JP2022515027A - 小さな角度誤差で高磁場を検知する磁気角度センサ装置 - Google Patents

小さな角度誤差で高磁場を検知する磁気角度センサ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】外部磁場の検知においてn次の高調波を除去し、角度誤差を減らす。【解決手段】本開示は、外部磁場60を検知するように構成された磁気角度センサ装置であり、このセンサ装置が複数の磁気センサ素子20を備え、各センサ素子20が、ピニング方向231にピニングされた基準磁化230を有する強磁性基準層23、外部磁場60の方向に配向可能な検知磁化210を有する強磁性検知層21及び基準層23と検知層21の間のトンネル障壁スペーサ層22を備えた磁気トンネル接合部2を有し、複数のセンサ素子20の中の少なくとも1つの部分の検知層21は、検知磁化210の方向が外部磁場60に揃った時の角度変位が外部磁場60の範囲に対して最小となるように、容易軸線211がピニング方向231に対してほぼ平行な方向に揃った検知用面内一軸磁気異方性を有する。

Description

本発明は、面内において360°の計測範囲に渡って磁場の角度を検知する複数の磁場角度センサ素子を備えた磁場角度センサ装置に関する。
磁気トンネル接合(MTJ)に基づく磁気角度センサは、市場に存在する競合技術と比べて、高い感度、広い範囲の出力抵抗、CMOSプロセスへのより良い統合及びそれ以外の多くの魅力的な特徴を提供する。
そのような磁気角度センサは、典型的には、誘電性トンネル障壁によって分離された二つの磁気的に異なる強磁性層を備えた特別なMTJを必要とする。それらの強磁性層の中の一方(検知層)は、軟磁性であり、外部磁場に容易に揃うとともに、他方(基準層)は、硬磁性であり、その磁化方向をピニングされている。
トンネル磁気抵抗(TMR)効果は、検知層の磁化と基準層の磁化の間の相対的な角度を検知するために、そのため、外部磁場の方向を計測するために用いられている。検知層と基準層の磁化の間の相対的な角度の変化は、MTJスタックを介した導電率の変化を計測計測することによって決定可能である。MTJスタックの導電率は、検知層と基準層の正味の磁化方向の間の相対的な角度の余弦関数に従う。
図1は、一つの磁気センサ素子20を備えた単一ブランチ式検知回路10を示す。図2は、強磁性基準層23と強磁性検知層21の間に挟まれたトンネル障壁スペーサ層22を有する磁気トンネル接合部2を備えた磁気センサ素子20の断面図を示す。
強磁性基準層23は、ピニング方向231にピニングされた基準磁化230を有する。強磁性検知層21は、基準磁化230に対して相対的に自由に配向可能な検知磁化210を有する。外部磁場60がセンサ素子20に対して存在する場合、基準磁化230は、ほぼピニング方向231に固定されたままである一方、検知磁化210は、外部磁場60の方向に偏向される。基準磁化230のピニングは、基準磁化230と交換結合する(反強磁性層などの)ピニング層24によって実現できる。
従って、外部磁場60の方向は、磁気センサ素子20に検知電流31(図1を参照)を流して、電圧差(Vout-Vin)を計測することによって決定可能である。この電圧差は、磁気センサ素子20の抵抗Rに比例する。この電気コンダクタンス(1/R)は、磁場60の方向とピニング方向231の間の角度の余弦に従う。
二次元(2D)で磁場を検知する用途では、基準磁化230は、通常面内(基準層23の面内)にある。検知層の磁気状態は異なる場合があり、1)面内、2)面外、3)マイクロ磁気渦状態などに磁化できる。この第一の磁気状態は、検知層の磁化が常に外部磁場によって磁気的に飽和させられるので、磁場の角度の検知だけを(即ち、磁場の強さを伴わない形で)提供する。それ以外の二つの磁気状態は、準線形的であり、そのため、磁場の強さも抽出可能である。2D磁場センサは、二つのセンサ素子20の電気信号を計測することよって得られ、その際、一方のセンサ素子20の基準磁化230は、他方のセンサ素子20のピニングされた基準磁化230の方向に対してほぼ直交方向にピニングされている。それらのコンダクタンスの瞬間的な比率の逆正接が磁場の角度を与える。同様に、それらの二つの検知ブランチ部の各々は、即ち、センサ素子20の各々は、(二つのセンサ素子20を備えた)ハーフブリッジ又は(四つのセンサ素子20を備えた)フルブリッジと置換可能であり、その結果、ハーフブリッジ又はフルブリッジの(センサ素子20の中の一方の基準磁化230の方向と一致する)検知軸線は、それに対応するセンサ素子20に関するピニング方向231に対して平行である。
理想的には、基準磁化230は、その方向が、少なくとも外部磁場60の有効計測範囲内において外部磁場60によって影響されないように、無限の硬磁性を持つべきである。それに対して、検知磁化210は、その方向が外部磁場60の方向に完全に磁化されるように、完全に軟磁性であるべきである。
しかし、実際には、検知層21は有限の磁気異方性を有する。その検知磁化210は、基準層23からの有限の漂遊磁場にさらされる可能性がある。それは、検知磁化210が外部磁場60に揃った場合に、そのため、磁気センサ素子20の期待される抵抗Rにおいて、外部磁場60の所与の向きに関して角度誤差を引き起こす。それらの角度誤差は、外部磁場60の強さが低下した時に角度誤差が増大するので、外部磁場の強さが小さい時の動作マージンを制限する。
更に、基準磁化230は有限の硬磁性を有し、そのため、外部磁場60によって(ほんのわずかでも)偏向される可能性がある。そのことも、検知磁化210が揃った時に角度誤差を生じさせる。それらの角度誤差は、外部磁場60の強さに応じて増大し、そのため、磁気センサ素子20の高磁場での動作マージンを制限する。
図3は、外部磁場Hextの強さの関数として全体的な角度誤差の変化状況を示す。その全体的な角度誤差は、外部磁場(Hext)が印加された場合に検知磁化210と基準磁化230の方向の間における計測された相対的な角度θ(図5を参照)と、「理想的な」相対的な角度、即ち、検知磁化210が外部磁場Hextの方向に完全に揃うとともに、基準磁化230が外部磁場Hextによって偏向されない場合の相対的な角度との間の差に相当する。その全体的な角度誤差AETの変化状況は、検知層21における異方性、バイアス磁場等に起因する検知磁化210の向きにおける角度誤差の合計AESと、基準層23の有限なピニング強度に起因する基準磁化230の向きにおける角度誤差AERとに相当する。
図5は、ハーフブリッジ式検知回路構成100で配置された二つの磁気センサ素子20を備えた検知回路を示す。そのハーフブリッジ式検知回路100は、入力電圧Vinの分数である出力電圧Voutを二つのセンサ素子20の間に発生する。二つの磁気センサ素子20の中の一方は、他方の磁気センサ素子20の検知磁化210と逆の方向にピニングされた基準磁化230を有する。
ハーフブリッジ回路100の検知軸線250は、磁気センサ20の中の一方のピニング方向と、即ち、その磁気センサ20の基準磁化230の方向と一致できる。図5の例では、ハーフブリッジ回路100の検知軸線250は、上部の磁気センサ20のピニング方向と一致する。
上で考察した通り、二つの磁気センサ素子20における基準磁化230は、(図5の傾いた矢印で表示された)印加される外部磁場60の方向に偏向する可能性がある。その偏向は、基準磁化230を検知磁化210に対して一層平行にして、二つの磁気センサ素子20の各々における抵抗を低下させる傾向にある。しかし、そのハーフブリッジ式検知回路100の構成は、分圧器の比率Vout/Vinにおける相対的な変化を各磁気センサ素子20で別個に計測された抵抗の相対的な変化よりも小さくする。それは、二つの磁気センサ素子20におけるピニングされた基準磁化230の方向が反対であることにより達成される。従って、ハーフブリッジ式検知回路100は、基準磁化230の偏向に起因する角度誤差AER(従って、全体的な角度誤差AET)を部分的な補正を可能にする。
図4は、図1の単一ブランチ式検知回路10(三角形による線)と図5のハーフブリッジ式検知回路100(単線)とに関して計算された、外部磁場の強さHextの関数としての全体的な角度誤差AETの変化状況を比較している。それらの計算は、検知層21における異方性(Hua)の異なる大きさと基準層23のピニング強度(Hud)に関する異なる大きさに対して行った。ハーフブリッジ式検知回路100は、図1の単一ブランチ式検知回路10と比べて、より小さな全体的な角度誤差AETを示している(図3を参照)。ハーフブリッジ式の回路構成を使用することでは、基準層の有限なピニング強度の補正は完全には達成されない。そのため、角度誤差は、高い磁場で増大し続ける。
従って、広い範囲の磁場(100~1000Oe)で動作する2D角度センサは、超硬磁性(有効ピニング磁場Hud>10kOe)の基準層と超軟磁性(H<3Oe)の検知層とを有する磁気センサ素子20を必要とする。しかし、そのような磁気センサ素子をフルシートレベルで得ることは技術的に難しく、センサレイアウトによって起こる様々な異なる機械強度にさらされる現実のパターン化された磁気センサ素子の場合には殆ど不可能である。
本開示は、複数の磁気センサ素子を備えた2D磁気角度センサ装置であって、
各センサ素子が、ピニング方向にピニングされた基準磁化を有する強磁性基準層と、外部磁場の方向に配向可能な検知磁化を有する強磁性検知層と、基準層と検知層の間のトンネル障壁スペーサ層とを備えた磁気トンネル接合部を有し、
これらの複数のセンサ素子の検知層は、検知磁化の方向が外部磁場に揃った時の角度変位が外部磁場の範囲内において最小となるように、容易軸線がピニング方向に対してほぼ平行な方向に揃った検知用面内一軸磁気異方性を有する、
センサ装置を記載している。
各検知層における磁気異方性の大きさは、全てのセンサ素子に関してほぼ等しく、容易軸線は、常に基準層のピニング方向に沿った方向を向く。
ここで記載した磁気角度センサ装置は、通常の基準層のピニング強度と検知層における有限の異方性を有する通常のMTJスタックを使用可能であり、それでも面内における外部磁場の角度を計測することを可能にし、その際、外部磁場が大きな強さを有し、計測が小さな角度誤差で実行される。
本発明は、例として挙げられ、図面に図示された実施形態の記述の助けを借りて、より良く理解される。
複数の磁気センサ素子を備えた磁気角度センサ装置の模式図である。 MTJ多層スタックから成る磁気センサ素子の側面図である。 検知層における有限の異方性によって、小さな磁場で大きくなると同時に、基準層の有限のピニング強度によって、大きな磁場で大きくなる、2Dセンサの角度誤差の通常の依存性を示す。 単一ブランチ式検知回路とハーフブリッジ式検知回路に関する外部磁場の強さの関数としての全体的な角度誤差の変化状況の比較を示す。 ハーフブリッジ式回路構成で配置された二つの磁気センサ素子を備え、ハーフブリッジの検知軸線が上部の検知素子のピニング方向と一致する検知回路の模式図である。 一つの変化形態による図5のハーフブリッジ式検知回路の出力電圧の歪を示す。 別の変化形態による図5のハーフブリッジ式検知回路の出力電圧の歪を示す。 更に別の変化形態による図5のハーフブリッジ式検知回路の出力電圧の歪を示す。 一つの実施形態による磁気センサ素子の平面図である。 検知層の磁気異方性の強さが20Oeに等しい場合の外部磁場の関数として角度変位をシミュレーションした結果を示す。 検知層の磁気異方性の強さが40Oeに等しい場合の外部磁場の関数として角度変位をシミュレーションした結果を示す。 検知層の磁気異方性の強さが60Oeに等しい場合の外部磁場の関数として角度変位をシミュレーションした結果を示す。
図6は、外部磁場60の強さが50Oe、500Oe及び800Oeの場合の外部磁場60の向きの関数として図5のハーフブリッジ式検知回路100の出力電圧Voutの歪を示す。
外部磁場60の大きな(少なくとも50Oeよりも大きな)強さに関して、基準磁化230の有限の硬磁性が出力電圧Voutの特徴的な「三角」歪を引き起こしている。この歪が、外部磁場60の向きに対して相対的な検知磁化210の向きに角度誤差を生じさせる。50Oeの外部磁場に関して、出力電圧Voutに対応するシミュレーション曲線は、ほぼ正弦形状を有し、角度誤差が最小となっている。500Oeと600Oeの外部磁場60に関して、歪は、より目立つようになって、出力電圧Voutのシミュレーション曲線の形状をより三角形にしている。角度誤差も増大している。
図7は、検知層21における面内一軸異方性の容易軸線と基準磁化230のピニング方向231の間の角度に関して、外部磁場60の向きの関数としての図5のハーフブリッジ式検知回路100の出力電圧Voutの歪を示す。
このタイプの歪の形状は、異方性の容易軸線がピニング方向231に対してどのような方向を向いているのかに依存する。特に、容易軸線がピニング方向231に対してほぼ平行な方向を向いている場合(90°)、ハーフブリッジの出力電圧Voutは、特徴的な「四角形」の形状となる。容易軸線がピニング方向231に対してほぼ直角な方向を向いている場合(0°)、ハーフブリッジの出力電圧Voutは、特徴的な「三角形」の形状となる。
図8は、130Oe、230Oe及び780Oeの外部磁場60の強さに関して、外部磁場60の向きの関数としての図5のハーフブリッジ式検知回路100の出力電圧Voutの歪を示す。検知層21における磁気異方性の容易軸線が基準層のピニング方向231に揃っている。この場合、歪は、検知層210の有限な面内一軸磁気異方性に起因する。この歪は、外部磁場60の強さが低下すると、より目立つようになる。
一つの実施形態では、基準磁化230の有限な硬磁性による出力電圧Voutの「三角」歪を、検知磁化210の容易軸線が基準磁化230のピニング方向231に対してほぼ平行な方向を向いている場合の「四角」歪と組み合わせることによって、「補正」効果を得られる。この補正効果は、互いに打ち消し合って、ハーフブリッジの出力Voutのより良好な正弦形状を提供する二つの歪に対応する。
これらの二つのタイプの歪が外部磁場60に対して逆の依存性を有するので、この補正効果は、外部磁場60の或る強さ範囲内で実現される。
図9に図示された実施形態では、検知層21は、検知磁化210の方向が外部磁場60に揃った時の角度変位が外部磁場60の範囲に対して最小となるように、容易軸線211がピニング方向231に対してほぼ平行である検知用面内一軸磁気異方性を有する。
図9の例では、検知層21の検知用面内一軸磁気異方性は、センサ素子20の楕円形状によって提供され、その際、容易軸線211が、ピニング方向231に対してほぼ平行に揃った、楕円形状の長軸線と一致する。
一つの実施形態では、ピニング方向231における基準磁化230のピニング強度に対する検知層21の検知用磁気異方性の大きさの比率は、外部磁場60の範囲を調整して、その範囲に対して補正効果が得られるように、即ち、その範囲に対して角度変位が最小となるように選定される。そのような調整の例が図10に示される。
例えば、そのような比率は、外部磁場60の所定の範囲内において最小となる角度変位(角度誤差)に対応する補正効果が得られるように選定してよい。例えば、その比率は、中心作用点が800Oeである外部磁場60の約200Oeの範囲内において、角度変位が0.5°以下となるように選定してよい(図10c)。
シミュレーションは、基準磁化230の硬磁性の典型的な値に対して、約200Oeの大きさの外部磁場60の範囲内において、そのような補正効果を得らえることを示す(図10を参照)。この大きさの外部磁場60の範囲内において、角度誤差を0.5°の低さにできる。
従って、検知層21の異方性の容易軸線を基準磁化230のピニング方向231に対してほぼ平行な方向に揃えることは、所望の中心作用点での約200Oeの大きさの外部磁場Hextの範囲内において、小さな角度誤差、例えば、0.5°以下の角度誤差を得られる。
角度誤差が小さくなる、外部磁場60の所望の中心作用点は、基準磁化230のピニング強度に対して検知層21の異方性の強さを調整することによって選定可能である。
検知層21の異方性の強さは、検知層21の検知用磁気異方性が磁気センサ素子20の楕円形状によって提供される場合に、磁気センサ素子20の楕円度を調整することによって調整できる。この楕円度は、検知層21における磁気異方性のそれ以外の源(例えば、成長誘導による異方性、応力誘導による異方性等)を考慮して修正可能である。
図10aから図10cは、20Oe(図10a)、40Oe(図10b)及び60Oe(図10c)に等しい、検知層21の磁気異方性の強さHに関して、外部磁場の関数としての角度変位のシミュレーション結果を示す。
図10aから図10cは、検知層21の磁気異方性の強さHが20Oeに等しい場合には約400Oeから700Oeの外部磁場Hextに対して、検知層21の磁気異方性の強さHが40Oeに等しい場合には約500Oeから800Oeの外部磁場Hextに対して、並びに検知層21の磁気異方性の強さHが60Oeに等しい場合には約700Oeから900Oeの外部磁場Hextに対して、0.5°以下の角度誤差が得られることを示す。
好ましい実施形態では、複数のセンサ素子20は、図5に図示されたハーフブリッジ式検知回路100などのハーフブリッジ回路で、あるいは図11に図示されたフルブリッジ式検知回路200で配置される。このフルブリッジ回路200は、それぞれが二つのセンサ素子20の間に出力電圧Voutを発生する二つのハーフブリッジ回路100を備えている。図12は、二つのフルブリッジ回路200及び200’を備えたフル2Dセンサ装置回路300の例を示す。一方のフルブリッジ回路200の検知軸線250は、他方のフルブリッジ回路200’の検知軸線250に対してほぼ直交方向に配向されている。一方のフルブリッジ回路200は、各ハーフブリッジの二つのセンサ素子20の間に第一の出力電圧Vout1を発生する。他方のフルブリッジ回路200’は、各ハーフブリッジの二つのセンサ素子20の間に第一の出力電圧Vout2を発生する。磁場の角度は、計測された電圧の比率Vout1/Vout2に逆正接関数を適用することによって計算できる。このフル2Dセンサ装置回路300の構成は、面内の全ての向きにおいて外部磁場60(例えば、図12のページ内において水平成分及び垂直成分を有する外部磁場60)を検知可能にする。
検知層21の磁気異方性は、センサ素子20の楕円度によって調整される。
2Dセンサ100、200、300に配備される検知素子20は、検知層21における検知用磁気異方性の強さが等しい。各検知素子20において、検知層21の異方性の容易軸線211が基準層230のピニング方向と一致する。ハーフブリッジ回路100、フルブリッジ回路200又は図12に図示されている通りの二つのフルブリッジ200を備えた回路300の各ブランチ部は、二つのセンサ素子20を備え、一方のセンサ素子20における基準磁化230のピニング方向231は、他方のセンサ素子20における基準磁化230のピニング方向231に対してほぼ直交方向に配向されている。
10 磁気角度センサ装置、検知回路
100 ハーフブリッジ式検知回路
200 フルブリッジ式検知回路
300 フルブリッジ式センサ回路
20 磁気センサ素子
21 強磁性検知層
210 検知磁化
211 検知用磁気異方性の容易軸線
22 トンネル障壁層
23 強磁性基準層
230 基準磁化
231 ピニング方向
24 ピニング層
60、Hext 外部磁場
磁気異方性の強さ
ud 基準層のピニング強度
in 入力電圧
out 出力電圧
θ 角度

Claims (10)

  1. 外部磁場(60)を検知するように構成された磁気角度センサ装置であって、
    センサ装置が、複数の磁気センサ素子(20)を備え、
    各センサ素子(20)が、ピニング方向(231)にピニングされた基準磁化(230)を有する強磁性基準層(23)、外部磁場(60)の方向に配向可能な検知磁化(210)を有する強磁性検知層(21)及び基準層(23)と検知層(21)の間のトンネル障壁スペーサ層(22)を備えた磁気トンネル接合部(2)を有し、
    複数のセンサ素子(20)の中の少なくとも1つの部分の検知層(21)は、検知磁化(210)の方向が外部磁場(60)に揃った時の角度変位が約200Oeの外部磁場(60)の範囲内において0.5°以下となるように、容易軸線(211)がピニング方向(231)に対してほぼ平行な方向に揃った検知用面内一軸磁気異方性を有する、
    センサ装置。
  2. 前記複数のセンサ素子(20)の前記少なくとも1つの部分以外の部分の検知層(21)がほとんど検知用磁気異方性を有していない、請求項1に記載のセンサ装置。
  3. 前記複数のセンサ素子(20)の前記少なくとも1つの部分以外の部分の検知層(21)が、容易軸線(211)がピニング方向(231)に対してほぼ直角方向に揃った検知用面内一軸磁気異方性を有する、請求項1に記載のセンサ装置。
  4. 前記複数のセンサ素子(20)の少なくとも1つの部分の検知層(21)が、長軸線がピニング方向(231)に対してほぼ平行な方向に揃った楕円形状を有する、請求項1から3までのいずれか一つに記載のセンサ装置。
  5. 前記複数のセンサ素子(20)の前記少なくとも1つの部分以外の部分の検知層(21)が、短軸線がピニング方向(231)に対してほぼ平行な方向に揃った楕円形状を有する、請求項3及び4に記載のセンサ装置。
  6. 前記複数のセンサ素子(20)の前記少なくとも1つの部分以外の部分の検知層(21)が、ほぼ円形の形状を有する、請求項2及び4に記載のセンサ装置。
  7. 角度変位が最小となる外部磁場(60)の前記範囲が選定されるように、交換バイアス磁場に対する検知用磁気異方性の大きさの比率が選定される、請求項1から6までのいずれか一つに記載のセンサ装置。
  8. 前記複数のセンサ素子(20)が、ハーフブリッジ(100)又はフルブリッジ(200)の回路で配置されている、請求項1から7までのいずれか一つに記載のセンサ装置。
  9. 並列に接続された二つのフルブリッジからなる回路(200)を備えた、請求項8に記載のセンサ装置。
  10. ハーフブリッジ回路のブランチ部又はフルブリッジに基づく回路(10、100、200)が二つのセンサ素子(20)を備え、一方のセンサ素子(20)における基準磁化(230)のピニング方向(231)が、他方のセンサ素子(20)における基準磁化(230)のピニング方向(231)に対してほぼ直交方向に配向されている、請求項8又は9に記載のセンサ装置。
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