JP2022514642A - 乳児用飲用組成物 - Google Patents

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Abstract

2種以上の食物アレルゲンを含む乳児用飲用組成物であって、当該食物アレルゲンのうちの1種が乳タンパク質である、乳児用飲用組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、食物アレルゲンを含む乳児用飲用組成物に関する。本発明はまた、食物アレルゲンに対する感受性を低減するための乳児用飲用組成物の製造方法及びその使用に関する。
欧州及び北米では、食物アレルギーが、成人のほぼ5%及び小児の8%に影響していると推定される(Sicherer,S.H.and Sampson,H.A.,2014.Journal of Allergy and Clinical Immunology,133(2),pp.291-307)。豪州における集団ベースの研究では、抗原投与により証明される食物アレルギーの有病率が10%を超えることが判明しており、この有病率は世界で最も高い(Osborne,N.J.,et al.,2011.Journal of Allergy and Clinical Immunology,127(3),pp.668-676)。全体的に、食物アレルギー及びアナフィラキシーの有病率は明らかに一貫して増加しており、乳児における食物アレルギー又はアトピー性湿疹の増加が最も大きい(Koplin,J.J.,et al.,2015.Current opinion in allergy and clinical immunology,15(5),pp.409-416)。したがって、有効なアレルギー予防、特に乳児のための予防は、世界的に公衆衛生上の優先事項となっている(Ring,J.,2012.Allergy,67(2),pp.141-143)。
栄養介入は、食物アレルギーの予防及び治療において中心的な役割を果たす。近年、臨床的アプローチは大きく変化しており、乳児期における補完食の早期導入が強い関心を集めるようになっている(Du Toit,G.,et al.,2016.Allergology International,65(4),pp.370-377)。例えば、欧州小児栄養消化器肝臓学会(European Society for Paediatric Gastroenterology、ESPGHAN)の栄養委員会は、現在では、4ケ月齢以降の任意の時点で補完的な栄養補給を開始するときに、アレルゲン性食品を導入してもよいと推奨している(Fewtrell,M.,et al.,2017.Journal of pediatric gastroenterology and nutrition,64(1),pp.119-132)。例えば、ピーナッツアレルギー(重度の湿疹、卵アレルギー、又はこれらの両方を有するもの)のリスクが高い乳児は、4ヶ月齢~11ヶ月齢の間にピーナッツの摂取を導入する必要があると勧められている。したがって、多くの科学者は、食物アレルゲンの早期導入の原則を受け入れている。
生後早期の齢で、例えば4ヶ月齢より前に食物アレルゲンを導入することには、形式及び安全性に関連して課題がある。
例えば、卵、ピーナッツ、種実類、魚、甲殻類、貝類及びゴマなどの一般的な食物アレルゲンは、典型的には、安全性の観点から乳児に好適ではない固形食品の形態である。しかしながら、生後早期の乳児は、固形食品を食べることが不可能である。免疫寛容調査(EAT)研究において、3ケ月齢以降の乳児に、6種の一般的な食物アレルゲンを固形食品の形態で母乳栄養と共に導入した報告がある(Perkin,M.R.,et al.,2016.Journal of Allergy and Clinical Immunology,137(5),pp.1477-1486)。この研究によりプロトコル当たりの保護効果が実証されたが、試験は、アレルゲンの形式がある程度の原因となり、ほとんどの参加者で試験レジメンを遵守できなかったことにより、治療企図解析に全体として失敗した。したがって、食物アレルゲンを液体形式で摂取することは有利である。
液体形式は、乳児用フォーミュラに有効な安全性要件を満たす。主な懸念は、微生物学的な質及び夾雑物である。乳児用飲用組成物の殺菌又は滅菌中の熱変性は、アレルゲンの免疫原性に影響を及ぼすことがある。
したがって、幼い乳児に投与することができる、食物アレルゲンを含む市販の乳児用飲用組成物に対する需要がある。
ホエイタンパク質の変性-Rowlandを示す図。 β-Lgアレルゲン性の残存についてのヒト化RBL脱顆粒アッセイを示す図。 還元サンプルを示す図。
[発明の概要]
本発明によると、2種以上の食物アレルゲンを含む乳児用飲用組成物であって、当該食物アレルゲンのうちの1種が乳タンパク質である、乳児用飲用組成物が提供される。
乳児用飲用組成物は、液体形式で摂取することができる。したがって、いくつかの好ましい実施形態では、組成物は粉末形態であり、好ましくはこの粉末形態を水で再構成することができる。他の好ましい実施形態では、組成物はレディー・トウ・ドリンクの形態である。
穏やかな殺菌及び/又は滅菌を使用して、食物アレルゲンを含む乳児用飲用組成物を提供することができる。加熱処理中に用いる保持温度及び/又は保持時間を低減することで、アレルゲンの熱分解を低減すること又は最小限に抑えることができる。
一実施形態では、乳児用飲用組成物は殺菌されている。いくつかの実施形態では、乳児用飲用組成物は、61.9℃~65℃、好ましくは62℃~64℃の温度での殺菌を経たものであり、好ましくは、当該殺菌は、少なくとも30分間又は少なくとも35分間行われる。
いくつかの実施形態では、乳児用飲用組成物は滅菌されている。滅菌は、間接的又は直接的超高温加熱処理によるものでもよい。いくつかの実施形態では、乳児用飲用組成物は、好ましくは125℃~135℃、又は130℃~134℃、又は131℃~133℃、例えば約132℃の温度での、間接的超高温加熱処理を経たものである。滅菌は、少なくとも30秒間、又は少なくとも60秒間、例えば30~80秒間、又は60~70秒間行うことができる。
いくつかの実施形態では、乳児用飲用組成物は、好ましくは136℃~140℃の温度で約15~25秒間、例えば約20秒間、又は140℃~144℃の温度で約5~15秒間、例えば10秒間の、直接的超高温加熱処理を経たものである。別の実施形態では、直接的UHT加熱処理は、150℃~154℃の温度で約2~4秒間であってもよい。
いくつかの実施形態では、滅菌は、超短時間滅菌(USS)であってもよい。いくつかの実施形態では、乳児用飲用組成物は、155℃~170℃の温度で1秒未満の超短時間滅菌(USS)加熱処理を経たものである。
いくつかの実施形態では、穏やかな加熱処理は、72℃~90℃、例えば72℃~80℃の温度で10~30秒間、又は80℃~89℃で2~20秒間、例えば80℃~84℃で4~20秒間、又は85℃~89℃で1~10秒間行うことができる。
いくつかの実施形態では、乳児用飲用フォーミュラ組成物、又は乳児用フォーミュラ組成物の乳タンパク質含有成分には、精密濾過工程を経た後に穏やかな加熱処理をすることができる。
組成物は、例えば、0.01~0.03g/mLの当該食物アレルゲンを含有してもよい。いくつかの実施形態では、組成物中の当該食物アレルゲンの総量は、1食当たり0.5~5グラムであり、好ましくは、1食分量は15~250mLである。
食物アレルゲンは、任意の既知の食物アレルゲンであってもよい。好ましくは、食物アレルゲンは、乳、卵、穀物(小麦、ライ麦、大麦、オート麦)タンパク質、大豆、ピーナッツ、種実類(アーモンド、ヘーゼルナッツ、クルミ、カシュー、ペカンナッツ、ブラジルナッツ、松果、ピスタチオナッツ、マカダミナッツなど)、魚、甲殻類、貝類、セロリ及び根セロリ、カラシ及びゴマからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、組成物は、当該食物アレルゲンのうちの3種以上、又は4種以上、又は5種以上、又は6種以上、又は7種以上、又は8種以上、又は9種以上、又は全てを含む。一実施形態では、乳児用飲用組成物は、乳タンパク質及び卵タンパク質を含む。
組成物は、0ヶ月齢~12ヶ月齢、6週齢~12ヶ月齢、0ヶ月齢~6ヶ月齢、6週齢~6ヶ月齢、0ヶ月齢~4ヶ月齢、又は6週齢~4ヶ月齢の乳児に使用するためのものであってもよい。一実施形態では、組成物は、約1ヶ月齢~約8ヶ月齢、例えば約1ヶ月齢~約7ヶ月齢、又は約1ヶ月齢~約6ヶ月齢の乳児に使用するためのものである。一実施形態では、組成物は、約1ヶ月齢~約4ヶ月齢、又は約1ヶ月齢~約3ヶ月齢の乳児に使用するためのものである。
乳児用飲用組成物は、1種以上の担体を更に含んでもよく、好ましくは、担体は脱脂粉乳及び/又はラクトースである。
乳児用飲用組成物は、プロバイオティクス及び/又はヒトミルクオリゴ糖を更に含んでもよい。
一実施形態では、食物アレルゲンのうちの少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%は未変性である。
一態様では、本発明は、乳児において当該食物アレルゲンに対するアレルギーの低減又は予防に使用するための、本明細書で規定される乳児用飲用組成物を提供する。
別の態様では、本発明は、有効量の本明細書で規定される乳児用飲用組成物を投与することによって、乳児におけるアレルギーを低減又は予防する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、本明細書で規定される乳児用飲用組成物の製造方法であって、
i)2種以上の食物アレルゲンをブレンドして混合物を形成する工程であって、当該アレルゲンのうちの1種が乳タンパク質である、工程と、
ii)当該混合物を均質化する工程と、
iii)当該混合物を殺菌する工程と、
iv)任意選択で、当該混合物を噴霧乾燥する工程と、を含み、
好ましくは、殺菌が、61.9℃~65℃、好ましくは62℃~64℃の温度で行われ、好ましくは、当該殺菌は、少なくとも30分間又は少なくとも35分間行われる、方法を提供する。
別の態様では、本発明は、本明細書で規定される乳児用飲用組成物の製造方法であって、
i)2種以上の食物アレルゲンをブレンドして混合物を形成する工程であって、当該アレルゲンのうちの1種が乳タンパク質である、工程と、
ii)当該混合物を均質化する工程と、
iii)当該混合物を滅菌する工程と、
iv)任意選択で、当該混合物を噴霧乾燥する工程と、を含む、方法を提供する。
滅菌は、本明細書に記載の間接的超高温加熱処理であってもよい。滅菌は、本明細書に記載の直接的超高温加熱処理であってもよい。
本明細書で使用する場合、用語「含む(comprising)」、「含む(comprises)」、及び「から構成される(comprised of)」は、「含む(including)」又は「含む(includes)」又は「含有する(containing)」又は「含有する(contains)」と同義であり、他を包含し得るものであり、すなわちオープンエンドであり、かつ追加の、列挙されていない構成、要素、又は工程を除外しない。用語「含む(comprising)」、「含む(comprises)」、及び「から構成される(comprised of)」はまた、用語「からなる(consisting of)」を含む。
乳児用飲用組成物
本明細書で使用するとき、用語「乳児用飲用組成物」とは、乳児による摂取に好適な組成物を意味する。乳児用飲用組成物の例としては、乳児用栄養栄養補助食品及び乳児用フォーミュラが挙げられるが、これらに限定されない。
生後4ヶ月齢までの乳児は、通常、固形食品を摂取することが不可能である。したがって、固形食品による食物アレルゲンの導入は不可能であり、液体形式で食物アレルゲンを摂取することが有利である。したがって、好ましい実施形態では、乳児用飲用組成物は、液体形式で準備及び/又は摂取することができる。いくつかの実施形態では、乳児用飲用組成物は、固形食品を食べることができない乳児に使用するためのものである。
好ましい実施形態では、乳児用飲用組成物は、乳児用栄養補助食品である。栄養補助食品は、母乳及び/又は乳児用フォーミュラに加えて提供することができる。したがって、好ましい実施形態では、乳児用飲用組成物は、0ヶ月齢~12ヶ月齢、6週齢~12ヶ月齢、0ヶ月齢~6ヶ月齢、6週齢~6ヶ月齢、4ヶ月齢~6ヶ月齢、好ましくは0ヶ月齢~4ヶ月齢又は6週齢~4ヶ月齢の乳児による摂取に好適な乳児用栄養補助食品である。一実施形態では、組成物は、約1ヶ月齢~約8ヶ月齢、例えば約1ヶ月齢~約7ヶ月齢、又は約1ヶ月齢~約6ヶ月齢の乳児に使用するためのものである。一実施形態では、組成物は、約1ヶ月齢~約4ヶ月齢、又は約1ヶ月齢~約3ヶ月齢の乳児に使用するためのものである。
乳児用栄養補助食品は、(食物アレルゲンの供給源によって提供されるものに加えて):タンパク質;脂肪(脂質):炭水化物;並びに必須ビタミン及びミネラルのうちの1種以上を更に含んでもよい。乳児用栄養補助食品は、甘味剤、香味剤、及び/又は着色剤を更に含んでもよい。
他の実施形態では、乳児用飲用組成物は、追加のタンパク質;脂肪;炭水化物、及び/又は必須ビタミン及びミネラルを含まない。例えば、いくつかの実施形態では、乳児用飲用組成物は、食物アレルゲンの供給源、及び含まれる場合、任意選択で1種以上の担体によって提供されるもの、以外の成分を全く含まない。
他の実施形態では、乳児用飲用組成物は、乳児用フォーミュラ又はフォローオンフォーミュラである。表現「乳児用フォーミュラ」とは、特に生後4ヶ月~6ヶ月の乳児における栄養摂取を目的とした食品であって、当該食品そのものがこの時期の乳児の栄養所要量を満たすものである、食品を意味する。表現「フォローオンフォーミュラ」とは、特に生後4ヵ月以降の乳児における栄養摂取を目的とした食品であって、この対象者の次第に多様化する食事における主な液体要素を構成する食品を意味する。
乳児用フォーミュラの要件は、当業者に公知である。例えば、推奨及び要件は、欧州小児栄養消化器肝臓学会(ESPGHAN)によって、例えば、Koletzko,B.,et al.,2005.「Global standard for the composition of infant formula:recommendations of an ESPGHAN coordinated international expert group」Journal of pediatric gastroenterology and nutrition,41(5),pp.584-599で提示されている。典型的には、すぐに摂取できる状態の液体形態の乳児用フォーミュラ(例えば、粉末から再構成されたもの)は、60kcal/100mL~70kcal/100mLを提供する。乳児用フォーミュラは、典型的には、100kcal当たり、約1.8~4.5gのタンパク質;約3.3~6.0gの脂肪(脂質);約300~1200mgのリノール酸;ラクトース、スクロース、グルコース、グルコースシロップ、デンプン、マルトデキストリン及びマルトース、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される約9~14gの炭水化物;並びに必須ビタミン及びミネラルを含む。
いくつかの実施形態では、乳児用飲用組成物は、1種以上の担体を更に含む。本明細書で使用するとき、用語「担体」は、賦形剤、充填剤、増量剤、希釈剤、着色剤、安定剤、増粘剤、結合剤、香味剤などのような有用な任意の物質である。好ましくは、1種以上の担体には、脱脂粉乳及び/又はラクトースが含まれる。最も好ましくは、担体は、脱脂粉乳及び/又はラクトースである。
いくつかの実施形態では、乳児用飲用組成物は、プロバイオティクス及び/又はヒトミルクオリゴ糖(例えばプレバイオティクス)及び/又はポストバイオティクスを更に含む。
用語「プロバイオティクス」は、宿主の健康又はウェル・ビーイングに有益な効果を有する微生物細胞調製物又は微生物細胞の成分を指す(Salminen,S.et al.(1999)Trends Food Sci.Technol.10:107-10)。
具体的には、プロバイオティクスは、腸内バリア機能を改善することができる(Rao,R.K.(2013)Curr.Nutr.Food Sci.9:99-107)。
本発明の組成物に使用するためのプロバイオティクス微生物の例としては、酵母、例えばサッカロマイセス、デバリオマイセス、カンジダ、ピキア及びトルロプシス、並びに細菌、例えばビフィドバクテリム属、バクテロイデス属、クロストリジウム属、フソバクテリウム属、メリソコッカス属、プロピオニバクテリウム属、ストレプトコッカス属、エンテロコッカス属、ラクトコッカス属、スタフィロコッカス属、ペプトストレプトコッカス属、バチルス属、ペディオコッカス属、ミクロコッカス属、ロイコノストック属、ワイセラ属、アエロコッカス属、オエノコッカス属及びラクトバチルス属が挙げられる。
好適なプロバイオティクス微生物の具体例は、サッカロマイセス・セレビシエ、バチルス・コアグランス、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・スブチリス、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・ロンガム、エンテロコッカス・フェシウム、エンテロコッカス・フェカリス、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバシラス・アリメンタリウス、ラクトバシラス・カゼイ亜種カゼイ、ラクトバチルス・カゼイ・シロタ、ラクトバチルス・カルバタス、ラクトバシラス・デルブリッキー亜種ラクティス、ラクトバチルス・ファルシミナス、ラクトバチルス・ガセリ、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ラクトバチルス・ジョンソニ、ラクトバチルス・ラムノーサス(ラクトバチルスGG)、ラクトバチルス・サケ、ラクトバチルス・ラクティス、ミクロコッカス・バリアンス、ペディオコッカス・アシディラクティシ、ペディオコッカス・ペントサス、ペディオコッカス・アシディラクティシ、ペディオコッカス・ハロフィルス、ストレプトコッカス・フェカリス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、スタフィロコッカス・カルノーシス及びスタフィロコッカス・キシローサスである。
例示的なプロバイオティクス細菌株としては、ラクトバチルス・ラムノーサス;ラクトバチルス・ラムノーサスLPR(CGMCC1.3724);とりわけChristian Hansen(Denmark)が商標名BB12で販売するビフィドバクテリウム・ラクティスBL818(CNCM1-3446)、及び森永乳業が商品名BB536で販売するビフィドバクテリウム・ロンガムBL999(ATCC BAA-999)が挙げられる。
プレバイオティクスは通常、胃又は小腸において分解されず吸収されないという意味で難消化性である。したがって、プレバイオティクスは大腸に入る際にインタクトのままであり、大腸で有益な細菌により選択的に発酵される。プレバイオティクスの例としては、フラクトオリゴ糖(FOS)、イヌリン、キシロオリゴ糖(XOS)、ポリデキストロース、又はこれらの任意の混合物といったある種のオリゴ糖が挙げられる。特定の実施形態では、プレバイオティクスは、フラクトオリゴ糖及び/又はイヌリンであってもよい。一例は、短鎖フラクトオリゴ糖70%とイヌリン30%との組み合わせであり、これはNesteにより商標「Prebio1」で登録されている。
特定の実施形態では、プレバイオティクスは、ヒトミルクオリゴ糖であってもよい。ヒトミルクオリゴ糖(HMO)は、総じてヒト母乳において乳糖及び脂肪に続き3番目に多い固形成分である。HMOは、通常、炭水化物コアの還元末端にラクトースを含み、非還元末端には多くの場合フコース又はシアル酸を含有する。約100種のミルクオリゴ糖が単離され特定されている。多くの乳児用フォーミュラが、異なる目的のために、フコシル化オリゴ糖、ラクト-N-テトラオース、ラクト-N-ネオテトラオース、又はシアリル化オリゴ糖などのHMO成分を使用して開発されてきた。
ポストバイオティクスは、宿主において生物学的活性を有する、プロバイオティクス微生物由来であって生存活性のない細菌産物又は代謝副産物である。例示的なポストバイオティクスとしては、短鎖脂肪酸、酵素、ペプチド、多糖類、細胞表面タンパク質、又はビタミンなどの発酵中に産生される生理活性成分が挙げられる。ポストバイオティクスは、腸を通して免疫機能を支援することができる。
乳児用飲用組成物は、粉末形態であってもよく、この粉末形態は、液体形式に再構成した後、摂取することができる。好ましい実施形態では、乳児用飲用組成物は、水で再構成された後に摂取される。好ましくは、組成物は、水で再構成され、1食分を提供することができる。
他の好ましい実施形態では、組成物はレディー・トウ・ドリンクの形態である。レディー・トウ・ドリンク組成物は、ボトルで提供することができる。好ましくは、ボトルは、1食分の食物アレルゲンを提供する。
本明細書で使用するとき、用語「1食分」とは、1名の乳児によって1回の補給において摂取されることが推奨される分を意味する。当業者であれば、具体的な1食分又は用量のサイズは、年齢、体重、全身の健康状態、食生活、及び投与時間などの様々な因子に応じて異なることを認識する。したがって、いくつかの実施形態では、1食分は、0.5~5g、1~4g、又は2~3gの総食物アレルゲンを提供することができる。1食分は、例えば、15~250mL、35~200mL、50~150mL、75~125mL、10~100mL、50~90mL、60~80mL、又は約70mLの乳児用飲用組成物を含んでもよい。一実施形態では、1食分は、15~250mL、又は50~150mL中に、0.5~5gの総食物アレルゲンを提供する。
いくつかの実施形態では、乳児用飲用組成物は、0.01~0.1g/mL、好ましくは0.01~0.05g/mL、又は最も好ましくは0.01~0.03g/mLの総食物アレルゲンを含有する。
食物アレルゲン
本明細書で使用するとき、用語「食物アレルゲン」は、異常な免疫応答を引き起こすタンパク質又はその誘導体を指す。精製された食物アレルゲンは、世界保健機関及び国際免疫学会連合のAllergen Nomenclature Sub-Committeeの体系的な命名法を使用して命名することができる。アレルゲン名は、その供給源の学名の省略表記(属名:3~4文字;種名:1~2文字)及びアラビア数字で構成されており、例えば、Der p 1は、イエダニDermatophagoides pteronyssinusから報告された最初のアレルゲンである。食物アレルゲンは、プロテアーゼ、リガンド結合タンパク質、構造タンパク質、病因関連タンパク質、脂質伝達タンパク質、プロフィリン、及びカルシウム結合タンパク質を含む様々な生物学的機能を有するタンパク質から誘導される。
食物アレルゲンのリストは、WHO/IUIS Allergen Nomenclature Database,http://www.allergen.org/index.php.(Radauer,C.,et al.,2014.Allergy,69(4),pp.413-419 and Pomes,A.,et al.,2018.Molecular immunology)の公式ウェブサイトに提供されている。
本発明は、異なる食物素材に由来する2種以上の食物アレルゲンを含む乳児用飲用組成物であって、当該食物アレルゲンのうちの1種が乳である、乳児用飲用組成物を提供する。好ましくは、1種以上の他の食物アレルゲンは、卵、穀物(小麦、ライ麦、大麦、オート麦)タンパク質、大豆、ピーナッツ、種実類(アーモンド、ヘーゼルナッツ、クルミ、カシュー、ペカンナッツ、ブラジルナッツ、松果、ピスタチオナッツ、マカダミナッツなど)、魚、甲殻類、貝類、セロリ及び根セロリ、カラシ及びゴマからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、乳児用飲用組成物は、当該食物アレルゲンのうちの3種以上(すなわち、乳タンパク質、卵タンパク質、小麦タンパク質、大豆タンパク質、ピーナッツタンパク質、種実類タンパク質、魚タンパク質、甲殻類タンパク質、貝類タンパク質及びゴマタンパク質からなる群から選択される3種以上)、又は4種以上、又は5種以上、又は6種以上、又は7種以上、又は8種以上、又は9種以上、又は10種以上を含む。
一実施形態では、乳児用飲用組成物は、乳タンパク質及び卵タンパク質を含む。
一実施形態では、乳児用飲用組成物は、乳タンパク質及びピーナッツタンパク質を含む。
一実施形態では、乳児用飲用組成物は、乳タンパク質及び種実類タンパク質を含む。
一実施形態では、乳児用飲用組成物は、乳タンパク質及び小麦タンパク質を含む。
一実施形態では、乳児用飲用組成物は、乳タンパク質及び魚タンパク質を含む。
一実施形態では、乳児用飲用組成物は、乳タンパク質及び大豆タンパク質を含む。
一実施形態では、乳児用飲用組成物は、乳タンパク質及び甲殻類タンパク質を含む。
一実施形態では、乳児用飲用組成物は、乳タンパク質及び貝類タンパク質を含む。
一実施形態では、乳児用飲用組成物は、乳タンパク質及びゴマタンパク質を含む。
一実施形態では、乳児用飲用組成物は、乳タンパク質、卵タンパク質及びピーナッツタンパク質を含む。
一実施形態では、乳児用飲用組成物は、乳タンパク質、卵タンパク質、ピーナッツタンパク質及び種実類タンパク質を含む。
一実施形態では、乳児用飲用組成物は、乳タンパク質、卵タンパク質及び魚タンパク質を含む。
一実施形態では、乳児用飲用組成物は、乳タンパク質、卵タンパク質、ピーナッツタンパク質、種実類タンパク質及び魚タンパク質を含む。
一実施形態では、乳児用飲用組成物は、卵タンパク質、小麦タンパク質、大豆タンパク質、ピーナッツタンパク質、種実類タンパク質、魚タンパク質、甲殻類タンパク質、貝類タンパク質及びゴマタンパク質を含む。
一実施形態では、乳児用飲用組成物は、本明細書で言及されるもの以外の更なる食物アレルゲンを全く含まない。
いくつかの実施形態では、各食物アレルゲンの量は、ほぼ同じである。例えば、1食分の乳児用飲用組成物は、各食物アレルゲンを、約0.01g~約1g、約0.05g~約0.5g、又は約0.1g~約0.5g含んでもよい。
食物アレルゲン、例えば、ピーナッツアレルゲンなどは、タンパク質の混合物であってもよい。いくつかの実施形態では、食物アレルゲンは、前記食品製品のアレルゲン性成分を、1種以上、2種以上、3種以上、4種以上、実質的に全て、又は全て含む。例えば、いくつかの実施形態では、乳タンパク質は、乳由来のアレルゲン性タンパク質を、1種以上、2種以上、3種以上、4種以上、実質的に全て、又は全て含む。特定の食品製品の既知のアレルゲン性タンパク質の例は、当業者に公知である。
乳タンパク質
牛乳は、乳児の食物アレルギーにおける最も一般的なアレルギー源であり、乳幼児の1.4%~3.8%に影響している(Du Toit,G.,et al.,2016.Allergology International,65(4),pp.370-377.)。このアレルギーは、じんましん、血管性浮腫及び/又はアナフィラキシーなどの即時型の反応を伴うIgE介在性のものであり得、あるいは、多くの場合皮膚又は胃腸症状を伴って現れる、非IgE介在性のものであり得る(Du Toit,et al.)。
牛乳タンパク質に早期暴露することは、IgE介在性の牛乳タンパク質アレルギーに対する防御になることが示されている(Katz,Y.,et al.,2010.Journal of Allergy and Clinical Immunology,126(1),pp.77-82)。
乳アレルゲン(IgE介在性応答を示すものなど)は、当該技術分野において既知であり、例えば、Wal,J.M.,2002.Annals of Allergy,Asthma & Immunology,89(6),pp.3-10 and provided by the WHO/IUIS Allergen Nomenclature Databaseに記載されている。
乳タンパク質は、好ましくは牛乳タンパク質である。いくつかの実施形態では、乳タンパク質は、α-ラクトアルブミン(Bos d 4)、β-ラクトグロブリン(Bos d 5)、ウシ血清アルブミン(Bos d 6)、免疫グロブリン(Bos d 7)、カゼイン(Bos d 8)、例えばαS1-カゼイン(Bos d 9)、αS2-カゼイン(Bos d 10)、β-カゼイン(Bos d 11)及びκ-カゼイン(Bos d 11)からなるリストから選択されるタンパク質のうちの1種以上を含む。
卵タンパク質
卵アレルギーは、2番目に一般的な食物アレルギーであり、その有病率は約2.5%である(Du Toit,et al.)。卵を早期導入すると、卵アレルギーの有病率が低減されることが示されている(Perkin,M.R.,et al.,2016.Journal of Allergy and Clinical Immunology,137(5),pp.1477-1486.)。免疫寛容調査(Enquiring About Tolerance、EAT)研究により、卵アレルギーの発症は、標準的な導入群では5.4%であったのに対し、早期導入群では3.7%であったことが判明した(相対的な低減率31%)。
卵アレルゲンは当該技術分野において既知であり、例えば、Amo,A.,et al.,2010.Journal of agricultural and fwood chemistry,58(12),pp.7453-7457に記載されており、WHO/IUISのアレルゲン命名法データベースで提示されている。
卵タンパク質は鶏卵タンパク質であってもよい。いくつかの実施形態では、卵タンパク質は、オボムコイド(Gal d 1)、オボアルブミン(Gal d 2)、オボトランスフェリン(Gal d 3)、リゾチームC(Gal d 4)からなるリストから選択されるタンパク質のうちの1種以上を含む。いくつかの実施形態では、卵タンパク質は、オボムコイド(Gal d 1)、オボアルブミン(Gal d 2)、オボトランスフェリン(Gal d 3)、リゾチームC(Gal d 4)、α-リベチン/血清アルブミン(Gal d 5)、卵黄糖タンパク質42(YGP42 Gal d 6)、ミオシン軽鎖1f(Gal d 7)、α-パルブアルブミン(Gal d 8)、β-エノラーゼ(Gal d 9)、アルドラーゼ(Gal d 10)からなるリストから選択されるタンパク質のうちの1種以上を含む。
ピーナッツタンパク質
ピーナッツアレルギーは、有病率が乳又は卵アレルギーほど一般的ではないものの、生命を脅かすアナフィラキシーを誘導する場合がある。ピーナッツアレルギーの危険性が高い乳児の同定(LEAP)研究からの結果は、このリスクが高いアトピーの小児のコホートにおいて、早期の導入及びピーナッツの定期的に進める摂取により、ピーナッツアレルギーを有する60ケ月齢の小児の人数の、ピーナッツを回避した小児に対する有意な低減(81%の相対的減少、治療分析の意図)がもたらされることを実証した(Du Toit,G.,et al.,2013.Journal of Allergy and Clinical Immunology,131(1),pp.135-143)。EAT試験はまた、早期導入群では、ピーナッツアレルギーの有病率が標準導入群と比較して少なかったこと(0%対2.5%、p=0.003)も実証した。
ピーナッツアレルゲンは当該技術分野において既知であり、例えば、これらはKrause,S.,et al.,2009.Journal of Allergy and Clinical Immunology,124(4),pp.771-778に記載されており、WHO/IUISのアレルゲン命名法データベースで提示されている。
いくつかの実施形態では、ピーナッツの種はアラキス・ヒポゲアである。いくつかの実施形態では、ピーナッツタンパク質は、キュピン(ビシリン型、7Sグロブリン、Ara h 1、及びレグミン型、11Sグロブリン、グリシン、Ara h 3)、2Sアルブミン(Ara h 2 6 7)、プロフィリン(Ara h 5)、病因関連タンパク質、PR-10(Ara h 8)、非特異的脂質輸送タンパク質1型(Ara h 9、Ara h 16、Ara h 17)、オレオシン(Ara h 10、Ara h 11、Ara h 14及び15)、ディフェンシン(Ara h 12及び13))からなるリストから選択されるタンパク質のうちの1種以上を含む。
小麦タンパク質
穀物粒への初期暴露が生後6ヶ月以降に遅れると、小麦アレルギーを発症するリスクが増大し得ることが報告されている(Poole,J.A.,et al.,2006.Pediatrics,117(6),pp.2175-2182.)。Pooleらによる研究では、親から報告される小麦アレルギーの有病率は1%であり、調査の対象となった小児のうちの4名(0.25%)は検出可能な小麦特異的IgE抗体を有していた。これらの4名の小児の全員で、穀物粒への初回暴露が生後6ヶ月以降であった。したがって、小麦を早期導入すると、小麦アレルギーの発症のリスクを低減することができる。
小麦アレルゲンは当該技術分野において既知であり、例えば、Tatham,A.S.and Shewry,P.R.,2008.Clinical & Experimental Allergy,38(11),pp.1712-1726に記載されており、WHO/IUISのアレルゲン命名法データベースで提示されている。
いくつかの実施形態では、小麦の種は、トリチクム・アエスチバムである。いくつかの実施形態では、小麦タンパク質は、非特異的脂質輸送タンパク質1(Tri a 14)、β-アミラーゼ(Tri a 17)、アグルチニンイソレクチン1(Tri a 18)、ω-5グリアジン(Tri a 19)、γグリアジン(Tri a 20)、チオレドキシン(Tri a 25)、高分子量グルテニン(Tri a 26)、低分子量グルテニンGluB3-23(Tri a 36)、αプロチオニン(Tri a 37)、NFKB1のミトコンドリアユビキチンリパーゼ活性化因子(Tri a 41)、Tri a 42及びTri a 43(cDNAからの仮想的なタンパク質)、胚乳輸送細胞特異的PR60前駆体(Tri a 44)、伸長因子1(Tri a 45)からなるリストから選択されるタンパク質のうちの1種以上を含む。
大豆タンパク質
米国では乳幼児の約0.4%が大豆アレルギーの影響を受けている(Kattan,J.D.and Sampson,H.A.,2015.The Journal of Allergy and Clinical Immunology:In Practice,3(6),pp.970-972)。大豆を早期導入すると、大豆アレルギーの発症のリスクを低減することができる。
大豆アレルゲンは当該技術分野において既知であり、例えば、Kattan,J.D.and Sampson,H.A.,2015.Journal of Allergy and Clinical Immunology:In Practice,3(6),pp.970-972に記載されており、WHO/IUISのアレルゲン命名法データベースで提示されている。
いくつかの実施形態では、大豆の種は、グリシン・マックスである。いくつかの実施形態では、大豆タンパク質は、プロフィリン(Gly m 3)、病因関連タンパク質PR-10(Gly m 4)、β-コングリシニン(Gly m 5)、グリシニン(Gly m 6)、種子ビオチニル化タンパク質(Gly m 7)及び2Sアルブミン(Gly m 8)からなるリストから選択されるタンパク質のうちの1種以上を含む。
種実類タンパク質
種実類を早期導入すると、種実類アレルギーの発症のリスクを低減することができる(Frazier,A.L.,et al.,2014.JAMA pediatrics,168(2),pp.156-162.)。例えば、Frazierらは、種実類アレルギーのない母親のうち、妊娠中の種実類の摂取が多かった母親の子供では、種実類アレルギーのリスクが低くなることを報告している。この報告により、早期のアレルゲン暴露が寛容性を増大させ、小児期の食物アレルギーのリスクを低下させるという仮説の裏付けが示された。
種実類アレルゲンは当該技術分野において既知であり、例えば、Roux,K.H.,et al.,2003.International archives of allergy and immunology,131(4),pp.234-244に記載されており、WHO/IUISのアレルゲン命名法データベースで提示されている。
いくつかの実施形態では、種実類の種は、ヘーゼルナッツ、クルミ、カシュー、アーモンド、ペカン、栗、ブラジルナッツ、松果、マカダミアナッツ、ピスタチオ、ココナッツ、ナンガイナッツ及びドングリからなる群のうちの1種以上から選択される。いくつかの実施形態では、種実類の種は、ヘーゼルナッツ、クルミ、カシュー、及びアーモンドである。いくつかの実施形態では、種実類タンパク質は、脂質輸送タンパク質、プロフィリン、Bet v1関連ファミリーのメンバー、レグミン、ビシリン、アルブミンからなるリストから選択される1種以上のタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、種実類タンパク質は、Cor a 1、2、8、9、11~14(ヘーゼルナッツ);Jug n 1、2、4(クログルミ);Jug r 1~8(セイヨウグルミ);Ana o 1~3(カシュー);Pru du 3~6及びPru du 8(アーモンド);Car i 1、2、4(ペカン);Cas s 5、8、9(栗);Ber e 1、2(ブラジルナッツ);並びにPis v 1~5(ピスタチオ)からなるリストから選択される1種以上のタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、種実類タンパク質は、Cor a 1、2、8、9、11~14;Jug n 1、2、4;Jug r 1~8;Ana o 1~3;Pru du 3~6からなるリストから選択される1種以上のタンパク質を含む。
魚タンパク質
魚を早期導入すると、魚アレルギーの発症のリスクを低減することができる(Kull,I.,et al.,2006.Allergy,61(8),pp.1009-1015.)。例えば、Kullらは、1歳までの定期的な魚の摂取が、生後4年間の食物アレルゲン及び吸入性アレルゲンに対するアレルギー疾患及び感作のリスク低減と関連していると見られることについて報告している。
魚アレルゲンは当該技術分野において既知であり、例えば、Poulsen,L.K.,et al.,2001.Allergy,56,pp.39-42に記載されており、WHO/IUISのアレルゲン命名法データベースで提示されている。
いくつかの実施形態では、魚の種は、タラ、ニシン、マス、マグロ、サケ、コダラ、マサバ、サバ、ウナギ、シー・パーチ(sea perch)、アジ、イワシ、スズキ(perch)、プレイス、ヒラメ、カレイ、コウイカ、オヒョウ、メルルーサ、メグリム、カジキ、カタクチイワシ、パイク及びコイからなる群のうちの1種以上から選択される。いくつかの実施形態では、魚の種は、タラ、ニシン、プレイス及びサバからなる群のうちの1つ以上から選択される。いくつかの実施形態では、魚の種は、タラである。いくつかの実施形態では、魚タンパク質は、Gad c 1、Clu h 1、及びRas k 1からなるリストから選択されるタンパク質のうちの1種以上を含む。
甲殻類及び貝類タンパク質
アジアでの有病率に関する最新のデータでは、小児で40%及び成人で33%にも及ぶ顕著な感作因子として、海産食品が際立っている(Lopata,A.L.and Lehrer,S.B.,2009.Current opinion in allergy and clinical immunology,9(3),pp.270-277.)。甲殻類又は貝類を早期導入すると、甲殻類アレルギー又は貝類アレルギーの発症のリスクを低減することができる(Fleischer,D.M.,et al.,2013.The Journal of Allergy and Clinical Immunology:In Practice,1(1),pp.29-36)。
甲殻類及び貝類アレルゲンは当該技術分野において既知であり、例えば、Lopata,A.L.,et al.,2010.Clinical & Experimental Allergy,40(6),pp.850-858に記載されており、WHO/IUISのアレルゲン命名法データベースで提示されている。
いくつかの実施形態では、甲殻類の種は、カニ、ロブスター、エビ及び小エビからなる群のうちの1種以上から選択される。いくつかの実施形態では、貝類の種は、アワビ、カタツムリ、ウェルク(ツブ貝)、アサリ、カキ、ホタテ、ムール貝、ザルガイ、イカ、タコからなる群のうちの1つ以上から選択される。いくつかの実施形態では、甲殻類タンパク質は、トロポミオシン(Cha f 1、Cra c 1、Exo e 1、Hom a 1、Lit v 1、Pan s 1、Mac r 1、Mel l 1、Met e 1、Pan b 1、Pen i 1、Pen m 1、Por p 1、Pro c 1)、ミオシン軽鎖2(Hom a 3)、トロポニンC(Hom a 6)からなるリストから選択されるタンパク質のうちの1種以上を含む。いくつかの実施形態では、貝類タンパク質は、Hal m 1、及びトロポミオシン(Hel as 1、Cra g 1、Sac g 1、Tod p 1)からなるリストから選択されるタンパク質のうちの1種以上を含む。
ゴマタンパク質
多くの場合、最近になってアレルゲンとしてみなされるようになっているゴマに対するアレルギーは、米国外の研究によると、小児の0.10~0.79%に影響していると推定されている(Sicherer,S.H.,et al.,2010.Journal of Allergy and Clinical Immunology,125(6),pp.1322-1326)。ゴマを早期導入すると、ゴマアレルギーの発症のリスクを低減することができる。例えば、ゴマは、EAT試験中にアレルゲンとして選択されている(Perkin,M.R.,et al.,2016.Journal of Allergy and Clinical Immunology,137(5),pp.1477-1486)。
ゴマアレルゲンは当該技術分野において既知であり、例えば、Beyer,K.,et al.,2002.Journal of Allergy and Clinical Immunology,110(1),pp.154-159に記載されており、WHO/IUISのアレルゲン命名法データベースで提示されている。
いくつかの実施形態では、ゴマの種は、Sesamum indicumである。いくつかの実施形態では、ゴマタンパク質は、2sアルブミン(Ses i 1、2);、7Sビシリン様グロブリン(Ses i 3)、オレオシン(Ses i 4、5)、及び11Sグロブリン(Ses i 6、7)からなるリストから選択されるタンパク質のうちの1種以上を含む。
加熱処理
本発明の組成物は、好ましくは、穏やかな加熱処理、例えば穏やかな殺菌及び/又は滅菌を経たものである。加熱処理中の保持温度及び/又は保持時間を減じると、アレルゲンの変性の程度を低減することができる。
「殺菌」は、物質、特に液体(乳など)の部分的滅菌を指す。標準的な殺菌条件は、当業者に公知であり、例えば、乳の殺菌の場合、典型的には、約72℃の温度で15秒間の標準的な高温短時間(HTST)殺菌が用いられる。殺菌の温度はまた保持温度とも呼ばれ、この温度は保持時間にわたって一定である。
好ましい実施形態では、乳児用飲用組成物は穏やかな殺菌を経たものであり、この穏やかな殺菌により殺菌中の熱損傷、例えば、アレルゲンの変性が低減している。穏やかな殺菌は、保持温度及び/又は保持時間を減じることにより達成することができる。したがって、いくつかの実施形態では、殺菌は、保持温度が72℃~61.9℃、70℃~61.9℃、68℃~61.9℃、66℃~61.9℃、65℃~61.9℃、64℃~61.9℃、例えば約63℃であるものである。
好適な保持時間は、少なくとも15分間、20分間、25分間、30分間、又は35分間であってもよい。例えば、殺菌は、72℃~61.9℃で15~45分間、又は65℃~61.9℃で20~40分間、好ましくは約63℃で約35分間行うことができる。
いくつかの実施形態では、穏やかな加熱処理は、72℃~90℃、例えば72℃~80℃の温度で10~30秒間、又は80℃~89℃で2~20秒間、例えば80℃~84℃で4~20秒間、又は85℃~89℃で1~10秒間行うことができる。
いくつかの実施形態では、乳児用飲用組成物又は乳タンパク質含有成分には、穏やかな加熱処理、例えば穏やかな殺菌の前に、任意選択で精密濾過が行われる。好適な精密濾過技術は、当該技術分野において公知である。精密濾過工程を使用すると、殺菌工程の前に細菌量を有利に低減することができ、温度の低減及び/又は保持時間の短縮が可能になる。本発明のいくつかの実施形態では、乳児用飲用組成物は、超高温(UHT)加熱処理による滅菌を経たものである。好ましい実施形態では、滅菌条件は、熱損傷(例えば、アレルゲンの変性)を最小限に抑えるように選択される。このような滅菌は、低減された保持温度及び/又は短縮された保持時間を用いることによって達成することができる。
本発明のいくつかの実施形態では、UHT加熱処理は、間接的加熱処理である。間接的加熱処理では、熱交換器を使用して、滅菌されている液体の温度を保持温度まで上げる。間接的UHT加熱処理を使用して、例えば米国特許第4534986(A)号に記載されているように、保持温度を低減させることによって熱損傷を最小限に抑えることができる。間接的UHT加熱処理のいくつかの実施形態では、保持温度は、125℃~135℃、又は130℃~134℃、又は131℃~133℃である。間接的UHT加熱処理のいくつかの実施形態では、保持時間は、少なくとも30秒間、又は少なくとも60秒間、例えば30~80秒間、又は60~75秒間である。例えば、間接的UHT加熱処理は、131℃~133℃で約60~75秒間行われる。
本発明のいくつかの実施形態では、UHT加熱処理は、直接的加熱処理である。直接的加熱処理では、過熱蒸気を液体に直接混合(例えば注入)する。直接的加熱は、より短時間でなされてもよく、これによっても熱損傷を最小限に抑えることができる。いくつかの実施形態では、直接的UHT加熱処理は、136℃~140℃の温度で約15~25秒間、又は140℃~144℃の温度で約5~10秒間、又は150℃~154℃の温度で約2~4秒間である。
いくつかの実施形態では、滅菌は、155℃~170℃の温度で1秒間未満の超短時間滅菌(USS)加熱処理である。
本発明のいくつかの実施形態では、乳児用飲用組成物は、熱滅菌した後、無菌充填される。
本発明のいくつかの実施形態では、本発明による殺菌済みの栄養組成物中の2種以上の食物アレルゲンの少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%は未変性である。未変性の食物アレルゲンの割合が高いことは、本明細書に記載される、保持温度を低減する及び/又は保持時間を短縮する加熱処理の結果としてのものであってもよい。
本発明のいくつかの実施形態では、乳タンパク質の少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%は未変性である。本発明のいくつかの実施形態では、乳タンパク質の少なくとも40%は未変性である。本発明のいくつかの実施形態では、乳タンパク質の少なくとも50%は未変性である。
いくつかの実施形態では、2つ以上の食物アレルゲンの各々の少なくとも30%は未変性である。例えば、食物アレルゲンの30%~100%、又は30%~95%、又は30%~90%、又は40%~80%、又は50%~60%は未変性である。
本発明によると、「変性」タンパク質は、タンパク質の立体構造が攪乱又は破壊されているタンパク質である。したがって、典型的には変性タンパク質において、水素結合、塩架橋、ジスルフィド結合、及び非極性疎水性相互作用からなる相互作用のうちの1つ以上が攪乱されている。「変性」タンパク質は、典型的には、一次構造(すなわち、ペプチド結合)はインタクトなままである。
未変性の食物アレルゲンの比率は、当業者に公知の任意の方法、例えば、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、高速タンパク質液体クロマトグラフィー(FPLC)、ビシンコニン酸アッセイ(BCA)、ケルダール窒素(KN)、円偏光二色性分析(CD)、未変性ポリアシルアミドゲル電気泳動(PAGE)、キャピラリー電気泳動(CE)、フーリエ変換赤外線スペクトル分光法(FTIR)、又は蛍光分光法によって求めることができる。
栄養組成物が2種以上の食物アレルゲンを含有する場合、各食物アレルゲンは、個別に分離及び分析することができる。食物アレルゲンを分離して、一緒に分析することもできる。いくつかの実施形態では、全ての食物アレルゲンを平均(平均値)すると、本明細書で指定の程度に未変性である。
当業者に公知の任意の方法を使用して、食物アレルゲンを栄養組成物から分離することができる。例えば、HPLC、FPLC、サイズ排除クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、自由流動電気泳動、アフィニティークロマトグラフィーが挙げられる。これらは、例えば、Scopes,R.K.,2013.Protein purification:principles and practice.Springer Science & Business Mediaに記載されている。HPLCでは、化合物の分離は、かかる化合物と固定相との相互作用に基づくことで可能である。一般的なHPLC法としては、逆相分配HPLC(RP-HPLC)及びサイズ排除HPLCが挙げられる。
本発明のいくつかの実施形態では、Rowland法を使用して、未変性の食物アレルゲンの割合を求める。好ましくは、かかる食物アレルゲンは乳アレルゲンである。
Rowland法では、未変性のホエイタンパク質窒素(血清タンパク質窒素、SPN)は、酢酸及び酢酸ナトリウムによって沈殿していない窒素(非カゼイン窒素、NCN)から非タンパク質窒素(NPN)を差し引いた窒素として規定され、SPN=NCN-NPNである(Rowland,S.J.,1938.175.Journal of Dairy Research,9(1),pp.30-46、及びRowland,S.J.,1938.176)。NCN及び総窒素(TN)については、ケルダール法によって求める。NCNは、SPNの沈殿後の濾液から求められる。
したがって、乳アレルゲンの場合、未変性の乳アレルゲンタンパク質の量は、総タンパク質のうちの血清タンパク質窒素(変性していないホエイタンパク質窒素)「SPN」の割合として表すことができる。SPN(総タンパク質中%)=((NCN-NPN)/(TN-NPN))×100。
本発明のいくつかの実施形態では、ケルダール窒素を使用して、未変性の食物アレルゲンの割合を求める。ケルダール窒素は、タンパク質の変性度を求める公知の方法である(Parris,N.and Baginski,M.A.,1991.Journal of Dairy Science,74(1),pp.58-64)。
本発明のいくつかの実施形態では、乳タンパク質の少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%は未変性である。
食物アレルギーの予防
本発明は、乳児における食物アレルギー、特に乳タンパク質、卵タンパク質、小麦タンパク質、大豆タンパク質、ピーナッツタンパク質、種実類タンパク質、魚タンパク質、甲殻類タンパク質、貝類タンパク質及びゴマタンパク質に対するアレルギーの低減又は予防に使用するための、本明細書に記載の乳児用飲用組成物を提供する。
本発明はまた、有効量の本明細書に記載の乳児用飲用組成物を投与することによって、乳児における食物アレルギーを低減又は予防する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、アレルギー反応は、特異的IgE関連の免疫応答及び/又はT細胞依存性過敏性応答である。したがって、一部の実施形態では、アレルギーを低減又は予防することは、特異的IgE関連の免疫応答及び/又はT細胞依存性過敏性応答を低減又は予防することを含む。
乳児用飲用組成物は、乳に対するアレルギーを予防又は低減するため、乳タンパク質を含んでもよい。
乳児用飲用組成物は、卵に対するアレルギーを予防又は低減するため、卵タンパク質を含んでもよい。
乳児用飲用組成物は、小麦に対するアレルギーを予防又は低減するため、小麦タンパク質を含んでもよい。
乳児用飲用組成物は、大豆に対するアレルギーを予防又は低減するため、大豆タンパク質を含んでもよい。
乳児用飲用組成物は、ピーナッツに対するアレルギーを予防又は低減するため、ピーナッツタンパク質を含んでもよい。
乳児用飲用組成物は、種実類に対するアレルギーを予防又は低減するため、種実類タンパク質を含んでもよい。
乳児用飲用組成物は、魚に対するアレルギーを予防又は低減するため、魚のタンパク質を含んでもよい。
乳児用飲用組成物は、甲殻類に対するアレルギーを予防又は低減するため、甲殻類タンパク質を含んでもよい。
乳児用飲用組成物は、貝類に対するアレルギーを予防又は低減するため、貝類タンパク質を含んでもよい。
乳児用飲用組成物は、ゴマに対するアレルギーを予防又は低減するため、ゴマタンパク質を含んでもよい。
一実施形態では、乳児における食物アレルギーの予防又は低減はまた、交差寛容(cross-tolerance)の誘導も含み、乳児用飲用組成物に含まれるアレルゲン以外の食物アレルゲンに対するアレルギーの発症を低減又は予防することができる。
本発明の組成物を投与する前に、当該食物アレルギーを乳児が発症するリスクを評価する工程を実施してもよい。この工程は、親族の皮膚に対する少量のアレルゲンの投与、及び/又は親族についての質問票を含んでもよい。例えば、食物アレルギーを有する親又は兄姉がいる乳児は、食物アレルギーを発症するリスクがより高い可能性があるので、当該食物アレルギーを予防又は治療するために、当該食物アレルゲンを含む乳児用飲用組成物を投与することができる。
プロセス
本発明による乳児用飲用組成物は、任意の好適な方法で調製することができる。例えば、組成物は、適切な分量の食物アレルゲンを一緒にブレンドし、所望によりアミノ酸ベースの乳児用フォーミュラなどの1種以上の担体とブレンドして、この乾式ブレンドした混合物を水と混合して液体混合物を形成することにより調製することもできる。次いで、液体混合物を均質に撹拌する。次いで、温度を徐々に上昇させ、殺菌を行う。最終製品を粉末とする場合、次いで液体混合物を任意選択で噴霧乾燥する。組成物は、殺菌前又は殺菌後に均質化されてもよい。
一態様では、本発明は、乳児用飲用組成物の製造方法であって、
i)2種以上の食物アレルゲンをブレンドして混合物を形成する工程であって、当該アレルゲンのうちの1種が乳タンパク質である、工程と、
ii)当該混合物を均質化する工程と、
iii)当該混合物を殺菌する工程と、
iv)任意選択で、当該混合物を噴霧乾燥する工程と、を含み、
好ましくは、殺菌は、本明細書で論じた穏やかな殺菌である、方法を提供する。
好ましい実施形態では、殺菌は、61.9℃~65℃、好ましくは62℃~64℃の温度で行われ、好ましくは、当該殺菌は、少なくとも30分間又は少なくとも35分間行われる。一実施形態では、殺菌は、約63℃で30分間~35分間行われる。
いくつかの実施形態では、液体混合物を均質化し、次いで殺菌する。他の実施形態では、液体混合物を殺菌し、次いで均質化する。
一態様では、本発明は、乳児用飲用組成物の製造方法であって、
i)2種以上の食物アレルゲンをブレンドして混合物を形成する工程であって、当該アレルゲンのうちの1種が乳タンパク質である、工程と、
ii)当該混合物を均質化する工程と、
iii)当該混合物を滅菌する工程と、
iv)任意選択で、当該混合物を噴霧乾燥する工程と、を含み、
好ましくは、滅菌は、本明細書で論じられるとおりである、方法を提供する。
好ましくは、乳児用飲用組成物が粉末形態である場合には、均質化された液体混合物を、乾燥、例えば噴霧乾燥する。
上記明細書で言及した全ての刊行物は、本明細書に参照により組み込まれる。本発明で論じられる方法、プロセス及び組成物の様々な改変及び変更は、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、当業者には明白である。本発明は、特定の好ましい実施形態に関連して開示されているが、特許請求される本発明は、このような特定の実施形態に過度に限定されるべきではないことを理解されたい。実際、当業者には自明であり、本発明を実施するために開示された様式の種々の改変は以下の特許請求の範囲の範囲内であることを意図している。
本発明の好ましい特徴及び実施形態を、非限定的な例によってこれより記述する。
実施例1.乳児用栄養補助食品
臨床試験を目的として乳児用飲用栄養補助食品を準備する。この実施例では、栄養補助食品は、乳タンパク質及び卵白タンパク質をアミノ酸ベースの乳児用フォーミュラ(Alfamino乳児用フォーミュラ(Nestle))と組み合わせて含有する。
栄養補助食品組成物は(最終製品中水分3.1重量%に基づく)、
脱脂粉乳43.2重量%、
Alfamino(アミノ酸ベースの低アレルゲン性乳児用フォーミュラ)37.3重量%、
卵白粉末16.4重量%である。
組成物の加工は、120/30バールでの均質化、穏やかな殺菌を含む標準的な加工工程によって行われる。任意選択で、プロセスは噴霧乾燥を含み、再構成の準備が整った粉末組成物を提供することができる。
殺菌を、63℃の保持温度で2100秒間の保持時間にわたって行い、卵タンパク質があまり損傷を受けないことを確保する。限界値(critical limit)(すなわち、最小保持温度)を61.9℃に設定して、安全性を確保する。
実施例2.穏やかな殺菌
乳タンパク質を含有する栄養補助食品に対し、上記で定義した穏やかな殺菌を行った。変性度合いを、Rowland法を使用して測定した。
変性度合いを、総タンパク質のうちの血清タンパク質窒素(未変性のホエイタンパク質窒素)「SPN」の割合=((NCN-NPN)/(TN-NPN))×100として表す。
NCN=非カゼイン窒素;NPN=非タンパク質窒素、TN=全窒素である。
加熱処理前に、未変性の乳タンパク質の割合は45%であった。
穏やかな殺菌後、未変性のタンパク質の割合は36%に下がった。したがって、顕著な量の未変性乳タンパク質が残っていた。
実施例3.加熱処理のタンパク質分解に対する影響
未処理の脱脂粉乳(24%の総全固形分)に、次の工程を行った:(i)温精密濾過(52℃で14μmのフィルタ)し、透過液を、直接蒸気注入(DSI)によって83℃で6秒間加熱処理し、続いて噴霧乾燥して粉末「プロトタイプA」を形成する工程、(ii)低温精密濾過(15℃で14μmのフィルタ)し、透過液を、直接蒸気注入(DSI)によって83℃で6秒間加熱処理し、続いて噴霧乾燥して粉末「プロトタイプB」を形成する工程、(iii)63℃で35分間穏やかに殺菌(実施例1で規定のとおり)し、続いて「プロトタイプC」を噴霧乾燥する工程。
加熱処理サンプル1~16(表1)の生(未加工)乳(9~10%、TS)に、加熱処理前の均質化を行い又は行わずに、表1に記載されるように選択された加熱処理に供した。均質化した乳サンプル(150/30バールで均質化)を噴霧乾燥して、最終乳粉末を得た。
Rowland法を使用して、プロトタイプA、プロトタイプB及びプロトタイプC、並びに加熱処理した乳サンプル(表1に示す加熱処理)の、タンパク質変性の度合いを測定した。変性の度合いを、実施例2と同様に総タンパク質のうちの血清タンパク質窒素(未変性のホエイタンパク質窒素)「SPN」の割合として表す。変性率を、総タンパク質中の変性ホエイタンパク質の割合として表す。
未変性ホエイタンパク質(SPN)%=((NCN-NPN)/TN)×100
ホエイタンパク質の変性率(%)=100-[100×SPN]/[(TN-NPN)×0.2]
[式中、[(TN-NPN)×0.2]は、乳中のホエイ:カゼインの重量比を1:4としてのホエイタンパク質窒素の総量である]。
結果を図1に示す。
Figure 2022514642000001
図1から、高温長時間処理(80℃、90℃/20分)及びUHT処理が、最も高い度合いのホエイタンパク質変性をもたらしたことが見てとれる。低温殺菌乳サンプル、HTST(高温短時間)殺菌乳サンプル及びプロトタイプA~Cの有する変性プロファイルは同様であった。
実施例4.免疫活性
実施例4の乳サンプルの免疫学的活性を、ヒト化ラットの好塩基球性白血病(RBL)の脱顆粒アッセイ(Bioceros Holding BV)を使用して評価した。
高親和性のヒトFcεRIα鎖を発現しているRBL細胞を、抗BLG-キメラ型ヒトIgE抗体(すなわち、Knipping & Simons,PLoS ONE 2014;9(8):e106025に記載されている、マウスIgG重鎖及び軽鎖可変領域をヒトIgE重鎖及び軽鎖定常領域と組み合わせたもの)のオリゴクローナルプールで感作させた後、濃度の異なる(0μg/mL、0.0032μg/mL、0.016μg/mL、0.08μg/mL、0.4μg/mL、2μg/mL、10μg/mL、100μg/mL、1000μg/mL、10000μg/mLのタンパク質)牛乳サンプル(BLG含有)のいずれかに暴露した。細胞外β-ヘキソサミニダーゼ活性を測定することによってRBLの脱顆粒を判定した。
結果を図2及び表2に示す。
Figure 2022514642000002
「残存BLG%/初期BLG%」は、各乳サンプルの残存BLG濃度(測定値)(μg/gタンパク質単位)を初期(理論値)BLG濃度(μg/gタンパク質単位)で除算した比率を指す。初期(理論値)BLG濃度の計算のため、乳中の総ホエイタンパク質のホエイ:カゼイン重量比=1:4、及びBLG=50%と仮定した。
80℃/20分の加熱処理は、他の加熱処理と比較して残存するアレルゲン性が最も高く、HTST殺菌及びプロトタイプCでは残存しているアレルゲン性が非常に低いことが示された。生乳は、検出可能な残存β-Lgアレルゲン性を全く示さなかった。
実施例5.免疫原性の維持
A.SDS-PAGE
実施例1の乳児用栄養補助食品「PREMEA」を、ゲル電気泳動(SDS-PAGE)により分析した。4℃、25℃、37℃で6ヶ月間保存した。ゲル電気泳動を、Novex NuPAGE(登録商標)システム(Thermo Fisher Scientific)を使用して、製造業者によって提示されている方法プロトコルに従って実施した。分離ゲルには、プレキャストのNuPAGE(登録商標)4~12%ビス-トリスゲルをMES SDS泳動バッファと組み合わせて使用した。
結果を図3に示す。図3におけるバンド割り当て(バンド1~9)により、以下のタンパク質バンドを特定した。
卵白粉末
1.オボムシン(100kDa未満)
2.コンアルブミン(77.7kDa)
3.オボアルブミン(44.5kDa)
4.オボムコイド(30~40kDa)
5.リゾチーム(14.3kDa)
脱脂粉乳
6.血清アルブミン(66kDa)
7.カゼイン(28~35kDa)
8.β-ラクトグロブリン(18.8kDa)
9.α-ラクトアルブミン(14.4kDa)
結論:卵及び牛乳に由来するタンパク質バンドがプロトタイプに見られる。これらの結果は、主要な乳ンパク質及び卵タンパク質(オボムコイド又はβ-ラクトグロブリンなどの最もアレルゲン性の高いものを含む)が、最終製品の製造加工によっては分解されないことを示している。プロトタイプの乳アレルゲン及び卵アレルゲンのバンド強度は、プロトタイプにおいてそれらの量が顕著であることを示している。
B.オボムコイドの定量
卵白は、23種類の異なる糖タンパク質を含有する。これらのなかでも、オボムコイド(Gal d 1)は、総卵白タンパク質の約11%を構成しており、卵の主要なアレルゲンであることが示されている(1、2)。加工後に乳児用栄養補助食品中に存在するタンパク質の免疫原性を、使用する原材料のものと比較するために、オボムコイドを卵の代表的なアレルゲンとして定量した。
方法:
市販のELISAキット(BioKits Egg Assay Kit;Neogen corporation,USA),ref902072T)を製造元による使用説明に従って使用して、オボムコイドを検出及び定量した。このキットで使用されるポリクローナル抗体(個々のエピトープに関し、変性、多型、又は立体構造におけるの変化などのわずかな変化を示すタンパク質をアッセイする際、より顕著にロバストである)は、オボムコイド(Gal d 1)を特異的に検出する。
プロトタイプの製造に使用した生の卵白材料、並びにプロトタイプを、異なる温度(4℃、25℃及び37℃)で6ヶ月間保存して分析した。次いで、プロトタイプで測定されたオボムコイドの量を、プロトタイプ中に存在する卵材料の割合%から逆算して、生の材料と最終製品との直接比較を可能にした。
結果:
卵白中のオボムコイド含有量は、205.9±24.7mg/gタンパク質である。同様のオボムコイド含有量を、4℃、25℃及び37℃で保存したプロトタイプで定量した(それぞれ、158.3±43.5mg/mL;175.8±42.7mg/mL及び222.1±20.9mg/mL)。
結論:
4℃、25℃、及び37℃で6ヶ月間保存した、卵白の生の材料と最終的な加工製品とには、免疫原性(抗オボムコイドポリクローナル抗体によって認識されるエピトープ)にあまり差異がないことが定量法により観察された。これらの結果は、サンプル中のオボムコイドが保存時に分解されなかったことを実証している。
実施例6.β-ラクトグロブリン及びオボアルブミンの定量
3通りの量の乳を1通りの量の卵白と混合することにより、生乳(未加工乳)と生の卵白との混合物のサンプルを3通り調製した。タンパク質含有量は、卵白タンパク質については100g/L、乳タンパク質については33g/Lであるとして計算した。サンプルを55℃で5分間前処理した後、異なる条件で、すなわち(i)63℃で30分間;(ii)70℃で3分間;(iii)70℃で20分間、穏やかな殺菌を行った。サンプルはpH6.7を有していた。
実施例1の乳児用栄養補助食品「PREMEA」及び乳/卵白サンプル(i)~(iii)のpH6.7のサンプル1セットを、凝集タンパク質を除去するため超遠心分離(10000g/1時間)に供した。実施例5のゲル電気泳動(SDS-PAGE)によるタンパク質分離、続いて、電気泳動バンドの染色強度をスキャンして濃度を測定するタンパク質定量によって、未変性のタンパク質及び可溶性変性タンパク質を定量した。
実施例1の乳児用栄養補助食品「PREMEA」及び乳/卵白サンプル(i)~(iii)の第2のサンプルセットを、pH4.6に酸性化し、続いて沈殿物(変性タンパク質及び凝集タンパク質)を除去するために14000g/10分で遠心分離した。未変性タンパク質の定量を上記のように行った。
β-ラクトグロブリン及びオボアルブミンの変性度合いの定量を、変性率(%)=[1-(IpH4.6/IpH6.7)][式中、IpH4.6は未変性タンパク質の濃度であり、IpH6.7は総タンパク質の濃度(未変性タンパク質+可溶性変性タンパク質)である]として表す。
結果を表3、表4及び表5に示す。
乳/卵白タンパク質の変性
Figure 2022514642000003
Figure 2022514642000004
乳/卵白タンパク質の変性
Figure 2022514642000005

Claims (15)

  1. 異なる食物に由来する2種以上の食物アレルゲンを含む乳児用飲用組成物であって、前記食物アレルゲンのうちの1種が乳タンパク質である、乳児用飲用組成物。
  2. 投与前に液体、好ましくは水で再構成するための、粉末である、請求項1に記載の乳児用飲用組成物。
  3. レディー・トウ・ドリンクの形態である、請求項1に記載の乳児用飲用組成物。
  4. 前記組成物が、61.9℃~65℃、好ましくは62℃~64℃の温度での殺菌を経たものであり、好ましくは、前記殺菌は、少なくとも30分間行われる、請求項1~3のいずれか一項に記載の乳児用飲用組成物。
  5. 熱滅菌を経たものである、請求項1~4のいずれか一項に記載の乳児用飲用組成物。
  6. 前記熱滅菌が、間接的超高温加熱処理、好ましくは125℃~135℃、又は130℃~134℃、又は131℃~133℃の温度での間接的超高温加熱処理であり、好ましくは、前記滅菌は、少なくとも30秒間、又は少なくとも60秒間行われる、あるいは前記熱滅菌が、直接的超高温加熱処理であり、好ましくは、136℃~140℃の温度で約15~25秒間、又は140℃~144℃の温度で約5~10秒間、又は150℃~154℃の温度で約2~4秒間での直接的超高温加熱処理である、あるいは前記滅菌が、155℃~170℃の温度で1秒未満の超短時間滅菌(USS)加熱処理である、請求項5に記載の乳児用飲用組成物。
  7. 前記食物アレルゲンが、卵タンパク質、小麦タンパク質、大豆タンパク質、ピーナッツタンパク質、種実類タンパク質、魚タンパク質、甲殻類タンパク質、貝類タンパク質及びゴマタンパク質からなる群から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の乳児用飲用組成物。
  8. 前記食物アレルゲンのうちの3種以上、又は4種以上、又は5種以上、又は6種以上、又は7種以上、又は8種以上、又は9種以上、又は全てを含む、請求項7に記載の乳児用飲用組成物。
  9. 乳タンパク質及び卵タンパク質を含む、請求項7又は8に記載の乳児用飲用組成物。
  10. 0~12ヶ月齢、6週齢~12ヶ月齢、0~6ヶ月齢、6週齢~6ヶ月齢、0~4ヶ月齢、又は6週齢~4ヶ月齢の乳児に使用するための、請求項1~9のいずれか一項に記載の乳児用飲用組成物。
  11. 前記組成物中の前記食物アレルゲンの総量が、1食当たり0.5~5グラムであり、好ましくは、1食分量が15~250mLである、請求項1~10のいずれか一項に記載の乳児用飲用組成物。
  12. 前記乳アレルゲンの少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%が未変性のものである、請求項1~11のいずれか一項に記載の乳児用飲用組成物。
  13. 乳児において前記食物アレルゲンに対するアレルギーの低減又は予防に使用するための、請求項1~12のいずれか一項に記載の乳児用飲用組成物。
  14. 請求項1~13のいずれか一項に記載の乳児用飲用組成物の製造方法であって、
    i)2種以上の食物アレルゲンをブレンドして混合物を形成する工程であって、前記アレルゲンのうちの1種が乳タンパク質である、工程と、
    ii)前記混合物を均質化する工程と、
    iii)前記混合物を殺菌する工程と、
    iv)任意選択で、前記混合物を噴霧乾燥する工程と、を含み、
    好ましくは、殺菌が、61.9℃~65℃、好ましくは62℃~64℃の温度で行われ、好ましくは、前記殺菌は、少なくとも30分間又は少なくとも35分間行われる、方法。
  15. 請求項1~13のいずれか一項に記載の乳児用飲用組成物の製造方法であって、
    i)2種以上の食物アレルゲンをブレンドして混合物を形成する工程であって、前記アレルゲンのうちの1種が乳タンパク質である、工程と、
    ii)前記混合物を均質化する工程と、
    iii)前記混合物を滅菌する工程と、
    iv)任意選択で、前記混合物を噴霧乾燥する工程と、を含み、
    好ましくは、前記滅菌が、125℃~135℃、又は130℃~134℃、又は131℃~133℃の温度で、30~80秒間、又は60~75秒間の間接的UHT加熱処理である、
    あるいは、前記滅菌が、136℃~140℃の温度で約15~25秒、又は140℃~144℃の温度で約5~10秒、又は150℃~154℃の温度で約2~4秒間での直接的UHT加熱処理である、
    あるいは、前記滅菌が、155℃~170℃の温度で1秒未満の超短時間滅菌(USS)加熱処理である、方法。

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Pure IgG Pure™
de Jong Food intolerance

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