は、正立レンズマウントからの突出部であり、正立チューブ及び/又はカムチューブ内のスロットと係合し、又は類似の目的に役立つ。これは、マウントと一体化されるか、着脱式でもよい。
本明細書で使用する場合、「正立チューブ」は、正立レンズマウントを受け入れるための開口部を有する何れかの構造又はデバイスである。
本明細書で使用する場合、「銃器」は、多くの場合、爆発力の作用によって駆動される1又は2以上の発射体を発射する銃身付きの兵器の携帯銃である。本明細書で使用する場合、「銃器」という用語は、拳銃、長銃、ライフル銃、散弾銃、カービン銃、自動兵器、半自動兵器、機関銃、軽機関銃、自動ライフル銃、及びアサルトライフルを含む。
本明細書で使用される場合、「ホール効果センサー」は、磁場の大きさを測定するのに使用されるデバイスである。出力電圧は、通過する磁界の強さに正比例する。ホール効果センサーは、近接感知、ポジショニング、速度検出、及び感知アプリケーションに使用される。
本明細書で使用する場合、「統合表示システム」は、像を生成するためのシステムを指す。一実施形態では、統合表示システムは、アクティブディスプレイを含む。一実施形態では、統合表示システムは、アクティブディスプレイと集光器光学機器とを含む。更に別の実施形態では、統合表示システムは、アクティブディスプレイと、集光器光学機器と、反射面とを含む。
一実施形態では、統合表示システムを用いて、アクティブディスプレイでデジタル像を生成し、そのデジタル像を光学系の第1の焦点面内に導いてデジタル像と外部シーンの像とを同時観察することができる。本明細書で使用する場合、「照準システム」とは、人が銃器又は他の用具の照準を合わせるのを支援する1又は2以上の光学デバイス及び他のシステムを指す。
本明細書で使用する場合、「弾倉ウェル」又は「マグウェル」は、ファンネルとして機能し、弾倉を所定位置に案内する。
本明細書で使用する場合、「マーク」という用語は、様々な視覚的に知覚可能な線、円、ドット、クロスヘア、馬蹄パターン、幾何学的形状、符号、数字、文字、標識、又は記号の何れかを含むことができる。
本明細書で使用する場合、用語「パッシブレチクル」は、ユーザによって変更できない固定されたマークを備えたレチクルを指す。パッシブレチクルの代表的な実施例は、エッチング及び充填式レチクルである。別の実施例は、ホログラフィックレチクルであり、この場合、マークはユーザによって変更できない。パッシブレチクルは、第1の焦点面に、第2の焦点面に、又は第1及び第2の焦点面の両方に設置することができる。
本明細書で使用される「レシーバー」という用語は、ハンマー、ボルト又はブリーチブロック、撃針、エクストラクタ及びトリガー機構などの内部作用構成要素のためのハウジングを提供することによって他の構成要素を統合する銃器の部品又はフレームを指し、バレル、ストック、アクションパーツなどの構成要素を取り付ける(「受け取る」)ためのねじ付きインタフェースを有する。レシーバーは、多くの場合、鍛造、機械加工、又はプレス加工された鋼又はアルミニウムで作られており、これらの従来の材料に加えて、現代科学及び工学は、レシーバー構造にポリマーと焼結金属粉末を導入した。
本明細書で使用される場合、「弾丸」及び「カートリッジ」という用語は互換可能に使用される。
本明細書で使用する場合、用語「観察光学機器」は、射手又は観測手が標的を選択、識別、又は監視するために使用する装置を指す。「観察光学機器」は、標的の観察観測、或いは、例えば赤外線(IR)、紫外線(UV)、レーダ、熱、マイクロ波、又は磁気撮像、X線、ガンマ線、同位体放射線及び粒子線を含む放射線、暗視、超音波、パルス音、ソナー、地震性振動、磁気共鳴を含む振動レセプタ、重力レセプタ、電波を含む放送周波数、テレビジョンレセプタ及びセルラレセプタ、或いは標的の他の像に依拠することができる。「観察光学機器」デバイスによって射手に提示される標的の像は、変更されていない場合があり、或いは、例えば、拡大、増幅、減算、重畳、フィルタ処理、安定化、テンプレートマッチング、又は他の手段によって強化することができる。「観察光学機器」によって選択され、識別され又は監視される標的は、射手の視線内にあるか、又は射手の視線に対して外れることができ、或いは、標的取得デバイスが標的の合焦像を射手に提示している間、射手の視線が遮られてもよい。「観察光学機器」によって取得された標的の像は、例えば、アナログ又はデジタルであり、例えば、ビデオ、物理的なケーブル又はワイヤ、IR、電波、セルラ接続、レーザパルス、光学、802.11b、又は、例えばhtml、SML、SOAP、X.25、SNAなどのプロトコルを用いた他の無線伝送、Bluetooth(商標)、シリアル、USB、或いは他の適切な画像配信方法によって、1人又は2人以上の射手又は観測手のネットワーク内で共有、保存、保管、又は伝送することができる。用語「観察光学機器」は、「光学照準器」と互換的に使用される。
本明細書で使用する場合、用語「外部シーン」は、標的を含むがこれに限定されない現実世界のシーンを指す。
本明細書で使用する場合、用語「射手」は、射撃を行う操作者又は射撃を行う操作者と連携して射撃を観察する個人の何れかに当てはまる。
II. 観察光学機器
図1Aは、観察光学機器の代表的な実施例であるライフルスコープの従来設計を示す。図1Bは、本開示の実施形態による例示的な観察光学機器10を示す。具体的には、図1Bはライフルスコープを示している。より詳細には、ライフルスコープ10は、可動光学要素15を密閉する本体38を有する。本体38は、その前部40のより大きな開口部から後部42のより小さな開口部へ先細になる細長いチューブである。接眼レンズ56がスコープ本体の後部に取り付けられ、対物レンズ54がスコープ本体の前部に取り付けられる。可動光学要素の中心軸は、ライフルスコープの光軸44を定める。
仰角ターレット12及びウィンデージターレット48は、本体38の外側中央部に多くの場合見られる2つのダイヤルである。これらは、その周囲11上に印20によって増分的にマーク付けされ、衝撃点変更に関して可動光学要素の仰角及びウィンデージを調整するのに使用される。これらのダイヤルは、ターレットハウジング50から突出する。ターレットは、仰角ターレットの回転軸46がウィンデージターレットの回転軸52に対して垂直であるように配置される。
図1Cは、光学系14の基本構成要素及び可動光学要素15を有する、図1Bの照準デバイスの断面図を示している。図1Cに示すように、光学系14は、対物レンズ系16、正立系25、及び接眼レンズ系18を含む。図1Cは、本体38を有するライフルスコープを示すが、光学系14は、他のタイプの照準デバイスでも同様に使用することができる。正立系25は、可動光学要素15内に含めることができる。正立系25は、変倍レンズ要素又はズーム要素25Aを含むことができる。図1Cにおいて、可動光学素子15はまた、集光器22と共に、第1の焦点面レチクル55及び第2の焦点面レチクル57を含む。使用時には、ターレット組立体28及びターレットねじ29の調整により、可動光学要素15の調整をもたらす。
可動光学要素15は、ターレット組立体28を1クリック又は2クリック以上回転させることによって調整される。ターレットの回転に伴って、ターレットねじ29がスコープの内外に移動し、これにより正立チューブが押される。正立チューブはバネで付勢されているので、ターレットねじが調整されると、ターレットねじは、その底面に接して正立チューブを位置決めする。正立チューブは、全体像のより小さな視像を提供する。正立チューブが調整されると、レチクルの位置が像に対して変更される。
レチクルは、スコープ本体内にスコープを通る光軸又は照準線と垂直関係で取り付けられた円形の平面又は平坦な透明パネル又はディスクであり、対物レンズ要素54と正立レンズ要素との間に、典型的にはハウジング内の光学系の前側焦点面と見なされる位置に位置決めされる。一実施形態では、レチクルは、中心点で直交又は垂直に交差する中央垂直ヘアライン及び中央水平ヘアラインを備えた微細なエッチング線又はヘアライン標識を含む。
一実施形態では、図1Dに示すように、観察光学機器は、視差調整ノブ70又はフォーカスノブを有することができる。視差は、標的の像の光学平面がレチクルの像の光学平面と同一平面上にない場合に生じる。2つの光学平面間のオフセットの結果として、射手がレチクル中心の周りに目を動かした時に、レチクルが標的に対して動くように見える可能性がある。この視差による誤差は、発射により着弾点のシフトをもたらす場合がある。観察光学機器の視差調整は、標的の像とレチクルの像を同じ光学平面に表示するように光学系を調整可能にすることによって、射手が異なる距離での光学誤差を除去できるようにする。視差補正は、レチクルの焦点も像の焦点も変えず、単にこれら2つの対象物が合焦状態にある平面を単に移動させて、これらが同じ平面を共有する(一致する)ようにする。
図1Dに示すように、観察光学機器は、回転可能な視差調整ノブ70に取り付けられたサイドホイールを有することができる。サイドホイールのより大きな直径は、距離マーカなどの付与されるマーカに対するより多くのスペースを提供し、使用時に射手が回転させて読み取るのがより容易である。サイドホイールのより大きな直径は、測距マーカの精度及び分解能を向上させるのに役立つ。
図1Eは、光学系14のクローズアップを断面で示し、光線が光学系14をどのように進むかを示している。光学系14は、集光器22などの追加の光学構成要素を有することができ、対物レンズ系16、正立系25、及び接眼レンズ系18などの特定の構成要素は、それ自体が複数の構成要素又はレンズを有することができることは、当該技術分野で周知である。
一実施形態では、観察光学機器は、視差調整を提供するための1又は2以上の調整可能レンズを備えたフォーカスセルを有することができる。一実施形態では、1又は2以上の調整可能レンズは、1又は2以上の視差レンズである。
一実施形態では、合焦レンズは、接眼レンズと対物レンズとの間に位置付けられる。合焦レンズと対物レンズの相対距離は、視差調整を提供するために調整可能である。更に、正立レンズは、接眼レンズと合焦レンズの間に位置付けられる。正立レンズと対物レンズの相対距離は、倍率調整を提供するために調整可能である。
III. アクティブディスプレイを備えた観察光学機器
一実施形態では、本開示は、デジタル像を生成してこのデジタル像を観察光学機器の第1の焦点面に投影するアクティブディスプレイを有する観察光学機器に関する。一実施形態では、本開示は、観察光学機器を覗く時にユーザに視認される、アナログレチクルと、限定ではないがデジタルレチクルを含むデジタル像とを有する観察光学機器に関する。一実施形態では、観察光学機器は、弾道計算機能を備えた外部レーザ測距計と共に使用することができる。
一実施形態では、観察光学機器は、アナログ又はガラスエッチング式レチクルを備えた可動正立チューブを有し、アナログ又はガラスエッチング式レチクルが正立チューブと連動して移動するように正立チューブに取り付けられている。一実施形態では、デジタル方式で導入されたレチクルは、正立チューブと連動して移動しない。従って、デジタルレチクルは、ターレット又は正立チューブの位置にかかわらず正確である。
一実施形態では、本開示は、デジタルディスプレイを備えた観察光学機器に関し、このデジタルディスプレイは、第1の焦点面上のデジタルディスプレイの像が正立チューブの移動に結びつけられないように観察光学機器の第1の焦点面に導入することができる。一実施形態では、このディスプレイは、ライフルスコープの正立チューブ/ターレットの位置にかかわらず、正確な弾道の照準ホールド点をユーザに与えることができる。
一実施形態では、本開示は、観察光学機器の正立チューブの位置及び/又はターレットの位置に非依存の照準点を備えた観察光学機器に関する。一実施形態では、弾道的に決定された照準点が正立ユニットの視野以外にある場合、ターレットを回して、弾道的に決定された照準点を視野内に持ち込むことができる。
一実施形態では、観察光学機器は、標的から第1の焦点面に像を合焦させる(以下、「FFP標的像」と呼ぶ)対物レンズ系と、その後に続く、FFP標的像を反転させて第2の焦点面に合焦させる(以下、「SFP標的像」と呼ぶ)正立レンズ系と、対物レンズ系とFFP標的像との間に配置されるビームコンバイナと、SFP標的像を人間の目で観察できるようにコリメートする接眼レンズ系とから構成された主光学系と、第2の光学系とを備える。
一実施形態では、第2の光学系は、アクティブディスプレイと、アクティブディスプレイから集光するレンズ系とを有する。デジタルディスプレイからの像は、デジタル像と対物レンズ系からの標的像とを第1の焦点面において結合させて同時に観察できるように、ビームコンバイナに導かれる。一実施形態では、第2の光学系は、限定ではないがミラーを含む反射材料を有することができる。
上記の説明を参照すると、デジタルディスプレイは、対物レンズ系と第1の焦点面との間で主光学系に導入され、次いで、第1の焦点面上に合焦される。第1の焦点面では、デジタルディスプレイからのデジタル像と、正立レンズ系に取り付けられたアナログ/ガラスエッチング式レチクルの両方が同一平面を共有する。しかしながら、アナログレチクルは、可動正立レンズ系に取り付けられるのに対して、デジタルディスプレイからの像はそうではない。従って、正立レンズ系が移動された場合、アナログレチクルは移動することになるが、デジタル像は静止したままとなる。
一実施形態では、観察光学機器を銃器に対して剛体的に取り付けることができる。別の実施形態では、レーザ測距計は、銃器又は観察光学機器の何れかに取り付けることができる。レーザ測距計は、標的までの距離を測定し、その標的に命中させるための弾道を計算し、その情報をアクティブディスプレイに提供して、ライフル銃の弾丸の着弾点と共に正確な照準点を表示することができるようにする。
レーザ測距計が観察光学機器に剛体的に取り付けられており、照準点が移動しないので、デジタル像が静止したままであることが重要である。これによって、デジタル式レーザデジグネータが初期設定でレーザに対応し、その後、正立レンズ系がどのように移動されたとしても、この2つは常に整列したままとなるように、デジタルディスプレイをデジタル的に調整することができる。
加えて、銃器の銃身は、観察光学機器に剛体的に取り付けられるので、銃身の照準点は、デジタルディスプレイに関連して変化することはない。これにより、デジタル照準点が初期設定時に初期の「サイトイン」距離で銃器の銃身に対応し、次いで、両者が常に整列したままとなるように、デジタルディスプレイをデジタル的に調整することができる。
初期のサイトイン距離とは異なる距離で射撃する必要が生じた場合、レーザ測距計は、距離を測定し、次いで弾道計算を行って、照準点の新しい位置を決定することができる。この新しい照準点位置は常に初期のサイトイン距離と関係があるので、ライフルスコープは、単に、デジタルディスプレイの照準点を新しい照準点と対応するように調整するだけでよい。
このシステムの副次的な利点は、デジタル照準点が静止しているので、一定の間隔で所定のマークを有するレチクルを用いて正立チューブの位置を調整するターレットの精度を観察光学機器上で簡単に試験できることである。正立チューブが移動すると、静止したデジタル照準点に対してレチクルを測定して、ターレット上でのダイヤル調整が、デジタル照準点と正立レンズ系に取り付けられたレチクルとの間で測定された移動量と一致するかどうかを確かめることができる。
一実施形態では、本開示は、第1の像を生成するよう構成された第1のアクティブディスプレイと、第2の像を生成するよう構成された第2のアクティブディスプレイと、を備え、第1のアクティブディスプレイ及び第2のアクティブディスプレイが互いに垂直であり、第1の像又は第2の像の何れかが、観察光学機器の第1の焦点面に投影される、観察光学機器用の表示システムに関する。一実施形態では、表示システムは更に、第1の焦点面を有する光学系と、第1のビームコンバイナとを備える。
一実施形態では、本開示は、像を生成するように構成された第1のアクティブディスプレイと、第2の像を生成するように構成された第2のアクティブディスプレイと、第1のアクティブディスプレイと第2のアクティブディスプレイの間に位置付けられ、第1の像と第2の像を結合して結合された像を生成するよう構成されたビームコンバイナとを備え、ここで結合された像が観察光学機器の第1の焦点面に投影される、表示システムに関する。一実施形態では、表示システムは更に、集光器レンズ系を備える。更に別の実施形態では、表示システムは、反射材料を備える。
一実施形態では、本開示は、第1の像を生成するための第1のアクティブディスプレイと、第2の像を生成するための第2のアクティブディスプレイと、を備え、第1のアクティブディスプレイ及び第2のアクティブディスプレイが互いに垂直であり、第1の像又は第2の像が、観察光学機器の第1の焦点面において外部シーンの像と同時に重ね合わせて観察するためにビームコンバイナに導かれる、観察光学機器用の表示システムに関する。
一実施形態では、本開示は、第1の像を生成するよう構成された第1のアクティブディスプレイと、第2の像を生成するよう構成された第2のアクティブディスプレイと、第1のアクティブディスプレイ及び第2のアクティブディスプレイの間に位置付けられ、第1の像と第2の像を結合して結合された像を生成するよう構成されたビームコンバイナと、を備え、結合された像が、観察光学機器の第1の焦点面において外部シーンの像と同時に重ね合わせて観察するために追加のビームコンバイナに導かれる。一実施形態では、表示システムは更に、集光器レンズ系を備える。更に別の実施形態では、表示システムは、結合された像を追加のビームコンバイナに導くための反射材料を備える。
一実施形態では、本開示は、第1のアクティブディスプレイを用いて第1の像を生成するステップと、第2のアクティブディスプレイを用いて第2の像を生成するステップと、ビームコンバイナを用いて第1の像と第2の像を結合して結合された像を生成するステップと、結合された像を観察光学機器の第1の焦点面に投影するステップと、を含む、観察光学機器を用いて観察する方法に関する。
一実施形態では、本開示は、第1のアクティブディスプレイを用いて第1の像を生成するステップと、第2のアクティブディスプレイを用いて第2の像を生成するステップと、ビームコンバイナを用いて第1の像と第2の像を結合して結合された像を生成するステップと、観察光学機器の第1の焦点面において結合された像と外部シーンの像を観察するため結合された像を追加の別個のビームコンバイナに導くステップと、を含む、観察光学機器を用いて観察する方法に関する。
一実施形態では、本開示は、第1の焦点面を有し且つ観察光軸に沿って位置付けられた観察光学機器を用いて外部シーンの視野を観察するステップと、第1のアクティブディスプレイを用いて第1の像を生成するステップと、第2のアクティブディスプレイを用いて第2の像を生成するステップと、ビームコンバイナを用いて前記第1の像と前記第2の像を結合して結合された像を生成するステップと、結合された像を観察光学機器の第1の焦点面に投影するステップと、を含む、観察光学機器を用いて観察する方法に関する。一実施形態では、結合された像を観察光学機器の第1の焦点面に投影するステップは、反射材料を用いる。
図85は、複数のアクティブディスプレイを有する表示システム8500の代表的な概略図である。表示システム8500は、観察光学機器の光軸に実質的に平行な方向で第1の像を生成するように構成された第1のアクティブディスプレイ8507を有する。更に、表示システムは、観察光学機器の光軸に実質的に垂直な方向で像を生成するように構成された第2のアクティブディスプレイ8509を有する。表示システムは更に、第1のアクティブディスプレイ8507及び第2のアクティブディスプレイ8509から生成された像を結合するよう構成されたビームコンバイナ8511を有する。図85に示すように、第1のアクティブディスプレイ8507は、ビームコンバイナ8511の左側に位置付けられ、第2のアクティブディスプレイ8509は、ビームコンバイナの上方に位置付けられる。
表示システムは更に、ビームコンバイナ8511の右側に位置付けられた集光器レンズ系8513を有する。表示システムはまた、集光器レンズ系8513の右側に位置付けられた反射材料8515を有する。
一実施形態では、第1のアクティブディスプレイ8507及び第2のアクティブディスプレイ8509は、第1の像及び第2の像をそれぞれ生成し、これらはビームコンバイナ8511に導かれる。ビームコンバイナ8511は、第1及び第2の像を結合して結合され生成された像にするように構成される。結合され生成された像は、集光器レンズ系8513及び任意選択的に反射材料8515に導かれる。
一実施形態では、本開示は、1又は2以上のアクティブディスプレイを備えた表示システムを有する観察光学機器に関する。一実施形態では、観察光学機器は、第1の像を生成するように構成された第1のアクティブディスプレイと、第2の像を生成するように構成された第2のアクティブディスプレイとを備えた表示システムを有する。一実施形態では、第1のアクティブディスプレイ及び第2のアクティブディスプレイは、互いに対して平行である。更に別の実施形態において、第1のアクティブディスプレイは、第2のアクティブディスプレイに対して垂直である。
一実施形態では、本開示は、時間又は光の状態に関係なく、クリアな解像度及び明るい画像をユーザに提供するために、受動的照準ピクチャと組み合わせた複数のディスプレイを備えた観察光学機器に関する。別の実施形態では、本開示は、全ての環境及びシナリオにおいて照準ピクチャを最適化するために縦一列になって使用される熱及び暗視技術の組み合わせを備えた観察光学機器に関する。
一実施形態では、本開示は、或る範囲の環境輝度レベルにおける熱技術のための適切な輝度及び透明度のレベルを備えた統合表示システムを有する観察光学機器に関する。
一実施形態では、本開示は、複数のディスプレイを使用して、昼間視光学系によって提供されるパッシブ画像を増強する統合表示システムを備えた観察光学機器に関する。
画像全体を投影又は表示するのではなく、統合表示システムを備えた観察光学機器は、熱カメラを用いて、新規の全体像を表示せずに、パッシブ画像を増強することができる。また、2つの異なるディスプレイを有する能力により、十分な輝度及び画質を提供しながら、最適なバッテリ寿命を可能にする。
一実施形態では、統合表示システムを備えた観察光学機器は、複数のディスプレイ、すなわち、高輝度品質を有する第1のディスプレイ及び高ビット深度及び高解像度を有する第2のディスプレイを1つの観察光学機器に結合する。一実施形態では、観察光学機器は、2つのビームコンバイナを有する。一実施形態では、観察光学機器は、主本体において第1のビームコンバイナ及びベースにおいて第2のビームコンバイナを有する。
2つのディスプレイを使用することにより、一方のディスプレイは、低色深度及び低解像度を有するが、昼間使用では高輝度を有する形式のものとすることができ、他方のディスプレイは、高色深度及び高解像度であるが微小光使用では低輝度を有するタイプのものとすることができる。一実施形態では、色深度、解像度、及び輝度は、第1のディスプレイと第2のディスプレイとの比較とすることができる。別の実施形態では、高色深度、低色深度、高解像度、低解像度、高輝度、及び低輝度という用語は、業界標準に従って使用することができる。
これら2つのディスプレイタイプを使用する利点は、サーマルカメラ及び暗視カメラと共に使用するときに明らかになる。一実施形態では、熱カメラを観察光学機器に取り付けて、熱画像をアクティブディスプレイに送信することができ、アクティブディスプレイは、画像を視野に送信して、熱画像がパッシブ画像上に重ね合わせられるようにする。
日中はパッシブ画像が明るいので、アクティブディスプレイからの熱画像は、ユーザが見ることができるように十分に明るくする必要がある。現時点では、これらの条件で使用するのに十分な高輝度を有する適切なディスプレイは、低色ビット深度で低解像度を有する(図86及び87)。これは、ディスプレイが明るい領域と暗い領域の間で投影するのに利用できる色合いが少なくなり、投影像の品質が低くなることを意味する。
しかしながら、このディスプレイが日中にのみ使用される場合、パッシブ画像を増強するだけで十分であるので、色深度及び解像度はそれほど重要ではない。例えば、パッシブ画像は、良好な像に必要な詳細事項を提供し、ディスプレイは、ユーザの目を熱源に引き付けるのに役立つので、照準器は、熱シグネチャをシェーディングするのではなく、輪郭を描くようにプログラムすることができる。
微小光状態の間、パッシブ画像は、ユーザが詳細を参照することが難しくなる点にまで暗くなり始める。この場合、高輝度ディスプレイは不要になり、低輝度でるが高いビット深度及び解像度を有する別のディスプレイを使用することができる。
一実施形態では、観察光学機器は、光レベルが設定された閾値を下回った時点を検出できる光センサーを有することができ、観察光学機器は、熱源を正確に遮り、パッシブ画像を増強又は置換してユーザが鮮明な画像を取得できるような十分なビット深度及び解像度を有することができる二次ディスプレイを使用する。
別の実施形態では、2又は3以上のアクティブディスプレイを備えた観察光学機器は、熱画像及び暗視画像を観察光学機器の視野内に投影することができる。サーマルカメラと微小光CMOSなどの微小光カメラの両方を使用することにより、2つのアクティブディスプレイは、各カメラからの画像をライフルスコープの視野内に送信することができる。
例えば、サーマルカメラは、熱源の輪郭を低ビット深度の低解像度ディスプレイに送信することができ、微小光CMOSカメラは、暗視画像を高ビット深度の高解像度ディスプレイに送信することができ、両方が同時に視野内に撮像化されるようになる。
複数のアクティブディスプレイを備えた観察光学機器の別の利点は、高輝度ディスプレイが小さなディスプレイであることで、これは、限定的な視野を有することを意味する。昼光の場合、ユーザは、パッシブオプ光学系からより広い視野を見る能力があるので、このことは、それほど大きな問題ではない。しかしながら、夜間、パッシブ画像が使用できなくなると、小さなディスプレイは、近づいてくる脅威に対してマイナスに作用する可能性がある。幸いなことに、より低輝度のディスプレイほど大きくなるので、微小光状態においてより大きな視野が可能となる。これはまた、2つの異なったそれぞれの長所を可能にする。
最後に、高ビット深度で高解像度のディスプレイは、低ビット深度で低解像度のディスプレイよりも有意に多くの電力を使用する。これは、日中は、低ビット深度で低解像度のディスプレイのみを使用する必要があり、常時高解像度のディスプレイを使用する場合よりも全体の消費電力を大幅に削減することができることを意味する。
一実施形態では、第1及び第2のアクティブディスプレイは、観察スコープの光軸に実質的に平行な方向で光を放出するよう構成される。更に別の実施形態において、第1及び第2のアクティブディスプレイは、観察光学機器の光軸に実質的に垂直な方向で光を放出するよう構成される。
一実施形態では、観察スコープの光軸に実質的に平行な方向で光を放出するよう構成され、第2のアクティブディスプレイは、観察光学機器の光軸に実質的に垂直な方向で光を放出するよう構成される。
更に別の実施形態において、表示システムは、第1のアクティブディスプレイから生成された像と第2のアクティブディスプレイから生成された像を結合するよう構成されるビームコンバイナを有する。
一実施形態では、第1及び第2のアクティブディスプレイは、ビームコンバイナの右側に位置付けられる。別の実施形態では、第1及び第2のアクティブディスプレイは、ビームコンバイナの左側に位置付けられる。
一実施形態では、第1のアクティブディスプレイは、ビームコンバイナの左側に位置付けられ、第2のアクティブディスプレイは、ビームコンバイナの右側に位置付けられる。
一実施形態では、第1のアクティブディスプレイ及び第2のアクティブディスプレイは、ビームコンバイナの上方に位置付けられる。更に別の実施形態では、第1のアクティブディスプレイ及び第2のアクティブディスプレイは、ビームコンバイナの下方に位置付けられる。
一実施形態では、第1のアクティブディスプレイは、ビームコンバイナの上方に位置付けられ、第2のアクティブディスプレイは、ビームコンバイナの下方に位置付けられる。
一実施形態では、第1のアクティブディスプレイは、ビームコンバイナの左側に位置付けられ、第2のアクティブディスプレイは、ビームコンバイナの下方に位置付けられる。
一実施形態では、第1のアクティブディスプレイは、ビームコンバイナの右側に位置付けられ、第2のアクティブディスプレイは、ビームコンバイナの下方に位置付けられる。
一実施形態では、第1のアクティブディスプレイは、ビームコンバイナの左側に位置付けられ、第2のアクティブディスプレイは、ビームコンバイナの上方に位置付けられる。
一実施形態では、第1のアクティブディスプレイは、ビームコンバイナの右側に位置付けられ、第2のアクティブディスプレイは、ビームコンバイナの上方に位置付けられる。
一実施形態では、1又は2以上のアクティブディスプレイは、ビームコンバイナの右側に位置付けられる。別の実施形態では、1又は2以上のアクティブディスプレイは、ビームコンバイナの左側に位置付けられる。
一実施形態では、1又は2以上のアクティブディスプレイは、ビームコンバイナの左側に位置付けられ、また1又は2以上のアクティブディスプレイは、ビームコンバイナの右側に位置付けられる。
一実施形態では、1又は2以上のアクティブディスプレイは、ビームコンバイナの上方に位置付けられる。更に別の実施形態では、1又は2以上のアクティブディスプレイは、ビームコンバイナの下方に位置付けられる。
一実施形態では、1又は2以上のアクティブディスプレイは、ビームコンバイナの上方に位置付けられ、また1又は2以上のアクティブディスプレイは、ビームコンバイナの下方に位置付けられる。
一実施形態では、1又は2以上のアクティブディスプレイは、ビームコンバイナの左側に位置付けられ、また1又は2以上のアクティブディスプレイは、ビームコンバイナの下方に位置付けられる。
一実施形態では、1又は2以上のアクティブディスプレイは、ビームコンバイナの右側に位置付けられ、また1又は2以上のアクティブディスプレイは、ビームコンバイナの下方に位置付けられる。
一実施形態では、1又は2以上のアクティブディスプレイは、ビームコンバイナの左側に位置付けられ、1又は2以上のアクティブディスプレイは、ビームコンバイナの上方に位置付けられる。
一実施形態では、1又は2以上のアクティブディスプレイは、ビームコンバイナの右側に位置付けられ、1又は2以上のアクティブディスプレイは、ビームコンバイナの上方に位置付けられる。
一実施形態では、本開示は、第1の焦点面を有し且つ外部シーンの像を観察するように構成された光学系を備える主本体と、光学系と一列に並んで配置されたビームコンバイナと、像を生成するよう構成された第1のアクティブディスプレイ、追加の別個の異なるビームコンバイナ、及び第1のアクティブディスプレイに垂直で第2の像を生成するよう構成された第2のアクティブディスプレイを有する表示システムと、を有する観察光学機器であって、第1のアクティブディスプレイ又は第2のアクティブディスプレイの何れかから生成された像が光学系の第1の焦点面に投影されて、スコープ本体の接眼レンズを通して見たときに生成された像と外部シーンの像を同時に観察できるようにする、観察光学機器に関する。一実施形態では、第1のアクティブディスプレイ及び第2のアクティブディスプレイから生成された像が、第2のビームコンバイナにおいて結合されて、第1のビームコンバイナに導かれ、スコープ本体の接眼レンズを通して見たときに、観察光学機器の第1の焦点面において生成された像と外部シーンの像を同時に観察できるようにする。
一実施形態では、第2のビームコンバイナは、第1のアクティブディスプレイの左側に位置付けられる。更に別の実施形態では、第2のアクティブディスプレイは、システム内に第1のアクティブディスプレイに垂直に配置することができる。これにより、両方のアクティブディスプレイを用いて、観察光学機器の焦点面に個々に又は同時に投影することができる。
一実施形態では、本開示は、観察光軸及びビームコンバイナに沿って外部シーンの像を生成するための光学系と、像を生成するよう構成された第1のアクティブディスプレイ及び第1のアクティブディスプレイに垂直で第2の像を生成するよう構成された第2のアクティブディスプレイを有する表示システムと、を備えた観察光学機器であって、第1のアクティブディスプレイ又は第2のアクティブディスプレイの何れかから生成された像が、スコープ本体の接眼レンズを通して見たときに光学系の第1の焦点面において生成された像と外部シーンの像を同時に観察するようにビームコンバイナに導かれる、観察光学機器に関する。
一実施形態では、本開示は、観察光軸及び第1のビームコンバイナに沿って外部シーンの像を生成するための光学系と、像を生成するよう構成された第1のアクティブディスプレイ、第2の像を生成するよう構成された第2のアクティブディスプレイ、及び第1の像及び第2の像を結合するため追加の別個の異なるビームコンバイナを有する表示システムと、を備えた観察光学機器であって、結合された像が、スコープ本体の接眼レンズを通して見たときに光学系の第1の焦点面において生成された像と外部シーンの像を同時に観察するように第1のビームコンバイナに導かれる、観察光学機器に関する。
IV. ベースを備えた観察光学機器
一実施形態では、本開示は、限定ではないが、第1ハウジングが第2ハウジングに結合させたライフルスコープを含む、観察光学機器に関する。一実施形態では、第1ハウジングは主本体である。更に別の実施形態では、第2ハウジングはベースである。
一実施形態では、本開示は、主本体と主本体に結合されたベースとを有するライフルスコープに関する。一実施形態では、ベースは主本体から分離可能である。一実施形態では、ベースは主本体の底部に取り付けられる。一実施形態では、ガスケットが、主本体とベースを密閉するのに使用される。
一実施形態では、本開示は、外部シーンの像を生成するための光学系を備えた主本体と、デジタル像を生成してそのデジタル像を光学系の第1の焦点面に導き、これによりデジタル像と外部シーンの像との同時観察を提供するための統合表示システムを備えて、主本体に結合されたベースと、を有するライフルスコープに関する。
別の実施形態では、本開示は、外部シーンの像を生成するための光学系を備えた主本体と、像を生成してその生成された像を光学系の第1の焦点面に導き、スコープ本体の接眼レンズを覗いた時に生成された像と外部シーンの像との同時観察を提供するためのアクティブディスプレイを有する統合表示システムを備えて、主本体に結合されたベースと、を有するライフルスコープに関する。
代表的な実施形態では、図2は、主本体210とベース220とを有するライフルスコープ200の側面図を表示している。一実施形態では、ベース220は主本体210から分離可能である。ベース220は、倍率リング212の近くでスコープ本体の一端部に取り付けられ、対物レンズ組立体214の近くでスコープ本体の他端部に取り付けられる。一実施形態では、主本体210とベース220は同じ材料で作られる。別の実施形態では、スコープ本体とベースは、異なる材料で作られる。
一実施形態では、ベース220は、おおよそ、主本体の正立チューブの長さである。
一実施形態では、ベースは、限定ではないが、リアルタイム弾道解;飛翔時曳光弾の検出及び追跡による次のラウンドの弾道修正;統合型高性能慣性センサーを用いた兵器指向角の追跡;高度な弾道ターゲティング及び修正のための精密な指向角比較;標的の位置及び指定;気圧、湿度、及び温度;デバイスによって処理されて照準中に観察できる抗同士討ちデータ及び状況認識データ;長距離での好都合な弾道落下修正のための、スコープ視野を越えるレチクルターゲティング修正;兵器、ラウンド、及び環境特徴付けデータを含む、状況情報、地理情報、及び弾道情報を生成して観察光学機器の第1の焦点面に表示することができる統合表示システムを有する。
一実施形態では、観察光学機器は、:1又は2以上のマイクロプロセッサ、1又は2以上のコンピュータ、完全統合型弾道コンピュータ;統合型近赤外レーザ測距計;完全座標標的位置及び指定が可能な観察光学機器と統合されたGPS及びデジタルコンパス;このデータを弾道計算に自動的に組み込むことのできる観察光学機器と統合された圧力、湿度、及び温度用センサー;ゼロパワーオフモードを含む全ての条件での従来型観察光学機器の機能;センサー、環境、及び状況認識データを通信するための有線及び無線インタフェース;パーソナル・ネットワーク・ノード(PNN)及びソルジャ・ラジオ・ウェーブフォーム(SRW)などのデジタルインタフェースをサポートする機能;上方傾斜及び下方傾斜の射撃方向に対して実施可能な弾道補正に関する垂直方向の統合傾斜感度;統合イメージセンサー;標的シーンの画像フレームを取得及び処理する機能;自動方式のコールドボア射撃/ホットボア射撃修正を適用する目的で発射時間の履歴を記録する機能;角度から線形への自動サイズ変換を備えた内蔵バックアップ光学距離推定機能である、機能及び/又は構成要素の1又は2以上を有する。
一実施形態では、観察光学機器は、1又は2以上のデバイスと無線で通信することができる。別の実施形態では、観察光学機器は、1又は2以上のデバイスと物理的ケーブルで通信することができる。
A. 主本体
一実施形態では、主本体は、その前部の大きな開口部から後部の小さな開口部に向かって先細になった細長いチューブの形状であり、細長いチューブの後部には接眼レンズが取り付けられ、細長いチューブの前部には対物レンズが取り付けられる。一実施形態では、第1ハウジングはライフルスコープの主本体である。
一実施形態では、主本体は、観察用入力端部と観察用出力端部とを有し、これらは、観察光軸44(図1B)に沿って整列することができ、一直線に並ぶことができる。対象物又は標的は、観察用入力端部を通り、観察用直接観察光学機器に沿って、観察用出力端部から出てユーザの目により直接観察することができる。主本体は、観察用入力端部にて対物レンズ又はレンズ組立体を含むことができる。第1の焦点面レチクルを観察光軸Aに沿って位置決めし、対物レンズ組立体から離間させることができる。
一実施形態では、画像又は像反転レンズ組立体は、第1の焦点面レチクルから観察光軸Aに沿って後方に位置決めし離間させることができる。像を反転させるために、対物レンズと接眼レンズの間の主本体内に、正立像系を有する正立チューブが設置される。これは、像に対して陸地観察用の正しい向きを与える。正立像系は通常、正立チューブ内に収容される。
反転レンズ組立体又は正立像系は、互いに離間して配置された1又は2以上のレンズを備えることができる。正立像系は、像の焦点を調整するためにその光軸に沿って可動な合焦レンズ、並びに後側焦点面で像を光学的に拡大して標的が実際の距離よりも近くに見えるようにするためにその光軸に沿って可動な拡大レンズなどの、1又は2以上の可動光学要素を含むことができる。一般的に、正立組立体は、合焦レンズと拡大レンズの1又は2以上の変倍レンズ要素との協働移動を駆動するための機械的、電気機械的、又は電気光学的システムを含んで、全体にわたって正立組立体が後方焦点面に遠方標的の合焦した正立像を作り出す連続的に可変な倍率範囲を提供する。
可変倍率は、正立チューブ内で互いに対して正立レンズの位置を調整するための機構を設けることによって達成することができる。これは一般的に、正立チューブの周りに密着するカムチューブを使用することで行われる。各正立レンズ(又はレンズ群)は、正立チューブ内で摺動する正立レンズマウントに取り付けられる。正立レンズマウントに取り付けられた正立スリーブは、正立チューブの本体内の直線スロットを摺動して、正立レンズの向きを維持する。このスリーブはまた、カムチューブ内の角度付きの、又は湾曲したスロットと係合する。カムチューブが回ると、正立レンズマウントがガイドチューブ内で長さ方向に移動し、倍率が変化する。各正立レンズはカムチューブ内に固有のスロットを有し、これらスロットの構成により、カムチューブを回した時の倍率変化の量及び割合が決定される。
第2の焦点面のアパーチャは、画像反転組立体から観察光軸Aに沿って後方に位置決めし離間させることができる。接眼レンズ組立体は、接眼レンズにおいて、第2の焦点面のアパーチャから観察光軸Aに沿って後方に位置決めし離間させることができる。接眼レンズ組立体は、互いに離間して配置された1又は2以上のレンズを含むことができる。一部の実施形態では、観察光軸A及び直接観察光学機器を折り畳むことができる。
一実施形態では、主本体はビームコンバイナを有する。一実施形態では、ビームコンバイナは、図1Bに示すように観察光軸44上に位置決めし観察光軸44と光学的に結合させることができる。一実施形態では、ビームコンバイナは、観察光学レチクルの近くに位置決めすることができる。別の実施形態では、ビームコンバイナは、第1の焦点面の観察光学レチクルの近くに位置決めすることができる。
一実施形態では、ビームコンバイナは、対物レンズ組立体と第1の焦点面との間に位置付けられる。
更に別の実施形態では、主本体はビームコンバイナを有し、ビームコンバイナは接眼レンズ組立体の近くに設置されない。一実施形態では、ビームコンバイナは、接眼レンズ組立体の下に設置されない。
一実施形態では、主本体はビームコンバイナを有し、ビームコンバイナは、観察光学機器の主チューブ内の接眼レンズ組立体と比べて対物レンズ組立体に近接して位置付けられる。
図3は、主本体210とベース220とを備えたライフルスコープ300の切り欠き側面図を表示している。図示のように、ライフルスコープ300は、対物レンズ組立体310、ビームコンバイナ320、第1の焦点面330と、第2の焦点面350、及び接眼レンズ組立体360を有する。ビームコンバイナ320は、対物レンズ組立体310と第1の焦点面330の間に位置付けられる。
一実施形態では、観察光学機器400は、関連するレンズ及び回路のベース220内への組立を可能にするために長手方向に分割された主本体210を有することができる。図4は、ライフルスコープ400の長手方向に分割された主チューブ210の代表的な例である。図4は、長手方向に分割された主チューブの分割線410を示している。主本体210の底部側の分割部420により、統合表示システムを有するベース220の結合が可能となる。
一実施形態では、主本体の底部側は長手方向の分割部を有する。一実施形態では、長手方向の分割部は、おおよそ、主本体と結合するベースの長さである。
一実施形態では、主本体はアクティブディスプレイを有していない。
1.ビームコンバイナ
一実施形態では、観察光学機器の主本体はビームコンバイナを有する。一実施形態では、ビームコンバイナは、1又は2以上のプリズムレンズである(プリズムレンズがビームコンバイナを構成する)。別の実施形態では、ライフルスコープの主本体は、統合表示システムから生成された像と、ライフルスコープの観察光軸に沿って観察光学機器から生成された像とを結合させるビームコンバイナを有する。一実施形態では、統合表示システムは、主本体とは分離した別個のハウジング内に設置される。一実施形態では、統合表示システムは、第1ハウジング又は主本体と結合するベース内にある。一実施形態では、統合表示システムは、第1ハウジング又は主本体と結合するベースのキャビティ内にある。
一実施形態では、ビームコンバイナを用いて、統合表示システムから生成された像と、外部像を観察するための光学系からの像とを結合し、この場合、光学系はライフルスコープの主本体内で且つ主本体における第1の焦点面の前方に位置し、次いで結合された像が第1の焦点面上に合焦するので、生成された像と観察像とは互いに対して移動しない。結合像が第1の焦点面に合焦した状態では、可動正立系の調整にかかわらず、統合表示システムによって生成された照準基準は正確となる。
一実施形態では、ビームコンバイナをディスプレイ光軸に沿って統合表示システムと整列させ、ライフルスコープの主本体の観察光学機器の観察光軸に沿って位置決めすることができ、これにより、統合表示システムからの像を観察光軸の上に導いて、観察光学機器の視野と重ね合わせることが可能となる。
別の実施形態では、ビームコンバイナと統合表示システムは同じハウジング内にある。一実施形態では、ビームコンバイナは、対物レンズ組立体から約25mmの距離にある。
一実施形態では、ビームコンバイナは、対物レンズ組立体から約5mmの距離にある。一実施形態では、ビームコンバイナは、限定ではないが、対物レンズ組立体から、1mmから5mm、又は5mmから10mm、又は5mmから15mm、又は5mmから20mm、又は5mmから30mm、又は5mmから40mm、又は5mmから50mmを含む距離に位置決めされる。
更に別の実施形態では、ビームコンバイナは、限定ではないが、対物レンズ組立体から、1mmから4mm、又は1mmから3mm、又は1mmから2mmを含む距離に位置決めされる。
一実施形態では、ビームコンバイナは、限定ではないが、対物レンズ組立体から、少なくとも3mm、少なくとも5mm、少なくとも10mm、及び少なくとも20mmを含む距離に位置決めされる。更に別の実施形態では、ビームコンバイナは、対物レンズ組立体から、3mmから10mmの距離に位置決めされる。
別の実施形態では、ビームコンバイナは、接眼レンズ組立体から約150mmの距離にある。一実施形態では、ビームコンバイナは、限定ではないが、接眼レンズ組立体から、100mmから200mm、又は125mmから200mm、又は150mmから200mm、又は175mmから200mmを含む距離に位置決めされる。
一実施形態では、ビームコンバイナは、限定ではないが、接眼レンズ組立体から、100mmから175mm、又は100mmから150mm、又は100mmから125mmを含む距離に位置決めされる。
一実施形態では、ビームコンバイナは、限定ではないが、接眼レンズ組立体から、135mmから165mm、又は135mmから160mm、又は135mmから155mm、又は135mmから150mm、又は135mmから145mm、又は135mmから140mmを含む距離に位置決めされる。
一実施形態では、ビームコンバイナは、限定ではないが、接眼レンズ組立体から、140mmから165mm、又は145mmから165mm、又は150mmから165mm、又は155mmから165mm、又は160mmから165mmを含む距離に位置決めされる。
一実施形態では、ビームコンバイナは、限定ではないが、接眼レンズ組立体から、少なくとも140mm、又は少なくとも145mm、又は少なくとも150mm、又は少なくとも155mmを含む距離に位置決めされる。
更に別の実施形態では、主本体はビームコンバイナを有し、ビームコンバイナは、スコープ本体の外側中央部の仰角ターレットの下に位置付けられる。
一実施形態では、ビームコンバイナは、依然として直接観察光学機器の経路に良好な透過性透明品質を提供しながら、統合表示システムからのアクティブディスプレイ出力又はその少なくとも一部分を観察軸上に反射させて接眼レンズの観察者の目に向け直す、部分反射コーティング又は表面を有することができる。
一実施形態では、ビームコンバイナは、部分反射コーティングを備えた光学ガラス又はプラスチック材料などの光学材料で作られた立方体とすることができる。コーティングは、均一で中間色の反射コーティングとすることができ、或いは、接眼レンズ内の透過特性と反射特性の両方を最適化するために、偏光性、スペクトル選択性又はパターン付きのコーティングで適合させることができる。コーティングの偏光及び/又は色は、アクティブディスプレイに調和させることができる。これにより、直接観察光学機器の伝達経路への影響を最小限に抑えながら、表示光路の反射率及び効率を最適化することができる。
ビームコンバイナを立方体として示すが、一部の実施形態では、ビームコンバイナは、統合表示システム用の異なる光路長と、観察光軸Aに沿った直接観察光学機器とを有することができる。一部の実施形態では、ビームコンバイナは平板の形態とすることができ、その場合、光軸Aを横切る直接観察光学機器の経路内に薄い反射性/透過性の平板を挿入することができる。
一実施形態では、ビームコンバイナの位置は、視差による誤差を含むがこれに限定されない誤差を除去するために、反射材料と関係して調整することができる。ビームコンバイナの位置は、ねじシステム、くさびシステム、又は何れか他の適切な機構を用いて調整することができる。
一実施形態では、ビームコンバイナの位置は、限定ではないが、視差による誤差を含む誤差を除去するために、正立チューブと関係して調整することができる。
2.視差システム
一実施形態では、主本体は視差調整システムを有する。一実施形態では、視差調整システムは、フォーカスセルを視差調整要素に接続するためのデバイスを使用する。
一実施形態では、本明細書で開示される観察光学機器は、従来のフォーカスセルと比べて対物レンズ端部に近接して位置付けられるフォーカスセルと、従来はフォーカスセルで占められていたスペース内に位置付けられるビームコンバイナとを備えた主本体を有する。一実施形態では、接続要素がフォーカスセルを視差調整要素に接続する。
典型的なライフルスコープでは、図5A及び図5Bに示すように、視差ノブ510は、視差ノブ内のカム溝530に乗る単純なクロスピン520を介してフォーカスセルに接続され、視差ノブの回転運動をフォーカスセル内の直線運動に変換する。しかしながら、本明細書で開示される幾つかの実施形態では、フォーカスセルは対物レンズ側に向けてシフトされ、従って、フォーカスセルを視差調整要素に接続するために接続デバイスが必要とされる。
視差調整システムは、アクティブディスプレイの像と観察光学機器の主本体内のレチクルとの視差誤差を除去又は低減することができる。本明細書で開示される視差調整システムにより、デジタルディスプレイの像と外部シーンの像とを視差誤差なしで光学系の第1の焦点面(FFP)に統合させる観察光学機器が可能となる。
別の実施形態では、フォーカスセルは、従来のライフルスコープのフォーカスセルと比べて主本体の対物レンズ側に近接して位置付けられる。一実施形態では、フォーカスセルは、従来のライフルスコープのフォーカスセルと比べて、約5mmから約50mmだけ対物レンズに近接してシフトされる。一実施形態では、フォーカスセルは、従来のライフルスコープのフォーカスセルと比べて、少なくとも20mmだけ対物レンズに近接してシフトされる。一実施形態では、フォーカスセルは、従来のライフルスコープのフォーカスセルと比べて、少なくとも10mmだけ対物レンズに近接してシフトされる。更に別の実施形態では、フォーカスセルは、従来のライフルスコープのフォーカスセルと比べて、50mm以下だけ対物レンズに近接してシフトされる。一実施形態では、フォーカスセルは、Vortex Diamondbackライフルスコープ、Vortex Viperライフルスコープ、Vortex Crossfireライフルスコープ、Vortex Razorライフルスコープにおけるフォーカスセルの位置と比べて、30mmだけ対物レンズ組立体に近接してシフトされる。
一実施形態では、フォーカスセルは、従来のライフルスコープのフォーカスセルと比べて、限定ではないが、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、及び40mmを含む距離だけ観察光学機器の対物レンズ側に近接してシフトされる。
一実施形態では、1つのデバイスが、シフトされたフォーカスセルを調整ノブに接続する。一実施形態では、このデバイスにより、フォーカスセル内に位置付けられる視差調整レンズの遠隔配置が可能となる。一実施形態では、機械式デバイスは、プッシュロッド、ロッド、又はシャフトである。
一実施形態では、ロッドは、長さが約5mmから約50mmである。一実施形態では、ロッドは、長さが少なくとも20mmである。一実施形態では、ロッドは、長さが少なくとも10mmである。更に別の実施形態では、ロッドは、長さが50mm以下である。
一実施形態では、ロッドは、長さが15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、及び40mmである。
図5C~5Fは、本開示の一実施形態による観察光学機器の主チューブ210における視差調整システムの代表的な概略図である。図5Cに示すように、ロッド又はシャフトなどのデバイス530は、観察光学機器の対物レンズ端部に近接して動かされたフォーカスセル(視差レンズ)535を、視差調整ノブ組立体内の視差カムトラックピン540に接続する。視差レンズのシフトされた位置は、第1の焦点面の前方にプリズムレンズに必要なスペースを提供する。接続ロッドの一端部はフォーカスセルに繋がれ、接続ロッドの他端部はカムピンに繋がれる。
図5Dは、デバイス530が、視差レンズを有するフォーカスセル535を、視差調整アセンブリ550のカムトラック545に乗る視差カムトラックピン540に接続するところを示している。一実施形態では、視差調整組立体550は、カムピンを移動させて視差レンズを調整するための回転可能な要素を有する。
図5Eに示すように、ビームコンバイナ(プリズムレンズ)用に観察光学機器の主本体内のスペースを提供するために、フォーカスセルは対物レンズ組立体に近接してシフトされる。従って、フォーカスセルを視差ノブ組立体に接続するための機構が必要とされる。接続デバイス530は、視差ノブ組立体560のカム溝に乗るカムピン540にフォーカスセルを接続する。
図5Fに示すように、カムピン540は、視差ノブ組立体560のカム溝545に乗り、視差ノブ組立体を介したフォーカスセルの調整を可能にする。
一実施形態では、視差レンズを有する、主本体内のシフトされたフォーカスセルは、対物レンズ系の第1の焦点面の前方にビームコンバイナを統合するためのスペースを提供する。
一実施形態では、本明細書で開示されるライフルスコープの主本体内のビームコンバイナは、従来のライフルスコープでフォーカスセルが通常取り付けられるスペースに位置付けられる。
一実施形態では、本開示は、以下を備えた観察光学機器に関する:a)主チューブ;(b)主チューブの第1の端部に結合された対物レンズ系;(c)主チューブの第2の端部に結合された接眼レンズ系;(d)対物レンズ系とビームコンバイナの間に位置付けられるフォーカスセルであって、ビームコンバイナがフォーカスセルと第1の焦点面レチクルの間に位置決めされるフォーカスセル;並びに(e)フォーカスセルを視差調整要素に接続するロッド。一実施形態では、ロッドがフォーカスセルを視差調整要素のカムピンに接続する。一部の実施形態では、視差調整要素はノブを有する。
3.倍率追跡システム
一実施形態では、本開示は、観察光学機器と、観察光学機器の倍率設定を追跡するための方法とに関するものであり、追跡機構の構成要素は、信頼性が高く、操作者にとって完全に透明であり、環境から保護される。
レチクルが第1の焦点面にある時、レチクルは正立系の前方にあり、従ってレンズ位置の変化と比例して変化し、拡大像を生成する。正立系は、接眼レンズハウジング近くのライフルスコープの外側部分に位置付けられる倍率リングを使用して位置を変える。一般的に、倍率リングは外側正立スリーブにねじで接続され、倍率リングを回すと外側正立スリーブを倍率リングと共に回転させ、カム溝が正立系に設置されたズームレンズの位置を変化させる。デジタル像を第1の焦点面に投影する場合、デジタル像を利用可能にするには、レチクルの尺度でこの像を拡大縮小することが必要である。
倍率調整機構は、変倍レンズ又はズームレンズ要素に繋がれ、遠方対象物の像の光学倍率を調整する機能を提供する。
一実施形態では、そして図6に示すように、ポテンショメータのワイパ610は、外側正立スリーブ620の外径上に位置付けられる。ポテンショメータのワイパは、ライフルスコープの主本体210の内径上に位置付けられる膜ポテンショメータ710と接触する(図7参照)。
図8に示すように、一実施形態では、ポテンショメータのワイパ610は、膜ポテンショメータ710との接触を確実に維持するために、2つの接触点を備えた薄板バネである。薄板バネは、外側正立スリーブ620と内側正立チューブとの間に位置付けられる。ポテンショメータのワイパ610は、ライフルスコープの内径上で、倍率リングのスロットねじ820の対向する内壁に位置付けられる。ポテンショメータのワイパ610は、接着剤を用いてスコープチューブの側面内側に固定される。
一実施形態では、ポテンショメータのワイパは、外側エレクトスリーブの外径上に完全に平らに横たわる機能を有する。一実施形態では、ポテンショメータのワイパは、外側正立スリーブの内部に配置される。
一実施形態では、ポテンショメータのワイパは、図8の倍率リング810上に配置されない。
本明細書で開示される倍率追跡システムは内部に設置されて、どの部分も環境に曝されず、これは幾つかの利点を提供する。第1に、このシステムは内部にあり、その結果、環境からワイパ/正立系を保護するために密封が必要とされない。第2に、正立系がライフルスコープに設置された時に、倍率追跡システムが完成する。これにより、倍率リングの外側にあるネジ穴を介してデブリがこのシステム内に入る可能性がなくなる。
一実施形態では、本開示は、観察光学機器の倍率設定を追跡するためのシステムに関し、このシステムは、センサーと、様々な光学反射率/吸収率を有する材料とを使用する。一実施形態では、センサーは観察光学機器のベースに設置され、ベースは、観察光学機器の主本体と結合し、材料は、観察光学機器の主本体に位置付けられる。
一実施形態では、本開示は、正立レンズ系を有する正立チューブを備えた主本体と、正立チューブを取り囲む又は封じ込めるカムチューブ又はスリーブと、カムチューブに結合された様々な光学反射率/吸収率を備える材料と、主本体に結合されたベースとを有する観察光学機器に関し、ベースは、統合表示システムと、材料からの光学反射/吸収を検出するためのフォトセンサーとを有する。一実施形態では、ベースは、フォトセンサーと通信するためのプリント回路基板又はマイクロプロセッサと、1又は2以上のマイクロコントローラ又は電子コントローラとを有する。
一実施形態では、観察光学機器は、像の光学倍率を調整するための倍率調整リングを備えた主本体と、主本体に結合されて、統合表示システムと、マイクロプロセッサと、観察光学機器の倍率設定をマイクロプロセッサに伝達するシステムとを有するベースと、を有し、マイクロプロセッサは、統合表示システムのアクティブディスプレイと通信する。
一実施形態では、本開示は、光学機械システムの可動部品と感知デバイスとの間に機械的リンクを有さない観察光学機器の倍率設定を追跡するためのシステムに関する。本明細書で開示される倍率追跡システムは、観察光学機器の主本体に結合されたベースに埋め込まれ、システムの静止部品と可動部品との間に機械的リンクを有さない。
一実施形態では、本開示は、正立チューブが正立レンズ組立体を収容し、カムスリーブが正立チューブを取り囲んで様々な光学反射率/吸収率を備えた材料を有する主本体と、主本体に結合されたベースとを有する観察光学機器に関するものであり、ベースはフォトセンサーを有する。一実施形態では、様々な光学吸収率/反射率を備えた材料は、主本体の倍率調整リング近くのカムスリーブの端部でカムスリーブを取り囲む。一実施形態では、フォトセンサーは、カムスリーブ上の様々な光学吸収率/反射率を備えた材料の下に位置付けられる。
操作者/ユーザが観察光学機器の倍率調整リング212を回すと、外側カムスリーブが回転して2つのレンズセルが移動し、これによりライフルスコープの有効光学倍率が変わる。
一実施形態では、カムスリーブは、様々な光学吸収率/反射率を備えた材料を有する。一実施形態では、この材料はカムスリーブの外径に貼り付けられる。
一実施形態では、材料は材料のストリップである。一実施形態では、材料は、幅約10mm、長さ約40mmである。一実施形態では、材料の第1の側は、外側カムスリーブに取り付けるために使用される接着剤を有する。別の実施形態では、ストリップの他方の側は、その上に印刷されたグレースケール勾配を有するので、LEDをこれに向けた場合、LEDに曝されている傾斜の部分に応じて異なる量の光が反射される。
一実施形態では、PCBはLEDとフォトセンサーとを有する。一実施形態では、LED及びフォトセンサーは、外側カムスリーブの外径に取り付けられた傾斜ストリップの下に位置付けられる。LEDが傾斜ストリップを照らし、フォトセンサーは傾斜ストリップから反射された光の一部分を受け取って、マイクロコントローラに信号を送ることができ、この場合、信号の強さは検出された光の量と共に変化する。
操作者が倍率調整リングを回すと、傾斜ストリップの異なる部分がLED及びフォトセンサーに曝され、今度はフォトセンサーが、マイクロコントローラに送る信号強度を変化させる。従って、システムの光学倍率設定は、これをフォトセンサーによって検出された光の量と関係付けることで追跡可能である。
図65は、主本体6502と、主本体6502に結合されたベース6505とを有する1-8xライフルスコープ6500の側面図を示す。画像の右側には、倍率調整リング6510が見える。
図66は、スコープの本体を隠して外側カムスリーブ6610を露わにしたライフルスコープ6500の側面図を示しており、外側カムスリーブ6610は倍率調整リング6510と共に回転し、これにより倍率設定が変更される。
図67は、主本体の外側カムスリーブに取り付けられた反射性傾斜材料の位置を測定するのに使用されるフォトセンサー及びLED6720を含む、プリント回路基板6710を備えた観察光学機器6500のベース6505を示す。外側カムスリーブ及び関連する光学系は、この画像では隠されている。
図68は、フォトセンサーに対する受光角を説明するために模擬視円錐を描いた、プリント回路基板6710のフォトセンサー及びLEDの代表的な分解図である。
図69及び70は、観察光学機器の倍率設定値を測定するために外側カムスリーブ6610に取り付けられた反射性傾斜ストリップ6910と連動するフォトセンサー及びLED6720の画像である。これは、異なる反射率の4つの特定区画を有する傾斜ストリップ6910を示すが、このストリップは、その反射率が無限に変化し得ることに留意されたい。傾斜ストリップ6910は、倍率調整リングの近くに位置付けられるカムスリーブの一部分でカムスリーブに結合する。プリント回路板6710は、観察光学機器の主本体と結合するベース6505内に位置付けられる。プリント基板6710上のLED及びフォトセンサー6720は、傾斜ストリップ6910の下方に位置付けられる。
一実施形態では、本開示は、第1の端部及び第2の端部を備え、中心軸を有する主本体と、本体内に配置された対物レンズ系と、本体内に配置された接眼レンズと、主本体内に配置され、正立レンズ系を有する正立チューブと(対物レンズ系、接眼レンズ及び正立レンズ系が、第1の焦点面及び第2の焦点面を有する光学系を形成し、第1の焦点面は対物レンズ系に近接し、第2の焦点面は接眼レンズに近接する)、像の光学倍率を調整するために倍率調整リングと協働して移動する正立チューブを取り囲むカムスリーブであって、様々な光学吸収率/反射率を備える材料がカムスリーブに結合されたカムスリーブと、
主本体に結合され、材料からの光を検出するフォトセンサーと、フォトセンサーと通信するマイクロプロセッサと、マイクロプロセッサと通信し、倍率設定に基づいて像を生成し、生成された像を観察光学機器の第1の焦点面に投影する、アクティブディスプレイとを有するベースと、を備える観察光学機器に関する。一実施形態では、アクティブディスプレイから生成画像は、フォトセンサーから得られた信号に基づいている。
倍率設定をマイクロプロセッサに伝達するステップは、限定ではないが、倍率設定に基づいてレチクルパターンを変更するステップと、倍率の変化に応じて英数字情報のフォントサイズを自動的に変更するステップとを含む、多くの利点を有する。更に、複数の表示「ページ」がメモリシステムに保存される場合、マイクロコントローラは、操作者に最も関連のあるデータを提示するために、倍率設定に応じて「表示」ページを自動的に切り替えることができる。
4.追加の構成要素
一実施形態では、観察光学機器は、ライフルスコープと一体化されたボタン又は外部に取り付けられたボタンで制御することができる。
一実施形態では、観察光学機器の主本体は、カメラシステムを有することができる。
一実施形態では、観察光学機器の主本体は、1又は2以上の計算システムを有することができる。後述する統合表示システムは計算システムと通信する、又は別な方法で計算システムと関係することができる。一部の実施形態では、計算システムは、観察光学機器の第1ハウジング又は本体内に収容することができる。一部の実施形態では、計算システムを観察光学機器の外側部分に結合することができる。
図9は、本開示の一実施形態による観察光学機器の様々な電子部品のブロック図である。電池902は、計算システム又は制御モジュール904とアクティブディスプレイ906に電力を供給することができる。一実施形態では、計算システム904は、限定ではないが、ユーザインタフェース908、データ入力デバイス914、プロセッサ910、メモリ916、及び1又は2以上のセンサー912を含むことができる。
一実施形態では、ユーザインタフェース908は、ボタン、キー、ノブ、タッチスクリーン、ディスプレイ、スピーカ、マイクロフォンなど、複数の入力デバイス及び/又は出力デバイスを含むことができる。例えばボタンなど、ユーザインタフェースの一部の構成要素は、例えば、風データ、表示強度データ、レチクル強度データ、弾道プロファイルデータ、弾道係数データ、銃口速度データ、初期ゼロインデータ、ライフルスコープシステムの静止状態、GPS座標データ、コンパス座標データ、サイト・アバブ・ボアデータなどのデータを手動入力するために使用することができる。このデータは、プロセッサによって受信され、メモリに保存することができる。このデータはまた、アルゴリズム内で又はアルゴリズムを実行するためにプロセッサによって使用することができる。
データ入力デバイス914は、有線又は無線の通信デバイスを含むことができ、及び/又は、例えばUSBポート、ミニUSBポート、メモリカードスロット(例えば、microSDスロット)、NFCトランシーバ、Bluetoooth(登録商標)トランシーバ、Firewire、ZigBeee(登録商標)トランシーバ、Wi-Fiトランシーバ、802.6デバイス、セルラ通信デバイスなど、あらゆるタイプのデータ転送技術を含むことができる。データ入力デバイスと呼ばれるが、このようなデバイスは双方向通信で使用され、データ出力も同様に提供できることに留意されたい。
一実施形態では、プロセッサ910は、入力を受信し、アルゴリズム及び/又は処理を実行することができる、本技術分野で公知のあらゆるタイプのプロセッサとすることができ、限定することなく、1又は2以上の汎用プロセッサ及び/又は1又は2以上の専用プロセッサ(例えば、デジタル信号処理チップ、グラフィックスアクセラレーションチップなど)を含むことができる。プロセッサを用いて、ライフルスコープの操作における様々な処理、アルゴリズム、及び/又は方法を制御することができる。プロセッサは、表示システム及び/又はレチクルの動作を制御することができる。プロセッサはまた、ユーザインタフェース、データ入力、メモリ、センサー(複数可)、調整可能な構成要素(例えば、垂直調整ノブ、ウィンデージ調整ノブ又は視差ダイヤル)の位置と関係付けられた位置エンコーダから、及び/又は他のソースから入力を受信することができる。
一実施形態では、メモリ916は、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)及び/又は読出し専用メモリ(「ROM」)などのあらゆるタイプのデジタルデータ記憶装置を含むことができ、これらはプログラム可能、フラッシュ更新可能などとすることができる。別の実施形態では、メモリは、例えばディスクドライブ、ドライブアレイ、光記憶デバイス、又は固体記憶デバイスを含めて、外部接続デバイス由来のメモリを含むことができる。一部の実施形態では、メモリは、例えば弾丸が所与の距離にわたって落下する量及び/又は弾丸の水平方向逸れを修正するために、使用可能なデータを含む弾道情報を保存するように構成することができる。
データは、別のデバイスから入力し(例えば、プロセッサは、コンピュータ、ラップトップ、GPSデバイス、測距計、タブレット、又はスマートフォンなどの別デバイスから入力可能なデータを、データ入力デバイスを介して受信することができる)、メモリに保存することができる。このようなデータには、例えば、較正データ、回転データ及び/又は線形データをシュート・トゥ・レンジ値と相互参照する弾道プロファイル探索表、ライフル銃データ、発射体データ、ユーザデータなどを含めることができる。
センサー(複数可)912を用いて、ライフルスコープの使用に関連する様々な環境条件又は特性の何れかを感知することができる。例えば、センサー(複数可)は、大気状態(湿度、温度、圧力など)、傾斜、ライフルカント、及び/又はライフル銃の照準方向(コンパス方向)を感知することができる。幾つものセンサーを含むことができる。 センサーデータは、プロセッサによって記録されてメモリに保存され、及び/又は観察光学機器の動作に対する命令の処理に使用することができる。
制御モジュール904はまた、ソフトウェア要素を含むことができ、この要素は作業メモリ916内に位置付けられることができる。ソフトウェア要素は、オペレーティングシステム、及び/又は1又は2以上のアプリケーションプログラムなどの他のコードを含むことができる。
一実施形態では、カメラは制御モジュールと通信することができる。
B.第2ハウジング
一実施形態では、第2ハウジングは、第1ハウジングに結合され、統合表示システムを収容する。一実施形態では、第2ハウジングは、観察光学機器の主本体の一部分に結合されたベースである。一実施形態では、ベースは観察光学機器の主本体から分離可能である。
一実施形態では、第2ハウジングは、手ぶれ補正デバイスではない。一実施形態では、統合表示システムを有するベースの長さは、ベースが結合されるライフルスコープの主本体の長さの35%から70%である。更に別の実施形態では、統合表示システムを有するベースの長さは、ベースが結合されるライフルスコープの主本体の長さの40%から65%である。更に別の実施形態では、統合表示システムを有するベースは、ベースが結合されるライフルスコープの主本体の長さの65%以下である。
一実施形態では、ライフルスコープの主本体は、統合表示システムを有するベースの長さの約2.5倍である。更に別の実施形態では、ライフルスコープの主本体は、統合表示システムを有するベースの長さの1.5倍から2.5倍である。更に別の実施形態では、ライフルスコープの主本体は、統合表示システムを有するベースの長さの少なくとも1.5倍である。
図2に示すように、ベース220をライフルスコープのスコープ本体210にボルトで固定して、完全に密閉され一体化されたシステムを形成することができる。その場合、ベース220は、従来のライフルスコープリングを必要とせずに、銃器に直接取り付けることができる。
図10は、主本体210とベース220とを備えたライフルスコープ200の上面図を表示している。図10は、ベース220によって、ライフルスコープが何れかの位置で突き出る、又は従来のライフルスコープと不釣り合いとなることがないことを明示する。主本体とベースとを有する本明細書で開示されるライフルスコープは、ライフルスコープの伝統的でスマートなデザインを維持している。
図11は、ライフルスコープの主本体210に取り付けられたベース220を示す。ベース220は、主本体210の外縁と整列し且つ面一である。
一実施形態では、そして図2に示すように、統合表示システムを有するベースは、ライフルスコープ本体210の底部側に結合され、ベースの一端部が主本体210の倍率選択リング又は倍率リング212付近で結合し、ベースの他端部が主本体の対物レンズ組立体214の始点付近で結合する。一実施形態では、ベース220は、ねじ付き留め具、ねじなし一体式及び非一体式の位置決め及び反動伝達特徴、及びエラストマシールによって主本体210に結合される。
一実施形態では、ベースは、デジタルディスプレイを生成するために必要な構成要素で区画され、次いでベースをライフルスコープの主本体にボルトで固定し、完全に密閉され一体化されたシステムを形成することができる。
一実施形態では、ベースとスコープの主本体は、密閉され一体化されたシステムである。一実施形態では、ベースは、容易に取り外せるように設計されたクランプを使用せずに主本体に結合される。
一実施形態では、主本体と主本体に結合されたベースとを有する観察光学機器は、従来のライフルスコープリングを必要とせずに銃器に結合させることができる。一実施形態では、観察光学機器は、主本体と主本体に結合されたベースとを有し、ベースの底部側は取り付けレールを有する。
一実施形態では、観察光学機器のベースは、所望の銃器、機器又はデバイスに取り付けるための取り付けレールを含むことができ、光学機器の仰角位置を調整するための仰角調整ドラムを含む調整機構を有することができる。側方調整機構もまた、横方向の調整のために一般的に設けられる。これらの調整機構は、保護キャップで覆うことができる。
一実施形態では、ベースの上側は観察光学機器の主本体の底部側に結合し、ベースの底部側は取り付けレールを有する。一実施形態では、ベースの上側は、観察光学機器の主本体の底部側の側方分割部に結合する。
一実施形態では、ベースは、アクティブディスプレイを用いて像を生成し、生成された像をディスプレイ光軸に沿って導いて、生成された像を外部シーンの像と同時に重ね合わせて観察するようにするための統合表示システムを備え、生成された像は、観察光学機器の主本体の第1の焦点面に導入される。
一実施形態では、ベースは、レーザ測距計デバイスとは分離して別個のものである。一実施形態では、ベースはレーザ測距計デバイスから独立した装置である。
一実施形態では、第2ハウジング又はベースは、付加装備品ではない。別の実施形態では、第2ハウジング又はベースは、観察光学機器の接眼レンズに隣接した付加装備品としてアダプタで結合されない。
一実施形態では、第2ハウジング又はベースは、エンドユーザでは主本体から分離することができない。実施形態では、第2ハウジング又はベースは、複数又は他の観察光学機器と置き換えできない。
一実施形態では、本開示は、第1の光学系備えた主本体と、主本体に結合されて、統合表示システムなどの第2の光学系を有するベースと、を有する観察光学機器と、レーザ測距計デバイスとを備えたシステムに関する。
1.統合表示システム
一実施形態では、第2ハウジングは統合表示システムを備える。別の実施形態では、ベースは統合表示システムを備える。更に別の実施形態では、統合表示システムを有するベースは、ライフルスコープの主本体に結合される。更に別の実施形態では、ベースは、ライフルスコープの主本体の底部に結合される。
一実施形態では、ベースは、アクティブディスプレイと、集光器光学機器と、限定ではないが、ミラーを含む反射材料と、を備える統合表示システムを有する。一実施形態では、統合表示システムは、以下のアーキテクチャを有する:アクティブディスプレイ、次いで集光器光学機器、次いでミラーなどの反射材料が来る。
図12は、観察光学機器の主本体に結合されるベース220の上面破断図である。ベース220は、マイクロディスプレイ1210と、集光器光学機器1220と、ミラー1230とを有する統合表示システムを備える。一実施形態では、ミラー1230は、何れかの適切な角度に位置決めすることができる。
図13は、マイクロディスプレイ1210と、集光器光学機器1220と、ミラー1230とを有する統合表示システムを備えたベース220の切り欠き側面図である。主本体210は、ミラー1230の上方に位置付けられるビームコンバイナ320を有する。
図14は、主本体210と分離可能なベース220とを有するライフルスコープの切り欠き側面図を示す。ベース220は、マイクロディスプレイ1210と、集光器光学機器1220と、ミラー1230とを備える。ミラー1230は、約45度に位置決めされる。スコープ本体210は、角度付きミラー1230のほぼ上方に位置付けられるビームコンバイナ320を有する。ビームコンバイナ320は、スコープ本体210の仰角調整ノブ1410のほぼ下方に位置付けられる。アクティブディスプレイ1210は、ベース220が観察光学機器の主本体210に結合された場合に、ベース内で接眼レンズ組立体側1420に位置付けられる。
図15に示すように、マイクロディスプレイ1210から生成された像は、ディスプレイ光軸Aから観察光軸Aに向けて、ミラー1230を介して主本体210内のビームコンバイナ320に向け直され、そのデジタル像を、光学機器を通して観察者が観察したシーンの像の上へ、第1の焦点面1510内で同時に重畳する又は重ね合わせるようにすることができる。ビームコンバイナ320は第1の焦点面1510より前に位置決めされ、結合された像は第1の焦点面に合焦するので、表示された像と観察された像とが互いに対して移動しない。これは、第2の焦点面に像を導入するデバイスと比べて大きな進歩である。
一実施形態では、図16に示すように、アクティブディスプレイ1210は、ベースがライフルスコープの主本体に結合されている場合、ライフルスコープの主本体の接眼レンズ組立体と比べて対物レンズ組立体214に最も近いベースの部分に位置している。ライフルスコープの主本体は、アナログレチクル1610を有する。
図17は、ビームコンバイナ320を備えた主本体210と、主本体に結合され、統合表示システムを有するベース220とを備えたライフルスコープ200を示す。図17示すように、アクティブディスプレイ1210は、ベースがライフルスコープの主本体に結合されている場合、ライフルスコープ本体の対物レンズ組立体と比べて接眼レンズ組立体に最も近いベースの部分に位置している。統合表示システムからの像を第1の焦点面に重畳することにより、ユーザは、従来のガラスエッチング式レチクル1610を照準目的に依然として使用することできる。
一実施形態では、統合表示システムは、アクティブディスプレイから生成された像をディスプレイ光軸Aに沿って導くことができる。生成された像をディスプレイ光軸Aからベース内のミラーへ、そしてライフルスコープの主本体内のビームコンバイナに向け、主本体の光学系を介して観察者が観察するシーンの像の上にその生成された像を同時に重畳する又は重ね合わせるようにすることができ、この場合、結合された像は、主本体の光学系の第1の焦点面に導入される又は合焦する。
一実施形態では、ベース内のアクティブディスプレイから生成された像は、ライフルスコープ本体の第1の焦点面に合焦し、これにより、ディスプレイから生成された像は、外部に取り付けられた装備品との位置合わせを維持することができる。
一実施形態では、ベース内のアクティブディスプレイから生成された像は、ライフルスコープの主本体の第1の焦点面に合焦するので、生成された像は、正立チューブの移動に束縛されない。生成された画像は、正立チューブの移動とは関係しない。
一実施形態では、アクティブマイクロディスプレイからの光は、光学レンズ群によって集められる。ディスプレイからの光は、ライフルスコープ主チューブ組立体内のビームコンバイナに反射され、ライフルスコープの第1の焦点面と一致するディスプレイの像が形成される。このディスプレイ像は、シーン(標的)による像と結合され、従来のワイヤレチクル又はガラスエッチング式レチクルの「表面下」にあるように知覚される。一実施形態では、依然として利用されている「従来の」レチクルが、シーンの像とディスプレイの像の両方を塞ぐ。ディスプレイの輝度が十分な輝度レベルまで上昇すると、OLEDディスプレイの像がシーンの像を満たして、シーンも同様に塞ぐように見えることになる。
更に別の実施形態では、ベース内の統合表示システムは、生成された像を、ディスプレイ光軸「B」に沿って、ライフルスコープの主本体内の観察光軸Aの上に導くことができる。生成された像は、ベース内のミラー又は類似の反射材料を備えたディスプレイ光軸Bから主本体内の観察光軸Aに向けて、主本体内のビームコンバイナへ向け直すことができ、これにより、生成された像を、主本体の光学機器を通して観察者が観察するシーンの像の上に同時に重畳する又は重ね合わせることができる。ベース内のアクティブディスプレイから生成された像はミラーに導かれ、このミラーは、生成された像をビームコンバイナに反射させる。
一実施形態では、ディスプレイ光軸「B」と観察光軸「A」は実質的に平行であるが、別の実施形態では、必要に応じて別様に配向することができる。
A.アクティブディスプレイ
一実施形態では、統合表示システムはアクティブディスプレイを有する。一実施形態では、アクティブディスプレイは、マイクロコントローラ又はコンピュータによって制御される。一実施形態では、アクティブディスプレイは、ディスプレイにビデオ信号を出力するための統合グラフィックスコントローラを備えたマイクロコントローラによって制御される。一実施形態では、情報は、無線で又はケーブルポートを介した観察光学機器内への物理的接続によって、送信することができる。更に別の実施形態では、多数の入力ソースをマイクロコントローラに入力し、アクティブディスプレイ上に表示することができる。
一実施形態では、アクティブディスプレイとビームコンバイナは、同じハウジング内に設置されない。一実施形態では、アクティブディスプレイとビームコンバイナは、別々のハウジング内に設置される。
一実施形態では、アクティブディスプレイは、限定ではないが、マイクロディスプレイ、透過型アクティブマトリックスLCDディスプレイ(AMLCD)、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、電子インクディスプレイ、プラズマディスプレイ、セグメントディスプレイ、電子発光ディスプレイ、表面伝導型電子放出ディスプレイ、量子ドットディスプレイなどを含む、反射型、透過型又は発光型のマイクロディスプレイとすることができる。
一実施形態では、LEDアレイはマイクロピクセル化LEDアレイであり、LED素子は、概ね75μm未満の小さなピクセルサイズを有するマイクロピクセル化LED(本明細書ではマイクロLED又はμLEDとも呼ぶ)である。一部の実施形態では、LED素子は各々、約8μmから約25μmの範囲のピクセルサイズを有し、約10μmから約30μmの範囲のピクセルピッチ(マイクロLEDアレイの垂直方向と水平方向の両方で)を有することができる。一実施形態では、マイクロLED素子は、約14μmの均一なピクセルサイズを有し(例えば、全てのマイクロLED素子が小さな許容誤差内で同じサイズである)、約25μmの均一なピクセルピッチでマイクロLEDアレイに配置される。一部の実施形態では、LED素子は各々、約25μm以下のピクセルサイズと、約30μm以下のピクセルピッチを有することができる。
一部の実施形態では、マイクロLEDは無機であり、窒化ガリウム発光ダイオード(GaN LED)をベースとすることができる。マイクロLEDアレイ(グリッド又は他の配列に配置された多数のμLEDを備える)は、外部のスイッチングシステム又はフィルタリングシステムに基づかない、高密度で発光型のマイクロディスプレイを提供することができる。一部の実施形態では、GaNベースのマイクロLEDアレイを透明なサファイア基板上に成長させる、接合する、又は別の方法で形成することができる。
一実施形態では、サファイア基板は、マイクロLEDの内部量子効率及び光抽出効率を高める(すなわち、マイクロLEDの表面からより多くの光を抽出する)ために、テクスチャ化される、エッチングされる、又は別の方法でパターニングされる。別の実施形態では、パターニングされたサファイア基板上に銀のナノ粒子を堆積/分散させて、マイクロLEDを接合する前に基板を被覆し、GaNベースのマイクロLED及びマイクロLEDアレイの光効率と出力電力を更に向上させることができる。
一実施形態では、アクティブディスプレイはモノクロとすることができ、或いはフルカラーを提供することができ、一部の実施形態ではマルチカラーを提供することができる。別の実施形態では、他の適切な設計又はタイプのディスプレイを採用することができる。アクティブディスプレイは、電子機器で駆動することができる。一実施形態では、電子機器は表示機能を提供することができ、或いは電子機器と通信する別のデバイスからこのような機能を受け取ることができる。
一実施形態では、アクティブディスプレイは、アクティブディスプレイを光で照らすためのLEDバックライトなどのバックライト照明又は光源、デバイス、装置又は部材を含むバックライト組立体を有するバックライト/ディスプレイ組立体、モジュール又は構成の一部とすることができる。一部の実施形態では、バックライト光源は大面積LEDとすることができ、生成された光を集めて第2の照明レンズ又は集光レンズに導くための第1のレンズ又は一体型レンズを含み、良好な空間的及び角度的な均一性を備えてアクティブディスプレイの上に光を集中させ、ディスプレイ光軸Bに沿って導くようにすることができる。バックライト組立体及びアクティブディスプレイは、低電力でありながら、光学機器を通した非常に高輝度の現実世界の眺めと同時に観察するのに十分な高輝度を備えた像を提供することができる。
バックライトの色は、何れかの単色であるように選ぶことができ、或いはフルカラーのマイクロディスプレイをサポートするために白色とすることができる。バックライトの性能を最適化するために、他の光源、導波管、拡散板、マイクロ光学素子、偏光板、複屈折部品、光学コーティング及び反射板など、他のバックライト設計要素を含めることができ、これらは、アクティブディスプレイの全体的なサイズ要件、並びに輝度、出力及びコントラストのニーズと両立できる。
図16及び17は、主本体と結合するベース内の統合表示システムの代表的な例を描写し、ディスプレイ、光学系、及びミラーを示している。この統合表示システムは、その上方に描かれた観察光学機器の主本体に収容された光学系と共に機能する。
使用可能なマイクロディスプレイの代表的な例には、限定ではないが、以下のものが含まれる:MDP01(シリーズ)DPYM、MDP02、及びMDP05を含む、Microoled社製;ピクセルピッチが9.9x9.9μm及び7.8x7.8μmのマイクロディスプレイ、SVGAなどのEmagin社製;並びにLightning Oled MicrodisplayなどのKopin Corporation社製。また、限定ではないが、VueReal社製及びLumiode社製のものを含む、マイクロLEDディスプレイも使用することができる。
一実施形態では、アクティブディスプレイと協働する電子機器は、表示記号を生成する性能、ディスプレイに対する出力を書式設定する性能を含むことができ、電池情報、電力調節回路、ビデオインタフェース、シリアルインタフェース、及び制御特徴を含むことができる。オーバーレイ表示ユニットの追加の機能又は異なる機能のために、他の特徴を含めることができる。電子機器は表示機能を提供することができ、或いは電子機器と通信する別のデバイスからこのような機能を受け取ることができる。
一実施形態では、アクティブディスプレイは、アクティブな標的レチクル、距離測定値及び風情報、GPS及びコンパス情報、銃器傾斜情報、標的の発見、認識及び識別(ID)情報、及び/又は外部センサー情報(センサービデオ及び/又はグラフィックス)、又は状況認識用の画像などを含め、限定ではないが、テキスト、英数字、グラフィック、記号、及び/又はビデオ撮像、アイコンなどを含む像を生成して、光学機器を通して見える視野の像と共に接眼レンズを通して観察することができる。直接観察光学機器は、エッチング式レチクル及び銃口照準を含む又は維持し、高解像度を保持することができる。
一実施形態では、アクティブディスプレイの利用により、プログラム可能な電子的照準点を視野内のあらゆる位置に表示することができる。この位置は、ユーザが決定できる(超音速と亜音速の両方の弾丸を発射し、従って2つの異なる弾道及び「ゼロイン」を有するライフル銃の場合のように)、或いは弾道計算機から受け取った情報に基づいて計算することができる。これは、射撃毎の間隔で更新可能な長距離射撃のための「落下補正された」照準点を提供することになる。
一実施形態では、アクティブディスプレイは、最大限の垂直補正を実現するように配向することができる。一実施形態では、アクティブディスプレイは、幅よりも背が高くなるように位置決めされる。
一実施形態では、アクティブディスプレイは、図18に示すように配向され、これにより、ライフルスコープ内でアクティブレチクルに関して最大限の垂直調整範囲1810が可能となる。最大限の垂直調整は、より長距離におけるシナリオの弾道補正を可能にするため、有利である。
一実施形態では、統合表示システムは、アクティブディスプレイと電子的に通信するプロセッサを更に備える。
別の実施形態では、統合表示システムは、メモリと、少なくとも1つのセンサーと、及び/又はプロセッサと電子的に通信する電子通信デバイスを含むことができる。
一実施形態では、本開示は、外部シーンの像を生成するための光学系と光学系と一列に並んで配置された主本体ビームコンバイナとを備えた主本体と、像を生成するための第1のアクティブディスプレイ及び第1のアクティブディスプレイに垂直な第2のアクティブディスプレイを有する統合表示システムを備えて主本体に結合されたベースと、を備え、第1のアクティブディスプレイ又は第2のアクティブディスプレイの何れかから生成された像が光学系の第1の焦点面に投影されて、スコープ本体の接眼レンズを通して見たときに生成された像と外部シーンの像を同時に観察できるようにする、観察光学機器に関する。
一実施形態では、本開示は、外部シーンの像を生成するための光学系と光学系と一列に並んで配置された主本体ビームコンバイナとを備えた主本体と、像を生成するための第1のアクティブディスプレイ、像を生成するための第2のアクティブディスプレイ、第1の像及び第2の像を結合するよう構成されたベースビームコンバイナ、及びスコープ本体の接眼レンズを通して見たときに第1の焦点面において結合された像と外部シーンの像を同時に重ね合わせて観察するため結合された像を主本体ビームコンバイナに導くための反射材料を有する統合表示システムを備えて主本体に結合されたベースと、を備える、観察光学機器に関する。
一実施形態では、ベースビームコンバイナは、第1のディスプレイの右側に位置付けられる。更に別の実施形態では、第2のアクティブディスプレイは、第1のアクティブディスプレイに垂直にシステム内に配置することができる。これにより、両方のディスプレイを用いて、観察光学機器の焦点面に個々に又は同時に投影することができる。
測距に関する使用方法
一実施形態では、アクティブディスプレイは、レーザ測距計から得られた距離測定値を表示することができる。一実施形態では、LRFを観察光学機器に結合することができる。一実施形態では、LRFは、ライフルスコープの外側スコープ本体に直接結合される。別の実施形態では、LRFの一部分が、ライフルスコープのスコープ本体の外側部分に直接結合される。
一実施形態では、LRFは、ライフルスコープの外側スコープ本体に間接的に結合される。別の実施形態では、LRFの一部分が、ライフルスコープのスコープ本体の外側部分に間接的に結合される。
更に別の実施形態では、LRFはライフルスコープに結合されないが、固定配線又は無線の何れかを介してライフルスコープと通信する。
一般的な動作では、LRFは、投影光学機器を介してシーンに投影されるレーザ光のパルスを提供する。このレーザ光は対象物を照らし、レーザ光の一部は反射されてLRFに戻る。デバイスに戻ってきた反射レーザ光の一部は、受光光学系によって捕捉され、検出器に導かれる。このデバイスは、レーザ光パルスが送出された時に起動し、戻ってきたレーザ光が検出された時に停止するタイマを含む。デバイスの計算機部分は、レーザ光パルスの送出から、戻ってきた反射レーザ光の検出までの経過時間を用いて、対象物までの距離を計算する。
一実施形態では、距離計算値はアクティブディスプレイに送信され、生成された画像(距離測定値又は計算値)は、ミラー及びビームコンバイナを用いてディスプレイ光軸「B」から観察光軸Aの上へ向け直されて、その画像(距離測定値又は計算値)を、観察光学機器を通して観察者が観察するシーンの像の上に、同時に重畳する又は重ね合わせるようになっている。
ウィンデージレンジバー
別の実施形態では、アクティブディスプレイは、ウィンデージレンジを生成することができる。一実施形態では、ユーザは、風の値の範囲を与えることができ、ソフトウェアは、ウィンデージデータ、例えばウィンデージレンジ変動バーを生成することができる。一実施形態では、ウィンデージデータはアクティブディスプレイに送信され、生成された画像、例えばウィンデージレンジ変動バーは、ミラー及びビームコンバイナを用いてディスプレイ光軸「B」から観察光軸「A」の上へ向け直されて、その画像(ウィンデージレンジ変動バー)を、観察光学機器を通して観察者が観察するシーンの像の上に、同時に重畳する又は重ね合わせるようになっている。
一実施形態では、ウィンデージデータは、最小ウィンドホールド点から最大ウィンドホールド点までを含む。
一実施形態では、ウィンデージデータはアクティブディスプレイに送信され、アクティブディスプレイは、適切なウィンドホールドで視野内にデジタルレチクルを生成することができる。
メンタルキューに対する表示色
一実施形態では、アクティブディスプレイは、特別水準の情報を迅速に理解できる形式でユーザに伝えるために、カラー表示を生成することができる。一実施形態では、アクティブディスプレイは、発射準備完了を指摘する一連の色分けされた記号を生成することができる。
一実施形態では、アクティブディスプレイは、一連の色分けされた記号を生成して、標的シーン内の対象物を色分けすることができる。一実施形態では、アクティブディスプレイは、友軍を敵軍から色で区別することができる。別の実施形態では、アクティブディスプレイは、対象となる標的を色分けすることができる。
一実施形態では、アクティブディスプレイは、ウィンデージ調整状態を指摘する一連の色分けされた記号を生成することができる。一実施形態では、赤色のドットは、ウィンデージ調整が完了していないことを指摘できるのに対して、緑色の記号は、ウィンデージ調整が完了していることを指摘できる。
別の実施形態では、アクティブディスプレイは、色付きの照準点を生成することができる。一実施形態では、限定ではないが、ウィンデージ、距離、及び仰角を含む適切な調整が行われていない場合、照準点は赤色になる。別の実施形態では、全てではないが一部の射撃調整が完了している場合、照準点は黄色になる。更に別の実施形態では、必要な射撃調整が全て完了している場合、照準点は緑色となり、照準点は完全に補正されている。
更に別の実施形態では、記号の点滅状態及び点灯状態を利用して、照準点の調整に関する同様の状況情報を伝えることができる。
更に別の実施形態では、アクティブディスプレイは、状況を表すために色で示されるテキストを生成することができる。一実施形態では、赤色のテキストは、入力パラメータが入力又は計算されていないことを表し、テキストに関して緑色は、入力又は計算されたパラメータを表す。
測距における着弾ゾーン用のマーカ
一実施形態では、アクティブディスプレイは、ユーザが発射体の着弾ゾーンを素早く捉える又は囲むことができるように、円、正方形、又は他の形状を生成することができる。
ホールドオーバの推定と補正
別の実施形態では、アクティブディスプレイは、移動方向及び移動速度に対するユーザ入力に基づいて、移動する標的に対して補正された照準点を生成することができる。例えば、ユーザは、左方向へ時速5マイルという移動速度を入力することができる。これは、風と移動が同じ方向の場合にはウィンデージ値に加算され、逆方向の場合にはウィンデージ値から減算されることになる。その場合、照準点及び/又はウィンデージ値バーがディスプレイ上にプロットされた時に、照準点は適切な量のホールドオーバを含むことになり、ユーザは、移動する標的の移動を補正するために移動する標的の前に照準点を置く必要があるのではなく、所望の着弾ゾーンに照準点ドットを置いて撃つことができる。
カメラ及び遠隔表示操作によるチーム作戦
一実施形態では、ネットワークインタフェースと連動するアクティブディスプレイにより、追加の水準の強化された操作及び使用が可能となる。一実施形態では、ネットワークを介して複数の射手のレチクル像を見ることができる。各射手のレチクルカメラ像は、1又は2以上のコンソールに表示され、ネットワークプロセス及びインタフェースは、個々のライフルスコープでは以前利用できなかった集団レベルの調整、訓練、及び連携を可能にする。
訓練及び指導
訓練又は指導のシナリオでは、指導者は、各射手が各自のレチクルを各自の標的にどのように位置合わせしたのかを見ることができる。レチクル位置合わせを実際に見ることができることで、指導者又は訓練者は、口頭指示(例えば、無線で又は対面で)などによって、調整及び再位置決めに関する指示を与えることができる。
別の実施形態では、指導者のコンソールには、マウス又はジョイスティックなどのポインティング手段を設けることができ、これに対する制御データは、コンソールからネットワークを介してライフル銃の統合表示システムに転送される。その場合、この指導者のマウス又はジョイスティックは、各射手のスコープのディスプレイ内で追加のドット又はポインタを制御し、これにより、指導者は、どの標的を使用すべきか、どの距離マーカバーを使用すべきか、並びにレチクルを標的に対してレチクルのどこに位置決めすべきかを射手に視覚的に示すことができる。一実施形態では、指導者が各射手に個別化された指示を与えられるように、各射手には各自固有の指導者ドットを与えることができる。
射撃調整
別の実施形態では、アクティブディスプレイは、複数射手の射撃チームの調整及び実施において使用することができる。一実施形態では、チームの指揮者は、指導者のコンソールを操作し、指導者ドットを使用して、各射手への標的割当て、レチクル配置変更の伝達などを支援する。
遠隔審査及び承認のためのスナップショット
別の実施形態では、アクティブディスプレイ及びネットワークプロセスにより、制御手段を与えられた射手は、自分のレチクルビューの「スナップショット」を撮ることができる。ユーザのレチクルビューに関するこのスナップショットは、問題の標的の画像を含むことができる。この画像を指揮者又は指導者が受信すると、指揮者又は指導者は、画像を審査して、撮影を承認する又は不承認とする。例えば、指導のシナリオでは、ユーザは、撮影すべき正当な動物(年齢、種、性別など)だと思う動物のスナップショットを撮影することができる。指導者は、同意する場合、射手のレチクル内の指導者ドットを位置決めする又は移動することによって、これを示すことができる。
標的の生体計測による分類
別の実施形態では、レチクル像のスナップショットは、顔認識システムなどの生体計測による認識及び/又は分類プロセスによって受信される。生体計測による認識及び/又は分類プロセスは、ディスプレイ制御ロジックに統合されるなど、銃に搭載されてもよいし、ネットワークを介して相互接続された銃とは離れていてもよい。認識及び/又は分類プロセスの結果は、その結果をネットワークを介して制御ロジックに送信し、ディスプレイを適宜更新することによって、レチクルに提供することができる。
サイド・バイ・サイド画像表示
別の実施形態では、画像がネットワークを介して統合表示システムにダウンロードされ、レチクル内で標的の観察像と同時に表示される。ダウンロードされた画像を用いて、ユーザ(射手)は、現在観察している標的を、撮影するように指示されたもの又は撮影を望むものと類似する標的の以前撮影された画像又は写真と、並べて比較することができる。例えば、牝鹿のシーズン中、新参の射手にはレチクル内に参照用の牝鹿の画像が与えられ、スコープを通して観察する実際の動物とリアルタイムで比較することができる。軍隊又は法執行への適用例では、捜し求める敵又は逃亡者の画像をレチクルに表示して、狙撃者がスコープを通して観察している人物の顔とリアルタイムで比較できるようにする。
アクティブディスプレイの代表的な例
a.530~570nm
一実施形態では、本開示は、530~570nmマイクロディスプレイを使用する統合表示システムに関する。
図19は、530~570nmデジタルディスプレイ1910を備えた統合表示システムを示す。
図20は、530~570nmデジタルディスプレイ1910で表示できる例示的な画像2020の概略図である。図20に示すように、ガラスエッチング式レチクル2010は、本明細書で開示される装置及びシステムと共に使用することができる。これらの画像は例示に過ぎず、アクティブディスプレイで表示可能な情報の量又はタイプを限定するものと解釈すべきではない。
別の実施形態では、530~570nmデジタルディスプレイ1910の組み込みにより、人間の目の感度に起因して、他のどのカラーディスプレイよりも相対的に高い有効性が可能となる。これは、同じ測光輝度の赤色又は青色のディスプレイへの給電と比べて、より少ない消費電力量を可能にする。
更に別の実施形態では、530~570nmデジタルディスプレイ1910の組み込みにより、エンドユーザには、周囲光によって作り出された背景からデジタルオーバレイを昼間視力で識別するより大きな能力が与えられる。
b.AMOLED
一実施形態では、本開示は、AMOLEDマイクロディスプレイを含む統合表示システムに関する。
図21は、AMOLEDデジタルディスプレイ2110を備えた統合表示システムを示す。
図22は、AMOLEDデジタルディスプレイで表示できる例示的な画像2210の概略図である。図22に示すように、ガラスエッチング式レチクル2010は、本明細書で開示される装置及びシステムと共に使用することができる。これらの画像は例示に過ぎず、アクティブディスプレイで表示可能な情報の量又はタイプを限定するものと解釈すべきではない。
一実施形態では、AMOLED2110で生成された画像を第1の焦点面に統合/結像/合焦する。一実施形態では、AMOLEDディスプレイ2110の使用により、ライフルスコープに表示されるデータ内でのコントラストの増大とより大きな複雑度とが可能となる。
一実施形態では、AMOLEDディスプレイ2110の組み込みは、照らされる個々のピクセルの選択を可能にし、複雑なデータ構成をライフルスコープに容易に表示する能力を与える。
別の実施形態では、AMOLEDディスプレイ2110の組み込みは、システム内のバックライティングに対する必要性が低下するために、ライフルスコープ内部の小型軽量パッケージサイズを可能にする。
別の実施形態では、統合表示システムは、バックライトディスプレイ組立体を必要としない。
更に別の実施形態では、AMOLEDディスプレイ2110の組み込みによって、個々のピクセルに対する電力使用量を最適化する機能が今や利用可能となったため、電力消費量の低減が可能となる。
一実施形態では、AMOLEDディスプレイ2110の組み込みは、コントラスト比を与え、これにより、スコープ内できれいな「ヘッドアップ」様式のディスプレイが可能となる。コントラスト比は、各浮動的特徴を個別に標的化し、ピクセル周囲の低グローなしで表現することを可能にする。
B.集光器レンズ系
一実施形態では、統合表示システムは、1又は2以上のレンズセルの一部として光学レンズの使用に基づく光学系を有し、レンズセルは、レンズ自体と、レンズが取り付けられるレンズセル本体とを含む。一実施形態では、レンズセルは、概ね円筒形又はディスク状の高精度に形成された本体を含む。この本体は、より大きな光学系の光軸に合わせてレンズを取り付けるための中央アパーチャを有する。また、セル本体はそれ自身の整列軸を有すると言うこともでき、その整列軸は、レンズセルがそこに取り付けられた時に、最終的により大きな光学系の光軸と整列することになる。更に、レンズセルは、レンズ用の「ホルダ」として機能し、より大きな光学系に対して且つその中にレンズを取り付けることのできる機構として機能し、(最終的には)その光学系によって且つその目的のためにレンズを操作できる手段として機能する。
一実施形態では、統合表示システムは、レンズ系としても言及する、集光器レンズ系を備える。一実施形態では、集光器レンズ系は、内側レンズセルと外側レンズセルとを備える。
図23は、集光器レンズ系2310の代表的な例であり、内側レンズセル2315と外側レンズセル2320とを有する。一実施形態では、外側レンズセル2320は少なくとも1つのレンズを収容し、内側レンズセル2315は少なくとも1つのレンズを収容する。一実施形態では、内側レンズセル2315は、外側レンズセル2320の内面上を回転する。図23に示すように、アクティブディスプレイ1210は、内側レンズセル2315の背面にある平坦な加工面に結合される。一実施形態では、アクティブディスプレイ1210を内側レンズセル2315に直接結合することができる。更に別の実施形態では、アクティブディスプレイ1210を内側レンズセル2315に間接的に結合することができる。
本明細書で開示される集光器光学系の1つの利点は、マイクロディスプレイマウントと結合される内側レンズセルが、マイクロディスプレイの垂直軸を位置決めするための堅い回転機械軸を提供することである。
図24は、観察光学機器の主本体と結合するベース220の代表的な図解であり、この場合、ベースは、統合表示システムの一部として集光器光学系2310を有する。図24では、主本体は、ビームコンバイナ320と観察光学レチクル2420によって描かれている。
外側レンズセル2320が観察光学系に対してその主本体内の定位置に固定されるのに対し、内側レンズセル2315は、外側レンズセル2320の内部で回転自在に浮動することが許容される。内側レンズセル2315の回転軸の下方に位置付けられる内側レンズセル2315の表面2410に対して圧力を加えることにより、アクティブディスプレイ1210の垂直軸を観察光学系のレチクル1610の垂直軸と揃えることができる。
図25は、アクティブディスプレイの垂直軸の傾きをレチクルの垂直軸と揃えるための一実施形態の代表的な図解である。図25に示すように、内側レンズセル2315の回転軸の下方に位置付けられる内側レンズセル2315の表面に対して、対向する止めねじ2505を締め付けることができる。止めねじ2505を用いて、マイクロディスプレイ1210の垂直軸を、観察光学機器の主本体内の光学系にあるレチクルの垂直軸と揃えることができる。内側レンズセル2315の回転は、止めねじ2505を内側レンズセル2315の下面に対して確実に締め付け、これによりマイクロディスプレイ1210の垂直軸を定位置に回り止めすることで維持することができる。
図26は、マイクロディスプレイ1210又はアクティブディスプレイの傾斜調整機構を備えた集光器レンズ系2300の後方切り欠き図の代表的な図である。ビームコンバイナ又は導波管を用いてマイクロディスプレイが観察光学機器に導入される場合、レチクルの垂直軸とマイクロディスプレイの垂直軸の導入像との傾斜誤差を除去するために、追加の補正方法が必要とされる。内側レンズセル2315の回転軸の下方に位置付けられる内側レンズセル2315の表面に対して、止めねじ2505を締め付け、これにより、マイクロディスプレイ1210の垂直軸を、観察光学機器の主本体内の光学系にあるレチクルの垂直軸と揃えることができる。
図27は、マイクロディスプレイと観察光学機器の主本体の光学系にあるレチクルとの視差を除去するための方法及び装置に関する代表的な図解である。外側レンズセル2320は、図27の右側に少なくとも1つのレンズを収容し、内側レンズセル2315は、図27の左側に少なくとも1つのレンズを収容する。内側レンズセル2315は、外側レンズセル2320の内面上を光軸に沿って摺動する。マイクロディスプレイ1210は、内側レンズセル2315に結合される。バネ2710を外側レンズセル2320と内側レンズセル2315との間に設置して、圧縮力を受けていない時にこれらのセルを分離させる。
図28Aは、集光器光学系2300を有し、観察光学機器の主本体に結合されるベースの代表的な図解である。図28Aでは、主本体は、ビームコンバイナ320と観察光学レチクル2810で描かれている。
外側レンズセル2320は観察光学機器に対して定位置に固定され、内側レンズセル2315は、外側レンズセル2320の内部で浮動することが許容される。内側レンズセル/アクティブディスプレイマウントの背面に力を加えるねじ又はくさび2820を用いて内側レンズセル2315を前方に押し込むことによって、マイクロディスプレイ像の焦点面が観察光学機器の主本体の観察光学レチクルと同一平面上に位置付けられるように、像の軸方向位置が変更される。従って、マイクロディスプレイとレチクルの視差が除去される。
内側レンズセルの位置は、バネがねじ又はくさびを外方に押し付ける作用によって、定位置に保たれる。アクティブディスプレイとレチクルの視差は、アクティブディスプレイからの集光量を変えることなく、光学系の像質を低下させることなく除去することができる。
内側レンズセルと外側レンズセルの間のバネの使用と、内側レンズセル/マイクロディスプレイの背面への力の使用とを実施することにより、マイクロディスプレイから最大限の光量を集めることができ、迅速、簡単、且つ正確な調整方法が提供される。
一実施形態では、内側レンズセル2315及び外側レンズセル2320は、2又は3以上のレンズを備えることができる。更に別の実施形態では、レンズ系は、3、4、5、6、7、8、9、10又は11以上のレンズを備えることができる。レンズは、限定ではないが、LaCroix Optics(www.lacroixoptics.com)並びにDiverse Optics(www.diverseoptics.com)を含む、様々な市販メーカから入手することができる。一実施形態では、内側レンズセル及び外側レンズセルは、集光器レンズ系を備える。
一実施形態では、このレンズ系は、5レンズ系で構成される。一実施形態では、5レンズ系は、5つの単レンズで構成される。別の実施形態では、5レンズ系は、2つの複レンズと1つの単レンズで構成される。更に別の実施形態では、5レンズ系は、3つの単レンズと1つの複レンズで構成される。一実施形態では、少なくとも1つのプラスチック非球面レンズが第1の要素として使用される。
一実施形態では、レンズ系は、以下の順序を備えた5レンズ系である:アクティブディスプレイに最も近い非球面単レンズ、次に単レンズ、次に複レンズ、次いで最後の単レンズが来る。
一実施形態では、レンズ系は、以下の順序を備えた5レンズ系である:アクティブディスプレイに最も近い非球面単レンズ、次に単レンズ、次に単レンズ、次いで複レンズが来る。
一実施形態では、レンズ系は、以下の順序を備えた5レンズ系である:アクティブディスプレイに最も近い非球面単レンズ、次に単レンズ、次に単レンズ、次いで複レンズが来る。一実施形態では、レンズ系は、以下の構成を有する5レンズ系である: アクティブディスプレイに最も近いレンズ1は直径11mm、厚さ9.3mmであり、レンズ2は直径9mm、厚さ1.9mmであり、複レンズは、直径13.5mmで厚さ2.1mmの1つのレンズ(レンズ3)と、直径13.5mmで厚さ4.1mmのもう1つのレンズ(レンズ4)とを有し、レンズ5は直径13.5mm、厚さ3.3mmである。
一実施形態では、1つのレンズから次のレンズまでの空気間隔は、約1mmから約20mmの範囲である。一実施形態では、1つのレンズから次のレンズまでの空気間隔は、約5mmから約20mmの範囲である。一実施形態では、1つのレンズから次のレンズまでの空気間隔は、約10mmから約20mmの範囲である。
一実施形態では、アクティブディスプレイと第1レンズの距離は、ディスプレイから最大限の光量を集めるために最小限に抑えられる。一実施形態では、アクティブディスプレイと第1レンズの距離は、2mm未満である。別の実施形態では、アクティブディスプレイと第1レンズの距離は、以下からなる群から選択される:1.8mm未満、1.5mm未満、1.3mm未満、1.1mm未満、0.9mm未満、0.7mm未満、0.5mm未満、及び0.3mm未満。
一実施形態では、5レンズ系は、内側レンズセル及び外側レンズセルに収容される。一実施形態では、内側レンズセルは、ディスプレイ台座がある箇所の対向端から内側レンズセルの中に、非球面レンズ、次にスペーサ、次にレンズ2(9mm単レンズとすることができる)、次いで係止リング(両方のレンズを定位置に保持する)を設置することによって組み立てられる。
一実施形態では、外側レンズセルは、セルの対向端から外側レンズセルの中に、レンズ5(13.5mmの単レンズとすることができる)、次にスペーサ、次に複レンズ2(レンズ3及びレンズ4とすることができる)、次いで係止リングを挿入することによって組み立てられる。
図28Bは、集光器光学系又は集光器レンズ系を有するベースの代表的な図解である。内側レンズセル2315は、ディスプレイ台座がある箇所の対向端から内側レンズセルの中に、非球面レンズ2840、次にスペーサ、次いでガラス凹凸レンズ2850を設置することによって組み立てられる。一実施形態では、ガラス凹凸レンズは、上記のようにレンズ2とすることができる。外側レンズセル2320は、ガラスダブレット2860に続いてガラスシングレット2870を挿入することによって組み立てることができる。
一実施形態では、集光器レンズ系は、2840、2850、2860、及び2870を含む5レンズ系を備え、2840がアクティブディスプレイに最も近く、2870がアクティブディスプレイから最も遠い。一実施形態では、内側レンズセル2315は、2840と2850を備える。一実施形態では、外側レンズセル2320は、2860と2870を備える。
一実施形態では、内側レンズセルが外側レンズセルの内径に沿って軸方向に移動すると、内側セルのレンズ2と外側セルのレンズ3との間隔が変化する。これは、ディスプレイ像の焦点面を移動させ、投影されたディスプレイ像と、観察光学機器の主本体のパッシブレチクルとの視差を完全にゼロにするのに使用される。
一実施形態では、ディスプレイ像を主本体内の光学系の第1の焦点面に合焦させることは、5レンズ系のレンズ2とレンズ3との空気間隔を変更することによって達成され、その変更は、外側レンズセルに対する内側レンズセルの位置を変えることによって達成される。
一実施形態では、レンズ組立体はまた、一連のレンズを保持する一体式の機械構造であるレンズ鏡筒内で、共に組み立てることができる。レンズ鏡筒は、レンズを軸方向及び半径方向に互いに対して位置決めするため、並びにレンズ組立体を、レンズ組立体もその一部である光学系と整合させる手段を提供するのに使用される。レンズ要素は、鏡筒壁の内径又はIDによって半径方向に位置決めされる。レンズ要素の外径又はODは、鏡筒壁のIDに適合するように研削される。レンズ要素の軸方向位置は、組立中にレンズ台座を切断することによって達成される。次いで、レンズ要素をエポキシ、保持リングなどでレンズ台座に拘束することができる。
C.反射材料
一実施形態では、統合表示システムは反射材料1230を備える。一実施形態では、反射材料1230はミラーである。一実施形態では、統合表示システムは1又は2以上のミラーを備える。一実施形態では、統合表示システムは2、3、4又は5以上のミラーを備える。
一実施形態では、ミラーは、ディスプレイの放出光に対して、30°から60°、又は30°から55°、30°から50°、又は30°から45°、又は30°から40°、又は30°から35°の角度に位置決めされる。
一実施形態では、ミラーは、ディスプレイの放出光に対して、30°から60°、又は35°から60°、40°から60°、又は45°から60°、又は50°から60°、又は55°から60°の角度に位置決めされる。
一実施形態では、ミラーは、少なくとも40°の角度に位置決めされる。一実施形態では、ミラーは、ディスプレイの放出光に対して45°の角度に位置決めされる。
一実施形態では、そして図29に示すように、垂直軸に沿うミラー2910の傾きは、ねじ又は同様の機構を用いて調整することができる。ミラー2910の基部又は背部に対してねじを回し入れることにより、マイクロディスプレイの像がビームコンバイナに反射される角度を変えることができる。これに対応して、観察光学機器の主本体の光学系の観察光学レチクル2930における焦点面の傾きが変わる。この調整を用いて、垂直軸に沿った、マイクロディスプレイとレチクルの視差誤差を除去することができる。
一実施形態では、ミラーは、1又は2以上のねじでベースに固定される。一実施形態では、ミラーは、エポキシ、樹脂、又は接着剤、或いはこれらの組み合わせなどの化合物を用いてベースに固定される。
一実施形態では、ミラーの位置は、限定ではないが、視差誤差を含む誤差を除去するために、ビームコンバイナと関係して調整することができる。
一実施形態では、ミラーの位置は、限定ではないが、視差誤差を含む誤差を除去するために、アクティブディスプレイと関係して調整することができる。
2.電力システム
一実施形態では、観察光学機器の主本体と結合するベースは、電力システムを有する。別の実施形態では、観察光学機器のベースは、キャビティを有する。電池キャビティは、観察光学機器の主本体と結合するベースに組み込むことができる。
図30は、バッテリ区画3005を備えたベース220の代表的な概略図であり、この場合、ベース220はライフルスコープ3000の主本体210に結合される。図30及び31に示すように、バッテリ区画3005は、CR123電池を含む電池を入れるために、ベースの各側面から延びる。CR123電池は、より小さな電池又はコイン型電池と比べて、電力容量及び放電量が増加している。
一実施形態では、電池キャビティ3005は、環境から電池を保護するために電池キャップだけが必要とされるように、ベース220と一体である。追加の密封は一切必要とされない。
一実施形態では、ベース220内の電池キャビティ3005は、観察光学機器の主本体210の接眼レンズ組立体と比べて、対物レンズ組立体3010に近接して位置付けられる。
一実施形態では、ベース220の電池キャビティ3005は、対物レンズ組立体と比べて、観察光学機器の主本体210の接眼レンズ組立体に近接して位置付けられる。
図32は、ベース220に一体化されたバッテリ区画3005の代表的な図である。一実施形態では、バッテリ区画3005は、電池の不適切な取り付け及び動作を防止するために、電池の正側が最初に機械式止め具で電池キャビティの底部に挿入されるように設計される。
一実施形態では、一体型電池キャビティ3005には、ベース220でライフルスコープの主本体210に対して使用されるのと同じガスケットを使用することができる。これは、より信頼性の高い密封を提供し、別個の電池キャビティが必要とされないので、機械式デバイスを排除する。第2に、電池キャビティがベースに一体化されるので、電池キャビティを確保する機械式デバイスがない。これにより、バッテリ区画を確保するための機械的なインタフェースの必要性が低減される。電池キャビティを機械的に係止する必要がないため、一体型バッテリ区画により、従来型バッテリ区画に関する故障箇所が減少する。
一体型バッテリ区画は、ユーザの邪魔になるあらゆる障害物を排除する。一体型バッテリ区画は、従来の観察光学機器に見られる調整手段及びノブの何れにも邪魔にならない、観察光学機器の下に位置付けられる。一体型バッテリ区画により大きな電池を収容するのに必要なスペースが可能となるので、それは有意義な進歩である。
一実施形態では、観察光学機器は、電池の消耗を最小限に抑え、電池の寿命を最大限にする態様で設定することができる。例えば、レーザ測距計を備えた観察光学機器は、操作者がボタン又はスイッチを押すと起動する。画面には測距計のデジグネータが表示される。外付け測距計の出力レーザは、観察光学機器をゼロインする際の初期較正ステップを通してデジグネータと適合する。操作者が外付け測距計を起動させると、情報が無線で又は通信ポートを介して観察光学機器に送信され、「情報が受信されて表示する必要がある」ことを観察光学機器に信号で知らせる。
観察光学機器が電源オンとなって外部デバイスからデータが受信されない場合、ユーザ設定時間が経過すると観察光学機器は電源オフとなる。外部デバイスから受信した情報を表示した後、電源オフタイマが始動し、ボタン押下がそれ以上記録されなければ、観察光学機器を電源オフにする。
外部デバイスから更に情報を受信した場合、画面からそれ以前の情報をクリアして更新された情報を表示し、電源オフタイマを始動することになる。このサイクルは、操作者が選択した回数だけ継続することができる。
情報が画面に表示される間、カントインジケータが画面に表示される。これは、或る時間間隔でマイクロコントローラと通信する加速度計からリフレッシュされる。マイクロコントローラがスリープモードにある場合、観察光学機器上の一体式ボタンは、ガラスエッチング式レチクルを照らすLEDの輝度を制御する。観察光学機器が作動している場合は、これらLEDの制御は一時停止となり、対応するボタン押下に画面の明るさが変化することになる。
3.ピカティニーマウント
一実施形態では、本開示は、主本体とバッテリ区画を備えたベースとを有する観察光学機器と、バッテリ区画に結合できるピカティニーマウントとに関する。一実施形態では、着脱式ピカティニーマウントは、ライフルスコープ本体に結合されるベースに組み込まれた突出したバッテリ区画に取り付けられる。
図33~35は、主本体210と主本体210に結合されたベース220とを備えるライフルスコープの代表的な概略図であり、ベースは、ピカティニーマウント3305に取り付け可能なバッテリ区画3005を有している。一実施形態では、ピカティニーマウント3305はバッテリ区画3005と整列し、留め具で固定される。
マウント3305をベース220のバッテリ区画3005に取り付けることで、電池用のキャビティ3005を作るのに必要な材料を利用する。これはベースからの追加の材料を不要にし、これにより、観察光学機器をより軽量にし、侵入性をより低くする。
一実施形態では、マウントは、ライフルスコープを調整するユーザの能力を邪魔しないように、ターレット及び視差ノブから離れて対物レンズに向かって配置される。更に、トップリングは取り外し可能で、レーザ測距計など、補助デバイスの容易な取り付けを可能にする。本明細書で開示されるピカティニーマウントを利用することにより、一体化されたベースがライフルスコープを固定するので、リングの上側部分から更に構造的な支持を必要としない。
一実施形態では、マウントは、ライフルスコープの対物レンズに向かって前方に延びる片持ち式ピカティニーレールを組み込む。これにより、兵器に搭載されるレーザ測距計は、ライフルスコープのベルの上方に直接着座することができる。このマウント様式により、着弾ずれの減少と測距デバイスの精度向上とが可能となる。それは、所望の標的を捉えることに起因して測距デバイスに影響を与える不確定要素が少ないので、着弾ずれの可能性を減らす。
4.データポート
一実施形態では、本開示は、主本体と、像を生成して生成された像を観察光学機器の主本体の第1の焦点面においてシーンの像と結合するためのアクティブマイクロディスプレイを備えたベースと、を備えた観察光学機器に関し、ベースは、限定ではないが、遠隔制御スイッチ及びレーザ測距計を含む補助デバイスとインタフェース接続するために、軸方向に向けられたデータポートを有する。
図36は、主本体210と、軸方向に向けられたデータポート3605を備えたベース220とを有するライフルスコープ3600の代表的な概略図である。一実施形態では、観察光学機器は、1つの軸方向に向けられたデータポートを有することができる。別の実施形態では、観察光学機器は、2又は3以上の軸方向に向けられたデータポートを有することができる。
軸方向に向けられたデータポート3605を利用することにより、観察光学機器全体のトップダウン・プロファイルが最小限度に抑えられ、これにより、搭載された系及びその接続部の堅牢性が向上する。
5.外部ビデオソース
一実施形態では、ベース内のアクティブディスプレイは、限定ではないが、熱撮像システム及び暗視システムを含む、クリップオン・デバイスの光学列又は光学系として使用することができる。
熱撮像システムは、一般的に人間の目で捕捉できない電磁スペクトルの様々な波を撮像してユーザに伝えることを可能にする。従来の熱式兵器照準器は、対となる2つの系;シーンを見る赤外線光学系と、ライフルスコープの前面にこの像を再現するためにマイクロディスプレイとレンズからなる可視波長光学系とから構成される。また、「暗視」システムとして知られるものを作り出す、触媒による光子増強の事例もある。しかしながら、クリップオン・デバイスは通常、ライフルスコープの主本体の前面でライフルレールに取り付けられる。この構成は、一般的にスコープで結像する周囲光の全てを遮り、デジタル像だけの使用を可能にする。従来の像に戻すには、ユーザはシステムをレールから取り外す必要がある。これは、照準を変更する度に行う位置合わせ設定のせいで、着弾ずれを引き起こす可能性がある。また、これらのクリップオン・ユニットは、ユニット内のデジタルディスプレイの背後に接眼レンズ/撮像システムを必要とするため、大型化する傾向がある。従来のシステムでは、何れのライブビデオフィードも、可視スペクトル出力を含めて、完全なデジタル像となる。
図37は、主本体210と、熱撮像ユニット3705の光学系として使用できる、アクティブディスプレイ1210と集光器光学機器1220とを備えたベース220と、を有するライフルスコープ3700の代表的な概略図である。アクティブディスプレイ1210は、スコープの主本体の第1の焦点面に合焦する像を生成し、ビームコンバイナを用いてこの像を従来の昼間光学機器に統合する。デジタルディスプレイの統合により、ユーザは、デジタル像を周囲の昼間光学機器の上に重ね合わせることができる。本明細書で開示されるデジタルディスプレイの場合、周囲昼間光学機器を見るために、クリップオン・ユニットを観察光学機器の前面から取り外す必要がない。それどころか、必要に応じてデジタルディスプレイをオン/オフすることができる。
デジタルディスプレイの統合により、昼間可視光学機器とデジタル光学機器の間で切り替える際に像のずれがゼロとなる。システムが完全に統合されているため、デジタル光学機器をオンにする度にゼロインする必要がない。このシステムは、コンバイナ光学系の位置合わせにより、同期している。
一実施形態では、デジタルディスプレイの統合により、一般的にクリップオン・ユニットの後半分となる光学列が用意される。観察光学機器のベース内には既にマイクロディスプレイが存在するので、熱照準には赤外線光学機器だけが必要とされる:熱センサーで生成された像はアクティブディスプレイに伝送されるが、それは既に観察光学機器のベースに組み込まれている。このように熱照準又は暗視照準を統合することで、熱/暗視デバイスは現在市場に出回っている兵器照準器よりも遥かに短く軽量となる。これにより、光学列の半分が、観察光学機器の主本体と結合するベースに直接組み込まれるため、より小型で軽量なシステムの設計が可能となる。感知デバイスを収容するクリップオン・ユニットに後部光学系又はディスプレイを統合する必要がない。
更に、熱光学機器がライフルスコープの対物レンズを遮らないように熱式兵器照準器をライフルスコープの側面に取り付けたとすると、ユーザが観察する可視像の上に熱画像を重ね合わせることが可能となろう。これは、さもなければ中性昼光シーンでは目立たない熱識別特性を備えた人間、動物、又はあらゆるものを強調表示することができるという利点を有することになる。
一実施形態では、本明細書で開示されるデジタルディスプレイの統合は、昼間可視照準器を遮ることなく、観察光学機器の焦点面内へのライブビデオフィードを行うという利点を生成する。
一実施形態では、デジタルディスプレイの統合により、ライブ熱撮像視などのイメージングオーバレイ及びハイパスペクトル・オーバレイシステムのシームレスな統合が可能になる。可視像は、別のデジタルディスプレイではなく、ここではアナログである。
一実施形態では、本明細書で開示されるデジタルディスプレイの統合は、たとえデジタルシステム上で電力が突然尽きた場合でも、画像フィードが継続するという利点を生み出す。真のアナログ像が依然として利用できることになるが、従来のデジタル出力システムの場合はそうではない。
一実施形態では、デジタルディスプレイの統合により、複数種類の撮像システムを観察光学機器の前面から離れて取り付けることができる。熱撮像システムは、観察光学機器の底面又は側面と整列し、依然として観察光学機器の主本体内の焦点面上に直接、この像を送り込むことができる。
6.EMI透過窓
一実施形態では、観察光学機器の主本体、ベース、又は主本体とベースの両方は、無線通信に使用される電磁波に対して透明な材料で密封された窓を有することができる。透明な材料は、限定ではないが、プラスチック、樹脂又はエポキシを含む。
一実施形態では、この窓により、電磁波は、観察光学機器の金属体からの相互作用を低減させた状態で、通信デバイスから伝搬することが可能となる。これは、データの伝送可能な速度を増大させる。また、これにより、無線通信デバイスは、低減した信号損失に起因して、より低い電力レベルで動作することができる。
III.追加のセンサー/デバイス
別の実施形態では、本開示は、主本体と、統合表示システムと1又は2以上のセンサーとを備えたベースと、を有する観察光学機器に関する。一実施形態では、センサーは、限定ではないが、全地球測位システム、加速度計、磁力計、MEMSレートセンサー、傾斜センサー、レーザ測距計を含む。
A.指向角、標的位置、及び通信
一実施形態では、観察光学機器は、慣性空間における兵器の指向角を決定するために慣性MEMSレートセンサーを有することができる。例示的な製品は、Systron Donner社のLCG-50とSilicon Sensing社のSiRRS01である。別の実施形態では、加速度計を埋込み式電子機器に組み込んで、観察光学機器の絶対傾斜角を決定し、一般的な移動又は発射事象に起因する兵器の加速度を追跡することができる。
ターゲティングを支援するために、様々な実施形態では、観察光学機器、GPS及び/又はデジタルコンパスを有することができる。一実施形態では、GPS及び/又はデジタルコンパスは、例えば基板レベルのモジュールとして、観察光学機器に統合することができる。別の実施形態では、GPS及び/又はデジタルコンパスは、観察光学機器と通信する別個のデバイスと関係することができる。
幾つかの製造業者は、フォームファクタが小さくて低消費電力特性を有する、GPS及びデジタルコンパス機能用のシェルフモジュールのカスタム品を提供している。これらのデバイスは、埋込み式部品に一体化されるように設計されている。例えば、Ocean Server Technology社は、0.5度の精度を備えたOS4000-Tコンパスを製造しており、それは30mA未満の消費電力を有し、3/4インチ角より小さい。GPSデバイスの一例は、16mm×16mmのサイズで、2メートルの精度を提供する表面実装パッケージで入手できる、Delorme社製GPS2058-10モジュールである。
一実施形態では、観察光学機器は、BAEパーソナル・ネットワーク・ノード及び新興のSRW無線などのシステムにインタフェースで接続するように設計された有線及び無線機能の一方又は両方を提供するデータインタフェースを有することができる。これらのインタフェースは、距離、センサー、及び他の戦術上データ(例えば、対同士討ち検出器、環境センサーなど)といった様々な通信機能を提供する。この独特な機能は、様々な実施形態において、環境、標的、及び状況認識情報を取得し、対象の共同体に伝達するのに使用される。一般的に言えば、様々な実施形態は、兵士が様々な受動的及び能動的なソースからデータを迅速に取得し、再取得し、処理し、そして別な方法で弾道的発射解に統合し、これにより射手としての戦力を高められるように設計される。
別の実施形態では、センサーは、異なる標的のリアルタイムの位置データを観察光学機器の主本体の第1の焦点面上に生成するために、アクティブディスプレイに情報を提供する。別の実施形態では、センサーは、統合表示システムと通信する外部デバイスの一部である。
このようなセンサーを観察光学機器内で、又は観察光学機器に堅く接続された外部デバイス上で、又は観察光学機器が搭載された兵器上で使用することにより、観察光学機器の正確な位置と共に、観察光学機器が向けられた正確な方向を取得することができ、観察光学機器の位置及び照準方向に関係して外部標的を計算することができる。
ユーザが観察光学機器を周囲に移動させる、又は標的が観察光学機器に対して移動すると、標的の位置は、統合表示システムと通信するセンサーによって連続的にリアルタイムで更新されるので、ユーザは、観察光学機器を通して観察することによって、標的の見える位置と関連して標的がどこにあるのかを確かめることができる。
この手法は、隊員が異なる場所にいて特定の標的位置を互いに通信しようとする可能性がある軍事用途で強力な実用性を有する。例えば、近接航空支援(CAS)の場合、操縦士は航空機を操縦し、地上部隊は、標的に爆弾を投下する航空機に頼る場合がある。多くの場合、地上部隊が標的の正確な位置を航空機に伝えることは困難である。地上部隊と航空機の間で標的情報を伝える過程は、しばしば「標的と話し続ける」と呼ばれ、標的の近くにどのようなランドマークが見えるかなど、部隊又は航空機がその視野内で何を見ているのかを伝達する必要がある。
この過程は、多くの場合にかなりの時間を要し、空からは地上で見るのとは異なって見えることが多いため、混乱を招く可能性がある。航空機が標的を間違えると味方の部隊又は非戦闘員に爆弾を投下する可能性があるので、各部隊は、全員が同じ標的を見ていると確信することが極めて重要である。
位置センサー及び姿勢センサーが統合表示システムのアクティブなレチクルディスプレイと通信できるようにすることで、これらの問題は解決される。観察光学機器のユーザはスコープ内の標的を指定することができ、スコープは、スコープのGPS位置、それが指し示す正確な方向、及び標的までの距離を知っており、標的の正確なGPS座標を計算することができる。この情報は、味方の部隊全てが接続している、リンク16などの普遍的なシステムに供給することができる。これで、航空機はただ自機のディスプレイを見るだけよく、別の部隊が新しい標的を指定するとすぐにその標的が地図上に表示される。
これにより、標的の発見が格段に早くなり、両部隊が同じ標的を見ていることの確認が格段に容易となる。標的の位置を決定する上で精度が極めて重要なので、アクティブディスプレイで生成された像は、観察光学機器の主本体の第1の焦点面に表示する必要がある。アクティブディスプレイから生成された像が観察光学機器の主本体の第2の焦点面に投入された場合、標的位置は、観察光学レチクルがその「零点規正」位置にある時にだけ正確となる。観察光学機器のユーザが、例えば長距離標的に合わせるために、ターレットを幾らかでもダイヤルを回した場合、ディスプレイ内の標的情報の全ては、ターレットを回した量だけシフトして、正確ではないことになる。
アクティブディスプレイ像が第1の焦点面に導入される状態でこれを使用することによって、表示されるデータは、レチクル位置に対してなされた調整に無関係であり、自動的に補正される。これは、視野内の標的データが常に正確であることを意味する。
B.環境センサー
一実施形態では、観察光学機器は、弾道補正のために環境データを収集して使用するように設計された1又は2以上の圧力センサー、湿度センサー、及び/又は温度センサーを有することができる。センサーは、観察光学機器内への組み込みに適した小型の構成で入手できる。小型で、低消費電力、防水の気圧センサーの一例は、Intersema社製のMS5540である。この構成部品のサイズは6.2×6.4mmである。
一実施形態では、センサーは、観察光学機器の主チューブ又は観察光学機器のベースに結合させることができる。
C.上り傾斜及び下り傾斜
一実施形態では、観察光学機器は、垂直方向に対するスコープの傾斜角を測定するために使用できるz軸加速度計を有することができる。この傾斜角は、標的の選択時に弾道解に組み込むことができる。標的が選択されると、システムは、実際の上り傾斜又は下り傾斜の傾斜を自動的に弾道解に組み込んで、デジタルレチクル又は修正された照準点が正しく表示されるように、観察光学機器の第1の焦点面にその解を表示することができる。これにより、長距離の上り傾斜又は下り傾斜での交戦において、非常に迅速且つ効果的な照準手段を提供することができる。
IV.表示システムを備えた観察光学機器及びレーザ測距計
一実施形態では、本開示は、主本体と統合表示システムを備えたベースとを有する観察光学機器と、レーザ測距計とに関する。一実施形態では、レーザ測距計は、観察光学機器に結合される。別の実施形態では、レーザ測距計は、観察光学機器から独立しており、無線で又はケーブルを介して観察光学機器と通信する。
一実施形態では、レーザ測距計は、バッテリ区画を介してベースに取り付けられた取り付けレールによって、観察光学機器に結合される。
一実施形態では、レーザ測距計を用いて、標的までの距離を決定することができる。様々な実施形態では、レーザは、隠密のために近赤外線で伝わる。近赤外線(NIR)で動作するレーザ測距計デバイスに使用される典型的な波長は、905nmである。
一実施形態では、特定のレーザ出力及びスペクトル特性を選択して、観察光学機器の距離要件と目の安全性要件を満たすようにする。測距計は、実例として1500メートル、2500メートル、或いは観察光学機器と共に使用することを意図した銃器又は兵器と関係する有効距離まで、正確な測定値を生成するのに十分な出力である。測距計の操作に関して、一部の実施形態では、測距計測定を行う又は実行するために、単一のボタン制御が専用となっている。
一実施形態では、標的までの距離は、標的までの距離の像を生成し、標的シーンを観察する時に標的までの距離を観察光学機器の第1の焦点面に重畳するアクティブディスプレイに、伝達することができる。
一実施形態では、観察光学機器は、弾道計算性能を備えたコンピューティングデバイスを有する。一実施形態では、観察光学機器の主本体が、弾道計算性能を備えたコンピューティングデバイスを有する。
一実施形態では、レーザ測距計を用いて、標的距離を測定し、発射体の弾道を計算し、修正された照準点を統合表示システム内のアクティブディスプレイに伝達することができ、次にアクティブディスプレイは、修正された照準点の像を、可動正立レンズ系にレチクルを取り付けた観察光学機器の第1の焦点面に重畳する。
重要なことは、アクティブディスプレイ生成された像が、第1の焦点面の前方で標的からの像と結合されてから、第1の焦点面に合焦するため、標的像とディスプレイ像とが互いに対して決して移動しないことである。従って、可動正立系がどのように調整されるかにかかわらず、デジタルディスプレイによって生成されたいかなる照準基準も常に正確となる。
外付けのレーザ測距計がライフルスコープに距離情報を供給する場合、レーザで正しい標的に命中させるためにLRFが視野内のどこに狙いを付けているかをユーザが知るために、デジタルディスプレイで照準基準又はレーザデジグネータを作成する必要がある。ライフルスコープの主本体におけるデジタルディスプレイ像と対物レンズ系の標的像とは、互いに対して移動しない。従って、デジタルレーザデジグネータは、可動正立レンズ系を移動するためにターレットをどのように調整したとしても、LRFレーザ照準点の正しい位置をユーザに正確に示すことができる。
その一方で、デジタルディスプレイ像が第1の焦点面の後方のどこかで光学系に統合されるとすると、ターレットを調整して正立レンズ系が移動/傾斜した場合に、デジタルディスプレイの像は標的像に対して移動し、デジタルLRFデジグネータは実際のレーザ照準点に対して移動することになる。これは、ユーザが何らかの仰角調整又はウィンデージ調整をターレットにダイヤル設定し、ユーザがデジタルレチクルを実際のレーザ照準点に位置合わせした時にターレットが設定されていた元の位置に戻し忘れた場合、不正確な距離測定に繋がる可能性がある。
更に、従来のライフルスコープをライフル銃に零点規正する時、ユーザは一般的に、「零点規正」距離、多くの場合100ヤードを選択し、これは、ライフルスコープのレチクルをライフル銃の発射体の着弾点と位置合わせするのに使用される。これは通常、レチクルをライフル銃の発射体の着弾点と位置合わせするために、ライフルスコープのターレット、ひいては正立レンズ系の傾斜角を調整することによって達成される。ライフルスコープの初期「零点規正」が設定された後、ターレットにより、異なる距離の標的に対する補償、発射体の着弾点が初期「零点規正」位置からどこに変わるかに影響を与える偏流変数の変更に対して補償するために、ユーザがライフルスコープのレチクル位置に対して更に調整を行うことができる。
デジタル表示が第1の焦点面の後方でライフルスコープシステムに統合されるとすると、弾道的に計算された照準点の補正係数は、ユーザが初期「零点規正」からターレットに何らかの調整を行った場合に不正確となる可能性がある。例えば、標的に命中させるには10ミリラジアンの仰角調整が必要であると弾道計算機が決定した場合、デジタルディスプレイは、クロスヘアの中心から10ミリラジアン下方に照準点を配置することになる。しかしながら、ユーザが初期「零点規正」の位置から5ミリラジアンを仰角ターレットにダイヤル設定していたとすると、デジタル照準点は実際には初期「零点規正」の下方15ミリラジアンに狙いを付けることになる。
ライフルスコープの主本体の光学系の第1の焦点面にデジタル表示を導入することにより、デジタル表示がターレットの調整又は正立系の位置におけるいかなる変化にも全く影響されないようにすることができる。つまり、上記の例では、合計で10ミリラジアンの正しい弾道降下のために、デジタル照準点がレチクルの中心から5ミリラジアン下方に現れるだけとなる(ユーザは以前に、初期「零点規正」位置から5ミリラジアンだけ仰角ターレットを回していた)。要するに、デジタルディスプレイ像を主本体の光学系の第1の焦点面に導入することにより、デジタルディスプレイ像は、ターレット位置のあらゆる変化、ひいては正立レンズ系の移動/傾きに完全に無関係となり、必要とされる精度を提供する。
一実施形態では、レーザ測距計の性能は、取得されたデータに基づいて動的に定められる弾道解を提供する。標的までの距離は、トレーサの軌跡を処理する時に内蔵コンピュータで使用され、次の射撃用の弾道修正を決定するために使用する測定済み軌跡経路に沿って、最良の点を決定することができる。
一実施形態では、レーザ測距計はスコープに組み込まれ、専用の出射レーザ伝送ポートを有する。一実施形態では、この専用レーザ軸の光路は、主対物レンズで遮られないようにハウジングの隅に位置決めされる。入射する反射レーザ信号用の検出経路はスコープの主対物レンズを通り、その光は、近赤外線ビームスプリッタによって光検出器に向けられる。この配置は、主対物レンズの比較的大きなアパーチャを利用して、測定の信号対ノイズ比を増大させる。
図38~44は、光学系を備えた主本体3810と、統合表示システムを有して主本体3810に結合されたベース3820と、を有する観察光学機器3800の写真を提供し、レーザ測距計3830が主本体3810の上部に結合されている。観察光学機器3800は、外部ソースとの通信用に2つの補助ポート3805を有することができる。観察光学機器3800は、ベース3820内の電池キャビティ3005に対する電池キャップの外側に結合するピカティニーマウント3305を有することができる。
図45~46は、光学系を備えた主本体4510と、統合表示システムを有して主本体4510に結合されたベース4520と、を有する観察光学機器4500の図解を提供し、レーザ測距計4530が主本体4510の上部に結合されている。観察光学機器4500は、レーザ測距計4530との通信用に単一の補助ポート4535を有することができる。
図47及び48は、光学系を備えた主本体4710と、統合表示システムを有して主本体4710に結合されたベース4720と、を有する観察光学機器4700の図解を提供する。特定の実施形態では、観察光学機器4700は、ピカティニーマウント4730を有することができる。特定の実施形態では、観察光学機器は、補助ポート4735を有することができる。
V.追加の実施形態
1.デジタル零点規正
一実施形態では、本開示は、位置合わせ及び零点規正のためにデジタルレチクルを使用する方法に関する。一実施形態では、観察光学機器は、物理レチクルとデジタルレチクルを有し、物理的レチクルはマウントシステムに接続されている。ユーザは、ターレットを用いて物理レチクルを「零点規正」し、レチクルの中心が弾丸の着弾点と一致するようにレチクル及びマウントシステムを移動させる。
物理レチクルを零点規正した後で、デジタルレチクルも零点規正する必要がある。デジタルレチクルは、位置が固定されたアクティブディスプレイ又はデジタルディスプレイによって形成されるので、デジタルレチクルを零点規正する又は位置合わせする唯一の方法は、デジタル手段を使用することによる。デジタルレチクルの位置は、デジタルレチクルの中心が物理レチクルの中心と一致するように、ユーザが移動することができる。
別の実施形態では、デジタル零点規正はまた、レーザデジグネータと共に用いることができる。外付けレーザ測距計と連動させて使用する場合、観察光学機器のレーザデジグネータは、レーザ測距計が指し示す方向と揃っている必要がある。ほとんどの外付けレーザ測距計は、可視レーザと赤外線レーザを有する。赤外線レーザは、実際に距離を測定するレーザである。可視レーザは、オン/オフさせることができ、赤外線レーザの照準と一致する 可視レーザによって、ユーザは、レーザがどこに狙いを付けているのかを確かめることができる。可視レーザがオンになると、ユーザは、可視レーザの照準点と一致するようにレーザデジグネータをデジタル的に調整することができます。次いで可視レーザをオフにすることができ、ユーザは観察光学機器表示内のレーザデジグネータを用いて、レーザ測距計の正確な照準を確保にすることができる。
2.ホログラフィック導波管
一実施形態では、本開示は、第1の光学系を備えた主本体と、アクティブディスプレイとホログラフィック導波管とを備えたベースと、を有する観察光学機器に関する。一実施形態では、ホログラフィック導波管の統合により、従来のビーム結合系のパッケージサイズ及び重量が低減する。ホログラフィック導波管の統合により、各光学系の光がより大きな割合でエンドユーザに届くように、全体的な透過輝度比を増加させることができる。
図49は、主本体4910内の光学系と、アクティブディスプレイ1210を有するベースと、ホログラフィック導波管系4925と、を備えた観察光学機器4900の代表的な図である。ホログラフィック導波管系4925は、主本体4910並びにベース4920に跨る。デジタルディスプレイ又はアクティブディスプレイ1210は、コリメーション光学素子4930に像を生成し、コリメーション光学素子4930は、この像を入射ホログラム導波管4926に送る。この像は、出力ホログラム4927を介して導波管を出て、光学系4940の第1の焦点面4930に導入される。
一実施形態では、ホログラム導波管の統合により、ビームコンバイナになされる特殊なコーティングの必要性が低下する。更に、ホログラフィック導波管の統合より、ミラー系の必要性がなくなり、複雑な機械式位置合わせシステムの必要性が軽減される。
ホログラフィック導波管の統合により、表示を結像させるために必要とされる複雑な光学系の複製を作り出すことができ、全ての系に置くべき複雑な系に対する必要性が排除される。
ホログラフィック導波管の統合により、光学系内で情報を表示するためにLCOS、LCD及びOLEDシステムの使用が可能となる。システムの性質上、システム内で使用される種々のタイプのディスプレイと連動して、様々なタイプの照明系を使用することができる。
ホログラフィック導波管の使用により、非静的な照明レチクルの実装が可能となる。 このレチクルは、画面上の像が変化する通りに変化させることができる。ホログラフィック導波管は、従来の照明方法を必要とせず、昼光の明るいレチクルシステムを可能にする。
ホログラフィック導波管の統合により、非静的なホログラフィック視界を生成する機能が作り出される。出力結合ホログラムは、マスタ光学系で規定された光を送ることができ、ホログラフィック視界の照準ピクチャの変化を可能にする。
ホログラフィック導波管の統合は、あらゆる単色又は多色光源と共に用いることができる。複雑な多重化ブラッググリッドを使用することで、多色照明系の統合が可能となる。
3.弾丸軌跡の追跡
長距離交戦に関係する困難の1つは、最初の射撃の精度を判定して、次の射撃の精度を向上させるために適時に修正できるようにする能力である。そのラウンドの着弾点を決定するのに使用される従来の技法は、弾丸の痕跡及び/又は実際の弾丸飛散点を検出しようとすることである。これは、多くの長距離交戦で困難な可能性がある。狙撃兵チームの場合、追撃射撃では、適切なデータを射手に送り返すために、観測手からのフィードバックも必要となる。これには、口頭伝達だけを用いて数秒を要する場合がある。
一実施形態では、観察光学機器は、弾丸の飛翔経路と関係する画像フレームを検出し、これらの画像フレームをコンピューティングデバイスに伝達するように適合された画像センサーを有することができ、その場合、コンピューティングデバイスはこれらの画像フレームから弾丸の軌跡を計算することができる。
一実施形態では、主本体と統合表示システムを備えたベースとを有する観察光学機器により、標的領域に着弾する直前の弾丸の軌跡を決定するために、内蔵の画像処理機能で曳光弾を検出することができる。一実施形態では、このデータを弾道コンピュータに伝達して戻し、これにより迅速且つ効率的に第2ラウンド用の追撃発射解を生成することができ、この解は、アクティブディスプレイに伝達され、修正された照準点が観察光学機器の主本体の第1の焦点面に重畳することができる。
コンピュータによる軌跡及び飛散点の検出を備えたフィードバックループを自動化し、これをアクティブディスプレイに結びつけ、第1の焦点面に電子的な照準点修正を重畳することによって、正確な第2射撃を行うのに必要とされる総時間が有利に減少する。この時間削減は、交戦過程における極めて重要な点となる場合がある。第1射撃を行った後、特に第1射撃の衝撃波音が意図する標的に到達した時点を超えて遅れた場合には、第2射撃を行う好機はすぐに狭まる可能性がある。
環境条件とウィンデージドリフトは、長距離にわたるラウンドの弾道軌跡に相当な影響を与える可能性がある。例えば、M193の弾丸は、時速10マイルの適度な横風において500ヤードで約4フィートだけドリフトする可能性がある。弾丸の速度は飛翔の範囲及び総時間が増加するにつれて減少するので、ウィンデージの影響は、距離が大きいほどより一層過大なものとなる。
様々な曳光弾のオプションが利用可能である。標準的なトレーサは、飛翔経路内の弾丸の軌跡を確かめるために射手によって従来から使用されている。曳光弾では、トレーサ材の組成に応じて可視スペクトル又はIRスペクトルで光を放つことができる。後者は、射手が暗視機器を使用している場合に有効である。更に、一部のトレーサは、初めは微かに発光し、ラウンドが距離に沿って進むにつれて明るくなる場合がある。ヒューズ素子は、弾丸が十分に距離に沿うまでトレーサ材の発火を遅らせるために、そのラウンドの発射の後にトレーサが輝くタイミングを制御することができる。ヒューズの遅延は、トレーサが射手の発射位置を明らかにしてしまうというリスクを低減する。
一実施形態では、統合表示システムを備えた観察光学機器は、標的領域に着弾する直前の弾丸の軌跡を検出、決定、及び/又は表示するために曳光弾を使用することができる。一実施形態では、長遅延ヒューズを有し、電磁スペクトルの近赤外領域(700~1000nm)で発光する隠密トレーサを使用することができる。近赤外領域で放出された光は、人間の目には見えないが、従来のガラス光学機器を用いた撮像センサーによって検出することができる。このタイプの曳光弾は、次射撃修正要件を正確に決定するために重要な自動化弾丸追跡機能を提供しながらも、スナイパ作戦に対する射手の隠密性を維持する上で特に有効であるとすることができる。このように、様々な実施形態は、本明細書に記載する機能を実装するために、1又は2以上の曳光弾と連携するように適合される。
昼光実施形態の撮像センサーは可視光にも敏感なので、標準的な昼光トレーサも、弾丸追跡のために使用することができる。可視光と近赤外光の双方の場合において、システムは着弾前の最後の瞬間に弾丸の飛翔を検出するだけでよいので、曳光弾では、隠密性を高めるために長遅延ヒューズを有するという利点を活かすことができる。
一実施形態では、観察光学機器と関係するカメラは、弾丸の軌跡を記録することができ、観察光学機器に埋め込まれた一式のセンサーを用いて、弾丸の厳密な地理位置的軌跡、並びに弾丸の着弾点を計算することができる。
別の実施形態では、観察光学機器はまた、銃器からの反動を補償するために安定化カメラを使用することができる。観察光学機器は、安定化カメラの移動を正確に追跡し、その移動を補償して弾丸の地理位置的軌跡を正確に計算することになる。この実施形態により、射手は、自分自身の軌跡を正確に追跡し、あらゆるミスをより正確に補正できることになる。
双方の実施形態で、弾丸の地理位置的軌跡を次いで他のユーザと共有することができ、他のユーザも、自分の視野内にその軌跡を表示するためにマイクロディスプレイ又はホログラフィ技術を用いる別のライフルスコープ、スポッティングスコープ、又はゴーグルなど、自分が使用しているデバイスでディスプレイを起動させる。
一実施形態では、弾丸軌跡の追跡は、光っている飛翔中のトレーサ弾丸のビデオフレーム画像を取り込むステップを組み込む。選択された画像フレーム内での弾丸の空間的位置は、画像処理技術によって抽出され、次いで弾丸の軌跡を確立するために他のビデオフレームからのデータと互いに関係付けられる。
画像フレームは、発射事象との相関性に基づいて処理するために選択される。弾丸が兵器から発射されると、様々な実施形態に含まれる内蔵の兵器軸加速度計から得られた加速度計データを処理することにより、銃口出射の時間が直ちに判定される。次に、銃口出射時間からの相関窓が開始され、その場合、様々な実施形態でビデオ画像のフレーム毎の処理が始まり、その中で、空間内の特定X-Y位置において曳光弾と関係するピクセルの小クラスタを特定する。弾丸はX-Yフレーム内で少数の個別ピクセルを通過するので、フレーム画像は、弾丸を捕捉するために最適化された露光時間で撮影することができる。カメラのフレームレートと銃口出射時間が分かっているので、各フレームにおける兵器から弾丸までの距離は、弾丸の既知の飛翔特性を用いて確立することができる。このデータは、各兵器及びその関係するラウンドに関連した内蔵テーブルに含まれる、又は代わりに、兵器照準器との戦術ネットワーク通信から受信される。
レーザ測距計の測定値から標的までの絶対的な距離が分かっていれば、その標的距離に対応する軌跡上の点を決定することによって、標的距離におけるラウンドの位置を計算することができる。この技法の優れた点は、測定が飛翔中のデータから行われ、物理的な表面への弾丸の衝突に依存しないことである。計算された位置は、兵器の位置に対する仰角及び方位角に対応することになり、精度を高めるために必要とされる弾道指向修正を決定するために使用することができる。この次射撃弾道修正計算の一部として、様々な実施形態では、慣性指向角データを用いて、銃口出射時の銃の慣性指向角と飛散時の指向角との間で相対基準点を計算する。これにより、計算は、標的距離への弾丸の飛翔時間中に生じた銃のあらゆる角運動を考慮することができる。
4.追加の構成
図50は、スコープ本体5005と、スコープ本体5005の上部の区画又はノッチ5010とを有するライフルスコープ5000の代替の実施形態を示す。区画5010は、アクティブディスプレイ5015と集光器光学機器5020とを備えた統合表示システムを有する。統合表示システムは、ディスプレイ5015と集光器光学機器5020がビームコンバイナ5025と平行になるように配向される。この実施形態では、ミラーなどの反射面は必要とされない。
図51は、スコープ本体5005と、スコープ本体5005の上部の区画又はノッチ5010とを有するライフルスコープ5000の代替の実施形態を示す。区画5010は、アクティブディスプレイ5105と、集光器光学機器5110と、ミラー5115とを備えた統合表示システムを有する。統合表示システムは、ディスプレイ5115と集光器光学機器5110がビームコンバイナ5025と垂直になるように配向される。図51では、アクティブディスプレイ5105は、観察光学機器の対物レンズ系と比べて接眼レンズ系に近接している。
図52は、スコープ本体5005と、スコープ本体5005の上部の区画又はノッチ5010とを有するライフルスコープ5000の代替の実施形態を示す。区画5010は、アクティブディスプレイ5105と、集光器光学機器5110と、ミラー5115とを備えた統合表示システムを有する。統合表示システムは、ディスプレイ5115と集光器光学機器5110がビームコンバイナ5025と垂直になるように配向される。図52では、アクティブディスプレイ5105は、観察光学機器の接眼レンズ系と比べて対物レンズ系に近接している。
アクティブディスプレイ5105から生成された像はミラーに導かれ、スコープ本体5005内のビームコンバイナ5025を用いて、観察光学機器を通して観察者によって観察されるシーンの像と結合され、生成された像と観察像を同時に重畳又は重ね合わせることができ、結合像が第1の焦点面に導入される。ビームコンバイナ5025は第1の焦点面1510より前に位置決めされ、結合像は第1の焦点面上に合焦するので、生成された像と観察像とは互いに対して移動しない。これは、第2の焦点面に像を導入するデバイスと比べて大きな進歩である。
更に別の代替の実施形態では、観察光学機器は、スコープ本体と、アクティブディスプレイと集光器光学機器とを備えた分離可能なベースとを有し、アクティブディスプレイ及び集光器光学機器は、ビームコンバイナと平行である。この実施形態では、ミラーなどの反射面は必要とされない。ベースは、観察光学機器の主本体の底部と結合する。
マイクロディスプレイ5105から生成された像は、スコープ本体内のビームコンバイナを用いて、観察光学機器を通して観察者によって観察されシーンの像と結合され、生成された像と観察像を同時に重畳する又は重ね合わせるようにすることができ、結合像は第1の焦点面に導入される。ビームコンバイナは第1の焦点面より前に位置決めされ、結合像は第1の焦点面上に合焦するので、生成された像と観察像とは互いに対して移動しない。これは、第2の焦点面に像を導入するデバイスと比べて大きな進歩である。
本明細書で開示される光学照準及び方法は、ディスプレイ又は観察装置、デバイス、照準器、又はスコープとすることができ、兵器、銃、ライフル銃、レーザ標的ロケータ、測距計のためのもの、又はその上にあるもの、又はこれらの一部、又はこれらに対するアドオン付属品としてものとすることができる。実施形態は、兵器、又は装置に搭載することができ、或いは手持ち式又はヘルメット搭載式とすることができる。
V.高度なレチクル特徴を備えた観察光学機器
A.倍率設定に基づくアクティブディスプレイのパターン
一実施形態では、本開示は、主本体と統合表示システムを備えたベースとを有する観察光学機器に関し、統合表示システムのアクティブディスプレイは、視野の第1の焦点面に投影される複数のレチクルパターンを生成する。
一実施形態では、本開示は、主本体と統合表示システムを備えたベースとを有する観察光学機器に関し、統合表示システムのアクティブディスプレイは、倍率レベルに基づいてレチクルパターンを生成する。
一実施形態では、本開示は、観察光学機器の倍率レベルを追跡又は監視することができる1又は2以上のセンサーを備えた主本体と、統合表示システムを備えたベースとを有する観察光学機器に関し、統合表示システムのアクティブディスプレイが倍率レベルに基づいてレチクルパターンを生成する。倍率レベルに応じて、アクティブディスプレイシステムは、種々の光学倍率レベルに対して最適化された種々のレチクルパターンを生成することができる。一実施形態では、統合表示システムのアクティブディスプレイは、倍率レベルに基づいてレチクルパターンを自動的に切り替えることができる。
一実施形態では、統合表示システムを備えた観察光学機器は、使用されている特定の倍率設定に対して最適化されたデジタル特徴又は照準点を投影することができる。
一実施形態では、観察光学機器の主本体は、観察光学機器の光学倍率の調整を示す信号を生成するために、照準デバイスの倍率調整機構に関連付けられたセンサーを有する。観察光学機器は更に、センサー及び統合表示システムのアクティブディスプレイと通信する電子コントローラを含む。電子コントローラは、センサーが生成した信号に応答して、アクティブディスプレイと通信してレチクルパターンを生成し、該レクチルパターンは、遠方の対象物の像上に重畳されて接眼レンズを通してその視野内で観察可能である。
一部の実施形態では、電子コントローラ及びアクティブディスプレイは、第1の倍率設定値を示す信号に応答して、近接戦闘用レチクルパターンなどの第1のレチクルパターンを生成するように構成され、並びに、第1の倍率設定値よりも大きい第2の倍率設定値を示す信号に応答して、電子コントローラ及びアクティブディスプレイは、第1のレチクルパターンとは異なる第2のレチクルパターンを生成することができる。例えば、第2のレチクルパターンは、スナイパレチクルなどの長距離レチクルパターンとすることができる。
一部の実施形態では、センサーは、電気機械式又は光学式のデジタルエンコーダ(回転式でも線形でもよい)、ポテンショメータ、1又は2以上の磁石と1又は2以上のホール効果センサーとの組み合わせ、或いは倍率調整機構の位置又は移動を感知して対応する電気信号を生成するように動作可能な他の適切なデバイスを含むことができる。一実施形態では、センサーは、図69及び70に記載されている。
一実施形態では、アクティブディスプレイは、観察光学機器の主本体内にない。
一実施形態では、1又は2以上のレチクルパターンは、限定ではないが、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、及び21パターン以上を含むパターン数から選択することができる。一実施形態では、統合表示システムを備えた観察光学機器は、少なくとも10、又は少なくとも20、又は少なくとも30、又は少なくとも40、又は少なくとも50のレチクルパターンの中から選択することができる。
一実施形態では、統合表示システムのアクティブディスプレイは、特定の倍率設定に基づくレチクルパターンを視野の第1の焦点面に投影する。倍率設定を変更すると、アクティブディスプレイから生成されたレチクルパターンは、照準点が操作者にとって直ちに役に立つように切り替わる。レチクルの切り替えは、倍率設定に基づくことができる。
例として、限定ではないが、1Xの倍率設定では、アクティブディスプレイは、第1焦点面に投影される小さなセンタドットを生成することができる。倍率を8Xに変更すると、アクティブディスプレイは、第1の焦点面に投影される長距離ホールドオーバ・ドットを備えたクロスヘア・パターンを生成する。センサーが倍率の変更を判定し、これがコントローラに伝達され、これによりアクティブディスプレイのレチクルパターンが変更される。
一実施形態では、統合表示システムを備えた観察光学機器は、操作者が短距離及び長距離の標的と交戦するのを支援するように設計された情報及び照準点を投影する。一実施形態では、複数の「ページ」の情報又はレチクルパターンを設計して、システムにロードすることができ、倍率設定に応じて異なるページを表示することができる。
一実施形態では、アクティブディスプレイからのレチクルパターンは、第1の焦点面のエッチング式レチクルの上に投影される。デジタルレチクルをエッチング式又は固定式のレチクルに投影することで、システム障害の場合に必要な保護が提供される。
図53は、倍率1Xでの近接戦闘用レチクル5300の代表的な図である。弓形の太い線5305、主水平線5307、主垂直線5309、数字及び矢印は、エッチング式レチクルの構成要素である。センタドット5310は、統合表示システムのアクティブディスプレイから生成される。このタイプのレチクルは近接戦闘に使用され、センタドットは、迅速な標的捕捉用照準点を表す。
図54は、図53のレチクルの概略図であるが、観察光学機器の倍率設定を8xにしたものである。図示のように、アクティブディスプレイから投影されるセンタドット5310は、倍率8Xの下では目立ち過ぎるほどに大きくなっている。
図55は、観察光学機器が8Xの倍率設定に設定された場合に有用な情報を提供するレチクルパターン5500の代表的な図である。弓形の太線5502、主水平線5504、主垂直線5506、数字及び矢印が、エッチング式レチクルを表している。中央照準点5510、6つの弾道補正ウィンデージドット5520、並びに標的までの仮想距離を表示する測距計デジグネータを示す左上の正方形5530は、アクティブディスプレイによって生成された構成要素である。
図56は、低倍率設定でのレチクルパターン5500の代表的な図である。
図53~56を参照すると、光学倍率設定が1Xの場合、レチクルパターン5300は、エッチング式レチクルの特徴5305、5307、及び5309と共に、アクティブディスプレイから生成されて第1の焦点面レチクルの上に投影された複数のマーク5310(円及び/又は照準ドットなど)の第1セットを含む。好ましくは、マーク5310の第1セットによって少なくとも部分的に形成されたレチクルパターン5300は、図53に示すような、雑然さの少ない可視領域を提供するために最小限のマークを有する近接戦闘用レチクル(CQBレチクル)の一種である。
光学倍率設定値が増大すると、電子コントローラ及びアクティブディスプレイは、(限定ではないが、図69及び70に記載するセンサーを含む、センサーから受信した信号に応答して)第1のレチクルパターンを複数のマークの第2セットと置き換え/変更し/交換し、その第2セットは、第1のレチクルパターン5300とは異なる第2のレチクルパターン5500を(少なくとも部分的に)形成し、典型的には少なくとも幾つかの異なる機能を含む。
例えば、第2のレチクルパターンは、距離の推定、ウィンデージ調整及び仰角調整の計算、又は図55に示すような測距レチクルで一般に使用される他の適切なマークと関連するような、異なる照準特徴と追加のマークを含むことができる。
従って、アクティブディスプレイ用に複数「ページ」の特徴及びレチクルパターンを生成し、これらをメモリシステムに保存し、操作者が観察光学機器の倍率設定値を変更する際にレチクルパターンを自動的に切り替えることは、非常に有用であることが分かる。
B.アクティブなBDCレチクル
弾道落下補正(BDC)レチクルは、水平方向クロスヘアの下方に位置付けられる垂直クロスヘアの部分にハッシュマークを配置するように設計される。これらのハッシュマークは、試行する特定の距離で設計され、特定の弾道プロファイル又はそのセットと厳密に一致する。
しかしながら、現行のBDCレチクルの設計は固定設計である。これは、レチクルがワイヤ、金属を用いて、又はガラスをエッチングして製造されることに起因する。レチクルを製造してライフルスコープに設置すると、このレチクルは、取り出して新しいものを設置することなしには変更することができず、実際には、スコープを製造業者に送り返すことで達成できるに過ぎない。
一実施形態では、本開示は、光学系を備えた主本体と、アクティブディスプレイを備えた統合表示システムを有するベースとを有する観察光学機器に関し、このアクティブディスプレイは、ユーザによりいつでも手動で変更できる、或いは更に、観察光学機器のソフトウェア及びセンサーによってリアルタイムで自動的に変更できるBDCレチクルを生成することができる。
本明細書で開示される観察光学機器用のBDCレチクルを生成するため、ライフルスコープは、ライフル銃及び発射したカートリッジの特定の弾道プロファイルに対してプログラムすることができる。次に、観察光学機器は、上述のように温度、圧力、湿度、カント角、傾斜角などのセンサーを有し、これらは、BDCレチクルが全ての条件に対して可能な限り正確となるように、BDCレチクルに対してリアルタイムの更新を提供する上で助けとなることができる。これにより、BDCレチクルは、各ライフル銃及び特定の射撃条件に合わせてカスタマイズすることができる。
アクティブディスプレイによってリアルタイムで生成されたBDCレチクルによって、射手は、様々な距離で正確且つ迅速に射撃するための正確なシステムを有することができる。
図57に示すように、レチクル5700は、主水平線5702、主垂直線5704、並びに主垂直クロスヘアに沿った数値マーキング及びハッシュマークを含む、標準的なエッチング及び充填の部分を有する。レチクル5700はまた、アクティブディスプレイによって生成されて第1の焦点面レチクルに投影されたパターン及びマークを有する。この形態のBDCレチクルにおけるアクティブディスプレイのマークは、数値マーキング5710(第3及び第4象限における垂直軸上の100~900)を含む。この部分はデジタルディスプレイから投影されるので、リアルタイムで更新することができる。
アクティブなBDCレチクルに加えて、ユーザ/射手は、標的が急速に様々な距離で現れる可能性のある領域において他の構成員を援護する位置に自分がいるのに気付くことがある。例えば、ビルの上で、交差道路又は出入り口のある路地又は道路を見下ろしている狙撃者が挙げられる。アクティブディスプレイは、コンパス、カント角、傾斜角、GPSなどのライフルスコープに組み込まれた様々なセンサーと連動して使用することができ、ライフルスコープが指し示す方向を正確に決定することができる。
環境センサーを有する観察光学機器、第1の焦点面にBDCレチクルを生成して投影するためのアクティブディスプレイを有する統合表示システム、及び測距計を用いて、ユーザは、ドア、窓、車などの既知のランドマークに照準を合わせ、コントローラ及びアクティブディスプレイを使用してこれらランドマーク上に距離マーカを配置することができる。これらの距離マーカは、第1の焦点面に投影され、観察光学機器を通して見ることができる。環境センサーにより、ユーザは、観察光学機器を移動させて別の標的を観察することができるが、距離マーカは標的の上に留まる。
図58は、アクティブディスプレイで生成されて第1の焦点面レチクルに投影されたBDCレチクルの代表的な像であり、潜在的な標的までの距離が表示されている。環境センサーを備えた主本体と、BDCレチクルを生成するためのアクティブディスプレイを備えた統合表示システムを有するベースとを有する観察光学機器により、ユーザは、1又は2以上の領域内の複数標的に距離表示を付けることが可能となる。この場合、標的が標的マーカの近くに現れた場合、ユーザは、標的に照準を合わせなくても、標的までの距離を迅速に特定できることになる。次にユーザは、アクティブなBDCレチクルを用いて素早く正しい位置に保持し、標的に合わせることができる。
C.銃器のカントを補正するレチクル
従来のライフルスコープでは、長距離射撃を行う場合、射撃時に銃器とスコープが水平であることが重要である。弾丸が長距離を移動する場合、弾は、射手が考慮しなければならない程度に重力の影響を受ける。重力は弾丸を地面に向かって終始一貫した方向に引っ張り、「弾丸の落下」を引き起こす。射手は、弾丸が標的に到達するまでには適切な高さまで落下して標的に命中するように、標的よりも高く狙いを付けることでこの弾丸の落下を補償する。
図59は、カント角の代表的な図である。この三角形は、上が角度10°で下が直角の直角三角形であることがよく分かる。10ミリラジアンの辺は、斜辺である三角形の辺になっており、クロスヘアの傾斜した垂直断面を表す。しかしながら、重力は三角形の垂直な辺に作用している。
三角法を用いて、垂直な辺の長さを次の式で解くことができる:Cos10° = x/10ミリラジアン。xについて解くと9.85ミリラジアンという結果になる。つまり、この例では、ユーザ/射手は10ミリラジアンを保持した又はダイヤル設定した可能性があるが、9.85ミリラジアンの射撃を補正したに過ぎない。長距離では、これは的を外すに十分である。
一実施形態では、本開示は、アクティブディスプレイを用いて、銃器のカントを補正できるレチクルを生成する統合表示システムを備えた観察光学機器に関する。ユーザは、カント角を気にすることなく、シームレスに遠距離射撃を行うことができる。
従来のライフルスコープでは、レチクルは金属、ワイヤ、又はガラス上に恒久的にエッチングされたパターンの何れかである物理的なクロスヘアである。これは、レチクルのカントが常に固定されていることを意味する。しかしながら、リアルタイムレチクルを生成するアクティブディスプレイ技術の場合、パッシブ画像の上にデジタルレチクルを重ね合わせることによって、デジタルレチクルをいつでも変更することができる。一実施形態では、観察光学機器は、カント角を補正するためにアクティブディスプレイによって生成されたレチクルを瞬時に配向することのできる内部カントセンサーを有する。
図60は、統合表示システムのアクティブディスプレイによってマーク及びパターンがカント用に配向されて生成された、レチクル6000の代表的な図である。主水平線6002及び主垂直線6004は、パッシブ又はエッチング式又は固定式のレチクルによって提供される。アクティブレチクル6020によって生成された照準点は、カントを補正し、パッシブレチクルの上に投影される又は重ね合わされる。枢動点6010はレチクルの中心にある。この場合、電子コントローラ/マイクロコントローラは、カント角センサー及び傾斜角センサーから収集された情報を使用し、ソフトウェアロジックを適用し、アクティブディスプレイと通信して、この時点での銃器の向きに対応する新しい零点規正位置、関係する幾何学的配置及びホールド点を反映するように生成された像の照準点6020を調整することになる。ユーザは、パッシブレチクル又は固定式レチクルの代わりに、アクティブディスプレイで生成されたデジタルレチクルで撃つことになる。
別の実施形態では、統合表示システムのアクティブディスプレイは、カントを補正すると共に、デジタルレチクル上の照準点を上下に調整することによって上り傾斜角又は下り傾斜角での射撃を補正する、デジタルレチクルを生成することができる。これにより、この種の状況での射撃を補正するためにしばしば使用されるコサインインジケータが不要となる。
D.偏流インジケータを備えたデジタルレチクル
従来のライフルスコープでは、風インジケータを有するレチクルは通常、ガラスエッチング式レチクルである。多くの場合、これらのレチクルはグリッドパターン又はドット列を備え、狙いを付けて風速を補償するために使用する基準点をユーザが有することができるようになる。これらのレチクルについての問題点は、レチクルがガラス片上を物理的且つ恒久的にエッチングされるために、この形状及びサイズが固定されることである。
一実施形態では、本開示は、主本体と、標的までの距離を補償する偏流インジケータを使用するデジタルレチクルを生成するためのアクティブディスプレイを有する統合表示システムを備えたベースと、を有する観察光学機器に関する。一実施形態では、デジタルレチクルは、パッシブレチクルの上に重ね合わされる。パッシブレチクルの上に重ね合わされたデジタルレチクルを使用することにより、観察光学機器は、特定状況の弾道、距離、及び環境に対してリアルタイムのウィンドホールドを適合させることの可能なレチクルを有することができる。
一般的に、距離が長くなるほど、横風が弾丸に与える影響は大きくなる。デジタルレチクルを使用することで、距離が増大するにつれてウィンドホールドをより広げて、標的に対する特定距離での風値を補償することができる。
図61は、レチクル6100の代表的な図である。複数の構成要素又はマーカが、主水平方向クロスヘア6102及び主垂直方向クロスへア6104を含むパッシブレチクルによって提供される。統合表示システムのアクティブディスプレイは、500ヤードに測距された標的6105と、特定条件に対するウィンドホールド6110とを生成して投影する。補助水平線(主垂直線を横切る)の端は5mphの偏流に等しく、次のドットは10mphであり、最も外側のドットは15mphとなる。アクティブディスプレイから生成された像6105及び6110は、パッシブレチクルの上に重ね合わされる。
図62は、レチクル6200の代表的な図である。複数の構成要素又はマーカが、主水平方向クロスヘア6202及び主垂直方向クロスへア6204を含むパッシブレチクルによって提供される。統合表示システムのアクティブディスプレイは、1000ヤードに測距された標的6210と、特定条件に対するウィンドホールド6220とを生成して投影する。水平線(主垂直線を横切る)の端は5mphの偏流に等しく、次のドットは10mphであり、最も外側のドットは15mphとなる。アクティブディスプレイから生成された像6210及び6220は、パッシブレチクルの上に重ね合わされる。補助水平線6220がより幅広く延び、風ドットは、弾丸がより長い距離を移動する際に誘発される追加の偏流を補償するために、500ヤード(図61)の解と比べて更に両側に広がっていることが分かる。
E.第2射撃修正用の中央グリッド付きレチクル
従来、パッシブレチクルは、様々な条件及び様々な弾道で射撃するために射手が多くの基準点を有することができるように設計されてきた。しかしながら、条件及び弾道の多様性が非常に幅広く変化するため、これらのレチクルは、線又はドットのグリッドなど、ユーザにとってレチクルが雑然又は煩雑に見える原因となる多くの特徴をレチクル上に有する傾向があった。
一実施形態では、本開示は、アクティブディスプレイで生成され、パッシブレチクルに重ね合わされるデジタルレチクルを備えたレチクルシステムに関する。デジタルレチクルの使用により、情報を必要に応じて適切に表示することが可能となって、特定の情報をパッシブレチクル上に表示する必要がなくなり、これにより、よりすっきりした又はより見分け易いパッシブレチクルが提供される。
一実施形態では、本開示は、アクティブレチクルと連動して最も効率的に機能するように設計されたパッシブレチクル又はアナログレチクルを有する観察光学機器に関する。アクティブレチクル技術により、観察光学機器は複雑な計算を行い、ユーザに弾道解を表示することができる。一般的に、弾道解は、視野の中心又はパッシブレチクルのクロスヘアの中心にない。このため、ユーザには、弾道解の上に中心をホールドオーバするか、又は弾道解が視野の中心に、且つパッシブなクロスヘアの中心に来るまでターレットを回して射撃を行うかの何れかの選択肢が与えられる。
一実施形態では、本開示は、線及びドットの広大なグリッドを使用する、以前のパッシブレチクルがもたらしたような視野の妨害を最小限に抑えながら、射手が最も効果的且つ効率的に第2射撃修正を行うことを可能にするアナログレチクル及びデジタルレチクルを備えた観察光学機器に関する。
図63は、低倍率におけるレチクル6300の広角図の代表的な図である。水平方向クロスヘアの下方に、それほど目障りでないドット列が使用されている。このパッシブレチクルは、観察光学機器の電池電源又は電子機器の故障でアクティブディスプレイを生成できない場合に、バックアップとして使用することができる。
図64は、レチクル6400の中央部分のクローズアップ図の代表的な図である。図64は、より高い倍率の眺めを提供する。この像は、統合表示システムのアクティブディスプレイによって生成された小さなグリッド6410を示し、レチクルの中心に位置付けられる。これにより、ユーザは、第1射撃着弾位置の正確な測定を行って正確な第2射撃修正を行うことができる。
一実施形態では、アクティブディスプレイによって生成されるグリッド6410は、高さよりも幅が大きい。これは、第1射撃に関する着弾の仰角計算の方が偏流の推定よりも正確であるため、特に設計されている。この実施形態では、小さなグリッドの小さなプラスの特徴は、照明されない非常に細かい特徴であり、極めて精密な測定を可能にする。
アクティブレチクル又はデジタルレチクルでは、非常に接近して第1射撃を取得する必要があり、従って、中央グリッドは、水平方向クロスヘア下方で視野のかなりの部分を網羅する広大なグリッドを必要とする典型的なパッシブレチクルよりも、遥かに小さくすることができる。
VI.自動輝度調整
本出願全体にわたって議論するように、統合表示システムにより、アクティブディスプレイで生成されたデジタル像を外部シーンの像の上に重ね合わせることが可能となる。このアクティブディスプレイは、ディスプレイの照明された部分を用いて、外部シーンの像に導入される。ディスプレイを最も使い易くするには、パッシブなシーンの輝度と照明されたディスプレイの輝度とのコントラスト比を高くして、両方を容易に見えるようにすることが望ましい。ディスプレイが暗過ぎると、ユーザは見ることができない。ディスプレイが明る過ぎると、ディスプレイはパッシブなシーンを圧倒する。
一実施形態では、本開示は、統合表示システムを備えた主本体と、特定標的の輝度を検出してこれを補正することができる光センサーとを有する観察光学機器に関する。
図71は、主本体7005と、主本体に結合されたベース7010とを備えた観察光学機器7000の代表的な概略図を示している。主本体7005は、外部シーンの像を観察するための光学系と、ビームコンバイナ7020とを有し、ビームコンバイナ7020の上方にはフォトセンサー7025と光フィルタ7030とが位置付けられる。これにより、フォトセンサーは、視野内に障害物を生じることなく標的シーンを直接見ることができる。ベース7010は、観察光学機器の第1の焦点面に投影される像を生成するためのアクティブディスプレイを備えた統合表示システム7015を有する。
フォトセンサー7025と光フィルタ7030は、外部シーンの像の輝度とアクティブディスプレイから生成された像の輝度との間に高いコントラスト比を生成する。
一実施形態では、フォトセンサーの前面にあるフィルタの透過帯域は、十分に狭く調整することができるので、標的の輝度だけが測定され、測定を歪めることになる表示システムからの追加の光は測定されない。
VII.自動測距性能を備えた観察光学機器
一実施形態では、本開示は、自動測距を支援するカメラの使用を組み込んだ統合表示システムを備えた観察光学機器に関する。一実施形態では、本開示は、統合表示システムを備えた観察光学機器と、自動測距を支援するカメラと、レーザ測距計とを備えたシステムに関する。
一実施形態では、本開示は、統合表示システムを有する観察光学機器と、画像認識技術を組み込んだカメラとに関する。本明細書で開示されるシステム及び方法は、標的解を取得する速度を大幅に増大させ、照準点に影響を与える可能性のあるボタン押下を不要にする。更に、本明細書で開示されるシステム及び方法は、人工知能をシステムに統合して、測距された標的解の質を判定する。
一実施形態では、観察光学機器は、画像認識技術を組み込んだカメラを有する。一実施形態では、カメラは、統合表示システムを有する観察光学機器か銃器の何れかに取り付けることができ、ライフルスコープの照準点の方向を向くことになる。
一実施形態では、カメラは、標的を検出して、標的を強調表示するために統合表示システムのアクティブディスプレイと通信するための人工知能を有する。別の実施形態では、人工知能システムを観察光学機器に組み込むことができる。一実施形態では、人工知能システムは、観察光学機器の主本体に結合されたベース内に設置することができる。
別の実施形態では、画像認識技術を欠いた熱撮像カメラを使用することができる。これにより、熱画像をアクティブディスプレイに伝達し、観察光学機器内の外部シーンの像の上に重ね合わせることが可能となる。観察光学機器は、対象となる「ホットスポット」だけを表示するようにプログラムすることができる。例えば、ホットスポットは、人の熱、又は車両の熱などを示す。人工知能を排除することで、システムが消費する電力が大幅に削減される。更に、適切なホットスポット全てが視野内に現れ、ユーザは、それぞれのホットスポットを評価して標的が有効か否かを判定することができる。
有効な標的を特定した後、ユーザは、視野内のLRFデジグネータが所望のホットスポットの上に来るように観察光学機器を移動するだけである。LRFデジグネータをホットスポットに合わせるとすぐに、システムは自動的にLRFを起動させてホットスポットの距離を取得する。距離を取得した後、観察光学機器は標的の距離のホールド点を表示するか、又は単に距離を示すことができ、ユーザは、アクティブBDCモードを使用して、標的までの適切な測定距離に対してアクティブなBDCレチクルをホールドオンすることができる。
システムに対する追加の機能は、ホットスポットが有効な距離の取得に足りるだけ長くLRFデジグネータ内に残存しているかどうかを自動的に検出できるというものである。そうでない場合、解を表示するより前に、有効な標的捕捉を達成するのに適切な長さの時間だけホットスポットがLRFデジグネータ内に残存するまで、距離の表示を待つことになる。これにより、ボタン押下に対する第2の問題が排除されることになる。
一実施形態では、本開示は、観察光学機器の第1の焦点面に投影される重ね合わせカメラ画像を使用すること、並びにこの画像をLRFデジグネータと連動して使用し、自動的に標的を測距することに関する技術及び方法に関する。
VIII.電力を節約するためにフォトセンサーを備えた観察光学機器
一実施形態では、本開示は、統合表示システムと省電力システムとを備えた観察光学機器に関する。一実施形態では、省電力システムは、観察光学機器の主本体に結合されたベース内に設置することができる。一実施形態では、省電力システムは、近接センサーを備える。一実施形態では、近接センサーはマイクロコントローラと通信する。
一実施形態では、省電力システムは、ユーザ/操作者が観察光学機器を覗いていない時に、観察光学機器をスリープモード又はスタンバイモードにするために使用することができる。一実施形態では、システム及び機構は、ユーザ/操作者が観察光学機器の接眼レンズ後方に検出された時に、観察光学機器を目覚めさせる又は起動させることができる。
電子機器をスリープ状態又はスタンバイ状態にする現行の方法は、「タイムアウト」機能の使用によるが、観察光学機器が近接戦闘任務に使用されている場合、観察光学機器は、これを覗いている操作者がいる限り、不確定な時間の間オン状態に留まる必要があるため、これは不利である。移動を検出してシステムをオンにするために、加速度計を使用することもできる。この方法の欠点は、操作者が観察を行っている場合に、操作者がまだ観察光学機器を覗いているにも関わらず、銃は長時間にわたりほとんど移動がなくてスリープ状態になる可能性があることである。
一実施形態では、本開示は、観察光学機器の接眼レンズ後方に検出された操作者が存在する時に観察光学機器をオンにすることによって電池電力を節約するシステムに関する。
一実施形態では、省電力システムは、観察光学機器を使用する時に操作者の顔から数インチ以内に近接センサーを実装することと適合性のある何れかの電気光学機器で使用することができる。
一実施形態では、本開示は、主本体と、主本体に結合されたベースとを有する観察光学機器に関し、ベースは、接眼レンズの方を向いたベースの背面に窓を有する。
一実施形態では、ベースは、キャリアに設置された近接センサーを有し、キャリアは、接眼レンズの方を向いたベースの端部に位置付けられる窓の中に設置される。近接センサーは、それが窓から数インチ以内で反射を検出した時に、ベース又は主本体内のマイクロコントローラに信号を伝達することができる。対象物がセンサーを起動させる距離は工場で調整することができ、或いは、操作者がセンサーの感度を調整するか、又は自動スリープ/スタンバイ機能を無効化/有効化することを可能にするためにソフトウェアオプションをユーザインタフェースに組み込むことができる。
図72は、ベース7205を有する観察光学機器7200の代表的な図である。ベース7205には、観察光学機器の主本体の接眼レンズの方に向けて窓7210が設置される。窓7210内には近接センサー及びキャリア7215が設置され、接眼レンズの下方に位置付けられる。
図73及び74は、省電力システムを備えたベースを有する観察光学機器7200の代表的な図であり、観察光学機器はライフル銃に取り付けられている。操作者の顔は、観察光学機器の背面から数インチ以内となることが分かる。観察光学機器7200のベース7205内のセンサー7215は、操作者の顔からの反射を検出し、これにより観察光学機器をスリープモードから目覚めさせる。操作者が観察位置から頭部を移動させると、センサーはもはや反射を見なくなり、観察光学機器をスリープモード又はスタンバイモードにすることになる。
IX.電力レールを備えた観察光学機器
一実施形態では、本開示は、主本体と、統合表示システムを備えたベースとを有する観察光学機器に関し、観察光学機器には、ホスト銃器に収容された外部電源から給電することができる。一実施形態では、観察光学機器は、主本体と、主本体に結合されたベースとを有し、銃器から観察光学機器へ電力を供給するために電気ピンがベースに組み込まれている。別の実施形態では、遠隔キーパッド組立体に組み込まれた電気ピンを用いて、銃器から観察光学機器に給電することができる。
一実施形態では、本開示は、観察光学機器に長時間にわたって追加の電力を供給するための方法及びシステムに関する。
一実施形態では、本開示は、主本体と、主本体に結合されたベースとを備えた観察光学機器に関し、ベースは、観察光学機器のディスプレイ、センサー、及びユーザインタフェースを制御するのに使用されるPCBを有する。一実施形態では、ベースは、ベースを貫いて突出し、電源パッドと接触する電源入力ピンを有する。一実施形態では、電源パッドは、ピカティニーレールに組み込まれる。
一実施形態では、PCBは、入力ピンとの相互作用を可能にする位置に配置される。一実施形態では、入力ピンは、ライフルスコープの内部を環境から保護された状態に保つために、ライフルスコープのベースに対して密封される。
図75及び76は、主本体とベース7510とを有し、電源ピン7520がベース7510を貫いて突出している観察光学機器7500の代表的な図である。
図77は、電源ピン7520が観察光学機器7500のベース7510を貫いて突出していることを示す、観察光学機器7500の代表的な側面プロファイルである。
図78は、内蔵PCB7530に取り付けられた電源ピン7520を示すために観察光学機器のベースを透明にした、観察光学機器7500の側面プロファイルの代表的な図である。
別の実施形態では、銃器上のピカティニーレールによって供給される電力は、観察光学機器を制御するのに使用される遠隔キーパッドを介して観察光学機器に送達することができる。このシナリオでは、電源ピンは遠隔キーパッド内のPCBに接続され、遠隔キーパッドハウジング内の内蔵リコイルラグを貫いて突出する。この場合、電力は、ケーブル内の2本の専用線を通ってライフルスコープのベースに送られる。
図79は、遠隔キーパッド7900の上面の代表的な画像である。
図80は、電源ピン8010が内蔵リコイルラグを貫いて突出することを示す、遠隔キーパッド7900の代表的な側面プロファイルである。
図81は、2つの電源ピン8010が内蔵リコイルラグを貫いて突出することを示す、遠隔キーパッド7900の代表的な底面図である。
図82は、遠隔本体内部のPCB8205を示すためにカバーを透明にした、遠隔キーパッド7900の代表的な底面図である。
X.複数の機能を備えた単一キーパッドを有する観察光学機器
一実施形態では、本開示は、統合表示システムを有する観察光学機器と、キーパッドボタン毎に2つ以上の機能を備えた遠隔キーパッドシステムとを備えるシステムに関する。一実施形態では、遠隔キーパッドは、観察光学機器の機能の2つ以上の態様、すなわち、ボタン毎に2つ以上の機能を制御することができる。一実施形態では、ボタンの機能は、制御信号かソフトウェアビットの何れかの状態に依存する。
一実施形態では、本開示は、観察光学機器及び/又は観察光学機器と共に使用される補助デバイスに対してユーザ/操作者が有する制御を拡張する遠隔キーパッドに関する。
一実施形態では、本開示は、観察光学機器及び/又は観察光学機器と共に使用される1又は2以上の補助デバイスのためのキーパッドに関する。一実施形態では、2つ以上の機能がキーパッドの単一ボタンに割り当てられ、ソフトウェアビット又は別個の機械式スイッチで所望の機能を決定することができる。これにより、観察光学機器の機能性を大幅に向上させることができる。
1つの代表的な実施形態では、第1のモードで、ボタンはディスプレイの輝度を変更することができ、第2のモードでは、同じボタンがシステム上の赤外線ポインタを起動させることができる。同じボタンを2つ以上の機能に使用することで、必要とされるボタンの数を最小限に抑えて、遠隔キーパッドを小さく且つ簡素に保つことができる。
図83は、3つのボタンを備えたキーパッドの代表的な図である。観察光学機器と関係付けられた遠隔キーパッドは、3つのボタンを有する。トップボタン8305はディスプレイの輝度を上げるために使用され、ミドルボタン8310はレーザ測距計を起動して標的を測距するために使用され、ボトムボタン8315はディスプレイの輝度を下げるために使用される。各ボタンの機能は、動作モードに依存する。
一実施形態では、キーパッドは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11以上の動作モードを有することができる。一実施形態では、キーパッドは、キーパッド用に10から50までの動作モードを設定するプロセッサと通信することができる。例として、キーパッド用に10個の動作モードを有するプロセッサと通信するキーパッドは、各ボタンに10個の機能を与え、この機能は動作モードで決定されることになる。
幾つかの方法を用いて、ボタンの機能を変更することができる。一実施形態では、ユーザ/操作者が遠隔キーパッド上のボタンを或る時間押し続けると、マイクロコントローラは、1又は2以上のボタンの機能を変更する。一実施形態では、操作者は、3つのボタンの1つを長時間、例えば1秒の間、押し続けることができ、これが、観察光学機器内部のマイクロコントローラに対して、ボタンに新しい機能を割り当てるビットを変更するように信号を送ることになる。一実施形態では、トップボタン8305を或る時間押し続けるとモードAを設定することができ、ミドルボタン8310を或る時間押し続けるとモードBを設定することができ、ボトムボタン8315を或る時間押し続けるとモードCを設定することができる。各ボタンと関わり合う時間を変えることで、更なる動作モードを起動させることができる。例えば、ボタン8305を5秒間保持することで、モードAを起動させることができ、ボタン8305と5回のクイックタップで関わることで、モードFを起動させることができる。
別の実施形態では、遠隔キーパッドボタンの機能は、観察光学機器上の別個の機械式スイッチを介して変更することができる。一実施形態では、機械式スイッチは3つの異なる位置を有することができ、これらは、マイクロコントローラ内の3つの異なるビット又はプログラムと通信する。これらのビット又はプログラムを用いて、遠隔キーパッドボタンに様々な機能を割り当てることができる。
代表的な例が、図84に示されている。観察光学機器は、遠隔キーパッド8300と通信するスイッチ8400を有する。第1設定点8405では、遠隔キーパッド8300のトップボタン8305にディスプレイの輝度を増大させる機能を割り当てることができ、ミドルボタン8310はレーザ測距計を起動させることができ、ボトムボタン8315はディスプレイの輝度を減少させることができる。機械式スイッチ8400が第2設定点8410に設定された場合、トップボタン8305及びボトムボタン8315の機能が観察光学機器上の補助的なポインティングレーザをオン/オフするようにプログラムすることができ、ミドルボタン8310は、依然としてレーザ測距計を起動するようにプログラムすることができる。機械的スイッチ8400が第3設定点8415に設定されると、3つのボタンの機能を再度変更することができる。例えば、観察光学機器にデジタル磁気コンパスが装備され、位置及びランドマークデータがマイクロコントローラのメモリに保存されている場合、対象物の位置に関する情報を観察光学機器の視野内に表示することができる(拡張現実データ)。
一実施形態では、キーパッドは、様々な動作モードをキーパッドの各ボタン又はスイッチに割り当てることを可能にする観察光学機器のプロセッサと通信する。例えば、一動作モードでは、キーパッドのボタンは、対象となる標的にマークを付けるための特定の機能を有する。操作者は、レーザ測距計を用いて標的を測距し、デジタル磁気コンパスからの方位データを用いて、視野内部の対象となる標的に「マークを付ける」ことができる。キーパッド上のボタンには、この任務に特に適した機能を割り当てることができる。
キーパッド上の中央ボタンを用いて、レーザ測距計を起動し、標的を測距することができる。一度標的が測距されると、トップボタンとボトムボタンを用いて、例えば、「ランドマーク」、「味方」、「敵」、「不明」など、標的を分類するために予め定義された記述語のリストから選択することができる。操作者は、この行動を終えるとすぐに、機械式スイッチを変更して、操作者が輝度設定値を変更する、赤外線レーザを起動させる、又は標的の距離範囲に対する弾道解を取得することを可能にする機能を、遠隔キーパッドボタンに迅速に再び割り当てることができる。
XII.相対座標マッピングシステムを備えた観察光学機器
一実施形態では、本開示は、相対座標マッピングシステム及び/又はドローン技術を用いて標的を正確にタグ付けして追跡するために、統合表示システムを備えた観察光学機器を使用する技術及び方法に関する。
兵士には、敵標的の位置を正確に特定できること、他の兵士、近接航空支援などとこの位置を共有できること、並びに、これらの標的を自分の主光学機器の視野内に重ね合わせることによって容易に見られることが必要とされる。これを実現するための最も明白な方法は、GPS、コンパス方位、高度、傾斜、測距センサーの組み合わせを用いることである。しかしながら、GPSに頼ることには、GPS信号がGPS衛星との直接の見通し線を必要とするといった欠点が存在し、この見通し線は常に可能であるとは限らない。相対座標技術及び/又はドローンを用いると、GPSの必要性を減らすことができる。相対座標技術は、統合表示システムを有する観察光学機器と連動して使用する場合に、実現可能となる。
一実施形態では、ユーザは、統合表示システムを備えた観察光学機器をランドマーク又は標的に向け、これに「タグ付けする」ことができる。ユーザが複数の標的を「タグ付け」した場合、タグ付けされた標的から相対位置マップを作成することができる。これらのタグ付き標的は、他のユーザの観察光学機器に送信することができ、他のユーザは、視野内に表示されたタグ付き標的を見ることになる。その後、この標的データは全て、観察光学機器内の1又は2以上のメモリデバイスにローカルに保存されることになる。
一実施形態では、ユーザはまた、タグ付き標的の代わりとして、又はタグ付き標的を補足するものとして、ドローンを使用することができる。これは、カメラ及び適切なセンサーを収容する多数の小型ドローン又はマイクロドローンの「雲」を発進させ、戦場の上空を飛行してランドマークへのタグ付け及びマーク付けを開始することによって機能することになる。ドローンは、この情報をお互いに共有してユーザの元へ戻ることができ、ユーザは、この情報を観察光学機器のアクティブディスプレイに表示させることになる。
相対座標技術及び/又はドローンの雲を使用することにより、GPSの欠点を克服することができる。
・複数のユーザ及び複数の観察光学機器の場合、保存された標的データに冗長性が内在するようになる。ドローンの雲を使用すると、その冗長性を更に高めることができる。冗長性があれば、信号又はデータが失われる可能性が遥かに低くなる。
・GPSは、軌道上の衛星との間で極めて長い距離にわたってデータを送受信することが必要とされる。同じ戦闘空間にいる他のユーザ、又は同じ戦闘空間内のドローンの雲を用いることで、そのネットワークはユーザ及び標的により接近したものとなり、ユーザ及び標的の座標の精度が向上する。
・GPS衛星の数が限られているため、GPSは遮断するのがずっと容易である。ユーザ及び/又はドローンの雲があれば、全ての信号を遮断することは遥かに難しくなり、冗長性が高まる。
・GPSモジュールを不要にすることで、観察光学機器が嵩張らなくなる。
XIII.弾薬ステータスインジケータを備えた観察光学機器
高ストレスの状況における射撃時には、射手は、銃器内に何個の弾が残っているかが容易に分からなくなる可能性がある。現在のところ、発射位置において銃器を保持しながら銃器弾倉内に残っている弾丸の数を決定する簡単又は従来の方法は存在しない。機械的カウンターを弾倉内に追加又は一体化することはできるが、機械的カウンターをチェックするには、弾丸カウントをチェックするために射手が照準器及び/又は標的から離れて見ることが必要とする。弾倉内の弾丸の数を決定する現行の他の方法及びシステムは、射手が照準ピクチャを見失うこと、弾倉を物理的にチェックすること、又は他の方法で射手の姿勢又は位置を中断させることが必要とする。
一部の弾倉は、残りの弾丸を示すために透明であるか、又は透明なウィンドウを有するが、射手は、そのレベルを観察するために射撃位置を崩す必要がある。加えて、残りの弾丸は、グリップ又はレシーバーによって覆い隠される可能性がある。軍事環境において、一部の射手は、使用している弾倉がほぼ空であることを示すために、弾倉内の最終弾丸として曳光弾を装填しているが、これにより射手の位置が暴露される可能性があり、特別な弾丸を使用することが必要となる。
他の方法及びシステムではグリップ上にデジタル読み出し装置を配置することによりこの問題に対処しようとしているが、これらの読み出しは、射手に向けて後方に光を投影し、射手が残りの弾丸を視認するために照準ピクチャから集中を途切れさせる必要がある領域に配置されることが多い。場合によっては、読み出し装置は、既存の銃器構成要素へのアタッチメントであり、読み出し装置を兵器に装着するために、射手がグリップのような部品を交換する必要があることもある。一部の読み出し装置は、弾倉の底部に装着され、一部の軍事用途において使い捨て又は半使い捨てアイテム、すなわち、より高価なアイテムと見なされる可能性がある。
一実施形態では、本開示は、ユーザ/射手が弾薬ステータスを監視することを可能にする統合表示システムを備えた観察光学機器に関する。弾薬ステータスは、第1の焦点面に投影され、外部シーンの画像と結合することができる。弾倉の変更を積極的に実施又は準備することで、射手は、空の兵器及び弾倉によって決定付けられる最適以下の時間ではなく、選択した時間に再装填することが可能となる。
一実施形態では、本開示は、弾丸カウンターシステムに関する。一実施形態では、弾丸カウンターシステムは、弾倉又は別の弾丸装填装置における1又は2以上の磁石と、弾倉内の弾丸をカウントするための兵器上又は内のセンサーと、を備える。一実施形態では、センサーは、弾倉内の最終弾丸をカウントするために兵器弾倉ウェルに取り付けられたリモコン内に存在することができる。その後、アクティブディスプレイを介して情報が表示され、光学系の第1焦点面に投影されて、観察光学機器の接眼レンズを通して見たときに生成された画像(弾丸インジケータ/弾薬ステータス)及び外部シーンの画像を同時に観察することができる。
一実施形態では、統合ディスプレイシステム及び弾丸カウンターシステムを有する観察光学機器は、軍事、法的執行、競技会又は民間の射手により、ユーザが光学機器を通じて照準ピクチャを失う必要もなく特定数の弾丸を有していることを示すのに用いることができる。更に、射手は、光学機器内の照準ピクチャから集中を途切れさせることなく弾倉内の最終弾丸を認識し、より継続的にターゲットと交戦し続ける。また、弾倉の交換を積極的に準備又は実施する機会を射手に提供する。弾倉の交換を積極的に実施又は準備することで、射手は、潜在的に非最適な時間ではなく、選択した時間に再装填する機会を得ることができる。ここで使用されているように、弾丸カウンターシステム及び弾薬ステータスインジケータという用語は、互換的に使用される。
一実施形態では、弾丸カウンターシステムは、チャンバーステータスインジケータを含むことができ、これにより、チャンバー内に弾丸があることをユーザに通知することによって安全通知として機能する。これは、一部の兵器設計ではチャンバーを目視検査することが難しい場合があるので、ブルパップ兵器で特に有用とすることができる。
加えて、本システムには、大部分が既存のハードウェアを使用でき、兵器又は兵器の弾倉に大幅な変更又は高価な変更を必要としないので、最小限の重量が追加される。
一実施形態では、弾丸カウンターシステムは、兵器システムに完全に統合することができ、又は既存の兵器システムに対するマイナーで安価な変更とすることができる。
一実施形態では、本開示は、アクティブディスプレイを有する統合ディスプレイシステムと、弾薬ステータス又は弾丸カウントを観察光学機器の第1の焦点面に投影する弾丸カウンターシステムとを備えた観察光学機器に関する。
本明細書に開示される弾丸カウンターシステムは、リコイルインパルスを使用して弾倉を離れた弾丸数を決定する、従来開示された装置とは異なる。従来開示された装置は、通常、ユーザがボタンを押すか、別のアクションを実行して、新しい弾倉が装填されたことをシステムに通知する必要がある。加えて、従来開示されたシステムは、設定された数からカウントダウンするだけである。従って、ユーザが、30発の弾丸容量の弾倉を装填し、弾倉が7発の弾丸しかない場合、従来開示されたデバイスは、ユーザが30発の弾丸を利用可能であると読み取る可能性がある。このことは、極めて危険な結果につながる可能性がある。対照的に、本明細書で開示される弾丸カウンターシステムは、弾倉に残っている弾丸数を読み取り、弾丸のカウントダウンに依存しない。この結果、ユーザは、部分的に装填された弾倉を挿入して、正確な弾丸数を確認することができる。
一実施形態では、本明細書で開示される弾丸カウンターは、カウントダウン機構とは無関係である。
一実施形態では、弾丸カウンターシステムは、弾薬供給装置内の1又は2以上の磁石と、銃器上又は銃器内の磁気センサーと、を備える。弾丸が発射されると、磁石が動き、磁気センサーと相互作用する。信号は、センサーから、観察光学機器内部の統合ディスプレイシステムと通信するように構成されたプロセッシングユニットに送信される。
弾薬供給装置内の残りの弾丸は、センサーに対する磁石の位置に基づいて決定される。本明細書で開示される弾丸カウンターシステムは、統合ディスプレイシステムと通信するように構成され、統合ディスプレイシステムは、ユーザが照準ピクチャから集中力を途切れさせることなく、残りの弾丸数をユーザに表示することになる。
図91は、本明細書で開示される弾丸カウンターシステムで使用することができる1つの代表的な弾倉フォロワー9110及び弾倉9130を示している。図91に示されるように、1又は2以上の方位磁石9120が、弾倉フォロワー9110の後部に配置される。磁場は、弾倉9130の弾丸に垂直に弾倉9130の外部に投影されて、磁場が、スチールケース又は徹甲スチール、もしくは他の磁気的に影響を受けるチップの供給又は装填を妨げないようにする。
図92は、本明細書で開示される弾丸カウンターシステムと共に使用することができる1つの代表的なセンサーを示す。弾丸が弾倉9130を介して供給されると、フォロワー9110、ひいてはそれに含まれる1又は2以上の磁石9120は、各弾丸が弾倉9130から剥ぎ取られるときにバネによって上昇される。回路基板9220上のホール効果センサー9210などのセンサーは、銃器のレシーバー9230上に配置されて、磁場を検出し、磁場の強さの変化を検出し、磁場の変化する位置を検出する。
次に、一実施形態では、センサーは、プロセッシングユニットに信号を送信し、この信号は、弾倉内のフォロワーの高さを残りの弾丸数と相関させるために使用される。プロセッシングユニットは、観察光学機器のアクティブディスプレイに情報を送信するように構成され、アクティブディスプレイは、観察光学機器の本体における光学列の第1の焦点面にこの情報を投影する。残りの弾丸数は、アクティブレチクルディスプレイを介して、光学機器内の射手の視野内に表示される。
一実施形態では、各磁気センサーは、検出された磁場に応じて電気信号を生成してプロセッサ9260に送信し、プロセッサは、異なるレセプタから複数の電気信号を受信し、これを受信した信号の関数として、カートリッジフォロワーの位置に対応する弾丸数又はカートリッジを関連付ける。
プロセッサは、記憶装置に格納されている一連の命令からプログラムを実行する。一実施形態では、記憶装置は、磁気センサーを収容する回路基板上に存在することができる。命令は、保持できるカートリッジの数、保管方法(インライン、交互配置など)など、弾倉の様々なタイプの技術的可能性が異なることの結果として、或いは、銃器の持ち主による選択の結果として、必然的に弾倉の様々なタイプ毎に異なる方法で定義することができる。
その結果、プロセッサは、様々なタイプの信号の関数として供給を計算し、この信号は、様々な数値に関連付けることができ、受信した値に応じて、弾倉内に依然として保持されているカートリッジの数を計算するようにする。
図93A、93B、及び93Cは、1又は2以上の磁石9120と、弾倉9130と、M4の下部レシーバーに取り付けられた回路基板9320上のホール効果センサー(9310、9330、及び9340)とを備えた弾倉フォロワー9110の断面図を示している。フォロワー9110は、弾倉9130において上昇し、磁場の位置が変化する。磁場の変化する位置を検出するために、異なるセンサー(9310、9320、及び9340)が配置される。
図93Aは、磁場を検出するホール効果センサー9310と共に残りの約8発の弾丸を示している。図93Bは、磁場を検出するホール効果センサー9330と共に残りの約4発の弾丸を示している。図93Cは、磁場を検出するホール効果センサー9340と共に弾倉内に残っている弾丸がゼロであることを示している。各位置では、磁石9120は、ホール効果センサー9310、9330、又は9340の異なる組み合わせと相互作用する。限定ではないが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、及び16以上を含む、任意の数のホール効果センサーを使用することができる。
一実施形態では、磁石が相互作用するセンサーの組み合わせにより、弾倉の高さを決定し、残りの弾丸数を計算することができる。一実施形態では、センサーは、互いに垂直方向且つ等間隔に離間して配置することができる。センサーの間隔は、弾丸が取り出される度にフォロワーが移動する垂直距離と相関付けることができる。
一実施形態では、情報は、ケーブルを介して物理的に、又はアクティブディスプレイを備えた観察光学機器に無線で送信することができる。残りの弾丸数は、アクティブレチクルディスプレイを介して、観察光学機器内の射手の視野内に表示することができる。一実施形態では、弾丸数は、アルファベット順、グラフォン、グラフィックスで表示することができる。一実施形態では、弾薬ステータスは、カラーコードで表示することができる。一実施形態では、弾薬ステータスは、緑色で表示し、十分な弾薬が残っていることを示すことができる。別の実施形態では、弾薬ステータスは、赤色で表示し、弾薬の交換が必要であることを示すことができる。一実施形態では、弾薬ステータスを黄色で表示して、弾薬の交換が間もなく必要になることを示すことができる。
一実施形態では、弾丸カウンターシステムは、弾薬ステータスを追跡又は監視する。一実施形態では、弾丸カウンターシステムは、残りの弾丸数を決定する。別の実施形態では、弾丸カウンターシステムは、弾倉内の弾丸をカウントする。
図94A及び94Bは、弾丸カウンターシステムの追加の実施形態を示している。図94A及び94Bに示されるように、弾倉フォロワー9110は、弾倉9130内又は壁上の1又は2以上の鉄系ワイヤ9420と相互作用する1又は2以上の磁石9120を有する。磁石が、1又は2以上のワイヤ9420に接触するか、又は近接すると、ワイヤ9420は、磁石9120から放出される磁束を取り込み、従って、ワイヤ9420を磁化する。
1又は2以上のワイヤ9420は、弾倉9130の上部又はその近くで1又は2以上のノード9430に給電し、ここで、限定ではないがホール効果センサーを含むセンサーは、ノード9430の磁場と相互作用する。フォロワー9110の位置に基づいて、異なるノード9430が磁化されることになり、弾倉内の残りの弾丸数を決定することができる。このシナリオでは、弾倉の端部にある残りの弾丸だけでなく、弾倉9130全体の残りの弾丸を決定することができる。図94Aは、このシステムの内部切欠部を示している。図94Bは、ノード9430が弾倉9130の側面を通って示されている外観図を示している。
別の実施形態では、弾丸カウンターシステムは、弾薬ステータス又はチャンバーのステータスを表示する。これは、磁化された弾丸又は別のチャンバーステータス表示システムの何れかを介して達成することができる。情報は、ワイヤレスで、直接有線接続を介して、又はデータを送信できるスマートレールなどの他のインタフェースを介して、観察光学機器に送信することができる。弾薬ステータス又はチャンバーステータスは、弾倉内の弾丸のステータスとともに表示するか、又はチャンバー内に弾丸があることをユーザに示し、或いは、弾倉内に弾丸があるが、チャンバーは空であることをユーザに示すことができる。本明細書で開示されている弾丸カウンターシステムは、ユーザが自分のチャンバーのステータスを認識するのに役立つ安全機構として機能することができる。この特徴は、あらゆる兵器にも役立つことになるが、ブルパップ兵器は、チャンバーのステータスを確認するのが困難である設計であるので、特に有用である。
別の実施形態では、弾丸又はカートリッジケースは、ホール効果センサーと相互作用する磁石又は磁気特性を有することができる。これにより、特別なフォロワーがホール効果センサーと相互作用する必要が排除される。
一実施形態では、異なるタイプの弾丸もまた、固有の署名を有することができる。これにより、弾倉又はチャンバーに装填された弾丸のタイプに関するユーザ情報を提供することができる。装填のタイプを区別するために、異なる記号又は色を使用することができる。幾つかの例には、限定されないが、ボール弾丸、徹甲弾、マッチ、トレーサ、亜音速、高出力又は低出力、焼夷弾、爆発物、ブリーチ、バックショット、スラッグ、フレシェット、及び非致死性を含むことができる。装填される弾丸のタイプは、あまり致命的ではない弾丸と致命的な弾丸を処理する場合は特に、軍事及び警察環境において極めて有用とすることができる。
別の実施形態では、チャンバー及び/又は弾倉に装填された弾丸のタイプはまた、統合ディスプレイシステムを備えた観察光学機器における弾道計算機に供給することができる。システムは、チャンバー内弾丸を識別して、当該カートリッジに適合するような弾道解を更新することができる。これにより、射手はメニューにて別のタイプの弾薬を選択する必要がなくなる。
更に別の実施形態では、装填された弾丸情報はまた、兵器情報と相互作用することもできる。統合表示システムを備えた観察光学機器は、兵器設定を検出し、信号を表示して、装填された弾丸に基づいて兵器リコイル又はガス設定もしくはバッファー重量などの動作設定を変更するようにユーザに警告する。これにより、兵器が当該弾丸でより確実に循環し、兵器システムの損耗を低減するのを助けることができる。兵器が可能であれば、システムは、兵器にこれらの設定を自分で調整するように指示することができる。
別の実施形態では、弾薬ステータスは、観察光学機器のユーザに加えて、第三者に送信することができる。ステータスは、ワイヤレスチップセットを備えた集積ディスプレイシステムを有する観察光学機器を介して送信することができ、又は、ホール効果センサー又はシステム全体の追加ポイントを備えた回路基板上の通信ハブを介して発生する可能性がある。弾薬ステータスは、他のチームメンバーに外部から送信することができる。弾薬ステータスは、狙撃観測手チームに、又はユーザもしくは他のチームメンバーが着用するヘッドアップディスプレイに送信することができる。機関銃又は自動小銃の弾薬ステータスは、チームリーダー及び/又は副射手に送信して、再装填、射撃及び機動を良好に調整することができる。
ホール効果センサーと通信ハブがユーザの弾倉ポーチに組み込まれている場合、ロードアウト全体のステータスをユーザ又はチームリーダーに表示することができる。射程又は訓練環境では、弾倉及びチャンバーステータスは、射撃係幹部及びインストラクターに送信することができる。これにより、特に兵器に不慣れな個人を訓練する場合に、射程をより適切に制御し、より安全な実射環境をもたらすことができる。
一実施形態では、弾丸カウンターシステムは、弾倉内の弾丸カウント全体を表示することができ、又は、射手が弾倉内の最終弾丸に近づいていることのインジケータとしてのみ機能することができる。
一実施形態では、本明細書で開示される弾丸カウンターシステムは、図95に示されるような従来のレイアウト又は図96に示されるようなブルパップ設計の兵器に使用することができる。
図95に示されるように、従来のレイアウトを備えた銃器、観察光学機器9510、弾丸カウンターシステム9520、及び観察光学機器9510と弾丸カウンターシステムとの間の通信をサポートするケーブル9530を含むシステム9500が本明細書で開示される。観察光学機器9510は、本出願全体にわたって開示された実施形態及び構成の何れかを含むことができる。
図96は、ブルパップ設計の銃器、アクティブディスプレイ9610を備えた観察光学機器、弾丸カウンターシステム9620、及び観察光学機器9610と弾丸カウンター9620との間の通信をサポートするケーブルとを含む、本明細書で開示されるシステム9600の別の実施形態を示す。観察光学機器9610は、本出願全体にわたって開示された実施形態及び構成の何れかを含むことができる。
加えて、弾丸カウンターシステムは、グリップ内に弾倉を有する銃器又は他の何れかの弾倉供給兵器で使用することができる。本明細書で開示される弾丸カウンターシステムはまた、本発明のセンサーを作動させるためのプログレッシブ磁石を備えた特殊な金属リンク又は非崩壊ベルトを使用したベルト式兵器と共に使用することができる。
一実施形態では、1又は2以上の磁石は、弾倉フォロワー内に位置付けられて、兵器レシーバー上の1又は2以上のセンサーをトリガーすることができる。一実施形態では、磁気センサーは、観察光学機器に既に接続されているリモコンに存在することができる。リモコンは、兵器の弾倉ウェルに取り付けられる。弾倉フォロワーは、弾倉から弾丸が剥がし取られるか又は排出されると上昇し、磁気センサーが、観察光学機器のアクティブディスプレイに情報を送信する。
この設計により、射手は、照準ピクチャから集中を途切れさせることなく、弾倉に残っている弾丸数に関するフィードバックを得ることになる。加えて、この弾薬追跡設計は、コストが制限され、統合表示システムが既に観察光学機器に存在するので、兵器システムの重量を増加することがない。更に、センサーは、兵器の弾倉ウェルに既に取り付けられているリモコンに存在することができる。
一実施形態では、本開示は、満杯の弾倉から空の弾倉までの弾丸カウントを表示することができる統合表示システムを備えた観察光学機器に関し、或いは、統合表示システムは、射手が弾倉内の最終弾丸に近づいていることのインジケータとしてのみ機能することができる。
一実施形態では、ホール効果センサーは、光学機器又は光学機器の一部を制御するか、又はこれにリンクされるリモコンに存在することができる。一実施形態では、新しい弾倉フォロワーは、弾倉に挿入することができる。
一実施形態では、ホール効果センサーのケーシング又はパッケージは、取り外し可能であるか、又は銃器のレシーバー又はファーニチャに完全に一体化することができる。一実施形態では、ホール効果センサーは、観察光学系又は光学系の一部を制御するか、又はリンクされるリモコンに存在することができる。弾倉又は他の供給装置に関連する磁石の明確な読み取りを最も容易にするために、少なくとも1つの磁石及び対応する少なくとも1つのセンサーを何れかの側部に配置することができる。
XIV.拡張現実ゴーグルからの統合画像が可能な観察光学機器
拡張現実ゴーグルは、ユーザが、自分の視野にデジタル投影され且つ通常は裸眼で見ているものの上に重ね合わされた情報を見る能力を有することができるようにするために現在開発されている技術である。これは、標的情報から、熱及び暗視イメージングまでの何れかとすることができる。
この出願全体を通じて説明されるように、統合表示システムを備えた観察光学機器により、ユーザは、視野にデジタル投影され且つ通常は光学機器を通して見ているものの上に重ね合わされた情報を見る能力を有することができる。一実施形態では、本開示は、拡張現実ゴーグルからの画像を統合することができる統合表示システムを備えた観察光学機器に関する。
拡張現実ゴーグルを備えたユーザが暗視モードである場合、視野全体がユーザの前方のシーンのデジタル画像で埋められる。同様に、観察光学機器はまた、暗視拡張現実を表示することができる。この状況では、ユーザがアクティブディスプレイを備えた観察光学機器を覗き込もうとした場合、ユーザの視界は、拡張現実ゴーグルによって投影されるデジタル画像によって損なわれる。
一実施形態では、本開示は、統合表示システムを備えた観察光学機器が、拡張現実ゴーグルによって投影されたデジタル画像を完全に非アクティブ化するか、又は統合表示システムを備えた観察光学機器のFOVが拡張現実ゴーグルを介してFOVをカバーしている場合にのみ拡張現実ゴーグルの視野(FOV)内のデジタル画像の一部を無効にすることができるようにユーザの目に提示された時点を決定することによって、この問題を解決する。
兵器に取り付けられた光学機器は、ユーザが光学機器を通して明瞭に見ることができる制限領域を有することが多い。この領域は、射出瞳及び瞳距離から構成されて決定される3D空間として存在する。この領域はまた、「アイボックス」としても知られる。
一実施形態では、本開示は、拡張現実ゴーグルのユーザに、統合表示システムを備えた観察光学機器が、光学機器のアイボックスに相関する近接センサーを使用してユーザの目に提供される時点を決定する方法を提供するシステム及び方法に関する。
一実施形態では、拡張現実ゴーグルは、統合表示システムを有する観察光学機器と通信するように構成された近接センサーを有することができる。近接センサーは、その形状、機能、又は技術が異なる場合がある。観察光学機器からの入力が拡張現実ゴーグルのセンサーによって受信されると、拡張現実ゴーグルは、ゴーグルによって投影されたデジタル画像を完全に非アクティブ化するか、拡張現実ゴーグルの視野(FOV)におけるデジタル画像の一部を無効にすることができる。センサーからの入力は、統合表示システムを備えた観察光学機器のFOVが拡張現実ゴーグルを介してFOVと重なり合うことになる場合に、拡張現実ゴーグルを無効にすることができる。これを実現するための一部の方法は、RFID又は他の無線送信方法を使用することができる。
一実施形態では、本開示は、統合表示システムを備えた観察光学機器に取り付けられたIRレーザ及び拡張現実ゴーグルに取り付けられたIRカメラの使用に関する。IRレーザは、ユーザの拡張現実ゴーグルに向けられることになる。ユーザが銃器及び統合表示システムを備えた観察光学機器をユーザの目に提供すると、IRレーザは、拡張現実ゴーグル上のIRカメラに衝突し、統合表示システムを備えた観察光学機器がユーザの目の前に位置付けられたことを拡張現実ゴーグルに示す。拡張現実ゴーグルは、拡張現実ゴーグルの画像を遮断するようにプログラムされ、これにより、ユーザは統合表示システムを備えた観察光学機器を見ることができるようになる。
図97は、ゴーグルと通信するように構成されたIRレーザの2つの実施可能な取り付け位置の代表的な図である。一実施形態では、IRレーザ9710は、本体に結合されたベース又はハウジングの接眼レンズ端部に配置される。更に別の実施形態では、IRレーザ9720は、本体の接眼レンズ端部に配置される。
一実施形態では、観察光学機器は、2又は3以上のIRレーザを有することができる。一実施形態では、IRレーザは、2、3、4、5、又は6以上のIRレーザを有する。
別の実施形態では、IRレーザはまた、拡張現実ゴーグルに対して統合表示システムを備えた観察光学機器の正確な位置及び向きを示すことができる。この機能を使用すると、拡張現実ゴーグルは、統合表示システムを備えた観察光学機器によって遮られた視野の一部の画像のみをオフにするようにプログラムすることができる。
これにより、ユーザは両目を開いた状態で操作できるようになり、より広い視野が得られて状況認識が大幅に向上する。拡張現実ゴーグルは、統合表示システムを備えた視野光学系のFOVの外の全てに拡張現実像を提供し、統合表示システムを備えた視野光学系は、観察光学機器の視野内の拡張現実像全てを提供する。
別の実施形態では、本開示は、磁場の存在を検出及び測定するため、兵器上又は兵器内の磁石と拡張現実ゴーグルシステムにおける磁気センサーの使用に関する。また、センサーとマグネットの位置が逆であってもよい。センサーは、ユーザがアイボックス内にいる時点を測定するように較正される。ユーザが発射位置にあり且つアイボックスを通して見ている磁場又は磁場の強さをセンサーが検出すると、ゴーグルは、観察光学機器のFOVを妨げないようにユーザの拡張現実ディスプレイの全部又は一部をシャットダウンすることができる。
別の実施形態では、本開示は、ストック又は拡張現実ゴーグルシステムに取り付けられた圧力スイッチの使用に関する。この圧力センサーは、ストックの上部に取り付けられて、射手のチェック溶接によって作動させることができる。或いは、圧力センサーは、ストック上の様々な場所に取り付けることができる。ストック上に取り付けられる場合、射手が光学機器を通して見る位置にあることを示す無線送信がゴーグルに送信することができる。
圧力スイッチは、様々な射手、光学機器の位置、衣服、又は他の変数に対して固定又は調整することができる。スイッチはまた、拡張現実ゴーグルシステムに信号を送信する前に、特定の圧力閾値を超えることを可能にすることができる。
圧力センサーはまた、拡張現実ゴーグルシステム内に又は上に統合することができる。これは、射手が光学機器を通して見ている発射位置にあるときにストックに押し付けられたときにアクティブになるように配置、移動又は較正することができる。
全ての構成において、統合ディスプレイシステムを備えた観察光学機器と拡張現実ゴーグルの間のシステムは、射手/ユーザが、拡張現実ディスプレイを適切な側で無効にしながら非優性/サポートから兵器を肩に乗せて発射できるように設計することができる。
XV.観察光学機器の表示ドライファイアフィードバック
ドライファイアの練習中、射手は、空のチャンバー又は非実弾の何れかで兵器のトリガーを操作、照準、及び引くことによって射撃を練習する。最も基本的な形式では、射手は、空の兵器を使用して、範囲内又は範囲外の基本的な標的基準を照準に定めて練習する。その後、トリガーが引かれると、射手は、兵器の動きを観察するが、実弾を発射した場合に意図した標的に命中させたかどうかに関して、射手の観察を超えるフィードバックはない。
より高度な構成では、射手は、兵器に取り付けられ又は挿入されたレーザインジケータを使用し、該インジケータが、トリガーが射撃を行ったときに銃口の動きに関してより視覚的なフィードバックを提供する。これらのレーザは、命中又はミスに関するフィードバックを提供することができるが、極めて特殊で場合によっては高価な標的システムと組み合わされた場合に限られる。
一実施形態では、本開示は、観察光学機器の内部画面上に標的を生成するように構成されたアクティブディスプレイを有する統合表示システムを備えた観察光学機器に関する。センサーは、内部に投影された照準点までの観察光学機器の動きを追跡することができる。次いで、射手は、兵器のドライファイアを行う。射撃がなされると、スコープは、ユーザが物理的標的に実弾を発射した場合に、ユーザが投影標的に命中したか又はミスしたかを示すインジケータを射手に提供する。
一実施形態では、観察光学機器は、ユーザのために照準又は標的基準を投影することができ、観察光学機器は、標的環境全体をデジタル表示する必要はない。これにより、ユーザは、観察光学機器の主本体における光学列を介して受信している画像にデジタル標的を重ね合わせることができる。このシステムは、環境全体をデジタルディスプレイにより再現して投影する必要がないので、観察光学機器の電池寿命を大幅に延ばすことになる。
一実施形態では、観察光学機器の主本体がエッチングされたレチクルを有するので、レチクル画像をディスプレイに投影する必要はない。加えて、統合表示システムを備えた観察光学機器は、弾道及びドライファイア射撃の投影された弾道を計算及び補正できるオンボードの大気センサーを含む。従って、射手は、訓練時に経験している環境及び大気条件を考慮したドライファイア訓練を受けることができる。
一実施形態では、統合表示システムを備えた観察光学機器は、主本体の光学列の第1の焦点面に照準点を投影するアクティブディスプレイを有する。次に、ユーザは、兵器システムを動かして、射手が実弾事象中に標的の射程距離を狙っているかのように、投影された照準点の上又はこれを基準としてレチクルを配置する。
一実施形態では、観察光学機器は、内部又は外部の加速度計、ジャイロスコープ、又は他のセンサーを使用して、内部投影像に関連する観察光学機器の物理的動きを追跡することができる。レチクルがシミュレーション射撃を行う位置にあるときに、射手がトリガーを引く。観察光学機器は、加速度計、マクロフォン、ジャイロスコープ、又はセンサーを使用して、発射ピンの衝撃又は動きを追跡する。射撃配置及び場合によってはフォロースルーは、投影された照準点に対して射撃時の照準レチクル点にて追跡及び測定される。次に、システムは、射手が実弾状況において射撃を命中したかミスしたかに関して内部ディスプレイ上のインジケータを射手に提供する。システムは、射撃が着地した場所に関する情報を射手に提供し、及び/又はユーザが射撃配置を修正する方法、又は射手により使用された物理的手法に関する指示を提供することになる。
別の実施形態では、統合表示システムを備えた観察光学機器は、ユーザがエッチング/パッシブ又はアクティブ/デジタルレチクルを使用して測定できる標的を投影するアクティブディスプレイを有する。射手は、レチクルに組み込まれたホールドを利用するか、ウィンデージ及び/又はエレベーションダイヤルをダイヤルして遠くからの射撃を複製することができる。
別の実施形態では、統合表示システムを備えた観察光学機器は、レーザ側距計を使用して射手をシミュレートして、投影された標的を測距することができる。次いで、射手は、適切なホールド又はダイヤルウィンデージ及び/又は高度調整を適用して、指定距離でシミュレートされた射撃を行うことができる。
一実施形態では、統合表示システムを備えた観察光学機器は、風速、風向、及び圧力、高度、温度、湿度、角度、傾斜、勾配、コリオリ効果、スピンドリフト、及びヘリコプターブレードからの下降力を含むがこれらに限定されない、他の大気変化を監視及び/又は表示することができる。
別の実施形態では、統合表示システムを備えた観察光学機器は、雨、雪、みぞれ、又は他の効果を含む環境効果を含むことができる。これらの大気及び/又は環境の変化は、弾道に影響を与える又はその可能性があるリアルタイム状態を反映することができる搭載センサーからデジタルシミュレーション又は収集することができる。
一実施形態では、統合表示システムを備えた観察光学機器は、射手に最も適切な用途のためのユーザ選択可能な標的を含むことができる。標的は、2D又は3D画像とすることができる。標的の実施例には、限定ではないが、幾何学的形状、従来の標的の形状(ボウリングピンの例)、シルエット、ブルズアイ、小型ゲーム、中型ゲーム、大型ゲーム、鳥、水鳥、人間、人間のシルエット、敵性戦闘員、特定の対物レンズの像、既知又は疑わしいテロリスト、高価値標的、機器又は車両を含むことができる。システムは、限定ではないが、歩行、トロッティング、ジョギング、ランニング、ドライビング、ライディング、水泳、飛行する標的、又は小型船又は大型船舶のピッチングデッキ上の標的の速度で移動する物体を含む、移動標的を含むことができる。動きの方向は、単一の平面に限定されない場合があるが、シミュレートされた垂直、水平、又は斜めの動きを表すことができる。標的シミュレーションは、方向及び速度が異なる場合がある。
別の実施形態では、統合表示システムを備えた観察光学機器は、「射撃」又は「射撃なし」シナリオ又は部分的に隠されるか又は覆われている可能性がある標的を含む場合もあり、又は含まない場合もある。隠された物体/人物/文字は、画像処理により表示することができる。システムは、シミュレーションに適した又は「非射撃」のユニット又は像を表示することができる。システムは、他のシステムとネットワークを構築して、実際に好適なシステムがレチクル内に表示されて、ユーザが、「非射撃の基準点及び/又は銃口認識インジケータを有して、射手が不必要又は意図せずに「フラグ」を立て、又は射手の兵器を実際の「非射撃物体」に向けるようにする。
一実施形態では、統合表示システムを備えた観察光学機器は、命中、ミス、又は他の情報を射手及び観察者又はトレーナーに伝達する。これは、命中又はミスを音声で区別することで伝達することができる。これはまた、様々な色、パルス、又はライトの位置を介して命中又はミスを信号で通知する外部ライトを介して通信している可能性がある。
一実施形態では、統合表示システムを備えた観察光学機器は、外部システムと通信する。伝達される情報は、命中又はミスのインジケータを与えるフィードバックとすることができ、或いは、射撃が中断したときの射手の照準ピクチャを示すことができる。通信リンクは、単一方向又は全方向とすることができる。外部システムは、オブザーバー/スポッター/トレーナーの修正、コメント、又はメッセージを射手に送信し、観察光学機器内に情報を表示することができる。通信は、物理コード、無線信号、ネットワーク接続、無線周波数、又はその他のデータ送信手段を介して行うことができる。別の実施形態では、観察光学機器は、射撃軌道を記録するカメラを有することができる。
別の実施形態では、統合表示システムを備えた観察光学機器は、補助システム又は外部システムと連動及び/又は通信して、より詳細な環境を生成する。システムは、熱ユニット、暗視、又はユニットに物理的又はデジタル的に接続されたCEMOSカメラと連動して、無光又は微小光環境で熱光学機器又は標的によって表示される標的の射撃を模倣することができる。システムは、ヘッドアップディスプレイ、又は射手が着用するデジタル画面と通信して、観察光学機器の画面を超えて延び、更にユーザのヘッドマウントシステム又はディスプレイインタフェースによって模倣又は表示される拡張現実シナリオを可能することができる。
一実施形態では、統合表示システムを備えた観察光学機器は、トリガーが下がったときに光学機器と統合又は接続されたレーザシステムからレーザを発射することができる。これにより、ダウンレンジセンサー又は標的が、シミュレートされた射撃時に銃口の配置及び方向を検出できるようになる。
一実施形態では、統合表示システムを備えた観察光学機器は、完全に修正されていない兵器上に配置される。システムは、スナップキャップ、ブランク、又は他のシミュレートされた又はダミーの弾丸又は弾薬の有無にかかわらず使用できる。
一実施形態では、統合表示システムを備えた観察光学機器により、ユーザ/射手は、メニュー、スイッチ、又は別の設定セレクタを介してドライファイア設定をアクティブに選択して、観察光学機器のプログラム/ドライファイア機能をアクティブにすることができる。観察光学機器は、ユーザがドライファイアモード又は設定を選択したことを示すアラートを表示することができる。観察光学機器は、ユーザにドライファイア設定を受け入れるように求めるプログラムを有することができ、ユーザが銃器の安全規則又は条件をクリック又は確認することを表示及び/又は必要とすることができる。
別の実施形態では、統合表示システムを備えた観察光学機器は、修正された又は専用の兵器上に配置される。システムは、トリガーセンサーと相互作用して、トリガーの引きを検出することができる。システムは、ハンマー、ストライカー、発射ピン、又は発射機構が降下、始動、作動又は誘起された後、ユーザが兵器又はトリガーシステムを手動で充電又はコックする必要性を排除するトリガーリセットシステムと連携することができる。システムは、液圧、空気、モータ、又は他の反動/運動量複製システム、機構又はユニットを介して、兵器の動作を模倣する反動シミュレーションシステム上に配置することができる。
一実施形態では、本開示は、兵器上に追加の極値センサー、接続、デバイス、又はハウジングを配置することを可能にすることができる統合表示システムを備えた観察光学機器に関する。これらの外部センサー/システムは、物理的、ワイヤレス、又はネットワークを介してリンクすることができる。追加の外部センサーにより、より正確な動きの測定が可能になる。追加の又は代替のプログラム、シナリオ、設定制御、又は電源をユニットに接続して、様々なトレーニング及び/又はユニットのより長い実行時間を可能にすることができる。外部ハウジング又は接続はまた、物理的な兵器に対する外部力/外側力をシミュレートすることもできる。
別の実施形態では、統合表示システムを備えた観察光学機器は、追加の拡張現実ユニットを取り付けることができる。ユニットは、物理的又は無線接続を介して観察光学機器に情報を供給することができる。このユニットは、カメラ及び/又はコンパスを有し、これによりディスプレイ内の適切な場所に文字を正確に地理的に位置付けて画像化し配置することができる。モジュールは、個別のディスプレイを有していない場合があるが、観察光学機器のディスプレイにのみ情報を提供することができる。モジュールは、とりわけ、シミュレートされた人物、弾丸衝撃、及び命中インジケータを作成及び/又は登録することができる画像処理ユニットとして機能することができる。画像処理により、埋め込まれた物体/画像/人物/文字が表示することができる。
一実施形態では、ドライファイアセッションの現実世界状態をシミュレートすることができる統合表示システムを備えた観察光学機器は、トリガー自体から電気信号を送信する必要がなく、従って、光学機器を兵器に取り付けることの他に、ホスト兵器に修正を加える必要はない。
一実施形態では、ドライファイアセッションの現実世界状態をシミュレートできる統合表示システムを備えた観察光学機器は、特定の外部標的を必要とせずに、射手に即時のドライファイアフィードバックを提供することになる。システムは、兵器の重量、取り扱い、又はバランスを変更する必要はない。
一実施形態では、ドライファイアセッションの現実世界状態をシミュレートすることができる統合表示システムを備えた観察光学機器は、ドライファイアの練習中に明確なフィードバックを受け取るために射手によって使用することができる。この観察光学機器は、精巧な標的システムを設定する必要はなく、フォワード署名を投影する必要もない。このシステムは、ホスト兵器に変更を加える必要がなく、射手が実弾事象、演習又はシナリオ時に使用することになる兵器及び照準システムを練習して良好に理解することができる。
一実施形態では、ドライファイアセッションの現実世界状態をシミュレートすることができる統合表示システムを備えた観察光学機器は、全ての情報を内在させることを可能にし、フィードバックのための物理的標的を必要としない。このシステムは、外部アタッチメントを必要とせず、兵器の重量、バランス、又は取り扱いを変更することなく実現することができる。
別の実施形態では、ドライファイアセッションの現実世界状態をシミュレートすることができる統合表示システムを備えた観察光学機器は、ドライファイア機能に従うか、又は単にこれを特徴として備える専用のトレーニングツールとして構築することができる。
一実施形態では、ドライファイアセッションの現実世界状態をシミュレートすることができる統合表示システムを備えた観察光学機器は、画像をキャプチャするためにカメラを必要としない。
XVI.統合表示システムを備えた観察光学機器
複数のユーザインタフェース
一実施形態では、本開示は、ユーザインタフェース技術を有する統合表示システムを備えた観察光学機器に関し、これにより、観察光学機器の広範な機能をユーザが容易に利用することができる。
一実施形態では、ユーザインタフェースを使用して、アクティブレチクルスコープの特徴及び機能をナビゲートし、迅速に使用することができる。
一実施形態では、観察光学機器は、異なるリモートデバイスを使用して、特定の観察光学機器に追加される技術に基づいてコマンド又は情報を入力することができる。理想的には、簡単にするために、シングルボタンリモコンを使用するが、観察光学機器に十分な特徴が追加されていれば、マルチボタンリモコンを使用できる。これらのリモコンは、物理的に接続されるか、ワイヤレスとすることができる。
観察光学機器はまた、スマートフォン、タブレット、コンピュータ、時計、又は観察光学機器に情報又は機能を提供する他の何れかのデバイスなど、他のデバイスと通信することができる。これらのデバイスは、ワイヤレス又は物理的接続を介して通信することができる。
一実施形態では、観察光学機器はまた、或いは代替的に、音声コマンドを介してユーザによって入力されたコマンドを受け取り実行することができる。スコープは、マイクロフォンを有することができ、或いは、射手が既に使用している通信システムにリンクすることができる。スコープはまた、ユーザが光学機器の機能をナビゲート及び/又は実行できるようにする視線追跡技術を統合することができる。
一実施形態では、統合表示システムを備えた観察光学機器は、測距標的並びにタグ付け標的機能を有することができる。前述のように、統合表示システムを備えた観察光学機器を使用して、標的に「タグ付け」することができる。シングルボタンリモコンを使用する場合、標的へのタグ付けと標的の測距をユーザが区別する方法が必要となる。
一実施形態では、標的を測距するために、ユーザは、リモコンの単一のボタンを単にタップするだけである。これにより、統合表示システムを備えた観察光学機器に、レーザパルスを発射して標的までの距離を測定し、弾道解及びホールドポイントを表示するように指示することになる。標的にタグ付けする場合、ユーザは、単一のボタンを押して保持する。ボタンを押している間、ディスプレイは、タグ付け機能が起動されたことをユーザに表示する短いアニメーションを示す。例えば、ユーザは、観察光学機器を指している視野の中央で描画されている図形を見ることができる。図形の描画が終わると、ユーザは、ボタンを離し、これにより、描画された図形によって現在覆われている標的にタグ付けすることをユーザが望んでいることが、観察光学機器に伝達される。
ボタンを離すと直ちにメニューが表われ、ユーザがタグを付けたばかりの標的のタイプにラベル付けするための複数の選択肢が与えられる。例えば、選択肢は、限定ではないが、敵、味方、ウェイポイント、不明などを含むことができる。ユーザは、シングルタップで単一のリモコンボタンを使用して選択肢を繰り返し、次いで、押して保持して標的を選択することができ、或いは、観察光学機器上の5ボタンパッドを使用してメニューをナビゲートし選択を行うオプションを有する。
標的にタグ付けされ、ラベルが付けられると、ディスプレイには、ユーザの視野に記号が表示される。形状は、ユーザがどのタイプの標的を迅速に識別するかをユーザに示すことができる。一実施形態では、メニューは、正しいタグの確認を要求することができる。
また、ユーザが標的を変更又は削除できる必要がある。これを行うには、ユーザは、リモコンボタンを押して保持し、タグ付け記号が描画されるのを待機する。タグ付け記号が描かれると、ユーザは、ボタンを離さずに、観察光学機器を単に動かして、タグ付け記号が既存のタグ付けされた標的記号を覆うか又は接触し、次いでボタンを離すようにする。ボタンを離すと、標的タイプを一覧表示するメニューと削除オプションが表示される。ユーザは、シングルタップで単一のリモコンボタンを使用して選択肢を繰り返し、次いで押して保持して標的を選択することができ、或いは、ユーザは、観察光学機器上の5ボタンパッドを使用してメニューをナビゲートし選択を行うオプションを有する。
一実施形態では、統合表示システムを備えた観察光学機器は、近接近標的タグを示す能力を有する。多義に極めて近接近した標的にタグ付けすると、システムは、誤って、新しい標的を以前にマークされた標的の選択肢として指定しようとする可能性がある。以前にマークした標的のメニューが表示されると、新しい標的をマークできるオプションが表示される。ユーザは、押して保持してこのオプションを選択するか、又は観察光学機器の5ボタンパッドを使用して選択をすることができる。次に、ユーザは、新しい標的に希望する標的ラベルを選択するように求められる。
一実施形態では、統合表示システムを備えた観察光学機器は、座標を表示する能力を有することができる。一実施形態では、観察光学機器は、レーザ側距計、コンパス、及びGPSユニットを有するか、又はこれらとペアにすることができる。これらの特徴は、タグ付けされた標的の座標をユーザに提供する機能を提供することができる。この特徴は、ラリーポイントの確立、航空支援の指示、砲撃の協調、又は他の用途に極めて有用とすることができる。完全で一定の座標表示は、表示が乱雑になる可能性があるため、ユーザが望まない場合がある。
一実施形態では、完全にカスタマイズ可能なオプションは、ディープメニューオプションを介して、或いはコンピュータ又は他のより高度なインタフェース技術を介して利用可能とすることができる。一実施形態では、デフォルト設定は、リモコンのみを使用してユーザに対して簡素化することができる。ランデブーポイント又は空爆場所など、特定の標的タグラベルの選択肢は、常に標的マーカ隣接して座標を表示することができる。
或いは、標的タグラベルの一部又は全ては、光学機器のレチクルが標的タグ上に数秒以上ホバリングしている場合にのみ座標を表示することができる。座標は、標的タグに隣接して又は観察光学機器の別の部分に表示することができる。ディスプレイは、パッシブで自動的に表示することができ、或いは、座標を表示するためにボタンを押す組み合わせが必要な場合もある。同じ押しの組み合わせで、表示されている座標を画面から削除することができる。座標表示の持続時間は、ユーザにより別のメニューオプションで決定することができる。
XVII.ターレット追跡システムを備えた観察光学機器
光学機器のレチクルを調整するには、通常、ターレットをダイヤルすることを含み、これにより、光学機器の照準レチクルが特定の単位数(通常はミルラジアン(ミル)又は ミニッツオブアングル(MOA))で上方又は下方、もしくは左右に移動する。これらの単位は通常、小さな戻り止めによって定められ、小さな可聴触覚的な「クリック」を生じることが多い。
特定のターレットでは、360°を超える回転を可能にすることができる。これは、射手がより広い調整範囲にアクセスできるという利点をもたらす。例えば、1回の回転でレチクルが5ミル移動する場合、2回の完全な回転で10ミルの調整が可能になる。これは、射手が照準基準としてレチクルを使用しながら標的と交戦できる距離が大幅に延長される。しかしながら、明確な基準がないと、射手は、現在どの回転が行われているのかに関してすぐに混乱する可能性がある。この問題は、射手が3、4、又は4回転を超える調整が可能な場合に更に悪化する。
一部のスコープは、ターレット上に基準線を特徴として備える。ターレットを回転させると、ターレットヘッドの本体が上昇し、水平基準線が露出する。しかしながら、これらの線は小さく、最良の条件下でも銃器の後ろからは見るのが困難である。光のない又は微小光の環境では、射手がターレットを照らすための光源を使用せずに、ターレットの回転を観察する良好な方法は存在しない。一部の狩猟、法執行機関、及び軍事シナリオでは、これは実行可能なオプションではない。
代替形態の1つは、スコープに回転インジケータを設置することである。多くの場合、これらのインジケータは、ターレットが回転するときに光学機器から緩慢に突出する物理的なピンからなる。ピンの高さを変えることで、微小光又はや暗所条件で光学機器を使用するときのターレットの回転に関する基準点が射手に与えられるが、正確なターレット調整に関して異なる読み取りを容易に提供するものではない。例えば、スコープは、2回転目に突出するピンを有することができるが、ユーザは、1回転当たり10ミルの調整を有するターレットで11.1ミル又は17.3ミルでダイヤルされているかどうか分からない場合がある。これらの値は、特に射手が中距離から長距離で標的と交戦している場合に、大幅に異なる衝撃点をもたらすことになる。
回転インジケータを使用することはまた、射手がターレットの設定を知るために、光学機器を物理的に感じなければならないことを意味する。これには、射手が、発射又はサポートハンドの何れかをそれぞれの位置から動かすことにより、発射位置を中断させる必要がある。射手が一瞬のうちに標的と交戦する必要がある場合、これは受け入れられない解決策である。
一実施形態では、本開示は、観察光学機器のターレット調整を追跡する方法に関し、これにより、追跡機構の構成要素は、信頼性があり、操作者に対して透明であり、環境保護されている。本明細書で開示されるターレット追跡システムは、LED、光センサー、及び様々な程度の光反射率/吸収を有する材料のストリップを使用する。
一実施形態では、ターレット情報は、アクティブディスプレイに送信することができ、アクティブディスプレイは、統合表示システムを備えた観察光学機器の第1の焦点面にターレット情報を投影することができる。
一実施形態では、本明細書で開示されるターレット追跡システムは、光学ターレットの現在の調整された値の読み易いい表示をユーザに提供する。一実施形態では、本開示は、統合表示システムと、LED、フォトセンサー、及び様々な程度の光反射率/吸収を有する材料のストリップを含むターレット位置追跡システムとを備えた観察光学機器に関する。次いで、センサーは、データを統合表示システムのアクティブディスプレイに送信し、統合表示システムは、情報を主本体の光学列の第1の焦点面に投影する。
一実施形態では、ターレット追跡システムは、仰角/垂直調整、ウィンデージ/水平調整ターレット、及び/又は観察光学機器上又はその中の他の任意の回転調整に使用することができる。
図88及び89は、ターレット追跡システムの代表的な図である。図88は、マイクロプロセッサ、フォトセンサー、及びLED8810を備えたプリント回路基板8805とフォトセンサーの光の受容角度を示すために描かれたシミュレートされた円錐形の代表的な描写である。図89は、グレースケール勾配8910を有する材料を使用したターレット8905の代表的な図である。
一実施形態では、観察光学機器は、ターレット内の固定位置内に収容されたLED及びフォトセンサー8810を備えたターレット追跡システムを有する1又は2以上のターレット8905を有する。オペレータによりターレット8905が回転すると、正立チューブが移動し、これにより光学機器のレチクルの位置が変わる。ターレットの内径には材料8910が取り付けられる。一実施形態では、材料8910は、幅が約10mm、長さが約40mmである。材料は、ターレット8905の360°を覆うことができる。この材料8910の片面には、内部ターレット壁に取り付けるのに使用される接着剤がある。材料8910の他方の面には、印刷されたグレースケール勾配があり、LEDが点灯すると、勾配どの部分がLEDに暴露されているかに応じて様々な量の光を反射することになる。
LEDが勾配ストリップを照明し、フォトセンサーが勾配ストリップから反射された光の一部を受け取り、マイクロコントローラに信号を送信し、信号の強度は、検出された光の量によって異なる。オペレータよって調整ターレットが回転すると、勾配ストリップの異なる部分がLED及びフォトセンサーに暴露され、これによりマイクロコントローラに送信される信号強度が変化する。従って、システムのターレット設定は、フォトセンサーによって検出された光の量と関連付けることによって追跡することができる。この情報は、マイクロコントローラから、例えば、観察光学機器の統合表示システム内のアクティブディスプレイに送信され、ターレット位置に相関する値をユーザに提供する。この値は、ターレットの外部読み取り値と相関することができる。
別の実施形態では、反射材料は、所定位置に固定することができ、フォトセンサー及びLEDは、反射材料の周りを回転することができる。
別の実施形態では、LED及びセンサーは、ターレットの外側に位置付けることができ、反射材料は、ターレット機構の外側に取り付けられる。この設計は、外部要素から保護するのに有利とすることができる。
一実施形態では、ターレット追跡システムは、観察光学機器の内側及び/又は外側に存在することができる。一実施形態では、ターレット追跡システムは、ターレット本体の内部及び/又は外部に存在することができ、ターレットの一部とすることができる。
一実施形態では、ターレット追跡システムは、光学ターレットと共に又はその隣に存在するモジュールとすることができる。
別の実施形態では、反射勾配ストリップは、定義されたセクションを有することができ、又は無限に変化する反射率を有することができる。反射材料は、観察光学機器及び/又はターレットに取り付けることができ、或いは、観察光学機器、ターレット本体、ハウジング、コーティング、又は他の要素に組み込むことができる。反射勾配がセクションを定義していた場合、これらのセクションは、物理ターレット機構の回転及び/又はクリック調整と相関及び/又は一致することができる。
別の実施形態では、反射材料は、2又は3以上の交互するレベルの反射率を有する。次いで、センサーは、変更を追跡し、情報をプロセッサに送信して、プロセッサは、変更の数を「カウント」して、ディスプレイに値を提供する。
一実施形態では、ターレット追跡システムはまた、全回転を「カウント」又は追跡して、単一の回転を超えた調整の表示を可能にすることができる。別の実施形態では、材料は、細かく較正され、及び/又は基準マークを有することができ、材料又はセンサーは、正立チューブと共に又はその上で上下に移動して、より広いスペクトルの反射率を可能にし、これにより複数のターレットの回転をシステムが感知/読み取ることができる。
一実施形態では、ターレットディスプレイは、常に見え続けることができ、或いは、射手がゼロではない調整をダイヤルした場合にのみ表示することができる。ターレットの表示オプションは、ユーザが選択可能とすることができる。ターレットの値は、数値、単語、頭字語、記号、グラフィックス又は他の方法を用いて表示することができる。表示設定は、ユーザ調整可能とすることができる。ディスプレイは、ターレットと単位基準を表示することができる。
一実施形態では、限定ではないが、ミルラジアン(mRad又はミル)、ミニッツオブアングル(MOA)、ガンナーミル又は射手のMOAを含むことができる、表示された角度測定単位を選択可能に使用することができる。これにより、射手は、別のユニットで修正を行っている観測手要素と連携することができる。
例えば、射手が0.1mRad調整ターレットを備えたスコープ及びmRad較正済みレチクルを有していた場合、観測手は、MOAにおいてフィードバックを提供することができる。次いで、射手は、光学機器を切り替えて、MOAの単位をデジタル表示することができる。観察光学機器は、物理的な調整増分を変更できないので、光学機器は、射手の単位変換を行う。
この実施例では、1MOA=0.30ミルである。観測手が射手に2MOAだけ低いと伝えた場合、射手は、表示されている単位をMOAに切り替えることができる。射手は、調整をダイヤルする。スコープターレットは、+.1mil→.2mil→.3mil→.4mil→.5mil→.6milを読み取ることができる。
内部に表示された調整をダイヤルしている間、+.34MOA→.68MOA→1.02MOA→1.36MOA→1.7MOA→2.04MOAを読み取ることができる。これにより、射手は、別の角度測定単位で調整を行うことができる。
別の実施形態では、統合表示システム及びターレット追跡システムを有する観察光学機器は、レーザ側距計及び弾道計算機と通信して、角度測定単位ではなく線形測定単位で補正を提供することができる。これらの単位には、インチ、フィート、ヤード、ミリメートル、センチメートル、メートルが挙げられるが、これらに限定されない。光学機器自体は、物理的な調整増分を変更できないので、光学機器は、標的までの所与の距離及び発射体の弾道プロファイルに基づいて、射手の単位変換を行う。
この実施例では、0.1ミルは、100ヤードで0.36インチである。射手は、観察光学機器をインチ単位の表示単位に切り替えることができ、射手は、標的までの距離を測定することができる。距離は、スコープメニューに入力するか、光学機器に物理的又は無線で接続できるレーザ側距計により測定し自動的に入力することができる。
射手が100ヤードで1.5インチ低い場合、射手は調整をダイヤルする。スコープターレットは、+.lmil→.2mil→.3mil→.4milを読み取ることができる。ダイヤルすると、アクティブディスプレイによって提供されて光学列の第1の焦点面に投影された表示調整は、+.36インチ→.72インチ→1.08インチ→1.44インチを読み取ることができる。これにより、射手は、線形測定単位に基づいて調整を行うことができる。
一実施形態では、統合表示システム及びターレット追跡システムを有する観察光学機器は、観察光学機器メニューに格納された兵器プロファイルゼロに相関する単位を表示することができる。これらの兵器プロファイルは、ゼロ情報、弾道ソフトウェア及び/又はデータ、及び射手が射撃の計算及び/又は実行を成功させるのに使用できる他の補助情報を包含することができる。これは、物理ターレットゼロストップの有無にかかわらず統合することができる。この特徴は、異なる兵器プラットフォームに移動した場合、又は他の何れかの状況で射手が異なるゼロを有する場合、スイッチ口径兵器、スイッチバレル兵器、異なる弾薬負荷と共に、サイレンサー/サウンドサプレッサーの有無にかかわらず使用できる。
例えば、射手は、26インチの.300Normaバレル射撃と230グレインの弾丸及び18インチの7.62x51 NATOバレル射撃の175グレインの弾丸を備えたスイッチカートリッジ/口径/バレルライフルを有しことができる。これら2つのバレルは、大幅に異なる速度及び弾道を有する。射手が、100mで300Normaで光学機器をゼロにし、次いで、バレルを7.62NATOラウンドに切り替えて、100mで再び兵器を射撃した場合、射手は、同じ場所において弾に影響を与えないことに気付くであろう。例証として、300Normaでゼロにした後、100メートルで射撃したときに、7.62NATO負荷は、1.3ミル低く、左に.4ミルであった。
射手は、スコープのゼロをリセットすることを選択できるが、.300Normaゼロを損なう可能性があり、射手が頻繁にカートリッジを切り替える必要がある場合、プロセスが冗長になる可能性がある。
射手は、.300Normaゼロを維持し、距離をダイヤルすることを選択できるが、射手は、ゼロに必要な調整を認識している必要がある。例えば、射手が、5.2ミルの調整が必要とされる射撃をダイヤルする必要がある場合、最終的なターレットの読み取り値は、6.5ミルになる(5.2ミルは、新しい射撃の場合であり、1.3は、100ヤードゼロの場合の修正になる)。加えて、射手が、射撃後にスコープをゼロ設定に戻した場合、0ミルではなく1.3ミルで停止することを覚えておく必要がある。
最後に、射手は、弾丸の落下に相関する距離でカートリッジをゼロにしようとすることができるが、これが丸められて覚え易い距離に対応することはめったにない。射手は、100mで7.62NATOをゼロにすることができるが、.300Normaは、217mでゼロにすることができる。これは、射手が射撃して迅速に補正しようとする場合は不便であり、2つのゼロの間を切り替える際のウィンデージ補正/水平方向の何らかのシフトは考慮されていない。
一実施形態では、統合表示システム及びターレット追跡システムを有する観察光学機器は、これらの問題を解決するために保存された兵器プロファイルを使用することができる。例えば、射手は、.300Normaの機械的ゼロを設定することができる。.300の光学兵器プロファイルは、そのゼロをメモリに保存/維持する。内部ディスプレイは、ゼロを読み取るか、又は0高度及び/又は0風、或いは他の文書又はグラフィック表示をターレットステータスとして表示して、略語、矢印、記号、目盛り、又はエッチングされたパッシブアクティブ又はデジタルレチクルのマーキングを含めることができる。ディスプレイ又は光学機器は、どの兵器プロファイルが選択されているかを含まれる場合又は含まない場合がある。
射手は、7.62NATOにバレルを変更し、次いで、新しいバレルに保存された兵器プロファイルを選択することができる。適切な兵器プロファイルが選択されると、スコープディスプレイは、ユーザが現在1.3ミルの低さで、バレルのゼロの左側に.4ミルであることが示される。射手は、ターレットをそれらの設定にダイヤルすることができ、ディスプレイは、そのプロファイルの光学機器がゼロになったことを示すことができる。射手は、5.2ミルの調整が必要な射撃をすることができる。弾丸の落下のためにターレットをダイヤルした後、内部は、射手にゼロより5.2ミル上に表示することができる。物理的なターレットは、6.5ミルがダイヤルされたことを示すことができるが、射手は、光学系のメモリ/プログラムの内部に保存できるので、1.3ミルの修正を覚えておく必要はない。代わりに、射手は、スコープダイヤルにおいて調整/修正を行うのに十分な移動がある限り、機械的なゼロに関係なく、将来の全ての射撃の基準ポイントとして当該兵器プロファイルのデジタルゼロを使用することができる。
別の実施形態では、統合表示システム及びターレット追跡システムを有する観察光学機器は、調整可能なベース、レール、マウント又は取付具上に配置、接続、又は統合されたことから結果として生じる変数を考慮することができる。取付具によって任意の方向に誘導される追加の角度、カント、傾斜、又は他の変数は、ユーザインタフェースを介して入力することができ、或いは、物理接続又はワイヤレス接続を介して自動的に考慮することができる。統合表示システムとターレット追跡システムを有する観察光学機器は、数値、単語、頭字語、記号、グラフィックス又は他の方法を使用してこの情報をディスプレイに保存及び/又は投影することができる。この情報は、光学ダイヤル調整及び取付具によって引き起こされる角度又は変数の両方を含む単一の合計したものとして示すことができる。或いは、この情報は、含まれる場合と含まれない場合がある総計とは別個に表示することができる。
この実施例としては、銃器又は兵器の調整可能なベースに取り付けられた統合表示システム及びターレット追跡システムを備えた観察光学機器を使用する場合である。射手は、銃器のベースで光学機器をゼロにすることができ、MOAをゼロにする。このような時に、内部ディスプレイは、射手がゼロになっていることを表示されている。追加の仰角移動を得るために、射手は、調整可能な銃器ベースを通して追加の20MOAを適用することができる。観察光学機器内で調整は行われなかったが、レチクルは、20MOA傾斜を有する。射手は、この情報を観察光学機器に入力することができる。入力後、統合表示システム及びターレット追跡システムを有する観察光学機器は、射手が兵器のゼロではなく20MOAにあることを表示することができる。射手が、25MOA補正を使用して標的に発砲する必要がある場合、射手は、スコープに5MOAをダイヤルして合計25MOAになる。スコープから5MOA及び銃器ベースから20MOAである。
別の実施形態では、統合表示システム及びターレット追跡システムを有する観察光学機器は、限定ではないが、観測手、トレーナー、ハンティングガイド又は射撃係幹部などの別のユーザに表示された情報を送信することができる。これにより、2又は3以上の異なる当事者間の他の明確な通信を可能にすることができる。情報は、物理的、無線、ネットワーク、電波、又は他の通信手段を介して送信することができる。情報は、他の光学機器、携帯電話、タブレット、コンピュータ、時計、又は他のデバイスにて表示することができる。
別の実施形態では、統合表示システム及びターレット追跡システムを有する観察光学機器は、追加の光センサー又は近接センサー又は他のセンサーを使用して、ターレットロックがいつ係合されたか、又は係合されているかどうかを示すことができる。この情報は、光学ディスプレイ内に表示することができる。この情報は、数値、単語、頭字語、記号、グラフィックス、又は他の方法を使用して表示することができる。
別の実施形態では、統合表示システム及びターレット追跡システムを有する観察光学機器により、射手は、アクティブなレチクル光学系のディスプレイ内に値を表示することにより照準ピクチャから集中を途切れさせることなく、ダイヤルされたLED調整を見ることができる。加えて、射手は、ダイヤル、ノブ、又は他の形態のターレットの位置もしくは回転表示を動で感じるために、射撃位置を中断する必要はない。
一実施形態では、本開示は、外部シーンの画像を生成するように構成された可動光学要素と、可動光学要素を調整するように構成されたターレットと、を有する光学系を備えた主本体を含む観察光学機器に関し、ターレットは、(a)ターレットの一部に結合された様々な程度の光吸収/反射を有する材料と(b)材料から反射された光を検出するように構成された光センサーと、を有し、検出された光の量がターレット位置及びビームコンバイナを示し、アクティブディスプレイがフォトセンサーと通信して、生成された画像と光学系の第1焦点面における外部シーンの画像を同時に観察するためターレット位置を示す画像を生成するように構成される。
一実施形態では、本開示は、観察光学機器に関し、観察光学機器は、(i)外部シーンの画像を生成するように構成された可動光学要素と、可動光学要素を調整するように構成されたターレットとを有する光学系を含む主本体を備え、ターレットは、(a)ターレットの一部に結合された様々な程度の光吸収/反射を有する材料と、(b)材料から反射された光を受け取るよう構成されたフォトセンサーと、を有し、検出された光の量が、ターレット位置とビームコンバイナを示し、
観察光学機器が更に、
(ii)主本体に結合され、フォトセンサーと通信しターレット位置を示す画像を生成するよう構成されたアクティブディスプレイと、生成された画像と光学系の第1焦点面における外部シーンの画像とを同時に観察するためビームコンバイナに生成された画像を導くための反射材料とを有するベースを備える。
XVIII. 交戦ウィンドウを生成及び表示することができる観察光学機器
アーバンスナイパは、「ループホール」(障壁を貫通する小さな孔)を使用して、標的と正確に交戦しながら身を隠すことができる。何らかの基本的な計算で、射手は、光学機器を調整して、これらの孔の1つを通って所与の距離で射撃し、更に遠くの距離の標的に精密に発砲することができる。
一実施形態では、本開示は、ループ孔のサイズ、及びループ孔までの距離を含むがこれに限定されない他のループ孔の特性、兵器の物理的特性、発射体及び兵器システムの弾道データ、並びに観察光学機器によって測定され又は観察光学機器に入力された空電を使用して、交戦ウィンドウを表示できる統合表示システムを備えた観察光学機器に関する。観察光学機器は、測定されたループホールの内部寸法の境界マークだけでなく、複数の風及び標高ホールドマークを提供することができる。
一実施形態では、本開示は、他のシステムよりもかなり容易且つ安全であるループホールを通って射撃するのに使用できる統合表示システムを備えた観察光学機器に関する。標的と交戦する射手は、高さオーバーボア効果を体験することができる。高さオーバーボアとは、兵器のバレルと照準器の中心と間の高さの差であり、アイアンサイト、拡大光学機器、レッドドット、又は他の照準機構である。射撃を狭い範囲でストレス下で行う場合、射手は、照準機構を介して標的を見ることができるが、バレル又はボアは障害物を取り除かない。
例えば、射手は、車のボンネット上の標的と交戦しようとする場合がある。射手は、できるだけ姿勢を低く保とうとすると、視界から標的を見ることができるが、銃口が車をクリアできない場合がある。高さオーバーボアの違いに起因して、照準器を通ってクリア射撃と思われるものを射手が発射したときに、弾丸が標的に当たる代わりに、弾丸が車のボンネットに当たる。この高さオーバーボア効果は、兵器システムの角度に起因して、射手が長距離での射撃を試みることによって更に拡大することができる。
一実施形態では、統合表示システムを備えた観察光学機器は、射手がループホールを通って標的とうまく交戦できる領域を表すデジタルボックスを光学機器内に表示することによって、射手にとってこのプロセスをかなり容易にする。
一実施形態では、統合表示システムを備えた観察光学機器は、複数のホスト兵器に対して構成可能であり、様々な高さオーバーボアでは、垂直及び水平方向の制約を考慮し、様々な距離での弾丸落下を考慮する。
一実施形態では、本開示は、ユーザの個人の弾道情報、ループホールのサイズ、及びループホールまでの距離を介してカスタマイズ可能な交戦ウィンドウを生成することができる、統合表示システムを備えた観察光学機器に関する。一実施形態では、アクティブディスプレイは、交戦ウィンドウを第1の焦点面に投影することができ、ループホールを介して標的に境界マーク並びに複数の風及び仰角ホールドマークを提供することができる。
ループホールを通した射撃は、ニアゼロ及びファーゼロの原理を用いて得られる手法である。図90は、ニアゼロ及びファーゼロの概念の代表的な概略図である。
一実施形態では、統合表示システムを備えた観察光学機器は、ニアゼロ及びファーゼロを計算し、高さオーバーボアを考慮して、これにより射手がループホールを通ってより容易に射撃し、遙かに長い距離で標的と交戦することができる。
一実施形態では、本開示は、統合表示システムを備えた観察光学機器に関し、アクティブディスプレイは、前の段落で述べた計算に基づいて、射手がニアゼロ及びファーゼロを使用して標的と交戦することができるウィンドウを投影する。このウィンドウは、スコープの高さオーバーボアの測定、ループホールまでの距離、ループホールのサイズ及び深さ、空電、発射体の弾道データ、角度、カント、発射体の口径/直径、兵器/射手の精度、及び/又は射手の標的の交戦に影響を与える可能性のある他の要因に基づくことができる。このボックスは、仰角/垂直及び/又はウィンデージ/水平ターレット調整と前後して調整することができる。境界マークは、任意の数の色、線の太さ、破線又は実線とすることができる。光学機器は、スコープが物理的に移動している間、加速度計又は他のセンサーを使用して、交戦ウィンドウの位置を追跡することができる。
射手が、ループホールを通ってうまく交戦するのではなく、衝撃をもたらすことになる領域に向けられると、統合表示システムを備えた観察光学機器は、射手に警告メッセージを提供する。このメッセージは、文書で又はグラフィックで表示することができる。射手がループホールを取って射撃に失敗したことを示すインジケータがレチクル上に存在することができる。
一実施形態では、射手は、寸法、向き、及びループホールまでの距離を観察光学機器内のプログラム又はメニューに入力する。1又は2以上のプロセッシングユニット/マイクロコントローラを介した観察光学機器は、射手がループホールを記述するのに使用できる標準的な形状を維持することができる。観察光学機器はまた、射手が開口部の長さ及び角度の測定値を入力して、ループホールの境界表示をより適切にカスタマイズすることができる。
別の実施形態では、射手は、レーザ側距計を使用して、ループホールまでの距離を取得することができる。観察光学機器により、射手は、スコープ内のループホールの輪郭を「トレース」することもできる。これは、キーパッド又は他のインタフェース制御デバイスを使用して、ディスプレイ上にループホールを描画することができる。観察光学機器はまた、射手がレチクル又はトレースポイントでループホールの輪郭を「トレース」するときに、射手が光学機器の動きを追跡できるようにすることもできる。
別の実施形態では、観察光学機器は、ループホールを「見る」ことができるカメラを使用することができる。射手は、カメラに開口部を位置合わせさせ、光学機器内に射撃ウィンドウを表示させることができる。カメラは、射手の動きを追跡することができ、射手のループホールまでの高さ、距離、角度が変更された場合、カメラは自動的に変更を追跡し、光学系内に更新された射撃ウィンドウを表示することができる。
別の実施形態では、観察光学機器は、光学機器にて表示することができるカスタム弾丸落下補正(BDC)レチクルを作成することができる。BDCは、射手がループホールを介して標的とうまく交戦できる範囲並びに標的に適切な風が当たる範囲を表示することができる。
一実施形態では、観察光学機器は、光学機器上/内のセンサーから空電を収集することができ、光学機器の外側のセンサーがループホールの外側のセンサーを含むことができる、或いは、空電は、メニュー及びキーパッド又は別のインタフェース制御デバイスを介して射手によって光学機器に入ることができることができる。
別の実施形態では、射手がループホールの外側での射撃をダイヤル又は行うようにした場合、観察光学機器は、射手がどのようにして標的とうまく交戦するかについての指示を射手に与えることができる。観察光学機器は、射撃したい標的と交戦するのに十分な水平距離がループホールにない場合、射撃の位置を左に移動するように射手に指示することができる。これらの指示は、文書で、記号又はグラフィックで表示され、通信機器を介して可聴とすることができ、或いは他の方法で通信することができる。これらの指示は、光学機器内に表示されるか、又は他の通信デバイスに送信することができる。
別の実施形態では、観察光学機器は、射撃ループホール角度内で兵器が兵器システムをスイング、移動、又は旋回させることができるプログラム可能な二脚、三脚、シャーシ、支持システム、又は装置とペアにすることができる。サポートデバイスは、レール、ピボット又はパンサポート、連接ボール、又は兵器システムの移動をサポート及び可能にする他の機構を使用することができる。サポートデバイスは、兵器を完全にサポートするか、射手からの追加のサポートを必要とする可能性がある。このデバイスは、兵器がウィンドウの外部の標的と交戦するのを防ぐことができるプログラム可能な停止部を特徴として備えることができる。回転又は移動ストップ部は、射手によって又は光学素子との通信を介して入力/設定することができる。サポートデバイスは、物理的に光学機器にリンクするか、又はワイヤレスでリンクすることができる。サポートデバイスは、手動で制御されるか、モータ又は電子機器を介して制御することができる。
XIX.レンズの保護シールド
光学系のレンズは傷が付き易く、ユーザの画質を低下させる。一部のレンズは、衝撃を受けたときに破砕、破壊、又は粉砕するほど脆弱である。レンズの損傷を防ぐために、ユーザは、システムに光学カバーを使用することが多い。
光学カバーは、レンズの保護に役立つが、多くの場合、展開又は取り外しに手間取る可能性かある。また、カバーは、鮮明さを低下させ、色を歪め、チューブ効果の感覚を作り出し、又はユーザへの光を制限又は遮断することで、画質に悪影響を与えることもよくある。
一実施形態では、本開示は、外部レンズを保護するための保護ウィンドウに関する。保護ウィンドウを使用すると、ユーザは、展開時間の問題を排除し、カバーのないシステムと比較して、影響があったとしても画質への影響を最小限に抑えられるはずである。
一実施形態では、本開示は、観察光学機器の外部レンズを保護するための統合された透明シールドに関する。このウィンドウは、ガラス、アクリル、ポリマー、セラミック、ナノ粒子構造要素、又は他の透明な媒体で作ることができる。ウィンドウは、硬度の向上、耐擦傷性の改善、撥水性の向上、色の歪みの低減、又は望ましい特性の向上と望ましくない影響の最小化のために、追加のコーティングを施すことができる。
一実施形態では、透明シールドは、シール及び/又はパージされた光学系の一部である。一実施形態では、シールドは、Oリングによってシールされた溝、接着剤、又は光学システムの気密シールを維持できる他の方法を含むがこれらに限定されない、任意の適切な方法によって所定位置に保持することができる。
別の実施形態では、透明シールドは、ウィンドウを取り外し又は交換できるように、シールされた光学系の前方に存在することができる。ウィンドウの交換は、破損した場合の交換、最適な光ろ過のための異なるコーティングの使用、ウィンドウの色合い又は色の変化、偏光ウィンドウの挿入又は取り外し、もしくは他の理由などの目的で行うことができる。このウィンドウは、スナップ、戻り止め、溝、ねじ山、又は反動などの光学機器にかかる負担に耐えながら、ウィンドウの取り外しと交換を可能にすることができる別の方法で所定位置に保持することができる。
一実施形態では、透明シールドは、丸い形状を含む任意の形状とすることができる。シールドは、保護された光学系の要求に最適なサイズ及び形状にすることができる。
一実施形態では、シールドを使用して、前向き又は後向きレンズを保護することができる。
図98は、外部シーンからの標的像を第1の焦点面に合焦させる対物レンズ系と、標的像を反転させる正立レンズ系と、ビームコンバイナとを有する光学系を備えた本体と、アクティブディスプレイを有するベースとを備えたライフルスコープの対物レンズの視点を示す代表的な写真である。
図99は、外部シーンからの標的像を第1の焦点面に合焦させる対物レンズ系と、標的像を反転させる正立レンズ系と、ビームコンバイナとを有する光学系を備えた本体と、アクティブディスプレイを有するベースとを備えたライフルスコープの左側面図の代表的な写真である。ベースは、1又は2以上の電源のためのコンパートメントを有する。一実施形態では、1又は2以上の電源用のコンパートメントは、対物レンズ系と比較して、接眼レンズ系の近くに配置されている。一実施形態では、1又は2以上の電源用のコンパートメントのカバーは、戻り止めボディキャップである。
図100は、外部シーンからの標的像を第1の焦点面に合焦させる対物レンズ系と、標的像を反転させる正立レンズ系と、ビームコンバイナとを有する光学系を備えた本体と、アクティブディスプレイを有するベースとを備えたライフルスコープの右側面図の代表的な写真である。
図101は、外部シーンからの標的像を第1の焦点面に合焦させる対物レンズ系と、標的像を反転させる正立レンズ系と、ビームコンバイナとを有する光学系を備えた本体と、アクティブディスプレイを有するベースとを備えたライフルスコープの接眼レンズの視点を示す代表的な写真である。
本明細書で開示される装置及び方法は更に、以下の各項で説明することができる。
1.(i)外部シーンからの標的像を第1の焦点面に合焦させる対物レンズ系と、標的像を反転させる正立レンズ系と、第2の焦点面と、を有する第1の光学系と、(ii)対物レンズ系と第1の焦点面の間にあるビームコンバイナと、を有する本体と、
アクティブディスプレイと、アクティブディスプレイから集光するレンズ系と、(ii)アクティブディスプレイからの像を、アクティブディスプレイからの像と対物レンズ系からの標的像とが第1の焦点面に結合されて同時に観察されるビームコンバイナに導くミラーと、を有する第2の光学系と、
を備える、観察光学機器。
2.第1の焦点面を定めるように構成された光学系と、第1の焦点面上に重畳されるデジタル像を生成するためのアクティブディスプレイと、アクティブディスプレイに結合されたコントローラであって、コントローラが1又は2以上のディスプレイ要素に選択的に給電してデジタル像を生成するように構成されたコントローラと、を備える、観察光学機器。
3.(a)主チューブと、(b)主チューブの第1の端部に結合された対物レンズ系と、(c)主チューブの第2の端部に結合された接眼レンズ系であって、主チューブ、対物レンズ系及び接眼レンズ系が少なくとも第1の焦点面を定めるように構成される接眼レンズ系と、(d)対物レンズ組立体と第1の焦点面の間に位置決めされたビームコンバイナと、を備える、観察光学機器。
4.(a)主チューブと、(b)外部シーンからの標的像を合焦させる、主チューブの第1の端部に結合された対物レンズ系と、(c)主チューブの第2の端部に結合された接眼レンズ系であって、主チューブ、対物レンズ系及び接眼レンズ系が少なくとも第1の焦点面を定めるように構成される接眼レンズ系と、(d)対物レンズ組立体と第1の焦点面の間に位置決めされたビームコンバイナと、(e)像を生成して、この像をビームコンバイナに導くアクティブディスプレイと、を備え、生成された像と標的像とが第1の焦点面に結合される、観察光学機器。
5.(i)外部シーンの像を生成するための光学系と、ビームコンバイナとを備えた主本体と、(ii)本体に結合され、像を生成するためのアクティブディスプレイと、生成された像をビームコンバイナに導いて、生成された像及び外部シーンの像を主本体の第1の焦点面において同時に重ね合わせて観察するようにするためのミラーと、を有するベースと、を備える、観察光学機器。
6.(i)(a)外部シーンからの標的像を合焦させる、主チューブの第1の端部に結合された対物レンズ系と、(b)主チューブの第2の端部に結合された接眼レンズ系であって、主チューブ、対物レンズ系及び接眼レンズ系が少なくとも第1の焦点面を定めるように構成される接眼レンズ系と、(c)対物レンズ組立体と第1の焦点面の間に位置決めされたビームコンバイナと、を有する主チューブと、
(ii)像を生成して、この像をビームコンバイナに導くためのアクティブディスプレイを有するベースと、を備え、生成された像と標的像とが第1の焦点面に結合される観察光学機器。
7.第1の焦点面と対物レンズ系の間にビームコンバイナと、ビームコンバイナと対物レンズ系の間に位置決めされたフォーカスセルと、デジタル像を生成するためのアクティブディスプレイであって、そのデジタル像が第1の焦点面上に重畳されるアクティブディスプレイと、を有する光学系と;アクティブディスプレイに結合されたコントローラであって、そのコントローラが1又は2以上のディスプレイ要素に選択的に給電してデジタル像を生成するように構成されたコントローラと、を備える、観察光学機器。
8.(a)主チューブと、(b)主チューブの第1の端部に結合された対物レンズ系と、主チューブの第2の端部に結合された接眼レンズ系と、(c)対物レンズ組立体と第1の焦点面の間に位置決めされたビームコンバイナと、(d)ビームコンバイナと対物レンズ組立体の間に位置決めされたフォーカスセルと、を備える、観察光学機器。
9.(i)外部シーンの像を生成するための光学系と、ビームコンバイナとを備えた主本体と、(ii)主本体に結合され、像を生成するためのアクティブディスプレイと、生成された像をビームコンバイナに導いて、生成された像及び外部シーンの像を主本体の第1の焦点面において同時に重ね合わせて観察するようにするためのミラーと、を有するベースと、を備える観察光学機器であって、ベースが1又は2以上の電源用の区画を有する観察光学機器。
10.(i)外部シーンからの標的像を第1の焦点面に合焦させる対物レンズ系と、標的像を反転させる正立レンズ系と、第2の焦点面と、を有する第1の光学系と、(ii)対物レンズ系と第1の焦点面の間に配置されるビームコンバイナと、を有する本体と、
(i)(a)アクティブディスプレイと、そのアクティブディスプレイから集光するレンズ系と、(b)アクティブディスプレイからの像を、アクティブディスプレイからの像と対物レンズ系からの標的像とが第1の焦点面に結合されて同時に観察されるビームコンバイナに導くミラーと、を備えた第2の光学系と、(ii)1又は2以上の電源用の区画と、を備えたベースと、を備える、観察光学機器。
11.第1の焦点面を定めるように構成された光学系と、デジタル像を生成するためのアクティブディスプレイと、アクティブディスプレイから集光するレンズ系であって、デジタル像が第1の焦点面上に重畳されるレンズ系と、アクティブディスプレイに結合されたコントローラであって、そのコントローラが1又は2以上のディスプレイ要素に選択的に給電してデジタル像を生成するように構成されたコントローラと、を備える観察光学機器であって、更に、そのレンズ系が、2つのレンズを有する内側セルと、3つのレンズを有する外側セルとから成り、外側セルが内側セルに対して固定される観察光学機器。
12.(a)主チューブの第1の端部に結合された対物レンズ系と、主チューブの第2の端部に結合された接眼レンズ系と、対物レンズ組立体と光学系の第1の焦点面との間に位置付けられるビームコンバイナと、を有する主チューブと、(b)デジタル像を生成するための統合表示システムと、(c)弾道関連データを処理して、その統合表示システムにデジタル像内の照準レチクルを適合させるように仕向けるコンピューティングデバイスと、を備える、観察光学機器。
13.(i)視光軸及びビームコンバイナに沿って外部シーンの像を生成するための光学系を備えた主本体と、(ii)像を生成するためのアクティブディスプレイと、生成された像をビームコンバイナに導いて、生成された像と外部シーンの像とを光学系の第1の焦点面において同時に重ね合わせて観察するようにするための反射材料と、ユーザの存在を検出するためのセンサーと、前記センサーと通信して観察光学機器の電力状態を制御することができるプロセッサと、を有して、前記主本体の底部に結合されたベースと、を備える、観察光学機器。
14.(i)外部シーンからの標的像を第1の焦点面に合焦させる対物レンズ系を有する光学系と、(ii)対物レンズ系と第1の焦点面の間に配置されるビームコンバイナと、を有する主本体と、
(i)像を生成するアクティブディスプレイと、アクティブディスプレイから集光するレンズ系と、(ii)生成された像と外部シーンの像とを同時に重ね合わせて観察するために、生成された像と対物レンズ系からの標的像とが第1の焦点面に結合されるビームコンバイナに、生成された像を導く反射材料と、(iii)ユーザの存在を検出するためのセンサーと、
(iv)センサーと通信して、観察光学機器の電力状態を制御することができるプロセッサと、を有して、主本体の底部に結合されるベースと、を備える、観察光学機器。
15.外部シーンからの標的像を合焦させる、主チューブの第1の端部に結合された対物レンズ系と、主チューブの第2の端部に結合された接眼レンズ系あって、主チューブ、対物レンズ系及び接眼レンズ系が、少なくとも第1の焦点面を定めるように構成される接眼レンズ系と、対物レンズ組立体と第1の焦点面の間に位置決めされたビームコンバイナと、を有する主本体と、
像を生成して、この像をビームコンバイナに導くためのアクティブディスプレイを有するベースであって、生成された像と標的像とが第1の焦点面に結合され、ベースが1又は2以上の電源用の区画を更に有するベースと、を備える、観察光学機器。
16.観察光学機器であって、外部シーンからの標的像を合焦させる一端部にて対物レンズ系と、他端部にて接眼レンズ系と、対物レンズ系と接眼レンズ系との間に配置された正立レンズ系を備えた可動正立チューブとを有する本体であって、可動正立チューブ、対物レンズ系及び接眼レンズ系が、第1の焦点面及び第2の合焦面を有する第1の光学系を形成し、第1の焦点面にて可動正立チューブと連動して移動する第1のレチクルと、第1の焦点面と対物レンズ系との間に配置されたビームコンバイナとを有する、本体と、
像を生成するためのアクティブディスプレイ及びアクティブディスプレイから光を収集するレンズ系と、アクティブディスプレイから生成された像をビームコンバイナに導き、ここでアクティブディスプレイから生成された像と対物レンズ系からの標的像とを第1の焦点面に結合して同時に観察され、アクティブディスプレイから生成された像が、可動正立チューブと連動して移動しないようにする反射材料と、を含む第2の光学系と、を備える、観察光学機器。
17.光学列及び第1のビームコンバイナを有する主本体と、第1のアクティブディスプレイと第1のアクティブディスプレイの前方に位置付けられた第2のビームコンバイナと第1のアクティブディスプレイに垂直な第2のアクティブディスプレイとを有するベースと、を備えた観察光学機器。
18.光学列及びビームコンバイナを有する主本体と、アクティブディスプレイを有する統合表示システムを備えたベースと、を備え、アクティブディスプレイが、弾薬ステータスを主本体の光学列の第1の焦点面に投影することができる、観察光学機器。
19.観察光学機器であって、外部シーンからの標的像を合焦させる一端部にて対物レンズ系と、他端部にて接眼レンズ系と、対物レンズ系と接眼レンズ系との間に配置された正立レンズ系を備えた可動正立チューブとを有する本体であって、可動正立チューブ、対物レンズ系及び接眼レンズ系が、第1の焦点面及び第2の合焦面を有する第1の光学系を形成し、第1の焦点面にて可動正立チューブと連動して移動する第1のレチクルと、第1の焦点面と対物レンズ系との間に配置されたビームコンバイナとを有する、本体と、
像を生成するためのアクティブディスプレイ及びアクティブディスプレイから光を収集するレンズ系と、アクティブディスプレイから生成された像をビームコンバイナに導き、ここでアクティブディスプレイから生成された像と対物レンズ系からの標的像とを第1の焦点面に結合して同時に観察され、アクティブディスプレイから生成された像が、可動正立チューブと連動して移動しないようにする反射材料と、を含む第2の光学系と、を備える、観察光学機器。
20.光学列及び第1のビームコンバイナを有する主本体と、第1のアクティブディスプレイと第1のアクティブディスプレイの前方に位置付けられた第2のビームコンバイナと第1のアクティブディスプレイに垂直な第2のアクティブディスプレイとを有するベースと、を備えた観察光学機器。
21.光学列及びビームコンバイナを有する主本体と、アクティブディスプレイを有する統合表示システムを備えたベースと、を備え、アクティブディスプレイが、弾薬ステータスを主本体の光学列の第1の焦点面に投影することができる、観察光学機器。
22.観察光学機器であって、光学列及びビームコンバイナを有する主本体と、統合表示システムと観察光学機器の一部に装着されたIRレーザと拡張現実ゴーグルに取り付けられたIRカメラとを有するベースと、を備える、観察光学機器。
23.本明細書で実質的に示され且つ記載されたドライファイアセッションを監視及び追跡する方法及びシステム。
24.本明細書で実質的に示され且つ記載された統合表示システムを備える観察光学機器を用いて現実世界状態をシミュレーションする方法及びシステム。
25.観察光学機器であって、
外部シーンからの標的像を合焦させる一端部にて対物レンズ系を有する本体と、
本体の他端部にて接眼レンズ系と、対物レンズ系と接眼レンズ系との間に配置された正立レンズ系を備えた可動正立チューブと、正立チューブ、対物レンズ系及び接眼レンズ系が、第1の焦点面及び第2の合焦面を有する第1の光学系を形成し、第1の焦点面にて可動正立チューブと連動して移動する第1のレチクルを有し、
第1の焦点面と対物レンズ組立体との間に位置付けられ、フォトセンサーが結合されたビームコンバイナと、
像を生成するための第1のアクティブディスプレイと、像を生成するための第2のアクティブディスプレイと、第1のアクティブディスプレイ及び/又は第2のアクティブディスプレイから光を収集するレンズ系と、第1及び第2のアクティブディスプレイから生成された像をビームコンバイナに導く反射材料と、を含む第2の光学系と、
を備え、アクティブディスプレイからの像と対物レンズ系からの標的像が第1の焦点面に結合されて同時に観察するようにする、観察光学機器。
26.観察光学機器であって、(a)主チューブと、(b)外部シーンからの標的画像を合焦する主チューブの第1の端に結合された対物レンズ系と、(c)主チューブの第2の端部に結合された接眼レンズ系であって、主チューブ、対物レンズ系及び接眼レンズ系が、少なくとも第1の焦点面を定めるように構成されており、第1の焦点面における第1のレチクルがターレット調整に関連して移動する、接眼レンズ系と、(d)対物レンズ組立体と第1の焦点面との間に位置付けられた第1のビームコンバイナであって、フォトセンサー及び光フィルタがビームコンバイナに結合される、第1のビームコンバイナと、(e)像を生成し、像を第1のビームコンバイナに導くための第1のアクティブディスプレイ及び第2のアクティブディスプレイであって、生成された像とターゲット像が第1の焦点面に結合される、観察光学機器。
27.観察光学機器であって、
(i)外部シーンの光軸に沿って像を生成する光学系と第1ビームコンバイナとを有する主本体であって、フォトセンサーがビームコンバイナに結合される、主本体と、
(ii)主本体に結合されて、第2のビームコンバイナの前方で像を生成するため第1のアクティブディスプレイと第1のアクティブディスプレイに垂直な第2のアクティブディスプレイとを有するベースと、
を備え、
第1のアクティブディスプレイ及び第2のアクティブディスプレイからの像は、第2のビームコンバイナにおいて結合され、生成された画像を第1のビームコンバイナに導くための反射材料に向けられて、生成された像と光学系の第1の焦点面における外部シーンの画像とを同時に重ねて観察するようにする、観察光学機器。
28.観察光学機器であって、
(i)外部シーンから第1の焦点面に標的像を合焦させる対物レンズ系、標的像を反転させる正立レンズ系、第2の焦点面を有する第1の光学系と、
(ii)対物レンズ系と第1の焦点面との間に配置される第1のビームコンバイナと、
を有する主本体と、
第2の光学系を有して主本体に結合されるベースであって、
(i)像を生成するアクティブディスプレイと、アクティブディスプレイからの光を収集するレンズ系と、第1のアクティブディスプレイに垂直な第2のアクティブディスプレイと、
(ii)第1のアクティブディスプレイ及び第2のアクティブディスプレイからの像を結合する第2のビームコンバイナと、
(iii)アクティブディスプレイから結合された像を第1のビームコンバイナに導くミラーと、
を有するベースと、
を備え、
アクティブディスプレイからの画像と対物レンズ系からの標的像が第1の焦点面に結合されて同時に観察され、ベースが更に近接センサーを含む、観察光学機器。
29.観察光学機器であって、
外部シーンを観察するための光学系を有する主本体と、
主本体の下部に結合するベースと、
を備え、
ベースが、キャビティを有し且つ像を生成するため少なくとも2つのアクティブディスプレイを含み、生成された像が、光学系の第1の焦点面において外部シーンの像に結合され、ベースが更に、ベースの後部に位置付けられた近接センサーを更に含む。
30.観察光学機器であって、
第1の焦点面と対物レンズ系との間にビームコンバイナを有する光学系と、
異なる程度の光学反射率/吸収率の材料を有するターレット追跡機構と、
第1の焦点面上に重ね合わされる像を生成するためのアクティブディスプレイと、
アクティブディスプレイに結合されたコントローラと、
を備え、コントローラは、1又は2以上のディスプレイ要素に選択的に電力を供給して像を生成するよう構成される。
30.観察光学機器であって、
(i)外部シーンから第1の焦点面に標的像を合焦させる対物レンズ系と、標的像を反転させる正立レンズ系と、第2の焦点面と、を有する光学系と、
(ii)様々な程度の光反射率/吸収率を有する材料を有するターレット追跡機構と、
を有する主本体と、
フォトセンサー及びLEDを備えた回路基板を有し、キャビティを有する主本体の底部に結合されるベースと、
を備える、観察光学機器。
32.更にベースを備える、1~31項の何れか1項に記載の観察光学機器。
33.更に統合表示システムを備える、1~33項の何れか1項に記載の観察光学機器。
34.更に統合表示システムを有するベースを備える、1~33項の何れか1項に記載の観察光学機器。
35.ベースが観察光学機器の主本体と結合する、1~34項又は36~136項の何れか1項に記載の観察光学機器。
36.ベースが観察光学機器の主本体の底部側と結合する、1~35項又は37~136項の何れか1項に記載の観察光学機器。
37.統合表示システムがハウジングに収容される、1~36項又は38~136項の何れか1項に記載の観察光学機器。
38.ハウジングが観察光学機器の主本体の上側と結合する、1~37項又は39~136項の何れか1項に記載の観察光学機器。
39.統合表示システムがアクティブディスプレイを有する、1~38項の何れか1項に記載の観察光学機器。
40.統合表示システムが、アクティブディスプレイと反射材料とを有する、1~39項の何れか1項に記載の観察光学機器。
41.統合表示システムが、アクティブディスプレイ、反射材料、及び集光光学系を有する、1~40項の何れか1項に記載の観察光学機器。
42.反射材料がビームコンバイナの下方に位置付けられる、1~41項の何れか1項に記載の観察光学機器。
43.反射材料がビームコンバイナの上方に位置付けられる、1~42項の何れか1項に記載の観察光学機器。
44.反射材料がビームコンバイナと平行である、1~43項の何れか1項に記載の観察光学機器。
45.アクティブディスプレイと反射材料がビームコンバイナと平行である、1~44項の何れか1項に記載の観察光学機器。
46.反射材料が、観察光学機器の対物レンズ側に位置付けられる、1~45項の何れか1項に記載の観察光学機器。
47.反射材料が、観察光学機器の接眼レンズ側に位置付けられる、1~46項の何れか1項に記載の観察光学機器。
48.アクティブディスプレイが、観察光学機器の対物レンズ側に位置付けられる、1~47項の何れか1項に記載の観察光学機器。
49.アクティブディスプレイが、観察光学機器の接眼レンズ側に位置付けられる、1~48項の何れか1項に記載の観察光学機器。
50.第2の光学系が、観察光学機器の本体に結合されたベース内にある、1~49項の何れか1項に記載の観察光学機器。
51.ビームコンバイナが、主本体の対物レンズ組立体と、観察光軸に沿って位置決めされ離間した第1の焦点面との間に位置付けられる、1~50項の何れか1項に記載の観察光学機器。
52.ビームコンバイナが、観察光学機器の仰角ノブのほぼ下方に位置付けられる、1~51項の何れか1項に記載の観察光学機器。
53.ビームコンバイナが、観察光学機器の接眼レンズ組立体と比べて、対物レンズ組立体により近く位置付けられる、1~52項の何れか1項に記載の観察光学機器。
54.統合表示システムが角度付きミラーを備える、1~53項の何れか1項に記載の観察光学機器。
55.ミラーが、約40°から約50°に角度が付けられる、1~54項の何れか1項に記載の観察光学機器。
56.ミラーが約45°に角度が付けられる、1~55項の何れか1項に記載の観察光学機器。
57.統合表示システムが、内側レンズセルと外側レンズセルとを有する集光器光学系を備える、1~56項の何れか1項に記載の観察光学機器。
58.ベースの一端部が主本体の倍率調整リング付近に取り付けられ、ベースの他端部が主本体の対物レンズ組立体付近に取り付けられる、1~57項の何れか1項に記載の観察光学機器。
59.ベースが、主本体の長さの40%から65%である、1~58項の何れか1項に記載の観察光学機器。
60.更にフォーカスセルを備える、1~59項の何れか1項に記載の観察光学機器。
61.従来のフォーカスセルの位置と比べて、対物レンズ側の方に調整されたフォーカスセルを更に備える、1~60項の何れか1項に記載の観察光学機器。
62.更にビームコンバイナを備える、1~61項の何れか1項に記載の観察光学機器。
63.従来のフォーカスセルの位置に位置決めされたビームコンバイナを更に備える、1~62項の何れか1項に記載の観察光学機器。
64.更に視差調整組立体を備える、1~63項の何れか1項に記載の観察光学機器。
65.観察光学機器の主本体に接続ロッドを更に備える、1~64項の何れか1項に記載の観察光学機器。
66.接続要素がロッド又はシャフトである、1~65項の何れか1項に記載の観察光学機器。
67.接続要素は、長さが約5mmから50mmである、1~66項の何れか1項に記載の観察光学機器。
68.接続要素は、長さが約30mmである、1~67項の何れか1項に記載の観察光学機器。
69.視差調整組立体が回転可能な要素を備える、1~68項の何れか1項に記載の観察光学機器。
70.視差調整組立体がノブを備える、1~69項の何れか1項に記載の観察光学機器。
71.接続要素がフォーカスセルを視差調整組立体に結合させる、1~70項の何れか1項に記載の観察光学機器。
72.接続要素の一端部がフォーカスセルに結合され、接続要素の他端部が視差調整組立体のカムピンに結合される、1~71項の何れか1項に記載の観察光学機器。
73.視差調整組立体が、カム溝とカムピンを有する、1~72項の何れか1項に記載の観察光学機器。
74.アクティブディスプレイから集光するためのレンズ系を備える、1~73項の何れか1項に記載の観察光学機器。
75.レンズ系が1又は2以上のレンズセルからなる、1~74項の何れか1項に記載の観察光学機器。
76.レンズ系が、内側レンズセルと外側レンズセルとからなる、1~75項の何れか1項に記載の観察光学機器。
77.レンズ系が5レンズ系からなる、1~76項の何れか1項に記載の観察光学機器。
78.レンズ系が、2つのレンズを有する内側レンズセルと、3つのレンズを有する外側レンズセルとからなる、1~77項の何れか1項に記載の観察光学機器。
79.レンズ系が5レンズ系であって、その第1レンズがアクティブディスプレイから2mm以内に位置付けられる、1~78項の何れか1項に記載の観察光学機器。
80.レンズ系が5レンズ系から成り、その第1レンズが非球面レンズである、1~79項に記載の観察光学機器。
81.レンズ系が、少なくとも1つのレンズを有する内側レンズセルと、少なくとも1つのレンズを有する外側レンズセルとから成り、内側セルの少なくとも1つのレンズと外側セルの少なくとも1つのレンズとの間隔を調整するための機構を更に備える、1~80項の何れか1項に記載の観察光学機器。
82.更に、1又は2以上のバネが外側レンズセルと内側レンズセルの間に位置付けられる、1~81項の何れか1項に記載の観察光学機器。
83.レンズ系が単一レンズセルからなる、1~82項の何れか1項に記載の観察光学機器。
84.調整機構がねじである、1~83項の何れか1項に記載の観察光学機器。
85.調整機構がくさびである、1~84項の何れか1項に記載の観察光学機器。
86.アクティブディスプレイの垂直軸を揃えるために、内側レンズセルの表面に対してねじを締め付けることができる、1~85項の何れか1項に記載の観察光学機器。
87.アクティブディスプレイを調整するために、内側レンズセルの表面に対してねじを締め付けることができる、1~86項の何れか1項に記載の観察光学機器。
88.電源が1又は2以上の電池である、1~87項の何れか1項に記載の観察光学機器。
89.電源が1又は2以上のCR123電池である、1~88項の何れか1項に記載の観察光学機器。
90.位置データをコンピューティングデバイスに提供するために、全地球測位システム(GPS)受信機、デジタルコンパス及びレーザ測距計の1又は2以上を更に備え、コンピューティングデバイスは応答性よく受信したデータの一部又は全部を用いて弾道解を計算する、1~89項の何れか1項に記載の観察光学機器。
91.コンピューティングデバイスは、慣性データ、位置データ、環境センサーデータ及び画像データの1又は2以上を受信し、すぐに応答して、受信したデータの一部又は全部を用いて弾道解を計算する、1~90項の何れか1項に記載の観察光学機器。
92.観察光学機器は、ネットワーク要素(NE)としてネットワークと通信するように適合され、コンピューティングデバイスが、受信したデータの一部又は全部をそのネットワークに向けて伝播させる、1~91項の何れか1項に記載の観察光学機器。
93.最初のユーザインタラクションに応答して、コンピューティングデバイスは測距モードに入り、現在観察されている照準レチクルと関係する標的関連情報が引き出されてメモリに保存される、1~92項の何れか1項に記載の観察光学機器。
94.第2のユーザインタラクションに応答して、コンピューティングデバイスは再取得モードに入り、標的を再取得するために、以前に保存された標的関連情報がメモリから引き出され、レチクル像を適合させるために使用される、1~93項の何れか1項に記載の観察光学機器。
95.標的までの距離を決定し、決定された距離をコンピューティングデバイスに伝達するための測距計を更に備え、コンピューティングデバイスは応答性よく、決定された距離に応じて照準レチクルを適合させる、1~94項の何れか1項に記載の観察光学機器。
96.測距計は、レーザ測距計及び視差式測距計の一方を備える、1~95項の何れか1項に記載の観察光学機器。
97.レーザ測距計が近赤外線(NIR)測距計を備える、1~96項の何れか1項に記載の観察光学機器。
98.弾丸の飛翔経路に関連付けられた画像フレームを検出し、これらの画像フレームをコンピューティングデバイスに伝達するように適合された画像センサーを更に備え、コンピューティングデバイスはこれらの画像フレームから弾道を計算するように動作可能である、1~97項の何れか1項に記載の観察光学機器。
99.画像センサーは、曳光弾に関連付けられたスペクトル領域内の発光を検出するように適合される、1~98項の何れか1項に記載の観察光学機器。
100.それぞれのユーザ入力をコンピューティングデバイスに伝達するように適合されたウィンデージノブ及び仰角ノブを更に備え、コンピューティングデバイスは応答性よく、ユーザ入力に応じて照準レチクルを適合させる、1~99項に記載の観察光学機器。
101.細部を指示するユーザインタラクションに応答して、コンピューティングデバイスは発射ターゲティングモードに入り、標的を再取得するために、標的関連情報がメモリから引き出され、レチクル像を適合させるために使用される、1~100項の何れか1項に記載の観察光学機器。
102.第2弾薬モードを指示するユーザインタラクションに応答して、コンピューティングデバイスは、第2弾薬に関連付けられた弾道特性に応じて照準レチクルを適合させる、1~101項の何れか1項に記載の観察光学機器。
103.環境データが、気圧データ、湿度データ及び温度データの1又は2以上を備え、コンピューティングデバイスは応答性よく、環境データの一部又は全部を使用して弾道解を計算する、1~102項の何れか1項に記載の観察光学機器。
104.照準レチクルが光学スコープの視野外となった場合には、コンピューティングデバイスは慣性基準情報を利用して、シミュレートされた照準点基準を表示用に生成する、1~103項の何れか1項に記載の観察光学機器。
105.電子コントローラは、照準デバイスの光学倍率の変化に合わせて、マークのセットの実サイズを調整するように構成される、1~104項の何れか1項に記載の観察光学機器。
106.マークのセットがレチクルである、1~105項の何れか1項に記載の観察光学機器。
107.マークのセットが数字又は文字を含む、1~108項の何れか1項に記載の観察光学機器。
108.統合表示システムが観察光学機器の主本体内に位置しない、1~107項の何れか1項に記載の観察光学機器。
109.アクティブディスプレイが、照準デバイスの前方焦点面に近接して配置されない、1~108項の何れか1項に記載の観察光学機器。
110.マークの第1セットは、第1レチクルの光学中心にある照準ドットと、光学中心を中心とした円、又は弧、又は馬蹄形とを含み、マークの第2セットは、光学中心の下方に離間配置された複数のホールドオーバ・マークと、ホールドオーバ・マークの左右に離間配置された複数のウィンデージ照準マークと、を含む、1~109項の何れか1項に記載の観察光学機器。
111.第1のレチクルパターンが近接戦闘用レチクルである、1~110項の何れか1項に記載の観察光学機器。
112.第2のレチクルパターンが長距離用レチクルである、1~111項の何れか1項に記載の観察光学機器。
113.複数マークのセットが、複数のマークとその間にあるスペースとを含み、そのマークとスペースは、観察光学機器の接眼レンズを通して観察できる物体空間での角度に対するものであり、電子コントローラは、物体空間内でマーク及びスペースで規定される角度の全てが光学倍率の調整範囲の全体にわたって不変であるように、第1の焦点面におけるマーク及びスペースの実サイズを調整するように動作可能である、1~112項の何れか1項に記載の観察光学機器。
114.センサーは、観察光学機器のカムスリーブに結合された複数の光吸収率/反射率を備えた材料である、1~113項の何れか1項に記載の観察光学機器。
115.主本体の底部が長手方向分割部を有する、1~114項の何れか1項に記載の観察光学機器。
116.主本体の底部は、ベースの1又は2以上の構成要素と通信するための長手方向分割部を有する、1~115項の何れか1項に記載の観察光学機器。
117.主本体の底部は、統合表示システムの構成要素と通信するための長手方向分割部を有する、1~116項の何れか1項に記載の観察光学機器。
118.近接センサーが、主本体の接眼レンズの下方のベース内にある、1~117項の何れか1項に記載の観察光学機器。
119.レチクルパターンが、製造設定に基づいて調整される、1~118項の何れか1項に記載の観察光学機器。
120.1~118項の何れか1項に記載の観察光学機器と共に使用される弾丸カウンター。
121. (a)レシーバー上に磁気センサーを有する銃器と、
(b)銃器に結合され、弾倉に挿入された1又は2以上の磁石を含む弾倉フォロワーを有する弾丸カウンターシステムであって、1又は2以上の磁気センサーは、弾倉フォロワーが弾倉を通って移動するときに磁界を検出し、更に弾倉フォロワーの高さが弾倉内の弾丸数と相関付けられる、弾丸カウンターシステムと、
(c)外部シーンからの標的像を第1の焦点面に合焦させるよう構成された光学系を有する観察光学機器と、
を備え、
アクティブディスプレイが、弾倉内の弾丸の数を観察光学機器の第1の焦点面に投影する、システム。
122.外部シーンからの標的像を第1の焦点面に合焦させるように構成された光学系と、デジタル像を生成するよう構成されたアクティブディスプレイとを有する観察光学機器と、弾薬ステータスを追跡し、弾薬ステータスをアクティブディスプレイに通信するよう構成された弾丸カウンターと、を備え、弾薬ステータスが、観察光学機器の第1の焦点面に投影される、システム。
123.(a)主チューブと、(b)外部シーンからの標的像を合焦させる、主チューブの第1の端部に結合された対物レンズ系と、(c)主チューブの第2の端部に結合された接眼レンズ系であって、主チューブ、対物レンズ系及び接眼レンズ系が少なくとも第1の焦点面を定めるように構成される、接眼レンズ系と、(d)デジタル像を生成するよう構成されたアクティブディスプレイと、を有する観察光学機器と、
弾倉に挿入された1又は2以上の磁石及びマグウェル上に配置された複数の磁気センサーを有する弾倉フォロワーと、弾倉フォロワーの位置を弾薬ステータスに相関付けてアクティブディスプレイと通信するよう構成されたプロセッサとを備えた弾丸カウンターシステムと、
を備え、弾薬ステータスが、観察光学機器の第1の焦点面に投影される、システム。
124.
(a)1又は2以上の磁石を備えた弾倉フォロワーを有する弾丸カウンターシステムであって、弾倉フォロワーが弾倉を通って移動するときに、磁石が、回路基板上の1又は2以上のホール効果センサーの前方に配置される、弾丸カウンターシステムと、
(b)弾倉フォロワーの高さを弾倉内に残っている弾丸の数と相関付けるように構成されたプロセッシングユニットと、
(c)外部シーンからの標的像を第1の焦点面に合焦させるよう構成された光学系を有する観察光学機器と、
を備え、
アクティブディスプレイが、弾倉内の弾丸の数を観察光学機器の第1の焦点面に投影する、システム。
125.
弾倉に挿入された1又は2以上の磁石を備えた弾倉フォロワーを有する弾丸カウンターシステムであって、弾倉が、弾倉フォロワーが弾倉を通って移動したときに磁界を検出するよう構成された1又は2以上の鉄系ワイヤと、1又は2以上の磁気センサーと通信するよう構成された1又は2以上のノードと、を有し、更に弾倉フォロワーの高さが弾倉内の弾丸の数と相関付けられる、弾丸カウンターシステムと、
外部シーンからの標的像を第1の焦点面に合焦させるように構成された光学系を有する観察光学機器と、
を備え、
アクティブディスプレイが、前記弾倉内の前記弾丸の数を前記観察光学機器の前記第1の焦点面に投影する、システム。
126.
(a)1又は2以上の磁石を備えた弾倉フォロワーと、磁界を検出するよう構成された1又は2以上の鉄系ワイヤを備えた弾倉とを有する弾丸カウンターシステムと、
(b)鉄系ワイヤの起動に基づく弾倉フォロワーの高さを弾倉内の弾丸の数と相関付けるよう構成されたプロセッシングユニットと、
(c)外部シーンからの標的像を第1の焦点面に合焦させるよう構成された光学系を有する観察光学機器と、
を備え、
アクティブディスプレイが、弾倉内の弾丸の数を観察光学機器の第1の焦点面に投影する、システム。
127.1又は2以上の磁石を有する弾倉フォロワーと、弾倉とを備える弾丸カウンター。
128.1又は2以上の磁気センサーを備える、127項に記載の弾丸カウンター。
129.磁気センサーが、弾倉ウェル内に配置される、127~128項の何れか一項に記載の弾丸カウンター。
130.磁気センサーが、レシーバー上にある、127~129項の何れか一項に記載の弾丸カウンター。
131.磁気センサーが、リモコン内に配置される、127~130項の何れか一項に記載の弾丸カウンター。
132.磁気センサーが、1又は2以上のアクティブディスプレイを有する観察光学機器と通信するよう構成されたリモコン内に配置される、127~131項の何れか一項に記載の弾丸カウンター。
133.弾倉が、1又は2以上のノードを有する、127~132項の何れか一項に記載の弾丸カウンター。
134.弾倉が、磁気センサーと通信するように構成された1又は2以上のノードを有する、127~133項の何れか一項に記載の弾丸カウンター。
135.磁気センサーが、ホール効果センサーである、127~134項の何れか一項に記載の弾丸カウンター。
136.方法であって、
(a)1又は2以上の磁石を有する弾倉フォロワーを弾倉を通して移動させるステップと、
(b)弾倉フォロワーが磁気センサーに近接したときに、磁気センサーを起動させるステップと、
(c)起動した磁気センサーによって示される弾倉フォロワーの位置に基づいて弾薬ステータスを決定するステップと、
(d)弾薬ステータスを観察光学機器のアクティブディスプレイに通信するステップと、
(e)アクティブディスプレイを用いて弾薬ステータスのデジタル像を生成するステップと、
(f)デジタル像を観察光学機器の第1の焦点面に投影するステップと、
を含む、方法。
統合表示システムを備えた観察光学機器の複数の実施形態を詳細に説明してきたが、これらの修正形態及び変形形態が可能であり、その全てが本発明の真の精神及び範囲に入ることは明らかとなるはずである。上記の説明に関して、サイズ、材料、形状、形態、動作の機能及び態様、組立、及び用途の変形を含めるための、本発明の部品に対する最適な寸法的関係性が、当業者にとって容易に明白であると見なされ、図面に示し本明細書に記載したものと等価な関係性が全て本発明に包含されるように意図されていることを理解すべきである。それゆえ、上記のものは、単に本発明の原理を例示するものと見なされる。更に、当業者には多数の修正形態及び変更形態が容易に想起されることになるので、図示し記載した正確な構造及び動作に本発明を限定することは望ましいことではなく、相応に本発明の範囲に入る全ての適切な修正形態及び等価形態を利用することができる。