JP2022516611A - 線維性疾患の治療のための抗エフリン-b2遮断抗体 - Google Patents

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Abstract

可溶性エフリンB2外部ドメインに結合し、それを遮断する抗体またはその抗原結合フラグメントを使用して臓器線維症を治療するための方法および組成物。

Description

優先権主張
本出願は、2018年12月28日に出願された、米国仮特許出願第62/785,873号の利益を主張するものである。先願の内容は全体が、参照により本明細書中に組み込まれる。
技術分野
本明細書中に記載するのは、可溶性エフリン-B2(sエフリン-B2)外部ドメインに結合し、それを遮断する抗体またはその抗原結合フラグメントを使用して臓器線維症を治療するための方法および組成物である。
損傷後の臓器の再生能は年齢とともに減退する。高齢者においては、慢性組織損傷は、瘢痕組織または線維症の発症およびそれに続く臓器不全を特徴とする異常な創傷治癒応答をもたらす。
慢性組織損傷に対する不適応な創傷治癒応答は、臓器線維症を引き起こす。線維症は、活性化筋線維芽細胞による過剰な細胞外マトリクス(ECM)沈着および組織リモデリングを伴い、これは適切な組織構造および臓器機能の損失につながる。ADAM10-sエフリン-B2経路は、筋線維芽細胞活性化の主要な駆動因子である16。本明細書中に示すように、線維症の発症に関連していることに加え、この経路は、具体的には中和抗体を使用してsエフリン-B2を直接遮断する戦略を用いて、線維症と診断された対象における治療介入のために特異的に標的化することができる。したがって、抗エフリン-B2抗体は、線維症、例えば特発性肺線維症(IPF)を有する患者における肺線維症を治療するのに使用することができる。診断時において、肺線維症は、定義により確立されているが、より重要なことに進行性である。抗エフリン-B2抗体は、早期および後期疾患を含む進行性肺線維症ならびに他の臓器に存在する線維症(例えば、とりわけ全身性線維症/強皮症または肝線維症もしくは肝硬変)を治療するために使用することができる。
したがって、本明細書中で示すのは、対象における臓器線維症を治療するための方法である。方法は、臓器線維症を有する対象を特定すること、および可溶性エフリン-B2外部ドメインに結合し、それを遮断する1つもしくは複数の抗体またはその抗原結合フラグメントの治療有効量を投与することを含む。
いくつかの実施形態において、臓器線維症は、肺(例えば特発性肺線維症)、皮膚、腎線維症、肝線維症もしくは肝硬変、全身性硬化症または線維形成性腫瘍である。
いくつかの実施形態において、治療は、線維症の軽減および/または臓器の正常機能への回復もしくはアプローチをもたらす。
いくつかの実施形態において、対象は肺線維症を有し、治療有効量は肺線維症の減少および肺機能の改善、例えば酸素供給の改善および/または努力肺活量(FVC)の正常化をもたらす。
いくつかの実施形態において、対象は肺線維症を有し、例えば胸部X線像または胸部コンピュータ断層撮影(CT)もしくは高解像度CT(HRCT)スキャンにおける線維症のパターンおよび両肺底部呼気断続性ラ音を有する。
いくつかの実施形態において、対象は全身性硬化症(SSc)を有し、例えば指の皮膚肥厚、指先の病変、毛細血管拡張症、異常爪郭毛細血管、間質性肺疾患または肺動脈性肺高血圧症、レイノー現象およびSSc関連自己抗体を有する。
いくつかの実施形態において、対象は、肝線維症または肝硬変を有し、例えば生検またはイメージング、例えば超音波(US)、コンピュータ断層撮影(CT)、FibroscanまたはMRイメージング(MRI)において線維症が検出されている。
いくつかの実施形態において、抗体はクローンB11または2B1抗体である。
いくつかの実施形態において、抗体はモノクローナルキメラ、脱免疫化またはヒト化抗体である。
特に断らない限り、本明細書中で使用する全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者が通常理解するのと同じ意味を有する。方法および材料は、本発明における使用のために本明細書中に記載され、当技術分野で公知の他の適切な方法および材料も使用してよい。材料、方法および実施例は説明のためのものに過ぎず、限定することを意図するものではない。全ての出版物、特許出願、特許、配列、データベースエントリおよび本明細書中で言及する他の参照文献は、参照によりその全体が組み込まれる。矛盾が生じる場合、定義を含む本明細書が制御する。
本発明の他の特徴および利点は、以下に詳述する記載および図面ならびに特許請求の範囲から明らかであろう。
エフリン-B2はIPF線維芽細胞において上昇する。(A、B)健常対照ドナー(n=3)およびIPFを有する個人(n=3)由来のヒト肺線維芽細胞におけるエフリン-B2のmRNAおよびタンパク質発現レベル。 線維芽細胞特異的エフリン-B2 KOマウスはブレオマイシン誘導肺線維症から保護される。(A)PBSまたはブレオマイシン(BLM)チャレンジの14日後の対照野生型(WT)および線維芽細胞特異的エフリン-B2 KOマウスの肺切片のマッソントリクローム染色。(B)WT(左側のレーン)およびKO(右側)におけるヒドロキシプロリン含量。(C)α-SMAおよびI型コラーゲンタンパク質発現。全ての群についてn=6匹のマウスである。 エフリン-B2外部ドメインは肺損傷時に肺胞空間に脱落する。(A)PBSまたはブレオマイシンチャレンジの14日後に回収したWTマウス由来の全肺ホモジェネートにおけるエフリン-B2発現レベルを示すウェスタンブロット。矢印は、低分子量のバンド(約50kDa)の出現を示す。(B)処理の14日後におけるPBS(左の棒)およびブレオマイシン(右の棒)チャレンジマウス由来の気管支肺胞洗浄液における切断sエフリン-B2レベルを示すウェスタンブロット。(C)モデルにおいて異なるタイムポイントにおいてWTマウス由来の気管支肺胞洗浄液におけるエフリン-B2 ELISAにより決定されるsエフリン-B2の濃度。 可溶性エフリン-B2外部ドメインは、筋線維芽細胞の形成および組織線維症を引き起こすのに十分である。(A)全長エフリン-B2タンパク質およびFcに融合した組換え可溶性エフリン-B2外部ドメインのドメイン構造。(B)エフリン-B2-FcまたはIgG-Fc対照のマウス肺線維芽細胞におけるα-SMAおよびI型コラーゲンタンパク質発現に対する影響。(C)WTマウスを事前クラスター化エフリン-B2-Fc(n=6)または対照としてのIgG-Fc(n=6)のいずれかの毎日の皮下注入により14日間処理した。H&Eおよびマッソントリクローム染色を示す。(D~F)皮膚線維症マーカーである皮膚厚さ(D)およびヒドロキシプロリン(E)の定量(左の棒はIgG-Fc、右の棒はエフリンB2-Fc)、ならびに皮膚におけるα-SMAおよびI型コラーゲンレベルを示すウェスタンブロット(F)。 対照(左の棒)または抗エフリン-B2中和抗体(B11、右の棒)の肺線維症におけるTGF-β誘導α-SMA発現に対する影響。 抗エフリン-B2遮断抗体による治療戦略。WTマウスを気管内滴下注入によるブレオマイシンまたは食塩水ならびに抗エフリン-B2遮断抗体または対照抗体により示すように処理する。 抗エフリン-B2抗体は、マウスにおける筋線維芽細胞活性化およびブレオマイシン誘導肺線維症を予防する。(A)抗エフリン-B2抗体(B11クローン)または対照IgG2a抗体で処理した、PBSまたはブレオマイシンチャレンジの21日後のマウス由来の肺切片のマッソントリクローム染色(I型コラーゲン)の代表的な画像(群あたりn=6匹のマウスから)。(B)マウスの肺において測定したヒドロキシプロリン含量(コラーゲンレベル)(全ての群についてn=6)。(C)全肺ホモジェネートにおいてリアルタイムPCRにより評価したα-SMA mRNA発現(全ての群についてn=6)。 抗エフリン-B2抗体は、TGF-βにより引き起こされる筋線維芽細胞活性化およびIPFの患者由来の肺線維芽細胞の線維症表現型を予防する。(A)対照(健常)ドナー(n=5)およびIPFを有する個人(n=5)由来の初代培養肺線維芽細胞の馴化培地におけるELISAにより決定したsエフリン-B2の濃度。(B)GAPDHをローディング対照として用いた、抗エフリン-B2抗体(B11クローン)の、対照ドナー(n=3)由来の初代培養肺線維芽細胞におけるTGF-β誘導α-SMAタンパク質発現に対する影響。全ての群についてn=3。抗エフリン-B2抗体は、TGF-β誘導α-SMAタンパク質発現を防止する(P<0.05)。(C)GAPDHをローディング対照として用いた、抗エフリン-B2抗体(B11および2B1クローン)の、対照ドナー(n=3)およびIPFを有する個人(n=3)由来の初代培養肺線維芽細胞におけるα-SMAタンパク質発現およびリン酸化SMAD3に対する影響。全ての群についてn=3。 sエフリン-B2レベルは、IPF患者由来のBALおよび血漿において上昇している。(A)ELISAにより評価される、対照ドナー(n=30)およびIPF患者(n=30)由来の気管支肺胞洗浄液(A)および血漿(B)におけるsエフリン-B2の濃度。**P<0.01 sエフリン-B2レベルは、IPF患者の臨床的な予後と相関する。血漿sエフリン-B2の上昇は、IPFの患者における死亡率の上昇と関連する(n=30、*P<0.03)。
組織線維症を軽減し、損傷組織の再生を促進することを目的とする新規の治療戦略の特定は、再生医学における主要な未対処の臨床ニーズである。本開示は、組織線維形成の新しい分子機構を明らかにし、瘢痕形成筋線維芽細胞においてADAM10-可溶性エフリン-B2経路を標的化することにより、確立された肺線維症を逆転させ、臓器機能を回復させることを示している。本発見により、種々のヒト線維性疾患、例えば特発性肺線維症、全身性硬化症(強皮症)、肝硬変、腎線維症および線維形成性腫瘍の治療のための新しい治療標的が明らかになっている。
肺線維症におけるADAM10-sエフリン-B2経路の標的化
慢性肺疾患は、米国における主要な死因の1つである。特発性肺線維症(IPF)は、一定して肺機能の進行性の減退をもたらし、著しい罹患率および死亡率をもたらす一般的な肺疾患である1~3。IPFの患者は、進行性の肺瘢痕(線維症)を特徴とする、最終的に呼吸能を妨害する非可逆的かつ最終的には致死性の間質性肺疾患に罹患している4、5。近年の疫学的な試験により、IPFは、以前に認識されていたより多くの人々に影響を及ぼすことが示されている6~8。米国におけるIPFの有病率は、近年では100,000人当たり10-60の症例の範囲にあると推定されており、これは、米国において130,000人ものIPFと診断された人、および毎年34,000人ものIPFを発症する人がいる可能性があることを示している。IPFの予後は不良である。生存期間中央値は、診断時から2から5年間である10。現在の治療は主に、2つの近年ライセンス化された抗線維症薬(ピルフェニドンおよびニンテダニブ)またはいくらかのIPF患者において肺機能の減退を中程度に遅延化させる11、12が、疾患の進行を停止または逆転させることができない対症治療に依存している。
IPFは、容認しがたい程高い罹患率および死亡率を伴っている。より有効な治療の開発には、肺線維症の病態形成に関連する生物学的プロセスの理解の改善および、これらのプロセスを制御する分子メディエーターのより完全な特定が必要であろう。瘢痕形成筋線維芽細胞の活性化は、肺線維症の発症および進行の根底にある進行性瘢痕における重要なステップである3、13。筋線維芽細胞は、コラーゲン合成およびα-SMA(α-smooth muscle actin)の発現の上昇を示し、これによりECMをリモデリングする過剰収縮表現型が付与される14。したがって結果として、筋線維芽細胞活性化の原因となっている分子経路を標的化することがIPFの治療戦略として高い可能性を有する3、13~15
ADAM10-sエフリン-B2経路は、近年IPFの患者および肺線維症のマウスモデルにおいて筋線維芽細胞活性化の主要な駆動因子であることが特定された16。エフリン-B2は、休止状態の肺線維芽細胞に高発現している膜貫通リガンドである16、17が、その線維化促進効果は、肺損傷時に生じる活性化ステップにより制御される。近年の研究により、肺損傷後に、休止状態の肺線維芽細胞における全長エフリン-B2の外部ドメインが、ディスインテグリンおよびメタロプロテイナーゼADAM10によりタンパク質分解性に切断され、生物学的に活性な分子である可溶性エフリン-B2(sエフリン-B2)の生成が引き起こされる。一度脱落すると、sエフリン-B2は、オートクライン/パラクライン様式でEphB4受容体シグナル伝達を活性化させることにより、休止状態の線維芽細胞に対する線維化促進シグナル伝達を生成する。本研究により、sエフリン-B2/EphB4受容体シグナル伝達が、休止状態の線維芽細胞の活性化筋線維芽細胞への分化を促進し、これがマウスにおける組織線維症を引き起こすのに十分であることが示されている。さらに、肺線維芽細胞において特異的にエフリン-B2を遺伝的に欠損するマウスは、ブレオマイシン誘導肺線維症からの有意な保護を示す。驚くべきことに、抗sエフリン-B2抗体の投与は、確立された線維症を逆転させる。結果として、sエフリン-B2を直接遮断することによりsエフリン-B2の生成を遮断する戦略は、線維症の新規の治療戦略として機能する。
治療方法
本明細書中に示すように、可溶性エフリン-B2は、肺および皮膚において瘢痕形成筋線維芽細胞の活性化を引き起こすのに十分である。筋線維芽細胞活性化に関連する病理学的な機構は臓器間で保存されていると考えられている(例えば、Rockey et al., N Engl J Med. 2015 Mar 19;372(12):1138-49を参照のこと)。したがって、筋線維芽細胞の線維形成状態を維持するのに関連している経路を標的化することは、線維性障害の全体的な抗線維性標的を表す。Zeisberg and Kalluri, Am J Physiol Cell Physiol. 2013 Feb 1;304(3):C216-25についても参照されたい。
本明細書中に記載する方法は、臓器線維症、例えば肺(例えば特発性肺線維症)、皮膚、腎線維症、肝線維症もしくは肝硬変、全身性硬化症および線維形成性腫瘍を治療するための方法を含む。一般的に、方法は、本明細書中に記載するように可溶性エフリン-B2外部ドメインに結合し、それを遮断する抗体の治療有効量を、そのような治療を必要としているか、または必要としていると決定された対象に投与することを含む。抗体は、中和抗体(例えばクローンB11)および/または、可溶性エフリンB2の結合を立体的に妨害するもの(例えばクローン2B1)であり得る。
この文脈で使用する、「治療する」は、臓器線維症の少なくとも1つの症状を寛解させることを意味する。臓器線維症は、しばしば組織の瘢痕および肥厚ならびに機能の損失または低下をもたらすため、治療は、線維症の軽減および臓器の正常機能への回復またはアプローチをもたらすものであってもよい。例えば、肺に関連する状態を治療するために、本明細書中に記載する化合物の治療有効量を投与することは、肺線維症の軽減および肺機能の改善、例えば酸素負荷の改善および/または努力肺活量(FVC)の正常化をもたらすであろう。
方法は、臓器線維症を有する任意の対象において使用し得る。臓器線維症を有する対象を特定または診断する方法は当技術分野において公知であり、例えば、IPFについては、Raghu et al., Am J Respir Crit Care Med. 2018 Sep 1;198(5):e44-e68およびMartinez et al., Lancet Respir Med. 2017 Jan;5(1):61-71、強皮症についてはvan den Hoogen et al., Arthritis Rheum. 2013 Nov;65(11):2737-47ならびに、肝線維症および肝硬変についてはLurie et al., World J Gastroenterol. 2015 Nov 7;21(41):11567-83およびLi et al., Cancer Biol Med. 2018 May; 15(2): 124-136を参照されたい。
「有効量」は、有益な、または所望の結果をもたらすのに十分な量である。例えば、治療的な量は、所望の治療的な効果を達成する量である。この量は、予防的な有効量と同じであっても異なっていてもよく、予防的な有効量は、疾患または疾患症状の発生を予防するのに必要な量である。所与の治療手順にしたがって投与された場合に、疾患もしくは状態の進行、疾患もしくは状態に伴う症状を阻止、遅延化もしくは発症の危険性を軽減するか、または他の方法で疾患もしくは状態の承認された特徴の改善をもたらすのに十分な抗エフリン-B2抗体の量を参照してもよい。有効量は、1回もしくは複数の投与、適用または用量で投与してもよい。治療化合物の治療有効量(すなわち有効用量)は、選択した治療化合物に依存する。組成物は、1日当たり1回または複数回から1週当たり1回または複数回までの1回、例えば1日おきに1回投与し得る。当業者は、特定の因子、例えば限定するものではないが、対象の疾患もしくは障害の重症度、以前の治療、全体の健康および/または年齢および他の疾患の存在が、対象を有効に治療するのに必要な用量およびタイミングに影響を及ぼし得ることは理解するであろう。さらに、治療有効量の本明細書中に記載する治療化合物による対象の治療は、単回治療または一連の治療を含んでいてもよい。
治療化合物の用量、毒性および治療有効性は、細胞培養または実験動物において、例えばLD50(集団の50%に対して致死的な用量)およびED50(集団の50%において治療的に有効な用量)を決定するための標準的な薬学的手法により決定し得る。毒性効果と治療効果との間の用量比率は、治療上の指標であり、LD50/ED50比率として表すことができる。高い治療上の指標を表す化合物が好ましい。毒性の副作用を示す化合物を使用してもよいが、非感染細胞への潜在的な損傷を最小化することにより副作用を軽減するために、患部組織部位へそのような化合物を標的化する送達システムの設計には注意を払うべきである。
細胞培養アッセイおよび動物試験から得られたデータは、ヒトにおいて使用するために広範の用量を製剤化するのに使用することができる。そのような化合物の用量は、毒性を殆ど、または全く持たないED50を含む循環濃度の範囲内にあるのが好ましい。用量は、使用する剤形および使用する投与経路によって、この範囲内で変動し得る。本発明の方法で使用する任意の化合物について、治療有効用量は、最初に細胞培養アッセイから推定することができる。用量を動物モデルにおいて、細胞培養で決定されたIC50(すなわち、症状の最大半量阻害を達成する試験化合物の濃度)を含む循環血漿濃度範囲を達成するように製剤化し得る。そのような情報は、ヒトにおいて有用な用量をより正確に決定するために使用することができる。血漿中のレベルを、例えば高速液体クロマトグラフィーによって測定し得る。
sエフリンB2(sエフリンB2)抗体-医薬組成物および投与方法
エフリン-B2のEphB受容体への結合は、エフリン-B2外部ドメインの高度に保存された表面領域を介しており、その結晶構造は近年解かれている(Toth et al., Dev Cell. 2001 Jul;1(1):83-92; Qin et al., J Biol Chem. 2010 Jan 1;285(1):644-54; Himanen et al., Nature. 2001 Dec 20-27;414(6866):933-8)。我々は、EphB受容体を活性化するために必要なエフリン-B2外部ドメインは、肺損傷時に脱落すること、ならびに可溶性外部ドメインが肺線維芽細胞において生物学的に活性であり、EphB受容体シグナル伝達に結合し、それを活性化することができることを見出した。sエフリン-B2外部ドメインによるEphB受容体活性化は筋線維芽細胞活性化を誘導するため、このタンパク質-タンパク質相互作用を妨害することは、臓器線維症の治療のための抗線維性治療としての医学応用の可能性があり得る。sエフリン-B2シグナル伝達を阻害するための一手法は、エフリン-B2外部ドメインに対する遮断抗体を使用することであり、これはEphB受容体(すなわちEphB3およびEphB4)の結合および活性化を中和する。外部ドメインに結合し、受容体シグナル伝達を阻害する高度に特異的なエフリン-B2遮断抗体が開発されている26。したがって、本方法は、エフリンB2外部ドメインに結合し、受容体シグナル伝達を阻害する、抗体またはその抗原結合部分の治療有効量を含む組成物の投与を含んでいてもよい。
本明細書中に記載する方法は、有効成分としてsエフリン-B2抗体を含む医薬組成物の使用を含む。本明細書中に使用する用語「抗体」は、免疫グロブリン分子またはその抗原結合部分を指す。免疫グロブリン分子の抗原結合部分の例としては、F(ab)およびF(ab’)2フラグメントが挙げられ、これらは抗原結合能を維持している。抗体は、ポリクローナル、モノクローナル、組換え、キメラ、脱免疫化またはヒト化、完全ヒト、非ヒト(例えばマウス)または一本鎖抗体であってもよい。いくつかの実施形態において、抗体はエフェクター機能を有し、補体を固定することができる。抗体または抗体フラグメントは、当技術分野で公知であり、抗体に一般的に応用される任意の翻訳後改変を含むように処理されていてもよく、ただし、改変された抗体またはフラグメントはヒトまたはマウスエフリンB2への結合特異性を維持している。改変としては、PEG化、リン酸化、メチル化、アセチル化、ユビキチン化、ニトロシル化、グリコシル化、ADP-リボース化または脂質化が挙げられる。あるいは、またはさらに、抗体またはフラグメントは、免疫アッセイにおいて結合を検出するために使用することができる検出可能な標識をさらに含んでいてもよい。使用し得る標識としては、放射性標識、フルオロフォア、化学発光標識、酵素標識(例えば、アルカリンホスファターゼまたはセイヨウワサビペルオキシダーゼ)、ビオチン、アビジンおよび重金属が挙げられる。いくつかの実施形態において、抗体は、Fc受容体への結合能が低下しているか、または全く持たない。例えば、抗体は、アイソタイプもしくはサブダイプ、フラグメントまたは他の変異体であってもよく、これはFc受容体への結合を支持しない、例えば変異誘発したか、または欠損したFc受容体結合領域を有する。上述のsエフリンB2抗体に加えて、他の抗体を作製し得る。抗体およびそのフラグメントを作製する方法は、当技術分野で公知であり、例えばHarlow et. al., editors, Antibodies: A Laboratory Manual (1988); Goding, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, (N.Y. Academic Press 1983); Howard and Kaser, Making and Using Antibodies: A Practical Handbook (CRC Press; 1st edition, Dec 13, 2006); Kontermann and Dubel, Antibody Engineering Volume 1 (Springer Protocols) (Springer; 2nd ed., May 21, 2010); Lo, Antibody Engineering: Methods and Protocols (Methods in Molecular Biology) (Humana Press; Nov 10, 2010); and Dubel, Handbook of Therapeutic Antibodies: Technologies, Emerging Developments and Approved Therapeutics, (Wiley-VCH; 1 edition September 7, 2010)を参照されたい。ヒトエフリンB2の配列を、GenBankアクセス番号NM_004093.3(核酸)およびNP_004084.1(タンパク質)に示す。全長ヒトエフリンB2前駆体の例示的な配列は次の通りである。
Figure 2022516611000002
いくつかの実施形態において、エフリンB2外部ドメインは、配列番号1のアミノ酸29から165(上記太字)を含むか、またはこれらからなる。
医薬組成物は、典型的には、薬学的に許容される担体を含む。本明細書中で使用する語「薬学的に許容される担体」は、医薬品投与と適合性の、希釈剤、食塩水、溶剤、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延化剤等を含む。補足の活性化合物を組成物に組み込んでもよい。
医薬組成物は、典型的には意図する投与経路と適合性であるように製剤化される。投与経路の例としては、非経口、例えば静脈内、皮内、皮下、腹腔内、経口(例えば吸入、鼻腔内)、経皮(局所)、経粘膜および直腸投与が挙げられる。
適切な医薬組成物を製剤化する方法は当技術分野で公知であり、例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st ed., 2005およびシリーズDrugs and the Pharmaceutical Sciences: a Series of Textbooks and Monographsの書籍(Dekker、NY)を参照されたい。例えば、非経口、皮内または皮下適用に使用される液剤または懸濁剤は、次の成分、無菌希釈剤、例えば注射用水、食塩水溶液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶剤、抗菌剤、例えばベンジルアルコールまたはメチルパラベン、抗酸化剤、例えばアスコルビン酸または亜硫酸水素ナトリウム、キレート剤、例えばエチレンジアミン四酢酸、緩衝剤、例えば酢酸塩、クエン酸塩またはリン酸塩および浸透圧調整剤、例えば塩化ナトリウムまたはデキストロースを含んでいてもよい。pHは、酸または塩基、例えば塩酸または水酸化ナトリウムにより調整し得る。非経口製剤は、ガラスまたはプラスチック製の、アンプル、使い捨て型注射器または複数用量バイアルに封入し得る。
注入用の使用に適切な医薬組成物は、無菌の注入用の液剤または分散剤の即時調製のための無菌の水性液剤(水溶性の場合)または分散剤および無菌粉末を含んでいてもよい。静脈内投与について、適切な担体としては、生理食塩水、静菌水、Cremophor EL(商標)(BASF、Parsippany、NJ)またはリン酸緩衝液(PBS)が挙げられる。全ての場合において、組成物は、無菌でなければならず、注射針通過が容易である程度に流体であるべきである。それは、製造および保存の条件下で安定であるべきであり、微生物、例えば細菌および真菌の汚染作用に対して保存されていなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール等)およびその適切な混合物を含む、溶剤または、分散媒であってもよい。適当な流動性は、例えばコーティング、例えばレシチンの使用、分散剤の場合は必要な粒子サイズの維持、および界面活性物質の使用により維持することができる。微生物の作用の防止は、種々の抗菌剤および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸およびチメロサール等によって達成し得る。多くの場合、等張剤、例えば糖、ポリアルコール、例えばマンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウムを組成物中に含むことが好ましい。注射用組成物の吸収延長は、組成物中に吸収を遅延化させる剤、例えばモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを含むことによりもたらし得る。
無菌注射用液剤は、上述に列挙した成分の1つまたは組合せとともに、活性化合物を必要量で適当な溶剤に取り込み、適宜次いでろ過滅菌することにより調整し得る。一般的に、分散剤は、基本の分散媒と上記に列挙した中から必要な他の成分とを含む、無菌ビヒクルに活性化合物を取り込むことにより調製される。無菌注射用液剤の調製のための無菌粉末の場合、調製の好ましい方法は、真空乾燥および凍結乾燥であり、これにより、活性化合物および、事前にろ過滅菌したその溶液由来の任意のさらなる所望の成分の粉末が得られる。
経口組成物は一般的に、不活性希釈剤または食用担体を含む。経口治療用投与のために、活性化合物を賦形剤とともに取り込み、錠剤、トローチ剤またはカプセル剤、例えばゼラチンカプセル剤の形態で使用してもよい。経口組成物はまた、口腔洗浄薬として使用するための流体担体を用いて調製してもよい。薬学的に適合性の結合剤および/またはアジュバント物質が、組成物の一部として含まれていてもよい。錠剤、丸剤、カプセル剤およびトローチ剤等は、次の成分、結合剤、例えば微結晶セルロース、ガムトラガカントもしくはゼラチン、賦形剤、例えばデンプンもしくはラクトース、崩壊剤、例えばアルギン酸、Primogelもしくはトウモロコシデンプン、潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウムもしくはSterotes、滑剤、例えばコロイド状二酸化ケイ素、甘味剤、例えばスクロースもしくはサッカリンもしくは香味剤、例えばペパーミント、サリチル酸メチルもしくはオレンジ香味剤、または同様の性質の化合物の任意のものを含んでいてもよい。
吸入による投与のためには、化合物は、適切な噴霧剤、例えばガス、例えば二酸化炭素を含む加圧容器またはディスペンサーもしくは噴霧器からのエアロゾルスプレーの形態で送達し得る。そのような方法は、米国特許第6,468,798号明細書に記載されているものを含む。
本明細書中に記載する治療化合物の全身性の投与はまた、経粘膜または経皮的な手段によるものであってもよい。経粘膜または経皮投与のためには、浸透するバリアに適当な浸透剤が製剤中で使用される。そのような浸透剤は一般的に当技術分野で公知であり、例えば、経粘膜投与については、界面活性剤、胆汁酸塩およびフシジン酸誘導体が挙げられる。経粘膜投与は、経鼻スプレーまたは坐剤の使用を介して達成し得る。経皮投与については、活性化合物は、当技術分野で一般的に公知であるように、軟膏剤、膏薬、ゲル剤またはクリーム剤に製剤化される。
医薬組成物はまた、直腸送達のために坐剤(例えば、慣用的な坐剤基剤、例えばカカオバターおよび他のグリセリドを用いて)または停留浣腸の形態で調製してもよい。
一実施形態において、治療化合物は、治療化合物を身体からの急速な排除から保護する担体とともに、例えばインプラントおよびマイクロカプセル化送達システムを含む徐放製剤で調製される。生分解性生体適合性ポリマー、例えばエチレン酢酸ビニル、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステルおよびポリ乳酸を使用してもよい。そのような製剤は、標準的な技術を使用して調製しても、または、例えばAlza CorporationおよびNova Pharmaceuticals,Incから市販で入手してもよい。リポソーム懸濁剤(細胞抗原に対するモノクローナル抗体とともに選択した細胞に標的化したリポソームを含む)はまた薬学的に許容される担体としても使用し得る。これらは、当技術分野で当業者に公知の方法、例えば米国特許第4,522,811号明細書に記載されているように調製し得る。
医薬組成物は、容器、パックまたはディスペンサー内に、投与のための指示書とともに含まれていてもよい。したがって、本明細書中において、例えば本明細書中に記載する方法において使用されるsエフリンB2抗体を含むデバイス、例えば吸入器も含まれる。
本発明は、以下の実施例にさらに記載され、これは特許請求の範囲に記載される発明の範囲を限定するものではない。
エフリン-B2はIPF線維芽細胞において上昇する。我々は、急速に進行性のIPFの患者の肺における線維芽細胞の遊走および活性化に関連する遺伝子の発現の上昇を以前に示している18。IPF線維芽細胞において活性化および遊走を制御する推定遺伝子を特定するために、我々はIPFを有する個人から単離された肺線維症の遺伝子発現を、対照として使用した健常肺線維芽細胞のものと比較する、公開して入手可能なマイクロアレイデータセットを解析し19、20、膜貫通タンパク質エフリン-B2をコードする遺伝子であるEFNB2がIPF肺線維芽細胞において有意に増加していることを見出した。EFNB2(Gene Expression Omnibusアクセス番号GSE1724)19は、膜貫通タンパク質エフリン-B2をコードし、これは、隣接細胞の表面においてEph受容体に結合するエフリンリガンドのファミリーに属する21。リガンドのエフリンファミリーは、構造により、ホスファチジルイノシトール連結エフリン-Aリガンド(エフリン-A1-6)および膜貫通エフリン-Bリガンド(エフリン-B1-3)に分類される17、21。エフリン-Aおよび-Bリガンドはともに、隣接細胞の表面のEph受容体に結合し、生化学シグナル伝達を開始させる21。全てのエフリン-Aおよび-Bリガンドの中で、エフリン-B2は肺線維芽細胞で最も高く発現しているエフリンリガンドであり、IPFの患者由来の肺線維芽細胞において発現が上昇している19。我々はまた、リガンドのエフリンファミリーの他のメンバーではなく、エフリン-B2の発現がmRNAおよびタンパク質解析によって示されるように、肺IPF線維芽細胞において、対照の対象から単離された肺線維症と比較して著しく高いことを確認した(図1A、B)。
線維芽細胞特異的エフリン-B2欠損マウスはブレオマイシン誘導肺線維症から保護される。我々は次いで線維芽細胞エフリン-B2がインビボで線維症の発症に必要であるかどうかを検討した。全体的にエフリン-B2欠損であるマウスは、妊娠中期に、心血管発生の欠損により死亡するため、我々はコラーゲン発現細胞、例えば線維芽細胞において条件的にEfnb2を欠損することができるマウスを作製した。我々は、loxP部位に隣接するEfnb2を有するマウス(Efnb2loxP/loxPマウス)を、Col1a2(collagen,type I,alpha 2)のマウスプロモーターにより駆動されるタモキシフェン誘導性Creリコンビナーゼを発現するマウス(Col1a2-CreERTマウス)と交配させる。PCRにより確認された、「flox化」Efnb2アレルについてホモ接合型であり、Col1a2-Cre導入遺伝子についてヘミ接合型であった出生仔(Efnb2loxP/loxP;Col1a2-CreERTマウス)のタモキシフェン処理により、線維芽細胞におけるEfnb2遺伝子の欠損およびEfnb2条件的ノックアウトマウスの作成が引き起こされる。トウモロコシ油ビヒクルのみで処理された同腹仔を対照として使用した。エフリン-B2タンパク質についてのウェスタンブロットは、対照マウスと比較して、エフリン-B2 KOマウスの肺線維芽細胞由来の抽出物において発現が著しく低くなっていることを示した。我々の研究により、線維芽細胞特異的エフリン-B2欠損マウスが組織学的(コラーゲン集積についてのマッソントリクローム染色)、生化学的(コラーゲン含量についてのヒドロキシプロリンレベル)および分子的(I型コラーゲンおよびα-SMA、筋線維芽細胞分化のマーカー)の評価によって、野生型(WT)マウスと比較して、ブレオマイシン誘導肺線維症の発症から著しい保護を示すことが示された(図2A~C)。
エフリン-B2外部ドメインは肺損傷時に脱落する。我々は、ブレオマイシンチャレンジが全長の膜貫通エフリン-B2(約60kDa)の発現を増加させないが、対照の肺では見られない低分子量のバンド(約50kDa)の生成がもたらされることを見出した(図3A、矢印は50kDaのバンドを示す)。エフリン-Bリガンドは外部ドメイン脱落を経て活性タンパク質を放出するため22-25、我々はブレオマイシン損傷後のエフリン-B2のタンパク質分解性切断が、本明細書中でsエフリン-B2と称するエフリン-B2の50kDaの可溶性形態の生成をもたらし、これが肺線維症の病態形成に寄与し得ると仮定した。我々の結果により、外部ドメイン特異的な抗エフリン-B2モノクローナル抗体を使用したウェスタンブロットおよび酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)により、ブレオマイシンチャレンジ後のWTマウスの気管支肺胞洗浄(BAL)液からの無細胞上清におけるsエフリン-B2の著しい増加が示された(図3B、C)。以上から、我々の結果により、エフリン-B2外部ドメインが肺損傷後に脱落することが示される。
可溶性エフリン-B2外部ドメインは筋線維芽細胞活性化および組織線維症を引き起こすのに十分である。sエフリン-B2が線維形成促進メディエーターとして直接機能するかどうかを試験するために、我々は線維芽細胞を組換えエフリン-B2外部ドメイン-Fcで処理し、これは全長エフリン-B2タンパク質の膜貫通およびC末端ドメインを置換するFcドメインに融合したエフリン-B2の外部ドメインを含む(図4A)。事前クラスター化したエフリン-B2-Fcによる初代培養マウス肺線維芽細胞の処理は、対照IgG-Fc処理と比較して、α-SMAおよびI型コラーゲンタンパク質発現を著しく増加させ、これは、直接的な線維形成促進効果を支持している(図4B)。次に、我々は事前クラスター化したエフリン-B2-Fc(100μg/kg)または対照IgG-Fcを2週間毎日皮下投与し、対照と比較した、皮膚厚さ、ヒドロキシプロリン含量およびα-SMAおよびI型コラーゲンの発現の上昇により評価される、皮膚線維症の著しい上昇を特定した(図4C-F)。以上より、これらのデータによりエフリン-B2外部ドメインがインビボにおいて筋線維芽細胞活性化および組織線維症を引き起こすのに十分であることが示されている。
IPFにおける肺線維症の治療のためのsエフリン-B2に対する治療抗体。我々の研究により、sエフリン-B2外部ドメインの皮下注入は、筋線維芽細胞活性化を誘導することにより、マウスにおいてインビボで組織線維症を誘導するのに十分であることが示されている。以上から、我々の結果により、sエフリン-B2シグナル伝達の治療的な阻害が、筋線維芽細胞活性化を防止することにより肺線維症を軽減するための新規の戦略を表し得ることが示されている。エフリン-B2シグナル伝達を遮断することを目的とする治療戦略が以前、がん治療のために開発されている26、27が、その抗線維性効果はこれまで調査されていなかった。
sエフリン-B2外部ドメインによるEphB4受容体活性化は筋線維芽細胞活性化を誘導するため、このタンパク質-タンパク質相互作用を妨害することは、IPFの治療のための抗線維性治療としての医学応用の可能性があり得る。sエフリン-B2シグナル伝達を阻害するための一手法は、エフリン-B2外部ドメインに対する遮断抗体を開発することであり、これはEphB4受容体の結合および活性化を中和する。ヒト抗体ファージディスプレイライブラリーを用いて、EphB4受容体へのエフリン-B2の結合を中和する、強力な抗エフリン-B2抗体(クローンB11)を特定した26。近年の研究により、メラノーマおよび乳がん26、27ならびに異種移植片モデル26の前臨床モデルにおける強力な研究ツールとしてB11が確認されている。
B11中和抗体によるsエフリン-B2の遮断はTGF-β誘導筋線維芽細胞形成を防止する。sエフリン-B2遮断抗体の治療有効性をインビトロで検討するために、我々はB11 抗エフリン-B2遮断抗体(100μg/mL=3μM)の存在または非存在下において48時間TGF-βにより処理した初代培養ヒト肺線維芽細胞におけるα-SMA発現により、筋線維芽細胞活性化を評価した。図5に示すように、B11前処理は、肺線維芽細胞におけるTGF-β誘導α-SMA発現を有意に低下させる。
B11中和抗体によるsエフリン-B2の遮断はマウスモデルにおける肺線維症を逆転させる。上述の発見に基づいて、我々は中和抗体によるsエフリン-B2の治療的阻害は、インビボで筋線維芽細胞活性化を阻害することにより肺線維症を治療し得ると仮定した。インビボでsエフリン-B2遮断抗体の治療有効性を検討するために、我々はブレオマイシン誘導肺線維症モデルにおけるエフリン-B2遮断抗体(クローンB11)の肺線維症の逆転能を検討した。肺線維症のこのマウスモデルにおいて、C57Bl/6マウス系統は、ブレオマイシンチャレンジの21日後に頑強な肺線維症を発症する。同数の雄および雌のマウスを使用し、性別ベースの差異に対処した。ブレオマイシン(Gensia Sicor Pharmaceuticals)を我々の研究室の標準的な方法により、マウスに気管内(i.t.)投与した。1.2ユニット/kの亜致死性用量を使用し、これは死亡を引き起こさずに肺線維症を誘導するのに十分である。
この「治療戦略」において、エフリン-B2遮断抗体を、ブレオマイシンチャレンジの14日後に投与し、21日目まで試験の期間を継続する。この試験のために、エフリン-B2遮断抗体を、総用量20mg/kgに達するまで1週間当たり2回、PBS0.2ml中4mg/kgで静脈内注入した。対照C57Blマウスは、対照IgG2a抗体(クローンC1.18.4、BioXCell)の投与を受ける。1群当たり10匹のマウスを使用した。ブレオマイシンおよびエフリン-B2遮断抗体投与のタイミングを図6に示す。
盲検組織学的解析により、対照IgG2a抗体の投与を受けるマウスにおいてブレオマイシンチャレンジの21日後に生成した肺実質性線維症は、エフリン-B2遮断抗体(クローンB11)で処理したマウスにおいて緩和することが明らかになり(図7A)、これは肺ヒドロキシプロリンレベルの著しい低下と関連していた(図7B)。この肺線維症モデルにおいてエフリン-B2遮断抗体の作用機構の洞察を得るために、我々はqPCRによってインビボにおける筋線維芽細胞形成を評価した。エフリンB2-遮断抗体が肺線維芽細胞においてTGF-β誘導α-SMA発現を阻害することを示すインビトロ試験により、エフリン-B2遮断抗体によるマウスの治療的処理は、α-SMAの発現を低下させることにより確立した肺線維症を逆転させることが示され、これは肺線維症における筋線維芽細胞の活性化細胞状態が、sエフリン-B2シグナル伝達により制御されることを示している。
統計解析。全ての他の結果の差異を、上述するように無作為化ブロックANOVAにより統計学的優位性について試験する。全ての比較においてP<0.05を有意とみなす。
中和抗体によるsエフリン-B2の遮断はIPFの患者由来のヒト肺線維芽細胞の活性化表現型を逆転させる。我々の研究とヒト疾患の関連を決定するために、我々はIPFを有する個人および健常対照の肺から単離された線維芽細胞におけるADAM10-sエフリン-B2シグナル伝達の役割を検討した。IPF肺線維芽細胞は、インビトロで正常な肺線維芽細胞と比較して、培養培地中で実質的により高い濃度のsエフリン-B2を有しており(図8A)、これはこの経路がヒト疾患において活性化され、治療的介入のために標的化し得ることを示している。ヒトにおけるエフリン-B2遮断抗体の治療潜在能を特徴づけるために、我々は最初に初代培養ヒト肺線維芽細胞においてTGF-βにより引き起こされる筋線維芽細胞活性化に対するB11エフリン-B2抗体の影響を調査した。図8Bに示すように、抗エフリン-B2抗体は健常初代培養肺線維芽細胞におけるTGF-β誘導α-SMAタンパク質発現を防止する。我々は次いで抗エフリン-B2抗体がIPFの患者から単離された線維性肺線維芽細胞の活性化表現型を逆転し得るかどうかを検討した。図8Cに示すように、α-SMAは対照健常線維芽細胞と比較して、IPF線維芽細胞で上昇し、IPF線維芽細胞の抗エフリン-B2抗体(クローンB11)による48時間の処理はα-SMAレベルを有意に低減させ(図8C)、これは抗エフリン-B2治療がIPFの患者由来の線維性線維芽細胞の線維形成促進性機構を直接下方制御することを示している。さらに、IPF線維芽細胞を第2の抗エフリン-B2抗体(クローン2B1)で処理し、これは事前に示すようにエフリン-B2外部ドメインに結合するが、EphB4受容体に対する結合を防止しない。図8Cに示すように、抗エフリン-B2抗体(クローン2B1)による線維性IPF線維芽細胞の処理は、同時にクローンB11と同程度にα-SMAレベルを低下させる。注目すべきことに、抗エフリン-B2治療により調節される分子経路を検討しながら、我々はB11エフリン-B2抗体が、健常線維芽細胞と比較して、IPF線維芽細胞において、古典的TGF-β経路の代替マーカーであるリン酸化SMAD3レベルの上昇には影響を与えないことを見出した。これらの結果は、B11エフリン-B2抗体の抗線維性効果は、古典的TGF-β経路の調節によるものではないことを示している。対照的に、2B1エフリンB2抗体は、IPF線維芽細胞においてリン酸化SMAD3レベルを下方制御し、これはこの抗体の抗線維性効果が古典的TGF-β経路の直接的な調節によるものであることを示している。以上から、B11および2B1エフリン-B2抗体はともに、異なっていると考えられる作用機構にかかわらず、ヒトIPF線維芽細胞の抗線維性活性を有する。
sエフリン-B2レベルはIPFの患者における血漿および気管支肺胞洗浄液において上昇している。IPFの天然の経緯は高度に変動性であり、個々の患者において疾患進行速度を予測するのは困難である28。臨床的な病理組織学的およびX線検査解析はIPFの患者における死亡率を予測することができるが10、疾患進行を予測することができる臨床的に利用されるバイオマーカーは存在していない。IPFにおける血液バイオマーカーが、疾患進行予測能を改善させるという希望をもって検討されている29~32。上皮損傷のバイオマーカー、例えばKL-633、34および内皮活性化のバイオマーカー、例えばVEGF35またはVCAM-136、37は、IPFにおける不良な生存率を予測することが見出されているが、IPFにおける筋線維芽細胞活性化のバイオマーカーは、未だ特定されていない。我々の結果から、sエフリン-B2レベルが、IPFを有する16人の個人における気管支肺胞洗浄液において、8人の健常志願者由来のサンプルと比較して著しい濃度上昇を示すことが示される(図9A)。我々は次いで、IPFを有する30人の個人および30人の性別適合非喫煙対照における血漿sエフリン-B2濃度を比較し、対照群由来のサンプルと比較して、IPFを有する個人において、sエフリン-B2の著しく高い血漿濃度を観察した(図9B)。以上から、我々のデータからは、血漿sエフリン-B2がIPFにおける新規の筋線維芽細胞予後バイオマーカーとして機能し得ることが示されている。
血漿sエフリン-B2レベルの上昇は、IPFの患者における死亡率の上昇と関連している。我々のバイオマーカー試験のIPFの進行との関連を決定するために、我々は、血漿sエフリン-B2レベルがIPFにおける疾患の重症度および予後と相関するかどうかを検討した。図11に示すように、IPFの患者における血漿レベルは、これらの患者の臨床的予後と相関する。我々のデータから、診断時により高い血漿sエフリン-B2レベルのベースラインを有する患者は、急速な肺機能の減退を起こし、これが患者の死亡につながることが示されている。
参照文献
Figure 2022516611000003
Figure 2022516611000004
Figure 2022516611000005
他の実施形態
本発明は、その詳細な記載と併せて記載されており、前述の記載は説明のためであり本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲により決定されると理解すべきである。他の局面、利点および改変は以下の特許請求の範囲の範囲内にあるものである。

Claims (13)

  1. 対象における臓器線維症を治療する方法であって、
    臓器線維症を有する対象を特定すること、および
    可溶性エフリン-B2外部ドメインに結合し、それを遮断する1つもしくは複数の抗体またはその抗原結合フラグメントの治療有効量を投与すること
    を含む、前記方法。
  2. 前記臓器線維症が、肺(例えば、特発性肺線維症)、皮膚、腎線維症、肝線維症もしくは肝硬変、全身性硬化症または線維形成性腫瘍である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記治療が、線維症の軽減および/または臓器の正常機能への回復もしくはアプローチをもたらす、請求項1に記載の方法。
  4. 前記対象が肺線維症を有し、前記治療有効量が肺線維症の軽減および肺機能の改善、例えば酸素供給の改善をもたらす、請求項1に記載の方法。
  5. 前記対象が肺線維症を有する、請求項1に記載の方法。
  6. 前記対象が、胸部X線像または胸部コンピュータ断層撮影(CT)もしくは高解像度CT(HRCT)スキャンにおける線維症のパターンおよび両肺底部呼気断続性ラ音を有する、請求項5に記載の方法。
  7. 前記対象が全身性硬化症を有する、請求項1に記載の方法。
  8. 前記対象が、指の皮膚肥厚、指先病変、毛細血管拡張症、異常爪郭毛細血管、間質性肺疾患または肺動脈性肺高血圧症、レイノー現象およびSSc関連自己抗体を有する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記対象が肝線維症または肝硬変を有する、請求項1に記載の方法。
  10. 前記対象が、生検またはイメージング、例えば超音波(US)、コンピュータ断層撮影(CT)、FibroScanningまたはMRイメージング(MRI)において線維症が検出されている、請求項9に記載の方法。
  11. 前記抗体がクローンB11抗体である、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記抗体がクローン2B1抗体である、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記抗体が、モノクローナル、キメラ、脱免疫化またはヒト化抗体である、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
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