JP2022517504A - 加圧下または真空下のガスネットワーク中の障害を検出するためのガスネットワークおよび方法 - Google Patents

加圧下または真空下のガスネットワーク中の障害を検出するためのガスネットワークおよび方法 Download PDF

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Abstract

ガスネットワーク(1)中の障害(13)を、ガスの物理パラメータを決定するセンサ(9a、9b、9d)で検出するための方法であって、ガスネットワーク(1)が制御可能な絞り弁(10)および絞り弁(10)の状態を登録できる状態センサ(9c)を備え、方法が以下のステップ、すなわち、1つまたは複数の調節可能な絞り弁(10)が障害(13)を発生させるために制御される、センサ(9a、9b、9c、9d)の測定値の間で数学的モデルが確立されるトレーニングフェーズ(16)と、第1のグループのセンサおよび第2のグループのセンサ(9a、9b、9c、9d)の測定値の間で確立された数学的モデルが使用されて、ガスネットワーク(1)中の障害(13)を検出する動作フェーズ(17)とを含み、前記動作フェーズ(17)が以下のステップ、すなわち、数学的モデルを使用して、第1のグループのセンサ(9a、9b、9c、9d)の読出し値および第2のグループのセンサ(9a、9b、9c、9d)の値を計算するステップと、計算した値と読み出した値の間の差異を決定するステップと、上述の差異に基づいて障害(13)の存在を決定するステップとを含む、方法。

Description

本発明は、加圧下または真空下でガスネットワーク中の障害を検出するための方法に関する。
より詳細には、本発明は、ガスネットワーク中で生じる障害を検出および定量化することが可能となることが意図される。
本明細書では、「ガス」とは、たとえば空気を意味するが、必ずしも空気とは限らない。
本明細書では、「障害」とは、ガスネットワーク中の部分的もしくは全体的な閉塞、またはパイプラインの抵抗の増加を意味する。
加圧下でガスネットワークを監視するまたは制御する方法が既に知られている一方で、これらの方法は、長くて真っ直ぐなパイプラインのために設定され、ここでは、対象のガスの圧縮率に起因して、入る流れは、出る流れと必ずしも等しくない。
この方法は、1つまたは複数の圧縮工場が加圧下で消費者の複雑なネットワークにガスを供給する、加圧下の複雑なガスネットワークでは好適でない、非常に長いパイプライン、真っ直ぐなパイプラインなどといった、いくつかの仮定に基づく。
しかし、上述の方法は、ガスネットワーク中の漏れの検出に関する。
そのような知られている方法の欠点は、供給源と消費者または消費者区域との間のパイプラインの複雑なネットワーク中の障害を検出することを可能にしないという点である。加えて、ガスの分配ネットワークまたは真空ネットワークは、過小推定するべきでない障害の発生源である。
ガスネットワーク中での障害の検出について、特定の方法はまだ知られていない。
本発明の目的は、この問題に対する解決策を提供することである。
本発明は、加圧したまたは真空のガスネットワーク中の障害を検出および定量化するための方法に関し、ガスネットワークは、
- 圧縮したガスまたは真空の1つまたは複数の供給源と、
- 圧縮したガスまたは真空利用の1つまたは複数の消費者または消費者区域と、
- 圧縮したガスまたは真空を供給源から消費者、消費者区域または利用に移送するためのパイプラインまたはパイプラインのネットワークと、
- ガスネットワーク中の異なる時間および場所でガスの1つまたは複数の物理パラメータを決定する複数のセンサと
を備え、
ガスネットワークが、上述のパイプラインに位置するいくつかの制御可能または調節可能な絞り弁、ならびに、1つまたは複数の絞り弁の状態または状況を記録することが可能な1つまたは複数の状態センサをさらに備えること、ならびに、方法が以下のステップ、すなわち、
- 第1のグループのセンサおよび第2のグループのセンサの測定値の間で、これらのセンサの異なる測定値に基づいて、数学的モデルが導き出されるトレーニングフェーズであって、1つまたは複数の調節可能な絞り弁が、予め規定された順序で、よく設計されたシナリオにしたがって障害を発生させるために制御される、フェーズと、
- 第1のグループのセンサおよび第2のグループのセンサの測定値の間で確立された数学的モデルが使用されて、ガスネットワーク中の障害を予測する動作フェーズと
を含み、
ここで、動作フェーズが以下のステップ、すなわち、
- 第1のグループのセンサを読み出すステップと、
- 数学的モデルを使用して、センサの読み出した測定値から、第2のグループのセンサの値を計算または決定するステップと、
- 第2のグループのセンサの計算した値またはある値を第2のグループのセンサの読み出した値と比較し、それらの間の差異を決定するステップと、
- 上述した差異およびその派生物のいずれかに基づいてガスネットワーク中に障害が存在するかを決定するステップと、
- 対応する障害の程度を有する障害が検出された場合に警告を生成するステップと
を含むことを特徴とする、方法に関する。
調節可能な絞り弁が制御される「予め規定された順序」とは、2つ以上がある場合に調節可能な絞り弁が開閉される順序を意味する。
「シナリオ」とは、異なる調節可能な絞り弁の異なる「開閉」状態、たとえば、[0, 0, 0, 0]、[1, 0, 0, 0]、[0, 1, 1, 0]、...のことを意味する。単なる開(1)および閉(0)以外のさらなる状態があることが可能であり、ここでは、障害の検出、および定量化のために、中間状態(たとえば、1/2)が同じように重要である。
「差異の派生物」とは、たとえば、和、算術平均、最小2乗和などといった、差異から引き出すことができる任意の数学的量を意味する。
「消費者区域」とは、個別の消費者のグループのことを呼ぶ。ガスネットワークは、いくつかの消費者グループまたは消費者区域を含む場合がある。
長所は、ガスネットワーク自体の障害を知り、検出し、位置特定し、さらに定量化することをそのような方法が可能にするという点である。
言い換えれば、本方法によって検出された障害は、圧縮ガスの供給源または消費者での、すなわち、圧縮工場および空気工具または構成要素での障害に限定されず、ガスネットワーク自体のパイプラインでの障害である場合がある。
トレーニングフェーズの期間に、様々なセンサの測定値を使用して、このグループのセンサ間に関係式が確立される。
絞り弁の異なる設定で、異なる測定が行われる。言い換えれば、異なる試験シナリオ下の特別な順序で、絞り弁を部分的に閉じることによって、異なる障害の程度がガスネットワーク中で発生され、次いで、センサから測定値が読み出される。
すべてのデータに基づいて、第1のグループのセンサすなわち数学的モデルの入力と、第2のグループのセンサすなわち数学的モデルの出力との間に、数学的モデルが確立される。入力または数学的操作は「特徴」とも呼ばれ、出力は「ターゲット」とも呼ばれる。
この方法では、センサによって測定された異なるパラメータ間の関係式を示す数学的モデルが作成されることになる。これらのパラメータまたは係数は、「重み」とも呼ばれる。
このモデルは、次いで、モデルの結果とセンサの測定値を比較することによって、センサの将来の測定値における不規則性を迅速に検出するために使用されることになる。
この方法では、とても迅速かつ正確に障害が検出、位置特定、および定量化され、障害が検出される場合、アクションを行うことができ、障害を修復することができる。
好ましくは、動作フェーズがある時点で一時的に中断されるまたは止められるべきであり、その後、異なるセンサの測定値間の数学的モデルまたは関係式を再定義するためにトレーニングフェーズが再開されるべきであり、その後動作フェーズが再開される。
プロセス、すなわち供給源、パイプライン、および消費者を有するガスネットワークは停止されず、方法だけとなることに留意されたい。言い換えれば、動作フェーズが一時的に中断されるまたは止められる場合、供給源は依然として消費者にガス、または真空を供給することになる。
動作フェーズを中断してトレーニングフェーズを再開することには、数学的モデルまたは関係式が更新されるという長所がある。
このことによって、たとえば、修復されている検出済みの障害、または、時間とともに行われているガスネットワークへの調節もしくは拡張を考慮に入れることが可能になる。
本発明は、加圧下または真空下のガスネットワークにも関する。ガスネットワークは、少なくとも以下、すなわち
- 圧縮したガスまたは真空の1つまたは複数の供給源と、
- 圧縮したガスまたは真空利用の1つまたは複数の消費者、消費者区域と、
- ガスまたは真空を供給源から消費者、消費者区域または利用に移送するためのパイプラインまたはパイプラインのネットワークと、
- ガスネットワーク中の異なる時間および場所で圧縮したガスの1つまたは複数の物理パラメータを決定する複数のセンサと
を備え、
ガスネットワークが以下、すなわち
- いくつかの制御可能または調節可能な絞り弁と、
- 1つまたは複数の絞り弁の状態または状況を記録できる1つまたは複数の状態センサと、
- センサからのデータの収集のため、および上述の絞り弁を制御または調節するためのデータ取得制御ユニットと、
- 本発明にしたがった方法を実行するための計算ユニットと
をさらに備えるという特徴を有する。
そのような配置構成を使用して、本発明にしたがった方法を適用することができる。
本発明の特性をより良好に説明するために、本発明にしたがった方法およびガスネットワークのいくつかの好ましい変形形態が、何ら限定的な性質のない例として、添付図面を参照して下で記載されている。
本発明にしたがった配置構成を概略的に示す図である。 本発明にしたがった方法の概略フローチャートを示す図である。
図1のガスネットワーク1は、供給源側2、消費者側3、およびその2つの間のパイプライン5のネットワーク4を主に備える。
この場合のガスネットワーク1は、加圧下のガスネットワーク1である。たとえば、ガスは、空気、酸素、または窒素であってよい。
供給源側2は、圧縮空気を生成する、いくつかの、この場合は3つのコンプレッサ6を備える。消費者側3は、圧縮空気の、いくつかの、この場合はやはり3箇所の消費者7を含む。
コンプレッサ6が圧縮空気ドライヤを含むことも可能である。
ガスネットワーク1の下流にコンプレッサ6がやはり存在できることは除外されない。これは、「ブーストコンプレッサ」と呼ばれる。
圧縮空気は、コンプレッサ6から消費者7にパイプライン5のネットワーク4を通して経路指定される。
このネットワーク4は、ほとんどの場合に、パイプライン5の非常に複雑なネットワークである。
図1は、非常に概略的で簡略化した方法における本ネットワーク4を示す。最も現実的な状況では、パイプライン5のネットワーク4が多数のパイプライン5、および消費者7を直列および並列に互いに、およびコンプレッサ6と接続する継手を備える。ネットワーク4の部分がリング構成を採用することまたは含むことは除外されない。
これは、ガスネットワーク1が、追加の消費者7またはコンプレッサ6で時間とともに拡張されることが多く、それによって既存のパイプライン5間の新しいパイプライン5を敷設しなければならず、このことによって、絡み合うパイプライン5がもたらされるためである。
ガスネットワーク1は、圧力容器8を備えることもでき、この圧力容器8の前にすべてのコンプレッサ6がある。
ガスネットワーク1の下流に1つまたは複数の圧力容器8が存在する場合があることは除外されない。
加えて、フィルタ、分離器、噴霧器、および/または調整器などといった構成要素18をガスネットワーク1の中に設けることもできる。これらの構成要素18は、様々な組合せで見いだすことができ、バッファタンク8の近くと個別の消費者7の近くの両方に見いだすことができる。
ネットワーク4は、ネットワーク4中の異なる場所に配置されるいくつかのセンサ9a、9b、9cも含む。
この場合では、2つの流量センサ9aが設置されており、そのうちの1つは、上述の圧力容器8の直後にあり、これが、すべてのコンプレッサ6によってもたらされる全流量qを測定することになる。
コンプレッサ6の流量がコンプレッサ6自体によって計算または測定される可能性がある。
加えて、図では4つの圧力センサ9bを示しており、これが、ネットワーク4中の異なる場所の圧力を測定する。
圧力容器8中の圧力を測定するための圧力センサ9bは、大きい濃縮した容積についての、「流入質量-流出質量(mass in - mass out)」原理を補正するようにやはり推奨される。
4つより多いまたはより少ない圧力センサ9bを設けることもできるのは、明らかである。加えて、流量センサ9aの数は、本発明にとって限定するものではない。
流量センサ9aまたは圧力センサ9bに加えて、追加または代替として、センサ9a、9bは、以下のガスの物理パラメータ、すなわち、差圧、温度、湿度、ガス速度などのうちの1つまたは複数を決定するために使用することができる。
本発明によれば、ガスネットワーク1は、様々な場所でパイプライン5の中に設置されるいくつかの絞り弁10も設けられる。
これらの絞り弁10は、いわば、障害をシミュレーションするために、パイプライン5を部分的に閉鎖することができる。絞り弁10は調節可能または制御可能であって、これは、絞り弁10が関連するパイプライン5を閉鎖する程度を設定または制御できることを意味する。
ガスの物理パラメータを測定できる、上述のセンサ9aおよび9bに加えて、絞り弁10に配置されるいくつかのセンサ9c、すなわち「状態センサ9c」もある。これらの状態センサ9cは、絞り弁10の状態または状況、開度、すなわち、こうして生成された障害の相対的な増減を測定することができる。状態センサ9cは、絞り弁10の両端間の圧力低下を決定する差圧センサ9dによって置き換えることもできる。
示される例では、各絞り弁10についてこのタイプの状態センサ9cが設置されている。
好ましくは、センサ9cは、絞り弁10の部分である。センサ9cは、絞り弁10とともに1つのモジュールに一体化される。
他のセンサ9aまたは9bの少なくとも部分が絞り弁10とともに1つのモジュールに一体化されることは除外されない。このことによって、関連する絞り弁10を通る流量を測定または決定することも可能となろう。
このことによって、センサ9a、9b、および/または9cと絞り弁10の設置または一体化を簡略化およびスピードアップすることにもなる。加えて、絞り弁10のための正しい好適なセンサ9a、9b、9cが1つのモジュール中に一緒に配置されることを確実にすることができる。
図1に明示的には示されないが、ガスネットワーク1中で、コンプレッサ6および消費者7の近傍に、これらの構成要素のオン/オフ状態を決定する追加の状態センサ9cがあることは、除外することができない。好ましくは、これらの状態センサは、消費者7自体の部分である。
追加の状態センサ9c(たとえば、コンプレッサ6のオン/オフ)は、ここで、下で説明されるように、トレーニングフェーズ16および動作フェーズ17の期間に、モデルの交差感度を著しく低下させる意図がある。
上述の差圧センサ9dは、好ましくは、フィルタ、分離器、噴霧器、および/または調整器構成要素18にわたって配置される。現在の例では、4つの差圧センサ9dがガスネットワーク1の中に組み込まれている。差圧センサ9dを絞り弁10の両端間にやはり配置して、そこで、状態センサ9cの役割を引き継ぐことができる。
上述の湿度および温度センサは、好ましくは、圧縮工場6および消費者7の入口/出口に搭載するべきである。示される例では、これらの追加センサは、ガスネットワーク1の中にすべてが含まれるわけではないが、これも可能であるのは当然である。特に、質量流量の代わりに体積流量だけが測定されるネットワーク中と同様に、より広範囲で複雑なガスネットワーク1では、そのようなセンサ9a、9bを使用することができる。
本発明によれば、ガスネットワーク1は、上述のセンサ9a、9b、9c、9dからのデータを集めて、絞り弁10を制御もするための、データ取得制御ユニット11をさらに備える。
言い換えれば、センサ9a、9b、9c、9dは、ガスの物理パラメータを決定または測定し、このデータをデータ取得制御ユニット11に送信し、データ取得制御ユニット11は、障害を作成もしくはシミュレーションするために、絞り弁10を閉じるか、および絞り弁10をどれだけ閉じるかを制御または確認することになる。
本発明によれば、ガスネットワーク1は、センサ9a、9b、9c、9dからのデータを処理するための計算ユニット12をさらに備える。ここで、計算ユニット12は、下で説明されるように、本発明にしたがったガスネットワーク1中の障害13を検出および定量化するための方法を実行することが可能となる。
上述の計算ユニット12は、ガスネットワーク1の物理的な部分である、物理モジュールであってよい。計算ユニット12が物理モジュールでなく、ガスネットワーク1にワイヤレスで接続されてもされなくてもよい、いわゆるクラウドベースの計算ユニット12であることを除外することはできない。これは、計算ユニット12または計算ユニット12のソフトウェアが「クラウド」の中にあることを意味する。
この場合では、ガスネットワーク1は、本方法を使用して検出された障害13を表示または信号伝達するためのモニタ14をさらに備える。
本発明にしたがった、ガスネットワーク1の動作および方法は、非常に簡単で、以下となる。
図2は、図1のガスネットワーク1中の障害13を検出するための方法を概略的に図示する。
第1のフェーズ15、開始フェーズ15では、必要な場合に、使用する前にセンサ9a、9b、9c、9dが較正される。他のセンサがある場合、それらも使用前に較正できるのは当然である。
これは、ガスネットワーク1中にセンサ9a、9b、9cが配置されるときに一度行われる。もちろん、センサ9a、9b、9c、9dを経時的に再較正できることも可能である。
好ましくは、少なくともセンサ9a、9b、9c、9dのいくつかは、動作期間に、または現場の自己較正によって較正されるべきである。これは、ガスネットワーク1の中のセンサ9aが、すなわち、センサ9a、9b、9c、9dが設置された後に較正されることを意味する。「動作中」または「現場で」とは、ガスネットワーク1からセンサ9a、9b、9c、9dを取り外すことのない較正を意味する。
もちろん、すべてのセンサ9a、9b、9c、9dを動作中に、または自己較正によって現場で較正してもよい。
この方法では、センサ9a、9b、9c、9dの配置および/またはあり得る汚染は、それらの測定値に影響を及ぼさないことを確信することができる。というのは、センサ9a、9b、9c、9dの配置後にだけ較正を実施する、またはある時間期間で較正を繰り返すためである。
次いで、第2のフェーズ16、すなわちトレーニングフェーズ16が開始する。
このフェーズでは、第1のグループのセンサ9a、9b、9c、9d、すなわち「特徴」の測定値と第2のグループのセンサ9a、9b、9c、9d、すなわち「ターゲット」の測定値との間で、数学的モデルが作られる。
好ましくは、第1のグループのセンサ9a、9b、9c、9dは、ガスネットワーク1中の異なる場所に、複数の圧力センサ9b、場合によっていくつかの流量センサ9a、および場合によっていくつかの状態センサ9cを含み、第2のグループのセンサ9a、9b、9c、9dは、ガスネットワーク1中の異なる場所に複数の状態センサ9cを含む。
この場合では、流量センサ9a、圧力センサ9b、および状態センサ9cの部分が第1のグループのセンサを形成し、残りの状態センサ9cが第2のグループのセンサを形成する。
完全にするために、ここで、本発明がこれに限定されないことが明記される。第1のグループのセンサ9a、9b、9c、9dおよび第2のグループのセンサ9a、9b、9c、9dについて、ランダムな選択を行うことができるが、第1のグループのセンサは第2のグループのセンサに入ることはできず、逆も同様であるという制限だけがある。
上述の数学的モデルは、センサ9a、9b、9c、9dの様々な測定値に基づいており、ここで、調節可能な絞り弁10は、データ取得制御ユニット11によって制御され、障害13をシミュレーションするまたは発生させる。
言い換えれば、データ取得制御ユニット11が、センサ9a、9b、9c、9dからデータまたは測定値を収集する。ここで、データ取得制御ユニット11は、ガスネットワーク1の中に漏れが生じるように絞り弁10を閉じるために絞り弁10を制御し、その結果、ガスネットワーク1の中に障害13が起きた場合に、センサ9a、9b、9c、9dからデータを収集することができる。
この方法では、絞り弁10からの情報、すなわち、障害13の場所およびサイズとともに、データまたは測定値の全セットを収集することができる。計算ユニット12は、すべてのこの情報に基づいて数学的モデルを作ることになる。この数学的モデルは、好ましくは、ブラックボックスモデルまたはデータ駆動モデルである。モデルは、典型的には、推定される「重み」とも呼ばれるいくつかのパラメータまたは係数を含む。
このブラックボックスモデルは、たとえば、行列または非線形数学的ベクトル関数などの形をとる。
数学的モデルは、いくつかの仮定に基づく。この場合では、ガスネットワーク1の中に漏れがないことが仮定される。
トレーニングフェーズ16は、好ましくは、ガスネットワーク1の動作または動作可能フェーズ期間に実行されるべきである。
数学的モデルは、動作フェーズ17中で使用されて、ガスネットワーク1中の障害13を検出、位置特定および定量化する。一般的でないが、動作フェーズ期間に、障害13の位置特定をするために、予め規定された順序で調節可能絞り弁10が制御されることは、除外することができない。
このフェーズ17では、以下のステップ、すなわち、
- 第1のグループのセンサ9a、9b、9c、9dを読み出すステップと、
- センサ9a、9b、9c、9dの読み出した測定値に基づいて、数学的モデルを使用して、「予測されるターゲット」としても知られる第2のグループのセンサ9a、9b、9c、9dの値を計算または決定するステップと、
- 第2のグループのセンサ9a、9b、9c、9dの計算した値または決定した値を第2のグループのセンサ9a、9b、9c、9dの読み出した値と比較し、それらの間の差異を決定するステップと、
- 上述した差異およびその派生物のいずれかに基づいてガスネットワーク1中に存在する障害13があるかを決定するステップと、
- 障害13が検出される場合に警告を生成するステップと
が実施される。
ガスネットワーク1中の障害13を決定するために、最後から2番目のステップで、上述の差異がある閾値を超えるかが検査されることになる。これが、ガスネットワーク1中の障害13を示す。
この閾は、事前に設定または選択することができる。
障害13が検出されると、警告が生成されることになる。この場合、これは、警告を表示するモニタ14を使用して行われる。
ガスネットワーク1のユーザがこの警告に気づき、適切なステップをとることが可能になる。
動作フェーズ17のこれらのステップは、好ましくは、ある時間間隔で順次繰り返される。
これは、ガスネットワーク1の全動作周期の期間に障害13を検出することができ、期間中にただ1回ではなく、ガスネットワーク1の開始直後だけでもないことを意味する。
上述の時間間隔は、ガスネットワーク1に依存して選択および設定することができる。時間間隔が経時的に変わることができることは除外することができない。
本発明の好ましい変形形態では、ある瞬間に、動作フェーズ17が一時的に中断されまたは止められ、その後に、異なるセンサ9a、9b、9c、9dの測定値間の数学的モデルを再定義するために、トレーニングフェーズ16を再開し、その後、動作フェーズ17が再開される。
「ある瞬間に」とは、本明細書では、たとえば、週に1回、月に1回、もしくは年に1回プリセットされる瞬間として、またはユーザが選択できる瞬間として解釈するべきである。
これは、任意のシステムの時間変化挙動を考慮に入れるために数学的モデルを更新する。
これらは、たとえば、関連する部分または弁を交換することによって、ベースライン状態において存在する小さい障害13へと修理され、時間とともにより大きくなり、考慮に入れなければならない、ネットワーク4中の障害13、またはガスネットワーク1の前述のベースライン状態を変えることになるネットワーク4の調整もしくは拡張を含む。
図1の例では、方法は、加圧下のガスネットワーク1であるが、真空下のガスネットワーク1であってもよい。
ここで、供給源側2が、いくつかの真空の供給源、すなわち、真空ポンプまたは同様のものを備える。
この場合では、消費者7は、真空を必要とする利用によって置き換えられている。
さらに、方法は上記開示と同じである。
本発明は、例として図に示された実施形態に決して限定されず、本発明で特許請求されるような方法およびガスネットワークは、本発明の範囲を超えることなく異なる変形形態で実行することができる。
1 ガスネットワーク
2 供給源側
3 消費者側
4 ネットワーク
5 パイプライン
6 コンプレッサ、圧縮工場
7 消費者
8 圧力容器、バッファタンク
9a 流量センサ
9b 圧力センサ
9c 状態センサ
9d 差圧センサ
10 絞り弁
11 データ取得制御ユニット
12 計算ユニット
13 障害
14 モニタ
15 第1のフェーズ、開始フェーズ
16 第2のフェーズ、トレーニングフェーズ
17 動作フェーズ
18 構成要素

Claims (17)

  1. 加圧下または真空下のガスネットワーク(1)中の障害(13)を検出、位置特定、および定量化するための方法であって、前記ガスネットワーク(1)が、
    圧縮したガスまたは真空の1つまたは複数の供給源(6)と、
    圧縮したガスまたは真空利用の1つまたは複数の消費者(7)または消費者区域と、
    前記圧縮したガスまたは真空を前記供給源(6)から前記消費者(7)、消費者区域または利用に移送するためのパイプライン(5)またはパイプライン(5)のネットワークと、
    前記ガスネットワーク(1)中の異なる時間および場所で前記ガスの1つまたは複数の物理パラメータを提供する複数のセンサ(9a、9b、9d)と
    を備え、
    前記ガスネットワーク(1)が、上述のパイプライン(5)に位置するいくつかの制御可能または調節可能な絞り弁(10)、および、1つまたは複数の絞り弁(10)の状態または状況を記録することが可能な1つまたは複数の状態センサ(9c)をさらに備えること、ならびに、前記方法が以下のステップ、すなわち、
    第1のグループのセンサ(9a、9b、9c、9d)および第2のグループのセンサ(9a、9b、9c、9d)の測定値の間で、これらのセンサ(9a、9b、9c、9d)の異なる測定値に基づいて、数学的モデルが導き出されるトレーニングフェーズ(16)であって、1つまたは複数の調節可能な絞り弁(10)が、予め規定された順序で、よく設計されたシナリオにしたがって障害(13)を発生させるために制御される、フェーズと、
    前記第1のグループのセンサ(9a、9b、9c、9d)および前記第2のグループのセンサ(9a、9b、9c、9d)の前記測定値の間で確立された前記数学的モデルが使用されて、前記ガスネットワーク(1)中の障害(13)を検出、位置特定、および定量化する動作フェーズ(17)と
    を含み、
    前記動作フェーズ(17)が以下のステップ、すなわち
    前記第1のグループのセンサ(9a、9b、9c、9d)を読み出すステップと、
    前記数学的モデルを使用して、前記センサ(9a、9b、9c)の前記読み出した測定値から、前記第2のグループのセンサ(9a、9b、9c、9d)の値を計算または決定するステップと、
    前記第2のグループのセンサ(9a、9b、9c、9d)の前記計算した値または決定した値を前記第2のグループのセンサ(9a、9b、9c、9d)の前記読み出した値と比較し、それらの間の差異を決定するステップと、
    上述した差異およびその派生物のいずれかに基づいて前記ガスネットワーク(1)中に障害(13)が存在するかを決定するステップと、
    障害(13)が検出される場合に警告を生成するステップ、ならびに/または前記障害(13)の場所および前記障害(13)の程度を決定するステップ、ならびに/または関連する障害費用を生成するステップと
    を含むことを特徴とする、方法。
  2. 前記第1のグループのセンサ(9a、9b、9c、9d)が、前記ガスネットワーク(1)中の異なる場所に複数の圧力センサ(9b)、場合によっていくつかの流量センサ(9a)、および場合によっていくつかの状態センサ(9c)を含み、前記第2のグループのセンサ(9a、9b、9c、9d)が、前記ガスネットワーク(1)中の異なる場所に複数の状態センサ(9c)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記トレーニングフェーズ(16)についての方法が、上述のセンサ(9a、9b、9c、9d)が使用の前に較正される開始フェーズ(15)を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記センサ(9a、9b、9c、9d)が、現場の自己較正によって較正されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 上述のセンサ(9a、9b、9c、9d)が以下の前記ガスの物理パラメータ、すなわち、圧力、差圧、温度、流量、ガス速度、および湿度のうちの1つまたは複数を測定できることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記動作フェーズ(17)がある時点で一時的に中断されまたは止められ、その後、異なるセンサ(9a、9b、9c、9d)の測定値間の前記数学的モデルを再定義するために前記トレーニングフェーズ(16)が再開され、その後前記動作フェーズ(17)が再開されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記動作フェーズ(17)のステップが所与の時間間隔で順次繰り返されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記センサ(9a、9b、9c、9d)の少なくとも部分とともに絞り弁(10)が1つのモジュールに一体化されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記ガスネットワーク(1)の中の各絞り弁(10)の近傍にセンサ(9a、9b、9c)が設けられ、および/または逆も同様であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記数学的モデルがブラックボックスモデルであることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 上述の数学的モデルが、パラメータまたは定数を有する行列および/または非線形ベクトル関数の形をとり、前記数学的モデルの出力または「ターゲット」の変化が前記動作フェーズ(17)の期間追跡されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. それがガス、空気、酸素、もしくは窒素、または他の毒性のないおよび/もしくは有害なガス、またはガスの混合物であることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 加圧下または真空下のガスネットワーク(1)であって、少なくとも、
    圧縮したガスまたは真空の1つまたは複数の供給源(6)と、
    圧縮したガスまたは真空利用の1つまたは複数の消費者(7)、消費者区域と、
    前記ガスまたは真空を前記供給源(6)から前記消費者(7)、消費者区域または利用に移送するためのパイプライン(5)またはパイプライン(5)のネットワークと、
    前記ガスネットワーク(1)中の異なる時間および場所で前記ガスの1つまたは複数の物理パラメータを提供する複数のセンサ(9a、9b、9d)と
    を備え、
    前記ガスネットワーク(1)が、
    いくつかの制御可能または調節可能な絞り弁(10)と、
    1つまたは複数の絞り弁(10)の状態または状況を記録することが可能な1つまたは複数の状態センサ(9c)と、
    前記センサ(9a、9b、9c、9d)からのデータの収集のため、および上述の絞り弁(10)を制御または調節するためのデータ取得制御ユニット(11)と、
    請求項1から12のいずれか一項に記載の方法を実行するための計算ユニット(12)と
    をさらに備えることを特徴とする、ガスネットワーク。
  14. 前記センサ(9a、9b、9c、9d)の少なくともいくつかとともに絞り弁(10)が1つのモジュールに一体化されることを特徴とする、請求項13に記載のガスネットワーク。
  15. 障害(13)を表示または信号伝達するためのモニタ(14)を前記ガスネットワーク(1)がさらに備えることを特徴とする、請求項13または14に記載のガスネットワーク。
  16. 消費者(7)の状態または状況を登録できる前記センサ(9c)が前記消費者(7)自体の部分であることを特徴とする、請求項13から15のいずれか一項に記載のガスネットワーク。
  17. 前記計算ユニット(12)が、ワイヤレスでまたはワイヤレスでなく、前記ガスネットワーク(1)に接続されるクラウドベースの計算ユニット(12)であることを特徴とする、請求項13から16のいずれか一項に記載のガスネットワーク。
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