JP2022511889A - 点火装置及び原動機製品 - Google Patents
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Abstract
燃焼機関の燃焼室内において点火を引き起こすことができる点火装置は、以下の特徴を有する。点火装置は、点火装置が燃焼機関に取り付けられると燃焼室に露出される先端部分を有する電極を備える。電極は、マイクロ波励起信号が電極に印加されるとマイクロ波場を燃焼室内に放射することができるマイクロ波共振構造体(106、119、120)の一部分を形成する。巻線が、電極に電気的に結合される。巻線及び電極は、高周波励起信号が巻線に印加されると高周波場を燃焼室内に放射することができる高周波共振器(101、120、135)の一部分を形成する。点火装置内のマイクロ波信号路(127、128)は、マイクロ波励起信号を点火装置の信号入力コネクタから電極に伝送することができる。マイクロ波信号路(127、128)は、誘導部と、誘導部から電極へ容量結合を提供するように適合された容量結合構造体(124、128、132)とを備える。【選択図】図1
Description
本発明の一態様は、燃焼機関の燃焼室内において点火を引き起こし得る点火装置に関するものである。点火装置は、従来の点火プラグと同様の外形を有するものであってよい。点火装置は、よって、燃焼機関内に、この装置が従来の点火プラグであるかのように取り付けることができる。点火装置はまた、例えば、タービンエンジンに適用してもよい。本発明の別の態様は、点火装置が取り付けられた燃焼機関を備える原動機製品に関するものである。
国際公開第WO2016/012448号は、以下のように燃焼機関の燃焼室内において点火を引き起こす点火装置を開示している。点火装置は、プラズマを生成する高周波場を燃焼室内へ放射する高周波共振器を備える。点火装置は、さらに、プラズマを増強するマイクロ波場を燃焼室内へ放射するマイクロ波共振器を備える。一実施形態において、マイクロ波共振器は、点火装置が燃焼機関に取り付けられると燃焼室が露出される出力面を有する。高周波共振器は、マイクロ波共振器に少なくとも部分的に埋め込まれた電極を備え得る。電極は、マイクロ波共振器が先端と出力面との間にバリアを提供するように、出力面から間隔をおいて配置された先端を具え得る。
高周波及びマイクロ波エネルギーを用いて燃焼室内においてプラズマを生成し増大させることにおいてさらに効率を上げることを可能にする、改善された解決策への要請がある。
請求項1に記載の本発明の一態様によれば、燃焼機関の燃焼室内に点火を生成するように適合された点火装置であって、当該点火装置は、
点火装置が燃焼機関に取り付けられると燃焼室に露出されるように適合された先端部分を有する電極であって、当該電極は、マイクロ波励起信号が電極に印加されると、マイクロ波場を燃焼室内に放射するように適合されたマイクロ波共振構造体の一部を形成する電極と、
電極に電気的に結合された巻線であって、それにより、巻線及び電極が、高周波励起信号が巻線に印加されると、高周波場を燃焼室内に放射するように適合された高周波共振器の一部を形成する巻線と、
マイクロ波励起信号を、点火装置において信号入力コネクタから電極へ伝送するように適合されたマイクロ波信号路であって、誘導部と、誘導部から電極へ容量結合を提供するように適合された容量結合構造体とを備えるマイクロ波信号路と、を備える点火装置が提供される。
点火装置が燃焼機関に取り付けられると燃焼室に露出されるように適合された先端部分を有する電極であって、当該電極は、マイクロ波励起信号が電極に印加されると、マイクロ波場を燃焼室内に放射するように適合されたマイクロ波共振構造体の一部を形成する電極と、
電極に電気的に結合された巻線であって、それにより、巻線及び電極が、高周波励起信号が巻線に印加されると、高周波場を燃焼室内に放射するように適合された高周波共振器の一部を形成する巻線と、
マイクロ波励起信号を、点火装置において信号入力コネクタから電極へ伝送するように適合されたマイクロ波信号路であって、誘導部と、誘導部から電極へ容量結合を提供するように適合された容量結合構造体とを備えるマイクロ波信号路と、を備える点火装置が提供される。
このような点火装置において、誘導部とマイクロ波信号路の容量結合構造体とによって、マイクロ波エネルギーを電極へ、よって、マイクロ波共振構造体へ効率的に伝送することが可能となる。すなわち、マイクロ波信号路は、マイクロ波信号コネクタに印加されるマイクロ波励起信号を、比較的少ない損失でマイクロ波共振構造体へ伝送することができる。
請求項15に記載の本発明のさらなる態様によれば、点火装置が取り付けられた燃焼機関を備える原動機製品が提供される。
図示目的で、本発明のいくつかの実施形態を、添付の図面を参照して詳細に説明する。この説明において、追加の特徴を提示し、すると、利点が明らかとなるだろう。
図1は、点火装置100の第1の実施形態の概略を図示するものであり、便宜上、以後、第1の点火装置100として言及していく。図1は、第1の点火装置100の断面図を提供する。第1の点火装置100は、例えば、燃焼機関内に取り付けられるように、この装置が従来の点火プラグのように適合させることができる。第1の点火装置100はまた、例えば、タービンエンジンに適用してもよい。
第1の点火装置100は、ハウジング101を備え、当該ハウジング101は、少なくとも部分的に、例えば、金属等の導電性材料からなり得る。例えば、鋼鉄が、適切な金属である。ハウジング101は、円筒管102と、2つの端プラグ103、104、入力端プラグ103及び出力端プラグ104とを、備える。入力端プラグ103は、シェルボディ105を備え、当該シェルボディ105は、以後入力プラグシェルボディ105として言及していく。出力端プラグ104はまた、シェルボディ106を備え、当該シェルボディ106は、以後、出力プラグシェルボディ106として言及していく。
円筒管102は、銀(Ag)めっきした内面を有する鋼鉄管の形態にしてよい。円筒管102は、内径を有し、当該内径は、例えば、15mmと21mmとの間の範囲内とし得る。端プラグ103、104の2つの上述のシェルボディ105、106もまた、鋼鉄からなっていてもよい。入力プラグシェルボディ105は、例えば、レーザー溶接によって、円筒管102に取り付けてよい。出力プラグシェルボディ106はまた、円筒管102にこのように取り付けてよい。
入力プラグシェルボディ105は、六角形の周縁を有する部分107を備える。レンチを、この部分107と係合させて、第1の点火装置100を、燃焼機関内においてねじ溝が切られた開口部へねじ込むことができる。出力プラグシェルボディ106は、ねじ溝が切られた周縁を有する部分108を備え、当該ねじ溝が切られた周縁が、燃焼機関においてねじ溝が切られた開口部と係合し得る。出力プラグシェルボディ106のこの部分108は、例えば、以下のねじサイズ、M12、M14及びM18の一つにしてよく、当該ねじのサイズは、従来の点火プラグに用いられているものである。第1の点火装置100はまた、よって、従来の点火プラグと置き換えることができる。
第1の点火装置100は、2つの信号コネクタ、すなわち、マイクロ波信号コネクタ109及び高周波信号コネクタ110を備える。マイクロ波信号コネクタ109は、入力端プラグ103に組み込まれる。高周波信号コネクタ110は、ハウジング101の円筒管102に装着される。マイクロ波信号コネクタ109は、例えば、N型又はHN型としてよい。高周波信号コネクタ110は、例えば、SMA型としてよい。第1の点火装置100のハウジング101は、シグナルグラウンドを構成し得る。
さらに詳細には、マイクロ波信号コネクタ109は、入力プラグシェルボディ105の中央孔111により形成される。入力プラグシェルボディ105は、この中央孔111を一部分が延びる、螺旋状にねじ溝が切られた部分112を有する。螺旋状にねじ溝が切られた部分112は、シグナルグラウンドコネクタを構成する。円筒形の絶縁体113が、中央孔111に取り付けられる。円筒形の絶縁体113は、コア導体114が取り付けられる中央孔を備える。コア導体114の端部115が、円筒形の絶縁体113から外方に突出している。この外方に突出する端部115は、マイクロ波信号コネクタ109の信号結合端を構成する。
高周波信号コネクタ110は、ハウジング101の円筒管102に装着される支持部116を備える。支持部116は、シグナルグラウンドを構成し得る。支持部は、円筒形の絶縁体が取り付けられる孔を備える。マイクロ波信号コネクタ109におけるのと同様に、円筒形の絶縁体は、導電性ピン117が取り付けられる中央孔を備える。導電性ピン117の端部が、円筒形の絶縁体から外方に突出している。この外方に突出する端部は、高周波信号コネクタ110の信号結合端を構成する。
出力プラグシェルボディ106は、絶縁部材119が取り付けられる中央孔118を備える。絶縁部材119は、中央孔118に、絶縁部材119と出力端プラグ104との間のエアギャップを回避するように、隙間なく取り付けられることが好ましい。絶縁部材119は、例えば、窒化アルミニウム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK(登録商標))又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の、セラミック材料製であってよい。その代わりに、絶縁部材119は、石英ガラスを備えてもよく、当該石英ガラスは、誘電損失が比較的低い。
出力端プラグ104において、電極120が、絶縁部材119の中央孔121に取り付けられる。電極120はまた、例えば、Inconel(登録商標)型合金等の導電性材料からなるものでもよく、Inconelは、Special Metals Corporationの商標である。Inconel600は、適切な選択となり得る。別の例として、ニッケル又はKovar(登録商標)もまた、適切な選択となり得、Kovarは、Carpenter Technology Corp.(US)の系列会社であるCRS Holdings, Inc.の登録商標である。このような材料の任意のものが、マイクロ波周波数において良好な導電性のために銅めっき又は銀めっきされ得る。電極120は、熱により誘発され熱膨張計数の差により生じる機械的ストレスを減少させるように、少なくとも部分的に、中空にすることができる。
電極120は、主要部分122、先端部分123及びキャップ状部分124を有する。主要部分122及び先端部分123は、絶縁部材119に埋め込まれている。電極120の先端部分123は、点火装置100が燃焼機関に取り付けられると、燃焼室に露出し得る。絶縁部材119の先端部分125もまた、燃焼室に露出するようにしてよい。キャップ状部分124は、絶縁部材119から内側へ、円筒管102内へ突出する。キャップ状部分124は、図1に図示するように、電極120の主要部分122に向かって湾曲する凸面を有する。キャップ状部分124は、例えば、半球状であってよい。
電極120の主要部分122は、例えば、1.5mmと3.5mmとの間の範囲に含まれ得る直径を有する。電極120の先端部分123の直径は、図1に図示するように、小さくなるようにすることができる。先端部分123は、例えば、0.3mmと1.0mmとの間に含まれる直径とし得る。電極120の主要部分122及び先端部分123は、例えば、圧入により絶縁部材119に埋め込むことができる。電極120のこれらの部分と絶縁部材119との間に、インターフェースを存在させてもよい。このインターフェースは、例えば、接着剤、ガラス、又は、例えば鑞付けにより得られる金属結合を含み得る。
電極120、絶縁部材119及び出力プラグシェルボディ106は、ともにマイクロ波共振構造体を形成する。マイクロ波共振構造体は、例えば、1GHzと10GHzとの間の範囲に含まれ得る一次共振周波数を有する。さらに詳細には、一次共振周波数は、例えば、2.45GHzであってよく、これは、電子レンジの典型的な作動周波数である。
マイクロ波共振構造体は、例えば、20Ωと40Ωとの間の範囲内に含まれ得る一次共振周波数におけるインピーダンスを持ち得る。インピーダンスは、絶縁部材119を形成する材料又は一組の材料の相対的比誘電率により、実質的に決定される。例えば、プラスチック材料の相対的比誘電率は、およそ2であり、一方、窒化ケイ素の相対的比誘電率は、およそ7.5であり、窒化ホウ素(BN)の相対的比誘電率は、およそ4であり、窒化アルミニウムの相対的比誘電率は、およそ8.5である。
考慮してよいマイクロ波共振構造体の別の特徴は、特に、例えば、およそ2.45GHzの場合がある一次共振周波数における伝送損失に関する。伝送損失は、√(tanδ).εrに比例するものとして概算可能であって、当該式において、tanδは、絶縁部材119の誘電正接であるか、又はそれが形成される材料の誘電正接であり、εrは、相対的比誘電率である。この概算によって、材料を迅速に比較可能となる。望ましい順に、絶縁部材119の材料は、融解石英、シリカ、ポリエチレン(PE)、PTFE、BN、サファイア及び酸化ベリリウム(BeO)を含み得る。しかしながら、材料の選択について、他の特徴、例えば、最大作動温度及び熱伝導性も考慮してよい。
絶縁部材119は、(2N+1)/4λとして示し得る長さにしてよく、当該式において、λは、絶縁部材119の一次共振周波数と一致する波長を表し、Nは、整数を表す。絶縁部材119の長さは、よって、例えば、3/4λとなり得る。
絶縁部材119の先端部分125は、先端部分125をマイクロ波レンズのように機能させる特定の形状を具え得る。先端部分125は、そこで、マイクロ波共振器から外側に放射されるマイクロ波場を束ねることになる。この実施形態では、先端部分125は、環状溝126を有し、当該溝は、このようなマイクロ波場が束ねられる作用を提供するものである。
第1の点火装置100のマイクロ波信号路によって、マイクロ波励起信号が、マイクロ波信号コネクタ109から電極120へ、それにより、上述のマイクロ波共振構造体へ伝送され得る。この実施形態では、マイクロ波信号路は、同軸伝送線路127と、誘電性材料からなる同軸シリンダ128とを含む。誘電材料からなる同軸シリンダ128は、電極120のキャップ状部分124の中央孔129に取り付けられる。同軸伝送線路127は、例えば、半剛性の同軸ケーブルの形態であってよい。半剛性の同軸ケーブルは、例えば、RG401型であってよい。誘電性材料からなる同軸シリンダ128は、例えば、PTFEプラスチック又は、例えば、Tokuyama Corporation(日本国)の登録商標である「Shapal(登録商標)」という名称で市販されている材料等、窒化アルミニウムセラミック材料を含み得る。他のセラミック材料もまた、使用してよく、さらに良好な性能を提供することさえできる。
さらに詳細には、同軸伝送線路127は、マイクロ波信号コネクタ109から、誘電性材料からなる同軸シリンダ128のいくらか前のポイント130へ延びる。同軸伝送線路127は、コア導体131を有し、当該コア導体は、上述のマイクロ波信号コネクタ109のコア導体114と一致し得る。コア導体131は、同軸伝送線路127が誘電性材料からなる同軸シリンダ128の中央孔内で終わるポイント130から突出する。コア導体131のこの突出部132は、マイクロ波信号路の誘導部を構成する。突出部132、誘電性材料からなる同軸シリンダ128及び、中央孔を有する電極120のキャップ状部分124が、ともにマイクロ波信号路において容量結合構造体を構成する。
誘導部と、マイクロ波信号路の容量結合構造体とによって、マイクロ波エネルギーを、電極120へ、よって、マイクロ波共振構造体へ効率的に伝送することが、可能となる。すなわち、マイクロ波信号路は、マイクロ波信号コネクタ109へ印加されるマイクロ波励起信号を、比較的少ない損失でマイクロ波共振構造体へ伝送することができる。この実施形態では、マイクロ波エネルギーは、同軸伝送線路127が終わるポイント130から、誘電性材料からなる同軸シリンダ128を通って、電極120のキャップ状部分へ、よって、マイクロ波共振構造体へと容量結合される。
コロナ放電の形成を防止するために、最小限のクリアランスが、コア導体114の突出部分132と、誘電性材料からなる同軸シリンダ128の中央孔との間に、望まれる。同じ理由のため、最小限のクリアランスもまた、誘電性材料からなる同軸シリンダ128と、電極120のキャップ状部分124の中央孔129との間に、望まれる。どんなギャップも、例えば、接着する又は誘電体グリースを用いてギャップを充填することにより、取り除くことができる。
第1の点火装置100の実験的な実施において、同軸伝送線路127は、RG401同軸ケーブルの形態であり、コア導体131と、PTFE絶縁体133を覆う導電性シールド134との間にPTFE絶縁体133を備える。実験的な実施において、マイクロ波励起信号は、RG401同軸ケーブルにおいてλPTFE≒81mmの波長を有する。
以下の特徴を用いて有利な結果が得られた。RG401同軸ケーブルの導電性シールド134は、およそ3λPTFE/2の長さを有していた。RG401同軸ケーブルの導電性シールド134の長さは、マイクロ波エネルギーの効率的な伝送に対して重要であると分かった。PTFE絶縁体133が露出された中間部分が、導電性シールド134が終わるポイント130から、誘電性材料からなる同軸シリンダ128へ、電極120のキャップ状部分124の中央孔129内を延びていた。この中間部分の長さは、およそ9.5mmだった。この長さが、アーク放電を防止した。コア導体131の、導電性シールド134が終わるポイント130から、誘電性材料からなる同軸シリンダ128の中央孔の端部へ突出する部分132の長さは、およそ20.5mmだった。
さらに、実験的な実施において、一方では、誘電性材料からなる同軸シリンダ128の中央孔のコア導体131の直径と、他方では、電極120のキャップ状部分の中央孔129の直径との間の比は、およそ3.26だった。この比は、RG401同軸ケーブルのPTFE絶縁体133の内径と外径との比に対応している。したがって、マイクロ波信号コネクタ109は、所望のインピーダンス値、すなわち、50Ωに近い有効入力インピーダンスを提示した。誘電性材料からなる同軸シリンダ128内にある、コア導体131の突出部分132の長さは、およそ5.5mmだった。この長さは、マイクロ波エネルギー伝送効率におけるピークを提示している。上述の要素により形成される上述の容量結合構造体は、およそ1.9pFの静電容量を有していた。
さらに、実験的な実施において、電極120の主要部分122の直径は、3.0mmだった。電極120は、全長が、キャップ状部分124から先端部分123までおよそ80mmだった。この長さは、λPTFEよりも若干短いだけだが、最適な結果を提供した。電極120の長さが、実験的な実施において、重要であることが分かった。この長さからずれると、先端部分123におけるマイクロ波エネルギーと高周波エネルギーとの間の相互作用が実質的に減少して、プラズマの膨張が小さくなることが、観察された。絶縁部材119の長さは、およそ66mmだった。この長さが、最適であることが分かった。しかしながら、電極120が異なる外形の場合、異なる長さが最適な場合がある。
第1の点火装置100の高周波信号路は、高周波励起信号を、高周波信号コネクタ110から電極120へ、さらに詳細には、電極120の先端部分123へ伝送することを可能にする。この実施形態では、高周波信号路は、巻線支持部136上の巻線と、高周波信号コネクタ110から巻線135の入力端へ延びる導線137とを含む。この導線137は、上述の高周波信号コネクタ110において導電性ピン117と電気的に結合される。巻線135は、電極120のキャップ状部分124に電気的に結合される出力端138を有する。巻線135は、導電性材料、例えば、銅からなる電線から形成することができる。電線は、例えば、変圧器の巻線によくある絶縁ワニスで絶縁することができる。巻線支持部136は、例えば、PTFEプラスチック又は、比較的誘電率が低い誘電材料、例えば、セラミック材料から形成することができる。
巻線135、電極120及びハウジング101は、ともに高周波共振器を形成する。巻線135及び電極120は、高周波共振器の誘導部を構成する。一方では、巻線135及び電極120と、他方では、ハウジング101との間の容量結合は、高周波共振器の容量部分を構成する。高周波共振器は、例えば、1メガヘルツ(MHz)と10MHzとの間の範囲内に含まれ得る一次共振周波数を有する。さらに詳細には、一次共振周波数は、例えば、4GHzであってよい。高周波共振器は、例えば、2kΩと3.5kΩとの間の範囲内に含まれ得る一次共振周波数におけるインピーダンスを持ち得る。
さらに詳細には、巻線135は、実質的に一定の外径の主要部分139を有する。この外径は、例えば、15mmと20mmとの間の範囲内に含まれるものであってよく、17.5mmが、外径に適切な値である。同軸伝送線路127が巻線135の内側の空間を通る通路を収容することができるような外径を、図1に図示している。同軸伝送線路127の通路は、寄生容量による損失を生じる恐れがある。このような損失は、本質的に、一方では、巻線135と、他方では、同軸伝送線路127の導電性シールド134との間に、巻線支持部136を通って生じる容量結合によるものである。上述のようにPTFEプラスチックから巻線支持部136を形成することは、寄生容量による損失を減少させることに寄与する。この点で、巻線支持部136が、螺旋状の巻線135の溝なしに、均一な外側表面を有することもまた好ましい場合がある。
巻線135は、主要部分139から巻線135の出力端138へ延びるテーパー付き端部分140を有する。巻線135の出力端138において、巻線135の外径は、巻線135を囲む円筒管102の内径の0.2倍と0.5倍との間の範囲内に含まれる値へと小さくしてよい。例えば、その比は、出力端138において0.368へ小さくしてよい。巻線135のテーパー付き端部分140は、巻線135の出力端138に起こり得る内部のフラッシュオーバーを防止することに役立つ。
巻線135は、高周波共振器が、所望の一次共振周波数、例えば、4MHzを有する長さを具え得る。例えば、高周波共振器の容量部分は、例えば、およそ28ピコファラッド(pF)であり得る。上述のように、容量部分は、本質的に、一方では、巻線135及び電極120と、他方では、ハウジング101との間の容量結合により、確定される。所望の一次共振周波数がおよそ4MHzの場合、巻線135は、巻線135が、例えば、120マイクロヘンリー(μH)のインダクタンスを有するような長さを具え得る。
円筒管102には、圧縮ガス141が充填され得る。圧縮ガス141は、誘電媒質となり得る。圧縮ガス141は、例えば、圧縮空気又は圧縮窒素(N2)にすることができる。圧縮ガス141は、例えば、円筒管102内で20バールの圧力を提供し得る。巻線135に誘電コーティングがない場合、さらに高い圧力が、内部のフラッシュオーバーを防止するために必要とされる場合があり、又は例えば、六フッ化硫黄(SF6)等、さらに多くの誘電ガスも使用される場合がある。
円筒管102内の比較的高い圧力若しくは特定の圧縮ガス、又はその両方もまた、高電圧の高周波励起信号が伝送される場合内部のフラッシュオーバーを防止するために、必要とされることがある。高電圧の高周波励起信号は、典型的には、圧力が比較的高い燃焼室内に高周波放電を引き起こすために必要とされる。よって、一般に、円筒管内の圧力は、燃焼室の圧力と関連付けられる可能性がある。
図2は、点火装置の第2の実施形態200の概略を図示するものであり、便宜上、以後、第2の点火装置200として言及していく。図2は、第2の点火装置200の断面図を提供する。第2の点火装置200は、第1の点火装置の改造とみなし得る。この改造は、特定のタイプの燃焼機関により適するように行ってよい。例えば、タービンエンジンにおいて、点火装置は、およそ2000℃の燃焼温度に比較的長時間耐えることができることを必要とする場合がある。例えば、タービンエンジンにおいて、点火装置は、比較的短時間、タービンエンジンの始動運転中のみ機能可能であって、その後、点火装置は、数時間という間であり得るが、一旦タービンエンジンが動作中になると、燃焼ガスに連続して曝されたままである。
第1の点火装置100と同様に、第2の点火装置200は、円筒管202と、2つの端プラグ203、204、入力端プラグ203及び出力端プラグ204とを含むハウジング201を備える。円筒管202及び入力端プラグ203は、第1の点火装置100のものと同様であってよい。このような存在物は、よって、簡潔さのためこれ以上詳述することはしない。第2の点火装置200の出力端プラグ204は、第1の点火装置100のそれとは異なっている。相違は、構造並びに使用されている材料にある。この実施形態では、出力端プラグ204は、それにもかかわらず第1の点火装置100のものと同様のシェルボディ205を備える。シェルボディ205は、以後、出力プラグシェルボディ205として言及していく。しかしながら、出力端プラグ204の他の要素は、第1の点火装置100の出力端プラグ104のものとは異なっている。
出力端プラグ204は、出力プラグシェルボディ205の端部に取り付けられた絶縁部材206を備える。絶縁部材206は、出力プラグシェルボディ205の端部から外側へ突出している。絶縁部材206は、例えば、セラミック材料、好ましくは、比較的良好な高周波伝送能力と比較的良好な成形性とを有し、その一方、それ程高額ではないセラミック材料を含み得る。このようなセラミック材料の例には、例えば、石英及び上述のShapalが含まれる。
電極207が、絶縁部材206を同軸に横切っている。電極207は、主要部分208、先端部分209及びキャップ状部分210を有する。先端部分209は、絶縁部材206から突出している。先端部分209は、高周波表面放電と、この放電が分岐したストリーマ構造の形態で良好に放射されることとに関して重要となり得る長さを有する。先端部分209の長さは、例えば、少なくとも1mmであり得る。実用的な実施において、先端部分209の長さはおよそ2.5mmであって、この長さが、有利な結果を出すことを可能にした。
先端部分209は、例えば、プラチナ合金等、耐熱性のある導電性材料を含み得る。主要部分208及びキャップ状部分210は、別の、例えば、銅等の導電性材料を含み得る。先端部分209は、主要部分208に、例えば、圧接、レーザー溶接、電子ビーム溶接又は別の適切な溶接技術によって、溶接することができる。溶接を促進するために、先端部分209と、電極207の主要部分208とは、例えば、0.5mmと1.0mmとの間又はさらに詳細には、0.6mmと0.8mmとの間に含まれる範囲の比較的小さな直径を具えることができる。比較的小さな直径はまた、任意のマイクロ波信号損失を比較的少なくすることにも寄与し得る。
理想的には、絶縁部材206と電極207との間に、エアギャップを存在させるべきでない。エアギャップは、コロナを形成する原因となる恐れがあり、当該コロナは、性能を低下させる結果となりかねない。エアギャップを回避するために、例えば、誘電体グリース又は接着剤を、電極207と絶縁部材との間に塗布することができる。
絶縁部材206は、電極207を囲む(本質的に同一平面上にある)内面211を有する。内面211は、絶縁部材206の外面212より狭い。すなわち、絶縁部材206の内面211は、電極207と同一平面上にあり、比較的狭い。このことは、出力端プラグ204におけるいかなるマイクロ波信号損失も比較的少なくすることに寄与する。
この実施形態では、絶縁部材206は、図2に図示するように、断面が、外面212と内面211との間において内面211の方に向かってV字状である。すなわち、絶縁部材206は、断面ダブルミラー(double mirrored)V字状となっている。この形状は、高周波数の表面放電を回避することに寄与する。さらに、断面がコンパクトミラー型のV字状であることによって、電極207に到達するマイクロ波励起信号に適切なインピーダンスの適合を行うことができる。このことによって、次に、いかなるマイクロ波信号損失も比較的小さくなるように、比較的高い伝達効率を達成することができる。
図3は、絶縁部材206の実用的な実施300を図示し、有利な結果を達成することを可能にした形状値を示す。図3において、距離及び直径に関する形状値は、ミリメートルで示している。角度に関する形状値は、度で示している。
図3に図示した実用的な実施は、電極207と絶縁部材206との間にろう付け接合部301を備える。ろう付け接合部301は、上述の要素間におけるエアギャップを回避する。さらに、ろう付け接合部301によって、電極207の先端の先端部分209からの十分な排熱が可能となる。その上、ろう付け接合部301は、第2の点火装置200の内部間にシールを形成し、当該第2の点火装置の内部には、第1の点火装置100と関連して上述したように圧縮ガスが充填される場合がある。
図4、図5及び図6は、点火装置の前面部分の種々の実施形態を図示する。図4、図5及び図6は、それぞれ、点火装置の前面部分に関連した実施形態の簡略化した断面図を提供する。上述の第1及び第2の点火装置200と同様に、それぞれの実施形態は、電極207と、電極207が取り付けられる絶縁部材206とを備える。それぞれの実施形態の電極207及び絶縁部材206は、他の実施形態のものとは異なっている。それぞれの実施形態は、さらに、部分的に簡略化して表されたハウジング201を備える。簡略化目的で、図4、図5及び図6では、円筒管202と出力端プラグ204とを区別していない。
図4は、電極401が、絶縁部材403から突出する先端部分402を有する第1の実施形態400を図示する。先端部分402は、円錐部分と比較的狭い端部分とを有する。先端部分402のこの形状によって、信頼できる高周波放電を可能とするのに十分な電界濃度が保証される。このことは、高圧の燃焼室内に放電するときに、特に重要となり得る。絶縁部材403は、比較的短く、出力プラグシェルボディ内において、孔の比較的小さい部分のみを占める。
図5は、電極501が、絶縁部材504の前部503により保護された先端部分502を有する第2の実施形態500を図示する。すなわち、絶縁部材504の前部503は、電極501の先端部分502が、直接熱及び燃焼物質に曝されることを防止するバリアとなる。この実施形態でも、絶縁部材504は、比較的短く、出力プラグシェルボディの孔の比較的小さい部分のみを占める。
図6は、絶縁部材601が、比較的長く、本質的に電極602を封じ込めた第3の実施形態600の簡略化した断面図である。本実施形態は、燃焼室の圧力が比較的高い応用において用いることができる。上に説明したように、これには、図6では参照番号603で指し示した円筒管内において比較的高い圧力を必要とする場合がある。一般に、絶縁部材601が長い程、絶縁部材601は、高圧にさらに耐えることができると言える。この実施形態では、電極602は、絶縁部材601から突出した先がとがった先端部分604を有する。
図7は、点火装置の第3の実施形態700の概略を図示するものであり、便宜上、以後、第3の点火装置700として言及していく。図7は、第3の点火装置700の断面図を提供する。第1の点火装置100と比較すると、第3の点火装置700は、第3の点火装置700に印加されるマイクロ波励起信号を内部で伝送するための各種マイクロ波信号路を備える。
第1の点火装置100と同様に、第3の点火装置700は、円筒管702と、2つの端プラグ703、704、すなわち、入力端プラグ703及び出力端プラグ704とを含むハウジング701を備える。入力端プラグ703は、シェルボディ705を備え、当該シェルボディ705は、以後、入力プラグシェルボディ705として言及していく。出力端プラグ704はまた、シェルボディ706も備え、当該シェルボディ706は、以後、出力プラグシェルボディ706として言及していく。円筒管702は、第1の点火装置100の円筒管102に関連して上述したものと同様の材料を含みかつ寸法を有してよい。入力プラグシェルボディ705は、第3の点火装置700が燃焼機関内を好都合に占め得るように、第1の点火装置100と同様の外形を具えてよい。出力プラグシェルボディ706は、同じ目的で第1の点火装置100のものと同様の外形も具えてよい。
第1の点火装置100と同様に、第3の点火装置700は、マイクロ波信号コネクタ707と、高周波信号コネクタ708とを備える。しかしながら、これらのコネクタ707、708は、異なる配置がされる。第3の点火装置700において、マイクロ波信号コネクタ707は、ハウジング701の円筒管702に装着され、一方で、高周波信号コネクタ708は、入力端プラグ703に組み込まれる。マイクロ波信号コネクタ707は、出力端プラグ704に比較的近くに配置される。マイクロ波信号コネクタ707は、例えば、N型としてよい。マイクロ波信号コネクタ707は、上述の第1の点火装置100の高周波信号コネクタ708のものと同様の基本的構造を具えてよいが、それにも拘わらず、このような上述のコネクタは異なるタイプであってよい。高周波信号コネクタは、例えば、SMA型としてよい。高周波信号コネクタ708は、上述の第1の点火装置100の入力端プラグ703の高周波信号コネクタ708中のものと同様に入力端プラグ703に埋め込んでよい。
第1の点火装置100と同様に、出力プラグシェルボディ706は、絶縁部材709が、好ましくは隙間なく、取り付けられる中央孔を備える。絶縁部材709は、円筒管702内へ延びる。絶縁部材709は、円筒管702と円周方向において接触するフランジ状部710を備える。実際には、フランジ状部710は、円筒管702内に2つの内部室711、712を、すなわち、主要室711及び下流室712内に画定する。このような室711、712にはともに、圧縮ガスを、第1の点火装置100に関して上述したように、満たし得る。
第1の点火装置100と同様に、電極713が、絶縁部材709の中央孔に取り付けられる。電極713は、例えば、全長3λIM/2としてよく、λIMは、絶縁部材におけるマイクロ波励起信号の波長である。第1の点火装置100におけるのと同様に、電極713、絶縁部材709及び出力プラグシェルボディ706は、ともにマイクロ波共振構造体を構成する。このマイクロ波共振構造体も、例えば、1GHzと10GHzとの間の範囲に含まれる一次共振周波数を有することができる。
電極713は、主要部分714、先端部分715及びキャップ状部分716を有する。主要部分714及び先端部分715は、絶縁部材709に埋め込まれている。先端部分715は、例えば、直径を3mmから0.8mmに先細に小さくしたねじ山角度が60°の錐体等、鋭い端部を具え得る。このような鋭い端部によって、低い印加電圧で、放電がうまく分岐することができる。さらに、鋭い端部が、マイクロ波信号の伝送に著しい悪影響を及ぼさなかったことが、分かった。キャップ状部分716は、絶縁部材709のフランジ状部710から内側へ円筒管702の主要室711内へ突出している。キャップ状部分716は、第1の点火装置100における電極713のものと同様の形状を具えてよい。一般に、第3の点火装置700における電極713は、上述の第1の点火装置100内の電極713のものと同様の材料を含んでよい。
第3の点火装置700内のマイクロ波信号路によって、マイクロ波励起信号を、マイクロ波信号コネクタ707から電極713へ、それにより、上述のマイクロ波共振構造体へ伝送することができる。この実施形態では、マイクロ波信号路は、導電性ピン717と、下流室712において絶縁部材709の一部分を囲む導電性リング718とを含む。第3の点火装置700内において、導電性ピン717は、マイクロ波信号コネクタ707から導電性リング718へ延びており、マイクロ波信号路の誘導部を構成する。絶縁部材709の一部分を、よって、電極713の主要部分714の一部分を囲む、導電性リング718は、マイクロ波信号路の容量性部分を構成する。
誘導部と、マイクロ波信号路の容量結合構造体とによって、マイクロ波エネルギーの、マイクロ波共振構造体への効率的な伝送が可能となる。すなわち、マイクロ波信号路は、マイクロ波信号コネクタ707に印加されるマイクロ波励起信号を、比較的少ない損失でマイクロ波共振構造体へ伝送することができる。この実施形態では、マイクロ波エネルギーは、導電性ピン717が導電性リング718に結合されたポイントから、導電性リング718と、導電性リング718により囲まれた絶縁部材709の部分とを通って、電極713の主要部分714へ、よって、マイクロ波共振構造体へと容量結合される。
実用的な実施において、導電性ピン717は、およそ15mmの長さを有し、この長さが、この実施において最適な性能を提供することが分かった。概して、マイクロ波エネルギーの、マイクロ波信号コネクタ707からマイクロ波共振構造体への伝送効率が、導電性ピン717の長さに依存することが、分かった。さらに、効率が最適となる長さはまた、第3の点火装置700の性能が、マイクロ波信号源とマイクロ波信号コネクタ707との間のケーブル長さに実質的に依存しない長さでもあることも分かった。よって、第3の点火装置700の各種実用的な実施、導電性ピン717の最適な長さが、分かり、それは、15mmとは異なる可能性がある。
上述の実用的な実施において、電極713は、およそ3mmの直径を有し、その一方で、導電性リング718は、2.8倍大きい内径を有していた。この2.8という比が、最適なマイクロ波信号伝達効率を提供した。導電性リング718は、およそ5mmの軸方向長さを有しており、この長さが、最適であることが分かった。しかしながら、マイクロ波信号伝達効率は、導電性リング718の軸方向長さに比較的影響されにくく、それは、例えば、1mmと30mmとの間の範囲内に含まれる長さであり得ることが分かった。導電性リング718は、およそ11mmの外径を有している。導電性リング718を囲む円筒管702は、およそ1.9倍大きい内径だった。この1.9という比が、最適な結果を提供した。しかしながら、十分な結果を異なる比で得ることができる。性能が、円筒管702の内径と導電性リング718の外径との間の比に比較的影響されにくいことが分かった。
第3の点火装置700の高周波信号路は、高周波励起信号を、高周波信号コネクタ708から電極713へ、さらに詳細には、電極713の先端部分715へ伝送することを可能にする。第1の点火装置100と同様に、高周波信号路は、巻線719を巻線支持部720上に含む。この実施形態では、巻線719は、本質的に、入力端プラグ703内に埋め込まれた高周波信号コネクタ708から、電極713のキャップ状部分716へ延びる。巻線719及び巻線支持部720は、上述の第1の点火装置100のものと同様であってよい。
図8は、点火装置802が取り付けられた燃焼機関801を備える原動機製品800を概略図示する。点火装置は、燃焼機関の燃焼室803内において点火を発生させ得る。図8は、原動機製品800のブロック図を提供する。点火装置802は、上述の実施形態の任意の1つ又はその代替物であり得る。原動機製品800は、マイクロ波励起信号及び高周波励起信号をそれぞれ点火装置802に印加するように適合されたマイクロ波信号源804及び高周波信号源805を備える。国際公開第2016/012448号におけるこのような信号を生成し点火装置に印加することに関する説明は、図8に図示した原動機製品800に等しく当てはまり得る。
[留意事項]
図面を参照して上述した実施形態は、図示目的で提示している。本発明は、多数の異なる方法で実施可能である。これを図示するために、いくつかの代替物を簡単に示す。
図面を参照して上述した実施形態は、図示目的で提示している。本発明は、多数の異なる方法で実施可能である。これを図示するために、いくつかの代替物を簡単に示す。
本発明は、燃焼室内において点火を発生させることに関連する多数のタイプの製品又は方法において適用可能である。例えば、本発明は、任意のタイプのポジティブ点火されるエンジンに適用してよい。このようなエンジンは、例えば、レース用エンジン、自動車、オートバイ、トラック等用の自動車エンジン、鉄道輸送用の大型輸送エンジン、例えば、電力生成に使用される定置機関又は連続燃焼機関、特に航空機用若しくは他の用途のためのガス及び液体燃料タービンであってよい。
一般に、本発明を実施する多数の各種方法があり、これにより、異なる実施では、トポロジーが異なり得る。所定のいかなるトポロジーでも、単一の存在物が、いくつかの機能を実施可能であり、又はいくつかの存在物が、ともに単一の機能を実施し得る。この点で、図面は、非常に図式的である。
ビデオエンコーダを本発明に従って作動可能にするインストラクションのセット、すなわち、ソフトウェアを格納し配布する多数の方法がある。例えば、ソフトウェアを、例えば、記憶回路、磁気ディスク又は光ディスク等、デバイスによる読み取りが可能な適切な媒体内に格納し得る。ソフトウェアが格納される、デバイスによる読み取りが可能な媒体を、そのソフトウェアを実行可能な個別の製品として又は別の製品とともに供給し得る。このような媒体はまた、ソフトウェアを実行可能にする製品の一部分であり得る。ソフトウェアはまた、通信ネットワークを介して配布され得、当該通信ネットワークは、有線、無線又はハイブリッドであり得る。例えば、ソフトウェアは、インターネットを介して配布され得る。ソフトウェアは、サーバーによるダウンロードに利用可能な状態であり得る。ダウンロードに、支払いを要する場合がある。
上に述べてきたことは、図面を参照して説明してきた実施形態が、本発明を、限定するというよりは説明していることを明らかにしている。本発明は、添付の特許請求の範囲内の多数の代替方法で実施可能である。特許請求の範囲の均等物の意味及び範囲内のすべての変更は、その範囲内に含まれることとなる。請求項のいかなる参照符号も、その請求項を限定するものと解釈すべきではない。請求項の中の「備える(comprise)」という動詞は、その請求項に挙げられた要素又はステップ以外の他のものの存在を除外しない。同じことが、「含む(include)」及び「含有する(contain)」等の同様の動詞に当てはまる。製品に関する請求項の中の単数形の要素への言及は、その製品が複数のこのような要素を備え得ることを除外しない。同様に、方法に関する請求項の中の単数形のステップへの言及は、その方法が複数のこのようなステップを含み得ることを除外しない。各従属請求項が追加のそれぞれの特徴を定義するという単なる事実は、請求項において反映された特徴以外の追加の特徴の組み合わせを除外しない。
Claims (15)
- 燃焼機関(801)の燃焼室(803)内において点火を発生させるように適合された点火装置(100)であって、当該点火装置は、
前記点火装置が前記燃焼機関に取り付けられると前記燃焼室に露出されるように適合された先端部分(123)を有する電極(120)であって、当該電極は、マイクロ波励起信号が前記電極に印加されると、マイクロ波場を前記燃焼室内に放射するように適合されたマイクロ波共振構造体(106、119、120)の一部を形成する電極(120)と、
前記電極に電気的に結合された巻線(135)であって、それにより、前記巻線及び前記電極は、高周波励起信号が前記巻線に印加されると、高周波場を前記燃焼室内に放射するように適合された高周波共振器(101、120、135)の一部を形成し、前記高周波共振器は、1MHzと10MHzとの間の範囲内に含まれる一次共振周波数を有する、巻線(135)と、
前記マイクロ波励起信号を、前記点火装置において信号入力コネクタ(109)から前記電極へ伝送するように適合されたマイクロ波信号路(127、128)であって、誘導部(132)と、前記誘導部から前記電極へ容量結合を提供するように適合された容量結合構造体(124、128、132)とを備える、マイクロ波信号路(127、128)と、
を備える点火装置(100)。 - 前記容量結合構造体(124、128、132)は、空洞(129)を有する導電体(124)を備え、当該導電体は、前記電極(120)に伝導的に結合され、前記マイクロ波信号路(127、128)の前記誘導部(132)は、前記空洞に延びる導電性の先端を備える、請求項1に記載の点火装置。
- 前記マイクロ波信号路(127、128)は、前記信号入力コネクタ(109)と、前記空洞(129)内へ延びる前記導電性の先端との間において結合される同軸伝送線路(127)を備える、請求項2に記載の点火装置。
- 誘電性材料からなるボディ(128)は、前記空洞(129)に少なくとも部分的に配置され、前記導電性の先端は、誘電性材料からなるボディに延びる、請求項2及び3のいずれかに記載の点火装置。
- 誘電性材料からなるボディ(128)は、前記同軸伝送線路(127)において絶縁体(133)の導通を、以下の構成の少なくとも1つ、すなわち、前記誘電性材料からなるボディが前記絶縁体と前記同軸伝送線路において誘電接触する構成と、前記同軸伝送線路における前記誘電材料からなるボディと前記絶縁体との間のギャップが誘電性材料で充填される構成の少なくとも1つによって、形成する、請求項3及び4のいずれかに記載の点火装置。
- 前記誘電性材料からなるボディ(128)は、前記同軸伝送線路(127)において前記絶縁体の内径及び外径とそれぞれ適合する内径及び外径を有する、請求項5に記載の点火装置。
- 誘電性材料からなるボディ(128)は、以下の材料、セラミック材料及びプラスチック材料の少なくとも1つを含む、請求項5及び6のいずれかに記載の点火装置。
- 前記巻線(135)は、中空で誘電性材料からなる管状支持部(136)上に配置され、前記同軸伝送線路(127)は、前記中空の管状支持部に少なくとも部分的に配置される、請求項3から7のいずれかに記載の点火装置。
- 前記巻線(135)は、前記電極(120)の近傍にテーパー付き端部分(140)を有する、請求項1から8のいずれかに記載の点火装置。
- 前記点火装置は、前記点火装置が前記燃焼機関(801)に取り付けられると、前記電極(120)の前記先端部分(123)がそこを通じて前記燃焼室(803)内へ延びる前記電気絶縁ボディ(119)を備える、請求項1から9いずれかに記載の点火装置。
- 前記電気絶縁ボディ(119)は、前記電極(120)を囲む内面を有し、当該内面は、前記電気絶縁ボディの外面より狭い、請求項10に記載の点火装置。
- 前記電気絶縁ボディ(119)は、セラミック材料を含む、請求項10及び11のいずれかに記載の点火装置。
- 前記電極(120)の先端部分(123)は、耐熱性のある導電性材料を含む、請求項1から12のいずれかに記載の点火装置。
- 前記電極(120)は、0.5mmと5.0mmとの間に含まれる直径を有する、請求項1から13のいずれかに記載の点火装置。
- 請求項1から14のいずれかに記載の点火装置(100)が取り付けられた燃焼機関(801)を備える、原動機製品(800)。
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